以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や、派生的な効果のうち、少なくとも一つを得ることが可能である。
本実施形態の情報処理装置は、外壁面に、信号入力または信号出力のためのプラグが挿入されたことを検出可能なジャックと外部機器接続用のコネクタとを備え、内部に処理ユニットを収容する筐体を備える。また、外壁面に露出したコネクタを少なくとも覆うように装着可能なカバー部材と、カバー部材が筐体に装着された状態でジャックに挿入可能なピン部材と、を備える。そして、ピン部材のジャックへの挿入の有無に基づいて、処理ユニットの制御状態をカバー部材の装着時に対応する第一の制御状態と、カバー部材の非装着時に対応する第二の制御状態との切り替えを行う制御部を備える。つまり、既設のジャックに設けられたプラグ挿入検出機能を用いて、ジャックへのピン部材の挿入の有無検出を行い、処理ユニットの制御状態を切り替える。その結果、コスト増加を抑制しつつ、ハードウエア的、およびソフトウエア的にコネクタへのアクセス制限を実現する。
図1は、本実施形態にかかる情報処理装置(例えばパーソナルコンピュータ:PC)10における、カバー部材12の装着を情報処理装置10の前面側で行う場合の概念(カバー部材12A)と、背面側で行う場合の概念(カバー部材12B)とを説明する例示的かつ模式的な図である。
図1において、図示の簡略化するため、情報処理装置10を構成する筐体14の外壁面の一部であるY-Z平面に沿って広がる上面壁14aに対して、外面壁の一部でありY-X平面に沿って広がる前面側外壁面14f、およびY-X平面に沿って広がる背面側外壁面14rを破線tに沿って90°折り曲げて、上面壁14aと同一平面(Y-Z平面)にて展開した状態を表している。また、カバー部材12Aは前面側外壁面14fに対して、カバー部材12Bは背面側外壁面14rに対して、90°回転させた状態の断面図を示している。
情報処理装置10は、一般的なパーソナルコンピュータで構成可能であり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)等の記憶部、通信インターフェース、入出力インターフェース等で構成されている。なお、図1の場合、上面壁14aを透過状態で図示している。そして、筐体14内部には、本実施形態の説明で必要な構成のみを示して、他の構成は、図示およびその説明を省略する。図1では、例えば、ジャック検出機構16、ジャック識別用の抵抗18、オーディオコーデック20、制御部として機能するCPU22、後述するBIOS等を記憶した不揮発性の記憶装置であるROM24を図示している。
前面側外壁面14fには、例えば、Y方向に沿ってジャックの一例としてオーディオジャック26、外部機器接続用の外部機器用コネクタ28(例えば、4個のUSBコネクタ)、電源スイッチ30等が表面に露出した状態で配列されている。また、背面側外壁面14rには、オーディオジャック26、マイクジャック32、例えば6個の外部機器用コネクタ28、例えば2個のモニタ用コネクタ34、通信ケーブル用コネクタ36等が表面に露出した状態で配列されている。
オーディオジャック26は、例えば、High Definition Audio(HD Audio)規格準拠のミニジャック端子である。オーディオジャック26は、例えば、ヘッドフォン等のオーディオプラグの挿入を許容するジャックで、当該ジャックを介してオーディオ信号が出力される。一般的に情報処理装置10に実装されるオーディオジャック26は、ヘッドフォンの使用時と、情報処理装置10に内蔵されたスピーカの使用時とでオーディオ信号の出力系統を切り替える。そのため、情報処理装置10は、オーディオジャック26にオーディオプラグが挿入されているか否かを検出するジャック検出機構16を備える。本実施形態の場合、カバー部材12が情報処理装置10に装着されている場合に、例えば、オーディオプラグと実質的に同じ形状のピン部材38をオーディオジャック26に挿入する。そして、ジャック検出機構16にピン部材38の検出結果を出力させことにより、カバー部材12の装着の有無を制御部(CPU22)に認識させ、処理ユニットの制御を切り替える。例えば、情報処理装置10は、制御状態を第一の制御状態(例えば、動作状態)と第二の制御状態(例えば、非動作状態)とに切り替える。
図2は、本実施形態で用いるピン部材38(ピン部材38a)の外形を示す例示的かつ模式的な図である。ピン部材38aは、円柱状の第一の部分と、当該第一の部分の端部に連設された、例えば矩形形状の第二の部分とで構成されている。第一の部分は、前面側外壁面14fに形成されたオーディオジャック26に挿入される胴体部分40である。また、第二の部分は、胴体部分40の非挿入側の端部に形成されたオーディオジャック26に挿入されないピン頭部42である。胴体部分40は、ピン頭部42の形成側から第1部分40a、第2部分40b、第3部分40cが連設されている。この胴体部分40は、オーディオジャック26に挿入可能なオーディオプラグPの挿入部分と実質的に同じ形状である。
