JP7153495B2 - 足状態分析方法 - Google Patents
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Description
特許文献2には、被計測者が圧力分布センサ上で直立静止したときの、その圧力分布センサ上における被計測者の荷重状態を検知し、その検知結果に基づいて、被計測者の足型を、歩行に関する運動能力の指標となる、扁平型、回内足型、外側荷重足型、回外足型、凹足型、土踏まず変形足型及び正常な足型に分類する手法が開示されている。
特許文献3には、足圧分布検出センサにより計測された被検者の足圧分布を表す指標に基づいて算出された被検者の評価値を、被検者の足部の外反母趾角度及び内反小趾角度に関するデータに基づいて補正した値により、被検者の整形疾患を引き起こすリスクを判定する手法が開示されている。
特許文献4には、足圧分布検出センサにより歩行時の被検者の足圧分布が計測され、その計測結果に基づいて被検者の足の重心移動の湾曲具合を算出し、その湾曲具合を用いて、被検者の整形疾患を引き起こすリスクを判定する手法が開示されている。
特許文献5には、足圧分布検出センサにより直立した被検者の足圧分布が計測され、その計測結果に基づいて被検者の足の足裏部分の面積や足の重心位置を算出し、それらを用いて算出される第1及び第2の指標の評価値に基づいて、被検者の整形疾患を引き起こすリスクを判定する手法が開示されている。
一方で、特許文献4の開示手法は、計測された歩行時の被検者の足圧分布の中から足の重心位置の移動軌跡を解析する対象領域をユーザに指定させ、その指定された解析領域の足圧分布に基づいて足の重心位置及びその重心位置の移動軌跡が算出される。
本発明は、歩行時の被検者の足圧を用いて被検者の足の接地状態を分析する技術に関する。
本発明の態様に係る足状態分析方法は、歩行時の被検者における少なくとも一方の足の足圧分布情報を取得する取得工程と、前記取得された足圧分布情報から、足指部の圧力分布を示す足指圧分布情報若しくは足底部の圧力分布を示す足底圧分布情報のいずれか一方、又は、該足指圧分布情報及び該足底圧分布情報を切り分けてそれぞれ抽出する抽出工程と、前記足指圧分布情報若しくは足底圧分布情報のいずれか一方又は両方を用いて、前記被検者の足の接地状態を示す足状態情報を生成する生成工程と、を含む。
なお、本発明の別態様は、例えば、上記態様に係る足状態分析方法を実行する足状態分析装置(情報処理装置、コンピュータ)に関するものであり、上記態様に係る足状態分析方法をコンピュータに実行させるプログラムに関するものであり、このようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体に関するものである。この記録媒体は、非一時的な有形の媒体を含む。
図1は、本実施形態に係る足状態分析方法の概要を示すフローチャートである。
本方法は、図1に示されるように、大きく捉えると、足圧分布情報を取得する取得工程(S11)と、足指圧分布情報若しくは足底圧分布情報のいずれか一方、又はそれらの両方を切り分けてそれぞれ抽出する抽出工程(S13)と、足状態情報を生成する生成工程(S15)を含む。
本方法は、主に、後述する足状態分析装置10のような一以上のコンピュータにより実行される。但し、本方法は、各工程において人によるコンピュータ操作が介在することを排除するものではない。以降、本方法の主たる実行主体となる一以上のコンピュータを本コンピュータと表記するものとする。
その足圧分布情報は、例えば、歩行面に敷設するシート式圧力センサ(後述の圧力センサシート18)で計測された情報から取得することができる。その他、被検者の靴下の足裏部や靴底やインソールに平面的に設けられたウェアラブル圧力センサからの情報により当該足圧分布情報が取得されてもよい。
また、本明細書において「足裏」とは、人の足の裏側の全体を意味するものとし、足指部と足底部とに区別可能である。「足底部」は、足裏のうち足指部を除いた残りの部分を意味するものとする。
