JP7151450B2 - 磁場シールドボックス、生体磁場計測装置 - Google Patents

磁場シールドボックス、生体磁場計測装置 Download PDF

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本発明は、磁場シールドボックス及び生体磁場計測装置に関する。
筋萎縮性側索硬化症(ALS:Amyotrophic Lateral Sclerosis)や筋ジストロフィーを診断するには、針筋電計は不可欠な診断装置である。しかし、従来から行われてきた針筋電計を用いる方法では、被検者の筋肉に電極となる針を刺すことが不可避で、それによる痛みが伴う。そこで、針を不要とした様々な方法が検討されている。
針を不要とした方法としては、例えば、超伝導量子干渉素子(SQUID:Superconducting Quantum Interference Device)等を用いて、生体の磁場を検出する手法が挙げられる。磁場を検出する際には、外界の磁場を低減する必要があるため、磁場の計測に磁場シールドボックス(MSB:Magnetic Shield Box)が用いられる場合がある。
磁場シールドボックスとしては、例えば、開放型の構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、磁場の計測を磁場シールドルーム内で行うことも可能であり、その際に、光ポンピング原子磁気センサ(OPM:Optically Pumped atomic Magnetometer)をフィードバックセンサとして用いて、磁場シールドルーム内の磁場を低減する技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、OPMは、内部のガスセルに封止されているアルカリ金属(RbやCs)の緩和時間T1とT2によって決まる応答速度から、200Hz程度が高速応答の限界とされている。
一方、筋肉が発生させる磁場(筋磁場)の周波数は500Hz程度であるため、約10msecの筋磁場波形を検出する必要がある。そのため、応答速度の限界が200Hz程度であるOPMをフィードバックセンサとして用いた場合、必要な帯域でのフィードバックが困難である。その結果、磁場シールドボックス内の磁場を、筋磁場を検出するのに十分な磁場にまで低減することが困難であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、筋磁場を検出可能な磁場を内部に形成可能な磁場シールドボックスを提供することを目的とする。
本磁場シールドボックスは、外部の磁場を遮蔽する中空の遮蔽部材と、前記遮蔽部材に設けられた、磁場の計測を行う生体の部位を挿入する開口部と、前記遮蔽部材の内部において、前記部位の計測位置に配置された第1の磁気センサと、前記遮蔽部材の内部において、前記開口部と前記計測位置との間に配置された第2の磁気センサと、前記遮蔽部材の内部において、前記開口部と前記第2の磁気センサとの間に配置されたコイルと、を有し、前記開口部から前記計測位置までに傾斜磁場が形成され、前記傾斜磁場は、前記開口部の位置の磁場強度に対する前記計測位置の磁場強度の比をB1、前記第2の磁気センサが検出可能な磁場の最小値に対する計測したい磁場の最小値の比をB2としたときに、B1<B2を満足し、前記コイルは、前記第2の磁気センサの計測値に基づいて決定された電流を前記遮蔽部材の外部から供給されると、前記遮蔽部材の内部の磁場を低減する。
開示の技術によれば、筋磁場を検出可能な磁場を内部に形成可能な磁場シールドボックスを提供できる。
生体磁場計測装置の外観構成を例示する図である。 骨格筋の筋磁場を診断する場合の作業の流れを例示する図(その1)である。 骨格筋の筋磁場を診断する場合の作業の流れを例示する図(その2)である。 生体磁場計測装置のシステム構成の一例を示す図である。 第1実施形態に係る磁場シールドボックスの内部構成を例示する図である。 傾斜磁場について説明する図(その1)である。 傾斜磁場について説明する図(その2)である。 傾斜磁場について説明する図(その3)である。 傾斜磁場について説明する図(その4)である。 遮蔽部材内に腕を挿入した様子を例示する図(その1)である。 遮蔽部材内に腕を挿入した様子を例示する図(その2)である。 遮蔽部材内に腕を挿入した様子を例示する図(その3)である。 保持部の詳細構成を例示する図である。 光ポンピング原子磁気センサの概略構成を例示する図である。 筋繊維の電位伝播方向とセンサモジュールの光伝播方向について説明する図である。 保持部におけるセンサモジュールの配置例を示す図である。 可撓性フィルムの磁場シールド特性を例示する図である。 開閉機構部の機能を説明するための図(その1)である。 開閉機構部の機能を説明するための図(その2)である。 ヒトの筋肉の種類について説明する図である。 骨格筋の一例である短母指外転筋を模式的に示す図である。 針筋電計の波形(比較例)について例示する図(その1)である。 針筋電計の波形(比較例)について例示する図(その2)である。 一般的なセンサモジュールの応答速度について検討する図である。 センサモジュールの高精度化について説明する図(その1)である。 センサモジュールの高精度化について説明する図(その2)である。 センサモジュールの高精度化について説明する図(その3)である。 センサモジュールの高精度化について説明する図(その4)である。 センサモジュールの高精度化について説明する図(その5)である。 2つのセンサモジュールの配置の他の例を示す図(その1)である。 2つのセンサモジュールの配置の他の例を示す図(その2)である。 3つのセンサモジュールの配置の例を示す図である。 具体的な深さ方向の定量化方法を例示する図である。 情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 情報処理装置の機能構成の詳細を例示する図である。 電気刺激を与える位置と、磁場を検出する位置との位置関係を例示する図である。 骨格筋の筋磁場に基づいた診断をする場合の作業フローを例示する図である。 磁場検出処理の流れを例示するフローチャートである。 データ解析の流れを例示するフローチャートである。 第2実施形態に係る磁場シールドボックスを例示する斜視図である。 煙突構造の挿入穴の直径について説明する図である。 加工前の煙突構造を例示する図である。 煙突構造の他の例について説明する図(その1)である。 煙突構造の他の例について説明する図(その2)である。 遮蔽部材の形状のバリエーションの例(その1)である。 遮蔽部材の形状のバリエーションの例(その2)である。 遮蔽部材の形状のバリエーションの例(その3)である。 遮蔽部材の形状のバリエーションの例(その4)である。 遮蔽部材と補助遮蔽部材の着脱構造を例示する図である。 遮蔽部材の形状のバリエーションの例(その5)である。 第4実施形態に係る磁場シールドボックスの内部構成の一例を示す模式図である。 第4実施形態に係る磁場シールドボックスの内部構成の他の例を示す模式図である。 第5実施形態に係る補助部材について説明する図である。 第6実施形態に係る磁場シールドボックスについて説明する図である。 第7実施形態に係る磁場シールドボックスについて説明する図である。 第8実施形態に係る磁場シールドボックスの内部構成を例示する図である。 磁場シールドボックスとモジュール支持装置との連結について説明する図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
[第1実施形態]
<生体磁場計測装置の外観構成>
まず、第1実施形態に係る生体磁場計測装置の外観構成について説明する。図1は、生体磁場計測装置の外観構成を例示する図である。図1に示すように、生体磁場計測装置100は、磁場シールドボックス110と、超音波計測装置120と、発生部130aと入力端130bとを含む電気刺激装置130と、電流発生装置140と、情報処理装置160とを有する。但し、超音波計測装置120及び電気刺激装置130は、生体磁場計測装置100の必須の構成要素ではなく、必要に応じて設けることができる。
なお、以下では、被検者の四肢の一部である『手の骨格筋』、より具体的には『手の短母指外転筋』を生体磁場計測装置100の計測対象とする例を中心に説明する。但し、これは一例を示すものであり、生体磁場計測装置100の計測対象は『手の骨格筋』には限定されない。生体磁場計測装置100の計測対象は、後述のように、脚部や頭部等であってもよい。
磁場シールドボックス110は、被検者において発生する磁場を検出する装置である。磁場シールドボックス110は、被検者の腕が挿入され、所定の位置に手がセットされた状態で、手において発生する磁場を検出し、磁場データ(各時間における磁束密度のデータ群)を情報処理装置160に送信する。
なお、第1実施形態では、図1に示す磁場シールドボックス110に対して、長手方向をX軸方向、奥行き方向をY軸方向、高さ方向をZ軸方向とする。
超音波計測装置120は、超音波を送受信することで、手の脂肪の厚さ等を計測する装置である。超音波計測装置120では、計測した超音波データを、情報処理装置160に送信する。
なお、超音波計測装置120による計測は、例えば手の短母指外転筋の表層にある脂肪が、どの程度の厚みがあるかを定量化するために利用される。超音波計測装置120は、脂肪の位置と深さを3次元的に計測することができる。但し、脂肪の厚さは、被検者の体格や体重等からも類推できるので、超音波計測装置120による計測は必要に応じて行えばよい。
電気刺激装置130は、磁場シールドボックス110に、被検者の腕が挿入され、所定の位置に手がセットされた状態で、被検者の所定の部位に電気刺激を与える装置である。電気刺激装置130としては、例えば、日本光電製の「筋電図・誘発電位検査装置MEB9400シリーズ ニューロパックS1」等を用いることができる。
電気刺激装置130の発生部130aは、情報処理装置160からの指示に基づき、入力端130bの電極に印加する電圧を発生する。電気刺激装置130の発生部130aは、被検者の所定の部位に装着され、装着された部位に電圧を印加することで電気刺激を与える。
情報処理装置160は、超音波計測装置120から送信された超音波データを処理し、手の所定部分の脂肪の厚さを算出することができる。また、情報処理装置160は、所定のタイミングで電気刺激装置130に指示を送信し、電気刺激装置130を駆動させることができる。
また、情報処理装置160は、磁場シールドボックス110内の各部を駆動させるための指示を、磁場シールドボックス110に対して送信する。また、情報処理装置160は、磁場シールドボックス110から送信された磁場データを受信する。更に、情報処理装置160は、手の脂肪のデータと、受信した磁場データとを用いて、手の骨格筋の筋磁場を算出し、筋磁場の波形や、波形から算出した数値データを表示する。
生体磁場計測装置100は、被検者の骨格筋の自発筋磁場を算出し、筋磁場の波形や波形から算出した数値データを表示することができる。また、生体磁場計測装置100は、被検者に電気刺激を与えた際に誘発する被検者の骨格筋の筋磁場(誘発筋磁場)を算出し、筋磁場の波形や波形から算出した数値データを表示することができる。これらにより、生体磁場計測装置100を用いることで、医師等はALSや筋ジストロフィーの診断を適切に行うことができる。
例えば、ALSは手の筋肉にその障害の予兆が現れやすい。そこで、生体磁場計測装置100を用いて、例えば手の「短母指外転筋」の自発筋磁場または誘発筋磁場を検出することで、医師等はALSの進行度合いを推測することができる。
<骨格筋の筋磁場を診断する場合の作業の流れ>
次に、生体磁場計測装置100を用いて、手の骨格筋の筋磁場を診断する場合の作業の流れについて説明する。図2及び図3は、骨格筋の筋磁場を診断する場合の作業の流れを例示する図である。本実施形態では、短母指外転筋の磁場を検出する例を示す。