まず、図2に示すピン部材38aをオーディオプラグPと見なして、図1に示される前面側のジャック検出機構16Aの動作について説明する。オーディオプラグPの場合、胴体部分40に対応する円筒状の胴体部分PBは、例えば、絶縁体pmで絶縁されて、第1極部P1、第2極部P2、第3極部P3の3極に分離されている。第1極部P1は、オーディオプラグPがオーディオジャック26に挿入された場合、ジャック検出機構16Aを構成する第1端子16aに挿通され接触する。第1端子16aは、グランドGに接続されている。また、第2極部P2は、オーディオプラグPがオーディオジャック26に挿入された場合、ジャック検出機構16Aを構成する第2端子16bに接触する。第2端子16bは、右音声出力用の端子である。第3極部P3は、オーディオプラグPがオーディオジャック26に挿入された場合、ジャック検出機構16Aを構成する第3端子16cに接触する。第3端子16cは、左音声出力用の端子である。
ここで、オーディオプラグPがオーディオジャック26に挿入された場合、第2極部P2が第2端子16bを径方向外側に押し広げ、当該第2端子16bはスイッチ16dをグランドGに接続されたグランド端子16eに接触させる。その結果、前面側抵抗18a、オーディオコーデック20を含む回路が閉路して、オーディオプラグPがオーディオジャック26に挿入されたことを、CPU22が所定のプログラムにしたがって実現する制御部において検知可能となる。その結果、制御部(CPU22)は、オーディオ信号の出力系統を第2端子16b、第3端子16cを含む回路に切り替え、オーディオプラグPを介してヘッドフォンや外部スピーカ等の音声出力装置から音声を出力する。一方、オーディオジャック26にオーディオプラグPが挿入されていない場合、前面側抵抗18a、オーディオコーデック20を含む回路は開路したままとなり、オーディオプラグPがオーディオジャック26に挿入されていないことを制御部(CPU22)で検知可能となる。その結果、制御部は、オーディオ信号の出力系統の接続を例えば、内部スピーカ側に切り替え、内部スピーカから音声を出力する。
なお、背面側のジャック検出機構16Bも同様な構成を有する。したがって、背面側外壁面14rに設けられたオーディオジャック26にオーディオプラグPが挿入された場合も同様に、背面側抵抗18b、オーディオコーデック20を含む回路が閉路して、オーディオプラグPがオーディオジャック26に挿入されたことを制御部(CPU22)で検知可能となる。その結果、制御部は、オーディオ信号の出力系統を第2端子16b、第3端子16cを含む回路に切り替え、背面側のオーディオジャック26に挿入されたオーディオプラグPを介して、ヘッドフォンや外部スピーカ等の音声出力装置から音声を出力する。一方、背面側のオーディオジャック26にオーディオプラグPが挿入されていない場合、背面側抵抗18b、オーディオコーデック20を含む回路は開路したままとなり、オーディオプラグPが背面側のオーディオジャック26に挿入されていないことを制御部で検知可能となる。その結果、制御部は、オーディオ信号の出力系統の出力を例えば、内部スピーカ側に切り替え、内部スピーカから音声を出力する。
なお、前面側抵抗18aの抵抗値と背面側抵抗18bの抵抗値とを異ならせることにより、オーディオプラグPが前面側のオーディオジャック26に挿入されたか、背面側のオーディオジャック26に挿入されたかを制御部(CPU22)において識別することができる。
一方、上述したオーディオプラグPと同様な形状の胴体部分40を備えるピン部材38aが、前面側外壁面14fのオーディオジャック26に挿入された場合、ジャック検出機構16Aは、オーディオプラグPが挿入された場合と同様な挙動を示す。つまり、第2部分40bが第2端子16bを外形方向に押し広げる。そして、第2端子16bは、スイッチ16dを押圧してグランド端子16eに接触させる。その結果、前面側抵抗18a、オーディオコーデック20を含む回路が閉路して、例えば、CPU22においてROM24に記憶されたBIOSがCPU22により実行される過程で、前面側外壁面14f側のオーディオジャック26にピン部材38aが挿入されていることを検出することができる。ピン部材38bが背面側外壁面14r側のオーディオジャック26に挿入された場合も同様に、BIOSがCPU22により実行される過程で、背面側外壁面14r側のオーディオジャック26にピン部材38bが挿入されていることを検出することができる。前述したように、前面側外壁面14f側のオーディオジャック26にピン部材38aが挿入された場合に閉路する回路に含まれる前面側抵抗18aの抵抗値と、背面側外壁面14r側のオーディオジャック26にピン部材38bが挿入された場合に閉路する回路に含まれる背面側抵抗18bの抵抗値とが異なる。その結果、いずれのオーディオジャック26にピン部材38が挿入されたかをBIOSの実行過程で制御部(CPU22)は検出することができる。なお、ピン部材38は、スイッチ16dと接触し、当該スイッチ16dを押し広げて、スイッチ16dをグランド端子16eに接触させることができればよく、オーディオプラグPと同様に、金属で形成されてもよいし、樹脂等の非導電性の材料で形成されてもよい。なお、第3部分40cは、ピン部材38aの挿入検出には関与しないため、省略してもよい。