例えば、本コンピュータが足圧分布を検出可能な圧力センサに接続されており、本コンピュータが、その圧力センサから得られる信号に基づいて足圧分布情報を生成してもよい。また、本コンピュータが、他のコンピュータや可搬型記録媒体から足圧分布情報を取得してもよいし、足圧分布情報の元となるデータを取得し、そのデータに基づいて足圧分布情報を生成してもよい。
また、取得工程(S11)で取得される足圧分布情報の形式についても様々な態様があり得る。例えば、圧力値が画素値として示される足圧分布画像が足圧分布情報として取得され得る。その足圧分布画像は、カラー画像であってもよいし、グレースケール画像であってもよい。その他、二次元平面上の位置とその位置で計測された圧力値とを対応付け可能な状態で含む二次元配列データなどが足圧分布情報として取得されてもよい。
足圧分布情報が右足及び左足の両方の情報を含む場合には、右足の足圧分布及び左足の足圧分布のそれぞれに対して抽出工程(S13)が実行されればよい。
足底圧分布情報は、歩行時の被検者の足底部が歩行面に掛ける圧力の平面分布を示す情報である。
また、足指圧分布情報及び足底圧分布情報は、足指部又は足底部からの圧力が検出された位置及びその圧力値に係る情報のみならず、当該圧力が検出されなかった位置及び圧力値(0(ゼロ))に係る情報を含んでもよい。
本明細書において「足指圧分布」との表記は、特別な説明がある場合を除き、歩行時の被検者の足指部が歩行面に掛ける圧力の平面分布を意味し、「足指圧」との表記は、当該足指圧分布の対象となる圧力である。また、「足底圧分布」との表記は、特別な説明がある場合を除き、歩行時の被検者の足底部が歩行面に掛ける圧力の平面分布を意味し、「足底圧」との表記は、当該足底圧分布の対象となる圧力である。
例えば、抽出工程(S13)では、取得工程(S11)で取得された足圧分布情報において足指部の圧力領域(足指圧の領域)と足底部の圧力領域(足底圧の領域)との境界位置を特定し、その境界位置を用いて、足指圧分布情報若しくは足底圧分布情報のいずれか一方の抽出、又は、足指圧分布情報及び足底圧分布情報の切り分け抽出を行うことができる。なお、この境界位置の特定手法の具体例については実施例の項において詳述する。
また、抽出工程(S13)における「切り分けてそれぞれ抽出」とは、足指圧分布情報と足底圧分布情報とを区別可能な状態でそれぞれ取得することを意味する。
更に言えば、足指圧分布情報及び足底圧分布情報が足指圧分布画像及び足底圧分布画像として抽出されている場合には、当該足状態情報は、足指圧分布画像若しくは足底圧分布画像のいずれか一方又は両方と、それと比較可能な状態で示される比較参照用の足指圧分布画像若しくは足底圧分布画像のいずれか一方又は両方とを含んでいてもよい。比較参照用画像としては、例えば、年齢層別、性別などの代表的な足指圧分布画像及び足底圧分布画像がある。
生成工程(S15)で生成される足状態情報やその生成手法の具体例については後述する。
つまり、本実施形態によれば、歩行時の被検者の足圧を用いて被検者の足の接地状態を分析し、ひいては、足状態を分析することができる。これにより、わざわざ静止して測定をしなくてもよいため、容易に分析することができる。
図2は、第三の抽出態様を用いた本実施形態に係る足状態分析方法(以降、本方法と表記する場合もある)を示すフローチャートである。
図3は、第三の抽出態様の抽出工程を概念的に示す図である。
本方法は、図2に示されるように、工程(S21)、工程(S23)、工程(S25)、工程(S27)、及び工程(S29)を含み、後述する足状態分析装置10により実行される。
例えば、図3に示されるような足圧分布画像が取得工程(S21)で取得される。図3の例では、歩行時の被検者における右足の足圧分布画像が取得されている。この場合、後述の足状態分析装置10は、圧力センサシート18上を被検者に歩行させた際の圧力の平面分布の時系列データを当該圧力センサシート18から取得し、その時系列データの中から右足の足圧分布を特定し、その右足の足圧分布を積算して、右足一歩あたりの平均圧力値の分布データを当該右足の足圧分布情報として取得することができる。
