<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるスロットマシン10に本発明を適用した場合の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図であり、図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図であり、図3は筐体11の正面図である。
図2及び図3に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、複数の木製パネルが固定されることにより、全体として前方に開放された箱状に形成されている。
筐体11の前面側には、図1及び図2に示すように前面扉12が取り付けられている。前面扉12はその左側部に設けられた軸部12aを回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。なお、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置13によって開放不能に施錠状態とされており、この施錠状態は、キーシリンダ14への所定のキーによる解錠操作により解除される。
前面扉12の中央部上寄りには図1に示すように、遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、縦長の3つの表示窓部21L,21M,21Rが横並びとなるように形成されている。表示窓部21L,21M,21Rは透明又は半透明な材質により形成されており、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。
図2及び図3に示すように、筐体11は仕切り板11aによりその内部が上下2分割されており、仕切り板11aの上部にはリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状にそれぞれ形成された左リール32L、中リール32M及び右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リール32L,32M,32Rの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓部21L,21M,21Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
遊技パネル20の下方左側には図1に示すように、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。メダル及び仮想メダルといった遊技媒体がベットされているときにこのスタートレバー41が操作されると、各リール32L,32M,32Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるストップボタン42,43,44が設けられている。各ストップボタン42,43,44は停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓部21L,21M,21Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン42,43,44は、左リール32Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となる。
なお、スタートレバー41の操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、各ストップボタン42,43,44の操作に基づき各リール32L,32M,32Rが回転を停止して、遊技媒体の付与及び遊技状態の管理といった各種処理の実行が完了するまでが、1回のゲーム(遊技回)に相当する。
表示窓部21L,21M,21Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45から投入されたメダルは、図2に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ52によって、受付許可時であればホッパ装置53へ導かれ、受付禁止時であれば前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口58からメダル受け皿59へと導かれる(図1参照)。なお、ホッパ装置53は、有効ライン上に遊技媒体の付与に対応した入賞が成立した場合に、貯留タンクに貯留されたメダルを、メダル排出口58を通じてメダル受け皿59に払い出す機能を有している。
メダル投入口45の下方には、図1に示すように、メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ52内に詰まった際に押される返却ボタン46が設けられている。また、表示窓部21L,21M,21Rの下方左側には、クレジットされた仮想メダルを一度にベット可能な最大分投入するための第1クレジット投入ボタン47と、仮想メダルを一度に2枚投入するための第2クレジット投入ボタン48と、仮想メダルを一度に1枚投入するための第3クレジット投入ボタン49とが設けられている。
スタートレバー41の左側には、精算ボタン51が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン51を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口58から払い出されるようになっている。
筐体11の内部においてホッパ装置53の左方には、図2及び図3に示すように、電源装置54が設けられている。電源装置54には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源スイッチ55と、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン56と、スロットマシン10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更するために操作される設定キー挿入孔57と、が設けられている。
次に、各リール32L,32M,32Rに付されている図柄について説明する。
図4には、左リール32L、中リール32M及び右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応させて番号が「0」~「20」まで付されているが、これら番号は後述する主制御装置70が表示窓部21L,21M,21Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの15番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)の7種類がある。そして、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は異なっている。
図5は、表示窓部21L,21M,21Rの正面図である。各表示窓部21L,21M,21Rは、対応するリール32L,32M,32Rに付された21個の図柄のうち図柄全体が視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓部21L,21M,21Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、1本のメインラインMLが設定されている。メインラインMLは、左リール32Lの中段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの中段図柄を結んだラインである。規定数の遊技媒体がベットされた状態で各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該メインラインML上に当選役に対応した入賞が成立した場合には、遊技媒体の付与という利益、再遊技という利益及び遊技状態の移行のいずれかが付与される。
つまり、本スロットマシン10では、入賞が成立し得るラインとして1本のメインラインMLのみが設定されている。そして、当該メインラインMLは一直線に延びるラインとして設定されている。したがって、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL1と、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの上段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL2と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの下段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL3と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL4といった1直線に延びるライン上に、入賞対象となる図柄の組合せが成立したとしても、入賞は成立しない。
以下、図6を参照しながら、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明する。図6は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明するための説明図である。
遊技媒体の付与が行われる小役入賞としては、第1補填入賞、第2補填入賞、第3補填入賞、第1ベル入賞、第2ベル入賞、第1スイカ入賞、第2スイカ入賞及びチェリー入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第1補填入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第2補填入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第3補填入賞となる。第1~第3補填入賞のいずれかとなった場合、遊技媒体の付与対象数が「1」となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第1ベル入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第2ベル入賞となる。第1~第2ベル入賞のいずれかとなった場合、遊技媒体の付与対象数が「11」となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合、第1スイカ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「BAR」図柄である場合、第2スイカ入賞となる。第1~第2スイカ入賞のいずれかとなった場合、遊技媒体の付与対象数が「5」となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「チェリー」図柄となった場合、中リール32Mの停止図柄及び右リール32Rの停止図柄がいずれであったとしてもチェリー入賞となる。チェリー入賞となった場合、遊技媒体の付与対象数が「2」となる。
遊技媒体をベットすることなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞として、通常リプレイ入賞、第1特殊リプレイ入賞、第2特殊リプレイ入賞、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、又はメインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、通常リプレイ入賞となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第1特殊リプレイ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第2特殊リプレイ入賞となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第1RTリプレイ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第2RTリプレイ入賞となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第1転落リプレイ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第2転落リプレイ入賞となる。
上記いずれかのリプレイ入賞となった場合、遊技媒体のベットを不要としながら次ゲームの遊技を行うことが可能となる再遊技の特典が付与される。具体的には、「3」の遊技媒体をベットしたゲームにおいていずれかのリプレイ入賞となった場合、遊技媒体のベットを不要としながら、「3」の遊技媒体がベットされた状態で次ゲームの遊技を開始することが可能となる。
上記各種リプレイ入賞のうち、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞は、リプレイ入賞の特典の付与契機となるだけではなく抽選モードの移行契機となる。本スロットマシン10では役の抽選処理(図14)において抽選対象となる役の種類及び各役の当選確率が相違するように複数種類の抽選モードが設定されており、これら抽選モード間の移行は抽選モードの移行契機となるリプレイ入賞が成立した場合に発生する。各抽選モードの内容及び各抽選モードへの移行条件については後に詳細に説明する。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞として、第1BB入賞、第2BB入賞、第3BB入賞、第4BB入賞、第1RB入賞及び第2RB入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄である場合、第1BB入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「白7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄である場合、第2BB入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄である場合、第3BB入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「白7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄である場合、第4BB入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「BAR」図柄である場合、第1RB入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「白7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「BAR」図柄である場合、第2RB入賞となる。
第1BB入賞、第2BB入賞、第3BB入賞又は第4BB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。また、第1RB入賞又は第2RB入賞が成立した場合には、遊技状態がRB状態に移行する。BB状態及びRB状態はいずれもボーナス状態に該当する。ボーナス状態は、ボーナス状態以外の遊技状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の付与期待数が高くなる遊技状態である。具体的には、第1ベル入賞の成立を可能とさせる役に他の遊技状態の場合よりも高い確率(例えば約1/1.5)で当選するとともに、当該役に当選した場合には各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の停止操作タイミングとは無関係に第1ベル入賞が成立することとなる。一方、ボーナス状態において1ゲームを開始させるために必要な遊技媒体数は他の遊技状態と同一となっている。したがって、ボーナス状態においてはボーナス状態以外の遊技状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の純増期待値が高くなる。なお、ボーナス状態において1ゲームを開始させるために必要な遊技媒体数が他の遊技状態よりも少ない構成としてもよく、ボーナス状態においてはボーナス状態以外の遊技状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の純増期待値が高くなるのであればボーナス状態において1ゲームを開始させるために必要な遊技媒体数が他の遊技状態よりも多い構成としてもよい。
ボーナス状態のうちBB状態は、複数ゲームに亘って継続し、ゲームの実行内容に応じた事象の発生に基づき終了条件が成立した場合に終了する。当該終了条件は任意であるが、本スロットマシン10ではBB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数がBB終了基準数(具体的には「350」)以上となることが終了条件として設定されている。なお、BB状態において実行されたゲーム数がBB終了基準ゲーム数となった場合に当該終了条件が成立する構成としてもよい。
ボーナス状態のうちRB状態は、複数ゲームに亘って継続し、ゲームの実行内容に応じた事象の発生に基づき終了条件が成立した場合に終了する。当該終了条件は任意であるが、本スロットマシン10ではRB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数がRB終了基準数(具体的には「150」)以上となることが終了条件として設定されている。このRB終了基準数はBB終了基準数よりも少ない数となっている。したがって、BB状態の方がRB状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、RB状態において実行されたゲーム数がRB終了基準ゲーム数となった場合に当該終了条件が成立する構成としてもよい。この場合、RB終了基準ゲーム数をBB終了基準ゲーム数よりも少ない数とすることにより、BB状態の方がRB状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態とすることが可能となる。
次に、各種報知及び各種演出を実行するための装置について説明する。
図1に示すように、前面扉12の上部には上部ランプ61、画像表示装置63及び役物75が設けられているとともに、前面扉12の下部にはスピーカ62が設けられている。上部ランプ61は、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した態様で発光制御されるとともに、入賞結果に応じた態様で発光制御される。また、上部ランプ61は、画像表示装置63における表示演出に対応した発光演出が行われるように発光制御される。スピーカ62は左右一対として設けられており、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御されるとともに、入賞結果に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御される。また、スピーカ62は、画像表示装置63における表示演出に対応した音出力演出が行われるように音出力制御される。
画像表示装置63は表示面を有しており、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されているが、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。スロットマシン10において異常が発生した場合には当該異常に対応した画像が当該表示面にて表示されるように表示制御される。また、画像表示装置63は、内部抽選における役の当選結果及び各ゲームにおける入賞結果に対応した画像が表示面にて表示されるように表示制御される。つまり、画像表示装置63では表示演出が実行される。
図1に示すように、役物75は、遊技パネル20の前面側に固定されている役物本体部76と、役物本体部76から下方に突出しており上下に移動可能な役物可動部77と、を備えている。役物本体部76は、中空の筐体であり、役物本体部76の内部には役物可動部77を上下に移動可能とする役物駆動部78が収められている。役物駆動部78は、後述する演出制御装置90に電気的に接続されており、演出制御装置90から出力された駆動データに基づいて役物可動部77を上下に移動させる。
役物可動部77は、役物駆動部78の下端から鉛直下方に延在している棒状の支持部77aを備えている。役物本体部76の底部には当該底部を上下に貫通する貫通孔(図示略)が設けられている。支持部77aは、当該貫通孔に挿通されており、当該底部の下方まで延在している。役物可動部77は、支持部77aにおいて役物駆動部78とは反対側の自由端(下端)に設けられている球状演出部77bを備えている。
支持部77aの外周面には、役物可動部77の位置を検出可能とする検出用突起79が設けられている。役物可動部77は、球状演出部77bが当該球状演出部77bの可動域の上端である初期位置に滞在している状態から、球状演出部77bが可動域の下端である変位位置に滞在している状態となるまで上下に移動可能である。役物本体部76には、球状演出部77bが初期位置に滞在している状態における検出用突起79を検出するための初期位置センサ75aと、球状演出部77bが変位位置に滞在している状態における検出用突起79を検出するための変位位置センサ75bとが設けられている。
役物駆動部78は、後述する演出制御装置90から第1駆動データを受信した場合に役物可動部77を上方に向けて移動させるとともに、演出制御装置90から第2駆動データを受信した場合に役物可動部77を下方に向けて移動させる。第1駆動データは、初期位置センサ75aがOFF状態であることを条件として役物駆動部78に出力される。既に役物可動部77が初期位置に滞在している場合には初期位置センサ75aがON状態となる。この場合には第1駆動データの出力がキャンセルされるため、追加で第1駆動データが出力されることはない。また、第2駆動データは、変位位置センサ75bがOFF状態であることを条件として役物駆動部78に出力される。既に役物可動部77が変位位置に滞在している場合には変位位置センサ75bがON状態となる。この場合には第2駆動データの出力がキャンセルされるため、追加で第2駆動データが出力されることはない。
球状演出部77bは、遊技パネル20の前方に存在して外部に露出しており、遊技者は当該球状演出部77bに触れることが可能となっている。球状演出部77bに対して上向きの外力が加えられた場合、球状演出部77bは当該球状演出部77bの可動域の上端である初期位置まで上方に移動可能である。また、球状演出部77bに対して下向きの外力が加えられた場合、球状演出部77bは当該球状演出部77bの可動域の下端である変位位置まで下方に移動可能である。
図1に示すように、前面扉12において返却ボタン46の右側には、画像表示装置63における表示内容を変更するために遊技者により手動操作される演出用操作装置64が設けられている。演出用操作装置64は、中央ボタン64aを備えているとともに、当該中央ボタン64aの上側に配置された上ボタン64b及び下側に配置された下ボタン64cを備えている。これら中央ボタン64a、上ボタン64b及び下ボタン64cに対して所定の操作が行われることにより、画像表示装置63における表示内容の変更が行われる。演出用操作装置64の操作と画像表示装置63における表示内容との関係については後に詳細に説明する。
前面扉12の遊技パネル20には、表示窓部21L,21M,21Rの下方の位置に、貯留記憶された仮想メダルの数を表示するクレジット表示部65と、小役入賞時に付与対象となった遊技媒体数を表示するとともに画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合にその報知される内容に対応した表示が行われる兼用表示部66と、遊技区間が有利区間であることに対応した表示が行われる有利区間表示部67とが設けられている。クレジット表示部65は7セグメント表示器によって構成されており、各セグメントには緑色などの単色発光タイプのLEDが用いられている。
図7(a)は兼用表示部66及び有利区間表示部67が設けられた共通表示領域68の正面図である。共通表示領域68には、図7(a)に示すように2個の7セグメント表示器66a,66bを横方向に並設することで設けられた兼用表示部66と、1個の発光部からなる有利区間表示部67とが集約されている。
遊技媒体の付与に対応するいずれかの小役入賞(第1~第3補填入賞、第1~第2ベル入賞、第1~第2スイカ入賞又はチェリー入賞)が成立した場合には、その小役入賞が成立したゲームの終了時にその小役入賞に対応する遊技媒体の付与数が兼用表示部66にて表示される。具体的には、第1~第3補填入賞のいずれかが成立した場合には左側の7セグメント表示器66aは非表示となるとともに右側の7セグメント表示器66bに「1」が表示されることによって「1」の遊技媒体が付与されたことが報知される。第1~第2ベル入賞のいずれかが成立した場合には左側の7セグメント表示器66a及び右側の7セグメント表示器66bのそれぞれに「1」が表示されることによって「11」の遊技媒体が付与されたことが報知される。また、第1~第2スイカ入賞のいずれかが成立した場合には左側の7セグメント表示器66aは非表示となるとともに右側の7セグメント表示器66bに「5」が表示されることによって「5」の遊技媒体が付与されたことが報知される。また、チェリー入賞が成立した場合には左側の7セグメント表示器66aは非表示となるとともに右側の7セグメント表示器66bに「2」が表示されることによって「2」の遊技媒体が付与されたことが報知される。一方、いずれかのリプレイ入賞、いずれかのBB入賞及びいずれかのRB入賞といった遊技媒体が付与されない入賞が成立したとしても、その入賞に対応する表示が兼用表示部66にて行われることはなく、この場合には各7セグメント表示器66a,66bは非表示の状態に維持される。兼用表示部66における遊技媒体の付与数の表示は、その表示が行われたゲームの次ゲームを開始させるために遊技媒体がベットされた場合に終了され、このベットされたタイミングにおいて各7セグメント表示器66a,66bは非表示の状態となる。
画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合には、その報知される停止順序に対応する情報が兼用表示部66にて表示される。図7(b)は兼用表示部66にて表示される停止順序に対応する情報の内容を説明するための説明図である。図7(b)に示すように、本スロットマシン10では画像表示装置63にて報知されるリール32L,32M,32Rの停止順序として、第1停止が左リール32Lであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が右リール32Rである停止順序と、第1停止が左リール32Lであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が中リール32Mである停止順序と、第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rである停止順序と、第1停止が中リール32Mであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が左リール32Lである停止順序と、第1停止が右リール32Rであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が中リール32Mである停止順序と、第1停止が右リール32Rであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が左リール32Lである停止順序と、第1停止が左リール32Lであり残りが任意である停止順序と、第1停止が中リール32Mであり残りが任意である停止順序と、第1停止が右リール32Rであり残りが任意である停止順序と、が存在している。
画像表示装置63における停止順序の報知は、役の抽選処理にて第1ベル当選データを含む役に当選した場合、第1RTリプレイ当選データを含む役に当選した場合、第2RTリプレイ当選データを含む役に当選した場合、第1転落リプレイ当選データを含む役に当選した場合又は第2転落リプレイ当選データを含む役に当選した場合に実行され得る。具体的には、第1ベル当選データを含む役に当選した場合、上記各停止順序のうち今回の当選役に対応する停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合に第1ベル入賞が成立する。そして、第1ベル入賞が成立した場合には既に説明したとおり「11」の遊技媒体が遊技者に付与される。
第1RTリプレイ当選データを含む役に当選した場合、上記各停止順序のうち今回の当選役に対応する停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合に第1RTリプレイ入賞が成立する。そして、第1RTリプレイ入賞が成立した場合には抽選モードが通常モードよりもいずれかのリプレイ当選データを含む役に当選し易い(すなわちいずれかのリプレイ入賞が成立し易い)第1RTモードに移行する。また、第2RTリプレイ当選データを含む役に当選した場合、上記各停止順序のうち今回の当選役に対応する停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合に第2RTリプレイ入賞が成立する。そして、第2RTリプレイ入賞が成立した場合には抽選モードが第1RTモードよりもいずれかのリプレイ当選データを含む役に当選し易い(すなわちいずれかのリプレイ入賞が成立し易い)第2RTモードに移行する。
第1転落リプレイ当選データを含む役に当選した場合、上記各停止順序のうち今回の当選役に対応する停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合に第1転落リプレイ入賞が回避される。第1転落リプレイ入賞が成立した場合には抽選モードが第1RTモードから通常モードに移行してしまうが第1転落リプレイ入賞の成立を回避することでこの通常モードへの移行を回避することができる。また、第2転落リプレイ当選データを含む役に当選した場合、上記各停止順序のうち今回の当選役に対応する停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合に第2転落リプレイ入賞が回避される。第2転落リプレイ入賞が成立した場合には抽選モードが第2RTモードから第1RTモードに移行してしまうが第2転落リプレイ入賞の成立を回避することでこの第1RTモードへの移行を回避することができる。
上記停止順序のいずれかが画像表示装置63にて報知される場合には、兼用表示部66における左側の7セグメント表示器66aは非表示の状態が維持される一方、右側の7セグメント表示器66bにてその報知対象の停止順序に対応する表示が行われる。この表示内容は図7(b)に示す通りであり、画像表示装置63における停止順序の報知内容に対して兼用表示部66の停止順序の表示内容が1対1で対応させて設定されている。但し、これに限定されることはなく、画像表示装置63における停止順序の報知内容の一部又は全部に対しては兼用表示部66の複数種類の表示内容が対応させて設定されている構成としてもよい。
兼用表示部66における停止順序の表示内容は、兼用表示部66にて遊技媒体の付与に対応する表示が行われる場合に表示対象となる表示内容と相違している。これにより、兼用表示部66にて表示されている内容が、遊技媒体の付与数に対応しているのか、それともリール32L,32M,32Rの停止順序に対応しているのかを区別し易くなる。
図8(a)及び図8(b)は画像表示装置63における停止順序の報知内容と兼用表示部66における停止順序の表示内容との関係を説明するための説明図である。
画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合、図8(a)に示すように、画像表示装置63にはゲームを終了させるために必要な停止操作の回数と同数の単位表示画像G1~G3が表示され、各単位表示画像G1~G3においてリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示が行われる。具体的には左リール32Lに対応する左単位表示画像G1と、中リール32Mに対応する中単位表示画像G2と、右リール32Rに対応する右単位表示画像G3とが表示される。そして、図8(a)においては第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rである場合の停止順序が報知される様子を示しているため、左単位表示画像G1には左リール32Lの停止順序に対応する「2」の画像が表示され、中単位表示画像G2には中リール32Mの停止順序に対応する「1」の画像が表示され、右単位表示画像G3には右リール32Rの停止順序に対応する「3」の画像が表示される。単位表示画像G1~G3は、後述する第2報知用表示レイヤ108(図38)に設定され、演出用の画像よりも画面手前側に存在している態様で表示される。単位表示画像G1~G3は透過性を有する態様で表示される。これにより、単位表示画像G1~G3が表示されている状況においても当該単位表示画像G1~G3よりも画面奥側に設定されている画像を視認可能とすることができる。
画像表示装置63においては上記のようにリール32L,32M,32Rの停止順序そのものを報知する画像が表示されるのに対して、兼用表示部66では図8(b)に示すように、上記リール32L,32M,32Rの停止順序に対応する「L」の表示が行われる。つまり、画像表示装置63においてはリール32L,32M,32Rの数に対応する単位表示画像G1~G3が表示されるとともに各単位表示画像G1~G3において対応するリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示が行われるのに対して、兼用表示部66ではリール32L,32M,32Rの数とは無関係な表示が行われる。これにより、兼用表示部66においてリール32L,32M,32Rの停止順序の報知内容に対応する表示が行われるとしても、画像表示装置63における表示内容に遊技者を注目させることが可能となる。
兼用表示部66の表示範囲は画像表示装置63の表示範囲よりも狭い範囲となっている。この点からも、画像表示装置63に比べて兼用表示部66に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。また、兼用表示部66は、リール32L,32M,32Rを視認可能とする表示窓部21L,21M,21Rを挟んで画像表示装置63側とは逆側に存在している。これにより、画像表示装置63に対して兼用表示部66が離間された位置に配置されることとなり、これによっても兼用表示部66に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。
リール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合、兼用表示部66におけるリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示及び画像表示装置63におけるリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示は役の抽選処理が行われた後であってリール32L,32M,32Rの停止操作が有効化される前に開始される。この場合、兼用表示部66におけるリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示の方が、画像表示装置63におけるリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示よりも先に開始されるが、これら表示が同時又は略同時に開始される構成としてもよく、表示開始順序が逆であってもよい。また、兼用表示部66及び画像表示装置63におけるリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示は、当該表示の実行対象となったゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rに対して停止指令が発生した場合に終了される。
兼用表示部66は共通表示領域68において中央側に配置されているのに対して、有利区間表示部67は共通表示領域68の隅角側に配置されている。有利区間表示部67は、遊技区間が通常区間及び有利区間のうち有利区間であることを報知するための表示部である。有利区間とは、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて成立対象となる入賞が異なる役に当選した場合に遊技者にとって有利な入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される区間、及び遊技者にとって有利な遊技状態であるART状態への移行確率が通常区間よりも高くなる区間のいずれかに該当する区間である。一方、通常区間とは、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて成立対象となる入賞が異なる役に当選した場合に遊技者にとって有利な入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない区間であって、遊技者にとって有利な遊技状態であるART状態への移行確率が有利区間よりも低くなる区間又はART状態への移行が発生しない区間である。
通常区間において有利区間への移行条件が成立して有利区間に移行した場合に、有利区間表示部67は点灯状態となることにより有利区間であることの報知が開始される。また、有利区間において通常区間への移行条件が成立して通常区間に移行した場合に、有利区間表示部67は消灯状態となることにより有利区間であることの報知が終了される。これにより、有利区間であることを遊技ホールの管理者等に報知することが可能となる。また、共通表示領域68に集約させて設けられる兼用表示部66は、遊技媒体の付与が発生した場合に点灯状態とされ次のゲームの開始に際して消灯状態とされるとともに、リール32L,32M,32Rの停止順序が画像表示装置63にて表示される場合に点灯状態とされそのゲームの終了に際して消灯状態とされる。したがって、有利区間表示部67を共通表示領域68内に配置することで遊技者にとって目立ち過ぎるものとなってしまうことを抑えた構成において、有利区間である状況では共通表示領域68において有利区間表示部67のみが点灯状態となっている状況を積極的に生じさせることが可能となり、遊技ホールの管理者にとって有利区間表示部67の確認の容易化が図られる。
なお、有利区間においては有利区間表示部67の点灯状態が維持される構成に代えて有利区間においては有利区間表示部67にて所定の周期で点滅表示が行われる構成としてもよい。また、兼用表示部66及び有利区間表示部67として、液晶表示装置などの他の表示器を用いてもよい。
スロットマシン10には、各種制御装置が設けられている。具体的には、図3に示すように、リールユニット31の上方には、主制御装置70が設けられている。当該主制御装置70は、筐体11の背面部を生じさせる背板11bに取り付けられている。主制御装置70は、主制御基板71が基板ボックス81に収容されて構成されている。主制御基板71の一方の板面である素子搭載面には、MPU72と、遊技履歴の管理結果を報知するための表示が行われる比率表示器85と、が搭載されている。基板ボックス81は当該基板ボックス81の外部から当該基板ボックス81内に収容されたMPU72及び比率表示器85を目視することが可能となるように透明に形成されている。なお、基板ボックス81は無色透明に形成されているが、基板ボックス81の外部から当該基板ボックス81内に収容されたMPU72及び比率表示器85を目視することが可能であれば有色透明に形成されていてもよい。主制御装置70は基板ボックス81において主制御基板71の素子搭載面と対向する対向壁部82がスロットマシン10前方を向くようにして筐体11の背板11bに搭載されている。したがって、前面扉12を筐体11に対してスロットマシン10前方に開放させて筐体11の内部空間を露出させることにより、基板ボックス81の対向壁部82を目視することが可能となるとともに当該対向壁部82を通じてMPU72及び比率表示器85を目視することが可能となる。
図9は比率表示器85の正面図である。図9に示すように、比率表示器85の表示面には、識別子表示部86及び比率表示部87が横方向に並設されている。識別子表示部86は、左側の7セグメント表示器86aと、右側の7セグメント表示器86bと、識別子用の補助表示部86cとを備えている。また、比率表示部87は、左側の7セグメント表示器87aと、右側の7セグメント表示器87bと、比率用の補助表示部87cとを備えている。各7セグメント表示器86a,86b,87a,87bにおいては「0」~「9」の数字だけではなく、アルファベット文字を含めた各種文字が表示される。スロットマシン10では、比率表示器85を利用して遊技履歴の管理結果が報知されるが、この報知内容については後に詳細に説明する。比率表示器85の表示面で行われる遊技履歴の管理結果の表示は、基板ボックス81の対向壁部82を通じて視認可能となる。なお、比率表示器85は、液晶表示装置であってもよく、有機ELディスプレイであってもよい。
図3に示すように、基板ボックス81は複数のケース体を前後に組合せることにより形成されているが、これら複数のケース体には、これらケース体の分離を阻止するとともにこれらケース体の分離に際してその痕跡を残すための結合部83が設けられている。結合部83は、略直方体形状の基板ボックス81における一辺に複数並設されている。これにより、一部の結合部83を利用してケース体の分離を阻止している状態において当該一部の結合部83を破壊してケース体を分離したとしても、その後に別の結合部83を結合状態とすることでケース体の分離を再度阻止することが可能となる。また、ケース体の分離に際して結合部83が破壊されてその痕跡が残ることにより、結合部83を目視確認することでケース体の分離が不正に行われているか否かを把握することが可能となる。また、基板ボックス81において結合部83が並設された一辺とは別の一辺にはケース体間の境界を跨ぐようにして封印シール84が貼り付けられている。封印シール84はその引き剥がしに際して粘着層がケース体に残る。これにより、ケース体の分離に際して封印シール84が剥がされた場合にはその痕跡を残すことが可能となる。
スロットマシン10には図2に示すように、主制御装置70以外にも演出制御装置90が設けられている。演出制御装置90は、前面扉12において画像表示装置63の後方に重ねて配置されている。演出制御装置90は、主制御装置70から受信したコマンドに基づき、上部ランプ61、スピーカ62、画像表示装置63及び役物75の制御を実行する。なお、演出制御装置90は、主制御装置70と同様に、基板ボックス内に制御基板が収容されてなる。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図10のブロック図に基づいて説明する。
図10に示すように、主制御装置70の主制御基板71には既に説明したとおりMPU72が搭載されている。MPU72には、当該MPU72により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM73と、そのROM73内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM74と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路と、割込回路、データ入出力回路、乱数発回路などが内蔵されている。なお、MPU72に対してROM73及びRAM74が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU72には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU72の入力側には、リールユニット31、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップボタン42,43,44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a,43a,44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、各クレジット投入ボタン47,48,49の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ47a,48a,49a、精算ボタン51の操作を検出する精算検出センサ51a、ホッパ装置53の払出検出センサ、並びに電源装置54に設けられたリセットボタン56の操作を検出するリセット検出センサ及び設定キー挿入孔57に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ等の各種センサが接続されており、これら各センサからの信号はMPU72に入力される。
MPU72の出力側には、リールユニット31、セレクタ52に設けられたセレクタ駆動部52a、ホッパ装置53の払出モータ、クレジット表示部65、兼用表示部66、有利区間表示部67及び演出制御装置90等が接続されている。各ゲームにおいてはリールユニット31の各リール32L,32M,32Rの回転駆動制御がMPU72により行われる。セレクタ52は、メダル投入口45から投入されたメダルを、受付許可時であれば投入メダル検出センサ45aにて検出させた後にホッパ装置53へ導き、受付禁止時であれば投入メダル検出センサ45aにて検出させることなくメダル受け皿59へ排出する機能を有する。セレクタ駆動部52aはセレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換えるための機能を有しており、具体的にはセレクタ52に設けられた通路切換片を受付許可用の位置と受付禁止用の位置との間で動作させる。MPU72はセレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力状態及び停止状態を切り換えることにより、セレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換える。
また、MPU72は、小役入賞が成立してメダルの払い出しを実行する場合にはホッパ装置53の駆動制御を実行する。また、MPU72は、仮想メダルとして貯留記憶されている遊技媒体の数が表示されるようにクレジット表示部65を表示制御する。また、MPU72は、遊技媒体の付与が発生した場合にはその付与対象となった遊技媒体の数が表示されるように兼用表示部66を表示制御する。また、MPU72は、有利区間である場合には有利区間であることの報知が行われるように有利区間表示部67を表示制御する。また、MPU72は、遊技の管理結果に対応する表示が行われるように兼用表示部66を表示制御する。また、MPU72は、各ゲームの各タイミングで演出制御装置90にコマンドを送信するとともに、画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序を報知させるためのコマンドを演出制御装置90に送信する場合にはその報知させる内容に対応した表示が行われるように兼用表示部66の表示制御を実行する。この場合、画像表示装置63の直接的な表示制御は演出制御装置90により行われるのに対して、兼用表示部66の直接的な表示制御はMPU72により行われる。つまり、相対的に複雑な表示制御の実行対象となる画像表示装置63については演出制御装置90において直接的な表示制御が実行され、相対的に簡素な表示制御の実行対象となる兼用表示部66についてはMPU72において直接的な表示制御が実行される。これにより、MPU72の処理負荷の軽減を図りながら、演出への注目度の向上を重視した表示と、信頼性を重視した表示との両方を行うことが可能となる。
MPU72の入力側には、電源装置54に設けられた停電監視回路が接続されている(図示略)。電源装置54には、主制御装置70をはじめとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部及び停電監視回路が搭載されており、停電監視回路は、外部電源から電源部に印加されている電圧を監視し、当該電圧が基準電圧以下となった場合にMPU72に停電信号を出力する。MPU72は、停電信号を受信することにより停電時処理を実行し、復電後において停電前の処理状態への復帰を可能とする。また、電源装置54には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電断中電力としてバックアップ電力をRAM74に供給するための電断中電源部が設けられている。これにより、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況であっても、電断中電源部においてバックアップ電力を供給可能な状況(例えば1日や2日)ではRAM74においてデータが記憶保持される。但し、電源装置54に設けられたリセットボタン56を押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、RAM74に記憶保持されているデータは初期化される。
演出制御装置90は、各種報知や各種演出の実行を制御するための演出制御基板91を具備している。演出制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92には、当該MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM93、及びそのROM93内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM94が内蔵されているとともに、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路、割込回路、データ入出力回路及び乱数発回路などが内蔵されている。
なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。また、RAM94には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電源装置54の電断中電源部からバックアップ電力が供給されないが、RAM94に対してバックアップ電力が供給される構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には、既に説明したとおり主制御装置70のMPU72(図10)が接続されており、当該MPU72から各種コマンドを受信する。MPU92の入力側には、上述した初期位置に存在している役物75の検出用突起79を検出する初期位置センサ75a、上述した変位位置に移動した検出用突起79を検出する変位位置センサ75b、演出用操作装置64における中央ボタン64aの操作を検出する中央操作センサ64d、上ボタン64bの操作を検出する上操作センサ64e、及び下ボタン64cの操作を検出する下操作センサ64fが接続されており、これら各センサからの信号はMPU92に入力される。MPU92の出力側には上部ランプ61、スピーカ62、画像表示装置63及び役物駆動部78が接続されている。MPU92は、主制御装置70のMPU72から受信したコマンドに基づき、上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御、画像表示装置63の表示制御及び役物75の駆動制御を実行することで、各種報知や各種演出が行われるようにする。
図10に示すように、RAM94には、各種報知及び各種演出を行うためのデータテーブルが読み出される読み出し用エリア94aが設けられている。詳細は後述するが読み出し用エリア94aには11個のレイヤが設けられており、各種報知及び各種演出を行うためのデータテーブルは読み出し用エリア94aにおいて対応するレイヤに読み出される。MPU92は、読み出し用エリア94aの各レイヤに読み出されているデータテーブルに基づいて上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御、画像表示装置63の表示制御、及び役物75の駆動制御を行うことにより各種報知及び各種演出を実行する。
本スロットマシン10では、遊技の進行中に遊技履歴データがRAM94に記憶され、当該RAM94に記憶されている遊技履歴データに基づいて画像表示装置63に履歴画像を表示する履歴画像表示が行われる。遊技者は、遊技履歴データに基づいて表示される履歴画像を任意のタイミングで画像表示装置63に表示させて、遊技履歴を確認することができる。
図10に示すように、RAM94には、履歴画像表示に用いられる遊技履歴データが記憶される履歴記憶用エリア94bと、過去に生成された履歴画像の構成を示す履歴構成データが記憶される画像再生用記憶エリア94cとが設けられている。MPU92は、履歴記憶用エリア94bに記憶されている遊技履歴データに基づいて履歴構成データを生成する。履歴構成データは、履歴画像を構成する複数の画像の種類を演出側MPU92にて把握可能とするデータであり、履歴構成データは履歴画像を構成する複数の画像を指定する複数の指定データを含んでいる。画像再生用記憶エリア94cは複数個(具体的には32個)の履歴構成データを記憶可能な記憶エリアである。なお、履歴画像、履歴記憶用エリア94b、画像再生用記憶エリア94c及び各種指定データの詳細については後述する。
また、演出制御基板91には、MPU92の他に、ビデオディスプレイプロセッサ95(VDP95)、キャラクタROM(図示略)及びビデオRAM96等が搭載されている。VDP95は、画像表示装置63に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP95は、ビデオRAM96のデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM96に記憶させる画像データを、キャラクタROMから所定のタイミングで読み出して画像表示装置63に表示させる。キャラクタROMは、画像表示装置63に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROMには、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。ビデオRAM96は、画像表示装置63に表示させる表示データを記憶するためのメモリである。MPU92は、主制御装置70のMPU72から受信したコマンドに基づき演出の実行内容を決定した場合、その決定した演出の実行内容に従って、各更新タイミングに対応する画像の内容を指示する描画リストをVDP95に出力する。VDP95では、MPU92から受信した描画リストに従ってキャラクタROMから画像データを読み出し、その読み出した画像データを利用してビデオRAM96に表示データを作成する。当該表示データは、ビデオRAM96のフレーム領域に作成される。ビデオRAM96には2つのフレーム領域が設けられており、表示データは当該2つのフレーム領域に交互に作成される。VDP95は、その作成した表示データに対応する画像信号を画像表示装置63に出力することで、当該画像表示装置63にその表示データに対応する画像を表示させる。
ビデオRAM96に2つのフレーム領域が設けられていることにより、一方のフレーム領域に作成された表示データを用いて画像表示装置63への描画(画像信号の出力)が実行されている状況において、他のフレーム領域に対して今後用いられる表示データの作成が実行される。つまり、ダブルバッファ方式が採用されており、画像表示装置63への画像信号の出力は、当該出力に係るフレームに対して1フレーム分だけ後の更新タイミングに対応する表示データの作成と並行して行われる。
なお、以下の説明では説明の便宜上、主制御装置70のMPU72、ROM73及びRAM74をそれぞれ主側MPU72、主側ROM73及び主側RAM74といい、演出制御装置90のMPU92、ROM93及びRAM94をそれぞれ演出側MPU92、演出側ROM93及び演出側RAM94という。
次に、主側MPU72により実行される処理について説明する。まず、主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に当該主側MPU72にて実行されるメイン処理について図11のフローチャートを参照しながら説明する。
メイン処理ではまず初期化処理を実行する(ステップS101)。初期化処理では、タイマ割込み処理による割込みを許可し、さらに主側MPU72内のレジスタ群及びI/O装置等に対する各種の初期設定を行う。
その後、演出側MPU92に対して役物初期化コマンドを送信する(ステップS102)。役物初期化コマンドは、役物75の球状演出部77bを初期位置に復帰させるための処理を演出側MPU92に対して実行させるためのコマンドである。役物初期化コマンドを受信した演出側MPU92は後述する役物初期化処理(図69)を実行する。
その後、設定キーが設定キー挿入孔57に挿入されて電源ONが行われているか否かを判定する(ステップS103)。設定キーが挿入された状態で電源ONが行われている場合には(ステップS103:YES)、電源ONに際してリセットボタン56がON操作されていないのであれば(ステップS104:NO)、そのまま当選確率設定処理を実行する(ステップS106)。一方、電源ONに際してリセットボタン56がON操作されているのであれば(ステップS104:YES)、クリア処理(ステップS105)を実行した後に、当選確率設定処理を実行する(ステップS106)。
クリア処理では、主側RAM74における全部のエリアを初期化する。この場合、主側RAM74においてスロットマシン10の設定値を記憶するエリア、ボーナス状態であるか否かを示すデータが記憶されたエリア、ボーナス状態における遊技媒体の合計付与数を示すデータが記憶されたエリア、遊技状態を示すデータが記憶されたエリア、ART状態の終了条件を特定するためのデータが記憶されたエリア、遊技区間を示すデータが記憶されたエリア、遊技履歴の管理結果のデータが記憶されたエリアも含めて主側RAM74の各エリアを「0」クリアする。これにより、クリア処理が実行された場合には、電源遮断前の状態とは無関係に通常遊技状態であって通常区間となるとともに、電源遮断前の状態が異常の発生を契機として遊技の進行が規制された状態であった場合にはその異常状態が解除される。なお、当該クリア処理に際して遊技履歴の管理結果のデータが記憶されたエリア(具体的には後述する合計ゲーム数カウンタ74a、有利ゲーム数カウンタ74b)が「0」クリアの対象から除外される構成としてもよい。
当選確率設定処理では、設定キーが挿入されてON操作されていることを条件として現在の設定値を読み込むとともに、クレジット表示部65に現在の設定値を表示する。なお、主側RAM74のクリア処理(ステップS105)が実行された場合には当選確率設定処理の開始に際してクレジット表示部65には「設定1」に対応する表示が行われ、クリア処理(ステップS105)が実行されていない場合には電源遮断前の状態における設定値に対応する表示が行われる。当選確率設定処理では、リセットボタン56が操作される度に設定値を1更新するとともに、その更新後の設定値をクレジット表示部65に表示する。なお、設定値が「設定6」である状況でリセットボタン56が操作された場合には設定値は「設定1」に更新される。スタートレバー41が操作された後に設定キーのON操作が解除された場合、演出側MPU92に対して設定終了コマンドを送信し、クレジット表示部65における設定値の表示を終了するための処理を行って、当選確率設定処理を終了する。設定終了コマンドは、設定値の更新が終了したことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。設定終了コマンドには、現状の設定値を示す数値情報が設定されており、演出側MPU92は受信した設定終了コマンドに設定されている数値情報に基づいて現状の設定値を把握する。
当選確率設定処理を実行した後は、有利区間の初期化処理を実行する(ステップS107)。有利区間の初期化処理では、有利区間に関する情報を初期化する処理を実行する。当該有利区間の初期化処理の内容は、後述するステップS1007及びステップS1014と同一である。これにより、当選確率設定処理が実行された場合には、遊技区間が確実に通常区間となる。なお、有利区間の初期化処理の具体的な処理内容は後に説明する。有利区間の初期化処理を実行した後は、通常処理に移行する(ステップS108)。通常処理については後に詳細に説明する。
メイン処理において設定キーのON操作が行われていない場合(ステップS103:NO)、ステップS109以降の復電処理を実行する。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させるための処理である。復電処理では、主側RAM74を確認することでスロットマシン10の設定値が正常か否かを判定する(ステップS109)。具体的には、設定値が「設定1」~「設定6」のいずれかである場合に正常であると判定し、「0」又は「7」以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS110)。停電フラグは主側RAM74に設けられており、主側MPU72への動作電力の供給が停止される場合において予め定められた停電時処理が正常に実行された場合には当該停電フラグに「1」がセットされることとなる。停電フラグに「1」がセットされている場合には、RAM判定値が正常であるか否かを確認する(ステップS111)。具体的には、主側RAM74のチェックサム値を調べ、その値が正常であるか否かを確認する。
ステップS109~ステップS111の全てにおいて肯定判定をした場合には前回の電断時における停電時処理が正常に実行されたことを意味する。この場合、主側RAM74に保存されたスタックポインタの値を主側MPU72のスタックポインタに書き込み、主側RAM74に退避されたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させることで、主側MPU72のレジスタの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる(ステップS112)。また、主側RAM74の停電フラグを「0」クリアする(ステップS113)。その後、復電処理の実行を認識させるための復電コマンドを演出側MPU92に送信した後に(ステップS114)、電源遮断前の番地に戻る(ステップS115)。
一方、ステップS109~ステップS111のいずれかで否定判定をした場合には動作禁止処理を実行する。動作禁止処理では、次回のタイマ割込み処理(図12)の実行を禁止し(ステップS116)、主側MPU72の全ての出力ポートを「0」クリアすることにより当該出力ポートに接続された全てのアクチュエータをOFF状態とし(ステップS117)、ホール管理者等にエラーの発生を報知するためのエラー報知処理を実行する(ステップS118)。そして、無限ループとなる。当該動作禁止処理は、クリア処理(ステップS105)が実行されることにより解除される。
次に、主側MPU72にて実行されるタイマ割込み処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。なお、タイマ割込み処理は、例えば1.49ミリ秒ごとに起動される。
レジスタ退避処理(ステップS201)では、後述する通常処理で使用している主側MPU72内の全レジスタの値を主側RAM74に退避させる。ステップS202では停電フラグに「1」がセットされているか否かを確認し、停電フラグに「1」がセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
停電フラグは、電源装置54の停電監視回路からの停電信号が主側MPU72に入力された場合にセットされる。停電時処理では、まずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、主側MPU72のスタックポインタの値を主側RAM74に保存する。その後、主側MPU72の出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時に主側RAM74のデータが正常か否かを判定するための判定値を算出して当該主側RAM74に保存し、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
ステップS202にて停電フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、主側MPU72自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、これら各リール32L,32M,32Rに設けられたステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入力ポートに接続された各種センサの状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。
ステップS208では、回転中であるいずれかのリール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42~44の操作が行われた場合に演出側MPU92に対して当該操作に対応するコマンドを送信する停止操作対応処理(図25)を行う。演出側MPU92は、主側MPU72から受信するコマンドに基づいて各リール32L,32M,32Rの停止操作が行われたことを把握する。なお、停止操作対応処理(図25)については後に詳細に説明する。
ステップS209では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ減算処理を行う。ステップS210では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部へ出力するカウンタ処理を行う。ステップS211では、各種コマンドを演出側MPU92へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS212では、入出力ポートからI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS213では、先のステップS201にて主側RAM74に退避させた各レジスタの値をそれぞれ主側MPU72内の対応するレジスタに復帰させる。ステップS214では遊技履歴を管理するとともにその管理結果に対応する内容を兼用表示部66に表示させるための管理用処理(図102)を実行する。その後、ステップS215にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。なお、ステップS214の管理用処理(図102)については後に詳細に説明する。
次に、主側MPU72にて実行される通常処理について図13のフローチャートに基づき説明する。
まず次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う(ステップS301)。その後、開始待ち処理を実行する(ステップS302)。開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかのリプレイ入賞が発生したか否かを判定する。いずれかのリプレイ入賞が発生していた場合には、前回のベット数と同数のベット設定を行う再遊技処理を行い、開始待ち処理を終了する。いずれのリプレイ入賞も発生していなかった場合には、精算ボタン51が操作されたか否かを判定し、精算ボタン51が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算ボタン51が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入ボタン47~49の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入ボタン47~49の操作との両方が行われていない場合にはそのまま開始待ち処理を終了する。
ステップS302の開始待ち処理の実行後、メダルのベット数が規定数(具体的には「3」)に達しているか否かを判定し(ステップS303)、ベット数が規定数に達していない場合には開始待ち処理(ステップS302)に戻る。ベット数が規定数に達している場合(ステップS303:YES)には、スタートレバー41が操作されたか否かを判定し(ステップS304)、スタートレバー41が操作されていない場合(ステップS304:NO)には、開始待ち処理(ステップS302)に戻る。一方、スタートレバー41が操作された場合(ステップS304:YES)には、メインラインMLを有効化させた後に、受付禁止処理を実行する(ステップS305)。受付禁止処理が実行されることにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45aにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される状態となる。その後、今回のゲームにおける役の抽選を行うための役の抽選処理を実行し(ステップS306)、主側RAM74に設けられたフリーズカウンタの値が「0」となっていることを条件として(ステップS307:YES)、各リール32L,32M,32Rを今回の役の抽選処理の結果に対応した態様で駆動制御するためのリール制御処理を実行する(ステップS308)。
その後、媒体付与処理を実行する(ステップS309)。媒体付与処理では、今回のゲームにおいて小役入賞が成立している場合に、当該小役入賞に対応した数の遊技媒体を遊技者に付与するための処理を実行する。具体的には、仮想メダルを付与する場合には主側RAM74に設けられたクレジットカウンタに今回の小役入賞に対応した値を加算し、クレジットカウンタの値が上限貯留数に達している場合にはその上限貯留数を超えた数分のメダルがメダル受け皿59に払い出されるようにホッパ装置53を駆動制御する。また、媒体付与処理では、今回付与対象となった遊技媒体の数に対応する表示が行われるように兼用表示部66を表示制御する。この兼用表示部66における遊技媒体の数に対応する表示は、遊技媒体のベットが新たに行われるまで継続される。
その後、今回のゲームの結果に対応する遊技状態及び遊技区間の設定を可能とするための遊技終了時の対応処理を実行する(ステップS310)。また、スロットマシン10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに出力するための外部出力設定処理を実行する(ステップS311)。
その後、主側RAM74に設けられた第2期待演出フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS312)、第2期待演出フラグに「1」がセットされている場合(ステップS312:YES)には、第2期待演出フラグが「0」クリアされるまでステップS312の処理を繰り返す。第2期待演出フラグは、後述する第2期待演出の実行対象ゲームであることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。ステップS312にて否定判定を行った場合、主側RAM74に設けられた再変動演出フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS313)、再変動演出フラグに「1」がセットされている場合(ステップS313:YES)には、再変動演出フラグが「0」クリアされるまでステップS313の処理を繰り返す。再変動演出フラグは、後述する再変動演出の実行対象ゲームであることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。
ステップS313にて否定判定を行った場合には、主側RAM74のフリーズカウンタの値が「0」となっていることを条件として(ステップS314:YES)、受付許可処理を実行して(ステップS315)、ステップS301に戻る。受付許可処理が実行されることにより、メダル投入口45から投入されたメダルは、投入メダル検出センサ45aにて検出された後にホッパ装置53にて回収される。
<役の抽選処理>
次に、通常処理(図13)のステップS306にて実行される役の抽選処理について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
まず乱数取得処理を実行する(ステップS401)。乱数取得処理では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、主側MPU72は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値を主側RAM74に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
ステップS401にて乱数取得処理を実行した後、役の当否判定を行うための抽選テーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS402)。本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔57に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて役の抽選処理を実行させるのかを設定することができる。「設定n」よりも「設定n+1」の方が遊技者にとって有利な当選確率となる。具体的には、「設定n」よりも「設定n+1」の方がBB状態への移行契機となる役の当選確率が高いことにより、「設定n」よりも「設定n+1」の方が遊技者にとって有利となる。また、同一の段階の設定値であっても主側MPU72において抽選テーブルが相違する抽選モードとして、通常モードと、第1RTモードと、第2RTモードとの3種類が存在している。また、遊技状態として、これら各抽選モードの状態とは別にボーナス状態(BB状態及びRB状態)が存在している。ステップS402では、現状の設定値と、現状の抽選モードと、現状の遊技状態との組合せに対応する抽選テーブルを選択する。
「設定3」である場合を例に挙げて、非ボーナス状態における通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのそれぞれに対応する抽選テーブルについて説明する。まず通常モードである場合に選択される通常モード用抽選テーブルについて説明する。図15は通常モード用抽選テーブルを説明するための説明図である。なお、以下の説明では図16の説明図を適宜参照する。
通常モード用抽選テーブルには、図15に示すように、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。ポイント値PVは、対応する抽選役の当選確率をフリーランカウンタの最大値(「65535」)との関係で定めるものである。
具体的には、インデックス値IV=1には、第1ベル当選データと、第1補填当選データと、が設定されている。インデックス値IV=1で当選となった場合、図16に示すように、第1停止(最初に停止指令が発生したリール)が左リール32Lである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞が確実に発生する。
本スロットマシン10においてはストップボタン42~44が操作されてから最大4図柄分まで滑らせることが可能なリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。換言すれば、ストップボタン42~44が操作されてから規定時間(190ミリ秒)が経過するまでに停止させるリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。このようなリール制御が行われることにより、当選している役に対応した入賞を成立させ易くすることが可能となるとともに、当選していない役に対応した入賞が成立してしまうことを回避することが可能となる。但し、滑らせることが可能なリール32L,32M,32Rの回転量が上記のように制限されているため、一のリール32L,32M,32Rにおいて、入賞を成立させるための図柄の組合せを構成する構成図柄間に5図柄以上が存在していると、対応するストップボタン42~44の操作タイミングによっては当該構成図柄がメインラインML上に停止しないことが起こり得る(当該事象を所謂「取りこぼし」ともいう)。第1補填入賞~第3補填入賞、第1ベル入賞、第2ベル入賞及び各種リプレイ入賞は対応する順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合には取りこぼしが発生しない入賞態様であり、第1スイカ入賞、第2スイカ入賞、チェリー入賞、第1BB入賞、第2BB入賞、第3BB入賞、第4BB入賞、第1RB入賞及び第2RB入賞はリール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の停止操作タイミングによっては取りこぼしが発生し得る入賞態様である。
インデックス値IV=2には、図15に示すように、第1ベル当選データと、第2補填当選データと、が設定されている。インデックス値IV=2で当選となった場合、図16に示すように、第1停止が中リール32Mである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第2補填入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=3には、図15に示すように、第1ベル当選データと、第3補填当選データと、が設定されている。インデックス値IV=3で当選となった場合、図16に示すように、第1停止が右リール32Rである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第3補填入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=4には、図15に示すように、第1ベル当選データのみが設定されている。インデックス値IV=4で当選となった場合、図16に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が確実に成立する。インデックス値IV=17には、図15に示すように、第2ベル当選データのみが設定されている。インデックス値IV=17で当選となった場合、図16に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2ベル入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=5には、図15に示すように、第1スイカ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=5で当選となった場合、図16に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第1スイカ入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第1スイカ入賞が成立しない可能性がある。インデックス値IV=18には、図15に示すように、第2スイカ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=18で当選となった場合、図16に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第2スイカ入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、第2スイカ入賞が成立しない可能性がある。
インデックス値IV=6には、図15に示すように、チェリー当選データのみが設定されている。インデックス値IV=6で当選となった場合、図16に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくチェリー入賞が成立し得る。但し、左リール32Lの回転位置に対する左ストップボタン42の操作タイミングによっては、チェリー入賞が成立しない可能性がある。
インデックス値IV=7には、図15に示すように、第3BB当選データのみが設定されている。インデックス値IV=7で当選となった場合、図16に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第3BB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングよっては、第3BB入賞が成立しない可能性がある。また、インデックス値IV=8には、図15に示すように、第4BB当選データのみが設定されている。インデックス値IV=8で当選となった場合、図16に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第4BB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングよっては、第4BB入賞が成立しない可能性がある。また、インデックス値IV=9には、図15に示すように、第1RB当選データのみが設定されている。インデックス値IV=9で当選となった場合、図16に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第1RB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングよっては、第1RB入賞が成立しない可能性がある。
インデックス値IV=19には、図15に示すように、第1BB当選データのみが設定されている。インデックス値IV=19で当選となった場合、図16に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第1BB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングよっては、第1BB入賞が成立しない可能性がある。また、インデックス値IV=20には、図15に示すように、第2BB当選データのみが設定されている。インデックス値IV=20で当選となった場合、図16に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第2BB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングよっては、第2BB入賞が成立しない可能性がある。また、インデックス値IV=21には、図15に示すように、第2RB当選データのみが設定されている。インデックス値IV=21で当選となった場合、図16に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第2RB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングよっては、第2RB入賞が成立しない可能性がある。
ここで、第1~第4BB当選データと第1~第2RB当選データとを含むボーナス当選データ以外の当選データは入賞が成立したか否かに関係なく当選となったゲームにて消去され、当選となったゲームの次以降のゲームには持ち越されない。これに対して、上記ボーナス当選データは、主側RAM74のクリア処理が行われる場合を除き、当選となったゲームの次以降のゲームであっても対応するボーナス入賞が成立するまで記憶保持される。この場合に、ボーナス当選データが持ち越されている状態のゲームにおいては全てのボーナス当選データに対応するインデックス値IVは抽選対象から除外される。これにより、ボーナス当選データが既に記憶保持されているにも関わらずボーナス当選データが新たに記憶されてしまわないようにすることが可能となり、複数のボーナス当選データが累積して記憶されてしまわないようにすることが可能となる。
インデックス値IV=10には、図15に示すように、第1特殊リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=10で当選となった場合、図16に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1特殊リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=22には、図15に示すように、第2特殊リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=22で当選となった場合、図16に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2特殊リプレイ入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=11~16には、図15に示すように、通常リプレイ当選データと、第1RTリプレイ当選データとが設定されている。この場合、インデックス値IV=11で当選となった場合、図16に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止(2番目に停止指令が発生したリール)が中リール32Mであり、第3停止(最後に停止指令が発生したリール)が右リール32Rである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=12で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=16で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。
図15の通常モード用抽選テーブルが選択される場合、インデックス値IV=1の際に当選となる確率、インデックス値IV=2の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=3の際に当選となる確率は、それぞれ約1/6.6である。また、インデックス値IV=4の際に当選となる確率は、約1/13.1である。また、インデックス値IV=5の際に当選となる確率は、約1/164である。また、インデックス値IV=6の際に当選となる確率は、約1/423である。また、インデックス値IV=7の際に当選となる確率及びインデックス値IV=8の際に当選となる確率は、それぞれ約1/437である。また、インデックス値IV=9の際に当選となる確率は、約1/328である。また、インデックス値IV=10の際に当選となる確率は、約1/655である。また、インデックス値IV=11の際に当選となる確率、インデックス値IV=12の際に当選となる確率、インデックス値IV=13の際に当選となる確率、インデックス値IV=14の際に当選となる確率、インデックス値IV=15の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=16の際に当選となる確率は、それぞれ約1/41である。また、インデックス値IV=17の際に当選となる確率は、約1/16.4である。また、インデックス値IV=18の際に当選となる確率は、約1/146である。また、インデックス値IV=19の際に当選となる確率及びインデックス値IV=20の際に当選となる確率は、それぞれ約1/437である。また、インデックス値IV=21の際に当選となる確率は、約1/328である。また、インデックス値IV=22の際に当選となる確率は、約1/655である。
ここで、通常モード用抽選テーブルには、既に説明したとおり、インデックス値IV=11~16の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第1RTリプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=11~16のいずれかに当選する確率は約1/41である。そして、インデックス値IV=11~16のいずれかで当選となった場合、リール32L,32M,32Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に第1RTリプレイ入賞が成立し、抽選モードが通常モードから第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、役の抽選処理(図14)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
次に、「設定3」であって第1RTモードである場合に選択される第1RTモード用抽選テーブルについて説明する。図17及び図18は第1RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
第1RTモード用抽選テーブルにおいては、図17に示すように、インデックス値IV=1~10のそれぞれに設定されている当選データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図15)と同一となっている。また、第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=23~28のそれぞれに設定されている当選データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=17~22のそれぞれと同一となっている。
この場合、インデックス値IV=1~6,23~24には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1~6,23~24のそれぞれに設定されている当選データ及び各当選確率が通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=1~6,17~18のそれぞれと同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード及び第1RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。
また、第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=7~9,25~27には通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=7~9,19~21と同様にボーナス当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード及び第1RTモードにおいて各ボーナス役に当選する確率は同一となっている。また、第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=10,28には通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=10,22と同様に特殊リプレイ当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード及び第1RTモードにおいて各特殊リプレイ役に当選する確率は同一となっている。
インデックス値IV=11~22に設定されている当選役データは、通常モードと相違している。詳細には、第1RTモード用抽選テーブルにおいては、図17に示すように、インデックス値IV=11~16の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第2RTリプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=11~16のいずれかに当選する確率は約1/6.8である。
インデックス値IV=11で当選となった場合、図18に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=12で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=16で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。
第1RTモードにおいてインデックス値IV=11~16のいずれかで当選となりリール32L,32M,32Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に第2RTリプレイ入賞が成立して抽選モードが第1RTモードから第2RTモードに移行する。第2RTモードに移行した場合、役の抽選処理(図14)において参照される抽選テーブルは第2RTモード用抽選テーブルとなる。
第1RTモード用抽選テーブルには、図17に示すように、インデックス値IV=17~22の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第1転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=17~22のいずれかに当選する確率は約1/10.9である。
第1RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=17で当選となった場合、図18に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=18で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=19で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=20で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=21で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=22で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第1転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが通常モードに移行する。通常モードに移行した場合、役の抽選処理(図14)において参照される抽選テーブルは通常モード用抽選テーブルとなる。
第1RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=10~22,28にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第1RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(以下、リプレイ確率ともいう)は約1/4.1となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/6.7となっている。つまり、第1RTモードは通常モードよりもリプレイ確率が高い抽選モードとなっている。
次に、「設定3」であって第2RTモードである場合に選択される第2RTモード用抽選テーブルについて説明する。図19及び図20は第2RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
第2RTモード用抽選テーブルにおいては、図19に示すように、インデックス値IV=1~10のそれぞれに設定されている当選データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図15)及び第1RTモード用抽選テーブル(図17)と同一となっている。また、第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=18~23のそれぞれに設定されている当選データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=17~22及び第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=23~28のそれぞれと同一となっている。
この場合、インデックス値IV=1~6,18~19には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1~6,18~19のそれぞれに設定されている当選データ及び各当選確率が、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=1~6,17~22のそれぞれと同一となっているとともに、第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=1~6,23~24のそれぞれと同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。
また、第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=7~9,20~22には通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=7~9,19~21及び第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=7~9,25~27と同様にボーナス当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードにおいて各ボーナス役に当選する確率は同一となっている。また、第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=10,23には通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=10,22及び第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=10,28と同様に特殊リプレイ当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードにおいて各特殊リプレイ役に当選する確率は同一となっている。
インデックス値IV=11~17に設定されている当選役データは、通常モード及び第1RTモードと相違している。詳細には、第2RTモード用抽選テーブルにおいては、図19に示すように、インデックス値IV=11~16の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第2転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=11~16のいずれかに当選する確率は約1/6.8である。
第2RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=11で当選となった場合、図20に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=12で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=16で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第2転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、役の抽選処理(図14)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
第2RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=17に通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=17において当選となる確率は他の役に当選する確率よりも高く設定されており、具体的には約1/5.5で当選となる。そして、このインデックス値IV=17で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングとは無関係に通常リプレイ入賞が成立することとなる。
第2RTモード用抽選テーブルには、インデックス値IV=10~17,23にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第2RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(以下、リプレイ確率ともいう)は、約1/3.0となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/6.7となっているとともに第1RTモードにおけるリプレイ確率は約1/4.1となっている。したがって、第2RTモードは通常モード及び第1RTモードよりもリプレイ確率が高い抽選モードとなっている。但し、これに限定されることはなく、第1RTモードと第2RTモードとでリプレイ確率が同一である構成としてもよく、第1RTモードと第2RTモードとでリプレイ確率が若干相違しているものの略同一である構成としてもよい。
なお、主側ROM73には、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブル以外にもBB状態又はRB状態である場合に役の抽選処理(図14)にて参照されるボーナス用抽選テーブルが記憶されているとともに、ボーナス役に当選しているもののそれに対応するボーナス入賞が成立していない場合に役の抽選処理(図14)にて参照される内部用抽選テーブルが記憶されている。
ボーナス用抽選テーブルでは第1ベル入賞の成立を可能とさせる役に約1/1.5で当選するとともに、当該役に当選した場合には各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の停止操作タイミングとは無関係に第1ベル入賞が成立することとなる。また、ボーナス用抽選テーブルでは第1スイカ入賞の成立を可能とさせる役に約1/6.6で当選するとともにチェリー入賞の成立を可能とさせる役に約1/7.8で当選する。これら第1スイカ入賞及びチェリー入賞は各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の停止操作タイミングによっては成立しない。上記のようにボーナス用抽選テーブルが設定されていることにより、BB状態又はRB状態においては各ゲームにて基本的に第1ベル入賞が成立して「11」の遊技媒体が付与されることとなるが、第1スイカ入賞又はチェリー入賞が成立することもあり第1スイカ入賞が成立した場合には「5」の遊技媒体が付与されチェリー入賞が成立した場合には「2」の遊技媒体が付与される。これに対して、BB状態は当該BB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数がBB終了基準数(例えば「350」)以上となることで終了し、RB状態は当該RB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数がRB終了基準数(例えば「150」)以上となることで終了する。したがって、BB状態及びRB状態が終了するまでに要するゲーム数は役の抽選処理(図14)の結果、及び取りこぼしの発生の有無により変動することとなる。なお、ボーナス用抽選テーブルはスロットマシン10の有利度を変動させる「1」~「6」の設定値の間において共通となっている。
内部用抽選テーブルは、通常モード用抽選テーブル(図15)におけるインデックス値IV=1~6,10,17,18,22に対応する当選データがそれらインデックス値IVの当選確率で設定されているとともに、これに加えて通常リプレイ当選データのみが設定されたインデックス値が通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=11~16の合計の当選確率となるようにして設定されている。したがって、ボーナス役の内部当選状態となっている場合には、遊技媒体の付与を可能とする役及び当該役の当選確率が通常モードと同一であるとともにリプレイ確率が通常モードと同一であるものの、ボーナス役に当選することはなくさらに通常モード、第1RTモード及び第2RTモードへの移行契機となる役に当選することもない。
ここで、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブルのいずれにおいても、「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一のインデックス値IVと「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なるインデックス値IVとが存在している。図21(a)~図21(c)は「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なるインデックス値IVを説明するための説明図であり、図21(a)は通常モード用抽選テーブルの場合を示し、図21(b)は第1RTモード用抽選テーブルの場合を示し、図21(c)は第2RTモード用抽選テーブルの場合を示す。
図21(a)に示すように通常モード用抽選テーブルにおいてはインデックス値IV=17~22が「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なるインデックス値IVであり、インデックス値IV=1~16が「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一のインデックス値IVである。図21(b)に示すように第1RTモード用抽選テーブルにおいてはインデックス値IV=23~28が「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なるインデックス値IVであり、インデックス値IV=1~22が「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一のインデックス値IVである。図21(c)に示すように第2RTモード用抽選テーブルにおいてはインデックス値IV=18~23が「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なるインデックス値IVであり、インデックス値IV=1~17が「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一のインデックス値IVである。
つまり、いずれの抽選テーブルであったとしても、「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一のインデックス値IVはインデックス値IV=1から連番となる前側範囲のインデックス値IVに集約されており、「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なるインデックス値IVは前側範囲における最後のインデックス値IVの次の順番のインデックス値IVから最後のインデックス値IVまで連番となる後側範囲のインデックス値IVに集約されている。このように「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一のインデックス値IVを前側範囲に集約するとともに「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なるインデックス値IVを後側範囲に集約することにより、スロットマシン10の設計段階において「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一であるインデックス値IV及び当選確率が異なるインデックス値IVの設定や修正を行い易くなる。
各抽選テーブルにおいて「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なる後側範囲に含まれるインデックス値IVは異なるものの、後側範囲に含まれるインデックス値IVのそれぞれに設定されている当選データ及び当選確率は各抽選テーブル間において共通している。具体的には、通常モード用抽選テーブルにおいては図21(a)に示すようにインデックス値IV=17~22が後側範囲に含まれており、第1RTモード用抽選テーブルにおいては図21(b)に示すようにインデックス値IV=23~28が後側範囲に含まれており、第2RTモード用抽選テーブルにおいては図21(c)に示すようにインデックス値IV=18~23が後側範囲に含まれている。この場合に、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=17と第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=23と第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=18とは設定されている当選データ及び当選確率が相互に同一となっており、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=18と第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=24と第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=19とは設定されている当選データ及び当選確率が相互に同一となっており、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=19と第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=25と第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=20とは設定されている当選データ及び当選確率が相互に同一となっており、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=20と第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=26と第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=21とは設定されている当選データ及び当選確率が相互に同一となっており、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=21と第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=27と第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=22とは設定されている当選データ及び当選確率が相互に同一となっており、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=22と第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=28と第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=23とは設定されている当選データ及び当選確率が相互に同一となっている。これにより、各抽選テーブルにおいて「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なることとなる役の種類を共通なものとすることが可能となるとともに、各抽選テーブルにおいて当該役の各設定値における当選確率を同一とすることが可能となる。
ちなみに、第2ベル当選データのみが設定されたインデックス値、第2スイカ当選データのみが設定されたインデックス値、第1BB当選データのみが設定されたインデックス値、第2BB当選データのみが設定されたインデックス値、第2RB当選データのみが設定されたインデックス値及び第2特殊リプレイ当選データのみが設定されたインデックス値IVの各当選確率はいずれも、大きい設定値の方が小さい設定値よりも当選確率が高くなる傾向を有するように設定されている。但し、これに限定されることはなく、大きい設定値の方が小さい設定値よりも遊技者にとって有利となるのであれば一部のインデックス値については大きい設定値の方が小さい設定値よりも当選確率が低くなる傾向を有するように設定されている構成としてもよい。
既に説明したとおり各抽選テーブルにおいて前側範囲に含まれるインデックス値IV=1~10には相互に同一の当選データが設定されているとともに各当選確率も相互に同一となっている。これにより、各抽選テーブルにおいて「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一となる役であって設定されている当選データの種類が同一である役の当選確率を同一とすることが可能となる。
上記のように前側範囲と後側範囲とが設定されている構成において、前側範囲には、遊技媒体の付与を可能とする役、リプレイ入賞を可能とする役、ボーナス入賞を可能とする役が設定されているとともに、後側範囲にも、遊技媒体の付与を可能とする役、リプレイ入賞を可能とする役、ボーナス入賞を可能とする役が設定されている。つまり、遊技媒体の付与を可能とする役は前側範囲と後側範囲とに混在しているとともにそれら役のインデックス値IVは前側範囲と後側範囲との間で連続性を失っている。同様に、リプレイ入賞を可能とする役は前側範囲と後側範囲とに混在しているとともにそれら役のインデックス値IVは前側範囲と後側範囲との間で連続性を失っている。同様に、ボーナス入賞を可能とする役は前側範囲と後側範囲とに混在しているとともにそれら役のインデックス値IVは前側範囲と後側範囲との間で連続性を失っている。そうすると、役の抽選処理(図14)の実行後の各種処理において当選役を把握するための処理構成が複雑化してしまうおそれがある。
また、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブルにおいて前側範囲の後半側に設定されているインデックス値には抽選モード間の移行契機を生じさせるための当選データ及びリプレイ確率を変化させるための当選データが設定されていることにより、後側範囲の最初のインデックス値IVが各抽選テーブルにおいて相違している。例えば、第2ベル当選データのみが設定されたインデックス値IVは通常モード用抽選テーブルでは「17」となり、第1RTモード用抽選テーブルでは「23」となり、第2RTモード用抽選テーブルでは「18」となる。また、例えば、第1BB当選データのみが設定されたインデックス値IVは通常モード用抽選テーブルでは「19」となり、第1RTモード用抽選テーブルでは「25」となり、第2RTモード用抽選テーブルでは「20」となる。また、例えば、第2特殊リプレイ当選データのみが設定されたインデックス値IVは通常モード用抽選テーブルでは「22」となり、第1RTモード用抽選テーブルでは「28」となり、第2RTモード用抽選テーブルでは「23」となる。この場合に、役の抽選処理(図14)の実行後の各種処理において同一の役であるにも関わらず異なるインデックス値IVのまま扱おうとすると、当該役の特定を行う処理の度にインデックス値IVだけではなく現状の抽選モードを把握する必要が生じてしまい、処理構成が複雑化してしまうおそれがある。
上記のような不都合を解消するために。本スロットマシン10ではスロットマシン10の設計段階において主側ROM73にオフセットテーブル97が予め記憶されている。図22はオフセットテーブル97を説明するための説明図である。
図22に示すようにオフセットテーブル97には当選番号の情報が設定されている。当選番号の情報として「1」~「41」の数値情報が連番で設定されている。そして、オフセットテーブル97では、通常モード用抽選テーブルの各インデックス値IV、第1RTモード用抽選テーブルの各インデックス値IV及び第2RTモード用抽選テーブルの各インデックス値IVが「1」~「41」のいずれかの当選番号の情報に対応付けられている。この対応付けは、遊技媒体の付与を可能とする役である小役のグループと、ボーナス入賞の成立を可能とする役であるボーナス役のグループと、リプレイ入賞の成立を可能とする役であるリプレイ役のグループとのそれぞれが連番となる当選番号の情報により形成されるように行われている。また、この対応付けは、同一種類の当選データが設定された役が異なる抽選モード間であっても同一の当選番号の情報として扱うことが可能となるように行われている。
具体的には、「1」~「8」の連番となる当選番号の情報のグループが小役のグループとなり、「9」~「14」の連番となる当選番号の情報のグループがボーナス役のグループとなり、「15」以降の連番となる当選番号の情報のグループがリプレイ役のグループとなるようにオフセットテーブル97が設定されている。また、リプレイ役のグループにおいては「15」及び「16」の当選番号の情報に通常リプレイ当選データが設定されていないリプレイ役が集約されており、「17」以降の当選番号の情報に通常リプレイ当選データが設定されたリプレイ役が集約されている。
各抽選テーブルにおいて「1」のインデックス値IVには第1ベル当選データと第1補填当選データとが設定されているが当該インデックス値IV=1はいずれの抽選テーブルであっても「1」の当選番号の情報が設定されている。各抽選テーブルにおいて「2」のインデックス値IVには第1ベル当選データと第2補填当選データとが設定されているが当該インデックス値IV=2はいずれの抽選テーブルであっても「2」の当選番号の情報が設定されている。各抽選テーブルにおいて「3」のインデックス値IVには第1ベル当選データと第3補填当選データとが設定されているが当該インデックス値IV=3はいずれの抽選テーブルであっても「3」の当選番号の情報が設定されている。各抽選テーブルにおいて「4」のインデックス値IVには第1ベル当選データのみが設定されているが当該インデックス値IV=4はいずれの抽選テーブルであっても「4」の当選番号の情報が設定されている。
通常モード用抽選テーブルにおける「17」のインデックス値IV、第1RTモード用抽選テーブルにおける「23」のインデックス値IV及び第2RTモード用抽選テーブルにおける「18」のインデックス値IVには第2ベル当選データのみが設定されているがこれらインデックス値IVは「5」の当選番号の情報が設定されている。これにより、設定されている当選データが同一であるものの各抽選テーブルにおいてインデックス値IVが異なる当該役を役の抽選処理(図14)後の各種処理において同一の情報として扱うことが可能となる。
各抽選テーブルにおいて「5」のインデックス値IVには第1スイカ当選データのみが設定されているが当該インデックス値IV=5はいずれの抽選テーブルであっても「6」の当選番号の情報が設定されている。
通常モード用抽選テーブルにおける「18」のインデックス値IV、第1RTモード用抽選テーブルにおける「24」のインデックス値IV及び第2RTモード用抽選テーブルにおける「19」のインデックス値IVには第2スイカ当選データのみが設定されているがこれらインデックス値IVは「7」の当選番号の情報が設定されている。これにより、設定されている当選データが同一であるものの各抽選テーブルにおいてインデックス値IVが異なる当該役を役の抽選処理(図14)後の各種処理において同一の情報として扱うことが可能となる。
各抽選テーブルにおいて「6」のインデックス値IVにはチェリー当選データのみが設定されているが当該インデックス値IV=6はいずれの抽選テーブルであっても「8」の当選番号の情報が設定されている。各抽選テーブルにおいて「7」のインデックス値IVには第3BB当選データのみが設定されているが当該インデックス値IV=7はいずれの抽選テーブルであっても「9」の当選番号の情報が設定されている。各抽選テーブルにおいて「8」のインデックス値IVには第4BB当選データのみが設定されているが当該インデックス値IV=8はいずれの抽選テーブルであっても「10」の当選番号の情報が設定されている。
通常モード用抽選テーブルにおける「19」のインデックス値IV、第1RTモード用抽選テーブルにおける「25」のインデックス値IV及び第2RTモード用抽選テーブルにおける「20」のインデックス値IVには第1BB当選データのみが設定されているがこれらインデックス値IVは「11」の当選番号の情報が設定されている。これにより、設定されている当選データが同一であるものの各抽選テーブルにおいてインデックス値IVが異なる当該役を役の抽選処理(図14)後の各種処理において同一の情報として扱うことが可能となる。
通常モード用抽選テーブルにおける「20」のインデックス値IV、第1RTモード用抽選テーブルにおける「26」のインデックス値IV及び第2RTモード用抽選テーブルにおける「21」のインデックス値IVには第2BB当選データのみが設定されているがこれらインデックス値IVは「12」の当選番号の情報が設定されている。これにより、設定されている当選データが同一であるものの各抽選テーブルにおいてインデックス値IVが異なる当該役を役の抽選処理(図14)後の各種処理において同一の情報として扱うことが可能となる。
各抽選テーブルにおいて「9」のインデックス値IVには第1RB当選データのみが設定されているが当該インデックス値IV=9はいずれの抽選テーブルであっても「13」の当選番号の情報が設定されている。
通常モード用抽選テーブルにおける「21」のインデックス値IV、第1RTモード用抽選テーブルにおける「27」のインデックス値IV及び第2RTモード用抽選テーブルにおける「22」のインデックス値IVには第2RB当選データのみが設定されているがこれらインデックス値IVは「14」の当選番号の情報が設定されている。これにより、設定されている当選データが同一であるものの各抽選テーブルにおいてインデックス値IVが異なる当該役を役の抽選処理(図14)後の各種処理において同一の情報として扱うことが可能となる。
各抽選テーブルにおいて「10」のインデックス値IVには第1特殊リプレイ当選データのみが設定されているが当該インデックス値IV=10はいずれの抽選テーブルであっても「15」の当選番号の情報が設定されている。
通常モード用抽選テーブルにおける「22」のインデックス値IV、第1RTモード用抽選テーブルにおける「28」のインデックス値IV及び第2RTモード用抽選テーブルにおける「23」のインデックス値IVには第2特殊リプレイ当選データのみが設定されているがこれらインデックス値IVは「16」の当選番号の情報が設定されている。これにより、設定されている当選データが同一であるものの各抽選テーブルにおいてインデックス値IVが異なる当該役を役の抽選処理(図14)後の各種処理において同一の情報として扱うことが可能となる。
「17」以降の当選番号には各抽選テーブルにおいてインデックス値IVの共通化は行われておらず、各抽選テーブルのインデックス値IVのそれぞれに対して個別の当選番号の情報が設定されている。これは、「17」以降の当選番号を対応付けられているインデックス値IVに設定された当選データの種類が各抽選テーブル間において共通していないためである。具体的には、通常モード用抽選テーブルにおいて通常リプレイ当選データ及び第1RTリプレイ当選データが設定されたインデックス値IV=11~16は、それぞれ「17」~「22」の当選番号の情報が設定されている。また、第1RTモード用抽選テーブルにおいて、通常リプレイ当選データ及び第2RTリプレイ当選データが設定されたインデックス値IV=11~16は、それぞれ「23」~「28」の当選番号の情報が設定されているとともに、通常リプレイ当選データ及び第1転落リプレイ当選データが設定されたインデックス値IV=17~22は、それぞれ「29」~「34」の当選番号の情報が設定されている。また、第2RTモード用抽選テーブルにおいて、通常リプレイ当選データ及び第2転落リプレイ当選データが設定されたインデックス値IV=11~16は、それぞれ「35」~「40」の当選番号の情報が設定されているとともに、通常リプレイ当選データのみが設定されたインデックス値IV=17は、「41」の当選番号の情報が設定されている。
上記のようにオフセットテーブル97が設けられていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役、リプレイ入賞を可能とする役及びボーナス入賞を可能とする役が前側範囲と後側範囲とで混在していた状態が役の抽選処理(図14)後の各種処理において同一グループの役ごとに集約させた状態で扱うことが可能となる。また、同一の当選データが設定されているにも関わらず各抽選テーブル間において異なるインデックス値IVが設定されている役を、役の抽選処理(図14)後の各種処理において同一の情報として扱うことが可能となる。さらにまた、役の抽選処理(図14)の結果を演出側MPU92に送信する場合には当該結果を送信するためのコマンドに上記当選番号の情報を設定すればよいため、当該コマンドの情報量を抑えることが可能となる。
なお、詳細な説明は省略するがボーナス用抽選テーブル及び内部用抽選テーブルのそれぞれのインデックス値IVについてもオフセットテーブル97において、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブルの各インデックス値IVと共通する当選番号の情報の対応付けが行われている。ボーナス用抽選テーブルであれば第1ベル当選データのみが設定されたインデックス値IVと、第1スイカ当選データのみが設定されたインデックス値IVと、チェリー当選データのみが設定されたインデックス値IVとが設定されているが、第1ベル当選データのみが設定されたインデックス値IVは「4」の当選番号の情報に対応付けられており、第1スイカ当選データのみが設定されたインデックス値IVは「6」の当選番号の情報に対応付けられており、チェリー当選データのみが設定されたインデックス値IVは「8」の当選番号の情報に対応付けられている。また、内部用抽選テーブルであれば既に説明したとおり通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=1~6,10,17,18,22に対応する当選データがそれらインデックス値IVの当選確率で設定されているとともに、これに加えて通常リプレイ当選データのみが設定されたインデックス値が通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=11~16の合計の当選確率となるようにして設定されている。したがって、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=1~6,10,17,18,22に対応するインデックス値IVについては通常モード用抽選テーブルにおけるそれらインデックス値IVと対応する当選番号の情報が対応付けられており、通常リプレイ当選データのみが設定されたインデックス値IVについては第2RTモード用抽選テーブルにおいて通常リプレイ当選データのみが設定されたインデックス値IV=17と同様に「41」の当選番号の情報が対応付けられている。
役の抽選処理(図14)の説明に戻り、抽選テーブルを選択した後(ステップS402)、主側RAM74に設けられた1周目フラグに「1」をセットする(ステップS403)。役の抽選処理では、「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一である前側範囲のインデックス値IV、及び「1」~「6」の設定値の間で当選確率が異なる後側範囲のインデックス値IVのうち前側範囲のインデックス値IVから抽選を行う。この場合に、1周目フラグは現状の抽選対象が前側範囲であるか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
その後、主側RAM74に設けられた対象インデックスカウンタに第1基準値をセットする(ステップS404)。対象インデックスカウンタは抽選対象となっている役の種類を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。また、第1基準値は各抽選テーブルにおいて前側範囲に含まれるインデックス値IVの数として設定されている。具体的には、通常モード用抽選テーブルであればインデックス値IV=1~16が前側範囲に該当するため第1基準値は「16」となり、第1RTモード用抽選テーブルであればインデックス値IV=1~22が前側範囲に該当するため第1基準値は「22」となり、第2RTモード用抽選テーブルであればインデックス値IV=1~17が前側範囲に該当するため第1基準値は「17」となる。
なお、詳細な説明は省略するがボーナス用抽選テーブルであればインデックス値IVが3個のみ設定されているとともにそれらインデックス値IVは全て「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一となっているため第1基準値は「3」となる。また、詳細な説明は省略するが内部用抽選テーブルであれば前側範囲に該当するインデックス値IVの数が第1基準値として設定される。
その後、役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する(ステップS405)。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在の抽選対象となっているインデックス値IVに設定されたポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS401にて取得した乱数を現在の判定値DVとし、この乱数に第1基準値に対応するインデックス値IVに設定されたポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。例えば通常モード用抽選テーブルであれば第1基準値は「16」であるため、通常モード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=16に設定されたポイント値PVを、ステップS401にて取得した乱数に加算した値を判定値DVとする。
その後、現状の抽選対象となっている役の当否判定を行う(ステップS406)。役の当否判定では判定値DVが「65535」を超えたか否かを判定する。「65535」を超えていない場合には、対象インデックスカウンタの値を1減算した後に(ステップS407)、その1減算後における対象インデックスカウンタの値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS408)。対象インデックスカウンタの値が「0」ではない場合(ステップS408:NO)、ステップS405に戻り、更新後における対象インデックスカウンタの値に対応する役について当否判定を行う。
対象インデックスカウンタの値が「0」である場合(ステップS408:YES)、現状がボーナス状態であるか否かを判定する(ステップS409)。ボーナス用抽選テーブルには後側範囲のインデックス値IVが設定されていないため、現状がボーナス状態であれば(ステップS409:YES)、今回のゲームではいずれの役にも当選しなかったものとして、そのままステップS414の処理に進む。
現状がボーナス状態ではない場合、(ステップS409:NO)、主側RAM74の1周目フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS410)。つまり、役の当否判定が完了したインデックス値IV群が前側範囲であるか否かを判定する。1周目フラグに「1」がセットされている場合(ステップS410:YES)、当該1周目フラグを「0」クリアした後に(ステップS411)、対象インデックスカウンタに第2基準値をセットする(ステップS412)。第2基準値は各抽選テーブルにおいて後側範囲に含まれるインデックス値IVの数として設定されている。具体的には、通常モード用抽選テーブルであればインデックス値IV=17~22が後側範囲に該当し、第1RTモード用抽選テーブルであればインデックス値IV=23~28が後側範囲に該当し、第2RTモード用抽選テーブルであればインデックス値IV=18~23が後側範囲に該当するため、いずれの抽選テーブルであっても第2基準値は「6」となる。なお、ボーナス用抽選テーブルであれば後側範囲に含まれるインデックス値IVが存在していないため第2基準値が設定されることはない。また、詳細な説明は省略するが内部用抽選テーブルであれば後側範囲に該当するインデックス値IVの数が第2基準値として設定される。第2基準値を設定した後はステップS405に戻り、第2基準値に対応する役について当否判定を行う。また、ステップS410にて否定判定をした場合には、今回のゲームではいずれの役にも当選しなかったものとして、そのままステップS414の処理に進む。
一方、ステップS406にて「65535」を超えた場合には、現状の抽選対象となっている役と対応する当選番号の情報を取得するとともに現状の抽選対象となっている役に対応する当選データを主側RAM74にセットするための当選データの取得処理を実行する(ステップS413)。図23は当選データの取得処理を示すフローチャートである。
まず主側RAM74の1周目フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回当選となった役が前側範囲に含まれるインデックス値IVであるか否かを判定する(ステップS501)。1周目フラグに「1」がセットされている場合(ステップS501:YES)、主側RAM74の対象インデックスカウンタの値が今回当選となったインデックス値IVに対応しているため、そのままステップS503以降の処理を実行する。
一方、1周目フラグの値が「0」である場合、今回当選となった役が後側範囲に含まれるインデックス値IVであることを意味する。後側範囲に含まれるインデックス値IVの当否判定を行う場合、対象インデックスカウンタに第2基準値がセットされることとなるが、当該第2基準値は後側範囲に含まれるインデックス値IVの数であるため、今回実際に当選となった役のインデックス値IVは対象インデックスカウンタの値と一致しない。そして、今回実際に当選となった役のインデックス値IVと対象インデックスカウンタの値との差分は、今回抽選の対象となった抽選テーブルの第1基準値と一致する。したがって、ステップS501にて否定判定をした場合、今回抽選の対象となった抽選テーブルの第1基準値を対象インデックスカウンタの値に加算する(ステップS502)。この場合に加算される第1基準値は通常モード用抽選テーブルであれば「16」となり、第1RTモード用抽選テーブルであれば「22」となり、第2RTモード用抽選テーブルであれば「17」となる。
ステップS501にて肯定判定をした場合、又はステップS502の処理を実行した場合、主側ROM73からオフセットテーブル97を読み出す(ステップS503)。そして、今回抽選対象となっている抽選テーブルの種類、及び現状の対象インデックスカウンタの値に対応する当選番号の情報をオフセットテーブル97から読み出し、その当選番号の情報を今回のゲームにおける当選番号の情報として主側RAM74に記憶する(ステップS504)。なお、当然のことながらいずれの役にも当選しなかった場合には当選番号の情報は主側RAM74に記憶されない。
その後、今回当選となった役に含まれる当選データの情報を主側RAM74に展開する(ステップS505)。主側RAM74には本スロットマシン10において存在している当選データの数と同数の当選対応エリアが設定されており、ステップS505ではそれら当選対応エリアのうち今回当選となった役に含まれる当選データに対応するエリアに「1」をセットし、第1BB当選データ、第2BB当選データ、第3BB当選データ、第4BB当選データ、第1RB当選データ及び第2RB当選データといった各種ボーナス当選データ以外の当選データであって今回当選となった役に含まれない当選データに対応する当選対応エリアを「0」クリアする。各種ボーナス当選データに対応する当選対応エリアの値は、対応する当選データを含む役に当選した場合に「1」がセットされ、対応する入賞が成立するまでは主側RAM74のクリア処理が実行されない限り「1」がセットされた状態が維持される。そして、その「1」がセットされたボーナス当選データに対応する当選対応エリアは、対応する入賞が成立した場合又は主側RAM74のクリア処理が実行された場合に「0」クリアされる。なお、各種ボーナス当選データ以外の当選データに対応する当選対応エリアは、役の抽選処理(図14)にていずれの役にも当選しなかった場合にも「0」クリアされる。
役の抽選処理(図14)の説明に戻り、ステップS409にて肯定判定をした場合、ステップS410にて否定判定をした場合、又はステップS413の処理を実行した場合、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報第1設定処理を実行した後に(ステップS414)、演出内容決定処理(図51)を実行する(ステップS415)。演出内容決定処理では、今回のゲームにおいて上部ランプ61、スピーカ62、画像表示装置63及び役物75において実行する演出の大枠の内容を決定するための処理を実行する。なお、演出内容決定処理(図51)の詳細については後述する。
その後、ゲーム開始コマンドの送信処理を実行する(ステップS416)。当該送信処理では、演出内容決定処理(ステップS415)において決定された大枠の内容に対応する情報と、今回の役の抽選処理(図14)にて当選となっている場合にはその当選となった役に対応する当選番号の情報と、現状の抽選モード及び現状の遊技状態に対応する情報と、をゲーム開始コマンドに設定し、そのゲーム開始コマンドを演出側MPU92に送信する。ゲーム開始コマンドとは、新たなゲームが開始されたことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドであって、主側MPU72にて決定された演出の大枠の内容及び当選番号の情報を演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。
演出側MPU92は、ゲーム開始コマンドを受信した場合、今回のゲームにおける演出の大枠の内容を当該ゲーム開始コマンドから把握する。そして、演出側MPU92は、その把握した演出の大枠の内容に応じた態様で演出の細部の内容を、ゲーム開始コマンドに設定されている当選番号の情報、現状の抽選モードに対応する情報及び現状の遊技状態に対応する情報などを踏まえて決定する。そして、その決定した演出の内容に対応するデータテーブルを演出側ROM93から演出側RAM94の読み出し用エリア94a(図10)において対応するレイヤに読み出し、その読み出したデータテーブルに従って上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御、画像表示装置63の表示制御及び役物75の駆動制御を実行する。
その後、ステップS417にて遊技区間の第1制御処理を実行し、ステップS418にてゲーム開始時のボーナス用処理を実行し、ステップS419にて上乗せ用処理を実行し、ステップS420にて報知制御処理を実行する。報知制御処理では、詳細は後述するが、リール32L,32M,32Rの停止順序の報知を行う場合にその報知対象となる停止順序に対応する表示が行われるように兼用表示部66の表示制御を実行するとともに、当該報知対象となる停止順序の報知が画像表示装置63にて実行されるようにするための処理を実行する。ステップS418~ステップS420の処理内容については後に詳細に説明する。
次に、通常処理(図13)のステップS308にて実行されるリール制御処理について、図24のフローチャートを参照しながら説明する。
リール制御処理では、まず各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う(ステップS601)。回転開始処理では、前回のゲームで役の抽選処理(図14)の結果に対応するリール32L,32M,32Rの回転が開始された時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回のゲームのためのウエイト時間を再設定するとともに、主側RAM74に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットする。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理(図12)におけるステップS206のステッピングモータ制御処理にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、主側MPU72は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると各ストップボタン42~44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
ステップS601にて回転開始処理を実行した後、主側RAM74に設けられた定速回転中フラグに「1」を設定する(ステップS602)。定速回転中フラグは、リール32L,32M,32Rが定速回転中であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグであり、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに1対1で対応させて設けられている。その後、演出側MPU92に対して定速回転開始コマンド送信する(ステップS603)。定速回転開始コマンドは、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となり停止指令を発生させることが可能となったことを演出側MPU92にて把握可能とするコマンドである。
