JP7160267B2 - ヒドロゲル、及び、キット - Google Patents
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また、非特許文献1には、ビスホスホネートで変性したヒアルロン酸とリン酸カルシウムとを用いた骨形成用材料が記載されている。
そこで、本発明は、骨欠損部位に経皮的に直接送達でき、優れた力学強度を有する人工骨を形成可能な材料を提供することを課題とする。また、本発明は、キットを提供することも課題とする。
ホスホン酸基を有する基、及び、その金属塩からなる群より選択される少なくとも1種の特定置換基を有する変性セルロースナノファイバと、
カルシウム塩と、
水を含有する溶媒と、を含有し、
前記変性セルロースナノファイバの平均繊維径が3~50nmであり、
前記ホスホン酸基を有する基が、後述する式(1)で表される基である、骨形成用ヒドロゲル。
[2] 前記カルシウム塩が、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、及び、塩化カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である[1]に記載の骨形成用ヒドロゲル。
[3] 式(1)中において、R1がヒドロキシ基である、[1]又は[2]に記載の骨形成用ヒドロゲル。
[4] 式(1)中において、前記2価の連結基が、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-NR-(Rは水素原子又は1価の有機基を表す)、及び炭素数1~10個のアルキレン基からなる群から選択される少なくとも1つであり、前記1価の有機基は、ヘテロ原子を有してもよい炭素数1~10個のアルキル基である、[1]~[3]のいずれかに記載の骨形成用ヒドロゲル。
[5] 前記ホスホン酸基を有する基が、後述する式(2)で表される基である、[1]又は[2]に記載の骨形成用ヒドロゲル。
[6] 式(2)中において、前記2価の連結基が、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1~10個のアルキレン基である、[5]に記載の骨形成用ヒドロゲル。
[7] 前記ホスホン酸基を有する基が、後述する式(3)で表される基である、[5]に記載の骨形成用ヒドロゲル。
[8] 式(3)において、mは3を表す、[7]に記載の骨形成用ヒドロゲル。
[9] 前記変性セルロースナノファイバが、後述する式(C)で表される繰り返し単位を有する、[1]~[8]のいずれかにに記載の骨形成用ヒドロゲル。
[10] 前記骨形成用ヒドロゲル中における、前記溶媒の体積基準の含有量に対する、前記変性セルロースナノファイバの質量基準の含有量の含有量比が、2.0~8.0%である、[1]~[9]のいずれかにに記載の骨形成用ヒドロゲル。
[11] 前記カルシウム塩が硫酸カルシウムを含有し、
前記骨形成用ヒドロゲル中における、前記溶媒の体積基準の含有量に対する、前記硫酸カルシウムの質量基準の含有量の含有量比が、0.1~12%である、[1]~[10]のいずれかにに記載の骨形成用ヒドロゲル。
[12] 前記カルシウム塩がリン酸カルシウムを含有し、
前記リン酸カルシウムが、α-リン酸三カルシウム、及び、β-リン酸三カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である、[1]~[10]のいずれかに記載の骨形成用ヒドロゲル。
[13] 前記カルシウム塩がβ-リン酸三カルシウムを含有し、
前記骨形成用ヒドロゲル中における、前記溶媒の体積基準の含有量に対する、前記β-リン酸三カルシウムの質量基準の含有量の含有量比が、5~60%である、[12]に記載の骨形成用ヒドロゲル。
[14] 骨形成のためのキットであって、
ホスホン酸基を有する基、又は、その金属塩からなる群より選択される少なくとも1種の特定置換基を有する変性セルロースナノファイバと、水と、を含有する第1剤と、カルシウム塩を含有する第2剤と、を含み、
前記変性セルロースナノファイバの平均繊維径が3~50nmであり、
前記ホスホン酸基を有する基が、後述する式(1)で表される基である、骨形成のためのキット。
[15] 前記第2剤が更に水を含有する、[14]に記載の骨形成のためのキット。
[16] 更に、経皮送達デバイスを含む、[14]又は[15]に記載の骨形成のためのキット。
[17] 前記変性セルロースナノファイバが、前記式(C)で表される繰り返し単位に加えて、更に、後述する式(A)及び(B)の繰り返し単位を含み、
前記変性セルロースナノファイバの全繰り返し単位数を100モル%としたとき、
式(A)で表される繰り返し単位の含有量が、40~90モル%であり、
式(B)で表される繰り返し単位の含有量が、5~55モル%であり、
式(C)で表される繰り返し単位の含有量が、5~55モル%である、[9]に記載の骨形成用ヒドロゲル。
