JP7145840B2 - 農用資材投与機 - Google Patents

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本発明は、圃場を区切って得られる微小区画毎に割り当てられた投与量で農用資材を投与する農用資材投与機に関する。
特許文献1には、圃場の微小区画における肥料の投与量を示す施肥マップが過去の農作業に基づいて生成され、この施肥マップとGPSを用いて算出された機体位置とから決定される施肥量で施肥作業が行われるシステムが開示されている。
特許文献2に開示された施肥作業車両は、機体の走行速度に応じて生成された信号である制御信号の入力によって施肥量を変化させる施肥装置と、機体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、施肥情報取得手段と、施肥量制御手段とを備える。施肥情報取得手段は、位置情報取得手段によって取得された機体の圃場における位置に応じた施肥量に関する情報である施肥情報(施肥計画マップ)を取得する。施肥量制御手段は、施肥情報取得手段によって取得した施肥情報に応じて生成した制御信号施肥装置に出力することにより、施肥量を制御する。
特開2019-128741号公報 特開2019-088257号公報
特許文献1及び特許文献2による施肥作業では、衛星測位システムによる機体位置と、圃場を区切って得られた区画毎の施肥量を示す施肥マップとに基づいて、圃場の各位置に応じた施肥量の調整が正確に行われる。しかしながら、設定された区画のサイズが比較的小さい場合、異なる施肥量が割り当てられている複数の区画が施肥機の施肥作業実行エリアに入り込む場合がある。そのような場合、圃場の各位置に応じた施肥量が正確に調整できないという不都合が生じる。
上記実情に鑑み、施肥マップ等の農用資材マップで農用資材投与量が割り当てられている区画のサイズが小さくても、できるだけ、農用資材マップに合わせた農用資材投与が可能な農用資材投与機を提供することである。
本発明による、圃場に農用資材を投与する農用資材投与機は、前記圃場を区切って得られる微小区画に割り当てられた前記農用資材の投与量を示す資材投与マップを管理する資材投与マップ管理部と、衛星測位を用いて機体位置を算出する機体位置算出部と、投与量可変式の農用資材投与装置と、前記機体位置の周囲に位置する複数の前記微小区画に割り当てられている前記投与量に基づいて実投与量を算出する実投与量算出部と、前記実投与量に基づいて前記農用資材投与装置による前記農用資材の投与を制御する資材投与制御部とを備える。
この構成によれば、農用資材投与機が位置する微小区画に割り当てられている投与量だけでなく、機体位置の周囲に位置する複数の微小区画に割り当てられている投与量も考慮して、実際の農用資材の投与量である実投与量が算出される。これにより、農用資材投与機による農用資材の投与エリアに複数の微小区画が含まれていても、可能な限り適切な量の農用資材が各微小区画に投与されることになり、農用資材マップに合わせた農用資材投与が可能となる。
実投与量の算出のために用いられる複数の微小区画として、機体位置が入っている微小区画とその周辺の微小区画が選択されることが合理的である。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記実投与量算出部は、前記機体位置から所定距離内に含まれる微小区画を対象微小区画として指定し、前記対象微小区画に割り当てられている前記投与量に基づいて前記実投与量を算出する。ここで用いられる所定距離は、1回の投与動作で農用資材が投与されるエリアから求めることで、農用資材マップに合わせた農用資材投与が可能となる。農用資材の投与が連続的に行われる場合には、所定距離は、農用資材の投与幅となり、この投与幅に含まれる微小区画が対象微小区画として取り扱われる。
投与エリアと微小区画との大きさの関係によっては、機体中心から離れた微小区画には部分的にしか農用資材が投与されないことになる。そのようなケースでは、機体中心が入ってる微小区画とその周辺の微小区画とでは、実投与量の算出において、それぞれに割与えられている投与量の重みが異なることになる。このため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記実投与量算出部は、前記機体位置から前記対象微小区画までの距離と当該対象微小区画に割り当てられている前記投与量とを変数とする関数を用いて前記実投与量を算出する。この関数における各対象微小区画に割り当てられている投与量(変数)の重みは、機体中心からの距離が大きい対象微小区画ほど、小さくするとよい。