ステップS603にて定速回転開始コマンドを送信した後、主側RAM74に設けられたいずれかの停止操作検出フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS604)。停止操作検出フラグは、定速回転中であるリール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42~44のON操作が行われたことを主側MPU72にて把握可能とするフラグであり、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに1対1で対応させて設けられている。
ここで、主側MPU72にて実行される停止操作対応処理について図25のフローチャートを参照しながら説明する。なお、停止操作対応処理はタイマ割込み処理(図12)のステップS208にて実行される。
停止操作対応処理では、まず主側RAM74に設けられた左第3停止フラグ、中第3停止フラグ及び右第3停止フラグのいずれかに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS701)。左第3停止フラグは、3番目(最後)の停止操作として左リール32Lの回転を停止すべく左ストップボタン42のON操作が行われたことを主側MPU72にて把握可能とするフラグであり、中第3停止フラグは、3番目の停止操作として中リール32Mの回転を停止すべく中ストップボタン43のON操作が行われたことを主側MPU72にて把握可能とするフラグであり、右第3停止フラグは、3番目の停止操作として右リール32Rの回転を停止すべく右ストップボタン44のON操作が行われたことを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。
左第3停止フラグ、中第3停止フラグ及び右第3停止フラグのいずれにも「1」が設定されていない場合(ステップS701:NO)には、左リール32Lを対象リールに設定し、当該対象リールについてステップS703~ステップS712の処理を実行する。具体的には、現状の対象リールに対応する定速回転中フラグに「1」が設定されている場合(ステップS703:YES)、対象リールに対応するストップ検出センサ42a,42b,42cの検出信号を主側RAM74に記憶する(ステップS704)。主側RAM74には各ストップ検出センサ42a,42b,42cの過去2回分の検出信号を記憶可能な信号記憶エリアが設けられている。ステップS703では、当該信号記憶エリアに対象リールに対応するストップ検出センサ42a,42b,42cの検出信号を記憶する。
その後、対象リールに対応するストップボタン42~44のON操作が検出されたか否かを判定する(ステップS705)。ステップS705では、主側RAM74における信号記憶エリアを参照し、対象リールに対応するストップ検出センサ42a,43a,44aにおける検出信号のLOW信号からHI信号への立ち上がりが検出された場合に対象リールに対応するストップボタン42~44のON操作が検出されたと判定する。
対象リールに対応するストップボタン42~44のON操作が検出された場合(ステップS705:YES)には、今回の停止操作が第3停止に対応する停止操作であったか否かを判定する(ステップS706)。具体的には、主側RAM74において対象リール以外の2つのリールに対応する定速回転中フラグが「0」である場合に第3停止に対応する停止操作であったと判定する。今回の停止操作が第3停止に対応する停止操作である場合(ステップS706:YES)には、左第3停止フラグ、中第3停止フラグ及び右第3停止フラグのうち現状の対象リールに対応する第3停止フラグに「1」をセットする(ステップS707)。
その後、主側RAM74における第2期待演出フラグ又は再変動演出フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS708)。既に説明したとおり、第2期待演出フラグは後述する第2期待演出の実行対象ゲームであることを主側MPU72にて把握可能とするフラグであるとともに、再変動演出フラグは後述する再変動演出の実行対象ゲームであることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。ステップS708にて肯定判定を行った場合には、主側RAM74に設けられた主側演出用タイマカウンタに後述する中停止演出の実行期間(具体的には1秒間)と、後述する第1期待演出の実行期間(具体的には1.5秒間)との合計期間(具体的には2.5秒間)に対応する数値情報をセットする(ステップS709)。主側演出用タイマカウンタは、第2期待演出又は再変動演出の実行対象ゲームにおいて、後述する中停止演出及び第1期待演出の残りの実行期間を主側MPU72にて把握可能とするタイマカウンタである。ステップS709にて主側演出用タイマカウンタにセットされた数値は、タイマ減算処理(タイマ割込み処理(図12)のステップS209)が行われる度に1減算される。なお、中停止演出、第1期待演出、第2期待演出及び再変動演出の詳細については後述する。
ステップS706にて否定判定を行った場合、ステップS708にて否定判定を行った場合、又はステップS709の処理を行った場合には、現状の対象リールに対応する停止操作検出フラグに「1」をセットする(ステップS710)。既に説明したとおり、停止操作検出フラグは、定速回転中のリール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42~44のON操作が行われたことを主側MPU72にて把握可能とするフラグであり、各ストップボタン42~44のそれぞれに1対1で対応させて主側RAM74に設けられている。定速回転中のリール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42~44のON操作が検出された場合には、対応する停止操作検出フラグに「1」が設定されている状態となる。
ステップS710にて停止操作検出フラグに「1」をセットした場合には、主側RAM74において対象リールに対応する定速回転中フラグを「0」クリアする(ステップS711)。その後、現状の対象リールが右リール32Rであるか否かを判定し(ステップS712)、対象リールが右リール32Rでない場合(ステップS712:NO)には、対象リールを更新して(ステップS713)、ステップS703に戻る。ステップS713では、現状の対象リールが左リール32Lである場合には対象リールを中リール32Mに更新するとともに、現状の対象リールが中リール32Mである場合には対象リールを右リール32Rに更新する。また、ステップS712にて対象リールが右リール32Rであると判定した場合には、そのまま本停止操作対応処理を終了する。
一方、ステップS701にていずれかの第3停止フラグに「1」が設定されていると判定した場合には、当該「1」が設定されている第3停止フラグに対応するストップ検出センサ42a,43a,44aの検出信号を主側RAM74における信号記憶エリアに記憶する(ステップS714)。そして、第3停止に対応するストップボタン42~44のOFF操作が検出されたか否かを判定する(ステップS715)。具体的には、主側RAM74の信号記憶エリアにおいて第3停止に対応するストップ検出センサ42a,43a,44aにおける検出信号のHI状態からLOW状態への立ち下がりが検出された場合に第3停止に対応するストップボタン42~44のOFF操作が行われたと判定する。
第3停止に対応するストップボタン42~44のOFF操作が検出された場合(ステップS715:YES)には、当該第3停止に対応する第3停止フラグを「0」クリアし(ステップS716)、演出側MPU92に対してOFF操作コマンドを送信する(ステップS717)。OFF操作コマンドとは、第3停止に対応するストップボタン42~44のOFF操作が行われたことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。OFF操作コマンドには、第3停止(最後に停止指令が発生したリール)の種類を演出側MPU92にて把握可能とするデータが設定されている。その後、ステップS718に進む。なお、ステップS718~ステップS723の処理については後述する。
リール制御処理(図24)の説明に戻り、ステップS604にていずれの停止操作検出フラグにも「1」が設定されていないと判定した場合には、いずれかの停止操作検出フラグに「1」が設定されるまでステップS604の処理を繰り返し実行する。そして、いずれかの停止操作検出フラグに「1」が設定されていると判定した場合(ステップS604:YES)には、停止指令が発生したことを意味するため、停止指令コマンドの送信処理を実行する(ステップS605)。停止指令コマンドとは、いずれのストップボタン42~44のON操作が行われて停止指令が発生したのかを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。ステップS605における停止指令コマンドの送信処理では、停止指令コマンドを演出側MPU92に送信し、ステップS604にて「1」がセットされていると判定した停止操作検出フラグを「0」クリアする。ステップS605にて停止指令コマンドの送信処理を行った場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS606~ステップS612に示す停止制御処理を行う。
停止制御処理では、ストップボタン42~44が操作されたタイミングで基点位置(具体的には下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する(ステップS606)。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。その後、主側RAM74に格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリール32L,32M,32Rのスベリ数を算出する(ステップS607)。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップボタン42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリール32L,32M,32Rを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS607では、主側RAM74に格納されている停止情報に基づいてスベリ数として「0」~「4」のいずれかの値を算出する。
その後、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する(ステップS608)。そして、今回停止させるべきリール32L,32M,32Rの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し(ステップS609)、等しくなった場合(ステップS609:YES)にはリール32L,32M,32Rの回転を停止させるリール停止処理を行う(ステップS610)。その後、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する(ステップS611)。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、停止情報第2設定処理を行い(ステップS612)、ステップS604に戻る。
ここで、停止情報とは、各リール32L,32M,32Rの停止態様を、役の抽選処理(図14)の結果に対応したものとするための情報であり、当該停止情報を利用することにより、各ストップボタン42~44が停止操作された場合に基点位置に到達している到達図柄に対するスベリ数(具体的には「0」~「4」)を算出することが可能となる。当該停止情報としては、各図柄とスベリ数との対応関係を示すスベリ数データが、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応させて主側ROM73に予め記憶されている。但し、これに限定されることはなく、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応するスベリ数データを、リール32L,32M,32Rの回転中などに導出する構成としてもよい。
上記停止情報を設定するための処理として、役の抽選処理(図14)のステップS414にて実行される停止情報第1設定処理と、リール制御処理(図24)のステップS612にて実行される停止情報第2設定処理とが存在している。停止情報第1設定処理では、役の抽選処理の結果に応じて停止情報を設定する。停止情報第2設定処理では、停止情報第1設定処理又は前回の停止情報第2設定処理にて主側RAM74に格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選データと、リール32L,32M,32Rの停止順序と、停止しているリール32L,32M,32Rの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。
ステップS611にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS613にて入賞判定処理を実行する。入賞判定処理では、各リール32L,32M,32RにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類を把握する。そして、主側RAM74に展開されている当選データの内容に基づき、各リール32L,32M,32RにおいてメインラインML上に停止表示されている図柄の組合せが役の抽選処理において当選となった役に対応する図柄の組合せであるか否かを判定し、当選となった役に対応する図柄の組合せである場合には当選役の入賞の成立として入賞対応処理を実行する。
入賞対応処理では、その入賞が小役入賞であれば媒体付与処理において遊技媒体の付与を可能とするように付与対象となる遊技媒体数の情報を主側RAM74にセットする。一方、その入賞がリプレイ入賞であれば、次回の開始待ち処理(通常処理(図13)におけるステップS302)にて再遊技設定処理が実行されるように、主側RAM74におけるフラグの設定処理を実行する。
ステップS613にて入賞判定処理を実行した場合には、後述するボーナス告知用処理(図50)を実行し(ステップS614)、入賞結果コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS615)。入賞結果コマンドには、今回の入賞成立の有無を示すデータが含まれているとともに、入賞が成立している場合にはその入賞の種類を示すデータが含まれている。
<遊技状態及び遊技区間について>
次に、遊技状態及び遊技区間について説明する。図26は本スロットマシン10に存在している遊技状態及び遊技区間を説明するための説明図である。
本スロットマシン10では遊技状態として、通常遊技状態ST1と、ボーナス内部状態ST2と、BB状態ST3と、RB状態ST4と、準備状態ST5と、ART状態ST6と、が存在している。これら遊技状態ST1~ST6は相互に重複して発生することはない。
通常遊技状態ST1は、主側RAM74のクリア処理(ステップS105)が実行されることにより滞在する遊技状態である。また、BB状態ST3が終了した場合において準備状態ST5への移行が発生しない場合、RB状態ST4が終了した場合において準備状態ST5への移行が発生しない場合、及びBB状態ST3やRB状態ST4への移行を契機とすることなくART状態ST6が終了した場合、遊技状態が通常遊技状態ST1となる。通常遊技状態ST1は1ゲームにおける遊技媒体の付与期待値という点では、BB状態ST3、RB状態ST4、準備状態ST5及びART状態ST6よりも有利度が低い遊技状態であり、ボーナス内部状態ST2と有利度が略同一である。また、既に説明したとおり抽選モードとして通常モード、第1RTモード及び第2RTモードが存在しているが、通常遊技状態ST1においてはこれら抽選モードのいずれにも滞在し得る。なお、主側RAM74のクリア処理(ステップS105)が実行された場合には通常遊技状態ST1であって通常モードとなる。
ボーナス内部状態ST2は、いずれかのボーナス当選データが設定されたゲームでそのボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立しなかった場合に滞在する遊技状態であり、そのボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立した場合に終了する遊技状態である。ボーナス内部状態ST2では既に説明したとおり役の抽選処理(図14)にて内部用抽選テーブルが参照される。この場合、当該内部用抽選テーブルには抽選モードを移行させる役(すなわちインデックス値IV)が設定されていないため、ボーナス内部状態ST2においては抽選モードの移行は発生しない。ボーナス内部状態ST2におけるリプレイ確率は通常モード用抽選テーブル(図15)が参照される場合と同様であるため、ボーナス内部状態ST2はリプレイ確率が通常モードに維持される遊技状態であるとも言える。なお、これに限定されることはなくボーナス内部状態ST2におけるリプレイ確率が通常モードの場合よりも高い構成としてもよく、例えば第1RTモードのリプレイ確率と同一である構成としてもよく、第2RTモードのリプレイ確率と同一である構成としてもよく、通常モードと第1RTモードとの間のリプレイ確率である構成としてもよく、第1RTモードと第2RTモードとの間のリプレイ確率である構成としてもよく、第2RTモードの場合よりも高いリプレイ確率である構成としてもよい。また、ボーナス内部状態ST2におけるリプレイ確率が通常モードの場合よりも低い構成としてもよい。
BB状態ST3及びRB状態ST4の内容は既に説明したとおりである。BB状態ST3及びRB状態ST4においては抽選モードの移行は発生しない。
準備状態ST5はART状態ST6に移行する前段階として滞在する遊技状態であり、BB状態ST3、RB状態ST4から移行し得る。既に説明したとおり抽選モードとして通常モード、第1RTモード及び第2RTモードが存在しているが、準備状態ST5においてはこれら抽選モードのいずれにも滞在し得る。準備状態ST5では「1」~「3」の当選番号が設定されている場合、第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。そして、第1ベル入賞が成立することで「11」の遊技媒体が付与される。これにより、準備状態ST5の1ゲームにおける遊技媒体の期待付与数を高めることが可能となる。また、準備状態ST5では「17」~「22」の当選番号が設定されている場合、第1RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され、「23」~「28」の当選番号が設定されている場合、第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され、「29」~「34」の当選番号が設定されている場合、第1転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。準備状態ST5において第2RTリプレイ入賞が成立して抽選モードが第2RTモードに移行することにより遊技状態がART状態ST6に移行する。なお、抽選モードが第2RTモードである状況で準備状態ST5への移行が発生することがあるが、この場合には抽選モードが第1RTモードに移行し、その後に第2RTモードへの移行が発生した場合にART状態ST6に移行する。
ART状態ST6は上記のとおり準備状態ST5において第2RTリプレイ入賞が成立することで移行する遊技状態である。ART状態ST6は当該ART状態ST6の残りの継続ゲーム数が「0」となった場合に終了する。この場合には遊技状態は通常遊技状態ST1となる。また、ART状態ST6の途中でボーナス当選となった場合にはボーナス内部状態ST2、BB状態ST3又はRB状態ST4に移行する。この場合にはBB状態ST3又はRB状態ST4が終了した後に準備状態ST5に移行し、最終的にART状態ST6に復帰することとなる。
既に説明したとおり抽選モードとして通常モード、第1RTモード及び第2RTモードが存在しているが、ART状態ST6においてはこれら抽選モードのいずれにも滞在し得る。ART状態ST6では「1」~「3」の当選番号が設定されている場合、第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。そして、第1ベル入賞が成立することで「11」の遊技媒体が付与される。これにより、ART状態ST6の1ゲームにおける遊技媒体の期待付与数を高めることが可能となる。また、ART状態ST6では「17」~「22」の当選番号が設定されている場合、第1RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され、「23」~「28」の当選番号が設定されている場合、第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され、「29」~「34」の当選番号が設定されている場合、第1転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され、「35」~「40」の当選番号が設定されている場合、第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。これにより、ART状態ST6においては基本的に抽選モードが第2RTモードに維持される。そして、第2RTモードはリプレイ確率が通常モード及び第1RTモードよりも高いモードである。つまり、ART状態ST6は第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される遊技状態であって基本的にリプレイ確率が高く維持される遊技状態である。よって、ART状態ST6における遊技媒体の期待純増数を高めることが可能となる。なお、ART状態ST6において抽選モードが第2RTモードから第1RTモードに移行したり第1RTモードから通常モードに移行したとしても、ART状態ST6が維持され第2RTモードではない状況であってもART状態ST6の残りの継続ゲーム数は減算される。
上記のように各種遊技状態ST1~ST6が存在している構成において、これら遊技状態ST1~ST6とは別に遊技区間が設定されている。遊技区間として通常区間SC1と有利区間SC2とが設定されている。つまり、本スロットマシン10では遊技状況を決定付ける要素として、「1」~「6」の設定値と、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードの抽選モードと、各種遊技状態ST1~ST6と、通常区間SC1及び有利区間SC2の遊技区間と、が存在している。
通常区間SC1とは、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて成立対象となる入賞が異なる役に当選した場合に遊技者にとって有利な入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない区間であって、遊技者にとって有利な遊技状態であるART状態ST6への移行条件が成立する確率が有利区間SC2よりも低くなる区間である。より詳細には通常区間SC1においてはART状態ST6への移行条件が成立しない。主側RAM74のクリア処理(ステップS105)が実行された場合には通常遊技状態ST1及び通常モードであって通常区間SC1となる。また、有利区間SC2において有利区間SC2の初期化処理が実行された場合にも通常区間SC1となる。
有利区間SC2とは、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて成立対象となる入賞が異なる役に当選した場合に遊技者にとって有利な入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される区間、及び遊技者にとって有利な遊技状態であるART状態ST6への移行確率が通常区間SC1よりも高くなる区間の少なくとも一方に該当する区間である。有利区間SC2は、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて成立対象となる入賞が異なる役に含まれる入賞の種類のうち遊技媒体の付与数が最も多い入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が少なくとも1回実行されるまでは確実に継続する。具体的には、有利区間SC2は、役の抽選処理(図14)にて「1」~「3」の当選番号が設定されて第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が少なくとも1回実行されるまでは確実に継続する。なお、当該停止順序の報知が少なくとも1回実行されることで当該最低限の終了条件は成立したこととなり、第1ベル入賞が実際に成立したかどうかに関係なく当該最低限の終了条件は成立する。そして、当該報知が少なくとも1回実行された場合には、有利区間SC2は当該有利区間SC2が設定された状況に応じて決定された終了条件、及び有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数(具体的には1500ゲーム)に到達するという条件のうちいずれかが成立するまで継続する。
図26に示すように通常遊技状態ST1、ボーナス内部状態ST2、BB状態ST3及びRB状態ST4には、通常区間SC1及び有利区間SC2のいずれにおいても滞在し得る。一方、準備状態ST5及びART状態ST6には、通常区間SC1において滞在することはなく、有利区間SC2においてのみ滞在する。
次に、上記のような遊技状態ST1~ST6及び遊技区間SC1,SC2の設定を可能とする具体的な処理構成について説明する。図27は主側MPU72にて実行される遊技区間の第1制御処理を示すフローチャートである。なお、遊技区間の第1制御処理は役の抽選処理(図14)におけるステップS417にて実行される。このステップS417の処理はゲームの開始時において役の当否判定が完了した後に実行される。
まず現状の遊技状態がボーナス内部状態ST2、ボーナス状態(BB状態ST3、RB状態ST4)、準備状態ST5又はART状態ST6であるか否かを判定する(ステップS801)。ステップS801にて否定判定をした場合にステップS802以降の処理を実行する。
ステップS802では、主側RAM74に設けられた有利区間フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。有利区間フラグは遊技区間が有利区間SC2であるか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグであり、有利区間フラグに「1」がセットされている場合が有利区間SC2であり、有利区間フラグの値が「0」である場合が通常区間SC1である。
遊技区間が通常区間SC1である場合(ステップS802:NO)、今回の役の抽選処理(図14)にて「4」,「6」,「8」,「15」のいずれかの当選番号が設定されたか否かを判定する(ステップS803)。ステップS803にて肯定判定をした場合には有利区間SC2への移行が発生するか否かを決定する有利移行抽選処理を実行する(ステップS804)。
有利移行抽選処理(ステップS804)では、まず今回の役の抽選処理(図14)にて設定された当選番号に対応する有利移行テーブルを主側ROM73から読み出す。この場合、当選確率が低い当選番号の方が有利区間SC2への移行当選となる確率が高くなるように有利移行テーブルが設定されている。ちなみに当該有利移行テーブルは「1」~「6」の設定値に関係なく共通となっている。このように設定値に関係なくテーブルが共通である点は、役の抽選処理(図14)以外の抽選処理の全てに該当する。その後、主側RAM74において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出した有利移行テーブルに対して照合する。これにより、有利区間SC2への移行当選となったか否かを特定する。
有利区間SC2への移行当選となった場合(ステップS805:YES)、主側RAM74の有利区間フラグに「1」をセットし、主側RAM74に設けられた有利継続カウンタの値を「0」クリアし、主側RAM74に設けられた未報知フラグに「1」をセットする(ステップS806)。有利継続カウンタは、有利区間SC2において継続して実行されたゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。未報知フラグは、有利区間SC2に移行した後に、役の抽選処理(図14)にて「1」~「3」の当選番号が設定されて第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が既に発生したか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
既に説明したとおり遊技区間の第1制御処理はゲームの開始時に実行される。この場合に有利移行抽選処理(ステップS804)にて有利区間SC2への移行当選となった場合には当該遊技区間の第1制御処理にて主側RAM74の有利区間フラグに「1」がセットされる。これにより、有利区間SC2への移行当選となったゲームの開始時点において有利区間SC2への移行が発生することとなる。但し、これに限定されることはなく有利区間SC2への移行当選となったゲームの次ゲームで有利区間SC2への移行が発生する構成としてもよく、有利区間SC2への移行当選となったゲームに対して2ゲーム以上後のゲームで有利区間SC2への移行が発生する構成としてもよい。
有利区間SC2への移行設定を行った後は、演出側MPU92に対して有利区間開始コマンドを送信する(ステップS807)。有利区間開始コマンドは、有利区間SC2の開始タイミングであることを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。その後、有利区間表示部67を消灯状態から点灯状態に切り換える(ステップS808)。これにより、有利区間SC2であることの報知が有利区間表示部67にて開始されることとなる。
有利区間SC2となることでリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され得ることとなる。ここで、役の抽選処理(図14)のステップS420において実行される報知制御処理について説明する。この報知制御処理はゲームの開始時において役の当否判定が完了した後に実行される。
報知制御処理では、主側RAM74の有利区間フラグに「1」がセットされている状況で、役の抽選処理(図14)にて「1」~「3」のいずれかの当選番号が設定された場合、遊技状態が準備状態ST5又はART状態ST6であること、及び主側RAM74の未報知フラグに「1」がセットされていることのいずれかの条件が成立している場合に、第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を報知するための処理を実行する。
具体的には、まず今回の当選番号に対応する第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の情報を把握する。そして、その把握した停止順序の情報に対応する表示が兼用表示部66にて開始されるように当該兼用表示部66を表示制御する。この兼用表示部66の表示は、今回のゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rが停止するまで継続される。その後、ベル入賞用コマンドを演出側MPU92に送信する。当該ベル入賞用コマンドには今回のゲームにおいて第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU92にて特定可能とするための情報が設定される。
その後、主側RAM74の未報知フラグを「0」クリアする。この場合、未報知フラグの値が既に「0」である場合にはその状態が維持され、未報知フラグの値が「1」である場合には「0」に変更される。これにより、今回の有利区間SC2において既に第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が実行されたことを主側MPU72にて特定することが可能となる。
報知制御処理では、役の抽選処理(図14)にて「17」~「28」のいずれかの当選番号が設定された場合、遊技状態が準備状態ST5又はART状態ST6であることを条件として、第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を報知するための処理を実行する。
具体的には、まず今回の当選番号に対応する第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の情報を把握する。そして、その把握した停止順序の情報に対応する表示が兼用表示部66にて開始されるように当該兼用表示部66を表示制御する。この兼用表示部66の表示は、今回のゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rが停止するまで継続される。その後、昇格リプレイ用コマンドを演出側MPU92に送信する。当該昇格リプレイ用コマンドには今回のゲームにおいて第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU92にて特定可能とするための情報が設定される。
報知制御処理では、役の抽選処理(図14)にて「29」~「40」のいずれかの当選番号が設定された場合、遊技状態がART状態ST6であることを条件として、第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を報知するための処理を実行する。
具体的には、まず今回の当選番号に対応する第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の情報を把握する。そして、その把握した停止順序の情報に対応する表示が兼用表示部66にて開始されるように当該兼用表示部66を表示制御する。この兼用表示部66の表示は、今回のゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rが停止するまで継続される。その後、転落リプレイ回避用コマンドを演出側MPU92に送信する。当該転落リプレイ回避用コマンドには今回のゲームにおいて第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU92にて特定可能とするための情報が設定される。
なお、詳細な説明は省略するが遊技状態が準備状態ST5である場合において役の抽選処理(図14)にて「29」~「34」のいずれかの当選番号が設定された場合、第1転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を報知するための処理が実行される。その一方、遊技状態が準備状態ST5である場合において役の抽選処理(図14)にて「35」~「40」のいずれかの当選番号が設定されたとしても、第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。準備状態ST5からART状態ST6への移行条件が第2RTリプレイ入賞に成立することであるため、第2RTモードにおいて準備状態ST5への移行が発生した場合には第2転落リプレイ入賞の成立を回避させないことにより、第1RTモードに一旦転落させて第2RTリプレイ入賞が成立する機会を与えることが可能となる。
次に演出側MPU92にて実行される報知用処理について説明する。なお、報知用処理は演出側MPU92において比較的短い周期(例えば4ミリ秒)で繰り返し実行される割込み処理にて実行される。
報知用処理では、主側MPU72からベル入賞用コマンド、昇格リプレイ用コマンド又は転落リプレイ回避用コマンドを受信した場合、これらのコマンドのうち今回受信したコマンドに対応するリール32L,32M,32Rの停止順序の画像(図8(a)を参照しながら既に説明した単位表示画像G1~G3)を画像表示装置63にて表示するための報知テーブルを演出側RAM94における読み出し用エリア94aに読み出す。当該報知テーブルに従って演出側MPU92にて報知の実行制御が行われることにより、画像表示装置63に単位表示画像G1~G3を表示させることができる。これにより、例えば図8(a)に示すように、今回の停止順コマンドに対応したリール32L,32M,32Rの停止順序が画像表示装置63にて表示される。この画像表示装置63の表示は、今回のゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rが停止するまで継続される。
遊技区間SC2の第1制御処理(図27)の説明に戻り、今回のゲームよりも前のゲームにて有利区間フラグに「1」がセットされている場合(ステップS802:YES)、今回の役の抽選処理(図14)にて「4」,「6」,「8」,「15」のいずれかの当選番号が設定されたか否かを判定する(ステップS809)。ステップS809にて肯定判定をした場合にはART状態ST6への移行が発生するか否かを決定するART移行抽選処理を実行する(ステップS810)。
ART移行抽選処理(ステップS810)では、まず今回の役の抽選処理(図14)にて設定された当選番号に対応するART移行テーブルを主側ROM73から読み出す。この場合、当選確率が低い当選番号の方がART状態ST6への移行当選となる確率が高くなるようにART移行テーブルが設定されている。また、当該ART移行テーブルは「1」~「6」の設定値に関係なく共通となっている。その後、主側RAM74において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出したART移行テーブルに対して照合する。これにより、ART状態ST6への移行当選となったか否かを特定する。
ART状態ST6への移行当選となった場合(ステップS811:YES)、主側RAM74に設けられたART当選フラグに「1」をセットする(ステップS812)。ART当選フラグは、準備状態ST5に移行させる必要があることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
以上のように、有利移行抽選処理(ステップS804)及びART移行抽選処理(ステップS810)は役の抽選処理(図14)にて「4」,「6」,「8」,「15」のいずれかの当選番号が設定された場合に実行される。これら当選番号に対応する役はいずれも「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一である役である。つまり、有利移行抽選処理及びART移行抽選処理は当選確率に設定差が存在しない役に当選したことを契機として実行される。これにより、有利区間SC2への移行確率及びART状態ST6への移行確率に関して「1」~「6」の設定値の間で有利又は不利が生じないようにすることが可能となる。
次に、主側MPU72にて実行される遊技終了時の対応処理について、図28のフローチャートを参照しながら説明する。なお、遊技終了時の対応処理は通常処理(図13)におけるステップS310にて実行される。このステップS310の処理はリール制御処理(ステップS308)よりも後に実行されるため、1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行されることとなる。
まずBB状態ST3又はRB状態ST4の移行制御や進行制御を行うためのボーナス用処理を実行する(ステップS901)。ボーナス用処理については後に詳細に説明する。その後、ボーナス内部状態ST2、BB状態ST3及びRB状態ST4のいずれでもないことを条件として(ステップS902:NO)、抽選モードの制御処理を実行する(ステップS903)。抽選モードの制御処理では、今回のゲームにおいて第1RTリプレイ入賞が成立している場合には通常モードから第1RTモードに移行させ、今回のゲームにおいて第2RTリプレイ入賞が成立している場合には第1RTモードから第2RTモードに移行させ、今回のゲームにおいて第1転落リプレイ入賞が成立している場合には第1RTモードから通常モードに移行させ、今回のゲームにおいて第2転落リプレイ入賞が成立している場合には第2RTモードから第1RTモードに移行させる。
その後、現状の遊技状態に対応する処理にジャンプする(ステップS904)。具体的には、遊技状態が通常遊技状態ST1である場合には通常用処理を実行し(ステップS905)、遊技状態が準備状態ST5である場合には準備状態処理を実行し(ステップS906)、遊技状態がART状態ST6である場合にはART状態処理を実行する(ステップS907)。また、ステップS902にて肯定判定をした場合、又はステップS905~ステップS907のいずれかの処理を実行した場合、遊技区間の第2制御処理を実行する(ステップS908)。遊技区間の第2制御処理では、有利区間SC2から通常区間SC1への移行条件が成立している場合に遊技区間を通常区間SC1に移行させるための処理を実行する。
図29は遊技区間の第2制御処理を示すフローチャートである。なお、上記のとおり遊技終了時の対応処理は1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行されるため、遊技区間の第2制御処理も1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行される。
ステップS1001~ステップS1011では有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合に、当該有利区間SC2を終了させるための処理を実行する。これらの処理内容については後に詳細に説明する。
有利区間SC2であって(ステップS1003:YES)、ステップS1006にて否定判定をした場合、遊技状態が通常遊技状態ST1であって主側RAM74に設けられた有利維持カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS1012)。有利維持カウンタは、ART状態ST6が終了して通常遊技状態ST1に遊技状態が移行する場合において通常遊技状態ST1に移行した後においても有利維持ゲーム数に亘って有利区間SC2を維持させる場合に、当該有利維持ゲーム数の残りゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
ステップS1012にて肯定判定をした場合、主側RAM74の未報知フラグの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS1013)。既に説明したとおり未報知フラグは、有利区間SC2に移行した後に、役の抽選処理(図14)にて「1」~「3」の当選番号が設定されて第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が既に発生したか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。そして、当該停止順序の報知が既に発生している場合には未報知フラグの値が「0」となっている。
ステップS1013にて肯定判定をした場合、有利区間SC2の初期化処理を実行する(ステップS1014)。有利区間SC2の初期化処理では主側RAM74の有利区間フラグを「0」クリアする。また、有利区間SC2の初期化処理では、準備状態ST5及びART状態ST6のいずれかに滞在していたとしても、それら遊技状態(準備状態ST5又はART状態ST6)の継続ゲーム数を記憶するためのカウンタを含めてそれら遊技状態(準備状態ST5又はART状態ST6)であることを示す各種データをクリアすることにより遊技状態を通常遊技状態ST1に移行させる。なお、ステップS1014の処理は通常遊技状態ST1であることを条件に実行されるため、この各種データをクリアする処理は実行することなく、有利区間フラグを「0」クリアする処理を実行する。
その後、有利区間表示部67を点灯状態から消灯状態に切り換える(ステップS1015)。これにより、有利区間表示部67における有利区間SC2であることの報知が終了される。
上記のとおり、通常遊技状態ST1である場合であっても未報知フラグに「1」がセットされている場合には有利区間SC2は終了されない。これにより、有利区間SC2が開始されてから第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が1回実行されるまでは有利区間SC2が継続されることとなる。そして、この有利区間SC2が継続している状況でBB状態ST3又はRB状態ST4が開始された場合、ART状態ST6への移行期待度が高くなる。よって、第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されたか否かに遊技者は注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
次に、主側MPU72にて実行される通常用処理について図30のフローチャートを参照しながら説明する。なお、通常用処理は遊技終了時の対応処理(図28)のステップS905にて実行される。遊技終了時の対応処理は1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行されるため、通常用処理も1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行される。
通常用処理では、先ず主側RAM74におけるART当選フラグに「1」が設定されているか否かについて判定する(ステップS1101)。ART当選フラグに「1」が設定されている場合(ステップS1101:YES)は、ART移行抽選処理(遊技区間の第1制御処理(図27)のステップS811)においてART状態ST6への移行当選が発生したことを意味する。この場合には、ART当選フラグを「0」クリアし(ステップS1102)、ART状態ST6における継続ゲーム数に「50」を設定する初期継続ゲーム数の設定処理を実行する(ステップS1103)。
その後、主側RAM74における準備状態フラグに「1」を設定し、遊技状態を準備状態ST5に移行させる(ステップS1104)。これにより、遊技終了時の対応処理(図28)においてステップS906の準備状態処理が実行されることとなる。その後、演出側MPU92に対して準備開始コマンドを送信する(ステップS1105)。準備開始コマンドは、準備状態ST5が開始されることを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。演出側MPU92は、準備開始コマンドを受信した場合、準備状態ST5に対応する演出が開始されるようにする。
ステップS1101にて否定判定を行った場合、又はステップS1105の処理を行った場合には、主側RAM74における有利維持カウンタの値が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS1106)。有利維持カウンタは、既に説明したとおり、ART状態ST6が終了して通常遊技状態ST1に遊技状態が移行する場合において通常遊技状態ST1に移行した後においても有利維持ゲーム数に亘って有利区間SC2を維持させる場合に、当該有利維持ゲーム数の残りゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。主側MPU72は有利維持カウンタの値が1以上である場合、有利維持区間であると特定し、1減算後における有利維持カウンタの値が「0」となった場合には有利維持区間が終了したことを特定する。有利維持カウンタの値が「1」以上である場合(ステップS1106:YES)には、有利維持カウンタの値を1減算して(ステップS1107)、本通常用処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行される上乗せ用処理について図31のフローチャートを参照しながら説明する。なお、上乗せ用処理は役の抽選処理(図14)におけるステップS419にて実行される。このステップS419の処理はゲームの開始時において役の当否判定が完了した後に実行される。
上乗せ用処理では、遊技状態が準備状態ST5又はART状態ST6である場合(ステップS1201:YES)、今回の役の抽選処理(図14)にて「4」~「8」,「15」,「16」のいずれかの当選番号が設定されたか否かを判定する(ステップS1202)。ステップS1202にて肯定判定をした場合には上乗せ抽選処理を実行する(ステップS1203)。
上乗せ抽選処理(ステップS1203)では、まず今回の役の抽選処理(図14)にて設定された当選番号に対応する上乗せテーブルを主側ROM73から読み出す。本実施形態では、ART状態ST6における継続ゲーム数が上乗せされる上乗せ当選として、継続ゲーム数が「50」上乗せされる第1上乗せ当選、及び継続ゲーム数が「100」上乗せされる第2上乗せ当選の2種類が存在している。上乗せテーブルは、当選確率が低い当選番号の方が上乗せ当選(第1上乗せ当選及び第2上乗せ当選のいずれか)の発生確率が高くなるように設定されている。なお、上乗せテーブルは「1」~「6」の設定値の間において共通となっているが、設定値に応じて上乗せ当選(第1上乗せ当選及び第2上乗せ当選のいずれか)となる確率及び上乗せ期待ゲーム数のうち少なくとも一方が相違している構成としてもよい。その後、主側RAM74において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出した上乗せテーブルに対して照合する。これにより、上乗せ当選(第1上乗せ当選及び第2上乗せ当選のいずれか)となったか否か、及び上乗せ当選となった場合における上乗せ当選の種類を特定する。
上乗せ当選となった場合(ステップS1204:YES)、遊技状態がART状態ST6であるか否かを判定する(ステップS1205)。遊技状態がART状態ST6である場合(ステップS1205:YES)には、ART中の上乗せ設定処理を実行する(ステップS1206)。ART中の上乗せ設定処理では、主側RAM74に設けられたARTゲーム数カウンタに今回選択された抽選結果に対応する上乗せゲーム数の値(「50」又は「100」)を加算する。ARTゲーム数カウンタはART状態ST6の残りの継続ゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
その後、主側RAM74に設けられたART中上乗せフラグに「1」をセットして(ステップS1207)、本上乗せ用処理を終了する。ART中上乗せフラグは、ART状態ST6において上乗せ当選が発生したことを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。
ステップS1205にて遊技状態がART状態ST6でないと判定した場合には、遊技状態が準備状態ST5であることを意味するため、準備状態中の上乗せ設定処理を実行する(ステップS1208)。準備状態中の上乗せ設定処理では、主側RAM74に設けられたARTゲーム数カウンタに今回選択された抽選結果に対応する上乗せゲーム数の値(「50」又は「100」)を加算する。
その後、主側RAM74に設けられた準備中上乗せフラグに「1」をセットして(ステップS1209)、本上乗せ用処理を終了する。準備中上乗せフラグは、準備状態ST5において上乗せ当選が発生したことを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。
次に、主側MPU72にて実行される準備状態処理について図32のフローチャートを参照しながら説明する。なお、準備状態処理は遊技終了時の対応処理(図28)におけるステップS906にて実行される。遊技終了時の対応処理は1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行されるため、準備状態処理も1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行される。
準備状態処理では、主側RAM74における準備中上乗せフラグに「1」がセットされている場合(ステップS1301:YES)、上乗せ抽選処理(上乗せ用処理(図31)のステップS1203)にて上乗せ当選(第1上乗せ当選又は第2上乗せ当選)となったことを意味するため、演出側MPU92に対して準備中上乗せコマンドを送信し(ステップS1202)、準備中上乗せフラグを「0」クリアする(ステップS1203)。準備中上乗せコマンドは、準備状態ST5においてART状態ST6の継続ゲーム数が上乗せされたことを示すコマンドである。演出側MPU92は準備中上乗せコマンドを受信した場合、当該準備中上乗せコマンドに設定されている今回の上乗せゲーム数が付与されたことを示す上乗せ演出が実行されるようにする。
ステップS1301にて否定判定を行った場合、又はステップS1303の処理を行った場合には、今回のゲームにおいて第2RTリプレイ入賞が成立したか否かを判定する(ステップS1304)。第2RTリプレイ入賞が成立している場合(ステップS1304:YES)、準備状態ST5からART状態ST6への移行契機が発生したことを意味するため、ART開始用処理を実行する(ステップS1305)。ART開始用処理では、遊技終了時の対応処理(図28)にてステップS907のART状態処理が実行されるようにするための主側RAM74の情報の設定を行う。これにより、遊技状態がART状態ST6となる。
また、ART開始用処理(ステップS1305)では、準備状態ST5が開始される前における遊技状態がボーナス状態であって当該ボーナス状態の直前の遊技状態がART状態ST6である場合、ART状態ST6に復帰したことを意味するため、ボーナス状態に移行する直前のART状態ST6における遊技状況に復帰させるための設定を行う。但し、ボーナス状態においてART状態ST6の継続ゲーム数の上乗せが発生している場合には当該上乗せゲーム数が加算された状態からART状態ST6に復帰することとなる。また、ART開始用処理(ステップS1305)では、今回の準備状態ST5が、BB状態ST3又はRB状態ST4においてART状態ST6への移行当選となったことを契機としている場合には、ART状態ST6の開始ゲーム数である50ゲームの情報を主側RAM74のARTゲーム数カウンタに加算する。この場合、準備状態ST5の前の遊技状態がボーナス状態であるとともに当該ボーナス状態においてART状態ST6への移行当選だけではなくART状態ST6の残りの継続ゲーム数の上乗せ当選が発生している場合には、その上乗せ当選となったことにより付与された継続ゲーム数が加算された状態でART状態ST6が開始されることとなる。また、準備状態ST5においてART状態ST6の残りの継続ゲーム数の上乗せ当選が発生している場合には、その上乗せ当選となったことにより付与された継続ゲーム数が加算された状態でART状態ST6が開始されることとなる。
ステップS1305にてART開始用処理を実行した後、ART状態ST6への移行が発生したことを示すART開始コマンドを演出側MPU92に送信して(ステップS1306)、本準備状態処理を終了する。ART開始コマンドには今回のART状態ST6への移行がART状態ST6への復帰に該当するか否かを示す情報が設定されているとともに、ART状態ST6への復帰に該当しない場合にはART状態ST6の開始ゲーム数として50ゲームが付与されたことを示す情報が設定されている。
次に、主側MPU72にて実行されるART状態処理について図33のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ART状態処理は遊技終了時の対応処理(図28)におけるステップS907にて実行される。遊技終了時の対応処理は1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行されるため、ART状態処理も1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行される。
ART状態処理では、主側RAM74におけるART中上乗せフラグに「1」がセットされている場合(ステップS1401:YES)、上乗せ抽選処理(上乗せ用処理(図31)のステップS1203)にて上乗せ当選(第1上乗せ当選又は第2上乗せ当選)となったことを意味するため、演出側MPU92に対してART中上乗せコマンドを送信し(ステップS1402)、ART中上乗せフラグを「0」クリアする(ステップS1403)。ART中上乗せコマンドは、ART状態ST6においてART状態ST6の継続ゲーム数が上乗せされたことを示すコマンドである。演出側MPU92はART中上乗せコマンドを受信した場合、当該ART中上乗せコマンドに設定されている今回の上乗せゲーム数が付与されたことを示す上乗せ用の演出が実行されるようにする。なお、当該上乗せ用の演出の詳細については後述する。
ステップS1401にて否定判定を行った場合、又はステップS1403の処理を行った場合には、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値を1減算する(ステップS1404)。そして、その1減算後におけるARTゲーム数カウンタの値が「0」であること(ステップS1405:YES)を条件として、ステップS1406及びステップS1407の処理を実行する。
具体的には、まずART状態ST6の終了処理を実行する(ステップS1406)。当該終了処理では、遊技状態をART状態ST6から通常遊技状態ST1に移行させるためのデータ設定を行う。これにより、例えば遊技終了時の対応処理(図28)ではステップS905の通常用処理が実行されることとなる。また、ART状態ST6の終了処理では、有利維持用処理を実行する。有利維持用処理では、まず主側RAM74の有利継続カウンタの値が継続可能ゲーム数(具体的には「1200」)以下であるか否かを判定する。この継続可能ゲーム数は有利区間SC2の継続ゲーム数の上限ゲーム数(具体的には「1500」)よりも少ないゲーム数に設定されているとともに、有利区間SC2のエンディング演出が開始される継続ゲーム数よりも少ないゲーム数に設定されている。有利継続カウンタの値が継続可能ゲーム数以下である場合、有利維持抽選テーブルを主側ROM73から読み出す。有利維持抽選テーブルには有利維持当選に該当する当選値が設定されている。その後、主側RAM74において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出した有利維持抽選テーブルに対して照合することにより、有利維持当選となったか否かを判定する。有利維持当選となった場合、主側RAM74の有利維持カウンタに有利維持ゲーム数に対応する値(具体的には「10」)をセットする。これにより、ART状態ST6が終了した後であっても有利維持ゲーム数のゲームが消化されるまでは遊技区間が有利区間SC2に維持される。
その後、ART状態ST6が終了したことを示すART終了コマンドを演出側MPU92に送信して(ステップS1407)、本ART状態処理を終了する。演出側MPU92はART終了コマンドを受信することによりART状態ST6が終了したことに対応する演出が実行されるようにするとともに、当該演出の終了後に有利維持区間ではない通常遊技状態ST1に対応する演出が実行されるようにする。なお、ステップS1406にて有利維持当選となった場合には、有利維持当選となったことを示す情報がART終了コマンドに設定される。
次に、主側MPU72にて実行されるボーナス用処理について図34のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ボーナス用処理は遊技終了時の対応処理(図28)のステップS901にて実行される。遊技終了時の対応処理は1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行されるため、ボーナス用処理も1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行される。
ボーナス用処理では、主側RAM74に記憶されているBB当選データに対応するBB入賞が成立した場合(ステップS1501:YES)、主側RAM74に設けられたBBフラグに「1」をセットする(ステップS1502)。BBフラグはBB状態ST3であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
今回成立したBB入賞が第3BB入賞又は第4BB入賞である場合(ステップS1503:YES)、主側RAM74に設けられた特定ボーナスフラグに「1」をセットする(ステップS1504)。第3BB入賞の成立を可能とする第3BB当選データは通常モード用抽選テーブル(図15)、第1RTモード用抽選テーブル(図17)及び第2RTモード用抽選テーブル(図19)のいずれであってもインデックス値IV=7に設定されており、第4BB入賞の成立を可能とする第4BB当選データはこれら抽選テーブルのいずれであってもインデックス値IV=8に設定されている。そして、これらインデックス値IV=7,8は「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一の役として設定されている。つまり、特定ボーナスフラグは当選確率に設定差が存在しないボーナス入賞が成立したか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。当選確率に設定差が存在しているボーナス入賞が成立した場合には当該ボーナス状態の開始時に遊技区間を通常区間SC1から有利区間SC2に移行させる設定は行われないのに対して、当選確率に設定差が存在していないボーナス入賞が成立した場合には当該ボーナス状態の開始時に遊技区間を通常区間SC1から有利区間SC2に移行させる設定が行われる。
一方、主側RAM74に記憶されているRB当選データに対応するRB入賞が成立した場合(ステップS1501:NO、ステップS1505:YES)、主側RAM74に設けられたRBフラグに「1」をセットする(ステップS1506)。RBフラグはRB状態ST4であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
また、今回成立したRB入賞が第1RB入賞である場合(ステップS1507:YES)、主側RAM74の特定ボーナスフラグに「1」をセットする(ステップS1508)。第1RB入賞の成立を可能とする第1RB当選データは通常モード用抽選テーブル(図15)、第1RTモード用抽選テーブル(図17)及び第2RTモード用抽選テーブル(図19)のいずれであってもインデックス値IV=9に設定されている。そして、インデックス値IV=9は「1」~「6」の設定値の間で当選確率が同一の役として設定されている。したがって、今回のRB入賞が当選確率に設定差が存在していないボーナス入賞の成立に対応していることを主側MPU72にて特定するために、ステップS1508にて特定ボーナスフラグに「1」をセットする。
ステップS1503にて否定判定をした場合、ステップS1504の処理を実行した場合、ステップS1507にて否定判定をした場合、又はステップS1508の処理を実行した場合、主側RAM74に設けられた合計払出カウンタを「0」クリアする(ステップS1509)。合計払出カウンタはボーナス状態において遊技者に付与された遊技媒体の合計数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。主側MPU72は合計払出カウンタの値に基づいてボーナス状態の終了条件が成立したか否かを特定する。
その後、ボーナス状態が開始されることを示すボーナス開始コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS1510)。当該ボーナス開始コマンドには今回開始されるボーナス状態(第1BB入賞、第2BB入賞、第3BB入賞、第4BB入賞、第1RB入賞又は第2RB入賞)の種類を示す情報が設定されている。演出側MPU92は、ボーナス開始コマンドを受信した場合、開始されるボーナス状態の種類に対応する演出が実行されるようにする。
その後、主側RAM74に設けられた主側エンディング演出フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1511)。主側エンディング演出フラグは、詳細は後述するが有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に近づくことで開始されるエンディング演出の実行中であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。ステップS1511にて否定判定をした場合、フリーズカウンタの設定処理を実行する(ステップS1512)。
フリーズカウンタの設定処理では、主側RAM74に設けられたフリーズカウンタに、ボーナス開始時のフリーズ期間(具体的には10秒)に対応する数値情報をセットする。フリーズカウンタにセットされた数値情報はタイマ割込み処理(図12)におけるタイマ減算処理(ステップS209)にて定期的に減算される。ボーナス用処理にてフリーズカウンタに数値がセットされた場合、通常処理(図13)におけるステップS314にて待機する。これにより、新たなゲームの開始が待機された状態となる。このように新たなゲームの開始が待機された状態において上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてボーナス状態が開始されることに対応する演出が実行されることで、ボーナス状態への移行が発生したことを遊技者に明確に認識させることが可能となるとともに、ボーナス状態への移行が強調されることで遊技者に満足感を与えることが可能となる。通常処理(図13)におけるステップS314にて待機された状態はフリーズカウンタの値が「0」となることで解除される。
主側RAM74のBBフラグ又はRBフラグに「1」がセットされている場合(ステップS1501:NO、ステップS1505:NO、ステップS1513:YES)、BB状態ST3又はRB状態ST4の進行を制御するボーナス状態用処理を実行する(ステップS1514)。
ここで、ボーナス状態用処理(ステップS1514)について説明する。ボーナス状態用処理では、今回のゲームにおいて遊技媒体の付与が発生している場合、主側RAM74の合計払出カウンタに今回付与された遊技媒体の数に対応する値を加算する。そして、その加算後における合計払出カウンタの値が現状のボーナス状態に対応する終了基準数以上となっているか否かを判定する。具体的には、現状のボーナス状態がBB状態ST3である場合にはBB終了基準数(例えば「350」)以上であるか否かを判定し、現状のボーナス状態がRB状態ST4である場合にはRB終了基準数(例えば「150」)以上であるか否かを判定する。
加算後における合計払出カウンタの値が現状のボーナス状態に対応する終了基準数以上であると判定した場合には、今回のボーナス状態の契機となったボーナス役に当選したタイミングの遊技状態が準備状態ST5若しくはART状態ST6であることを条件として、又は主側RAM74のART当選フラグに「1」がセットされていることを条件として、準備状態ST5の設定処理を実行する。当該準備状態ST5の設定処理では、主側RAM74のART当選フラグを「0」クリアする。また、遊技終了時の対応処理(図28)にてステップS906の準備状態処理が実行されるようにするための主側RAM74の情報の設定を行う。これにより、今回のボーナス状態の終了後における遊技状態が準備状態ST5となる。
ART当選フラグに「1」がセットされていないと判定した場合、又は準備状態ST5の設定処理を行った場合には、ボーナス状態が終了することを示すボーナス終了コマンドを演出側MPU92に送信する。当該ボーナス終了コマンドにはボーナス状態の終了後における遊技状態が通常遊技状態ST1及び準備状態ST5のいずれであるのかを示す情報が設定されている。演出側MPU92はボーナス終了コマンドを受信することにより、ボーナス状態が終了することを示す演出が開始されるようにするとともに、当該演出の終了後にはボーナス状態の終了後の遊技状態に対応する演出が開始されるようにする。
ボーナス終了コマンドを送信した後、主側RAM74の主側エンディング演出フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。主側エンディング演出フラグは、詳細は後述するが有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に近づくことで開始されるエンディング演出の実行中であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。主側エンディング演出フラグに「1」がセットされてないと判定した場合、フリーズカウンタの設定処理を実行して、本ボーナス状態用処理を終了する。
フリーズカウンタの設定処理では、主側RAM74に設けられたフリーズカウンタに、ボーナス終了時のフリーズ期間(具体的には10秒)に対応する数値情報をセットする。フリーズカウンタにセットされた数値情報はタイマ割込み処理(図12)におけるタイマ減算処理(ステップS209)にて定期的に減算される。ボーナス状態用処理にてフリーズカウンタに数値がセットされた場合、通常処理(図13)におけるステップS314にて待機する。これにより、新たなゲームの開始が待機された状態となる。このように新たなゲームの開始が待機された状態において上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてボーナス状態が終了することに対応する演出が実行されることで、ボーナス状態が終了したことを遊技者に明確に認識させることが可能となる。通常処理(図13)におけるステップS314にて待機された状態はフリーズカウンタの値が「0」となることで解除される。
次に、主側MPU72にて実行されるゲーム開始時のボーナス用処理について図35のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ゲーム開始時のボーナス用処理は役の抽選処理(図14)におけるステップS418にて実行される。このステップS418の処理はゲームの開始時において役の当否判定が完了した後に実行される。
ゲーム開始時のボーナス用処理では、主側RAM74の有利区間フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1601:NO)、今回がボーナス状態に移行した後に最初に実行されるゲームであるボーナス状態の開始ゲームであるか否かを判定する(ステップS1602)。ステップS1602にて肯定判定を行った場合には、今回のボーナス状態が通常区間SC1である状況において開始されたことを意味するため、ステップS1603~ステップS1606の処理を実行する。
具体的には、主側RAM74の特定ボーナスフラグに「1」がセットされている場合(ステップS1603:YES)、主側RAM74の有利区間フラグに「1」をセットするとともに、特定ボーナスフラグを「0」クリアする(ステップS1604)。そして、演出側MPU92に対して有利区間開始コマンドを送信し(ステップS1605)、有利区間表示部67の点灯処理を実行する(ステップS1606)。当該点灯処理では、有利区間表示部67を消灯状態から点灯状態に切り換える。特定ボーナスフラグに「1」がセットされている場合というのは、既に説明したとおり今回のボーナス状態が当選確率に設定差が存在していないボーナス役を契機としている場合である。つまり、当選確率に設定差が存在していないボーナス役に対応するボーナス状態となった場合には、ボーナス状態となる前の遊技区間が通常区間SC1であったとしてもボーナス状態が開始されたゲームにて有利区間SC2に設定されることとなる。そして、ボーナス状態が開始されたゲームにて有利区間SC2に設定されることで、ステップS1607以降のART状態ST6に関する利益を遊技者に付与するための処理が実行される。よって、当選確率に設定差が存在していないボーナス役に対応するボーナス状態の方が、当選確率に設定差が存在しているボーナス役に対応するボーナス状態よりも有利なボーナス状態とすることが可能となる。
ステップS1601にて有利区間フラグに「1」がセットされていると判定した場合には、遊技状態がボーナス状態であるか否かを判定する(ステップS1607)。ステップS1606の処理を行った場合、又はステップS1607にて肯定判定を行った場合には、今回のゲームにおいて抽選契機役に当選したか否かを判定する(ステップS1608)。具体的には、今回の役の抽選処理(図14)にて「4」,「6」,「8」,「15」のいずれかの当選番号が設定されている場合に抽選契機役に当選していると判定する。
ステップS1608にて肯定判定をした場合、有利抽選処理を実行する(ステップS1609)。有利抽選処理では、まずボーナス中の上乗せテーブルを主側ROM73から読み出す。当該ボーナス中の上乗せテーブルは今回のボーナス状態の種類に関係なく共通となっているが、ボーナス状態の種類に応じて上乗せ当選となる確率及び上乗せ期待ゲーム数のうち少なくとも一方が相違している構成としてもよい。また、ボーナス中の上乗せテーブルは今回当選となった抽選契機役の種類に関係なく共通となっているが、今回当選となった抽選契機役の種類に応じて上乗せ当選となる確率及び上乗せ期待ゲーム数のうち少なくとも一方が相違している構成としてもよい。また、ボーナス中の上乗せテーブルは「1」~「6」の設定値の間において共通となっているが、設定値に応じて上乗せ当選となる確率及び上乗せ期待ゲーム数のうち少なくとも一方が相違している構成としてもよい。その後、主側RAM74において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出したボーナス中の上乗せテーブルに対して照合する。これにより、有利当選となったか否かを特定する。
有利抽選処理(ステップS1609)において有利当選となった場合(ステップS1610:YES)、現状のボーナス状態(BB状態ST3又はRB状態ST4)に移行する契機が準備状態ST5又はART状態ST6において発生したか否かを判定する(ステップS1611)。現状のボーナス状態に移行する契機が準備状態ST5又はART状態ST6において発生していない場合(ステップS1611:NO)には、主側RAM74のART当選フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1612)。
ステップS1611にて肯定判定を行った場合、又はステップS1612にて肯定判定を行った場合には、ボーナス中の上乗せ設定処理を実行する(ステップS1613)。ボーナス中の上乗せ設定処理では、主側RAM74に設けられたARTゲーム数カウンタに今回選択された抽選結果に対応する上乗せゲーム数の値を加算する。ARTゲーム数カウンタはART状態ST6の残りの継続ゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
その後、ボーナス状態においてART状態ST6の継続ゲーム数が上乗せされたことを示すボーナス中上乗せコマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS1614)。当該ボーナス中上乗せコマンドには今回発生した上乗せゲーム数の情報が設定されている。演出側MPU92はボーナス中上乗せコマンドを受信することにより、今回選択された上乗せゲーム数が付与されたことを示す演出が実行されるようにする。
一方、今回のボーナス状態の契機となったボーナス役に当選したタイミングの遊技状態が準備状態ST5及びART状態ST6のいずれでもなくさらにART当選フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1611及びステップS1612:NO)、主側RAM74におけるART当選フラグに「1」をセットし(ステップS1615)、ART状態ST6への移行当選となったことを示すART当選コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS1616)。演出側MPU92はART当選コマンドを受信することにより、今回のボーナス状態が終了した後にART状態ST6となることを示す演出が今回のゲームにおいて実行されるようにする。
次に、有利区間SC2のエンディング演出について説明する。まず図29のフローチャートを再度参照して、遊技区間の第2制御処理におけるステップS1001~ステップS1011の処理について説明する。
まず主側RAM74に設けられたフリーズ待機フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1001)。フリーズ待機フラグは、エンディング演出の途中でボーナス状態となった場合であってそのボーナス状態の途中で有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合に当該ボーナス状態が終了するまでエンディング演出の終了時におけるフリーズ設定を待機している状態であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
フリーズ待機フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1001:YES)、フリーズ設定処理を実行する(ステップS1002)。フリーズ設定処理については後に詳細に説明する。フリーズ待機フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1001:NO)、主側RAM74の有利区間フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、遊技区間が有利区間SC2であるか否かを判定する(ステップS1003)。有利区間フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1003:YES)、主側RAM74の有利継続カウンタの値を1加算する(ステップS1004)。その後、エンディング対応処理を実行する(ステップS1005)。
図36は主側MPU72にて実行されるエンディング対応処理を示すフローチャートである。なお、エンディング対応処理は遊技区間の第2制御処理(図29)におけるステップS1005にて実行される。遊技区間の第2制御処理は既に説明したとおり1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行されるため、エンディング対応処理も1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行される。
エンディング対応処理では、まず主側RAM74に設けられた主側エンディング演出フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1701)。主側エンディング演出フラグは、有利区間SC2のエンディング演出の実行期間となっていることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
主側エンディング演出フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1701:NO)、主側RAM74において有利区間SC2の継続ゲーム数を計測するためのカウンタである有利継続カウンタの値がエンディング対応ゲーム数(具体的には「1450」)以上となっているか否かを判定する(ステップS1702)。ステップS1702にて肯定判定をした場合、主側RAM74の有利継続カウンタの値と主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値との和が有利区間SC2の上限ゲーム数(具体的には「1500」)以上となっているか否かを判定する(ステップS1703)。つまり、有利区間SC2において継続して実行されたゲーム数とART状態ST6の残りの継続ゲーム数との和が有利区間SC2の上限ゲーム数以上となっているか否かを判定する。
ステップS1703にて肯定判定をした場合、ART状態ST6の残りの継続ゲーム数との関係で有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達することが確定していることを意味する。この場合、主側RAM74の主側エンディング演出フラグに「1」をセットする(ステップS1704)。
その後、エンディング演出を開始すべきことを示すエンディング演出コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS1705)。演出側MPU92はエンディング演出コマンドを受信することで、他の演出を実行している状況であったとしても当該エンディング演出を開始させる。また、エンディング演出コマンドには有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達するまでの残りのゲーム数に対応する情報が設定される。これにより、演出側MPU92にて有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達するまでの残りのゲーム数を把握することが可能となる。
上記構成であることにより有利区間SC2の継続ゲーム数がエンディング対応ゲーム数以上となった場合であってART状態ST6の残りの継続ゲーム数との関係で有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達することが確定している場合にエンディング演出の実行期間となる。この場合、ARTゲーム数カウンタの値が1以上であることを条件としてエンディング演出の実行期間となるため、エンディング演出の実行期間が開始される遊技状態としては、ART状態ST6、ART状態ST6の途中で発生したボーナス状態(BB状態ST3又はRB状態ST4)、及びART状態ST6の途中で発生したボーナス状態が終了した後の準備状態ST5のいずれかとなる。
遊技区間の第2制御処理(図29)の説明に戻り、ステップS1005にてエンディング対応処理を実行した後は、主側RAM74の有利継続カウンタの値が有利区間SC2の上限ゲーム数(具体的には「1500」)に対応する値となったか否かを判定する(ステップS1006)。ステップS1006にて肯定判定をした場合、有利区間SC2の初期化処理を実行する(ステップS1007)。有利区間SC2の初期化処理では主側RAM74の有利区間フラグを「0」クリアする。また、有利区間SC2の初期化処理では、準備状態ST5及びART状態ST6のいずれかに滞在していたとしても、それら遊技状態(準備状態ST5又はART状態ST6)の継続ゲーム数を記憶するためのカウンタを含めてそれら遊技状態(準備状態ST5又はART状態ST6)であることを示す各種データをクリアすることにより遊技状態を通常遊技状態ST1に移行させる。その後、有利区間表示部67を点灯状態から消灯状態に切り換える(ステップS1008)。これにより、有利区間表示部67における有利区間SC2であることの報知が終了される。
その後、主側RAM74の主側エンディング演出フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1009)。ステップS1009にて肯定判定をした場合、フリーズ設定処理を実行する(ステップS1010)。
一方、ステップS1009にて否定判定をした場合、強制終了コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS1011)。演出側MPU92は強制終了コマンドを受信した場合、通常演出の開始設定処理を実行する。当該開始設定処理では、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて通常遊技状態ST1に復帰することを示す通常復帰演出が実行されるようにする。また、演出側MPU92は、通常復帰演出の終了後に、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて通常遊技状態ST1に対応する演出が実行されるようにする。
次に、遊技区間の第2制御処理(図29)におけるステップS1002又はステップS1010にて実行されるフリーズ設定処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。なお、遊技区間の第2制御処理は1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行されるため、フリーズ設定処理も1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行される。
フリーズ設定処理では、主側RAM74のフリーズ待機フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1801:NO)、エンディング演出が実行されている状況において有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達したことを意味する。この場合、まず主側RAM74の主側エンディング演出フラグを「0」クリアする(ステップS1802)。その後、今回のゲームが開始されたタイミングにおける遊技状態がBB状態ST3であれば(ステップS1803:YES)、今回のゲームがBB状態ST3の最終ゲームであるか否かを判定する(ステップS1804)。今回のゲームがBB状態ST3の最終ゲームでなければ(ステップS1804:NO)、BB状態ST3において遊技者に付与された遊技媒体の合計付与数が特定基準数以下であるか否かを判定する(ステップS1805)。特定基準数はBB終了基準数よりも少ない数に設定されており、具体的には特定基準数はBB終了基準数の半分以下である「100」に設定されている。
ステップS1804にて肯定判定をした場合、又はステップS1805にて肯定判定をした場合、エンディング終了演出の設定処理を実行する(ステップS1806)。エンディング終了演出の設定処理では、演出側MPU92に対してエンディング終了コマンドを送信する。エンディング終了コマンドは、エンディング演出の終了タイミングであることを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。演出側MPU92は、エンディング終了コマンドを受信した場合、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて所定期間(具体的には15秒間)に亘ってエンディング終了演出が実行されるようにする。また、演出側MPU92は、エンディング終了コマンドを受信したことを契機として履歴構成データを生成する。なお、履歴構成データの詳細については後述する。エンディング終了演出の設定処理では、主側RAM74のフリーズカウンタにエンディング終了時のフリーズ期間(具体的には15秒)に対応する数値情報をセットする。フリーズカウンタにセットされた数値情報はタイマ割込み処理(図12)におけるタイマ減算処理(ステップS209)にて定期的に減算される。ステップS1806にてフリーズカウンタに数値がセットされた場合、通常処理(図13)におけるステップS314にて待機する。これにより、新たなゲームの開始が待機された状態となる。このように新たなゲームの開始が待機された状態においてエンディング終了演出が実行されることで、エンディング終了演出に遊技者を注目させることが可能となる。通常処理(図13)におけるステップS314にて待機された状態はフリーズカウンタの値が「0」となることで解除される。
一方、ステップS1804及びステップS1805の両方にて否定判定をした場合、エンディング終了演出の設定処理を実行することなく主側RAM74のフリーズ待機フラグに「1」をセットする(ステップS1807)。BB状態ST3の最終ゲームではなくさらにBB状態ST3において遊技者に付与された遊技媒体の合計付与数が特定基準数以下ではない場合、有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達して有利区間SC2の初期化処理が実行された後であっても通常区間SC1であってBB状態ST3である状況において演出側MPU92におけるエンディング演出の実行が延長される。したがって、このような状況においてはエンディング演出の終了時におけるフリーズ設定を、エンディング演出の延長が終了するタイミングとなるまで、すなわちBB状態ST3が終了するタイミングとなるまで待機する。フリーズ待機フラグはかかるフリーズ設定の待機状態であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
今回のゲームが開始されたタイミングにおける遊技状態がBB状態ST3ではない場合(ステップS1803:NO)、今回のゲームがRB状態ST4の最終ゲーム以外であったか否かを判定する(ステップS1808)。今回のゲームがRB状態ST4ではない場合、又は今回のゲームがRB状態ST4の最終ゲームであった場合(ステップS1808:NO)、エンディング終了演出の設定処理を実行する(ステップS1809)。エンディング終了演出の設定処理では、ステップS1806の場合と同様に、演出側MPU92に対してエンディング終了コマンドを送信する。エンディング終了コマンドは、エンディング演出の終了タイミングであることを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。演出側MPU92は、エンディング終了コマンドを受信した場合、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて所定期間(具体的には15秒間)に亘ってエンディング終了演出が実行されるようにする。また、演出側MPU92は、エンディング終了コマンドを受信したことを契機として履歴構成データを生成する。なお、履歴構成データの詳細については後述する。エンディング終了演出の設定処理では、主側RAM74のフリーズカウンタにエンディング終了時のフリーズ期間(具体的には15秒)に対応する数値情報をセットする。フリーズカウンタにセットされた数値情報はタイマ割込み処理(図12)におけるタイマ減算処理(ステップS209)にて定期的に減算される。ステップS1806にてフリーズカウンタに数値がセットされた場合、通常処理(図13)におけるステップS314にて待機する。これにより、新たなゲームの開始が待機された状態となる。このように新たなゲームの開始が待機された状態においてエンディング終了演出が実行されることで、エンディング終了演出に遊技者を注目させることが可能となる。通常処理(図13)におけるステップS314にて待機された状態はフリーズカウンタの値が「0」となることで解除される。
上記のとおりステップS1806及びステップS1809のそれぞれにてエンディング終了演出の設定処理が実行されることにより、エンディング演出の実行期間において有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合において、そのゲームがボーナス状態ではない場合、ボーナス状態ではあるもののボーナス状態の最終ゲームである場合、又はBB状態ST3において遊技者に付与された遊技媒体の合計付与数が特定基準数以下である場合には、そのゲームの終了時にエンディング終了時のフリーズ期間が発生する。そして、当該エンディング終了時のフリーズ期間においてエンディング終了演出が実行されることとなる。
今回のゲームがRB状態ST4であって当該RB状態ST4の最終ゲームではない場合(ステップS1808:YES)、エンディング終了演出の設定処理を実行することなく主側RAM74のフリーズ待機フラグに「1」をセットする(ステップS1810)。RB状態ST4であって当該RB状態ST4の最終ゲームではない場合、有利区間SC2の継続ゲーム数が上限ゲーム数に到達して有利区間SC2の初期化処理が実行された後であっても通常区間SC1であってRB状態ST4である状況において演出側MPU92におけるエンディング演出の実行が延長される。したがって、このような状況においてはエンディング演出の終了時におけるフリーズ設定を、エンディング演出の延長が終了するタイミングとなるまで、すなわちRB状態ST4が終了するタイミングとなるまで待機する。フリーズ待機フラグはかかるフリーズ設定の待機状態であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
フリーズ待機フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1801:YES)、BB状態ST3又はRB状態ST4の最終ゲームであるか否かを判定する(ステップS1811)。ステップS1811にて肯定判定をした場合、今回のゲームにてエンディング演出が延長されている状態が終了することとなる。したがって、主側RAM74のフリーズ待機フラグを「0」クリアした後に(ステップS1812)、エンディング終了演出の設定処理を実行する(ステップS1813)。
エンディング終了演出の設定処理(ステップS1813)では、S1806及びステップS1809と同様に、演出側MPU92に対してエンディング終了コマンドを送信する。エンディング終了コマンドは、エンディング演出の終了タイミングであることを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。演出側MPU92は、エンディング終了コマンドを受信した場合、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて所定期間(具体的には15秒間)に亘ってエンディング終了演出が実行されるようにする。また、演出側MPU92は、エンディング終了コマンドを受信したことを契機として履歴構成データを生成する。なお、履歴構成データの詳細については後述する。エンディング終了演出の設定処理では、主側RAM74のフリーズカウンタにエンディング終了時のフリーズ期間(具体的には15秒)に対応する数値情報をセットする。フリーズカウンタにセットされた数値情報はタイマ割込み処理(図12)におけるタイマ減算処理(ステップS209)にて定期的に減算される。ステップS1813にてフリーズカウンタに数値がセットされた場合、通常処理(図13)におけるステップS314にて待機する。これにより、新たなゲームの開始が待機された状態となる。このように新たなゲームの開始が待機された状態においてエンディング終了演出が実行されることで、エンディング終了演出に遊技者を注目させることが可能となる。通常処理(図13)におけるステップS314にて待機された状態はフリーズカウンタの値が「0」となることで解除される。
次に、通常遊技状態ST1における演出の実行制御についての説明に先立ち、画像表示装置63(図1)の1フレーム分の絵を表示するための表示レイヤの構成について説明する。画像表示装置63の1フレーム分の絵は、複数(具体的には8種類)の表示レイヤを重ね合わせて合成することにより表示される。図38は表示レイヤ101~108の構成を説明するための説明図である。図38に示すように、1フレーム分の絵を表示するための表示レイヤとして、主に背景画像が設定される背景用表示レイヤ101と、各種演出用の画像が設定される第1演出用表示レイヤ102~第5演出用表示レイヤ106と、各種報知用の画像が設定される第1報知用表示レイヤ107~第2報知用表示レイヤ108とが存在している。背景用表示レイヤ101は最も画面奥側に配置されている。背景用表示レイヤ101から画面手前側に向かって、第1演出用表示レイヤ102→第2演出用表示レイヤ103→第3演出用表示レイヤ104→第4演出用表示レイヤ105→第5演出用表示レイヤ106の順番で5個の演出用表示レイヤ102~106が配置されている。また、第5演出用表示レイヤ106から画面手前側に向かって第1報知用表示レイヤ107→第2報知用表示レイヤ108の順番で2個の報知用表示レイヤ107~108が配置されている。このため、背景画像が最も画面奥側に表示され、演出用の画像が当該背景画像よりも画面手前側に表示され、報知用の画像が最も画面手前側に表示される。
既に説明したとおり、演出側MPU92は、画像表示装置63に表示する画像の内容を指示する描画リストをVDP95に出力する。VDP95は、演出側MPU92から受信した描画リストに従って、背景用表示レイヤ101の画像→第1演出用表示レイヤ102の画像→第2演出用表示レイヤ103の画像→第3演出用表示レイヤ104の画像→第4演出用表示レイヤ105の画像→第5演出用表示レイヤ106の画像→第1報知用表示レイヤ107の画像→第2報知用表示レイヤ108の画像の順番でこれらの表示レイヤ101~108の画像が画面奥側から画面手前に向かって順次重ねられる態様で生成される1つの合成画像についての表示データをビデオRAM96のフレーム領域に作成する。既に説明したとおり、VDP95は、フレーム領域に作成した表示データに対応する1フレーム分の画像信号を画像表示装置63に出力することで、当該画像表示装置63にその表示データに対応する画像を表示させる。これにより、背景用表示レイヤ101の画像、第1演出用表示レイヤ102の画像、第2演出用表示レイヤ103の画像、第3演出用表示レイヤ104の画像、第4演出用表示レイヤ105の画像、第5演出用表示レイヤ106の画像、第1報知用表示レイヤ107の画像、及び第2報知用表示レイヤ108の画像が画面奥側から画面手前に向かって順次重ねられる態様で生成される1つの合成画像が1フレーム分の絵として画像表示装置63に表示される。
<通常遊技状態ST1における演出の実行制御について>
次に、通常遊技状態ST1における演出の実行制御について説明する。通常遊技状態ST1では、第1契機~第6契機の発生に基づいて、発生した契機に対応する演出が行われる。まず第1契機~第6契機について説明する。第1契機~第6契機は演出側MPU92が主側MPU72からコマンドを受信することにより発生する契機である。具体的には、第1契機はゲーム開始コマンドの受信であり、第2契機は定速回転開始コマンドの受信である。第3契機は第1停止に対応するストップボタン42~44のON操作が行われたことを示す情報が設定された停止指令コマンドの受信であり、第4契機は第2停止に対応するストップボタン42~44のON操作が行われたことを示す情報が設定された停止指令コマンドの受信であり、第5契機は第3停止に対応するストップボタン42~44のON操作が行われたことを示す情報が設定された停止指令コマンドの受信である。第6契機は第3停止に対応するストップボタン42~44のOFF操作が行われたことを示すOFF操作コマンドの受信である。
既に説明したとおり、ゲーム開始コマンドは役の抽選処理(図14)のステップS416において送信されるコマンドであり、定速回転開始コマンドはリール制御処理(図24)のステップS603において送信されるコマンドであり、停止指令コマンドはリール制御処理(図24)のステップS605において送信されるコマンドであり、OFF操作コマンドは停止操作対応処理(図25)のステップS717において送信されるコマンドである。既に説明したとおり、ゲーム開始コマンドの送信後に定速回転開始コマンドが送信されるとともに、当該定速回転開始コマンドの送信後に停止指令コマンドが送信される。また、第1~第3停止に対応する停止指令コマンドの送信後にOFF操作コマンドが送信される。このため、第1~第6契機は、第1契機→第2契機→第3契機→第4契機→第5契機→第6契機の順番で発生する。
通常遊技状態ST1では、通常遊技状態ST1に対応する背景画像の表示及びベース音楽の出力が行われる通常用ベース演出と、画像表示装置63において左図柄、右図柄及び中図柄の変動表示が行われる図柄変動演出と、ストップボタン42~44の操作が有効となったことを示す有効報知演出と、画像表示装置63において変動中の左図柄が停止する左停止演出と、画像表示装置63において変動中の右図柄が停止する右停止演出と、変動中の右図柄が停止するタイミングに合わせてリーチ報知を行うリーチ報知演出と、変動中の右図柄が停止するタイミングに合わせて長押し報知を行う長押し報知演出と、画像表示装置63において変動中の中図柄が停止する中停止演出と、ボーナス当選が発生したことを告知するボーナス告知演出と、ボーナス当選の期待度を報知する第1期待演出と、ボーナス当選が発生した場合におけるBB当選の期待度を報知する第2期待演出と、停止した中図柄を再変動させる再変動演出とが行われる。通常遊技状態ST1において画像表示装置63にて行われる左図柄、右図柄及び中図柄の表示は、表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能であるリール32L,32M,32Rに付された図柄の変動とは別に、ボーナス当選の有無及びボーナス当選の種類を示す演出として行われる。
上述した各種演出のうち、通常用ベース演出、図柄変動演出、有効報知演出、左停止演出、右停止演出、及び中停止演出は、役の抽選処理(図14)における抽選結果がいずれの抽選結果であっても実行される演出である。本実施形態では、右停止演出に対応させてリーチ報知演出及び長押し報知演出のいずれもが行われない場合と、右停止演出に対応させてリーチ報知演出及び長押し報知演出のいずれかが行われる場合とがある。右停止演出に対応させてリーチ報知演出及び長押し報知演出のいずれもが行われない場合には、中停止演出が終了することにより1ゲームの演出が終了する。一方、右停止演出に対応させてリーチ報知演出及び長押し報知演出のいずれかが行われる場合には、中停止演出の終了後に第1期待演出が行われる場合がある。このため、右停止演出に対応させて行われる演出の有無及び当該演出の種類に注目させることができる。
右停止演出に対応させてリーチ報知演出が行われた場合には、中停止演出の終了後に第1期待演出が行われる場合と、中停止演出の終了により1ゲームの演出が終了する場合とがある。このため、中停止演出の終了後に第1期待演出が行われるか否かに注目させることができる。リーチ報知演出及び第1期待演出が行われた場合には、第1期待演出の終了後にボーナス告知演出が行われる場合と、第1期待演出の終了により1ゲームの演出が終了する場合とがある。このため、第1期待演出の終了後にボーナス告知演出が行われるか否かに注目させることができる。
右停止演出に対応させて長押し報知演出が行われた場合には、中停止演出の終了後に第1期待演出が行われる。その後、第1期待演出の終了後に第2期待演出が行われる場合と、第1期待演出の終了により1ゲームの演出が終了する場合とがある。このため、第1期待演出の終了後に第2期待演出が行われるか否かに注目させることができる。長押し報知演出、第1期待演出及び第2期待演出が行われた場合には、第2期待演出の終了後に再変動演出が行われてボーナス当選の発生が告知される場合と、第2期待演出の終了により1ゲームの演出が終了する場合とがある。このため、第2期待演出の終了後に再変動演出が行われるか否かに注目させることができる。
図39(a)~図39(h)は通常遊技状態ST1において実行される各種演出の演出内容を説明するための説明図である。通常遊技状態ST1では、第1契機が発生した場合、すなわち演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信した場合、通常用ベース演出及び図柄変動演出が開始される。既に説明したとおり、通常用ベース演出及び図柄変動演出は、役の抽選処理(図14)においてボーナス当選(第1~第4BB当選及び第1~第2RB当選)が発生するか否かに関わらず実行される。
図39(a)に示すように、通常用ベース演出では、画像表示装置63に背景画像G4が表示されるとともに、スピーカ62から通常用ベース音楽が出力される。また、図柄変動演出では、画像表示装置63の左側領域、右側領域及び中央領域において左図柄、右図柄及び中図柄の変動表示が行われる。図柄変動演出では、左図柄、右図柄及び中図柄が画像表示装置63の画面上部から画面下部に向かってスクロールする様子が表示される。画像表示装置63では、通常用ベース演出及び図柄変動演出が同時に進行する。
背景画像G4は背景用表示レイヤ101(図38)に設定される。また、左図柄が変動する様子を示す画像は第1演出用表示レイヤ102(図38)に設定され、右図柄が変動する様子を示す画像は第2演出用表示レイヤ103(図38)に設定され、中図柄が変動する様子を示す画像は第3演出用表示レイヤ104(図38)に設定される。既に説明したとおり、VDP95がビデオRAM96のフレーム領域に作成する表示データにおいて、第1演出用表示レイヤ102、第2演出用表示レイヤ103及び第3演出用表示レイヤ104の画像は、背景用表示レイヤ101の画像よりも画面手前側に設定される。このため、画像表示装置63では、変動中の左図柄、右図柄及び中図柄が背景画像G4よりも画面手前側に表示される。通常用ベース演出及び図柄変動演出が実行されている間、通常用ベース音楽が出力されるようにスピーカ62の音出力制御が行われるとともに、通常用ベース演出に対応する発光態様で発光するように上部ランプ61の発光制御が行われる。
その後、第2契機が発生した場合、すなわち演出側MPU92が定速回転開始コマンドを受信した場合、有効報知演出が開始される。有効報知演出では、ストップボタン42~44の操作が有効となったことを報知する有効報知音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御が行われる。有効報知演出は、通常用ベース演出及び図柄変動演出と並行して同時に実行される。スピーカ62は2つの音を同時に出力可能となっており、通常用ベース音楽と有効報知音とが同時に出力される。有効報知演出が行われることにより、リール32L,32M,32Rの定速回転が開始されてストップボタン42~44の操作により対応するリール32L,32M,32Rを停止させることが可能となったことを遊技者に認識させることができる。
その後、第3契機が発生した場合、すなわち第1停止に対応するストップボタン42~44のON操作が行われたことを示す情報が設定された停止指令コマンドを演出側MPU92が受信した場合、左停止演出が行われる。図39(b)に示すように、左停止演出では、画像表示装置63の左側領域において行われていた左図柄の変動表示が終了して1つの左図柄画像G5の停止表示が開始される。左図柄画像G5は、左図柄が変動する様子を示す画像が設定されていた第1演出用表示レイヤ102(図38)に設定され、背景画像G4よりも画面手前側に表示される。画像表示装置63の左側領域に停止表示される左図柄画像G5は「1」~「9」のいずれかの数字を示す画像である。停止表示される左図柄画像G5の種類は、後述する左停止演出抽選において決定される。画像表示装置63の右側領域及び中央領域では、左図柄画像G5の停止表示が開始された後も右図柄及び中図柄の変動表示が継続される。左停止演出では、画像表示装置63の左側領域に当該左図柄画像G5が停止するタイミングに合わせて停止効果音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御が行われる。上述したとおり、スピーカ62は2つの音を同時に出力可能となっており、通常用ベース音楽と停止効果音とが同時に出力される。
その後、第4契機が発生した場合、すなわち第2停止に対応するストップボタン42~44のON操作が行われたことを示す情報が設定された停止指令コマンドを演出側MPU92が受信した場合、右停止演出が実行される。右停止演出では、画像表示装置63の右側領域において行われていた右図柄の変動表示が終了して1つの右図柄画像G6の停止表示が開始される。右停止演出では、画像表示装置63の右側領域に左図柄画像G5の示す数字と同一の数字を示す右図柄画像G6が停止してリーチ状態が発生する場合と、左図柄画像G5の示す数字とは異なる数字を示す右図柄画像G6が停止してリーチ状態が発生しない場合とがある。
まずリーチ状態が発生しない態様で右停止演出が行われる場合について説明する。リーチ状態が発生しない場合、右停止演出では、図39(c)に示すように、画像表示装置63の右側領域において行われていた右図柄の変動表示が終了して左図柄画像G5とは異なる数字を示す右図柄画像G6の停止表示が開始される。右図柄画像G6として、「1」~「9」のいずれかの数字を示す9種類の画像が存在している。右図柄画像G6は、右図柄が変動する様子を示す画像が設定されていた第2演出用表示レイヤ103(図38)に設定され、背景画像G4よりも画面手前側に表示される。画像表示装置63の中央領域では、右図柄画像G6の停止表示が開始された後も中図柄の変動表示が継続される。右停止演出では、画像表示装置63の右側領域に当該右図柄画像G6が停止するタイミングに合わせて停止効果音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御が行われる。上述したとおり、スピーカ62は2つの音を同時に出力可能となっており、通常用ベース音楽と停止効果音とが同時に出力される。リーチ状態が発生しない場合には、リーチ報知演出及び長押し報知演出は行われない。
その後、第5契機が発生した場合、すなわち第3停止に対応するストップボタン42~44のON操作が行われたことを示す情報が設定された停止指令コマンドを演出側MPU92が受信した場合、中停止演出が行われる。図39(d)に示すように、中停止演出では、画像表示装置63の中央領域において行われていた中図柄の変動表示が終了して中図柄画像G7の停止表示が開始される。中図柄画像G7は、中図柄が変動する様子を示す画像が設定されていた第3演出用表示レイヤ104(図38)に設定され、背景画像G4よりも画面手前側に表示される。中図柄画像G7として、「1」~「9」のいずれかの数字を示す9種類の画像が存在している。停止表示される中図柄画像G7の種類は、後述する中停止演出抽選において決定される。中図柄画像G7の停止表示が開始されることにより、画像表示装置63に左図柄画像G5、右図柄画像G6及び中図柄画像G7が停止している状態となる。中停止演出では、画像表示装置63の中央領域に当該中図柄画像G7が停止するタイミングに合わせて停止効果音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御が行われる。上述したとおり、スピーカ62は2つの音を同時に出力可能となっており、通常用ベース音楽と停止効果音とが同時に出力される。リーチ状態が発生しない場合には、中停止演出が終了することにより1ゲームの演出が終了する。
一方、リーチ状態が発生する態様で右停止演出が行われる場合には、当該右停止演出に対応させてリーチ報知演出及び長押し報知演出のいずれかが行われる。リーチ状態が発生する場合、右停止演出では、図39(e)に示すように、画像表示装置63の左側領域に停止表示されている左図柄画像G5の数字(図39(e)では「1」)と同一の数字(図39(e)では「1」)を示す右図柄画像G6が右側領域に停止する右停止演出が行われることによりリーチ状態が発生する。リーチ状態が発生しない場合と同様に、右図柄画像G6は、右図柄が変動する様子を示す画像が設定されていた第2演出用表示レイヤ103(図38)に設定され、背景画像G4よりも画面手前側に表示される。
右停止演出に対応させて行われるリーチ報知演出では、画像表示装置63の右側領域に右図柄画像G6が停止するタイミングに合わせて「リーチ」というリーチ報知音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御が行われる。リーチ報知音は、右停止演出における停止効果音よりも優先的にスピーカ62から出力される。上述したとおり、スピーカ62は2つの音を同時に出力可能となっており、通常用ベース音楽とリーチ報知音とが同時に出力される。この場合には、停止効果音は出力されない。リーチ報知音の出力が行われることにより、左図柄画像G5及び右図柄画像G6の示す数字が一致するリーチ状態が発生したことを遊技者に認識させて、演出内容への注目度を高めることができる。なお、ボーナス告知演出が行われる場合には必ずリーチ報知演出が行われるが、リーチ報知演出が行われたからといってボーナス告知演出が行われるとは限らない。
右停止演出に対応させて行われる長押し報知演出では、画像表示装置63の右側領域に右図柄画像G6が停止するタイミングに合わせて「長押しせよ」という長押し報知音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御が行われる。長押し報知音は、右停止演出における停止効果音よりも優先的にスピーカ62から出力される。上述したとおり、スピーカ62は2つの音を同時に出力可能となっており、通常用ベース音楽と長押し報知音とが同時に出力される。この場合には、停止効果音は出力されない。長押し報知音の出力が行われることにより、第3停止に対応するストップボタン42~44を長押しすることにより第2期待演出が開始されるかもしれないという期待感を高めることができる。なお、第2期待演出が行われる場合には必ず長押し報知演出が行われるが、長押し報知演出が行われたからといって第2期待演出が行われるとは限らない。
その後、第5契機が発生したことに基づいて中停止演出が行われる。既に説明したとおり、中停止演出では、画像表示装置63の中央領域において行われていた中図柄の変動表示が終了して中図柄画像G7の停止表示が開始される。中図柄の変動表示は、画像表示装置63の中央領域に表示される数字が「1」から「9」まで1ずつ昇順で増加し、「9」となった後に「1」に戻る順番(1→2→…8→9→1の順番)で行われており、リーチ状態が発生した場合の中停止演出では、左図柄画像G5及び右図柄画像G6の示す数字よりも1つ前の数字を示す中図柄画像G7の停止表示が開始される。例えば、図39(f)に示すように、左図柄画像G5及び右図柄画像G6の数字が「1」で揃っている場合、中停止演出では「1」の1つ前である「9」の数字を示す中図柄画像G7の停止表示が開始される。
ここで、第1期待演出及び第2期待演出について説明する。第1期待演出では、ボーナス当選(第1~第4BB当選及び第1~第2RB当選)の期待度を示す期待演出画像が画像表示装置63に表示される。また、第2期待演出では、ボーナス当選が発生した場合におけるBB当選の期待度を示す期待演出画像が画像表示装置63に表示される。図40(a)~図40(e)は第1期待演出及び第2期待演出の演出内容を説明するための説明図であり、図40(f)は第1期待演出の種類とボーナス当選の期待度との対応関係、及び第2期待演出の種類とボーナス当選が発生した場合におけるBB当選の期待度との対応関係を説明するための説明図である。
第1期待演出及び第2期待演出において画像表示装置63に表示される期待演出画像として、泡画像G8(図40(a))、水流画像G9(図40(b))、渦巻き画像G10(図40(c))、魚群画像G11(図40(d))及び巨大キャラクタ画像G12(図40(e))の5種類が存在している。第1期待演出及び第2期待演出においてこれらの期待演出画像は、画像表示装置63に1.5秒間に亘って表示される。
図40(f)に示すように、第1期待演出では、期待演出画像として泡画像G8又は水流画像G9が表示されることによりボーナス当選の期待度が低いことが示されるとともに、期待演出画像として渦巻き画像G10又は魚群画像G11が表示されることによりボーナス当選の期待度が高いことが示される。また、期待演出画像として巨大キャラクタ画像G12が表示されることによりボーナス当選の期待度が非常に高いことが示される。遊技者は、第1期待演出において画像表示装置63に表示される期待演出画像の種類に基づいてボーナス当選の期待度を把握することができる。
第2期待演出では、期待演出画像として泡画像G8又は渦巻き画像G10が表示されることによりボーナス当選が発生した場合におけるBB当選の期待度が低いことが示されるとともに、期待演出画像として水流画像G9又は魚群画像G11が表示されることによりボーナス当選が発生した場合におけるBB当選の期待度が高いことが示される。また、期待演出画像として巨大キャラクタ画像G12が表示されることによりボーナス当選が発生した場合におけるBB当選の期待度が非常に高いことが示される。遊技者は、第2期待演出において画像表示装置63に表示される期待演出画像の種類に基づいてボーナス当選が発生した場合におけるBB当選の期待度を把握することができる。
第1期待演出において表示される期待演出画像の種類は第2期待演出において表示される期待演出画像の種類に影響を与えないとともに、第2期待演出において表示される期待演出画像の種類は第1期待演出において表示される期待演出画像の種類に影響を与えない。このため、第1期待演出及び第2期待演出の演出内容の組合せとして多数(具体的には25種類)のバリエーションを生じさせることが可能となっており、遊技の興趣向上が図られている。
第1期待演出及び第2期待演出の演出内容の組合せが多数存在していることにより、遊技者に報知可能な内容を複雑化させることができる。例えば、第1期待演出で泡画像G8が表示された後、第2期待演出で巨大キャラクタ画像G12が表示された場合には、ボーナス当選の期待度は低いものの、ボーナス当選が発生した場合にはそのボーナス当選がRB当選よりも遊技者にとって有利なBB当選である期待度が非常に高いことを示すことができる。この場合には、ボーナス当選の期待度が低いにも関わらず、BB当選の発生を遊技者に期待させることができる。
通常遊技状態ST1における演出の流れの説明に戻り、図39(f)に示すように、中停止演出が行われて画像表示装置63に左図柄画像G5、右図柄画像G6及び中図柄画像G7が停止している状態となった後、第1期待演出では、画像表示装置63に5種類の期待演出画像のいずれかが表示される。第1期待演出において、泡画像G8(図40(a))、水流画像G9(図40(b))、渦巻き画像G10(図40(c))、魚群画像G11(図40(d))及び巨大キャラクタ画像G12(図40(e))は第4演出用表示レイヤ105に設定される。既に説明したとおり、VDP95がビデオRAM96のフレーム領域に作成する表示データにおいて、第4演出用表示レイヤ105の画像は、背景用表示レイヤ101、第1演出用表示レイヤ102、第2演出用表示レイヤ103及び第3演出用表示レイヤ104の画像よりも画面手前側に設定される。このため、第1期待演出において画像表示装置63に表示される期待演出画像がいずれの画像であっても、当該期待演出画像は背景画像G4、左図柄画像G5、右図柄画像G6、及び中図柄画像G7よりも画面手前側に表示される。第1期待演出では、期待演出画像の表示に対応させて、ボーナス当選を期待させる第1期待効果音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御が行われる。上述したとおり、スピーカ62は2つの音を同時に出力可能となっており、通常用ベース音楽と第1期待効果音とが同時に出力される。
既に説明したとおり、第1期待演出において表示される期待演出画像の種類によってボーナス当選の期待度が示される。第1期待演出においてボーナス当選の期待度が高いことを示す渦巻き画像G10(図40(c))又は魚群画像G11(図40(d))が表示された場合には、第1期待演出の終了後にボーナス告知演出又は第2期待演出が行われる可能性が高いことを事前に遊技者に認識させることができる。また、第1期待演出においてボーナス当選の期待度が非常に高いことを示す巨大キャラクタ画像G12(図40(e))が表示された場合には、第1期待演出の終了後にボーナス告知演出又は第2期待演出が行われる可能性が非常に高いことを事前に遊技者に認識させることができる。
ボーナス告知演出は、第1期待演出の終了後に開始される。ボーナス告知演出では、図39(g)に示すように、画像表示装置63にボーナス告知画像G13が表示される。ボーナス告知画像G13は、画像表示装置63にて第1期待演出における期待演出画像の表示が終了した後に第5演出用表示レイヤ106(図38)に設定される。既に説明したとおり、VDP95がビデオRAM96のフレーム領域に作成する表示データにおいて、第5演出用表示レイヤ106の画像は、背景用表示レイヤ101、第1演出用表示レイヤ102、第2演出用表示レイヤ103及び第3演出用表示レイヤ104の画像よりも画面手前側に設定される。このため、ボーナス告知画像G13は、背景画像G4、左図柄画像G5,右図柄画像G6及び中図柄画像G7よりも画面手前側に表示される。また、ボーナス告知演出では、画像表示装置63にボーナス告知画像G13が表示されるタイミングに対応させてボーナス当選が発生したことを示す「ボーナス確定」という確定報知音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御が行われるとともに、ボーナス当選が発生したことを報知する態様で上部ランプ61を発光させる発光制御が行われる。上述したとおり、スピーカ62は2つの音を同時に出力可能となっており、通常用ベース音楽と確定報知音とが同時に出力される。また、ボーナス告知演出では、役物75の球状演出部77b(図1)が動作する役物動作演出が行われるように役物75の駆動制御が行われる。ボーナス告知演出が行われることにより、ボーナス当選が発生したことを遊技者に認識させることができる。なお、役物75の駆動制御の詳細については後述する。
第2期待演出は、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達するという条件と、第6契機が発生するという条件との両方が満たされた場合に開始される。既に説明したとおり、第2期待演出では、画像表示装置63に泡画像G8(図40(a))、水流画像G9(図40(b))、渦巻き画像G10(図40(c))、魚群画像G11(図40(d))及び巨大キャラクタ画像G12(図40(e))のいずれかの期待演出画像の表示が行われる。第2期待演出における期待演出画像は、第1期待演出における期待演出画像と同様に、第4演出用表示レイヤ105に設定され、背景画像G4、左図柄画像G5、右図柄画像G6及び中図柄画像G7よりも画面手前側に表示される。第2期待演出では、期待演出画像の表示に対応させて、BB当選を期待させる第2期待効果音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御が行われる。上述したとおり、スピーカ62は2つの音を同時に出力可能となっており、通常用ベース音楽と第2期待効果音とが同時に出力される。
既に説明したとおり、第3停止に対応するストップボタン42~44のON操作が行われた場合に第5契機が発生するとともに、当該ストップボタン42~44のOFF操作が行われた場合に第6契機が発生する。また、第1期待演出は、第5契機の発生に基づいて開始される中停止演出の実行期間(具体的には1秒間)が終了するタイミングで開始される。スピーカ62から出力される長押し報知音に従って第3停止に対応するストップボタン42~44の長押しが行われ、第1期待演出の終了後に当該ストップボタン42~44のOFF操作が行われた場合には、第6契機の発生に基づいて第2期待演出が開始される。また、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達した後、第1期待演出が終了する前に第6契機が発生した場合には、第6契機の発生に基づいて第1期待演出が途中で終了するとともに第2期待演出が開始される。
一方、第5契機が発生してから第6契機が発生するまでの期間が短い場合には、中停止演出の途中で第6契機が発生する場合、及び第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に満たないタイミングで第6契機が発生する場合が考えられる。これらの場合には、当該第6契機の発生後、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達することを条件として第2期待演出が開始される。第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達するまで第2期待演出が開始されない構成であることにより、第1期待演出の実行期間として所定の期間(具体的には1秒間)を確保することができる。
第6契機の発生のみを条件として第2期待演出を開始させる構成とすると、中停止演出の実行中に第6契機が発生した場合、第1期待演出よりも前に第2期待演出が開始されてしまう。第1期待演出にてボーナス当選の期待度が示されるとともに第2期待演出にてボーナス当選が発生した場合におけるBB当選の期待度が示される構成において、第1期待演出及び第2期待演出の順番が逆転してしまうと、遊技者に混乱を与えてしまうおそれがある。また、第6契機の発生のみを条件として第2期待演出を開始させる構成とすると、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に満たない状況で第6契機が発生した場合、演出内容を理解できないほどに第1期待演出の実行期間が短くなってしまうおそれがある。これらの問題に対して、本実施形態では、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達するという条件と、第6契機が発生するという条件との両方が満たされたことに基づいて第2期待演出が開始される構成である。これにより、第2期待演出が第1期待演出よりも先に開始されてしまうことを防止することが可能となっている。また、第1期待演出の実行期間として所定の期間(具体的には1秒間)を確保し、演出内容を理解できる態様で第1期待演出を行うことが可能となっている。
通常遊技状態ST1における演出の流れの説明に戻り、再変動演出の実行対象ゲームでないゲームにおいて第2期待演出まで実行された場合には、第2期待演出が終了することにより1ゲームの演出が終了する。一方、再変動演出の実行対象ゲームでは、第2期待演出が終了した後に再変動演出が行われる。本スロットマシン10では、ボーナス当選が発生したゲームにおいてボーナス告知演出が行われず、ボーナス入賞が成立することなく5ゲームが消化された状態において開始されるゲームが再変動演出の実行対象ゲームとなる。なお、再変動演出が行われるよりも前にボーナス入賞が成立した場合、再変動演出はキャンセルされる。第2期待演出が終了した後に再変動演出が行われることを期待させることにより、演出への注目度を高めることが可能となっている。
再変動演出は第2期待演出が終了するタイミングで開始される。再変動演出では、図39(h)に示すように、画像表示装置63の中央領域に停止表示されていた中図柄の変動が再開された後、左図柄画像G5及び右図柄画像G6の数字(図39(h)では「1」)と同一の数字を示す中図柄画像G7の停止表示が開始される。画像表示装置63において左図柄画像G5、右図柄画像G6及び中図柄画像G7が示す数字が全て揃っている状態とすることにより、ボーナス当選が確定したことを遊技者に認識させることができる。再変動演出における中図柄の変動及び当該変動後の中図柄画像G7の停止表示は、中図柄画像G7の停止表示が行われていた第3演出用表示レイヤ104(図38)にて行われる。このため、再変動後の中図柄画像G7は背景画像G4よりも画面手前側に表示される。再変動演出では、通常用ベース音楽に加えて再変動中の効果音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御が行われる。上述したとおり、スピーカ62は2つの音を同時に出力可能となっており、通常用ベース音楽と再変動中の効果音とが同時に出力される。また、再変動演出では、画像表示装置63において左図柄画像G5、右図柄画像G6及び中図柄画像G7の数字が揃っている状態となりボーナス当選の発生が告知されたタイミングで、上部ランプ61の発光制御が実行されるとともに、役物75の球状演出部77b(図1)が動作する役物動作演出が開始されるように役物75の駆動制御が行われる。なお、役物75の駆動制御の詳細については後述する。
次に、通常遊技状態ST1における各種演出を実行するための演出側ROM93及び演出側RAM94の構成について説明する。まず演出側ROM93の構成について図41(a)の説明図を参照しながら説明する。図41(a)は通常遊技状態ST1における各種演出を実行するための演出側ROM93の構成を説明するための説明図である。演出側MPU92は、通常遊技状態ST1における各種演出の実行に際して、演出側ROM93に予め記憶されている各種演出テーブルを利用する。
演出側ROM93には、通常用ベース演出テーブル記憶エリア93aが設けられている。本スロットマシン10には、通常遊技状態ST1に対応する通常用ベース演出として、背景画像G4及び通常用ベース音楽が異なる6種類の通常用ベース演出が存在しており、通常用ベース演出テーブル記憶エリア93aにはこれらの通常用ベース演出を実行するための6種類の通常用ベース演出テーブルが記憶されている。通常用ベース演出テーブルには、画像表示装置63に背景画像G4を表示させるための表示用データのアドレス情報と、当該表示用データの設定先を指定する設定先情報と、通常用ベース音楽をスピーカ62から出力させるための音データと、上部ランプ61を通常用ベース演出に対応する発光態様で発光させるための発光データとが設定されている。ここで、表示用データとは、背景画像G4等の個別画像の表示態様についての情報(表示時間、拡大縮小、表示順序等)が設定されているデータテーブルである。表示用データには、個別画像の表示態様についての複数フレーム分の情報が設定されており、当該表示用データに従って画像表示装置63にて一連の演出内容が表示される。なお、表示用データに従って画像表示装置63に各フレームの絵を表示させるための構成の詳細については後述する。
演出側ROM93には、図柄変動演出テーブル記憶エリア93bが設けられており、図柄変動演出テーブル記憶エリア93bには画像表示装置63において左図柄、右図柄、及び中図柄の変動表示を行うための図柄変動演出テーブルが記憶されている。図柄変動演出テーブルには、画像表示装置63の左側領域において左図柄の変動表示を行うための表示用データ、右側領域において右図柄の変動表示を行うための表示用データ、及び中央領域において中図柄の変動表示を行うための表示用データのアドレス情報と、これらの表示用データの設定先情報とが設定されている。
演出側ROM93には、有効報知演出テーブル記憶エリア93cが設けられており、有効報知演出テーブル記憶エリア93cには有効報知演出を行うための有効報知演出テーブルが記憶されている。有効報知演出テーブルには、上述した有効報知音をスピーカ62から出力させるための音データが設定されている。
演出側ROM93には、左停止演出テーブル記憶エリア93dが設けられており、左停止演出テーブル記憶エリア93dには左停止演出を行うための左停止演出テーブルが記憶されている。既に説明したとおり、左停止演出において画像表示装置63の左側領域に停止表示される画像として「1」~「9」のいずれかの数字を示す9種類の左図柄画像G5が存在しており、左停止演出テーブル記憶エリア93dには、これら9種類の左図柄画像G5の停止表示を行うための9種類の左停止演出テーブルが記憶されている。左停止演出テーブルには、画像表示装置63の左側領域において左図柄画像G5の停止表示を行うための表示用データのアドレス情報と、当該表示用データの設定先情報と、上述した停止効果音をスピーカ62から出力させるための音データとが設定されている。
演出側ROM93には、右停止演出テーブル記憶エリア93eが設けられており、右停止演出テーブル記憶エリア93eには右停止演出を行うための右停止演出テーブルが記憶されている。既に説明したとおり、右停止演出において画像表示装置63の右側領域に停止表示される画像として「1」~「9」のいずれかの数字を示す9種類の右図柄画像G6が存在しており、右停止演出テーブル記憶エリア93eには、これら9種類の右図柄画像G6の停止表示を行うための9種類の右停止演出テーブルが記憶されている。右停止演出テーブルには、画像表示装置63の右側領域において右図柄画像G6の停止表示を行うための表示用データのアドレス情報と、当該表示用データの設定先情報と、上述した停止効果音をスピーカ62から出力させるための音データとが設定されている。
演出側ROM93には、リーチ報知演出テーブル記憶エリア93fが設けられており、リーチ報知演出テーブル記憶エリア93fにはリーチ報知演出を行うためのリーチ報知演出テーブルが記憶されている。リーチ報知演出テーブルには、上述したリーチ報知音をスピーカ62から出力させるために音データが設定されている。
演出側ROM93には、長押し報知演出テーブル記憶エリア93gが設けられており、長押し報知演出テーブル記憶エリア93gには長押し報知演出を行うための長押し報知演出テーブルが記憶されている。長押し報知演出テーブルには、上述した長押し報知音をスピーカ62から出力させるために音データが設定されている。
演出側ROM93には、中停止演出テーブル記憶エリア93hが設けられており、中停止演出テーブル記憶エリア93hには中停止演出を行うための中停止演出テーブルが記憶されている。既に説明したとおり、中停止演出において画像表示装置63の中央領域に停止表示される画像として「1」~「9」のいずれかの数字を示す9種類の中図柄画像G7が存在しており、中停止演出テーブル記憶エリア93hには、これら9種類の中図柄画像G7の停止表示を行うための9種類の中停止演出テーブルが記憶されている。中停止演出テーブルには、中図柄画像G7の停止表示を行うための表示用データのアドレス情報と、当該表示用データの設定先情報と、上述した停止効果音をスピーカ62から出力させるための音データとが設定されている。
演出側ROM93には、第1期待演出テーブル記憶エリア93iが設けられており、第1期待演出テーブル記憶エリア93iには第1期待演出を行うための第1期待演出テーブルが記憶されている。図40(a)~図40(e)を参照しながら既に説明したとおり、第1期待演出において画像表示装置63に表示される期待演出画像として泡画像G8、水流画像G9、渦巻き画像G10、魚群画像G11及び巨大キャラクタ画像G12の5種類が存在しており、第1期待演出テーブル記憶エリア93iには、当該5種類の期待演出画像を表示するための5種類の第1期待演出テーブルが記憶されている。第1期待演出テーブルの冒頭部分には演出用データが設定されていない空白領域が設けられているとともに、当該空白領域の後に第1期待演出を行うための演出用データが設定されている演出実行領域が設けられている。空白領域は、第5契機が発生してから中停止演出が終了するまでの期間に対応するポインタ情報の範囲に亘って設けられている。演出実行領域には、演出用データとして、画像表示装置63にいずれかの期待演出画像を表示するための表示用データのアドレス情報と、当該表示用データの設定先情報と、上述した第1期待効果音をスピーカ62から出力するための音データとが設定されている。第1期待演出テーブルに設定されている音データは、期待演出画像の種類に応じて異なるデータとなっている。
第2期待演出が行われないゲームでは、第5契機の発生に基づいて中停止演出が開始され、当該中停止演出の終了タイミングで第1期待演出が開始される。第1期待演出テーブルは、第5契機の発生に基づいて読み出される。中停止演出の終了を契機として第1期待演出テーブルを読み出し、読み出し直後から第1期待演出を実行する構成とすると、中停止演出が終了したことを把握するための構成を具備する必要が生じ、第1期待演出を行うための構成が複雑化してしまう。これに対して本実施形態では、第1期待演出テーブルの冒頭部分に空白領域が設けられていることにより、第5契機の発生に基づいて第1期待演出テーブルを読み出す構成としながら、中停止演出の実行中に第1期待演出が行われてしまうことが防止されている。これにより、中停止演出の終了タイミングを把握するための構成を不要として第1期待演出を行うための構成を簡略化することが可能となっている。
演出側ROM93には、ボーナス告知演出テーブル記憶エリア93jが設けられており、ボーナス告知演出テーブル記憶エリア93jには第1期待演出後にボーナス告知演出を行うためのボーナス告知演出テーブルが記憶されている。ボーナス告知演出は1種類である。ボーナス告知演出テーブルの冒頭部分には演出用データが設定されていない空白領域が設けられているとともに、当該空白領域の後にボーナス告知演出を行うための演出用データが設定されている演出実行領域が設けられている。空白領域は、第5契機が発生してから第1期待演出が終了するまでの期間に対応するポインタ情報の範囲に亘って設けられている。演出実行領域には、演出用データとして、画像表示装置63にボーナス告知画像G13を表示させるための表示用データと、当該表示用データの設定先情報と、スピーカ62から確定報知音を出力するための音データと、ボーナス当選が発生したことを示す態様で上部ランプ61を発光させるための発光データと、役物動作演出を実行するための駆動テーブルのアドレス情報とが設定されている。
ボーナス告知演出の実行対象ゲームでは、第5契機の発生に基づいて中停止演出が開始され、当該中停止演出の終了タイミングで第1期待演出が開始される。その後、当該第1期待演出の終了タイミングでボーナス告知演出が実行される。ボーナス告知演出テーブルは、第5契機の発生に基づいて読み出される。第1期待演出の終了を契機としてボーナス告知演出テーブルを読み出し、読み出し直後からボーナス告知演出を実行する構成とすると、第1期待演出が終了したことを把握するための構成を具備する必要が生じ、ボーナス告知演出を行うための構成が複雑化してしまう。これに対して本実施形態では、ボーナス告知演出テーブルの冒頭部分に空白領域が設けられていることにより、第5契機の発生に基づいてボーナス告知演出テーブルを読み出す構成としながら、中停止演出及び第1期待演出の実行中にボーナス告知演出が行われてしまうことが防止されている。これにより、第1期待演出の終了タイミングを把握するための構成を不要としてボーナス告知演出を行うための構成を簡略化することが可能となっている。
演出側ROM93には、第2期待演出テーブル記憶エリア93kが設けられており、第2期待演出テーブル記憶エリア93kには第2期待演出を行うための第2期待演出テーブルが記憶されている。図40(a)~図40(e)を参照しながら既に説明したとおり、第2期待演出において画像表示装置63に表示される期待演出画像として泡画像G8、水流画像G9、渦巻き画像G10、魚群画像G11及び巨大キャラクタ画像G12の5種類が存在しており、演出側ROM93には、これら5種類の期待演出画像を表示するための5種類の第2期待演出テーブルが記憶されている。第2期待演出テーブルには、画像表示装置63にいずれかの期待演出画像を表示するための表示用データのアドレス情報と、当該表示用データの設定先情報と、上述した第2期待効果音をスピーカ62から出力するための音データとが設定されている。第2期待演出テーブルに設定されている音データは、期待演出画像の種類に応じて異なるデータとなっている。
演出側ROM93には、再変動演出テーブル記憶エリア93mが設けられており、再変動演出テーブル記憶エリア93mには再変動演出を行うための再変動演出テーブルが記憶されている。既に説明したとおり、再変動演出において中図柄の再変動後に画像表示装置63の中央領域に停止表示される画像として「1」~「9」のいずれかの数字を示す9種類の中図柄画像G7が存在しており、演出側ROM93には、再変動後にこれら9種類の中図柄画像G7の停止表示を行うための9種類の再変動演出テーブルが記憶されている。再変動演出テーブルには、画像表示装置63の中央領域において停止している中図柄を再変動させる表示用データのアドレス情報と、当該表示用データの設定先情報と、中図柄の再変動後に左図柄画像G5及び右図柄画像G6が示す数字と同一の数字を示す中図柄画像G7を停止表示させるための表示用データのアドレス情報と、当該表示用データの設定先情報と、再変動中の効果音を出力するための音データと、上部ランプ61の発光制御を行うための発光データと、役物動作演出を実行するための駆動テーブルのアドレス情報とが設定されている。
上記のとおり、通常遊技状態ST1では、第1契機~第6契機の発生に基づいて複数の演出が実行される。当該複数の演出の組合せは膨大な数であり、予め全ての組合せについての演出テーブルを演出側ROM93に記憶しておく構成とすると、演出テーブルを記憶しておくための演出側ROM93の記憶容量が増大してしまう。これに対して本実施形態では、各種演出を実行するための個別の演出テーブルを複数読み出し、当該複数の演出テーブルに設定されている演出用データの組合せに基づいて1ゲームの演出を行う構成である。これにより、演出テーブルを記憶しておくための演出側ROM93の記憶容量が増大してしまうことを抑制しながら、実行可能な演出の組合せのバリエーションを増加させることが可能となっている。
次に、演出側RAM94に設けられた読み出し用エリア94aの構成について図41(b)を参照しながら説明する。既に説明したとおり、読み出し用エリア94aは、各種演出及び各種報知を実行するためのデータテーブルが読み出されるエリアである。図41(b)は各種演出を実行するための演出側RAM94の構成を説明するための説明図である。
図41(b)に示すように、演出側RAM94には読み出し用エリア94aが設けられており、当該読み出し用エリア94aには各種演出及び各種報知を実行するためのデータテーブルが読み出される第0レイヤLY0~第11レイヤLY11が設けられている。第0レイヤLY0は、通常遊技状態ST1において通常用ベース演出テーブルが読み出されるレイヤであり、第1~第8レイヤLY1~LY8は、各種演出を実行するためのデータテーブルが読み出されるレイヤであり、第9~第10レイヤLY9~LY10は、各種報知を実行するための報知テーブルが読み出されるレイヤであり、第11レイヤLY11は、役物75を駆動制御するための駆動テーブルが読み出されるレイヤである。