なお、以下の説明では、特定置換基を有する変性セルロースナノファイバを「pCNF」(CNFはCellulose Nanofiberの略である)ということがある。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの双方、又は、いずれかを表し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表す。また、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル及びメタクリロイルの双方、又は、いずれかを表す。
本発明の実施形態に係るヒドロゲルは、ホスホン酸基を有する基、及び、その金属塩からなる群より選択される少なくとも1種の置換基(本明細書において「特定置換基」という。)を有する変性セルロースナノファイバと、カルシウム塩と、水を含有する溶媒と、を含有するヒドロゲルである。
上記ヒドロゲルにより本発明の効果が得られる機序は必ずしも明らかではないが、本発明者らは以下のとおり推測している。
なお、本発明は、以下の機序により効果が得られるものに制限されない。言い換えれば、以下の機序以外の機序により効果が得られる場合であっても本発明の範囲に含まれるものとする。
しかし、これらの材料は、骨欠損部位に経皮的に直接送達できず(インジェクタブル)ではなく、骨欠損部位に導入しようとした場合には、大きく切開しなければならない等、侵襲性が高いという問題があった。
一方で、リン酸カルシウムの一種であるα-TCPは、インジェクタブルである一方、骨欠損部位に配置した後の分解速度が速すぎて、骨再生が完了する前に吸収されてしまう、すなわち、所望の骨形成が行われないという問題があった。
また、本発明の実施形態に係るヒドロゲルはチキソトロピー性を有し、剪断力下で粘度が低下するので、ダブルバレルシリンジを用いずともシングルシリンジでインジェクションすることができる。
また、本発明の実施形態に係るヒドロゲルは、疑似体液中でアパタイトを形成することができ、骨に対する優れた接着性も有する。
また、本発明の実施形態に係るヒドロゲルは、変性セルロースナノファイバが生分解性であるので、得られる人工骨も生分解性である。
また、本発明の実施形態に係るヒドロゲルは、優れた細胞接着性を有し、優れた生体適合性を有し、優れた生体親和性を有する。
なお、本明細書において、ヒドロゲルとは、水を含有する溶媒中で高分子鎖が物理的、及び/又は、化学的に架橋されることによって三次元網目構造を形成したものを意味する。上記架橋は可逆的であっても、不可逆的であってもよいが、可逆的であることが好ましい。
本発明の実施形態に係るヒドロゲルは、特定置換基を有する変性セルロースナノファイバを含有する。
ヒドロゲル中における変性セルロースナノファイバの濃度としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有するヒドロゲルが得られる点で、ヒドロゲルの全質量に対して、0.5~20%が好ましく、2.0~8.0%がより好ましい。
ヒドロゲルは、変性セルロースナノファイバの1種を単独で含有してもよく、2種以上を併せて含有してもよい。ヒドロゲルが2種以上の変性セルロースナノファイバを含有する場合は、変性セルロースナノファイバの濃度としては上記範囲内であることが好ましい。
すなわち、変性セルロースナノファイバの質量基準の含有量(g)/溶媒の体積基準の含有量(mL)×100(%)で表される数値を意味する。
原料セルロースとしては、例えば、針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ、綿系パルプ等の植物、動物等から得られたセルロース、これらを用いた紙、古紙等を用いることができる。
変性セルロースナノファイバとしては、平均繊維径が3nm以上、500nm未満であればよいが、より優れた本発明の効果を有するヒドロゲルが得られる点で、3~100nmが好ましく、3~50nmがより好ましい。
特定置換基のうち、ホスホン酸基を有する基としては特に制限されないが、例えば、以下の式で表される基が挙げられる。
3価以上の連結基としては、特に制限されないが、例えば、以下の式(1a)~(1d)で表される基が挙げられる。
L3としては、3価の炭化水素基(炭素数1~10が好ましい。なお、炭化水素基は、芳香族炭化水素基でもよく脂肪族炭化水素基でもよい。)、又は、3価の複素環基(5員環~7員環の複素環基が好ましい)が挙げられ、炭化水素基にはヘテロ原子(例えば、-O-)が含まれていてもよい。L3の具体例としては、グリセリン残基、トリメチロールプロパン残基、フロログルシノール残基、及びシクロヘキサントリオール残基等が挙げられる。
