[第1実施形態]
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図1は、遊技機を説明する図である。
遊技機10は島設備に固定される枠11に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠12(本体枠)及びガラス枠15によって構成されている。
前面枠12には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス14を有するガラス枠15が取り付けられる。カバーガラス14は、遊技盤30に形成される遊技領域32(図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠12及びガラス枠15は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠15のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域32にアクセスすることができる。また、前面枠12をガラス枠15が開放されていない状態で開放することで、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板)100(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠15のカバーガラス14周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
ガラス枠15の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置18a,18bが配設されている。装飾装置18a,18bは、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置18a,18bの内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ19aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ19aとは別に遊技機10の下部には、2つの下スピーカ19bが設けられている。下スピーカ19bは、ガラス枠15の下左角部分及び前面枠12の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ19a及び下スピーカ19bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
ガラス枠15の右側部には、遊技機10の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット13が配設されている。突出演出ユニット13は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット13の内部に配設される照明部材も枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の下部には、遊技球を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニットが取り付けられている。上皿21は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿21に貯留されている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
上皿ユニットは、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置22と、をさらに備える。
演出操作装置は、演出ボタン25にタッチパネル25bを組み込んだ操作装置であり、遊技者が操作しやすいように上皿ユニットの上部中央に設けられている。
遊技者が演出操作装置を操作することによって、表示装置41(図2参照)に表示される特図変動表示ゲーム(ゲーム)等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲーム(ゲーム)の結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、特定遊技状態としての時短状態や変動表示ゲームにおいて特別結果(例えば大当り)の発生確率が高い状態(確変状態、確率変動状態)、大当り状態(特別遊技状態)である。
ここで、確変状態(特定遊技状態)は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ、ST)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置等を設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニットの上部右側に設けられている。球貸操作装置は、球貸ボタン27と、返却ボタン28と、残高表示部26と、を備えている。球貸ボタン27は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン28は遊技機10に隣接するように配置されるカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部26は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
装飾装置22は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニットの前側部分に設けられている。装飾装置22の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
上記した上皿ユニット等を備えるガラス枠15の下方であって、前面枠12の下部には、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル24と、遊技球を貯留可能な下皿23とが設けられている。
操作ハンドル24は、前面枠12の右下部であって、右側の下スピーカ19bの下方に配置されている。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、球発射装置は上皿21から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域32に発射する。球発射装置から発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル24の回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。即ち、球発射装置は、遊技領域に遊技球を発射する勢(速度)である発射勢を、遊技者による操作ハンドル24の操作に対応して変更でき、発射勢の異なる種々の発射態様で遊技球を発射できる。発射態様には、遊技領域32の左側において遊技球を流下させる左打ち(通常打ち)と、遊技領域32の右側において遊技球を流下させる右打ちが含まれる。
下皿23は、上皿ユニットに対して所定の間隔をあけて、上皿ユニットの下方に配置されている。下皿23は、当該下皿23の底面を上下方向に貫通する球抜き穴23aと、球抜き穴23aを開閉するための開閉操作部23bと、を有している。遊技者が開閉操作部23bを操作して、球抜き穴23aを開くことによって、下皿23に貯留されていた遊技球を球抜き穴23aを通じて外部に排出することができる。
〔遊技盤〕
続いて、図2を参照して、遊技機10の遊技盤30について説明する。図2は、遊技機10に備えられる遊技盤30の正面図である。
図2に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体30aを備える。遊技盤本体30aは木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30aの前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、ガイドレール31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース(前面構成体)40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース40の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示装置41の表示画面(表示部)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ通路40eへの流入口40aと、ワープ通路40eを通過した遊技球が転動可能なステージ部40bとが設けられている。センターケース40のステージ部40bは、始動入賞口36及び普通変動入賞装置37の上方に配置されているため、ステージ部40b上で転動した遊技球は始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞しやすくなっている。
センターケース40の上部及び右側部には、それぞれ上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dが設けられる。上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dは、盤装飾装置46(図4参照)及び盤演出装置44(図4参照)の一部を構成している。
センターケース40の右側方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右下方の遊技領域32にも一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW)35a~35n(図3参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する始動入賞口(第1始動入賞領域)36が設けられ、その直下には第2始動入賞口(第2始動入賞領域)を備えた普通変動入賞装置37が設けられる。普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで、遊技球が流入し易い状態に変換する可動部材(可動片)37bを備える。可動部材37bが閉状態である場合には遊技球が普通変動入賞装置37に入賞できないようになっている。遊技球が始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
可動部材37bは、所謂ベロ型の普通電動役物であり、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド37c(図3参照)を介して回動して開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化する。
なお、可動部材37bは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、通常遊技状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生させる。なお、確変状態(潜伏確変状態を除く)においても、重複して時短状態(普電サポート状態)が発生する。
普通変動入賞装置37の右下方の遊技領域32には、大入賞口ソレノイド39b(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉39cを有する特別変動入賞装置39が設けられている。特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウントスイッチ39a(大入賞口スイッチ39a、図3参照)が配設されている。また、大入賞口内や大入賞口近傍には、大入賞口を照らす発光部材が配設されている。
第2特別変動入賞装置39の内部には、特定領域86(いわゆるV入賞口)が設けられている。特定領域86(V入賞口)に遊技球が入球した場合に大当り終了後の確変状態(高確率状態、特定遊技状態)が確定する。特定領域86は、確変大当りの場合にのみ、長時間開放されるなどして遊技球が容易に通過できるようにしてよい。なお、遊技制御装置100は、特定領域86への遊技球の通過(V入賞)をセンサ(後述の特定領域スイッチ72)等を介して検知でき、V入賞を検知すると大当り終了後に確変状態に移行することを確定するとともに、後述の演出制御装置300にV入賞があったことを示す情報(特定領域通過コマンド等)を送信する。そして、演出制御装置300は、V入賞を表示装置41などにおいて報知できる。
一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、及び特別変動入賞装置39の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置200(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿21に排出する。また、普通変動入賞装置37の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30bが設けられている。
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体30aの右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51~60を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部51(特図1表示器、ランプD1)及び第2特図変動表示部52(特図2表示器、ランプD2)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53(普図表示器、ランプD10、D18)と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)と、を有している。特図1保留表示器54はランプD11、D12により構成される。特図2保留表示器55は、ランプD13、D14により構成される。普図保留表示器56は、ランプD15、D16により構成される。
また、一括表示装置50には、右打ち時(右打ちすべき時)又は左打ち時(通常打ち時)であることを報知する第1遊技状態表示部57(第1遊技状態表示器、ランプD8)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部58(第2遊技状態表示器、ランプD9)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部59(第3遊技状態表示器、確率状態表示部、ランプD17)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60(ランプD3-D7)が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52において、変動表示ゲームは、識別情報(例えば、中央のセグメント)の点灯消灯(点滅)を繰り返す変動表示によって実行される。なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、このようなセグメント型の表示部に限らず、複数のLEDの集合体により構成されていてもよいし、変動表示を実行する場合に、表示器として設けられるすべてのLEDにより全点灯全消灯(全LEDの同時点滅)や、循環点灯(何れか1のLEDから所定時間毎に所定の順序で点灯し、消灯する)、または複数のLEDのうちの所定数のLEDによる点灯消灯(点滅)や循環点灯によって行ってもよい。普図表示器53においても、変動表示ゲームは、ランプD10、D18の点灯消灯を繰り返す変動表示(点滅)によって実行される。また、普図表示器53も特図1表示器51、特図2表示器52と同様に適宜構成することが可能である。
また、センターケース40の上部に設けられるランプ表示装置80は、図柄(第四特別図柄)として点灯表示と消灯表示を繰り返す変動表示(点滅)を実行するランプ表示部(LED)と、各特図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用のランプ表示部(LED)を有する。なお、ランプ表示装置80は、演出制御装置300(後述)で制御される。各特図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用のランプ表示部(LED)は、大当り発生により保留数の表示を終了するが、大当り状態中以外の場合(表示装置41で後述のリーチが発生している場合も含む)では、保留数の表示を行う。
次に、遊技機10における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機10では、図示しない球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30bへ流入し、遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置を介して上皿21に排出される。
普図始動ゲート34には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の判定結果に基づき普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって普通変動入賞装置37が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート34通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の始動入賞口36への入賞及び普通変動入賞装置37への入賞は、始動口1スイッチ36a(図3参照)及び始動口2スイッチ37a(図3参照)によって検出される。始動入賞口36に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値等が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、表示装置41の表示画面にも表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36への入賞若しくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37への入賞若しくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)及び特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)は、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報(特別図柄、特図)を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。さらに、飾り特図変動表示ゲームでは、他の飾り特別図柄(識別情報)として、ランプ表示装置80のランプ表示部(LED)において、点灯表示と消灯表示の繰り返し(点滅)によって第四特別図柄(第4図柄)が変動する。ランプ表示部の変動表示は、開始から所定時間後に、はずれの場合は「点灯」、大当りの場合は「消灯」で停止する。
なお、逆に、第四特別図柄(第4図柄)としてのランプ表示部(LED)の変動表示は、はずれの場合は「消灯」、大当りの場合は「点灯」で停止する構成も可能である。また、各ランプ表示部としてLED(第4図柄LED)を複数設けて、はずれの場合に複数のうちの一つのLEDを点灯させ、大当りの場合に複数の全てのLEDが点灯させるような構成も可能である。
始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図1表示器51または特図2表示器52において、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド39b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置39に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ39aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技制御装置〕
図3は、遊技機10の遊技制御系のブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100(主基板)を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC-DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。RAM初期化スイッチ112が押下げられてオン操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100(主基板)は、設定キースイッチ93を備える。設定キースイッチ93は、操作者の回転操作等によってオンすることによって遊技条件(遊技)に関する設定に応じた確率設定値(設定値)を変更可能な状態にする。なお、RAM初期化スイッチ112は、操作者の操作に応じて確率設定値を変更可能な設定値変更スイッチとしても使用可能である。本実施形態では、確率設定値は、大当り確率や小当り確率(小当りがある場合のみ)などの当選確率を設定するための設定値であるが、確率以外の他の遊技条件(演出など)も確率設定値に応じて変更可能である。設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112は、遊技条件に関する設定(確率設定値)を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42)を構成する。なお、RAM初期化スイッチ112ではなく、他のスイッチが、設定値変更スイッチを兼用してもよいし、専用に独自の設定値変更スイッチを設けてもよい。
設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112は、遊技機10内部の遊技制御装置100上に設けられることによって、前面枠12(本体枠)が開放されなければ操作できない位置(アクセスできない位置)に配置される。即ち、一般の遊技者は、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112にアクセスして操作することができない。
後述するように、遊技機10の電源投入(停電復旧、復電)の際に、遊技機10は、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112のオン/オフ状態に応じて、確率設定値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)などの各種状態に、移行することができる。
本実施形態において、確率設定値は、例えば6段階で規定され、確率設定値1(設定1)、確率設定値2(設定2)、確率設定値3(設定3)、確率設定値4(設定4)、確率設定値5(設定5)、確率設定値6(設定6)がある。一般的に、設定1が遊技者に最も不利な設定であり、設定6が遊技者に最も有利な設定である。設定1、2が低設定であり、設定3、4が中間の設定(中間設定)であり、設定5、6が高設定である。
確率設定変更処理では、操作者によってRAM初期化スイッチ112が押下操作される度に、作業用設定値領域の作業用設定値(設定)が、設定値0(設定1、確率設定値1)→設定値1(設定2、確率設定値2)→設定値2(設定3、確率設定値3)→設定値3(設定4、確率設定値4)→設定値4(設定5、確率設定値5)→設定値5(設定6、確率設定値6)→設定値0(設定1)→設定値1(設定2)→・・・のように変更される。このように、RAM初期化スイッチ112は、設定値変更スイッチとしても機能する。なお、説明の都合上、設定変更状態(設定変更モード)中に、作業用設定値0~5をそれぞれ確率設定値1~6に対応して設けるが、作業用設定値と確率設定値は同じ数値範囲(即ち0~5又は1~6)に揃えて同じものとして取り扱ってもよい(作業用設定値と確率設定値を同じ数値にする)。
なお、RAM初期化スイッチ112(設定値変更スイッチ)の操作ではなく、設定キースイッチ93を所定の位置に回転操作して確率設定値を変更する構成としてもよい。また、確率設定値は6段階に限られない。そして、選択されている0~5の作業用設定値に対応する表示用確率設定値が、例えば4桁の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグメント型)の表示器である性能表示装置152等に表示される。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶する。RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用されるもので、遊技に関する情報(遊技情報)が記憶され、停電が発生しても記憶された情報の記憶保持が可能な保持記憶手段となる。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1~3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様(大当り態様)が導出される可能性が異なる(期待度が異なる)リーチ演出の系統(種類)として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、大当りの期待度(期待値)は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合と比較して大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、小当りの図柄を決定するための小当り図柄乱数(小当りがある場合のみ)、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期(例えば、4msec(ミリ秒))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当りあるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニット600からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技制御装置100の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62(盤電波センサ)、普図始動ゲート34のゲートスイッチ34a、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37(普通変動入賞装置)内の始動口2スイッチ37a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
さらに、インタフェースチップ(近接I/F)121は、特定領域スイッチ72、残存球排出口スイッチ73、アウト球検出スイッチ74に接続される。特定領域スイッチ72は、特定領域86(V入賞口)への遊技球の通過(V入賞)を検出する。残存球排出口スイッチ73は、特別変動入賞装置39からの遊技球を排出する残存球排出口を通過した遊技球を検出する。アウト球検出スイッチ74は、アウト口30bを通過する遊技球のみを検出してもよいし、遊技領域に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出してもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124、又は、第4入力ポート126に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、ゲートスイッチ34a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aの検出信号は第3入力ポート124に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート123に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、特定領域スイッチ72、残存球排出口スイッチ73、又は、アウト球検出スイッチ74の検出信号は第4入力ポート126に入力される。
また、第2入力ポート123には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63、前面枠12(本体枠)等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ65からの信号が入力される。
また、第2入力ポート123は、設定キースイッチ93からの設定キースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する。
また、近接I/F121の出力のうち、第3入力ポート124への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第3入力ポート124の他、遊技用マイコン111に入力されるように構成されている。
前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第3入力ポート124が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第3入力ポート124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポート123、第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号、払出異常を示すステータス信号、払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号、RAM初期化スイッチ112からの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。枠電波不正信号は前面枠12(本体枠)に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置に出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置に供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され普通変動入賞装置37を開放させるソレノイド(普電ソレノイド)37c、特別変動入賞装置39を開放させる大入賞口ソレノイド39b(大入賞口ソレノイド)、レバーを動作させ特定領域86を開放させるレバーソレノイド86bの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド39bなどの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dが設けられている。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりデジット線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力されるシリアルデータ(制御用データ、点灯パターンデータ、キャラクタコード(文字コード)など)を受けて、性能表示装置152(状態表示装置)を駆動するドライバ150が設けられている。本実施形態では、性能表示装置152は、複数(4つ)の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグメント型)の表示器(LEDランプ)からなり、ドライバ150はLEDドライバであるが、これに限られるものではない。
性能表示装置152は、遊技制御装置100(主基板)上に設けられるものであるが、他の場所に設けられてもよい。例えば、性能表示装置152は、性能表示として、表示用確率設定値や役物比率や出玉率や排出球数を表示可能である。
ここで、排出球数は、遊技領域32から排出された遊技球の数(アウト球数とも呼ぶ)であり、入賞口を通過した遊技球の数(入賞数)とアウト口30bを通過した遊技球の数との合計である。排出球数は、アウト球検出スイッチ74の信号などをカウント(計数)することにより取得できる。本実施形態では、入賞口には、一般入賞口35、始動入賞口36(第1始動入賞口、始動口1)、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動口2)、及び、特別変動入賞装置39(大入賞口)が含まれる。
出玉率は、排出球数(或は発射球数)に対する賞球数の合計の比率(割合)であり、(獲得球数÷排出球数)×100(%)で計算される。即ち、出玉率は、排出球数100個当りの獲得球数(賞球数の合計)となる。
例えば、役物比率は、所定期間(例えば、遊技機10の電源投入から現在まで)に入賞口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当り状態中に大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(%)(=いわゆる連続役物比率)である。なお、役物比率は、全賞球数のうち、大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(大当り状態中と小当り状態中)の割合(=大入賞口比率)でもよいし、或は、大入賞口及び普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)に入賞したことで得られた賞球数の割合(=一般的に使用されるいわゆる役物比率(全役物比率))でもよい。
〔演出制御装置〕
次に、図4を用いて、演出制御装置300(サブ基板)の構成について説明する。図4は、遊技機10の演出制御系のブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0~n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。なお、盤装飾装置46には、前述のランプ表示装置80が含まれてよい。
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネル25b、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)前述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。さらに、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、例えば、大入賞口ソレノイド39bにより特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンド(R)とし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回、11回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能である。高確率状態(確変状態)は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態と比較して高い状態である。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能である。時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するため、普電サポート状態となる。なお、潜伏確変状態を除く高確率状態(通常の確変状態)でも、重複して時短状態にして普電サポートを実行する。
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を通常の第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間にする時間短縮変動が可能である(例えば、10000msecが1000msec)。なお、時短状態においては、特図変動表示ゲームの実行時間(特図変動時間)も通常より短縮され、特図変動表示ゲームの時間短縮変動も実行する。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604msec)よりも短い第2停止時間(例えば704msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば100msec)よりも長い第2開放時間(例えば1352msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。これにより、時短状態では、通常遊技状態よりも普通変動入賞装置37への入賞が容易化して、単位時間当たりの特図変動表示ゲームの実行回数が通常遊技状態よりも増加可能である。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図確率が0)してもよい。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
〔電源投入時の移行状態〕
前述のように、電源投入時のRAM初期化スイッチ112及び設定キースイッチ93のオンオフ状態によって、4つの状態(モード)へ移行する。
電源投入時に、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ93とがオンにされている場合には、確率設定値(設定値)を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)に移行する(図5BのA1027-A1036と図6B参照)。
次に、電源投入時に、設定キースイッチ93がオンにされているがRAM初期化スイッチ112がオフの場合には、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に移行する(図5BのA1031-A1036と図6B参照)。
また、電源投入時に、設定キースイッチ93がオフであるがRAM初期化スイッチ112がオンにされている場合には、RAM初期化状態(RAMクリアモード)に移行し、RAM初期化処理(RAMクリア処理)が実行されて、RAM111cが初期化される(図5BのA1042-1044参照)。
電源投入時に、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112とがオフである場合には、通常復電状態(通常復電モード)に移行し、単に復電されるだけの状態になる。
[遊技制御装置の制御]
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5A及び図5Bに示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図9に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5A及び図5Bは、遊技制御装置100によるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。なお、遊技制御装置100が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
図5Aに示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込みを禁止する処理を実行する(A1001)。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理を実行する(A1002)。
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(A1003)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1004)。例えば、RAMのアドレスが0000h~01FFhの範囲である場合に、上位アドレスとして00hをセットする。
次に、遊技制御装置100は、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(A1005)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態を読み込む(A1006)。即ち、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112からの信号を読み込む。
さらに、遊技制御装置100は、電源ディレイタイマを設定する(A1007)。電源ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすことを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、待機時間の開始前に設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むことで、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても、電源投入時に行った設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源ディレイタイマを設定すると(A1007)、遊技制御装置100は、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(A1008からA1010)。
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込むなどして、停電が発生しているか否か判定する(A1008)。停電が発生している場合に(A1008の結果が「Y」)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
遊技制御装置100は、停電が発生していない場合には(A1008の結果が「N」)、電源投入ディレイタイマを-1更新し(A1009)、タイマの値が0であるか否かを判定する(A1010)。タイマの値が0でない場合(A1010の結果が「N」)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、ステップA1008の処理に戻る。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(A1010の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(A1011)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(A1012)。
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(A1013)。
さらに、ここで、性能表示装置152(状態表示装置)を駆動するドライバ150を初期設定してもよい。遊技制御装置100は、初期設定の内容に対応する制御用データを含むコマンドを、第2出力ポート134(シリアル通信回路)の送信バッファに書き込んでドライバ150に送信する。例えば、遊技制御装置100は、初期設定においてデューティ比を設定する。デューティ比は、性能表示装置152の各LED(各セグメント)の明るさに対応する。遊技制御装置100は、初期設定において、性能表示装置152の使用桁数を設定する。本実施形態では、使用桁数は4である。
次に、遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(A1014)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
続いて、遊技制御装置100は、RAM(ここではRAM111c)の異常を示すRAM異常フラグをセットする(A1015)。ここでは、一旦、異常前提のフラグを所定のレジスタにセットしておく。
次に、遊技制御装置100は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1016)。そして、正常であれば(A1016の結果が「Y」)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1017)。
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(A1017の結果が「Y」)、RWM内の所定領域(例えば遊技制御用作業領域)のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1018)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定する(A1019)。チェックサムが一致する場合には(A1019の結果が「Y」)、RAMは正常であり、RAMの異常を示すRAM異常フラグをクリアする(A1020)。その後、ステップA1021の処理に移行する。
また、遊技制御装置100は、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(A1016の結果が「N」、又は、A1017の結果が「N」)、チェックサムが一致しない場合には(A1019の結果が「N」)、RAM異常フラグをクリアすることなく、ステップA1021の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両スイッチがオンであるか否かを判定する(A1021)。遊技制御装置100は、両スイッチがオンである場合に(A1021の結果が「Y」)、設定可変状態(設定変更モード)に移行し、ステップA1027-A1037の確率設定変更中の処理を実行する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフである場合に(A1021の結果が「N」)、RAM(ここではRAM111c)の異常を示すRAM異常フラグがセットされているか否か判定する(A1022)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(A1022の結果が「N」)、確率設定変更中フラグがセットされているか否かを判定する(A1023)。確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1023の結果が「N」)、ステップA1031-A1037の確率設定確認中(設定確認状態中、設定確認モード中)の処理、ステップA1041-1044のRAM初期化処理(RAMクリア処理)、又は、ステップA1041、A1045、A1046の通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を実行する。
遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A1023の結果が「Y」)、遊技制御装置100(主基板、メイン基板)に異常があったことを報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する(A1024)。メイン異常エラー報知のコマンドを受信した演出制御装置300は、遊技制御装置100の異常があったことを報知する。