但し、取得工程(S11)について述べたとおり、工程(S21)での足圧分布情報の取得手法はこのような例に限定されない。
図3には、足圧分布画像から足指圧分布画像と足底圧分布画像とを切り分けるイメージが示されている。このように、工程(S23)では、例えば、足指圧分布画像が足指圧分布情報として抽出され、足底圧分布画像が足底圧分布情報として抽出される。この具体的な抽出手法については、工程(S13)について述べたとおり様々な手法を採用可能であり、その一例を実施例の項において詳述する。
例えば、後述の足状態分析装置10は、図3に示される足指圧分布画像において予め定められた閾値(圧力値ゼロ(0)であってもよい)を超える圧力値を示す領域の画素数をカウントし、カウントされた画素数を足指部の圧力領域の面積とし、その面積を足状態情報とすることができる。他の例として、足状態分析装置10は、所定の圧力値範囲ごとの画素数のヒストグラムを生成し、このヒストグラムの特徴量を足状態情報とすることもできる。
後述の図4の例では、被検者における足指部の圧力領域の面積が算出され、その算出された面積が、特定被検者群の足圧分布画像母集団から予め生成された面積群に対する相対的な値「85点」に変換されて、この相対値が被検者の指標情報とされている。
工程(S27)での指標情報の生成手法については、実施例の項において具体例を挙げて詳述する。
後述の図4の例では、足底圧分布画像を用いて、右足及び左足のそれぞれの足型が、ハイアーチ状態、標準状態、又は偏平足状態のいずれに該当するかが判定され、その判定結果が足型を示す指標情報として生成されている。
例えば、後述の足状態分析装置10は、当該足状態情報を出力装置15から出力することができる。足状態情報の出力態様は、特に制限されず、表示装置への表示であってもよいし、印刷媒体への印刷であってもよい。
図4の例では、足指圧年齢D1、足指活用力D2、及び足型判定D3が足状態情報として出力されている。例えば、足指圧年齢D1及び足指活用力D2に係る各指標値は、被検者の足指圧分布画像における足指部の圧力領域の大きさ(面積)の、特定被検者群の母集団に対する相対値とすることができる。この母集団は、特定被検者群の足指部の圧力領域の大きさの集合であり、特定被検者群の各被検者から本方法を用いて予め取得しておくことができる。
足指活用力D2の指標値「85点」は、当該母集団と被検者とを加えた集合における最大面積を100点とし最小面積(大きさ0(ゼロ))を0点として、被検者の当該面積を正規化することで算出できる。
足指圧年齢D1の指標値「60歳」については、例えば、年齢層ごとの被検者群の母集団から足指部の圧力領域の平均面積を予め算出しておき、平均面積が被検者の当該面積に最も近い母集団の年齢層に基づいて決めることができる。
図5は、本実施形態における足状態分析装置(以降、単に分析装置と表記する場合もある)10のハードウェア構成例を概念的に示す図である。
分析装置10は、いわゆるコンピュータであり、例えば、バスで相互に接続される、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ12、入出力インタフェース(I/F)13、通信ユニット14等を有する。分析装置10を形成する各ハードウェア要素の数はそれぞれ制限されず、これらハードウェア要素は情報処理回路と総称することもできる。また、分析装置10は、図5に図示されないハードウェア要素を含んでもよく、そのハードウェア構成は制限されない。
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
入出力I/F13は、出力装置15、入力装置16等のユーザインタフェース装置と接続可能である。出力装置15は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイのような、CPU11等により処理された描画データに対応する画面を表示する装置、印刷装置などの少なくとも一つである。入力装置16は、キーボード、マウス等のようなユーザ操作の入力を受け付ける装置である。出力装置15及び入力装置16は一体化され、タッチパネルとして実現されてもよい。