本実施形態の場合、カバー部材12は、板金等を曲げ加工することにより形成される部材であり、前述したように、外壁面に露出した外部機器用コネクタ28を少なくとも覆うように装着することにより、外部機器用コネクタ28へのアクセスと制限する。この場合、カバー部材12が筐体14に装着された状態で、ピン部材38がオーディオジャック26に挿入されるように構成されている。
図1において、例えば、前面側外壁面14fに装着するカバー部材12Aの場合、前面側外壁面14fに配置されたオーディオジャック26に対応する位置にピン開口部12mが形成されている。このピン開口部12mのX方向の奥側、すなわち、カバー部材12Aを構成する板金の厚み方向の奥側でカバー部材12Aの表裏面のうち前面側外壁面14fに対面する側には、フランジ部12nが形成されている。フランジ部12nは、ピン部材38aの胴体部分40のみの挿通(貫通)を許容するような開口部を形成するように、ピン開口部12mの径方向内側に突出している。また、図1、図2に示されるように、ピン部材38aは、胴体部分40より大形(例えば正方形)のピン頭部42を備える。ピン開口部12mの形状と大きさは、ピン頭部42の形状と大きさに対応している。例えば、ピン開口部12mは、ピン頭部42を受け入れるとともに、抜き取られ難くするために、ピン頭部42より僅かに大きな形状に設定されている。ピン頭部42やピン開口部12mの詳細は後述する。
このように構成されるピン部材38aを、カバー部材12Aが装着されたオーディオジャック26に挿入することにより、ピン部材38aは、ピン頭部42がフランジ部12nに引っかかり、カバー部材12Aを前面側外壁面14fに対して共締めすることになる。また、ピン部材38aがオーディオジャック26に挿入されることにより、制御部(CPU22)は、カバー部材12Aが前面側外壁面14fに装着されていると見なすことができる。
なお、図1に示されるように、カバー部材12Aは、ピン部材38aがオーディオジャック26に挿入されている場合に、カバー部材12Aが前面側外壁面14fから離反することを抑制可能な位置に、被係合部14fhと係合可能な係合部12kを備える。具体的には、カバー部材12Aは、ピン部材38aが挿入されるピン開口部12mから例えば、Y方向に離れた位置で、かつ前面側外壁面14fに対する抜け方向が、ピン部材38aの抜け方向(例えば-Z方向)とは異なる方向(例えばY方向)となる、係合部12kを備えている。また、係合部12kは、先端部に返し部12k1(例えば-X方向に延びる部分)を備え、全体としては、例えばJ字のフック形状になっている。そして、筐体14側には、係合部12kおよび返し部12k1が挿入可能な形状の被係合部14fhが形成されている。つまり、カバー部材12Aは、ピン部材38aがオーディオジャック26から抜かれない限り、前面側外壁面14fから外すことができない構造になっている。
一方、背面側外壁面14rの外部機器用コネクタ28を少なくとも覆うカバー部材12Bは、当該カバー部材12Bを構成する板金の背面側外壁面14rに対面する側にピン部材38bを備える。ピン部材38bは、背面側外壁面14rに形成されたオーディオジャック26に対する位置に、カバー部材12Bと一体的に突出形成されている。すなわち、カバー部材12Bを背面側外壁面14rに向かってX方向に接近させる過程で、ピン部材38bがオーディオジャック26に挿入される。その結果、制御部(CPU22)は、ピン部材38aの場合と同様に、ピン部材38bがオーディオジャック26に挿入されているか否かの検出結果に基づき、カバー部材12Bが背面側外壁面14rに装着されているか否かを判定することができる。
図1において、カバー部材12Bは、当該カバー部材12Bを背面側外壁面14rに機械的に固定されていることを保証するワイヤーロックとして、例えばケンジントンロック44を装着している。ケンジントンロック44は、先端部に、正面視で例えば楕円形状のロック片44aを備えている。また、カバー部材12Bは、ロック片44aを挿通可能な形状の挿通口12hを備える。そして、ケンジントンロック44を装着する場合、挿通口12hを挿通させたロック片44aを背面側外壁面14rに形成された、ロック片44aの形状に対応する楕円形状のロック用開口部14khに挿入し、ロック片44aを例えば90°回転させることによりロック状態を成立させる。ケンジントンロック44は、例えば、シリンダー錠やダイヤルロック錠によりロック状態を維持することができる。なお、ケンジントンロック44に接続されたワイヤー44bは、固定構造物(柱や机等)に固定することができる。
このように、本実施形態の情報処理装置10は、既設のオーディオジャック26に設けられたジャック検出機構16を用いてカバー部材12を介してピン部材38が挿入されているか否かの検出ができる。したがって、カバー部材12が装着されているか否かを検出するためのセンサや検出回路を新たに設けることなく、カバー部材12の装着の有無を検出することができる。そして、制御部(CPU22)は、その検出結果に基づき、情報処理装置10の制御状態を後述するように切り替えることが可能になる。つまり、新たにカバー部材12の検出機構を設けることなく、外部機器用コネクタ28等へのアクセス制限を、ハードウエア的な対応とソフトウエア的な対応の両方で容易に実現することができる。