続いて、遊技制御装置100は、遊技停止時の7セグ表示データ(図9(C)の「E1」のエラー表示のデータ)を性能表示装置152で表示するために性能表示装置152のドライバ150に出力する(A1025)。そして、外部装置(遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)や情報収集端末など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、ここで、大当りに関する情報がRAM111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。その後、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機し、再度、設定変更の操作(設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両方のオン操作)をして電源が投入されるのを待つ。なお、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機して待機している間、割込みは禁止されたままであり(A1001)、特図1、2ゲーム処理や普図ゲーム処理を実行可能なタイマ割込み処理(図7)が実行できないため、遊技(特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム)は実行できない。
このように、設定変更の操作(設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両方のオン操作)を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされている場合に異常があったとして、A1024-A1026の処理を実行する。例えば、確率設定変更中(設定変更が完了する前)に電源がオフして再起動した場合などに、設定変更の操作を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされることがある。
一方、遊技制御装置100は、RAM異常フラグがセットされている場合も(A1022の結果が「Y」)、遊技制御装置100(メイン基板)に異常があったことを報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信し(A1024)、遊技停止時の7セグ表示データ(図9(C)の「E1」のエラー表示のデータ)を性能表示装置152のドライバ150に出力し(A1025)、外部装置にRAM異常を知らせるために、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、前述と同様に、大当りに関する情報がRAM111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。その後、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両スイッチがオンである場合に(A1021の結果が「Y」)、確率設定変更中(設定可変状態中)の処理を開始して、まず、RAM異常フラグがセットされているか否かを判定する(A1027)。RAM異常フラグがセットされている場合に(A1027の結果が「Y」)、確率設定値が正しいものであるか不明であるため、RAM111cの確率設定値領域に記憶されている確率設定値をクリアし初期値(例えば最低設定値「1」)にしてから(A1028)、確率設定変更中であることを示す確率設定変更中フラグをセットする(A1029)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(A1027の結果が「N」)、確率設定値をクリアせずに、確率設定変更中フラグをセットする(A1029)。次に、確率設定変更中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1030)、ステップA1034の処理に移行する。なお、確率設定変更中のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定変更中であることを表示装置41などにおいて報知する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフであり(A1021の結果が「N」)、RAM異常フラグがセットされておらず(A1022の結果が「N」)、且つ、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1023の結果が「N」)、設定キースイッチ93がオンであるか否かを判定する(A1031)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1031の結果が「Y」)、RAM初期化スイッチ112はオフということになり、確率設定確認中(設定確認状態中)の処理が開始して、確率設定確認中であることを示す確率設定確認中フラグをセットする(A1032)。そして、確率設定確認中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1033)、ステップA1034の処理に移行する。なお、確率設定変更中のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定確認中であることを表示装置41などにおいて報知する。
ステップA1030又はステップA1033の後に、遊技制御装置100は、確率設定変更中と確率設定確認中の共通の処理として、ステップA1034からA1040の処理を実行する。
遊技制御装置100は、まず、確率設定変更中と確率設定確認中においてセキュリティ信号を出力するために、セキュリティ信号制御タイマ領域に128ms(所定時間)をセーブする(A1034)。なお、セキュリティ信号制御タイマのカウントとセキュリティ信号の出力は、後述の確率設定変更/確認処理(図6B)において実行されるが、確率設定変更又は確率設定確認が早期に終了した場合には、残りのセキュリティ信号制御タイマのカウントとセキュリティ信号の出力は、外部情報編集処理(A1321)で実行される。確率設定変更中と確率設定確認中において、少なくとも50msは、セキュリティ信号は出力される。
次に、遊技制御装置100は、割込みを許可する(A1035)。これにより、タイマ割込み処理(図7)が実行可能となる。そして、設定キースイッチ93がオフであるか否かを判定する(A1036)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1036の結果が「N」)、停電が発生しているか否かを判定する(A1037)。停電が発生していない場合に(A1037の結果が「N」)、ステップA1036の処理に戻る。一方、停電が発生している場合に(A1037の結果が「Y」)、ステップA1055-A1061の停電発生時の処理を実行する。
このように、設定キースイッチ93がオンであり、停電が発生していない限り、確率設定値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)、又は、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)が継続される。
一方、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオフである場合に(A1036の結果が「Y」)、割込みを禁止し(A1038)、報知終了のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信する(A1039)。なお、報知終了のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定確認中であることの報知又は確率設定変更中であることの報知を終了する。
次に、遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否か、即ち、これまで確率設定変更中であったか否かを判定する(A1040)。確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A1040の結果が「Y」)、即ち、これまで確率設定変更中であった場合に、ステップA1042-A1044のRAM初期化処理(後述)を実行する。一方、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1040の結果が「N」)、即ち、これまで確率設定確認中であった場合に、ステップA1045以降の電源投入時(電源復旧時)の通常の処理を実行する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオフである場合に(A1031の結果が「N」)、RAM初期化スイッチ112がオンであるか否かを判定する(A1041)。RAM初期化スイッチ112がオンである場合に(A1041の結果が「Y」)、RAM111cにおいて、確率設定値を記憶するための確率設定値領域以外のRAM領域を0クリアする(A1042)。即ち、確率設定値領域で記憶されている確率設定値を除いて、RAM111cに記憶された遊技情報は0クリアされる。さらに、前述の確率設定変更中フラグもここでクリアされる。また、ここで、確率設定値領域の他に、スタック領域や未使用領域をクリアしない構成や、性能情報やその表示(性能表示)に関連するワークエリア、スタック領域をクリアしない構成も可能である。なお、性能情報は、入賞により得られた賞球数に基づいて導出されるもので、例えば、出玉率、ベース値(通常遊技状態における出玉率)、役物比率、排出球数などである。
次に、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A1043)。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1044)、ステップA1047の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112がオフである場合に(A1041の結果が「N」)、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112が両方ともオフであるため、通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を開始し、停電復旧処理を実行する(A1045)。例えば、初期化すべき領域に停電復旧時(復電時)の初期値をセーブする。また、前述の確率設定確認中フラグもここでクリアされる。次に、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1046)、ステップA1047の処理に移行する。
なお、ステップA1044の処理で送信されるRAM初期化時のコマンド及びステップA1046の処理で送信される停電復旧時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1、2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態(高確率状態又は低確率状態)や時短状態の有無を示す確率情報コマンド、所定の演出モードで特図変動表示ゲームが実行された回数を示す演出回数情報コマンド、電源投入されたこと示す停電復旧コマンドが含まれる。
さらに、RAM初期化時のコマンド及び停電復旧時のコマンドには、遊技機10の確率設定値(設定値)の情報である設定値情報(設定情報)を示す設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド)が含まれる。遊技制御装置100は、電源の復旧(投入)時に、一度だけ設定値情報コマンドを演出制御装置300に送信するだけでよく、以降、演出制御装置300は自身が記憶した設定値情報を参照して演出制御を行える。
なお、RAM初期化時のコマンドには、RAM初期化のコマンド(RAMクリアのコマンド)も含まれる。RAM初期化のコマンドを受信した演出制御装置300は、例えば、表示装置41に客待ちデモを表示し、盤装飾装置46等のLEDとスピーカの音でRAM初期化(RAMクリア)の報知を30秒間行う。また、停電復旧時のコマンドには、表示装置41の画面の表示内容を指定する画面指定のコマンドが含まれる。なお、画面指定のコマンドは、特図1、2について共に普段処理中では(変動中でも当り中でもないとき)、客待ちデモコマンドであり、それ以外なら復旧画面コマンドである。
ステップA1044又はステップA1046の後に、遊技制御装置100は、乱数生成回路を起動設定する(A1047)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよい。
その後、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する大当り図柄乱数の初期値(大当り図柄初期値乱数)、小当り図柄を決定する小当り図柄乱数の初期値(小当り図柄初期値乱数)(小当りがある場合のみ)、普図の当りを決定する当り乱数の初期値(当り初期値乱数)、転落抽選で使用する転落抽選乱数の初期値(転落抽選初期値乱数)等)のスタート値としてRWMの所定領域にセーブし(A1048)、割込みを許可する(A1049)。本実施形態で使用するCPU111a内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数のスタート値(初期値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1050)。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。
また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数、転落抽選乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1あるいは1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
続いて、遊技制御装置100は、割込みを禁止し(A1051)、性能情報やその表示(性能表示)を編集する性能表示編集処理を実行する(A1052)。ここで、性能情報(役物比率や出玉率など)を計算してよい。また、RAM異常フラグがレジスタにセットされていた場合に、性能情報やその表示(性能表示)に関連するワークエリア、スタック領域をクリアしてもよい(ステップA1042でクリアされていないなら)。その後、割込みを許可する(A1053)。これにより、タイマ割込み処理(図7)が実行可能となる。
次に、遊技制御装置100は、停電が発生しているか否かを判定する(A1054)。停電が発生していない場合に(A1054の結果が「N」)、ステップA1050の処理に戻る。これにより、停電が発生するまで、ステップA1050-A1054の処理が繰り返される。
停電が発生した場合に(A1054の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、停電発生時の処理を開始し、一旦割込みを禁止し(A1055)、全出力ポートにオフデータを出力する(1056)。その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(A1057)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(A1058)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1059)、さらに、算出したチェックサムをセーブする(A1060)。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1061)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図6Aは、タイマ割込み処理(割込み処理プログラム)の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク1を指定し(A1301)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1302)。タイマ割込み処理の開始時にメイン処理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、メイン処理で使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、タイマ割込み処理が開始されると、自動的に割込み禁止状態になる。
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1303)。次に、確率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグに基づいて、確率設定変更中又は確率設定確認中であるか否かを判定する(A1304)。確率設定変更中又は確率設定確認中である場合に(A1304の結果が「Y」)、確率設定値を変更又は確認するための確率設定変更/確認処理を実行する(A1305)。
遊技制御装置100は、確率設定変更中でも確率設定確認中でもない場合に(A1304の結果が「N」)、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(例えば大入賞口ソレノイド39b)等のアクチュエータの駆動制御やLEDの駆動制御(発光制御)などを行うための出力処理を実行する(A1306)。なお、メイン処理におけるステップA1005の処理で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とする。
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理を実行し(A1307)、さらに、乱数更新処理1(A1308)、乱数更新処理2(A1309)を実行する。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する(A1310)。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口で遊技球の異常排出が発生中であるか否かを判定する(A1311)。後述の異常排出監視処理(A1318)によって異常排出発生中フラグが設定された場合に、異常排出が発生中であると判定できる。異常排出が発生中である場合に(A1311の結果が「Y」)、ステップA1315以降の処理を実行する。
遊技制御装置100は、異常排出が発生中でない場合に(A1311の結果が「N」)、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(A1312)。なお、特図ゲーム処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1313)。遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理を実行する(A1314)。
さらに、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A1315)。さらに、遊技盤の電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する電波不正監視処理(盤電波不正監視処理)を実行する(A1316)。
その後、遊技制御装置100は、振動センサ65からの入力に基づいて振動による不正を監視する振動不正監視処理を実行する(A1317)。次に、大入賞口からの異常排出を監視する異常排出監視処理を実行する(A1318)。異常排出監視処理では、特別変動入賞装置39における大入賞口スイッチ39a、特定領域スイッチ72(V入賞口スイッチ)、残存球排出口スイッチ73からの入力に基づいて、特別変動入賞装置39の異常排出を監視し、異常排出が発生した場合に異常排出発生中フラグが設定される。なお、特別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39aを通過した遊技球は、特定領域スイッチ72(V入賞口スイッチ)又は残存球排出口スイッチ73を通過して排出される。
次に、遊技制御装置100は、各種外部装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理を実行する(A1319)。そして、性能表示装置152の表示を制御する性能表示モニタ制御処理を実行する(A1320)。その後、タイマ割込み処理を終了する。
なお、タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンクの指定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報編集処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻す処理を行ってもよい。
〔確率設定変更/確認処理〕
次に、タイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理(A1305)の詳細について説明する。図6Bは、確率設定変更/確認処理の手順を示すフローチャートである。確率設定変更/確認処理では、確率設定値が変更又は確認できる。
遊技制御装置100は、まず、確率設定値が正常範囲内であるか否かを判定する(A2401)。ここでの確率設定値は、RAM111cの確率設定値領域に記憶されている。
遊技制御装置100は、確率設定値が正常範囲内である場合に(A2401の結果が「Y」)、確率設定値に対応する確率設定値表示データを設定して(A2402)、性能表示装置152にドライバ150を介して出力する(A2404)。確率設定値が正常範囲内でない場合に(A2401の結果が「N」)、確率設定値表示データとして消灯データを設定して(A2403)、性能表示装置152にドライバ150を介して出力する(A2404)。
ここで、確率設定値表示データは、性能表示装置152で表示される表示用確率設定値のデータであり、確率設定値表示データ領域に記憶されている。なお、ホール関係者等の混乱を防止するため、確率設定値が異なっても同じ大当り確率(及び小当たり確率)であれば、表示用確率設定値を大当り確率(及び小当たり確率)に対応付けて同じにしてよい。即ち、同じ表示用確率設定値は、同じ大当り確率(及び小当たり確率)を意味してよい。
次に、遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0でなければ-1更新する(A2405)。セキュリティ信号制御タイマは、ステップA1034で設定された128ms(所定時間)である。続いて、外部装置(遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、ここで、大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。
その後、遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否かを判定する(A2407)。確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A2407の結果が「N」)、即ち、確率設定確認中である場合に、何もせずに確率設定変更/確認処理を終了する。
遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A2407の結果が「Y」)、即ち、確率設定変更中である場合に、電源投入後の最初のタイマ割込み処理であるか否かを判定する(A2408)。電源投入後の最初のタイマ割込み処理である場合に(A2408の結果が「Y」)、確率設定変更/確認処理を終了する。これは、RAM初期化スイッチ112を押しっぱなしだった場合に、意図せずに確率設定値の更新がされる事態を防止するためである。
遊技制御装置100は、電源投入後の最初のタイマ割込み処理でない場合に(A2408の結果が「N」)、RAM初期化スイッチ112の入力があるか否かを判定する(A2409)。RAM初期化スイッチの入力がない場合に(A2409の結果が「N」)、確率設定変更/確認処理を終了する。
遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112の入力がある場合に(A2409の結果が「Y」)、作業用設定値領域(RAM111c内又はレジスタ)の作業用設定値を0~5の範囲で+1更新するとともに、作業用設定値に対応して確率設定値領域の確率設定値1~6を+1更新する(A2410)。これにより、RAM初期化スイッチ112が操作される度に、確率設定値領域の確率設定値が1ずつ更新される。その後、確率設定変更/確認処理を終了する。なお、設定変更モードに入ったときに作業用設定値を格納する作業用設定値領域(RAM111c内又はレジスタ)に、確率設定値領域から読み出した確率設定値に対応する値(確率設定値から1減算した値)が格納されてよい。
なお、上記では、RAM初期化スイッチ112が操作される度に、作業用設定値の更新に対応して確率設定値領域の確率設定値を直接更新するようにしたが、RAM111cの作業用設定値領域に設定変更中の確率設定値(作業用設定値)を記憶するようにし、設定キースイッチ93がオフになり設定変更作業が完了したときに(A1036の結果が「Y」)、作業用設定値領域の作業用設定値に対応する値をはじめて確率設定値領域に格納するようにしてもよい。このようにすれば、設定変更中に停電が発生した場合(A1037の結果が「Y」)に、遊技制御や演出制御等に使用される確率設定値(確率設定値領域に記憶される確率設定値)が意図しない値で変更される事態を防止できる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1312)の詳細について説明する。図7は、特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(A2601)。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球が入賞すると、各種乱数(大当り乱数など)を抽出し、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A2602)。大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置39内に設けられたカウントスイッチ39aでの遊技球の検出を監視する。なお、大入賞口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新する(1だけ減算する)(A2603)。特図ゲーム処理タイマは、-1更新によって、タイマ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、特図ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する(A2604)。特図ゲーム処理タイマが0でない場合(A2604の結果が「N」)、ステップA2619の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0である場合(A2604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A2605)。さらに、特図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A2606)。続いて、特図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A2607)。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理を実行する(A2608)。なお、特図普段処理の詳細については、図10にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理を実行する(A2609)。例えば、特図変動中処理では、特別図柄の停止を示す図柄停止コマンドや停止図柄パターンに対応する停止表示時間など必要な情報を設定して、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理を実行する(A2610)。例えば、特図表示中処理では、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、ファンファーレコマンドやファンファーレ時間など必要な情報を設定して、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。特図変動表示ゲームの結果が大当りでなければ、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「3」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A2611)。例えば、ファンファーレ/インターバル中処理では、実行するラウンド遊技のラウンドに対応するラウンドコマンドや大入賞口の開放時間など必要な情報を設定して、大入賞口開放中処理に係る処理番号「4」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「4」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理を実行する(A2612)。例えば、大入賞口開放中処理では、インターバルコマンドやエンディングコマンドなど必要な情報を設定して、大入賞口残存球処理に係る処理番号「5」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「5」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理を実行する(A2613)。例えば、大入賞口開放中処理では、最終ラウンドでなければインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。最終ラウンドであればエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、大当り終了処理に係る処理番号「6」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「6」の場合には、特図普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理を実行する(A2614)。例えば、大当り終了処理では、特図変動表示ゲームの停止図柄番号(大当り図柄番号)に対応する確率変動判定データに基づいて、大当り状態終了後の確率状態や大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)など必要な情報の設定を行い、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。確率変動判定データには、大当り状態終了後の確率状態(高確率/低確率)、及び、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)の継続ゲーム回数(時間短縮変動回数、電サポ回数)の情報が含まれる。
特図ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備した後(A2615)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(A2616)。そして、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備した後(A2617)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(A2618)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(A2601)の詳細について説明する。図8は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、始動入賞口36(始動口1)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2701)、ハード乱数取得処理を実行し(A2702)、始動入賞口36への入賞があるか否かを判定する(A2703)。始動入賞口36への入賞がない場合(A2703の結果が「N」)には、ステップA2709以降の処理を実行する。一方、始動入賞口36への入賞がある場合(A2703の結果が「Y」)、特図時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A2704)。
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)でないと判定した場合(A2704の結果が「N」)、ステップA2707以降の処理を実行する。一方、特図時短中(普電サポート状態中)である場合(A2704の結果が「Y」)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備して(A2705)、演出コマンド設定処理を実行する(A2706)。演出コマンド設定処理では、シリアル送信バッファに演出コマンドを書き込み、演出コマンドが演出制御装置300に送信されることになる。
即ち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確率状態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド設定処理を実行する。本実施形態の場合、始動入賞口36へは左打ちの方が入賞し易く、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が普図始動ゲート34を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打ちよりも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に始動入賞口36に入賞があった場合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、右打ちするよう指示する報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
次に、遊技制御装置100は、始動入賞口36(始動口1)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2707)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2708)。そして、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2709)、ハード乱数取得処理を実行し(A2710)、第2始動入賞口への入賞があるか否かを判定する(A2711)。第2始動入賞口への入賞がない場合(A2711の結果が「N」)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、第2始動入賞口への入賞がある場合(A2711の結果が「Y」)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中であるか否か、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(A2712)。普通電動役物が作動中である場合(A2712の結果が「Y」)、ステップA2714の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、普通電動役物が作動中でない場合(A2712の結果が「N」)、普電不正発生中であるかを判定する(A2713)。普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に普電不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。従って、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(A2713の結果が「N」)、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2714)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2715)、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、A2713にて、普電不正発生中である(A2713の結果が「Y」)と判定した場合にも、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A2708、A2715)の詳細について説明する。図9は、特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(A2901)、ロードした値を+1更新して(A2902)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(A2903)。出力回数がオーバーフローしない場合(A2903の結果が「N」)、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(A2904)、ステップA2905の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(A2903の結果が「Y」)、ステップA2905の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限値未満か否かを判定する(A2905)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(A2905の結果が「N」)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(A2905の結果が「Y」)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(A2906)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(A2907)。
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(A2908)、ステップA2805にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(A2909)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2910)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2911)。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(A2912)、特図保留情報判定処理を実行する(A2913)。特図保留情報判定処理では、セーブした大当り乱数や大当り図柄乱数に基づく停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドや、セーブした変動パターン乱数1から3に基づく前半変動番号(リーチ前変動の番号)及び後半変動番号(リーチ後変動の番号)に対応する先読み変動パターンコマンドを演出コマンドとして設定する。そして、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A2914)、演出コマンド設定処理(A2915)を実行して、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111c)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図普段処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図普段処理(A2608)の詳細について説明する。図10は、特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3201)。特図2保留数が0である場合(A3201の結果が「Y」)、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3206)。そして、特図1保留数が0である場合(A3206の結果が「Y」)、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定し(A3211)、客待ちデモが開始済みでない場合(A3211の結果が「N」)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(A3212)。
続けて、遊技制御装置100は、客待ちデモコマンドを演出コマンドとして準備して(A3213)、演出コマンド設定処理を行い(A3214)、ステップA3215の処理に移行する。一方、ステップA3211にて、客待ちデモが開始済みである場合(A3211の結果が「Y」)、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(A3215)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(A3216)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(A3217)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A3218)、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、特図2保留数が0でない場合(A3201の結果が「N」)、特図2変動開始処理を実行し(A3202)、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図2保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3203)、演出コマンド設定処理を実行する(A3204)。そして、特図2の特図変動中処理移行設定処理を実行し(A3205)、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、特図1保留数が0でない場合(A3206の結果が「N」)、特図1変動開始処理を実行し(A3207)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図1保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3208)、演出コマンド設定処理を実行する(A3209)。そして、特図1の特図変動中処理移行設定処理を実行し(A3210)、特図普段処理を終了する。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には特図2変動開始処理(A3202)が実行されることとなる。すなわち、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図1変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図1変動開始処理(A3207)の詳細について説明する。図11は、特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置100は、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(A3401)。続いて、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(A3402)。大当りフラグ1設定処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームに関する特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(A3403)。特図1停止図柄設定処理では、はずれ時又は大当り時の停止図柄番号と、この停止図柄番号に対応するはずれ停止図柄パターン又は大当り停止図柄パターンをセーブする。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を実行する。また、停止図柄番号に対応するラウンド数情報(ラウンド上限値)と停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得してセーブする。
さらに、遊技制御装置100は、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3404)。
続いて、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3405)。
その後、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターン(変動パターン番号)を設定する変動パターン設定処理を実行する(A3406)。次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3407)、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理では、変動パターン(変動パターン番号)に対応する変動時間値を取得し、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、変動パターン番号に対応する変動コマンド(MODE、ACTION)を演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を行う。また、変動開始情報設定処理では、これから開始する特図変動表示ゲームの特図種別(特図1又は特図2)に係る特図保留数を-1更新する(1だけ減少する)。
〔特図2変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図2変動開始処理(A3202)の詳細について説明する。図12は、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図11に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(A3501)。続いて、特図2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理を実行する(A3502)。
次に、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームに関する特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理を実行する(A3503)。さらに、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3504)。続いて、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3505)。
