JP7155288B2 - 植物育成用灯具 - Google Patents

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Description


本発明は、植物の成長を促進するための植物育成用灯具に関する。

内部環境をコントロールした閉鎖的または半閉鎖的な空間で植物を計画的に生産するシステムである植物工場では、温度、肥料、光照射時間、照射する光の照度等を調節することによって、植物の成長制御を行っている。

また、植物の成長等には、光の偏光状態が一定の影響を与える場合があると考えられている。例えば、特許文献1においては、偏光照射機構を備える生物挙動コントロール装置が開示されており、この装置を用いた実験により、赤色の右円偏光のみを照射することにより、シロイヌナズナの成長が促進されたことが示されている。

このような特定の円偏光を照射することによって、植物の成長を促進する植物育成用灯具として、特許文献2に記載される植物育成用灯具(植物育成用の照明装置)が知られている。

この植物育成用灯具は、光源と、光源が出射した光の偏光状態を制御する偏光状態制御部材とを備え、光源が出射した光の一部の波長帯域の偏光状態を円偏光に変更すると共に、照射する光のうち、有効波長帯域(制御波長帯域)における光の円偏光度が0.3以上である構成を有する。特許文献2において、偏光状態制御部材としては、特定の波長帯域において、旋回方向が特定の円偏光を選択的に反射する、反射型円偏光板が例示されている。

特開2008-228688号公報 特開2012-226229号公報

特許文献2に記載される植物育成用灯具によれば、植物の成長を促進するための植物育成用灯具において、偏光状態を制御する部材の点数を少なくできる。

また、照射する光は、植物の成長を促進できる波長帯域における円偏光度が高い方が、植物の成長促進に有利である。特許文献2に記載される植物育成用灯具は、有効波長帯域における円偏光度が0.3以上であることにより、植物の成長を好適に促進できる。

ここで、特許文献2に記載される植物育成用灯具など、従来の植物育成用灯具では、例えば赤色の右円偏光を照射した場合に成長を促進できる植物など、特定の波長帯域の特定の旋回方向の円偏光で成長を促進できる植物のみにしか、対応できない。

例えば、植物育成用灯具が、赤色の右円偏光を照射する灯具である場合には、赤色の左円偏光の照射によって成長が促進される植物の成長の促進はできない。

また、植物育成用灯具は、例えば特許文献2に示されるように、光源と、特定の旋回方向の円偏光を照射するための反射型円偏光板とを有する。

光源としては、LED(Light Emitting Diode)が好適に利用される。

他方、反射型円偏光板としては、反射型直線偏光板とλ/4板とを有する反射型円偏光板、および、コレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層を有する反射型円偏光板等が例示される。このような反射型円偏光板は、樹脂等を利用して形成される。

LEDは寿命が長い。そのため、樹脂等で形成される反射型円偏光板は、LEDの劣化に対して、短時間で劣化する。

ところが、従来の植物育成用灯具は、反射型円偏光板のみが劣化した場合でも、LED等の光源を含め、植物育成用灯具全体を交換する必要がある。

本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、植物の成長を促進する植物育成用灯具において、成長を促進するために照射する円偏光が異なる植物の成長促進に対応でき、さらに、反射型円偏光板が劣化した場合には、反射型円偏光板のみの交換が可能である、植物育成用灯具を提供することにある。

このような目的を達成するために、本発明は、以下の構成を有する。

[1] 光出射面を有する灯具本体と、灯具本体に保持される光源と、特定の波長帯域において特定の旋回方向の円偏光を選択的に反射する反射型円偏光板と、を有し、

反射型円偏光板が、支持体と、支持体に保持される円偏光反射層とを有し、

灯具本体は、反射型円偏光板の主面を光出射面に対面して、反射型円偏光板を着脱自在に装着する、保持機構を有する、植物育成用灯具。

[2] 保持機構は、反射型円偏光板の対向する2つの端部に対応する溝部を有し、反射型円偏光板の対向する2つの端部を溝部に挿入することにより、反射型円偏光板を着脱自在に装着する、[1]に記載の植物育成用灯具。

[3] 支持体の面内方向のレタデーションRe(550)が、50nm以下である、[1]または[2]に記載の植物育成用灯具。

[4] 円偏光反射層が、コレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の植物育成用灯具。

[5] 保持機構が反射型円偏光板を保持した状態で、灯具本体の光出射面と、反射型円偏光板との間に、間隙を有する、[1]~[4]のいずれかに記載の植物育成用灯具。

[6] 光源が、一方向に、複数、配列されている、[1]~[5]のいずれかに記載の植物育成用灯具。

[7] 反射型円偏光板の主面を内包する最小の長方形の長辺の長さが、1~2mである、[1]~[6]のいずれかに記載の植物育成用灯具。

[8] 反射型円偏光板の支持体の厚さが、0.1~5mmである、[1]~[7]のいずれかに記載の植物育成用灯具。

[9] 反射型円偏光板が、特定の旋回方向の円偏光を選択的に反射する特定の波長帯域の中心波長を、380~500nmの波長帯域、および、600~780nmの波長帯域の少なくとも一方に有する、[1]~[8]のいずれかに記載の植物育成用灯具。

[10] 光源が、380~500nmの波長帯域に発光の中心波長を有する光源、600~780nmの波長帯域に発光の中心波長を有する光源、および、白色光源の、1以上である、[1]~[9]のいずれかに記載の植物育成用灯具。

[11] 光源がLEDである、[1]~[10]のいずれかに記載の植物育成用灯具。

[12] 保持機構が、L字状の断面形状を有する長尺な保持部材である、[1]~[11]のいずれかに記載の植物育成用灯具。

本発明の植物育成用灯具は、特定の波長帯域の特定の円偏光を照射することで成長を促進できる植物に対して、成長を促進するために照射する円偏光が異なる植物の成長促進に対応でき、さらに、反射型円偏光板が劣化した場合には、反射型円偏光板のみの交換が可能である。

本発明の植物育成用灯具の一例を概念的に示す断面図である。 図1に示す植物育成用灯具を別の方向から見た際の概念図である。 図1の部分拡大図である。 本発明の植物育成用灯具の別の例の概念的に示す図である。 本発明の植物育成用灯具に用いられる反射型円偏光板の別の例を概念的に示す例である。

以下、本発明の植物育成用灯具について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。

なお、本発明において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。

本発明において、青色光とは、380~500nmの波長帯域の光であり、緑色光とは、500nm超600nm未満の波長帯域の光であり、赤色光とは、600~780nmの波長帯域の光である。

従って、可視光とは、380~780nmの波長帯域の光で、紫外線は波長が380nm未満の光で、赤外線は波長が780nm超の光である。

本発明において、Re(λ)は、波長λにおける面内のレタデーションを表す。特に記載がないときは、波長λは、550nmとする。

本発明において、Re(λ)は、Axometrics社製の偏光位相差解析装置AxoScanにおいて、波長λで測定した値である。AxoScanに平均屈折率((nx+ny+nz)/3)と膜厚(d(μm))を入力することにより、

遅相軸方向(°)、および

Re(λ)=R0(λ)が算出される。

なお、R0(λ)は、AxoScanで算出される数値として表示されるものであるが、Re(λ)を意味している。

本発明において、屈折率nx、ny、および、nzは、アッベ屈折率(NAR-4T、アタゴ社製)を使用し、光源にナトリウムランプ(λ=589nm)を用いて測定する。また、波長依存性を測定する場合は、多波長アッベ屈折計DR-M2(アタゴ社製)にて、干渉フィルタとの組み合わせで測定できる。

また、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、および、各種光学フィルムのカタログの値を使用できる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、および、ポリスチレン(1.59)。

図1および図2に、本発明の植物育成用灯具の一例を概念的に示す。

なお、図1は、本発明の植物育成用灯具10を長手方向と直交する方向に切断した断面を概念的に示す図である。他方、図2は、本発明の植物育成用灯具10を、短手方向すなわち図1と直交する方向から見た概念図である。すなわち、図1は、図2の上段の図のI-I線断面図である。

図示例の示す植物育成用灯具10は、植物の成長を促進できる、特定の波長帯域(波長領域)の特定の旋回方向の円偏光(円偏光の光)を、植物に照射するための装置である。

植物育成用灯具10は、灯具本体12と、光源14を有する光源ユニット16と、反射型円偏光板18とを有する。

図2に示すように、本発明の植物育成用灯具10において、反射型円偏光板18は、主面を灯具本体12の光出射面に対面して、灯具本体12に着脱自在に保持される。図示例において、灯具本体12の光出射面とは、具体的には、後述する光透過板26の外面である。この点に関しては、後に詳述する。

主面とは、シート状物(板状物およびフィルム)の最大面である。

なお、植物育成用灯具10は、図示した部材以外にも、必要に応じて、反射部材、放熱部材、赤外線吸収部材、紫外線吸収部材、レンズ、プリズム、光源14の点灯および消灯の制御回路等、公知の植物育成用灯具(光照射装置)に設けられる、各種の部材を有してもよい。

本発明の植物育成用灯具10において、反射型円偏光板18(円偏光反射層32)は、有効波長帯域すなわち選択的な反射波長帯域を有するもので、有効波長帯域において、右円偏光または左円偏光を選択的に反射する。具体的には、反射型円偏光板18は、有効波長帯域の左円偏光を反射して、それ以外の光は、有効波長帯域の右円偏光を含んで、全ての光を透過する。または、反射型円偏光板18は、有効波長帯域の右円偏光を反射して、それ以外の光は、有効波長帯域の左円偏光を含んで、全ての光を透過する。

従って、反射型円偏光板18を透過した光は、有効波長帯域の光のみ、左円偏光、または、右円偏光となる。言い換えれば、有効波長帯域の光は、右円偏光のみ、または、左円偏光のみが、植物に照射される。

なお、本発明において、反射型円偏光板18を透過した有効波長帯域の光は、完全に右円偏光のみ、または、左円偏光のみであるのに制限はされない。

すなわち、本発明においては、反射型円偏光板18が有効波長帯域の左円偏光を反射して、右円偏光を透過する場合でも、反射型円偏光板18を透過した有効波長帯域の光に左円偏光が含まれていてもよい。逆に、反射型円偏光板18が有効波長帯域の右円偏光を反射して、左円偏光を透過する場合でも、反射型円偏光板18を透過した有効波長帯域の光に右円偏光が含まれていてもよい。なお、いずれの場合においても、有効波長帯域では、反射型円偏光板18が透過する旋回方向の円偏光成分の方が多いのは、当然である。

従って、本発明の植物育成用灯具10は、植物の成長の促進できる目的とする波長帯域において、植物の成長を促進できる旋回方向の円偏光(円偏光成分)が多い、円偏光度が高い光を出射でき、植物の成長を好適に促進できる。

言い換えれば、本発明の植物育成用灯具10は、植物の成長を促進できる特定の波長帯域において、植物の成長に寄与する特定の旋回方向の円偏光の割合が多い光を、植物に照射できる。