以下、より具体的にカバー部材12、ピン部材38の構成および外部機器用コネクタ28に対するアクセス制限によりセキュリティ性を向上する例を説明する。
<第1実施形態>
図3は、第1実施形態にかかる情報処理装置10Aであり、前面側でピン部材38aを用いてカバー部材12Aaを装着する手順を説明する例示的かつ模式的な斜視図である。
第1実施形態におけるカバー部材12Aaは、例えば、板金を曲げ加工して形成される部材で、図3に示されるように、縦置きされた情報処理装置10Aの筐体14の外壁面のうち、例えば4面を覆うように構成されている。具体的には、カバー部材12Aaは、第1カバー部分12Aa1、第2カバー部分12Aa2、第3カバー部分12Aa3、第4カバー部分12Aa4を備える。第1カバー部分12Aa1は、縦置きされた情報処理装置10Aの筐体14のY-Z平面に沿う右側面壁14Srの大半の部分を覆う。また、第2カバー部分12Aa2は、情報処理装置10AのX-Y平面に沿う前面側外壁面14fに配置された外部機器用コネクタ28を覆う。第3カバー部分12Aa3は、情報処理装置10Aの背面側でX-Y平面に沿う背面側外壁面14rを覆う(図示を省略しているが、図1と同様な外部機器用コネクタ28やモニタ用コネクタ34等を覆う)。第4カバー部分12Aa4は、情報処理装置10Aを縦置きした場合のX-Z平面に沿う上面壁14tを覆う。
第1カバー部分12Aa1は、第2カバー部分12Aa2、第3カバー部分12Aa3、第4カバー部分12Aa4を連結するための接続部材であり、図3に図示された形状に制限されるものではない。第1カバー部分12Aa1は、右側面壁14Srと対面する面(内面側)に、複数、例えば、4本のガイドピン46を備え、右側面壁14Srに形成されたガイド穴48に挿入可能になっている。ガイドピン46をガイド穴48に挿入するように、カバー部材12Aaを情報処理装置10Aに装着することで、情報処理装置10Aの各外壁面に対する第2カバー部分12Aa2、第3カバー部分12Aa3、第4カバー部分12Aa4の位置合わせを容易に行うことができる。つまり、前面側外壁面14fや背面側外壁面14rに配置された外部機器用コネクタ28に実質的にアクセスできないように、カバー部材12Aaを配置することができる。
第2カバー部分12Aa2は、情報処理装置10Aの右側面壁14Srと前面側外壁面14fの形状に対応して、第1カバー部分12Aa1に沿うY-Z平面に対してX-Y平面に沿う方向に例えば90°折り曲げされて前面側外壁面14fに形成された外部機器用コネクタ28を少なくとも覆う。また、第2カバー部分12Aa2は、前面側外壁面14fに形成されたオーディオジャック26に対応する位置にピン開口部12mを備える。
第3カバー部分12Aa3は、情報処理装置10Aの右側面壁14Srと背面側外壁面14rの形状に対応して、第1カバー部分12Aa1に沿うY-Z平面に対してX-Y平面に沿う方向に例えば90°折り曲げされて背面側外壁面14rに形成された外部機器用コネクタ28(不図示)やモニタ用コネクタ34(不図示)を覆う。なお、カバー部材12Aaは、情報処理装置10Aに対してX方向に移動させながら装着するため、第3カバー部分12Aa3は、図1で説明したピン部材38bを備えない。
第4カバー部分12Aa4は、情報処理装置10Aの右側面壁14Srと上面壁14tの形状に対応して、第1カバー部分12Aa1に沿うY-Z平面に対してX-Z平面沿う方向に例えば90°折り曲げされて上面壁14tに形成されたケンジントンロック44(図1参照)用のロック用開口部50を覆う。第4カバー部分12Aa4には、ロック用開口部50に対応する位置にケンジントンロック44のロック片44aが挿通される挿通口52を備える。
図4は、情報処理装置10Aの前面側でピン部材38aを用いて、上述したようなカバー部材12Aaを装着した状態を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
図3、図4に示されるように、まず、カバー部材12Aaは、第1カバー部分12Aa1の内面側に形成されたガイドピン46を情報処理装置10Aのガイド穴48に挿入するように、X方向に移動させながら情報処理装置10Aに装着する。続いて、ピン開口部12mを介して、第2カバー部分12Aa2の表面側に露出したオーディオジャック26に図2で説明したオーディオジャック26を挿入する。図3では、図示を省略しているが、ピン開口部12mは、図1で説明したようにフランジ部12nが形成されている。