図42(a)は各レイヤLYn(nは0~11のいずれかの整数)の構成を説明するための説明図である。図42(a)に示すように、各レイヤLYnには、演出を実行するためのデータテーブルである演出テーブル、報知を実行するためのデータテーブルである報知テーブル、及び役物75の駆動制御を実行するためのデータテーブルである駆動テーブルのいずれかが読み出される展開エリアREnと、当該展開エリアREnに読み出されたデータテーブルのポインタ情報を演出側MPU92にて把握可能とするポインタカウンタPCnとが設けられている。本実施形態では、1つのレイヤLYnに1つの展開エリアREnが設けられており、当該1つの展開エリアREnには一度に1つのデータテーブルのみが読み出し可能となっている。
演出側MPU92は、各種報知及び各種演出を実行するためのデータテーブルの読み出しタイミングとなった場合、読み出し用エリア94aにおいて対応するレイヤLYnの展開エリアREnにデータテーブルを読み出す。そして、読み出し用エリア94aの各レイヤLYnに読み出されているデータテーブルに従って上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御、画像表示装置63の表示制御、及び役物75の駆動制御を実行する。これにより、各種報知及び各種演出が実行される。
各データテーブルには、複数のポインタ情報が連番の数値情報として配列されている。データテーブルのうち演出テーブル及び報知テーブルには、上部ランプ61の発光制御を行うための発光データと、スピーカ62の音出力制御を行うための音データと、画像表示装置63の表示制御を行うための表示用データのアドレス情報及び設定先情報との少なくとも1つが設定されている。また、データテーブルのうち駆動テーブルには、役物75の駆動制御を行うための駆動データが設定されている。なお、役物75の駆動制御の詳細については後述する。
図41(b)に示すように、演出側RAM94には、各レイヤLYn(nは0~11の整数)に読み出されたデータテーブルにおいて参照対象のポインタ情報に設定されている発光データが設定される発光用設定エリア111と、参照対象のポインタ情報に設定されている音データが設定される音出力用設定エリア112と、参照対象のポインタ情報に設定されているアドレス情報により特定される表示用データが設定される表示用設定エリア113とが設けられている。演出側MPU92は、発光用設定エリア111に設定されている発光データに従って上部ランプ61の発光制御を行い、音出力用設定エリア112に設定されている音データに従ってスピーカ62の音出力制御を行い、表示用設定エリア113に設定されている表示用データに従って画像表示装置63の表示制御を行う。
発光用設定エリア111には1つの発光データが設定される。演出側MPU92は、参照対象のレイヤLYnを第0レイヤLY0→第1レイヤLY1→…→第10レイヤLY10の順番で更新しながら、参照対象のレイヤLYnに読み出されているデータテーブルに設定されている発光データを発光用設定エリア111に設定する。既に発光用設定エリア111に発光データが設定されている場合には、当該発光データをクリアした後に現状の参照対象のレイヤLYnに読み出されているデータテーブルに設定されている発光データを設定する。このため、後から設定される発光データが優先的に発光用設定エリア111に残る。演出側MPU92は、参照対象のレイヤLYnを第10レイヤLY10まで更新した後、最終的に発光用設定エリア111に残っている発光データに基づいて上部ランプ61の発光制御を行う。
既に説明したとおり、第0レイヤLY0には通常用ベース演出テーブルが読み出され、第1~第8レイヤLY1~LY8には各種演出を実行するためのデータテーブルが読み出され、第9~第10レイヤLY9~LY10には各種報知を実行するためのデータテーブルが読み出される。このため、発光用設定エリア111には、通常用ベース演出用の発光データ→各種演出用の発光データ→報知用の発光データの順番で発光データが設定される。これにより、通常用ベース演出用の発光データよりも各種演出用の発光データの方が優先的に発光用設定エリア111に設定される構成となっているとともに、各種演出用の発光データよりも報知用の発光データの方が優先的に発光用設定エリア111に設定される構成となっている。
第0~第10レイヤLY0~LY10に読み出されているデータテーブルにおける参照対象のポインタ情報は、当該データテーブルに設定されている発光データに基づく上部ランプ61の発光制御が行われたか否かに関わらず更新タイミングにおいて更新される。例えば、通常用ベース演出用の発光データ及び各種演出用の発光データよりも報知用の発光データが優先されて当該報知用の発光データに基づく上部ランプ61の発光制御が行われた場合にも、通常用ベース演出テーブル及び各種演出用の演出テーブルにおける参照対象のポインタ情報の更新は行われる。
各ゲームにおいて演出を実行するためのデータテーブルは、読み出しのタイミングが遅いほど読み出されるレイヤLYnの番号(「n」)が大きくなる。このため、演出用のデータテーブルが複数読み出されており、複数の発光データが存在している場合には、後から読み出された演出用のデータテーブルに設定されている発光データが、先に読み出された演出用のデータテーブルに設定されている発光データよりも優先される。例えば、第5レイヤLY5に読み出された中停止演出テーブルに設定されている発光データの方が、第0レイヤLY0に読み出された通常用ベース演出テーブルに設定されている発光データよりも優先される。
次に、スピーカ62における音出力について説明する。図42(b)は音出力用設定エリア112の構成を説明するための説明図である。図42(b)に示すように、音出力用設定エリア112には、通常用ベース演出用の音データが設定されるベース用エリア112aと、各種演出用の音データが設定される演出用エリア112bと、各種報知用の音データが設定される報知用エリア112cとが設けられている。ベース用エリア112a、演出用エリア112b及び報知用エリア112cには、それぞれ1つの音データを設定可能となっている。
演出側MPU92は、参照対象のレイヤLYnを第0レイヤLY0→第1レイヤLY1→…→第10レイヤLY10の順番で更新しながら、参照対象のレイヤLYnに読み出されているデータテーブルに設定されている音データを音出力用設定エリア112の対応するエリア112a~112cに設定する。
具体的には、演出側MPU92は、読み出し用エリア94aの第0レイヤLY0に読み出されている通常用ベース演出テーブルに音データが設定されている場合に当該音データをベース用エリア112aに設定し、第1~第8レイヤLY1~LY8に読み出されている各種演出テーブルに音データが設定されている場合に当該音データを演出用エリア112bに設定し、第9~第10レイヤLY9~LY10に読み出されている各種報知テーブルに音データが設定されている場合に当該音データを報知用エリア112cに設定する。
設定先のエリア112a~112cに既に音データが設定されている場合には、当該音データをクリアした後に現状の参照対象のレイヤLYn(n=0~10)に読み出されているデータテーブルに設定されている音データを設定先のエリア112a~112cに設定する。演出用のデータテーブルが読み出されるn=1~8の範囲では、レイヤLYnの番号(「n」)が大きいほど当該レイヤLYnに読み出されている演出用のデータテーブルの音データが優先的に演出用エリア112bに設定される。各ゲームにおいて演出用のデータテーブルは、読み出しタイミングが遅いデータテーブルほどレイヤLYnの番号(「n」)が大きくなる態様で読み出される。このため、後から読み出される演出用のデータテーブルに設定されている音データが優先的に演出用エリア112bに設定される。また、報知用のデータテーブルが読み出されるn=9~10の範囲では、レイヤLYnの番号(「n」)が大きいほど当該レイヤLYnに読み出されている報知用のデータテーブルの音データが優先的に報知用エリア112cに設定される。報知用のデータテーブルは、当該データテーブルの読み出しタイミングが遅いほどレイヤLYnの番号(「n」)が大きくなる態様で読み出される。このため、後から読み出される報知用のデータテーブルに設定されている音データが優先的に報知用エリア112cに設定される。
演出側MPU92は、参照対象のレイヤLYnを第10レイヤLY10まで更新した後、最終的に音出力用設定エリア112の各エリア112a~112cに残っている音データに基づいてスピーカ62の音出力制御を行う。具体的には、報知用エリア112cに音データが設定されている場合には、スピーカ62において、当該報知用エリア112cの音データのみに基づく音出力が行われる。通常用ベース演出テーブル及び各種演出テーブルのポインタ情報は、第9~第10レイヤLY9~LY10に報知テーブルが読み出されている場合にも更新されるが、報知用の音出力が行われる場合には、通常用ベース演出用の音出力及び各種演出用の音出力は行われない。これにより、報知用の音が通常用ベース演出用の音及び各種演出用の音で聞こえづらくなってしまうことが防止されている。
一方、報知用エリア112cに音データが設定されていない場合には、スピーカ62において、ベース用エリア112a及び演出用エリア112bに設定されている音データに基づく音出力が行われる。ベース用エリア112a及び演出用エリア112bの両方に音データが設定されている場合には、通常用ベース演出用の音と、演出用の音とが同時に出力される。また、ベース用エリア112aのみに音データが設定されている場合には通常用ベース演出用の音のみが出力されるとともに、演出用エリア112bのみに音データが設定されている場合には演出用の音のみが出力される。
次に、画像表示装置63における表示制御について説明する。画像表示装置63では、表示用設定エリア113に設定されている複数の表示用データに基づく表示制御が行われる。図42(c)は表示用設定エリア113の構成を説明するための説明図である。図42(c)に示すように、表示用設定エリア113には、背景用の表示用データが設定される背景用エリア113aと、各種演出用の表示用データが設定される第1演出用エリア113b~第5演出用エリア113fと、報知用の表示用データが設定される第1報知用エリア113g~第2報知用エリア113hとが設けられている。
既に説明したとおり、画像表示装置63の1フレーム分の絵を表示するための表示レイヤとして8個の表示レイヤ101~108(図38)が存在しており、1フレーム分の絵はこれらの表示レイヤ101~108に設定された画像を合成することにより表示される。表示用設定エリア113における各エリア113a~113hは、表示レイヤ101~108にそれぞれ1対1で対応させて設けられている。背景用エリア113aは背景用表示レイヤ101に設定される画像の表示用データが設定されるエリアであり、第1演出用エリア113bは第1演出用表示レイヤ102に設定される画像の表示用データが設定されるエリアであり、第2演出用エリア113cは第2演出用表示レイヤ103に設定される画像の表示用データが設定されるエリアであり、第3演出用エリア113dは第3演出用表示レイヤ104に設定される画像の表示用データが設定されるエリアであり、第4演出用エリア113eは第4演出用表示レイヤ105に設定される画像の表示用データが設定されるエリアであり、第5演出用エリア113fは第5演出用表示レイヤ106に設定される画像の表示用データが設定されるエリアであり、第1報知用エリア113gは第1報知用表示レイヤ107に設定される画像の表示用データが設定されるエリアであり、第2報知用エリア113hは第2報知用表示レイヤ108に設定される画像の表示用データが設定されるエリアである。
通常遊技状態ST1では、背景画像G4を表示するための表示用データが背景用エリア113aに設定される。また、左図柄が変動する様子を示す画像及び左図柄画像G5を表示するための表示用データが第1演出用エリア113bに設定され、右図柄が変動する様子を示す画像及び右図柄画像G6を表示するための表示用データが第2演出用エリア113cに設定され、中図柄が変動する様子を示す画像、中図柄画像G7及び中図柄が再変動する様子を示す画像を表示するための表示用データが第3演出用エリア113dに設定される。また、図40(a)~図40(e)を参照しながら既に説明した第1期待演出及び第2期待演出における水流画像G9、渦巻き画像G10、魚群画像G11、及び巨大キャラクタ画像G12を表示するための表示用データが第4演出用エリア113eに設定される。さらにまた、図39(g)を参照しながら既に説明したボーナス告知画像G13を表示するための表示用データが第5演出用エリア113fに設定される。
既に説明したとおり、演出側MPU92は、画像表示装置63に表示する画像の内容を指示する描画リストをVDP95に出力する。VDP95は、演出側MPU92から受信した描画リストに従って、背景用表示レイヤ101の画像→第1演出用表示レイヤ102の画像→第2演出用表示レイヤ103の画像→第3演出用表示レイヤ104の画像→第4演出用表示レイヤ105の画像→第5演出用表示レイヤ106の画像→第1報知用表示レイヤ107の画像→第2報知用表示レイヤ108の画像の順番でこれらの表示レイヤ101~108の画像が画面奥側から画面手前に向かって順次重ねられる態様で生成される1つの合成画像についての表示データをビデオRAM96のフレーム領域に作成する。そして、VDP95は、フレーム領域に作成した当該表示データに対応する1フレーム分の画像信号を画像表示装置63に出力することで、画像表示装置63に当該表示データに対応する画像を表示させる。
第0~第10レイヤLY0~LY10に読み出されるデータテーブルにおいて、表示用データのアドレス情報が設定されているポインタ情報には、当該表示用データを表示用設定エリア113のいずれのエリア113a~113hに読み出すべきかを指定する設定先情報が設定されている。演出側MPU92は、参照対象のポインタ情報に表示用データのアドレス情報及び設定先情報が設定されている場合、アドレス情報に基づいて表示用データを特定し、当該特定した表示用データを設定先情報により指定されている表示用設定エリア113のいずれかのエリア113a~113hに設定する。
表示用設定エリア113において既に表示用データが設定されているエリア113a~113hが設定先に指定された場合、演出側MPU92は、既に設定されている表示用データをクリアして現状の参照対象のポインタ情報に設定されている表示用データを当該エリア113a~113hに設定する。このため、設定契機が先に発生する表示用データよりも設定契機が後から発生する表示用データの方が優先的に各エリア113a~113hに設定される。
具体的には、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達するという条件と、第6契機が発生するという条件との両方が満たされた場合、第4演出用エリア113eがクリアされた後に第2期待演出用の表示用データが第4演出用エリア113eに設定される。この場合、第4演出用エリア113eに第1期待演出用の表示用データが設定されていた場合には、当該表示用データに代えて第2期待演出用の表示用データが設定されることとなる。これにより、第1期待演出を終了させるとともに第2期待演出を開始させることができる。また、第1期待演出の実行期間(具体的には1.5秒間)が終了しており、第4演出用エリア113eに第1期待演出用の表示用データが設定されていなかった場合には、第2期待演出用の表示用データが設定されて第2期待演出が開始されることとなる。
このように、表示用設定エリア113において、第2期待演出用の表示用データが設定されるエリアとして、第1期待演出用の表示用データが設定されるエリアと同一のエリア(第4演出用エリア113e)が設定されていることにより、演出側MPU92が第1期待演出の進行状況を把握することを不要としながら、第2期待演出を開始させることが可能となっている。また、第1期待演出の途中で第2期待演出が開始される場合には、第1期待演出の終了タイミングと第2期待演出の開始タイミングとを揃えるための処理構成を簡略化することが可能となっている。さらにまた、先に行われている第1期待演出の実行期間と後から開始される第2期待演出の実行期間とに重複する期間が生じてしまうことを防止することができる。これにより、画像表示装置63の表示内容が複雑化し過ぎてしまうことを防止することができる。
演出テーブルに表示用データの設定先情報が設定されていることにより、読み出し用エリア94aにおいて演出テーブルが読み出されるレイヤLYnが変動する場合であっても、表示用設定エリア113において当該演出テーブルに設定されている表示用データが設定されるエリア113a~113hの変動を防止することができる。これにより、演出テーブルが読み出されるレイヤLYnが変動したことに起因して表示用設定エリア113における表示用データの設定先の変動を防止することができるとともに、画像表示装置63に表示される画像の前後関係が変動してしまうことを防止することができる。
次に、通常遊技状態ST1における演出テーブルの読み出し態様について説明する。まずボーナス告知演出及び再変動演出いずれの実行対象ゲームでもない場合における演出テーブルの読み出し態様について図43(a)~図43(d)の説明図を参照しながら説明する。
ボーナス告知演出、第2期待演出及び再変動演出のいずれの実行対象ゲームでもなく、後述する右停止演出抽選にて左図柄画像G5の数字と右図柄画像G6の数字とが一致しない抽選結果となった場合には、リーチ状態が発生しない。この場合には、図43(a)に示すように、第1契機の発生に基づいて6種類の通常用ベース演出テーブルのいずれかが第0レイヤLY0に読み出されるとともに、図柄変動演出テーブルが第1レイヤLY1に読み出される。その後、第2契機の発生に基づいて有効報知演出テーブルが第2レイヤLY2に読み出される。その後、第3契機の発生に基づいて9種類の左停止演出テーブルのいずれかが第3レイヤLY3に読み出され、第4契機の発生に基づいて9種類の右停止演出テーブルのいずれかが第4レイヤLY4に読み出され、第5契機の発生に基づいて9種類の中停止演出テーブルのいずれかが第5レイヤLY5に読み出される。
各レイヤLYn(nは0~11のいずれかの整数)における参照対象のポインタ情報は、他のレイヤLYnの影響を受けることなく更新される。このため、各レイヤLYnに読み出された演出テーブルに従って実行される各演出は並行して実行される。具体的には、第0レイヤLY0に読み出された通常用ベース演出テーブルに従って実行される通常用ベース演出は、第1~第5レイヤLY1~LY5に読み出された演出テーブルに従って実行される図柄変動演出、有効報知演出、左停止演出、右停止演出及び中停止演出の進行状況に影響されることなく、これらの演出と並行して進行する。
一方、後述する右停止演出抽選にて左図柄画像G5の数字と右図柄画像G6の数字とが一致する抽選結果となった場合には、リーチ状態が発生する。この場合において、後述する外れ時の第1期待演出抽選にて第1期待演出が行われない抽選結果となった場合には、第4契機及び第5契機の発生に基づく演出テーブルの読み出し態様が図43(a)の場合と相違する。具体的には、図43(b)に示すように、第4契機の発生に基づいて、9種類の右停止演出テーブルのいずれかが第4レイヤLY4に読み出されるとともに、リーチ報知演出テーブルが第5レイヤLY5に読み出される。そして、第5契機の発生に基づいて9種類の中停止演出テーブルのいずれかが第6レイヤLY6に読み出される。既に説明したとおり、右停止演出テーブルには停止効果音を出力するための音データが設定されているとともに、リーチ報知演出テーブルにはリーチ報知音を出力するための音データが設定されている。リーチ報知演出テーブルが読み出される第5レイヤLY5の番号(「5」)は、右停止演出テーブルが読み出される第4レイヤLY4の番号(「4」)よりも大きいため、音出力用設定エリア112の演出用エリア112bにはリーチ報知音を出力するための音データが優先的に設定される。このため、この場合には、右停止演出に合わせてリーチ報知音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御が行われ、停止効果音は出力されない。
後述する外れ時の第1期待演出抽選にていずれかの第1期待演出に当選した場合には、第5契機の発生に基づく演出テーブルの読み出し態様が図43(b)の場合と相違する。具体的には、図43(c)に示すように、第5契機の発生に基づいて、9種類の中停止演出テーブルのいずれかが第6レイヤLY6に読み出されるとともに、5種類の第1期待演出テーブルのいずれかが第7レイヤLY7に読み出される。
第2期待演出の実行対象ゲームであるとともに再変動演出の実行対象ゲームでない場合には、図柄変動演出テーブル、有効報知演出テーブル、左停止演出テーブル、右停止演出テーブル、長押し報知演出テーブル、中停止演出テーブル、第1期待演出テーブル、及び第2期待演出テーブルの内容を含む第1合成演出テーブルが生成される。この場合には、図43(d)に示すように、第1契機の発生に基づいて6種類の通常用ベース演出テーブルのいずれかが第0レイヤLY0に読み出されるとともに、第1合成演出テーブルが第1レイヤLY1に読み出される。そして、第1合成演出テーブルに従ってこれらの演出が順次実行される。なお、第1合成演出テーブルについては後述する。
次に、ボーナス告知演出又は再変動演出の実行対象ゲームである場合における演出テーブルの読み出し態様について図44(a)及び図44(b)を参照しながら説明する。役の抽選処理(図14)にていずれかのボーナス当選(第1~第4BB当選及び第1~第2RB当選のいずれか)が発生した場合には、後述する告知抽選処理(ボーナス告知用処理(図50)のステップ2203)が行われる。告知抽選処理にてボーナス告知演出に当選した場合には、第5契機の発生に基づく演出テーブルの読み出し態様が図43(c)の場合と相違する。具体的には、図44(a)に示すように、第5契機の発生に基づいて9種類の中停止演出テーブルのいずれかが第6レイヤLY6に読み出され、5種類の第1期待演出テーブルのいずれかが第7レイヤLY7に読み出され、ボーナス告知演出テーブルが第8レイヤLY8に読み出される。
一方、後述する告知抽選処理(演出内容決定処理(図51)のステップS2311)にて再変動演出に当選し、その後にボーナス入賞が成立することなく5ゲームが消化されて再変動演出の実行対象ゲームとなった場合には、第1期待演出に加えて、第2期待演出及び再変動演出が行われる。この場合には、図柄変動演出テーブルと、有効報知演出テーブルと、左停止演出テーブルと、右停止演出テーブルと、長押し報知演出テーブルと、中停止演出テーブルと、第1期待演出テーブルと、第2期待演出テーブルと、再変動演出テーブルとの内容を含む第2合成演出テーブルが生成される。この場合には、図44(b)に示すように、第1契機の発生に基づいて6種類の通常用ベース演出テーブルのいずれかが第0レイヤLY0に読み出されるとともに、第2合成演出テーブルが第1レイヤLY1に読み出される。そして、第2合成演出テーブルに従ってこれらの演出が順次実行される。なお、第2合成演出テーブルについては後述する。
上記のとおり、第1合成演出テーブル及び第2合成演出テーブルが生成されない場合には、各種演出を実行するための各種演出テーブルが個別に読み出し用エリア94aの異なるレイヤLYn(nは0~8のいずれかの整数)に読み出され、各種演出テーブルに従って各種演出が並行して実行されることにより1ゲームの演出が進行する。また、第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブルが生成される場合には、第0レイヤLY0に読み出された通常用ベース演出テーブルに従って実行される通常用ベース演出と、第1レイヤLY1に読み出された第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブルに従って実行される各種演出とが並行して実行されることにより1ゲームの演出が進行する。
第1合成演出テーブルが生成された場合には、図柄変動演出テーブルと、有効報知演出テーブルと、左停止演出テーブルと、右停止演出テーブルと、リーチ報知演出テーブルと、中停止演出テーブルと、第1期待演出テーブルと、第2期待演出テーブルとの内容が1つのレイヤLYn(具体的には第1レイヤLY1)に読み出されるとともに、第2合成演出テーブルが生成された場合には、図柄変動演出テーブルと、有効報知演出テーブルと、左停止演出テーブルと、右停止演出テーブルと、長押し報知演出テーブルと、中停止演出テーブルと、第1期待演出テーブルと、第2期待演出テーブルと、再変動演出テーブルとの内容が1つのレイヤLYn(具体的には第1レイヤLY1)に読み出される。これにより、読み出し用エリア94aにおいて1ゲームにて読み出される演出テーブルの最大数が低減されている。よって、読み出し用エリア94aにおけるレイヤLYnの数を低減することが可能となっている。
図41(a)に示すように、演出側ROM93には合成用テーブル記憶エリア93nが設けられており、合成用テーブル記憶エリア93nには、第1合成演出テーブルを生成するための第1合成用テーブルと、第2合成演出テーブルを生成するための第2合成用テーブルとが記憶されている。第1合成演出テーブルは、第1合成用テーブルに対して、図柄変動演出テーブルと、有効報知演出テーブルと、左停止演出テーブルと、右停止演出テーブルと、リーチ報知演出テーブルと、中停止演出テーブルと、第1期待演出テーブルと、第2期待演出テーブルとに設定されている演出用データを設定することにより生成される。また、第2合成演出テーブルは、第2合成用テーブルに対して、図柄変動演出テーブルと、有効報知演出テーブルと、左停止演出テーブルと、右停止演出テーブルと、長押し報知演出テーブルと、中停止演出テーブルと、第1期待演出テーブルと、第2期待演出テーブルと、再変動演出テーブルとに設定されている演出用データを設定することにより生成される。
ここで、第2合成演出テーブルを例として、図45を参照しながら合成演出テーブルの内容について説明する。図45は第2合成演出テーブルの内容を説明するための説明図である。なお、第1合成演出テーブルは、長押し報知演出テーブルの演出用データに代えてリーチ報知演出用テーブルの演出用データが設定される点、及び再変動演出テーブルの演出用データが設定されない点において第2合成演出テーブルと相違している。
第2合成用テーブルには、「0」~「w」のポインタ情報が連番となるように設定されており、当該ポインタ情報に対して演出用データを設定可能となっているとともに、当該ポインタ情報に対して更新用情報が設定されている。更新用情報として、具体的には、後述するポインタ更新処理(図48)の1処理回でポインタカウンタPCn(図42(a))の値をジャンプ先のポインタ情報までジャンプさせるためのジャンプ条件と、当該ジャンプ条件が成立した場合にポインタカウンタPCnに設定されるジャンプ先と、ポインタカウンタPCnの値を1加算して更新するための更新条件とが設定されている。
第2合成演出テーブル(図45)が生成される場合、第2合成用テーブルにおけるポインタ情報の「0」~「p」のエリアには図柄変動演出テーブルにおける表示用データのアドレス情報及び設定先情報が設定され、ポインタ情報の「p+1」~「q」のエリアには有効報知演出テーブルにおける音データが設定され、ポインタ情報の「q+1」~「r」のエリアには左停止演出テーブルにおける表示用データのアドレス情報、設定先情報、及び音データが設定される。
ポインタ情報の「r+1」~「s」のエリアには、右停止演出テーブルにおける表示用データのアドレス情報及び設定先情報と、長押し報知演出テーブルにおける音データとが設定される。ポインタ情報の「r+1」~「s」のエリアには、右停止演出テーブルにおける音データは設定されない。このため、第2合成演出テーブルが生成された場合、右停止演出に合わせて停止効果音に代えて長押し報知音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御が行われる。
ポインタ情報の「s+1」~「t」のエリアには中停止演出テーブルにおける表示用データのアドレス情報、設定先情報及び音データが設定される。ポインタ情報の「t+1」~「u」のエリアには第1期待演出テーブルの演出実行領域における表示用データのアドレス情報、設定先情報、及び音データが設定される。第2合成演出テーブルには、第1期待演出テーブルの冒頭部分に設けられている空白領域は設定されない。ポインタ情報の「u+1」~「v」のエリアには第2期待演出テーブルにおける表示用データのアドレス情報、設定先情報、及び音データが設定され、ポインタ情報の「v+1」~「w」のエリアには再変動演出テーブルにおける表示用データのアドレス情報、設定先情報、音データ、発光データ、及び駆動テーブルのアドレス情報が設定される。なお、第1合成演出テーブルには、ポインタ情報の「v+1」~「w」のエリアは設けられていない。
演出側ROM93に記憶されている第2合成用テーブルは1種類であり、第2合成演出テーブルは、各ゲームにおいて実行対象となった各演出テーブルに設定されている演出用データを当該1種類の第2合成用テーブルに設定することにより作成される。また、演出側ROM93に記憶されている第1合成用テーブルは1種類であり、第1合成演出テーブルは、各ゲームにおいて実行対象となった各演出テーブルに設定されている演出用データを当該1種類の第1合成用テーブルに設定することにより作成される。第1合成演出テーブル及び第2合成演出テーブルを生成するために演出側ROM93に予め記憶しておく第1合成用テーブル及び第2合成用テーブルの種類がそれぞれ1種類であることにより、合成用テーブルを記憶しておくための演出側ROM93における記憶容量が低減されている。
第1レイヤLY1に読み出された第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブルのポインタ情報は、後述するポインタ更新処理(図48)にて更新される。第2合成演出テーブルには、図45に示すように、図柄変動演出の演出用データが設定されているポインタ情報の「0」~「p」のエリアにジャンプ条件としてポインタ情報が「1」~「p」のいずれかであるという条件と、第2契機が発生するという条件とが設定されているとともに、ジャンプ先のポインタ情報として「p+1」が設定されている。また、当該エリアに「pにおいて第2契機の発生」という更新条件が設定されている。この場合、ポインタ情報が「1」~「p」のいずれかであるという条件と、第2契機が発生するという条件との両方が満たされるまでは、40ミリ秒周期でポインタ情報が1ずつ更新され、図柄変動演出が進行する。図柄変動演出が開始される場合、左図柄の変動表示を行うための表示用データが表示用設定エリア113の第1演出用エリア113bに設定され、右図柄の変動表示を行うための表示用データが第2演出用エリア113cに設定され、中図柄の変動表示を行うための表示用データが表示用設定エリア113の第3演出用エリア113dに設定される。画像表示装置63では、これらの表示用データに従って左図柄、右図柄及び中図柄の変動表示が行われる。画像表示装置63では、表示用設定エリア113の背景用エリア113aに設定されている表示用データに従って背景画像G4の表示も行われる。背景画像G4の表示は、第2合成演出テーブル(図45)における参照対象のポインタ情報の更新態様に関わらず、継続的に実行される。
第2契機が発生することなく参照対象のポインタ情報が「p」まで更新された場合には、ポインタ情報が「p」の状態で第2契機が発生するという更新条件が満たされるまで参照対象のポインタ情報が更新されなくなる。この場合、画像表示装置63では、表示用設定エリア113の第1~第3演出用エリア113b~113dに設定されている表示用データに従って左図柄、右図柄及び中図柄の変動表示が継続される。
ポインタ情報が「1」~「p」のいずれかであるという条件と、第2契機が発生するという条件との両方が満たされた場合には、後述するポインタ更新処理(図48)の1処理回において参照対象のポインタ情報がジャンプ先の「p+1」まで更新され、有効報知演出が開始される。具体的には、ポインタ情報が「1」~「p」のいずれかである状況において第2契機が発生した場合、又は第2契機が発生した後にポインタ情報が「1」~「p」のいずれかとなった場合に、参照対象のポインタ情報がジャンプ先の「p+1」まで更新されて有効報知演出が開始される。
有効報知演出の演出用データが設定されているポインタ情報の「p+1」~「q」のエリアには、ジャンプ条件としてポインタ情報が「p+2」~「q」のいずれかであるという条件と、第3契機が発生するという条件とが設定されているとともに、ジャンプ先のポインタ情報として「q+1」が設定されている。また、当該エリアに「qにおいて第3契機の発生」という更新条件が設定されている。この場合、ポインタ情報が「p+2」~「q」のいずれかであるという条件と、第3契機が発生するという条件との両方が満たされるまでは、40ミリ秒周期でポインタ情報が1ずつ更新され、有効報知演出が進行する。有効報知演出では、「p+1」~「q」のエリアに設定されている有効報知音の音データが音出力用設定エリア112の演出用エリア112bに設定され、当該音データがスピーカ62から出力される。
第3契機が発生することなく参照対象のポインタ情報が「q」まで更新された場合には、有効報知音の音出力が終了し、ポインタ情報が「q」の状態で第3契機が発生するという更新条件が満たされるまで参照対象のポインタ情報が更新されなくなる。この場合、画像表示装置63では、表示用設定エリア113に設定されている表示用データに従って左図柄、右図柄及び中図柄の変動表示が継続される。
ポインタ情報が「p+2」~「q」のいずれかであるという条件と、第3契機が発生するという条件との両方が満たされた場合には、後述するポインタ更新処理(図48)の1処理回において参照対象のポインタ情報がジャンプ先の「q+1」まで更新され、左停止演出が開始される。具体的には、ポインタ情報が「p+2」~「q」のいずれかである状況において第3契機が発生した場合、又は第3契機が発生した後にポインタ情報が「p+2」~「q」のいずれかとなった場合に、参照対象のポインタ情報がジャンプ先の「q+1」まで更新されて左停止演出が開始される。有効報知演出が実行されている状況(ポインタ情報が「p+2」~「q-1」のいずれかである状況)において第3契機が発生してポインタ情報が「q+1」まで更新された場合、有効報知演出用の音データが音出力用設定エリア112の演出用エリア112b(図42(b))に設定されなくなり、有効報知演出が終了する。左停止演出が開始される場合、左図柄の変動表示を行うための表示用データが削除されるとともに、左図柄画像G5の停止表示を行うための表示用データが表示用設定エリア113の第1演出用エリア113bに設定される。
左停止演出の演出用データが設定されているポインタ情報の「q+1」~「r」のエリアには、ジャンプ条件としてポインタ情報が「q+2」~「r」のいずれかであるという条件と、第4契機が発生するという条件とが設定されているとともに、ジャンプ先のポインタ情報として「r+1」が設定されている。また、当該エリアに「rにおいて第4契機の発生」という更新条件が設定されている。この場合、ポインタ情報が「q+2」~「r」のいずれかであるという条件と、第4契機が発生するという条件との両方が満たされるまでは、40ミリ秒周期でポインタ情報が1ずつ更新され、左停止演出が進行する。左停止演出では、ポインタ情報の「q+1」~「r」のエリアに設定されている停止効果音の音データが音出力用設定エリア112の演出用エリア112bに設定され、当該音データがスピーカ62から出力される。
第4契機が発生することなく参照対象のポインタ情報が「r」まで更新された場合には、停止効果音の出力が終了し、ポインタ情報が「r」の状態で第4契機が発生するという更新条件が満たされるまで参照対象のポインタ情報が更新されなくなる。この場合、画像表示装置63では、表示用設定エリア113に設定されている表示用データに従って左図柄画像G5の停止表示と、右図柄及び中図柄の変動表示とが継続される。
ポインタ情報が「q+2」~「r」のいずれかであるという条件と、第4契機が発生するという条件との両方が満たされた場合には、後述するポインタ更新処理(図48)の1処理回において参照対象のポインタ情報がジャンプ先の「r+1」まで更新され、右停止演出及び長押し報知演出が開始される。具体的には、ポインタ情報が「q+2」~「r」のいずれかである状況において第4契機が発生した場合、又は第4契機が発生した後にポインタ情報が「q+2」~「r」のいずれかとなった場合に、参照対象のポインタ情報がジャンプ先の「r+1」まで更新されて右停止演出及び長押し報知演出が開始される。左停止演出が実行されている状況(ポインタ情報が「q+2」~「r-1」のいずれかである状況)において第4契機が発生してポインタ情報が「r+1」まで更新された場合、左停止演出用の音データが音出力用設定エリア112の演出用エリア112b(図42(b))に設定されなくなり、左停止演出が終了する。右停止演出が開始される場合、右図柄の変動表示を行うための表示用データが削除されるとともに、右図柄画像G6の停止表示を行うための表示用データが表示用設定エリア113の第2演出用エリア113cに設定される。
右停止演出の表示用データのアドレス情報及び設定先情報と、長押し報知演出の音データとが設定されているポインタ情報の「r+1」~「s」のエリアには、ジャンプ条件としてポインタ情報が「r+2」~「s」のいずれかであるという条件と、第5契機が発生するという条件とが設定されているとともに、ジャンプ先のポインタ情報として「s+1」が設定されている。また、当該エリアに「sにおいて第5契機の発生」という更新条件が設定されている。この場合、ポインタ情報が「r+2」~「s」のいずれかであるという条件と、第5契機が発生するという条件との両方が満たされるまでは、40ミリ秒周期でポインタ情報が1ずつ更新され、右停止演出及び長押し報知演出が進行する。長押し報知演出では、ポインタ情報の「r+1」~「s」のエリアに設定されている長押し報知音の音データが音出力用設定エリア112の演出用エリア112bに設定され、当該音データがスピーカ62から出力される。
第5契機が発生することなく参照対象のポインタ情報が「s」まで更新された場合には、長押し報知音の出力が終了し、ポインタ情報が「s」の状態で第5契機が発生するという更新条件が満たされるまで参照対象のポインタ情報が更新されなくなる。この場合、画像表示装置63では、表示用設定エリア113に設定されている表示用データに従って左図柄画像G5及び右図柄画像G6の停止表示と、中図柄の変動表示とが継続される。
ポインタ情報が「r+2」~「s」のいずれかであるという条件と、第5契機が発生するという条件との両方が満たされた場合には、後述するポインタ更新処理(図48)の1処理回において参照対象のポインタ情報がジャンプ先の「s+1」まで更新され、中停止演出が開始される。具体的には、ポインタ情報が「r+2」~「s」のいずれかである状況において第5契機が発生した場合、又は第5契機が発生した後にポインタ情報が「r+2」~「s」のいずれかとなった場合に、参照対象のポインタ情報がジャンプ先の「s+1」まで更新されて中停止演出が開始される。右停止演出及び長押し報知演出が実行されている状況(ポインタ情報が「r+2」~「s-1」のいずれかである状況)において第5契機が発生してポインタ情報が「s+1」まで更新された場合、長押し報知演出用の音データが音出力用設定エリア112の演出用エリア112b(図42(b))に設定されなくなり、長押し報知演出が終了する。中停止演出が開始される場合、中図柄の変動表示を行うための表示用データが削除されるとともに、中図柄画像G7の停止表示を行うための表示用データが表示用設定エリア113の第3演出用エリア113dに設定される。
中停止演出の演出用データが設定されているポインタ情報の「s+1」~「t」のエリアには、ジャンプ条件、ジャンプ先、及び更新条件が設定されていない。このため、当該エリアでは、第5契機が発生するか否かに関わらず、参照対象のポインタ情報が40ミリ秒周期で1ずつ更新され、中停止演出が進行する。中停止演出では、ポインタ情報の「s+1」~「t」のエリアに設定されている停止効果音の音データが音出力用設定エリア112の演出用エリア112bに設定され、当該音データがスピーカ62から出力される。そして、参照先のポインタ情報が「t+1」に更新された場合に中停止演出が終了して第1期待演出が開始される。このように、第1期待演出は、中停止演出の終了タイミングで開始される。ポインタ情報が「t+1」に更新されるよりも前のタイミングで第6契機が発生した場合においても参照対象のポインタ情報はジャンプしない。このため、中停止演出が実行されている状況で第6契機が発生したとしても中停止演出は最後まで実行される。この場合にも、第1期待演出は中停止演出の終了時に開始される。第1期待演出が開始される場合、第1期待演出における期待演出画像(泡画像G8、水流画像G9、渦巻き画像G10、魚群画像G11、又は巨大キャラクタ画像G12)の表示を行うための表示用データが表示用設定エリア113の第4演出用エリア113eに設定される。当該表示用データは、第1期待演出の実行期間(具体的には1.5秒間)が経過した場合に第4演出用エリア113eから削除される。
第1期待演出の演出用データが設定されているポインタ情報の「t+1」~「u」のエリアには、ジャンプ条件としてポインタ情報が「t+26」~「u」のいずれかであるという条件と、第6契機が発生するという条件とが設定されているとともに、ジャンプ先のポインタ情報として「u+1」が設定されている。また、当該エリアに「uにおいて第6契機の発生」という更新条件が設定されている。この場合、参照対象のポインタ情報が「t+26」になるまでは、第6契機が発生したとしても40ミリ秒周期でポインタ情報が1ずつ更新され、第1期待演出が進行する。第1期待演出が開始されてから参照対象のポインタ情報が「t+26」に更新されるまでに要する期間は1秒間である。その後、ポインタ情報が「t+26」~「u」のいずれかであるという条件と、第6契機が発生するという条件との両方が満たされるまでは、40ミリ秒周期でポインタ情報が1ずつ更新され、第1期待演出の続きが進行する。第1期待演出では、ポインタ情報の「t+1」~「u」のエリアに設定されている第1期待効果音の音データが音出力用設定エリア112の演出用エリア112bに設定され、当該音データがスピーカ62から出力される。
第6契機が発生することなく参照対象のポインタ情報が「u」まで更新された場合には、第1期待効果音の出力が終了し、ポインタ情報が「u」の状態で第6契機が発生するという更新条件が満たされるまで参照対象のポインタ情報が更新されなくなる。参照対象のポインタ情報が「u」まで更新された場合、すなわち、第1期待演出の実行期間(具体的には1.5秒間)が終了した場合、画像表示装置63では、期待演出画像(泡画像G8、水流画像G9、渦巻き画像G10、魚群画像G11、又は巨大キャラクタ画像G12)の表示が終了する。画像表示装置63では、表示用設定エリア113に設定されている表示用データに従って左図柄画像G5、右図柄画像G6及び中図柄画像G7の停止表示が継続される。
参照対象のポインタ情報が「u」である状態において第6契機が発生するという更新条件が満たされた場合に第2期待演出が開始される。また、ポインタ情報が「t+26」~「u」のいずれかであるという条件と、第6契機が発生するという条件との両方が満たされた場合には、後述するポインタ更新処理(図48)の1処理回において参照対象のポインタ情報がジャンプ先の「u+1」まで更新され、第2期待演出が開始される。具体的には、ポインタ情報が「t+26」~「u」のいずれかである状況において第6契機が発生した場合、又は第6契機が発生した後にポインタ情報が「t+26」~「u」のいずれかとなった場合に、参照対象のポインタ情報がジャンプ先の「u+1」まで更新されて第2期待演出が開始される。第2期待演出の開始時に、表示用設定エリア113の第4演出用エリア113eに第1期待演出用の表示用データが残っている場合には当該表示用データが削除される。そして、第2期待演出における期待演出画像(泡画像G8、水流画像G9、渦巻き画像G10、魚群画像G11、又は巨大キャラクタ画像G12)の表示を行うための表示用データが第4演出用エリア113eに設定される。
このように、第2期待演出は、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達するという条件と、第6契機が発生するという条件との両方が満たされた場合に開始される。これにより、第3停止に対応するストップボタン42~44のON操作からOFF操作までの期間が短く、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達するよりも前のタイミングにおいて第6契機が発生した場合であっても、第1期待演出の実行期間として所定の期間(具体的には1秒間)を確保することができる。よって、第1期待演出の内容が理解できないほどに第1期待演出の実行期間が短くなってしまうことを防止することができる。また、第3停止に対応するストップボタン42~44のON操作からOFF操作までの期間が長く、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達した後のタイミングにおいて第6契機が発生した場合には、当該ストップボタン42~44のOFF操作が行われたことに基づいて、遅延を生じさせることなく第2期待演出を開始させることができる。これにより、遊技者に分かり易い態様で第3停止に対応するストップボタン42~44のOFF操作と第2期待演出の開始とを関連付けて遊技者の参加意識を高めることができる。よって、遊技の興趣向上を図ることができる。
第2期待演出の演出用データが設定されているポインタ情報の「u+1」~「v」のエリアには、ジャンプ条件、ジャンプ先、及び更新条件が設定されていない。このため、当該エリアでは、参照対象のポインタ情報が40ミリ秒周期で1ずつ更新され、第2期待演出が進行する。第2期待演出では、ポインタ情報の「u+1」~「v」のエリアに設定されている第2期待効果音の音データが音出力用設定エリア112の演出用エリア112bに設定され、当該音データがスピーカ62から出力される。そして、参照先のポインタ情報が「v+1」に更新された場合に、第2期待演出が終了するとともに再変動演出が開始される。このように、再変動演出は第2期待演出の終了タイミングで開始される。再変動演出が開始される場合、中図柄の停止表示を行うための表示用データが削除されるとともに、中図柄の再変動表示を行うための表示用データが表示用設定エリア113の第3演出用エリア113dに設定される。
再変動演出の演出用データが設定されているポインタ情報の「v+1」~「w」のエリアには、ジャンプ条件、ジャンプ先、及び更新条件が設定されていない。このため、当該エリアでは、参照対象のポインタ情報が40ミリ秒周期で1ずつ更新され、再変動演出が進行する。再変動演出では、ポインタ情報の「v+1」~「w」のエリアに設定されている音データが音出力用設定エリア112の演出用エリア112bに設定され、当該音データがスピーカ62から出力される。また、ポインタ情報の「v+1」~「w」のエリアに設定されている発光データが発光用設定エリア111(図41(b))に設定され、当該発光データに基づく上部ランプ61の発光制御が行われる。さらにまた、ポインタ情報の「v+1」~「w」のエリア(具体的には「w」のポインタ情報)に設定されている駆動テーブルのアドレス情報により特定される役物75の駆動テーブルが読み出し用エリア94aの第11レイヤLY11に読み出され、当該駆動テーブルに従って役物動作演出が実行される。なお、役物動作演出の詳細については後述する。
再変動演出の実行対象ゲームでは、第3停止に対応するストップボタン42~44のOFF操作が行われて第6契機が発生した場合、主側RAM74におけるフリーズカウンタに対して、第6契機が発生してから再変動演出が終了するまでの期間に対応する数値情報がセットされる。フリーズカウンタにセットされた数値情報は、タイマ割込み処理(図12)におけるタイマ減算処理(ステップS209)にて定期的に減算され、当該フリーズカウンタの値が「0」となるまで、通常処理(図13)におけるステップS314にて待機する。このため、参照対象のポインタ情報が「u+1」~「v」である第2期待演出の実行期間、及び参照対象のポインタ情報が「v+1」~「w」である再変動演出の実行期間の途中で次のゲームを開始すべくスタートレバー41の操作が行われたとしても、当該操作に基づいてゲームが開始されることはなく、再変動演出を最後まで実行することが可能となっている。なお、第6契機が発生してから再変動演出が終了するまでの期間を主側MPU72にて把握可能とする処理構成については後述する。
本実施形態では、データテーブルのポインタ情報が最終のポインタ情報まで更新され、当該最終のポインタ情報に対してリピート情報が設定されていない場合、当該データテーブルが読み出されているレイヤLYnがクリアされる。具体的には、当該データテーブルが読み出されているレイヤLYnの展開エリアREn及びポインタカウンタPCn(図42(a))がクリアされる。
図45に示すように、第2合成演出テーブルの最終のポインタ情報である「w」にはリピート情報が設定されていない。このため、参照対象のポインタ情報が「w」まで更新されて再変動演出が終了した場合には、第2合成演出テーブルが読み出されている第1レイヤLY1がクリアされる。一方、通常用ベース演出テーブルが読み出されている第0レイヤLY0はクリアされず、当該通常用ベース演出テーブルに基づく通常用ベース演出は継続される。
既に説明したとおり、通常遊技状態ST1に対応する通常用ベース演出を実行するための通常用ベース演出テーブルは、第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブルが読み出されている第1レイヤLY1とは異なる第0レイヤLY0に読み出されている。第1レイヤLY1における参照対象のポインタ情報がジャンプしたとしても、第0レイヤLY0における参照対象のポインタ情報には影響しない。このため、通常用ベース演出における背景画像G4の表示及び通常用ベース音楽の出力を連続的に実行しながら、第1契機~第6契機の発生に対応させてこれらの演出を開始させることが可能となっている。
表示用設定エリア113の第1演出用エリア113bには、第2合成演出テーブルが第1レイヤLY1に読み出されたタイミングにおいて左図柄の変動表示を開始させるための表示用データが設定され、参照対象のポインタ情報が「q+1」に更新された場合に当該表示用データがクリアされて左図柄画像G5の停止表示を開始させるための表示用データが設定される。既に説明したとおり、第1演出用エリア113bに設定されている表示用データに基づいて第1演出用表示レイヤ102に画像が設定される。このため、画像表示装置63の左側領域では、第1契機の発生に基づいて左図柄の変動表示が開始され、第3契機の発生に基づいて左図柄の変動表示が終了して左図柄画像G5の停止表示が開始される。
表示用設定エリア113における第2演出用エリア113cには、第2合成演出テーブルが第1レイヤLY1に読み出されたタイミングにおいて右図柄の変動表示を開始させるための表示用データが設定され、参照対象のポインタ情報が「r+1」に更新された場合に当該表示用データがクリアされて右図柄画像G6の停止表示を開始させるための表示用データが設定される。既に説明したとおり、第2演出用エリア113cに設定されている表示用データに基づいて第2演出用表示レイヤ103に画像が設定される。このため、画像表示装置63の右側領域では、第1契機の発生に基づいて右図柄の変動表示が開始され、第4契機の発生に基づいて右図柄の変動表示が終了して右図柄画像G6の停止表示が開始される。
表示用設定エリア113における第3演出用エリア113dには、第2合成演出テーブルが第1レイヤLY1に読み出されたタイミングにおいて中図柄の変動表示を開始させるための表示用データが設定され、参照対象のポインタ情報が「s+1」に更新された場合に当該表示用データがクリアされて中図柄画像G7の停止表示を開始させるための表示用データが設定される。その後、ポインタ情報が「v+1」に更新された場合に当該表示用データがクリアされて中図柄を再変動させた後に左図柄画像G5及び右図柄画像G6と同一の数字を示す中図柄画像G7を停止表示させるための表示用データが設定される。このため、画像表示装置63の中央領域では、第1契機の発生に基づいて中図柄の変動表示が開始され、第5契機の発生に基づいて中図柄の変動表示が終了して中図柄画像G7の停止表示が開始される。その後、第6契機の発生に基づいて行われる第2期待演出の終了後に中図柄の再変動表示が開始される。その後、左図柄画像G5及び右図柄画像G6と同一の数字を示す中図柄画像G7を停止表示が開始される。
表示用設定エリア113の第4演出用エリア113eには、参照対象のポインタ情報が「t+1」に更新された場合に第1期待演出の期待演出画像を表示するための表示用データが設定される。その後、参照対象のポインタ情報が「u+1」に更新された場合に第2期待演出の期待演出画像を表示するための表示用データが設定される。参照対象のポインタ情報が「u+1」に更新されたタイミングにおいて第4演出用エリア113eに第1期待演出用の表示用データが残っている場合には、当該表示用データがクリアされて、第2期待演出用の表示用データが設定される。このため、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達した後のタイミングであるとともに第1期待演出が終了するよりも前のタイミングにおいて第6契機が発生した場合には、第1期待演出が途中で終了して、第2期待演出が開始される。これにより、第1期待演出の実行期間を所定の期間(具体的には1秒間)に亘って確保しつつ、第6契機が発生して場合に遅延を生じさせることなく第2期待演出を開始させることが可能となっている。
既に説明したとおり、演出テーブル等のデータテーブルには、表示用データのアドレス情報と、当該表示用データの設定先情報とが設定されている。これにより、合成演出テーブル(第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブル)が生成されて当該合成演出テーブルが読み出し用エリア94aにおける1つのレイヤLYn(具体的には第1レイヤLY1)に読み出された場合にも、合成演出テーブルが生成されない場合と同様に、当該合成演出テーブルに設定されている各表示用データを表示用設定エリア113における第1演出用エリア113b~第4演出用エリア113eのいずれかに設定することが可能となっている。これにより、合成演出テーブル(第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブル)の生成の有無によって表示用データの設定先が変動してしまうことが防止されているとともに、画像表示装置63に表示される画像の前後関係が変動してしまうことが防止されている。
次に、図46のタイムチャートを参照しながら第2合成演出テーブルに基づいて第2期待演出が開始される様子について説明する。図46(a)は第2期待演出の実行期間を示し、図46(b)は再変動演出の実行期間を示し、図46(c)は中停止演出の実行期間を示し、図46(d)は第1期待演出の実行期間を示し、図46(e)は第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達するタイミングを示し、図46(f)は第5契機の発生タイミングを示し、図46(g)は第6契機の発生タイミングを示す。
まず、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達した後に第6契機が発生する場合について説明する。
t1のタイミングで図46(f)に示すように第5契機が発生すると、第2合成演出テーブル(図45)において右停止演出及び長押し報知演出の演出用データが設定されているエリア(ポインタ情報の「r+1」~「s」の範囲)に設定されているジャンプ条件が満たされて、参照対象のポインタ情報が「s+1」にジャンプする。これにより、当該t1のタイミングで図46(c)に示すように中停止演出が開始される。なお、既に説明したとおり、第5契機は、第3停止に対応するストップボタン42~44のON操作が行われたことを示す情報が設定された停止指令コマンドを演出側MPU92が受信した場合に発生する。その後、t2のタイミングで参照対象のポインタ情報が「t+1」に更新される。これにより、当該t2のタイミングで、図46(c)に示すように中停止演出が終了するとともに、図46(d)に示すように第1期待演出が開始される。
その後、t3のタイミングで図46(e)に示すように第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達する。当該t3のタイミングにおいて参照対象のポインタ情報は「t+26」に更新される。その後、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に亘って行われた後であるとともに、第1期待演出の実行中であるt4のタイミングで図46(g)に示すように第6契機が発生する。なお、既に説明したとおり、第6契機は、OFF操作コマンドを演出側MPU92が受信することにより発生する。t4のタイミングで第6契機が発生することにより、参照対象のポインタ情報が「t+26」~「u」のいずれかであるという条件と、第6契機が発生するという条件との両方が満たされるため、参照対象のポインタ情報がジャンプ先である「u+1」にジャンプする。これにより、当該t4のタイミングで図46(d)に示すように第1期待演出が終了するとともに、図46(a)に示すように第2期待演出が開始される。その後、t5のタイミングで参照対象のポインタ情報が「v+1」に更新される。これにより、当該t5のタイミングで図46(a)に示すように第2期待演出が終了するとともに、図46(b)に示すように再変動演出が開始される。
このように、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達した後に第6契機が発生した場合には、当該第6契機の発生タイミングで第2期待演出が開始される。上記のように、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達している状況で第1期待演出の実行中に第6契機が発生した場合には、当該第6契機の発生に基づいて第1期待演出が終了するとともに、第2期待演出が開始される。また、既に説明したとおり、第1期待演出が終了した後に第6契機が発生した場合には、当該第6契機の発生に基づいて第2期待演出が開始される。
このため、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達した後に第3停止に対応するストップボタン42~44のOFF操作が行われた場合には、遅延を生じさせることなく当該OFF操作が行われたタイミングで第2期待演出を開始させることができる。これにより、遊技者に対して、第3停止に対応するストップボタン42~44のOFF操作を契機として第2期待演出が開始されたと感じさせることができる。この場合、遊技者は第3停止に対応するストップボタン42~44の長押しを行った後、第2期待演出が発生することを期待しながら当該ストップボタン42~44のOFF操作を行うこととなる。これにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
次に、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達する前に第6契機が発生する場合について説明する。
t6のタイミングで第2合成演出テーブル(図45)における参照対象のポインタ情報が「t+1」に更新される。これにより、当該t6のタイミングで図46(c)に示すように中停止演出が終了するとともに、図46(d)に示すように第1期待演出が開始される。その後、参照対象のポインタ情報が「t+1」~「t+25」の範囲にあるt7のタイミングで図46(g)に示すように第6契機が発生する。t7のタイミングは、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達していないタイミングである。参照対象のポインタ情報が「t+26」~「u」のいずれかであるという条件が満たされていないため、第6契機が発生したとしてもジャンプ条件は満たされず、参照対象のポインタ情報のジャンプは発生しない。このため、図46(a)に示すように、t7のタイミングでは第2期待演出は開始されない。
その後、t8のタイミングで参照対象のポインタ情報が「t+26」に更新され、当該t8のタイミングで図46(e)に示すように第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達する。これにより、参照対象のポインタ情報が「t+26」~「u」のいずれかであるという条件と、第6契機が発生するという条件との両方が満たされて、参照対象のポインタ情報がジャンプ先である「u+1」にジャンプする。これにより、当該t8のタイミングで図46(d)に示すように第1期待演出が終了するとともに、図46(a)に示すように第2期待演出が開始される。
このように、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達するよりも前のタイミングで第6契機が発生した場合には、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達したタイミングで第2期待演出が開始される。これにより、第1期待演出の実行期間を少なくとも所定の期間(具体的には1秒間)に亘って確保することが可能となっている。既に説明したとおり、第3停止に対応するストップボタン42~44のON操作が行われることにより第5契機が発生するとともに、当該ストップボタン42~44のOFF操作が行われることにより第6契機が発生する。また、第1期待演出は、第5契機の発生に基づいて開始される中停止演出が終了するタイミングで開始される。第6契機の発生のみを条件として第2期待演出を開始させる構成とすると、第1期待演出よりも先に第2期待演出が開始されてしまうおそれがあるとともに、第1期待演出の実行期間が演出内容を理解できないほどに短くなってしまうおそれがある。また、第1期待演出にてボーナス当選の期待度が示されるとともに第2期待演出にてボーナス当選が発生した場合におけるBB当選の期待度が示される構成において、第1期待演出及び第2期待演出の順番が逆転してしまうと、遊技者に混乱を与えてしまうおそれがある。これに対して、本実施形態では第1期待演出の実行期間として少なくとも所定の期間(具体的には1秒間)が確保されている。これにより、第1期待演出→第2期待演出の順番で2つの期待演出を実行することが可能となっているとともに、演出内容の理解を可能とする期間(具体的には1秒間)に亘って第1期待演出を実行した後に第2期待演出を開始させることが可能となっている。第1期待演出及び第2期待演出の両方を演出内容が理解できる態様で実行することにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
次に、演出側MPU92にて実行される演出実行処理について図47のフローチャートを参照しながら説明する。演出実行処理は、読み出し用エリア94aの各レイヤLYn(nは0~11のいずれかの整数)に読み出されたデータテーブルに基づいて各種演出及び各種報知を実行するための処理であり、演出側MPU92において比較的短い周期(例えば4ミリ秒)で繰り返し実行される割込み処理にて実行される。
演出実行処理では、まずポインタ情報の更新タイミングであるか否かを判定する(ステップS1901)。既に説明したとおり、ポインタ情報の更新タイミングは40ミリ秒周期で発生する。ポインタ情報の更新タイミングである場合(ステップS1901:YES)には、読み出し用エリア94aに読み出されているデータテーブルのポインタ情報を更新するためのポインタ更新処理を実行する(ステップS1902)。なお、ポインタ更新処理の詳細については後述する。
その後、演出側RAM94の読み出し用エリア94aに設けられた対象レイヤカウンタ114(図41(b))の値を「0」クリアする(ステップS1903)。対象レイヤカウンタ114は、読み出し用エリア94aの第0~第11レイヤLY0~LY11のうち設定対象となっている現状の対象レイヤを演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。ステップS1903にて対象レイヤカウンタ114の値が「0」クリアされることにより、現状の対象レイヤが第0レイヤLY0となる。その後、演出側RAM94における発光用設定エリア111と、音出力用設定エリア112におけるベース用エリア112a、演出用エリア112b及び報知用エリア112cとをクリアする(ステップS1904)。
その後、対象レイヤカウンタ114の値に基づいて現状の対象レイヤを把握し、当該把握した現状の対象レイヤにデータテーブルが読み出されているか否かを判定する(ステップS1905)。対象レイヤにデータテーブルが読み出されている場合(ステップS1905:YES)には、データ設定処理を実行する(ステップS1906)。
ステップS1906におけるデータ設定処理では、現状の参照対象のポインタ情報に対して発光データが設定されている場合、発光用設定エリア111(図41(b))をクリアした後に当該発光データを発光用設定エリア111に設定する。既に説明したとおり、発光用設定エリア111は、1つの発光データのみを設定可能となっている。番号(「n」)が大きく、対象レイヤとなる順番が遅いレイヤLYnであるほど、当該レイヤLYnに読み出されているデータテーブルの発光データが発光用設定エリア111に最終的に設定されている発光データとなり易くなっている。既に説明したとおり、上部ランプ61の発光制御は、発光用設定エリア111に最終的に設定されている発光データに基づいて行われる。発光データの優先度はレイヤLYnの番号(「n」)が大きいほど高くなる。このため、通常用ベース演出用の発光データの優先度よりも各種演出用の発光データの優先度の方が高くなっているとともに、各種演出用の発光データの優先度よりも報知用の発光データの優先度の方が高くなっている。
ステップS1906におけるデータ設定処理では、現状の参照対象のポインタ情報に対して音データが設定されている場合、音出力用設定エリア112(図42(b))において対象レイヤカウンタ114の値に対応するエリア112a~112cに当該音データを設定する。具体的には、対象レイヤカウンタ114の値が「0」である場合にはベース用エリア112aをクリアした後に当該音データをベース用エリア112aに設定し、対象レイヤカウンタ114の値が「1」~「8」のいずれかである場合には演出用エリア112bをクリアした後に当該音データを演出用エリア112bに設定し、対象レイヤカウンタ114の値が「9」~「10」のいずれかである場合には報知用エリア112cをクリアした後に当該音データを報知用エリア112cに設定する。なお、既に説明したとおり、第11レイヤLY11は役物75の駆動テーブルが読み出されるレイヤであるため、第11レイヤLY11に音データが設定されていることはない。
既に説明したとおり、スピーカ62からは同時に2つの音を出力可能となっており、ベース用エリア112a(図42(b))のみに音データが設定されている場合には通常用ベース音楽の音のみが出力され、ベース用エリア112a及び演出用エリア112b(図42(b))に音データが設定されている場合には通常用ベース音楽の音と、演出用の音とが同時に出力される。一方、報知用エリア112c(図42(b))に音データが設定されている場合には、ベース用エリア112a及び演出用エリア112bに設定されている音データに基づく音出力は行われることなく、報知用エリア112cに設定されている報知音のみが出力される。
既に説明したとおり、音出力用設定エリア112の各エリア112a~112cには、1つの音データのみを設定可能となっている。n=1~8の範囲において、レイヤLYnの番号(「n」)が大きく、対象レイヤとなる順番が遅いレイヤLYnであるほど、当該レイヤLYnに読み出されている演出テーブルの音データが演出用エリア112bに最終的に設定されている音データとなり易くなっているとともに、当該音データがスピーカ62から出力され易くなっている。また、n=9~10の範囲において、レイヤLYnの番号(「n」)が大きく、対象レイヤとなる順番が遅いレイヤLYnであるほど、当該レイヤLYnに読み出されている報知テーブルに設定されている音データが報知用エリア112cに最終的に設定されている音データとなり易くなっているとともに、当該音データがスピーカ62から出力され易くなっている。
ステップS1906におけるデータ設定処理では、現状の参照対象のポインタ情報に対して表示用データのアドレス情報及び設定先情報が設定されている場合、表示用設定エリア113(図42(c))において設定先情報により指定されているエリア113a~113hをクリアする。そして、アドレス情報に基づいて演出側ROM93に記憶されている表示用データを特定し、当該特定した表示用データを設定先情報により指定されているエリア113a~113hに設定する。このため、各エリア113a~113hには、先に読み出された演出テーブル(番号(「n」)が小さいレイヤLYnに読み出された演出テーブル)に設定されている表示用データよりも後から読み出された演出テーブル(番号(「n」)が大きいレイヤLYnに読み出された演出テーブル)に設定されている表示用データの方が優先的に設定されることとなる。既に説明したとおり、表示用設定エリア113には、背景用エリア113a、第1~第5演出用エリア113b~113f、及び第1~第2報知用エリア113g~113hが設けられている。背景用エリア113aに設定されている表示用データに基づいて背景用表示レイヤ101に画像が設定され、第1~第5演出用エリア113b~113fに設定されている表示用データに基づいて第1~第5演出用表示レイヤ102~106に画像が設定され、第1~第2報知用エリア113g~113hに設定されている表示用データに基づいて第1~第2報知用表示レイヤ107~108に画像が設定される。そして、これらの表示レイヤ101~108を積層させて合成することにより、画像表示装置63に1フレーム分の絵を表示するための表示データが作成される。
ステップS1906にてデータ設定処理を行った後、役物駆動用設定処理(図76(a))を実行する(ステップS1907)。役物駆動用設定処理では、参照対象のポインタ情報に対して役物75の駆動テーブルのアドレス情報が設定されている場合、後述する読み出し可能状態であることを条件として、第11レイヤLY11に当該駆動テーブルを読み出す。なお、役物駆動用設定処理(図76(a))の詳細については後述する。
ステップS1905にて否定判定を行った場合、又はステップS1907の処理を行った場合には、対象レイヤカウンタ114の値が「10」であるか否かを判定する(ステップS1908)。対象レイヤカウンタ114の値が「10」でない場合(ステップS1908:NO)には、対象レイヤカウンタ114の値を1加算することにより対象レイヤを更新して(ステップS1909)、ステップS1905に戻る。そして、ステップS1908にて肯定判定が行われるまでステップS1905~ステップS1909の処理を繰り返す。これにより、第0レイヤLY0→第1レイヤLY1→…→第10レイヤLY10の順番で対象レイヤを更新しながら第0~第10レイヤLY0~LY10に読み出されているデータテーブルについてデータ設定処理(ステップS1906)及び役物駆動用設定処理(ステップS1907)を行うことができる。既に説明したとおり、第0レイヤLY0~第10レイヤLY10には、発光データと、音データと、表示用データのアドレス情報及び設定先情報と、役物75の駆動テーブルのアドレス情報との少なくとも1つが設定されているデータテーブルが読み出される一方、第11レイヤLY11には役物75の駆動テーブルのみが読み出される。このため、対象レイヤカウンタ114の値が「10」となるまでステップS1905~ステップS1909の処理を実行し、対象レイヤカウンタ114の値が「10」となった場合(ステップS1908:YES)には、ステップS1910に進む。なお、第11レイヤLY11に読み出された駆動テーブルに基づいて役物75の駆動制御を行うための処理(役物駆動制御処理)はステップS1915にて行われる。
ステップS1901にて否定判定を行った場合、又はステップS1908にて肯定判定を行った場合には、演出側RAM94に設けられた演算完了フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS1910)。演算完了フラグは、後述する表示制御処理(図49)にて描画リストを作成するための各種演算処理(ステップS2107の背景用演算処理、ステップS2110の演出用演算処理及びステップS2113の報知用演算処理)をそれぞれ1回ずつ実行したことを演出側MPU92にて特定するためのフラグである。演算完了フラグに「1」が設定されている場合(ステップS1910:YES)には、当該演算完了フラグを「0」クリアする(ステップS1911)。一方、演算完了フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS1910:NO)には、演出側RAM94に設けられた遅延中フラグに「1」を設定する(ステップS1912)。遅延中フラグは、後述する表示制御処理(図49)にて描画リストを作成するための各種演算処理(ステップS2107の背景用演算処理、ステップS2110の演出用演算処理及びステップS2113の報知用演算処理)が完了する前に今回の割込み処理が発生したことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。
ステップS1911又はステップS1912の処理を行った後、発光制御処理を実行する(ステップS1913)。発光制御処理では、発光用設定エリア111に設定されている発光データに基づいて上部ランプ61の発光制御を実行する。上部ランプ61の発光制御は、発光用設定エリア111に設定されている1つの発光データに基づいて実行される。
その後、音出力制御処理を実行する(ステップS1914)。音出力制御処理では、音出力用設定エリア112における報知用エリア112cに音データが設定されているか否かを判定し、報知用エリア112cに音データが設定されている場合には当該報知用エリア112cに設定されている音データに基づく音のみがスピーカ62から出力されるようにスピーカ62の音出力制御を実行する。一方、報知用エリア112cに音データが設定されていない場合であって、ベース用エリア112a及び演出用エリア112bの両方の音データが設定されている場合には、当該2つの音データに基づく音がスピーカ62から同時に出力されるようにスピーカ62の音出力制御を実行する。また、報知用エリア112cに音データが設定されていない場合であって、ベース用エリア112a及び演出用エリア112bのいずれか一方のみに音データが設定されている場合には、当該音データに基づく音のみがスピーカ62から出力されるようにスピーカ62の音出力制御を実行する。
その後、後述する役物駆動制御処理(図76(b))を実行して(ステップS1915)、本演出実行処理を終了する。
次に、演出側MPU92にて実行されるポインタ更新処理について図48のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ポインタ更新処理は、ポインタ情報の更新タイミングであると判定された場合(ステップS1901:YES)に、演出実行処理(図47)のステップS1902にて実行される。既に説明したとおり、ポインタ情報の更新タイミングは40ミリ秒周期で発生する。
ポインタ更新処理では、まず演出側RAM94の読み出し用エリア94aにおける対象レイヤカウンタ114の値を「0」クリアする(ステップS2001)。これにより、対象レイヤが第0レイヤLY0に設定される。その後、現状の対象レイヤにデータテーブルが読み出されている場合(ステップS2002:YES)、現状の参照対象のポインタ情報が最終のポインタ情報であるか否かを判定する(ステップS2003)。
ステップS2003にて肯定判定を行った場合には、最終のポインタ情報に対して、参照対象のポインタ情報を所定の数値情報に戻すことを指示するリピート情報が設定されているか否かを判定する(ステップS2004)。リピート情報には、リピート開始位置のポインタ情報を示す数値情報が含まれている。最終のポインタ情報に対してリピート情報が設定されている場合(ステップS2004:YES)には、リピート対応処理を実行する(ステップS2005)。リピート対応処理では、リピート情報に基づいてリピート開始位置のポインタ情報を示す数値情報を対象レイヤのポインタカウンタPCn(図42(a))に設定する。これにより、参照対象のポインタ情報がリピート開始位置まで戻る。
一方、ステップS2004にてリピート情報が設定されていないと判定した場合には、後述するフラグクリア処理(図66(a))を実行し(ステップS2006)、現状の対象レイヤをクリアする(ステップS2007)。ステップS2007では、具体的には、対象レイヤの展開エリアREn及びポインタカウンタPCn(図42(a))をクリアする。
ステップS2003にて参照対象のポインタ情報が最終のポインタ情報まで更新されていないと判定した場合、参照対象のポインタ情報に対してジャンプ条件が設定されているか否かを判定する(ステップS2009)。ジャンプ条件が設定されている場合(ステップS2009:YES)には、当該ジャンプ条件が満たされているか否かを判定する(ステップS2010)。そして、ジャンプ条件が満たされている場合(ステップS2010:YES)には、ポインタカウンタPCnの設定処理を実行する(ステップS2011)。
ステップS2011におけるポインタカウンタPCnの設定処理では、データテーブルにおいてジャンプ条件に対応させて設定されているジャンプ先のポインタ情報をポインタカウンタPCnにセットする。これにより、本ポインタ更新処理(図48)の1処理回で当該データテーブルにおける参照対象のポインタ情報がジャンプ先の値までジャンプする。
例えば、図45に示す第2合成演出テーブルにおいて、参照対象のポインタ情報が「t+26」~「u」のいずれかであるという条件と、第6契機が発生するという条件とが満たされた場合、本ポインタ更新処理(図48)の今回の処理回において、参照対象のポインタ情報がジャンプ先である「u+1」までジャンプする。これにより、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達している場合には第6契機の発生に基づいて第2期待演出を開始させることが可能となる。
ステップS2009にて参照対象のポインタ情報にジャンプ条件が設定されていないと判定した場合、又はステップS2010にてジャンプ条件が満たされていないと判定した場合には、参照対象のポインタ情報に対して更新条件が設定されているか否かを判定する(ステップS2012)。更新条件が設定されている場合(ステップS2012:YES)には、当該更新条件が満たされているか否かを判定する(ステップS2013)。
ステップS2012にて更新条件が設定されていないと判定した場合、又はステップS2013にて更新条件が満たされていると判定した場合には、対象レイヤにおけるポインタカウンタPCnの値を1加算することにより参照対象のポインタ情報を更新する(ステップS2014)。一方、参照対象のポインタ情報に更新条件が設定されている場合(ステップS2012:YES)であって、当該更新条件が満たされていない場合(ステップS2013:NO)には、ポインタカウンタPCnの値を1加算するステップS2014の処理は行わない。
例えば、図45に示す第2合成演出テーブルにおいて、参照対象のポインタ情報が「q」である状況において第3契機が発生しておらず当該ポインタ情報に設定されている更新条件が満たされていない場合には、当該更新条件が満たされるまで参照対象のポインタ情報が「q+1」に更新されない。これにより、第1停止に対応するストップボタン42~44のON操作が行われる前に左停止演出が開始されてしまうことが防止されている。
ステップS2002にて否定判定を行った場合、ステップS2005の処理を行った場合、ステップS2008の処理を行った場合、ステップS2011の処理を行った場合、ステップS2013にて否定判定を行った場合、又はステップS2014の処理を行った場合には、対象レイヤカウンタ114の値が「11」であるか否かを判定する(ステップS2015)。対象レイヤカウンタ114の値が「11」でない場合(ステップS2015:NO)には、対象レイヤカウンタ114の値を1加算することにより対象レイヤを更新して(ステップS2016)、ステップS2002に戻る。そして、ステップS2015にて肯定判定が行われるまでステップS2002~ステップS2016の処理を繰り返し実行する。これにより、読み出し用エリア94aにおける対象レイヤを第0レイヤLY0→第1レイヤLY1→…→第11レイヤLY11の順番で更新しながら、第0~第11レイヤLY0~LY11に読み出されている各データテーブルの参照対象のポインタ情報を更新することができる。また、第0~第11レイヤLY0~LY11において参照対象のポインタ情報が最終のポインタ情報まで更新されているとともに、当該最終のポインタ情報に対してリピート情報が設定されていない場合には、当該データテーブルが読み出されているレイヤLYnをクリアすることができる。
一方、対象レイヤカウンタ114の値が「11」である場合(ステップS2015:YES)には、全てのレイヤLY0~LY11についてポインタ情報を更新するための処理が終了したことを意味するため、本ポインタ更新処理を終了する。
次に、演出側MPU92にて実行される表示制御処理について図49のフローチャートを参照しながら説明する。なお、表示制御処理は演出側MPU92において比較的短い周期(例えば4ミリ秒)で繰り返し実行される割込み処理の最後に実行される。
表示制御処理では、まず演出側RAM94に設けられている出力待機フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS2101)。出力待機フラグは、VDP95から1フレーム分の画像信号の出力が終了したことを示す画像更新完了信号を受信する前に描画リストの作成が終了して演出側MPU92からVDP95への描画リストの出力を待機している状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。VDP95は、画像表示装置63に1フレーム分の画像信号を出力する場合、画像表示装置63の表示面の左上の隅角部分にあるドットから画像信号の出力を始めて、当該ドットを一端に含む横ライン上に並ぶドットに対して順次画像信号を出力するとともに、各横ラインに対して上から順に左から右のドットへと画像信号を出力する。そして、表示面の右下の隅角部分にあるドットに対して最後に画像信号を出力する。この場合に、VDP95は当該最後のドットに対して画像信号を出力したタイミングで、演出側MPU92へ画像更新完了信号を出力して1フレームの画像の更新が完了したことを演出側MPU92に認識させる。
ステップS2101にて出力待機フラグに「1」が設定されていないと判定した場合には、演出側RAM94における遅延中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2102)。表示制御処理では、後述する背景用演算処理(ステップS2107)、演出用演算処理(ステップS2110)及び報知用演算処理(ステップS2113)といった各種演算処理を実行する。この場合、画像表示装置63に表示させる個別画像の数、個別画像の種類及び個別画像の表示態様によって各種演算処理の実行に要する期間が変動する。なお、個別画像とは、背景データといった静止画像データにより規定される一の静止画像や、図柄スプライトデータといったスプライトデータにより規定される一のスプライトのことである。各種演算処理の実行に要する期間が変動した結果、表示制御処理において全ての演算処理の実行が完了するまでに、割込み処理の次の処理回を開始すべきタイミングとなることが起こり得る。本スロットマシン10では、表示制御処理を実行している途中で割込み処理の次の処理回を開始すべきタイミングとなった場合には、表示制御処理をそのまま続行するのではなく、割込み処理の新たな処理回を開始する構成となっている。但し、割込み処理の新たな処理回を開始する場合には、その時点における表示制御処理の演算結果を記憶保持し、その新たな処理回の割込み処理における表示制御処理にてその演算途中から演算処理を再開することで、一の更新タイミング分の演算処理が実行されないままとなってしまわないようにしている。遅延中フラグに「1」がセットされている場合には、上記のように表示制御処理における各種演算処理(ステップS2107、ステップS2110及びステップS2113の処理)の実行が一旦中断されて遅延されている状況であることを意味する。
遅延中フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2102:NO)、制御開始用の設定処理を実行する(ステップS2103)。制御開始用の設定処理では、まず演出側RAM94における表示用設定エリア113に設定されている表示用データに基づいて、今回の処理回で制御開始対象となる個別画像が存在しているか否かを判定する。存在している場合には、演出側RAM94において、個別画像の制御を行う上で各種演算を行うための空きバッファ領域を検索して、制御開始対象として把握されている個別画像に1対1で対応するように空きバッファ領域を確保する。さらに、確保した全ての空きバッファ領域に対して初期化処理を実行するとともに、初期化した空きバッファ領域に対して、個別画像に応じた制御開始用のパラメータ情報を設定する。
続くステップS2104では、制御対象の更新処理を実行する。制御対象の更新処理では、ステップS2103における制御開始用の設定処理が完了している個別画像であって今回の処理回以降に1フレーム分の絵に含まれる個別画像を制御対象として把握する。また、制御対象の更新処理では、表示用設定エリア113に設定されている表示用データに基づいて、制御対象として把握されている個別画像のうち削除対象となる個別画像を制御対象から除外する。そして、当該除外した個別画像について確保されていたバッファ領域に対して初期化処理を実行する。
その後、ステップS2105にて割込み処理の新たな起動を許可し、直後のステップS2106にて割込み処理の新たな起動を禁止した後に、背景用演算処理を実行する(ステップS2107)。背景用演算処理では、描画リストに背景用表示レイヤ101(図38)の画像についての情報を設定する上で必要なパラメータ情報を演算して導き出す。具体的には、表示用設定エリア113の背景用エリア113aに設定されている表示用データに基づいて、各遊技状態において背景の画像を構成することとなる最背面用の静止画像や背景用スプライトのうち今回の制御更新対象を把握する。また、その把握した制御更新対象について、仮想2次元平面における座標、回転角度、スケール及び透過情報などといった描画リストを作成する上で必要な各種パラメータ情報を演算して導き出す。そして、その導き出した各種パラメータ情報を、演出側RAM94において各個別画像に対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。
その後、ステップS2108にて割込み処理の新たな起動を許可し、直後のステップS2109にて割込み処理の新たな起動を禁止した後に、演出用演算処理を実行する(ステップS2110)。演出用演算処理では、描画リストに第1演出用表示レイヤ102~第5演出用表示レイヤ106(図38)の画像についての情報を設定する上で必要なパラメータ情報を演算して導き出す。具体的には、表示用設定エリア113の第1演出用エリア113b~第5演出用エリア113fに設定されている表示用データに基づいて、第1演出用表示レイヤ102~第5演出用表示レイヤ106の画像を構成する演出スプライトのうち今回の制御更新対象を把握し、当該制御更新対象について上記各種パラメータ情報を導き出す。そして、その導き出した各種パラメータ情報を、演出側RAM94において各個別画像に対応させて確保されたエリアに書き込むことで制御用の情報を更新する。
その後、ステップS2111にて割込み処理の新たな起動を許可し、直後のステップS2112にて割込み処理の新たな起動を禁止した後に、報知用演算処理を実行する(ステップS2113)。報知用演算処理では、描画リストに第1報知用表示レイヤ107~第2報知用表示レイヤ108(図38)の画像についての情報を設定する上で必要なパラメータ情報を演算して導き出す。具体的には、表示用設定エリア113の第1報知用エリア113g~第2報知用エリア113hに設定されている表示用データに基づいて、第1報知用表示レイヤ107~第2報知用表示レイヤ108の報知画像を表示するための報知スプライト及び、及び当該報知スプライトに適用する各種パラメータ情報を導き出す。
その後、演出側RAM94における演算完了フラグに「1」をセットする(ステップS2114)。既に説明したとおり、演算完了フラグは、描画リストを作成するための各種演算処理(ステップS2107の背景用演算処理、ステップS2110の演出用演算処理及びステップS2113の報知用演算処理)をそれぞれ1回ずつ実行したことを演出側MPU92にて特定するためのフラグである。
ステップS2101にて肯定判定を行った場合、又はステップS2114の処理を行った場合、VDP95から画像更新完了信号を受信したか否かを判定する(ステップS2115)。画像更新完了信号を受信している場合(ステップS2115:YES)には、描画リスト出力処理を実行する(ステップS2116)。描画リスト出力処理では、1フレーム分の絵を表示させるための描画リストを作成し、その作成した描画リストをVDP95に送信する。既に説明したとおり、VDP95では、この描画リストに従って、背景用表示レイヤ101の画像→第1演出用表示レイヤ102の画像→第2演出用表示レイヤ103の画像→第3演出用表示レイヤ104の画像→第4演出用表示レイヤ105の画像→第5演出用表示レイヤ106の画像→第1報知用表示レイヤ107の画像→第2報知用表示レイヤ108の画像の順番でこれらの表示レイヤ101~108の画像が画面奥側から画面手前に向かって順次重ねられる態様で生成される1つの合成画像についての表示データを作成する。当該表示データは、ビデオRAM96のフレーム領域に作成される。既に説明したとおり、ビデオRAM96には2つのフレーム領域が設けられており、表示データは当該2つのフレーム領域に交互に作成される。VDP95は、フレーム領域に作成した表示データに対応する1フレーム分の画像信号を画像表示装置63に出力することで、当該画像表示装置63にその表示データに対応する画像を表示させる。これにより、背景用表示レイヤ101の画像、第1演出用表示レイヤ102の画像、第2演出用表示レイヤ103の画像、第3演出用表示レイヤ104の画像、第4演出用表示レイヤ105の画像、第5演出用表示レイヤ106の画像、第1報知用表示レイヤ107の画像、及び第2報知用表示レイヤ108の画像が画面奥側から画面手前に向かって順次重ねられる態様で生成される1つの合成画像が1フレーム分の絵として画像表示装置63に表示される。
ステップS2116にて描画リスト出力処理を実行した後、演出側RAM94における出力待機フラグを「0」クリアして(ステップS2117)、本表示制御処理を終了する。一方、ステップS2115にて画像更新完了信号を受信していないと判定した場合には、演出側RAM94における出力待機フラグに「1」を設定して(ステップS2118)、本表示制御処理を終了する。
ステップS2102にて演出側RAM94における遅延中フラグに「1」が設定されていると判定した場合には、遅延中フラグを「0」クリアした後(ステップS2119)、演出側RAM94の中断時用アドレスエリアからアドレスデータを読み出すことで、前回の表示制御処理において割込み処理の新たな処理回が開始される直前に実行していた処理にジャンプする(ステップS2120)。これにより、前回の表示制御処理において中断が発生したタイミングから処理の実行を再開することが可能となる。
次に、主側MPU72にて実行されるボーナス告知用処理について図50のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ボーナス告知用処理はリール制御処理(図24)のステップS614にて実行される。
ボーナス告知用処理では、まず役の抽選処理(図14)にていずれかのボーナス当選(第1~第4BB当選及び第1~第2RB当選のいずれか)が発生したボーナス当選ゲームであるか否かを判定する(ステップS2201)。ステップS2201にて肯定判定を行った場合には、入賞判定処理(リール制御処理(図24)のステップS613)にてボーナス入賞が成立したか否かを判定する(ステップS2202)。ステップS2202にて肯定判定を行った場合には、ボーナス告知演出を実行するための処理及び再変動演出を実行するための処理(ステップS2203~ステップS2206の処理)を実行することなく、本ボーナス告知用処理を終了する。このように、ボーナス当選が発生したゲームにおいて当該ボーナス当選に対応するボーナス入賞が成立した場合には、ボーナス告知演出及び再変動演出は実行されない。この場合には、既に説明したとおり、ボーナス用処理(図34)のステップS1501にて肯定判定が行われて、ステップS1510にて演出側MPU92に対してボーナス開始コマンドが送信されることとなる。
ボーナス告知用処理(図50)の説明に戻り、ステップS2202にてボーナス入賞が成立しなかったと判定した場合には、主側RAM74に設けられたボーナス告知当選フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2203)。ボーナス告知当選フラグは、後述する告知抽選処理(演出内容決定処理(図51)のステップS2311)にてボーナス告知演出に当選したことを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。ボーナス告知当選フラグには、後述する演出内容決定処理(図51)のステップS2313にて「1」がセットされる。
ボーナス告知当選フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2203:YES)には、告知演出用のフリーズ設定処理を実行する(ステップS2204)。告知演出用のフリーズ設定処理では、主側RAM74におけるフリーズカウンタに対して、第1期待演出及びボーナス告知演出の合計の実行期間(具体的には5.5秒間)に対応する数値情報をセットする。既に説明したとおり、第1期待演出の実行期間は1.5秒間である。また、ボーナス告知演出の実行期間は4秒間である。フリーズカウンタにセットされた数値情報はタイマ割込み処理(図12)におけるタイマ減算処理(ステップS209)にて定期的に減算される。告知演出用のフリーズ設定処理(ステップS2204)にてフリーズカウンタに数値がセットされた場合、通常処理(図13)におけるステップS314にて待機する。これにより、新たなゲームの開始が待機された状態となるため、第1期待演出及びボーナス告知演出の実行中にスタートレバー41が操作されたとしても第1期待演出及びボーナス告知演出を最後まで実行することできる。このように、ボーナス告知演出が見逃されてしまうことを防止することにより、ボーナス当選が発生したことを遊技者に確実に示すことができる。その後、ボーナス告知当選フラグを「0」クリアして(ステップS2205)、本ボーナス告知用処理を終了する。
一方、主側RAM74におけるボーナス告知当選フラグに「1」がセットされていなかった場合(ステップS2203:NO)には、後述する告知抽選処理(演出内容決定処理(図51)のステップS2311)にて再変動演出に当選となったことを意味するため、主側RAM74に設けられた消化ゲーム数カウンタに6ゲームに対応する「6」の数値情報をセットして(ステップS2206)、本ボーナス告知演出を終了する。消化ゲーム数カウンタは、再変動演出の実行対象ゲームであるか否かを主側MPU72にて把握可能とするカウンタである。既に説明したとおり、ボーナス当選が発生したゲームにおいてボーナス告知演出が行われず、その後に対応するボーナス入賞が成立することなく5ゲームが消化された状態となった場合、次に開始されるゲームが再変動演出の実行対象ゲームとなる。消化ゲーム数カウンタの値は、後述する演出内容設定処理(図51)のステップS2303にて1減算される。そして、ボーナス入賞が成立することなく5ゲームが消化された場合には、次のゲームにおける演出内容設定処理(図51)のステップS2303にて消化ゲーム数カウンタの値が1減算されて「0」となり、当該ゲームが再変動演出の実行対象ゲームとなる。既に説明したとおり、再変動演出が実行される前にボーナス入賞が成立した場合、再変動演出はキャンセルされる。
ステップS2201にて否定判定を行った場合には、主側RAM74に設けられた再変動演出フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2207)。再変動演出フラグは、再変動演出の実行対象ゲームであることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。再変動演出フラグには、ボーナス当選が発生したゲームにおいてボーナス告知演出が行われず、その後に対応するボーナス入賞が成立することなく5ゲームが消化されて再変動演出の実行対象ゲームとなった場合に、後述する演出内容決定処理(図51)のステップS2305にて「1」がセットされる。
ステップS2207にて肯定判定を行った場合には、入賞判定処理(リール制御処理(図24)のステップS613)にて持ち越されているボーナス当選に対応するボーナス入賞が成立したか否かを判定する(ステップS2208)。ステップS2208にて否定判定を行った場合には、そのまま本ボーナス告知用処理を終了する。一方、ステップS2208にて肯定判定を行った場合、すなわち再変動演出の実行対象ゲームにおいてボーナス入賞が成立した場合には、主側RAM74における再変動演出フラグを「0」クリアするとともに、主側RAM74における主側演出用タイマカウンタの値を「0」クリアして(ステップS2209)、本ボーナス告知用処理を終了する。既に説明したとおり、主側演出用タイマカウンタは、第2期待演出又は再変動演出の実行対象ゲームにおいて、中停止演出及び第1期待演出の残りの実行期間を主側MPU72にて把握可能とするタイマカウンタである。ステップS2209にて再変動演出フラグ及び主側演出用タイマカウンタが「0」クリアされることにより、再変動演出が行われなくなる。このように、再変動演出の実行対象ゲームにおいて、持ち越されていたボーナス当選に対応するボーナス入賞が成立した場合、再変動演出はキャンセルされる。
次に、主側MPU72にて実行される演出内容決定処理について図51のフローチャートを参照しながら説明する。なお、演出内容決定処理は役の抽選処理(図14)のステップS415にて実行される。
演出内容決定処理では、ボーナス内部状態ST2である場合(ステップS2301:YES)、主側RAM74における消化ゲーム数カウンタの値が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS2302)。ステップS2302にて肯定判定を行った場合には、消化ゲーム数カウンタの値を1減算し(ステップS2303)、当該1減算後の消化ゲーム数カウンタの値が「0」となったか否かを判定する(ステップS2304)。ボーナス当選が発生したゲームにおいてボーナス告知演出が行われず、その後に対応するボーナス入賞が成立することなく5ゲームが消化された状態で開始されたゲーム(再変動演出の実行対象ゲーム)では、ステップS2303にて消化ゲーム数カウンタの値が1減算されることにより当該消化ゲーム数カウンタの値が「0」となる。ステップS2304にて肯定判定を行った場合には、主側RAM74に設けられた再変動演出フラグに「1」をセットする(ステップS2305)。これにより、今回のゲームが再変動演出の実行対象ゲームとなる。
一方、ステップS2301にて否定判定を行った場合には、通常遊技状態ST1であるか否かを判定し(ステップS2306)、通常遊技状態ST1である場合(ステップS2306:YES)には、役の抽選処理(図14)にていずれかのボーナス当選(第1~第4BB及び第1~第2RB当選のいずれか)が発生したゲーム(ボーナス当選ゲーム)であるか否かを判定する(ステップS2307)。ステップS2307にて否定判定を行った場合には、主側第2期待演出抽選処理を実行する(ステップS2308)。このように、主側第2期待演出抽選処理は、役の抽選処理(図14)にてボーナス当選が発生しなかったゲームにおいて実行される。ステップS2308における主側第2期待演出抽選処理では、主側第2期待演出抽選テーブルを主側ROM73から読み出す。主側第2期待演出抽選テーブルには、第2期待演出に当選する抽選結果と、第2期待演出に当選しない抽選結果とが設定されており、これらの抽選結果に対して当否を判定するための数値情報が設定されている。主側第2期待演出抽選テーブルでは、主側第2期待演出抽選において第2期待演出に当選する確率が1/20に設定されているとともに、主側第2期待演出抽選において第2期待演出に当選しない確率が19/20に設定されている。その後、主側MPU72にて定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出した主側第2期待演出抽選テーブルに対して照合する。そして、乱数カウンタから読み出した数値情報を含む数値範囲が設定されている抽選結果(第2期待演出に当選する抽選結果及び第2期待演出に当選しない抽選結果のいずれか)を特定する。
ステップS2308における主側第2期待演出抽選処理にて第2期待演出に当選した場合(ステップS2309:YES)には、主側RAM74に設けられた第2期待演出フラグに「1」をセットする(ステップS2310)。第2期待演出フラグは、第2期待演出の実行対象ゲームであることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。既に説明したとおり、ボーナス当選が発生したゲームにおいてボーナス告知演出が行われず、ボーナス入賞が成立することなく5ゲームが消化された状態となった場合、当該状態において次に開始されるゲームが再変動演出の実行対象ゲームとなる。再変動演出の実行対象ゲームでは、第2期待演出の終了後に再変動演出が実行される。一方、ステップS2308における主側第2期待演出抽選処理にて第2期待演出に当選することにより実行される第2期待演出の実行対象ゲームでは、第2期待演出が実行される一方、再変動演出は実行されない。
一方、役の抽選処理(図14)にてボーナス当選が発生した場合(ステップS2307:YES)には、告知抽選処理を実行する(ステップS2311)。告知抽選処理では、告知抽選テーブルを主側ROM73から読み出す。告知抽選テーブルには、ボーナス告知演出に当選する抽選結果と、再変動演出に当選する抽選結果とが設定されており、これらの抽選結果に対して当否を判定するための数値情報が設定されている。告知演出テーブルでは、告知演出抽選においてボーナス告知演出に当選する確率及び再変動演出に当選する確率がそれぞれ1/2に設定されている。その後、主側MPU72にて定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出した告知抽選テーブルに対して照合する。そして、乱数カウンタから読み出した数値情報を含む数値範囲が設定されている演出(ボーナス告知演出及び再変動演出のいずれか)に当選したと判定する。
ステップS2311における告知抽選処理にてボーナス告知演出に当選した場合(ステップS2312:YES)には、主側RAM74におけるボーナス告知当選フラグに「1」をセットする(ステップS2313)。これにより、ボーナス告知演出に当選したことを主側MPU72にて把握可能となる。
ステップS2302にて否定判定を行った場合、ステップS2304にて否定判定を行った場合、ステップS2305の処理を行った場合、ステップS2306にて否定判定を行った場合、ステップS2309にて否定判定を行った場合、ステップS2310の処理を実行した場合、ステップS2312にて否定判定を行った場合、又はステップS2313の処理を実行した場合には、その他の処理を実行して(ステップS2314)、本演出内容決定処理を終了する。ステップS2314におけるその他の処理では、現状の遊技状態、現状の遊技区間及び役の抽選処理(図14)の結果の組合せに対応する抽選テーブルを利用して、演出の大枠の内容を抽選により決定する。
次に、停止操作対応処理(図25)のステップS718~ステップS723の処理について説明する。停止操作対応処理では、ステップS717にて演出側MPU92に対してOFF操作コマンドを送信した後、主側RAM74における第2期待演出フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS718)。
ステップS718にて肯定判定を行った場合には、第2期待演出の実行対象ゲームであることを意味するため、第2期待演出用のフリーズ設定処理を実行する(ステップS719)。当該フリーズ設定処理では、第6契機が発生してから第2期待演出が終了するまでの期間に対応する数値情報を主側RAM74におけるフリーズカウンタにセットする。既に説明したとおり、主側RAM74には中停止演出及び第1期待演出の残りの実行期間を主側MPU72にて把握可能とする主側演出用タイマカウンタが設けられており、停止操作対応処理(図25)のステップS709にて主側演出用タイマカウンタに中停止演出の実行期間(具体的には1秒間)と、第1期待演出の実行期間(具体的には1.5秒間)との合計期間(具体的には2.5秒間)に対応する数値情報が設定される。主側演出用タイマカウンタの値は、タイマ減算処理(タイマ割込み処理(図12)のステップS209)が行われる度に1減算されるため、中停止演出又は第1期待演出の実行中である場合には主側演出用タイマカウンタの値に基づいて中停止演出及び第1期待演出の残りの実行期間を把握することが可能となっている。また、中停止演出及び第1期待演出が終了している場合には主側演出用タイマカウンタの値が「0」となっていることに基づいて中停止演出及び第1期待演出の実行期間が残っていないことを把握することが可能となっている。第2期待演出用のフリーズ設定処理(ステップS719)では、主側演出用タイマカウンタの値に基づいて中停止演出及び第1期待演出の残りの実行期間を把握する。当該残りの実行期間が0.5秒以上である場合には、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達した場合に第2期待演出が開始されることを意味するため、当該残りの実行期間から0.5秒を差し引いた期間と、第2期待演出の実行期間(具体的には1.5秒間)との合計期間に対応する数値情報をフリーズカウンタにセットする。一方、当該残りの実行期間が0.5秒未満である場合には、第1期待演出の実行期間が既に所定の期間(具体的には1秒間)に達しており、直ちに第2期待演出が開始されることを意味するため、第2期待演出の実行期間(具体的には1.5秒間)のみに対応する数値情報をフリーズカウンタにセットする。第2期待演出用のフリーズ設定処理(ステップS719)では、フリーズカウンタに対して数値情報をセットした後、主側演出用タイマカウンタの値を「0」クリアする。
ステップS719にてフリーズカウンタにセットされた数値情報はタイマ割込み処理(図12)におけるタイマ減算処理(ステップS209)にて定期的に減算される。第2期待演出用のフリーズ設定処理(ステップS719)にてフリーズカウンタに数値がセットされた場合、通常処理(図13)におけるステップS314にて待機する。既に説明したとおり、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達している状況において第6契機が発生した場合(演出側MPU92がOFF操作コマンドを受信した場合)には、第6契機が発生したタイミングで第2期待演出が開始される一方、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達するよりも前のタイミングにおいて第6契機が発生した場合には、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達したタイミングで第2期待演出が開始される。第2期待演出用のフリーズ設定処理(ステップS719)において、フリーズカウンタに対して、第6契機が発生してから第2期待演出が終了するまでの期間に対応する数値情報をセットすることにより、第1期待演出の実行期間が所定の期間に達するよりも前のタイミングで第6契機が発生した場合においても第2期待演出を最後まで実行することが可能となっている。また、既に説明したとおり、通常演出(図13)では、第2期待演出フラグに「1」がセットされている場合、当該第2期待演出フラグが「0」クリアされるまでステップS312にて待機する構成であり、第2期待演出フラグは後述するステップS720にて「0」クリアされる。このため、第2期待演出用のフリーズ設定処理(ステップS719)が実行される前に次のゲームを開始すべくスタートレバー41の操作が行われたとしても当該操作が行われたことに基づいてゲームが開始されることはない。具体的には、第3停止に対応するストップボタン42~44の長押し中にスタートレバー41の操作が行われたとしても当該操作が行われたことに基づいてゲームが開始されることはない。
その後、主側RAM74における第2期待演出フラグを「0」クリアして(ステップS720)、本停止操作対応処理を終了する。上述したとおり、第2期待演出フラグが「0」クリアされることにより、通常処理(図13)のステップS312にて否定判定が行われてステップS313以降の処理が実行されることとなる。ステップS312にて否定判定が行われた後、第2期待演出用のフリーズ設定処理(ステップS719)にて主側RAM74におけるフリーズカウンタにセットされた数値情報が「0」となるまでは、通常処理(図13)のステップS314にて否定判定が行われる。このため、第2期待演出が終了するよりも前のタイミングでスタートレバー41の操作が行われたとしても当該操作が行われたことに基づいてゲームが開始されることはない。これにより、第2期待演出を最後まで実行することが可能となっている。
一方、ステップS718にて否定判定を行った場合には、主側RAM74における再変動演出フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS721)。ステップS721にて肯定判定を行った場合には、再変動演出の実行対象ゲームであることを意味するため、再変動演出用のフリーズ設定処理を実行する(ステップS722)。当該フリーズ設定処理では、主側RAM74におけるフリーズカウンタに対して、第6契機が発生してから再変動演出が終了するまでの期間に対応する数値情報をセットする。第2期待演出用のフリーズ設定処理(ステップS719)にて既に説明したとおり、主側RAM74には中停止演出及び第1期待演出の残りの実行期間を主側MPU72にて把握可能とする主側演出用タイマカウンタが設けられており、中停止演出又は第1期待演出の実行中である場合には主側演出用タイマカウンタの値に基づいて中停止演出及び第1期待演出の残りの実行期間を把握することが可能となっている。また、中停止演出及び第1期待演出が終了している場合には主側演出用タイマカウンタの値が「0」となっていることに基づいて中停止演出及び第1期待演出の実行期間が残っていないことを把握することが可能となっている。再変動演出用のフリーズ設定処理(ステップS722)では、主側演出用タイマカウンタの値に基づいて中停止演出及び第1期待演出の残りの実行期間を把握する。当該残りの実行期間が0.5秒以上である場合には、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達した場合に第2期待演出が開始されることを意味するため、当該残りの実行期間から0.5秒を差し引いた期間と、第2期待演出の実行期間(具体的には1.5秒間)と、再変動演出の実行期間(具体的には4秒間)との合計期間に対応する数値情報をフリーズカウンタにセットする。一方、当該残りの実行期間が0.5秒未満である場合には、第1期待演出の実行期間が既に所定の期間(具体的には1秒間)に達しており、直ちに第2期待演出が開始されることを意味するため、第2期待演出の実行期間(具体的には1.5秒間)と、再変動演出の実行期間(具体的には4秒間)との合計期間に対応する数値情報をフリーズカウンタにセットする。再変動演出用のフリーズ設定処理(ステップS722)では、フリーズカウンタに対して数値情報をセットした後、主側演出用タイマカウンタの値を「0」クリアする。
再変動演出用のフリーズ設定処理(ステップS722)にてフリーズカウンタにセットされた数値情報は、タイマ割込み処理(図12)におけるタイマ減算処理(ステップS209)にて定期的に減算される。再変動演出用のフリーズ設定処理(ステップS722)にてフリーズカウンタに数値がセットされた場合、通常処理(図13)におけるステップS314にて待機する。既に説明したとおり、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達している状況において第6契機が発生した場合(演出側MPU92がOFF操作コマンドを受信した場合)には、第6契機が発生したタイミングで第2期待演出が開始される一方、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達するよりも前のタイミングにおいて第6契機が発生した場合には、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達したタイミングで第2期待演出が開始される。再変動演出用のフリーズ設定処理(ステップS722)において、フリーズカウンタに対して、第6契機が発生してから再変動演出が終了するまでの期間に対応する数値情報をセットすることにより、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達するよりも前のタイミングで第6契機が発生した場合においても再変動演出を最後まで実行することが可能となっている。また、既に説明したとおり、通常演出(図13)では、再変動演出フラグに「1」がセットされている場合、当該再変動演出フラグが「0」クリアされるまでステップS313にて待機する構成であり、再変動演出フラグは後述するステップS723にて「0」クリアされる。このため、再変動演出用のフリーズ設定処理(ステップS722)が実行される前に次のゲームを開始すべくスタートレバー41の操作が行われたとしても当該操作が行われたことに基づいてゲームが開始されることはない。具体的には、第3停止に対応するストップボタン42~44の長押し中にスタートレバー41の操作が行われたとしても当該操作が行われたことに基づいてゲームが開始されることはない。
その後、主側RAM74における再変動演出フラグを「0」クリアして(ステップS723)、本停止操作対応処理を終了する。上述したとおり、再変動演出フラグが「0」クリアされることにより、通常処理(図13)のステップS313にて否定判定が行われてステップS314以降の処理が実行されることとなる。ステップS313にて否定判定が行われた後、再変動演出用のフリーズ設定処理(ステップS722)にて主側RAM74におけるフリーズカウンタにセットされた数値情報が「0」となるまでは、通常処理(図13)のステップS314にて否定判定が行われる。このため、再変動演出が終了するよりも前のタイミングでスタートレバー41の操作が行われたとしても当該操作が行われたことに基づいてゲームが開始されることはない。これにより、再変動演出を最後まで実行することが可能となっている。
次に、演出側MPU92にて実行される通常用の演出制御処理について図52のフローチャートを参照しながら説明する。なお、通常用の演出制御処理は演出側MPU92において比較的短い周期(例えば4ミリ秒)で繰り返し実行される割込み処理にて実行される。
通常用の演出制御処理では、まず現状の遊技状態が通常遊技状態ST1又はボーナス内部状態ST2であるか否かを判定する(ステップS2401)。ステップS2401にて肯定判定を行った場合には、主側MPU72からボーナス開始コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS2402)、ボーナス開始コマンドを受信している場合(ステップS2402:YES)には、後述するボーナス開始時の演出設定処理を実行して(ステップS2403)、本通常用の演出制御処理を終了する。
ステップS2402にて否定判定を行った場合には、主側MPU72から入賞結果コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2404)。ステップS2404にて肯定判定を行った場合には、後述する入賞結果対応処理を実行して(ステップS2405)、本通常用の演出制御処理を終了する。
ステップS2404にて否定判定を行った場合には、演出側RAM94に設けられたいずれかの種別告知演出フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2406)。種別告知演出フラグは、種別告知演出を実行すべきこと、及び実行すべき種別告知演出の種類を演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。本スロットマシン10では、ボーナス告知演出又は再変動演出が実行された後、発生したボーナス当選(第1~第4BB当選及び第1~第2RB当選のいずれか)に対応するボーナス入賞が成立するまでに実行されるゲームにおいて、当該ボーナス当選の種類に対応する種別告知演出が実行される。種別告知演出では、今回発生したボーナス当選に対応するボーナス入賞を成立させる図柄の組合せを示すボーナス種別告知画像が画像表示装置63に表示される。例えば、今回発生したボーナス当選の種類が第1BB当選である場合、画像表示装置63には第1BB入賞を成立させる図柄の組合せに対応する「赤7・赤7・赤7」というボーナス種別告知画像が表示される。画像表示装置63にボーナス入賞を成立させる図柄の組合せが表示されることにより、遊技者は当該図柄の組合せを把握した上でストップボタン42~44の操作を行うことができる。演出側RAM94には、ボーナス当選の種類に1対1で対応させて種別告知演出フラグが設けられている。演出側MPU92は、いずれかの種別告知演出フラグに「1」がセットされていることに基づいて種別告知演出を実行すべきゲームであることを把握するとともに、「1」がセットされている種別告知演出フラグの種類に基づいて実行すべき種別告知演出の種類を把握する。種別告知演出フラグには、後述する第2演出情報設定処理(図54)のステップS2608にて「1」がセットされる。
ステップS2406にて肯定判定を行った場合には、種別告知演出用処理を実行して(ステップS2407)、本通常用の演出制御処理を終了する。ステップS2407における種別告知演出用処理では、ゲーム開始コマンドを受信したことに基づいて、「1」がセットされている種別告知演出フラグに対応する種別告知演出を実行するための種別告知演出テーブルを演出側ROM93から読み出し用エリア94aに読み出す。種別告知演出テーブルは第0レイヤLY0に読み出される。当該読み出された種別告知演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより種別告知演出が実行される。
一方、ステップS2406にて否定判定を行った場合には、主側MPU72からゲーム開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2408)。ゲーム開始コマンドを受信した場合(ステップS2408:YES)、すなわち第1契機が発生した場合には、ゲーム開始時のクリア処理を実行する(ステップS2409)。ゲーム開始時のクリア処理では、読み出し用エリア94aにおける第0~第8レイヤLY0~LY8をクリアする。これにより、前回のゲームの演出を実行するために第0~第8レイヤLY0~LY8に読み出されたデータテーブルがクリアされる。また、ステップS2409におけるゲーム開始時のクリア処理では、演出側RAM94に設けられた第1合成フラグ及び第2合成フラグを「0」クリアする。第1合成フラグは、第1合成演出テーブルを作成すべきことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグであるとともに、第2合成フラグは、第2合成演出テーブルを生成すべきことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。
その後、通常遊技状態ST1における各種演出の情報を設定する第1演出情報設定処理を実行する(ステップS2410)。図53は第1演出情報設定処理を示すフローチャートである。
第1演出情報設定処理では、まず通常用ベース演出の種別設定処理を実行する(ステップS2501)。通常用ベース演出の種別設定処理では、まず実行対象とする通常用ベース演出テーブルを決定するための通常用ベース演出抽選を行う。通常用ベース演出抽選では、通常用ベース演出抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す。既に説明したとおり、演出側ROM93の通常用ベース演出テーブル記憶エリア93a(図41(a))には、通常遊技状態ST1に対応する通常用ベース演出を行うための演出テーブルとして6種類の通常用ベース演出テーブルが記憶されている。通常用ベース演出抽選テーブルには当該6種類の通常用ベース演出テーブルの種別情報(1~6のいずれかの数値情報)が設定されており、各通常用ベース演出テーブルの種別情報には当否を判定するための数値範囲が設定されている。その後、演出側RAM94において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出した通常用ベース演出抽選テーブルに対して照合する。そして、乱数カウンタから読み出した数値情報を含む数値範囲が設定されている通常用ベース演出テーブルを読み出し対象として特定する。その後、当該特定した通常用ベース演出テーブルの種別情報を演出側RAM94に設けられたベース演出情報カウンタ115(図41(b))に設定する。ベース演出情報カウンタ115は、通常用ベース演出抽選にて読み出し対象として特定された通常用ベース演出テーブルを演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。なお、既に説明したとおり、演出側ROM93の図柄変動演出テーブル記憶エリア93bに記憶されている図柄変動演出テーブルは1種類であるとともに、演出側ROM93の有効報知演出テーブル記憶エリア93cに記憶されている有効報知演出テーブルは1種類であるため、図柄変動演出及び有効報知演出の種別情報を設定するための処理は実行しない。
その後、左停止演出の種別設定処理を実行する(ステップS2502)。左停止演出の種別設定処理では、まず実行対象とする左停止演出テーブルを決定するための左停止演出抽選を行う。左停止演出抽選では、左停止演出抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す。既に説明したとおり、演出側ROM93の左停止演出テーブル記憶エリア93d(図41(a))には、左停止演出を行うための演出テーブルとして9種類の左停止演出テーブルが記憶されている。左停止演出抽選テーブルには当該9種類の左停止演出テーブルの種別情報(1~9のいずれかの数値情報)が設定されており、各左停止演出テーブルの種別情報には当否を判定するための数値範囲が設定されている。その後、演出側RAM94において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出した左停止演出抽選テーブルに対して照合する。そして、乱数カウンタから読み出した数値情報を含む数値範囲が設定されている左停止演出テーブルを読み出し対象として特定する。その後、当該特定した左停止演出テーブルの種別情報を演出側RAM94に設けられた左停止演出情報カウンタ116(図41(b))に設定する。左停止演出情報カウンタ116は、左停止演出抽選にて読み出し対象として特定された左停止演出テーブルを演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。
その後、今回の役の抽選処理(図14)においていずれかのボーナス役(第1BB役~第4BB役及び第1RB役~第2RB役のいずれか)に当選したか否かを判定する(ステップS2503)。ステップS2503にて否定判定を行った場合には、主側MPU72から受信したゲーム開始コマンドに設定されている情報に基づいて、第2期待演出又は再変動演出の実行対象ゲームであるか否かを判定する(ステップS2504)。ステップS2504では、主側第2期待演出抽選処理(演出内容決定処理(図51)のステップS2308)にて第2期待演出に当選した場合(ステップS2309:YES)、及びボーナス当選が発生したゲームにおいて再変動演出に当選し、ボーナス入賞が成立することなく5ゲームが消化された後に再変動演出の実行対象ゲームとなった場合に肯定判定を行う。ステップS2504にて否定判定を行った場合には、右停止演出の種別設定処理を実行する(ステップS2505)。
ステップS2505における右停止演出の種別設定処理では、まず実行対象とする右停止演出テーブルを決定するための右停止演出抽選を行う。右停止演出抽選では、右停止演出抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す。既に説明したとおり、演出側ROM93の右停止演出テーブル記憶エリア93e(図41(a))には、通常遊技状態ST1に対応する右停止演出を行うための演出テーブルとして9種類の右停止演出テーブルが記憶されている。右停止演出抽選テーブルには当該9種類の右停止演出テーブルの種別情報(1~9のいずれかの数値情報)が設定されており、各右停止演出テーブルの種別情報には当否を判定するための数値範囲が設定されている。その後、演出側RAM94において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出した右停止演出抽選テーブルに対して照合する。そして、乱数カウンタから読み出した数値情報を含む数値範囲が設定されている右停止演出テーブルを読み出し対象として特定する。その後、当該特定した右停止演出テーブルの種別情報を演出側RAM94に設けられた右停止演出情報カウンタ117(図41(b))に設定する。右停止演出情報カウンタ117は、実行対象として特定された右停止演出テーブルを演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。演出側MPU92は、右停止演出情報カウンタ117の値に基づいて読み出し対象の右停止演出テーブルを特定する。
その後、中停止演出の種別設定処理を実行する(ステップS2506)。中停止演出の種別設定処理では、まず実行対象とする中停止演出テーブルを決定するための中停止演出抽選を行う。中停止演出抽選では、中停止演出抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す。既に説明したとおり、演出側ROM93の中停止演出テーブル記憶エリア93h(図41(a))には、中停止演出を行うための演出テーブルとして9種類の中停止演出テーブルが記憶されている。中停止演出抽選テーブルには当該9種類の中停止演出テーブルの種別情報(1~9のいずれかの数値情報)が設定されており、各中停止演出テーブルの種別情報には当否を判定するための数値範囲が設定されている。その後、演出側RAM94において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出した中停止演出抽選テーブルに対して照合する。そして、乱数カウンタから読み出した数値情報を含む数値範囲が設定されている中停止演出テーブルを読み出し対象として特定する。その後、当該特定した中停止演出テーブルの種別情報を演出側RAM94に設けられた中停止演出情報カウンタ118(図41(b))に設定する。中停止演出情報カウンタ118は、実行対象として特定された中停止演出テーブルを演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。
その後、リーチ状態が発生するか否かについて判定する(ステップS2507)。具体的には、ステップS2502にて左停止演出情報カウンタ116に設定された種別情報(1~9のいずれかの数値情報)と、ステップS2505にて右停止演出情報カウンタ117に設定された種別情報(1~9のいずれかの数値情報)とが同一の値である場合にリーチ状態が発生すると判定する。ステップS2507にてリーチ状態が発生しないと判定した場合には、そのまま本演出情報設定処理を終了する。既に説明したとおり、リーチ状態が発生しない場合には、中停止演出が終了することにより1ゲームの演出が終了する。
一方、ステップS2507にてリーチ状態が発生すると判定した場合には、中図柄調整処理を実行する(ステップS2508)。中図柄調整処理では、ステップS2506にて中停止演出情報カウンタ118に設定された種別情報(1~9のいずれかの数値情報)がステップS2502にて左停止演出情報カウンタ116に設定された種別情報、及びステップS2505にて右停止演出情報カウンタ117に設定された種別情報と同一の値である場合に、中停止演出情報カウンタ118に設定されている数値情報をずらす処理を実行する。具体的には、中停止演出情報カウンタ118の値から1減算し、当該1減算後の数値情報が「0」となる場合には中停止演出情報カウンタ118に「9」の数値情報をセットする。これにより、役の抽選処理(図14)において外れ結果となったにも関わらず、画像表示装置63において左図柄画像G5、右図柄画像G6及び中図柄画像G7が示す数字が全て一致してしまうことが防止されている。
その後、外れ時の第1期待演出抽選処理を実行する(ステップS2509)。既に説明したとおり、本実施形態では、役の抽選処理(図14)においてボーナス当選が発生しなかった場合にも第1期待演出が実行される場合がある。ステップS2509における外れ時の第1期待演出抽選処理では、まず外れ時の第1期待演出抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す。既に説明したとおり、第1期待演出として、画像表示装置63に泡画像G8が表示される演出と、水流画像G9が表示される演出と、渦巻き画像G10が表示される演出と、魚群画像G11が表示される演出と、巨大キャラクタ画像G12が表示される演出との5種類が存在しており、演出側ROM93の第1期待演出テーブル記憶エリア93i(図41(a))には、5種類の第1期待演出テーブルが記憶されている。外れ時の第1期待演出抽選テーブルには当該5種類の第1期待演出テーブルの種別情報(1~5のいずれかの数値情報)が設定されており、各第1期待演出テーブルの種別情報には当否を判定するための数値範囲が設定されている。外れ時の第1期待演出抽選テーブルにおいて、ボーナス当選の期待度が低いことを報知する泡画像G8の当選確率及び水流画像G9の当選確率は1/5に設定されており、ボーナス当選の期待度が高いことを報知する渦巻き画像G10の当選確率及び魚群画像G11の当選確率は1/10に設定されており、ボーナス当選の期待度が非常に高いことを報知する巨大キャラクタ画像G12の当選確率は1/20に設定されており、いずれの第1期待演出にも当選しない確率は7/20に設定されている。このように、ボーナス当選の期待度が高い期待演出画像であるほど、外れ時の第1期待演出抽選における当選確率が低くなるように設定されている。その後、演出側RAM94において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出した外れ時の第1期待演出抽選テーブルに対して照合する。これにより、第1期待演出の有無、及び第1期待演出が実行される場合における第1期待演出テーブルの種別が特定される。
外れ時の第1期待演出抽選処理(ステップS2509)においていずれかの第1期待演出に当選した場合(ステップS2510:YES)には、外れ時の第1期待演出抽選処理において特定した第1期待演出の種別情報を演出側RAM94に設けられた第1期待演出情報カウンタ119(図41(b))に設定する(ステップS2511)。第1期待演出情報カウンタ119は、実行対象として特定された第1期待演出テーブルを演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。
その後、報知演出抽選処理を実行する(ステップS2512)。報知演出抽選処理では、まずリーチ報知演出及び長押し報知演出のうち今回実行対象となる報知演出の種類を決定するための報知演出抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す。報知演出抽選テーブルにおいて、リーチ報知演出抽選に当選する確率は1/2に設定されているとともに、長押し報知演出に当選する確率は1/2に設定されている。その後、演出側RAM94において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出した報知演出抽選テーブルに対して照合する。これにより、リーチ報知演出及び長押し報知演出のいずれか一方を実行対象の報知演出として特定する。
報知演出抽選処理(ステップS2512)にてリーチ報知演出に当選した場合(ステップS2513:YES)には、演出側RAM94に設けられたリーチ報知演出フラグに「1」をセットして(ステップS2514)、本第1演出情報設定処理を終了する。リーチ報知演出フラグは、リーチ報知演出を実行すべきことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。一方、ステップS2513にて否定判定を行った場合、すなわち報知演出抽選処理(ステップS2512)にて長押し報知演出に当選した場合には、演出側RAM94に設けられた長押し報知演出フラグに「1」をセットして(ステップS2515)、本第1演出情報設定処理を終了する。長押し報知演出フラグは、長押し報知演出を実行すべきことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。
ステップS2503にて肯定判定を行った場合、すなわち役の抽選処理(図14)においていずれかのボーナス当選(第1~第4BB当選及び第1~第2RB当選のいずれか)が発生したゲームであると判定した場合には、演出側RAM94に設けられた対応する当選フラグに「1」をセットする(ステップS2516)。演出側RAM94には、第1BB当選が発生したことを演出側MPU92にて把握可能とする第1BB当選フラグと、第2BB当選が発生したことを演出側MPU92にて把握可能とする第2BB当選フラグと、第3BB当選が発生したことを演出側MPU92にて把握可能とする第3BB当選フラグと、第4BB当選が発生したことを演出側MPU92にて把握可能とする第4BB当選フラグと、第1RB当選が発生したことを演出側MPU92にて把握可能とする第1RB当選フラグと、第2RB当選が発生したことを演出側MPU92にて把握可能とする第2RB当選フラグとが設けられている。ステップS2516では、今回発生したボーナス当選に対応する当選フラグに「1」をセットする。
その後、主側MPU72から受信したゲーム開始コマンドに設定されている情報に基づいて、告知抽選処理(演出内容決定処理(図51)のステップS2311)にてボーナス告知演出に当選したか否かを判定する(ステップS2517)。ボーナス告知演出に当選していない場合(ステップS2517:NO)には、ステップS2505に進み、既に説明したステップS2505~ステップS2515の処理を実行する。このように、ボーナス当選が発生したゲームにおいて告知抽選処理(演出内容決定処理(図51)のステップS2311)にてボーナス告知演出に当選せずに再変動演出に当選した場合には、第2期待演出及び再変動演出は実行されない。この場合には、既に説明したとおり、ボーナス入賞が成立することなく5ゲームが消化された状態において開始されるゲームが再変動演出の実行対象ゲームとなる。
ステップS2504にて肯定判定を行った場合、又はステップS2517にて肯定判定を行った場合には、第2演出情報設定処理を実行して(ステップS2518)、本第1演出情報設定処理を終了する。図54は第2演出情報設定処理を示すフローチャートである。
第2演出情報設定処理では、まず演出側RAM94における左停止演出情報カウンタ116に設定されている種別情報(1~9のいずれかの数値情報)と同一の種別情報を右停止演出情報カウンタ117に設定する(ステップS2601)。これにより、右停止演出において画像表示装置63の右側領域に停止する右図柄画像G6が示す数字と、左停止演出において画像表示装置63の左側領域に停止する左図柄画像G5が示す数字とが一致してリーチ状態が発生することとなる。
その後、左停止演出情報カウンタ116にセットされている種別情報(1~9のいずれかの数値情報)に対応する種別情報を演出側RAM94における中停止演出情報カウンタ118にセットする(ステップS2602)。具体的には、左停止演出情報カウンタ116にセットされている種別情報を読み出し、当該読み出した種別情報に1加算する。そして、当該1加算後の数値情報が最大値である「9」を上回っていない場合には当該1加算後の数値情報を中停止演出情報カウンタ118にセットするとともに、当該1加算後の数値情報が最大値である「9」を上回っている場合には「1」の数値情報を中停止演出情報カウンタ118にセットする。これにより、画像表示装置63の中央領域には、左図柄画像G5及び右図柄画像G6が示す数字の1つ前の数字を示す中図柄画像G7が停止することとなる。
その後、当選時の第1期待演出抽選処理を実行する(ステップS2603)。当選時の第1期待演出抽選処理では、まず当選時の第1期待演出抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す。図40(a)~図40(e)を参照しながら既に説明したとおり、第1期待演出として、画像表示装置63に泡画像G8が表示される演出と、水流画像G9が表示される演出と、渦巻き画像G10が表示される演出と、魚群画像G11が表示される演出と、巨大キャラクタ画像G12が表示される演出との5種類が存在しており、演出側ROM93の第1期待演出テーブル記憶エリア93i(図41(a))には、5種類の第1期待演出テーブルが記憶されている。当選時の第1期待演出抽選テーブルには当該5種類の第1期待演出テーブルの種別情報(1~5のいずれかの数値情報)が設定されており、各第1期待演出テーブルの種別情報には当否を判定するための数値範囲が設定されている。当選時の第1期待演出抽選テーブルにおいて、ボーナス当選の期待度が低いことを報知する泡画像G8の当選確率及び水流画像G9の当選確率は1/10に設定されており、ボーナス当選の期待度が高いことを報知する渦巻き画像G10の当選確率及び魚群画像G11の当選確率は1/5に設定されており、ボーナス当選の期待度が非常に高いことを報知する巨大キャラクタ画像G12の当選確率は2/5に設定されている。このように、ボーナス当選の期待度が高い期待演出画像であるほど、当選時の第1期待演出抽選における当選確率が高くなるように設定されている。当選時の第1期待演出抽選では、いずれかの第1期待演出に必ず当選する。その後、演出側RAM94において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出した当選時の第1期待演出抽選テーブルに対して照合する。これにより、読み出し対象となる第1期待演出テーブルの種別が特定される。
その後、当選時の第1期待演出抽選処理(ステップS2603)において特定した第1期待演出の種別情報(「1」~「5」のいずれかの数値情報)を演出側RAM94における第1期待演出情報カウンタ119(図41(b))に設定する(ステップS2604)。
その後、主側MPU72から受信したゲーム開始コマンドに設定されている情報に基づいて、今回のゲームが第2期待演出又は再変動演出の実行対象ゲームであるか否かを判定する(ステップS2605)。既に説明したとおり、第2期待演出は、第2期待演出の実行対象ゲーム及び再変動演出の実行対象ゲームのいずれかにおいて実行される演出である。再変動演出の実行対象ゲームでは、第1期待演出及び第2期待演出が実行され、第2期待演出の終了後に再変動演出が実行される。また、既に説明したとおり、第2期待演出が実行されるゲーム(第2期待演出又は再変動演出の実行対象ゲーム)では第4契機の発生に基づいて長押し報知演出が実行されるとともに、ボーナス告知演出の実行対象ゲームでは第4契機の発生に基づいてリーチ報知演出が実行される。ステップS2605では、ボーナス当選が発生したゲームでない場合には、第2期待演出又は再変動演出の実行対象ゲームであるため、肯定判定を行う。また、ステップS2605では、ボーナス当選が発生したゲームであるとともに告知抽選処理(演出内容決定処理(図51)のステップS2311)にてボーナス告知演出に当選した場合には、第2期待演出及び再変動演出を実行しないため、否定判定を行う。ステップS2605にて否定判定を行った場合には、第2期待演出が実行されないゲームであることを意味するため、演出側RAM94におけるリーチ報知演出フラグに「1」をセットし(ステップS2606)、演出側RAM94に設けられたボーナス告知演出フラグ122(図41(b))に「1」をセットする(ステップS2607)。ボーナス告知演出フラグ122は、ボーナス告知演出を実行すべきであることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。