ここで、光の偏光状態は、右円偏光と左円偏光の和によって表すことができる。例えば、左円偏光と右円偏光との強度が等しい場合には、その和は直線偏光となり、左円偏光と右円偏光との位相差によって決まる方位で、その電気ベクトルは振動する。右円偏光と左円偏光の強度が異なる場合には楕円偏光になり、いずれかの成分のみの場合には完全な円偏光となる。

円偏光の旋回方向(センス)は、光が手前に向かって進んでくるように眺めた場合に電場ベクトルの先端が時間の増加に従って時計回りに回る場合が右円偏光であり、反時計回りに回る場合が左円偏光である。

円偏光度は、光の右円偏光の強度をIR、左円偏光の強度をILとしたとき、

|IR-IL|/(IR+IL)で定義されるものである。円偏光度が高い程、光に含まれる右円偏光あるいは左円偏光の割合が高い。

なお、光源14から出射された光の各波長毎の偏光状態は、円偏光板を装着した分光放射輝度計またはスペクトルメータを用いて測定することができる。この場合、右円偏光板を通して測定した光の強度がIR、左円偏光板を通して測定した光の強度がILに相当する。また、白熱電球、水銀灯、蛍光灯、および、LED等の通常光源は、ほぼ自然光を発しているが、反射型円偏光板18を透過した自然光、および、反射型円偏光板18によって反射された自然光の偏光特性は、例えば、上述したAxoScanなどを用いて測定することができる。

<灯具本体>

上述のように、植物育成用灯具10は、灯具本体12と、光源14を有する光源ユニット16と、反射型円偏光板18とを有する。

灯具本体12は、筐体24と、光透過板26と、保持部材28とを有する。

筐体24は、略円弧状の断面形状を有するもので、円弧の頂部に開口24aを有する。この開口24aから光源14を挿入して、筐体24の円弧の頂部外面側から、光源ユニット16が筐体24すなわち灯具本体12に固定される。

図2に示すように、植物育成用灯具10すなわち筐体24は長尺なものである。従って、筐体24は、中空の略円柱(円筒)状のものを、高さ方向に切断した、劣弧側の形状を有する。なお、図示例において、筐体24は、円弧の開放端の近傍において、開放端に向かって、漸次、肉厚になっている。図1に示すように、図示例の植物育成用灯具10においては、後述する反射型円偏光板18を灯具本体12に装着した状態では、反射型円偏光板18の両端部は、この筐体24の肉厚の端部の内面よりも外方に至る。

上述したように、図1は、植物育成用灯具10の長手方向(円柱の高さ方向)と直交する方向の断面(図2のI-I線断面)である。従って、図1において、筐体24は、紙面に垂直な方向に長尺なものである。

筐体24の内面は、光反射面となっている。すなわち、筐体24は、植物育成用灯具10におけるリフレクタとして作用する。

筐体24の内面の光反射面には、制限はなく、光学機器等で用いられている光反射面が、各種、利用可能である。光反射面としては、金属膜、白色面、および、拡散反射面等が例示される。または、筐体24を金属材料、白色の材料、および、光拡散性の材料等で形成することで、筐体24の内面を光反射面としてもよい。

図示例において、筐体24は略円弧状の断面形状を有するものであるが、本発明は、これに制限はされない。

筐体24の断面形状としては、略円弧状以外にも、矩形状、台形状、三角形状、および、放物線状等の各種の形状が利用可能である。

また、筐体24すなわち本発明の植物育成用灯具は、長尺なものに制限はされず、例えば、円形、正方形、および、三角形等の平面形状(光出射面の形状)を有する、長尺ではないものでもよい。しかしながら、本発明の植物育成用灯具においては、筐体24を長尺にして、後述するように複数の光源14を配列することで、広い面積にわたって植物の成長を促進でき、好ましい。

筐体24すなわち植物育成用灯具10の長手方向の長さには、制限はないが、植物育成用灯具10の取り扱い性、および、加工コスト等を考慮すると、1~2mが好ましく、1~1.5mがより好ましい。

筐体24すなわち植物育成用灯具10の短手方向の長さにも、制限はないが、植物育成用灯具10の取り扱い性、および、加工コスト等を考慮すると、1~20cmが好ましい。

上述したように、筐体24の開放面は、光透過板26によって閉塞される。従って、光透過板26も、筐体24と同様に長尺なものであり、長方形状である。

光透過板26の光源14とは逆側の面(外面)が、植物育成用灯具10の灯具本体12における光出射面となる。

光透過板26は、光源14が出射した光を十分な透過率で透過できるものであれば、筐体24の開放面すなわち筐体24からの光の出射面(出射口)と同様の平面形状を有する板状物が、各種、利用可能である。

なお、光透過板26は、筐体24の開放面を完全に閉塞する形状に制限はされない。すなわち、光透過板26は、周辺部で筐体24との間に間隙を有するものでもよく、また、規則的または不規則に貫通孔を有するものでもよい。

光透過板26の外面すなわち光出射面の短手方向の両端部には、保持部材28が設けられる。

保持部材28は、反射型円偏光板18の主面を光出射面に対面した状態で、反射型円偏光板18を灯具本体12に着脱自在に装着する、本発明における保持機構を構成するものである。

図3に、図1の部分拡大図を示す。

図1~図3に示すように、図示例の植物育成用灯具10において、保持部材28は、2枚の長尺な平板を短手方向の端部で直交して固定した形状を有するものである。すなわち、図示例において、保持部材28は、L字状の断面形状を有する長尺なものである。なお、L字状とは略L字状も含む。

図1~図3に示すように、保持部材28は、L字の頂部、すなわち、L字の下端部28aの先端部とは反対側の先端部を光透過板26(光出射面)の短手方向の端部に当節して、屈曲したL字の下端部28aの先端側を光透過板26の短手方向内側に向けて、長手方向を光透過板26の長手方向と一致して、灯具本体12(光透過板26)に固定される。これにより、光透過板26と保持部材28とによって、後述する反射型円偏光板18の短手方向の両端部を載置する溝部(長尺な凹部)を形成する。

図1~図3に示すように、植物育成用灯具10では、光透過板26と保持部材28とによって形成した溝部に反射型円偏光板18の短手方向の端部を挿入して、長手方向に反射型円偏光板18を押し込むことで、短手方向の端部を保持部材28のL字の下端部28aに載置するようにして、反射型円偏光板18を灯具本体12に装着して、保持する。逆に、長手方向に反射型円偏光板18を引き出すことで、反射型円偏光板18を灯具本体12から取り外す。

図示例の植物育成用灯具10は、これにより、反射型円偏光板18の主面を光透過板26の光出射面に対面して、反射型円偏光板18を灯具本体12に着脱自在に装着する。

なお、反射型円偏光板18の端部を載置する保持部材28のL字の下端部28aは、長手方向の全域に有する構成に制限はされず、長手方向に、断続的にL字の下端部28aを有するものであってもよい。この際において、L字の下端部28aの長手方向の長さおよび形成間隔は、同じでも異なってもよい。

ただし、保持部材28のL字の下端部28aを断続的にする場合には、下端面の無い領域で、反射型円偏光板18が撓むことが無いように、略L字の下端部の間隔を設定するのが好ましい。

また、保持部材28の形状は、断面が略L字状である形状に制限はされず、断面が凹型、略E字型および略V字型等である形状など、反射型円偏光板18の端部を挿入して保持する溝部を形成できるものであれば、各種の形状が利用可能である。

灯具本体12、筐体24、光透過板26および保持部材28の形成材料には、制限はなく、光源14が照射する光および熱に対して十分な耐性を有し、かつ、十分な機械的強度を有するものであれば、各種の材料で形成できる。

一例として、ポリカーボネート(PC(Polycarbonate))、ポリエチレンテレフタレート(PET(Polyethylene terephthalate))、ポリプロピレン、ポリエチレン、および、アクリル樹脂等の樹脂材料が例示される。

筐体24、光透過板26および保持部材28は、全てを同じ材料で形成してもよく、2つを同じ材料で形成し、1つを異なる材料で形成してもよく、3つ全てを異なる材料で形成してもよい。

2以上の部材を同じ材料で形成する場合には、一体成型してもよい。従って、本発明は、筐体24と光透過板26と保持部材28とを一体成型してもよく、筐体24と光透過板26とを一体成型してもよく、光透過板26と保持部材28とを一体成型してもよく、筐体24と保持部材28とを一体成型してもよい。また、必要に応じて、公知の手段で、光透過板26を筐体24から、保持部材28を光透過板26から、それぞれ、取り外し可能にしてもよい。

なお、筐体24、光透過板26および保持部材28の1以上を一体成型しない場合には、各部材の固定は、接着剤、固定冶具、凹部と凸部との篏合、ビス止め、および、ボルトナット等、公知の方法で行えばよい。

<光源>

上述したように、略円弧状の断面形状を有する筐体24の円弧の頂部には、開口24aが形成され、開口24aから光源14を挿入して、筐体24の円弧の頂部外面側から、光源ユニット16が固定される。

光源ユニット16は、光源14に加え、光源14を点灯および制御するための基板等を有する、光源14の種類に応じた公知の発光装置である。

筐体24への光源ユニット16の取り付け方法には、制限はなく、筐体24および光源ユニット16の形状および構成等に応じた公知の方法が、各種、利用可能である。また、光源ユニット16は、筐体24に取り外し可能に取り付けられてもよい。

光源ユニット16は、複数の光源14を有するが、個々の光源14は、光源ユニット16から取り外しおよび交換が、可能でも不可能でもよい。

光源14には制限はなく、植物育成用灯具10が対象とする植物の成長を制御できる波長の光を出射できるものであれば、各種の光源(発光素子)が利用可能である。

一例として、蛍光灯などの蛍光ランプ、LED、水銀灯等の放電ランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、レーザーライト、有機発光ダイオード(OLED(Organic Light Emitting Diode)、メタルハライドランプ、および、キセノンランプ等の光源が挙げられる。中でも、効率性の観点からLEDが好ましい。

また、これらの光源に、特定の波長帯域の光を反射あるいは透過するフィルタを組み合わせた光源、および/または、これらの光源に、波長を変換する蛍光体を組み合わせた光源も、利用可能である。

本発明の植物育成用灯具10において、光源14の発光波長帯域には、制限はなく、栽培する植物に応じて、成長を促進できる波長を、適宜、選択すればよい。従って、光源14の中心波長は、例えば、可視光の帯域でも、赤外線の帯域でもよい。

ここで、植物は、赤色光の円偏光の照射または青色光の円偏光の照射によって成長が促進されるものが多い。従って、高い植物の成長促進効果が得られる等の点で、光源14としては、380~500nmの波長帯域に中心波長を有する光源すなわち赤色光を発光する赤色光源、および、600~780nmの波長帯域に中心波長を有する光源すなわち青色光を発光する青色光源が好適に例示される。

なお、光源14の中心波長すなわち光源14の発光の中心波長とは、光源14の発光が最大となる波長であり、すなわち、光源14の発光スペクトル特性における最大ピークとなる波長である。