図5は、ピン部材38aをカバー部材12Aaの第2カバー部分12Aa2に装着した状態を示す例示的かつ模式的な拡大図である。前述したように、カバー部材12Aaが情報処理装置10Aに装着された状態で、ピン部材38aの第一の部分である胴体部分40を前面側外壁面14fに形成されたオーディオジャック26に挿入する。その結果、第二の部分であるピン頭部42が第2カバー部分12Aa2のピン開口部12mの奥側に形成されたフランジ部12nに当接する。つまり、ピン部材38aのピン頭部42は、第2カバー部分12Aa2を前面側外壁面14fに共締めすることになる。
なお、図5に示されるように、ピン部材38aがカバー部材12Aaのピン開口部12mにZ方向に挿入された場合、ピン頭部42のピン表面42aが、カバー部材12Aaのカバー表面12Aasから突出しないように、ピン開口部12mのZ方向の深さ、およびピン頭部42のZ方向の厚みが設定されている。ピン頭部42のピン表面42aがカバー部材12Aaのカバー表面12Aasから突出しないようにすることにより、ピン部材38aが一度ピン開口部12mに挿入された後は、容易に抜き取ることができないようにすることができる。例えば、正規ユーザが所持する専用の工具等を用いない限り、ピン部材38aを抜くことができない。つまり、カバー部材12Aaを情報処理装置10Aから容易に外すことができないようにすることができる。
図4に示されるように、ピン部材38aによりカバー部材12Aaを情報処理装置10Aに固定(共締め)するとともに、ケンジントンロック44のロック片44aを挿通口52、ロック用開口部50を介して挿入しロック状態とする。その結果、情報処理装置10Aに対するカバー部材12Aaによるセキュリティロック状態を完成することができる。なお、図4のように、ケンジントンロック44を用いる場合、仮にピン部材38aが抜きとられた場合でも、ケンジントンロック44があるため、カバー部材12Aaは情報処理装置10Aから容易に外すことはできない。
図6は、情報処理装置10A(PC)において、ピン部材38aおよびカバー部材12Aaを用いたソフトウエア的なセキュリティ処理の流れを示す例示的なフローチャートである。
情報処理装置10A(PC)は、カバー部材12Aaの装着の有無に拘わらず、電源スイッチ30が押下され、電源がONすると(S100のYes)、CPU22はROM24からBIOSを読み出し実行する(S102)。なお、電源がONされない場合(S100のNo)このフローは実行されず、電源がONされるのを待つ。
S102において、BIOSが実行されると、BIOSは、コネクタガード機能(カバー部材12Aaを利用するモード)が有効か否か判定する(S104)。コネクタガード機能が有効になっている場合(S104のYes)、対象のジャック、例えば前面側外壁面14fのオーディオジャック26にピン部材38aの挿入されていることを検出しているか否か判定する(S106)。対象のオーディオジャック26にピン部材38aが挿入されているか否かは、図1で説明したジャック検出機構16によって判定可能である。つまり、制御部(CPU22)は、ピン部材38aが第2端子16bを押し広げ、スイッチ16dを付勢してグランド端子16eと接触して、前面側抵抗18a、オーディオコーデック20を含む回路が閉路したか否かで判定することができる。
S106において、ピン部材38aがオーディオジャック26に挿入されていると判定された場合(S106のYes)、CPU22は、POST処理(装置や回路のチェックや初期化等の処理)の終了後、OS(Operating System)を起動し(S108)、一旦このフローを終了する。つまり、情報処理装置10Aを、コネクタガード機能を有効にした通常の動作状態(第一の動作状態)で使用可能とする。
S106において、ピン部材38aがオーディオジャック26に挿入されていない判定された場合(S106のNo)、コネクタガード機能が有効にも拘わらず、カバー部材12Aaが情報処理装置10Aから外されている場合である。この場合、制御部(CPU22)は、外部機器用コネクタ28がアクセス可能な状態に晒されていると判定し、情報処理装置10Aの電源をOFF、つまり、非動作状態である第二の制御状態に切り替え(S110)、一旦このフローを終了する。
S104において、コネクタガード機能が有効でない場合(S104のNo)、情報処理装置10A(CPU22)は、通常の起動シーケンスを実行する(S112)。そして、CPU22が実現する制御部は、コネクタガード機能を有効に変更するか否かを問合せる画面を例えば、情報処理装置10Aのモニタ等に表示し、ユーザに選択させる(S114)。S114において、コネクタガード機能を有効にしないことが、ユーザ等によって指示された場合(S114のNo)、S108に移行し、制御部(CPU22)は、POST処理の終了後、OS(Operating System)を起動し、一旦このフローを終了する。つまり、コネクタガード機能を用いることなく情報処理装置10Aを動作状態(第一の動作状態)で通常使用することができる。
S114において、コネクタガード機能を有効にすることが、ユーザ等によって指示された場合(S114のYes)、制御部は情報処理装置10A(PC)を再起動し(S116)、S102に移行して、BIOSを再度実行し、S104以降の処理を実行する。