その後、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A3506)。最後に、特図2変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3507)、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(A3402)の詳細について説明する。図13は、大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A3601)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3602)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3603)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3604)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3604)の判定結果が大当りである場合(A3605の結果が「Y」)、ステップA3601にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3606)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3605)の判定結果が大当りでない場合(A3605の結果が「N」)、大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図1変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(A3502)の詳細について説明する。図14は、大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図13に示した大当りフラグ1設定処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A3701)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3702)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3703)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3704)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りである場合(A3705の結果が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3706)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りでない場合(A3705の結果が「N」)、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図2変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における大当り判定処理(A3605、A3704)の詳細について説明する。図15は、大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、大当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における大当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理のステップA3004などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(A3801)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A3802)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A3802の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A3807)、大当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合には(A3802の結果が「N」)、大当りの発生確率が高確率状態(確変状態)であるか否かを判定する(A3803)。そして、高確率状態である場合には(A3803の結果が「Y」)、高確率中の上限判定値を設定する(A3804)。一方、高確率状態でない場合には(A3803の結果が「N」)、低確率中の上限判定値を設定する(A3805)。
遊技制御装置100は、大当り乱数の値の上限判定値を設定すると、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A3806)。大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A3806の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定する(A3807)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A3806の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A3808)。判定結果を設定すると、大当り判定処理を終了する。
〔特図情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理と特図2変動開始処理における特図情報設定処理(A3404、A3504)の詳細について説明する。図16は、特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態において、確率状態(低確率/高確率、時短あり/なし)は変動の振り分けに直接影響せず、遊技制御装置100が管理している演出モードが変動の振り分けに影響する。演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
遊技制御装置100は、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A4201)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する(A4202)。次いで、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4203)、対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(A4204)。
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(A4205)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(A4206)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留数が多い時に変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次に、遊技制御装置100は、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A4207)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する(A4208)。次いで、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4209)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(A4210)。
次に、遊技制御装置100は、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(A4211)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(A4212)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、はずれの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時にリーチの発生率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動の振り分けに影響しない。
〔変動パターン設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動パターン設定処理(A3406、A3506)の詳細について説明する。図17は、変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
遊技制御装置100は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(A4301)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備して(A4302)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードし、準備する(A4303)。本実施形態において、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサイズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用は1バイトサイズになっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多様な演出を出現させたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
そして、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し(A4304)、はずれである場合(A4304の結果が「Y」)、2バイト振り分け処理(A4305)を行って、ステップA4307の処理に移行する。また、はずれでない場合(A4304の結果が「N」)、振り分け処理(A4306)を行って、ステップA4307の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブル(後半変動パターン選択テーブル)のアドレスを取得し、準備して(A4307)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する(A4308)。そして、振り分け処理を実行し(A4309)、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(A4310)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループテーブルを設定し(A4311)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(A4312)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブル(前半変動パターン選択テーブル)のアドレスを取得し、準備して(A4313)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(A4314)。その後、振り分け処理(A4315)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブして(A4316)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔2バイト振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(A4305)の詳細について説明する。図18は、2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
遊技制御装置100は、まず、選択テーブル(A4302にて準備した後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4401)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動選択テーブルのみを規定する後半変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振り分けの必要がないため、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、遊技制御装置100は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4402の結果が「Y」)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4402の結果が「N」)は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4403)。
続けて、ステップA4303にて準備した乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップA4403にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4404)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4405)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4405の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4406)、ステップA4403の処理に移行して、それ以降の処理を行う。すなわち、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4403)、その後、前回のステップA4405にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A4404)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4405)。
上記の処理をステップA4405にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4405の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。そして、ステップA4405にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(A4405の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における振り分け処理(A4306、A4309、A4315)の詳細について説明する。図19は、振り分け処理の手順を示すフローチャートである。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
遊技制御装置100は、まず、対象の選択テーブル(A4302にて準備した後半変動グループテーブル、ステップA4307にて準備した後半変動選択テーブル、又はステップA4313にて準備した前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4501)。ここで、後半変動グループテーブル、後半変動選択テーブル、及び前半変動選択テーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)と対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振り分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、遊技制御装置100は、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4502の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。一方、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4502の結果が「N」)、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4503)。
続けて、遊技制御装置100は、ステップA4303やA4308やA4314にて準備した乱数値(変動パターン乱数1や変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からステップA4503にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4504)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4505)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4505の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4506)、ステップA4503の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4503)、その後、前回のステップA4505にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A4504)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4505)。上記の処理をステップA4505にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4505の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)の中から何れか一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)が選択される。
そして、遊技制御装置100は、ステップA4505にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(A4505の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(A3407、A3507)の詳細について説明する。図20は、変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、対象の変動パターン乱数1~3の乱数格納領域をクリアする(A4601)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(A4602)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(A4603)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(A4604)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(A4605)。
そして、遊技制御装置100は、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(A4606)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4607)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(A4608)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を演出コマンドとして準備して(A4609)、演出コマンド設定処理を行う(A4610)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を-1更新して(A4611)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(A4612)。次いで、乱数格納領域をシフトし(A4613)、シフト後の空き領域をクリアして(A4614)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔普図ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における普図ゲーム処理(A1310)の詳細について説明する。図21は、普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理を実行する(A7601)。
続いて、遊技制御装置100は、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理を実行する(A7602)。
次に、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新する(1だけ減算する)(A7603)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0となったか否かを判定する(A7604)。
遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0である場合(A7604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A7605)。
さらに、遊技制御装置100は、設定された普図ゲームシーケンス分岐テーブルに基づいて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A7606)。そして、普図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、普図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A7607)。
遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理を実行する(A7608)。普図普段処理の詳細については、図22にて後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理を実行する(A7609)。例えば、普図変動中処理では、普図表示中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「2」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図表示時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理を実行する(A7610)。例えば、普図表示中処理では、普図変動表示ゲームの結果が当りの場合に、普図当り中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「3」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする一方、はずれの場合に、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理を実行する(A7611)。例えば、普図当り中処理では、所定回数だけ普通変動入賞装置37を開放するための設定を行った後、普電残存球処理に移行するために、ゲーム処理番号として「4」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理を実行する(A7612)。例えば、普電残存球処理では、普図当り終了処理に移行するために、ゲーム処理番号として「5」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図エンディング時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理(A7608)を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理を実行する(A7613)。例えば、普図当り終了処理では、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
その後、遊技制御装置100は、普図表示器53による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備する(A7614)。その後、普図表示器53による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理を実行し(A7615)、普図ゲーム処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0でない場合(A7604の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、ステップA7614以降の処理を実行する。
〔普図普段処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図普段処理(A7608)の詳細について説明する。図22は、普図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図保留数が0であるか否かを判定する(A7901)。普図保留数が0である場合には(A7901の結果が「Y」)、普図普段処理移行設定処理1を実行し(A7923)、普図普段処理を終了する。普図普段処理移行設定処理1では、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、普図保留数が0でない場合には(A7901の結果が「N」)、RWMの普図当り乱数格納領域(保留数1用)から当り乱数をロードし、RWMの普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から当り図柄乱数をロードする(A7902)。そして、普図当り乱数格納領域(保留数1用)と普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A7903)。さらに、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常よりも高い普図高確率中(高確率状態中)であるか否か、すなわち、時短状態(普電サポート状態)であるか否かを判定する(A7904)。なお、高確率中の普図当り確率は250/251であり、低確率中での普図当り確率は0/251である。
遊技制御装置100は、普図高確率中でない場合(A7904の結果が「N」)、普図低確率中の下限判定値である低確率下限判定値(ここでは251)を設定し(A7905)、普図高確率中である場合(A7904の結果が「Y」)、普図高確率中の下限判定値である高確率下限判定値(ここでは1)を設定し(A7906)、ステップA7907の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が上限判定値(ここでは251)以上であるか否か判定する(A7907)。なお、ここでの上限判定値は、普図高確率中と普図低確率中とで共通する。当り乱数が上限判定値以上である場合(A7907の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、ステップA7909の処理に移行する。当り乱数が上限判定値未満である場合(A7907の結果が「N」)、当り乱数が下限判定値未満であるか否かを判定する(A7908)。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満である場合(A7908の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(A7909)。さらに、普図停止図柄番号としてはずれ停止図柄番号を設定し(A7910)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7911)、ステップA7915の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満でない場合(A7908の結果が「N」)、即ち、当りの場合、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(A7912)、ロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(A7913)、当り停止図柄番号に対応する当り停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7914)、ステップA7915の処理に移行する。なお、当り停止図柄は、数種類存在してよい。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブし(A7915)、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブする(A7916)。次に、普図変動表示ゲームに関連する情報(特に普図変動表示ゲームの当り/はずれの情報)に対応する普図コマンドを演出コマンドとして準備して(A7917)、演出コマンド設定処理を実行する(A7918)。そして、普図当り乱数格納領域をシフトし(A7919)、シフト後の空き領域を0クリアした後(A7920)、普図保留数を-1更新する(A7921)。
すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2~4の順位を1つずつ繰り上げる。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
次に、遊技制御装置100は、普図変動中処理移行設定処理を実行し(A7922)、普図普段処理を終了する。普図変動中処理移行設定処理では、普図変動中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「1」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図変動時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
[演出制御装置の制御]
以下に、演出制御装置300が演出制御用プログラムによって実行する制御(処理)を説明する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
最初に、演出制御装置300によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図23は、演出制御装置300によって実行されるメイン処理(メインプログラム)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入されると主制御用マイコン311(演出用マイコン)によって実行される。なお、演出制御装置300が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
演出制御装置300は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B0001)。次にCPU311及びVDP312の初期設定を実行し(B0002、B0003)、割込みを許可する(B0004)。割込みが許可されると、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する表示用データの生成を許可し(B0005)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(B0006)。そして、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(B0007)。
続いて、演出制御装置300は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B0008)。WDTは、上述したCPU初期設定(B0002)で起動され、CPU311が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPU311がリセットされる。
その後、演出制御装置300は、RTC(リアルタイムクロック)338から時刻の情報を読み込むRTC読込処理を実行する(B0009)。
RTC読込処理では、所定の周期(例えば2時間おき)でRTC338から時刻の情報を読み込む構成としてもよく、ステップB0009へ処理が移行する度に時刻の情報を読み込む必要はない。演出制御装置300への電源投入(即ち遊技機10への電源投入)の際に、一度だけ、RTC読込処理を実行する構成としてもよい(RTC読込処理の位置を変えて、例えばステップB0003とB0004の間で実行してもよい)。演出制御装置300は、RAM内のタイマ領域に時刻を計時する時刻用タイマ(計時手段)を設定し、所定の周期でRTC338から時刻の情報を読み込んだ際又は電源投入時に一度だけRTC338から時刻の情報を読み込んだ際に、時刻用タイマ(計時手段)をRTC338の時刻に合わせるよう調整してよい。そして、演出制御装置300は、時刻用タイマを使用して各種処理を実行してもよい。このようにすれば、RTC338から時刻を読み込む処理の回数を低減でき、CPU311の負荷が減少する。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作信号(演出ボタンスイッチ25a又はタッチパネル25bの信号)を検出したり、検出した信号に応じて演出内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(B0010)。続いて、遊技場(遊技店)の責任者や遊技者等によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を実行する(B0011)。ホール・遊技者設定モード処理において、後述の演出ポイントに応じて、遊技者は演出をカスタマイズすることができる。
次に、演出制御装置300は、演出ポイントの加算やクリアを実行する演出ポイント制御処理を実行する(B0012)。演出ポイント制御処理では、演出ポイントの加算対象となる演出や操作が実行されることで演出ポイントが加算される処理がされ、また、演出ポイントを次回の遊技に繰り越せるよう遊技終了時などに、例えば、演出ポイントの情報等を含む情報がQRコード(登録商標)として表示装置41に表示される。例えば、演出制御装置300は、ホール・遊技者設定モード処理において、QRコード(登録商標)を表示装置41に表示できる。
次に、演出制御装置300は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行し(B0013)、遊技制御装置100から受信した受信コマンドを解析して対応する受信コマンドチェック処理を実行する(B0014)。なお、受信コマンドチェック処理の詳細については、図24にて後述する。
続いて、演出制御装置300は、表示装置41で表示される客待ちデモの内容を編集して制御する客待ちデモ編集処理を実行し(B0015)、客待ち中の遊技機10の節電状態を制御する節電制御処理を実行する(B0016)。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等の表示装置(表示手段)に表示する内容に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置41に表示する描画を表示フレームバッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(B0017)。このとき設定される描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3msec)以内にVDP312が描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置41の画像を更新することができる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備終了設定を実行する(B0018)。
続いて、演出制御装置300は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(B0019)。フレーム切替タイミングでない場合は(B0019の結果が「N」)、フレーム切替タイミングになるまでB0019の処理を繰り返し、フレーム切替タイミングである場合は(B0019の結果が「Y」)、表示装置41への画面描画を指示する(B0020)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
また、演出制御装置300は、スピーカ19から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B0021)。
また、演出制御装置300は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)を制御する装飾制御処理を実行する(B0022)。装飾制御処理では、例えば、LED等の装飾装置の輝度制御(発光制御)を実行する。
さらに、演出制御装置300は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物などの演出装置(盤演出装置44)を制御する可動体制御処理を実行する(B0023)。可動体制御処理では、例えば、モータを駆動する役物動作演出を設定する。
そして、演出制御装置300は、前述のB0023の処理を終えると、B0008の処理に戻る。以降、B0008からB0023までの処理を繰り返す。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、図24を参照して、上述したメイン処理(図23)における受信コマンドチェック処理(B0014)の詳細について説明する。図24は、演出制御装置300によって実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、遊技制御装置100から受信したコマンド数をチェックするためにRAMのコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする(B1101)。そして、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(B1102)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御装置100から受信したコマンドがない場合には(B1102の結果が「N」)、解析するコマンドがないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装置100からコマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、コマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(B1103)、RAMの受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(B1104)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の内容をコマンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピー中に新たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
そして、演出制御装置300は、コマンド読出インデックスを0~31の範囲で+1更新(1だけ加算)する(B1105)。受信コマンドバッファは受信したコマンドを32個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデックス0~31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順に受信したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用のコマンド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックスに対応する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
演出制御装置300は、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定し(B1106)、コピーが完了していない場合は(B1106の結果が「N」)、ステップB1104からB1106の処理を繰り返す。
遊技制御装置100から送信されたコマンドを演出制御装置300が受信すると、受信コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分のコマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマンド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーされると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コマンドの大量受信に備えることができる。
続いて、演出制御装置300は、コピーが完了した場合には(B1106の結果が「Y」)、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(B1107)、内容を解析する受信コマンド解析処理を実行する(B1108)。なお、受信コマンド解析処理の詳細については、次の図25にて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを更新する(B1109)。その後、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(B1110)、解析が完了していない場合は(B1110の結果が「N」)、ステップB1107からB1110の処理を繰り返す。解析が完了した場合には(B1110の結果が「Y」)、受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、図25を参照して、前述した受信コマンドチェック処理(図24)における受信コマンド解析処理(B1108)の詳細について説明する。図25は、演出制御装置300によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイトをACTION部(ACT部)として分離する(B1201)。遊技制御装置100から演出制御装置300に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンドの種類を示すMODE部から連続して送信される。従って、受信したコマンドの上位、下位はMODE部、ACTION部の順に構成される。
次に、演出制御装置300は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(B1202)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正常範囲である場合には(B1202の結果が「Y」)、同様にACTION部が正常範囲であるか否かを判定する(B1203)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指示等)を示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(B1203の結果が「Y」)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか否かを判定する(B1204)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部によって特定される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正しい組み合せである場合には(B1204の結果が「Y」)、B1205以降の処理でコマンドの系統に応じたコマンド処理を実行する。
演出制御装置300は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1205)。なお、変動系コマンドは、飾り特別図柄の変動パターンなどを指令するコマンドであり、例えば変動コマンド(A3407)がある。そして、MODE部が変動系コマンドを表す場合には(B1205の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を実行し(B1206)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(B1205の結果が「N」)、次に、MODE部が大当り系コマンドの範囲か否かを判定する(B1207)。なお、大当り系コマンドは、大当り中の演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドであり、例えば、ファンファーレ画面を指令するためのファンファーレコマンド(A2610)、ラウンド画面を指令するためのラウンドコマンド(A2611)、インターバル画面を指令するためのインターバルコマンド(A2612)、エンディング画面を指令するためのエンディングコマンド(A2612)などである。そして、MODE部が大当り系コマンドを表す場合には(B1207の結果が「Y」)、大当り系コマンド処理を実行し(B1208)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が大当り系コマンドを表していない場合には(B1207の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1209)。なお、図柄系コマンドには、例えば、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド(A3403、A3503)がある。そして、MODE部が図柄系コマンドを表す場合には(B1209の結果が「Y」)、図柄系コマンド処理を実行し(B1210)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(B1209の結果が「N」)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(B1211)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(B1211の結果が「Y」)、単発系コマンド処理を実行し(B1212)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(B1211の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1213)。先読み図柄系コマンドには、例えば、先読み停止図柄コマンド(A2913)がある。そして、MODE部が先読み図柄系コマンドを表す場合には(B1213の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド処理を実行し(B1214)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が先読み図柄系コマンドを表していない場合には(B1213の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1215)。先読み変動系コマンドには、例えば、先読み変動パターンコマンド(A2913)がある。そして、MODE部が先読み変動系コマンドを表す場合には(B1215の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド処理を実行し(B1216)、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、MODE部が先読み変動系コマンドを表していない場合には(B1215の結果が「N」)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ使用するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。また、MODE部が正常範囲でない場合(B1202の結果が「N」)、ACTION部が正常範囲でない場合(B1203の結果が「N」)、もしくは、MODE部に対するACTION部が正しい組合せでない場合も(B1204の結果が「N」)、受信コマンド解析処理を終了する。