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記関数は、バイリニア補間法に基づいて作成されている。例えば、機体中心が入っている1つの微小区画と、当該微小区画に隣接する3つの微小区画とで大区画を設定し、それらの微小区画に割り当てられている投与量からバイリニア補間法で機体中心での補間投与量を算出する。この補間投与量を実投与量とすることで、農用資材マップに合理的に一致する農用資材投与が可能となる。
衛星測位を用いて算出された機体位置と各微小区画の位置との間の距離関係で実投与量が算出されるので、この距離関係は迅速に演算される必要がある。このため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記資材投与マップは、前記微小区画の中心位置の地図座標と、前記中心位置に前記投与量とを含んでいる。
田植機は、一日に複数の圃場に対する施肥作業を行うことが多い。圃場毎に資材投与マップが必要となる。このため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記資材投与マップ管理部は、複数の前記圃場の前記資材投与マップを格納しており、前記機体位置に基づいて、利用対象となる前記資材投与マップを選択する。
営農計画において重要な農用資材の投与の1つが、肥料の投与である。圃場の位置に依存する土壌の特性や環境特性に応じて肥料の投与量を調整することにより、農作の経済性や農作物の品質が向上する。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記農用資材は肥料であり、前記農用資材投与装置は施肥装置である。
農用資材投与機の一例である田植機の側面図である。 苗取り量調節機構及び繰出し量調節機構の概略構造を示す模式図である。 田植機の制御系を示す機能ブロック図である。 資材投与マップの一例を示す模式図である。 バイリニア補間法を用いた実投与量の算出を説明するための説明図である。
本発明による農用資材投与機の実施形態として、乗用型の田植機を取り上げて、以下に説明される。この田植機は、走行しながら、圃場に農用資材として苗(植付作業)や肥料(施肥作業)を投与する。なお、本明細書では、特に断りがない限り、「前」は機体前後方向(走行方向)に関して前方を意味し、「後」は機体前後方向(走行方向)に関して後方を意味する。また、左右方向または横方向は、機体前後方向に直交する機体横断方向(機体幅方向)を意味する。「上」または「下」は、機体の鉛直方向(垂直方向)での位置関係であり、地上高さにおける関係を示す。
図1は、田植機の側面図である。田植機は、乗用型で四輪駆動形式の走行機体(以下、機体1と称する)を備えている。機体1は、機体1の後部に昇降揺動可能に連結された平行四連リンク形式のリンク機構11、リンク機構11を揺動駆動する油圧式の昇降シリンダ11a、リンク機構11の後端部にローリング可能に連結される苗植付装置3(農用資材投与装置の一例)、及び、機体1の後端部から苗植付装置3にわたって架設されている施肥装置4(農用資材投与装置の一例)などを備えている。
機体1は、走行のための機構として車輪12、エンジン13、及び油圧式の無段変速装置14を備えている。車輪12は、操舵可能な左右の前輪12Aと、操舵不能な左右の後輪12Bとを有する。エンジン13及び無段変速装置14は、機体1の前部に搭載されている。エンジン13からの動力は、無段変速装置14などを介して前輪12A、後輪12Bなどに供給される。
苗植付装置3は、一例として8条植え形式に構成されている。苗植付装置3は、苗載せ台31、8条分の植付機構32などを備えている。なお、この苗植付装置3は、図示されていない各条クラッチの制御により、2条植え、4条植え、6条植えなどの形式に変更可能である。
苗載せ台31は、8条分のマット状苗を載置する台座である。苗載せ台31は、マット状苗の左右幅に対応する一定ストロークで左右方向に往復移動し、縦送り機構33は、苗載せ台31が左右のストローク端に達するごとに、苗載せ台31上の各マット状苗を苗載せ台31の下端に向けて所定ピッチで縦送りする。8個の植付機構32は、ロータリ式で、植え付け条間に対応する一定間隔で左右方向に配置されている。そして、各植付機構32は、機体1からの動力により、苗載せ台31に載置された各マット状苗の下端から一株分の苗を切り取って、整地後の泥土部に植え付ける。