通信ユニット14は、他のコンピュータとの通信網を介した通信や、他の機器との信号のやりとり等を行う。通信ユニット14には、可搬型記録媒体等も接続され得る。
圧力センサシート18としては、例えば、アニマ社製のシート式下肢加重計シリーズウォークWayや、AMTI社製の床反力計などを使用することができる。
圧力センサシート18は、2m以上5m以下の検出領域の長さを有していることが好ましい。これにより、様々な体型或いは年齢の被検者を対象に、複数歩分の足圧分布情報を得ることができる。
但し、歩行時の被検者の足圧は、圧力センサシート18以外の手段で計測されてもよい。例えば、足裏部分の繊維に圧力センサを仕込んだ靴下或いは靴底に圧力センサが装着された靴を被検者に履かせ、その圧力センサにより足圧が計測されてもよい。もちろん、分析装置10は、他のコンピュータ又は可搬型記録媒体から通信ユニット14を介して足圧分布情報を取得することもできる。
例えば、工程(S11)及び工程(S21)において、分析装置10は、足圧分布情報又は足圧分布情報の元となるデータの存在する場所(例えば、ネットワーク上の位置やファイルシステム上の位置など)を操作者に指定させるユーザインタフェースを出力装置15に出力させてもよい。また、工程(S13)及び工程(S23)において、分析装置10は、一歩あたりの平均足圧値の分布画像を足圧分布情報として出力装置15に表示させ、その分布画像上において足指部の圧力領域と足底部の圧力領域との境界線を操作者に指定させるユーザインタフェースを出力装置15に出力させることもできる。更に、分析装置10は、足状態情報として生成すべき指標情報の種別(足指活用指標や足型など)を操作者に選択させるユーザインタフェースを出力装置15に表示させてもよい。
圧力センサシート18は、100Hzサンプリング周期で圧力値の分布情報(足圧センシングデータと表記される)を出力し、分析装置10は、その足圧センシングデータを取得する(S61)。足圧センシングデータは、二次元平面上の位置とその位置で計測された圧力値とが対応付け可能なデータとなっている。
一方で、足圧センシングデータを積算したデータには、複数歩分の右足及び左足の足圧が含まれている。そこで、足圧センシングデータを積算したデータから、一歩分の右足及び左足の圧力分布データを抽出し、その抽出したデータに基づいて、グレースケール足圧画像が生成されてもよい。
また、右足及び左足それぞれについて、複数歩分の圧力値を足し合わせて歩数で除算することで、一歩分の平均圧力値の分布を示すグレースケール足圧画像がそれぞれ生成されてもよい。
本実施例では、足指部の圧力領域を削除する前に、次の前処理を行う。
まず、図7に示されるように、足圧分布画像における足指境界線を決定する。足指境界線とは、足圧分布画像における足指部の圧力領域と足底部の圧力領域との境界位置を示す線分である。
図7は、足指境界線の決定イメージを示す図である。図7では足指境界線が破線で示されている。
具体的には、足圧分布画像上の各ピクセルを走査して、P(i-1,j)<P(i,j)かつP(i+1,j)<P(i,j)に該当する位置を検出する。このとき、足圧分布画像を足指部が左側に位置するように回転させた状態で考え、図7の左右方向をx軸とし、上下方向をy軸とし、対象ピクセルをP(i,j)と表記する。
なお、y=jにおいて上記条件を満たす位置が複数存在する場合には、最も左側の位置が境界位置に決定されればよい。このようにして検出された位置の集合が足指境界線として決定される。
第一ステップは、足指境界線よりも上方(後述する図8紙面の上方)の位置にある画素値(1)を画素値(0)に設定する。これにより、足指境界線よりも上方に存在する圧力領域が足指部の圧力領域とみなされ削除される。
ここで、足圧分布画像における足指部の圧力領域の存在状況は、被検者によって様々である。足指部の圧力領域と足底部の圧力領域との間に低圧力(圧力値ゼロも含む)領域がきれいに存在する被検者もいれば、足指部の圧力領域がごくわずかしか存在しない被検者や、後述の図8に示されるように一部の足指部(図8では親指部)の圧力領域と足底部の圧力領域との間に低圧力領域が存在しない被検者などが存在する。即ち、足指境界線が一連なりの線分として検出されない場合がある。