なお、L4の好適形態としては、4価の炭化水素基(炭素数1~10が好ましい。なお、炭化水素基は、芳香族炭化水素基でもよく脂肪族炭化水素基でもよい。)、4価の複素環基(5~7員環の複素環基が好ましい)が挙げられ、炭化水素基にはヘテロ原子(例えば、-O-)が含まれていてもよい。L4の具体例としては、ペンタエリスリトール残基、及びジトリメチロールプロパン残基等が挙げられる。
なお、L5の好適形態としては、5価の炭化水素基(炭素数2~10が好ましい。なお、炭化水素基は、芳香族炭化水素基でもよく脂肪族炭化水素基でもよい。)、又は、5価の複素環基(5~7員環の複素環基が好ましい)が挙げられ、炭化水素基にはヘテロ原子(例えば、-O-)が含まれていてもよい。L5の具体例としては、アラビニトール残基、フロログルシドール残基、及びシクロヘキサンペンタオール残基等が挙げられる。
なお、L6の好適形態としては、6価の炭化水素基(炭素数2~10が好ましい。なお、炭化水素基は、芳香族炭化水素基でもよく脂肪族炭化水素基でもよい。)、又は、6価の複素環基(6~7員環の複素環基が好ましい)が挙げられ、炭化水素基にはヘテロ原子(例えば、-O-)が含まれていてもよい。L6の具体例としては、マンニトール残基、ソルビトール残基、ジペンタエリスリトール残基、ヘキサヒドロキシベンゼン、及び、ヘキサヒドロキシシクロヘキサン残基等が挙げられる。
ホスホン酸基を有する基としては、より優れた本発明の効果を有するヒドロゲルが得られる点で、以下の式(1)で表される基が好ましい。
また、R2の1価の有機基としては特に制限されないが、例えば、式(1)のけるRの1価の有機基として説明した形態が挙げられる。
なかでも、より優れた本発明の効果を有するヒドロゲルが得られる点で、R2としては、炭素数1~10個のアルキル基、又は、水素原子が好ましく、炭素数1~5個のアルキル基、又は、水素原子がより好ましく、水素原子が更に好ましい。
上記のような特定置換基(ビスホスホン酸基、又は、その金属塩)を有する変性セルロースナノファイバを含有するヒドロゲルは、骨欠損部位に注入されると、経時的に上記特定置換基を解離させて放出する。後述する実施例で述べるとおり、このようなヒドロゲルは破骨細胞の活性を抑制する作用を有する。
変性セルロースナノファイバを構成する変性セルロースナノファイバの構造としては、特定置換基を有していれば特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有するヒドロゲルが得られる点で、以下の式(C)で表される繰り返し単位を有していることが好ましい。以下、上記の繰り返し単位を有する変性セルロースを含むセルロースナノファイバを「特定変性セルロースナノファイバ」ともいう。
特定変性セルロースナノファイバの製造方法としては特に制限されず、公知の方法が使用できる。
なかでも、より容易に特定変性セルロースナノファイバが得られる点で、以下の工程を有する特定変性セルロースナノファイバの製造方法が好ましい。
・セルロース骨格にアルデヒド基を導入する工程1
・アルデヒド基にホスホン酸基を有する基を有する化合物を反応させる工程2
特定化合物としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有するヒドロゲルが得られる点で、ホスホン酸基を2個以上有することが好ましい。ホスホン酸基の数の上限としては特に制限されないが10個以下が好ましく、5個以下がより好ましく、3個以下が更に好ましい。
なかでも、取り扱いが容易で、かつ、反応性が高い点で、ピコリンボラン(2-ピコリンボラン)を用いることが好ましい。
なかでも、窒素原子を含有する、パミドロン酸、アレンドロン酸、ネリドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸、ゾレドロン酸、インカドロン酸、及び、olpadronic acid等が好ましく、なかでも、第1級又は第2級アミノ基を有するパミドロン酸、アレンドロン酸、ネリドロン酸、又は、インカドロン酸がより好ましく、第1級アミノ基を有するパミドロン酸、アロンドロン酸、又は、ネリドロン酸が更に好ましい。
反応温度としては特に制限されないが、一般に、40~60℃が好ましい。また、反応時間としては特に制限されないが、一般に、2~6時間が好ましい。
また、反応は撹拌しながら行うことが好ましい。
得られたアルデヒド化セルロースを含有する溶液から、アルデヒド化セルロースを精製してもよい。
精製の方法としては特に制限されないが、例えば、減圧濾過によって未反応物を含有する分散溶媒を除去し、得られた固形分を超純水で洗浄する操作を数回繰り返して、その後に凍結乾燥すると、アルデヒド化セルロースの乾燥粉末を得る方法が挙げられる。
この場合、使用する特定化合物の量としては特に制限されないが、アルデヒド基量を100モル%とした場合、特定化合物を50~1000モル%、好ましくは100~400モル%添加することが好ましい。
反応温度としては特に制限されないが、10~30℃が好ましく、室温程度がより好ましい。反応時間としては特に制限されないが、1時間程度でよい。