図2は、医師等が、超音波計測装置120を用いて、被検者200の手の脂肪の厚さを計測する様子を示している。図2に示すように、被検者200の手を超音波計測装置120を用いて計測することで、情報処理装置160では、被検者200の手の短母指外転筋の部分の脂肪の厚さを算出する。
図3(a)は、医師等が、被検者200に対して、磁場シールドボックス110に腕を挿入するように誘導し、手のひらを磁場シールドボックス110内の所定の位置にセットさせた様子を示している。
更に、図3(a)は、医師等が情報処理装置160を操作し、磁場シールドボックス110内に配されたカメラ(不図示)が、手のひらを撮影する様子を示している。図3(a)に示すように、被検者200の手のひらを撮影することで、情報処理装置160では画像データ310を表示する。
図3(b)は、医師等が、被検者200の肘部(被検体である手のひらとは異なる部位)に、入力端130bを装着した様子を示している。入力端130bを装着した状態で、医師等が情報処理装置160を操作することで、発生部130aが駆動し、被検者200(例えば肘部正中神経)に電気刺激を与える。これにより、磁場シールドボックス110では、手の短母指外転筋において発生する誘発筋磁場を検出し、磁場データを情報処理装置160に送信する。
一方、自発筋磁場を検出する場合は、医師等が、被検者200を促し、弱圧縮動作を行ってもらう。この場合、電気刺激は与えないため、図3(b)において入力端130bを装着する必要はない。磁場シールドボックス110は、弱圧縮動作に伴って手の短母指外転筋において発生する自発筋磁場を検出し、磁場データを情報処理装置160に送信する。
なお、生体磁場計測装置100が自発筋磁場のみを検出する場合には、生体磁場計測装置100は電気刺激装置130を有していなくても構わない。
誘発筋磁場の検出、自発筋磁場の検出の何れの場合も、情報処理装置160は、手の脂肪の厚さと磁場データとを用いて、手の短母指外転筋の筋磁場の波形データ320を生成し情報処理装置160に表示する。情報処理装置160は、筋磁場の波形データ320から算出した数値データを、波形データ320と共に、或いは波形データ320に代えて表示してもよい。
磁場シールドボックス110による筋磁場の検出と、情報処理装置160による波形データ320等の生成及び表示は、所定時間継続される。医師等は、波形データ320や波形データ320から算出した数値データをモニタすることで、被検者200のALSや筋ジストロフィーの診断を適切に行うことができる。
<生体磁場計測装置のシステム構成>
次に、生体磁場計測装置100のシステム構成について説明する。図4は、生体磁場計測装置のシステム構成の一例を示す図である。
図4に示すように、第1実施形態に係る生体磁場計測装置100において、磁場シールドボックス110内には、センサモジュール510、カメラ511、MIセンサ512、コイル513、保持部514が備えられている。なお、センサモジュール510は本発明に係る第1の磁気センサの代表的な一例であり、MIセンサ512は本発明に係る第2の磁気センサの代表的な一例である。
センサモジュール510は、光ホッピング原子磁気センサと位置センサとを内蔵し、所定の位置にセットされた手の短母指外転筋に対して、先端を押圧して接触させた状態で、手のひらにおいて発生する磁場(短母指外転筋の筋磁場)を検出する。センサモジュール510で計測する磁場は、自発筋磁場であってもよいし、誘発による生体磁場であってもよい。
また、センサモジュール510は、磁場を検出した際の位置を、内蔵する位置センサが検出する。更に、センサモジュール510は、検出した磁場データ及び位置データを、情報処理装置160の信号処理部560に送信する。
なお、センサモジュール510は1個でもよいが、複数個用いてもよい。後述の図5に示すように、一例として、本実施形態では、磁場シールドボックス110は3つのセンサモジュール510を有している。
カメラ511は、所定の位置にセットされた手を撮影し、画像データを情報処理装置160の信号処理部560に送信する。
MIセンサ512は、磁気インピーダンス素子(Magneto-Impedance element)を利用した固体磁気センサであり、磁場シールドボックス110内の磁場を計測する。MIセンサ512は、感度がサブnTであり、応答速度は1kHz以上、大きさは数cm程度である。MIセンサ512としては、例えば、MI-CB-1DH(Aich Micro Intelligent Corporation)を用いることができる。MIセンサ512は、計測した内部磁場データを、情報処理装置160の制御部562に送信する。
コイル513には、電流発生装置140の電流発生部540により、MIセンサ512の計測値に基づいて決定された電流が供給される。言い換えれば、電流発生部540は、MIセンサ512により計測された内部磁場データに基づいて、情報処理装置160の制御部562において算出された電流値を取得し、取得した電流値に基づきコイル513に流れる電流を制御する。これにより、磁場シールドボックス110の内部の磁場を低減し、筋磁場を検出可能な磁場を磁場シールドボックス110の内部に形成することができる。
保持部514は、センサモジュール510を保持する部材である。なお、保持部514は、所定の位置にセットされた手のひらに対して、センサモジュール510の先端が押圧して接触するようにセンサモジュール510を保持する。
また、図4に示すように、超音波計測装置120は、超音波測定部520を有する。超音波測定部520は、医師等から超音波計測開始の指示が入力されると、計測を開始し、超音波データを情報処理装置160の信号処理部560に送信する。
また、図4に示すように、発生部130aは、電気刺激制御部530を有する。電気刺激制御部530は、情報処理装置160の制御部562からの指示に基づき、入力端130bに配された電極に印加する電圧を発生する。
また、図4に示すように、電流発生装置140は、電流発生部540を有する。電流発生部540は、MIセンサ512により計測された内部磁場データに基づいて、情報処理装置160の制御部562において算出された電流値を取得し、取得した電流値に基づきコイル513に流れる電流を制御する。
また、図4に示すように、情報処理装置160は、信号処理部560、データ格納部561、制御部562、及び表示制御部563を有する。
信号処理部560は、超音波測定部520から送信された超音波データに基づいて、被検者200の手の脂肪の厚さを算出し、データ格納部561に格納する。また、信号処理部560は、カメラ511から送信された画像データを、データ格納部561に格納する。更に、信号処理部560は、データ格納部561に格納された手の脂肪の厚さと、センサモジュール510から送信された磁場データ及び位置データとを用いて、手の短母指外転筋の筋磁場の波形データを生成し、波形データをデータ格納部561に格納する。
制御部562は、医師等により入力された撮影指示を、表示制御部563を介して受信し、カメラ511に対して指示を送信する。また、制御部562は、MIセンサ512により計測された内部磁場データに基づいて電流値を算出し、電流発生部540に送信する。また、制御部562は、医師等により入力された磁場計測開始の指示を、表示制御部563を介して受信し、電気刺激制御部530及び電流発生部540に対して指示を送信する。
表示制御部563は、医師等により磁場計測開始の指示が入力されると、制御部562に通知する。また、表示制御部563は、磁場計測開始の指示が通知されたことに応じてデータ格納部561に格納された波形データを表示する。
<磁場シールドボックス110の内部構成>
次に、磁場シールドボックス110の内部構成について説明する。図5は、第1実施形態に係る磁場シールドボックスの内部構成を例示する図である。図5に示すように、磁場シールドボックス110は、外部の磁場を遮蔽する中空の遮蔽部材600により覆われている。
遮蔽部材600は、例えば、パーマロイの平板(厚さ2mm程度)を折り曲げ加工して形成することができる。この際、遮蔽部材600の内部の残留磁場を、筋磁場を計測できる程度まで低減するために、遮蔽部材600に用いられるパーマロイは、複数層構造(例えば、3層構造)とすることが好ましい。遮蔽部材600において、センサモジュール510やMIセンサ512の配線の通る穴、及び後述の開口部601以外は、磁場が漏れないように、パーマロイの板材を例えば溶接で張り合わせることができる。
磁場シールドボックス110の内部空間は、腕を挿入して手のひらがセットされる第1の空間610と、センサモジュール510を保持する保持部514が配される第2の空間630とに分けられている。
また、第1の空間610と第2の空間630との間には、境界部材620が設けられている。境界部材620は、例えば、パーマロイにより形成される。
境界部材620は、開口部601から少なくとも計測位置までの間に配置された、開口部601から挿入される生体を支持する支持体である。支持体となる境界部材620は、磁場の発生部位から距離が近いことから、生体と直接接することで非常に効果的にノイズ磁場(アーチファクト)を吸収できる。また、境界部材620を設けることで、第2の空間630内で反射拡散する電磁場を除去することが可能となり、第1の空間610内のノイズを低減できる。
遮蔽部材600には、磁場の計測を行う生体の部位を第1の空間610内に挿入する開口部601が設けられており、開口部601の周辺には開閉機構部602が配されている。開口部601から第1の空間610内に、例えば、被検者200の上腕から前腕までを挿入することができる。開口部601は、例えば、円形や楕円形とすることができる。
第1の空間610には、コイル513が配される。コイル513は、例えば、ソレノイドコイルである。コイル513は、例えば、開口部601の周囲を囲むように環状に配すことができる。また、第1の空間610には、MIセンサ512が配される。
一方、第2の空間630には、カメラ511、保持部514が配される。保持部514は、センサモジュール510を保持した状態で、境界部材620に固定されている。ここでは、一例として、保持部514は、3つのセンサモジュール510を保持している。
境界部材620の所定位置には開口部603が設けられており、開口部603には、可撓性フィルム621が固定されている。可撓性フィルム621が固定された開口部603は、第1の空間610内において手のひらがセットされる位置(計測位置)である。保持部514に保持されたセンサモジュール510の先端は、可撓性フィルム621を介して、第1の空間610内にセットされた手のひらに接触する。
可撓性フィルム621は、保持部514内のセンサモジュール510によって押圧されることで、被検体の表面形状に沿って変形する。可撓性フィルム621は、例えば、テフロン(登録商標)フィルムや、アモルファス金属の箔の表裏がPETフィルムによって加工された磁場シールドフィルム(アモルファス金属の箔を挟み込んだ磁場シールドフィルム)等で形成することができる。可撓性フィルム621として、例えば、光洋産業株式会社性のKOYOMSシートを用いることができる。
<磁場シールドボックス110の内部の磁場の低減>
遮蔽部材600の内部には、センサモジュール510やMIセンサ512の配線の通る穴、及び開口部601から侵入してくる磁場が発生し、開口部601からX軸方向に沿って離れる方向に傾斜状の残留磁場(すなわち、傾斜磁場)が存在する。ここで、傾斜磁場とは、場所によって強さが変化する磁場である。
本実施形態では、遮蔽部材600の内部の残留磁場を打ち消すために、遮蔽部材600の内部にMIセンサ512を配置し、遮蔽部材600の内部の開口部601の周辺にコイル513を配置する。そして、MIセンサ512で磁場を検出し、MIセンサ512の検出結果に基づいてコイル513に電流を流し、コイル513によって生成される電磁場によって、遮蔽部材600の内部の残留磁場をキャンセルする。これにより、遮蔽部材600の内部の計測位置における残留磁場を低減することが可能となり、微弱な磁場を検出することができる。