〔単発系コマンド処理〕
次に、図26を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図25)における単発系コマンド処理(B1212)の詳細について説明する。図26は、演出制御装置300によって実行される単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、MODE部が遊技機の種類を示す機種指定コマンドを表すか否かを判定する(B1301)。そして、MODE部が機種指定コマンドを表す場合には(B1301の結果が「Y」)、遊技機の種類を設定する機種設定処理を実行し(B1302)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が機種指定コマンドを表していない場合には(B1301の結果が「N」)、次に、MODE部がRAM初期化のコマンドを表すか否かを判定する(B1303)。そして、MODE部がRAM初期化のコマンドを表す場合には(B1303の結果が「Y」)、RAM初期化の報知等を行うRAM初期化設定処理を実行し(B1304)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がRAM初期化のコマンドを表していない場合には(B1303の結果が「N」)、次に、MODE部が停電復旧コマンドを表すか否かを判定する(B1305)。そして、MODE部が停電復旧コマンドを表す場合には(B1305の結果が「Y」)、停電復旧設定処理を実行し(B1306)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が停電復旧コマンドを表していない場合には(B1305の結果が「N」)、次に、MODE部が客待ちデモコマンドを表すか否かを判定する(B1307)。そして、MODE部が客待ちデモコマンドを表す場合には(B1307の結果が「Y」)、客待ちデモ設定処理を実行し(B1308)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が客待ちデモコマンドを表していない場合には(B1307の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表すか否かを判定する(B1309)。そして、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表す場合には(B1309の結果が「Y」)、特図1保留情報設定処理を実行し(B1310)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表していない場合には(B1309の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表すか否かを判定する(B1311)。そして、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表す場合には(B1311の結果が「Y」)、特図2保留情報設定処理を実行し(B1312)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表していない場合には(B1311の結果が「N」)、次に、MODE部が確率情報コマンドを表すか否かを判定する(B1313)。そして、MODE部が確率情報コマンドを表す場合には(B1313の結果が「Y」)、確率情報設定処理を実行し(B1314)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が確率情報コマンドを表していない場合には(B1313の結果が「N」)、次に、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表すか否かを判定する(B1315)。なお、エラー/不正系のコマンドとして、例えば、不正発生コマンド、不正解除コマンド、状態オフコマンド、状態オンコマンドがある。状態オンコマンドとして、ガラス枠開放検出スイッチ63からの信号の発生(ガラス枠開放エラー)や、前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号の発生(本体枠開放エラー、前面枠開放エラー)を示すコマンドがある。また、状態オフコマンドは、エラーの不発生を示す。
そして、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表す場合には(B1315の結果が「Y」)、エラーや不正の報知や報知解除をするためのエラー/不正設定処理を実行し(B1316)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表していない場合には(B1315の結果が「N」)、次に、MODE部が演出モード切替用のコマンド(特図表示中処理等で設定)を表すか否かを判定する(B1317)。そして、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表す場合には(B1317の結果が「Y」)、演出モード切替設定処理を実行し(B1318)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表していない場合には(B1317の結果が「N」)、次に、MODE部がアウト球数を示すアウト球数コマンドを表すか否かを判定する(B1319)。そして、MODE部がアウト球数コマンドを表す場合には(B1319の結果が「Y」)、アウト球数受信時処理を実行し(B1320)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がアウト球数コマンドを表していない場合には(B1319の結果が「N」)、次に、MODE部がカウントのコマンド(大入賞口カウントコマンド)を表すか否かを判定する(B1321)。そして、MODE部が大入賞口スイッチのカウントのコマンドを表す場合には(B1321の結果が「Y」)、カウント情報設定処理を実行し(B1322)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がカウントのコマンドを表していない場合には(B1321の結果が「N」)、MODE部が設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド)を表すか否かを判定する(B1323)。設定値情報コマンドは、図6BのステップA1046の停電復旧時のコマンド及びステップA1044の処理で送信されるRAM初期化時のコマンドに含まれる。そして、MODE部が設定値情報コマンドを表す場合には(B1323の結果が「Y」)、設定値受信時処理を実行し(B1324)、単発系コマンド処理を終了する。設定値受信時処理では、設定値(確率設定値)をRAM等の記憶部に記憶するとともに必要な処理を実行する。
演出制御装置300は、MODE部が設定値情報コマンドを表していない場合には(B1323の結果が「N」)、MODE部が設定変更系のコマンドを表すか否かを判定する(B1325)。設定変更系のコマンドとして、例えば、確率設定変更中のコマンド(A1030)がある。そして、MODE部が設定変更系のコマンドを表す場合には(B1325の結果が「Y」)、設定変更系情報設定処理を実行し(B1326)、単発系コマンド処理を終了する。設定変更系情報設定処理では、設定変更系のコマンドの内容を記憶し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定変更中のコマンドを受信した場合に、設定変更系情報設定処理では、遊技者に設定変更中であること報知する設定変更中表示を表示装置41に表示する。
演出制御装置300は、MODE部が設定変更系のコマンドを表していない場合には(B1325の結果が「N」)、MODE部が設定確認系のコマンドを表すか否かを判定する(B1327)。設定確認系のコマンドとして、例えば、確率設定確認中のコマンド(A1033)がある。そして、MODE部が設定確認系のコマンドを表す場合には(B1327の結果が「Y」)、設定確認系情報設定処理を実行し(B1328)、単発系コマンド処理を終了する。設定確認系情報設定処理では、設定確認系のコマンドの内容を記憶し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定確認中のコマンドを受信した場合に、設定確認系情報設定処理では、遊技者に設定確認中であること報知する設定確認中表示を表示装置41に表示する。
次に、MODE部が図柄停止のコマンドを表すか否かを判定する(B1329)。なお、図柄停止のコマンドには、例えば、特図1の図柄停止コマンド(飾り特図1停止コマンド)と特図2の図柄停止コマンド(飾り特図2停止コマンド)がある。そして、MODE部が図柄停止のコマンドを表す場合には(B1329の結果が「Y」)、演出制御装置300は、次に、MODE部のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B1330)。
MODE部のコマンドが正常なコマンドである場合には(B1330の結果が「Y」)、演出制御装置300は、対応する特図の停止態様を設定し(B1331)、全図柄が停止した後に遊技状態フラグを通常状態に設定して(B1332)、単発系コマンド処理を終了する。B1332の処理では、一例として、遊技状態フラグを通常状態に設定しているが、本処理が実行されるタイミングによって、遊技状態フラグは、「変動中」「大当り中」「小当り中」のフラグが設定される。
一方、MODE部が図柄停止のコマンドを表していない場合(B1329の結果が「N」)、または、MODE部のコマンドが正常ではない場合(B1330の結果が「N」)には、演出制御装置300は、単発系コマンド処理を終了する。
その他、演出制御装置300は、図26には記載されていないコマンドに対する処理を実行してよい。
〔図柄系コマンド処理〕
次に、図27を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図25)における図柄系コマンド処理(B1210)の詳細について説明する。図27は、演出制御装置300によって実行される図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した図柄系コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2コマンド)のMODE部に対応する特図種別を設定する(B1801)。特図種別は、特図1又は特図2である。そして、図柄系コマンドのMODE部とACTION部(ACT部)の組合せに対応する図柄種別を設定し、RAM等の所定領域にセーブする(B1802)。ここで、特図1と特図2では、図柄の振分け割合が変わるので、MODE毎にテーブルを使用して、図柄種別を設定する。なお、本実施形態において、図柄種別は、はずれ図柄や、4R確変大当り図柄(4R-A1、図柄1)、4R通常大当り図柄(4R-A2、図柄2)、8R確変大当り図柄(8R-A1、図柄3)、8R通常大当り図柄(8R-A2、図柄4)、12R確変大当り図柄(12R-A1、図柄5)、12R通常大当り図柄(12R-A2、図柄6)に対応する。
〔変動系コマンド処理〕
次に、図28を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図25)における変動系コマンド処理(B1206)の詳細について説明する。図28は、演出制御装置300によって実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した変動系コマンド(変動コマンド)の特図種別(特図1又は特図2)が未確定であるか否かを判定する(B1901)。特図種別が未確定である場合(B1901の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。特図種別が未確定でない場合(B1901の結果が「N」)、受信した変動系コマンドと図柄系コマンドの組合せをチェックし(B1902)、変動系コマンドと図柄種別が不整合であるか否かを判定する(B1903)。ここで、不整合とは、はずれの変動系コマンドを受信したのに大当り図柄の図柄系コマンドを受信していた場合など、演出を行う上で矛盾してしまうことである。変動系コマンドと図柄種別が不整合である場合(B1903の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変動系コマンドと図柄種別が不整合でない場合(B1903の結果が「N」)、変動系コマンド(変動コマンド)から変動パターン種別を判別し(B1904)、変動中の演出である変動演出を設定する変動演出設定処理を実行する(B1905)。なお、同じ変動系コマンドに対して、複数の演出が存在する。続いて、遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグに特図変動中を設定し(B1906)、連続演出等の先読み演出回数が0でなければ-1更新する(B1907)。
〔変動演出設定処理〕
次に、図29を参照して、前述した変動系コマンド処理(図28)における変動演出設定処理(B1905)の詳細について説明する。図29は、演出制御装置300によって実行される変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、変動パターン種別が、リーチなし変動(リーチ状態にならない変動)であるか否かを判定する(B2001)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(B2001の結果が「Y」)、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、設定情報(設定値)に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2002)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2003)。リーチなし変動の場合、保留数が多いほど変動時間が短縮されるため、保留数に対応するテーブルのアドレスを取得している。
演出制御装置300は、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(B2001の結果が「N」)、即ち、リーチあり変動である場合、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定情報(設定値)に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2004)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2005)。
演出制御装置300は、ステップB2003、B2005の後、前半変動中(リーチ前)に出現する予告の抽選を行う(B2006)。続いて、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定情報(設定値)に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2007)、変動系コマンドのACT部に対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(B2008)、後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(B2009)。その後、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部、ACT部に対応する変動演出の内容を決定する(B2010)。なお、変動系コマンドから変動時間や主なリーチ内容などがわかる。
次に、演出制御装置300は、予告の抽選結果に対応する演出(予告演出)の内容を決定する(B2011)。その後、リーチ演出等の変動演出や予告演出の内容に応じて、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を決定する(B2012)。ここで、はずれ図柄の場合にばらけ目を決定するなど、飾り停止図柄を具体的に決定する。
次に、演出制御装置300は、変動演出の表示設定を行い(B2013)、予告演出の表示設定を行う(B2014)。続いて、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行い、例えば、今回変動する飾り特図に対応する保留表示が減る表示が設定される(B2015)。続いて、スピーカの音声による演出態様(音出力態様)を定める音声番号、装飾装置の発光による演出態様を定める装飾番号を設定する(B2016)。装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)は、複数の装飾用発光部(装飾LED等)を有し、装飾番号で定められる発光態様(各LEDの色や発光タイミング等)で発光する。
なお、音声番号や装飾番号を演出内容だけでなく設定情報(設定値)に基づいて設定することも可能である。このようにすると、遊技者は、装飾装置の発光態様、即ち、装飾用発光部(LED)の発光態様から遊技機10の設定情報(設定値)を推測することを楽しめる。
次に、演出制御装置300は、特図種別に対応する飾り特図変動の表示設定を行い(B2017)、表示装置41で変動する前述の第一から第三の特別図柄以外に第四特別図柄(第4図柄、識別情報)に関する第4図柄変動の表示設定を行う(B2018)。なお、第4図柄変動は、表示装置41以外に設けた前述のランプ表示装置80のランプ表示部1、2(LED)で表示されてもよいし、表示装置41の表示画面上で実行されてもよい。
〔予告演出の実行態様と大当り期待度〕
図30は、予告演出の実行態様とその大当り(特別結果)となる期待度について説明する。本実施形態において、予告演出は、特図変動表示ゲームの結果を予告可能な演出であって、大当りの期待度(可能性)を示唆するものである。
図30は、各予告演出の実行態様に対する大当りとなる期待度を例示するテーブル図である。
演出制御装置300は、第1予告演出と、当該第1予告演出の後に行われる第2予告演出とを、予告演出として実行する。第1予告演出は、例えば、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム、飾り特図変動表示ゲーム)の開始からリーチ状態となるまでの変動である前半変動にて実行されるように設定されるセリフ予告である。このような前半変動中のセリフ予告は、前述の変動演出設定処理のステップB2006で抽選される。第2予告演出は、例えば、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動である後半変動にて実行されるように設定されるカットイン予告である。このような後半変動中のカットイン予告は、前述の変動演出設定処理のステップB2009で抽選される。なお、例えば、演出態様を入れ替えて、第1予告演出としてカットイン予告を行ってもよく、第2予告演出としてセリフ予告を行ってもよい。また、第1予告演出や第2予告演出の演出態様には、カットイン予告やセリフ予告に限らず、キャラクタ登場演出や群予告、ボタン操作促進演出、装飾部材等の発光といった種々の演出態様を適用することができる。
その際、演出制御装置300は、第1予告演出や第2予告演出の実行態様に応じて、変動表示ゲームの停止結果態様が大当りとなる期待度(信頼度)を変化させることができる。なお、予告演出の期待度は、その予告演出が選択された場合に大当りになる確率を示唆し、大当りであるときのその予告演出の選択率及び大当りでないとき(はずれのとき)のその予告演出の選択率などに基づいて算出することができる。このように、予告演出において期待度を遊技者に示唆することで、遊技者の大当りに対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、期待度は、例えば予告演出毎に百分率(0~100%)で設定されており、期待度が100%の予告演出は大当り確定演出として遊技者の期待感を大いに高めることができる。なお、期待度は、予告演出毎に百分率以外の値で設定されてもよく、後述するように各予告演出における相対的な値として設定されてもよい。
第1予告演出(例えばセリフ予告)における期待度は、第1識別態様として例えば吹き出しの色が緑色の場合に15%であり、第2識別態様として例えば吹き出しの色が赤色の場合に30%である。なお、例示はしていないが、より期待度の高い色を表示する第3識別態様以降を設定してもよい。このように、吹き出しの色を期待度に応じて、例えば、期待度の低い白から青、緑、赤、金、虹(桜)と期待度の高い色に変えることができる。
また、第2予告演出(例えばカットイン予告)における期待度は、第1識別態様(例えば緑色)の場合に30%であり、第2識別態様(例えば赤色)の場合に50%である。
したがって、例えば第2識別態様(赤色)の予告が第1予告演出と第2予告演出とで連続して実行される場合には、第1予告演出(例えばセリフ予告)で30%、第2予告演出(例えばカットイン予告)で50%と、先に実行される第1予告演出よりも、後から実行される第2予告演出の期待度の方が高くなる。そのため、遊技者は、期待度の高い後半のの予告演出(第2予告演出)を視認することで、当該第2予告演出の期待度から大当りに対する期待感を高めることができる(高期待度優先)。なお、後半の予告演出が発生する場合に、前半の予告演出の期待度よりも、後半の予告演出の期待度を優先して用いることもできる(後半予告演出優先)。後半予告演出優先にすることで、変動表示ゲームの停止結果態様が大当りとなるか否かに関わらずに、前半の予告演出で期待度の高いプレミアム感のある演出を実行し易くなり、遊技の興趣を高くすることができる。
他方で、例えば第1識別態様(緑色)の予告が第1予告演出と第2予告演出とで連続して実行される場合には、第1予告演出(例えばセリフ予告)で15%、第2予告演出(例えばカットイン予告)で5%と逆転して、後から実行される第2予告演出よりも、先に実行される第1予告演出の期待度の方が高くなる。そのため、前半の予告演出(第1予告演出)に対する期待度が、後半の予告演出(第2予告演出)に対する期待度よりも高くなるので、前半の予告演出によって期待度が高いと認識した遊技者の期待感を高まらせ易くなる(高期待度優先)。したがって、前半の予告演出と後半の予告演出の両方で遊技者の期待感を高まらせ易くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、例えば大当り確定演出となる虹色の吹き出しが第1予告演出で発生した場合には、第2予告演出の吹き出しの色を虹色や桜色にして、遊技者の期待感を一層煽るようにしてもよい。また、第2予告演出をキャンセル(スキップ)して変動表示ゲームの停止結果態様がすぐに表示されるようにすることで、遊技者に大当りとなったことを早期に認識できるようにしてもよい。
また、第1予告演出および第2予告演出は、前半の予告演出(第1予告演出)の後に後半の予告演出(第2予告演出)が行われる態様であればよく、先読み予告や擬似連続演出、連続予告(チャンス目予告)、ステップアップ予告等に適用してもよい。例えば、演出制御装置300は、先読み予告として保留表示を用いた第1予告演出を実行した後に、当該保留表示に係る保留が消化される変動時に第2予告演出を実行することができる。先読み予告は、先読み図柄系コマンド処理(B1214)と先読み変動系コマンド処理(B1216)において設定できる。また、演出制御装置300は、擬似連変動において、仮停止前等に第1予告演出を行った後、当該第1予告演出の後に第2予告演出を実行するようにしてもよい。演出制御装置300は、連続予告やステップアップ予告の第1ステップ(第1段階、第1回目)で第1予告演出を行った後、当該第1予告演出の後に第2予告演出を実行するようにしてもよい。
なお、ステップアップ予告は、複数段階に設定された単演出(副演出)を下位の段階(ステップ)から所定の段階(所定ステップ)まで順次実行する演出である。連続予告(チャンス目予告)は、複数回の変動表示ゲームにわたって共通態様のはずれの飾り特別図柄を表示する演出である。擬似連続演出については、図36を参照して後述する。
〔第1予告演出の識別態様の具体例〕
図31は、第1予告演出(セリフ予告)の識別態様の具体例について説明する図であり、表示装置41の表示画面の一例を示す図である。
図31(A)は、変動表示ゲーム中に第1予告演出が第1識別態様(例えば緑色)で行われる場合の表示装置41の表示画面の一例を示す図であり、図31(B)は、第1予告演出が第2識別態様(例えば赤色)で行われる場合の表示装置41の表示画面の一例を示す図である。
表示装置41の表示画面の画面中央上部には、大きな飾り特別図柄(大図柄、飾り第1図柄A~C)が拡大表示される複数の変動表示領域610(左領域610a、右領域610b、中領域610c)が配置される。変動表示領域610の飾り第1図柄A~Cは、変動表示「↓↓↓」されている。
表示装置41の表示画面の画面下部には、第1保留表示部630aと、第2保留表示部630bと、保留消化領域640とが、配置される。
第1保留表示部630aには、第1始動記憶(特図1始動入賞記憶)に対応する保留表示(始動記憶表示、ストック保留)が表示される。例えば図31(A)の第1保留表示部630aには、実行前の変動表示ゲームに係る1つの保留表示633aが表示されている。なお、次の変動表示ゲームが始まる際に、第1保留表示部630aの保留表示633aは、右隣の保留表示の表示位置に、すなわち第1保留表示部630aから保留消化領域640に移動し変動中保留表示として表示される(保留シフト)。
第2保留表示部630bには、第2始動記憶(特図2始動入賞記憶)に対応する保留表示(始動記憶表示)が表示される。例えば現時点(図31(A))の第2保留表示部630bには、第2始動記憶に対応する保留表示はない。なお、第2保留表示部630bに表示される保留表示は、次の変動表示ゲームが始まる際に第1保留表示部630aの保留表示よりも優先して保留シフトされ、保留消化領域640へと移動する。
保留消化領域640には、変動中保留表示が表示される。第1保留表示部630aや第2保留表示部630bには実行前の変動表示ゲームに係る始動記憶に対応する始動記憶表示が表示されるのに対して、保留消化領域640には、実行中の変動表示ゲームに係る始動記憶に対応する始動記憶表示(変動中保留表示、消化中保留表示)が表示される。例えば現時点(図31(A))では変動表示ゲームが実行されているので、当該変動表示ゲームに対応する変動中保留表示が保留消化領域640に表示される。
表示装置41の表示画面の画面右端には、特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660とが配置される。特図1保留数表示部650には特図1保留数を示す数字「1」が表示され、特図2保留数表示部660には特図2保留数を示す数字「0」が表示されている。
そして、演出制御装置300が第1予告演出を実行すると、表示装置41の表示画面にセリフ予告724が表示される。例えばセリフ予告724は、キャラクタと、当該キャラクタのセリフ「チャンスだ!」が表示される吹き出しと、からなる予告演出であり、リーチ成立前の前半変動中に実行される。
図31(A)に示すように、セリフ予告724の吹き出しが緑色(第1識別態様)である場合には、第1予告演出における期待度は15%となる。
他方で、図31(B)に示すように、セリフ予告724の吹き出しが赤色(第2識別態様)である場合には、第1予告演出における期待度は30%となる。
〔第2予告演出の識別態様の具体例〕
続いて、図32は、第2予告演出(カットイン予告)の識別態様の具体例について説明する図であり、表示装置41の表示画面の一例を示す図である。
図32(A)は、変動表示ゲーム中に第2予告演出が第1識別態様(例えば緑色)で行われる場合の表示装置41の表示画面の一例を示す図であり、図32(B)は、第2予告演出が第2識別態様(例えば赤色)で行われる場合の表示装置41の表示画面の一例を示す図である。なお、以下の画面遷移図では、図31と同様の内容について、説明を適宜省略する。
演出制御装置300が第2予告演出を実行すると、表示装置41の表示画面にカットイン予告725が表示される。例えばカットイン予告725は、キャラクタと、当該キャラクタのセリフ「先制だ!!」が表示される吹き出しと、これらを囲うカットイン枠と、からなる予告演出であり、リーチ成立後の後半変動中に実行される。後半変動では、変動表示領域610の飾り第1図柄A~Cはリーチ状態「5↓5」になっており、リーチ演出に付随して第2予告演出(カットイン予告)が実行されることになる。
図32(A)に示すように、カットイン予告725の吹き出しが緑色(第1識別態様)である場合には、第2予告演出における期待度は5%となる。
他方で、図32(B)に示すように、カットイン予告725の吹き出しが赤色(第2識別態様)である場合には、第2予告演出における期待度は50%となる。
なお、図31や図32に示すセリフ予告やカットイン予告において、期待度を示唆する態様は吹き出しの色の変化に限らず、キャラクタやセリフの色等を変化させてもよく、音や音声による報知を変化させてもよい。また、これらの形状や模様等を変えて期待度を示唆してもよく、例えば演出制御装置300は吹き出しの形状を雲状やスパーク状に変化させて期待度を示唆してもよい。また、期待度を示唆する態様としてキャラクタやセリフを変化させた場合には、当該キャラクタやセリフに対応した色の吹き出しが表示されるように構成してもよい。
〔予告演出が実行されるときの表示装置の表示画面の画面遷移図〕
図33Aおよび図33Bは、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、変動表示ゲーム中に予告演出が実行されるときの画面遷移の一例である。
図33A(A)は、変動表示ゲームが実行される直前の表示装置41の表示画面である。変動表示領域610の飾り第1図柄A~Cは「357」という図柄で停止表示されており、保留シフトされた変動中保留表示が保留消化領域640に表示されている。
図33A(B)は、変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。飾り第1図柄A~Cは、変動表示「↓↓↓」された状態になる。
図33A(C)は、変動表示ゲームが実行されているときに第2識別態様による第1予告演出が実行されるときの表示装置41の表示画面である。例えば、前半変動において第1予告演出(セリフ予告)が実行されると、表示装置41の表示画面には図33A(C)に示すように、吹き出しが赤色(第2識別態様)のセリフ予告724「チャンスだ!」が表示され、期待度が30%であることが示唆される。
図33A(D)は、実行中の変動表示ゲームが後半変動においてリーチ状態になっているときの表示装置41の表示画面であり、図33A(E)から図33B(H)は、当該リーチ状態においてリーチ演出が行われているときの表示画面である。変動表示領域610の飾り第1図柄A~Cは、図33A(D)に示すように「5↓5」という図柄でリーチ状態になっている。
リーチ演出が開始されると図33A(E)に示すように、表示画面の中央には「敵虎を撃破せよ!!」というリーチ演出表示726が表示される。続いて、表示画面の中央に表示されているリーチ演出表示726は、図33A(F)から図33B(H)に示すように、敵虎とバトルする態様に切り替わる。
そして、リーチ演出中に第2識別態様による第2予告演出(カットイン予告)が実行されると、表示装置41の表示画面には図33B(G)に示すように、吹き出しが赤色(第2識別態様)のカットイン予告725「先制だ!!」が表示され、期待度が50%であることが示唆される。
続いて、図33B(H)に示すように、リーチ演出でバトルによって自虎(遊技者側の虎)が敵虎を撃破し勝利するリーチ演出表示726が表示される。その後、図33B(I)に示すように、変動表示領域610の飾り第1図柄A~Cは「555」という図柄で停止表示されて変動表示ゲームの停止結果態様が大当り結果態様(特別結果態様)になり、ファンファーレ演出と大当り遊技(特別遊技)とが順次開始される(図示省略)。
〔予告演出が実行されるときの表示装置の表示画面の画面遷移図〕
図33Cおよび図33Dは、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、変動表示ゲーム中に予告演出が実行されるときの画面遷移の別例である。
図33C(A)および図33C(B)は、上述の図33A(A)および図33A(B)と同様の図である。図33C(A)および図33C(B)に示すように、「357」という図柄で停止表示されている変動表示領域610の飾り第1図柄A~Cは、変動表示「↓↓↓」された状態になる。
図33C(C’)は、変動表示ゲームが実行されているときに第1識別態様による第1予告演出が実行されるときの表示装置41の表示画面である。例えば、前半変動パターンにおいて第1予告演出(セリフ予告)が実行されると、表示装置41の表示画面には図33C(C’)に示すように、吹き出しが緑色(第1識別態様)のセリフ予告724「チャンスだ!」が表示され、期待度が15%であることが示唆される。
図33C(D)から図33C(F)は、上述の図33A(D)から図33A(F)と同様の図である。変動表示領域610の飾り第1図柄A~Cは「5↓5」という図柄でリーチ状態になり、リーチ演出表示726はリーチ演出によって自虎と敵虎のバトルする態様に切り替わる。
そして、リーチ演出中に第1識別態様による第2予告演出(カットイン予告)が実行されると、表示装置41の表示画面には図33D(G’)に示すように、吹き出しが緑色(第1識別態様)のカットイン予告725「先制だ!!」が表示され、期待度が5%であることが示唆される。したがって、始めに表示されたセリフ予告724(第1予告演出)の期待度(15%)の方が、後から表示されたカットイン予告725(第2予告演出)の期待度(5%)よりも高くなるので、後半の予告演出(第2予告演出)だけでなく前半の予告演出(第1予告演出)に対しても期待感をもって臨むことができる。したがって、遊技者に両方の予告演出を注視させやすくなるので、遊技の興趣を向上させることができる。
図33D(H)および図33D(I)は、上述の図33B(H)および図33B(I)と同様の図である。図33D(H)および図33D(I)に示すように、バトルに勝利するリーチ演出表示726が表示され、変動表示領域610の飾り第1図柄A~Cが「555」という図柄で停止表示されることで、変動表示ゲームの停止結果態様が大当り結果態様(特別結果態様)になる。そして、ファンファーレ演出と大当り遊技(特別遊技)とが順次開始される(図示省略)。
〔予告演出が実行されるときの表示装置の表示画面の画面遷移図の変形例〕
図34は、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、変動表示ゲーム中に予告演出が実行されるときの画面遷移の変形例である。当該画面遷移図の変形例では、第2予告演出(カットイン予告)の識別態様の具体例について説明する。なお、本変形例では、第1予告演出と第2予告演出との両方をリーチ成立後の後半変動中に行ってよい。
図34(G’)は、図33A(F)でリーチ状態となった後、リーチ演出中に第2予告演出(カットイン予告)と第1予告演出(セリフ予告)とが実行されるときの表示装置41の表示画面である。
第2予告演出により吹き出しが緑色のカットイン予告725「先制だ!!」が表示され期待度が5%であることが示唆された後、当該カットイン予告725の上に、第1予告演出による吹き出しが赤色のセリフ予告724「チャンスだ!」が重ねて表示され期待度が30%であることが示唆される。
そして、敵虎が先制で攻撃してくるバトル演出となってから(図示省略)、図34(H’)に示すように、自虎がカウンターで敵虎を撃破し勝利する逆転演出がリーチ演出表示726として実行される。このように、第1予告演出の期待度が、第2予告演出の期待度よりも高い場合に、第2予告演出の直後に第1予告演出を重ねて表示させることで、遊技者が興味を抱くようにリーチ演出表示726の演出の幅を広げられるので、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本画面遷移の変形例の場合には、前半変動における第1予告演出はスキップされる(図33A(B)から、図33A(C)をスキップして図33A(D)に画面遷移する)。その後の図34(I)は、図33Aと同様の図であり、変動表示領域610の飾り第1図柄A~Cが「555」という図柄で停止表示され、変動表示ゲームの停止結果態様が大当り結果態様(特別結果態様)になる。
〔各予告演出の実行態様に対する大当りとなる期待度を例示するテーブル図の変形例〕
図35は、各予告演出の実行態様に対する大当りの期待度に関連するポイントを例示するテーブル図の変形例である。ここでのポイントは、前述の演出ポイントとしても使用可能であるが、演出ポイントとして使用しなくてもよい。
図35に示すように、変形例の第1予告演出(例えばセリフ予告)におけるポイント(値、所定値)は、第1識別態様(緑色)の場合に15p(ポイント)であり、第2識別態様(赤色)の場合に30pであり、第3識別態様(黒色)の場合に1pである。このように、本テーブル図の変形例では、第1識別態様および第2識別態様に加えて、例えば第3識別態様としてポイントの低い(1p)黒色が吹き出しの色に設定される。なお、ポイントの値は適宜変更されてもよく、第4識別態様以降の識別態様や第3予告演出以降の予告演出を適宜加えてもよい。
ここで、ポイントは、第1予告演出や第2予告演出といった予告演出毎に割り振られている。複数回実行される予告演出のポイントを積算した積算値が、大当りとなる期待度(信頼度)に応じて変化するように、第1予告演出や第2予告演出といった複数回実行される予告演出や当該予告演出のポイントは設定される。なお、予告演出のポイントは、積算値が減るような負の値をもつポイントとして設定されてもよい。
また、変形例の第2予告演出(例えばカットイン予告)における期待度は、第1識別態様(緑色)の場合に5pであり、第2識別態様(赤色)の場合に50pであり、第3識別態様(黒色)の場合に1pである。このように、いずれの予告演出でも第3識別態様が選択されると期待度が低くなる(1p)。
したがって、演出制御装置300によって、例えば第1識別態様(緑色)の第1予告演出(15p)が実行された後に、第2識別態様(赤色)の第2予告演出(50p)が実行されると、ポイントの積算値は65pになる。また、例えば第3識別態様(黒色)の第1予告演出(1p)と第2予告演出(1p)とが実行されるとポイントの積算値は2pになる。
ポイントの積算値が大きくなるほど、大当りとなる期待度が高くなるように演出制御装置300によって複数回実行される予告演出や当該予告演出のポイントは設定されている。例えば第2識別態様(赤色)の第1予告演出(30p)と第2予告演出(50p)とが実行されるとポイントの積算値は80pになり、図35のテーブル内の組み合わせにおいては最大となる。そのため、遊技者は大当りの期待度が高いと認識でき、期待感を高めることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。また、大当りの期待度に応じて複数回実行される予告演出のポイントの積算値が変化するので、遊技者の興味を前半の予告演出(第1予告演出)に対しても抱かせられるようになり、遊技の興趣を高めることができる。
〔擬似連続演出に対して予告演出を適用したときのタイミングチャート〕
図36は、擬似連続演出(擬似連)に対して予告演出を適用したときのタイミングチャートの例である。
ここで、擬似連続演出とは、一回の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の開始から終了までの間に、変動表示されている飾り特別図柄(飾り第1図柄A~C)を擬似的に仮停止表示(擬似停止表示)させる擬似変動(単演出、副演出、副変動)を、所定回数だけ連続して行う演出である。なお、擬似停止表示時に、擬似連続演出を示唆する擬似連図柄が停止表示されてよい。また、擬似連続演出は、一回の変動表示ゲームの開始から終了までの間に、変動表示されている飾り特別図柄を擬似的に仮停止表示させずに、擬似変動が連続して所定回数(複数回)実行されているように見せかける演出としてもよい。その際、演出制御装置300は、仮停止表示を行わない場合でも、表示装置41の表示画面に例えば「NEXT」等の表示を表示することで、次の擬似変動に移行しているような演出を実行することができる。
例えば図36(A)や図36(B)にて開始する変動表示ゲームでは、所定回数(3回)の擬似変動からなる擬似連続演出が実行される。擬似連続演出と、擬似変動の所定回数は、例えば、変動演出設定処理(図29)のステップB2010で決定されてよい。
図36(A)の擬似連続演出において、演出制御装置300は、擬似連続演出の1、2回目の擬似変動(単演出)の際に第1予告演出を実行し、3回目の擬似変動の際に第1~3予告演出を実行する。例えば、第1予告演出はセリフ予告であり、第2予告演出はカットイン予告であり、第3予告演出は吹き出しの周囲等にエフェクト演出が付加されるエフェクト予告である。なお、擬似変動の実行時間は、1、2回目の擬似変動が同じ時間に設定され、3回目の擬似変動が1、2回目の擬似変動よりも長い時間に設定される。
ここで、擬似連続演出の1、2回目の擬似変動の際に実行される第1予告演出(セリフ予告)において、セリフの背景になる吹き出しは、1回目の擬似変動では白色(例えば期待度1%)に設定され、2回目の擬似変動では青色(例えば期待度10%)に設定される。また、擬似連続演出の3回目の擬似変動の際には、青色以上(例えば期待度10%以上)に設定される。
その際、期待度を示唆する態様(吹き出しの色)以外のセリフ予告の内容(セリフ、セリフを発するキャラクタ、吹き出しの形状、模様等)は、1~3回目の擬似変動ともに同一になるように設定されて第1予告演出が実行される。したがって、遊技者は、擬似連続演出の擬似変動が進むことで同一の内容の予告演出を視認するが、期待度を示唆する態様(吹き出しの色)が変化して大当りの期待度が高まっていることを認識できるので、遊技の興趣を向上させることができる。
他方で、擬似連続演出の3回目の擬似変動では、第1予告演出(吹き出しが青色以上のセリフ予告)とともに、第2、3予告演出(カットイン予告、エフェクト予告)が実行される。その後、例えば3回目の擬似変動でリーチ状態(例えば「5↓5」)になりリーチ演出に発展することができる。
なお、演出制御装置300は、擬似連続演出において、図36(B)に示すように、1回目の擬似変動よりも長くなるように2回目の擬似変動を設定し、2回目の擬似変動で第1予告演出と第2予告演出とを実行するようにしてもよい。
図36(B)の擬似連続演出において、演出制御装置300は、擬似連続演出の1回目の擬似変動(単演出)の際に第1予告演出を実行し、2回目の擬似変動の際に第1、2予告演出を実行し、3回目の擬似変動の際に第1~第3予告演出を実行する。
ここで、擬似連続演出の1~3回目の擬似変動の際に実行される第1予告演出(セリフ予告)において、セリフの背景になる吹き出しは、1回目の擬似変動では白色(例えば期待度1%)に設定され、2回目の擬似変動では青色(例えば期待度10%)に設定され、3回目の擬似変動では青色以上(例えば期待度10%以上)に設定される。
2、3回目の擬似変動で行われる第1予告演出は、1回目の擬似変動で行われる第1予告演出と期待度を示唆する態様以外の内容が同じになるように設定される。また、3回目の擬似変動で行われる第2予告演出は、2回目の擬似変動で行われる第2予告演出と期待度を示唆する態様以外の内容が同じになるように設定される。
このように、演出制御装置300は、図36(A)と同様に図36(B)の擬似連続演出においても、大当りとなる期待度を示唆する態様を異ならせた上で、先に実行される擬似変動における予告演出と同じ内容の演出を、後に実行される擬似変動における予告演出でも実行する。したがって、このような態様によれば、遊技者は、擬似連続演出の擬似変動が進む際に実行済みの予告演出を包含した演出が都度行われるとともに、期待度を示唆する態様(吹き出しの色)が変化して大当りの期待度が高まっていることを認識できるので、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、複数段階に設定された単演出(副演出)を下位の段階(ステップ)から所定の段階(ステップ)まで順次実行する演出であるステップアップ予告においても、実行済みの予告演出を包含した演出が都度行われ、期待度を示唆する態様が変化するようにしてもよい。擬似連続演出とステップアップ予告は、連続する複数回の単演出から構成されるが、当該複数回が大きいほど大当りの期待度が大きくなる。
[第1実施形態の作用・効果]
本実施形態に係る遊技機10は、ゲーム(変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームに関連する演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、ゲームの結果が特別結果(大当り)となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)を発生可能である。演出制御手段は、ゲームの停止結果が特別結果となる期待度(信頼度)を示唆する予告演出を、第1予告演出(例えばセリフ予告)と、当該第1予告演出より後に実行される第2予告演出(例えばカットイン予告)とを、含むように実行可能であり、第1予告演出の実行態様、および前記第2予告演出の実行態様として、第1識別態様(例えば吹き出しが緑色)、または当該第1識別態様よりも期待度の高い第2識別態様(例えば吹き出しが赤色)を、それぞれ選択可能であり、第2予告演出を第2識別態様で実行する場合の期待度を、第1予告演出を第2識別態様で実行する場合の期待度よりも高く設定し、第2予告演出を第1識別態様で実行する場合の期待度を、第1予告演出を第1識別態様で実行する場合の期待度よりも低く設定する。
このような遊技機10によれば、前半の予告演出と後半の予告演出の両方で遊技者の期待感を高まらせ易くなるので、遊技の興趣を向上させることができる。
本実施形態に係る遊技機10では、演出制御手段(演出制御装置300)は、1回の変動表示ゲームにおいて、当該変動表示ゲームの停止結果が前記特別結果となる期待度を示唆する擬似変動演出(擬似変動、単演出)を所定回数(例えば3回)行う擬似連続演出(擬似連)を実行可能であり、所定回数行われる擬似変動演出のうち少なくとも2回の擬似変動演出において、特別結果となる期待度を示唆する態様を異ならせた上で先に実行される擬似変動演出と同じ内容の演出を、後に実行される擬似変動演出でも実行する。