その後、今回のボーナス当選の種類に対応する種別告知演出フラグに「1」をセットして(ステップS2608)、本第2演出情報設定処理を終了する。既に説明したとおり、演出側RAM94には、ボーナス当選の種類に1対1で対応させて種別告知演出フラグが設けられている。また、既に説明したとおり、ボーナス当選が発生した場合には第1演出情報設定処理(図53)のステップS2516にて当該ボーナス当選の種類に対応する当選フラグに「1」がセットされる。ステップS2608では、「1」がセットされている当選フラグの種類に基づいて発生しているボーナス当選の種類を把握し、当該ボーナス当選の種類に対応する種別告知演出フラグに「1」をセットする。これにより、次回以降のゲームにおいて、持ち越されているボーナス当選の種類に対応する種別告知演出が実行されることとなる。
一方、ステップS2605にて肯定判定を行った場合には、演出側第2期待演出抽選処理を実行する(ステップS2609)。演出側第2期待演出抽選処理では、まずボーナス当選の発生状況に対応する第2期待演出抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す。具体的には、再変動演出の実行対象ゲームであってBB当選が発生している場合にはBB当選時の第2期待演出抽選テーブルを演出側ROM93から読み出すとともに、再変動演出の実行対象ゲームであってRB当選が発生している場合にはRB当選時の第2期待演出抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す。また、第2期待演出の実行対象ゲームである場合には外れ時の第2期待演出抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す。図40(a)~図40(e)を参照しながら既に説明したとおり、第2期待演出として、画像表示装置63に泡画像G8が表示される演出と、水流画像G9が表示される演出と、渦巻き画像G10が表示される演出と、魚群画像G11が表示される演出と、巨大キャラクタ画像G12が表示される演出との5種類が存在しており、演出側ROM93の第2期待演出テーブル記憶エリア93k(図41(a))には、5種類の第2期待演出テーブルが記憶されている。BB当選時の第2期待演出抽選テーブル、RB当選時の第2期待演出抽選テーブル及び外れ時の第2期待演出抽選テーブルには、当該5種類の第2期待演出テーブルの種別情報(1~5のいずれかの数値情報)が設定されており、各第2期待演出テーブルの各種別情報には当否を判定するための数値範囲が設定されている。
演出側第2期待演出抽選処理(ステップS2609)では、いずれかの第2期待演出に必ず当選する。BB当選時の第2期待演出抽選テーブルにおいて、ボーナス当選が発生した場合におけるBB当選の期待度が低いことを報知する泡画像G8及び渦巻き画像G10の当選確率は1/10に設定されており、ボーナス当選が発生した場合におけるBB当選の期待度が高いことを報知する水流画像G9及び魚群画像G11の当選確率は1/5に設定されており、ボーナス当選が発生した場合におけるBB当選の期待度が非常に高いことを報知する巨大キャラクタ画像G12の当選確率は2/5に設定されている。このように、BB当選時の第2期待演出抽選テーブルでは、ボーナス当選が発生した場合におけるBB当選の期待度が低い泡画像G8及び渦巻き画像G10の当選確率が最も低く設定されているとともに、ボーナス当選が発生した場合におけるBB当選の期待度が最も高い巨大キャラクタ画像G12の当選確率が最も高く設定されている。
RB当選時の第2期待演出抽選テーブルにおいて、ボーナス当選が発生している場合におけるBB当選の期待度が低いことを報知する泡画像G8及び渦巻き画像G10の当選確率は3/8に設定されており、ボーナス当選が発生している場合におけるBB当選の期待度が高いことを報知する水流画像G9の当選確率及び魚群画像G11の当選確率は1/10に設定されており、ボーナス当選が発生している場合におけるBB当選の期待度が非常に高いことを報知する巨大キャラクタ画像G12の当選確率は1/20に設定されている。このように、RB当選時の第2期待演出抽選テーブルでは、ボーナス当選が発生している場合におけるBB当選の期待度が低いことを報知する泡画像G8及び渦巻き画像G10の当選確率が高く設定されているとともに、ボーナス当選が発生している場合におけるBB当選の期待度が高いことを報知する水流画像G9及び魚群画像G11の当選確率が低く設定されている。そして、ボーナス当選が発生している場合におけるBB当選の期待度が非常に高いことを報知する巨大キャラクタ画像G12の当選確率が最も低く設定されている。
外れ時の第2期待演出抽選テーブルにおいて、ボーナス当選が発生している場合におけるBB当選の期待度が低いことを報知する泡画像G8及び渦巻き画像G10の当選確率は17/40に設定されており、ボーナス当選が発生している場合におけるBB当選の期待度が高いことを報知する水流画像G9の当選確率及び魚群画像G11の当選確率は1/20に設定されており、ボーナス当選が発生している場合におけるBB当選の期待度が非常に高いことを報知する巨大キャラクタ画像G12の当選確率は1/20に設定されている。このように、外れ時の第2期待演出抽選テーブルでは、ボーナス当選が発生している場合におけるBB当選の期待度が低いことを報知する泡画像G8及び渦巻き画像G10の当選確率が高く設定されているとともに、ボーナス当選が発生している場合におけるBB当選の期待度が高いことを報知する水流画像G9及び魚群画像G11の当選確率が低く設定されている。そして、ボーナス当選が発生している場合におけるBB当選の期待度が非常に高いことを報知する巨大キャラクタ画像G12の当選確率が最も低く設定されている。
BB当選時の第2期待演出抽選テーブル、RB当選時の第2期待演出抽選テーブル及び外れ時の第2期待演出抽選テーブルにおける各期待演出画像の当選確率が上記のように設定されていることにより、第2期待演出において泡画像G8及び渦巻き画像G10のいずれかが表示されることによりボーナス当選が発生した場合におけるBB当選の期待度が低いことが報知され、第2期待演出において水流画像G9及び魚群画像G11のいずれかが表示されることによりボーナス当選が発生した場合におけるBB当選の期待度が高いことが報知され、第2期待演出において巨大キャラクタ画像G12が表示されることによりボーナス当選が発生した場合におけるBB当選の期待度が非常に高いことが報知される。
ステップS2609における演出側第2期待演出抽選処理では、ボーナス当選の発生状況に対応する第2期待演出抽選テーブルを演出側ROM93から読み出した後、演出側RAM94において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出した第2期待演出抽選テーブルに対して照合する。これにより、第2期待演出テーブルの種別が特定される。
その後、演出側第2期待演出抽選処理(ステップS2609)にて特定した第2期待演出の種別情報を演出側RAM94に設けられた第2期待演出情報カウンタ121(図41((b))に設定する(ステップS2610)。第2期待演出情報カウンタ121は、実行対象として特定された第2期待演出テーブルを演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。その後、主側MPU72から受信したゲーム開始コマンドに設定されている情報に基づいて、今回のゲームが再変動演出の実行対象ゲームであるか否かを判定する(ステップS2611)。ステップS2611にて否定判定を行った場合には、演出側RAM94に設けられた第1合成フラグに「1」をセットして(ステップS2612)、本第2演出情報設定処理を終了する。既に説明したとおり、第1合成フラグは、第1合成演出テーブルを作成すべきことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。
一方、再変動演出の実行対象ゲームであると判定した場合(ステップS2611:YES)には、再変動演出の種別設定処理を実行する(ステップS2613)。再変動演出の種別設定処理では、演出側RAM94における中停止演出情報カウンタ118に格納されている数値情報に対応する種別情報を演出側RAM94に設けられた再変動演出情報カウンタ123に設定する。再変動演出情報カウンタ123は、読み出し対象となった再変動演出テーブルを演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。具体的には、中停止演出情報カウンタ118に設定されている数値情報を読み出し、当該数値情報を1減算する。そして、当該1減算後の数値情報が最小値である「1」以上であれば当該1減算後の数値情報を再変動演出情報カウンタ123に設定するとともに、当該1減算後の数値情報が最小値である「1」を下回る場合には最大値である「9」の数値情報を再変動演出情報カウンタ123に設定する。
その後、演出側RAM94に設けられた第2合成フラグに「1」をセットする(ステップS2614)。既に説明したとおり、第2合成フラグは、第2合成演出テーブルを生成すべきことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。その後、持ち越されているボーナス当選の種類に対応する種別告知演出フラグに「1」をセットして(ステップS2615)、本第2演出情報設定処理を終了する。既に説明したとおり、ボーナス当選が発生した場合には第1演出情報設定処理(図53)のステップS2516にて当該ボーナス当選の種類に対応する当選フラグに「1」がセットされる。ステップS2615では、既に説明したステップS2608と同様に、「1」がセットされている当選フラグの種類に基づいて持ち越されているボーナス当選の種類を把握し、当該ボーナス当選の種類に対応する種別告知演出フラグに「1」をセットする。これにより、次回以降のゲームにおいて、持ち越されているボーナス当選の種類に対応する種別告知演出が実行されることとなる。
通常用の演出制御処理(図52)の説明に戻り、ステップS2410にて第1演出情報設定処理を実行した後、通常用ベース演出テーブルの読み出し処理を実行する(ステップS2411)。通常用ベース演出テーブルの読み出し処理では、演出側RAM94におけるベース演出情報カウンタ115に設定されている種別情報に対応する通常用ベース演出テーブルを演出側ROM93の通常用ベース演出テーブル記憶エリア93aから読み出す。通常用ベース演出テーブルは読み出し用エリア94aの第0レイヤLY0に読み出される。その後、ベース演出情報カウンタ115を「0」クリアする。
ステップS2411にて通常用ベース演出テーブルの読み出し処理を実行した後、演出側RAM94における第1合成フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2412)。第1合成フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2412:YES)には、演出側ROM93の合成用テーブル記憶エリア93nから第1合成用テーブルを読み出し(ステップS2413)、第1合成演出テーブルを生成するための第1合成処理を実行する(ステップS2414)。
ステップS2414における第1合成処理では、図柄変動演出テーブルを演出側ROM93の図柄変動演出テーブル記憶エリア93bから読み出し、当該図柄変動演出テーブルに設定されている演出用データをステップS2413にて読み出した第1合成用テーブルの「0」~「p」のポインタ情報に対して設定する。その後、有効報知演出テーブルを演出側ROM93の有効報知演出テーブル記憶エリア93cから読み出し、当該有効報知演出テーブルに設定されている演出用データを第1合成用テーブルの「p+1」~「q」のポインタ情報に対して設定する。その後、演出側RAM94における左停止演出情報カウンタ116に設定されている種別情報に対応する左停止演出テーブルを演出側ROM93の左停止演出テーブル記憶エリア93dから読み出し、当該左停止演出テーブルに設定されている演出用データを第1合成用テーブルの「q+1」~「r」のポインタ情報に対して設定する。その後、演出側RAM94における右停止演出情報カウンタ117に設定されている種別情報に対応する右停止演出テーブルを演出側ROM93の右停止演出テーブル記憶エリア93eから読み出し、当該右停止演出テーブルに設定されている演出用データのうち表示用データのアドレス情報及び設定先情報を第1合成用テーブルの「r+1」~「s」のポインタ情報に対して設定する。またリーチ報知演出テーブルを演出側ROM93のリーチ報知演出テーブル記憶エリア93fから読み出し、当該リーチ報知演出テーブルに設定されている音データを第1合成用テーブルの「r+1」~「s」のポインタ情報に対して設定する。これにより、右停止演出に合わせてリーチ報知音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御が行われることとなる。その後、演出側RAM94における中停止演出情報カウンタ118に設定されている種別情報に対応する中停止演出テーブルを演出側ROM93の中停止演出テーブル記憶エリア93hから読み出し、当該中停止演出テーブルに設定されている演出用データを第1合成用テーブルの「s+1」~「t」のポインタ情報に対して設定する。その後、演出側RAM94における第1期待演出情報カウンタ119に設定されている種別情報に対応する第1期待演出テーブルを演出側ROM93の第1期待演出テーブル記憶エリア93iから読み出し、当該第1期待演出テーブルの演出実行領域に設定されている演出用データを第1合成用テーブルの「t+1」~「u」のポインタ情報に対して設定する。その後、演出側RAM94における第2期待演出情報カウンタ121に設定されている種別情報に対応する第2期待演出テーブルを演出側ROM93の第2期待演出テーブル記憶エリア93kから読み出し、当該第2期待演出テーブルに設定されている演出用データを第1合成用テーブルの「u+1」~「v」のポインタ情報に対して設定する。これにより、第1合成演出テーブルが生成される。その後、演出側RAM94における左停止演出情報カウンタ116、右停止演出情報カウンタ117、中停止演出情報カウンタ118、第1期待演出情報カウンタ119、及び第2期待演出情報カウンタ121を「0」クリアする。
その後、第1合成演出テーブルの読み出し処理を実行して(ステップS2415)、本通常用の演出制御処理を終了する。ステップS2415における第1合成演出テーブルの読み出し処理では、ステップS2414にて生成した第1合成演出テーブルを読み出し用エリア94aにおける第1レイヤLY1に読み出す。
一方、ステップS2412にて第1合成フラグに「1」がセットされていないと判定した場合には、演出側RAM94における第2合成フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2416)。第2合成フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2416:YES)には、演出側ROM93の合成用テーブル記憶エリア93nから第2合成用テーブルを読み出し(ステップS2417)、第2合成演出テーブルを生成するための第2合成処理を実行する(ステップS2418)。
ステップS2418における第2合成処理では、図柄変動演出テーブルを演出側ROM93の図柄変動演出テーブル記憶エリア93bから読み出し、当該図柄変動演出テーブルに設定されている演出用データをステップS2417にて読み出した第2合成用テーブルの「0」~「p」のポインタ情報に対して設定する。その後、有効報知演出テーブルを演出側ROM93の有効報知演出テーブル記憶エリア93cから読み出し、当該有効報知演出テーブルに設定されている演出用データを第2合成用テーブルの「p+1」~「q」のポインタ情報に対して設定する。その後、演出側RAM94における左停止演出情報カウンタ116に設定されている種別情報に対応する左停止演出テーブルを演出側ROM93の左停止演出テーブル記憶エリア93dから読み出し、当該左停止演出テーブルに設定されている演出用データを第2合成用テーブルの「q+1」~「r」のポインタ情報に対して設定する。その後、演出側RAM94における右停止演出情報カウンタ117に設定されている種別情報に対応する右停止演出テーブルを演出側ROM93の右停止演出テーブル記憶エリア93eから読み出し、当該右停止演出テーブルに設定されている演出用データのうち表示用データのアドレス情報及び設定先情報を第2合成用テーブルの「r+1」~「s」のポインタ情報に対して設定する。また長押し報知演出テーブルを演出側ROM93の長押し報知演出テーブル記憶エリア93gから読み出し、当該長押し演出テーブルに設定されている音データを第2合成用テーブルの「r+1」~「s」のポインタ情報に対して設定する。これにより、右停止演出に合わせて長押し報知音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御が行われることとなる。その後、演出側RAM94における中停止演出情報カウンタ118に設定されている種別情報に対応する中停止演出テーブルを演出側ROM93の中停止演出テーブル記憶エリア93hから読み出し、当該中停止演出テーブルに設定されている演出用データを第2合成用テーブルの「s+1」~「t」のポインタ情報に対して設定する。その後、演出側RAM94における第1期待演出情報カウンタ119に設定されている種別情報に対応する第1期待演出テーブルを演出側ROM93の第1期待演出テーブル記憶エリア93iから読み出し、当該第1期待演出テーブルの演出実行領域に設定されている演出用データを第2合成用テーブルの「t+1」~「u」のポインタ情報に対して設定する。その後、演出側RAM94における第2期待演出情報カウンタ121に設定されている種別情報に対応する第2期待演出テーブルを演出側ROM93の第2期待演出テーブル記憶エリア93kから読み出し、当該第2期待演出テーブルに設定されている演出用データを第2合成用テーブルの「u+1」~「v」のポインタ情報に対して設定する。その後、演出側RAM94における再変動演出情報カウンタ123に設定されている種別情報に対応する再変動演出テーブルを演出側ROM93の再変動演出テーブル記憶エリア93mから読み出し、当該再変動演出テーブルの演出実行領域に設定されている演出用データを第2合成用テーブルの「v+1」~「w」のポインタ情報に対して設定する。これにより、第2合成演出テーブルが生成される。その後、演出側RAM94における左停止演出情報カウンタ116、右停止演出情報カウンタ117、中停止演出情報カウンタ118、第1期待演出情報カウンタ119、第2期待演出情報カウンタ121、及び再変動演出情報カウンタ123を「0」クリアする。
その後、第2合成演出テーブルの読み出し処理を実行して(ステップS2419)、本通常用の演出制御処理を終了する。ステップS2419における第2合成演出テーブルの読み出し処理では、ステップS2418にて生成した第2合成演出テーブルを読み出し用エリア94aにおける第1レイヤLY1に読み出す。
一方、第1合成フラグ及び第2合成フラグのいずれにも「1」がセットされていない場合(ステップS2412:NO、ステップS2416:NO)には、図柄変動演出テーブルの読み出し処理を実行して(ステップS2420)、本通常用の演出制御処理を終了する。図柄変動演出テーブルの読み出し処理では、演出側ROM93の図柄変動演出テーブル記憶エリア93bに記憶されている図柄変動演出テーブルを読み出し用エリア94aの第1レイヤLY1に読み出す。
ステップS2408にてゲーム開始コマンドを受信していないと判定した場合には、読み出し用処理を実行して(ステップS2421)、本通常用の演出制御処理を終了する。図55は読み出し用処理を示すフローチャートである。
読み出し用処理では、まず演出側RAM94における第1合成フラグ及び第2合成フラグのいずれかに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2701)。第1合成フラグ及び第2合成フラグのいずれかに「1」がセットされている場合(ステップS2701:YES)には、第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブルが読み出し用エリア94aの第1レイヤLY1に読み出されている状況であることを意味する。この場合には、第2~第5契機の発生に基づいて対応する演出テーブルの読み出しを行う必要がないため、ステップS2702以降の処理を実行することなく、そのまま本読み出し用処理を終了する。
一方、第1合成フラグ及び第2合成フラグのいずれにも「1」がセットされていない場合(ステップS2701:NO)には、主側MPU72から定速回転開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2702)。定速回転開始コマンドを受信した場合(ステップS2702:YES)、すなわち第2契機が発生した場合には、有効報知演出テーブルの読み出し処理を実行して(ステップS2703)、本読み出し用処理を終了する。有効報知演出テーブルの読み出し処理では、演出側ROM93の有効報知演出テーブル記憶エリア93cに記憶されている有効報知演出テーブルを読み出し用エリア94aの第2レイヤLY2に読み出す。
ステップS2702にて否定判定を行った場合には、主側MPU72から第1停止に対応するストップボタン42~44のON操作が行われたことを示す情報が設定された停止指令コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2704)。ステップS2704にて肯定判定を行った場合、すなわち第3契機が発生した場合には、左停止演出テーブルの読み出し処理を実行して(ステップS2705)、本読み出し用処理を終了する。左停止演出テーブルの読み出し処理では、演出側ROM93の左停止演出テーブル記憶エリア93dに記憶されている9種類の左停止演出テーブルの中から演出側RAM94の左停止演出情報カウンタ116に設定されている種別情報に対応する左停止演出テーブルを特定する。その後、当該特定した左停止演出テーブルを読み出し用エリア94aにおける第3レイヤLY3に読み出す。そして、左停止演出情報カウンタ116を「0」クリアする。
ステップS2704にて否定判定を行った場合には、主側MPU72から第2停止に対応するストップボタン42~44のON操作が行われたことを示す情報が設定された停止指令コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2706)。ステップS2706にて肯定判定を行った場合、すなわち第4契機が発生した場合には、右停止演出テーブルの読み出し処理を実行する(ステップS2707)。右停止演出テーブルの読み出し処理では、演出側ROM93の右停止演出テーブル記憶エリア93eに記憶されている9種類の右停止演出テーブルの中から演出側RAM94の右停止演出情報カウンタ117に設定されている種別情報に対応する右停止演出テーブルを特定する。その後、当該特定した右停止演出テーブルを読み出し用エリア94aにおける第4レイヤLY4に読み出す。そして、右停止演出情報カウンタ117を「0」クリアする。
その後、演出側RAM94におけるリーチ報知演出フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2708)。リーチ報知演出フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2708:YES)には、リーチ報知演出テーブルの読み出し処理を実行して(ステップS2709)、本読み出し用処理を終了する。リーチ報知演出テーブルの読み出し処理では、演出側ROM93のリーチ報知演出テーブル記憶エリア93fに記憶されているリーチ報知演出テーブルを読み出し用エリア94aにおける第5レイヤLY5に読み出す。そして、リーチ報知演出フラグを「0」クリアする。
ステップS2708にて否定判定を行った場合には、演出側RAM94における長押し報知演出フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2710)。長押し報知演出フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2710:YES)には、長押し報知演出テーブルの読み出し処理を実行して(ステップS2711)、本読み出し用処理を終了する。長押し報知演出テーブルの読み出し処理では、演出側ROM93の長押し報知演出テーブル記憶エリア93gに記憶されているリーチ報知演出テーブルを読み出し用エリア94aにおける第5レイヤLY5に読み出す。そして、長押し報知演出フラグを「0」クリアする。
ステップS2706にて否定判定を行った場合には、主側MPU72から第3停止に対応するストップボタン42~44のON操作が行われたことを示す情報が設定された停止指令コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2712)。ステップS2712にて否定判定を行った場合には、そのまま本読み出し用処理を終了する。一方、ステップS2712にて肯定判定を行った場合、すなわち第5契機が発生した場合には、中停止演出テーブルの読み出し処理を実行する(ステップS2713)。中停止演出テーブルの読み出し処理では、演出側ROM93の中停止演出テーブル記憶エリア93hに記憶されている9種類の中停止演出テーブルの中から演出側RAM94の中停止演出情報カウンタ118に設定されている種別情報に対応する中停止演出テーブルを特定する。その後、当該特定した中停止演出テーブルを読み出し用エリア94aに読み出す。具体的には、第5レイヤLY5に既にデータテーブル(リーチ報知演出テーブル)が読み出されている場合には中停止演出テーブルを第6レイヤLY6に読み出すとともに、第5レイヤLY5にデータテーブルが読み出されていない場合には第5レイヤLY5に中停止演出テーブルを読み出す。その後、中停止演出情報カウンタ118を「0」クリアする。
その後、第1期待演出テーブルの読み出し処理を実行する(ステップS2714)。第1期待演出テーブルの読み出し処理では、演出側RAM94における第1期待演出情報カウンタ119の値が「1」以上である場合、演出側ROM93の第1期待演出テーブル記憶エリア93iに記憶されている5種類の第1期待演出テーブルの中から当該第1期待演出情報カウンタ119の値に対応する第1期待演出テーブルを特定する。その後、当該特定した第1期待演出テーブルを読み出し用エリア94aの第7レイヤLY7に読み出す。そして、第1期待演出情報カウンタ119の値を「0」クリアする。一方、第1期待演出情報カウンタ119の値が「0」である場合、第1期待演出テーブルの読み出しは行わない。
その後、ボーナス告知演出テーブルの読み出し処理を実行して(ステップS2715)、本読み出し用処理を終了する。ボーナス告知演出テーブルの読み出し処理では、演出側RAM94におけるボーナス告知演出フラグ122に「1」がセットされている場合、演出側ROM93のボーナス告知演出テーブル記憶エリア93jに記憶されているボーナス告知演出テーブルを読み出し用エリア94aの第8レイヤLY8に読み出す。そして、ボーナス告知演出フラグ122の値を「0」クリアする。一方、ボーナス告知演出フラグ122に「1」がセットされていない場合、ボーナス告知演出テーブルの読み出しは行わない。
次に、演出側MPU92にて実行される入賞結果対応処理について図56(a)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、入賞結果対応処理は通常用の演出制御処理(図52)のステップS2405にて実行される。
入賞結果対応処理では、まず主側MPU72から受信した入賞結果コマンドに基づいて、発生しているボーナス当選に対応するボーナス入賞が成立したか否かを判定する(ステップS2801)。ステップS2801にて肯定判定を行った場合には、今回のゲームがボーナス告知演出の実行対象ゲームであるか否かを判定する(ステップS2802)。具体的には、演出側RAM94におけるボーナス告知演出フラグ122(図41(b))に「1」がセットされている場合に今回のゲームがボーナス告知演出の実行対象ゲームであると判定する。そして、ボーナス告知演出の実行対象ゲームである場合(ステップS2802:YES)には、ボーナス告知演出の中止処理を実行する(ステップS2803)。ボーナス告知演出の中止処理では、読み出し用エリア94aにおいてボーナス告知演出テーブルが読み出されている第8レイヤLY8をクリアする。これにより、ボーナス告知演出がキャンセルされる。また、ボーナス告知演出の中止処理(ステップS2803)では、ボーナス告知演出フラグ122を「0」クリアする。このように、ボーナス告知演出の実行対象ゲームにおいて、今回発生したボーナス当選に対応するボーナス入賞が成立した場合には、ボーナス告知演出がキャンセルされる。
一方、ステップS2802にて否定判定を行った場合には、今回のゲームが再変動演出の実行対象ゲームであるか否かを判定する(ステップS2804)。具体的には、演出側RAM94における第2合成フラグに「1」がセットされている場合に再変動演出の実行対象ゲームであると判定する。そして、再変動演出の実行対象ゲームである場合(ステップS2804:YES)には、再変動演出の中止処理を実行する(ステップS2805)。再変動演出の中止処理では、読み出し用エリア94aの第1レイヤLY1に読み出されている第2合成演出テーブルにおける「v+1」~「w」のポインタ情報の範囲に設定されている演出用データを削除する。図45を参照しながら既に説明したとおり、第2合成演出テーブルにおける「v+1」~「w」のポインタ情報の範囲には、再変動演出を実行するための表示用データのアドレス情報及び設定先情報と、音データと、発光データと、駆動テーブルのアドレス情報とが設定されている。これらの演出用データが削除されることにより、再変動演出がキャンセルされる。このように、再変動演出の実行対象ゲームにおいて、持ち越されていたボーナス当選に対応するボーナス入賞が成立した場合には、再変動演出がキャンセルされる。
既に説明したとおり、リール制御処理(図24)では、全リール32L,32M,32Rの回転が停止した後(ステップS611:YES)、ステップS615にて主側MPU72から演出側MPU92に対して入賞結果コマンドが送信される。そして、通常用の演出制御処理(図52)では、演出側MPU92が入賞結果コマンドを受信した場合(ステップS2404:YES)に、ステップS2405にて入賞結果対応処理(図56(a))が実行される。第3停止に対応するストップボタン42~44のON操作が行われてから対応するリール32L,32M,32Rが停止して全リール32L,32M,32Rが停止している状態となるまでに要する時間は、4コマ滑りが発生する場合に最大となり、最大で190ミリ秒である。一方、再変動演出の実行対象ゲームでは、第3停止に対応するストップボタン42~44のON操作が行われた場合に中停止演出が実行されるとともに、中停止演出の終了後に第1期待演出が実行される。既に説明したとおり、中停止演出の実行期間は190ミリ秒よりも長い1秒間である。また、既に説明したとおり、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達するという条件と、第3停止に対応するストップボタン42~44のOFF操作が行われるという条件との両方が満たされた場合に第2期待演出が実行されるとともに、第2期待演出の終了後に再変動演出が実行される。第3停止に対応するストップボタン42~44のON操作が行われてから再変動演出の中止処理(ステップS2805)が実行されるまでに要する時間は、第3停止に対応するストップボタン42~44のON操作が行われてから再変動演出が開始されるまでに要する時間よりも短いため、再変動演出が開始されるよりも前のタイミングで再変動演出の中止処理(ステップS2805)を実行して再変動演出の実行を中止することができる。これにより、再変動演出の実行途中で再変動演出の実行が中止されてしまうことが防止されている。
ステップS2803の処理を行った場合、ステップS2804にて否定判定を行った場合、又はステップS2805の処理を行った場合には、後述するボーナス入賞時の役物設定処理(図78)を実行して(ステップS2806)、本入賞結果対応処理を終了する。
次に、演出側MPU92にて実行されるボーナス開始時の演出設定処理について図56(b)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ボーナス開始時の演出設定処理は、演出側MPU92が主側MPU72からボーナス開始コマンドを受信した場合に通常用の演出制御処理(図52)のステップS2403にて実行される。
ボーナス開始時の演出設定処理では、まず演出終了処理を実行する(ステップS2901)。演出終了処理では、読み出し用エリア94aにおいてベース演出テーブルが読み出される第0レイヤLY0と、各種演出テーブルが読み出される第1~第8レイヤLY1~LY8とをクリアする。また、表示用設定エリア113に設定されている通常ベース演出用の表示用データと、各種演出用の表示用データとをクリアする。これにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63において実行されていた通常用ベース演出と、各種演出とが終了する。
その後、主側MPU72から受信したボーナス開始コマンドに対応するボーナス開始演出の種類を把握し(ステップS2902)、当該把握したボーナス開始演出を実行するためのボーナス開始演出テーブルを演出側ROM93から読み出し用エリア94aに読み出す(ステップS2903)。ボーナス開始演出テーブルは第0レイヤLY0に読み出される。当該読み出されたボーナス開始演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてボーナス開始演出が実行される。その後、演出側RAM94における種別告知演出フラグを「0」クリアして(ステップS2904)、本ボーナス開始時の演出設定処理を終了する。ステップS2904にて種別告知演出フラグが「0」クリアされることにより、次回以降のゲームにおいて種別告知演出が実行されなくなる。
上記のとおり、通常遊技状態ST1では、1ゲーム中に第1契機~第6契機の発生に基づいて複数の演出が並行して実行される。当該複数の演出の組合せは膨大な数であり、予め当該複数の演出の全ての組合せに対応する演出テーブルを演出側ROM93に記憶しておく構成とすると、演出テーブルを記憶しておくための演出側ROM93の記憶容量が増大してしまう。これに対して、第1合成演出テーブル及び第2合成演出テーブルが生成されない場合、各種演出を実行するための各種演出テーブルが個別に読み出し用エリア94aの異なるレイヤLYn(nは0~11のいずれかの整数)に読み出され、各種演出テーブルに従って各種演出が並行して実行される。また、第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブルが生成される場合、第0レイヤLY0に読み出された通常用ベース演出テーブルに従って実行される通常用ベース演出と、第1レイヤLY1に読み出された第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブルに従って実行される各種演出とが並行して実行される。これにより、演出テーブルを記憶しておくための演出側ROM93の記憶容量が増大してしまうことを抑制しながら、実行可能な演出の組合せのバリエーションを増加させることが可能となっている。
第2合成演出テーブルが生成される場合、図柄変動演出テーブル、有効報知演出テーブル、左停止演出テーブル、右停止演出テーブル、長押し報知演出テーブル、中停止演出テーブル、第1期待演出テーブル、第2期待演出テーブル及び再変動演出テーブルの演出用データが1つのレイヤLYn(具体的には第1レイヤLY1)に読み出される。既に説明したとおり、読み出し用エリア94aには通常用ベース演出テーブルが読み出されるレイヤ(第0レイヤLY0)と、各種演出テーブルが読み出されるレイヤ(第1~第8レイヤLY1~LY8)と、各種報知テーブルが読み出されるレイヤ(第9~第10レイヤLY9~LY10)と、役物75の駆動テーブルが読み出されるレイヤ(第11レイヤLY11)とが設けられている。再変動演出の実行対象ゲームにて通常用ベース演出テーブル及び上記9種類の演出テーブルを異なるレイヤLYnに読み出す構成とすると、これらの演出テーブルを読み出し可能とするために読み出し用エリア94aに設けるべきレイヤLYnの数が増加してしまう。これに対して、再変動演出の実行対象ゲームでは第2合成演出テーブルを生成して第1レイヤLY1に読み出す構成であることにより、1ゲームにおいて各種演出を実行するために読み出し用エリア94aに読み出される演出テーブルの最大数が低減されている。これにより、読み出し用エリア94aにおけるレイヤLYnの数が低減されている。
演出側ROM93に記憶されている第1合成用テーブルは1種類であり、第1合成演出テーブルは、各ゲームにおいて実行対象となった各演出テーブルに設定されている演出用データを当該1種類の第1合成用テーブルに設定することにより作成される。また、演出側ROM93に記憶されている第2合成用テーブルは1種類であり、第2合成演出テーブルは、各ゲームにおいて実行対象となった各演出テーブルに設定されている演出用データを当該1種類の第2合成用テーブルに設定することにより作成される。第1合成演出テーブル及び第2合成演出テーブルを生成するために演出側ROM93に予め記憶しておく第1合成用テーブル及び第2合成用テーブルの種類がそれぞれ1種類であることにより、合成用テーブルを記憶しておくための演出側ROM93における記憶容量を低減することができる。
通常用ベース演出を実行するための通常用ベース演出テーブルは、第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブルが読み出される第1レイヤLY1とは異なる第0レイヤLY0に読み出される。このため、第1レイヤLY1における参照対象のポインタ情報がジャンプしたとしても、第0レイヤLY0における参照対象のポインタ情報には影響しない。これにより、通常用ベース演出における背景画像G4の表示及び通常用ベース音楽の出力を連続的に実行しながら、第1契機~第6契機の発生に対応させて各種演出を開始させることが可能となっている。
演出側ROM93に記憶されている5種類の第1期待演出テーブルと、5種類の第2期待演出テーブルとを組み合わせて第2合成演出テーブルを生成する構成であることにより、全ての組合せ(具体的には25種類)に対応する演出テーブルを予め記憶しておく構成と比較して、演出テーブルを記憶するための演出側ROM93における記憶容量が増大してしまうことを抑制しながら、第1期待演出及び第2期待演出の組合せのバリエーションを増加させることができる。
第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達するという条件と、第6契機が発生するという条件との両方が満たされたことに基づいて第2期待演出が開始される。第6契機の発生のみを条件として第2期待演出を開始される構成とすると、中停止演出の実行中に第6契機が発生した場合、第1期待演出よりも先に第2期待演出が開始されてしまう。第1期待演出にてボーナス当選の期待度が報知されるとともに第2期待演出にてボーナス当選が発生した場合におけるBB当選の期待度が報知される構成において、第1期待演出及び第2期待演出の順番が逆転してしまうと、遊技者に混乱を与えてしまうおそれがある。これに対して、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達するという条件と、第6契機が発生するという条件との両方が満たされたことに基づいて第2期待演出が開始される構成とすることにより、第1期待演出→第2期待演出の順番で第1期待演出及び第2期待演出を実行することが可能となっており、第1期待演出及び第2期待演出の順番が逆転してしまうことが防止されている。
第3停止に対応するストップボタン42~44のON操作からOFF操作までの期間が短く、第1期待演出の実行期間が所定の期間に達するよりも前のタイミングにおいて第6契機が発生した場合であっても、第1期待演出の実行期間として所定の期間(具体的には1秒間)を確保することができる。これにより、第1期待演出の内容が理解できないほどに第1期待演出の実行期間が短くなってしまうことを防止することができる。
第3停止に対応するストップボタン42~44のON操作からOFF操作までの期間が長く、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達した後のタイミングにおいて第6契機が発生した場合には、当該ストップボタン42~44のOFF操作が行われたことに基づいて、遅延を生じさせることなく第2期待演出を開始させることができる。これにより、遊技者に分かり易い態様で第3停止に対応するストップボタン42~44のOFF操作と第2期待演出の開始とを関連付けて遊技者の参加意識を高めることができる。よって、遊技の興趣向上を図ることができる。
第1期待演出の実行期間を所定の期間(具体的には1秒間)に亘って確保しつつ、第6契機が発生した場合に遅延を生じさせることなく第2期待演出を開始させる構成であることにより、第3停止に対応するストップボタン42~44のOFF操作を契機として第2期待演出が開始されたと遊技者に感じさせることができる。このため、遊技者は第3停止に対応するストップボタン42~44の長押しを行った後、第2期待演出が発生することを期待しながら当該ストップボタン42~44のOFF操作を行うこととなる。これにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
第2期待演出が行われるゲームでは、第1期待演出を実行するための演出用データと、第2期待演出を実行するための演出用データとを含む第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブルが生成され、当該第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブルが1つのレイヤ(具体的には第1レイヤLY1)に読み出される。第1期待演出テーブル及び第2期待演出テーブルが異なるレイヤLYnに読み出される構成とすると、第6契機の発生に基づいて第2期待演出テーブルの読み出しを行う場合に第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達しているか否かを演出側MPU92にて把握するための構成を設ける必要が生じてしまう。これに対して、第1期待演出を実行するための演出用データと、第2期待演出を実行するための演出用データとを含む第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブルを第1レイヤLY1に読み出す構成であることにより、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達しているか否かを演出側MPU92にて把握するための構成を不具備としながら、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達するという条件と、第6契機が発生するという条件との両方が満たされた場合に第2期待演出を開始させることができる。これにより、第1期待演出の実行期間として所定の期間(具体的には1秒間)を確保するための構成を簡素化することが可能となっている。
第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達するという条件と、第6契機が発生するという条件との両方が満たされた場合、第2期待演出用の表示用データが表示用設定エリア113の第4演出用エリア113eに設定される。この場合において、第4演出用エリア113eに第1期待演出用の表示用データが残っている場合には、当該表示用データが削除されて第2期待演出用の表示用データが設定される。表示用設定エリア113において、第2期待演出用の表示用データが設定されるエリアとして、第1期待演出用の表示用データが設定されるエリアと同一のエリア(第4演出用エリア113e)が設定されていることにより、演出側MPU92が第1期待演出の進行状況を把握することを不要としながら、第2期待演出を開始させることが可能となっている。
読み出し用エリア94aにおいて中停止演出テーブルが読み出されるレイヤLYnは、リーチ報知演出の有無によって変動する。また、図柄変動演出テーブルの演出用データを含む演出テーブル、左停止演出テーブルの演出用データを含む演出テーブル、右停止演出テーブルの演出用データを含む演出テーブル、リーチ報知演出テーブルの演出用データを含む演出テーブル、長押し報知演出テーブルの演出用データを含む演出テーブル、中停止演出テーブルの演出用データを含む演出テーブル及び第1期待演出テーブルの演出用データを含む演出テーブルが読み出されるレイヤLYn(nは0~11のいずれかの整数)は、第1合成演出テーブル及び第2合成演出テーブルの生成の有無によって変動する。これらの演出テーブルには表示用データのアドレス情報に対応させて当該表示用データの設定先情報が設定されている。これにより、これらの演出テーブルの読み出し先が変動したとしても、表示用データの表示用設定エリア113における設定先が変動してしまうことを防止することができるとともに、画像表示装置63に表示される画像の前後関係が変動してしまうことを防止することができる。
第1期待演出テーブルの冒頭部分には演出用データが設定されていない空白領域が設けられているとともに、当該空白領域の後に第1期待演出を行うための演出用データが設定されている演出実行領域が設けられている。これにより、第2期待演出が実行されないゲームでは、第5契機の発生に基づいて中停止演出テーブル及び第1期待演出テーブルを読み出す構成としながら、中停止演出の実行中に第1期待演出が行われてしまうことを防止することができる。第2期待演出が実行されるゲームでは、第1期待演出テーブルの空白領域を除く演出実行領域が第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブルに設定される。これにより、中停止演出の終了タイミングにおいて遅延を生じさせることなく第1期待演出を開始することが可能となっている。
<ART状態ST6における演出を実行するための構成について>
次に、ART状態ST6において実行される各種演出について説明する。ART状態ST6では、演出側MPU92が主側MPU72からゲーム開始コマンドを受信した場合、ART用ベース演出及びART用通常演出が開始される。図57はART用ベース演出及びART用通常演出における画像表示装置63の表示内容を説明するための説明図である。
ART用ベース演出では、図57に示すように画像表示装置63に背景画像G16が表示されるとともに、スピーカ62からART用ベース音楽が出力される。ART用通常演出では、図57に示すように画像表示装置63にART用キャラクタ画像G17が表示される動画表示が行われるとともに、当該動画表示の進行に合わせてスピーカ62から演出用効果音が出力される。ART用通常演出は、ART用ベース演出と同時並行で実行される。背景画像G16は背景用表示レイヤ101(図38)に設定されるとともに、ART用キャラクタ画像G17は第1演出用表示レイヤ102(図38)に設定される。既に説明したとおり、VDP95がビデオRAM96のフレーム領域に作成する表示データにおいて、第1演出用表示レイヤ102の画像は、背景用表示レイヤ101の画像よりも画面手前側に設定される。このため、ART用キャラクタ画像G17は背景画像G16よりも画面手前側に表示される。
ART状態ST6では継続ゲーム数表示が行われる。継続ゲーム数表示では、図57に示すように、ART状態ST6の残りの継続ゲーム数を示す継続ゲーム数画像G18が画像表示装置63の左側上部に表示される。継続ゲーム数画像G18が示すゲーム数は1ゲームが消化される度に1減算される。継続ゲーム数画像G18は、第3演出用表示レイヤ104(図38)に設定され、背景画像G16及びART用キャラクタ画像G17よりも画面手前側に表示される。
ART状態ST6では、演出側MPU92が主側MPU72からART中上乗せコマンドを受信したことに基づいて、上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出が同時に開始される。上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出は、上乗せ当選が発生した場合にのみ実行される。既に説明したとおり、本実施形態では、上乗せゲーム数が「50」である第1上乗せ当選、及び上乗せゲーム数が「100」である第2上乗せ当選が存在している。上乗せメイン演出は、今回発生した上乗せ当選の上乗せゲーム数を示唆する演出である。図58(a)~図58(c)及び図59(a)~図59(c)は、ART状態ST6の上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出における画像表示装置63の表示内容を説明するための説明図である。
上乗せメイン演出では、図58(a)に示すように、画像表示装置63の中央の一部領域である中央表示領域132において、所定期間(具体的には3秒間)に亘って第1上乗せキャラクタ画像G20及び第2上乗せキャラクタ画像G21が表示される動画表示が行われる。当該動画は、上乗せゲーム数を示唆する演出内容であり、当該動画は第1上乗せキャラクタ画像G20及び第2上乗せキャラクタ画像G21のいずれか一方が表示されている状態で終了する。第1上乗せキャラクタ画像G20のみが表示されている状態で当該動画が終了することにより上乗せゲーム数が「50」である第1上乗せ当選が発生したことが示唆されるとともに、第2上乗せキャラクタ画像G21のみが表示されている状態で当該動画が終了することにより上乗せゲーム数が「100」である第2上乗せ当選が発生したことが示唆される。遊技者は、当該動画の最後に表示される上乗せキャラクタ画像G20,G21の種類を確認することにより、上乗せゲーム数を把握することができる。上乗せキャラクタ画像G20,G21は、第2演出用表示レイヤ103(図38)に設定され、背景画像G16及びART用キャラクタ画像G17よりも画面手前側に表示される。
図57及び図58(a)に示すように、画像表示装置63の下部には、上乗せサブ演出を実行するためのサブ表示領域131が設けられており、ART状態ST6が開始されてから終了されるまでの間、当該サブ表示領域131にはゲージ枠画像G19が表示される。ゲージ枠画像G19は、ゲージ表示が行われる横長矩形のゲージ表示部G19aと、当該ゲージ表示部G19aの周囲に表示される外枠部G19bとから構成されている。ゲージ枠画像G19は、第4演出用表示レイヤ105(図38)に設定され、背景画像G16及びART用キャラクタ画像G17よりも画面手前側に表示される。
上乗せサブ演出では、図58(a)に示すようにゲージ表示部G19aにて単位ゲージ画像G22の点滅表示が行われるゲージ点滅表示が行われるとともに、図58(b)及び図58(c)に示すように当該ゲージ点滅表示の終了後に単位ゲージ画像G22の数及び色が段階的に更新されるゲージ増大表示が行われる。ゲージ点滅表示は、上乗せメイン演出と同時に開始され、上乗せメイン演出が実行される所定期間(具体的には3秒間)に亘って行われる。ゲージ増大表示は、今回発生した上乗せ当選の上乗せゲーム数を報知する態様で行われる。上乗せメイン演出の動画において第1上乗せキャラクタ画像G20が最後に表示された場合には上乗せゲーム数が「50」であることを報知する態様でゲージ増大表示が実行されるとともに、上乗せメイン演出の動画において第2上乗せキャラクタ画像G21が最後に表示された場合には上乗せゲーム数が「100」であることを報知する態様でゲージ増大表示が実行される。
上乗せサブ演出において上乗せゲーム数は、ゲージ表示部G19aに表示される単位ゲージ画像G22の数及び色によって示される。図58(b)に示すように、単位ゲージ画像G22は縦長矩形の画像であり、ゲージ表示部G19aには当該単位ゲージ画像G22を横方向に30個並べて表示することが可能となっている。単位ゲージ画像G22は、第5演出用表示レイヤ106に設定されて、ゲージ表示部G19aよりも画面手前側に表示される。
ゲージ表示部G19aに黄色の単位ゲージ画像G22が横方向に「n」個(nは1~30の整数)並んでいる状態は上乗せゲーム数が「n×10」である状態に対応しており、赤色の単位ゲージ画像G22が横方向に「n」個(nは1~30の整数)並んでいる状態は上乗せゲーム数が「n×10+300」である状態に対応しており、紫色の単位ゲージ画像G22が横方向に「n」個(nは1~30の整数)並んでいる状態は上乗せゲーム数が「n×10+600」である状態に対応しており、銀色の単位ゲージ画像G22が横方向に「n」個(nは1~30の整数)並んでいる状態は上乗せゲーム数が「n×10+900」である状態に対応しており、金色の単位ゲージ画像G22が横方向に「n」個(nは1~30の整数)並んでいる状態は上乗せゲーム数が「n×10+1200」である状態に対応している。ゲージ表示部G19aは灰色に設定されており、ゲージ表示部G19aの手前側に表示される各色の単位ゲージ画像G22が識別し易くなっている。
単位ゲージ画像G22の数だけで上乗せゲーム数を示す構成とすると、ゲージ表示部G19aに表示され得る単位ゲージ画像G22の最大数が増大するため、単位ゲージ画像G22の横寸法を小さく設定する必要が生じる。当該構成では、発生した上乗せ当選における上乗せゲーム数が小さい場合にゲージ増大表示が見づらくなってしまう。これに対して、本実施形態では単位ゲージ画像G22の数及び色で上乗せゲーム数を示す構成であることにより、上乗せゲーム数が小さい場合と、上乗せゲーム数が大きい場合との両方においてゲージ増大表示を見易いものとすることができる。
上乗せサブ演出が実行されていない状況でART中上乗せコマンドを演出側MPU92が受信した場合におけるゲージ点滅表示では、図58(a)に示すように、ゲージ表示部G19aの左端に1個の黄色の単位ゲージ画像G22が表示され、当該単位ゲージ画像G22の点滅表示が行われる。この場合、ゲージ点滅表示の終了後に行われるゲージ増大表示では、図58(b)に示すように、今回の上乗せ当選における上乗せゲーム数(例えば「50」)に対応する数及び色の単位ゲージ画像G22がゲージ表示部G19aに表示されている状態となるまで、ゲージ表示部G19aに表示される単位ゲージ画像G22の数及び色が段階的に更新される。そして、図58(c)に示すように、今回の上乗せゲーム数(図58(c)では「50」)に対応する数および色の単位ゲージ画像G22がゲージ表示部G19aに表示されている状態となった後、当該単位ゲージ画像G22は1秒間に亘って継続表示される。これにより、今回発生した上乗せ当選における上乗せゲーム数が「50」であることが遊技者に示される。
その後、ゲージ表示部G19aに表示されていた単位ゲージ画像G22が消えて、上乗せサブ演出が終了する。図示は省略するが、上乗せサブ演出が終了することにより、画像表示装置63のサブ表示領域131にはゲージ枠画像G19のみが表示されている状態となる。また、当該上乗せサブ演出の終了時に画像表示装置63の左側上部に表示されていた継続ゲーム数「50」に対して上乗せゲーム数である「50」が加算されて「100」に更新される。
ゲージ増大表示には、ゲージ表示部G19aに表示されている単位ゲージ画像G22の数及び色が200ミリ秒間隔で更新される高速表示と、ゲージ表示部G19aに表示されている単位ゲージ画像G22の数及び色が400ミリ秒間隔で更新される低速表示とが存在している。高速表示では、200ミリ秒に1個の間隔で、図58(b)及び図58(c)に示すように現状表示されている単位ゲージ画像G22の右側に新たな黄色の単位ゲージ画像G22が追加されていく。また、低速表示では、400ミリ秒に1個の間隔で、図58(b)及び図58(c)に示すように現状表示されている単位ゲージ画像G22の右側に新たな黄色の単位ゲージ画像G22が追加されていく。このように、ゲージ増大表示では、ゲージ表示部G19aの左端を基点として右方向にゲージ全体の横寸法が増大していく様子が表示される。
ゲージ増大表示の実行期間は上乗せゲーム数に応じて変動し、上乗せゲーム数が多くなるほどゲージ増大表示の実行期間が長くなる。上乗せゲーム数が「50」である場合、高速表示では、ゲージ増大表示が開始されてから800ミリ秒後に今回の上乗せゲーム数又は今回までの合計上乗せゲーム数に対応する数及び色の単位ゲージ画像G22が表示されている状態となり、当該状態が1秒間に亘って継続された後にゲージ増大表示が終了する。一方、低速表示では、ゲージ増大表示が開始されてから今回の上乗せゲーム数又は今回までの合計上乗せゲーム数に対応する数及び色の単位ゲージ画像G22が表示されている状態となるまでに要する時間が1.6秒となる。また、上乗せゲーム数が「100」である場合、高速表示では、ゲージ増大表示が開始されてから1.8秒後に今回の上乗せゲーム数又は今回までの合計上乗せゲーム数に対応する数及び色の単位ゲージ画像G22が表示されている状態となり、当該状態が1秒間に亘って継続された後にゲージ増大表示が終了する。一方、低速表示では、ゲージ増大表示が開始されてから今回の上乗せゲーム数又は今回までの合計上乗せゲーム数に対応する数及び色の単位ゲージ画像G22が表示されている状態となるまでに要する時間が1.6秒となる。
上乗せメイン演出が実行されている間、図58(a)に示すように、画像表示装置63では、ART用ベース演出と、ART用通常演出と、上乗せメイン演出と、上乗せサブ演出におけるゲージ点滅表示とが同時に実行されている状態となる。その後、上乗せサブ演出におけるゲージ増大表示が開始された場合、図58(b)に示すように、画像表示装置63では、ART用ベース演出と、ART用通常演出と、当該ゲージ増大表示とが同時に実行されている状態となる。
画像表示装置63の左側上部に表示される継続ゲーム数の値は、上乗せサブ演出におけるゲージ増大表示の終了時に、当該上乗せサブ演出の契機となった上乗せ当選における上乗せゲーム数が加算された後の値に更新される。ゲージ増大表示が終了するまでは、継続ゲーム数画像G18を見ても今回の上乗せゲーム数が分からないため、遊技者はゲージ増大表示に注目することとなり、ゲージ増大表示への注目が高められている。
主側MPU72は、上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出の開始時に主側RAM74におけるフリーズカウンタに対して数値情報を設定しない。営業時間の終了が迫っている等の状況で先を急ぐ遊技者は、上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出の途中でスタートレバー41を操作することにより次のゲームを開始させることができる。上乗せメイン演出の実行中に次のゲームを開始すべくスタートレバー41の操作が行われた場合には、上乗せメイン演出の実行中に演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することとなる。この場合、画像表示装置63では、中央表示領域132(図58(a))において実行されていた上乗せメイン演出が途中で終了し、スタートレバー41の操作に対応する新たなART用ベース演出及びART用通常演出が開始される。この場合には、上乗せメイン演出の動画において最後に表示される上乗せキャラクタ画像G20,G21の種類を確認することができないため、上乗せメイン演出に基づいて上乗せゲーム数を把握することはできない。一方、サブ表示領域131(図58(a))において実行されている上乗せサブ演出は継続して実行される。スタートレバー41の操作が行われて実行中であった上乗せメイン演出が終了したとしても、新たに開始されるART用ベース演出及びART用通常演出と並行して上乗せサブ演出を継続表示することにより、上乗せ当選の結果だけでなく当該上乗せ当選についての演出の一部(具体的には上乗せサブ演出)も確認可能とすることができる。
上乗せメイン演出の実行中に演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信しない場合には、上乗せメイン演出の動画表示が途中で終了することなく最後まで行われる。既に説明したとおり、上乗せメイン演出の動画表示が最後まで行われた場合には、当該動画の最後に表示される上乗せキャラクタ画像G20,G21の種類に基づいて上乗せゲーム数を把握することができる。この場合には、単位ゲージ画像G22の数及び色が200ミリ秒間隔で更新される高速表示が行われる。このように、上乗せゲーム数が示唆された後に行われるゲージ増大表示は、高速表示となる。これにより、ゲージ増大表示の実行期間が短縮されている。
一方、上乗せメイン演出の実行中に演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信した場合には、上乗せメイン演出の動画表示が最後まで行われることなく途中で終了する。上乗せメイン演出の動画表示が途中で終了した場合には、上乗せゲーム数が示唆されないままゲージ増大表示が行われる。この場合には、単位ゲージ画像G22の数及び色が400ミリ秒間隔で更新される低速表示が行われる。このように、上乗せゲーム数が示唆されていない状態で行われるゲージ増大表示は低速表示となる。これにより、上乗せゲーム数が多いことを期待しながら見ることとなるゲージ増大表示の表示期間を延ばし、ゲージ増大表示に対する注目度を高めることができる。
上乗せサブ演出が実行されている状況でART中上乗せコマンドを演出側MPU92が受信した場合、すなわち上乗せサブ演出が途切れない態様で連続して2回以上の上乗せ当選が発生した場合には、実行中であった上乗せサブ演出が終了し、今回発生した上乗せ当選に対応する新たな上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出が開始される。当該新たに開始される上乗せサブ演出のゲージ点滅表示では、実行途中で終了した上乗せサブ演出の最終的な状態に対応する色及び数の単位ゲージ画像G22が点滅表示される。具体的には、連続2回目の上乗せ当選に対応する上乗せサブ演出のゲージ点滅表示では、1回目の上乗せ当選における上乗せゲーム数に対応する数及び色の単位ゲージ画像G22が点滅表示されるとともに、連続3回目の上乗せ当選に対応する上乗せサブ演出のゲージ点滅表示では、1回目の上乗せ当選における上乗せゲーム数と2回目の上乗せ当選における上乗せゲーム数との合計値である合計上乗せゲーム数に対応する数及び色の単位ゲージ画像G22が点滅表示される。これにより、実行途中で終了した上乗せサブ演出を見ていた遊技者に対して、当該上乗せサブ演出における最終的な単位ゲージ画像G22の表示状態を示すことができる。
上乗せサブ演出が実行されている状況において演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信した場合に、実行中であった上乗せサブ演出が終了するまでART中上乗せコマンドを受信したことに基づく上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出の開始を待機する構成とすると、ART中上乗せコマンドを受信してから上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を開始するまでに遅延が生じてしまう。当該構成では、上乗せ当選が連続して発生して遅延が累積された場合に、上乗せ当選が発生したゲーム中に当該上乗せ当選に対応する上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を開始できない事態が生じてしまうおそれがある。これに対して本実施形態では、ART中上乗せコマンドを受信したことに基づいて遅滞なく上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を開始する構成である。これにより、上乗せ当選が連続して発生した場合においても、上乗せ当選が発生したゲーム中に当該上乗せ当選に対応する上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を開始できない事態が生じてしまう可能性を排除することができる。
上乗せサブ演出が途切れない態様で連続して上乗せ当選が発生した場合、ゲージ点滅表示の終了後に行われるゲージ増大表示では、今回の上乗せ当選よりも前に連続して発生していた上乗せ当選の合計上乗せゲーム数に対応する数及び色の単位ゲージ画像G22が表示されている状態から、今回の上乗せ当選を含む連続して発生した全ての上乗せ当選における合計ゲーム数に対応する数及び色の単位ゲージ画像G22が表示されている状態となるまで、ゲージ表示部G19aに表示される単位ゲージ画像G22の数及び色が段階的に更新される。そして、今回の上乗せ当選を含む連続して発生した全ての上乗せ当選における合計上乗せゲーム数に対応する数および色の単位ゲージ画像G22がゲージ表示部G19aに表示されている状態となった後、当該単位ゲージ画像G22が1秒間に亘って継続表示される。これにより、上乗せサブ演出が途切れない態様で連続して発生した上乗せ当選における合計上乗せゲーム数が遊技者に示される。1秒間に亘って継続表示された単位ゲージ画像G22はその後に表示されなくなる。ゲージ増大表示が終了した後、サブ表示領域131にはゲージ枠画像G19のみが表示されている状態となる。
具体的には、今回の上乗せ当選よりも前に連続して発生していた上乗せ当選における合計上乗せゲーム数が「250」であるとともに今回発生した上乗せ当選における合計上乗せゲーム数が「100」である場合における上乗せサブ演出では、図59(a)に示すように、まずゲージ表示部G19aに「250」の上乗せゲーム数に対応する25個の黄色の単位ゲージ画像G22が表示されている状態となり、所定時間(具体的には3秒間)に亘ってこれら25個の黄色の単位ゲージ画像G22の点滅表示が行われる。その後、図59(b)に示すように、ゲージ表示部G19aに「300」の上乗せゲーム数に対応する30個の黄色の単位ゲージ画像G22が表示されている状態となるまで、所定の時間間隔で、現状表示されている単位ゲージ画像G22の右側に新たな黄色の単位ゲージ画像G22が追加されていく。そして、ゲージ表示部G19aに30個の黄色の単位ゲージ画像G22が表示されている状態となった次の更新タイミングで「310」の上乗せゲーム数に対応する1個の赤色の単位ゲージ画像G22がゲージ表示部G19aの左端に表示されている状態となる。その後、現状表示されている単位ゲージ画像G22の右側に新たな赤色の単位ゲージ画像G22が追加されていく。そして、図59(c)に示すように、ゲージ表示部G19aに「350」の上乗せゲーム数に対応する5個の赤色の単位ゲージ画像G22が表示されている状態となり、これら5個の赤色の単位ゲージ画像G22が1秒間に亘って継続表示される。これにより、上乗せサブ演出が途切れない態様で連続して発生した上乗せ当選の合計上乗せゲーム数が「350」となったことが遊技者に示される。
その後、ゲージ表示部G19aに表示されていた単位ゲージ画像G22が消えて、上乗せサブ演出が終了する。図示は省略するが、上乗せサブ演出が終了することにより、画像表示装置63のサブ表示領域131にはゲージ枠画像G19のみが表示されている状態となる。また、当該上乗せサブ演出の終了時に画像表示装置63の左側上部に表示されていた継続ゲーム数「50」に対して連続して発生した全ての上乗せ当選における合計上乗せゲーム数である「350」が加算されて「400」に更新される。
このように、上乗せサブ演出が途切れない態様で上乗せ当選が連続して発生した場合、画像表示装置63の左側上部に表示されている継続ゲーム数の値は、連続して発生した最後の上乗せ当選における上乗せサブ演出の終了時にまとめて更新される。最後に発生した上乗せ当選の上乗せサブ演出が終了するまで画像表示装置63の左側上部に表示されている継続ゲーム数の値が更新されない構成とすることにより、上乗せメイン演出又は上乗せサブ演出にて上乗せゲーム数が最初に把握可能となる構成として、上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出への注目度を高めることができる。
上乗せ当選が連続して発生している状況においても、ゲームが開始される度に画像表示装置63の左側上部に表示されている継続ゲーム数の値は1減算される。連続して発生した上乗せ当選における合計上乗せゲーム数が最後にまとめて加算されるまでの間に画像表示装置63の左側上部に表示すべき継続ゲーム数の値が「0」以下の値となった場合には、当該「0」以下の値に代えて、画像表示装置63の左側上部に「?」が表示される。このため、画像表示装置63の左側上部に継続ゲーム数として「0」以下の値が表示されている状態でART状態ST6が継続することはない。上乗せ当選が連続して発生している状況において画像表示装置63の左側上部に表示すべき継続ゲーム数の値が「0」以下となった後、最後に発生した上乗せ当選の上乗せサブ演出が終了する場合、当該「0」以下の値に対して連続して発生した上乗せ当選の合計上乗せゲーム数が加算され、画像表示装置63の左側上部に表示される継続ゲーム数の値が当該加算後の値に更新される。
次に、ART状態ST6における各種演出を実行するための演出側ROM93及び演出側RAM94の構成を説明する。図60(a)は演出側ROM93の構成を説明するための説明図であり、図60(b)は演出側RAM94の構成を説明するための説明図である。
図60(a)に示すように、演出側ROM93には、ART用ベース演出テーブル記憶エリア133a、ART用通常演出テーブル記憶エリア133b、上乗せメイン演出テーブル記憶エリア133c、高速第1上乗せサブ演出テーブル記憶エリア133d、高速第2上乗せサブ演出テーブル記憶エリア133e、低速第1上乗せサブ演出テーブル記憶エリア133f及び低速第2上乗せサブ演出テーブル記憶エリア133gが設けられている。
本スロットマシン10には、ART状態ST6において実行されるART用ベース演出が16種類存在しており、演出側ROM93のART用ベース演出テーブル記憶エリア133aには当該16種類のART用ベース演出を実行するための16種類のART用ベース演出テーブルが記憶されている。また、ART状態ST6において実行されるART用通常演出は16種類存在しており、演出側ROM93のART用通常演出テーブル記憶エリア133bには、当該16種類のART用通常演出を実行するための16種類のART用通常演出テーブルが記憶されている。
既に説明したとおり、ART状態ST6において発生する上乗せ当選における上乗せゲーム数として、「50」及び「100」が存在している。ART状態ST6において実行される上乗せメイン演出は8種類存在しており、演出側ROM93の上乗せメイン演出テーブル記憶エリア133cには、「50」の上乗せゲーム数に対応する上乗せメイン演出を実行するための4種類の上乗せメイン演出テーブルと、「100」の上乗せゲーム数に対応する上乗せメイン演出を実行するための4種類の上乗せメイン演出テーブルとが記憶されている。
既に説明したとおり、上乗せサブ演出におけるゲージ増大表示として、低速表示及び高速表示が存在している。演出側ROM93の高速第1上乗せサブ演出テーブル記憶エリア133dには、上乗せゲーム数が「50」であり高速表示のゲージ増大表示を実行するための高速第1上乗せサブ演出テーブルが記憶されているとともに、演出側ROM93の高速第2上乗せサブ演出テーブル記憶エリア133eには、上乗せゲーム数が「100」であり高速表示のゲージ増大表示を実行するための高速第2上乗せサブ演出テーブルが記憶されている。また、演出側ROM93の低速第1上乗せサブ演出テーブル記憶エリア133fには、上乗せゲーム数が「50」であり低速表示のゲージ増大表示を実行するための低速第1上乗せサブ演出テーブルが記憶されているとともに、演出側ROM93の低速第2上乗せサブ演出テーブル記憶エリア133gには、上乗せゲーム数が「100」であり低速表示のゲージ増大表示を実行するための低速第2上乗せサブ演出テーブルが記憶されている。
ART用ベース演出テーブルには、画像表示装置63において背景画像G16の表示を行うための表示用データのアドレス情報及び設定先情報と、上述したART用ベース音楽が出力されるようにスピーカ62の音出力制御を行うための音データとが設定されている。ART用ベース演出テーブルは、読み出し用エリア94aにおける第0レイヤLY0に読み出される。
ART用通常演出テーブルには、画像表示装置63においてART用キャラクタ画像G17が表示される動画表示を行うための表示用データのアドレス情報及び設定先情報と、上述した演出用効果音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御を行うための音データとが設定されている。ART用通常演出テーブルは、読み出し用エリア94aにおける第1レイヤLY1に読み出される。
上乗せメイン演出テーブルには、画像表示装置63の中央表示領域132において上乗せキャラクタ画像G20,G21が表示される動画表示を行うための表示用データのアドレス情報及び設定先情報と、当該動画表示に対応する音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御を行うための音データと、当該動画表示に対応する態様で上部ランプ61が発光するように上部ランプ61の発光制御を行うための発光データと、役物75の球状演出部77bが上下に動作する役物動作演出を実行するための駆動テーブルのアドレス情報とが設定されている。駆動テーブルのアドレス情報は、上乗せメイン演出テーブルにおける終盤のポインタ情報に対して設定されており、役物動作演出は上乗せメイン演出の残りの実行期間が1秒間となった場合に開始される。上乗せメイン演出テーブルは、読み出し用エリア94aにおける第2レイヤLY2に読み出される。なお、役物動作演出の詳細については後述する。
上乗せサブ演出テーブル(第1高速上乗せサブ演出テーブル、第2高速上乗せサブ演出テーブル、第1低速上乗せサブ演出テーブル及び第2低速上乗せサブ演出テーブル)には、画像表示装置63のサブ表示領域131において1個の黄色の単位ゲージ画像G22が点滅表示されるゲージ点滅表示を実行するための表示用データのアドレス情報及び設定先情報と、ゲージ増大表示を実行するための表示用データのアドレス情報及び設定先情報とが設定されている。上乗せサブ演出テーブルは第3レイヤLY3に読み出される。
第2レイヤLY2に読み出された上乗せメイン演出テーブルに従って上乗せメイン演出が実行されるとともに、第3レイヤLY3に読み出された上乗せサブ演出テーブル(第1高速上乗せサブ演出テーブル、第2高速上乗せサブ演出テーブル、第1低速上乗せサブ演出テーブル、又は第2低速上乗せサブ演出テーブル)に従って上乗せサブ演出が実行される。このように、読み出し用エリア94aの異なるレイヤLYnに読み出された上乗せメイン演出テーブル及び上乗せサブ演出テーブルに従って、上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出が並行して進行する。
上乗せサブ演出テーブルのデータ構成について、高速第1上乗せサブ演出テーブルを例として、図61の説明図を参照しながら説明する。図61は高速第1上乗せサブ演出テーブルを説明するための説明図である。
高速第1上乗せサブ演出テーブルにおけるポインタ情報の「0」~「74」の範囲には、ゲージ点滅表示を行うための演出用データが設定されている。具体的には、高速第1上乗せサブ演出テーブルにおける「0」、「25」、及び「50」のポインタ情報には、ゲージ表示部G19aに1個の黄色の単位ゲージ画像G22を表示させるための表示用データのアドレス情報(AD10(1))と、当該表示用データの設定先として表示用設定エリア113の第5演出用エリア113f(図42(c))を指定する設定先情報とが設定されている。また、上乗せサブ演出テーブルにおける「15」、「40」、及び「65」のポインタ情報には、表示用設定エリア113の第5演出用エリア113fをクリアするための消去用データと、当該消去用データの設定先情報として第5演出用エリア113fを示す設定先情報とが設定されている。参照対象のポインタ情報に対して消去用データが設定されている状態となった場合には、第5演出用エリア113fがクリアされて単位ゲージ画像G22が表示されなくなる。単位ゲージ画像G22を表示するための表示用データの設定と、当該表示用データの消去とが交互に繰り返されることにより、ゲージ点滅表示が行われる。
参照対象のポインタ情報が「0」である場合に表示用設定エリア113の第5演出用エリア113fに表示用データが設定される。これにより、ゲージ表示部G19aに1個の黄色の単位ゲージ画像G22が表示される。当該1個の黄色の単位ゲージ画像G22は、参照対象のポインタ情報が「0」から「15」に更新されるまでの0.6秒間、参照対象のポインタ情報が「25」から「40」に更新されるまでの0.6秒間、及び参照対象のポインタ情報が「50」から「65」に更新されるまでの0.6秒間に亘って表示される一方、参照対象のポインタ情報が「15」から「25」に更新されるまでの0.4秒間、参照対象のポインタ情報が「40」から「50」に更新されるまでの0.4秒間、参照対象のポインタ情報が「65」から「75」に更新されるまでの0.4秒間に亘って表示されない。このため、ゲージ点滅表示では、1個の黄色の単位ゲージ画像G22が点滅表示される。
高速第1上乗せサブ演出テーブル(図61)におけるポインタ情報の「75」~「120」の範囲には、ゲージ表示部G19aに表示されている単位ゲージ画像G22の数及び色が上乗せゲーム数に対応する数及び色に段階的に更新されていくゲージ増大表示を行うための表示用データのアドレス情報及び設定先情報が設定されている。具体的には、高速第1上乗せサブ演出テーブルにおける「75」のポインタ情報に対して1個の黄色の単位ゲージ画像G22を表示させるための表示用データのアドレス情報(AD10(1))が設定されており、「80」のポインタ情報に対して2個の黄色の単位ゲージ画像G22を表示させるための表示用データのアドレス情報(AD10(2))が設定されており、「85」のポインタ情報に対して3個の黄色の単位ゲージ画像G22を表示させるための表示用データのアドレス情報(AD10(3))が設定されており、「90」のポインタ情報に対して4個の黄色の単位ゲージ画像G22を表示させるための表示用データのアドレス情報(AD10(4))が設定されており、「95」のポインタ情報に対して5個の黄色の単位ゲージ画像G22を表示させるための表示用データのアドレス情報(AD10(5))が設定されている。また、これらの表示用データのアドレス情報に対して、表示用設定エリア113の第5演出用エリア113fを示す設定先情報が設定されている。単位ゲージ画像G22を表示するための表示用データは第5演出用エリア113fに設定されるとともに、単位ゲージ画像G22は第5演出用表示レイヤ106に設定される。図61に示すように、第1上乗せサブ演出テーブルにおける「120」のポインタ情報には、第5演出用エリア113fをクリアするための消去用データが設定されている。
高速第1上乗せサブ演出テーブルが読み出された場合、ゲージ増大表示では、参照対象のポインタ情報が「75」から「80」に更新されるまでの0.2秒間に亘って1個の黄色の単位ゲージ画像G22が表示され、参照対象のポインタ情報が「80」から「85」に更新されるまでの0.2秒間に亘って2個の黄色の単位ゲージ画像G22が表示され、参照対象のポインタ情報が「85」から「90」に更新されるまでの0.2秒間に亘って3個の黄色の単位ゲージ画像G22が表示され、参照対象のポインタ情報が「90」から「95」に更新されるまでの0.2秒間に亘って4個の黄色の単位ゲージ画像G22が表示され、参照対象のポインタ情報が「95」から「120」に更新されるまでの1秒間に亘って5個の黄色の単位ゲージ画像G22が表示される。
上乗せ当選が連続して発生した場合、上乗せサブ演出テーブル(高速第1上乗せサブ演出テーブル、高速第2上乗せサブ演出テーブル、低速第1上乗せサブ演出テーブル及び低速第2上乗せサブ演出テーブル)に設定されている表示用データのアドレス情報は、今回の上乗せ当選よりも前に連続して発生していた上乗せ当選における合計上乗せゲーム数に対応する態様でゲージ点滅表示及びゲージ増大表示を行うための表示用データのアドレス情報に書き換えられる。本実施形態において、上乗せ当選が連続して発生する場合とは、上乗せサブ演出の実行中に演出側MPU92が新たなART中上乗せコマンドを受信し、上乗せサブ演出が途切れない態様で複数の上乗せ当選が発生する場合をいう。
具体的には、連続して発生している上乗せ当選における合計上乗せゲーム数が「n」(nは「50」以上の整数)である状況において、上乗せサブ演出が途切れない態様で上乗せゲーム数が「50」である上乗せ当選が発生した場合、高速第1上乗せサブ演出テーブル(図61)における「0」、「25」及び「50」に設定されている表示用データのアドレス情報(AD10(1))は、「n」の上乗せゲーム数に対応する数及び色の単位ゲージ画像G22を表示させるための表示用データのアドレス情報に書き換えられる。また、高速第1上乗せサブ演出テーブル(図61)における「75」、「80」、「85」、「90」、及び「95」のポインタ情報に設定されている表示用データのアドレス情報は、「n+10」、「n+20」、「n+30」、「n+40」、及び「n+50」の上乗せゲーム数に対応する数及び色の単位ゲージ画像G22を表示させるための表示用データのアドレス情報に書き換えられる。例えば、「n」が「200」である場合、ゲージ表示部G19aでは、20個の黄色の単位ゲージ画像G22が並んでいる状態から25個の黄色の単位ゲージ画像G22が並んでいる状態となるまで、200ミリ秒に1個の間隔で右端の単位ゲージ画像G22の右側に新たな黄色の単位ゲージ画像G22が追加されていく態様で更新されるゲージ増大表示が行われる。
このように、上乗せサブ演出が途切れない態様で上乗せ当選が連続して発生した場合には、上乗せサブ演出テーブル(高速第1上乗せサブ演出テーブル、高速第2上乗せサブ演出テーブル、低速第1上乗せサブ演出テーブル及び低速第2上乗せサブ演出テーブル)に設定されている表示用データのアドレス情報の書き換えが行われる。これにより、上乗せサブ演出テーブルが読み出される契機となった上乗せ当選が発生するよりも前に連続して発生していた上乗せ当選における合計上乗せゲーム数に対応する数及び色の単位ゲージ画像G22が表示されている状態から、当該合計上乗せゲーム数に今回の上乗せ当選における上乗せゲーム数を加えた合計上乗せゲーム数に対応する数及び色の単位ゲージ画像G22が表示されている状態となるまで、所定の時間間隔(具体的には200ミリ秒間隔)で単位ゲージ画像G22の数及び色が更新されるゲージ増大表示が行われることとなる。
上乗せメイン演出が終了する前にスタートレバー41の操作が行われて上乗せメイン演出が途中で終了した場合には、第3レイヤLY3に読み出されていた高速表示用の上乗せサブ演出テーブル(高速第1上乗せサブ演出テーブル又は高速第2上乗せサブ演出テーブル)に対応する低速表示用の上乗せサブ演出テーブル(低速第1上乗せサブ演出テーブル又は低速第2上乗せサブ演出テーブル)が読み出される。具体的には、第3レイヤLY3に高速第1上乗せサブ演出テーブルが読み出されていた場合には当該第3レイヤLY3に低速第1上乗せサブ演出テーブルが読み出されるとともに、第3レイヤLY3に高速第2上乗せサブ演出テーブルが読み出されていた場合には当該第3レイヤLY3に低速第2上乗せサブ演出テーブルが読み出される。
高速表示用の上乗せサブ演出テーブルに代えて低速表示用の上乗せサブ演出テーブルが読み出される場合、第3レイヤLY3におけるポインタカウンタPC3の値はクリアされることなく引き継がれる。この場合、表示用設定エリア113の第5演出用エリア113f(図42(f))に設定されている上乗せサブ演出用の表示用データはクリアされない。このため、途中まで実行されていたゲージ点滅表示の続きからゲージ点滅表示が実行される。また、第3レイヤLY3に読み出されていた高速表示用の上乗せサブ演出テーブルのデータの書き換えが行われていた場合、当該高速表示用の上乗せサブ演出テーブルの各ポインタ情報に対して設定されていた書き換え後のデータが第3レイヤLY3に読み出される低速表示用の上乗せサブ演出テーブルにおいて対応するポインタ情報に設定される。これにより、上乗せ当選が連続して発生している状況において、今回の上乗せ当選が発生するよりも前に連続して発生していた上乗せ当選の合計上乗せゲームに対応する態様で上乗せサブ演出におけるゲージ点滅表示及びゲージ増大表示を実行することができる。
図60(b)に示すように、演出側RAM94には、表示用カウンタ134、上乗せゲーム数カウンタ135及び点滅表示用カウンタ136が設けられている。表示用カウンタ134は、ART状態ST6において1ゲームが実行される度に演出側MPU92により1減算されるカウンタである。ART状態ST6においては表示用カウンタ134に設定されている値がART状態ST6の残りの継続ゲーム数として画像表示装置63の左側上部に表示される。
上乗せゲーム数カウンタ135は、上乗せ当選により発生した上乗せゲーム数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。点滅表示用カウンタ136は、上乗せ当選が連続して発生した場合に、今回の上乗せ当選よりも前に連続して発生した上乗せ当選の合計上乗せゲーム数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。既に説明したとおり、本実施形態において、上乗せ当選が連続して発生する場合とは、上乗せサブ演出の実行中に演出側MPU92が新たなART中上乗せコマンドを受信し、上乗せサブ演出が途切れない態様で複数の上乗せ当選が発生する場合である。
次に、ART状態ST6における各種演出の実行を可能とするための演出側MPU92における処理構成について説明する。図62は演出側MPU92にて実行される非通常用の演出制御処理を示すフローチャートである。なお、非通常用の演出制御処理は遊技状態がボーナス内部状態ST2、BB状態ST3、RB状態ST4、準備状態ST5及びART状態ST6である場合に演出側MPU92において比較的短い周期(例えば4ミリ秒)で繰り返し実行される割込み処理にて実行される。
非通常用の演出制御処理では、主側MPU72からエンディング終了コマンドを受信している場合(ステップS3001:YES)、演出側RAM94に設けられた演出側エンディング演出フラグを「0」クリアする(ステップS3002)。演出側エンディング演出フラグは、有利区間SC2のエンディング演出の実行期間となっていることを演出側MPU92にて特定するためのフラグである。その後、エンディング終了用処理を実行する(ステップS3003)。エンディング終了用処理では、有利区間SC2のエンディング演出の終了に対応する演出として、エンディング終了演出を実行するための処理を行う。エンディング終了演出は、スピーカ62及び画像表示装置63において実行される。また、エンディング終了用処理(ステップS3003)では、演出側RAM94に設けられた演出側演出用タイマカウンタにエンディング終了演出の終了タイミングを演出側MPU92にて把握可能とする数値情報をセットする。演出側演出用タイマカウンタの値は、後述する履歴画像用管理処理(図95)のステップS5705にて更新される。
その後、演出側RAM94に設けられたART中フラグを「0」クリアする(ステップS3004)。ART中フラグは、遊技状態がART状態ST6、ART状態ST6から移行したボーナス内部状態ST2、ART状態ST6から移行したボーナス状態、及び当該ボーナス状態の終了後に移行した準備状態ST5のいずれかであることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。ART中フラグには、演出側MPU92が主側MPU72からART開始コマンドを受信した場合に「1」がセットされる。また、ART中フラグは、演出側MPU92が主側MPU72からART終了コマンド又はエンディング終了コマンドを受信した場合に「0」クリアされる。
ステップS3001にて否定判定を行った場合には、主側MPU72からエンディング演出コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS3005)、エンディング演出コマンドを受信している場合(ステップS3005:YES)には、演出側RAM94における演出側エンディング演出フラグに「1」をセットする(ステップS3006)。
ステップS3005にて否定判定を行った場合、又はステップS3006の処理を行った場合には、演出側エンディング演出フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS3007)、演出側エンディング演出フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3007:YES)には、エンディング演出用処理を実行する(ステップS3008)。エンディング演出用処理では、エンディング演出を実行するための処理を行う。
ステップS3007にて否定判定を行った場合、主側MPU72からART開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3009)。ART開始コマンドは既に説明したとおりART状態ST6が開始された場合に主側MPU72から送信される。ART開始コマンドを受信している場合(ステップS3009:YES)には、ART開始時の演出設定処理を実行する(ステップS3010)。図63(a)はART開始時の演出設定処理を示すフローチャートである。
ART開始時の演出設定処理では、主側MPU72から受信したART開始コマンドに設定されている情報に基づき、今回のART状態ST6への移行がART状態ST6への復帰に該当するか否かを判定する(ステップS3101)。ART状態ST6への復帰に該当しない場合(ステップS3101:NO)、ART開始コマンドに設定されているART状態ST6の新たな開始に対応する開始ゲーム数(具体的には50ゲーム)を演出側RAM94の表示用カウンタ134に加算する(ステップS3102)。この場合、ART状態ST6が開始される前のボーナス状態及び準備状態ST5においてART状態ST6の継続ゲーム数の上乗せが発生していない場合には表示用カウンタ134の値は開始ゲーム数に対応する「50」となる。一方、ART状態ST6が開始される前のボーナス状態及び準備状態ST5においてART状態ST6の残りの継続ゲーム数の上乗せが発生している場合には、その上乗せにより発生したゲーム数と、上記開始ゲーム数(「50」)との合計値が表示用カウンタ134にセットされた状態となる。
ステップS3101にて肯定判定を行った場合、又はステップS3102の処理を行った場合には、継続ゲーム数表示の開始用処理を実行する(ステップS3103)。継続ゲーム数表示の開始用処理では、現状の表示用カウンタ134の値に対応する継続ゲーム数画像G18を表示するための表示用データを演出側ROM93から読み出し、当該読み出した表示用データを表示用設定エリア113の第3演出用エリア113d(図42(c))に設定する。当該表示用データに基づいて画像表示装置63の表示制御が行われることにより、画像表示装置63の左側上部に表示用カウンタ134の値に対応する継続ゲーム数画像G18(図57)が表示される。このように、画像表示装置63の左側上部には、ART状態ST6の残りの継続ゲーム数として表示用カウンタ134の値を示す継続ゲーム数画像G18が表示される。また、表示用設定エリア113の第3演出用エリア113dに前回の表示用データが設定されている場合には、第3演出用エリア113dがクリアされた後に今回の表示用データが設定される。これにより、画像表示装置63に表示されている継続ゲーム数画像G18が更新後の表示用カウンタ134の値に対応した値に更新される。
その後、ゲージ枠表示の開始用処理を実行する(ステップS3104)。ゲージ枠表示の開始用処理では、画像表示装置63のサブ表示領域131(図57)にゲージ枠画像G19(図57)を表示するための表示用データを演出側ROM93から読み出し、当該読み出した表示用データを表示用設定エリア113の第4演出用エリア113e(図42(b))に設定する。当該表示用データに基づいて画像表示装置63の表示制御が行われることにより、画像表示装置63のサブ表示領域131においてゲージ枠画像G19の表示が開始される。
その後、ART開始演出抽選処理を実行する(ステップS3105)。ART開始演出抽選処理では、まずART開始演出抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す。本スロットマシン10には、16種類のART開始演出が存在しており、演出側ROM93には当該16種類のART開始演出を実行するための16種類のART開始演出テーブルが記憶されている。ART開始演出抽選テーブルには、当該16種類のART開始演出テーブルの情報が設定されており、各ART開始演出テーブルの情報には当否を判定するための数値範囲が設定されている。その後、演出側RAM94において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出したART開始演出抽選テーブルに対して照合する。これにより、今回の読み出し対象となるART開始演出テーブルを特定する。具体的には、乱数カウンタから読み出した数値情報を含む数値範囲が設定されているART開始演出テーブルを読み出し対象として特定する。
その後、ART開始演出の種別情報設定処理を実行する(ステップS3106)。ART開始演出の種別情報設定処理では、後述する履歴記憶モードである場合、ART開始演出抽選処理(ステップS3105)において特定したART開始演出テーブルに対応するART開始演出の種別情報(1~16のいずれかの数値情報)を履歴記憶用エリア94bにおける第8履歴用記憶エリアRA8に設定する(ステップS3106)。なお、履歴記憶モード及び第8履歴用記憶エリアRA8については後述する。
その後、ステップS3105におけるART開始演出抽選処理において特定したART開始演出テーブルを読み出し用エリア94aに読み出して(ステップS3107)、本ART開始時の演出設定処理を終了する。ART開始演出テーブルは第0レイヤLY0に読み出される。ステップS3107において読み出されたART開始演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてART開始演出が実行される。
非通常用の演出制御処理(図62)の説明に戻り、ステップS3009にて否定判定を行った後、現状の遊技状態がART状態ST6であるか否かについて判定する(ステップS3012)。現状の遊技状態がART状態ST6でない場合(ステップS3012:NO)には、その他の演出用処理を実行して(ステップS3013)、本非通常用の演出制御処理を終了する。その他の演出用処理(ステップS3013)では、遊技状態がボーナス内部状態ST2、BB状態ST3、RB状態ST4又は準備状態ST5である場合における演出の実行制御を行うための処理を実行する。また、その他の演出用処理(ステップS3013)では、ボーナス内部状態ST2又は準備状態ST5においてボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信した場合、後述するボーナス入賞時の役物設定処理(図78)を実行する。
現状の遊技状態がART状態ST6である場合(ステップS3012:YES)には、主側MPU72からゲーム開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3014)。ゲーム開始コマンドを受信している場合(ステップS3014:YES)には、ART中のゲーム開始用処理を実行して(ステップS3015)、本非通常用の演出制御処理を終了する。図63(b)はART中のゲーム開始用処理を示すフローチャートである。
ART中のゲーム開始用処理では、演出側RAM94に設けられたメイン演出中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3201)。メイン演出中フラグは、上乗せメイン演出の実行中であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。メイン演出中フラグには、後述する上乗せ演出用処理(図65)のステップS3404にて「1」がセットされる。また、メイン演出中フラグは、後述する上乗せメイン演出の終了処理(ステップS3202)及び後述するフラグクリア処理(図66(a))のステップS3503にて「0」クリアされる。
ステップS3201にてメイン演出中フラグに「1」がセットされていると判定した場合には、上乗せメイン演出の実行中にゲーム開始コマンドを受信したことを意味するため、上乗せメイン演出の終了処理を実行する(ステップS3202)。上乗せメイン演出の終了処理では、読み出し用エリア94aにおける第2レイヤLY2をクリアする。既に説明したとおり、第2レイヤLY2は、上乗せメイン演出テーブルが読み出されるレイヤである。上乗せメイン演出テーブルが読み出されていた第2レイヤLY2がクリアされることにより、上乗せメイン演出テーブルに設定されている音データに基づく音出力制御及び上乗せメイン演出テーブルに設定されている発光データに基づく上部ランプ61の発光制御が行われなくなる。既に説明したとおり、上乗せメイン演出テーブルの終盤のポインタ情報(上乗せメイン演出の実行期間が残り1秒となるポインタ情報)には役物75の駆動テーブルのアドレス情報がセットされている。上乗せメイン演出テーブルが読み出されていた第2レイヤLY2がクリアされることにより、当該駆動テーブルが読み出されなくなり、当該駆動テーブルに基づく役物動作演出がキャンセルされる。なお、役物動作演出の詳細については後述する。また、上乗せメイン演出の終了処理(ステップS3202)では、表示用設定エリア113の第2演出用エリア113c(図42(c))をクリアする。既に説明したとおり、第2演出用エリア113cは、上乗せメイン演出を実行するための表示用データが設定されるエリアである。上乗せメイン演出の実行中であった場合には、当該上乗せメイン演出を実行するための表示用データがクリアされる。これにより、画像表示装置63にて行われていた上乗せメイン演出の表示が終了する。読み出し用エリア94aにおいて、上乗せメイン演出テーブル及び上乗せサブ演出テーブルが読み出されるレイヤLYnは異なっているとともに、上乗せメイン演出を実行するための表示用データ及び上乗せサブ演出を実行するための表示用データの設定先も異なっている。このため、上乗せサブ演出を継続させながら上乗せメイン演出を終了させるための処理構成を簡略化することが可能となっている。さらにまた、上乗せメイン演出の終了処理(ステップS3202)では、メイン演出中フラグを「0」クリアする。これにより、上乗せメイン演出が終了したことを演出側MPU92にて把握可能となる。
その後、上乗せサブ演出テーブルの更新処理を実行する(ステップS3203)。当該更新処理では、読み出し用エリア94aの第3レイヤLY3に読み出されている高速表示用の上乗せサブ演出テーブルに代えて、対応する低速表示用の上乗せサブ演出テーブルを当該第3レイヤLY3に読み出す。具体的には、第3レイヤLY3に高速第1上乗せサブ演出テーブルが読み出されている場合には低速第1上乗せサブ演出テーブルを読み出すとともに、第3レイヤLY3に高速第2上乗せサブ演出テーブルが読み出されている場合には低速第2上乗せサブ演出テーブルを読み出す。既に説明したとおり、第3レイヤLY3におけるポインタカウンタPC3の値はクリアされることなく引き継がれる。また、上乗せサブ演出テーブルの更新処理(ステップS3203)では、上乗せサブ演出用の表示用データが設定されている表示用設定エリア113の第5演出用エリア113fはクリアしない。このため、ゲージ表示部G19aではゲージ点滅表示の続きが表示される。
ステップS3203における上乗せサブ演出テーブルの更新処理では、第3レイヤLY3に読み出されていた高速表示用の上乗せサブ演出テーブルのデータの書き換えが行われていた場合、当該高速表示用の上乗せサブ演出テーブルの各ポインタ情報に対して設定されていた書き換え後のデータが第3レイヤLY3に読み出される低速表示用の上乗せサブ演出テーブルにおいて対応するポインタ情報に設定される。これにより、上乗せ当選が連続して発生している状況において、今回の上乗せ当選が発生するよりも前に連続して発生していた上乗せ当選の合計上乗せゲーム数に対応する態様で上乗せサブ演出におけるゲージ点滅表示及びゲージ増大表示を実行することができる。
その後、ART用のベース演出抽選処理を実行する(ステップS3204)。ART用のベース演出抽選処理では、まずART用ベース演出を選択するためのART用ベース演出抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す。既に説明したとおり、演出側ROM93のART用ベース演出テーブル記憶エリア133aには16種類のART用ベース演出テーブルが記憶されている。ART用ベース演出抽選テーブルには、当該16種類のART用ベース演出テーブルの種別情報(1~16の数値情報)が設定されており、各種別情報には当否判定を行うための数値範囲が設定されている。その後、演出側RAM94において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出したART用ベース演出抽選テーブルに対して照合する。これにより、今回の読み出し対象となるART用ベース演出テーブルを特定する。具体的には、乱数カウンタから読み出した数値情報を含む数値範囲が設定されているART用ベース演出テーブルを読み出し対象として特定する。
その後、ART用ベース演出テーブルの読み出し処理を実行する(ステップS3205)。当該読み出し処理では、読み出し用エリア94aにおける第0レイヤLY0をクリアし、ステップS3204にて特定したART用ベース演出テーブルを演出側ROM93のART用ベース演出テーブル記憶エリア133aから読み出し用エリア94aの第0レイヤLY0に読み出す。ART用ベース演出テーブルに従って演出の実行制御が行われることにより、スピーカ62及び画像表示装置63にてART用ベース演出が実行される。具体的には、ART用ベース演出テーブルにおける「0」のポインタ情報には、画像表示装置63にてART用ベース演出を実行するための表示用データのアドレス情報及び設定先情報が設定されている。当該表示用データは、表示用設定エリア113の背景用エリア113a(図42(c))に設定される。背景用エリア113aに前回の表示用データが設定されている場合には、背景用エリア113aがクリアされた後に今回の表示用データが設定される。これにより、前回のART用ベース演出が終了するとともに今回のART用ベース演出が開始される。
その後、ART用の通常演出抽選処理を実行する(ステップS3206)。ART用の通常演出抽選処理では、まずART用通常演出を選択するためのART用通常演出抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す。既に説明したとおり、演出側ROM93のART用通常演出テーブル記憶エリア133bには16種類のART用通常演出テーブルが記憶されている。ART用通常演出抽選テーブルには当該16種類のART用通常演出テーブルの種別情報(1~16の数値情報)が設定されており、各種別情報には当否判定を行うための数値範囲が設定されている。その後、演出側RAM94において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出したART用通常演出抽選テーブルに対して照合する。これにより、今回の読み出し対象となるART用通常演出テーブルを特定する。具体的には、乱数カウンタから読み出した数値情報を含む数値範囲が設定されているART用通常演出テーブルを読み出し対象として特定する。
その後、読み出し用エリア94aにおける第1レイヤLY1をクリアし、ステップS3206におけるART用の通常演出抽選処理にて読み出し対象として特定したART用通常演出テーブルを演出側ROM93のART用通常演出テーブル記憶エリア133bから読み出す(ステップS3207)。上述したとおり、ART用通常演出テーブルは、読み出し用エリア94aにおける第1レイヤLY1に読み出される。ART用通常演出テーブルに従って演出の実行制御が行われることにより、スピーカ62及び画像表示装置63にてART用通常演出が実行される。読み出し用エリア94aの異なるレイヤLYnに読み出されたART用ベース演出テーブル及びART用通常演出テーブルに基づいて、ART用ベース演出及びART用通常演出が並行して実行される。
その後、演出側RAM94の表示用カウンタ134の値を1減算し(ステップS3208)、継続ゲーム数表示の更新処理を実行して(ステップS3209)、本ART中のゲーム開始用処理を終了する。ステップS3209における継続ゲーム数表示の更新処理では、ステップS3208にて1減算した後の表示用カウンタ134の値が「1」以上の値である場合、当該表示用カウンタ134の値に対応する継続ゲーム数画像G18を表示するための表示用データを演出側ROM93から読み出し、当該読み出した表示用データを表示用設定エリア113の第3演出用エリア113dに設定する。既に説明したとおり、第3演出用エリア113dに既に表示用データが設定されている場合には、第3演出用エリア113dを「0」クリアした後に今回の表示用データを設定する。当該表示用データに基づいて画像表示装置63の表示制御が行われることにより、画像表示装置63の左側上部に表示されている継続ゲーム数の値が当該1減算後の値に更新される。また、ステップS3209における継続ゲーム数表示の更新処理では、ステップS3208にて1減算した後の表示用カウンタ134の値が「0」以下の値である場合、当該「0」以下の値に代えて、画像表示装置63の左側上部に「?」を表示するための表示用データを演出側ROM93から読み出し、当該読み出した表示用データを表示用設定エリア113の第3演出用エリア113dに設定する。既に説明したとおり、上乗せ当選が連続して発生している状況においても、ゲームが開始される度に画像表示装置63の左側上部に表示されている継続ゲーム数の値は1減算される。連続して発生した上乗せ当選における合計上乗せゲーム数が最後にまとめて加算されるまでの間に画像表示装置63の左側上部に表示すべき継続ゲーム数の値が「0」以下の値となることがある。この場合には、当該「0」以下の値に代えて、画像表示装置63の左側上部に「?」が表示されるため、画像表示装置63の左側上部に継続ゲーム数として「0」以下の値が表示されている状態でART状態ST6が継続することはない。
非通常用の演出制御処理(図62)の説明に戻り、ステップS3014にて否定判定を行った場合には、主側MPU72からART中上乗せコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3016)。ART中上乗せコマンドを受信している場合(ステップS3016:YES)には、演出調整処理を実行する(ステップS3017)。図64は演出調整処理を示すフローチャートである。
演出調整処理では、演出側RAM94に設けられたサブ演出中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3301)。サブ演出中フラグは、上乗せサブ演出の実行中であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。サブ演出中フラグには、後述する上乗せ演出用処理(図65)のステップS3411にて「1」がセットされる。また、サブ演出中フラグは、後述するフラグクリア処理(図66(a))のステップS3506にて「0」クリアされる。
ステップS3301にてサブ演出中フラグに「1」がセットされていると判定した場合には、上乗せサブ演出の実行中にART中上乗せコマンドを受信したことを意味するため、上乗せサブ演出の終了処理を実行する(ステップS3302)。上乗せサブ演出の終了処理では、読み出し用エリア94aにおける第3レイヤLY3をクリアするとともに、表示用設定エリア113における第5演出用エリア113f(図42(c))をクリアする。既に説明したとおり、第3レイヤLY3は上乗せサブ演出テーブル(高速第1上乗せサブ演出テーブル、高速第2上乗せサブ演出テーブル、低速第1上乗せサブ演出テーブル、又は低速第2上乗せサブ演出テーブル)が読み出されるレイヤであるとともに、第5演出用エリア113fは上乗せサブ演出用の表示用データが設定されるエリアである。第5演出用エリア113fをクリアすることにより、画像表示装置63にて行われていた上乗せサブ演出が終了する。また、第3レイヤLY3をクリアすることにより、上乗せサブ演出用の表示用データが第5演出用エリア113fに新たに設定されることを防止して、上乗せサブ演出を終了させることができる。
その後、演出側RAM94における連続上乗せフラグに「1」をセットする(ステップS3303)。連続上乗せフラグは、上乗せサブ演出が途切れない態様で上乗せ当選が連続して2回以上発生している状況であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。
その後、点滅表示用カウンタ136の加算処理を実行する(ステップS3304)。点滅表示用カウンタ136の加算処理では、演出側RAM94における上乗せゲーム数カウンタ135を参照してステップS3302にて終了させた上乗せサブ演出における上乗せゲーム数を把握し、当該把握した上乗せゲーム数を演出側RAM94における点滅表示用カウンタ136の値に対して加算する。これにより、点滅表示用カウンタ136に今回の上乗せ当選よりも前に連続して発生した上乗せ当選の合計上乗せゲーム数が設定されている状態となる。
ステップS3304にて点滅表示用カウンタ136の加算処理を実行した場合には、上乗せゲーム数カウンタ135の値を「0」クリアして(ステップS3305)、本演出調整処理を終了する。なお、上乗せゲーム数カウンタ135には、後述する上乗せ演出用処理(図65)のステップS3401にて、今回の上乗せ当選における上乗せゲーム数がセットされる。
非通常用の演出制御処理(図62)の説明に戻り、ステップS3017にて演出調整処理(図64)を実行した後、上乗せ演出用処理を実行する(ステップS3018)。図65は上乗せ演出用処理を示すフローチャートである。
上乗せ演出用処理では、今回受信したART中上乗せコマンドに設定されている情報に基づいて上乗せゲーム数を把握し、当該把握した上乗せゲーム数を演出側RAM94における上乗せゲーム数カウンタ135に設定する(ステップS3401)。これにより、上乗せサブ演出が途切れない態様で上乗せ当選が連続して発生している場合には、今回の上乗せ当選における上乗せゲーム数が上乗せゲーム数カウンタ135に設定されているとともに、今回の上乗せ当選よりも前に連続して発生していた上乗せ当選における合計上乗せゲーム数が点滅表示用カウンタ136に設定されている状態となる。また、上乗せ当選が連続して発生していない場合には、今回の上乗せ当選における上乗せゲーム数が上乗せゲーム数カウンタ135に設定されているとともに、点滅表示用カウンタ136の値が「0」である状態となる。
その後、上乗せメイン演出抽選処理を実行する(ステップS3402)。上乗せメイン演出抽選処理では、まず上乗せメイン演出を選択するための上乗せメイン演出抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す。既に説明したとおり、演出側ROM93の上乗せメイン演出テーブル記憶エリア133c(図60(a))には「50」の上乗せゲーム数に対応する上乗せメイン演出を実行するための4種類の上乗せメイン演出テーブルと、「100」の上乗せゲーム数に対応する上乗せメイン演出を実行するための4種類の上乗せメイン演出テーブルとが記憶されている。第1上乗せメイン演出抽選テーブルには、4種類の上乗せメイン演出テーブルの種別情報が設定されており、各種別情報に対して当否の判定を行うための数値範囲が設定されている。また、第2上乗せメイン演出抽選テーブルには、4種類の上乗せメイン演出テーブルの種別情報が設定されており、各種別情報に対して当否の判定を行うための数値範囲が設定されている。その後、演出側RAM94において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出した上乗せメイン演出抽選テーブルに対して照合する。これにより、今回の読み出し対象となる上乗せメイン演出テーブルを特定する。具体的には、乱数カウンタから読み出した数値情報を含む数値範囲が設定されている上乗せメイン演出テーブルを読み出し対象として特定する。
その後、読み出し用エリア94aの第2レイヤLY2をクリアし、ステップS3402における上乗せメイン演出抽選処理にて特定した上乗せメイン演出テーブルを演出側ROM93から読み出し用エリア94aに読み出す(ステップS3403)。既に説明したとおり、上乗せメイン演出テーブルは第2レイヤLY2に読み出される。上乗せメイン演出テーブルに従って演出の実行制御が行われることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて上乗せメイン演出が実行される。また、上乗せメイン演出テーブルの終盤のポインタ情報(上乗せメイン演出の実行期間が残り1秒となるポインタ情報)に対して設定されている役物75の駆動テーブルが読み出されることにより、役物75の球状演出部77bが上下に動作する役物動作演出が実行される。なお、役物動作演出の詳細については後述する。その後、演出側RAM94におけるメイン演出中フラグに「1」をセットする(ステップS3404)。これにより、上乗せメイン演出の実行中であることを演出側MPU92にて把握可能となる。
その後、今回の上乗せゲーム数に対応する上乗せサブ演出テーブルを特定する(ステップS3405)。具体的には、ステップS3401にて上乗せゲーム数カウンタ135に設定した上乗せゲーム数が「50」である場合には演出側ROM93の高速第1上乗せサブ演出テーブル記憶エリア133dに記憶されている高速第1上乗せサブ演出テーブルを特定するとともに、ステップS3401にて上乗せゲーム数カウンタ135に設定した上乗せゲーム数が「100」である場合には演出側ROM93の高速第2上乗せサブ演出テーブル記憶エリア133eに記憶されている高速第2上乗せサブ演出テーブルを特定する。
その後、演出側RAM94に設けられた連続上乗せフラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3406)。既に説明したとおり、連続上乗せフラグは、上乗せサブ演出が途切れない態様で上乗せ当選が連続して2回以上発生している状況であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。連続上乗せフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3406:NO)には、ステップS3405にて特定した上乗せサブ演出テーブルを読み出し用エリア94aに読み出す(ステップS3407)。既に説明したとおり、上乗せサブ演出テーブルは第3レイヤLY3に読み出される。上乗せサブ演出テーブルに従って演出の実行制御が行われることにより、画像表示装置63にて高速表示のゲージ増大表示を含む上乗せサブ演出が実行される。
一方、連続上乗せフラグに「1」がセットされている場合(ステップS3406:YES)には、テーブル書き換え処理を実行する(ステップS3408)。テーブル書き換え処理では、まず演出側RAM94における点滅表示用カウンタ136の値を把握する。今回の上乗せ当選が連続2回目の上乗せ当選である場合、点滅表示用カウンタ136には、先に発生した上乗せ当選における上乗せゲーム数が設定されている。また、連続2回以上の上乗せ当選が発生している状況においてさらに連続して今回の上乗せ当選が発生した場合、すなわち今回の上乗せ当選が連続3回目以上の上乗せ当選である場合、点滅表示用カウンタ136には、今回の上乗せ当選よりも前に連続して発生した上乗せ当選の合計上乗せゲーム数が設定されている。その後、当該把握した合計上乗せゲーム数に対応する数及び色の単位ゲージ画像G22の点滅表示を行うための表示用データのアドレス情報を特定する。そして、ステップS3405にて特定した上乗せサブ演出テーブル(高速第1上乗せサブ演出テーブル又は高速第2上乗せサブ演出テーブル)の「0」、「25」、及び「50」のポインタ情報に対して設定されている表示用データのアドレス情報に代えて、当該特定した表示用データのアドレス情報を設定する。また、ステップS3405にて特定したテーブルが高速第1上乗せサブ演出テーブル(図61)である場合には、「75」、「80」、「85」、「90」及び「95」に設定されているゲージ増大表示を行うための表示用データのアドレス情報に代えて、今回の上乗せ当選よりも前に連続して発生していた上乗せ当選における合計上乗せゲーム数に対応する態様でゲージ増大表示を行うための表示用データのアドレス情報を設定する。一方、ステップS3405にて特定したテーブルが高速第2上乗せサブ演出テーブルである場合には、「75」、「80」、「85」、「90」、「95」、「100」、「105」、「110」、「115」及び「120」に設定されているゲージ増大表示を行うための表示用データのアドレス情報に代えて、今回の上乗せ当選よりも前に連続して発生していた上乗せ当選における合計上乗せゲーム数に対応する態様でゲージ増大表示を行うための表示用データのアドレス情報を設定する。
その後、読み出し用エリア94aの第3レイヤLY3をクリアし、ステップS3408にてテーブル書き換え処理を実行した後の上乗せサブ演出テーブル(高速第1上乗せサブ演出テーブル又は高速第2上乗せサブ演出テーブル)を読み出し用エリア94aに読み出す(ステップS3409)。書き換え後の上乗せサブ演出テーブルは、書き換えが行われない場合と同様に、第3レイヤLY3に読み出される。書き換え後の上乗せサブ演出テーブルに従って演出の実行制御が行われることにより、画像表示装置63にて上乗せサブ演出が実行される。その後、演出側RAM94における連続上乗せフラグを「0」クリアする(ステップS3410)。
ステップS3407の処理を行った場合、又はステップS3410の処理を行った場合には、演出側RAM94におけるサブ演出中フラグに「1」をセットする(ステップS3411)。これにより、上乗せサブ演出の実行中であることを演出側MPU92にて把握可能となる。その後、演出側RAM94に設けられた上乗せ表示待機フラグに「1」をセットして(ステップS3412)、本上乗せ演出用処理を終了する。上乗せ表示待機フラグは、上乗せサブ演出の実行期間が終了するまで表示用カウンタ134に対して今回の上乗せ当選における上乗せゲーム数を加算する処理が待機状態となることを演出側RAM94にて把握可能とするフラグである。
非通常用の演出制御処理(図62)の説明に戻り、ステップS3016にて否定判定を行った場合には、主側MPU72からART終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3019)。ステップS3019にて肯定判定を行った場合には、ART終了用処理を実行する(ステップS3020)。ART終了用処理では、ART状態ST6の終了に対応する演出として、ART終了演出を実行するための処理を行う。ART終了演出は、スピーカ62及び画像表示装置63において実行される。また、ART終了用処理(ステップS3020)では、演出側RAM94に設けられた演出側演出用タイマカウンタにART終了演出の終了タイミングを演出側MPU92にて把握可能とする数値情報をセットする。演出側演出用タイマカウンタの値は、後述する履歴画像用管理処理(図95)のステップS5705にて更新される。その後、演出側RAM94におけるART中フラグを「0」クリアして(ステップS3021)、本非通常用の演出制御処理を終了する。
ステップS3019にて否定判定を行った場合には、ゲーム数更新用処理を実行して(ステップS3022)、本非通常用の演出制御処理を終了する。ゲーム数更新用処理(ステップS3022)では、上乗せサブ演出が終了したことを条件として、画像表示装置63の左側上部に表示されている継続ゲーム数画像G18を更新するための処理を実行する。
ここで、ゲーム数更新用処理(図66(b))の説明に先立ち、演出側MPU92にて実行されるフラグクリア処理について図66(a)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、フラグクリア処理は、参照対象のポインタ情報が最終のポインタ情報まで更新され、当該最終のポインタ情報にリピート情報が設定されていない場合に、ポインタ更新処理(図48)のステップS2006にて実行される。
フラグクリア処理では、読み出し用エリア94aにおける対象レイヤカウンタ114の値が「2」であり(ステップS3501:YES)、演出側RAM94におけるメイン演出中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3502:YES)、当該メイン演出中フラグを「0」クリアする(ステップS3503)。これにより、上乗せメイン演出が終了したことを演出側MPU92にて把握可能となる。
フラグクリア処理では、読み出し用エリア94aにおける対象レイヤカウンタ114の値が「3」であり(ステップS3504:YES)、演出側RAM94におけるサブ演出中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3505:YES)、当該サブ演出中フラグを「0」クリアする(ステップS3506)。これにより、上乗せサブ演出が終了したことを演出側MPU92にて把握可能となる。
フラグクリア処理では、対象レイヤカウンタ114の値が「11」である場合(ステップS3507:YES)、後述する役物用フラグ設定処理を実行して(ステップS3508)、本フラグクリア処理を終了する。
次に、演出側MPU92にて実行されるゲーム数更新用処理について図66(b)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ゲーム数更新用処理は非通常用の演出制御処理(図62)のステップS3022にて実行される。
ゲーム数更新用処理では、まず演出側RAM94における上乗せ表示待機フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3601)。上乗せ表示用待機フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3601:YES)には、演出側RAM94におけるサブ演出中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3602)。
ステップS3602にて否定判定を行った場合には、実行中であった上乗せサブ演出が終了したことを意味する。この場合には、表示用カウンタ134の加算処理を実行する(ステップS3603)。表示用カウンタ134の加算処理では、演出側RAM94における上乗せゲーム数カウンタ135の値及び点滅表示用カウンタ136の値を表示用カウンタ134の値に対して加算する。上乗せ演出が連続して発生していない場合、上乗せゲーム数カウンタ135には今回終了した上乗せサブ演出における上乗せゲーム数がセットされているとともに、点滅表示用カウンタ136の値が「0」となっている。この場合に行われる表示用カウンタ134の加算処理(ステップS3603)では、今回終了した上乗せサブ演出における上乗せゲーム数が表示用カウンタ134の値に対して加算される。また、上乗せサブ演出が途切れない態様で上乗せ演出が連続して発生していた場合、上乗せゲーム数カウンタ135には今回終了した上乗せサブ演出における上乗せゲーム数がセットされているとともに、点滅表示用カウンタ136には最後に発生した上乗せ当選よりも前に連続して発生していた上乗せ当選の合計上乗せゲーム数がセットされている。この場合に行われる表示用カウンタ134の加算処理(ステップS3603)では、連続して発生した全ての上乗せ当選における合計上乗せゲーム数が表示用カウンタ134の値に対して加算される。
その後、継続ゲーム数表示の更新処理を実行する(ステップS3604)。継続ゲーム数表示の更新処理では、ステップS3603にて加算処理が行われた後の表示用カウンタ134の値に対応する継続ゲーム数画像G18を表示するための表示用データを演出側ROM93から読み出し、当該読み出した表示用データを表示用設定エリア113の第3演出用エリア113d(図42(c))に設定する。当該表示用データに基づいて画像表示装置63の表示制御が行われることにより、画像表示装置63の左側上部に表示されている継続ゲーム数の値がステップS3603にて表示用カウンタ134の加算処理が行われた後の値に更新される。具体的には、上乗せ演出が連続して発生していなかった場合には、今回終了した上乗せサブ演出における上乗せゲーム数が加算された後の値に更新される。また、上乗せサブ演出が途切れない態様で上乗せ演出が連続して発生していた場合には、連続して発生した上乗せ当選における合計上乗せゲーム数が加算された後の値に更新される。
その後、演出側RAM94における上乗せゲーム数カウンタ135の値及び点滅表示用カウンタ136の値を「0」クリアし(ステップS3605)、演出側RAM94における上乗せ表示待機フラグを「0」クリアして(ステップS3606)、本ゲーム数更新用処理を終了する。
次に、図67のタイムチャートを参照しながらART状態ST6において上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出が実行される様子について説明する。図67(a)は上乗せメイン演出の実行期間を示し、図67(b)は上乗せサブ演出におけるゲージ点滅表示の実行期間を示し、図67(c)は上乗せサブ演出におけるゲージ増大表示の実行期間を示し、図67(d)はART用ベース演出及びART用通常演出の開始タイミングを示し、図67(e)は継続ゲーム数表示の更新タイミングを示し、図67(f)は演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信するタイミングを示し、図67(g)は演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信するタイミングを示す。
まず上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出が終了した後に演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信する場合について説明する。
ART状態ST6であるt1のタイミングで、図67(f)に示すように、演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信すると、当該t1のタイミングで、図67(a)に示すように、上乗せメイン演出が開始されるとともに、図67(b)に示すように、上乗せサブ演出におけるゲージ点滅表示が開始される。
その後、図67(a)に示すように、t2のタイミングで上乗せメイン演出が終了すると、当該t2のタイミングで、図67(b)に示すように、ゲージ点滅表示が終了するとともに、図67(c)に示すように、上乗せサブ演出におけるゲージ増大表示が開始される。上乗せメイン演出の動画表示が途中で終了することなく最後まで実行されたため、当該ゲージ増大表示は、ゲージ表示部G19aにおける単位ゲージ画像G22の数及び色が200ミリ秒間隔で更新される高速表示となる。
その後、図67(c)に示すように、t3のタイミングで上乗せサブ演出におけるゲージ増大表示が終了すると、表示用カウンタ134の値に対して、当該終了した上乗せサブ演出の契機となった上乗せ当選における上乗せゲーム数が加算される。そして、図67(e)に示すように、当該t3のタイミングで画像表示装置63の左側上部に表示されている継続ゲーム数の値が当該上乗せゲーム数の加算後の値に更新される。
その後、図67(g)に示すように、t4のタイミングで演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信すると、図67(d)に示すように、当該t4のタイミングで新たなART用ベース演出及びART用通常演出が開始されるとともに、表示用カウンタ134の値を1減算する処理が行われる。そして、図67(e)に示すように、当該t4のタイミングで画像表示装置63の左側上部に表示されている継続ゲーム数の値が当該1減算後の値に更新される。
既に説明したとおり、上乗せメイン演出の動画表示が途中で終了することなく最後まで実行された場合、当該動画表示の最後で上乗せゲーム数が示唆される。この場合、遊技者は上乗せゲーム数を把握した状態でゲージ増大表示を見ることになる。ゲージ増大表示が高速表示であることにより、ゲーム開始コマンドを受信したことに基づいて開始されたART用ベース演出及びART用通常演出と、ゲージ増大表示とが並行して実行される期間を短い期間として、遊技者の関心を早めにART用通常演出に戻すことができる。
次に、上乗せメイン演出の実行中に演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信するとともに、その後のゲージ増大表示の実行中に演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信する場合について説明する。
ART状態ST6であるt5のタイミングで、図67(f)に示すように、演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信すると、当該t5のタイミングで、図67(a)に示すように、上乗せメイン演出が開始されるとともに、図67(b)に示すように、上乗せサブ演出におけるゲージ点滅表示が開始される。
その後、上乗せメイン演出の実行期間(具体的には3秒間)が終了するよりも前のタイミングであるt6のタイミングで、図67(g)に示すように演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信すると、図67(a)に示すように、当該t6のタイミングで途中まで実行されていた上乗せメイン演出が終了する。当該t6のタイミングで、第3レイヤLY3に読み出されていた高速第1上乗せサブ演出テーブルに代えて、低速第1上乗せ演出テーブルが当該第3レイヤLY3に読み出される。既に説明したとおり、第3レイヤLY3におけるポインタカウンタPC3の値はクリアされることなく引き継がれる。このため、図67(b)に示すように、上乗せサブ演出におけるゲージ点滅表示は継続される。また、図67(d)に示すように、当該t6のタイミングで、ART用ベース演出及びART用通常演出が開始されるとともに、表示用カウンタ134の値を1減算する処理が実行される。そして、図67(e)に示すように、当該t6のタイミングで、画像表示装置63の左側上部に表示されている継続ゲーム数の値が当該1減算後の値に更新される。
このように、上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出の実行中に演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信した場合、実行中であった上乗せメイン演出が終了するとともに、ゲーム開始コマンドを受信したことに基づいてART用ベース演出及びART用通常演出が開始される。また、高速第1上乗せサブ演出テーブルに代えて低速第1上乗せサブ演出テーブルが読み出されることにより、上乗せサブ演出におけるゲージ増大表示が高速表示から低速表示に切り換えられる。これにより、上乗せ当選の結果だけでなく当該上乗せ当選に対応する上乗せサブ演出を確認可能としながら、ゲーム開始コマンドの受信に基づいて、遅延を生じさせることなく、ART用ベース演出及びART用通常演出を開始させることできる。上乗せメイン演出の動画表示が最後まで実行されることなく途中で終了したため、上乗せゲーム数が示唆されることなくゲージ増大表示が開始される。この場合、遊技者は、ゲージ表示部G19aに表示される単位ゲージ画像G22の数及び色の更新態様が「100」の上乗せゲーム数に対応する態様となるように期待しながらゲージ増大表示を見ることとなる。ゲージ増大表示が高速表示から低速表示に切り換えられることにより、関心の高いゲージ増大表示の表示期間を延ばして、遊技の興趣向上を図ることができる。
その後、t7のタイミングで、図67(b)に示すように、上乗せサブ演出におけるゲージ点滅表示が終了し、図67(c)に示すように、当該上乗せサブ演出におけるゲージ増大表示が開始される。これにより、画像表示装置63では、ART用ベース演出と、ART用通常演出と、上乗せサブ演出におけるゲージ増大表示とが同時に実行されている状態となる。既に説明したとおり、上乗せメイン演出の動画表示が最後まで実行されることなく途中で終了した場合、上乗せサブ演出におけるゲージ増大表示は、ゲージ表示部G19aに表示される単位ゲージ画像G22の数及び色が400ミリ秒間隔で更新される低速表示となる。
その後、ゲージ増大表示の実行期間が終了するよりも前のタイミングであるt8のタイミングで図67(f)に示すように演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信すると、図67(c)に示すように、当該t8のタイミングで途中まで実行されていたゲージ増大表示が終了する。また、図67(a)及び図67(b)に示すように、当該t8のタイミングで今回受信したART中上乗せコマンドに対応する上乗せメイン演出と、上乗せサブ演出におけるゲージ点滅表示とが開始される。これにより、画像表示装置63では、ART用ベース演出と、ART用通常演出と、上乗せメイン演出と、上乗せサブ演出におけるゲージ点滅表示とが同時に実行されている状態となる。ゲージ点滅表示では、今回の上乗せ当選が発生するよりも前に連続して発生していた上乗せ当選における合計上乗せゲーム数に対応する態様でゲージ点滅表示が行われる。このため、点滅表示される単位ゲージ画像G22の数及び色に基づいて今回の上乗せ当選が発生するよりも前に連続して発生していた上乗せ当選における合計上乗せゲーム数を把握可能としながら、ART中上乗せコマンドを受信してから遅延を生じさせることなく当該受信したART中上乗せコマンドに基づく上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を開始することができる。
その後、t9のタイミングで、図67(a)に示すように上乗せメイン演出が終了するとともに、図67(b)に示すように上乗せサブ演出におけるゲージ点滅表示が終了する。そして、当該t9のタイミングで、図67(c)に示すように上乗せサブ演出におけるゲージ増大表示が開始される。上乗せメイン演出の動画表示が途中で終了することなく最後まで実行されたため、当該ゲージ増大表示は、ゲージ表示部G19aにおける単位ゲージ画像G22の数及び色が200ミリ秒間隔で更新される高速表示となる。
その後、図67(c)に示すように、t10のタイミングで上乗せサブ演出におけるゲージ増大表示が終了するとともに、表示用カウンタ134に対して連続して発生した2回の上乗せ当選における合計上乗せゲーム数を加算する処理が行われる。そして、図67(e)に示すように、当該t10のタイミングで画像表示装置63の左側上部に表示されている継続ゲーム数の値が当該合計上乗せゲーム数の加算後の値に更新される。
上記のとおり、主側MPU72は、上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出の開始時に主側RAM74におけるフリーズカウンタに対して数値情報を設定しない。営業時間の終了が迫っている等の状況で先を急ぐ遊技者は、上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出の途中でスタートレバー41を操作することにより次のゲームを開始させることができる。上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出の実行中に演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信した場合、実行中であった上乗せメイン演出が終了するとともに、ゲーム開始コマンドを受信したことに基づいてART用ベース演出及びART用通常演出が開始される。また、上乗せサブ演出におけるゲージ増大表示が高速表示から低速表示に切り換えられて、上乗せサブ演出の表示が継続される。これにより、上乗せ当選の結果だけでなく当該上乗せ当選に対応する上乗せサブ演出を確認可能としながら、ゲーム開始コマンドの受信に基づいて、遅延を生じさせることなく、ART用ベース演出及びART用通常演出を開始させることできる。スタートレバー41の操作に基づいてART用ベース演出及びART用通常演出が開始された後、これらの演出と並行して上乗せサブ演出が継続して実行されることにより、上乗せメイン演出を省略して先を急いだ遊技者に対しても、上乗せサブ演出の全体を表示することができる。これにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
上乗せメイン演出の動画表示が途中で終了することなく最後まで実行されることにより上乗せゲーム数が示唆される。上乗せメイン演出が最後まで実行されて上乗せゲーム数が示唆された状態でゲージ増大表示が行われる場合、当該ゲージ増大表示は高速表示となる。これにより、上乗せゲーム数が示唆された後に行われるゲージ増大表示の実行期間を短縮し、遊技者の関心を早めに次のゲームに移すことができる。一方、上乗せメイン演出の動画表示が最後まで実行されることなく途中で終了した場合に行われるゲージ増大表示は低速表示となる。上乗せゲーム数が示唆されることなくゲージ増大表示が開始された場合、遊技者は、ゲージ表示部G19aに表示される単位ゲージ画像G22の数及び色の更新態様が「100」の上乗せゲーム数に対応する態様となるように期待しながらゲージ増大表示を見ることとなる。ゲージ増大表示が高速表示から低速表示に切り換えられることにより、関心の高いゲージ増大表示の表示期間を延ばして、遊技の興趣向上を図ることができる。
上乗せサブ演出が実行されている状況において演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信した場合、実行されていた上乗せサブ演出が終了するとともに、ART中上乗せコマンドを受信したことに基づく新たな上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出が開始される。実行中であった上乗せサブ演出が終了するまでART中上乗せコマンドを受信したことに基づく上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出の開始を待機する構成とすると、ART中上乗せコマンドを受信してから上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を開始するまでに遅延が生じてしまう。当該構成では、上乗せ当選が連続して発生して遅延が累積された場合に、上乗せ当選が発生したゲーム中に当該上乗せ当選に対応する上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を開始できない事態が生じてしまうおそれがある。これに対して本実施形態では、ART中上乗せコマンドを受信したことに基づいて遅滞なく上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を開始する構成である。これにより、上乗せ当選が連続して発生した場合においても、上乗せ当選が発生したゲーム中に当該上乗せ当選に対応する上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を開始できない事態が生じてしまう可能性を排除することができる。