苗植付装置3には、図2に示すように、植付機構32による苗取り量を調節する苗取り量調節機構30が備えられている。植付機構32は、苗載せ台31の下端を摺動案内するガイドレール31aに形成された苗取り出し口を通過して一株分の苗を取り出して植え付ける。苗載せ台31及び苗載せ台31の下端を摺動案内するガイドレール31aを上下に位置変更することにより苗取り量を調節する。
苗取り量調節機構30は、苗載せ台31及びガイドレール31aを上下に位置変更するためのアクチェータである減速機構付きの苗取り量調節モータ36と、この苗取り量調節モータ36の出力軸に設けられたピニオンギアと噛み合っている扇形ギア35とを備えている。更に、苗取り量調節機構30は、ガイドレール31aの前部に挿入された支持アーム301と、この支持アーム301を揺動可能に支持する支持軸302とを備えている。支持アーム301と扇形ギア35とは、連結アーム303によってリンク結合している。扇形ギア35の回動軸304には、扇形ギア35の回動角度(苗取り量)を検出する苗取り量センサ305が設けられている。苗取り量調節モータ36の一方方向の駆動により、苗載せ台31及びガイドレール31aが上昇側に移動し、苗取り量調節モータ36の他方方向の駆動により、苗載せ台31及びガイドレール31aが下降側に移動する。苗載せ台31及びガイドレール31aの上下移動により苗取り量が変更される。
図1に示すように、施肥装置4は、横長のホッパ41、繰出機構42、電動式のブロワ43、複数の施肥ホース44、及び、各条毎に備えられた作溝器45を備えている。ホッパ41は、粒状または粉状の肥料を貯留する。繰出機構42は、エンジン13から伝達される動力で作動し、ホッパ41から2条分の肥料を所定量ずつ繰り出す。
ブロワ43は、機体1に搭載されたバッテリ(図示せず)からの電力で作動し、各繰出機構42により繰り出された肥料を圃場の泥面に向けて搬送する搬送風を発生させる。施肥装置4は、ブロワ43などの断続操作により、ホッパ41に貯留した肥料を所定量ずつ圃場に供給する作動状態と、供給を停止する非作動状態とに切り換えることができる。
各施肥ホース44は、搬送風で搬送される肥料を各作溝器45に案内する。各作溝器45は、各整地フロート15に配備されている。そして、各作溝器45は、各整地フロート15と共に昇降し、各整地フロート15が接地する作業走行時に、水田の泥土部に施肥溝を形成して肥料を施肥溝内に案内する。
施肥装置4には、図2に示すように、繰出し量調節機構40が備えられている。繰出し量調節機構40は繰出機構42による肥料の繰出し量を変更調整する。繰出し量調節機構40は、繰出機構42における繰出し量を調節するための調節体402を変位させるねじ軸403と、ギアを介してねじ軸403を正方向及び逆方向に回転させる肥料調節モータ404と、ねじ軸403の回転に基づく調節体402の変位位置を検出する位置検出センサ405等を有する。つまり、この繰出し量調節機構40は、投与量可変式の農用資材投与装置として機能する。
図1に示すように、機体1は、その後部側に運転部20を備えている。運転部20は、前輪操舵用のステアリングホイール21、無段変速装置14の変速操作を行うことで車速を調整する主変速レバー22、副変速装置の変速操作を可能にする副変速レバー23、苗植付装置3の昇降操作と作動状態の切り換えなどを可能にする作業操作レバー25、各種の情報を表示(報知)してオペレータに報知(出力)すると共に、各種の情報の入力を受け付けるタッチパネルを有する汎用端末9、及び、オペレータ用の運転座席16などを備えている。さらに、運転部20の前方に、予備苗を収容する予備苗フレーム17が設けられている。
ステアリングホイール21は、非図示の操舵機構を介して前輪12Aと連結されており、ステアリングホイール21の回転操作を通じて、前輪12Aの操舵角が調整される。さらに図2に示すように、操舵機構には、ステアリングモータM1も連結されており、自動走行時には、制御ユニット6からの指令に基づいてステアリングモータM1が動作することにより、前輪12Aの操舵角が調整される。さらに、主変速レバー22を自動操作するための変速操作用モータM2も備えられており、自動走行時には、制御ユニット6からの指令に基づいて、変速操作用モータM2が動作することにより、無段変速装置14の変速位置が調整される。