反応は攪拌しながら行うことが好ましい。
反応温度としては特に制限されないが、10~30℃が好ましく、室温程度がより好ましい。
反応時間としては特に制限されないが、一般に、16~24時間が好ましい。
なお、反応は攪拌しながら行うことが好ましい。
変性セルロースナノファイバを超音波処理する方法としては特に制限されず、公知の方法が使用できる。例えば、公知の超音波ホモジナイザを使用する方法が挙げられる。
超音波ホモジナイザで処理する時間としては特に制限されないが、一般に10~30分程度が好ましい。変性セルロースナノファイバを超音波処理する工程を有する製造方法によって製造された変性セルロースナノファイバを含有するヒドロゲルは、驚くべきことに、より優れた力学強度を有する。
特定変性セルロースナノファイバとしては、以下の(A)~(C)の繰り返し単位を有する変性セルロースナノファイバが好ましい。
式(B)で表される繰り返し単位の含有量としては特に制限されないが、一般に、4~65モル%が好ましく、5~55モル%がより好ましい。
式(C)で表される繰り返し単位の含有量としては特に制限されないが、一般に、1~65モル%が好ましく、5~55モル%がより好ましい。
本発明の実施形態に係るヒドロゲルは、カルシウム塩を含有する。
ヒドロゲル中におけるカルシウム塩の濃度としては特に制限されないが、一般に、0.01~90%が好ましく、0.05~70%がより好ましい。
ヒドロゲルは、カルシウム塩の1種を単独で含有してもよく、2種以上を併せて含有してもよい。組成物が2種以上のカルシウム塩を含有する場合には、その濃度の合計が上記範囲内であることが好ましい。
すなわち、カルシウム塩の質量基準の含有量(g)/溶媒の体積基準の含有量(mL)×100(%)で表される数値を意味する。
無機カルシウム塩としては、例えば、炭酸カルシウム、苦灰石(ドロマイト)、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、及び、酢酸カルシウム等が挙げられる。
また、リン酸三カルシウムとしては、α-リン酸三カルシウム(α-TCP)、及び、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)等が挙げられる。
リン酸カルシウムとしては、リン酸三カルシウム、及び、水酸アパタイトからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
本発明の実施形態に係るヒドロゲルは、水を含有する溶媒を含有する。
溶媒としては、水を含有していればよく、他の溶媒を含有していてもよい。他の溶媒としては特に制限されないが、水と混和する溶媒が好ましく、アルコール(例えばエタノール等)が挙げられる。
ヒドロゲルの固形分としては特に制限されないが、一般に、1質量%~99質量%が好ましい。
本発明の実施形態に係るヒドロゲルは、本発明の効果を奏する範囲内において、上記の以外の成分を含有していてもよい。上記以外の成分としては、例えば、
各種薬剤、及び、タンパク質等が挙げられる。
本発明の実施形態に係るヒドロゲルは、インジェクタブルであり、例えば、骨欠損部位に直接送達して使用されるため、骨欠損部位に直接上記薬剤及びタンパク質等を併せて送達できる。すなわち、本発明の実施形態に係るヒドロゲルは、上記薬剤、及び、タンパク質等の局所デリバリー担体、及び/又は、徐放性デリバリー担体として使用してもよい。
また、本発明のヒドロゲルとしては、上記以外の薬学的に許容される添加剤を添加することができ、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、及び、イプシロン-アミノカプロン酸等の緩衝化剤;塩化ナトリウム、塩化カリウム、及び、濃グリセリン等の等張化剤;ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ステアリン酸ポリオキシル40、及び、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤;等が挙げられる。
本発明の実施形態に係るヒドロゲルは、医療用インジェクタブル人工骨として好適に使用される。例えば、骨粗しょう症治療や骨欠損部位への補填材に用いることができる。
本発明の実施形態に係るキットは、ホスホン酸基を有する基、又は、その金属塩からなる群より選択される少なくとも1種の特定置換基を有する変性セルロースナノファイバと、水と、を含有する第1剤と、カルシウム塩を含有する第2剤と、を含むキットである。
第1剤、及び、第2剤は、容器に収容されていてもよい。すなわち、上記キットは容器と、上記容器に収容された第1剤と、上記とは別の容器と、上記別の容器に収容された第2剤と、を含むキットであってもよい。