上乗せサブ演出が実行されている状況において演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信した場合における上乗せサブ演出は、今回の上乗せ当選が発生するよりも前に連続して発生していた上乗せ当選の合計上乗せゲーム数に対応する態様で行われる。このため、ART中上乗せコマンドを受信した場合、ゲージ表示部G19aは、当該実行されていた上乗せサブ演出における最終的な数及び色の単位ゲージ画像G22が点滅表示されている状態となる。これにより、上乗せサブ演出に連続性を持たせることができるとともに、上乗せ当選が連続して発生していることの特別感を出すことができる。よって、遊技の興趣向上を図ることができる。また、実行中であった上乗せサブ演出を見ていた遊技者に対して当該上乗せサブ演出における最終的な状態を表示することができる。このように、ART中上乗せコマンドを受信したことに基づいて、遅延を生じさせることなく、実行中であった上乗せサブ演出を終了させるとともに上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を開始する構成において、実行中であった上乗せサブ演出を見ていた遊技者に対して当該上乗せサブ演出における最終的な状態を表示することができる。
上乗せサブ演出が途切れない態様で上乗せ当選が連続して発生した場合、上乗せサブ演出テーブルに設定されている表示用データのアドレス情報に代えて、今回の上乗せ当選が発生するよりも前に連続して発生していた上乗せ当選の合計上乗せゲーム数に対応する態様でゲージ点滅表示及びゲージ増大表示を行うための表示用データのアドレス情報が設定される。これにより、演出側ROM93に予め記憶しておく上乗せサブ演出テーブルの数を低減すること可能であり、上乗せサブ演出テーブルを記憶しておくための演出側ROM93の記憶容量を低減することができる。
上乗せ当選が連続して発生しない場合、画像表示装置63の左側上部に表示される継続ゲーム数画像G18の更新は上乗せサブ演出の終了時に行われる。上乗せサブ演出が終了するまで継続ゲーム数画像G18に基づいて上乗せゲーム数を把握することができない状態とすることにより、上乗せゲーム数を示唆する上乗せメイン演出及び上乗せゲーム数を示す上乗せサブ演出への関心を高めることができる。
上乗せサブ演出が途切れない態様で上乗せ当選が連続して発生した場合、継続ゲーム数表示の更新は、連続して発生した上乗せ当選における最後の上乗せ当選の上乗せサブ演出の終了時に行われる。最後の上乗せ当選の上乗せサブ演出が終了するまで継続ゲーム数画像G18を更新しないことにより、上乗せゲーム数を示唆する上乗せメイン演出及び上乗せゲーム数を示す上乗せサブ演出への関心を高めることができる。また、演出側RAM94における表示用カウンタ134に対して一度に加算される上乗せゲーム数を大きな値とすることにより、連続して発生した上乗せ当選によりART状態ST6における継続ゲーム数が大きく増加したという印象を与えることができる。
ART状態ST6では、ART用ベース演出、ART用通常演出、上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出が実行される。これらの演出はそれぞれ複数種類存在しており、こられの演出の組合せは膨大な数である。これらの演出は、ART用ベース演出テーブル、ART用通常演出テーブル、上乗せメイン演出テーブル及び上乗せサブ演出テーブルが読み出し用エリア94aにおける異なるレイヤLYn(第0レイヤLY0~第3レイヤLY3)に読み出され、これらの演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が実行されることにより行われる。これにより、これらの演出の全ての組合せについての演出テーブルを演出側ROM93に予め記憶しておく構成と比較して、演出側ROM93に予め記憶しておく演出テーブルのデータ容量の増加を抑えながら、これらの演出の組合せのバリエーションを増加させることが可能となっている。また、ART用ベース演出及びART用通常演出が実行されている状況において演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信したことに基づいて、実行中であるART用ベース演出及びART用通常演出を継続させながら上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を開始させるための処理が簡略化されている。
上乗せゲーム数が「50」である上乗せ当選が発生した場合に読み出される上乗せメイン演出テーブルが4種類存在しているとともに、上乗せサブ演出テーブルが2種類(高速第1上乗せサブ演出テーブルと低速第1上乗せサブ演出テーブルとの2種類)存在している。また、上乗せゲーム数が「100」である上乗せ当選が発生した場合に読み出される上乗せメイン演出テーブルが4種類存在しているとともに、上乗せサブ演出テーブルが2種類(高速第2上乗せサブ演出テーブルと低速第2上乗せサブ演出テーブルとの2種類)存在している。演出側ROM93に上乗せメイン演出テーブル及び上乗せサブ演出テーブルが記憶されており、読み出し用エリア94aの異なるレイヤLYn(n=2,3)に読み出されたこられの演出テーブルに従って上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出が実行される構成であることにより、上乗せメイン演出を実行するための演出用データと上乗せサブ演出を実行するための演出用データとを含む1つの演出テーブルが演出側ROM93に記憶されている構成と比較して、上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を実行するための演出テーブルを記憶しておくための演出側ROM93における記憶容量が低減されている。
<役物動作演出を実行するための構成>
次に、役物動作演出を実行するための構成について説明する。本スロットマシン10では、演出側MPU92が主側MPU72からゲーム開始コマンドを受信することを1つの条件として役物75の球状演出部77b(図1)が原点に滞在しているか否かを判定する原点検知が行われる。原点検知において球状演出部77bが原点に滞在していないと判定された場合には、球状演出部77bを原点に復帰させるための補正動作が行われる。通常遊技状態ST1、ボーナス内部状態ST2、通常遊技状態ST1から移行したボーナス状態、及び準備状態ST5における球状演出部77bの原点は初期位置センサ75a(図1)に検知される初期位置である。一方、ART状態ST6及びART状態ST6から移行したボーナス状態における球状演出部77bの原点は変位位置センサ75b(図1)に検知される変位位置である。
上述したとおり、ボーナス告知演出、再変動演出及び上乗せメイン演出にて役物動作演出が行われる。また、BB状態ST3及びRB状態ST4の各ゲームにおいても役物動作演出が行われる。これらの役物動作演出では、役物75の球状演出部77b(図1)が上下に移動する。
ボーナス告知演出では、画像表示装置63にボーナス告知画像G13(図39(g))が表示された状態で役物動作演出が開始される。また、再変動演出では、画像表示装置63において中図柄の再変動が開始された後に役物動作演出が開始される。ボーナス告知演出及び再変動演出における役物動作演出では、初期位置に滞在していた役物75の球状演出部77bが1秒間に亘って下方に移動し、変位位置に近い途中位置で1秒間に亘って停止する。その後、球状演出部77bが1秒間に亘って上方に移動して初期位置に戻る。ボーナス告知演出における役物動作演出はボーナス告知演出の実行期間が終了するタイミングで終了するとともに、再変動演出における役物動作演出は再変動演出の実行期間が終了するタイミングで終了する。
上乗せメイン演出では、上乗せメイン演出の実行期間が残り1秒となったタイミングで役物動作演出が開始される。また、ボーナス状態(BB状態ST3又はRB状態ST4)では、演出側MPU92が主側MPU72からゲーム開始コマンドを受信したことに基づいて役物動作演出が開始される。上乗せメイン演出及びART状態ST6から移行したボーナス状態における役物動作演出では、変位位置に滞在していた役物75の球状演出部77bが0.5秒間に亘って上方に移動し、初期位置よりも下方の途中位置で0.5秒間に亘って停止する。その後、球状演出部77bが0.5秒間に亘って下方に移動して変位位置に戻る。また、通常遊技状態ST1から移行したボーナス状態における役物動作演出では、初期位置に滞在していた役物75の球状演出部77bが0.5秒間に亘って下方に移動し、変位位置よりも上方の途中位置で0.5秒間に亘って停止する。その後、球状演出部77bが0.5秒間に亘って上方に移動して初期位置に戻る。
ボーナス告知演出及び再変動演出では、主側RAM74におけるフリーズフカウンタの設定が行われ、当該フリーズカウンタの値が「0」となるまで演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することはない。このため、ボーナス告知演出及び再変動演出において役物動作演出が実行される場合、当該役物動作演出の実行中に演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することはない。また、ボーナス状態ではゲームの開始タイミングで役物動作演出が開始される。ボーナス状態における役物動作演出の実行期間は、前回のゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が開始された時点から次にリール32L,32M,32Rの回転が開始可能となるまでにリール32L,32M,32Rの回転開始が待機されるウエイト時間(具体的には4.1秒間)よりも短い1.5秒間である。このため、ボーナス状態において役物動作演出が実行される場合にも、当該役物動作演出の実行中に演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することはない。
一方、ART状態ST6における上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出では、主側RAM74におけるフリーズカウンタの設定が行われない。このため、上乗せメイン演出の終盤(上乗せメイン演出の実行期間が残り1秒となったタイミング)で開始された役物動作演出の実行途中に演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することが起こり得る。この場合には、演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信したことに基づいて、実行中であった役物動作演出が途中で終了する。そして、役物75の球状演出部77bは原点(具体的には変位位置)に復帰する。既に説明したとおり、上乗せメイン演出において役物動作演出が開始される前に演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信した場合には、上乗せメイン演出が終了する。この場合には、役物動作演出がキャンセルされる。
図41(b)に示すように、演出側RAM94には、役物75の管理情報が設定される役物管理用エリア94dが設けられている。役物管理用エリア94dには、補正動作の実行回数を演出側MPU92にて把握可能とする補正実行カウンタ141が設けられている。原点検知において役物75の球状演出部77bが原点に滞在していないと判定される度に役物75の補正動作が実行されるとともに、補正実行カウンタ141の値に「1」が加算される。但し、役物動作演出の実行中に演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信して行われる原点検知において球状演出部77bが原点に滞在していないと判定されたとしても、補正実行カウンタ141の値に「1」は加算されない。補正実行カウンタ141の値が「3」である状況において行われた原点検知において役物75の球状演出部77bが原点に滞在していないと判定された場合には原点検知及び補正動作が実行されない補正動作待機状態に設定される。補正動作待機状態は、当該補正動作待機状態が開始されてから所定の期間(具体的には5分間)が経過した場合、当該補正動作待機状態が開始されてから行われたゲーム数が所定の回数(具体的には30回)に達した場合、演出側MPU92が主側MPU72から役物初期化コマンドを受信した場合、又は演出側MPU92が主側MPU72からボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを受信した場合に解除される。既に説明したとおり、役物初期化コマンドは、主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に、メイン処理(図11)のステップS102にて送信される。補正動作待機状態が解除された場合には、役物75を原点に復帰させる補正動作が実行される。補正動作待機状態が解除された場合に実行される当該補正動作は、補正実行カウンタ141においてカウントされない。
図41(b)に示すように、役物管理用エリア94dには、補正動作待機状態に設定された回数を演出側MPU92にて把握可能とする待機実行カウンタ142と、補正動作待機状態の開始後に経過した時間を演出側MPU92にて把握可能とする待機計時カウンタ143と、補正動作待機状態の開始後に実行されたゲーム数を演出側MPU92にて把握可能とする待機ゲーム数カウンタ144とが設けられている。待機実行カウンタ142の値は、補正動作待機状態に設定される度に1加算される。
待機実行カウンタ142及び補正実行カウンタ141の値が「3」である状況において行われた原点検知において役物75の球状演出部77bが原点に滞在していないと判定された場合には、当該原点検知が役物動作演出中に行われたものでないことを条件として、役物エラー状態に設定される。役物エラー状態においても、補正動作待機状態と同様に、原点検知及び補正動作は実行されない。役物エラー状態は、演出側MPU92が主側MPU72からボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを受信した場合、又は演出側MPU92が主側MPU72から役物初期化コマンドを受信した場合に解除される。役物エラー状態が解除された場合には、球状演出部77bを原点に復帰させる補正動作が実行される。役物エラー状態が解除された場合に実行される当該補正動作は、補正実行カウンタ141においてカウントされない。
次に、演出側MPU92にて実行される役物管理処理について、図68のフローチャートを参照しながら説明する。なお、役物管理処理は演出側MPU92において比較的短い周期(例えば4ミリ秒)で繰り返し実行される割込み処理において実行される。
役物管理処理では、まず役物初期化処理を実行する(ステップS3701)。図69は役物初期化処理を示すフローチャートである。
役物初期化処理では、まず主側MPU72から役物初期化コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3801)。既に説明したとおり、役物初期化コマンドは、主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合にメイン処理(図11)のステップS102にて演出側MPU92に対して送信される。
役物初期化コマンドを受信した場合(ステップS3801:YES)には、役物用初期設定処理を実行する(ステップS3802)。役物用初期設定処理では、演出側RAM94の役物管理用エリア94d(図41(b))に設けられている各種カウンタ141~144及び各種フラグ(後述する役物初期化中フラグ、初期化終了フラグ、役物エラーフラグ、エラー解除フラグ、補正動作待機フラグ、待機解除フラグ、補正動作中フラグ、補正動作完了フラグ、役物動作中フラグ、原点変位フラグ、第1原点用待機フラグ、第2原点用待機フラグ及び復帰動作中フラグ)の値を「0」クリアする。これにより、主側MPU72への動作電力の供給が遮断される前に役物エラー状態であった場合には当該役物エラー状態が解除されるとともに、主側MPU72への動作電力の供給が遮断される前に補正動作待機状態であった場合には当該補正動作待機状態が解除される。また、役物用初期設定処理(ステップS3802)では、読み出し用エリア94aにおける第11レイヤLY11をクリアする。これにより、読み出し用エリア94aに役物75の駆動制御を実行するための駆動テーブルが読み出されていない状態となる。
その後、初期位置センサ75aがONであるか否かを判定する(ステップS3803)。初期位置センサ75aがONである場合(ステップS3803:YES)には、既に球状演出部77bが初期位置に滞在している状態であるため、役物75の初期位置復帰を開始するための処理(ステップS3804~ステップS3805の処理)を行うことなく、そのまま本役物初期化処理を終了する。
一方、初期位置センサ75aがONでない場合(ステップS3803:NO)には、役物75の球状演出部77bを初期位置に復帰させるための初期位置復帰を開始するための処理(ステップS3804~ステップS3805の処理)を実行する。具体的には、役物初期化テーブルを演出側ROM93から読み出し用エリア94aにおける第11レイヤLY11に読み出す(ステップS3804)。役物初期化テーブルには、「0」~「60」の数値情報がポインタ情報として連番となるように配列されており、その全てのポインタ情報に対して球状演出部77bを初期位置側(上方)に移動させるための第1駆動データが設定されている。第11レイヤLY11に読み出された役物初期化テーブルのポインタ情報はポインタ更新処理(図48)のステップS2014にて更新される。既に説明したとおり、ポインタ情報の更新周期は40ミリ秒である。役物初期化テーブルのポインタ情報が更新される度に役物駆動部78(図1)に対して第1駆動データが出力されて、球状演出部77bが初期位置に向かって移動する。初期位置から最も遠い変位位置に滞在している球状演出部77bを初期位置に移動させるために必要な第1駆動データの出力回数は30回である。これに対して、役物初期化テーブルには、変位位置に滞在している球状演出部77bを初期位置に復帰させるための必要な出力回数を超える60回分の第1駆動データが設定されている。このため、球状演出部77bの初期位置復帰中に一時的に球状演出部77bの移動が阻害される事態が発生したとしても、球状演出部77bが初期位置に復帰できずに役物エラー状態となる可能性が低減されている。初期位置復帰に要する時間は最大で2.4秒間である。なお、既に説明したとおり、球状演出部77bが初期位置に滞在している状態となった場合、その後の第1駆動データの出力はキャンセルされる。
ステップS3804にて役物初期化テーブルを読み出した後、役物管理用エリア94dに設けられた役物初期化中フラグに「1」をセットして(ステップS3805)、本役物初期化処理を終了する。役物初期化中フラグは、役物75の初期化中であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。
ステップS3801にて役物初期化コマンドを受信していないと判定した場合には、役物管理用エリア94dにおける役物初期化中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3806)。役物初期化中フラグに「1」が設定されている場合(ステップS3806:YES)には、初期位置センサ75aがONであるか否かを判定する(ステップS3807)。初期位置センサ75aがONである場合(ステップS3807:YES)には、役物75の初期位置復帰が終了しているため、読み出し用エリア94aにおいて役物初期化テーブルが読み出されている第11レイヤLY11をクリアする(ステップS3808)。これにより、役物初期化テーブルに設定されていた第1駆動データが出力されなくなる。その後、役物初期化中フラグを「0」クリアして(ステップS3809)、本役物初期化処理を終了する。
ステップS3807にて初期位置センサ75aがONではないと判定した場合には、役物管理用エリア94dに設けられた初期化終了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3810)。初期化終了フラグは、第11レイヤLY11に読み出された役物初期化テーブルのポインタ情報が最終のポインタ情報まで更新されたことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。初期化終了フラグには、後述する役物用フラグ設定処理(図77)のステップS4602にて「1」がセットされる。
初期化終了フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3810:YES)には、第1駆動データの出力が60回行われたにも関わらず役物75の球状演出部77bが初期位置に復帰していないことを意味するため、役物エラー状態に設定するための処理(ステップS3811~ステップS3814の処理)を実行する。具体的には、役物管理用エリア94dにおける役物初期化中フラグを「0」クリアするとともに(ステップS3811)、役物管理用エリア94dにおける初期化終了フラグを「0」クリアする(ステップS3812)。
その後、役物管理用エリア94dに設けられた役物エラーフラグに「1」をセットする(ステップS3813)。役物エラーフラグは、役物エラー状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。役物エラーフラグに「1」がセットされることにより、役物75の駆動テーブルを読み出し用エリア94aに新たに読み出す処理が禁止される。
その後、役物エラー状態の報知設定処理を実行して(ステップS3814)、本役物初期化処理を終了する。当該報知設定処理では、役物エラー報知を実行するための役物エラー報知テーブルを演出側ROM93から読み出し用エリア94aに読み出す。役物エラー報知テーブルは読み出し用エリア94aの第9レイヤLY9に読み出される。役物エラー報知テーブルには、役物エラー状態であることを示す役物エラー表示を画像表示装置63にて実行するための表示用データのアドレス情報及び設定先情報と、役物エラー状態であることを報知する役物エラー報知音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御を行うための音データと、役物エラー状態であることを報知する態様で上部ランプ61を発光制御するための発光データとが設定されている。役物エラー表示を実行するための表示用データの設定先情報は、表示用設定エリア113の第1報知用エリア113gを指定する情報である。第9レイヤLY9に読み出された役物エラー報知テーブルに従って演出側MPU92にて報知の実行制御が行われることにより上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて役物エラー報知が実行される。
上記のとおり、役物初期化テーブルに従って役物駆動部78に対して第1駆動データが60回出力されたにも関わらず球状演出部77bが初期位置に復帰しなかった場合には、補正動作待機状態を経ることなく役物エラー状態に設定される。これにより、主側MPU72への動作電力の供給を開始したにも関わらず球状演出部77bが初期位置に復帰しなかった場合に、球状演出部77bが初期位置に復帰しなかったことを遊技ホールの管理者が見逃してしまう可能性が低減されている。
役物管理処理(図68)の説明に戻り、ステップS3701にて役物初期化処理を実行した後、主側MPU72からゲーム開始コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS3702)、ゲーム開始コマンドを受信している場合(ステップS3702:YES)には、役物管理用エリア94dに設けられた補正動作完了フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS3703)。補正動作完了フラグは、役物75の補正動作が完了したことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。補正動作完了フラグには、役物75の補正動作が完了した場合に「1」がセットされる。
補正動作完了フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3703:YES)には、補正動作完了フラグを「0」クリアする(ステップS3704)。このように、補正動作完了フラグはゲーム開始コマンドを受信した場合に「0」クリアされる。演出側MPU92は、補正動作完了フラグに「1」がセットされている状況において球状演出部77bが動作する役物動作演出を実行しない。このため、ゲームの途中で役物75の補正動作が完了して補正動作完了フラグに「1」がセットされた場合、次のゲームの開始時に当該補正動作完了フラグが「0」クリアされるまで役物動作演出は実行されない。
ステップS3703にて否定判定を行った場合、又はステップS3704の処理を行った場合には、役物管理用エリア94dにおける役物エラーフラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS3705)。役物エラーフラグに「1」が設定されている場合(ステップS3705:YES)には、役物75の補正動作及び役物動作演出の実行タイミングではないため、ステップS3706~ステップS3714の処理を実行することなくステップS3715に進む。
一方、ステップS3705にて役物エラーフラグに「1」が設定されていないと判定した場合には、役物管理用エリア94dに設けられた復帰動作中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3706)。復帰動作中フラグは、役物75の球状演出部77bの原点が変更されたことに基づいて、球状演出部77bを変更後の原点に移動させるための役物75の復帰動作が行われている状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。復帰動作中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3706:YES)には、役物75の補正動作を行わなくても球状演出部77bを変更後の原点に復帰させることができるため、補正動作を行うことなくステップS3715に進む。
ステップS3706にて否定判定を行った場合には、役物管理用エリア94dに設けられた補正動作待機フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS3707)。補正動作待機フラグは、補正動作待機状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。補正動作待機フラグに「1」が設定されている場合(ステップS3707:YES)には、役物管理用エリア94dに設けられた待機ゲーム数カウンタ144の値を1減算し(ステップS3708)、その減算後の待機ゲーム数カウンタ144の値が「0」となったか否かを判定する(ステップS3709)。既に説明したとおり、待機ゲーム数カウンタ144は、補正動作待機状態の開始後に実行されたゲーム数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。
待機ゲーム数カウンタ144の値が「0」となった場合(ステップS3709:YES)には、補正動作待機状態を解除するための処理(ステップS3710~ステップS3712の処理)を実行する。具体的には、補正動作待機フラグ及び待機計時カウンタ143を「0」クリアし(ステップS3710)、補正動作待機状態の報知解除処理を実行する(ステップS3711)。当該報知解除処理では、補正動作待機状態の報知が行われている状態を解除するための処理を実行する。補正動作待機状態の報知は、読み出し用エリア94aの第9レイヤLY9に補正動作待機状態用の報知テーブルが読み出されることにより開始される。当該報知用テーブルは、後述する待機設定処理(図73(a))のステップS4207にて補正動作待機状態の報知設定処理が実行されることにより読み出される。補正動作待機状態用の報知テーブルには、補正動作待機状態であることを示す補正動作待機表示を画像表示装置63にて行うための表示用データのアドレス情報及び設定先情報と、補正動作待機状態であることを報知するための待機状態報知音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御を行うための音データとが設定されている。補正動作待機表示を行うための表示用データの設定先情報は、表示用設定エリア113の第1報知用エリア113g(図42(c))を指定する情報である。待機状態報知音の出力は、所定の時間(具体的には1秒間)に亘って実行された後に終了する。また、待機状態報知音の出力が終了するタイミングで補正動作待機状態用の報知テーブルにおける参照対象のポインタ情報が最終ポインタまで更新されて、第9レイヤLY9がクリアされる。このため、ステップS3711における補正動作待機状態の報知解除処理が実行されるタイミングにおいて、第9レイヤLY9には補正動作待機状態用の報知テーブルは残っていない。ステップS3711における補正動作待機状態の報知解除処理では、表示用設定エリア113において補正動作待機表示を行うための表示用データが設定されている第1報知用エリア113gをクリアする。これにより、画像表示装置63において実行されていた補正動作待機表示が終了する。
その後、演出側RAM94の役物管理用エリア94dに設けられた待機解除フラグに「1」をセットする(ステップS3712)。待機解除フラグは、補正動作待機状態の解除契機が発生したことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。待機解除フラグに「1」がセットされることにより、後述する補正動作の開始設定処理(図72)のステップS4102にて肯定判定が行われて補正動作待機状態を終了させるための処理(ステップS4104~ステップS4108の処理)が実行されることとなる。
ステップS3707にて否定判定を行った場合には、球状演出部77bが原点に滞在しているか否かを判定する原点検知を行う(ステップS3713)。役物管理用エリア94dには、原点が変位位置に設定されていることを演出側MPU92にて把握可能とする原点変位フラグが設けられている。原点変位フラグの値が「0」である場合には原点が初期位置に設定されていることを意味するとともに、原点変位フラグの値が「1」である場合には原点が変位位置に設定されていることを意味する。ステップS3713では、原点変位フラグの値が「0」の場合、初期位置センサ75aがONである場合に球状演出部77bが原点に滞在していると判定するとともに、初期位置センサ75aがOFFである場合に球状演出部77bが原点に滞在していないと判定する。また、ステップS3713では、原点変位フラグの値が「1」の場合、変位位置センサ75bがONである場合に球状演出部77bが原点に滞在していると判定するとともに、変位位置センサ75bがOFFである場合に球状演出部77bが原点に滞在していないと判定する。
ステップS3712の処理を実行した場合、又はステップS3713において球状演出部77bが原点に滞在していないと判定した場合には、補正動作の開始設定処理を実行する(ステップS3714)。補正動作の開始設定処理では、球状演出部77bを原点に復帰させる補正動作を実行するため処理を行う。なお、補正動作の開始設定処理(ステップS3714)の詳細については後述する。
ステップS3702にて否定判定を行った場合、ステップS3705にて肯定判定を行った場合、ステップS3706にて肯定判定を行った場合、ステップS3709にて否定判定を行った場合、ステップS3713にて肯定判定を行った場合、又はステップS3714の処理を実行した場合には、主側MPU72から受信するコマンドに基づいて役物75の原点を変更する原点設定処理を実行する(ステップS3715)。その後、補正動作待機状態を管理するための待機管理処理を実行して(ステップS3716)、本役物管理処理を終了する。なお、ステップS3715における原点設定処理(図70)及びステップS3716における待機管理処理(図73(b))の詳細については後述する。
上記のとおり、演出側MPU92が主側MPU72からゲーム開始コマンドを受信した場合、役物エラー状態、補正動作待機状態、及び球状演出部77bの原点が変更されたことによる原点復帰を実行中である状態のいずれでもないことを条件として、球状演出部77bが原点に滞在しているか否かを判定する原点検知を実行し、球状演出部77bが原点に滞在していない場合には球状演出部77bを原点に復帰させるための補正動作を実行する。球状演出部77bに触れて当該球状演出部77bを移動させることが可能な構成において、ゲーム開始コマンドを受信する度に補正動作の実行契機が発生する構成であることにより、球状演出部77bの位置ずれが発生した場合に早期に球状演出部77bを原点に復帰させることが可能となる。上述したとおり、役物動作演出の実行中に原点検知が行われて球状演出部77bが原点に滞在していないと判定された場合にも補正動作が実行されるが、この場合の補正動作は補正実行カウンタ141においてカウントされない。
次に、演出側MPU92にて実行される原点設定処理について、図70のフローチャートを参照しながら説明する。なお、原点設定処理は役物管理処理(図68)のステップS3715にて実行される。
原点設定処理では、主側MPU72からART開始コマンドを受信した場合(ステップS3901:YES)、役物管理用エリア94dにおける原点変位フラグに「1」をセットする(ステップS3902)。これにより、遊技状態がART状態ST6に移行した場合には役物75の原点が変位位置に設定される。
その後、役物管理用エリア94dにおける役物エラーフラグ及び補正動作待機フラグのいずれにも「1」がセットされていない場合(ステップS3903:NO)には、役物管理用エリア94dにおける補正動作中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3904)。補正動作中フラグは、役物75の補正動作中であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。補正動作中フラグには、後述する補正動作の開始設定処理(図72)のステップS4105にて「1」がセットされる。
ステップS3904にて否定判定を行った場合には、変位位置用駆動テーブルを演出側ROM93から読み出し用エリア94aに読み出す(ステップS3905)。変位位置用駆動テーブルは第11レイヤLY11に読み出される。変位位置用駆動テーブルには、「0」~「35」の数値情報がポインタ情報として連番となるように配列されており、当該全てのポインタ情報に対して球状演出部77bを変位位置に向かって下方に移動させるための第2駆動データが設定されている。変位位置から最も遠い初期位置に滞在している球状演出部77bを変位位置に移動させるために必要な第2駆動データの出力回数は「30」であり、変位位置用駆動テーブルには当該「30」よりも多い35個の第2駆動データが設定されている。このため、読み出し用エリア94aに読み出された変位位置用駆動テーブルに従って役物75の駆動制御が実行されることにより、球状演出部77bが原点から最も遠い初期位置に滞在していたとしても当該球状演出部77bを変位位置まで移動させることが可能となる。既に説明したとおり、第2駆動データは変位位置センサ75bがOFF状態であることを条件として出力される。このため、変位位置用駆動テーブルに従って役物75の駆動制御が行われた場合、球状演出部77bは変位位置まで移動して停止する。変位位置用駆動テーブルの残りのポインタ情報に対して第2駆動データが設定されている場合、変位位置センサ75bがON状態であることに基づいて、当該第2駆動データの出力はキャンセルされる。この場合、第2駆動データの出力が行われることなく40ミリ秒周期で参照対象のポインタ情報が更新される。そして、参照対象のポインタ情報が最終ポインタまで更新された後に変位位置用駆動テーブルが読み出されていた第11レイヤLY11がクリアされる。
ステップS3905にて変位位置用駆動テーブルを読み出した後、役物管理用エリア94dにおける復帰動作中フラグに「1」をセットして(ステップS3906)、本原点設定処理を終了する。これにより、原点が変更されたことに基づく役物75の復帰動作が実行されている状態であることを演出側MPU92にて把握可能となる。
一方、ステップS3904にて否定判定を行った場合、すなわち役物75の補正動作の実行中であると判定した場合には、演出側RAM94の役物管理用エリア94dに設けられた第2原点用待機フラグに「1」をセットして(ステップS3907)、本原点設定処理を終了する。第2原点用待機フラグは、原点が変位位置に変更となり球状演出部77bの変更後の原点(変位位置)への移動が保留されている状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。役物75の補正動作の実行中であることが原因で球状演出部77bの原点への復帰が保留された場合には、当該第2原点用待機フラグに「1」がセットされていることに基づいて、その補正動作が終了した後に球状演出部77bの原点への移動が開始される。
ステップS3901にて否定判定を行った場合、主側MPU72からART終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3908)。ART終了コマンドを受信している場合(ステップS3908:YES)には、役物管理用エリア94dにおける原点変位フラグを「0」クリアする(ステップS3909)。これにより、ART状態ST6が終了した場合には、役物75の原点が初期位置に設定される。
その後、役物管理用エリア94dにおける役物エラーフラグ又は補正動作待機フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3910)。ステップS3910にて否定判定を行った場合には、役物エラー状態及び補正動作待機状態のいずれでもないことを意味するため、役物管理用エリア94dにおける補正動作中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3911)。
ステップS3911にて否定判定を行った場合には、初期位置用駆動テーブルを演出側ROM93から読み出し用エリア94aに読み出す(ステップS3912)。初期位置用駆動テーブルは第11レイヤLY11に読み出される。初期位置用駆動テーブルには、「0」~「35」の数値情報がポインタ情報として連番となるように配列されており、当該全てのポインタ情報に対して球状演出部77bを初期位置に向かって上方に移動させるための第1駆動データが設定されている。既に説明したとおり、初期位置から最も遠い変位位置に滞在している球状演出部77bを初期位置に移動させるために必要な第1駆動データの出力回数は「30」であり、初期位置用駆動テーブルには当該「30」よりも多い35個の第1駆動データが設定されている。このため、読み出し用エリア94aに読み出された初期位置用駆動テーブルに従って役物75の駆動制御が実行されることにより、球状演出部77bが原点から最も遠い変位位置に滞在していたとしても当該球状演出部77bを初期位置まで移動させることが可能となる。既に説明したとおり、第1駆動データは初期位置センサ75aがOFF状態であることを条件として出力される。このため、初期位置用駆動テーブルに従って役物75の駆動制御が行われた場合、球状演出部77bは初期位置まで移動して停止する。初期位置用駆動テーブルの残りのポインタ情報に対して第1駆動データが設定されている場合、初期位置センサ75aがON状態であることに基づいて、当該第1駆動データの出力はキャンセルされる。この場合、第1駆動データの出力が行われることなく40ミリ秒周期で参照対象のポインタ情報が更新される。そして、参照対象のポインタ情報が最終ポインタまで更新された後に初期位置用駆動テーブルが読み出されていた第11レイヤLY11がクリアされる。
ステップS3912にて初期位置用駆動テーブルを読み出した後、役物管理用エリア94dにおける復帰動作中フラグに「1」をセットして(ステップS3913)、本原点設定処理を終了する。これにより、原点が変更されたことに基づく役物75の復帰動作が実行されている状態であることを演出側MPU92にて把握可能となる。
一方、ステップS3911にて否定判定を行った場合、すなわち役物75の補正動作の実行中であると判定した場合には、役物管理用エリア94dに設けられた第1原点用待機フラグに「1」をセットして(ステップS3914)、本原点設定処理を終了する。第1原点用待機フラグは、原点が初期位置に変更となり球状演出部77bの変更後の原点(初期位置)への移動が保留されている状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。役物75の補正動作の実行中であることが原因で球状演出部77bの原点への復帰が保留された場合には、当該第1原点用待機フラグに「1」がセットされていることに基づいて、その補正動作が終了した後に球状演出部77bの原点への移動が開始される。
上記のとおり、役物75の原点は、ART状態ST6が開始される場合に変位位置に設定され、ART状態ST6が終了する場合に初期位置に設定される。役物エラー状態、補正動作待機状態及び役物75の補正動作の実行中である状態のいずれでもない状況において役物75の原点が変更された場合、球状演出部77bは当該変更後の原点に移動する。これにより、演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信するよりも前のタイミングで早期に球状演出部77bを変更後の原点に移動させることができる。一方、役物エラー状態又は補正動作待機状態である状況において役物75の原点が変更された場合、球状演出部77bの当該変更後の原点への移動は役物エラー状態又は補正動作待機状態が解除されるタイミングで実行される。また、役物75の補正動作の実行中である状態で役物75の原点が変更された場合、球状演出部77bの当該変更後の原点への移動は保留状態とされ、球状演出部77bは実行中であった役物75の補正動作が終了した場合に変更後の原点に移動する。
次に、演出側MPU92にて実行される役物用原点復帰処理について、図71のフローチャートを参照しながら説明する。なお、役物用原点復帰処理は、対象レイヤにおける参照対象のポインタ情報が最終ポインタまで更新されて当該対象レイヤがクリアされた場合に、ポインタ更新処理(図48)のステップS2008にて実行される。既に説明したとおり、ポインタ更新処理(図48)において役物用原点復帰処理(ステップS2008)は、対象レイヤに読み出されているデータテーブルの参照ポインタ情報が最終のポインタ情報であるとともに(ステップS2003:YES)、当該最終のポインタ情報に対してリピート情報が設定されていない場合(ステップS2004:NO)、すなわち参照対象のポインタ情報が最終のポインタ情報まで更新されてデータテーブルがクリアされる状況となった場合に実行される。
役物用原点復帰処理では、まず読み出し用エリア94aにおける対象レイヤカウンタ114の値が「11」であるか否かを判定する(ステップS4001)。ステップS4001にて肯定判定を行った場合、すなわち第11レイヤLY11に読み出されていた駆動テーブルにおける参照対象のポインタ情報が最終のポインタ情報まで更新されて第11レイヤLY11がクリアされたタイミングである場合、役物管理用エリア94dにおける第1原点用待機フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4002)。ステップS4002にて肯定判定を行った場合には、読み出し可能状態であるか否かを判定する(ステップS4003)。ステップS4003では、役物管理用エリア94dにおける役物エラーフラグ、補正動作待機フラグ、役物初期化中フラグ、補正動作中フラグ、補正動作完了フラグ、復帰動作中フラグ、及び役物動作中フラグのいずれにも「1」がセットされていない状態である場合に、駆動テーブルを第11レイヤLY11に読み出し可能な読み出し可能状態であると判定する。役物動作中フラグは、役物動作演出の実行中であることを演出側MPU92にて把握可能とするためのフラグである。役物動作中フラグには、後述する役物駆動用設定処理(図76(a))のステップS4405にて「1」がセットされる。
ステップS4003にて読み出し可能状態であると判定した場合には、第1原点用待機フラグを「0」クリアし(ステップS4004)、球状演出部77bが原点に滞在しているか否かを判定する(ステップS4005)。既に説明したとおり、第1原点用待機フラグは原点が初期位置に変更となり球状演出部77bの変更後の原点(初期位置)への移動が保留されている状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。ステップS4005では、初期位置センサ75aがONである場合に球状演出部77bが原点に滞在していると判定するとともに、初期位置センサ75aがOFFである場合に球状演出部77bが原点に滞在していないと判定する。
球状演出部77bが原点に滞在していない場合(ステップS4005:NO)には、既に説明した初期位置用駆動テーブルを演出側ROM93から読み出し用エリア94aに読み出す(ステップS4006)。初期位置用駆動テーブルは第11レイヤLY11に読み出される。読み出し用エリア94aに読み出された初期位置用駆動テーブルに従って演出側MPU92にて役物75の駆動制御が行われることにより球状演出部77bが変更後の原点である初期位置に移動する。
一方、ステップS4002にて否定判定を行った場合には、役物管理用エリア94dにおける第2原点用待機フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4007)。第2原点用待機フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4007:YES)には、読み出し可能状態であるか否かを判定する(ステップS4008)。ステップS4008では、ステップS4003の場合と同様に、役物管理用エリア94dにおける役物エラーフラグ、補正動作待機フラグ、役物初期化中フラグ、補正動作中フラグ、補正動作完了フラグ、復帰動作中フラグ及び役物動作中フラグのいずれにも「1」がセットされていない状態である場合に駆動テーブルを読み出し可能な読み出し可能状態であると判定する。
ステップS4008にて読み出し可能状態であると判定した場合には、第2原点用待機フラグを「0」クリアし(ステップS4009)、球状演出部77bが原点に滞在しているか否かを判定する(ステップS4010)。既に説明したとおり、第2原点用待機フラグは原点が変位位置に変更となり球状演出部77bの変更後の原点(変位位置)への移動が保留されている状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。ステップS4010では、変位位置センサ75bがONである場合に球状演出部77bが原点に滞在していると判定するとともに、変位位置センサ75bがOFFである場合に球状演出部77bが原点に滞在していないと判定する。球状演出部77bが原点に滞在していない場合(ステップS4010:NO)には、既に説明した変位位置用駆動テーブルを演出側ROM93から読み出し用エリア94aに読み出す(ステップS4011)。変位位置用駆動テーブルは第11レイヤLY11に読み出される。当該読み出された変位位置用駆動テーブルに従って演出側MPU92にて役物75の駆動制御が行われることにより球状演出部77bが変更後の原点である変位位置に移動する。
ステップS4006の処理を実行した場合、又はステップS4011の処理を実行した場合には、役物管理用エリア94dにおける復帰動作中フラグに「1」をセットして(ステップS4012)、本役物原点復帰処理を終了する。
上記のとおり、役物75の初期化が実行されている状態、補正動作が行われている状態又は役物動作演出が実行されている状態で役物75の原点が変更されて球状演出部77bの変更後の原点への移動が保留状態となった場合、実行中であった役物75の初期化、補正動作、又は役物動作演出が終了したタイミングで球状演出部77bの変更後の原点への移動が開始される。これにより、演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することを待つことなく早期に球状演出部77bの変更後の原点への移動を開始させることができる。
次に、演出側MPU92にて実行される補正動作の開始設定処理について、図72のフローチャートを参照しながら説明する。なお、補正動作の開始設定処理は役物管理処理(図68)のステップS3714及び後述するボーナス入賞時の役物設定処理(図78)のステップS4706にて実行される。
補正動作の開始設定処理では、まず役物管理用エリア94dにおける補正実行カウンタ141の値が「3」であるか否かを判定する(ステップS4101)。補正実行カウンタ141の値が「3」である場合(ステップS4101:YES)には、役物管理用エリア94dに設けられたエラー解除フラグ又は待機解除フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4102)。エラー解除フラグは、役物エラー状態の解除契機が発生したことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。また、既に説明したとおり待機解除フラグは補正動作待機状態の解除契機が発生したことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。ステップS4102にて否定判定を行った場合には、役物管理用エリア94dにおける役物動作中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4103)。
ステップS4101にて否定判定を行った場合、ステップS4102にて肯定判定を行った場合、又はステップS4103にて肯定判定を行った場合には、補正動作用の読み出し処理を実行する(ステップS4104)。当該読み出し処理では、読み出し用エリア94aにおける第11レイヤLY11をクリアした後、既に説明した初期位置用駆動テーブル及び変位位置用駆動テーブルのうち現状の原点に対応する駆動テーブルを演出側ROM93から読み出し用エリア94aに読み出す。具体的には、役物管理用エリア94dにおける原点変位フラグに「1」がセットされておらず現状の原点が初期位置である場合には初期位置用駆動テーブルを第11レイヤLY11に読み出すとともに、原点変位フラグに「1」がセットされており現状の原点が変位位置である場合には変位位置用駆動テーブルを第11レイヤLY11に読み出す。第11レイヤLY11に読み出された初期位置用駆動テーブル又は変位位置用駆動テーブルに従って演出側MPU92にて役物75の駆動制御が行われることにより、球状演出部77bが原点(初期位置又は変位位置)に移動する。初期位置用駆動テーブル又は変位位置駆動テーブルの読み出しを行う前に第11レイヤLY11をクリアする構成である。このため、役物動作演出の実行中に行われた原点検知において球状演出部77bが原点に滞在していないと判定された場合には、実行中であった役物動作演出が途中で終了して、役物75の補正動作が開始される。
その後、役物管理用エリア94dにおける補正動作中フラグに「1」をセットする(ステップS4105)。これにより、役物75の補正動作中であることを演出側MPU92にて把握可能となる。その後、待機解除フラグに「1」が設定されている場合(ステップS4106:YES)、すなわち補正動作待機状態の解除契機が発生したことに基づいて役物75の補正動作が開始された場合には、役物管理情報の第1クリア処理を実行する(ステップS4107)。役物管理情報の第1クリア処理では、役物管理用エリア94dにおける待機解除フラグ、補正動作待機フラグ及び補正実行カウンタ141の値を「0」クリアする。補正動作待機フラグが「0」クリアされることにより、補正動作待機状態が解除される。また、補正実行カウンタ141の値が「0」クリアされることにより、演出側MPU92にてカウントされていた役物75の補正動作の実行回数がリセットされる。一方、役物管理情報の第1クリア処理(ステップS4107)では、役物管理用エリア94dにおける待機実行カウンタ142の値は「0」クリアされない。
その後、補正動作待機状態の報知解除処理を実行して(ステップS4108)、本補正動作の開始設定処理を終了する。ステップS4108では、既に説明した役物管理処理(図68)のステップS3711における補正動作待機状態の報知解除処理と同様の処理を実行する。ステップS4108における補正動作待機状態の報知解除処理では、具体的には、表示用設定エリア113において補正動作待機表示を行うための表示用データが設定されている第1報知用エリア113gをクリアする。これにより、画像表示装置63において実行されていた補正動作待機表示が終了する。
また、ステップS4106にて否定判定を行った場合、エラー解除フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4109)。エラー解除フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4109:YES)には、役物管理情報の第2クリア処理を実行する(ステップS4110)。役物管理情報の第2クリア処理では、役物管理用エリア94dにおける補正動作中フラグ及び原点変位フラグを除く各種カウンタ141~144及び各種フラグ(具体的には、役物初期化中フラグ、初期化終了フラグ、役物エラーフラグ、エラー解除フラグ、補正動作待機フラグ、待機解除フラグ、補正動作完了フラグ、役物動作中フラグ、第1原点用待機フラグ、第2原点用待機フラグ及び復帰動作中フラグ)の値を「0」クリアする。これにより、補正動作中フラグ及び原点変位フラグの情報を除く役物75の管理情報がクリアされる。役物管理情報の第2クリア処理(ステップS4110)が実行されることにより、役物エラーフラグの値が「0」クリアされて役物エラー状態が解除される。また、待機実行カウンタ142にてカウントされていた補正動作待機状態に設定された回数が「0」クリアされるとともに、補正実行カウンタ141にてカウントされていた役物75の補正動作が実行された回数が「0」クリアされる。
その後、役物エラー状態の報知解除処理を実行して(ステップS4111)、本補正動作の開始設定処理を終了する。役物エラー状態の報知解除処理では、読み出し用エリア94aにおいて役物エラー状態用の報知テーブルが読み出されている第9レイヤLY9をクリアするとともに、表示用設定エリア113において役物エラー表示を行うための表示用データが設定されている第1報知用エリア113gをクリアする。第9レイヤLY9がクリアされることにより上部ランプ61及びスピーカ62にて行われていた役物エラー報知が終了する。また、第1報知用エリア113gがクリアされることにより画像表示装置63にて行われていた役物エラー表示が終了する。
ステップS4109にて否定判定を行った場合には、役物管理用エリア94dにおける役物動作中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4112)。ステップS4112にて肯定判定を行った場合には、役物管理用エリア94dにおける役物動作中フラグを「0」クリアする(ステップS4113)。ステップS4112にて肯定判定が行われる場合とは、役物動作演出の実行中に演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信して原点検知が行われ、役物75の球状演出部77bが原点に滞在していないと判定された場合である。既に説明したとおり、ART状態ST6における上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出では、主側RAM74におけるフリーズカウンタの設定が行われない。このため、上乗せメイン演出の終盤(上乗せメイン演出の実行期間が残り1秒となるタイミング)で開始された役物動作演出の実行途中に演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することが起こり得る。また、既に説明したとおり、役物管理処理(図68)では、役物動作演出の実行中に演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信した場合(ステップS3702:YES)、ステップS3705、ステップS3706及びステップS3707にて否定判定が行われて原点検知(ステップS3713の判定処理)が行われる。そして、原点に滞在していないと判定された場合(ステップS3713:NO)にステップS3714にて補正動作の開始設定処理(図72)が実行される。
補正動作の開始設定処理(図72)の説明に戻り、ステップS4113にて役物動作中フラグを「0」クリアした場合には、補正実行カウンタ141の値を1加算する処理(ステップS4114)を実行することなく、そのまま本補正動作の開始設定処理を終了する。このように、役物動作演出の実行中に行われた原点検知において球状演出部77bが原点に滞在していないと判定された場合には、実行中であった役物動作演出が途中で終了するとともに役物75の補正動作が開始される。当該補正動作は、補正実行カウンタ141にてカウントされない。
一方、ステップS4112にて否定判定を行った場合には、役物管理用エリア94dにおける補正実行カウンタ141の値を1加算して(ステップS4114)、本補正動作の開始設定処理を終了する。
また、ステップS4102及びステップS4103にて否定判定を行った場合には、待機設定処理(図73(a))を実行して(ステップS4115)、本補正動作の開始設定処理を終了する。なお、待機設定処理(図73(a))の詳細については後述する。
上記のとおり、役物エラー状態及び補正動作待機状態が解除される場合には球状演出部77bを原点に復帰させる補正動作が行われる。これにより、役物エラー状態又は補正動作待機状態が解除されてから最初に行われる役物75の原点検知において球状演出部77bが原点に滞在していないと判定される可能性が低減されている。また、補正動作待機状態及び役物エラー状態が解除される際に行われる補正動作は補正実行カウンタ141においてカウントされない。これにより、補正動作待機状態の発生頻度が抑えられている。
既に説明したとおり、初期位置用駆動テーブルには「35」個の第1駆動データが設定されているとともに、変位位置用駆動テーブルには「35」個の第2駆動データが設定されている。これらの駆動テーブルにおける参照対象のポインタ情報は40ミリ秒周期で更新される。役物75の補正動作に要する時間は、最大で1.4秒間であり、前回のゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が開始された時点から次にリール32L,32M,32Rの回転が開始可能となるまでにリール32L,32M,32Rの回転開始が待機されるウエイト時間(具体的には4.1秒間)よりも短い。このため、演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信したことに基づいて行われた原点検知において球状演出部77bが原点に滞在していないと判定されて役物75の補正動作が開始された場合、当該補正動作は演出側MPU92が次のゲーム開始コマンドを受信するよりも前のタイミングにおいて終了する。これにより、この場合における役物75の補正動作の実行中に次の原点検知が行われる可能性が排除されている。
次に、演出側MPU92にて実行される待機設定処理について、図73(a)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、待機設定処理は補正動作の開始設定処理(図72)のステップS4115にて実行される。
待機設定処理では、まず役物管理用エリア94dにおける待機実行カウンタ142の値が「3」であるか否かを判定する(ステップS4201)。既に説明したとおり、待機実行カウンタ142は、補正動作待機状態に設定された回数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。待機実行カウンタ142の値が「3」でない場合(ステップS4201:NO)には、補正動作待機状態に設定するための処理(ステップS4202~ステップS4207の処理)を実行する。具体的には、待機実行カウンタ142の値を1加算し(ステップS4202)、役物管理用エリア94dにおける補正実行カウンタ141の値を「0」クリアする(ステップS4203)。これにより、演出側MPU92にてカウントされていた役物75の補正動作の実行回数がリセットされる。
その後、役物管理用エリア94dにおける補正動作待機フラグに「1」をセットする(ステップS4204)。既に説明したとおり、補正動作待機フラグは、補正動作待機状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。補正動作待機フラグに「1」がセットされることにより、役物管理処理(図68)のステップS3707にて肯定判定が行われることとなり、ゲーム開始時に役物75の原点検知(役物管理処理(図68)におけるステップS3713の判定処理)が行われなくなる。このため、補正動作待機状態では、ゲーム開始時に球状演出部77bが原点に滞在していなかったとしても役物75の補正動作は実行されない。
その後、役物管理用エリア94dにおける待機ゲーム数カウンタ144に「30」を設定し(ステップS4205)、役物管理用エリア94dにおける待機計時カウンタ143に「5分」に対応する数値情報をセットする(ステップS4206)。待機ゲーム数カウンタ144の値は、主側MPU72からゲーム開始コマンドを受信する度に1減算される。また、待機計時カウンタ143の値は4ミリ秒周期で行われる割込み処理が実行される度に更新される。既に説明したとおり、補正動作待機状態は、待機計時カウンタ143の値が「0」となった場合、待機ゲーム数カウンタ144の値が「0」となった場合、演出側MPU92が主側MPU72から役物初期化コマンドを受信した場合、又は演出側MPU92が主側MPU72からボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを受信した場合に解除される。
その後、補正動作待機状態の報知設定処理を実行して(ステップS4207)、本待機設定処理を終了する。補正動作待機状態の報知設定処理では、補正動作待機状態用の報知テーブルを演出側ROM93から読み出し用エリア94aに読み出す。補正動作待機状態用の報知テーブルは第9レイヤLY9に読み出される。既に説明したとおり、補正動作待機状態用の報知テーブルには、補正動作待機状態であることを示す補正動作待機表示を画像表示装置63にて行うための表示用データのアドレス情報及び設定先情報と、補正動作待機状態であることを報知するための待機状態報知音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御を行うための音データとが設定されている。補正動作待機表示を行うための表示用データの設定先情報は、表示用設定エリア113の第1報知用エリア113gを指定する情報である。第9レイヤLY9に読み出された補正動作待機状態用の報知テーブルに従って演出側MPU92にて報知の実行制御が行われることにより、所定の時間(具体的には1秒間)に亘ってスピーカ62から待機状態報知音が出力されるとともに、画像表示装置63にて補正動作待機表示が行われる。補正動作待機表示では、画像表示装置63の右側上部に「補正動作待機状態」という補正動作待機画像が表示される。補正動作待機画像は、第1報知用表示レイヤ107に設定され、背景画像及び各種演出画像よりも画面手前側に表示される。補正動作待機表示は、補正動作待機状態の報知解除処理(役物管理処理(図68)のステップS3711)が実行されるまで継続される。
一方、ステップS4201にて待機実行カウンタ142の値が「3」であると判定した場合には、役物管理用エリア94dにおける役物エラーフラグに「1」を設定し(ステップS4208)、役物エラー状態の報知設定処理を実行して(ステップS4209)、本待機設定処理を終了する。役物エラー状態の報知設定処理では、役物エラー状態用の報知テーブルを演出側ROM93から読み出し用エリア94aに読み出す。役物エラー状態用の報知テーブルは第9レイヤLY9に読み出される。既に説明したとおり、役物エラー報知テーブルには、役物エラー状態であることを示す役物エラー表示を画像表示装置63にて実行するための表示用データのアドレス情報及び設定先情報と、役物エラー状態であることを報知する役物エラー報知音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御を行うための音データと、役物エラー状態であることを報知する態様で上部ランプ61を発光制御するための発光データとが設定されている。役物エラー表示を実行するための表示用データの設定先情報は、表示用設定エリア113の第1報知用エリア113gを指定する情報である。第9レイヤLY9に読み出された役物エラー報知テーブルに従って演出側MPU92にて報知の実行制御が行われることにより上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて役物エラー報知が実行される。
上記のとおり、待機実行カウンタ142の値が「2」以下である(ステップS4201:NO)とともに補正実行カウンタ141の値が「3」である状況(補正動作の開始設定処理(図72)のステップS4101:YES)において行われた原点検知にて球状演出部77bが原点に滞在していないと判定され、役物管理用エリア94dにおけるエラー解除フラグ及び待機解除フラグのいずれにも「1」がセットされておらず(ステップS4102:NO)、役物管理用エリア94dにおける役物動作中フラグにも「1」がセットされていない場合(ステップS4103:NO)に補正動作待機状態となる。また、待機実行カウンタ142の値が「3」である(ステップS4201:YES)とともに補正実行カウンタ141の値が「3」である状況(補正動作の開始設定処理(図72)のステップS4101:YES)において行われた原点検知にて球状演出部77bが原点に滞在していないと判定され、役物管理用エリア94dにおけるエラー解除フラグ及び待機解除フラグのいずれにも「1」がセットされておらず(ステップS4102:NO)、役物管理用エリア94dにおける役物動作中フラグにも「1」がセットされていない場合(ステップS4103:NO)に役物エラー状態となる。既に説明したとおり、役物管理処理(図68)において役物管理用エリア94dにおける復帰動作中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3706:YES)には原点検知(ステップS3713の判定処理)が行われない。このため、補正動作待機状態及び役物エラー状態は、第11レイヤLY11にいずれの駆動テーブルも読み出されておらず役物75の駆動制御が行われていない状況において設定される。
次に、演出側MPU92にて実行される待機管理処理について、図73(b)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、待機管理処理は役物管理処理(図68)のステップS3716にて実行される。
待機管理処理では、まず役物管理用エリア94dにおける補正動作待機フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4301)。既に説明したとおり、補正動作待機フラグには、待機設定処理(図73(a))のステップS4204にて「1」がセットされる。ステップS4301にて肯定判定を行った場合、役物管理用エリア94dにおける待機計時カウンタ143を更新する(ステップS4302)。具体的には、待機計時カウンタ143の値を1減算する。そして、当該更新後の待機計時カウンタ143の値が「0」となっていない場合(ステップS4303:NO)には、そのまま本役物管理処理を終了する。
一方、ステップS4302にて更新した後の待機計時カウンタ143の値が「0」となった場合(ステップS4303:YES)には、補正動作待機状態が設定されてから5分が経過したことを意味するため、補正動作待機状態を解除するための処理(ステップS4304~ステップS4305の処理)を実行する。具体的には、役物管理用エリア94dにおける待機ゲーム数カウンタ144を「0」クリアし(ステップS4304)、役物管理用エリア94dにおける待機解除フラグに「1」を設定して(ステップS4305)、本役物管理処理を終了する。待機解除フラグに「1」がセットされることにより、補正動作の開始設定処理(図72)のステップS4102にて肯定判定が行われて補正動作待機状態を終了させるための処理(ステップS4104~ステップS4108の処理)が実行される。
次に、図74のタイムチャートを参照しながら補正動作待機状態及び役物エラー状態が設定される様子について説明する。図74(a)は役物管理用エリア94dにおける役物エラーフラグの状態を示し、図74(b)は役物管理用エリア94dにおける補正動作待機フラグの状態を示し、図74(c)は役物75の補正動作の実行期間を示し、図74(d)は役物管理用エリア94dにおける補正実行カウンタ141に「1」が加算されるタイミングを示し、図74(e)は役物管理用エリア94dにおける待機実行カウンタ142に「1」が加算されるタイミングを示し、図74(f)は役物75の原点検知(役物管理処理(図68)のステップS3713における判定処理)が行われるタイミングを示す。
まず補正動作待機状態が設定される様子について説明する。
t1、t3、t5及びt7のタイミングで演出側MPU92が主側MPU72からゲーム開始コマンドを受信して、図74(f)に示すように役物75の原点検知が行われる。既に説明したとおり、役物管理処理(図68)において役物75の原点検知(ステップS3713の判定処理)は、役物管理用エリア94dにおける役物エラーフラグ、補正動作待機フラグ及び復帰動作中フラグのいずれにも「1」がセットされていない場合(ステップS3705:NO、ステップS3706:NO、ステップS3707:NO)に行われる。補正実行カウンタ141の値が「0」であるt1のタイミングで行われた役物75の原点検知において役物75の球状演出部77bが原点に滞在していないと判定された場合、補正動作の開始設定処理(図72)では役物管理用エリア94dにおけるエラー解除フラグ、待機解除フラグ及び役物動作中フラグのいずれにも「1」がセットされていないこと(ステップS4106:NO、ステップS4109:NO、ステップS4112:NO)を条件として、図74(d)に示すように補正実行カウンタ141の値に「1」が加算される。これにより、補正実行カウンタ141の値が「1」となる。そして、図74(c)に示すようにt1のタイミングからt2のタイミングに亘って役物75の補正動作が行われる。既に説明したとおり、役物75の補正動作に要する時間は、最大で1.4秒であり、前回のゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が開始された時点から次にリール32L,32M,32Rの回転が開始可能となるまでにリール32L,32M,32Rの回転開始が待機されるウエイト時間(具体的には4.1秒間)よりも短い。
補正実行カウンタ141の値が「1」であるt3のタイミングで行われた役物75の原点検知において役物75が原点に滞在していないと判定された場合、役物管理用エリア94dにおけるエラー解除フラグ、待機解除フラグ及び役物動作中フラグのいずれにも「1」がセットされていないことを条件として、図74(d)に示すように当該t3のタイミングで補正実行カウンタ141の値を1加算する処理が行われて当該補正実行カウンタ141の値が「2」となる。そして、図74(c)に示すようにt3のタイミングからt4のタイミングに亘って役物75の補正動作が行われる。また、補正実行カウンタ141の値が「2」であるt5のタイミングで行われた役物75の原点検知において役物75が原点に滞在していないと判定された場合、役物管理用エリア94dにおけるエラー解除フラグ、待機解除フラグ及び役物動作中フラグのいずれにも「1」がセットされていないことを条件として、図74(d)に示すように当該t5のタイミングで補正実行カウンタ141の値を1加算する処理が行われて当該補正実行カウンタ141の値が「3」となる。そして、図74(c)に示すようにt5のタイミングからt6のタイミングに亘って役物75の補正動作が行われる。
その後、補正実行カウンタ141の値が「3」であるt7のタイミングで、図74(f)に示すように役物75の原点検知が行われて役物75が原点に滞在していないと判定された場合、役物管理用エリア94dにおけるエラー解除フラグ、待機解除フラグ及び役物動作中フラグのいずれにも「1」がセットされていないことを条件として、図74(e)に示すように当該t7のタイミングで待機実行カウンタ142の値を1加算する処理が行われて当該待機実行カウンタ142の値が「1」となる。そして、図74(b)に示すように役物管理用エリア94dにおける補正動作待機フラグに「1」がセットされ、t7のタイミングからt8のタイミングに亘って補正動作待機状態となる。既に説明したとおり、補正動作待機状態は、当該補正動作待機状態が開始されてから所定の期間(具体的には5分間)が経過した場合、当該補正動作待機状態が開始されてから行われたゲーム数が所定の回数(具体的には30回)に達した場合、演出側MPU92が主側MPU72から役物初期化コマンドを受信した場合、又は演出側MPU92が主側MPU72からボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを受信した場合に解除される。
上記のとおり、補正実行カウンタ141の値が「3」である状態で役物75の原点検知が行われ、当該原点検知において役物75が原点に滞在していないと判定された場合には、役物管理用エリア94dにおけるエラー解除フラグ、待機解除フラグ及び役物動作中フラグのいずれにも「1」がセットされていないことを条件として、補正動作待機状態となる。役物75の原点検知において役物75の球状演出部77bが原点に滞在していないと判定された場合に当該球状演出部77bが原点に滞在していないと判定された回数をカウントすることなく直ちに補正動作待機状態に設定する構成と比較して、補正動作待機状態が設定される頻度を低減することができる。
次に、役物エラー状態が設定される様子について説明する。
補正実行カウンタ141の値が「3」であるとともに、待機実行カウンタ142の値が「1」であるt9のタイミングで図74(f)に示すように役物75の原点検知が行われて役物75が原点に滞在していないと判定された場合、役物管理用エリア94dにおけるエラー解除フラグ、待機解除フラグ及び役物動作中フラグのいずれにも「1」がセットされていないことを条件として、図74(e)に示すように待機実行カウンタ142の値を「1」加算する処理が行われて当該待機実行カウンタ142の値が「2」となる。そして、図74(b)に示すように、当該t9のタイミングで補正動作待機フラグに「1」がセットされ、t9のタイミングからt10のタイミングに亘って補正動作待機状態となる。補正動作待機状態が解除される条件は既に説明したとおりであり、例えば、補正動作待機状態において実行されたゲーム数が「30」となることにより、t10のタイミングで補正動作待機状態が解除される。
その後、補正実行カウンタ141の値が「3」であるとともに、待機実行カウンタ142の値が「2」であるt11のタイミングで図74(f)に示すように役物75の原点検知が行われて役物75が原点に滞在していないと判定された場合、役物管理用エリア94dにおけるエラー解除フラグ、待機解除フラグ及び役物動作中フラグのいずれにも「1」がセットされていないことを条件として、図74(e)に示すように待機実行カウンタ142の値を「1」加算する処理が行われて当該待機実行カウンタ142の値が「3」となる。そして、図74(b)に示すように、当該t11のタイミングで補正動作待機フラグに「1」がセットされ、t11のタイミングからt12のタイミングに亘って補正動作待機状態となる。補正動作待機状態が解除される条件は既に説明したとおりであり、例えば、補正動作待機状態において実行されたゲーム数が「30」となることにより、t12のタイミングで補正動作待機状態が解除される。
その後、補正実行カウンタ141の値が「3」であるとともに、待機実行カウンタ142の値が「3」であるt13のタイミングで、図74(f)に示すように役物75の原点検知が行われて役物75が原点に滞在していないと判定された場合、役物管理用エリア94dにおける待機解除フラグ、エラー解除フラグ及び役物動作中フラグのいずれにも「1」がセットされていないことを条件として、図74(a)に示すように役物エラーフラグに「1」がセットされて役物エラー状態となる。
上記のとおり、補正実行カウンタ141及び待機実行カウンタ142の値が「3」である状態で役物75の原点検知が行われ、当該原点検知において役物75が原点に滞在していないと判定された場合には、役物管理用エリア94dにおける待機解除フラグ、エラー解除フラグ及び役物動作中フラグのいずれにも「1」がセットされていないことを条件として、役物エラー状態となる。役物75の原点検知において役物75の球状演出部77bが原点に滞在していないと判定された場合に補正動作待機状態に設定された回数をカウントすることなく直ちに役物エラー状態に設定する構成と比較して、役物エラー状態が設定される頻度を低減することができる。
次に、演出側MPU92にて実行される役物駆動用設定処理(図76(a))の説明に先立ち、役物75の駆動テーブルのデータ構成について、ボーナス告知演出における役物動作演出を実行するためのボーナス告知用駆動テーブルTBを例に挙げて説明する。図75はボーナス告知用駆動テーブルTBの内容を説明するための説明図である。
図75に示すように、ボーナス告知用駆動テーブルTBでは、「0」~「79」のポインタ情報が連番となるように設定されている。そして、「0」~「24」のポインタ情報に対して球状演出部77bを変位位置に向かって下方に移動させるための第2駆動データが設定されているとともに、「50」~「79」のポインタ情報に対して球状演出部77bを初期位置に向かって上方に移動させるための第1駆動データが設定されている。「25」~「49」のポインタ情報には、いずれの駆動データも設定されていない。
ボーナス告知用駆動テーブルTBは、読み出し用エリア94aにおける第11レイヤLY11に読み出される。既に説明したとおり、読み出し用エリア94aに読み出されたデータテーブルにおける参照対象のポインタ情報は40ミリ秒周期で更新される。ボーナス告知用駆動テーブルTBの「0」~「24」のポインタ情報に対して設定されている第2駆動データが役物駆動部78に対して出力されることにより、球状演出部77bは初期位置から1秒間に亘って下方に移動し、変位位置よりも上方の途中位置まで移動する。その後、ボーナス告知用駆動テーブルTBにおける参照対象のポインタ情報が「50」に更新されるまでの間、球状演出部77bは当該途中位置で停止した状態となる。その後、ボーナス告知用駆動テーブルTBの「50」~「79」のポインタ情報に対して設定されている第1駆動データが役物駆動部78に対して出力されることにより、球状演出部77bは停止していた途中位置から1秒間に亘って上方に移動し、初期位置に戻る。
ボーナス告知用駆動テーブルTBには、球状演出部77bを下方に移動させるための第2駆動データの数(具体的には25個)よりも球状演出部77bを上方に移動させて初期位置に戻すための第1駆動データの数(具体的には30個)の方が多くなっている。これにより、球状演出部77bに対して外力が加えられたとしても球状演出部77bが初期位置に復帰する可能性が高められているとともに、役物75の原点検知において球状演出部77bが原点に滞在していないと判定されてしまう可能性が低減されている。既に説明したとおり、第1駆動データは初期位置センサ75aがOFF状態であることを条件として役物駆動部78に対して出力される。このため、球状演出部77bが初期位置に復帰した場合には、それ以降のポインタ情報に対して設定されている第1駆動データの役物駆動部78への出力がキャンセルされる。
次に、演出側MPU92にて実行される役物駆動用設定処理について、図76(a)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、役物駆動用設定処理は、読み出し用エリア94aにおける現状の対象レイヤにデータテーブルが読み出されていると判定された場合(ステップS1905:YES)に、演出実行処理(図47)のステップS1907にて実行される。
役物駆動用設定処理では、まず現状の対象レイヤに読み出されているデータテーブルにおける参照対象のポインタ情報に対して役物75の駆動テーブルのアドレス情報が設定されているか否かを判定する(ステップS4401)。ステップS4401にて肯定判定を行った場合には、読み出し可能状態であるか否かを判定する(ステップS4402)。ステップS4402では、既に説明した役物用原点復帰処理(図71)のステップS4003の場合と同様に、役物管理用エリア94dにおける役物エラーフラグ、補正動作待機フラグ、役物初期化中フラグ、補正動作中フラグ、補正動作完了フラグ、復帰動作中フラグ、及び役物動作中フラグのいずれにも「1」がセットされていない状態である場合に、駆動テーブルを第11レイヤLY11に読み出し可能な読み出し可能状態であると判定する。
ステップS4402にて読み出し可能状態であると判定した場合には、球状演出部77bが原点に滞在しているか否かを判定する(ステップS4403)。具体的には、役物管理用エリア94dにおける原点変位フラグに「1」がセットされていない場合、すなわち原点が初期位置である場合には初期位置センサ75aがON状態である場合に球状演出部77bが原点に滞在していると判定する。また、役物管理用エリア94dにおける原点変位フラグに「1」がセットされている場合、すなわち原点が変位位置である場合には変位位置センサ75bがON状態である場合に球状演出部77bが原点に滞在していると判定する。
ステップS4403にて肯定判定を行った場合には、駆動テーブルの読み出し処理を実行する(ステップS4404)。当該読み出し処理では、参照対象のポインタ情報に対して設定されているアドレス情報に対応する役物75の駆動テーブルを演出側ROM93から読み出し用エリア94aの第11レイヤLY11に読み出す。その後、役物管理用エリア94dにおける役物動作中フラグに「1」をセットして(ステップS4405)、本役物駆動用設定処理を終了する。第11レイヤLY11に読み出された駆動テーブルに従って演出側MPU92にて役物75の駆動制御が行われることにより、球状演出部77bが上下に移動する役物動作演出が実行される。
上記のとおり、役物75の駆動テーブルは、読み出し可能状態において球状演出部77bが原点に滞在していることを条件として第11レイヤLY11に読み出される。読み出し可能状態でない場合、及び球状演出部77bが原点に滞在していない場合には、駆動テーブルの読み出しがキャンセルされる。読み出し可能状態でない場合に駆動テーブルの読み出しがキャンセルされる構成であることにより、役物エラー状態、補正動作待機状態、補正動作の実行中である状態、補正動作が実行されたゲームが終了していない状態、役物75の復帰動作の実行中である状態、及び役物動作演出の実行中である状態において、役物75の駆動テーブルが第11レイヤLY11に読み出されて役物動作演出が開始されてしまうことが防止されている。
球状演出部77bが原点に滞在していない場合、駆動テーブルの読み出しはキャンセルされる。例えば、通常遊技状態ST1からボーナス状態に移行した場合の原点は、球状演出部77bが初期位置センサ75aにより検出される初期位置である。この場合において、球状演出部77bが変位位置センサ75bにより検出される変位位置に滞在している状態で役物動作演出が実行されると、球状演出部77bを下方に移動させる動きがキャンセルされてしまう。これに対して、球状演出部77bが原点に滞在していない場合に駆動テーブルの読み出しがキャンセルされる構成であることにより、球状演出部77bが設計段階で想定されている動きとは異なる動きをすることが防止されている。
次に、演出側MPU92にて実行される役物駆動制御処理について、図76(b)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、役物駆動制御処理は演出実行処理(図47)のステップS1915にて実行される。
役物駆動制御処理では、読み出し用エリア94aにおける第11レイヤLY11にいずれかの駆動テーブルが読み出されている場合(ステップS4501:YES)、当該駆動テーブルにおける参照対象のポインタ情報に対して第1駆動データが設定されているか否かを判定する(ステップS4502)。第1駆動データが設定されている場合(ステップS4502:YES)には、初期位置センサ75aがOFF状態であるか否かを判定し(ステップS4503)、初期位置センサ75aがOFF状態である場合(ステップS4503:YES)には役物駆動部78に対して第1駆動データを出力して(ステップS4504)、本役物駆動処理を終了する。
一方、初期位置センサ75aがON状態である場合(ステップS4503:NO)には、第1駆動データを出力することなく、そのまま本役物駆動制御処理を終了する。このように、球状演出部77bが既に初期位置に滞在している場合には、第1駆動データの出力がキャンセルされる。
ステップS4502にて否定判定を行った場合には、第11レイヤLY11に読み出されている駆動テーブルにおける参照対象のポインタ情報に対して第2駆動データが設定されているか否かを判定する(ステップS4505)。第2駆動データが設定されている場合(ステップS4505:YES)には、変位位置センサ75bがOFF状態であるか否かを判定し(ステップS4506)、変位位置センサ75bがOFF状態である場合(ステップS4506:YES)には役物駆動部78に対して第2駆動データを出力して(ステップS4507)、本役物駆動処理を終了する。
一方、変位位置センサ75bがON状態である場合(ステップS4506:NO)には、第2駆動データを出力することなく、そのまま本役物駆動制御処理を終了する。このように、球状演出部77bが既に変位位置に滞在している場合には、第2駆動データの出力がキャンセルされる。
次に、演出側MPU92にて実行される役物用フラグ設定処理について、図77のフローチャートを参照しながら説明する。なお、役物用フラグ設定処理は、第11レイヤLY11に読み出されている駆動テーブルにおける参照対象のポインタ情報が最終のポインタ情報となるまで更新され、当該最終のポインタ情報に対してリピート情報が設定されていない場合に、フラグクリア処理(図66(a))のステップS3508にて実行される。
役物用フラグ設定処理では、役物管理用エリア94dにおける役物初期化中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4601:YES)、役物初期化テーブルに基づく役物75の初期化動作が終了したことを意味するため、役物管理用エリア94dにおける初期化終了フラグに「1」をセットする(ステップS4602)。
ステップS4601にて否定判定を行った場合、役物管理用エリア94dにおける補正動作中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4603)。補正動作中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4603:YES)には、補正動作用の駆動テーブルに基づく役物75の補正動作が終了したことを意味するため、補正動作中フラグを「0」クリアするとともに(ステップS4604)、役物管理用エリア94dにおける補正動作完了フラグに「1」をセットする(ステップS4605)。
ステップS4603にて否定判定を行った場合、役物管理用エリア94dにおける復帰動作中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4606)。復帰動作中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4606:YES)には、球状演出部77bを変更後の原点に移動させる役物75の復帰動作が終了したことを意味するため、復帰動作中フラグを「0」クリアして(ステップS4607)、本役物用フラグクリア処理を終了する。
ステップS4606にて否定判定を行った場合、演出用の駆動テーブルにおける参照対象のポインタ情報が最終のポインタ情報まで更新されて役物動作演出が終了したことを意味するため、役物管理用エリア94dにおける役物動作中フラグを「0」クリアして(ステップS4608)、本役物用フラグ設定処理を終了する。
次に、演出側MPU92にて実行されるボーナス入賞時の役物設定処理について、図78のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、通常遊技状態ST1又は通常遊技状態ST1から移行したボーナス内部状態ST2において、演出側MPU92が入賞結果コマンドを受信することにより入賞結果対応処理(図56(a))が実行される。ボーナス入賞時の役物設定処理(図78)は、当該入賞結果対応処理において、主側MPU72から受信した入賞結果コマンドに基づいてボーナス入賞が成立したと判定された場合(ステップS2801:YES)にステップS2806にて実行される。また、ボーナス入賞時の役物設定処理(図78)は、その他の演出用処理(非通常用の演出制御処理(図62)のステップS3013)において、ボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信した場合にも実行される。このため、ボーナス入賞時の役物設定処理(図78)は、準備状態ST5、ART状態ST6、準備状態ST5から移行したボーナス内部状態ST2及びART状態ST6から移行したボーナス内部状態ST2においても実行される。
ボーナス入賞時の役物設定処理では、まず役物管理用エリア94dにおける役物エラーフラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4701)。役物エラーフラグに「1」がセットされている場合(ステップS4701:YES)には、役物管理用エリア94dにおけるエラー解除フラグに「1」をセットする(ステップS4702)。これにより、補正動作の開始設定処理(図72)のステップS4102にて肯定判定が行われて役物エラー状態を解除するための処理(ステップS4104~ステップS4106及びステップS4109~ステップS4111の処理)が実行されるようになる。
ステップS4701にて否定判定を行った場合には、役物管理用エリア94dにおける補正動作待機フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4703)。補正動作待機フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4703:YES)には、役物管理用エリア94dにおける待機解除フラグに「1」をセットする(ステップS4704)。これにより、補正動作の開始設定処理(図72)のステップS4102にて肯定判定が行われて補正動作待機状態を解除するための処理(ステップS4104~ステップS4108の処理)が実行されるようになる。その後、役物管理用エリア94dにおける待機実行カウンタ142の値を「0」クリアする(ステップS4705)。これにより、待機実行カウンタ142にてカウントされていた補正動作待機状態に設定された回数がクリアされる。
ステップS4702の処理を行った場合、又はステップS4705の処理を行った場合には、補正動作の開始設定処理(図72)を実行して(ステップS4706)、本ボーナス入賞時の役物設定処理を終了する。補正動作の開始設定処理の処理内容は、図72のフローチャートを参照しながら既に説明したとおりである。
ステップS4703にて否定判定を行った場合には、読み出し用エリア94aにおける第11レイヤLY11をクリアする(ステップS4707)。既に説明したとおり、第11レイヤLY11は役物75の駆動テーブルが読み出されるレイヤである。ステップS4707にて第11レイヤLY11がクリアされることにより、第11レイヤLY11に駆動テーブルが読み出されていた場合であっても、役物駆動部78に対して駆動データが出力されなくなる。具体的には、補正動作の実行中であった場合には当該補正動作が途中で終了する。
その後、役物管理情報の第3クリア処理を実行する(ステップS4708)。役物管理情報の第3クリア処理(ステップS4708)では、役物管理用エリア94dにおける原点変位フラグを除く各種カウンタ141~144及び各種フラグ(具体的には、役物初期化中フラグ、初期化終了フラグ、役物エラーフラグ、エラー解除フラグ、補正動作待機フラグ、待機解除フラグ、補正動作中フラグ、補正動作完了フラグ、役物動作中フラグ、第1原点用待機フラグ、第2原点用待機フラグ及び復帰動作中フラグ)の値を「0」クリアする。これにより、原点変位フラグの情報を除く役物75の管理情報がクリアされる。役物管理情報の第3クリア処理(ステップS4708)が実行されることにより、待機実行カウンタ142にてカウントされていた補正動作待機状態に設定された回数が「0」クリアされるとともに、補正実行カウンタ141にてカウントされていた役物75の補正動作が実行された回数が「0」クリアされる。
その後、役物75の球状演出部77bが原点に滞在しているか否かを判定する(ステップS4709)。ステップS4709では、役物管理用エリア94dにおける原点変位フラグに「1」がセットされておらず現状の原点が初期位置である場合には初期位置センサ75aがONである場合に球状演出部77bが原点に滞在していると判定するとともに、原点変位フラグに「1」がセットされており現状の原点が変位位置である場合には変位位置センサ75bがONである場合に球状演出部77bが原点に滞在していると判定する。既に説明したとおり、通常遊技状態ST1又は準備状態ST5において今回のボーナス入賞の契機が発生した場合、役物75の原点は初期位置に設定されている。一方、ART状態ST6において今回のボーナス入賞の契機が発生した場合、役物75の原点は変位位置に設定されている。
球状演出部77bが原点に滞在している場合(ステップS4709:YES)には、役物75の補正動作を実行するための処理(ステップS4710~ステップS4711の処理)を実行することなく、そのまま本ボーナス入賞時の役物設定処理を終了する。一方、球状演出部77bが原点に滞在していない場合(ステップS4709:NO)には、役物75の補正動作を実行するための処理(ステップS4710~ステップS4711の処理)を実行する。具体的には、まず補正動作用の読み出し処理を実行する(ステップS4710)。ステップS4710では、補正動作の開始設定処理(図72)のステップS4104と同様に、既に説明した初期位置用駆動テーブル及び変位位置用駆動テーブルのうち現状の原点に対応する駆動テーブルを演出側ROM93から読み出し用エリア94aに読み出す。具体的には、役物管理用エリア94dにおける原点変位フラグに「1」がセットされておらず現状の原点が初期位置である場合には初期位置用駆動テーブルを第11レイヤLY11に読み出すとともに、原点変位フラグに「1」がセットされており現状の原点が変位位置である場合には変位位置用駆動テーブルを第11レイヤLY11に読み出す。第11レイヤLY11に読み出された初期位置用駆動テーブル又は変位位置用駆動テーブルに従って演出側MPU92にて役物75の駆動制御が行われることにより、球状演出部77bが原点(初期位置又は変位位置)に移動する。
その後、役物管理用エリア94dにおける補正動作中フラグに「1」をセットして(ステップS4711)、本ボーナス入賞時の役物設定処理を終了する。ステップS4710にて初期位置用駆動テーブル又は変位位置用駆動テーブルが第11レイヤLY11に読み出されることにより開始される役物75の補正動作は、役物管理用エリア94dにおける補正実行カウンタ141にてカウントされない。このように、ボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信したことを契機として実行される役物75の補正動作は、補正実行カウンタ141にてカウントされない。
上記のとおり、役物エラー状態又は補正動作待機状態である場合、ボーナス入賞が発生したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを受信したことに基づいて役物エラー状態又は補正動作待機状態が解除されて役物75の補正動作が行われる。役物75の補正動作に要する時間は、最大で1.4秒間であり、ボーナス開始演出の実行期間(具体的には5秒間)よりも短い。また、役物75の補正動作は、ボーナス開始演出よりも先に開始される。このため、ボーナス開始演出が終了するよりも先に役物75の補正動作を終了させて、BB状態ST3又はRB状態ST4の最初のゲームにおいて役物動作演出を実行可能とすることができる。
役物エラー状態及び補正動作待機状態のいずれでもない状態においてボーナス入賞が発生したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信した場合には、第11レイヤLY11がクリアされるとともに、役物管理情報の第3クリア処理が実行される。第11レイヤLY11がクリアされることにより、役物75の補正動作の実行中であった場合には役物駆動部78に対して駆動データが出力されなくなり、当該補正動作が終了する。また、役物管理情報の第3クリア処理が実行されることにより、役物管理用エリア94dにおける原点変位フラグを除く各種カウンタ141~144及び各種フラグの値が「0」クリアされる。これにより、待機実行カウンタ142にてカウントされていた補正動作待機状態に設定された回数が「0」クリアされるとともに、補正実行カウンタ141にてカウントされていた役物75の補正動作が実行された回数が「0」クリアされる。よって、ボーナス状態中に補正動作待機状態又は役物エラー状態に設定される可能性を低減して、役物動作演出が実行される機会を増加させることができる。
既に説明したとおり、通常遊技状態ST1又は通常遊技状態ST1から移行したボーナス内部状態ST2では、役の抽選処理(図14)にてボーナス当選(第1~第4BB及び第1~第2RB当選のいずれか)が発生したことに基づいて告知抽選処理(演出内容決定処理(図51)のステップS2311)が行われる。当該告知抽選処理にてボーナス告知演出に当選した場合には、ボーナス当選が発生したゲームにおいてボーナス告知演出が実行される。そして、役物エラー状態及び補正動作待機状態でない場合には、当該ボーナス告知演出にて役物動作演出が実行される。但し、既に説明したとおり、ボーナス当選が発生したゲームにおいてボーナス入賞が成立した場合にはボーナス告知演出がキャンセルされる。また、告知抽選処理にて再変動演出に当選した場合には、ボーナス当選が発生したゲームの後、対応するボーナス入賞が成立することなく5ゲームが消化された場合に、再変動演出の実行対象ゲームが行われる。そして、役物エラー状態及び補正動作待機状態でない場合には、当該再変動演出にて役物動作演出が実行される。但し、既に説明したとおり、5ゲームが消化されるよりも前に対応するボーナス入賞が成立した場合、及び再変動演出の実行対象ゲームにおいてボーナス入賞が成立した場合には再変動演出がキャンセルされる。
ボーナス告知演出において役物動作演出の開始契機が発生した場合に役物エラー状態又は補正動作待機状態を解除する構成とすると、ボーナス告知演出がキャンセルされた場合に役物エラー状態又は補正動作待機状態が解除されることなくボーナス状態(BB状態ST3又はRB状態ST4)が開始されてしまう。この場合には、ボーナス状態の最初のゲームにおいて役物動作演出を実行することができなくなってしまう。また、再変動演出において役物動作演出の開始契機が発生した場合に役物エラー状態又は補正動作待機状態を解除する構成とすると、再変動演出がキャンセルされた場合に役物エラー状態又は補正動作待機状態が解除されることなくボーナス状態(BB状態ST3又はRB状態ST4)が開始されてしまう。この場合にも、ボーナス状態の最初のゲームにおいて役物動作演出を実行することができなくなってしまう。これに対して本実施形態では、ボーナス入賞が発生したことを示す情報が設定されている入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信したことを契機として役物エラー状態又は補正動作待機状態を解除する。ボーナス入賞が発生したことを示す情報が設定されている入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信する事象は、ボーナス状態の開始前に必ず発生する事象である。これにより、ボーナス告知演出の有無及び再変動演出の有無に関わらず、ボーナス状態における最初のゲームから役物動作演出を実行可能とすることができる。
次に、図79のタイムチャートを参照しながら役物エラー状態が解除されて役物動作演出が実行される様子について説明する。図79(a)は役物動作演出の実行期間を示し、図79(b)は役物75の補正動作の実行期間を示し、図79(c)は役物管理用エリア94dにおける役物エラーフラグの状態を示し、図79(d)は中停止演出の実行期間を示し、図79(e)は第1期待演出の実行期間を示し、図79(f)はボーナス開始演出の実行期間を示し、図79(g)は演出側MPU92が入賞結果コマンドを受信するタイミングを示し、図79(h)は演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信するタイミングを示し、図79(i)は第5契機の発生タイミングを示す。
既に説明したとおり、通常遊技状態ST1では、第5契機が発生した場合、すなわち第3停止に対応するストップボタン42~44のON操作が行われた場合に中停止演出が開始される。また、既に説明したとおり、役の抽選処理(図14)にてボーナス当選(第1~第4BB当選及び第1~第2RB当選のいずれか)が発生し、告知抽選処理(演出内容決定処理(図51)のステップS2311)にてボーナス告知演出に当選した場合、当該中停止演出の終了後に第1期待演出が実行される。図79(i)に示すようにt1のタイミングで第5契機が発生すると、図79(d)に示すように中停止演出が開始される。既に説明したとおり、中停止演出は1秒間に亘って実行される。図79(c)に示すように、当該t1のタイミングにおいて役物管理用エリア94dにおける役物エラーフラグには「1」がセットされている。
その後、中停止演出の実行中であるt2のタイミングで、図79(g)に示すように、演出側MPU92が入賞結果コマンドを受信する。第5契機が発生してから全リール32L,32M,32Rが停止するまでに要する時間は、最大で190ミリ秒であり、第5契機が発生してから中停止演出が終了するまでに要する時間(具体的には1秒間)よりも短い。主側MPU72は全リール32L,32M,32Rが停止した場合に入賞結果コマンドを送信する。今回発生したボーナス当選に対応するボーナス入賞が成立したことを示す情報が入賞結果コマンドに設定されていた場合、当該入賞結果コマンドの受信によりボーナス告知演出がキャンセルされる。t2のタイミングで、図79(c)に示すように役物管理用エリア94dにおける役物エラーフラグが「0」クリアされる。これにより、役物エラー状態が解除される。また、当該t2のタイミングで、図79(b)に示すように役物75の補正動作が開始される。既に説明したとおり、役物75の補正動作は最大で1.4秒間に亘って実行される。
その後、t3のタイミングで、図79(d)に示すように中停止演出が終了するとともに、図79(e)に示すように第1期待演出が開始される。第1期待演出は1.5秒間に亘って実行される。その後、第1期待演出の実行中であるt4のタイミングで図79(b)に示すように役物75の補正動作が終了する。役物75の補正動作の実行期間は、最大で1.4秒であり、第1期待演出の実行期間(具体的には1.5秒間)よりも短い。また、役物75の補正動作は、第1期待演出が開始されるタイミング(具体的にはt3のタイミング)よりも前のタイミング(具体的にはt2のタイミング)で開始される。このため、役物75の補正動作が終了するt4のタイミングは、第1期待演出が終了するt5のタイミングよりも早いタイミングである。
その後、t4のタイミングよりも後であるt5のタイミングで、図79(e)に示すように第1期待演出が終了する。既に説明したとおり、ボーナス当選が発生してボーナス告知演出の実行対象ゲームとなったゲームにおいてボーナス入賞が成立したため、ボーナス告知演出はキャンセルされている。このため、図79(f)に示すように、t5のタイミングでボーナス開始演出が開始される。当該ボーナス開始演出はt6のタイミングまで5秒間に亘って実行される。
その後、図79(h)に示すように、t7のタイミングでボーナス状態(BB状態ST3又はRB状態ST4)が開始されてから最初のゲーム開始コマンドを演出側MPU92が主側MPU72から受信する。当該t7のタイミングにおいて、図79(c)に示すように役物エラー状態は解除されているとともに、図79(b)に示すように役物75の補正動作は終了している。このため、当該t7のタイミングで、図79(a)に示すように役物動作演出が開始される。その後、図79(a)に示すように、t7のタイミングから1.5秒後であるt8のタイミングで役物動作演出が終了する。
上記のとおり、ボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定されている入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信したことに基づいて役物エラー状態が解除されるとともに役物75の補正動作が開始される。役物75の補正動作の実行期間は最大で1.4秒間であり、第1期待演出の実行期間(具体的には1.5秒間)よりも短い。また、役物75の補正動作は、第1期待演出が開始されるタイミングよりも前のタイミングで開始される。このため、役物75の補正動作は、第1期待演出が終了するよりも前のタイミングで終了する。これにより、ボーナス開始演出の終了時に球状演出部77bが原点に滞在している状態とすることができるとともに、ボーナス状態が開始されてから最初のゲームにおいて役物動作演出を実行することができる。
ボーナス入賞が成立したことを示す入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信したことを契機として役物エラー状態を解除するとともに役物75の補正動作を実行する構成である。このため、ボーナス当選が発生したゲームにおいてボーナス入賞が成立してボーナス告知演出がキャンセルされた場合においても、ボーナス状態における最初のゲームが開始されるタイミングよりも前のタイミングにおいて、役物エラー状態が解除されているとともに球状演出部77bが原点に滞在している状態とすることができる。これにより、ボーナス状態が開始されてから最初に実行されるゲームにおいて役物動作演出を実行することができる。このように、ボーナス状態において役物動作演出がキャンセルされてしまう頻度を低減することにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
ボーナス当選が発生したことを示す情報が設定されたゲーム開始コマンドを演出側MPU92が受信したことに基づいて役物エラー状態又は補正動作待機状態を解除して役物75の動作演出を実行する構成とすると、ボーナス状態に移行する前に補正動作を終了させることはできるものの、ボーナス当選が発生したゲームにおいてボーナス告知演出に当選しなかった場合においても役物エラー状態又は補正動作待機状態が解除されて役物75の補正動作が行われるため、当該補正動作が行われたことに基づいてボーナス当選の発生を遊技者に把握されてしまう。これに対して、ボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信したことに基づいて役物エラー状態又は補正動作待機状態を解除して役物75の補正動作を実行する構成であることにより、役物75の補正動作が行われたことに基づいてボーナス当選の発生を遊技者に把握されてしまうことを防止しながら、ボーナス状態の最初のゲームから役物動作演出を開始することができる。
<履歴画像表示を実行するための構成>
次に、画像表示装置63にて履歴画像表示を実行するための構成について説明する。上述したとおり、本スロットマシン10では、遊技履歴を確認可能とする履歴画像表示が行われる。図80(a)は画像表示装置63に表示される履歴画像G23の一例を説明するための説明図であり、図80(b)は履歴構成データの生成契機と、履歴画像G23に含まれる画像の種類との対応関係を説明するための説明図である。上述したとおり、履歴構成データは、履歴画像G23を構成する複数の画像の種類を演出側MPU92にて把握可能とするデータであり、履歴構成データは履歴画像G23を構成する複数の画像を指定する複数の指定データを含んでいる。演出側MPU92は、履歴構成データに基づいて履歴画像G23を画像表示装置63に表示するための表示用データを生成する。
図80(a)に示すように、履歴画像G23は複数の画像から構成されている。図80(b)に示すように、履歴画像G23を構成する画像として、背景プレート画像G24、第1文言画像G25、第2文言画像G26、第3文言画像G27、キャラクタ画像G28、エンディング画像G29、履歴ポイント画像G30、ランク画像G31、下地プレート画像及び共通背景プレート画像が存在している。
履歴構成データは、ART状態ST6が終了する場合、有利区間SC2のエンディング演出が終了する場合、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が所定の区切り数(具体的には「1000」、「2000」、又は「3000」)に達した場合、及び遊技者の操作により履歴画像G23の途中生成が選択された場合に生成される。ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数とは、演出側RAM94におけるART中フラグに「1」がセットされた後、当該ART中フラグの値が「0」クリアされるまでの期間における遊技媒体の付与数である。既に説明したとおり、ART中フラグは、遊技状態がART状態ST6、ART状態ST6から移行したボーナス内部状態ST2、ART状態ST6から移行したボーナス状態、及び当該ボーナス状態終了後に移行した準備状態ST5のいずれかであることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。ART中フラグには、演出側MPU92が主側MPU72からART開始コマンドを受信した場合に「1」がセットされる。また、ART中フラグは、演出側MPU92が主側MPU72からART終了コマンド又はエンディング終了コマンドを受信した場合に「0」クリアされる。履歴画像G23に含まれる画像の種類は、当該履歴画像G23を表示するための履歴構成データの生成契機の種類に応じて異なる。
図80(b)に示すように、第1~第3文言画像G25~G27、キャラクタ画像G28、履歴ポイント画像G30及びランク画像G31は、履歴構成データの生成契機の種類に関わらず、常に履歴画像G23に含まれる基本画像である。ART状態ST6の終了を契機として履歴構成データが生成される第1パターンの履歴画像G23には、背景プレート画像G24と、これらの基本画像とが含まれる。有利区間SC2のエンディング演出の終了を契機として履歴構成データが生成される第2パターンの履歴画像G23には、背景プレート画像G24と、エンディング画像G29と、これらの基本画像とが含まれる。ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が所定の区切り数に到達したこと、又は遊技者の操作により途中生成が選択されたことを契機として履歴構成データが生成される第3パターンの履歴画像G23には、下地プレート画像と、共通背景プレート画像と、これらの基本画像とが含まれる。
図80(a)に示すように、画像表示装置63に第2パターンの履歴画像G23が表示される場合、背景プレート画像G24が最背面に配置され、当該背景プレート画像G24の手前側に第1~第3文言画像G25~G27、キャラクタ画像G28、エンディング画像G29、履歴ポイント画像G30及びランク画像G31が配置される。また、図示は省略するが、画像表示装置63に第1パターンの履歴画像G23が表示される場合には、背景プレート画像G24が最背面に配置され、当該背景プレート画像G24の手前側に文言画像G25~G27、キャラクタ画像G28、履歴ポイント画像G30及びランク画像G31が配置される。また、図示は省略するが、画像表示装置63に第3パターンの履歴画像G23が表示される場合には、下地プレート画像が最背面に配置され、当該下地プレート画像の手前側に共通背景プレート画像が配置され、これら下地プレート画像及び共通背景プレート画像の手前側に文言画像G25~G27、キャラクタ画像G28、履歴ポイント画像G30及びランク画像G31が配置される。
第1~第3文言画像G25~G27は、履歴記憶用エリア94bに記憶されている遊技履歴データに対応する文言を表示する画像であり、当該第1~第3文言画像G25~G27の文言の内容は履歴記憶用エリア94bに記憶されている遊技履歴データの内容に応じて変化する。
履歴画像表示において、画像表示装置63の全面には背景プレート画像G24(図80(a))又は共通背景プレート画像が表示される。背景プレート画像G24には複数の種類が存在しており、表示対象となる背景プレート画像G24の種類は後述するプレート抽選処理(プレート設定処理(図92)のステップS5505)にて特定される。プレート抽選処理において表示対象となり易い背景プレート画像G24の種類は現状の設定値に応じて異なる。このため、画像表示装置63に表示された背景プレート画像G24の種類に基づいて現状の設定値を遊技者に予測させることができる。一方、共通背景プレート画像は1種類であり、現状の設定値とは無関係に、背景プレート画像G24が表示されない場合に共通して表示対象となる。共通背景プレート画像が表示される場合には、共通背景プレート画像よりも画面奥側に下地プレート画像が表示される。下地プレート画像の色は複数種類存在しており、下地プレート画像の色はART状態ST6への移行後における遊技媒体の純増枚数に応じて変化する。共通背景プレート画像には半透明の領域が含まれており、当該半透明の領域を通じて最背面に配置された下地プレート画像が視認可能となる。
図80(a)に示すように、画像表示装置63の上部左寄りには最も優先度の高い第1文言画像G25が配置される第1見出し範囲151が設定されている。また、画像表示装置63の右部には2番目に優先度が高い第2文言画像G26が配置される第2見出し範囲152が設定されているとともに、画像表示装置63の下部左寄りには最も優先度が低い第3文言画像G27が配置される第3見出し範囲153が設定されている。
第1見出し範囲151は第2見出し範囲152及び第3見出し範囲153よりも大きく設定されており、第1見出し範囲151に表示される第1文言画像G25は第2見出し範囲152及び第3見出し範囲153に表示される第2文言画像G26及び第3文言画像G27よりも注目され易くなっている。また、画像表示装置63において、第2見出し範囲152は第3見出し範囲153よりも大きく設定されており、第2見出し範囲152に表示される第2文言画像G26は第3見出し範囲153に表示される第3文言画像G27よりも注目され易くなっている。
演出側ROM93には、表示対象とする文言画像G25~G27を選択するための選択条件テーブルが記憶されている。選択条件テーブルには、文言画像G25~G27を指定する複数の文言指定データが設定されており、各文言指定データには表示優先度データと、選択条件とが設定されている。文言指定データは、設定されている選択条件が満たされている場合に表示対象の候補となる。選択条件が満たされているか否かの判定は、履歴記憶用エリア94bに記憶されている遊技履歴データに基づいて行われる。表示優先度データは、文言指定データの表示優先度を示すデータであり、表示優先度の高い文言指定データであるほど、選択条件を満たすことが難しくなっている。例えば、「ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が400以上」という選択条件が設定されている文言データの表示優先度(具体的には「5」)は、「ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が200以上」という選択条件が設定されている表示優先度(具体的には「1」)よりも高く設定されている。これにより、履歴画像G23に基づいて、達成することが困難な選択条件を達成できたことを後から確認することが可能となっている。なお、選択条件テーブルの詳細については後述する。
図80(a)に示すように、画像表示装置63の中央にはキャラクタ画像G28が表示されるキャラクタ画像範囲154が設定されている。演出側ROM93には、文言データに対応するキャラクタ画像G28が複数記憶されており、当該複数のキャラクタ画像G28のうち第1見出し範囲151に表示される第1文言画像G25に対応するキャラクタ画像G28がキャラクタ画像範囲154に表示されるキャラクタ画像G28として選択される。
画像表示装置63の右側上部には有利区間SC2のエンディング演出が実行されたことを示すエンディング画像G29が表示されるエンディング画像範囲155が設定されている。既に説明したとおり、エンディング画像G29は、有利区間SC2のエンディング演出の終了を契機として履歴構成データが生成される第2パターンの履歴画像G23のみにおいて表示される。有利区間SC2のエンディング演出が行われた場合、履歴構成データには常にエンディング画像G29が設定される。
具体的には、履歴構成データの生成タイミングにおいて、履歴記憶用エリア94bの第15履歴用記憶エリアRA15に「1」がセットされている場合、すなわち有利区間SC2のエンディング演出の実行データが設定されている場合にはエンディング画像G29を表示するためのエンディング画像データが履歴構成データに確実に設定される。なお、第15履歴用記憶エリアRA15の詳細については後述する。
有利区間SC2のエンディング演出の実行履歴を確認できない構成とすると、エンディング演出が実行されたことを記録に残したい遊技者はカメラ等でエンディング演出の実行履歴を自ら残さなければならず、エンディング演出をじっくりと楽しむことができない。また、有利区間SC2のエンディング演出が実行されても抽選の結果や他の遊技履歴との関係によってはエンディング画像G29が表示されない構成とすると、エンディング演出が実行されたことを記録に残したい遊技者はエンディング画像G29が表示されない場合に備えてカメラ等でエンディング演出の実行履歴を自ら残さなければならず、エンディング演出をじっくりと楽しむことができない。
これに対して、本実施形態では、履歴構成データの生成タイミングにおいて履歴記憶用エリア94bに有利区間SC2のエンディング演出の実行データが設定されている場合にはエンディング画像データが履歴構成データに確実に設定される構成である。このため、遊技者は、エンディング演出の実行中にカメラ等でこれらの演出の記録を残さなくても、後から履歴画像表示を行ってエンディング演出の記録を確認することができる。これにより、有利区間SC2のエンディング演出を遊技者にじっくりと見せることが可能となる。
画像表示装置63の上部中央には、ランク画像G31が表示されるランク表示範囲156が設定されている。また、当該ランク表示範囲156の下方であってキャラクタ画像範囲154の上方には履歴ポイント画像G30が表示される履歴ポイント表示範囲157が設定されている。履歴構成データが生成される場合、履歴記憶用エリア94bに記憶されている遊技履歴データと、表示対象として選択された第1~第3文言画像G25~G27の表示優先度データとに基づいて履歴ポイントが算出され、当該算出された履歴ポイントを示す履歴ポイント画像G30が履歴ポイント表示範囲157に表示される。また、当該履歴ポイントに基づいて履歴画像G23にランク付けが行われ、当該履歴画像G23に対応するランク画像G31がランク表示範囲156に表示される。
図81(a)は履歴画像表示を行うための演出側RAM94の構成を説明するための説明図である。既に説明したとおり、演出側RAM94には、遊技履歴データが記憶される履歴記憶用エリア94bと、履歴構成データが記憶される画像再生用記憶エリア94cとが設けられている。
本スロットマシン10には、履歴画像表示を行うための遊技履歴データの記憶が行われる履歴記憶モードが存在している。遊技履歴データの履歴記憶用エリア94bへの記憶は、履歴記憶モードであることを条件として行われる。履歴記憶モードの設定が解除されている場合、遊技履歴データの履歴記憶用エリア94bへの記憶は行われない。
図81(a)に示すように、演出側RAM94には履歴記憶モードであることを演出側MPU92にて把握可能とする履歴記憶フラグ158が設けられている。履歴記憶フラグ158には、遊技者により演出用操作装置64(図1)の操作が行われて遊技履歴モードの設定が選択された場合に「1」がセットされる。履歴記憶フラグ158は、遊技者により演出用操作装置64の操作が行われて遊技履歴モードの解除が選択された場合、及び通常遊技状態ST1において演出側MPU92が主側MPU72から最後にゲーム開始コマンドを受信してからゲーム開始コマンドを受信していない期間が所定の期間(具体的には10分間)に亘って継続された場合に「0」クリアされる。履歴記憶フラグ158が「0」クリアされて遊技履歴モードが終了する場合には、ART当選の発生回数を示す遊技履歴データを除いて、履歴記憶用エリア94bに記憶されている遊技履歴データが「0」クリアされる。
演出用操作装置64の操作に基づいて遊技履歴モードの設定及び当該遊技履歴モードの解除を行うことができる構成であることにより、遊技者が後から遊技履歴を確認することを希望する場合に履歴画像表示を行うことを可能とすることができる。
図81(a)に示すように、履歴記憶用エリア94bには、第0履歴用記憶エリアRA0~第15履歴用記憶エリアRA15が設けられている。第0履歴用記憶エリアRA0は、ART状態ST6への移行前におけるゲーム数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。第0履歴用記憶エリアRA0は、2バイトからなり「65535」を上限としてゲーム数を計測することが可能である。第0履歴用記憶エリアRA0の値は、演出側RAM94におけるART中フラグの値が「0」である状態でゲームが行われた場合に、遊技履歴モードであることを条件として、1加算される。既に説明したとおり、ART中フラグは、遊技状態がART状態ST6、ART状態ST6から移行したボーナス内部状態ST2、ART状態ST6から移行したボーナス状態、及び当該ボーナス状態終了後に移行した準備状態ST5のいずれかであることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。ART中フラグには、演出側MPU92が主側MPU72からART開始コマンドを受信した場合に「1」がセットされる。また、ART中フラグは、演出側MPU92が主側MPU72からART終了コマンド又はエンディング終了コマンドを受信した場合に「0」クリアされる。第0履歴用記憶エリアRA0の値は、ART状態ST6の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、有利区間SC2のエンディング演出の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、及び遊技履歴モードの設定が解除された場合に「0」クリアされる。
第1履歴用記憶エリアRA1は、ボーナス状態及びART状態ST6のいずれかが開始されるまでのゲーム数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。第1履歴用記憶エリアRA1は、2バイトからなり「65535」を上限としてゲーム数を計測することが可能である。第1履歴用記憶エリアRA1の値は、演出側RAM94におけるART中フラグの値が「0」である状態でゲームが行われた場合に、遊技履歴モードであることを条件として、1加算される。また、第1履歴用記憶エリアRA1の値は、演出側MPU92がボーナス終了コマンドを受信した場合、ART状態ST6の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、有利区間SC2のエンディング演出の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、及び遊技履歴モードの設定が解除された場合に「0」クリアされる。既に説明したとおり、ボーナス終了コマンドは、ボーナス状態用処理(ボーナス用処理(図34)のステップS1514)にてボーナス状態の終了条件が成立した場合に主側MPU72から演出側MPU92に対して送信される。
第2履歴用記憶エリアRA2は、ART状態ST6に移行するまでに減少した遊技媒体の数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。第2履歴用記憶エリアRA2は、2バイトからなり「-32767」~「32767」の遊技媒体数を計測することが可能である。遊技履歴モードにおいて第2履歴用記憶エリアRA2の値は、演出側RAM94におけるART中フラグの値が「0」である状態で、リプレイ入賞が発生した後に自動ベットが行われて開始されたゲームである場合を除いてベットされた遊技媒体数(具体的には「3」)が減算され、小役入賞が発生した場合に付与された遊技媒体数が加算される。第2履歴用記憶エリアRA2の値は、ART状態ST6の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、有利区間SC2のエンディング演出の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、及び遊技履歴モードの設定が解除された場合に「0」クリアされる。
第3履歴用記憶エリアRA3は、ART状態ST6に移行するまでの期間における遊技媒体の最大減少数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。第3履歴用記憶エリアRA3は、2バイトからなり「-32767」~「0」の遊技媒体数を計測することが可能である。遊技履歴モードにおいて第3履歴用記憶エリアRA3には、第2履歴用記憶エリアRA2の値が当該第3履歴用記憶エリアRA3の値よりも小さい値となった場合に当該第2履歴用記憶エリアRA2の値がセットされる。第3履歴用記憶エリアRA3の値は、ART状態ST6の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、有利区間SC2のエンディング演出の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、及び遊技履歴モードの設定が解除された場合に「0」クリアされる。
第4履歴用記憶エリアRA4は、BB状態ST3の発生回数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。第4履歴用記憶エリアRA4は、1バイトからなり「255」を上限としてBB状態ST3の発生回数を計測することが可能である。遊技履歴モードにおいて第4履歴用記憶エリアRA4の値は、BB状態ST3が発生した場合に1加算される。また、第4履歴用記憶エリアRA4の値は、ART状態ST6の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、有利区間SC2のエンディング演出の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、及び遊技履歴モードの設定が解除された場合に「0」クリアされる。
第5履歴用記憶エリアRA5は、RB状態ST4の発生回数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。第5履歴用記憶エリアRA5は、1バイトからなり「255」を上限としてRB状態ST4の発生回数を計測することが可能である。遊技履歴モードにおいて第5履歴用記憶エリアRA5の値は、RB状態ST4が発生した場合に1加算される。また、第5履歴用記憶エリアRA5の値は、ART状態ST6の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、有利区間SC2のエンディング演出の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、及び遊技履歴モードの設定が解除された場合に「0」クリアされる。
第6履歴用記憶エリアRA6は、ART当選の発生回数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。第6履歴用記憶エリアRA6は、3バイトからなり「256」の3乗から1減算した値を上限としてART当選の発生回数を計測することが可能である。遊技履歴モードにおいて第6履歴用記憶エリアRA6の値は、ART当選が発生する度に1加算され、当該1加算後の値が上限値を超えた場合に「0」クリアされる。第6履歴用記憶エリアRA6の値は、ART状態ST6の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、有利区間SC2のエンディング演出の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、及び遊技履歴モードの設定が解除された場合にも「0」クリアされない。なお、第6履歴用記憶エリアRA6にてカウントされるART当選の発生回数には、ART状態ST6においてボーナス当選が発生した後、ボーナス状態及び準備状態ST5を経てART状態ST6に復帰した回数は含まれない。
第7履歴用記憶エリアRA7は、ART当選の契機役の種別情報を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。第7履歴用記憶エリアRA7は、4ビットからなり「15」を上限としてART当選の契機役の種別情報を記憶することが可能である。遊技履歴モードにおいて第7履歴用記憶エリアRA7には、ART当選が発生したゲームにおける役の抽選処理(図14)にて設定された当選番号がセットされる。第7履歴用記憶エリアRA7には、具体的には、「4」、「6」、「8」及び「15」のいずれかの数値情報がセットされる。第7履歴用記憶エリアRA7の値は、ART状態ST6の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、有利区間SC2のエンディング演出の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、及び遊技履歴モードの設定が解除された場合に「0」クリアされる。
第8履歴用記憶エリアRA8は、ART開始演出の種別情報を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。第8履歴用記憶エリアRA8は、5ビットからなり「31」を上限としてART開始演出の種別情報を記憶することが可能である。既に説明したとおり、本スロットマシン10には16種類のART開始演出が存在しており、遊技履歴モードでは、ART開始演出抽選処理(ART開始時の演出設定処理(図63(a))のステップS3105)において特定されたART開始演出抽選テーブルにおける当選番号(「1」~「16」)が種別情報として第8履歴用記憶エリアRA8に設定される。第8履歴用記憶エリアRA8は、ART状態ST6の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、有利区間SC2のエンディング演出の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、及び遊技履歴モードの設定が解除された場合に「0」クリアされる。
第9履歴用記憶エリアRA9は、ART状態ST6に移行した後に実行されたゲーム数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。第9履歴用記憶エリアRA9は、2バイトからなり「65535」を上限としてゲーム数を計測することが可能である。遊技履歴モードにおいて第9履歴用記憶エリアRA9の値は、演出側RAM94におけるART中フラグに「1」がセットされた状態でゲームが行われた場合に1加算される。また、第9履歴用記憶エリアRA9の値は、ART状態ST6の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、有利区間SC2のエンディング演出の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、及び遊技履歴モードの設定が解除された場合に「0」クリアされる。
第10履歴用記憶エリアRA10は、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。第10履歴用記憶エリアRA10は、16ビットからなり「0」~「65535」の遊技媒体数を計測することが可能である。遊技履歴モードにおいて第10履歴用記憶エリアRA10の値は、ART中フラグに「1」がセットされている状態において小役入賞が発生した場合に付与された遊技媒体数が加算される。第10履歴用記憶エリアRA10の値は、ART状態ST6の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、有利区間SC2のエンディング演出の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、及び遊技履歴モードの設定が解除された場合に「0」クリアされる。
第11履歴用記憶エリアRA11は、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の純増枚数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。第11履歴用記憶エリアRA11は、18ビットからなり「-131072」~「131072」の遊技媒体数を計測することが可能である。遊技履歴モードにおいて第11履歴用記憶エリアRA11の値は、ART中フラグに「1」がセットされている状態において、リプレイ入賞が発生した後に自動ベットが行われて開始されたゲームである場合を除いてベットされた遊技媒体数(具体的には「3」)が減算され、小役入賞が発生した場合に付与された遊技媒体数が加算される。第11履歴用記憶エリアRA11の値は、ART状態ST6の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、有利区間SC2のエンディング演出の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、及び遊技履歴モードの設定が解除された場合に「0」クリアされる。
第12履歴用記憶エリアRA12は、ART状態ST6における合計上乗せゲーム数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。第12履歴用記憶エリアRA12は、2バイトからなり「65535」を上限として上乗せゲーム数を計測することが可能である。遊技履歴モードにおいて第12履歴用記憶エリアRA12の値は、演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信した場合に当該ART中上乗せコマンドに設定されている上乗せゲーム数が加算される。第12履歴用記憶エリアRA12の値は、ART状態ST6の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、有利区間SC2のエンディング演出の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、及び遊技履歴モードの設定が解除された場合に「0」クリアされる。
第13履歴用記憶エリアRA13は、準備状態ST5における合計上乗せゲーム数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。第13履歴用記憶エリアRA13は、2バイトからなり「65535」を上限として上乗せゲーム数を計測することが可能である。遊技履歴モードにおいて第13履歴用記憶エリアRA13の値は、演出側MPU92が準備中上乗せコマンドを受信した場合に当該準備中上乗せコマンドに設定されている上乗せゲーム数が加算される。第13履歴用記憶エリアRA13の値は、ART状態ST6の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、有利区間SC2のエンディング演出の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、及び遊技履歴モードの設定が解除された場合に「0」クリアされる。
第14履歴用記憶エリアRA14は、ボーナス状態における合計上乗せゲーム数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。第14履歴用記憶エリアRA14は、2バイトからなり「65535」を上限として上乗せゲーム数を計測することが可能である。遊技履歴モードにおいて第14履歴用記憶エリアRA14の値は、演出側MPU92がボーナス中上乗せコマンドを受信した場合に当該ボーナス中上乗せコマンドに設定されている上乗せゲーム数が加算される。第14履歴用記憶エリアRA14の値は、ART状態ST6の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、有利区間SC2のエンディング演出の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、及び遊技履歴モードの設定が解除された場合に「0」クリアされる。
第15履歴用記憶エリアRA15は、有利区間SC2のエンディング演出が実行されたか否かを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。第15履歴用記憶エリアRA15は1ビットからなる。遊技履歴モードにおいて第15履歴用記憶エリアRA15には、有利区間SC2のエンディング演出が実行された場合に「1」がセットされる。第15履歴用記憶エリアRA15の値は、ART状態ST6の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、有利区間SC2のエンディング演出の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、及び遊技履歴モードの設定が解除された場合に「0」クリアされる。
図81(a)に示すように、履歴記憶用エリア94bには、生成中の履歴構成データが設定される構成データ記憶エリア161が設けられている。図81(b)は構成データ記憶エリア161の構成を説明するための説明図である。構成データ記憶エリア161には、背景プレート画像G24又は共通背景プレート画像を指定する背景プレート画像指定データと、下地プレート画像を指定する下地プレート画像指定データと、第1文言画像G25を指定する第1文言指定データと、第2文言画像G26を指定する第2文言指定データと、第3文言画像G27を指定する第3文言指定データと、ランク画像G31を指定するランク画像指定データとが記憶される。既に説明したとおり、履歴画像G23に表示されるキャラクタ画像G28の種類は、第1文言画像G25の種類に対応している。このため、演出側MPU92は、第1文言指定データに基づいて表示対象となった第1文言画像G25及びキャラクタ画像G28の種類を把握する。また、構成データ記憶エリア161には、上述した各種指定データに加えて、エンディング画像G29の有無を示すデータと、履歴ポイントを示すデータと、履歴構成データが生成された日時を示す日時データと、当該履歴構成データの生成契機の種類を示す生成契機データとが記憶される。
図81(b)に示すように、構成データ記憶エリア161には、第1文言カウンタ161a、第2文言カウンタ161b、第3文言カウンタ161c、エンディング画像フラグ161d、履歴ポイントカウンタ161e、ランクカウンタ161f、背景プレートカウンタ161g、下地プレートカウンタ161h、日時データカウンタ161j及び生成契機カウンタ161kが設けられている。
第1文言カウンタ161aは第1文言画像G25を指定する第1文言指定データと、当該第1文言指定データに対応する表示優先度データとが格納されるカウンタであり、第2文言カウンタ161bは第2文言画像G26を指定する第2文言指定データと、当該第2文言指定データに対応する表示優先度データとが格納されるカウンタであり、第3文言カウンタ161cは第3文言画像G27を指定する第3文言指定データと、当該第3文言指定データに対応する表示優先度データとが格納されるカウンタである。第1~第3文言指定データは、文言画像G25~G27を特定可能とする数値情報であり、キャラクタROMにおける文言画像G25~G27のアドレスデータではない。既に説明したとおり、表示優先度データは、文言指定データの表示優先度を示すデータである。