以下、磁場シールドボックス110内の磁場の低減について、詳しく説明する。図6は、傾斜磁場について説明する図(その1)であり、シミュレーションに用いる磁場シールドボックスを示す図である。図6(a)が外観を示す斜視図、図6(b)が部分断面を示す斜視図である。
図6に示すように、磁場シールドボックス110Aの遮蔽部材600Aは、パーマロイの3層構造であり、外形は辺A、辺B、及び辺C(辺A<Cかつ辺B<辺C)を有する直方体である。ここでは、辺Aと辺Bで形成される一方の面を底面、底面の反対面を上面とし、辺Aと辺C又は辺Bと辺Cとで形成される面を側面とする。
ここでは、一例として、遮蔽部材600Aにおいて、底面の辺Aの長さL=底面の辺Bの長さL=300mmである。また、底面の辺A及び辺Bと垂直な辺Cの長さL(長手方向の長さ)=600mmである。
遮蔽部材600Aの辺Aと辺Cで形成される側面の一方には円形の開口部601Aが設けられており、辺Aと辺Bで形成される底面にはセンサモジュール510の配線が通る穴601Cが設けられている。ここでは、一例として、開口部601Aの直径はφ12mmである。
図7は、傾斜磁場について説明する図(その2)であり、図6に示す遮蔽部材600Aの内部の傾斜磁場のシミュレーション結果である。図7において、横軸は遮蔽部材600Aの長手方向(辺Cに平行な方向)の位置であり、縦軸はシールド係数(遮蔽部材600Aの外部の磁場/遮蔽部材600Aの内部の磁場)である。
図7に示すシミュレーション結果によれば、遮蔽部材600Aの入り口付近(0mmの位置付近)では、10μT程度の磁場が存在している。そして、遮蔽部材600Aの長手方向の深い位置ほどシールド係数が大きくなっており、傾斜磁場が形成されていることがわかる。
図8は、傾斜磁場について説明する図(その3)であり、シミュレーションに用いる磁場シールドボックスを示す図である。図8(a)が外観を示す斜視図、図8(b)が部分断面を示す斜視図である。
図8に示すように、磁場シールドボックス110Bの遮蔽部材600Bは、パーマロイの3層構造であり、外形は円筒形である。ここでは、直径Lの一方の面を底面、底面の反対面を上面とし、底面と上面とを繋ぐ高さLの曲面を側面とする。
ここでは、一例として、遮蔽部材600Bにおいて、底面及び上面の直径L<高さLである。具体的には、底面の直径L=150mm、高さL=340mmである。
遮蔽部材600Bの底面には円形の開口部601Bが設けられている。ここでは、一例として、開口部601Bの直径はφ50mmである。
図9は、傾斜磁場について説明する図(その4)であり、図8に示す遮蔽部材600Bの内部の傾斜磁場のシミュレーション結果である。図9において、横軸は遮蔽部材600Bの軸方向(高さ方向)の位置であり、縦軸はシールド係数(遮蔽部材600Bの外部の磁場/遮蔽部材600Bの内部の磁場)である。
図9に示すシミュレーション結果によれば、遮蔽部材600Bの入り口付近(0mmの位置付近)では、10μT程度の磁場が存在している。そして、遮蔽部材600Bの軸方向の深い位置ほどシールド係数が大きくなっており、傾斜磁場が形成されていることがわかる。
図7及び図9のシミュレーション結果から、所定形状の遮蔽部材に開口部を設けると、遮蔽部材の内部には、開口部近傍の磁場が最も大きくなり開口部から離れるに従って磁場が小さくなる傾斜磁場が形成されることがわかる。また、図7及び図9のシミュレーション結果から、遮蔽部材の長さを調整することで、1000以上のシールド係数が得られることがわかる。
例えば、遮蔽部材の開口部付近において10μTの磁場があった場合、シールド係数が1000となる位置では約1/1000の磁場、すなわち約100nTの磁場となる。
そこで、図5に示す磁場シールドボックス110のように、遮蔽部材600の内部において、開口部601付近にコイル513を配置し、開口部601と計測位置(センサモジュール510の位置)との間にMIセンサ512を配置する。これにより、MIセンサ512が検出した磁場を、MIセンサ512の感度ぎりぎりまで低減するように、電流発生部540がコイル513に電流を流すことができる。電流発生部540がコイル513に流す電流は、例えば、数アンペア程度である。
MIセンサ512の感度は100pT程度であるから、MIセンサ512が開口部601の近傍の磁場を検出して、MIセンサ512の感度ぎりぎりである100pT程度までフィードバックをかけることが可能となる。その結果、開口部601の近傍(開口部601の内側)の磁場を100pT程度まで低減することができる。
このように、コイル513は、MIセンサ512の計測値に基づいて決定された電流を遮蔽部材600の外部にある電流発生装置140の電流発生部540から供給されると、開口部601の内側の磁場を低減することができる。
遮蔽部材600には、開口部601から離れるに従って磁場が小さくなる傾斜磁場が形成されているので、開口部付近の磁場が100pT程度であれば、シールド係数が約1000となる位置では、100fT程度の磁場となる。
磁場を100fT程度まで低減した位置にセンサモジュール510を配することで、センサモジュール510により、筋肉が発生させる極めて微弱な磁場(例えば、1pTで500Hz)を検出することが可能となる。もちろん、シールド係数が1000よりも大きくなる位置に、センサモジュール510を配してもよい。
また、MIセンサ512の応答速度は1kHzを超えるので、この速度でフィードバックを行うことで、筋肉が発生させる極めて微弱な磁場(例えば、1pTで500Hz)を検出するに十分な磁場を形成できる。一方、従来のように、応答速度が200Hz程度であるセンサモジュール510を用いてフィードバックを行っても、筋肉が発生させる極めて微弱な磁場(例えば、1pTで500Hz)を検出するに十分な磁場を形成することはできない。
なお、開口部601の位置の磁場強度に対する計測位置(センサモジュール510の位置)の磁場強度の比をB1、MIセンサ512が検出可能な磁場の最小値に対する計測したい磁場の最小値の比をB2としたときに、B1<B2を満足する。これにより、計測位置の磁場を、検出したい磁場よりも小さくすることができる。
例えば、シールド係数が1000の位置ではB1=1/1000である。また、MIセンサ512が検出可能な磁場の最小値は100pT程度、計測したい磁場の最小値は1pT程度であるから、B2=1/100である。この場合、B1<B2を満足する。
また、開口部601の位置の磁場強度に対する計測位置の磁場強度の比をB1、センサモジュール510が検出可能な磁場の最小値に対するMIセンサ512が検出可能な磁場の最小値の比をB3としたときに、B1<B3を満足する。これにより、センサモジュール510が検出可能な磁場の最小値よりも、計測位置のノイズを低減できる。つまり、センサモジュール510の最大限のパフォーマンスを利用できる。
例えば、シールド係数が1000の位置ではB1=1/1000である。また、センサモジュール510が検出可能な磁場の最小値は10fT程度、MIセンサ512が検出可能な磁場の最小値は100pT程度であるから、B3=110fT/100pT=1.1/1000である。この場合、B1<B3を満足する。
<遮蔽部材の内部に被検体をセットする例>
次に、遮蔽部材600の内部に腕を挿入した場合の、各部との位置関係について説明する。図10は、遮蔽部材内に腕を挿入した様子を例示する図である。図10に示すように、被検者200は、第1の空間610に設けられた開口部601から腕210を挿入することで、手のひら220を、可撓性フィルム621が固定された位置にセットする。
本実施形態では、センサモジュール510は、短母指外転筋を検出できるように遮蔽部材600の内部にレイアウトされている。また、腕210の大部分が遮蔽部材600の内部に入るように、かつ、遮蔽部材600ができるだけ細くなるように設計されている。
遮蔽部材600は、例えば、直径が約150mm、長さが約600mmの円筒形とすることができる。これは、一般的な男性の手の大きさ(掌をしぼめた状態)によって円筒形の直径を決定し、女性の腕の長さで円筒形の長さを決定した場合の例である。円筒形をできるだけ細長くした方が、シールド性能が向上する。
但し、遮蔽部材600は、円筒形には限定されず、直方体や円錐台形等の腕を挿入可能な任意の形状とすることができる。
手のひら220がセットされた状態で、開口部601の周辺に設けられた開閉機構部602が閉状態となるため、第1の空間610は密閉される。このように、磁場シールドボックス110の遮蔽部材600は、内部に、被検者200の手のひら220をセット可能(保持可能)である。
また、カメラ511は、センサモジュール510とはY軸方向の異なる位置に配され、手のひら220がセットされた状態で、開口部603を介して手のひら220を撮影することができる。更に、手のひら220がセットされた状態で、保持部514内のセンサモジュール510は、手のひら220において発生した磁場を検出することができる。
なお、図10は、被検者200が座った状態で遮蔽部材600の開口部601から腕210を挿入する例であるが、図11及び図12に示すように、被検者200が仰向けの状態で遮蔽部材600の開口部601から腕210を挿入してもよい。
<保持部の詳細構成>
次に、保持部514の詳細構成について説明する。図13は、保持部の詳細構成を例示する図である。
センサモジュール510_1、センサモジュール510_2、及びセンサモジュール510_3は、例えば、X軸方向に沿って配列されている。
センサモジュール510_1は、弾性部材801_1(例えば、ばね)を介して、支持台802_1に支持されている。また、センサモジュール510_2は、弾性部材801_2(例えば、ばね)を介して、支持台802_2に支持されている。また、センサモジュール510_3は、弾性部材801_3(例えば、ばね)を介して、支持台802_3に支持されている。また、支持台802_1、802_2、及び802_3は、保持部514に固定されている。
このように、弾性部材801_1~801_3を介して、センサモジュール510_1~510_3を支持することで、センサモジュール510_1~510_3の先端を、手のひら220に対して、押圧して接触させることができる。
センサモジュール510_1とセンサモジュール510_2とは、パーマロイの仕切り壁803により仕切られている。また、センサモジュール510_2とセンサモジュール510_3とは、パーマロイの仕切り壁804により仕切られている。センサモジュール間にパーマロイの仕切り壁を設けることで、センサモジュール間でクロストークが生じることを防止できる。
図13に示すように、センサモジュール510_1は、ガスセル1021_1及び位置センサ1031_1を内蔵している。また、センサモジュール510_2は、ガスセル1021_2及び位置センサ1031_2を内蔵している。センサモジュール510_3は、ガスセル1021_3及び位置センサ1031_3を内蔵している。
ガスセル1021_1、ガスセル1021_2、及びガスセル1021_3は、例えば、短母指外転筋において発生する磁場を検出する。位置センサ1031_1、位置センサ1031_2、及び位置センサ1031_3は、磁場を検出した際の位置を検出する。
<光ポンピング原子磁気センサの概略構成>
次に、センサモジュール510に内蔵された光ポンピング原子磁気センサの概略構成について説明する。図14は、光ポンピング原子磁気センサの概略構成を例示する図である。図14に示すように、光ポンピング原子磁気センサは、ルビジウム原子のガスセルに、レーザビームを入射し、ガスセルを透過したレーザビームを、光検出器で検出する。ガスセルを透過するレーザビームは、Y軸方向またはZ軸方向に発生した磁場の大きさに応じて、吸収されるため、Y軸方向またはZ軸方向に磁場が発生すると、光検出器で検出されるレーザビームの強度は低下する。
このため磁場が発生していない状態で、光検出器で検出されたレーザビームの強度と、磁場が発生している状態で、光検出器で検出されたレーザビームの強度とを対比することで、磁場の大きさを算出することができる。なお、ガスセルの周囲には、コイルが巻かれており、適切な交流電流が印加される。