そのような経皮送達デバイスは、米国特許第6,241,734号、同第6,048,346号、同第6,641,587号、同第6,719,761号、及び、同第6,645,213号等に記載されており、上記基材は本明細書に組み込まれる。
非特許文献1を参考にして、表1に示した方法により特定置換基を有する変性セルロースを合成した。このうち、合成例2~4、及び、合成例6~10についてはpCNFが得られた。
まず、1gのろ紙粉末(ADVANTEC、メッシュ:40-100、繊維長:150-400μm)を撹拌子で撹拌しながら100mLの超純水に分散させて分散物を得た。得られた分散物に、過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)をセルロース中のグルコース単位のモル数に対して0.5~2当量の割合で、それぞれ添加した。NaIO4添加後の分散物を、遮光しながら、オイルバス(50℃)中で4時間撹拌することによって、グルコース単位中の3位と4位の間で開環させ、アルデヒド化セルロースを含有する反応物を調製した。
具体的には、まず、上記アルデヒド化セルロースの乾燥粉末の1gを200mLの炭酸水素ナトリウム水溶液(0.2M、pH=8)に分散させ分散液を得た。
次に、上記分散液に対して、アレンドロン酸(東京化成工業社製)を加えた。アレンドロン酸の添加量については表1に示したとおりである。なお、表1中の「アレンドロン酸」の欄に記載した数値は、アルデヒド基1モルに対して、添加したアレンドロン酸のモル量(表中には「当量」と記載した。)を表している。
次に、2-ピコリンボランを添加した分散液を、室温で16~24時間、攪拌しながら反応させ、反応生成物を含有する溶液を得た。得られた溶液から、4000rpm、30分の遠心分離によって反応生成物を回収した。次に、回収した反応生成物を炭酸水素ナトリウム水溶液とエタノールとの等量混合溶媒によって洗浄した。この操作を3回行うことで、反応生成物中の未反応物を除去した。次に、反応生成物をPBS(リン酸緩衝生理食塩水)でさらに1回洗浄した後に、超音波ホモジナイザ(150W、40kHz、60%パワー、BRANSON)によって10~30分間ホモジナイズし、pCNFを得た。
表1から分かるように、グルコース単位に対する過ヨウ素酸ナトリウムの仕込み量を0.5~2当量まで変化させることで、開環するグルコース単位およびそれによって生成するアルデヒド基の量を制御することができる。
図1には、pCNF、及び、アレンドロン酸の1H核磁気共鳴スペクトル(1H NMR)を示した。図1によると、pCNFにおいて、2ppm、及び、3ppm付近にアレンドロン酸のメチレン基に由来するピークが観察された(図1中にa及びbにより示した。)。これによりアルデヒド化セルロースにアレンドロン酸が導入されたことが確認された(図1)。
図3には、pCNFの走査型電子顕微鏡観察により取得した画像を示した。図3によれば、pCNFは繊維の直径(短径)が数nm~100nmであり、アスペクト比(繊維長/繊維径)については、約10~500であった。
図4には、pCNFのエネルギー分散X線分光法(EDX)の測定結果を示した。図4によれば、pCNFはリンを含有し、アレンドロン酸が導入されていることを確認した。
図5には、粘弾性測定装置(Rheoplus、アントンパール社)を用いて、濃度6%(pCNFの含有量(g)/分散溶媒の含有量(mL)×100)のpCNFの分散液(分散溶媒はPBS、pH=7)のせん断速度に対するせん断応力、及び、粘度の変化を測定した結果を示した。上記測定においては、直径10mmの円盤状の治具でpCNFを固定し、測定を行ったところ、せん断速度の増加に伴い、せん断応力が増加し、その後一定になった。また、粘度に関しては、低下した。
なお、チキソトロピー性とは、せん断に対して粘度が低下し、負荷を止めると再び粘度が回復する性質のことであり、シリンジ等を用いたインジェクタブル材料に非常に適した性質である。
次に、作成したpCNFとカルシウム塩とを混合して、ヒドロゲルを作成した。
図6には、pCNFとカルシウム塩とを含有するヒドロゲルの電子顕微鏡写真を示した。図6によれば、ヒドロゲルは多数のpCNFからなる数十ナノメートルのポアを有する構造であることが明らかとなった。
図7には、粘弾性測定装置を用いて、周波数に対するヒドロゲルのせん断弾性率の変化を測定した結果を示した。
また、図8には、粘弾性測定装置を用いて、ひずみに対するヒドロゲルのせん断弾性率の変化を測定した結果を示した。
なお、評価に用いたヒドロゲルは、濃度6%(pCNFの含有量(g)/分散液の含有量(mL)×100)のpCNFの分散液(分散溶媒はPBS、pH=7)100μLを粘弾性測定装置のステージにのせ、直径10mmの治具で挟み込んだ後、100mMの塩化カルシウム水溶液を、周囲に2mL添加し、その場でゲル化反応を行って得たものである。
ゲル化反応開始から1時間後に、周波数変化、及び、ひずみ変化に対するせん断弾性率の変化を測定したところ、周波数変化に対しては、せん断弾性率は一定であり(図7)、ひずみの変化が0.1%から10%の範囲においては線形の粘弾特性を示すことが分かった(図8)。
