以下、本発明による成形システムの好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
〈成形装置の構成〉
図1は、本実施形態に係る成形装置の正面図である。図1に示すように、成形装置10は、金型13と、下側ベース部110と、上側ベース部120と、柱部150と、を備える。金型13は、上型12及び下型11を備える。下側ベース部110は、下型11と対向して下側に設けられる。なお、水平方向における一方の方向をX軸方向(第1の方向)とし、水平方向においてX軸方向と直交する方向をY軸方向(第2の方向)とする。X軸方向における一方(図1における紙面右側)を正側とし、Y軸方向における一方(図1における紙面表側)を正側とする。
下側ベース部110は、ベッドと称される部品であり、成形装置10の土台を構成している。下側ベース部110内には、下型11を移動させる駆動機構などが収容されている。下側ベース部110は直方体の形状を有しており、水平方向に広がる上面110a及び下面110bを有している。下側ベース部110は、上端側に板状の基台111を有している。基台111上には、下型11と、後述の電極、気体供給機構などが配置される。基台111の上面が下側ベース部110の上面110aに該当する。上側ベース部120は、上型12と対向して上側に設けられる。上側ベース部120は、クラウンと称される部品であり、成形装置10の上部構造のベースとなる部品である。上側ベース部120内には、上型12を移動させる駆動機構などが収容されている。上側ベース部120は直方体の形状を有しており、水平方向に広がる下面120a及び上面120bを有している。柱部150は、下側ベース部110と上側ベース部120との間で立設された部材である。柱部150は、金型13の周囲を取り囲むように複数本(ここでは四本)形成されている。なお、柱部150の詳細な構成については後述する。
図2は、本実施形態に係る成形装置の概略構成図である。図1に示されるように、金属パイプを成形する成形装置10は、前述の上型12及び下型11からなる金型13と、上型12を移動させる駆動機構80Aと、下型11を移動させる駆動機構80Bと、上型12と下型11との間に配置される金属パイプ材料14を保持するパイプ保持機構30と、パイプ保持機構30で保持されている金属パイプ材料14に通電して加熱する通電加熱部50と、上型12及び下型11の間に保持され加熱された金属パイプ材料14内に高圧ガス(気体)を供給するための気体供給部60と、パイプ保持機構30で保持された金属パイプ材料14内に気体供給部60からの気体を供給するための一対の気体供給機構40,40と、を備えると共に、上記駆動機構80A,80Bの駆動、上記パイプ保持機構30の駆動、上記通電加熱部50の駆動、及び上記気体供給部60の気体供給をそれぞれ制御する制御部70と、を備えて構成されている。
金型13の一方である下型11は、大きな鋼鉄製ブロックで構成され、その上面に例えば矩形状のキャビティ(凹部)16を備える。下型11は、下側ベース部110の基台111上の中央付近に移動可能に配置されている。下型11は、X軸方向に沿って延びる直方体の形状を有している。すなわち、成形時には、金属パイプ材料14は、X軸方向に沿って延びる状態で成形される。下型11には冷却水通路19が形成されている。
更に、下型11のX軸方向の端部近傍には、パイプ保持機構30を構成する後述する電極17,18(下側電極)等が配置されている。そして、下側電極17,18上に金属パイプ材料14が載置されることで、下側電極17,18は、上型12と下型11との間に配置される金属パイプ材料14に接触する。これにより、下側電極17,18は金属パイプ材料14に電気的に接続される。本実施形態では、下側電極17,18は、下型11のX軸方向の両端と隣り合う位置にて、基台111上に固定された状態で配置されている。
下型11と下側電極17との間及び下側電極17の下部、並びに下型11と下側電極18との間及び下側電極18の下部には、通電を防ぐための絶縁材91がそれぞれ設けられている。ここでは、下側電極17,18は、絶縁材91を介して、基台111上に設けられた支持部材112に支持されている。