このように、光ポンピング原子磁気センサは、レーザビームの入射方向(光伝播方向)と略直交する方向の磁場を検出することができる。本実施形態では、レーザビームの入射方向と略平行な方向を、X軸方向とし、レーザビームの入射方向と略直交する方向を、それぞれ、Y軸方向、Z軸方向とおく。
ガスセルは、例えば、筐体表面から約6mmの位置に配置されており、この箇所の磁場を検出する。以下、ガスセルと記した場合、検出位置としての意味合いを持つ。
例えば、短母指外転筋の筋繊維の方向に筋電位が伝播する。その方向を電位伝播方向と定義できる。図15に示すように、短母指外転筋250の筋繊維の電位伝播方向P(筋繊維の方向)と、センサモジュール510の光伝播方向(X軸方向)とを略平行にすることにより、磁場計測を高精度に行うことができる。
<保持部におけるセンサモジュールの配置例>
図16は、保持部におけるセンサモジュールの配置例を示す図である。図16の例では、Y軸方向に沿ってセンサモジュール510_1、510_2、及び510_3を並列に並べている。図16において、手のひら220が所定の位置にセットされた状態において、手のひら220の筋繊維255は、YZ平面に略直交するX軸方向に走行する。
筋繊維方向(X軸方向)に伝播する電位は、電流と同様に理解することができ、その回転方向に磁場が発生する。例えば、筋繊維255に、紙面手前から奥に向かって電流が流れると、YZ平面には、矢印Mの方向の磁場が発生する。この結果、ガスセル1021_1~1021_3の位置には、矢印V1~V3で示すようなベクトルの方向が異なる磁場が発生することになる。このように、センサモジュールを1箇所置くよりも、複数個所配置してY方向及びZ方向の磁場を検出することで、筋電位が派生している箇所が同定できる。
<可撓性フィルムの磁場シールド特性>
次に、可撓性フィルム621の磁場シールド特性について説明する。図17は、可撓性フィルムの磁場シールド特性を例示する図である。図17において、横軸は周波数を示し、縦軸は磁場の透過率を示している。
図17に示すように、境界部材620に固定される可撓性フィルム621は、1[Hz]より高い周波数帯域の磁場を透過することができる(0.01[Hz]から1[Hz]の周波数帯域の磁場を遮蔽するフィルタ機能を有する)。これにより、センサモジュール510_1~510_3は、可撓性フィルム621を介して被検者200に接触させた場合であっても、手のひら220に電流が流れることで発生する磁場(100[Hz]以上)を、感度よく検出することができる。
<開閉機構部の説明>
次に、遮蔽部材600に設けられた開口部601の周辺に配された、開閉機構部602について説明する。
図18は、開閉機構部の機能を説明するための図(その1)であり、遮蔽部材600をX軸方向から見た様子を示している。このうち、図18(a)は、開閉機構部602が開状態の場合を示している。図18(a)に示すように、開閉機構部602が開状態の場合、遮蔽部材600に設けられた開口部601に対して、被検者200が腕を挿入するための挿入口1220は一定面積以上となる。これにより、被検者200は、第1の空間610内に容易に腕を挿入することができる。
一方、図18(b)は、開閉機構部602が閉状態の場合を示している。図18(b)に示すように、開閉機構部602が閉状態の場合、遮蔽部材600に設けられた開口部601に対して、挿入口1220が絞られる。これにより、被検者200が第1の空間610内に腕を挿入した状態で、第1の空間610内を密閉することができる。
図19は、開閉機構部の機能を説明するための図(その2)であり、遮蔽部材600をY軸方向から見た様子を示している。このうち、図19(a)は、開閉機構部602が開状態で、被検者200が手220を挿入する様子を示している。
一方、図19(b)は、開閉機構部602が閉状態で、被検者200が腕210を挿入した後の様子を示している。図19(b)に示すように、開閉機構部602は閉状態において、被検者200の腕210の一部を把持する。
<筋肉の種類>
ヒトの筋肉には3種類あることが知られており、図20に示すように、ヒトの筋肉には、骨格筋、心筋、平滑筋がある。今まで、心筋を狙った生体磁場計測装置は存在したが、骨格筋を狙った生体磁場計測装置は知られていない。
骨格筋は唯一随意運動が可能かつ、脳や運動神経に支配されているため、ALSや筋ジストロフィーの診断に利用する針筋電計では、主に骨格筋を検査する。これは随意運動時に発生される筋電波形を読み解くことで、その疾患を判断できるためである。また、この骨格筋は長い円柱状の筋細胞であり(以下、筋繊維と呼ぶ)、ある一定距離を繊維方向に電位が伝播することが知られている。
図21は、骨格筋の一例である短母指外転筋を模式的に示す図である。図21に示すように、短母指外転筋250は、筋繊維255の束になっており、全体の長さLが40mm程度、全体の幅が20mm程度である。センサモジュール510の1つ当たりの外径は十数mm程度であるため、図21に示すように、例えば、筋繊維255の電位伝播方向P(X軸方向)に、センサモジュール510_1及び510_2を並列に並べることができる。
これに対し、心筋や平滑筋は面状の筋肉であるため、繊維方向が規定しにくい。また、心筋や平滑筋では、筋電位も面上に広がっていく。そのため、心筋や平滑筋では、筋繊維方向にセンサモジュール510を並べたり、筋繊維方向にセンサモジュール510_1及び510_2の光軸OAを合わせることは実質できない。
なお、図21において、257は脂肪を模式的に示し、259は運動神経を模式的に示している。また、Dは、放電する様子を模式的に示している。
<針筋電計の波形(比較例)>
図22は、針筋電計の波形(比較例)について例示する図(その1)である。図22に示すように、一般にALS等の検査に用いられる針筋電計の波形は、10msec程度の2~3相(マイナスとプラスの電位が2回と1回繰り返される)波形となる。この波形が、多相になったり、スパイキーになったりすることを検出して診断を行う。また、波形が多相やスパイキーになる頻度を検出して診断を行う。また、波形の強さ(電位にして1mV、磁場では1pT程度が標準)を検出して診断を行う。
図23は、針筋電計の波形(比較例)について例示する図(その2)である。図23に示ように、安静時にも同様に線維自発電位や陽性鋭波等の波形を見ることで、異常な放電がないかを検査する。
<光ポンピング原子磁気センサを備えた一般的なセンサモジュールの応答速度>
光ポンピング原子磁気センサを備えた一般的なセンサモジュールとして、例えば、QUSPIN社から発売されているOPM装置がある。OPM装置の応答速度はガスセルのアルカリ金属の希ガスの緩和時間T1とT2によって規定されており、一般的には、200Hz程度である。
図24は、一般的なセンサモジュールの応答速度について検討する図であり、OPM装置が1つのモジュールで計測できる波形を示している。
図24(a)の元データは、針筋電計で取得した健常者の短母指外転筋の弱圧縮波形であり、2~3種類の運動単位が検出されている。図24(a)の2~3種類の波形を区別することが必要である。
図24(b)~図24(d)は応答速度が異なる場合に、図24(a)の2~3種類の波形を区別できるかどうかを示すものである。図24(b)に示す1kHzの応答速度や、図24(c)に示す500Hzの応答速度では波形の区別ができるが、図24(d)に示す200Hzの応答速度では波形の区別が十分にはできないことがわかる。
すなわち、OPM装置の応答速度200Hzでは、短母指外転筋の弱圧縮波形を区別することが困難である。短母指外転筋の弱圧縮波形を区別するには、200Hzよりも高い応答速度が必要であり、少なくとも500Hz前後の応答速度を有する装置を用いることが好ましい。
<センサモジュールの高精度化>
次に、センサモジュールの高精度化について説明する。前述の図21に示したように、例えば、センサモジュール510_1及び510_2を筋繊維255の電位伝播方向Pに並列に並べる場合を考える。
図25は、センサモジュールの高精度化について説明する図(その1)である。図25に示すように、計測点が例えば5msecおきの場合、図21におけるセンサモジュール510_1及び510_2の信号は、それぞれ異なる位置で計測されたものであり、それぞれが意味のあるデータである。そのため、それらを統合することで高精度なデータを算出できる。
一般に骨格筋の電位伝播速度は数十m/secであり、数cmを伝播するには、数msecの時間がかかる。そのため、図21に示すように電位伝播方向Pにセンサモジュール510_1及び510_2を並べることで、図25に示すようにセンサモジュール510_1及び510_2の検出する時間が数msecずれることになる。この時間をT1と定義する。T1は、センサモジュール510_1とセンサモジュール510_2との距離に依存する。
図26は、センサモジュールの高精度化について説明する図(その2)であり、図25のセンサモジュール510_2の各データをT1の時間だけ矢印方向にシフトさせた様子を模式的に示している。図26に示すように、5msecおきの計測(合計で約20msec)では5点だったデータが、その倍に近い9点となって表示され、計測データの高精度化が達成されている。なお、伝播波形が大きく崩れないことは、電位計測等によって知られている。
図27は、センサモジュールの高精度化について説明する図(その3)である。図27に示すように、運動神経259が筋繊維255のX軸方向の中央付近に結合しており、その部分で発火し(中央発火)、筋繊維255に沿った2方向P1及びP2(互いに反対方向)に電位伝播する場合がある。
図28は、センサモジュールの高精度化について説明する図(その4)であり、図27の場合の信号波形を示している。この場合は、骨格筋の電位伝播速度とは異なるので、図26のようにT1で補正することは正しくない。中央発火は、信号波形を見ることである程度推察することが可能であり、中央発火の場合は、図28に示すT2を定義して、図29に示すようにT2分のシフトを行う。2つの波形の測定点が近いため、図26の場合に比べて測定点が増えた分の補正の効果は少ないが、S/N等を向上させる価値はある。
このように、センサモジュール510_1及び510_2を筋繊維255の電位伝播方向Pに並列に並べたことにより、時間分解能が向上するか、またはS/Nが向上する。
図30及び図31は、2つのセンサモジュールの配置の他の例を示す図である。図30は筋繊維方向をX軸方向として上方から視た様子を示し、図31はYZ平面に垂直な方向から視た様子を示している。図30及び図31において、例えば、筋繊維255に、紙面奥から手前に向かって電流が流れると、YZ平面には、矢印Mの方向の磁場が発生する。
図30及び図31では、筋繊維方向であるX軸方向(電位伝播方向Pと同方向)と垂直なY軸方向に、センサモジュール510_1及び510_2を並列に並べている。なお、先にも述べたように、筋繊維255の束である短母指外転筋250の全体の幅Lは、20mm程度である。
図30及び図31に示すように、Y軸方向にセンサモジュール510_1及び510_2を並列に並べることで、短母指外転筋250の20mm幅のどの辺の筋繊維255が発火したかを検出することができる。図30及び図31の例では、紙面左端に発火位置があることが同定できる。
図32は、3つのセンサモジュールの配置の例を示す図である。図32に示すように、例えば、3個のセンサモジュール(センサモジュール510_1~510_3)を配置してもよい。この場合、光軸方向に隣接するセンサモジュール510_2とセンサモジュール510_3との間にパーマロイ800を挟むことが好ましい。例えば、隣接するセンサモジュール間に2mm程度のパーマロイ800を挟むことで、クロストークを低減することができる。
また、図32において、電位伝播方向P(筋繊維方向)にセンサモジュール510_1~510_3の光軸OA1~OA3(光伝播方向)を合わせることで、Z方向の磁場データとY方向の磁場データとの比から、深さ方向の情報を得ることができる。