履歴画像G23に表示される文言として324種類の文言が存在しており、キャラクタROMには、当該324種類の文言を縦書きで表示するための324種類の文言画像データと、当該324種類の文言を横書きで表示するための324種類の文言画像データとが記憶されている。文言指定データは、「1」~「324」のいずれかを示す9ビットの数値情報であり、文言指定データと文言画像データとは1対1で対応している。第1~第3文言指定データのデータ量は、文言画像データのアドレスデータのデータ量よりも小さい。演出側ROM93には、文言指定データと、キャラクタROMにおける文言画像データのアドレスデータとの対応関係が設定されている文言対応テーブルが記憶されている。文言指定データを記憶する構成であることにより、文言画像データのアドレスデータを記憶する構成と比較して、履歴画像G23に含まれる文言画像G25~27の種類を把握可能とするための演出側RAM94における記憶容量が低減されている。
第1~第3文言カウンタ161a~161cは、13ビットの記憶容量となっており、上位の7ビットに文言指定データが格納され、次の4ビットに表示優先度データ(「0」~「8」のいずれかを示す4ビットの数値情報)が格納される。
第1見出し範囲151には横書き用の文言画像が拡大率100%で設定され、第2見出し範囲152には縦書き用の文言画像が拡大率100%で設定され、第3見出し範囲153には横書き用の文言画像が拡大率50%で設定される。第1見出し範囲151及び第3見出し範囲153に設定される横書き用の文言画像は共通であり、拡大率が異なっている。
既に説明したとおり、演出側MPU92は、履歴構成データに基づいて履歴画像G23を画像表示装置63に表示するための表示用データを生成する。演出側MPU92は、表示用データを生成する場合、第1文言指定データを文言対応テーブルに対して照合することにより第1文言指定データに対応する横書き用の文言画像のアドレスデータを把握して当該把握したアドレスデータを表示用データに設定し、第2文言指定データを文言対応テーブルに対して照合することにより第2文言指定データに対応する縦書き用の文言画像のアドレスデータを把握して当該把握したアドレスデータを表示用データに設定し、第3文言指定データを文言対応テーブルに対して照合することにより第3文言指定データに対応する横書き用の文言画像のアドレスデータを把握して当該把握したアドレスデータを表示用データに設定する。
演出側ROM93には、履歴画像G23に含まれる各種画像のパラメータが設定されている履歴画像生成用テーブルが記憶されている。演出側MPU92は、履歴画像生成用テーブルに基づいて、履歴画像G23の表示用データに第1~第3文言画像G25~G27のパラメータ(位置座標情報、拡大率、透過情報、色情報)を設定する。位置座標情報は、画像を表示すべき画像表示装置63上の座標を特定するための情報である。拡大率は、その画像に対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報である。拡大率が100%より大きい場合は画像が拡大表示されるとともに、拡大率が100%未満の場合は画像が縮小表示される。透過情報は、画像全体の透明度を特定するためのものである。色情報は、表示すべき画像の色調を指定するための情報である。既に説明したとおり、第1文言画像G25及び第2文言画像G26の拡大率は100%に設定されるとともに、第3文言画像G27の拡大率は50%に設定される。
既に説明したとおり、履歴画像G23に含まれるキャラクタ画像G28の種類は、第1文言指定データに基づいて把握される。キャラクタROMには、324種類のキャラクタ画像データが記憶されており、キャラクタ画像データは文言指定データと1対1で対応している。演出側ROM93には、文言指定データと、キャラクタROMにおけるキャラクタ画像データのアドレスデータとの対応関係が設定されているキャラクタ画像対応テーブルが記憶されている。第1文言指定データに基づいてキャラクタ画像G28の種類を把握する構成であることにより、第1文言指定データとは別にキャラクタ画像G28の種類を把握するためのデータを記憶する構成と比較して、履歴画像G23に含まれるキャラクタ画像G28の種類を把握可能とするための演出側RAM94における記憶容量が低減されている。
演出側MPU92は、履歴構成データに基づいて履歴画像G23の表示用データを生成する場合、第1文言指定データをキャラクタ画像対応テーブルに対して照合することにより第1文言指定データに対応するキャラクタ画像データのアドレスデータを把握し、当該把握したアドレスデータを表示用データに設定する。また、演出側MPU92は、履歴画像生成用テーブルに基づいて、履歴画像G23の表示用データにキャラクタ画像G28のパラメータ(位置座標情報、拡大率、透過情報、色情報)を設定する。
エンディング画像フラグ161dは履歴画像G23にエンディング画像G29を表示するか否かを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。エンディング画像フラグ161dに「1」がセットされている状態はエンディング画像G29が表示対象である状態に対応しているとともに、エンディング画像フラグ161dに「1」がセットされていない状態はエンディング画像G29が表示対象でない状態に対応している。
演出側MPU92は、履歴構成データに基づいて履歴画像G23の表示用データを生成する場合、エンディング画像フラグ161dに「1」がセットされていることに基づいて、キャラクタROMにおけるエンディング画像データのアドレスデータを表示用データに設定する。また、演出側MPU92は、履歴画像生成用テーブルに基づいて、履歴画像G23の表示用データにエンディング画像G29のパラメータ(位置座標情報、拡大率、透過情報、色情報)を設定する。
履歴ポイントカウンタ161eは履歴画像G23の履歴ポイントを演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。履歴ポイントは「0」~「65535」のいずれかに対応する16ビットの数値情報である。
キャラクタROMには、履歴ポイント画像G30の各数字画像及び「P」のアルファベット画像を表示するための数値画像データ及びアルファベット画像データが記憶されている。演出側ROM93には、履歴ポイントの各桁の数字と、キャラクタROMにおける各数字画像との対応関係が設定されている履歴ポイント対応テーブルが記憶されている。当該履歴ポイント対応テーブルには、「P」のアルファベット画像を表示するためのアルファベット画像データのアドレスデータも記憶されている。
演出側MPU92は、履歴構成データに基づいて履歴画像G23の表示用データを生成する場合、履歴ポイントデータの各桁の数字を履歴ポイント対応テーブルに対して照合することにより履歴ポイント画像G30に含まれる各数字画像のアドレスデータを把握するとともに、履歴対応テーブルに記憶されている「P」のアルファベット画像データのアドレスデータを把握する。そして、把握したこれらのアドレスデータを表示用データに設定する。また、演出側MPU92は、履歴画像生成用テーブルに基づいて、履歴画像G23の表示用データにこれらの数字画像及びアルファベット画像のパラメータ(位置座標情報、拡大率、透過情報、色情報)を設定する。
ランクカウンタ161fはランク画像G31を指定するランク画像指定データが格納されるカウンタである。ランク画像指定データは、ランク画像G31を特定可能とする数値情報であり、キャラクタROMにおけるランク画像データのアドレスデータではない。キャラクタROMには、「Cランク」、「Bランク」、「Aランク」、「Sランク」及び「SSランク」に対応する5種類のランク画像データが記憶されている。ランク画像指定データは、「0」~「6」のいずれかを示す3ビットの数値情報である。ランク画像指定データの値が「1」である状態は「Cランク」のランク画像データが表示対象である状態に対応しており、ランク画像指定データの値が「2」である状態は「Bランク」のランク画像データが表示対象である状態に対応しており、ランク画像指定データの値が「3」である状態は「Aランク」のランク画像データが表示対象である状態に対応しており、ランク画像指定データの値が「4」である状態は「Sランク」のランク画像データが表示対象である状態に対応しており、ランク画像指定データの値が「5」である状態は「SSランク」のランク画像データが表示対象である状態に対応している。ランク画像指定データのデータ量は、ランク画像G31のアドレスデータのデータ量よりも小さい。
キャラクタROMには、履歴画像G23用のランク画像データが複数(具体的には6種類)記憶されている。演出側ROM93には、ランク画像指定データと、キャラクタROMにおけるランク画像データのアドレスデータとの対応関係が設定されているランク対応テーブルが記憶されている。
演出側MPU92は、履歴構成データに基づいて履歴画像G23の表示用データを生成する場合、ランク画像指定データをランク対応テーブルに対して照合することによりランク画像指定データに対応するランク画像データのアドレスデータを把握し、当該把握したアドレスデータを表示用データに設定する。また、演出側MPU92は、履歴画像生成用テーブルに基づいて、履歴画像G23の表示用データにランク画像G31のパラメータ(位置座標情報、拡大率、透過情報、色情報)を設定する。
背景プレートカウンタ161gは背景プレート画像G24又は共通背景プレート画像を指定する背景プレート画像指定データが格納されるカウンタである。背景プレート画像指定データは、背景プレート画像G24又は共通背景プレート画像を特定可能とする数値情報であり、キャラクタROMにおける背景プレート画像データ又は共通背景プレート画像データのアドレスデータではない。キャラクタROMには白プレート画像、銅プレート画像、銀プレート画像、金プレート画像及びレインボープレート画像の5種類の背景プレート画像G24と、1種類の共通背景プレート画像とが記憶されている。背景プレート画像指定データが「1」である状態は白プレート画像が表示対象である状態に対応しており、背景プレート画像指定データが「2」である状態は銅プレート画像が表示対象である状態に対応しており、背景プレート画像指定データが「3」である状態は銀プレート画像が表示対象である状態に対応しており、背景プレート画像指定データが「4」である状態は金プレート画像が表示対象である状態に対応しており、背景プレート画像指定データが「5」である状態はレインボープレート画像が表示対象である状態に対応している。また、背景プレート画像指定データが「0」である状態は共通背景プレート画像が表示対象である状態に対応している。背景プレート画像指定データのデータ量は背景プレート画像データ又は共通背景プレート画像データのデータ量よりも小さい。
キャラクタROMには、背景プレート画像データが複数種類記憶されているとともに、共通背景プレート画像データが1種類記憶されている。演出側ROM93には、背景プレート画像指定データと、キャラクタROMにおける背景プレート画像データ及び共通背景プレート画像データのアドレスデータとの対応関係が設定されている背景プレート対応テーブルが記憶されている。
演出側MPU92は、履歴構成データに基づいて履歴画像G23の表示用データを生成する場合、背景プレート画像指定データを背景プレート対応テーブルに対して照合することにより背景プレート画像指定データに対応する背景プレート画像データ又は共通背景プレート画像データのアドレスデータを把握し、当該把握したアドレスデータを表示用データに設定する。具体的には、背景プレート画像指定データの値が「0」である場合には共通背景プレート画像データのアドレスデータを表示用データに設定するとともに、背景プレート画像指定データの値が「1」以上である場合には当該値に対応する背景プレート画像データのアドレスデータを表示用データに設定する。また、演出側MPU92は、履歴画像生成用テーブルに基づいて、履歴画像G23の表示用データに背景プレート画像G24又は共通背景プレート画像のパラメータ(位置座標情報、拡大率、透過情報、色情報)を設定する。
下地プレートカウンタ161hは下地プレート画像を指定する下地プレート画像指定データが格納されるカウンタである。下地プレート画像指定データは、下地プレート画像を特定可能とする数値情報であり、キャラクタROMにおける下地プレート画像データのアドレスデータではない。キャラクタROMには通常カラー、黒、青、緑、赤、銀及び金の7種類の下地プレート画像が記憶されている。下地プレート画像指定データは、「0」~「7」のいずれかに対応する3ビットの数値情報である。下地プレート画像指定データが「1」である状態は通常カラーの下地プレート画像が表示対象である状態に対応しており、下地プレート画像指定データが「2」である状態は黒の下地プレート画像が表示対象である状態に対応しており、下地プレート画像指定データが「3」である状態は青の下地プレート画像が表示対象である状態に対応しており、下地プレート画像指定データが「4」である状態は緑の下地プレート画像が表示対象である状態に対応しており、下地プレート画像指定データが「5」である状態は赤の下地プレート画像が表示対象である状態に対応しており、下地プレート画像指定データが「6」である状態は銀の下地プレート画像が表示対象である状態に対応しており、下地プレート画像指定データが「7」である状態は金の下地プレート画像が表示対象である状態に対応している。下地プレート画像指定データのデータ量は下地プレート画像データのデータ量よりも小さい。
キャラクタROMには、下地プレート画像データが複数種類(具体的には7種類)記憶されている。演出側ROM93には、下地プレート画像指定データと、キャラクタROMにおける下地プレート画像データのアドレスデータとの対応関係が設定されている下地プレート対応テーブルが記憶されている。
演出側MPU92は、履歴構成データに基づいて履歴画像G23の表示用データを生成する場合、下地プレート画像指定データを下地プレート対応テーブルに対して照合することにより下地プレート画像指定データに対応する下地プレート画像データのアドレスデータを把握し、当該把握したアドレスデータを表示用データに設定する。また、演出側MPU92は、履歴画像生成用テーブルに基づいて、履歴画像G23の表示用データに下地プレート画像のパラメータ(位置座標情報、拡大率、透過情報、色情報)を設定する。
日時データカウンタ161jは、履歴構成データが生成された日時を把握可能とする日時データが格納されるカウンタである。演出制御基板91には、日時データの更新が行われるRTCが設けられている。RTCはリアルタイムクロックであり、年月日情報及び時刻情報を常時計測し、演出側MPU92からの指示に従い、その計測している年月日情報及び時刻情報(以下、日時情報ともいう)を出力することが可能な構成である。演出側MPU92は、履歴構成データを生成する場合、演出制御基板91におけるRTCから日時データを取得する。なお、RTCにはバックアップ電源が設けられており、スロットマシン10の電源遮断中においても年月日情報及び時刻情報を計測することが可能となっている。
生成契機カウンタ161kは、履歴構成データの生成契機の種別を示す生成契機データが格納されるカウンタである。生成契機カウンタ161kには、履歴構成データの生成契機の種類に対応する「1」~「6」のいずれかの数値情報が設定される。生成契機カウンタ161kには、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が1000枚に到達したことを契機として履歴構成データが生成される場合に「1」がセットされ、遊技媒体の付与数が2000枚に到達したことを契機として履歴構成データが生成される場合に「2」がセットされ、遊技媒体の付与数が3000枚に到達したことを契機として履歴構成データが生成される場合に「3」がセットされ、ART状態ST6が終了したことを契機として履歴構成データが生成される場合に「4」がセットされ、有利区間SC2のエンディング演出が終了したことを契機として履歴構成データが生成される場合に「5」がセットされ、途中生成の操作が行われたことを契機として履歴構成データが生成される場合に「6」がセットされる。
図80(b)を参照しながら既に説明したとおり、ART状態ST6の終了を契機として履歴構成データが生成される第1パターンの履歴画像G23には、エンディング画像G29、下地プレート画像及び共通背景プレート画像は含まれない。この場合、エンディング画像フラグ161d、背景プレートカウンタ161g及び下地プレートカウンタ161hの値は「0」となる。既に説明したとおり、有利区間SC2のエンディング演出の終了を契機として履歴構成データが生成される第2パターンの履歴画像G23には、下地プレート画像及び共通背景プレート画像は含まれない。この場合、背景プレートカウンタ161g及び下地プレートカウンタ161hの値は「0」となる。既に説明したとおり、ART状態ST6における遊技媒体の付与数が所定の区切り数に達したこと、又は途中生成が選択されたことを契機として履歴構成データが生成される第3パターンの履歴画像G23には、背景プレート画像G24及びエンディング画像G29は含まれない。この場合、エンディング画像フラグ161d及び背景プレートカウンタ161gの値は「0」となる。
演出側MPU92は、演出側RAM94の表示用設定エリア113に履歴画像G23の表示用データが設定されている間、当該表示用データに基づいて1フレーム分の描画リストを作成し、当該描画リストをVDP95に出力する。VDP95は、当該描画リストに従ってキャラクタROMから各種画像データ(背景プレート画像データ、第1~第3文言画像データ、キャラクタ画像データ、エンディング画像データ、履歴ポイント画像データ、ランク画像データ、下地プレート画像データ及び共通背景プレート画像データ)を読み出し、その読み出した各種画像データを利用してビデオRAM96における2つのフレーム領域のいずれか一方に表示データを作成する。そして、VDP95は、その作成した表示データに対応する画像信号を画像表示装置63に出力することで、当該画像表示装置63にその表示データに対応する履歴画像G23を表示させる。
次に、画像再生用記憶エリア94cについて説明する。画像再生用記憶エリア94cは、スロットマシン10の電源遮断後にバックアップ電力が供給される記憶エリアである。スロットマシン10の電源がOFF状態であることで演出側MPU92への動作電力の供給が停止されている状況であっても、電源装置54に設けられた電断中電源部から演出側RAM94の画像再生用記憶エリア94cに記憶保持用の電力としてバックアップ電力が供給される。これにより、スロットマシン10の電源がOFF状態であることで演出側MPU92への動作電力の供給が停止されている状況であっても画像再生用記憶エリア94cにおいて情報の記憶保持が行われる。このため、画像再生用記憶エリア94cには、前日以前に生成された履歴構成データも記憶されている状態となる。
上述したとおり、画像再生用記憶エリア94cは、最大で32個の履歴画像G23に対応する履歴構成データを記憶可能である。図81(a)に示すように、画像再生用記憶エリア94cには、履歴画像G23に対応する履歴構成データが記憶される記憶エリアとして第0再生用記憶エリアRD0~第31再生用記憶エリアRD31が設けられている。各再生用記憶エリアRDn(nは0~31のいずれかの整数)には、既に説明した構成データ記憶エリア161(図81(b))と同様に、第1文言カウンタ、第2文言カウンタ、第3文言カウンタ、エンディング画像フラグ、履歴ポイントカウンタ、ランクカウンタ、背景プレートカウンタ、下地プレートカウンタ、日時データカウンタ及び生成契機カウンタが設けられている。各再生用記憶エリアRDnには、1つの履歴画像G23に対応する履歴構成データが記憶される。また、各再生用記憶エリアRDnには、当該再生用記憶エリアRDnに格納されている履歴構成データに対応する履歴画像G23を画像表示装置63に表示可能であるか否かを演出側MPU92にて把握可能とする表示可能フラグが設けられている。なお、表示可能フラグの詳細については後述する。
履歴構成データの生成が終了した場合、構成データ記憶エリア161に設定されている履歴構成データは画像再生用記憶エリア94cに移される。図81(a)に示すように、演出側RAM94には、書き込みポインタ162が設けられている。書き込みポインタ162は、画像再生用記憶エリア94cにおいて履歴構成データが書き込まれる再生用記憶エリアRDnを演出側MPU92にて把握可能とするポインタカウンタである。書き込みポインタ162には、「0」~「30」のいずれかの数値情報が設定される。新たに生成された履歴構成データが画像再生用記憶エリア94cに記憶される場合、書き込みポインタ162の値に対応する再生用記憶エリアRDnがクリアされ、当該クリアされた再生用記憶エリアRDnに対して、新たに生成された履歴構成データが記憶される。そして、書き込みポインタ162の値が更新される。第31再生用記憶エリアRD31は、遊技者によって途中生成が選択されたことを契機として生成された履歴構成データが格納される記憶エリアである。このため、書き込みポインタ162の値の最大値は「30」となっている。なお、第31再生用記憶エリアRD31の詳細については後述する。
図81(a)に示すように、演出側RAM94には、消去の対象から除外される再生用記憶エリアRDnを把握可能とする第1保護対象カウンタ163及び第2保護対象カウンタ164が設けられている。第1保護対象カウンタ163は、画像再生用記憶エリア94cにおいて最も履歴ポイントの高い履歴構成データが記憶されている再生用記憶エリアRDn、及び当該履歴構成データに含まれている履歴ポイントデータを把握可能とするカウンタである。また、第2保護対象カウンタ164は、画像再生用記憶エリア94cにおいて2番目に履歴ポイントの高い履歴構成データが記憶されている再生用記憶エリアRDn、及び当該履歴構成データに含まれている履歴ポイントデータを把握可能とするカウンタである。
第1保護対象カウンタ163及び第2保護対象カウンタ164は、13ビットの記憶容量となっており、上位5ビットに再生用記憶エリアRDnを示すエリアデータが格納されるとともに、下位8ビットに履歴ポイントデータが格納される。エリアデータは、第0~第30再生用記憶エリアRD0~RD30に対応する「0」~「30」のいずれかの数値情報である。
新たに画像再生用記憶エリア94cに記憶される履歴構成データにおける履歴ポイントが第1保護対象カウンタ163における履歴ポイント以上である場合、第1保護対象カウンタ163のデータが第2保護対象カウンタ164に上書きされる。そして、第1保護対象カウンタ163の上位5ビットに当該新たな履歴構成データが記憶された再生用記憶エリアRDnに対応するエリアデータが格納されるとともに、第1保護対象カウンタ163の下位8ビットに当該新たな履歴構成データの履歴ポイントデータが格納される。
これにより、これまで履歴ポイントが2番目に高かった履歴構成データが記憶されている再生用記憶エリアRDnが保護対象から外れるとともに、新たに履歴構成データが記憶された再生用記憶エリアRDnが保護対象に設定される。第1保護対象カウンタ163における履歴ポイントと新たに記憶される履歴構成データにおける履歴ポイントとが同一の値である場合には、新しい方の履歴構成データが優先的に保護される。
また、新たに画像再生用記憶エリア94cに記憶される履歴構成データにおける履歴ポイントが第2保護対象カウンタ164における履歴ポイント以上であるとともに、第1保護対象カウンタ163における履歴ポイント未満である場合、第2保護対象カウンタ164が「0」クリアされる。そして、第2保護対象カウンタ164の上位5ビットに当該新たな履歴構成データが記憶された再生用記憶エリアRDnに対応するエリアデータが格納されるとともに、第2保護対象カウンタ164の下位8ビットに当該新たな履歴構成データの履歴ポイントデータが格納される。
これにより、これまで履歴ポイントが2番目に高かった履歴構成データが記憶されている再生用記憶エリアRDnが保護対象から外れるとともに、新たに履歴構成データが記憶された再生用記憶エリアRDnが保護対象に設定される。第2保護対象カウンタ164における履歴ポイントと新たに記憶される履歴構成データにおける履歴ポイントとが同一の値である場合には、新しい方の履歴構成データが優先的に保護される。
新たに生成された履歴構成データが画像再生用記憶エリア94cに記憶された場合、書き込みポインタ162の値に1が加算されて書き込み対象の再生用記憶エリアRDnが更新される。この場合において、当該1加算後の書き込みポインタ162の値に対応する再生用記憶エリアRDnが保護対象に設定されている場合、さらに書き込みポインタ162の値に1が加算されて書き込み対象の再生用記憶エリアRDnが更新される。1加算後の書き込みポインタ162の値が書き込みポインタ162の最大値である「30」を超えた場合、書き込みポインタ162の値は「0」クリアされる。このように、保護対象に設定されている再生用記憶エリアRDnは書き込み対象から除外される。これにより、履歴ポイントの値が所定の順位以上(具体的には2位以上)である履歴構成データが消去されずに保護される。
無条件に古い履歴構成データから順番に消去していく構成とすると、履歴ポイントが高く価値のある履歴構成データを残していくことができない。また、履歴ポイントの低いものから順番に消去していく構成とすると、当日に生成された履歴構成データがその次に生成された履歴構成データによって上書きされて確認できなくなってしまう可能性が生じる。これに対して、本実施形態では、履歴ポイントが所定の順位(具体的には上位2位)以上の履歴構成データでないことを条件として、古い履歴構成データから順番に消去していく構成である。これにより、履歴ポイントが高く価値のある履歴構成データが消去されてしまうことを防止することができるとともに、当日に生成された履歴構成データがその日のうちに消去されてしまう可能性を低減することができる。
第31再生用記憶エリアRD31は、遊技者によって途中生成が選択されたことを契機として生成された履歴構成データが格納される記憶エリアである。途中生成は任意のタイミングで選択できる。このため、途中生成が選択されたことを契機として生成された履歴構成データが記憶される記憶エリアと、途中生成が選択されたこと以外の事象を契機として生成された通常の履歴構成データが記憶される記憶エリアとが共通している構成とすると、途中生成が短時間に繰り返し選択された場合に、通常の履歴構成データの多くが書き換えられてしまうおそれがある。これに対して本実施形態では、途中生成の選択を契機として生成された履歴構成データを記憶するための再生用記憶エリアRD31と、通常の履歴構成データが記憶される再生用記憶エリアRD0~RD30とが分かれていることにより、途中生成を契機として生成された履歴構成データによって通常の履歴構成データが上書きされてしまうことが防止されている。これにより、通常の履歴構成データを適切に残していくことができる。
次に、履歴画像表示を行うための処理構成について説明する。まず演出側MPU92にて実行される履歴画像用処理について図82のフローチャートを参照しながら説明する。なお、履歴画像用処理は演出側MPU92において比較的短い周期(例えば4ミリ秒)で繰り返し実行される割込み処理にて実行される。
履歴画像用処理では、まず演出側RAM94における履歴記憶フラグ158に「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4801)。履歴記憶フラグ158に「1」がセットされている場合(ステップS4801:YES)には、履歴記憶モードが設定されていることを意味するため、履歴情報記憶処理を実行する(ステップS4802)。図83は履歴情報記憶処理を示すフローチャートである。
履歴情報記憶処理では、主側MPU72からゲーム開始コマンドを受信した場合(ステップS4901:YES)、ゲーム数情報の更新処理を実行して(ステップS4902)、本履歴情報記憶処理を終了する。ゲーム数情報の更新処理では、演出側RAM94におけるART中フラグに「1」がセットされていない状態である場合に第0履歴用記憶エリアRA0の値を1加算する。また、ゲーム数情報の更新処理(ステップS4902)では、ART中フラグに「1」がセットされていない状態であるとともにボーナス状態でない場合に第1履歴用記憶エリアRA1の値を1加算する。さらにまた、ゲーム数情報の更新処理(ステップS4902)では、ART中フラグに「1」がセットされている状態である場合に第9履歴用記憶エリアRA9の値を1加算する。
一方、ステップS4901にて否定判定を行った場合には、主側MPU72からART当選コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS4903)。ART当選コマンドを受信している場合(ステップS4903:YES)には、ART当選回数情報の更新処理を実行する(ステップS4904)。ART当選回数情報の更新処理では、履歴記憶用エリア94bにおける第6履歴用記憶エリアRA6の値を1加算する。
その後、契機役情報の記憶処理を実行する(ステップS4905)。契機役情報の記憶処理では、ART当選が発生した今回のゲームにおける役の抽選処理(図14)において当選した役の情報をART当選の契機役情報として第7履歴用記憶エリアRA7に記憶する。
ステップS4903にて否定判定を行った場合には、主側MPU72から入賞結果コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS4906)。入賞結果コマンドを受信している場合(ステップS4906:YES)には、枚数情報の記憶処理を実行する(ステップS4907)。図84は枚数情報の更新処理を示すフローチャートである。
枚数情報の更新処理では、まず演出側RAM94に設けられたリプレイフラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS5001)。リプレイフラグは、前回のゲームにおいてリプレイ入賞が発生したことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。リプレイフラグには、後述するステップS5015にて「1」がセットされる。リプレイフラグに「1」がセットされている場合(ステップS5001:YES)には、リプレイフラグを「0」クリアする(ステップS5002)。
一方、リプレイフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS5001:NO)には、演出側RAM94におけるART中フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS5003)、ART中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS5003:YES)には第11履歴用記憶エリアRA11の値からベット数「3」を減算する(ステップS5004)。既に説明したとおり、第11履歴用記憶エリアRA11は、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の純増枚数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。
一方、ART中フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS5003:NO)には、第2履歴用記憶エリアRA2の値からベット数「3」を減算する(ステップS5005)。既に説明したとおり、第2履歴用記憶エリアRA2は、ART状態ST6に移行するまでに減少した遊技媒体の数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。その後、第2履歴用記憶エリアRA2の値が第3履歴用記憶エリアRA3の値よりも小さい値であるか否かを判定する(ステップS5006)。ステップS5006にて肯定判定を行った場合には、ART状態ST6に移行するまでの期間における遊技媒体の最大減少数が更新されたことを意味するため、第2履歴用記憶エリアRA2の値を第3履歴用記憶エリアRA3にセットする(ステップS5007)。既に説明したとおり、第3履歴用記憶エリアRA3は、ART状態ST6に移行するまでの期間における遊技媒体の最大減少数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。
ステップS5002の処理を実行した場合、ステップS5004の処理を実行した場合、ステップS5006にて否定判定を行った場合、又はステップS5007の処理を行った場合には、今回受信した入賞結果コマンドに基づいて小役入賞が発生したか否かを判定する(ステップS5008)。小役入賞が発生している場合(ステップS5008:YES)には、演出側RAM94におけるART中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS5009)。ステップS5009にて肯定判定を行った場合には、第10履歴用記憶エリアRA10及び第11履歴用記憶エリアRA11に対して、当該小役入賞に設定されている遊技媒体の付与数を加算する(ステップS5010)。既に説明したとおり、第10履歴用記憶エリアRA10は、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタであるとともに、第11履歴用記憶エリアRA11は、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の純増枚数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。
その後、ステップS5010にて遊技媒体の付与数が加算された後の第10履歴用記憶エリアRA10の値が所定の区切り数(具体的には「1000」、「2000」、又は「3000」)に達したか否かを判定する(ステップS5011)。ステップS5011にて肯定判定を行った場合には、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が所定の区切り数に達したことを意味するため、演出側RAM94に設けられた区切り生成フラグ176a~176cのうち今回の区切り数(具体的には「1000」、「2000」、又は「3000」)に対応する区切り生成フラグ176a~176cに「1」をセットして(ステップS5012)、本枚数情報の更新処理を終了する。演出側RAM94には、第1区切り生成フラグ176a、第2区切り生成フラグ176b及び第3区切り生成フラグ176cが設けられている。第1区切り生成フラグ176aは、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数(ART中フラグに「1」がセットされてから当該ART中フラグが「0」クリアされるまでの期間における遊技媒体の付与数)が1000枚に達したことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグであり、第2区切り生成フラグ176bは、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が2000枚に達したことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグであり、第3区切り生成フラグ176cは、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が3000枚に達したことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。ステップS5012では、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が1000枚に達した場合に第1区切り生成フラグ176aに「1」をセットし、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が2000枚に達した場合に第2区切り生成フラグ176bに「1」をセットし、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が3000枚に達した場合に第3区切り生成フラグ176cに「1」をセットする。第1~第3区切り生成フラグ176a~176cのいずれかに「1」がセットされることにより、後述する履歴構成データの生成処理(図85)のステップS5101にて肯定判定が行われて、履歴構成データが生成されることとなる。
一方、ステップS5009にて否定判定を行った場合には、第2履歴用記憶エリアRA2の値に対して、今回成立した小役入賞に設定されている遊技媒体の付与数を加算して(ステップS5013)、本枚数情報の更新処理を終了する。
ステップS5008にて否定判定を行った場合には、今回受信した入賞結果コマンドに基づいて、リプレイ入賞が発生したか否かを判定する(ステップS5014)。リプレイ入賞が発生している場合(ステップS5014:YES)には、演出側RAM94におけるリプレイフラグに「1」をセットして(ステップS5015)、本枚数情報の更新処理を終了する。
履歴情報記憶処理(図83)の説明に戻り、ステップS4907にて枚数情報の更新処理を実行した後、今回受信した入賞結果コマンドに基づいていずれかのBB当選が発生したか否かを判定し(ステップS4908)、いずれかのBB当選が発生している場合(ステップS4908:YES)には、BB当選情報の更新処理を実行する(ステップS4909)。BB当選情報の更新処理では、第4履歴用記憶エリアRA4の値を1加算する。
ステップS4908にて否定判定を行った場合には、今回受信した入賞結果コマンドに基づいていずれかのRB当選が発生したか否かを判定し(ステップS4910)、いずれかのRB当選が発生している場合(ステップS4910:YES)には、RB当選情報の更新処理を実行する(ステップS4911)。RB当選情報の更新処理では、第5履歴用記憶エリアRA5の値を1加算する。
ステップS4906にて否定判定を行った場合、主側MPU72からボーナス中上乗せコマンド、準備中上乗せコマンド及びART中上乗せコマンドのいずれかを受信したか否かを判定し(ステップS4912)、いずれかの上乗せコマンドを受信した場合(ステップS4912:YES)には、上乗せゲーム数情報の更新処理を実行する(ステップS4913)。上乗せゲーム数情報の更新処理では、ボーナス中上乗せコマンドを受信した場合、第14履歴用記憶エリアRA14に対して当該ボーナス中上乗せコマンドに設定されている上乗せゲーム数を加算する。また、準備中上乗せコマンドを受信した場合には第13履歴用記憶エリアRA13に対して当該準備中上乗せコマンドに設定されている上乗せゲーム数を加算するとともに、ART中上乗せコマンドを受信した場合には第12履歴用記憶エリアRA12に対して当該ART中上乗せコマンドに設定されている上乗せゲーム数を加算する。
ステップS4912にて否定判定を行った後、主側MPU72からエンディング終了コマンドを受信している場合(ステップS4914:YES)、エンディング演出の実行情報を記憶する(ステップS4915)。具体的には、第15履歴用記憶エリアRA15に「1」をセットする。
ステップS4914にて否定判定を行った後、主側MPU72からボーナス終了コマンドを受信している場合(ステップS4916:YES)、第1履歴用記憶エリアRA1を「0」クリアして(ステップS4917)、本履歴情報記憶処理を終了する。
履歴画像用処理(図82)の説明に戻り、ステップS4801にて否定判定を行った場合、又はステップS4802にて履歴情報記憶処理を実行した場合には、主側MPU72からゲーム開始コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS4803)、ゲーム開始コマンドを受信した場合(ステップS4803:YES)には後述するゲーム開始対応処理を実行する(ステップS4804)。
ステップS4803にて否定判定を行った場合、又はステップS4804の処理を行った場合には、後述する履歴画像用管理処理を実行し(ステップS4805)、後述する表示操作対応処理を実行する(ステップS4806)。その後、履歴構成データの生成処理を実行する(ステップS4807)。なお、ステップS4808~ステップS4813の処理については後述する。図85はステップS4807における履歴構成データの生成処理を示すフローチャートである。
履歴構成データの生成処理では、まず演出側RAM94に設けられた複数の生成フラグのいずれかに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS5101)。演出側RAM94には、履歴構成データの生成契機が発生したことを把握可能とする生成フラグとして、ART終了時生成フラグ174と、エンディング終了時生成フラグ175と、途中生成フラグ177と、上述した第1~第3区切り生成フラグ176a~176cとが設けられている。ART終了時生成フラグ174は、ART状態ST6が終了したこと、及び第1パターンの履歴画像G23を表示するための履歴構成データを生成すべきことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。エンディング終了時生成フラグ175は、有利区間SC2のエンディング演出が終了したこと、及び第2パターンの履歴画像G23を表示するための履歴構成データを生成すべきことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。途中生成フラグ177は、遊技者の操作により履歴画像G23の途中生成が選択されたこと、及び第3パターンの履歴画像G23を表示するための履歴構成データを生成すべきことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。既に説明したとおり、第1区切り生成フラグ176aは、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数(ART中フラグに「1」がセットされてから当該ART中フラグが「0」クリアされるまでの期間における遊技媒体の付与数)が1000枚に達したことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグであり、第2区切り生成フラグ176bは、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が2000枚に達したことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグであり、第3区切り生成フラグ176cは、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が3000枚に達したことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。ステップS5101では、これら6種類の生成フラグのいずれかに「1」がセットされている場合に肯定判定を行う。ステップS5101にて肯定判定を行った場合には、第1~第3見出し範囲151~153に設定する文言データを選択する文言選択処理を実行する(ステップS5102)。文言選択処理は、主側ROM73に記憶されている第1選択条件テーブル~第3選択条件テーブルを用いて実行される。
ここで、演出側MPU92にて実行される文言選択処理(図88)の説明に先立ち、第1~第3選択条件テーブル及び演出側RAM94において見出し範囲151~153に表示される文言画像G25~G27を決定するための構成について説明する。
既に説明したとおり、履歴画像G23(図80(a))には第1~第3文言画像G25~G27が設定される。演出側ROM93には、履歴画像G23に設定される文言画像G25~G27を指定する文言指定データを選択するため選択条件テーブルが記憶されている。図86(a)は選択条件テーブルの種類と、選択条件テーブルに設定されている文言指定データとの対応関係を説明するための説明図である。
図86(a)に示すように、演出側ROM93には、ART状態ST6に移行する前の遊技状態(ART中フラグに「1」がセットされていない状態)において履歴構成データの生成契機が発生した場合に読み出される選択条件テーブルとしてART前の第1~第3選択条件テーブルが記憶されている。ART前の第1~第3選択条件テーブルは、ART状態ST6が終了してから次のART状態ST6が開始されるまでの期間に履歴構成データの生成契機が発生した場合に読み出される。演出側ROM93には、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が0~999である状態において履歴構成データの生成契機が発生した場合に読み出される選択条件テーブルとして第1期間の第1~第3選択条件テーブルが記憶されており、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が1000~1999である状態において履歴構成データの生成契機が発生した場合に読み出される選択条件テーブルとして第2期間の第1~第3選択条件テーブルが記憶されており、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が2000~2999である状態において履歴構成データの生成契機が発生した場合に読み出される選択条件テーブルとして第3期間の第1~第3選択条件テーブルが記憶されており、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が3000以上である状態において履歴構成データの生成契機が発生した場合に読み出される選択条件テーブルとして第4期間の第1~第3選択条件テーブルが記憶されている。また、演出側RAM94には、ART状態ST6の終了時に読み出される選択条件テーブルとしてART終了時の第1~第3選択条件テーブルが記憶されており、有利区間SC2のエンディング演出の終了時に読み出される選択条件テーブルとしてエンディング終了時の第1~第3選択条件テーブルが記憶されている。
各選択条件テーブルには、18個の文言指定データが設定されており、各文言指定データに対応させて表示優先度データ及び選択条件が設定されている。図86(a)に示すように、ART前の第1~第3選択条件テーブルには「1」~「18」、「19~36」及び「37~54」の文言指定データが設定されており、これらの文言指定データにはボーナス当選(第1~第4BB当選及び第1~第2RB当選)の発生回数を示す文言画像(例えば、「BB当選2回」という文言画像)を指定する文言指定データが含まれている。第1期間の第1~第3選択条件テーブルには「55」~「72」、「73~90」及び「91~108」の文言指定データが設定されており、これらの文言指定データにはART状態ST6における遊技媒体の付与数が「0」~「999」であることに対応する文言画像(例えば、「獲得500枚」という文言画像)を指定する文言指定データが含まれている。第2期間の第1~第3選択条件テーブルには「109」~「126」、「127~144」及び「145~162」の文言指定データが設定されており、これらの文言指定データにはART状態ST6における遊技媒体の付与数が「1000」~「1999」であることに対応する文言画像(例えば、「獲得枚数1000枚超え!」という文言画像)を指定する文言指定データが含まれている。第3期間の第1~第3選択条件テーブルには「163」~「180」、「181~198」及び「199~216」の文言指定データが設定されており、これらの文言指定データにはART状態ST6における遊技媒体の付与数が「2000」~「2999」であることに対応する文言画像(例えば、「獲得枚数2000枚超え!」という文言画像)を指定する文言指定データが含まれている。第4期間の第1~第3選択条件テーブルには「217」~「234」、「235~252」及び「253~270」の文言指定データが設定されており、これらの文言指定データにはART状態ST6における遊技媒体の付与数が「3000」以上であることに対応する文言画像(例えば、「獲得枚数3000枚超え!」という文言画像)を指定する文言指定データが含まれている。ART終了時の第1~第3選択条件テーブルには「271」~「288」、「289~306」及び「307~324」の文言指定データが設定されており、これらの文言指定データにはART状態ST6における遊技媒体の付与数の各種範囲(「0」~「999」の範囲、「1000」~「1999」の範囲、「2000」~「2999」の範囲及び「3000」以上の範囲)に対応する文言画像を指定する文言指定データが含まれている。エンディング終了時の第1~第3選択条件テーブルには「325」~「342」、「343~360」及び「361~378」の文言指定データが設定されており、これらの文言指定データにはART状態ST6における遊技媒体の付与数の各種範囲(「0」~「999」の範囲、「1000」~「1999」の範囲、「2000」~「2999」の範囲及び「3000」以上の範囲)に対応する文言画像を指定する文言指定データが含まれている。
履歴記憶用エリア94bに記憶されている遊技履歴データに対応する第1~第3選択条件テーブルが読み出される構成であり、各選択条件テーブルには履歴記憶用エリア94bに記憶されている遊技履歴データに対応する数字を含む文言画像を指定する文言指定データが含まれている。これにより、遊技の履歴に対応する数字を含む文言画像を表示可能となっている。
履歴構成データの生成契機が発生した場合、対応する3つの選択条件テーブル(第1選択条件テーブル、第2選択条件テーブル及び第3選択条件テーブル)が読み出され、当該3つの選択条件テーブルからそれぞれ1つずつ、合計3つの文言指定データが選択される。そして、当該選択された3つの文言指定データの中から第1見出し範囲151に設定される第1文言画像G25に対応する第1文言指定データと、第2見出し範囲152に設定される第2文言画像G26に対応する第2文言指定データと、第3見出し範囲153に設定される第3文言画像G27に対応する第3文言指定データとが決定される。
図86(b)は各選択条件テーブルにおいて参照先に設定されている履歴用記憶エリアRAnを説明するための説明図である。図86(b)に示すように、ART状態ST6に移行する前の遊技状態(ART中フラグに「1」がセットされていない状態)において生成契機が発生した場合に読み出されるART前の第1選択条件テーブルには、参照先として第0履歴用記憶エリアRA0及び第1履歴用記憶エリアRA1が設定されている。既に説明したとおり、第0履歴用記憶エリアRA0は、ART状態ST6への移行前におけるゲーム数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタであり、第1履歴用記憶エリアRA1は、ボーナス状態及びART状態ST6のいずれかが開始されるまでのゲーム数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。ART前の第1選択条件テーブルには、ゲーム数に関する文言画像を指定する文言指定データが設定されている。
ART状態ST6に移行する前の遊技状態において生成契機が発生した場合に読み出されるART前の第2選択条件テーブルには、参照先として第2履歴用記憶エリアRA2及び第3履歴用記憶エリアRA3が設定されている。既に説明したとおり、第2履歴用記憶エリアRA2は、ART状態ST6に移行するまでに減少した遊技媒体の数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタであり、第3履歴用記憶エリアRA3は、ART状態ST6に移行するまでの期間における遊技媒体の最大減少数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。ART前の第2選択条件テーブルには、遊技媒体の数に関する文言画像を指定する文言指定データが設定されている。
ART状態ST6に移行する前の遊技状態において生成契機が発生した場合に読み出されるART前の第3選択条件テーブルには、参照先として第4履歴用記憶エリアRA4及び第5履歴用記憶エリアRA5が設定されている。既に説明したとおり、第4履歴用記憶エリアRA4は、BB状態ST3の発生回数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタであり、第5履歴用記憶エリアRA5は、RB状態ST4の発生回数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。ART前の第3選択条件テーブルには、ボーナス状態(BB状態ST3及びRB状態ST4)の発生回数に関する文言画像を指定する文言指定データが設定されている。
ART状態ST6への移行後に生成契機が発生した場合に読み出される第1選択条件テーブル(具体的には、第1期間~第4期間の第1選択条件テーブル、ART終了時の第1選択条件テーブル及びエンディング終了時の第1選択条件テーブル)には、参照先として第0履歴用記憶エリアRA0、第2履歴用記憶エリアRA2、第3履歴用記憶エリアRA3、及び第6履歴用記憶エリアRA6~第8履歴用記憶エリアRA8が設定されている。既に説明したとおり、第6履歴用記憶エリアRA6は、ART当選の発生回数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタであり、第7履歴用記憶エリアRA7は、ART当選の契機役の種別情報を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタであり、第8履歴用記憶エリアRA8は、ART開始演出の種別情報を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。当該第1選択条件テーブルには、ART状態ST6への移行前及びART状態ST6への移行時における遊技履歴データに対応する文言画像を指定する文言指定データが設定されている。
ART状態ST6への移行後に生成契機が発生した場合に読み出される第2選択条件テーブル(具体的には、第1期間~第4期間の第2選択条件テーブル、ART終了時の第2選択条件テーブル及びエンディング終了時の第2選択条件テーブル)には、参照先として第4履歴用記憶エリアRA4、第5履歴用記憶エリアRA5及び第9履歴用記憶エリアRA9~第11履歴用記憶エリアRA11が設定されている。既に説明したとおり、第4履歴用記憶エリアRA4は、BB状態ST3の発生回数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタであり、第5履歴用記憶エリアRA5は、RB状態ST4の発生回数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタであり、第9履歴用記憶エリアRA9は、ART状態ST6への移行後において実行されたゲーム数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタであり、第10履歴用記憶エリアRA10は、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタであり、第11履歴用記憶エリアRA11は、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の純増枚数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。当該第2選択条件テーブルには、ボーナス状態(BB状態ST3及びRB状態ST4)の発生回数と、ART状態ST6への移行後におけるゲーム数及び遊技媒体の数とに関する文言画像を指定する文言指定データが設定されている。
ART状態ST6への移行後に生成契機が発生した場合に読み出される第3選択条件テーブル(具体的には、第1期間~第4期間の第3選択条件テーブル、ART終了時の第3選択条件テーブル及びエンディング終了時の第3選択条件テーブル)には、参照先として第12履歴用記憶エリアRA12~第14履歴用記憶エリアRA14が設定されている。既に説明したとおり、第12履歴用記憶エリアRA12は、ART状態ST6における合計上乗せゲーム数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタであり、第13履歴用記憶エリアRA13は、準備状態ST5における合計上乗せゲーム数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタであり、第14履歴用記憶エリアRA14は、ボーナス状態における合計上乗せゲーム数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。当該第3選択条件テーブルには、上乗せゲーム数に関する文言画像を指定する文言指定データが設定されている。
1つの選択条件テーブルに54個の文言指定データが設定されているとともに当該選択条件テーブルにおいて選択条件を満たしている文言指定データの中から表示優先度の高い3つの文言指定データを選択する構成とすると、表示対象となる文言の種類が重複し易くなってしまう。例えば、ART状態ST6における純増枚数が1500枚以上となっている場合に、ART状態ST6における純増枚数が1200枚以上であることを条件として選択される「純増枚数1200枚超え!」という文言と、ART状態ST6における純増枚数が1500枚以上であることを条件として選択される「純増枚数1500枚超え!!」という文言とが同時に選択されてしまうおそれがある。これに対して本実施形態では、18個の文言指定データが設定されている3つの選択条件テーブルを読み出し、1つの選択条件テーブルから1つの文言指定データを選択することにより合計3つの文言指定データを選択する構成である。これにより、履歴画像G23に設定される文言の内容に重複が生じたり、違和感が生じたりすることが防止されている。
上述したとおり、本スロットマシン10では、1つの選択条件テーブルから表示対象の文言指定データとして1つの文言指定データが選択される。文言指定データの選択は、履歴構成データの生成契機が発生した場合に、当該生成契機が発生した時点で履歴記憶用エリア94bに記憶されている遊技履歴データに基づいて行われる。
各選択条件テーブルから表示対象の文言指定データが1つ選択される場合、まず対象となる選択条件テーブルにおいて選択条件が満たされている文言指定データのうち表示優先度が最も高い文言指定データが表示対象の候補として選択される。各選択条件テーブルには、同一の表示優先度を有する文言指定データが最大で3つ記憶されている。選択条件テーブルにおいて選択条件が満たされている文言指定データのうち表示優先度が最も高い文言指定データが1つである場合には、当該1つの文言指定データが表示対象の候補として選択される。そして、当該文言指定データが表示対象の文言指定データとして選択される。一方、選択条件テーブルにおいて選択条件が満たされている文言指定データのうち表示優先度が最も高い文言指定データが複数(具体的には2つ又は3つ)である場合には、当該複数の文言指定データが表示対象の候補として選択される。そして、表示対象の候補として選択された複数(具体的には2つ又は3つ)の文言指定データの中から表示対象の文言指定データを1つ選択するための抽選が行われる。
図81(a)に示すように、演出側RAM94には、第1候補エリア171、第2候補エリア172及び第3候補エリア173が設けられている。上述したとおり、1つの選択条件テーブルから表示対象の候補として最大で3つの文言指定データが選択される。第1~第3候補エリア171~173は、表示対象の候補として選択された文言指定データ(1~96の7ビットの数値情報)と、当該文言指定データの表示優先度データ(0~8の3ビットの数値情報)とが格納される記憶エリアである。各候補エリア171~173は、10ビットの記憶容量となっており、上位7ビットに文言指定データが格納されるとともに、下位3ビットに当該文言指定データに対応する表示優先度データが格納される。
上述したとおり、各選択条件テーブルでは、最大で3つの文言指定データに対して同一の表示優先度データが設定されている。候補エリア171~173には、対象となっている選択条件テーブルにおいて選択条件が満たされている文言指定データのうち最も表示優先度データが高い文言指定データと、当該文言指定データに対応する表示優先度データとが設定される。選択条件が満たされているとともに同一の表示優先度データが設定されている文言指定データが複数存在している場合には、最大で3つの文言指定データ及び表示優先度データの組合せが第1~第3候補エリア171~173に設定される。
第1~第3候補エリア171~173に2以上の文言指定データが設定された場合には、当該表示対象の候補となった文言指定データの中から実際に表示対象となる1つの文言指定データを決定するための抽選が行われる。このように、履歴記憶用エリア94bに設定されている遊技履歴データに基づいて表示対象の候補となる文言指定データが複数存在する場合がある構成であることにより、同一の遊技履歴であっても履歴画像G23の内容が異なる場合がある。履歴画像G23のバリエーションを増加させることにより、同一の履歴画像G23が生成されてしまう可能性を低減して、遊技の興趣向上を図ることができる。
図81(a)に示すように、演出側RAM94には、第1選択エリア165、第2選択エリア166及び第3選択エリア167が設けられている。第1選択エリア165は、第1選択条件テーブルから表示対象として選択された一の文言指定データ(1~96の7ビットの数値情報)と、当該文言指定データの表示優先度データ(0~8の3ビットの数値情報)とが格納される記憶エリアである。第2選択エリア166は、第2選択条件テーブルから表示対象として選択された一の文言指定データ(1~96の7ビットの数値情報)と、当該文言指定データの表示優先度データ(0~8の3ビットの数値情報)とが格納される記憶エリアである。第3選択エリア167は、第3選択条件テーブルから表示対象として選択された一の文言指定データ(1~96の7ビットの数値情報)と、当該文言指定データの表示優先度データ(0~8の3ビットの数値情報)とが格納される記憶エリアである。各選択エリア165~167は、10ビットの記憶容量となっており、上位7ビットに文言指定データが格納されるとともに、下位3ビットに当該文言指定データに対応する表示優先度データが格納される。
ここで、ART状態ST6の終了時に読み出されるART終了時の第2選択条件テーブルを例に挙げて、選択条件テーブルについて説明する。図87はART終了時の第2選択条件テーブルを説明するための説明図である。
図87に示すように、ART終了時の第2選択条件テーブルには、複数(具体的には18個)の文言指定データ「289」~「306」が設定されており、これらの文言指定データのそれぞれに対して1対1で対応させて9段階の表示優先度データと、選択条件とが設定されている。具体的には、各文言指定データには「0」~「8」のいずれかの表示優先データが設定されており、表示優先データの値が大きいほど表示優先度が高くなっている。
ART終了時の第2選択条件テーブルには、表示優先度データが「8」、「7」及び「6」である文言指定データが3個ずつ設定されており、表示優先度データが「5」、「4」及び「3」である文言指定データが2個ずつ設定されており、表示優先度データが「2」、「1」及び「0」である文言指定データが1個ずつ設定されている。このように、表示優先度データの値が大きい文言指定データが多く設定されていることにより、達成することが困難な選択条件が満たされた場合に履歴画像G23に表示される文言の種類が多くなっている。これにより、困難な選択条件を満たした場合に遊技者がこれまで見たことのない文言が表示される可能性が高められている。
各選択条件テーブルでは、表示優先度データの値が大きい方から順番に文言指定データが設定されている。そして、表示優先度データの値が大きい文言指定データから順番に判定対象の文言指定データに設定され、選択条件が満たされているか否かの判定が行われる。選択条件が満たされていないと判定された場合には、判定対象が次の文言指定データに更新される。一方、選択条件が満たされていると判定された場合には、現状の判定対象の文言指定データが表示対象の候補となる。当該文言指定データと同一の表示優先度データが設定されている他の文言指定データが存在している場合には、当該同一の表示優先度データが設定されている文言指定データが判定対象に設定され、選択条件が満たされているか否かの判定が行われる。そして、選択条件が満たされていると判定された場合には、当該同一の表示優先度データが設定されている文言指定データも表示対象の候補となる。このように、複数の文言指定データが表示対象の候補となることがある。
図87に示すように、ART終了時の第2選択条件テーブルについて具体的には、第10履歴用記憶エリアRA10の値が「3000」以上である場合、すなわちART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が3000枚以上である場合には、表示優先度データが「8」である「289」の文言指定データが表示対象の候補となる。この場合、第1候補エリア171に「289」の文言指定データと、「8」の表示優先度データとが設定される。
ART終了時の第2選択条件テーブル(図87)には、表示優先度データが「8」である文言指定データとして、「290」の文言指定データも存在している。このため、選択条件が満たされている場合には優先度データが「8」である当該「290」の文言指定データも表示対象の候補となる。具体的には、第11履歴用記憶エリアRA11の値が「1500」以上である場合、すなわちART状態ST6への移行後における純増枚数が1500枚以上である場合には、当該「290」の文言指定データも表示対象の候補となる。この場合、「290」の文言指定データと、「8」の表示優先度データとが第2候補エリア172に設定される。
ART終了時の第2選択条件テーブル(図87)には、表示優先度データが「8」である文言指定データとして、「291」の文言指定データも存在している。このため、選択条件が満たされている場合には優先度データが「8」である当該「291」の文言指定データも表示対象の候補となる。具体的には、第4履歴用記憶エリアRA4の値が「5」以上である場合、すなわちBB当選の発生回数が5回以上である場合には、当該「291」の文言指定データも表示対象の候補となる。この場合、「291」の文言指定データと、「8」の表示優先度データとが第3候補エリア173に設定される。そして、これら3つの文言指定データ(「289」~「291」の文言指定データ)の中から表示対象となる1つの文言指定データを選択するための抽選が行われ、当該抽選にて当選となった文言指定データがART終了時の第2選択条件テーブルから選択される文言指定データとなる。そして、当該選択された文言指定データと、当該文言指定データに対応する「8」の表示優先度データとが第2選択条件テーブルに対応する第2選択エリア166に設定される。
選択条件テーブルには、複数の選択条件が設定されている文言指定データが存在している。すなわち、複数の選択条件を満たした場合に表示候補となる文言指定データが存在している。例えば、図87に示すように、ART終了時の第2選択条件テーブルにおける「299」の文言指定データには、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が「1000」以上であるという選択条件と、ART状態ST6におけるBB当選の発生回数が「2」以上であるという選択条件とが設定されている。これにより、履歴画像G23に表示できるトータルの文言画像G25~G27の数が限定されており1つの選択条件テーブルに設定されている文言指定データのうち表示対象として選択される文言指定データが1つに限定されている構成において、複数の遊技履歴データの内容が反映された文言画像G25~G27を表示することが可能となっている。遊技履歴データの内容が詳細に反映された履歴画像G23を表示可能とすることにより、履歴画像G23に対する遊技者の関心を高めて、遊技の興趣向上を図ることができる。
1つのパラメータについて同一の結果であったとしても、他のパラメータについて異なる結果であることにより表示候補となる文言の内容を変化させることができる。例えば、図87に示すように、ART終了時の第2選択条件テーブルでは、「BB当選の発生回数」というパラメータ(第4履歴用記憶エリアRA4の値)について当該発生回数が「2」以上である場合、「ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数」というパラメータ(第10履歴用記憶エリアRA10の値)について当該付与数が「1000」以上である場合には「299」の文言指定データが表示対象の候補となるとともに、当該付与数が「1000」未満である場合には「300」の文言指定データが表示対象の候補となる。このように、複数のパラメータの組合せについて選択条件が設定されていることにより、遊技履歴の内容を履歴画像G23に詳細に反映させることが可能となっている。
1つのパラメータについて複数の閾値が設けられており、各閾値を超えるか否かによって表示候補となる文言の内容が変化する構成であることにより、記憶するパラメータの数の増加を抑制しながら、履歴画像G23の内容を詳細なものとすることができる。これにより、履歴画像G23に対する遊技者の関心を高めることが可能となっている。
次に、演出側MPU92にて実行される文言選択処理について図88のフローチャートを参照しながら説明する。なお、文言選択処理は履歴構成データの生成処理(図85)のステップS5102において実行される。
文言選択処理では、現状の遊技状態を把握し(ステップS5201)、当該把握した遊技状態に対応する第1選択条件テーブルを演出側ROM93から演出側RAM94に読み出す(ステップS5202)。具体的には、演出側RAM94におけるART中フラグに「1」がセットされていない場合にART前の第1選択条件テーブルを読み出す。また、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が0~999である場合に第1期間の第1選択条件テーブルを読み出し、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が1000~1999である場合に第2期間の第1選択条件テーブルを読み出し、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が2000~2999である場合に第3期間の第1選択条件テーブルを読み出し、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が3000以上である場合に第4期間の第1選択条件テーブルを読み出す。さらにまた、ART状態ST6の終了時である場合にART終了時の第1選択条件テーブルを読み出し、有利区間SC2のエンディング演出の終了時である場合にエンディング終了時の第1選択条件テーブルを読み出す。
その後、演出側RAM94における第1~第3候補エリア171~173をクリアし(ステップS5203)、演出側RAM94に読み出されている選択条件テーブルに設定されている文言指定データの中から1つの文言指定データを判定対象に設定する(ステップS5204)。ステップS5204では、選択条件テーブルにおいて表示優先度が高い文言指定データから順番に判定対象に設定される。その後、ステップS5204にて判定対象に設定した文言指定データについて文言判定処理を実行する(ステップS5205)。文言判定処理では、演出側RAM94の履歴記憶用エリア94bに記憶されている遊技履歴データを演出側RAM94に読み出されている選択条件テーブルに対して照合することにより判定対象の文言データに対して設定されている選択条件が満たされているか否かを判定する。
判定対象の文言データに設定されている選択条件が満たされていない場合(ステップS5206:NO)には、演出側RAM94における第1候補エリア171に文言指定データが設定されているか否かを判定し(ステップS5207)、文言指定データが設定されていない場合(ステップS5207:NO)には、ステップS5204に戻る。そして、演出側RAM94に読み出されている選択条件テーブルにて判定対象の文言指定データを更新する。そして、ステップS5206にて肯定判定が行われるまで、ステップS5204~ステップS5207の処理を繰り返し実行する。各選択条件テーブルには、表示優先度データが最も低い「0」であるとともに選択条件が設定されていない文言指定データが設定されている。例えば、図87に示すように、ART終了時の第2選択条件テーブルには、表示優先度データが「0」であるとともに選択条件が設定されていない「306」の文言指定データが設定されている。このため、選択条件テーブルに設定されているいずれの選択条件も満たされない場合には、ステップS5204~ステップS5207の処理が繰り返し実行され、最終的に選択条件が設定されていない文言指定データが判定対象に設定されてステップS5206にて肯定判定が行われる。
一方、ステップS5206にて判定対象の文言指定データに設定されている選択条件が満たされていると判定した場合には、当該判定対象の文言指定データ及び当該文言指定データに対応する表示優先度データを候補エリア171~173に設定する(ステップS5208)。ステップS5208では、第1候補エリア171に既に文言指定データが設定されている場合、判定対象の文言指定データ及び当該文言指定データに対応する表示優先度データを第2候補エリア172に設定する。また、第1候補エリア171及び第2候補エリア172に既に文言指定データが設定されている場合、判定対象の文言指定データ及び当該文言指定データに対応する表示優先度データを第3候補エリア173に設定する。上述したとおり、各選択条件テーブルには選択条件が設定されていない文言指定データが設定されており、選択条件テーブルに設定されているいずれの選択条件も満たされない場合には選択条件が設定されていない文言指定データが表示対象の候補として選択される。このため、候補エリア171~173にはいずれかの文言指定データ及び表示優先度データが設定される。
ステップS5207にて第1候補エリア171に文言指定データが設定されていると判定した場合、又はステップS5208にて候補エリア171~173に文言指定データ及び表示優先度データを設定した場合には、その設定した文言指定データと同一の表示優先度データが設定されており未だ判定対象となっていない他の文言指定データが選択条件テーブルに存在しているか否かを判定する(ステップS5209)。ステップS5209にて肯定判定を行った場合には、ステップS5204に戻り、第1候補エリア171に設定されている文言データと同一の表示優先度を有する当該他の文言指定データを判定対象に設定し(ステップS5204)、当該他の文言指定データについて文言判定処理を実行する(ステップS5205)。
ステップS5209にて否定判定を行った場合には、候補エリア171~173に複数の文言指定データが設定されているか否かを判定する(ステップS5210)。候補エリア171~173に複数の文言指定データが設定されている場合(ステップS5210:YES)には、当該複数の文言指定データの中から演出側RAM94の選択エリア165~167に設定する一の文言指定データを選択する文言指定データの抽選処理を実行する(ステップS5211)。
文言指定データの抽選処理(ステップS5211)では、候補エリア171~173に設定されている文言指定データの数に対応する文言指定用抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す。演出側ROM93には、候補エリア171~173に設定されている文言指定データの数が「2」である場合に読み出される第1文言指定用抽選テーブルと、候補エリア171~173に設定されている文言指定データの数が「3」である場合に読み出される第2文言指定用抽選テーブルとが記憶されている。これらの文言指定用抽選テーブルには、各文言指定データの当選確率が同一又は略同一となるように当選確率が設定されている。その後、演出側RAM94にて更新されている乱数を取得する。そして、当該取得した乱数を文言用抽選テーブルに対して照合することにより、今回の選択条件テーブルから表示対象として選択する1つの文言指定データを特定する。
その後、画像再生用記憶エリア94cを参照することにより文言指定データの抽選処理(ステップS5211)にて選択した文言指定データが過去に生成されて記憶されている履歴構成データに含まれている文言指定データと同一であるか否かを判定する(ステップS5212)。ステップS5212では、文言指定データの抽選処理(ステップS5211)にて特定された文言指定データ(「1」~「378」のいずれかの数値情報)が画像再生用記憶エリア94cの第0~第31再生用記憶エリアRD0~RD31に記憶されている履歴構成データに含まれているか否かを判定し、第0~第31再生用記憶エリアRD0~RD31のいずれかに記憶されている履歴構成データに含まれている場合に肯定判定を行う。文言指定データは「1」~「378」の通し番号となっているため、文言指定データの抽選処理(ステップS5211)にて特定された文言指定データが過去に生成されて記憶されている履歴構成データに含まれているか否かを把握するための処理が容易化されている。
ステップS5212にて肯定判定を行った場合には、文言指定データの変更処理を実行する(ステップS5213)。文言指定データの変更処理では、文言指定データの抽選処理(ステップS5211)に用いた文言指定用抽選テーブル(第1文言指定用抽選テーブル又は第2文言指定用抽選テーブル)において当選となった文言指定データとは異なる文言指定データを表示対象の文言指定データとして選択し直す。具体的には、文言指定データの抽選処理(ステップS5211)にて第1文言指定用抽選テーブルを読み出した場合、当選となっていた文言指定データが第1候補エリア171に設定されている文言指定データであれば第2候補エリア172に設定されている文言指定データを表示対象の文言指定データとして選択し直すとともに、当選となっていた文言指定データが第2候補エリア172に設定されている文言指定データであれば第1候補エリア171に設定されている文言指定データを表示対象の文言指定データとして選択し直す。また、文言指定データの抽選処理(ステップS5211)にて第2文言指定用抽選テーブルを読み出した場合、当選となっていた文言指定データが第1候補エリア171に設定されている文言指定データであれば第2候補エリア172に設定されている文言指定データを表示対象の文言指定データとして選択し直し、当選となっていた文言指定データが第2候補エリア172に設定されている文言指定データであれば第3候補エリア173に設定されている文言指定データを表示対象の文言指定データとして選択し直し、当選となっていた文言指定データが第3候補エリア173に設定されている文言指定データであれば第1候補エリア171に設定されている文言指定データを表示対象の文言指定データとして選択し直す。
その後、ステップS5213にて選択された文言指定データが過去に生成されて記憶されている履歴構成データに含まれている文言指定データと同一であるか否かを判定する(ステップS5214)。ステップS5214では、文言指定データの変更処理(ステップS5213)にて選択された文言指定データ(「1」~「378」のいずれかの数値情報)が画像再生用記憶エリア94cの第0~第31再生用記憶エリアRD0~RD31に記憶されている履歴構成データに含まれているか否かを判定し、第0~第31再生用記憶エリアRD0~RD31のいずれかに記憶されている履歴構成データに含まれている場合に肯定判定を行う。ステップS5214にて否定判定を行った場合には、ステップS5217に進む。この場合には、文言指定データの変更処理(ステップS5213)にて選択された文言指定データが表示対象の文言指定データとなる。
一方、ステップS5214にて肯定判定を行った場合には、文言指定データの抽選処理(ステップS5211)に用いた文言指定用抽選テーブルにおいて過去に生成されて記憶されている履歴構成データに含まれる文言指定データと同一であるか否かの判定が行われていない他の文言指定データが存在しているか否かを判定する(ステップS5215)。選択条件テーブルから表示対象の候補として選択された文言指定データの数が2つであった場合にはステップS5215にて否定判定が行われるとともに、表示対象の候補として選択された文言指定データの数が3つであった場合にはステップS5215にて肯定判定が行われる。
ステップS5215にて肯定判定を行った場合には、ステップS5213に戻り、ステップS5213~ステップS5215の処理を繰り返す。この場合、文言指定データの変更処理(ステップS5213)では、表示対象として第1候補エリア171に設定されている文言指定データが選択されている場合には表示対象として第2候補エリア172に設定されている文言指定データを選択し直し、表示対象として第2候補エリア172に設定されている文言指定データが選択されている場合には表示対象として第3候補エリア173に設定されている文言指定データを選択し直し、表示対象として第3候補エリア173に設定されている文言指定データが選択されている場合には表示対象として第1候補エリア171に設定されている文言指定データを選択し直す。その後、ステップS5213にて選択された文言指定データが過去に生成されて記憶されている履歴構成データに含まれている文言指定データと同一であるか否かを判定する(ステップS5214)。ステップS5214にて否定判定を行った場合には、ステップS5217に進む。この場合には、文言指定データの変更処理(ステップS5213)にて選択された3つ目の文言指定データが表示対象の文言指定データとなる。一方、ステップS5214にて肯定判定を行った場合にはステップS5215に進む。
ステップS5215にて否定判定を行った場合には、文言指定データの抽選処理(ステップS5211)において最初に選択された文言指定データを表示対象の文言指定データとして選択し直し(ステップS5216)、ステップS5217に進む。
ステップS5210にて否定判定を行った場合、ステップS5212にて否定判定を行った場合、ステップS5214にて否定判定を行った場合、又はステップS5216の処理を行った場合には、履歴構成データに設定する文言指定データとして選択された文言指定データ及び当該文言指定データの表示優先度データを現状の選択条件テーブルに対応する選択エリア165~167に記憶する(ステップS5217)。具体的には、文言指定データ及び表示優先度データは、現状の選択条件テーブルが第1選択条件テーブルである場合には第1選択エリア165に記憶され、第2選択条件テーブルである場合には第2選択エリア166に記憶され、第3選択条件テーブルである場合には第3選択エリア167に記憶される。
その後、現状の選択条件テーブルが第3選択条件テーブルでない場合(ステップS5218:NO)には、選択条件テーブルを更新して(ステップS5219)、ステップS5203に戻る。ステップS5219では、第1選択条件テーブル→第2選択条件テーブル→第3選択条件テーブルの順番で、演出側RAM94に読み出されている選択条件テーブルをクリアして、次の選択条件テーブルを読み出す。
一方、ステップS5218にて現状の選択条件テーブルがいずれかの第3選択条件テーブルであると判定した場合には、履歴構成データに設定される3つの文言指定データの選択が終了したことを意味するため、第1~第3候補エリア171~173をクリアして(ステップS5220)、本文言選択処理を終了する。
履歴構成データの生成処理(図85)の説明に戻り、ステップS5102にて文言選択処理を行った後、当該文言選択処理にて選択した3つの文言指定データを履歴画像G23の第1~第3見出し範囲151~153(図80(a))に配置する見出し設定処理を実行する(ステップS5103)。図89は見出し設定処理を示すフローチャートである。
見出し設定処理では、まず第1~第3選択エリア165~167に設定されている3つの表示優先度データのうち最大のものを特定し(ステップS5301)、当該特定した最大の表示優先度データを含む文言指定データ及び表示優先度データの組合せを演出側RAM94における候補エリア171~173に設定する(ステップS5302)。ステップS5302では、最大の表示優先度データを含む文言データ及び表示優先度データの組合せが1つ存在している場合には当該組合せを第1候補エリア171に設定し、最大の表示優先度データを含む文言データ及び表示優先度データの組合せが2つ存在している場合には当該2つの組合せを第1候補エリア171及び第2候補エリア172に設定し、最大の表示優先度データを含む文言データ及び表示優先度データの組合せが3つ存在している場合には当該3つの組合せを第1候補エリア171、第2候補エリア172及び第3候補エリア173に設定する。
その後、優先度調整処理を実行する(ステップS5303)。優先度調整処理では、候補エリア171~173に複数の文言指定データが設定されている場合、画像再生用記憶エリア94cの第0~第31再生用記憶エリアRD0~RD31を参照することにより、当該複数の文言指定データのうち過去に生成されて記憶されている履歴構成データに含まれている文言指定データと同一の文言指定データを把握する。そして、候補エリア171~173に設定されている文言指定データの一部が過去に生成されて記憶されている履歴構成データに含まれている文言指定データと同一である場合には、当該同一の文言指定データを含む文言指定データ及び表示優先度データの組合せを候補エリア171~173から削除する。これにより、候補エリア171~173に同一の表示優先度を有する文言指定データが複数存在している場合には、過去の生成されて記憶されている履歴構成データに含まれていない文言指定データを優先的に上位の見出し範囲151~153に設定することが可能となる。一方、優先度調整処理(ステップS5303)では、候補エリア171~173に設定されている複数の文言指定データの全てが過去に生成されて記憶されている履歴構成データに含まれていない場合、及び当該複数の文言指定データの全てが過去に生成されて記憶されている履歴構成データに含まれている場合には、文言指定データ及び表示優先度データの組合せの削除を行わない。このため、候補エリア171~173に設定されている文言指定データ及び表示優先度データの組合せが全て削除されてしまうことはない。
その後、候補エリア171~173に複数の文言指定データが存在している場合(ステップS5304:YES)には、文言指定データの抽選処理を実行する(ステップS5305)。ステップS5305では、既に説明した文言選択処理(図88)のステップS5211における文言指定データの抽選処理と同様の処理を行う。具体的には、候補エリア171~173に設定されている文言指定データの数に対応する文言指定用抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す。具体的には、候補エリア171~173に設定されている文言指定データの数が「2」である場合には第1文言指定用抽選テーブルを読み出すとともに、候補エリア171~173に設定されている文言指定データの数が「3」である場合には第2文言指定用抽選テーブルを読み出す。既に説明したとおり、これらの文言指定用抽選テーブルには、各文言指定データの当選確率が同一又は略同一となるように当選確率が設定されている。その後、演出側RAM94にて更新されている乱数を取得する。そして、当該取得した乱数を文言指定用抽選テーブルに対して照合することにより、候補エリア171~173に設定されている複数の文言指定データの中から一の文言指定データを特定する。その後、候補エリア171~173において当該特定した文言指定データを含む文言指定データ及び表示優先度データの組合せ以外の文言指定データ及び表示優先度データの組合せを削除する。これにより、候補エリア171~173には、1組の文言指定データ及び表示優先度データの組合せのみが設定されている状態となる。
ステップS5304にて否定判定を行った場合、又はステップS5305の処理を実行した場合には、候補エリア171~173に設定されている1組の文言指定データ及び表示優先度データの組合せを構成データ記憶エリア161の第1~第3文言カウンタ161a~161cのうち空いている最上位のカウンタに設定する(ステップS5306)。文言指定データ及び表示優先度データの組合せは、具体的には、第1~第3文言カウンタ161a~161cのいずれにもデータが設定されていない場合には第1文言カウンタ161aに設定され、第1文言カウンタ161aのみにデータが設定されている場合には第2文言カウンタ161bに設定され、第1文言カウンタ161a及び第2文言カウンタ161bにデータが設定されている場合には第3文言カウンタ161cに設定される。
その後、ステップS5306にて構成データ記憶エリア161に設定した文言指定データ及び表示優先度データの組合せが設定されていた選択エリア165~167をクリアし(ステップS5307)、候補エリア171~173をクリアする(ステップS5308)。
その後、構成データ記憶エリア161における第3文言カウンタ161cに文言指定データ及び表示優先度データが設定されているか否かを判定する(ステップS5309)。ステップS5309にて否定判定を行った場合には、ステップS5301に戻り、ステップS5309にて肯定判定が行われるまで、ステップS5301~ステップS5308の処理を繰り返す。これにより、第1~第3選択エリア165~167に設定されていた3つの文言指定データ及び表示優先度データが構成データ記憶エリア161の第1~第3文言カウンタ161a~161cに記憶されている状態となる。ステップS5309にて肯定判定を行った場合には、そのまま本見出し設定処理を終了する。
既に説明したとおり、履歴画像G23に表示されるキャラクタ画像G28の種類は第1文言画像G25の種類に対応しており、演出側MPU92は第1文言指定データに基づいて表示対象となった第1文言画像G25及びキャラクタ画像G28の種類を把握する。このため、見出し設定処理(図89)にて構成データ記憶エリア161の第1文言カウンタ161aに文言指定データが記憶されることにより、履歴画像G23に含まれる第1文言画像G25の種類が決定されるとともに、当該履歴画像G23に含まれるキャラクタ画像G28の種類が決定される。第1文言指定データに基づいてキャラクタ画像G28の種類を把握する構成であることにより、第1文言指定データとは別にキャラクタ画像G28の種類を把握するためのデータを記憶する構成と比較して、履歴画像G23に含まれるキャラクタ画像G28の種類を把握可能とするための演出側RAM94における記憶容量が低減されている。
履歴構成データの生成処理(図85)の説明に戻り、ステップS5103にて見出し設定処理を行った後、第15履歴用記憶エリアRA15の値が「1」であるか否かを判定する(ステップS5104)。第15履歴用記憶エリアRA15の値が「1」である場合(ステップS5104:YES)には、有利区間SC2のエンディング演出が実行されたことを意味するため、エンディング画像設定処理を実行する(ステップS5105)。エンディング画像設定処理では、構成データ記憶エリア161におけるエンディング画像フラグ161dに「1」をセットする。これにより、履歴構成データに対応する履歴画像G23にエンディング画像G29が含まれることとなる。
このように、有利区間SC2のエンディング演出が実行された場合には抽選等が行われることなくエンディング画像フラグ161dに「1」がセットされる。このため、遊技者は、有利区間SC2のエンディング演出の実行中に当該エンディング演出をカメラ等で自ら記録しなくても、履歴画像表示を行うことにより当該エンディング演出が行われたことを任意のタイミングで確認することができる。
ステップS5104にて否定判定を行った場合、又はステップS5105の処理を行った場合には、構成データ記憶エリア161における第1~第3文言カウンタ161a~161cに設定されている文言指定データと、演出側RAM94の履歴記憶用エリア94bに設定されている遊技履歴データとに対応する履歴ポイントの合計を算出するポイント算出処理を実行する(ステップS5106)。図90はポイント算出処理を示すフローチャートである。
ポイント算出処理では、まず見出しポイントテーブルを演出側ROM93から読み出す(ステップS5401)。図91(a)は見出しポイントテーブルを説明するための説明図である。図91(a)に示すように、見出しポイントテーブルには、「0」~「8」の表示優先度データのそれぞれに対して1対1で対応させて履歴ポイントが設定されている。
ポイント算出処理(図90)の説明に戻り、ステップS5401にて見出しポイントテーブルを読み出した後、履歴ポイント設定処理を実行する(ステップS5402)。履歴ポイント設定処理では、構成データ記憶エリア161の第1文言カウンタ161aに設定されている表示優先度データをステップS5401にて読み出した見出しポイントテーブルに対して照合することにより、第1文言指定データに対応する履歴ポイントを特定し、当該特定した履歴ポイントを構成データ記憶エリア161における履歴ポイントカウンタ161eにセットする。既に説明したとおり、履歴ポイントカウンタ161eは、履歴画像G23の履歴ポイントを演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。また、履歴ポイント設定処理(ステップS5402)では、第2文言カウンタ161bに設定されている表示優先度データを見出しポイントテーブルに対して照合することにより第2文言指定データに対応する履歴ポイントを特定するとともに、第3文言カウンタ161cに設定されている表示優先度データを見出しポイントテーブルに対して照合することにより第3文言指定データに対応する履歴ポイントを特定する。そして、当該特定した2つの履歴ポイントを履歴ポイントカウンタ161eの値に対して加算する。これにより、履歴ポイントカウンタ161eには、第1文言指定データ、第2文言指定データ及び第3文言指定データに対応する履歴ポイントの合計値が設定されている状態となる。
その後、演出側RAM94におけるART中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS5403)。ART中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS5403:YES)には、今回の履歴構成データの生成契機がART状態ST6への移行後に発生したことを意味するため、追加ポイントテーブルを演出側ROM93から読み出す(ステップS5404)。図91(b)は追加ポイントテーブルを説明するための説明図である。図91(b)に示すように、追加ポイントテーブルには、追加ポイントとして、「ART状態ST6において実行されたゲーム数×1」、「ボーナス当選の発生回数×500」及び「ART状態ST6における合計上乗せゲーム数×10」が設定されている。
ポイント算出処理(図90)の説明に戻り、ステップS5404にて追加ポイントテーブルを読み出した後、追加ポイントの加算処理を実行して(ステップS5405)、本ポイント算出処理を終了する。追加ポイントの加算処理では、履歴記憶用エリア94bの第9履歴用記憶エリアRA9を参照することによりART状態ST6において実行されたゲーム数を把握し、「ART状態ST6において実行されたゲーム数×1」の追加ポイントを構成データ記憶エリア161における履歴ポイントカウンタ161eに加算する。また、履歴記憶用エリア94bの第4履歴用記憶エリアRA4の値(BB当選の発生回数)と、第5履歴用記憶エリアRA5の値(RB当選の発生回数)との合計値を算出した後、「ボーナス当選の発生回数×500」の追加ポイントを算出して、当該追加ポイントを履歴ポイントカウンタ161eに加算する。さらにまた、履歴記憶用エリア94bの第12履歴用記憶エリアRA12を参照してART状態ST6における合計上乗せゲーム数を把握し、「ART状態ST6における合計上乗せゲーム数×10」の追加ポイントを算出して、当該追加ポイントを履歴ポイントカウンタ161eに加算する。これにより、履歴ポイントカウンタ161eに履歴画像G23の履歴ポイントが設定されている状態となる。
履歴構成データの生成処理(図85)の説明に戻り、ステップS5106にてポイント算出処理を実行した後、履歴画像G23のランク付けを行うための処理(ステップS5107~ステップS5108)を行う。具体的には、ランク対応テーブルを演出側ROM93から読み出す(ステップS5107)。ランク対応テーブルには、履歴画像G23に設定される複数のランクが設定されているとともに、各ランクに対応する履歴ポイントの範囲が設定されている。
その後、ランク設定処理を実行する(ステップS5108)。ランク設定処理では、ステップS5107にて読み出したランク対応テーブルに対してステップS5106におけるポイント算出処理にて算出した履歴ポイントを照合することにより今回の履歴画像G23に対応するランクを特定する。そして、当該当該特性したランクに対応するランク画像指定データを構成データ記憶エリア161におけるランクカウンタ161fにセットする。
ステップS5108におけるランク設定処理では、具体的には、構成データ記憶エリア161の履歴ポイントカウンタ161eに「0」~「2499」のいずれかの履歴ポイントが設定されている場合にはランクカウンタ161fに「Cランク」に対応するランク画像指定データを設定し、履歴ポイントカウンタ161eに「2500」~「5999」のいずれかの履歴ポイントが設定されている場合にはランクカウンタ161fに「Bランク」に対応するランク画像指定データを設定し、履歴ポイントカウンタ161eに「6000」~「9999」のいずれかの履歴ポイントが設定されている場合にはランクカウンタ161fに「Aランク」に対応するランク画像指定データを設定し、履歴ポイントカウンタ161eに「10000」~「14999」のいずれかの履歴ポイントが設定されている場合にはランクカウンタ161fに「Sランク」に対応するランク画像指定データを設定し、履歴ポイントカウンタ161eに「15000」以上の履歴ポイントが設定されている場合にはランクカウンタ161fに「SSランク」に対応するランク画像指定データを設定する。
その後、背景プレート画像G24、下地プレート画像、及び共通背景プレート画像を設定するためのプレート設定処理を実行する(ステップS5109)。図92はプレート設定処理を示すフローチャートである。
プレート設定処理では、まず演出側RAM94におけるART終了時生成フラグ174又はエンディング終了時生成フラグ175に「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS5501)。ステップS5501にて肯定判定を行った場合には、前回のART状態ST6が終了してから今回のART状態ST6が終了するまでに行われた総ゲーム数を算出する(ステップS5502)。具体的には、第0履歴用記憶エリアRA0の値(ART状態ST6が開始されるまでのゲーム数)と、第9履歴用記憶エリアRA9の値(ART状態ST6において実行されたゲーム数)との合計値を算出することにより総ゲーム数を算出する。
その後、スロットマシン10の現状の設定値を特定し(ステップS5503)、ステップS5502にて算出した総ゲーム数とステップS5503にて特定した設定値との組合せに対応するプレート抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す(ステップS5504)。既に説明したとおり、演出側MPU92は、主側MPU72から受信した設定終了コマンドに設定されている数値情報に基づいて現状の設定値を把握する。設定終了コマンドは、当選確率設定処理(メイン処理(図11)のステップS106)にて送信される。
図93(a)は前回のART状態ST6が終了してから今回のART状態ST6が終了するまでに実行された総ゲーム数が「0」~「1000」である場合に読み出されるプレート抽選テーブルPA1~PA6の内容を説明するための説明図であり、図93(b)は総ゲーム数が「1001」~「2000」である場合に読み出されるプレート抽選テーブルPB1~PB6の内容を説明するための説明図であり、図93(c)は総ゲーム数が「2001」以上である場合に読み出されるプレート抽選テーブルPD1~PD6の内容を説明するための説明図である。
演出側ROM93には、総ゲーム数の区間(0~1000ゲームの区間、1001~2000ゲームの区間及び2001ゲーム以上の区間)及び設定値(設定1~設定6)の18通りの組合せのそれぞれに対して1対1で対応させて18個のプレート抽選テーブルPA1~PA6,PB1~PB6,PD1~PD6が記憶されている。
総ゲーム数が「0」~「1000」である場合には、「設定1」~「設定6」に対応するプレート抽選テーブルPA1~PA6が読み出され、総ゲーム数が「1001」~「2000」である場合には、「設定1」~「設定6」に対応するプレート抽選テーブルPB1~PB6が読み出され、総ゲーム数が「2001」以上である場合には、「設定1」~「設定6」に対応するプレート抽選テーブルPD1~PD6が読み出される。
本スロットマシン10には履歴画像G23の背景プレート画像G24(図80(a))として、「設定1」、「設定3」及び「設定5」の場合に表示され得る白プレート画像と、「設定2」、「設定4」及び「設定6」の場合に表示され得る銅プレート画像と、「設定4」~「設定6」の場合に表示され得る銀プレート画像と、「設定5」及び「設定6」の場合に表示され得る金プレート画像と、「設定6」の場合に表示され得るレインボープレート画像とが存在している。白プレート画像が表示された場合には設定値が奇数であることを把握可能となり、銅プレート画像が表示された場合には設定値が偶数であることを把握可能となり、銀プレート画像が表示された場合には設定値が「4」以上であることを把握可能となり、金プレート画像が表示された場合には設定値が「5」以上であることを把握可能となり、レインボープレート画像が表示された場合には設定値が「6」であることを把握可能となる。
総ゲーム数が多い区間となるほど、低い設定値である場合にいずれかの背景プレート画像G24に当選する確率が低く設定されているとともに、高い設定値である場合にいずれかの背景プレート画像G24に当選する確率が高く設定されている。具体的には、「設定1」及び「設定2」においていずれかの背景プレート画像G24に当選する確率は、第1区間において最も高く設定されており、第2区間において2番目に高く設定されており、第3区間において最も低く設定されている。「設定3」及び「設定4」においていずれかの背景プレート画像G24に当選する確率は、第1区間~第3区間において共通となるように設定されている。「設定5」「設定6」においていずれかの背景プレート画像G24に当選する確率は、第1区間において最も低く設定されており、第2区間において2番目に高く設定されており、第3区間において最も高く設定されている。
第1区間で白プレート画像が表示された場合には、約36%の確率で「設定1」であり、約36%の確率で「設定3」であり、約27%の確率で「設定5」である。第2区間で白プレート画像が表示された場合には、約9%の確率で「設定1」であり、約36%の確率で「設定3」であり、約55%の確率で「設定5」である。第3区間で白プレート画像が表示された場合には、約2%の確率で「設定1」であり、約30%の確率で「設定3」であり、約68%の確率で「設定5」である。また、第1区間で銅プレート画像が表示された場合には、40%の確率で「設定2」であり、30%の確率で「設定4」であり、30%の確率で「設定6」である。第2区間で銅プレート画像が表示された場合には、約8%の確率で「設定2」であり、約23%の確率で「設定4」であり、約69%の確率で「設定6」である。第3区間で銅プレート画像が表示された場合には、約1%の確率で「設定2」であり、約16%の確率で「設定4」であり、約82%の確率で「設定6」である。また、第1区間で銀プレート画像が表示された場合には、約33%の確率で「設定4」であり、約33%の確率で「設定5」であり、約33%の確率で「設定6」である。第2区間で銀プレート画像が表示された場合には、約16%の確率で「設定4」であり、約33%の確率で「設定5」であり、約50%の確率で「設定6」である。第3区間で銀プレート画像が表示された場合には、約11%の確率で「設定4」であり、約33%の確率で「設定5」であり、約56%の確率で「設定6」である。また、第1区間で金プレート画像が表示された場合には、50%の確率で「設定5」であり、50%の確率で「設定6」である。第2区間で金プレート画像が表示された場合には、40%の確率で「設定5」であり、60%の確率で「設定6」である。第3区間で金プレート画像が表示された場合には、約38%の確率で「設定5」であり、約63%の確率で「設定6」である。
白プレート画像、銅プレート画像、銀プレート画像及び金プレート画像では、総ゲーム数の少ない区間ではその背景プレート画像G24に対応している設定値のうち低い側の設定値である確率が高くなっており、総ゲーム数が多い区間ではその背景プレート画像G24に設定されている設定値のうち高い側の設定値である確率が高くなっている。このため、遊技者は、履歴画像G23にこれらの背景プレート画像G24が表示された場合、表示された背景プレート画像G24の種類及び総ゲーム数の組合せからスロットマシン10の設定値を予想することが可能となる。設定値を示唆する情報を提示することにより、遊技者に設定値を推測させて、遊技の興趣向上を図ることができる。また、レインボープレート画像が表示された場合、遊技者はスロットマシン10の設定値が「6」であることを確信することができる。この場合、遊技者は、遊技者にとって有利な設定値であることを確信しながら遊技を行うことができる。
プレート設定処理(図92)の説明に戻り、ステップS5504にてプレート抽選テーブルPA1~PA6,PB1~PB6,PD1~PD6のいずれかを読み出した後、プレート抽選処理を実行する(ステップS5505)。プレート抽選処理では、演出側RAM94にて更新されている乱数を取得し、当該乱数をステップS5504にて読み出したプレート抽選テーブルと照合することにより背景プレート画像G24の当選の有無及び当選した背景プレート画像G24の種類を特定する。プレート抽選処理においていずれかの背景プレート画像G24に当選した場合(ステップS5506:YES)には、当選した背景プレート画像G24に対応する背景プレート画像指定データを構成データ記憶エリア161における背景プレートカウンタ161gにセットして(ステップS5507)、本プレート設定処理を終了する。
一方、今回の履歴構成データの生成契機がART状態ST6の終了時、又は有利区間SC2のエンディング演出の終了時に発生したものではない場合(ステップS5501:NO)には、プレート抽選を行わない。ステップS5501にて否定判定を行った場合には、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の純増枚数を把握する純増枚数把握処理を実行する(ステップS5508)。純増枚数把握処理では、第11履歴用記憶エリアRA11を参照することによりART状態ST6への移行後における遊技媒体の純増枚数を把握する。ART状態ST6への移行前である場合(演出側RAM94におけるART中フラグに「1」がセットされていない状態である場合)、純増枚数把握処理(ステップS5508)では遊技媒体の純増枚数を「0」とする。
その後、純増枚数の範囲に対応させて下地プレート画像指定データが設定されている下地データテーブルを演出側ROM93から読み出す(ステップS5509)。そして、当該下地データテーブルに対して、ステップS5508にて把握した遊技媒体の純増枚数を照合することにより、下地プレート画像指定データを特定し(ステップS5510)、当該特定した下地プレート画像指定データを構成データ記憶エリア161における下地プレートカウンタ161hにセットして(ステップS5511)、本プレート設定処理を終了する。下地データテーブルでは、純増枚数が「0~499枚の範囲」、「500~1000枚の範囲」、「1001~1499枚の範囲」、「1500~1999枚の範囲」、「2000~2499枚の範囲」、「2500~2999枚の範囲」、及び「3000枚以上の範囲」に区分けされており、獲得枚数が増加するに従って下地プレート画像の色が通常カラー、黒、青、緑、赤、銀、金の順番で変化するように下地プレート画像指定データが設定されている。
ステップS5501にて否定判定が行われた場合、又はステップS5506にて否定判定が行われた場合には、構成データ記憶エリア161における背景プレートカウンタ161gの値は「0」となる。既に説明したとおり、背景プレートカウンタ161gの値が「0」である場合には、履歴画像G23に共通背景プレート画像が含まれることとなる。
履歴構成データの生成処理(図85)の説明に戻り、ステップS5109にてプレート設定処理を行った後、演出制御基板91におけるRTC(図示略)から現状の日時データ(具体的には、年月日情報及び時刻情報)を取得して、当該日時データを構成データ記憶エリア161における日時データカウンタ161jにセットする(ステップS5110)。これにより、履歴画像G23が生成された日時を演出側MPU92にて把握することが可能となる。
その後、生成契機データの設定処理を実行する(ステップS5111)。生成契機データの設定処理では、履歴構成データの生成契機の種類に対応する生成契機データを構成データ記憶エリア161の生成契機カウンタ161k(図81(b))に格納する。具体的には、演出側RAM94における第1区切り生成フラグ176aに「1」がセットされている場合に生成契機カウンタ161kに「1」を格納し、第2区切り生成フラグ176bに「1」がセットされている場合に生成契機カウンタ161kに「2」を格納し、第3区切り生成フラグ176cに「1」がセットされている場合に生成契機カウンタ161kに「3」を格納し、ART終了時生成フラグ174に「1」がセットされている場合に生成契機カウンタ161kに「4」を格納し、エンディング終了時生成フラグ175に「1」がセットされている場合に生成契機カウンタ161kに「5」を格納し、途中生成フラグ177に「1」がセットされている場合に生成契機カウンタ161kに「6」を格納する。
その後、履歴構成データの設定処理を行う(ステップS5112)。履歴構成データの設定処理では、今回生成した履歴構成データを画像再生用記憶エリア94cに記憶する。ステップS5112では、演出側RAM94におけるART終了時生成フラグ174、エンディング終了時生成フラグ175、及び第1~第3区切り生成フラグ176a~176cのいずれかに「1」がセットされている場合、画像再生用記憶エリア94cにおいて、演出側RAM94における書き込みポインタ162の値に対応する再生用記憶エリアRDn(nは0~30のいずれかの整数)をクリアするとともに、構成データ記憶エリア161に設定されている履歴構成データを当該再生用記憶エリアRDnに設定する。既に説明したとおり、各再生用記憶エリアRDnには、当該再生用記憶エリアRDnに格納されている履歴構成データに対応する履歴画像G23を画像表示装置63に表示可能であるか否かを演出側MPU92にて把握可能とする表示可能フラグが設けられている。再生用記憶エリアRDnに履歴構成データを記憶した場合には、当該再生用記憶エリアRDnの表示可能フラグに「1」をセットする。これにより、再生用記憶エリアRDnに記憶された履歴構成データに対応する履歴画像G23を画像表示装置63に表示することが可能な状態となる。
図81(a)を参照しながら既に説明したとおり、演出側RAM94には、消去の対象から除外される再生用記憶エリアRDnを把握可能とする第1保護対象カウンタ163及び第2保護対象カウンタ164が設けられている。ステップS5112にて再生用記憶エリアRDnに記憶された履歴構成データの履歴ポイントが第2保護対象カウンタ164における履歴ポイント以上の値である場合には、これまで履歴ポイントが2番目に高かった履歴構成データが記憶されている再生用記憶エリアRDnが保護対象から外れるとともに、今回の履歴構成データが記憶された再生用記憶エリアRDnが保護対象に設定される。
履歴構成データの設定処理(ステップS5112)では、その後、書き込みポインタ162の値を1加算して更新する。当該1加算後の書き込みポインタ162の値が保護対象の再生用記憶エリアRDnに対応する値である場合には、書き込みポインタ162の値をさらに更新する。また、当該1加算後の書き込みポインタ162の値が書き込みポインタ162の最大値である「30」を超える場合には書き込みポインタ162の値を「0」クリアする。履歴構成データの設定処理(ステップS5112)では、書き込みポインタ162の値を更新した後、構成データ記憶エリア161をクリアする。
履歴構成データの設定処理(ステップS5112)では、演出側RAM94における途中生成フラグ177に「1」がセットされている場合、画像再生用記憶エリア94cにおける第31再生用記憶エリアRD31をクリアするとともに、構成データ記憶エリア161に設定されている履歴構成データを当該第31再生用記憶エリアRD31に設定する。その後、構成データ記憶エリア161をクリアする。
履歴構成データの生成処理(図85)では、履歴構成データの設定処理(ステップS5112)を実行した後、演出側RAM94におけるART終了時生成フラグ174又はエンディング終了時生成フラグ175に「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS5113)。ステップS5113にて肯定判定を行った場合には、遊技履歴データのクリア処理を実行する(ステップS5114)。遊技履歴データのクリア処理(ステップS5114)では、履歴記憶用エリア94bにおける第0~第5履歴用記憶エリアRA0~RA5及び第7~第15履歴用記憶エリアRA7~RA15をクリアする。これにより、ART当選の発生回数を示す遊技履歴データを除いて、履歴記憶用エリア94bに記憶されている遊技履歴データが「0」クリアされる。
一方、ステップS5113にて否定判定を行った場合には、演出側RAM94における途中生成中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS5115)。ステップS5115にて肯定判定を行った場合には、演出側RAM94に設けられた途中生成終了フラグに「1」をセットする(ステップS5116)。途中生成終了フラグは、履歴画像G23を途中生成するための操作が行われたことを契機として開始された履歴構成データの生成が終了したことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。
ステップS5114の処理を行った場合、ステップS5115にて否定判定を行った場合、又はステップS5116の処理を行った場合には、対応する生成フラグを「0」クリアして(ステップS5117)、本履歴構成データの生成処理を終了する。ステップS5117では、ART終了時生成フラグ174に「1」がセットされている場合には当該ART終了時生成フラグ174を「0」クリアし、エンディング終了時生成フラグ175に「1」がセットされている場合には当該エンディング終了時生成フラグ175を「0」クリアし、途中生成フラグ177に「1」がセットされている場合には当該途中生成フラグ177を「0」クリアし、第1~第3区切り生成フラグ176a~176cのいずれかに「1」がセットされている場合には当該「1」がセットされている区切り生成フラグ176a~176cを「0」クリアする。
次に、演出側MPU92にて実行されるゲーム開始対応処理について図94のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ゲーム開始対応処理は、演出側MPU92が主側MPU72からゲーム開始コマンドを受信した場合に、履歴画像用処理(図82)のステップS4804において実行される。
ゲーム開始対応処理では、まず履歴用表示を実行中であるか否かを判定する(ステップS5601)。ステップS5601では、画像表示装置63において履歴画像G23、後述する履歴メニュー画面、モード選択画面、見出しリスト及びランキング画面のいずれかを表示している状態である場合に肯定判定を行う。演出側RAM94には、履歴画像表示中フラグ、モード選択中フラグ、見出しリスト表示中フラグ及びランキング表示中フラグが設けられている。履歴画像表示中フラグは、画像表示装置63に履歴画像G23が表示されている状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグであり、モード選択中フラグは、画像表示装置63にモード選択画面が表示されている状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグであり、見出しリスト表示中フラグは、画像表示装置63において見出しリスト表示が行われている状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグであり、ランキング表示中フラグは、画像表示装置63にランキング画面が表示されている状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。ステップS5601では、これらのフラグのいずれかに「1」がセットされている場合に肯定判定が行われる。
ステップS5601にて肯定判定を行った場合には、履歴用表示の終了処理を実行する(ステップS5602)。履歴用表示の終了処理では、表示用設定エリア113に設定されている履歴画像G23、後述する履歴メニュー画面、モード選択画面、見出しリスト及びランキング画面のいずれかを表示するための表示用データをクリアする。これにより、画像表示装置63にて行われていた履歴画像G23、履歴メニュー画面、モード選択画面、見出しリスト及びランキング画面のいずれかの表示が終了する。
その後、履歴用表示のフラグクリア処理を実行する(ステップS5603)。履歴用表示のフラグクリア処理では、演出側RAM94における履歴画像表示中フラグ、モード選択中フラグ、見出しリスト表示中フラグ及びランキング表示中フラグのうち「1」がセットされているフラグを「0」クリアする。その後、演出側RAM94に設けられた履歴操作有効フラグを「0」クリアする(ステップS5604)。履歴操作有効フラグは、演出用操作装置64の操作に基づいて履歴画像表示を行うための各種選択を行うことが可能な状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。履歴操作有効フラグに「1」がセットされている状態は、演出用操作装置64の操作に基づいて履歴画像表示を行うための各種選択を行うことが可能な状態に対応している。演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信したことに基づいて履歴操作有効フラグを「0」クリアすることにより、ゲームの演出中に履歴画像表示を行うための各種選択ができない状態とすることができる。
ステップS5601にて否定判定を行った場合、又はステップS5604の処理を行った場合には、演出側RAM94に設けられたポップ表示カウンタの値が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS5605)。本スロットマシン10では、ART状態ST6の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、有利区間SC2のエンディング演出の終了を契機として履歴構成データが生成された場合、及びART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が所定の区切り数(具体的には「1000」、「2000」、又は「3000」)に到達したことを契機として履歴構成データが生成された場合には、新たな履歴画像G23が表示可能となったことを示すポップ画像が画像表示装置63に表示される。具体的には、画像表示装置63の右側下部に「履歴画像が表示可能となりました」という文字を含むポップ画像が表示される。これにより、新たな履歴画像G23が表示可能となったことを遊技者に認識させることができる。ポップ表示は、対応する履歴画像表示が行われた場合に終了する。また、ポップ表示は、対応する履歴画像表示が行われることなく3ゲームが行われた場合にも終了する。ポップ表示カウンタは、ポップ表示が開始されてから3ゲームが行われたか否かを演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。ポップ表示カウンタには、ポップ表示が開始されるタイミングで「3」がセットされる。
ステップS5605にて肯定判定を行った場合には、ポップ表示カウンタの値を1減算する(ステップS5606)。そして、当該1減算後のポップ表示カウンタの値が「0」となった場合(ステップS5607:YES)、ポップ表示の終了処理を実行する(ステップS5608)。当該終了処理では、表示用設定エリア113に設定されているポップ表示用の表示用データをクリアする。これにより、画像表示装置63にて行われていたポップ表示が終了する。
ステップS5605にて否定判定を行った場合、ステップS5607にて否定判定を行った場合、又はステップS5608の処理を行った場合には、現状の遊技状態が通常遊技状態ST1であるか否かを判定する(ステップS5609)。ステップS5609にて肯定判定を行った場合には、演出制御基板91におけるRTCから日時データ(具体的には、年月日情報及び時刻情報)を取得し(ステップS5610)、当該取得した日時データを演出側RAM94に設けられた基準時間カウンタにセットして(ステップS5611)、本ゲーム開始対応処理を終了する。本スロットマシン10では、通常遊技状態ST1において最後にスタートレバー41の操作が行われてから演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することなく10分間が経過して遊技者の離席が予測される状態となった場合に履歴記憶モードの設定を解除する。演出側MPU92は、ステップS5611にて基準時間カウンタに設定された日時データを利用して、通常遊技状態ST1において最後にスタートレバー41の操作が行われてから10分間が経過したか否かを判定する。
次に、演出側MPU92にて実行される履歴画像用管理処理について図95のフローチャートを参照しながら説明する。なお、履歴画像用管理処理は、履歴画像用処理(図82)のステップS4805において実行される。
履歴画像用管理処理では、まず主側MPU72からOFF操作コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS5701)。既に説明したとおり、OFF操作コマンドは、第3停止に対応するストップボタン42~44のOFF操作が行われた場合に送信される。ステップS5701にて肯定判定を行った場合には、演出側RAM94における履歴操作有効フラグに「1」をセットする(ステップS5702)。これにより、演出用操作装置64の操作に基づいて履歴画像表示を行うための各種選択を行うことが可能な状態となる。
ステップS5701にて否定判定を行った場合、又はステップS5702の処理を行った場合には、終了演出対応処理を実行する(ステップS5703)。図96は終了演出対応処理を示すフローチャートである。
終了演出対応処理では、まず主側MPU72からART終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS5801)。ステップS5801にて肯定判定を行った場合には、演出側RAM94に設けられたART終了時生成フラグ174に「1」をセットする(ステップS5802)。これにより、既に説明した履歴構成データの生成処理(図85)のステップS5101にて肯定判定が行われて履歴構成データが生成されることとなる。
一方、ステップS5801にて否定判定を行った場合には、主側MPU72からエンディング終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS5803)。ステップS5803にて肯定判定を行った場合には、演出側RAM94に設けられたエンディング終了時生成フラグ175に「1」をセットする(ステップS5804)。これにより、既に説明した履歴構成データの生成処理(図85)のステップS5101にて肯定判定が行われて履歴構成データが生成されることとなる。
ステップS5802の処理を行った場合、又はステップS5804の処理を行った場合には、予告ポップ表示の開始処理を実行する(ステップS5805)。本スロットマシン10では、ART状態ST6の終了演出又はエンディング終了演出が実行されている間、これらの終了演出の終了後に新たな履歴画像G23が表示可能となることを予告する予告ポップ表示が画像表示装置63において行われる。予告ポップ表示では、画像表示装置63の右側下部に「履歴画像準備中」という文字を含む予告ポップ画像が表示される。予告ポップ表示の開始処理(ステップS5805)では、予告ポップ画像を画像表示装置63に表示させるための表示用データを表示用設定エリア113に設定する。これにより、画像表示装置63の右側下部に予告ポップ画像が表示される。予告ポップ表示を行うことにより、ART状態ST6の終了演出又はエンディング終了演出が終了した後に履歴画像G23が表示可能となることを遊技者に認識させて、新たに生成される履歴構成データに対応する履歴画像G23を表示するための操作が行われる可能性を高めることができる。
その後、演出側RAM94に設けられた予告表示中フラグに「1」をセットする(ステップS5806)。予告表示中フラグは、予告ポップ表示の実行中であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。その後、演出側RAM94における履歴操作有効フラグを「0」クリアして(ステップS5807)、本終了演出対応処理を終了する。履歴操作有効フラグを「0」クリアすることにより、演出用操作装置64の操作に基づいて履歴画像表示を行うための各種選択を行うことができない状態となる。
履歴画像用管理処理(図95)の説明に戻り、ステップS5703にて終了演出対応処理を実行した後、演出側RAM94における予告表示中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS5704)。ステップS5704にて肯定判定を行った場合には、画像表示装置63においてART状態ST6の終了演出又はエンディング終了演出と、予告ポップ表示とが行われている状態であることを意味するため、演出側RAM94における演出側演出用タイマカウンタの値を1減算して更新する(ステップS5705)。
その後、ステップS5705にて更新された後の演出側演出用タイマカウンタの値が「0」となったか否かを判定し(ステップS5706)、演出側演出用タイマカウンタの値が「0」となった場合(ステップS5706:YES)には、予告ポップ表示の終了処理を実行する(ステップS5707)。当該終了処理では、表示用設定エリア113に設定されている予告ポップ表示用の表示用データを削除する。これにより、画像表示装置63に予告ポップ画像が表示されなくなり、予告ポップ表示が終了する。その後、演出側RAM94における予告表示中フラグを「0」クリアし(ステップS5708)、演出側RAM94における履歴操作有効フラグに「1」をセットする(ステップS5709)。これにより、演出用操作装置64の操作に基づいて履歴画像表示を行うための各種選択を行うことが可能な状態となる。
その後、ポップ表示の開始処理を実行する(ステップS5710)。当該開始処理では、画像表示装置63にポップ画像を表示するための表示用データを表示用設定エリア113に設定する。これにより、画像表示装置63の右側下部に「履歴画像が表示可能となりました」という文字を含むポップ画像が表示されて、ポップ表示が開始される。その後、演出側RAM94におけるポップ表示カウンタに「3」をセットする(ステップS5711)。
ステップS5704にて否定判定を行った場合、ステップS5706にて否定判定を行った場合、又はステップS5711の処理を行った場合には、現状の遊技状態が通常遊技状態ST1であるか否かを判定する(ステップS5712)。ステップS5712にて肯定判定を行った場合には、演出制御基板91におけるRTC(図示略)から現状の日時データ(具体的には、年月日情報及び時刻情報)を取得し(ステップS5713)、当該取得した日時データと、演出側RAM94における基準時間カウンタにセットされている日時データとに基づいて、最後にスタートレバー41の操作が行われてから10分間が経過したか否かを判定する(ステップS5714)。
ステップS5714にて肯定判定を行った場合には、表示可能フラグのクリア処理を実行する(ステップS5715)。当該クリア処理では、画像再生用記憶エリア94cの各再生用記憶エリアRD0~RD31に設けられている表示可能フラグのうち「1」がセットされている表示可能フラグを全て「0」クリアする。これにより、これまでに生成されて第0~第31再生用記憶エリアRD0~RD31に記憶された履歴構成データに対応する履歴画像G23を選択して画像表示装置63に表示させることができなくなる。通常遊技状態ST1において最後にスタートレバー41の操作が行われてから演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することなく10分間が経過して遊技者の離席が予測される状態となった場合には、当該状態が発生する以前に生成されて第0~第31再生用記憶エリアRD0~RD31に記憶された履歴構成データに対応する履歴画像G23を選択して画像表示装置63に表示させることができなくなる。これにより、本人以外の遊技者の過去の履歴画像G23を参考にして設定値を推測する行為を防止することができる。
遊技者の離席が予測される状態となった場合にそれまでに記憶されていた履歴構成データに対応する履歴画像G23は表示できなくなるものの、第0~第31再生用記憶エリアRD0~RD31に記憶されている履歴構成データは削除されずに残る。また、既に説明したとおり、画像再生用記憶エリア94cは本スロットマシン10の電源遮断後にバックアップ電力が供給される記憶エリアであるため、本スロットマシン10の電源がOFF状態であることで演出側MPU92への動作電力の供給が停止されている状況であっても画像再生用記憶エリア94cにおいて情報の記憶保持が行われる。このため、新たに履歴構成データが生成される場合にこれらの履歴構成データに含まれる文言指定データと同一の文言指定データが選択される可能性を低減することができる。これにより、過去に見たことのない文言画像G25~G27を含む履歴画像G23が表示される可能性を高めることが可能となっている。
その後、遊技履歴データのクリア処理を実行する(ステップS5716)。遊技履歴データのクリア処理では、履歴構成データの生成処理(図85)のステップS5114における遊技履歴データのクリア処理と同様に、履歴記憶用エリア94bにおける第0~第5履歴用記憶エリアRA0~RA5及び第7~第15履歴用記憶エリアRA7~RA15をクリアする。このように、通常遊技状態ST1において最後にスタートレバー41の操作が行われてから演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することなく10分間が経過して遊技者の離席が予測される状態となった場合には、ART当選の発生回数を示す遊技履歴データを除いて、履歴記憶用エリア94bに記憶されている遊技履歴データが「0」クリアされる。これにより、次に着席する遊技者の遊技履歴データと、当該遊技者よりも前に着席していた遊技者の遊技履歴データとが混合されてしまうことを防止することができる。その後、演出側RAM94における履歴記憶フラグ158を「0」クリアする(ステップS5117)。これにより、遊技履歴モードが解除される。
その後、演出側RAM94におけるポップ表示カウンタの値が「1」以上であるか否かを判定し(ステップS5118)、ポップ表示カウンタの値が「1」以上である場合(ステップS5118:YES)には、ポップ表示の終了処理を実行する(ステップS5119)。当該終了処理では、ゲーム開始処理(図94)のステップS5608と同様に、表示用設定エリア113に設定されているポップ表示用の表示用データをクリアする。これにより、画像表示装置63にて行われていたポップ表示が終了する。その後、演出側RAM94におけるポップ表示カウンタを「0」クリアして(ステップS5720)、本履歴画像用管理処理を終了する。
次に、演出側MPU92にて実行される表示操作対応処理(図98)の説明に先立ち、画像表示装置63に表示される履歴メニュー画面について説明する。履歴メニュー画面は、演出側RAM94における演出操作有効フラグに「1」がセットされている状況において演出用操作装置64の中央ボタン64aが操作された場合に画像表示装置63に表示される。
図97は画像表示装置63に表示される履歴メニュー画面の表示内容を説明するための説明図である。図97に示すように、履歴メニュー画面には、6つの項目画像G32~G37と、当該項目画像G32~G37を選択可能とするカーソル画像G38とが表示される。演出側RAM94には、画像表示装置63においてカーソルにより選択されている項目を演出側MPU92にて把握可能とするカーソル位置カウンタが設けられている。カーソル位置カウンタの値は、画像表示装置63に表示されている項目と1対1で対応しており、演出用操作装置64の上ボタン64b又は下ボタン64cの操作に基づいて更新される。遊技者は、演出用操作装置64の上ボタン64b又は下ボタン64cを操作することにより画像表示装置63上でカーソル画像G38により選択されている項目を変更し、中央ボタン64aを操作することにより当該項目の選択を確定させることができる。なお、画像表示装置63に表示されている画面が切り替わる場合、カーソル位置カウンタの最大値は画像表示装置63に表示されている項目の数に合わせて変更される。
画像表示装置63に履歴メニュー画面が表示されている場合において、カーソル位置カウンタの値が「0」である状態は「モード選択」と言う項目が選択されている状態に対応しており、カーソル位置カウンタの値が「1」である状態は「最新の履歴画像を表示」という項目が選択されている状態に対応しており、カーソル位置カウンタの値が「2」である状態は「過去の履歴画像を表示」という項目が選択されている状態に対応しており、カーソル位置カウンタの値が「3」である状態は「履歴画像の途中生成」という項目が選択されている状態に対応しており、カーソル位置カウンタの値が「4」である状態は「ランキング表示」という項目が選択されている状態に対応しており、カーソル位置カウンタの値が「5」である状態は「履歴メニューを閉じる」という項目が選択されている状態に対応している。画像表示装置63に履歴メニュー画面が表示されている場合、各項目の選択は、中央ボタン64aが操作されることにより確定する。
次に、演出側MPU92にて実行される表示操作対応処理について図98のフローチャートを参照しながら説明する。なお、表示操作対応処理は履歴画像表示用(図82)のステップS4806にて実行される。
表示操作対応処理では、まず演出側RAM94における履歴操作有効フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS5901)。ステップS5901にて否定判定を行った場合には、演出用操作装置64の操作に対応する処理を実行することなく、そのまま本表示操作対応処理を終了する。
一方、ステップS5901にて肯定判定を行った場合には、演出側RAM94に設けられたメニュー表示中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS5902)。メニュー表示中フラグは、画像表示装置63にて履歴メニュー画面(図97)の表示が行われている状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。ステップS5902にて肯定判定を行った場合には、選択対応処理を実行して(ステップS5903)、本表示操作対応処理を終了する。図99は選択対応処理を示すフローチャートである。
選択対応処理では、まずカーソル更新処理を実行する(ステップS6001)。カーソル更新処理では、演出用操作装置64における上ボタン64b又は下ボタン64cの操作が検出された場合、演出側RAM94におけるカーソル位置カウンタの値を更新するとともに、当該更新後のカーソル位置カウンタの値に対応する位置にカーソル画像G38が表示されるように、表示用設定エリア113に設定されている表示用データを更新する。
その後、演出用操作装置64における中央ボタン64aの操作が検出されたか否かを判定する(ステップS6002)。ステップS6002にて肯定判定を行った場合には、履歴メニュー画面(図97)におけるいずれかの項目の選択が確定したことを意味するため、履歴メニュー表示の終了処理を実行する(ステップS6003)。当該終了処理では、表示用設定エリア113に設定されている履歴メニュー画面を表示するための表示用データをクリアする。これにより、画像表示装置63に履歴メニュー画面が表示されなくなる。
その後、演出側RAM94におけるメニュー表示中フラグを「0」クリアする(ステップS6004)。これにより、履歴メニュー画面の表示が終了したことを演出側MPU92にて把握可能となる。その後、演出側RAM94におけるカーソル位置カウンタの値が「0」である場合(ステップS6005:YES)には、モード選択開始用処理を実行して(ステップS6006)、本選択対応処理を終了する。
モード選択開始用処理(ステップS6006)では、履歴記憶モードの設定及び解除を選択するためのモード選択画面を画像表示装置63に表示させるための処理を行う。具体的には、モード選択画面を表示するための表示用データを表示用設定エリア113にセットする。これにより、画像表示装置63にモード選択画面が表示される。モード選択画面では、「履歴記憶モードの設定」及び「履歴記憶モードの解除」の2つの項目が選択可能となる。また、モード選択開始用処理(ステップS6006)では、演出側RAM94に設けられたモード選択中フラグに「1」をセットする。既に説明したとおり、モード選択中フラグは、画像表示装置63にモード選択画面が表示されている状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。モード選択中フラグに「1」がセットされることにより、表示操作対応処理(図98)のステップS5904にて肯定判定が行われて、モード選択中処理(ステップS5905)が実行されることとなる。図100はモード選択中処理を示すフローチャートである。
モード選択中処理では、まずカーソル更新処理を実行する(ステップS6101)。カーソル更新処理では、選択対応処理(図99)のステップS6001におけるカーソル更新処理と同様に、演出用操作装置64における上ボタン64b又は下ボタン64cの操作が検出された場合、演出側RAM94におけるカーソル位置カウンタの値を更新するとともに、当該更新後のカーソル位置カウンタの値に対応する位置にカーソル画像G38が表示されるように、表示用設定エリア113に設定されている表示用データを更新する。
その後、履歴記憶モードを選択する操作が行われたか否かを判定する(ステップS6102)。ステップS6102にて肯定判定を行った場合には、演出側RAM94における履歴記憶フラグ158に「1」をセットする(ステップS6103)。これにより、遊技履歴モードに設定されて、履歴記憶用エリア94bに遊技履歴データが記憶される状態となる。
一方、ステップS6102にて否定判定を行った場合には、履歴記憶モードを解除する操作が行われたか否かを判定する(ステップS6104)。ステップS6104にて肯定判定を行った場合には、履歴記憶フラグ158を「0」クリアする(ステップS6105)。これにより、遊技履歴モードの設定が解除されて、履歴記憶用エリア94bに遊技履歴データが記憶されない状態となる。
その後、遊技履歴データのクリア処理を実行する(ステップS6106)。遊技履歴データのクリア処理では、履歴構成データの生成処理(図85)のステップS5114における遊技履歴データのクリア処理と同様に、履歴記憶用エリア94bにおける第0~第5履歴用記憶エリアRA0~RA5及び第7~第15履歴用記憶エリアRA7~RA15をクリアする。このように、履歴記憶モードの設定が解除された場合には、ART当選の発生回数を示す遊技履歴データを除いて、それまでに履歴記憶用エリア94bに記憶されていた遊技履歴データがクリアされる。
ステップS6103の処理を行った場合、又はステップS6106の処理を行った場合には、モード選択画面表示の終了処理を実行する(ステップS6107)。当該終了処理では、表示用設定エリア113に設定されているモード選択画面を表示するための表示用データをクリアする。これにより、画像表示装置63にモード選択画面が表示されなくなる。その後、演出側RAM94におけるモード選択中フラグを「0」クリアして(ステップS6108)、本モード選択中処理を終了する。これにより、画像表示装置63において行われていたモード選択画面の表示が終了したことを演出側MPU92にて把握可能とすることができる。
選択対応処理(図99)の説明に戻り、ステップS6005にて否定判定を行った場合には、演出側RAM94におけるカーソル位置カウンタの値が「1」であるか否かを判定する(ステップS6007)。ステップS6007にて肯定判定を行った場合には、履歴メニュー画面(図97)において「最新の履歴画像を表示」という項目が選択されたことを意味するため、画像再生用記憶エリア94cに記憶されている32個の履歴構成データの中から最新の履歴構成データを把握する(ステップS6008)。ステップS6008では、各再生用記憶エリアRD0~RD31に記憶されている履歴構成データに設定されている日時データを比較し、最も新しい日時データが設定されている再生用記憶エリアRDn(nは0~31のいずれかの整数)を把握する。