このように、カバー部材12Aaが情報処理装置10Aに装着されている場合、すなわち、ピン部材38aがオーディオジャック26に挿入されていることが確認できる場合のみ、情報処理装置10AのOSを起動して情報処理装置10Aを利用可能とする。一方、コネクタガード機能が有効のときに、カバー部材12Aaが情報処理装置10Aから外された場合(オーディオジャック26からピン部材38aが抜かれた場合)、情報処理装置10Aの電源は強制的にOFFされ、情報処理装置10Aが利用不可となる。その結果、カバー部材12Aaの装着の有無を検出する専用の検出機構を設けることなく、カバー部材12Aaの装着の有無を検出して、情報処理装置10Aの動作の状態の切り替えができる。つまり、コスト増加を抑制しつつ、ハードウエア的な対応、およびソフトウエア的な対応の両方により、外部機器用コネクタ28へのアクセス制限を実現することができる。
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態にかかる情報処理装置10Bであり、前面側でピン部材38aを用いてカバー部材12Abを装着する手順を説明する例示的かつ模式的な斜視図である。なお、第2実施形態で示すカバー部材12Abは、第1実施形態で示したカバー部材12Aaとは異なり、情報処理装置10Bの筐体14の前面側外壁面14fに設けられた外部機器用コネクタ28(例えば4個)のみを覆い、前面側外壁面14f以外の外壁面は覆わない簡易タイプの部材である。この場合、情報処理装置10Bの前面側外壁面14f以外の部分は、当該情報処理装置10Bの設置位置に存在する柱や壁等の躯体に埋め込まれ、背面側外壁面14rに形成された外部機器用コネクタ28等にはアクセスできないようにすることが望ましい。
カバー部材12Abは、カバー部材12Aaと同様に、例えば、板金を曲げ加工して形成される部材で、図7に示されるように、情報処理装置10Bの筐体14の外壁面のうち、例えば2面を覆うように構成されている。具体的には、カバー部材12Abは、第1カバー部分12Ab1、第2カバー部分12Ab2、および係合部12kを備える。
第1カバー部分12Ab1は、図7のように情報処理装置10Bが横置きされた場合のY-Z平面に沿う上面壁14tの前面側外壁面14f側の縁部分14teを覆う。第1カバー部分12Ab1は、第2カバー部分12Ab2と係合部12kを連結するための接続部材である。
第2カバー部分12Ab2は、情報処理装置10BのX-Y平面に沿う前面側外壁面14fに配置された外部機器用コネクタ28を覆う。また、第1カバー部分12Ab1には、装着状態で前面側外壁面14fに配置されたオーディオジャック26に対応する位置に、ピン部材38aのピン頭部42の形状に対応するピン開口部12mが形成されている。
係合部12kは、カバー部材12Abを情報処理装置10Bに装着する際に係合する部材である。図1で説明したように、係合部12kは、ピン部材38aが挿入されるピン開口部12mから例えば、Y方向に離れた位置で、かつ前面側外壁面14fに対する抜け方向が、ピン部材38aの抜け方向(例えば-Z方向)とは異なる方向(例えば-X方向)になるように形成されている。例えば、係合部12kは、第1カバー部分12Ab1に対して第2カバー部分12Ab2と同方向(X-Y平面に沿う方向)に折り曲げられている。また、係合部12kは、先端部に返し部12k1(例えばY-Z平面に沿って延びる部分)を備え、全体としては、例えばJ字のフック形状になっている。そして、筐体14の縁部分14teには、係合部12kおよび返し部12k1が挿入可能な形状の被係合部14fhが形成されている。つまり、カバー部材12Abは、ピン部材38aがオーディオジャック26に挿入されている場合に、カバー部材12Abが前面側外壁面14fから離反することを抑制可能な位置に、被係合部14fhと係合可能な係合部12kを備える。その結果、カバー部材12Abは、ピン部材38aがオーディオジャック26から抜かれない限り、前面側外壁面14fから外すことができない構造になっている。
カバー部材12Abを情報処理装置10Bに装着する場合、まず、返し部12k1が被係合部14fhを構成する縁部分14teの板材の下側に引っ掛かるように、カバー部材12AbをY-Z平面に対して斜めに倒した姿勢で係合部12kを被係合部14fhに挿入する。続いて、カバー部材12AbをX-Y平面に沿う前面側外壁面14fに平行となる姿勢に戻し、ピン開口部12mから露出したオーディオジャック26にピン部材38aを挿入する。その結果、外部機器用コネクタ28は、カバー部材12Abの第2カバー部分12Ab2によって覆われ、アクセスが抑制される。このとき、ピン部材38aのピン頭部42は、図5で説明したように、ピン開口部12mから突出しないように構成されているため、ピン部材38aをピン開口部2mから容易に抜き取ることができないようになっている。したがって、カバー部材12Abは、ピン部材38aがオーディオジャック26から抜かれない限り、情報処理装置10Bから外すことができなくなり、ハードウエア的なセキュリティ性を向上させることができる。また、カバー部材12Abを情報処理装置10Bに装着した場合、制御部(CPU22)は、図6で示す処理を実行し、ソフトウエア的にもセキュリティ性を向上することができる。つまり、カバー部材12Abが装着されているか否かを検出する検出機構(センサや検出回路等)を新たに設けることなく、ハードウエア的な対応とソフトウエア的な対応の両方を実行し、セキュリティ性を向上する構造を容易に実現することができる。
