しかしながら、特許文献1のように賦形体の角隅部を形成する賦形型の表面において、この2つのシート材の重なり代が形成され、同じようにしてシート材をさらに積層した積層体を賦形する際には、角隅部に相当する位置にさらに重なり代が形成されてしまう。このような結果、角隅部が他の部分に比べて厚肉になってしまい、得られた賦形体の局所的な強度が高くなってしまう。
このような点を鑑みると、2つのシート材が重ならないように、2つのシート材を賦形することも可能であるが、この場合には、2つのシート材の境界部が脆弱な部分となってしまう。仮に、シート材を積層して積層体にしたとしても、境界部が同じ位置にあれば、その部分が脆弱な部分になる。この場合、賦形型から積層体を離型する際に、積層体の形状が崩れることがある。熱硬化前の積層体の場合には、このような現象は顕著である。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複雑な立体形状であっても、全体的に安定した強度を有した積層体を賦形することができる積層体の製造方法を提供することにある。
前記課題を鑑みて、本発明に係る積層体の製造方法は、少なくとも第1の辺と第2の辺とにより角部が凸状に湾曲した賦形主面と、前記第1の辺から延在した第1賦形側面と、前記第2の辺から、前記賦形主面に対して前記第1賦形側面と同じ側に延在した第2賦形側面と、前記角部の湾曲した縁部に連続し、前記第1賦形側面と前記第2賦形側面に連続する賦形曲面と、を有した賦形側面と、を有した賦形型に、少なくとも強化繊維基材を含むシート材を積層することにより積層体を賦形する積層体の製造方法であって、前記積層体を賦形する際に、前記賦形主面を覆う主被覆部と、前記主被覆部に連続し、前記第1および第2賦形側面を覆う第1および第2側面被覆部と、を有した前記シート材で、前記積層体の各層を成形するものであり、前記各層を成形する際には、前記第1の辺に沿って前記シート材を賦形して、前記第1賦形側面の少なくとも一部を前記第1側面被覆部で覆い、前記第2の辺に沿って前記シート材を賦形して、前記第2賦形側面の少なくとも一部を前記第2側面被覆部で覆い、前記第1および第2側面被覆部のいずれか一方の側面被覆部が、他方の側面被覆部に対して継ぎ目となる境界部を形成するように、前記賦形曲面に沿って前記一方の側面被覆部を賦形して、前記一方の側面被覆部で少なくとも前記賦形曲面を覆うとともに、前記各層の前記境界部が、前記積層体の積層方向に対して異なる位置に形成されるように、前記各層を成形することを特徴とする。
本発明によれば、賦形主面と賦形側面を有した賦形型を用いて、シート材を、順次積層することにより、積層体を賦形する。具体的には、まず、シート材で賦形型の賦形主面を覆い、シート材を賦形型の第1の辺に沿って賦形して、賦形型の第1賦形側面の少なくとも一部を、シート材の第1側面被覆部で覆う。同様に、シート材を賦形型の第2の辺に沿って賦形して、賦形型の第2賦形側面の少なくとも一部を、シート材の第2側面被覆部で覆う。
この状態で、賦形型の賦形曲面が露出している。そこで、本発明では、第1および第2側面被覆部のいずれか一方の側面被覆部が、他方の側面被覆部に対して継ぎ目となる境界部を形成するように、賦形曲面に沿って一方の側面被覆部を賦形する。これにより、一方の側面被覆部で賦形曲面を覆う。このような結果、第1および第2側面被覆部に重なり代がなく、賦形型の賦形側面をこれらで隙間なく覆うことができる。
積層体を賦形する際には、上述した作業を繰り返すことにより、成形したシート材により積層体の各層を成形する。この際、本発明では、各層の境界部が、積層方向に対して異なる位置に形成されるように、各層を成形する。これにより、脆弱部である境界部が、積層体の積層方向に対して一致することがないので、このような複雑な立体形状であっても、全体的に安定した強度を有した積層体を賦形することができる。
なお、発明でいうシート材は、少なくとも強化繊維基材を含むものであればよく、たとえば、シート材は、強化繊維基材そのものであってもよく、強化繊維基材に熱硬化性樹脂等の合成樹脂が含浸されているもの(プリプレグ)であってもよい。なお、シート材が、強化繊維基材で構成される場合には、賦形型による賦形性を高めるために、上述した合成樹脂を強化繊維基材に局所的に付着させて、合成樹脂を加熱しながらシート材を賦形してもよく、その後、積層体の内部に合成樹脂が含浸される。
ここで、境界部が、積層方向に対して異なる位置に形成されていれば、境界部の位置は特に限定されるものではない。しかしながら、より好ましい態様としては、前記境界部が、前記積層方向において、前記積層体の表面側に進むに従って、前記賦形曲面から遠ざかるように、前記各層を成形する。