pCNFは、その製造工程において、ホスホン酸基の電荷反発によって、微細化されるものと推測される。
更に、pCNFの製造工程中、pCNFを含有する分散液に超音波照射、及び/又は、ミキサー等撹拌の機械刺激を加えることによって、pCNFを更に微細化できるものと推測される。
図9には、超音波照射(60%power、30分間)を行う前後での、濃度5%(pCNFの含有量(g)/分散溶媒の含有量(mL)×100)のpCNFの分散液(PBS、pH=7)を100mMカルシウム水溶液を用いてゲル化させたヒドロゲルのせん断弾性率測定結果の比較を示した。
図9によれば、超音波照射によって、せん断弾性率が約1.5倍になることが分かった。これは、pCNFが更に微細化(ナノ化)することによってヒドロゲルゲル内により均一に分散したためと考えられる。
濃度0.8~6.5%(pCNFの含有量(g)/溶媒の含有量(mL)×100)のpCNFの分散液(PBS、pH=7)100μLを粘弾性測定装置のステージにのせ、直径10mmの治具で挟み込んだ。
100mMの塩化カルシウム水溶液を周囲に2mL添加し、その場でゲル化反応させ、ヒドロゲルを得た。
更に、pCNFを作製する際のアレンドロン酸の仕込み比を0~10まで変化させたところ、アレンドロン酸の仕込み比の増加に伴ったせん断弾性率の増加が見られたことから、導入したホスホン酸基によって架橋反応が引き起こされていることが示された。結果を図11に示した。
ホスホン酸基のカルシウム架橋によって形成されるヒドロゲルの粘弾特性をその他の変性セルロースナノファイバで作製したゲルと比較した。結果を図12に示した。
濃度2%のOH-CNF(ヒドロキシ基変性CNF、ビンフィス、スギノマシン社)、濃度6.5%のpCNFの分散液(PBS、pH=7、図12中では「Bis-pCNF」と記載した。)、濃度5%のモノリン酸基で修飾したpCNF(Mono-pCNF)の分散液(PBS、pH=7)のそれぞれ100μLを粘弾性測定装置のステージにのせ、直径10mmの治具で挟み込んだ。
次に、100mMの塩化カルシウム水溶液を周囲に2mL添加し、その場でゲル化反応させ、ヒドロゲルを得た。
測定中、ステージの温度は25℃、測定時の周波数は1Hz、ひずみは1%で実験を行った。反応開始から1時間後に、各濃度の変性CNFで作製したヒドロゲルのせん断弾性率を測定したところ、OH-CNFと比較して、Mono-pCNF、及び、Bis-pCNFを用いて作成したヒドロゲルは、より優れたせん断弾性率を有していることがわかった(図12)。また、Mono-pCNFとの比較では、Bis-pCNFを用いて作成したヒドロゲルは、更に優れたせん断弾性率を有していることがわかった。これらの結果より、Mono-pCNF、及び、Bis-pCNFを用いたヒドロゲルでは、ホスホン酸基が効果的にカルシウムイオンと配位しており、結果として、より優れた力学強度を有するヒドロゲルが得られることが明らかとなった。
濃度6.5%(pCNFの含有量(g)/溶媒の含有量(mL)×100)のpCNFの分散液(PBS、pH=7)100μLを粘弾性測定装置のステージにのせ、直径10mmの治具で挟み込んだ。次に、100mMの塩化カルシウム水溶液を周囲に2mL添加し、その場でゲル化反応させてヒドロゲルを得た。
反応開始から1時間後に、ひずみを5分毎に1%、100%と変化させたときの弾性率を図13に示した。図13によれば、ひずみを1%から100%へと増加させると貯蔵弾性率(G′)が大きく低下し、再びひずみを1%に戻すと、貯蔵弾性率が回復することが分かった(図13)。
この結果より、ヒドロゲルはチキソトロピー性を有していることが明らかとなった。
濃度5%(pCNFの含有量(g)/溶媒の含有量(mL)×100)のpCNFの分散液(PBS、pH=7)100μLと、硫酸カルシウム粉末とを混合し、ヒドロゲル中における硫酸カルシウム(CaSO4)の濃度(硫酸カルシウムの含有量(g)/溶媒の含有量(mL)×100)がそれぞれ0.5%、1%、2%、4%、及び、10%となるように混合液を作成した。上記混合液を、それぞれ粘弾性想定装置のステージにのせ、直径10mmの治具で挟み込んだ。
すなわち、ヒドロゲル中におけるpCNFを濃度5%とし、ヒドロゲル中における硫酸カルシウムの濃度を0.5~10%にそれぞれ調整したヒドロゲルを調製した。
特に4%硫酸カルシウムを用いたヒドロゲルが最も安定していた。
特にpCNFの濃度が5%のとき、ヒドロゲルは最も安定していた。
濃度5%(pCNFの含有量(g)/溶媒の含有量(mL)×100)のpCNFの分散液(PBS、pH=7)100μLに、ヒドロゲル中における濃度がそれぞれ10%、20%、及び、50%(β-リン酸三カルシウムの含有量(g)/溶媒の含有量(mL)×100)となるようβ-リン酸三カルシウム粉末を混合し、粘弾性測定装置のステージにのせ、直径10mmの治具で挟み込んだ。