金型13の他方である上型12は、駆動機構80Aを構成する後述のスライド81Aに固定されている。上型12は、大きな鋼鉄製ブロックで構成され、内部に冷却水通路25が形成されると共に、その下面に例えば矩形状のキャビティ(凹部)24を備える。このキャビティ24は、下型11のキャビティ16に対向する位置に設けられる。上型12は、X軸方向に沿って延びる直方体の形状を有している。
上型12のX軸方向の両端近傍には、スペース12aが設けられており、当該スペース12a内には、パイプ保持機構30の可動部である後述する電極17,18(上側電極)等が、上下に進退動可能に配置されている。そして、下側電極17,18上に金属パイプ材料14が載置された状態において、上側電極17,18は、下方に移動することで、上型12と下型11との間に配置された金属パイプ材料14に接触する。これにより、上側電極17,18は金属パイプ材料14に電気的に接続される。
上型12と上側電極17との間及び上側電極17の上部、並びに上型12と上側電極18との間及び上側電極18の上部には、通電を防ぐための絶縁材101がそれぞれ設けられている。それぞれの絶縁材101は、パイプ保持機構30を構成するアクチュエータの可動部である進退ロッド96に固定されている。このアクチュエータは、上側電極17,18等を上下動させるためのものであり、アクチュエータの固定部は、上型12と共に駆動機構80のスライド81側に保持されている。
パイプ保持機構30の右側部分において、電極18,18が互いに対向する面のそれぞれには、金属パイプ材料14の外周面に対応した半円弧状の凹溝18aが形成されていて(図3参照)、当該凹溝18aの部分に丁度金属パイプ材料14が嵌り込むように載置可能とされている。パイプ保持機構30の右側部分において、絶縁材91,101が互いに対向する露出面には、上記凹溝18aと同様に、金属パイプ材料14の外周面に対応した半円弧状の凹溝が形成されている。また、電極18の正面(金型の外側方向の面)には、凹溝18aに向って周囲がテーパー状に傾斜して窪んだテーパー凹面18bが形成されている。よって、パイプ保持機構30の右側部分で金属パイプ材料14を上下方向から挟持すると、丁度金属パイプ材料14の右側端部の外周を全周に渡って密着するように取り囲むことができるように構成されている。
パイプ保持機構30の左側部分において、電極17,17が互いに対向する面のそれぞれには、金属パイプ材料14の外周面に対応した半円弧状の凹溝17aが形成されていて(図3参照)、当該凹溝17aの部分に丁度金属パイプ材料14が嵌り込むように載置可能とされている。パイプ保持機構30の左側部分において、絶縁材91,101が互いに対向する露出面には、上記凹溝18aと同様に、金属パイプ材料14の外周面に対応した半円弧状の凹溝が形成されている。また、電極17の正面(金型の外側方向の面)には、凹溝17aに向って周囲がテーパー状に傾斜して窪んだテーパー凹面17bが形成されている。よって、パイプ保持機構30の左側部分で金属パイプ材料14を上下方向から挟持すると、丁度金属パイプ材料14の左側端部の外周を全周に渡って密着するように取り囲むことができるように構成されている。
図2に示されるように、駆動機構80Aは、上型12及び下型11同士が合わさるように上型12を移動させるスライド81Aと、スライド81Aに接続される軸部82Aと、軸部82Aをガイドするシリンダ部83Aと、を備える。シリンダ部83Aは、上下方向に延びて下側が開口する円筒状の部材である。シリンダ部83Aは、少なくとも上端側の部分が上側ベース部120内に配置されている。ここでは、シリンダ部83Aは略全長にわたって上側ベース部120内に配置され、下端側の一部のみが、上側ベース部120から突出している。軸部82Aは、シリンダ部83Aの下側の開口から下方へ向かって延びてスライド81Aに接続される。軸部82Aがシリンダ部83Aでガイドされながら上下方向へ往復移動することに伴い、スライド81A及び上型12が上下方向に往復移動する。軸部82Aは、駆動源85Aから伝達された油圧などの駆動力によって駆動する。