図8、図9は、ピン部材およびピン開口部の変形例を示す例示的かつ模式的な斜視図である。変形例において、ピン部材38a1は、オーディオジャック26に挿入された状態で、ピン開口部12m1に形成された第一のねじ部と噛合可能な第二のねじ部を有する。ピン部材38a1は、ピン頭部42Aが円筒状に形成され、その外周面に第二のねじ部として、例えば雄ねじ54が形成されている点以外、上述したピン部材38aと実質的に同じ形状である。また、図9に示されるように、第1カバー部分12Ab1に形成されたピン開口部12m1は、ピン部材38a1の雄ねじ54と螺合可能な第一のねじ部として、例えば雌ねじ56が形成された略円形の開口となっている。また、ピン頭部42Aのピン表面42Aaには、先端が特殊形状(例えば、星形形状)のレンチ等の特殊工具を装着可能な穴部58が形成されている。ピン部材38a1を、ピン開口部12m1を介して、オーディオジャック26に挿入する場合、穴部58に特殊工具を装着し、回転させることでピン部材38a1をピン開口部12m1に螺合させることができる。その結果、ピン部材38a1の抜き取りをより防止し易い構造とすることができる。なお、ピン部材38a1の場合も、ピン開口部12m1に螺合させた状態で、ピン頭部42Aが第2カバー部分12Ab2の表面から突出しないようにすることで、特殊工具を所持しない第三者によるピン部材38a1の抜き取りをより困難にし、不正防止に寄与することができる。また、特殊工具を所持する正規ユーザは、容易にピン部材38a1を抜き取り、カバー部材12Abを情報処理装置10Bから取り外すことが可能となり、作業性の向上に寄与することができる。
なお、第1実施形態のピン部材38aおよびピン開口部12mにも図8、図9に示すねじ構造を適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
<第3実施形態>
図10、図11に示すカバー部材12Baは、情報処理装置10Cの背面に装着されるケーブルボックスを流用して、上述した実施形態と同様に、セキュリティ性に関してハードウエア的な対応とソフトウエア的な対応の両方を行う構造を提供するものである。なお、第3実施形態に示すカバー部材12Baは、前面側に外部機器用コネクタ28が設けられていないタイプの情報処理装置10C、または、第2実施形態で説明したカバー部材12Abを前面側外壁面14fに装着済みの情報処理装置10Cに適用することができる。
カバー部材12Baは、周知のケーブルボックスと同様に、例えば、板金の折り曲げ加工および溶接等の接合手段により形成された、一方面が開放された有底の箱形形状の部材である。
そして、カバー部材12Baの内部で、例えば、低面壁を構成する第1カバー部分12Ba1には、カバー部材12Baが情報処理装置10Cの筐体14の背面側外壁面14rに装着された状態で、背面側外壁面14rに配置されたオーディオジャック26に挿入可能なピン部材38bが固定されている。ピン部材38bは、図2に示されるピン部材38aと同じ胴体部分40を備え、支持ブロック60に支持され、当該支持ブロック60が第1カバー部分12Ba1に固定されている。
また、カバー部材12Baの一方の側面を構成する第2カバー部分12Ba2には、筐体14の背面側外壁面14rのY方向の端部に設けられた雌型係合突起部62と係合可能な雄型係合突起部64が形成されている。雄型係合突起部64は例えば、-Y方向に延びる矩形の板状突起部材である。また、雌型係合突起部62は-Z方向に延びる矩形の板状突起部材で、雄型係合突起部64を挿入可能な開口部62aを備える。
また、第2カバー部分12Ba2と対向する側面である第3カバー部分12Ba3は、図11に示されるように、ケンジントンロック44を装着するためのスペースを形成するために、最端壁面となる第4カバー部分12Ba4よりY方向にオフセットされている。X-Y平面に沿い、第3カバー部分12Ba3と第4カバー部分12Ba4とを接続する第5カバー部分12Ba5は、ケンジントンロック44を装着する場合の装着面となる。図示を省略しているが、第5カバー部分12Ba5には、ケンジントンロック44のロック片44aが挿通可能な挿通口12h(図1の類似部を参照)が形成されている。一方、情報処理装置10Cの背面側外壁面14rの挿通口12hの対応位置には、ロック片44aが挿通可能な14khが形成されている。
なお、カバー部材12Baを構成する第2カバー部分12Ba2、第3カバー部分12Ba3、カバー部材12Baの背面を構成する第6カバー部分12Ba6、カバー部材12Baの上面を構成する第7カバー部分12Ba7等には、複数の開口部66が形成されている。各開口部66は、情報処理装置10Cの背面側外壁面14rに配置された外部機器用コネクタ28と異なる位置(外部機器用コネクタ28にアクセスできない位置)に形成されている。そして、開口部66はケーブルを引き出すために用いられたり、情報処理装置10Cのファンの排気に用いられたりすることができる。