その後、ステップS6008にて把握した再生用記憶エリアRDn(nは0~31のいずれかの整数)における表示可能フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS6009)。既に説明したとおり、再生用記憶エリアRDnに履歴構成データが記憶された後、通常遊技状態ST1において最後にスタートレバー41の操作が行われてから演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することなく10分間が経過して遊技者の離席が予測される状態となった場合には、各再生用記憶エリアRDnの表示可能フラグが「0」クリアされる。ステップS6009にて否定判定を行った場合には、最新の履歴画像G23を画像表示装置63に表示するための処理(ステップS6010~ステップS6012の処理)を実行することなく、本選択対応処理を終了する。
このように、再生用記憶エリアRDnに履歴構成データが記憶された後、通常遊技状態ST1において最後にスタートレバー41の操作が行われてから演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することなく10分間が経過して遊技者の離席が予測される状態となった場合には、各再生用記憶エリアRDnに記憶されていた履歴構成データに対応する履歴画像G23を選択して画像表示装置63に表示させることができなくなる。
一方、ステップS6009にて肯定判定を行った場合には、ステップS6008にて把握した履歴構成データに基づいて、画像表示装置63に履歴画像G23を表示するための表示用データを生成する(ステップS6010)。そして、当該生成した表示用データを表示用設定エリア113にセットする(ステップS6011)。これにより、画像表示装置63に履歴画像G23が表示される。その後、演出側RAM94における履歴画像表示中フラグに「1」をセットして(ステップS6012)、本選択対応処理を終了する。これにより、画像表示装置63に履歴画像G23が表示されている状態であることを演出側MPU92にて把握可能となる。
ステップS6007にて否定判定を行った場合には、演出側RAM94におけるカーソル位置カウンタの値が「2」であるか否かを判定する(ステップS6013)。ステップS6013にて肯定判定を行った場合には、履歴メニュー画面(図97)にて「過去の履歴画像を表示」という項目が選択されたことを意味するため、過去履歴選択開始用処理を実行する(ステップS6014)。
過去履歴選択開始用処理(ステップS6014)では、まず見出しリスト生成処理を実行する。本スロットマシン10では、履歴メニュー画面(図97)にて「過去の履歴画像を表示」という項目が選択された場合、画像表示装置63に表示可能な履歴画像G23の見出しリストが画像表示装置63に表示される。既に説明したとおり、画像表示装置63に表示可能な履歴画像G23とは、過去に生成されて画像再生用記憶エリア94cの再生用記憶エリアRD0~RD31に記憶されている履歴構成データのうち、表示可能フラグに「1」がセットされている履歴構成データに対応する履歴画像G23である。見出しリストは、履歴構成データにおける第1文言及び生成日時のリストである。見出しリスト生成処理では、画像表示装置63に見出しリストと、見出しリストにおける見出しを選択するためのカーソル画像G38とを表示するための表示用データを生成する。その後、当該生成した見出しリスト用の表示用データを表示用設定エリア113に設定する。これにより、画像表示装置63に見出しリスト及びカーソル画像G38が表示される。その後、演出側RAM94に設けられた見出しリスト表示中フラグに「1」をセットする。既に説明したとおり、見出しリスト表示中フラグは、画像表示装置63において見出しリスト表示が行われている状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。見出しリスト表示中フラグに「1」がセットされることにより、表示操作対応処理(図98)のステップS5906にて肯定判定が行われて、過去履歴選択用処理(ステップS5907)が実行されることとなる。図101は過去履歴選択用処理を示すフローチャートである。
過去履歴選択用処理では、まずカーソル更新処理を実行する(ステップS6201)。カーソル更新処理では、選択対応処理(図99)のステップS6001におけるカーソル更新処理と同様に、演出用操作装置64における上ボタン64b又は下ボタン64cの操作が検出された場合、演出側RAM94におけるカーソル位置カウンタの値を更新するとともに、当該更新後のカーソル位置カウンタの値に対応する位置にカーソル画像G38が表示されるように、表示用設定エリア113に設定されている表示用データを更新する。
その後、演出用操作装置64における中央ボタン64aの操作が検出されたか否かを判定する(ステップS6202)。ステップS6202にて肯定判定を行った場合には、画像表示装置63においていずれかの選択を確定させる操作が行われたことを意味するため、見出しリスト表示の終了処理を実行する(ステップS6203)。当該終了処理では、表示用設定エリア113に設定されている見出しリスト表示用の表示用データ及びカーソル画像表示用の表示用データを削除する。これにより、画像表示装置63に見出しリスト及びカーソル画像G38が表示されなくなる。その後、演出側RAM94における見出しリスト表示中フラグを「0」クリアする(ステップS6204)。これにより、見出しリスト表示が終了したことを演出側MPU92にて把握可能となる。
その後、演出側RAM94におけるカーソル位置カウンタの値に基づいていずれかの見出しが選択されたか否かを判定する(ステップS6205)。ステップS6205では、過去のいずれかの履歴構成データに対応する見出しが選択された場合に肯定判定を行うとともに、履歴メニュー画面に戻るための選択が行われた場合に否定判定を行う。ステップS6205にて否定判定を行った場合には、表示操作対応処理(図98)のステップS5913~ステップS5916の処理を実行する。なお、ステップS5913~ステップS5916の処理の内容については後述する。
一方、ステップS6205にて肯定判定を行った場合には、カーソル位置カウンタの値に基づいて選択された見出しを把握するとともに(ステップS6206)、当該把握した見出しに対応する履歴構成データを把握する(ステップS6207)。ステップS6207では、具体的には、画像再生用記憶エリア94cにおいてステップS6206にて把握された見出しに対応する履歴構成データが記憶されている再生用記憶エリアRD0~RD31を把握する。
その後、ステップS6207にて把握した履歴構成データに対応する履歴画像G23を画像表示装置63に表示するための表示用データを生成する(ステップS6208)。そして、当該生成した表示用データを表示用設定エリア113にセットする(ステップS6209)。これにより、画像表示装置63に今回選択された過去の履歴構成データに対応する履歴画像G23が表示される。
その後、演出側RAM94における履歴画像表示中フラグに「1」をセットして(ステップS6210)、本過去履歴選択用処理を終了する。これにより、画像表示装置63に履歴画像G23が表示されている状態であることを演出側MPU92にて把握可能となる。
選択対応処理(図99)の説明に戻り、ステップS6013にて否定判定を行った場合には、演出側RAM94におけるカーソル位置カウンタの値が「3」であるか否かを判定する(ステップS6015)。ステップS6015にて肯定判定を行った場合には、「履歴画像の途中生成」という項目が選択されたことを意味するため、演出側RAM94における途中生成フラグ177に「1」をセットして(ステップS6016)、本選択対応処理を終了する。途中生成フラグ177に「1」がセットされることにより、既に説明した履歴構成データの生成処理(図85)のステップS5101にて肯定判定が行われて、履歴構成データが生成されることとなる。既に説明したとおり、履歴構成データの生成処理(図85)では、演出側RAM94における途中生成フラグ177に「1」がセットされていることに基づいて履歴構成データが生成された場合、ステップS5113にて否定判定が行われるとともに、ステップS5115にて肯定判定が行われて、演出側RAM94における途中生成終了フラグに「1」がセットされる(ステップS5116)。
履歴画像用処理(図82)の説明に戻り、ステップS4807にて履歴構成データの生成処理を実行した後、演出側RAM94における途中生成終了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4808)。既に説明したとおり、途中生成終了フラグは、履歴画像G23を途中生成するための操作が行われたことを契機として開始された履歴構成データの生成が終了したことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。ステップS4808にて肯定判定を行った場合には、途中生成の履歴画像表示処理(ステップS4809~ステップS4813の処理)を実行する。具体的には、まず第31再生用記憶エリアRD31に記憶されている履歴構成データを把握する(ステップS4809)。既に説明したとおり、第31再生用記憶エリアRD31は、「履歴画像の途中生成」という項目が選択されたことに基づいて生成された履歴構成データが設定されるエリアである。
その後、ステップS4809にて把握した履歴構成データに基づいて、画像表示装置63に履歴画像G23を表示するための表示用データを生成する(ステップS4810)。そして、当該生成した表示用データを表示用設定エリア113にセットする(ステップS4811)。これにより、画像表示装置63に履歴画像G23が表示される。その後、演出側RAM94における履歴画像表示中フラグに「1」をセットする(ステップS4812)。これにより、画像表示装置63に履歴画像G23が表示されている状態であることを演出側MPU92にて把握可能となる。その後、演出側RAM94における途中生成終了フラグを「0」クリアして(ステップS4813)、本履歴画像用処理を終了する。
選択対応処理(図99)の説明に戻り、ステップS6015にて否定判定を行った場合には、演出側RAM94におけるカーソル位置カウンタの値が「4」であるか否かを判定する(ステップS6017)。ステップS6017にて否定判定を行った場合には、カーソル位置カウンタの値が「5」であり履歴メニュー画面(図97)において「履歴メニューを閉じる」という項目が選択されたことを意味するため、そのまま本選択対応処理を終了する。
一方、ステップ6017にて肯定判定を行った場合には、履歴メニュー画面(図97)において「ランキング表示」という項目が選択されたことを意味するため、ランキング生成処理を実行する(ステップS6018)。本スロットマシン10では、「ランキング表示」という項目が選択された場合、画像再生用記憶エリア94cに記憶されている32個の履歴構成データの情報が履歴ポイントの高い順に並べられたランキング画面が表示される。ランキング画面には、各履歴構成データの第1文言と、履歴ポイントと、ランクと、生成日時が表示される。ランキング生成処理(ステップS6018)では、ランキング画面を画像表示装置63に表示するための表示用データを生成する。
その後、ランキング表示の開始処理を実行する(ステップS6019)。当該開始処理では、ステップS6018にて生成した表示用データを表示用設定エリア113に設定する。これにより、画像表示装置63にランキング画面が表示される。その後、演出側RAM94に設けられたランキング表示中フラグに「1」をセットして(ステップS6020)、本選択対応処理を終了する。既に説明したとおり、ランキング表示中フラグは、画像表示装置63にランキング画面が表示されている状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。
表示操作対応処理(図98)の説明に戻り、ステップS5906にて否定判定を行った後、演出側RAM94におけるランキング表示中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS5908)。ステップS5908にて肯定判定を行った場合には、ランキング表示中処理を実行する(ステップS5909)。ランキング表示中処理では、演出用操作装置64における中央ボタン64aの操作が検出されたか否かを判定し、当該中央ボタン64aの操作が検出された場合には、画像表示装置63におけるランキング表示を終了するための処理を実行する。具体的には、表示用設定エリア113に設定されているランキング画面を表示するための表示用データをクリアする。これにより、画像表示装置63にランキング画面が表示されなくなる。その後、演出側RAM94におけるランキング表示中フラグを「0」クリアする。これにより、ランキング表示が終了したことを演出側MPU92にて把握可能とすることができる。
ステップS5908にて否定判定を行った場合には、演出側RAM94におけるポップ表示カウンタの値が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS5910)。ステップS5910にて肯定判定を行った場合、すなわち画像表示装置63においてポップ表示が行われている状況である場合には、演出用操作装置64における下ボタン64cの操作が検出されたか否かを判定する(ステップS5911)。
ステップS5910にて否定判定を行った場合、又はステップS5911にて否定判定を行った場合には、演出用操作装置64における中央ボタン64aの操作が検出されたか否かを判定する(ステップS5912)。ステップS5912にて肯定判定を行った場合には、画像表示装置63に履歴メニュー画面(図97)を表示するための処理(ステップS5913~ステップS5916)を実行する。また、既に説明したとおり、過去履歴選択用処理(図101)のステップS6205にて否定判定が行われた場合にもステップS5913~ステップS5916の処理を実行する。
具体的には、まず演出側RAM94におけるカーソル位置カウンタの値を「0」クリアする(ステップS5913)。その後、演出側RAM94におけるカーソル最大値カウンタに「5」の数値情報をセットする(ステップS5914)。これにより、カーソル位置カウンタの値が「5」となる。
その後、履歴メニュー表示の開始処理を実行する(ステップS5915)。当該開始処理では、画像表示装置63に履歴メニュー画面を表示するための表示用データと、カーソル画像G38を表示するための表示用データとを演出側ROM93から読み出して表示用設定エリア113に設定する。これにより、画像表示装置63に履歴メニュー画面及びカーソル画像G38が表示される。その後、演出側RAM94におけるメニュー表示中フラグに「1」をセットして(ステップS5916)、本表示操作対応処理を終了する。メニュー表示中フラグに「1」がセットされることにより、画像表示装置63に履歴メニュー画面(図97)が表示されている状態であることを演出側MPU92にて把握可能となる。
ステップS5911にて肯定判定を行った場合、すなわち画像表示装置63においてポップ表示が行われている状況において演出用操作装置64における下ボタン64cの操作が検出された場合(ステップS5911:YES)には、ポップ表示の終了処理を実行する(ステップS5917)。当該終了処理では、ゲーム開始対応処理(図94)のステップS5608と同様に、表示用設定エリア113に設定されているポップ表示用の表示用データをクリアする。これにより、画像表示装置63にて行われていたポップ表示が終了する。
その後、演出側RAM94におけるポップ表示カウンタを「0」クリアして(ステップS5918)、選択対応処理(図99)のステップS6008に進み、ステップS6008~ステップS6012の処理を実行する。既に説明したとおり、最新の履歴構成データが記憶されている再生用記憶エリアRDn(nは0~31のいずれかの整数)における表示可能フラグに「1」がセットされている場合(ステップS6009:YES)には、画像表示装置63に最新の履歴構成データに対応する履歴画像G23が表示される。既に説明したとおり、表示可能フラグのクリア処理(履歴画像用管理処理(図95)のステップS5715)は、最後にスタートレバー41の操作が行われてから演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することなく10分間が経過して遊技者の離席が予測される状態となった場合に行われる。このため、画像表示装置63にてポップ表示が行われている状況において下ボタン64cの操作が行われた後、ステップS6008~ステップS6012の処理が実行されるまでの間に最新の履歴構成データが記憶されている再生用記憶エリアRDn(nは0~31のいずれかの整数)における表示可能フラグが「0」クリアされることはない。
このように、画像表示装置63においてポップ表示が行われている状況において下ボタン64cの操作が行われた場合には、履歴メニュー画面(図97)において「最新の履歴画像を表示」という項目を選択する操作を省略して画像表示装置63に最新の履歴画像G23を表示させることができる。最新の履歴画像G23を確認するための操作が簡略化されていることにより、履歴画像G23の確認が行われる可能性が高められている。
<遊技の履歴管理について>
次に、遊技の履歴を管理するとともにその管理結果を報知するために主側MPU72にて実行される管理用処理について図102のフローチャートを参照しながら説明する。なお、管理用処理はタイマ割込み処理(図12)におけるステップS214にて実行される。
1ゲームが新たに実行された場合(ステップS6301:YES)、演出側RAM94に設けられた合計ゲーム数カウンタ74aの値を1加算する(ステップS6302)。合計ゲーム数カウンタ74aは、遊技状態及び遊技区間に関係なく消化されたゲーム数を計測するためのカウンタである。合計ゲーム数カウンタ74aは3バイトからなり256の3乗から1減算した値を上限としてゲーム数を計測することが可能である。また、合計ゲーム数カウンタ74aの値はメイン処理(図11)においてステップS105のクリア処理が実行されない限り「0」クリアされない。したがって、遊技ホールにおける複数の営業日における累計のゲーム数を計測することが可能である。
1ゲームが新たに実行された場合であって(ステップS6301:YES)、有利区間SC2である場合(ステップS6303:YES)、合計ゲーム数カウンタ74aの値を1加算するだけではなく、演出側RAM94に設けられた有利ゲーム数カウンタ74bの値を1加算する(ステップS6304)。有利ゲーム数カウンタ74bは演出側RAM94において有利継続カウンタとは別に設けられており、有利区間SC2の初期化処理が実行されたとしても有利ゲーム数カウンタ74bは「0」クリアされない。したがって、通常区間SC1を間に挟んで有利区間SC2が複数回発生する場合、それら複数回の有利区間SC2において消化されたゲーム数の合計を有利ゲーム数カウンタ74bにて計測することが可能である。有利ゲーム数カウンタ74bは3バイトからなり256の3乗から1減算した値を上限としてゲーム数を計測することが可能である。また、有利ゲーム数カウンタ74bの値はメイン処理(図11)においてステップS105のクリア処理が実行されない限り「0」クリアされない。したがって、遊技ホールにおける複数の営業日において実行された有利区間SC2の累計のゲーム数を計測することが可能である。
ステップS6301にて否定判定をした場合、ステップS6303にて否定判定をした場合、又はステップS6304の処理を実行した場合、遊技履歴の管理結果を表示している状況であるか否かを判定する(ステップS6305)。遊技履歴の管理結果を表示している状況ではない場合(ステップS6305:NO)、遊技履歴の管理結果の表示指示が発生しているか否かを判定する(ステップS6306)。具体的には、スロットマシン10の動作電力が供給されている状況において前面扉12が開放されて電源装置54に設けられたリセットボタン56が操作されたか否かを判定する。既に説明したとおりリセットボタン56を操作しながらスロットマシン10の動作電力の供給が開始された場合にはメイン処理(図11)においてステップS105のクリア処理が実行されるが、スロットマシン10の動作電力が供給されている状況においてリセットボタン56が操作された場合には遊技履歴の管理結果の表示指示が発生したことになる。
遊技履歴の管理結果の表示指示が発生していると判定した場合(ステップS6306:YES)、合計ゲーム数カウンタ74aの値に対する有利ゲーム数カウンタ74bの値の割合を演算する(ステップS6307)。つまり、演算結果=「有利ゲーム数カウンタ74bの値」/「合計ゲーム数カウンタ74aの値」となるように演算を実行する。
その後、表示開始処理を実行する(ステップS6308)。表示開始処理ではステップS6307の演算結果の比率表示器85(図9)における表示を開始させる。この場合、比率表示部87に表示されている値が有利区間滞在比率であることを示す識別子「7U.」が識別子表示部86に表示されるようにする。具体的には、「7」が識別子表示部86における左側の7セグメント表示器86aに表示され、「U」が識別子表示部86における右側の7セグメント表示器86bに表示され、識別子用の補助表示部86cが点灯するように識別子表示部86を表示制御する。また、ステップS6307の演算結果を100倍した値のうち、10の位が比率表示部87における左側の7セグメント表示器87aに表示され、1の位が右側の7セグメント表示器87bに表示されるように比率表示部87を表示制御する。上記演算結果はパーセント表示として報知される。具体的には、上記演算結果を100倍した値が「35」であれば、比率表示部87における左側の7セグメント表示器87aでは「3」が表示され、右側の7セグメント表示器87bでは「5」が表示される。
但し、比率表示部87における2つの7セグメント表示器87a,87bのみによる表示の場合、上記演算結果を100倍した値が「100」の場合と「0」の場合とで比率表示部87における表示内容が同一となってしまう。そこで、上記演算結果を100倍した値が「100」の場合には比率表示部87における左側の7セグメント表示器87a及び右側の7セグメント表示器87bのそれぞれに「0」が表示されるだけではなく補助表示部87cが点灯状態とされ、上記演算結果を100倍した値が「0」の場合には比率表示部87における左側の7セグメント表示器87a及び右側の7セグメント表示器87bのそれぞれに「0」が表示されるだけではなく補助表示部87cが消灯状態とされる。
一方、遊技履歴の管理結果を表示している場合(ステップS6305:YES)、スタート検出センサ41a、ストップ検出センサ42a~44a、投入メダル検出センサ45a、クレジット投入検出センサ47a~49a及び精算検出センサ51aのいずれかからON信号を受信しているか否かを判定する(ステップS6309)。スタートレバー41が押圧操作されていることを示すON信号をスタート検出センサ41aから受信している場合、いずれかのストップボタン42~44が押圧操作されていることを示すON信号をいずれかのストップ検出センサ42a~44aから受信している場合、メダルが投入されたことを示すON信号を投入メダル検出センサ45aから受信している場合、いずれかのクレジット投入ボタン47~49が押圧操作されていることを示すON信号をいずれかのクレジット投入検出センサ47a~49aから受信している場合、又は精算ボタン51が押圧操作されたことを示すON信号を精算検出センサ51aから受信している場合、ステップS6309にて肯定判定をする。この場合、各ON信号が有効期間において発生したか否かに関係なくステップS6309にて肯定判定をする。
つまり、スタート検出センサ41aからのON信号の受信がリール32L,32M,32Rの回転開始契機となるか否かに関係なくステップS6309にて肯定判定をする。また、ストップ検出センサ42a~44aからのON信号の受信がリール32L,32M,32Rの回転停止契機となるか否かに関係なくステップS6309にて肯定判定をする。また、投入メダル検出センサ45aからのON信号の受信がベット設定又はクレジット増加の対象となるか否かに関係なくステップS6309にて肯定判定をする。また、クレジット投入検出センサ47a~49aからのON信号の受信がベット設定の対象となるか否かに関係なくステップS6309にて肯定判定をする。また、精算検出センサ51aからのON信号の受信がクレジットされた仮想メダルの精算契機となるか否かに関係なくステップS6309にて肯定判定をする。
ステップS6309にて肯定判定をした場合、表示終了処理を実行する(ステップS6310)。表示終了処理では、比率表示器85における上記演算結果の表示を終了させる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
通常遊技状態ST1では、1ゲーム中に第1契機~第6契機の発生に基づいて複数の演出が並行して実行される。当該複数の演出の組合せは膨大な数であり、予め当該複数の演出の全ての組合せに対応する演出テーブルを演出側ROM93に記憶しておく構成とすると、演出テーブルを記憶しておくための演出側ROM93の記憶容量が増大してしまう。これに対して、第1合成演出テーブル及び第2合成演出テーブルが生成されない場合、各種演出を実行するための各種演出テーブルが個別に読み出し用エリア94aの異なるレイヤLYn(nは0~11のいずれかの整数)に読み出され、各種演出テーブルに従って各種演出が並行して実行される。また、第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブルが生成される場合、第0レイヤLY0に読み出された通常用ベース演出テーブルに従って実行される通常用ベース演出と、第1レイヤLY1に読み出された第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブルに従って実行される。これにより、演出テーブルを記憶しておくための演出側ROM93の記憶容量が増大してしまうことを抑制しながら、実行可能な演出の組合せのバリエーションを増加させることが可能となっている。
第1合成演出テーブルが生成される場合、図柄変動演出テーブル、有効報知演出テーブル、左停止演出テーブル、右停止演出テーブル、リーチ報知演出テーブル、中停止演出テーブル、第1期待演出テーブル及び第2期待演出テーブルの演出用データが1つのレイヤLYn(具体的には第1レイヤLY1)に読み出される。また、第2合成演出テーブルが生成された場合、図柄変動演出テーブル、有効報知演出テーブル、左停止演出テーブル、右停止演出テーブル、長押し報知演出テーブル、中停止演出テーブル、第1期待演出テーブル、第2期待演出テーブル及び再変動演出テーブルの演出用データが1つのレイヤLYn(具体的には第1レイヤLY1)に読み出される。これにより、1ゲームにて読み出される演出テーブルの最大数が低減されており、読み出し用エリア94aにおけるレイヤLYnの数が低減されている。
演出側ROM93に記憶されている第1合成用テーブルは1種類であり、第1合成演出テーブルは、各ゲームにおいて実行対象となった各演出テーブルに設定されている演出用データを当該1種類の第1合成用テーブルに設定することにより作成される。また、演出側ROM93に記憶されている第2合成用テーブルは1種類であり、第2合成演出テーブルは、各ゲームにおいて実行対象となった各演出テーブルに設定されている演出用データを当該1種類の第2合成用テーブルに設定することにより作成される。第1合成演出テーブル及び第2合成演出テーブルを生成するために演出側ROM93に予め記憶しておく第1合成用テーブル及び第2合成用テーブルの種類がそれぞれ1種類であることにより、合成用テーブルを記憶しておくための演出側ROM93における記憶容量を低減することができる。
通常用ベース演出を実行するための通常用ベース演出テーブルは、第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブルが読み出される第1レイヤLY1とは異なる第0レイヤLY0に読み出される。このため、第1レイヤLY1における参照対象のポインタ情報がジャンプしたとしても、第0レイヤLY0における参照対象のポインタ情報には影響しない。これにより、通常用ベース演出における背景画像G4の表示及び通常用ベース音楽の出力を連続的に実行しながら、第1契機~第6契機の発生に対応させて各種演出を開始させることが可能となっている。
演出側ROM93に記憶されている5種類の第1期待演出テーブルと、5種類の第2期待演出テーブルとを組み合わせて第2合成演出テーブルを生成する構成であることにより、全ての組合せ(具体的には25種類)に対応する演出テーブルを予め記憶しておく構成と比較して、演出テーブルを記憶するための演出側ROM93における記憶容量が増大してしまうことを抑制しながら、第1期待演出及び第2期待演出の組合せのバリエーションを増加させることができる。
第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達するという条件と、第6契機が発生するという条件との両方が満たされたことに基づいて第2期待演出が開始される。第6契機の発生のみを条件として第2期待演出を開始される構成とすると、中停止演出の実行中に第6契機が発生した場合、第1期待演出よりも先に第2期待演出が開始されてしまう。第1期待演出にてボーナス当選の期待度が報知されるとともに第2期待演出にてボーナス当選が発生した場合におけるBB当選の期待度が報知される構成において、第1期待演出及び第2期待演出の順番が逆転してしまうと、遊技者に混乱を与えてしまうおそれがある。これに対して、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達するという条件と、第6契機が発生するという条件との両方が満たされたことに基づいて第2期待演出が開始される構成とすることにより、第1期待演出→第2期待演出の順番で第1期待演出及び第2期待演出を実行することが可能となっており、第1期待演出及び第2期待演出の順番が逆転してしまうことが防止されている。
第3停止に対応するストップボタン42~44のON操作からOFF操作までの期間が短く、第1期待演出の実行期間が所定の期間に達するよりも前のタイミングにおいて第6契機が発生した場合であっても、第1期待演出の実行期間として所定の期間(具体的には1秒間)を確保することができる。これにより、第1期待演出の内容が理解できないほどに第1期待演出の実行期間が短くなってしまうことを防止することができる。
第3停止に対応するストップボタン42~44のON操作からOFF操作までの期間が長く、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達した後のタイミングにおいて第6契機が発生した場合には、当該ストップボタン42~44のOFF操作が行われたことに基づいて、遅延を生じさせることなく第2期待演出を開始させることができる。これにより、遊技者に分かり易い態様で第3停止に対応するストップボタン42~44のOFF操作と第2期待演出の開始とを関連付けて遊技者の参加意識を高めることができる。よって、遊技の興趣向上を図ることができる。
第1期待演出の実行期間を所定の期間(具体的には1秒間)に亘って確保しつつ、第6契機が発生して場合に遅延を生じさせることなく第2期待演出を開始させる構成であることにより、第3停止に対応するストップボタン42~44のOFF操作を契機として第2期待演出が開始されたと遊技者に感じさせることができる。このため、遊技者は第3停止に対応するストップボタン42~44の長押しを行った後、第2期待演出が発生することを期待しながら当該ストップボタン42~44のOFF操作を行うこととなる。これにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
第2期待演出が行われるゲームでは、第1期待演出を実行するための演出用データと、第2期待演出を実行するための演出用データとを含む第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブルが生成され、当該第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブルが1つのレイヤ(具体的には第1レイヤLY1)に読み出される。第1期待演出テーブル及び第2期待演出テーブルが異なるレイヤLYnに読み出される構成とすると、第6契機の発生に基づいて第2期待演出テーブルの読み出しを行う場合に第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達しているか否かを演出側MPU92にて把握するための構成を設ける必要が生じてしまう。これに対して、第1期待演出を実行するための演出用データと、第2期待演出を実行するための演出用データとを含む第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブルを第1レイヤLY1に読み出す構成であることにより、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達しているか否かを演出側MPU92にて把握するための構成を不具備としながら、第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達するという条件と、第6契機が発生するという条件との両方が満たされた場合に第2期待演出を開始させることができる。これにより、第1期待演出の実行期間として所定の期間(具体的には1秒間)を確保するための構成を簡素化することが可能となっている。
第1期待演出の実行期間が所定の期間(具体的には1秒間)に達するという条件と、第6契機が発生するという条件との両方が満たされた場合、第2期待演出用の表示用データが表示用設定エリア113の第4演出用エリア113eに設定される。この場合において、第4演出用エリア113eに第1期待演出用の表示用データが残っている場合には、当該表示用データが削除されて第2期待演出用の表示用データが設定される。表示用設定エリア113において、第2期待演出用の表示用データが設定されるエリアとして、第1期待演出用の表示用データが設定されるエリアと同一のエリア(第4演出用エリア113e)が設定されていることにより、演出側MPU92が第1期待演出の進行状況を把握することを不要としながら、第2期待演出を開始させることが可能となっている。
読み出し用エリア94aにおいて中停止演出テーブルが読み出されるレイヤLYnは、リーチ報知演出の有無によって変動する。また、図柄変動演出テーブルの演出用データを含む演出テーブル、左停止演出テーブルの演出用データを含む演出テーブル、右停止演出テーブルの演出用データを含む演出テーブル、リーチ報知演出テーブルの演出用データを含む演出テーブル、長押し報知演出テーブルの演出用データを含む演出テーブル、中停止演出テーブルの演出用データを含む演出テーブル及び第1期待演出テーブルの演出用データを含む演出テーブルが読み出されるレイヤLYn(nは0~11のいずれかの整数)は、第1合成演出テーブル及び第2合成演出テーブルの生成の有無によって変動する。これらの演出テーブルには表示用データのアドレス情報に対応させて当該表示用データの設定先情報が設定されている。これにより、これらの演出テーブルの読み出し先が変動したとしても、表示用データの表示用設定エリア113における設定先が変動してしまうことを防止することができるとともに、画像表示装置63に表示される画像の前後関係が変動してしまうことを防止することができる。
第1期待演出テーブルの冒頭部分には演出用データが設定されていない空白領域が設けられているとともに、当該空白領域の後に第1期待演出を行うための演出用データが設定されている演出実行領域が設けられている。これにより、第2期待演出が実行されないゲームでは、第5契機の発生に基づいて中停止演出テーブル及び第1期待演出テーブルを読み出す構成としながら、中停止演出の実行中に第1期待演出が行われてしまうことを防止することができる。第2期待演出が実行されるゲームでは、第1期待演出テーブルの空白領域を除く演出実行領域が第1合成演出テーブル又は第2合成演出テーブルに設定される。これにより、中停止演出の終了タイミングにおいて遅延を生じさせることなく第1期待演出を開始することが可能となっている。
主側MPU72は、上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出の開始時に主側RAM74におけるフリーズカウンタに対して数値情報を設定しない。営業時間の終了が迫っている等の状況で先を急ぐ遊技者は、上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出の途中でスタートレバー41を操作することにより次のゲームを開始させることができる。上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出の実行中に演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信した場合、実行中であった上乗せメイン演出が終了するとともに、ゲーム開始コマンドを受信したことに基づいてART用ベース演出及びART用通常演出が開始される。また、上乗せサブ演出におけるゲージ増大表示が高速表示から低速表示に切り換えられて、上乗せサブ演出の表示が継続される。これにより、上乗せ当選の結果だけでなく当該上乗せ当選に対応する上乗せサブ演出を確認可能としながら、ゲーム開始コマンドの受信に基づいて、遅延を生じさせることなく、ART用ベース演出及びART用通常演出を開始させることできる。スタートレバー41の操作に基づいてART用ベース演出及びART用通常演出が開始された後、これらの演出と並行して上乗せサブ演出が継続して実行されることにより、上乗せメイン演出を省略して先を急いだ遊技者に対しても、上乗せサブ演出の全体を表示することができる。これにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
上乗せメイン演出の動画表示が途中で終了することなく最後まで実行されることにより上乗せゲーム数が示唆される。上乗せメイン演出が最後まで実行されて上乗せゲーム数が示唆された状態でゲージ増大表示が行われる場合、当該ゲージ増大表示は高速表示となる。これにより、上乗せゲーム数が示唆された後に行われるゲージ増大表示の実行期間を短縮し、遊技者の関心を早めに次のゲームに移すことができる。一方、上乗せメイン演出の動画表示が最後まで実行されることなく途中で終了した場合に行われるゲージ増大表示は低速表示となる。上乗せゲーム数が示唆されることなくゲージ増大表示が開始された場合、遊技者は、ゲージ表示部G19aに表示される単位ゲージ画像G22の数及び色の更新態様が「100」の上乗せゲーム数に対応する態様となるように期待しながらゲージ増大表示を見ることとなる。ゲージ増大表示が高速表示から低速表示に切り換えられることにより、関心の高いゲージ増大表示の表示期間を延ばして、遊技の興趣向上を図ることができる。
上乗せサブ演出が実行されている状況において演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信した場合、実行されていた上乗せサブ演出が終了するとともに、ART中上乗せコマンドを受信したことに基づく新たな上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出が開始される。実行中であった上乗せサブ演出が終了するまでART中上乗せコマンドを受信したことに基づく上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出の開始を待機する構成とすると、ART中上乗せコマンドを受信してから上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を開始するまでに遅延が生じてしまう。当該構成では、上乗せ当選が連続して発生して遅延が累積された場合に、上乗せ当選が発生したゲーム中に当該上乗せ当選に対応する上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を開始できない事態が生じてしまうおそれがある。これに対して本実施形態では、ART中上乗せコマンドを受信したことに基づいて遅滞なく上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を開始する構成である。これにより、上乗せ当選が連続して発生した場合においても、上乗せ当選が発生したゲーム中に当該上乗せ当選に対応する上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を開始できない事態が生じてしまう可能性を排除することができる。
上乗せサブ演出が実行されている状況において演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信した場合における上乗せサブ演出は、今回の上乗せ当選が発生するよりも前に連続して発生していた上乗せ当選の合計上乗せゲーム数に対応する態様で行われる。このため、ART中上乗せコマンドを受信した場合、ゲージ表示部G19aは、当該実行されていた上乗せサブ演出における最終的な数及び色の単位ゲージ画像G22が点滅表示されている状態となる。これにより、上乗せサブ演出に連続性を持たせることができるとともに、上乗せ当選が連続して発生していることの特別感を出すことができる。よって、遊技の興趣向上を図ることができる。また、実行中であった上乗せサブ演出を見ていた遊技者に対して当該上乗せサブ演出における最終的な状態を表示することができる。このように、ART中上乗せコマンドを受信したことに基づいて、遅延を生じさせることなく、実行中であった上乗せサブ演出を終了させるとともに上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を開始する構成において、実行中であった上乗せサブ演出を見ていた遊技者に対して当該上乗せサブ演出における最終的な状態を表示することができる。
上乗せサブ演出が途切れない態様で上乗せ当選が連続して発生した場合、上乗せサブ演出テーブルに設定されている表示用データのアドレス情報に代えて、今回の上乗せ当選が発生するよりも前に連続して発生していた上乗せ当選の合計上乗せゲーム数に対応する態様でゲージ点滅表示及びゲージ増大表示を行うための表示用データのアドレス情報が設定される。これにより、演出側ROM93に予め記憶しておく上乗せサブ演出テーブルの数を低減すること可能であり、上乗せサブ演出テーブルを記憶しておくための演出側ROM93の記憶容量を低減することができる。
上乗せ当選が連続して発生しない場合、画像表示装置63の左側上部に表示される継続ゲーム数画像G18の更新は上乗せサブ演出の終了時に行われる。上乗せサブ演出が終了するまで継続ゲーム数画像G18に基づいて上乗せゲーム数を把握することができない状態とすることにより、上乗せゲーム数を示唆する上乗せメイン演出及び上乗せゲーム数を示す上乗せサブ演出への関心を高めることができる。
上乗せサブ演出が途切れない態様で上乗せ当選が連続して発生した場合、継続ゲーム数表示の更新は、連続して発生した上乗せ当選における最後の上乗せ当選の上乗せサブ演出の終了時に行われる。最後の上乗せ当選の上乗せサブ演出が終了するまで継続ゲーム数画像G18を更新しないことにより、上乗せゲーム数を示唆する上乗せメイン演出及び上乗せゲーム数を示す上乗せサブ演出への関心を高めることができる。また、演出側RAM94における表示用カウンタ134に対して一度に加算される上乗せゲーム数を大きな値とすることにより、連続して発生した上乗せ当選によりART状態ST6における継続ゲーム数が大きく増加したという印象を与えることができる。
ART状態ST6では、ART用ベース演出、ART用通常演出、上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出が実行される。これらの演出はそれぞれ複数種類存在しており、こられの演出の組合せは膨大な数である。これらの演出は、ART用ベース演出テーブル、ART用通常演出テーブル、上乗せメイン演出テーブル及び上乗せサブ演出テーブルが読み出し用エリア94aにおける異なるレイヤLYn(第0レイヤLY0~第3レイヤLY3)に読み出され、これらの演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が実行されることにより行われる。これにより、これらの演出の全ての組合せについての演出テーブルを演出側ROM93に予め記憶しておく構成と比較して、演出側ROM93に予め記憶しておく演出テーブルのデータ容量の増加を抑えながら、これらの演出の組合せのバリエーションを増加させることが可能となっている。また、ART用ベース演出及びART用通常演出が実行されている状況において演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信したことに基づいて、実行中であるART用ベース演出及びART用通常演出を継続させながら上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を開始させるための処理が簡略化されている。
上乗せゲーム数が「50」である上乗せ当選が発生した場合に読み出される上乗せメイン演出テーブルが4種類存在しているとともに、上乗せサブ演出テーブルが2種類(高速第1上乗せサブ演出テーブルと低速第1上乗せサブ演出テーブルとの2種類)存在している。また、上乗せゲーム数が「100」である上乗せ当選が発生した場合に読み出される上乗せメイン演出テーブルが4種類存在しているとともに、上乗せサブ演出テーブルが2種類(高速第2上乗せサブ演出テーブルと低速第2上乗せサブ演出テーブルとの2種類)存在している。演出側ROM93に上乗せメイン演出テーブル及び上乗せサブ演出テーブルが記憶されており、読み出し用エリア94aの異なるレイヤLYn(n=2,3)に読み出されたこられの演出テーブルに従って上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出が実行される構成であることにより、上乗せメイン演出を実行するための演出用データと上乗せサブ演出を実行するための演出用データとを含む1つの演出テーブルが演出側ROM93に記憶されている構成と比較して、上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を実行するための演出テーブルを記憶しておくための演出側ROM93における記憶容量が低減されている。
役物エラー状態又は補正動作待機状態においてボーナス当選が発生した場合、ボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信したことに基づいて役物エラー状態又は補正動作待機状態が解除され、役物75の補正動作が開始される。役物75の補正動作はボーナス開始演出よりも先に開始される。また、役物75の補正動作に要する時間は、ボーナス開始演出の実行期間よりも短い。このため、役物エラー状態及び補正動作待機状態が解除されているとともに球状演出部77bが原点に滞在している状況において、ボーナス状態(BB状態ST3又はRB状態ST4)における最初のゲームを開始させることができる。役物エラー状態又は補正動作待機状態においてボーナス入賞が発生した場合においても、ボーナス状態の開始後に最初に行われるゲームから役物動作演出を実行可能とすることにより、役物動作演出がキャンセルされる頻度を低減して、遊技の興趣向上を図ることができる。
役物エラー状態及び補正動作待機状態の解除は、ボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞コマンドを演出側MPU92が受信したことに基づいて行われる。演出側MPU92が当該入賞コマンドを受信する事象は、ボーナス告知演出の有無及び再変動演出の有無に関わらず発生する事象である。このため、ボーナス入賞が成立した場合には、ボーナス告知演出の有無及び再変動演出の有無に関わらず、役物エラー状態又は補正動作待機状態を解除するとともに役物75の補正動作を実行することができる。
ボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信したことを契機として役物エラー状態又は補正動作待機状態が解除される。役の抽選処理(図14)においてボーナス当選が発生したとしても、ボーナス入賞が成立するまではボーナス状態に移行しない。ボーナス当選が発生したことを示す情報が設定されたゲーム開始コマンドを演出側MPU92が受信したことを契機として役物エラー状態又は補正動作待機状態を解除する構成とすると、役物エラー状態又は補正動作待機状態が解除されてからボーナス入賞が成立するまでに行われる原点検知において球状演出部77bが原点に滞在していないと判定されてボーナス状態に移行する前に補正実行カウンタ141の値が増加してしまう場合が考えられる。この場合には、ボーナス状態の途中で補正動作待機状態に設定される可能性が高まってしまう。これに対して、ボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信したことを契機として役物エラー状態又は補正動作待機状態を解除する構成であるため、ボーナス状態に移行する前に原点検知は行われない。このため、ボーナス状態に移行する前に補正実行カウンタ141の値が増加することはなく、ボーナス状態の途中で補正動作待機状態に設定される可能性が低減されている。
ボーナス当選が発生したことを示す情報が設定されたゲーム開始コマンドを演出側MPU92が受信したことに基づいて役物エラー状態又は補正動作待機状態を解除して役物75の動作演出を実行する構成とすると、ボーナス開始演出の開始前に補正動作を終了させることはできるものの、ボーナス当選が発生したゲームにおいてボーナス告知演出に当選しなかった場合においても役物エラー状態又は補正動作待機状態が解除されて役物75の補正動作が行われるため、当該補正動作が行われたことに基づいてボーナス当選の発生を遊技者に把握されてしまう。これに対して、ボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信したことに基づいて役物エラー状態又は補正動作待機状態を解除して役物75の補正動作を実行する構成であることにより、役物75の補正動作が行われたことに基づいてボーナス当選の発生を遊技者に把握されてしまうことを防止しながら、ボーナス状態の最初のゲームから役物動作演出を開始することができる。
ボーナス告知演出の実行中に役物動作演出の開始契機が発生する構成において、ボーナス入賞の成立に対応する入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信したことに基づいて役物エラー状態又は補正動作待機状態を解除する構成とすることにより、ボーナス告知演出の実行中に役物動作演出を開始させることを可能としながら、ボーナス入賞の成立タイミングにおいて役物エラー状態又は補正動作待機状態を解除することを可能とすることができる。
役物75の原点検知において球状演出部77bが原点に滞在していないと判定された場合、補正動作待機状態及び役物エラー状態に設定するための条件が満たされないことを条件として、役物75の補正動作が行われて球状演出部77bが原点に復帰する構成である。球状演出部77bが原点に滞在していないと判定した場合に即座に補正動作待機状態又は役物エラー状態に設定される構成と比較して、遊技ホールの管理者によるメンテナンスの頻度を低減して管理者の負担軽減を図ることができる。
役物75の補正動作において球状演出部77bが原点に復帰しなかったとしても補正動作待機状態及び役物エラー状態とはならない。この場合には、次の原点検知において再度球状演出部77bが原点に滞在していないと判定される。役物75の補正動作において球状演出部77bが原点に復帰しなかった場合に即座に補正動作待機状態又は役物エラー状態に設定する構成と比較して、役物エラー状態が発生する頻度を低減し、遊技ホールの管理者によるメンテナンスの頻度を低減することができる。
補正実行カウンタ141の値が「3」である状況において行われた原点検知において役物75の球状演出部77bが原点に滞在していないと判定された場合には原点検知及び補正動作が実行されない補正動作待機状態に設定される。これにより、補正動作が頻繁に行われる事態を回避し、役物動作演出の安全性を高めることができる。
補正動作待機状態は、当該補正動作待機状態が開始されてから所定の期間(具体的には5分間)が経過した場合、当該補正動作待機状態が開始されてから行われたゲーム数が所定の回数(具体的には30回)に達した場合、演出側MPU92が主側MPU72から役物初期化コマンドを受信した場合、又は演出側MPU92が主側MPU72からボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを受信した場合に解除される。補正動作待機状態となった後に遊技ホールの管理者によるメンテナンスが行われることなく当該補正動作待機状態が解除されて役物75の補正動作を実行可能な状態に戻す構成とすることにより、遊技ホールの管理者によるメンテナンスの頻度を下げることができる。これにより、管理者の管理負担を軽減することができる。
待機実行カウンタ142及び補正実行カウンタ141の値が「3」である状況において行われた原点検知において役物75の球状演出部77bが原点に滞在していないと判定された場合には役物エラー状態に設定される。これにより、待機実行カウンタ142の値が「4」に到達するほど頻繁に球状演出部77bの位置ずれが発生したことを遊技ホールの管理者に報知することができる。また、管理者によるメンテナンスが必要な状態が長時間に亘って継続する事態を回避することができる。
役物75の原点検知は、演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信したことを契機として行われる。発生頻度の高い事象を契機として原点検知が行われる構成であることにより、役物75の駆動制御が実行されていない状況において球状演出部77bが原点に滞在していない状態が発生した場合に早期に球状演出部77bを原点に復帰させることが可能となる。これにより、球状演出部77bが原点に滞在していないことが原因となって役物動作演出がキャンセルされてしまう可能性を低減することができる。
役物75の原点検知の実行タイミングにおいて球状演出部77bが原点に滞在していなかった場合には、役物75の補正動作を行って球状演出部77bを原点に復帰させることが優先され、当該補正動作が行われたゲームの次のゲームが開始されるまで役物動作演出の実行が禁止される。これにより、球状演出部77bが原点に滞在している状態を早期に作り出すことができる。また、役物75の補正動作により球状演出部77bが原点に復帰してから当該補正動作が実行されたゲームの次のゲームが開始されるまでの間に役物動作演出が開始され、次に役物75の原点検知の実行タイミングとなった場合に再度球状演出部77bが原点に滞在していない状態となることを回避することができる。
履歴構成データの生成契機が発生した場合、履歴記憶用エリア94bに記憶されている遊技履歴データに基づいて履歴構成データが生成される。履歴構成データは画像再生用記憶エリア94cに記憶され、履歴画像G23の表示契機が発生した場合には画像再生用記憶エリア94cに記憶されている履歴構成データに基づいて履歴画像G23の表示用データが生成される。そして、当該履歴画像G23の表示用データに基づいて画像表示装置63に履歴画像G23を表示する1フレーム分の履歴画像データが生成される。履歴構成データを記憶しておき、履歴画像G23の表示契機が発生する度に当該履歴構成データに基づいて1フレーム分の履歴画像データを生成する構成であることにより、履歴画像データそのものを記憶しておく構成と比較して、過去の履歴画像G23を表示可能とするための演出側RAM94における記憶容量を低減することができる。また、履歴構成データを生成するために用いた遊技履歴データを記憶しておき、履歴画像G23の表示契機が発生する度に当該遊技履歴データに基づいて1フレーム分の履歴画像データを生成する構成と比較して、過去の履歴画像G23を表示可能とするための演出側RAM94における記憶容量を低減することができるとともに、過去の履歴画像G23を表示するための処理負荷を軽減することができる。
第1~第3選択条件テーブルにおいて、選択条件が満たされているとともに表示優先度が共通している文言指定データが複数存在している場合には、当該複数の文言指定データの中から表示対象となる一の文言指定データを選択するための文言指定データの抽選処理(文言選択処理(図88)のステップS5211)が実行される。抽選により表示対象の文言指定データが選択される構成であることにより、画像表示装置63に履歴画像G23が表示される前から履歴画像G23の内容が予想できてしまう事態を回避することができる。これにより、遊技の興趣向上が図られている。
履歴画像G23には、第1見出し範囲151に表示される第1文言画像G25に対応するキャラクタ画像G28が表示されるキャラクタ画像範囲154が設けられている。遊技履歴に対応するキャラクタ画像G28が表示されることにより、過去に実行された演出の内容を思い出し易い構成の履歴画像G23を表示することができる。
有利区間SC2のエンディング演出が行われた後に履歴構成データの生成契機が発生した場合、当該履歴構成データに対応する履歴画像G23には常にエンディング画像G29が含まれる。このため、遊技者は、有利区間SC2のエンディング演出の実行中にカメラ等でエンディング演出の記録を残さなくても、後から履歴画像表示を行ってエンディング演出の記録を確認することができる。これにより、有利区間SC2のエンディング演出を遊技者にじっくりと見せることが可能となる。
第1~第3選択エリア165~167に設定される文言指定データの候補として候補エリア171~173に複数の文言指定データが設定されている場合には、当該複数の文言指定データのうち過去に生成されて画像再生用記憶エリア94cの再生用記憶エリアRDn(nは0~31のいずれかの整数)に記憶されている履歴構成データに含まれる文言指定データとは異なる文言指定データが第1~第3選択エリア165~167に優先的に設定される。これにより、連続して生成される履歴構成データの内容が重複してしまう可能性を低減して、遊技の興趣向上を図ることができる。
前回のART状態ST6が終了した後に実行された総ゲーム数と現状のスロットマシン10の設定値との組合せに対応するプレート抽選テーブルPA1~PA6,PB1~PB6,PD1~PD6のいずれかを用いてプレート抽選が行われ、設定値を示唆する背景プレート画像G24に対応する背景プレート画像指定データが履歴構成データに設定される。これにより、履歴画像G23に含まれる背景プレート画像G24の種類に基づいて現状の設定値を予想することが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。
履歴メニュー画面において「履歴画像の途中生成」という項目が選択された場合、当該選択されたタイミングにおいて履歴記憶用エリア94bに記憶されている遊技履歴データに基づいて履歴構成データが生成される。これにより、任意のタイミングで「履歴画像の途中生成」を選択して当該タイミングまでに履歴記憶用エリア94bに記憶された遊技履歴データに基づく履歴画像表示を行うことができる。例えば、営業時間の終了が近いタイミングのようにART状態ST6の終了を待たずに履歴画像表示を行いたい場合にそれまでの遊技履歴データに基づく履歴画像表示を行うことが可能となる。
「履歴画像の途中生成」という項目が選択されたことに基づいて履歴構成データが生成される場合、当該履歴構成データには、設定値を示唆する背景プレート画像G24を指定する背景プレート画像指定データは設定されない。このため、途中生成の履歴画像G23には、設定値を示唆する背景プレート画像G24が含まれない。これにより、短い間隔で何度も「履歴画像の途中生成」を選択して背景プレート画像G24の種類の確認を繰り返すことにより現状の設定値に見当をつける行為を防止することができる。
履歴記憶用エリア94bにおける第0~第5履歴用記憶エリアRA0~PA5及び第7~第15履歴用記憶エリアRA7~RA15に記憶されている遊技履歴データは、ART状態ST6が終了したことを契機として履歴構成データが生成された場合にクリアされる。これにより、前回のART状態ST6が終了してから今回のART状態ST6が終了するまでに履歴記憶用エリア94bに記憶された遊技履歴データに基づいて履歴構成データを生成することができる。
遊技者が履歴構成データを生成させるための操作を行わなくても、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が所定の区切り数(具体的には「1000」、「2000」、又は「3000」)となることを契機として履歴構成データが生成される。遊技者が履歴構成データを生成させるための操作を行わない場合に履歴構成データの生成契機がART状態ST6の終了時及び有利区間SC2におけるエンディング演出の終了時にしか発生しない構成とすると、ART状態ST6において実行されたゲーム数が多くなるほど履歴画像G23の内容に反映されない遊技の履歴が増加してしまう。これに対して、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が所定の区切り数となる度に履歴構成データが生成される構成であることにより、ART状態ST6において実行されたゲーム数が多くなった場合に当該ART状態ST6における遊技の履歴が反映された履歴画像G23の数を増加させることができる。これにより、過去の遊技履歴を詳細に確認可能とすることができる。
画像再生用記憶エリア94cは複数(具体的には32個)の履歴構成データを記憶可能である。遊技者は画像再生用記憶エリア94cに記憶されている複数の履歴構成データのうち、表示可能フラグに「1」がセットされている履歴構成データの中から一の履歴構成データを選択して当該履歴構成データに対応する履歴画像G23を画像表示装置63に表示させることができる。過去の複数の履歴画像G23を確認可能とすることにより、履歴構成データが生成される度に履歴画像G23を表示しなくても、複数個の履歴画像G23をまとめて確認可能とすることができる。これにより、履歴画像G23を確認するために遊技の進行が中断してしまうことを防止することができる。
通常遊技状態ST1において最後にスタートレバー41の操作が行われてからスタートレバー41の操作が行われていない期間が10分間に達した場合、画像再生用記憶エリア94cの各再生用記憶エリアRD0~RD31に設けられている表示可能フラグのうち「1」がセットされている表示可能フラグが全て「0」クリアされる。これにより、これまでに生成されて第0~第31再生用記憶エリアRD0~RD31に記憶された履歴構成データに対応する履歴画像G23を選択して画像表示装置63に表示させることができなくなる。このように、遊技者の離席が予測される状態となった場合には、当該状態が発生する以前に生成されて第0~第31再生用記憶エリアRD0~RD31に記憶された履歴構成データに対応する履歴画像G23を選択して画像表示装置63に表示させることができなくなる。これにより、本人以外の遊技者の過去の履歴画像G23を参考にして設定値を推測する行為を防止することができる。
遊技者の離席が予測される状態となった場合にそれまでに記憶されていた履歴構成データに対応する履歴画像G23は表示できなくなるものの、第0~第31再生用記憶エリアRD0~RD31に記憶されている履歴構成データは削除されずに残る。また、画像再生用記憶エリア94cは本スロットマシン10の電源遮断後にバックアップ電力が供給される記憶エリアであるため、本スロットマシン10の電源がOFF状態であることで演出側MPU92への動作電力の供給が停止されている状況であっても画像再生用記憶エリア94cにおいて情報の記憶保持が行われる。このため、新たに履歴構成データが生成される場合にこれらの履歴構成データに含まれる文言指定データと同一の文言指定データが選択される可能性を低減することができる。これにより、過去に見たことのない文言画像G25~G27を含む履歴画像G23が表示される可能性を高めることが可能となっている。
ART状態ST6が終了したことを契機として履歴構成データが生成される場合、有利区間SC2のエンディング演出が終了したことを契機として履歴構成データが生成される場合、又はART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が所定の区切り数(具体的には「1000」、「2000」、又は「3000」)となったことを契機として履歴構成データが生成される場合、画像表示装置63では最新の履歴画像G23を表示可能であることを示すポップ表示が行われる。これにより、新たに履歴構成データが生成されたことを遊技者に認識させることができるとともに、当該履歴構成データに対応する履歴画像G23の表示を行うための操作を促すことができる。
画像表示装置63にポップ画像が表示されている状況において演出用操作装置64における下ボタン64cの操作が検出された場合、履歴メニュー画面を経由することなく、直接ポップ画像に対応する最新の履歴画像G23を表示させることができる。ポップ表示中に最新の履歴画像G23を表示させるための操作を簡略化することにより、新たに履歴構成データが生成されたにも関わらず当該履歴構成データに対応する履歴画像G23の表示が行われない可能性を低減することができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信したことに基づいて実行される演出の内容が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図103(a)は本実施形態におけるART用ベース演出及びART用通常演出における画像表示装置63の表示内容を説明するための説明図である。ART用ベース演出及びART用通常演出の演出内容は、上記第1の実施形態におけるART用ベース演出及びART用通常演出の演出内容と同一である。上記第1の実施形態と同様に、ART状態ST6では継続ゲーム数表示が行われる。継続ゲーム数表示では、図103(a)に示すように、ART状態ST6の残りの継続ゲーム数を示す継続ゲーム数画像G18が画像表示装置63の左側上部に表示される。図103(a)に示すように、本実施形態では、上記第1の実施形態におけるサブ表示領域131(図57)が設けられておらず、ゲージ点滅表示及びゲージ増大表示は行われない。
本実施形態では、演出側MPU92が主側MPU72からART中上乗せコマンドを受信した場合、上乗せ演出が行われる。図103(b)及び図103(c)は、ART状態ST6の上乗せ演出における画像表示装置63の表示内容を説明するための説明図である。上乗せ演出では、画像表示装置63の全面において、所定の期間(具体的には4秒間)に亘って上乗せ動画が表示される。当該上乗せ動画では、図103(b)に示すように、3秒間に亘って上乗せキャラクタ画像G20,G21の動画が表示される。当該動画は、上乗せゲーム数を示唆する内容の動画である。その後、図103(c)に示すように、1秒間に亘って上乗せゲーム数画像G41が表示される。これら上乗せキャラクタ画像G20,G21及び上乗せゲーム数画像G41は、背景画像G16及びART用キャラクタ画像G17(図103(a))よりも画面手前側に表示される。このため、画像表示装置63に上乗せ動画が表示されている間、背景画像G16及びART用キャラクタ画像G17は視認できなくなる。一方、継続ゲーム数画像G18は、上乗せキャラクタ画像G20,G21及び上乗せゲーム数画像G41よりも画面手前側に表示されるため、上乗せ動画が表示されている間も視認可能である。
上記第1の実施形態と同様に、主側MPU72は、上乗せ演出の開始時に主側RAM74におけるフリーズカウンタに対して数値情報を設定しない。営業時間の終了が迫っている等の状況で先を急ぐ遊技者は、上乗せ演出の途中でスタートレバー41を操作することにより次のゲームを開始させることができる。上乗せ演出の実行中に次のゲームを開始すべくスタートレバー41の操作が行われて演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信した場合、実行中であった上乗せ演出が終了し、受信したゲーム開始コマンドに対応するART用ベース演出及びART用通常演出が開始される。また、当該ART用ベース演出及びART用通常演出と並行して、今回途中で終了した上乗せ演出に対応する縮小上乗せ演出が開始される。図104(a)及び図104(b)は縮小上乗せ演出における画像表示装置63の表示内容を説明するための説明図である。
縮小上乗せ演出では、図104(a)及び図104(b)に示すように、画像表示装置63の右側下部に設けられた右下表示領域181において、縮小上乗せ動画の表示が行われる。縮小上乗せ演出の縮小上乗せ動画は、対応する上乗せ演出の上乗せ動画における画像の画素数を低減し、表示サイズを縮小したものである。縮小上乗せ動画の長さ(実行期間)は、対応する上乗せ動画の長さ(実行期間)と同一である。縮小上乗せ動画は、途中で終了した上乗せ動画の続きから再生される。
縮小上乗せ動画表示では、図104(a)に示すように、右下表示領域181に縮小上乗せキャラクタ画像G42,G43の動画が表示された後、図104(b)に示すように、1秒間に亘って縮小上乗せゲーム数画像G44が表示される。これら縮小上乗せキャラクタ画像G42,G43及び縮小上乗せゲーム数画像G44は、背景画像G16、ART用キャラクタ画像G17及び上乗せキャラクタ画像G20,G21よりも画面手前側に表示される。
図104(a)に示すように、縮小上乗せ演出が実行されている状況において演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信した場合、画像表示装置63では、図104(b)に示すように、当該受信したART中上乗せコマンドに対応する上乗せ演出が開始される。ART中上乗せコマンドの受信時に右下表示領域181にて実行中であった縮小上乗せ演出の残りの実行期間が1秒以下である場合、すなわち既に縮小上乗せゲーム数画像G44の表示が開始されている場合には、当該右下表示領域181において縮小上乗せ動画の表示が継続される。
一方、ART中上乗せコマンドの受信時に右下表示領域181にて実行中であった縮小上乗せ演出の残りの実行期間が1秒より長い場合、すなわち右下表示領域181において縮小上乗せゲーム数画像G44の表示が開始されていない場合には、当該右下表示領域181において縮小上乗せ動画の最後の1秒間の表示が開始される。具体的には、右下表示領域181にて縮小上乗せゲーム数画像G44の表示が開始される。図104(b)に示すように、右下表示領域181において縮小上乗せ動画は、上乗せキャラクタ画像G20,G21よりも画面手前側に表示される。
このように、縮小上乗せ演出の実行中に次の上乗せ演出が開始された場合には、縮小上乗せ演出の結果部分(縮小上乗せゲーム数画像G44)のみが表示されて、当該縮小上乗せ演出が終了する。これにより、縮小上乗せ演出における上乗せゲーム数を明示した後、速やかに当該縮小上乗せ演出を終了させることができる。縮小上乗せ演出と、当該縮小上乗せ演出よりも後に開始された上乗せ演出とが並行して実行される期間が1秒以内に短縮されることにより、後から開始された上乗せ演出への注目を高めることができる。
上乗せ動画の表示時間は4秒間であり、縮小上乗せ動画は対応する上乗せ動画の続きから再生される。このため、スタートレバー41の操作が行われて縮小上乗せ動画の表示が開始された場合、当該縮小上乗せ動画の表示時間は4秒未満である。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、前回のゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が開始された時点から次にリール32L,32M,32Rの回転が開始可能となるまでにリール32L,32M,32Rの回転開始が待機されるウエイト時間は4.1秒間である。このため、縮小上乗せ演出の実行中に新たに開始され得るゲーム数は「1」又は「0」であり、縮小上乗せ演出と、当該縮小上乗せ演出の後に開始された上乗せ演出とが並行して実行されている状況においてさらに新たな上乗せ演出の実行タイミングとなることはない。
画像表示装置63の左側上部に表示される継続ゲーム数の値は、上乗せ演出が最後まで実行された場合、当該上乗せ演出の終了時に、当該上乗せ演出における上乗せゲーム数の加算後の値に更新される。また、画像表示装置63の左側上部に表示される継続ゲーム数の値は、上乗せ演出の途中で上乗せ演出から縮小上乗せ演出への切り換えが行われ、当該縮小上乗せ演出の実行中に新たな上乗せ演出が開始されることなく当該縮小上乗せ演出が最後まで実行された場合、当該縮小上乗せ演出の終了時に、当該縮小上乗せ演出における上乗せゲーム数の加算後の値に更新される。さらにまた、画像表示装置63の左側上部に表示される継続ゲーム数の値は、複数の上乗せ当選が連続して発生した場合、最後の上乗せ当選を契機として開始された上乗せ演出又は縮小上乗せ演出の終了時に、当該連続して発生した上乗せ当選における合計上乗せゲーム数の加算後の値に更新される。本実施形態において、上乗せ当選が連続して発生する場合とは、縮小上乗せ演出の実行中に新たな上乗せ演出が開始される場合である。
上乗せ当選が連続して発生している状況においても、ゲームが開始される度に画像表示装置63の左側上部に表示されている継続ゲーム数の値は1減算される。連続して発生した上乗せ当選における合計上乗せゲーム数が最後にまとめて加算されるまでの間に画像表示装置63の左側上部に表示すべき継続ゲーム数の値が「0」以下となった場合には、当該「0」以下の値に代えて、画像表示装置63の左側上部に「?」が表示される。このため、画像表示装置63の左側上部に継続ゲーム数として「0」以下の値が表示されている状態でART状態ST6が継続することはない。上乗せ当選が連続して発生している状況において画像表示装置63の左側上部に表示すべき継続ゲーム数の値が「0」以下となった後、最後に発生した上乗せ当選の上乗せサブ演出が終了する場合には、当該「0」以下の値に対して連続して発生した上乗せ当選の合計上乗せゲーム数が加算され、画像表示装置63の左側上部に表示される継続ゲーム数の値が当該加算後の値に更新される。
次に、ART状態ST6における各種演出を実行するための演出側ROM93及び演出側RAM94の構成を説明する。図105(a)は演出側ROM93の構成を説明するための説明図であり、図105(b)は演出側RAM94の構成を説明するための説明図である。
図105(a)に示すように、演出側ROM93には、上記第1の実施形態において既に説明したART用ベース演出テーブル記憶エリア133a及びART用通常演出テーブル記憶エリア133bに加えて、上乗せ演出テーブル記憶エリア133h及び縮小上乗せ演出テーブル記憶エリア133iが設けられている。上記第1の実施形態と同様に、ART状態ST6において発生する上乗せ当選における上乗せゲーム数として、「50」及び「100」が存在している。ART状態ST6において実行される上乗せ演出は8種類存在しており、演出側ROM93の上乗せ演出テーブル記憶エリア133hには、「50」の上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出を実行するための4種類の上乗せ演出テーブルと、「100」の上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出を実行するための4種類の上乗せ演出テーブルとが記憶されている。また、演出側ROM93の縮小上乗せ演出テーブル記憶エリア133iには、これら8種類の上乗せ演出に対応する8種類の縮小上乗せ演出を実行するための8種類の縮小上乗せ演出を実行するための8種類の縮小上乗せ演出テーブルが記憶されている。
上乗せ演出テーブルには、複数の数値情報がポインタ情報として連番となるように配列されており、当該ポインタ情報に対して各種演出用データが設定されている。上乗せ演出テーブルには、画像表示装置63において上乗せ動画の表示を行うための表示用データのアドレス情報及び設定先情報と、当該上乗せ動画に対応する音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御を行うための音データとが設定されている。上乗せ演出用の表示用データの設定先情報としては、表示用設定エリア113の第3演出用エリア113dを示す情報が設定されている。上乗せ演出テーブルは、読み出し用エリア94aにおける第2レイヤLY2に読み出される。
縮小上乗せ演出テーブルには、対応する上乗せ演出テーブルに設定されているポインタ情報(連番の数値情報)と同一のポインタ情報(数値情報)が設定されており、当該ポインタ情報に対して各種演出用データが設定されている。縮小上乗せ演出テーブルには、画像表示装置63の右下表示領域181において縮小上乗せ動画の表示を行うための表示用データのアドレス情報及び設定先情報と、当該縮小動画に対応する音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御を行うための音データとが設定されている。縮小上乗せ演出用の表示用データの設定先情報としては、表示用設定エリア113の第4演出用エリア113eを示す情報が設定されている。縮小上乗せ演出テーブルは、読み出し用エリア94aにおける第3レイヤLY3に読み出される。
このように、読み出し用エリア94aにおいて、上乗せ演出テーブルと縮小上乗せ演出テーブルとが異なるレイヤLYn(n=2,3)に読み出される構成であることにより、縮小上乗せ演出が実行されている状況において演出側MPU92が新たにART中上乗せコマンドを受信した場合に、実行中である縮小上乗せ演出を継続させながらART中上乗せコマンドを受信したことに基づいて新たに上乗せ演出を開始させることが可能となっている。
上乗せ演出テーブルに基づく上乗せ演出が途中で終了して対応する縮小上乗せ演出テーブルに基づく縮小上乗せ演出が開始される場合、実行中であった上乗せ演出テーブルのポインタ情報が縮小上乗せ演出テーブルのポインタ情報として引き継がれる。また、実行中であった上乗せ演出用の表示用データのフレーム数情報が縮小上乗せ演出用の表示用データのフレーム数情報として引き継がれる。これにより、実行中であった上乗せ演出の続きから縮小上乗せ演出を開始することが可能となる。
図105(b)に示すように、演出側RAM94には、上記第1の実施形態において既に説明した表示用カウンタ134に加えて、合計上乗せゲーム数カウンタ182と、上乗せ演出種別カウンタ183とが設けられている。合計上乗せゲーム数カウンタ182は、表示用カウンタ134に対して加算する処理が待機されている上乗せゲーム数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。上乗せ当選が連続して発生した場合、合計上乗せゲーム数カウンタ182には連続して発生した上乗せ当選の合計上乗せゲーム数がセットされている状態となる。上乗せ演出種別カウンタ183は、実行中の上乗せ演出の種類を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。上乗せ演出種別カウンタ183には、実行される上乗せ演出の種類に応じて「1」~「8」のいずれかの数値情報がセットされる。
次に、ART状態ST6における各種演出を実行するための演出側MPU92における処理構成について説明する。図106は演出側MPU92にて実行されるART中のゲーム開始用処理を示すフローチャートである。なお、ART中のゲーム開始用処理は、ART状態ST6において主側MPU72からゲーム開始コマンドを受信した場合に、非通常用の演出制御処理(図62)のステップS3015にて実行される。
ART中のゲーム開始用処理では、まず演出側RAM94に設けられた上乗せ演出中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS6401)。上乗せ演出中フラグは、上乗せ演出の実行中であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。
上乗せ演出中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS6401:YES)には、進行情報記憶処理を実行する(ステップS6402)。進行情報記憶処理では、上乗せ演出テーブルが読み出されている第2レイヤLY2のポインタカウンタPC2の値を演出側RAM94に設けられたポインタ記憶カウンタにセットする。ポインタ記憶カウンタは、上乗せ演出から縮小上乗せ演出への切り換えタイミングにおける上乗せ演出テーブルのポインタ情報を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。また、進行情報記憶処理(ステップS6402)では、表示用設定エリア113の第3演出用エリア113dに設定されている上乗せ演出用の表示用データのフレーム数情報をフレーム数記憶カウンタにセットする。フレーム数記憶カウンタは、上乗せ演出から縮小上乗せ演出への切り換えタイミングにおける上乗せ演出用の表示用データのフレーム数情報を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。
その後、上乗せ演出の終了処理を実行する(ステップS6403)。上乗せ演出の終了処理では、上乗せ演出テーブルが読み出されている読み出し用エリア94aの第2レイヤLY2をクリアするとともに、表示用設定エリア113の第3演出用エリア113dに設定されている上乗せ演出用の表示用データをクリアする。これにより、スピーカ62及び画像表示装置63において実行されていた上乗せ演出が終了する。
その後、演出側RAM94における上乗せ演出種別カウンタ183の値に基づいて、ステップS6403にて終了させた上乗せ演出の種類を把握し(ステップS6404)、当該把握した種類の上乗せ演出に対応する縮小上乗せ演出テーブルを演出側ROM93の縮小上乗せ演出テーブル記憶エリア133iから読み出し用エリア94aに読み出す(ステップS6405)。既に説明したとおり、縮小上乗せ演出テーブルは第3レイヤLY3に読み出される。
その後、ポインタ設定処理を実行する(ステップS6406)。ポインタ設定処理では、進行情報記憶処理(ステップS6402)にて演出側RAM94におけるポインタ記憶カウンタにセットしたポインタ情報を、ステップS6405にて縮小上乗せ演出テーブルが読み出された第3レイヤLY3のポインタカウンタPC3にセットする。これにより、今回終了した上乗せ演出における上乗せ演出テーブルのポインタ情報が、今回開始される縮小上乗せ演出における縮小上乗せ演出テーブルのポインタ情報として引き継がれる。
その後、ステップS6406にて第3レイヤLY3のポインタカウンタPC3にセットしたポインタ情報に基づいて、縮小上乗せ演出テーブルに設定されている表示用データを特定し、当該特定した表示用データを表示用設定エリア113の第4演出用エリア113eに設定する(ステップS6407)。具体的には、縮小上乗せ演出テーブルにおいて、ポインタ設定処理(ステップS6406)にて引き継いだポインタ情報からポインタ情報が減少する方向に遡って1番最初に表示用データが設定されているポインタ情報を把握し、当該表示用データを表示用設定エリア113の第4演出用エリア113eに設定する。これにより、上乗せ演出の終了時に第3演出用エリア113dに設定されていた表示用データに対応する縮小上乗せ動画用の表示用データが第4演出用エリア113eに設定されている状態となる。
その後、フレーム数設定処理を実行する(ステップS6408)。フレーム数設定処理では、ステップS6407にて第4演出用エリア113eに設定された縮小上乗せ演出用の表示用データの表示開始のフレーム数情報として、進行情報記憶処理(ステップS6402)にて演出側RAM94におけるフレーム数記憶カウンタにセットしたフレーム数情報をセットする。これにより、上乗せ演出の終了時に第3演出用エリア113dに設定されていた表示用データに対応する縮小上乗せ動画用の表示用データにおいて、上乗せ演出の終了時のフレーム数と同一のフレーム数から縮小上乗せ演出における縮小上乗せ動画を開始することができる。よって、途中で終了した上乗せ動画の続きから縮小上乗せ動画を再生することが可能となる。
その後、演出側RAM94における上乗せ演出種別カウンタ183を「0」クリアし(ステップS6409)、演出側RAM94における上乗せ演出中フラグを「0」クリアする(ステップS6410)。これにより、上乗せ演出が終了したことを演出側MPU92にて把握可能となる。そして、演出側RAM94における縮小上乗せ演出中フラグに「1」をセットする(ステップS6411)。これにより、縮小上乗せ演出の実行中であることを演出側MPU92にて把握可能となる。
ステップS6401にて否定判定を行った場合、又はステップS6411の処理を行った場合には、ステップS6412に進む。ステップS6412~ステップS6417では、上記第1の実施形態のART中のゲーム開始用処理(図63(b))におけるステップS3204~ステップS3209と同一の処理を実行して、本ART中のゲーム開始用処理を終了する。
次に、演出側MPU92にて実行される演出調整処理について図107(a)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、演出調整処理は、ART状態ST6において主側MPU72からART中上乗せコマンドを受信した場合に、非通常用の演出制御処理(図62)のステップS3017にて実行される。
演出調整処理では、まず演出側RAM94における縮小上乗せ演出中フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS6501)、縮小上乗せ演出中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS6501:YES)には、縮小上乗せ演出テーブルが読み出されている第3レイヤLY3のポインタカウンタPC3の値に基づいて、縮小上乗せ演出の残り時間が1秒以下であるか否かを判定する(ステップS6502)。ステップS6502にて肯定判定を行った場合には、画像表示装置63の右下表示領域181にて既に縮小上乗せゲーム数画像G44の表示が開始されていることを意味するため、そのまま本演出調整処理を終了する。
一方、ステップS6502にて否定判定を行った場合には、縮小上乗せ演出のポインタ調整処理を実行して(ステップS6503)、本演出調整処理を終了する。縮小上乗せ演出のポインタ調整処理(ステップS6503)では、縮小上乗せ演出の最後の1秒間が実行されるように、当該ポインタカウンタPC3の値を更新する。具体的には、縮小上乗せ演出テーブルにおける参照対象のポインタ情報を、画像表示装置63に縮小上乗せゲーム数画像G44(図104(b))を表示させるための表示用データのアドレス情報及び設定先情報が設定されているポインタ情報まで更新する。
上記のとおり、縮小上乗せ演出の実行中に演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信した場合、右下表示領域181では縮小上乗せゲーム数画像G44の表示が行われる。これにより、縮小上乗せ演出の結果を分かり易い態様で示すことができる。縮小上乗せゲーム数画像G44の表示は1秒以内に終了する。これにより、縮小上乗せ演出と、当該縮小上乗せ演出の後に開始された上乗せ演出とが並行して実行される期間を短い期間として、後から開始された上乗せ演出に遊技者の関心を移すことができる。
次に、演出側MPU92にて実行される上乗せ演出用処理について図107(b)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、上乗せ演出用処理は、ART中上乗せコマンドを受信した場合に、非通常用の演出制御処理(図62)のステップS3018にて実行される。
上乗せ演出用処理では、まず今回受信したART中上乗せコマンドに設定されている情報に基づいて上乗せゲーム数を把握し、当該把握した上乗せゲーム数を演出側RAM94における上乗せゲーム数カウンタ135に設定する(ステップS6601)。
その後、上乗せ演出抽選処理を実行する(ステップS6602)。上乗せ演出抽選処理では、まず上乗せ演出を選択するための上乗せ演出抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す。既に説明したとおり、演出側ROM93の上乗せ演出テーブル記憶エリア133h(図105(a))には「50」の上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出を実行するための4種類の上乗せ演出テーブルと、「100」の上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出を実行するための4種類の上乗せ演出テーブルとが記憶されている。第1上乗せ演出抽選テーブルには、4種類の上乗せ演出テーブルの種別情報が設定されており、各種別情報に対して当否の判定を行うための数値範囲が設定されている。また、第2上乗せ演出抽選テーブルには、4種類の上乗せ演出テーブルの種別情報が設定されており、各種別情報に対して当否の判定を行うための数値範囲が設定されている。その後、演出側RAM94において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出した上乗せ演出抽選テーブルに対して照合する。これにより、今回の読み出し対象となる上乗せ演出テーブルを特定する。具体的には、乱数カウンタから読み出した数値情報を含む数値範囲が設定されている上乗せ演出テーブルを読み出し対象として特定する。
その後、上乗せ演出抽選処理(ステップS6602)において特定した上乗せ演出テーブルを演出側ROM93の上乗せ演出テーブル記憶エリア133hから読み出す(ステップS6603)。上述したとおり、上乗せ演出テーブルは、読み出し用エリア94aにおける第2レイヤLY2に読み出される。上乗せ演出テーブルに従って演出の実行制御が行われることにより、スピーカ62及び画像表示装置63にて上乗せ演出が実行される。その後、演出側RAM94における上乗せ演出中フラグに「1」をセットする(ステップS6604)。これにより、上乗せ演出の実行中であることを演出側MPU92にて把握可能となる。
その後、上乗せ演出抽選処理(ステップS6602)にて当選となった上乗せ演出テーブルの情報(「1」~「8」のいずれかの数値情報)を演出側RAM94における上乗せ演出種別カウンタ183にセットする(ステップS6605)。これにより、実行中である上乗せ演出の種類を演出側MPU92にて把握可能となる。その後、演出側RAM94に設けられたゲーム数更新待機フラグに「1」をセットして(ステップS6606)、本上乗せ演出用処理を終了する。上乗せ更新待機フラグは、表示用カウンタ134に対して上乗せゲーム数を加算する処理が待機状態となっていることを演出側RAM94にて把握可能とするフラグである。
次に、演出側MPU92にて実行されるフラグクリア処理について図108のフローチャートを参照しながら説明する。なお、フラグクリア処理は、参照対象のポインタ情報が最終のポインタ情報まで更新され、当該最終のポインタ情報にリピート情報が設定されていない場合に、ポインタ更新処理(図48)のステップS2006にて実行される。
フラグクリア処理では、対象レイヤカウンタ114の値が「2」である場合(ステップS6701:YES)、演出側RAM94における上乗せ演出中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS6702)。ステップS6702にて肯定判定を行った場合には、今回終了タイミングとなったデータテーブルが上乗せ演出テーブルであることを意味するため、演出側RAM94における上乗せ演出中フラグを「0」クリアする(ステップS6703)。これにより、実行中であった上乗せ演出が終了したことを演出側MPU92にて把握可能となる。
ステップS6701にて否定判定を行った後、対象レイヤカウンタ114の値が「3」である場合(ステップS6704:YES)には、演出側RAM94における縮小上乗せ演出中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS6705)。ステップS6705にて肯定判定を行った場合には、今回終了タイミングとなったデータテーブルが縮小上乗せ演出テーブルであることを意味するため、縮小上乗せ演出中フラグを「0」クリアする(ステップS6706)。これにより、実行中であった縮小上乗せ演出が終了したことを演出側MPU92にて把握可能となる。
ステップS6704にて否定判定を行った後、ステップS6707~ステップS6708では、上記第1の実施形態におけるフラグクリア処理(図66(a))におけるステップS3507~ステップS3508と同一の処理を実行して、本フラグクリア処理を終了する。
次に、演出側MPU92にて実行されるゲーム数更新用処理について図109のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ゲーム数更新用処理は非通常用の演出制御処理(図62)におけるステップS3022にて実行される。
ゲーム数更新用処理では、演出側RAM94におけるゲーム数更新待機フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS6801)。ステップS6801にて肯定判定を行った場合には、演出側RAM94における上乗せ演出中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS6802)。ステップS6802にて否定判定を行った場合には、演出側RAM94における縮小上乗せ演出中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS6803)。
ゲーム数更新待機フラグに「1」がセットされており(ステップS6801:YES)、上乗せ演出中フラグ及び縮小上乗せ演出中フラグのいずれにも「1」がセットされていない場合(ステップS6802:NO、ステップS6803:NO)には、表示用カウンタ134に対して上乗せゲーム数を加算する処理が待機されている状態において、全ての上乗せ演出及び縮小上乗せ演出が終了したことを意味するため、画像表示装置63の左側上部に表示される継続ゲーム数の値を上乗せゲーム数の加算後の値に更新するための処理(ステップS6804~ステップS6807の処理)を実行する。
具体的には、まず表示用カウンタ134の加算処理を実行する(ステップS6804)。当該加算処理では、表示用カウンタ134に対して、演出側RAM94における合計上乗せゲーム数カウンタ182の値を加算する。縮小上乗せ演出が実行されていない状況において上乗せ演出が開始され、当該上乗せ演出が最後まで実行された場合、合計上乗せゲーム数カウンタ182には、当該上乗せ演出の上乗せゲーム数がセットされている。縮小上乗せ演出が実行されていない状況において上乗せ演出が開始され、当該上乗せ演出に対応する縮小上乗せ演出に切り替わり、当該縮小上乗せ演出の実行中に新たな上乗せ演出が開始されることなく当該縮小上乗せ演出が最後まで実行された場合、合計上乗せゲーム数カウンタ182には、当該縮小上乗せ演出の上乗せゲーム数がセットされている。連続して上乗せ当選が発生し、最後の上乗せ当選に対応する上乗せ演出又は縮小上乗せ演出が最後まで実行された場合、合計上乗せゲーム数カウンタ182には連続して発生した上乗せ当選の合計上乗せゲーム数がセットされている。
その後、継続ゲーム数表示の更新処理を実行する(ステップS6805)。継続ゲーム数表示の更新処理では、ステップS6804にて加算処理が行われた後の表示用カウンタ134の値をART状態ST6における残りの継続ゲーム数として把握し、当該把握した継続ゲーム数に対応する継続ゲーム数画像G18を表示するための表示用データを表示用設定エリア113の第5演出用エリア113fに設定する。当該表示用データに基づいて画像表示装置63の表示制御が行われることにより、画像表示装置63の左側上部に表示されている継続ゲーム数の値が、上乗せゲーム数又は合計上乗せゲーム数の加算後の値に更新される。
その後、合計上乗せゲーム数カウンタ182の値を「0」クリアし(ステップS6806)、ゲーム数更新待機フラグを「0」クリアして(ステップS6807)、本ゲーム数更新用処理を終了する。
一方、ステップS6802及びステップS6803のいずれかにて肯定判定を行った場合には、画像表示装置63の左側上部に表示される継続ゲーム数の値を上乗せゲーム数の加算後の値に更新するための処理(ステップS6804~ステップS6807の処理)を実行することなく、本ゲーム数更新用処理を終了する。
上記のとおり、上乗せ演出及び縮小上乗せ演出の少なくとも一方が実行されている場合、画像表示装置63の左側上部に表示される継続ゲーム数の値は、上乗せゲーム数の加算後の値に更新されない。画像表示装置63の左側上部に表示される継続ゲーム数の値は、上乗せ演出及び縮小上乗せ演出の両方が実行されていない状況となった場合に、合計上乗せゲーム数カウンタ182にセットされている上乗せゲーム数又は合計上乗せゲーム数の加算後の値に更新される。
次に、図110のタイムチャートを参照しながらART状態ST6において上乗せ演出が実行される様子について説明する。図110(a)は上乗せ演出の実行期間を示し、図110(b)は縮小上乗せ演出の実行期間を示し、図110(c)は縮小上乗せ演出の最後の1秒間が実行されるように縮小演出テーブルのポインタ情報が更新されるタイミングを示し、図110(d)はART用ベース演出及びART用通常演出の開始タイミングを示し、図110(e)は継続ゲーム数表示の更新タイミングを示し、図110(f)は演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信するタイミングを示し、図110(g)は演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信するタイミングを示す。
まず上乗せ演出の実行中に演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信する場合について説明する。
ART状態ST6であるt1のタイミングで、図110(f)に示すように、演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信すると、図110(a)に示すように、当該t1のタイミングで上乗せ演出が開始される。
その後、上乗せ演出の実行中であるt2のタイミングで、図110(g)に示すように、演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信すると、当該t2のタイミングで、図110(a)に示すように、上乗せ演出が終了するとともに、図110(b)に示すように、当該終了した上乗せ演出に対応する縮小上乗せ演出が開始される。既に説明したとおり、縮小上乗せ演出は、今回終了した上乗せ演出の続きから開始される。また、当該t2のタイミングで、図110(d)に示すように、今回受信したゲーム開始コマンドに基づいてART用ベース演出及びART用通常演出が開始されるとともに、新たなゲームの開始に伴って表示用カウンタ134の値を1減算する処理が行われる。そして、図110(e)に示すように、当該t2のタイミングで、画像表示装置63の左側上部に表示されている継続ゲーム数が当該1減算後の値に更新される。
その後、図110(b)に示すように、t3のタイミングで縮小上乗せ演出の実行期間が終了するとともに、表示用カウンタ134に対して当該終了した縮小上乗せ演出における上乗せゲーム数を加算する処理が実行される。そして、図110(e)に示すように、当該t3のタイミングで画像表示装置63の左側上部に表示されている継続ゲーム数が当該加算後の値に更新される。
次に、縮小上乗せ演出の実行中に演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信する場合について説明する。
縮小上乗せ演出が実行されているt4のタイミングで、図110(f)に示すように、演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信する。実行中である縮小上乗せ演出の残りの実行期間が1秒よりも長い場合、図110(c)に示すように、縮小上乗せ演出の最後の1秒間が実行されるように、縮小上乗せ演出テーブルが読み出されている第3レイヤLY3のポインタカウンタPC3の値が更新される。また、図110(a)に示すように、当該t4のタイミングで、今回受信したART中上乗せコマンドに対応する上乗せ演出が開始される。
t4のタイミングから1秒間が経過したt5のタイミングで、図110(b)に示すように縮小上乗せ演出が終了する。図110(a)に示すように、当該t5のタイミングでは、上乗せ演出が実行されている状況であるため、図110(e)に示すように、当該t5のタイミングでは継続ゲーム数表示の更新は行われない。
その後、図110(a)に示すように、t6のタイミングで上乗せ演出が終了すると、上乗せ演出及び縮小上乗せ演出が実行されていない状況となるため、表示用カウンタ134に対して連続して発生した上乗せ当選の合計上乗せゲーム数を加算する処理が実行される。そして、図110(e)に示すように、当該t6のタイミングで画像表示装置63の左側上部に表示されている継続ゲーム数が当該加算後の値に更新される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
上乗せ演出の実行中に演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信した場合、実行中であった上乗せ演出が終了するとともに、当該受信したゲーム開始コマンドに対応するART用ベース演出及びART用通常演出と、当該終了した上乗せ演出に対応する縮小上乗せ演出とが開始される。これにより、新たなゲームを開始すべくスタートレバー41が操作された場合に遅延を生じさせることなく当該操作に対応するART用ベース演出及びART用通常演出を開始することができる。
上乗せ演出の実行中にスタートレバー41の操作を無効とするフリーズ期間を設定しない構成であることにより、営業時間の終了が迫っているような状況で先を急ぎたい遊技者に対して、上乗せ演出の途中で次のゲームを開始させることを可能とすることができる。また、スタートレバー41の操作に基づいてART用ベース演出及びART用通常演出が開始された後、当該ART用ベース演出及びART用通常演出と並行して縮小上乗せ演出が実行されることにより、上乗せ演出を省略して先を急いだ遊技者に対しても、上乗せ演出に対応する内容の縮小上乗せ演出を表示することができる。これにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
上乗せ演出から縮小上乗せ演出への切り換えが行われる場合、実行中であった上乗せ演出に対応する縮小上乗せ演出テーブルが読み出されるとともに、上乗せ演出テーブルのポインタ情報が当該読み出された縮小上乗せ演出テーブルのポインタ情報として引き継がれる。また、縮小上乗せ演出用の表示用データが表示用設定エリア113の第4演出用エリア113eに設定されるとともに、上乗せ演出用の表示用データのポインタ情報が当該縮小上乗せ演出用の表示用データのポインタ情報として引き継がれる。これにより、途中で終了した上乗せ演出の続きから縮小上乗せ演出を開始することが可能となり、上乗せ演出から縮小上乗せ演出への切り換えを連続的で分かり易いものとすることができる。
縮小上乗せ演出の実行中に演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信した場合、今回受信したART中上乗せコマンドに対応する上乗せ演出が開始される。これにより、ART中上乗せコマンドを受信してから遅延を生じさせることなく新たな上乗せ演出を開始させることができる。ART中上乗せコマンドを受信したタイミングにおける縮小上乗せ動画の残りの表示期間が1秒よりも長い場合には、縮小上乗せ演出の最後の1秒間が実行されるように、縮小上乗せ演出テーブルにおける参照対象のポインタ情報が更新される。これにより、縮小上乗せ演出における上乗せゲーム数を明示した後、速やかに当該縮小上乗せ演出を終了させることができる。縮小上乗せ演出と、当該縮小上乗せ演出よりも後に開始された上乗せ演出とが並行して実行される期間が1秒以内に短縮されることにより、後から開始された上乗せ演出への注目を高めることができる。
ART状態ST6では、ART用ベース演出、ART用通常演出、上乗せ演出及び縮小上乗せ演出が実行される。これらの演出はそれぞれ複数種類存在しており、こられの演出の組合せは膨大な数である。これらの演出は、ART用ベース演出テーブル、ART用通常演出テーブル、上乗せ演出テーブル及び縮小上乗せ演出テーブルが読み出し用エリア94aにおける異なるレイヤLYn(第0レイヤLY0~第3レイヤLY3)に読み出され、これらの演出テーブルに従って演出側MPU92にて演出の実行制御が実行されることにより行われる。これにより、これらの演出の全ての組合せについての演出テーブルを演出側ROM93に予め記憶しておく構成と比較して、演出側ROM93に予め記憶しておく演出テーブルのデータ容量の増加を抑えながら、これらの演出の組合せのバリエーションを増加させることが可能となっている。また、ART用ベース演出、ART用通常演出及び上乗せ演出が実行されている状況において演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信した場合に、実行中であるART用ベース演出及びART用通常演出を継続させながら実行中であった上乗せ演出を終了させるとともに、当該上乗せ演出に対応する縮小上乗せ演出を開始させるための処理構成が簡略化されている。さらにまた、画像表示装置63においてART用ベース演出、ART用通常演出及び縮小上乗せ演出が実行されている状況において演出側MPU92が新たなART中上乗せコマンドを受信した場合に、実行中であるART用ベース演出、ART用通常演出及び縮小上乗せ演出に加えて、これらの演出と並行する態様でART中上乗せコマンドを受信したことに基づく上乗せ演出を開始させるための処理構成が簡略化されている。また、縮小上乗せ演出の実行期間が1秒よりも長く残っている状況において演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信した場合に、実行中であるART用ベース演出及びART用通常演出を継続させながら、縮小上乗せ演出テーブルのポインタ情報を最後の1秒間に対応するポインタ情報に更新させることが可能となっている。
<第3の実施形態>
本実施形態では、通常遊技状態ST1において最後にスタートレバー41の操作が行われてから演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することなく10分間が経過して遊技者の離席が予測される状況が発生した後も当該状況が発生する以前に生成されて記憶されている履歴構成データに対応する履歴画像G23を表示可能である点において上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態では、画像再生用記憶エリア94cの第0~第30再生用記憶エリアRD0~RD30に上記第1の実施形態における表示可能フラグが設けられていない。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、履歴メニュー画面(図97)にて「過去の履歴画像を表示」という項目を選択した場合、画像表示装置63に見出しリストが表示される。本実施形態では、第0~第31再生用記憶エリアRD0~RD31に記憶されている履歴構成データの全ての見出しを含む見出しリストが表示される。遊技者は、演出用操作装置64の上ボタン64b及び下ボタン64cを操作して見出しを選択し、中央ボタン64aを操作して当該見出しの選択を確定することにより、第0~第31再生用記憶エリアRD0~RD31のいずれかに記憶されている履歴構成データに対応する履歴画像G23を画像表示装置63に表示させて確認することができる。
上記第1の実施形態において既に説明したとおり、履歴画像G23に含まれる背景プレート画像G24の種類により本スロットマシン10の現状の設定値が示唆される。本実施形態では、通常遊技状態ST1において最後にスタートレバー41の操作が行われてから演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することなく10分間が経過して遊技者の離席が予測される状況が発生した後、見出しリストにおいて当該状況が発生するよりも前に生成された履歴構成データの見出しが選択された場合、設定値の示唆が行われない態様で当該履歴構成データに対応する履歴画像G23が画像表示装置63に表示される。具体的には、再生用記憶エリアRDn(nは0~31のいずれかの整数)の背景プレートカウンタ161gの値に関わらず、背景プレート画像G24の代わりに共通背景プレート画像を含む履歴画像G23が表示される。これにより、他人の遊技履歴に基づいて生成された履歴画像G23の背景プレート画像G24の種類を参考にして当日の設定値が推測されてしまう可能性を排除することができる。
本実施形態における履歴画像用管理処理(図95)では、ステップS5714にて肯定判定が行われた場合、すなわち通常遊技状態ST1において最後にスタートレバー41の操作が行われてから演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することなく10分間が経過した場合、ステップS5713にて取得した日時データを演出側RAM94に設けられた離席時間カウンタにセットする。離席時間カウンタは、通常遊技状態ST1において最後にスタートレバー41の操作が行われてから演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することなく10分間が経過して遊技者の離席が予測される状態となった日時を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。
次に、演出側MPU92にて実行される過去履歴選択用処理について、図111のフローチャートを参照しながら説明する。なお、過去履歴選択用処理は表示操作対応処理(図98)のステップS5907にて実行される。
ステップS6901~ステップS6907では、上記第1の実施形態における過去履歴選択用処理(図101)のステップS6201~ステップS6207と同一の処理を実行する。その後、演出側RAM94における離席カウンタに格納されている日時データを把握し(ステップS6908)、今回選択された見出しに対応する履歴構成データが生成された後に通常遊技状態ST1において最後にスタートレバー41の操作が行われてから演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することなく10分間が経過して遊技者の離席が予測される状況が発生したか否かを判定する(ステップS6909)。ステップS6909では、ステップS6908にて把握した日時データと、今回選択された見出しに対応する日時データとを照合し、ステップS6908にて把握した日時データが今回選択された見出しに対応する履歴構成データに含まれる日時データよりも新しい場合に肯定判定を行う。
ステップS6909にて肯定判定を行った場合には、演出側RAM94に設けられたプレート調整フラグに「1」をセットする(ステップS6910)。プレート調整フラグは、再生用記憶エリアRDnの背景プレートカウンタ161gの値に関わらず、共通背景プレート画像を表示すべきことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。一方、ステップS6909にて否定判定を行った場合には、プレート調整フラグに「1」をセットすることなくステップS6911に進む。
ステップS6909にて否定判定を行った場合、又はステップS6910の処理を行った場合には、今回選択された履歴構成データに対応する履歴画像G23を画像表示装置63に表示するための表示用データを生成する(ステップS6911)。ステップS6911では、プレート調整フラグに「1」がセットされている場合、今回選択された履歴構成データが記憶されている再生用記憶エリアRDn(nは0~31のいずれかの整数)の背景プレートカウンタ161gの値が「1」以上でありいずれかの背景プレート画像G24に当選している場合であっても、当該背景プレート画像G24に代えて共通背景プレート画像を含む履歴画像G23を画像表示装置63に表示するための表示用データを生成する。
その後、ステップS6911にて生成した表示用データを表示用設定エリア113にセットする(ステップS6912)。これにより、画像表示装置63に今回選択された過去の履歴構成データに対応する履歴画像G23が表示される。その後、演出側RAM94におけるプレート調整フラグを「0」クリアし(ステップS6913)、演出側RAM94における履歴画像表示中フラグに「1」をセットして(ステップS6914)、本過去履歴選択用処理を終了する。これにより、画像表示装置63に履歴画像G23が表示されている状態であることを演出側MPU92にて把握可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
通常遊技状態ST1において最後にスタートレバー41の操作が行われてから演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することなく10分間が経過して遊技者の離席が予測される状況が発生した後も当該状況が発生する以前に生成されて記憶されている履歴構成データに対応する履歴画像G23を表示可能である。他人の遊技の履歴に基づいて生成された履歴構成データに対応する履歴画像G23を画像表示装置63に表示させることができるため、遊技者本人の履歴画像G23と他人の履歴画像G23とを比較可能として、遊技の興趣向上を図ることができる。
通常遊技状態ST1において最後にスタートレバー41の操作が行われてから演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することなく10分間が経過して遊技者の離席が予測される状況が発生した後、当該状況が発生するよりも前に生成された履歴構成データに対応する履歴画像G23を表示させる操作が行われた場合、再生用記憶エリアRDn(nは0~31のいずれかの整数)の背景プレートカウンタ161gの値に関わらず、背景プレート画像G24の代わりに共通背景プレート画像を含む履歴画像G23が表示される。設定値の示唆が行われない態様で当該履歴構成データに対応する履歴画像G23を表示する構成であることにより、他人の遊技履歴を参考にして設定値が推測されてしまうことを防止しながら、画像表示装置63に表示可能な履歴画像G23の数を増加させることができる。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施形態の構成に対して個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。また、上記各実施形態の構成を相互に組み合わせて適用してもよく、上記各実施形態の構成を相互に組み合わせた構成に対して以下の別形態の構成を個別に又は組み合わせて適用してもよい。
(1)読み出し用エリア94aにおいて各データテーブルが読み出されるレイヤLYn(nは0~11のいずれかの整数)が特定されている構成としたが、データテーブルの読み出し時に読み出し用エリア94aにおいて空いている最上位のレイヤLYnに読み出し対象のデータテーブルが読み出される構成としてもよい。本構成では、読み出し用エリア94aに読み出される各種データテーブルのポインタ情報に対して音データが設定されている場合、当該ポインタ情報に対して音優先度データが設定されている。また、音出力用設定エリア112の各種エリア112a~112c(図42(b))には、音データ及び音優先度データが設定される。データ設定処理(演出実行処理(図47)のステップS1906)において、参照対象のポインタ情報に対して音データ及び音優先度データが設定されている場合、演出側MPU92は、音出力用設定エリア112の対応するエリア112a~112cに既に音データ及び音優先度データが設定されているか否かを判定する。音データ及び音優先度データが設定されていない場合には、参照対象のポインタ情報に対して設定されている音データ及び音優先度データを対応するエリア112a~112cに設定する。一方、既に音データ及び音優先度データが設定されている場合には、参照対象のポインタ情報に対して設定されている音優先度データが既に設定されている音優先度データよりも大きいか否か(優先度が高いか否か)を判定し、肯定判定を行った場合には参照対象のポインタ情報に対して設定されている音データ及び音優先度データを対応するエリア112a~112cに設定する。これにより、対応するエリア112a~112cに設定されている音データが優先度の高い音データに変更される。一方、否定判定を行った場合には、音データ及び音優先度データは変更されない。このように、音優先度データに基づいて優先度の高い音データが優先的に音出力用設定エリア112の各種エリア112a~112cに設定される構成であることにより、演出の進行状況に応じて演出テーブルが読み出されるレイヤLYn(nは0~11のいずれかの整数)が変動する構成であっても、優先度の高い音データを優先的にスピーカ62から出力することができる。
本構成では、読み出し用エリア94aに読み出される各種データテーブルのポインタ情報に対して発光データが設定されている場合、当該ポインタ情報に対して発光優先度データが設定されている。また、発光用設定エリア111(図41(a))には、発光データ及び発光優先度データが設定される。データ設定処理(演出実行処理(図47)のステップS1906)において、参照対象のポインタ情報に対して発光データ及び発光優先度データが設定されている場合、演出側MPU92は、発光用設定エリア111に既に発光データ及び発光優先度データが設定されているか否かを判定する。発光データ及び発光優先度データが設定されていない場合には、参照対象のポインタ情報に対して設定されている発光データ及び発光優先度データを発光用設定エリア111に設定する。一方、既に発光データ及び発光優先度データが設定されている場合には、参照対象のポインタ情報に対して設定されている発光優先度データが既に設定されている発光優先度データよりも大きいか否か(優先度が高いか否か)を判定し、肯定判定を行った場合には参照対象のポインタ情報に対して設定されている発光データ及び発光優先度データを発光用設定エリア111に設定する。これにより、発光用設定エリア111に設定されている発光データが優先度の高い発光データに変更される。一方、否定判定を行った場合には、発光データ及び発光優先度データは変更されない。このように、発光優先度データに基づいて優先度の高い発光データが優先的に発光用設定エリア111に設定される構成であることにより、演出の進行状況に応じて演出テーブルが読み出されるレイヤLYn(nは0~11のいずれかの整数)が変動する構成であっても、優先度の高い発光データに基づいて上部ランプ61の発光制御を実行することができる。
このように、データテーブルの読み出し時に読み出し用エリア94aにおいて空いている最上位のレイヤLYnに読み出し対象のデータテーブルを読み出す構成とすることにより、読み出し用エリア94aにおけるレイヤLYnの数を低減することができる。
(2)1度に複数のデータテーブルを読み出し可能な複数用レイヤが演出側RAM94に設けられており、第2期待演出が実行されるゲームにおいて各種演出テーブルが1つの複数用レイヤに読み出される構成としてもよい。当該複数用レイヤの中で実行対象のデータテーブルを切り換えることで、実行される演出を切り換えることができる。具体的には、第2期待演出が実行されるとともに再変動演出が実行されないゲームでは、第1契機の発生に基づいて、図柄変動演出テーブル、有効報知演出テーブル、左停止演出テーブル、右停止演出テーブル、長押し報知演出テーブル、中停止演出テーブル、第1期待演出テーブル、及び第2期待演出テーブルを複数用レイヤに読み出す。そして、図柄変動演出テーブルを実行対象に設定する。その後、第2契機の発生に基づいて有効報知演出テーブルを実行対象に設定し、第3契機の発生に基づいて左停止演出テーブルを実行対象に設定し、第4契機の発生に基づいて右停止演出テーブル及び長押し報知演出テーブルを実行対象に設定し、第5契機の発生に基づいて中停止演出テーブル及び第1期待演出テーブルを実行対象に設定する。その後、第1期待演出テーブルにおける参照対象のポインタ情報が所定の値に達するという条件と、第6契機が発生するという条件との両方が満たされた状態となったことに基づいて第2期待演出テーブルを実行対象に設定する。これにより、第1合成演出テーブルを生成する構成を不要としながら、第1期待演出の実行期間として少なくとも所定の期間(具体的には1秒間)を確保することができる。
また、第2期待演出及び再変動演出が実行されるゲームでは、第1契機の発生に基づいて、図柄変動演出テーブル、有効報知演出テーブル、左停止演出テーブル、右停止演出テーブル、長押し報知演出テーブル、中停止演出テーブル、第1期待演出テーブル、第2期待演出テーブル及び再変動演出テーブルを複数用レイヤに読み出す。そして、図柄変動演出テーブルを実行対象に設定する。その後、第2契機の発生に基づいて有効報知演出テーブルを実行対象に設定し、第3契機の発生に基づいて左停止演出テーブルを実行対象に設定し、第4契機の発生に基づいて右停止演出テーブル及び長押し報知演出テーブルを実行対象に設定し、第5契機の発生に基づいて中停止演出テーブル及び第1期待演出テーブルを実行対象に設定する。その後、第1期待演出テーブルにおける参照対象のポインタ情報が所定の値に達するという条件と、第6契機が発生するという条件との両方が満たされた状態となったことに基づいて第2期待演出テーブル及び再変動演出テーブルを実行対象に設定する。これにより、第2合成演出テーブルを生成する構成を不要としながら、第1期待演出の実行期間として少なくとも所定の期間(具体的には1秒間)を確保することができる。
(3)第2期待演出が実行されるとともに再変動演出が実行されないゲームでは、第1期待演出テーブル及び第2期待演出テーブルにおける演出用データが第1合成演出テーブルに設定される構成であれば、図柄変動演出テーブル、有効報知演出テーブル、左停止演出テーブル、右停止演出テーブル、長押し報知演出テーブル及び中停止演出テーブルの一部又は全部が第1合成演出テーブルとは異なるレイヤLYnに読み出される構成としてもよい。例えば、中停止演出テーブル、第1期待演出テーブル及び第2期待演出テーブルの演出用データが設定された第1合成演出テーブルが生成される構成としてもよい。当該構成では、第1契機が発生した場合に通常用ベース演出テーブルを第0レイヤLY0に読み出すとともに図柄変動演出テーブルを第1レイヤLY1に読み出し、第2契機が発生した場合に有効報知演出テーブルを第2レイヤLY2に読み出し、第3契機が発生した場合に左停止演出テーブルを第3レイヤLY3に読み出し、第4契機が発生した場合に右停止演出テーブルを第4レイヤLY4に読み出すとともに長押し報知演出テーブルを第5レイヤLY5に読み出し、第5契機が発生した場合に第1合成演出テーブルを読み出す。これにより、第1期待演出の実行期間を少なくとも所定の時間(具体的には1秒間)に亘って確保する構成において、第1合成演出テーブルに設定される演出用データのデータ量を低減することができる。よって、演出側ROM93の合成用テーブル記憶エリア93n(図41(a))に予め記憶しておく第1合成用テーブルのデータ容量を低減することができるとともに、第1合成演出テーブルを生成するための処理負荷を軽減することができる。
(4)第2期待演出及び再変動演出が実行されるゲームでは、第1期待演出テーブル、第2期待演出テーブル及び再変動演出テーブルにおける演出用データが第2合成演出テーブルに設定される構成であれば、図柄変動演出テーブル、有効報知演出テーブル、左停止演出テーブル、右停止演出テーブル、長押し報知演出テーブル及び中停止演出テーブルの一部又は全部が第2合成演出テーブルとは異なるレイヤLYnに読み出される構成としてもよい。例えば、中停止演出テーブル、第1期待演出テーブル、第2期待演出テーブル及び再変動演出テーブルの演出用データが設定された第2合成演出テーブルが生成される構成としてもよい。当該構成では、第1契機が発生した場合に通常用ベース演出テーブルを第0レイヤLY0に読み出すとともに図柄変動演出テーブルを第1レイヤLY1に読み出し、第2契機が発生した場合に有効報知演出テーブルを第2レイヤLY2に読み出し、第3契機が発生した場合に左停止演出テーブルを第3レイヤLY3に読み出し、第4契機が発生した場合に右停止演出テーブルを第4レイヤLY4に読み出すとともに長押し報知演出テーブルを第5レイヤLY5に読み出し、第5契機が発生した場合に第2合成演出テーブルを読み出す。これにより、第1期待演出の実行期間を少なくとも所定の時間(具体的には1秒間)に亘って確保する構成において、第2合成演出テーブルに設定される演出用データのデータ量を低減することができる。よって、演出側ROM93の合成用テーブル記憶エリア93n(図41(a))に予め記憶しておく第2合成用テーブルのデータ容量を低減することができるとともに、第2合成演出テーブルを生成するための処理負荷を軽減することができる。
(5)第2期待演出が実行されるとともに再変動演出が実行されないゲームにおいて、演出側MPU92は、中停止演出が終了するという条件及び演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信するという条件の両方が満たされた状態となったことに基づいて、実行中である各種演出を終了させて次のゲームの演出を開始させる構成としてもよい。当該構成では、停止操作対応処理(図25)において演出側MPU92に対してOFF操作コマンドを送信し(ステップS717)、主側RAM74における第2期待演出フラグに「1」がセットされていると判定した場合(ステップS718:YES)、主側MPU72は、第2期待演出用のフリーズ設定処理(ステップS719)を実行することなくステップS720に進み、第2期待演出フラグを「0」クリアして(ステップS720)、本停止操作対応処理を終了する。第2期待演出フラグが「0」クリアされることにより、通常処理(図13)のステップS312にて肯定判定が行われる。また、第2期待演出用のフリーズ設定処理が実行されないため、当該通常処理(図13)のステップS314でも肯定判定が行われる。これにより、中停止演出、第1期待演出又は第2期待演出の実行中であっても、スタートレバー41の操作に基づいて主側MPU72から演出側MPU92に対してゲーム開始コマンドが送信される状態となる。なお、主側MPU72が演出側MPU92に対してOFF操作コマンドを送信した後に、スタートレバー41の操作に基づいてゲーム開始コマンドを送信可能な状態となるため、第3停止に対応するストップボタン42~44のOFF操作が行われる前にスタートレバー41の操作が行われたとしても、当該スタートレバー41の操作に基づいてゲーム開始コマンドが送信されることはない。
中停止演出が終了するという条件及び演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信するという条件のうちいずれか一方の条件のみが満たされた状態となってもこれら2つの条件の両方が満たされた状態となるまでは演出を終了するための処理は実行されない。具体的には、中停止演出の実行中にゲーム開始コマンドを受信した場合、演出側MPU92は中停止演出の実行期間(具体的には1秒間)が終了したことに基づいて演出を終了するための処理を実行する。また、第1期待演出又は第2期待演出の実行中にゲーム開始コマンドを受信した場合、演出側MPU92は当該ゲーム開始コマンドを受信したことに基づいて演出を終了するための処理を実行する。演出を終了するための処理では、読み出し用エリア94aにおける第0レイヤLY0及び第1レイヤLY1をクリアする。これにより、実行中であった第1期待演出又は第2期待演出におけるスピーカ62の音出力制御及び上部ランプ61の発光制御が終了する。また、演出側MPU92は、表示用設定エリア113における背景用エリア113a及び第1~第5演出用エリア113b~113fをクリアする。画像表示装置63に背景画像G4、左図柄画像G5、右図柄画像G6、中図柄画像G7及び期待演出画像(泡画像G8、水流画像G9、渦巻き画像G10、魚群画像G11、又は巨大キャラクタ画像G12)を表示するための表示用データがクリアされることにより、画像表示装置63にこれらの画像が表示されなくなり、実行中であったゲームの演出が終了する。
その後、演出側MPU92は、ゲーム開始コマンドを受信したことに基づいて次のゲームの演出を開始する。具体的には、次のゲームにおいて第2期待演出が実行されない場合には、ゲーム開始コマンドを受信したことに基づいて、読み出し用エリア94aにおける第0レイヤLY0に通常用ベース演出テーブルを読み出すとともに、第1レイヤLY1に図柄変動演出テーブルを読み出す。また、次のゲームにおいて第2期待演出が実行されるとともに再変動演出が実行されない場合には、ゲーム開始コマンドを受信したことに基づいて、第1合成演出テーブルを生成し、読み出し用エリア94aにおける第0レイヤLY0に通常用ベース演出テーブルを読み出すとともに、第1レイヤLY1に当該生成した第1合成演出テーブルを読み出す。さらにまた、次のゲームにおいて第2期待演出及び再変動演出が実行される場合には、ゲーム開始コマンドを受信したことに基づいて、第2合成演出テーブルを生成し、読み出し用エリア94aにおける第0レイヤLY0に通常用ベース演出テーブルを読み出すとともに、第1レイヤLY1に当該生成した第2合成演出テーブルを読み出す。
このように、第2期待演出が実行されるとともに再変動演出が実行されないゲームにおいて、中停止演出が終了するという条件及び演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信するという条件の両方が満たされた状態となったことに基づいて、実行中である各種演出を終了させて次のゲームの演出を開始させる構成とすることにより、第2期待演出の実行期間が終了するまで、先を急ぐ遊技者が次のゲームを開始できなくなる事態を回避することができる。
(6)上記第1の実施形態において、上乗せメイン演出の動画表示が途中で終了することなく最後まで行われた場合にゲージ増大表示の高速表示に代えてゲージ増大表示の低速表示が行われるとともに、上乗せメイン演出の動画表示が途中で終了した場合にゲージ増大表示の低速表示に代えてゲージ増大表示の高速表示が行われる構成としてもよい。具体的には、上乗せ演出用処理(図65)のステップS3405では、ステップS3401にて上乗せゲーム数カウンタ135に設定した上乗せゲーム数が「50」である場合には低速第1上乗せサブ演出テーブルを特定するとともに、ステップS3401にて上乗せゲーム数カウンタ135に設定した上乗せゲーム数が「100」である場合には低速第2上乗せサブ演出テーブルを特定する。その後、ステップS3406では、演出側RAM94における連続上乗せフラグに「1」がされているか否かを判定する。ステップS3406にて否定判定を行った場合には、ステップS3405にて特定した低速表示用の上乗せサブ演出テーブルを読み出し用エリア94aの第3レイヤLY3に読み出す(ステップS3407)。低速表示用の上乗せサブ演出テーブルに従って演出の実行制御が行われることにより、画像表示装置63にて低速のゲージ増大表示を含む上乗せサブ演出が実行される。
一方、ステップS3406にて肯定判定を行った場合には、テーブル書き換え処理を実行する(ステップS3408)。テーブル書き換え処理では、上記第1の実施形態と同様に、今回の上乗せ当選よりも前に連続して発生した上乗せ当選の合計上乗せゲーム数に対応する態様でゲージ点滅表示及びゲージ増大表示が行われるように低速表示用の上乗せサブ演出テーブルの各ポインタ情報に対して設定されている表示用データのアドレス情報を書き換える。その後、テーブル書き換え処理(ステップS3408)を実行した後の低速表示用の上乗せサブ演出テーブルを読み出し用エリア94aの第3レイヤLY3に読み出す(ステップS3409)。書き換え後の低速表示用の上乗せサブ演出テーブルに従って演出の実行制御が行われることにより、画像表示装置63にて低速のゲージ増大表示を含む上乗せサブ演出が実行される。
ART中のゲーム開始用処理(図63(b))のステップS3203にて実行される上乗せサブ演出テーブルの更新処理では、読み出し用エリア94aの第3レイヤLY3に読み出されている低速表示用の上乗せサブ演出テーブルに代えて、対応する高速表示用の上乗せサブ演出テーブルを当該第3レイヤLY3に読み出す。具体的には、第3レイヤLY3に低速第1上乗せサブ演出テーブルが読み出されている場合には高速第1上乗せサブ演出テーブルを読み出すとともに、第3レイヤLY3に低速第2上乗せサブ演出テーブルが読み出されている場合には高速第2上乗せサブ演出テーブルを読み出す。上乗せサブ演出テーブルの更新処理(ステップS3203)では、第3レイヤLY3におけるポインタカウンタPC4の値はクリアされることなく引き継がれる。また、上乗せサブ演出テーブルの更新処理(ステップS3203)では、上乗せサブ演出用の表示用データが設定されている表示用設定エリア113の第5演出用エリア113fはクリアしない。このため、ゲージ表示部G19aではゲージ点滅表示の続きが表示される。上乗せサブ演出テーブルの更新処理(ステップS3203)では、第4レイヤLY4に読み出されていた低速表示用の上乗せサブ演出テーブルのデータの書き換えが行われていた場合、当該低速表示用の上乗せサブ演出テーブルの各ポインタ情報に対して設定されていた書き換え後のデータが第4レイヤLY4に読み出される高速表示用の上乗せサブ演出テーブルにおいて対応するポインタ情報に対して設定される。これにより、上乗せサブ演出が途切れない態様で上乗せ当選が連続して発生している状況において、今回の上乗せ当選が発生するよりも前に連続して発生していた上乗せ当選の合計上乗せゲーム数に対応する態様で上乗せサブ演出におけるゲージ点滅表示及びゲージ増大表示を実行することができる。
このように、上乗せメイン演出の動画表示が途中で終了した場合にゲージ増大表示の高速表示が行われる構成とすることにより、上乗せメイン演出の動画表示を途中で終了させて次のゲームを開始させることを選択した遊技者に対して、短時間でゲージ増大表示を確認可能とすることができる。また、上乗せメイン演出の動画表示中に行われたスタートレバー41の操作により開始されたゲームにおけるART用ベース演出及びART用通常演出と、当該ゲームの1つ前のゲームにおける上乗せサブ演出とが並行して実行される期間を短縮することができる。上乗せメイン演出の動画表示が途中で終了することなく最後まで行われた場合にゲージ増大表示の低速表示が行われる構成とすることにより、上乗せメイン演出の動画表示を途中で終了させることなく最後まで見た遊技者に対して、ゲージ増大表示をじっくりと確認可能とすることができる。
(7)上記第1の実施形態において、ART状態ST6において上乗せ当選が発生した場合にゲーム数の上乗せが発生するパターンの上乗せメイン演出が実行されるとともに、ART状態ST6において上乗せ当選が発生しなかった場合に所定の確率でゲーム数の上乗せが発生しないパターンの上乗せメイン演出が実行される構成としてもよい。上乗せ用処理(図31)のステップS1202では、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、今回の役の抽選処理(図14)にて「4」~「8」,「15」,「16」のいずれかの当選番号が設定されたか否かを判定する。ステップS1202にて肯定判定を行った場合には、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、上乗せ抽選処理(ステップS1203)にて上乗せ当選となり(ステップS1204:YES)、遊技状態がART状態ST6である場合(ステップS1205:YES)に、ART中の上乗せ設定処理が実行されて(ステップS1206)、主側RAM74におけるART中上乗せフラグに「1」がセットされる(ステップS1207)。
一方、本構成では、ステップS1202にて否定判定を行った場合、ゲーム数の上乗せが発生しないパターンの上乗せ演出を実行するか否かの抽選が行われる。当該抽選における当選確率は1/10である。当該抽選にて当選となり、遊技状態がART状態ST6である場合、主側RAM74に設けられた偽ART中上乗せフラグに「1」をセットする。偽ART中上乗せフラグは、ART状態ST6においてゲーム数の上乗せが発生しないパターンの上乗せ演出の実行対象ゲームであることを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。
ART状態処理(図33)では、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、主側RAM74におけるART中上乗せフラグに「1」がセットされている場合(ステップS1401:YES)、演出側MPU92に対してART中上乗せコマンドを送信する(ステップS1402)。演出側MPU92は、ART中上乗せコマンドを受信した場合、上記第1の実施形態と同様に、ゲーム数の上乗せが発生するパターンの上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を実行する。ゲーム数の上乗せが発生するパターンの上乗せメイン演出における動画表示では、画像表示装置63に表示される動画の最後でゲーム数の上乗せが発生したことを示す画像が表示される。上乗せゲーム数は、当該上乗せメイン演出の動画表示では報知されず、上乗せサブ演出のゲージ増大表示において報知される。
本構成におけるART状態処理(図33)では、主側RAM74における偽ART中上乗せフラグに「1」がセットされている場合、演出側MPU92に対して偽ART中上乗せコマンドを送信する。演出側MPU92は、偽ART中上乗せコマンドを受信した場合、ゲーム数の上乗せが発生しないパターンの上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出を実行する。ゲーム数の上乗せが発生しないパターンの上乗せメイン演出における動画表示では、画像表示装置63に表示される動画の最後でゲーム数の上乗せが発生しなかったことを示す画像が表示される。当該上乗せサブ演出では、ゲージ点滅表示のみが実行され、ゲージ増大表示は実行されない。
このように、上乗せメイン演出においてゲーム数の上乗せが発生するか否かを示す演出が行われる構成とすることにより、上乗せメイン演出の動画表示が開始されたとしても当該動画表示の最後でゲーム数の上乗せが発生したことを示す画像が表示されるまでゲーム数の上乗せが発生したか否かを不明として、上乗せメイン演出への注目度を高めることができる。また、上乗せゲーム数が上乗せメイン演出では報知されず上乗せサブ演出のゲージ増大表示において報知される構成とすることにより、上乗せメイン演出の動画表示が最後まで実行された場合においても、ゲージ増大表示が終了するまで上乗せゲーム数を不明として、ゲージ増大表示への注目度を高めることができる。
(8)ボーナス当選が発生したことを示す情報が設定されたゲーム開始コマンドを演出側MPU92が受信した場合に役物エラー状態及び補正動作待機状態が解除されて役物75の補正動作が行われる構成としてもよい。ボーナス当選が発生したことを示す情報が設定されたゲーム開始コマンドの受信は、ボーナス状態(BB状態ST3又はRB状態ST4)への移行前に必ず発生する事象であるため、ボーナス当選が発生したことを示す情報が設定されたゲーム開始コマンドを演出側MPU92が受信した場合に役物エラー状態及び補正動作待機状態が解除されて役物75の補正動作が行われる構成としても、ボーナス状態に移行してから最初に実行されるゲームの開始時に役物エラー状態及び補正動作待機状態が解除された状態となっている可能性を高めることができる。これにより、当該最初のゲームから役物動作演出を実行することが可能となる可能性を高めることができる。
(9)所定の期間に亘って補正動作が行われない状態が継続された場合には、補正実行カウンタ141及び待機実行カウンタ142の値が「0」クリアされる構成としてもよい。具体的には、通常遊技状態ST1において最後にスタートレバー41の操作が行われてから演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することなく10分間が経過して遊技者の離席が予測される状態となった場合に、履歴記憶モードの設定が解除されるとともに、補正実行カウンタ141及び待機実行カウンタ142の値が「0」クリアされる構成としてもよい。これにより、遊技者が交代した直後に補正動作待機状態又は役物エラー状態が発生してしまう可能性を低減することができる。