駆動機構80Bは、上型12及び下型11同士が合わさるように下型11を移動させる軸部82Bと、軸部82Bをガイドするシリンダ部83Bと、を備える。シリンダ部83Bは、上下方向に延びて上側が開口する円筒状の部材である。シリンダ部83Bは、下側ベース部110内に配置されている。シリンダ部83Aは、基台111よりも下側に配置され、全体が下側ベース部110内に配置されている。軸部82Bは、シリンダ部83Bの上側の開口から上方へ向かって延びて下型11に接続される。軸部82Bがシリンダ部83Bでガイドされながら上下方向へ往復移動することに伴い、下型11が上下方向に往復移動する。軸部82Bは、駆動源85Bから伝達された油圧などの駆動力によって駆動する。
通電加熱部50は、電力供給部55と、電力供給部55と電極17,18とを電気的に接続する電力供給ライン52と、電極17,18と、を備える。電力供給部55は、直流電源及びスイッチを含み、電極17,18が金属パイプ材料14に電気的に接続された状態において、電力供給ライン52、電極17,18を介して金属パイプ材料14に通電可能とされている。なお、電力供給ライン52は、ここでは、下側電極17,18に接続されている。
この通電加熱部50では、電力供給部55から出力された直流電流は、電力供給ライン52によって伝送され、電極17に入力される。そして、直流電流は、金属パイプ材料14を通過して、電極18に入力される。そして、直流電流Cは、電力供給ライン52によって伝送されて電力供給部55に入力される。
一対の気体供給機構40の各々は、シリンダユニット42と、シリンダユニット42の作動に合わせて進退動するシリンダロッド43と、シリンダロッド43におけるパイプ保持機構30側の先端に連結されたシール部材44とを有する。シリンダユニット42は基台111上に載置固定されている。シール部材44の先端には先細となるようにテーパー面45が形成されており、電極17,18のテーパー凹面17b,18bに合わさる形状に構成されている(図3参照)。シール部材44には、シリンダユニット42側から先端に向かって延在し、詳しくは図3(a),(b)に示されるように、気体供給部60から供給された高圧ガスが流れるガス通路46が設けられている。
気体供給部60は、ガス源61と、このガス源61によって供給されたガスを溜めるアキュムレータ62と、このアキュムレータ62から気体供給機構40のシリンダユニット42まで延びている第1チューブ63と、この第1チューブ63に介設されている圧力制御弁64及び切替弁65と、アキュムレータ62からシール部材44内に形成されたガス通路46まで延びている第2チューブ67と、この第2チューブ67に介設されている圧力制御弁68及び逆止弁69とからなる。圧力制御弁64は、シール部材44の金属パイプ材料14に対する押力に適応した作動圧力のガスをシリンダユニット42に供給する役割を果たす。逆止弁69は、第2チューブ67内で高圧ガスが逆流することを防止する役割を果たす。第2チューブ67に介設されている圧力制御弁68は、制御部70の制御により、金属パイプ材料14を膨張させるための作動圧力を有するガスを、シール部材44のガス通路46に供給する役割を果たす。一対の気体供給機構40は、下型11を挟むように、X軸方向に互いに対向するように配置される。
制御部70は、気体供給部60の圧力制御弁68を制御することにより、金属パイプ材料14内に所望の作動圧力のガスを供給することができる。また、制御部70は、駆動機構80A,80B及び電力供給部55等を制御する。
〈成形装置を用いた金属パイプの成形方法〉
次に、成形装置10を用いた金属パイプの成形方法について説明する。最初に、焼入れ可能な鋼種の円筒状の金属パイプ材料14を準備する。この金属パイプ材料14を、例えばロボットアーム等を用いて、下型11側に備わる電極17,18上に載置(投入)する。電極17,18には凹溝17a,18aが形成されているので、当該凹溝17a,18aによって金属パイプ材料14が位置決めされる。
次に、制御部70は、駆動機構80A及びパイプ保持機構30を制御することによって、当該パイプ保持機構30に金属パイプ材料14を保持させる。具体的には、駆動機構80Aの駆動によりスライド81A側に保持されている上型12及び上側電極17,18等が下型11側に移動すると共に、パイプ保持機構30に含まれる上側電極17,18等を進退動可能としているアクチュエータを作動させることによって、金属パイプ材料14の両方の端部付近を上下からパイプ保持機構30により挟持する。この挟持は電極17,18に形成される凹溝17a,18a、及び絶縁材91,101に形成される凹溝の存在によって、金属パイプ材料14の両端部付近の全周に渡って密着するような態様で挟持されることとなる。