このように構成されるカバー部材12Baを情報処理装置10Cに装着する場合、まず、図10に示されるように、斜めの姿勢で、雄型係合突起部64を雌型係合突起部62の開口部62aに挿入する。そして、雄型係合突起部64を開口部62aに挿入した状態で、カバー部材12Baを図10の図中矢印Rのように旋回させることにより、ピン部材38bをオーディオジャック26に挿入する。ピン部材38bがオーディオジャック26に挿入された状態で、挿通口12hとロック用開口部14khとが対面することになる。つまり、ケンジントンロック44のロック片44aをロック用開口部14khに挿入可能となり、ケンジントンロック44によるロックを成立させることができる。その結果、既存のジャック検出機構16B(図1参照)を用いたピン部材38bの挿入の有無検出、しいては、カバー部材12Baの装着の有無検出を行うことができる。また、ケンジントンロック44の装着によりセキュリティ性の向上を行うことができる。
また、カバー部材12Baを情報処理装置10Cに装着した場合、制御部(CPU22)は、図6で示す処理を実行し、ソフトウエア的にもセキュリティ性を向上することができる。つまり、カバー部材12Baが装着されているか否かを検出するセンサや検出回路を新たに設けることなく、ハードウエア的な対応とソフトウエア的な対応の両方を実現し、セキュリティ性を向上する構造を容易に構築することができる。
<総括>
このように、本実施形態の構成によれば、通常、情報処理装置に備えられる信号入力または信号出力のためのプラグ(例えばオーディオプラグ)が挿入されたことを検出可能なジャック(例えば、オーディオジャック)の検出機構を用いて、カバー部材の装着後に挿入されたピン部材の有無を検知する。つまり、ピン部材の有無に基づきカバー部材の装着の有無を制御部(CPU)に認識させることができる。そして、ピン部材の挿入の有無に基づいて、制御部(CPU)は、処理ユニットの制御状態(例えば、起動の是非)を切り替える。その結果、コネクタへのアクセス制限用の検出機構を別途設ける必要がなくなる。つまり、コスト増加を抑制しつつ、コネクタへのアクセス制限を、ハードウエア的な対応とソフトウエア的な対応の両方で容易に実現できる情報処理装置を得ることができる。
また、カバー部材は、ピン部材がオーディオジャックに挿入されている場合に、カバー部材が、オーディオジャックが配置された情報処理装置の外壁面から離反することを抑制可能な位置に、外壁面の被係合部と係合可能な係合部を備える。その結果、ピン部材がオーディオジャックから抜かれない限り、カバー部材は情報処理装置の外壁面から外すことができない構造を構成することができる。
また、ピン部材のピン頭部のピン表面がカバー部材のカバー表面から突出しないようにしている。その結果、ピン部材が一度ピン開口部に挿入された後は、ピン部材を容易に抜き出すことができないようにすることができる。
また、ピン部材は、オーディオジャックに挿入された状態で、ピン開口部に形成された第一のねじ部(例えば雌ねじ)と噛合可能な第二のねじ部(例えば雄ねじ)を有する。その結果、ピン部材の抜き取りをより防止し易い構造とすることができる。
また、制御部(CPU)は、ピン部材がオーディオジャックから抜脱されたことを検出した場合、第二の制御状態として処理ユニットを非動作状態に切り替える。つまり、既設のジャック検出機構を用いたピン部材の検出結果を用いて、ソフトウエア的なセキュリティ性の向上を行うことができる。
なお、上述した各実施形態や変形例において、オーディオジャック26のジャック検出機構16を用いて、ピン部材38の挿入の有無、つまりカバー部材12の装着の有無を検知する例をした。他の実施形態では、例えば、外部マイクの接続ジャックを用いてもよい。外部マイクが情報処理装置10に接続された場合、情報処理装置10は、内蔵マイクの利用から外部マイクの利用に切り替えられる。つまり、外部マイクの接続用のマイクジャックにもジャック検出機構を備える場合がある。このように、外部マイク用のジャック検出機構を備える場合、ピン部材38の挿入対象をマイクジャックとしてもよく、本実施形態と同様に効果を得ることができる。
また、図5の説明では、ピン部材38aをピン開口部12mに挿入した場合、ピン頭部42のピン表面42aがカバー表面12Aasより奥側(引っ込んだ位置)に位置するように、ピン部材38aを構成する例を示した。変形例では、ピン頭部42Aとカバー表面12Aasとが同じ高さ(同一平面)になるようにピン部材38aを構成してもよく、同様の効果を得ることができる。この場合、ピン頭部42のZ方向の厚みをより厚くすることが可能となり、ピン頭部42の強度の増加に寄与できる。また、図8に示すように、ピン頭部42Aの周面に雄ねじ54を形成する場合、雄ねじ54のネジ山数の増加が可能となり、噛合強度の増強に寄与できる。
本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。