また、本発明の植物育成用灯具10においては、植物の成長促進に効果が有る波長帯域の光のみ、右円偏光または左円偏光とすれば、植物の成長を促進する効果を得られる。従って、光源14としては、白色光源も好適に利用可能である。

白色光源には、制限はなく、蛍光灯、水銀ランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、ならびに、青色LED、緑色LEDおよび赤色LEDを用いる白色LED等、公知のいわゆる白色光源が、各種、利用可能である。

光源14として白色光源を用いると、赤色光源等の単色の光源を用いる場合に比して、植物の成長促進に効果のある波長帯域の光の照射効率は低下する。その反面、後述する反射型円偏光板18において、右円偏光または左円偏光を選択的に反射する有効波長帯域を選択することで、赤色光による植物の成長促進、緑色光による植物の成長促進、および、青色光による植物の成長促進など、いずれの波長帯域(色)の光を用いる植物の成長促進にも対応することが可能になる。

後述するが、本発明の植物育成用灯具は、反射型円偏光板18を交換可能である。従って、白色光源を用い、かつ、有効波長帯域が異なる複数種の反射型円偏光板18を用意しておくことで、多種多様な植物の成長促進を図ることが可能になる。

なお、本発明の植物育成用灯具10では、植物の成長を促進する光を照射する光源14として赤色光源および青色光源などの単色光を発光する光源を用いる場合でも、白色光源を用いて、光量の小さい作業用の白色光を照射するのが好ましい。

植物育成用灯具10が、植物の成長促進用の光源14に加え、白色光源を有することにより、植物の栽培を行う作業者の作業環境における視認性を良好にして、植物の観察性の向上および作業性の向上等を図ることができる。

本発明の植物育成用灯具10が作業用の白色光を照射する際には、上述したような白色光源を用いてもよく、または、複数の色の光源を組み合わせて白色光を生成してもよい。

例えば、成長促進用の光源14として赤色光源を用いる場合には、赤色光源よりも低光量および/または少数の緑色光源および青色光源を併用することで、赤色光よりも低光量の作業用の白色光を照射するようにしてもよい。

図示例の植物育成用灯具10は、好ましい態様として、光源14は、筐体24の長手方向に沿って、複数個が配列されている。このような構成を有することにより、広い面積に対応して植物の成長促進を行うことが可能になる。

複数個の光源14を配列する場合には、光源14の配列は直線状に制限はされず、千鳥状およびサインカーブ状等の各種の配列が利用可能である。すなわち、本発明の植物育成用灯具において、複数の光源14を配列する場合には、光源14が一方向に向かって配列されていれば、配列の形態に制限はない。

また、植物育成用灯具10において、光源14の数および配列間隔にも制限はなく、光源14の種類、光量および光拡散性、植物育成用灯具10の長さ、ならびに、栽培する植物の種類等に応じて、適宜、設定すればよい。

なお、本発明の植物育成用灯具は、筐体24が長尺ではない場合にも、複数個の光源14を有してもよい。

<反射型円偏光板>

上述したように、反射型円偏光板18は、有効波長帯域において、右円偏光または左円偏光を反射して、それ以外の光を透過するものである。有効波長帯域とは、選択的に右円偏光または左円偏光を反射する、特定の波長帯域である。

従って、反射型円偏光板18を透過した光は、有効波長帯域の波長の光のみ、左円偏光、または、右円偏光となる。

図1の部分拡大図である図3に示すように、反射型円偏光板18は、支持体30と、円偏光反射層32と、接着層34とを有する。円偏光反射層32は、接着層34によって支持体30に接着される。

上述したように、反射型円偏光板18は、短手方向の端部を保持部材28と光透過板26とが形成する溝部に挿入して、長手方向に移動することで、灯具本体12に着脱自在に保持される。

反射型円偏光板18は、好ましくは、光透過板26からの光出射領域の全域を覆うように設けられる。

反射型円偏光板18において、支持体30は円偏光反射層32を支持する板材である。

支持体30は、光源14が照射する光を十分な透過性で透過でき、かつ、必要な剛性を確保できるものであれば、各種の材料からなる板材が利用可能である。支持体30の形成材料としては、PET、PC、ポリエチレン、ポリプロピレン、各種のアクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC(Triacetylcellulose))、シクロオレフィンポリマー(COP(Cycloolefin polymer))、および、シクロオレフィンコポリマー(COC(Cycloolefin copolymer))等が例示される。

ここで、以下の理由により、支持体30は、面内方向のレタデーションReが小さいのが好ましい。

後述するが、反射型円偏光板18の円偏光反射層32は、反射型円偏光板18の光学的な作用を発現する層であり、有効波長帯域において、右円偏光または左円偏光を反射して、それ以外の光を透過する。

図3に示される、支持体30を内側(灯具本体12側)にして反射型円偏光板18を装着した状態では、光源14が照射した光は、支持体30を透過した後に、円偏光反射層32に入射して、有効波長帯域の右円偏光または左円偏光のみが透過する。従って、円偏光反射層32を透過した光に、支持体30が影響を与えることは無い。

上述のように、灯具本体12が有する溝部に端部を挿入して、着脱自在に保持される反射型円偏光板18は、光源14に対して表裏反転して装着することが可能である。すなわち、植物育成用灯具10では、図3に示す状態のみならず、支持体30を外側(灯具本体12と逆側)にして装着して、光源14が照射した光が、円偏光反射層32を通過した後に、支持体30を通過する場合も有り得る。

この場合には、有効波長帯域の右円偏光または左円偏光のみが円偏光反射層32を透過した後に、有効波長帯域の左円偏光または右円偏光が支持体30に入射して透過する。そのため、支持体30の面内方向のレタデーションReが大きいと、植物の成長を促進する有効波長帯域の左円偏光または右円偏光の状態が変化してしまい、円偏光度が低下して、植物の成長促進効果が低減してしまう可能性が有る。

この点を考慮すると、反射型円偏光板18の支持体30は、TAC、アクリル系樹脂、COC、および、COPのように、面内方向のレタデーションReが小さい材料で形成するのが好ましい。

具体的には、支持体30は、550nmにおける面内レタデーションRe(550)が50nm以下であるのが好ましく、10nm以下であるのがより好ましい。

支持体30の厚さには、制限はない。

ここで、反射型円偏光板18は、灯具本体12に装着した際に、撓み等を生じることなく、平板状の形状を維持できる、十分な剛性を有するのが好ましい。従って、反射型円偏光板18を支持する支持体30の厚さは、形成材料等に応じて、支持体30すなわち反射型円偏光板18が十分な剛性を確保できる厚さを、適宜、設定すればよい。

支持体30の厚さは、0.1~5mmが好ましく、0.5~2.5mmがより好ましい。

支持体30の厚さを0.1mm以上とすることにより、多くの材料で良好な剛性を有する支持体30を得られる。支持体30の厚さを5mm以下とすることにより、反射型円偏光板18が不要に厚くなることを防止できる、反射型円偏光板18が不要に重くなることを防止できる等の点で好ましい。

反射型円偏光板18は、円偏光反射層32を有する。円偏光反射層32は、接着層34によって、支持体30に接着される。

反射型円偏光板18において、円偏光反射層32は、反射型円偏光板18の光学的な作用を発現する層である。

従って、円偏光反射層32は、上述したように、有効波長帯域において、右円偏光または左円偏光を反射して、それ以外の光を透過する層である。

具体的には、反射型円偏光板18の光学的な作用を発現する円偏光反射層32は、有効波長帯域の左円偏光を反射して、それ以外の光は、有効波長帯域の右円偏光を含んで、基本的に、全ての光を透過する。または、円偏光反射層32は、有効波長帯域の右円偏光を反射して、それ以外の光は、有効波長帯域の左円偏光を含んで、基本的に、全ての光を透過する。なお、円偏光反射層32を透過する光は、不可避的に吸収される成分を除く。

このような円偏光反射層32には、制限はなく、上述した作用を発現する層が、各種、利用可能である。

一例として、(1)コレステリック液晶層を有する円偏光反射層32、および、(2)反射型直線偏光板とλ/4板との組み合わせを用いる円偏光反射層32が挙げられる。

(1)コレステリック液晶層を有する円偏光反射層

コレステリック液晶層とは、コレステリック液晶相を固定してなる層である。

本発明の植物育成用灯具10において、反射型円偏光板18の円偏光反射層32は、有効波長帯域を有する。コレステリック液晶層を有する円偏光反射層32では、コレステリック液晶層が、有効波長帯域を有する。すなわち、円偏光反射層32のコレステリック液晶層は、有効波長帯域において、特定の円偏光を反射する選択的な反射特性を示す。

この有効波長帯域において選択反射を示す液晶相としては、螺旋構造を有するコレステリック液晶相、キラルスメクチック液晶相を挙げることができる。このコレステリック液晶相、または、キラルスメクチック液晶相を示す液晶物質は、非キラルな液晶化合物とキラル剤の混合によって形成することができる。また、別の方法として、これらの化合物を共重合することによって高分子液晶または高分子膜とすることで得ることも可能である。

コレステリック液晶層の選択的な反射特性、すなわち、有効波長帯域の中心波長λは、コレステリック相およびキラルスメクチック相における螺旋構造のピッチ長P(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶相の平均屈折率nとλ=n×Pの関係にしたがう。

従って、コレステリック液晶相の螺旋構造のピッチ長Pを調節することによって、有効波長帯域の中心波長λを調節できる。ピッチ長Pは液晶組成物のキラル剤の種類、および/または、その添加濃度に依存するため、これらを調節することによって所望のピッチ長Pを得ることができる。

また、有効波長帯域の半値幅Δλ(すなわち半値透過率T1/2)は、液晶化合物の複屈折Δnと、螺旋構造のピッチ長Pに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、有効波長帯域の幅の制御は、Δnを調節して行うことができる。Δnの調節は、液晶の種類やその混合比率を調節したり、配向固定時の温度を制御することで行うことができる。また、有効波長帯域の幅を拡大する別の手段としては、ピッチ長Pをズラしたコレステリック液晶層を2層以上積層する方法、および、ピッチをコレステリック液晶層の厚さ方向に変化させる方法を用いることができる。

コレステリック液晶層を用いる円偏光反射層32の場合には、コレステリック液晶層が、このような選択的な反射(選択反射特性)を示す波長帯域が、有効波長帯域となる。

コレステリック液晶層による円偏光の選択反射は、コレステリック液晶相の螺旋の捩れ方向(センス)に依存する。すなわち、コレステリック液晶相の螺旋の捩れ方向が右の場合は、コレステリック液晶層は、有効波長帯域において、右円偏光を反射して、左円偏光を透過する。逆に、コレステリック液晶相の螺旋の捩れ方向が左の場合は、コレステリック液晶層は、有効波長帯域において、左円偏光を反射し、右円偏光を透過する。

