以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図23を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(以下、遊技球やパチンコ球とも称す)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置1000、普通入球口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置1000、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の円弧部材70とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、第1入球口64、および第2入球口640へ入賞があったことを契機として特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64、および第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。なお、本パチンコ機10では、特別図柄の低確率状態では、例えば、320分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定され、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変状態とも称する)では、例えば、60分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定される。なお、説明の便宜上、第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選を「特別図柄1の抽選」と称し、第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選を「特別図柄2の抽選」と称する。
特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口1000aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される動作が最大15回(15ラウンド)繰り返される。その結果、その第1特定入賞口1000aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりa」、「大当たりb」、「大当たりc」の6種類が設けられている(図22参照)。詳細については後述するが、大当たり種別によって、第1特定入賞口1000aの開放パターンが異なって構成されており、第1可変入賞装置1000への球の入球個数を変化させるように構成される。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒~60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へと入球すると、その入球回数は入球口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数(特別図柄1の保留球数)、または第2入球口640についての保留球数(特別図柄2の保留球数)が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合は、特別図柄2の保留球に基づく抽選が優先的に実行される。
普通図柄(第2図柄)の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入球口640に付随する電動役物640aが開放され、第2入球口640へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入球口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
本実施形態では、大当たり終了後の付加価値として、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が100回終了して以降は通常状態に設定されるように構成される。
なお、本実施形態では、特別遊技状態の終了後に特別図柄の確変状態が付与される場合に、その特別図柄の確変状態が特別図柄の抽選の回数に応じて終了するように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、所定の大当たり種別(例えば、後述する大当たりA、大当たりB、大当たりa)の大当たり遊技の後に、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行するようにしても良い。この場合、他の大当たり種別(例えば、後述する大当たりC、大当たりb、大当たりc)の大当たり遊技の後に、特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態となるように構成される。
なお、上述した特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与される特別図柄の抽選回数は、100回に限られるものではない。例えば、50回でも良いし、200回でも良い。
また、上述した普通図柄の時短状態となる特別図柄の抽選回数は、100回に限られる物ではない。例えば、50回でも良いし、5回でも良い。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)は、普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。一方、「特別図柄の低確率状態」とは、特別図柄の確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、特別図柄の確変中よりも大当たり確率が低い状態をいう。
また、普通図柄の時短状態(時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。また、通常状態とは、特別図柄の確変中でも普通図柄の時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も普通図柄(第2図柄)の当たり確率もアップしていない状態)のことをいう。
特別図柄の確変中や、普通図柄の時短中では、普通図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常状態に比較して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比較して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。即ち、特別図柄の抽選が行われやすくなる。
なお、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放回数を、通常状態よりも増やすように構成してもよい。また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、普通図柄(第2図柄)の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間、および電動役物640aの開放回数のうち少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、電動役物640aの開放回数は変更せず、普通図柄(第2図柄)の当たり確率だけを、通常状態に比較してアップするように構成してもよい。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64、または第2入球口640への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へと入球した場合、その入球回数は入球口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりa、大当たりb、大当たりc)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通入球口(スルーゲート)67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
本実施形態では、第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図4参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりb」、「大当たりc」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、「大当たりA」、「大当たりa」であれば、奇数番号も加えたすべての番号「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」のうちいずれかの番号が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
次に、第3図柄表示装置81に表示される、遊技盤13の右側の経路(流路)を狙って球を打ち出すように促す表示(右打ちナビ)について説明する。
上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態となった場合に、電動役物640aが開放しやすくなるので、遊技盤13の右側へと球を打ち出す(右打ちする)ことにより、第2入球口640へと球を入球させやすくなる。また、詳細については後述するが、第2入球口640へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄2の抽選)により大当たりとなると、第1入球口64へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄1の抽選)により大当たりとなる場合に比較して、最大の利益を獲得できる大当たり(大当たりa)となりやすい。よって、大当たりの終了後に付与される特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態では、右打ちを実行することにより、遊技者にとって有利となる。換言すれば、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態に設定されたとしても、遊技者が右打ちしなければ第2入球口640へと球を入球させることができないため、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態の恩恵を遊技者が十分に受けることができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態においては、特定の画像(右打ちナビ)を表示させることにより、遊技者が特別図柄の確変状態や普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に得られるように構成している。
右打ちナビでは、第3図柄表示装置81に「右を狙え!!」との文字が表示されると共に、その文字の上下に右向きの矢印が3つずつ表示される。これらの文字、および矢印が表示されることにより、遊技者に対して球を遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと打ち出すべきであると感じさせることができる。よって、遊技者に対して、特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に獲得させることができる。
次に、本実施形態のパチンコ機10において第3図柄表示装置81に対して表示される警告画像の一例について説明する。この警告画像は、遊技者が遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと球を打ち出す(右打ちする)べき期間でないにもかかわらず、右打ちを実行していると判別された場合に第3図柄表示装置81に対して表示される画像(右打ち警告画像)である。より具体的には、通常状態(特別図柄の確変状態でも、普通図柄の時短状態でもない状態)において、遊技者が右打ちを行っていると判別した場合に表示される。
本実施形態のパチンコ機10では、通常状態において電動役物640aが開放されにくくなるように制御される(右打ちを行ったとしても第2入球口640へと球を入球させにくい)。このため、通常状態において右打ちを行うと、左打ちにより第1入球口64を狙って球を打ち出す場合に比較して、特別図柄の抽選を受ける機会が少なくなってしまう。即ち、通常状態において右打ちを行うと、大当たりとなりにくくなるので、遊技者にとって損となってしまう。よって、右打ち警告画像を表示させて左打ちを促すことにより、遊技者が損をしてしまうことを防止(抑制)できるように構成している。
通常状態において遊技者が右打ちを行っていると判別した場合には、第3図柄表示装置81に対して、「警告」との文字と、「左打ちで遊技してね!!」との文字とが表示される。これらの文字が表示されることにより、遊技者に対して右打ちをすべきではない(左打ちを行うべきである)と気付かせることができる。また、ホールの店員も右打ち警告画面の有無を確認することにより、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法を実行している遊技者がいるか否かを容易に判別することができる。
なお、右打ちを行っているか否かの判断方法としては、例えば、右打ちを行った場合に球が流入し得る普通入球口(スルーゲート)67(図2参照)に対して球が入球したか否かによって判断する。
本実施形態では、通常状態において普通入球口(スルーゲート)67(図2参照)に球が入球したことを検出した場合に、右打ち警告画像を表示させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、第1特定入賞口1000aへと球が入賞(入球)したことを検出した場合に、不正遊技が行われていると判別して、右打ち警告画像を表示させるように構成してもよい。これにより、ホールの店員は右打ち警告画像の有無を確認するだけで容易に不正の有無を判別することができる。また、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、第1特定入賞口1000aへと球が入球したことを検出した場合に、ホールコンピュータに対して不正が行われていることを示す信号を出力するように構成してもよい。これにより、ホールコンピュータの操作者は容易に不正が行われている可能性の有無、および不正行為が行われているパチンコ機10の台番号(位置)を判断することができる。
次に、第1可変入賞装置1000において異常が発生していることを検知した場合に表示される警告画像について説明する。ここで、第1可変入賞装置1000の異常とは、例えば、特別遊技状態(大当たり状態)でないにもかかわらず第1特定入賞口1000aへの入球を検出した場合などが例示される。
第1可変入賞装置1000において異常が発生していると判別した場合は、第3図柄表示装置81の中央部分に「警告」との文字が大きく表示される。また、その下部には、「ゲートエラー係員を呼んで下さい」との文字が表示される。これらの文字により、遊技者は、パチンコ機10においてエラーが発生していると判別することができるので、ホールの店員等に対して迅速に修理等を依頼することができる。
第2図柄表示装置83は、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間(変動時間)は、遊技状態が通常状態中よりも、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中の方が短くなるように設定される。これにより、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、普通図柄(第2図柄)の抽選を通常状態中よりも多く行うことができる。よって、普通図柄の当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。従って、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、当たり確率をアップさせたり、電動役物640aの開放時間や開放回数を増やしたりするなど、その他の方法によって第2入球口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、通常状態中よりも短く設定する場合は、普通図柄の当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、1回の普通図柄の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
普通入球口(スルーゲート)67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。普通入球口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の普通入球口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通入球口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通入球口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通入球口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。
一方、第1入球口64の正面視右方には、球が入賞し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入球口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、普通入球口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置83に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入球口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、通常状態中に比較して普通図柄の当たり確率が高く、また、普通図柄の変動表示にかかる時間も短いので、普通図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなる。よって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常状態中より長くなる。よって、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、通常状態に比較して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。一方、第1入球口64は、第2入球口640に設けられているような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
ここで、第1入球口64に球が入賞した場合と第2入球口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として最大の利益(出球)が得られる大当たり(大当たりA、大当たりa)となる確率は、第2入球口640へ球が入賞した場合のほうが第1入球口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。
通常中においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、普通入球口(スルーゲート)67に球を通過させることで、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入球口640に入賞しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、普通入球口(スルーゲート)67を通過させて電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入球口640への入賞によって大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入球口64の下方右側(第2入球口640の下方左側)には、第1可変入賞装置1000が配設されており、その略中央部分に左右方向に開口される第1特定入賞口(大開放口)1000aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64、または第2入球口640への入賞に起因して行われた特別図柄の抽選で大当たりになると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37を点灯させる。加えて、大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が報知される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口1000aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この第1特定入賞口1000aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その第1特定入賞口1000aが所定時間開放される。この第1特定入賞口1000aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量(本実施形態では、1個の球の入賞に基づき15個)の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置1000は、具体的には、上昇回転することにより球を第1特定入賞口1000aへ案内する開状態を形成する開閉板1300と、その開閉板1300を動作させるソレノイド1510とを備えている。第1特定入賞口1000aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際にはソレノイド1510を駆動して開閉板1300を上昇回転させ、球が第1特定入賞口1000aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態とを交互に繰り返すように作動する。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1入球口64の下方に第1アウト口66が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入球口63,64,1000a,640にも入賞しなかった球は、第1アウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、第1特定入賞口1000aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209(ソレノイド1510,2810,4852,6910等を含む)が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208(検出センサ1240、第2検出センサ2255等を含む)、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで図5から図23を参照して、第1可変入賞装置1000について説明する。図5は、遊技盤13の部分正面斜視図である。第1可変入賞装置1000は、その上面に備える傾斜面1237により、遊技者が右打ちを行うことで可変表時装置ユニット80の右方を流下する球の内、第2入球口640に入球せず、その下流へ流下した球のほぼ全てを流路形成部に案内する。
図6は、第1可変入賞装置1000の分解正面斜視図であり、図7は、第1可変入賞装置1000の分解背面斜視図である。第1可変入賞装置1000は、横長矩形の板形状から構成される本体部材1100と、その本体部材1100に正面側から締結固定される覆設前板1200と、それら本体部材1100と覆設前板1200との間に挟まれることで軸支される開閉板1300と、本体部材1100の背面側に回転可能に軸支され回転により開閉板1300に負荷を与える動力伝達部材1400と、その動力伝達部材1400を駆動する駆動装置1500と、開閉板1300と連動して球の排出を規制する規制部材1600と、本体部材1100に背面側から動力伝達部材1400、駆動装置1500及び規制部材1600を覆設するように締結固定される後カバー1700と、を主に備える。
本体部材1100は、遊技盤の正面側に配置される横長矩形の薄板から形成される薄板部材1110と、その薄板部材1110に正面から背面側へ向けて凹設され開閉板1300の軸部1320を収容し部分的に貫通形成される収容部1120と、その収容部1120の正面視右側において検出センサ1240が嵌挿される貫通孔である保持孔1130と、薄板部材1110の正面側において球が流下する経路に合わせて突設される突設部1140と、薄板部材1110の正面から背面側へ球を排出する排出口1150と、薄板部材1110の背面側へ突設され動力伝達部材1400を支持する回転支持部1160と、排出口1150の上部において規制部材1600の軸部1610を支持可能に爪状に突設される支持爪部1170を、を主に備える。
収容部1120は、開閉板1300の軸部1320が収容される左右一対の支持凹部1121と、その支持凹部1121の間を繋ぐ直線の下方において矩形状に凹設される矩形凹部1122と、その矩形凹部1122の右端に沿って動作する開閉板1300の被荷重部1330を薄板部材1110の前後に移動させるために一対の支持凹部1121を繋ぐ直線と垂直な姿勢の矩形形状に貫通形成される貫通孔1123と、を主に備える。
支持凹部1121は、開閉板1300の軸部1320よりも幅が若干大きく形成され、組立状態において、開閉板1300の軸部1320が収容され、覆設前板1200の背面に凹設開口が閉鎖される。即ち、支持凹部1121と覆設前板1200の背面とで開閉板1300が軸支される。
矩形凹部1122は、開閉板1300の板部1310よりも表面積が大きくされ、その凹設深さは板部1310よりも若干深くされる。これにより、開閉板1300が傾倒する姿勢(閉状態)において、板部1310を完全に矩形凹部1122に収容でき、薄板部材1110の正面側に開閉板1300が張り出すことを防止できる。
突設部1140は、覆設前板1200の貯留流路1231を流下する球に当接する位置まで突設される。流下する球は、突設部1140と当接することにより、減速される。なお、覆設前板1200の貯留流路1231にも、同様の突設部1235が、突設部1140と前後方向視で重ならない位置に配設される。
回転支持部1160は、動力伝達部材1400を回転可能に軸支する軸部1161と、その軸部1161と同軸の円形状または円弧形状に沿って薄板部材1110の背面側へ均等な突設高さのリブ状に形成される円形リブ1162と、を主に備える。
円形リブ1162は、動力伝達部材1400の回転先端部1421と、薄板部材1110の背面との間隔を一定距離以上に維持する。即ち、動力伝達部材1400の動作中において、回転先端部1421と当接する全角度範囲において、円形リブ1162が形成される。
覆設前板1200は、本体部材1100の薄板部材1110から正面側に所定距離離れて配設される薄板部材1210と、その薄板部材1210の正面視左端部から背面側に延設される側壁部1220と、その側壁部1220の左右方向反対側において薄板部材1210の背面側へ向けて背面側に開口した箱状に延設される収容部1230と、その収容部1230の上端部に配設される検出センサ1240と、を主に備える。
薄板部材1210と、側壁部1220の正面視右側壁部と、収容部1230の正面視左側壁部と、本体部材1100の薄板部材1110とにより、球が上下方向に流下する孔である流路形成部が構成される。
収容部1230は、正面視コ字状に形成され、内部を球が流下可能な幅で形成される貯留流路1231と、その貯留流路1231の中腹部分において背面側へ向けて突設される突設部1235(図12参照)と、正面視右側の上面として形成される傾斜面1237と、を主に備える。
貯留流路1231は、背面側に開口する断面コ字状の側壁部が正面コ字状に折れ曲がりながら延設される態様で構成され、その開口が本体部材1100に塞がれることにより球が通過する流路を形成する。なお、本実施形態では、貯留流路1231の形成される領域の正面側部分にあたる薄板部材1210が光透過性の材料から形成される。従って、遊技者は、貯留流路1231を流下する球を視認可能とされる。
貯留流路1231は、最下端において球を背面側へ向けて案内する傾斜面である案内面1231a(図12参照)と、その案内面1231aに案内された球を前後方向に転動させる転動面1231bと、を主に備える。
転動面1231bの水平面に対する傾斜角度は、貯留流路1231の転動面1231bに到達する手前側(図12右側)部分の水平面に対する傾斜角度に比較して大きくされる。
突設部1235は、本体部材1100の突設部1140と略同一の構造を備える。即ち、突設部1235は、貯留流路1231を流下する球に当接可能な位置まで突設され、球と当接することにより球を減速させる。
傾斜面1237は、正面視左方へ向かうほど下降傾斜する。これにより、傾斜面1237に着地した球を左方へ向けて転動させ、流路形成部へ案内することができる。
検出センサ1240は、第1特定入賞口1000aとしての貫通孔を備える。第1特定入賞口1000aを球が通過することにより、その通過を検出センサ1240が検出し、入賞個数のカウントが行われる。
開閉板1300は、姿勢の違いにより、球を検出センサ1240へ向けて転動させる場合と、球と当接せず下方へ落下させる場合とを切り替える部材であって、横長矩形状の板部1310と、その板部1310の短手方向端部から長手方向に沿って突設される一対の軸部1320と、正面視右側の軸部1320の根本において軸部1320と直角な平面に沿って延設される被荷重部1330と、を主に備える。
板部1310は、上昇姿勢(開状態)において球が転動する転動面1311を備え、短手方向の長さが、短手方向を前後方向に沿わせる上昇姿勢(開状態)において覆設前板1200との間隔が球の半径以下となる長さとされ、長手方向の右端部が、検出センサ1240と近接する態様とされる。
また、板部1310は、軸部1320の反対側の端部の、上昇姿勢(開状態)における上側の角部に断面円弧形状に面取りされる面取り部1312を備える。
板部1310は、左右方向に長尺に形成され、球を横並びで5個まで載置可能な長さとされる。
被荷重部1330は、転動面1311の正面側に延設される円弧形状の入球防止部1331と、転動面1311の背面側に延設される介在伝達部1332と、その介在伝達部1332から背面視右側(動力伝達部材1400が配設される側)に突設される係合部1333と、を主に備える。
係合部1333は、動力伝達部材1400の動作軌跡に干渉する位置まで延設され、上面部に円弧形状に面取りされる面取り部1333aを備える。動力伝達部材1400との当接時には、角部ではなく面取り部1333aが動力伝達部材1400と当接するので、係合部1333と動力伝達部材1400との当接時における応力の集中を避けることができる。
動力伝達部材1400は、円板形状の本体部1410と、その本体部1410から軸径方向に延設される延設部1420と、を主に備える。
本体部1410は、軸部1161が挿通される支持孔1411と、外周部付近から支持孔1411の穿設方向と平行に突設される突設ピン1412と、を主に備える。
突設ピン1412は、駆動装置1500の先端部材1520に係合する部分であり、駆動装置1500の励磁の切替により先端部材1520が直線動作することに伴い、突設ピン1412が変位し、動力伝達部材1400が回転動作する。
延設部1420は、延設先端部分に、支持孔1411の中心と同軸の円弧形状から形成される回転先端部1421と、その回転先端部1421から正面側に突設される押込部1422と、を備える。
駆動装置1500は、励磁の切替により可動部材を直線動作させるソレノイド1510と、そのソレノイド1510の可動部材の先端に配設される正面視H形状(上下にそれぞれ凹部を備える形状)の先端部材1520と、を主に備える。
先端部材1520は、その上側の凹部が、動力伝達部材1400の突設ピン1412を収容可能な形状で構成される。詳細には、動力伝達部材1400が回転動作する間中、突設ピン1412を内側に収容したままにする形状で凹部が形成される(図20参照)。
規制部材1600は、支持爪部1170に軸支される棒状の軸部1610と、その軸部1610の直径と同等の厚みで軸部1610の径方向に延設される延設部1620と、本体部材1100側の面が延設部1620と面位置で形成されると共に延設部1620よりも厚みの大きい球受け部1630と、を主に備える。
延設部1620は、開閉板1300の介在伝達部1332の移動軌跡上に配置され、開閉板が上昇姿勢(開状態)となった時に介在伝達部1332から押圧負荷を受ける。
球受け部1630は、傾倒する姿勢(軸部1610の反対側の端部が下側位置に配置される姿勢、貯留状態)において、排出口1150と重なる態様(排出口1150の開口を球が排出されない程度に狭められる態様)で形成される。
なお、規制部材1600は、ねじりバネ(図示せず)により、上昇姿勢(軸部1610の反対側の端部が上側位置に配置される姿勢、排出状態)を維持する方向に付勢される。
後カバー1700は、排出口1150から排出された球が通過する貫通孔である排出口1710を備える。排出口1710から排出された球は、図示しない球排出路へと案内される。
図8及び図9を参照して、開閉板1300の閉状態について説明する。図8は、第1可変入賞装置1000の正面図であり、図9は、図8のIX-IX線における第1可変入賞装置1000の断面図である。なお、図8及び図9では、開閉板1300が閉状態とされ、図8では、覆設前板1200の薄板部材1210が部分的に破られて図示される。
図8及び図9に示すように、開閉板1300が閉状態にされると、開閉板1300の板部1310が矩形凹部1122に収容されることにより、本体部材1100の薄板部材1110と、覆設前板1200の薄板部材1210との間の間隔を狭めることなく開閉板1300を本体部材1100の薄板部材1110に沿わせることができる。本体部材1100の薄板部材1110と、覆設前板1200の薄板部材1210とは、球が通過可能な間隔で並設されるので、図8及び図9に示す状態において、薄板部材1110,1210の間に球を案内することにより、流路形成部に沿って球を落下させることができる。
また、図9に示すように、開閉板1300が閉状態にされると、被荷重部1330の入球防止部1331が検出センサ1240の開口を部分的に覆う態様で本体部材1100の正面側に張り出す。そのため、球が検出センサ1240を通過することを物理的に防止することができ、イレギュラー入賞(例えば、開閉板1300に案内されずとも、釘などにぶつかった球が横方向に飛ばされ検出センサ1240を通過すること)を防止することができる。
なお、詳細は後述するが、開閉板1300の閉状態において、規制部材1600が排出状態となることから、貯留流路1231から球が排出される。そのため、図8では、貯留流路1231に球が貯留されていない状態を図示している。
図10及び図11を参照して、開閉板1300の開状態について説明する。図10は、第1可変入賞装置1000の正面図であり、図11は、図10のXI-XI線における第1可変入賞装置1000の断面図である。なお、図10及び図11では、開閉板1300が開状態とされ、図10では、覆設前板1200の薄板部材1210が部分的に破られて図示される。また、図11では、球の大きさを把握するために球の外形が想像線で図示される。
図10及び図11に示すように、開閉板1300が開状態にされると、開閉板1300の板部1310が正面側に張り出し、板部1310と薄板部材1210との間隔が球の直径未満とされることにより、本体部材1100の薄板部材1110と、覆設前板1200の薄板部材1210との間に案内された球が落下することが防止される。
本体部材1100の薄板部材1110と、覆設前板1200の薄板部材1210との間に案内された球は開閉板1300の転動面1311を傾斜に沿って転動し、その右端から検出センサ1240を通過して貯留流路1231へ入球する。
なお、開閉板1300の開状態において、板部1310と覆設前板1200との間には球の半径よりも短い隙間が空けられる。従って、板部1310が覆設前板1200と当接する程度にまで延設される場合に比較して、必要な材料を少なくでき、開閉板1300に必要な材料費用を削減することができる。
また、開閉板1300の短手方向の先端の移動軌跡を小径化することにより、開閉板1300の回転時に開閉板1300の正面を通過する球と開閉板1300とが干渉することを回避し易くすることができる。
ここで、詳細は後述するが、開閉板1300の開状態において、規制部材1600が貯留状態となることから、貯留流路1231から球は排出されず、検出センサ1240を通過した球が貯留流路に貯留される。そのため、図10では、貯留流路1231に球が貯留された状態を図示している。
図10に示すように、本実施形態の貯留流路1231は、所定個数(本実施形態では10個)を上限として球を貯留可能な長さで形成される。貯留流路1231に10個の球が貯留される場合、10個目の球は検出センサ1240に検出される位置で停止する。
そのため、10個目の球が栓となり、11個目の球が検出センサ1240を通過することが防止される。換言すれば、11個目の球が検出センサ1240を通過しようとする場合の抵抗が極端に大きくなり、11個目の球が検出センサ1240に入り難い状態にすることができる。
本実施形態では、10個目の球が検出センサ1240に検出されたことを契機に開閉板1300が閉状態に切り替えられることで開閉板1300上に残っていた球は開閉板1300の下方へ流下し、開閉板1300の動作に伴い規制部材1600が排出状態に切り替えられることで貯留流路1231に貯留された球が排出される。
ここで、図10に示すように、貯留流路1231から球が排出されていない状態において、10個目の球は検出センサ1240に検出されつつも、検出センサ1240を通過しきらない位置で停留する。
10個目の球が検出センサ1240に検出されると、開閉板1300が閉状態に切り替えられるが、その切り替えの途中で入球防止部1331からの負荷を受けながら10個目の球が貯留流路1231の内部へ押し込まれる(図21(b)参照)。即ち、開閉板1300が開状態の場合は10個目の球が検出センサ1240の開口を塞ぐ態様で停留し、開閉板1300が閉状態へ切り替わる途中においては、入球防止部1331が10個目の球と当接しながら(擦れながら)検出センサ1240の開口を塞ぐので、10個目の球が検出センサ1240を通過しきるタイミングと入球防止部1331が動作するタイミングとがずれることに起因して検出センサ1240の開口が開放される瞬間が生じることを防止でき、11球目の球が第1特定入賞口1000aを通過することを防止することができる。
従って、規定個数目の球が検出センサ1240に検出されてから開閉板1300を閉状態へ変化させるまでの期間に制限を設ける必要が無く、任意に設定することができる。例えば、検出から0.2msecで開閉動作を開始しても良いし、検出から1秒後に開閉動作を開始しても良い。なお、本実施形態では、10個目の球が9個目の球に当接するまで待ってから(球の中心が入球防止部1331の正面側を越えて検出センサ1240側に配置されてから)開閉板1300を動作させるために、検出センサ1240に検出されてから0.5秒後に開閉板1300が開閉動作するように制御される。
上述した開閉板1300の動作態様により、本実施形態では、開閉板1300が開状態を形成する間に、検出センサ1240を通過する球の個数を10個に制限することができる。なお、本実施形態では、球の入球の防止(遅延)を、11球目の球に対してのみ行うことができる。即ち、1球目から10球目の球においては、検出センサ1240を高速で通過することが可能である。これは、全球において球の通過を遅延させる場合に比較して、特別遊技状態の進行速度を増加させることにつながる。
例えば、検出センサ1240を通過した球を、その通過位置で一度減速させることにより、後続の球の入賞を遅延させる構造の場合、11個目の球の入賞を抑制し易い一方で、1球目から10球目の球のそれぞれが、部分的に連なって転動面1311上を転動する際にも球を減速させてしまうので、検出センサ1240を10球目の球が通過するまでの時間が長くなり、遊技が間延びするという問題点があった。
一方で、本実施形態では、1球目から10球目を減速させる構成は採用しておらず、11球目のみを検出センサ1240に入球させない構成なので、1球目から10球目は、例え球同士が連なって流下したとしても、その流下速度のまま検出センサ1240を通過させることができるので、遊技の高速化を図ることができる。
また、球詰まりなどの修理により開閉板1300が開状態となる期間の大部分が経過してしまい、その期間の終わりがけに遊技を開始した場合においても、検出センサ1240に入球する球を無意味に減速させることは無いので、より多くの球を入球させることができる。
また、11球目の球に関しては、どれほど高速で(開閉板1300が傾倒動作開始する前に検出センサ1240に到達し得る速度で)検出センサ1240に向かって流下したとしても、その速度に関わらず、11球目の球が検出センサ1240を通過することを10球目までの球により物理的に防止することができる。
図12を参照して、貯留流路1231に滞留する球の配置について説明する。図12は、図10のXII-XII線における第1可変入賞装置1000の断面図である。なお、図12では、貯留流路1231に貯留する球が図示される。
ここで、貯留流路1231に貯留される球が毎回同じ配置となるメカニズムについて説明する。まず、空の状態の貯留流路1231に始めに入球した球P1は、貯留流路1231の最下部において後方傾斜する案内面1231aに案内され、規制部材1600の正面に当接する位置に配置される。
球P1は、それに続いて入球した球P2が下端部に到達することにより重みがかけられ、図12に図示される配置に落ち着く。球P2は、球P1の正面視右方(図12右方)において、前後方向に配置の自由度を持つ。即ち、パチンコ機10を配置した際の前後方向の倒れ具合より、覆設前板1200側に寄る場合もあるし、本体部材1100の突設部1140に寄る場合もある。なお、図12に図示される通り、突設部1140の突設先端が球P2に当接する位置に突設部1140が配設されるので、球P1に当接した状態において球P2が本体部材1100の薄板部材1110に当接することは無い。
球P2は、それに続いて入球した球P3が球P2に当接する位置に到達することにより、重みがかけられる。ここで、本実施形態では、覆設前板1200に配置される突設部1235が、球P2が前後方向のいかなる位置にある場合であっても、その右方において球P2と突設部1235との間に球P3が入り込み覆設前板1200の薄板部材1210に当接することは不可能な位置(球P2との隙間を小さく維持する位置)に配設される。
そのため、球P2が前後方向のいかなる位置にあっても、球P3の中心位置は、球P2の中心位置の背面側に配置されることになり、球P3は球P2に背面側(図12上側)から当接することになる。従って、球P3の負荷により球P2が正面側(図12下側)へ寄せられる。これにより、球P2が図12に図示される配置に落ち着く。
以降、球P3は続いて入球する球P4から、球P2が球P3から負荷を受けた条件とほぼ(前後方向が逆転することを除いて)同様の条件により負荷を受けることで、球P3が図12に図示される配置に落ち着く。
即ち、貯留流路1231にn個目に入球した球の配置は、(n+1)個目に入球した球から前後方向へ向けた負荷を受けることにより一義的な位置に固定される。また、本実施形態では、球の配置の固定を貯留流路1231を狭めることによってではなく、貯留流路1231の断面積を球の直径よりも大きく維持しつつ、所定箇所に突設部1140,1235を配設することにより実現している。これにより、球詰まりの発生を防止しつつ、貯留された球の配置を一義的な位置に固定することができる。
上述したように、本実施形態では、突設部1140,1235を適切な位置に配置することにより、貯留流路1231に球を貯留する行為が起きる度に、固定された配置で球を貯留することができる。そのため、毎回の貯留個数を統一することができる。
図13を参照して、貯留流路1231からの球の排出について説明する。図13(a)及び図13(b)は、図10のXII-XII線における第1可変入賞装置1000の断面図である。なお、図13(a)では、球P1が排出され球P2が転動面1231bに乗った状態が、図13(b)では、球P2が排出され、球P3が図12における球P2の位置に配置された状態が図示される。
後述するように、ソレノイド1510の励磁が解除され、開閉板1300が閉状態とされることに伴い、規制部材1600が排出状態となり貯留流路1231から球が排出される。球の排出時には。最下端に配置された球(図12における球P1)が転動面1231bの傾斜に沿って背面側へ排出され、それによりできた空間に、続く球(図12における球P2)が流れ込む態様で球が順に排出される。
ここで、転動面1231bの水平面に対する傾斜角度の方が、貯留流路1231の延設部分(左右方向へ延びる流路)の水平面に対する傾斜角度に比較して大きいので、球P1の流下速度の方が球P2の流下速度よりも大きくなることから、球P1と球P2との間に隙間が生じる(図13(a)参照)。従って、球P1の排出時に球P2から球P1へ与えられる負荷を最小限に抑えることができるので、球P1の後続に貯留される球の個数に寄らず、球P1の排出時の速度を均一化することができる。
球P1が排出された後、後続の球P2,P3,P4は、貯留流路1231の延設部分の傾斜に沿って下流側(図12左側)へ流下する。ここで球P2はスムーズに案内面1231aまで到達し転動面1231bに乗る一方、球P3,P4は、流下の過程において突設部1140,1235に当接する(図13(a)参照)。この当接により、球P3,P4は、前後方向成分を持つ方向DP3,DP4に向け変えられ、それぞれ先導される球P2,P3の位置を経由すると共に、減速する。
換言すれば、球P3,P4は、突設部1140,1235に当接することにより、貯留流路1231の延設方向と直交する方向に配置替えされると共に、先に貯留された球が停留していた位置に配置替えされ、減速する。
これにより、球P2と球P3との間に隙間が生じることになり(図13(b)参照)、球P2の排出時に球P3から球P2へ与えられる負荷を最小限に抑えることができるので、球P2の後続に貯留される球の個数に寄らず、球P2の排出時の速度を均一化することができる。
即ち、後続の球ほど貯留流路1231を長い距離流下するので、貯留球数が多くなるほど後続の球の重力による加速の仕方に変化が生じ、それに伴い球P2の排出態様(排出時の速度、球P1との間の排出間隔など)が変化する恐れがあるが、その排出態様の変化を、上述した突設部1140,1235の作用(転動面1231bに乗り排出される球と、その後続の球との間に隙間を空け、重力による負荷を解消する作用)により抑制することができる。
以降は、後続の球が繰り返し図13(a)に示す配置から図13(b)に示す配置への流下を繰り返すことで、貯留流路1231からの球の排出が行われる。上述したように、転動面1231bを転動して排出される球と、その後続の球との間に隙間を生じさせることにより、排出される球が後続の球の重みを受けずに排出されるので、貯留流路1231に貯留される球の個数に寄らず、球の排出態様(排出時の速度、排出間隔など)を均一化することができる。
換言すれば、本実施形態では、突設部1140,1235により、球の排出態様(排出時の速度、排出間隔など)を均一化することができる。なお、球の排出態様は、本実施形態では、球が1個排出されるのに約0.2秒間を要する態様とされる。従って、規制部材1600を2秒間以上、排出状態で維持することにより、貯留流路1231に貯留可能な最大個数(10個)の球を全て排出することができる。
図14は、第1可変入賞装置1000の背面斜視図であり、図15は、第1可変入賞装置1000の背面図であり、図16は、図15のXVI-XVI線における第1可変入賞装置1000の断面図である。なお、図14から図16では、開閉板1300の閉状態が図示されると共に、後カバー1700の図示が省略される。
図14及び図15に示すように、開閉板1300が閉状態のとき、ソレノイド1510は非励磁の状態であり、動力伝達部材1400の回転先端部1421が開閉板1300の係合部1333の上方に離間して配置される。
開閉板1300の介在伝達部1332が上側に配置され規制部材1600と離間されるので、規制部材1600が介在伝達部1332から負荷を受けることは無く、規制部材1600がねじりバネ(図示せず)の付勢力により排出状態で維持される。
また、図16に示すように、開閉板1300の閉状態において、入球防止部1331が、検出センサ1240の開口の大きさを球の投影面積以下とする態様で張り出す。これにより、球が検出センサ1240を通過することを物理的に防止することができる。
図17は、第1可変入賞装置1000の背面斜視図であり、図18は、第1可変入賞装置1000の背面図であり、図19は、図18のXIX-XIX線における第1可変入賞装置1000の断面図である。なお、図17から図19では、開閉板1300の開状態が図示されると共に、後カバー1700の図示が省略される。
図17及び図18に示すように、開閉板1300が開状態のとき、ソレノイド1510は励磁された状態であり、動力伝達部材1400の回転先端部1421が反時計回りに変位し、開閉板1300の係合部1333が押込部1422に押し込まれる。
開閉板1300の介在伝達部1332は動力伝達部材1400の回転に伴って下側に配置され、この状態において規制部材1600の延設部1620が介在伝達部1332から負荷を受け、規制部材1600の姿勢が傾倒する姿勢に切り替えられる(規制部材1600が貯留状態に切り替えられる)。
開閉板1300の開状態において、規制部材1600には、ソレノイド1510の駆動力に伴う負荷と、ねじりバネ(図示せず)の付勢力とが与えられるが、本実施形態では、ねじりバネの付勢力を大きく維持しながら、開閉板1300を開状態で維持する際のソレノイド1510の駆動力を抑制可能な構造を採用している。ねじりバネの付勢力が大きいことは、規制部材1600を排出状態に即座に切り替え可能にし、それにより貯留流路1231からの球の排出を迅速に行うことが可能となるという効果につながる。以下、採用した構造について説明する。
本実施形態では、開閉板1300の係合部1333は、開閉板1300が閉状態から動作開始する際には動力伝達部材1400の動作軌跡E1上に配置される一方で、開閉板1300が開状態に切り替わると、動力伝達部材1400の回転軸方向に沿って動作軌跡E1の外方へ押しやられる。なお、動作軌跡E1は、押込部1422(図6参照)を含む部分の移動軌跡の外形として図示される。
従って、開閉板1300が開状態に切り替えられた後で開閉板1300から動力伝達部材1400に伝達される負荷は、動力伝達部材1400の動作方向(回転方向)では無く、その回転方向を形成する面と垂直方向である軸方向にかけられる。そのため、開閉板1300にかけられる軸部1320回りの負荷が動力伝達部材1400を介してソレノイド1510に伝達されることを防止することができる。
即ち、規制部材1600を付勢するねじりバネ(図示せず)の付勢力は、開閉板1300を閉状態へ向けて押し戻す方向に向くが、付勢力がどれだけ大きくても、この付勢力が動力伝達部材1400を介してソレノイド1510にかけられることは無い。
これにより、開閉板1300を一度開状態に切り替えてしまえば、開閉板1300を開状態で維持するためのソレノイド1510の駆動力が開閉板1300にかけられる負荷により変動することを防止することができる。従って、ソレノイド1510に印加する電圧を開閉板1300に最大値でかけ続けることを不要とできる。
即ち、動作開始時にねじりバネ(図示せず)の付勢力に抗して規制部材1600を貯留状態に切り替えられる程度の駆動力が生じるようにソレノイド1510を励磁した後は、印加電圧を低下させたとしても、開閉板1300を開状態で維持することができる。
従って、開閉板1300及び規制部材1600に変動する負荷がかけられたとしても、その負荷に影響されず、開閉板1300を開状態に維持すると共に規制部材1600を貯留状態に維持することができる。
なお、開閉板1300及び規制部材1600にかけられる変動する負荷としては、球の重みにより与えられる負荷が例示される。即ち、例えば、開閉板1300は、転動面1311に球が着地する構成であるので、球が着地した際に球の重みによる負荷を受けるし、その球の数はたびたび変化するので、開閉板1300には変動する負荷が与えられる。また、例えば、規制部材1600には、貯留流路1231に貯留される球、特に貯留流路1231の最下端部に配置された球から負荷が与えられるので、その球がある場合と、無い場合とで、変動する負荷が与えられる。
なお、図14から図19で上述したように、開閉板1300と規制部材1600とは連動するので、開閉板1300の開状態を維持したまま、規制部材1600を排出状態とすることはできない。そのため、開閉板1300を不正に開状態で維持したままとしても、貯留流路1231に貯まり得る以上の球(本実施形態では10球以上の球)が検出センサ1240を通過することを物理的に防止できる。これにより、開閉板1300を開状態で不正に維持し、獲得する賞球を多くする不正を防止することができる。
図20及び図21は、開閉板1300及び規制部材1600の動作が時系列に沿って図示される。図20(a)は、第1可変入賞装置1000の背面図であり、図20(b)は、図20(a)のXXb-XXb線における第1可変入賞装置1000の断面図であり、図20(c)は、第1可変入賞装置1000の背面図であり、図21(a)は、第1可変入賞装置1000の背面図であり、図21(b)は、図21(a)のXXIb-XXIb線における第1可変入賞装置1000の断面図であり、図21(c)は、第1可変入賞装置1000の背面図であり、図21(d)は、図21(c)のXXId-XXId線における第1可変入賞装置1000の断面図である。
なお、図20及び図21では、理解を容易とするために、開閉板1300、動力伝達部材1400、駆動装置1500の先端部材1520及び規制部材1600のみが組立状態(図5参照)の配置を維持して図示され、その他の構成の図示が省略されると共に、開閉板1300が開状態から閉状態へ向けて状態変化する様子が時系列で図示される。
即ち、図20(a)及び図20(b)では、駆動装置1500の先端部材1520が基準線O1から第1距離h1だけ離間する位置に配置された状態(ソレノイド1510が非励磁の状態)が、図20(c)では、先端部材1520が変位し基準線O1から第1距離h1よりも短い第2距離h2だけ離間する位置に配置された状態が、図21(a)及び図21(b)では、先端部材1520が変位し基準線O1から第2距離h2よりも短い第3距離h3だけ離間する位置に配置された状態が、図21(c)及び図21(d)では、先端部材1520が変位し基準線O1から第3距離h3よりも短い第4距離h4だけ離間する位置(ソレノイド1510が励磁された場合の最終到達位置)に配置された状態が、それぞれ図示される。
なお、図21(b)では手前側に配置される第1特定入賞口1000aが参考として想像線で図示されると共に、図示に用いた断面と同一断面における球の断面形状の外形が想像線で図示される。即ち、図10に示す状態において、開閉板1300は球に干渉することなく図21(b)に示す状態まで回転動作することができる。
図20(a)に示す状態から図20(c)に示す状態まででは、動力伝達部材1400は回転動作するものの、開閉板1300はそのままの姿勢を維持する。なお、図20(c)において、動力伝達部材1400の回転先端部1421と開閉板1300の係合部1333とが当接する。
これにより、開閉板1300を閉状態から開状態へ動作させる前に、動力伝達部材1400に勢いを付けることができるので、動力伝達部材1400の回転開始と同時に開閉板1300を回転開始させる場合に比較して、回転開始時(初動時)に必要となる駆動力を低減できると共に、開閉板1300の動作速度を上昇させることができる。
図20(c)に示す状態から、図21(a)に示す状態まででは、規制部材1600は排出状態を維持する一方で、開閉板1300は閉状態から動作し、閉状態と開状態との間の中間状態とされる(図21(b)参照)。
図21(b)に示す開閉板1300の中間状態において、板部1310が正面側に張り出されることにより、球が開閉板1300の正面側(図21(b)右側)に流下した場合には、板部1310の転動面1311で球を受け止めることができる。この場合、球の重みは転動面1311を押し下げる方向(図21(b)時計回り)に作用するが、先端部材1520が背面視右向き(図21(a)右向き)に移動することにより動力伝達部材1400を介して係合部1333に反対方向(図21(b)反時計回り)の負荷が与えられるので、球の重みで開閉板1300が回転することを防止することができる。
従って、図21(b)に示す開閉板1300の中間状態では、排出口1150からの球の排出を可能としながら、開閉板1300の正面側を球が下方へ通過することを抑制することができる。
これにより、貯留流路1231からの球の排出にかかる時間中は規制部材1600を排出状態に維持するという課題と、それと相反する開閉板1300の閉状態を短縮する(インターバルを短縮する)という課題とを、図21(a)に示す状態において、球の排出は持続させながら、板部1310を途中位置まで張り出させ転動面1311と覆設前板1200との間で球を挟むことにより、共に達成することができる。
同時に、図21(b)に示す状態において、開閉板1300は球の下方への通過を防止しつつ、検出センサ1240への入球は防止する姿勢とされる。即ち、図21(b)に示す状態では、転動面1311が、検出センサ1240の開口の底面よりも下方に離間した位置とされるので、図21(b)に示す状態において転動面1311に乗った球が、そのまま検出センサ1240を通過することを防止することができる。これにより、規制部材1600が排出状態である場合に検出センサ1240を球が通過することを防止でき、第1可変入賞装置1000により球の入賞個数を制限するという機能を有効に維持することができる。
なお、図21(d)に示すように、開閉板1300が開状態に切り替わると同時に、規制部材1600が貯留状態に切り替えられる。また、図20及び図21で図示するように、駆動装置1500の先端部材1520の動作により、開閉板1300と規制部材1600とが連動する。即ち、駆動装置1500のソレノイド1510(図6参照)の駆動力を、開閉板1300と規制部材1600との駆動力に兼用することができる。
図20及び図21では、開閉板1300が閉状態から開状態へ切り替えられる場合を説明したが、開閉板1300が開状態から閉状態へ切り替えられる場合は、図20及び図21を遡ることにより把握することができる。
開状態から閉状態へ切り替えられる場合、始めに、図21(d)に示す状態から、図21(b)に示す状態に変化する。ここで、規制部材1600の動作方向には、開閉板1300の被荷重部1330が配置されるので、被荷重部1330の移動量以上に規制部材1600が移動することは無い。
即ち、開閉板1300が動作してから規制部材1600が排出状態に切り替えられるので、規制部材1600が排出状態に切り替えられた後で、開閉板1300が開状態を維持することを不可能とすることができる。これにより、例えば、球が排出され始めてから、その若干後のタイミングで球が検出センサ1240を通過するというイレギュラーな入賞が生じることを防止することができる。
また、図21(b)に示す状態において、依然として検出センサ1240の開口が開放され、転動面1311に球が当接し跳ねさえすれば、検出センサ1240に球が入球し得るように思えるが、本実施形態では、それを不可能とすることができる。
即ち、図21(b)に示す状態を、開閉板1300を開状態から閉状態とする途中の状態として見る場合、動力伝達部材1400の回転先端部1421は上昇動作するので、転動面1311に球が当接する際に、その球の重さ方向の反対方向に働く開閉板1300を支える負荷が発生しない。従って、球が転動面1311に当接すると、球の重みで板部1310が下降動作するので、球を検出センサ1240まで跳ねさせることができない。これにより、イレギュラーな入賞が生じることを防止することができる。
図22を参照して、ROM202(図4参照)の内容について説明する。図22(a)は、主制御装置110内のROM202の電気的構成を示すブロック図であり、図22(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、図22(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
図22(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202aは、定期的(例えば、2msecごと)に更新される第1当たり乱数カウンタの大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタの値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図22(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入球口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~19」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている(図22(b)の202b1参照)。
大当たりAとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置1000の第1の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約2250個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20~49」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている(図22(b)の202b2参照)。
大当たりBとなった場合は、8ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置1000の第1の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約1200個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている(図22(b)の202b3参照)。
大当たりCとなった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置1000の第1の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約600個の賞球の払い出しを受けることができる。
上述したように、特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、いずれの場合であっても、第1可変入賞装置1000は第1の作動パターンで動作する。従って、遊技者が獲得できる賞球の払い出し個数の差はラウンド数による差として表れ、ラウンド数が多くなるほど、払い出しの賞球個数が多くなると共に、大当たり遊技にかかる時間も多くなる。
特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)に基づく大当たりでは、20%の確率で15ラウンドの大当たりを獲得できる一方、50%の確率で4ラウンドの大当たりとなるので、基本的には、大量の賞球を期待することはできない。一方で、4ラウンドの大当たり遊技は、15ラウンドの大当たり遊技に比較して短時間で終了するので、その後の大当たりの獲得を狙うための球の打ち出しを、早期に開始することができる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~79」の範囲には、大当たりaが対応付けられて規定されている(図22(b)の202b4参照)。
大当たりaとなった場合は、大当たりAの時と同様に、15ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置1000の第1の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約2250個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「80~89」の範囲には、大当たりbが対応付けられて規定されている(図22(b)の202b5参照)。
大当たりbとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置1000の第2の作動パターン(詳細は後述する)で実行される。この場合、遊技者に払い出される賞球は、必然的に2250個未満(本実施形態では1200個)とされ、更に、大当たり遊技にかかる時間が大当たりaの場合を越える。
第1当たり種別カウンタC2の値が「90~99」の範囲には、大当たりcが対応付けられて規定されている(図22(b)の202b6参照)。
大当たりcとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置1000の第3の作動パターン(詳細は後述する)で実行される。この場合、遊技者に払い出される賞球は、必然的に2250個未満(本実施形態では1875個)とされ、更に、大当たり遊技にかかる時間が大当たりaの場合を越え、ラウンドごとに払い出される賞球や大当たり遊技にかかる時間が変動する。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、大当たり種別に応じて、第1可変入賞装置1000の作動パターンが変化する。この作動パターンの違いにより、大当たりラウンド数を不変とする一方で、払い出し個数に差を設けつつ、大当たり遊技に要する時間を変化させることができる。本実施形態では、払い出し個数が少ない場合(大当たりb及び大当たりc)の方が、払い出し個数の多い場合(大当たりa)に比較して、大当たり遊技に要する時間を長期化させることができる。即ち、払い出し個数が少ない大当たり(大当たりb及び大当たりc)を獲得した場合、次の大当たりを狙って球を打ち出すタイミングが、大当たりaの場合に比較して遅らされることになる。
従って、賞球個数に差を設けることに加え、大当たり遊技に要する時間を強制的に長期化することにより、大当たり種別の違いによって大当たり遊技により遊技者が得られる単位時間あたりの利益(時間効率を含めた払い出し個数)に差を設けることができる。
これにより、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)での大当たりの内訳に、時間効率よく多量の払い出しを受けられる大当たり(大当たりa)と、時間効率悪く払い出しも少ない大当たり(大当たりb、大当たりc)とを設ける事ができ、大当たりaを獲得した場合に得られる遊技者の利益を増大させることができる。これにより、大当たりaを獲得する確率を大きく維持しながら、所定時間継続して遊技をする場合の払い出し個数の差(獲得出球の総数の最大値と、獲得出球の総数の最小値との差)を大きくすることができる遊技機を構成することができる。
上述した通り、特別図柄の確変中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間が長くなる(1秒×2回)ように設定される。よって、第2入球口640へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。従って、一旦特別図柄の確変状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりa(最大出球の大当たり)となりやすい特別図柄の確変状態が繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第2当たり乱数テーブル202c(図22(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5~28」が規定されている(図22(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5~204」が規定されている(図22(c)の202c2参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入球口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。変動パターン選択テーブル202dは、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタの判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。
次いで、図23を参照して、本実施形態における第1特定入賞口1000aの開放パターンについて説明する。図23(a)は、第1の作動パターンにおける第1特定入賞口1000aの計時変化を示した図であり、図23(b)は、第2の作動パターンにおける第1特定入賞口1000aの計時変化を示した図であり、図23(c)は、第3の作動パターンにおける第1特定入賞口1000aの計時変化を示した図である。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、決定した種類の大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる開閉板1300の作動制御について説明する。
<第1の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりA、大当たりB、大当たりC又は大当たりaの大当たり遊技の場合には、前記第1の作動パターンに基づいて開閉板1300が動作するようMPU201がソレノイド1510を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施絵形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
ラウンド間第1インターバル時間Int1は、貯留流路1231に貯留可能な個数の球を全球排出可能な時間として設定される。即ち、上述したように、本実施形態では貯留流路1231に最大で10個の球が貯留され、その貯留個数によらず1個あたり約0.2秒の間隔で球を排出するように構成される。従って、10個の球を排出するには、調度2秒間必要となる。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第1の作動パターンでは、ラウンド間第1インターバル時間Int1の球の排出により、各ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時における貯留流路1231の内部に球が残留しない状態を形成することができる。従って、2ラウンド目以降も、規定個数(本実施形態においては、10個)のパチンコ球を第1特定入賞口1000aに通過させることができるので、各ラウンドの第1の作動時間T1の最大長さ(30秒)を待つことなくラウンド遊技Rを終了させることができる。従って、ラウンド遊技Rを迅速に進行させることができる。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目~最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、開閉板1300が閉状態および開状態の間で変位し、第1特定入賞口1000aを開閉するようソレノイド1510が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
<第2の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりbの大当たり遊技の場合には、前記第2の作動パターンに基づいて開閉板1300が動作するようMPU201がソレノイド1510を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施絵形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第2インターバル時間Int2(1.0秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、ラウンド間第2インターバル時間Int2の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
ラウンド間第2インターバル時間Int2は、貯留流路1231に貯留可能な個数の球を少なくとも一部排出可能な時間として設定される。即ち、上述したように、本実施形態では貯留流路1231に最大で10個の球が貯留され、その貯留個数によらず1個あたり約0.2秒の間隔で球を排出するように構成される。従って、1秒間で排出可能な球の個数は5球であるので、例えば、貯留流路1231に球が10個貯留されていた場合、ラウンド間第2インターバル時間Int2で球の排出を行っても、貯留流路1231には依然として5個の球が残留することになる。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第2の作動パターンでは、ラウンド間第2インターバル時間Int2の球の排出により、各ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時における貯留流路1231の内部に球が残留する状態を形成することができる。従って、2ラウンド目以降では、規定個数(本実施形態においては、10個)のパチンコ球を第1特定入賞口1000aに通過させることができない状態が生じ得る。この場合、各ラウンドの第1の作動時間T1の最大長さ(30秒)が経過して初めてラウンド遊技Rが終了する。従って、ラウンド遊技Rの進行が第1の作動パターンに比較して遅延することとなる。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第2インターバル時間Int2を挟んで3ラウンド目~15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、開閉板1300が閉状態および開状態の間で変位し、第1特定入賞口1000aを開閉するようソレノイド1510が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
ここで、15ラウンドの大当たり遊技における、第1の作動パターンと第2の作動パターンとの経過時間および払い出し個数の比較を行う。なお、球は最短0.6秒間隔で発射可能とされる。
まず、第1の作動パターンで大当たり遊技を行う場合、第1特定入賞口1000aを球が10個通過するのに要する時間は最短で6秒間である。これを15ラウンド継続するのに要する時間と、オープニング時間OPと、ラウンド間第1インターバル時間Int1と、エンディング時間RDとを加算すると、大当たり遊技の開始から終了までで経過する時間は、141秒(=OP(10s)+(T1(6s)+Int1(2s))×15R+ED(11s))である。また、払い出し個数は、2250個(=15×10C×15R)となる。
一方、第2の作動パターンで大当たり遊技を行う場合、1ラウンド目は第1特定入賞口1000aに10個の球を入賞させられるものの、2ラウンド目以降は5個ずつしか入賞させられなくなる。大当たり遊技の開始から終了までで経過する時間は、463秒(=OP(10s)+(T1(6s)+Int2(1s))+(T1(30s)+Int2(1s))×13R+T1(30s)+Int1(2s)+ED(11s))である。また、払い出し個数は、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおいて5球までしか入賞させることができないことから、1200個(=(10C×1R+5C×14R)×15個)となる。
従って、第2の作動パターンで大当たり遊技を行う場合、第1の作動パターンで大当たり遊技を行う場合の3倍以上の時間を要する一方で、払い出し出球は約半分となり、出球獲得の時間効率が飛躍的に悪くなる。
これにより、第1の作動パターンで大当たり遊技を行う場合の遊技者の興趣を向上させることができる。即ち、大当たりA、大当たりaの希少価値を高め、各大当たり毎に報知される大当たり種別に対する注目力を向上させることができ、大当たり遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、ラウンド間第2インターバル時間Int2を1.0秒で設定したが、これに限定されるものではなく、様々な数値に設定でき、また、各ラウンド目で変化させることが可能である。
例えば、1ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後のラウンド間第2インターバル時間Int2は0.5秒とし、2ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後のラウンド間第2インターバル時間Int2は1.5秒とすることも可能である。
ラウンド間第2インターバル時間Int2が0.5秒とされた直後のラウンド遊技Rでは、貯留流路1231から球が2個しか排出されていないため、例えば、先のラウンドで貯留流路1231に球が10個貯留されていた場合、8個の球が残留する状態でラウンド遊技Rが開始される。従って、そのラウンド目のラウンド遊技Rにおいては、第1特定入賞口1000aに球を2個しか入賞させることができないので、払い出し個数も少数(30個)となる。
ラウンド間第2インターバル時間Int2が1.5秒とされた直後のラウンド遊技Rでは、貯留流路1231から球が7個排出されるため、例えば、先のラウンドで貯留流路1231に球が10個貯留されていた場合、3個の球が残留する状態でラウンド遊技Rが開始される。従って、そのラウンド目のラウンド遊技Rにおいては、第1特定入賞口1000aに球を7個入賞させることができ、ある程度の個数(105個)の払い出しを望むことができる。
また、ラウンド間第2インターバル時間Int2の長さを2.0秒(以上の時間)とすることも可能である。この場合、直後のラウンド遊技Rの開始時に貯留流路1231に球が残留しておらず、第1特定入賞口1000aに球を10個入賞させることが可能なので、多数個(150個)の賞球と、ラウンド遊技Rの進行時間の短縮を望むことができる。
<第3の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりcの大当たり遊技の場合には、前記第3の作動パターンに基づいて開閉板1300が動作するようMPU201がソレノイド1510を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施絵形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
ラウンド間第1インターバル時間Int1の球の排出により、2ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時における貯留流路1231の内部に球が残留しない状態が形成されるので、2ラウンド目以降も、規定個数(本実施形態においては、10個)のパチンコ球を第1特定入賞口1000aに通過させることができ、その分の球の払い出しを受けることができると共に、各ラウンドの第1の作動時間T1の最大長さ(30秒)を待つことなくラウンド遊技Rを終了させることができる。従って、ラウンド遊技Rを迅速に進行させながら、第1の作動パターンと同様に賞球の払い出しを受けることができる。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目~10ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、開閉板1300が閉状態および開状態の間で変位し、第1特定入賞口1000aを開閉するようソレノイド1510が駆動制御される。
10ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第2インターバル時間Int2(1.0秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、ラウンド間第2インターバル時間Int2の経過後に、11ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
11ラウンド目では、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
そして、11ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、11ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第2インターバル時間Int2を挟んで12ラウンド目~15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、開閉板1300が閉状態および開状態の間で変位し、第1特定入賞口1000aを開閉するようソレノイド1510が駆動制御される。
ラウンド間第2インターバル時間Int2の球の排出により、11ラウンド目以降のラウンド遊技Rの開始時における貯留流路1231の内部に球が残留する状態を形成することができる。従って、11ラウンド目以降では、規定個数(本実施形態においては、10個)のパチンコ球を第1特定入賞口1000aに通過させることができない状態が生じ得る。この場合、各ラウンドの第1の作動時間T1の最大長さ(30秒)が経過して初めてラウンド遊技Rが終了する。従って、ラウンド遊技Rの進行が第1の作動パターンに比較して遅延することとなる。
また、各ラウンド遊技において払い出される賞球の個数も、10ラウンド目までに比較して少なくなる。従って、払い出しの総数が、第1の作動パターンの大当たりに比較して少なくなる(1875個=(10C×10R+5C×5R)×15個)と共に、大当たり遊技における払い出しの程度(個数または速度等)を、何ラウンド目のラウンド遊技を行っているかにより(タイミングにより)変化させることができる。
なお、第3の作動パターンでは、始めの方のラウンドでは払い出し個数が多く、終盤に向かうにつれて払い出し個数が少なくなる場合を説明したが、これに限られるものでは無い。例えば、始めは払い出し個数が少ないが、終盤に向かうにつれて払い出し個数が多くなる態様でも良いし、中盤のラウンドで払い出し個数のピークがある態様でも良い。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
本作動パターンによれば、大当たり遊技における払い出しの程度(個数または速度等)を、何ラウンド目のラウンド遊技Rを行うかにより変化させることにより、大当たり遊技に緩急を与え、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、第3の作動パターンで大当たり遊技を行う場合、10ラウンド目のラウンド遊技Rまでは、第1の作動パターンと変化が無いことから、遊技者は、第1の作動パターンで期待される払い出し個数を得られる期待感を持ったまま大当たり遊技を行うことができる。
また、本実施形態において1秒間で設定したラウンド間第2インターバル時間Int2は、大当たり種別ごとに、各ラウンドに対応させて任意の数値を設定可能である。例えば、ある大当たり種別では、第3の作動パターンのラウンド間第2インターバル時間Int2を全て1.5秒とするように設定し、他のある大当たり種別では、第3の作動パターンのラウンド間第2インターバル時間Int2を、奇数ラウンドでは0.5秒とし、偶数ラウンドでは1.0秒とするように設定する、等の設定を予め行うことができる。
即ち、大当たり種別をより細分化することにより、ラウンド間第2インターバル時間Int2の異なる様々な大当たり遊技を形成することが可能である。従って、11ラウンド目以降において、最終的に払い出される球の個数を、大当たり遊技が終了するまで予想不可能とすることができ、大当たり遊技に対する注目力を向上させることができる。
また、払い出しの程度の変化と、第3図柄表示装置81(図2参照)の液晶画面で表示する演出とを対応させるようにしても良い。例えば、第3の作動パターンで大当たり遊技を行う場合に、液晶画面には、ランニングするキャラクターの姿が表示され、そのキャラクターのスタミナが残っている始めの内(始めの方のラウンド)は、表示されるキャラクターは調子よくランニングを行い、それと連動して多くの賞球が払い出される。一方で、キャラクターのスタミナが無くなってくると(終盤のラウンドでは)、表示されるキャラクターは走ることが困難になり、歩き出してしまい、それと連動して賞球の払い出しも少なくなる。
このように、賞球の払い出しの程度と、液晶画面で表示する演出とを対応させることにより、遊技者が液晶演出に感情移入し易くすることができ、大当たり遊技に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、上述した第2の作動パターン又は第3の作動パターンで大当たり遊技を行うことにより、各ラウンドを第1の作動時間T1の最大値を基準に進行させることができるので、大当たり遊技を所定の演出時間以上の時間をかけて進行することができる。換言すれば、例えば、第1特定入賞口1000aへの球の入賞が想定外に高速で行われることにより、大当たり遊技の際に第3図柄表示装置81(図2参照)の液晶画面に表示され所定の演出時間をかけてループ再生される動画の1回目の再生の途中で大当たり遊技が終了する事態が生じることを防止することができる。これにより、大当たり中の演出を視聴しきる前に大当たり遊技が終了することを防止することができる。
なお、第2の作動パターン又は第3の作動パターンで大当たり遊技を行う際に、液晶画面に表示される演出は、限定されるものでは無い。例えば、キャラクターからの応援メッセージ(「次もがんばって」等)が表示される態様において、大当たり遊技の時間が長くなるほど、より出現率の低いキャラクターからの応援メッセージが表示され易くなるように設定することにより、第2の作動パターン又は第3の作動パターンでの大当たり遊技を、遊技者にストレスを与えること無く(むしろ喜んで)進行させることができる。
一方で、遊技者によりストレスを与える態様の表示としても良い。例えば、大当たり遊技中にランニングするキャラクターが表示されると共に、ラウンド間インターバルにおいてそのキャラクターが休憩エリアで休憩する表示がされる場合で説明する。第1の作動パターンでは球を規定個数入賞させるごとにラウンド間インターバルとなるのでキャラクターは疲れを蓄積させることなく完走することができる。一方で、第2の作動パターン又は第3の作動パターンの11ラウンド目以降では、規定個数の入賞が叶わず第1の作動時間T1の最大値(30秒間)を待たないとラウンド間インターバルとならないため、疲労が蓄積していく演出を遊技態様とのずれが生じることなく(入賞態様に関わらず予め時間を制御された演出態様で)行うことができると共に、そもそもラウンド間インターバルが短いのでキャラクターに休む暇が無いという演出を行うことができる。従って、疲れ果てていくキャラクターを遊技者に視認させて、遊技者にストレスを与えることができるので、次の大当たりでは挽回するという遊技者の向上心を高めることができる。
また、同様の表示を行う場合において、入賞のタイミングに合わせてキャラクターが水分補給を行う演出としても良い。この場合、第1の作動パターンでは、十分に水分を補給できる一方で、第2の作動パターン又は第3の作動パターンの11ラウンド目以降では、水分を補給する回数(入賞回数)が第1の作動パターンに比較して少なくなると共に、キャラクターがランニングする期間(大当たり遊技の期間)も長くなるので、キャラクターから出る汗に比較して、補給できる水の量が足りなくなり、キャラクターがどんどん疲労していく演出を遊技態様とのずれが生じることなく(入賞態様に関わらず予め時間を制御された演出態様で)行うことができる。これにより、キャラクターの様子と、遊技者が得られる利益(時間効率を含めた払い出し出球)とを対応させることができ、遊技者が獲得した大当たりがどの程度のものなのか(中当たりなのか、大当たりなのか、超大当たりなのか)を、大当たり遊技全体の演出を通して容易に遊技者に把握させることができる。
次いで、図24から図30を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、第1可変入賞装置1000の内部に貯留可能な球の個数が固定される場合を説明したが、第2実施形態における第1可変入賞装置2000は、内部に貯留可能な球の個数を変更可能となるように構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図24は、第2実施形態における第1可変入賞装置2000の正面図であり、図25は、第1可変入賞装置2000の背面図である。なお、図24では、第2特定入賞口2255aから球が入球した場合に貯留流路1231の一部および第2貯留流路2251に貯留される球の配置が隠れ線で図示される。
図24及び図25に示すように、第1可変入賞装置2000は、第1実施形態と同様の開閉板1300、動力伝達部材1400及び駆動装置1500を備えると共に、第1実施形態と若干異なる本体部材2100、覆設前板2200、規制部材2600及び後カバー(図示せず)を備え、更に第2実施形態で新出の第2可変入賞装置2800を備える。なお、第2可変入賞装置2800の第2検出センサ2255は大当たり遊技の際に払い出しの基準となる球が通過する第2特定入賞口2255aを備える。
第2特定入賞口2255aは、第1特定入賞口1000aと同様の機能を持つ入賞口である。即ち、特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口1000a、または第2特定入賞口2255aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される動作が15回(15ラウンド)繰り返される。詳細は後述するが、複数の作動パターン(第4の作動パターン、第5の作動パターン)で開放動作可能とされる。その結果、その第1特定入賞口1000a、および第2特定入賞口2255aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
本体部材2100は、第1実施形態の本体部材1100が備える構成(薄板部材1110、収容部1120、保持孔1130、突設部1140、排出口1150、回転支持部1160及び支持爪部1170)に加え、薄板部材1110に穿設される貫通孔であるスライド案内孔2181と、同様に薄板部材1110に穿設される貫通孔であると共に第2検出センサ2255を嵌挿可能に構成される保持孔2182と、薄板部材1110の面方向に沿って一対の壁部が平行に並設され左右方向に向けた直線状に延設される駆動案内リブ2183と、薄板部材1110の面方向に沿って一対の壁部が平行に並設され上下方向に向けた直線状に延設される伝達案内リブ2184と、第2可変入賞装置2800の伝達部材2830を軸支する軸部2185と、を主に備える。
スライド案内孔2181は、第2可変入賞装置2800のスライド板2840の動作を案内する長孔である。保持孔2182は、覆設前板2200に配設される第2検出センサ2255が嵌挿される貫通孔である。
各リブ2183,2184は、第2可変入賞装置2800の駆動時に連動する介在棒部2850、伝達棒部2860のスライド動作を案内するリブである。
覆設前板2200は、第1実施形態の覆設前板1200が備える構成(薄板部材1210、側壁部1220、収容部1230及び検出センサ1240)に加え、収容部1230の右上方向に連接される第2収容部2250を備える。
第2収容部2250は、薄板部材1210と面位置で形成される薄板の背面側に機能部分を有しており、上向きの開口を有すると共に終端が貯留流路1231の中腹に連結される第2貯留流路2251と、その第2貯留流路2251の上端部付近において第2貯留流路2251の延設方向に開口を沿わせた姿勢で第2貯留流路2251に配設される第2検出センサ2255と、第2貯留流路2251の開口の正面視左側部分において第2収容部2250の前板と本体部材2100の薄板部材1110との間を閉塞すると共に上面が左方へ向けて下降傾斜する傾斜面2257と、を主に備える。
第2貯留流路2251は、第2検出センサ2255を通過して球が第2収容部2250の内側へ収容される場合において排出口1150が閉塞され球が貯留された場合、その貯留球数が最大で14個となるように構成される。
第2検出センサ2255は、第2特定入賞口2255aを有し、検出センサ1240と同様の作用を生じる検出装置である。即ち、開閉板1300の切り替えにより球が収容部1230に入球する場合には検出センサ1240により球が検出され、第2可変入賞装置2800の切り替えにより球が第2収容部2250を介して収容部1230に入球する場合には第2検出センサ2255により球が検出される。
傾斜面2257は、球を開閉板1300が配設される側へ流下させる。従って、スライド板2840に阻まれて第2貯留流路2251に入球しなかった球は全て傾斜面2257に沿って流下し、開閉板1300の正面側の流路形成部に向かう態様で構成される。従って、大当たり遊技中において遊技者は、第1特定入賞口1000aが開放状態であるか、第2特定入賞口2255aが開放状態であるかを問わず、いずれかの特定入賞口1000a、2255aが開放状態である場合には、右打ち遊技を行うことで多量の賞球の払い出しを受けることができる。従って、不慣れな遊技者でも容易に遊技を行うことができる。
なお、第2検出センサ2255は、第2貯留流路2251の内部において、上流側に球を1個配置する余裕を持たせて配設される。従って、スライド板2840の閉まりかけのタイミング(残り1個の球が第2検出センサ2255を通過することで規定個数となるタイミング)で、第2貯留流路2251に球が複数連なって流れ込むことにより、規定個数以上の球が入球し得る構造とされる。
規制部材2600は、第1実施形態の規制部材1600が備える構成(軸部1610、延設部1620及び球受け部1630)に加え、軸部1610が左方に更に延設され、延設部1620の面方向視において延設部1620と左右対称の関係で形成される第2延設部2640を備える。
第2延設部2640は、後述するように、第2可変入賞装置2800の動作時に負荷を受ける部分である。第2延設部2640の形成により、規制部材2600は、第2可変入賞装置2800が切り替え動作を行う場合も、開閉板1300が切り替え動作を行う場合も、第2可変入賞装置2800又は開閉板1300の動作に連動して状態の切り替えを行うことができる。
第2可変入賞装置2800は、本体部材2100の背面に固定されるソレノイド2810と、そのソレノイド2810の駆動により左右方向にスライド動作する先端部材2820と、その先端部材2820に一端を支持されながら中腹部を軸部2185に回転可能に軸支される伝達部材2830と、その伝達部材2830の他端に連結されると共にスライド案内孔2181から本体部材2100の正面側に張り出されるスライド板2840と、先端部材2820に一端が固着されると共に駆動案内リブ2183の内側にスライド移動可能に配置される棒状の介在棒部2850と、その介在棒部2850と当接可能な位置に一端が配置され伝達案内リブ2184の内側に沿って延設されると共に他端が規制部材2600の第2延設部2640と当接可能な位置に配置される伝達棒部2860と、を主に備える。
介在棒部2850は、駆動案内リブ2183により、左右方向に案内される一方で上下方向および前後方向の移動を規制される。本実施形態では、一対の駆動案内リブ2183が、本体部材2100の薄板部材1110からの離間距離が長くなるほど互いに近接する(互いの間隔を狭める)態様で構成されることで、介在棒部2850の前後方向の移動が規制される。
伝達棒部2860は、伝達案内リブ2184により、上下方向に案内される一方で左右方向および前後方向の移動を規制される。本実施形態では、一対の伝達案内リブ2184が、本体部材2100の薄板部材1110からの離間距離が長くなるほど互いに近接する(互いの間隔を狭める)態様で構成されることで、伝達棒部2860の前後方向の移動が規制される。
なお、介在棒部2850と伝達棒部2860とが当接する互いの端部の面は、相手部材を臨む態様で傾斜形成される。これにより、介在棒部2850から伝達棒部2860への力の伝達がスムーズに行われるようにすることができる。
図26は、図25のXXVI-XXVI線における第1可変入賞装置2000の部分断面図である。図26に示すように、規制部材2600の第2延設部2640は、伝達棒部2860と対向する側の対向面2641が湾曲した断面円弧形状で構成され、規制部材2600を排出状態へ向けて付勢するねじりバネ(図示せず)の付勢力が、対向面2641を介して伝達棒部2860に伝達される。これにより伝達棒部2860は、図25及び図26で示す状態において、待機位置に維持される。
図25及び図26で示す状態では、検出センサ1240及び第2検出センサ2255の双方に球が入球不可能とされる。以下、第2検出センサ2255に球を入球可能な状態とするための第2可変入賞装置2800の開放動作について説明する。
図27(a)から図27(c)では、規制部材2600及び第2可変入賞装置2800の動作が時系列に沿って図示される。図27(a)から図27(c)は、第1可変入賞装置2000の部分背面図である。なお、図27(a)から図27(c)では、理解を容易とするために、説明に不要な構成の図示が省略されると共に、スライド板2840が閉状態から開状態へ向けて状態変化する様子が時系列で図示される。
図27(a)では、ソレノイド2810が非励磁とされ、先端部材2820がソレノイド2810から最も離れた位置に配置された状態が、図27(b)では、ソレノイド2810が励磁された直後であって先端部材2820が移動範囲の中間位置に配置された状態が、図27(c)では、先端部材2820がソレノイド2810に最も引き寄せられた状態(ソレノイド2810が励磁された場合の最終到達位置)に配置された状態が、それぞれ図示される。なお、図27(a)に示す状態において、スライド板2840は第2検出センサ2255への球の入球を防止する閉状態を構成し、図27(c)に示す状態において、スライド板2840は、第2検出センサ2255への球の入球を可能とする開状態を構成する。
図27(a)に示すように、スライド板2840が閉状態とされる場合において、規制部材2600は排出状態とされる。従って、ソレノイド2810が非励磁の状態において、第2可変入賞装置2800の作用により規制部材2600が貯留状態となることを防止できる。即ち、本実施形態のように第2可変入賞装置2800を加えた場合であっても、ソレノイド2810の動作を生じさせない(非励磁で維持する)制御態様(例えば、第1実施形態の制御態様)により、第1実施形態で説明したものと同様の大当たり遊技を構成することが可能である。
また、貯留流路1231又は第2貯留流路2251に球が残留している場合、図27(a)の状態に切り替えることにより、第1可変入賞装置2000から球を排出することができる。
図27(b)に示すように、ソレノイド2810が励磁されると、先端部材2820の変位により、伝達部材2830を介してスライド板2840が、介在棒部2850を介して伝達棒部2860が変位開始する。ここで、本実施形態では、介在棒部2850と伝達棒部2860との当接する部分が図27(a)の状態において若干離間するものの近接して配置されるので、スライド板2840の動作と伝達棒部2860の動作とが、ほぼ同時に開始される。
介在棒部2850の端部に押されて伝達棒部2860が下降変位することにより、伝達棒部2860の下端部が規制部材2600の第2延設部2640に押し下げ方向の負荷を与える。これにより、規制部材2600は若干押し下げられ、排出状態と貯留状態との途中の状態とされる。
図27(c)に示すように、先端部材2830が移動しきると、介在棒部2850に伝達棒部2860が終端位置まで押し下げられ、規制部材2600を貯留状態に維持する。図27(c)に示すように、介在棒部2850が、伝達棒部2860側に臨んで傾斜面が伝達棒部2860を通過する程度にスライド移動することにより、伝達棒部2860から介在棒部2850へ向けて与えられる負荷を介在棒部2850の移動方向と垂直な方向に流すことができる。
これにより、規制部材2600を介して伝達棒部2860に与えられる負荷が変動することにより介在棒部2850の移動方向に沿って介在棒部2850に与えられる負荷が変動することを防止することができることから、規制部材2600を介して先端部材2820に与えられる負荷が変動することを防止することができ、従って、先端部材2820の変位により状態変化するスライド板2840を開状態に維持するためのソレノイド2810の駆動力が変動することを防止することができる。これにより、ソレノイド2810に必要とされる駆動力を低減することができる。
また、第1実施形態と異なり、ソレノイド2810により生じるスライド方向の変位をそのまま伝達棒部2860の変位として利用し、規制部材2600の状態を変化さえている。そのため、ソレノイド2810への励磁態様の切り替えに対する規制部材2600の動作の応答性を向上させることができる。これにより、規制部材2600の状態変化タイミングの細かな調整が可能となるので、大当たり遊技におけるラウンド間インターバル時間ごとに指定する排出個数の制御値と、実際の排出個数とがずれることを抑制でき、排出個数の安定化を図ることができる。
図28は、図27(c)のXXVIII-XXVIII線における第1可変入賞装置2000の部分断面図である。図28に示すように、伝達棒部2860の下端部と、規制部材2600の対向面2641との当接部分の接線が、伝達棒部2860の移動方向(上下方向)と角度を成す態様とされることから、規制部材2600を排出状態における配置へ向けて付勢するねじりバネ(図示せず)の付勢力が有効に伝達棒部2860に作用する。
従って、スライド板2840が開状態(図27(c)参照)から閉状態(図27(a)参照)へ向けて変位し、介在棒部2850による規制が解除されれば、ねじりバネの付勢力により伝達棒部2860を上昇させることができ、伝達棒部2860を待機位置で維持することができる(図27(a)参照)。
図29は、本実施形態における第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図である。
本実施形態における第1当たり種別選択テーブル202b(図29参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入球口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
なお、特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合の第1当たり種別カウンタC2の値と対応付けられて規定されている大当たり種別は、第1実施形態で説明したものと同一なので説明を省略し、以下では、本実施形態において特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合について説明する。
具体的には、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~29」の範囲には、大当たりdが対応付けられて規定されている(図29の202b21参照)。
大当たりdとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置2000の第4の作動パターン(詳細は後述する)で実行される。この場合、遊技者は、約2250個の賞球に制限付きの増量分を加算した個数の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「30~99」の範囲には、大当たりeが対応付けられて規定されている(図29の202b22参照)。
大当たりeとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置2000の第5の作動パターン(詳細は後述する)で実行される。この場合、遊技者に払い出される賞球は、2250個の賞球に制限付きの増量分を加算した個数の払い出しとなるが、払い出しの個数を増量させる難易度が第4の作動パターンに比較して上昇すると共に、払い出し個数を増量させるタイミングによっては、大当たり遊技にかかる時間が大当たりdの場合を大きく上回る態様で構成される。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、大当たり種別に応じて、第1可変入賞装置2000の作動パターンが変化する。この作動パターンの違いにより、大当たりラウンド数を不変とする一方で、払い出し個数に差を設けつつ、大当たり遊技に要する時間を変化可能とすることができる。
本実施形態では、大当たりeの場合に、所定のラウンド遊技R(1~7ラウンド目のラウンド遊技R)において。第1可変入賞装置2000に規定個数以上の球を入球させると、その後の特定のラウンド遊技R(8ラウンド目のラウンド遊技R)において余分の払い出しの分が差し引かれると共に8ラウンド目の進行に要する時間が最大となるように構成される。一方で、特定のラウンド遊技R以降のラウンド遊技Rにおいて、第1可変入賞装置2000に規定個数以上の球を入球させることにより払い出される増量分の球は、差し引かれることなく遊技者が獲得できるように構成される。
この場合、大当たりeの場合に、時間効率も含めた利益として、遊技者が最も高い利益を得られる遊技方法は、8ラウンド目までは規定個数の入賞で留め、9ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおいて規定個数以上の入賞を狙い、払い出し個数を増加させることである。従って、何ラウンド目のラウンド遊技Rなのかにより、第1可変入賞装置2000に規定個数以上の球を入れることが有利なのか、不利なのかを切り替えることができ、大当たり遊技に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
次いで、図30を参照して、本実施形態における第1特定入賞口1000a及び第2特定入賞口2255aの開放パターンについて説明する。図30(a)は、第4の作動パターンにおける第1特定入賞口1000a及び第2特定入賞口2255aの計時変化を示した図であり、図30(b)は、第5の作動パターンにおける第1特定入賞口1000a及び第2特定入賞口2255aの計時変化を示した図である。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、決定した種類の大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる開閉板1300及びスライド板2840の作動制御について説明する。
<第4の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりdの大当たり遊技の場合には、前記第4の作動パターンに基づいて開閉板1300及びスライド板2840が動作するようMPU201がソレノイド1510,2810を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板1300及びスライド板2840を閉状態に保持するようソレノイド1510,2810を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共にスライド板2840を閉状態から開状態へ変位させて第2特定入賞口2255aを開放するようソレノイド2810を駆動制御して、スライド板2840に長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施絵形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、スライド板2840を閉状態へ変位させて第2特定入賞口2255aを閉鎖するようソレノイド2810を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで開閉板1300及びスライド板2840を閉状態に保持するようソレノイド1510,2810を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共にスライド板2840を閉状態から開状態へ変位させて第2特定入賞口2255aを開放するようソレノイド2810を駆動制御して、スライド板2840に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、スライド板2840を閉状態へ変位させて第2特定入賞口2255aを閉鎖するようソレノイド2810を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
ラウンド間第1インターバル時間Int1は、第1実施形態で上述したように、排出口1150から10個の球を排出する時間として設定される。本実施形態では、第2特定入賞口2255aの通過のタイミングにより、各ラウンド遊技Rにおいて10個を越える個数(例えば11個や、12個)の球を第2特定入賞口2255aに入賞させることが可能である。しかし、一方で、ラウンド間第1インターバル時間Int1により排出口1150から排出される個数は10個であるので、各ラウンド遊技Rにおいて10個を越える個数の球が第2特定入賞口2255aに入賞した直後のラウンド遊技Rの開始時には、その越えた個数の球が貯留流路1231に残留される。
本実施形態では、第2貯留流路2251側から入球させた場合の最大貯留個数が14個とされるので、大当たりdの大当たり遊技においては、規定個数を越える入賞の個数が、15ラウンドの大当たり遊技を通して4個までに制限される。従って、大当たりdの大当たり遊技を行う遊技者が獲得可能な、規定個数以上の払い出し個数(オーバー入賞による払い出し個数)の上限を60個(=15個×4C)までに制限することができる。これにより、遊技態様(打ち出しのタイミング、打ち出しの間隔等)の違いにより払い出し個数が大きく変化することを防止することができる。従って、遊技者の経験値によらず、遊技者が公平に利益を享受できる遊技機を構成することができる。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目~最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、スライド板2840が閉状態および開状態の間で変位し、第2特定入賞口2255aを開閉するようソレノイド2810が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまでスライド板2840を閉状態に保持するようソレノイド2810が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
<第5の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりeの大当たり遊技の場合には、前記第5の作動パターンに基づいて開閉板1300及びスライド板2840が動作するようMPU201がソレノイド1510,2810を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板1300及びスライド板2840を閉状態に保持するようソレノイド1510,2810を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共にスライド板2840を閉状態から開状態へ変位させて第2特定入賞口2255aを開放するようソレノイド2810を駆動制御して、スライド板2840に長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施絵形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、スライド板2840を閉状態へ変位させて第2特定入賞口2255aを閉鎖するようソレノイド2810を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまでスライド板2840を閉状態に保持するようソレノイド2810を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共にスライド板2840を閉状態から開状態へ変位させて第2特定入賞口2255aを開放するようソレノイド2810を駆動制御して、スライド板2840に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、スライド板2840を閉状態へ変位させて第2特定入賞口2255aを閉鎖するようソレノイド2810を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
ラウンド間第1インターバル時間Int1は、第1実施形態で上述したように、排出口1150から10個の球を排出する時間として設定される。本実施形態では、第2特定入賞口2255aの通過のタイミングにより、各ラウンド遊技Rにおいて10個を越える個数(例えば11個や、12個)の球を第2特定入賞口2255aに入賞させることが可能である。しかし、一方で、ラウンド間第1インターバル時間Int1により排出口1150から排出される個数は10個であるので、各ラウンド遊技Rにおいて10個を越える個数の球が第2特定入賞口2255aに入賞した直後のラウンド遊技Rの開始時には、その越えた個数の球が貯留流路1231に残留される。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目~7ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、スライド板2840が閉状態および開状態の間で変位し、第2特定入賞口2255aを開閉するようソレノイド2810が駆動制御される。
7ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1が経過するまでスライド板2840を閉状態に保持するようソレノイド2810を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、8ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
8ラウンド目では、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
そして、8ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、8ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
ここで、7ラウンド目以前のラウンド遊技Rにおいて、規定個数を越える球が第2特定入賞口2255aを通過していた場合、8ラウンド目のラウンド遊技R開始時において、規定個数を越えた個数の球が貯留流路1231に残留しているため、8ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、規定個数から残留個数(7ラウンド目までで規定個数を越えた個数)を差し引いた個数の入賞までしか行うことができないので、8ラウンド目を含めた賞球の払い出しが、8ラウンド目までの規定個数分の賞球の払い出しに均一化される。加えて、8ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、規定個数のパチンコ球の入賞を行うことができないので、第1の作動時間T1の最大値である30秒間の経過を待ってから、次ラウンドのラウンド遊技に移ることになる。
そのため、遊技者は、7ラウンド目までで余分に払い出されていた賞球が無になる気持ち面での損害と、8ラウンド目のラウンド遊技Rが必要以上に長期化するという時間的な損害を受けることになる。これにより、7ラウンド目までには、規定個数を越える球を入賞させないように注意深く遊技を行うように仕向けることができる。従って、規定個数を越える球の入賞が生じることを抑制することができ、遊技の公平性を高めることができる。
なお、7ラウンド目までで、規定個数を越える入賞が無ければ、8ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて規定個数の球を1特定入賞口1000aに通過させることができ、規定個数の球の払い出しを受けることができると共に、各ラウンドの第1の作動時間T1の最大長さ(30秒)を待つことなく8ラウンド目のラウンド遊技Rを終了させることができる。従って、ラウンド遊技Rを迅速に進行させながら、規定個数の賞球の払い出しを受けることができる。
従って、大当たりeの大当たり遊技では、7ラウンド目までは規定個数を越える入賞を意図的に抑えることが、遊技者の利益につながる。従って、7ラウンド目までの遊技における遊技者の注意力を高く維持させることができる。
なお、8ラウンド目の大当たり遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、9ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。なお、9ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時には、貯留流路1231に球が残留していない状態とすることができる。
9ラウンド目では、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共にスライド板2840を閉状態から開状態へ変位させて第2特定入賞口2255aを開放するようソレノイド2810を駆動制御して、スライド板2840に長時間動作を行わせる。
そして、9ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、スライド板2840を閉状態へ変位させて第2特定入賞口2255aを閉鎖するようソレノイド2810を駆動制御して、9ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで10ラウンド目~15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、スライド板2840が閉状態および開状態の間で変位し、第2特定入賞口2255aを開閉するようソレノイド1510が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
9ラウンド目以降のラウンド遊技Rでは、開閉板1300が開閉動作することは無いので、9ラウンド目以降に規定個数を越えて第2特定入賞口2255aに入賞した球により払い出された賞球は、差し引かれることなく遊技者が受け取ることができる。
従って、大当たりeの大当たり遊技を行う場合、7ラウンド目までは大当たり遊技Rにおいて規定個数を越える第2特定入賞口2255aへの入賞が生じないように抑え、9ラウンド目以降の大当たり遊技Rにおいて規定個数を越える第2特定入賞口2255aへの入賞を狙うことが、時間効率も含めて利益を考える場合に、最も大きな利益を遊技者が獲得可能な遊技方法である。
即ち、各ラウンドのラウンド遊技Rにおいて、規定個数を越える球を第2特定入賞口2255aに入れることによって、遊技者が利益を得る場合と、損害を被る場合とを生じさせることができる。これにより、大当たり遊技のラウンドごとに、異なった遊技性を付与することができ、大当たり遊技を行う遊技者の注意力を向上させることができる(漫然と大当たり遊技を行うことを防止することができる)。
また、本作動パターンによれば、規定個数を越える球を第2特定入賞口2255aに入賞させることで遊技者が追加の賞球の払い出しを受けられるラウンドを、実質的に、9ラウンド目以降に制限することができる。これにより、遊技態様(打ち出しのタイミング、打ち出しの間隔等)の違いにより払い出し個数が変化するタイミングを狭めることができ、払い出し出球が大きく変化することが防止することができる。従って、遊技者の経験値によらず、遊技者が公平に利益を享受できる遊技機を構成することができる。
次いで、図31から図37を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、開閉板1300が閉状態の時に流路形成部に到達し開状態の時の開閉板1300の下流まで流下した球は全球そのまま落下する場合を説明したが、第3実施形態における第1可変入賞装置3000は、開閉板1300が閉状態の時に球の落下を遅延させ一部の球を第1特定入賞口1000aに入賞可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図31は、第3実施形態における第1可変入賞装置3000の正面図であり、図32は、図31のXXXII-XXXII線における第1可変入賞装置3000の断面図であり、図33は、覆設前板3200の背面斜視図である。
図31から図33に示すように、第1可変入賞装置3000は、第1実施形態と同様の開閉板1300、動力伝達部材1400、駆動装置1500、規制部材1600及び後カバー1700を備えると共に、第1実施形態と若干異なる本体部材3100及び覆設前板3200を備える。なお、図32では、開閉板1300の閉状態が図示される。
本体部材3100は、第1実施形態の本体部材1100が備える構成(薄板部材1110、収容部1120、保持孔1130、突設部1140、排出口1150、回転支持部1160及び支持爪部1170)に加え、薄板部材1110の正面側において覆設前板3200の正面視左側壁に連設される態様で配設される追加入賞口3181と、その追加入賞口3181の正面視左側壁部から上方へ向けて湾曲して延設される湾曲延設板3182と、を主に備える。
追加入賞口3181は、その上流側から遊技領域を流下する球を遊技盤13の背面側へ排出させる入球口であって、追加入賞口3181に球が入球することにより、15個を上限とした個数の賞球が払い出される。本実施形態では、11個の球が払い出される設定とされる。
湾曲延設板3182は、遊技領域における上下方向視の隙間を球の直径以下として遊技領域を流下する球の通過を規制する板であり、薄板部材1110から正面側へリブ状に延設される。また、湾曲延設板3182は、中腹部から正面視左方へ向かうほど下降傾斜すると共に、中腹部から正面視右方へ向かうほど下降傾斜する形状から形成される。
覆設前板3200は、第1実施形態の覆設前板1200が備える構成(薄板部材1210、側壁部1220、収容部1230及び検出センサ1240)に加え、側壁部1220と収容部1230との間の領域において薄板部材1210の背面から背面側へ向けて延設される落下遅延板3250を備える。
落下遅延板3250は、開閉板1300の移動軌跡の正面側に開閉板1300との干渉を避けて配置され、開閉板1300の軸部1320の下方に配設され軸方向と平行な直線状の板状部であって薄板部材1210の背面から垂直に延設される延設板部3251と、その延設板部3251の上面と薄板部材1210との間を連結すると共に上面が凹状の湾曲形状から形成される転動円弧部3252と、を主に備える。
落下遅延板3250は、左右に長尺な形状とされ、その板の長さの半分の距離を球が流下する(バウンドや、転動による流下を含む)のに約2秒以上かかるように減速する形状から、形成される。なお、開閉板1300は、左右方向の板の長さの半分の距離を球が流下する場合に1秒以下で流下する態様から形成される。
図32に示すように、延設板部3251は、本体部材3100と対向する側の面であって、検出センサ1240に近づく程、本体部材3100からの離間幅が長くなる態様で傾斜形成される対向面3251aと、収容部1230の側壁部1220に対向する面と対向する面であって収容部1230との間に球の直径以上の間隔を空けて形成される終端面3251bと、を備える。
対向面3251aと本体部材3100の薄板部材1110の正面側壁との間隔は、球が最も上流側(図32左側)に配置された状態において球の中心の鉛直下方に配置される部分において球の半径以下とされ、中間位置(図32左右方向の中腹位置)において球の半径以上に切り替えられ、最も下流側(図32右側)に配置された状態において球の中心の鉛直下方に配置される部分において球の半径以上かつ球の直径未満とされる。
転動円弧部3252は、対向面3251aの端部において軸方向に垂直な平面上に引かれる接線が前後方向に沿う形状から構成されると共に、覆設前板3200の薄板部材1210に滑らかに交わる(軸方向に垂直な平面上に引かれる接線が薄板部材1210の面方向(延設される方向)に沿う)形状から構成される。
転動円弧部3252の軸方向視における曲率半径は、球の半径より大きく設定される。これにより、球が転動円弧部3252上を前後方向に転動する際の抵抗を低減することができる。
開閉板1300が閉状態の時に覆設前板3200の傾斜面1237を流下した球は、転動円弧部3252上を転動し流下する。その際、図32に示すように、最も上流側の上流位置Pf1から、転動円弧部3252から右方に離間され球が落下する直前の位置である落下位置Pf3までの道筋を、下流位置Pf2を通過して流下する。
本実施形態では、延設板部3251の対向面3251aの本体部材3100の薄板部材1110の正面側壁からの離間距離が球の直径未満とされることから、落下位置Pf3に球が到達するまでは、球が転動円弧部3252を通過して落下することが防止される。そのため、球が落下位置Pf3に到達して初めて、球が転動円弧部3252から落下することになる。以下、転動円弧部3252上の球の流下の態様について説明する。
図34(a)から図34(c)は、図31のXXXIVa-XXXIVa線における第1可変入賞装置3000の断面図である。なお、図34(b)では、上流位置Pf1に配置される球が図示され、図34(c)では、下流位置Pf2に配置される球が図示される。なお、図34では、後カバー1700の図示が省略される。
図34(b)及び図34(c)に示すように、落下遅延板3250の上面を転動する球は、転動円弧部3252を前後方向に転動し板部1310に当接した状態で流下し、球の落下遅延板3250との当接部分までの径長さ(軸方向視における当接部と球の中心との間の長さ)が、流下するにつれて短縮される。
即ち、図34(b)に示す上流位置Pf1では、球が落下遅延板3250と当接する部分までの径長さr1は、球の半径と同等とされる。一方で、図34(c)に示す下流位置Pf2では、球が落下遅延板3250と当接する部分までの径長さr2は、球の半径よりも短くされる。
これら径長さr1,r2は、前後方向に沿う軸を回転軸として球が回転すると過程した場合の、球の回転半径に対応する。換言すれば、球の回転速度が同じであれば、径長さr1,r2が短いほど、球の転動速度が減少する(球が遅延される)。本実施形態によれば、対向面3251aは下流側へ向かう程、本体部材3100からの離間距離が増加する態様で傾斜して形成される。従って、球の回転半径は、球が落下遅延板3250を下流側(図31右側)へ流下するにつれて徐々に短縮される。従って、球が落下遅延板3250を下流側に流下することに伴って、球の転動速度を減少させることができる。
また、延設板部3251は開閉板1300の回転軸に沿って延設されるところ、その軸方向視を示した図34において、図34(b)に示す状態に比較して図34(c)に示す状態の方が球は下方に変位する。即ち、球が落下遅延板3250を下流側に流下するほど、球を第1特定入賞口1000aから離すことができるので、落下遅延板3250を流下する球を第1特定入賞口1000aから逸らすことができる。
これにより、仮に、開閉板1300に入球防止部1331が形成されていない場合であっても、球が落下遅延板3250を下流端まで流下し、その勢いのまま第1特定入賞口1000aへ向けて飛ぶことにより入賞するという事態を防止することができる。
次いで、図35を参照して球が落下遅延板3250の上面を転動している間に開閉板1300が開状態へ上昇動作する場合について説明する。図35(a)及び図35(b)は、第1可変入賞装置3000の部分正面図であり、図35(c)は、図35(b)のXXXVc-XXXVc線における第1可変入賞装置3000の部分断面図である。なお、図35(a)では、開閉板1300の閉状態が、図35(b)及び図35(c)では開閉板1300の開状態がそれぞれ図示され、図35(c)では、開閉板1300の閉状態における板部1310と球との外形が想像線で例示されると共に、後カバー1700の図示が省略される。また、図35(a)及び図35(b)では、第1可変入賞装置3000の流路形成部に入球した球の一例が図示される。
図35(a)に示すように、開閉板1300が閉状態とされる場合に落下遅延板3250の上面に着地した球は、延設板部3251の延設方向に沿って正面視右方へ向けて流下し、このまま開閉板1300が閉状態を維持する場合には、落下位置Pf3まで到達した後で落下する。この際、上述した延設板部3251の作用により、球の転動速度を徐々に低下させることができ、球の転動時間を長く維持できると共に球への注目力を向上させることができる。
図35(b)に示すように、球が転動する間に開閉板1300が開状態へ向けて上昇動作(回転動作)する場合、板部1310の転動面1311に押圧された球は転動円弧部3252の円弧形状に沿って滑らかに上昇移動する。上述したように、球の移動開始時において球が当接する部分における転動円弧部3252の面の接線が前後方向に向くので、開閉板1300の動作開始時における球の動作を滑らかにすることができる。
球が上昇移動し、転動面1311の上面を転動して流下する場合の流下方向と、図35(a)に図示される流下方向とは、平行である。従って、開閉板1300の動作前後で球の流下方向が全く別の方向に変化する場合に比較して、開閉板1300の動作前後の球の動作を視認する遊技者の感じる違和感を緩和することができる。
このように、開状態における開閉板1300の板部1310よりも下方に球が配置された状態(図35(c)想像線参照)から、開閉板1300が上昇動作することにより、球が開状態における開閉板1300の板部1310の上方に押し戻される(逆流する)ことで、第1特定入賞口1000aへの入賞が可能となる。即ち、開閉板1300の下方に配置され、一度、第1特定入賞口1000aへの入賞が不可能な状態となった球を、上昇移動により第1特定入賞口1000aへの入賞が可能な状態に戻すことができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
換言すれば、図35(a)及び図35(b)では、共に、球が検出センサ1240を通過する可能性が依然としてあるので、球が検出センサ1240の上流側に配置された状態が図示されていると言える。即ち、落下遅延板3250の作用により、開閉板1300が閉状態となった後も球を検出センサ1240の上流側に維持し続けることができる。
また、第1特定入賞口1000aへの入賞が不可能な状態となった場合にも、落下遅延板3250の上面を転動する球は第1特定入賞口1000aへ近接する方向に流下するので、第1特定入賞口1000aへ入賞するかもしれないという期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技者の注目力を維持することができる。
図35に示すように、開閉板1300が閉状態を形成する際に開閉板1300の正面側に到達した球の落下を遅らせ、次に開閉板1300が開状態に変化した場合に転動面1311上に復活可能に構成することにより、大当たり遊技におけるラウンド間インターバル時間の間に開閉板1300の前に到達した球が次のラウンド遊技において第1特定入賞口1000aに入賞する可能性を高めることができ、開閉板1300の正面側を通過し第1アウト口66に入球する球の個数を少なくすることができる。
本実施形態では、開閉板1300の正面側に球が配置されることに起因して、開閉板1300の開放が阻害されることを防止することができる。即ち、従来の遊技機のように、開閉板の正面側を自由に球が流下できる構造においては、開閉板が動作することにより開閉板とガラス板との間に球が挟み込まれ、それにより開閉板の開放が阻害され、遊技者にとって損が生じる恐れがあるという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、球が開閉板1300の正面において落下遅延板3250の上面を転動する間において、開閉板1300の回転軸と球との離間距離をほぼ一定に維持(制限)することができる。従って、球が開閉板1300の正面側を自由に流下して、回転軸からの球の離間距離が自由に変化する場合に比較して、球が開閉板1300とガラス板との間で挟まり開閉板1300の動作が阻害される危険性を小さくすることができる。なお、本実施形態では、開閉板1300が開状態へ変化する途中において球がガラス板との間に挟まれ開閉板1300の動作が阻害される恐れのある球の配置に比較して、若干上側の位置に球が維持される態様で落下遅延板3250が形成される。
図36(a)及び図36(b)は、第1可変入賞装置3000に到達した球の流下態様を示す模式図である。図36(a)では、球を打ちっ放しにする場合に第1可変入賞装置3000に到達した2個の球の流下態様が時系列で図示され、図36(b)では、例えば、1球目の球を弱めに打ち出し、2球目の球を強めに打ち出す特殊な打ち方(所謂「捻り打ち」)を行うことで、2個の球が連なって第1可変入賞装置3000に到達した場合の球の流下態様が時系列で図示される。
図36(a)に示すように、球を打ちっ放しにして、1球目の球P1と2球目の球P2とが所定間隔を空けて開閉板1300の正面側に到達する場合には、球P1が第1特定入賞口1000aに入賞することで開閉板1300が閉状態に切り替わる際に、依然として球P2が落下遅延板3250の上流側に配置された状態とすることができる。
そのため、球P2が落下遅延板3250を流下しきるまでの時間を長く確保することができるので、次に開閉板1300が開状態になる時まで球を落下遅延板3250の上面に維持し易くすることができる。
一方、図36(b)に示すように、球が2球連なって開閉板1300の正面側に到達する場合には、球P1が第1特定入賞口1000aに入賞することで開閉板1300が閉状態に切り替わる際に、球P2が検出センサ1240の直前の位置(落下位置Pf3)付近に配置されるので、次に開閉板1300が開状態になるまで待つことができず、球P2は落下遅延板3250から落下する。