積層体のうち賦形曲面を覆う部分の近傍は、構造上、他の部分よりも大きな応力が作用し易く、かつ、積層体の表面側に進むに従って、このように作用する応力は増加する傾向にある。したがって、この態様では、前記境界部が、前記積層体の積層方向において、前記積層体の表面側に進むに従って、前記賦形曲面から遠ざかるように、前記各層を成形する。これにより、脆弱部となる表層側の境界部を、構造的に安定した第1および第2側面被覆部の中央寄りに配置することができるため、全体的に安定した強度を有した積層体を賦形することができる。
ここで、各層の境界部が、第1賦形側面側および第2賦形側面側のいずれか一方に、形成されていてもよい。しかしながら、より好ましい態様としては、前記各層の境界部が、前記第1賦形側面側または前記第2賦形側面側に交互に位置するように、前記各層を積層する。
この態様によれば、各層の境界部は、賦形型から積層方向に進むに従って、第1賦形側面側または第2賦形側面側に交互に位置するように形成されるため、積層体の脆弱部である境界部を分散させることができる。
ここで、積層方向において、隣接するシート材の強化繊維は、同じ方向に配向されていてもよいが、さらに好ましい態様としては、前記積層方向において、隣接する前記シート材の強化繊維が異なる方向に配向されるように、前記各層を成形する。これにより、各層を構成する強化繊維が異なる方向に配向されるので、積層体の強度を高めることができる。
より好ましい態様としては、前記積層体の最表層の前記強化繊維基材が、織物基材である。応力が作用し易い積層体の最表層の強化繊維基材を、織物基材にすることにより、積層体の強度をさらに高めることができる。
本発明によれば、複雑な立体形状であっても、全体的に安定した強度を有した積層体を賦形することができる。
以下に本発明に係る実施形態の積層体の製造方法を図1~図5を参照しながら説明する。
本実施形態では、図1~図5に示す一連の工程により、賦形型60に、繊維強化樹脂からなるシート材(プリプレグ)30A~30Dを積層することにより積層体1を賦形する。
シート材30A~30Dは、一方向に引き揃えられた強化繊維からなる強化繊維基材に、合成樹脂が含侵されたものであり、合成樹脂は、未硬化の熱硬化性樹脂である。積層体1の賦形後には、積層体1は加熱され、未硬化の熱硬化性樹脂が硬化する。
シート材30A~30Dを構成する強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チラノ繊維、玄武岩繊維、セラミックス繊維などの無機繊維;ステンレス繊維やスチール繊維などの金属繊維;アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサドール(PBO)繊維などの有機繊維;またはボロン繊維などが挙げられる。強化繊維は、一種単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。なかでも、炭素繊維、ガラス繊維、またはアラミド繊維が好ましく、炭素繊維がより好ましい。これらの強化繊維は、軽量であるにも関わらず優れた機械的強度を有している。
強化繊維としては、強化繊維を一方向に引き揃えた繊維束(ストランド)を糸で結束(縫合)してなる強化繊維基材を挙げているが、たとえば、強化繊維を用いてなる織物基材、編物基材であってもよい。強化繊維基材は、長繊維が織り込まれた織物基材であり、織物基材の織り方としては、平織、綾織、朱子織などが挙げられる。繊維強化基材は、一枚の繊維強化基材のみを積層せずに用いてもよく、複数枚の繊維強化基材を積層して積層繊維強化基材として用いてもよい。
シート材30A~30Dを構成する合成樹脂は、強化繊維に含浸されて、強化繊維同士を結合する樹脂である。含浸させた合成樹脂によって、強化繊維同士を結着一体化させることができる。強化繊維に含浸させる合成樹脂は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂のいずれの樹脂であってもよいが、より好ましくは、熱硬化性樹脂である。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、たとえば、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、マレイミド系樹脂、ビニルエステル系樹脂、シアン酸エステル系樹脂、またはマレイミド系樹脂とシアン酸エステル系樹脂を予備重合した樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なかでも、エポキシ系樹脂、またはビニルエステル系樹脂が好ましい。これらの合成樹脂によれば、弾性に優れた繊維強化樹脂を形成することができ、得られる積層体1の耐衝撃性を向上させることができる。また、熱硬化性樹脂には、硬化剤、硬化促進剤などの添加剤が含有されていてもよい。