測定中、ステージの温度は25℃に保持し、測定時の周波数は1Hz、ひずみは1%で実験を行った。反応開始から30分後に、ヒドロゲルのせん断弾性率を測定した。結果を図16に示した。
なかでも、ヒドロゲル中におけるβ-TCPの濃度が、10~50%であると、より優れたせん断弾性率を有するヒドロゲルが得られ、15~45%であると、更に優れたせん断弾性率を有するヒドロゲルが得られることがわかった。特にヒドロゲル中におけるβ-TCPが20%であると最も安定していた。
図17によれば、pCNFの濃度の増加に伴ってせん断弾性率が増加していることが明らかとなった。なかでも、pCNFの濃度が、2.0~8.0%であると、ヒドロゲルはより優れたせん断弾性率を有し、3.0~8.0%であると、更に優れたせん断弾性率を有し、4.0~8.0%であると、特に優れたせん断弾性率を有することがわかった。
特にpCNFの濃度が5%pCNFであるヒドロゲルが最も安定していた。
疑似体液とは、ヒトの血漿に近い無機イオン組成、含有量を有する水溶液を意味し、疑似体液中にヒドロゲルを浸漬することによって、ヒドロゲルが生体内でどのような表面構造の変化を生ずるかを比較的正確に再現することができる。
上記の2つの試料を走査型電子顕微鏡観察した結果を、図18(ガラススライド)、図19(pCNF)に示した。図18、及び、図19を見ると、pCNFフィルム上にのみアパタイト形成が見られていた。pCNFのホスホン酸基によってアパタイトの核形成が誘起され、アパタイトの結晶成長が起こったためであり、生体内においても体内のイオンによってアパタイトを形成し、高い骨伝導能を獲得すると期待される。
上記の2試料について、走査型電子顕微鏡観察した結果を図20(α-TCP)、及び、図21(ヒドロゲル)に示した。
図20、及び、図21を見ると、pCNFを混合したコンポジット(ヒドロゲル)のみにアパタイト形成が見られた。更に、X線回折測定(図22)より、アパタイトに特徴的なピークが検出されたことから、コンポジット表面にアパタイトが形成されていることが確認された。
ヒドロゲルの骨に対する接着性を評価するために、接着試験装置のステージと治具に象牙切片を接着剤を用いてそれぞれ固定し、ヒドロゲルを両側から挟み込むことで、接着性を評価した。
直径10mmの象牙切片(Wako)を直径10mmの治具とステージにそれぞれ固定し、その間に、濃度5%のpCNFの分散液(PBS、pH=7)100μLと、100mgのβ-リン酸三カルシウム粉末を混合したヒドロゲルを置いた。
10Nで1分間圧着した後に、治具を引き上げることで接着強度を求めた。結果を図23に示した。その結果、ヒドロゲル(図23中、「β-TCP+pCNF」と記載した。)は、pCNF未添加のβ-TCPと比較して骨に対する接着強度が大幅に上昇した(図23)。このことから、ヒドロゲルは、骨欠損部へ注入後にホストの骨組織に強く接着することが示された。
濃度5%のpCNFの分散液(PBS、pH=7)100μLと硫酸カルシウム粉末を混合し(ヒドロゲル中の濃度4%)、直径10mmのシリコンモールドにいれ、37度で24時間静置することでゲル化させ、ヒドロゲルを得た。
その後、pHを2~9まで調製したPBSにヒドロゲルを浸漬し、37度で24時間静置した。次に、ヒドロゲルを粘弾性測定装置のステージにのせ、直径10mmの治具で挟み込んだ。
測定中、ステージの温度は25℃に保持し、測定時の周波数は1Hz、ひずみは1%で実験を行った。結果を図24に示した。
これは、ホスホン酸基がよりプロトン化しにくく、結果として、カルシウムとの結合がより強くなり、架橋構造が強固になったためであると考えられる。
実際、アレンドロン酸のpK1は2.5、pK2は6.5であることからも上記の推定は支持される。
pCNFを細胞培養液中に分散させ、培養細胞に与えることで、細胞機能に与える影響をin vitro試験で評価した。
RAW264.7細胞、MC-3T3-E1細胞(理研)は、MEM-α培地(10%ウシ胎児血清、1%ペニシリンストレプトマイシン)を用いて37℃、5%CO2のインキュベーターで培養した。5×103個のRAW264.7細胞とMC-3T3-E1細胞を96ウェルプレートに播種し、24時間予備培養した。その後、pCNFの濃度が図25、及び、図26に記載したとおりとなるよう、懸濁させた培地を添加し、培養を継続した。pCNFを添加した日を0日目として、1日後に細胞数カウンティングキット(WST-8、DOJINDO)を用いて細胞数を定量した。すべての範囲で生存率は80%以上であり、高い細胞生存率を示した。
濃度5%のpCNFの分散液(PBS、pH=7)100μLと硫酸カルシウム粉末とを混合したもの(ヒドロゲル中の濃度4%)、及び、濃度5%のpCNFの分散液(PBS、pH=7)100μLとβ-リン酸三カルシウム粉末を混合したものを、直径10mmのシリコンモールドにいれ、37℃で24時間静置することでゲル化させてヒドロゲルを得た。