(10)ボーナス開始演出の最初から役物動作演出が実行される構成としてもよい。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、ボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信したタイミングで役物エラー状態又は補正動作待機状態である場合には、当該役物エラー状態又は補正動作待機状態が解除されて役物75の補正動作が実行される。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、役物75の補正動作に要する時間は最大で1.4秒間であり、当該補正動作はボーナス開始演出が開始されるよりも前のタイミングで終了する。このため、ボーナス入賞の成立時に役物エラー状態又は補正動作待機状態であったとしても、球状演出部77bが原点に滞在している状態でボーナス開始演出を開始することが可能となるとともに、当該ボーナス開始演出の最初から役物動作演出を実行することができる。ボーナス開始コマンドを演出側MPU92が受信したことに基づいて役物エラー状態又は補正動作待機状態を解除して役物75の補正動作を開始する構成とすると、ボーナス開始演出の最初から役物動作演出を実行することができなくなってしまう。これに対して、ボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信したことに基づいて役物エラー状態又は補正動作待機状態を解除して役物75の補正動作を実行する構成であることにより、ボーナス開始演出の最初から役物動作演出を開始させることができる。ボーナス当選が発生したことを示す情報が設定されたゲーム開始コマンドを演出側MPU92が受信したことに基づいて役物エラー状態又は補正動作待機状態を解除して役物75の補正演出を実行する構成とすると、ボーナス開始演出の開始前に補正動作を終了させることはできるものの、ボーナス当選が発生したことを示すボーナス告知演出が行われない場合においても役物エラー状態又は補正動作待機状態が解除されて役物75の補正動作が実行されるため、当該補正動作が実行されたことに基づいてボーナス当選の発生を遊技者に把握されてしまう。これに対して、ボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信したことに基づいて役物エラー状態又は補正動作待機状態を解除して役物75の補正動作を実行する構成であることにより、役物75の補正動作が行われたことに基づいてボーナス当選の発生が遊技者に把握されてしまうことを防止しながら、ボーナス開始演出の最初から役物動作演出を開始することができる。
(11)球状演出部77bの内部に役物発光体が内蔵されており、役物動作演出が実行される場合には外部から視認可能な態様で当該役物発光体が点滅発光する構成としてもよい。具体的には、役物75の球状演出部77bの内部には、役物発光体としてLEDが設置されている。役物75は役物発光体の発光制御を行う発光制御基板を備えている。発光制御基板は、演出制御装置90に電気的に接続されており、演出側MPU92から受信する信号に基づいて役物発光体の発光制御を行う。球状演出部77bは透明又は半透明であり、球状演出部77bの内部に設けられた役物発光体から放出される光の全部又は一部は球状演出部77bを透過して当該球状演出部77bの外部から視認可能となる。本構成では、演出側ROM93に役物動作演出テーブルが記憶されている。役物動作演出テーブルには、複数の数値情報がポインタ情報として連番となるように配列されており、当該ポインタ情報に対して役物75の駆動データ(第1駆動データ及び第2駆動データ)と、球状演出部77bの動作に合わせて役物発光体の発光制御を行うための発光データとが設定されている。演出側MPU92は、役物動作演出の開始タイミングとなった場合、役物動作演出テーブルを演出側ROM93から読み出し用エリア94aの第11レイヤLY11に読み出す。
役物動作演出テーブルには、発光データとして、役物発光体を点灯させるための第1発光データ、及び役物発光体を消灯させるための第2発光データが設定されている。演出側MPU92は、役物動作演出テーブルにおける参照対象のポインタ情報に第1発光データが設定されている場合には発光制御基板に対して第1発光データを送信するとともに、参照対象のポインタ情報に第2発光データが設定されている場合には発光制御基板に対して第2発光データを送信する。発光制御基板は、第1発光データを受信した場合に役物発光体を点灯させるとともに、第2発光データを受信した場合に役物発光体を消灯させる。
第11レイヤLY11に読み出された役物動作演出テーブルに従って演出側MPU92にて役物75の駆動制御及び役物発光体の発光制御を実行することにより、役物発光体が点滅発光するとともに球状演出部77bが上下に移動する役物動作演出を実行することができる。これにより、役物動作演出への注目度を高めて、遊技の興趣向上を図ることができる。
(12)役物75の駆動データのみが設定されている役物駆動テーブルに従って役物動作演出が実行される構成に代えて、役物75の駆動データ及び役物動作演出用の音データが設定されている役物動作演出テーブルに従って役物動作演出が実行される構成としてもよい。役物動作演出テーブルには、複数の数値情報がポインタ情報として連番となるように配列されており、当該ポインタ情報に対して役物75の駆動データ(第1駆動データ及び第2駆動データ)と、球状演出部77bの動作に合わせてスピーカ62の音出力制御を行うための音データとが設定されている。役物動作演出において球状演出部77bの上下移動に合わせてスピーカ62の音出力制御が行われる構成とすることにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
演出側MPU92は、役物動作演出の開始タイミングとなった場合、役物動作演出テーブルを演出側ROM93から読み出し用エリア94aの第11レイヤLY11に読み出す。演出側MPU92は、当該読み出された役物動作演出テーブルにおける参照対象のポインタ情報に対して役物動作演出用の音データが設定されている場合、当該音データを音出力用設定エリア112の演出用エリア112b(図42(b))に設定する。第11レイヤLY11に読み出された役物動作演出テーブルに設定されている音データは、読み出し用エリア94aの第1レイヤLY1~第8レイヤLY8に読み出された各種演出テーブルに設定されている音データよりも優先的に音出力用設定エリア112の演出用エリア112bに設定される。役物動作演出用の音出力制御が他の演出用の音出力制御よりも優先されることにより、音が欠けない態様で注目度の高い役物動作演出を実行することができる。
(13)ボーナス状態の全てのゲームにおいて役物動作演出が実行される構成に代えて、ボーナス状態の各ゲームにおいて役物動作演出を実行するか否かを決定する役物動作抽選が行われ、当該役物動作抽選において役物動作演出に当選したゲームにおいて役物動作演出が実行される構成としてもよい。ボーナス状態において主側MPU72からゲーム開始コマンドを受信した場合、演出側MPU92は役物動作抽選を行う。役物動作抽選では、まず役物動作抽選テーブルを演出側ROM93から読み出す。役物動作抽選テーブルには、役物動作演出に当選する結果となる確率が1/2となるとともに、役物動作演出に当選しない結果となる確率が1/2となるように、各結果に対して数値範囲が設定されている。その後、演出側RAM94において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出した役物動作抽選テーブルに対して照合する。そして、乱数カウンタから読み出した数値情報を含む数値範囲が設定されている結果(役物動作演出に当選する結果又は役物動作演出に当選しない結果)に当選したと判定する。役物動作抽選において役物動作演出に当選した場合、演出側MPU92は役物75の駆動テーブルのアドレス情報が設定されている演出テーブルを読み出し用エリア94aに読み出す。これにより、ボーナス状態では役物動作演出に当選したゲームのみにおいて役物動作演出を実行することができる。
(14)ボーナス当選が発生したこと、又はボーナス入賞が成立したことを遊技者に示すボーナス役物演出が存在しており、ボーナス当選が発生した場合及びボーナス入賞が成立した場合のいずれか一方でボーナス役物演出が実行される構成としてもよい。ボーナス役物演出は、上記第1の実施形態における役物動作演出と同様に、役物75の球状演出部77bが上下に移動する演出である。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、通常遊技状態ST1において、役の抽選処理(図14)にてボーナス当選が発生したゲームでは、告知抽選処理(演出内容決定処理(図51)のステップS2311)が実行される。告知抽選処理にてボーナス告知演出に当選した場合には、ボーナス当選が発生した今回のゲームにおいてボーナス告知演出が実行される。一方、告知抽選処理にて再変動演出に当選した場合には、ボーナス入賞が成立することなく5ゲームが消化された後に開始されるゲームにて再変動演出が実行される。本構成における演出側ROM93には、ボーナス役物演出を実行するためのボーナス役物駆動テーブルが記憶されている。演出側MPU92は、ボーナス当選が発生したゲームにおいてボーナス告知演出に当選した場合、上記第1の実施形態と同様に、当該ゲームにおいて第5契機が発生したことに基づいて、読み出し用エリア94aの第6レイヤLY6に中停止演出テーブルを読み出し、第7レイヤLY7に第1期待演出テーブルを読み出し、第8レイヤLY8にボーナス告知演出テーブルを読み出す。本構成では、第8レイヤLY8にボーナス告知演出テーブルを読み出した後、役物75の駆動テーブルを第11レイヤLY11に読み出し可能な読み出し可能状態であるか否かを判定する。具体的には、役物管理用エリア94dにおける役物エラーフラグ、補正動作待機フラグ、役物初期化中フラグ、補正動作中フラグ、補正動作完了フラグ、復帰動作中フラグ、及び役物動作中フラグのいずれにも「1」がセットされていない状態である場合に読み出し可能状態であると判定する。読み出し可能状態であると判定した場合には、演出側RAM94に設けられた役物演出実行フラグに「1」をセットする。役物演出実行フラグは、ボーナス役物演出が実行されたことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。ボーナス告知演出テーブルには、ボーナス役物駆動テーブルのアドレス情報が設定されている。第8レイヤLY8にボーナス告知演出テーブルが読み出された今回のゲームにおいて、ボーナス入賞が成立しなかった場合には、当該ボーナス告知演出テーブルに設定されているアドレス情報に基づいて第11レイヤLY11にボーナス役物駆動テーブルが読み出される。演出側MPU92は、当該ボーナス役物駆動テーブルに従って役物75の駆動制御を実行することによりボーナス役物演出を実行する。このように、ボーナス告知演出にてボーナス役物演出が実行された場合、役物演出実行フラグは、演出側MPU92が主側MPU72からボーナス開始コマンドを受信した場合に「0」クリアされる。
一方、第8レイヤLY8にボーナス告知演出テーブルを読み出した後に読み出し可能状態でないと判定した場合には、ボーナス告知演出テーブルが読み出されていても、第11レイヤLY11にボーナス役物駆動テーブルを読み出す処理がキャンセルされてしまう。このため、読み出し可能状態でないと判定した場合、演出側MPU92は演出側RAM94における役物演出実行フラグに「1」をセットしない。これにより、ボーナス役物演出が実行されていないことを演出側MPU92にて把握可能とすることができる。
また、第8レイヤLY8にボーナス告知演出テーブルを読み出して役物演出実行フラグに「1」をセットした後、ボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信した場合、上記第1の実施形態における入賞結果対応処理(図56(a))のステップS2803と同様に、ボーナス告知演出の中止処理を実行する。ボーナス告知演出の中止処理では、読み出し用エリア94aにおいてボーナス告知演出テーブルが読み出されている第8レイヤLY8をクリアするとともに、ボーナス告知演出フラグ122を「0」クリアする。これにより、ボーナス告知演出がキャンセルされる。また、本構成では、ボーナス告知演出の中止処理にて演出側RAM94における役物演出実行フラグを「0」クリアする。このように、ボーナス告知演出がキャンセルされたことによりボーナス役物演出もキャンセルされた場合には、役物演出実行フラグが「0」クリアされる。これにより、ボーナス役物演出が実行されていないことを演出側MPU92にて把握可能となる。
ボーナス当選が発生したゲームにおいて再変動演出に当選し、ボーナス入賞が成立することなく5ゲームが消化された後に再変動演出の実行対象ゲームが開始された場合、上記第1の実施形態と同様に、演出側MPU92はゲーム開始コマンドを受信したことに基づいて第2合成演出テーブルを生成する、そして、読み出し用エリア94aの第0レイヤLY0に通常用ベース演出テーブルを読み出すとともに、第1レイヤLY1に第2合成演出テーブルを読み出す。本構成では、第1レイヤLY1に第2合成演出テーブルを読み出した後、役物75の駆動テーブルを第11レイヤLY11に読み出し可能な読み出し可能状態であるか否かを判定する。具体的には、役物管理用エリア94dにおける役物エラーフラグ、補正動作待機フラグ、役物初期化中フラグ、補正動作中フラグ、補正動作完了フラグ、復帰動作中フラグ、及び役物動作中フラグのいずれにも「1」がセットされていない状態である場合に読み出し可能状態であると判定する。読み出し可能状態であると判定した場合には、演出側RAM94における役物演出実行フラグに「1」をセットする。既に説明したとおり、役物演出実行フラグは、ボーナス役物演出が実行されたことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。第2合成演出テーブルに設定されている再変動演出テーブルの演出用データには、ボーナス役物駆動テーブルのアドレス情報が設定されている。再変動演出において読み出されるボーナス役物駆動テーブルは、上述したボーナス告知演出において読み出されるボーナス役物駆動テーブルと同一の駆動テーブルである。第1レイヤLY1に第2合成演出テーブルが読み出された今回のゲームにおいて、ボーナス入賞が成立しなかった場合には、当該第2合成演出テーブルに設定されているアドレス情報に基づいて第11レイヤLY11にボーナス役物駆動テーブルが読み出される。演出側MPU92は、当該ボーナス役物駆動テーブルに従って役物75の駆動制御を実行することにより再変動演出にてボーナス役物演出を実行する。再変動演出にてボーナス役物演出が実行された場合、演出側RAM94における役物演出実行フラグは、演出側MPU92が主側MPU72からボーナス開始コマンドを受信した場合に「0」クリアされる。
一方、第2合成演出テーブルを第1レイヤLY1に読み出した後に読み出し可能状態でないと判定した場合には、第1レイヤLY1に第2合成演出テーブルが読み出されていても、第11レイヤLY11にボーナス役物駆動テーブルを読み出す処理がキャンセルされてしまう。このため、読み出し可能状態でないと判定した場合には演出側RAM94における役物演出実行フラグに「1」をセットしない。これにより、ボーナス役物演出が実行されていないことを演出側MPU92にて把握可能とすることができる。
また、第1レイヤLY1に第2合成演出テーブルを読み出して役物演出実行フラグに「1」をセットした後、ボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信した場合、上記第1の実施形態における入賞結果対応処理(図56(a))のステップS2805と同様に、再変動演出の中止処理を実行する。再変動演出の中止処理では、読み出し用エリア94aの第1レイヤLY1に読み出されている第2合成演出テーブルに設定されている演出用データのうち再変動演出の演出用データを削除する。これにより、再変動演出がキャンセルされるとともに、ボーナス役物演出がキャンセルされる。また、本構成では、再変動演出の中止処理にて演出側RAM94における役物演出実行フラグを「0」クリアする。このように、再変動演出の実行対象ゲームにおいて、持ち越されていたボーナス当選に対応するボーナス入賞が成立して再変動演出がキャンセルされるとともにボーナス役物演出がキャンセルされた場合には、役物演出実行フラグが「0」クリアされる。これにより、ボーナス役物演出が実行されていないことを演出側MPU92にて把握可能となる。
次に、本構成における演出側MPU92にて実行されるボーナス入賞時の役物設定処理について説明する。なお、上記第1の実施形態と同様に、ボーナス入賞時の役物設定処理は、ボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信したことに基づいて入賞結果対応処理(図56(a))のステップS2806にて実行される。
ボーナス入賞時の役物設定処理では、まず上記第1の実施形態におけるボーナス入賞時の役物設定処理(図78)のステップS4701~ステップS4705と同一の処理を実行する。具体的には、役物管理用エリア94dにおける役物エラーフラグに「1」がセットされている場合(ステップS4701:YES)、役物管理用エリア94dにおけるエラー解除フラグに「1」をセットする(ステップS4702)。これにより、補正動作の開始設定処理(図72)のステップS4102にて肯定判定が行われて役物エラー状態を解除するための処理(ステップS4104~ステップS4106及びステップS4109~ステップS4111の処理)が実行されるようになる。
役物エラーフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS4701:NO)には、役物管理用エリア94dにおける補正動作待機フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4703)。補正動作待機フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4703:YES)には、役物管理用エリア94dにおける待機解除フラグに「1」をセットする(ステップS4704)。これにより、補正動作の開始設定処理(図72)のステップS4102にて肯定判定が行われて補正動作待機状態を解除するための処理(ステップS4104~ステップS4108の処理)が実行されるようになる。その後、役物管理用エリア94dにおける待機実行カウンタ142の値を「0」クリアする(ステップS4705)。これにより、待機実行カウンタ142にてカウントされていた補正動作待機状態に設定された回数がクリアされる。
ステップS4702の処理を行った場合、又はステップS4705の処理を行った場合、本構成では、役物管理用エリア94dに設けられたボーナス入賞時フラグに「1」をセットする。ボーナス入賞時フラグは、役物75の補正動作がボーナス入賞の成立を契機として開始されたものであるか否かを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。ボーナス入賞時フラグは、役物管理情報の第1クリア処理(補正動作の開始設定処理(図72)のステップS4107)及び役物管理情報の第2クリア処理(補正動作の開始設定処理(図72)のステップS4110)において「0」クリアされない。演出側MPU92は、補正動作中フラグに「1」がセットされているとともにボーナス入賞時フラグに「1」がセットされていることに基づいて、役物75の補正動作がボーナス入賞の成立を契機として開始されたものであることを把握する。ボーナス入賞時の役物設定処理では、ボーナス入賞時フラグに「1」をセットした後、上記第1の実施形態におけるボーナス入賞時の役物設定処理(図78)のステップS4706と同様に、補正動作の開始設定処理(図72)を実行して、本ボーナス入賞時の役物設定処理を終了する。
ボーナス入賞時の役物設定処理では、役物エラーフラグ及び補正動作待機フラグのいずれにも「1」がセットされていない場合(ステップS4701:NO、ステップS4703:NO)、上記第1の実施形態におけるボーナス入賞時の役物設定処理(図78)のステップS4707~ステップS4709と同一の処理を実行する。具体的には、読み出し用エリア94aにおける第11レイヤLY11をクリアする(ステップS4707)。これにより、第11レイヤLY11に役物75の駆動テーブルが読み出されていた場合であっても、役物駆動部78に対して駆動データが出力されなくなる。具体的には、補正動作の実行中であった場合には当該補正動作が途中で終了する。
その後、役物管理情報の第3クリア処理を実行する(ステップS4708)。役物管理情報の第3クリア処理(ステップS4708)では、役物管理用エリア94dにおける原点変位フラグを除く各種カウンタ141~144及び各種フラグ(具体的には、役物初期化中フラグ、初期化終了フラグ、役物エラーフラグ、エラー解除フラグ、補正動作待機フラグ、待機解除フラグ、補正動作中フラグ、補正動作完了フラグ、役物動作中フラグ、第1原点用待機フラグ、第2原点用待機フラグ及び復帰動作中フラグ)の値を「0」クリアする。これにより、原点変位フラグの情報を除く役物75の管理情報がクリアされる。
その後、役物75の球状演出部77bが原点に滞在しているか否かを判定する(ステップS4709)。本構成では、球状演出部77bが原点に滞在している場合(ステップS4709:YES)、ボーナス役物演出の開始設定処理を実行して、本ボーナス入賞時の役物設定処理を終了する。ボーナス役物演出の開始設定処理では、まず演出側RAM94における役物演出実行フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。役物演出実行フラグに「1」がセットされている場合には、既にボーナス役物演出が実行されたことを意味するため、そのまま本ボーナス入賞時の役物設定処理を終了する。このように、ボーナス開始演出が実行される前に既にボーナス役物演出が実行されている場合には、ボーナス役物演出を実行しない。一方、役物演出実行フラグに「1」がセットされていない場合には、未だボーナス役物演出が実行されていないことを意味するため、ボーナス役物駆動テーブルを演出側ROM93から読み出し用エリア94aの第11レイヤLY11に読み出すとともに、役物管理用エリア94dにおける役物動作中フラグに「1」をセットして、本ボーナス役物演出の開始設定処理を終了する。演出側MPU92は、当該読み出されたボーナス役物駆動テーブルに従って役物75の駆動制御を実行することにより、ボーナス役物演出を実行する。このように、ボーナス役物演出が未だ実行されていない状態でボーナス入賞が成立したことを示す入賞結果コマンドを受信し、役物エラー状態及び補正動作待機状態でなく、球状演出部77bが原点に滞在している場合には、ボーナス役物演出が開始される。
一方、ステップS708にて役物管理情報の第3クリア処理を実行した後、球状演出部77bが原点に滞在していないと判定した場合(ステップS4709:NO)には、役物管理用エリア94dにおけるボーナス入賞時フラグに「1」をセットする。その後、上記第1の実施形態におけるボーナス入賞時の役物設定処理(図78)のステップS4710及びステップS4711と同一の処理を実行する。具体的には、補正動作用の読み出し処理を実行する(ステップS4710)。ステップS4710では、上記第1の実施形態において既に説明した初期位置用駆動テーブル及び変位位置用駆動テーブルのうち現状の原点に対応する駆動テーブルを演出側ROM93から読み出し用エリア94aに読み出す。第11レイヤLY11に読み出された初期位置用駆動テーブル又は変位位置用駆動テーブルに従って演出側MPU92にて役物75の駆動制御が行われることにより、球状演出部77bが原点(初期位置又は変位位置)に移動する。
その後、役物管理用エリア94dにおける補正動作中フラグに「1」をセットして(ステップS4711)、本ボーナス入賞時の役物設定処理を終了する。このように、ボーナス役物演出が未だ実行されていない状態でボーナス入賞が成立したことを示す入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信し、役物エラー状態及び補正動作待機状態でなく、球状演出部77bが原点に滞在していない場合には、ボーナス入賞が成立したことを契機として開始された補正動作であることを演出側MPU92にて把握可能な態様で役物75の補正動作が実行される。
次に、本構成における演出側MPU92にて実行される役物用フラグ設定処理について説明する。なお、上記第1の実施形態と同様に、役物用フラグ設定処理は、フラグクリア処理(図66(a))のステップS3508にて実行される。
役物用フラグ設定処理では、まず上記第1の実施形態における役物用フラグ設定処理(図77)のステップS4601~ステップS4604と同一の処理を実行する。具体的には、役物管理用エリア94dにおける役物初期化中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4601:YES)、役物初期化テーブルに基づく役物75の初期化動作が終了したことを意味するため、役物管理用エリア94dにおける初期化終了フラグに「1」をセットして(ステップS4602)、本役物用フラグ設定処理を終了する。
ステップS4601にて否定判定を行った場合、役物管理用エリア94dにおける補正動作中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4603)。補正動作中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4603:YES)には、補正動作用の駆動テーブルに基づく役物75の補正動作が終了したことを意味するため、補正動作中フラグを「0」クリアする(ステップS4604)。
本構成では、ステップS4604にて補正動作中フラグを「0」クリアした後、役物管理用エリア94dにおけるボーナス入賞時フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ボーナス入賞時フラグに「1」がセットされている場合には、ボーナス入賞が成立したことを契機として開始された役物75の補正動作が終了したことを意味するため、役物演出実行フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。そして、役物演出実行フラグに「1」がセットされていない場合には、上述したボーナス役物演出の開始設定処理と同一の処理を実行する。これにより、第11レイヤLY11にボーナス役物駆動テーブルが読み出され、当該読み出されたボーナス役物駆動テーブルに従って演出側MPU92にて役物75の駆動制御が実行されることによりボーナス役物演出が実行される。このように、ボーナス役物演出が未だ実行されていない状態でボーナス入賞が成立したことを契機として役物75の補正動作が開始された場合には、当該補正動作が終了したことに基づいてボーナス役物演出が開始される。
一方、ステップS4604にて補正動作中フラグを「0」クリアした後、役物管理用エリア94dにおけるボーナス入賞時フラグに「1」がセットされていると判定した場合であっても、演出側RAM94における役物演出実行フラグに「1」がセットされている場合には、既にボーナス役物演出が実行されたことを意味するため、ボーナス役物演出の開始設定処理を実行することなく、本役物用フラグ設定処理を終了する。このように、ボーナス役物演出が実行された後にボーナス入賞が成立したことを契機として役物75の補正動作が開始された場合には、当該補正動作が終了したとしてもボーナス役物演出は開始されない。これにより、ボーナス開始演出前にボーナス役物演出が二重に実行されてしまうことを防止することができる。
役物用フラグ設定処理では、ステップS4604にて補正動作中フラグを「0」クリアした後、演出側RAM94におけるボーナス入賞時フラグに「1」がセットされていない場合には、上記第1の実施形態における役物用フラグ設定処理(図77)のステップS4605と同様に、役物管理用エリア94dにおける補正動作完了フラグに「1」をセットして、本役物用フラグ設定処理を終了する。
役物用フラグ設定処理では、ステップS4603にて補正動作中フラグに「1」がセットされていないと判定した場合、上記第1の実施形態における役物用フラグ設定処理(図77)のステップS4606~ステップS4608と同一の処理を実行する。
上記のとおり、読み出し可能状態でボーナス告知演出が実行される場合には当該ボーナス告知演出にてボーナス役物演出が実行されるとともに、読み出し可能状態で再変動演出が実行される場合には当該再変動演出にてボーナス役物演出が実行される構成において、ボーナス役物演出が実行されることなくボーナス入賞が成立した場合には、ボーナス入賞が成立したことを契機としてボーナス役物演出が実行される。また、ボーナス役物演出が実行されることなくボーナス入賞が成立した場合において、球状演出部77bが原点に滞在していない場合には、役物75の補正動作が実行され、当該補正動作が終了したことに基づいてボーナス役物演出が開始される。これにより、ボーナス開始演出が実行されるよりも前のタイミングでボーナス役物演出を実行してボーナス当選が発生したこと、又はボーナス入賞が成立したことを遊技者に示すことができる。よって、遊技の興趣向上を図ることができる。
ボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信したことに基づいて役物エラー状態又は補正動作待機状態が解除されるとともに、役物75の補正動作が実行される。ボーナス当選が発生したことを示す情報が設定されたゲーム開始コマンドを演出側MPU92が受信したことに基づいて役物エラー状態又は補正動作待機状態を解除して役物75の補正動作を実行する構成とすると、ボーナス当選が発生したゲームにおいてボーナス告知演出に当選しなかった場合においても役物エラー状態又は補正動作待機状態が解除されて役物75の補正動作が行われるため、当該補正動作が行われたことに基づいてボーナス当選の発生を遊技者に把握されてしまう。これに対して、ボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信したことに基づいて役物エラー状態又は補正動作待機状態を解除して役物75の補正動作を実行する構成であることにより、役物75の補正動作が行われたことに基づいてボーナス当選の発生を遊技者に把握されてしまうことを防止しながら、ボーナス状態に移行するよりも前のタイミングで役物エラー状態又は補正動作待機状態を解除する機会を確保することができる。
また、上記(14)の構成において、ボーナス入賞が成立したことを示す情報が設定された入賞結果コマンドを演出側MPU92が受信したことに基づいて役物75の補正動作が実行される場合、補正動作に要した時間を計測し、当該補正動作に要した時間の長さに応じて、ボーナス役物演出を実行する場合と、ボーナス役物演出よりも球状演出部77bの動作時間が短縮された短縮ボーナス役物演出を実行する場合と、ボーナス役物演出が実行されない場合とが生じる構成としてもよい。具体的には、演出側ROM93には、ボーナス役物演出を実行するための役物75の駆動データ(第1駆動データ及び第2駆動データ)が設定されているボーナス役物駆動テーブルと、短縮ボーナス役物演出を実行するための役物75の駆動データ(第1駆動データ及び第2駆動データ)が設定されている短縮ボーナス役物駆動テーブルとが記憶されている。ボーナス役物演出では球状演出部77bが1.5秒間に亘って上下に動作するとともに、短縮ボーナス役物演出では球状演出部77bが1秒間に亘って上下に動作する。
ボーナス入賞時の役物設定処理(入賞結果対応処理(図56)のステップS2806)にて演出側RAM94におけるボーナス入賞時フラグに「1」がセットされた場合、演出側RAM94に設けられた役物演出用タイマカウンタに1.5秒に対応する数値情報をセットする。役物演出用タイマカウンタの値は、演出側MPU92にて4ミリ秒周期で実行される役物管理処理(図68)が実行される度に1減算されて更新される。演出側MPU92は、本構成における役物駆動制御処理(演出実行処理(図47)のステップS1915)にて、演出側RAM94におけるボーナス入賞時フラグに「1」がセットされているとともに第11レイヤLY11に初期位置用駆動テーブルが読み出されている状態において球状演出部77bが初期位置に復帰した場合、又は演出側RAM94におけるボーナス入賞時フラグに「1」がセットされているとともに第11レイヤLY11に変位位置用駆動テーブルが読み出されている状態において球状演出部77bが変位位置に復帰した場合、役物75の補正動作が終了したと判定する。演出側MPU92は、初期位置センサ75aから受信する検知信号のLOW状態からHI状態への立ち上がりを検出した場合に球状演出部77bが初期位置に滞在していることを把握するとともに、変位位置センサ75bから受信する検知信号のLOW状態からHI状態への立ち上がりを検出した場合に球状演出部77bが変位位置に滞在していることを把握する。
演出側MPU92は、ボーナス入賞が成立したことを契機として開始された役物75の補正動作が終了したことを把握した場合、役物演出実行フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。役物演出実行フラグに「1」がセットされていない場合には、ボーナス役物演出が未だ実行されていないことを意味するため、演出側RAM94における役物演出用タイマカウンタの値に基づいて、役物75の補正動作に要した時間を把握する。演出側MPU92は、補正動作に要した時間が0.5秒未満である場合にはボーナス役物駆動テーブルを演出側ROM93から読み出し用エリア94aの第11レイヤLY11に読み出すとともに、役物管理用エリア94dにおける役物動作中フラグに「1」をセットする。第11レイヤLY11に読み出されたボーナス役物駆動テーブルに従って演出側MPU92にて役物75の駆動制御が実行されることにより、ボーナス役物演出が実行される。
演出側MPU92は、役物75の補正動作に要した時間が0.5秒以上であるとともに1秒未満である場合には短縮ボーナス役物駆動テーブルを演出側ROM93から読み出し用エリア94aの第11レイヤLY11に読み出すとともに、役物管理用エリア94dにおける役物動作中フラグに「1」をセットする。第11レイヤLY11に読み出された短縮ボーナス役物駆動テーブルに従って演出側MPU92にて役物75の駆動制御が実行されることにより、短縮ボーナス役物演出が実行される。一方、演出側MPU92は、補正動作に要した時間が1秒以上である場合、ボーナス役物駆動テーブル及び短縮ボーナス役物駆動テーブルのいずれも読み出さない。この場合には、ボーナス役物演出及び短縮ボーナス役物演出のいずれも実行されない。
このように、ボーナス役物演出が実行されることなくボーナス入賞が成立して役物75の補正動作が実行される場合には補正動作に要した時間が計測される。補正動作が行われなかった場合又は補正動作に要した時間が短かった場合(補正動作に要した時間が0.5秒未満であった場合)にはボーナス役物演出が実行され、補正動作に要した時間が中程度であった場合(補正動作に要した時間が0.5秒以上1秒未満であった場合)には短縮ボーナス役物演出が実行され、補正動作に要した時間が長かった場合(補正動作に要した時間が1秒以上であった場合)にはボーナス役物演出及び短縮ボーナス役物演出のいずれも実行されない。役物75の補正動作に要した時間に応じて役物が動作する演出の有無及び当該演出の長さを変動させる構成であることにより、役物75の補正動作を実行するとともに、当該補正動作の終了後に残った時間を利用して役物75を動作させる演出(ボーナス役物演出又は縮小ボーナス役物演出)を実行することができる。これにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
(15)履歴記憶モードの設定が行われていることを条件として遊技履歴データの履歴記憶用エリア94bへの記憶が行われる構成に代えて、常に遊技履歴データの履歴記憶用エリア94bへの記憶が行われ、遊技者による操作が行われた場合に遊技履歴データのクリア処理が実行される構成としてもよい。具体的には、履歴画像用処理(図82)では、履歴記憶フラグ158に「1」がセットされているか否かの判定を行うことなく、無条件でステップS4802における履歴記憶処理(図83)を実行する。履歴メニュー画面(図97)には、「モード選択」の項目に代えて、「履歴消去」の項目が設けられている。履歴メニュー画面において「履歴消去」の項目が選択された場合、演出側MPU92は、遊技履歴データのクリア処理が実行する。遊技履歴データのクリア処理では、上記第1の実施形態における履歴構成データの生成処理(図85)のステップS5114と同様に、履歴記憶用エリア94bにおける第0~第5履歴用記憶エリアRA0~RA5及び第7~第15履歴用記憶エリアRA7~RA15をクリアする。遊技者は、履歴メニュー画面において「履歴消去」の項目を選択して、ART当選の発生回数を示す遊技履歴データを除いて、履歴記憶用エリア94bに記憶されている遊技履歴データを消去した後に遊技を開始することにより、当該遊技者が遊技を開始する以前に行われた遊技の履歴が履歴画像G23に反映されてしまうことを防止することができる。
上記第1の実施形態と同様に、履歴画像用管理処理(図95)では、通常遊技状態ST1において最後にスタートレバー41の操作が行われてから10分間が経過したと判定した場合(ステップS5712:YES、ステップS5714:YES)、遊技履歴データのクリア処理を実行する(ステップS5716)。当該クリア処理では、履歴記憶用エリア94bにおける第0~第5履歴用記憶エリアRA0~RA5及び第7~第15履歴用記憶エリアRA7~RA15がクリアされる。これにより、次に着席する遊技者の遊技履歴データと、当該遊技者よりも前に着席していた遊技者の遊技履歴データとが混合されてしまうことを防止することができる。
このように、常に遊技履歴データの履歴記憶用エリア94bへの記憶が行われる構成とすることにより、遊技履歴データを履歴記憶用エリア94bに記憶させるための遊技者による設定を不要としながら、遊技履歴データに基づく履歴構成データの生成及び当該履歴構成データに対応する履歴画像G23の表示を実行可能とすることができる。これにより、遊技を開始する際に遊技履歴データを履歴記憶用エリア94bに記憶させるための設定を忘れたために履歴画像G23が表示できなくなる事態が発生する可能性を排除することができる。
(16)画像再生用記憶エリア94cに記憶されている履歴構成データに基づいて各文言指定データの使用頻度を把握し、当該使用頻度が所定の基準値を超えている場合には当該文言指定データが選択エリア165~167に設定されない構成としてもよい。また、文言選択処理(図88)のステップS5211にて実行される文言指定データの抽選処理において使用頻度の高い文言指定データの当選確率が低く設定される構成としてもよい。これにより、同じ文言指定データが設定された履歴構成データが頻繁に生成されてしまうことを防止することができる。
(17)文言指定データの抽選処理(文言選択処理(図88)のステップS5211)において選択された文言指定データが画像再生用記憶エリア94cの再生用記憶エリアRDn(nは0~31のいずれかの整数)に記憶されている履歴構成データに含まれており、当該文言指定データと同一の表示優先度を有しているとともに選択条件を満たしている文言指定データが他に存在しない場合には、文言指定データの抽選処理(ステップS5211)において選択された文言指定データよりも表示優先度の低い文言指定データの中から選択エリア165~167に設定される文言指定データが選択される構成としてもよい。これにより、過去に生成されて記憶されている履歴構成データと同一の文言指定データが設定される可能性を低減することができる。
(18)履歴構成データに基づいて画像表示装置63にて静止画である履歴画像G23が表示される構成に代えて、履歴構成データに基づいて動画である履歴動画が再生される構成としてもよい。これにより、遊技の履歴を動画で振り返ることを可能として遊技の興趣向上を図ることができる。
(19)第1~第3見出し範囲151~153、キャラクタ画像範囲154及びエンディング画像範囲155の配置が異なる複数の配置データが演出側ROM93に記憶されており、当該複数の配置データの中から一の配置データを選択する配置抽選が実行される構成としてもよい。これにより、履歴画像G23のバリエーションを増加させて、同一の履歴構成データが生成される可能性を低減することができる。
(20)上記第1の実施形態では、表示される背景プレート画像G24の種類によってスロットマシン10の設定値が示唆される構成としたが、設定値を示唆する画像は背景プレート画像G24に限られない。文言画像G25~G27、キャラクタ画像G28、又はエンディング画像G29の種類によってスロットマシン10の設定値が示唆される構成としてもよい。
(21)通常遊技状態ST1において最後にスタートレバー41の操作が行われてから演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することなく10分間が経過して遊技者の離席が予測される状態となったと判定する構成に加えて又は代えて、遊技者の操作により遊技者が変わったことを把握可能とする変更ボタンが設けられており、当該変更ボタンの操作が行われたことに基づいて遊技者が変わったことを把握する構成としてもよい。具体的には、変更ボタンは演出制御装置90に電気的に接続されている。演出側MPU92は、変更ボタンの操作が検出されたことに基づいて履歴記憶用エリア94bにおける第0~第5履歴用記憶エリアRA0~RA5及び第7~第15履歴用記憶エリアRA7~RA15をクリアする。これにより、ART当選の発生回数を示す遊技履歴データを除いて、履歴記憶用エリア94bに記憶されている遊技履歴データが「0」クリアされる。演出側MPU92は、履歴記憶フラグ158に既に「1」セットされている状態で変更ボタンの操作を検出した場合、当該状態が維持されるようにする。また、履歴記憶フラグ158に「1」がセットされていない状態で変更ボタンの操作を検出した場合、履歴記憶フラグ158に「1」をセットする。これにより、履歴記憶用エリア94bに遊技履歴データが記憶されるようになる。当該構成では、通常遊技状態ST1以外の遊技状態において遊技者が変わった場合、及び遊技者が遊技を終了して離席してから次の遊技者が着席して遊技を開始するまでの期間が10分未満であった場合においても、変更ボタンの操作が検出されたことに基づいて、ART当選の発生回数を示す遊技履歴データを除いて、履歴記憶用エリア94bに記憶されている遊技履歴データを「0」クリアするとともに履歴記憶用エリア94bに新たな遊技履歴データが記憶されるようにすることができる。
(22)通常遊技状態ST1において最後にスタートレバー41の操作が行われてから演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することなく10分間が経過して遊技者の離席が予測される状態となったと判定する構成に加えて又は代えて、遊技者を認識可能とする撮像装置が設けられており、撮像結果に基づいて遊技者が変わったことを把握する構成としてもよい。具体的には、撮像装置は、演出制御装置90に電気的に接続されている。撮像装置における撮像範囲は、スロットマシン10の正面に座っている遊技者の顔を識別できる態様で撮像可能な範囲に設定されている。撮像装置は、所定の時間間隔(例えば3分間隔)で撮像を行う。演出側MPU92は、撮像結果に基づいて遊技者の変更を把握した場合、履歴記憶用エリア94bにおける第0~第5履歴用記憶エリアRA0~RA5及び第7~第15履歴用記憶エリアRA7~RA15をクリアする。これにより、ART当選の発生回数を示す遊技履歴データを除いて、履歴記憶用エリア94bに記憶されている遊技履歴データが「0」クリアされる。演出側MPU92は、履歴記憶フラグ158に既に「1」セットされている状態で撮像装置による撮像結果に基づいて遊技者が変わったことを把握した場合、当該状態が維持されるようにする。また、履歴記憶フラグ158に「1」がセットされていない状態で撮像装置による撮像結果に基づいて遊技者が変わったことを把握した場合、履歴記憶フラグ158に「1」をセットする。これにより、履歴記憶用エリア94bに遊技履歴データが記憶されるようになる。当該構成では、通常遊技状態ST1以外の遊技状態において遊技者が変わった場合、及び遊技者が遊技を終了して離席してから次の遊技者が着席して遊技を開始するまでの期間が10分未満であった場合においても、撮像装置による撮像結果に基づいて遊技者の変更が把握された場合に、ART当選の発生回数を示す遊技履歴データを除いて、履歴記憶用エリア94bに記憶されている遊技履歴データを「0」クリアするとともに履歴記憶用エリア94bに新たな遊技履歴データが記憶されるようにすることができる。
(23)遊技者がパスワード等を入力することによりログインできる構成とするとともに当該ログイン情報に基づいて遊技者の交代の有無を判定する構成としてもよい。当該構成では、ログインしている遊技者の履歴画像G23のみを表示対象として選択可能とすることができる。これにより、遊技者本人の過去の遊技履歴に基づく履歴画像G23を表示可能としながら、他人の遊技履歴に基づく履歴画像G23を表示してスロットマシン10の設定値を推測する行為を防止することができる。
(24)遊技者にとって大きな利益が付与される場合が発生し得るプレミア演出が実行される構成として、当該プレミア演出が実行されたことに基づいて履歴画像G23に常にプレミア演出が実行されたことを示すプレミア演出画像が表示される構成としてもよい。具体的には、ART状態ST6には、100ゲーム以上の上乗せゲーム数が付与される特別上乗せ当選が存在している。特別上乗せ当選が発生した場合には演出側MPU92にてプレミア演出抽選が行われ、当該プレミア演出抽選にてプレミア演出に当選した場合にはプレミア演出が実行される。履歴記憶用エリア94bには、プレミア演出フラグが設けられている。プレミア演出フラグは、プレミア演出が実行されたことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。プレミア演出フラグには、プレミア演出抽選にてプレミア演出に当選した場合に「1」がセットされる。構成データ記憶エリア161には、プレミア演出画像を表示対象とすることを演出側MPU92にて把握可能とするプレミアフラグが設けられている。履歴構成データの生成タイミングにおいてプレミア演出フラグに「1」がセットされている場合には常にプレミアフラグに「1」がセットされる。これにより、プレミア演出の実行中に遊技者が自ら写真等の記録を残すことを不要としながら、プレミア演出画像を含む履歴画像G23を任意のタイミングで表示可能としてプレミア演出が実行された履歴を残すことを可能とすることができる。
(25)上記第1の実施形態において、当選確率設定処理(メイン処理(図11)のステップS106)にて設定値が変更された場合に、画像再生用記憶エリア94c(図41(a))において履歴構成データが記憶されている再生用記憶エリアRDn(nは0~31のいずれかの整数)の表示可能フラグに「1」をセットする構成としてもよい。表示可能フラグに「1」がセットされることにより、設定値の変更前に表示対象として選択することができなくなっていた履歴構成データを表示対象として選択可能とすることができる。他人の遊技履歴に基づく履歴画像G23を表示してスロットマシン10の設定値を推測する行為を防止しながら、表示対象として選択可能な履歴構成データの数を増加させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
(26)履歴記憶用エリア94bに第10履歴用記憶エリア及び第11履歴用記憶エリアRA11の両方が設けられている構成に代えて、第10履歴用記憶エリア及び第11履歴用記憶エリアRA11のいずれか一方のみが設けられている構成としてもよい。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、第10履歴用記憶エリアRA10は、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタであるとともに、第11履歴用記憶エリアRA11は、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の純増枚数を演出側MPU92にて把握可能とするカウンタである。履歴記憶用エリア94bに第10履歴用記憶エリアRA10が設けられている一方、第11履歴用記憶エリアRA11が設けられていない構成では、上記第1の実施形態と同様に、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数に対応する文言指定データを含む履歴構成データを生成することができる。当該構成では、上記第1の実施形態と同様に、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が所定の区切り数(具体的には「1000」、「2000」、又は「3000」)に達したことに基づいて履歴構成データを生成することができる。また、履歴記憶用エリア94bに第11履歴用記憶エリアRA11が設けられている一方、第10履歴用記憶エリアRA10が設けられていない構成では、上記第1の実施形態と同様に、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の純増枚数に対応する文言指定データを含む履歴構成データを生成することができる。当該構成では、ART状態ST6への移行後における遊技媒体の純増枚数が所定の区切り枚数(具体的には「400」、「800」、又は「1200」)に達したことを契機として履歴構成データを生成することができる。
(27)上記第2の実施形態では、画像表示装置63において縮小上乗せ演出における縮小動画表示が行われる表示領域が1つ(右下表示領域181のみ)である構成としたが、縮小動画表示が行われる表示領域が2つ以上設けられている構成としてもよい。当該構成では、画像表示装置63において縮小上乗せ演出における縮小動画表示を2つ以上同時に実行することが可能となる。これにより、縮小上乗せ演出の実行中に新たな縮小上乗せ演出の実行タイミングとなった場合においても、実行中であった縮小上乗せ演出を途中で終了することなく、実行中であった縮小上乗せ演出と、新たに開始される縮小上乗せ演出とを同時に実行することができる。
(28)有利区間SC2において継続して実行されたゲーム数が所定のゲーム数(例えば5ゲーム)に達した場合には、当該有利区間SC2に移行した後に役の抽選処理(図14)にて「1」~「3」の当選番号が設定されて第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が行われたか否かに関わらず、当該有利区間SC2が終了する構成としてもよい。具体的には、遊技区間の第2制御処理(図29)において、有利継続カウンタの値が所定のゲーム数となった場合、未報知フラグの状態に関わらず、有利区間SC2の初期化処理を実行する(ステップS1014)。これにより、有利区間SC2が終了する。その後、有利区間表示の消灯処理を実行する(ステップS1015)。これにより、有利区間SC2の終期を分かり易いものとすることができる。
(29)有利区間SC2であってもART状態ST6でない場合には、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて成立する入賞が異なる役に当選した場合に遊技者にとって有利な入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない構成としてもよい。具体的には、役の抽選処理(図14)の報知制御処理(ステップS420)において、主側RAM74の有利区間フラグに「1」がセットされている状況で当該役の抽選処理(図14)にて「1」~「3」のいずれかの当選番号が設定された場合、遊技状態がART状態ST6であることを条件として、第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を報知するための処理を実行する。これにより、ART状態ST6のみにおいて遊技者にとって有利な入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される構成として、ART状態ST6に移行するか否かに遊技者の注目を集めることが可能となる。
(30)比率表示器85において、指示込み役物比率が表示される構成としてもよい。主側RAM74には、停止順報知が行われたゲームにおいて遊技媒体が付与された場合に当該遊技媒体の付与数が加算される第1付与数カウンタと、ボーナス状態にて実行されたゲームにおいて遊技媒体が付与された場合に当該遊技媒体の付与数が加算される第2付与数カウンタと、遊技状態に関係なく遊技媒体が付与された場合に当該遊技媒体の付与数が加算される全体付与数カウンタとが設けられている。停止順報知が行われたゲームにおいて遊技媒体が付与された場合、第1付与数カウンタ及び全体付与数カウンタの両方に当該遊技媒体の付与数が加算される。また、ボーナス状態にて実行されたゲームにおいて遊技媒体が付与された場合、第2付与数カウンタ及び全体付与数カウンタの両方に当該遊技媒体の付与数が加算される。
比率表示器85では、遊技履歴の管理結果の表示指示が発生した場合、全体付与数カウンタの値に対する第1付与数カウンタの値及び第2付与数カウンタの値の和の割合を演算する。つまり、演算結果=(「第1付与数カウンタの値」+「第2付与数カウンタの値」)/「全体付与数カウンタの値」となるように演算を実行する。
その後、表示開始処理を実行する。表示開始処理では当該演算結果の比率表示器85における表示を開始させる。この場合、比率表示部87に表示されている値が指示込み役物比率であることを示す識別子「7P.」が識別子表示部86に表示されるようにする。具体的には、「7」が識別子表示部86における左側の7セグメント表示器86aに表示され、「P」が識別子表示部86における右側の7セグメント表示器86bに表示され、識別子用の補助表示部86cが点灯するように識別子表示部86を表示制御する。また、演算結果を100倍した値のうち、10の位が比率表示部87における左側の7セグメント表示器87aに表示され、1の位が右側の7セグメント表示器87bに表示されるように比率表示部87を表示制御する。これにより、指示込み役物比率を確認可能とすることができる。
第1付与数カウンタ、第2付与数カウンタ及び全体付与数カウンタの値は、メイン処理(図11)のステップS105におけるクリア処理が実行されない限り「0」クリアされない。したがって、遊技ホールにおける複数の営業日において実行されたゲームについての指示込み役物比率を計測することが可能である。
(31)通常遊技状態ST1において有利区間SC2への移行が発生した場合、当該有利区間SC2において第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される度に終了抽選処理が実行され、終了抽選処理にて終了当選となることで通常区間SC1への移行が発生する構成としてもよい。この場合、通常遊技状態ST1において移行した有利区間SC2であっても第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が複数回行われ得るようにすることが可能となる。
(32)有利区間SC2の終了契機を発生させるために必要な第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知回数は1回に限定されることはなく、2回、3回又は4回以上といった複数回であってもよい。
(33)有利区間SC2の終了契機として、第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されることが設定されている構成に代えて、第1ベル入賞よりも遊技媒体の付与数が多い入賞であってリール32L,32M,32Rの停止順序が所定の順序である場合に成立する入賞である特定入賞が存在している場合には、当該特定入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が所定回数(例えば1回又は2回)発生するまでは有利区間SC2が終了しない構成としてもよい。つまり、当該構成においてはリール32L,32M,32Rの停止順序が所定の順序となった場合に成立する入賞のうち遊技媒体の付与数が最大となる入賞について当該入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が所定回数発生するまでは有利区間SC2が終了しないこととなる。この場合、通常遊技状態ST1において移行した有利区間SC2であっても特定入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が所定回数発生するまでは、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて第1ベル入賞が成立する役に当選した場合には、当該第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される構成としてもよい。
(34)通常遊技状態ST1であって有利区間SC2である状況において第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合、当該報知は兼用表示部66にて行われる一方、画像表示装置63では行われない構成としてもよい。この場合、有利区間SC2の終了契機となる第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知を目立たないようにして行うことが可能となる。
(35)有利区間SC2においては有利区間表示部67が発光状態(すなわち表示状態)となる構成において、スロットマシン10に所定の異常状態が発生している場合には有利区間表示部67が消灯状態(すなわち非表示状態)となる構成としてもよい。また、この場合には兼用表示部66において異常状態の種類に対応する表示が行われる構成としてもよい。このように共通表示領域68に兼用表示部66と有利区間表示部67とが集約させて設けられている構成においてスロットマシン10に所定の異常状態が発生している場合には有利区間表示部67を消灯状態とした上で兼用表示部66にて異常状態の種類に対応する表示を行うことにより、同一の異常状態が発生している場合であっても有利区間SC2であるか否かによって共通表示領域68の表示態様が変化するという事象が発生しないため、異常状態の種類を特定し易くなる。
(36)エンディング演出が終了した後にBB演出が開始されない場合よりも、エンディング演出が終了してBB演出が開始される場合の方が、エンディング終了時のフリーズ期間が長くなる構成としてもよい。この場合、エンディング演出が終了してBB演出が開始される場合にはその長くなった期間を利用して、エンディング演出の終了演出を実行した後にBB開始演出を実行することが可能となる。
(37)有利区間SC2において付与された遊技媒体の合計数が所定数以上であることを条件としてエンディング演出が実行される構成としてもよい。これにより、遊技者が満足するほど遊技媒体が付与されていないにも関わらずエンディング演出が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
(38)エンディング演出が実行される場合には5ゲーム刻みの動画演出を行い、終了時には今回のART状態ST6における遊技媒体の獲得数や今回のART状態ST6において実行されたゲーム数を示す終了画面が表示される構成としてもよい。
(39)ボーナス状態の途中で有利区間SC2において実行されたゲーム数がエンディング対応ゲーム数以上となった場合には、ボーナス用の演出が終了されてエンディング演出が開始される構成としてもよく、ボーナス状態が終了してからエンディング演出が開始される構成としてもよく、ボーナス状態が終了した後に発生した準備状態ST5からART状態ST6への移行が発生した場合にエンディング演出が開始される構成としてもよい。
ボーナス状態が終了した後にエンディング演出が開始される構成においては有利区間SC2において実行されたゲーム数に対してエンディング演出の開始が遅れることになる。この場合、エンディング演出では基本的に5ゲーム刻みの動画演出が行われるのに対して3ゲーム刻みの動画演出が行われるようにすることでエンディング演出が終了するまでに全ての演出内容を表示できるようにしてもよい。また、エンディング演出の最終ゲームまでに全ての演出内容を表示できない場合にはエンディング演出が終了する場合に発生するフリーズ期間を利用して全ての演出内容を表示できるようにしてもよい。
また、エンディング演出として、30ゲーム分の演出、40ゲーム分の演出、50ゲーム分の演出といったように複数種類の演出を用意しておき、有利区間SC2において実行されたゲーム数に対するエンディング演出の開始タイミングに応じた演出が選択される構成としてもよい。
(40)ボーナス状態において消化されたゲーム数は、有利区間SC2における継続ゲーム数の計測から除外される構成としてもよい。これにより、ボーナス状態の途中で有利区間SC2において実行されたゲーム数が上限ゲーム数に到達しないようにすることが可能となるとともに、ボーナス状態の途中でエンディング演出が開始されないようにすることが可能となる。
(41)通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブルの各インデックス値IVを当選番号に対応付けるためのオフセットテーブル97の構成は上記第1の実施形態における構成に限定されない。例えば、小役のグループ→ボーナス役のグループ→リプレイ役のグループの順に設定されているのではなく、ボーナス役のグループ→リプレイ役のグループ→小役のグループの順に設定されている構成としてもよい。
(42)通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブルに共通させてオフセットテーブル97が設定されているのではなく、各抽選テーブルに対応させて個別にオフセットテーブルが設けられている構成としてもよい。例えば、通常モード用抽選テーブルにおいては、設定値に応じて当選確率が変動する役のグループと設定値に応じて当選確率が変動しない役のグループとで分けて集約されているのに対して、小役のグループと、ボーナス役のグループと、リプレイ役のグループとで分けて集約するためにオフセットテーブルが設けられている構成としてもよい。また、同様の目的で第1RTモード用抽選テーブルに対してもオフセットテーブルが設けられており、第2RTモード用抽選テーブルに対してもオフセットテーブルが設けられている構成としてもよい。この場合、各オフセットテーブルの当選番号がオフセットテーブル間で重複しないように設定されている構成としてもよい。当該構成であっても各抽選テーブルにおいては設計が容易となる態様でインデックス値IVを設定するとともに、各オフセットテーブルにおいてはその後の処理における当選役の情報の扱いが容易となる態様で当選番号を設定することができる。
(43)ボーナス内部状態ST2においてはボーナス役に対応する図柄の方が、遊技媒体の付与を発生させる役に対応する図柄よりも停止制御に際して優先される構成としてもよい。この場合、ボーナス内部状態ST2において「1」~「3」の当選番号が設定された場合には第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されるとともに、当選しているボーナス役に対応する図柄の組み合わせが報知される構成としてもよい。このように報知が実行された場合、ボーナス入賞を成立させない停止操作タイミングであって第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序で停止操作を行うことにより、ボーナス入賞ではなく第1ベル入賞を成立させることが可能となる。
(44)遊技区間としてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない通常区間SC1とリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され得る有利区間SC2とが設定されている構成に限定されることはなく、いずれにおいてもリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され得るものの停止順序の報知対象となる当選データの種類が相違する複数の区間が設定されている構成としてもよく、いずれにおいてもリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され得るものの当該停止順序の報知が実行される頻度が相違する複数の区間が設定されている構成としてもよい。この場合であっても複数の区間において停止順序の報知に関して有利度に差を与えることにより、遊技区間の移行に対して遊技者を注目させることが可能となる。
(45)遊技区間がいずれであるのかを遊技者に認識させるための報知が有利区間表示部67以外において実行される構成としてもよい。例えば、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63のうちの少なくとも一つにおいて、遊技区間がいずれであるのかを遊技者に認識可能とする演出が実行される構成としてもよい。また、これら構成に加えて又は代えて、いずれの遊技区間であるのかを示す情報が遊技ホールのホールコンピュータに向けて外部出力される構成としてもよい。
(46)全体のゲーム数に対する有利区間SC2の総ゲーム数の比率を計算する場合において、BB状態ST3又はRB状態ST4において実行されたゲーム数が有利区間SC2の総ゲーム数として加算されない構成としてもよい。
(47)全体のゲーム数に対する有利区間SC2の総ゲーム数の比率の計算が設定値ごとに行われる構成としてもよい。この場合、設定値が変更されたとしても設定値ごとに行われている上記比率の情報が初期化されずに計算が継続される構成とする必要がある。本構成によれば、設定値ごとに上記比率を把握することが可能となる。
(48)消化されたゲームの合計ゲーム数と、有利区間SC2において消化されたゲームの合計である有利ゲーム数とを履歴情報として記憶し、合計ゲーム数に対する有利ゲーム数の割合を演算する構成としたが、これに限定されることはなく、役の抽選処理において抽選の対象となる所定役の当選回数と合計ゲーム数とを履歴情報として記憶し、当該所定役の当選確率を演算する構成としてもよい。この場合、対象となる所定役として第1所定役と第2所定役とが存在しており、第1所定役及び第2所定役のそれぞれについて個別に当選回数を履歴情報として記憶するとともに第1所定役及び第2所定役のそれぞれについて当選確率を演算する構成としてもよい。また、全ての役のそれぞれについて個別に当選回数を履歴情報として記憶するとともに各役のそれぞれについて当選確率を演算する構成としてもよい。これにより、管理対象の役の当選確率を遊技ホールの管理者に報知することが可能となる。
また、遊技媒体の付与数の合計数と合計ゲーム数とを履歴情報として記憶し、単位ゲーム数当たりの遊技媒体の付与数を演算する構成としてもよい。これにより、単位ゲーム数当たりの遊技媒体の付与数を遊技ホールの管理者に報知することが可能となる。また、遊技媒体の付与数の合計数と合計ゲーム数との組合せを、各遊技状態及び有利区間SC2のそれぞれについて個別に履歴情報として記憶し、単位ゲーム数当たりの遊技媒体の付与数を各遊技状態及び有利区間SC2のそれぞれについて個別に演算する構成としてもよい。
また、ボーナス状態への移行回数とボーナス状態ではない遊技状態において消化されたゲームの合計ゲーム数とを履歴情報として記憶し、ボーナス状態への移行確率を演算する構成としてもよい。
(49)有利区間SC2にて実行されたゲーム数が上限ゲーム数となった場合に当該有利区間SC2が終了する構成に加えて又は代えて、有利区間SC2において実行された終了抽選処理の結果が終了当選結果であった場合に有利区間SC2が終了して通常区間SC1に移行する構成としてもよい。この終了抽選処理が実行される契機は任意であるが、例えば各ゲームにおいて終了抽選処理が実行される構成としてもよく、所定の抽選契機役に当選した場合又は所定の抽選契機入賞が成立した場合に終了抽選処理が実行される構成としてもよい。また、有利区間SC2における継続ゲーム数が所定ゲーム数以上となったことを条件として、抽選契機が発生する度に終了抽選処理が実行され、終了抽選処理の結果が終了当選結果であった場合に有利区間SC2が終了して通常区間SC1に移行する構成としてもよい。
(50)有利区間SC2においてはリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されることで通常区間SC1よりも有利区間SC2の方が有利となる構成に限定されることはなく、例えば小役入賞が成立した場合における遊技媒体の付与数が多くなることで通常区間SC1よりも有利区間SC2の方が有利となる構成としてもよく、1ゲームを開始するために必要な遊技媒体の数が少なくなることで通常区間SC1よりも有利区間SC2の方が有利となる構成としてもよい。
(51)遊技履歴を利用した演算結果の報知が兼用表示部66及び有利区間表示部67にて行われる構成に限定されることはなく、例えばクレジット表示部65を利用して行われる構成としてもよく、クレジット表示部65及び兼用表示部66を利用して行われる構成としてもよい。また、報知対象の演算結果が複数種類存在している場合には各種類の報知対象の事象が順次切り換えて表示される構成としてもよい。このように順次切り換えて表示される場合には、例えばクレジット表示部65において報知対象の事象の種類が表示され、兼用表示部66においてその報知対象の事象についての演算結果又は当該演算結果の内容に対応する情報が表示される構成としてもよい。これにより、報知対象の事象が複数種類存在している場合であっても少ない表示部を利用してそれら複数種類の報知対象の事象についての報知を行うことが可能となる。
(52)通常区間SC1についても継続ゲーム数の上限ゲーム数が設定されている構成としてもよい。この場合、通常区間SC1において継続して実行されたゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合には有利区間SC2に設定されることになる。これにより、通常区間SC1が上限ゲーム数に到達するまで継続したことに対する補填を行うことが可能となる。また、当該通常区間SC1における上限ゲーム数を「設定1」~「設定6」の各設定値間において同一とすることにより、当該上限ゲーム数に関して設定値による有利又は不利が生じないようにすることが可能となる。
(53)有効ラインがメインラインMLの1本のみである構成に限定されることはなく、有効ラインが2本、3本又は4本以上である構成としてもよい。この場合、ベットされた遊技媒体の数が多いほど有効ラインの数が多くなる構成としてもよく、ベットされた遊技媒体の数とは無関係に最大数の有効ラインが設定される構成としてもよい。
(54)上記各実施形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(55)本発明を所謂Bタイプのスロットマシンに適用してもよく、またCタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはRTゲーム、CTゲーム又はATゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよい。
(56)各リール32L,32M,32Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報としての機能を有するものであればよい。
(57)上記各実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、遊技媒体として遊技球を利用して遊技が行われるパチンコ機に対して適用してもよく、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下においては理解の容易のため上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.演出の実行制御を行う演出制御手段(演出側MPU92)を備えた遊技機において、
前記演出制御手段は、
演出の実行中に第1実行契機(第5契機)が発生したことに基づいて、第1演出(第1期待演出)を開始させる第1演出制御手段(演出側MPU92におけるステップS2712及びステップS2714の処理を実行する機能)と、
演出の実行中に第2実行契機(第6契機)が発生した場合、その後に所定開始契機(第1期待演出の実行期間が1秒間に達すること)が発生したことに基づいて第2演出(第2期待演出)を開始させる第2演出制御手段(演出側MPU92におけるステップS2009~ステップS2014の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS2415及びステップS2419の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、演出の実行中に第1実行契機が発生したことに基づいて第1演出を開始させることができる。演出の実行中に第2実行契機が発生した場合、その後に所定開始契機が発生したことに基づいて第2演出を開始させる構成である。このため、第2演出を開始させるための条件の1つとして第2実行契機が発生するという条件を設けながら、第2実行契機が発生した後に所定開始契機が発生するまで第2演出の開始を待機させることができる。これにより、所定開始契機が発生するまでに第2演出が実行されてしまうことを防止することができる。
特徴A2.前記演出制御手段は、実行対象領域(読み出し用エリア94aにおけるレイヤLY0~LY11)に読み出されている演出情報(演出テーブルにおける演出用データ)に従って演出の実行制御を行うものであり、
前記実行対象領域は複数設定されており、
前記第1演出制御手段は、前記第1実行契機が発生した場合に実行中である演出に対応する前記演出情報が読み出されている前記実行対象領域とは異なる種類の前記実行対象領域に読み出されている前記第1演出に対応する第1演出情報(第1期待演出テーブルの演出用データ)に従って前記第1演出の実行制御を行うものであり、
前記第2演出制御手段は、前記第2実行契機が発生した場合に実行中である演出に対応する所定の演出情報(第1期待演出テーブル及び中停止演出テーブルのいずれかの演出用データ)が読み出されている前記実行対象領域において当該所定の演出情報が読み出されている領域とは異なる領域に読み出されている前記第2演出に対応する第2演出情報(第2期待演出テーブルの演出用データ)に従って前記第2演出の実行制御を行うものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、第1演出の実行制御は、第1実行契機が発生した場合に実行中である演出に対応する演出情報が読み出されている実行対象領域とは異なる種類の実行対象領域に読み出されている第1演出に対応する第1演出情報に従って行われる。これにより、第1実行契機が発生した場合に実行中である演出の進行状況に影響を与えることなく当該実行中である演出と並行して第1演出を開始させることができる。
第2演出の実行制御は、第2実行契機が発生した場合に実行中である演出に対応する所定の演出情報が読み出されている実行対象領域において当該所定の演出情報が読み出されている領域とは異なる領域に読み出されている第2演出に対応する第2演出情報に従って行われる。このため、所定開始契機が発生するまで実行中である演出を継続させ、所定開始契機が発生した場合に当該実行中である演出から第2演出へ切り換えるための処理構成を簡素化することができる。
特徴A3.前記複数の実行対象領域には、第1実行対象領域(例えば第1レイヤLY1)及び第2実行対象領域(例えば第2レイヤLY2)が含まれており、
前記第1実行対象領域及び前記第2実行対象領域のそれぞれに前記演出情報が読み出されている場合、少なくとも特定の演出内容に関して、前記第2実行対象領域の前記演出情報に従った演出の実行制御が前記第1実行対象領域の前記演出情報に従った演出の実行制御よりも優先されることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、少なくとも特定の演出内容に関して、第2実行対象領域の演出情報に従った演出の実行制御が第1実行対象領域の演出情報に従った演出の実行制御よりも優先される態様で、第2実行対象領域の演出情報に従った演出と、第1実行対象領域の演出情報に従った演出とを並行して実行することができる。第2実行対象領域の演出情報に従った演出の実行制御が第1実行対象領域の演出情報に従った演出の実行制御よりも優先される態様であることにより、設計段階で意図した態様でこれらの演出の組合せを実行することができる。これにより、並行して実行されるこれらの演出の内容を分かり易いものとすることができる。
特徴A4.前記第1実行契機が発生し得る状況において前記第1実行対象領域及び前記第2実行対象領域のそれぞれに前記演出情報が読み出され得る構成であり、
前記第2実行契機が発生し得る状況においては前記所定の演出情報及び前記第2演出情報が前記第1実行対象領域及び前記第2実行対象領域のいずれか一方に読み出される構成であることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、第1実行契機が発生し得る状況では、第1実行対象領域及び第2実行対象領域のそれぞれに読み出された演出情報に従って複数の演出を並行して実行することができる。第2実行契機が発生し得る状況では、所定の演出情報及び第2演出情報が1つの実行対象領域(第1実行対象領域及び第2実行対象領域のいずれか一方)に読み出される構成であることにより、所定の演出情報に従った所定の演出の進行状況を把握するための構成を不要としながら、第2演出情報に従った第2演出の実行を行うことができる。
特徴A5.遊技者により操作される所定操作手段(ストップボタン42~44)を備え、
前記所定操作手段の操作が開始されたことに基づいて前記第1実行契機が発生し、
前記所定操作手段の操作が終了されたことに基づいて前記第2実行契機が発生することを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、演出の実行中に所定操作手段の操作が開始されたことに基づいて第1実行契機が発生し、当該第1実行契機が発生したことに基づいて第1演出を開始させることができる。また、演出の実行中に所定操作手段の操作が終了されたことに基づいて第2実行契機が発生し、当該第2実行契機が発生した場合、その後に所定開始契機が発生したことに基づいて第2演出を開始させることができる。遊技者による所定操作手段の操作態様によって第1実行契機が発生してから第2実行契機が発生するまでの期間が変動する構成において、所定操作手段の操作が終了された場合に所定開始契機が発生することを条件として第2演出を開始させる構成であることにより、第1実行契機が発生してから所定開始契機が発生するまでの期間に亘って第1演出の実行期間を担保することができる。これにより、第1実行契機が発生してから第2実行契機が発生するまでの期間が短くなったとしても演出内容が理解できないほどに第1演出の実行期間が短くなってしまうことを防止することができる。
特徴A6.前記第2演出制御手段は、前記第1演出及びそれとは異なる演出のいずれかである所定演出(第1期待演出及び中停止演出のいずれか)の実行状況が所定状況(第1期待演出の実行期間が1秒間に達していない状況)である場合に前記第2実行契機が発生した場合、その後に前記所定開始契機の発生として前記所定状況が終了したことに基づいて前記第2演出を開始させるものであることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、所定演出の実行状況が所定状況である場合に第2実行契機が発生した場合には、当該所定状況が終了するまで第2演出の開始を待機させることができる。これにより、所定状況が終了するよりも早いタイミングで第2実行契機が発生したとしても、第2演出の開始が待機されている状態として、所定状況が終了するまで所定演出の実行期間を確保することができる。そして、所定状況が終了したことに基づいて第2演出を開始させることができる。
特徴A7.前記所定状況は前記所定演出が開始されてから所定期間(第1の実施形態では第1期待演出が開始されてから1秒間)が経過していない状況であることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、所定状況は所定演出が開始されてから所定期間が経過するまで終了しない。上記特徴A6の構成を備え、所定演出の実行状況が所定状況である場合に第2実行契機が発生した場合には当該所定状況が終了するまで第2演出の開始が待機される。このため、所定演出が開始されてから所定期間が経過する前に第2実行契機が発生した場合、所定演出が開始されてから所定期間が経過するまで第2演出の開始を待機させることができる。これにより、第2演出が実行されていない状態において、所定演出が実行される期間を所定期間に亘って確保することができる。よって、所定演出が開始されてから所定期間が経過する前に第2実行契機が発生したとしても所定演出の実行期間が当該所定演出の内容を理解できないほどに短い期間となってしまうことを防止することができる。
特徴A8.前記所定演出の実行状況が前記所定状況ではない場合に前記第2実行契機が発生した場合、前記第2演出を開始させる手段(演出側MPU92におけるステップS2009~ステップS2014の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A6又はA7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、所定演出の実行状況が所定状況である場合に第2契機が発生した場合には当該所定状況が終了するまで第2演出の開始が待機される構成において、所定演出の実行状況が所定状況でない場合には、第2実行契機が発生した場合に遅延を生じさせることなく第2演出を開始させることができる。これにより、第2実行契機が発生したことに基づいて第2演出が開始されたという印象を与えて、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、特徴A1~A8の構成に対して、特徴A1~A8、特徴B1~B9、特徴C1~C5、特徴D1~D17、特徴E1~E9、特徴F1~F7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.演出の実行制御を行う演出制御手段(演出側MPU92)を備えた遊技機において、
前記演出制御手段は、
演出開始契機(ART状態ST6において演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信すること)が発生したことに基づいて所定単位演出(ART用ベース演出及びART用通常演出)を開始させ、前記所定単位演出が実行されている状況において前記演出開始契機が発生した場合、実行中の前記所定単位演出を終了させて前記所定単位演出を新たに開始させる演出開始手段(第1の実施形態では演出側MPU92におけるステップS3204~ステップS3207の処理を実行する機能、第2の実施形態では演出側MPU92におけるステップS6412~ステップS6415の処理を実行する機能)と、
前記所定単位演出にて特定演出(第1の実施形態では上乗せメイン演出及び上乗せサブ演出、第2の実施形態では上乗せ演出)が実行されている状況において前記演出開始契機が発生することで前記所定単位演出が新たに開始される場合、当該所定単位演出において前記特定演出に対応する特定対応演出(第1の実施形態では上乗せサブ演出、第2の実施形態では縮小上乗せ演出)が実行されるようにする特定対応手段(第1の実施形態では演出側MPU92におけるステップS3201~ステップS3203の処理を実行する機能、第2の実施形態では演出側MPU92におけるステップS6401~ステップS6411の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、特定演出が実行されている状況において演出開始契機が発生することで所定単位演出が新たに開始される場合に当該特定演出に対応する特定対応演出を実行することにより、特定対応演出に基づいて特定演出に対応する演出内容を把握することを可能としながら、演出開始契機の発生に基づいて遅延を生じさせることなく所定単位演出を新たに開始させることができる。
特徴B2.前記特定対応手段は、前記所定単位演出にて前記特定演出が実行されている状況において前記演出開始契機が発生することで前記所定単位演出が新たに開始される場合、当該所定単位演出が新たに開始される直前における前記特定演出の実行内容に対応する態様で前記特定対応演出が開始されるようにすることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、所定単位演出が新たに開始される直前における特定演出の実行内容に対応する態様で特定対応演出が開始される構成であることにより、特定演出の内容と当該特定演出に対応する特定対応演出の内容とを連続的なものとすることができる。これにより、特定対応演出の内容を確認することで特定演出の演出内容の続きを把握可能とすることができる。
特徴B3.前記特定演出が実行されている場合、少なくとも第1特定演出(第1の実施形態における上乗せメイン演出)及び第2特定演出(第1の実施形態における上乗せサブ演出)の両方が実行される構成であり、
前記特定対応演出として前記第2特定演出が実行され、前記第1特定演出は実行されないことを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、上記特徴B1の構成を備え、特定演出が実行されている状況において演出開始契機が発生することで所定単位演出が新たに開始される場合に当該特定演出に対応する特定対応演出が実行される構成において、特定対応演出として第1特定演出が実行されずに第2特定演出が実行される。第1特定演出が終了することにより、遊技者の関心を第1特定演出から新たに開始される所定単位演出に移すことができる。また、当該新たに開始される所定単位演出と並行して第2特定演出を確認可能として、特定演出に対応する演出内容を把握可能とすることができる。
特徴B4.前記特定対応手段は、前記所定単位演出にて前記特定演出が実行されている状況において前記演出開始契機が発生することで前記所定単位演出が新たに開始される場合、当該新たに開始される前記所定単位演出の開始時から前記第2特定演出を継続させることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、演出開始契機が発生したことに基づいて新たに開始される所定単位演出の開始時から第2特定演出を継続させることにより、第2特定演出が中断してしまうことを防止して、第2特定演出の内容を連続的で把握し易いものとすることができる。
特徴B5.前記特定対応手段は、前記所定単位演出にて前記特定演出が実行されている状況において前記演出開始契機が発生して前記所定単位演出が新たに開始されることで前記特定対応演出として前記第2特定演出を実行させる場合、当該第2特定演出の進行速度をそれまでの当該第2特定演出の進行速度から変化させることを特徴とする特徴B3又はB4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、特定対応演出として第2特定演出を実行させる場合に当該第2特定演出の進行速度をそれまでの進行速度よりも遅いものとすることにより、新たに開始される所定単位演出と並行して実行される特定対応演出をじっくりと確認可能として、当該特定対応演出の演出内容の把握を容易化することができる。また、特定対応演出として第2特定演出を実行させる場合に当該第2特定演出の進行速度をそれまでの進行速度よりも速いものとすることにより、新たに開始される所定単位演出と特定対応演出とが並行して実行される期間を短縮して、新たに開始される所定単位演出に遊技者の関心を早期に移すことができる。
特徴B6.前記演出制御手段は、演出情報(演出テーブルにおける演出用データ)に従って演出の実行制御を行うものであり、
前記第2特定演出を実行するための前記演出情報は、前記第1特定演出を実行するための前記演出情報とは別の演出情報として設定されていることを特徴とする特徴B3乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、第2特定演出を実行するための演出情報が第1特定演出を実行するための演出情報とは別の演出情報として設定されていることにより、第1特定演出及び第2特定演出の両方が実行されている状況から第1特定演出を終了させるとともに第2特定演出を継続させるための処理構成を簡略化することが可能となっている。また、第1特定演出及び第2特定演出がそれぞれ複数種類存在している場合、1つの演出情報に基づいて第1特定演出及び第2特定演出が実行される構成と比較して、予め記憶しておく演出情報のデータ量の増加を抑制しながら、第1特定演出及び第2特定演出の組合せのバリエーションを増加させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴B7.前記演出制御手段は、実行対象領域(読み出し用エリア94aにおけるレイヤLY0~LY11)に読み出されている演出情報に従って演出の実行制御を行うものであり、
前記実行対象領域は複数設定されており、
前記第2特定演出を実行するための前記演出情報は、前記第1特定演出を実行するための前記演出情報が読み出される前記実行対象領域とは異なる前記実行対象領域に読み出されることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、第1特定演出を実行するための演出情報が読み出される実行対象領域と、第2特定演出を実行するための演出情報が読み出される実行対象領域とが異なっていることにより、第1特定演出及び第2特定演出の両方が実行されている状況から第1特定演出を終了させるとともに第2特定演出を継続させるための処理構成を簡略化することができる。
特徴B8.前記演出制御手段は、前記所定単位演出にて前記特定対応演出が実行されている状況において前記特定演出の実行契機(演出側MPU92がART中上乗せコマンドを受信すること)が発生した場合、当該特定対応演出の実行内容に対応する態様で前記特定演出を開始させる特定演出開始手段(第1の実施形態では演出側MPU92におけるステップS3301~ステップS3305の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS3401~ステップS3412の処理を実行する機能、第2の実施形態では演出側MPU92におけるステップS6501~ステップS6503の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS6601~ステップS6606の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B8によれば、特定対応演出が実行されている状況において特定演出の実行契機が発生した場合、特定演出の実行契機が発生する前に実行されていた特定対応演出の実行内容と、当該特定演出の実行契機が発生したことに基づいて開始される特定演出の実行内容とに対応関係を持たせることができる。これにより、特定演出の実行契機が発生した場合における演出の切り換えを連続的で分かり易い態様で行うことができる。
特徴B9.前記特定演出の実行契機は、遊技者への所定の利益の付与(ART状態ST6における継続ゲーム数の上乗せ)が決定されることで発生する構成であり、
前記特定演出が実行されることで当該特定演出の実行契機となった前記所定の利益の内容(上乗せゲーム数)を遊技者が認識可能となる構成であり、
前記特定演出開始手段は、前記所定単位演出にて前記特定対応演出が実行されている状況において前記特定演出の実行契機が発生することで前記特定演出を開始させる場合、その実行中の前記特定対応演出の実行契機となった前記所定の利益の内容を遊技者が認識可能とした状態で当該特定演出を開始させることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、所定単位演出にて特定対応演出が実行されている状況において特定演出の実行契機が発生した場合、当該特定対応演出を見ていた遊技者に対して当該特定対応演出の実行契機となった所定の利益の内容が示されないまま特定演出の実行契機の発生に基づいて特定演出が開始されてしまうことを防止することができる。これにより、所定単位演出にて特定対応演出が実行されている状況において特定演出の実行契機が発生した場合に、所定の利益の内容を把握可能な態様で演出内容の切り換えを行うことができる。
なお、特徴B1~B9の構成に対して、特徴A1~A8、特徴B1~B9、特徴C1~C5、特徴D1~D17、特徴E1~E9、特徴F1~F7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴A群及び上記特徴B群の各発明によれば以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて抽選が行われ、当該抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。これらの遊技機は、表示装置、スピーカ、発光装置、可動物などを備えており、遊技の進行状況に応じて、映像による演出、音による演出、光による演出、可動物による演出などが実行される。
スロットマシンについて具体的には、スタートレバーが操作されることにより抽選で選択された演出が実行される。また、所定の遊技状態が開始される場合にオープニング演出が実行され、所定の終了契機が発生した場合にエンディング演出が実行される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては演出の実行制御を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴C群>
特徴C1.可動物(役物75の球状演出部77b)と、
前記可動物の動作を制御する動作制御手段(演出側MPU92におけるステップS4501~ステップS4507の処理を実行する機能)と、
所定移行条件(第1~第4BB入賞及び第1~第2RB入賞のいずれか)が成立したことに基づいて所定遊技状態(BB状態ST3又はRB状態ST4)に遊技状態を移行させる移行手段(主側MPU72におけるステップS1502及びステップS1506の処理を実行する機能)と、
前記可動物の動作が禁止される動作禁止状態(補正動作待機状態、役物エラー状態)に設定する禁止設定手段(演出側MPU92におけるステップS4201~ステップS4209の処理を実行する機能)と、
前記動作禁止状態において前記所定移行条件が成立したこと(ボーナス入賞が成立したこと)又は前記所定遊技状態への移行が発生したこと(遊技状態がボーナス状態に移行したこと)に基づいて前記動作禁止状態を解除する禁止解除手段(演出側MPU92におけるステップS4101~ステップS4111の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS4701~ステップS4705の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、動作禁止状態に設定することにより可動物の動作が禁止された状態とすることができる。また、所定移行条件が成立したこと又は所定遊技状態への移行が発生したことに基づいて動作禁止状態を解除することにより、動作禁止状態において所定移行条件が成立した場合又は所定遊技状態への移行が発生した場合に、所定遊技状態への移行後に可動物を動作させることを可能とすることができる。
特徴C2.役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72におけるステップS401~ステップS413の処理を実行する機能)を備え、
前記役の抽選処理にて所定役(第1~第4BB役及び第1~第2RB役のいずれか)に当選した状態で所定役入賞(第1~第4BB入賞及び第1~第2RB入賞のいずれか)が成立した場合に前記所定移行条件が成立し、
前記禁止解除手段は、前記動作禁止状態において前記所定役入賞が成立したことに基づいて前記動作禁止状態を解除することを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、所定役入賞の成立時に動作禁止状態であっても、当該所定役入賞が成立したことに基づいて動作禁止状態を解除することができる。これにより、所定遊技状態に移行する前に動作禁止状態を解除する機会を確保して、所定遊技状態への移行後に可動物を動作させることを可能とすることができる。
特徴C3.前記動作制御手段は、前記動作禁止状態ではない状況において前記役の抽選処理にて前記所定役に当選したことに基づいて前記可動物を動作させる当選対応制御手段(演出側MPU92におけるステップS2503、ステップS2516~ステップS2518の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS2607の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS2715の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS4401~ステップS4405の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS4501~ステップS4507の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、動作禁止状態ではない状況において所定役に当選した場合には、当該所定役に当選したことに基づいて可動物の動作が行われる。また、上記特徴C2の構成を備え、動作禁止状態において所定役入賞が成立したことに基づいて動作禁止状態が解除される構成である。所定役に当選したことに基づいて行われる可動物の動作の実行契機が発生したことに基づいて動作禁止状態を解除する構成とすると、当該可動物の動作がキャンセルされてしまった場合、所定遊技状態への移行前に動作禁止状態を解除する契機が失われてしまう。これに対して、所定役入賞が成立したことに基づいて動作禁止状態を解除する構成であることにより、所定遊技状態への移行前に動作禁止状態を解除する契機を確保することができる。これにより、所定遊技状態において可動物の動作が可能となる可能性を高めることができる。
特徴C4.前記禁止解除手段により前記動作禁止状態が解除された場合、前記可動物を動作させる手段(演出側MPU92におけるステップS4104及びステップS4105の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS4501~ステップS4507の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C4によれば、動作禁止状態が解除された場合に可動物を動作させることにより、所定遊技状態への移行前に可動物を動作させる機会を確保することができる。また、所定遊技状態への移行後に可動物を動作させる演出を実行することを可能な状態とすることができる。
特徴C5.前記禁止設定手段は、前記可動物が正常に動作しない事象が繰り返されたことに基づいて前記動作禁止状態に設定することを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C5によれば、可動物が正常に動作しない事象が繰り返されたことに基づいて動作禁止状態に設定される構成であることにより、可動物が正常に動作しない事象が1回発生した場合に直ちに動作禁止状態に設定される構成と比較して、動作禁止状態に設定される頻度を低減することができる。これにより、可動物が正常に動作しない事象が繰り返された場合には動作禁止状態に設定する構成としながら、可動物の動作がキャンセルされてしまう回数を低減して、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、特徴C1~C5の構成に対して、特徴A1~A8、特徴B1~B9、特徴C1~C5、特徴D1~D17、特徴E1~E9、特徴F1~F7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴C群の発明によれば以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて抽選が行われ、当該抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。これらの遊技機は、表示装置、スピーカ、発光装置、可動物などを備えており、遊技の進行状況に応じて、映像による演出、音による演出、光による演出、可動物による演出などが実行される。
スロットマシンについて具体的には、スタートレバーが操作されることにより抽選で選択された演出が実行される。また、所定の遊技状態が開始される場合にオープニング演出が実行され、所定の終了契機が発生した場合にエンディング演出が実行される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては可動物の制御を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴D群>
特徴D1.遊技の履歴情報(遊技履歴データ)を履歴記憶手段(履歴記憶用エリア94b)に記憶させる履歴記憶実行手段(演出側MPU92におけるステップS4901~ステップS4917の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS5001~ステップS5015の処理を実行する機能)と、
所定生成契機(ART状態ST6が終了すること、有利区間SC2のエンディング演出が終了すること及びART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が所定の区切り数に達すること)が発生した場合に、前記履歴記憶手段に記憶されている前記履歴情報に基づいて表示手段(画像表示装置63)に履歴対応画像(履歴画像G23)を表示させることを可能とする履歴対応情報(履歴構成データ)を生成する生成手段(演出側MPU92におけるステップS5101~ステップS5111の処理を実行する機能)と、
当該生成手段により生成された前記履歴対応情報を対応情報記憶手段(画像再生用記憶エリア94c)に記憶させる記憶実行手段(演出側MPU92におけるステップS5112の処理を実行する機能)と、
所定表示契機(履歴メニュー画面にて「最新の履歴画像を表示」の項目が選択されること、見出しリスト表示にて見出しが選択されること及びポップ表示が行われている状況において下ボタン64cの操作が行われること)が発生したことに基づいて、前記対応情報記憶手段に記憶されている前記履歴対応情報に基づいて前記表示手段に前記履歴対応画像を表示させる履歴表示制御手段(演出側MPU92におけるステップS6008~ステップS6012の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS6205~ステップS6210の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定表示契機が発生したことに基づき前記履歴対応画像の表示対象となった前記履歴対応情報が、その後の前記所定表示契機の発生に基づき前記履歴対応画像の表示対象に再度なり得ることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、遊技の履歴情報が履歴記憶手段に記憶され、所定生成契機が発生した場合に、当該履歴記憶手段に記憶されている履歴情報に基づいて表示手段に履歴対応画像を表示させることを可能とする履歴対応情報が生成される。そして、所定表示契機が発生したことに基づいて対応情報記憶手段に記憶されている履歴対応情報に基づいて表示手段に履歴対応画像が表示される。このため、遊技の進行中に遊技者がカメラ等で遊技の記録を残すための行為をすることを不要としながら、後から履歴対応画像を表示させて遊技の履歴を確認可能とすることができる。これにより、遊技者が遊技の進行中に行われる演出に集中することを可能とすることができる。
生成された履歴対応情報を対応情報記憶手段に記憶させることにより、所定表示契機が発生したことに基づき履歴対応画像の表示対象となった履歴対応情報がその後の所定表示契機の発生に基づき履歴対応画像の表示対象に再度なった場合、対応情報記憶手段に記憶されている当該表示対象となった履歴対応情報に基づいて表示手段に履歴対応画像を再度表示させることができる。遊技の履歴情報を記憶しておき、所定表示契機が発生する度に当該履歴情報に基づいて履歴対応情報を生成する構成と比較して、表示手段に履歴対応画像を再度表示させるために記憶しておくデータのデータ容量を低減することができるとともに、表示手段に履歴対応画像を再度表示させるための処理負荷を軽減することができる。
特徴D2.前記対応情報記憶手段には前記所定生成契機が発生したタイミングが異なる前記履歴対応情報が複数記憶されることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、対応情報記憶手段に記憶されている複数の履歴対応情報に基づいて、複数の履歴対応画像を表示手段に繰り返し表示させることを可能とすることができる。過去に生成されて記憶されている履歴対応情報に基づいて表示手段に履歴対応画像を表示させることを可能とすることにより、過去の遊技履歴を確認可能として、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴D3.前記所定表示契機は遊技者による表示選択操作(演出用操作装置64の操作)が行われた場合に発生し、
前記履歴表示制御手段は、前記表示選択操作に対応する前記履歴対応情報を前記履歴対応画像の表示対象とすることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、遊技者が過去に生成されて記憶されている複数の履歴対応情報の中から履歴対応画像の表示対象とする履歴対応情報を任意に選択して表示手段に表示させることを可能とすることができる。これにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴D4.前記履歴表示制御手段は、1度の前記表示選択操作に対して1個の前記履歴対応情報を前記履歴対応画像の表示対象とすることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、1度の表示選択操作に対して履歴対応画像の表示対象となる履歴対応情報が1つであることにより、表示手段に1度に表示される履歴対応画像を1つとして、履歴対応画像をじっくりと確認可能とすることができる。また、選択されていない余計な履歴対応画像が一緒に表示されてしまうことを防止することができる。
特徴D5.前記生成手段は、前記対応情報記憶手段に既に記憶されている前記履歴対応情報と前記履歴対応画像の内容が同一とならないように前記履歴対応情報の内容を調整する内容調整手段(演出側MPU92におけるステップS5213の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS5303の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D2乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D5によれば、対応情報記憶手段に既に記憶されている履歴対応情報と履歴対応画像の内容が同一となる履歴対応情報が生成されてしまう可能性を低減することができる。これにより、履歴対応画像の内容が同一となる履歴対応情報が頻繁に生成されて遊技者の履歴対応画像への関心が低下してしまうことを防止することができる。
特徴D6.前記所定生成契機は複数種類存在していることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D6によれば、所定生成契機が1種類しか存在しない構成と比較して、所定生成契機が発生したタイミングにおいて履歴記憶手段に記憶されている履歴情報が異なるものとなる可能性を増大させることができるとともに、当該履歴情報に基づいて生成される履歴対応情報が異なるものとなる可能性を増大させることができる。これにより、表示手段に表示される履歴対応画像のバリエーションを増加させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴D7.遊技者の有利度に対応する複数段階の設定値の中から使用対象となる設定値を設定する設定手段(主側MPU72におけるステップS106の処理を実行する機能)を備え、
前記履歴対応画像には前記使用対象の設定値を示唆する示唆画像(第1の実施形態では背景プレート画像G24)が含まれ得る構成であることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D7によれば、履歴対応画像に含まれる示唆画像に基づいて、遊技者の有利度に対応する情報であって遊技者の関心の高い使用対象の設定値を推測可能とすることにより、遊技者の履歴対応画像への関心を高めることができる。
特徴D8.制限契機(通常遊技状態ST1において最後にスタートレバー41の操作が行われてから演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することなく10分間が経過すること)が発生したことに基づいて、少なくとも前記示唆画像が表示されないようにする制限手段(第1の実施形態では演出側MPU92におけるステップS5712~ステップS5715の処理を実行する機能、第3の実施形態では演出側MPU92におけるステップS6908~ステップS6910の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
特徴D8によれば、制限契機が発生する前に生成されて記憶されていた履歴対応情報に基づく履歴対応画像に含まれる示唆画像に基づいて設定値が予測されてしまうことを防止することができる。
特徴D9.前記制限手段は、前記制限契機が発生したことに基づいて、前記対応情報記憶手段に記憶されている前記履歴対応情報が表示対象とならないようにすることを特徴D8に記載の遊技機。
特徴D9によれば、制限契機が発生したことに基づいて、対応情報記憶手段に記憶されている履歴対応情報に基づく履歴対応画像の表示を不可として、当該履歴対応画像に含まれる示唆画像に基づいて設定値が推測されてしまうことを防止することができる。
特徴D10.前記制限手段は、前記制限契機が発生したことに基づいて、前記対応情報記憶手段に記憶されている前記履歴対応情報のうち前記示唆画像を表示させるための情報を、前記使用対象の設定値を示唆しない画像(共通背景プレート画像)を表示させるための情報に変更することを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
特徴D10によれば、制限契機が発生した場合にも履歴対応情報に基づいて履歴対応画像を表示可能としながら、制限契機が発生する前に生成されて記憶されていた履歴対応情報に基づく履歴対応画像に基づいて設定値が推測されてしまうことを防止することができる。
特徴D11.前記制限契機は、遊技者が変更されたことを示す変更操作が発生したこと又は所定期間(第1の実施形態では10分間)に亘って遊技が行われていない状況が継続したことに基づいて発生することを特徴とする特徴D8乃至D10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D11によれば、遊技者が変更されたことを示す変更操作が発生したことに基づいて少なくとも示唆画像が表示されないようにすることにより、遊技者が変更された場合に変更後の遊技者が変更前の遊技者の遊技履歴に基づいて使用対象の設定値を推測する行為を防止することができる。また、所定期間に亘って遊技が行われない状況が継続したことに基づいて少なくとも示唆画像が表示されないようにすることにより、遊技者が変更された可能性の高い状況が発生した場合に変更後の遊技者が変更前の遊技者の遊技履歴に基づいて使用対象の設定値を推測する行為を防止することができる。
特徴D12.前記表示手段に画像を表示させるための画像データを予め記憶するデータ記憶手段(演出制御基板91におけるキャラクタROM)を備え、
前記履歴表示制御手段は、
前記履歴対応情報に対応する前記画像データを前記データ記憶手段から読み出し、当該画像データを表示用設定手段(ビデオRAM96におけるフレーム領域)に設定することで当該表示用設定手段に前記履歴対応情報に対応する表示データを生成する表示データ生成手段(演出側MPU92におけるステップS2101~ステップS2114、ステップS2119及びステップS2120の処理を実行する機能)と、
前記表示データに対応する画像信号を前記表示手段に出力することに基づき、前記表示データに対応する前記履歴対応画像を前記表示手段に表示させる手段(演出側MPU92におけるステップS2116の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D12によれば、履歴対応情報に対応する表示データは、履歴対応情報に対応する画像データがデータ記憶手段から読み出されて表示用設定手段に設定されることにより生成される。このため、履歴対応画像として表示対象となり得る画像データの組合せの全てのパターンについての表示データを予め記憶しておく構成と比較して、履歴対応画像を表示可能とするために予め記憶しておくデータのデータ容量を低減することができる。また、上記特徴D1の構成を備え、所定表示契機が発生したことに基づいて、対応情報記憶手段に記憶されている履歴対応情報に基づいて表示手段に履歴対応画像を表示させる構成である。このため、1度生成した表示データを記憶しておき、当該表示データに基づいて履歴対応画像を再度表示する構成と比較して、履歴対応画像を表示可能とするために記憶しておくデータのデータ容量を低減することができるとともに、表示データを記憶しておくための構成を不要とすることができる。これにより、履歴対応画像を表示手段に表示するための構成を簡素化することができる。
特徴D13.前記履歴対応情報には、複数の要素対応情報(背景プレート画像指定データ、下地プレート画像指定データ、第1文言指定データ、第2文言指定データ、第3文言指定データ、ランク画像指定データ、エンディング画像G29の有無を示すデータ及び履歴ポイントを示すデータ)が含まれており、
前記表示データ生成手段は、前記履歴対応情報に含まれる複数の前記要素対応情報のそれぞれに対応する前記画像データを前記データ記憶手段から読み出し、それら画像データを前記表示用設定手段に設定することで当該表示用設定手段に前記履歴対応情報に対応する前記表示データを生成することを特徴とする特徴D12に記載の遊技機。
特徴D13によれば、履歴対応情報に複数の要素対応情報が含まれているとともに、履歴対応画像に当該複数の要素対応情報のそれぞれに対応する画像データが設定される構成であることにより、履歴対応画像に含まれる要素対応情報に対応する画像データの組合せのバリエーションを増加させることができる。また、履歴対応情報に対応する表示データは、履歴対応情報に含まれている複数の要素対応情報のそれぞれに対応する画像データがデータ記憶手段から読み出されて表示用設定手段に設定されることにより生成される。このため、表示対象となり得る複数の要素対応情報の全ての組合せパターンについての表示データを予め記憶しておく構成と比較して、履歴対応画像を表示可能とするために予め記憶しておくデータのデータ容量を低減することができる。
特徴D14.複数の前記要素対応情報として、所定要素対応情報(例えば文言指定データ)と特定要素対応情報(例えば背景プレート画像指定データ)とが含まれており、
前記所定要素対応情報として選択され得る選択候補情報は複数設定されており、
前記特定要素対応情報として選択され得る選択候補情報は複数設定されていることを特徴とする特徴D13に記載の遊技機。
特徴D14によれば、所定要素対応情報として選択され得る選択候補情報が複数設定されているとともに、特定要素対応情報として選択され得る選択候補情報が複数設定されていることにより、所定要素対応情報及び特定要素対応情報の組合せのバリエーションを増加させることが可能となっている。これにより、表示手段に表示され得る履歴対応画像のバリエーションを増加させて、履歴対応画像への関心を高めることができる。よって、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴D15.前記生成手段は、複数の前記要素対応情報のうち一部である調整対象情報(第1文言指定データ、第2文言指定データ及び第3文言指定データ)について、前記対応情報記憶手段に既に記憶されている前記履歴対応情報と同一とならないように、新たに生成する前記履歴対応情報における前記調整対象情報の内容を調整する内容調整手段(演出側MPU92におけるステップS5213の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS5303の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D13又はD14に記載の遊技機。
特徴D15によれば、調整対象情報の内容が同一である履歴対応情報が生成される可能性を低減させることができる。これにより、履歴対応画像の内容が同一となる履歴対応情報が頻繁に生成されて遊技者の履歴対応画像への関心が低下してしまうことを防止することができる。複数の要素対応情報のうち一部が調整対象情報であるため、調整対象情報ではない要素対応情報を含む態様で、履歴対応情報全体として重複の少ない履歴対応情報を生成可能とすることができる。
特徴D16.前記生成手段は、前記所定生成契機が発生する前に途中表示操作(履歴メニュー画面にて「履歴画像の途中生成」を選択する操作)が行われた場合、当該途中表示操作が行われたタイミングにおいて前記履歴記憶手段に設定されている前記履歴情報に基づいて前記履歴対応情報を生成する途中生成手段(演出側MPU92におけるステップS5101~ステップS5111の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS6015及びステップS6016の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D16によれば、途中表示操作を行うことにより遊技者による任意のタイミングで履歴記憶手段に記憶されている履歴情報に基づく履歴対応情報を生成させることができるとともに、当該履歴対応情報に基づいて表示手段に履歴対応画像を表示させることができる。これにより、閉店時間が迫っているような状況にて所定生成契機が発生する前に履歴対応画像を確認したい遊技者に対して当該履歴対応画像を表示することができる。
特徴D17.遊技者の有利度に対応する複数段階の設定値の中から使用対象となる設定値を設定する設定手段(演出側MPU92におけるステップS106の処理を実行する機能)を備え、
前記所定生成契機が発生したことに基づいて生成された前記履歴対応情報に対応する前記履歴対応画像には前記使用対象の設定値を示唆する示唆画像(第1の実施形態では背景プレート画像G24)が含まれ得る構成であり、
前記途中生成手段は、前記履歴対応画像に前記示唆画像が含まれないように前記履歴対応情報を生成することを特徴とする特徴D16に記載の遊技機。
特徴D17によれば、履歴対応画像に含まれる示唆画像に基づいて、遊技者の有利度に対応する情報であって遊技者の関心の高い使用対象の設定値を推測可能とすることにより、遊技者の履歴対応画像への関心を高めることができる。途中表示操作が行われたことに基づいて生成される履歴対応情報には示唆画像が設定されない構成とすることにより、短時間に途中表示操作を繰り返し実行して複数の履歴対応画像に含まれる複数の示唆画像を確認し、当該複数の示唆画像の種類に基づいて使用対象となっている設定値が不正な態様で推測されてしまうことを防止することができる。
なお、特徴D1~D17の構成に対して、特徴A1~A8、特徴B1~B9、特徴C1~C5、特徴D1~D17、特徴E1~E9、特徴F1~F7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴E群>
特徴E1.遊技の履歴情報(遊技履歴データ)を履歴記憶手段(履歴記憶用エリア94b)に記憶させる履歴記憶実行手段(演出側MPU92におけるステップS4901~ステップS4917の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS5001~ステップS5015の処理を実行する機能)と、
所定生成契機(ART状態ST6が終了すること、有利区間SC2のエンディング演出が終了すること及びART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が所定の区切り数に達すること)が発生した場合に、前記履歴記憶手段に記憶されている前記履歴情報に基づいて表示手段(画像表示装置63)に履歴対応画像(履歴画像G23)を表示させることを可能とする履歴対応情報(履歴構成データ)を生成する生成手段(演出側MPU92におけるステップS5101~ステップS5111の処理を実行する機能)と、
当該生成手段により生成された前記履歴対応情報を対応情報記憶手段(画像再生用記憶エリア94c)に記憶させる記憶実行手段(演出側MPU92におけるステップS5112の処理を実行する機能)と、
前記表示手段に画像を表示させるための画像データを予め記憶するデータ記憶手段(演出制御基板91におけるキャラクタROM)と、
所定表示契機(履歴メニュー画面にて「最新の履歴画像を表示」の項目が選択されること、見出しリスト表示にて見出しが選択されること及びポップ表示が行われている状況において下ボタン64cの操作が行われること)が発生したことに基づいて、前記対応情報記憶手段に記憶されている前記履歴対応情報に対応する前記画像データを前記データ記憶手段から読み出し、当該画像データを表示用設定手段(ビデオRAM96におけるフレーム領域)に設定することで当該表示用設定手段に前記履歴対応情報に対応する表示データを生成する表示データ生成手段(演出側MPU92におけるステップS2101~ステップS2114、ステップS2119及びステップS2120の処理を実行する機能)と、
前記表示データに対応する画像信号を前記表示手段に出力することに基づき、前記表示データに対応する前記履歴対応画像を前記表示手段に表示させる手段(演出側MPU92におけるステップS2116の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、遊技の履歴情報が履歴記憶手段に記憶され、所定生成契機が発生した場合に、当該履歴記憶手段に記憶されている履歴情報に基づいて表示手段に履歴対応画像を表示させることを可能とする履歴対応情報が生成される。そして、所定表示契機が発生したことに基づいて対応情報記憶手段に記憶されている履歴対応情報に基づいて表示手段に履歴対応画像が表示される。このため、遊技の進行中に遊技者がカメラ等で遊技の記録を残すための行為をすることを不要としながら、後から履歴対応画像を表示させて遊技の履歴を確認可能とすることができる。
生成された履歴対応情報を対応情報記憶手段に記憶することにより、所定表示契機が発生した場合に当該対応情報記憶手段に記憶されている履歴対応情報に基づいて表示手段に履歴対応画像を表示させることができる。遊技の履歴情報を記憶しておき、所定表示契機が発生した場合に当該履歴情報に基づいて履歴対応情報を生成する構成と比較して、表示手段に履歴対応画像を表示させるために記憶しておくデータのデータ容量を低減することができるとともに、表示手段に履歴対応画像を表示させるための処理負荷を軽減することができる。
データ記憶手段に記憶されている画像データを組み合わせることで履歴対応画像を表示させることができる。履歴対応情報に対応する表示データは、履歴対応情報に対応する画像データがデータ記憶手段から読み出されて表示用設定手段に設定されることにより生成される。このため、履歴対応画像として表示対象となり得る画像データの全ての組合せパターンについての表示データを予め記憶しておく構成と比較して、履歴対応画像を表示可能とするために予め記憶しておくデータのデータ容量を低減することができる。
特徴E2.前記履歴対応情報には、複数の要素対応情報(背景プレート画像指定データ、下地プレート画像指定データ、第1文言指定データ、第2文言指定データ、第3文言指定データ、ランク画像指定データ、エンディング画像G29の有無を示すデータ及び履歴ポイントを示すデータ)が含まれており、
前記表示データ生成手段は、前記履歴対応情報に含まれる複数の前記要素対応情報のそれぞれに対応する前記画像データを前記データ記憶手段から読み出し、それら画像データを前記表示用設定手段に設定することで当該表示用設定手段に前記履歴対応情報に対応する前記表示データを生成することを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、履歴対応情報に複数の要素対応情報が含まれているとともに、履歴対応画像に当該複数の要素対応情報のそれぞれに対応する画像データが設定される構成であることにより、履歴対応画像に含まれる要素対応情報に対応する画像データの組合せのバリエーションを増加させることができる。また、履歴対応情報に対応する表示データは、履歴対応情報に含まれている複数の要素対応情報のそれぞれに対応する画像データがデータ記憶手段から読み出されて表示用設定手段に設定されることにより生成される。このため、表示対象となり得る複数の要素対応情報の全ての組合せパターンについての表示データを予め記憶しておく構成と比較して、履歴対応画像を表示可能とするために予め記憶しておくデータのデータ容量を低減することができる。
特徴E3.複数の前記要素対応情報として、所定要素対応情報(例えば文言指定データ)と特定要素対応情報(例えば背景プレート画像指定データ)とが含まれており、
前記所定要素対応情報として選択され得る選択候補情報は複数設定されており、
前記特定要素対応情報として選択され得る選択候補情報は複数設定されていることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、所定要素対応情報として選択され得る選択候補情報が複数設定されているとともに、特定要素対応情報として選択され得る選択候補情報が複数設定されていることにより、所定要素対応情報及び特定要素対応情報の組合せのバリエーションを増加させることが可能となっている。これにより、表示手段に表示され得る履歴対応画像のバリエーションを増加させて、履歴対応画像への関心を高めることができる。よって、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴E4.前記生成手段は、複数の前記要素対応情報のうち一部である調整対象情報(第1文言指定データ、第2文言指定データ及び第3文言指定データ)について、前記対応情報記憶手段に既に記憶されている前記履歴対応情報と同一とならないように、新たに生成する前記履歴対応情報における前記調整対象情報の内容を調整する内容調整手段(演出側MPU92におけるステップS5213の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS5303の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E2又はE3に記載の遊技機。
特徴E4によれば、調整対象情報の内容が同一である履歴対応情報が生成される可能性を低減させることができる。これにより、履歴対応画像の内容が同一となる履歴対応情報が頻繁に生成されて遊技者の履歴対応画像への関心が低下してしまうことを防止することができる。複数の要素対応情報のうち一部が調整対象情報であるため、調整対象情報ではない要素対応情報を含む態様で、履歴対応情報全体として重複の少ない履歴対応情報を生成可能とすることができる。
特徴E5.前記対応情報記憶手段には前記所定生成契機が発生したタイミングが異なる前記履歴対応情報が複数記憶されることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E5によれば、対応情報記憶手段に記憶されている複数の履歴対応情報に基づいて、複数の履歴対応画像を表示手段に繰り返し表示させることを可能とすることができる。過去に生成されて記憶されている履歴対応情報に基づいて表示手段に履歴対応画像を表示させることを可能とすることにより、過去の遊技履歴を確認可能として、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴E6.前記所定表示契機は遊技者による表示選択操作(演出用操作装置64の操作)が行われた場合に発生し、
前記表示データ生成手段は、前記表示選択操作に対応する前記履歴対応情報を前記履歴対応画像の表示対象とすることを特徴とする特徴E5に記載の遊技機。
特徴E6によれば、遊技者が過去に生成されて記憶されている複数の履歴対応情報の中から履歴対応画像の表示対象とする履歴対応情報を任意に選択して表示手段に表示させることを可能とすることができる。これにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴E7.前記表示データ生成手段は、1度の前記表示選択操作に対して1個の前記履歴対応情報を前記履歴対応画像の表示対象とすることを特徴とする特徴E6に記載の遊技機。
特徴E7によれば、1度の表示選択操作に対して履歴対応画像の表示対象となる履歴対応情報が1つであることにより、表示手段に1度に表示される履歴対応画像を1つとして、履歴対応画像をじっくりと確認可能とすることができる。また、選択されていない余計な履歴対応画像が一緒に表示されてしまうことを防止することができる。
特徴E8.前記生成手段は、前記対応情報記憶手段に既に記憶されている前記履歴対応情報と前記履歴対応画像の内容が同一とならないように前記履歴対応情報の内容を調整する内容調整手段(演出側MPU92におけるステップS5213の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS5303の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E5乃至E7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E8によれば、対応情報記憶手段に既に記憶されている履歴対応情報と履歴対応画像の内容が同一となる履歴対応情報が生成されてしまう可能性を低減することができる。これにより、履歴対応画像の内容が同一となる履歴対応情報が頻繁に生成されて遊技者の履歴対応画像への関心が低下してしまうことを防止することができる。
特徴E9.前記所定生成契機は複数種類存在していることを特徴とする特徴E1乃至E8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E9によれば、所定生成契機が1種類しか存在しない構成と比較して、所定生成契機が発生したタイミングにおいて履歴記憶手段に記憶されている履歴情報が異なるものとなる可能性を増大させることができるとともに、当該履歴情報に基づいて生成される履歴対応情報が異なるものとなる可能性を増大させることができる。これにより、表示手段に表示される履歴対応画像のバリエーションを増加させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、特徴E1~E9の構成に対して、特徴A1~A8、特徴B1~B9、特徴C1~C5、特徴D1~D17、特徴E1~E9、特徴F1~F7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴F群>
特徴F1.遊技者の有利度に対応する複数段階の設定値の中から使用対象となる設定値を設定する設定手段(主側MPU72におけるステップS106の処理を実行する機能)と、
遊技の履歴情報(遊技履歴データ)を履歴記憶手段(履歴記憶用エリア94b)に記憶させる履歴記憶実行手段(演出側MPU92におけるステップS4901~ステップS4917の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS5001~ステップS5015の処理を実行する機能)と、
所定生成契機(ART状態ST6が終了すること、有利区間SC2のエンディング演出が終了すること及びART状態ST6への移行後における遊技媒体の付与数が所定の区切り数に達すること)が発生した場合に、前記履歴記憶手段に記憶されている前記履歴情報に基づいて表示手段(画像表示装置63)に履歴対応画像(履歴画像G23)を表示させることを可能とする履歴対応情報(履歴構成データ)を生成する生成手段(演出側MPU92におけるステップS5101~ステップS5111の処理を実行する機能)と、
当該生成手段により生成された前記履歴対応情報を対応情報記憶手段(画像再生用記憶エリア94c)に記憶させる記憶実行手段(演出側MPU92におけるステップS5112の処理を実行する機能)と、
所定表示契機(履歴メニュー画面にて「最新の履歴画像を表示」の項目が選択されること、見出しリスト表示にて見出しが選択されること及びポップ表示が行われている状況において下ボタン64cの操作が行われること)が発生したことに基づいて、前記対応情報記憶手段に記憶されている前記履歴対応情報に基づいて前記表示手段に前記履歴対応画像を表示させる履歴表示制御手段(演出側MPU92におけるステップS6008、ステップS6010及びステップS6011の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS6205~ステップS6209の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記履歴対応画像には前記使用対象の設定値を示唆する示唆画像(第1の実施形態では背景プレート画像G24)が含まれ得る構成であることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、遊技の履歴情報が履歴記憶手段に記憶され、所定生成契機が発生した場合に、当該履歴記憶手段に記憶されている履歴情報に基づいて表示手段に履歴対応画像を表示させることを可能とする履歴対応情報が生成される。そして、所定表示契機が発生したことに基づいて対応情報記憶手段に記憶されている履歴対応情報に基づいて表示手段に履歴対応画像が表示される。このため、遊技の進行中に遊技者がカメラ等で遊技の記録を残すための行為をすることを不要としながら、後から履歴対応画像を表示させて遊技の履歴を確認可能とすることができる。
生成された履歴対応情報を対応情報記憶手段に記憶することにより、所定表示契機が発生した場合に当該対応情報記憶手段に記憶されている履歴対応情報に基づいて表示手段に履歴対応画像を表示させることができる。遊技の履歴情報を記憶しておき、所定表示契機が発生した場合に当該履歴情報に基づいて履歴対応情報を生成する構成と比較して、表示手段に履歴対応画像を表示させるために記憶しておくデータのデータ容量を低減することができるとともに、表示手段に履歴対応画像を表示させるための処理負荷を軽減することができる。
履歴対応画像に含まれる示唆画像に基づいて、遊技者の有利度に対応する情報であって遊技者の関心の高い使用対象の設定値を推測可能とすることにより、遊技者の履歴対応画像への関心を高めることができる。
特徴F2.制限契機(通常遊技状態ST1において最後にスタートレバー41の操作が行われてから演出側MPU92がゲーム開始コマンドを受信することなく10分間が経過すること)が発生したことに基づいて、少なくとも前記示唆画像が表示されないようにする制限手段(第1の実施形態では演出側MPU92におけるステップS5712~ステップS5715の処理を実行する機能、第3の実施形態では演出側MPU92におけるステップS6908~ステップS6910の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、制限契機が発生する前に生成されて記憶されていた履歴対応情報に基づく履歴対応画像に含まれる示唆画像に基づいて設定値が予測されてしまうことを防止することができる。
特徴F3.前記制限手段は、前記制限契機が発生したことに基づいて、前記対応情報記憶手段に記憶されている前記履歴対応情報が表示対象とならないようにすることを特徴F2に記載の遊技機。
特徴F3によれば、制限契機が発生したことに基づいて、対応情報記憶手段に記憶されている履歴対応情報に基づく履歴対応画像の表示を不可として、当該履歴対応画像に含まれる示唆画像に基づいて設定値が推測されてしまうことを防止することができる。
特徴F4.前記制限手段は、前記制限契機が発生したことに基づいて、前記対応情報記憶手段に記憶されている前記履歴対応情報のうち前記示唆画像を表示させるための情報を、前記使用対象の設定値を示唆しない画像を表示させるための情報に変更することを特徴とする特徴F2に記載の遊技機。
特徴F4によれば、制限契機が発生した場合にも履歴対応情報に基づいて履歴対応画像を表示可能としながら、制限契機が発生する前に生成されて記憶されていた履歴対応情報に基づく履歴対応画像に基づいて設定値が推測されてしまうことを防止することができる。
特徴F5.前記制限契機は、遊技者が変更されたことを示す変更操作が発生したこと又は所定期間(第1の実施形態では10分間)に亘って遊技が行われていない状況が継続したことに基づいて発生することを特徴とする特徴F2乃至F4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F5によれば、遊技者が変更されたことを示す変更操作が発生したことに基づいて少なくとも示唆画像が表示されないようにすることにより、遊技者が変更された場合に変更後の遊技者が変更前の遊技者の遊技履歴に基づいて使用対象の設定値を推測する行為を防止することができる。また、所定期間に亘って遊技が行われない状況が継続したことに基づいて少なくとも示唆画像が表示されないようにすることにより、遊技者が変更された可能性の高い状況が発生した場合に変更後の遊技者が変更前の遊技者の遊技履歴に基づいて使用対象の設定値を推測する行為を防止することができる。
特徴F6.前記生成手段は、前記所定生成契機が発生する前に途中表示操作(履歴メニュー画面にて「履歴画像の途中生成」を選択する操作)が行われた場合、当該途中表示操作が行われたタイミングにおいて前記履歴記憶手段に設定されている前記履歴情報に基づいて前記履歴対応情報を生成する途中生成手段(演出側MPU92におけるステップS5101~ステップS5111の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS6016の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F6によれば、途中表示操作を行うことにより遊技者による任意のタイミングで履歴記憶手段に記憶されている履歴情報に基づく履歴対応情報を生成させることができるとともに、当該履歴対応情報に基づいて表示手段に履歴対応画像を表示させることができる。これにより、閉店時間が迫っているような状況にて所定生成契機が発生する前に履歴対応画像を確認したい遊技者に対して当該履歴対応画像を表示することができる。
特徴F7.前記途中生成手段は、前記履歴対応画像に前記示唆画像が含まれないように前記履歴対応情報を生成することを特徴とする特徴F6に記載の遊技機。
特徴F7によれば、履歴対応画像に含まれる示唆画像に基づいて、遊技者の有利度に対応する情報であって遊技者の関心の高い使用対象の設定値を推測可能とすることにより、遊技者の履歴対応画像への関心を高めることができる。途中表示操作が行われたことに基づいて生成される履歴対応情報には示唆画像が設定されない構成とすることにより、短時間に途中表示操作を繰り返し実行して複数の履歴対応画像に含まれる複数の示唆画像を確認し、当該複数の示唆画像の種類に基づいて使用対象となっている設定値が不正な態様で推測されてしまうことを防止することができる。
なお、特徴F1~F7の構成に対して、特徴A1~A8、特徴B1~B9、特徴C1~C5、特徴D1~D17、特徴E1~E9、特徴F1~F7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴D群、上記特徴E群及び上記特徴F群の各発明によれば以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて抽選が行われ、当該抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。これらの遊技機は、表示装置、スピーカ、発光装置、可動物などを備えており、遊技の進行状況に応じて、映像による演出、音による演出、光による演出、可動物による演出などが実行される。
スロットマシンについて具体的には、スタートレバーが操作されることにより抽選で選択された演出が実行される。また、所定の遊技状態が開始される場合にオープニング演出が実行され、所定の終了契機が発生した場合にエンディング演出が実行される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。