このような遊技機10によれば、遊技者は、擬似連続演出の擬似変動が進む際に実行済みの予告演出を包含した演出が都度行われるとともに、期待度を示唆する態様(例えば吹き出しの色)が変化して大当りの期待度が高まっていることを認識できるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態に係る遊技機10では、演出制御手段(演出制御装置300)は、所定回数行われる擬似変動演出のうち連続して行われる少なくとも2回の擬似変動演出において、特別結果となる期待度を示唆する態様を異ならせた上で先に実行される擬似変動演出と同じ内容の演出を、直後に実行される擬似変動演出でも実行する。このような遊技機10によれば、連続して行われる擬似変動演出の擬似変動において、期待度を示唆する態様(例えば吹き出しの色)が変化するので、当該変化の態様を遊技者が認識し易くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態に係る遊技機10では、演出制御手段(演出制御装置300)は、所定回数行われる擬似変動演出のうち少なくとも1回目と2回目の擬似変動演出(擬似変動、単演出)において、特別結果となる期待度を示唆する態様を異ならせた上で1回目に実行される擬似変動演出と同じ内容の演出を、2回目に実行される擬似変動演出でも実行する。このような遊技機10によれば、擬似変動演出の1、2回目の擬似変動において、期待度を示唆する態様(例えば吹き出しの色)が変化するので、同様に、当該変化の態様を遊技者が認識し易くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
本実施形態に係る遊技機10では、演出制御手段(演出制御装置300)は、所定値(ポイント)がそれぞれ割り振られた予告演出(第1予告演出、第2予告演出)を複数回実行可能であり、複数回実行される予告演出の所定値を積算した積算値が、ゲームの停止結果が前記特別結果となる期待度に応じて変化するように、複数回実行される予告演出を設定する。
このような遊技機10によれば、大当りの期待度に応じて複数回実行される予告演出のポイントの積算値が変化するので、遊技者の興味を前半の予告演出(第1予告演出)に対しても抱かせられるようになり、遊技の興趣を高めることができる。
[第2実施形態]
図37から図43を参照して第2実施形態の遊技機10について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。
〔示唆演出を実行するときのタイミングチャート〕
図37は、第2実施形態に係る演出制御装置300が示唆演出を実行するときのタイミングチャートの例である。
まず、第2実施形態に係る示唆演出において、第1パターン演出のタイミングについて説明する。変動表示ゲームが実行されているときに、演出制御装置300は、第1パターン演出を実行すると、表示装置41の表示画面には示唆演出が表示される。
ここで、示唆演出は、所定の予告演出が実行される可能性があることを示唆する演出である。第1パターン演出における示唆演出(真正)は、その後に所定の予告演出が実際に行われる真正パターン演出として機能する。他方で、後述する第2パターン演出における示唆演出(ガセ)は、その後に所定の予告演出が行われることのないガセパターン演出として機能する。なお、演出制御装置300は、表示装置41の表示画面に限らず、装飾装置18a、18bの発光演出等によって示唆演出を行うようにしてもよい。示唆演出(真正)を第1示唆演出と呼び、示唆演出(ガセ)を第2示唆演出と呼んでよい。
続いて、第1パターン演出における示唆演出(真正)の終了後に、演出制御装置300は、所定の内容を事前に予告する予告演出を第2実施形態に係る予告演出(所定の予告演出)として実行する。予告演出は、特図変動表示ゲームの結果を予告可能な演出であって、大当りの期待度(可能性)を示唆するものでよいが、これに限られず特定の演出が実行されることを予告するものでもよい。
次に、第2実施形態に係る示唆演出において、第2パターン演出のタイミングについて説明する。演出制御装置300は、第2パターン演出を実行すると、表示装置41の表示画面には示唆演出が表示される。上述したように第2パターン演出における示唆演出(ガセ)は、その後に予告演出が行われることのないガセパターン演出になる。
第1パターン演出における示唆演出(真正)は、第2パターン演出における示唆演出(ガセ)よりも実行時間が短く設定されている。そのため、第1パターン演出における示唆演出(真正)と、その後の予告演出とが実行された際の演出時間(示唆演出と予告演出の合計の演出時間)が間延びすることを軽減させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、第2パターン演出における示唆演出(ガセ)と比べて第1パターン演出における示唆演出(真正)が比較的早期に終了し、その後に実行する予告演出に遊技者が注視し易くなるので、遊技の興趣を向上させることができる。なお、示唆演出(真正)と示唆演出(ガセ)の開始する開始タイミングは同じであってよい。
また、第1パターン演出の示唆演出(真正)と予告演出とが行われる際の変動時間は、第2パターン演出の示唆演出(ガセ)が行われる際の変動時間よりも長くなる。したがって、第2パターン演出と比べ比較的大当りの期待度(信頼度)の高い第1パターン演出にて予告演出を行う時間が確保できるので、当該予告演出によって遊技者の大当りに対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
〔比較例に係る示唆演出を実行するときのタイミングチャート〕
ここで、図43を参照して、比較例に係る示唆演出のタイミングについて説明する。図43は、比較例に係る演出制御装置300が示唆演出を実行するときのタイミングチャートの例である。
図43に示すように、比較例の第1パターン演出における示唆演出(真正)は、その後に予告演出が行われる真正演出パターンとして機能し、比較例の第2パターン演出における示唆演出(ガセ)は、その後に予告演出が行われることのないガセパターン演出として機能する。
また、比較例の第1パターン演出における示唆演出(真正)は、比較例の第2パターン演出における示唆演出(ガセ)と同じ長さの実行時間に設定されている。そのため、比較例の第1パターン演出では、演出制御装置300は、示唆演出(ガセ)と同じ長さの示唆演出(真正)を実行した後に、予告演出を実行することになる。
したがって、第2実施形態の第1パターン演出と比べて比較例の第1パターン演出では、示唆演出(真正)と、その後の予告演出とが実行された際の演出時間が間延びすることになるので、第2実施形態に係る示唆演出のように遊技の興趣を向上させることができなくなる。また、比較例の第1パターン演出では、示唆演出(真正)が上述のように間延びすることになるので、その後に実行する予告演出に遊技者が注視し難くなる。
〔示唆演出を実行するときのタイミングチャート〕
図38Aおよび図38Bは、第2実施形態に係る表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、変動表示ゲーム中に示唆演出が実行されるときの画面遷移の一例である。
図38A(A)は、変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。変動表示領域610の飾り第1図柄A~C及び、変動表示領域615の小さな飾り第2図柄(小図柄、飾り特別図柄)は、変動表示「↓↓↓」された状態である。
第1保留表示部630aには第1始動記憶(特図1始動入賞記憶)に対応する保留表示633a(始動記憶表示、ストック保留)が1個表示され、保留消化領域640には実行中の変動表示ゲームに係る始動記憶に対応する始動記憶表示(変動中保留表示、消化中保留表示)が表示される。
特図1保留数表示部650には特図1保留数を示す数字「1」が表示され、特図2保留数表示部660には特図2保留数を示す数字「0」が表示されている。
また、表示装置41の表示画面の画面左上部には、現在のステージ(モード、演出背景の状況)を表示するステージ表示730が表示される。ステージ表示730には、現在のステージが通常のステージであることを示す文字「通常ステージ」が表示される。
図38A(B)は、変動表示ゲーム中に、示唆演出が実行されるときの表示装置41の表示画面である。
示唆演出が実行されると、図38A(B)に示すように、表示装置41の表示画面の中央部に大きく示唆演出表示731が表示される。示唆演出表示731は、所定の示唆を行う演出表示であり、例えば現在のステージから異なるステージ(例えば後述する「虎ゾーン」)に遷移する可能性を示唆する演出表示である。示唆演出表示731は、例えば図38A(B)に示すように、表示画面上に半透明に表示され、当該示唆演出表示731とともに変動中の飾り第1図柄A~Cを遊技者は視認することができる。なお、示唆演出表示731は表示画面の中央部に半透明に大きく表示する態様に限らず、小さな表示による態様や所定のキャラクタを出現させる態様等によって行われてもよい。図38A(B)の態様の演出は、示唆演出(真正)と示唆演出(ガセ)とで共通に実行され、図38A(B)の状態では、遊技者は異なるステージへの遷移(即ち所定の予告演出)が実行される可能性があることを示唆されるが、このステージの遷移が実際に実行されるかは不明である。
図38A(C)および図38B(D)は、示唆演出が第1パターン演出における真正パターン演出として機能するときの表示装置41の表示画面である。示唆演出が真正パターン演出である場合には、示唆演出表示731の前面(上層のレイヤー)にステージ表示730が拡大表示される。ステージ表示730には、例えば「虎ゾーン突入!!」という、現在のステージが「虎ゾーン」に遷移したことを示す文字が表示される。
そして、図38B(D)に示すように、ステージ表示730は、現在のステージが「虎ゾーン」であることを示す文字「虎ゾーン」が表示される。また、演出制御装置300は、現在のステージが遷移したことに対応して、表示画面の背景等を変化させることができ、当該背景等の変化を視認した遊技者は新しいステージによる演出を楽しめるようになるので、遊技の興趣を向上させることができる。なお、ステージが「虎ゾーン」に遷移すること(「虎ゾーン突入!!」「虎ゾーン」などの文字が表示されることも含む)は、大当りの期待度(例えば高い期待度)を示唆する所定の予告演出(いわゆるゾーン演出)となる。「虎ゾーン」のステージでは、表示画面の背景画像として特定の背景画像が表示されてよい。なお、所定の予告演出は、ゾーン演出に限られず、セリフ予告演出やキャラクタ予告演出など他の演出でもよい。その後、変動表示ゲームが停止結果となることで、飾り第1図柄A~Cや飾り第2図柄は停止表示される。
他方で、図38A(E)に示すように、示唆演出がガセパターン演出である場合には、演出制御装置300は、表示装置41の表示画面の中央部に大きく半透明に表示した示唆演出表示731の表示状態を維持する。
図38A(E)および図38B(F)は、示唆演出が第2パターン演出におけるガセパターン演出として機能するときの表示装置41の表示画面である。なお、図38A(E)では、表示画面の左上部のステージ表示730を非表示にしているが、表示させてもよい。そして、演出制御装置300が示唆演出を終了することで、図38B(F)に示すように、表示画面に表示されていた示唆演出表示731が非表示になる。なお、ステージが所定の予告演出として「虎ゾーン」に遷移することはなく、その後、変動表示ゲームが停止結果となることで、飾り第1図柄A~Cや飾り第2図柄は停止表示される。
〔示唆演出を実行するときのタイミングチャートの第1変形例および第2変形例〕
図39は、第2実施形態に係る演出制御装置300が示唆演出を実行するときのタイミングチャートの第1変形例および第2変形例である。
まず、図39(A)を参照して、第2実施形態の第1変形例に係る示唆演出のタイミングについて説明する。
第2実施形態の第1変形例に係る第1パターン演出では、演出制御装置300は、その後に予告演出が実際に行われる真正パターン演出として前半示唆演出(真正)を実行する。前半示唆演出(真正)の終了後に、演出制御装置300は、予告演出を実行する。
他方で、第1変形例に係る第2パターン演出では、演出制御装置300は、その後に予告演出が行われることのないガセパターン演出として前半示唆演出および後半示唆演出(ガセ)を実行する。
ここで、演出制御装置300は、第1変形例に係る第1パターン演出および第2パターン演出において、遊技者が視認した際に同じ内容となる共通の前半示唆演出を実行する。共通の前半示唆演出は、例えば、図38A(B)のように実行されてよい。このような態様によれば、演出制御装置300は、第1パターン演出および第2パターン演出で前半示唆演出を行う際に、共通のデータを使用できるので、第1パターン演出の演出時間が間延びすることを軽減できるとともに、処理負担を軽減することができる。
次に、図39(B)を参照して、第2実施形態の第2変形例に係る示唆演出のタイミングについて説明する。
第2実施形態の第2変形例に係る第1パターン演出では、演出制御装置300は、第1変形例に係る第1パターン演出と同様に、前半示唆演出(真正)を実行し、当該前半示唆演出(真正)の終了後に予告演出を実行する。
他方で、第2変形例に係る第2パターン演出では、演出制御装置300は、その後に予告演出が行われることのないガセパターン演出として前半示唆演出および後半示唆演出(ガセ)を実行する。
ここで、演出制御装置300は、第2パターン演出の前半示唆演出と後半示唆演出とで、遊技者が視認した際に同じ内容となる共通の示唆演出を実行する。このような態様によれば、演出制御装置300は、第2パターン演出を実行する際に前半示唆演出と後半示唆演出とで共通のデータを使用できるので、直前に読み込んだデータをそのままループさせて使用することができ、処理負担をより軽減することができる。また、第1パターン演出の真正パターン演出では前半示唆演出(真正)の後に予告演出が行われることになるので、第1パターン演出の演出時間が間延びすることを、第1変形例と同様に軽減できる。
なお、図39(A)の第1変形例と図39(B)のとを組み合わせて、第1パターン演出および第2パターン演出で共通の前半示唆演出を実行するとともに、第2パターン演出の前半示唆演出と後半示唆演出とで共通の示唆演出を実行するようにしてもよい。このような態様によれば、演出制御装置300は、第1パターン演出の前半示唆演出と、第2パターン演出の前半示唆演出と、第2パターン演出の後半示唆演出とで、共通のデータを使用できるので処理負担を大きく軽減することができる。
〔示唆演出を実行するときのタイミングチャートの第3変形例〕
図40は、第2実施形態に係る演出制御装置300が示唆演出を実行するときのタイミングチャートの第3変形例である。
第3変形例では、演出制御装置300は、第1変形例や第2変形例と同様に、第1パターン演出と第2パターン演出を実行するのに加えて、後半示唆演出を複数の示唆演出に分割した第3パターン演出を実行することができる。
第3パターン演出において、演出制御装置300は、前半示唆演出の実行した後、後半示唆演出を例えば後1示唆(ガセ)と後2示唆(逆転)とに分けて順次実行する。
後半示唆演出の後1示唆(ガセ)は、遊技者にその後の予告演出が行われることのないガセパターン演出と思わせる示唆演出であり、第2パターン演出の後半示唆演出(ガセ)の一部と共通する示唆演出でよい。
また、後半示唆演出の後2示唆(逆転)は、後1示唆(ガセ)の後に行われる逆転演出であり、ガセパターン演出と遊技者に一度思わせた後に予告演出が行われることを示唆する真正パターン演出の一種である。
第3パターン演出において、演出制御装置300は、後1示唆(ガセ)の後に後2示唆(逆転)の逆転演出を実行する。そのため、後1示唆(ガセ)のガセパターン演出によって予告演出が行われないと思っていた遊技者に、予告演出が行われるようになるという前向きの驚きを与えられるようになるので、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、演出制御装置300は、第3パターン演出の後半示唆演出を2つ(後1示唆、後2示唆)に分割したが、3つ以上に分割して後半示唆演出を行うようにしてもよい。
〔示唆演出を実行するときのタイミングチャートの第4変形例〕
図41は、第2実施形態に係る演出制御装置300が示唆演出を実行するときのタイミングチャートの第4変形例である。
第4変形例では、演出制御装置300は、示唆演出の実行時間が異なる第1~第3パターン演出を実行することができる。
第1パターン演出において、演出制御装置300は、例えば真正パターン演出として第1示唆演出(第1示唆)を実行した後、予告演出とリーチ演出等を順次実行でき、その後の変動表示ゲームの停止結果を大当り(特別結果)とすることができる。その際、演出制御装置300は、第2示唆演出の実行時間よりも短くなるように第1示唆演出を実行する。
また、第2パターン演出において、演出制御装置300は、例えばガセパターン演出として第2示唆演出(第2示唆)を実行した後、変動表示ゲームの停止結果を外れとすることができる。その際、演出制御装置300は、第3示唆演出の実行時間よりも短くなるように第2示唆演出を実行する。
さらに、第3パターン演出において、演出制御装置300は、例えば真正パターン演出として第3示唆演出(第3示唆)を実行した後、予告演出とリーチ演出等を順次実行でき、その後の変動表示ゲームの停止結果を大当り(特別結果)とすることができる。第3示唆演出は、第1示唆演出や第2示唆演出よりも長い実行時間になる。
一方で、第4変形例の演出制御装置300は、予告演出が実行される第1パターン演出と第3パターン演出の変動時間が同じ時間になるように変動表示ゲームを行う。また、予告演出が実行されない第2パターン演出の変動時間は、第1、第3パターン演出の変動時間よりも短くされる。そのため、第1パターン演出と第3パターン演出の変動時間が同じ時間になるので、第3パターン演出における第3示唆演出の実行時間が長くなった場合でも、第3パターン演出の全体の変動時間が間延びすることを軽減でき、遊技の興趣を向上することができる。また、真正パターン演出が行われる第1パターン演出や第2パターン演出が選択される場合と比べて、ガセパターン演出が行われる第2パターン演出が選択される場合の変動表示ゲームを早期に終了できるので、遊技者の期待感が高まらない演出が間延びすることを軽減でき、遊技の興趣を向上することができる。
そのため、第3パターン演出の真正パターン演出である第3示唆演出(第3示唆)の実行時間は、第2パターン演出のガセパターン演出である第2示唆演出(第2示唆)の実行時間よりも長くなる。他方で、第3パターン演出の予告演出は、第1パターン演出の予告演出よりも短くなっているので、第1パターン演出と第3パターン演出の変動時間は同じ時間になる。
したがって、演出制御装置300は、真正パターン演出である第3示唆演出の実行時間をガセパターン演出である第2示唆演出の実行時間より長くして示唆演出を行うので、通常の変動態様と比べて大当りの期待度が高い予告演出がその後に実行されるという遊技者の期待感をより高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、演出制御装置300は、全体の変動時間が間延びすることなく第1パターン演出と同じ時間にして第3パターン演出を実行できるので、遊技の興趣を向上することができる。
なお、第1~第3示唆演出は、開始タイミングが同一に設定されており、図41に示すように変動開始してから所定時間経過後に実行されるが、変動開始時に行うようにしてもよい。リーチ演出等には、例えばSP1~3リーチやプレミアムリーチといったリーチ演出に限らず、先読み予告や擬似連続演出、連続予告(チャンス目予告)、ステップアップ予告、所定の秒数のカウントを行った後に予告を行うタイマ予告(カウントダウン予告、x秒予告)等を含めてもよい。
また、演出制御装置300は、第1~第3示唆演出を実行する際の処理負担が軽減されるように、上述したように第1~第3示唆演出における前半の示唆演出を共通の態様として、各示唆演出を実行することもできる。
〔示唆演出を実行するときのタイミングチャートの第5変形例〕
図42は、第2実施形態に係る演出制御装置300が示唆演出を実行するときのタイミングチャートの第5変形例である。
演出制御装置300が実行する示唆演出は、図42に示すように、擬似連続演出(擬似連)に対しても適用することもできる。演出制御装置300は、一回の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の開始から終了までの間に、変動表示されている飾り特別図柄(飾り第1図柄A~C)を擬似的に仮停止表示(擬似停止表示)させる擬似変動(単演出、副演出、副変動)を、所定回数だけ連続して行う擬似連続演出を実行することができる。
図42の擬似連続演出において、演出制御装置300は、擬似連続演出の1回目の擬似変動(単演出)の際に真正パターン演出として示唆演出(真正)を実行する。演出制御装置300は、例えば、2回目以降の擬似変動が成功して続くことを示唆演出(真正)にて示唆することができる。
そして、示唆演出(真正)の後に実行される予告演出では、演出制御装置300は、例えば、擬似変動が成功して続くこと示す文字(例えば「連」)を飾り特別図柄Cに表示して予告する演出を行うことができる。なお、予告演出において、演出制御装置300は、擬似変動が成功して続くこと示す文字を飾り特別図柄A、Bに表示してもよく、「連」以外の文字や図形等を表示させることによって予告演出を実行してもよい。
続いて、演出制御装置300は、擬似連続演出の2回目の擬似変動(単演出)の際にガセパターン演出として示唆演出(ガセ)を実行する。演出制御装置300は、例えば、3回目以降の擬似変動が成功して続かないこと(失敗に終わること)を示唆演出(ガセ)にて示唆することができる。なお、示唆演出(ガセ)は、処理負担が軽減されるように、前半示唆演出と後半示唆演出とに分割して、共通の示唆演出を繰り返す態様でもよい。
そして、演出制御装置300は、示唆演出(ガセ)中に(例えば示唆演出の最後に)、擬似変動が継続せずに終了すること(失敗すること)を示唆した後、変動表示ゲームを外れの態様で停止させることができる。
また、演出制御装置300が実行する複数回(例えば1、2回目)の擬似変動は、図42に示すように、成功となる真正パターン演出でも、失敗となるガセパターン演出でも同じ時間になる。そのため、擬似変動が成功するときや失敗するときのどちらか一方の演出時間が間延びすることを軽減でき、遊技の興趣を向上させることができる。
[第2実施形態の作用・効果]
本実施形態に係る遊技機10は、ゲーム(変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームに関連する演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、ゲームの結果が特別結果(大当り)となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)を発生可能である。演出制御手段は、示唆演出として、実行後に所定の予告演出が実行される第1示唆演出(真正パターン演出、示唆演出(真正))および、実行後に所定の予告演出が実行されない第2示唆演出(ガセパターン演出、示唆演出(ガセ))のうち少なくともいずれか1つを、選択して実行可能であり、第1示唆演出が選択される場合の示唆演出の実行時間を、第2示唆演出が選択される場合の当該実行時間よりも短くする。
このような遊技機10によれば、演出制御手段は、第2示唆演出(ガセパターン演出、示唆演出(ガセ))よりも実行時間が短くなるように、第1示唆演出(真正パターン演出、示唆演出(真正))を実行する。そのため、第1示唆演出と、その後の予告演出とが実行された際の演出時間が間延びすることを軽減させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、第2示唆演出と比べて第1示唆演出が比較的早期に終了し、その後に実行する予告演出に遊技者が注視し易くなるので、遊技の興趣を向上させることができる。
本実施形態に係る遊技機10では、演出制御手段(演出制御装置300)は、第2示唆演出(ガセパターン演出、示唆演出(ガセ))が選択される場合のゲームのゲーム時間(変動時間)よりも、第1示唆演出(真正パターン演出、示唆演出(真正))が選択される場合のゲームのゲーム時間(変動時間)を長くする。このような遊技機10によれば、第2示唆演出を含む第2パターン演出と比べ、第1示唆演出を含み比較的大当りの期待度(信頼度)の高い第1パターン演出にて予告演出を行う時間が確保できるので、当該予告演出によって遊技者の大当りに対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
本実施形態に係る遊技機10では、第1示唆演出と第2示唆演出は、開始タイミングが同一であるとともに、共通の態様(前半示唆演出)を有する演出である。演出制御装置300は、第1示唆演出および第2示唆演出を行う際に、共通のデータを使用できるので、第1示唆演出の演出時間が間延びすることを軽減できるとともに、処理負担を軽減することができる。
また、本実施形態に係る遊技機10では、演出制御手段(演出制御装置300)は、示唆演出として、実行後に所定の予告演出が実行される第1示唆演出(真正パターン演出、第1示唆)と第3示唆演出(真正パターン演出、第3示唆)および、実行後に所定の予告演出が実行されない第2示唆演出(ガセパターン演出、第2示唆)のうち少なくともいずれか1つを、選択して実行可能である。また、演出制御手段は、第1示唆演出が選択される場合の示唆演出の実行時間を、第2示唆演出が選択される場合の当該実行時間よりも短くし、第2示唆演出が選択される場合の示唆演出の実行時間を、第3示唆演出が選択される場合の当該実行時間よりも短くする。
このような遊技機10によれば、真正パターン演出となる第3示唆演出の実行時間を、ガセパターン演出となる第2示唆演出の実行時間より長く設定して示唆演出を行うので、大当りの期待度の高い予告演出がその後に実行されるという遊技者の期待感をより高めることでき、遊技の興趣を向上させることができる。また、演出制御手段は、全体の変動時間が間延びすることなく第1示唆演出と同じ時間にして第3示唆演出を実行できるので、遊技の興趣を向上することができる
演出制御手段(演出制御装置300)は、第2示唆演出(ガセパターン演出、第2示唆)が選択される場合のゲームのゲーム時間(変動時間)よりも、第1示唆演出(真正パターン演出、第1示唆)または第3示唆演出(真正パターン演出、第3示唆)が選択される場合のゲームのゲーム時間(変動時間)を長くする。このような遊技機10によれば、また、真正パターン演出である第1示唆演出や第2示唆演出が選択される場合と比べて、ガセパターン演出である第2示唆演出が選択される場合のゲームを早期に終了できるので、遊技者の期待感が高まらない演出が間延びすることを軽減でき、遊技の興趣を向上することができる。
演出制御手段(演出制御装置300)は、第1示唆演出(真正パターン演出、第1示唆)が選択される場合のゲームのゲーム時間(変動時間)と、第3示唆演出(真正パターン演出、第3示唆)が選択される場合のゲームのゲーム時間(変動時間)とを、同じ長さにする。このような遊技機10によれば、第1示唆演出が選択される場合と第3示唆演出が選択される場合のゲームのゲーム時間が同じ時間になるので、第3示唆演出の実行時間が長くなった場合でも、全体の変動時間が間延びすることを軽減でき、遊技の興趣を向上することができる。
第1示唆演出、第2示唆演出、及び、第3示唆演出は、開始タイミングが同一であるとともに、共通の態様を有する。このような遊技機10によれば、上記の効果を奏するとともに、示唆演出の処理負担を軽減することができる。
[第3実施形態]
図44から図59を参照して第3実施形態の遊技機10について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態、第2実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態、第2実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図44は、第3実施形態の遊技機10の遊技盤30の正面図である。図45は、遊技盤30の斜視図である。図46は、図45において一点鎖線により囲まれた部分を拡大した図である。第3実施形態の遊技機10は、第1、第2実施形態の遊技機10において、後述の回転体ユニット800(入賞安定化手段、誘導手段)が配置されたことが特徴となっている。
第3実施形態の遊技機10では、第1実施形態等と同様、ガイドレール31に囲まれた領域に遊技領域32が設けられ、遊技領域32の略中央には、センターケース40が取り付けられ、センターケース40の中央の窓部の後方には表示装置41が取り付けられている。
センターケース40の上部には上部演出ユニット40c(ドット表示装置)が設けられ、左側部にはランプ表示装置80が設けられ、右側部には側部演出ユニット40dが設けられている。
遊技領域32の下部中央には始動入賞口36(入賞領域)が配置され、その右側で且つやや高い位置には普通変動入賞装置37(可動部材37b)(入賞領域)が設けられ、さらにその右上には普図始動ゲート34(入賞領域)が配置されている。また、遊技領域32において普図始動ゲート34よりも上方となる位置には特別変動入賞装置39(開閉扉39c)が配置されている。
第1実施形態においては、遊技領域32の左側であって高さ方向でほぼ中央となる位置に連通する流入口40aを備えるチューブ形状のワープ通路40e(第1取り込み流路)と、ワープ通路40eから転動した遊技球を受けるとともに始動入賞口36を包含する遊技領域32に向けて当該遊技球を流下させるステージ部40bとを備える構成を有する。
一方、第3実施形態では、ステージ部40bの奥側(後方)に回転体ユニット800(誘導手段)が設けられている。また、ワープ通路40e(誘導手段)の下端が回転体ユニット800に接続されワープ通路40eを転動した遊技球が回転体ユニット800(回転ステージ810)の上面に供給される。なお、回転体ユニット800は、溝等によりステージ部40bに係合する構成を備えるようにしてもよいし、ステージ部40bと一体に形成してもよい。また表示装置41は、回転体ユニット800よりも後方に配置されている。
なお、遊技領域32の左側の流入口40a付近において、遊技領域32に左側に流下した遊技球(左打ちによる遊技球)の80-90パーセントが流入口40aに流下するように障害釘(不図示)が植設されている。
〔回転体ユニットの基本構成〕
図45、図46に示すように、回転体ユニット800は、遊技球が転動する回転ステージ810と、回転ステージ810の周囲を囲むトレー部801と、を備え、回転ステージ810及びトレー部801は遊技領域32に向けて下向きに傾斜(例えば傾斜角度は5度程度)している。これにより、回転体ユニット800は始動入賞口36を包含する遊技領域32に向けて遊技球を流下させることができる。
トレー部801は、遊技球が転動する矩形平板状の転動面802(底面)と転動面802の外縁に配置された壁部803A,803B,803Cを有している。壁部803Aは、転動面802の表示装置41側の縁辺から立ち上がって幅方向(遊技機10の左右方向)に延びる部材であり、壁部803Bは、転動面802の左側の縁辺から立ち上がって奥行き方向(遊技機10の前後方向)に延びる部材であり、壁部803Cは転動面802の右側の縁辺から立ち上がって奥行き方向に延びる部材である。
トレー部801の一端は、ステージ部40bの下流部分を露出させた状態でステージ部40b上に配置されている。転動面802は遊技領域32側に対向する縁辺が開放され、また前記のように遊技領域32側に向けて下向きに傾斜しているので、転動面802に供給された遊技球は転動面802の遊技領域32側の縁辺からステージ部40bの当該下流部分(ステージ部40b1、ステージ部40b2)を介して遊技領域32に向けて流下する。
ワープ通路40eに対向する壁部803Bの一部が開口され当該開口した部分にワープ通路40eの下端が接続されている。またトレー部801の転動面802にはワープ通路40eの下端に隣接する位置から回転ステージ810に向けて延びた突起形状を備え、ワープ通路40eから流下した遊技球を回転ステージ810にガイドするガイドリブ804が形成されている。ガイドリブ804は、回転ステージ810の回転軸よりも壁部803A側となる位置からトレー部801の幅方向と回転ステージ810の中心方向(前後方向)の間となる方向に遊技球をガイドするように形成される。なお、ワープ通路40eから流下した遊技球が前記のように直接回転ステージ810に向かうようにワープ通路40eが配置されている場合は、ガイドリブ804を省略してもよい。
壁部803B及び壁部803Cは、トレー部801の遊技領域32側の縁辺から延出している。また当該縁辺の中央部からは後述の延出部806が延出している。このため、ステージ部40bは、左側の壁部803Bと延出部806により区画されたステージ部40b1と右側の壁部803Cと延出部806により区画されたステージ部40b2に分割される。
回転ステージ810は、円筒形状を有するとともに円筒形の軸を中心として回転する回転体であり、その上面は遊技球が転動する転動面811となっている。なお、前記のように回転ステージ810の転動面811も遊技領域32に向けて下向きに傾斜している。
また、回転ステージ810は、回転ステージモータ143(図50)により回転し、回転ステージモータ143(図50)は、遊技制御装置100(図50)により駆動・停止の制御、及び回転速度(回転方向の切替含む)の制御が行われる。なお、回転ステージ810は通常、反時計回りに回転するが、後述のように時計回りに回転(逆回転)する場合もある。
回転ステージ810の周縁には、周方向で等間隔に切り欠き部812(保持部)が形成されている。切り欠き部812は、本実施形態では5個(個数は任意)形成され、それぞれ回転ステージ810の上面と側面が開口するように形成されている。切り欠き部812は、平面視(上面視)で遊技球を内側に配置可能となるように形成され、回転ステージ810の転動面811を転動する遊技球が切り欠き部812に入り込むことが可能な構成となっている。
ここで、トレー部801は、回転ステージ810の側面に倣った内壁を備えた収容部805を備え、当該収容部805に回転ステージ810が収容された配置となっている。よって、切り欠き部812は収容部805の内壁に対向しているため、切り欠き部812の回転ステージ810の側面側に開口した部分が収容部805の内壁により閉止した状態になっている。したがって、切り欠き部812に入り込んだ遊技球は、切り欠き部812及び収容部805の内壁により保持されることになる。
なお、切り欠き部812の深さは、遊技球の半径よりは深く、且つ遊技球の直径よりも浅くすることが好適である。これにより、切り欠き部812に保持された遊技球は回転ステージ810の転動面811から露出する。したがって、回転ステージ810の転動面811を転動する遊技球が切り欠き部812に保持された遊技球に衝突することで当該遊技球の転動方向を変化させることができる。また、切り欠き部812の深さが遊技球の半径よりも深いので、切り欠き部812に保持された遊技球が転動面811を転動する遊技球に衝突することで切り欠き部812から弾き出されることを低減できる。
ところで、回転ステージ810の転動面811は、トレー部801の転動面802よりも高くなるように(回転ステージ810がトレー部801の転動面802が形成する同一平面と交差するように)配置してもよい。このとき、回転ステージ810とトレー部801の間には段差が形成されるが、段差は遊技球の半径よりも小さくなるように形成することが好適である。
この場合、ワープ通路40eから供給された遊技球は段差を乗り越えて回転ステージ810の転動面811に移動するが、乗り越える際に遊技球の転動方向を不規則に変化させることができる。また、一部の遊技球が当該段差を乗り越えずに当該段差の前で滞留する可能性があるが、切り欠き部812が当該遊技球に対向する位置に来ると、当該切り欠き部812に遊技球が保持されていないことを条件に滞留した遊技球を当該切り欠き部812に入り込ませることもできる。
トレー部801の遊技領域32側の縁辺の中央部であって遊技機10の正面から見て始動入賞口36の真上となる位置からは延出部806が延出している。また延出部806及びトレー部801には、延出部806の始動入賞口36側の先端から収容部805の内壁までを直線状に貫通し、延出部806の先端の開口した部分と回転ステージ810の側面とを連通する誘導溝807が形成されている。誘導溝807は、回転ステージ810が回転することで切り欠き部812に逐次的に対向する。
ここで、延出部806はトレー部801の転動面802と同一平面を形成しているが、転動面802よりも高くなるように(転動面802が形成する同一平面に延出部806が交差するように)形成してもよい。またトレー部801の誘導溝807に隣接する部分も延出部806と同様にトレー部801の転動面802よりも高くなるように形成してもよい。
誘導溝807は、その底面が始動入賞口36に向けて下向きに傾斜している。また、誘導溝807の幅は遊技球の直径よりも広くなっている。そして、誘導溝807の底面は、切り欠き部812の底面から見て凸となる段差を形成しないように配置される。一方、切り欠き部812の底面はトレー部801の転動面802と同様に遊技領域32側に向けて下向きに傾斜している。したがって、切り欠き部812が誘導溝807に対向すると、当該切り欠き部812に保持された遊技球は誘導溝807に導入され、誘導溝807(延出部806)の先端から始動入賞口36に向けて流下することができる。
また、誘導溝807の遊技球の入口となる位置には仕切り弁820(第1の弁)が配置されている。仕切り弁820は、弁ソレノイド144(図50)により高さ方向(トレー部801の転動面802の法線方向)に駆動可能とされ、仕切り弁820が誘導溝807の入口を閉止した状態と当該入口を開放した状態とに切替制御されるものである。仕切り弁820は、誘導溝807を閉止する方向に付勢手段(バネ等)により付勢されているが、弁ソレノイド144が駆動すると仕切り弁820を誘導溝807から引き出す方向(下方向)に付勢して誘導溝807を開放し、弁ソレノイド144の駆動が停止すると付勢手段による付勢力により仕切り弁820を誘導溝807に入り込む方向(上方向)に付勢して誘導溝807を閉止する。弁ソレノイド144は、遊技制御装置100により制御され、切り欠き部812が誘導溝807に対向するタイミングで(また当該タイミングが発生するほとんどの場合において)当該入口を開放するように制御される。
仕切り弁820の遊技領域32側の主面とトレー部801の遊技領域32側の縁辺との距離は、遊技球の半径よりも短くすることが好適である。これにより、仕切り弁820の閉止時において、トレー部801の転動面802から誘導溝807に入る方向に転動する遊技球は仕切り弁820に当接して跳ね返り、ステージ部40b1又はステージ部40b2に流下するので、当該遊技球が誘導溝807に入り込むことを制限できる。
また、仕切り弁820の閉止時において、仕切り弁820の高さが回転ステージ810の転動面811よりも高くなる(仕切り弁820が回転ステージ810の転動面811が形成する同一平面に交差する)ように配置されることが好適である。これにより、切り欠き部812が誘導溝807に対向していない配置の場合に、回転ステージ810の転動面811から誘導溝807に直接向かう方向に転動する遊技球を仕切り弁820が遮断してその転動方向を変化させるので、切り欠き部812に保持されていない遊技球が誘導溝807に直接入り込むことを制限できる。
遊技球が回転ステージ810に常に供給され回転ステージ810の切り欠き部812の全てに遊技球が保持され、回転ステージ810が一定の回転速度で回転している場合、延出部806(誘導溝807)から流下する遊技球のほとんどが始動入賞口36に入賞するため、入賞の頻度はほぼ一定となる。よって、始動入賞口36に入賞する遊技球が延出部806(誘導溝807)から流下したもののみである場合、遊技機10のスタート値Sは回転ステージ810の回転速度に依存するものの、一定となる。なお、本実施形態では、スタート値Sは、通常遊技状態(左打ち時)における特図変動表示ゲームの所定期間(例えば1分間)当りの実行回数、即ち、始動入賞口36に遊技球が入賞する所定期間当りの回数である。
ところで、回転体ユニット800においては、延出部806(誘導溝807)から流下した遊技球と、ステージ部40b1から流下した遊技球と、ステージ部40b2から流下した遊技球が始動入賞口36を包含する遊技領域32に向けて流下する。
ここで、延出部806(誘導溝807)(及びステージ部40b1、ステージ部40b2)と始動入賞口36の高さ方向の間隔は、遊技球の直径よりも長くなっている。また、ステージ部40b1及びステージ部40b2の中央部は遊技領域32側に傾斜した凹面形状を有している。
よって、例えば、凹面形状の左右方向の外側から中央(延出部806側)に向かって転動する態様でステージ部40b1、ステージ部40b2から遊技球が流下すると当該遊技球は始動入賞口36に向けて流下する可能性が高くなる。したがって、延出部806(誘導溝807)から流下した遊技球のほとんどは始動入賞口36に入賞するが、当該遊技球がステージ部40b1又はステージ部40b2から流下した遊技球に衝突して始動入賞口36への入賞が阻害される場合がある。
また、ステージ部40b1又はステージ部40b2から流下した遊技球が延出部806(誘導溝807)から流下した遊技球に衝突することなく始動入賞口36に入賞する場合もある。
ところで、図45に示すように、例えば、遊技領域32の風車より下となる位置を基点として始動入賞口36に向かう方向に一列に道釘(不図示)が植設されており、この道釘に倣って流下した遊技球が始動入賞口36に入賞する場合がある。よって、回転体ユニット800から流下した遊技球が、回転体ユニット800を経由せずに遊技領域32(道釘等)を流下した遊技球に衝突して始動入賞口36への入賞が阻害される場合もある。
なお、道釘を流下する遊技球が飛び跳ねて回転ステージ810又はトレー部801に乗る場合もある。
以上のように、延出部806(誘導溝807)から流下した遊技球と、ステージ部40b1から流下した遊技球と、ステージ部40b2から流下した遊技球と、回転体ユニット800を経由せずに遊技領域32を流下した遊技球と、が始動入賞口36付近で互いに干渉(衝突)することで、遊技球の始動入賞口36への入賞の頻度、即ちスタート値Sについてある程度ばらつきが発生することになる。もちろん、延出部806(誘導溝807)から流下した遊技球のすべてが始動入賞口36に入賞する構成も可能である。この場合は、例えば延出部806(誘導溝807)から始動入賞口36に至る経路の幅方向の両サイドに障害釘を適宜配置し、延出部806(誘導溝807)以外から流下した遊技球が延出部806(誘導溝807)から流下した遊技球に衝突しないようにすればよい。
本実施形態では、上記のように、スタート値Sを安定させることができるが、回転体ユニット800における遊技球の転動及び回転体ユニット800から流下した遊技球の流下先が一応予測しにくい構成となっているので、遊技球の転動及び流下の様子を楽しむことができ、興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態において、回転体ユニット800は、始動入賞口36に向けて遊技球を流下させることを前提に説明しているが、他の入賞領域、例えば、普図始動ゲート34、一般入賞口35、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置39のいずれかに向けて遊技球を流下させるものとして構成してもよい。
〔回転体ユニットにおける遊技球の挙動〕
図47は、回転体ユニット800の平面図(図44のA-A線断面図)であって、回転体ユニット800における遊技球の状態を示す図(その1)である。図48は、回転体ユニット800の平面図(図44のA-A線断面図)であって、回転体ユニット800における遊技球の状態を示す図(その2)である。図49は、回転体ユニット800の平面図(図44のA-A線断面図)であって、回転体ユニット800における遊技球の状態を示す図(その3)である。
回転体ユニット800に供給された遊技球の挙動について検討する。図47に示すように、5つの切り欠き部812のうち少なくとも一つに遊技球が保持されており、また誘導溝807が切り欠き部812に対向しておらず誘導溝807の入口を仕切り弁820が閉止しているときに、ワープ通路40e(ガイドリブ804)から遊技球が回転ステージ810に流下した場合を考える。
この場合、前記のように遊技球が回転ステージ810に乗り上げるときに転動方向が不規則に変化するので、図47中の[1]に示すように遊技球が空の切り欠き部812に直接入り込む場合や、図47中の[2]に示すように遊技球が空の切り欠き部812の間を通過して回転ステージ810から流下してトレー部801の壁部803Cに衝突するなどしてステージ部40b2に流下し、遊技領域32に流下する挙動が考えられる。
また、図47中の[3]に示すように、回転ステージ810上を遊技球が[1]と同様に転動するもののその先にある切り欠き部812に遊技球がすでに保持されていた場合、転動している遊技球が保持された遊技球に衝突して転動方向が変化し別の切り欠き部812に入り込むような挙動も考えられる。いずれにしても、回転ステージ810に流下した遊技球は、最終的には遊技領域32に向けて流下するものの、その途中、切り欠き部812に保持された遊技球や壁部803A,803B,803Cに衝突等することで回転ステージ810及びトレー部801においてあらゆる方向に転動し得る。
また、図47中の[4]に示すように、トレー部801(転動面802)において延出部806(誘導溝807)に向かって転動する遊技球も存在する。この場合、遊技球は、トレー部801の遊技領域32側の縁辺を超えるとトレー部801の転動面802が形成する同一平面を交差するように落下し始め、その後延出部806の側面に衝突して当該遊技球のほとんどがステージ部40b1に落下することになる。なお、ステージ部40b1(ステージ部40b2)に落下した遊技球は遊技領域32(又は始動入賞口36)に向けて落下する。
また、トレー部801の遊技領域32側の縁辺に交差する前に誘導溝807に到達する方向に転動する遊技球も存在し得る。しかし、仕切り弁820の遊技領域32側の主面とトレー部801の遊技領域32側の縁辺と間隔が遊技球の半径よりも小さくなるように設計することで、当該遊技球は仕切り弁820に衝突して当該遊技球のほとんどがステージ部40b1、ステージ部40b2に流下することになる。
さらに、回転ステージ810から誘導溝807に向けて転動する遊技球も存在するが、仕切り弁820の高さが回転ステージ810の転動面811よりも高い場合には当該遊技球のほとんどが仕切り弁820に衝突して誘導溝807に入り込むことが阻害される。
以上のように、仕切り弁820が誘導溝807の入口を閉止した状態では、誘導溝807に遊技球が入り込むことがほとんどない構成となっている。
図48に示すように、5つの切り欠き部812のうち少なくとも一つに遊技球が保持されており、また誘導溝807が遊技球を保持する切り欠き部812に対向するタイミングで仕切り弁820が誘導溝807の入口を開放しているときに、ワープ通路40e(ガイドリブ804)から遊技球が回転ステージ810に流下した場合を考える。