繊維強化樹脂における熱硬化性樹脂の含有量は、20~80重量%が好ましく、30~70重量%がより好ましい。熱硬化性樹脂の含有量が少な過ぎると、強化繊維同士の結着性が不十分となり、積層体の機械的強度や耐衝撃性を十分に向上することができないおそれがある。また、熱硬化性樹脂の含有量が多過ぎると、積層体の機械的強度が低下して、積層体1の耐衝撃性を十分に向上させることができないおそれがある。
なお、本実施形態ではシート材30A~30Cは、少なくとも強化繊維基材を含むものであればよく、シート材30A~30Cが、強化繊維基材そのものであってもよい。シート材30A~30Cが、強化繊維基材で構成される場合には、後述する賦形型60による賦形性を高めるために、たとえば、上述した合成樹脂の粉末を強化繊維基材に局所的に付着させて、合成樹脂を加熱しながらシート材30A~30Cを賦形してもよい。この場合には、積層体1内にたとえばRTM法などにより上述した合成樹脂を含浸させ、繊維強化樹脂からなる成形体を成形する。
図1に示すように、本実施形態で用いる賦形型60は、賦形主面61と賦形側面62とを有した賦形型である。賦形主面61は、2つの対向する第1の辺(短辺)61aと、2つの対向する第2の辺(長辺)61bと有した略矩形状の面である。賦形主面61の四隅には、第1の辺61aと第2の辺61bにより、凸状に湾曲した角部61cが形成されている。
賦形側面62は、各第1の辺61aから延在した第1賦形側面62Aと、各第2の辺61bから、賦形主面61に対して第1賦形側面62Aと同じ側に延在した第2賦形側面62Bと、を有している。さらに、賦形側面62は、賦形主面61の四隅に形成された角部61cの湾曲した縁部に連続し、第1賦形側面62Aと第2賦形側面62Bに連続した賦形曲面62Cと、を有している。
図5(b)に示す積層体1を賦形する際には、シート材として、図1~図4に示すシート材30A~30Dを準備する。各シート材30A~30Dは、賦形主面61と賦形側面62とを隙間無く覆い、かつ、これらに重なり代が形成されないような形状になっている。
シート材30Aは、賦形型60の賦形主面61を覆う主被覆部31Aを有している。さらに、シート材30Aは、主被覆部31Aに連続し、賦形型60の第1賦形側面62Aを覆う一対の第1側面被覆部32Aと、主被覆部31Aに連続し、賦形型60の第2賦形側面62Bの一部を覆う一対の第2側面被覆部33Aを有している。さらに、一対の第1側面被覆部32Aには、賦形型60の賦形曲面62Cを含む部分を覆う曲面被覆部34Aが形成されている。各曲面被覆部34Aは、第2側面被覆部33Aの幅方向の両側に形成されている。
まず積層体1の第1の層(1層目)となる賦形体10Aを成形する際には、図2(a)に示すように、シート材30Aの主被覆部31Aで賦形型60の賦形主面61を覆う。この際、シート材30Aの折り込み線38Aを第1および第2の辺61a、61bに合わせる。
次に、図2(b)に示すように、賦形型60の第1の辺61aに沿ってシート材30Aを折り曲げ等により賦形して、賦形型60の第1賦形側面62Aを第1側面被覆部32Aで覆う。同様に、賦形型60の第2の辺61bに沿ってシート材30Aを折り曲げ等により賦形して、第2賦形側面62Bの少なくとも一部を第2側面被覆部33Aで覆う。この状態では、賦形型60の賦形曲面62Cが露出している。
次に、図2(c)に示すように、第1側面被覆部32Aが、第2側面被覆部32Bに対して継ぎ目となる境界部35Aを形成するように、賦形曲面62Cに沿って一方の側面被覆部34Aを折り曲げ等により賦形する。これにより、シート材30Aの第2側面被覆部33Aと、側面被覆部34Aとの重なり代がなく、賦形型60の賦形側面62をこれらで隙間なく覆うことができる。なお、シート材30Aを被覆する際には、たとえば、加熱されたコテなどにより、シート材30Aの折り曲げ部分等を加熱しながら、シート材30Aの賦形(成形)を行ってもよい。
次に、図3(a)に示すように、積層体1の第2の層(2層目)となるシート材として、シート材30Bとを準備する。第2の層となるシート材30Bが、図2(a)に示すシート材30Aと相違する点は、各第2側面被覆部32Bの両側に曲面被覆部34Bを設けた点と、強化繊維の配向を45°ずらした点である。なお、図2(a)に示す、シート材30Aと同様の機能を有する部位は、末尾に「B」の文字を付してその詳細な説明を省略する。
このようなシート材30Bを用いて、図2(a)~(c)で説明した作業と同様の作業で、図3(b)に示すように、積層体1の第1の層となる賦形体10Aの上に、積層体1の第2の層を積層し、賦形体10Bを成形する。ここで、上述した形状のシート材30Bにより、第2の層の境界部35Bが、積層方向において1層目の境界部35Aとは異なる位置に形成されるように、積層体1の第2の層が成形される。具体的には、各境界部35Bが、積層体1の積層方向において、境界部35Aよりも賦形曲面62Cから遠ざかるように、積層体1の第2の層が成形される。