このように、本実施形態では、特殊な打ち方により球が2個連なって流下する場合に比較して、打ちっ放し(通常の打ち方)により所定間隔を空けて2個の球が流下する場合の方が、落下遅延板3250の作用(ラウンド間インターバル時間に開閉板1300の正面に到達した球を第1特定入賞口1000aに入球可能な状態に変化させること)を受けやすくすることができる。これにより、捻り打ちなどの特殊な打ち方による遊技を抑制することができる。
図37は、第1可変入賞装置3000の部分正面図である。図37では、開閉板1300が閉状態から開状態へ状態変化した直後が図示され、開閉板1300に衝突することにより上方へ跳ねる球が図示される。
本実施形態では、開状態の開閉板1300に球が着地する場合には図37のようなバウンドは生じず、開閉板1300が上昇動作する途中で開閉板1300に着地した球が跳ね返されることでのみ、図37に示す態様で球がバウンドする。
跳ねた球のその後の流下態様は、再び開閉板1300の上面に戻って来るか、図37に示すように、湾曲延設板3182に沿って追加入賞口3181に入賞するかのどちらかに限定される。そのため、バウンドした球により、遊技者は賞球の払い出しを受けることができる。従って、開閉板1300が開状態へ切り替わる途中という特殊なタイミングで開閉板1300に到達した球が、結局第1アウト口66に入球してしまい、遊技者が利益を得ることができないという事態を防止することができる。
また、追加入賞口3181に球が入賞する場合であっても、それとは別に第1特定入賞口1000aに規定個数(本実施形態では、10個)の球を入賞させることができるので、追加入賞口3181に入賞することによる払い出しは規定個数を越えて払い出される賞球(追加分の利益)となる。即ち、開閉板1300が開状態へ切り替わる途中という特殊なタイミングで球が開閉板1300の正面側に到達するか否かにより、遊技者が得られる利益に差を生じさせることができるので、大当たり遊技において流下する球への注目力を向上させることができる。
次いで、図38から図43を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、第1可変入賞装置1000に入球した球の流下態様の違いに寄らず大当たり終了後の付加価値として特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与される場合を説明したが、第4実施形態における第1可変入賞装置4000は、特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利取得に関する判定を球の流下態様の違いにより行う確率変動判定部を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図38は、第4実施形態における遊技盤13の正面図であり、図39は、遊技盤13の部分正面図である。図39では、第1可変入賞装置4000付近が拡大して図示される。図39に示すように、本実施形態では、第1可変入賞装置4000の貯留流路1231の下方部分において遊技盤13に透過窓が形成され、遊技盤13の背面側に配設される確率変動判定部4800が視認可能に構成される。
図39に示すように、第1可変入賞装置4000は、第1実施形態と同様の構成(本体部材1100、覆設前板1200、開閉板1300、動力伝達部材1400、駆動装置1500、規制部材1600及び後カバー1700)を備え、更に、第4実施形態で新出の確率変動判定部4800を備える。
確率変動判定部4800は、排出口1150から排出された球が流下する流路であって鉛直下方に延設される連通路4810と、その連通路4810の下端に連通される二股に分岐した流路である確率変動判定流路4820と、その確率変動判定流路4820の正面視左側の流路から連通して配置される特定領域4830と、正面視右側の流路から連通して配置される非特定領域4840と、確率変動判定流路4820の分岐部において遊技球に干渉可能に配置される振分装置4850と、特定領域4830の遊技球の通過を検出する特定領域検出センサ4860と、非特定領域4540の遊技球の通過を検出する非特定領域検出センサ4870と、を主に備える。
連通路4810は、排出口から入球した球が確率変動判定流路4820へ到達するまでに概ね1秒間経過する長さから形成される。
振分装置4850は、確率変動判定流路4820の内側に張り出して配設され、球を特定領域4830へ流下させる(開状態を形成する)開放位置と非特定領域4840へ流下させる(閉状態を形成する)閉塞位置との間を動作可能とされる振分動作部材4851と、その振分動作部材4851を駆動するソレノイド4852と、を主に備える。
確率変動判定部4800が特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利取得に関する判定を行うのは、大当たり遊技中の特別ラウンド(この実施形態では第5ラウンド目)においてのみである。特別ラウンドでは、遊技球が通過可能な程度の時間、振分動作部材4851が右側に移動させられる。このとき、特定領域4830は開放状態にあり、非特定領域4840は閉塞状態にある。特定領域4830を遊技球が通過すると、その大当たり遊技の終了後、特別図柄の確変状態(高確率状態)へ移行する。本実施形態では、特別図柄の高確率状態において、普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入賞し易くなる態様で構成される。
なお、本実施形態では、特別図柄の低確率状態では、例えば、99分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定され、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変状態)では、例えば、40分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定される。
そして、特定領域4830を遊技球が通過すると、その大当たり遊技の終了後、特別図柄の抽選が50回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が50回終了して以降は通常状態に設定されるように構成される。
本実施形態では、特別図柄の大当たり種別として、「大当たりD」、「大当たりE」、「大当たりF」、「大当たりG」、「大当たりf」の5種類が設けられている(図40参照)。詳細については後述するが、大当たり種別によって、第1特定入賞口1000aの開放パターン及び振分装置4850の作動パターンが異なって構成されており、第1可変入賞装置4000への球の入球個数や特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得する確率を変化させるように構成される。
図40は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図である。第1当たり種別選択テーブル202b(図40参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入球口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~29」の範囲には、大当たりDが対応付けられて規定されている(図40の202b41参照)。
大当たりDとなった場合は、5ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置4000及び振分装置4850の第6の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約675個の賞球の払い出しを受けることができると共に、ほぼ確実に特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「30~49」の範囲には、大当たりEが対応付けられて規定されている(図40の202b42参照)。
大当たりEとなった場合は、5ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置4000及び振分装置4850の第7の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約675個の賞球の払い出しを受けることができると共に、特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を稀にしか取得することができない。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50~79」の範囲には、大当たりFが対応付けられて規定されている(図40の202b43参照)。
大当たりFとなった場合は、5ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置4000及び振分装置4850の第8の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約675個の賞球の払い出しを受けることができると共に、ほぼ確実に特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「80~99」の範囲には、大当たりGが対応付けられて規定されている(図40の202b44参照)。
大当たりGとなった場合は、5ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置4000及び振分装置4850の第8の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約750個の賞球の払い出しを受けることができると共に、特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を稀にしか取得することができない。
上述したように、特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)に基づく大当たりでは、50%の確率で特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を確実に取得することができる。一方、残りの50%でも、稀に特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~94」の範囲には、大当たりfが対応付けられて規定されている(図40の202b45参照)。
大当たりfとなった場合は、大当たりDの時と同様に、5ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置4000及び振分装置4850の第6の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約675個の賞球の払い出しを受けることができると共に、ほぼ確実に特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「95~99」の範囲には、大当たりgが対応付けられて規定されている(図40の202b45参照)。
大当たりgとなった場合は、5ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置4000及び振分装置4850の第10の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約600個の賞球の払い出しを受けることができると共に、稀に特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができる。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、95%の確率で第1可変入賞装置4000及び振分装置4850が第6の作動パターンで動作する。この時、ほぼ確実に特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができるので、特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなる場合に比較して、遊技者にとって有利となる。従って、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりを獲得するために、特別図柄の確変状態(高確率状態)においては、遊技者は右打ち遊技を行う。
特別図柄の確変中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間が長くなる(1秒×2回)ように設定される。よって、第2入球口640へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。従って、一旦特別図柄の確変状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりf(ほぼ確実に特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得できる大当たり)となりやすい特別図柄の確変状態が繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次いで、図41から図43を参照して、本実施形態における第1特定入賞口1000a及び特定領域4830の開放パターンについて説明する。図41(a)は、第6の作動パターンにおける第1特定入賞口1000a及び特定領域4830の計時変化を示した図であり、図41(b)は、第7の作動パターンにおける第1特定入賞口1000a及び特定領域4830の計時変化を示した図である。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、決定した種類の大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる開閉板1300及び振分動作部材4851の作動制御について説明する。
<第6の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりD又は大当たりfの大当たり遊技の場合には、前記第6の作動パターンに基づいて開閉板1300及び振分動作部材4851が動作するようMPU201がソレノイド1510,4852を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板1300及び振分動作部材4851を閉状態に保持するようソレノイド1510,4852を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施絵形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、3ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
3ラウンド目では、2ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
そして、3ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、3ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
3ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第2インターバル時間Int2(1.0秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、ラウンド間第2インターバル時間Int2の経過後に、4ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
4ラウンド目では、他のラウンドの開始と異なり、第2の作動時間T2(最大3秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
MPU201は、開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させると、タイマ手段(図示せず)が所定の第3オープニング時間OP3(32.3秒)が経過するまで計測を行い、第3オープニング時間OP3の経過後に、所定時間(本実施形態では、0.1秒間)振分動作部材4851を開放位置へ移動させ、所定時間の経過後、振分動作部材4851を再び閉状態に保持するようソレノイド4852を駆動制御して、振分動作部材4851に短時間動作を行わせる。この所定時間は、球の特定領域4830への通過を許容しない時間として設定される。
そして、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第2の作動時間T2の最大値である3秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、4ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
ここで、第2の作動時間T2は、第1特定入賞口1000aへ球を規定個数だけ入球させることができない時間として設定される。即ち、本実施形態では、最速で0.6秒間隔で1球ずつ球を発射できるところ、規定個数の発射には6秒間かかる。即ち、普通に見積もって、3秒間では第1特定入賞口1000aに5個程度の球を入球させることしかできない。従って、4ラウンド目のラウンド遊技Rは、専ら第2の作動時間T2の最大値である3秒間で終了する。
一方で、本作動パターンでは、4ラウンド目の直前のインターバルにおいて、排出口1150から球が5個しか排出されない。従って、3秒間に可能な概ね5個程度の入賞により貯留流路1231が満たされることとなるので、4ラウンド目のラウンド遊技Rの時間が他のラウンドより短いことによって遊技者に与える違和感を抑制することができる。
4ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、5ラウンド目(特別ラウンド)のラウンド遊技Rを開始する。
5ラウンド目では、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
MPU201は、開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させると、タイマ手段(図示せず)が所定の第2オープニング時間OP2(0.3秒)が経過するまで振分動作部材4851を閉状態に保持し、第2オープニング時間OP2の経過後に、所定時間(本実施形態では、約2秒間)振分動作部材4851を開放位置へ移動させ、所定時間の経過後、振分動作部材4851を再び閉状態に保持するようソレノイド4852を駆動制御して、振分動作部材4851に長時間動作を行わせる。
そして、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、5ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第2オープニング時間OP2は、貯留流路1231から排出される球が7球未満である場合(貯留個数が6個までである場合)には、排出される全ての球が確率変動判定流路4820を通過しきるよりも長い時間である一方、貯留流路1231から排出される球が7球以上である場合(貯留個数が7個以上である場合)には、排出される球の内、少なくとも一部の球が確率変動判定流路4820を通過しきるよりも短い時間として設定される。
本実施形態では、4ラウンド目のラウンド遊技Rが貯留流路1231に球が5個残留した状態で開始されるので、4ラウンド目のラウンド遊技が第2の作動時間T2で終了するとしても、貯留流路1231に貯留される球を容易に7個以上とすることができる。従って、球が確率変動判定流路4820に残留する間に振分動作部材4851を開状態とすることができるので、残留していた球を特定領域4830へ流下させることができる。従って、遊技者は特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができる。
そして、5ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで開閉板1300及び振分動作部材4851を閉状態に保持するようソレノイド1510,4852が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
ここで、従来技術と異なり、本作動パターンでは、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて振分動作部材4851が動作前に閉状態とされている間において開閉板1300を閉状態とする必要がないので、開閉板1300を違和感無く動作させることができる。以下、このことについて説明する。
従来技術では、振分動作部材4581の動作開始前に第1特定入賞口1000aに規定個数の球が入賞してラウンド遊技Rが終了してしまうと、振分動作部材4851は開状態となっているのに第1特定入賞口1000aに球を入賞させられず、遊技者が特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができないという不具合が生じる恐れがあることから、それを防止するために振分動作部材4851が動作前に閉状態とされている間において開閉板1300を閉状態とする必要があった(1ラウンド内で、2回開放させていた)。
これに対し、本実施形態では、5ラウンド目の直前のラウンドのラウンド遊技Rにより第1特定入賞口1000aに入賞した球を特定領域4830へ入球させられるか否かを切り替える遊技性であるので、振分動作部材4851が動作前に閉状態とされている間において第1特定入賞口1000aに球が入球不可能な状態となったとしても、振分動作部材4851が開状態となる際に特定領域4830へ向かう球が既に第1可変入賞装置4000に入賞しているので、問題無く遊技者が特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができる。
そのため、本作動パターンでは、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて振分動作部材4851が動作前に閉状態とされている間においても、開閉板1300を開状態とすることで開閉板1300の動作に対して遊技者が違和感を抱くことを防止しつつ、入賞の態様により遊技者が特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができなくなるという不具合が生じることを防止することができる。
また、5ラウンド目のラウンド遊技Rで第1特定入賞口1000aに入賞した球は、第1の作動時間T1の間、貯留流路1231に停留するため、5ラウンド目のラウンド遊技Rで第1特定入賞口1000aに入賞した球が振分動作部材4851の開状態の間に確率変動判定流路4820に入球することを防止することができる。これにより、5ラウンド目(特別ラウンド)のラウンド遊技Rにおける第1特定入賞口1000aへの入賞の態様により遊技者が特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができるか否かが変化するという不具合が生じることを防止することができる。
<第7の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりEの大当たり遊技の場合には、前記第7の作動パターンに基づいて開閉板1300及び振分動作部材4851が動作するようMPU201がソレノイド1510,4852を駆動制御する。なお、3ラウンド目のラウンド遊技Rの終了までは上述した大当たりDの場合と同様なので、説明を省略する。また、振分装置4850の駆動態様は第6の作動パターンと同様とされる。
3ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、4ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
4ラウンド目では、他のラウンドの開始と異なり、第2の作動時間T2(最大3秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
MPU201は、開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させると、タイマ手段(図示せず)が所定の第3オープニング時間OP3(32.3秒)が経過するまで計測を行い、第3オープニング時間OP3の経過後に、所定時間(本実施形態では、0.1秒間)振分動作部材4851を開放位置へ移動させ、所定時間の経過後、振分動作部材4851を再び閉状態に保持するようソレノイド4852を駆動制御して、振分動作部材4851に短時間動作を行わせる。なお、この短時間動作は、球の特定領域4830への通過を許容しない動作として設定される。
そして、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第2の作動時間T2の最大値である3秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、4ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
ここで、第2の作動時間T2は、第1特定入賞口1000aへ球を規定個数だけ入球させることができない時間として設定される。即ち、本実施形態では、最速で0.6秒間隔で1球ずつ球を発射できるところ、規定個数の発射には6秒間かかる。即ち、普通に見積もって、3秒間では第1特定入賞口1000aに5個程度の球を入球させることしかできない。従って、4ラウンド目のラウンド遊技Rは、専ら第2の作動時間T2の最大値である3秒間で終了する。
一方で、本作動パターンでは、4ラウンド目の直前のインターバルにおいて、排出口1150から球が10個(全球)排出されている。従って、3秒間に可能な概ね5個程度の入賞により貯留流路1231が満たされることは無く、3秒間で入賞した球が貯留流路1231に残留した状態で開閉板1300が閉状態に変位する。
4ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、5ラウンド目(特別ラウンド)のラウンド遊技Rを開始する。
5ラウンド目では、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
MPU201は、開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させると、タイマ手段(図示せず)が所定の第2オープニング時間OP2(0.3秒)が経過するまで振分動作部材4851を閉状態に保持し、第2オープニング時間OP2の経過後に、所定時間(本実施形態では、約2秒間)振分動作部材4851を開放位置へ移動させ、所定時間の経過後、振分動作部材4851を再び閉状態に保持するようソレノイド4852を駆動制御して、振分動作部材4851に長時間動作を行わせる。
そして、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、5ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
本作動パターンでは、5ラウンド目のラウンド遊技Rの直前のインターバルで排出口1150から排出される球は5球程度なので、何らかの稀な原因により、3秒間に8球以上の球が第1特定入賞口1000aに入賞しない限り、排出される全ての球が確率変動判定流路4820を通過しきってから振分動作部材4851が変位する。
従って、振分動作部材4851が開状態の場合に確率変動判定流路4820に球が残留しないので、球が特定領域4830を通過することは無い。そのため、遊技者は特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができない。
そして、5ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで開閉板1300及び振分動作部材4851を閉状態に保持するようソレノイド1510,4852が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、本作動パターンでは、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおける開閉板1300及び振分動作部材4851の動作態様は上述した第6の作動パターンと同様なので、本作動パターンにおいても、第6の作動パターンにおける効果と同様の効果を奏することができる。
ここで、第6の作動パターンと第7の作動パターンとの違いは、4ラウンド目のラウンド遊技Rの間に球を貯留流路1231の満杯付近まで貯められるか否かである。即ち、球の貯まり具合の違いにより、その後で遊技者が特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができるか否かを予想できるので、貯留流路1231に貯まる球への注目力を向上させることができる。これにより、第1可変入賞装置4000への注目力を向上させることができる。
また、第6の作動パターンにおいて、4ラウンド目のラウンド遊技Rにより球が3球以上入球すれば、ほぼ確実に特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができるが、ラウンド遊技Rの時間が短いので、遊技者が遊技に慣れた者であるほど、第6の作動パターンにおいても特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得し損ね易い状況が形成される。
即ち、不慣れな遊技者ほど大当たり遊技中は打ちっ放しで遊技を行い易いのに対し、遊技に慣れた者ほど大当たり中のラウンド間の無駄球を避けるために打ちっ放しを避け、ラウンド間打ち止めを行い易いことから生じる差である。
詳述すると、打ちっ放しの遊技であれば、常に開閉板1300の付近に複数の球が流下しており、4ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後から第1特定入賞口1000aへの球の入賞が生じるので、3秒間もあれば、3球以上の球が入球する余裕が十分にある。そのため、不慣れな遊技者は、問題無く特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができる。
一方、4ラウンド目のラウンド遊技Rが開始してから打ち出しを始めることで、インターバル期間中に球が開閉板1300の付近を流下することを避けるようラウンド間打ち止めを行う場合、確かに無駄球は抑制できるが、4ラウンド目のラウンド遊技Rの開始からしばらくしないと(例えば、2秒間経過しないと)開閉板1300付近に球が到達しない。従って、残りの1秒間で3個以上の球を入球させる必要が生じ、特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することが困難となる。従って、遊技に慣れた遊技者にも、大当たり遊技中に打ちっ放しで打ち出しを行うように仕向けることができる。
このように、第6の作動パターンは、打ち出しの態様により、遊技に慣れた者ほど得られる利益が減少する恐れを内在している。従って、遊技者が不慣れか、慣れているかに関わらず、大当たり中に打ちっ放しで遊技するように仕向けることができ、遊技により得られる利益の公平性を担保することができる。
また、一方で、上述したリスクを把握した上で、それでもラウンド間打ち止めを行う遊技者に対しては、他のパチンコ機10では味わえないような、集中力を要する大当たり遊技を提供することができる。即ち、4ラウンド目の第1特定入賞口1000aの開放の直後に球が第1特定入賞口1000aに流れ込むように逆算して打ち出しを開始するというラウンド間止め打ちを行うことで、無駄球は減らしながら、特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利も取得することができる。この場合、3ラウンド目のラウンド遊技Rの終了前にラウンド間の打ち止めを行い、3ラウンド目のラウンド遊技Rの終了前に打ち出しを開始することになる。即ち、3ラウンド目のラウンド遊技R中に入球する球の流下のランダム性も検討しつつ、入球タイミングを予想しながら打ち出しを開始するという高度な計算を必要とする。従って、打ち出しを開始した球が第1特定入賞口1000a付近に到達したタイミングが計算通りだった場合には、遊技者の興趣を向上させることができる。
図42(a)は、第8の作動パターンにおける第1特定入賞口1000a及び特定領域4830の計時変化を示した図であり、図42(b)は、第9の作動パターンにおける第1特定入賞口1000a及び特定領域4830の計時変化を示した図である。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、決定した種類の大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる開閉板1300及び振分動作部材4851の作動制御について説明する。
<第8の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりFの大当たり遊技の場合には、前記第8の作動パターンに基づいて開閉板1300及び振分動作部材4851が動作するようMPU201がソレノイド1510,4852を駆動制御する。なお、3ラウンド目のラウンド遊技Rの終了までは上述した大当たりDの場合と同様なので、説明を省略する。
3ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第2インターバル時間Int2(1.0秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、ラウンド間第2インターバル時間Int2の経過後に、4ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
4ラウンド目では、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
MPU201は、開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させると、タイマ手段(図示せず)が所定の第3オープニング時間OP3(32.3秒)が経過するまで振分動作部材4851を閉状態に保持し、第3オープニング時間OP3の経過後に、所定時間(本実施形態では、約2秒間)振分動作部材4851を開放位置へ移動させ、所定時間の経過後、振分動作部材4851を再び閉状態に保持するようソレノイド4852を駆動制御して、振分動作部材4851に長時間動作を行わせる。
そして、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第2の作動時間T2の最大値である3秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、4ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
本作動パターンでは、4ラウンド目の直前のインターバルにおいて、排出口1150から球が5個しか排出されない。従って、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて規定個数の球を第1特定入賞口1000aに入賞させることができないので、4ラウンド目のラウンド遊技Rは第1の作動時間T1の最大値である30秒の経過により終了する。
4ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、5ラウンド目(特別ラウンド)のラウンド遊技Rを開始する。
5ラウンド目では、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
MPU201は、開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させると、タイマ手段(図示せず)が所定の第2オープニング時間OP2(0.3秒)が経過するまで振分動作部材4851を閉状態に保持し、第2オープニング時間OP2の経過後に、所定時間(本実施形態では、約2秒間)振分動作部材4851を開放位置へ移動させ、所定時間の経過後、振分動作部材4851を再び閉状態に保持するようソレノイド4852を駆動制御して、振分動作部材4851に長時間動作を行わせる。なお、この開放動作は、第3オープニング時間OP3の経過による開放動作と同時におこなわれる。
そして、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、5ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第3オープニング時間OP3は、4ラウンド目のラウンド遊技Rが第1の作動時間T1の最大値の時間で継続した直後のインターバルで、排出口1150から7球以上の球が排出される場合(貯留個数が7個以上である場合)に、排出される球の内、少なくとも一部の球が確率変動判定流路4820を通過しきるよりも短い時間として設定される。
本作動パターンでは、4ラウンド目のラウンド遊技Rが貯留流路1231に球が5個残留した状態で開始されるので、4ラウンド目のラウンド遊技Rが第1の作動時間T1の最大値まで待って終了することになるので、貯留流路1231に貯留される球が7個以上であれば、確率変動判定流路4820に球が残留した状態で振分動作部材4851を開状態とすることができる。従って、残留していた球を特定領域4830へ流下させることができ、遊技者は特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができる。
そして、5ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで開閉板1300及び振分動作部材4851を閉状態に保持するようソレノイド1510,4852が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、本作動パターンでは、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおける開閉板1300及び振分動作部材4851の動作態様は上述した第6の作動パターンと同様なので、本作動パターンにおいても、第6の作動パターンにおける効果と同様の効果を奏することができる。
<第9の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりGの大当たり遊技の場合には、前記第9の作動パターンに基づいて開閉板1300及び振分動作部材4851が動作するようMPU201がソレノイド1510,4852を駆動制御する。なお、3ラウンド目のラウンド遊技Rの終了までは上述した大当たりDの場合と同様なので、説明を省略する。また、振分装置4850の駆動態様は第8の作動パターンと同様とされる。
3ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、4ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
4ラウンド目では、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
MPU201は、開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させると、タイマ手段(図示せず)が所定の第3オープニング時間OP3(32.3秒)が経過するまで振分動作部材4851を閉状態に保持し、第3オープニング時間OP3の経過後に、所定時間(本実施形態では、約2秒間)振分動作部材4851を開放位置へ移動させ、所定時間の経過後、振分動作部材4851を再び閉状態に保持するようソレノイド4852を駆動制御して、振分動作部材4851に長時間動作を行わせる。
そして、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、4ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
本作動パターンでは、4ラウンド目の直前のインターバルにおいて、排出口1150から球が5個しか排出されない。従って、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて規定個数の球を第1特定入賞口1000aに入賞させることができないので、4ラウンド目のラウンド遊技Rは第1の作動時間T1の最大値である30秒の経過により終了する。
4ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、5ラウンド目(特別ラウンド)のラウンド遊技Rを開始する。
5ラウンド目では、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
MPU201は、開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させると、タイマ手段(図示せず)が所定の第2オープニング時間OP2(0.3秒)が経過するまで振分動作部材4851を閉状態に保持し、第2オープニング時間OP2の経過後に、所定時間(本実施形態では、約0.2秒間)振分動作部材4851を開放位置へ移動させ、所定時間の経過後、振分動作部材4851を再び閉状態に保持するようソレノイド4852を駆動制御して、振分動作部材4851に短時間動作を行わせる。なお、この短時間動作は、球の特定領域4830への通過を許容しない動作として設定される。
そして、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、5ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第3オープニング時間OP3は、4ラウンド目のラウンド遊技Rが第1の作動時間T1の最大値の時間で継続した直後のインターバルで、排出口1150から7球以上の球が排出される場合(貯留個数が7個以上である場合)に、排出される球の内、少なくとも一部の球が確率変動判定流路4820を通過しきるよりも短い時間として設定される。
本作動パターンでは、4ラウンド目のラウンド遊技Rが貯留流路1231に球が残留しない状態で開始されるので、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて規定個数の球を第1特定入賞口1000aに入賞させることができる。従って、第1の作動時間T1の最大値まで待つことなく、4ラウンド目のラウンド遊技Rを終了することが可能である。しかし、4ラウンド目のラウンド遊技Rを規定個数の入賞により終了させる場合のように、第1の作動時間T1の最大値まで待たずに4ラウンド目のラウンド遊技Rを終了すると、多くの場合において、その直後に排出口1150から排出される球が確率変動判定流路4820を通過した後で振分動作部材4851の変位が起きる。
一方で、振分動作部材4851が、4ラウンド目のラウンド遊技Rを第1の作動時間T1の最大値まで待って終了した場合にその直後のインターバルで排出される球が7個以上であれば球を特定領域4830へ流下させることができる。そのため、遊技者は、規定個数の入賞を急ぐのではなく、4ラウンド目のラウンド遊技Rの終了間際に第1特定入賞口1000aに規定個数目の球を入賞させることにより、遊技者は特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができる。
また、他の方法として、4ラウンド目の直後の5ラウンド目のラウンド遊技Rを適切なタイミングで終了させることで、5ラウンド目のラウンド遊技Rの直後のインターバルで排出される球を特定領域に流下させることによっても、遊技者は特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができる。
このように、本作動パターンによれば、遊技者の裁量(第1特定入賞口1000aへの球の入賞のタイミング等の選択)により、遊技者は特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができるか否かを異ならせることができる。
そして、5ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで開閉板1300及び振分動作部材4851を閉状態に保持するようソレノイド1510,4852が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
ここで、第8の作動パターンと第9の作動パターンとの違いは、4ラウンド目のラウンド遊技Rの作動時間が指定されるか否かである。作動時間が指定される場合(第8の作動パターンの場合)には、第1特定入賞口1000aへの球の入球を継続させることにより、どのように遊技を行っても遊技者は特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができるので安心して遊技を行うことができる。
一方、作動時間が指定されない場合(第9の作動パターンの場合)には、遊技態様により遊技者が作動時間を自ら選択する(規定個数目の球を第1特定入賞口1000aにいつ入賞させるかを選択する)ことにより特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができる場合がある。そのため、ラウンド遊技Rを集中して行うように促し、遊技領域を流下する球への注目力を向上させると共に遊技者に自力で確変状態を獲得する高揚感を与えることができる。これにより、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
第6の作動パターンから第9の作動パターンの特徴としては、3ラウンド目のラウンド遊技Rの直後のインターバルが普段よりも短く、貯留流路1231に球が残留した状態で4ラウンド目のラウンド遊技Rが開始される場合、特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得し易いことが挙げられる。即ち、4ラウンド目のラウンド遊技Rで得られる賞球が少ない場合の方が、特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得し易い遊技性を実現することができる。
一方で、3ラウンド目のラウンド遊技Rの直後のインターバルが貯留流路1231の球を全球排出する程度の長さとされる場合には特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得し難い。即ち、特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得し難い場合の方が、大当たり遊技で得られる賞球の払い出しが多くなるという遊技性を実現することができる。これにより、後に続行される通常状態において遊技者が打ち出す球を、多めに用意することができるので、遊技者の現金投資を抑制し易くすることができる。
これらの違いは、4ラウンド目の開始時に貯留流路1231に球が残留するか否かにより把握できるので、4ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時に、遊技者は大当たり遊技終了後の状態を予想することができる。そして、特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得し難い作動パターンの場合にも、球の入球の態様により特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することが可能とされる。
ここで、本実施形態では、遊技者に選択を迫ることで、大当たり遊技中の遊技者の集中力を維持することができる。即ち、特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得し易くなる遊技態様が真逆なのである。
詳述すると、第7の作動パターンの場合、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、第2の作動時間T2(最大3秒間)が経過する前に、なるべく多くの球を第1特定入賞口1000aに入賞させることにより特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得できる可能性が高まる(4ラウンド目の開始時から多くの球を入賞させることに利益がある)一方で、第9の作動パターンの場合、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、第1の作動時間T1の最大値である30秒間の終了間際まで規定個数目の球の入賞を待ち、ラウンド遊技Rの期間を引き延ばすことにより、特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得できる可能性が高まる(4ラウンド目の開始時に球の入賞を抑えることに利益がある)。
このように、ラウンド遊技Rにおける球の入賞のさせ方(遊技者の選択した遊技態様)により、特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得する可能性が変化することになるので、大当たり遊技が複数回続いても、遊技者が飽きることを防止でき、遊技に対する集中力を維持することができる。
図43は、第10の作動パターンにおける第1特定入賞口1000a及び特定領域4830の計時変化を示した図である。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、決定した種類の大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる開閉板1300及び振分動作部材4851の作動制御について説明する。
<第10の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりgの大当たり遊技の場合には、前記第10の作動パターンに基づいて開閉板1300及び振分動作部材4851が動作するようMPU201がソレノイド1510,4852を駆動制御する。なお、4ラウンド目のラウンド遊技Rの終了までは上述した第6の作動パターンの場合と同様なので、説明を省略する。
4ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第2インターバル時間Int2(1.0秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、ラウンド間第2インターバル時間Int2の経過後に、5ラウンド目(特別ラウンド)のラウンド遊技Rを開始する。
5ラウンド目では、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
MPU201は、開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させると、タイマ手段(図示せず)が所定の第2オープニング時間OP2(0.3秒)が経過するまで振分動作部材4851を閉状態に保持し、第2オープニング時間OP2の経過後に、所定時間(本実施形態では、約0.2秒間)振分動作部材4851を開放位置へ移動させ、所定時間の経過後、振分動作部材4851を再び閉状態に保持するようソレノイド4852を駆動制御して、振分動作部材4851に短時間動作を行わせる。
そして、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、5ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
本作動パターンにおいては、第2オープニング時間OP2の経過後の振分動作部材4851の開放動作が短時間動作なので、基本的に、球を特定領域4830へ流下させることができない。
また、5ラウンド目のラウンド遊技R中に振分動作部材4851が開状態となるので、早期にラウンド遊技を終了できれば5ラウンド目に第1特定入賞口1000aに入賞した球を特定領域4830へ流下させられる可能性が残る(例えば、第3オープニング時間OP3の経過後の動作が長い場合)が、本作動パターンでは、5ラウンド目のラウンド遊技Rが貯留流路1231に球が残留した状態で開始されるので、規定個数の入球を行うことができず、5ラウンド目のラウンド遊技を早期に終了させることができない。従って、5ラウンド目のラウンド遊技Rで第1特定入賞口1000aに入賞した球を特定領域4830へ流下させることはできない。
そして、5ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで開閉板1300及び振分動作部材4851を閉状態に保持するようソレノイド1510,4852が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、本作動パターンでは、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおける開閉板1300及び振分動作部材4851の動作態様は上述した第6の作動パターンと同様な部分を有するので、本作動パターンにおいても、第6の作動パターンにおける効果と同様の効果を奏することができる。
ここで、第1特定入賞口1000aにおける第6の作動パターンと第10の作動パターンとの主な違いは、4ラウンド目のラウンド遊技Rの直後のインターバルの長さである。それ以外の部分のパターンは同じであるので、違いを把握し難く、第1可変入賞装置4000の作動パターンを視認する遊技者の集中力を向上させることができる。
第10の作動パターンは、第6の作動パターン及び第7の作動パターンとの関係において、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて貯留流路1231を満杯にできたとしても特定領域4830に球を流下させることができないという点で異なる。
即ち、本作動パターンを混在させることにより、遊技者に対して、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて貯留流路1231に球を満杯まで貯留できたとしても安心させず、排出された球が特定領域4830を通過するか否かを確認するように促すことができる。即ち、大当たり遊技において、貯留流路1231に球を貯留させられるか否かという段階(第1ステップ)と、貯留流路1231から排出された球が通過する前に振分動作部材4851が動作するか否かという段階(第2ステップ)とに分けて、段階ごとに別箇所に注目させることができる。これにより、遊技者が漫然と遊技することを防止でき、遊技者の集中力を向上させることができる。
次いで、図44から図50を参照して、第5実施形態について説明する。第1実施形態では、特別図柄の確変状態(高確率状態)における遊技の経過態様に関わらず大当たり種別に対応した出球を獲得できる場合を説明したが、第5実施形態における第1可変入賞装置5000は、特別図柄の確変状態(高確率状態)において大当たりを獲得するまでの変動回数が少ないほど、遊技者が多くの出球を獲得し易くする出球調整装置5900を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図44は、第5実施形態における遊技盤13の部分正面図であり、図45は、遊技盤13の部分背面図である。図44及び図45に示すように、遊技盤13の右下隅付近に配設される第1可変入賞装置5000は、第2実施形態と同様に、本体部材2100と、覆設前板2200と、開閉板1300と、駆動装置1500と、規制部材2600と、を備えることに加え、第2実施形態と若干異なる動力伝達部材5400と、第2可変入賞装置5800と、本実施形態で新出の、第2入球口640に入球した球を連通孔5920を介して貯留流路1231に入球させることで出球の調整を行う出球調整装置5900と、を主に備える。
動力伝達部材5400は、延設部1420の回転先端部1421の下側端部から回転先端部1421の形状に沿って下側へ延設される時間差形成部5423を備える。
時間差形成部5423は、図45に示すように、ソレノイド1510の非励磁の状態において閉状態の開閉板1300の係合部1333と当接する位置まで下側先端が延設される。
第2可変入賞装置5800は、第2実施形態で上述した構成に加え、形状が若干追加された介在棒部5850と、伝達棒部2860の背面視左方において上下方向にスライド動作可能とされ、介在棒部5850の枝分かれ部分(第2実施形態の介在棒部2850の構成に追加された背面視L字部分)に押し下げられることで出球調整装置5900の可動閉鎖部材5931と当接可能に配設される押下作用部5870を備える。
出球調整装置5900は、第2入球口640に入球した球を流下させる流下通路形成部5910と、その流下通路形成部5910の下端部において本体部材2100の薄板部材1110に貫通形成され貯留流路1231に球を流入可能な態様(開口径、配置)で配設される連通孔5920と、その連通孔5920をソレノイド1510,2810の駆動と連動して開閉する開閉部材5930と、を主に備える。なお、流下通路形成部5910は、第2可変入賞装置5800の背面側(図45紙面手前側)を通過する態様で配設されるところ、理解を容易とするために、想像線で図示されると共に中間部分の図示が省略される。
流下通路形成部5910は、第2入球口640に入球した球が流下する2股に枝分かれした流路であって、下端の開口部が連通孔5920に対向配置され球を連通孔5920へ流入可能に形成される調整流路5911と、その調整流路5911に貯留される球の個数が規定個数(本実施形態では30個)を越えた後で更に第2入球口640に入球した球を球排出路(図示せず)に排出する余剰球排出流路5915と、を主に備える。
調整流路5911は、下端部付近で半回転分湾曲する背面視逆コ字状の流路として形成される減速流路5912と、その減速流路5912の上端部から第2入球口640の後方へ向かって鉛直方向に延設される落下流路5913と、を主に備える。
減速流路5912の形状により、連通孔5920から排出される球が、減速流路5912に滞留する後続の球から連通孔5920の開口方向へ与えられる負荷を、球の滞留個数によらず低減することができる。即ち、連通孔5920から排出される球には、後続の球から後続の球の自重による負荷がかけられるところ、減速流路5912は、連通孔5920付近の傾斜が緩やか(水平に近い傾斜)となっているので、自重による負荷の影響を低減することができる。従って、球の滞留個数によらず、連通孔5920の直前の球が連通孔5920から排出される速度を均一化できるとともに、球から開閉部材5930へ与えられる負荷を均一化することができる。
落下流路5913は鉛直方向に延びているため、流下する球は減速を受けず、自由落下する。従って、第2入球口640に球が連なって入球する場合に先の球が後の球に比較して先に減速され、後の球の流下を阻害することにより、後の球が誤って余剰球排出流路5915に入球することを防止することができる。
調整流路5911は、本実施形態において、連通孔5920の手前から球を順に滞留させ、滞留球数が30個となると、その30個目の球の上端部が、余剰球排出流路5915の入口開口の下端部を上回るように、流路長さが設計される。従って、31個目の球以降は余剰球排出流路5915へ入球することになる。換言すると、連通孔5920の手前には、最大で30個の球が滞留する。
本実施形態では、後述するように、大当たり遊技の終了後、30回転の高確率状態に移行する。この間は、第2入球口640に球が入球しやすい状態とされ、遊技者は右打ち遊技により遊技を進行させることで、球減りを抑制しながら次回の大当たり獲得を狙うことができる。一方で、第2入球口640へ入球した球が調整流路5911へ入球することから、高確率状態の開始時から、高確率状態の終了へ近づくにつれて、調整流路5911に滞留する球が増加する。
開閉部材5930は、ソレノイド1510,2810の非励磁時には連通孔5920の内側へ張り出す位置に配置され開口を球の外形以下に閉鎖する一方で、いずれかのソレノイド1510,2810が励磁されることに伴い連通孔5920の外側へ退避する位置に配置される可動閉鎖部材5931と、その可動閉鎖部材5931と駆動装置1500の先端部材1520とを連結すると共にソレノイド1510の駆動に伴い左右方向に移動可能に薄板部材1110に支持される連結棒部5932と、連結棒部5932の先端に配設されると共に可動閉鎖部材5931を連結棒部5932に対して上下に相対動作可能に支持するスライドレール部5933と、連結棒部5932に一端が配設され可動閉鎖部材5931に上昇方向の付勢力を与える弾性バネ5934と、を主に備える。
図46(a)及び図46(b)は、図45のXLVI-XLVI線における第1可変入賞装置5000の断面図である。図46(a)では、連通孔5920が開放された状態が図示され、図46(b)では、連通孔5920が閉鎖された状態が図示される。
図46(a)に示すように、可動閉鎖部材5931が退避され、連通孔5920から貯留流路1231へ球が流入し滞留し得る場合、貯留流路1231へ3球目の球AP53までが流入し、4球目の球AP54は連通孔5920から抜け出ない位置に留められる。
大当たり遊技においては、この状態で第1特定入賞口1000a又は第2特定入賞口2255aを通過した複数の球IP51(図46では、1球のみ図示)が貯留流路1231へ流入するので、連通孔5920から抜けでない位置に留められた球AP54が貯留流路1231へ入球するためのスペースが流入した球IP51により埋め尽くされる。従って、連通孔5920から抜け出ない位置に留められた球は、その後も貯留流路1231へ流入せず、そのままの位置で維持される。
図46(b)に示すように、ソレノイド1510,2810が非励磁となり、規制部材2600が排出状態へと変化するのに伴い、可動閉鎖部材5931が張り出し調整流路5911から貯留流路1231への球の流入が規制される。
貯留流路1231からの球の排出が終了すると、再び、図46(a)に示す状態へと切り替わることで、先ほどは連通孔5920から抜けでない位置に留められた球AP54が先頭となり3球目までの球が貯留流路1231に流入する。
大当たり遊技においては、上述したように調整流路5911からの貯留流路1231への球の流入が繰り返されることとなり、その流入は、連通孔5920の1回の開放につき最大3個ずつに規定される。
図47を参照して、ソレノイド1510の駆動により大当たり遊技が進行する場合について説明する。図47(a)から図47(c)は、第1可変入賞装置5000の部分背面図である。図47(a)から図47(c)では、ソレノイド1510の駆動による開閉板1300、規制部材2600及び開閉部材5930の動作が時系列に沿って図示される。
図47(a)では、ソレノイド1510が励磁された状態が、図47(b)では、ソレノイド1510の励磁が解除され時間差形成部5423の先端が開閉板1300の係合部1333の背面側(図47(b)紙面手前側)に配置された状態が、図47(c)では、時間差形成部5423が係合部1333の上方に配置された状態が、それぞれ図示される。
図47(a)に示すように、連通孔5920は、ソレノイド1510が励磁されることに伴い開放され、球が通過可能な状態とされる。
図47(a)の状態から、図47(b)の状態に変化すると、先端部材1520の移動に伴い可動閉鎖部材5931が移動し、連通孔5920を閉鎖する一方で、開閉板1300の係合部1333が依然として動力伝達部材5400の時間差形成部5423に前後方向で当接し、開閉板1300の移動が規制されるので、規制部材2600は貯留状態を維持する。
図47(c)に示す状態では、規制部材2600が排出状態とされ、貯留流路1231に滞留していた球が排出される。即ち、ソレノイド1510の駆動において、排出口1150からの球の排出が開始される前に連通孔5920を閉鎖することができるので、排出口1150からの球の排出の勢いにつられて、調整流路5911から球が流れ込むことを防止することができる。
図48(a)及び図48(b)は、第1可変入賞装置5000の部分背面図である。図48(a)及び図48(b)では、ソレノイド2810の駆動による規制部材2600及び開閉部材5930の動作が時系列に沿って図示される。図48(a)では、ソレノイド1510及びソレノイド2810が非励磁の状態が、図48(b)では、ソレノイド2810が励磁された状態が、それぞれ図示される。
図48(a)及び図48(b)に示すように、ソレノイド2810が励磁されると、押下作用部5870により可動閉鎖部材5931が押し下げられることにより、連通孔5920が開放される。これにより、球が連通孔5920を通って貯留流路1231に流入可能になる。一方で、ソレノイド2810の励磁が解除されると、弾性バネ5934の付勢力により可動閉鎖部材5931が上昇移動され、連通孔5920が閉鎖される。
従って、ソレノイド1510またはソレノイド2810のいずれかが励磁されることにより、連通孔5920が開放され球が貯留流路1231へ流入可能とされる一方で、非励磁とされることにより、連通孔5920が閉鎖され貯留流路1231への流入が規制される。
上述した機構により、ソレノイド1510,2810が駆動制御される大当たり遊技において、連通孔5920を通って一定個数ずつ(本実施形態では最大3個ずつ)の球が貯留流路1231へ流入する。
本実施形態では、特別図柄の低確率状態では、例えば、320分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定され、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変状態)では、例えば、20分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定される。そして、特別図柄の大当たりと判定されると、その大当たり遊技の終了後、特別図柄の抽選が30回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が30回終了して以降は通常状態に設定されるように構成される。本実施形態では、特別図柄の高確率状態において、普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入賞し易くなる態様で構成される。
本実施形態では、特別図柄の大当たり種別として、「大当たりH」、「大当たりh」、「大当たりi」の3種類が設けられている(図49参照)。詳細については後述するが、大当たり種別によって、第1特定入賞口1000a及び第2特定入賞口2255aの開放パターンが異なって構成され、第1可変入賞装置5000への球の入球個数を変化可能に構成される。
図49は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図である。第1当たり種別選択テーブル202b(図49参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入球口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~99」の範囲には、大当たりHが対応付けられて規定されている(図49の202b51参照)。
特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~19」の範囲には、大当たりhが対応付けられて規定されている(図49の202b52参照)。
大当たりH又は大当たりhとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置4000の第11の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約2250個の賞球の払い出しを受けることができると共に、大当たり獲得のタイミングによらず規定個数の球を入賞させることができ、規定上限の払い出しを受けることができる。
特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「20~99」の範囲には、大当たりiが対応付けられて規定されている(図49の202b53参照)。
大当たりiとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置4000の第12の作動パターンで実行される。この場合、大当たり獲得までの第2入球口640の入球個数に応じて、賞球の払い出し個数の最大値および大当たり遊技にかかる時間が可変とされる。
即ち、特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、その大当たりのタイミングによらず規定個数の賞球の払い出しを望める一方で、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、大当たり獲得までの第2入球口640の入球個数に応じて、賞球の払い出し個数の最大値および大当たり遊技にかかる時間が可変とされるので、右打ち遊技において大当たりを獲得するという遊技性に、右打ち遊技の大当たりがいつ生じるかによって賞球の払い出しを異ならせるという遊技性を加えることができる。これにより、右打ち遊技を漫然と遊技することを抑制でき、各変動への注目力を向上させることができる。
次いで、図50を参照して、本実施形態における第1特定入賞口1000a及び第2特定入賞口2255aの開放パターンについて説明する。図50(a)は、第11の作動パターンにおける第1特定入賞口1000a及び第2特定入賞口2255aの計時変化を示した図であり、図50(b)は、第12の作動パターンにおける第1特定入賞口1000a及び第2特定入賞口2255aの計時変化を示した図である。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、決定した種類の大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる開閉板1300及びスライド板2840の作動制御について説明する。
<第11の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりH又は大当たりhの大当たり遊技の場合には、前記第11の作動パターンに基づいて開閉板1300及びスライド板2840が動作するようMPU201がソレノイド1510,2810を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板1300及びスライド板2840を閉状態に保持するようソレノイド1510,2810を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共にスライド板2840を閉状態から開状態へ変位させて第2特定入賞口2255aを開放するようソレノイド2810を駆動制御して、スライド板2840に長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施絵形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、スライド板2840を閉状態へ変位させて第2特定入賞口2255aを閉鎖するようソレノイド2810を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、第2特定入賞口2255aの開放に伴い、連通孔5920が開放され、球が貯留流路1231へ最大3個流入する(図46、図48参照)ものの、第2貯留流路2251から貯留流路1231まで球を貯留する場合、第2検出センサ2255の下流に13個の球を貯めることができるので、連通孔5920から流入される球が何個(1~3個)であったとしても問題無く、規定個数(10C)の入賞によりラウンド遊技Rを終了させることができる。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第3インターバル時間Int3(3.0秒)が経過するまで開閉板1300及びスライド板2840を閉状態に保持するようソレノイド1510,2810を駆動制御し、ラウンド間第3インターバル時間Int3の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。ここで、3秒間のインターバルにより、排出口1150から最大15個の球を排出することができるので、1ラウンド目のラウンド遊技Rの終了時に貯留流路1231の一部および第2貯留流路2251に連ねて貯留可能な球(最大14個)を全球排出することができる。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共にスライド板2840を閉状態から開状態へ変位させて第2特定入賞口2255aを開放するようソレノイド2810を駆動制御して、スライド板2840に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、スライド板2840を閉状態へ変位させて第2特定入賞口2255aを閉鎖するようソレノイド2810を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目~最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、スライド板2840が閉状態および開状態の間で変位し、第2特定入賞口2255aを開閉するようソレノイド2810が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第3インターバル時間Int3およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまでスライド板2840を閉状態に保持するようソレノイド2810が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
本作動パターンによれば、ソレノイド2810の駆動動作(励磁)ごとに調整流路5911から球が3個ずつ貯留流路1231に流入する。そのため、調整流路5911に最大個数(30個)の球が貯留されていた場合であっても、大当たり遊技の終了時まで(10ラウンド目のラウンド遊技Rの終了時)に、全球を貯留流路1231へ入球させることができるので、貯留流路1231に球が残留しない状態で大当たり遊技を終了することができる。
<第12の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりiの大当たり遊技の場合には、前記第12の作動パターンに基づいて開閉板1300及びスライド板2840が動作するようMPU201がソレノイド1510,2810を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板1300及びスライド板2840を閉状態に保持するようソレノイド1510,2810を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。なお、4ラウンド目のラウンド遊技Rまでは、第11の作動パターンと同様なので、説明を省略する。
4ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第3インターバル時間Int3(3.0秒)が経過するまでスライド板2840を閉状態に保持するようソレノイド2810を駆動制御し、ラウンド間第3インターバル時間Int3の経過後に、5ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
5ラウンド目では、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
そして、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、5ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
ここで、5ラウンド目のラウンド遊技Rでも連通孔5920からの球の流入が可能とされるところ、4ラウンド目までと異なり第1特定入賞口1000aから球が入球する。そのため、連通孔5920からの球の流入が実際に行われると、規定個数の球を入賞させることができない。従って、本作動パターンの5ラウンド目のラウンド遊技Rで獲得できる賞球が第11の作動パターンの際に同ラウンド目のラウンド遊技Rで獲得できる賞球に比較して少なくなると共に、第1の作動時間T1の経過までラウンド遊技Rの終了を待つことになるので大当たり遊技の終了までの時間が長期化する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第3インターバル時間Int3を挟んで6ラウンド目~15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、開閉板1300が閉状態および開状態の間で変位し、第1特定入賞口1000aを開閉するようソレノイド1510が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第3インターバル時間Int3およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
本作動パターンにおいて、5ラウンド目のラウンド遊技Rから、その後のラウンド遊技Rにおいて発生し得る賞球個数の低下と、ラウンド時間の延長とは、連通孔5920から貯留流路1231へ球が流入することにより生じるものであり、大当たり開始時において調整流路5911に残留する球の個数により、賞球個数の低下や、ラウンド時間の延長が、どの程度生じるのかが変化する。調整流路に残留する球の個数は第2入球口640を通過した球の個数に対応する一方で、第2入球口640の球の通過により特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)を受けることができるので、調整流路5911に残留する球の個数は特別図柄2の抽選回数に関連する。
なお、以下の説明では、本作動パターンにおいて、高確率状態における特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)の回数と、調整流路5911に残留する球の個数が同数であると仮定して説明する。
上述したように、本作動パターンの大当たり遊技において、第1特定入賞口1000a又は第2特定入賞口2255aが1回開放されることにより3個の球が貯留流路1231へ流入する。即ち、4ラウンド目のラウンド遊技Rまでにおいて、既に、最大で12個の球が貯留流路1231へ流入している。従って、5ラウンド目以降のラウンド遊技において連通孔5920を通って貯留流路1231へ球が流入されるのは調整流路5911に13個以上の球が貯留された状態で大当たり遊技が開始された場合である。換言すれば、高確率状態に移行してから、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)を13回以上受けた状態で大当たり遊技が開始された場合である。
従って、高確率状態に移行してから、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)を12回受けるまでの間に大当たりを獲得すれば、賞球個数の低下と、ラウンド時間の延長とが生じないので、12回目の抽選までに大当たりを獲得することに対する遊技者の注目力を向上させることができる。
また、13回目の抽選以降も、1回の抽選ごとに賞球個数の低下が生じ、3回の抽選ごとにラウンド時間の延長が生じるので、何回目の抽選で大当たりを獲得できるかに対する遊技者の注目力を向上させることができる。
即ち、例えば、調整流路5911に球が14個残留した状態(特別図柄2の14回目の抽選)で大当たりを獲得した場合、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時に連通孔5920を通って貯留流路1231に流入する球の個数は2個となるので、このラウンドで入賞可能な個数は8個となる。また、調整流路5911に球が15個残留した状態(特別図柄2の15回目の抽選)で大当たりを獲得した場合、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時に連通孔5920を通って貯留流路1231に流入する球の個数は3個となるので、このラウンドで入賞可能な個数は7個となる。そのため、残留個数が多くなるほど、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて賞球の払い出し個数が減少することとなる。
一方で、13回目から15回目の抽選で大当たりを獲得した場合、いずれの場合も、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時に貯留流路1231へ流入することで、調整流路5911に残留する球は0個となる。従って、6ラウンド目のラウンド遊技Rからは、規定個数の球を第1特定入賞口1000aに入賞させることができ、それにより6ラウンド目のラウンド遊技Rを終了させることができるので、ラウンド時間の延長の度合いに変化は生じない。
また、大当たりを獲得した場合の調整流路5911の残留個数が16~18個の時には6ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、19~21個の時には、7ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、22~24個の時には、8ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、25~27個の時には、9ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、28~30個の時には、10ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、賞球個数の低下と、ラウンド時間の延長とが生じる。
これにより、本実施形態のように、高確率状態が抽選回数によって終了する遊技性において、高確率状態への移行から間もなく大当たりを獲得した場合と、高確率状態の終了間際において大当たりを獲得した場合とで、遊技者に与えられる利益(賞球の払い出し個数、大当たり遊技の進行時間など)に差を付けることができる。
この場合において、本実施形態では、高確率状態への移行から大当たり獲得までの抽選回数が多くなるにつれて遊技者に与えられる利益が低減されるので、大当たり獲得までの抽選回数が少なかった場合に、本来は残りの抽選回数でも高確率で抽選を受けられる機会があったはずだったが、それが受けられなくなるという遊技者の不満を、部分的に解消することができる。
換言すれば、高確率状態となってから、1回目の抽選で大当たりを獲得した場合には、残りの29回の抽選を加算して、次は59回の抽選を受けられるはずだったが、実際は大当たり遊技終了後の高確率状態は、再び30回に限定されるということに対する遊技者の不満を、部分的に解消することができる。これにより、遊技の公平性を維持することができる。
なお、高確率状態においても、特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)で大当たりを獲得した場合には、第11の作動パターンで第2特定入賞口2255aが開閉され、高確率状態に移行してからの抽選回数に関わらず最大の払い出しを受けることが可能となる。従って、遊技者は、高確率状態において、第1入球口64に球を入賞させることを狙う遊技(左打ち遊技)を行っても良い。
この場合、右打ち遊技を行う場合に比較して、特別図柄の抽選につながらず第1アウト口66から排出される球の数が増加すると共に、抽選を受けられる間隔が長くなり、遊技時間が長くなる恐れがある。
そのため、高確率状態における遊技の仕方として、遊技者は、大当たり獲得までに第1アウト口66から排出される球の数を抑制しながら、短時間で、最大個数の払い出しを受けられる大当たり種別(大当たりh)の大当たりの獲得を狙うか(右打ち遊技をするか)、大当たり獲得までに第1アウト口66から排出される球が多くなり、遊技時間が長くなることは覚悟して、大当たり遊技における賞球の低下の危険性を排除できる大当たり種別(大当たりH)の大当たりの獲得を狙うか(左打ち遊技をするか)を、適宜選択することができる。これにより、遊技者の趣向や、置かれた状況(遊技可能時間など)により、選択する遊技方法の幅を広げることができる。
なお、高確率状態が終了したあとは、第2入球口640は開放し難くなり、遊技者は左打ち遊技に移行する。この場合、調整流路5911には複数個の球が残留することになるが、左打ち遊技で獲得できる大当たり種別(大当たりH)の大当たりでは、調整流路5911に残留する球の個数によらず、最大個数の払い出しを規定個数の入賞により獲得することができるので、遊技者に与えられる利益(賞球数、遊技時間の両面における利益)が損なわれることは無い。従って、調整流路5911に球が残留する状態で遊技者が遊技をやめ、次の遊技者が遊技を行う場合でも、その遊技者に与えられる利益が損なわれることを防止することができる。遊技者に任意のタイミングで遊技を開始させることができる。
なお、本実施形態では、高確率状態における特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)の回数と、調整流路5911に残留する球の個数(第2入球口640への入球個数)とが、同数であると仮定して説明したが、実際の遊技においては、大当たり獲得時に調整流路5911に残留する球数が、大当たり獲得までの特別図柄2の抽選の回数と同数であることは少ないことに留意する必要がある。
即ち、特別図柄2の抽選は第2入球口640に球が入賞することに伴い行われるところ、その抽選で大当たりを獲得したか否かを遊技者が認識するのは、その後のリーチ演出や、ボタン押し演出などを経た後であるので、その間にも、遊技者は第2入球口640に球を打ち込み続けていることが普通である。本実施形態のパチンコ機10では、第2入球口640への入球が4球まで保留可能とされるので、普通の遊技態様(遊技者が効率良く抽選を受ける遊技態様、所謂、保留止めまでの打ちっ放し)で、遊技者が大当たりの判定を認識できる抽選の回数に加えて最大4個程度の球が第2入球口640に多めに入球している状態が維持される。
また、保留数が最大の時に第2入球口640に入球したとしても抽選は受けられない一方で、球は調整流路5911に入球するので、大当たり遊技において遊技者が得られる利益が減少する可能性が高まる。保留は、変動が停止し次変動が開始されることにより消化されるので、換言すれば、変動の停止までの期間が長いほど、大当たり遊技において遊技者が得られる利益が減少する可能性が高まることになる。
従って、ロングリーチなどの期待感の高い演出の際に、球を打ちっ放しにしていると、大当たり遊技において遊技者が得られる利益が減少する可能性が高まる遊技性を形成することができる。これにより、ロングリーチなどの期待感の高い演出の際に遊技者が球の打ち出しを継続することを抑制することができるので、遊技者が球の射出力の調整に割いていた集中力を解消することができる。従って、ロングリーチなどの演出への遊技者の集中力を向上させることができ、演出への注目力を向上させることができる。
次いで、図51から図54を参照して、第6実施形態について説明する。第1実施形態では、貯留流路1231に貯留される球の配置が一義的な位置に固定される場合を説明したが、第6実施形態における第1可変入賞装置6000は、駆動により球と干渉して貯留流路1231内における球の配置を変化可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図51は、第6実施形態における遊技盤13の部分正面図である。図51に示すように、本実施形態における第1可変入賞装置6000の下方に第4実施形態で上述した確率変動判定部4800が配設され、貯留流路1231から排出される球が特定領域4830を通過するか否かにより大当たり遊技後の状態が変化するように構成される。
図52は、図51のLII-LII線における第1可変入賞装置6000の部分断面図である。なお、図52では、干渉部材6930の退避状態が図示される。第1可変入賞装置6000は、第1実施形態における第1可変入賞装置1000と同様の構成(本体部材1100、覆設前板1200、開閉板1300、動力伝達部材1400、駆動装置1500、規制部材1600及び後カバー1700)を備えることに加え、第6実施形態で新出の干渉装置6900を備える。
干渉装置6900は、本体部材1100の背面側に配設されスライド可動軸が本体部材1100の薄板部材1110の面と平面な面に沿って配置されるソレノイド6910と、そのソレノイド6910の可動部の先端に固着される先端部材6920と、その先端部材6920の動作により本体部材1100の前後方向にスライド動作する干渉部材6930と、を主に備える。
先端部材6920は、薄板部材1110の面に対して傾斜する長孔6921を備える。長孔6921は、先端部材6920の先端側ほど薄板部材1110に近接する態様で傾斜形成される。
干渉部材6930は、覆設前板1200の貯留流路1231と対向配置される薄板部材1110に形成される貫通孔H61に前後方向にスライド可能に支持されると共に、後側端部が長孔6921に挿通され、ソレノイド6910の駆動に伴い長孔6921に沿って後側端部が前後動作する。この前後動作により、貫通孔H61を通って貯留流路1231内部へ侵入可能とされる。
貫通孔H61は、貯留流路1231に貯留される3個目の球P3の中心から若干左方に離間する位置に配設される。干渉部材6930が貫通孔H61から前方にスライド動作することにより張出状態(図52想像線参照)とされることで、球P3が押圧され貯留流路1231の上流側に押しやられる。
図53(a)及び図53(b)は、第1可変入賞装置6000の正面図である。なお、図53(a)では、干渉部材6930が退避状態とされた場合が図示され、図53(b)では、干渉部材6930が張出状態とされた場合が図示される。なお、貯留流路1231に貯留可能な球が想像線で図示され、後述する第13の作動パターン及び第14の作動パターンにより始めに特定領域4830へ入球する球に「V」が記載される。
図53(a)及び図53(b)に示すように、干渉部材6930の退避状態では貯留流路1231に球が10個貯留される一方で、干渉部材6930の張出状態では、3球目以降の球が貯留流路1231の上流側へ押し込まれ、10球未満の貯留個数に留まることになる。従って、本実施形態のように、大当たり遊技のラウンド遊技Rごとの規定個数が10個とされる場合、干渉部材6930が張出状態とされていると、球を規定個数入賞させることができず、規定個数の入賞によりラウンド遊技Rを終了させることができないので、規定時間までラウンド遊技Rの終了を待つことになる。この違いを利用して、実現することができる演出について、本実施形態における遊技態様の説明と合わせて、以下で説明する。
本実施形態では、特別図柄の低確率状態では、例えば、10分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定され、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変状態)では、例えば、4分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定される。
そして、特定領域4830を遊技球が通過すると、その大当たり遊技の終了後、特別図柄の抽選が10回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が10回終了して以降は通常状態に設定されるように構成される一方で、特定領域4830を遊技球が通過しない場合には、その大当たり遊技の終了後、特別図柄の抽選が10回終了するまで普通図柄の時短状態となるように構成される。
本実施形態では、特別図柄の大当たり種別として、「大当たりI」、「大当たりj」の2種類が設けられている。詳細については後述するが、大当たり種別によって、第1特定入賞口1000aの開放パターン及び振分装置4850の作動パターンが異なって構成されており、第1可変入賞装置6000への球の入球個数や特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得する確率を変化させるように構成される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、大当たりIが対応付けられて規定されている(図54参照)。大当たりIとなった場合は、2ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置6000及び振分装置4850の第13の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約285個の賞球の払い出しを受けることができると共に、ほぼ確実に特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができない。
一方、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、大当たりjが対応付けられて規定されている(図54参照)。
大当たりjとなった場合は、2ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置6000及び振分装置4850の第14の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約300個の賞球の払い出しを受けることができると共に、ほぼ確実に特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができる。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、ほぼ確実に特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができるので、特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなる場合に比較して、遊技者にとって有利となる。従って、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりを獲得するために、特別図柄の確変状態(高確率状態)においては、遊技者は右打ち遊技を行う。
特別図柄の確変中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間が長くなる(1秒×2回)ように設定される。よって、第2入球口640へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。従って、一旦特別図柄の確変状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりj(ほぼ確実に特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得できる大当たり)となる特別図柄の確変状態が繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次いで、図54(a)及び図54(b)を参照して、本実施形態における第1特定入賞口1000a及び特定領域4830の開放パターンについて説明する。図54(a)は、第13の作動パターンにおける第1特定入賞口1000a及び特定領域4830の計時変化を示した図であり、図54(b)は、第14の作動パターンにおける第1特定入賞口1000a及び特定領域4830の計時変化を示した図である。
なお、図54では、識別を容易とするために、ラウンド間第1インターバル時間Int1が、他の時間(第6オープニング時間OP6や、長期作動時間TL)との相対的な関係を無視して記載される。従って、図54における各時間の長さ相対的な比較に用いることはせず、各時間の長さの相対的な比較は、以下で記載する時間関係により行う。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、決定した種類の大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる開閉板1300、振分動作部材4851及び干渉部材6930の作動制御について説明する。
<第13の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりIの大当たり遊技の場合には、前記第13の作動パターンに基づいて開閉板1300、振分動作部材4851及び干渉部材6930が動作するようMPU201がソレノイド1510,4852,6910を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板1300及び振分動作部材4851を閉状態に、干渉部材6930を退避状態にそれぞれ保持するようソレノイド1510,4852,6910を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
MPU201は、開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させると、タイマ手段(図示せず)が所定の第6オープニング時間OP6(3.0秒)が経過するまで振分動作部材4851を閉状態に保持し、第6オープニング時間OP6の経過後に、長期作動時間TL(本実施形態では27秒間)振分動作部材4851を開放位置へ移動させ、長期作動時間TLの経過後、振分動作部材4851を再び閉状態に保持するようソレノイド4852を駆動制御して、振分動作部材4851に長時間動作を行わせる。
MPU201は、開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させると、タイマ手段(図示せず)が所定の第6オープニング時間OP6(3.0秒)が経過するまで干渉部材6930を退避状態に保持し、第6オープニング時間OP6の経過後に、長期作動時間TLだけ干渉部材6930を張出状態へ変化させ、長期作動時間TLの経過後、干渉部材6930を再び退避状態に保持するようソレノイド6910を駆動制御して、干渉部材6930に長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施絵形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
本実施形態では、干渉部材6930が長期作動時間TLだけ張出状態となる。この間は、貯留流路1231に規定個数の球を入賞させることができない(図53(b)参照)。そして、本実施形態では、第6オープニング時間OP6と、長期作動時間TLの合計が第1の作動時間T1の最大値となるので、第1の作動時間T1の最大値まで待って初めて干渉部材6930が退避状態となるので、実質的に、規定個数の球を入賞させることは不可能であり、1ラウンド目のラウンド遊技Rは、第1の作動時間T1の経過により終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rの終了と同時に、干渉部材6930が退避状態へ変化すると共に、振分動作部材4851が閉状態に切り替えられる。そのため、貯留流路1231から排出した球を特定領域4830へ通過させることができない。従って、遊技者は特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができない。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで開閉板1300及び振分動作部材4851を閉状態に、干渉部材6930を退避状態にそれぞれ保持するようソレノイド1510,4852,6910が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
<第14の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりjの大当たり遊技の場合には、前記第14の作動パターンに基づいて開閉板1300、振分動作部材4851及び干渉部材6930が動作するようMPU201がソレノイド1510,4852,6910を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板1300及び振分動作部材4851を閉状態に、干渉部材6930を退避状態にそれぞれ保持するようソレノイド1510,4852,6910を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
MPU201は、開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させると、タイマ手段(図示せず)が所定の第6オープニング時間OP6(3.0秒)が経過するまで振分動作部材4851を閉状態に保持し、第6オープニング時間OP6の経過後に、長期作動時間TL(本実施形態では27秒間)振分動作部材4851を開放位置へ移動させ、長期作動時間TLの経過後、振分動作部材4851を再び閉状態に保持するようソレノイド4852を駆動制御して、振分動作部材4851に長時間動作を行わせる。
MPU201は、開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させると、タイマ手段(図示せず)が所定の第6オープニング時間OP6(3.0秒)が経過するまで干渉部材6930を退避状態に保持し、第6オープニング時間OP6の経過後に、微少時間(本実施形態では0.2秒間)干渉部材6930を張出状態へ変化させ、微少時間の経過後、干渉部材6930を再び退避状態に保持するようソレノイド6910を駆動制御して、干渉部材6930に短時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施絵形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
本実施形態では、干渉部材6930が微少時間だけ張出状態となるものの、ほとんどの時間で退避状態とされるので、図53(a)に示すように、1ラウンド目のラウンド遊技において規定個数の球を入賞させることが可能である。従って、振分動作部材4851が開状態とされる間に開閉板1300を閉鎖し、規制部材1600を排出状態とし、確率変動判定流路4820へ向けて球を排出することができるので、球を特定領域4830へ流下させることができる。従って、遊技者は特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができる。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで開閉板1300を閉状態に保持するようソレノイド1510を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板1300を閉状態から開状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを開放するようソレノイド1510を駆動制御して、開閉板1300に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板1300を閉状態へ変位させて第1特定入賞口1000aを閉鎖するようソレノイド1510を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで開閉板1300及び振分動作部材4851を閉状態に、干渉部材6930を退避状態にそれぞれ保持するようソレノイド1510,4852,6910が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
ここで、第6オープニング時間OP6は、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、球の入賞個数が3個以上6個未満となると予想される時間として設定される。この場合、干渉部材6930が貯留流路1231に貯留する球の背面側に配置されることになるので、その球により遊技者の視線が遮られ、干渉部材6930の動作を視認することが困難となる。これにより、遊技者が干渉部材6930の動作態様を確認することを困難とすることができる。
そのため、干渉部材6930の張出による変化は、3個目以降の球が貯留流路1231内を若干移動することに留まるので、干渉部材6930による変化が生じたのか否かを遊技者に認識し難くすることができ、干渉部材6930の動作により遊技者に違和感を与えることなく、第1特定入賞口1000aに球を入賞させて貯留流路1231に球を貯留させるという遊技を楽しんで行わせることができる。
そして、貯留流路1231の入口付近まで球が貯留され、それでも1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了しないことによって初めて違和感を与え、貯留流路1231に貯留される球の数を実際に数えさせることで初めて大当たり種別の違いを認識するという、新たな遊技性を形成することができる。
このように、本実施形態によれば、遊技盤13を通して視認される状況の変化(干渉部材6930の状態の変化)を認識し難くしながら、第1可変入賞装置6000の動作態様により遊技者に与えられる違和感から遊技盤13の状況の変化を認識容易な態様で報知し、大当たり種別の違いを遊技者に認識させることが可能である。従って、第1可変入賞装置6000に対する注目力を向上させることができる。
次いで、図55から図58を参照して、第7実施形態について説明する。第3実施形態では、開閉板1300が閉状態となった時に落下位置Pf3の鉛直位置に配置されていた球がそのまま落下する場合を説明したが、第7実施形態における第1可変入賞装置7000は、第2落下遅延板7260により、開閉板1300が閉状態となった時に落下位置Pf3の鉛直位置に配置されていた球が落下遅延板3250側へ流下し得る態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図55は、第7実施形態における覆設前板7200の背面斜視図であり、図56は、第1可変入賞装置7000の上面図であり、図57は、図35(b)のXXXVc-XXXVc線に対応する線における第1可変入賞装置7000の部分断面図である。本実施形態の第1可変入賞装置7000は、覆設前板7200以外の構成は、第3実施形態で上述した第1可変入賞装置3000と同様なので、説明を省略する。
図55から図57に示すように、覆設前板7200は、第3実施形態で説明した構成と同様の構成(薄板部材1210、側壁部1220、収容部1230、検出センサ1240及び落下遅延板3250)に加え、本実施形態で新出の第2落下遅延板7260を備える。
第2落下遅延板7260は、終端面3251bと収容部1230との間に亘って薄板部材1210の背面側に延設される板部材であって、その上面7261が検出センサ1240から離反するほど下降傾斜する。図57に示すように、第2落下遅延板7260は、開閉板1300の板部1310と干渉しない程度に後方へ向けて延設される。
図56に示すように、第2落下遅延板7260は、検出センサ1240付近において薄板部材1110の正面側壁面との間の距離が球の直径未満とされると共に、検出センサ1240から最も離れる位置においても、薄板部材1110の正面側壁面との間の距離が球の直径未満とされる。
一方、図57に示すように、第2落下遅延板7260は、落下遅延板3250の転動円弧部3252を転動する球の移動軌跡よりも正面側(図57左側)に配設される。即ち、転動円弧部3252を転動する球に作用するものでは無い。即ち、第2落下遅延板7260は、球の到達の経路によって、球と当接するか否かが変化する板部材として構成される。そのことについて、以下に説明する。
図58(a)及び図58(b)は、図35(b)のXXXVc-XXXVc線に対応する線における第1可変入賞装置7000の部分断面図である。図58(a)では、球が落下位置Pf3の鉛直位置付近に配置された状態で開閉板1300が閉状態へ変化する場合が図示され、図58(b)では、開閉板1300が閉状態の間に球が落下位置Pf3へ向けて転動する場合が図示される。
図58(a)に示すように、球が落下位置Pf3の鉛直位置付近に配置される場合、開閉板1300の動作時に生じる板部1310の前方への傾斜に伴って、球が覆設前板7200側へ向かいつつ流下する。そのため、流下の過程で第2落下遅延板7260に当接することとなり、上面の傾斜に沿って落下遅延板3250側へ流下し、その後に落下遅延板3250の上面を転動して再び落下位置Pf3に到達する。
第2落下遅延板7260と薄板部材1110の正面側壁との間の距離(閉状態における開閉板1300の転動面1311との間の距離)は、球の直径未満とされるので、球の勢いが大きいことにより球が第2落下遅延板7260の背面側を鉛直落下することを防止することができる。
一方、図58(b)に示すように、開閉板1300の閉状態において落下遅延板3250を転動する球は、落下遅延板3250の転動円弧部3252の後方傾斜に沿って本体部材3100側へ接触しながら流下する。
このとき、球の中心位置(最大径位置)が第2落下遅延板7260よりも下方に配置されることにより、第2落下遅延板7260の背面側への延設長さを球の移動軌跡よりも正面側で留めながら、上方から落下する球を上面7261で受け止めることができる。
転動円弧部3252上を転動する球は、流下の過程で第2落下遅延板7260に当接せず、落下位置Pf3に到達した後は、そのまま落下する。そのため、第3実施形態と同様、落下遅延板3250の下側終端から滞り無く球を落下させることができる。
このように、本実施形態では、球が第2落下遅延板7260にどちらから近接するかにより、球が第2落下遅延板7260の作用を受ける場合と、受けない場合とを切り替えることができる。
本実施形態では、落下遅延板3250を転動する球を終端面3251bと対向する位置に滑らかに落下させる作用を維持しながら、2球連なって開閉板1300の上面を転動し、先の球が検出センサ1240を通過することで開閉板1300が閉状態となった場合であっても、検出センサ1240の直前に配置されていた球の落下を遅延させることができる。
また、2球連なって来た場合でなくとも、開閉板1300の上面を転動していた球が検出センサ1240の手前に配置された時にたまたま開閉板1300が閉状態とされた場合であっても、球を落下遅延板3250側へ流下させることができる。この場合、球は第2落下遅延板7260の上面7261を左方へ転動した後で、落下遅延板3250の転動円弧部3252の上面に沿って右方への転動を再開する。
そのため、実質的に、開閉板1300の上面を転動して亘りきる時間以上に球を開閉板1300の手前側に維持することができる。これにより、インターバル時間中に生じ得る無駄球(開閉板1300の正面側を流下し第1アウト口66から排出される球)の個数を低減することができる。
次いで、図59から図65を参照して、第8実施形態について説明する。図59及び図60は、第8実施形態における第1可変入賞装置8000の正面図であり、図61及び図62は、第1可変入賞装置8000の背面図である。
なお、図59及び図60では、薄板部材1210が部分的に切り欠かれ開閉板8300が視認可能とされ、側壁部1220の一部および傾斜面1237の一部が想像線で図示される。また、図59及び図61では、駆動装置1500のソレノイド1510が駆動(励磁)され、開閉板8300が開状態(上昇姿勢)となり、補助開閉部材8340が開状態(張出姿勢)となった後の状態が図示され、図60及び図62では、駆動装置1500のソレノイド1510の駆動(励磁)が解除され、開閉板8300が閉状態(傾倒姿勢)となり、補助開閉部材8340が閉状態(没入姿勢)となった後の状態が図示される。また、上述した実施形態と同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
なお、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図59から図62に示すように、第1可変入賞装置8000の開閉板8300は、上記各実施形態で説明した軸部1320と、被荷重部1330と、両軸部1320の間を約4等分に区切り、その内の正面視左側(検出センサ1240から離れた側)の3区分において板状に形成される板部8310とを備える。
即ち、本実施形態では、薄板部材1110の前面において、開閉板8300と検出センサ1240との間に隙間が生じるように構成され、この隙間に、固定受け部8250と、補助開閉部材8340とが配設される。
なお、開閉板8300の板部8310の軸方向の長さを第1実施形態に比較して短くした関係上、矩形凹部1122の形成範囲も短くすることができる。本実施形態では、板部8310が入り込むのに必要最低限の範囲で矩形凹部1122が形成されている(図59参照)。
固定受け部8250は、覆設前板8200に固定される部分であって、検出センサ1240へ案内される球の転動面の役割を担う。なお、覆設前板8200の構成は、固定受け部8250を除くと、上記実施形態で説明した覆設前板1200と共通であるので、各構成には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
固定受け部8250は、薄板部材1210の背面から本体部材1100側へ向けて突出される棒状の部材であって、その突出端部(背面側端部)は、本体部材1100の右側の支持凹部1121の開放端(正面側端部)を塞ぐ態様で本体部材1100と当接する。従って、本実施形態では、開閉板8300の右側の軸部1320は、支持凹部1121と固定受け部8250とにより回転可能に支持される。
固定受け部8250は、上面(球の転動面)が開状態の開閉板8300の上面(転動面)と面位置となるように、即ち、右へ向かうほど下降傾斜する傾斜面として形成され、下面が補助開閉部材8340の回転軸を中心とした円弧形状から形成される。下面の形状の基になる円弧は、補助開閉部材8340の動作軌跡(円弧)の半径(最長部半径、即ち、対向面8341bの上端部の動作軌跡の半径)よりも、半径の短い円弧として形成される。これにより、対向面8341bの上角部と固定受け部8250とが補助開閉部材8340の移動方向で当接することになり、補助開閉部材8340は固定受け部8250に所定角度以上の移動(回転)を規制される。
図59に示すように、固定受け部8250の出代(左方への張出長さ)は、傾斜面1237の左端から落下した球がそのまま転動面に乗ることの無い長さとして設計される。即ち、本実施形態では、固定受け部8250の左端が傾斜面1237の左端よりも左方に配置されているが、その張出長さが球の半径未満である。そのため、傾斜面1237から鉛直方向に球が落下した場合に、球が固定受け部8250に衝突することがあったとしても、球の重心が固定受け部8250の左端よりも左方にあることから、その球が検出センサ1240へ流下する事象はほぼ発生せず、球は、固定受け部8250から左方へこぼれて、第1アウト口66へ向けて落下する。
加えて、固定受け部8250から左方へこぼれた球が補助開閉部材8340の対向面8341bの上を転動する場合、球から補助開閉部材8340へ加えられる負荷は、補助開閉部材8340を閉状態へ維持する方向に向けられる(補助開閉部材8340を正面視時計回りに回転させる方向に向けられる)。そのため、球から与えられる負荷により補助開閉部材8340が開状態に状態変化することを避けることができる。
また、遊技領域における第1可変入賞装置8000の上流側の構成(釘や、第2入球口640等の配置、図2参照)から、固定受け部8250へ右下方への速度を持つ球が飛び込む事象が発生する可能性は極めて低い。
従って、検出センサ1240の上流側に転動面を有する固定受け部8250を配設しながら、固定受け部8250単体では、検出センサ1240に球が過度に案内されやすくなる効果を奏することの無いように構成される。
固定受け部8250の本質は、補助開閉部材8340を回転動作で開閉させながら、その上面(転動面)を転動する球の流下に不具合が生じることを抑制することにある。以下、補助開閉部材8340の詳細を説明する。
補助開閉部材8340は、薄板部材1110に回転可能に軸支される部材であって、薄板部材1110の正面側に配設される受け板8341と、その受け板8341から回転軸へ向けて延設される棒状の連結部8342と、薄板部材1110の背面側に配設され動力伝達部材1400と当接可能に構成される被荷重部8343と、連結部8342及び被荷重部8343を相対回転不能に連結する棒状部材であって、薄板部材1110に回転可能に軸支される軸支棒部8344と、を主に備える。
軸支棒部8344は、本実施形態では、薄板部材1110に支持される被軸支部が断面円形状とされ、その前側において連結部8342を支持する支持部と、後側において被荷重部8343を支持する支持部とが、断面D字状(円形状では無い形状)に形成される。このD字形状と対応する形状の嵌合部(孔または凹部)が連結部8342及び被荷重部8343に形成されており、使用状態(図59参照)では、支持部と嵌合部とが嵌め合わされることにより、連結部8342と被荷重部8343とが一体的に回転するように構成される。
被荷重部8343は、軸支棒部8344に端部が軸支される略扇状の部分であって、動力伝達部材1400と当接する曲面状の上面である当接曲面8343aと、被荷重部8343の姿勢に寄らず軸支棒部8344の右側に配置され、補助開閉部材8340の重心位置を含む重心部8343bと、を備える。
当接曲面8343aは、図62に示すように、動力伝達部材1400の動作中に延設部1420の下面と重なる直線であって、延設部1420が下降動作(傾倒)する場合に、延設部1420と被荷重部8343とが当接を開始する点を含む当接開始線FL1に対して、延設部1420と当接開始する右側端部が略平行な面を有する。
その右側端部から、延設部1420との当接終点となる左側端部へ向けて、徐々に回転半径が短くなる態様で滑らかな曲面が形成されるので、延設部1420と被荷重部8343との間の負荷伝達を、滑らかに(動摩擦が小さな状態で)生じさせることができる。これにより、延設部1420に対する被荷重部8343の追従性を向上させることができる。
重心部8343bは、動力伝達部材1400からの負荷が生じていない場合に、補助開閉部材8340を閉状態(没入姿勢)で維持するための部分である。即ち、重心部8343bに補助開閉部材8340の重心位置が含まれるので、自重による回転により、補助開閉部材8340が閉状態(没入姿勢)へ向けて姿勢変化する。そして、補助開閉部材8340の受け板8341と固定受け部8250の左端部とが当接することで補助開閉部材8340のそれ以上の回転が規制され、補助開閉部材8340が閉状態(没入姿勢)に維持される。
連結部8342は、受け板8341の左端部(即ち、開閉板8300と隣接し、負荷が生じる可能性がある部分)において受け板8341と結合される。これにより、連結部8342の配設範囲を狭めながら、受け板8341の左端部の剛性を向上させることができるので、ソレノイド1510が駆動(励磁)された場合に、補助開閉部材8340が開閉板8300と衝突したとしても、補助開閉部材8340が破損する可能性を低くすることができる。
なお、連結部8342は、受け板8341と軸支棒部8344とを連結できればよく、その構成態様はこれに限られるものでは無い。例えば、受け板8341の左端部と軸支棒部8344とを連結することに加え、受け板8341の右端部と軸支棒部8344とを連結するようにしても良いし(即ち、2本の棒で受け板8341の左右端部を支持する形態でも良いし)、その場合の2本の棒を軸支棒部8344と直交する平面に沿った面状板部で連結し補強するようにしても良い。
受け板8341は、開閉板8300の板部8310の短手方向幅と同程度の前後幅を有する板状部分であって、平面状の転動平面8341aと、その転動平面8341aの左端に連設される面であって開状態(図59参照)において開閉板8300の板部8310の右端面と対向配置される対向面8341bと、を備える。
転動平面8341aは、開状態(張出姿勢)において、開状態(上昇姿勢)の開閉板8300の板部8310の転動面1311に対して、面位置でつながる平行な平面として形成される。
対向面8341bは、転動平面8341aと直交する平面として構成され、その短手方向幅(受け板8341の厚さ)は、板部8310の厚さと略同等に構成される。これにより、対向面8341bと板部8310との当接時の負荷を受ける面を大きくすることができるので、当接時の負荷により受け板8341又は板部8310が損傷すること(割れや欠けが生じたり、破損したりすること等)を回避し易くすることができる。
ここで、対向面8341bは、軸支棒部8344を通り軸部1320の中心軸と直交する平面の左側(検出センサ1240から離れる側)に配設される。そのため、図59に示すように、補助開閉部材8340が開状態(図59参照)と閉状態(図60参照)とで動作する際の対向面8341bの動作軌跡LC1は、開状態における転動平面8341aよりも上方(軸支棒部8344の径方向外側)に膨らむことになる。これにより、転動平面8341aの上面に乗る球(本実施形態では、1個)を検出センサ1240に押し込み易くすることができるが、詳細については後述する。
次いで、図63から図65を参照して、動力伝達部材1400を通して伝達される負荷による補助開閉部材8340、開閉板8300及び規制部材1600の動作態様および動作順序について説明する。
図63及び図64では、開閉板8300、補助開閉部材8340、動力伝達部材1400、駆動装置1500の先端部材1520及び規制部材1600の動作が時系列に沿って図示される。また、図65では、駆動装置1500のソレノイド1510の駆動(励磁)状態の変化、先端部材1520、開閉板8300、補助開閉部材8340及び規制部材1600の位置および状態の計時変化が図示される。
図63(a)は、第1可変入賞装置8000の背面図であり、図63(b)は、図63(a)のLXIIIb-LXIIIb線における第1可変入賞装置8000の断面図であり、図63(c)は、第1可変入賞装置8000の背面図であり、図63(d)は、図63(c)のLXIIId-LXIIId線における第1可変入賞装置8000の断面図である。
図64(a)は、第1可変入賞装置8000の背面図であり、図64(b)は、図64(a)のLXIVb-LXIVb線における第1可変入賞装置8000の断面図であり、図64(c)は、第1可変入賞装置8000の背面図であり、図64(d)は、図64(c)のLXIVd-LXIVd線における第1可変入賞装置8000の断面図である。
なお、図63及び図64では、理解を容易とするために、開閉板8300、補助開閉部材8340、動力伝達部材1400、駆動装置1500の先端部材1520、規制部材1600及び覆設前板8200の固定受け部8250のみが組立状態(図59から図62参照)の配置を維持して図示され、その他の構成の図示が省略されると共に、開閉板8300及び補助開閉部材8340が閉状態(図63(a)及び図63(b)参照)から開状態(図64(c)及び図64(d)参照)へ向けて状態変化する様子が時系列で図示される。
即ち、図63(a)及び図63(b)では、駆動装置1500の先端部材1520が基準線O1から第1距離h1だけ離間する位置に配置された状態(ソレノイド1510が非励磁の状態)が、図63(c)及び図63(d)では、先端部材1520が変位し基準線O1から第1距離h1よりも短い第2距離h2(図20(c)参照)よりも短い補助第2距離h2aだけ離間する位置に配置された状態が、図64(a)及び図64(b)では、先端部材1520が変位し基準線O1から補助第2距離h2aよりも短い第3距離h3だけ離間する位置に配置された状態が、図64(c)及び図64(d)では、先端部材1520が変位し基準線O1から第3距離h3よりも短い第4距離h4だけ離間する位置(ソレノイド1510が励磁された場合の最終到達位置)に配置された状態が、それぞれ図示される。
先端部材1520が基準線O1から補助第2距離h2aだけ離間する位置に配置された状態(図63(c)参照)は、動力伝達部材1400が延設部1420の下面を当接開始線FL1と合致させる状態と同意である。即ち、図63(c)及び図63(d)に示す状態において、補助開閉部材8340は動力伝達部材1400から負荷を受け始める(図63(a)及び図63(b)に示す状態から、図63(c)及び図63(d)に示す状態に至るまでは補助開閉部材8340は閉状態のまま維持される)。
図65は、駆動装置1500のソレノイド1510の駆動(励磁)状態の変化、先端部材1520、開閉板8300、補助開閉部材8340及び規制部材1600の位置および状態の計時変化を示した図である。なお、図65では、先端部材1520の欄に、先端部材1520の位置と対応して各距離h1,h2,h2a,h3,h4が図示される。
開閉板8300、補助開閉部材8340及び規制部材1600は、それぞれ単一のソレノイド1510の駆動(励磁)により駆動されるが、図65に示すように、動作タイミングには時間差がある。
即ち、ソレノイド1510が駆動(励磁)される場合、即ち、先端部材1520が左端から右端へ向けて移動する場合、開閉板8300の方が補助開閉部材8340よりも動作開始が早く、動作終了も早い。
また、規制部材1600は、補助開閉部材8340が開状態へ向けて動作開始した後に貯留状態へ向けて動作開始し、開閉板8300が開状態となるのと同時に貯留状態になる。なお、図65において各タイミングチャートが左右対称で図示されるように、ソレノイド1510の励磁が解除される場合には、駆動(励磁)される場合の逆の順序で各部材が動作を行う。
図65に示すように、ソレノイド1510の駆動(励磁)が解除される場合、補助開閉部材8340が閉状態に到達するタイミングでは開閉板8300は閉状態には至っておらず、第1特定入賞口1000aへ球が入球可能な状態が維持される(図63(c)及び図63(d)参照)。従って、補助開閉部材8340が開状態から閉状態へ状態変化する期間においては、検出センサ1240を球が通過可能な状態が維持される。
ここで、本実施形態では、補助開閉部材8340の対向面8341bの動作軌跡LC1が転動平面8341aの上方に膨らむように構成され、検出センサ1240に球P81が検出されるタイミングにおいて、その球P81の上流側を球P81と連なって流下する球P82の中心が、軸部1320の中心軸と直交する平面であって軸支棒部8344の中心を通る平面(動作軌跡LC1の最膨出点を通る平面)よりも検出センサ1240側に配置される(図59参照)。そのため、補助開閉部材8340が開状態から閉状態へ状態変化する際に、対向面8341bの上端部で球P82に右向き(検出センサ1240へ押し込む向き)の負荷を与えることができる。
これにより、本実施形態の構成により、連球が形成される(検出センサ1240の上流の球の状況が条件を満たす、図59の球P81,P82参照)ことを前提として、球P81が検出センサ1240に検出されることによりソレノイド1510の励磁(駆動)が解除された場合(例えば、球P81が検出センサ1240に検出されることで、ラウンド遊技Rにおける規定個数の入球が検出された場合)であっても、補助開閉部材8340の転動平面8341aに乗っている1個の球(球P82が対応する)に限り、超過入賞(所謂、オーバー入賞。即ち、ラウンド遊技Rの規定個数(本実施形態では、10個)を超えて球が検出センサ1240に検出されること(第1特定入賞口1000aを通過すること))を許容するように構成することができる。
本実施形態では、受け面8341が円弧軌道で動作することで球P82に負荷を与える一方で、その負荷により検出センサ1240側に押し込まれた後は固定受け部8250の上面を転動することになるので、円弧軌道に沿って検出センサ1240に押し込まれる場合に比較して、球P82が検出センサ1240の開口を通過する際のばたつき(球P82と検出センサ1240の内面とが衝突して流下が滞ったり、跳ね戻りが生じたりすること等)の発生を抑止することができる。
本実施形態では、検出センサ1240の下流側(貯留流路1231)に球を貯留可能に構成されており、上記各実施形態で説明したように、貯留流路1231に貯留された球により検出センサ1240の球の通過を規制可能に構成される。従って、貯留流路1231が球で満タンである場合には、貯留流路1231に貯留される球に規制されることにより、球P82が貯留流路1231に入球することは無く、補助開閉部材8340が閉状態となった後にこぼれて第1アウト口66へ向けて流下する。
一方で、貯留流路1231に隙間が生じていれば、補助開閉部材8340の転動平面8341aに乗っている1個の球に限り、超過入賞を許容することができる。従って、検出センサ1240の下流の球の配置(即ち、貯留流路1231の内部の球の配置)により、超過入賞の発生のし易さを変化させることができるので、超過入賞個数を、貯留流路1231内の球の流下を調整する制御により、実行することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
補助開閉部材8340の当接曲面8343aは、動力伝達部材1400との当接開始部分(右側端部)から当接終了部分(左側端部)へ向けて徐々に回転半径が短くなる態様で滑らかな曲線が形成されるようにした。これにより、動摩擦が小さな状態で負荷伝達を生じさせることができる。これにより、延設部1420に対する被荷重部8343の追従性を向上させることができる。
検出センサ1240(第1特定入賞口1000a)に入球する球の上流側に連球が形成されている状態において、転動平面8341aに乗っている1個の球に限り、補助開閉部材8340が開状態から閉状態に状態変化(回転)する時に転動平面8341aから検出センサ1240(第1特定入賞口1000a)へ向けた負荷が与えられるようにした。これにより、補助開閉部材8340の回転時(閉状態への動作時)に、限定された個数(本実施形態では、1個)の球が、検出センサ1240(第1特定入賞口1000a)に入球し易くすることができる。これにより、個数が限定された超過入賞が生じる可能性を高めることができる。
加えて、この超過入賞の生じる可能性は、貯留流路1231の球の貯まり具合で変化する。即ち、補助開閉部材8340が回転(閉状態へ向けて動作)する際の貯留流路1231内の球の配置状態(貯留個数等)によって、超過入賞が生じる可能性を変化させることができる。更に、貯留流路1231内の球の配置状態は、開閉板8300の駆動(励磁)制御態様や、干渉部材6930の動作態様により調整可能とされる。即ち、開閉板8300や干渉部材6930の駆動(励磁)態様を制御することにより、超過入賞による払い出し賞球個数の平準化を図ることができる。
次いで、図66から図72を参照して、第9実施形態について説明する。図66及び図67は、第9実施形態における第1可変入賞装置9000の正面図であり、図68及び図69は、第1可変入賞装置9000の背面図である。なお、上述した実施形態と同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図66及び図68では、駆動装置1500のソレノイド1510が駆動(励磁)され、開閉板8300が開状態(上昇姿勢)となり、補助開閉部材8340が開状態(張出姿勢)となった後の状態が図示され、図67及び図69では、駆動装置1500のソレノイド1510の駆動(励磁)が解除され、開閉板8300が閉状態(傾倒姿勢)となり、補助開閉部材8340が閉状態(没入姿勢)となった後の状態が図示される。
図66から図69に示すように、第1可変入賞装置9000は、本体部材9100の薄板部材9110が上記実施形態と異なる以外は、上記実施形態で説明した構成を組み合わせたものである。簡潔に説明すると、第8実施形態における第1可変入賞装置8000の動力伝達部材1400を、第5実施形態で説明した動力伝達部材5400と交換したものに対応する。
なお、上記実施形態と同様に、動力伝達部材5400において、押込部1422の正面側張出端と、時間差形成部5423の正面側張出端とは、動力伝達部材5400の回転軸と直交する同一平面上に配置される。そのため、時間差形成部5423が開閉板8300の係合部1333を押進することによっても(押込部1422に押される前の状態でも、図71(a)の状態に対応)、開閉板8300は開状態(図66、図68参照)に状態変化する。
薄板部材9110は、球が通過可能な大きさで穿設される補助入球口9111と、その補助入球口9111に球を案内可能な長さで薄板部材9110の正面側へ延設される転動板9112と、を主に備える。
補助入球口9111は、正面視で排出口1150の左隣に配置される貫通孔であって、球の通過を検出することにより、複数個(本実施形態では3個)の球が払い出される賞球口である。なお、本実施形態の構成に限定されることなく、例えば、補助入球口9111を賞球の払い出しが生じない入球口(例えば、アウト口)としても良い。
転動板9112は、本体部材9100と覆設前板8200との間を流下する球が上面を転動する板として構成され、その上面が補助入球口9111へ近づくにつれて(右方へ向かうほど)下降傾斜する傾斜面として形成される。更に、転動板9112は、補助入球口9111の下辺に連結される態様で形成され、補助入球口9111の正面側においては、上面が背面側へ向かうほど下降傾斜する傾斜面として形成される。
即ち、転動板9112の上面に乗った球は、傾斜に沿って補助入球口9111の正面側まで案内された後、補助入球口9111を通過して遊技領域から排出される。この際に、本実施形態では、3個の賞球が遊技者に払い出される。
転動板9112の長さは、傾斜面1237の上面を転動して自由落下する球の流下経路FK1を流下する球を拾うことのない長さで設計される。即ち、第1可変入賞装置9000が駆動されない状態において、どれだけ右打ちを継続しても、球が補助入球口9111を通過することは無いように構成される。
一方、右方へ向かうほど下降傾斜する上面を有する開閉板8300が若干でも駆動(例えば、0.1秒だけ励磁され開閉板8300が開状態へ向けて回転)され、その開閉板8300から右向きの負荷を与えられた球が流下する負荷流下経路FK2を球が流下する場合、その球は転動板9112の上面を転動し、補助入球口9111を通過し得る。即ち、本実施形態では、開閉板8300が駆動される場合に開閉板8300と当接した球は、第1特定入賞口1000a以外にも、補助入球口9111を通過し得る。
ここで、開閉板8300の動作態様が第8実施形態で上述したものとは変化するので、図70から図72を参照して詳細に説明する。
図70及び図71では、開閉板8300、補助開閉部材8340、動力伝達部材5400、駆動装置1500の先端部材1520及び規制部材1600の動作が時系列に沿って図示される。また、図72では、駆動装置1500のソレノイド1510の駆動(励磁)状態の変化、先端部材1520、開閉板8300、補助開閉部材8340及び規制部材1600の位置および状態の計時変化が図示される。