また、センサモジュール510_1とセンサモジュール510_2及び510_3のX軸方向の距離Lxは、センサモジュール510_2とセンサモジュール510_3のY軸方向の距離Lyより小さいことが好ましい。
すなわち、Lx<Lyの関係とすることが好ましい。これは、光伝播方向のクロストークの方が光伝播方向に垂直な方向のクロストークより大きく、これを回避する必要があるためである。Lx<Lyの関係を維持することで、センサモジュールのレイアウト上、最密充填位置となり、高精度に筋繊維の波形を推定することができる。
方向の磁場データとY方向の磁場データとを比較して発火位置の深さ方向の距離Zkを算出する方法について説明する。深さ方向の情報は、磁場と電流との関係にビオサバールの方式が成り立つことから、距離の2乗に強度が比例する。距離を推定し、その距離による補正係数を検出した磁場強度にかけることで、深さに依存しない磁場を検出できる。磁場の大きさは、筋ジストロフィーの方は小さくなり、ALSの方は大きくなる(ジャイアント運動単位(MUP))ことが知られていることから、このような補正をすることは正確な診断に重要である。
図33は、具体的な深さ方向の定量化方法を例示する図である。図33では、発火位置Dを中心に磁場が同心円状に形成されている。LS1は、センサモジュール510_1の位置において、磁場M2に垂直に引かれた垂線である。また、LS2は、センサモジュール510_2の位置において、磁場M3に垂直に引かれた垂線である。垂線LS1と垂線LS2との交点が、発火位置Dとなる。
発火位置Dから、センサモジュール510_1とセンサモジュール510_2とを結ぶ線分LS3に下した垂線LS4により、センサモジュール510_1とセンサモジュール510_2との距離LyがLy2とLy3に分けられる。このとき、Ly2とLy3は、θとφとZkとで表現できる。
すなわち、センサモジュール510_1及び510_2の検出データのピーク値ZnとYnとの比「Zn/Yn」を求めると、tanφ=Z2/Y2、tanθ=Z3/Y3である。また、Ly2×tanφ=Zk、Ly3×tanθ=Zk、Ly2+Ly3=Lyである。Z2/Y2、Z3/Y3、Ly2、Ly3、及びLyは全て既知であるから、これの値から発火位置の深さ方向の距離Zkを算出できる。
<情報処理装置のハードウェア構成>
次に、情報処理装置160について説明する。図34は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図34に示すように、情報処理装置160は、CPU(Central Processing Unit)1501、ROM(Read Only Memory)1502、RAM(Random Access Memory)1503を有する。CPU1501、ROM1502、RAM1503は、いわゆるコンピュータを形成する。
また、情報処理装置160は、補助記憶装置1504、表示装置1505、操作装置1506、I/F(Interface)装置1507、ドライブ装置1508を有する。なお、情報処理装置160の各ハードウェアは、バス1509を介して相互に接続されている。
CPU1501は、補助記憶装置1504にインストールされている各種プログラム(例えば、上述した信号処理部560、制御部562、表示制御部563を実現するためのプログラム(情報処理プログラムと称す)等)を実行する演算デバイスである。
ROM1502は、不揮発性メモリである。ROM1502は、補助記憶装置1504にインストールされている各種プログラムをCPU1501が実行するために必要な各種プログラム、データ等を格納する主記憶デバイスとして機能する。具体的には、ROM1502はBIOS(Basic Input/Output System)やEFI(Extensible Firmware Interface)等のブートプログラム等を格納する、主記憶デバイスとして機能する。
RAM1503は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリである。RAM1503は、補助記憶装置1504にインストールされている各種プログラムがCPU1501によって実行される際に展開される作業領域を提供する、主記憶デバイスとして機能する。
補助記憶装置1504は、各種プログラムや、各種プログラムが実行されることで取得される情報を格納する補助記憶デバイスである。例えば、データ格納部561は、補助記憶装置1504において実現される。
表示装置1505は、各種画像データ(画像データ310、波形データ320等)を表示する表示デバイスである。操作装置1506は、医師等が情報処理装置160に対して各種指示を入力する入力デバイスである。I/F装置1507は、超音波計測装置120、磁場シールドボックス110、電気刺激装置130等と接続され、情報処理装置160が、各装置との間で通信を行うための通信デバイスである。
ドライブ装置1508は記録媒体1510をセットするためのデバイスである。ここでいう記録媒体1510には、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する媒体が含まれる。また、記録媒体1510には、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等が含まれていてもよい。
なお、補助記憶装置1504にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記録媒体1510がドライブ装置1508にセットされ、該記録媒体1510に記録された各種プログラムが読み出されることでインストールされる。或いは、補助記憶装置1504にインストールされる各種プログラムは、不図示のネットワークよりダウンロードされることでインストールされてもよい。
<情報処理装置の機能構成の詳細>
次に、情報処理装置160の機能構成の詳細について説明する。図35は、情報処理装置の機能構成の詳細を例示する図である。
図35に示すように、信号処理部560は、超音波データ取得部1601、画像データ取得部1602、磁場データ取得部1603、及びデータ解析部1604を有する。
超音波データ取得部1601は、超音波測定部520から送信された超音波データを取得し、取得した超音波データに基づいて、被検者200の手のひら内の所定位置の脂肪の厚さを算出し、データ格納部561に格納する。
画像データ取得部1602は、カメラ511から送信された画像データを取得し、取得した画像データを、データ格納部561に格納する。
磁場データ取得部1603は、センサモジュール510から送信された磁場データを取得し、データ格納部561に格納する。
データ解析部1604は、データ格納部561に格納された磁場データを読み出し、磁場データを補間した波形データを生成し、波形データに基づいた数値データを算出し、波形データ及び数値データをデータ格納部561に格納する。
また、図35に示すように、制御部562は、撮影制御部1611、磁場調整部1612、及びタイミング制御部1614を有する。
撮影制御部1611は、表示制御部563の操作受付部1621から撮影指示を受信すると、カメラ511に撮影指示を送信する。
磁場調整部1612は、表示制御部563の操作受付部1621より、磁場計測開始の指示を受信すると、MIセンサ512により計測された内部磁場データを取得し、コイル513に流す電流の電流値を算出し、電流発生部540に送信する。
タイミング制御部1614は、表示制御部563の操作受付部1621より、磁場計測開始の指示を受信すると、所定のタイミングで、電気刺激制御部530に対して指示を送信する。
更に、図35に示すように、表示制御部563は、操作受付部1621、画像データ表示部1622を有する。
操作受付部1621は、撮影指示が入力されると、撮影制御部1611に撮影指示を通知する。また、操作受付部1621は、医師等により磁場計測開始の指示が入力されると、磁場調整部1612及びタイミング制御部1614に通知する。
画像データ表示部1622は、データ格納部561に格納された筋磁場の波形データ及び/又は数値データを読み出し、波形データ及び/又は数値データを表示する。
<電気刺激を与える位置と磁場を検出する位置との位置関係>
次に、電気刺激装置130の入力端130bが装着されることで、被検者200に対して電気刺激が与えられる位置と、センサモジュール510が、磁場を検出する位置との位置関係について説明する。
図36は、電気刺激を与える位置と、磁場を検出する位置との位置関係を例示する図である。図36に示すように、電気刺激装置130の入力端130bは、被検者200の腕の一部(手のひらとは異なる部位、例えば、肘)に装着される。
一方、手のひら220は、遮蔽部材600の内部の所定の位置にセットされ、当該位置において、センサモジュール510により磁場が検出される。このため、電気刺激を与える位置と磁場を検出する位置との間は所定距離だけ離れる。その結果、電気刺激が与えられてから、センサモジュール510が磁場を検出するまでには、所定距離分の時間差が生じることになる。
<診断作業の説明>
次に、医師等が生体磁場計測装置100を用いて、被検者200の骨格筋の筋磁場に基づいた診断を行う際の、診断作業について説明する。図37は、骨格筋の筋磁場に基づいた診断をする場合の作業フローを例示する図である。ここでは、一例として、手の短母指外転筋の筋磁場を検出する例を示す。
ステップS1901において、医師等は、超音波計測装置120を用いて、被検者200の手のひらに対して、超音波計測を行う。これにより、超音波計測装置120から情報処理装置160に超音波データが送信される。
ステップS1902において、情報処理装置160の超音波データ取得部1601は、被検者200の超音波データを処理し、被検者200の手の短母指外転筋に対応する位置の脂肪の厚さを算出する。
ステップS1903において、医師等は、遮蔽部材600の内部に腕を挿入するよう被検者200を促し、被検者200の手を、所定の位置にセットさせる。なお、被検者200の手が概ね適切な位置に来るように、遮蔽部材600の内部にガイドを形成しておくことが好ましい。これにより、被検者200の短母指外転筋をセンサモジュールの位置におおよそ誘導することができる。この状態で補助のガイドにより、被検者200の手を軽く固定することが好ましい。
ステップS1904において、医師等は、電気刺激装置130の入力端130bを、被検者200の腕に装着する。
ステップS1905において、医師等は、情報処理装置160を操作することで、撮影指示を入力し、カメラ511を駆動させる。これにより、カメラ511では、所定の位置にセットされた被検者200の手のひらを撮影し、画像データを情報処理装置160に送信する。
ステップS1906において、情報処理装置160の画像データ取得部1602は、被検者200の手のひらの画像データを取得する。
ステップS1907において、医師等は、情報処理装置160を操作することで、磁場計測開始の指示を入力する。
ステップS1908において、磁場調整部1612は、MIセンサ512により計測された内部磁場データを取得し、電流値を算出する。また、電流発生部540は、算出された電流値の電流をコイル513に流すことで、遮蔽部材600の内部の磁場を低減する。
遮蔽部材600の内部のセンサモジュール510の位置における磁場は、前述のように、傾斜磁場を利用して、例えば100fT程度に低減することができる。これにより、骨格筋が発生させる極めて微弱な磁場(例えば、1pTで500Hz)を検出することが可能となる。
ステップS1909において、生体磁場計測装置100を構成する各部が、磁場検出処理を実行する。磁場検出処理の詳細は後述する。
ステップS1910において、画像データ表示部1622は、被検者200の骨格筋の筋磁場のデータを表示する。例えば、図3(b)に示した短母指外転筋の筋磁場の波形データ320が情報処理装置160に表示される。
ステップS1911において、医師等は、ステップS1909で得られたデータに基づいて、被検者200の骨格筋の筋磁場について診断を行う。