なお、このとき、図3(a)に示されるように、金属パイプ材料14の電極18側の端部は、金属パイプ材料14の延在方向において、電極18の凹溝18aとテーパー凹面18bとの境界よりもシール部材44側に突出している。同様に、金属パイプ材料14の電極17側の端部は、金属パイプ材料14の延在方向において、電極17の凹溝17aとテーパー凹面17bとの境界よりもシール部材44側に突出している。また、上側電極17,18の下面と下側電極17,18の上面とは、それぞれ互いに接触している。ただし、金属パイプ材料14の両端部全周に渡って密着する構成に限られず、金属パイプ材料14の周方向における一部に電極17,18が当接するような構成であってもよい。
続いて、制御部70は、通電加熱部50を制御することによって、金属パイプ材料14を加熱する。具体的には、制御部70は、通電加熱部50の電力供給部55を制御し電力を供給する。すると、電力供給ライン52を介して下側電極17,18に伝達される電力が、金属パイプ材料14を挟持している上側電極17,18及び金属パイプ材料14に供給され、金属パイプ材料14に存在する抵抗により、金属パイプ材料14自体がジュール熱によって発熱する。すなわち、金属パイプ材料14は通電加熱状態となる。
続いて、制御部70による駆動機構80A,80Bの制御によって、加熱後の金属パイプ材料14に対して金型13を閉じる。これにより、下型11のキャビティ16と上型12のキャビティ24とが組み合わされ、下型11と上型12との間のキャビティ部内に金属パイプ材料14が配置密閉される。
その後、気体供給機構40のシリンダユニット42を作動させることによってシール部材44を前進させて金属パイプ材料14の両端をシールする。このとき、図3(b)に示されるように、金属パイプ材料14の電極18側の端部にシール部材44が押し付けられることによって、電極18の凹溝18aとテーパー凹面18bとの境界よりもシール部材44側に突出している部分が、テーパー凹面18bに沿うように漏斗状に変形する。同様に、金属パイプ材料14の電極17側の端部にシール部材44が押し付けられることによって、電極17の凹溝17aとテーパー凹面17bとの境界よりもシール部材44側に突出している部分が、テーパー凹面17bに沿うように漏斗状に変形する。シール完了後、高圧ガスを金属パイプ材料14内へ吹き込んで、加熱により軟化した金属パイプ材料14をキャビティ部の形状に沿うように成形する。
金属パイプ材料14は高温(950℃前後)に加熱されて軟化しているので、金属パイプ材料14内に供給されたガスは、熱膨張する。このため、例えば供給するガスを圧縮空気とし、950℃の金属パイプ材料14を熱膨張した圧縮空気によって容易に膨張させることができる。
ブロー成形されて膨らんだ金属パイプ材料14の外周面が下型11のキャビティ16に接触して急冷されると同時に、上型12のキャビティ24に接触して急冷(上型12と下型11は熱容量が大きく且つ低温に管理されているため、金属パイプ材料14が接触すればパイプ表面の熱が一気に金型側へと奪われる。)されて焼き入れが行われる。このような冷却法は、金型接触冷却又は金型冷却と呼ばれる。急冷された直後はオーステナイトがマルテンサイトに変態する(以下、オーステナイトがマルテンサイトに変態することをマルテンサイト変態とする)。冷却の後半は冷却速度が小さくなったので、復熱によりマルテンサイトが別の組織(トルースタイト、ソルバイト等)に変態する。従って、別途焼戻し処理を行う必要がない。また、本実施形態においては、金型冷却に代えて、あるいは金型冷却に加えて、冷却媒体を例えばキャビティ24内に供給することによって冷却が行われてもよい。例えば、マルテンサイト変態が始まる温度までは金型(上型12及び下型11)に金属パイプ材料14を接触させて冷却を行い、その後型開きすると共に冷却媒体(冷却用気体)を金属パイプ材料14へ吹き付けることにより、マルテンサイト変態を発生させてもよい。
上述のように金属パイプ材料14に対してブロー成形を行った後に冷却を行い、型開きを行うことにより、例えば略矩形筒状の本体部を有する金属パイプを得る。