図70(a)は、第1可変入賞装置9000の背面図であり、図70(b)は、図70(a)のLXXb-LXXb線における第1可変入賞装置9000の断面図であり、図70(c)は、第1可変入賞装置9000の背面図であり、図70(d)は、図70(c)のLXXd-LXXd線における第1可変入賞装置9000の断面図である。
図71(a)は、第1可変入賞装置9000の背面図であり、図71(b)は、図71(a)のLXXIb-LXXIb線における第1可変入賞装置9000の断面図であり、図71(c)は、第1可変入賞装置9000の背面図であり、図71(d)は、図71(c)のLXXId-LXXId線における第1可変入賞装置9000の断面図である。
なお、図70及び図71では、理解を容易とするために、開閉板8300、補助開閉部材8340、動力伝達部材5400、駆動装置1500の先端部材1520、規制部材1600及び覆設前板8200の固定受け部8250のみが組立状態(図66から図69参照)の配置を維持して図示され、その他の構成の図示が省略されると共に、開閉板8300及び補助開閉部材8340が閉状態(図70(a)及び図70(b)参照)から開状態(図71(c)及び図71(d)参照)へ向けて状態変化する様子が時系列で図示される。
即ち、図70(a)及び図70(b)では、駆動装置1500の先端部材1520が基準線O1から第1距離h1だけ離間する位置に配置された状態(ソレノイド1510が非励磁の状態)が、図70(c)及び図70(d)では、先端部材1520が変位し基準線O1から第1距離h1よりも短い補助第1距離h1aだけ離間する位置に配置された状態が、図71(a)及び図71(b)では、先端部材1520が変位し基準線O1から補助第1距離h1aよりも短い補助第2距離h2aだけ離間する位置に配置された状態が、図71(c)及び図71(d)では、先端部材1520が変位し基準線O1から補助第2距離h2aよりも短い第4距離h4だけ離間する位置(ソレノイド1510が励磁された場合の最終到達位置)に配置された状態が、それぞれ図示される。
先端部材1520が基準線O1から補助第1距離h1aだけ離間する位置に配置された状態(図70(c)参照)は、動力伝達部材5400に押し下げられた開閉板8300の介在伝達部1332と規制部材1600の延設部1620とが当接開始する状態と同意である。即ち、図70(c)及び図70(d)に示す状態において、規制部材1600は開閉板8300から負荷を受け始める(図70(a)及び図70(b)に示す状態から、図70(c)及び図70(d)に示す状態に至るまでは規制部材1600は上昇姿勢(排出状態)のまま維持される)。
本実施形態では、上記第8実施形態と異なり、先端部材1520が基準線O1から補助第2距離h2aだけ離間する位置に配置された状態(図71(a)参照)において、開閉板8300が開状態(上昇姿勢)とされ、規制部材1600が貯留状態とされる。そして、先端部材1520が基準線O1から第4距離h4だけ離間する位置に配置された状態で、閉状態であった補助開閉部材8340(図71(a)参照)が、開状態となる(図71(c)参照)。
従って、図71(a)及び図71(b)に示す状態から、図71(c)及び図71(d)に示す状態までは、開閉板8300は開状態(上昇姿勢)で維持され、規制部材1600は貯留状態のまま維持される。
図72は、駆動装置1500のソレノイド1510の駆動(励磁)状態の変化、先端部材1520、開閉板8300、補助開閉部材8340及び規制部材1600の位置および状態の計時変化を示した図である。なお、図72では、先端部材1520の欄に、先端部材1520の位置と対応して各距離h1,h1a,h2a,h4が図示される。
開閉板8300、補助開閉部材8340及び規制部材1600は、それぞれ単一のソレノイド1510の駆動(励磁)により駆動されるが、図72に示すように、動作タイミングには時間差がある。
即ち、ソレノイド1510が駆動(励磁)される場合、即ち、先端部材1520が左端から右端へ向けて移動する場合、開閉板8300の方が補助開閉部材8340よりも動作開始が早く、開閉板8300の動作が終了してから、補助開閉部材8340が動作を開始する。
また、規制部材1600は、補助開閉部材8340が開状態へ向けて動作開始する前に貯留状態へ向けて動作開始し、開閉板8300が開状態となるのと同時に貯留状態になる。なお、図72において各タイミングチャートが左右対称で図示されるように、ソレノイド1510の励磁が解除される場合には、駆動(励磁)される場合の逆の順序で各部材が動作を行う。
図72に示すように、ソレノイド1510が非励磁の状態から、駆動開始した場合、開閉板8300のみが動作開始し、補助開閉部材8340は未だ動作開始しない。そこで、ソレノイド1510の駆動(励磁)を短くすることで(短開放を行うことで)、補助開閉部材8340を閉状態で維持したまま、開閉板8300の状態を変化させることができる。これについて、図73を参照して説明する。
図73は、駆動装置1500のソレノイド1510の駆動(励磁)状態の変化、先端部材1520、開閉板8300、補助開閉部材8340及び規制部材1600の位置および状態の計時変化を示した図である。なお、図73では、先端部材1520の欄に、先端部材1520の位置と対応して各距離h1,h1a,h2a,h4が図示される。
図73では、ソレノイド1510を駆動(励磁)する期間を、開閉板8300が閉状態から開状態に状態変化するのに要する時間(本実施形態では、0.1秒)の半分とした場合が図示される(即ち、0.05秒だけ駆動(励磁)した場合が図示される)。
この場合、補助開閉部材8340は閉状態で維持され、開閉板8300のみが中間状態まで上昇する動作を繰り返す。この動作によれば、開閉板8300の正面側を流下する球に負荷を与えることができるので、開閉板8300が駆動されるタイミングで開閉板8300の正面側に到達した球の流下経路を、流下経路FK1から負荷流下経路FK2に切り替えることができる(図66参照)。従って、右打ちによる球の発射を継続することにより、球を補助入球口9111に通過させることができ、遊技者に賞球を払い出すように構成することができる。
この構成により、例えば、小当たり遊技により賞球の払い出しを行う遊技性を構成することができる。小当たり遊技において、図73に図示される開放パターンでソレノイド1510を駆動(励磁)することにより、開閉板8300が動作するタイミングで開閉板8300の正面側に到達した球の流下経路を切り替え、補助入球口9111へ球を案内し、賞球の払い出しを生じさせることができる。
この小当たり遊技のソレノイド1510の駆動は、複数回連続で実行することができるので、球が開閉板8300の正面側に到達するタイミングを複数時点で設定することができる。例えば、1回の駆動(励磁)期間が0.05秒であるので、ソレノイド1510の駆動(励磁)期間を合計で1.8秒とする場合には、ソレノイド1510を36回駆動(励磁)することができる。
また、駆動(励磁)の間隔の設定により、開閉板8300を介して球に負荷を与えやすくすることができる。例えば、球が0.6秒間隔で発射される場合、0.6×X(球の到達回数)=0.5×X+0.1×X=であることから、ソレノイド1510を0.5秒間隔で駆動(励磁)することにより、駆動(励磁)開始のタイミングに関わらず、約5球に1個の割合で、開閉板8300を介して球に負荷を与えることができる。
この場合、1回の小当たり遊技において約7個の球を補助入球口9111に案内することができ、遊技者に約21個の賞球の払い出しを行うことができる。
この場合における小当たり遊技の期間は、0.5秒間隔×36回=約18秒となる。このように、1回の小当たり遊技の時間を長くすることにより、小当たり遊技の終了までに特別図柄の保留球が無くなる(切れる)という事態を防止することができる。これにより、小当たり遊技を途切れることなく生じさせることができる。
また、本実施形態では、補助入球口9111の上方に配置される補助開閉部材8340が閉状態で維持されるので、補助開閉部材8340が動作する場合のように(補助入球口9111の上方で可動物が動作する場合のように)、補助入球口9111側へ流下する球(即ち、負荷流下経路FK2で流下する球)が補助開閉部材8340から負荷を受けて弾かれたり、補助開閉部材8340の転動平面8341aに乗り検出センサ1240に案内されたりすることを防止することができる。
図72に戻って説明する。図72に示すように、ソレノイド1510の駆動(励磁)が解除される場合、補助開閉部材8340が閉状態に到達するタイミングでは開閉板8300は閉状態には至っておらず、第1特定入賞口1000aへ球が入球可能な状態が維持されることは、第8実施形態で上述したのと同様である。そのため、第8実施形態で説明した通り、本実施形態においても、球個数に制限のある超過入賞をし易く構成することができる。
加えて、本実施形態では、ソレノイド1510の駆動(励磁)が解除される場合、補助開閉部材8340が閉状態となった後で規制部材1600が排出状態へ状態変化するように制御されるので、貯留流路1231が満タンな状態の時に、貯留流路1231からの球の排出が誤って早まることを防止できることから、超過入賞が生じることを防止することができる。
ここで、本実施形態では、補助開閉部材8340が閉状態となるタイミングにおいて、開閉板8300は開状態を維持する(図71(a)参照)。そのため、開閉板8300の上面に球を乗せられる状態(開状態)を維持したまま、補助開閉部材8340の状態を変化させることができる。これについて、図74を参照して説明する。
図74は、駆動装置1500のソレノイド1510の駆動(励磁)状態の変化、先端部材1520、開閉板8300、補助開閉部材8340及び規制部材1600の位置および状態の計時変化を示した図である。なお、図74では、先端部材1520の欄に、先端部材1520の位置と対応して各距離h1,h1a,h2a,h4が図示される。
図74では、ソレノイド1510の駆動(励磁)を解除する期間を、開閉板8300が閉状態から開状態に状態変化するのに要する時間(本実施形態では、0.1秒)の1/4とした場合が図示される(即ち、0.025秒だけ駆動(励磁)を解除した場合が図示される)。なお、以下において、この駆動(励磁)の解除の態様を「1/4解除」とも称する。
この場合、開閉板8300及び規制部材1600は状態を維持(貯留流路1231における球の貯留を維持)し、補助開閉部材8340のみが開状態から閉状態へ状態変化する。この動作によれば、開閉板8300及び補助開閉部材8340の上面に乗っている球のうち、補助開閉部材8340の上流側に配置されている数個の球(補助開閉部材8340と開閉板8300との境界に配置されている球、主に、動作軌跡LC1の外側に配置されている球)を、補助入球口9111(図66参照)へ向けて流下させることができる。
これにより、開閉板8300の上面を転動した球が、依然として開閉板8300が開状態を維持している場合において、検出センサ1240を通過する場合(15個の賞球の払い出しが生じる場合)と、検出センサ1240は通過せずに補助入球口9111を通過する場合(3個の賞球の払い出しが生じる場合)とを構成することができる。
この場合、検出センサ1240を規定個数の球が通過するまでの時間が引きのばされることになるので、球損を生じさせることなくラウンド遊技Rの時間を引き延ばすことができる。
なお、開閉板8300及び補助開閉部材8340の上面に凸凹を設けたり、薄板部材9110の正面であって開閉板8300の上面を転動する球が接する位置に、正面側へ縦長のリブを突設したりして、球の流下速度を抑え、検出センサ1240の上流側で球が連なるように構成しても良い。これにより、ソレノイド1510の駆動(励磁)の1/4解除を実行した時に、補助開閉部材8340と開閉板8300との境界位置に球が配置される可能性を上げることができるので、ソレノイド1510の駆動(励磁)の1/4解除により球を補助入球口9111へ案内する機能を向上させることができる。
また、ソレノイド1510の1/4解除を実行するタイミング及び回数は、大当たり種別と対応付けることにより複数種類設定することができる。
例えば、球の発射が0.6秒間隔で生じる場合に、15個の球が開閉板8300に到達するのに要する9.0秒の間に、ソレノイド1510の駆動(励磁)の1/4解除が5回生じる、即ち、1.8秒間に1回、ソレノイド1510の駆動(励磁)の1/4解除が1回生じるようにすることで、ラウンド遊技Rの間に約5個の球を補助入球口9111に案内することができる。
この場合、ラウンド遊技Rにおいて第1特定入賞口1000aに球が1個だけ超過入賞する場合と、遊技者に払い出される賞球の個数を同じにすることができる。
また、この間隔を2倍、即ち3.6秒間に1回、ソレノイド1510の1/4解除が1回生じるようにすることで、ラウンド遊技Rを2回実行する間に約5個の球を補助入球口9111に案内することができる。
この場合、ラウンド遊技Rを2回実行する間において第1特定入賞口1000aに球が1個だけ超過入賞する場合と、遊技者に払い出される賞球の個数を同じにすることができる。
なお、9.0秒の間に5回を満たすためには、1.8秒間ずつの等間隔にする必要はない。例えば、1.4秒、1.6秒、1.8秒、2.0秒、2.2秒と、順に0.2秒ずつ加算する態様で9.0秒の間に5回、ソレノイド1510の1/4解除を生じさせても良い。また、バラバラなタイミングでソレノイド1510の1/4解除を生じさせても良い。これにより、ソレノイド1510の1/4解除が生じるタイミングを、遊技者が予測することを困難にすることができる。
また、例えば、ソレノイド1510の1/4解除を実行するタイミングをラウンド遊技Rの前半に密集させることにより、ラウンド遊技Rの開始時点から球を発射し続けることで補助入球口9111に球が案内される確率を上げる遊技性を構成することができる。
この場合、ラウンド間インターバルで球の発射を止めると、ソレノイド1510の1/4解除が実行されるタイミングに球が第1可変入賞装置9000に到達しない虞が生じることから、ラウンド間インターバルの止め打ちを抑制することができる。
即ち、ラウンド間インターバルに球を打ち出しておいた方が、その打ち出された球が第1可変入賞装置9000の近くまで到達している状態で次のラウンド遊技Rを開始することができ、補助入球口9111に球が案内される確率を上げることができ、結果として賞球の払い出し個数を増加させられる可能性があるので、遊技者に意欲的にラウンド間インターバルにおいて球を打ち続けさせることができる。
また、例えば、ソレノイド1510の1/4解除を実行するタイミングをラウンド遊技Rの後半に密集させることにより、ラウンド遊技Rの途中までは規定個数(本実施形態では10個)の入賞(第1特定入賞口1000aへの入賞)が生じないように球を間欠的に発射するような、ゆったりとした大当たり遊技を促進することができる。
この場合、ラウンド遊技Rの後半において、ソレノイド1510の1/4解除が実行されるまでラウンド遊技Rを長引かせた方が、補助入球口9111に球が通過することによる賞球の払い出しを生じさせることができ、払い出し個数を増加させることができるので、遊技者に意欲的に球を間欠的に発射するような、ゆったりとした大当たり遊技を実行させることができる。
この場合において、ラウンド遊技Rの後半でソレノイド1510の1/4解除が生じる回数に差を設ける(例えば、0回の場合と、1回の場合と、5回の場合とがある)ようにすることで、ゆったりとした大当たり遊技の結果、得られる追加の賞球に差をつけることができるので、第1可変入賞装置9000に到達した球の流下態様に対する遊技者の注目力を高い状態で維持することができる。
一方で、球を発射し続け、ソレノイド1510の駆動(励磁)の解除が生じる前に規定個数(本実施形態では、10個)の球を第1特定入賞口1000aに入賞させるようにしても良い。この場合、補助入球口9111への球の通過による賞球の払い出しの増加は見込めないが、ラウンド遊技Rに要する時間を短くすることで、次のラウンド遊技Rの開始タイミングや、大当たり遊技終了後に抽選を受けるタイミングを早めることができる。
このように、遊技者は、補助入球口9111による賞球の払い出しを狙うか、それを無視してラウンド遊技Rを早期に終了させるかを任意に選択することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
開閉板8300を閉状態から中間状態まで駆動する動作時に開閉板8300と衝突した球が、補助入球口9111へ向けた負荷を与えられることで補助入球口9111へ入球し得るように構成した。これにより、開閉板8300が開状態で維持される期間が短い動作態様の場合であっても、賞球の払い出しを生じやすくすることができるので、小当たり遊技の時などにおいて、遊技者に球の発射を意欲的に実行させることができる。
開閉板8300が検出センサ1240へ球を案内する状態を継続したまま、ソレノイド1510の励磁(駆動)の1/4解除を実行することにより、特定のタイミングで補助開閉部材8340の上流に到達した球が補助入球口9111へ向けて流下するようにした。これにより、大当たり遊技におけるラウンド遊技Rの進行態様や、賞球の払い出しの態様にバリエーションを設けることができる。
例えば、第1特定入賞口1000aの通過球数が規定個数を超えない場合であっても、補助入球口9111に入球することによる賞球の払い出しにより、遊技者は超過賞球(第1特定入賞口1000aに規定個数(本実施形態では、10個)の球が入球することにより払い出される賞球(本実施形態では、150個)を超える個数の賞球)を得ることができる。
次いで、図75から図78を参照して、第10実施形態について説明する。図75は、第10実施形態における第1可変入賞装置10000の正面図であり、図76及び図77は、第1可変入賞装置10000の背面図である。なお、上述した実施形態と同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図75及び図76では、中間排出装置10180のソレノイド10182が非励磁とされ、貯留流路1231を流下する球が最下端まで到達する状態が図示され、図77では、中間排出装置10180のソレノイド10182が駆動(励磁)され、貯留流路1231を流下する球が途中で排出され得る状態が図示される。
図75から図77に示すように、第1可変入賞装置10000は、本体部材10100及び覆設前板10200により形成される貯留流路1231の途中位置から球を排出可能な場合を含むことが上記実施形態と異なる以外は、上記実施形態で説明した構成を組み合わせたものである。簡潔に説明すると、中間排出装置10180を除く可動部分(即ち、開閉板8300、補助開閉部材8340、動力伝達部材1400、駆動装置1500、規制部材1600、干渉装置6900)は、第8実施形態における構成をそのまま流用している。
本実施形態において、貯留流路1231の途中位置で球を排出する仕組みについて説明する。本実施形態において、覆設前板10200は、薄板部材1210の背面側へ向けて開口した箱状に延設され、貯留流路1231、突設部1235及び傾斜面1237を備える収容部10230を備える。
収容部10230は、箱の下壁部が下方に膨出する態様で形成される膨出部10232と、その膨出部10232付近において前後方向に穿設される貫通孔10233とを備える。
膨出部10232は、干渉部材6930に流下を規制された球の鉛直下方に球以上の体積で膨出され、その部分に、貯留流路1231と連結される球以上の断面積の貫通孔10233が形成される。これにより、干渉部材6930付近の位置に滞在していた球を貯留流路1231から膨出部10232へ向けて下向きに落とすように構成することができる。
貫通孔10233は、貯留流路1231の底面の下側を左右水平方向に延びる横孔10233aと、その横孔10233aと空間的に連結され球の直径以上の幅で下方に延設される縦孔10233bと、その縦孔10233bの上底面として背面側へ向かうほど下降傾斜する傾斜面10233cと、を備える。
横孔10233aは、左右端部において膨出部10232の上側に配置され、右端部付近において、貯留流路1231の下底面の下側に配置される一方、左端部付近において、貯留流路1231の下底面の延長線に沿う平面(一定傾斜の平面)の上側に進入する態様で構成される。
本体部材10100は、上記実施形態で本体部材1100の構成として説明したものに加え、遊技盤の正面側に配置される横長矩形の薄板から形成される薄板部材10110に横孔10233aと略同一形状で穿設される横孔10111と、傾斜面10233cに沿って背面側へ送球された球が通過可能に穿設される排出口10112と、薄板部材10110に配設され横孔10111に沿って移動する部分を有する中間排出装置10180と、を備える。
中間排出装置10180は、横孔10111,10233aの双方に挿通され、左右に移動可能とされる可動部材10181と、その可動部材10181を左右に移動させる駆動力を発生するソレノイド10182と、を主に備える。
可動部材10181は、ソレノイド10182の非励磁(非駆動)状態において貯留流路1231の途中の開口(貫通孔10233へつながる開口)を塞ぐ閉鎖状態(図75、図76参照)に、ソレノイド10182の励磁(駆動)状態において貯留流路1231の途中の開口(貫通孔10233へつながる開口)を通した球の通過を許容する開放状態(図77参照)に、それぞれ切り替えられる。
可動部材10181は、球が乗っていない状態においては、膨出部10232と非当接な状態が維持される。これにより、可動部材10181と膨出部10232との間で摩擦が生じることを避けることができ、移動抵抗を低減することができる。
一方、可動部材10181は、閉鎖状態において、膨出部10232の上面と左右端部とが上下で当接することにより下支えされる。これにより、可動部材10181の閉鎖状態において、球が可動部材10181の上面に乗った場合であっても、可動部材10181が過度に垂れ下がることを防止することができ、貯留流路1231の内部における球の流下を滑らかにすることができる。
可動部材10181は、上面であって、左方へ向かうほど下降傾斜する傾斜面として形成され、閉鎖状態において球が転動する転動面として機能する傾斜上面10181aと、下面であって、正面視左側端部に形成され右方へ向かうほど下降傾斜する傾斜下面10181bと、を主に備える。
傾斜上面10181aは、球が乗る前の状態であって、可動部材10181が膨出部10232と上下で非当接の状態(可動部材10181が浮いている状態)において、右端部が、隣接する貯留流路1231の下底面よりも若干下方に配置される。これにより、貯留流路1231から傾斜上面10181aに球が乗り移る際に球が受ける負荷(抵抗)を低減することができる。
また、傾斜上面10181aは、球が乗った後の状態であって、可動部材10181が膨出部10232と上下で当接する状態(可動部材10181が沈んだ状態)において、左端部が、隣接する貯留流路1231の下底面と面位置となる形状とされる。これにより、傾斜上面10181aから貯留流路1231に球が乗り移る際に球が受ける負荷(抵抗)を低減することができる。
なお、上述の傾斜上面10181aの形状は、貯留流路1231の下底面の形状に比較して傾斜度合いが緩く、同一形状では無い。しかし、その違いはわずかであるので、本実施形態においても上記実施形態と同様に、可動部材10181の閉鎖状態において貯留流路1231から球が1個排出されるのに要する時間は、0.2秒とされる。
傾斜下面10181bは、可動部材10181が開放状態に到達する前に球が可動部材10181の上面に乗り、可動部材10181が前倒れしかけた場合であっても、膨出部10232に乗揚げ易くするために設けられる傾斜面である。これにより、可動部材10181の先端部が、縦孔10233bの内側面に移動を規制され、その状態で停止する不具合を防止することができ、貯留流路1231の球の流下を滑らかなまま維持することができる。
中間排出装置10180が開放状態になると(図77参照)、下流側端部から数えて3個目の貯留球を含め、その上流側の球は、縦孔10233bを流下し、傾斜面10233cから負荷を受け背面側へ送球され、排出口10112を通して球排出路(図示せず)へ送球される。
本実施形態では、排出口10112には、球の通過を検出する検出センサ10112aが配設され、排出口10112を通過した球の個数を判定可能に構成される。そして、第1特定入賞口1000aに入球した球は、検出センサ10112a又は排出口1150から排出された球を検出する検出手段(例えば、特定領域検出センサ4860、非特定領域検出センサ4870、図51参照)により通過を検出され、入球個数と排出個数とが合致するかを判定する制御が実行される。
本実施形態によれば、ラウンド遊技Rにおける中間排出装置10180の動作態様により、第1特定入賞口1000aに規定個数(本実施形態では、10個)の球が入球した場合に、貯留流路1231が満タンとなる場合と、貯留流路1231が満タンとならない状態とを切り替えることができる。これについて、図78を参照して説明する。なお、図78の説明においては、理解を容易とするために、干渉部材6930は退避状態で維持されるものとして説明する。
図78(a)から図78(d)は、ラウンド遊技Rにおける第1特定入賞口1000aの状態の変化および可動部材10181の状態の計時変化の一例を示した図である。なお、図78(a)では、第1特定入賞口1000aが開状態(図において、「開」とも示す。なお、第1特定入賞口1000aの閉状態は、図において、「閉」とも示す。以降の図において同様である)とされる期間に亘って可動部材10181が閉鎖状態(図において、「閉」とも示す。以降の図において同様である)で維持される場合の計時変化が、図78(b)では、第1特定入賞口1000aが開状態とされる期間に亘って可動部材10181が開放状態(図において、「開」とも示す。以降の図において同様である)で維持される場合の計時変化が、それぞれ図示される。
また、図78(c)では、第1特定入賞口1000aが開状態に状態変化し始めてから第1所定時間(本実施形態では1秒間)経過後に可動部材10181が開放状態に変化し、それから第2所定時間(本実施形態では3秒間)経過後に可動部材10181が閉鎖状態に変化し、そのまま維持される場合の計時変化が、図78(d)では、第1特定入賞口1000aが開状態に状態変化し始めてから基準時間T11s(本実施形態では、約15秒)経過後に可動部材10181が開放状態に変化し、それから第2所定時間(本実施形態では2秒間)経過後に可動部材10181が閉鎖状態に変化し、そのまま維持される場合の計時変化が、それぞれ図示される。
このように、可動部材10181の駆動(ソレノイド10182の駆動)は、実行されるラウンド遊技Rが何ラウンド目か、及び大当たり種別は何か、の組み合わせに紐付けされる(対応付けされる)複数種類の駆動態様で、実行可能とされる。
例えば、図78(a)に示す駆動態様では、ラウンド遊技Rの間、可動部材10181が常に閉鎖状態とされるので、貯留流路1231に入球した球は上記各実施形態と同様に、排出口1150から排出される。即ち、貯留流路1231の途中位置から球が排出されることは無いので、規定個数(本実施形態では10個)の球が第1特定入賞口1000aに入球することにより貯留流路1231は満タンになる。そのため、ラウンド遊技Rの規定個数(本実施形態では、10個)を超える超過入賞を生じ難くすることができる(不可能とすることができる)。
また、例えば、図78(b)に示す駆動態様では、ラウンド遊技Rの間、可動部材10181が常に開放状態とされるので、貯留流路1231に入球した球は上記各実施形態とは異なり、排出口1150に到達する前に貫通孔10233へ落下し排出口10112から排出される。即ち、規定個数(本実施形態では10個)の球が第1特定入賞口1000aに入球しても、貯留流路1231は満タンにはならない。そのため、ラウンド遊技Rの規定個数(本実施形態では、10個)を超える超過入賞を生じさせ易くすることができる(可能とすることができる)。
なお、図78(b)では、ラウンド遊技Rの終了としてソレノイド1510の励磁(駆動)が解除された後、2秒(貯留流路1231を球が通過するのに要する期間)経過後に可動部材10181が開放状態に変化するので、第1特定入賞口1000aを最後(ソレノイド1510の駆動(励磁)が解除される直前)に通過した球も含めて貫通孔10233へ向けて落下させることができる。従って、第1特定入賞口1000aを通過した球を全く排出口1150へ流下させないように構成することができる。
また、例えば、図78(c)に示す駆動態様では、ラウンド遊技Rの開始から1.0秒後に、可動部材10181が閉鎖状態から開放状態へ変化し、その3.0秒後に可動部材10181が開放状態から閉鎖状態へ変化するように制御されるので、ラウンド遊技Rの開始から4秒が経過する前に球を貫通孔10233へ向けて落下させることができれば、規定個数(本実施形態では10個)の球が第1特定入賞口1000aに入球した場合であっても、貯留流路1231は満タンにならない。そのため、ラウンド遊技Rの規定個数(本実施形態では、10個)を超える超過入賞を生じさせ易くすることができる(可能とすることができる)。
ラウンド遊技R開始から4秒が経過する前に球を貫通孔10233の上方に配置するためには、貯留流路1231を球が流下する時間を考慮すると、ラウンド遊技Rの開始から約2.5秒が経過する前に球が第1特定入賞口1000aを通過する必要がある。
この約2.5秒という時間は、本実施形態において、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球が遊技領域を流下し第1特定入賞口1000aまで到達するのに要する時間(最短時間、約4秒)よりも短い。そのため、ラウンド遊技Rの開始から球を発射していたのでは間に合わない。
従って、貯留流路1231が満タンにならないようにするためには、ラウンド遊技Rの前のラウンド間インターバルにおいても球の発射を継続する必要がある。これにより、ラウンド間インターバルに球の発射を止める遊技態様を抑制することができる。
また、図78(c)に示す駆動態様が、何ラウンド目のラウンド遊技Rで生じるのか、そもそも生じるのか否か、という情報を遊技者が把握困難となるように表示装置などによる演出を構成することにより、図78(c)に示す駆動態様で駆動されるラウンド遊技Rであるか否かに関わらず、そのラウンド遊技Rの直前のラウンド間インターバルにおいて球の発射を止める遊技態様を抑制することができる。
また、例えば、図78(d)に示す駆動態様では、ラウンド遊技Rの開始から基準時間T11s(本実施形態では15秒間)が経過すると可動部材10181が開放状態とされ、それから2.0秒経過後に、可動部材10181が閉鎖状態に状態変化するように制御される。
なお、本実施形態において、可動部材10181の制御は、ラウンド遊技Rが継続している期間は有効に実行されるが、ラウンド遊技Rが終了すると制御はスキップされ、可動部材10181は閉状態に強制的に切替られる。
図78(d)に示す駆動態様において、例えば、基準時間T11sよりも短い第1終了時間T11a(例えば、10秒)がラウンド遊技Rの開始から経過する際に規定個数(本実施形態では、10個)の球が第1特定入賞口1000aを通過した場合、可動部材10181が開放状態になる前にラウンド遊技Rが終了したことから、第1特定入賞口1000aを通過した球が全て貯留流路1231に貯留され、貯留流路1231は満タンになる。そのため、ラウンド遊技Rの規定個数(本実施形態では、10個)を超える超過入賞を生じ難くすることができる(不可能とすることができる)。
一方、例えば、基準時間T11sよりも長い第2終了時間T11b(例えば、20秒)がラウンド遊技Rの開始から経過する際に規定個数(本実施形態では、10個)の球が第1特定入賞口1000aを通過した場合、ラウンド遊技Rが終了する前に可動部材10181が開放状態にされ、球が貫通孔10233へ向けて落下し、排出口10112から排出されるので、貯留流路1231は満タンにはならない。そのため、ラウンド遊技Rの規定個数(本実施形態では、10個)を超える超過入賞を生じさせ易くすることができる(可能とすることができる)。
従って、図78(d)の駆動態様によれば、ラウンド遊技Rにかかる時間が基準時間T11s未満か、基準時間T11s以上かによって、ラウンド遊技Rの規定個数(本実施形態では、10個)を超える超過入賞が生じるか否かを切り替えることができる。
この駆動態様の場合、ラウンド遊技Rにおける賞球の払い出し個数を重視するのであれば、ラウンド遊技Rを長時間かけて実行することが好ましい。即ち、球の発射を間欠的に止めて、規定個数(本実施形態では、10個)の球が第1特定入賞口1000aに早期に入球しないようにすることが好ましい。そのため、ラウンド間インターバルで球の発射を停止する遊技態様が促進される虞がある。
一方で、図78(c)に示す駆動態様では、上述したように、ラウンド間インターバルで球を継続的に発射することにより、超過入賞の発生を狙うことができる。
このように、好ましい球の発射態様が相反する駆動態様を、大当たり遊技のラウンド遊技Rに分散配置させる(同じラウンド目でも、大当たり種別によっては異なった駆動態様とするように制御する)ことにより、大当たり遊技を常時同様の発射態様で実行すればいい(遊技者が得られる利益が同様である)場合に比較して、遊技者の大当たり遊技に対する集中力を向上させることができる。
本実施形態によれば、干渉部材6930を退避状態で維持し、規制部材1600を貯留状態で維持する場合において、貯留流路1231に入球可能な球の個数を、可動部材10181の動作態様により変化させることができる。即ち、貯留流路1231が10個の入球で満タンとなる場合と、10個入球しても貯留流路1231が満タンとならない場合とを切り替えることができる。
加えて、干渉部材6930が張出状態とされる場合には、貯留流路1231が7個(干渉部材6930の下流に2個の球が既に配置されている場合には9個、図75参照)の入球で満タンとなる場合と、7個(又は9個)入球しても貯留流路1231が満タンとならない場合とを切り替えることができる。
本実施形態では、干渉部材6930が退避状態で維持される場合について説明したが、これに限られるものでは無い。例えば、可動部材10181が開放状態とされることに対応して干渉部材6930を張出状態とすることにより、球が勢いに乗って貫通孔10233の上方を左右方向に通過する(飛び越える)ことを防止することができる。
なお、可動部材10181の駆動態様は上述のものに限定されるものでは無い。例えば、操作ボタン300の操作により駆動するように構成しても良い。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
可動部材10181を開放状態とすることにより、干渉部材6930の上流側において貯留流路1231から球を排出可能に構成した。これにより、第1特定入賞口1000aの状態とは独立して、貯留流路1231に貯留される球の個数を変化させることができる。
即ち、第1特定入賞口1000aを開状態で維持したまま、第1特定入賞口1000aへの入球個数と貯留流路1231の貯留個数とが同じ場合と、第1特定入賞口1000aへの入球個数と貯留流路1231の貯留個数とが異なる場合とを構成することができる。これにより、可動部材10181の駆動態様により、第1特定入賞口1000aへの超過入賞が発生する可能性を変化させることができる。
次いで、図79から図85を参照して、第11実施形態について説明する。図79は、第11実施形態における第1可変入賞装置11000の正面図であり、図80は、図79のLXXX-LXXX線における第1可変入賞装置11000の断面図であり、図81は、覆設前板11200の背面斜視図である。
図79から図81に示すように、本実施形態の第1可変入賞装置11000は、開閉板11300の形状が変化され、落下遅延板3250の上流側部分の形成が省略され、本体部材11100に第2追加入賞口11183等の追加がされることを除き、第3実施形態の第1可変入賞装置3000と同一の構成を備える。そのため、上述した実施形態と同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本体部材11100は、上記各実施形態で既に説明した構成に加え、遊技盤の正面側に配置される横長矩形の薄板から形成される薄板部材11110が、球の直径よりも若干長い距離だけ離れて左右一対で薄板部材1110正面側へ突設される突設リブ11111と、横長の長孔として穿設され後述する開閉手段11190の移動を案内する案内孔11112と、案内孔11112の左方へ延長して形成される有底凹部として構成される案内凹部11113と、を備える。
また、本体部材11100は、球が通過可能に構成される第2追加入賞口11183と、その第2追加入賞口11183への球の入賞確率を変化させる開閉手段11190と、を主に備える。なお、開閉手段11190の詳細については後述する。
本実施形態において覆設前板11200に形成される落下遅延板3250は、上流側において、側壁部1220から球の直径よりも離れた位置に形成される切断面SP12の右方のみが維持され、切断面SP12の左方の部分は省略される。
この切断面SP12の位置は、傾斜面1237を転動して落下遅延板3250に到達した球が、単独では到達しない位置として設定される。即ち、傾斜面1237を転動して落下遅延板3250に到達した球は、外力を与えられない限りにおいて、落下遅延板3250の傾斜に沿って右下方(検出センサ1240へ近接する方向)へ流下する。
一方、球に負荷が与えられ、切断面SP12の左方へ球が送球された場合、その球は高い確率で第2追加入賞口11183側へ落下する。この落下球は、本実施形態で新たに説明する開閉手段11190を通過した後に、第2追加入賞口11183に入球する。なお、本実施形態では、第2追加入賞口11183は、球の通過を検出することにより、3個の賞球が払い出される入賞口として構成される。
開閉板11300は、左半部において、回転先端側から回転軸側へ向かうにつれて左側の軸部1320に近づくように傾斜する形状で削り取られた後に残る傾斜面11340を備える。
傾斜面11340は、回転先端側の端部が、切断面SP12よりも右方に、尚且つ、落下遅延板3250に着地した後で、左右方向速度が0となる位置(最終到達位置FP12、図82(a)参照)に到達した球の中心よりも右方に配置される。
そのため、左右方向速度が0となる位置(最終到達位置FP12、図82(a)参照)に球がある場合に、開閉板11300が閉状態から開状態へ駆動されると、傾斜面11340を介して、球に負荷が与えられる。このことについて、図82を参照して説明する。
図82(a)から図82(c)は、第1可変入賞装置11000の部分正面図である。図82(a)から図82(c)では、第1可変入賞装置11000の状態の変化が時系列で図示され、図82(a)では、開閉板11300が閉状態とされ、尚且つ、傾斜面1237を転動して落下遅延板3250に着地した球の最終到達位置FP12が想像線で図示され、図82(b)では、図82(a)に示す状態から開閉板11300が開状態に変化した後の状態が図示され、図82(c)では、図82(b)に示す状態から球が落下する様子が図示される。
図82(b)に示すように、最終到達位置FP12に配置された球は、開閉板11300が開状態に変化することで傾斜面11340と当接し、左向きの負荷を与えられる。左向きの負荷を与えられた球は、切断面SP12の左方へ押しやられ、落下遅延板3250からこぼれ、第2追加入賞口11183へ入球する。
一方、最終到達位置FP12に球が到達していなかった場合(例えば、最終到達位置FP12から若干流下し、図82(a)に実線で図示する位置に配置される場合)、開閉板11300が開状態に変化しても、傾斜面11340が球と当接することは無く、球は開閉板11300の回転方向(回転軸が水平に対して右下へ傾斜していることから、右向きの成分を有する方向)に負荷を受け、検出センサ1240側へ押される。従って、この場合は、球が第2追加入賞口11183へ入球することは無い。
このように、本実施形態によれば、開閉板11300が開状態へ変化するタイミングで、開閉板11300の正面側のどの位置に球が配置されているかによって、その球が検出センサ1240へ向かうのか、第2追加入賞口11183へ向かうのかを切り替えることができる。
第2追加入賞口11183を球が通過することによる賞球の払い出しは、遊技者にとって、大当たり遊技で予定された賞球を超える超過賞球であるので、第2追加入賞口11183を通過する球が多いほど、遊技者が得られる利益が増大する。
開閉板11300が閉状態を維持する間(ラウンド間インターバル期間)に亘り、第1特定入賞口1000aへ向けて球の発射を継続することにより、球の発射を止める場合に比較して、開閉板11300が開状態に変化するタイミングで球が最終到達位置FP12に配置されているという状況を生じやすくすることができるので、ラウンド間インターバル期間に亘り球の発射を継続する遊技態様を促進することができる。これにより、ラウンド間インターバル期間に遊技者が球の発射を停止する遊技態様を抑制することができる。
なお、第2追加入賞口11183への入球は、開閉板11300が開状態へ変化することを条件としているので、開閉板11300が開状態へと駆動される状態(大当たり遊技または小当たり遊技)以外の状態において、右打ちを継続しても、第2追加入賞口11183への入球は生じ難いように構成される。
これにより、開閉板11300が開状態へ変化しない状況(例えば、右打ちの指示演出が実行されていない状況)において、右打ちを行っても、第2追加入賞口11183への球の入球に伴う利益を遊技者が得にくいように構成することができる。即ち、第2追加入賞口11183を、開閉板11300の駆動が生じる状況(小当たり遊技、または大当たり遊技)において、球が入球し易くなる入賞口として機能させることができる。
次いで、図83から図85を参照して、開閉手段11190について説明する。図83及び図84は、第1可変入賞装置11000の背面図であり、図85(a)から図85(c)は、突設リブ11111、開閉手段11190及び第2追加入賞口11183の配置を模式的に示す突設リブ11111、開閉手段11190及び第2追加入賞口11183の正面模式図である。なお、図85(a)から図85(c)では、開閉手段11190の状態の計時変化が図示される。
図83から図85に示すように、開閉手段11190は、先端部材1520の移動と連動して案内孔11112に案内されて左右に移動する可動手段であって、案内孔11112に挿通状態で支持される本体支持部11191と、その本体支持部11191の背面側部分から上方へ延設され先端部材1520に支持される伝達部11192と、本体支持部11191の正面側部分から左方へ延設される延設部11193と、その延設部11193の左端において正面側へ突設される第1突設部11194と、その第1突設部11194の右方に球の直径よりも若干長い間隔をあけて第1突設部11194と同様の形状で突設される第2突設部11195と、を主に備える。
開閉手段11190の組み付け方法について説明する。図83に示すように、本実施形態では、案内孔11112の右端が伝達部11192よりも若干縦長となるように縦に拡大され、それ以外の部分は本体支持部11191よりも若干縦に長く全体として横長の長孔として形成されている。
そのため、この拡大部分を通して伝達部11192を背面側に張り出した後、開閉手段11190を左方にスライド移動し、その後で駆動装置1500を本体部材11100に組み付け、伝達部11192を先端部材1520で支持することにより、開閉手段11190を先端部材1520と連動する態様で組み付けることができる。なお、ソレノイド1510の可動域において、案内孔11112の右端の拡大部分に伝達部11192は到達しないので(図83及び図84参照)、開閉手段11190が案内孔11112から外れる不具合が発生することを防止することができる。
延設部11193は、案内凹部11113に完全に収容される程度の厚さで形成される。従って、開閉手段11190の正面側を流下する球が延設部11193に衝突することを防止することができ、球の流下経路が前後方向に変化したり、球からの負荷で延設部11193が破損したりすることを防止することができる。
図85(a)から図85(c)に示すように、第1突設部11194及び第2突設部11195は、正面視で左方へ向けて下降傾斜する傾斜板として形成される。本実施形態では、落下遅延板3250に乗った球が切断面SP12の左方へ流れた場合に、突設リブ11111の間を落下し、開閉手段11190により、第2追加入賞口11183へ入球するか否かが切り替えられる。これについて、詳細に説明する。
図85(a)では、ソレノイド1510が駆動(励磁)され、開閉手段11190が移動範囲の左端に配置された状態が図示される(図84参照)。この場合、第2追加入賞口11183の中心線上に第2突設部11195の上端部と、右側の突設リブ11111とが配置される。
図85(a)に示す状態で突設リブ11111の間を球が落下する場合、球は第2突設部11195に当接し左方へ流れる。そのため、第2追加入賞口11183から逸れて流下するので、第2追加入賞口11183に入球する確率を低くすることができる。
図85(b)では、ソレノイド1510の駆動(励磁)が解除され、開閉手段11190が移動範囲の中間位置に配置された状態が図示される(図20(c)参照)。即ち、開閉板11300が閉状態になった直後に対応する。
この場合、第1突設部11194の上端部は、一対の突設リブ11111の中間位置を通る鉛直線よりも左方に配置され、第2突設部11195の上端部は、第2追加入賞口11183の中心線よりも右方に配置される。
そのため、図85(b)に示す状態で突設リブ11111の間を球が落下する場合、球は、第1突設部11194に当接し右方へ流れ、第2突設部11195に当接し左方へ流れる。その流下球は、第2追加入賞口11183へ向かって流下することになるので、第2追加入賞口11183に入球する確率を高くすることができる。
図85(c)では、ソレノイド1510の駆動(励磁)が解除され、開閉手段11190が移動範囲の右端位置に配置された状態が図示される(図83参照)。この場合も、図85(b)と同様に、開閉板11300は閉状態で維持される。
この場合、第1突設部11194の上端部は、一対の突設リブ11111の中間位置を通る鉛直線よりも右方に配置される。
そのため、図85(c)に示す状態で突設リブ11111の間を球が落下する場合、球は、第1突設部11194に当接し左方へ流れる。その流下球は、第2追加入賞口11183から逸れて流下するので、第2追加入賞口11183に入球する確率を低くすることができる。
即ち、開閉手段11190は、開閉板11300が開状態や閉状態で維持されている間は第2追加入賞口11183へ球が入球する確率を低く維持し、状態変化する途中において第2追加入賞口11183へ球が入球する確率が高くなるように構成される。
このように、本実施形態では、開閉手段11190が開閉板1300の状態と連動することにより、第2追加入賞口11183に球が入球する確率が変化する。ここで、ソレノイド1510の駆動制御の違いにより、第2追加入賞口11183への球の入球が期待できる場合と、期待できない場合とを生じることについて説明する。
球が落下遅延板3250の切断面SP12の左方へ流れる現象は、開閉板11300が開状態へ変化する際に生じる(図82(b)及び図82(c)参照)。
そのため、ソレノイド1510が駆動(励磁)状態を維持し続ける駆動パターン(入球確率低の作動パターン)では、切断面SP12の左方へ流れた球が突設リブ11111を通過するときには、先端部材1520の配置と同様、開閉手段11190が左端位置に配置されている。ソレノイド1510の励磁(駆動)が維持されることから開閉手段11190の状態は維持されるので、切断面SP12の左方へ流れた球は第2追加入賞口11183から逸れて流下する(図82参照)。
一方、ソレノイド1510が駆動(励磁)された直後に、一度駆動(励磁)が解除される(開閉板11300が短開放される)駆動パターン(入球確率高の作動パターン)では、切断面SP12の左方へ流れた球が突設リブ11111を通過するときには開閉手段11190が左端位置に配置されることになるが、その後、ソレノイド1510の励磁(駆動)が一時的に解除されるので、ソレノイド1510の戻りバネの付勢力により、開閉手段11190は右端位置へ向けて移動する。これにより、切断面SP12の左方へ流れた球は、第1突設部11194から右向きの負荷を受け、第2突設部11195に沿って流下するので、第2追加入賞口11183へ向けて流下し得る。
このように、開閉板11300の作動パターンにバリエーションを設けることで、同じタイミング(例えば、ラウンド遊技Rの開始時に傾斜面11340が球と当接するタイミング、図82(b)参照)で切断面SP12の左方へ流れた球が第2追加入賞口11183へ入球する確率を変化させることができる。
なお、入球確率高の作動パターンにおいて、ソレノイド1510の駆動(励磁)を解除するタイミングは、特に限定されるものでは無い。本実施形態では、開閉板11300からの負荷で切断面SP12の左方へ流れた球が突設リブ11111を通過して第1突設部11194、第2突設部11195の間に到達するタイミングでソレノイド1510の駆動(励磁)を解除するように制御される。
なお、第2追加入賞口11183は、球の入球により特別図柄2の変動を開始する入球口として構成されても良い。この場合、ラウンド間インターバル期間に開閉板11300に到達した球により特別図柄2の保留球数を増加させることができるので、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態(時短状態)となっているにも関わらず、特別図柄1の保留に伴う変動が開始され、遊技者に不利益を与える現象が生じることを抑制することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
開閉板11300が開状態へ変化するタイミングで開閉板11300の正面側のどの位置に球が配置されているかによって、その球が検出センサ1240へ向かう(入球する)のか、第2追加入賞口11183へ向かう(入球する)のかを切り替えることができることに加えて、ラウンド間インターバル期間に球の発射を継続した方が、第2追加入賞口11183へ球を流下させ易く構成した。これにより、結果的に、ラウンド間インターバル期間に球の発射を継続した方が、払い出し賞球個数を多くしやすくすることができるので、ラウンド間インターバル期間に球の発射を継続する遊技態様を促進し易くすることができる。
第2追加入賞口11183は、開閉板11300の状態が維持されている間は、球が到達しても球の入球が困難となるように構成される。これにより、第2追加入賞口11183を開閉板11300の駆動が生じる状態(小当たり遊技、または大当たり遊技)において、球が入球し易くなる入賞口として機能させることができる。
開閉手段11190の状態が維持される間は第2追加入賞口11183への入球が困難とされる一方、開閉手段11190の状態変化の途中において第2追加入賞口11183へ球が入球し易いように構成されることに加えて、第2追加入賞口11183へは、開閉板11300が閉状態から開状態へ向けて駆動する際に開閉板11300から負荷を受けた球が第2追加入賞口11183へ流下するように構成した。これにより、開閉板11300が開状態へ向けて駆動した(ラウンド遊技Rが開始した)後の開閉板11300の作動パターンにバリエーションを設けることで、第2追加入賞口11183へ球が入球する確率を変化させることができる。
次いで、図86から図140を参照して、第1の制御例について説明する。図86(a)及び図86(b)は、第1の制御例における第1可変入賞装置6000の正面図である。なお、図86(a)及び図86(b)では、薄板部材1210が部分的に切り欠かれ開閉板1300が視認可能とされ、側壁部1220の一部および傾斜面1237の一部が想像線で図示される。また、図86(a)では、第1可変入賞装置6000の遮蔽状態を示す模式図が図示され、図86(b)では、内部が視認困難(見え難いが視認可能)な遮蔽状態から、内部を視認可能な透過状態へと可変させる透過演出が実行された際の第1可変入賞装置6000の透過状態を示す模式図が図示される。また、上述した実施形態と同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図86(a)に示す通り、本制御例で説明する第1可変入賞装置6000は、貯留流路1231の正面側に配設される薄板部材1210により、貯留流路1231の内部を視認し難く構成されている(薄板部材1210の透過性が低く構成されている)。
加えて、検出センサ1240の開口を通して貯留流路1231の内部を覗き込もうとしても、貯留流路1231が折れ曲がり流路として形成されていて、下流側を視認することができないので、貯留流路1231に貯留された球の個数を把握することができないように構成されている。加えて、干渉装置6900の配設位置は、折れ曲がり部分よりも下流なので、干渉装置6900の可動状況を視認することができないように構成されている。
さらに、検出センサ1240の開口方向の上流側(図86(a)左側)に薄板部材1210を延設することにより(図14参照)、検出センサ1240の開口を通して覗き込む場合の視線の方向を限定し、貯留流路1231の内部を視認し難くするように構成されている。
このように構成することで、第1可変入賞装置6000の遮蔽状態において、貯留流路1231の内部に貯留された球の個数や、干渉装置6900の可動状況を把握させることを困難とすることができる。
このように構成された可変入賞装置6000は、所定条件(例えば、タイミング演出(操作演出)の成功(図88(b)参照))が成立することに基づいて、透過用ランプ227ba~227beが点灯し、図86(b)に示す通り、内部が視認可能となる透過状態へと切り替わるよう覆設前板1200がハーフミラーで構成されている。これにより、透過用ランプ227ba~227beが点灯した場合に、貯留流路1231の内部に貯留された球の個数や、干渉装置6900の可動状況を遊技者に把握させることができる。
なお、覆設前板1200の背後に、外部から入射する光を検出する光センサを配設しても良い。この場合、外部から強い光を照射すると内部が視認可能となるハーフミラーの特性を利用して、覆設前板1200に強い光を照射し内部を視認しようとする不正行為が実行されたことを、光センサの出力により判定することができる。従って、光センサの出力の変化に対応してエラーコマンドを設定し、遊技の継続を困難とするように制御することで、不正行為の抑制を図ることができる。
なお、本制御例では、覆設前板1200に対して、光(透過用ランプ)を照射することで、透過状態へと切替える構成を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、常時点灯している発光手段(LED)から覆設前板1200に照射される光の入射角が切り替わるように覆設前板1200の一部(例えば、薄板部材1210)又は発光手段を可動可能に構成し、その可動する部分が所定位置に位置した場合にのみ内部が視認可能な透過状態となるように構成してもよい。
また、覆設前板1200を内部が視認可能な透明色で構成し、その表面に、照射された光を乱反射させる加工(例えば、シボ加工)を施すように構成してもよい。これにより、パチンコ機10において遊技が実行されている間は各種ランプから照射される光によって第1可変入賞装置6000の内部を視認困難とし、パチンコ機10の電源をオフにした状態(即ち、各種ランプが点灯していない状態)では可変入賞装置6000の内部を視認可能とするようにしてもよい。これにより、パチンコ機10の電源をオフにした状態であっても店員が容易に可変入賞装置6000の内部を点検することができる。
このような構成を用いる場合は、各種ランプから照射される光が第1可変入賞装置6000に照射されることを遮蔽する遮蔽壁を設け、その遮蔽壁を遮蔽状態と非遮蔽状態とに可変させる構成を設けるとよい。これにより、遊技が行われている間であっても第1可変入賞装置6000の貯留流路1231の内部を遊技者に視認させることができる。
また、第1可変入賞装置6000に対して光を照射するための専用の発光手段(ランプ)を設け、その発光手段に対して発光制御を行うことで、貯留流路1231の内部を視認困難な状態(光を照射している状態)と、視認可能な状態(光を照射していない状態)とを切替えるようにしてもよい。
さらに、内部が視認可能な覆設前板1200に装飾用の可動部材を設け、その可動部材の動作を制御することで、貯留流路1231の内部を視認可能な状態(装飾用の可動部材が貯留流路1231と重ならない位置で可動する状態)と、貯留流路1231の内部を視認困難な状態(装飾用の可動部材が貯留流路1231を覆うように重なる位置で可動する状態)とを切替えるようにしてもよい。
また、本制御例では、図86(a)に示した通り、覆設前板1200によって、貯留流路1231の全範囲を視認し難くし、干渉装置6900の可動状態が視認されることを確実に防止する構成としていたが、これに限られること無く、通常遊技を行っている姿勢で干渉装置6900の可動状態を視認し難くする効果を奏する構成であればよい。
例えば、貯留流路1231の下半分(折れ曲がり箇所よりも下流側)のみを視認し難くし、上半分の視認性は確保するようにしても良い(上半分のハーフミラーの形成を省略しても良い)したり、同様の考え方で、正面視で干渉装置6900の干渉部材6930と重なる部分のみを視認し難くしたりしても良い。これにより、干渉装置6900の可動状態を視認し難くする構成を低コストで構築することができる。
また、例えば、貯留流路1231の下半分の視認性は確保する(下半分のハーフミラーの形成を省略する)一方で、上半分を視認し難くするようにしても良い。この場合、貯留流路1231の下半分に残る球を視認することで貯留流路1231に貯留されている球の個数の下限を把握することができる一方で、貯留流路1231に貯留されている正確な個数を把握することを困難にすることができる。
従って、遊技者が無駄球(入賞口に入球しない球)を減らそうと球の発射を一時的に止める場合の、発射を止めるタイミングを図り難くすることができる。なお、本制御例で説明する第1可変入賞装置6000(図53参照)では、貯留流路1231が満タンとなる(10個の球が貯留される)と、それ以上の入球は望めないように構成されているので、そのタイミングで球の発射を停止することで、無駄球を減らすことができる。
一方で、本制御例では、所定回数目のラウンド遊技Rにおいて第1可変入賞装置6000に入球した球の個数と、貯留流路1231に貯留されている球の個数が必ずしも一致しないので、第1可変入賞装置6000に入球する球の個数を数えても、貯留流路1231に貯留されている球の個数を正確に知ることはできない。そのため、貯留流路1231に貯留されている球の個数を直接的に把握するためには、貯留流路1231の内部を視認することが必要となる。
即ち、本制御例の構成だからこそ、貯留流路1231の下半分の視認性は確保する(下半分のハーフミラーの形成を省略する)一方で、上半分を視認し難くする構成が効果的となり、遊技者が球の発射を止めるタイミングを容易に図ることが困難となる。これにより、大当たり遊技における球の発射に対する遊技者の注目力および集中力を向上させることができ、遊技者が漫然と遊技を行うことを防止することができる。
図86(a)及び図86(b)に示す本制御例の特徴としては、上述した視認状態の変化に加え、干渉部材6930の動作タイミングを、操作ボタン300(図1参照)を操作することで設定できるタイミングが用意されていることが挙げられるが、詳細は後述する。
次いで、第3図柄表示装置81の画面構成について説明する。上述したように、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81と、第2図柄表示装置83と、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにしてセンターフレーム86と、が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64、または第2入球口640へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。また、第3図柄表示装置81として複数の液晶ディスプレイを設けても良いし、第3図柄表示装置81が可動するように構成してもよい。ここで、第3図柄表示装置81の表示内容について、図87を参照して説明する。
図87は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図87(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図87(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄によって構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本制御例のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図93参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図87(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1~Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1~Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1~Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1~Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1~Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1~Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。この停止表示状態は最低1秒間保持される。
このように、停止した第3図柄を一定期間(1秒以上)表示させておくことで、遊技者が大当たりに対応する第3図柄の組み合わせであるか否か(特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か)を見落としてしまうことを抑制することができる。また、第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本制御例では、同一の主図柄の組合せ)が揃えば、大当たりとして大当たり動画(オープニング演出)が表示される。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示後に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。また、特別図柄1の保留球と特別図柄2の保留球が共に存在する場合は、特別図柄2の保留球に基づく抽選が優先的に実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、15秒)が経過するか、または、第1入球口64、および第2入球口640のどちらかに対して新たに球が入球するまで継続する。
そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出が表示される。遊技者が球を所定時間(例えば、15秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入球口64、および第2入球口640への入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、15秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。
よって、本制御例のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、15秒)が経過する前に第1入球口64、および第2入球口640に対して新たに球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1~Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64、および第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2及びDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
また、小領域Ds3には、第3図柄が表示される。詳細については後述するが、本パチンコ機10では、遊技状態に応じて抽選が実行され易い特別図柄の種別(特別図柄1、および特別図柄2のいずれか)が異なって構成されている。主表示領域Dmでは、現在の遊技状態において抽選が実行され易い特別図柄の抽選が実行された場合における変動表示が表示される。一方、小領域Ds3には、現在の遊技状態において抽選が実行され難い特別図柄の抽選が実行された場合における変動表示が表示される。
ここで、抽選が実行され難い特別図柄の抽選が実行されたことは、遊技者にとっての大きな注目事項である。例えば、特別図柄の通常状態において抽選が実行され難い特別図柄2の抽選が実行され、その抽選結果が大当たりであった場合、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に比較して、遊技者が得られる利益の期待度が高くなる場合がある。また、例えば、特別図柄の高確率状態において抽選が実行され難い特別図柄1の抽選が実行され、その抽選結果が大当たりであった場合、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に比較して、遊技者が得られる利益の期待度が低くなる場合がある。
そのため、小領域Ds3において、現在の遊技状態において抽選が実行され難い特別図柄の抽選が実行された場合においてのみ変動表示を行うことで(主表示領域Dmでの変動表示と分けることによって)、遊技者の注目を集めやすくなり、遊技者を変動表示に引き込むことができる。
実際の表示画面では、図87(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、主表示領域Dmに表示されている主図柄とは異なる第3図柄の主図柄が、右の小領域Ds3に合計3個表示される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ710(本制御例ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出したりする等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて特別図柄1の抽選に基づく変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、および、特別図柄2の抽選に基づく変動表示が行われている間に球が第2入球口640へ入球した場合、その入球回数はそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。具体的には、小領域Ds1の上半分に表示された図柄(第1保留球数図柄)が第1入球口64に対する保留球数を示しており、下半分に表示された図柄(第2保留球数図柄)が第2入球口640に対する保留球数を示している。図87は、第1保留図柄が4つ表示されている一方で、第2保留図柄が0個表示されている(第2保留図柄が全てブランクになっている)場合を例示している。
なお、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
次に、図88~図92を参照して、本制御例のパチンコ機10が第1の制御例において実行するタイミング演出(操作演出)について説明をする。
本制御例では、操作ボタン300(図1参照)に対する操作に基づいて、貯留流路1231(図86参照)に貯留された球に関連する演出を実行するように構成されている。なお、貯留流路1231に貯留された球に関連する演出としては、例えば、貯留流路1231の内部の視認性を変化させる演出や、貯留流路1231の内部に貯留された球の排出態様を変化させる演出等が例示される。そして、これらの演出は、予め定められた基準となる操作タイミングと、遊技者が操作ボタン300を操作するタイミングとのずれの程度により、演出の内容が変化するように構成されている。
ここで、本制御例では、操作ボタン300(図1参照)を操作させるタイミングを報知するための演出として、タイミング演出(操作演出)が実行される。そして、タイミング演出(操作演出)に従い、タイミングよく操作を実行することにより、遊技者が得られる利益が最大化するように演出が構成される。これにより、操作ボタン300の操作に対する遊技者の参加意欲を向上させることができる。
まず、図88および図89を参照して、大当たり中に実行されるタイミング演出(操作演出)の内容について説明をする。図88(a)は、タイミング演出(操作演出)が実行される前のラウンドにて実行される予告演出中の表示内容の一例を示す模式図であって、図88(b)~図89は、タイミング演出(操作演出)中の表示内容の一例を示す模式図である。なお、各図面では、第3図柄表示装置81の表示内容を示す模式図と、操作手段(操作ボタン300)に対する操作状況を示す模式図とを用いて、操作手段の操作に基づいて変化する第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。
図88に示す通り、第3図柄表示装置81には、現在のラウンド数を表示するラウンド数表示部714が3ラウンド目のラウンド遊技R中であることを示す態様で画面左上に表示され、小領域Ds2では、大当たり中に獲得した球数を示唆する獲得表示が実行され、小領域Ds3では、遊技方法を案内する案内表示部に「右を狙え」の表示がされる。そして、特定入賞口1000a(図7参照)に球が入賞したことに基づいて獲得した球数を示唆するための獲得数表示態様718が特定入賞口1000aの賞球数を示す「15」として表示される。この獲得数表示態様718は、特定入賞口1000aへの球の入賞に基づいて第3図柄表示装置81に表示された後、小領域Ds2に向けて移動表示し、最終的に、小領域Ds2の獲得表示として加算される。
ラウンド数表示部714では、現在実行中の遊技の区間(ラウンド数またはインターバル)に関する表示が左側に大きく表示され、現在実行中の遊技の区間の終了後に開始される遊技の区間に関する表示が右側に小さく表示される。
また、ラウンド数表示の下方には、4つの丸印が横並びで表示される。この丸印は、貯留流路1231に貯留される球の個数により塗りつぶされる丸印が切り替わる。即ち、貯留流路1231に貯留される球の個数が4個未満である場合には、左端の丸印が塗りつぶされ(図88(a)参照、不足表示に対応)、貯留流路1231に貯留される球の個数が4個以上7個未満である場合には、左から2番目の丸印が塗りつぶされ(中間数表示に対応)、貯留流路1231に貯留される球の個数が7個以上9個未満である場合には、右から2番目の丸印が塗りつぶされ(図92(a)参照、不足表示に対応)、貯留流路1231に貯留される球の個数が10個である場合には、右端の丸印が塗りつぶされる(図92(b)参照、満タン表示に対応)。
画面中央には、次のラウンドからタイミング演出(操作演出)が開始されることを遊技者に報知するための予告表示と、タイミング演出(操作演出)のゲーム性を知らせる案内表示とが実行される。そして、画面下側には、タイミング演出(操作演出)にて用いられる演出領域が表示される。
この演出領域には、操作ボタン300に対応するボタン表示態様715が表示され、そのボタン表示態様715に対応して、表示ポインタ719(図88(b)参照)が表示される副表示領域Ds4と、その副表示領域Ds4の下方において、副表示領域Ds4と同形状で配置され、遊技者の操作に関する情報が表示される副表示領域Ds5とが設けられる。
副表示領域Ds4は、図88(b)にて後述するが、複数の表示ポインタ719が右から左へとスクロール移動表示される領域であって、表示ポインタ719が操作タイミングを示す表示態様であるバー表示部717と合致したタイミングで操作ボタン300(操作手段)を操作することで成功演出(後述する図88(b)参照)が実行される。また、表示ポインタ719がバー表示部717と合致していないタイミングで操作手段を操作した場合には失敗演出(後述する図89参照)が実行される。
なお、図88(b)に示すように、4ラウンド目のラウンド遊技Rで成功演出が実行されたことに関連して、透過用ランプ227ba~227beが点灯する(図86(b)参照)。本制御例の説明において、覆設前板1200は、図86(a)及び図86(b)に示す通り、透過用ランプ227ba~227beの消灯時は内部が視認し難い一方で、透過用ランプ227ba~227beが点灯することにより内部が視認可能となる透過状態へと切り替わるようハーフミラーで構成されている。よって、透過用ランプ227ba~227beを点灯させることにより、干渉装置6900(図86(a)及び図86(b)参照)付近を流下する球の流下状況(貯留流路1231に貯留される球の貯留態様)を遊技者に把握させることができる。
また、図89に示すように、4ラウンド目のラウンド遊技Rで失敗演出が実行されたことに関連して、透過用ランプ227ba~227beの内の一部の透過用ランプ227baが点灯する。これにより、干渉装置6900付近(貯留流路1231の下半分)に配置される球の貯留態様を視認することはできない一方で、検出センサ1240付近(貯留流路1231の上半分)に配置される球の貯留態様は視認することができるように構成される。
図88(a)に示すように、予告演出が実行されている間は、副表示領域Ds4及びDs5には「待機中」の文字が、右から左へとスクロール移動表示される。
次に、図88(b)を参照して、大当たり中におけるタイミング演出(操作演出)の表示内容を説明する。タイミング演出(操作演出)が実行されると、副表示領域Ds4に表示ポインタ719がスクロール移動表示され、そのうち表示ポインタ719aがバー表示部717と合致するタイミングで、操作ボタン300を操作すると、画面中央に結果表示態様720として「good」の文字が表示されるとともに、操作ボタン300を操作したことがボタン表示態様715の表示態様を可変させることで表示される。
図88(b)に示すように、結果表示態様720が表示されると同時に、その結果表示態様720の近傍に「アタッカーに注目!」の文字が表示され、副表示領域Ds5に結果表示態様720と同様に「good」の文字が表示される。
この場合、「good」の文字を第3図柄表示装置81に分散配置させることで、遊技者が表示に気付き易くさせることができると共に、表示に気付いた遊技者にアタッカー(第1可変入賞装置6000)に注目させ易くすることができる。そして、遊技者に、第1可変入賞装置6000の貯留流路1231に貯留されている貯留球が視認可能となっていることを気付かせることができ、それに気づいた遊技者は、その貯留個数に応じて、適した発射球調整を行うことができる。
図89に示す状態は、タイミング演出(操作演出)において、表示ポインタ719cがバー表示部717と合致していないタイミングで操作ボタン300を操作した状態であって、画面中央に結果表示態様720として「bad」の文字が表示されるとともに、操作ボタン300を操作したことがボタン表示態様715の表示態様を可変させることで表示される。
図89に示すように、結果表示態様720が表示されると同時に、副表示領域Ds5に結果表示態様720と同様に「bad」の文字が表示される。なお、ここでは、「アタッカーに注目!」の文字は表示されない。
この場合、「bad」の文字を第3図柄表示装置81に分散配置させることで、遊技者が表示に気付き易くさせることができる。また、「アタッカーに注目!」の文字を敢えて表示させないことで、第1可変入賞装置6000の貯留流路1231に貯留されている貯留球が視認し難い状態でまで遊技者がアタッカー(第1可変入賞装置6000)に注目することを抑制することができるので、遊技者の第3図柄表示装置81の演出に対する注目力を維持することができる。また、「アタッカーに注目!」の文字の表示に対する遊技者の信頼感(表示に従えば利益が得られるとの信頼感)を高めることができる。
なお、上述したように、図89に示すように、結果表示態様720が表示されている場合において、一部の透過用ランプ227baは点灯している。一方で、本制御例では、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおけるタイミング演出(操作演出)において、表示ポインタ719がバー表示部717を通過した後、3秒間が経過しても操作ボタン300の操作が行われない場合、透過用ランプ227ba~227beの全部を消灯したまま維持するように制御されることから、それ以降(4ラウンド目から6ラウンド目まで)のラウンド遊技Rにおいて、貯留流路1231の内部を視認することが極めて困難となるように構成される。
図90(a)は、5ラウンド目のラウンド遊技Rの直前のラウンド間インターバルにおけるタイミング演出(操作演出)の表示内容の一例を示す模式図であって、図90(b)~図91(b)は、タイミング演出(操作演出)中の表示内容の一例を示す模式図である。なお、各図面では、第3図柄表示装置81の表示内容を示す模式図と、操作手段(操作ボタン300)に対する操作状況を示す模式図とを用いて、操作手段の操作に基づいて変化する第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。
図90に示す通り、第3図柄表示装置81には、上述したラウンド数表示部714が5ラウンド目のラウンド遊技Rの直前のラウンド間インターバル中であることを示す態様で画面左上に表示され、小領域Ds2では、大当たり中に獲得した球数を示唆する獲得表示が実行され、小領域Ds3では、遊技方法を案内する案内表示部に「右を狙え」の表示がされる。
画面中央には、操作ボタン300の操作を促す「押せ!」との文字からなる操作指示表示が実行される。そして、画面下側には、タイミング演出(操作演出)にて用いられる演出領域が表示される。
演出領域の下部に対応する副表示領域Ds5には、バー表示部717と同様に操作タイミングを示す表示態様である帯表示部716が表示される。帯表示部716は、バー表示部717よりも右方において「安心」との文字が表示される第1帯部716aと、その第1帯部716aの左方に隣設されると共にバー表示部717と上下で重なり「最高」との文字が表示される第2帯部716bと、その第2帯部716bの左方において「失敗」との文字が表示される第3帯部716cとを備える。
副表示領域Ds4には、上述したように、表示ポインタ719dが右から左へとスクロール移動表示される。本制御例では、その表示ポインタ719dが帯表示部716のどの位置にあるときに操作ボタン300(操作手段)を操作するかにより、遊技者が得られる利益が変化するように制御される。
例えば、第1帯部716aの上方に表示ポインタ719dがあるときに操作ボタン300(操作手段)を操作した場合、安心演出(後述する図91(a)参照)が実行される。この場合、その大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態に移行する特典を獲得可能という有利な事象が生じる一方で、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおける賞球の払い出しが若干少なくなり(規定個数(本制御例では、10個)の入球をさせることができない分、賞球が少なくなり)、5ラウンド目のラウンド遊技Rの継続時間が最大時間(30秒)となる不利な事象が生じる。
また、例えば、第2帯部716bの上方に表示ポインタ719dがあるときに操作ボタン300(操作手段)を操作した場合、最高演出(後述する図90(b)参照)が実行される。この場合、その大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態に移行する特典を獲得可能という有利な事象が生じ、且つ、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて規定個数(10個)の球を第1特定入賞口1000aへ入球させることができ、5ラウンド目のラウンド遊技Rの継続時間を最大時間(30秒)よりも短くできるという有利な事象が生じる一方で、不利な事象は発生しない。
また、例えば、第3帯部716cの上方に表示ポインタ719dがあるときに操作ボタン300(操作手段)を操作した場合、または操作ボタン200(操作手段)の操作が行われなかった場合、失敗演出(後述する図91(b)参照)が実行される。この場合、その大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態に移行する特典を獲得できないという不利な事象が生じる一方で、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて規定個数(10個)の球を第1特定入賞口1000aへ入球させることができ、5ラウンド目のラウンド遊技Rの継続時間を最大時間(30秒)よりも短くできるという有利な事象が生じる。
なお、表示ポインタ719がバー表示部717と上下で重なる第2帯部716bにある時に操作ボタン300(操作手段)を操作することで、最大の利益を得ることができるので、図88(b)及び図89で表示されるタイミング演出(操作演出)から表示が即座に移行しても、遊技者は違和感なく操作ボタン300(操作手段)の操作を実行することができる。
次に、図90(b)を参照して、大当たり中におけるタイミング演出(操作演出)の表示内容の一例を説明する。タイミング演出(操作演出)が実行されると、副表示領域Ds4に表示ポインタ719がスクロール移動表示され、そのうち表示ポインタ719dが第2帯部716bと上下で合致するタイミングで、操作ボタン300を操作すると、画面中央に結果表示態様720として「最高!V獲得!」の文字(最高演出)が表示されるとともに、操作ボタン300を操作したことがボタン表示態様715の表示態様を可変させることで表示される。これにより、遊技者に、最大限度の利益を獲得可能となったことを視認させることができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
なお、表示ポインタ719がバー表示部717と上下で重なる第2帯部716bにある時に操作ボタン300(操作手段)を操作することで、最大の利益を得ることができるように制御されるので、図88(b)及び図89で表示されるタイミング演出(操作演出)(4ラウンド目のラウンド遊技Rにおける演出)から表示が即座に移行しても(即座にラウンド間インターバルにおける演出が開始されても)、遊技者は違和感なく操作ボタン300(操作手段)の操作を実行することができる。
また、図88(a)に示すように、案内表示において「ラウンド終了後も気を抜かないで」と表示されていることから、4ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後のラウンド間インターバル(図90(a)参照)においても、第3図柄表示装置81への遊技者の注目力を維持することができる。これにより、遊技者が図90(b)に示すタイミング演出(操作演出)の表示に気付かず、操作ボタン300(操作手段)の操作を行えなかったことで不利益が生じる可能性を下げることができる。
次に、図91(a)を参照して、大当たり中におけるタイミング演出(操作演出)の表示内容の一例を説明する。タイミング演出(操作演出)が実行されると、副表示領域Ds4に表示ポインタ719がスクロール移動表示され、そのうち表示ポインタ719eが第1帯部716aと上下で合致するタイミングで、操作ボタン300を操作すると、画面中央に結果表示態様720として「安心!ワケありのV獲得!」の文字(安心演出)が表示されるとともに、操作ボタン300を操作したことがボタン表示態様715の表示態様を可変させることで表示される。これにより、遊技者に、多少の不利益はあるが安心できる利益を獲得可能となったことを視認させることができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
なお、多少の不利益とは、上述したように、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおける賞球の払い出しが若干少なくなり(規定個数(本制御例では、10個)の入球をさせることができない分、賞球が少なくなり)、5ラウンド目のラウンド遊技Rの継続時間が最大時間(30秒)となることを意味する。
次に、図91(b)を参照して、大当たり中におけるタイミング演出(操作演出)の表示内容の一例を説明する。タイミング演出(操作演出)が実行されると、副表示領域Ds4に表示ポインタ719がスクロール移動表示され、そのうち表示ポインタ719fが第3帯部716cと上下で合致するタイミングで、操作ボタン300を操作すると、画面中央に結果表示態様720として「失敗!Vならず!次に期待!」の文字(失敗演出)が表示されるとともに、操作ボタン300を操作したことがボタン表示態様715の表示態様を可変させることで表示される。これにより、遊技者に、不利益が多大に発生することを報知することができる。
なお、多大な不利益とは、上述したように、大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態に移行する特典を獲得できないという不利益である。また、この場合、上述したように、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて規定個数(10個)の球を第1特定入賞口1000aへ入球させることができ、5ラウンド目のラウンド遊技Rの継続時間を最大時間(30秒)よりも短くできるので、図91(a)に示す場合に比較して、大当たり遊技の終了のタイミングを早めることができ、特別図柄の抽選を早期に実行することができるので、次の大当たり遊技への移行タイミングを早め易くすることができる。
このように、本制御例では、5ラウンド目のラウンド遊技Rの直前のラウンド間インターバルにおけるタイミング演出(操作演出)における操作ボタン300(操作手段)の操作結果に基づき、遊技者が得られる利益が変化するので、遊技者の操作ボタン300(操作手段)の操作意欲を向上させることができる。
次に、図92(a)及び図92(b)を参照して、6ラウンド目のラウンド遊技Rにおける表示について説明する。図92(a)及び図92(b)は、6ラウンド目のラウンド遊技Rが実行されていることを第3図柄表示装置81で報知する表示内容の一例を示す模式図である。なお、図92(a)では、大当たり種別が「大当たりL」又は「大当たりN」の場合の表示の一例を示した模式図であり、図92(b)では、大当たり種別が「大当たりK」、「大当たりM」又は「大当たりk」の場合の表示の一例を示した模式図である。
図92(a)に示す6ラウンド目のラウンド遊技Rにおける表示の一例では、大当たり種別が「大当たりL」又は「大当たりN」の大当たりに当選し、即ち、6ラウンド大当たりに当選していることを示す「大当たり」の文字が表示される。
また、図92(b)に示す6ラウンド目のラウンド遊技Rにおける表示の一例では、大当たり種別が「大当たりK」、「大当たりM」又は「大当たりk」の大当たりに当選し、即ち、6ラウンド大当たりに当選していることを示す「大当たり」の文字が表示され、且つ、6ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて干渉装置6900が遊技者に有利な作動パターン(第20の作動パターン)で実行されることを報知する超過入賞可能性上昇報知態様721として「+チャンス」の文字が表示され、それに伴い小領域Ds3における案内表示部に「ひたすら右打ち!」との文字が表示される。
大当たり種別が「大当たりK」、「大当たりM」又は「大当たりk」の大当たりの場合、6ラウンド目のラウンド遊技Rでは、球の発射を止めずに継続することにより、規定個数より多くの入球が生じる可能性を高くするように干渉装置6900が駆動される(図99(a)参照)。従って、遊技者は、図92(b)の表示に従い球の発射を継続することにより、規定個数を超える賞球の払い出しを受ける可能性を上げることができる。
このように、特別図柄の抽選結果が大当たりであったことを報知する態様に加え、その大当たり中の干渉装置6900の動作状況を報知する態様をラウンド遊技Rにおける表示画面にて報知することで、様々なパターンのラウンド遊技Rに適した表示態様を表示することができる。本制御例では、この表示に従って球の発射を継続したり、停止したりすることで、遊技者に与えられる利益として大当たり種別ごとに予定されている最大限の利益を遊技者が受け易くなるように制御される。従って、遊技者は、表示に従って球の発射を行うことで、最大限の利益を獲得し易くすることができる。
なお、本制御例ではタイミング演出(操作演出)に実行される遊技者に操作内容に基づいて、タイミング演出(操作演出)の演出態様を異ならせているが、それ以外にも、例えば、タイミング演出(操作演出)以外で実行される操作演出(例えば、大当たり遊技中のミニゲーム演出や、特別図柄変動中のリーチ演出)において、遊技者が操作ボタン300(操作手段)を操作した操作履歴(操作回数、操作内容、操作結果)に基づいて、タイミング演出(操作演出)の演出態様を異ならせるように構成してもよい。これにより、パチンコ機10で実行される様々な操作演出に対して意欲的に遊技を行わせることができ、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、遊技者による操作ボタン300(操作手段)に対する操作結果に限ること無く、例えば、計時手段(RTC)により計時されている計時期間や、遊技者が遊技を行った遊技期間に基づいてタイミング演出(操作演出)の演出態様を切替えるように構成してもよい。
<第1の制御例における電気的構成について>
次に、図93を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について改めて説明する。図93は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。なお、図4に対する変更点について説明し、同一の部分においては説明を省略する。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図100参照)が設けられている。
ここで、図100を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。図100は、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明するモデル図である。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たり(および小当たり)の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別(大当たり図柄)の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止種別の選択に使用する停止種別カウンタC3と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタCS1と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。
また、普通図柄(第2図柄表示装置83)の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。また、小当たり種別の選択には、小当たり種別カウンタC5が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図107参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図117参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1入球口64に対する入賞について各カウンタ値が格納される特別図柄1保留球格納エリア203aと第2入球口640に対する入賞について各カウンタ値が格納される特別図柄2保留球格納203bとが設けられている。
本制御例では、第1入球口64、第2入球口640には、保留球が最大4個までそれぞれ設けられており、合計最大8個の保留球が記憶可能に構成されている。そのため、特別図柄が変動表示中でない場合や、特別図柄の大当たり遊技中でない場合等の特別図柄の抽選が可能な期間に、球が第1入球口64に入賞すると、各カウンタ値が特別図柄1保留球格納エリア203aに格納され、第2入球口640に遊技球が入賞すると、各カウンタ値が特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。その後、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納された各カウンタ値が特別図柄1保留球格納エリア203a内に設けられた実行エリアに移動されて、特別図柄1を変動表示(動的表示)するための各種設定や制御処理が実行される。同様にして、特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された各カウンタ値が特別図柄2保留球格納エリア203b内に設けられた実行エリアに移動されて、特別図柄2を変動表示するための各種設定や制御処理が実行される。
一方、特別図柄1または特別図柄2の変動表示中や特別図柄1または特別図柄2の大当たり遊技中等の特別図柄の抽選が不可能な期間に、遊技球が第1入球口64又は第2入球口640に入賞した場合には、入賞した入球口(始動口)に対する保留個数が上限値(本制御例では、4個)未満である場合には、各カウンタ値の取得がされ、入賞した入球口に対応する特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに記憶される。また、入賞した入球口に対する保留個数が上限値(本制御例では、4個)以上である場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本制御例では、5個の賞球)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。
図100を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(本制御例では、0~319)内で順に1ずつ加算され、最大値(本制御例では、319)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0~319の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~319の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図107参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図117参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203a又は特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202(図94(a)参照)に格納される第1当たり乱数テーブル202aに規定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
ここで、第1当たり乱数テーブル202a(図94(a)参照)について説明する。第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄1または特別図柄2の抽選において、各遊技状態で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、遊技状態が低確率状態である場合には、特別図柄1、または特別図柄2の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」であるか判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、遊技状態が高確率状態である場合には、特別図柄1、または特別図柄2の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「1~4」の範囲内であるか判別されて、「1~4」の範囲内であれば、大当たりであると判別される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリア、または特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本制御例のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0~319の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。上述した通り、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の大当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は1個あり、その乱数値である「0」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202a(図94(a)参照)に格納されている。このように乱数値の総数が320ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/320」となる。一方、特別図柄の高確率状態において、特別図柄の大当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は4個あり、その乱数値である「1~4」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように乱数値の総数が320ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が4なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/80」となる。
また、本制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合に、この第1当たり種別カウンタC2の値と第1当たり種別選択テーブル202b(図94(b)参照)とに基づいて、大当たり種別が選択されることとなる。具体的には図94(b)を参照して後述する。
停止種別選択カウンタC3は、本制御例では、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本制御例では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄としてリーチが掛かっている図柄とは異なる図柄が停止する「リーチ外れ」(例えば90~99の範囲)と、リーチが発生しない「完全外れ」(例えば0~89の範囲)との2つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合は、その値がRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。また、球が第2入球口640に入球した場合は、その値がRAM203の特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本制御例ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、特別図柄の確変状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0~89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなると共に、「リーチ外れ」が90~99と狭くなるため、「リーチ外れ」が選択され難くなる。また、特別図柄の低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0~79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなると共に、「リーチ外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80~99と広くなる。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
変動種別カウンタCS1は、本制御例では、0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、設定されている変動パターン選択テーブルより1の変動パターンが決定される。この変動パターンには、変動時間(動的表示期間)が設定されており、変動種別カウンタCS1は、変動時間を決定するカウンタでもある。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図117参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202dは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターン選択テーブル202dには、変動パターンを選択するためのデータテーブルが複数規定されている。この変動パターン選択テーブル202dには、特別図柄1と、特別図柄2とで共通に用いられる複数の変動パターン選択テーブルが設定されており、それぞれに対して、当否判定結果別に変動パターン選択テーブルが設定されている。
第2当たり乱数カウンタC4は、本制御例では、0~239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本制御例ではタイマ割込処理(図107参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄の実行エリアに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図94(c)参照)に規定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cに規定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。本制御例では、この第2当たり乱数テーブル202cにおいて、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態中)に、普通図柄の当たりとなる乱数値は5個あり、その範囲は「5~9」となっている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る乱数値の総数が240個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が5個なので、普通図柄の低確率時における普通図柄の当たりとなる確率は、「1/48」となる。
一方、普通図柄の高確率時(普通図柄の時短状態中)に、普通図柄の当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5~204」となっている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る乱数値の総数が240個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が200個なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。このように、本制御例では、普通図柄の当たりとなる乱数値が、普通図柄の低確率状態と、普通図柄の高確率状態とで大きく異なるため、当たり確率が大きく異なっている。また、普通図柄の変動時間や、普通図柄の当たりとなった場合における第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間も普通図柄の低確率時と高確率時とで異なっている。このため、普通図柄の低確率状態と、普通図柄の高確率状態とで、第2入球口640への入球し易さが大きく異なるので普通図柄の低確率状態(通常状態)においては、遊技者に対して第1入球口64を狙って遊技を行わせることができる。
普通図柄の低確率状態において、球がスルーゲート(普通入球口)67(図2参照)を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83(図2参照)において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5~9」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640が「0.2秒間×2回」だけ開放される。
一方、普通図柄の高確率状態において、球がスルーゲート(普通入球口)67(図2参照)を通過すると、第2図柄表示装置83(図2参照)において普通図柄の変動表示が1秒間実行され、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5~204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640が「1秒間×2回」だけ開放される。尚、本制御例では、普通図柄の変動時間や、普通電動役物開放時間や開放回数については、遊技性を損なわない範囲で適宜変更してもよい。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(即ち、「0~239」)、タイマ割込処理(図107参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図117参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図93に戻り、説明を続ける。RAM203は、図93に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図117参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図116参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図115参照)が即座に実行される。
次に、図94~図95を参照して、本制御例における主制御装置110のMPU201のROM202の内容について説明する。図94(a)は、本制御例における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。ROM202には、既に上述した第1当たり乱数テーブル202aと、第2当たり乱数テーブル202cとに加え、第1当たり種別選択テーブル202bと、変動パターン選択テーブル202dと、開閉板および干渉部材動作シナリオ記憶領域202eと、開閉板および干渉部材動作シナリオテーブル202fとが少なくとも設けられている。
まず、図94(b)を参照し、第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。図94(b)は、第1当たり種別選択テーブル202bの内容を模式的に示した模式図である。第1当たり種別選択テーブル202b(図94(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。本制御例のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
図94(b)に示した通り、特別図柄1に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~24」の範囲には、「大当たりK」が対応付けられて規定されている。この「大当たりK」は、ラウンド数が6ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりK」となるカウンタ値は25個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりK」が決定される割合は25%(25/100)である。
この「大当たりK」は、ラウンド数として6ラウンドが設定され、大当たり終了後に時短80回の高確率状態(ST80回)へ移行する。そのため、1回の大当たりが開始してから遊技状態が通常状態に戻るまでに遊技者が獲得可能な出球(期待出球)の面で有利な大当たり種別となる。
また、特別図柄1に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「25~49」の範囲には、「大当たりL」が対応付けられて規定されている。この「大当たりL」は、ラウンド数が6ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりL」となるカウンタ値は25個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりL」が決定される割合は25%(25/100)である。
この「大当たりL」は、ラウンド数として6ラウンドが設定され、大当たり終了後に時短80回の高確率状態(ST80回)へ移行することは「大当たりK」と同様であるが、後述するように、遊技効率(払い出し賞球個数/大当たり遊技に要する時間)の面で、「大当たりK」に比較して不利な大当たり種別となる。
また、特別図柄1に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~74」の範囲には、「大当たりM」が対応付けられて規定されている。この「大当たりM」は、ラウンド数が6ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりM」となるカウンタ値は25個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりM」が決定される割合は25%(25/100)である。
この「大当たりM」は、ラウンド数として6ラウンドが設定され、その大当たり終了後に、普通図柄の時短状態が100回付与される。
また、特別図柄1に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「75~99」の範囲には、「大当たりN」が対応付けられて規定されている。この「大当たりN」は、ラウンド数が6ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりN」となるカウンタ値は25個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりN」が決定される割合は25%(25/100)である。
この「大当たりN」は、ラウンド数として6ラウンドが設定され、その大当たり終了後に、普通図柄の時短状態が100回付与されることは「大当たりM」と同様であるが、後述するように、「大当たりM」に対して、最大払い出し個数が少ない(超過入賞(オーバー入賞)の可能性が低い)という点で不利となる。
一方、第2特別図柄に対しては、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~99」の範囲(全範囲)には、「大当たりk」が対応付けられて規定されている。この「大当たりk」は、ラウンド数が6ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりk」となるカウンタ値は100個なので、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりk」が決定される割合は100%である。
この「大当たりk」は、ラウンド数として6ラウンドが設定され、その大当たり終了後に、時短80回の高確率状態(ST80回)へ移行するか、普通図柄の時短状態が100回付与されるかが、大当たり遊技中における遊技者の遊技態様により変化する。なお、遊技者の遊技態様は、何ら限定されるものでは無く、所定の入球口に球を通過させることでも良いし、所定の操作手段を操作することでも良いが、本制御例における詳細は後述する。
つまり、特別図柄1と特別図柄2とは、大当たり遊技のラウンド数は同じであるが,大当たり終了後に付与される特典(普通図柄の時短状態または高確率状態)が、特別図柄2の方が有利となる(高確率状態へ移行し易くなる)ように規定されている。
このように、本制御例では、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に対して、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合のほうが、遊技者に有利となる高確率状態へ移行し易くなる構成としている。よって、一旦連荘モード(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)が設定されると、右打ちにより第2入球口640へと入球させることにより、特別図柄2の抽選が実行され易くなる状態と、大当たり遊技とが繰り返され易くなる。このため、遊技者に対して、連荘モードへと移行させることを一つの目的として遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、開閉板および干渉部材動作シナリオ記憶領域202eの詳細な内容について、図95(a)を参照して説明する。図95(a)は、開閉板および干渉部材動作シナリオ記憶領域202eの内容を模式的に示した模式図である。この開閉板および干渉部材動作シナリオ記憶領域202eは、開閉板1300及び干渉部材6930(図52参照)の動作制御に用いられる動作シナリオがシナリオ種別毎に記憶されている領域であって、この開閉板および干渉部材動作シナリオ記憶領域202eに記憶されている情報を用いて、大当たり遊技における所定のラウンド遊技Rにおいて開閉板1300及び干渉部材6930が動作される。
具体的には、開閉板および干渉部材動作シナリオ記憶領域202eには、シナリオ種別として動作シナリオ1から動作シナリオ6が規定されている。動作シナリオ1は、シナリオ内容として、開閉板1300に「開放(開状態)」が設定され、干渉部材6930に「退避状態」が設定される、最大30秒の動作シナリオである。動作シナリオ1では、30秒が経過する前であっても、検出センサ1240に規定個数(本制御例では、10個)の球が検出されることで開閉板1300の動作シナリオが終了し、初期状態(開閉板1300が閉状態とされ、干渉部材が退避状態とされる状態)に復帰するように制御される。
動作シナリオ2は、シナリオ内容として開閉板1300に「開放(開状態)」が設定され、干渉部材6930に「退避状態」が設定される、最大10秒の動作シナリオである。動作シナリオ2では、10秒が経過する前であっても、検出センサ1240に規定個数(本制御例では、10個)の球が検出されることで開閉板1300の動作シナリオが終了し、初期状態に復帰するように制御される。
動作シナリオ3は、シナリオ内容として開閉板1300に「開放(開状態)0.2秒→閉鎖(閉状態)0.8秒→開放(開状態)」が設定され、干渉部材6930に「退避状態1.0秒→張出状態0.1秒→退避状態」が設定される、最大30秒の動作シナリオである。動作シナリオ3では、30秒が経過する前であっても、検出センサ1240に規定個数(本制御例では、10個)の球が検出されることで開閉板1300の動作シナリオが終了し、初期状態に復帰するように制御される。
この動作シナリオ3では、上述した動作シナリオ1、動作シナリオ2とは異なり、開閉板1300が初めに開放(開状態)とされた後で閉鎖(閉状態)にされることで、貯留流路1231に残った球を排出できるが、詳細は後述する。なお、閉鎖(閉状態)が0.8秒間維持されるので、貯留流路1231に残った球を4個まで排出できる(上述したように、球1個の排出に0.2秒必要)。
なお、貯留流路1231に残った球の内、閉鎖(閉状態)が0.8秒間維持される間に排出された球は、確率変動判定部4800へ案内される。本制御例では、大当たり種別に関わらず、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から2.0秒後に振分動作部材4851が開放位置に変位され、その18.0秒後(5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から20.0秒後)に振分動作部材4851が閉塞位置に変位される。
この「2.0秒後」は、貯留流路1231に残った球の内、下流から数えて3個目の球が振分動作部材4851(図51参照)を通過するタイミングよりも後であり、4個目の球が振分動作部材4851を通過するタイミングよりも前の時点として設定される数値である。即ち、その4個目の球が、開閉板1300の閉鎖(閉状態)が維持される0.8秒間の終了直前に排出口1150を通過し(5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から1.0秒経過)、排出口1150から連通路4810を通過するのに1.0秒かかるとの設定(5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から2.0秒経過)から、導出される数値である。
動作シナリオ4は、シナリオ内容として開閉板1300に「開放(開状態)0.2秒→閉鎖(閉状態)0.8秒→開放(開状態)」が設定され、干渉部材6930に「退避状態1.0秒→張出状態24.0秒→退避状態」が設定される、最大30秒の動作シナリオである。動作シナリオ4では、30秒が経過する前であっても、検出センサ1240に規定個数(本制御例では、10個)の球が検出されることで開閉板1300の動作シナリオが終了し、初期状態に復帰するように制御される。
この動作シナリオ4では、上述した動作シナリオ3と同様に、開閉板1300が初めに開放(開状態)とされた後で閉鎖(閉状態)にされることで、貯留流路1231に残った球を排出できるが、詳細は後述する。なお、閉鎖(閉状態)が0.8秒間維持されるので、貯留流路1231に残った球を4個まで排出できる(上述したように、球1個の排出に0.2秒必要)。なお、貯留流路1231に残った球の内、閉鎖(閉状態)が0.8秒間維持される間に排出された球は、確率変動判定部4800へ案内されることは、上述した通りである。
この動作シナリオ4の、「張出状態24.0秒」は、少なくとも振分動作部材4851が閉塞位置に変位されるまで張出状態を維持可能な数値として設定される。即ち、動作シナリオ4では、後述するように、干渉部材6930が退避状態となるまでは、規定個数(本制御例では、10個)の球が検出センサ1240を通過することが不可能となるように構成されるところ、干渉部材6930が退避状態となる前に振分動作部材4851が閉塞位置に変位されるので、干渉部材6930が退避状態となった後で排出口1150から排出された球を特定領域4830に流下させることが不可能となる。
動作シナリオ5は、シナリオ内容として開閉板1300に「開放(開状態)3.0秒→閉鎖(閉状態)0.2秒→開放(開状態)」が設定され、干渉部材6930に「退避状態0.2秒→張出状態0.2秒→退避状態2.6秒→張出状態20秒→退避状態」が設定される、最大30秒の動作シナリオである。動作シナリオ5では、30秒が経過する前であっても、検出センサ1240に規定個数(本制御例では、10個)の球が検出されることで開閉板1300の動作シナリオが終了し、初期状態に復帰するように制御される。
この動作シナリオ5は、開閉板1300が初めに開放(開状態)とされた後で閉鎖(閉状態)にされることで、後述するように、貯留流路1231に残った球を1個排出でき、なお且つ、干渉部材6930で球の流下を規制し、貯留流路1231の内部に貯留される球の個数を8個に限定する動作シナリオである(図53(b)参照、干渉部材6930の下流の球が1個である状態に相当)。
この場合、検出センサ1240を通過した球の個数が規定個数未満(本制御例では9個)の状態で検出センサ1240を球が通過することを規制することができるので、干渉部材6930を退避状態に変位させることに基づき検出センサ1240への球の通過を可能とさせることができるので、検出センサ1240の上流側に球を複数配置した状態で検出センサ1240への球の通過を発生させることができる。これにより、超過入賞(所謂、「オーバー入賞」)を発生させ易くすることができる。
動作シナリオ6は、シナリオ内容として開閉板1300に、動作シナリオ5と同様に「開放(開状態)3.0秒→閉鎖(閉状態)0.2秒→開放(開状態)」が設定され、干渉部材6930に「退避状態0.2秒→張出状態2.6秒→退避状態0.2秒→張出状態0.2秒→退避状態」が設定される、最大30秒の動作シナリオである。動作シナリオ6では、30秒が経過する前であっても、検出センサ1240に規定個数(本制御例では、10個)の球が検出されることで開閉板1300の動作シナリオが終了し、初期状態に復帰するように制御される。
この動作シナリオ6は、開閉板1300が初めに開放(開状態)とされた後で閉鎖(閉状態)にされるが、球が干渉部材6930に流下を規制される関係上、開閉板1300が閉鎖(閉状態)を維持している間に球が排出口1150から排出されない動作シナリオである。また、ラウンド遊技Rの開始から3秒を経過した後は、干渉部材6930が退避状態で維持されることから、貯留流路1231の内部に貯留される球の個数は10個となり(図53(a)参照)、検出センサ1240に10個目の球が検出されることに基づいてラウンド遊技Rが終了する。従って、動作シナリオ6では、動作シナリオ5と異なり、超過入賞を発生させ易くすることはできない。
このように、動作シナリオを、遊技者の得られる利益の違いに基づいて区分けして記憶させておくことで、現在実行されている開閉板1300及び干渉部材6930の動作が遊技者に与える利益を容易に判別することができる。
なお、各動作シナリオについて、開閉板1300は規定個数(本制御例では、10個)の球が第1特定入賞口1000aに入球することにより強制的に閉状態(図8,9参照)となる(動作シナリオが終了する)ように制御されるが、干渉部材6930は、動作シナリオの途中で規定個数の球が第1特定入賞口1000aに入球した場合であっても、そのラウンド遊技Rの終了後のラウンド間インターバルが終了するまで動作シナリオに基づく動作を継続し、ラウンド間インターバルの終了と同時に退避状態に変化する(動作シナリオが終了する)ように制御される。
図95(b)は、開閉板および干渉部材動作シナリオテーブル202fの内容を模式的に示した模式図である。この開閉板および干渉部材動作シナリオテーブル202fは、予め定められている各シナリオ種別が、どの大当たり種別の、何ラウンド目のラウンド遊技Rに対応するかの情報が付与されている。
主制御装置110のMPUでは、開閉板1300及び干渉部材6930の動作制御を実行する場合に、開閉板および干渉部材動作シナリオテーブル202fに規定されている内容に対応する情報を、開閉板および干渉部材動作シナリオ記憶領域202eから読み出して、開閉板1300及び干渉部材6930を可動させている。
この開閉板および干渉部材動作シナリオテーブル202fは、大当たり種別と、何ラウンド目のラウンド遊技Rかの組み合わせに基づいて、対応する動作シナリオを設定可能に構成される。大当たり遊技におけるラウンド遊技Rでは、その選択された動作シナリオで、ラウンド遊技Rの開始と同時に開閉板1300及び干渉部材6930が可動制御される。
なお、本制御例では、大当たり遊技のラウンド遊技Rの開始タイミングに対応して干渉部材6930が可動制御される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、開閉板および干渉部材動作シナリオテーブル202fに予め設定順が記憶され、電源投入時(または所定の動作開始タイミング)から動作シナリオの終了毎に順番に変化する動作シナリオで、干渉部材6930が可動制御されても良い。これにより、開閉板1300と干渉部材6930との対応関係を崩すことができるので、遊技者が干渉部材6930の動作を予想し難くすることができる。
図96(a)、図96(b)、図97(a)、図97(b)、図98、図99(a)及び図99(b)を参照して、大当たり種別に対応した開閉板1300(第1特定入賞口1000a)、干渉部材6930及び振分装置4850(特定領域4830、図51参照)の動作態様について説明する。
図96(a)、図96(b)、図97(a)、図97(b)、図98、図99(a)及び図99(b)では、第1特定入賞口1000aの開状態を「開」とも示し、第1特定入賞口1000aの閉状態を「閉」とも示し、干渉部材6930の張出状態を「張」とも示し、干渉部材6930の退避状態を「退」とも示し、特定領域4830に球が流入可能な状態(即ち、振分動作部材4851が開放位置に配置された状態)を「開」とも示し、特定領域4830に球が流入不能な状態(即ち、振分動作部材4851が閉塞位置に配置された状態)を「閉」とも示す。
なお、図95(b)に示すように、1ラウンド目のラウンド遊技Rから4ラウンド目のラウンド遊技Rまでの開閉板1300(第1特定入賞口1000a)と干渉部材6930との動作態様は、大当たり種別によらず共通なので、4ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後から、大当たり遊技の終了までの期間について、詳細に説明する。
また、上述したように、振分動作部材4851の駆動態様は大当たり種別によらず共通である(図96(a)参照)。即ち、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から2.0秒後に振分動作部材4851が開放位置に変位され(特定領域4830へ球が通過可能に開放され)、その18.0秒後(5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から20.0秒後)に振分動作部材4851が閉塞位置に変位される(特定領域4830へ球が通過不能に閉塞される)。
図96(a)は、第15の作動パターンにおける第1特定入賞口1000a、干渉部材6930及び特定領域4830の計時変化を示した図である。なお、本制御例では、図96(a)で示す計時変化が、大当たり種別が大当たりK(図94(b)参照)の場合の大当たり遊技において実行される。
図96(a)に示すように、第15の作動パターンでは、4ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒間)を挟んで、5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始され、5ラウンド目のラウンド遊技Rは、上述した動作シナリオ3(図95(b)参照)で実行される。
まず、本作動パターンによれば、5ラウンド目のラウンド遊技Rの直前のラウンド間インターバルで貯留流路1231に貯留されている球が全て排出されることになるので(0.2秒×10個=2.0秒)、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて貯留流路1231に貯留された球が5ラウンド目のラウンド遊技の開始後まで貯留流路1231内に残ることは無い。また、新たに貯留流路1231に入球した球が貯留流路1231の下端に到達するまでには少なくとも2.0秒間を要するので、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始後1秒間の間に貯留流路1231の下流側から球が排出されることは無い。
従って、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後において開閉板1300が閉状態となる(規制部材1600が排出状態となる)期間(0.8秒間)に、球が貯留流路1231から排出されることは無いので、振分動作部材4851が開放位置に変位され、特定領域4830へ球が通過可能に開放された直後に球が特定領域4830を通過する事象は生じないように構成される。
一方、貯留流路1231は規制個数(本制御例では、10個)の球を貯留可能な形状で構成されるので、5ラウンド目のラウンド遊技Rを、第1特定入賞口1000aに球を10個入球させることにより終了させることができる。そのため、特定領域4830に球を通過可能な状態の間(20.0秒間)に、5ラウンド目のラウンド遊技Rで貯留流路1231に貯留された球を排出することができるので、第1特定入賞口1000aへ向けて球を発射し続けることで、5ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後に、球が特定領域4830を通過する事象が生じる。
即ち、本作動パターンでは、球が特定領域4830を通過可能に構成されることから、遊技者に対して有利な特典(本制御例では、特別図柄の高確率状態の継続)を付与することができることに加え、5ラウンド目のラウンド遊技Rを短時間で終了する(規定個数(本制御例では10個)の入賞により終了する)ことができるので、大当たり遊技における払い出し賞球個数に対する時間効率を上げることができる。
また、特定領域4830を球が通過するタイミングが5ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後になるので、5ラウンド目のラウンド遊技Rに亘って、特定領域4830を球が通るか否かが分からなくすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図96(b)は、第16の作動パターンにおける第1特定入賞口1000a、干渉部材6930及び特定領域4830の計時変化を示した図である。なお、本制御例では、図96(b)で示す計時変化が、大当たり種別が大当たりL(図94(b)参照)の場合の大当たり遊技において実行される。
図96(b)に示すように、第16の作動パターンでは、4ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後、ラウンド間第2インターバル時間Int2(1.0秒間)を挟んで、5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始され、5ラウンド目のラウンド遊技Rは、上述した動作シナリオ3(図95(b)参照)で実行される。
まず、本作動パターンによれば、5ラウンド目のラウンド遊技Rの直前のラウンド間インターバルで貯留流路1231に貯留されている球が5個排出されることになるので(0.2秒×5個=1.0秒)、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて貯留流路1231に貯留された球が5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始後まで貯留流路1231内に残ることがある。例えば、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、5個以上の球が貯留流路1231に貯留されていた場合、その貯留個数から5を引いた個数の球が貯留流路に残る。
ここで、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて貯留流路1231に貯留される球の個数により、5ラウンド目のラウンド遊技Rの進行は変化するので、以下、場合を分けて説明する。
第1に、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、貯留流路1231に球が10個貯留された場合、貯留流路1231に球が5個貯留された状態で5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始される。
ここで、上述したように、本制御例では、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時において貯留流路1231に貯留されている球の内、下流側から数えて4個目の球が特定領域4830を通過するタイミング(3個目の球は特定領域4830を通過しないタイミング)で振分動作部材4851が開放位置となるように制御される。
そのため、貯留流路1231に球が5個貯留された状態で5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始された場合、特定領域4830に球が通過可能となった直後に、球が特定領域4830を通過するので、遊技者に対して有利な特典(本制御例では、特別図柄の高確率状態の継続)を、早期に付与することができる。
一方、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後に貯留流路1231から排出される球の上限は4個なので(0.2秒×4個=0.8秒)、排出後も、貯留流路1231には1個の球が残留する。従って、5ラウンド目のラウンド遊技Rでは、貯留流路1231に追加で入球可能な球の個数が9個(規定個数(本制御例では、10個)未満の個数)となるので、5ラウンド目のラウンド遊技Rは、第1の作動時間T1の最大長さである30.0秒間が経過するまで終了しないことになり、大当たり遊技における払い出し賞球個数に対する時間効率が下がる。
なお、図96(b)には、代表的な例として、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて貯留流路1231に球が10個貯留された場合の計時変化が図示される。
第2に、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、貯留流路1231に球が9個貯留された場合、貯留流路1231に球が4個貯留された状態で5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始される。
ここで、上述したように、本制御例では、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時において貯留流路1231に貯留されている球の内、下流側から数えて4個目の球が特定領域4830を通過するタイミング(3個目の球は特定領域4830を通過しないタイミング)で振分動作部材4851が開放位置となるように制御される。
そのため、貯留流路1231に球が4個貯留された状態で5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始された場合、特定領域4830に球が通過可能となった直後に、球が特定領域4830を通過するので、遊技者に対して有利な特典(本制御例では、特別図柄の高確率状態の継続)を、早期に付与することができる。