従って、有効波長帯域すなわち植物の成長促進させる波長帯域において、左円偏光を照射し、右円偏光を照射しない場合は、螺旋が右捩れのコレステリック液晶層を円偏光反射層32に用い、右円偏光を照射し、左円偏光を照射しない場合は、螺旋が左捩れのコレステリック液晶層を反射型円偏光板18に用いる。

コレステリック液晶相の螺旋の捩れ方向は、コレステリック液晶層を形成する液晶化合物の種類および/または添加するキラル剤の種類によって、調節できる。

以下、コレステリック液晶層を構成する材料およびコレステリック液晶層の形成方法について説明する。

コレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層は、液晶化合物およびキラル剤を含有し、必要に応じて添加されるその他の配合剤(例えば、空気界面配向制御剤、重合開始剤、架橋剤および界面活性剤など)、ならびに、その他の任意成分を、溶媒に溶解(分散)してなるコレステリック液晶組成物を用いて形成できる。

-液晶化合物- コレステリック液晶層を形成する液晶化合物としては、低分子液晶化合物、および高分子液晶化合物が好ましく、配向時間が短いこと、配向の均一性が高いことから低分子液晶化合物がより好ましい。

液晶化合物は重合性基を有することが好ましく、ネマティック相またはキラルスメクチック相を示すことがより好ましい。さらに、分子形状は円盤状または棒状が好ましく、生産性の点から棒状がより好ましく、選択反射の幅の角度依存性低減が重要である場合には円盤状がより好ましい。

また、液晶化合物としては、重合性基を有する、あるいは、重合性基を有さない、棒状ネマチック液晶化合物が好適に挙げられる。重合性基を有さない棒状ネマチック液晶化合物については、様々な文献(例えば、Y.Goto et.al.,Mol.Cryst.Liq.Cryst.1995,Vol.260,pp.23-28)に記載がある。

重合性基を有する円盤状化合物については、特開平8-27284号公報、特開2001-100028号公報、および、特開2006-76992号公報に記載の化合物を好適に用いることができる。2種類以上の重合性ネマチック液晶化合物を併用すると、塗布配向時の結晶の析出を抑制したり、配向温度を低下させることができる。

重合性基は、特に制限はなく、公知の方法で液晶化合物に導入できる。重合性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不飽和重合性基、エポキシ基、チオエポキシ基、オキセタン基、チエタニル基、アジリジニル基、ピロール基、フマレート基、シンナモイル基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、メルカプト基、ビニル基、アリル基、メタクリル基、および、アクリル基などが挙げられる。

例えば、液晶化合物が重合性ネマチック液晶化合物である場合には、重合性基は、不飽和重合性基、エポキシ基、および、アジリジニル基の1以上が好ましく、不飽和重合性基がより好ましく、中でもエチレン性不飽和重合性基が好ましい。

重合性基は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

-キラル剤- コレステリック液晶組成物に用いるキラル剤(キラル化合物(光学活性化合物))には、特に制限はなく、公知のキラル剤が利用可能である。一例として、『液晶デバイスハンドブック、第3章4-3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に』記載される化合物、イソソルビド、および、イソマンニド誘導体を用いることができる。

キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物または面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。

軸性不斉化合物または面性不斉化合物としては、例えば、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファン、および、これらの誘導体などが挙げられる。

コレステリック液晶相に螺旋構造を誘起するキラル剤は、化合物によって誘起する螺旋のセンスまたは螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択することが好ましい。螺旋のセンスやピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46p、および「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196pに記載の方法を用いることができる。

キラル剤は、重合性基を有していてもよい。

キラル剤が重合性基を有する場合は、例えば重合性ネマチック液晶化合物の重合反応により、ネマチック液晶の繰り返し単位と光学活性構造とを有するポリマーを形成することができる。

キラル剤の重合性基は、液晶化合物の重合性基と同様の基が好ましい。したがって、液晶化合物が重合性ネマチック液晶化合物である場合には、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基、および、アジリジニル基の1以上が好ましく、不飽和重合性基がより好ましく、中でもエチレン性不飽和重合性基が好ましい。

キラル剤は光異性化基を有してもよい。

キラル剤が光異性化基を有する場合には、塗布し、配向後に活性光線などのフォトマスク照射によって、光源14の発光波長に対応した所望の反射波長のパターンを形成することができるので好ましい。光異性化基としては、フォトクロッミック性を示す化合物の異性化部位、アゾ基、アゾキシ基、または、シンナモイル基が好ましい。具体的な化合物として、特開2002-80478号公報、特開2002-80851号公報、特開2002-179668号公報、特開2002-179669号公報、特開2002-179670号公報、特開2002-179681号公報、特開2002-179682号公報、特開2002-338575号公報、特開2002-338668号公報、特開2003-313189号公報、および、特開2003-313292号公報に記載の化合物が挙げられる。

キラル剤の含有量は、液晶化合物に対して0.01~200モル%が好ましく、1~30モル%がより好ましい。

-重合開始剤- コレステリック液晶組成物には、重合反応のための重合開始剤を添加することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。これらの中でも、光重合開始剤を用いる光重合反応が特に好ましい。

光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。一例として、α-カルボニル化合物、アシロインエーテル、α-炭化水素置換芳香族アシロイン化合物、多核キノン化合物、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせ、オキサジアゾール化合物、ハロメチル化トリアジン誘導体、ハロメチル化オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アントラキノン誘導体、ベンズアンスロン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、および、オキシム誘導体、などが挙げられる。

光重合開始剤の含有量は、コレステリック液晶組成物の固形分の0.01~20質量%が好ましく、0.5~5質量%がより好ましい。

-架橋剤- コレステリック液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有してもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。

架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。一例として、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2-ビスヒドロキシメチルブタノール-トリス[3-(1-アジリジニル)プロピオネート]、4,4-ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、および、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

架橋剤の含有量は、3~20質量%が好ましく、5~15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量を3質量%以上とすることにより、架橋密度向上の効果を十分に得ることができ、20質量%以下とすることにより、コレステリック液晶層の安定性を確保できる。

-空気界面配向制御剤- コレステリック液晶組成物には、安定的にまたは迅速にプレーナー配向のコレステリック液晶層となるのに寄与する、空気界面配向制御剤を添加してもよい。

空気界面配向制御剤としては、含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、および、後述する一般式(1)で表される化合物が例示される。空気界面配向制御剤は、これらから選択される2種以上を含有していてもよい。

これらの空気界面配向制御剤は、コレステリック液晶層の空気界面において、液晶化合物の分子のチルト角を低減若しくは実質的に水平配向させることができる。なお、本発明において、「水平配向」とは、液晶分子長軸と膜面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本発明では、水平面とのなす傾斜角が20°未満の配向を意味するものとする。

液晶化合物が空気界面付近で水平配向する場合、配向欠陥が生じ難いため、有効波長帯域(選択反射帯域)以外の領域に対する透明性が高くなり、また、有効波長帯域に対する偏光度を高めることができる。一方、液晶化合物の分子が大きなチルト角で配向すると、コレステリック液晶相の螺旋軸が膜面法線からずれるため、反射率が低下したり、フィンガープリントパターンが発生し、ヘイズの増大や回折性によって偏光度が低下するため好ましくない。

空気界面配向制御剤として利用可能な含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマーとしては、例えば、特開2007-272185号公報の段落<0018>~<0043>等に記載される化合物が例示される。

上述のように空気界面配向制御剤としては、下記一般式(1)で表される化合物も好適に利用される。

以下、空気界面配向制御剤として利用可能な下記一般式(1)で表される化合物について説明する。

Figure 0007155288000001

一般式(1)において、R1、R2およびR3は、各々独立して、水素原子または置換基を表し、X1、X2およびX3は単結合または二価の連結基を表す。R1~R3で各々表される置換基としては、好ましくは置換もしくは無置換の、アルキル基(中でも、無置換のアルキル基またはフッ素置換アルキル基がより好ましい)、アリール基(中でもフッ素置換アルキル基を有するアリール基が好ましい)、置換もしくは無置換のアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子である。X1、X2およびX3で各々表される二価の連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、二価の芳香族基、二価のヘテロ環残基、-CO-、-NRa-(Raは炭素原子数が1~5のアルキル基または水素原子)、-O-、-S-、-SO-、-SO2-、および、それらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基が好ましい。二価の連結基は、アルキレン基、フェニレン基、-CO-、-NRa-、-O-、-S-および-SO2-からなる群より選ばれる二価の連結基または該群より選ばれる基を少なくとも2つ組み合わせた二価の連結基がより好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1~12が好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2~12が好ましい。二価の芳香族基の炭素原子数は、6~10が好ましい。

空気界面配向制御剤として使用可能な、一般式(1)で表される化合物としては、例えば、特開2005-99248号公報に記載の化合物などが挙げられる。なお、空気界面配向制御剤としては、一般式(1)で表される化合物の1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

コレステリック液晶組成物中における、一般式(1)で表される化合物の添加量は、コレステリック液晶化合物の全質量に対して0.01~10質量%が好ましく、0.01~5質量%がより好ましく、0.02~1質量%が特に好ましい。

-界面活性剤- 後述するが、コレステリック液晶層を有する反射型円偏光板18は、基材に、重合開始剤および重合性液晶化合物を含有するコレステリック液晶組成物を塗布し、乾燥し、液晶化合物を重合(架橋、硬化)することで形成する。

ここで、コレステリック液晶組成物を基材に塗布して得られる塗膜の表面張力を調節し、膜厚を均一にするため、コレステリック液晶組成物は、界面活性剤を含有するのが好ましい。

界面活性剤としては、配向を阻害しないものを適宜選択して使用することができる。

界面活性剤としては、例えば、疎水基部分にシロキサンおよび/またはフッ化アルキル基を含有するノニオン系界面活性剤が好適に使用でき、1分子中に2個以上の疎水基部分を持つオリゴマーが特に好適である。

界面活性剤は、市販品を用いてもよい。界面活性剤の市販品としては、例えばOMNOVA社製PolyFoxのPF-151N、PF-636、PF-6320、PF-656、PF-6520、PF-3320、PF-651、PF-652、ネオス社製フタージェントのFTX-209F、FTX-208G、FTX-204D、および、セイミケミカル社製のサーフロンKH-40等が挙げられる。また、特開2002-341126号公報の段落<0087>~<0088>に記載のフッ化化合物、ならびに、特開2005-99248号公報の段落<0064>~<0080>および段落<0092>~<0096>に記載のフッ化化合物も、好適に挙げられる。

界面活性剤の含有量は、コレステリック液晶組成物の固形分の0.01~1質量%が好ましい。界面活性剤の含有量が、0.01質量%未満であると、空気界面における表面張力が十分低下しないため、配向欠陥が生じることがあり、1質量%を超えると、過剰の界面活性剤が空気界面側で不均一構造を形成し、配向均一性を低下させることがある。

-溶媒- コレステリック液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。

有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。一例として、ケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、および、エーテル類等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が特に好ましい。