(成形装置の磁場に関する構造)
成形装置10は、金属パイプ材料14に対して通電加熱を行う。この際、電力供給ライン52や電極17,18などの通電部分に高電流を流すため、周囲に磁場を形成する(図6(a)の磁束MF1を参照)。そのため、通電加熱時には、通電部分の周囲の部材の内部の磁束密度が大きくなる。成形装置10では、一部の構造部材は磁場の影響を受け易い位置に配置され、各種センサやシリンダなどは磁場から保護するために磁場の影響が少ない位置に配置されている。ここでは、まず、成形装置10に発生する磁場に関わる構造について説明する。
まず、図4及び図5を参照して、電極17,18へ電力を供給する電力供給ライン52を構成するブスバー130A,130Bについて説明する。図4は、金型13周辺の構造を上方から見たときの図である。図5は、ブスバー130A,130BをX軸方向の正側から見た時の図である。ブスバー130Aは、電極17へ電力を供給する。ブスバー130Bは、電極18へ電力を供給する。一対のブスバー130A,130Bは、一対の電極17,18が対向するX軸方向及び上下方向と直交するY軸方向における、金型13の正側(一方側)に配置される。従って、金型13に対してY軸方向における負側の領域は、金型13によってブスバー130A,130Bの磁場の影響が少ない領域となる。当該領域に各種センサやシリンダなどの機器を配置することで、当該機器への磁場の影響を低減することができる。
ブスバー130A,130Bの延在部131A,131Bは、下側ベース部110の下端側の高さ位置において、Y軸方向の正側から負側へ向かって下側ベース部110へ向かって延びる。ブスバー130A,130Bの延在部132A,132Bは、下側ベース部110のY軸方向の正側の側面に沿って、下側ベース部110の下端側から上端側へ向かって上方へ延びる(特に図5参照)。ブスバー130A,130Bの延在部133A,133Bは、延在部132A,132Bの上端からY軸方向の負側へ向かって、下側ベース部110上の位置まで延びる。延在部131A,131B,132A,132B,133A,133Bは、互いに平行をなした状態で延びている。従って、当該位置においては、ブスバー130A,130Bは、互いの磁場を打ち消し合うことができる。ブスバー130Aの分岐部134Aは、下側ベース部110の上側の位置で、延在部133Aの端部から分岐してX軸方向の負側へ延び、Y軸方向の負側へ屈曲して電極17に接続される。ブスバー130Bの分岐部134Bは、下側ベース部110の上側の位置で、延在部133Bの端部から分岐してX軸方向の正側へ延び、Y軸方向の負側へ屈曲して電極17に接続される。
ブスバー130A,130Bの延在部131A,131B,132A,132B,133A,133Bは、磁場の漏れを抑制するためのカバー136で覆われている。また、下側ベース部110の側面には、ブスバー130A,130Bの延在部132A,132Bと対向する位置に、磁場を遮断し、ブスバー130A,130Bを固定するためのブラケット137が設けられている(図5参照)。ブラケット137は、下側ベース部110の内側へ磁場が漏れることを抑制する。カバー136及びブラケット137の材料は、磁場を遮断できる電磁軟鉄、珪素鋼、パーマロイ、アモルファスなどである。
成形装置10は、各部位に各種センサを備えている。本実施形態では、磁場の影響を受けにくい箇所にセンサを配置している。具体的には、図2に示すように、成形装置10は、上側ベース部120の内側に配置されたセンサ140Aを備える。センサ140Aは、軸部82Aの位置を検出するためのリニアセンサである。センサ140Aは、上側ベース部120の内部において、シリンダ部83A及び軸部82Aに対して設けられる。センサ140Aのロッド部140Aaはシリンダ部83Aの内部に配置されて軸部82Aに接続される。センサ140Aの検出部140Abはシリンダ部83Aの上端部に配置されている。
成形装置10は、下側ベース部110の内側に配置されたセンサ140Bを備える。センサ140Bは、軸部82Bの位置を検出するためのリニアセンサである。センサ140Bは、下側ベース部110の内部において、シリンダ部83B及び軸部82Bに対して設けられる。センサ140Bのロッド部140Baはシリンダ部83Bの内部に配置されて軸部82Bに接続される。センサ140Bの検出部140Bbはシリンダ部83Bの下端部に配置されている。