誘導溝807に対向する遊技球が保持された切り欠き部812が誘導溝807に対向するタイミングで仕切り弁820を開放することで、当該切り欠き部812に保持された遊技球を、誘導溝807を介して始動入賞口36に向けて流下させることができる。
例えば、回転ステージ810の一回転の周期を40秒とし、仕切り弁820が8秒ごとに開放する場合であって、切り欠き部812が誘導溝807に対向するタイミングで仕切り弁820が開放する場合、8秒ごとに切り欠き部812に保持された遊技球を誘導溝807にほぼ流下可能となる。このとき、全ての切り欠き部512に遊技球が保持されている場合において、最初の当該遊技球が始動入賞口36に向けて流下した後、残り全ての当該遊技球が始動入賞口36に向けて流下するまでに32秒かかる。なお、切り欠き部812が遊技球をワープ通路40eから受け取ってから誘導溝807に流下させるのに所定時間を要する。所定時間は、図48に示す配置時に遊技球がガイドリブ804から切り欠き部812[2]に直接入り込む場合を考えると、回転ステージ810が反時計回りの場合に16秒(1周遅れの場合は56秒)であり、時計回りの場合に24秒(1周遅れの場合は64秒)である。ここで、誘導溝807以外からの始動入賞口36への入賞が無視できる程度であれば、この場合のスタート値Sは、7.5回/分となる。また、スタート値Sを7.5回/分とするには、8秒当り1個以上、即ち、1分間に7.5個以上(スタート値Sに対応する個数以上)の遊技球をワープ通路40eから回転ステージ810に供給しておく。
また、例えば、仕切り弁820が3秒ごとに開放する場合であって、初期状態でいずれかの切り欠き部812が誘導溝807に対向するタイミングで仕切り弁820が開放する場合を考える。初期状態で、切り欠き部812[1]に保持された遊技球が誘導溝807に流下可能となる。その後、[仕切り弁820の開放周期(3秒)]と[切り欠き部812の誘導溝807との対向周期(8秒)]の積(24秒)ごとに切り欠き部812[2]、切り欠き部812[3]、切り欠き部812[4]、切り欠き部812[5]に保持された遊技球がこの順で誘導溝807にほぼ流下可能となる。このとき、全ての切り欠き部512に遊技球が保持されている場合において、最初の当該遊技球が始動入賞口36に向けて流下した後、残り全ての当該遊技球が始動入賞口36に向けて流下するまでに96秒かかる。なお、この場合には、誘導溝807からの始動入賞口36への1分間当りの入賞が少なくなるため、スタート値Sを大きくするには、誘導溝807以外から始動入賞口36への入賞を増やす。
一方、回転ステージ810に流下した遊技球は[6]に示すように空の切り欠き部812に入り込む場合、[7]に示すように切り欠き部812に保持された遊技球(又は壁部803A,803B,803C)に衝突して転動方向を変えてステージ部40b1(又はステージ部40b2)に流下する。
図49に示すように、誘導溝807が遊技球を保持しない切り欠き部812に対向するタイミングで仕切り弁820が誘導溝807の入口を開放しているときに、ワープ通路40e(ガイドリブ804)から遊技球が回転ステージ810に流下した場合を考える。
この場合、トレー部801を転動する遊技球は、図49に示すように、一度回転ステージ810から出てしまった遊技球が壁部803Cに衝突して再び回転ステージ810に戻ってきて誘導溝807に入り込む、又はこれに対向する切り欠き部812に入り込んで誘導溝807に入り込む場合がある。このように、一度回転ステージ810からはじき出された遊技球であっても始動入賞口36の入賞について再チャレンジできる可能性がある。特に切り欠き部812に保持されている遊技球の数が少ないほど再チャレンジによる始動入賞口36への入賞の可能性が高くなる。なお、上記のように切り欠き部812を経ずに誘導溝807に入り込んで始動入賞口36に入賞する可能性、及びステージ部40b1,40b2を流下する遊技球が始動入賞口36に入賞する可能性もあるので、全ての切り欠き部812に遊技球が保持されていたとしても、上記の再チャレンジを行う価値を失わない。
また、前記のように、仕切り弁820が8秒ごとに開放する場合と3秒ごとに開放する場合を考えると、3秒ごとに開放する場合のほうが開放の頻度が高いので遊技球が誘導溝807に対向している切り欠き部812を経ずに誘導溝807に入り込む可能性が高い。しかし、仕切り弁820の開放時間を短く(例えば0.3秒)することで、これらが発生する頻度を低くすることも可能である。
回転ステージ810は、例えば一定の回転速度で反時計回りに回転しているが、所定のタイミングで短時間逆回転するように制御することも可能である。これにより、例えばガイドリブ804と回転ステージ810の間に遊技球が溜まった場合にこれを取り出すことが可能となる。また、切り欠き部812が誘導溝807に対向したのちわずかに回転が進行した段階で回転ステージ810を微小な回転角度で逆回転させその後順方向に回転させるようにしてもよい。これにより、切り欠き部812とトレー部801の間に遊技球を噛みこんだ場合であってもこれを解消することができる。もちろん、切り欠き部812が誘導溝807に対向したときに所定時間(例えば0.3秒)回転ステージ810の回転を停止させる制御を行い、遊技球が誘導溝807に確実に流下できるようにしてもよい。
また、図45-図49において、切り欠き部812は、回転ステージ810の周方向で等間隔となるように配置されているが、不均一となるように配置してもよい。この場合、例えば、回転ステージ810にエンコーダ(不図示)を取り付け、切り欠き部812のいずれかが誘導溝807に対向するときの所定の回転角度をエンコーダ(不図示)が検知する毎に仕切り弁820が開放動作するように構成してもよい。
本実施形態では、仕切り弁820を使用しない構成も好適である。例えば、回転ステージ810の下に面方向でほぼ同じ寸法の固定ステージ(不図示)を配置し、回転ステージ810には周方向に等間隔で複数の第1貫通孔(遊技球の直径よりも大きい直径を有する)を形成し、固定ステージの前記第1貫通孔のいずれかに対向する位置に第2貫通孔を一つ形成する。また固定ステージ(トレー部801)の下に第2トレー部(不図示、トレー部801と同様のもの)を形成し、当該第2トレー部が第2延出部(不図示、延出部806と同様のもの)を備え、当該第2延出部の先端から遊技球が始動入賞口36に向けて流下可能な構成を備えている。そして、遊技球が回転ステージ810に流下すると第1貫通孔に遊技球が入り込んで保持されるとともに、第1貫通孔のいずれかが第2貫通孔に連通すると当該第1貫通孔に保持された遊技球が第2貫通孔、第2トレー部、第2延出部を経て始動入賞口36に向けて流下することができる。この場合、遊技球が第2延出部から始動入賞口36に向けて流下可能な周期は[回転ステージ810の周期]を[第1貫通孔の個数]で割った値となる。
又は、固定ステージの替わりに回転ステージ810と面方向でほぼ同じ寸法であって軸方向に移動する可動ステージ(不図示)を回転ステージ810の下に配置し、所定時間経過すると可動ステージが遊技球の直径よりも長い距離で回転ステージ810から離れることで第1貫通孔に保持された遊技球が全て第2トレー部に供給されるとともに可動ステージを元の位置に戻し、第2トレー部にある全ての遊技球を始動入賞口36に向けて流下させるようにしてもよい。
本発明において、誘導手段は回転体ユニット800を前提としているが、他の構成として、ワープ通路40eを流下した遊技球を受ける第1ステージ(不図示)と、第1ステージの真下に配置された第2ステージ(不図示、トレー部801と同じ位置に配置される)と、を備えたものも適用可能である。
第1ステージは、例えば透明な部材により形成され(透明でなくてもよい)、その中央部に遊技球を第2ステージに向けて落下させるとともにその落下タイミングを不規則に変化させる落下機構を備えている。落下機構は、遊技球が転動可能であって下に行くほど径が小さくなる鈍角の(傾斜角度が緩い)テーパー状の内壁を有し、下端に遊技球が通過可能な第1貫通孔と、を備えている。
第2ステージは、落下機構の真下となる位置を中心として放射状に分岐する複数の分岐経路を備え、分岐経路のうちの一つが始動入賞口に遊技球をほぼ入賞可能な配置となっており、残りの分岐経路が遊技領域32に向けて(稀に始動入賞口36に向けて)遊技球を流下可能となっている。
分岐経路の分岐位置(落下機構の真下となる位置)には、可動部(回転運動、またはスイング運動が可能)が配置されている。可動部は、例えば第2ステージの法線に沿った方向を回転軸として備え当該回転軸を頂点とする緩い傾斜の円錐形状を有し、頂点を中心として放射状の凹凸形状を有しており、凹凸形状により形成された複数の凹部が一時的に遊技球を保持して分岐経路に誘導するガイドになっている。
ワープ通路40eから第1ステージに流下した遊技球は、落下機構に対して任意の方向から入り得るので、落下機構の内壁を周回する回数(若しくは往復する回数)が異なる等、第1貫通孔に至る経路が遊技球ごとに不規則に変化する。よって、落下機構に流下した遊技球の落下タイミングは不規則に変化する。
第1貫通孔から落下した遊技球は、可動部の頂点付近に落下するので、可動部の頂点からどの方向に転動するかが不規則となり、またガイドされる方向も遊技球の落下タイミングや自転方向、可動部の回転速度及び位相(凹部の向き)等により変化する。よって、どの分岐経路に遊技球が流下するかについても遊技球ごとに不規則に変化する。
しかし、分岐経路の個数は有限であるので、遊技球の流下経路の数は、風車や障害釘が配置された遊技領域のみを流下する遊技球に係る流下経路の数よりも少ない。よって、所定時間内に一定個数の遊技球を始動入賞口36に入賞できる頻度(確率密度)は従来の遊技機よりも高くなり、これによりスタート値Sも安定したものになる。
また、遊技球が落下機構から落下する様子、及び遊技球が可動部により分岐経路に振り分けられ始動入賞口に入賞し得る様子は視認可能であり、遊技者に遊技球の動きに興味を持たせることで遊技の興趣を高めることができる。
他の構成として、第2ステージ(分岐流路なし)の下に誘導溝807を備える構成としてもよい。このとき、可動部の凹凸形状を構成する凹部の少なくとも一つは遊技球が貫通可能なスリット(切り欠き)となっている。また第2ステージの可動部の真下となる位置には遊技球が貫通可能な第2貫通孔が形成され、当該スリットと所定の角度になるとスリットと第2貫通孔が互いに連通する状態となる。また第2貫通孔を流下した遊技球は誘導溝807に流下する。
そして、落下機構から落下した遊技球がスリットと第2貫通孔が互いに連通するタイミングでスリットに流下すると当該スリットに流下した遊技球は第2貫通孔を介して誘導溝807に流下して始動入賞口36に向けて流下する。第2ステージにおいて第2貫通孔に流下しなかった遊技球は、第2ステージ(ステージ部40b1又はステージ部40b2)を介して遊技領域32(稀に始動入賞口36)に向けて流下するようにしてもよい。
ここで、スリット、第2貫通孔は可動部の凹凸形状を構成する凹部よりも幅及び径が大きくなるように形成してもよい。
さらに、ワープ通路40eを後述の振り分け装置850等を用いて分岐させ、一方はワープ通路40eにより第1ステージに向けて割り振って流下させ、他方は第2貫通孔に向かう分岐流路に流下させるようにしてもよい。分岐通路の下端と第2貫通孔の間に可動部が介装された配置となっているが、スリットと第2貫通孔が連通するタイミングで分岐流路から遊技球が流下すると当該遊技球は第2貫通孔に流下し、それ以外のタイミングでは第2ステージ(ステージ部40b1又はステージ部40b2)を介して遊技領域32(稀に始動入賞口36)に向けて流下するようにしてもよい。
また、回転体ユニット800の代わりに、遊技球が転動可能な溝を有する揺動部材を用いてもよい。揺動部材は、略上下方向の軸の周りで所定の周期で揺動(振動、スイング運動)し、半周期毎に、溝の一端がワープ通路40eの下端(又はガイドリブ804)に対向するとともに溝の他端が誘導溝807に対向するように揺動(振動)する。なお、仕切り弁820は設けなくてもよい。溝と誘導溝807にある程度の幅を持たせれば、このような構成によっても、定期的に(上記の半周期毎に)、遊技球を始動入賞口36に入賞させることができ、スタート値Sを安定させることができる。
〔制御系〕
図50は、第3実施形態の遊技機10の遊技制御系の構成例を示すブロック図である。図51は、第3実施形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。図50に示すように、遊技制御装置100は、回転ステージ810を回転させる回転ステージモータ143、及び仕切り弁820を駆動させる弁ソレノイド144の駆動・停止の制御を行うことができる。すなわち、遊技制御装置100を構成する遊技用マイコン111は、データバス140、出力ポート141、第5ドライバ138eを介して回転ステージ810の回転速度(逆方向の回転も含む)に関する制御信号を回転ステージモータ143に送信することができる。同様に遊技用マイコン111は、仕切り弁820を開放させるタイミングでタイミング信号を仕切り弁820の弁ソレノイド144に送信することができる。制御信号は、回転ステージ810を所定の周期(例えば上記の40秒)で回転させる信号である。タイミング信号は、所定の時間間隔(例えば上記の8秒、3秒)で仕切り弁820を駆動させる信号である。
なお、遊技制御装置100には、近接I/F121及び入力ポート124,126を介して後述の第1近接スイッチ72a、第2近接スイッチ72b(第3検知手段)、第3近接スイッチ72c(第1検知手段)、第4近接スイッチ72d(第2検知手段)から送信される検知信号がそれぞれ入力される。また、遊技制御装置100は、後述の弁ソレノイド144、弁ソレノイド145、弁ソレノイド146に出力ポート141及び第5ドライバ138eを介して駆動信号をそれぞれ送信することができる。
遊技制御装置100は、たとえば、操作ハンドル24からタッチスイッチ信号が入力されると(又は球発射装置の駆動を検知すると)、回転ステージ810を順方向(反時計回り)で回転させる制御信号及びタイミング信号の送信を開始することができる。
また、遊技制御装置100は、タッチスイッチ信号の替わりに、入賞口スイッチ35a、始動口1スイッチ36a等の遊技球を検知する信号が入力される等により遊技機10の客待ち状態が解除されると、回転ステージ810を順方向で回転させる制御信号及びタイミング信号の送信を開始することができる。
そして、遊技制御装置100は、大当り状態、時短状態、又は、確変状態(潜伏確変を除く)などの右打ち状態中に(左打ち状態でもよい)、制御信号及びタイミング信号の送信を停止し、右打ち状態(左打ち状態でもよい)が終了すると回転ステージ810を順方向で回転させる制御信号及びタイミング信号の送信を再開することができる。これにより、右打ち中の回転ステージ810の電力消費を回避するとともに、右打ち状態で保留数(始動記憶数)が最大である場合に回転ステージ810に保持された遊技球が無駄に始動入賞口36に入ってしまうことを回避できる。
また、遊技制御装置100は、例えば、潜伏確変(これ以外の他の特定遊技状態でもよい)が発生した場合には、その後所定時間(当該所定時間経過後も潜伏確変は継続する)、又は潜伏確変が終了するまで制御信号を停止する(又は逆方向(時計回り)に回転させる制御信号を送信する)とともに、タイミング信号の送信を停止する(仕切り弁820が誘導溝807の入口を閉止した状態を継続する)ようにし、その後回転ステージ810を順方向で回転させる制御信号及びタイミング信号を送信するようにしてもよい。これにより、遊技者に潜伏確変の発生を示唆可能となる。
そして、上記のように潜伏確変の発生期間であって回転ステージ810が回転している状態において、例えば普通変動入賞装置37の始動口2スイッチ37aが遊技球を検知すると回転ステージ810を回転させる制御信号を停止してもよい。なお、潜伏確変が発生した場合に、初めから回転ステージ810を順方向で回転させる制御信号及びタイミング信号を送信して、回転ステージ810が潜伏確変を示唆しないようにしてもよい。
さらに、遊技制御装置100は、客待ち状態(図10、ステップA3212)になると制御信号及びタイミング信号の送信を終了することができる。これにより、客待ち中の消費電力を削減することができる。もちろん客待ち中であっても遊技中と同様に制御信号及びタイミング信号を送信することが可能である。
遊技用マイコン111を構成するRAM111cには、上記のような遊技機10の遊技状態に関連付けられた回転速度の情報、及びタイミング情報が格納されている。よって、遊技用マイコン111は、遊技機10の状態に基づいて回転速度の情報、及びタイミング情報を適宜選択して制御信号及びタイミング信号を送信することができる。
なお、遊技用マイコン111は、演出制御装置300に送信する演出制御コマンドに関連付けて制御信号及びタイミング信号を送信することが可能であり、演出内容によって回転ステージ810を順方向又は逆方向に回転することもできる。
図51に示すように、第3実施形態の遊技機10の特図ゲーム処理においては、例えば図柄変動制御処理の後に可動体制御処理(ステップA2619)を実行する。可動体制御処理(ステップA2619)において、遊技制御装置100は、遊技機10の状態(客待ち中、遊技中、右打ち状態中等)を判断し、当該状態に基づいて制御信号、及びタイミング信号を送信する。
なお、遊技機10の状態は、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される各種コマンドによっても識別することが可能である。したがって、回転ステージモータ143及び弁ソレノイド144の制御を演出制御装置300が行うことも可能である。演出制御装置300は、回転ステージモータ143及び弁ソレノイド144を盤演出装置44として制御できる。すなわち、演出制御装置300は、遊技制御装置100から送信される各種コマンドに基づいて前記の制御信号及びタイミング信号を送信することが可能である。これにより、遊技制御装置100が制御信号及びタイミング信号を送信することはなくなるので、その分、遊技制御装置100の処理負担を軽減することができる。
ところで、遊技制御装置100(及び演出制御装置300)は、始動入賞口36に遊技球が入賞するとそれを契機に表示装置41において変動表示ゲームを開始する。一方、図44、図45、図46に示すように、回転体ユニット800(回転ステージ810)は遊技者から視認可能になっている。よって、回転ステージ810及びトレー部801を転動する遊技球の挙動に遊技者が注視してしまい変動表示ゲームを注視しなくなるおそれがある。
そこで、特図変動表示ゲームの継続時間(即ち変動時間)を回転ステージ810(誘導溝807)から始動入賞口36に向けて流下させる周期と略同一にすることが好適である。これにより、変動表示ゲームの終了とともに回転ステージ810からの遊技球の流下が開始する状態を繰り返すので、特図変動表示ゲームを表示する表示装置41及び回転ユニットを交互に注視させることができ、回転ユニットにのみ注視してしまう状態を回避できる。
例えば、前記のように回転ステージ810の周期を40秒とし、仕切り弁820が開放する時間間隔を8秒とすると、遊技球が切り欠き部812から始動入賞口36に向けて流下する周期は8秒であるから、変動表示ゲームは当該遊技球の入賞とともに開始し、その継続時間を約8秒にすることが好適である。また、前記のように回転ステージ810の周期を40秒とし、仕切り弁820が開放する時間間隔を3秒とすると、遊技球が切り欠き部812から始動入賞口36に向けて流下する周期は24秒であるから、変動表示ゲームは当該遊技球の入賞とともに開始し、その継続時間を約24秒にすることが好適である。
なお、上記以外にも、特図変動表示ゲームの継続時間(変動時間)としては、遊技球が切り欠き部812から始動入賞口36に向けて流下する周期よりも長くても短くてもよく、回転ステージ810の周期よりも長くてもよい。また、変動表示ゲームの継続時間としては、[所定の係数]と[回転ステージ810の周期]の積と同じにするか、それよりも長く、又は短くしてもよい。ここで、[所定の係数]は、CPU11a(図50)のタイマ割込みの周期Nms=4msである場合に、「N」=4や、特別変動入賞装置39の小当り等における開放時間Mms=100msである場合に、「M」=100を使用することができる。
また、ワープ通路40eのいずれかの位置において遊技球を検知する第1近接スイッチ72a(図45、図50)を取り付け、遊技球が第1近接スイッチ72aを通過したときに、表示装置41において、第1近接スイッチ72aを通過した遊技球のカウント数を表示し、当該カウント数が設定カウント値を超えるとゼロになって再びカウント可能な状態になるとともに、その後の始動入賞口36への遊技球の入賞により発生する保留表示を用いた保留変化予告演出(1個又は複数個連続して適用してよい)において通常よりも期待度(信頼度)の高い予告演出を行うようにしてもよい。或は、当該カウント数が設定カウント値を超えると、保留(始動記憶)に係る変動表示ゲームの変動時間を長めにしたり、現在実行中の特図変動表示ゲーム(当該変動)が大当りとなる期待度の高い演出(ここではゾーン演出)を出現させて、遊技者に期待させて表示装置41に注目させてよい。
ゾーン演出は、例えば表示装置41全体で行うものであり、背景の色を通常の場合(たとえば、青色)とは異なる色(例えば、赤色)にする演出であり、通常の場合よりも大当りの期待度の高いものに設定しておく。なお、カウント数が設定カウント値を超えた場合に、既に変動演出設定処理(図29、B2006)で設定した演出を変更してゾーン演出を実行してよい(メイン処理のB0014とB0017の間にそのような処理ステップを設けてもよい)。
なお、ゾーン演出は、上記の当該変動に対するゾーン演出ではなく、当該カウント数が設定カウント値を超え、その後大当りの期待度の高い保留が発生した場合に先読みゾーン演出として実行してもよい。先読みゾーン演出は、図25の先読み図柄系コマンド処理(B1214)と先読み変動系コマンド処理(B1216)において設定できる。また、すでに期待度の高い保留が発生しているが、当該保留に係る保留変化予告演出(期待度の高い保留変化予告演出)を行わない構成も可能であり、この場合当該カウント数が設定カウント値を超えると当該保留に係る先読みゾーン演出をただちに実施し、その際に当該保留に係る保留変化予告演出も実施するようにしてもよい(実施しなくてもよい)。なお、ゾーン演出は、当該保留が消化されると終了することができる。
なお、第1近接スイッチ72aは、例えば特定領域スイッチ72と同様に自身に遊技球が通過すると当該遊技球を検知するものでよく、後述の第2近接スイッチ72b、第3近接スイッチ72c、第4近接スイッチ72dも同様とする。
なお、保留変化予告演出は、演出制御装置300が、先読み図柄系コマンド処理(B1214)と先読み変動系コマンド処理(B1216)に基づいて実行し、始動記憶に対応する保留表示を通常の色(白)から異なる色(例えば、青、緑、赤)に変化させる予告演出である。
上記演出の制御は、遊技制御装置100及び演出制御装置300により行うことができる(後述参照)。このような演出を行うことにより、変動表示ゲームを表示する表示装置41及び回転体ユニット800の双方に注視させることができ、回転体ユニット800にのみ注視してしまう状態を回避できる。第1近接スイッチ72a等の信号を演出制御装置300に直接入力して、遊技制御装置100を介さずにこのような演出を実行してもよい。
一方、遊技機10の遊技状態が通常遊技状態であって回転ステージ810の切り欠き部812の全てに遊技球が保持されている場合は、遊技者が止め打ち(遊技球を発射しない状態)を行うことが考えられる。一方、前記のように、遊技領域32に導入された遊技球は全て回転体ユニット800に流下するのでなく、遊技領域32の左下の領域、すなわち回転体ユニット800を経由せずに(一部は当該領域から跳ね上がって回転ステージ810に乗る場合もある)、始動入賞口36に入賞し得る領域にも流下する。
そこで、遊技球が遊技領域32に左下の領域の特定の位置にあることを検知すると上部演出ユニット40c(ドット表示装置)又は表示装置41を用いて遊技球の発射継続を促す演出を行うことも好適である。
例えば、一般入賞口35(入賞領域)の入賞口スイッチ35a、又は遊技領域32の左側の領域であって流入口40aよりも低いいずれかの位置に配置された第2近接スイッチ72b(第3検知手段、図44、図50)が遊技球を検知すると、上部演出ユニット40cにおいて所定のカウント値(初期値)が表示(点灯表示)されるとともに当該カウント値が所定の時間間隔でカウントダウンを行い、カウントダウン中に遊技球が当該領域で遊技球を再び検知すると当該カウント値が初期値に戻って再びカウントダウンを開始して当該カウント値をゼロにさせないようにするミニゲームを実施する。
一方、表示装置41は当該カウント値がゼロにならないように遊技球の発射を促す表示を行うとともに、当該ミニゲームを所定時間継続させることに成功すると、表示装置41において、通常よりも期待度の高い保留変化予告演出(他の期待度の高い演出でもよい)を行ったり、或いは確率設定値を示唆する演出を行う。
ここで、「通常よりも期待度の高い保留変化予告演出」は、例えば、上記のミニゲームの成功を繰り返すことで、保留表示が示唆する期待度が多段階で高くなっていく演出(例えば、保留表示の色が、一段階(青→赤)ではなく青→緑→赤と段階的に変化する)を行うことが可能である。これにより表示装置41に注目させ、止め打ちを防止することができる。その際、はずれに該当する保留には当該演出を適用しないようにし、はずれの保留と大当りの保留に対する期待度のコントラストを高めることも可能である。これにより表示装置41に注目させ、止め打ちを防止する効果を高めることができる。もちろん、ミニゲームに失敗した場合、途中で実行を中止した場合には、保留表示が示唆する期待度は戻ることになる。
また、「他の期待度の高い演出」としては、ミニゲームを所定時間継続させることに成功した後に開始される特図変動表示ゲームにおいて、たとえば、魚や動物等のキャラクタの群れが一方向に移動する表示を行う群予告演出や前記のゾーン演出を実行することが可能である。また、ミニゲームを所定時間継続させることに成功した時点で(実行中の特図変動表示ゲームにおいて)、カットイン予告やセリフ予告を「他の期待度の高い演出」として表示装置41で実行してよい。このようにして、「他の期待度の高い演出」によっても、ミニゲームを所定時間継続させることに遊技者が興味を抱くようになる。
さらに、「確率設定値を示唆する演出」としては、例えば、ミニゲームを所定時間継続させることに成功した後に開始される特図変動表示ゲームのはずれ図柄において、特定の識別情報を表示することで確率設定値を示唆することが可能である(図29、B2012)。例えば確率設定値が奇数(1,3,5)である場合に停止図柄として「135」を設定し、偶数(2,4,6)である場合に停止図柄として「246」を設定してもよい。また、所定の確率(例えば5パーセント)で「135」(「246」)の「1」、「2」、「3」(「2」、「4」、「6」)のいずれか一つの図柄が他の2つよりも大きく表示する。そして、当該図柄に係る数値が確率設定値であることを高い確率(例えば90パーセント)で示唆するようにしてもよい。或は、「確率設定値を示唆する演出」としては、実行中の特図変動表示ゲームに関する演出と独立した演出として、特定のキャラクタ画像が表示装置41に登場してそのキャラクタ画像の色で特定の確率設定値である可能性が他の確率設定値よりも高いことを示唆してもよい。このようにして、「確率設定値を示唆する演出」が特典となるため、ミニゲームを所定時間継続させることに遊技者が興味を抱くようになる。
具体的には、上記演出の制御は、例えば、遊技制御装置100がゲートスイッチ34a等の遊技球を検知するいずれのスイッチからも所定時間検知信号が入力されないことを契機に開始される。又は入賞口スイッチ35a、第2近接スイッチ72bが遊技球を検知したことを契機に開始される。このとき、遊技制御装置100は、カウント値(初期値)を知らせるとともに発射継続を促す表示を行わせるカウント値コマンド(初期値)を演出制御装置300に送信するとともに、所定の時間間隔でカウントダウンさせたカウント値を知らせるカウント値コマンドを演出制御装置300に送信する。
そして、遊技制御装置100は、カウント値がゼロになる前に入賞口スイッチ35a又は第2近接スイッチ72bから検知信号が入力されるとカウント値コマンド(初期値)を演出制御装置300に送信する。演出制御装置300は、カウント値コマンドによってカウント値を上部演出ユニット40c(ドット表示装置)に表示し、表示装置41において遊技球の発射継続を促す表示を行う(行わなくても良い)。そして、遊技制御装置100はミニゲームの継続時間が所定時間を越えると、所定のコマンドを演出制御装置300に送信する。そして、所定のコマンドを受信した演出制御装置300は、その後に発生した保留表示を用いて通常よりも期待度(信頼度)の高い保留変化予告演出を行ったり、又は確率設定値を示唆する演出を行う。このような演出を行うことにより、遊技者の止め打ちを防止することができる。
第1近接スイッチ72aと第2近接スイッチ72bの信号を演出制御装置300に直接入力して、遊技制御装置100を介さずにこのようなミニゲーム及び演出を実行してもよい。
なお、入賞口スイッチ35a、第2近接スイッチ72bが遊技球を検知すると、上部演出ユニット40c(ドット表示装置)又は表示装置41において何らかのエフェクト画像を表示しても良いし、スピーカ19から効果音を出すようにしても良い。エフェクト画像としては、上部演出ユニット40c(ドット表示装置)であれば、例えば表示されているカウント値の周囲を爆発の外形の囲み(吹き出し)で囲むような表示を所定時間行う態様が適用できる。また、表示装置41であれば、透明な(若しくは半透明な)泡が下から上に登っていく動画を表示する態様が適用できる。
また、本実施形態では、遊技球が回転ステージ810に保持される様子をモニタして、表示装置41に表示することで、遊技者に表示装置41を注視させる構成も好適である。例えば、各切り欠き部812に第5近接スイッチ(不図示、第1近接スイッチ等と同様のもの)を設け、第5近接スイッチを演出制御装置300に電気的に接続するとともに、演出制御装置300には、遊技制御装置100から弁ソレノイド144(図50)を駆動させたことを示すコマンドが入力される。そして、演出制御装置300は、表示装置41の画面隅、若しくは変動表示領域、保留表示領域、演出表示領域とは異なる領域に回転ステージ810に模した画像を表示し、各切り欠き部812における遊技球の有無、及び仕切り弁820の開閉状態を表示できるようにすればよい。
例えば、表示装置41において、ガイドリブ804を通過する遊技球を検知する第6近接スイッチ(不図示、第1近接スイッチ等と同様のもの)を設け、演出制御装置300は、第6近接スイッチが遊技球を検知するたびに画面上で遊技球がガイドリブ804から回転ステージ810に入り込む動画を表示し、第5近接スイッチが遊技球を検知すると画面上の該当する切り欠き部812に遊技球が入り込んだ状態を表示して、実際に切り欠き部812に遊技球が保持された状態を画面に反映できるようにする。なお、球発射装置が動作する或いは遊技者が球発射装置に触れると(タッチスイッチ信号が検出されると)、画面上で遊技球がガイドリブ804から回転ステージ810に入り込む様子を表示してもよい。これらの構成により、遊技者は回転ステージ810を見ることなく、表示装置41上で回転ステージ810の状況を把握することができる。
なお、実際に第5近接スイッチや第6近接スイッチで遊技球が検知されるかに関わらず、左打ち状態の開始時(又は左打ちを指示する左打ち指示表示の表示時)など所定のタイミングに、回転ステージ810に遊技球が入り込む様子を動画(静止画でもよい)として表示装置41に表示して、回転ステージ810に遊技球を流下させるように遊技者に促してもよい。
また、表示上の切り欠き部812に役割を与えてもよい。例えば、切り欠き部812に遊技球が入ると遊技者に演出ポイントが付与され、5つある切り欠き部812のうち3つは1ポイント、残り2つのうちの一方は5ポイント、他方は10ポイントが付与される。この演出ポイントは、例えば、上記のミニゲームを実行するために必要なポイントであって1回のミニゲームにつき例えば100ポイント消費される。このように遊技者にミニゲーム用の演出ポイントを付与することで、回転ステージ810に遊技球を次々と流下させるインセンティブを与えることができる。演出制御装置300は、上記のポイント付与の制御(図23:B0012)及びその表示(図29:B2002、B2004、B2007)を行うことができる。ここで、演出制御装置300は、表示装置41において他の表示と重ならない位置に現在のポイント数とミニゲームの消費ポイント数を表示することが好適である。
また、上記のように本実施形態では、延出部806(誘導溝807)から流下した遊技球のほとんどが始動入賞口36に入賞するが、上記のように他の遊技球に衝突して入賞しない場合がある。また、延出部806(誘導溝807)から流下した遊技球のみならず当該他の遊技球が始動入賞口36に入賞する場合もある。そこで、誘導溝807にも第7近接スイッチ(不図示、第1近接スイッチ等と同様のもの)を設け、第7近接スイッチを演出制御装置300に電気的に接続し、始動口1スイッチ36aの検出に対応したコマンドを遊技制御装置100から演出制御装置300に送信する。そして、演出制御装置300は、所定時間(例えば、上記の40秒、96秒)ごとに第7近接スイッチが遊技球を検知する回数と始動口1スイッチ36aが検知する回数とを比較し、始動口1スイッチ36aが遊技球を検知する回数の方が多い場合には、例えば、表示装置41に「いい調子だ、このまま行こう!」等の文字を表示(例えば5秒程度表示する)し、逆に少ない場合は「次は大丈夫だ!」等の文字を表示(例えば5秒程度表示する、又は表示しなくてもよい)するようにしてもよい。このように遊技者を励ます表示を行うことで止め打ちを防止することができる。
なお、上記の第5近接スイッチ、第6近接スイッチ、第7近接スイッチを遊技制御装置100に電気的に接続して、遊技制御装置100から第5近接スイッチの検出があったことを示すコマンドを演出制御装置300に送ってもよい。
〔第1変形例〕
図52Aは、第3実施形態の遊技機10の第1変形例を構成する回転体ユニット800の平面図(図44のA-A線断面図)である。第1変形例では、回転体ユニット800において遊技球の転動方向を変化させる構成要素が追加されている。図52に示すように、回転ステージ810の転動面811の切り欠き部812が配置された位置とは異なる位置に障害釘830(転動方向変換部材)が1つ、又は複数植設(配置)されている。回転ステージ810に障害釘830を植設することで、遊技球を一時的に回転ステージ810に滞留させ、ワープ通路40eから回転ステージ810に流下した遊技球の転動方向を不規則に変化させ、興趣を向上させることができる。
障害釘830を一つ植設する場合は、回転ステージ810の切り欠き部812以外の場所の任意の位置に植設することができる。また障害釘830を複数植設する場合は、互いに隣接する障害釘830の間隔が遊技球の直径よりも大きくなるように植設することが望ましい。これにより遊技球は回転ステージ810の中心に向かって転動可能になるとともに当該中心にある遊技球も切り欠き部812又はトレー部801に向けて転動することができ、回転ステージ810全体で遊技球を不規則に転動させることができる。
また、障害釘830を複数植設する場合は、例えば、図52に示すように、その配置態様が切り欠き部812と同様の中心対称性を持つように植設してもよい。図52では、5つの切り欠き部812が周方向で等間隔に配置(5回対称)されているので、障害釘830の配置態様も5回対称(五芒星形状)となるように植設されている。これにより、いずれの切り欠き部812に対しても同一の確率で遊技球を向かわせることができる。もちろん、障害釘830の配置態様を回転ステージ810と同心の円形(回転ステージ810の半径よりも小さい半径の円形)上に周方向で等間隔に植設した配置態様でもよい。
また、トレー部801の遊技領域32側には、流下した遊技球を回転ステージ810に向けて跳ね返す跳ね返し部材840(例えば、スリングショット、フリッパー)を配置することが好適である。跳ね返し部材840は、遊技球を受けると機械的(又は電気的)に作動して傾斜した転動面802又は転動面811の上方(遊技領域32から遠ざかる方向)に向けて遊技球を跳ね返す部材である。
遊技球を跳ね上げる態様としては、図52の左側に示す跳ね返し部材840のように、トレー部801を遊技領域32に向けてほぼ直角で転動する遊技球を受けて回転ステージ810に向けて直接跳ね返す態様がある。また、図52の右側に示す跳ね返し部材840のように、遊技領域32に向けて浅い角度で転動する遊技球を受けてトレー部801の転動面802の上方に向けて跳ね返し、その後当該遊技球が壁部803A,803B,803Cで反射して回転ステージ810に向けて転動し得る態様がある。いずれの場合であっても、回転ステージ810を転動する遊技球を再び回転ステージ810に向かわせるので、遊技球を一時的にトレー部801または回転ステージ810に滞留させ、切り欠き部812が遊技球を保持する期待度を高めることができる。
第1変形例では、回転体ユニット800に障害釘830と跳ね返し部材840の双方が配置されているが、いずれか一方のみであってもよい。
〔第2変形例〕
図52Bは、第3実施形態の遊技機の第2変形例を構成する回転体ユニット800の平面図(図44のA-A線断面図)である。第2変形例では、第1変形例の障害釘830に替わって、回転ステージ810の中央において、回転ステージ810と同軸に回転する第2の回転ステージ890を設けている。回転ステージ810は円筒形に刳り貫かれ、当該刳り貫かれた部分に第2の回転ステージ890を配置している。第2の回転ステージ890は、回転ステージ810の転動面811からやや露出するように配置されている。また、第2の回転ステージ890には、遊技球を収容可能な第2の切り欠き部891(第2の保持部)が周方向に複数(図52Bでは3個)並んで配置されている。
第2の切り欠き部891の動径方向の開口部は開放され、また第2の切り欠き部891の底面は回転ステージ810の転動面811とほぼ同一平面を形成している。よって、回転ステージ810を転動する遊技球は第2の切り欠き部891に容易に入り込み保持される。一方、第2の切り欠き部891には動径方向の開口部を閉止する部材はないので、第2の切り欠き部891の動径方向の開口部が遊技領域32側に向くと(下向きに傾斜すると)、第2の切り欠き部891に保持された遊技球は第2の切り欠き部891の動径方向の開口部から容易に離脱することができる。この第2の回転ステージ890を適用することで、遊技球の転動方向に対する興趣を向上させることができる。
なお、第2の回転ステージ890の回転方向は回転ステージ810とは逆方向(同一方向でもよい)であることが好ましい。第2の回転ステージ890の回転周期は回転ステージ810の回転周期に同期させてもよい。また、第2の回転ステージ890の回転周期は回転ステージ810の回転周期の半分の周期であってもよいし、非同期であって任意の回転周期を適用してもよい。
また第2の回転ステージ890は、回転ステージ810とは異なるモータにより駆動させることも可能であるし、回転ステージ810と同一のモータ(回転ステージモータ143)により駆動させることも可能である。第2の回転ステージ890を回転ステージ810と同一のモータで駆動させる場合は、回転ステージ810と第2の回転ステージ890をギアにより機械的に結合するとともに、当該ギア比を適宜設計することにより、回転ステージ810と第2の回転ステージ890の回転比を適宜設計することがきる。
〔第3変形例〕
図53は、第3実施形態の遊技機10の第3変形例の斜視図である。図54は、第3実施形態の遊技機10の第3変形例を構成する振り分け装置850の模式図である。第3変形例では、ワープ通路40eの途中となる位置に振り分け装置850が配置されている。振り分け装置850は、ワープ通路40eの途中位置で分岐する第1分岐流路851と、ワープ通路40eの分岐位置に配置されワープ通路40eに流下した遊技球の流路を回転ステージ810に向かう流路と第1分岐流路851との間で相互に切替可能な第1切替弁853(第2の弁)と、ワープ通路40e内の遊技球を検知する第3近接スイッチ72c(第1検知手段、図50、図54)と、を備える。第1分岐流路851の排出口852(図53)は遊技領域32(回転体ユニット800を経由しない遊技領域32)に連通している。この振り分け装置850を適用することにより、回転ステージ810に流下する遊技球の数を削減することができる。
第1切替弁853は、図54(a)に示すように、通常はワープ通路40eの第1切替弁853よりも上流となる部分が回転ステージ810側に連通するように付勢手段(バネ等)の付勢力により回動している。そして、第3近接スイッチ72cが所定の個数の遊技球を検知するたびに弁ソレノイド145(図50)が駆動することで第1切替弁853が逆方向に回動して、図54(b)に示すようにワープ通路40eの第1切替弁853よりも上流となる部分が第1分岐流路851(遊技領域32)に連通する。さらに、第3近接スイッチ72cが次にワープ通路40eに流下した遊技球を検知すると弁ソレノイド145の駆動を停止させ付勢手段(不図示)の付勢力により第1切替弁853を元の位置に回動させるようになっている。なお、付勢手段(不図示)の付勢力による第1切替弁853の回動方向及び弁ソレノイド145の駆動力による第1切替弁853の回動方向を互いに逆向きにしてもよい。
遊技制御装置100は、第3近接スイッチ72cから入力される検知信号の回数をカウントし、当該カウント数が設定カウント値に到達するたびにゼロに戻って再びカウント可能な状態になるとともに第1切替弁853(第2の弁)を駆動する弁ソレノイド145(図50)に駆動信号を送信し、次に検知信号が入力されると駆動信号を停止する(図50)。又は、振り分け装置850がカウンタ(不図示)を備え、カウンタ(不図示)が遊技制御装置100と同様に駆動信号を送信・停止するようにしてもよい。なお、前記設定カウント値を変更することで振り分け装置850における遊技球の振り分けの割合を任意に変更することができる。いずれにしても、第3変形例によれば、回転ステージ810に流下する遊技球が増えすぎないように調整することができる。
なお、第3近接スイッチ72cを設けずに(遊技球をカウントせずに)、所定の周期で第1切替弁853を回動させて一定期間維持して、遊技球の流路を第1分岐流路851に切り換えるようにしてよい。このようにしても、回転ステージ810に流下する遊技球の数を調整できる。
〔第4変形例〕
図55は、第3実施形態の遊技機10の第4変形例の正面図である。図56は、第3実施形態の遊技機10の第4変形例を構成する第1振り分けユニット860(振り分けユニット)の模式図である。第4変形例では、回転体ユニット800に遊技球を振り分けるか否かを振り分ける第1振り分けユニット860が配置されている。第1振り分けユニット860は、遊技領域32の流入口40aよりも遊技球の上流となる位置に配置されている。
第1振り分けユニット860は、ユニット本体861と、ユニット本体861の上部に配置され遊技球を導入する導入口862と、ユニット本体861の下部に配置され遊技球を再び遊技領域32に排出する排出口863と、ユニット本体861から延出して流入口40a(回転体ユニット800)に連通する第2取り込み流路864を備える。
ここで、遊技領域32の導入口862よりも上方となる位置には障害釘(不図示)が植設されているが、遊技領域32の左側に流下した遊技球が、任意の割合(確率密度が最大となる割合であって、例えば50パーセント)で導入口862に流下するように植設されている。
第2取り込み流路864は、導入口862と流入口40aとを連通している。ユニット本体861内において第2取り込み流路864の途中となる位置から第2分岐流路865が分岐し、第2分岐流路865は排出口863に連通している。また第2取り込み流路864の第2分岐流路865との分岐位置には、導入口862から流下した遊技球の流路を流入口40a(第2取り込み流路864の当該分岐位置より下流部分)に向けて流下する流路と、第2分岐流路865に向けて流下する流路とに切替可能な第2切替弁866(第3の弁)が取り付けられている。また第2取り込み流路864には、第2取り込み流路864に流下した遊技球を検知する第4近接スイッチ72d(第2検知手段、図50)が取り付けられている。
第2切替弁866は、図56(a)に示すように、通常は第2取り込み流路864の第2切替弁866よりも上流となる部分が第2分岐流路865に連通するように配置されている。そして、第4近接スイッチ72dが所定の個数の遊技球を検知するたびに駆動して、図56(b)に示すように第2取り込み流路864の第2切替弁866よりも上流となる部分が流入口40a(回転体ユニット800)に連通するようになっている。
逆に、図56(b)に示すように、通常は第2取り込み流路864の第2切替弁866よりも上流となる部分が流入口40a(回転体ユニット800)に連通するように配置してもよい。そして、第4近接スイッチ72dが所定の個数の遊技球が検知するたびに駆動して、図56(b)に示すように第2取り込み流路864の第2切替弁866よりも上流となる部分が第2分岐流路865に連通するようにしてもよい。
遊技制御装置100は、第4近接スイッチ72dから入力される検知信号の回数をカウントし、当該カウント数が設定カウント値に到達するたびにゼロに戻って再びカウント可能な状態になるとともに第2切替弁866(第3の弁)を駆動する弁ソレノイド146(図50)に駆動信号を送信し、次に検知信号が入力されると駆動信号を停止する(図50)。又は、第1振り分けユニット860がカウンタ(不図示)を備え、カウンタ(不図示)が遊技制御装置100と同様に駆動信号を送信・停止するようにしてもよい。なお、前記設定カウント値を変更することで第1振り分けユニット860における遊技球の振り分けの割合を任意に変更することができる。
なお、第4近接スイッチ72dを設けずに(遊技球をカウントせずに)、所定の周期で第1切替弁853を回動させて一定期間維持することによって、遊技球の流路を第2分岐流路865に切り換えるようにしてよい。このようにしても、流入口40aひいては回転ステージ810に流下する遊技球の数を調整できる。
〔第5変形例〕
図57は、第3実施形態の遊技機10の第5変形例を構成する第2振り分けユニット870(振り分けユニット)の模式図である。図58は、第2振り分けユニット870による遊技球の振り分けの動作を示す模式図である。第5変形例において、回転体ユニット800に遊技球を振り分けるか否かを振り分ける第2振り分けユニット870は、第4変形例の第1振り分けユニット860と同じ位置に配置されるが、当該振り分けを機械的に行うことができる。
第5変形例の第2振り分けユニット870は、遊技球が導入される導入口872と、遊技球が排出される2つの排出口873と、導入口872に連通するとともに途中から下向きに分岐して2つの排出口873にそれぞれ連通するY字流路874(第3分岐流路)と、Y字流路874の分岐位置に配置され遊技球を受ける毎に切替動作して2つの排出口873に向けて交互に遊技球を流下させる第3切替弁875と、を備える複数の振り分け機構871を備えたものである。