上述したように、コレステリック液晶層は、このような液晶化合物、キラル剤、および、重合開始剤等を溶媒に溶解してなるコレステリック液晶組成物を用いて形成できる。

一例として、コレステリック液晶組成物を調製して、支持体30(層形成面)の配向膜上に塗布し、乾燥させて塗膜を得、必要に応じて塗膜を乾燥した後に、液晶化合物を配向させて、液晶化合物を配向させた塗膜に活性光線を照射して液晶化合物を重合することで、コレステリック規則性(コレステリック相)が固定化されたコレステリック液晶層を形成できる。すなわち、この方法により、コレステリック液晶層を有する円偏光反射層32を作製できる。

なお、複数のコレステリック液晶層からなる積層膜を形成する場合には、コレステリック液晶層の製造工程を繰り返し行えばよい。

配向膜は、公知の方法で支持体30の表面に形成すればよい。

一例として、有機化合物あるいはポリマー(例えば、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドおよび変性ポリアミドなどの樹脂)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、ならびに、ラングミュア・ブロジェット法(LB(Langmuir-Blodgett)膜)による有機化合物(例えば、ω-トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライドおよびステアリン酸メチルなど)の累積、等の方法が例示される。さらに、電場の付与、磁場の付与または光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。

これらの中でも、ポリマーのラビング処理により形成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、ポリマー層の表面を、紙および/または布で、一定方向に、数回擦ることにより実施することができる。

また、支持体30にラビング処理等を施して、支持体30を配向膜として作用させてもよい。

配向膜上へのコレステリック液晶組成物の塗布方法には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

一例として、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、および、スライドコーティング法などが挙げられる。また、別途、支持台上に塗設したコレステリック液晶組成物を配向膜上へ転写することによっても実施できる。

コレステリック液晶組成物を塗布した後、塗布したコレステリック液晶組成物を加熱することにより、液晶化合物を配向させる。加熱温度は、200℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。この配向処理により、重合性ネマチック液晶化合物等の液晶化合物が、光学薄膜の面に対して実質的に垂直な方向に螺旋軸を有するようにねじれ配向している光学薄膜が得られる。

上述のように、液晶化合物を配向した後、液晶組成物を重合させる。

重合は、熱重合あるいは光重合など、液晶化合物に応じた公知の方法で行えばよいが、熱重合よりも光照射による光重合の方が好ましい。光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20~50J/cm2が好ましく、100~1,500mJ/cm2がより好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下または窒素雰囲気下で光照射を実施してもよい。照射する紫外線の波長は350~430nmが好ましい。重合反応率は、安定性の観点から高いほうが好ましく、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。

重合反応率は、重合性の官能基の消費割合をIR(赤外線)吸収スペクトルを用いて、決定することができる。

コレステリック液晶層を有する円偏光反射層32において、コレステリック液晶層の厚さには制限はないが、0.1~50μmが好ましく、0.5~10μmがより好ましく、1.5~7μmがさらに好ましい。

(2)反射型直線偏光板とλ/4板とからなるもの

上述のように、円偏光反射層32としては、反射型直線偏光板とλ/4板とから構成されるものも利用可能である。

-反射型直線偏光板- 反射型直線偏光板としては、例えば、(I)多層構造の反射型直線偏光板、(II)複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子、(III)ワイヤーグリッド型偏光子、(IV)偏光プリズム、(V)散乱異方性型偏光板、などが挙げられる。

(I) 多層構造の反射型直線偏光板としては、互いに屈折率の異なる誘電体薄膜を複数層積層してなるものが挙げられる。

有効波長帯域を有する反射型円偏光板に対応する波長選択反射膜とするためには、高屈折率の誘電体薄膜と低屈折率の誘電体薄膜とを交互に複数層積層することが好ましいが、2種以上に制限されず、それ以上の種類であっても構わない。

積層数は、2~20層が好ましく、2~12層がより好ましく、4~10層がさらに好ましく、6~8層が特に好ましい。積層数が20層を超えると、多層蒸着により生産効率性が低下し、本発明の目的および効果を達成できなくなることがある。

誘電体薄膜の積層順には、制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、隣接する膜の屈折率が高い場合にはそれより低い屈折率の膜を最初に積層する。その逆に隣接する層の屈折率が低い場合にはそれより高い屈折率の膜を最初に積層する。屈折率が高いか低いかの境目は1.8である。なお、屈折率が高いか低いかは絶対的なものではなく、高屈折率の材料の中でも、相対的に屈折率の大きいものと小さいものとが存在してもよく、これらを交互に使用しても構わない。

高屈折率の誘電体薄膜の材料としては、例えば、Sb23、Sb23、Bi23、CeO2、CeF3、HfO2、La23、Nd23、Pr611、Sc23、SiO、Ta25、TiO2、TlCl、Y23、ZnSe、ZnS、および、ZrO、などが挙げられる。これらの中でも、Bi23、CeO2、CeF3、HfO2、SiO、Ta25、TiO2、Y23、ZnSe、ZnS、および、ZrO2が好ましく、これらの中でも、SiO、Ta25、TiO2、Y23、ZnSe、ZnS、および、ZrO2が特に好ましい。

低屈折率の誘電体薄膜の材料としては、例えば、Al23、BiF3、CaF2、LaF3、PbCl2、PbF2、LiF、MgF2、MgO、NdF3、SiO2、Si23、NaF、ThO2、および、ThF4、などが挙げられる。これらの中でも、Al23、BiF3、CaF2、MgF2、MgO、SiO2、および、Si23が好ましく、Al23、CaF2、MgF2、MgO、SiO2、および、Si23が特に好ましい。

なお、誘電体薄膜の材料においては、原子比についても特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、成膜時に雰囲気ガス濃度を変えることにより、原子比を調節することができる。

誘電体薄膜の成膜方法には、制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオンプレーティング、イオンビーム等の真空蒸着法、スパッタリング等の物理的気相成長法(PVD(Physical Vapor Deposition)法)、化学的気相成長法(CVD(Chemical Vapor Deposition)法)、などが挙げられる。これらの中でも、真空蒸着法、スパッタリング法が好ましく、スパッタリング法が特に好ましい。

スパッタリング法としては、成膜レートの高いDC(Direct Current))スパッタリング法が好ましい。なお、DCスパッタリング法においては、導電性が高い材料を用いることが好ましい。

また、スパッタリング法により多層成膜する方法としては、例えば、(1)1つのチャンバで複数のターゲットから交互または順番に成膜する1チャンバ法、(2)複数のチャンバで連続的に成膜するマルチチャンバ法とがある。これらの中でも、生産性および材料コンタミネーションを防ぐ観点から、マルチチャンバ法が特に好ましい。

誘電体薄膜の膜厚としては、光学波長オーダーで、λ/16~λの膜厚が好ましく、λ/8~3λ/4がより好ましく、λ/6~3λ/8がさらに好ましい。

誘電体蒸着層は、該誘電体蒸着層中を伝播する光は、各誘電体薄膜毎に光の一部が多重反射し、それらの反射光が干渉して誘電体薄膜の厚みと光に対する膜の屈折率との積で決まる波長の光のみが選択的に透過される。また、誘電体蒸着層の中心透過波長は入射光に対して角度依存性を有しており、入射光を変化させると透過波長を変えることができる。

(II) 複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子としては、例えば特表平9-506837号公報などに記載されたものを用いることができる。

具体的には、屈折率関係を得るために選ばれた条件下で加工すると、広く様々な材料を用いて、偏光子を形成できる。一般に、第一の材料の1つが、選ばれた方向において、第2の材料とは異なる屈折率を有することが必要である。この屈折率の違いは、フィルムの形成中、またはフィルムの形成後の延伸、押出成形、或いはコーティングを含む様々な方法で達成できる。さらに、2つの材料が同時押出することができるように、類似のレオロジー特性(例えば、溶融粘度)を有することが好ましい。

複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子は、市販品を用いてもよい。このような偏光子の市販品としては、例えば、3M社製の商品名:DBEFなどが挙げられる。

(III) ワイヤーグリッド型偏光子は、金属細線の複屈折によって、偏光の一方を透過し、他方を反射させる偏光子である。

ワイヤーグリッド型偏光子は、金属ワイヤーを周期的に配列したもので、テラヘルツ波帯域で主に偏光子として用いられる。ワイヤーグリッドが偏光子として機能するためには,ワイヤー間隔が入射電磁波の波長よりも十分小さいことが必要となる。

ワイヤーグリッド型偏光子では、金属ワイヤーが等間隔に配列されている。金属ワイヤーの長手方向と平行な偏光方向の偏光成分はワイヤーグリッド型偏光子において反射され、垂直な偏光方向の偏光成分はワイヤーグリッド型偏光子を透過する。

ワイヤーグリッド型偏光子は、市販品を用いてもよい。ワイヤーグリッド型偏光子の市販品としては、例えば、エドモンドオプティクス社製のワイヤーグリッド偏光フィルタ50×50およびNT46-636などが挙げられる。

このような反射型直線偏光板における、直線偏光の反射波長帯域を調節することにより、有効波長帯域を有する反射型円偏光板を作製できる。

反射する直線偏光の波長帯域を調節は、ワイヤーグリッド型偏光子におけるワイヤーグリッドのピッチの調節、偏光子の断面形状のアスペクト比の調節、偏光子の形成材料の選択等の公知の方法で行えばよい。

-λ/4板- λ/4板には、制限はなく、公知のλ/4板が、各種、利用可能である。一例として、延伸されたポリカーボネートフィルム、延伸されたノルボルネン系ポリマーフィルム、炭酸ストロンチウムのような複屈折を有する無機粒子を含有して配向させた透明フィルム、および、支持台上に無機誘電体を斜め蒸着した薄膜などが挙げられる。

λ/4板としては、例えば、(1)特開平5-27118号公報、および特開平5-27119号公報に記載された、レタデーションが大きい複屈折性フィルムと、レタデーションが小さい複屈折性フィルムとを、それらの光軸が直交するように積層させた位相差板、(2)特開平10-68816号公報に記載された、特定波長においてλ/4波長となっているポリマーフィルムと、それと同一材料からなり同じ波長においてλ/2波長となっているポリマーフィルムとを積層させて、広い波長帯域でλ/4波長が得られる位相差板、(3)特開平10-90521号公報に記載された、二枚のポリマーフィルムを積層することにより広い波長帯域でλ/4波長を達成できる位相差板、(4)国際公開第00/26705号パンフレットに記載された変性ポリカーボネートフィルムを用いた広い波長帯域でλ/4波長を達成できる位相差板、(5)国際公開第00/65384号パンフレットに記載されたセルロースアセテートフィルムを用いた広い波長帯域でλ/4波長を達成できる位相差板、などが挙げられる。

λ/4板は、市販品を用いてもよい。λ/4板の市販品としては、例えば商品名:ピュアエース WR(帝人株式会社製)などが挙げられる。

本発明の反射型円偏光板18において、円偏光反射層32は、コレステリック液晶層を有するもの、および、反射型直線偏光板とλ/4板とからなるもの、いずれも、好適に利用可能である。中でも、光源14が照射した光を無駄なく有効に利用できる点で、コレステリック液晶層を有する円偏光反射層32は好適に利用される。