一方、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後に貯留流路1231から排出される球の上限は4個なので(0.2秒×4個=0.8秒)、貯留流路1231に残留していた球は全て排出される。従って、5ラウンド目のラウンド遊技Rでは、貯留流路1231に追加で入球可能な球の個数が10個(規定個数と同数)となるので、5ラウンド目のラウンド遊技Rを、規定個数の球を第1特定入賞口1000aへ入球させることで終了させることができる。従って、大当たり遊技における払い出し賞球個数に対する時間効率を上げることができる。
第3に、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、貯留流路1231に貯留された球の個数が0個から8個であった場合、貯留流路1231に、貯留された球の個数から5を引いた個数の球(0から3個の球)が貯留された状態で5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始される。
ここで、上述したように、本制御例では、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時において貯留流路1231に貯留されている球の内、下流側から数えて4個目の球が特定領域4830を通過するタイミング(3個目の球は特定領域4830を通過しないタイミング)で振分動作部材4851が開放位置となるように制御される。
また、新たに貯留流路1231に入球した球が貯留流路1231の下端に到達するまでには少なくとも2.0秒間を要するので、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始後1秒間の間に貯留流路1231の下流側から球が排出されることは無い。
そのため、5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始された直後、貯留流路1231から排出された球が全球(0から3個)通過する間、特定領域4830に球が通過不能な状態で振分動作部材4851が維持されるので、5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始された直後に球が特定領域4830を通過する事象は生じない。
一方、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後に貯留流路1231から排出される球の上限は4個なので(0.2秒×4個=0.8秒)、貯留流路1231に残留していた球は全て排出される。従って、5ラウンド目のラウンド遊技Rでは、貯留流路1231に追加で入球可能な球の個数が10個(規定個数と同数)となるので、5ラウンド目のラウンド遊技Rを、規定個数の球を第1特定入賞口1000aへ入球させることで終了させることができる。
そのため、大当たり遊技における払い出し賞球個数に対する時間効率を上げることができる。加えて、5ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後も1秒以上、特定領域4830を球が通過可能な状態で維持されていれば(5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から19秒が経過する前に規定個数(本制御例では、10個)の球を第1特定入賞口1000aへ入球させれば)、貯留流路1231から排出される球が特定領域4830を通過する事象を生じさせることができるように構成されるので、球が特定領域4830を通過することに伴って、遊技者に対して有利な特典(本制御例では、特別図柄の高確率状態の継続)を、付与することができる。
上述した第1の場合から第3の場合をまとめると、4ラウンド目のラウンド遊技Rで貯留流路1231に貯留された球が10個の場合、球が特定領域4830を通過する事象を早期に生じさせることができる一方で、5ラウンド目のラウンド遊技の払い出し賞球個数に対する時間効率が下がり(第1の場合)、4ラウンド目のラウンド遊技Rで貯留流路1231に貯留された球が9個の場合、球が特定領域4830を通過する事象を早期に生じさせることができ、且つ、5ラウンド目のラウンド遊技の払い出し賞球個数に対する時間効率が上がり(第2の場合)、4ラウンド目のラウンド遊技Rで貯留流路1231に貯留された球が0から8個の場合、球が特定領域4830を通過する事象が5ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後となる一方で、5ラウンド目のラウンド遊技の払い出し賞球個数に対する時間効率が上がる(第3の場合)。
従って、同一の作動パターンで制御する場合において、遊技者が利益を得られるタイミングや、得られる利益の大きさを、大当たり遊技の遊技態様ごとに変化させることができる。
本制御例では、上述したように、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、貯留流路1231に貯留される球の個数を9個とすることで遊技者が得られる利益を最大とすることができる。そのため、少なくとも、大当たり種別が大当たりLである場合には、貯留流路1231に貯留される個数の目安に関する情報が表示される(図88(b)参照)。これにより、貯留流路1231に貯留される球の個数に対する注目力を向上させることができ、遊技者の視線を誘導することができる。
図97(a)は、第17の作動パターンにおける第1特定入賞口1000a、干渉部材6930及び特定領域4830の計時変化を示した図である。なお、本制御例では、図97(a)で示す計時変化が、大当たり種別が大当たりM(図94(b)参照)の場合の大当たり遊技において実行される。
図97(a)に示すように、第17の作動パターンでは、4ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後、ラウンド間第4インターバル時間Int4(1.8秒間)を挟んで、5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始され、5ラウンド目のラウンド遊技Rは、上述した動作シナリオ4(図95(b)参照)で実行される。
まず、本作動パターンによれば、5ラウンド目のラウンド遊技Rの直前のラウンド間インターバルで貯留流路1231に貯留されている球が上限9個で排出されることになるので(0.2秒×9個=1.8秒)、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて貯留流路1231に貯留された球が5ラウンド目のラウンド遊技の開始後まで貯留流路1231内に上限1個で残る可能性がある。また、新たに貯留流路1231に入球した球が貯留流路1231の下端に到達するまでには少なくとも2.0秒間を要するので、5ラウンド目のラウンド遊技Rで貯留流路1231に新たに入球した球が5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始後1秒間の間に貯留流路1231の下流側から排出されることは無い。
従って、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後において開閉板1300が閉状態となる(規制部材1600が排出状態となる)期間(0.8秒間)に、貯留流路1231から排出された球が、振分動作部材4851が開放位置に変位され、特定領域4830へ球が通過可能に開放された直後に特定領域4830を通過する事象は生じないように構成される。
加えて、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始後1.0秒経過してから、25.0秒経過するまで、干渉部材6930が張出状態とされ、球の流下を規制するので(図86(a)参照)、貯留流路1231は規制個数(本制御例では、10個)の球を貯留不能な状態(最大9個の貯留が可能な状態、実質的には干渉部材6930の下流に球は貯留されないことから最大7個の貯留が可能な状態)で維持される。従って、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始後25.0秒が経過するまで5ラウンド目のラウンド遊技を終了することができず、その後、第1特定入賞口1000aに球を10個入球させるか、又は所定時間(本制御例では、30.0秒)が経過することで、5ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
そのため、特定領域4830に球を通過可能な状態の間(5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から20.0秒が経過するまで)に、5ラウンド目のラウンド遊技Rで貯留流路1231に貯留された球を排出することができない。そのため、第1特定入賞口1000aへ向けて球を発射し続けたとしても、5ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後に、球が特定領域4830を通過する事象は生じない。
即ち、本作動パターンでは、球が特定領域4830を通過不能に構成されることから、遊技者に対して有利な特典(本制御例では、特別図柄の高確率状態の継続)を付与することができないことに加え、5ラウンド目のラウンド遊技Rが長くなるので、大当たり遊技における払い出し賞球個数に対する時間効率を上げることができない(下げることができる)。
図97(b)は、第18の作動パターンにおける第1特定入賞口1000a、干渉部材6930及び特定領域4830の計時変化を示した図である。なお、本制御例では、図97(b)で示す計時変化が、大当たり種別が大当たりN(図94(b)参照)の場合の大当たり遊技において実行される。
図97(b)に示すように、第18の作動パターンでは、4ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒間)を挟んで、5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始され、5ラウンド目のラウンド遊技Rは、上述した動作シナリオ4(図95(b)参照)で実行される。
図97(a)及び図97(b)に示すように、第18の作動パターンは、5ラウンド目のラウンド遊技Rの直前のラウンド間インターバルの長さが違うことを除いて、第17の作動パターンと同じであるので、上述した説明と共通する部分については説明を省略する。
第18の作動パターンの第17の作動パターンに対する違いは、5ラウンド目のラウンド遊技Rの直前のラウンド間インターバルで、貯留流路1231から排出されずに残る残球が生じるか否かである。
即ち、第17の作動パターンでは、上述したように、ラウンド間インターバルがラウンド間第4インターバル時間Int4(1.8秒)とされるので、排出個数が最大で9個となり、貯留個数1231に球が10個貯留されていた場合、残球が1個生じる。
一方、第18の作動パターンでは、ラウンド間インターバルがラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)とされるので、排出個数が最大で10個となり、貯留個数1231に球が10個(最大個数)貯留されていたとしても全球排出することができ、残球は生じない。
この場合、第17の作動パターンでは、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後に貯留流路1231から排出される球(残球)があるので、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後に特定領域4830に球が通るかもしれないと遊技者に思わせることができる(期待有通常大当たり)一方で、第18の作動パターンでは、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後に貯留流路1231から排出される球(残球)は無いので、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後に特定領域4830に球が通る可能性は無いと遊技者は把握することができる(期待無通常大当たり)。
従って、実質的に遊技者が得られる利益は共通としながら、遊技者の期待感を、貯留流路1231に残る球の有無で変化させることができる。
また、上述したように、大当たり種別が大当たりMの大当たりよりも遊技者が得られる利益が大きく、5ラウンド目のラウンド遊技Rの直前のラウンド間インターバルで残球が生じる第16の作動パターン(図96(b)参照)との違いを貯留流路1231の残球個数により把握することが可能となるので、貯留流路1231の残球個数に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
図98は、第19の作動パターンにおける第1特定入賞口1000a、干渉部材6930及び特定領域4830の計時変化を示した図である。なお、本制御例では、図98で示す計時変化が、大当たり種別が大当たりk(図94(b)参照)の場合の大当たり遊技において実行される。
図98に示すように、第19の作動パターンでは、4ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒間)を挟んで、5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始され、5ラウンド目のラウンド遊技Rは、上述した動作シナリオ4(図95(b)参照)で実行される。
まず、本作動パターンによれば、5ラウンド目のラウンド遊技Rの直前のラウンド間インターバルで貯留流路1231に貯留されている球が何個排出されるかが、遊技者の操作により変化する。
即ち、上述したタイミング演出(操作演出、図90及び図91参照)に従って遊技者が操作ボタン300(図1参照)を操作したと判定された直後に、干渉部材6930が張出状態に変化し、それ以降の球の排出が規制されるので、干渉部材6930の上流側に配置されていた球は貯留流路1231に残ることになる。なお、操作ボタン300への操作は、ラウンド間インターバルにおいて最初に押したタイミングのみが有効と判断され、それ以降の押し込みに対しては無効とされるように制御されるが、詳細は後述する。
ここで、貯留流路1231に残る球の個数により、5ラウンド目のラウンド遊技Rの進行は変化するので、タイミング演出(操作演出)及び操作ボタン300の操作に対する注目力を向上させることができる。以下、場合を分けて説明する。
第1に、貯留流路1231に残る球が多い場合(5個以上である場合)について説明する。即ち、貯留流路1231に球が5個以上貯留された状態で5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始される場合である。これは、操作ボタン300の操作タイミングが早い場合(図91(a)参照)に相当する。
ここで、上述したように、本制御例では、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時において貯留流路1231に貯留されている球の内、下流側から数えて4個目の球が特定領域4830を通過するタイミング(3個目の球は特定領域4830を通過しないタイミング)で振分動作部材4851が開放位置となるように制御される。
そのため、貯留流路1231に球が5個以上貯留された状態で5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始された場合、特定領域4830に球が通過可能となった直後に、球が特定領域4830を通過するので、遊技者に対して有利な特典(本制御例では、特別図柄の高確率状態の継続)を、早期に付与することができる。
一方、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後に貯留流路1231から排出される球の上限は4個なので(0.2秒×4個=0.8秒)、排出後も、貯留流路1231には1個以上の球が残留する。従って、5ラウンド目のラウンド遊技Rでは、貯留流路1231に追加で入球可能な球の個数が9個以下(規定個数(本制御例では、10個)未満の個数)となるので、5ラウンド目のラウンド遊技Rは、第1の作動時間T1の最大長さである30.0秒間が経過するまで終了しないことになり、大当たり遊技における払い出し賞球個数に対する時間効率が下がる。
即ち、第1の場合では、大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態に移行する特典を獲得可能という有利な事象が生じる一方で、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおける賞球の払い出しが若干少なくなり(規定個数(本制御例では、10個)の入球をさせることができない分、賞球が少なくなり)、5ラウンド目のラウンド遊技Rの継続時間が最大時間(30秒)となる不利な事象が生じる。
第2に、貯留流路1231に残る球が4個である場合について説明する。即ち、貯留流路1231に球が4個貯留された状態で5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始される場合である。これは、操作ボタン300の操作タイミングが調度良い場合(図90(b)参照)に相当する。
ここで、上述したように、本制御例では、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時において貯留流路1231に貯留されている球の内、下流側から数えて4個目の球が特定領域4830を通過するタイミング(3個目の球は特定領域4830を通過しないタイミング)で振分動作部材4851が開放位置となるように制御される。
そのため、貯留流路1231に球が4個貯留された状態で5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始された場合、特定領域4830に球が通過可能となった直後に、球が特定領域4830を通過するので、遊技者に対して有利な特典(本制御例では、特別図柄の高確率状態の継続)を、早期に付与することができる。
一方、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後に貯留流路1231から排出される球の上限は4個なので(0.2秒×4個=0.8秒)、貯留流路1231に残留していた球は全て排出される。従って、5ラウンド目のラウンド遊技Rでは、貯留流路1231に追加で入球可能な球の個数が10個(規定個数と同数)となるので、5ラウンド目のラウンド遊技Rを、規定個数の球を第1特定入賞口1000aへ入球させることで終了させることができる。
従って、大当たり遊技における払い出し賞球個数に対する時間効率を上げることができる。なお、規定個数の球が第1特定入賞口1000aへ入球することになるのは、干渉部材6930の制御態様から、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から25.0秒経過後に限定される。
即ち、第2の場合では、大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態に移行する特典を獲得可能という有利な事象が生じ、且つ、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて規定個数(10個)の球を第1特定入賞口1000aへ入球させることができ、5ラウンド目のラウンド遊技Rの継続時間を最大時間(30秒)よりも短くできるという有利な事象が生じる一方で、不利な事象は発生しない。
第3に、貯留流路1231に残る球が少ない場合(3個以下である場合)について説明する。即ち、貯留流路1231に球が3個以下貯留された状態で5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始される場合である。これは、操作ボタン300の操作タイミングが遅い場合(図91(b)参照)に相当する。
ここで、上述したように、本制御例では、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時において貯留流路1231に貯留されている球の内、下流側から数えて4個目の球が特定領域4830を通過するタイミング(3個目の球は特定領域4830を通過しないタイミング)で振分動作部材4851が開放位置となるように制御される。
また、新たに貯留流路1231に入球した球が貯留流路1231の下端に到達するまでには少なくとも2.0秒間を要するので、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始後1秒間の間に貯留流路1231の下流側から球が排出されることは無い。
そのため、5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始された直後、貯留流路1231から排出された球が全球(0から3個)通過する間、特定領域4830に球が通過不能な状態で振分動作部材4851が維持されるので、5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始された直後に球が特定領域4830を通過する事象は生じない。
一方、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後に貯留流路1231から排出される球の上限は4個なので(0.2秒×4個=0.8秒)、貯留流路1231に残留していた球は全て排出されるものの、干渉部材6930が5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始後1.0秒経過後から25.0秒が経過するまで張出状態を維持するので、その間、規定個数(本制御例では、10個)の球を第1特定入賞口1000aに入球させることができない。尚且つ、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始後20.0秒経過したら、球が特定領域4830を通過できないように振分動作部材4851(図51参照)が駆動される。
そのため、5ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後に貯留流路1231から排出される球が特定領域4830を通過する事象は生じないように構成される。
一方、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後に貯留流路1231から排出される球の上限は4個なので(0.2秒×4個=0.8秒)、貯留流路1231に残留していた球は全て排出される。従って、5ラウンド目のラウンド遊技Rでは、貯留流路1231に追加で入球可能な球の個数が10個(規定個数と同数)となるので、5ラウンド目のラウンド遊技Rを、規定個数の球を第1特定入賞口1000aへ入球させることで終了させることができる(第1の作動時間T1の最大長さである30.0秒間の経過を待つことなく、終了させることができる)。
従って、大当たり遊技における払い出し賞球個数に対する時間効率を上げることができる。なお、規定個数の球が第1特定入賞口1000aへ入球することになるのは、干渉部材6930の制御態様から、5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から25.0秒経過後に限定される。
即ち、第3の場合では、大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態に移行する特典を獲得できないという不利な事象が生じる一方で、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて規定個数(10個)の球を第1特定入賞口1000aへ入球させることができ、5ラウンド目のラウンド遊技Rの継続時間を最大時間(30秒)よりも短くできるという有利な事象が生じる。
上述した第1の場合から第3の場合をまとめると、貯留流路1231に残る球が5個以上の場合、球が特定領域4830を通過する事象を早期に生じさせることができる一方で、5ラウンド目のラウンド遊技の払い出し賞球個数に対する時間効率が下がり(第1の場合)、貯留流路1231に残る球が4個の場合、球が特定領域4830を通過する事象を早期に生じさせることができ、且つ、5ラウンド目のラウンド遊技の払い出し賞球個数に対する時間効率が上がり(第2の場合)、貯留流路1231に残る球が3個以下の場合、球が特定領域4830を通過する事象が生じ無い一方で、5ラウンド目のラウンド遊技の払い出し賞球個数に対する時間効率が上がる(第3の場合)。そして、どの場合が適用されるかは、遊技者が操作ボタン300を操作するタイミングにより変化する。
即ち、操作ボタン300を操作するタイミングによって、遊技者が得られる利益を変化させることができるので、タイミング演出(操作演出)に対する注目力を向上させることができると共に、タイミング演出(操作演出)に対する参加意欲を上昇させることができる。
図99(a)は、第20の作動パターンにおける第1特定入賞口1000a、干渉部材6930及び特定領域4830の計時変化を示した図である。なお、本制御例では、図99(a)で示す計時変化が、大当たり種別が大当たりK,M又はk(図94(b)参照)の場合の大当たり遊技において実行される。
図99(a)に示すように、第20の作動パターンでは、6ラウンド目のラウンド遊技Rは、上述した動作シナリオ5(図95(b)参照)で実行される。
本作動パターンによれば、6ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて第1特定入賞口1000aへの超過入球(規定個数(本制御例では、10個)を超えた個数の球の入球)を上限1個で生じ易くすることができる。詳細について、以下に説明する。
6ラウンド目のラウンド遊技Rの直前のラウンド間インターバルが、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)で設定される。即ち、6ラウンド目のラウンド遊技Rは、貯留流路1231に貯留される球が0個の状態で開始される。
6ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後、干渉部材6930は張出状態とされるが、すぐに退避状態に戻る(図95(a)参照)。そのため、6ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から、1.0秒が経過するまでに第1特定入賞口1000aに最初に入球した球は、干渉部材6930に流下を規制されることなく、2.0秒をかけて貯留流路1231の最下端(規制部材1600の正面側、規制部材1600と当接する位置)に到達する。
この最初に入球した球は、6ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から3.0秒後に第1特定入賞口1000aが閉鎖(排出口1150(図14参照)が開放)する際に排出される。ここで、第1特定入賞口1000aが閉鎖する期間が0.2秒であるので、貯留流路1231から排出される球は上限1個に限定される。
6ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から3.0秒後、排出口1150が開放を開始するのと同時に、干渉部材6930が張出状態に変化する。従って、これ以降、干渉部材6930の上流側に配置されていた球は干渉部材6930に流下を規制される。
貯留流路1231の内部形状は、干渉部材6930の張出状態において、干渉部材6930の下流側に最大2個、干渉部材6930の上流側に最大7個の球が貯留可能に形成される(図86(b)参照)。
6ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から3.0秒が経過した後、貯留流路1231に入球する球は、干渉部材6930に流下を規制されるので、干渉部材6930の上流側に滞留することになる。
一方で、上述した通り、最下端に配置される1個の球が貯留流路1231から排出された場合、結果として、貯留流路1231の内部において、干渉部材6930の下流に配置される球は1個以下となる。そのため、貯留流路1231に貯留可能な球の個数は、最大8個となる。貯留流路1231から排出された球との合計は9個であり、規定個数(本制御例では、10個)未満となるので、干渉部材6930が張出状態を維持する間は規定個数の球を第1特定入賞口1000aに入球させることができず、6ラウンド目のラウンド遊技Rを終了させることができない。
この間、開閉板1300は開状態で維持されるので(図86(b)参照)、遊技者は、第3図柄表示装置81の表示(図92(b)参照)に従い右打ちを継続することで、開閉板1300の上面に複数個の球を整列させることができる(所謂「ぶどう」を発生させることができる)。
干渉部材6930が張出状態から退避状態に変化すると、貯留流路1231の内部で流下を規制されていた球が流下することに後から追従するように、開閉板1300の傾斜に沿って流下する(雪崩のように流下する)。球の流下により第1特定入賞口1000aに規定個数(本制御例では、10個)の球が入球することに伴って開閉板1300は閉状態へ向けて動作開始するが、排出個数に対応して貯留流路1231に球1個分の空隙が生じているので、開閉板1300が動作開始した後も、貯留流路1231への球の流入の勢いは維持される。
従って、開閉板1300が第1特定入賞口1000aを閉鎖する前に、勢いに乗った球が第1特定入賞口1000aに入球する事象が生じる可能性があり、この場合、上限1個の超過入賞を発生させることができる。
なお、6ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から3.0秒が経過するタイミングで、球が貯留流路1231の最下端に配置されていない場合、3.0秒経過後も干渉部材6930の下流に配置される球の個数は変化しない。そのため、この場合は、干渉部材6930の下流側に残存する球の個数は0~2個となる。加えて、貯留流路1231からの球の排出が生じていないことから、貯留流路1231の内部に上述した空隙が生じておらず、超過入賞を生じさせる効果を奏することはできないように構成される。
図99(b)は、第21の作動パターンにおける第1特定入賞口1000a、干渉部材6930及び特定領域4830の計時変化を示した図である。なお、本制御例では、図99(b)で示す計時変化が、大当たり種別が大当たりL又はN(図94(b)参照)の場合の大当たり遊技において実行される。
図99(b)に示すように、第21の作動パターンでは、6ラウンド目のラウンド遊技Rは、上述した動作シナリオ6(図95(b)参照)で実行される。
本作動パターンによれば、6ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて第1特定入賞口1000aへの超過入球(規定個数(本制御例では、10個)を超えた個数の球の入球)を生じ難くすることができる。詳細について、以下に説明する。
6ラウンド目のラウンド遊技Rの直前のラウンド間インターバルが、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)で設定される。即ち、6ラウンド目のラウンド遊技Rは、貯留流路1231に貯留される球が0個の状態で開始される。
6ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後、干渉部材6930は張出状態で、2.6秒間維持される(図95(a)参照)。そのため、6ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から、1.0秒が経過するまでに第1特定入賞口1000aに最初に入球した球は、干渉部材6930に流下を規制される。
干渉部材6930が退避状態に変化すると、流下を規制されていた球が流下を再開するが、0.2秒間(貯留流路1231の流下に要する時間である2.0秒/貯留可能個数10個)では球1個分の長さしか球が流下しない。そのため、流下を再開した球は、開閉板1300が閉状態へ動作開始(排出口1150(図14参照)が開放開始)するまでに、貯留流路1231の最下端(規制部材1600の正面側、規制部材1600と当接する位置)まで到達することができない。従って、本作動パターンでは、6ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から3.0秒が経過したタイミングにおける貯留流路1231からの球の排出は生じない。
6ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から3.0秒後、排出口1150が開放を開始するのと同時に、干渉部材6930が再び張出状態に変化するが、すぐに退避状態に戻る。従って、これ以降、干渉部材6930の上流側に配置されていた球が干渉部材6930に流下を規制されることは無く、貯留流路1231に順に球が貯留される。
第1特定入賞口1000aに規定個数(本制御例では、10個)の球が入球することに伴って(第20の作動パターンよりも早いタイミングで)、第1特定入賞口1000aが閉状態に変化する。この時、貯留流路1231に貯留されている球の個数が10個となっており、貯留流路1231は満タンであるので、それ以上の球の入球は防止される。従って、本作動パターンによれば、第1の作動パターン(図23(a)参照)と同様に、第1特定入賞口1000aに入球する球の個数が、規定個数(本制御例では、10個)に限定され、超過入賞を生じさせることはできない。
従って、6ラウンド目の大当たり遊技Rの終了時に、開閉板1300の上流側に球が配置されていても、その球は遊技者の利益にはつながらない。そのため、大当たり種別が大当たりL又はNの大当たり遊技における6ラウンド目のラウンド遊技Rでは、第3図柄表示装置81に、球の発射の継続を強くは促さない表示(図92(a)参照)が実行される。
図99(a)及び図99(b)に示すように、6ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時を基準として、第1特定入賞口1000aが閉状態から開状態へ変化するタイミングと、干渉部材6930が退避状態から張出状態へ変化するタイミングとが共通となる制御を行いながら、6ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて超過入賞が発生し易い場合(図99(a)参照)と、発生し難い場合(図99(b)参照)とを生じさせることができる。
これにより、遊技者に、今回の大当たり遊技における6ラウンド目のラウンド遊技Rが第20の作動パターンで制御されているのか、第21の作動パターンで制御されているのかを判別させ難くすることができるので、作動パターンを予想しながら、作動パターンに適した球の発射を行うという遊技態様を構成することができる。これにより、遊技者が、大当たり遊技を漫然と消化することを防止することができる。
上述したように、第20の作動パターンで第1特定入賞口1000a及び干渉部材6930が駆動制御される場合、第1特定入賞口1000aが短開放(0.2秒間の開放)をした後で、干渉部材6930の下流に球が2個残ることは無い。一方で、第21のパターンで第1特定入賞口1000a及び干渉部材6930が駆動制御される場合、第1特定入賞口1000aが短開放(0.2秒間の開放)をした後で、干渉部材6930の下流に球が2個残ることがある。
そのため、干渉部材6930の下流に球が何個残っているかを確認することで6ラウンド目のラウンド遊技Rが第20の作動パターンで制御されているのか、第21の作動パターンで制御されているのかの判別容易性が向上することから、干渉部材6930の下流側を所定期間(例えば、6ラウンド目のラウンド遊技Rが開始されてから23.0秒経過後に干渉部材6930が退避状態となる1.0秒前まで)において視認し難くするように構成しても良い。
次に、RAM203の詳細について、図101を参照して説明する。図101は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。図101に示した通り、RAM203は、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、確変カウンタ203g、時短中カウンタ203h、動作シナリオ格納エリア203i、動作カウンタ203j、出フラグ203k、残球タイマフラグ203m、残球タイマ203n、残球カウンタ203p、閉鎖フラグ203q、カウント開始フラグ203qa、閉鎖カウンタ203r、Vフラグ203s、V入賞有効カウンタ203t、報知カウンタ203u、入賞個数カウンタ203w、排出個数カウンタ203x、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入球(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1~C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1~C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1~C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア~保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア~保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本制御例では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(保留第2エリア~保留第4エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
特別図柄2保留球格納エリア203bは、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリアとを有している。この特別図柄2保留球格納エリア203bには、第2入球口640への始動入賞に基づいて取得される各カウンタ値が記憶される。カウンタ値の格納方法等については、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様であるため、その詳細な説明については省略する。
普通図柄保留球格納エリア203cは、特別図柄1保留球格納エリア203aや、特別図柄2保留球格納エリア203bと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球がスルーゲート67(図2参照)を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aや、特別図柄2保留球格納エリア203bと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aや、特別図柄2保留球格納エリア203bの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図111のS404参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図108のS210参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図108のS211、図111のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223c(図102(b)参照)によって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114(図93参照)に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
特別図柄2保留球数カウンタ203eは、第2入球口640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
この特別図柄2保留球数カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、第2入球口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図111のS410参照)。
一方、特別図柄2保留球数カウンタ203eは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図108のS205参照)。この特別図柄2保留球数カウンタ203eの値も、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値と同様に、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113へと通知される。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図114のS704参照)。
一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図113のS605参照)。
球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図114のS705)。
一方、球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図114のS703:No)。
確変カウンタ203gは、特別図柄の確変状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。即ち、確変カウンタ203gの値が自然数である場合は、特別図柄の確変状態とされ、確変カウンタ203gの値が0である場合は、特別図柄の低確率状態とされる。なお、本制御例では、特別図柄の確変状態は、普通図柄の時短状態を伴うので、確変カウンタ203gの数値は、残りの時短期間(特別図柄の変動回数)に対応する。
この確変カウンタ203gは、大当たり遊技において特定領域4830(図51参照)を球が通過することにより、その大当たり遊技終了時に、80が設定される(図121のS1235参照)。即ち、本制御例では、大当たり遊技後の確変状態における特別図柄の変動回数は80回に限定される。
また、確変カウンタ203gは、特別図柄の抽選により大当たりとなり、その大当たりの開始が設定される場合に0に設定される(図108のS219参照)。なお、初期化された状態(即ち、RAM消去スイッチ122を押下した状態でパチンコ機10に対して電源が投入された状態)では、この確変カウンタ203gが0にリセットされ、通常の電源断が発生した場合には、電源の遮断が発生する直前の状態がバックアップされるように構成されている。
時短中カウンタ203hは、普通図柄の時短状態(時短状態)において、残りの時短期間(特別図柄の変動回数)をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203hは、大当たり遊技中に特定領域4830(図51参照)を球が通過しなかった場合に、大当たり遊技終了時に、100が設定される(図121のS1237参照)。即ち、本制御例では、大当たり遊技後に確変状態に設定されない場合には、100回の時短状態が付与される。
なお、本制御例では、大当たり種別に関わらず時短状態が付与される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、適切な遊技態様で遊技を実行することにより球を特定領域4830(図51参照)へ流すことができる大当たり種別(「大当たりK」、「大当たりL」及び「大当たりk」)の全て又は一部において、大当たり遊技中に特定領域4830に球が通過しなかった場合には、時短状態を付与しないように制御しても良い。
この場合、適切な遊技態様で遊技を実行しなかったこと(例えば、表示装置の報知に従わず、球の発射を停止したり、操作ボタン300(図1参照)の操作を行わなかったりしたこと)による損失が過度に大きい(本来移行するはずだった特別図柄の確変状態に移行せず、時短状態も付与されない)ことから、適切な遊技態様で遊技を実行することに対する意欲を向上させることができる。
動作シナリオ格納エリア203iは、開閉板1300及び干渉部材6930(図53参照)の動作制御(図117のS1004参照)が開始された場合に、開閉板および干渉部材動作シナリオテーブル202f(図95(b)参照)より動作シナリオを読み出して格納する領域である。この動作シナリオ格納エリア203iに格納された動作シナリオに基づいて開閉板1300及び干渉部材6930の動作制御が行われる。
動作カウンタ203jは、貯留弁動作処理(図128のS1412参照)において、干渉部材6930を可動制御するタイミングを判別するためのカウンタである。この動作カウンタ203jには、貯留制御処理(図125のS1008参照)で種々の上限値が設定される。
出フラグ203kは、干渉部材6930が張出状態であることを判別するためのフラグであって、オンであれば、干渉部材6930が張出状態(図53(b)参照)であることを示し、オフであれば、干渉部材6930が退避状態(図53(a)参照)であることを示す。
この出フラグ203kは、貯留制御処理(図125のS1008参照)において、有効期間に操作ボタン300の操作が検出されたと判別された場合(図19のS1403:Yes)または動作開始タイミングであると判別された場合(図125のS1408:Yes)に、オンに設定され、オンに設定されることで貯留弁動作処理(図128のS1412参照)が実行され、貯留弁動作処理(図128のS1412参照)が終了した場合に、オフに設定される(図128のS1445参照)。
残球タイマフラグ203mは、入賞処理(図123のS1112参照)においてオンに設定されるフラグであり(図123のS1282参照)、後述する残球タイマ203nのカウントを開始させるために用いられる。
残球タイマ203nは、大当たり制御処理(図118のS1004参照)において、正常の範囲を特定するためにカウントされるタイマである。この残球タイマ203nのカウント値が上限(1秒に対応する値)になっても、検出センサ1240で検出された球の個数と、排出口1150から排出された球の個数(特定領域検出センサ4860(図51参照)で検出された球の個数と非特定領域検出センサ4870(図51参照)で検出された球の個数との合計)とが一致しない場合には、それらの個数の差が残球カウンタ203pに加算される。
残球カウンタ203pは、検出センサ1240で検出される入球個数と、排出口1150から排出される排出個数との違いを各ラウンドに跨いで検出するためのカウンタである。この残球カウンタ203pの通知がエンディング処理(図121のS1110)において0では無いと判定された場合(図121のS1231:No)、エラーコマンドが設定される。
閉鎖フラグ203qは、第1特定入賞口1000aが閉状態とされるタイミングを判別するためのフラグであって、入賞処理(図123のS1112参照)においてオンに設定されるフラグであり(図123のS1278参照)、後述する閉鎖カウンタ203rのカウントを開始させるために用いられる。そして、この閉鎖フラグ203qは、V入賞処理(図129のS1009参照)において、閉鎖カウンタ203rが所定値以上となったことに基づいてオフに設定される。
カウント開始フラグ203qaは、5ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、閉鎖フラグ203qがオンに設定されることに基づいてオンに設定され、閉鎖カウンタ203rのカウントを開始するのに用いられる。そして、このカウント開始フラグ203qaは、V入賞処理(図129のS1009参照)において、閉鎖カウンタ203rが上限値(本制御例では、4.0秒に対応する値)となったことに基づいて、オフに設定される(図129のS1510参照)。
閉鎖カウンタ203rは、閉鎖フラグ203qがオンとされることでカウントが開始され、主に、V入賞処理(図129のS1009参照)において、球が特定領域4830を正常なタイミングで通過したことを判定するためのカウンタである。この閉鎖カウンタ203rは、V入賞処理が実行されるごとに1ずつ加算される。
なお、本制御例では、閉鎖カウンタ203rの所定値は、種々のタイミングに応じてラウンド遊技R後のインターバル期間として設定される。この閉鎖カウンタ203rは、V入賞処理(図129のS1009参照)におけるV入賞のタイミングの異常判定に利用されるものである。
Vフラグ203sは、所定のタイミング(設定値内、本制御例では第1特定入賞口1000a(図7参照)が閉状態となった後の所定の期間)に、球が特定領域4830(図51参照)を通過したことが検出されるとオンに設定されるフラグである。このVフラグ203sは、エンディング処理(図121のS1110参照)において、確変カウンタの値に80が設定された後にオフに設定される(図121のS1236参照)。
V入賞有効カウンタ203tは、V入賞処理(図129のS1009参照)において閉鎖カウンタ203rと同数ずつ減算されるカウンタである。このV入賞有効カウンタ203tは、振分動作部材4851が開放位置に配置された状態において、貯留流路1231に貯留されていた球が特定領域4830を正常に通過したことを判別するためのものであって、入賞処理(図123のS1112)において閉鎖フラグ203qのオンに伴って数値(本制御例では、4.0秒に対応する数値)が設定される。
報知カウンタ203uは、報知処理(図122のS1111参照)における所定のタイミング(図122のS1253参照)を基準として、報知コマンド(図122のS1257参照)を設定するまでの時間をカウントするカウンタである。
入賞個数カウンタ203wは、入賞処理(図123のS1112参照)において、第1特定入賞口1000a(図7参照)に入賞した球の個数をカウントするカウンタである。
排出個数カウンタ203xは、排出口1150から排出された球の個数をカウントするカウンタである。入賞個数カウンタ203w及び排出個数カウンタ203xの数値の関係は、異常処理(図124のS1113参照)において、残球タイマ203nが上限値となる度に判定される。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
図93に戻って、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第1特定入賞口1000aを閉鎖または開放するための大開放口ソレノイド(ソレノイド1510)や電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209や、干渉部材6930を駆動するためのソレノイド6910が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ(図3、122)回路253や、操作演出時に遊技者に操作される操作ボタン300が接続され、MPU201は各種スイッチ208や、操作ボタン300から出力される信号や、RAM消去スイッチ(図3、122)回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図115参照)が即座に実行される。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
次に、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について図102を参照して説明する。図102(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。図102(a)に示した通り、ROM222は、変動パターン選択テーブル222aを少なくとも有している。
変動パターン選択テーブル222aは、音声ランプ制御装置113へ主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定するために用いられる。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数種類のうち1の変動態様が決定される。
開閉板および干渉部材動作シナリオ222bは、主制御装置110によって動作制御される開閉板1300及び干渉部材6930の動作状況を音声ランプ制御装置113側でも把握するために設けられたものであって、主制御装置110のROM202に記憶されている開閉板および干渉部材動作シナリオ記憶領域202eおよび開閉板および干渉部材動作シナリオテーブル202fに格納されている情報が記憶されている領域である。
次に、図102(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図102(b)は、RAM223の内容を示したブロック図である。RAM223には、コマンド記憶領域223aと、第1特別図柄保留球数カウンタ223bと、第2特別図柄保留球数カウンタ223cと、普通図柄保留球数カウンタ223dと、変動開始フラグ223eと、停止種別選択フラグ223fと、演出カウンタ223gと、ラウンド数累積カウンタ223hと、確変状態フラグ223iと、時短状態カウンタ223jと、貯留状態フラグ223kと、貯留上限フラグ223mと、貯留カウンタ223nと、操作フラグ223pと、演出一時記憶エリア223rと、第1操作演出フラグ223waと、第2操作演出フラグ223wbと、第1入力フラグ223wcと、第2入力フラグ223wdと、演出実行中フラグ223xと、押下期間情報格納エリア223yと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域223aは、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図132参照)が実行されると、コマンド記憶領域223aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cは、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタである。第1特別図柄保留球数カウンタ223bが、第1特別図柄(特別図柄1)の抽選に基づく変動演出の保留球数に対応し、第2特別図柄保留球数カウンタ223cが、第2特別図柄(特別図柄2)の抽選に基づく変動演出の保留球数に対応する。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203d、および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、第2特別図柄保留球数カウンタ223cにて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64、第2入球口640への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値、または特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、または特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を取得して、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、第2特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する(図132のS2210参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値と同期させながら、その値を更新することができる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223b、第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を第1特別図柄保留球数カウンタ223b、第2特別図柄保留球数カウンタ223cに格納すると共に、格納後の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、第2特別図柄保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
普通図柄保留球数カウンタ223dは、主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203fの値が増減した場合に設定されるコマンドを受信した場合に、受信したコマンドの内容に対応させて値を増減させるカウンタであって、主制御装置110側で管理している普通図柄の保留球数と音声ランプ制御装置113側で管理している普通図柄の保留球数とを同期させるために用いられるものである。この普通図柄保留球数カウンタ203fの値は、例えば、第3図柄表示装置81にて普通図柄の保留球数を表示する場合に用いられる。なお、普通図柄保留球数カウンタ203fの値を第3図柄表示装置81にて表示させる場合の詳細な内容については、上述した特別図柄の保留球数を第3図柄表示装置81に表示させる場合と同様であるため、その説明については省略する。
変動開始フラグ223eは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図132のS2202参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図136のS2702参照)。変動開始フラグ223eがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図131参照)のコマンド出力処理(S2102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223fは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図132のS2205参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図136のS2707)。停止種別選択フラグ223fがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別がそのまま設定される。
演出カウンタ223gは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタである。この演出カウンタ223gは、0から198の範囲で更新される1バイトのループカウンタで構成されており、メイン処理(図131参照)が実行される毎に、値が1ずつ加算されて更新される。なお、この演出カウンタ223gは、図示しない複数のカウンタを有しており、1回のループ処理内において複数のカウンタ値を参照して演出のパターンを決定する場合には、夫々異なるカウンタの値が用いられる。これにより、1つの演出パターンを設定する際に、同一のカウンタ値が複数箇所で用いられることが無くなるため、設定される演出パターンの偏りを抑制することができる。なお、同一のカウンタから取得した値に対して異なる処理を施した上で算出された各値を用いて演出パターンを設定するように構成してもよい。具体的には、演出パターンのうち、一の選択では取得した値の一の位を参照し、他の選択では取得した値の十の位を参照し、さらに他の選択では取得した値の一の位を3倍にした値と十の位を5倍にした値とを乗じ、得られた値の一の位を参照するようにしてもよい。このように構成することで、演出パターンを設定する際に用いられるカウンタの数を減らしながらも、設定される演出パターンの偏りを抑制することができる。
ラウンド数累積カウンタ223hは、大当たり遊技中のラウンド数をカウントするためのカウンタであって、主制御装置110から送信されるラウンド数コマンドを受信した場合に、そのコマンドに対応した値に更新され(図133のS2504)、大当たりエンディングコマンドの受信により、カウンタの値が0にリセットされる(図133のS2510)。音声ランプ制御装置113において、このラウンド数累積カウンタ223hに基づいて、大当たり遊技中の表示に関する表示用コマンドが設定される(図134のS2537、S2546、S2547参照)。
確変状態フラグ223iは、パチンコ機10の遊技状態が特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグである。この確変状態フラグ223iがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、オフであれば特別図柄の低確率状態であることを示す。この確変状態フラグ223iは、主制御装置110より出力される状態コマンドの通知内容に合わせて更新される。
状態コマンドは、本制御例において、確変カウンタ203gの値が1以上であれば、確変遊技中であることを示す態様とされ、確変カウンタ203gの値が0であり、時短中カウンタ203hの値が1以上であれば、時短遊技中であることを示す態様とされ、確変カウンタ203gの値が0であり、且つ時短中カウンタ203hの値が0である場合(図109のS234又はS238参照)には、通常遊技中であることを示す態様とされる。
この確変状態フラグ223iの状態に応じて現在が特別図柄の確変状態であるか否かを判別し、対応する演出を設定する。より具体的には、特別図柄の確変状態において表示される右打ちナビ画像を表示させるか否かを判別したり、通常状態において右打ち遊技を実行した場合に右打ち警告画像を表示させるか否かを判別したりする。
時短状態カウンタ223jは、パチンコ機10の遊技状態が普通図柄の時短状態であるか否かを示すフラグである。この時短状態カウンタ223jがオンであれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、オフであれば普通図柄の通常状態(低確率状態)であることを示す。この時短状態カウンタ223jは、主制御装置110より出力される状態コマンドの通知内容に合わせて更新される。この時短状態カウンタ223jの状態に応じて現在が普通図柄の時短状態であるか否かを判別し、対応する演出を設定する。より具体的には、普通図柄の時短状態において表示される右打ちナビ画像を表示させるか否かを判別したり、通常状態において右打ち警告画像を表示させるか否かを判別したりする。
貯留状態フラグ223kは、貯留流路1231(図86(a)参照)に貯留されている球の個数を判別するフラグであって、検出センサ1240の検出結果と、排出口1150から排出される球の検出結果とに基づいた設定がなされる。この貯留状態フラグ223kがオンであれば、貯留流路1231に所定個数以上の球が貯留されていることを示し、オフであれば、貯留流路1231に貯留個数未満の球が貯留されていることを示す。
この貯留状態フラグ223kは、貯留状態監視処理(図137のS2113参照)において、貯留流路1231に貯留される球が所定個数(本制御例では、4個)以上であると判別した場合にオンに設定され(図137のS2807参照)、貯留流路1231に貯留される球が所定個数未満であると判別した場合にオフに設定される(図137のS2810)。ここで、貯留状態フラグ223kがオンに設定されている場合は、ラウンド遊技中の表示に、中間数表示が実行され、貯留状態フラグ223kがオフに設定されている場合は、不足表示(図88(a)参照)が実行される。
貯留上限フラグ223mは、貯留流路1231に貯留されている球が上限数(本制御例では10個)に到達していることを判別するためのフラグであって、検出センサ1240の検出結果と、排出口1150から排出される球の検出結果とに基づいた設定がなされる。この貯留上限フラグ223mがオンであれば、貯留流路1231に上限数の球が貯留されていることを示し、オフであれば、貯留流路1231に上限数の球が貯留されていないことを示す。
この貯留上限フラグ223mは、貯留状態監視処理(図137のS2113参照)において、貯留流路1231に貯留される球が上限数であると判別した場合にオンに設定され(図137のS2814参照)、貯留流路1231に貯留される球が上限数未満であると判別した場合にオフに設定される(図137のS2817)。ここで、貯留上限フラグ223mがオンに設定されている場合は、満タン表示(図92(b)参照)が実行され、貯留上限フラグ223mがオフに設定されている場合は、不満表示(図92(a)参照)が実行される。
貯留カウンタ223nは、貯留流路1231に貯留されている球の個数をカウントするためのカウンタである。即ち、検出センサ1240で球の通過が検出されることで貯留カウンタ223nの値は1加算され、排出口1150からの球の排出が特定領域検出センサ4860又は非特定領域検出センサ4870(又は、専用の球排出センサ)で検出されることで貯留カウンタ223nの値は1減算されるように構成される。
操作フラグ223pは、操作ボタン300が操作されたか否かを判別するフラグである。この操作フラグ223pがオンであれば、操作ボタン300が操作されたことを示し、オフであれば、操作ボタン300が操作されていないことを示す。この操作フラグ223pは、コマンド判定処理において、操作コマンドを受信した場合(図132のS2218:Yes)にオンに設定され、ボタン入力監視・演出処理においてオフに設定される(図139のS3007参照)。
演出一時記憶エリア223rは、設定された演出内容をその演出が実行されるまで一時的に記憶させるための領域であって、例えば、大当たり中に実行されるタイミング演出(操作演出)の演出態様を設定するタイミング(3ラウンド目)から大当たり中にタイミング演出(操作演出)を実行するタイミング(4ラウンド目)までの期間、タイミング演出(操作演出)の内容が一時的に記憶される。この演出一時記憶エリア223rは、設定された演出態様を記憶し、大当たり中演出処理(図134のS2505参照)において、タイミング演出(操作演出)が実行されるラウンド(4ラウンド)が実行される場合に、読み出される(図134のS2537)。
第1操作演出フラグ223wa及び第2操作演出フラグ223wbは、遊技者に操作手段(操作ボタン300)を操作させる演出を実行するタイミング演出(操作演出)を実行するかを判別するためのフラグであって、オンであれば、タイミング演出(操作演出)を実行する条件が成立していることを示し、オフであれば、タイミング演出(操作演出)を実行する条件が成立していないことを示す。
なお、本制御例では、タイミング演出(操作演出)を実行する条件として、第1操作演出フラグ223waに対して、4ラウンド目のラウンド遊技Rが開始されたことが、第2操作演出フラグ223wbに対して、大当たり種別kの大当たり遊技の4ラウンド面のラウンド遊技Rが開始されたことが、それぞれ設定されている。そして、第1操作演出フラグ223wa及び第2操作演出フラグ223wbの設定の状況により、演出一時記憶エリアから読み出される演出情報が変化する。
また、第1操作演出フラグ223wa及び第2操作演出フラグ223wbは、演出実行中フラグ223xがオンに設定された後、オフに設定される(図134のS2539参照)。
第1入力フラグ223wc及び第2入力フラグ223wdは、それぞれ対応する演出中における操作ボタン300の操作回数を制限する(本制御例では、1回に制限する)ためのフラグであって、それぞれの操作期間中に最初の操作が実行されるか、又は、操作期間を超過することでオンに設定され、それ以降の操作ボタン300の入力を無効とする。また、第1入力フラグ223wc及び第2入力フラグ223wdは、5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始され、演出実行中フラグ223xがオフに設定された後に、オフに設定される(図134のS2543参照)。
演出実行中フラグ223xは、タイミング演出(操作演出)が実行されているかを判別するためのフラグであって、オンであればタイミング演出(操作演出)が実行されていることを示し、オフであればタイミング演出(操作演出)が実行されていないことを示す。この演出実行中フラグ223xは、操作手段(操作ボタン300)に対する操作がタイミング演出(操作演出)に基づく操作であるかを判別する際に参照される。
この演出実行中フラグ223xは、大当たり中演出処理(図134のS2505参照)において、タイミング演出(操作演出)が実行されるラウンドが開始され(図134のS2532:Yes)、表示用演出ラウンドコマンドを設定した後に、オンに設定される(図134のS2538)。そして、設定されたタイミング演出(操作演出)が終了した場合にオフに設定される(図134のS2542)。
押下期間情報格納エリア223yは、タイミング演出(操作演出)において表示されるポインタ(演出ポインタ)の表示タイミングに対応するように設定される操作手段(操作ボタン300)の操作タイミングを格納する領域である。
この押下期間情報格納エリア223yは、設定された表示ポインタ(演出ポインタ)に対応させて成功押下期間が設定される。ここで設定された成功押下期間は、ボタン入力監視・演出処理(図139のS2107参照)において、操作ボタン300が押下されたタイミングが成功押下期間であるかを判別するために参照される。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
次に、図103を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図103は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本制御例において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本制御例では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本制御例において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理の終了後に実行される初期設定処理に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図106参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64、および第2入球口640への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する。
ここで、電源投入時変動画像について説明する。表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は「○」図柄を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は「×」図柄を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64、または第2入球口640への入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、電源投入時変動画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図103に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。背面画像とは、主図柄(第3図柄)の背面側に表示される画像であり、例えば、街や海、空等が表示される。また、右打ちナビ画像(図88(a)参照)等も背面画像として背面画像エリア235cに格納されている。
第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶したりするためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。
上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たり(大当たりK等)であれば、それぞれの大当たりを示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口1000aが開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態(大当たり状態)の終了を遊技者に報知することを遊技者に報知するための演出である。
デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図104を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図104は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本制御例では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・ .・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A~Cのいずれかを表示させるか、背面A~Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A~Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A~Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A~Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A~Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本制御例では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・ .・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図104の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図106参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図105を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図105は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図105のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図105のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図105の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図106参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図105の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図131参照)の中でオンに設定される。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理および簡易表示設定処理が実行される。
一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理および表示設定処理が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図106参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図106参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図106参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理の中で、ポインタ更新処理が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図106参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図106を参照して、描画リストの詳細について説明する。図106は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図106に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。
一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理が実行される度に、行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第1の制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図107から図129のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図107は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では319)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、319,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入球口64、または第2入球口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図108~図112を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理、および、スルーゲート通過処理の詳細は、それぞれ図113及び図114を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図108を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図108は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図107参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37、および第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204)。
特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(S206)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図117参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cにそれぞれ格納する。
S206の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203bの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S213)。なお、特別図柄変動開始処理については、図110を参照して後述する。
一方、S204の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判別された場合には(S204:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)の値を取得し(S208)、取得した特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいかを判別する(S209)。S209の処理により、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別された場合は(S209:No)、本処理を終了する。
一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でないと判別された場合は(S209:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S210)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S211)。S211の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトし(S212)、処理をS213へと移行する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S214の処理において、変動時間が経過したと判別された場合は(S214:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S215)。停止図柄の設定は、図110を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりKとなるか、大当たりLとなるか、大当たりMとなるか、大当たりNとなるか、大当たりkとなるかが決定される。
なお、本実施形態では、大当たりKになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりLである場合には、赤色のLEDを点灯させる。また、大当たりM,N又はkである場合には、黄色のLEDを点灯させ、外れである場合には緑色のLEDを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S215の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S216)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S216:Yes)、大当たり種別に基づいて、第1特定入賞口の動作シナリオを設定し(S217)、その後、大当たりの開始を設定する(S218)。なお、動作シナリオとは、具体的には、第1特定入賞口1000aの開放パターンの設定を示す。つまり、1~4ラウンド、所定期間(30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)第1特定入賞口1000aが開放されるように設定し、5及び6ラウンドにおいて、大当たり種別に応じたパターン(図95(b)参照)で第1特定入賞口1000aが開放されるように設定することを示す。S218の処理が終了すると、確変カウンタ203gの値を0に設定する(S219)。次に、時短中カウンタ203hの値を0に設定し(S220)、S221の処理へ移行する。
一方、S216の処理において、今回の抽選結果が外れであれば(S216:No)、時短状態が終了したか否かを判別するための状態コマンド設定処理を実行し(S222)、S221の処理へ移行する。
S221の処理では、停止コマンドを設定する(S221)。そして、本処理を終了する。
次に、図109を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される状態コマンド設定処理(S222)について説明する。図109は、状態コマンド設定処理(S222)を示したフローチャートである。この状態コマンド設定処理(S222)は、タイマ割込処理(図107参照)の特別図柄変動処理(図108参照)の中で実行される処理であり、確変カウンタ203gと時短中カウンタ203hとの各種カウンタの値に基づいて、遊技状態を判別し、状態コマンドを設定(S234,S238)するための処理である。
この状態コマンド設定処理では、まず、確変カウンタ203gの値が1以上であるか判別し(S231)、確変カウンタ203gの値が1以上であると判別された場合には(S231:Yes)、確変カウンタ203gの値を1減算し、時短中カウンタ203hの値を1減算する(S232)。次いで、確変カウンタ203gの値が0であるか判別し(S233)、0より大きいと判別された場合には(S233:No)、本処理を終了する。一方、確変カウンタ203gの値が0であると判別された場合には(S233:Yes)、通常遊技状態であることを示す状態コマンドを設定し(S234)、特別図柄変動処理へ戻る。
確変カウンタ203gの値が1以上でない(即ち、0である)と判別された場合には(S231:No)、時短中カウンタ203hの値が1以上であるか判別し(S235)、時短中カウンタ203hの値が1以上でない(即ち、0である)と判別された場合には(S235:No)、特別図柄変動処理へ戻る。
一方、時短中カウンタ203hが1以上であると判別された場合には(S235:Yes)、時短中カウンタ203hの値を1減算する(S236)。次いで、時短中カウンタ203hの値が0であるか判別し(S237)、0より大きいと判別された場合には(S237:No)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203hが0であると判別された場合には(S237:Yes)、通常遊技状態であることを示す状態コマンドを設定し(S238)、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図110を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図110は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図33参照)の特別図柄変動処理(図108参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bとの共通の実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37、および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bとの共通の実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、RAM203の確変カウンタ203gの値が1以上であるかを判別し(S302)、1以上であれば(S302:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を第1当たり乱数テーブル202aより取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、第1当たり乱数テーブル202aに規定された10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「1~4」の4個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
なお、本実施形態では、特別図柄1の抽選と、特別図柄2の抽選とで、大当たりとなる判定値を共通にしているが、特別図柄1の抽選か、特別図柄2の抽選かに応じて異なる乱数値としてもよい。このように構成することで、第1特別図柄では外れと判定される乱数値が第2特別図柄では、当たりと判定されるように構成され、大当たりの偏りを抑制できる。
また、本実施形態では、特別図柄1の抽選と、特別図柄2の抽選とで、大当たりとなる判定値を同じ個数に設定しているが、特別図柄1の抽選と、特別図柄2の抽選とで大当たりとなる判定値の個数を異ならせてもよい。このように、構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりの確率を異ならせることができ、大当たり確率の高い方の特別図柄で抽選が実行される場合には、遊技者により大当たりへの期待を持たせることができる。
一方、S302の処理において、確変カウンタ203gの値が1以上でない(即ち、値が0である)と判別した場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(低確率遊技状態)であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている1の乱数値と比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0」の1個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、この当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303、またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、大当たりを示す大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bに格納されている乱数値とを比較し、5種類ある特別図柄の大当たり(大当たりK、大当たりL、大当たりM、大当たりN及び大当たりk)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりK、大当たりL、大当たりM、大当たりN及び大当たりk)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりK、大当たりL、大当たりM、大当たりN及び大当たりk)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、上述した通り、変動種別カウンタCS1の値と、変動時間との関係は、変動パターン選択テーブル20dに規定されている。
この変動パターン選択テーブル202dに規定されている変動パターンとしては、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「チャンス外れ」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れチャンスリーチ」各種が規定されている。また、各種大当たり共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用チャンスリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。
一方、S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、リーチ外れであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0~89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90~97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0~79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80~97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306、またはS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンド、および停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図117参照)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図111のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)について説明する。図111は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図107参照)の中で実行され、第1入球口64、または第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタを取得し、その値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S402)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S403:No)、S407の処理へ移行する。
一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図117参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103の処理において更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。なお、S406の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S407~S412の各処理では、S401~S406の各処理と同様の処理が第2入球口640の入賞に対して実行される。S407~S412の各処理では、第2入球口640の入賞に対応する保留球を保留する処理が実行される点が異なっているのみであり、その他の処理についてはS401~S406の各処理と同一であるので、その詳細な説明は省略する。また、S407~S412の各処理が終了すると、先読み処理を実行し(S413)、本処理を終了する。
次に、図112を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される先読み処理(S413)について説明する。図112は、この先読み処理(S413)を示すフローチャートである。この先読み処理(S413)は、始動入賞処理(図111参照)の中で実行される。
この先読み処理では、まず、第1入球口64または第2入球口640に新たな入賞があるかどうか判定し(S501)、第1入球口64、および第2入球口640のいずれにも新たな入賞がない場合は(S501:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、第1入球口64、または第2入球口640に新たな入賞があると判別した場合(S501:Yes)、変動開始時の遊技状態が特別図柄の確変状態であるか否かを判定し(S502)、特別図柄の確変状態であれば(S502:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて抽選結果を取得し(S503)、処理をS505へと移行する。
S502の処理において、遊技状態が特別図柄の確変状態でないと判別した場合は(S502:No)、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて抽選結果を取得し(S504)、処理をS505へと移行する。
S505の処理では、大当たりの判定結果である第1当たり種別カウンタC2と停止種別選択カウンタC3の各値を特別図柄保留球格納エリアに格納する(S505)。次に、大当たり判定結果を含む入賞情報コマンドを設定し(S506)、この処理を終了する。
次に、図113を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図113は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図107参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを判定し(S608)、普通図柄の時短状態であると判定した場合は(S608:Yes)、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S609)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5~204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0~4,205~239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図94(c)の202c2参照)。
S608の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S608:No)、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5~9」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0~4,10~239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図94(c)の202c1参照)。
次に、S609またはS610の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S611)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S611:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S612)。このS612の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるかを判定し(S613)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であれば(S613:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S614)、S617の処理へ移行する。S613の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S613:No)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S615)、S617の処理へ移行する。
S611の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S611:No)、外れ時の表示態様を設定する(S616)。このS616の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S617の処理へ移行する。
S617の処理では、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるかを判定し(S617)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であれば(S617:Yes)、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を1秒間に設定して(S618)、本処理を終了する。一方、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S617:No)、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S619)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→1秒」と非常に短くなり、更に、第2入球口640の開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。
S602の処理において、第2図柄表示装置の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置において変動表示が開始される前に、S618の処理またはS619の処理によって予め設定された時間である。
S622の処理において、変動時間が経過していなければ(S622:No)、本処理を終了する。一方、S622の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622:Yes)、第2図柄表示装置の停止表示を設定する(S623)。
S623の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S612の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S616の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。
S623の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図117参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置における変動表示が終了し、S612の処理またはS616の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624)。
今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S625)、本処理を終了する。S625の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図117参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S614の処理またはS615の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。
一方、S624の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624:No)、S625の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図114のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図114は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図107参照)の中で実行され、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
球が普通入球口(スルーゲート)67を通過していないか(S701:No)、或いは、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、本処理を終了する。
一方、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S704)。
そして、上述したタイマ割込処理のS103の処理において更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、本処理を終了する。なお、S705の処理では、普通図柄保留球数カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図115のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理について説明する。図115は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。このNMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111(図93参照)でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始する。
次に、図116を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図116は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。この初期設定処理では、例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS910へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS910へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS910へ移行する。
なお、図117のS1017の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S910の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S910)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S911,S912)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S911,S912)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S911,S912)を実行する。RAMの初期化処理(S911,S912)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S911)、その後、RAM203の初期値を設定する(S912)。S912の処理を終えると、S913の処理へと移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S913の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S913の処理では、音声ランプ制御装置113に対して、電源復帰時の遊技状態を通知するためのコマンド(状態コマンド)を出力する(S913)。この状態コマンドは、特別図柄の確変状態であるか否かや、普通図柄の時短状態であるか否か、普通図柄の時短回数等を通知するためのコマンドである。
時短中カウンタ203hの値や、確変カウンタ203gの値に応じて状態コマンドが生成され、音声ランプ制御装置113に対して出力される。この状態コマンドを出力することにより、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで遊技状態の認識を一致させることができる。よって、普通図柄の低確率状態であるにもかかわらず、右打ちナビ(例えば、図88(a)の小領域Ds3参照)が表示されてしまったり、逆に、普通図柄の高確率状態であるにも関わらず、遊技者が右打ちを行った場合に右打ち警告画像(図示せず)が表示されてしまったりすることを防止(抑制)することができる。即ち、遊技状態と実行される演出とを合致させることができる。
S913の処理が終了すると、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する(S914)。次いで、割込みを許可して(S915)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図117を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図117は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001~S1010の各処理が実行され、その残余時間でS1013,S1014のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図107参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。
具体的には、タイマ割込処理(図107参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。
また、特別図柄変動処理(図108参照)や始動入賞処理(図111参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。
また、大当たり制御処理(S1004)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、第1可変入賞装置6000の第1特定入賞口1000aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。
大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に、特別図柄変動処理(図108参照)のS217の処理により設定された動作シナリオに従って、第1特定入賞口1000aの開放、および閉鎖を設定する。なお、本制御例では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図113参照)のS625の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。なお、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS614の処理またはS615の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図110参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本制御例では、第1図柄表示装置37のLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図110参照)のS307,S309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図110参照)のS306,S308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図113参照)のS618の処理またはS619の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。
また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図113参照)のS623の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図113参照)のS612の処理またはS616の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
S1007の処理を実行した後には、貯留制御処理を実行する(S1008)。この貯留制御処理(S1008)については、図125及び図126を参照して、後述するが、干渉部材6930の退避および張出を設定するための処理を実行する。次いで、S1008の処理が終了すると、V入賞処理を実行する(S1009)。このV入賞処理(S1009)については、図129を参照して、後述する。次いで、S1009の処理が終了すると、その他の処理を実行する(S1010)。
S1010の処理が終了すると、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1011)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1011:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1012)、既に所定時間が経過していれば(S1012:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1012:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1013,S1014)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1013)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では319、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1014)。
ここで、S1001~S1010の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1011の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1011:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図115のNMI割込処理が実行されたということなので、S1015以降の電源遮断時の処理が実行される。
まず、各割込処理の発生を禁止し(S1015)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1016)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1017)、RAM203のアクセスを禁止して(S1018)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1011の処理は、S1001~S1010で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1013とS1014の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。
即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図118のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1004)を説明する。図118は、この大当たり制御処理(S1004)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1004)は、メイン処理(図117参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出を実行したり、第1特定入賞口(大開放口)1000aを開放または閉鎖したり、特定領域4830を開放または閉塞したりするための処理である。
大当たり制御処理(図118,S1004)では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1101)。具体的には、特別図柄変動処理(図108参照)のS218の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1101:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1102)、本処理を終了する。
一方、S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1101:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1103)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1103の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1103:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1103の処理において、特別図柄の大当たり中であると判別した場合には(S1103:Yes)、S1104の処理を実行する。S1104の処理では、新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(S1104)。S1104の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(S1104:Yes)、大当たり動作設定処理を実行する(S1105)。
ここで、図119を参照して、大当たり動作設定処理について説明する(S1105)。図119は、この大当たり動作設定処理(S1105)の内容を示したフローチャートである。大当たり動作設定処理(図119、S1105)では、まず、開始する大当たりのラウンド数に対応した開放動作を設定されている動作シナリオから読み込む(S1201)。
振分装置4850(振分動作部材4851、ソレノイド4852)の動作をS1201で読み込んだデータに基づいて設定する(S1202)。第1可変入賞装置6000の開閉板1300の開放動作をS1201の処理で読み込んだデータにより設定する(S1203)。その後、この処理を終了し、大当たり制御処理へ戻る。なお、S1202,S1203の処理では、1ラウンド毎の振分装置4850(振分動作部材4851、ソレノイド4852)の動作、開閉板1300の動作が設定される。
このように、各ラウンドの開始毎に、第1可変入賞装置6000の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。
図118に戻って説明を続ける。S1105の処理が終了すると、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1106)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。
ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図117参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1104の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別した場合には(S1104:No)、開閉板1300又は振分装置4850の動作タイミングであるか判別する(S1107)。動作タイミングであると判別した場合には(S1107:Yes)、開閉処理を実行する(S1108)。
ここで、図120を参照して、開閉処理について説明する(S1108)。図120は、この開閉処理(S1108)の内容を示したフローチャートである。開閉処理(図120、S1108)では、まず、動作シナリオに基づく動作タイミングと合致する開閉板1300又は振分装置4850の開閉動作を実行し(S1211)、次に、大当たり制御処理(S1004)に戻り、本処理を終了する。
図118に戻って説明を続ける。S1107の処理において、開放動作のタイミングでないと判別した場合には(S1107:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか判別する(S1109)。エンディング演出の開始タイミングは、6ラウンドが終了して開閉板1300が閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(貯留流路1231及び確率変動判定部4800の設計から3.0秒以上が必要とされ、本制御例では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングとして判別する。エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合には(S1109:Yes)、エンディング処理を実行する(S1110)。その後、この処理を終了する。
ここで、図121を参照して、このエンディング処理(S1110)の詳細について説明する。図121は、このエンディング処理(図121、S1110)の内容を示したフローチャートである。エンディング処理(図121、S1110)では、まず、残球カウンタ203pの値が0であるかが判別される(S1231)。残球カウンタ203pの値が0でないと判別した場合には、球詰まり等の不具合が生じていたり、遊技者が貯留流路1231に貯留された球を強力な磁石等により不正に停留させたりしている虞があるので、エラーコマンドを設定し(S1232)、その後、エンディングコマンドを設定する(S1233)。
ここで設定されたエラーコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図117参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドを受信すると、RAM223のコマンド記憶領域223aに格納されている情報に基づいて、エラー報知の表示態様を選択する。そして、選択したエラー報知の表示態様に応じたエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によってエラーコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエラー報知が開始される。
本制御例では、第3図柄表示装置81に「排出エラー。ホール店員を呼んで下さい」との文字が表示され、異常が生じていることを遊技者に報知するように制御される。
また、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドを受信すると、電飾部29~33(図1参照)等のランプ表示装置227(図93参照)を赤色で強力に発光したり、音声出力装置226(図4参照)により大音量の音声(本制御例では、黒電話のベルの音)を出力したりして、ホール店員が異常の発生に気付くように制御される。
一方、残球カウンタ203pの値が0であると判別した場合には、エンディングコマンドを設定する(S1233)。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図117参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、RAM223のコマンド記憶領域223aに格納されている入賞情報に基づいて、エンディング演出の表示態様を選択する。そして、選択したエンディング演出の表示態様に応じた表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
S1233の処理が終了すると、次いで、Vフラグ203sがオンに設定されているか(即ち、特定領域4830を球が通過したか)を判別し(S1234)、オンに設定されて(即ち、特定領域4830を球が通過して)いれば(S1234:Yes)、確変カウンタ203gの値を80に設定し、且つ、時短中カウンタ203hの値を80に設定し、次いで、Vフラグ203sをオフに設定し(S1236)、大当たり制御処理(S1004)に戻り、本処理を終了する。
一方、S1234の処理において、Vフラグ203sがオンに設定されていない(即ち、特定領域4830を球が通過していない)と判別した場合には(S1234:No)、時短中カウンタ203hの値を100に設定し(S1237)、大当たり制御処理(S1004)に戻り、本処理を終了する。
このように、本実施形態では、大当たり遊技の終了時に、Vフラグ203sがオンであるか判別されて、オンであれば、確変カウンタ203gに数値が設定される。よって、大当たり遊技の終了時に、特定領域4830を球が通過しているかを判別して確変を設定できる。よって、大当たり遊技が終了するまで、確変遊技状態へ移行することを遊技者に期待させ続けることができる。
さらには、大当たり遊技中に、特定領域4830に球を通過させることができれば、確変遊技状態が大当たり遊技後に付与されるので、大当たり遊技中にも、特定領域4830に球が通過するか否かに関心を持って遊技を行わせることができる。
図118に戻って説明を続ける。S1109の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合には(S1109:No)、報知処理を実行する(S1111)。ここで、図122を参照して、報知処理(S1111)の詳細について説明する。図122は、この報知処理(S1111)の内容を示したフローチャートである。
報知処理(S1111)では、まず、現在実行されている大当たり遊技の大当たり種別が大当たりkであるかが判別され(S1251)、大当たり種別が大当たりkでないと判別された場合には(S1251:No)、本処理を終了し、大当たり制御処理(S1004)に戻る。
一方、大当たり種別が大当たりkであると判別された場合には(S1251:Yes)、報知カウンタ203uの値が0より大きい値であるか判別する(S1252)。報知カウンタ203uの値が0であると判別した場合には(S1252:No)、4ラウンド目の終了タイミングであるか判別する(S1253)。4ラウンド目の終了タイミングの判別は、4ラウンド目において、10球入賞したことを検知した場合または30秒が経過したと判別した場合によって判別を行う。4ラウンド目の終了タイミングであると判別した場合には(S1253:Yes)、報知カウンタ203uに0.5秒に対応するカウンタ値を設定する。その後、この処理を終了する。
一方、S1253の処理において、4ラウンド目の終了タイミングでないと判別した場合には(S1253:No)、この処理を終了する。ここで、S1254で0.5秒のカウンタが設定されることで、4ラウンドが終了した後の球はけ時間であるインターバル時間の2秒間中に報知カウンタ203uが0となり、「押せ」という音声が出力される。
よって、5ラウンド目に振分装置4850が動作するが、遊技者は4ラウンド終了後のインターバル時間に操作ボタン300の操作を行わねばならず、操作ボタン300や液晶に注意が惹きつけられるので、貯留流路1231に残る球の個数を視認され難くすることができる。これにより、特定領域4830を球が通過するか否かが残球の個数から識別されることを抑制できる。そのため、例えば、5ラウンド目の開始時に、貯留流路1231の内部を視認し難くする上述の制御を行うことで、特定領域4830を球が通過したかどうかを判別し難くすることができることから、遊技者は、大当たり遊技の終了まで(さらには、大当たり遊技の終了後も)、確変遊技状態が付与される(付与されている)ことを期待して遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、報知カウンタ203uを設けることにより、インターバル時間の終了1.5秒前より5ラウンド目に跨って液晶に注意を惹きつける演出を行うようにしたがそれに限らず、4ラウンド目より継続的に実行してもよい。
一方、S1252の処理において、報知カウンタ203uの値が0より大きい値であると判別した場合には(S1252:Yes)、報知カウンタ203uの値を-1して更新する(S1255)。更新後の報知カウンタ203uの値が0であるか判別する(S1256)。報知カウンタ203uの値が0であると判別した場合には(S1256:Yes)、報知コマンドを設定する(S1257)。その後、この処理を終了する。この報知コマンドにより音声ランプ制御装置113により、「押せ」という音声の出力の設定が実行される。
図118に戻って説明を続ける。報知処理(図122、S1111)が実行されると、入賞処理を実行する(S1112)。ここで、図123を参照して、この入賞処理(S1112)について詳細に説明する。図123は、この入賞処理(S1112)の内容を示したフローチャートである。
入賞処理(図123、S1112)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(S1271)。ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、開閉板1300が開状態となってから、閉状態へ変化し、インターバル期間が終了するまでの期間である。ラウンド有効期間外であると判別した場合には(S1271:No)、この処理を終了する。
一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S1271:Yes)、第1特定入賞口1000aの検出センサ1240を通過したか判別される。第1特定入賞口1000aの検出センサ1240を通過したと判別した場合には(S1272:Yes)、入賞個数カウンタ203wを1加算して更新する(S1273)。その後、S1274の処理を実行する。一方、検出センサ1240を通過していないと判別した場合には(S1272:No)、S1274の処理を実行する。
S1274の処理では、入賞個数カウンタ203wの値が10以上であるか判別する(S1274)。入賞個数カウンタ203wの値が10以上であると判別した場合には(S1274:Yes)、閉鎖フラグ203qがオンであるかを判別し(S1277)、閉鎖フラグ203qがオンであると判別された場合には(S1277:Yes)、本処理を終了し、大当たり制御処理(S1004)へ戻る。
一方、S1277の処理において、閉鎖フラグ203qがオフであると判別された場合には(S1277:No)、閉鎖フラグ203qをオンに設定し(S1278)、その後、V入賞有効カウンタ203tの設定値(本制御例では、3.0秒以下、且つ、(3-0.2×貯留球数)秒以上に対応する数値範囲)を設定し(S1279)、その後、第1特定入賞口1000aの開閉板1300の閉鎖(閉状態の状態変化)を設定し(S1280)、その後、V入賞有効カウンタ203tに数値(本制御例では、4.0秒に対応する数値)を設定し(S1281)、その後、残球タイマフラグ203mをオンに設定する(S1282)。この残球タイマフラグ203mがオンに設定されることで、開閉板1300が閉状態とされてからの球はけ時間中であることが判別できる。その後、本処理を終了し、大当たり制御処理(S1004)へ戻る。
上述したように、V入賞有効カウンタ203tの設定値の下限は、貯留球数に基づいて変動する。これにより、貯留流路1231に3個しか球が貯留されていない(特定領域4830には球が通過しないように制御される)場合に、貯留流路1231の内部の汚れ等により球の流下が遅れ、特定領域4830に球が通過したとしても、V入賞カウンタ203tの設定値の範囲外として特定領域4830の通過を無効とすることができる。
これにより、貯留流路1231の貯留個数により異なった表示演出が第3図柄表示装置81で実行される場合に、その表示演出が示す期待度(賞球の払い出しの多少や、その大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態に移行する可能性の大小等の度合い)と、実際の遊技結果とにずれが生じることを防止することができる。
一方、S1274の処理において、入賞個数カウンタ203wの値が10未満であると判別した場合には、ラウンド時間(本実施形態では、30秒)が経過したか判別する(S1275)。ラウンド時間が経過したと判別した場合には(S1275:Yes)、S1277からS1282の処理を実行する。
一方、ラウンド時間が経過していないと判別した場合には(S1275:No)、開閉板1300が動作シナリオに基づいて途中閉鎖するタイミングか判別する(S1276)。ここで、途中閉鎖するタイミングであると判別した場合には(S1276:Yes)、S1277からS1282の処理を実行し、途中閉鎖するタイミングでないと判別した場合には(S1276:No)、本処理を終了し、大当たり制御処理(S1004)へ戻る。
図118に戻って説明を続ける。入賞処理(図123、S1112)が実行されると、異常処理を実行する(S1113)。その後、この処理を終了する。ここで、この異常処理(S1113)について、図124を参照して、詳細を説明する。図124は、この異常処理(S1113)の内容を示したフローチャートである。異常処理(S1113)では、不正に特定領域4830を通過させられていないかを監視する処理を実行する。
異常処理(図124、S1113)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(S1301)。ラウンド有効期間外である場合には(S1301:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S1301:Yes)、排出口1150を遊技球が通過したか判別する(S1302)。なお、排出口1150を遊技球が通過したかの判別は、特定領域検出センサ4860(図51参照)又は非特定領域検出センサ4870(図51参照)で遊技球の通過が検出されるかどうかで行われる。
排出口1150を遊技球が通過したと判別した場合には(S1302:Yes)、排出個数カウンタ203xの値を1加算して更新する(S1303)。その後、S1304の処理を実行する。一方、排出口1150を遊技球が通過していないと判別した場合には(S1302:No)、S1304の処理を実行する。
S1304の処理では、残球タイマフラグ203mがオンであるか判別する(S1304)。残球タイマフラグ203mがオフであると判別した場合には(S1304:No)、この処理を終了する。
一方、残球タイマフラグ203mがオンであると判別した場合には(S1304:Yes)、球はけ時間の期間中であるので、残球タイマ203nを1加算して更新する(S1305)。残球タイマ203nは上限値(本制御例では、各種インターバル時間)が経過したか判別する(S1306)。上限値でないと判別した場合には(S1306:No)、この処理を終了する。一方、上限値であると判別した場合には(S1306:Yes)、排出個数(特定領域検出センサ4860(図51参照)で検出された球の個数と非特定領域検出センサ4870(図51参照)で検出された球の個数との合計値)と入賞個数(入賞個数カウンタ203wの値)とが一致するか判別する(S1307)。
一致すると判別した場合には(S1307:Yes)、S1309の処理を実行する。一方、一致しないと判別した場合には(S1307:No)、入賞個数カウンタ203wの値から排出個数カウンタ203xの値を引いた値を残球カウンタ203pに加算し(S1308)、S1309の処理を実行する。
S1309の処理では、エンディング演出の開始タイミングであるか判別する(S1309)。エンディング演出の開始タイミングでない場合には(S1309:No)、S1312の処理を実行する。
一方、エンディング演出の開始タイミングである場合には(S1309:Yes)、残球カウンタ203pの値が0であるか判別する(S1310)。残球カウンタ203pの値が0である場合には(S1310:Yes)、S1312の処理を実行する。一方、残球カウンタの値が0でない場合には(S1310:No)、球の排出に異常が生じていることからエラーコマンドを設定し(S1311)、S1312の処理を実行する。
エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、貯留流路1231又は確率変動判定部4800内に不正に遊技球を残存させて、後に獲得する大当たりの大当たり種別が大当たりM,Nであっても、特定領域4830に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
このように、エンディング演出の開始タイミングにおいて球排出エラーを報知するように制御することで、各ラウンドのラウンド遊技Rにおいて入球個数と排出個数とに差が生じた場合でも、エラー報知を行うことなく遊技を実行することができる。これにより、ラウンド間インターバルにおいて貯留流路1231からの球の排出を部分的に規制し、次のラウンドを貯留流路1231に球が貯留された状態で開始するという遊技性を実現することができる。
また、各ラウンドのラウンド遊技Rにおいて入球個数と排出個数とに差が生じた場合でも、エラー報知を行うことなく遊技を実行することができるので、ラウンド間インターバルの期間を、2秒(貯留流路1231に貯留された球を全球排出するのに要する期間)よりも短い期間に設定することができる。
なお、球排出のエラーコマンドの設定方法はこれに限られるものでは無い。例えば、大当たり種別から、入球個数と排出個数との差として正常に生じ得る値を設定しておき、個数の差が、その値の範囲内であればエラーコマンドを設定せず、個数の差が、その値の範囲外であればエラーコマンドを設定するように制御しても良い。この場合、エンディング演出の開始タイミングまで待つことなく球排出のエラーが生じていることを判定することができるので、異常の発生を早期に発見することができる。これにより、球排出のエラーが不正行為により生じている場合には、不正行為の早期発見を図ることができる。