振り分け機構871は、前段の振り分け機構871の一方の排出口873に後段の振り分け機構871の導入口872を連通させる態様で直列に接続されている。そして、複数の振り分け機構871において終端となっている(導入口872に連通していない)排出口873の少なくともいずれか一つが流入口40a(回転体ユニット800)に連通している。図57では、振り分け機構871が4段直列(振り分け機構871A,871B,871C,871D)に接続されている。なお、振り分け機構871の段数は任意であり、発射された遊技球に対して流入口40aに流入させるべき遊技球の割合(スタート値Sの設計値に依存する)に応じて適宜調整される。また、振り分け機構871の段数が少ないほど(特に1段であれば)、コスト的には有利となる。
図58を用いて振り分け機構871の動作について説明する。振り分け機構871を構成する第3切替弁875(切替弁)は、回転部材876と、回転部材876に当接して回転部材876の回動を制限するストッパ部883より構成され、Y字流路874(図57)の分岐位置に配置されている。
回転部材876は、T字を逆さまにした逆T字形状を有し、逆T字の横棒部分と縦棒部分との接合位置において横棒部分の長手方向及び縦棒部分の長手方向に垂直な方向に延びる回転軸880を有している。そして、回転部材876は、逆T字の縦棒部分を形成する起立部877と、逆T字の横棒部分の回転軸880よりも右側となる部分を形成する右底部878と、逆T字の横棒部分の回転軸880よりも左側となる部分を形成する左底部879と、を備える。
ストッパ部材883は、右底部878又は左底部879に当接可能となる位置に配置されている。すなわち、図58(a)に示すように回転部材876が時計回りに回動すると右底部878がストッパ部材883に当接し、このとき起立部877が回転軸880から右側上方に傾斜した配置となり左底部879が回転軸880から左側上方に傾斜した配置となる。また、逆に図58(b)に示すように回転部材876が反時計回りに回動すると左底部879がストッパ部材883に当接し、このとき起立部877が回転軸880から左側上方に傾斜した配置となり右底部878が回転軸880から右側上方に傾斜した配置となる。
ここで、図58(a)又は図58(b)において、起立部877の重心と右底部878及び左底部879からなる一体物(底部)の重心は回転軸880を挟んで互いに反対側に存在する。よって、重力により起立部877が回転軸880に与えるモーメント(トルク)と、重力により右底部878及び左底部879が回転軸880に与えるモーメント(トルク)は互いに反対方向になる。しかし、起立部877に係るモーメントは右底部878及び左底部879に係るモーメントよりも大きくなるように設計されている。従って、遊技球が当接しない限り、図58(a)又は図58(b)の状態が安定的に維持される。
よって、回転部材876を自由にすると、図58(a)に示すように右底部878がストッパ部材883に当接した状態か、図58(b)に示すように左底部879がストッパ部材883に当接した状態のどちらかの状態となり、起立部877が垂直に立った状態(右底部878及び左底部879が水平を保った状態)で静止することはほとんどない。また、仮に起立部877が垂直に立った状態で静止したとしても、回転部材876には遊技球が当接して回転部材876をどちらかの方向に回動させるため、右底部878又は左底部879がストッパ部材883に当接した状態となる。
起立部877の右底部878側の側面と右底部878の上面は遊技球を受ける右受け部881となっており、起立部877の左底部879側の側面と左底部879の上面は遊技球を受ける左受け部882となっている。よって、導入口872から流下した遊技球は、右受け部881又は左受け部882により一時的に保持されることになる。
図58(a)に示すように、左受け部882が遊技球を受けて一時的に保持した場合、遊技球は回転軸880よりも左底部879側に偏った位置に配置される。このとき、重力により遊技球が回転軸880に与えるモーメントと回転部材876が回転軸880に与えるモーメント(起立部877のモーメントと、右底部878及び左底部879からなる底部のモーメントとの差分)は互いに反対方向になるが、遊技球に係るモーメントが回転部材876に係るモーメントよりも大きい。このため、図58(b)に示すように、回転部材876は遊技球を保持した状態で左底部879側に反時計回りで回動して左底部879がストッパ部材883に当接する。このとき、左底部879は回転軸880から左側下方に傾斜した配置となるため遊技球が左底部879上で左底部879の先端に向けて転動し回転部材876から離間して一方の排出口873に向けて流下する。また起立部877は回転軸880から左側上方に傾斜した配置となる。なお、前記のように、起立部877が回転軸880に与えるモーメントは、底部(右底部878及び左底部879)が回転軸880に与えるモーメントよりも大きいため遊技球が回転部材876から離間した後も左底部879がストッパ部材883に当接した状態を維持し、右受け部881が次の遊技球を受けることが可能となる。
そして、次の遊技球が導入口872から流下すると当該遊技球は図58(b)に示すように、右受け部881が遊技球を受けて一時的に保持することになる。このとき、図58(b)に示すように、右受け部881が遊技球を受けた配置では遊技球は回転軸880よりも右底部878側に偏った位置に配置される。この場合も上記同様の理由により、図58(a)に示すように、回転部材876は遊技球を保持した状態で右底部878側に回動して右底部878がストッパ部材883に当接する。このとき、右底部878は回転軸880から右側下方に傾斜した配置となるため遊技球が右底部878上で右底部878の先端に向けて転動して回転部材876から離間し他方の排出口873に向けて流下する。また起立部877は回転軸880から右側上方に傾斜した配置となる。なお、上記同様の理由により遊技球が回転部材876から離間した後も右底部878がストッパ部材883に当接した状態を維持し、左受け部882が次の遊技球を受けることが可能となる。
以上のように、第3切替弁875は遊技球を受けるたびに交互に反対方向に回動することで、一方の排出口873及び他方の排出口873に向けて交互に遊技球を振り分けることができる。
図57に示すように、最上流の1段面の振り分け機構871Aの導入口872Aから遊技球を導入する場合であって、1番目から17番目の遊技球をその順で導入した場合の振り分けについて考える。図57に示すように、初期状態において第3切替弁875が全て左側に傾いていると考えると、1段目の振り分け機構871Aにおいて奇数番目の遊技球は右側の排出口873に向けて振り分けられ、偶数番目の遊技球は左側の排出口873に向けて振り分けられる。
2段目の振り分け機構871において、1番目、5番目、9番目、13番目、17番目の遊技球は右側の排出口873に向けて振り分けられ、3番目、7番目、11番目、15番目の遊技球は左側の排出口873に向けて振り分けられる。
3段目の振り分け機構871において、1番目、9番目、17番目の遊技球は右側の排出口873に向けて振り分けられ、5番目、13番目の遊技球は左側の排出口873に向けて振り分けられる。
4段目の振り分け機構871において、1番目、17番目の遊技球は右側の排出口873に向けて振り分けられ、9番目の遊技球は左側の排出口873に向けて振り分けられる。ここで16番目の遊技球が振り分けられると第3切替弁875は初期状態に戻ることになり、17番目の遊技球は1番目の遊技球と同じ振り分けとなる。よって、第2振り分けユニット870は16個を1周期として遊技球を振り分ける動作を繰り返すことになる。
したがって、第2振り分けユニット870は、以下の(1)~(9)に示すように、流入口40aに連通させる排出口873を適宜選択することで、1/16~15/16の割合で遊技球を回転体ユニット800に向けて流下させることができる。
(1):4段目の振り分け機構871Dのいずれか一方の排出口873D(いすれも終端となっている)を流入口40aに連通させると、16個に1個の割合、すなわち1/16の割合で遊技球を回転体ユニット800に向けて流下させることができる。なお、残りの終端となっている排出口873A,873B,873C,873Dは遊技領域32(流入口40aに遊技球が流下しない領域)に対して開放される(以下同様)。
(2):4段目の振り分け機構871Dの双方の排出口873Dを流入口40aに連通させる、又は3段目の振り分け機構871Cの開放された排出口873C(終端となっている)を流入口40aに連通させると、16個に2個の割合、すなわち2/16の割合で遊技球を回転体ユニット800に向けて流下させることができる。
(3):4段目の振り分け機構871Dの一方の排出口873Dと3段目の振り分け機構871Cの開放された排出口873Cを流入口40aに連通させると、16個に3個の割合、すなわち3/16の割合で遊技球を回転体ユニット800に向けて流下させることができる。
(4):2段目の振り分け機構871Bの開放された排出口873B(終端となっている)を流入口40aに連通させる、又は3段目に振り分け機構871Cの開放された排出口873C及び4段目の振り分け機構871Dの双方の排出口873Dを流入口40aに連通させると、16個に4個の割合、すなわち4/16の割合で遊技球を回転体ユニット800に向けて流下させることができる。
(5):2段目の振り分け機構871Bの開放された排出口873Bと4段目の振り分け機構871Dの一方の排出口873Dを流入口40aに連通させると、16個に5個の割合、すなわち5/16の割合で遊技球を回転体ユニット800に向けて流下させることができる。
(6):2段目の振り分け機構871Bの終端の前記排出口873Bと、3段目の振り分け機構871Cの開放された排出口873C又は4段目の振り分け機構871Dの双方の排出口873Dと、を流入口40aに連通させると、16個に6個の割合、すなわち6/16の割合で遊技球を回転体ユニット800に向けて流下させることができる。
(7):2段目の振り分け機構871Bの開放された排出口873Bと、3段目の振り分け機構871Cの開放された排出口873Cと、4段目の振り分け機構871Dの一方の排出口873Dを流入口40aに連通させると、16個に7個の割合、すなわち7/16の割合で遊技球を回転体ユニット800に向けて流下させることができる。
(8):1段目の振り分け機構871Aの開放された排出口873A(終端となっている)を流入口40aに連通させる、又は2段目の振り分け機構871Bの開放された排出口873Bと、3段目の振り分け機構871Cの開放された排出口873Cと、4段目の振り分け機構871Dの双方の排出口873Dを流入口40aに連通させると、16個に8個の割合、すなわち8/16の割合で遊技球を回転体ユニット800に向けて流下させることができる。
(9):上記(1)~(7)において1段目の振り分け機構871Aの開放された排出口873Aをさらに連通させると、それぞれ9/16~15/16の割合で遊技球を回転体ユニット800に向けて流下させることができる。
第4変形例では、振り分け機構871を4段直列に接続しているが、1段のみでもよく、また2段直列、3段直列、さらには5段以上直列接続させた態様も適用できる。なお、第3変形例の振り分けユニット860では、振り分け機構(第2切替弁866)が1段であったが、第4変形例のように複数段直列接続させた態様も適用できる。
〔スタート値Sの確率密度分布〕
図59は、第3実施形態の遊技機10のスタート値Sの確率密度分布と従来の遊技機のスタート値Sの確率密度分布とを比較したグラフである。例えば遊技球を1分間に100個発射する遊技機において、スタート値Sは遊技球を100個発射したときに特別図柄が変動した回数(特図変動表示ゲームの実行回数)として定義でき、始動入賞口36に遊技球が入賞した回数と同義となる。よって、例えば、遊技球を連続で発射して1分間当たり6.25回特別図柄が変動した場合、スタート値Sは6.25回/分となる。
一方、従来の遊技機において、遊技球は遊技領域32に植設された障害釘や風車により転動方向を変えつつ遊技領域32を流下して一部の遊技球が始動入賞口36に入賞するが、遊技球の転動方向は障害釘や風車により不規則に変化する。
よって、スタート値Sは、横軸を確率変数(スタート値S)、縦軸を確率密度とする座標系において、スタート値Sで一定の確率密度(確率=1)が存在しそれ以外の値で確率密度がゼロになるデルタ関数上の点ではなく、その値が確率変数の中心であって確率密度がピーク値となる確率密度曲線上の点として定義することができる。
したがって、図59に示すように、従来の遊技機において、例えば設定スタート値(設計値)を6.25に設定した場合、実際に観測されるスタート値Sは、6.25を中心とするものの非常に分布が広く且つピーク値が低い確率密度分布曲線(A)上の確率で観測されることとなる。特に、確率密度分布曲線(A)においてスタート値Sが0や1の場合でも一定の確率密度を有するので、これがスタート値Sのスランプ(極めて小さくなること)となり、遊技球を始動入賞口36の安定的に入賞させることが困難となっている。
また、従来の遊技機において、設定スタート値を変化させたとしても、上記のように、確率密度分布曲線(A)の横軸の位置は変化するもののそのピーク値は低いままなので、遊技場(ホール)側としてもスタート値Sを効果的に変化させることはできず、また遊技者としてもスタート値Sの変化を体感することは困難である。
さらに、従来の遊技機において、大当りの発生確率等を設定する確率設定値を変更できたとしても、上記のように、スタート値Sにはスランプがあるので、ホール側としても確率設定値の変化を大当りの発生確率の変化として反映させることは困難であり、また遊技者としても確率設定値の変化を大当りの発生確率の変化として体感することは困難である。
一方、第3実施形態では、回転体ユニット800(回転ステージ810)が保持した複数の遊技球を始動入賞口36に向けて周期的に流下させる構成を有しており、当該遊技球は始動入賞口36にほぼ確実に入賞するようになっている。なお、1分間に設計スタート値Sに対応する個数以上の遊技球をワープ通路40eから回転体ユニット800(回転ステージ810)に供給しておく。
したがって、第3実施形態では、図59に示すように、例えば設定スタート値を6.25に設定した場合、実際に観測されるスタート値Sは、6.25を中心として分布が狭く且つピーク値が高い確率密度分布曲線(B)上の点となる。そして、確率密度分布曲線(B)においてはピーク値が高いので、スタート値S=6.25付近で始動入賞口36に遊技球が入賞する頻度が極めて高くなる。また、スタート値Sが0や1ときの確率密度はほぼゼロであり、スタート値Sにスランプは実質的に発生しないことになる。
したがって、ホール側としてはスタート値Sを低く設定することができ、この場合でもスランプは発生せず特別図柄の変動(変動表示ゲーム)がほぼ確実に実施されるので興趣の低下を抑制することができる。また確率設定値の変化による大当りの発生確率の変化への反映度が高くなるので利益調整も容易に行うことができる。
また、第3実施形態においては、スタート値Sが安定するので、回転体ユニット800が入賞前の遊技球を保持することで実質的に始動入賞の保留を機械的に行っている。よって、始動入賞口36への遊技球の入賞を契機に発生する始動入賞を電気的に保留(記憶)する構成(始動入賞記憶、始動記憶)を省略したり、保留する最大限度を減らすことも可能である。
なお、第4変形例又は第5変形例において設定スタート値=6.25を実現する場合について説明する。遊技球が左打ちで1分間に100個発射されて遊技領域32に流下し、植設された障害釘により平均1/2の確率で遊技球が振り分けユニット(第1振り分けユニット860、第2振り分けユニット870)に振り分けられ、振り分けユニットにおいて8個に1個の割合(確率)で回転体ステージに流下し、当該流下した遊技球がほぼ始動入賞口36に入賞すると考えると、スタート値Sは(100個/分)×(1/2)×(1/8)=6.25個/分となる。ここで、第4変形例(第1振り分けユニット860)では、設定カウント値を7とし(第4近接スイッチ72dの検出信号のカウント数は0から7の整数)とし、第5変形例(第2振り分けユニット870)では、上記(2)の構成をとることで、8個に1個の割合(確率)で回転ステージ810に遊技球を流下させることができる。
また、第3実施形態では、回転ステージ810の回転速度を変化させる、又は仕切り弁820(弁ソレノイド144)の駆動タイミングを変化させる(確率設定値の変更に付随して当該回転速度及び駆動タイミングを変更できるようにしてもよい)ことで、設定スタート値を容易に変化させることができる。このとき、図59に示す確率密度分布曲線(B)は高いピーク値を維持した状態で横軸方向にシフトすることになる。したがって、設定スタート値の変化をそのままスタート値Sの変化として反映させることができる。
したがって、例えば低いスタート値S=5.2で設計した遊技機10について、同じ出玉率(ベース)で一般的なスタート値S=5.8で設計した遊技機との間に、通常遊技状態で出玉に差分が発生するが、その差分に相当する出玉を遊技者に特賞出玉(大当りなどによる賞球)として還元する設計ができる(例えば大当りラウンドの回数を増やす)。これにより、遊技者に対して「甘そう」「魅力がある」という遊技指向の遊技機を提供することができる。
なお、確率密度分布曲線(B)の分布幅の広がりは、主に振り分けユニット(第1振り分けユニット860、第2振り分けユニット870)の上流にある障害釘から流下する遊技球の流下経路のばらつきと、切り欠き部812を経ずに始動入賞口36に向けて流下する遊技球の流下経路のばらつきに起因すると考えられる。また、振り分けユニットがない場合において、流入口40aよりも上流となる遊技領域32に配置された障害釘から流入口40aに向けて流下する遊技球の流下経路のばらつきにも起因する。このように確率密度分布曲線(B)に有る程度の分布幅の広がりを与えることで安定的なスタート値Sを実現するのみならず、偶発的な始動入賞を引き起こすこともでき、遊技の興趣を向上させることができる。
以上のように、第3実施形態によれば、遊技者としては一定投資金額で一定数確実に変動(変動表示ゲーム)を発生させることができ、メーカ側はスタート値Sが安定するのでその値を低く設定することも可能であり、また遊技場(ホール)側としては確率設定値を変化させることで利益調整を容易に行うこともできる。
[第3実施形態の作用・効果]
第3実施形態の遊技機10によれば、遊技領域32と、遊技領域32に配置された入賞領域(始動入賞口36等)と、入賞領域(始動入賞口36)への遊技球の入賞を安定化させる入賞安定化手段(誘導手段、回転体ユニット800)を備える。例えば、入賞安定化手段(誘導手段、回転体ユニット800)は、遊技領域32を流下可能な遊技球を複数保持可能とされ、保持した遊技球を入賞領域(始動入賞口36等)に向けて誘導する動作を繰り返し実行可能な誘導手段(回転体ユニット800)を備える。または、入賞安定化手段(誘導手段、回転体ユニット800)は、遊技領域32を流下可能な遊技球を複数滞留可能とされ、滞留した遊技球を入賞領域(始動入賞口36)に向けて誘導する動作を繰り返し実行可能な誘導手段(回転体ユニット800、障害釘830、跳ね返し部材840)を備える。これにより、安定して入賞領域に遊技球を入球させ、遊技の興趣を高めることができる。ひいては、スタート値Sを常時安定化させることができる。また、従来の遊技機では、遊技球の転動する様子を十分に楽しむことができなかったが、本実施形態の入賞安定化手段(誘導手段、回転体ユニット800)により遊技球の転動の様子を楽しむことができ、興趣が向上する。特に、本実施形態は入賞前の遊技球を対象としており、遊技を開始してからすぐに入賞安定化手段(誘導手段、回転体ユニット800)による入賞前の遊技球の転動の様子を楽しむことができ、これにより興趣を向上させることができる。
第3実施形態において、入賞領域は、始動入賞口36である。これにより、始動入賞口36への入賞により発生する変動(変動表示ゲーム)に関するスタート値Sを常時安定化させることができる。
第3実施形態において、遊技領域32には遊技球を誘導手段(回転体ユニット800)に入球させるか否かを振り分ける振り分けユニット(第1振り分けユニット860、第2振り分けユニット870)が配置されている。これにより、スタート値Sをさらに安定化させることができる。
第3実施形態において、誘導手段(回転体ユニット800)は、所定の周期(例えば8秒)で保持した遊技球を一つずつ入賞領域(始動入賞口36)に向けて誘導可能である。これにより、時間的に等間隔で図柄の変動(変動表示ゲーム)を実施することができる。
第3実施形態において、入賞領域(始動入賞口36等)への遊技球の入賞により開始される変動表示ゲームの継続時間(変動時間)は前記周期と略同一である。これにより、変動表示ゲームと誘導手段(回転体ユニット800)の双方に注視させることができ、誘導手段(回転体ユニット800)にのみ注視してしまう状態を回避できる。
第3実施形態において、誘導手段(回転体ユニット800)は、客待ち中は動作を停止している。これにより客待ち中の消費電力を削減することができる。
第3実施形態において、誘導手段(回転体ユニット800)は、誘導手段(回転体ユニット800)に遊技球が流下可能な第1発射態様(左打ち)において動作し、第1発射態様(左打ち)と異なる第2発射態様(右打ち)において動作を停止する。これにより、第2発射態様(右打ち)中の誘導手段(回転ステージ810)の電力消費を回避するとともに、保留数が最大である場合に誘導手段(回転体ユニット800)に保持された遊技球が無駄に入賞領域(始動入賞口36)に入ってしまうことを回避できる。
第3実施形態において、誘導手段(回転体ユニット800)は、遊技領域32から供給された遊技球が転動する回転ステージ810と、回転ステージ810の周囲を囲むように配置され回転ステージ810から流下した遊技球を遊技領域32に流下させるトレー部801と、を備え、回転ステージ810の周縁には、遊技球を保持する保持部(切り欠き部812)が周方向に並んで複数配置され、トレー部801には、回転ステージ810が回転することで保持部(切り欠き部812)に逐次的に連通し、保持部(切り欠き部812)に保持された遊技球を入賞領域(始動入賞口36)に向けて誘導可能な誘導溝807と、誘導溝807の入口を閉止及び開放する動作を繰り返し行う第1の弁(仕切り弁820)と、が配置されている。これにより、簡易な構成で誘導手段(回転体ユニット800)を構築することができる。
第3実施形態において、第1の弁(仕切り弁820)は、誘導溝807が保持部(切り欠き部812)に対向しているときに誘導溝807を開放する。これにより保持部(切り欠き部812)に保持された遊技球を確実に誘導溝807に流下させることができる。
第3実施形態において、保持部(切り欠き部812)は、回転ステージ810の上面及び側面に開口した切り欠き形状を有し、回転ステージ810の上面が形成する同一平面と保持部(切り欠き部812)の底面との距離は遊技球の直径よりも小さい。これにより簡易な構成で保持部(切り欠き部812)を構成できるとともに、保持部(切り欠き部812)に保持された遊技球は回転ステージ810の転動面811から露出する。したがって、回転ステージ810の転動面811を転動する遊技球が切り欠き部812に保持された遊技球に当接することで当該遊技球の転動方向を変化させることができる。また、切り欠き部812(保持部)の深さが遊技球の半径よりも深いので、切り欠き部812(保持部)に保持された遊技球が転動面811を転動する遊技球に衝突することで切り欠き部812(保持部)から弾き出されることを低減できる。
第3実施形態において、回転ステージ810及びトレー部801は、遊技領域32に向けて下向きに傾斜している。これにより誘導手段(回転体ユニット800)に流下した遊技球を確実に遊技領域32に流下させることができる。
第3実施形態において、平面視でトレー部801の遊技領域32側の端部から入賞領域(始動入賞口36)に向けて延出した延出部806を備え、誘導溝807は、延出部806の先端に連通するように形成され、第1の弁(仕切り弁820)は、延出部806の根元部分(トレー部801の遊技領域32側の縁辺)までの距離が遊技球の半径よりも短くなるように配置され、閉止時にトレー部801の遊技球の転動面802よりも高くなるように(転動面802が形成する同一平面に交差するように)配置され、開放時に誘導溝807の底面の高さ以下となるように配置されている。これにより、トレー部801において誘導溝807に直接向かう方向に転動する遊技球が誘導溝807に入り込む頻度を低下させることができる。
第3実施形態において、延出部806の先端と入賞領域(始動入賞口36)との高さ方向の間隔は遊技球の直径よりも長い。これにより、延出部806の先端から入賞領域(始動入賞口36)に向けて流下する遊技球が延出部806を経由せずに流下してきた遊技球に衝突して入賞が阻害される、或いは延出部806を経由せずに流下してきた遊技球が入賞領域(始動入賞口36)に入賞する可能性が発生する。よって、遊技球の入賞領域(始動入賞口36)への入賞の頻度、即ちスタート値Sについてある程度ばらつきを与えることができる。
第3実施形態において、第1の弁(仕切り弁820)は、閉止時に回転ステージ810の上面が形成する同一平面に交差するように配置されている。これにより回転ステージ810から保持部(切り欠き部812)を経ずに転動してきた遊技球が直接誘導溝807に入り込むこむ頻度を低減させることができる。
第3実施形態において、回転ステージ810は、所定のタイミングで逆回転する。これにより、回転ステージ810おける球噛みを回避することができる。また、その動作により特定遊技状態(潜伏確変など)を示唆することもできる。
第3実施形態において、回転ステージ810は、トレー部801が形成する同一平面を交差するように配置され、回転ステージ810と同一平面との段差は遊技球の半径よりも小さい。これにより遊技球は段差を乗り越えて回転ステージ810に乗るので回転ステージ810に乗ったときの転動方向を不規則に変化させることができる。また、遊技球を回転ステージ810の前で溜まりやすくして回転ステージ810に流下するタイミングを遅延させることもできる。
第3実施形態において、回転ステージ810の保持部が形成された領域以外の領域には遊技球の転動方向を変換可能な転動方向変換部材(障害釘830)が配置されている。これにより、遊技球を一時的に回転ステージ810に滞留させ、回転ステージ810を転動途中の遊技球の転動方向を不規則に変化させることができる。
第3実施形態において、トレー部801の遊技領域32側には、トレー部801を転動する遊技球を回転ステージ810に向けて跳ね返す跳ね返し部材840(スリングショット、フリッパー)が配置されている。これにより、回転ステージ810からはじき出された遊技球を再び回転ステージ810に戻すことができ、遊技球を一時的にトレー部801または回転ステージ810上に滞留させ、遊技球が保持部(切り欠き部812)に保持される期待度を高めることができる。
第3実施形態において、誘導手段(回転体ユニット800)は、遊技領域32を流下する遊技球を取り込んで回転ステージ810に供給可能な第1取り込み流路(ワープ通路40e)と、第1取り込み流路(ワープ通路40e)に流下した遊技球を検知する第1検知手段(第3近接スイッチ72c)と、第1取り込み流路(ワープ通路40e)の途中から分岐して遊技領域32に連通する第1分岐流路851と、第1取り込み流路(ワープ通路40e)の第1分岐流路851との分岐位置に配置され、第1取り込み流路(ワープ通路40e)に流下した遊技球の流路を、回転ステージ810に流下する流路と、第1分岐流路851に流下する流路と、に切替可能な第2の弁(第1切替弁853)と、を備え、第2の弁(第1切替弁853)は、第1検知手段(第3近接スイッチ72c)による遊技球の検知回数に基づいて動作する。これにより、回転ステージ810に流下する遊技球が増えすぎないように調整することができる。
第3実施形態において、振り分けユニット(第1振り分けユニット860)は、遊技球が導入される導入口862を備えるとともに導入口862に導入された遊技球を誘導手段(回転体ユニット800)に向けて流下させる第2取り込み流路864と、第2取り込み流路864の途中から分岐して遊技領域32に連通する第2分岐流路865と、第2取り込み流路864の第2分岐流路865との分岐位置に配置され、第2取り込み流路864に流下した遊技球の流路を、誘導手段(回転体ユニット800)に向けて流下する流路と、第2分岐流路865に流下する流路と、に切替可能な第3の弁(第2切替弁866)と、第2取り込み流路864に流下した遊技球を検知する第2検知手段(第4近接スイッチ72d)と、を備え、第3の弁(第2切替弁866)は、第2検知手段(第4近接スイッチ72d)による遊技球の検知回数に基づいて動作する。これにより、簡易な構成で振り分けユニット(第1振り分けユニット860)を構築することができる。
第3実施形態において、振り分けユニット(第2振り分けユニット870)は、遊技球が導入される導入口872と、遊技球が排出される2つの排出口873と、導入口872に連通するとともに途中から分岐して2つの排出口873に連通する第3分岐流路(Y字流路874)と、第3分岐流路(Y字流路874)の分岐位置に配置され遊技球を受ける毎に切替動作して2つの排出口873に向けて交互に遊技球を流下させる第3切替弁875と、を備える複数の振り分け機構871を備える。振り分け機構871は、前段の振り分け機構871の一方の排出口873に後段の振り分け機構871の導入口872を連通させる態様で直列に接続され、複数の振り分け機構871(振り分け機構871A、振り分け機構871B、振り分け機構871C、振り分け機構871D)において終端となっている排出口873の少なくともいずれか一つが誘導手段(回転体ユニット800)に連通している。これにより、機械的に遊技球を振り分ける振り分けユニット(第2振り分けユニット870)を簡易な構成で構築することができる。
第3実施形態において、遊技領域32内の入賞領域とは異なる特定位置を通過したことを検知する第3検知手段(第2近接スイッチ72b)と、第3検知手段(第2近接スイッチ72b)による遊技球の検知に基づいて点灯表示を行う点灯表示手段(上部演出ユニット40c、表示装置41)と、を備える。これにより、誘導手段(回転体ユニット800)の保持部(切り欠き部812)が全て遊技球を保持している場合であっても、遊技球の止め打ちを低減することができる。
[第4実施形態]
図60から図63を参照して第4実施形態の遊技機10について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第3実施形態までの実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態から第3実施形態までの実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。
〔遊技制御装置〕
図60は、第4実施形態に係る遊技制御系の構成例を示すブロック図である。図60では、第1実施形態の図3と異なり、遊技制御装置100(主基板、メイン基板)において、出力ポート134-137が存在せず電気回路が簡略化され、また、配線数(信号数)が減少して、電子部品等を配置するスペース(場所)を十分に確保できる。これは、以下のように、遊技用マイコン111(CPU111a)と、各ドライバ138a-138d、150や中継基板70との間の通信を従来のパラレル通信ではなくシリアル通信で行うようにしたためである。なお、遊技用マイコン111と演出制御装置300の間、遊技用マイコン111と払出制御装置200の間、遊技用マイコン111と検査装置500の間で、シリアル通信が行われることは、第1実施形態と変わりない。
遊技用マイコン111のシリアルポート173a(第1シリアルポート)からのデータは、シリアル信号線174aを介してシリアル通信(シリアル方式)でドライバ138a-138d、ドライバ150に送信される。遊技用マイコン111のシリアルポート173b(第2シリアルポート)からのデータは、シリアル信号線174bを介してシリアル通信(シリアル方式)で中継基板70に送信される。なお、第1実施形態の図3では、遊技用マイコン111からデータバス140を介してパラレル通信(パラレル方式)でデータが送信される。本実施形態において、シリアル通信は、同期式シリアル通信であり、例えばSPI(シリアル・ペリフェラル・インタフェース)によって行われるが、これに限られるものではない。
本実施形態において、ドライバ138c、138dは、各々、一つのドライバ用ICチップ156(集積回路チップ、電子部品)の一部となっている。ドライバ138b、150は、各々、一つのドライバ用ICチップ157(集積回路チップ、電子部品)の一部となっている。なお、各ドライバを一つのICチップとして設けてもよい。
遊技制御装置100(主基板)は、試射試験装置への試射試験信号を供給する中継基板70と接続するためのコネクタ部160(CN1)を有するとともに、中継基板70は、遊技制御装置100(主基板)と接続するためのコネクタ部162(CN2)を有する。コネクタ部160とコネクタ部162は、ケーブル(又はハーネス)等の電線の差込口であり、ケーブル等によって互いに電気的に接続される。なお、バッファ133と同様に、コネクタ部160(CN1)も遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。
〔遊技制御装置の回路図〕
図61A、図61B、図62は、第4実施形態に係る遊技制御装置100(主基板、メイン基板)に設けられる電気回路(電子回路)の一部を例示する回路図である。なお、回路図における電子部品(ICチップなど)や素子や端子などの位置と、実際にこれらが基板に配置される位置は無関係でよい。なお、端子は、例えばピンであってよい。本実施形態において、基板は、プリント基板等の回路基板を意味する。
遊技用マイコン111のシリアルポート173aは、シリアルデータ信号(TXA)用の端子A1、シリアルクロック信号(CKA)用の端子A2、チップセレクト信号(SA0)(スレーブセレクト信号)用の端子A3を含む(図61参照)。端子A1に接続する配線は、シリアルデータ信号(TXA)を伝送するためのデータ線194(194a,194b)となり、端子A2に接続する配線は、シリアルクロック信号(CKA)を伝送するためのクロック線195(195a,195b)となり、端子A3,A4に接続する配線は、チップセレクト信号(SA0,SA1)を伝送するためのチップセレクト線196(196a,196b)となる。なお、シリアル通信によって遊技用マイコン111(マスタ)からはシリアルデータの出力だけが行われるため、端子A1はシリアルデータ出力用の端子であり、スレーブからのシリアルデータ入力用の端子は省略されている。チップセレクト信号は、入力動作又は出力動作を可能とするスレーブ(ICチップ)を選択するための信号である。
遊技用マイコン111のシリアルポート173aからのシリアル信号線174a(図60)は、少なくともシリアルデータ信号(TXA)を伝送するためのデータ線194(信号線)と、シリアルクロック信号(CKA)を伝送するためのクロック線195(信号線)から構成される。
遊技用マイコン111のシリアルポート173bは、シリアルデータ信号(TXB)用の端子B1、シリアルクロック信号(CKB)用の端子B2、チップセレクト信号(SB0)(スレーブセレクト信号)用の端子B3を含む(図62参照)。端子B1に接続する配線は、シリアルデータ信号(TXB)を伝送するためのデータ線211となり、端子B2に接続する配線は、シリアルクロック信号(CKB)を伝送するためのクロック線212となり、端子B3に接続する配線は、チップセレクト信号(SB0)を伝送するためのチップセレクト線218となる。
なお、シリアル通信によって遊技用マイコン111(マスタ)からはシリアルデータの出力だけが行われるため、端子B1はシリアルデータ出力用の端子であり、スレーブからのシリアルデータ入力用の端子は省略されている。また、シリアルポート173bが一つだけのICチップ(スレーブ)とシリアル通信を行う場合には、チップセレクト信号とそのチップセレクト線218は省略可能である。
遊技用マイコン111のシリアルポート173bからのシリアル信号線174b(図60)は、少なくともシリアルデータ信号(TXB)を伝送するためのデータ線211(信号線)と、シリアルクロック信号(CKB)を伝送するためのクロック線212(信号線)から構成される。
〔遊技用マイコンとドライバとの間のシリアル通信に係る回路図〕
図61Aは、遊技制御装置100における遊技用マイコン111と各ドライバとの間のシリアル通信に係る回路図であり、また、遊技用マイコン111と各ドライバ用ICチップの周辺の電気回路(電子回路)を例示する回路図である。図61Aは、遊技用マイコン111のシリアルポート173aからの外部情報信号、一括表示装置50のLED駆動信号、性能表示装置152へのLED駆動信号の伝送の状況などを示す。LED駆動信号は、一括表示装置50又は性能表示装置152のデジット線とセグメント線への信号である。
ドライバ用ICチップ156,157は、各々、遊技用マイコン111のシリアルポート173aからのシリアルデータ信号(TXA)をパラレルデータ信号に変換する16ビットのシリアルパラレル変換回路である。ドライバ用ICチップ156,157は、シフトレジスタと、パラレルデータラッチ回路(データレジスタ)とを有する一般的なものでよい。シフトレジスタは、例えば複数のD型フリップフロップから構成され、シリアルクロック信号(CKA)に同期して、一のD型フリップフロップのビットデータが隣のD型フリップフロップに移動して行く。パラレルデータラッチ回路は、例えば複数のD型フリップフロップから構成され、ラッチ信号を受信する所定のラッチタイミングで、シフトレジスタの16ビットのデータをラッチ(保持)して取り込む(セットする)。
ドライバ用ICチップ156,157は、カスケード接続(多段接続)され、ドライバ用ICチップ156が第1段、ドライバ用ICチップ157が第2段を構成する。遊技用マイコン111からデータ線194aによって送信されたシリアルデータ信号(TXA)は、ドライバ用ICチップ156の入力端子DINに入力し、ドライバ用ICチップ156のシフトレジスタを通過して、出力端子DOUTから出力可能とされる。ドライバ用ICチップ156の出力端子DOUTから出力したシリアルデータ信号(TXA)は、ドライバ用ICチップ157の入力端子DINに入力し、ドライバ用ICチップ157のシフトレジスタを通過する。
ドライバ用ICチップ156,157には、クロック線195aからの同じシリアルクロック信号(CKA)、チップセレクト線196aからの同じチップセレクト信号(SA0)、リセット線197aからの同じリセット信号(RESET)が並列的にそれぞれの入力端子SCK、入力端子/CS、入力端子/RESETに入力される。なお、「/」は負論理の端子を示す。ドライバ用ICチップ156,157のシフトレジスタは、同じシリアルクロック信号(CKA)で同期して動作する。ドライバ用ICチップ156,157のパラレルデータラッチ回路は、ラッチ信号として同じチップセレクト信号(SA0)を受信したタイミング(ラッチタイミング)で、シフトレジスタのデータを取り込む。ドライバ用ICチップ156,157のパラレルデータラッチ回路に取り込まれたデータは、16ビットのパラレルデータとして、パラレル出力端子(PA0-PA7,PB0-PB7)から同時に出力される。従って、2つのドライバ用ICチップ156,157は、合わせて合計32ビットのシリアルパラレル変換回路となり、シリアルデータ信号(TXA)を32ビットのパラレルデータに変換することになる。また、ドライバ用ICチップ156,157は、シュミットバッファ125からのリセット信号によって、同時にリセット(初期化)され、内部のデータがクリアされる。
ドライバ用ICチップ156のパラレル出力端子のうち端子PA0-PA7,PB0-PB2は、それぞれ、コネクタ部181(CN3)の端子S17-S7に接続する。コネクタ部181(CN3)の端子S17-S7は、ケーブル等の電線によって外部情報端子71に接続する。従って、ドライバ用ICチップ156のパラレル出力端子PA0-PA7,PB0-PB2からの信号は、外部情報A-K(外部情報信号)として、外部情報端子71に送信される。このように、ドライバ用ICチップ156のシフトレジスタ、パラレルデータラッチ回路、及び、パラレル出力端子PA0-PA7,PB0-PB2は、ドライバ138d(図60)を構成する。また、ドライバ用ICチップ156のパラレル出力端子のうち端子PB3は、ガラス枠15等の開放を示すドア信号を供給する。
例えば、外部情報A-Kは、各々、呼出し信号、アウト信号、セキュリティ信号、メイン賞球信号、大当り4信号、大当り3信号、大当り2信号、大当り1信号、始動口信号、図柄確定回数信号、扉・枠開放信号である。呼出し信号は、遊技場(ホール)の係員を呼び出すための信号であり、アウト信号は、アウト球検出スイッチ74の検出に基づく信号である。セキュリティ信号は、磁石不正や電波不正などの不正やエラーがあった場合に送信される信号である。メイン賞球信号は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に生成される信号である。
大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、大当り4信号は、大当り情報として、機種により定義される信号であってよく、大当りの開始時にオンし、大当り終了時や時短の終了時にオフするような信号である。始動口信号は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの検出に基づく始動口の入賞信号であり、図柄確定回数信号は、特図変動表示ゲームの実行回数(図柄確定の回数)を示す信号であり、扉・枠開放信号は、ガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)によるガラス枠15や前面枠(遊技枠)12の開放を示す信号である。
なお、セキュリティ信号、メイン賞球信号、始動口信号、扉・枠開放信号、図柄確定回数信号は、タイマ割込み処理の外部情報編集処理(A1319)で設定されてよい。
ドライバ用ICチップ156のパラレル出力端子のうち端子PB4-PB7は、それぞれ、ゲートドライバ183を介して、コネクタ部185(CN4)の端子L9-L12に接続する。コネクタ部185(CN4)は、ケーブル等の電線によって一括表示装置50に接続する。パラレル出力端子PB4-PB7は、一括表示装置50のLEDランプ(D1-D18)のカソード端子が接続されるデジット線(LEDデジット0-3)に電気的に接続することになる。このように、ドライバ用ICチップ156のシフトレジスタ、パラレルデータラッチ回路、及び、パラレル出力端子PB4-PB7は、ドライバ138c(図60)を構成する。
一括表示装置50の第1特図変動表示部51(ランプD1)と第2特図変動表示部52(ランプD1)は7セグメント型(ドットDpを入れると87セグメント型)の表示器であるため、一括表示装置50を4桁×8セグメントのLED表示器とみなして制御可能である。この場合に、デジット線(LEDデジット0-3)は、桁(デジット)を選択することになる。
ゲートドライバ183は、信号の増幅などに用いられるとともに、端子PB4-PB7からの配線を二方向に分岐する。また、端子PB4-PB7からの配線には、プルアップ抵抗R1が接続されている。ゲートドライバ183の入力端子I3とI7は、ドライバ用ICチップ156の端子PB4からの配線に接続し、入力端子I2とI5は、ドライバ用ICチップ156の端子PB5からの配線に接続し、入力端子I1とI8は、ドライバ用ICチップ156の端子PB6からの配線に接続し、入力端子I4とI6は、ドライバ用ICチップ156の端子PB7からの配線に接続する。入力端子I1―I7の信号は、増幅されて、出力端子O1-O7から出力される。デジット線に係る出力端子O5-O7は、コネクタ部185(CN4)の端子L9-L12に接続する一方、デジット線に係る出力端子O1-O4は、4桁の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグメント型)のLED表示器である性能表示装置152のデジット線(デジット0-3)に接続する。なお、端子PB4-PB7を性能表示装置152のデジット線(デジット0-3)と一括表示装置50のデジット線(LEDデジット0-3)とで共用化することによって、コストが削減できる。
ドライバ用ICチップ157のパラレル出力端子のうち端子PA0-PA7は、それぞれ、抵抗R2を介してコネクタ部185(CN4)の端子L1-L8に接続する。コネクタ部185(CN4)は、ケーブル等の電線によって一括表示装置50に接続する。パラレル出力端子PA0-PA7は、一括表示装置50のLEDランプのアノード端子が接続されるセグメント線(LEDセグメント0-7)に電気的に接続することになる。このように、ドライバ用ICチップ157のシフトレジスタ、パラレルデータラッチ回路、及び、パラレル出力端子PA0-PA7は、ドライバ138b(図60)を構成する。
一括表示装置50のセグメント線(LEDセグメント0-7)を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力するカソード端子よりデジット線(LEDデジット0-3)を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式(ダイナミック点灯方式)で順次選択されたLEDに電流が流れて点灯される。
また、ドライバ用ICチップ157のパラレル出力端子のうち端子PB0-PB7は、それぞれ、4桁の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグメント型)のLED表示器である性能表示装置152のセグメント線(a―g、Dp)に電気的に接続する。このように、ドライバ用ICチップ157のシフトレジスタ、パラレルデータラッチ回路、及び、パラレル出力端子PB0-PB7は、ドライバ150(図60)を構成する。
性能表示装置152のセグメント線(a―g、Dp)を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力するカソード端子よりデジット線(デジット0-3)を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電流が流れて点灯される。このようにして、性能表示装置152は、性能表示として、確率設定値や役物比率や出玉率や排出球数を表示できる。
以上のように、外部情報信号、一括表示装置50のLED駆動信号(デジット線とセグメント線への信号)、性能表示装置152のLED駆動信号(デジット線とセグメント線への信号)は、遊技用マイコン111によって、出力処理(A1306)等で合成されるシリアルデータ信号(TXA)に含めて送信され、ドライバ用ICチップ156,157によってパラレルデータ信号として出力される。
図61Bは、遊技制御装置100における遊技用マイコン111とソレノイドドライバ138aとの間のシリアル通信に係る回路図であり、また、遊技用マイコン111とソレノイドドライバ用のICチップの周辺の電気回路(電子回路)を例示する回路図である。遊技用マイコン111のシリアルポート173aからのソレノイド駆動信号の伝送の状況などを示す。
ソレノイドドライバ用のICチップ138a-1,138a-2は、パラレルデータ信号としてのソレノイド駆動信号を生成し出力するドライバ(駆動回路)138a(図60)を構成する。ICチップ138a-1は、シフトレジスタとパラレルデータラッチ回路(データレジスタ)とを有する一般的な8ビットのシリアルパラレル変換回路である。ICチップ138a-2は、複数のトランジスタを直結したダーリントン接続によってICチップ138a-1からの電流信号を増幅するダーリントン電流増幅器である。