すなわち、円偏光は、通常の反射面で反射されると、旋回方向(センス)が逆転する。すなわち、右円偏光は、反射されると左円偏光になり、左円偏光は、反射されると右円偏光になる。従って、光源14が照射した光は、コレステリック液晶層に入射した際には反射される旋回方向であっても、筐体24の内面で反射されることで旋回方向を逆転され、いずれは、コレステリック液晶層を透過する旋回方向となって、コレステリック液晶層に入射して、透過される。その結果、コレステリック液晶層を有する円偏光反射層32によれば、光源14が照射した光を無駄なく有効利用できる。

上述したように、反射型円偏光板18の円偏光反射層32は、有効波長帯域を有するものであり、有効波長帯域の左円偏光を反射して右円偏光を透過し、または、右円偏光を反射して左円偏光を透過する。もしくは右円偏光を反射し、それ以外の光を透過する。また、有効波長帯域以外の波長帯域は、全ての光を透過する。

円偏光反射層32の有効波長帯域(中心波長)は、光源14と同様、植物育成用灯具10が対象とする植物に応じて、適宜、選択すればよい。

一般的に、植物の成長(重量増加)の促進には、赤色光の照射および青色光の照射が好適である。従って、植物の成長を促進するためには、赤色光の右円偏光または左円偏光を照射し、もしくは、青色光の右円偏光または左円偏光を照射するのが好ましい。

従って、円偏光反射層32は、右円偏光または左円偏光を選択的に反射する特定の波長帯域、すなわち、有効波長帯域の中心波長を、380~500nmの波長帯域、または、600~780nmの波長帯域に有するのが好ましい。

なお、円偏光反射層32の有効波長範囲の中心波長とは、有効波長範囲において右円偏光または左円偏光の反射率が最も高くなる波長であり、すなわち、有効波長範囲において右円偏光または左円偏光の透過率が最も低くなる波長である。

円偏光反射層32すなわち反射型円偏光板18の有効波長帯域は、例えば、上述したAxoScanなどにより測定できる。

ここで、植物の成長を好適に促進するためには、光源14は、中心波長が、植物の成長に最も効果が有る波長である光源14を選択するのが好ましい。

従って、反射型円偏光板18は、光源14の中心波長において、最も適正に左円偏光または右円偏光を反射して、他方の円偏光成分を透過するように、有効波長帯域の中心波長は、光源14の中心波長と一致させるのが好ましい。

上述したように、円偏光反射層32は、接着層34によって支持体30に接着される。

接着層34には、制限はなく、光源14が発光する光に対して十分な光透過性を有し、かつ、支持体30と円偏光反射層32とに応じて、十分な接着力で支持体30と円偏光反射層32とを接着できるものであれば、公知の各種の接着剤が利用可能である。

接着層34に利用可能な接着剤としては、シリコーン系接着剤、アクリル系接着剤、天然ゴム系接着剤、合成ゴム系接着剤、環状オレフィン樹脂系接着剤、ウレタン系接着剤、および、エポキシ系接着剤等、保護フィルム(保護シート)、ガスバリアフィルム、および、光学フィルム等の光学的な用途に用いられる各種のシート状物を、対象となる場所に接着するのに用いられる公知の接着剤が、各種、利用可能である。

ここで、上述したように、反射型円偏光板18は、表裏を反転して灯具本体12に装着可能なものである。従って、支持体30を外側にして反射型円偏光板18を灯具本体12に装着した場合には、支持体30と同様、有効波長帯域の光は、円偏光反射層32を透過した右円偏光または左円偏光のみになる。

従って、この際に接着層34の面内レタデーションReが大きいと、支持体30と同様、反射型円偏光板18を透過した有効波長帯域の光の円偏光度が低下して、植物の成長促進効果が低減してしまう可能性が有る。

この点を考慮すると、接着層34は、OCA(Optical Clear Adhesive)等の面内レタデーションReが小さい接着剤を用いるのが好ましい。

具体的には、接着層34は、550nmにおける面内レタデーションRe(550)が50nm以下であるのが好ましく、10nm以下であるのがより好ましい。

接着層34の厚さには、制限はなく、接着層34を形成する接着剤の種類に応じて、十分な粘着力が得られる厚さを、適宜、設定すればよい。

接着層34の厚さは、1~100μmが好ましく、10~30μmがより好ましい。

このような支持体30、円偏光反射層32および接着層34を有する反射型円偏光板18は、一例として、剥離転写によって形成すればよい。

具体的には、適宜、選択した基材に、上述のように円偏光反射層32を形成する。基材の表面には、必要に応じて、上述したような配向膜を形成しておく。基材は、PETフィルム等の樹脂フィルムを用いればよい。

次いで、支持体30および/または円偏光反射層32の表面に未硬化の接着層34を形成し、未硬化の接着層34によって、支持体30と円偏光反射層32とを貼着する。

その後、接着層34を硬化した後、基材を剥離して、反射型円偏光板18とする。ここで、植物育成用灯具10の使用に際して問題が無ければ、PETフィルム等の基材は、剥離せずに反射型円偏光板に残したままでもよい。

なお、本発明の植物育成用灯具10において、円偏光反射層板は、この構成に制限はされない。

例えば、反射型円偏光板は、接着層34を有さず、支持体30、または、支持体30に形成した配向膜に、円偏光反射層32を、直接形成した構成であってもよい。

上述したように、本発明の植物育成用灯具10において、このような反射型円偏光板18は、光透過板26と断面が略L字状の保持部材28とが形成する溝(長尺な凹部)に短手方向の端部を挿入して、長手方向に移動(スライド)することで、灯具本体12に着脱自在に装着される。

本発明の植物育成用灯具10は、このような構成を有することにより、成長を促進するために照射する円偏光が異なる複数種の植物の成長促進に対応でき、さらに、反射型円偏光板が劣化した場合には、反射型円偏光板のみの交換を可能にしている。

特許文献2等に記載されるような、光源と反射型円偏光板とを有する植物育成用灯具によれば、植物の育成を促進できる波長(色)で、かつ、旋回方向の円偏光を植物に照射して、植物の成長を工程に促進できる。

ここで、植物の種類は多種多様である。従って、成長を促進できる光の波長帯域も様々であり、さらに、同じは波長帯域(色)の光でも、右円偏光で成長が促進される植物もあれば、左円偏光で成長が促進される植物もある。

従来の植物育成用灯具は、このような点を考慮しておらず、成長を促進するために照射する円偏光が異なる植物の成長促進には対応できない。従って、栽培する植物の成長を促進させる円偏光を照射できない場合には、植物育成用灯具を交換する必要がある。

また、特許文献2にも記載されるように、光源と反射型円偏光板とを有する植物育成用灯具では、光源としてLEDが好適に利用される。周知のように、LEDは寿命が長く、LEDに比して、樹脂等を用いて形成される反射型円偏光板が先に劣化する。加えて、反射型円偏光板は、基本的に、フィルムであるので、機械的な衝撃等によって損傷および劣化してしまう場合もある。

従来の植物育成用灯具は、この点も考慮しておらず、反射型円偏光板が劣化すると、劣化していないLED等を含めて、植物育成用灯具を交換する必要がある。

これに対して、本発明の植物育成用灯具10は、反射型円偏光板18が、主面を灯具本体12の光出射面となる光透過板26に対面して、着脱自在に灯具本体に装着される。

そのため、本発明の植物育成用灯具10によれば、反射する円偏光が異なる複数の反射型円偏光板を用意しておくことで、成長を促進できる円偏光が異なる植物の栽培を行うことができる。

例えば、青色光を発光する光源14を用いる場合に、青色光の波長帯域に有効波長帯域を有する右円偏光を反射する反射型円偏光板18、および、青色光の波長帯域に有効波長帯域を有する左円偏光を反射する反射型円偏光板18を用意しおく。その上で、栽培する植物に応じて反射型円偏光板18を交換することによって、青色光で成長を促進できる植物であれば、左円偏光で成長を促進できる植物でも、右円偏光で成長を促進できる植物でも、成長を促進することができる。

また、同じ青色光(380~500nm)で成長を促進できる植物であっても、例えば、短波長側の380nm近傍の光で、より好適に成長を促進できる植物も有れば、長波長側の500nm近傍の光でより好適に成長を促進できる植物も有る。この際にも、例えば、有効波長帯域の中心波長が380nm近傍である反射型円偏光板18、および、有効波長帯域の中心波長が500nm近傍である反射型円偏光板18を用意しておく。その上で、栽培する植物に応じて反射型円偏光板18を交換することによって、380nm近傍の右または左円偏光で成長を促進できる植物でも、500nm近傍の右または左円偏光で成長を促進できる植物でも、成長を促進することができる。

さらに、上述したように、光源14として白色光源を用いる場合には、青色光の波長帯域に有効波長帯域を有する反射型円偏光板18、緑色光の波長帯域に有効波長帯域を有する反射型円偏光板18、および、赤色光の波長帯域に有効波長帯域を有する反射型円偏光板18を用意しておく。

その上で、栽培する植物に応じて反射型円偏光板18を交換することによって、青色光によって成長を促進できる植物、緑色光によって成長を促進できる植物、および、赤色光によって成長を促進できる植物の、いずれの植物でも成長を促進できる。

加えて、本発明の植物育成用灯具10によれば、衝撃による損傷、ならびに、使用および継時劣化等によって反射型円偏光板18が劣化してしまった場合にも、劣化した反射型円偏光板18を引き出して取り外して、反射型円偏光板18のみを交換すればよい。

従って、十分な寿命が残っているLED等を無駄にすることが無く、植物育成用灯具10を用いる植物栽培のコストを低減できる。特に、図示例の植物育成用灯具10のように、大きな面積に対応して複数の光源14を有する場合には、この効果は大きい。

本発明の植物育成用灯具10において、反射型円偏光板18の長さには、制限はなく、植物育成用灯具10の大きさに応じて、例えば、光透過板26における光透過領域の全域を覆える長さを、適宜、設定すればよい。なお、反射型円偏光板18の長さとは、反射型円偏光板18の長方形の主面の長辺の長さである。

反射型円偏光板18の長手方向の長さは、2m以下が好ましく、1.5m以下がより好ましい。

反射型円偏光板18の長手方向の長さを2m以下とすることにより、灯具本体12に装着した際に撓みが生じることを防止できる、反射型円偏光板18が不要に重くなることを防止できる、灯具本体12への良好な着脱性を確保できるなど取り扱い性を向上できる、加工コストを抑えられる等の点で好ましい。

反射型円偏光板18の長手方向の長さは、1m以上が好ましい。反射型円偏光板18の長手方向の長さを1m以上とすることにより、広い面積で植物の成長を促進することが可能になる。