S1312の処理では、残球タイマフラグ203mをオフに設定し(S1312)、残球タイマ203nを初期値である0にリセットする(S1313)。その後、入賞個数カウンタ203w、排出個数カウンタ203xが初期値にそれぞれリセットされ(S1314)、その後、この処理を終了する。
次に、図125のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される貯留制御処理(S1008)を説明する。図125は、この貯留制御処理(S1008)を示すフローチャートである。この貯留制御処理(S1008)は、メイン処理(図117参照)の中で実行され、干渉部材6930の状態を設定するための処理である。
干渉部材6930は、上述したように、状況により、遊技者が操作ボタン300を操作することに応じて状態が変化する場合(S1403~S1407)と、予め設定されたタイミングで状態が変化する場合(S1408~S1411)とがあるが、貯留制御処理(S1008)では、その双方が含まれる。
貯留制御処理では、まず、出フラグ203kがオンであるかを判別し(S1401)、出フラグ203kがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1401:No)、干渉部材6930が退避状態であることを意味する。次いで、操作ボタン300の操作の有効期間であるかを判別する(S1402)。
有効期間であると判別された場合には(S1402:Yes)、操作ボタン300を遊技者が押下(操作)しているか否かを判別する(S1403)。即ち、押下検出信号を検出したか否かを判別する。
S1403の処理において、操作ボタン300の押下(操作)を検出していない(即ち、押下検出信号を検出していない)と判別した場合は(S1403:No)、干渉部材6930をそのまま退避状態に保っておくために、そのまま本処理を終了する。
一方、操作ボタン300の押下(操作)を検出した(即ち、押下検出信号を検出した)と判別した場合は(S1403:Yes)、動作カウンタの上限値設定処理1を実行する(S1404)。ここで、この動作カウンタの上限値設定処理1(S1404)について、図126を参照して説明する。図126は、この動作カウンタの上限値設定処理1(S1404)の内容を示したフローチャートである。動作カウンタの上限値設定処理1(S1404)では、操作ボタン300の操作タイミングにより異なる上限値を動作カウンタの上限値として設定する処理を実行する。
即ち、動作カウンタの上限値設定処理1(S1404)では、ラウンド間インターバル期間から、そのラウンド間インターバル期間が開始されてから操作ボタン300の押下(操作)が検出される(即ち、押下検出信号が検出される)までの期間を引いて、残った期間を示す値を動作カウンタ203jの上限値に設定し(S1421)、本処理を終了し、貯留制御処理(S1008)に戻る。
次に、ボタン操作コマンドを設定する(S1405)。そして、干渉部材6930が張出状態となったことを示すために、出フラグ203kをオンに設定し(S1406)、干渉部材6930が張出状態(操作ボタン300の操作に基づく張出状態、張出状態1)となったことを音声ランプ制御装置113に対して通知するために干渉部材6930の張出状態に対応する貯留状態コマンドを設定して(S1407)、本処理を終了し、貯留制御処理(S1008)に戻る。
一方、有効期間でないと判別された場合には(S1402:No)、動作シナリオに基づく干渉部材6930の動作開始タイミングであるか判別される(S1408)。干渉部材6930の動作開始タイミングでないと判別された場合には(S1408:No)、本処理を終了し、貯留制御処理(S1008)に戻る。
一方、干渉部材6930の動作開始タイミングであると判別された場合には(S1408:Yes)、動作カウンタの上限値設定処理2を実行する(S1409)。ここで、この動作カウンタの上限値設定処理2(S1409)について、図127を参照して説明する。図127は、この動作カウンタの上限値設定処理2(S1409)の内容を示したフローチャートである。動作カウンタの上限値設定処理2(S1409)では、動作シナリオにより予め設定された上限値を動作カウンタの上限値として設定する処理を実行する。
即ち、動作カウンタの上限値設定処理2(S1409)では、まず、動作シナリオに基づく干渉部材6930の張出状態への変化タイミングであるか判別される(S1431)。干渉部材6930の張出状態への変化タイミングではないと判別された場合には(S1431:No)、本処理を終了し、貯留制御処理(S1008)に戻る。
一方、干渉部材6930の張出状態への変化タイミングであると判別された場合には(S1431:Yes)、動作シナリオから適切な値(動作シナリオに基づいて、干渉部材6930が張出状態で維持される期間に対応する値)を動作カウンタ203jの上限値に設定し(S1432)、本処理を終了し、貯留制御処理(S1008)に戻る。
次に、干渉部材6930が張出状態となったことを示すために、出フラグ203kをオンに設定し(S1410)、干渉部材6930が張出状態(動作シナリオに基づく張出状態、張出状態2)となったことを音声ランプ制御装置113に対して通知するために干渉部材6930の張出状態に対応する貯留状態コマンドを設定して(S1411)、本処理を終了する。
ここで設定された貯留状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図117参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、張出状態に対応する貯留状態コマンドを受信すると、張出状態に対応する背面種別に設定するための表示用背面画像変更コマンドを表示制御装置114に対して出力する。表示制御装置114は、表示用背面画像変更コマンドに基づいて、背面画像を変更する。
即ち、例えば、小領域Ds1(図87(a)参照)に「通過球貯留中」との文字が表示される態様に設定される。これにより、遊技者に対して、干渉部材6930が貯留状態であると容易に認識させることができる。
一方、S1401の処理において、出フラグ203kがオンであると判別した場合は(S1401:Yes)、干渉部材6930の動作を設定するための貯留弁動作処理を実行する(S1412)。ここで、この貯留弁動作処理(S1412)について、図128を参照して説明する。図128は、この貯留弁動作処理(S1412)の内容を示したフローチャートである。貯留弁動作処理(S1412)は、干渉部材6930の動作を設定するための処理である。
貯留弁動作処理(S1412)では、まず、ソレノイド6910をオンに設定し(S1441)、動作カウンタ203jに1加算する(S1442)。なお、特に図示はしないが、ソレノイド6910が既にオンである場合には、S1441の処理をスキップし、S1442の処理を行う。次いで、動作カウンタ203jの値が上限値であるかを判別する(S1443)。
S1443の処理において、動作カウンタ203jの値が上限値であると判別した場合は(S1443:Yes)、ソレノイド6910をオフに設定する(S1444)。そして、出フラグ203kをオフに設定し(S1445)、動作カウンタ203jの値を0にセットして(S1446)、本処理を終了する。また、S1443の処理において、動作カウンタ203jの値が上限値でないと判別した場合も(S1443:No)、本処理を終了する。
S1412の処理が終了すると、出フラグ203kがオフであるかを判別し(S1413)、出フラグ203kがオフでない(即ち、オンである)と判別した場合は(S1413:No)、本処理を終了する。
一方、S1413の処理において、出フラグ203kがオフであると判別した場合は(S1413:Yes)、干渉部材6930が退避状態とされていることを意味するので、干渉部材6930が退避状態となったことを音声ランプ制御装置113に対して通知するために、干渉部材6930の退避状態に対応する貯留状態コマンドを設定して(S1414)、本処理を終了する。
ここで設定された貯留状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図117参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、退避状態に対応する貯留状態コマンドを受信すると、退避状態に対応する背面種別に設定するための表示用背面画像変更コマンドを表示制御装置114に対して出力する。表示制御装置114は、表示用背面画像変更コマンドに基づいて、背面画像を変更する。
この貯留制御処理を実行することにより、操作ボタン300の操作状況に応じて、干渉部材6930の状態を設定することができる。これにより、遊技者の任意のタイミングで干渉部材6930により球の流下を規制する状態と、その規制が解除され球の流下を許容する状態とを切り替えることができる。
また、この貯留制御処理により、操作ボタン300の操作タイミング以外でも、干渉部材6930を駆動させることができる。そのため、操作ボタン300の操作状況に応じて動作する部材と、操作ボタン300の操作に関わらず動作する部材とを、同じ部材で構成することができる。
次に、図129のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV入賞処理(S1009)を説明する。図129は、このV入賞処理(S1009)を示すフローチャートである。このV入賞処理(S1009)は、メイン処理(図117参照)の中で実行され、第1特定入賞口1000aが閉状態となった後の球の流下を監視する制御を行うための処理である。
V入賞処理では、まず、カウント開始フラグ203qaがオンであるか否かを判別する(S1501)。カウント開始フラグ203qaがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1501:No)、閉鎖フラグ203qがオンであるか否かを判別する(S1502)。閉鎖フラグ203qがオンであると判別した場合は(S1502:Yes)、現在実行されているのが5ラウンド目か否かを判別する(S1503)。5ラウンド目であると判別した場合は(S1503:Yes)、次いで、カウント開始フラグ203qaをオンに設定し(S1504)、本処理を終了する。
一方、S1502の処理において、閉鎖フラグ203qがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合(S1502:No)、および、S1503の処理において、現在実行されているのが5ラウンド目でないと判別した場合(S1503:No)は、そのまま本処理を終了する。
一方、S1501の処理において、カウント開始フラグ203qaがオンであると判別した場合(S1501:Yes)は、特定領域4830を開閉する振分動作部材4851が動作するタイミングの付近であることを意味するので、特定領域4830への球の通過が正常に発生しているかを判定するために、閉鎖カウンタ203rに1加算して更新し(S1505)、その後、V入賞有効カウンタ203tを同様に1減算して更新する。
そして、更新後の閉鎖カウンタ203rの値が所定値であるか(即ち、開閉板1300が閉状態で維持される期間が経過したか)を判別し(S1507)、所定値である場合は(S1507:Yes)、閉鎖フラグ203qをオフにし設定し(S1508)、その後、S1509の処理へ移行する。一方、所定値でない場合は(S1507:No)、そのままS1509の処理へ移行する。
S1509の処理では、閉鎖カウンタ203rの値が上限値(4.0秒)であるかを判別する。閉鎖カウンタ203rの値が上限値である場合には(S1509:Yes)、V入賞有効カウンタ203tの値が0となったことを意味するので、カウント開始フラグ203qaをオフに設定し(S1510)、閉鎖カウンタを0にリセットし(S1511)、S1512の処理へ移行する。一方、閉鎖カウンタ203rの値が上限値でない場合には(S1509:No)、そのまま、S1512の処理へ移行する。
このように、閉鎖カウンタ203rが上限値となった後(即ち、開閉板1300が閉状態となってから4.0秒が経過した後)は、カウント開始フラグ203qaがオフとされることから、S1512の処理を実行しなくなる。即ち、S1512の処理が実行されるのは、開閉板1300が閉状態となってから4.0秒が経過するまでの間に限定される。
S1512の処理では、特定領域4830を球が通過したか(即ち、特定領域検出センサ4860に球の通過が検出されたか)判別される。特定領域4830を球が通過していないと判別された場合には(S1512:No)、本処理を終了する。一方、特定領域4830を球が通過したと判別された場合には(S1512:Yes)、V入賞有効カウンタ203tの値が設定値の範囲内に入っているかを判別する(S1513)。
S1513の処理において、V入賞有効カウンタ203tの値が設定値の範囲内に入っていると判別された場合には(S1513:Yes)、球が正常に特定領域4830を通過したことを意味するので、Vフラグ203sをオンに設定し(S1514)、本処理を終了する。
V入賞有効カウンタ203tは開閉板1300が閉状態に状態変化された直後は4.0秒に対応する値が設定され、そこから減算される。V入賞有効カウンタ203tの設定値は、上述したように、貯留流路1231に貯留されていた球が特定領域4830を通過するタイミングとして設定されるものであり、本制御例では、3.0秒以下、且つ、(3-0.2×貯留球数)秒以上に対応する数値範囲とされる。
そのため、例えば、開閉板1300が閉鎖した直後に球が特定領域4830を通過した場合(V入賞有効カウンタ203の値が3.0秒よりも大きい)、設定値の範囲外となる。この場合、連通路4810の下端付近に球が滞り(詰まり、又は球を留める不正により停留し)、開閉板1300が閉鎖した直後にその球が流下を開始したことが疑われるので、念のため、エラー報知するように制御される。
また、例えば、開閉板1300が閉鎖してから長時間経過した後に球が特定領域4830を通過した場合(V入賞有効カウンタ203の値が(3-0.2×貯留球数)秒未満)、設定値の範囲外となる。この場合、貯留流路1231からの球の排出時の流下態様に問題(球噛み、又は球を留める不正による停留等)が生じ、貯留流路1231からの球の排出タイミング(開閉板1300が閉状態となるタイミング)から遅れて球が排出され始めたことが疑われるので、念のためエラー報知するように制御される。
なお、球を停留させる不正としては、強力な磁石で球を留める不正や、糸を接着した球を遊技領域に打ち出し、その糸を遊技者が操作することで球を操作する不正が想定される。本パチンコ機10では、磁石による不正に対しては、磁気センサ(図示せず)を貯留流路1231付近に配置したり、貯留流路1231や、確率変動判定部4800を磁力が届かない程度にガラスユニット16(図1参照)の後方に離間配置したり、ガラスユニット16を厚くしたりすることで対応している。
また、糸を接着した球による不正に対しては、貯留流路1231を介して連通路4810へ糸を這わせた場合に、開閉板1300が閉状態とされた場合には入球防止部1331と収容部1230の側壁であって検出センサ1240を保持する部分(図7参照)とで挟まれて、糸が固定され、開閉板1300が開状態とされた場合には、規制部材1600と排出口1150とで挟まれて、糸が固定される。そのため、遊技者が糸を操作しても、その負荷が連通路4810内にある球にまで伝わらないようにできるので、例えば、任意のタイミングで遊技者が把持している糸を放すなどされ、不正に特定領域4830に球が通過するように狙われたとしても、上述したように、糸が所々で固定されることから、不正に特定領域4830に球を通過させることを防止し易くすることができる。
一方、V入賞有効カウンタ203tの値が設定値の範囲内に入っていないと判別された場合には(S1513:No)、何らかの不正、又はパチンコ機10の不具合が疑われるので、エラーコマンドを設定し(S1515)、本処理を終了する。この場合、Vフラグ203sはオンとはならない。
なお、本制御例では、V入賞有効カウンタ203tの設定値を貯留流路1231の貯留数に基づき設定することで、不正や不具合の発生を判定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、貯留流路1231からの球の排出間隔を検出することで不正や不具合の発生を判定しても良いし、所定個数の球が排出される期間を検出することで不正や不具合の発生を判定しても良いし、貯留流路1231に貯留されていた球が必要個数未満(4個未満)である場合に特定領域4830の球の通過が検出されたことに基づいて不正や不具合の発生を判定しても良い。
なお、本制御例におけるV入賞処理(S1009)では、V入賞有効カウンタ203tの値が設定値に入っていると判別された時に限ってVフラグ203sをオンに設定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、V入賞有効カウンタ203tの値が設定値に入っていないと判別された場合にも、Vフラグ203sをオンに設定し、エラーコマンドによるエラーが解消されるまで遊技を不可能とするように制御しても良い。このエラーコマンドの解消は、電源オフにより実行されるが、これに限らず、RAM203のクリアを要するようにしても良い。
この場合、遊技者の不正ではなく、パチンコ機10の不具合により特定領域4830を球が通過するタイミングがずれていた場合に、それが発覚した後、遊技者は問題なく特別図柄の高確率状態における遊技を実行することができる。
一方、遊技者の不正が原因であった場合には、それが発覚した後、まず、不正を行った遊技者の遊技を停止し、ホール店員がRAM203をクリアし、特別図柄の低確率状態になるように強制的に制御する。これにより、他の客が、不正が行われたパチンコ機10での遊技を開始するまでに余分な待ち時間が生じることを防止することができる。
なお、本制御例では、S1515によりエラーコマンドが設定されている間は、例えば、球の発射が不能となるように制御されたり、球の発射が生じた場合にエラー報知を行い店員に気付かせるように制御されたり、発射された球が入賞口に入球しても賞球の払い出しがされないように制御されたり(例えば、払出制御装置111の機能を停止したり)、球の発射や入賞口への入球に基づいて電源をオフするように制御されたり等の制御態様によって、遊技不能となるように制御される。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図130から図140を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図130を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図130は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S2120の電源断処理(図131参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S2002)。図131を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図131のS2114参照)、S2117の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S2117の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S2002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS2120の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S2003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S2006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S2003:Yes)、S2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S2003:No)、S2008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S2003:Yes)、S2004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2120の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S2003:No)、S2008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S2002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S2120の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S2004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S2004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S2005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S2006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S2005:No)、RAM223の異常を報知して(S2007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S2008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S2008)。電源断フラグはS2117の電源断処理の実行時にオンされる(図131のS2116参照)。つまり、電源断フラグは、S2117の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2117の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S2008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S2009)、RAM223の初期値を設定した後(S2010)、割込み許可を設定して(S2012)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS2004からS2006の処理を経由してS2008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S2008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS2009をスキップして、処理をS2010へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S2010)。次いで、主制御装置110より受信した状態コマンドにより通知された遊技状態に応じて確変状態フラグ223iを更新し(S2011)、割込み許可を設定して(S2012)、メイン処理へ移行する。状態コマンドに基づいて確変状態フラグ223iを更新することにより、主制御装置110の認識する遊技状態と音声ランプ制御装置113の認識する遊技状態とを一致させることができる。よって、遊技状態に応じて適切に演出を実行することができる。
なお、S2009のクリア処理をスキップするのは、S2004からS2006の処理を経由してS2008の処理へ至った場合には、S2004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図131を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図131は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS2101の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S2101)、1m秒以上経過していなければ(S2101:No)、S2102~S2110の処理を行わずにS2111の処理へ移行する。S2101の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S2102~S2110が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2111のコマンド判定処理、S2112の変動表示設定処理、および、S2113の貯留状態監視処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S2111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2112の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。また、S2113の処理が短い周期で実行されることにより、貯留状態に基づき、貯留状態フラグ223kおよび貯留上限フラグ223mに関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2101の処理で1m秒以上経過していれば(S2101:Yes)、まず、S2101~S2113の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2103)、その後電源投入報知処理を実行する(S2104)。
電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2105の処理へ移行する。
S2105の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S2106)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、第1特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2107)。このボタン入力監視・演出処理は、演出効果を高めるために遊技者に操作される操作ボタン300が押されたか否かの入力を監視し、操作ボタン300の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、操作ボタン300の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して操作ボタン300の操作に対応する表示用コマンドを設定する。
ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S2108)、その後音編集・出力処理を実行する(S2109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S2109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S2110)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2108のランプ編集処理が実行される。なお、S2109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S2110の処理が終了すると、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S2111)。このコマンド判定処理の詳細については、図132~図135を参照して後述する。
次に、S2112の処理へ移行する。S2112の処理では、変動表示設定処理が実行される(S2112)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図136を参照して後述する。
次に、S2113の処理へ移行する。S2113の処理では、貯留状態監視処理が実行される(S2113)。貯留状態監視処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この貯留状態監視処理の詳細については、図137を参照して後述する。
そして、貯留状態監視処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2114)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2114の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2114:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S2116)、電源断処理を実行する(S2117)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2118)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S2114の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2114:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S2115)、RAM223が破壊されていなければ(S2115:No)、S2101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2115:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図132を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2111)について説明する。図132は、このコマンド判定処理(S2111)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2111)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図131参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
コマンド判定処理(図132、S2113)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域223aから、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2201)。なお、変動パターンコマンドは、特別図柄の変動パターン(変動時間)を通知するためのコマンドであって、主制御装置110から、選択された変動パターン(変動時間)が第1特別図柄および第2特別図柄の夫々に対応して出力される。
S2201の処理において、変動パターンコマンドを受信したと判別した場合には(S2201:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223eをオンに設定し(S2202)、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S2203)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに、特別図柄の変動パターン種別であることを特別図柄の種別毎(対応する第1特別図柄、第2特別図柄)に識別可能な形式で記憶され、後述の変動表示設定処理(図136参照)において、表示制御装置114に対して特別図柄の変動表示演出の開始と、その特別図柄の変動表示演出の表示態様とを通知する場合(特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合)に用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S2201:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S2204)。停止種別コマンド(特図1停止種別コマンド、または特図2停止種別コマンドのいずれか)を受信したと判別した場合は(S2204:Yes)、受信したコマンドの種別に対応するフラグをオンに設定する(S2205)。具体的には、特図1停止種別コマンドを受信した場合に、第1特別図柄に対応する停止種別選択フラグ223fをオンに設定し、特図2停止種別コマンドを受信した場合に、第2特別図柄に対応する停止種別選択フラグ223fをオンに設定する。
次に、受信した停止種別コマンドから停止種別(完全外れ、リーチ外れ、小当たり、大当たりK,L,M,N,kのいずれか)を抽出して(S2206)、本処理を終了する。S2206の処理において抽出された停止種別は、音声ランプ制御装置113にMPU221のRAM223のその他メモリエリア223zに記憶される。そして、後述の変動表示設定処理(図136参照)が実行される場合に参照され、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
S2204の処理において、停止種別コマンドを受信していないと判別した場合には(S2204:No)、主制御装置110より停止コマンドを受信したかを判別する(S2207)。停止コマンドを受信したと判別した場合には(S2207:Yes)、受信したコマンドに基づいて表示用停止コマンドを設定し(S2208)、本処理を終了する。
次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したかを判別する(S2209)。保留球数コマンドを受信したと判別した場合には(S2209:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(即ち、第1特別図柄、または第2特別図柄の変動表示の保留球数)が抽出されて、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた対応するカウンタ値を更新して(S2210)、本処理を終了する。より具体的には、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出した場合は、RAM223の第1特別図柄保留球数カウンタ223bに抽出したカウンタ値を格納し、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を抽出した場合は、第2特別図柄保留球数カウンタ223cに抽出したカウンタ値を格納する。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64、または第2入球口640に入球(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S2210の処理によって、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223bと、第2特別図柄保留球数カウンタ223cとの値を、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと、特別図柄2保留球数カウンタ203eとの値にそれぞれ合わせることができる。
よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223bまたは第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値が、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値とずれしまっても、始動入賞をしたことに基づいて保留球数コマンドが通知されれば、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223bまたは第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。
また、S2209の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S2209:No)、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか判別する(S2212)。S2212の処理において、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S2212:Yes)、入賞情報コマンド受信処理を実行する(S2213)。
この入賞情報コマンド受信処理(S2213)では、第3図柄表示装置81にて実行される各種演出を設定するために参照させる各種フラグの設定や各種カウンタの設定が行われる。これにより、保留中の特別図柄の抽選結果に基づいて、その保留中の特別図柄の変動が開始されるよりも前(即ち、対象の特別図柄の変動よりも前に実行されている特別図柄の変動表示中)に、入賞情報コマンドを送信した特別図柄の抽選結果を示す演出を実行することが可能となり、1つの特別図柄の抽選結果を複数の特別図柄の変動表示期間を用いて遊技者に示唆報知することができ、演出効果を高めることができる。
一方、S2212の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S2212:No)、主制御装置110より報知コマンドを受信したかを判別する(S2214)。報知コマンドを受信したと判別した場合は(S2214:Yes)、表示用報知コマンドを設定し(S2215)、本処理を終了する。
S2214の処理において、報知コマンドを受信していないと判別した場合は(S2214:No)、貯留装置関連コマンド(退避状態に対応する貯留状態コマンド(S1414、図125参照)又は、張出状態に対応する貯留状態コマンド(S1407、図125参照)を受信したかを判別する(S2216)。S2216において、貯留装置関連コマンドを受信したと判別した場合は(S2216:Yes)、対応する表示用背面画像変更コマンドを設定し(S2217)、本処理を終了する。
S2216の処理において、貯留装置関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S2216:No)、次に、操作コマンドを受信したかを判別する(S2218)。S2218の処理において、操作コマンドを受信した(操作ボタン300の操作(押し下げ)がされた)と判別した場合は(S2218:Yes)、操作フラグ223pをオンに設定し(S2219)、本処理を終了する。この操作コマンドは、操作ボタン300が操作された場合に出力されるコマンドである。一方、操作コマンドを受信していないと判別した場合は(S2218:No)、当たり関連コマンドを受信したかを判別する(S2220)。
S2220の処理において、当たり関連コマンドを受信したと判別した場合には(S2220:Yes)、当たり関連処理を実行し(S2221)、本処理を終了する。この当たり関連処理(S2221)の詳細な内容については、図133から図135を参照して後述する。一方、S2220の処理において、当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合には(S2220:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2222)、本処理を終了する。
S2222の処理では、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものであって、例えば、遊技盤13に設けられた各入球口に球が入球したことに基づいて設定される入球コマンドを受信した場合に、球が入球した入球口の種別毎に入球数の累積をする処理が実行される。
次に、図133を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり関連処理(S2221)について説明をする。図133は、当たり関連処理(S2221)を示すフローチャートである。この当たり関連処理(S2221)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図131参照)のコマンド判定処理(図132のS2111参照)中で実行される処理であり、主制御装置110から当たり関連コマンドを受信した場合に実行される処理である。
当たり関連処理(S2221)が実行されると、まず、大当たりオープニングコマンドを受信したかを判別する(S2501)。大当たりオープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S2501:Yes)、次いで、表示用オープニングコマンドを設定し(S2502)、本処理を終了する。一方、S2501の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S2501:No)、ラウンド数コマンドを受信したかを判別する(S2503)。S2503の処理において、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合は(S2503:Yes)、受信したコマンドに基づいてラウンド数累積カウンタ223hを更新し(S2504)、ついで、大当たり中演出処理を実行し(S2505)、本処理を終了する。
大当たり中演出処理(S2505)は、ラウンド演出(ラウンド遊技Rの演出およびラウンド間インターバルの演出)の態様を選択するための処理であるが、詳細は図134で後述する。
S2503の処理において、今回受信した当たり関連コマンドがラウンド数コマンドではないと判別した場合は(S2503:No)、次に、インターバルコマンドを受信したかを判別する(S2506)。このインターバルコマンドは、大当たりにおける各ラウンドが終了した場合に主制御装置110から出力されるコマンドである。S2506の処理において、インターバルコマンドを受信したと判別した場合は(S2506:Yes)、ラウンド数累積カウンタ223hの値に基づいて、終了したラウンド数を算出し、対応する表示用インターバルコマンドを設定し(S2507)、本処理を終了する。
一方、S2506の処理において、インターバルコマンドを受信していないと判別した場合は(S2506:No)、大当たりエンディングコマンドを受信したかを判別する(S2508)。S2508の処理において、大当たりエンディングコマンドを受信した場合は(S2508:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定し(S2509)、ラウンド数累積カウンタ223hの値をクリアし(S2510)、本処理を終了する。また、S2508の処理において、大当たりエンディングコマンドを受信していないと判別した場合も(S2508:No)、本処理を終了する。
ここで、図134を参照して大当たり中演出処理(S2505)について説明をする。図134は、大当たり中演出処理(S2505)を示すフローチャートである。この大当たり中演出処理(S2505)では、大当たり中に実行される演出として、大当たりを祝福するための大当たり遊技演出に加え、遊技者に操作ボタン300を操作させることで貯留流路1231の内部を視認可能とする第1操作演出(操作演出(タイミング演出))と、遊技者に操作ボタン300を操作させることで干渉部材6930を状態変化させる第2操作演出(操作演出(タイミング演出))と、規定個数の入球後も球の発射の継続を促す継続発射演出と、の演出態様および演出の有無が設定され、各演出が実行される。
大当たり中演出処理(S2505)が実行されると、まず、演出実行中フラグ223xがオンであるかを判別する(S2531)。演出実行中フラグ223xがオンであると判別した場合は(S2531:Yes)、S2540の処理へ移行する。一方、演出実行中フラグ223xがオンではない(オフである)と判別した場合は(S2531:No)、次に、今回受信したラウンド数コマンドが大当たりの3ラウンド目を示すラウンド数コマンドであるかを判別する(S2532)。
S2532の処理において、3ラウンド目を示すラウンド数コマンドであると判別した場合は(S2532:Yes)、第1操作演出フラグ223waをオンに設定し(S2533)、S2534の処理へ移行する。
S2534の処理では、現在実行中の大当たりの大当たり種別が、大当たりkであるか判別し(S2534)、大当たりkであると判別した場合には(S2534:Yes)、第2操作演出フラグ223wbをオンに設定し(S2535)、S2536の処理へ移行する。一方、大当たりkでないと判別した場合には(S2534:No)、そのままS2536の処理へ移行する。
即ち、大当たりkであれば、第1操作演出フラグ223wa及び第2操作演出フラグ223wbの両方ともがオンに設定されるが、大当たりk以外の大当たり(大当たりK,L,M,N)であれば、第1操作演出フラグ223waのみがオンに設定される。
ここで、図135を参照して、表示用演出ラウンドコマンド設定処理について説明する(S2536)。図135は、この表示用演出ラウンドコマンド設定処理(S2536)の内容を示したフローチャートである。表示用演出ラウンドコマンド設定処理(S2536)では、まず、第2操作演出フラグ223wbがオンであるか判別し(S2551)、第2操作演出フラグ223wbがオンである場合には(S2551:Yes)、演出一時記憶エリア223rから読み出し可能な情報として、第1表示態様を設定し(S2552)、本処理を終了し、大当たり中演出処理(S2505)に戻る。
第1表示態様では、表示用演出ラウンドコマンドとして、3ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、次ラウンドで操作演出があること、次ラウンド終了後のインターバル期間にも操作演出があることを表示する(図88(a)参照)ように設定され、4ラウンド目のラウンド遊技R終了後のインターバル期間において、操作演出が表示される(図90及び図91参照)ように設定される。
なお、3ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後のインターバル期間における表示と、4ラウンド目のラウンド遊技R中における表示は表示態様に寄らず共通とされる。
一方、第2操作演出フラグ223wbがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合には(S2551:No)、現在実行中の大当たりの大当たり種別が大当たりL又はMであるか判別し(S2553)、大当たり種別が大当たりL又はMであると判別した場合には(S2553:Yes)、演出一時記憶エリア223rから読み出し可能な情報として、第2表示態様を設定し(S2554)、本処理を終了し、大当たり中演出処理(S2505)に戻る。
第2表示態様では、表示用演出ラウンドコマンドとして、3ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて次ラウンドで操作演出があること(図88(a)参照)、4ラウンド目のラウンド遊技において貯留球数についての情報を表示する(図88(b)参照)ように設定され、4ラウンド目のラウンド遊技R終了後のインターバル期間には、操作演出の伴わない動画(または静止画)が表示されるように設定される。
ここで、貯留球数についての情報は、表示可能に用意され、操作演出の成功タイミング(例えば、表示ポインタ719がバー表示部717に重なっているタイミング)に操作ボタン300が操作されることに基づいて表示が実行されるように制御される。
なお、3ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後のインターバル期間における表示と、4ラウンド目のラウンド遊技R中における表示は表示態様に寄らず共通とされる。
一方、S2553の処理において、大当たり種別が大当たりL又はMでない(即ち、大当たりK,N,kである)と判別した場合には(S2553:No)、演出一時記憶エリア223rから読み出し可能な情報として、第3表示態様を設定し(S2555)、本処理を終了し、大当たり中演出処理(S2505)に戻る。
第3表示態様では、表示用演出ラウンドコマンドとして、3ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、次ラウンドで操作演出があること、及び第1特定入賞口1000aへ向けた球の発射を促す文字を表示する(図88参照)ように設定され、4ラウンド目のラウンド遊技R終了後のインターバル期間には、操作演出の伴わない動画(または静止画)が表示されるように設定される。
なお、3ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後のインターバル期間における表示と、4ラウンド目のラウンド遊技R中における表示は表示態様に寄らず共通とされる。
上述の通り、3ラウンド目のラウンド遊技Rと4ラウンド目のラウンド遊技Rとの表示は、表示用演出ラウンドコマンドとしてまとめて設定される。
図134に戻って説明する。S2536の処理の後、演出一時記憶エリア223rより演出情報を読み出し、3ラウンド目のラウンド遊技Rおよび4ラウンド目のラウンド遊技Rの表示演出のための表示用演出ラウンドコマンドを設定し(S2537)、演出実行中フラグ223xをオンに設定し(S2538)、第1操作演出フラグ223wa及び第2操作演出フラグ223wbをオフに設定し(S2539)、本処理を終了する。
なお、詳細は図示していないが、S2539の処理については、既に第1操作演出フラグ223waまたは第2操作演出フラグ223wbがオフに設定されている場合には、その処理がスキップされるように構成している。これにより、不要な処理が実行されることを防止することができる。
一方、S2532の処理において、3ラウンド目を示すラウンド数コマンドではないと判別した場合は(S2532:No)、次に、今回受信したラウンド数コマンドが大当たりの4ラウンド目であるかを判別する(S2540)。
S2540の処理において、4ラウンド目を示すラウンド数コマンドであると判別した場合は(S2540:Yes)、4ラウンド目になったことを示す表示用コマンドを設定する。そして、4ラウンド目の表示態様は上述したように既に選択されているので、重複して別の表示態様を選択することを避けるために本処理を終了し、当たり関連処理(S2221)へ戻る。
一方、S2540の処理において、今回受信したラウンド数コマンドが大当たりの4ラウンド目ではないと判別した場合には(S2540:No)、次に、今回受信したラウンド数コマンドが大当たりの5ラウンド目であるかを判別する(S2541)。
S2541の処理において、5ラウンド目を示すラウンド数コマンドであると判別した場合は(S2541:Yes)、演出実行中フラグ223xをオフに設定し(S2542)、後述する第1入力フラグ223wc及び第2入力フラグ223wdをオフに設定し(S2543)、S2547の処理へ移行する。一方、S2541の処理において、5ラウンド目を示すラウンド数コマンドではないと判別した場合には(S2541:No)、S2544の処理へ移行する。
S2544の処理では、今回受信したラウンド数コマンドが大当たりの6ラウンド目であるかを判別する(S2544)。S2544の処理において、6ラウンド目を示すラウンド数コマンドであると判別した場合は(S2544:Yes)、大当たり種別が大当たりK,M又はkであるかを判別する(S2545)。
大当たり種別が大当たりK,M又はkであると判別した場合には(S2545:Yes)、表示用継続発射ラウンドコマンドを設定し(S2546)、本処理を終了し、当たり関連処理(S2221)へ戻る。
表示用継続発射ラウンドコマンドは、表示用演出ラウンドコマンドとして、球の発射を止めずに継続することを促す表示(図92(b)の小領域Ds3参照)を含む表示がされるよう設定される。この表示は、6ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて超過入賞が望める大当たり種別(大当たりK,M又はk、図94(b)参照)でのみ実行されるものである。従って、遊技者は、表示に従って球の発射を継続することにより、超過入賞の可能性を高めることができる。
一方、S2544の処理において、6ラウンド目を示すラウンド数コマンドでないと判別した場合(S2544:No)、又は、S2545の処理において、大当たり種別が大当たりK,M又はkではない(即ち、大当たりL,Nである)と判別した場合には(S2545:No)、受信したラウンド数に対応する表示用ラウンド数コマンドを設定し(S2547)、本処理を終了する。
従って、本制御例では、1,2,5ラウンド目、及び大当たり種別が大当たりL,Nの時の6ラウンド目のラウンド数コマンドを受信した場合、S2547の処理により表示用ラウンド数コマンドが設定される。一方で、その他のラウンド数コマンドを受信した場合には、表示用演出ラウンドコマンド又は表示用継続発射ラウンドコマンドが設定される。このように、ラウンド遊技Rの表示を大当たり種別や、ラウンド数に応じて変化させることにより、遊技者を飽きさせることなく大当たり遊技を進行することができる。
ここで設定された各種表示用ラウンド数コマンド等(表示用ラウンド数コマンド、表示用演出ラウンドコマンド、表示用継続発射ラウンドコマンド)は、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図131参照)のコマンド出力処理(S2102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、各種表示用ラウンド数コマンド等(表示用ラウンド数コマンド、表示用演出ラウンドコマンド、表示用継続発射ラウンドコマンド)を受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
このように、本実施形態では、ラウンド数累積カウンタ223hのカウンタ値によって現在のラウンド数を判別し、第3図柄表示装置81に表示される演出の内容を変更するよう構成しているが、それ以外の構成でもよく、例えば、ラウンド数コマンドに現在のラウンド数を示す情報を含めることで、ラウンド数累積カウンタ223hのカウンタ値を加算する処理を無くしてもよい。
また、3ラウンド目のラウンド数コマンドが取得された際に4ラウンド目の表示態様も選択するように構成しているが、それ以外の構成でもよく、例えば、3ラウンド目のラウンド数コマンドが取得された際に行う制御と同等の制御を、4ラウンド目のラウンド数コマンドが取得された際にも繰り返し行うようにしても良い。また、例えば、3ラウンド目のラウンド数コマンドが取得された際には表示態様の設定だけを行い、4ラウンド目のラウンド数コマンドが取得された際に表示態様の選択を実行するように構成しても良い。
以上、説明をしたように、本実施形態では、大当たりが開始されると、実際にタイミング演出(操作演出)が実行されるラウンド(4ラウンド)の前のラウンド(3ラウンド)の時点で、次のラウンドでタイミング演出(操作演出)が実行されることを予告する予告演出が実行される(図88(a)参照)。そして、タイミング演出(操作演出)を実行する(図88(b)参照)。
このように、タイミング演出(操作演出)が実行される前のラウンドにて予告演出が実行されるため、遊技者に対して操作ボタン300を操作させる演出が実行されることを予め周知させることができる。また、タイミング演出(操作演出)が実行される前のラウンドでのみ予告演出を実行するようにしているため、予告演出が実行されたにも係わらず、タイミング演出(操作演出)が実行されないという不具合を防止することができる。
なお、本実施形態では、大当たり中における所定のラウンド数において、タイミング演出(操作演出)を実行するように構成しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、貯留流路1231に所定数(例えば3個)の球が貯留されたことを判別した場合に、その次のラウンドでタイミング演出(操作演出)を実行するようにしてもよい。これにより、遊技者に対して、より積極的に貯留流路1231へ球を貯留させる遊技を行わせることができる。
次に、図136を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S2112)について説明する。図136は、この変動表示設定処理(S2112)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S2112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図131参照)の一処理である。上述したように、変動表示設定処理(図136参照)は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて、第1特別図柄または第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信する処理を実行する。また、抽出した停止種別(完全外れ、リーチ外れ、大当たり)に基づいて、その停止種別を表示制御装置114に通知するための表示用停止種別コマンドを設定する処理を実行する。
変動表示設定処理(図136のS2112)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223eがオンに設定されているか判別する(S2701)。そして、変動開始フラグ223eがオフであると判別した場合には(S2701:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2706の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223eがオンであると判別した場合には(S2701:Yes)、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づいて、今回の特別図柄の変動表示の詳細な態様を決定するためのS2702~S2705の各処理を実行する。
より具体的には、まず、変動開始フラグ223eをオフに設定し(S2702)、次いで、抽出した変動パターンを取得し(S2703)、表示用変動パターンコマンドを設定し(S2704)、次いで、対応する特別図柄保留球数カウンタ(第1特別図柄保留球数カウンタ223bまたは第2特別図柄保留球数カウンタ223c)の値から1を減算し、減算した値に基づいて、コマンド記憶領域に含まれる入賞情報格納エリアのデータをシフトし(S2705)、S2706の処理へ移行する。
S2706の処理では、RAM223の停止種別選択フラグ223fがオンに設定されているか判別する(S2706)。そして、停止種別選択フラグ223fがオフであると判別した場合には(S2706:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S2706の処理において、停止種別選択フラグ223fがオンであると判別した場合には(S2706:Yes)、停止種別選択フラグ223fをオフに設定し(S2707)、次いで、コマンド判定処理(図132参照)のS2206の処理において、抽出された停止種別を取得し(S2708)、取得した停止種別を設定する(S2709)。次いで、設定した停止種別に基づいて、表示制御装置114に対して停止種別を通知するための表示用停止種別コマンドを設定し(S2710)、本処理を終了する。
次に、図137を参照して、貯留状態監視処理(S2113)について説明をする。図137は、この貯留状態監視処理(S2113)を示したフローチャートである。この貯留状態監視処理(S2113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図131参照)の一処理であり、貯留流路1231(図51参照)内に球が貯留されていることを判別するための処理である。
ここで、本制御例では、図51に示すように、遊技盤13上で球を貯留可能な貯留装置の一部として、貯留流路1231を設けており、最大で10個の球を貯留可能に構成している。
貯留流路1231の上流側端部には検出センサ1240が配設され、その検出センサ1240により貯留流路1231への入球が検出される。また、貯留流路1231の下流側から排出された球は、特定領域検出センサ4860又は非特定領域検出センサ4870により検出される。
貯留状態監視処理(S2113)では、まず、第1特定入賞口1000aを球が通過したか(即ち、検出センサ1240により球の通過が検出されたか)を判別し(S2801)、第1特定入賞口1000aを球が通過していた場合には(S2801:Yes)、貯留カウンタ223nの値に1加算し(S2802)、S2803の処理へ移行する。一方、第1特定入賞口1000aを球が通過していなかった場合には(S2801:No)、S2803の処理へ移行する。
S2803の処理では、排出口1150を球が通過したか(即ち、特定領域検出センサ4860又は非特定領域検出センサ4870により球の通過が検出されたか)を判別し(S2803)、排出口1150を球が通過したと判別された場合には(S2803:Yes)、貯留カウンタ223nの値を1減算し(S2804)、S2805の処理へ移行する。一方、排出口1150を球が通過しなかったと判別された場合には(S2803:No)、S2805の処理へ移行する。
S2805の処理において、貯留カウンタ223nの値が4以上であるか判別し(S2805)、貯留カウンタ223nの値が4以上であると判別した場合には(S2805:Yes)、貯留状態フラグ223kがオンであるかを判別する(S2806)。貯留状態フラグ223kがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S2806:No)、貯留状態フラグ223kをオンに設定し(S2807)、表示用中間数コマンドを設定し(S2808)、S2812の処理へ移行する。一方、S2806の処理において、貯留状態フラグ223kがオンであると判別した場合には(S2806:Yes)、S2812の処理へ移行する。
一方、S2805の処理において、貯留カウンタ223nの値が4以上ではない(即ち、3以下である)と判別した場合には(S2805:No)、貯留状態フラグ223kがオンであるかを判別する(S2809)。貯留状態フラグ223kがオンであると判別した場合には(S2809:Yes)、貯留状態フラグ223kをオフに設定し(S2810)、表示用不足コマンドを設定し(S2811)、S2812の処理へ移行する。一方、S2809の処理において、貯留状態フラグ223kがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S2809:No)、S2812の処理へ移行する。
S2812の処理において、貯留カウンタ223nの値が10であるか判別し(S2812)、貯留カウンタ223nの値が10であると判別した場合には(S2812:Yes)、貯留上限フラグ223mがオンであるかを判別する(S2813)。貯留上限フラグ223mがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S2813:No)、貯留上限フラグ223mをオンに設定し(S2814)、表示用満タンコマンドを設定し(S2815)、本処理を終了する。一方、S2813の処理において、貯留状態フラグ223kがオンであると判別した場合には(S2813:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2812の処理において、貯留カウンタ223nの値が10ではない(即ち、9以下である)と判別した場合には(S2812:No)、貯留上限フラグ223mがオンであるかを判別する(S2816)。貯留上限フラグ223mがオンであると判別した場合には(S2816:Yes)、貯留上限フラグ223mをオフに設定し(S2817)、表示用不満コマンドを設定し(S2818)、本処理を終了する。一方、S2816の処理において、貯留上限フラグ223mがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S2816:No)、そのまま本処理を終了する。
このように、検出センサ1240、特定領域検出センサ4860及び非特定領域検出センサ4870の検知結果に基づいて、貯留状態フラグ223k及び貯留上限フラグ223mの設定が随時更新されるように構成されている。
以上説明をしたように、本実施形態における貯留状態監視処理(S2113)では、貯留流路1231内の球の貯留状況を判別し、各種フラグ(貯留状態フラグ223k、貯留上限フラグ223m)を設定することができるため、音声ランプ制御装置113にて貯留流路1231の貯留状態に基づいた演出を実行することができる。
なお、上述の説明では、検出センサ1240の検出結果に基づく入球個数と、特定領域検出センサ4860及び非特定領域検出センサ4870の検出結果に基づく排出個数とで貯留流路1231に貯留される球の個数を算定しているが、これに限られるものではない。
例えば、貯留流路1231の任意箇所に球の有無を検出するためのセンサが配設され、球がセンサに検出された状態で所定期間経過することに基づいて、その下流に球が貯留されていると判定しても良い。一例として、下流から3個目の球が停留する位置にセンサが配設される場合、そのセンサにより、その下流側に配置される2個の球も含んだ3個の球が貯留流路1231に貯留されていることを判定することができる。
また、開閉板1300が閉状態とされた後においても、そのセンサによる球の検出が継続される場合、不正に球を停留していることを疑うことができるので、エラー報知を行うことで不正を早期に発見することができる。即ち、球を検出するセンサを、貯留流路1231に貯留される球の個数の検出と、不正発見とに兼用することができる。
次に、図138を参照して、ランプ出力処理(S2103)について説明をする。図138は、このランプ出力処理(S2103)を示したフローチャートである。このランプ出力処理(S2103)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図131参照)の一処理であり、ランプ表示装置227に対して送信されるランプ点灯コマンドを設定するための処理である。
ここで、本制御例では、ランプ表示装置227(図93参照)として、上述した構成に加えて、パチンコ機10の全体に亘って設けられている演出等に用いられる装飾用ランプ227a(上述した電飾部29~33、表示ランプ34などを含む)と、貯留流路1231を覆うように設けられた覆設前板1200(図5参照)に対して、その覆設前板1200の内部を遊技者が視認可能となる透過状態にするための透過用ランプ227b(図86参照)と、その他ランプ227zとが設けられている。
ランプ出力処理(S2103)が実行されると、まず、現在が音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理が実行されてから所定期間(30秒)以内であるかを判別する(S2901)。ここでは、音声ランプ制御装置113のMPU221によって計時されているタイマ(図示せず)を用いて所定期間が計測される。S2901の処理において、30秒以内であると判別した場合は(S2901:Yes)、透過用ランプ点灯コマンド(強)を設定し(S2903)、S2905の処理へ移行する。
なお透過用ランプ点灯コマンド(強)が設定されると、透過用ランプ227ba~227beの全てが(強度に)点灯するように制御される。
ここで、本制御例では通常の遊技状態において、貯留流路1231の内部状況や干渉部材6930の動作状況を遊技者に視認させ難い状態を構成可能とするように覆設前板1200を設けている。この覆設前板1200は上述したように裏面から所定の光(透過用ランプの光)を照射することで、遮蔽状態から透過状態へと可変するよう構成されている。
そして、遊技機に電源を投入してから所定期間(立ち上げ処理が実行されてから所定期間)の間は、遊技状態に係わらず、透過用ランプを点灯させるように構成している。これにより、パチンコ機10に電源を投入した直後、即ち、パチンコ機10を店員が点検するタイミングにおいては、覆設前板1200により覆われている貯留流路1231の内部を容易に視認することができる。
一方、S2901の処理において、現在が音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理が実行されてから所定期間(30秒)以内ではない(所定期間(30秒)経過後である)と判別した場合は(S2901:No)、次に、検出センサ1240が球の通過を検知したかを判別する(S2902)。S2902の処理において、検出センサ1240が球の通過を検知した場合は(S2902:Yes)、検出センサ1240を通過した球を遊技者が視認できるように透過用ランプ点灯コマンド(強)を設定し(S2903)、S2906の処理へ移行する。
なお、この場合における透過用ランプ点灯コマンドは、球が貯留流路1231において覆設前板1200に覆われている領域を通過するのに十分な時間(例えば、2.0秒)透過用ランプ227bが点灯されるよう設定されており、貯留流路1231を球が流下する期間は透過状態が維持される一方で、球が停留して以降は、透過状態を解除可能に構成されているが、これに限るものではない。例えば、排出口1150を球が通過したこと、或いは、特定領域検出センサ4860又は非特定領域検出センサ4870が球の通過を検知したことを条件に、透過用ランプ227bを消灯させる(透過状態から遮蔽状態へ変化させる)ように構成してもよい。これにより、貯留流路1231に球が残る期間中にわたって覆設前板1200を透過状態で維持することができる。
S2902の処理において、検出センサ1240が球の通過を検知していない場合は(S2902:No)、次いで、透過用ランプ関連コマンドが設定されたかを判別し(S2904)、透過用ランプ関連コマンドが設定されている場合には(S2904:Yes)、予め指定された透過用ランプ点灯コマンドを設定し(S2905)、S2906の処理へ移行する。一方、透過用ランプ関連コマンドが設定されていない場合には(S2904:No)、そのままS2906の処理へ移行する。
なお、透過用ランプ関連コマンドの設定は、主に、図140で後述する球個数確認処理(S3004)により実行される。
図138に戻り、説明を続ける。S2906の処理では、現在の状態(遊技状態)に応じて装飾用ランプ点灯コマンドを設定し(S2906)、本処理を終了する。なお、装飾用ランプ点灯コマンドは、実行される変動パターンや現在の遊技状態等に応じて各種設定される。
次に、図139を参照して、ボタン入力監視・演出処理(S2107)について説明する。図139は、ボタン入力監視・演出処理(S2107)の内容を示すフローチャートである。このボタン入力監視・演出処理(2107)では、演出効果を高めるために遊技者に操作される操作ボタン300が押されたか否かの入力を監視し、操作ボタン300の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、操作ボタン300に対する操作が検出されると、表示制御装置114に対して操作ボタン300が操作されたことを通知する操作ボタン演出コマンドの設定や、その操作内容に基づいた各種フラグの設定がなされる。
具体的には、第1に、4ラウンド目のラウンド遊技R中において、タイミング演出(操作演出)が実行されている期間における操作ボタン300の操作タイミングが押下成功期間か否かを判別し、その判別結果に基づいたランプ点灯を実行するための透過用ランプ点灯コマンドを設定したり、それに伴う球個数把握演出(成功演出、失敗演出、不可演出)を表示させるための表示用コマンドを設定したりする(図140参照)。また、第2に、4ラウンド目のラウンド遊技R終了後のインターバル期間において、タイミング演出(操作演出)が実行されている期間における操作ボタン300の操作タイミングが、押下大成功期間か、押し下げ成功期間か、押し下げ失敗期間かを判別し、その結果に基づいた演出(大成功演出、成功演出、失敗演出)を表示させるための表示用コマンドを設定する。
ボタン入力監視・演出処理(S2107)が実行されると、まず、演出実行中フラグ223xがオンに設定されているかを判別する(S3001)。そして、S3001の処理において、演出実行中フラグ223xがオンであると判別した場合は(S3001:Yes)、次に、現在実行中の大当たりの大当たり種別が大当たりkであるかを判別する(S3002)。S3002の処理において、大当たりkであると判別した場合は(S3002:Yes)、インターバル期間であるか判別し(S3003)、インターバル期間であれば(S3003:Yes)、S3005の処理へ移行する。一方、S3002の処理において、大当たりkではない(即ち、大当たりK,L,M,Nである)と判別した場合(S3002:No)、又はS3003の処理において、インターバル中ではない(即ち、ラウンド遊技R中である)と判別した場合(S3003:No)には、球個数確認処理を実行し(S3004)、本処理を終了する。
ここで、図140を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される球個数確認処理(S3004)について説明する。図140は、球個数確認処理(S3004)を示すフローチャートである。この球個数確認処理(S3004)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図131参照)のボタン入力監視・演出処理(図139のS2107参照)中で実行される処理である。
この球個数確認処理(S3004)は、演出効果を高めるために遊技者に操作される操作ボタン300が押されたか否かの入力を監視し、操作ボタン300の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、操作ボタン300に対する操作が検出されると、上述したように、操作内容に基づいた各種フラグの設定がなされたり、ランプ点灯を実行するための透過用ランプ点灯コマンドを設定したり、それに伴う球個数把握演出(成功演出、失敗演出、不可演出)を表示させるための表示用コマンドを設定したりする。
球個数確認処理(S3004)が実行されると、まず、第1入力フラグ223wcがオンであるかを判別し(S3101)、第1入力フラグ223wcがオンであると判別した場合(S3101:Yes)、透過用ランプ点灯コマンドと、表示用球個数把握関連コマンドとは既に設定されているので、そのまま本処理を終了し、ボタン入力監視・演出処理(S2107)に戻る。
一方、S3101の処理において、第1入力フラグ223wcがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S3101:No)、次に、操作ボタン300の操作(押し下げ)が検出されたかを判別する(S3102)。操作ボタン300の操作(押し下げ)が検出された場合には(S3102:Yes)、球個数把握期間内であるかを判別する(S3103)。
ここで、球個数把握期間は、上述したタイミング演出(操作演出)において、表示ポインタ719がバー表示部717と少なくとも一部が合致する期間を意味する(図88(b)参照)。この球個数把握期間は、表示ポインタ719の大きさ及び動作速度と、バー表示部717の横幅との関係により、長さを調整することができる。
本制御例では、表示ポインタ719が直径3[cm]の円とされ、その動作速度が20[cm/s]とされ、バー表示部717の幅が1[cm]とされる。この場合、球個数把握期間は、表示ポインタ719が4[cm]移動する時間と同じなので、0.2[s]となる。
S3103の処理において、球個数期間内であると判別した場合(S3103:Yes)、表示用球個数把握成功コマンドを設定し(S3104)、透過用ランプ点灯コマンド(強・長)を設定し(S3105)、S3111の処理へ移行する。
ここで、表示用球個数把握成功コマンドが設定されると、貯留流路1231に貯留される球個数の把握を促す表示(例えば、「アタッカーに注目!!」という文字表示)が第3図柄表示装置81において実行され、結果表示態様720として「good」が表示されるとともに、操作ボタン300を模式的に示すボタン表示態様715が押下状態態様へと可変される(図88(b)参照)。
また、透過用ランプ点灯コマンド(強・長)は、少なくとも、4ラウンド目のラウンド遊技Rから5ラウンド目のラウンド遊技Rに亘って、透過用ランプ227ba~227beが点灯されるよう設定される。
一方、S3103の処理において、球個数期間内ではない(即ち、操作ボタン300の操作が表示ポインタ719とバー表示部717とがずれているタイミングで実行された(図89参照))と判別した場合(S3103:No)、表示用球個数把握失敗コマンドを設定し(S3106)、透過用ランプ点灯コマンド(中・長)を設定し(S3107)、S3111の処理へ移行する。
ここで、表示用球個数把握失敗コマンドが設定されると、貯留流路1231に貯留される球個数の把握を促す表示はされず、結果表示態様720として「bad」が表示されるとともに、操作ボタン300を模式的に示すボタン表示態様715が押下状態態様へと可変される(図89参照)。
また、透過用ランプ点灯コマンド(中・長)は、少なくとも、4ラウンド目のラウンド遊技Rから5ラウンド目のラウンド遊技Rに亘って、透過用ランプ227baのみが点灯されるよう設定される。
一方、S3102の処理において、操作ボタン300の操作が検出されていないと判別した場合(S3102:No)、S3108の処理へ移行する。S3108の処理では、限度時間(本制御例では、4ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から3秒間)が経過したかを判別する(S3108)。限度時間が経過したと判別した場合(S3108:Yes)、表示用球個数把握不可コマンドを設定し(S3109)、透過用ランプ点灯コマンド(弱・短)を設定し(S3110)、S3111の処理へ移行する。一方、S3108の処理において、限度時間が経過していない(4ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から3秒未満である)と判別した場合、本処理を終了し、ボタン入力監視・演出処理(S2107)に戻る。
ここで、表示用球個数把握不可コマンドが設定されると、貯留流路1231に貯留される球個数の把握を促す表示はされず、結果表示態様720(図89参照)も表示されず、操作ボタン300を模式的に示すボタン表示態様715も変化しない(図88(a)参照)。
また、透過用ランプ点灯コマンド(弱・短)は、それ以降のラウンド遊技Rにおいて、透過用ランプ227ba~227beが消灯されるよう設定される。
このように、本制御例では、操作ボタン300を操作しないよりも、操作ボタン300を操作した方が、第3図柄表示装置81における表示や、透過用ランプ227bの点灯態様から遊技者が得られる利益が大きくなるように制御される。また、操作ボタン300を操作する場合には、球個数把握期間(本制御例では、0.2秒間)に操作を行う方が、その他のタイミングで操作を行うよりも、第3図柄表示装置81における表示や、透過用ランプ227bの点灯態様から遊技者が得られる利益が大きくなるように制御される。
従って、遊技者が4ラウンド目のラウンド遊技R中に操作ボタン300を操作する操作意欲を向上させることができると共に、その操作に集中させることができる。そして、操作ボタン300の操作は、第3図柄表示装置81により行われる表示に従って実行される。そのため、操作ボタン300を操作しようとしている遊技者の視線を、第3図柄表示装置81に集めることができる。
S3111の処理では、第1入力フラグ223wcをオンに設定する(S3111)。第1入力フラグ223wcは操作ボタン300の操作(または、限度時間の経過)によりオンに設定され、この第1入力フラグ223wcがオンに設定されている間、球個数確認処理(S3004)はスキップされるので(S3101)、球個数確認処理(S3004)において、操作ボタン300の最初の操作(押し下げ)のみが有効とされる。
そのため、遊技者に対して、操作ボタン300をやみくもに連打するような操作態様を避け、操作ボタン300を操作するタイミングを注意深く図るように促すことができる。また、これを促す表示(注意喚起の表示)を第3図柄表示装置81で実行することにより、遊技者が操作ボタン300を連打操作することの抑制を図ることができるので、操作ボタン300の操作回数が早期に耐用回数を超えることを防止することができ、操作ボタン300の耐久性の向上を図ることができる。
S3111の処理が終了すると、本処理を終了し、ボタン入力監視・演出処理(S2107)に戻る。
図139に戻って説明する。S3005の処理では、第2入力フラグ223wdがオンであるかを判別する(S3005)。第2入力フラグ223wdがオンであると判別した場合(S3005:Yes)、表示用操作ボタン関連演出コマンドが既に設定されているので、そのまま本処理を終了し、ボタン入力監視・演出処理(S2107)に戻る。
一方、S3005の処理において、第2入力フラグ223wdがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S3005:No)、操作フラグ223pがオンであるかを判別する(S3006)。操作フラグ223pがオンに設定されていることは(図125のS1405、図132のS2218、S2219を参照)、干渉部材6930を張出状態に状態変化させるための演出(図90及び図91参照)において操作ボタン300の操作(押し下げ)が実行されたことを意味する(図125のS1403を参照)。換言すれば、干渉部材6930の張出状態への状態変化が実行されることを意味する。
操作フラグ223pがオンであると判別した場合には(S3006:Yes)、操作フラグ223pをオフに設定し(S3007)、4ラウンド目のラウンド遊技Rの終了時における貯留カウンタ223nの値から、ラウンド間インターバルの経過時間を0.2で割った値を引いた後に、更に2を引いた値により示される残球個数が4であるか判別する(S3008)。S3008で算出された値は、貯留流路1231に干渉部材6930の上流側に残される球の個数に対応する。
ここで、S3008で算出される値が4となるのは、タイミング演出(操作演出)において、表示ポインタ719dが第2帯部716bと少なくとも一部が上下で合致する位置にある時に操作ボタン300の操作が実行された場合となるように制御される(図90(b)参照)。ここで、表示ポインタ719dが第2帯部716bと、少なくとも一部が上下で合致する位置にある期間は、表示ポインタ719の大きさ及び動作速度と、第2帯部716bの横幅との関係により、長さを調整することができる。
本制御例では、上述したように、表示ポインタ719が直径3[cm]の円とされ、新たに、第2帯部716bの幅が4.2[cm]で設定される。球1個が貯留流路1231から排出されるのに要する期間が0.2秒とされることから、表示ポインタ719が第2帯部716bを通過するのに要する期間を0.1秒とすると、表示ポインタ719の動作速度が、72[cm/s]となる。このように設定した上で、表示ポインタ719は、インターバル期間の開始から0.7秒のタイミングで、その左端が第2帯部716bの右端に到達するように制御される(0.8秒のタイミングで、その右端が第2帯部716bの左端を通過する)。本制御例では、このように制御することで、表示ポインタ719が第2帯部716bと、少なくとも一部が上下で合致する期間を0.1秒に限定することができる。
S3008の処理において、残球個数が4であると判別した場合(S3008:Yes)、表示用操作ボタン大成功演出コマンドを設定し(S3009)、S3014の処理へ移行する。
ここで、表示用操作ボタン大成功演出コマンドが設定されると、遊技者が、タイミング演出(操作演出)の結果として最高の利益を得られることを示す表示が第3図柄表示装置81において実行される(図90(b)参照)。
一方、S3008の処理において、残球個数が4ではないと判別された場合は(S3008:No)、残球個数が5以上であるか判別する(S3010)。ここで、S3010で残球個数が5以上となるのは、タイミング演出(操作演出)において、表示ポインタ719dの全てが、第1帯部716aと上下で合致する位置にある時に操作ボタン300の操作が実行された場合となるように制御される(図91(a)参照)。即ち、インターバル期間の開始から0.7秒が経過する前に操作ボタン300が操作された場合(操作が早すぎた場合)に相当する。
S3010の処理において、残球個数が5以上であると判別した場合は(S3010:Yes)、表示用操作ボタン成功演出コマンドを設定し(S3011)、S3014の処理へ移行する。
ここで、表示用操作ボタン成功演出コマンドが設定されると、遊技者が、タイミング演出(操作演出)の結果として中程度の利益(即ち、最高でもなく、最低でもない利益)を得られることを示す表示が第3図柄表示装置81において実行される(図91(a)参照)。
一方、S3010の処理において、残球個数が5以上ではない(即ち、残球個数が3以下である)と判別された場合(S3010:No)、又は、操作フラグ223pがオンに設定されずに限度時間(本制御例では、1.5秒)が経過した場合には(S3012:Yes)、表示用操作ボタン失敗演出コマンドを設定し(S3013)、S3014の処理へ移行する。
ここで、S3010で残球個数が3以下となるのは、タイミング演出(操作演出)において、表示ポインタ719dの全てが、第3帯部716cと上下で合致する位置にある時に操作ボタン300の操作が実行された場合となるように制御される(図91(b)参照)。即ち、インターバル期間の開始から0.8秒が経過した後で操作ボタン300が操作された場合(操作が遅すぎた場合)、又は、操作ボタン300の操作が行われなかった場合に相当する。
ここで、表示用操作ボタン失敗演出コマンドが設定されると、遊技者が、タイミング演出(操作演出)の結果として最低の利益を得られることを示す表示が第3図柄表示装置81において実行される(図91(b)参照)。
このように、本制御例では、操作ボタン300を操作しないよりも、操作ボタン300を操作した方が、遊技者が得られる利益が大きくなり、それに伴い第3図柄表示装置81における表示も変化するように制御される。また、操作ボタン300を操作する場合には、残球個数が4となるタイミング(インターバル期間の開始から0.7秒が経過してから0.8秒が経過するまで)で操作を行うことで最高の利益を得られ、そのタイミングよりも前であれば中程度の、そのタイミングよりも後であれば最低の利益を得られるように制御される。
従って、遊技者が4ラウンド目のラウンド遊技Rの直後のインターバル期間において操作ボタン300を操作する操作意欲を向上させることができると共に、その操作ボタン300の操作態様を選択できるように構成される。
即ち、遊技者が、少なくとも中程度の利益を得たいと考える場合には、インターバル期間の開始直後に操作ボタン300を押すことで、危うげなく中程度の利益を得ることができる(安定的に利益中)。その一方、最高の利益を得たいと考える場合には、少しでも操作が遅れれば中程度の利益も得られず最低の利益を得ることになるので、その不利益を考慮して操作を行うことを強いられる(利益が不安定で変動大)。
このように、操作ボタン300の操作態様を異ならせることで、遊技者は、安定して中程度の利益が得られる方か、不安定であるが最高の利益を得られる方かを、選択することができる。
従って、操作ボタン300の操作に集中させることができる。そして、操作ボタン300の操作は、第3図柄表示装置81により行われる表示に従って実行される。そのため、操作ボタン300を操作しようとしている遊技者の視線を、第3図柄表示装置81に集めることができる。
S3014の処理では、第2入力フラグ223wdをオンに設定する(S3014)。第2入力フラグ223wdは操作ボタン300の操作(または、限度時間の経過)によりオンに設定され、この第2入力フラグ223wdがオンに設定されている間、ボタン入力監視・演出処理(S2107)はスキップされるので(S3005)、ボタン入力監視・演出処理(S2107)において、操作ボタン300の最初の操作(押し下げ)のみが有効とされる。
そのため、遊技者に対して、操作ボタン300をやみくもに連打するような操作態様を避け、操作ボタン300を操作するタイミングを注意深く図るように促すことができる。また、これを促す表示(注意喚起の表示)を第3図柄表示装置81で実行することにより、遊技者が操作ボタン300を連打操作することの抑制を図ることができるので、操作ボタン300の操作回数が早期に耐用回数を超えることを防止することができ、操作ボタン300の耐久性の向上を図ることができる。
以上詳述した本制御例によれば、以下の優れた効果を奏する。
貯留流路1231の内部の視認性を、透過用ランプ227ba~227beの点灯態様により変化させるようにした。これにより、貯留流路1231に貯留された球の個数や、干渉装置6900の動作態様の把握のし易さを変化させることができる。
貯留流路1231の内部の視認性を高く維持するためには、貯留流路1231から視線を外し液晶表示装置(第3図柄表示装置81)に注目し、タイミング演出(操作演出)に参加する必要がるように構成した。これにより、遊技者の視線が第1可変入賞装置6000に集中したまま大当たり遊技が終了する事態が生じることを抑制することができる。
更に、タイミング演出(操作演出)で遊技者が操作ボタン300を操作した結果、貯留流路1231が透過状態となった場合において、貯留流路1231が配設される第1可変入賞装置6000に注目するように促す表示をするように構成した。これにより、液晶表示装置(第3図柄表示装置81)に注目した遊技者の視線が、必要な時に貯留流路1231へ移されるように促すことができる。
液晶表示装置(第3図柄表示装置81)には、貯留流路1231に貯留された球の個数範囲が把握できるように丸印を表示した。これにより、遊技者は、液晶表示装置を視認することで、貯留流路1231の内部の状態を予想し易くなり、規定個数の入賞までに、あと何球発射するべきかの判断を行いやすくすることができる。従って、球の発射態様を容易に選択することができる。
液晶表示装置(第3図柄表示装置81)で行うタイミング演出(操作演出)として、遊技者に対して異なった質(本制御例では、貯留流路1231の視認性に関するものと、賞球の払い出しに直結するもの)の利益を付与するタイミング演出(操作演出)が連続で実行される場合に、遊技者にとって最高の利益を付与する操作タイミングが、遊技者にとって同じタイミング(類似のタイミング)として把握されるように構成した。これにより、先のタイミング演出(操作演出)から後のタイミング演出(操作演出)への移行が即座に生じた場合であっても、遊技者に違和感なく操作を実行させることができる。
大当たり種別により、所定のラウンド遊技R(6ラウンド目のラウンド遊技R)において、貯留流路1231から球が排出される場合(第20の作動パターン、動作シナリオ5)と、排出されない場合(第21の作動パターン、動作シナリオ6)とが生じるように構成した。これにより、大当たり種別により、所定のラウンド遊技Rにおける超過入賞の発生の有無を規定することができる。
大当たり種別により、所定のラウンド間インターバル期間(例えば、4ラウンド目と5ラウンド目の間のインターバル期間)を異ならせることにより、そのラウンド間インターバル期間の直後のラウンド遊技Rにおける貯留流路1231の内部状態(貯留球数)が変化するように構成した。これにより、ラウンド遊技Rにおける第1特定入賞口1000a、干渉部材6930及び特定領域4830の状態変化の態様が同一であっても、ラウンド遊技の進行態様を変化させることができる。
所定のラウンド遊技R(本制御例では、4ラウンド目のラウンド遊技R)を、規定個数(本制御例では、10個)とは異なる個数(本制御例では、9個)の球を第1特定入賞口1000aに入球させた状態で終了させることにより、その次のラウンド遊技R(本制御例では、5ラウンド目のラウンド遊技R)において遊技者が得られる利益が最大化するように構成した。これにより、遊技者が大当たり遊技を漫然と消化することを抑制することができる。
第1特定入賞口1000aが閉状態となることに伴って球が特定領域4830へ向けて流下する構成において、干渉部材6930が張出状態を維持する間、第1特定入賞口1000aに規定個数の球が入球不能となるように構成した。これにより、干渉部材6930の動作態様により、ラウンド遊技Rの終了に伴い第1特定入賞口1000aが閉状態となるタイミングを規定することができ、第1特定入賞口1000aの上流への球の到達タイミングと、ラウンド遊技Rの終了のタイミングとを解離させることができる。即ち、干渉部材6930の動作態様に基づいて、ラウンド遊技Rの終了に伴い第1特定入賞口1000aが閉状態となるタイミングを規定することができる。
第1特定入賞口1000aの開状態において、第1特定入賞口1000aの上流側に球を整列した状態で滞留させ易く構成され、この滞留した球は、第1特定入賞口1000aが閉状態に状態変化するタイミングで第1特定入賞口1000aへ向けて流下するように構成される。これにより、滞留した複数の球を第1特定入賞口1000aにまとめて入球可能にすることができ、超過入賞が発生する可能性を上昇させることができる。
加えて、超過入賞の個数を規定可能に構成される。これにより、超過入賞個数が過多となり、遊技性に支障をきたすことを防止することができる。
更に、超過入賞の発生の有無は、第1特定入賞口1000aの下流に配置される干渉部材6930の動作態様により規定可能に構成され、干渉部材6930の動作態様は大当たり種別に基づいて予め規定される。これにより、第1特定入賞口1000aの上流側に同様に球を滞留させたとしても、超過入賞が生じる場合と、超過入賞が生じない場合とを、大当たり種別に基づき切り替えることができる。
操作ボタン300の操作タイミングに基づいて、ラウンド遊技Rで遊技者が得られる利益(例えば、貯留流路1231の内部の視認性や、貯留流路1231から排出される排出球数、又、それに基づく特定領域4830への球の入球の発生の有無や、ラウンド遊技Rにおける最大入球個数)が変化するように構成した。これにより、タイミング演出(操作演出)に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
操作ボタン300の操作タイミングに基づいて、遊技者が得られる2種類の利益がシーソーするように構成し、遊技者が得られる利益の態様を遊技者が把握できるように、表示装置(第3図柄表示装置81)で表示するように構成した。これにより、表示装置の表示を視認した遊技者は、優先的に得たい利益に基づいて、操作タイミングを選択して操作ボタン300を操作することで、操作タイミングにあった利益を得ることができるので、タイミング演出(操作演出)に対する参加意欲を上昇させることができる。
次いで、図141から図143を参照して、第2の制御例について説明する。まず、図141を参照し、第2の制御例における第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。
図141に示した通り、特別図柄1に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲には、「大当たりP」が対応付けられて規定されている。この「大当たりP」は、ラウンド数が6ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりP」となるカウンタ値は50個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりP」が決定される割合は50%(50/100)である。
この「大当たりP」は、ラウンド数として6ラウンドが設定され、大当たり終了後に、特別図柄および普通図柄が高確率状態へ移行する。本制御例では、特別図柄が高確率状態へ移行してから、低確率状態へ移行するまでに、少なくとも1回の大当たりが確定するように制御される。そのため、1回の大当たりが開始してから遊技状態が通常状態に戻るまでに遊技者が獲得可能な出球(期待出球)の面で有利な大当たり種別となる。
また、特別図柄1に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲には、「大当たりQ」が対応付けられて規定されている。この「大当たりQ」は、ラウンド数が6ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりQ」となるカウンタ値は50個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりQ」が決定される割合は50%(50/100)である。
この「大当たりQ」は、ラウンド数として6ラウンドが設定され、その大当たり終了後に、普通図柄の時短状態が100回付与される。
一方、第2特別図柄に対しては、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~99」の範囲(全範囲)には、「大当たりm」が対応付けられて規定されている。この「大当たりm」は、ラウンド数が6ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりm」となるカウンタ値は100個なので、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりm」が決定される割合は100%である。
この「大当たりm」は、ラウンド数として6ラウンドが設定され、その大当たり終了後に、特別図柄および普通図柄が高確率状態へ移行する。本制御例では、特別図柄が高確率状態へ移行してから、低確率状態へ移行するまでに、少なくとも1回の大当たりが確定するように制御される。そのため、1回の大当たりが開始してから遊技状態が通常状態に戻るまでに遊技者が獲得可能な出球(期待出球)の面で有利な大当たり種別となる。
つまり、特別図柄1と特別図柄2とは、大当たり遊技のラウンド数は同じであるが,大当たり終了後に付与される特典(普通図柄の高確率状態または特別図柄の高確率状態)が、特別図柄2の方が有利となる(高確率状態へ移行し易くなる)ように規定されている。
このように、本制御例では、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に対して、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合のほうが、遊技者に有利となる高確率状態へ移行し易くなる構成としている。よって、一旦連荘モード(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)が設定されると、右打ちにより第2入球口640へと入球させることにより、特別図柄2の抽選が実行され易くなる状態と、大当たり遊技とが繰り返され易くなる。このため、遊技者に対して、連荘モードへと移行させることを一つの目的として遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、6ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、大当たり種別に対応して作動パターンが異なるように制御されることについて、図142を参照して説明する。なお、本制御例では、第9実施形態で上述した第1可変入賞装置9000(図66参照)で説明を行う。
図142(a)は、第22の作動パターンにおける開閉板8300及び補助開閉部材8340の計時変化を示した図であり、図142(b)は、第23の作動パターンにおける開閉板8300及び補助開閉部材8340の計時変化を示した図であり、図142(c)は、第24の作動パターンにおける開閉板8300及び補助開閉部材8340の計時変化を示した図である。
本制御例では、大当たりPの6ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、第22の作動パターンで開閉板8300及び補助開閉部材8340が駆動され、大当たりQの6ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、第23の作動パターンで開閉板8300及び補助開閉部材8340が駆動され、大当たりmの6ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、第24の作動パターンで開閉板8300及び補助開閉部材8340が駆動される。
図142(a)に示すように、第22の作動パターンでは、開閉板8300及び補助開閉部材8340が開状態で維持され(即ち、規制部材1600が貯留状態で維持され)、ラウンド遊技Rの開始から待機時間TK(本制御例では、8秒間)経過後に、干渉部材6930が、退避状態から張出状態へ状態変化する。
なお、干渉部材6930は、ラウンド遊技Rの終了により(待機時間TKの前にラウンド遊技Rが終了した場合にはスキップされ)、退避状態に戻る。ここで、ラウンド遊技Rは、規定個数(本制御例では、10個)の球の通過が第1特定入賞口1000aで検出されるか、又は、ラウンド遊技Rの最大時間(本制御例では、30秒)が経過することにより、終了する。
第22の作動パターンで開閉板8300及び補助開閉部材8340が駆動制御される大当たりPの6ラウンド目のラウンド遊技Rでは、待機時間TKが経過する前に規定個数(本制御例では、10個)の球が第1特定入賞口1000aに入球した場合には待機時間TKを待たずにラウンド遊技Rが終了する。
一方、待機時間TKが経過する前に規定個数の球が第1特定入賞口1000aに入球しなかった場合、干渉部材6930が張出状態なり、貯留流路1231に10個の球を貯留できなくなることから、第1特定入賞口1000aに規定個数の球を入球させることができなくなり、ラウンド遊技Rに要する時間が、第1の作動時間T1の最大値(30秒間)となる。
待機時間TK(本制御例では、8秒)は、5ラウンド目のラウンド遊技Rの終了から、ラウンド間インターバルにおいても球の発射を止めず、6ラウンド目のラウンド遊技Rの開始後も球の発射を継続することで、第1特定入賞口1000aに規定個数(本制御例では、10個)の球が十分到達可能な期間として設定される。なお、本制御例では、球の発射が0.6秒間隔で実行される。
一方、例えば、5ラウンド目のラウンド遊技Rの終了からラウンド間インターバルの間、球の発射を停止し、6ラウンド目の開始に合わせて球の発射を開始した場合には、発射された球が第1特定入賞口1000aに到達するまでの時間(約4.0秒間)との兼ね合いから、待機時間TKの経過までに規定個数(本制御例では、10個)の球を第1特定入賞口1000aに通過させることができない。
従って、6ラウンド目のラウンド遊技Rの直前のラウンド間インターバルで球の発射を停止した場合の方が、ラウンド間インターバルで球の発射を継続した場合に比較して、6ラウンド目のラウンド遊技Rに要する時間が長くなるように構成することができる。これにより、ラウンド間インターバルにおいて球の発射を停止する遊技態様を抑制することができる。
図142(b)に示すように、第23の作動パターンでは、開閉板8300が開状態で維持され(即ち、規制部材1600が貯留状態で維持され)る一方、待機時間TKが経過する前において、補助開閉部材8340のみが複数回開閉する(図74に示すように、片側開閉する)ように駆動制御される。即ち、0.025秒だけ駆動(励磁)が解除される制御を、複数回実行する。
なお、ラウンド遊技Rの開始から待機時間TK(本制御例では、8秒間)経過後に、干渉部材6930が、退避状態から張出状態へ状態変化することは、第22の作動パターンと同様である。
本作動パターンによれば、開閉板8300に乗った球が全て第1特定入賞口1000aに入球するのではなく、一部の球は補助入球口9111へ向けて流下するので、第22の作動パターンよりも、待機時間TK(本制御例では、8秒間)が経過する前に規定個数(本制御例では、10個)の球が第1特定入賞口1000aを通過し難くすることができる。
そのため、高い確率で、6ラウンド目のラウンド遊技Rを長時間(30秒間)とすることができる。一方、第22の作動パターンとは異なり、補助入球口9111への入球が生じることで賞球の払い出しを受けることができるので、第23の作動パターンよりも、賞球の払い出し個数を多くすることができる。
図142(c)に示すように、第24の作動パターンでは、開閉板8300が開状態で維持され(即ち、規制部材1600が貯留状態で維持され)る一方、待機時間TKが経過する前後において、補助開閉部材8340のみが複数回開閉する(図74に示すように、片側開閉する)ように駆動制御される。即ち、0.025秒だけ駆動(励磁)が解除される制御を、複数回実行する。
なお、ラウンド遊技Rの開始から待機時間TK(本制御例では、8秒間)経過後に、干渉部材6930が、退避状態から張出状態へ状態変化することは、第22の作動パターン及び第23の作動パターンと同様である。
本作動パターンでは、開閉板8300に乗った球が全て第1特定入賞口1000aに入球するのではなく、一部の球は補助入球口9111(図66参照)へ向けて流下するので、第23の作動パターンと同様、規定個数(本制御例では、10個)の球が第1特定入賞口1000aを通過することによりラウンド遊技Rが終了する確率を低くすることができる。
そのため、高い確率で、6ラウンド目のラウンド遊技Rを長時間(30秒間)とすることができる。一方、第23の作動パターンとは異なり、待機時間TKの経過後も補助入球口9111(図66参照)へ球を入球させることができるので、第23の作動パターンよりも、長い期間に亘って、補助入球口9111への入球に起因する賞球の払い出しを発生させることができる。従って、第23の作動パターンに比較して、より多くの賞球の払い出しを生じさせることができる。
本作動パターンでは、干渉部材6930が張出状態とされた後も、片側開閉が生じるように制御される。即ち、貯留流路1231が球で満たされ(満タンとされ)、球が検出センサ1240の上流側に滞留する(図66参照)ようになった後も、片側開閉が生じるので、球の配置が不特定な場合に比較して、片側開閉時に球を補助入球口9111に案内し易くすることができる。
次に、図143(a)及び図143(b)を参照して、6ラウンド目のラウンド遊技Rにおける表示について説明する。図143(a)及び図143(b)は、6ラウンド目のラウンド遊技Rが実行されていることを第3図柄表示装置81で報知する表示内容の一例を示す模式図である。
なお、図143(a)では、大当たり種別が「大当たりP」又は「大当たりQ」の場合の6ラウンド目のラウンド遊技Rの表示の一例、又は「大当たりm」の場合の6ラウンド目のラウンド遊技Rにおける待機時間TKの経過前の表示の一例を示した模式図が図示され、図143(b)では、大当たり種別が「大当たりm」の場合の6ラウンド目のラウンド遊技Rにおける待機時間TKの経過後の表示の一例を示した模式図が図示される。
即ち、大当たり種別が「大当たりP」又は「大当たりQ」の場合には、図143(a)に示す表示がラウンド遊技Rに亘り維持されるように表示用コマンドが設定され、大当たり種別が「大当たりm」の場合には、図143(a)に示す表示が維持されるように表示用コマンドが設定されてから、待機時間TKの経過後に図143(b)に示す表示に切り替えられ、その後、ラウンド遊技Rの終了まで図143(b)に示す表示が維持されるように表示用コマンドが設定される。
図143(a)及び図143(b)に示す通り、第3図柄表示装置81には、現在のラウンド数を表示するラウンド数表示部714が6ラウンド目のラウンド遊技R中であることを示す態様で画面左上に表示され、そのラウンド数表示部714の下方に、ラウンド遊技Rにおいて追加の賞球が期待できる期間であることを表示するサブラウンド表示部714bが表示される。
図143(a)では、ラウンド数表示部714が発光表示(明るく表示)される一方、サブラウンド表示部714bは消灯表示(暗く表示)され、図143(b)では、逆に、ラウンド数表示部714が消灯表示(暗く表示)される一方、サブラウンド表示部714bが発光表示(明るく表示)される。
即ち、本制御例では、第1特定入賞口1000aへの入球に伴う賞球の払い出しが主である期間において、図143(a)に示す態様の表示により、ラウンド遊技Rが実行されていることを遊技者に報知することに加え、待機時間TKの経過後において、第1特定入賞口1000aへの入球に伴う賞球の払い出しが望めなくなるものの、補助入球口9111への入球による賞球の払い出しが期待できる期間が継続されていることを遊技者に認識させることができる。
ここで、サブラウンド表示部714bに表示を変更することにより、入球により遊技者が得られる実質的な利益の変化を遊技者が認識し易くすることができる。即ち、補助入球口9111へ1個の球が入球したことによる賞球の払い出しは、上述したように3個であり、第1特定入賞口1000aに球が入球した場合の1/5である。この、入球個数に対する賞球個数の変化を、遊技者に容易に認識させることができる。
また、補助入球口9111へ球が流れるのは、補助開閉部材8340が開放される短時間の間に開閉板8300と補助開閉部材8340との間に球が配置されていた場合のみであり、補助開閉部材8340が開放される度に必ず球が補助入球口9111へ流れるわけでは無い。
従って、サブラウンド表示部714bが発光表示(明るく表示)している期間における補助入球口9111への球の入球頻度は、ラウンド数表示部714が発光表示(明るく表示)している期間における第1特定入賞口1000aへの球の入球頻度に比較して、低い。
このように、本制御例によれば、ラウンド遊技Rの期間が終了していないことを報知しながら、遊技者が得られる利益(球1個の入球で払い出される賞球の変化や、球の入球の頻度)に変化が生じていることを同時に報知することができる。
図143(b)に示す6ラウンド目のラウンド遊技Rにおける表示の一例では、上述した超過入賞可能性上昇報知態様721として「+チャンス」の文字が表示される。この「+チャンス」の文字は、本制御例では、球を発射することにより補助入球口9111への入球が生じる可能性があり、補助入球口9111への球の入球により賞球の払い出しを受けることができることに対応する。
このように、本制御例では、ラウンド遊技Rにおいて補助入球口9111に球が入球することに起因して追加の賞球を払い出すように制御される。そのため、ラウンド遊技Rにおいて、規定個数(本制御例では、10個)の球が第1特定入賞口1000aに入球したことで遊技者に払い出される賞球個数(本制御例では、150個)を超える個数の賞球(超過賞球)が、払い出され得る。
特に、第24の作動パターンでは、待機時間TKの経過後も、補助入球口9111に入球する可能性が高く、他の第22の作動パターン、第23の作動パターンに比較して、遊技者に払い出される賞球の個数が多くなり得る。一方で、本制御例における作動パターンでは、干渉部材6930の駆動態様は同一とされる。
即ち、本制御例における第22の作動パターンから第24の作動パターンでは、干渉部材6930の駆動態様は同一としながら、遊技者に払い出される賞球個数に差を設けることができる。
なお、補助入球口9111への入球の最大回数は、ラウンド遊技Rにおいて補助開閉部材8340が開閉動作する回数に対応するので、補助開閉部材8340の開閉動作する回数の設定により、上述の超過賞球の個数を調整することができる。
以上詳述した本制御例によれば、以下の優れた効果を奏する。
ラウンド間インターバル期間において、球の発射を停止した場合の方が、ラウンド間インターバル期間において球の発射を継続した場合に比較して、次のラウンド遊技Rに要する期間が長くなり易く構成した。これにより、ラウンド間インターバル期間において球の発射を停止する遊技態様を抑制することができる。
開閉板8300及び補助開閉部材8340の駆動態様により(即ち、上述した「片側開閉」が生じるか否かにより)、ラウンド遊技Rにおいて遊技者に払い出される賞球個数を積極的に変化させることができる。換言すると、開閉板8300及び補助開閉部材8340に到達した球が、その下流において、第1特定入賞口1000aを通過するのか、補助入球口9111を通過するのかを、開閉板8300及び補助開閉部材8340の駆動態様により切り替えることができる。
これにより、補助入球口9111に球が案内されやすいタイミングと、補助入球口9111に球が案内され難いタイミングとを区分けして構成することができる。そのため、例えば、ラウンド遊技Rの期間中において補助入球口9111に球が案内されやすいタイミングを一部の期間に密集させることができる。この場合、循環動作する可動物に到達した球が、到達順に振り分けられて、到達球数の内の所定個数が入賞口(補助入球口9111に相当する入賞口)に案内される場合に比較して、補助入球口9111付近の注目力を向上させることができる。
即ち、補助入球口9111に球が案内されやすいタイミングには球を発射し、それ以外のタイミングでは球の発射を停止することで、払い出し個数に対する発射球数を減少させることができる。
一方で、補助入球口9111への入賞を狙って球を発射するべきタイミングを大当たり種別に基づいて異ならせるように構成した。これにより、遊技者に対して大当たり遊技ごとに球の発射態様を変化させることを要求することができるので、遊技者が、漫然と大当たり遊技を行うことを防止し易くすることができる。また、大当たり種別を把握し難くすることで、攻略法の発生を未然に防ぐことができ、特定の遊技者(経験豊富な遊技者)に過大な利益(例えば、発射球数よりも払い出し球数が多くなること)が生じることを防止することができる。
補助入球口9111は、開閉板8300が非駆動(非励磁)の時には球が案内されない(案内され難い)位置に配置される。これにより、開閉板8300及び補助開閉部材8340が駆動していないタイミングにおいて補助入球口9111に球が案内される場合に比較して、遊技者の遊技に対する集中力を向上させることができる。
ラウンド遊技Rにおいて、第1可変入賞装置9000に到達した球の個数に対する賞球の払い出し個数についての期待値の変化を、表示装置(第3図柄表示装置81)の表示から遊技者が把握し易いように構成した。これにより、同じラウンド遊技Rの継続中に、表示装置の表示から、球の発射を継続するか、球の発射を停止するかを、遊技者が任意に選択し易くすることができる。
次いで、図144から図148を参照して、第3の制御例について説明する。まず、図144を参照し、第3の制御例におけるROM202について説明する。図144は、第3の制御例における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。ROM202には、第1当たり乱数テーブル202aと、第2当たり乱数テーブル202cと、第1当たり種別選択テーブル202bと、変動パターン選択テーブル202dと、開閉板および干渉部材動作シナリオ記憶領域202eと、開閉板および干渉部材動作シナリオテーブル202fとに加え、小当たり種別選択テーブル202gが少なくとも設けられている。
この小当たり種別選択テーブル202gは、第1入球口64または第2入球口640への遊技球の入球に基づいて小当たりとなった場合に、その小当たり種別を選択するために用いられるものである。
図145を参照して、第1当たり乱数テーブル202aの内容について説明する。図145(a)から図145(c)は、第1当たり乱数テーブル202aの内容を模式的に示した模式図である。
第1当たり乱数テーブル202aは、図145(a)に示す通り、第1入球口64へ遊技球が入球することにより取得される第1当たり乱数カウンタC3の値が、大当たりであるか否かを判別するための特別図柄1乱数テーブル202a1と、第2入賞口640へ遊技球が入球することにより取得される第1当たり乱数カウンタC3の値が、大当たりであるか否かを判別するための特別図柄2乱数テーブル202a2とが設定されたテーブルである。
具体的には、特別図柄1乱数テーブル202a1は、図145(b)に示す通り、第1入球口64への入球に基づく、第1特別図柄の抽選において、当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。第1特別図柄の抽選では、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「0」であるかが判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「1~3」であるか判別されて、「1~3」であれば小当たりであると判別される。その他、「4~319」の値であると判別された場合は、外れであると判別される。
一方、特別図柄2乱数テーブル202a2は、図145(c)に示す通り、第2入賞口640への入球に基づく、第2特別図柄の抽選において、当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。第2特別図柄の抽選では、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「0」であるかが判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「1~318」であるか判別されて、「1~318」であれば小当たりであると判別される。その他、「319」であると判別された場合は、外れであると判別される。
このように、本制御例のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC3は、0~319の範囲の、2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC3において、第1入球口64への入球に基づく第1特別図柄の抽選時に、第1特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個であり、乱数値の総数が320ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、第1特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/320」となる。また、小当たりとなる乱数値の総数は3であるので、第1特別図柄の小当たりとなる確率は「3/320」となる。
一方で、第2入賞口640への入球に基づく第2特別図柄の抽選時に、第2特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個であり、乱数値の総数が320ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、第2特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/320」となる。また、小当たりとなる乱数値の総数は318であるので、第2特別図柄の小当たりとなる確率は「318/320」となる。
なお、上述の各実施形態または各制御例と同じく、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが所定時間だけ開放される。
本実施形態における電動役物640aは、時短中の場合は5秒間又は0.5秒間開放されるが、時短中でない場合は0.2秒間しか開放されない。よって、時短中でない場合に第2当たり乱数カウンタC5の値が当たりとなったとしても、第2入賞口640へと遊技球を入賞させることが困難となされる。これにより、時短中でない(時短有りの大当たりを現出させていない)にも関わらず、第2入賞口640へと入球させようとする遊技を抑制することができる。
図146は、第1当たり種別選択テーブル202bの内容を模式的に示した模式図である。第1当たり種別選択テーブル202b(図146参照)は、上述と同様に、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC4の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC4の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC4の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC4の値が「0~49」の範囲には、大当たりRが対応付けられて規定されている(図146の202b21参照)。
大当たりRとなった場合は、16ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後の遊技状態が、特別図柄の変動が100回消化されるまで、時短状態(100回)となる。この場合、遊技者は、約2400個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC4の値が「50~99」の範囲には、大当たりSが対応付けられて規定されている(図146の202b22参照)。
大当たりSとなった場合は、16ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後の遊技状態が、通常状態となる。この場合、遊技者は、約2400個の賞球の払い出しを受けることができるが、大当たり遊技終了後の時短状態の利益を得ることはできない。
特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)に基づく大当たりでは、50%の確率で大当たり遊技の終了後の遊技状態を時短状態とすることができる。時短中は、後述する小当たり遊技により、更なる大当たりの獲得を目指すことになる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC4の値が「0~9」の範囲には、大当たりnが対応付けられて規定されている(図146の202b23参照)。この大当たりnは、上述の大当たりRと同様の利益を遊技者に与えるものである。
即ち、16ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後の遊技状態が、特別図柄の変動が100回消化されるまで、時短状態(100回)となる。この場合、遊技者は、約2400個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC4の値が「10~99」の範囲には、大当たりpが対応付けられて規定されている(図146の202b24参照)。この大当たりpは、上述の大当たりnと同様の賞球の払い出しを遊技者に与えながら、時短遊技の変動回数に違いが設けられている。
即ち、16ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後の遊技状態が、特別図柄の変動が4回消化されるまで、時短状態(4回)となる。この場合、遊技者は、約2400個の賞球の払い出しを受けることができる。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で生じる大当たりは、10割の確立で時短状態へ移行する。従って、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に比較して、大当たり遊技終了後に短時間で次の大当たりを獲得する可能性が上昇する。
上述した通り、特別図柄の時短中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間が長くなる(5秒間または0.5秒間)ように設定される。よって、第2入賞口640へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。そして、特別図柄2の抽選で大当たりとなると、その大当たり終了後は時短状態となるので、更に特別図柄2の抽選による大当たりを獲得し易くなる。
従って、一旦特別図柄の時短状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりGとなりやすい特別図柄の時短状態が繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の時短状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本制御例では、貯留流路1231に貯留される球の個数と、特別図柄の保留個数とが関連して、球が特定領域4830(本制御例において、球の通過により次の大当たりが確定する領域、図51参照)を通過するか否かが決定されるが、詳細は図148で後述する。
次に、図147を参照して、小当たり種別選択テーブル202gの内容について説明する。図147(a)から図147(c)は、小当たり種別選択テーブル202gの内容を模式的に示した模式図である。
小当たり種別選択テーブル202gは、第1入球口64に基づく小当たりの、小当たり種別を選択するための特別図柄1小当たり選択テーブル202g1と、第2入賞口640に基づく小当たりの、小当たり種別を選択するための特別図柄2小当たり選択テーブル202g2とを有している(図147(a)参照)。
図147(b)に示すように、第1入球口64に基づく小当たり時には、小当たり種別カウンタC6の値が、「0~1」の場合は小当たりAが選択され、「2~99」の場合は小当たりBが選択される。
一方、図147(c)に示すように、第2入賞口640に基づく小当たり時には、第1当たり種別カウンタC6の値が、「0~9」の場合は小当たりAが選択され、「10~99」の場合は小当たりBが選択される。
本制御例では、小当たり種別に応じて、開閉板1300の動作が設定される(図148参照)。詳細は後述するが、小当たりAは、特定領域4830を遊技球が通過することで大当たりが高い確率で付与される小当たりであり、小当たりBは高い確率で大当たりが付与されない小当たりである。
また、本制御例では、小当たりA及び小当たりBの後に付与される大当たりは大当たりG(16R時短有大当たり)となるように構成されている。
なお、本実施形態では、小当たりの種別に応じて、その後付与される大当たりの種別が定められているが、それ以外の仕様として、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合であっても、大当たり選択テーブルによって大当たりの種別を決定(大当たりの権利のみ獲得)しておき、その後の小当たり遊技において特定領域4830を遊技球が通過することで先ほど権利を獲得した大当たりを実行するようにしてもよい。このようにすることで、特定領域4830を通過させる小当たりを遊技者が選択可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
図148は、小当たりAにおける開閉板1300、ソレノイド1510及び振分装置4850の計時変化および小当たりBにおける開閉板1300、ソレノイド1510及び振分装置4850(図51参照)の計時変化を示した図である。なお、振分装置4850の動作は、小当たりAも小当たりBも同様とされる。
なお、図148では、開閉板1300の動作タイミングと、ソレノイド1510の駆動のタイミングのずれについての図示が省略され、同時点で動作開始するものとして図示される。
まず、小当たりAにおける動作の概要を説明する。小当たりAでは、小当たりの開始から、1.0秒間にかけて開閉板1300が開状態で維持されるようにソレノイド1510が駆動(励磁)され、1.0秒が経過したら、ソレノイド1510の駆動(励磁)が解除される。励磁の解除から0.2秒後、再びソレノイド1510が駆動(励磁)され、開閉板1300が0.6秒間開状態で維持された後、ソレノイド1510の駆動(励磁)が解除される。
次に、小当たりBにおける動作の概要を説明する。小当たりBでは、小当たりの開始から1.8秒間にかけて開閉板1300が開状態で維持されるようにソレノイド1510が駆動(励磁)され、1.8秒が経過したら、ソレノイド1510の駆動(励磁)が解除される。
このように、小当たりAと、小当たりBとは、小当たり遊技の時間自体は同一(1.8秒)としながら、小当たり遊技中に開閉板1300が閉状態となるか否かが異なる。
本制御例では、小当たり遊技の終了後に即座に小当たり遊技が開始される場合、即ち、特別図柄の保留球数が残っており、小当たり遊技が連続で発生する場合、小当たり遊技間において開閉板1300が閉状態で維持される期間は最短で0.4秒間に設定される。そのため、上述の態様で、小当たり遊技が連続で発生する場合、貯留流路1231(図51参照)に2個以上の球が貯留されていたとしても、小当たり遊技間に排出口1150から排出される球の個数は2個に限定される。従って、前の小当たり遊技において貯留流路1231に入球した球が、次の小当たり遊技の最中にも貯留流路1231に残存し得る。
振分装置4850の動作態様について説明する。振分装置4850は、小当たり遊技の開始時にソレノイド1510が駆動(励磁)開始されてから、2.0秒経過するまでは振分動作部材4851を閉塞位置に維持し、2.0秒間経過したら振分動作部材4851を開放位置に移動し0.5秒間維持し、0.5秒間経過したら再び振分動作部材4851を閉塞位置に戻す。また、振分装置4850は、小当たり遊技の開始時にソレノイド1510が駆動(励磁)開始されてから、3.2秒経過後に振分動作部材4851を開放位置に移動し0.5秒間維持し、0.5秒間経過したら再び振分動作部材4851を閉塞位置に戻す態様で、ソレノイド4852が駆動(励磁)される。
即ち、1回の小当たり遊技に対して、2回、振分動作部材4851が開放位置に移動する。1回目の移動は、小当たりAにおいて開閉板1300が閉状態となってから1秒(排出口1150を通過した球が振分動作部材4851に到達するまでに経過する時間に相当)後に相当する。
このことから、小当たりAで開閉板1300が駆動される場合に、予め貯留流路1231に球が残っていた場合、この1回目の振分動作部材4851の移動時に球を特定領域4830へ通過させることができる。一方で、小当たりAが生じる確率は、特別図柄2の場合で10%であるので、このタイミングで特定領域4830へ球を通過させることを頻繁に生じさせることは困難である。
振分動作部材4851の2回目の移動は、小当たり遊技の終了時から1.4秒(排出口1150を通過した2個目の球までが振分動作部材4851を通過した直後に相当)後に相当する。即ち、2回目の移動は、小当たり遊技の終了時に貯留流路1231から排出された球が2個までであれば、球を特定領域4830へ入球させない態様である。
即ち、本制御例によれば、時短遊技中に小当たりBのみが繰り返し実行される場合において、特別図柄2の保留球数が0にならなければ、球が特定領域4830を通過することは無いように構成することができる。
これにより、時短遊技中に小当たりBのみが繰り返し実行される場合において、球が特定領域4830を通過するタイミングを、特別図柄2の保留球数が0となった時に限定することができる。この場合、保留球数が0とならないように第2入球口640に球を継続して入れる遊技により払い出される賞球により、時短遊技においてまとまった払い出し賞球を得ることができる。
一方、第2入球口640に球を入れ続けている間は特定領域4830に球を通過させることは困難であるので、次の大当たりを獲得する(特定領域4830に球を通過させる)ために、遊技者は、時短遊技において第2特別図柄の保留球数を0にするタイミングを作る必要が生じる。これにより、時短遊技において、残り時短回数が少なくなってきたら、頻繁に保留球数を0にするタイミングを作った方が、遊技者が得られる利益が大きくなるように構成することができる。
なお、2回目の移動の設定によれば、貯留流路1231から排出される球数が3個であれば特定領域4830を球が通過するが、これに限られるものでは無い。即ち、排出個数が小当たり遊技の最短間隔(0.4秒)に排出される個数(2個)よりも多い場合で設定されれば良いので、例えば、4個目の球が特定領域4830を通過するタイミング(小当たり遊技の終了時から1.8秒)で2回目の移動を設定しても良い。また、小当たり遊技の最短間隔を、0.2秒(排出個数は1個)で設定しても良く、この場合において、2回目の移動は排出される個数(1個)よりも多い場合で設定されれば良く、例えば、2個目の球が特定領域4830を通過するタイミング(小当たり遊技の終了時から1.2秒)で2回目の移動を設定しても良い。
また、1回の小当たり遊技において貯留流路1231に入球可能な球数は平均1,2個程度であるので、保留球数が0になる小当たり遊技よりも前から、貯留流路1231に球をためておくことで、特定領域4830を球が通過する可能性を上げることができる。従って、特別図柄2の保留球数を0にするタイミングを、小当たり遊技の度に増減する貯留流路1231内の球の個数により選択することができる。これにより、貯留流路1231に貯留される球に対する注目力を向上させることができる。
本制御例では、時短遊技の期間が長くなるほど、第2入球口640に球が入球することによる払い出し賞球が多くなる。ここで、第2入球口640の賞球個数の設定により、時短遊技の期間を短くするか、長くするかを遊技者に選択させることができる。
例えば、第2入球口640の賞球個数が1個であれば、発射個数との差し引きで遊技者の得られる利益(払い出し賞球個数)は無い(0個)。そのため、時短遊技の期間を短くする方が、遊技者にとって利益になる。
一方で、第2入球口640の賞球個数が2個以上(例えば、5個)であれば、発射個数との差し引きで遊技者の得られる利益(払い出し賞球個数)がある(1個以上)。そのため、特定領域4830への球の入球を抑え、時短遊技の期間を長くする方が、遊技者にとって利益になる可能性がある。
本制御例では、小当たり遊技1回分の開閉板1300の開放時間は、初回の開放開始から閉鎖までが1.8秒で設定されるので、小当たり遊技1回における第1特定入賞口1000aへの入球個数は3、4球とされるが、これに限られるものでは無い。例えば、小当たり遊技の開放パターンを、0.12秒の開放が15回繰り返されるといった開放パターンで構成することで、小当たり遊技1回分の間に、より多くの球(例えば、10個の球)を第1特定入賞口1000aに入球可能に構成しても良い。この場合、例えば、第3実施形態で説明した落下遅延板3250を配設することで、開閉板1300の開放時間が短い場合であっても、開閉板1300の閉鎖時に球が開閉板1300の下端よりも下方へ落下するまでの時間を長引かせることができ、第1特定入賞口1000aに球を案内することができる。
本制御例では、0.6秒間隔で球を発射可能に制御されるので、開放から閉鎖までの期間が1.8秒間の小当たり遊技(小当たりA、小当たりB)が最短間隔(0.4秒間隔)で繰り返される場合、発射可能な球の個数に対する小当たり遊技の回数は、11球/3回である。即ち、3回の小当たり遊技の間に最大で11個の球を発射することができる。
ここで、小当たり遊技を発生させるためには第2入球口640に球を入球させる必要があるので、右打ち開始時など、第2入球口640の保留球数が0である場合には、3回の小当たり遊技を発生させるための球数として3個の球を第2入球口640に入球させることが必要になる。そのため、第2入球口640から逸れて第1特定入賞口1000aへ向かうのは残りの8球となる。3回の小当たり遊技で、例えば、すべての小当たりが上述の小当たりBであった場合、3回の小当たり遊技を経ることで球が6球排出される。そのため、3回の小当たり遊技を経て、貯留流路1231には2個の球が残留する。従って、球を継続して発射する際に貯留流路1231に追加で残る球の期待個数は、小当たり遊技3回に対して2個となる。