<磁場検出処理の詳細>
次に、磁場検出処理(ステップS1909)の詳細について説明する。図38は、磁場検出処理の流れを例示するフローチャートである。
ステップS2001において、医師等は、被検者200に対し随意運動(弱圧縮動作)を促す。なお、このとき、電気刺激装置130は、被検者200に対する電気刺激を停止している。
ステップS2002において、センサモジュール510は、随意運動中の磁場の検出を開始する。
ステップS2003において、医師等は、センサモジュール510の検出結果をモニタしながら、適切な波形が出てくるように、被検者200に声がけをして適切な圧縮状態になるように誘導する。
ステップS2004において、センサモジュール510は、随意運動中の短母指外転筋の筋磁場の検出を1分程度継続して行う。
ステップS2005において、センサモジュール510は、磁場の検出を停止し、磁場データ取得部1603は、短母指外転筋の筋磁場のデータを取得する。
ステップS2006において、磁場データ取得部1603は、取得した短母指外転筋の筋磁場のデータを位置データとともにデータ格納部561に格納する。
<データ解析>
次に、データ解析について説明する。図39は、データ解析の流れを例示するフローチャートである。なお、センサモジュールは、図32のように配置されているものとする。
ステップS2101において、データ解析部1604は、データ格納部561から、磁場データを読み出す。センサモジュール510_1~510_3は、各々が2軸のデータを持っているため、データ解析部1604は、合計で6つのデータを読み出す。ここでは、それぞれのデータをYn、Znと表記する。Y2とY3はY方向に隣接するセンサモジュールのデータであり、Y1とY2はX方向に隣接するセンサモジュールのデータである。
ステップS2102において、データ解析部1604は、ステップS2101で読み出したデータの全てについて、Yn/Znを算出する。Yn/Znの数値で、前述のように、深さ方向の情報を得ることができる。
ステップS2103において、データ解析部1604は、ステップS1902で得られた超音波計測の形状データ(すなわち、被検者200の手の短母指外転筋に対応する位置の脂肪の厚さのデータ)を参照しながら、深さZk及び位置Ykの推定を行う。Zkが判ることで、その深さの補正をビオサバールの方式に即して行うことができる。
ステップS2104において、データ解析部1604は、Y1(Z1)とY2(Z2)とを比較する。なお、ステップS2104からステップS2106までの処理の原理は、図26や図29を参照して先に説明した通りである。
ステップS2105において、データ解析部1604は、ステップS2104の比較結果に基づいて、図17に示した時間のずれ量(T1またはT2)を算出する。
ステップS2106において、データ解析部1604はステップS2105で算出したT1、T2の値によるデータシフトを行い、補間データを生成し、補間データを生成した後の波形データをデータ格納部561に格納する。補間により、200Hz(5msecのサンプリングレート)の計測データを、見かけ上、400Hz(2.5msecのサンプリングレート)の波形データとすることができる。
ステップS2107において、データ解析部1604は、ステップS2106で補間データを生成した後の波形データと、予めデータ格納部561に格納されていた典型波形パターンとを比較する。
ステップS2108において、データ解析部1604は、ステップS2107の比較結果に基づいて、例えば、多相/単相、波形の長さ、波形の振幅(強度)、及び頻度の4つの項目について数値データを算出し、数値データをデータ格納部561に格納する。
ステップS2109において、画像データ表示部1622は、データ格納部561に格納した波形データ及び/又は数値データを情報処理装置160に表示する。
<まとめ>
このように、本実施形態に係る磁場シールドボックス110では、遮蔽部材600の内部の残留磁場を打ち消すために、遮蔽部材600の内部にMIセンサ512及びコイル513を配置する。具体的には、遮蔽部材600の内部において、開口部601と計測位置(センサモジュール510の位置)との間にMIセンサ512を配置し、開口部601とMIセンサ512との間にコイル513を配置する。
そして、MIセンサ512で磁場を検出し、MIセンサ512の計測値に基づいて決定された電流を遮蔽部材600の外部からコイル513に供給し、コイル513によって生成される電磁場によって、遮蔽部材600の内部の残留磁場をキャンセルする。具体的には、開口部601の近傍の磁場を、MIセンサ512の感度ぎりぎりである100pT程度まで低減する。
遮蔽部材600には、開口部601から離れるに従って磁場が小さくなる傾斜磁場が形成されている。そのため、開口部601の近傍の磁場が100pT程度であれば、シールド係数が約1000となる位置(開口部601から距離のある位置)では、100fT程度の磁場となる。
そこで、磁場を100fT程度まで低減した位置にセンサモジュール510を配することで、センサモジュール510により、筋肉が発生させる極めて微弱な磁場(例えば、1pTで500Hz)を検出することが可能となる。
また、MIセンサ512の応答速度は1kHzを超えるので、この速度でのフィードバックを行うことで、筋肉が発生させる極めて微弱な磁場(例えば、1pTで500Hz)を検出するに十分な磁場を形成でき、ノイズの小さい高精度の筋磁場計測が可能となる。
また、センサモジュール510を、短母指外転筋250の筋繊維の電位伝播方向P(筋繊維の方向)と平行方向及び/又は垂直方向に複数個配することで、高精度の磁場計測が可能となる。
[第2実施形態]
第2実施形態では、遮蔽部材の開口部に開口面積を可変にする機構を設ける例を示す。なお、第2実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
一般的に、遮蔽部材に腕を入れる開口部を設ける場合、開口部ができるだけ狭い方が外界ノイズが入らないため都合がよいが、全ての被検者が使用できるようにするには、最も腕の太い被検者に合わせて開口部を作る必要がある。しかし、個体差によって体の大きさが異なるので、被検者に最適な開口部の大きさにすることが望まれる。そこで、本実施形態では、遮蔽部材の開口部に開口面積を可変にする機構を設ける。以下、遮蔽部材の開口部に開口面積を可変にする機構について詳説する。
図40は、第2実施形態に係る磁場シールドボックスを例示する斜視図である。図40に示すように、磁場シールドボックス110Cは、開口部601Aに煙突構造650が設けられた点が、磁場シールドボックス110A(図6参照)と相違する。
煙突構造650は、開口部601Aの開口面積を可変にする機構であり、中央に腕を挿入する挿入穴651が設けられた円環状の部材である。煙突構造650は、柔軟な材料から形成されている。また、煙突構造650は、着脱自在な状態で開口部601Aの周囲に取り付けられている。
例えば、図41(a)に示すように挿入穴651の直径φ1が比較的大きな煙突構造650_1と、図41(b)に示すように挿入穴651の直径φ2が比較的小さな煙突構造650_2を準備する。
煙突構造650_1または650_2を被検者の腕の太さに合わせて開口部601Aに取り付けることで、被検者の腕と挿入穴651の内壁との隙間を小さくできるため、外界から遮蔽部材600Aの内部に入り込むノイズを大幅に低減できる。その結果、磁場シールドボックス110Cのシールド性能を飛躍的に向上できる。もちろん、3種類以上の煙突構造650を準備してもよい。
図42は、加工前の煙突構造を例示する図である。煙突構造650は、例えば、図42に示すような可撓性のアモルファス金属箔653の短冊と弾性体655の短冊とを積層した積層物を円環状に変形させた構造である。
アモルファス金属箔653は、例えば、数10μm程度の厚さである。アモルファス金属箔653としては、例えば、日立金属製のファインメット(商標)を用いることができる。弾性体655は、例えば、厚さ50μm程度のポリエチレンテレフタレートフィルムやポリカーボネートフィルムである。これらを順次積層することで、基材となる弾性体655の間にアモルファス金属箔653が保持された柔軟な構造を形成できる。
従来のシールド部材は例えばパーマロイのように金属を結晶化した材料を利用しており、非常に硬い。それに対し、アモルファス金属箔653は、薄くとも透磁率は非常に高く、そのシールド性能が高い。アモルファス金属箔653は、アモルファス化した高温状態から急激に冷やすことで、結晶化することなくアモルファス状態を維持したまま硬化する。急激に冷やすために、数10μm程度の薄いものが形成できる。
可撓性のアモルファス金属箔653の短冊と弾性体655の短冊とを積層した積層物を円環状に変形させた煙突構造650で開口部601Aを覆うことで、挿入穴651の形状を大きくも小さくもできる。例えば、腕を挿入する際には挿入穴651の形状を大きくし、計測時には磁場が入り込まないように塞ぐなど、開口面積を可変できることで、計測時のシールド性能を向上できる。
また、上記のように、挿入穴651の大きさが異なる複数の煙突構造650を準備し、被検体に合わせて取り替えることで、開口部の形状を可変にすることと同じ効果を得ることができる。
図43及び図44は、煙突構造の他の例について説明する図である。図43に示すように、蛇腹状の煙突構造650Aを用いてもよい。図44に示す磁場シールドボックス110Dのように、開口部601Aに蛇腹状の煙突構造650Aを設けることで、挿入穴651に腕を挿入する際に、煙突構造650Aが腕に習う形で変形することができる。これにより、被検者の肉体的ストレスが低減できると共に、被検者の個体差を吸収できる。
なお、蛇腹状の煙突構造650Aは、例えば、アモルファス金属箔653と弾性体655との積層物を複数組作製し、各組の積層物の一方側のみを固定し、他方側をフリーにすることで形成できる。
[第3実施形態]
第3実施形態では、遮蔽部材の形状のバリエーションの例を示す。なお、第3実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図45は、遮蔽部材の形状のバリエーションの例(その1)である。図45に示す磁場シールドボックス110Eのように、円筒形の遮蔽部材600Eの側面に開口部601Eを設けてもよい。
遮蔽部材600Eは、一方の面を底面B1、底面B1の反対面を上面U1としたときに、底面B1及び上面U1の直径より高さH1(底面B1と上面U1との距離)の方が長い円筒形であり、開口部601Eは底面B1の近傍に設けられている。なお、底面B1の直径と上面U1の直径は等しい。
磁場シールドボックス110Eにおいて、遮蔽部材600Eの高さH1を長くすることで、開口部601Eから遠い位置(計測位置)でのシールド性能を高い状態に維持できる。
図46は、遮蔽部材の形状のバリエーションの例(その2)である。図46に示す磁場シールドボックス110Fのように、中空の円錐台形の遮蔽部材600Fの側面に開口部601Fを設けてもよい。
遮蔽部材600Fは、一方の面を底面B2、底面B2の反対面を上面U2としたときに、底面B2及び上面U2の直径より高さH2(底面B2と上面U2との距離)の方が長い中空の円錐台形であり、開口部601Fは底面B2の近傍に設けられている。なお、底面B2の直径は上面U2の直径よりも小さい。
磁場シールドボックス110Fにおいて、遮蔽部材600Fの高さH2を長くすることで、開口部601Fから遠い位置(計測位置)でのシールド性能を高い状態に維持できる。また、開口部601Fから遠い部分を広く作ることで、シールド性能を高めたまま、センサモジュール510等が配置される奥のスペースを十分に確保できる。
図47は、遮蔽部材の形状のバリエーションの例(その3)である。図47に示す磁場シールドボックス110Gのように、中空のL字形の遮蔽部材600Gの底面に開口部601Gを設けてもよい。