本発明の植物育成用灯具10において、反射型円偏光板18のアスペクト比にも制限はなく、植物育成用灯具10の大きさに応じて、適宜、決定すればよい。

上述した反射型円偏光板18の長手方向の長さ同様の理由で、反射型円偏光板18のアスペクト比は、長手方向/短手方向の比で5~200が好ましい。

なお、反射型円偏光板18の主面の形状は、一般的に、長方形である。しかしながら、灯具本体の形状によっては、反射型円偏光板18の主面が、楕円形、台形、三角形および六角形などの四角形以外の多角形、ならびに、不定形等の場合も有る。

この際には、反射型円偏光板18の主面を内包する最小の長方形を想定して、この長方形の長辺の長さを反射型円偏光板18の長手方向の長さ、短辺の長さを反射型円偏光板18の短手方向の長さ、とすればよい。

本発明の植物育成用灯具10においては、図1~図3に示すように、灯具本体12に反射型円偏光板18を装着した状態で、反射型円偏光板18と灯具本体12の光出射面すなわち光透過板26との間に、間隙S(図3参照)を有するのが好ましい。

灯具本体12に反射型円偏光板18を装着した状態で、反射型円偏光板18と光透過板26との間に、間隙Sを有することにより、灯具本体12に反射型円偏光板18を装着する際、および、灯具本体12から反射型円偏光板18を取り外す際に、反射型円偏光板18と光透過板26とが摺接することを防止して、灯具本体12への反射型円偏光板18の着脱を、円滑に、かつ、反射型円偏光板18を損傷することなく行うことが可能になる。

さらに、灯具本体12に反射型円偏光板18を装着した状態で、反射型円偏光板18と光透過板26との間に、間隙Sを有することにより、間隙Sによる空気層が断熱層として作用する。そのため、この間隙Sを有することにより、光源14の熱によって反射型円偏光板18、特に円偏光反射層32が劣化することを抑制して、反射型円偏光板18の長寿命化を図れる。

間隙Sの大きさには、制限はなく、植物育成用灯具10の大きさ、光源14の種類、円偏光反射層32の形成材料等に応じて、反射型円偏光板18の着脱を円滑に行え、かつ、良好な断熱性が得られる大きさを、適宜、設定すればよい。

間隙Sは、0.1mm以上が好ましく、1mm以上がより好ましい。

なお、植物育成用灯具10が無駄に大きくなることを防止できる等の点で、間隙Sは、10mm以下が好ましい。

本発明の植物育成用灯具において、灯具本体12に設けた溝部を用いる反射型円偏光板18の着脱自在な装着は、短手方向の両端部を溝部に挿入する方法に制限はされない。すなわち、本発明の植物育成用灯具は、反射型円偏光板18の長手方向の両端部を、灯具本体12に設けた溝部に挿入することで、反射型円偏光板18を着脱自在に灯具本体12に装着する構成であってもよい。

しかしながら、灯具本体12に装着した際の反射型円偏光板18の撓みを好適に防止できる点で、図示例のように、反射型円偏光板18の短手方向の両端部を灯具本体12に設けた溝部に挿入する構成が好ましい。

また、本発明の植物育成用灯具において、反射型円偏光板を灯具本体に着脱自在に装着する方法は、図示例のように、反射型円偏光板の対向する両端部を灯具本体12に設けた溝部に挿入する方法に制限はされない。すなわち、本発明の植物育成用灯具において、反射型円偏光板を灯具本体に着脱自在に装着する方法は、凹部と凸部との篏合、クランプなどの固定冶具を用いる方法、ビス止め、および、ボルトナット等の公知の方法が利用可能である。

上述した間隙Sを確保しやすい、反射型円偏光板の着脱を容易に行える、反射型円偏光板の撓みを好適に防止できる等の点で、反射型円偏光板を灯具本体に着脱自在に装着する方法は、図示例のように、反射型円偏光板の対向する両端部を灯具本体12に設けた溝部に挿入する方法が好適である。

本発明の植物育成用灯具において、光源、および、反射型円偏光板が有する円偏光反射層は、1種に制限はされない。

すなわち、本発明の植物育成用灯具は、互いに異なる波長帯域(中心波長)の光を発光する複数種の光源14、および、各光源14が発光する波長帯域に対応する有効波長帯域

(中心波長)を有する複数種の円偏光反射層を備える反射型円偏光板を有するものであってもよい。

図4に、その一例を概念的に示す。なお、図4および後述する図5に示す植物育成用灯具10RBおよび反射型円偏光板18RBは、上述した植物育成用灯具10および反射型円偏光板18と同じ部材を、複数、用いるので、同じ部材には同じ符号を付し、以下の説明は、異なる部位を主に行う。

図4に示すように、植物育成用灯具10RBは、赤色光を発光する赤色光源14Rと、青色光を発光する青色光源14Bとを有し、赤色光源14Rと青色光源14Bとが、筐体24の長手方向に交互に配置されている。

なお、赤色光源14Rおよび青色光源14Bは、1個ずつが交互に配置されるのに制限はされない。光源の配列は、赤色光源14Rを『R』、青色光源14Bを『B』で示した場合に、例えば、RRBBRRBBRR…のように2個ずつが交互に配置される構成、および、RRRBBBRRRBBB…のように3個ずつが交互に配置される構成など、複数個ずつが交互に配置される構成であってもよい。

また、本発明の植物育成用灯具が複数種の光源を有する場合には、各光源の数は、同じでも異なってもよい。

この植物育成用灯具10RBは、反射型円偏光板18RBを有する。図5に、反射型円偏光板18RBを概念的に示す。

反射型円偏光板18RBは、支持体30の一方の面に、赤色光の波長帯域に有効波長帯域(中心波長)を有し、左円偏光または右円偏光を反射する赤色円偏光反射層32R、および、青色光の波長帯域に有効波長帯域(中心波長)を有し、左円偏光または右円偏光を反射する青色円偏光反射層32Bを有する。

赤色円偏光反射層32Rおよび青色円偏光反射層32Bは、接着層34によって支持体30に接着される。なお、必要に応じて、赤色円偏光反射層32Rと青色円偏光反射層32Bとを、同様の接着層で接着してもよい。

このように、赤色光源14Rおよび青色光源14B、ならびに、赤色円偏光反射層32Rおよび青色円偏光反射層32Bを有することにより、異なる2種の円偏光によって、植物の成長を促進できる。

例えば、反射型円偏光板18RBの赤色円偏光反射層32Rおよび青色円偏光反射層32Bが、共に、右円偏光を反射するものであるとする。この場合には、植物育成用灯具10RBは、赤色光源14Rの点灯によって、赤色光の左円偏光の照射で成長を促進できる植物の成長を促進でき、青色光源14Bの点灯によって、青色の左円偏光の照射で成長を促進できる植物の成長を促進できる。すなわち、この構成によれば、点灯する光源の切り替えによって、成長を促進するために照射する円偏光が互いに異なる植物の成長を促進できる。

また、例えば、反射型円偏光板18RBの赤色円偏光反射層32Rおよび青色円偏光反射層32Bが、共に、左円偏光を反射するものである場合には、植物育成用灯具10RBは、点灯する光源に応じて、赤色光の右円偏光によって成長を促進できる植物と、青色の右円偏光によって成長を促進できる植物との、成長を促進するために照射する円偏光が互いに異なる植物の成長を促進できる。

しかも、上述したように、本発明の植物育成用灯具は、反射型円偏光板が、灯具本体12に着脱可能に装着されるものであり、複数枚の反射型円偏光板を交換して利用可能である。そのため、本発明の植物育成用灯具によれば、複数種の光源を有し、かつ、複数層の円偏光反射層を有する、複数枚の反射型円偏光板を用意することで、さらに多種の円偏光によって、植物の成長を促進できる。

例えば、図示例の赤色光源14Rおよび青色光源14Bを有する植物育成用灯具10RBにおいて、赤色円偏光反射層32Rおよび青色円偏光反射層32Bが、共に、右円偏光を反射する反射型円偏光板18RBと、赤色円偏光反射層32Rおよび青色円偏光反射層32Bが、共に、左円偏光を反射する反射型円偏光板18RBとの、2枚の反射型円偏光板を用意しておく。

これにより、植物育成用灯具10RBは、栽培する植物に応じて、反射型円偏光板18RBを交換して、さらに、点灯する光源を切り替えることで、赤色光の左円偏光によって成長を促進できる植物と、青色の左円偏光によって成長を促進できる植物と、赤色光の右円偏光によって成長を促進できる植物と、青色の右円偏光によって成長を促進できる植物との、4種の円偏光によって、成長を促進するために照射される円偏光が互いに異なる、各種の植物の成長を促進できる。

本発明の植物育成用灯具において、反射型円偏光板が有効波長帯域が互いに異なる2層の円偏光反射層を有する場合、各円偏光反射層が反射する円偏光の旋回方向(センス)の組み合わせには、制限はなく、全ての組み合わせが利用可能である。

例えば、上述のように、反射型円偏光板が赤色円偏光反射層と青色円偏光反射層とを有する場合には、上述した、同じ旋回方向の円偏光を反射する円偏光反射層を組み合わせた2種の反射型円偏光板のみならず、右円偏光を反射する赤色円偏光反射層32Rと左円偏光を反射する青色円偏光反射層32Bとを有する反射型円偏光板、および、左円偏光を反射する赤色円偏光反射層32Rと右円偏光を反射する青色円偏光反射層32Bとを有する反射型円偏光板も利用可能である。

また、本発明の植物育成用灯具10RBは、上述した赤色円偏光反射層32Rと青色円偏光反射層32Bとを有する4種の反射型円偏光板のうち、1種のみを有してもよく、適宜、選択した2種または3種を有するものでもよく、さらに、4種全ての反射型円偏光板を有してもよい。

なお、本発明の植物育成用灯具において、発光波長(中心波長)の異なる2種の光源を有し、かつ、反射型円偏光板が有効波長範囲(中心波長)が異なる2種の円偏光反射層を有する場合には、光源が発光する光、および、円偏光反射層の有効波長帯域は、赤色光および青色光に制限はされず、各種の光、および各種の光の組み合わせが利用可能である。

一例として、光源が発光する光および円偏光反射層の有効波長帯域が、赤色光と緑色光であってもよく、または、緑色光と青色光であってもよい。さらに、青色光と赤外線との組み合わせなど、可視光と非可視光との組み合わせ等であってもよい。

また、本発明の植物育成用灯具において、光源、および、反射型円偏光板が有する円偏光反射層は、図示例の2種に制限はされず、光源の発光波長と円偏光反射層の有効波長帯域とが対応していれば、3種または4種以上の光源および円偏光反射層を有してもよい。

例えば、赤色光源、緑色光源および青色光源と、赤色光の波長帯域に有効波長帯域を有する円偏光反射層、緑色光の波長帯域に有効波長帯域を有する円偏光反射層および青色光の波長帯域に有効波長帯域を有する円偏光反射層とを有する構成であってもよい。

これにより、より多種多様な植物の成長促進に対応することが可能になる。

3種以上の光源、および、反射型円偏光板が3種以上の円偏光反射層を有する態様においても、色の組み合わせ、各円偏光反射層が反射する円偏光の旋回方向の組み合わせ等は、上述した2種の光源および円偏光反射層を有する態様と同様、任意の各種の組み合わせが利用可能である。