なお、当該の小当たり遊技で第1特定入賞口1000aを通過した球は、貯留流路1231の下端に到達していない場合には排出されない。第1特定入賞口1000aから貯留流路1231の下端に到達するまでは2秒間を要し、小当たり遊技における開放が1.8秒で終了することから考えても、当該の小当たり遊技で第1特定入賞口1000aを通過した球が貯留流路1231の下端に到達する前に、次の小当たり遊技の開放が開始されることは発生し得る。
従って、貯留流路1231へ球が貯まり始めるとき(0個では無くなるとき、初回)の方が、0個では無い状態の小当たり遊技(例えば、2個の球が貯留流路1231に残る状態で実行される小当たり遊技、継続回)において球を追加で増やすときに比較して、貯留流路1231に球を残留させ易くすることができる。
一方で、第2入球口640の保留球数が0でなかった場合には、第2入球口640に3個の球が入球しなくても、残っていた保留球数と新たに第2入球口640に入球した球数が3を超えていれば、3回の小当たり遊技を最短間隔(0.4秒間隔)で実行することができる。この場合、3回の小当たり遊技の間に第1特定入賞口1000aへ向かう球は8球以上となり、貯留流路1231に更に多くの球を向かわせることができ、小当たり遊技3回に対して2個よりも多くの球を貯留流路1231に追加で残すことが可能となる。
上述のように、本制御例では、第2入球口640に球を入球させることに基づいて発生する小当たり遊技を最短間隔で継続するように維持した上で、なるべく多くの球を第1特定入賞口1000aに入球させ、貯留流路1231に球を残した方が遊技者にとって利益になるように制御される。そのため、第2入球口640への入球が小当たり遊技の発生に関与しない場合(保留球数が満タン(本制御例では、4個)の場合)に第2入球口640に球が入球することは、賞球個数の観点と、貯留流路1231に追加で残す球を増やすという観点とから、遊技者にとって不利益となる(右打ち遊技中における第2入球口640への入球が遊技者にとって不利益となる場合が生じる)。
従って、右打ち遊技時における第2入球口640への球の入球が発生した場合の特別図柄2の保留球数に対する注目力を向上させることができる。
ここで、本制御例では、特定領域4830に球を通過させることを狙う場合には、第2入球口640の保留球数が0個になる段階で、2個よりも多くの球が貯留流路1231に貯留されていることを要する。即ち、第2入球口640の保留球数の2倍の個数よりも多くの球がある時を基準として(見極めて)、保留球数を減らすようにしないと、特定領域4830に球を流入させることがし難いように構成される。これにより、特別図柄2の保留球数に対する注目力に加えて、貯留流路1231に貯留される球の個数に対する注目力を向上させることができる。
本制御例では、遊技領域の調整(ゲージ構成、釘調整等)が、右打ち遊技中に普通入球口67に球が通り易く第2入球口640に球が多く入球する調整であっても、第2入球口640には球が入り難く多くの球が第1特定入賞口1000aに向かいやすい調整であっても、遊技者に与える損失を少なくすることができる。
即ち、例えば、右打ち遊技中に第2入球口640に球が多く入球する調整である場合には、貯留流路1231に球が貯まりにくく、小当たり遊技Bの発生が継続する間は特定領域4830に球が入球し難いものの、1割の確立で選択される小当たり遊技Aが発生すれば特定領域4830へ球を通過させることができるので、特定領域4830に球が入球するまでの間に第2入球口640に多くの球を入球させることで多くの賞球の払い出しを狙うことができる。
また、例えば、右打ち遊技中に第2入球口640には球が入り難く多くの球が第1特定入賞口1000aに向かいやすい調整である場合には、第2入球口640に球が入りにくい分、右打ちした遊技球のほとんどを貯留流路1231へ入球させることが可能になり、加えて、第2入球口640への入球に基づく特別図柄2の保留個数が0のまま維持されやすいので、初回の小当たり遊技で2個以上の球を排出し易くなる。そのため、早期に特定領域4830へ球を通過させ易いことから、早期に時短遊技を終了することができ、第2入球口640に球が入りにくいことによる損失が生じる期間(即ち、時短遊技の期間)を短くすることができる。
なお、本制御例では、開閉板1300及び第1特定入賞口1000aを小当たり遊技で使用するように構成したので、大当たり遊技で用いる入賞口は別で用意することが望ましい。例えば、第2実施形態で説明したような、第1特定入賞口1000aとは異なる第2特定入賞口2255aを大当たり遊技で用いる入賞口として設定しても良い。
この場合において、必ずしも貯留流路1231が合流していることを要さず、例えば、第1特定入賞口1000aと第2特定入賞口2255aとで独立した貯留流路を構成しても良いし、第2特定入賞口2255aが貯留流路を構成しない(球排出路へ排出される)ようにしても良い。
なお、本制御例は、「特定領域4830へ球を流入させるタイミングを遊技者が選択できる(狙い打ちができる)」遊技機に関する技術思想の一手段を例示したものであり、同じ目的で他の手段を用いても良い。
例えば、特定領域4830に球が流入し易い(流入する)駆動態様で開閉板1300を駆動(励磁)する小当たり(本制御例における小当たりA)と、特定領域4830に球が流入し難い(流入しない)駆動態様で開閉板1300を駆動(励磁)する小当たり(本制御例における小当たりB)と、が小当たり種別により選択される制御態様において、どちらの小当たりを実行するかを遊技者に報知するように制御し、その報知の内容を把握してから発射した球が特定領域4830を通過可能な場合を含むように制御することで、特定領域4830へ球を流入させるタイミングを遊技者が選択できるようにしても良い。これによれば、「所定のタイミングで球を発射しないことで、特定領域4830への球の入球を回避する遊技態様」を許容することができる。
なお、報知の手段は何ら限定されるものでは無い。例えば、第3図柄表示装置81の表示で報知しても良いし、音声で報知しても良い。
第3の制御例では、上述したように、特別領域4830を球が通過することで大当たりを獲得可能に構成されている。即ち、所謂「1種2種混合機」として動作可能に制御されている。加えて、特別図柄2の保留球数と、特定領域4830へ向けて流下する球の個数とを対応させることにより、特定領域4830を球が通過する場合には、特別図柄2の保留球数が0である場合が最多で生じるように構成される。次いで、本制御例の演出の一例について説明する。
図149(a)及び(b)は、第3図柄表示装置81の表示内容の一例を示す模式図である。なお、第3図柄表示装置81の表示領域の右側に、実際にそこに配置されているわけでは無い貯留流路1231の現在の状態が、円形の破線の内部に模式的に図示される。また、理解を容易にするために、主表示領域Dmの表示が省略されている。なお、特別図柄2の抽選による小当たりによって開閉板1300(図148参照)が開放されている時点の表示が図示される。
図149(a)及び(b)では、小領域Ds1に示されるように、特別図柄2の保留球数が2個であることは同じとされる一方、円形の破線の内部に示されるように、貯留流路1231に貯留されている球の個数が異なる。即ち、図149(a)に示す状態では、3個の球が貯留されている一方、図149(b)に示す状態では、7個の球が貯留されている。
小領域Ds2には、半円形状の絵と、その半円形状の絵の左部に「残念」と記載される第1表示Ds21と、右部に所定の利益を獲得できる状態であることを表す「V」と記載される第2表示Ds22と、半円の中心軸を回転軸として半円形状の絵と重なって回転する針Ds23とが表示される。
小領域Ds3には、遊技方法を案内する案内表示部に適切な表示がされる。即ち、図149(a)では、第2入球口640へ向けて球を発射することで、遊技者は利益を受けやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて球を発射させることを示唆する「右を狙え」の表示がされる。一方、図149(b)では、後述するように、第2入球口640への入球を抑制することによっても、遊技者が利益を受けやすい状態であるので、第2入球口640へ向けた球の発射を停止可能であることを示唆する「停止のチャンス」の表示がされる。
ここで、図149(a)及び図149(b)の状態で、第2入球口640への入球を停止した場合のその後の遊技進行について説明する。小領域Ds2の表示内容は、遊技進行に沿った内容とされる。なお、理解を容易とするために、図149(a)及び図149(b)に図示されている特別図柄2の保留表示に該当する抽選が全て小当たりであり、その小当たり種別が全て小当たりB(図147(c)及び図148参照)であると仮定して説明する。
まず、図149(a)に示す状態で第2入球口640への入球を停止した場合には、特別図柄2の保留球数の回数(即ち、2回)だけ小当たりが発生する。ここで、上述したように、特別図柄2の保留球数が残っていることで小当たりが連続で生じる場合には、貯留流路1231から排出される球の上限個数が2球とされる。そのため、図149(a)に示す状態の後に、小当たりが2回発生し、貯留流路1231からの排出球数が、2球、1球の順となる。
上述したように、小当たりBが繰り返し生じた後において、貯留流路1231から排出される球が特定領域4830を通過するのは、貯留流路1231から3個以上の球が排出される場合に限られる。従って、図149(a)に示す状態から第2入球口640への入球を停止した場合は、その後、球は特定領域4830(図51参照)を通過しない。
次に、図149(b)に示す状態で第2入球口640への入球を停止した場合には、特別図柄2の保留球数の回数(即ち、2回)だけ小当たりが発生する。ここで、上述したように、特別図柄2の保留球数が残っていることで小当たりが連続で生じる場合には、貯留流路1231から排出される球の上限個数が2球とされる。そのため、図149(b)に示す状態の後に、小当たりが2回発生し、貯留流路1231からの排出球数が、2球、2球、3球の順となる。
上述したように、小当たりBが繰り返し生じた後において、貯留流路1231から排出される球が特定領域4830を通過するのは、貯留流路1231から3個以上の球が排出される場合に限られる。従って、図149(b)に示す状態から第2入球口640への入球を停止した場合は、その後、球は特定領域4830(図51参照)を通過する。
このように、小領域Ds2,Ds3の表示は、特別図柄2の保留個数と、貯留流路1231に貯留されている球の個数とから、その後に特定領域4830に球が通過するか否かを示す報知としての役割を有している。
即ち、第2入球口640への入球を停止しても特定領域4830への球の通過が見込めない場合には、図149(a)に示すように針Ds23が第1表示Ds21と第2表示Ds22との中間位置に配置される。
なお、針Ds23が正確な中間位置に配置されている必要は無く、遊技者から見て、第1表示Ds21側に傾いているのか、第2表示Ds22側に傾いているのかが判断し難いような配置であれば良い。また、針Ds23は停止していても良いし、左右に振動するようにしても良い。
また、針Ds23が中間位置に配置される場合の他の場合として、第1表示Ds21側へ針Ds23が傾くようにしても良い。例えば、特別図柄2の保留球数の小当たりによる開閉板1300の開閉動作の終了前に、貯留流路1231に貯留されていた球が排出され切ってしまう場合(図149(a)の状態に相当。即ち、((保留球数×2)≧貯留球数)である場合)には第1表示Ds21側へ針Ds23が傾くように表示し、特別図柄2の保留球数の小当たりによる開閉板1300の開閉動作の終了後まで、貯留流路1231に貯留されていた球が残り得る場合(例えば、図149(a)のにおいて貯留流路1231に球が5個または6個貯留されている場合に相当。即ち、((保留球数×2)<貯留球数<(保留球数×2)+3)である場合)には第1表示Ds21と第2表示Ds22との中間位置に針Ds23が配置されるように表示しても良い。
こうすることで、針Ds23が中間位置に配置される場合に比較して、針Ds23が第1表示Ds21側に傾いている場合の方が、特定領域4830へ球を入球させる機会までの期間が長いこと(特定領域4830へ球を入球させる機会までに第2入球口640に入球させる球の個数が多いこと)を遊技者に把握させることができる。
従って、第3図柄表示装置81の表示を、特定領域4830へ球を入球させる機会までにかかる時間(または発射球の個数)を遊技者が予想可能となる報知として利用することができる。
なお、図149(b)では、貯留流路1231から排出される球が特定領域4830を通過し得る状態に対応する表示として、小領域Ds2において針Ds23が第2表示Ds22側へ傾いている様子を図示したが、この状態に至るまでの過程は一通りでは無く、様々な態様が例示される。
例えば、特別図柄2の保留球数と、貯留流路1231に貯留される球の個数が図149(b)に示す状態となったと判定された時点で針Ds23が第2表示Ds22側に傾くようにしても良いし、そのように判定された時点から所定の時間遅れ(例えば、3秒経過後や、第2入球口640の開閉時間の経過後)があってから針Ds23が第2表示Ds22側に傾くようにしても良いし、貯留流路1231に貯留される球の個数が、図149(b)に示す状態よりも多くなった場合(球個数の余剰分が生じた場合)に針Ds23が第2表示Ds22側に傾くようにしても良い。
なお、上述の説明では、特別図柄2の小当たりが全て小当たりBである場合について説明したが、小当たりAが生じた場合には、表示の変化を別態様で生じさせても良い。即ち、小当たりAの場合には、特別図柄2の保留個数に関わらず、貯留流路1231に貯留されている球が排出可能な状態にあれば特定領域4830を通過し得るので、上述した特別図柄2の保留個数と貯留流路1231の貯留個数との関係に寄らず、表示を変化可能に制御することが望ましい。
ここで、特別図柄2の小当たりが小当たりAであった場合に、針Ds23が第2表示Ds22側に傾く表示に切り替えるタイミングは、何ら限定されるものでは無い。例えば、小当たりAが生じたと判定されたら貯留流路1231の球の貯留状態に関わらず表示を切り替えるようにしても良いし(開閉板1300の作動パターンとして貯留流路1231から排出される球があれば特定領域4830を球が通過し得る場合に相当)、小当たりAが生じ且つ貯留流路1231に排出可能に球が貯留されていると判定された場合に表示を切り替えるようにしても良いし(特定領域4830を球が通過する可能性が高い場合に相当)、小当たりAによる開閉板1300の実際の動作に合わせて表示を切り替えるようにしても良い(特定領域4830を球が通過するタイミングを逆算して表示を切り替えることに相当)。
小当たりAによる開閉板1300の実際の動作に合わせて表示を切り替える場合には、貯留領域1231から排出された球が特定領域4830に到達するまでに要する時間が上述したように約1秒間なので、針Ds23が第2表示Ds22側に傾くように切り替えられた直後に、遊技者は遊技領域右下の特定領域4830(図51参照)に視線を移すことで、球が特定領域4830を通過する様子を視認することができる。
換言すれば、表示の切り替えから、球が特定領域4830を通過するまでの時間を規定することができるので、表示が切り替えられるまでは第3図柄表示装置81に注目させることで第3図柄表示装置81に遊技者が注目する期間を長く確保しながら、特定領域4830を球が通過する1秒前に表示が切り替えられることで、特定領域4830を球が通過する様子を遊技者が見逃すことを防止するように図ることができる。
これは、実行中の小当たり遊技において第1特定入賞口1000aに入球した球では無く、それ以前に第1特定入賞口1000aに入球した球が特定領域4830を通過し得るという本発明の特徴があって初めて可能となるものである。即ち、従来の遊技機のように、実行中の小当たり遊技において第1特定入賞口1000aに入球した球が特定領域4830を通過する構造の場合、第1特定入賞口1000aに球が入球したタイミングに、特定領域4830を球が通過するタイミングが左右される虞がある。そのため、第3図柄表示装置81での表示は、球が特定領域4830を通過し得る期間中に亘って特定領域4830に注目させるものがほとんどであった。
これに対し、本制御例のように、実行中の小当たり遊技よりも前に実行された小当たり遊技において第1特定入賞口1000aに入球した球が特定領域4830を通過する場合、現在実行中の小当たり遊技における第1特定入賞口1000aへの入球態様によらず、開閉板1300の動作態様(貯留流路1231からの球の排出態様)によって特定領域4830を球が通過するタイミングを規定することができる。
従って、特定領域4830を球が通過するタイミング(瞬間)に限定して、特定領域4830を遊技者が視認するように示唆する表示を実行したとしても、遊技者が特定領域4830を通過する球を見逃す可能性を低くすることができる。これにより、第3図柄表示装置81に注目させる時間を延ばしながら、特定領域4830(第3図柄表示装置81の外方に配置される領域)を通過する球を遊技者が見逃す可能性を低くすることができる。
なお、特別図柄2の保留の中に外れ(第1当たり乱数カウンタC3の値が319)が含まれている場合には、その外れ保留の個数だけ特定領域4830を球が通過し易くなるという意味で、遊技者側に有利になる。例えば、図149(a)で示す特別図柄2の保留が、2個とも外れである場合、これ以降に小当たりが生じることが無いので、貯留流路1231に貯留されている3個の球が一気に排出され、特定領域4830を球が通過することになる。
図145(c)において上述したように、特別図柄2の保留で外れとなる確率は、大当たりとなる確率と同じである。そして、特別図柄2の保留が外れであることは、貯留流路1231に貯留された球を特定領域4830へ通過させようとする場合に遊技者側に有利に作用する。即ち、遊技者に対して、特別図柄2が大当たりとなることと同程度(もしくはそれ以上)に、特別図柄2が外れとなることを期待させながら、遊技を行わせることができる。
なお、現在実行中の変動や、特別図柄2の保留の中に大当たり(第1当たり乱数カウンタC3の値が0)が含まれている場合には、特定領域4830を球が通過するか否かに関わらず、大当たり遊技へ移行するので、それを示す報知が別で実行されるように制御しても良い。
例えば、現在実行されている変動が、大当たりである場合には、小領域Ds3の表示を「右を狙え」に維持したまま(図149(a)参照)、小領域Ds2の表示を針Ds23が第2表示Ds22側へ傾くように変化させても良い(図149(b)参照)。
なお、針Ds23が傾くタイミングは、何ら限定されるものでは無い。例えば、変動開始のタイミングから傾いても良いし、変動が停止するタイミングに合わせて傾くようにしても良い。
また、例えば、特別図柄2の保留の中に大当たりがある場合には、該当する保留を別の保留の表示態様と異ならせても良い。例えば、別の色に変化させたり、点滅させたり、煌びやかに発光させたり、形状を変化させたり、しても良い。
加えて、上述したように、小領域Ds2の表示を針Ds23が第2表示Ds22側へ傾くように変化させても良い(図149(b)参照)。また、保留の表示態様の変化と、小領域Ds2の表示の変化とを連動して(組み合わせて)実行させても良い。
図150は、遊技状態、特別図柄の種別、変動時間、保留種別の関係を説明する図である。なお、理解を容易とするために、特別図柄2についてのみ説明し、特別図柄1の説明を省略する。上述のように、本実施形態では、上述した通常状態または時短状態のいずれかに設定され、設定されている遊技状態に基づいて遊技が進行する。なお、図150では、小当たりとして、上述した小当たりBのみが実行されると仮定して説明する。
図150に示すように、通常状態において、特別図柄2の保留に基づいて外れ図柄が決定された場合、変動時間は10分間に決定される。また、時短状態において、特別図柄2の保留に基づいて外れ図柄が決定された場合、変動時間は0.1秒に決定される。
これにより、同じ外れ図柄でも、時短状態で変動する場合と、通常状態で変動する場合とで遊技者が得られる利益が変化する。時短状態で変動する場合には、上述したように、特別図柄2の保留球数から予想される貯留流路1231からの球の排出態様が。特別図柄2の保留球数の中に含まれる外れ図柄の数の分だけ遊技者に有利となるように作用する。
例えば、保留球数が2個であり、貯留流路1231の貯留球数が5個であり、現在実行中の小当たりにより開閉板1300が開状態とされ貯留流路1231からの球の排出が規制されている場合に、保留の中に外れ図柄が無く、残りの保留が小当たり図柄であれば、保留球数に基づく小当たりの発生ごとに2個、2個、1個の順に球が排出されることになり球は特定領域4830を通過しない。
一方で、同様の場合で、保留の中に外れ図柄が1個あり、残りの保留が小当たり図柄であれば、発生する小当たりは1回であるので、小当たりの発生ごとに2個、3個の順に球が排出されることになり球は特定領域4830を通過する。
別の場合として、例えば、保留球数が2個であり、貯留流路1231の貯留球数が3個である場合であっても、保留が全て外れ図柄であれば、現在実行中の小当たりの終了後に小当たりが発生しないので、貯留流路1231から3個の球がまとめて排出されることになり球は特定領域4830を通過する。
従って、不等式((特別図柄2の保留球数-外れ図柄の保留球数)×2≧3)を、特定領域4830を球が通過するか否かの目安とすることができるので、特別図柄2の保留に基づいて外れ図柄が決定されることに対する遊技者の注目力を向上させることができる。
これに対し、通常状態における外れ図柄の変動時間は10分間とされているので、外れ図柄が一度決定されると、特別図柄2の保留が残っていても10分間は次の変動が開始されないので、残った保留により小当たり図柄が決定されていたとしても、その小当たりにより貯留流路1231からの球の排出個数が制限されることが無い。
一例として、貯留流路1231に球が3個貯留され、特別図柄2の保留球数が4個の状態で時短回数が0となり時短状態から通常状態へ移行された場合について説明する。4個の保留全てに基づいて小当たり図柄が決定される場合、通常状態への移行後の10回までは変動時間は時短状態と変わらないので、貯留流路1231からの球の排出態様は、2個と、1個とに別れるので、球は特定領域4830を通過しない。
これに対し、同様に移行された場合において、最初または2回目に変動表示される保留に基づいて外れ図柄が決定される場合、続く小当たり遊技の実行が遅れることになるので、貯留流路1231から3個の球がまとめて排出され、これにより球は特定領域4830を通過可能とされる。時短状態における外れ図柄の変動と異なり、1回の変動で貯留流路1231から球を全て排出するのに十分な時間が経過するので、外れ図柄の有無が注目され、外れ図柄の数は問題とはならない。
これに対し、同様に移行された場合において、3回目または4回目に変動表示される保留に基づいて外れ図柄が決定される場合、先の小当たり遊技の実行により既に貯留流路1231から球が排出されているので、貯留流路1231から排出される球が特定領域4830を通過することは無い。このように、貯留流路1231に貯留される球の個数および特別図柄2の保留球数が同じ場合であっても、どの保留で外れ図柄が決定されるかによって遊技者が得られる利益が変化する(本制御例では、変動の開始が早い保留に基づいて外れ図柄が決定される方が遊技者の利益になる可能性が高い)。
即ち、遊技者は、通常状態に移行した後の特別図柄2の保留に対して、変動の開始が早い保留に基づいて外れ図柄が決定されることを期待して遊技を進行させることになる。これにより、通常状態に移行した後の特別図柄2の保留に基づいて、外れ図柄が決定されることで遊技者が利益を得られる可能性が高くなる遊技性を構成することができる。
また、通常状態において、特別図柄2の保留に基づいて小当たり図柄が決定された場合、変動時間は、通常状態が開始してから10変動までは所定時間(0.1秒間)に決定され、それ以降は5分から10分のランダムな時間に決定される。また、時短状態において、特別図柄2の保留に基づいて小当たり図柄が決定された場合、変動時間は所定時間(0.1秒間)に決定される。
変動時間を5分から10分と長い時間で設定しているのは、通常時に第2入球口640に球を入球させる遊技(不正な遊技)を実行しようとする遊技者が得られる利益を低くするためである。即ち、不正な利益の発生を抑制するためである。一方で、通常状態への移行後10変動においては時短状態と同様の変動時間としているのは、時短状態の終了間際に貯留流路1231に貯留されていた球が、通常状態への移行に伴い一気に排出されることを防止するためである。これにより、時短状態から通常状態への移行時に突出して特定領域4830を球が通過し易くなることを防止することができる。
なお、逆に、通常状態への移行後の変動回数によらず変動時間が長くなるように設定しても良い。この場合には、通常状態への移行後の小当たりの間隔を延ばすことができ、貯留流路1231に貯留されている球を一度に排出することができるので、時短状態から通常状態への移行時に突出して特定領域4830を球が通過し易く構成することができる。
なお、本制御例では、遊技状態が通常状態になってから所定回数(本制御例では、10回)の変動が実行されるまでに、特定領域4830を球が通過した場合には、正常に大当たり遊技が開始されるように制御される。即ち、時短遊技の終了後に特定領域4830を球が通過した場合であっても、大当たり遊技が開始される場合がある。
一方で、遊技状態が通常状態になってから所定回数(本制御例では、10回)の変動が実行された後に、球が特定領域4830を通過した場合には、エラーコマンドが設定されるように制御される。これにより、報知を無視して第2入球口640へ向けて球を発射する遊技態様で遊技者が遊技を実行した場合に、万が一に球が特定領域4830を通過することがあっても、それを契機に大当たり遊技へ移行することを防止することができる。
また、通常状態において、特別図柄2の保留に基づいて大当たり図柄が決定された場合、変動時間は0.1秒に決定される。また、時短状態において、特別図柄2の保留に基づいて大当たり図柄が決定された場合、変動時間は0.1秒に決定される。これにより、変動を早期に停止し、大当たり遊技を開始させることで、貯留流路1231から排出された球が特定領域4830を通過するタイミングを大当たり遊技中に入れることができるので、大当たり図柄が決定されたことに伴って複数回の大当たり遊技が発生することを防止することができる。また、変動を早期に停止させることで、大当たり遊技の演出に即座に移行させることができるので、時短遊技と大当たり遊技とが切り離されている感覚を遊技者にもたれることなく、時短遊技から大当たり遊技への移行を滑らかに感じさせることができる。
<第4の制御例>
次いで、図151から図178を参照して、第4の制御例について説明する。第1の制御例では、操作ボタン300の操作演出が、貯留流路1231へ向けた球の発射を継続中に実行される場合を説明したが、第4の制御例では、操作ボタンの操作演出が、貯留流路1231へ向けた球の発射を停止させる演出(過入球を防止する演出)の実行中に実行される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。また、第4実施形態で説明した可変入賞装置4000を流用し、説明を行う。まず、図151及び図152を参照して、本制御例の概要を説明する。
図151(a)は、第4の制御例における大当たり遊技の進行の概要図であり、図151(b)は、開始ラウンドRpbの終了時の排出態様について規定する開始ラウンド選択テーブルTbの内容を模式的に示した模式図であり、図151(c)は、演出ラウンドRptの遊技の進行の概要図であり、図151(d)は、演出後遊技ラウンドRpaの終了時の排出態様について規定する演出後遊技ラウンド選択テーブルTaの内容を模式的に示した模式図である。
図152は、本制御例におけるソレノイド1510、検出センサ1240及び特定領域4830の電気的状態の変化および第3図柄表示装置81の表示の変化を示すタイミングチャートである。
図151及び図152に示すように、本制御例では、V入賞ラウンドRvへ向けた連続的な演出を実行するラウンド遊技Rとして、開始ラウンドRpb、演出ラウンドRpt及び演出後遊技ラウンドRpaが連続的に配置される(図151(a)参照)。
そして、各ラウンドで、遊技者に参加を促す参加促進演出が行われ、その参加促進演出に従い遊技を実行する方が、参加促進演出に従わずに遊技を実行する場合に比較して、V入賞ラウンドRvにおいて特定領域4830に球を通過させる難易度が低くできるように制御される。そのため、各ラウンドにおける遊技者の操作意欲を維持することができ、遊技者のいずれかのラウンド遊技Rにおいて遊技者の表示への注目力が低下することを防止することができる。
開始ラウンド選択テーブルTbに示すように(図151(b)参照)、開始ラウンドRpbは、ラウンド遊技R終了後の貯留流路1231からの排出態様を異ならせることができるように制御され、排出態様は、インターバル時間として大当たり種別に紐付けて規定されているが、詳細は後述する。
第1排出態様Tb1が選択された場合、開始ラウンドRptの直後のインターバル時間が、ラウンド間第5インターバル時間Int5(1.2秒間)に設定される。即ち、貯留流路1231に貯留された球を、丁度6個排出する時間として設定される。そのため、貯留流路1231に球が満タンに貯留されていた場合、ラウンド間第5インターバル時間Int5の経過直後、貯留流路1231には4個の球が残留する(排出不足が生じる)。
なお、本制御例における「満タン」との表現は、貯留流路1231が追加の入球が不能な状態まで球を貯留している状態を意味している(「満杯」と言い換えることもできる)。換言すれば、貯留流路1231に予め規定可能な最大貯留個数(本制御例では、10個)の球が貯留流路1231に貯留されている状態を指している。以下において、特に説明がなければ、同様の意味で「満タン」との表現を用いる。
第2排出態様Tb2が選択された場合、開始ラウンドRptの直後のインターバル時間が、上記実施形態で説明したラウンド間第4インターバル時間Int4(1.8秒間)に設定される。即ち、貯留流路1231に貯留された球を、丁度9個排出する時間として設定される。そのため、貯留流路1231に球が満タンに貯留されていた場合、ラウンド間第4インターバル時間Int4の経過直後、貯留流路1231には1個の球が残留する(排出不足が生じる)。
第3排出態様Tb3が選択された場合、開始ラウンドRptの直後のインターバル時間が、上記実施形態で説明したラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒間)に設定される。即ち、貯留流路1231に貯留された球を、丁度10個排出する時間として設定される。そのため、貯留流路1231に球が満タンに貯留されていた場合であっても、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過により貯留流路1231に貯留されていた球が全球排出される(排出不足は生じない)。
なお、開始ラウンド選択テーブルTbは、貯留流路1231に満タンに球が貯留された状態からの球の排出不足の発生を想定している。そのため、遊技者の遊技の仕方によっては、貯留流路1231の残留球数が、演出上予定されている個数と違うことがある。
例えば、開始ラウンドRpbにおいて、貯留流路1231への入球を6個までで固定する遊技を遊技者が自発的に行った場合、開始ラウンド選択テーブルTbの選択に関わらず、排出不足は生じない。
一方で、本制御例では、開始ラウンドRpbでの入賞個数(貯留流路1231への入球個数)が多いほど、その直後の演出ラウンドRptにおいて遊技者が得られる利益が大きくなるように制御される。これにより、開始ラウンドRpbで遊技者が球の発射を止めることを抑制し、球の発射を実行する意欲を向上させることができる。
図151(c)に示すように、演出ラウンドRptでは、入球可能期間が貯留流路1231に球が残留した状態で開始され、貯留流路1231を満タンとするX個目(Xには1~10までの整数が入る。図152参照)の球が検出センサ1240に検出された後(ラウンド遊技Rにおける規定個数未満の入球で貯留流路1231が満タンとなった後)の期間(入球不可能残余期間)に、後述する注目演出を実行するように制御される。また、併せて、打ち出しの停止を示唆する報知を実行する(図152参照、「停止指示」)。
なお、注目演出としては、第3図柄表示装置81において実行される遊技者参加型の操作演出や、その操作演出に伴い表示される遊技者にとって利益のある情報や、表示等が例示される。
なお、打ち出しの停止を示唆する報知としては、単純に打ち出しの停止を推奨する報知に限らず、種々の態様が例示される。例えば、所定の入賞口に対して遊技者が得られる利益が最大であることを報知し、これ以上の球の発射には遊技者にとって得が無いことを示唆する態様でも良いし、打ち出しを停止する期間も併せた報知態様でも良いし、狙わせる入賞口を変化させる態様でも良い。
このように、ラウンド遊技Rにおいて遊技者に球の発射を停止するタイミングを指定することで、入球不可能残余期間に球の発射を継続し、どの入賞口にも入らずアウト口66を通して排出されるという事態を防止することができる。
また、球の発射を停止するタイミングで、遊技者の利益に関わる注目演出を実行することで、入球不可能残余期間における遊技者の集中力を維持することができる。加えて、本制御例では、注目演出にタイミング演出(操作演出)を含むことで、遊技者の集中力を維持する効果を高めることができる。
演出後遊技ラウンド選択テーブルTaに示すように(図151(d)参照)、演出後遊技ラウンドRpaは、ラウンド遊技R終了後の貯留流路1231からの排出態様を異ならせることができるように制御され、排出態様は、インターバル時間として大当たり種別に紐付けて規定されているが、詳細は後述する。
演出後第1排出態様Ta1が選択された場合、演出後遊技ラウンドRpaの直後のインターバル時間が、ラウンド間第6インターバル時間Int6(0.4秒間)に設定される。即ち、貯留流路1231に貯留された球を、丁度2個排出する時間として設定される。そのため、貯留流路1231に球が3個以上貯留されていた場合、ラウンド間第6インターバル時間Int6の経過直後、貯留流路1231には球が残留する(排出不足が生じる)。
演出後第2排出態様Ta2が選択された場合、演出後遊技ラウンドRpaの直後のインターバル時間が、ラウンド間第4インターバル時間Int4(1.8秒間)に設定される。即ち、貯留流路1231に貯留された球を、丁度9個排出する時間として設定される。そのため、貯留流路1231に球が10個以上(本制御例では、10個)貯留されていた場合、ラウンド間第4インターバル時間Int4の経過直後、貯留流路1231には球が残留する(排出不足が生じる)。
演出後第3排出態様Ta3が選択された場合、演出後遊技ラウンドRpaの直後のインターバル時間が、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒間)に設定される。即ち、貯留流路1231に貯留された球を、丁度10個排出する時間として設定される。そのため、貯留流路1231に球が満タンに貯留されていた場合であっても、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過直後、貯留流路1231に貯留されていた球が全球排出される(排出不足は生じない)。
演出後遊技ラウンドRpaの終了直後の貯留流路1231に残球が生じると、V入賞ラウンドRv(図152参照)を規定個数の入球により終了させることができないことから、V入賞ラウンドRvは規定時間(本制御例では、30秒間)が経過するまで終了しない。そして、本制御例では、特定領域4830が開放される期間である開放期間Tvが、V入賞ラウンドRvの規定時間未満に設定されることから、演出後遊技ラウンドRpaの終了直後の貯留流路1231に残球が生じると、特定領域4830に球を通過させることができないことになる。従って、演出後遊技ラウンド選択テーブルTaからいずれの排出態様Ta1~Ta3が選択されているのかという情報が、遊技者の注目事項となる。
本制御例では、演出後遊技ラウンド選択テーブルTaからいずれの排出態様Ta1~Ta3が選択されているかを示唆する報知(図152参照、「判別表示」)の態様が、演出ラウンドRptの注目演出における操作演出で、遊技者が操作に成功したか否かで異なるように制御される。従って、操作演出に対する遊技者の参加意欲を向上することができる。
なお、演出後遊技ラウンド選択テーブルTaによれば、演出後遊技ラウンドRpaの終了後に貯留流路1231から排出される球の最少個数は2個なので、報知の有無や、報知の態様に関わらず演出後遊技ラウンドRpaにおける貯留流路1231への入球個数を2個以下に抑えれば、V入賞ラウンドRvが貯留流路1231に残球がある状態で開始されることを防止することができるので、開放期間Tvが経過する前に規定個数(本制御例では、10個)の球を検出センサ1240に入球させることでV入賞ラウンドRvを終了し、特定領域4830に球を通過させることができる。
そのため、演出ラウンドRptにおける操作を実行できない事情があったとしても(例えば、操作ボタン300(図1参照)が故障していたとしても)、V入賞ラウンドRvにおいて特定領域4830に球を通過させることができる遊技態様での遊技を可能とすることができる。
一方で、この遊技方法では、V入賞ラウンドRvにおいて特定領域4830に球を通過可能な状況を維持しつつ演出後遊技ラウンドRpaにおいて獲得可能な賞球を、最大数得られない虞がある。そして、演出ラウンドRptにおいて適切な操作を行うことで、演出後遊技ラウンドRpaにおける適切な入球個数が報知される。
その報知に従って遊技を行うことで、遊技者は、V入賞ラウンドRvにおいて特定領域4830に球を通過可能な状況を維持しつつ演出後遊技ラウンドRpaにおいて獲得できる最大の賞球を容易に得ることができる。
図152に示すように、上述した注目演出、停止指示および判別表示は、表示例1では全て実行され、表示例2では全て省略される。これら注目演出、停止指示および判別表示の実行の有無は、大当たり種別と、球の入賞態様とにより決定するよう制御されるが、詳細は後述する。
表示例1(図152参照)の表示内容について説明する。表示例1の表示内容は、開始ラウンドRpbの終了直後に排出不足が生じた場合に対応する。図153及び図154は、表示例1における、演出ラウンドRptの開始から演出後遊技ラウンドRpaの開始までの第3図柄表示装置81の表示内容の変化を時系列で示す模式図である。
なお、各表示内容において、ラウンド数表示の下方には、4つの丸印が横並びで表示される。この丸印は、第1の制御例と同様に、貯留流路1231に貯留される球の個数により塗りつぶされる丸印が切り替わる。即ち、第1の制御例と同様に、貯留流路1231に貯留される球の個数が4個未満である場合には、左端の丸印が塗りつぶされ、貯留流路1231に貯留される球の個数が4個以上7個未満である場合には、左から2番目の丸印が塗りつぶされ、貯留流路1231に貯留される球の個数が7個以上10個未満である場合には、右から2番目の丸印が塗りつぶされ、貯留流路1231に貯留される球の個数が10個である場合には、右端の丸印が塗りつぶされる。
図153及び図154では、3コマ目(下左方に示す表示例)までは、共通の表示例を図示している。即ち、1コマ目(上左方に示す表示例)では、主表示領域Dm(図87(a)参照)に、5体の敵と、その敵に砲撃する戦車が図示されており、2コマ目(中左方に示す表示例)では、砲撃に伴う煙で敵が視認不可能となった状態が図示され、3コマ目(下左方に示す表示例)では、上述したタイミング演出(注目演出における操作演出、図88(a)参照)を実行するための副表示領域Ds4,Ds5が図示される。
なお、1コマ目の表示から、2コマ目の表示への切り替えは、貯留流路1231が満タンとなったと判定されたタイミングで実行される。2コマ目からは、貯留流路1231への球の入球が期待できない(不可能となる)ことから、小領域Ds3の案内表示部における表示が、「右を狙え」(打ち出し継続を示唆する表示。打出指示)から、「打つな」(打ち出し停止を示唆する表示。停止指示)に切り替わる。
4コマ目(上右方に示す表示例)からは、図153及び図154で異なる表示例が図示されるので、順番に説明する。図153の4コマ目(上右方に示す表示例)では、タイミング演出(注目演出における操作演出、図88(a)参照)に成功した状態が図示され、5コマ目(中右方に示す表示例)では、敵の残数が2体であることが表示され、その後、演出ラウンドRptが終了し、演出後遊技ラウンドRpaが開始された後の状態が6コマ目(下右方に示す表示例)に図示される。6コマ目の表示では、小領域Ds3の案内表示部に「2個入れろ」と表示されることで、球の入球個数を明示的に示唆する報知が行われる。
図153に示すように、タイミング演出(注目演出における操作演出、図88(a)参照)に成功した場合には、演出後遊技ラウンドRpaにおいて検出センサ1240(貯留流路1231)に入球させるべき球の個数を示す表示(判別表示)が明示的に報知されるので、遊技者は迷いなく遊技を行うことができる。
なお、本制御例では、明示的に報知された個数よりも多量の球を検出センサ1240(貯留流路1231)に入球させると、遊技者が不利益(V入賞ラウンドRvで規定個数(本制御例では10個)の球を検出センサ1240に入球させることができなくなること)を受けるように制御される。
一方、図154の4コマ目(上右方に示す表示例)では、タイミング演出(注目演出における操作演出、図88(a)参照)に失敗した状態が図示され、5コマ目(中右方に示す表示例)では、依然として煙が晴れず、敵の残数が不明であることが表示され、その後、演出ラウンドRptが終了し、演出後遊技ラウンドRpaが開始された後の状態が6コマ目(下右方に示す表示例)に図示される。6コマ目の表示では、小領域Ds3の案内表示部に「?個入れろ」と表示されることで、球の入球個数が不明であることを示唆する報知が行われる。
図154に示すように、タイミング演出(注目演出における操作演出、図88(a)参照)に失敗した場合には、演出後遊技ラウンドRpaにおいて検出センサ1240(貯留流路1231)に入球させるべき球の個数を示す表示(判別表示)が明示的には個数を知らせない態様とされ、入球させる個数が不明となるので、遊技者は検出センサ1240へ何個の球を発射させるか迷いながら遊技を行うことになる。
ここで、演出後遊技ラウンドRpaにおいてタイミング演出(操作演出)に成功した場合に報知される個数の球よりも多量の球を検出センサ1240(貯留流路1231)に入球させると、遊技者が不利益を受けるように制御されるので、遊技者が多量の球を検出センサ1240へ入球させるための遊技態様で遊技を行うことを抑制することができる。
また、後述するように、報知される個数は2個が下限とされるので、演出後遊技ラウンドRpaにおける検出センサ1240(貯留流路1231)への入球を2個に抑えれば、遊技者は不利益を受けることを回避することができる。そのため、遊技者が不利益を受けない入球個数として、「2個まではOK」との表示が、第3図柄表示装置81の下部(主表示領域Dm(図87(a)参照)の下部)に表示される。
図155は、注目演出操作難易度切替テーブル及び判別表示切替テーブルの内容を模式的に示した模式図である。図155に示すように、本制御例では、注目演出の長さ及び操作演出の難易度がX個目の球の入球タイミング(貯留流路1231が満タンとなるタイミング)によって、変化するように制御される。
即ち、X個目の入球タイミングが、演出ラウンドRptの開始から、開始後15秒が経過する前である場合には、注目演出として「長動画」が選択される。この長動画では、表示ポインタ719が10秒間かけて副表示領域Ds4の端から端までを移動するので、表示ポインタ719がバー表示部717と合致している時に操作ボタン300を容易に操作することができる(難易度「易しい」)。
また、X個目の入球タイミングが、演出ラウンドRptの開始後15秒経過後から、開始後25秒が経過する前である場合には、注目演出として「短動画」が選択される。この短動画では、表示ポインタ719が5秒間かけて副表示領域Ds4の端から端までを移動するので、表示ポインタ719がバー表示部717と合致している時に操作ボタン300を操作する難易度を上昇させることができる(難易度「易しい」との比較において表示ポインタ719の移動速度が2倍。難易度「難しい」)。
ここで、表示ポインタ719の移動態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、移動中の所定位置で消えた後で別の位置で突然再び現れても良いし、所定区間において表示ポインタを隠すようにしても良いし、移動中の所定位置から所定区間だけ速度がアップしたり瞬間移動したりするようにしても良いし(滑っても良いし)、移動中の所定位置で一度方向転換して別の位置で再び方向転換するように移動しても良い。
いずれの場合においても、注目演出の開始から、表示ポインタ719がバー表示部717と合致する期間までの時間が予め決定されるので、タイミング演出の時には、音声ランプ制御装置113は、注目演出の開始から時間を計測し、表示ポインタ719がバー表示部717と合致する期間までの時間が経過しているタイミングで操作ボタン300の操作が検出された場合に、操作タイミングが適切であると判別される(図176のS4763参照)。
また、X個目の入球タイミングが、演出ラウンドRptの開始後25秒経過後から、開始後30秒が経過する前である場合には、注目演出として「静止画」が選択される。この静止画では、画面いっぱいに大きく「押せ!」との表示がされる(図示せず)。そして、本制御例では、静止画が表示されると同時に操作ボタン300の操作が検出された場合、操作に成功したと判定する。
即ち、操作演出に成功するためには、検出センサ1240への入球タイミングと操作タイミングとを合わせることが要求される一方で、制御の関係上、「静止画」の表示タイミングは検出センサ1240への入球タイミングよりも若干遅れることになるので、検出センサ1240に球が通過するタイミングを確認し、そのタイミングに操作タイミングを完全に合わせるのでは無く若干遅らせて操作ボタン300を操作するか、表示が実行されたことを確認した瞬間に操作ボタン300を操作することを要求される(操作難易度「極難」)。
このように、X個目の球の検出センサ1240(貯留流路1231)への入球タイミングが早いほど、タイミング演出に成功することが容易になるように制御されていることから、X個目の入賞までの期間を短くすることに対しての遊技者のモチベーションを向上することができる。
判別表示切替テーブルに示すように、タイミング演出に成功すると個数明示表示(図153の5,6コマ目参照)が実行される一方、タイミング演出に失敗すると個数不明表示(図154の5,6コマ目参照)が実行される。
ここで、X個目の球の入球タイミングは、演出ラウンドRptの開始時に貯留流路1231に残留している球の個数が多いほど早くなり易い。本制御例では、演出ラウンドRptの開始時に貯留流路1231に残る球の個数が、大当たり種別に紐付けされ、開始ラウンド選択テーブルTbの選択により変化するので、大当たり種別(図160(b)参照)の違いによって(即ち、演出ラウンドRptにおける球の発射態様や流下態様以外の要因によって)、X個目の入球タイミングを早くできる可能性を変化させることができる。
注目演出の開始タイミングは、ラウンド遊技Rの途中における遊技者の球の発射態様により変化する。そのため、注目演出の態様を一様とすると、遊技態様(球の発射態様や、検出センサ1240への入球態様)によっては、注目演出の途中でV入賞ラウンドRvが終了する虞がある。これに対し、本制御例では、実行する注目演出を時間経過に伴い更新している。
これにより、本制御例では、X個目の球が検出センサ1240(貯留流路1231)へ入球するタイミングに関わらず、演出ラウンドRptが終了する前に注目演出を終了させることができる。従って、注目演出の終盤に重要な情報が表示されるようにしても、その表示がされる前に演出ラウンドRptが終了することが無いので、注目演出の設計自由度を向上させることができる。
なお、本制御例では、X個目の球が検出センサ1240(貯留流路1231)へ入球するタイミングによって、難易度の異なるタイミング演出が1回実行される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、演出ラウンドRptの開始から、X個目の球が検出センサ1240(貯留流路1231)へ入球するまでの間に、複数回タイミング演出が実行され、そのタイミング演出における成功回数(成功確率)に応じて、X個目の球が検出センサ1240(貯留流路1231)へ入球した後で実行されるタイミング演出の難易度が変化するようにしても良い。例えば、成功回数が多いほど(成功確率が高いほど)、X個目の球が検出センサ1240(貯留流路1231)へ入球した後で実行されるタイミング演出の難易度が低くなるようにしても良い。
この場合、検出センサ1240(貯留流路1231)にX個目の球が入球するまでの間のタイミング演出に参加しない、又は失敗すると、重要度の高いタイミング演出(例えば、図153,154の3,4コマ目参照)の難易度が上がり成功し難くなるため、検出センサ1240(貯留流路1231)にX個目の球が入球するまでの間においても、遊技者をタイミング演出に注目させることができ、貯留流路1231の内部および周辺の球の流下状況に注目され難くすることができる。この場合、貯留流路1231の内部の球の個数に関わらず遊技者は球を発射するので、貯留流路1231に入り切らない球はアウト口66から排出され、遊技者にとっての球損となる。
即ち、遊技者に対して、ある程度の球損を覚悟しながらタイミング演出を繰り返し実行し重要度の高いタイミング演出の難易度を下げるように遊技を行うか、球損が生じないように貯留流路1231の内部および周辺の球の流下状況に注目し球の発射を調整し重要度の高いタイミング演出の難易度が上がることは覚悟するように遊技を行うか、選択を迫ることができるので、遊技が緩慢になることを防止することができる。
加えて、X個目の球が検出センサ1240に入球するタイミングが早い方がタイミング演出の難易度が下がるようにもすることで(条件を掛け合わせて難易度が決定されるように制御することで)、X個目の球が検出センサ1240に入球するまでの間のタイミング演出が実行されている時に、球の発射を停止する遊技態様を抑制することができる。
また、この場合において、大当たり種別に対応して、遊技者が上記のような選択を迫られる場合と、本制御例のようにタイミング演出の操作と貯留流路1231への入球タイミングが分けられることで遊技者が選択を迫られることは無い場合(報知通りに順番に遊技を実行すればいい場合)とが、設けられるようにしても良い。加えて、実行されている大当たり遊技の大当たり種別が、どちらに対応するのかが遊技者が分かるように報知しても良いし、分かり難いように報知しても良い。
なお、タイミング演出で遊技者が得られる利益については、種々の態様が例示される。例えば、普段は見ることのできないキャラクターの珍しい画像(プレミア画像)が第3図柄表示装置81に表示される利益でも良い。この場合において、演出ラウンドRptの開始時には、複数の雲状の図形がキャラクターの少なくとも一部を隠すように表示されており、X個目の球が検出センサ1240に入球するまでの間のタイミング演出に成功する度に雲状の図形が少しずつ消えてキャラクターを視認可能になるように表示を切り替えても良い。
この場合において、X個目の球が検出センサ1240に入球した後のタイミング演出に成功した場合に視認可能となる部分に、キャラクターの重要な情報(例えば、顔が表示されることでキャラクターが普通のキャラクターなのか、大当たりを示すような特別なキャラクターなのかが分かる情報)や、今後の遊技に重要な情報(実行される遊技状態や、現在までの発射球数に対する払い出し個数の情報など)が描かれているようにすることで、タイミング演出に対する遊技者の参加意欲を高めることができる。
また、例えば、本制御例で説明した望ましい入球個数に対応する表示(例えば、図153の6コマ目の表示)が、5割程度の精度(10割未満の精度)で正解となるように、表示個数が選択されても良い。これにより、遊技者の自由な遊技を阻害することを防止でき、第3図柄表示装置81の表示演出を、払い出し個数への影響が少ない表示(演出用の表示)として構成することができる。
なお、正解の精度を10割未満とする手法は、種々の態様が例示される。例えば、複数の数字を予め表示し、それらの間に「+」が入るのか「-」が入るのかは不明の(四則演算は遊技者に予想させる)表示としても良いし、公知の数字の並びの所定の桁目の数字(例えば、円周率の小数点以下何桁目の数字など)を隠して表示して「隠れている数字の個数」として表示しても良いし、数字を一瞬だけ表示させても良い。
次いで、図156を参照して、表示例2(図152参照)の表示内容について説明する。表示例2の表示内容は、開始ラウンドRpbの終了直後に排出不足が生じなかった(全球排出した)場合に対応する。図156は、表示例2における、演出ラウンドRptの開始から演出後遊技ラウンドRpaの開始までの第3図柄表示装置81の表示内容の変化を時系列で示す模式図である。
図156では、1コマ目(上左方に示す表示例)では、図153及び図154と同様に、主表示領域Dm(図87(a)参照)に、5体の敵と、その敵に砲撃する戦車が図示されている。2コマ目(中左方に示す表示例)では、砲撃により敵が数体(図156では、2体)倒れた状態が図示され、3コマ目(中右方に示す表示例)では、全ての敵が倒れた状態が図示され、その後、演出ラウンドRptが終了し、演出後遊技ラウンドRpaが開始された後の状態が4コマ目(下右方に示す表示例)に図示される。
なお、表示の切り替えは検出センサ1240の検出個数に基づいて実行される。即ち、球が2個検出されるごとに敵が1体倒れるように表示が切り替えられる。即ち、2コマ目の表示は、演出ラウンドRptにおいて検出センサ1240を球が4個通過した状態に、3コマ目の表示は、演出ラウンドRptにおいて検出センサ1240を球が10個通過した状態に、それぞれ対応する。
図156に示す表示例では、小領域Ds3の案内表示部における表示が、「右を狙え」(打ち出し継続を示唆する表示。打出指示)で維持される。そのため、遊技者は、打ち出しを継続したまま、迷いなく大当たり遊技を進行させることができる。
次いで、図157から図159を参照して、V入賞ラウンドRvの表示の切り替えについて説明する。V入賞ラウンドRvの表示は、後述する大当たり種別によって異なる表示に切り替えられるが、開始される表示態様は、大当たり種別によらず共通の基本演出とされる。即ち、大当たり種別により変化する種々の要因(貯留流路1231の残球の有無、それに伴い変化するラウンド消化時間、ラウンド遊技R中の貯留流路1231からの球排出の有無等)を判定して表示を切り替える制御が実行される。
図157は、V入賞ラウンドRvの基本演出の第3図柄表示装置81の表示内容の変化を時系列で示す模式図である。基本演出は、V入賞ラウンドRvの開始と同時に開始される表示態様である。
基本演出の1コマ目(上左方に示す表示例)では、主表示領域Dm(図87(a)参照)に、窪みに隠れた宝箱と、その窪みを塞ぐ5個の岩石(番号1を付記)と、その岩石に砲撃する戦車が図示される。V入賞ラウンドRvの開始から10秒が経過するまでは、1コマ目の表示が維持される。
2コマ目(中左方に示す表示例)では、岩石が砕かれ、できた空間に複数の岩(番号2を付記)が落下する状況が図示される。図157では、2個の岩石のみが図示されているが、この後を追って、3個の岩石が落下する。1コマ目の表示から、2コマ目の表示への切り替えは、V入賞ラウンドRvの開始から10秒が経過したタイミングで実行される。
3コマ目(下左方に示す表示例)では、落下した5個の岩石(番号2を付記)が再び溜まり、窪みを塞ぐ状況が図示される。V入賞ラウンドRvの開始から10秒経過後から10秒間は、3コマ目の表示が維持される。
4コマ目(上右方に示す表示例)では、岩石が砕かれ、できた空間に複数の岩(番号3を付記)が落下する状況が図示される。図157では、2個の岩石のみが図示されているが、この後を追って、3個の岩石が落下する。3コマ目の表示から、4コマ目の表示への切り替えは、V入賞ラウンドRvの開始から20秒が経過したタイミングで実行される。
5コマ目(中右方に示す表示例)では、落下した5個の岩石(番号3を付記)が再び溜まり、窪みを塞ぐ状況が図示される。V入賞ラウンドRvの開始から20秒経過後から10秒間は、5コマ目の表示が維持される。
6コマ目(下右方に示す表示例)では、宝箱が拡大され、遊技者が所定の利益(本制御例では、特定領域4830に球を通過させることで大当たり遊技終了後に高確率状態へ移行する利益)を得られなかったことを示す「残念」の文字が表示される。
5コマ目の表示から、6コマ目の表示への切り替えは、V入賞ラウンドRvの開始から30秒が経過したタイミングで実行され、その直後のインターバル期間中も表示が維持される。そして、インターバル期間が終了した後のエンディング時間ED(図30(a)参照)では、予め用意されていたエンディング時間用の表示に切り替えられる。
図157に示すように、本制御例における表示例では、主表示領域Dm(図87(a)参照)の表示が、2コマ目および3コマ目と、4コマ目および5コマ目とで、岩石に付記される番号を除き共通とされる。これにより、V入賞ラウンドRvに亘る動画表示を実行するために必要な画像枚数を減らすことができる。
図158は、V入賞ラウンドRvの第3図柄表示装置81の表示内容の変化を時系列で示す模式図である。
1コマ目(上左方に示す表示例)では、図157の1コマ目で上述した基本演出と同様の表示が図示される。即ち、主表示領域Dm(図87(a)参照)に、窪みに隠れた宝箱と、その窪みを塞ぐ5個の岩石(番号1を付記)と、その岩石に砲撃する戦車が図示される。
2コマ目(中左方に示す表示例)では、岩石が砕かれた状態が図示される。なお、できた空間に岩が落下することは無く、窪みが開放された状態が維持される。1コマ目の表示から、2コマ目の表示への切り替えは、規定個数(本制御例では、10個)の球が検出センサ1240(貯留流路1231)に入球したと判定されることにより実行される。即ち、2コマ目の表示は、V入賞ラウンドRvの終了タイミングに切り替えられるものであり、直後のインターバル時間にも表示が維持される。
なお、2コマ目の表示に切り替えられるまでは、図157で説明した基本演出が継続される。V入賞ラウンドRvの規定時間(本制御例では、30秒間)以内に、規定個数(本制御例では、10個)の球が検出センサ1240(貯留流路1231)に入球したと判定されなかった場合には、2コマ目の表示には切り替わらず、基本演出からエンディング時間EDの表示へ切り替わる。
3コマ目(下左方に示す表示例)では、宝箱が拡大されると共に開放され、遊技者が所定の利益(本制御例では、特定領域4830に球を通過させることで大当たり遊技終了後に高確率状態へ移行する利益)を得られたことを示す「V」の文字が表示される。なお、球が特定領域4830を通過するタイミングに合わせる目的から、2コマ目の表示へ切り替わってから1.0秒後に3コマ目の表示へ切り替えられる。
そして、インターバル時間の終了まで3コマ目の表示が維持され、エンディング時間ED(図30(a)参照)に移行したら、予め用意されていたエンディング時間用の表示に切り替えられる。
このように、図158に示す表示例は、2コマ目の表示に切り替えられるタイミングは不明である一方で、3コマ目の表示は確実にインターバル時間中となる表示例として説明することができる。
図159は、V入賞ラウンドRvの第3図柄表示装置81の表示内容の変化を時系列で示す模式図である。
1コマ目(上左方に示す表示例)では、図157の1コマ目で上述した基本演出と同様の表示が図示される。即ち、主表示領域Dm(図87(a)参照)に、窪みに隠れた宝箱と、その窪みを塞ぐ5個の岩石(番号1を付記)と、その岩石に砲撃する戦車が図示される。
2コマ目(中左方に示す表示例)では、岩石が砕かれ、できた空間に複数の岩(番号2を付記)が落下する状況が図示される。図159では、2個の岩石のみが図示されているが、この後を追って、3個の岩石が落下する。1コマ目の表示から、2コマ目の表示への切り替えは、開閉板1300(図6参照)が閉状態に短時間(本制御例では、0.2秒未満の時間。具体的には0.1秒間)切り替えられるタイミングに合わせて実行される。
なお、2コマ目の表示に切り替えられるまでは、図157で説明した基本演出が継続される。ここで、後述するように、本制御例では、閉状態に短時間切り替えられる最初のタイミングが、V入賞ラウンドRvの開始から10秒経過後よりも前とされるので、図159の2コマ目の表示への切り替えタイミングは、基本演出における切り替えタイミング(図157の2コマ目の表示への切り替えタイミング)よりも前とされる。そのため、違和感のない表示切替を実行することができる。
また、閉状態に短時間切り替えられるタイミングを、基本演出において表示が切り替わるタイミング(例えば、V入賞ラウンドRvの開始から10秒経過後や、20秒経過後等)に近づけることで、現在行われている表示が、基本演出のままの表示なのか、図159で示す表示例による表示なのかを遊技者が判別し難くすることができる。これにより、V入賞ラウンドRv中において、遊技者に対して、所定の利益(本制御例では、特定領域4830に球を通過させることで大当たり遊技終了後に高確率状態へ移行する利益)を得られるかもしれないという期待感を持たせたまま遊技を実行させることができる。
3コマ目(下左方に示す表示例)では、落下した5個の岩石(番号2を付記)が再び溜まり、窪みを塞ぐ状況が図示される。3コマ目の表示は、次に開閉板1300(図6参照)が閉状態に切り替えられるタイミングまで維持される。3コマ目の表示の継続中に、開閉板1300が閉状態に短時間切り替えられた場合、再び2コマ目の表示(岩石に付される番号は、1増加する)に切り替えられる。即ち、開閉板1300が閉状態に短時間切り替えられる度に、2コマ目の表示および3コマ目の表示の連続的な表示が繰り返し切り替えられる。
4コマ目(上右方に示す表示例)では、主表示領域Dm(図87(a)参照)に、「もしや」との文字が表示される。4コマ目の表示への切り替えは、図159においては、1コマ目または3コマ目の表示から切り替えられるものであり、2コマ目の表示からは切り替えられないように制御されている。
4コマ目の表示への切り替えは、開閉板1300(図6参照)が閉状態に長時間(本制御例では、0.2秒以上の時間。具体的には0.2秒間)切り替えられるタイミングに合わせて実行される。
5コマ目(中右方に示す表示例)では、図158の2コマ目と同様、岩石が砕かれた状態が図示される。なお、できた空間に岩が落下することは無く、窪みが開放された状態が維持される。加えて、宝箱めがけて飛ぶ「V」の文字が表示される。この「V」の文字は、4コマ目に切り替わるタイミングから1秒後(球が特定領域4830を通過するタイミング)に宝箱に到達する速度で飛ぶように表示される。
6コマ目(下右方に示す表示例)では、宝箱が拡大されると共に開放され、遊技者が所定の利益(本制御例では、特定領域4830に球を通過させることで大当たり遊技終了後に高確率状態へ移行する利益)を得られたことを示す「V」の文字が表示される。なお、5コマ目の表示において「V」の文字が宝箱に到達してから、連続的に6コマ目の表示へ移行する。
そして、インターバル時間の終了まで6コマ目の表示が維持され、エンディング時間ED(図30(a)参照)に移行したら、予め用意されていたエンディング時間用の表示に切り替えられる。
このように、図159に示す表示例では、2コマ目の表示または4コマ目の表示に切り替えられるタイミングが作動パターンにより規定され、併せて、宝箱が開放するタイミングもV入賞ラウンドRvの入賞態様に関わらず予め設定されている。
この表示は、後述するような、特定領域4830を球が通過するタイミングがV入賞ラウンドRvの入賞態様に寄らず確定する(即ち、それ以前の入賞態様により確定する)大当たり種別において、特に効果的となる。即ち、特定領域4830を球が通過するタイミングと、宝箱が開放されるタイミングとを合わせることができるので、演出効果を向上させることができる。
図157から図159で説明した表示例において、図157に示すような基本演出が継続して表示される表示例の場合の方が、図158及び図159に示す表示例に比較して、遊技者が得られる利益が低くなる。換言すれば、V入賞ラウンド遊技Rvでは、遊技者は、基本演出から表示が切り替えられることを期待しながら遊技を継続することになる。
一方で、図157から図159で共通して、表示が切り替えられるまでは基本演出が表示されるので、図157から図159のいずれの表示例で表示が切り替わる場合であっても、遊技者は、基本演出から表示が切り替えられることを期待することができる。そのため、結果的にV入賞ラウンドRvが規定時間(本制御例では、30秒間)の経過により終了する(ラウンド遊技Rの消化に比較的長期間を要する)場合であっても、遊技者が遊技に飽きることを防止することができる。
次に、図160及び図161を参照して、本制御例における主制御装置110のMPU201のROM202の内容について説明する。図160(a)は、本制御例における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。ROM202には、既に上述した第1当たり乱数テーブル202aと、第2当たり乱数テーブル202cとに加え、第1当たり種別選択テーブル202b3と、変動パターン選択テーブル202dと、開閉板動作シナリオ記憶領域202e3と、開閉板動作シナリオテーブル202f3とが少なくとも設けられている。
まず、図160(b)を参照し、第1当たり種別選択テーブル202b3の詳細について説明する。図160(b)は、第1当たり種別選択テーブル202b3の内容を模式的に示した模式図である。第1当たり種別選択テーブル202b3は、大当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。
本制御例のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202b3とが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。図160(b)では、選択された大当たり種別に対応して内容が切り替えられる演出後遊技ラウンド選択テーブルTa、開始ラウンド選択テーブルTb、及びV入賞ラウンドRvの内容について併記される。
本制御例では、演出後遊技ラウンド選択テーブルTa、開始ラウンド選択テーブルTb、及びV入賞ラウンドRvの組み合わせにバリエーションを設けることにより、大当たり遊技の途中で遊技者に大当たり種別を見極められ、獲得が期待できる利益が予め把握されることの抑制を図っている。
即ち、特別図柄1の振分において、遊技者が把握可能な差が最初に生じるのは、演出ラウンドRptと演出後遊技ラウンドRpaの間のインターバル時間(開始ラウンド選択テーブルTbによる差)である。本制御例では、インターバル時間として第1排出態様Tb1が選択されても第2排出態様Tb2が選択されても、そのそれぞれに演出後遊技ラウンド選択テーブルTa、V入賞ラウンドRvの振分が同様に(同じ確率で)発生するように第1当たり種別選択テーブル202b3を構成している。
同様に、V入賞ラウンドRvの直前のインターバル時間(演出後遊技ラウンド選択テーブルTa)の差を遊技者が把握したとしても、その後のV入賞ラウンドRvが遊技者にとって有利となるか不利となるかの振分確率に変化は生じないので、V入賞ラウンドRvの実行中まで、遊技者に大当たり種別を予想させながら遊技を実行させることができる。これにより、大当たり種別が早々に把握できる遊技機に比較して、遊技者を遊技に引き込むことができ、遊技者の集中力の向上を図ることができる。
図160(b)に示した通り、特別図柄1に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~9」の範囲には、「大当たりUa」が対応付けられて規定されている(図160(b)の202b31参照)。この「大当たりUa」は、ラウンド数が6ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりUa」となるカウンタ値は10個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりUa」が決定される割合は10%(10/100)である。
この「大当たりUa」は、ラウンド数として6ラウンドが設定され、V入賞ラウンドRvで特定領域4830を球が通過したら大当たり終了後に時短80回の高確率状態(ST80回)へ移行するが、特定領域4830を球が通過しなかった場合には普通図柄の時短状態が100回付与される。
なお、V入賞ラウンドRvが、ラウンド遊技R中に閉鎖しない開放パターンとされるので、特定領域4830に球を通過させるためには、V入賞ラウンドRvにおいて開放期間Tv以内に規定個数(本制御例では、10個)の球を検出センサ1240(貯留流路1231)に入球させて、ラウンド遊技Rを終了させることが要求される。従って、ラウンド遊技Rvの開始時に貯留流路1231に球が残留していた場合、球を特定領域4830に通過させられないことが確定する。
ここで、特別図柄1の大当たり種別の振分に構成される第1排出態様Tb1(1.2秒)、第2排出態様Tb2(1.8秒)、演出後第1排出態様Ta1(0.4秒)、演出後第2排出態様Ta2(1.8秒)は、貯留流路1231が球で満たされている場合(10個の球が貯留されている場合)に全ての球を排出することは不可能な期間として構成される。従って、基本的には、ラウンド遊技Rvの開始時に貯留流路1231に球が残留することになるので、「大当たりUa」の大当たり遊技では、貯留流路1231への入球個数の調整を行うことができなければ球を特定領域4830に通過させることができない場合が多い。
また、特別図柄1に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「10~24」の範囲には、「大当たりUb」が対応付けられて規定されている(図160(b)の202b32参照)。この「大当たりUb」は、ラウンド数が6ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりUb」となるカウンタ値は15個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりUb」が決定される割合は15%(15/100)である。
この「大当たりUb」は、ラウンド数として6ラウンドが設定され、V入賞ラウンドRvで特定領域4830を球が通過したら大当たり終了後に時短80回の高確率状態(ST80回)へ移行するが、特定領域4830を球が通過しなかった場合には普通図柄の時短状態が100回付与される。
なお、V入賞ラウンドRvが、ラウンド遊技R中に長閉鎖する開放パターン(動作シナリオ33(図161(a)参照))とされるので、V入賞ラウンドRvにおいて開放期間Tv以内に規定個数(本制御例では、10個)の球を検出センサ1240(貯留流路1231)に入球させて、ラウンド遊技Rを終了させずとも(例えば、V入賞ラウンドRvにおける検出センサ1240への入球態様に関わらず)、ラウンド遊技R中の長閉鎖時に貯留流路1231から球(例えば、以前のラウンド遊技Rで検出センサ1240に入球した球)を排出させることで、球を特定領域4830に通過させることができる。従って、ラウンド遊技Rvの開始時に貯留流路1231に球が残留していたとしても、球を特定領域4830に通過させられるか否かは確定しない。
また、特別図柄1に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「25~34」の範囲には、「大当たりVa」が対応付けられて規定されている(図160(b)の202b33参照)。この「大当たりVa」は、ラウンド数が6ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりVa」となるカウンタ値は10個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりVa」が決定される割合は10%(10/100)である。
この「大当たりVa」は、ラウンド数として6ラウンドが設定され、V入賞ラウンドRvで特定領域4830を球が通過したら大当たり終了後に時短80回の高確率状態(ST80回)へ移行するが、特定領域4830を球が通過しなかった場合には普通図柄の時短状態が100回付与される。
なお、V入賞ラウンドRvが、ラウンド遊技R中に短閉鎖のみする開放パターン(動作シナリオ34(図161(a)参照))とされるので、特定領域4830に球を通過させるためには、V入賞ラウンドRvにおいて開放期間Tv以内に規定個数(本制御例では、10個)の球を検出センサ1240(貯留流路1231)に入球させて、ラウンド遊技Rを終了させることが要求される。従って、ラウンド遊技Rvの開始時に貯留流路1231に球が残留していた場合、球を特定領域4830に通過させられないことが確定する。
ここで、特別図柄1の大当たり種別の振分に構成される第1排出態様Tb1(1.2秒)、第2排出態様Tb2(1.8秒)、演出後第1排出態様Ta1(0.4秒)、演出後第2排出態様Ta2(1.8秒)は、貯留流路1231が球で満たされている場合(10個の球が貯留されている場合)に全ての球を排出することは不可能な期間として構成される。従って、基本的には、ラウンド遊技Rvの開始時に貯留流路1231に球が残留することになるので、「大当たりVa」の大当たり遊技では、貯留流路1231への入球個数の調整を行うことができなければ球を特定領域4830に通過させることができない場合が多い。
また、特別図柄1に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「35~49」の範囲には、「大当たりVb」が対応付けられて規定されている(図160(b)の202b34参照)。この「大当たりVb」は、ラウンド数が6ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりVb」となるカウンタ値は15個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりVb」が決定される割合は15%(15/100)である。
この「大当たりVb」は、ラウンド数として6ラウンドが設定され、V入賞ラウンドRvで特定領域4830を球が通過したら大当たり終了後に時短80回の高確率状態(ST80回)へ移行するが、特定領域4830を球が通過しなかった場合には普通図柄の時短状態が100回付与される。
なお、V入賞ラウンドRvが、ラウンド遊技R中に長閉鎖する開放パターン(動作シナリオ33(図161(a)参照))とされるので、V入賞ラウンドRvにおいて開放期間Tv以内に規定個数(本制御例では、10個)の球を検出センサ1240(貯留流路1231)に入球させて、ラウンド遊技Rを終了させずとも(例えば、V入賞ラウンドRvにおける検出センサ1240への入球態様に関わらず)、ラウンド遊技R中の長閉鎖時に貯留流路1231から球(例えば、以前のラウンド遊技Rで検出センサ1240に入球した球)を排出させることで、球を特定領域4830に通過させることができる。従って、ラウンド遊技Rvの開始時に貯留流路1231に球が残留していたとしても、球を特定領域4830に通過させられるか否かは確定しない。
また、特別図柄1に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~59」の範囲には、「大当たりWa」が対応付けられて規定されている(図160(b)の202b35参照)。この「大当たりWa」は、ラウンド数が6ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりWa」となるカウンタ値は10個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりWa」が決定される割合は10%(10/100)である。
この「大当たりWa」は、ラウンド数として6ラウンドが設定され、V入賞ラウンドRvで特定領域4830を球が通過したら大当たり終了後に時短80回の高確率状態(ST80回)へ移行するが、特定領域4830を球が通過しなかった場合には普通図柄の時短状態が100回付与される。
なお、V入賞ラウンドRvが、ラウンド遊技R中に閉鎖しない開放パターンとされるので、特定領域4830に球を通過させるためには、V入賞ラウンドRvにおいて開放期間Tv以内に規定個数(本制御例では、10個)の球を検出センサ1240(貯留流路1231)に入球させて、ラウンド遊技Rを終了させることが要求される。従って、ラウンド遊技Rvの開始時に貯留流路1231に球が残留していた場合、球を特定領域4830に通過させられないことが確定する。
ここで、特別図柄1の大当たり種別の振分に構成される第1排出態様Tb1(1.2秒)、第2排出態様Tb2(1.8秒)、演出後第1排出態様Ta1(0.4秒)、演出後第2排出態様Ta2(1.8秒)は、貯留流路1231が球で満たされている場合(10個の球が貯留されている場合)に全ての球を排出することは不可能な期間として構成される。従って、基本的には、ラウンド遊技Rvの開始時に貯留流路1231に球が残留することになるので、「大当たりWa」の大当たり遊技では、貯留流路1231への入球個数の調整を行うことができなければ球を特定領域4830に通過させることができない場合が多い。
また、特別図柄1に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「60~74」の範囲には、「大当たりWb」が対応付けられて規定されている(図160(b)の202b36参照)。この「大当たりWb」は、ラウンド数が6ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりWb」となるカウンタ値は15個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりWb」が決定される割合は15%(15/100)である。
この「大当たりWb」は、ラウンド数として6ラウンドが設定され、V入賞ラウンドRvで特定領域4830を球が通過したら大当たり終了後に時短80回の高確率状態(ST80回)へ移行するが、特定領域4830を球が通過しなかった場合には普通図柄の時短状態が100回付与される。
なお、V入賞ラウンドRvが、ラウンド遊技R中に長閉鎖する開放パターン(動作シナリオ33(図161(a)参照))とされるので、V入賞ラウンドRvにおいて開放期間Tv以内に規定個数(本制御例では、10個)の球を検出センサ1240(貯留流路1231)に入球させて、ラウンド遊技Rを終了させずとも(例えば、V入賞ラウンドRvにおける検出センサ1240への入球態様に関わらず)、ラウンド遊技R中の長閉鎖時に貯留流路1231から球(例えば、以前のラウンド遊技Rで検出センサ1240に入球した球)を排出させることで、球を特定領域4830に通過させることができる。従って、ラウンド遊技Rvの開始時に貯留流路1231に球が残留していたとしても、球を特定領域4830に通過させられるか否かは確定しない。
また、特別図柄1に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「75~84」の範囲には、「大当たりYa」が対応付けられて規定されている(図160(b)の202b37参照)。この「大当たりYa」は、ラウンド数が6ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりYa」となるカウンタ値は10個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりYa」が決定される割合は10%(10/100)である。
この「大当たりYa」は、ラウンド数として6ラウンドが設定され、V入賞ラウンドRvで特定領域4830を球が通過したら大当たり終了後に時短80回の高確率状態(ST80回)へ移行するが、特定領域4830を球が通過しなかった場合には普通図柄の時短状態が100回付与される。
なお、V入賞ラウンドRvが、ラウンド遊技R中に短閉鎖のみする開放パターン(動作シナリオ34(図161(a)参照))とされるので、特定領域4830に球を通過させるためには、V入賞ラウンドRvにおいて開放期間Tv以内に規定個数(本制御例では、10個)の球を検出センサ1240(貯留流路1231)に入球させて、ラウンド遊技Rを終了させることが要求される。従って、ラウンド遊技Rvの開始時に貯留流路1231に球が残留していた場合、球を特定領域4830に通過させられないことが確定する。
ここで、特別図柄1の大当たり種別の振分に構成される第1排出態様Tb1(1.2秒)、第2排出態様Tb2(1.8秒)、演出後第1排出態様Ta1(0.4秒)、演出後第2排出態様Ta2(1.8秒)は、貯留流路1231が球で満たされている場合(10個の球が貯留されている場合)に全ての球を排出することは不可能な期間として構成される。従って、基本的には、ラウンド遊技Rvの開始時に貯留流路1231に球が残留することになるので、「大当たりYa」の大当たり遊技では、貯留流路1231への入球個数の調整を行うことができなければ球を特定領域4830に通過させることができない場合が多い。
また、特別図柄1に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「85~99」の範囲には、「大当たりYb」が対応付けられて規定されている(図160(b)の202b38参照)。この「大当たりYb」は、ラウンド数が6ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりYb」となるカウンタ値は15個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりYb」が決定される割合は15%(15/100)である。
この「大当たりYb」は、ラウンド数として6ラウンドが設定され、V入賞ラウンドRvで特定領域4830を球が通過したら大当たり終了後に時短80回の高確率状態(ST80回)へ移行するが、特定領域4830を球が通過しなかった場合には普通図柄の時短状態が100回付与される。
なお、V入賞ラウンドRvが、ラウンド遊技R中に長閉鎖する開放パターン(動作シナリオ33(図161(a)参照))とされるので、V入賞ラウンドRvにおいて開放期間Tv以内に規定個数(本制御例では、10個)の球を検出センサ1240(貯留流路1231)に入球させて、ラウンド遊技Rを終了させずとも(例えば、V入賞ラウンドRvにおける検出センサ1240への入球態様に関わらず)、ラウンド遊技R中の長閉鎖時に貯留流路1231から球(例えば、以前のラウンド遊技Rで検出センサ1240に入球した球)を排出させることで、球を特定領域4830に通過させることができる。従って、ラウンド遊技Rvの開始時に貯留流路1231に球が残留していたとしても、球を特定領域4830に通過させられるか否かは確定しない。
一方、第2特別図柄に対しては、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~99」の範囲(全範囲)には、「大当たりq」が対応付けられて規定されている。この「大当たりq」は、ラウンド数が6ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりq」となるカウンタ値は100個なので、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりq」が決定される割合は100%である。
この「大当たりq」は、ラウンド数として6ラウンドが設定され、V入賞ラウンドRvで特定領域4830を球が通過したら大当たり終了後に時短80回の高確率状態(ST80回)へ移行するが、特定領域4830を球が通過しなかった場合には普通図柄の時短状態が100回付与される。
なお、V入賞ラウンドRvが、ラウンド遊技R中に閉鎖しない開放パターンとされるので、特定領域4830に球を通過させるためには、V入賞ラウンドRvにおいて開放期間Tv以内に規定個数(本制御例では、10個)の球を検出センサ1240(貯留流路1231)に入球させて、ラウンド遊技Rを終了させることが要求される。従って、ラウンド遊技Rvの開始時に貯留流路1231に球が残留していた場合、球を特定領域4830に通過させられないことが確定する。
且つ、直前のインターバル時間における排出態様が、演出後第3排出態様Ta3とされるので、貯留流路1231に貯留される球の個数に寄らず(満タンとなっていても)、V入賞ラウンドRvを貯留流路1231に球が貯留されていない状態で開始させることができる。
つまり、特別図柄1と特別図柄2とは、大当たり遊技のラウンド数は同じであるが、特別図柄2の大当たり遊技では、V入賞ラウンドRvの直前の演出後遊技ラウンドRpaにおける入球個数に関わらず、特定領域4830へ球を通過させることができるので、遊技者は球の発射を停止することなく(貯留流路1231への入球個数の調整を行うことなく)大当たり遊技を進行させることができる。従って、特別図柄1の大当たりに比較して、特別図柄2の大当たりの方が、大当たり遊技をスムーズに進行させることができる。
このように、本制御例では、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に対して、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合のほうが、遊技者に有利となる高確率状態へ移行させるための遊技をスムーズに進めることができるように構成されている。よって、一旦連荘モード(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)が設定されると、右打ちにより第2入球口640へと入球させることにより、特別図柄2の抽選が実行され易くなる状態と、大当たり遊技とが繰り返され易くなると共に、大当たり遊技の消化スピードを速くすることができる。このため、遊技者に対して、連荘モードへと移行させることを一つの目的として遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、開閉板動作シナリオ記憶領域202e3の詳細な内容について、図161(a)を参照して説明する。図161(a)は、開閉板動作シナリオ記憶領域202e3の内容を模式的に示した模式図である。この開閉板動作シナリオ記憶領域202e3は、開閉板1300(図6参照)の動作制御に用いられる動作シナリオがシナリオ種別毎に記憶されている領域であって、この開閉板動作シナリオ記憶領域202e3に記憶されている情報を用いて、大当たり遊技における所定のラウンド遊技Rにおいて開閉板1300が動作される。
具体的には、開閉板動作シナリオ記憶領域202e3には、シナリオ種別として動作シナリオ31から動作シナリオ34が規定されている。動作シナリオ31は、シナリオ内容として、開閉板1300(図6参照)に「開放(開状態)」が設定される、最大30秒の動作シナリオである。動作シナリオ31では、30秒が経過する前であっても、検出センサ1240に規定個数(本制御例では、10個)の球が検出されることで開閉板1300の動作シナリオが終了し、初期状態(開閉板1300が閉状態とされる状態)に復帰するように制御される。
動作シナリオ32は、シナリオ内容として開閉板1300(図6参照)に「開放(開状態)」が設定される、最大10秒の動作シナリオである。動作シナリオ32では、10秒が経過する前であっても、検出センサ1240に規定個数(本制御例では、10個)の球が検出されることで開閉板1300の動作シナリオが終了し、初期状態に復帰するように制御される。
動作シナリオ33は、シナリオ内容として開閉板1300(図6参照)に「開放(開状態)9.0秒→閉鎖(閉状態、短閉)0.1秒→開放(開状態)5.0秒→閉鎖(閉状態、長閉)0.2秒→開放(開状態)4.0秒→閉鎖(閉状態、長閉)0.2秒→以降は開放(開状態)4.0秒→閉鎖(閉状態、長閉)0.2秒がループ」が設定される、最大30秒の動作シナリオである。
動作シナリオ33では、30秒が経過する前であっても、検出センサ1240に規定個数(本制御例では、10個)の球が検出されることで開閉板1300の動作シナリオが終了し、初期状態に復帰するように制御される。
この動作シナリオ33では、上述した動作シナリオ31、動作シナリオ32とは異なり、開閉板1300が開放(開状態)とされた後で閉鎖(閉状態、長閉)にされることで、貯留流路1231に残った球を排出できる。そのため、球を特定領域4830に通過させ得ると共に、貯留流路1231の満タンを解消することで、新たに検出センサ1240(貯留流路1231)へ球を入球させることが可能となる。
即ち、貯留流路1231に球が残留した状態からラウンド遊技Rが開始され、貯留流路1231が満タンとなり、ラウンド遊技Rが継続している状況においては、ラウンド遊技Rの残りの時間における無駄球の抑制を図るためには、球の発射を停止することが望ましい。一方で、この遊技性は遊技者に暇を与えることになり、遊技者の集中力を削ぎ、遊技の興趣を低下させる虞がある。
一方で、動作シナリオ33では、貯留流路1231が満タンとなっても、開閉板1300が閉鎖(閉状態、長閉)される度に、貯留流路1231から球が1個ずつ排出されるので、検出センサ1240(貯留流路1231)に新たに入球させることが可能となる。この場合には、適切な個数の球の打ち出しを再開した方が、払い出し賞球個数の面と、ラウンド遊技Rの迅速な消化の面とから、好ましい。即ち、本制御例によれば、貯留流路1231が満タンとなった後も、開閉板1300が閉鎖(閉状態、長閉)されることで検出センサ1240(貯留流路1231)への入球を再開可能となるので、開閉板1300の動作に対する注目力および球の発射に対する集中力を高い状態で維持することができる。
このように、開閉板1300の閉鎖は、特定領域4830への球通過の可能性と、検出センサ1240(貯留流路1231)への新たな入球という2点において、遊技者の利益に関わることから、開閉板1300の閉鎖(動作)に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
動作シナリオ34は、シナリオ内容として開閉板1300(図6参照)に「開放(開状態)9.0秒→閉鎖(閉状態、短閉)0.1秒→開放(開状態)5.1秒→閉鎖(閉状態、短閉)0.1秒→開放(開状態)4.1秒→閉鎖(閉状態、短閉)0.1秒→以降は開放(開状態)4.1秒→閉鎖(閉状態、短閉)0.1秒がループ」が設定される、最大30秒の動作シナリオである。
動作シナリオ34では、30秒が経過する前であっても、検出センサ1240に規定個数(本制御例では、10個)の球が検出されることで開閉板1300の動作シナリオが終了し、初期状態に復帰するように制御される。
この動作シナリオ34では、上述した動作シナリオ33とは異なり、開閉板1300が開放(開状態)とされた後における閉鎖が、閉鎖(閉状態、短閉)のみで構成される。そのため、動作シナリオ33と同様に開閉板1300は開放(開状態)から動作するが、貯留流路1231に残った球は排出されない。そのため、開閉板1300の閉鎖(閉状態、短閉)のタイミングで球を特定領域4830に通過させることはできないし、貯留流路1231の満タンを解消することもできない。
即ち、動作シナリオ34では、開閉板1300の動作に注目させるという動作シナリオ33の効果を維持したまま、開閉板1300が閉鎖した場合であっても遊技者が獲得する利益に変動を生じさせずに維持することができる(貯留流路1231が満タンであれば、開閉板1300の動作後も満タンのままであり、特定領域4830を球が通過することもない)。
開閉板1300の閉鎖タイミングは、動作シナリオ33及び動作シナリオ34とで共通であるうえ、動作長さの差も0.1秒なので、開閉板1300が動作シナリオ33又は動作シナリオ34のどちらのパターンで動作しているのかを遊技者が判別し難くすることができる。
そのため、開閉板1300の閉鎖に合わせて遊技者が球の発射を再開した場合に、期待通り追加の利益を獲得できる場合(動作シナリオ33の場合)と、発射した球の大部分が賞球に結びつかない場合(動作シナリオ34の場合)とを構成することができる。
このように、動作シナリオを、遊技者の得られる利益の違いに基づいて区分けして記憶させておくことで、現在実行されている開閉板1300の動作が遊技者に与える利益を、主制御装置110は容易に判別することができる。
図161(b)は、開閉板動作シナリオテーブル202f3の内容を模式的に示した模式図である。この開閉板動作シナリオテーブル202f3は、予め定められている各シナリオ種別が、どの大当たり種別の、何ラウンド目のラウンド遊技Rに対応するかの情報が付与されている。
主制御装置110のMPUでは、開閉板1300の動作制御を実行する場合に、開閉板動作シナリオテーブル202f3に規定されている内容に対応する情報を、開閉板動作シナリオ記憶領域202e3から読み出して、開閉板1300を可動させている。
この開閉板動作シナリオテーブル202f3は、大当たり種別と、何ラウンド目のラウンド遊技Rかの組み合わせに基づいて、対応する動作シナリオを設定可能に構成される。大当たり遊技におけるラウンド遊技Rでは、その選択された動作シナリオで、ラウンド遊技Rの開始と同時に開閉板1300が可動制御される。
<主制御装置のフロー>
次に、本制御例におけるRAM203の詳細について、図162を参照して説明する。図162は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。図162に示した通り、RAM203は、第1の制御例(図101参照)で上述した特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、確変カウンタ203g、時短中カウンタ203h、動作シナリオ格納エリア203i、動作カウンタ203j、出フラグ203k、残球タイマフラグ203m、残球タイマ203n、残球カウンタ203p、閉鎖フラグ203q、カウント開始フラグ203qa、閉鎖カウンタ203r、Vフラグ203s、V入賞有効カウンタ203t、報知カウンタ203u、入賞個数カウンタ203w、排出個数カウンタ203x、その他メモリエリア203zに加え、未到達フラグ203qb、入賞後カウンタ203wa、を少なくとも有している。
未到達フラグ203qbは、貯留流路1231の下端に球が配置されているかを判定するためのフラグであり、検出センサ1240で球の入球が検出されたタイミングと、貯留流路1231を球が流下するのに要する時間との関係等からオンとオフとが切替られる。未到達フラグ203qbがオンの時には貯留流路1231の下端に球が配置されており、未到達フラグ203qbがオフの時には貯留流路1231の下端に球は配置されていないものとされる。
入賞後カウンタ203waは、所定のラウンド(本制御例では、V入賞ラウンドRv)において、検出センサ1240(貯留流路1231)への最後の入球があってからの時間を計測するカウンタである。即ち、検出センサ1240(貯留流路1231)への入球が検出される度にリセットされるように設定される。
次に、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について図163を参照して説明する。図163(a)は、本制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。図163(a)に示した通り、ROM222は、第1の制御例で上述した変動パターン選択テーブル222aと、開閉板動作シナリオ222b3とを少なくとも有している。
開閉板動作シナリオ222b3は、主制御装置110によって動作制御される開閉板1300の動作状況を音声ランプ制御装置113側でも把握するために設けられたものであって、主制御装置110のROM202に記憶されている開閉板動作シナリオ記憶領域202e3および開閉板動作シナリオテーブル202f3に格納されている情報が記憶されている領域である。
次に、図163(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図163(b)は、本制御例におけるRAM223の内容を示したブロック図である。RAM223には、第1の制御例で上述したものと同様に、コマンド記憶領域223aと、第1特別図柄保留球数カウンタ223bと、第2特別図柄保留球数カウンタ223cと、普通図柄保留球数カウンタ223dと、変動開始フラグ223eと、停止種別選択フラグ223fと、演出カウンタ223gと、ラウンド数累積カウンタ223hと、確変状態フラグ223iと、時短状態カウンタ223jと、貯留状態フラグ223kと、貯留上限フラグ223mと、貯留カウンタ223nと、操作フラグ223pと、演出一時記憶エリア223rと、第1操作演出フラグ223waと、第2操作演出フラグ223wbと、第1入力フラグ223wcと、第2入力フラグ223wdと、演出実行中フラグ223xと、押下期間情報格納エリア223yと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられ、加えて、注目演出タイマ223gaと、演出切替フラグ223gbと、V入賞ラウンド用タイマ223gcと、スキップ用フラグ223gdと、未到達演出フラグ223qbと、第1演出開始フラグ223yaと、第2演出開始フラグ223ybと、第3演出開始フラグ223ycと、第4演出開始フラグ223ydと、が少なくとも設けられている。
注目演出タイマ223gaは、所定のラウンド(本制御例では、演出ラウンドRpt)の時間経過を計測するタイマであって、実行する表示演出の設定に利用される。
演出切替フラグ223gbは、所定のラウンド(本制御例では、演出ラウンドRpt)で実行される、操作演出を伴う表示演出が設定された後に、他の演出に更新される不具合を防止するためのフラグである。演出切替フラグ223gbがオンであれば実行する表示演出が確定したことを示し、演出切替フラグ223gbがオフであれば、実行する表示演出が未確定であることを示す。
V入賞ラウンド用タイマ223gcは、V入賞ラウンドRvの開始からの時間経過を計測するためのタイマである。
スキップ用フラグ223gdは、表示が更新された後で、誤って表示が更新されることを防ぐためのフラグである。
未到達演出フラグ223qbは、RAM203の未到達フラグ203qbのオンオフの切り替えに連動してオンオフ切替制御されるフラグである。従って、未到達演出フラグ223qbがオンの時には貯留流路1231の下端に球が配置されており、未到達フラグ223qbがオフの時には貯留流路1231の下端に球は配置されていないものとされる。
第1演出開始フラグ223ya~第4演出開始フラグ223ydは、大当たり遊技の進行と連動してオンオフ切替制御されるフラグである。
第1演出開始フラグ223yaは、大当たり遊技の進行状況で切り替えられるフラグであり、オンであれば、大当たり遊技の開始から開始ラウンドRpb(本制御例では、3ラウンド目)の終了前(演出ラウンドRptの開始前)であることを示し、オフであれば、開始ラウンドRpbの終了後(演出ラウンドRptの開始後)であることを示す。
第2演出開始フラグ223ybは、大当たり遊技の進行状況で切り替えられるフラグであり、オンであれば、開始ラウンドRpb(本制御例では、3ラウンド目)の終了後(演出ラウンドRptの開始後)から演出ラウンドRpt(本制御例では、4ラウンド目)の終了前(演出後遊技ラウンドRvの開始前)であることを示し、オフであれば、開始ラウンドRpbの終了前(演出ラウンドRptの開始前)または演出ラウンドRptの終了後(演出後遊技ラウンドRpaの開始後)であることを示す。
第3演出開始フラグ223ycは、大当たり遊技の進行状況で切り替えられるフラグであり、オンであれば、演出ラウンドRpt(本制御例では、4ラウンド目)の終了後(演出後遊技ラウンドRpaの開始後)から演出後遊技ラウンドRpa(本制御例では、5ラウンド目)の終了前(V入賞ラウンドRvの開始前)であることを示し、オフであれば、演出ラウンドRptの終了前(演出後遊技ラウンドRpaの開始前)または演出後遊技ラウンドRpaの終了後(V入賞ラウンドRvの開始後)であることを示す。
第4演出開始フラグ223ydは、大当たり遊技の進行状況で切り替えられるフラグであり、オンであれば、演出後遊技ラウンドRpa(本制御例では、5ラウンド目)の終了後(V入賞ラウンドRvの開始後)からV入賞ラウンドRv(本制御例では、6ラウンド目)の終了前(エンディング時間の開始前)であることを示し、オフであれば、演出後遊技ラウンドRpaの終了前(V入賞ラウンドRvの開始前)またはV入賞ラウンドRvの終了後(エンディング時間の開始後)であることを示す。
<主制御装置でのフロー>
次に、図164を参照して、第1の制御例で上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行される第4の制御例におけるメイン処理について説明する。図164は、立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行される第4の制御例におけるメイン処理を示すフローチャートである。なお、本制御例では、第1の制御例のメイン処理(図117)に対して、大当たり制御処理S1004がS4004に、V入賞処理S1009がS4009に、それぞれ変更されていることと、貯留制御処理S1008が削除されていることとを除き、共通である。そのため、第1の制御例におけるメイン処理(図117参照)と同一部分については、同一の符号を付しその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図165は、本制御例における大当たり制御処理(S4004)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S4004)は、メイン処理(図164参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出を実行したり、第1特定入賞口(大開放口)1000aを開放または閉鎖したり、特定領域4830を開放または閉塞したりするための処理である。
本制御例における大当たり制御処理(S4004)では、第1の制御例における大当たり制御処理(S1004)に対して、報知処理(S1111)が省略され(その役割を後述する音声ランプ制御装置113の制御(図169参照)に移すことで省略)、入賞処理(S1112)が入賞処理(S4112)に変更されていることを除き、大当たり制御処理(S1004)と共通である。そのため、第1の制御例と同一部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
次に、図166を参照して、入賞処理(S4112)について説明する。図166は、第4の制御例における入賞処理(S4112)を示すフローチャートである。この入賞処理(S4112)は、第1の制御例における入賞処理(図123)と同様に、メイン処理(図164参照)の中で実行され、ラウンド遊技R時に開放された第1特定入賞口(大開放口)1000aを閉鎖したり、その閉鎖後に特定領域4830を正常に通過したかを判定するための条件値(設定値および初期値)を設定したりするための処理である。
第4の制御例における入賞処理(S4112)は、第1の制御例における入賞処理(S1112)に対して、S1278の処理を実行した後で、設定値選択設定処理(S4290)が実行されてから設定値が設定される(S4297)ことのみが異なり、その他は同じであるので、図167を参照して、設定値選択設定処理(S4290)について説明する。
図167は、設定値選択設定処理(S4290)の内容を示したフローチャートである。設定値選択設定処理(S4290)では、状況に合わせてV入賞有効カウンタ203tに設定する設定値の範囲を選択する処理を実行する。
初めに、第4の制御例における設定値選択設定処理(S4290)の概要について説明する。設定値選択設定処理(S4290)は、第1の制御例との違いに対応するために設けられた処理である。
まず、第4の制御例では、貯留流路1231からの球の排出がラウンド遊技Rの開始時に限定されていた第1の制御例と異なり、V入賞ラウンドRvの途中で貯留流路1231からの球の排出が所定間隔で生じるため、ラウンド遊技R終了時に貯留流路1231の内部において球が離間した状態で配置される可能性がある。換言すれば、検出センサ1240を通過した球が貯留流路1231下流側に滞留している球に衝突する(完全な連球を構成する)前に、貯留流路1231からの球の排出が開始される可能性がある。
また、第4の制御例では、第1の制御例と異なり、V入賞ラウンドRvの途中で貯留流路1231からの球の排出が生じる時には、貯留流路1231に貯留される個数によらず、所定個数(本制御例では、1個)の球が排出される。
即ち、第4の制御例では、第1の制御例と異なり、貯留流路1231の内部の球の配置と閉鎖が実行されたタイミングとを考慮して設定値を決定する必要があり、その設定値を選択する処理が設定値選択設定処理(S4290)である。
次に、第4の制御例における設定値選択設定処理(S4290)の詳細について説明する。第4の制御例における設定値選択設定処理(S4290)では、S4290の処理において、ラウンド遊技R終了時の閉鎖であるか判別する(S4291)。ラウンド遊技R終了時の閉鎖ではない場合には(S4291:No)、現在実行中の動作シナリオから、その閉鎖が長閉(0.2秒の閉鎖)であるか判別される(S4292)。
S4292の処理において、長閉では無いと判別した場合には(S4292:No)、その閉鎖は短閉(0.1秒の閉鎖)となるので、貯留流路1231からの球の排出は生じないことから、本処理を終了し、入賞処理S4112に戻る。
一方、S4292の処理において、長閉であると判別した場合には(S4292:Yes)、貯留流路1231の下端に球が停留しているかを判定するため、貯留流路1231に残留する最下流の球が検出センサ1240を通過してから2.0秒が経過しているか判別する(S4293)。
この判別は、例えば、入賞後カウンタ203waと同じように検出センサ1240への入球が検出されることで計時を開始するカウンタを複数(例えば、10個)設け、計時前においては、検出センサ1240への入球に基づいて、いずれかのカウンタが計時を開始するように制御し(即ち、順次計時を開始するので、計時する値は全てのカウンタで異なることになる)、計時が開始された後は、各カウンタ共通で、検出センサ1240に10個入球するごとに計時をリセットするように制御する。この前提で、検出センサ1240の検出タイミングと動作シナリオに基づく貯留流路1231からの排出態様とから把握される貯留流路1231の内部に残る球の内、最下流の球に対応するカウンタの値を確認することで実行される。
S4293の処理において、2.0秒以上経過していると判別した場合は(S4293:No)、第1の制御例で説明した数値範囲の下限を貯留球数=1として設定値の範囲を選択する。即ち、3.0秒以下、且つ、(3-0.2×1)秒以上に対応する数値範囲でV入賞有効カウンタ203tの設定値の範囲が選択され(S4294)、S4299の処理へ移行する。
一方、S4293の処理において、2.0秒が経過していないと判別した場合は(S4293:Yes)、未到達フラグ203qbをオンに設定し(S4295)、本処理を終了し、入賞処理S4112に戻る。
一方、S4291の処理において、ラウンド遊技R終了時の閉鎖であると判別した場合には(S4291:Yes)、入賞後カウンタ203waの値が所定の判定式(2-(貯留個数)×0.2)よりも小であるか判別する(S4296)。
S4296の処理は、貯留流路1231の内部の球が、全球で連球を構成しているのか、一部でも離れた部分があるのかを判別するための処理である。
S4296の処理において、入賞後カウンタ203waの値が所定の判定式(2-(貯留個数)×0.2)よりも小でないと判別した場合には(S4296:No)、貯留流路1231の内部の球が全球で連球を構成していることを示しているので、第1の制御例で説明した数値範囲で設定値の範囲を選択する。即ち、3.0秒以下、且つ、(3-0.2×貯留球数)秒以上に対応する数値範囲でV入賞有効カウンタ203tの設定値の範囲が選択され(S4297)、S4299の処理へ移行する。
一方、S4296の処理において、入賞後カウンタ203waの値が所定の判定式(2-(貯留個数)×0.2)よりも小であると判別した場合には(S4296:Yes)、貯留流路1231の内部の球間に間隔がある(離れている)部分が生じているので、貯留個数から設定値の範囲を選択することは不適切である。そのため、設定値の下限を、最後に検出センサ1240を通過した球が特定領域4830に到達する時間として設定する。即ち、3.0秒以下、且つ、(3-(3-入賞後カウンタ203waの値)=入賞後カウンタ203waの値)以上に対応する数値範囲でV入賞有効カウンタ203tの設定値の範囲が選択され(S4298)、S4299の処理へ移行する。
なお、上述の式における(3-入賞後カウンタ203waの値)の部分は、貯留流路1231を球が通過する期間(本制御例では、2.0秒間)及び排出口1150から連通路4810を球が通過する期間(本制御例では、1.0秒間)の和である「3」から、最後に検出センサ1240を通過した球の現在地を入賞後カウンタ203waで差し引き、その球が連通路4810を通過し特定領域4830に到達するまでの期間を算出した部分である。
S4299の処理では、上述したS4294、S4297又はS4298のいずれかで選択されたV入賞有効カウンタ203tの設定値の範囲を設定する。その後、本処理を終了し、入賞処理S4112へ戻る。
図164に戻って説明する。本制御例では、V入賞処理(S4009)が、第1の制御例から変更されている。これについて、図168を参照して説明する。
図168は、第4の制御例におけるV入賞処理(S4009)を示すフローチャートである。このV入賞処理(S4009)は、第1の制御例におけるV入賞処理(図129)と同様に、メイン処理(図164参照)の中で実行され、第1特定入賞口1000aが閉状態となった後の球の流下を監視する制御を行うための処理である。
第4の制御例におけるV入賞処理(S4009)は、第1の制御例におけるV入賞処理(S1009)に対して、S1501の処理で、カウント開始フラグ203qaがオフであると判別された後の部分のみが異なり(S1501:No)、その他は同じであるので、同一の部分については同じ符号を付し説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
初めに、第4の制御例におけるV入賞処理(S4009)の第1の制御例からの変更点の概要について説明する。第1に、第4の制御例では、第1の制御例と異なり、貯留流路1231からの球の排出が発生しない態様で開閉板1300が閉鎖(短閉)可能に制御されるので、そのための対応を行っている。第2に、第4の制御例では、第1の制御例と異なり、V入賞ラウンドRvの途中で貯留流路1231から球を排出可能とされる場合が生じるが、この時に球が排出されるかどうかは、貯留流路1231の内部における球の配置(下端に球が配置されているか否か)に左右されるので、これに対する対応を行っている。第3に、V入賞ラウンドRvの途中で開閉板1300が閉鎖する場合と、V入賞ラウンドRvの終了で開閉板1300が閉鎖する場合とがあるので、閉鎖カウンタ203rに異なる所定値を設定するように対応している。
次に、第4の制御例におけるV入賞処理(S4009)の詳細について説明する。V入賞処理では、まず、カウント開始フラグ203qaがオンであるか否かを判別する(S1501)。カウント開始フラグ203qaがオンであると判別した場合は(S1501:Yes)、その後の処理は第1の制御例と同じなので、説明を省略する。
一方、カウント開始フラグ203qaがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1501:No)、閉鎖フラグ203qがオンであるか否かを判別する(S1502)。
S1502の処理において、閉鎖フラグ203qがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合(S1502:No)、S4526の処理へ移行する。
一方、閉鎖フラグ203qがオンであると判別した場合は(S1502:Yes)、今回の閉鎖が貯留流路1231から球を排出しない閉鎖(短閉)であるか判別する(S4521)。
S4521の処理で、その閉鎖が貯留流路1231から球を排出しない閉鎖(短閉)であると判別した場合は(S4521:Yes)、閉鎖フラグ203qをオフに設定し(S4522)、S4526の処理へ移行する。
一方、S4521の処理で、その閉鎖が貯留流路1231から球を排出しない閉鎖(短閉)でない(即ち、その閉鎖が球を排出する閉鎖(長閉またはラウンド遊技R終了時の閉鎖)である)と判別した場合は(S4521:No)、その閉鎖がV入賞ラウンドRvの途中の閉鎖(長閉)であるか判別する(S4523)。
S4523の処理において、その閉鎖がV入賞ラウンドRvの途中の閉鎖(長閉)であると判別された場合は(S4523:Yes)、未到達フラグ203qbがオンであるか判別する(S4524)。
S4524の処理において、未到達フラグ203qbがオンであると判別された場合は、貯留流路1231から球が排出されない場合を示しており、未到達フラグ203qbをオフに設定し(S4525)、閉鎖フラグ203qをオフに設定し(S4522)、S4526の処理へ移行する。
一方、S4523の処理で、その閉鎖がV入賞ラウンドRvの終了時の閉鎖であると判別した場合(S4523:No)、及びS4524の処理で、未到達フラグ203qbがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合は(S4524:No)、カウント開始フラグ203qaをオンに設定し(S4528)、閉鎖内容から異なる数値を選択し閉鎖カウンタ203rの所定値を設定し(S4529)、本処理を終了する。
なお、S4529の処理では、閉鎖時間に応じた数値が選択される。即ち、その閉鎖が短閉の時は0.1秒が、長閉の時は0.2秒が、ラウンド遊技R終了時の閉鎖の時は直後のインターバル時間が、それぞれ選択される。本制御例では、正常な場合には、短閉の時にS4529の処理が実行されることは無いが、何らかの不具合(ノイズの発生等)によりS4529の処理が実行された場合には、上記のように閉鎖カウンタ203rに数値が選択される。
S4526の処理では、特定領域4830を球が通過したか判別する(S4526)。S4526は、貯留流路1231から球が排出されない場合に実行される処理であるので、通常の遊技において特定領域4830を球が通過することは無い。そのため、S4526の処理で、特定領域4830を球が通過したと判別した場合(S4526:Yes)、不正に特定領域4830に球を通したことが予想されるので、エラーコマンドを設定し(S4527)、本処理を終了する。
一方、S4526の処理で特定領域4830を球が通過しなかったと判別した場合(S4526:No)、そのまま本処理を終了する。
なお、エラーコマンドが設定された後の制御については、第1の制御例(におけるS1515の処理等)で説明した内容と重複するので、ここでは説明を省略する。
<音声ランプ制御装置の制御>
次いで、図169を参照して、本制御例において、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図169は、このメイン処理を示したフローチャートである。
図169に示すように、本制御例におけるメイン処理は、第1の制御例のメイン処理に対して、ボタン入力監視・演出処理(S2107)が省略されている点と、コマンド判定処理(S4111)が変更されている点と、貯留状態監視処理S2113の後に演出切替処理S4701が追加されている点とが主に異なるので、同一である部分には第1の制御例と同じ符号を付し説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
次に、図170を参照して、第4の制御例において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S4111)について説明する。図170は、このコマンド判定処理(S4111)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S4111)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図169参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
コマンド判定処理(S4111)では、第1の制御例におけるコマンド判定処理(S2111)に対して、当たり関連処理(S2221)が当たり関連処理2(S4221)に変更されている点のみが異なり、その他は同一である。
また、図171は、当たり関連処理2(S4221)を示すフローチャートである。当たり関連処理2(S4221)では、第1の制御例における当たり関連処理(S2221)に対して、ラウンド数コマンドを受信した後に演出開始フラグ設定処理(S4301)が実行される点、ラウンド数コマンドを受信した後に移行される大当たり中演出処理(S2505)がS4505の処理(受信したラウンド数に対応する表示用ラウンド数コマンドを設定する処理)に変更されている点、及び大当たりエンディングコマンドを受信した後に第4演出開始フラグ223ydがオフに設定される(S4509)点のみが異なり、その他は同一である。そのため、同一である部分には第1の制御例と同じ符号を付し説明を省略する。
S2503の処理でラウンド数コマンドを受信する度に、演出開始フラグ設定処理(S4301)が実行され、S4505の処理で表示用ラウンド数コマンドが設定され、コマンド出力処理(S2102、図169参照)の中で表示制御装置114に向けて送信される。この出力を受信することにより、表示制御装置114は、次に実行するラウンド数を把握可能とされる。
図172を参照して、演出開始フラグ設定処理(S4301)について説明する。図172は、第4の制御例における演出開始フラグ設定処理(S4301)を示すフローチャートである。この演出開始フラグ設定処理(S4301)は、メイン処理(図169参照)の中で実行され、現在実行されているラウンド遊技Rの内容を音声ランプ制御装置113が把握するためのフラグを設定する処理である。
第4の制御例における演出開始フラグ設定処理(S4301)では、S4301の処理において、開始されたラウンドがラウンド1であるか判別する(S4302)。
開始されたラウンドがラウンド1であると判別すると(S4302:Yes)、第1演出開始フラグ223yaをオンに設定し(S4303)、本処理を終了する。
一方、開始されたラウンドがラウンド1ではないと判別すると(S4302:No)、開始されたラウンドが演出ラウンドRpt(本制御例では、ラウンド4)であるか判別する(S4304)。
S4304の処理において、開始されたラウンドが演出ラウンドRptであると判別すると(S4304:Yes)、第1演出開始フラグ223yaをオフに設定し(S4305)、第2演出開始フラグ223ybをオンに設定し(S4306)、本処理を終了する。
一方、S4304の処理において、開始されたラウンドが演出ラウンドRptではないと判別すると(S4304:No)、開始されたラウンドが演出後遊技ラウンドRpa(本制御例では、ラウンド5)であるか判別する(S4307)。
S4307の処理において、開始されたラウンドが演出後遊技ラウンドRpaであると判別すると(S4307:Yes)、第2演出開始フラグ223ybをオフに設定し(S4308)、第3演出開始フラグ223ycをオンに設定し(S4309)、本処理を終了する。
一方、S4307の処理において、開始されたラウンドが演出後遊技ラウンドRpaではないと判別すると(S4307:No)、開始されたラウンドがV入賞ラウンドRv(本制御例では、ラウンド6)であるか判別する(S4310)。
S4310の処理において、開始されたラウンドがV入賞ラウンドRvであると判別すると(S4310:Yes)、第3演出開始フラグ223ycをオフに設定し(S4311)、第4演出開始フラグ223ydをオンに設定し(S4312)、本処理を終了する。
一方、S4310の処理において、開始されたラウンドがV入賞ラウンドRvではないと判別すると(S4310:No)、そのまま本処理を終了する。第4演出開始フラグ223ydは、大当たりエンディングコマンドを受信した後(S2508)、S4509の処理において、オフに設定される。このように、本制御例では、現在実行中のラウンドを、第1演出開始フラグ223ya~第4演出開始フラグ223ydの状態により判別可能に構成されている。
次に、図173を参照して、演出切替処理(S4701)について説明をする。図173は、この演出切替処理(S4701)を示したフローチャートである。この演出切替処理(S4701)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図169参照)の一処理であり、大当たり遊技の進行状況によって変化する演出を実行するための処理である。
なお、本処理では、第1可変入賞装置4000への球の入賞態様を検出する処理も含むため、メイン処理において短い周期(1m秒以内)で実行されるように構成している。これにより、第1可変入賞装置4000への球の入賞態様を検出して行う設定を遅滞なく行うことができる。
図173に示すように、演出切替処理では、S4701の処理において、第2演出開始フラグ223ybがオンであるか判別する(S4702)。第2演出開始フラグ223ybがオンである場合(S4702:Yes)、演出ラウンド表示態様設定処理(S4703)を実行し、本処理を終了する。
ここで、図174を参照して、演出ラウンド表示態様設定処理について説明する(S4703)。図174は、この演出ラウンド表示態様設定処理(S4703)の内容を示したフローチャートである。演出ラウンド表示態様設定処理(S4703)では、まず、大当たりを開始してから初回の処理であるか判別し(S4720)、初回の処理であれば(S4720:Yes)、予め用意してある基本演出を表示するために表示用基本演出コマンドを設定し(S4721)、初回の処理でなければ(S4720:No)、S4721の処理をスキップし、現在実行中の演出ラウンドRptの開始時において、検出センサ1240への入球個数から、貯留流路1231からの排出個数を差し引いた値が1以上であるか判別する(S4722)。
なお、S4720の処理において、初回であることの判定を行う手法は様々な方法が考えられる。例えば、S4720の処理として所定のカウンタの数値が1以上か、という処理を設け、S4720とS4721との間に所定のカウンタの数値を1ずつカウントダウンする処理を設け、大当たり遊技の開始時に所定のカウンタの値が1に設定されるようにしても良い。
なお、S4721の処理における基本演出とは、本制御例では、図153、図154及び図156の1コマ目(上左方の表示例)に示す表示である。
S4722の処理において、検出センサ1240への入球個数から、貯留流路1231からの排出個数を差し引いた値が1以上ではない(即ち、0である)と判別した場合(S4722:No)、演出ラウンドRptの開始時において貯留流路1231が空であった(残球が生じていなかった)ことを意味しており、演出後遊技ラウンドRpaにおいて個数表示を消去するように設定する表示用個数消去コマンドを設定し(S4723)、本処理を終了する。
なお、表示用個数消去コマンドが設定された場合、本制御例では、敢えて個数の報知を省略した表示(図156の4コマ目(下右方)の表示例参照)が実行される。
一方、S4722の処理において、検出センサ1240への入球個数から、貯留流路1231からの排出個数を差し引いた値が1以上であると判別した場合(S4722:Yes)、演出ラウンドRptの開始時において貯留流路1231に残球が生じていたことを意味しており、次にS4724へ移行する。
S4724では、演出切替フラグ223gbがオンであるか判別し(S4724)、演出切替フラグ223gbがオンでは無い(即ち、オフである)と判別した場合は(S4724:No)、貯留上限フラグ223mがオンであるか判別する(S4725)。
S4725の処理において、貯留上限フラグ223mがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合は(S4725:No)、演出ラウンドRptの開始からの時間経過を見るために注目演出タイマ223gaに1加算して更新し(S4726)、本処理を終了する。
一方、S4725の処理において、貯留上限フラグ223mがオンであると判別した場合は(S4725:Yes)、注目演出設定処理(S4727)を実行する。
ここで、図175を参照して、注目演出設定処理について説明する(S4727)。図175は、この注目演出設定処理(S4727)の内容を示したフローチャートである。注目演出設定処理(S4727)では、まず、演出ラウンドRptの規定時間(本制御例では、30秒間)と注目演出タイマ223gaの値との差を判定用数値として設定し(S4740)、次に、その判定用数値が15秒以上30秒未満の範囲に含まれているか判別する(S4741)。
S4741の処理において、判定用数値が15秒以上30秒未満の範囲に含まれていると判別した場合は(S4741:Yes)、注目演出操作難易度切替テーブル(図155参照)から、注目演出として、「長動画」(易しい)が選択され、本処理を終了する(S4742)。
一方、S4741の処理において、判定用数値が15秒以上30秒未満の範囲に含まれていないと判別した場合は(S4741:No)、判定用数値が5秒以上15秒未満の範囲に含まれているか判別する(S4743)。
S4743の処理において、判定用数値が5秒以上15秒未満の範囲に含まれていると判別した場合は(S4743:Yes)、注目演出操作難易度切替テーブル(図155参照)から、注目演出として、「短動画」(難しい)が選択され、本処理を終了する(S4744)。
一方、S4743の処理において、判定用数値が5秒以上15秒未満の範囲に含まれていないと判別した場合は(S4743:No)、判定用数値が5秒未満であることを意味しているので、注目演出操作難易度切替テーブル(図155参照)から、注目演出として、「静止画」(極難)が選択され、本処理を終了する(S4745)。
図174に戻り説明する。S4727の処理の次に、選択された注目演出の表示用注目演出コマンドを設定し(S4728)、演出切替フラグ223gbをオンに設定して本処理を終了する(S4729)。
一方、S4724の処理において、演出切替フラグ223gbがオフであると判別した場合は(S4724:No)、操作フラグ223pがオンであるか判別する(S4730)。
S4730の処理において、操作フラグ223pがオンであると判別した場合は(S4730:Yes)、本処理を終了する。
一方、S4730の処理において、操作フラグ223pがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合は(S4730:No)、操作判定処理を実行し、本処理を終了する(S4731)。
ここで、図176を参照して、操作判定処理について説明する(S4731)。図176は、この操作判定処理(S4731)の内容を示したフローチャートである。操作判定処理(S4731)では、まず、操作待ち期間であるか判別する(S4761)。
S4761の処理において、操作待ち期間である(本制御例では、ラウンド間インターバルに入る前である)と判別した場合は(S4761:Yes)、操作ボタン300の操作を検出したかを判別する(S4762)。
S4762の処理で、操作ボタン300の操作が検出されなかったと判別した場合は(S4762:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S4762の処理で、操作ボタン300の操作が検出されたと判別した場合は(S4762:Yes)、操作タイミングが適切であるかを判別する(S4763)。ここで、本制御例では、操作タイミングが適切か否かを、表示ポインタ719がバー表示部717と合致したタイミングで操作が行われているか(適切)、否か(不適切)で判別する(図153及び図154参照)。
操作タイミングが適切であると判別した場合(S4763:Yes)、成功表示(図153の4コマ目の表示例参照)、及び明示表示(図153の5コマ目の表示例参照)の表示用コマンドを設定し(S4764)、次ラウンド(演出後遊技ラウンドRpa)の表示として個数明示表示(本制御例では、図153の6コマ目の表示例参照、図155参照)を設定し(S4765)、操作フラグ223pをオンに設定し本処理を終了する(S4766)。
なお、明示表示で「何個」と表示するかは、演出後遊技ラウンド選択テーブルTaの態様によって変化するので、間接的に大当たり種別に対応する(図160(b)参照)。即ち、演出後第1排出態様Ta1(0.4秒)の大当たり種別では、排出される球の個数が2個であるので、明示表示を表示する場合には、「2個」と表示される。また、演出後第2排出態様Ta2(1.8秒)の大当たり種別では、排出される球の個数が9個であるので、明示表示を表示する場合には「9個」と表示される。また、演出後第3排出態様Ta3(2.0秒)の大当たり種別では、排出される球の個数が10個であるので、明示表示を表示する場合には「10個」と表示される。
また、明示表示で適切な数字を毎回報知することで、遊技者が過大な利益を得る虞がある場合には、明示表示として上記した数字が表示される確率を下げても良い(数字の信頼度を下げても良い)。これにより、明示表示を単なる参考としての表示にすることができる。
一方、S4763の処理において、操作タイミングが不適切であると判別した場合(S4763:No)、失敗表示(図154の4コマ目の表示例参照)、及び不明表示(図154の5コマ目の表示例参照)の表示用コマンドを設定し(S4767)、次ラウンド(演出後遊技ラウンドRpa)の表示として個数不明表示(本制御例では、図154の6コマ目の表示例参照、図155参照)を設定し(S4768)、操作フラグ223pをオンに設定し本処理を終了する(S4766)。
また、S4761の処理において、操作待ち期間ではないと判別した場合は(S4761:No)、インターバル期間に入るまで操作ボタン300の操作がされなかったことを意味するので、S4768へ移行し、その次にS4766の処理を実行し、本処理を終了する。
なお、上記制御フローでは便宜上、操作ボタン300が操作されなかった場合(操作待ち期間が経過した場合)にも操作フラグ223pがオンに設定されるように制御しているが、遊技者が操作ボタン300を操作可能な時間を徒過した後のことなので、この制御によって遊技者が不利益を被ることは無い。
なお、演出ラウンドRptにおいて設定された演出切替フラグ223gb及び操作フラグ223pは、現在実行中の大当たり遊技が終了するタイミングでオフに設定され、注目演出タイマ223gaは、現在実行中の大当たり遊技が終了するタイミングでリセットされる。
図173に戻って説明を続ける。S4702の処理において、第2演出開始フラグ223ybがオンではない(即ち、オフである)場合(S4702:No)、次に、第3演出開始フラグ223ycがオンであるかを判別する(S4704)。
S4704の処理において、第3演出開始フラグ223ycがオンであると判別した場合は(S4704:Yes)、直前のラウンド遊技R(演出ラウンドRpt)における設定に基づく表示用コマンドを設定し、本処理を終了する(S4705)。
一方、S4704の処理において、第3演出開始フラグ223ycがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合は(S4704:No)、第4演出開始フラグ223ydがオンであるか判別する(S4706)。
S4706の処理において、第4演出開始フラグ223ydがオンであると判別した場合は(S4706:Yes)、V表示設定処理(S4707)を実行し、本処理を終了する。一方、S4706の処理において、第4演出開始フラグ223ydがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合は(S4706:No)、そのまま本処理を終了する。
図177を参照して、V表示設定処理(S4707)について説明する。図177は、このV表示設定処理(S4707)の内容を示したフローチャートである。V表示設定処理(S4707)では、まず、現在の大当たりを開始してから初回の処理か判別し(S4781)、初回の処理であると判別すると(S4782:Yes)、予め用意してある表示用基本演出コマンドを設定し(S4782)、表示用の素材のロードを設定し(S4783)、S4784の処理へ移行する。
なお、S4781の処理において、初回であることの判定を行う手法は様々な方法が考えられる。例えば、S4781の処理として所定のカウンタの数値が1以上か、という処理を設け、S4781とS4782との間に所定のカウンタの数値を1ずつカウントダウンする処理を設け、大当たり遊技の開始時に所定のカウンタの値が1に設定されるようにしても良い。
一方、S4781の処理で、初回の処理ではないと判別した場合は(S4781:No)、そのままS4784の処理へ移行する。
なお、S4782の処理における表示用基本演出コマンドの設定により、本制御例では、第3図柄表示装置に所定の動画表示がされる(図157から図159において共通の表示である1コマ目の表示例参照)。
また、S4783の処理における必要な素材とは、基本演出(図157参照)から所定のタイミングで切り替えられる種々の表示材料(例えば、岩石が砕けた表示(図158の2コマ目)、V獲得時の表示(図158の3コマ目)、V準備用の表示(図159の4コマ目および5コマ目)等)を意味する。
S4784の処理では、V入賞ラウンド用タイマ223gcの値に1加算して更新し(S4784)、V入賞ラウンドRvの開閉パターンを大当たり種別から判別する(S4785)。即ち、V入賞ラウンドRvにおいて開閉板1300の途中閉鎖が生じる大当たり種別か判別する。
V入賞ラウンドRvにおいて開閉板1300の途中閉鎖が生じない大当たり種別であると判別した場合は(S4785:Yes)、V入賞ラウンドRvの開始時に、貯留流路1231の内部に球が残っていたかが判別される。
なお、貯留流路1231の内部に球が残っていたかの判別の手法は様々な方法が例示されるが、本制御例では、残球カウンタ203pの値が0(残球無し)か否(残球有り)かで判別している。
V入賞ラウンドRvの開始時に貯留流路1231に球が残っていたと判別した場合は(S4786:Yes)、V入賞ラウンドRvが規定時間(本制御例では、30秒間)の経過により終了することになり、特定領域4830に球を通過させることはできない。そのため、基本演出を継続し(S4787)、本処理を終了する。
一方、S4786の処理で、貯留流路1231に残球は無い(空である)と判別した場合は(S4786:No)、スキップ用フラグ223gdがオンであるか判別する(S4788)。
スキップ用フラグ223gdがオンでは無い(即ち、オフである)と判別した場合は(S4788:No)、V入賞ラウンド用タイマ223gcの数値を基に、V入賞ラウンドRvが開始から5秒が経過したか判別する(S4789)。