図3には、この田植機の制御系の制御ブロック図が示されている。田植機の制御系の中核をなす制御ユニット6は、遠隔地に設置された外部コンピュータシステム5とのデータ交換などに用いられる通信部81及びこの田植機に備えられている汎用端末9と接続されている。汎用端末9には、自動走行時の目標となる走行経路を生成する走行経路生成部91が構築されている。制御ユニット6には、測位ユニット8、自動切換スイッチ27、走行センサ群28、作業センサ群29からの信号が入力されている。制御ユニット6からの制御信号が、走行機器群1Aと作業機器群1Bとに出力される。
測位ユニット8は、機体1の位置及び方位を算出するための測位データを出力する。測位ユニット8には、全地球航法衛星システム(GNSS)の衛星からの電波を受信する衛星測位モジュール8Aと、機体1の三軸の傾きや加速度を検出する慣性計測モジュール8Bが含まれている。自動切換スイッチ27は、走行経路生成部91によって生成された走行経路に沿って機体1を自動走行させる自動走行モードと手動で走行させる手動走行モードとを選択するスイッチである。走行センサ群28には、操舵角、車速、エンジン回転数などの状態及びそれらに対する設定値を検出する各種センサが含まれている。作業センサ群29には、リンク機構11、苗植付装置3、施肥装置4の状態を検出する各種センサが含まれている。
走行機器群1Aには、例えば、図2を用いて説明したステアリングモータM1や変速操作用モータM2が含まれており、制御ユニット6からの制御信号に基づいて、ステアリングモータM1が制御されることで操舵角が調節され、変速操作用モータM2が制御されることで車速が調節される。
作業機器群1Bには、例えば、昇降シリンダ11aや苗取り量調節機構30や繰出し量調節機構40が含まれている。図2を用いて説明したように、制御ユニット6からの制御信号に基づいて、苗取り量調節モータ36が制御されることで苗取り量が調節され、肥料調節モータ404が制御されることで施肥量が調節される。
制御ユニット6には、走行制御部61、作業制御部62、機体位置算出部63が備えられている。
機体位置算出部63は、測位ユニット8から逐次送られてくる衛星測位データに基づいて、機体1の地図座標(機体位置)を算出する。
この田植機は、自動走行と手動走行とが可能であり、走行制御部61には、自動切換スイッチ27による指令に基づいて、自動走行が行われる自動走行モード、または手動走行が行われる手動走行モードのいずれかが設定される。自動走行モードでは、自動走行制御部611は、機体位置と目標走行経路とを比較して算出された横偏差及び方位偏差に基づいて、横偏差及び方位偏差が縮小するように、操舵制御量を演算する。操舵制御量に基づいて、ステアリングモータM1が制御され、前輪12Aの操舵角が調整される。手動走行モードでは、手動走行制御部612が、ステアリングホイール21の操作量に基づいて、ステアリングモータM1を制御することで、前輪12Aの操舵角が調整される。
作業制御部62は、自動走行モードでは、前もって与えられているプログラムに基づいて自動的に作業機器群1Bを制御し、手動走行モードでは、運転者の操作に基づいて、作業機器群1Bを制御する。
この実施形態の田植機は、圃場を区切って得られる微小区画に割り当てられた施肥量(農用資材の投与量の一種)を示す資材投与マップに基づいて、肥料を投与する機能を有する。このため、作業制御部62には、資材投与マップ管理部621と、実投与量算出部622と、資材投与制御部623と、作業データ作成部624が含まれている。
資材投与マップ管理部621は、外部コンピュータシステム5からダウンロードした資材投与マップを管理する。図4に、この資材投与マップの一例が示されている。この資材投与マップは、圃場を所定サイズ(数十cmから数め)の矩形の微小区画で区分けした、マス目マップである。圃場が矩形であれば、そのマス目マップは、m行n列の行列で表され、微小区画をSとすれば、各微小区画はSm,nで指定することができる。各微小区画の中心点をPとすれば、Pm,nで指定することができる。各微小区画には、施肥量が割り付けられている。施肥量をWとすれば、施肥量はWm,nで指定することができる。図4において、太線で示されている線は、田植機の目標走行経路(または走行軌跡)である。この資材投与マップにおける投与量(施肥量)は、コンバインによって得られた微小区画単位の食味や収量に基づいて決定されている。