上述したように、本発明の植物育成用灯具10は、植物の成長促進に有効な波長帯域の右円偏光または左円偏光の光を植物に照射して、植物の成長を促進するものである。ここで、本発明の植物育成用灯具10に関するメカニズムについては、以下のように推定している。

植物の花芽形成促進、抑制、成長制御等に関わるフィトクロム、クリプトクロム、フォトトロピン、ZTL(ZEITLUPE)などの光受容体に含まれる発色団のフィトクロモビン、フラビンはキラル剤であるため、光吸収波長帯域近傍において円偏光に対する吸収二色性を有する。つまり、光受容体が吸収する光は左右いずれかの円偏光であり、もう一方のセンスの円偏光はそれと比較して吸収されにくいために、これを照射しても光受容体の機能を誘起することが難しい。そのため左右それぞれの円偏光のみの照射する場合、成長が異なる現象が生じるものと推定している。ただ、これらの吸収二色性は実験室レベルでの溶液系で確認できる現象であって、実際には発色団に偏光がいたるまでに細胞内の物質による散乱のため偏光状態がくずされ、上述のような現象は見られないと考えることが一般的である。しかし、驚いたことに、本発明においては、これらが存在する葉または茎の中においても、照射光の偏光状態に応じて植物の成長が制御可能であることが分かった。

植物の光周性に関わるフィトクロムの場合、650nm付近に極大吸収波長を有する赤色光吸収型と750nm付近に極大吸収波長を有する遠赤色光吸収型があり、650nm付近の光照射で赤色光吸収型が遠赤色光吸収型に転換される。一方、750nm付近の光照射で赤遠色光吸収型が赤色光吸収型に転換される。さらに、暗状態経時によっても赤遠色光吸収型の赤色光吸収型への転換が進む。これらの反応によって生じた赤遠色光吸収型の量が植物の開花時期を制御している。この反応を人工的に制御することで、例えば菊の栽培で行われているような夜間照明などで開花時期を制御することが可能である。この照明として本発明の植物育成用灯具10のフィトクロムの吸収波長帯域でのみフィトクロムが吸収する右円偏光を照射する光源を用いた場合、電照の効果を落とさずに必要な消費電力押さえることが可能となる。

地球上には、さまざまな植物があり幾種類もの発色団が存在するので、植物の種類および/または制御目的等に応じて、一方の円偏光とする有効波長帯域、および、円偏光の旋回方向(センス)を変えることが重要である。当然、ある波長帯域では右円偏光を、別な波長帯域では左円偏光をというように、別々なセンスの円偏光を同時に照射することが好ましい場合もあり、その目的にも本発明の植物育成用灯具10は使用できるのは、上述したとりである。

本発明の植物育成用灯具10は、休眠、発芽、成苗、細胞伸長期間、花芽分化などの植物の成長過程の時期に応じて、照射する円偏光の波長帯域を、反射型円偏光板18を交換することによって、使い分けてもよい。また、日周の時期に応じて、照射のタイミング、光強度、および、偏光状態などを調節してもよい。さらに、パルス的な発光を用いたり、照射する植物の部位に応じて、異なる偏光状態の光を照射をするなどの使い分けをしてもよい。また、植物工場において、本発明の植物育成用灯具による光照射と湿度、温度、ガス濃度の制御と組み合わせてもよい。

本発明の植物育成用灯具10が対象とする植物には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

例えば、ウリ科、ナス科、マメ科、バラ科、アブラナ科、キク科、セリ科、アカザ科、イネ科、アオイ科、ウコギ科、シソ科、ショウガ科、スイレン科、サトイモ科の野菜;キク科、バラ科、サトイモ科、ナデシコ科、アブラナ科、イソマツ科、リンドウ科、ボマノハグサ科、マメ科、ボタン科、アヤメ科、ナス科、ヒガンバナ科、ラン科、リュウゼツラン科、ミズキ科、アカネ科、ヤナギ科、ツツジ科、モクセイ科、モクレン科、サクラソウ科、シュウカイドウ科、シソ科、フウロソウ科、ベンケイソウ科、キンポウゲ科、イワタバコ科、サボテン科、シダ類、ウコギ科、クワ科、ツユクサ科、パイナップル科、クズウコン科、トウダイクサ科、コショウ科、タカトウダイ科、ユキノシタ科、アカバナ科、アオイ科、フトモモ科、ツバキ科およびオシロイバナ科の切り花類および鉢物類の花卉;バラ科、ブドウ科、クワ科、カキノキ科、ツツジ科、アケビ科、マタタビ科、トケイソウ科、ミカン科、ウルシ科、パイナップル科およびフトモモ科の果樹;ならびに、藻類などが挙げられる。

さらに詳しく例示すると、キュウリ、メロン、カボチャ、ニガウリ、ズッキーニ、スイカ、シロウリ、トウガン、ヘチマ、キンシウリ、トマト、ピーマン、トウガラシ、ナス、ペピーノ、シシトウ、エンドウ、インゲンマメ、ササゲ、エダマメ、ソラマメ、シカクマメ、サヤエンンドウ、サヤインゲン、フジマメ、イチゴ、トウモロコシ、オクラ、ブロッコリー、カイワレダイコン、クレソン、コマツナ、ツケナ、レタス、フキ、シュンギク、食用ギク、セルリー、パセリー、ミツバ、セリ、ネギ、ワケギ、ニラ、アスパラガス、ホウレンソウ、オカヒジキ、ウド、シソ、ショウガ、ダイコン、カブ、ワサビ、ラディシュ、ルタバカ、コカブ、ニンニク、ラッキョウ、レンコンおよびサトイモ等の野菜;アスター、ローダンセ、アザミ、ナデシコ、ストック、ハナナ、スターチス、トルコキキョウ、キンギョソウ、スィートピー、ハナショウブ、キク、リアトリス、ガーベラ、マーガレット、ミヤコワスレ、シャスターデージー、カーネーション、シュツコンカスミソウ、リンドウ、シャクヤク、ホウズキ、リオン、ダリア、カラー、グラジオラス、アイリス、フリージア、チューリップ、スイセン、アマリリス、シンビジューム、ドラセナ、バラ、ボケ、サクラ、モモ、ウメ、コデマリ、キイチゴ、ナナカマド、ミズキ、サンシュ、サンダンカ、ブルバディア、ヤナギ、ツツジ、レンギョウ、モクレン、シラネリア、ディモルホセカ、プリムラ、ペチュニア、ベゴニア、リンドウ、コリウス、ゼラニュウム、ペラルゴニューム、ロケヤ、アンスリューム、クレマチス、スズラン、セントポーリア、シクラメン、ラナンキュラス、グロキシニア、デンドロビューム、カトレア、ファレノプシス、バンダ、エビデンドラム、オンシジウム、シャコバサボテン、カニバサボテン、クジャクサボテン、カランコエ、ネフロレピス、アジアンタム、タニワタリ、ポトス、ディフェンバキヤ、スパティフラム、シンゴニューム、オリヅルラン、シエフレラ、ヘデラ、ゴムノキ、ドラセナ、コルジリネ、ブライダルベール、アナナス類、カラテヤ、クロトン、ペペロミヤ、ポインセチア、ハイドランジア、フクシア、ハイビスカス、ガーデニア、ギョリュウバイ、ツバキ、ブーゲンビレアおよびボタン等の花卉;ニホンナシ、モモ、オウトウ、スモモ、リンゴ、プルーン、ネクタリン、アンズ、ラズベリー、ウメ、ブドウ、イチジク、カキ、ブルーベリー、アケビ、キウィフルーツ、パッションフルーツ、ビワ、ウンシュウミカン、マーコレット、レモン、ユズ、仏手柑、ハッサク、ブンタン、花ユズ、キンカン、セミノール、イヨカン、ネーブルオレンジ、アンコール、ノバ、日向夏、ライム、スダチ、カボス、晩白柚、タンカン、マンゴー、パインアップルおよびグアバ等の果樹; ならびに、藻類などが挙げられる。

これらの中でも、葉物野菜、アブラナ科ツケナ類のコマツナ(小松菜)が、特に好ましい。

以上、本発明の植物育成用灯具について詳細に説明したが、本発明は上述の例に制限はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。

本発明は、植物の栽培に好適に利用可能である。

10,10RB 植物育成用灯具

12 灯具本体

14 光源

16 光源ユニット

18,18RB 反射型円偏光板

24 筐体

24a 開口

26 光透過板

28 保持部材

28a 下端部

30 支持体

32 円偏光反射層

32R 赤色円偏光反射層

32B 青色円偏光反射層

34 接着層

Claims (11)

  1. 光出射面を有する灯具本体と、前記灯具本体に保持される光源と、特定の波長帯域において特定の旋回方向の円偏光を選択的に反射する反射型円偏光板と、を有し、
    前記反射型円偏光板が、面内方向のレタデーションRe(550)が50nm以下である支持体と、前記支持体に保持される円偏光反射層とを有し、
    前記灯具本体は、前記反射型円偏光板の主面を前記光出射面に対面して、前記反射型円偏光板を着脱自在に装着する、保持機構を有する、植物育成用灯具。
  2. 前記保持機構は、前記反射型円偏光板の対向する2つの端部に対応する溝部を有し、前記反射型円偏光板の対向する2つの端部を前記溝部に挿入することにより、前記反射型円偏光板を着脱自在に装着する、請求項1に記載の植物育成用灯具。
  3. 前記円偏光反射層が、コレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層を有する、請求項1または2に記載の植物育成用灯具。
  4. 前記保持機構が前記反射型円偏光板を保持した状態で、前記灯具本体の光出射面と、前記反射型円偏光板との間に、間隙を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の植物育成用灯具。
  5. 前記光源が、一方向に、複数、配列されてる、請求項1~4のいずれか1項に記載の植物育成用灯具。
  6. 前記反射型円偏光板の主面を内包する最小の長方形の長辺の長さが、1~2mである、請求項1~5のいずれか1項に記載の植物育成用灯具。
  7. 前記反射型円偏光板の前記支持体の厚さが、0.1~5mmである、請求項1~6のいずれか1項に記載の植物育成用灯具。
  8. 前記反射型円偏光板が、特定の旋回方向の円偏光を選択的に反射する特定の波長帯域の中心波長を、380~500nmの波長帯域、および、600~780nmの波長帯域の少なくとも一方に有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の植物育成用灯具。
  9. 前記光源が、380~500nmの波長帯域に発光の中心波長を有する光源、600~780nmの波長帯域に発光の中心波長を有する光源、および、白色光源の、1以上である、請求項1~8のいずれか1項に記載の植物育成用灯具。
  10. 前記光源がLEDである、請求項1~9のいずれか1項に記載の植物育成用灯具。
  11. 前記保持機構が、L字状の断面形状を有する長尺な保持部材である、請求項1~10のいずれか1項に記載の植物育成用灯具。
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