遊技用マイコン111からデータ線194bによって送信されたシリアルデータ信号(TXA)は、ICチップ138a-1の入力端子SIに入力し、ICチップ138a-1のシフトレジスタを通過する。ICチップ138a-1の入力端子SCK、入力端子/G、入力端子/SCLRには、各々、シリアルクロック信号(CKA)、イネーブル信号としてのゲート信号(GATE)、シュミットバッファ125からのリセット信号が、クロック線195b、イネーブル信号線198b(198)、リセット線197bによって入力されている。なお、データ線194bは、データ線194a(図61A)から分岐したものよく、クロック線195bは、クロック線195a(図61A)から分岐したものでよい。
ICチップ138a-1のシフトレジスタは、シリアルクロック信号(CKA)によって動作する。ICチップ138a-1のパラレルデータラッチ回路は、入力端子RCKに入力するチップセレクト信号(SA1)によってシフトレジスタのデータを取り込む。ここでのチップセレクト信号(SA1)は、ラッチ信号として機能する。ICチップ138a-1のパラレルデータラッチ回路に取り込まれたデータは、ゲート信号(GATE)が入力している場合に、8ビットのパラレルデータ信号としてパラレル出力端子(QA-QH)から出力される。ゲート信号(GATE)は、ICチップ138a-1の出力を可能にするイネーブル信号として機能している。ゲート信号(GATE)がスリーステートバッファ等の出力回路に入力することにより、出力動作が可能になった出力回路を介してパラレルデータ信号がパラレル出力端子(QA-QH)から出力される。また、ICチップ138a-1は、リセット信号によって、リセットされ、内部のデータがクリアされる。
ICチップ138a-1によってシリアルデータ信号(TXA)から生成されたパラレルデータ信号のうち、パラレル出力端子QEからの信号は、球発射装置による遊技球の発射を許可するための発射許可信号として払出制御装置200に向けて出力される。パラレル出力端子QA-QCからの信号は、それぞれ、大入賞口ソレノイド駆動信号、レバーソレノイド駆動信号、普電ソレノイド駆動信号として出力される。別な言い方では、大入賞口ソレノイド駆動信号、レバーソレノイド駆動信号、普電ソレノイド駆動信号は、遊技用マイコン111からシリアルデータ信号(TXA)に含めて送信され、ICチップ138a-1によってパラレルデータ信号として出力される。ソレノイドの数が遊技機10の機種ごとに異なっても、ソレノイドに対する駆動信号は遊技用マイコン111(CPU111a)からシリアル通信で出力されることになるため、パラレル通信の場合に必要であった配線が削減できるとともに、異なる機種間で遊技制御装置100(遊技制御手段)を共通化し易くなる。
ここで、大入賞口ソレノイド駆動信号は、特別変動入賞装置39を開放させる大入賞口ソレノイド39bを駆動するための信号であり、レバーソレノイド駆動信号は、特定領域86を開放させるレバーソレノイド86bを駆動するための信号であり、普電ソレノイド駆動信号は普通変動入賞装置37の可動部材37bを開放させる普電ソレノイド37cを駆動するための信号である。
ICチップ138a-2は、ICチップ138a-1のパラレル出力端子QA-QCからの大入賞口ソレノイド駆動信号、レバーソレノイド駆動信号、普電ソレノイド駆動信号を増幅する。ICチップ138a-1のパラレル出力端子QA-QCからの駆動信号は、各々、ICチップ138a-2の入力端子J1-J3に抵抗R4を介して入力して、増幅後に出力端子K1-K3から出力する。出力端子K1-K3からの大入賞口ソレノイド駆動信号、レバーソレノイド駆動信号、普電ソレノイド駆動信号は、各々、大入賞口ソレノイド39b、レバーソレノイド86b、普電ソレノイド37cに送信されるだけでなく、中継基板70にも送信される(図60)。
〔遊技用マイコンと中継基板との間のシリアル通信に係る回路図〕
図62は、遊技制御装置100(主基板)内で遊技用マイコン111と中継基板70との間のシリアル通信に係る回路図を例示し、また、遊技用マイコン111とコネクタ部160(CN1)の周辺の電気回路(電子回路)を例示する回路図である。
遊技用マイコン111のシリアルポート173bの端子B1-B3から出力されるシリアル信号として、シリアルデータ信号(TXB)とシリアルクロック信号(CKB)とチップセレクト信号(SB0)は、各々、コネクタ部160(CN1)のシリアルデータ信号(TXB)用の端子D7(信号端子)、シリアルクロック信号(CKB)用の端子D6(信号端子)、チップセレクト信号(SB0)用の端子D3(チップセレクト端子)にバッファ133を介して伝送される。なお、シリアルポート173bが一つだけのICチップ(スレーブ)とシリアル通信を行う場合には、チップセレクト信号と、チップセレクト信号が伝送されるチップセレクト線218は、省略可能な場合もある。
シリアルデータ信号(TXB)は、コネクタ部160(CN1)と電気的に接続する中継基板70へ送信される試射試験信号を含む。遊技機10に関する試射試験信号は、従来のパラレルデータ信号と異なり、中継基板70へ遊技用マイコン111からシリアルデータ信号(TXB)として送信される。試射試験信号は、図60の各種スイッチのオンオフの情報など、試射試験に必要な情報が、遊技用マイコン111(CPU111a)で取り込まれてシリアルデータとしてまとめられて送信される信号である。従って、スイッチの数が遊技機10の機種ごとに異なっても、パラレル通信の場合に必要であったスイッチ毎の配線が削減できるとともに、異なる機種間で遊技制御装置100(遊技制御手段)を共通化し易くなる。
シリアルデータ信号(TXB)は、中継基板70において、パラレルデータ信号に変換された後、試射試験を実施する試射試験装置に出力される。従って、中継基板70(中継手段)に予めシリアル通信に必要な配線を準備しておくだけで、異なる機種間で中継基板70を共通化し易くなる。
上記の各種スイッチとしては、ゲートスイッチ34a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39a、特定領域スイッチ72、残存球排出口スイッチ73などがある。なお、試射試験信号としてのソレノイド駆動信号は、前述のようにドライバ138aから別のルートで中継基板70に送信される。
図6Aのタイマ割込み処理(割込み処理プログラム、遊技制御用プログラムの一部)において、各種スイッチのオンオフの情報(オンオフ信号)は遊技用マイコン111(CPU111a)に入力され取り込まれ(入力処理(A1303)、入賞口スイッチ/状態監視処理(A1310))、その後シリアルデータの試射試験信号として送信処理される(出力処理(A1306))。
また、タイマ割込み処理(割込み処理プログラム)の出力処理(A1306)で送信処理される試射試験信号として、停止図柄番号に対応する図柄データ(A3403、A3503で設定)、特図1と特図2の変動開始に関する信号(A3205、A3210で設定)、特図1と特図2の変動終了に関する信号(A2609で設定)、特図1と特図2の大当りの開始に関する信号(A2610で設定)、右打ち指示又は左打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1のオンオフ)(A2610やA2614などで設定)、大入賞口の開放開始と開放終了に関する信号(特別電動役物1作動中信号のオンオフ)(A2611、A2613で設定)がある。
さらに、出力処理(A1306)で送信処理される試射試験信号として、普図変動表示ゲームの開始と終了に関する信号、普電作動開始と普電作動終了に関する信号(普通電動役物1作動中信号のオンオフ)、高確率状態の開始終了に関する信号(特別図柄1高確率状態信号のオンオフ、特別図柄2高確率状態信号のオンオフ)、時短の開始と終了に関する信号(特別図柄1変動時間短縮状態信号のオンオフ、特別図柄2変動時間短縮状態信号のオンオフ、普通図柄1高確率状態信号のオンオフ、普通図柄1変動時間短縮状態信号のオンオフなど)、遊技機エラー状態信号などがある。
遊技機10に関する試射試験信号は、シリアルデータ信号(TXB)としてコネクタ部160(CN1)を介して中継基板70に送信される。
また、遊技用マイコン111は、中継基板70に設けられるシリアルパラレル変換回路192(所定回路)の動作を可能とするイネーブル線214(イネーブル配線)が接続する端子OEを有する。遊技用マイコン111の端子OEから出力するイネーブル信号(OE)は、コネクタ部160(CN1)のイネーブル信号用の端子D2(イネーブル端子)にバッファ133を介して伝送される。なお、イネーブル信号が伝送される配線をイネーブル線214とする。イネーブル線214は、バッファ133に接続する前にプルアップ抵抗Rが接続されている。
さらに、シュミットバッファ125からのリセット信号(RESET)は、コネクタ部160(CN1)のリセット信号用の端子D10(リセット端子)にバッファ133を介して伝送される。なお、リセット信号が伝送される配線をリセット線216(リセット配線)とする。
なお、その他に、コネクタ部160(CN1)は、接地された接地用の接地端子D1,D4,D5,D8,D9と、5Vの電圧が供給される電源端子D11,D12を有する。
バッファ133は、スリーステートバッファであり、/1G端子への入力がLレベル(GND)である場合に、入力端子1A1-1A4への入力の論理値(L又はH)をそのまま出力端子1Y1-1Y4から出力し、/1G端子への入力がHレベルである場合に、入力端子1A1-1A4と出力端子1Y1-1Y4の間が高インピーダンス状態となり電気的に切り離される。バッファ133は、/2G端子への入力がLレベル(GND)である場合に、入力端子2A1-2A4への入力の論理値(L又はH)をそのまま出力端子2Y1-2Y4から出力し、/2G端子への入力がHレベルである場合に、入力端子2A1-2A4と出力端子2Y1-2Y4の間が高インピーダンス状態となり電気的に切り離される。なお、「/」は負論理の端子を示す。
バッファ133は、論理値の電圧(Lレベル又はHレベル)を補正して出力するものでありオプションで設けられ、遊技用マイコン111とコネクタ部160(CN1)との配線が短い場合などは、バッファ133は不要になる。
図62では、/1G端子と/2G端子への入力がLレベル(GND)であるため、入力端子1A1-1A4,2A1-2A4へ入力した信号は、各々、出力端子1Y1-1Y4,2Y1-2Y4から出力する。従って、リセット信号(RESET)、シリアルデータ信号(TXB)、シリアルクロック信号(CKB)、チップセレクト信号(SB0)、イネーブル信号(OE)は、各々、バッファ133の入力端子1A1,1A3,1A2,1A4,2A1に入力して、出力端子1Y1,1Y3,1Y2,1Y4,2Y1からコネクタ部160(CN1)に向けて出力する。リセット信号(RESET)用の出力端子1Y1、シリアルデータ信号(TXB)用の出力端子1Y3、シリアルクロック信号(CKB)用の出力端子1Y2、チップセレクト信号(SB0)用の出力端子1Y4、イネーブル信号(OE)用の出力端子2Y1は、それぞれ、コネクタ部160(CN1)の端子D10、端子D7、端子D6、端子D3、端子D2に配線によって接続する。
〔配線例1〕
図63は、遊技制御装置100の基板(即ち、主基板、メイン基板)上において、コネクタ部160(CN1)と、バッファ133又は遊技用マイコン111との間の配線例(配線例1)を、配線が実際に配置される位置(物理的な配置)に基づいて説明する図である。
本実施形態では、遊技制御装置100の基板(主基板)は一般的な両面のプリント基板(両面基板)である。本実施形態では、回路部品(ICやコネクタなどの電子部品)を基板の上面に配置する。なお、回路部品を基板の両面又は下面に配置するようにしてもよい。主基板としてのプリント基板(両面基板)において、データ線211、クロック線212、イネーブル線214、リセット線216、チップセレクト線218等の配線やこれらが接続する端子は、上面(表側、上層)と下面(裏側、下層)のうち上面に配置される(下面でも良い)。なお、遊技制御装置100の基板(主基板)は一般的な多層のプリント基板(多層基板)でもよい。この場合には、主基板としてのプリント基板において、データ線211、クロック線212、イネーブル線214、リセット線216、チップセレクト線218等の配線やこれらが接続する端子は外層(最上層、表面層)に配置され、内側の2層(内層)が電源層およびグラウンド層(接地層、GND層)となる。
なお、コネクタ部160(CN1)の端子が配線によって接続する端子は、バッファ133が設けられる場合にはバッファ133の端子となるが、バッファ133が設けられない場合には遊技用マイコン111の端子である。
バッファ133が設けられる場合には、端子D7からのデータ線211、端子D6からのクロック線212、端子D2からのイネーブル線214、端子D10からのリセット線216、端子D3からのチップセレクト線218は、各々、バッファ133のシリアルデータ信号(TXB)用の出力端子1Y3、シリアルクロック信号(CKB)用の出力端子1Y2、イネーブル信号(OE)用の出力端子2Y1、リセット信号(RESET)用の出力端子1Y1、チップセレクト信号(SB0)用の出力端子1Y4に接続される。
バッファ133が設けられない場合には、端子D7からのデータ線211、端子D6からのクロック線212、端子D2からのイネーブル線214、端子D3からのチップセレクト線218は、各々、遊技用マイコン111のシリアルデータ信号(TXB)用の端子B1、シリアルクロック信号(CKB)用の端子B2、イネーブル信号(OE)用の端子OE、チップセレクト信号(SB0)用の端子B3に接続される。端子D10からのリセット線216は、遊技用マイコン111以外の箇所におけるリセット信号(RESET)用の端子RESETに接続されることになるが、端子RESETの位置は図63とは異なる位置でよい。
前述のように、コネクタ部160(CN1)は、クロック線212(信号線)とデータ線211(信号線)が各々接続される複数の信号端子D6,D7と、イネーブル線214が接続されるイネーブル端子D2と、リセット線216が接続されるリセット端子D10と、を備える。
さらに、コネクタ部160(CN1)は、イネーブル端子D2に比較して信号端子D6,D7に近い位置に配置される接地端子D4,D5を備える。接地端子D4,D5によってイネーブル端子D2と信号端子D6,D7との間隔を広げることができるとともに、接地端子D4,D5で信号端子D6,D7をシールドできるため、イネーブル端子D2と信号端子D6,D7との間で干渉(クロストーク、混線)を防止又は抑制できる。
また、接地端子D4は、チップセレクト端子D3に比較して信号端子D6(クロック端子)に近い。接地端子D5は、チップセレクト端子D3に比較して信号端子D6,D7の両方に近い。接地端子D4,D5によってチップセレクト端子D3と信号端子D6,D7との間隔を広げることができるとともに、接地端子D4,D5で信号端子D6,D7をシールドできるため、チップセレクト端子D3と信号端子D6,D7との間で干渉(クロストーク、混線)を防止又は抑制できる。
さらに、コネクタ部160(CN1)は、リセット端子D10に比較して信号端子D6,D7に近い位置に配置される接地端子D8を備える。コネクタ部160(CN1)は、リセット端子D10に比較して信号端子D7(データ端子)に近い位置に配置される接地端子D9を備える。接地端子D8,D9によってリセット端子D10と信号端子D6,D7との間隔を広げることができるとともに、接地端子D8,D9で信号端子D6,D7をシールドできるため、リセット端子D10と信号端子D6,D7との間で干渉(クロストーク、混線)を防止又は抑制できる。
なお、本実施形態において、プリント基板(両面基板)において、上面のコネクタ部160(CN1)の接地端子D1,D4,D5,D8,D9は、下面(裏側、下層)に存在する接地線(図示せず)にスルーホールや貫通ビアなどによって接続されて接地されている。上面の電源端子D11,D12は、下面(裏側、下層)に存在する電源線(図示せず)にスルーホールや貫通ビアなどによって接続される。なお、これら接地端子が接続する接地線(図示せず)や電源端子が接続する電源線(図示せず)は、上面(表側、上層)に存在してもよい。また、主基板が多層基板である場合には、コネクタ部160(CN1)の接地端子D1,D4,D5,D8,D9は、主基板(プリント基板)の内部のグラウンド層(接地層、GND層)にスルーホールや貫通ビアなどによって接続される。また、電源端子D11,D12は、主基板(プリント基板)の内部の電源層にスルーホールや貫通ビアなどによって接続される。
本実施形態では、遊技制御装置100の基板(主基板)において、他の配線への干渉(クロストーク、混線、影響)を少なくするため、通信周波数が高く頻繁にパルス信号(高速のシリアル信号)が伝送されるデータ線211とクロック線212はまとめて配置され、データ線211とクロック線212(複数の信号線)の間には他の配線は存在していない。ここでの他の配線は、頻繁にはパルス信号が伝送されないイネーブル線214やリセット線216やチップセレクト線218などである。なお、データ線211とクロック線212の間の最小間隔W1(MIN)、即ち、複数の信号線同士の最小間隔は、データ線211とクロック線212との間の干渉(クロストーク)が防止できる間隔(配線を密にするためには、干渉の防止できる最小の間隔)になっている。
遊技制御装置100の基板(主基板)において、イネーブル線214と当該イネーブル線214に近い側の信号線(ここではクロック線212)との間隔W2は、データ線211とクロック線212の間の最小間隔W1(MIN)よりも広い。また、リセット線216と当該リセット線216に近い側の信号線(ここではデータ線211)との間隔W3が、最小間隔W1(MIN)よりも広い。さらに、チップセレクト線218と当該チップセレクト線218に近い側の信号線(ここではデータ線211)との間隔W4が、最小間隔W1(MIN)よりも広い。
間隔W2は、干渉の防止できる間隔W1(MIN)よりも大きいことから(W2>W1(MIN))、イネーブル線214と信号線(クロック線212)と間の干渉が防止できる。間隔W3は、干渉の防止できる間隔W1(MIN)よりも大きいことから(W3>W1(MIN))、リセット線216と信号線(データ線211)と間の干渉が防止できる。間隔W4は、干渉の防止できる間隔W1(MIN)よりも大きいことから(W4>W1(MIN))、チップセレクト線218と信号線(データ線211)との間の干渉が防止できる。特に、コネクタ部160(CN1)からケーブル等の電線を介して中継基板70に試射試験信号が送信されるため、干渉を防止しないと、試射試験に悪影響が出る可能性がある。
なお、データ線211(信号線)とクロック線212(信号線)は、コネクタ部160(CN1)の対向する端子の間を通過しているが、コネクタ部160(CN1)が近傍を通過する端子と信号線との間の間隔も間隔W1(MIN)よりも大きくすれば、端子と信号線の間での干渉(クロストーク)の防止又は減少となる。
また、遊技制御装置100の基板(主基板)において、データ線211とクロック線212(複数の信号線)と、イネーブル線214と、リセット線216と、チップセレクト線218とが、所定領域201において一方向(横方向)に並べて平行に配置される。なお、所定領域201は、配線(データ線211、クロック線212、イネーブル線214、リセット線216、チップセレクト線218)が一方向(横方向)に並べられた状態から屈曲して端子に向かう屈曲点と端子の間の領域は含まない。所定領域201において、イネーブル線214と信号線(クロック線212)との間隔W2は、データ線211とクロック線212の間の間隔W1よりも広い(W2>W1)。また、リセット線216と信号線(データ線211)との間隔W3が、間隔W1よりも広い(W3>W1)。さらに、チップセレクト線218と信号線(データ線211)との間隔W4が、間隔W1よりも広い(W4>W1)。このように配線の間隔を調整して、各配線が平行に配置され本来干渉(クロストーク)が生じやすい所定領域201において、干渉(クロストーク)を生じ難くすることができる。なお、本実施形態では、所定領域201において、データ線211とクロック線212の間の間隔W1は、最小間隔W1(MIN)に一致する。
〔配線例2〕
図64は、遊技制御装置100の基板(主基板)上において、コネクタ部160(CN1)と、バッファ133又は遊技用マイコン111との間の配線例(配線例2)を、配線が実際に配置される位置(物理的な配置)に基づいて説明する図である。配線例2では、図63の配線例1から各端子を通過する信号が変更されるとともに、コネクタ部160(CN1)へのコネクタ配線のパターンも変更されている。
なお、図64では、各配線の間隔の関係は、図63の配線例1から維持されている。従って、W2>W1(MIN)、W3>W1(MIN)、W4>W1(MIN)の関係が成立する。さらに、各配線が平行に配置される所定領域201において、W2>W1、W3>W1、W4>W1の関係が成立する。
具体的には、図64では、シリアルデータ信号(TXB)用の端子、シリアルクロック信号(CKB)用の端子、イネーブル信号(OE)用の端子は、図63の配線例1から互いに入れ替えられている。コネクタ部160(CN1)において、端子D2はシリアルクロック信号(CKB)用のクロック端子、端子D6はシリアルデータ信号(TXB)用のデータ端子、端子D7はイネーブル信号用のイネーブル端子になっている。バッファ133又は遊技用マイコン111の端子の配置も図63の配線例1から互いに入れ替えられている。
このような端子の入れ替えにより、図64の配線例2では、コネクタ部160(CN1)へのコネクタ配線において、データ線211とクロック線212(複数の信号線)はまとめて外側(右側)に配置され、イネーブル線214とリセット線216とチップセレクト線218もまとめて他方の外側(左側)に配置される。従って、図64の配線例2では、コネクタ配線の左右の最大幅を図63の配線例1と同じにしても、イネーブル線214と信号線(ここではデータ線211)との間隔W2、リセット線216と信号線(ここではデータ線211)との間隔W3、チップセレクト線218と信号線(ここではデータ線211)との間隔W4を図63の配線例2よりも広げることができ、頻繁にはパルス信号が伝送されないイネーブル線214やリセット線216やチップセレクト線218などの他の配線に対して信号線(データ線211又はクロック線212)による干渉を防止する効果が強まる。
〔配線例3〕
図65は、遊技制御装置100の基板(主基板)上において、コネクタ部160(CN1)と、バッファ133又は遊技用マイコン111との間の配線例(配線例3)を、配線が実際に配置される位置(物理的な配置)に基づいて説明する図である。
図65の本変形例では、コネクタ部160(CN1)において、図63の配線例1から、リセット端子とチップセレクト端子が入れ替えられており、端子D3がリセット端子になり、端子D10がチップセレクト端子になっている。
図65の配線例3では、図63の配線例1と異なり、まとめて配置されるデータ線211とクロック線212(複数の信号線)を両側から挟み込む態様で、接地線222aと接地線222bが配置されている。複数の信号線を接地線222aと接地線222bで両側から電気的にシールド(遮蔽)することによって、複数の信号線による他の配線(イネーブル線214やリセット線216やチップセレクト線218など)への干渉(クロストーク)を減少できる。なお、データ線211とクロック線212の間の干渉(クロストーク)を減少(防止)するために、データ線211とクロック線212の間にも接地端子D9に接続する接地線を配置してよい。
また、図65の配線例3では、イネーブル線214の外側(クロック線212とは反対側)に接地線222cが配置され、リセット線216の外側(データ線211とは反対側)に接地線222dが配置されている。イネーブル線214を接地線222aと接地線222cで両側から挟み込んで電気的にシールドすることによって、イネーブル線214への他の配線(クロック線212やデータ線211の他、コネクタ部160に接続しない配線を含む)からの干渉を減少できる。また、リセット線216を接地線222bと接地線222dで両側から挟み込んで電気的にシールドすることによって、リセット線216への他の配線(クロック線212やデータ線211の他、コネクタ部160に接続しない配線を含む)からの干渉を減少できる。
なお、接地線222a-222dを総称して、接地配線と呼んでよい。データ線211とクロック線212とイネーブル線214は、遊技機に関する試射試験信号を出力するために使用される配線であるが、総称して信号配線と呼んでよい。主基板において、各信号配線(データ線211とクロック線212とイネーブル線214)は複数の接地配線に挟まれてこれらの間に配置されており、シールドされる。従って、試験信号を出力するための信号配線と他の配線との間で干渉(クロストーク、混線)が生じて、遊技機の試験に悪影響が及ぶ事態を、抑制又は防止できる。
具体的には、一方の信号線(クロック線212)とイネーブル線214の間には、接地線222aが配置され、他方の信号線(データ線211)とリセット線216(ひいてはチップセレクト線218)の間には、接地線222bが配置される。イネーブル線214の外側に接地線222cが配置され、リセット線216とチップセレクト線218の間には、接地線222dが配置される。接地線222aは、接地端子D4に接続することによって接地されている。接地線222bは、接地端子D1に接続することによって接地されている。接地線222cは、接地端子D8に接続することによって接地されている。接地線222dは、接地端子D5に接続することによって接地されている。これら接地線222a、接地線222b、接地線222c、接地線222dは、バッファ133の接地された端子(2A2や2A3など)又は遊技用マイコン111の接地された端子(図示せず)に接続されることによって、さらにシールドの効果が強まる。
なお、図65では、各配線の間隔の関係は、図63の配線例1から維持されている。従って、W2>W1(MIN)、W3>W1(MIN)、W4>W1(MIN)の関係が成立する。さらに、各配線が平行に配置される所定領域201において、W2>W1、W3>W1、W4>W1の関係が成立する。
〔配線の変形例〕
図66は、チップセレクト線218を省略した場合の配線例(変形例)を、配線が実際に配置される位置(物理的な配置)に基づいて説明する図である。
本変形例では、コネクタ部160(CN1)において、チップセレクト端子はなく、端子D3はイネーブル端子になるとともに、端子D2が接地端子となっている(図66(b))。また、バッファ133又は遊技用マイコン111の端子の位置も、図63から変更されている(図66(a))。
なお、本変形例でも、W2>W1(MIN)、W3>W1(MIN)の関係が成立する。さらに、各配線が平行に配置される所定領域201において、W2>W1、W3>W1の関係が成立する。従って、本変形例でも、データ線211とクロック線212による他の配線(イネーブル線214やリセット線216)への干渉(クロストーク)を減少できる。
〔中継基板〕
図67は、中継基板70に係る回路図を例示し、また、コネクタ部162(CN2)とシリアルパラレル変換回路192との周辺の電気回路(電子回路)を例示する回路図である。
本実施形態において、中継基板70も、遊技制御装置100の基板(主基板)と同様に、両面のプリント基板(両面基板)である。本実施形態では、回路部品(ICやコネクタなどの電子部品)を中継基板70の上面に配置する。なお、回路部品を中継基板70の両面又は下面に配置するようにしてもよい。中継基板70において、データ線211、クロック線212、イネーブル線214、リセット線216、チップセレクト線218等の配線やこれらが接続する端子は、上面(表側、上層)と下面(裏側、下層)のうち上面に配置される(下面でも良い)。なお、中継基板70は、一般的な多層のプリント基板(多層基板)でもよい。この場合には、中継基板70において、データ線211、クロック線212、イネーブル線214、リセット線216、チップセレクト線218等の配線やこれらが接続する端子は外層(最上層、表面層)に配置され、内側の2層(内層)が電源層およびグラウンド層(接地層、GND層)となる。
中継基板70のコネクタ部162(CN2)は、遊技制御装置100(主基板)のコネクタ部160(CN1)とケーブル等の電線によって接続する。コネクタ部162(CN2)の端子F1-F12は、それぞれ、コネクタ部160(CN1)の端子D1-D12に対応し電気的に接続する。コネクタ部162(CN2)は、接地された接地用の接地端子F1,F4,F5,F8,F9と、5Vの電圧が供給される電源端子F11,F12を有する。
本実施形態において、中継基板70(両面基板)において、上面の接地端子F1,F4,F5,F8,F9は、下面(裏側、下層)に存在する接地線(図示せず)にスルーホールや貫通ビアなどによって接続されて接地されている。上面の電源端子F11,F12は、下面(裏側、下層)に存在する電源線(図示せず)にスルーホールや貫通ビアなどによって接続される。なお、これら接地端子が接続する接地線(図示せず)や電源端子が接続する電源線(図示せず)は、上面(表側、上層)に存在してもよい。また、中継基板70が多層基板である場合には、接地端子F1,F4,F5,F8,F9は、内部のグラウンド層(接地層、GND層)にスルーホールや貫通ビアなどによって接続される。また、電源端子F11,F12は、内部の電源層にスルーホールや貫通ビアなどによって接続される。
コネクタ部160(CN1)からのシリアルデータ信号(TXB)、シリアルクロック信号(CKB)、チップセレクト信号(SB0)、イネーブル信号(OE)、リセット信号(RESET)は、各々、コネクタ部162(CN2)の端子F7,F6,F3,F2,F10からデータ線211、クロック線212、チップセレクト線218、イネーブル線214、リセット線216に伝送される。
シリアルデータ信号(TXB)、シリアルクロック信号(CKB)、チップセレクト信号(SB0)、イネーブル信号(OE)、リセット信号(RESET)は、バッファ191を介して、シリアルパラレル変換回路192に入力する。シリアルパラレル変換回路192は、シリアルデータ信号(TXB)に含まれる試射試験信号(シリアルデータ)を、パラレルデータ信号に変換してパラレルデータとしての試射試験信号を出力する。
バッファ191は、バッファ133と同様にスリーステートバッファであり、論理値の電圧(Lレベル又はHレベル)を補正して出力する。バッファ191は、/1G端子及び/2G端子への入力がともにLレベル(GND)である場合に、入力端子NA1-NA8への入力の論理値(L又はH)をそのまま出力端子NY1-NY8から出力し、/1G端子及び/2G端子への入力のいずれかがHレベルである場合に、入力端子NA1-NA8と出力端子NY1-NY8の間が高インピーダンス状態となり電気的に切り離される。なお、「/」は負論理の端子を示す。図67では、/1G端子と/2G端子への入力がともにLレベル(GND)であり、入力端子NA1-NA8した信号は、各々、出力端子NY1-NY8から出力する。
コネクタ部162(CN2)からのリセット線216とデータ線211は、バッファ191の入力端子NA1,NA2に接続する。リセット線216のリセット信号(RESET)とデータ線211のシリアルデータ信号(TXB)は、各々、バッファ191の入力端子NA1,NA2に入力して、出力端子NY1,NY2からシリアルパラレル変換回路192に向けて出力する。
一方、クロック線212は二股に分岐してバッファ191の入力端子NA3,NA4に接続する。クロック線212のシリアルクロック信号(CKB)は、バッファ191の入力端子NA3,NA4に入力して、出力端子NY3,NY4からシリアルクロック信号CKB1,CKB2として、シリアルパラレル変換回路192に向けて出力する。
チップセレクト線218は二股に分岐してバッファ191の入力端子NA5,NA6に接続する。チップセレクト線218のチップセレクト信号(SB0)は、バッファ191の入力端子NA5,NA6に入力して、出力端子NY5,NY6からチップセレクト信号SB01,SB02として、シリアルパラレル変換回路192に向けて出力する。
イネーブル線214は二股に分岐してバッファ191の入力端子NA7,NA8に接続する。イネーブル線214のイネーブル信号(OE)は、バッファ191の入力端子NA7,NA8に入力して、出力端子NY7,NY8からイネーブル信号OE1,OE2として、シリアルパラレル変換回路192に向けて出力する。
なお、バッファ191に接続する前に、データ線211、クロック線212、イネーブル線214、リセット線216、チップセレクト線218には、プルアップ抵抗Rが接続されている。
なお、図63から図66の配線間の間隔の関係は、中継基板70上でのデータ線211とクロック線212の間の間隔W1又は最小間隔W1(MIN)、イネーブル線214と当該イネーブル線214に近い側の信号線(データ線211又はクロック線212)との間隔W2、リセット線216と当該リセット線216に近い側の信号線(データ線211又はクロック線212)との間隔W3、チップセレクト線218と当該チップセレクト線218に近い側の信号線(データ線211又はクロック線212)との間隔W4に関しても適用可能である。例えば、コネクタ部162(CN2)とバッファ191の間で、W2>W1(MIN)、W3>W1(MIN)、W4>W1(MIN)の関係が成立し、さらに、各配線が平行に配置される所定領域201において、W2>W1、W3>W1、W4>W1の関係が成立する。従って、中継基板70上でも、頻繁にはパルス信号が伝送されないイネーブル線214やリセット線216やチップセレクト線218などの他の配線に対して信号線(データ線211又はクロック線212)の干渉を防止する効果が強まる。
シリアルパラレル変換回路192は、カスケード接続された10個の8ビットシリアルパラレル変換ICチップ192a-192jからなり、最大8×10ビットのシリアルデータ信号(TXB)をパラレルデータ信号に変換して試射試験信号として出力可能である。シリアルデータ信号(TXB)は、順次シリアルパラレル変換ICチップ192a-192jを通過する。
5個の8ビットシリアルパラレル変換ICチップ192a-192e(第1グループ)と5個の8ビットシリアルパラレル変換ICチップ192f-192j(第2グループ)には、各々、分岐したシリアルクロック信号CKB1,CKB2、チップセレクト信号SB01,SB02、イネーブル信号OE1,OE2が並列的に同時に入力する。このため、第1グループのシリアルパラレル変換ICチップ192a-192eと第2グループのシリアルパラレル変換ICチップ192f-192jは、同期して動作するとともに、イネーブル信号OE1,OE2によって同時にパラレルデータ信号(試射試験信号)を出力する。また、各シリアルパラレル変換ICチップ192a-192jには並列的に同時にリセット信号(RESET)が入力可能である。即ち、シリアルパラレル変換回路192に対するリセット信号によって、各シリアルパラレル変換ICチップ192a-192jは同時にリセット(初期化)され、内部のデータがクリアされる。
各シリアルパラレル変換ICチップ192a-192jは、シフトレジスタとパラレルデータラッチ回路(データレジスタ)とを有する一般的な8ビットのシリアルパラレル変換回路である。チップセレクト信号SB01,SB02(SB0)は、ラッチ信号として機能する。パラレルデータラッチ回路は、チップセレクト信号SB01,SB02によってシフトレジスタのデータを取り込む。各シリアルパラレル変換ICチップ192a-192jのパラレルデータラッチ回路に取り込まれたデータは、イネーブル信号OE(OE1又はOE2)が入力している場合に、8ビットのパラレルデータ信号として出力される。イネーブル信号OEがスリーステートバッファ等の出力回路に入力されることにより、出力動作が可能になった出力回路を介してパラレルデータ信号が出力される。
なお、図66のように、チップセレクト線218がない場合には、出力回路をなくして、イネーブル信号OE(OE1又はOE2)をラッチ信号として使用してよい。各シリアルパラレル変換ICチップ192a-192jのパラレルデータラッチ回路は、ラッチ信号としてイネーブル信号OEが入力されたタイミングで、シフトレジスタのデータを取り込み、そのまま8ビットのパラレルデータ信号として出力する。
また、チップセレクト信号SB01,SB02(SB0)のラッチ信号としてラッチクロックが用いられ場合には、チップセレクト線218にも頻繁にパルス信号が伝送されるため、データ線211とクロック線212と同様にチップセレクト線218も複数の信号線に含めて、データ線211とクロック線212とチップセレクト線218をまとめて配置して、W4>W1(MIN)の関係を成立させなくてもよい。
なお、本実施形態において、イネーブル線214が動作を可能とする所定回路は、中継基板70に設けられるシリアルパラレル変換回路192であり、所定回路の動作は出力動作であるが、これに限られるものではない。例えば、イネーブル線214或は別途設けられたイネーブル線をバッファ191の/1G端子と/2G端子に接続して、バッファ191の出力動作又は入力動作を制御することもできる。
[第4実施形態の作用・効果]
第4実施形態において、遊技機10は、ゲーム(変動表示ゲーム)の停止結果が特別結果となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能である。遊技機10は、所定回路(例えばシリアルパラレル変換回路192)と通信を行うための複数の信号線(例えばデータ線211とクロック線212)と、所定回路の動作を可能とするイネーブル線214(又は所定回路をリセットするリセット線216)とが配線された基板(例えば主基板100、中継基板70)を備える。基板において、イネーブル線214(又はリセット線216)と当該イネーブル線214(又はリセット線216)に近い側の信号線との間隔W2(又はW3)が、複数の信号線同士の最小間隔W1(MIN)よりも広い。
複数の信号線同士の最小間隔W1(MIN)は、複数の信号線同士の干渉(クロストーク)を防止できる間隔になっていることが通常であるため、第4実施形態において、イネーブル線214(又はリセット線216)と当該イネーブル線214(又はリセット線216)に近い側の信号線との間隔W2(又はW3)を複数の信号線同士の最小間隔W1(MIN)よりも広くすることによって、イネーブル線214(又はリセット線216)と信号線との間の干渉(クロストーク、混線)を防止又は抑制できる。
第4実施形態において、複数の信号線は、シリアル通信を行うためのクロック線212とデータ線211を含む。データ線211は、遊技機10に関する試験信号(例えば試射試験信号)を送信する。従って、重要な信号である試験信号へのイネーブル線214(又はリセット線216)からの干渉を防止又は抑制して、遊技機10の試験への悪影響を防止できる。
第4実施形態では、基板(例えば主基板100、中継基板70)において、複数の信号線(例えばデータ線211とクロック線212)はまとめて配置され、イネーブル線214(又はリセット線216)と信号線との間に接地線が配置される。従って、接地線によって複数の信号線をシールドすることによって、イネーブル線214(又はリセット線216)と信号線との間の干渉(クロストーク、混線)を防止又は抑制できる。
第4実施形態において、基板(例えば主基板100、中継基板70)は、イネーブル線214(又はリセット線216)と複数の信号線が平行に配置される所定領域201を備える。所定領域201において、イネーブル線214(又はリセット線216)と当該イネーブル線214(又はリセット線216)に近い側の信号線との間隔W2(又はW3)が、複数の信号線同士の間隔よりも広い。従って、イネーブル線214(又はリセット線216)と複数の信号線が平行に配置され本来干渉(クロストーク、混線)が生じやすい所定領域201において、干渉(クロストーク、混線)を生じ難くすることができる。
第4実施形態において、基板(例えば主基板100)は、所定回路が設置される他の基板(例えば中継基板70)に接続するためのコネクタ部160を備える。コネクタ部160は、複数の信号線が各々接続される複数の信号端子と、イネーブル線214(又はリセット線216)が接続されるイネーブル端子(又はリセット端子)と、イネーブル端子(又はリセット端子)よりも信号端子に近い接地端子(GND)と、を備える。従って、接地端子(GND)によって、イネーブル端子(又はリセット端子)と信号端子の間隔を広げることができ、イネーブル端子(又はリセット端子)と信号端子との間で干渉(クロストーク、混線)を防止又は抑制できる。また、イネーブル線214(又はリセット線216)と信号線の間隔を広げることにもつながり、イネーブル線214(又はリセット線216)と信号線との間の干渉を抑制できる。
第4実施形態において、遊技機10は、ゲーム(変動表示ゲーム)を実行可能な遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)を備え、ゲームの停止結果が特別結果となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能である。遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)は、遊技制御プログラム(例えばタイマ割込み処理に係る割込み処理プログラム)を記憶する遊技制御プログラム記憶手段(例えばROM111b)と、遊技制御プログラムにより所要の演算処理を行う演算処理手段(例えばCPU111a)と、を備える。演算処理手段(例えばCPU111a)は、遊技制御プログラムにより、遊技機10に係る試験信号(例えば試射試験信号)をシリアル通信で出力可能である(出力処理(A1306))。
従って、遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)において、配線数(信号数)やコネクタの端子数(ピン数)が減少し、電子部品等を配置するスペース(場所)を十分に確保でき、コスト削減にもつながる。なお、パラレル通信の場合には、送信するデータの種類に応じた配線や端子を設ける必要があるため、配線数(信号数)やコネクタの端子数(ピン数)が大きくなる。
第4実施形態において、演算処理手段(例えばCPU111a)は、スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、大入賞口スイッチ39a)からの信号を取り込んだ後、試験信号としてシリアル通信で出力可能である。従って、スイッチの数が遊技機10の機種ごとに異なっても、スイッチからの信号は演算処理手段(例えばCPU111a)で取り込まれて試験信号としてシリアル通信で出力されるため、パラレル通信の場合に必要であった配線が削減でき、異なる機種間で遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)を共通化し易くなる。
第4実施形態において、遊技機10は、シリアルデータ信号としての試験信号をパラレルデータ信号に変換した後に、試験を実施する試験装置に出力する中継手段(例えば中継基板70)を備える。従って、中継手段(例えば中継基板70)に予めシリアル通信に必要な配線を準備しておくだけで、異なる機種間で中継手段(例えば中継基板70)を共通化し易くなる。
第4実施形態において、演算処理手段(例えばCPU111a)からのシリアルデータ信号をパラレルデータ信号に変換して、発光部(例えば一括表示装置50のLED)又はソレノイド(例えば大入賞口ソレノイド39b、普電ソレノイド37c)に対する駆動信号として出力可能な駆動手段(例えばドライバ用ICチップ156、157、ドライバ138a-138d、150)を備える。演算処理手段(例えばCPU111a)は、駆動手段へのシリアルデータ信号を第1シリアルポート(例えばシリアルポート173a)から出力し、中継手段(例えば中継基板70)へのシリアルデータ信号を第2シリアルポート(例えばシリアルポート173b)から出力する。
従って、ソレノイドの数が遊技機10の機種ごとに異なっても、ソレノイドに対する駆動信号は演算処理手段(例えばCPU111a)からシリアル通信で出力されるため、パラレル通信の場合に必要であった配線が削減でき、異なる機種間で遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)を共通化し易くなる。また、演算処理手段(例えばCPU111a)は、駆動手段へのシリアルデータ信号と中継手段へのシリアルデータ信号を別々のシリアルポートから出力するため、駆動手段と中継手段の両方へのデータを含むようなシリアルデータ信号を作る必要がなくなり、駆動手段と中継手段への出力処理が簡単になる。
また、上記のように、演算処理手段(例えばCPU111a)は、中継手段(例えば中継基板70)へのシリアルデータ信号を第1シリアルポート(例えばシリアルポート173a)と異なる第2シリアルポート(例えばシリアルポート173b)から出力する。このため、試射試験に関する部品(例えば、前述のようにバッファ133やコネクタ部160)が量産時(検査の際以外)に未実装となったとしても、第1シリアルポート(例えばシリアルポート173a)に駆動手段(例えば、ドライバ138a-138d、150)を介して接続される外部情報端子71、一括表示装置50、ソレノイド39b、37c、86b、性能表示装置152等の制御に影響を与えることがない。
第4実施形態において、ゲームの停止結果が特別結果となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機10は、当該遊技機10に関する試験信号(例えば試射試験信号)を出力するための信号配線(例えば、データ線211、クロック線212、イネーブル線214)を有する基板(例えば主基板100、中継基板70)を備える。基板において、信号配線は複数の接地配線(例えば、接地線222a-222d)に挟まれて配置されている。従って、信号配線がシールドされ、信号配線へのノイズや干渉(クロストーク、混線)によって遊技機の試験に悪影響が及ぶ事態を、抑制又は防止できる。
第4実施形態において、ゲームの停止結果が特別結果となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機10は、所定回路(例えばシリアルパラレル変換回路192)の動作を可能とするイネーブル信号を送信可能なイネーブル配線(例えばイネーブル線214)を有する基板(例えば主基板100、中継基板70)を備える。基板において、イネーブル配線は複数の接地配線(例えば、接地線222a-222d)に挟まれて配置されている。従って、イネーブル配線と他の配線との間で干渉(クロストーク、混線)が生じて所定回路が誤動作する事態を、抑制又は防止できる。
第4実施形態において、ゲームの停止結果が特別結果となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機10は、所定回路(例えばシリアルパラレル変換回路192)をリセットするリセット信号を送信可能なリセット配線(例えばリセット線216)を有する基板(例えば主基板100、中継基板70)を備える。基板において、リセット配線は複数の接地配線に挟まれて配置されている。従って、リセット配線と他の配線との間で干渉(クロストーク、混線)が生じて所定回路が誤動作する事態を、抑制又は防止できる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば、複数の実施形態を組合せることも可能である。また、例えば、本発明を他の種類の遊技機(スロットマシンなど)に適用することもできる。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。