さらに、積層方向において、隣接するシート材30A、30Bの強化繊維が異なる方向に配向されるように各層が成形されるので、各層を構成する強化繊維が異なる方向に配向される。これにより、積層体1の強度を高めることができる。
次に、図4(a)に示すように、積層体1の第3の層となるシート材(3層目)として、シート材30Cを準備する。第3の層となるシート材30Cが、図2(a)に示すシート材30Aと相違する点は、第1側面被覆部33Cの幅を狭くした点と、強化繊維の配向を90°ずらした点である。なお、図2(a)に示すシート材30Aと同様の機能を有する部位は、末尾に「C」の文字を付してその詳細な説明を省略する。
このようなシート材30Cを用いて、図2(a)~(c)で説明した作業と同様の作業で、図4(b)に示すように、上述した第2の層の上に、積層体1の第3の層を積層することで、賦形体10Cを成形する。ここで、上述した形状のシート材30Cにより、第3の層の境界部35Cが、積層方向において第1の層および第2の層の境界部35A、35Bとは異なる位置に形成されるように、積層体1の第3の層が成形される。具体的には、各境界部35Cが、積層体1の積層方向において、境界部35A、35Bよりも賦形曲面62Cから遠ざかるように、積層体1の第3の層が成形される。
次に、図5(a)に示すように、積層体1の第4の層となるシート材として、シート材30Dを準備する。第4の層となるシート材30Dが、図2(a)に示すシート材30Aと相違する点は、各第2側面被覆部33Dの両側に曲面被覆部34Dを設けた点と、強化繊維の配向を-45°ずらした点である。なお、第4の層となるシート材30Dの第2側面被覆部33Dは、第2の層となるシート材30Bの第2側面被覆部33Bの幅より広い。なお、図1(a)に示す、シート材30Aと同様の機能を有する部位は、末尾に「D」の文字を付してその詳細な説明を省略する。
このようなシート材30Dを用いて、図2(a)~(c)で説明した作業と同様の作業で、図5(b)に示すように、積層体1の第4の層を積層することで、積層体1を成形する。ここで、上述した形状のシート材30Cにより、第4の層の境界部35Dが、積層方向において1~第3の層の境界部35A~35Cとは異なる位置に形成されるように、積層体1の第4の層が成形される。具体的には、各境界部35Cが、積層体1の積層方向において、境界部35A~35Cよりも賦形曲面62Cから遠ざかるように、積層体1の第4の層の境界部35Dが形成される。
このような結果、境界部35A~35Dが、積層体1の積層方向において、積層体1の表面側に進むに従って、賦形曲面62Cから遠ざかるように、各層が成形される。これにより、脆弱部となる表層側の境界部35Dを、構造的に安定した第1側面被覆部32Cの中央寄りに配置することができるため、全体的に安定した強度を有した積層体1を賦形することができる。
各層の境界部35A~35Dが、賦形曲面62Cを挟んで第1賦形側面62A側または第2賦形側面62B側に交互に位置するように、各層が積層される。これにより、積層体1の脆弱部である境界部35A~35Dを、賦形曲面62Cを挟んで分散させることができる。
なお、積層体1の最表層であるシート材35Dの強化繊維基材が、織物基材であってもよい。これにより、応力が作用し易い積層体1の最表層を、織物基材を含むシート材にすることにより、積層体1の強度をさらに高めることができる。
このようにして得られた積層体1は、主被覆部31A~31Dからなる主板状部31と、主板状部31を囲うように立ち上った側壁部32とを有し、側壁部32は、主被覆部31A~31Dに連続した第1および第2側面被覆部32A~32D、33A~33Dにより構成される。
このような積層体1では、側壁部32において、脆弱部である境界部35A、35B、35C、35Dが、積層体1の積層方向において、一致することがないので、このような複雑な立体形状であっても、全体的に安定した強度を有した積層体1を賦形することができる。これにより、賦形型60からの離型時の変形等を抑えることができる。
さらに、プリフォームである積層体1は、図6に示すように、同様の方法で積層された積層体1Aを発泡樹脂とともに内部に収容し、発泡樹脂がさらに発泡しかつ積層体1、1Aの合成樹脂が硬化する温度までこれらが加熱される。これにより、成形品100を得ることができる。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
本実施形態では、第1の層の強化繊維の配向角度を基準として、積層される層の順に45°ずつずらしたが、たとえば、次の層の強化繊維の配向角度を45°とし、その次の層の強化繊維の配向角度を-45°としてもよい。さらに、本実施形態では、4層構造の積層体を賦形したが、その層数は特に限定されるものではなく、いずれか1つの層が織物繊維の強化繊維を含んでいてもよい。