第二ステップは、図8に示されるような場合でも足指部の圧力領域を的確に削除するために、次のような処理を行う。即ち、第二ステップは、足指境界線の中の最も高い位置に存在する画素位置を特定する。その特定された画素位置が図8(b)において境界最高位線として示されている。この境界最高位線よりも上方(図8紙面の上方)の位置にある画素値(1)を画素値(0)に設定する。これにより、境界最高位線よりも上方に存在する圧力領域が足指部の圧力領域とみなされ削除される。
図9は、足指部の圧力領域を削除する工程の第三ステップのイメージを示す図である。
そこで、本実施例では、図9に示されるような場合でも足指部の圧力領域を的確に削除するために、次のような第三ステップを実行する。即ち、第三ステップは、第一及び第二ステップの後、残っている圧力領域(画素値(1)の画素群)を島判定し、島ごとの面積(画素数)を算出し、全面積の所定割合(例えば、5%に設定される)未満の面積しか持たない島の画素値(1)を画素値(0)に設定する。これにより、全面積の所定割合未満の面積しか持たない微小な圧力領域が足指部の圧力領域とみなされ削除される。
上述の島判定には、既存のラベリングアルゴリズムが利用可能である。
歩行時の足の角度や軌跡には個人差があるため、この個人差を解消すべく、本実施例では、足底圧分布画像の角度正規化が行われる。即ち、本実施例に係る足状態分析方法は、工程(S64)で抽出された足底圧分布情報に対して所定処理を施す処理工程を更に含み、その所定処理は、足底圧分布情報により示される足底部の圧力領域の、基準軸に対する傾きを算出し、算出された傾きに基づいて足底部の圧力領域を回転させる処理を含むと換言できる。
本実施例における角度正規化手法は、本発明者らにより多数の被検者の足底圧分布画像を用いて試行錯誤した結果、導出された手法であり、具体的には次のような手法である。
本実施例では、二つの形状タイプが判定されるが、島の数が3以上である場合には、他の形状タイプと判定されてもよい。また、島の数ではなく、島の形で形状タイプが判定されてもよい。
一連タイプであると判定された場合、二値化された足底分布画像の0次及び1次の画像モーメントを算出し、それら画像モーメントを用いて足底部の圧力領域の重心を算出する。更に、足底分布画像の2次重心モーメントを求め、その2次重心モーメントとx軸とのなす角θを求める。なお、0次及び1次の画像モーメント及び重心、並びに2次重心モーメントの求め方は周知であるため、ここでは説明を省略する。
分離タイプであると判定された場合、複数の島として存在する足底部の圧力領域それぞれについて重心を求め、求めた重心どうしを結ぶ線分とx軸とのなす角θを求める。
このようにして求められた角θが90度となるように回転角を決め、アフィン変換を用いて、足底圧分布画像を回転させる。
ここでx軸は、圧力センサシート18の圧力検出領域の幅方向(短手方向)を示し、図9の紙面左右方向を示す。
ここでの「方向線」が、上述の2次重心モーメント或いは重心どうしを結ぶ線分に相当し、「基準軸」が上述のx軸に相当する。
図11は、AI及びMAIの算出イメージを示す図である。
工程(S66)では、足底圧分布画像における足底部の圧力領域の上端及び下端を特定し、その上端と下端との間のy軸上の距離を求め、この距離を三等分することで、足底部の圧力領域を前足部A、中足部B、及び後足部Cに分ける。これら各部の圧力領域について、大きさ(面積、画素数)及び圧力合計値を求めて、以下の式により、AI及びMAIを算出する。
AI=B面積/(A面積+B面積+C面積)
MAI=B圧力合計値/(A圧力合計値+B圧力合計値+C圧力合計値)
このとき、AI及びMAIの値そのものが出力されてもよいし、図4に例示されるように、AI及びMAIの値から導出される相対指標(ハイアーチ状態、標準状態、又は偏平足状態)が出力されてもよい。前者の場合、所定処理(上述の角度正規化)が施された足底圧分布情報に基づいて、足底部を形成する前足部、中足部、及び後足部の各々の圧力領域を特定し、特定された各圧力領域の大きさ又は圧力値に基づく足底部に対する中足部の比率を足のアーチ状態又は扁平状態を示す指標情報として算出すると換言できる。後者の場合、当該所定処理が施された足底圧分布情報に基づいて足のアーチ状態又は扁平状態を示す指標情報を足状態情報として生成すると換言できる。