遮蔽部材600Gは、断面形状が円形又は矩形の中空のL字形であり、例えば円形の開口部601Gが底面に設けられている。断面の面積は一定であってもよいし、位置によって異なってもよい。例えば、開口部601Gから遠い部分を広く作ることで、シールド性能を高めたまま、センサモジュール510等が配置される奥のスペースを十分に確保できる。
磁場シールドボックス110Gにおいて、遮蔽部材600GをL字形とすることで、直線形の場合と比べてシールド性能を向上できる。また、遮蔽部材600GをL字形とすることで、被検者200の四肢を楽な位置に保持できる。
なお、骨格筋の中で、腕や足は曲げることができるので、L字形の遮蔽部材を作製可能である。これに対して、心筋や平滑筋の筋磁場、頭部の神経信号等では、L字形の遮蔽部材を作製することは不可能である。
図48は、遮蔽部材の形状のバリエーションの例(その4)である。図48に示す磁場シールドボックス110Hのように、遮蔽部材600Hの開口部601Hに、補助遮蔽部材660Hを着脱可能な構造としてもよい。遮蔽部材600Hは、例えば、パーマロイで形成することができる。補助遮蔽部材660Hは、例えば、日立金属製のファインメット(商標)を用いて形成することができる。
図49は、遮蔽部材と補助遮蔽部材の着脱構造を例示する図である。例えば、図49に示すように、遮蔽部材600Hの開口部601Hの周囲を外側に折り曲げて折り曲げ部605Hを設ける。また、補助遮蔽部材660Hの端部を外側に折り曲げて折り曲げ部665Hを設ける。そして、遮蔽部材600Hの折り曲げ部605Hの外周側に、補助遮蔽部材660Hの端部を着脱が可能となる程度の強さで嵌合させる構造とすることができる。
このように、遮蔽部材600Hの開口部601Hに、補助遮蔽部材660Hを着脱可能な構造とすることで、被検者200は腕を挿入し易くなる。また、遮蔽部材600Hと補助遮蔽部材660Hとの結合部分(図49で一点鎖線で示した部分)では、シールド部材の厚さが厚くなるため、シールド性能を維持できる。
図50は、遮蔽部材の形状のバリエーションの例(その5)である。図50に示す磁場シールドボックス110Iのように、遮蔽部材600Iの開口部601Iに、L字形の補助遮蔽部材660Iを着脱可能な構造としてもよい。遮蔽部材600Iは、例えば、パーマロイで形成することができる。補助遮蔽部材660Iは、例えば、日立金属製のファインメット(商標)を用いて形成することができる。具体的な取付構造は、例えば、図49と同様とすることができる。
[第4実施形態]
第4実施形態では、遮蔽部材の内部に高透磁率の構造物を設ける例を示す。なお、第4実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図51は、第4実施形態に係る磁場シールドボックスの内部構成の例を示す模式図である。
図51に示すように、磁場シールドボックス110Jでは、第1の空間610において、境界部材620と対向する遮蔽部材600Jの内壁から、複数の可撓性を有する構造物670が所定間隔で境界部材620に向かって略垂直に垂れ下がっている。すなわち、第1の空間610において、開口部601Jの近傍から計測位置までの間に、磁場に対して略垂直に複数の可撓性を有する構造物670が配置されている。
各々の構造物670の長さは、被検者200の手や腕と接する程度の長さに調整されており、被検者200の手や腕に接すると、すだれのように動くことができる。但し、被検者200の手や腕の形状(太さ等)は様々であるから、被検者200の腕が構造物670の全てと接する場合もあれば、一部のみと接する場合もある。
また、磁場シールドボックス110Jでは、第2の空間630において、境界部材620の下面側から、複数の柔軟性のある構造物671が所定間隔で境界部材620と対向する遮蔽部材600Jの内壁に向かって略垂直に垂れ下がっている。各々の構造物671の下端は、遮蔽部材600Jの内壁と接している。
構造物670及び671は、高透磁率材料から形成されている。本明細書において、高透磁率材料とは、透磁率が1E-4[H/m]以上の材料を指す。
高透磁率材料の一例としては、図42に示した、可撓性のアモルファス金属箔653と弾性体655との積層物を挙げることができる。アモルファス金属箔653としては、例えば、日立金属製のファインメット(商標)を用いることができる。弾性体655は、例えば、厚さ50μm程度のポリエチレンテレフタレートフィルムやポリカーボネートフィルムである。
このように、磁場シールドボックス110Jの遮蔽部材600Jの内部に、高透磁率材料から形成された構造物670及び671を設けることで、シールド性能を向上させることができる。特に、第1の空間610の開口部601Jの近傍から計測位置までの間に、磁場に対して略垂直に高透磁率材料から形成された構造物670を設けることで、開口部601Jから侵入してくる磁場を低減できる点で好ましい。
また、遮蔽部材600Jの内部に、高透磁率材料から形成された構造物670及び671を設けることで、遮蔽部材600Jの内部に形成される傾斜磁場を優位に設計制御することができる。傾斜磁場を優位に設計制御することで、フィードバックセンサの仕様の選択肢を広げることもできる。すなわち、傾斜磁場の傾斜を大きくすることで、フィードバックセンサとしてMIセンサ512よりも検出感度の低いセンサを使用できる可能性がある。
なお、開口部601Jからセンサモジュール510が配された計測位置までに形成される傾斜磁場に対しては、構造物670が略垂直に垂れ下がることが最も好ましい。構造物670の厚さをできるだけ薄くでき、かつシールド性能を高くできるからである。
また、被検者200が接触すると構造物670が柔軟にすだれのように形状を変化させるため、被検者200に即した形状に構造物670が変化できる。これにより、被検者200と構造物670との隙間を低減して計測時のノイズ侵入を防ぐことが可能となり、シールド性能を向上できる。
図52は、第4実施形態に係る磁場シールドボックスの内部構成の他の例を示す模式図である。
図52に示すように、磁場シールドボックス110Kでは、第1の空間610において、境界部材620と対向する遮蔽部材600Jの内壁から、複数の柔軟性のある構造物672が所定間隔で境界部材620に向かって略垂直に垂れ下がっている。第2の空間630には、高透磁率材料から形成された構造物は設けられていない。
各々の構造物672の長さは、被検者200の手や腕と接する確率を高めるために長めに調整されており、被検者200の手や腕に接すると、すだれのように動くことができる。また、構造物672は柔軟性があるため、被検者200の手や腕に接すると、被検者200の手や腕に即して先端が曲がることができる。構造物672は、構造物670と同様の高透磁率材料から形成することができる。
このように、磁場シールドボックス110Kでは、各々の構造物672の長さを長めに調整し、被検者200の手や腕と接する確率を高めているため、磁場シールドボックス110Jに比べ、更にシールド性能を向上できる。その他の効果については、磁場シールドボックス110Jと同様である。
なお、第2の空間630には、必要に応じ、高透磁率材料から形成された構造物を設けても構わない。
[第5実施形態]
第5実施形態では、遮蔽部材の開口部からの磁界の侵入を防ぐ補助部材を被検者に装着させる例を示す。なお、第5実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図53は、第5実施形態に係る補助部材について説明する図であり、図53(a)は補助部材を被検者に装着した状態、図53(b)は補助部材そのものを示している。
図53に示すように、補助部材680は被検者200の上腕部分210Uに装着することができる。例えば、被検者200は先に上腕部分210Uに680を装着し、その後、磁場シールドボックス110を装着する。
補助部材680は、例えば、シールド材料であるアモルファス金属を含有した化学繊維によって編み込んだスポンジ状の部材を円環状にしたものであり、円環の内側に被検者200の上腕部分210Uを挿入することができる。
このように、被検者200の上腕部分210Uに補助部材680を装着することで、遮蔽部材600の開口部601から磁場が侵入することを抑制可能となり、遮蔽部材600の内の残留磁場を低減させることができる。
また、補助部材680は、変形可能であるため、男女間や個体差により上腕部分210Uの形状が異なっても装着可能である。また、上腕部分210Uに補助部材680を装着した被検者200が動いた時にも、補助部材680が変形するため、測定時等の被検者200の疲労を緩和できる。
[第6実施形態]
第6実施形態では、被検者の脚部を磁場の検出対象とする磁場シールドボックスの例を示す。なお、第6実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図54は、第6実施形態に係る磁場シールドボックスについて説明する図であり、図54(a)は磁場シールドボックスを被検者に装着した状態、図54(b)は磁場シールドボックスそのものを示している。なお、図54において、センサモジュール510、MIセンサ512等の図示は省略されているが、被検者200の脚部230の磁場計測に適した位置に適宜配置することができる。
図54に示すように、磁場シールドボックス110Lの遮蔽部材600Lは直方体であり、脚部230を挿入可能な開口部601Lが上面に設けられている。また、第1の空間610と第2の空間630との間に設けられた境界部材620Lは、脚部230を挿入し易い形状に屈曲されている。
なお、磁場シールドボックス110Lを除く部分の生体磁場計測装置の構成は、例えば、図1等に示した生体磁場計測装置100と同様とすることができる。
磁場シールドボックス110Lを有する生体磁場計測装置において、例えば、脚部230の腓腹神経周辺の磁場を計測する場合、まず、被検者200は椅子に座り、脚部230を開口部601Lから遮蔽部材600L内に挿入する。そして、被検者200の大腿部等(遮蔽部材600Lの外側に位置し、脚部230と異なる部位であればよい)に入力端130bを装着する。これにより、腓腹神経に電気刺激を与えることが可能となり、腓腹神経周辺の磁場を計測することができる。
このように、磁場の検出対象となる生体の部位は被検者の手には限定されず、被検者の四肢の一部である脚部としてもよい。
筋ジストロフィー等の場合、手の筋肉に予兆が出にくく、脚部に予兆が出る可能性がある。その場合、脚部の筋肉の診断が必要であり、本実施形態で示したように腓腹神経周辺の磁場を計測する手法が有効である。
なお、図54の例では、遮蔽部材600Lを直方体としたが、遮蔽部材600Lは円筒形や円錐台形としてもよいし、その他の任意の形状としてもよい。
[第7実施形態]
第7実施形態では、被検者の頭部を磁場の検出対象とする磁場シールドボックスの例を示す。なお、第7実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図55は、第7実施形態に係る磁場シールドボックスについて説明する図であり、図55(a)は磁場シールドボックスを被検者に装着した状態、図55(b)は磁場シールドボックスそのものを示している。なお、図55において、MIセンサ512等の図示は省略されているが、被検者200の頭部240の磁場計測に適した位置に適宜配置することができる。
図55に示すように、磁場シールドボックス110Mの遮蔽部材600Mは円筒形であり、頭部240を挿入可能な開口部601Mが底面に設けられている。頭部240を挿入可能とするために、開口部601Mの周辺は変形可能な柔軟な材料で形成されている。
遮蔽部材600Mの底面及び上面の直径は、例えば、φ30cm程度とすることができる。遮蔽部材600Mの高さ(底面と上面との距離)は、例えば、40cm程度とすることができる。開口部601Mの直径は、例えば、φ15cm程度とすることができる。
なお、磁場シールドボックス110Mを除く部分の生体磁場計測装置の構成は、例えば、図1等に示した生体磁場計測装置100において、電気刺激装置130に代えて視覚刺激装置135を設けた構成とすることができる。視覚刺激装置135は、生体磁場を誘発する装置(例えば、映像を表示可能なスクリーン)であり、遮蔽部材600Mの内部の被検者200が視認可能な位置に配置される。