図4に示すように、成形装置10は、金型13よりもY軸方向の負側の領域にセンサ140Cを備える。当該領域は、ブスバー130A,130Bが配置される領域に対して、金型13を挟んだ反対側の領域である。従って、センサ140Cは、ブスバー130A,130Bからの磁場の影響を受けにくい。センサ140Cは、例えば金型や金属パイプ材料14の温度を測定する温度計(放射温度計)、金属パイプ材料14の膨張長さを測定する測定器(位置センサや接触スイッチ等)、磁場を測定するガウスメータ等である。
なお、成形装置10は、同一の測定対象物に対して、異なる型式や検出方式のセンサを複数備えていてよい。同一の測定対象物を測定したにも関わらず、各センサが大きく異なった値を示す場合、いずれかのセンサが磁場の影響によって誤作動を起こしている可能性がある。従って、制御部70は、複数のセンサからの検出結果を取得し、比較する。制御部70は、各センサからの検出結果が大きく相違している場合は誤作動が生じていることを検出する。例えば、シリンダ部83A及び軸部82Aに対して、センサ140Aに加えて、リニアセンサとは測定方式が異なるエンコーダなどの位置検出センサを設けてよい。
図1及び図4に示すように、成形装置10は、金型13周辺で発生した磁束を吸収するための部材として、柱部150を備えている。柱部150の材料は、鋼などである。なお、下側ベース部110及び上側ベース部120の材料は、鋼などであり、柱部150の材料と同じであってもよく、異なっていてもよい。図1に示すように、柱部150は、下側ベース部110と上側ベース部120との間で立設されることで、上下方向において少なくとも下型11、上型12及びスライド81Aに対応する位置に配置される。図4に示すように、四つの柱部150A,150B,150C,150Dが、下側ベース部110の四方の角部付近に配置されている。柱部150Aは、Y軸方向の正側及びX軸方向の負側の角部に配置される。柱部150Bは、Y軸方向の正側及びX軸方向の正側の角部に配置される。柱部150Cは、Y軸方向の負側及びX軸方向の負側の角部に配置される。柱部150Dは、Y軸方向の負側及びX軸方向の正側の角部に配置される。
柱部150A,150Bは、金型13のY軸方向の正側の端部からY軸方向の正側へ離間した位置に配置されている。柱部150C,150Dは、金型13のY軸方向の負側の端部からY軸方向の負側へ離間した位置に配置されている。柱部150A,150Bが金型13のY軸方向の正側の端部から離間する距離、及び柱部150C,150Dが金型13のY軸方向の負側の端部から離間する距離は、100mm~3000mm程度に設定されてよい。これにより、柱部150A,150B,150C,150Dは、金型13周辺で発生した磁束を良好に吸収することができる。柱部150A,150Cは、金型13のX軸方向の負側の端部からX軸方向の負側へ離間した位置に配置されている。柱部150B,150Dは、金型13のX軸方向の正側の端部からX軸方向の正側へ離間した位置に配置されている。柱部150A,150Cが金型13のX軸方向の負側の端部から離間する距離、及び柱部150B,150Dが金型13のX軸方向の正側の端部から離間する距離は、100mm~3000mm程度に設定されてよい。これにより、柱部150A,150B,150C,150Dは、金型13周辺で発生した磁束を良好に吸収することができる。
上述のように、柱部150は、金型13の周辺で発生した磁束を吸収する。従って、通電加熱前に成形装置10の構造部材が予め磁化されていない場合、柱部150は、通電加熱部50の通電加熱時において、内部の磁束密度が、下側ベース部110の下面110bの中心P1(図1参照)での磁束密度、及び上側ベース部120の上面120bの中心P2(図1参照)での磁束密度の少なくとも一方よりも高い。中心P1,P2は、各面110b,120bにおけるY軸方向及びX軸方向における中央位置である。また、柱部150の内部の磁束密度は、下側ベース部110の下面110bの中心P1及び上側ベース部120の上面120bの中心P2での磁束密度よりも50%以上高くなるように、構成されていることが好ましい。このような構成とすることで、柱部150が十分に金型13の周辺の磁束を吸収することができる。例えば、図7~図9においてグレースケールを付された部分は、通電加熱部50の通電加熱時に発生する磁束を吸収し易い箇所を示している。これらの図に示すように柱部150、金型13及び当該金型13周辺の部材は、磁束を吸収し易い構造部材であることが理解される。