なお、この5秒との数値は、規定個数(本制御例では、10個)の入賞が発生する確率が低い秒数として設定されるものであり、状況に合わせて変更することができる。
V入賞ラウンドRvの開始から5秒が経過したと判別した場合は(S4789:Yes)、砕けた岩石(図158の2コマ目の表示例参照)を表示する表示用コマンドを設定し(S4790)、S4792の処理へ移行する。
一方、V入賞ラウンドRvの開始から5秒が経過していないと判別した場合は(S4789:No)、規定個数(本制御例では、10個)の球が検出センサ1240に入球したかを判別する(S4791)。
S4791の処理で、規定個数の球が検出センサ1240に入球したと判別した場合は(S4791:Yes)、S4790及びS4792の処理へ移行する。
S4792の処理では、スキップ用フラグ223gdをオンに設定し(S4792)、次にS4793の処理へ移行する。また、S4788の処理において、スキップ用フラグ223gdがオンであると判別した場合にも(S4788:Yes)、S4793の処理へ移行する。
一方、S4791の処理で、規定個数の球が検出センサ1240に入球していないと判別した場合は(S4791:No)、そのままS4793の処理へ移行する。
S4793の処理では、特定領域4830を球が通過したかを判別する(S4793)。特定領域4830を球が通過したと判別した場合は(S4793:Yes)、V入賞したことを報知する表示(本制御例では、図158の3コマ目の表示例参照)をする表示用コマンドを設定し、本処理を終了する(S4794)。一方、S4793の処理において、特定領域4830を球が通過していないと判別した場合は(S4793:No)、そのまま本処理を終了する。
なお、S4793の処理で特定領域4830の通過が検出される球は、V入賞ラウンドRvが開始してから貯留流路1231に入球した球である。即ち、V入賞ラウンドRvの終了時に貯留流路1231から排出される球が特定領域4830を通過することになる。
一方、S4785の処理で、V入賞ラウンドRvにおいて開閉板1300の途中閉鎖が生じる大当たり種別であると判別した場合は(S4785:No)、途中閉鎖用表示切替処理(S4795)を実行し、本処理を終了する。
図178を参照して、途中閉鎖用表示切替処理(S4795)について説明する。図178は、この途中閉鎖用表示切替処理(S4795)の内容を示したフローチャートである。途中閉鎖用表示切替処理(S4795)では、まず、スキップ用フラグ223gdがオンであるか判別する(S4801)。
スキップ用フラグ223gdがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S4801:No)、次に、規定個数(本制御例では、10個)の球が検出センサ1240に入球したか判別する(S4802)。
規定個数の球が検出センサ1240に入球していないと判別した場合は(S4802:No)、V入賞ラウンド用タイマ223gcの値を参照して、短閉(本制御例では、0.1秒間の閉鎖。貯留流路1231から球が排出されない閉鎖)が生じるタイミングであるか判別する(S4803)。
なお、タイミングの判別は、音声ランプ制御装置113が、ROM222に備えられる開閉板動作シナリオ222b3(図163参照)を用いて現在実行中の大当たり遊技における開閉板1300の動作タイミングを把握可能に構成されることから、容易に行うことができる。
S4803の処理において、短閉が生じるタイミングであると判別した場合は(S4803:Yes)、ガセ演出表示用コマンドを設定し(S4804)、S4805の処理へ移行する。一方、S4803の処理において、短閉が生じるタイミングではないと判別した場合は(S4803:No)、そのまま、S4805の処理へ移行する。
なお、ガセ演出としては、本制御例では、図159の2コマ目および3コマ目の表示例に示すような、直前の表示と変化した後で、結局元の表示に戻るといった表示例が例示される。
S4805の処理では、V入賞ラウンド用タイマ223gcの値を参照して、長閉(本制御例では、0.2秒間の閉鎖。貯留流路1231から球が排出される閉鎖)が生じるタイミングであるか判別する(S4805)。長閉の生じるタイミングではないと判別した場合は(S4805:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、長閉の生じるタイミングであると判別した場合は(S4805:Yes)、貯留流路1231の下端に球が配置されているか判別する(S4806)。本制御例では、未到達演出フラグ223qbがオンであれば貯留流路1231の下端に球が配置されていると判別し、未到達演出フラグ223qbがオフであれば貯留流路1231の下端に球が配置されていないと判別することができる。
貯留流路1231の下端に球が配置されていないと判別した場合は(S4806:No)、貯留流路1231から球が排出されないので、ガセ演出表示用コマンドを設定して本処理を終了する(S4807)。なお、ガセ演出としては、S4804の処理で上述した演出と同様の演出が実行される。
一方、S4806の処理において、貯留流路1231の下端に球が配置されていると判別した場合は(S4806:Yes)、V準備演出表示用コマンドを設定し(S4808)、スキップ用フラグ223gdをオンに設定し(S4809)、S4812の処理へ移行する。
また、S4801の処理において、スキップ用フラグ223gdがオンであると判別した場合は(S4801:Yes)、そのままS4812の処理へ移行する。また、S4802の処理において、規定個数(本制御例では、10個)の球が検出センサ1240へ入球したと判別した場合は(S4802:Yes)、S4810の処理へ移行する。
S4810の処理では、それが初回の処理であると判別した場合は(S4810:Yes)、S4811の処理へ移行した後でS4812の処理へ移行する。一方、初回の処理ではないと判別した場合は(S4810:No)、そのままS4812の処理へ移行する。
なお、S4810の処理において、初回であることの判定を行う手法は様々な方法が考えられる。例えば、S4810の処理として所定のカウンタの数値が1以上か、という処理を設け、S4810とS4811との間に所定のカウンタの数値を1ずつカウントダウンする処理を設け、大当たり遊技の開始時に所定のカウンタの値が1に設定されるようにしても良い。
S4811の処理では、砕けた岩石(図158の2コマ目の表示例参照)を表示する表示用コマンドを設定し(S4811)、その後でS4812の処理へ移行する。S4812の処理では、特定領域4830を球が通過したかを判別する(S4812)。特定領域4830を球が通過したと判別した場合は(S4812:Yes)、V入賞したことを報知する表示(本制御例では、図158の3コマ目の表示例または図159の6コマ目の表示例参照)をする表示用コマンドを設定し、本処理を終了する(S4813)。一方、S4812の処理において、特定領域4830を球が通過していないと判別した場合は(S4812:No)、そのまま本処理を終了する。
なお、本制御例において、V準備演出とは、図159の4コマ目および5コマ目の表示例に示すように、V入賞したことを報知する表示(図159の6コマ目の表示例参照)につながる表示(予感させる表示)のことを意味する。
S4812の処理において特定領域4830の通過を検出される球は、V入賞ラウンドRvの開始後に貯留流路1231に入球した球に限定されるものでは無く、V入賞ラウンドRvの開始時に貯留流路1231に残留していた球である可能性もある。即ち、S4812の処理を設けることにより、V入賞ラウンドRvの開始時に貯留流路1231に残留する球を、残念な印象のみを遊技者に抱かせる存在ではなく、利益につながる可能性があると感じさせる存在にすることができる。
なお、V表示設定処理(S4707)において設定されたスキップ用フラグ223gdは、現在実行中の大当たり遊技が終了するタイミングでオフに設定され、更新したV入賞ラウンド用タイマ223gcは現在実行中の大当たり遊技が終了するタイミングでリセットされる。
<第5の制御例>
次いで、図179を参照して、第12実施形態について説明する。上記各実施形態では、開閉板1300に到達した球が右方へ転動し、検出センサ1240を通過する場合を説明したが、第12実施形態における第1可変入賞装置12000は、各構成が左右対称とされ、左方へ転動する球が検出センサ1240へ向かうように構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分(左右対称に変化しただけの部分を含む)には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図179は、第12実施形態の遊技盤13の正面図である。図179に示すように、第1可変入賞装置12000は、第3実施形態の構成に対して、開閉板12300が更に長尺な板(本実施形態では、長尺方向の幅が135[mm])として構成される点が異なり、加えて、第3実施形態で説明した落下遅延板3250と類似の形状から構成される落下遅延板12250とを備える。
開閉板12300は、板部12310が軸方向に長いこと以外は、上記各実施形態で説明した開閉板1300と同一の構成を備える。そのため、同一部分については、同じ符号を付し、説明を省略する。
落下遅延板12250は、第3実施形態に対して、左右方向の区間ごとにその構成が異なることが主な違いである。ここで、図180を参照して、落下遅延板12250について説明する。
図180は、覆設前板12200の背面斜視図である。図180に示すように、落下遅延板12250は、開閉板12300の移動軌跡の正面側に開閉板12300との干渉を避けて配置され、開閉板12300の軸部1320の下方に配設され軸方向と平行な直線状の板状部であって薄板部材1210の背面から垂直に延設される延設板部3251と、その延設板部3251の上面と薄板部材1210との間を連結すると共に上面が凹状の湾曲形状から形成される転動円弧部12252と、を主に備える。
なお、第3実施形態に比較して、本実施形態では延設板部3251が更に長尺に構成されるが、その他の形状は同じであり、同様の目的で構成されるものであるので、同じ符号を付して説明を省略する。
対向面3251aについて補足すると、本実施形態では、対向面3251aと本体部材12100の薄板部材12110の正面側壁との間隔は、球が最も上流側(図179右側)に配置された状態において球の中心の鉛直下方に配置される部分において球の半径以下とされ、中間位置(図179左右方向の中腹位置)において球の半径以上に切り替えられ、最も下流側(図179左側)に配置された状態において球の中心の鉛直下方に配置される部分において球の半径以上かつ球の直径未満とされる。即ち、第3実施形態に比較して、薄板部材12110に対する対向面3251aの傾斜が緩やかになっている。
転動円弧部12252は、落下遅延板12250の長尺方向に沿って3等分に区画される。即ち、検出センサ1240から遠い側から、第1転動部12252aと、第2転動部12252bと、第3転動部12252cとを主に備える。
第1転動部12252aは、第3実施形態における転動円弧部3252と同様に、対向面3251aの端部において軸方向に垂直な平面上に引かれる接線が前後方向に沿う形状から構成されると共に、覆設前板12200の薄板部材1210に滑らかに交わる(軸方向に垂直な平面上に引かれる接線が薄板部材1210の面方向(延設される方向)に沿う)形状から構成される。
そして、第1転動部12252aの軸方向視における曲率半径は、球の半径より大きく設定される。これにより、球が第1転動部12252a上を前後方向に転動する際の抵抗を低減することができる。
第2転動部12252bは、上流側端面(検出センサ1240から遠い側の端面)の上端部が、第1転動部12252aの下流側端面(検出センサ1240に近い側の端面)の上端部と同位置に配設され、軸方向視における曲率半径は、第1転動部12252aの曲率半径よりも大きく設定される。
従って、球が第2転動部12252b上を前後方向に転動する際の抵抗は、球が第1転動部12252a上を前後方向に転動する際の抵抗に比較して増加する。即ち、球が前後方向に転動する際の運動エネルギーの減少度合いを、第1転動部12251aでの転動に比較して、第2転動部12252bでの転動において、大きくすることができる。
第3転動部12252cは、上流側端面(検出センサ1240から遠い側の端面)の上端部が、第2転動部12252bの下流側端面(検出センサ1240に近い側の端面)の上端部と同位置に配設され、軸方向視における曲率半径は、第2転動部12252bの曲率半径よりも大きく設定される。
従って、球が第3転動部12252c上を前後方向に転動する際の抵抗は、球が第2転動部12252b上を前後方向に転動する際の抵抗に比較して増加する。即ち、球が前後方向に転動する際の運動エネルギーの減少度合いを、第2転動部12251bでの転動に比較して、第3転動部12252cでの転動において、大きくすることができる。
従って、本実施形態によれば、転動円弧部12252上で球が前後方向に転動した場合の減速度合いを、球の左右位置によって変化させることができる。即ち、同じ速度で転動円弧部12252上を流下する複数個の球がある場合に、それらの球を同様に前後に転動させると、上流側に配置される球の減速度合いに比較して、下流側に配置される球の減速度合いを大きくすることができる。従って、複数個の球の間隔を縮めることができ、複数回前後に転動させることで、それらの球の間隔をなくす(連球を構成する)ことができる。
図181を参照して、開閉板12300の上面を流下する球の流下態様の例について説明する。図181は、開閉板12300の上面を流下する球の配置の変化を模式的に示す模式図である。
図181では、横軸を時間経過、縦軸を開閉板12300の上面を流下する球の配置の一例として模式的なグラフが図示される。縦軸は、下端における横軸との交差位置が開閉板12300の上面を転動する球の転動開始点として、上端が開閉板12300の上面を転動する球の転動終了点(検出センサ1240に入球する位置)として図示される。横軸は球の発射間隔と同様に等間隔で目盛りがつけられる。即ち、本制御例では、球の発射間隔は0.6秒なので、横軸の目盛りの間隔は0.6秒に対応する。
図181では、時間の経過に伴う球の配置を繋いだ曲線が図示される。理解を容易とするために、球の流下は重力加速度による流下として説明する。従って、球に重力以外の負荷がかけられない場合には、図181に図示される曲線は2次曲線となり、この曲線を基本の曲線BPFとして説明する。
ここで、開閉板12300は、第12の実施形態では、開状態で維持される開閉板12300に球が到達してから、開状態で維持される開閉板12300の上面を転動して検出センサ1240に入球するまでに約4秒を要するように構成されている。そのため、基本の曲線BPFは、4秒経過したら縦軸の上端位置(検出センサ1240の位置)に到達する2次曲線として図示される。なお、連球を構成するメカニズムの理解を容易とするために、開閉板12300の上面に到達した球の流下速度が0であると仮定して説明する。
開閉板12300を流下する球は、基本的には曲線BPFに沿って流下することになる。そのため、開閉板12300が開状態を維持する場合、開閉板12300に球が到達する間隔と、その球が検出センサ1240に入球する間隔は同じになる。一方で、開閉板12300が閉状態と開状態とで状態変化をする場合、球は減速され間隔が変化する場合がある。
図181では、開閉板12300が閉状態と開状態で状態変化する時(後述する動作シナリオ51,52における途中閉鎖に対応)の例が、閉鎖タイミングTC1~TC3で図示される。この閉鎖タイミングTC1~TC3は、縦軸と平行な直線として図示される。なお、第2閉鎖タイミングTC2と第3閉鎖タイミングTC3との間隔は、後述する動作シナリオ51,52の理解を容易とするために1秒間隔で図示される。
上述したように、第12実施形態では、球の配置によって減速の度合いが変化する。即ち、球が第1転動部12252aの上方に配置されているのか、球が第2転動部12252bの上方に配置されているのか、球が第3転動部12252cの上方に配置されているのかによって、減速の度合いが変化する。
この度合いの変化を、図181では、閉鎖タイミングTC1~TC3の直後の曲線の変化で説明する。即ち、第1転動部12252aの上方に球が配置された状態で閉鎖タイミングTC1~TC3となった場合には、その後の球の流下態様には影響が生じないものとし(減速の程度が小さい)、第2転動部12252bの上方に球が配置された状態で閉鎖タイミングTC1~TC3となった場合には、その後の球の流下態様が曲線BPFの途中位置HC(流下開始から1秒後の状態)から再開するものとし(減速の程度が中くらいである)、第3転動部12252cの上方に球が配置された状態で閉鎖タイミングTC1~TC3となった場合には、その後の球の流下態様が曲線BPFの開始位置SCから再開するものとする(減速の程度が大きい)。
第1曲線BP1に示される球の流下軌跡は、開閉板12300の上面を流下する途中で第1閉鎖タイミングTC1となっているが、第1転動部12252aの上方に配置されていたため、影響を受けずに流下を継続した場合の軌跡である。
一方、第2曲線BP2に示される球の流下軌跡は、開閉板12300の上面を流下する途中で第1閉鎖タイミングTC1となっているのは第1曲線BP1に示される球と同じであるが第2転動部12252bの上方に配置されていたため、減速され、途中位置HCからの軌跡として流下を再開した軌跡である。
第1曲線BP1と、第2曲線BP2とは、縦軸の上端に到達する前に交差位置UCで交わるので、第1曲線BP1に示される球と第2曲線BP2に示される球とは連球を構成する。
第3曲線に示される球の流下軌跡は、開閉板12300の上面を流下する途中で第2閉鎖タイミングTC2及び第3閉鎖タイミングとなっており、第3転動部12252cの上方に配置されていたため、開始位置SCからの軌跡として流下を再開した軌跡である。
第4曲線に示される球の流下軌跡は、開閉板12300の上面を流下する途中で第2閉鎖タイミングTC2及び第3閉鎖タイミングとなっており、第2閉鎖タイミングTC2の時は第1転動部12252aの上方に配置されていたため影響を受けずに中華を継続し、第3閉鎖タイミングTC3の時は第2転動部12252bの上方に配置されていたため、減速され、途中位置HCからの軌跡として流下を再開した軌跡である。
第3曲線BP3と、第4曲線BP4とは、縦軸の上端に到達する前に交差位置UCで交わるので、第3曲線BP3に示される球と第4曲線BP4に示される球とは連球を構成する。
次いで説明する第5の制御例では、第12実施形態を利用する。第5の制御例では、ラウンド遊技R中において、オーバー入賞し易いタイミングと、そうでないタイミングとを構成する場合について説明する。また、そのタイミングに関わる報知を第3図柄表示装置81で実行する。
次に、図182及び図183を参照して、本制御例における主制御装置110のMPU201のROM202の内容について説明する。図182(a)は、本制御例における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。ROM202には、既に上述した第1当たり乱数テーブル202aと、第2当たり乱数テーブル202cとに加え、第1当たり種別選択テーブル202b5と、変動パターン選択テーブル202dと、開閉板動作シナリオ記憶領域202e5と、開閉板動作シナリオテーブル202f5とが少なくとも設けられている。
まず、図182(b)を参照し、第1当たり種別選択テーブル202b5の詳細について説明する。図182(b)は、第1当たり種別選択テーブル202b5の内容を模式的に示した模式図である。第1当たり種別選択テーブル202b5は、大当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。
本制御例のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202b5とが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~39」の範囲には、大当たりTaが対応付けられて規定されている(図182(b)の202b51参照)。
大当たりTaとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置12000の第1の作動パターン(図23(a)参照)で実行される。この場合、遊技者は、約2250個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「40~79」の範囲には、大当たりTbが対応付けられて規定されている(図182(b)の202b52参照)。
大当たりTbとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置12000の後述する第25の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約2250個の賞球の払い出しに加え、高い確率で超過入賞分の賞球を受けることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「80~99」の範囲には、大当たりTcが対応付けられて規定されている(図182(b)の202b53参照)。
大当たりTcとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置12000の第3の作動パターン(図23(c)参照)に類似の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約2250個から残球の影響で獲得不能な分を差し引いた賞球の払い出しに加え、一般入賞口63に球が入賞することに伴う若干の賞球の払い出しを受けることができる。
ここで、類似の作動パターンとは、第3の作動パターンで10ラウンド目以降にラウンド間第2インターバル時間Int2を配置したことにならい、所定のラウンド間に第2インターバル時間Int2を配置することに対応する。なお、本制御例では、少なくとも5ラウンド目と6ラウンド目との間に第2インターバル時間Int2を配置する。
一方、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~99」の範囲には、大当たりrが対応付けられて規定されている(図182(b)の202b54参照)。
大当たりrとなった場合は、大当たりTbの時と同様に、15ラウンドの大当たり遊技が、第1可変入賞装置12000の後述する第25の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約2250個の賞球の払い出しに加え、高い確率で超過入賞分の賞球を受けることができる。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、高い確率で超過入賞分の賞球を受けることが可能な大当たり遊技が実行される。これにより、特別図柄2の抽選で大当たりを獲得することに対する遊技者の意欲を高めることができる。
次いで、第25の作動パターンの構成について説明するために、図183を参照して、開閉板動作シナリオ記憶領域202e5及び開閉板動作シナリオテーブル202f5について説明する。
図183(a)は、開閉板動作シナリオ記憶領域202e5の内容を模式的に示した模式図である。この開閉板動作シナリオ記憶領域202e5は、開閉板12300(図179参照)の動作制御に用いられる動作シナリオがシナリオ種別毎に記憶されている領域であって、この開閉板動作シナリオ記憶領域202e5に記憶されている情報を用いて、大当たり遊技における所定のラウンド遊技Rにおいて開閉板12300が動作される。
具体的には、開閉板動作シナリオ記憶領域202e5には、シナリオ種別として動作シナリオ51及び動作シナリオ52が規定されている。動作シナリオ51は、シナリオ内容として、開閉板12300(図179参照)に「(開放(開状態)5.0秒→(閉鎖(閉状態、短閉)0.1秒→開放(開状態)0.9秒)×5(繰り返し))×3(繰り返し)」が設定される、最大30秒の動作シナリオである。
動作シナリオ51では、30秒が経過する前であっても、検出センサ1240に規定個数(本制御例では、10個)の球が検出されることで開閉板12300の動作シナリオが終了し、初期状態に復帰するように制御される。
この動作シナリオ51では、開閉板12300が開放(開状態)とされた後における閉鎖が、閉鎖(閉状態、短閉)のみで構成される。そのため、開閉板12300は開放(開状態)から動作するが、貯留流路1231に残った球は排出されない。そのため、貯留流路1231の貯留球をラウンド遊技R中に減らすことはできない。
なお、動作シナリオ51のように貯留流路1231から球が排出される前に開閉板12300の閉鎖を解除する動作シナリオの場合には、特に規制部材1600付近において球の位置ずれが生じる。即ち、開閉板12300が閉状態とされる0.1秒間において規制部材1600は排出状態とされるので、その0.1秒間に球は排出されかけ、その後、規制部材1600が貯留状態とされることで球は押し戻される。
そのため、球が押し戻される際に貯留流路1231に貯留されている球全体が押し戻され、検出センサ1240に再び検出されることが懸念されるが、本件発明では、検出センサ1240の配置を規定することにより再検出を防止している。即ち、図10で図示されるように、検出センサ1240は、検出位置としての幅方向中心が貯留流路1231の下流側から9個目に配置された球よりも上流側にあり、且つ、検出位置としての幅方向中心に貯留流路1231の下流側から10個目の球の下流側半球部分が入るように配設される。
検出センサ1240をこのように配置することで、規制部材1600の動作によって一度下流へ流れかけた(球の直径未満で変位した)球が押し戻された場合であっても、貯留流路1231の下流側から10個目の球は、検出センサ1240の検出位置としての幅方向中心に常時入った状態で維持される。従って、規制部材1600の動作中において、検出センサ1240に球が検出され続けることはあっても、球が再び検出されるという事態の発生を防止することができる。
なお、本制御例では検出センサ1240の配置を工夫することで規制部材1600に押し戻されることによる再検出の発生を防止したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、規制部材1600の動作中においては所定位置から上流側の貯留球の変位を防止する防止手段を設けても良いし、規制部材1600が動作しても0.1秒間は球の流下が開始しないように球の流下を規制する流下規制手段を設けても良い。
また、動作シナリオ52は、シナリオ内容として、開閉板12300(図179参照)に「(開放(開状態)5.0秒→(閉鎖(閉状態、長閉)0.2秒→開放(開状態)0.8秒)×5(繰り返し))×3(繰り返し)」が設定される、最大30秒の動作シナリオである。
動作シナリオ52では、30秒が経過する前であっても、検出センサ1240に規定個数(本制御例では、10個)の球が検出されることで開閉板12300の動作シナリオが終了し、初期状態に復帰するように制御される。
この動作シナリオ52では、開閉板12300が開放(開状態)とされた後で閉鎖(閉状態、長閉)にされることで、貯留流路1231に残った球を排出できる。そのため、貯留流路1231の貯留個数を減らすことができるので、検出センサ1240に規定個数の球が入球する際の貯留流路1231の内部において、隙間を構成し易くなることから(貯留流路1231の許容個数(10個)未満しか球が貯留されていない状態を構成し易くなることから)、超過入賞の発生確率を上昇させることができる。
本制御例では、超過入賞が発生し難い場合(動作シナリオ51の場合)と、超過入賞が発生し易い場合(動作シナリオ52の場合)とを、ラウンドごとに異ならせて、第25の作動パターンを構成している。具体的には、偶数ラウンドを動作シナリオ51で、奇数ラウンドを動作シナリオ52として、第25の作動パターンを構成している。これにより、超過入賞の過度な発生を抑えることができる。
このように、動作シナリオを、遊技者の得られる利益の違いに基づいて区分けして記憶させておくことで、現在実行されている開閉板12300の動作が遊技者に与える利益を、主制御装置110は容易に判別することができる。
なお、開閉板12300の閉鎖タイミングは、動作シナリオ51及び動作シナリオ52で共通であり、閉鎖の長さの違いも0.1秒と短いので、開閉板12300が動作シナリオ51と動作シナリオ52とのいずれのパターンで動作しているのかを遊技者が判別し難くすることができる。
図183(b)は、開閉板動作シナリオテーブル202f5の内容を模式的に示した模式図である。この開閉板動作シナリオテーブル202f5は、予め定められている各シナリオ種別が、どの大当たり種別の、何ラウンド目のラウンド遊技Rに対応するかの情報が付与されている。
主制御装置110のMPUでは、開閉板12300の動作制御を実行する場合に、開閉板動作シナリオテーブル202f5に規定されている内容に対応する情報を、開閉板動作シナリオ記憶領域202e5から読み出して、開閉板12300を可動させている。
この開閉板動作シナリオテーブル202f5は、大当たり種別と、何ラウンド目のラウンド遊技Rかの組み合わせに基づいて、対応する動作シナリオを設定可能に構成される。大当たり遊技におけるラウンド遊技Rでは、その選択された動作シナリオで、ラウンド遊技Rの開始と同時に開閉板12300が可動制御される。
次いで、大当たり遊技中の表示内容の一例について、図184を参照して説明する。図184は、第25の作動パターンで第1可変入賞装置12000が動作する大当たり遊技における第3図柄表示装置81の表示内容の変化を時系列で示す模式図である。
図184の1コマ目(上左方に示す表示例)は、上述した基本演出の途中の部分(例えば、図157の3コマ目(下左方に占める表示例))に続く表示である。即ち、図184に示す表示例は、基本演出で表示が実行されている際に、所定条件が成立した際に切り替えられる表示である。
図184の1コマ目(上左方に示す表示例)では、主表示領域Dm(図87(a)参照)に、窪みに隠れた宝箱と、その窪みを塞ぐ5個の岩石(番号2を付記)と、その岩石に砲撃する戦車が図示され、小領域Ds3の案内表示部における表示が、「右を狙え」(打ち出し継続を示唆する表示。打出指示(図157参照))から、「打つのか?」(打ち出しの継続を迷わせる表示。停止示唆指示に相当)に切り替えられている。
基本演出から、図184の1コマ目の表示への切り替えは、球の発射から開閉板12300に球が到達する平均時間(1秒)と、図184の2コマ目(中左方の表示例)から6コマ目(下右方の表示例)までで図示されるカウントダウン演出に係る時間(等間隔で表示が切り替えられ、合計1.5秒)の合計(2.5秒)だけ、開閉板12300の閉鎖が繰り返される期間の開始から巻き戻ったタイミングで、表示が切り替えられる。即ち、本制御例では、上述した動作シナリオ51,52の開始から2.5秒、12.5秒または22.5秒経過のタイミングで、基本演出から図184の1コマ目の表示例に表示が切り替えられる。
2コマ目(中左方に示す表示例)では、岩石の手前を通過しようとする子供(球発射の停止を示唆する画像)が表示され、3コマ目(下左方に示す表示例)では、岩石の手前を子供が通過している様子が図示され、小領域Ds3の案内表示部における表示が「3」に切り替えられる。
その後、4コマ目(上右方に示す表示例)では、子供が戦車の前を通りすぎた様子が図示され、小領域Ds3の案内表示部における表示が「2」に切り替えられる。その後、5コマ目(中右方に示す表示例)では、子供が戦車の前を通りすぎた様子(球の発射の再会を示唆する画像)が図示され、小領域Ds3の案内表示部における表示が「1」に切り替えられる。なお、小領域Ds3の案内表示部の数字は、1ずつ数字を減らし、「0」となり得るタイミングで何らかの報知をする所謂「カウントダウン演出」の一例として表示される。
6コマ目(下右方に示す表示例)では、戦車が砲撃を開始する様子(球の発射を示唆する表示)が図示され、小領域Ds3の案内表示部における表示が、「右を狙え」(打ち出し継続を示唆する表示。打出指示(図157参照))に切り替えられる。
図184に示すように切り替えられる表示に従って球の発射と停止とを変化させる場合、図184の1コマ目から5コマ目までは球の打ち出しを停止し、6コマ目において球の打ち出しを開始(再開)することになる。この場合、6コマ目に切り替えられた直後(本制御例では、上述した動作シナリオ51,52の開始から4秒、14秒または24秒経過のタイミングの直後)から発射した球は、1秒後の、開閉板12300の閉鎖が開始されるタイミングに開閉板12300に到達する。
そのため、それ以降の所定期間(本制御例では、4秒間)に発射した球は、開閉板12300が閉鎖動作を繰り返す期間に開閉板12300に沿って検出センサ1240へ向けて転動することになり、開閉板12300の閉鎖動作に伴い運動エネルギーが減らされることになる。
加えて、上述したように、開閉板12300の閉鎖動作に伴う運動エネルギーの減少度合いは、下流側(検出センサ1240に近い側)に配置される球の方が大きくなるので、開閉板12300に沿って転動する球同士の間隔を縮めることができる。そのため、連球を構成し易くすることができる。
一方、1コマ目から5コマ目において球の発射を行った場合には、開閉板12300が開状態を維持する期間に球が開閉板12300に到達することになる。従って、開閉板12300の上面を転動する球同士の間隔は、開閉板12300に球が到達した時点の間隔から変化せずに保たれ易くなる。そのため、連球を構成することは困難となる。
即ち、本制御例によれば、図184に示す表示例に従い球の発射、停止を実行した方が、表示例を無視して球の発射を継続した場合に比較して、開閉板12300に沿って検出センサ1240へ向けて転動する球が連球を構成し易くすることができる。
ここで、開閉板12300に沿って検出センサ1240へ向けて転動する球が連球を構成している場合、先の球が検出センサ1240に検出された際に規定個数(本制御例では、10個)の入賞が検出され、開閉板12300が閉状態へ切り替えられる場合、その切替前に、先の球の上流側に連なる球が検出センサ1240に入球し易くなる。
そのため、遊技者は、連球を構成するように球の発射を行った方が、大当たり遊技において得られる利益(賞球の払い出し)を増加させることができる。本制御例では、第3図柄表示装置81において、連球が構成されやすくなるタイミングを報知することから、第3図柄表示装置81への注目力を向上させることができる。
本制御例では、図184に示すような表示の変化が、動作シナリオ51の場合(本制御例における偶数ラウンド)にも、動作シナリオ52の場合(本制御例における奇数ラウンド)にも実行される。一方で、開閉板12300の上面に連球が構成された場合に超過入賞が望めるのは、動作シナリオ52の場合に限定される。
これにより、遊技者に打ち出しの停止を示唆する表示を行うことで、ラウンド遊技Rの消化時間を引き延ばす作用を維持しながら、毎ラウンドで超過入賞が生じ遊技者の利益が過度に大きくなることを防止することができる。
なお、表示例の構成は、これに限られるものでは無い。例えば、図184に示す表示の変化を動作シナリオ52の場合(本制御例における奇数ラウンド)のみで実行しても良い。この場合には、超過入賞が望めない場合にまで連球を構成するために球の発射を停止することが不要になるので、ラウンド遊技Rの進行をスムーズにすることができる。
また、例えば、図184に示す表示の変化を動作シナリオ51の場合(本制御例における偶数ラウンド)のみで実行しても良い。この場合には、超過入賞を抑制し、且つラウンド遊技Rの進行を緩慢(スロー)にすることができる。
本制御例によれば、図184の6コマ目の表示切替に従い球を発射してから5秒間は、開閉板12300が繰り返し閉状態に変化する。この期間は、上述したように開閉板12300に沿って検出センサ1240へ向かう球を、程度違いで減速させることで連球を構成し易くしている。しかし、連球を構成した複数の球が検出センサ1240を通過する直前や最中に開閉板12300が閉状態に変化すると、検出センサ1240と終端面3251bとの間を球が落下する可能性があり、この場合には、せっかく構成した連球が解消される虞がある(例えば、連球の間の球が、落下する場合)。
従って、連球を構成できたら、開閉板12300が開状態を維持する期間(本制御例では、動作シナリオ51,52の開始から5秒経過時点まで、10秒経過時点から15秒経過時点まで、又は20秒経過時点から25秒経過時点まで)に検出センサ1240を通過させることが好ましい。ここで、上述のように、第12の実施形態では、開状態で維持される開閉板12300に球が到達してから、開状態で維持される開閉板12300の上面を転動し検出センサ1240に入球するまでに約4秒を要するように構成されている。
従って、例えば、開閉板12300が開状態で維持される期間が開始される約4秒前よりも後(且つ、開閉板12300が開状態で維持される期間が開始される前)に開閉板12300に到達した球を先頭に連球が構成される場合、開閉板12300が開状態で維持される期間に球が検出センサ1240を通過する状況を高い確率で発生させることができる。
一方で、約4秒前以前であっても、開閉板12300の上に球が4秒以上滞在する事情があれば、開閉板12300が開状態で維持される期間に球が検出センサ1240を通過する状況を高い確率で発生させることができる。
ここで、本制御例によれば、図184の6コマ目(下右方の表示例)に示すタイミングは開閉板12300が開状態で維持される期間が開始される約6秒前であり、この直後に発射した球が開閉板12300に到達するのは開閉板12300が開状態で維持される期間が開始される約5秒前であるので、約4秒前よりも前である。
しかし、この後、開閉板12300は閉状態への切り替えを繰り返し実行することから、開閉板12300に沿って流下する球が減速される。即ち、開閉板12300の上に球が4秒以上滞在する事情がある。そのため、開閉板12300が開状態で維持される期間が開始される約5秒前に開閉板12300に到達した球が開閉板12300の上に滞在する時間を1秒間延ばす(即ち、球の流下速度の平均を80%に減速する)ことにより、先頭の球が検出センサ1240を通過するタイミングを開閉板12300が開状態で維持される期間に含めることができる。
加えて、図184の6コマ目(下右方の表示例)に示すタイミングで発射した球は、開閉板12300が閉鎖への切り替え動作を開始するタイミングで開閉板12300の上流側端部付近に到達する。そのため、開閉板12300が閉鎖への切り替え動作(繰り返し動作)を実行している最中に開閉板12300に到達した球や、開閉板12300を転動している最中に開閉板12300の閉鎖への切り替え動作が開始された球などと比較して、開閉板12300の動作により減速される回数を最大限に増やすことができる。従って、最も連球を構成し易くすることができる。
次いで、図185を参照して、大当たり遊技中の表示内容の一例について説明する。図185は、第3の作動パターンに類似の作動パターンで第1可変入賞装置12000が動作する大当たり遊技における第3図柄表示装置81の表示内容の変化を時系列で示す模式図である。
図185の1コマ目(上左方に示す表示例)は、上述した基本演出の途中の部分(例えば、図157の3コマ目(下左方に占める表示例))に続く表示である。即ち、図185に示す表示例は、基本演出で表示が実行されている際に、所定条件が成立した際に切り替えられる表示である。
ここで、この所定条件は、貯留流路1231が満タンとなった時(図189のS5032参照)に、現在実行中のラウンド遊技Rにおいて規定個数の球の通過が検出センサ1240に検出されていない場合(図189のS5033参照)に成立する(以下、「満タン未達条件」とも称する)。即ち、貯留流路1231に残球がある状態でラウンド遊技が開始されることが前提とされる。
ここで、貯留流路1231に球が残留した状態からラウンド遊技Rが開始され、貯留流路1231が満タンとなり、ラウンド遊技Rが継続している状況においては、ラウンド遊技Rの残りの時間における無駄球の発生を防止するためには、球の発射を停止すればいい。一方で、球の発射を停止させる場合、遊技者に暇な時間が生じることになるので、遊技者の集中力を削ぎ、遊技の興趣を低下させる虞がある。
これに対し、本制御例では、貯留流路1231が満タンとなり、第1特定入賞口1000aを球が通過することが防止される状況(満タン未達条件が成立している時)においても、球の発射を促進する表示(打ち出しを示唆する表示)を維持しつつ、その発射により期待される利益(賞球の払い出し)が切り替わったことを遊技者に報知するように表示の切り替えを実行する。
本制御例は、貯留流路1231に球を貯留できる上述の構造を利用したものである。即ち、本制御例において、上述の満タン未達条件が成立した後、ラウンド遊技Rの規定時間(本制御例では、30秒間)が経過するまで開閉板12300が開状態(上昇姿勢)で維持される。
そのため、満タン未達条件の成立中に球の発射(右打ち)を継続すると、開閉板12300に到達した球は、開閉板12300の長手方向に平行な方向への移動は、貯留流路1231に貯留される球に当接し規制され、下方への移動は開閉板12300に規制されるので、開閉板12300が閉状態へ切り替えられるまで開閉板12300の上面に保持される。即ち、開閉板12300に到達した球は、開閉板12300が閉状態に切り替えられるまで行先が不明のまま維持されることから、この球が賞球につながるのか、そのままアウト口66から排出され球損となるのかは、現状では不明となる。
開閉板12300の上面に球が残った状態から、開閉板12300が閉状態へ移行し、その後で再び開状態となった場合、換言すれば、先のラウンド遊技Rが最終ラウンドではない場合には、開閉板12300の上面に乗っていた球を、再びすくいあげる可能性がある。
詳述すると、第12実施形態では、開閉板12300の下方に落下遅延板12250が配設されており、開閉板12300が閉状態になると、球が落下遅延板12250の上面を開閉板12300の長手方向に沿う方向(検出センサ1240の開口方向に沿う方向)で転動し、終端面3251bの左方においてアウト口66へ向けて落下する。従って、開閉板12300が開状態に変化するまでに終端面3251bに到達しなかった球は、再び開閉板12300の上面にのり、検出センサ1240(第1特定入賞口1000a)を通過する。
そのため、満タン未達条件の成立中に開閉板12300の上面に到達した球によっても、検出センサ1240(第1特定入賞口1000a)への入賞により賞球の払い出しを得られる可能性を残すことができる。従って、検出センサ1240(第1特定入賞口1000a)への入賞による賞球の払い出しが期待できない場合(可能性がほぼ無い場合。例えば、通常状態の場合)に比較して、球の発射(右打ち)を継続する遊技者の意欲を向上させることができる。
なお、第12実施形態では、開閉板12300の長手方向の長さは約135[mm]とされるので、球(直径11[mm])が上下に重ならずに横並びで配置された場合には、開閉板12300の上面に最大で12個の球を乗せることができる。
また、第12実施形態では、満タン未達条件の成立中に球の発射(右打ち)を継続して、開閉板12300に到達しなかった球の内の何割かは、一般入賞口63に入賞する。この一般入賞口63の払い出し個数は5個で設定されている。この一般入賞口63への入球割合が大きくなるほど、大当たり遊技において遊技者に払い出される賞球の合計個数が増加する。
図185で示す表示例は、これらの構造を利用したものである。即ち、開閉板12300及び落下遅延板12250の構造により球損の可能性が低いことを遊技者にアピールしつつ、一般入賞口63へ入球させて賞球の払い出しを得る遊技の促進を行うものである。
なお、貯留流路1231の内部に球の貯留状態を変更可能な可動物が配置されている場合は、貯留流路1231が空の状態(残球が無い状態)でラウンド遊技Rが開始された場合に、満タン未達条件が成立することがある。例えば、第6実施形態で上述した干渉装置6900が配設される場合、ラウンド遊技Rの開始後に干渉装置6900の干渉部材6930が張出状態とされることにより、上述の所定条件が成立し得る。
図185の1コマ目(上左方の表示例)では、小領域Ds1(図87(a))参照において、サブラウンド表示部714bが表示される。図185の1コマ目に切り替えられる前は、ラウンド数表示部714が発光表示(明るく表示)される一方、サブラウンド表示部714bは消灯表示(暗く表示)されるが、図185の1コマ目では、逆に、ラウンド数表示部714が消灯表示(暗く表示)される一方、サブラウンド表示部714bが発光表示(明るく表示)される。なお、サブラウンド表示部714bの、ラウンド遊技Rにおいて追加の賞球が期待できる期間であることを表示するという意味内容は、上述した内容と同じである(図143参照)。
また、図185の1コマ目(上左方の表示例)では、小領域Ds3に、球の発射を促進する表示(打ち出しを示唆する表示)が維持されつつ、その背景に、1秒間隔でカウントダウンする数字として「3」の文字が表示される。
図185の2コマ目(中左方の表示例)では、小領域Ds3の表示がカントダウンして数字の「1」が表示された状態が図示され、それから1秒後には、図185の3コマ目(下左方の表示例)に切り替えられる。
図185の3コマ目(下左方の表示例)では、小領域Ds3の下方に、球の発射を促進する表示(打ち出しを示唆する表示)が維持されたまま、主表示領域Dmを含む領域に、複数の円形状の図形が重ねて表示され、各図形の中央部付近には、球の発射を促進する表示(「打て」という文字)が付記されている。この状態において、複数の図形の背面側に、後述する「宝箱」の図形が予め用意されている。
図185の4コマ目(上右方の表示例)では、上述した円形状の図形が一部消去され、「宝箱」の一部が露見した状態が図示され、図185の5コマ目(中右方の表示例)では、上述した円形状の図形が全部消去され、「宝箱」の全体が露見した状態が図示される。
本制御例では、図185の1コマ目の表示例に表示が切り替えられてから一般入賞口63に入球した球の個数に対応して、この円形状の図形が消去される個数を切り替え可能とされる。即ち、一般入賞口63に入球する球の個数が増加するほど、円形状の図形が消去される個数が増加するように制御される。
一例として、本制御例では、図185の3コマ目で円形状の図形を4個表示し、一般入賞口63に球が1個入球する度に円形状の図形が1個消去されるように制御している。即ち、4コマ目の表示例は一般入賞口63に2個の球が入球した状態(一般入賞口63への入球による払い出し賞球が10個生じている状態)を示しており、5コマ目の表示例は一般入賞口63に4個以上の球が入球した状態(一般入賞口63への入球による払い出し賞球が20個以上生じている状態)を示している。
5コマ目の表示例における「宝箱」は、遊技者の得られる利益の大きさを示す表示としての意味を有する。即ち、「宝箱」の全体が表示される場合には、第1可変入賞装置12000以外への入球により払い出される賞球が20個以上発生している。そのため、遊技者は、「宝箱」の表示を見た回数を把握することで、一般入賞口63への入球による払い出し賞球個数を把握することができる(所定個数(本制御例では、宝箱の視認回数に20を掛け合わせた個数)以上の超過入賞を獲得したことの目安とすることができる)。
また、この表示は、第1可変入賞装置12000への入球による賞球とは別に表示されることになる。そのため、遊技者は「宝箱」の表示から、大当たり遊技において第1可変入賞装置12000への入球による払い出しが予定されている賞球個数(即ち、(ラウンド数)×(ラウンド遊技Rの規定個数)×(球1個の入賞に対する払い出し賞球個数)から算出される個数)を基準として、払い出し賞球個数をどの程度増加可能かを把握することができる。
なお、5コマ目の表示例では、賞球の払い出し個数に対応する表示を行う場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、「宝箱」の代わりに、「確率変動」、「通常」又は「時短」との文字(遊技状態を示唆する表示)のいずれかを、大当たり遊技の終了後の遊技状態に対応させて予め用意しても良い。この場合、遊技者は、一般入賞口63への入球個数を増加させることにより、現在実行中の大当たり遊技終了後の遊技状態を把握することができる。
なお、30秒以内(ラウンド遊技R中)に一般入賞口63に2個から4個の球を入球させることは、困難な場合が多い。そのため、図185の5コマ目の表示例に切り替わるまでには、相応の球損(開閉板12300の上が一杯になった後は開閉板12300の右方へ球が流れて、アウト口66へ流下する)を覚悟する必要があるので、ここに実益を見出さない遊技者は、球の発射を停止して球損を抑えても良い。
即ち、遊技者は、遊技態様として、球損が生じても有利な情報(例えば、上述の遊技状態を示唆する表示)を見られるように球の発射を継続するか、球損を防ぐために球の発射を停止するかを、選択することができる。
なお、開閉板12300の上が一杯になる前に図185の5コマ目の表示へ切り替えられた場合(一般入賞口63に4個以上の球を入球させることができた場合)は、遊技者は、最小限の球損で有利な情報を得ることができる。そのため、図185の1コマ目に表示が切り替えられた後において球の発射を意欲的に継続させることができる。
次いで、本制御例における音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について図186を参照して説明する。図186(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。図186(a)に示した通り、ROM222は、変動パターン選択テーブル222aと、開閉板動作シナリオ222b5とを少なくとも有している。
開閉板動作シナリオ222b5は、主制御装置110によって動作制御される開閉板12300の動作状況を音声ランプ制御装置113側でも把握するために設けられたものであって、主制御装置110のROM202に記憶されている開閉板動作シナリオ記憶領域202e5及び開閉板動作シナリオテーブル202f5に格納されている情報が記憶されている領域である。
次に、図186(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図186(b)は、RAM223の内容を示したブロック図である。RAM223には、コマンド記憶領域223aと、第1特別図柄保留球数カウンタ223bと、第2特別図柄保留球数カウンタ223cと、普通図柄保留球数カウンタ223dと、変動開始フラグ223eと、停止種別選択フラグ223fと、演出カウンタ223gと、ラウンド数累積カウンタ223hと、確変状態フラグ223iと、時短状態カウンタ223jと、貯留状態フラグ223kと、貯留上限フラグ223mと、貯留カウンタ223nと、操作フラグ223pと、演出一時記憶エリア223rと、第1操作演出フラグ223waと、第2操作演出フラグ223wbと、第1入力フラグ223wcと、第2入力フラグ223wdと、演出実行中フラグ223xと、押下期間情報格納エリア223yと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられ、加えて、表示切替フラグ223paと、発光タイマ223yhと、表示消去用カウンタ223yjとが少なくとも設けられている。
表示切替フラグ223paは、ラウンド遊技Rの途中で貯留流路1231が満タンとなった場合にオンに設定されるフラグであって、音声ランプ制御装置113がサブラウンド演出処理(S5036、図190参照)を実行するタイミングを把握するためのフラグである。
発光タイマ223yhは、第1可変入賞装置12000付近に配設される透過用ランプ227b(図86参照)を発光させる期間を管理するためのタイマである。本制御例では、一般入賞口63を球が通過する度に透過用ランプ227bが点灯し、1秒経過すると消灯するように制御される。
表示消去用カウンタ223yjは、表示切替フラグ223paがオンに設定されてからの一般入賞口63への入球個数を4個上限で管理するカウンタである。この表示消去用カウンタ223yjの数字が減るごとに、第3図柄表示装置81に表示される円形状の図形(図185の3コマ目から5コマ目参照)が消去され、背面側の表示(図185における「宝箱」)が見えやすくなるように制御される。
次いで、図187を参照して、本制御例において、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図187は、このメイン処理を示したフローチャートである。
本制御例におけるメイン処理は、第1の制御例のメイン処理に対して、貯留状態監視処理(S2113)の後で演出切替処理3(S5001)へ移行することが異なり、その他は同一である。そのため、同一部分については同一の符号を付し説明を省略し、異なる部分について説明する。
次に、図188を参照して、演出切替処理3(S5001)について説明をする。図188は、この演出切替処理3(S5001)を示したフローチャートである。この演出切替処理3(S5001)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図187参照)の一処理であり、大当たり遊技の進行状況によって変化する演出を実行するための処理である。
なお、本処理では、第1可変入賞装置12000への球の入賞態様を検出する処理や、一般入賞口63への入賞態様を検出する処理も含むため、メイン処理において短い周期(1m秒以内)で実行されるように構成している。これにより、第1可変入賞装置12000や一般入賞口63への球の入賞態様を検出して行う設定を遅滞なく行うことができる。
図188に示すように、演出切替処理3では、S5001の処理において、大当たり中であるかを判別する(S5011)。大当たり中でないと判別した場合は(S5011:No)、本処理を終了する。
一方、S5011の処理において、大当たり中であると判別した場合は(S5011:Yes)、大当たり種別が大当たりTb又は大当たりrであるか判別する(S5012)。そして、大当たり種別が大当たりTb又は大当たりrであると判別した場合は(S5012:Yes)、開閉板動作シナリオ222b5を参照して表示切替のタイミングであるか判別し(S5013)、表示切替のタイミング(上述したラウンド遊技Rの開始から2.5秒、12.5秒、22.5秒のタイミング)であると判別した場合は(S5013:Yes)、第1カウントダウン演出表示用コマンドを設定し(S5014)、本処理を終了する。また、S5013の処理において、表示切替のタイミングではないと判別した場合は(S5013:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S5012の処理において、大当たり種別が大当たりTbでも大当たりrでもないと判別した場合は(S5012:No)、次に、大当たり種別が大当たりTcであるか判別する(S5015)。
S5015の処理において、大当たり種別が大当たりTcではないと判別した場合は(S5015:No)、本処理を終了する。一方、S5015の処理において、大当たり種別が大当たりTcであると判別した場合は(S5015:Yes)、サブラウンド切替処理(S5016)へ移行し、その後、本処理を終了する。
次いで、図189を参照して、サブラウンド切替処理(S5015)について説明をする。図189は、このサブラウンド切替処理(S5015)を示したフローチャートである。このサブラウンド切替処理(S5015)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図187参照)の一処理であり、ラウンド遊技Rの途中で貯留流路1231が満タン状態となった後の演出を実行するための処理である。
図189に示すように、サブラウンド切替処理では、S5015の処理において、表示切替フラグ223paがオンであるか判別する(S5031)。表示切替フラグ223paがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合は(S5031:No)、貯留流路1231が満タンであるかを判別する(S5032)。
なお、貯留流路1231が満タンであることの判別の手法としては様々なものが例示される。本制御例では、検出センサ1240が球を検出する長さが所定期間(本制御例では、2秒間)を超過したことにより判別される。この場合において、X個目の球の入球タイミングの設定については、所定期間の経過時としても良いし、所定期間の開始時(即ち、検出センサ1240への入球タイミング)または所定期間の経過中の一時点にフラグを立て、所定期間の経過時に満タンであると判別された場合において、フラグを立てたタイミングとしても良い。
S5032の処理において、貯留流路1231が満タンでは無いと判別した場合は(S5032:No)、本処理を終了する。一方、S5032の処理において、貯留流路1231が満タンであると判別した場合は(S5032:Yes)、現在実行中のラウンド遊技Rにおいて規定個数(本制御例では、10個)の球が検出センサ1240に入球したか判別する(S5033)。
S5033の処理において、規定個数の球が検出センサ1240に入球したと判別した場合は(S5033:Yes)、本処理を終了する。一方、S5033の処理において、規定個数の球が検出センサ1240に入球していないと判別した場合は(S5033:No)、表示用切替コマンドを設定し(S5034)、表示切替フラグ223paをオンに設定し(S5035)、本処理を終了する。
本制御例では、この表示用切替コマンドが設定(S5034)された後、第3図柄表示装置81において、ラウンド数表示部714が消灯表示(暗く表示)される一方、サブラウンド表示部714bが発光表示(明るく表示)されるように、表示制御される(図185の1コマ目参照)。
一方、S5031の処理において、表示切替フラグ223paがオンであると判別した場合は(S5031:Yes)、サブラウンド演出処理(S5036)へ移行する。なお、サブラウンド演出処理(S5036)の詳細は後述する。
S5036の処理の後、ラウンド終了のタイミングであるか判別し(S5037)、ラウンド終了のタイミングであると判別した場合は(S5037:Yes)、表示切替フラグ223paをオフに設定し(S5038)、本処理を終了する。一方で、ラウンド終了のタイミングではないと判別した場合は(S5037:No)、そのまま本処理を終了する。
次いで、図190を参照して、サブラウンド演出処理(S5036)について説明をする。図190は、このサブラウンド演出処理(S5036)を示したフローチャートである。このサブラウンド演出処理(S5036)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図187参照)の一処理であり、貯留流路1231が満タンになった後における点灯演出および表示演出を実行するための処理である。
図190に示すように、サブラウンド演出処理では、S5036の処理において、現在実行中のラウンド遊技Rにおける規定時間(本制御例では、30秒間)に到達する5秒前のタイミングであるか判別する(S5051)。
S5051の処理において、規定時間に到達する5秒前のタイミングであると判別した場合は(S5051:Yes)、第2カウントダウン演出表示用コマンドを設定し(S5052)、表示消去用カウンタ223yjの値に「4」を設定し、S5054の処理へ移行する。一方、S5051の処理において、規定時間に到達する5秒前のタイミングではないと判別した場合は(S5051:No)、そのまま、S5054の処理へ移行する。
本制御例では、第2カウントダウン演出表示用コマンドが設定(S5052)された後、第3図柄表示装置81において、図185の1コマ目から開始される一連の表示演出が実行されるように制御される。なお、表示消去用カウンタ223yjの値が4であるので、図185の3コマ目の表示例に示すように円形状の図形が4個表示される。
S5054の処理では、第1可変入賞装置12000の右上に配置される一般入賞口63に球が入賞したかを判別する(S5054)。S5054の処理において、球が一般入賞口63に入賞したと判別した場合は(S5054:Yes)、現在実行中のラウンド遊技Rにおける規定時間(本制御例では、30秒)が5秒以内に経過するタイミングか判別する(S5055)。
S5055の処理において、規定時間が5秒以内に経過するタイミングであると判別した場合は(S5055:Yes)、表示消去用カウンタ223yjの値を減算し(S5056)、表示用消去コマンドを設定し(S5057)、S5058の処理へ移行する。一方、S5055の処理において、規定時間が5秒以内に経過するタイミングではないと判別した場合は(S5055:No)、そのまま、S5058の処理へ移行する。
表示消去用カウンタ223yjの値を減算し(S5056)、表示用消去コマンドが設定(S5057)された後、第3図柄表示装置81において、図185の3コマ目の表示例に示す円形状の図形が1個消去される態様で、表示が切り替えられるように制御される。なお、図185の4コマ目の表示は、図185の3コマ目の表示からS5057の処理が2回実行された後の状態を示し、図185の5コマ目の表示は、図185の4コマ目の表示からS5057の処理が2回(以上)実行された後の状態を示している。なお、S5056、S5057の処理が5回目に実行された後は(表示消去用カウンタ223yjの値<0)、円形状の図形に関しては、図185の5コマ目の表示で維持される。
S5058の処理では、透過用ランプ227bを点灯し(S5058)、発光タイマ223yhに「1秒」に対応する数値を設定し(S5059)、本処理を終了する。
一方、S5054の処理において、一般入賞口63に入賞していないと判別した場合は(S5054:No)、発光タイマ223yhを減算し(S5060)、発光タイマ223yhの値が0であるか判別する(S5061)。
S5061の処理において、発光タイマ223yhの値が0であると判別した場合は(S5061:Yes)、透過用ランプ227bが点灯中であるか判別し(S5062)、透過用ランプ227bが点灯中であると判別した場合は(S5062:Yes)、透過用ランプ227bを消灯し(S5063)、本処理を終了する。
一方、S5061の処理において発光タイマ223yhの値が0ではないと判別した場合(S5061:No)、又は、S5062の処理において、透過用ランプ227bが点灯中ではないと判別した場合は(S5062:No)、そのまま、本処理を終了する。
このように、本制御例によれば、一般入賞口63に球が入賞する度に、1秒間、透過用ランプ227bが点灯し、貯留流路1231の内部状態の視認性が向上するように制御される。
本実施形態では、ラウンド遊技Rの終了時に、貯留流路1231に貯留されていた球が排出されるので、貯留流路1231の内部状態を視認することで、ラウンド遊技Rの終了タイミングを容易に把握することが可能となる。また、ラウンド遊技Rの終了タイミングは、球の発射や停止の切り替えを行うタイミングを図る材料として、遊技者にとって重要なタイミングの一つである。
従って、表示演出等の演出が切り替わるタイミングをラウンド遊技Rの終了タイミングに対応させないようにして、貯留流路1231の内部の球の状態の変化を把握することでラウンド遊技Rの終了のタイミングを把握できる遊技機を構成した場合に、一般入賞口63へ球を入球させることに対する意欲を向上させることができる。
<第5の制御例の別例>
次いで、図191から図194を参照して、第5の制御例の別例について説明する。第5の制御例の別例では、第13実施形態として説明する第1可変入賞装置13000を用いて説明する。
図191は、第13実施形態の遊技盤13の正面図である。図191に示すように、第1可変入賞装置13000は、第12実施形態の構成に対して、貯留流路1231から排出される球が通過可能な3つの経路を備え、各経路の通過の可否をソレノイド1510の駆動と関連して切り替え可能に構成される経路切替装置13800を備える点が異なり、その他の点は第12実施形態の第1可変入賞装置12000と同様の構成とされるので、異なる点については詳細に説明し、同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
経路切替装置13800は、正面視で開閉板12300の下方において視認可能(遊技盤13の少なくとも一部が透明とされることで透視可能)とされ、遊技盤13の背面側に配設される3つの排出経路センサ13811~13813を備えており、貯留流路1231の下端から排出口1150を通り排出される球は、いずれかの排出経路センサ13811~13813に検出されて、その下流に配置される図示しない球排出路へと案内される。次いで、経路切替装置13800の詳細について説明する。
図192及び図193は、第1可変入賞装置13000の背面図であり、図194は、図191のCXCIV-CXCIV線における第1可変入賞装置13000の断面図である。なお、図192では、ソレノイド1510の駆動が解除された状態(非励磁状態)が図示され、図193及び図194では、ソレノイド1510が駆動された状態(励磁状態)が図示される。また、図192及び図193では、理解を容易とするために後カバー1700が想像線で図示され、排出経路センサ13811~13813が断面視されることに伴い排出経路センサ13811~13813の背後に配置される断面コの字の壁部材の図示が省略され、図194では、理解を容易とするために抵抗変化部材13854の図示が省略され、図194の断面は、図12の断面と同様に、貯留流路1231の下端側の傾斜に沿った面(または、貯留される球の中心を切断する面)として構成される。
図192から図194に図示されるように、第1可変入賞装置13000の経路切替装置13800は、排出口1710の下流に横並びで配設される複数の排出経路センサ13810と、ソレノイド1510の先端部材1520の移動に伴い動作する動作部材13820と、その動作部材13820の移動軌跡を規定するための溝形状であって薄板部材12110及び後カバー1700に同様の形状で形成(溝状に形成(薄板部材12110)または穿設(後カバー1700))される規定部13830と、その規定部13830を動作部材13820が1回転する毎に状態が切り替えられる第1切替装置13840と、規定部13830の角部13831に動作部材13820が到達する毎に動作し、動作部材13820からの負荷で状態が変化し得るように構成される第2切替装置13850と、を主に備える。
排出経路センサ13810へ球を案内するまでに球の経路を切り替え得る部分について、先に説明する。図192に示すように、規定部13830は背面視で楕円形の溝状に形成されており、溝の深さを切り替えることで動作部材13820の移動方向を規定するための公知の形状を備える。そして、ソレノイド1510が励磁状態と非励磁状態とで切り替えられる度に動作部材13820が規定部13830に沿って一方向に案内される。
即ち、非励磁状態から励磁状態へ切り替えられる際は上半分の溝を通り(図192から図193への状態変化)、励磁状態から非励磁状態へ切り替えられる際は下半分の溝を通る(図193から図192への状態変化)。
規定部13830は、楕円形状の一回りの経路から外れる経路として形成される角部13831を備える。角部13831は、励磁状態から非励磁状態への切り替えが開始された後で動作部材13820が移動しきる前に、再び励磁状態へ切り替えられた場合に動作部材13820が到達する部分として構成される(動作部材13820がが角部13831に到達可能となる形状で規定部13830が構成される)。
これにより、角部13831は、通常のラウンド間インターバルのように十分な時間(例えば、2秒間)をかけて非励磁状態が維持される場合には動作部材13820が到達しない一方、動作シナリオ51,52(図183(a)参照)のラウンド遊技R中における閉鎖のように、非励磁状態が短時間(0.1秒間または0.2秒間)だけ維持され、すぐに励磁状態へ切り替えられる場合には動作部材13820が到達する部分として構成される。即ち、本構成によれば、ラウンド間インターバルにおける閉鎖で動作部材13820が当接し負荷を与える対象(本制御例では、第1切替装置13840)と、ラウンド遊技R中の閉鎖で動作部材13820が当接し負荷を与える対象(本制御例では、第2切替装置13850)とを異ならせることができる。
第1切替装置13840は、第1排出経路センサ13811の上方において前後にスライド動作可能なスライド体を有する切替弁13841と、その切替弁13841に動作部材13820から与えられた負荷を伝達可能に構成される伝達部材13842と、を備える。
切替弁13841のスライド体は、公知のノッチ機構により配置の切替と維持とが行われており、伝達部材13842から負荷を与えられる度に、前位置13841aと後位置13841bとで位置が切り替わる。スライド体が前位置13841aの状態では、排出口1710から流下した球は第1排出経路センサ13811へ向かうが、スライド体が後位置13841bの状態では、排出口1710から流下した球が第1排出経路センサ13811へ到達する前にスライド体に衝突し、スライド体の上面の傾斜に沿って第2排出経路センサ13812側へ流下する。即ち、スライド体の状態に応じて、排出口1710から流下した球が通過する排出経路センサ13810が変化する。
伝達部材13842は、ラウンド間インターバルにおける閉鎖で動作部材13820が当接し負荷を与える対象として構成される。動作部材13820が規定部13830に沿って動作することに伴い(規定部13830の下半分を移動することに伴い)伝達部材13842に負荷が与えられると、伝達部材13842は所定の軸を中心にわずかに回転するが、動作部材13820から与えられる負荷が解除されると、自重で元の位置に戻るように構成される。即ち、伝達部材13842は、動作部材13820から負荷が与えられる度に、同じような姿勢変化(揺動)を繰り返すように構成される。
そして、伝達部材13842の姿勢変化によって、切替弁13841のスライド体へ負荷が伝達され、スライド体の配置が切り替えられる。即ち、切替弁13841のスライド体の配置は、ラウンド間インターバルにおける閉鎖で動作部材13820が規定部13830に沿って動作する度に切り替えられるよう構成される。
第2切替装置13850は、動作部材13820から与えられる負荷による姿勢変化が積み重なることで回転する特殊回転部材13851と、その特殊回転部材13851の回転方向の状態に応じて配置が切り替えられ第3排出経路センサ13813への球の通過態様を切り替え可能に構成される規制部材13852と、特殊回転部材13851の所定の角度位置と規制部材13852の上端部とを連結する帯状の連結帯13853と、特殊回転部材13851の回転方向の抵抗を動作部材13820の配置によって変化可能な抵抗変化部材13854と、を主に備える。
特殊回転部材13851は、後カバー1700の後下方において回転可能に軸支される回転対称形状(例えば、歯車形状や円板形状)の部材であって、角部13831に到達した動作部材13820から負荷を付与可能に配置される。動作部材13820は、規定部13830の左右中間位置から角部13831に到達し、この際に特殊回転部材13851に回転方向の負荷を与え、特殊回転部材13851は所定量回転する。本実施形態によれば、連結帯13853を引き上げる回転方向に回転する。
特殊回転部材13851は、動作部材13820が角部13831に到達する状況においては、抵抗変化部材13854の後述する作用によって回転抵抗が増加しており、規制部材13852の自重による回転が規制されている。そのため、動作部材13820が角部13831に到達する回数が増加するほど、特殊回転部材13851の回転角度が増加する。本実施形態では、動作部材13820が角部13831に到達する回数が2回以上になると、規制部材13852による排出経路センサ13810の規制が解除され、球が第3排出経路センサ13813へ入球可能となるように構成される。
なお、規制部材13852による排出経路センサ13810の規制が解除されるまでに動作部材13820が角部13831に到達することを要する回数は、限定されるものでは無く、任意に設定可能である。この場合において、特殊回転部材13851が動作部材13820から負荷を与えられる度に回転する量と、それに伴う規制部材13852の移動量とを考慮して、規制部材13852の第2排出経路センサ13812側の端部の位置を調整するようにしても良い。
規制部材13852は、一方の端部が連結帯13853と連結され、他方の端部が第3排出経路センサ13813の上方において左右斜め(図192及び図193において想像線で図示)に延びる溝状の案内部13852aに支持される。
規制部材13852は、通常は、倒れた状態(図193参照)で第3排出経路センサ13813を塞いでいるが、特殊回転部材13851の回転に伴って一方の端部が連結帯13853に引き上げられると、他方の端部が案内部13852aに沿ってスライド移動(一方の端部との左右の距離が短縮する側へ移動)し、規制部材13852は徐々に立った状態(倒れた状態から、特殊回転部材13851が動作部材13820に2回以上負荷を与えられた状態)へ向かう。そして、特殊回転部材13851を介した負荷が解除されると、自重で倒れた状態(図193参照)へ復帰する。
規制部材13852は、倒れた状態(図193参照)では、上面が第2排出経路センサ13812へ向けて下降傾斜しているので、切替弁13841の作用で第1排出経路センサ13811を逸れた球を第2排出経路センサ13812へ滑らかに案内することができる。
規制部材13852は、立った状態では、他方の端部が第3排出経路センサ13813への球の通過を妨害しない位置に配置される。これにより、切替弁13841の作用で第1排出経路センサ13811を逸れた球は、第2排出経路センサ13812又は第3排出経路センサ13813へ案内される。
連結帯13853は、紐や布等で用いられる伸縮性の低い素材または金属製の細いワイヤ(薄い金属板)等から構成される。そのため、特殊回転部材13851の回転位置と、規制部材13852の配置とが一対一で対応する。
抵抗変化部材13854は、上下に長尺で特殊回転部材13851に倒れかかる姿勢で配置される部材であって、一方の端部(上端部)は規定部13830の端部(左右両端部)及び上半分の部分と干渉する位置に配置され、他方の端部(下端部)は後カバー1700の下方で回転可能に軸支され、中腹部分において特殊回転部材13851と当接可能とされる。
抵抗変化部材13854は、特殊回転部材13851に当接することで、特殊回転部材13851の回転抵抗を増加させる作用がある。即ち、抵抗変化部材13854が特殊回転部材13851に寄りかかり、当接して負荷を与えている間、特殊回転部材13851は規制部材13852の自重による回転を規制され(姿勢を維持し)、動作部材13820が角部13831に到達する際の負荷による回転のみが生じる。
一方、ラウンド間インターバルに伴う閉鎖時および開放時において、動作部材13820が規定部13830の端部に配置されると、抵抗変化部材13854の上端部は動作部材13820に押進され、抵抗変化部材13854と特殊回転部材13851の当接は解除される。これにより、特殊回転部材13851の回転抵抗は減少し、規制部材13852の自重によって特殊回転部材13851が回転し、規制部材13852は倒れた状態(特殊回転部材13851は負荷を与えられる前の状態)となる。
なお、ラウンド間インターバルを除くタイミング(例えば、ラウンド遊技R中の開閉時、動作部材13820が角部13831に配置されるタイミング)には、特殊回転部材13851の回転抵抗が増加している場合があり、この場合には、特殊回転部材13851と規制部材13852との状態は維持される。
次いで、排出経路センサ13810の各センサの配置および作用について順に説明する。第1排出経路センサ13811は、排出口1710を後方へ通過した球が鉛直下方へ落下した際に通過可能な開口が検出口として構成される。即ち、排出口1710を通過した球は、自重以外の外力が付与されなければ、第1排出経路センサ13811を通過し第1排出経路センサ13811に検出される。
第1排出経路センサ13811は、本制御例では、球の通過を検出することに伴ってVフラグ203sをオンに設定する検出装置として構成される。換言すれば、上記各実施形態における特定領域4830や特定領域検出センサ4860と同様の作用を生じる。
第1排出経路センサ13811から排出口1710までの間には第1切替装置13840が配置されているが、第1切替装置13840の切替弁13841はラウンド間インターバルの度に配置が切り替えられるので、ラウンド遊技Rに関わらず球を検出センサ1240に入球させる態様で大当たり遊技を普通に遊技することで、大当たり遊技の終了までに第1排出経路センサ13811に球を通過させることができる。
第2排出経路センサ13812は、第1排出経路センサ13811の隣に配置される検出センサである。第2排出経路センサ13812は、球の通過の検出のみを行う検出センサとして構成される。即ち、Vフラグ203sの状態は、第2排出経路センサ13812を球が通過しても変化しない(維持される)。
第3排出経路センサ13813は、第2排出経路センサ13812の隣に配置され、切替弁13841の作用で第1排出経路センサ13811から逸れて流下する球が第2排出経路センサ13812を通過しない場合に通過するる検出センサである。なお、規制部材13852による球の通過の規制が解除されている場合(規制部材13852が立った状態の場合)、球が第2排出経路センサ13812に案内されるか、第3排出経路センサ13813に案内されるかに大きな差が生じない(ランダムとなる)ように構成される。
第3排出経路センサ13813は、本制御例では、球の通過を検出することに伴ってVフラグ203sをオフに設定する検出装置として構成される。即ち、上記制御例で説明したエンディング処理(S1110、図121参照)において、大当たり遊技の終了後の遊技状態が、確変状態となるか、時短状態となるかが、大当たり遊技中に遅れて球を検出したのが第1排出経路センサ13811か第3排出経路センサ13813のどちらなのかによって、変化するという遊技性を構成することができる。
本制御例に寄れば、以下で示す遊技性を構成することができる。なお、本制御例において、大当たり種別は第5の制御例で説明したものを流用する(図182及び図183参照)。
上述のように、ラウンド間インターバルでは、規制部材13852が倒れた状態とされ、第3排出経路センサ13813の球の通過が規制される。従って、ラウンド間インターバルにおける閉鎖でのみ球を貯留流路1231から排出する場合(例えば、大当たりTa,Tcの場合)には、球が第3排出経路センサ13813に検出され、一度オンとされたVフラグ203sがオフに設定される虞は無い。
一方で、ラウンド間インターバル以外で開閉板12300が閉鎖する動作シナリオ51,52から構成される第25の作動パターンでは、ラウンド間インターバル以外で貯留流路1231から球が排出される虞があり、一度オンとされたVフラグ203sがオフに設定される可能性があるので、貯留流路1231から排出された球の行方の注目力を向上させることができる。
以下、第25の作動パターンに着目して説明を行う。なお、本制御例では、第25の作動パターンでは全ラウンド遊技Rにおいて、動作シナリオ52で開閉板12300が駆動制御されるものとして説明を行う。
第25の作動パターンは、15ラウンド(奇数回)の大当たり遊技として構成されるので、所定ラウンド目における第1切替装置13840の状態は一通りに決まらず、第25の作動パターンの大当たり遊技が連続する場合にには、大当たり遊技の度に入れ替わる。
例えば、1回目の大当たり遊技において15ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて第1切替装置13840の切替弁13841のスライド体が前位置13841aであった場合、2回目の大当たり遊技では15ラウンド目のラウンド遊技Rにおける第1切替装置13840の切替弁13841のスライド体は後位置13841bとされる。
従って、2回に1回は15ラウンド目において第1排出経路センサ13811への球の通過が規制され(Vフラグ203sがオフに設定される虞があり)、2回に1回は15ラウンド目において第1排出経路センサ13811へ球が案内される(Vフラグ203sをオンで大当たり遊技を終了し易い)。換言すれば、確変状態を高い確率で2セット(大当たり遊技終了後の状態が確変状態となる回数が、2回まで)保証可能な遊技機を構成することができる。
切替弁13841のスライド体が後位置13841bに配置される状態でラウンド遊技R中に貯留流路1231から球が排出される場合、1個目の排出時は、規制部材13852が依然として第3排出経路センサ13813への球の通過を規制しているので、球は第2排出経路センサ13812へ案内される。
このように、1個目の球の排出では、Vフラグ203sの状態を変化させることない一方で、正面視に排出球を遊技者に視認させることができる。即ち、球の排出を、遊技者の注意を経路切替装置13800に向かせることに利用することができる。
2個目の排出時以降は、第3排出経路センサ13813の球の通過が許容される。従って、ラウンド遊技R中の球の排出は、5秒間において1秒に1個ずつ、計5個の球が排出されるが、2個目以降の4個の球が第3排出経路センサ13813に案内され得る。
ここで、ラウンド間インターバルとなれば規制部材13852は倒れた状態へ移行するので、遊技者は、ラウンド遊技R中の球の排出が開始された後、短時間の内に入球個数を規定個数にしてラウンド間インターバルを開始させることが望ましい。
換言すれば、貯留流路1231から球が1個排出される程度のタイミング(超過入賞個数に直結する貯留流路1231の空きが球1個分)で検出センサ1240への入球を規定個数(本制御例では、10個)にするような遊技態様によれば、球が第3排出経路センサ13813に検出されることは無く安心して遊技を実行することができる。
一方で、貯留流路1231から球が2個以上排出されることで貯留流路1231に十分な空きを確保したり、ラウンド遊技Rの開始から15秒経過後の開閉を狙って多くの球の連球を構成したりして過剰の超過入賞を狙う遊技態様(ラウンド遊技R中に球の発射を停止して、開閉板12300の動作タイミングに合わせて球の発射を再開する遊技態様)においては、第3排出経路センサ13813に球が案内され得る状態で続々と排出口1710から球が排出されることになるので、狙える超過入賞個数が多くなることの反動として第3排出経路センサ13813に入球する可能性が高くなる。即ち、超過入賞を狙う程度が過剰となると、大当たり遊技終了後の遊技状態が確変状態になる可能性が低くなる遊技性を構成することができる。
なお、本制御例においては、ラウンド遊技Rの開始後5秒でラウンド中の開閉が開始するが、球の発射を停止せず、発射を継続する遊技態様であれば、規定個数(本制御例では、10個)の球は6秒間で発射されるので、ラウンド遊技Rの開始前から発射されていた球と合計すれば、5秒間の内に10個の球が検出センサ1240に検出されることは高確率で発生する。加えて、落下遅延板12250(図191参照)によって、開閉板12300の開閉に関わらず球は検出センサ1240の目前の終端面12251bまで案内されるので、尚更である。
そのため、本制御例では、大当たり遊技における発射態様に係る報知として、副表示領域Ds3に「右を狙え」という報知が維持され続ける(図158参照)。本制御例では、この報知に従って球を継続して発射した方が、第3排出経路センサ13813に球が案内される可能性を低減することができる。
また、球の発射を継続する報知に従わず、球の発射を停止する遊技態様では、第3排出経路センサ13813に球が案内される虞があるので、そのことについて報知するように制御しても良い。
例えば、5秒ごとに報知を区切って、5秒経過するごとに第3排出経路センサ13813に球が案内される可能性が高まることを明確に報知しても良い。この場合において、Vフラグ203sが現状オンとなっているかも同時に報知することで、遊技者に、球の発射を行うのか、敢えて球の発射をせず規定時間の経過でラウンド間インターバルとなり次のラウンド遊技に進めるのかを選択させることができる。
また、同様の報知の基で、第1切替装置13840の位置と演出とをリンクさせるか否かは求められる遊技性次第で変化するものであって、どちらで制御しても良い。例えば、切替弁13841のスライド体が前位置13841aに配置される場合には、規制部材13852の状態によらず、排出された球は全て第1排出経路センサ13811を通過するので、第3排出経路センサ13813に球が案内される可能性が高まることは無いので上述の報知を省略しても良いし、演出として切替弁13841の位置に関わらず上述の報知を実行しても良い。
前者の場合には、遊技者に正しい状態を与えることで遊技に緩急(打ちっぱなしで球の発射をさせること(急)と、発射の停止を許容すること(緩))をつけることを図ることができる。後者の場合には、とにかく球の発射を継続するように仕向けることができるので、大当たり遊技の進行速度を速めることができる。
なお、本制御例では、切替弁13841が前後スライドするように構成されており、正面視で切替弁13841の状態の変化が分かり難いので、切替弁13841の状態を目視で確認して遊技をする(演出意図を無視した遊技が実行される)可能性を低減することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記各実施形態では、貯留流路1231が平面上を延びる流路として構成されたが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、貯留流路1231が、左右方向と直交する平面の右側が90度折り曲げられ、前後方向で延びるように構成されても良い。即ち、検出センサ1240から折り曲げ位置までは左右方向で延び、折り曲げ位置からは前後方向で延び、再び排出口1150の上流側で左右方向に延びる流路として構成しても良い。
この前後方向に延びる流路は、貯留流路1231の形状を流用して、延びる方向を左右から前後に切り替えた(上下方向の軸で90度回転させた)流路形状とされる。対向する側に流路の片側面を構成する凹部を有する略対称形状の光透過性の2部材を左右から合わせることで形成される。
前後に延びる流路を含む貯留流路1231は、上記実施形態と流路の向きは異なるが、第1特定入賞口1000aの下流に貯留可能な球の個数が規定個数(本実施形態では、10個)となるように設計される。即ち、本実施形態においても、上記各実施形態で説明した遊技性と同様の遊技性を構成することができる。
前後に延びる流路を含む貯留流路1231に対しても、ソレノイド6910が駆動(励磁)された状態において流路に進入し、流路内の球の流下を規制する張出状態と、ソレノイド6910の駆動(励磁)が解除された状態において、流路から退避し、流路内の球の流下を許容する退避状態とで切り替え可能とされる干渉部材が配設される。
ここで、干渉部材の流路に対する配置は、上記第6実施形態と同様とされる。即ち、第1特定入賞口1000aの下流側に貯留される球の内、規制部材1600に流下を規制される最下端の球から数えて2個目の球よりも上流側で前後に延びる流路内に進入し、3個目の球の流下を規制可能に配設され、干渉部材の張出状態において、干渉部材の上流側であって第1特定入賞口1000aの下流側の位置に7個の球が貯留可能とされる。
前後に延びる流路は、規制部材1600に流下を規制される最下端の球から数えて2個目の球の後方に3個目以降の球が貯留されるように形成される。そのため、2個目の球が配置されている場合には、その球が干渉部材の正面側に配置されることになるので、干渉部材が球で隠される。即ち、干渉部材の状態を、球により把握困難とすることができる。
貯留される球が横並びとなる場合に比較して、球の全体を視認できるわけではないこと、流路自体が背面側に延びることでガラスユニット16(図1参照)から視認対象までの距離が遠くなること等の理由により、貯留流路1231が前後に延びる流路を含む場合には、干渉部材が退避されることにより貯留流路1231に10個の球が貯留された状態と、干渉部材が張り出しており貯留流路1231に9個の球が貯留された状態とを、球の配置から把握することが困難となる。従って、本実施形態によれば、第1可変入賞装置1000を直接視認しても、貯留されている球の個数を把握し難くすることができる。
このような特徴を備える場合において、例えば、第3図柄表示装置81で第1特定入賞口1000aへの入球個数を表示するようにしても良い。この場合、球の貯留個数の識別性の悪い貯留流路1231を視認するよりも、第3図柄表示装置81を見た方が、第1特定入賞口1000aへ入球した球の個数を把握し易くなるように構成できるので、第3図柄表示装置81への注目力を、第1可変入賞装置1000への注目力に対して、相対的に向上させることができる。従って、遊技者の視線を第1可変入賞装置1000から外させ易くすることができる。
上記各実施形態では、規制部材1600の作動長さにより貯留流路1231から排出される球の数が制御される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貯留流路1231の中腹から球を排出可能な第2排出口と、その第2排出口を開放、閉塞する第2排出口規制部材とを備え、第2排出口から球を排出できるようにしても良い。この場合、第2排出口規制部材の作動長さを厳密に制御しなくとも、第2排出口と第1排出口との間に貯留される球が排出されることを防止することができる。そのため、第1排出口から球を排出する場合と第2排出口から球を排出する場合とで、球の排出個数を変化させることができる。また、この場合、例えば、第1排出口と第2排出口とを同時に開放するように制御すると、球を全球排出するのに必要な時間を短縮でき、インターバルを短縮することができる。
上記各実施形態では、開閉板1300が回転動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上下動作する開閉板1300により構成され、上位置に配置される際に第1特定入賞口1000aに球を案内可能とされ、下位置に配置される際に第1特定入賞口1000aから球を逸らすようにしても良い。この場合、球を上昇させる際に球を開閉板1300と覆設前板3200との間で挟む位置に配置する必要がないので、球の上昇動作をより滑らかにすることができる。
上記各実施形態では、貯留流路1231に貯留された球が、単一の排出口1710から排出される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、追加の排出口が貯留流路1231の途中位置に配置されても良い。この場合、排出口1710から排出するか、追加の排出口から排出するかにより、最大排出可能個数を変化させることができる。即ち、追加の排出口からでは、排出口1710側に詰まった球を排出することが困難となる。また、両方の排出口を同時に開放して排出を行うことで球の排出効率を上げることができ、インターバルを短縮することができる。
上記各実施形態では、確率変動判定部4800の振分装置4850が開閉板1300の動作タイミングを基準にして動作開始する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、確率変動判定流路4820を所定時間内に通過する球の個数により球の自重で状態変化するようにしても良い。この場合、球の排出速度(間隔)によらず、排出される球の個数により高確率状態への移行の権利を取得できるか否かを切り替えることができる。
上記各実施形態では、開閉板1300の作動開始タイミングと、規制部材1600の作動開始タイミングとが若干ずれる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、同時に動作開始するようにしても良い。この場合、構造を簡素化することができる。
上記各実施形態では、貯留流路1231に球が入る隙間があるか否か(貯留流路1231が満タン状態か否か)により、球の入球の抵抗が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貯留流路1231に貯留される球の数が、満タン状態に近いか否かにより、貯留流路1231に入球する所定の球を減速させる態様で構成されても良い。この場合、貯留流路1231に貯留可能な個数よりもラウンド遊技Rの規定個数(カウント数)が小さい場合でも、規定個数以上の入賞を抑制することができる。また、この場合、貯留個数によらず球を減速させる場合に比較して、規定個数以上の入賞の抑制を図りながら大当たり遊技が間延びすることを防止することができる。なお、減速に限らず、加速させても良い。この場合は、意図的に規定個数以上の入賞を生じさせることができる。
上記各実施形態では、貯留流路1231に球が貯留されることで、その貯留球により第1特定入賞口1000aへの入球が規制される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特定入賞口1000aに到達した球が通過することにより所定量ずつ動作し、ある姿勢において球の入球を規制し易くする非電動被動作部材を備えても良い。この場合、貯留球を一度に排出する場合に比較して、ラウンド間インターバルに必要な時間を短縮することができる。
上記各実施形態では、貯留流路1231に球が規定個数貯留される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、規定個数+1個の球を貯留可能としても良い。この場合、規定個数を越えて第1特定入賞口1000aを通過する球の個数をラウンド遊技Rごとに1個に制限することができる。また、この場合において、ラウンド毎に、11球目の球が通過し易いラウンドと、11球目の球の通過を規制するラウンドとを切り替えるようにしても良い。
上記各実施形態では、開閉板1300が閉状態へ切替開始する場合に第1特定入賞口1000aの手前位置に球を保持できない(落下してしまう)ために、2球同時に入賞することが無い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、1球に限り球を保持可能にし、開閉板1300が閉状態となるまでの間に第1特定入賞口1000aを通過する可能性を有するようにしても良い。また、この可能性の有無が、ラウンド毎に切り替えられるようにしても良い。
上記各実施形態では、球が通過する開口が、遊技者に利益を与える開口として構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、所定の入賞口に球が入球することで転落フラグ(確変状態を通常状態または時短状態へ移行させるフラグ)がオンに設定されるように制御されても良い。この場合、所定の入賞口への入球が生じないように注意するような遊技を実行させることができる。
上記各実施形態では、規制部材1600が開閉板1300と機械的に連動する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、規制部材1600が開閉板1300を駆動させるソレノイド1510とは別の駆動装置で駆動されても良いし、規制部材1600をソレノイド1510でも別の駆動装置でも駆動可能に構成しても良い。
上記第2実施形態では、入口が複数で、出口が単数の貯留流路1231を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貯留流路に出口が複数配設され、途中で出口へ向けて枝分かれする流路としても良い。この場合、どちらの出口から球を排出する場合においても、所定の数の球を貯留流路1231に残留させることができる。
上記第2実施形態では、第1特定入賞口1000aから入球した場合の貯留可能球数が大当たり遊技のラウンド遊技Rにおける規定入賞個数(カウント数)と同じに構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1特定入賞口1000aから入球した場合の貯留可能球数がラウンド遊技Rにおける規定入賞個数(カウント数)未満とされ、第2特定入賞口2255aから入球した場合の貯留可能球数がラウンド遊技Rにおける規定入賞個数(カウント数)以上となるようにしても良い。この場合、ラウンド間のインターバルで毎回全球排出しながら、第1特定入賞口1000aから入球する場合には必然的にラウンド時間が延びるという遊技性を構成できる。
上記第3実施形態では、開閉板1300の下方へ流下した球が、再度開閉板1300により開閉板1300の上方へ持ち上げられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球を拾うことができる一定動作の可動役物により球を上昇させても良い。この場合、球の動きにより遊技者を楽しませることができる。
上記第3実施形態では、開閉板1300の下方に遅延部材(落下遅延板3250)が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板1300が盤面と垂直な方向に沿ってスライド動作する態様で形成され、盤面またはガラス板側から遊技領域へ突出するリブが開閉板1300の上方に配設されるものとしても良い。そして、スライド動作する開閉板1300が開状態の時には、球がリブと当接せず、閉状態の時には、球がリブと当接するようにしても良い。これにより、開閉板1300の上方においても、球の流下速度を変化させ、流下の遅延をさせることができる。
なお、球をリブと当接させない手法としては、前後方向の傾斜により、球を前後どちらかに寄せ、その反対側にリブを配設するようにすることが挙げられる。
上記第3実施形態では、開閉板1300の正面側に配置される落下遅延板3250により球の流下が遅延する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板1300の正面側に入口および出口が配置され、その入口および出口を結ぶ流路が開閉板1300の背面側を通って湾曲する流路から構成されるようにしても良い。この場合、開閉板1300の正面側から入口を通過して開閉板1300の背面側を流下することで開閉板1300により遊技者から一度視認困難になった球が、再度出口から排出されるという球の流下により演出を行うことができると共に、球を遅延させる領域が開閉板1300の正面側の領域に限定されないことからインターバルが長い場合にも次ラウンドが開始されるまでの間に球を遅延させるのに十分な区間を確保することができる。
なお、入口は開閉板1300の下方にあり、出口は開閉板1300の上方にあることが望ましい。また、開閉板1300が開状態の時には開閉板1300の一部により入口の開口が球の通過を防止可能な程度に狭められることが望ましい。この場合、開閉板1300が開状態の時に球が入口に入球することを、開閉板1300により防止することができる。
上記第3実施形態では、延設板部3251の対向面3251aを、下流側へ向かう程、本体部材3100の薄板部材1110から離すようにすることで、球を減速させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設板部3251の上面の傾斜角度を、下流側へ向かう程、緩やかになるように構成しても良い。この場合、重力加速度の球の流下方向の成分が小さくなり、球を減速させることができる。
また、加減速の変化は、逆でも良い。球が下流に行くほど加速する場合、落下遅延板3250上で連球が形成されることを防止することができる。
上記第3実施形態では、開閉板1300の下方に落下遅延板3250を配置することで、開閉板1300を下方に通過した球のみが開閉板1300に当接される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前後スライド式の開閉板で、開状態では球が入賞口の配置されるポケットに入球し、閉状態では球が開閉板の上面を転動する態様において、その転動する球が開閉板上における下流側に到達した場合に当接可能なリブが配置されるようにしても良い。このリブには、ポケットにそのまま入球する球は当接しない。この場合、球を閉状態の開閉板の上面において遅延させることができるので、開閉板の動作に伴って球が上下に動作することを防止することができる。
上記第3実施形態では、落下遅延板3250が落下位置Pf3においてその形成を省略され、検出センサ1240の直前位置で球が鉛直下方に落下する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、落下遅延板3250は検出センサ1240を左右方向に通過する位置まで延設され、検出センサ1240を右方に通過した球が通過可能な貫通孔が形成され、その貫通孔から球が排出されるようにしても良い。この場合、検出センサ1240の直前位置に球が配置される状態において開閉板1300が閉状態から開状態へ切り替えられる場合においても、球を開閉板1300の上方に配置させることができる。
なお、これは上記第7実施形態で上述した第2落下遅延板7260とは異なるものである。即ち、落下遅延板3250が検出センサ1240を左右方向に通過する位置まで延設される場合には、検出センサ1240の直前位置において落下し落下遅延板3250に着地した球はそのまま右方(検出センサ1240へ近接する側)へ流下するが、同様の落下により第2落下遅延板7260に落下した球は、一度左方(検出センサ1240から離反する側)へ流下した上で再び落下遅延板3250に到達する。即ち、開閉板1300の下方において球の流下が遅延される期間および球が流下する経路が異なる。
上記第5実施形態では、第2入球口640及び各特定入賞口1000a,2255aから入球した球が流下する流路が貯留流路1231に合流し、入球個数が関連し合う場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貯留流路1231に自動供給で球を流入させるようにしても良い。この場合、遊技開始時から貯留流路1231に球が残留する状況を作ることができる。
上記第5実施形態では、高確率状態において、大当たり獲得までの抽選回数が多いほど遊技者が得られる利益が少なくなる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たり獲得までの抽選回数が多いほど遊技者が得られる利益が多くなるようにしても良い。この場合、短い時間で獲得した大当たりで得られる利益は少なく、長い時間かかって獲得した大当たりで得られる利益を多くできるので、遊技者が得る利益に対する時間効率を均一化することができる。
上記第6実施形態では、干渉部材6930がソレノイド6910により駆動し、貯留流路1231に貯留可能な球数が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貯留個数に対応して貯留流路1231内で動作し、貯留流路1231の球の貯留可能な球数を変化させる動作部材を備えていても良い。この場合、駆動装置1500の駆動タイミングによらず、貯留個数により動作部材が動くので、動作部材の動作タイミングが通常と異なるなどの理由により、遊技者が違和感を持つことを防止することができる。
上記第6実施形態では、干渉部材6930が張出状態を形成することにより貯留流路1231に貯留可能な球数が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貯留流路1231を形成する部分(特に、コ字状部)が流路の延設方向(左右方向)に移動して、貯留流路1231の流路長さを変化させるように構成しても良い。この場合、予め移動をさせたとしても、その移動量の小ささから、移動したか否かに遊技者が気付き難くすることができる。従って、球が貯留流路1231に貯まって初めて部材の移動(貯留流路1231の流路長さの変化)に気がつくという遊技性を形成でき、第1可変入賞装置6000に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
なお、部材の移動は、ソレノイドの駆動力で行っても良いし、移動の可否の切替のみを駆動装置で行い実際の移動は球の自重により行うようにしても良い。
上記第6実施形態では、干渉部材6930が貯留流路1231に球が所定個数貯留された状態で張り出す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球が貯留流路1231に入球し始める前に張出状態を形成しても良い。この場合、貯留流路1231に入球可能な球の数を7個とすることができる。また、球が貯留されてから張出状態を形成するパターンと、球が貯留流路1231に入球し始める前に張出状態を形成するパターンとがラウンドごとに混在されても良い。この場合、貯留個数が7個になるラウンドと、貯留個数が9個になるラウンドとを、単一の部材により切り替えることができる。
上記第6実施形態では、貯留流路1231から球を排出する際には干渉部材6930が退避状態とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貯留流路1231から球を排出する途中において干渉部材6930が張出状態に変化可能としても良い。この場合、球を排出するタイミングと、干渉部材6930を張出状態とするタイミングとの組合せを変化させることにより、球の排出の態様を複数パターンで形成することができる。
上記第8実施形態および第9実施形態では、補助開閉部材8340を補助的に見たがそれに限らない。例えば、補助開閉部材8340だけが開閉動作し、開閉板8300は固定の板として構成しても良い。この場合において、補助開閉部材8340に鉛直上方から球を落下させる流路を配置して、補助開閉部材8340を左方へ通り過ぎることを防止するように構成しても良い。この場合、連球態様に基づいて限定個数の超過入賞を許容できる。
また、例えば、ラウンド遊技Rごとに、補助開閉部材8340の開閉態様を、長期開放か、短開放の繰り返しかで、切り替えても良い。この場合、ラウンド遊技Rの終了時に検出センサ1240に検出されて閉じるのか、検出センサ1240に検出される前に作動パターンとして閉じ、閉じている間に検出センサ1240を通過した球で規定個数の球が検出されることでラウンド遊技Rが終わり、その次の開放が生じないかを、切り替えることができる。この場合、長期開放の場合に比較して、短開放の繰り返しの場合の方が超過入賞の発生の可能性は低くなるので、作動パターンの違いによって、超過入賞の発生の可能性を異ならせることができる。
上記第8実施形態では、開閉板8300と、補助開閉部材8340とが同一の駆動装置で駆動される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、それぞれ専用の駆動装置を配設し、独立で駆動可能に制御しても良い。
上記第8実施形態では、開閉板8300と補助開閉部材8340とを開状態へ状態変化させる場合に、開閉板8300が前方へ向けて起き上がる態様で回転し、補助開閉部材8340が左方へ向けて開閉板8300に上側から近づく態様で回転するように構成した場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、開閉板8300及び補助開閉部材8340の双方の回転軸を平行(例えば前後方向の軸)とし、開閉板8300と補助開閉部材8340とが対向方向(例えば、一方は下方、他方は上方)へ動作するようにしても良い。この場合、開閉板8300と補助開閉部材8340とが状態変化に伴い球を挟み込むような演出を行うことができる。
上記第8実施形態では、開閉板8300が入球防止部1331を備える場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、入球防止部1331を省略しても良い。この場合、開閉板8300は状態によらず検出センサ1240を閉鎖しないので、検出センサ1240への球の案内を規制する部材として、補助開閉部材8340を対応させることができる。また、例えば、入球防止部1331の前面部を背面側に凹むように凹設しても良い。この場合、開閉板8300が閉状態へ向けて状態変化開始してから、検出センサ1240の球の通過が不能とされるまでの期間を長期化することができる。
上記第8実施形態および第9実施形態では、開閉板8300及び補助開閉部材8340を第1特定入賞口1000aへの球の通過を許容するための部材として説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、入球防止部1331を省略することにより、第1特定入賞口1000aへの球の通過の許容はあくまで補助開閉部材8340により切り替えられるものであり、開閉板8300は、球を補助入球口9111又は第1アウト口66へ向けて送球するものであると解釈しても良い。即ち、開閉板8300は、開状態において球を補助開閉部材8340へ案内する役割を持つに過ぎず、第1特定入賞口1000aへ球が案内されるか否かは補助開閉部材8340の状態によって切り替えられると解釈しても良い。この場合、開閉板8300に対する注目力に比較して、補助開閉部材8340の注目力を向上させることができる。
上記第9実施形態では、第1特定入賞口1000aの上流側で可動する部材を複数とし、片側の部材を動作させる駆動態様を構成することで球を補助入球口9111へ流下させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、可動する部材を単数(例えば、開閉板1300)とし、開閉板1300を閉状態とするタイミングに対応して干渉部材6930を張出状態となるように制御することで、開閉板1300の閉状態における貯留流路1231からの球排出を抑制しても良いし、開閉板1300を閉状態とする期間を短く設定することで(1個の球が排出口1150から排出されるのに要する時間である0.2秒未満とすることで)、貯留流路1231から球が排出されることを抑制しても良い。
上記第9実施形態では、補助入球口9111が、一般入賞口として構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、特別図柄の抽選に関わる入賞口として構成されても良い。この場合、特別図柄2が特別図柄1に優先して変動する制御の基で補助入球口9111に球が入球することで特別図柄2の抽選を獲得可能に構成することで、大当たり遊技の終了直後に特別図柄1の変動が開始することを抑制することができる。
上記第9実施形態では、転動板9112を固定の板として構成したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、転動板9112を、薄板部材9110の正面側から退避する状態(遊技球と衝突しない状態)と、薄板部材9110の正面側に張り出す状態(遊技球と衝突する状態)とで状態変化するように駆動制御される可動板として構成しても良い。この場合、動作パターンは種々の態様が例示される。例えば、電源オンから一定動作でも良いし、大当たり遊技の開始から始まる所定の動作でも良い。
上記第9実施形態では、ソレノイド1510の駆動(励磁)を解除した際の動力伝達部材5400の復帰動作の動作速度がほぼ一定(ソレノイド1510の戻りバネの復元態様に依存)である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、動力伝達部材5400の復帰動作時において、補助伝達部材8340が閉状態となった後において動力伝達部材5400に負荷を与えるダンパを配設しても良い。この場合、補助開閉部材8340が閉状態となってから、開閉板8300が開状態で維持される期間を長くすることができるので、片側開放の制御を容易とすることができる。
上記第9実施形態では、開閉板8300が開状態へ向けて状態変化することを前提に補助入球口9111への入球を切り替える場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、開閉板8300が閉状態を維持する期間において、所定の割合で球が補助入球口9111に入球し得るように構成しても良い。例えば、一定動作の別の可動物を配設し、その可動物に球が衝突することで補助入球口9111への入球が生じるようにしても良い。
上記第10実施形態では、可動部材10181の動作により貯留流路1231の途中から球を排出し、貯留流路1231の収容可能個数以上の球が第1特定入賞口1000aを通過可能とする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、貯留流路1231の容積を可変に構成するようにしても良い。この場合、貯留流路1231に残る球の個数を第1特定入賞口1000aを通過した球の個数に対応させることができるので、遊技者を混乱させることを防止することができる。
上記第10実施形態では、排出口1150から排出された球を検出する検出手段として、特定領域検出センサ4860や、非特定領域検出センサ4870等が例示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、排出口1150の開口(又は、開口に近接配置される開口)が検出手段(球通過センサ)として構成されても良い。この場合、排出口1150から球が排出されてから検出手段に球が検出されるまでの時間遅れを極力抑えることができる。
上記第10実施形態では、可動部材10181の動作により貯留流路1231の途中から球が排出されることで貯留流路1231の内部に空間ができ、超過入賞を狙えるようになるという遊技者に有利な変化が生じる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、可動部材10181の動作により貯留流路1231の途中から排出された球が、所定の確率で転落検出センサ(Vフラグ203sをオフに設定する検出センサ、第13実施形態の第3排出経路センサ13813と同様)に検出されるように構成しても良い。この場合、可動部材10181の動作により貯留流路1231の途中から球が排出されることによって、遊技者に有利な変化だけでなく、不利な変化も生じ得るように構成することができる。
特に、上記第10実施形態では、可動部材10181の作動パターンが複数種類用意されているので、どの作動パターンで可動部材10181が駆動されるかの報知が予め実行されることで、遊技者は、貯留流路1231の途中からの球の排出を許容する球の発射態様(一例として、発射常時継続(打ちっぱなし))で遊技するか、できるだけ貯留流路1231に入球しないように球の発射の実行と停止とを調整する発射態様で遊技するかを選択することができる。即ち、Vフラグ203sがオフに設定されるかもしれないリスクを承知で超過入賞を狙うのか、超過入賞を諦める代わりにVフラグ203sがオフに設定されるリスクを排除するのかを、遊技者が選択することができる。
上記第1の制御例では、操作ボタン300の操作に基づき第1可変入賞装置6000の周囲を明るく点灯させ、貯留流路1231に貯留される球の個数を把握可能とする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、明るく点灯する箇所は、第1可変入賞装置6000の付近である必要はなく、第1可変入賞装置6000を含む広範囲の箇所(センターフレーム86等)でも良い。
なお、透過用ランプ227bの点灯態様の変更の手段は、種々の態様が例示される。例えば、音声ランプ制御装置113に所定のクロックパルス発生回路が配設され、クロックパルスの立ち上がりで点灯態様のデータをランプ制御装置227に送信し、クロックパルスの立下りで送信済みのデータに対応するランプを点灯させるようにしても良い。この場合、消灯させる時には、消灯に対応するデータをランプ制御装置227に送信するようにすれば良い。また、ラッチとの組み合わせでも良い。
また、複数種類の点灯パターンテーブルを予め容易しておき、そのテーブルを切り替えることでランプ制御装置227の点灯態様を切り替えても良い。また、この点灯パターンテーブルと、上述のクロックとを組み合わせて、点灯態様を切り替えても良い。また、コマンドを設定することで表示態様を変化させても良いし、シリアルポートドライバを用いて制御しても良い。
ランプ制御装置227の発光の強弱は、所謂ダイナミック点灯方式(点灯消灯の時間間隔を変えることで、明暗の違いを出す点灯方式)によるものでも良いし、電圧の高低によるものでも良い。
上記第1の制御例では、操作演出で成功したら、透過用ランプ227bが点灯したまま維持される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、操作ボタン300を押したら、短期間(一瞬)だけ透過用ランプ227bが点灯するようにしても良い。この場合、貯留流路1231への注目力を向上させることができる。また、操作演出の成功に基づいて、ランプの点灯ではなく、例えば、貯留流路1231へ残り何個入球させるべきかを報知しても良い。
上記第1の制御例では、干渉部材6930の上流側に5個以上の球が貯留され、干渉部材6930を操作ボタン300の操作により退避状態とされることで球を特定領域4830へ流入させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、干渉部材6930の上流側に貯留される球の個数が4個以下とされ、干渉部材6930が退避状態とされることで、貯留されていた球通過可能な位置に一般入賞口を配設しても良い。この場合、干渉部材6930を所謂「保留装置」として構成することができる。
上記第1の制御例では、操作演出を実行したラウンド遊技Rにおいて貯留流路1231に入球させるべき球の個数を表示により報知する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、操作演出を実行するラウンドを1ラウンド分前倒しし、操作演出を実行したラウンドよりも後のラウンド遊技において貯留流路1231に入球させるべき球の個数を報知しても良い。この場合、報知の前に貯留流路1231に球が貯まりすぎることを防止することができる。
また、操作演出が実行されるラウンド遊技Rにおいて貯留流路1231に入球させるべき球の個数を報知する場合には、その個数に到達するには不十分である時間(継続して球を発射した場合に不十分である時間)において報知を実行するようにすることが望ましい。これにより、ラウンド遊技Rの開始時から球の発射を継続しても、報知の実行タイミングで貯留流路1231に球が入りすぎているという事態が発生することを防止することができる。
上記第1の制御例では、操作演出において表示ポインタ719の動作速度は同様である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、所定の条件に基づいて、表示ポインタ719の動作速度や、表示個数を変更可能に制御しても良い。所定の条件としては、例えば、大当たりまでに要した特別図柄の変動回数や、遊技回数により貯まる得点などが例示される。この場合において、例えば、特別図柄の変動回数が多い場合や、特典が高い場合に操作演出の難易度が低くなるように制御することで、その大当たりまでに遊技者が要した負担(変動回数、遊技回数)が大きいほど、操作演出により遊技者が得られる利益が大きくなり易くすることができる。
ここで、難易度としては、操作演出自体の難易度や、操作演出後の利益獲得の難易度などが例示される。操作演出後の利益獲得の難易度が高い場合としては、例えば、操作演出や、それに伴う報知の実行タイミングがラウンド遊技Rの後半(規定個数の球を貯留流路1231に入球可能な期間経過後)に配置されることが例示される。この場合、報知のタイミングで、貯留流路1231に入球した球が、貯留流路1231に入球させるべき個数として報知される個数を超える事態が発生し得る。
また、操作演出自体の難易度と、操作演出後の利益獲得の難易度とを関連付けても良い。例えば、表示ポインタ719の動作速度が遅い場合には、操作自体を成功することは容易であるが、操作タイミングまでの時間経過が長いので、それまでに貯留流路1231に入球させるべき個数として報知される個数を超える球が入球する可能性がある。一方で、表示ポインタ719の動作速度が速い場合には、操作自体を成功することは困難であるが、操作タイミングまでの時間経過が短いので、それまでに貯留流路1231に入球させるべき個数として報知される個数を超える球が入球することを防止することができる。
なお、報知の実行タイミングの違いによって、残りのラウンド遊技Rの継続時間が異なることから、採用される表示演出を残りのラウンド遊技Rの継続時間に対応させて切り替え可能に制御しても良い。例えば、残りのラウンド遊技Rの継続時間が短い場合には、短い期間で終了可能な動画で表示演出を構成し、残りのラウンド遊技Rが十分に長い場合には、長い期間継続する動画で表示演出を構成しても良い。この場合、例えば、ラウンド遊技Rの残り時間で動画のロードが終了せず、表示がされることなくラウンド遊技Rが終了するといった不具合を防止することができる。
上記第1の制御例では、貯留流路1231に入球するべき個数として、規定個数に満たない9個の場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無く、入球するべき個数は任意に設定可能である。例えば、極端に少ない個数(例えば、2個)の球を貯留流路1231に入球させることで、遊技者が得られる利益が大きくなるように制御しても良い。この場合、報知がされるラウンド開始時に、遊技者に球の発射を停止させるように促すことができる。また、同時に、第3図柄表示装置81等で、「発射を停止しろ」等の報知を行っても良い。
上記第1の制御例では、操作ボタン300を押し込むと、即座に干渉部材6930が動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、操作演出における操作ボタン300の操作タイミングと、干渉部材6930の動作タイミングとを、所定期間ずらすようにしても良い。この場合、干渉部材6930付近の状態(球の流下状況)を目安として操作ボタン300を操作することを防止することができ、操作演出に対する注目力を向上させることができる。
上記第1の制御例では、S1515によりエラーコマンドが設定されたタイミングは、貯留流路1231からの球の排出が実行されたタイミングであって、ソレノイド1510はオフとされているので、エラーコマンドが設定された後も貯留流路1231に球が残留している場合には、貯留流路1231からの排出が継続されるが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、排出口1150の球の通過を規制する別の可動物を配設し、電源オン時には排出口1150の球の通過を許容するように駆動(励磁)され、エラーコマンドが発生している間は球の通過を規制するように状態変化するように制御しても良い。この場合、エラーコマンドが発生したタイミングで貯留流路1231に残っていた球が貯留流路1231から排出されることを防止することができるので、不正ではなく、何らかの不具合(球詰まりや、球の汚れによる減速等)でエラーコマンドが設定された場合に、遊技者に生じる不利益を小さくすることができる。その後、エラーコマンドを電源オフなどで解消し、再度電源をオンとすることで、貯留流路1231に球が残った状態(エラーコマンドが設定される直前の状態)から遊技を再開することができる。
なお、この可動物の制御は、エラーコマンドの設定の有無による制御に限られるものでは無い。例えば、電源のオンオフで状態変化するように制御しても良い。この場合、例えば、突然の停電などで遊技を継続できなくなった場合に、貯留流路1231に貯留されていた球が貯留流路1231から排出されることを防止することができる。
また、この可動物の制御は、電源オフする前後にRAM203をクリアしたか否かによって制御態様が変化するようにしても良い。例えば、エラーコマンドの設定が不正行為に基づいくものであったことが発覚しRAM203をクリアした場合にまで、エラーコマンドが設定される直前の状態から遊技を再開できるようにする必要はないので、遊技再開前に可動物を動作制御し貯留流路1231から球を排出するようにしても良い。
なお、この可動物の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、駆動装置を別途配設し、球の排出を防止する手段は規制部材1600を流用しても良いし、電源オフ時の処理として干渉部材6930を張出状態で維持可能に構成することで干渉部材6930を可動部材に採用しても良い。
上記第1の制御例では、大当たり中演出処理S2505において、何ラウンド目が開始されたかに基づいて制御フローを構成したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、特定領域4830に球が通過可能となるラウンド遊技Rが開始されることや、操作演出が開始されるラウンド遊技Rが開始されること等、特定の演出が開始されることに基づいて制御フローを構成するようにしても良い。この場合、仕様変更等で何ラウンド目に演出を実行するかが変更となった場合であっても、制御フローの大幅な変更を不要とすることができるので、仕様変更の負担を減らすことができる。
また、大当たり中演出処理S2505において、3ラウンド目と判定された場合の制御フローにおいてオンされたフラグが、5ラウンド目と判定された場合の制御フローにおいてオフされるように制御フローを構成したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、3ラウンド目で設定される制御態様の終了時点、即ち、4ラウンド目のラウンド遊技Rのラウンド終了時にフラグをオフとするように制御しても良い。この場合、4ラウンドの大当たり遊技を採用する場合の仕様変更の負担を減らすことができる。
上記第1の制御例では、第19の作動パターンとして、干渉部材6930が5ラウンド目のラウンド遊技Rの開始タイミングで退避する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ラウンド遊技Rの開始タイミングの0.5秒前に退避するようにしても良い。この場合、干渉部材6930に流下を規制されていた球を貯留流路1231の下端に配置した状態で5ラウンド目のラウンド遊技Rを開始することができる。
上記第1の制御例では、演出に従って操作ボタン300を押すことで第1可変入賞装置6000の貯留流路1231周りが発光する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、演出の有無に関わらず、所定のタイミングで操作ボタン300が操作されたら第1可変入賞装置6000の貯留流路1231周りが発光するように制御しても良い。この場合、ラウンド遊技R中の操作演出が実行されていない場合において、操作ボタン300を押すことに対する遊技者の意欲を向上させることができる。
上記第1の制御例では、第6実施形態における第1可変入賞装置6000を制御する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第8実施形態における第1可変入賞装置8000を制御するようにしても良い。この場合、補助開閉部材8340の作用によって、超過入賞個数の設定および超過入賞の発生可否の切り分けを行い易くすることができる。
上記第2の制御例では、補助開閉部材8340のみが開閉する駆動制御により補助入球口9111へ向けて球が流下する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、第1実施形態で説明した開閉板1300を採用し、ラウンド遊技R中に開閉板1300を所定期間閉状態で維持する駆動(励磁)態様でソレノイド1510を制御することで、補助入球口9111へ球が流下するようにしても良い。この場合、第1特定入賞口1000aへ球を案内する板を分割することなく、補助入球口9111へ球を流下可能に構成することができる。
また、この場合において、開閉板1300を閉状態で維持する期間を0.2秒未満とすることで、貯留流路1231から球が排出する前に(排出されかけた状態で)再び排出口1150の球の通過を規制することができる。そのため、貯留流路1231に貯留される球の個数を減らすことなく、補助入球口9111へ球を流下させることができる。
上記第2の制御例では、ラウンド数表示部714と、サブラウンド表示部714bとの表示態様が、待機時間TKの経過に基づいて切り替えられるように制御される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、第1特定入賞口1000aを通過した球の個数に基づいて切り替えられるように制御しても良い。この場合、第1特定入賞口1000aに貯留された球が9個(干渉部材6930の張出状態において貯留流路1231が満タン)となることに基づいて表示を切り替えるように制御することで、表示態様の変化タイミングを貯留流路1231が満タンとなったタイミングとして遊技者に把握させることができる。
なお、貯留流路1231の内部の個数の判断は、残球カウンタ203pの値で判断しても良いし、貯留流路1231に別途、接触センサを配設することで球個数を直接検出するようにしても良い。
上記第2の制御例では、所定の大当たり種別の所定のタイミングで、超過入賞可能性上昇報知態様721として「+チャンス」の文字が表示される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、大当たり種別に関わらず、補助入球口9111に球が入球し得る期間に超過入賞可能性上昇報知態様721として「+チャンス」の文字を表示可能に制御しても良いし、補助入球口9111に入球し得ない期間に煽り表示として超過入賞可能性上昇報知態様721の「+チャンス」の文字を表示可能に制御しても良い。例えば、ラウンド数表示部714が明るく表示されている場合に「+チャンス」の文字を表示するようにしても良い。
また、超過入賞可能性上昇報知態様721として「+チャンス」の文字が一定期間に亘り継続して表示されるようにしても良いし、表示と非表示とが短い期間で切り替えられるように表示しても良い。
上記第2の制御例では、大当たり種別と、大当たり開始からの時間経過に基づいて、補助開閉部材8340が片側開放するか否かを制御するように構成したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、大当たり種別や、大当たり開始からの時間経過に基づいて、片側開放の発生頻度や、発生タイミングを変化させるようにしても良い。この場合、補助開閉部材8340が閉状態となるタイミングで補助開閉部材8340に球が到達するように狙って球を発射する発射態様を抑制する(発射態様の効果を減少させる)ことができる。
上記第3の制御例では、開閉板1300が閉状態の期間は貯留流路1231に残る球が排出され続ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、干渉部材6930を採用し、所定のタイミングで張出状態となるように制御することで、開閉板1300が閉状態で維持される間も貯留流路1231に球が残留する場合を構成することができる。これにより、遊技者の球の発射態様の選択を複雑にすることができるので、遊技者が漫然と遊技することを防止することができる。
上記第3の制御例では、特定領域4830を球が通過することに基づいて移行される大当たり遊技の種類が1種類である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ラウンド数や、獲得可能な払い出し賞球個数や、大当たり遊技終了後に獲得できる時短回数などが異なる複数種類の大当たり遊技が用意され、特定領域4830に球がいつ通過するかによって決定される大当たり遊技の種類が変化するように構成しても良い。この場合、特定領域4830への球の通過を狙って球の発射を停止するタイミングの選択自由度を向上することができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
上記第3の制御例では、小当たり種別カウンタ値C6の数値に基づいて複数の小当たり種別から小当たりが決定される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、小当たり種別カウンタ値C6に寄らず、小当たりA又は小当たりB(又は別の小当たり)に決定されるようにしても良い。この場合、第2入球口640への入球と開閉板1300の開閉動作との関係を一様とすることができる。
上記第3の制御例では、小当たりが連続で実行される間隔として、貯留流路1231から排出される球の上限が2個となる時間(0.4秒間)が設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、排出される球の上限を1個(小当たりが実行される間隔は0.2秒間)としても良いし、3個以上(小当たりが実行される間隔は0.6秒以上)としても良い。加えて、小当たり間隔を変化させることに伴って、振分装置4850の動作パターンを変更することは当然に許容される。
上記第3の制御例では、貯留流路1231に貯留される球が第1特定入賞口1000aを通過した球に限定される場合を主に説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第5実施形態で説明したように、第2入球口640に入球した球も貯留流路1231に合流するように構成しても良い。この場合、第3の制御例で説明した場合に比較して、第2入球口640に入球したが貯留流路1231に流入する分、貯留流路1231の貯留個数を多めに保持することができる。
従って、第2入球口640へ過度に球が案内されるゲージ構成や、釘状態となっており、第1特定入賞口1000aに球が案内され難い場合であっても(又は、状況によらず)、時短遊技において貯留流路1231に十分な個数の球が貯留され難くなることを防止することができる。これにより、球の発射を停止することで特定領域4830を球が通過し得るタイミングを長く維持することができるので、遊技者が球の発射を停止するタイミングとして選択し得るタイミングを多くすることができる。
即ち、遊技者は、残り時短回数を把握しながら、好きなタイミングを選んで球の発射を停止することができるので、漫然と時短遊技を行う場合に比較して、遊技者の集中力を向上させることができ、興趣の向上を図ることができる。
加えて、遊技者が球の発射を停止するタイミングとして選択し得るタイミングを抑制する手段を採用しても良い。例えば、特別図柄2の変動時間に振分を設ける(変動時間が長くなる場合を入れる)ことで、特別図柄2の保留球数が残っている場合であっても、小当たりが実行される間隔が延びる(変動停止まで小当たりが実行されない)場合を構成することができる。従って、貯留流路1231から球が排出される態様の種類を増やすことができ、遊技の進行において予測困難な部分を設けることができるので、遊技者の興趣の向上を図ることができる。更に、特別図柄2の変動時間に振分を設けることで、第3図柄表示装置81等で実行する演出に複数のバリエーションを持たせることができ、演出の複雑化を図ることができる。
また、第2入球口640に入球した球が貯留流路1231に合流せずに、貯留流路1231の内部を流下する球に作用を及ぼすように構成しても良い。この場合において、第2入球口640に入球する球の個数(又は頻度)に応じて貯留流路1231の内部を流下する球に及ぼす作用を変化させるようにしても良い。