次にヒドロゲルを48ウェルプレートに移し、1時間UV(紫外線)照射して滅菌した。次に2×104個のMC-3T3-E1細胞をヒドロゲル上に播種し、24時間培養した。その後、10%ホルマリンで15分間固定し、ローダミンラベル化ファロイジンを用いてアクチン染色およびDAPI(4′,6-diamidino-2-phenylindole)溶液を用いた核染色を行い、蛍光顕微鏡(BZ-X、キーエンス)によって蛍光観察を行った。その結果、どちらのヒドロゲルにおいても良好な細胞接着が確認された。結果を図27~図29に示した。
pCNFを細胞培養液中に分散させ、破骨細胞の前駆細胞に与えることで、分化機能への影響をin vitro試験で評価した。
RAW264.7細胞は、MEM-α培地(10%ウシ胎児血清、1%ペニシリンストレプトマイシン)を用いて37℃、5%CO2のインキュベーターで培養した。1×103個のRAW264.7細胞を96ウェルプレートに播種し24時間予備培養した。
その後、50ng/mLのRANKL(オリエンタル酵母);50ng/mLのRANKLと各濃度のpCNF(0.32、1.25、2.5mg/mL);50ng/mLのRANKLと各濃度のアレンドロン酸(1、10mM);をそれぞれ培地に懸濁させ、RAW264.7細胞に添加した。
2日後に培地交換を行い、4日間培養した。TRAP(Tartrate-Resistant Acid Phosphatase)染色によって、破骨細胞を染色し、顕微鏡観察を行い、破骨細胞の面積を定量した。
Claims (17)
- 前記カルシウム塩が、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、及び、塩化カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の骨形成用ヒドロゲル。
- 式(1)中において、R1がヒドロキシ基である、請求項1又は2に記載の骨形成用ヒドロゲル。
- 式(1)中において、前記2価の連結基が、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-NR-(Rは水素原子又は1価の有機基を表す)、及び炭素数1~10個のアルキレン基からなる群から選択される少なくとも1つであり、前記1価の有機基は、ヘテロ原子を有してもよい炭素数1~10個のアルキル基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の骨形成用ヒドロゲル。
- 式(2)中において、前記2価の連結基が、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1~10個のアルキレン基である、請求項5項に記載の骨形成用ヒドロゲル。
- 式(3)において、mは3を表す、請求項7に記載の骨形成用ヒドロゲル。
- 前記骨形成用ヒドロゲル中における、前記溶媒の体積基準の含有量に対する、前記変性セルロースナノファイバの質量基準の含有量の含有量比が、2.0~8.0%である、請求項1~9のいずれか1項に記載の骨形成用ヒドロゲル。
- 前記カルシウム塩が硫酸カルシウムを含有し、
前記骨形成用ヒドロゲル中における、前記溶媒の体積基準の含有量に対する、前記硫酸カルシウムの質量基準の含有量の含有量比が、0.1~12%である、請求項1~10のいずれか1項に記載の骨形成用ヒドロゲル。 - 前記カルシウム塩がリン酸カルシウムを含有し、
前記リン酸カルシウムが、α-リン酸三カルシウム、及び、β-リン酸三カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1~10のいずれか1項に記載の骨形成用ヒドロゲル。 - 前記カルシウム塩がβ-リン酸三カルシウムを含有し、
前記骨形成用ヒドロゲル中における、前記溶媒の体積基準の含有量に対する、前記β-リン酸三カルシウムの質量基準の含有量の含有量比が、5~60%である、請求項12に記載の骨形成用ヒドロゲル。 - 前記第2剤が更に水を含有する、請求項14に記載の骨形成のためのキット。
- 更に、経皮送達デバイスを含む、請求項14又は15に記載の骨形成のためのキット。
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Biomaterials,2014年,Vol.35,pp.6918-6929 |
Selestina Gorgieva et al.,Internalization of (bis)phosphonate-modified cellulose nanocrystals by human osteoblast cells,Cellulose,2017年,Vol.24,4235-4252 |
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