実投与量算出部622は、機体位置算出部63によって算出された機体位置を資材投与マップにマッチングさせて、機体位置の周囲に位置する複数の微小区画に割り当てられている施肥量に基づいて、実際の(リアルタイムでの)実投与量を算出する。この周囲に位置する複数の微小区画には、機体位置を含む微小区画(中心区画と称する)及び、中心区画の中心点とともに機体位置を包囲する残りの3つの中心点を有する3つの微小区画(周囲区画と称する)が含まれる。このため、資材投与マップは、微小区画の中心位置の地図座標と、当該中心位置に割り当てられた投与量とを含んでいる。
資材投与マップや自動走行のための圃場マップは、独自で作成してもよいが、既に登録されているマップやインターネットで流通しているマップを利用してもよい。また、圃場マップを区分けする微小区画が矩形として、その一辺の大きさは、田植機の作業幅が最小幅となり、他辺の大きさは、コンバインの終了分布で用いられる区画の長さと同じかそれより小さいことが好ましい。特に本発明では、補間法などが用いられているので、より小さな微小区画を効果的に用いることができる。なお、田植機の作業幅は、各条クラッチにより調整可能である。
次に、機体位置の周囲に位置する複数の微小区画に割り当てられている施肥量に基づいて実投与量を算出する方法の1つであるバイリニア補間法が、図5を用いて説明される。図5では、機体位置は「A」で示されており、機体位置を含む中心区画の中心点はP1で示されている。中心区画の中心点とともに機体位置を包囲する残りの中心点はそれぞれ、P2(中心区画の機体進行方向前側の周囲区画の中心点)、P3(中心区画の中心点に近い方の隣接する周囲区画の中心点)、P4(2つの周囲区画中に隣接する周囲区画の中心点)で示されている。さらに、中心点:P1に割り当てられている施肥量をW1、中心点:P2に割り当てられている施肥量をW2、中心点:P3に割り当てられている施肥量をW3、中心点:P4に割り当てられている施肥量をW4とする。
中心区画及び3つの周囲区画に割り当てられている施肥量:W1、W2、W3、W4をバイリニア補間法に適用すれば、現在の機体位置における施肥量(実投与量)は、以下の式から求められる。
施肥量=(1-dx)×(1-dy)×W1+dx×(1-dy)×W2
+(1-dx)×dy×W3+dx×dy×W4
ここで、dxは、機体位置から機体走行方向でのP1またはP3までの距離であり、dyは、機体位置から機体横断方向でのP1またはP2までの距離であり、その値は、微小区画の長さを1として、正規化されている。
現在の機体位置における施肥量(実投与量)を求める補間法は、バイリニア補間法に限定されない。バイキュービック補間法などの他の補間法を採用することも可能である。いずれにしても、実投与量算出部622は、機体位置から所定距離内に含まれる微小区画を対象微小区画として指定し、対象微小区画に割り当てられている投与量に基づいて実投与量を算出する機能を有する。その際、実投与量算出部622は、機体位置から対象微小区画までの距離と当該対象微小区画に割り当てられている投与量とを変数とする関数を用いて実投与量を算出してもよいし、あるいは、そのような関数をテーブル化しておいてもよい。
資材投与制御部623は、上述のようにして算出された実投与量が圃場に投与されるように、繰出し量調節機構(農用資材投与装置の一例)40を制御する。
圃場サイズや微小区画に割り当てられる施肥量は圃場毎に異なっているので、施肥作業を行う圃場毎に資材投与マップは用意されなければならない。田植機は、一日に複数の圃場に対する施肥作業を行うので、資材投与マップ管理部621は、複数の作業予定の圃場の資材投与マップを格納しており、機体位置に基づいて、利用対象となる資材投与マップを選択して、そのデータ内容を読み出す。機体位置によっては、複数の資材投与マップが候補となる場合がある。その場合には、作業対象の圃場内に入って、適正な1つの資材投与マップが選択されるようにする。
作業データ作成部624は、田植機が農用資材投与計画に基づいて実施した圃場作業の作業結果をデータ化して作業データを生成し、この作業データを含む作業結果ファイルを作成する。田植機が農用資材投与作業として施肥作業を実施している場合、この作業結果ファイルには、作業日時、圃場を特定するデータ、機体1の走行軌跡、肥料種類、微小区画ごとの実施肥量などが含まれる。作成された作業結果ファイルは、通信部81を通じて、外部コンピュータシステム5にアップロードされる。