磁場シールドボックス110Mを有する生体磁場計測装置において、頭部240の磁場を計測する場合、まず、被検者200は椅子に座り、頭部240を開口部601Mから遮蔽部材600M内に挿入する。遮蔽部材600Mは、例えば、支柱1500に支持されている。そして、視覚刺激装置135に映像を表示して被検者200に刺激を与えることで、頭部240の磁場を計測することができる。
このように、磁場の検出対象となる生体の部位は被検者の手には限定されず、被検者の頭部としてもよい。このとき、視覚刺激装置135を遮蔽部材600M内に配置することで、被検者200に臨場感のある刺激を与えることができる。また、磁場シールドボックス110Mは頭部240のみに配置されるので、被検者200は下半身等を自由に動かすことができる。
なお、図55の例では、遮蔽部材600Mを円筒形としたが、遮蔽部材600Mは直方体や円錐台形としてもよいし、その他の任意の形状としてもよい。また、磁場シールドボックス110Mを用いることで、被検者200が椅子に座った状態に限らず、被検者200が立った状態でも頭部240の磁場の計測が可能となる。
[第8実施形態]
第8実施形態では、センサモジュールを備えていない磁場シールドボックスの例を示す。なお、第8実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図56は、第8実施形態に係る磁場シールドボックスの内部構成を例示する図である。図56に示すように、磁場シールドボックス110Nは、センサモジュール510を備えていない点、及び遮蔽部材600に挿入口604が設けられた点が、磁場シールドボックス110(図5参照)と相違する。
挿入口604は、第2の空間630内の計測位置(開口部603の下方)にセンサモジュール510を挿入するための開口部である。
図57は、磁場シールドボックスとモジュール支持装置との連結について説明する図である。図57(a)はモジュール支持装置が磁場シールドボックスと連結される前、図57(b)はモジュール支持装置が磁場シールドボックスと連結された後の状態を示している。
図57に示すように、磁場シールドボックス110Nは、磁場シールドボックス110Nとは別体として準備されたモジュール支持装置180と連結することができる。
モジュール支持装置180は、保持部514に保持された1つまたは複数のセンサモジュール510と、保持部514をZ軸方向に位置調整する駆動部516とを有している。駆動部516は、パーマロイ等から形成された遮蔽部材518の内部に固定されている。
センサモジュール510を保持した保持部514は、遮蔽部材518に設けられた開口部517を介してシャフト515により駆動部516と連結されている。
図57(a)の矢印の方向にモジュール支持装置180を移動させることにより、センサモジュール510を保持した保持部514を、磁場シールドボックス110Nの遮蔽部材600に設けられた第2の空間630の内部に挿入することができる。
図57(b)に示すように、保持部514を第2の空間630の内部に挿入後、駆動部516により保持部514をZ軸方向に位置調整することで、保持部514に保持されたセンサモジュール510の先端を可撓性フィルム621に接触させることができる。このとき、遮蔽部材600と遮蔽部材518の互いに対向する面同士を密着させることで、第2の空間630の内部のシールド性能を維持できる。
このように、磁場シールドボックスは必ずしもセンサモジュールを備えている必要はなく、センサモジュールを外部から挿入する挿入口を設けた構造としても構わない。
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上記の第1実施形態~第8実施形態では、生体磁場の計測に光ポンピング原子磁気センサを用いる例を示した。しかし、第1実施形態~第8実施形態において、光ポンッピング原子磁気センサ以外の常温磁気センサ(例えば、MR(Magneto Resistive)センサ、TMR(Tunnel Magneto Resistance)センサ)を用いてもよい。
また、上記の第1実施形態~第8実施形態では、フィードバック用の磁気センサとしてMIセンサを用いる例を示したが、MIセンサ以外の固体磁気センサ(例えば、MRセンサ、TMRセンサ)を用いてもよい。
また、上記の第1実施形態~第8実施形態において、遮蔽部材の内部でセンサモジュールを位置調整可能な構成としてもよい。
100 :生体磁場計測装置
110 :磁場シールドボックス
120 :超音波計測装置
130 :電気刺激装置
130a :発生部
130b :入力端
135 :視覚刺激装置
140 :電流発生装置
160 :情報処理装置
180 :モジュール支持装置
510 :センサモジュール
511 :カメラ
512 :MIセンサ
513 :コイル
514 :保持部
515 :シャフト
516 :駆動部
517 :開口部
518 :遮蔽部材
520 :超音波測定部
530 :電気刺激制御部
540 :電流発生部
560 :信号処理部
561 :データ格納部
562 :制御部
563 :表示制御部
600 :遮蔽部材
601 :開口部
602 :開閉機構部
603 :開口部
604 :挿入口
610 :第1の空間
620 :境界部材
621 :可撓性フィルム
630 :第2の空間
650 :煙突構造
651 :挿入穴
653 :アモルファス金属箔
655 :弾性体
670~672 :構造物
680 :補助部材
801 :弾性部材
802 :支持台
1021 :ガスセル
1031 :位置センサ
1220 :挿入口
特開2017-152573号公報
NeuroImage:149(2017)p404:ノッティンガム大

Claims (16)

  1. 外部の磁場を遮蔽する中空の遮蔽部材と、
    前記遮蔽部材に設けられた、磁場の計測を行う生体の部位を挿入する開口部と、
    前記遮蔽部材の内部において、前記部位の計測位置に配置された第1の磁気センサと、
    前記遮蔽部材の内部において、前記開口部と前記計測位置との間に配置された第2の磁気センサと、
    前記遮蔽部材の内部において、前記開口部と前記第2の磁気センサとの間に配置されたコイルと、を有し、
    前記開口部から前記計測位置までに傾斜磁場が形成され、
    前記傾斜磁場は、前記開口部の位置の磁場強度に対する前記計測位置の磁場強度の比をB1、前記第2の磁気センサが検出可能な磁場の最小値に対する計測したい磁場の最小値の比をB2としたときに、B1<B2を満足し、
    前記コイルは、前記第2の磁気センサの計測値に基づいて決定された電流を前記遮蔽部材の外部から供給されると、前記遮蔽部材の内部の磁場を低減する磁場シールドボックス。
  2. 外部の磁場を遮蔽する中空の遮蔽部材と、
    前記遮蔽部材に設けられた、磁場の計測を行う生体の部位を挿入する開口部と、
    前記遮蔽部材の内部において、前記部位の計測位置に配置された第1の磁気センサと、
    前記遮蔽部材の内部において、前記開口部と前記計測位置との間に配置された第2の磁気センサと、
    前記遮蔽部材の内部において、前記開口部と前記第2の磁気センサとの間に配置されたコイルと、を有し、
    前記開口部から前記計測位置までに傾斜磁場が形成され、
    前記傾斜磁場は、前記開口部の位置の磁場強度に対する前記計測位置の磁場強度の比をB1、前記第1の磁気センサが検出可能な磁場の最小値に対する前記第2の磁気センサが検出可能な磁場の最小値の比をB3としたときに、B1<B3を満足し、
    前記コイルは、前記第2の磁気センサの計測値に基づいて決定された電流を前記遮蔽部材の外部から供給されると、前記遮蔽部材の内部の磁場を低減する磁場シールドボックス。
  3. 外部の磁場を遮蔽する中空の遮蔽部材と、
    前記遮蔽部材に設けられた、磁場の計測を行う生体の部位を挿入する開口部と、
    前記遮蔽部材に設けられた、前記部位の計測位置に第1の磁気センサを挿入する挿入口と、
    前記遮蔽部材の内部において、前記開口部と前記計測位置との間に配置された第2の磁気センサと、
    前記遮蔽部材の内部において、前記開口部と前記第2の磁気センサとの間に配置されたコイルと、を有し、
    前記開口部から前記計測位置までに傾斜磁場が形成され、
    前記傾斜磁場は、前記開口部の位置の磁場強度に対する前記計測位置の磁場強度の比をB1、前記第2の磁気センサが検出可能な磁場の最小値に対する計測したい磁場の最小値の比をB2としたときに、B1<B2を満足し、
    前記コイルは、前記第2の磁気センサの計測値に基づいて決定された電流を前記遮蔽部材の外部から供給されると、前記遮蔽部材の内部の磁場を低減する磁場シールドボックス。
  4. 外部の磁場を遮蔽する中空の遮蔽部材と、
    前記遮蔽部材に設けられた、磁場の計測を行う生体の部位を挿入する開口部と、
    前記遮蔽部材に設けられた、前記部位の計測位置に第1の磁気センサを挿入する挿入口と、
    前記遮蔽部材の内部において、前記開口部と前記計測位置との間に配置された第2の磁気センサと、
    前記遮蔽部材の内部において、前記開口部と前記第2の磁気センサとの間に配置されたコイルと、を有し、
    前記開口部から前記計測位置までに傾斜磁場が形成され、
    前記傾斜磁場は、前記開口部の位置の磁場強度に対する前記計測位置の磁場強度の比をB1、前記第1の磁気センサが検出可能な磁場の最小値に対する前記第2の磁気センサが検出可能な磁場の最小値の比をB3としたときに、B1<B3を満足し、
    前記コイルは、前記第2の磁気センサの計測値に基づいて決定された電流を前記遮蔽部材の外部から供給されると、前記遮蔽部材の内部の磁場を低減する磁場シールドボックス。
  5. 前記第1の磁気センサは光ポンピング原子磁気センサであり、前記第2の磁気センサは固体磁気センサである請求項1乃至4の何れか一項に記載の磁場シールドボックス。
  6. 前記第1の磁気センサは、前記部位に含まれる骨格筋の筋磁場を計測する請求項1乃至5の何れか一項に記載の磁場シールドボックス。
  7. 前記遮蔽部材は、辺A、辺B、及び辺Cを有する直方体であり、
    辺A<Cかつ辺B<辺Cであり、
    辺Aと辺Bで形成される一方の面を底面、前記底面の反対面を上面とし、辺Aと辺C又は辺Bと辺Cとで形成される面を側面としたときに、
    前記開口部が側面に形成されている請求項1乃至の何れか一項に記載の磁場シールドボックス。
  8. 前記遮蔽部材は、底面の直径より高さの方が長い円筒形である請求項1乃至の何れか一項に記載の磁場シールドボックス。
  9. 前記遮蔽部材は、L字形である請求項1乃至の何れか一項に記載の磁場シールドボックス。
  10. 前記遮蔽部材は、前記開口部に近い底面の直径が前記底面の反対面の直径よりも小さい円錐台形である請求項1乃至の何れか一項に記載の磁場シールドボックス。
  11. 前記遮蔽部材は、補助遮蔽部材を着脱可能である請求項1乃至10の何れか一項に記載の磁場シールドボックス。
  12. 前記開口部から前記部位の計測位置までの間に、前記開口部から挿入される生体を支持する支持体が配置された請求項1乃至11の何れか一項に記載の磁場シールドボックス。
  13. 請求項1乃至12の何れか一項に記載の磁場シールドボックスを有し、
    前記部位の磁場を計測する生体磁場計測装置。
  14. 磁場の検出対象を被検者の四肢とし、骨格筋の自発筋磁場を計測する請求項13に記載の生体磁場計測装置。
  15. 磁場の検出対象を被検者の四肢とし、誘発による生体磁場を計測する請求項13に記載の生体磁場計測装置。
  16. 磁場の検出対象を被検者の頭部とし、前記遮蔽部材の内部に生体磁場を誘発する装置を配置した請求項13に記載の生体磁場計測装置。
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