第1の方法として、例えば、第2入球口640に入球した遊技球の流下経路に変位可能な可動片が配置され、遊技球が可動片と衝突することでその可動片が変位されるように構成される場合に、変位により可動片が貯留流路1231に進入する一方で、遊技球が可動片から離れる(通り過ぎる)と戻りバネ等により可動片が貯留流路1231の外方へ退避するようにすることで、貯留流路1231に可動片を進入させて貯留流路1231内部の球の流下を阻害可能(停止可能、又は減速可能)にしても良い。
第2の方法として、例えば、第2入球口640に入球した球が、貯留流路1231に流入はしないが、部分的に入り込む(例えば、図46(a)の球AP54のように配置される)状態を経由して流下するように構成することで、第1特定入賞口1000aに入球して貯留流路1231を流下する球と当接可能に構成しても良い。この場合、可動片を不要としながら、第2入球口640への入球と、貯留流路1231内部の球の流下態様とを関連付けることができる。
上記第3の制御例では、小当たり種別として1.8秒間で完結する小当たりA又は小当たりBが決定される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、上述したような0.12秒の開放が15回繰り返されるという開放パターンを、開放間0.1秒で実行するような小当たりZを、小当たりAや小当たりBの他に決定可能に制御するようにしても良い。
この場合、第1特定入賞口1000aに球を入球させる時間として3.3秒間を確保することができるので、小当たりA又は小当たりBの場合に比較して多くの球を第1特定入賞口1000aに案内し易くすることができる。また、開放間(開閉板1300が閉状態となる期間)が0.1秒間なので、貯留流路1231から球が排出されることが無い。従って、3.3秒間に第1特定入賞口1000aに入球した球を貯留流路1231に貯留することができる。
遊技者にとっては、小当たりZは、小当たりAや小当たりBに比較して1回の小当たり時に貯留流路1231に球を貯めやすい小当たりとしての位置づけを持っている。そのため、小当たりZが発生した後は、貯留流路1231に球が十分に貯留された状態で遊技を継続することができるので、特定領域4830への球の通過を狙って球の発射を停止するタイミングの選択自由度を向上させることができる。
上記第3の制御例では、小当たり遊技の実行間隔と、特定領域4830への球の入球とが対応し、特定領域4830へ球が入球し易いように遊技する方が遊技者の利益になる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たり遊技後の遊技状態として所定の確率で確変状態へ移行可能とされ、特定領域4830を球が通過することで転落フラグ(確変状態を通常状態または時短状態へ移行させるフラグ)がオンに設定されるように制御されても良い。即ち、特定領域4830へ球を入球させることが遊技者に不利益となるので、確変状態が続く間は、特定領域4830へ球が入球し難いような遊技態様で遊技を実行させることができる。
ここで、第3の制御例では、一度に3個以上の球が貯留流路1231から排出されることで特定領域4830を球が高確率で通過することになるので、特定領域4830へ球が入球し難いような遊技態様としては、例えば、検出センサ1240(貯留流路1231)に入球する球の個数を小当たり遊技1回に対して2個以下とする態様や、小当たり遊技の間隔を球が2個だけ排出される期間に維持するために、特別図柄2の保留を絶やさないようにする態様などが例示される。
上記第3の制御例では、小当たり種別として、小当たり遊技中における貯留流路1231からの排出個数が少ない小当たりA,Bについて説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、同じ1.8秒間で完結する別の小当たりCの動作態様として、開閉板1300が、閉状態から開状態へ変化し、0.2秒だけ開状態で維持した後で閉状態へ変化し、1.4秒だけ閉状態で維持した後で開状態へ変化し、0.2秒だけ開状態で維持した後で閉状態へ変化する態様で動作し、振分装置4850が一回目の開放位置への駆動が省略される(又は、極小時間で閉塞位置に復帰する)態様で動作するように制御しても良い。この場合、小当たりCの発生時には、特定領域4830への球の通過確率を低くしつつ貯留流路1231から多くの球を排出することができるので、それまでの貯留球を大幅に減らす(リセットする)小当たりの振分としての意味を持たせることができ、遊技者に驚きを提供することで遊技の興趣を向上させることができる。
なお、小当たりCは、特定領域4830へ球を通過させるために数回の特別図柄2の変動を経過して貯留流路1231に球を貯留したことの意味が一気に無くなるという遊技者に大損と感じさせる小当たりであるので、発生確率は数%(例えば、0.1%)に設定することが望ましい。また、他の小当たりA,Bと区別するために、小当たりC専用の演出を第3図柄表示装置81で実行するように制御しても良いし、他の小当たりA,Bと共通の演出で済ませ、貯留流路1231を遊技者が見て確認するまで、多数の球の排出に気付きにくいようにしても良い。
上記第3の制御例では、小当たり遊技後に開閉板1300が閉状態とされることで貯留流路1231から球が全球排出される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板1300が閉状態でも規制部材1600を貯留状態で維持可能に配設される別の駆動装置により排出個数の調整を行ったり、貯留流路1231に干渉部材6930を配設し開閉板1300が閉状態でも干渉部材6930で球の排出個数の調整を行ったりしても良い。この場合、例えば特別図柄の変動として長い変動(例えば、2~3分程度)が選択され、開閉板1300が閉状態で所定時間維持されることがあっても、貯留流路1231の内部の球の個数が減少することを防止することができる。
上記第4の制御例では、開始ラウンドRpbを3ラウンド目として、連続して演出ラウンドRpt、演出後ラウンドRpa及びV入賞ラウンドRvが構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、大当たり遊技を6ラウンドよりも多い16ラウンドで構成し、開始ラウンドRpbを10ラウンド目として代わりに構成しても良いし、3ラウンド目と10ラウンド目との両方を開始ラウンドRpbとして構成しても良い。この場合、対応する演出開始フラグ223ya~223ydをオンに設定するタイミングを変更すれば、制御フロー(演出切替処理(S4701)の制御フロー)を流用することができるので、仕様変更を容易に行うことができる。
上記第4の制御例では、ラウンド遊技Rにおける演出とインターバル期間における演出とが切り離されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、V入賞ラウンドRvにおいて特定領域Rvを遊技球が通過することが、V入賞ラウンドRvの以前のラウンド(演出後遊技ラウンドRpa)の間に確定した場合に、V入賞ラウンドRvと演出後遊技ラウンドRpaとの間のインターバル期間の最中からV入賞ラウンドRvに亘る演出を実行するようにしても良い。この場合、長い演出を実行する場合であっても、演出が間延びすることを防止することができる。
上記第4の制御例では、第3図柄表示装置81に「打つな」と表示された後で球の発射を継続したとしても、4ラウンド目のラウンド遊技R中は貯留流路1231から球が排出されないように制御されているので、検出センサ1240に規定個数の球が入球することは無い場合について説明したが、必ずしもこれに限るものでは無い。例えば、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて所定のタイミングで開閉板が閉状態(長閉)となり、貯留流路1231から球が排出されるように制御しても良い。この場合、開閉板1300の上面に球が複数個乗っている場合、検出センサ1240に追加の入球が発生するので、4ラウンド目のラウンド遊技Rが規定時間(30秒間)を待たずに終了する可能性がある。従って、第3図柄表示装置81に「打つな」と表示された後で球の発射を継続した場合に遊技者に与えられる不利益として、4ラウンド目のラウンド遊技Rで実行される演出を途中までしか見ることができないという不利益を設けることができる。
なお、このような不利益を設ける場合には、「打つな」と表示するタイミングは貯留流路1231が満タンになるよりも前のタイミングであることが望ましい。例えば、検出センサ1240による検出態様と、排出口1150を通過する球の検出態様とから、貯留流路1231に貯留される球の個数を監視し、貯留流路1231の内部の球の個数が満タン付近(例えば、7個)となったら、「打つな」と表示するようにしても良い。この場合、表示に従って球の発射を停止したのに、表示の実行が遅いために開閉板1300の上面に余分の球が到達してしまうという事態の発生を抑制することができる。
上記第4の制御例では、貯留流路1231が球で満たされた場合に、ラウンド遊技R中に所定の操作演出が実行され、その操作演出に成功すると次のラウンド遊技Rにおける有利な情報が獲得でき、その情報に従って次のラウンド遊技Rを遊技することで所定の利益を獲得できる(特定領域4830に球を通過させることができる)場合について説明したが、必ずしもこれに限るものでは無い。例えば、検出センサ1240に規定個数の球が入球したことを契機に開始されるラウンド間インターバルにおいて所定の操作演出が実行され、その操作演出に成功すると次のラウンド遊技Rにおける有利な情報が獲得でき、その情報に従って次のラウンド遊技Rを遊技することで所定の利益を獲得できるようにしても良い。この場合、ラウンド間インターバルという遊技態様によって不変の期間に操作演出を実行することができるので、操作演出が中断する可能性を低くすることができる。
上記第4の制御例では、貯留流路1231にX個目の球が入球したことを、検出センサ1240による球の検出時間が長時間(2秒)となったことで判別する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ラウンド遊技Rの開始時に貯留流路1231に貯留されている球の個数を所定のカウンタ(入賞個数カウンタ203w、排出個数カウンタ203x)で予め判別するように制御し、貯留されている球に対して、ラウンド遊技Rの開始後に検出センサ1240に検出された球の個数を加算し、その合計が規定個数(本制御例では10個)になったと判定された時点でX個目の球が入球したと判定しても良い。
上記第5の制御例では、動作シナリオ51及び動作シナリオ52において、開閉板12300が開状態と閉状態との変化を繰り返す期間を1秒間隔に構成したが、必ずしもこれに限られるものではなく、設計的に変化させることが可能である。例えば、転動円弧部12252から負荷をかけられる際の球の減速具合や、連球を発生させたい頻度などによって、間隔を短くしても良いし、長くしても良いし、間隔の違う場合を組み合わせて動作シナリオを構成するようにしても良い。この場合において、基本的には間隔を短くした方が、開閉板12300と転動円弧部12252との間に挟み込まれて前後移動する際に球が受ける負荷の合計が大きくなるので、球の減速作用が顕著になり、連球が発生し易くなる。
上記第5の制御例では、動作シナリオ51と動作シナリオ52とが、貯留流路1231から球を排出不能な開閉板12300の閉鎖(短閉)と貯留流路1231から球を排出可能な開閉板12300の閉鎖(長閉)との違いとして説明されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貯留流路1231から球を排出可能な開閉板12300の閉鎖として、長さのバリエーションを持たせるために、閉鎖(第2長閉、0.4秒の閉鎖)の動作を行う動作シナリオを設けても良い。この場合、開閉板12300の閉鎖が長いほど貯留流路1231から排出される球の個数が多くなることから、次に開閉板12300が開状態とされた時に入球可能となる球の個数を多くすることができる。
上記第5の制御例では、入賞のテンポ(規定個数入賞までに必要な期間)を、開閉板12300の短い閉鎖により変化させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、開閉板12300の長時間の閉鎖をラウンド遊技Rの開始直後に実行し、ラウンド遊技Rの開始から、実際に球が検出センサ1240に案内され始めるまで(開閉板12300が開状態となるまで)の期間を長く確保するようにしても良い。この場合、開閉板12300が閉状態の際に開閉板12300の正面側に到達し、開閉板12300が開状態となる前に終端面3251bまで到達し検出センサ1240と終端面3251bとの間を落下した球は、そのままアウト口66へ向かう。
上記第5の制御例の別例では、大当たり遊技中に検出センサ1240へ入球した球によってVフラグ203sがオフに設定される可能性がある場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、大当たり遊技終了後に移行する遊技状態として確変状態が設けられ、確変状態において主に変動する特別図柄(例えば、特別図柄2)に小当たりの振分が設けられる場合において、小当たり遊技中に検出センサ1240へ入球した球が第3排出経路センサ13813へ入球することによって転落フラグ(確変状態を通常状態または時短状態へ移行させるフラグ)がオンに設定されるようにしても良い。
この場合において、例えば、小当たり種別として、球が第3排出経路センサ13813を通過することを第2切替装置13850は許容する小当たりと、球が第3排出経路センサ13813を通過することを第2切替装置13850は規制する小当たりとが設けられても良い。これにより、確変状態が、確変状態中の小当たり遊技において検出センサ1240へ入球した球によって終了する可能性がある遊技性を構成することができる。
上記第5の制御例の別例では、ソレノイド1510の動作と連動して切り替えられる切替装置13840,13850の状態に応じて球が案内される排出経路センサ13810が切り替えられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、排出口1710の下流に、所定の確率(大当たり種別や、遊技態様等や、所定のゲートを通過することで大当たり遊技が開始される場合のゲート通過タイミング等で球が乗るか否かを異ならせても良い)で球が乗る球受け部を備えて一定速度で回転する回転部材が配設され、球受け部に球が乗ってから所定時間後(例えば、2分後)に球が転落フラグ(確変状態を通常状態または時短状態へ移行させるフラグ)をオンさせる転落センサを通過するように回転部材が回転するように構成しても良い。
上記第5の制御例の別例では、抵抗変化部材13854が特殊回転部材13851と当接している間には、特殊回転部材13851は規制部材13852の自重で回転することは無い(抵抗が十分に大きい)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、抵抗変化部材13854が特殊回転部材13851と当接している間も、規制部材13852の自重で特殊回転部材13851がゆっくりと回転する(抵抗が若干小さい)ようにしても良い。この回転速度を、5秒間で規制部材13852が倒れた状態に戻るのに十分な回転速度に設定することで、ラウンド遊技R中の短い開閉が開始されるタイミングにおける規制部材13852の状態を倒れた状態とすることができる。
上記第5の制御例の別例では、抵抗変化部材13854が規定部13830の左右両端部に干渉する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、規定部13830の一方の端部(ソレノイド1510が励磁状態とされた場合に動作部材13820が到達する端部)でのみ干渉するように構成しても良い。この場合、ラウンド間インターバル中は規制部材13852の配置が維持され、ソレノイド1510が励磁され次のラウンドのラウンド遊技Rが開始されて初めて規制部材13852が倒れた状態へ向かうので、ラウンド間インターバル中に貯留流路1231から排出される球が第3排出経路センサ13813へ案内される事象の発生割合を高い遊技性を構成することができる。
上記第5の制御例の別例では、ラウンド間インターバルを過ぎれば特殊回転部材13851の抵抗増加は解除される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ラウンド間インターバルにおいても抵抗変化部材13854が特殊回転部材13851と当接し、抵抗増加が維持されたままで、特殊回転部材13851の姿勢が周期的に切り替えられるものであっても良い。この場合、特殊回転部材13851は大当たり遊技の終了時点や開始時点で元の状態に復帰しないばかりか、一回の大当たり遊技で特殊回転部材13851が姿勢変化する回数も遊技者の遊技態様によって異なり、加えて、特殊回転部材13851の状態によらず大当たり遊技が開始することを許容するので、遊技者の興趣の向上や、攻略の防止を図ることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<狙いの個数以上の入賞をさせないポイント>
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記検出手段により、所定期間に所定個数の球が前記入球口に入球したと検出された状態において球が入球口を通過し難くする入球防止手段を備えることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口の検出口が横向きとなるように検出手段が配置され、その検出口へ向けて球を転動させる動作部材が、所定個数の球が検出口を通過したことを契機として動作し、その動作時に動作部材上に乗っていた球を落下させることで、所定個数以上の球が検出手段の検出口を通過することを防止する遊技機がある(例えば特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、複数の球が動作部材上を想定外に勢いよく転動する場合、動作部材の動作開始から、動作部材から球が落下するまでの間に、余分の球が検出口を通過する可能性が有るので、所定個数以上の球が検出口を通過する恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、入球防止手段により、所定個数目以降の球が検出手段を通過し難い状態とすることができる。従って、入球口の上流側に配置された状態における球の勢いの大小に関わらず、球が入球口を通過する際の通過のし易さを、所定個数内の球と、所定個数目以降の球とで変化させることができる。これにより、所定個数以上の球が検出口を通過することを抑制することができる。
なお、入球防止手段としては、検出手段の検出結果に応じて球の入球口の通過し易さを変更する手段や、常時球の入球口の通過し易さを一定とするもの等が例示される。
遊技機A1において、前記入球防止手段は、前記入球口を通過した球が収容される収容手段と、前記収容手段から球が出る際に、球が通過する排出口と、その排出口を球が通過可能な第1状態と、前記排出口を球が通過不能な第2状態とで切り替えられる排出切替手段と、を備え、前記収容手段は、前記入球口から前記排出口までの間に最大で前記所定個数の球が収容される容積で形成されることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、前記入球口から前記排出口までの間に最大で所定個数の球が収容される容積で収容手段が形成されるので、排出切替手段を第2状態で維持して収容手段に球を貯めると、収容手段に収容された球により、所定個数目以降の球が入球口を通過することを防止することができる。従って、所定個数目以降の球が入球口を通過することを物理的に阻止することができる。
遊技機A2において、前記排出切替手段が前記第1状態とされる間、前記入球切替手段が前記第2状態で維持可能に形成されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、収容手段から球が排出されている間に、入球口から球が収容手段へ向けて入球することを防止することができる。なお、排出切替手段と入球切替手段との動作タイミングは、同時でも良いし、異なっていても良い。
遊技機A2又はA3において、前記排出切替手段と、前記入球切替手段とに兼用される駆動手段を備えることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、一対の切替手段を兼用の駆動手段で動作させることができる。これにより、省スペース化および省コスト化を図ることができる。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記入球切替手段が前記第2状態から前記第1状態へ向けて状態変化を開始するよりも後で、前記排出切替手段が前記第1状態から前記第2状態へ向けて状態変化を開始する態様で、状態変化開始の順序付けがされ、それら状態変化は、略同時に完了することを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4のいずれかの奏する効果に加え、入球切替手段が第1状態となった後で収容手段に入球した球が排出口から排出されることを防止しながら(イレギュラーな入賞を防止しながら)、排出口からの球の排出が完了するよりも前に入球切替手段を第2状態から動作開始させることができるので、排出口からの排出が完了した後で入球切替手段を動作開始する場合に比較して、入球切替手段を素通り遊技領域を流下しアウト口へ向かう球の個数を低減することができる。
なお、状態変化の順序付けは、各切替手段に順に駆動力が伝達されることにより行われても良いし、各切替手段にそれぞれ専用の駆動手段が配設され、同阿タイミングを制御するようにしても良い。
遊技機A2からA5のいずれかにおいて、前記収容手段の最大収容個数を変化させる変化手段を備えることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A2からA5のいずれかの奏する効果に加え、変化手段により収容手段の最大収容個数を変化することができるので、一時的に(例えば、特定のラウンドに)所定個数より多くの球を収容手段に収容した状態を形成可能とすることができる。これにより、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、同一形状の収容手段を用いて、所定個数の数値を変更した遊技機に構成し直すことができる(スペック違いに対応することができる)。これにより、スペックごとに形状を作る場合に比較して、開発費用を抑制することができる。
遊技機A6において、前記入球口は、第1入球口と、その第1入球口の下流において前記収容手段へ連通され、前記遊技領域を流下した球が通過可能とされると共に、その通過の可否が前記入球切替手段により切り替えられる第2入球口と、を備え、前記第1入球口から前記収容手段へ球が入球する場合と、前記第2入球口から前記収容手段へ球が入球する場合とで、収容手段の最大収容個数が変化され、前記変化手段は、どちらの入球口から球を通過可能とするかを選択的に設定することを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、第1入球口から入球する球と、第2入球口から入球する球とを、共に収容手段に貯留することができるので、それぞれに別個の収容手段を配設する場合に比較して必要となるスペースを抑制することができる。
遊技機A6において、前記変化手段は、前記収容手段の内部へ張出動作可能な干渉手段を備え、その干渉手段が前記収容手段の内部へ張り出し貯留される球に干渉する場合と、前記収容手段の外部へ退避される場合とで、収容手段の最大収容個数が変化される態様から構成されることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、収容手段への球の入球経路は変化させずに、収容手段の内部の容積を変化させることで球の収容個数を変化させることができるので、遊技者に違和感を与えることなく、収容個数の切り替えを行うことができる。
遊技機A8において、前記干渉手段は、前記遊技領域の背面側から前記収容手段の内部へ張り出すものであって、退避時において、球を正面側に配置可能に構成されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、退避時における干渉手段を、正面に配置される球で隠すことができる。これにより、追加の遮蔽部材を不要としながら、干渉手段の動作を目立たせなくすることができる。
<貯留球数を隠すポイントAK>
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記検出手段により、所定期間に所定個数の球が前記入球口に入球したと検出された状態において球が入球口を通過し難くする入球防止手段を備え、その入球防止手段は、前記入球口を通過した球が収容される収容手段を備え、その収容手段に収容されている球の少なくとも一部を視認し難くする視認難化手段を備えることを特徴とする遊技機AK1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口の検出口が横向きとなるように検出手段が配置され、その検出口へ向けて球を転動させる動作部材が、所定個数の球が検出口を通過したことを契機として動作し、その動作時に動作部材上に乗っていた球を落下させることで、所定個数以上の球が検出手段の検出口を通過することを防止する遊技機がある(例えば特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、検出口の下流の視認性が変化しないことから、検出口を通過した球による演出の演出効果が不十分になり、注目力が低下するおそれがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機AK1によれば、視認難化手段により収容手段に収容されている球の少なくとも一部が視認し難くされるので、収容手段に収容されている球の個数の別により異なる演出を生じさせる機構を採用する場合に、生じる作用についての遊技者の予想が、生じる作用と一致する可能性を低減することができる。これにより、上記演出に対する注目力を向上させることができる。
遊技機AK1において、前記収容手段から球が出る際に、球が通過する排出口と、その排出口を球が通過可能な第1状態と、前記排出口を球が通過不能な第2状態とで切り替えられる排出切替手段と、を備え、前記収容手段は、前記入球口から前記排出口までの間に最大で前記所定個数の球が収容される容積で形成されることを特徴とする遊技機AK2。
遊技機AK2によれば、遊技機AK1の奏する効果に加え、収容手段に球を貯めることができるので、球による演出を維持可能な期間を長くすることができる。
遊技機AK1又はAK2において、所定条件の成立に基づいて、前記視認難化手段の作用を変化させるよう構成されることを特徴とする遊技機AK3。
遊技機AK3によれば、遊技機AK1又はAK2の奏する効果に加え、所定条件の成立に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
なお、所定条件の態様としては、何ら限定されるものでは無い。例えば、所定条件として、遊技者が操作可能な操作手段を、所定のタイミングで遊技者が操作したと検出したことを採用しても良い。この場合、表示手段等により指示された操作タイミングと、実際の操作タイミングとのずれの程度の大小を検出し、その大小に応じて視認難化手段の作用の変化の程度を変更するようにしても良い。例えば、ずれの程度が大の時に比較して、ずれの程度が小の時の方が、収容手段に収容された球の視認性が良くなるように変更するようにしても良い。この場合、操作手段の操作に対する遊技者の意欲を向上させることができる。また、その逆でも良い。
また、例えば、所定条件として、所定の入球口を球が通過したことを採用しても良い。この場合、例えば、所定期間内に所定の入球口を通過した球の個数の多少に応じて、視認難化手段の作用の変化の程度を変更するようにしても良い。例えば、入球口を通過した球の個数が多くなるほど、収容手段に収容された球の視認性が良くなるように変更するようにしても良い。この場合、遊技者がより多くの球を発射する動機付けをすることができる。また、その逆でも良い。この場合、球の発射強度の調整を熱心にさせることができるので、漫然とした遊技を抑制することができる。
<本件構造を活用した打ち出し停止指示演出を行うポイント:狙いA>
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記検出手段により、所定期間に所定個数の球が前記入球口に入球したと検出された状態において、前記入球口へ向けた遊技球の発射の停止を促す報知を実行可能に構成されることを特徴とする遊技機AKK1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口の検出口が横向きとなるように検出手段が配置され、その検出口へ向けて球を転動させる動作部材が、所定個数の球が検出口を通過したことを契機として動作し、その動作時に動作部材上に乗っていた球を落下させることで、所定個数以上の球が検出手段の検出口を通過することを防止する遊技機がある(例えば特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、複数の球が動作部材上を想定外に勢いよく転動する場合、動作部材の動作開始から、動作部材から球が落下するまでの間に、余分の球が検出口を通過する可能性が有るので、所定個数以上の球が検出口を通過する恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機AKK1によれば、遊技球の発射の停止を促す報知を実行可能に構成されるので、その報知通りに遊技者に遊技させることによって、余分の球が検出口を通過する可能性を低減することができる。
なお、報知としては、入球口が始動口として構成され、保留個数が満タンとなった場合に発生する、それ以上の入球を防止する目的のものや(入球により賞球の払い出しは得られるものの、抽選は実行されない)、入球口が大入賞口として構成され、ラウンド遊技の終了が近づいた場合に発生する、球損を防止する目的のものが例示される。
また、報知の実行の態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、発射の停止を促す表示を発生させることで目的の報知を実行しても良いし、発射を促進する(促す)表示を消す(見え難くする、隠す、消す)ことで目的の報知を実行しても良い。
また、報知を無視した場合に遊技者に与えられる影響は、何ら限定されるものではない。例えば、報知を無視して遊技球の発射を継続することで、遊技者に対して異常報知(エラー報知)がされるようにしても良いし、球損が生じる(確率が上昇する)ようにしても良いし、賞球以外の内容(例えば、特別遊技状態への移行の権利)であって獲得が予定された利益を獲得できなくなるようにしても良い。
即ち、報知通りの発射態様で遊技球を発射または停止していれば通常は獲得できたであろう利益の獲得ができないように設定しても良い。この場合において、報知に従って発射しても、報知を無視して発射または停止しても、同様に特別遊技状態への移行の権利を獲得可能としながら、獲得した特別遊技の種類(移行後に遊技者に与えられる利益)を変化可能に構成しても良い。
なお、所定期間としては、入球口に入球した遊技球が収容される収容手段(貯留流路)に所定個数の遊技球が貯留されるまでに要する期間(入球の態様により変動する期間)や、入球口への遊技球の入球により開始する所定の制御態様が終了するまでの期間等が例示される。
遊技機AKK1において、前記入球口の状態変化に係る抽選を実行する抽選入球口を備え、前記入球口に貯留される遊技球の個数が0の状態において特別遊技状態が開始される状況が最多で生じるように構成されることを特徴とする遊技機AKK2。
遊技機AKK2によれば、遊技機AKK1の奏する効果に加え、入球口に貯留される個数が、特別遊技状態へ移行する可能性の大小を変化させることができる。即ち、入球口に貯留される遊技球の個数が0の場合と、それ以外の場合とで、特別遊技状態へ移行する期待感を大きく変化させることができる。
なお、貯留される遊技球の個数としては、入球口の下流に球が滞留されるなど実際に遊技球の貯留を生じさせる場合の遊技球の個数や、入球口への入球データが保持される場合のデータ個数(保留個数)等が例示される。
遊技機AKK2において、前記入球口に遊技球が貯留されることに基づいて、特別遊技状態へ移行する時点を予め知覚可能に構成されることを特徴とする遊技機AKK3。
遊技機AKK3によれば、遊技機AKK2の奏する効果に加え、特別遊技状態へ移行する時点が分かることにより、遊技者が特別遊技状態へ移行する前に席を立つ事象の発生を減らすことができる。
なお、知覚させる手段としては、遊技球の流下態様を視認可能とすることで知覚させる方法や、表示装置等により報知する方法等が例示される。
遊技機AKK2又はAKK3において、特別遊技状態への移行の可能性が生じた後においても、前記入球口に遊技球を加えて入球可能に構成され、その入球により、特別遊技状態への移行が予定された時点よりも遅れて特別遊技状態へ移行可能に構成されることを特徴とする遊技機AKK4。
遊技機AKK4によれば、遊技機AKK2又はAKK3の奏する効果に加え、特別遊技状態への移行の可能性が生じた後の遊技球の発射によって、特別遊技状態への移行時点が変化するので、特別遊技状態へ移行するまでの間に遊技者の興趣が薄れることを防止することができる。
<入球の上限を設けるポイント:狙いB>
遊技機AKK1において、所定個数の球の算出において、所定の条件期間内での上限が設定されることを特徴とする遊技機AKK11。
遊技機AKK11によれば、遊技機AKK1の奏する効果に加え、入球口に球が入球する頻度が高いほど、発射の停止を促す報知が実行される前に入球口に入球する遊技球の個数を増加させることができる。
遊技機AKK1又は遊技機AKK11において、所定期間の長さと、所定個数の多さとが対応するように構成されることを特徴とする遊技機AKK12。
遊技機AKK12によれば、遊技機AKK1又は遊技機AKK11の奏する効果に加え、遊技に要する期間と、入球口へ向けて発射する遊技球との関係を容易に把握することができる。
遊技機AKK1、遊技機AKK11又は遊技機AKK12のいずれかにおいて、前記所定期間の終了までに前記入球口に入球可能な遊技球の個数が、前記入球口への遊技球の入球態様の違いによって変化可能に構成されることを特徴とする遊技機AKK13。
遊技機AKK13によれば、遊技機AKK1、遊技機AKK11又は遊技機AKK12のいずれかの奏する効果に加え、所定期間の終了までに入球口に入球可能な遊技球の個数が入球態様によって異なるので、遊技者に遊技球の発射態様を工夫させることができ、遊技者が暇に感じることを防ぐことができる。
遊技機AKK1、遊技機AKK11から遊技機AKK13のいずれかにおいて、前記報知に基づいて遊技球の発射を停止することにより、前記入球口への入球に基づく利益の確定が遅れることを防止する制御を実行可能な確定遅延防止手段を備えることを特徴とする遊技機AKK14。
遊技機AKK14によれば、遊技機AKK1、遊技機AKK11から遊技機AKK13のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の発射の停止によって、遊技者に与えられる利益の確定が遅れることを防止する制御を実行可能とされるので、予定された利益の確定前に入球口への入球を許容する期間(所定期間を含む期間)が過ぎ去ってしまう等により、予定された利益を遊技者が取り逃すことを防止することができる。
<打ち出し停止示唆表示後に、打ち出しを継続した場合:狙いC>
遊技機AKK1、遊技機AKK11から遊技機AKK14のいずれかにおいて、前記報知が実行される前後において、前記入球切替手段の状態変化の態様は同様に維持されることを特徴とする遊技機AKK15。
遊技機AKK15によれば、遊技機AKK1、遊技機AKK11から遊技機AKK14のいずれかの奏する効果に加え、報知後も入球口への入球を同条件で発生可能とすることで、遊技球の発射態様の選択自由度を向上させることができる。
遊技球の発射を停止することにより得られる利益と、発射を継続することにより得られる利益との大小が変化可能とされる前提のもとで、その比較結果に基づいて遊技球の発射態様を変化させることができる。
例えば、発射を停止することにより得られる利益が、早期の大当たりの獲得(特別遊技状態への移行の権利の獲得)である場合に、その大当たり遊技を実行する時間が事情により残されていない場合(遊技者に事情がある場合、または閉店時間間際である場合など)には、早期の大当たりの獲得を放棄してでも、入球口へ遊技球を入賞させることに基づく賞球の払い出しを多く獲得する方が、遊技者にとって利益が大きくなる。
この場合に、報知が実行される前後において入球口への入球確率が変化する(報知後に入球確率が低下する)と、遊技者は遊技球の発射を停止し、大当たりへの移行の演出を見ることなく遊技を終えてしまう可能性がある。一方、本件の遊技機によれば、報知後も遊技球の発射を継続すれば、入球口への入球に基づく賞球の払い出しが少しでも獲得できる可能性があるので、遊技者の、時間いっぱいまで遊技する意欲を高めることができる。これにより、遊技機の稼働率(例えば、営業時間に対する、遊技時間の長さの割合の指標)を向上させることができる。
<打ち出し停止報知の際に操作指示を行う>
遊技機AKK1、遊技機AKK11から遊技機AKK15のいずれかにおいて、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記報知が実行されている期間において、その操作手段の操作を促す第2報知を行う操作指示手段を備えることを特徴とする遊技機AKK16。
遊技機AKK16によれば、遊技機AKK1、遊技機AKK11から遊技機AKK15のいずれかの奏する効果に加え、操作手段の操作を促す報知により遊技者に操作手段の操作をさせることで、遊技球の発射を停止している間に遊技者が暇になることを防止することができる。
遊技機AKK16において、前記第2報知は、前記発射の停止を促す報知が実行されるタイミングに対応して更新されることを特徴とする遊技機AKK17。
遊技機AKK17によれば、発射の停止を促す報知が実行されるタイミングに対応して第2報知が更新されるので、第2報知の内容が毎回同じ場合に比較して、遊技者が飽きることを抑制することができる。
遊技機AKK17において、前記第2報知は、前記発射の停止を促す報知が実行されるタイミングが早いほど、前記操作手段の操作難易度が易しくなるように構成されることを特徴とする遊技機AKK18。
遊技機AKK18によれば、遊技機AKK17の奏する効果に加え、発射の停止を促す報知が実行されるタイミングが早いほど操作に成功し易くなるので、入球口へ意欲的に遊技球を発射させることができる。
<先の入球で演出決定>
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記検出手段により、所定期間に所定個数の球が前記入球口に入球したと検出された状態において、前記入球口に入球した遊技球に係る演出の態様が、実行中の前記第1状態における前記入球口への遊技球の入球に関わらず規定されることを特徴とする遊技機AKK20。
遊技機AKK20によれば、入球口に入球した遊技球に係る演出の演出効果を向上させることができる。
なお、遊技機が操作手段を備え、演出において遊技者に操作を促す演出を実行する場合には、所定個数の遊技球の入球口への入球が検出されたタイミング(所定期間におけるタイミング)に応じて、その演出の態様を変化させるようにしても良い。例えば、タイミングが早いほど、操作演出の難易度が低くなるように制御されても良い。この場合、操作演出の成功によって遊技者が得られる利益が大きいほど、入球口への遊技球の発射を促進させることができる(遊技球の発射停止を抑制することができる)。
遊技機AKK20において、前記演出は、入球口の下方に配置される権利発生入球口への遊技球の入球時点に基づいて構成されることを特徴とする遊技機AKK21。
遊技機AKK21によれば、遊技機AKK20の奏する効果に加え、権利発生入球口への入球時点に対応した演出が構成されるので、演出と、実際の遊技球の流下とを対応付けて遊技者に視認させることができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
遊技機AKK20又はAKK21において、前記第1状態とされる場合に、その前回までの前記第1状態へ切り替えられている期間における前記入球口への遊技球の入球態様に応じて、前記演出が規定されることを特徴とする遊技機AKK22。
遊技機AKK22によれば、遊技機AKK20又はAKK21の奏する効果に加え、実行中の第1状態における入球口への遊技球の入球態様が同じ場合であっても、前回までの第1状態における入球口への遊技球の入球態様が異なる場合に演出を異ならせることができるので、現在実行中の演出に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
遊技機AKK20からAKK22のいずれかにおいて、前記演出は、前記第1状態の際に実行される場合に、その第1状態が開始される以前に前記演出の開始時点が設定されることを特徴とする遊技機AKK23。
遊技機AKK23によれば、遊技機AKK20からAKK22のいずれかの奏する効果に加え、入球切替手段が第1状態に切替られる以前から演出を開始することができるので、入球切替手段の切り替えタイミングを遊技者に意識させ難くしながら遊技を継続させることができる。
また、入球切替手段が第2状態で維持される期間に演出を開始する場合には、その演出に対する遊技者の注目力を向上させることができる。また、第1状態の間に演出が開始する場合に比較して、長期間継続する演出を実行し易くすることができる。
<オーバー入賞を抑えながら、インターバルでの無駄球を抑制するポイント>
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記入球切替手段が第1状態とされる場合に比較して、前記入球切替手段が第2状態とされる場合の前記入球口の上流側位置における球の流下を遅延させる遅延手段を備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口の検出口が横向きとなるように検出手段が配置され、その検出口へ向けて球を転動させる動作部材が、所定個数の球が検出口を通過したことを契機として動作し、その動作時に動作部材上に乗っていた球を落下させることで、所定個数以上の球が検出手段の検出口を通過することを防止する遊技機がある(例えば特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、動作部材から落下した球は必然的にアウト口へ流下される態様で構成されるため、動作部材から落下するような球が生じないように球を打ち出せるか否か(遊技者の打ち出しの技術の高低)により、実質出球の多少が生じるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、入球切替手段が入球口の上流側位置から流下する球を入球口へ案内不能な第2状態とされる場合に、遅延手段が作用して球の流下を遅延させることにより、入球切替手段が第1状態に切り替わるまで球を入球口の上流側位置に配置しておき易くすることができる。入球口の上流側位置に球がある間に入球切替手段が第1状態となれば、その球は入球口へ案内される。これにより、遊技者の打ち出しの技術が実質出球の多少に与える影響を低減することができるので、初心者に優しい遊技機を構成することができる。
なお、遅延手段の態様は限定されるものでは無い。例えば、球を下方から支える横長部材から構成され、端部に至るまで落下を規制する落下規制手段でも良いし、当接により球を減速させる突起から形成される凸設手段でも良い。
遊技機B1において、前記遅延手段は、球が下流側に配置された状態において、球が上流側に配置される場合に比較して、遅延の程度が上昇することを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、球が遅延手段の下流側に配置された状態において球の遅延の程度が上昇するので、遅延手段に沿って流下する球の注目力を向上させることができる。
なお、遅延の程度の高低の態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、球の速度の高低でも良いし、入球切替手段が第2状態から第1状態へ切り替えられる際の球の逆流の程度の高低でも良い。
遊技機B1又はB2において、前記遅延手段は、上流側に配置される球よりも下流側に配置される球の方が、前記入球口の開口方向との間隔が増大する形状から構成されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、遅延手段の下流側に配置された場合の方が、入球口の開口方向と球との間隔が増大する態様で遅延手段が形成されるので、遅延手段を勢いよく球が流下した場合に入球口に直接入ることを抑制することができる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記入球切替手段は、前記第2状態から前記第1状態へ状態変化する際に遊技領域を上昇する上昇手段を備え、前記遅延手段は、前記第1状態における前記上昇手段に比較して下方に配置されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、遅延手段が、第1状態における上昇手段に比較して下方に配置されることから、球が入球切替手段から落下したように遊技者に視認させた上で、球を遅延させることができる。これにより、球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機B4において、前記上昇手段よりも球の流下経路の上流側に配置され、球の上昇移動を規制し所定の方向に案内する上昇規制手段を備えることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、上昇規制手段により球の上昇移動が規制されると共に球が所定の方向に案内されるので、上昇手段の上昇時に球に負荷がかけられ、予想外の方向に球が飛ぶことを防止することができる。
遊技機B5において、前記上昇規制手段により前記所定の方向に案内された球が入球可能とされると共に遊技者に所定の利益を与える救済入球口を備えることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、上昇手段の上昇時に負荷が与えられ飛んでしまった球により、入球口を球が通過する際に生じる利益とは別の利益として、救済入球口を球が通過する際に生じる利益を遊技者に与えることができる。これにより、入球口への流下経路から球が外れた場合であっても、注目力が低下することを防止することができ、球の動きで遊技者の興趣を向上させることができる。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記遅延手段は、その遅延手段への到達の態様の違いにより、球へ与える作用が異なる可変作用部を備えることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB6のいずれかの奏する効果に加え、遅延手段への到達の態様により、球を遅延させる作用を異ならせることができる。これにより、球ごとに選択して異なった作用を与えることができる。
なお、到達の態様の違いの態様は、限定されるものでは無い。例えば、入球口を基準とした球の到達位置の違いでも良いし、遅延手段へ到達するまでの球の流下方向の違いでも良い。
遊技機B7において、前記可変作用部は、前記入球口から所定距離以下に離間する位置において前記遅延手段に到達した球の流下を遅延させる一方で、前記入球口から所定距離以上に離間する位置において前記遅延手段に到達した球には作用しないことを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、入球口から近く、入球切替手段の状態の切り替えが間に合わない程度の球に対しては可変作用部により球の流下を遅延させる一方で、入球口から遠く、入球切替手段の状態の切り替えに十分間に合う球に対しては可変作用部が作用しないものとすることにより、適切な遊技速度を維持することができる。
<インターバルで到達した球を活かすポイントBK>
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記入球切替手段が前記第1状態とされる間に前記入球切替手段に到達した球に比較して、前記入球切替手段が前記第2状態とされる間または前記第2状態から前記第1状態に状態変化する間に前記入球切替手段に到達した球により遊技者に利益を付与し易い利益付与手段を備えることを特徴とする遊技機BK1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口の検出口が横向きとなるように検出手段が配置され、その検出口へ向けて球を転動させる動作部材が、所定個数の球が検出口を通過したことを契機として動作し、その動作時に動作部材上に乗っていた球を落下させることで、所定個数以上の球が検出手段の検出口を通過することを防止する遊技機がある(例えば特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、動作部材から落下した球は必然的にアウト口へ流下される態様で構成されるため、動作部材から落下するような球が生じないように球を打ち出せるか否か(遊技者の打ち出しの技術の高低)により、実質出球の多少が生じることから、遊技者は慎重に遊技せざるを得なくなり、興趣が低下する恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機BK1によれば、利益付与手段を採用することにより、入球切替手段が状態変化する間に到達した球により遊技者に利益を付与し易くなるので、遊技者に与えられる利益の大小に偶然性を多分に盛り込むことができることから、遊技から慎重さを取り払うことができ、興趣の向上を図ることができる。
なお、利益付与手段により遊技者に付与される利益の態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、賞球の払い出しでも良いし、所定の図柄の抽選でも良いし、大当たり遊技終了後に高確率状態へ移行する権利の獲得でも良いし、次回大当たりの確定でも良い。
例えば、利益付与手段により遊技者に付与される利益の態様が、特別図柄2の抽選である場合、大当たり遊技中に、所定のタイミングで入球切替手段に球を到達させることにより特別図柄2の保留球数を所定上限まで増加させることができる。これにより、大当たり遊技終了後に高確率状態に移行した場合に、特別図柄2の保留球数が0であることから、保留されていた特別図柄1の変動が開始される事象の発生を抑制することができる。これにより、特別図柄2の抽選の方が遊技者にとって有利に構成される遊技機において、意図せず特別図柄1の抽選で大当たりを獲得してしまい、遊技者に不利益が生じる可能性を低減することができる。
遊技機BK1において、球は前記入球切替手段から与えられる負荷により、前記利益付与手段へ送球されることを特徴とする遊技機BK2。
遊技機BK2によれば、遊技機BK1の奏する効果に加え、入球切替手段の停止時に利益付与手段へ球が送球される不具合の発生を防止することができる。
遊技機BK1又はBK2において、前記利益付与手段により遊技者に付与され得る利益は、入球切替手段が前記第2状態を維持する間に生じ得る損失以上とされることを特徴とする遊技機BK3。
遊技機BK3によれば、遊技機BK1又はBK2の奏する効果に加え、利益付与手段に対する遊技者の注目力を向上させることができ、利益付与手段により付与される利益を獲得できるように遊技を行わせるように仕向けることができる。
遊技機BK1からBK3のいずれかにおいて、前記利益付与手段は、前記第2状態で維持される期間を複数種類で選択可能に制御されることを特徴とする遊技機BK4。
遊技機BK4によれば、遊技機BK1からBK3のいずれかの奏する効果に加え、利益付与手段が第2状態で維持される期間が複数種類で選択されるので、遊技者が、利益付与手段の第2状態への変化タイミングを見計らって、球の発射を行うことを困難にすることができる。従って、利益付与手段に球を通過させることで得られる利益を得るためには、球の発射を継続せざるを得ないという遊技性を構成することができる。
<大当たり遊技の出球を調整するポイント>
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記入球切替手段が前記第1状態を維持する場合において、それ以前に第1状態を形成した期間に前記入球口を通過した球数に関連付けて、前記入球口を通過可能な球数を変更可能な個数変更手段を備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口に配置される作動部材の大当たり遊技中の動作態様を、規定個数の球の入球が可能な長時間開放と、規定個数の球の入球が不可能な短時間開放とで、各ラウンドに対応させて切り替えることにより、各ラウンドにおいて大入賞口に入球する個数を変化させるように制御される遊技機がある(例えば特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、各ラウンドにおいて大入賞口に入賞可能な球数が独立しており、それぞれ球の打ち出しの態様に左右されるので、大当たり遊技全体を通した賞球に大きな差異が生じる恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、個数変更手段により、入球切替手段が第1状態を形成する状態において入球口を通過する球の球数を、それ以前に入球切替手段が第1状態を形成した場合において入球口を通過した球数に関連付けて変更することができるので、入球切替手段が第1状態を繰り返し形成する一連の作動パターンにおいて、遊技者に与えられる利益の調整を行うことができる。
なお、利益の調整の手法は限定されるものでは無い。例えば、以前に入球切替手段が第1状態を形成した場合に入球口を多数の球を通過したことに起因して、次に入球切替手段が第1状態を形成した場合に入球口に入球可能な個数を抑制する態様でも良いし、同様の事象に起因して、次に入球切替手段が第1状態を形成した場合に、遊技者の利益(出玉に限らず、例えば、高確率状態への移行の権利の取得でも良い)を増大させる態様でも良い。
遊技機C1において、前記個数変更手段は、前記入球口を通過した球が収容される収容手段と、その収容手段から球が出る際に、球が通過する排出口と、その排出口を球が通過可能な第1状態と、前記排出口を球が通過不能な第2状態とで切り替えられる排出切替手段と、その排出切替手段を複数種類の動作態様で動作可能とすると共に排出切替手段の動作態様の違いにより前記収容手段から排出される球の個数を変化可能とする動作態様切替手段と、を備えることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、収容手段に収容された球が排出口から排出される個数を動作態様切替手段により変更可能とされるので、収容手段に球を残留させることができると共に、その残留球数を可変とすることができる。これにより、収容手段を球で満たすまでに必要となる球の個数を変更可能とすることができ、入球口を通過する球の最大球数を物理的に変化させることができる。
なお、動作態様の違いの態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、動作期間を異ならせることや、排出口が複数配置される場合において、いずれの排出口に配設される排出切替手段を動作させるか(動作対象)を異ならせること等が例示される。
遊技機C2において、前記個数変更手段は、前記排出口からの球の排出間隔を維持する間隔維持手段を備えることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、排出口からの球の排出間隔が間隔維持手段により維持されるので、収容手段に収容された球の個数の多少に関わらず、排出切替手段を第1状態とする期間の長さに応じて、排出口からの排出球数を規定することができる。従って、大当たり図柄により事前に決定されるインターバルの長さに応じて、排出口からの球の排出個数を厳密に変化させることができる。
なお、間隔維持手段の態様としては、特に限定されるものでは無い。例えば、排出口の直前の球がその後続の球から受ける負荷の向きが排出口の開けられる向きと直角となるように形成される流路形状をその手段としても良いし、収容手段の内壁から凸設されると共に球に負荷を与えて球を減速させるリブをその手段としても良い。
遊技機C3において、前記間隔維持手段は、前記排出口の近傍において球の流下経路に収容手段の内側面から突出される突出部を備えることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、突出部が流下経路に突出されるので、流下する球を突出部に当接させ減速させることで、排出口からの距離が近い球と、排出口からの距離が近い球とで流下速度が大きく変化することを防止でき、球の流下速度を均一化することができる。
遊技機C4において、前記収容手段は、前記排出口の直前において球を所定の流下方向へ向けて連なって流下させる排出路を備え、前記突出部は、前記排出路を構成する対向面から、互い違いで所定間隔ごとに突出されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、突出部が対向面から、互い違いで所定間隔ごとに突出されるので、排出路を流下する球に突出部を衝突させることで球を所定の流下方向の垂直方向に位置ずれさせながら、所定間隔ごとに突出部に衝突させることができ、球を減速させる作用を長期間維持することができる。
遊技機C5において、前記収容手段は、前記排出路に連接されると共に前記排出口から排出される直前の球を転動させる転動排出板部を備え、その転動排出板部を転動する球の流下速度が、前記排出路を流下する球の流下速度よりも大きくなるように形成されることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、転動排出板部を転動する球の方が排出路を流下する球よりも高速で流下するので、収容手段に貯留される球の球数によらず、球を排出口から排出するテンポ(時間間隔)を一定に保つことができる。
遊技機C1からC6のいずれかにおいて、前記入球口は、球の通過により特別図柄の大当り判定を行う始動口を備えることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1からC6のいずれかの奏する効果に加え、特別図柄の大当り判定の回数と、入球口への入球個数とを関連付けることができる。これにより、大当り獲得までに要した特別図柄の判定回数により、大当り遊技における払い出し個数を変化させることができる。
遊技機C7において、前記始動口を通過した球の前記収容手段への入球の可否を切り替える始動球通過切替手段を備え、その始動球通過切替手段が、前記入球切替手段に連動して動作することを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C7の奏する効果に加え、駆動装置の配設個数を低減することができる。
ところで、前記排出口は、異なった位置に配置される第1排出口および第2排出口を、備え、前記排出切替手段は、前記第1排出口および第2排出口をそれぞれ独立して状態変化可能とされ、前記第1排出口および第2排出口は、(同条件で)前記第1排出口から球を排出するか、前記第2排出口から球を排出するかにより、前記収容手段に残存する球の個数が変更可能な位置に配設されるようにしても良い。
この場合、第1排出口または第2排出口のどちらから球を排出するかにより、収容手段に残存する球の個数を変化させることができるので、収容手段を流下する球の流下速度が変化した場合であっても、収容手段から排出する球の個数を維持することができる。
なお、第1排出口および第2排出口の配置は、何ら限定されるものでは無い。例えば、一方を収容手段の下端部に配置し他方を収容手段の中間位置に配置するようにしても良いし、双方を下端部に配置し、その上流に球を振り分ける枝分かれ流路を配置するようにしても良い。
また、第1排出口と第2排出口との動作態様は、限定されるものでは無い。例えば、一方ずつ開放するようにしても良いし、双方共に開放するようにしても良い。双方共に開放する場合、単独の排出口から球を排出する場合に比較して、収容手段から同数の球を排出するのに要する期間を短縮することができる。これにより、大当たり遊技におけるインターバルを短縮することができ、大当たり遊技中にアウト口から排出される球の個数を少なくすることができる。
ところで、前記第1排出口は、前記収容手段の下端部に配置され、前記第2排出口は、前記第1排出口よりも上流側に配置されるようにしても良い。
この場合、第2排出口から球を排出する場合、第2排出口を第1状態とする期間に関わらず、第1排出口と第2排出口との間に配置される球を収容手段に保持することができる。従って、収容手段に収容された球数にばらつきがあったとしても、球を排出した後に残存する球数を一定に保ちやすくすることができる。また、球詰まりなどで球の打ち出しが少なくなってしまったとしても、収容手段内部に球が残存した状態を形成し易くすることができる。
また、前記第1排出口と、第2排出口とは、前記収容手段の下端部で枝別れした下流側に配置されるようにしても良い。
この場合、収容手段に同数の球が収容された状態から、最後に排出される球がどちらの排出口から排出されるかを、排出切替手段の動作態様により切り替えることができるので、球の排出開始時の挙動から、球の排出態様を把握することを困難とすることができる。即ち、例えば、最後に排出される球がどちらの排出口から排出されるかによって、遊技者に与えられる利益が変化する場合に、球の流下態様に対する注目力を向上させることができる。
<ラウンド中に、あたかもラウンドが切り替わったかのように演出する>
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記入球切替手段が前記第1状態を維持する場合に、前記入球口を球が通過し易い期間と、通過し難い期間とを切り替え可能に構成される開状態中切替手段を備えることを特徴とする遊技機CK1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口に配置される作動部材の大当たり遊技中の動作態様を、規定個数の球の入球が可能な長時間開放と、規定個数の球の入球が不可能な短時間開放とで、各ラウンドに対応させて切り替えることにより、各ラウンドにおいて大入賞口に入球する個数を変化させるように制御される遊技機がある(例えば特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、各ラウンドにおける大入賞口への球の入球態様は同一とされるので、大入賞口への注目力を十分に向上し難い恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機CK1によれば、入球切替手段が第1状態を維持する間における、入球口への球の入球態様に対する注目力を開状態中切替手段により向上させることができる。
なお、開状態切替手段の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、検出手段の上流側に配置される可動物の動作態様を変化させることで上記期間を変化させるようにしても良いし、検出手段への入球個数に基づいて上記期間を変化させるようにしても良い。
遊技機CK1において、前記入球切替手段が前記第1状態を維持する間に、遊技者に与えられる利益の変化を報知する報知手段を備えることを特徴とする遊技機CK2。
遊技機CK2によれば、遊技機CK1の奏する効果に加え、報知手段の報知を確認すれば、入球切替手段が第1状態を維持する間に遊技者が得られる利益が変化したことを遊技者は把握することができる。そのため、報知手段の報知により、遊技態様を調整することができる。
なお、報知手段の報知の態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、大当たり遊技のラウンド数を提示したまま、ラウンド遊技Rの途中で切れ目を入れる(画面を切り替えたり、音声を出力したりする)ように報知しても良いし、ラウンド数の表示を消して、サブラウンドと表示するように、あたかも新しいラウンド遊技Rが開始されたように報知しても良い。いずれの場合においても、ラウンド遊技Rの開始タイミングと、報知手段による報知のタイミングとを遊技の切れ目とすると、制御状の最大のラウンド数(例えば、16ラウンド)を超える回数、大当たり遊技の切れ目が設定される(例えば、20回分の切れ目)ことで、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
遊技機CK2において、前記入球口を通過可能とされる個数を超える球が前記入球切替手段に案内されることに基づいて、遊技者に所定の利益を付与し易くなるように構成される条件付き利益付与手段を備えることを特徴とする遊技機CK3。
遊技機CK3によれば、遊技機CK2の奏する効果に加え、入球口に通過可能な個数を超える球を発射した場合に、その全部が無駄球となることを防止することができる。これにより、演出による遊技者への興趣向上と、実質的な利益(賞球の払い出し)とをリンクさせることができる。
なお、入球口を球が通過しなくなったことを視認して遊技者が発射をやめてしまわないように、発射を継続するように指示する報知を行っても良い。この場合の報知の態様としては、種々の態様が例示される。例えば、「発射を継続せよ」といった直接的な報知でも良いし、「5個乗せればチャンス大」といった婉曲的に発射個数を示唆する報知でも良いし、「球を通して見えるものがある」との報知でも良い(この場合は、球が無い時には視認できず、球が有る時には何らかの図形や絵を視認可能に表示する光線を入球切替手段の付近であって球が貯まる所定位置に照射することが望ましい)。
<大当たり遊技の出球をラウンドごとに調整するポイント>
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、を備える遊技機において、所定期間に規定個数の球が前記入球口を通過したことを契機として前記入球切替手段を前記第2状態に切り替え駆動可能に制御される切替駆動手段と、前記規定個数を基準とした前記入球口への超過入球個数を調整可能に構成される調整手段と、を備えることを特徴とする遊技機DKK1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口に配置される作動部材の大当たり遊技中の動作態様を、規定個数の球の入球が可能な長時間開放と、規定個数の球の入球が不可能な短時間開放とで、各ラウンドに対応させて切り替えることにより、各ラウンドにおいて大入賞口に入球する個数を変化させるように制御される遊技機がある(例えば特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、各ラウンドにおいて大入賞口に入賞可能な球数が独立しており、それぞれ球の打ち出しの態様に左右されるので、大当たり遊技全体を通した賞球に大きな差異が生じる恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機DKK1によれば、調整手段により、入球口への超過入球を調整できるので、入球口を球が通過することにより遊技者に付与される利益を短時間では変動させながら、長時間では平準化させることができる。
なお、超過入球の調整の態様としては、何ら限定されるものでは無い。例えば、入球切替手段が第1状態の間に入球口を通過可能な規定個数を基準として、毎回同等の超過入球を見込めるように調整するものでも良いし、所定の(複数または単数の)タイミングで第1状態とされた場合に発生する第1超過入球に対して、その他の(複数または単数の)タイミングで第1状態とされた場合に発生する第2超過入球が少なくされ、第1超過入球と第2超過入球とがバランスするように調整するものでも良いし、入球切替手段が第1状態となる期間が短い場合と長い場合とで(大当たり遊技と小当たり遊技とで)、超過入球の発生数が区別され、それらがパランスするように調整するものでも良いし、入球切替手段が第2状態となる期間が短い場合と長い場合とで(ラウンド間インターバルでも良いし、ラウンド中の状態変化でも良い)、超過入球の発生数が区別されるようにしても良い。
遊技機DKK1において、前記調整手段は、前記入球切替手段が前記第2状態に切り替えられる頻度または前記第2状態で維持される期間の少なくとも一方を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機DKK2。
遊技機DKK2によれば、遊技機DKK1の奏する効果に加え、入球切替手段が第2状態に切り替えられる頻度や、期間に注目させることができるので、結果として入球切替手段に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
なお、切り替えられる頻度の高低としては、種々の態様が例示される。例えば、切り替えられる回数の多少でも良いし、切り替え発生の有無でも良い。即ち、所定期間において、第2状態に1回切り替えられる場合は、所定期間において、第2状態に切り替えられない場合(切り替えの発生が0回の場合)に比較して、第2状態に切り替えられる頻度が高い。
また、第2状態に切り替えられる頻度が多い場合に超過入球が発生し易く構成されても良いし、第2状態に切り替えられる頻度が少ない場合に超過入球が発生し易く構成されても良い。
遊技機DKK1又はDKK2において、前記調整手段は、前記入球切替手段の状態変化の際に遊技球に荷重を付与可能に構成される荷重負荷手段を備え、その荷重負荷手段は、前記入球口と遊技球との距離に対応して、遊技球に付与する荷重を変化させるよう構成されることを特徴とする遊技機DKK3。
遊技機DKK3によれば、遊技機DKK1又はDKK2の奏する効果に加え、入球切替手段の状態変化が生じる際の遊技球の配置に注目させることができるので、結果として入球切替手段に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
遊技機DKK3において、前記荷重負荷手段は、前記入球口と遊技球との距離が近いほど遊技球に付与する荷重が増大するように構成されることを特徴とする遊技機DKK4。
遊技機DKK4によれば、遊技機DKK3の奏する効果に加え、入球口との距離が近い遊技球に対する注目力を向上させることができる。この場合において、遊技球に与えられる負荷は、入球口へ向かう方向の負荷であっても(入球口の開口方向に沿う負荷)、入球口から退避する方向の負荷であっても(入球口の開口方向に沿う負荷)、入球口の開口方向と直交する方向の負荷であっても良い。
例えば、入球口へ向かう方向の負荷である場合には、入球口に近い位置に配置される遊技球が負荷により入球口に押し込まれる態様になり、超過入球が発生する期待感を演出することができる。
例えば、入球口から退避する方向の負荷である場合(又は、入球口の開口方向と直交する方向に負荷が与えられ、摩擦などで遊技球が減速する場合)には、入球口に近い遊技球が、入球口から遠い遊技球に比較して、入球口へ向かう速度の減速の度合いが大きくなり、遊技球同士の間隔を縮めることができる。これにより、複数の遊技球を固まりで入球口へ案内することができるので、超過入球を発生する期待感を演出することができる。
遊技機DKK1からDKK4のいずれかにおいて、前記調整手段は、前記入球口への先の入球に伴い、前記入球口への後の入球を防止可能な入球防止手段を備え、前記入球防止手段による入球の防止の維持を、前記切替駆動手段の駆動態様に基づいて決定可能に構成されることを特徴とする遊技機DKK5。
遊技機DKK5によれば、遊技機DKK1からDKK4のいずれかの奏する効果に加え、入球防止手段が入球の防止を維持するか否かが、遊技者に視認されることのない切替駆動手段の駆動態様に基づいて決定されるので、入球口に入球可能か否かということに対する遊技者の想像力を掻き立てることができる。
<Vフラグオフのルートを考慮した技術思想>
遊技機DKK1からDKK5のいずれかにおいて、遊技球が入球することで所定の利益が付与される利益入球口を備え、その利益入球口への遊技球の入球の態様が、前記切替駆動手段の駆動に対応して変化することを特徴とする遊技機DKK6。
遊技機DKK6によれば、遊技機DKK1からDKK5のいずれかの奏する効果に加え、切替駆動手段を、入球口への入球態様の切り替えのみでなく、利益入球口への遊技球の入球態様の切り替えに兼用することができる。
なお、所定の利益としては、種々の態様が例示される。例えば、遊技者にとってプラスとなる利益でも良いし、遊技者にとってマイナス(損、遊技店にとってプラス)となる利益でも良い。
遊技機DKK6において、前記調整手段により超過入球可能に調整される個数が増加することに伴い、前記利益入球口へ入球し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機DKK7。
遊技機DKK7によれば、遊技機DKK6の奏する効果に加え、超過入球に伴い付与される利益としての払い出し賞球に付随して、利益入球口への入球による利益が付与される遊技性を構成することができる。
例えば、利益入球口への入球により付与される利益が、遊技者にとってプラスの利益である場合、遊技者が超過入球を狙って遊技するように推奨することができる。
一方、例えば、利益入球口への入球により付与される利益が遊技者にとってマイナスの利益(損)である場合、そのマイナスの利益(損)を覚悟してでも超過入球を狙うのか、マイナスの利益(損)を避けるために超過入球を諦める(狙わない)のかを、遊技者に選択させることができる。
遊技機DKK6又はDKK7において、前記利益入球口は、前記入球口の下流に配設されることを特徴とする遊技機DKK8。
遊技機DKK8によれば、遊技機DKK6又はDKK7の奏する効果に加え、入球口に入球した後の遊技球に対する注目力を向上することができる。
遊技機DKK6からDKK8のいずれかにおいて、前記切替駆動手段の駆動態様に対応して、前記利益入球口への遊技球の入球態様が設定されることを特徴とする遊技機DKK9。
遊技機DKK9によれば、遊技機DKK6からDKK8のいずれかの奏する効果に加え、切替駆動手段を効果的に活用することができる。
<大当たり遊技の出球をラウンドごとに調整するポイント>
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記入球切替手段が前記第1状態の間に規定個数の球が前記入球口を通過したことを契機として前記入球切替手段を前記第2状態に切り替え駆動する切替駆動手段と、前記規定個数を基準とした前記入球口への超過入球を調整可能に構成される調整手段と、を備えることを特徴とする遊技機DK1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口に配置される作動部材の大当たり遊技中の動作態様を、規定個数の球の入球が可能な長時間開放と、規定個数の球の入球が不可能な短時間開放とで、各ラウンドに対応させて切り替えることにより、各ラウンドにおいて大入賞口に入球する個数を変化させるように制御される遊技機がある(例えば特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、各ラウンドにおいて大入賞口に入賞可能な球数が独立しており、それぞれ球の打ち出しの態様に左右されるので、大当たり遊技全体を通した賞球に大きな差異が生じる恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機DK1によれば、調整手段により、入球口への超過入球を調整できるので、入球口を球が通過することにより遊技者に付与される利益を短時間では変動させながら、長時間では平準化させることができる。
なお、超過入球の調整の態様としては、何ら限定されるものでは無い。例えば、入球切替手段が第1状態の間に入球口を通過可能な規定個数を基準として、毎回同等の超過入球を見込めるように調整するものでも良いし、所定の(複数または単数の)タイミングで第1状態とされた場合に発生する第1超過入球に対して、その他の(複数または単数の)タイミングで第1状態とされた場合に発生する第2超過入球が少なくされ、第1超過入球と第2超過入球とがバランスするように調整するものでも良いし、入球切替手段が第1状態となる期間が短い場合と長い場合とで(大当たり遊技と小当たり遊技とで)、超過入球の発生数が区別され、それらがパランスするように調整するものでも良い。
なお、入球切替手段は、単数配置で構成されても良いし、複数配置で構成されても良い。
遊技機DK1において、前記切替駆動手段による切替駆動の過程において、前記検出手段の上流側の所定位置に配置された球に前記検出手段向きの負荷を付与可能に構成される負荷付与手段を備えることを特徴とする遊技機DK2。
遊技機DK2によれば、遊技機DK1の奏する効果に加え、検出手段の上流側に配置された球が、負荷付与手段の作用により検出手段に検出され易く構成することができる。
なお、負荷付与手段により負荷が与えられる球の個数は、何ら限定されるものでは無い。例えば、1個でも良いし、複数個でも良い。
遊技機DK1又はDK2において、前記切替駆動の開始時における状態として、前記入球口への球の通過を許容する許容状態と、球の通過を規制する規制状態とで切り替え可能な駆動後入球状態切替手段を備えることを特徴とする遊技機DK3。
遊技機DK3によれば、遊技機DK1又はDK2の奏する効果に加え、球の入球口への流下態様や、入球切替手段の動作速度に関わらず、入球口への球の通過の可否を駆動後入球状態切替手段により規定することができるので、入球口への球の超過入球の度合いを調整し易くすることができる。
遊技機DK1からDK3のいずれかにおいて、球から前記入球切替手段に与えられる負荷は、前記切替駆動時に前記入球切替手段が駆動される方向に沿う方向で付与されることを特徴とする遊技機DK4。
遊技機DK4によれば、遊技機DK1からDK3のいずれかの奏する効果に加え、球からの負荷で入球切替手段が第2状態に状態変化することが妨げられるという不具合を抑制することができる。
なお、球からの負荷の付与態様としては、例えば、入球切替手段が切替駆動により下方に落ちる(垂れる)態様で駆動されるように構成され、球の自重が入球切替手段に付与される場合が例示される。
<大当たり遊技の出球をラウンドごとに調整するポイント>
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記入球切替手段が前記第1状態の間に規定個数の球が前記入球口を通過したことを契機として前記入球切替手段を前記第2状態に切り替え駆動する切替駆動手段と、その切替駆動手段による切り替え駆動が開始された後において、入球口への球の通過を許容する許容状態と、球の通過を規制する規制状態とを形成可能な駆動後入球状態切替手段と、を備えることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口に配置される作動部材の大当たり遊技中の動作態様を、規定個数の球の入球が可能な長時間開放と、規定個数の球の入球が不可能な短時間開放とで、各ラウンドに対応させて切り替えることにより、各ラウンドにおいて大入賞口に入球する個数を変化させるように制御される遊技機がある(例えば特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、各ラウンドにおいて大入賞口に入賞可能な球数が独立しており、それぞれ球の打ち出しの態様に左右されるので、大当たり遊技全体を通した賞球に大きな差異が生じる恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、駆動後入球状態切替手段が、切替駆動手段により入球口が閉鎖された後で球が入り得るか否かを切り替えるので、余分に球が入り得るタイミングを減らすことができ、大当たり遊技全体を通した賞球の個数を均一化することができる。
遊技機D1において、前記入球口は、第1入球口と、第2入球口とを備え、前記駆動後入球状態切替手段は、前記第1入球口には前記規制状態を形成し、前記第2入球口には前記許容状態を形成することを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、第1入球口を球が通過する場合と、第2入球口を球が通過する場合とで、規定個数を越える個数の球を入球させられるか否かが切り替えられるので、入球切替手段がどちらの入球口を開放するかについての注目力を向上させることができる。
遊技機D2において、前記第1入球口は、その開口手前側に落下孔を備え、前記入球切替手段が前記第2状態へ切替開始した際に前記第1入球口の開口手前側よりも上流側に配置された球を前記落下孔に落下させる態様で構成されることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、第1入球口の上流側に球が残留する場合においても、入球切替手段が第2状態を維持する間に球を落下孔に落下させ、入球口から遠ざけることができる。これにより、規定個数を越える球が第1入球口を通過することを防止することができる。
<貯留流路へ複数の入賞口から球が合流するポイント>
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記入球口を通過した球が所定個数まで収容される収容手段と、前記入球切替手段が前記第2状態に切り替えられることに基づいて前記収容手段に収容された球を前記収容手段から排出する排出手段とを備え、その排出手段による排出行為の終了前に前記入球切替手段を前記第1状態に切替可能に構成されることを特徴とする遊技機EK1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口に配置される作動部材の大当たり遊技中の動作態様を、規定個数の球の入球が可能な長時間開放と、規定個数の球の入球が不可能な短時間開放とで、各ラウンドに対応させて切り替えることにより、各ラウンドにおいて大入賞口に入球する個数を変化させるように制御される遊技機がある(例えば特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、各ラウンドにおいて大入賞口に入賞可能な球数が独立しており、それぞれ球の打ち出しの態様に左右されるので、大当たり遊技全体を通した賞球に大きな差異が生じる恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機EK1によれば、排出手段による排出行為が収容手段に終章された球を残して終了可能に構成されるので、各ラウンドにおいて入球口に入球可能な球数を関連させることができる。従って、大当たり遊技全体を通した賞球の差異を小さくすることができる。
また、入球切替手段の状態が複数回切り替えられる期間にわたって収容手段に球を収容することができるので、入球切替手段が第1状態で維持される間に入球口を通過可能な球数よりも多くの球を収容手段に収容することができる。これにより、入球の頻度の目安を報知することができるので、遊技者に対して、現在遊技している遊技機の遊技効率を示すことができる。
なお、遊技効率を示す手段は、何ら限定されるものでは無い。例えば、球の発射球数に対する払い出された賞球数の比(賞球/発射球数)でも良いし、入球切替手段が第1状態となる度に、入球口に何回連続で球を通過させられているかを示す指標でも良い。
なお、入球口、入球切替手段および収容手段の配設個数は単数に限らず、複数でも良い。この場合において、各入球口に対応して入球切替手段および収容手段が設けられ、各入球切替手段の状態変化が順番に生じるように構成しても良いし、各入球切替手段が部分的に同時に状態変化するように構成しても良い。
遊技機EK1において、前記排出行為が前記収容手段に収容された球を残して終了するかを、球の発射態様により調整可能に構成されることを特徴とする遊技機EK2。
遊技機EK2によれば、遊技機EK1の奏する効果に加え、入球口へ向けて遊技球を発射する遊技に対する参加意欲を高めることができる。
遊技機EK1又はEK2において、前記入球口は、少なくとも第1入球口と、第2入球口とを備え、それら第1入球口または第2入球口を通過した球が合流する態様で前記収容手段が形成されることを特徴とする遊技機EK3。
遊技機EK3によれば、遊技機EK1又はEK2の奏する効果に加え、第1入球口または第2入球口を通過した球が、所定個数まで球を収容可能な収容手段の内部で合流することから、第1入球口を通過した球の個数に関連づけて、第2入球口を通過可能な球の個数を変化させることができる。従って、遊技全体を通して第1入球口および第2入球口を通過する球の個数(これに伴う払い出し個数)を均一化することができる。
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記入球口を通過した球が所定個数まで収容される収容手段を備え、前記入球口は、少なくとも第1入球口と、第2入球口とを備え、それら第1入球口または第2入球口を通過した球が合流する態様で前記収容手段が形成されることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口に配置される作動部材の大当たり遊技中の動作態様を、規定個数の球の入球が可能な長時間開放と、規定個数の球の入球が不可能な短時間開放とで、各ラウンドに対応させて切り替えることにより、各ラウンドにおいて大入賞口に入球する個数を変化させるように制御される遊技機がある(例えば特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、各ラウンドにおいて大入賞口に入賞可能な球数が独立しており、それぞれ球の打ち出しの態様に左右されるので、大当たり遊技全体を通した賞球に大きな差異が生じる恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、第1入球口または第2入球口を通過した球が、所定個数まで球を収容可能な収容手段の内部で合流することから、第1入球口を通過した球の個数に関連づけて、第2入球口を通過可能な球の個数を変化させることができる。従って、遊技全体を通して第1入球口および第2入球口を通過する球の個数(これに伴う払い出し個数)を均一化することができる。
遊技機E1において、前記収容手段が空の状態において、前記第1入球口を通過することにより前記収容手段に収容可能な球の個数と、前記第2入球口を通過することにより前記収容手段に収容可能な球の個数とが、異なることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、第1入球口へ入球可能な球の個数と、第2入球口へ入球可能な球の個数とが違うので、どちらの入球口が開放されるかということに対する遊技者の注目力を向上させることができる。
遊技機E2において、前記第1入球口から収容可能な個数が前記第2入球口から収容可能な個数よりも少なく設定され、各入球口の閉鎖状態では所定の上限個数の球が排出され、その上限個数は前記第1入球口から収容可能な個数と同じに設定され、前記第2入球口が複数回開放される場合の開放間に、前記第1入球口が開放されることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、第1入球口の開放前に第2入球口を通過した球と、第1入球口の開放後に第2入球口を通過した球とが、遊技者に与える実質的な利益を異ならせることができる。
即ち、第1入球口の開放前に第2入球口を通過した場合、第1入球口から収容可能な個数以上の球が第2入球口を通過していたとしても、越えた分は排出されず、その残留分を差し引いた個数の球が第1入球口から収容されることになるので、結局、第2入球口に第1入球口から収容可能な個数と同数の個数を通過させた場合と同じ利益しか、遊技者は得られない。
一方で、第1入球口の開放後に第2入球口を通過した場合、第1入球口から収容可能な個数以上の球が第2入球口を通過していた場合、それらは差し引かれることはないので、遊技者は追加の利益を得ることができる。
なお、遊技球の収容可能な個数の設定は、種々の態様で実行される。例えば、遊技球が収容される流路の長さや太さの設定により行うことができる。また、遊技者に与える実質的な利益の変化は、賞球個数のみに限られず、例えば、特定領域に球を通過可能か否かによっても、遊技者に与えられる実質的な利益を変化させることができる。
<干渉部材が張り出すポイント>
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記入球口を通過した球の流下経路に配設されると共に、球と干渉可能な張出状態と、球とは干渉しない退避状態とで切り替え可能とされる干渉手段を備えることを特徴とする遊技機F1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口に配置される作動部材の大当たり遊技中の動作態様を、規定個数の球の入球が可能な長時間開放と、規定個数の球の入球が不可能な短時間開放とで、各ラウンドに対応させて切り替えることにより、各ラウンドにおいて大入賞口に入球する個数を変化させるように制御される遊技機がある(例えば特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、各ラウンドにおいて大入賞口に入賞可能な球数が独立しており、それぞれ球の打ち出しの態様に左右されるので、大当たり遊技全体を通した賞球に大きな差異が生じる恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、入球口を通過した球の流下経路に干渉手段が配設されるので、干渉手段を張出状態で維持することにより、入球口から干渉手段までの経路に球を詰まらせ、それ以上の球が入球口を通過することを防止することができる。これにより、干渉手段の動作態様により、大当たり遊技全体を通した賞球の調整を行うことができる。
遊技機F1において、前記干渉手段の退避状態において球を干渉手段の手前に停留させる停留手段を備えることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、干渉手段の手前に球が停留した状態で干渉手段を張出状態に変化させることができるので、予め干渉手段が状態変化される場合に比較して、その動作を球により隠すことができる。従って、その動作を遊技者に気づかれ難くすることができる。
遊技機F2において、前記停留手段は、前記検出手段を通過した球を停留させる停留状態と、前記検出手段を通過した球を通過させる通過状態とで切り替えられ、前記停留手段の切り替えの態様に対する前記干渉手段の状態変化の態様を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、停留手段の通過状態における干渉手段の状態変化の態様を複数種類で構成することができるので、停留手段を通過状態で維持しながら、停留手段を球が通過するタイミングを複数種類で変化させることができる。
<特典の種類を貯留個数から予想することを困難とする>
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記入球口を通過した球の流下経路に配設され、複数の動作パターンで動作可能とされる動作手段を備え、その動作手段の動作パターンに基づいて遊技者が獲得可能な利益を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機FK1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口に配置される作動部材の大当たり遊技中の動作態様を、規定個数の球の入球が可能な長時間開放と、規定個数の球の入球が不可能な短時間開放とで、各ラウンドに対応させて切り替えることにより、各ラウンドにおいて大入賞口に入球する個数を変化させるように制御される遊技機がある(例えば特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、各ラウンドにおいて大入賞口に入賞可能な球数が大入賞口の上流側の状況に基づいて決定するので、大入賞口の下流に対する注目力が低下する恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機FK1によれば、入球口の下流側に動作手段が配設され、動作手段の動作パターンで遊技者が獲得可能な利益を変化可能に構成されるので、大入賞口の下流側への注目力を向上させることができる。
遊技機FK1において、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記動作手段の動作パターンは、前記操作手段を遊技者が操作することにより変更可能に構成されることを特徴とする遊技機FK2。
遊技機FK2によれば、遊技機FK1の奏する効果に加え、操作手段を遊技者が操作することにより動作手段の動作パターンを変更可能に構成されるので、操作手段に対する遊技者の操作意欲を向上させることができる。
遊技機FK2において、前記入球口を遊技球が通過することに基づき遊技者に与えられる利益として、第1特典と、第2特典とが設定され、前記操作手段の操作態様により、前記第1特典と、前記第2特典との獲得の態様が変化することを特徴とする遊技機FK3。
遊技機FK3によれば、遊技機FK2の奏する効果に加え、操作手段の操作態様により、遊技者が得られる利益が直接的に変化するので、操作手段に対する遊技者の操作意欲を向上させることができる。
なお、第1特典および第2特典の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、第1特典が賞球の払い出しとして、第2特典が大当たり遊技後の確変状態の確定として(V確変の遊技機として)、それぞれ設定されても良いし、第2特典が大当たりの確定として(1種2種混合機における小当たり遊技として)設定されても良い。
なお、第1特典と第2特典との関係は、何ら限定されるものでは無い。例えば、大小の関係にあるものでも良いし、別の性質をもつものでも良いし、相反する関係にあるものでも良い。
ここで、大小の関係にあるものとしては、例えば、第1特典と第2特典において遊技者に付与される利益が共に賞球の払い出しであり、第1特典における払い出し球数に比較して第2特典における払い出し球数の方が多い場合や、第1特典と第2特典において遊技者に付与される利益が共に大当たり遊技状態への移行であり、第1特典における大当たり遊技のラウンド数に比較して、第2特典におけるラウンド数の方が多い場合等が例示される。
また、別の性質にあるものとしては、例えば、第1特典において遊技者に付与される利益が大当たり遊技状態への移行であることに対し、第2特典において遊技者に付与される利益が賞球の払い出しである場合や、第1特典において遊技者に付与される利益が遊技状態の明示であることに対し、第2特典において遊技者に付与される利益が最大限の払い出し賞球の獲得である場合等が例示される。
また、相反する関係にあるものとしては、例えば、第1特典において遊技者に付与される利益が大当たり遊技の終了後の遊技状態(や、次回大当たりまでの変動回数等の遊技者の利益に関わる情報)の開示であることに対し、第2特典において遊技者に付与される利益が大当たり遊技の終了後の遊技状態(や、次回大当たりまでの変動回数等の遊技者の利益に関わる情報)の隠滅である場合等が例示される。
<「通過」を入球口に入らずに過ぎたとしてみた場合のポイント。「入球」と差異>
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過可能な入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記入球口を通過した球の流下経路に配設され、複数の動作パターンで動作可能とされる動作手段を備え、その動作手段の動作パターンに基づいて遊技者が獲得可能な利益を変化可能に構成され、前記入球切替手段の第2状態において、遊技球は前記入球口を通り過ぎることを特徴とする遊技機FKK1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口に配置される作動部材の大当たり遊技中の動作態様を、規定個数の球の入球が可能な長時間開放と、規定個数の球の入球が不可能な短時間開放とで、各ラウンドに対応させて切り替えることにより、各ラウンドにおいて大入賞口に入球する個数を変化させるように制御される遊技機がある(例えば特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、各ラウンドにおいて大入賞口に入賞可能な球数が大入賞口の上流側の状況および大入賞口の開放パターンに依存するので、大入賞口およびその上流側に遊技者の視線が集中することになり、遊技盤面全体を効果的に活用できていないという問題点があった。
これに対し、遊技機FKK1によれば、入球口の下流側に動作手段が配設され、動作手段の動作パターンで遊技者が獲得可能な利益を変化可能に構成されるので、大入賞口の下流側への注目力を向上させることができる。
加えて、入球口に入球せずに入球口を通過した遊技球が、遊技者が獲得可能な利益に影響することになるので、その遊技球への注目力を向上させることができる。
また、入球口に遊技球が入球した場合に遊技者が得られる利益以上の利益が、入球口を通過した遊技球の作用によって遊技者に与えられるように設定される場合、入球口へ入球せずに遊技球が通過することを期待する遊技性を構築することができる。これにより、入球口の下流側の領域の注目力を向上させることができる。
遊技機FKK1において、前記入球口を通過した遊技球が入球可能に配設される通過後入球口と、その通過後入球口の上流側から流下する球を前記通過後入球口へ案内可能な第1状態と前記通過後入球口の上流側から流下する球を前記通過後入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる通過後入球切替手段と、を備え、その通過後入球切替手段は、前記入球口への遊技球の入球が生じるほど、前記第1状態に切り替えられる間隔を短縮可能に構成されることを特徴とする遊技機FKK2。
遊技機FKK2によれば、遊技機FKK1の奏する効果に加え、入球口への遊技球の入球の有無が、通過後入球口へ遊技球が入球するか否かに影響を与えるので、入球口への注目力を向上させることができる。
遊技機FKK1又はFKK2において、前記入球口の上流側に配設され遊技球の入球に伴い所定の抽選を開始可能となる抽選入球口を備え、その抽選入球口の抽選結果に応じて前記入球切替手段の状態が切り替えられるパターンが選択されることを特徴とする遊技機FKK3。
遊技機FKK3によれば、遊技機FKK1又はFKK2の奏する効果に加え、入球切替手段の状態の切り替えが、抽選入球口への入球によって選択されるパターンに基づいて生じる。即ち、抽選入球口への遊技球の入球が、入球切替手段の状態変化の条件となるので、遊技者の注目力を向上する領域を抽選入球口まで拡大することができる。
遊技機FKK3において、前記抽選入球口へ入球した遊技球が、前記通過後入球口に入球し得るように構成されることを特徴とする遊技機FKK4。
遊技機FKK4によれば、遊技機FKK3の奏する効果に加え、入球口へ入球する遊技球に、入球切替手段の状態変化の条件付けをするという役割と、通過後入球口に入球した場合に遊技者に所定の利益を与えるという役割とを、共有させることができる。これにより、遊技球の注目力を向上させることができる。
遊技機FKK1からFKK4のいずれかにおいて、前記入球切替手段は、前記第1状態と前記第2状態とで切り替えられる規則が、複数用意されていることを特徴とする遊技機FKK5。
遊技機FKK5によれば、遊技機FKK1からFKK4のいずれかの奏する効果に加え、入球切替手段への注目力を向上させることができる。
なお、複数用意される規則としては、例えば、第1状態で維持される期間の長短が違う規則や、入球切替手段へ向けて遊技球が流下開始してからの状態変化開始タイミングが違う規則などが例示される。
<アタッカーの動作からV入賞の可否を予想しづらくするポイント1>
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、前記入球口を通過した球が通過することにより遊技者に所定の利益を与える利益付与手段と、その利益付与手段に球を案内可能な第1状態と、前記利益付与手段に球を案内不能な第2状態とで切り替えられる利益切替手段と、を備える遊技機において、前記入球切替手段を第1状態に維持する条件を同一とする作動態様において、前記利益付与手段に球が通過可能な場合と、前記利益付与手段に球が通過不能な場合とを切替可能とされることを特徴とする遊技機G1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口を通過した球が振分部により有利ルートか不利ルートかのいずれかに振り分けられ、その振り分けの結果により遊技者に付与される利益が変化する遊技機がある(例えば特開2014-155538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、振分部が有利ルートに球を振り分け可能な状態とされる期間における大入賞口の開閉板の動作態様が、球を有利ルートへ流下させる場合用の動作態様と、球を有利ルートへ流下させない場合用の動作態様とで明確に分けられており、球を有利ルートへ流下させない場合用の動作態様では、そもそも大入賞口に球が入球しないように開閉板が動作(閉鎖)されるので、大入賞口へ向かう球への注目力を維持することができず、大入賞口へ入球した球の挙動に注目させるという観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機G1によれば、入球切替手段を第1状態に維持する条件を同一とする作動態様において、利益付与手段に球が通過可能な場合と、利益付与手段に球が通過不能な場合とを切り替えられるので、入球口への球の入球を遮ることがない。これにより、入球口へ向かう球に対する注目力を維持することができる。
遊技機G1において、前記利益切替手段の上流側に配置され、前記検出手段を通過した球を停留させる停留状態と、前記検出手段を通過した球を通過させる通過状態とで切替られる停留手段を備え、前記入球切替手段が前記第1状態から前記第2状態へ切り替えられることに伴い前記停留手段が前記停留状態から前記通過状態に切り替えられ、前記停留手段の下流へ流下した球が前記利益切替手段に到達することを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、入球口を通過した球を、利益切替手段の上流に配置される停留手段で一度停留させることにより、任意のタイミングで球が利益切替手段に到達することを防止することができる。これにより、入球切替手段が第1状態とされる間に、球がどのように入球口を通過したとしても、予想外のタイミングで球が利益切替手段に到達することを防止することができる。
遊技機G2において、前記停留手段を前記通過状態に切り替えてから、その停留手段を通過して流下する球が前記利益切替手段に到達可能な期間を変化させる期間変化手段を備えることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、期間変化手段により球が停留手段を通過してから利益切替手段に到達可能な期間が変化するので、球が停留手段を通過した後の遊技性に遊技者が飽きることを防止することができ、球が利益切替手段に到達するまでの間における遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、期間変化手段は、停留手段を通過する球の流下速度を変化させる手段でも良いし、停留手段が通過状態に切り替えられてから球が流下開始するまでの期間を遅延させる手段でも良いし、停留手段に停留する球の球数を変化させる手段でも良い。
遊技機G3において、前記期間変化手段は、遊技者に付与する利益に応じて、前記停留手段に停留される球の個数を切替可能に形成されることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、停留手段に停留される球の個数により、遊技者に与えられる利益を予想することができるので、停留手段に停留される球に対する注目力を向上させることができる。
なお、停留手段に停留される球の個数を切り替える手段は、何ら限定されるものでは無い。例えば、停留手段を通過状態とする期間と、その直後に入球切替手段を第1状態とする期間との組合せにより、停留手段に停留させる球の個数を変化させることができる。
即ち、例えば、停留手段を通過状態とする期間を極端に短くした後、その直後に入球切替手段を第1状態とする期間を極端に短くする場合、停留手段に停留していた球の内、停留手段の下流へ流下する球が極端に少なくなることから、入球口から新たに球が入球しないとしても、停留手段には多数の球が停留していることになる。
一方で、停留手段を通過状態とする期間を十分長くとった後、その直後に入球切替手段を第1状態とする期間を極端に短くする場合、停留手段に停留していた球の内、大多数の球が停留手段の下流へ流下することに加え、入球口から新たに球が入球しないことから、停留手段にはほとんど球が停留していないことになる。
このように、停留手段を通過状態とする期間を変化させると共にその直後に入球切替手段を第1状態とする期間を短くすることで、球の発射態様に関わらず、停留手段に停留される球の個数を変化させることができる。
遊技機G1からG4のいずれかにおいて、前記入球切替手段が前記第2状態に維持される閉鎖維持期間を複数種類で選択して設定する設定手段を備え、前記閉鎖維持期間の終点から所定期間経過後に前記利益切替手段が前記第1状態に切り替えられることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1からG4のいずれかの奏する効果に加え、設定手段により入球切替手段が第2状態を維持する期間が複数種類で形成されることから、球が停留手段を通過してから利益切替手段が第1状態に切り替えられるまでの期間が複数種類で形成されるので、停留手段に停留される球数が同じであったとしても、球が利益付与手段を通過する場合と、通過しない場合とを形成可能に制御することができる。従って、球の流下に対する注目力を継続して向上させることができる。
なお、例えば、入球口を規定個数の球が通過可能な程度に十分長い期間、入球切替手段を第1状態に維持し、その直後に入球切替手段を第2状態で維持する期間を極端に短くする(停留手段を通過した球が利益切替手段に到達するよりも短くする)態様で設定手段が閉鎖維持期間を選択した場合、その直後に入球切替手段が第1状態となった時から起算して利益切替手段の状態を変化させることにより、停留手段が通過状態となってから利益切替手段が第1状態となるまでの期間を任意に設定することができる。従って、入球切替手段が第1状態から第2状態に切り替えられるタイミングに関わらず、停留手段を通過した球が利益付与手段を通過するか否かを任意に定めることができる。これにより、停留手段に停留する球の個数や、停留の態様(例えば、タイミング)に関わらず、停留手段を通過した球が利益付与手段を通過するか否かを任意に定めることができる。
遊技機G1からG5のいずれかにおいて、前記入球切替手段の切替動作を、前記入球口への規定個数の入球により生じる第1動作ではなく、規定時間の経過により生じる第2動作で生じさせるように、意図的に選択する意図的選択手段を備えることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G1からG5のいずれかの奏する効果に加え、意図的選択手段の作用により、入球切替手段の切替動作を、予め設定された時間での動作に限定し、入球口の球の通過態様による切り替えのランダム性を排除できる。これにより、利益切替手段を第1状態としながら、球の入球は許容しない時間を多く確保することができる。
なお、意図的選択手段としては、規定個数未満の球の通過により、入球口を球が通過しない状態とすることが例示される。これは、入球口を通過する途中の球を意図的に詰まらせる(通過させなくする)ことで、実現可能である。
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、前記入球口を通過した球が通過することにより遊技者に所定の利益を与える利益付与手段と、その利益付与手段に球を案内可能な第1状態と、前記利益付与手段に球を案内不能な第2状態とで切り替えられる利益切替手段と、を備える遊技機において、前記利益付与手段への球の流下態様が正常であるか判定する流下態様判定手段と、その流下態様判定手段による判定結果に基づいて報知を行う報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機GK1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口を通過した球が振分部により有利ルートか不利ルートかのいずれかに振り分けられ、その振り分けの結果により遊技者に付与される利益が変化する遊技機がある(例えば特開2014-155538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、振分部に到達する前の球に負荷(磁力や、衝撃)を与える不正行為により、不正の利益を得ようとする遊技者が少なからず生じるという問題点があった。
これに対し、遊技機GK1によれば、異常が判定された場合には報知手段により報知されるので、不正行為を抑制することができる。即ち、不正に球の流下を妨害した場合であっても、報知により不正な利益を得られなくなる可能性が高いことから、不正に利益を得ようとする者(以下、「不正行為者」又は「不正者」とも称す)に対する抑止効果を働かせることができる。
なお、異常の判定の態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、利益切替手段が第1状態に切り替えられてから、球が排出されきるタイミングを設定し、そのタイミングになっても球の排出が検出されないことにより、報知を行うようにしても良い。この場合、球が利益切替手段を通る前に報知を行うことができるので、遊技者からの不満を生じにくくすることができる。
遊技機GK1において、前記流下態様判定手段は、前記入球口から前記利益付与手段までの間に配置される球の個数に基づいて判定を行うことを特徴とする遊技機GK2。
遊技機GK2によれば、遊技機GK1の奏する効果に加え、入球口から利益付与手段までの間の遊技球の貯まり具合に寄らず、球の流下態様が異常であるかを判定することができる。
遊技機GK1又はGK2において、前記報知手段が報知を実行した後において、前記利益付与手段の上流側における球の配置の変化を抑制する配置抑制手段を備えることを特徴とする遊技機GK3。
遊技機GK3によれば、遊技機GK1又はGK2の奏する効果に加え、配置抑制手段により球の配置の変化を抑制することができるので、不測のエラーが発生した場合の遊技再開時に遊技者が被る損失を最小限に抑えることができる。
<アタッカーの動作からV入賞の可否を予想しづらくするポイント2、パカ有り>
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、前記入球口を通過した球が通過することにより遊技者に所定の利益を与える利益付与手段と、その利益付与手段に球を案内可能な第1状態と、前記利益付与手段に球を案内不能な第2状態とで切り替えられる利益切替手段と、を備える遊技機において、前記入球切替手段の動作態様により、前記利益切替手段に球が到達する態様を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機H1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口を通過した球が振分部により有利ルートか不利ルートかのいずれかに振り分けられ、その振り分けの結果により遊技者に付与される利益が変化する遊技機がある(例えば特開2014-155538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、振分部が有利ルートに球を振り分け可能な状態とされる期間における大入賞口の開閉板の動作態様が、球を有利ルートへ流下させる場合用の動作態様と、球を有利ルートへ流下させない場合用の動作態様とで明確に分けられており、球を有利ルートへ流下させない場合用の動作態様では、そもそも大入賞口に球が入球しないように開閉板が動作(閉鎖)されるので、大入賞口へ向かう球への注目力を維持することができず、大入賞口へ入球した球の挙動に注目させるという観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機H1によれば、球が入球口を通過可能な状態を維持しながら、入球切替手段の動作態様により、利益切替手段に球が到達する態様を変化可能に構成されるので、利益切替手段に如何なる態様で球を到達させるかを意図的に制御することができる。
遊技機H1において、前記入球切替手段が前記第2状態に切り替えられる時間に関連した個数の球を、前記利益切替手段に案内可能に構成されることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、入球切替手段が第2状態で維持される長さから、球が利益切替手段にどのような態様で案内されるのかを遊技者に予想させることができるので、遊技者の入球切替手段の動作に対する注目力を向上させることができる。
遊技機H1又はH2において、前記入球切替手段が第1状態から第2状態へ切り替えられる途中に、前記利益切替手段への球の送球が開始される開始状態が形成されることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1又はH2の奏する効果に加え、開始状態となって初めて球が利益切替手段へ送球されるところ、開始状態の直前において入球切替手段の動作を停止し、再度第1状態にすることもできるので、第1状態から動作を開始したからといって、利益切替手段への送球が開始されるとは限らないという遊技性を形成することができる。これにより、利益切替手段に球が到達するかを直接確認する必要が生じるので、利益切替手段に対する注目力を向上させることができる。
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、前記入球口を通過した球が通過することにより遊技者に所定の利益を与える利益付与手段と、その利益付与手段に球を案内可能な第1状態と、前記利益付与手段に球を案内不能な第2状態とで切り替えられる利益切替手段と、を備える遊技機において、球の通過を検出することにより前記入球切替手段が状態変化可能な状態となるように構成される状態変化手段を備え、その状態変化手段への球の通過頻度に基づいて、前記利益切替手段へ送球可能な球の個数を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機HK1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口を通過した球が振分部により有利ルートか不利ルートかのいずれかに振り分けられ、その振り分けの結果により遊技者に付与される利益が変化する遊技機がある(例えば特開2014-155538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、振分部が有利ルートに球を振り分け可能な状態とされる期間における大入賞口の開閉板の動作態様が、球を有利ルートへ流下させる場合用の動作態様と、球を有利ルートへ流下させない場合用の動作態様とで明確に分けられており、球を有利ルートへ流下させない場合用の動作態様では、そもそも大入賞口に球が入球しないように開閉板が動作(閉鎖)されるので、大入賞口へ向かう球への注目力を維持することができず、大入賞口へ入球した球の挙動に注目させるという観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機HK1では、状態変化手段への球の通過頻度に基づいて利益切替手段へ送球可能な球の個数が切替可能に構成されるので、利益切替手段への球の入球態様に変化をつけることができる。これにより、入球口を通過した球の挙動に対する注目力を向上させることができる。
遊技機HK1において、前記状態変化手段への入球頻度が所定の頻度よりも高い場合、所定期間に前記利益切替手段へ送球される球の個数の上限値が設定されることを特徴とする遊技機HK2。
遊技機HK2によれば、遊技機HK1の奏する効果に加え、状態変化手段に球を通過させればさせるほど良いという遊技性から脱却することができる。
遊技機HK1又はHK2において、前記利益切替手段へ、前記入球切替手段の複数回の開閉において前記入球口を通過した球を、合わせて送球可能に構成されることを特徴とする遊技機HK3。
遊技機HK3によれば、遊技機HK1又はHK2の奏する効果に加え、入球切替手段の複数の開閉時における入球口への入球を、入球切替手段への送球態様に関連付けることができるので、入球切替手段の1回の開閉で入球切替手段への送球態様が独立している場合に比較して、送球態様のバリエーションを増やすことができる。
なお、入球切替手段の開閉の回数の数え方は、何ら限定されるものでは無い。例えば、入球切替手段の動作回数で数えても良いし、入球切替手段の動作の組み合わせ(例えば、小当たり遊技等の予め設定された作動パターン)の発生回数で数えても良い。
遊技者が操作可能な操作手段と、前記入球切替手段に入球した球を一時的に貯留する貯留状態と、球の貯留を解除して前記利益付与手段へ向けて流下可能とする通過状態とで切り替えられる一時貯留手段と、を備え、その一時貯留手段の状態を前記操作手段の操作により切替可能に構成されることを特徴とする遊技機HP1。
遊技機HP1によれば、遊技者が任意のタイミングで一時貯留手段の状態を切り替えることができるので、操作手段の操作に対する参加意欲を高めることができる。
遊技機HP1において、前記操作手段の操作タイミングにより、遊技者に付与される利益が、第1特典または第2特典から選択されることを特徴とする遊技機HP2。
遊技機HP2によれば、遊技機HP1の奏する効果に加え、操作手段の操作に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
なお、第1特典と第2特典との関係は、何ら限定されるものでは無い。例えば、大小の関係にあるものでも良いし、別の性質をもつものでも良いし、相反する関係にあるものでも良い。
ここで、大小の関係にあるものとしては、例えば、第1特典と第2特典において遊技者に付与される利益が共に賞球の払い出しであり、第1特典における払い出し球数に比較して第2特典における払い出し球数の方が多い場合や、第1特典と第2特典において遊技者に付与される利益が共に大当たり遊技状態への移行であり、第1特典における大当たり遊技のラウンド数に比較して、第2特典におけるラウンド数の方が多い場合等が例示される。
また、別の性質にあるものとしては、例えば、第1特典において遊技者に付与される利益が大当たり遊技状態への移行であることに対し、第2特典において遊技者に付与される利益が賞球の払い出しである場合や、第1特典において遊技者に付与される利益が遊技状態の明示であることに対し、第2特典において遊技者に付与される利益が最大限の払い出し賞球の獲得である場合等が例示される。
また、相反する関係にあるものとしては、例えば、第1特典において遊技者に付与される利益が大当たり遊技の終了後の遊技状態(や、次回大当たりまでの変動回数等の遊技者の利益に関わる情報)の開示であることに対し、第2特典において遊技者に付与される利益が大当たり遊技の終了後の遊技状態(や、次回大当たりまでの変動回数等の遊技者の利益に関わる情報)の隠滅である場合等が例示される。
遊技機HP2において、前記第1特典が選択されたことに基づいて、前記入球切替手段が前記第1状態とされた場合の前記入球口の球の通過が規制されることを特徴とする遊技機HP3。
遊技機HP3によれば、遊技機HP2の奏する効果に加え、第1特典が選択されたことに基づいて、入球切替手段の状態に関わらず、球が入球口を通過することを防止することができるので、遊技者が入球口への球の通過を望まない場合に、タイミングを見計らって一時的に球の発射を止める(所謂「止め打ち」を行う)ことを不要とすることができる。この場合、遊技者は、入球切替手段の状態に関わらず球を継続して発射することができるので、所望の遊技をスムーズに実行することができる。
遊技機HP3において、前記第1特典が選択されたことに基づいて、前記検出手段による球の検出時間に関わらず遊技続行可能に制御されることを特徴とする遊技機HP4。
遊技機HP4によれば、遊技機HP3の奏する効果に加え、検出手段に球を詰まらせることで、入球を規制するという遊技性を実現することができる。
<R遊技の最短時間を発射間隔からの想定よりも長く確保する技術思想>
球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、を備え、前記入球口の上流側を流下する球の流下態様を変化させる流下態様変化手段を備え、その流下態様変化手段は、入球口への入球間隔を所定の規則で変化可能に構成されることを特徴とする遊技機IKK1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口へ発射された球が、ほとんど球こぼれ無く大入賞口へ案内される遊技機がある(例えば特開2015-177858号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、他の遊技機とのバランスをとるために、大当たり遊技において短時間で多量の賞球の払い出しを受けることができるかわりに、通常遊技時の進行が遅く設定されている。例えば、遊技球の発射間隔を長くすることで、抽選の回数を減らし、大当たりを獲得するまでの時間を長くしている。
この遊技球の発射間隔は、大当たり遊技における出球速度に直結する。即ち、上述した従来の遊技機では、通常状態または確変状態という大当たり遊技とは異なる遊技と、大当たり遊技とのバランスをとるために、遊技球の発射間隔が決定されることがあり、その場合、遊技球の発射間隔の設定自由度が低くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機IKK1によれば、流下態様変化手段が入球口への入球間隔を変化させることから、入球口ごとに流下態様変化手段の有無を設定したり、所定の規則を調整したりすることによって、入球口ごとに入球態様(速度、間隔)を設定することができる。これにより、遊技球の発射間隔の設定自由度を向上することができる。
遊技機IKK1において、前記流下態様変化手段は、遊技球と当接可能に配設される当接手段を備え、その当接手段は、前記入球切替手段が前記第1状態を維持する間に前記入球口に入球する遊技球の流下軌跡と異なる位置に構成されることを特徴とする遊技機IKK2。
遊技機IKK2によれば、遊技機IKK1の奏する効果に加え、当接手段が入球切替手段の第1状態において入球口まで到達する遊技球の邪魔にならないので、遊技球の入球口への入球間隔の変化を、入球切替手段が第2状態に切り替えられる場合に限定することができる。
遊技機IKK1又はIKK2において、前記流下態様変化手段は、前記入球口に入球した遊技球によって前記入球口への遊技球の入球を防止可能に構成される入球防止手段を備えることを特徴とする遊技機IKK3。
遊技機IKK3によれば、遊技機IKK1又はIKK2の奏する効果に加え、入球防止手段が入球口に入球した遊技球を利用して入球口への入球を防止するように構成されるので、入球口への入球が防止されるタイミングと、入球口への入球態様とを関連付けることができる。
遊技機IKK1からIKK3のいずれかにおいて、前記流下態様変化手段は、前記入球口への入球間隔を、球の発射間隔に比較して延長可能に構成されることを特徴とする遊技機IKK4。
遊技機IKK4によれば、遊技機IKK1からIKK3のいずれかにの奏する効果に加え、流下態様変化手段の下流に配置される入球口への入球間隔は延長しながら、他の入球口への入球間隔が延長されることを防止することができる。これにより、例えば、始動口への入球間隔を短く維持しながら、始動口への入球間隔に比較して流下態様変化手段の下流に配置される入球口(例えば、大入賞口)への入賞間隔を延長させることができるので、特別図柄の抽選が実行される間隔を短くしながら、1回の大当たり遊技での賞球数を多くする遊技機を構成することが容易になる。
遊技機IKK4において、前記流下態様変化手段は、前記遊技領域を流下する球であって前記入球口に入球しない球が入球可能に構成される第2入球口を備えることを特徴とする遊技機IKK5。
遊技機IKK5によれば、遊技機IKK4の奏する効果に加え、第2入球口への入球を発生させることによって、入球口への入球頻度を低下させることができる。従って、遊技領域に配置されることが普通である第2入球口を利用して流下態様変化手段を構成することができ、部材の兼用を図ることができる。
遊技機IKK5において、前記流下態様変化手段は、前記第2入球口への入球個数に寄らず所定の規則で前記入球口への入球間隔を変化させることを特徴とする遊技機IKK6。
遊技機IKK6によれば、遊技機IKK5の奏する効果に加え、第2入球口への入球個数の多少の違いによって入球口への入球間隔の変化態様が変化することを防止することができる。
遊技機IKK5において、前記入球口に入球した球が流下する流路と、前記第2入球口に入球した球が流下する流路とが、合流する態様で構成されることを特徴とする遊技機IKK7。
遊技機IKK7によれば、遊技機IKK5の奏する効果に加え、流路が合流するように構成されることで、第2入球口への入球態様と入球口への入球態様とを関連付けることができる。これにより、複雑な遊技性を構成することができる。
<ゲート通過で転落する遊技性に絡む技術思想>
遊技球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した遊技球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する遊技球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する遊技球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、を備え、遊技球が入球することで遊技状態を変化可能に構成される可変入球手段と、その可変入球手段へ遊技球が入球可能な第1状態と、前記可変入球手段へ遊技球が入球不能な第2状態とで状態変化可能に構成される第2切替手段と、を備え、その第2切替手段は、前記入球切替手段の動作に対応して状態変化可能に構成されることを特徴とする遊技機J1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口に配置される作動部材の大当たり遊技中の動作態様を、規定個数の球の入球が可能な長時間開放と、規定個数の球の入球が不可能な短時間開放とで、各ラウンドに対応させて切り替えることにより、各ラウンドにおいて大入賞口に入球する個数を変化させて大入賞口への注目力の向上を図った遊技機がある(例えば特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、大入賞口は遊技球が入球するだけの対象として把握されていたため、遊技者の注目力を向上させる度合いが不十分になる虞があるという問題点があった。
これに対し、遊技機J1によれば、遊技状態の変化に関わる可変入球手段へ遊技球を入球可能とするか、入球不能とするかを切り替える第2切替手段の状態が、入球切替手段の動作に対応して変化するように構成されることから、入球口の周辺に配置される入球切替手段の動作が、遊技状態の変化に関わるので、入球口および入球切替手段に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
遊技機J1において、前記入球切替手段は、複数態様で状態変化可能とされ、前記第2切替手段は、前記入球切替手段の状態変化の態様に対応して異なる態様で状態変化可能に構成されることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、入球切替手段の状態変化の態様に関わらず状態変化が生じれば第2切替手段が状態変化する場合に比較して、入球切替手段に対する注目力を向上させることができる。
なお、入球切替手段の状態変化の態様としては、種々の態様が例示される。例えば、所定の状態で維持される長さが違う態様や(長短)、状態変化の間隔が違う態様や、状態変化の回数が違う態様や、状態変化が開始されるまで(終了するまで)にかかる時間が違う態様や、それらの組み合わせ等が例示される。
遊技機J2において、前記可変入球手段は、遊技球が入球可能な複数の可変入球口を備え、前記第2切替手段は、前記各可変入球口に対応して配設される複数の切替部材を備え、前記入球切替手段の状態変化として異なる態様の状態変化が実行されることに対応して、異なる切替部材が状態変化することを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J2の奏する効果に加え、入球切替手段に対する注目力を向上させることができる。
遊技機J3において、前記複数の可変入球口は、遊技球が入球することにより、遊技状態を遊技者にとって不利な側に変化可能に構成される不利側可変入球口を少なくとも備えることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J3の奏する効果に加え、不利側可変入球口が配設されるので、可変入球口への入球で遊技者にとって有利側に遊技状態が変化する場合に比較して、可変入球口への注目力を向上させることができる。
遊技機J4において、前記複数の可変入球口は、遊技球が入球することにより、遊技状態を遊技者にとって有利な側に変化可能に構成される有利側可変入球口を少なくとも備え、前記有利側可変入球口と前記不利側可変入球口との両方に遊技球が入球した場合の遊技状態の変化が、所定期間において遊技球がより遅くに入球した側の可変入球口に対応することを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J4の奏する効果に加え、所定期間の最後まで、可変入球口への遊技球の入球による遊技状態の変化の方向を分からなくすることができるので、所定期間において可変入球口への注目力を維持することができる。
なお、所定期間としては、種々の態様が例示される。例えば、大当たり遊技であれば、所定のラウンド遊技Rの期間でも良いし、エンディング演出の終了までの期間でも良い。
遊技機J1からJ5のいずれかにおいて、駆動手段を備え、その駆動手段は、前記入球切替手段および前記第2切替手段に兼用されることを特徴とする遊技機J6。
遊技機J6によれば、遊技機J1からJ5のいずれかの奏する効果に加え、駆動手段の制御態様を簡素化することができる。
遊技機A1からA9,AK1からAK3,AKK1からAKK4,AKK11からAKK18,AKK20からAKK23,B1からB8,BK1からBK4,C1からC8,CK1からCK3,DKK1からDKK9,DK1からDK4,D1からD3,EK1からEK3,E1からE3,F1からF3,FK1からFK3,FKK1からFKK5,G1からG6,GK1からGK3,H1からH3,HK1からHK3,HP1からHP4,IKK1からIKK7,J1からJ6のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA9,AK1からAK3,AKK1からAKK4,AKK11からAKK18,AKK20からAKK23,B1からB8,BK1からBK4,C1からC8,CK1からCK3,DKK1からDKK9,DK1からDK4,D1からD3,EK1からEK3,E1からE3,F1からF3,FK1からFK3,FKK1からFKK5,G1からG6,GK1からGK3,H1からH3,HK1からHK3,HP1からHP4,IKK1からIKK7,J1からJ6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA9,AK1からAK3,AKK1からAKK4,AKK11からAKK18,AKK20からAKK23,B1からB8,BK1からBK4,C1からC8,CK1からCK3,DKK1からDKK9,DK1からDK4,D1からD3,EK1からEK3,E1からE3,F1からF3,FK1からFK3,FKK1からFKK5,G1からG6,GK1からGK3,H1からH3,HK1からHK3,HP1からHP4,IKK1からIKK7,J1からJ6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
ここで、パチンコ機等の遊技機において球こぼれ無く大入賞口へ案内される遊技機がある(例えば、特許文献1:特開2015-177858号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技球の発射態様の設定自由度の観点で改善の余地があるという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技球の発射態様の設定自由度を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した球が通過する入球口と、その入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内可能な第1状態と前記入球口の上流側から流下する球を前記入球口へ案内不能な第2状態とで切り替えられる入球切替手段と、前記入球口への入球を検出する検出手段と、を備え、前記入球口の上流側を流下する球の流下態様を変化させる流下態様変化手段を備え、その流下態様変化手段は、入球口への入球間隔を所定の規則で変化可能に構成される。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記流下態様変化手段は、遊技球と当接可能に配設される当接手段を備え、その当接手段は、前記入球切替手段が前記第1状態を維持する間に前記入球口に入球する遊技球の流下軌跡と異なる位置に構成される。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1又は2に記載の遊技機において、前記流下態様変化手段は、前記入球口に入球した遊技球によって前記入球口への遊技球の入球を防止可能に構成される入球防止手段を備える。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、遊技球の発射態様の設定自由度を向上できる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技球の流下間隔の変化と入球切替手段の動作とを対応させることができる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、入球口へ入球した遊技球を利用して入球口への入球態様を変化させることができる。