この実施形態では、資材投与マップは、外部コンピュータシステム5の資材投与マップ作成部51は、営農家によって立案された圃場作業計画をデータ化して、区画ごとの農用資材投与作業の計画を示す資材投与マップを作成する。投与する農用資材が肥料の場合、資材投与マップは、図4で示されるようなマップとなるが、図4では示されていないが、資材投与マップには、資材投与作業の内容を示す作業内容データや資材投与作業を行う田植機の作業仕様(作業幅(条数)、車速など)を示す作業データや走行データが含まれている。
〔別実施の形態〕
(1)上述した実施形態では、肥料の実投与量は各条に対応する複数の施肥点(施肥ホース44の先端)に分配されるように施肥装置4が制御されていた。これに代えて、条毎に施肥量を調整することができるような施肥装置4が搭載されている場合には、各条毎に実投与量を算出して、肥料を投与してもよい。
(2)上述した実施形態では、資材投与マップ作成部51は外部コンピュータシステム5に構築されていたが、汎用端末9など、田植機側に構築されてもよい。
(3)上述した実施形態では、田植機は自動走行可能な車両であったが、自動走行が不可能な車両でもよい。その場合には、測位ユニット8からの測位データに基づいて自車位置(作業位置)が算出され、その自車位置と作業結果とを組み合わせて、作業実績マップが作成される。手動走行の場合には、走行経路生成部91で生成された走行経路は、走行支援マップとして利用される。
(4)上述した実施形態では、農用資材投与作業として、施肥作業が取り扱われた。これに代えて、苗植付け作業、播種作業、薬剤散布作業などにも、上述したような微小区画単位での農用資材の投与を実施することができる。
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、圃場に農用資材を投与する農用資材投与機全般に適用可能である。
3 :苗植付装置
4 :施肥装置
6 :制御ユニット
30 :苗取り量調節機構
40 :繰出し量調節機構
61 :走行制御部
62 :作業制御部
63 :機体位置算出部
611 :自動走行制御部
612 :手動走行制御部
621 :資材投与マップ管理部
622 :実投与量算出部
623 :資材投与制御部
624 :作業データ作成部

Claims (7)

  1. 圃場に農用資材を投与する農用資材投与機であって、
    前記圃場を区切って得られる微小区画に割り当てられた前記農用資材の投与量を示す資材投与マップを管理する資材投与マップ管理部と、
    衛星測位を用いて機体位置を算出する機体位置算出部と、
    投与量可変式の農用資材投与装置と、
    前記機体位置の周囲に位置する複数の前記微小区画に割り当てられている前記投与量に基づいて実投与量を算出する実投与量算出部と、
    前記実投与量に基づいて前記農用資材投与装置による前記農用資材の投与を制御する資材投与制御部と、
    を備えた農用資材投与機。
  2. 前記実投与量算出部は、前記機体位置から所定距離内に含まれる微小区画を対象微小区画として指定し、前記対象微小区画に割り当てられている前記投与量に基づいて前記実投与量を算出する請求項1に記載の農用資材投与機。
  3. 前記実投与量算出部は、前記機体位置から前記対象微小区画までの距離と当該対象微小区画に割り当てられている前記投与量とを変数とする関数を用いて前記実投与量を算出する請求項2に記載の農用資材投与機。
  4. 前記関数は、バイリニア補間法に基づいて作成されている請求項3に記載の農用資材投与機。
  5. 前記資材投与マップは、前記微小区画の中心位置の地図座標と、前記中心位置に前記投与量とを含んでいる請求項1から4のいずれか一項に記載の農用資材投与機。
  6. 前記資材投与マップ管理部は、複数の前記圃場の前記資材投与マップを格納しており、前記機体位置に基づいて、利用対象となる前記資材投与マップを選択する請求項1から5のいずれか一項に記載の農用資材投与機。
  7. 前記農用資材は肥料であり、前記農用資材投与装置は施肥装置である請求項1から6のいずれか一項に記載の農用資材投与機。
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