11 CPU11
12 メモリ
13 入出力I/F
14 通信ユニット
15 出力装置
16 入力装置
18 圧力センサシート
Claims (8)
- 一以上のコンピュータにより実行される足状態分析方法であって、
前記コンピュータが、
歩行時の被検者における少なくとも一方の足の足圧分布画像を取得する取得工程と、
前記取得された足圧分布画像から、足指部の圧力分布を示す足指圧分布画像若しくは足底部の圧力分布を示す足底圧分布画像のいずれか一方、又は、該足指圧分布画像及び該足底圧分布画像を切り分けてそれぞれ抽出する抽出工程と、
前記足指圧分布画像若しくは前記足底圧分布画像のいずれか一方又は両方を用いて、前記被検者の足の接地状態を示す足状態情報を生成する生成工程と、
を実行する足状態分析方法。 - 前記生成工程では、前記コンピュータが、前記足指圧分布画像及び前記足底圧分布画像の両方又は前記足指圧分布画像を用いて、歩行時の足指部の活用度合を示す指標情報を前記足状態情報として生成する、
請求項1に記載の足状態分析方法。 - 前記抽出工程では、前記コンピュータが、前記取得された足圧分布画像から前記足指圧分布画像を抽出し、
前記生成工程では、前記コンピュータが、前記足指圧分布画像に基づいて、足指部の圧力領域の大きさ若しくは圧力値のいずれか一方又は両方を含む指標情報を前記足状態情報として生成する、
請求項1又は2に記載の足状態分析方法。 - 前記抽出工程では、前記コンピュータが、前記足指圧分布画像及び前記足底圧分布画像を切り分けてそれぞれ抽出し、
前記生成工程では、前記コンピュータが、前記足指圧分布画像に基づいて足指部の圧力領域に関する第一指標値を算出し、前記足底圧分布画像に基づいて足底部の圧力領域に関する第二指標値を算出し、該第一指標値及び該第二指標値を前記足状態情報として生成する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の足状態分析方法。 - 前記コンピュータが、
前記抽出工程で抽出された前記足底圧分布画像に対して所定処理を施す処理工程、
を更に実行し、
前記所定処理は、前記足底圧分布画像により示される足底部の圧力領域の、基準軸に対する傾きを算出し、算出された傾きに基づいて足底部の圧力領域を回転させる処理を含み、
前記生成工程では、前記コンピュータが、前記所定処理が施された前記足底圧分布画像に基づいて足のアーチ状態又は扁平状態を示す指標情報を前記足状態情報として生成する、
請求項1に記載の足状態分析方法。 - 前記所定処理は、前記足底圧分布画像により示される足底部の圧力領域の形状タイプを判定し、該形状タイプに対応する方法で足底部の圧力領域の向きを規定する方向線を決定し、前記基準軸に対する該方向線の角度を前記傾きとして算出する、
請求項5に記載の足状態分析方法。 - 前記生成工程では、前記コンピュータが、前記所定処理が施された前記足底圧分布画像に基づいて、足底部を形成する前足部、中足部、及び後足部の各々の圧力領域を特定し、特定された各圧力領域の大きさ又は圧力値に基づく足底部に対する中足部の比率を足のアーチ状態又は扁平状態を示す指標情報として算出する、
請求項5又は6に記載の足状態分析方法。 - 前記抽出工程では、前記コンピュータが、前記取得された足圧分布画像において足指部の圧力領域と足底部の圧力領域との境界位置を特定し、該境界位置を用いて、前記足指圧分布画像若しくは前記足底圧分布画像のいずれか一方、又は、前記足指圧分布画像及び前記足底圧分布画像を切り分けてそれぞれ抽出する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の足状態分析方法。
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