また、通電加熱前に成形装置10の構造部材が磁化されていない場合、通電加熱時における柱部150の内部の磁束密度は、下側ベース部110の四方の側面の磁束密度の平均値、及び上側ベース部120の四方の側面の磁束密度の平均値よりも高い。柱部150の内部の磁束密度は、下側ベース部110の上面110a及び上側ベース部120の下面120aのうち、金型13から外周側へ離間した外周部付近の磁束密度よりも高い。
ここでの「柱部150の内部の磁束密度」とは、柱部150の上下方向における基準位置を設定したとき、当該基準位置での柱部150の断面における磁束密度の平均値である。あるいは、柱部150のいずれかの表面で実測された磁束密度を柱部150での磁束密度としてもよい。上下方向の基準位置は任意に設定してよいが、例えば、下側ベース部110の上面110aとスライド81Aの下面との間の上下方向における中央位置に設定されてよい。あるいは、金型13を型閉した状態における、下型11の下面と上型12の上面との間の上下方向における中央位置に設定されてよい。その他、基準位置として、柱部150の何れかの表面の位置が設定されてよい。
(予めの磁化について)
上述の説明のように、成形装置10の構造部材の一部は、通電加熱時に発生する磁束を吸収し易い。当該構造部材は、繰り返しの成形工程を実行することで、複数回の通電加熱が行われると、構造部材自体が磁化される。すなわち、構造部材は、通電加熱が行われていなくとも磁束を発生する磁性体となる。このような現象を考慮して、本実施形態に係る成形方法においては、通電加熱時に発生する磁束を吸収しやすい構造部材を、予め逆の磁束によって磁化する磁化工程を実行する。
具体的には、磁化工程では、通電加熱部50が、成形時における通電加熱の電流の方向とは逆向きの電流を金属パイプ材料14に流す。なお、このように、通電加熱とは逆向きの電流を流すことを通電加熱と区別するために「逆通電」と称する場合がある。なお、磁化工程では、通電加熱部50は、成形工程で用いられる金属パイプ材料14に逆通電を行うことに限られず、逆通電用のダミーの金属部材に対して逆通電を行ってもよい。例えば、別のプレス装置などの生産設備で用いられる中実の棒鋼に対して逆通電を行ってよい。当該逆通電で加熱された棒鋼は、上述の生産設備で用いられる。なお、このとき、金型13周辺のみならず、ブスバー130A,130Bにも、通電加熱時とは反対方向へ電流がながれる。従って、カバー136は、逆通電を行う事によって、磁化される。
図6(a)の磁束MF1は、成形時における通電加熱を行ったときに発生する磁束の向きを示している。通電加熱部50が逆通電を行うことで、通電加熱の電流の向きとは逆向きの電流を金属パイプ材料14に流すと、図6(b)に示すように、金型13周辺には、磁束MF2が発生する。磁束MF2は、通電加熱時の磁束MF1とは逆向きである。ここで、成形装置10の構造部材のうち、磁束を吸収し易い箇所は、磁束の向きが逆でも、通電加熱を行うときと逆通電を行う時とでは、概ね同様となる。従って、通電加熱時と同様に、図7~図9においてグレースケールを付された部分が、逆通電時に発生する磁束を吸収し易い箇所となる。
ここで、成形装置10の金型13周辺での現象についての理解のため、成形装置10の構造部材が磁化されていない状態から、成形工程の通電加熱によって磁化されるときの状況について説明する。1回の成形工程での通電加熱によって成形装置10の構造部材が磁化する度合いは小さく、複数回の成形工程を繰り返し行うことによって、構造部材が磁化する。このような事項を考慮すると、逆通電によって構造部材を十分に磁化させるには、一回の成形工程での通電加熱時間よりも長い時間、通電を行うことが好ましい。磁化工程においては、構造部材の磁化の度合いが、(磁化されていない構造部材に対して)成形工程を1~数十回行ったときに相当する程度まで進むように、逆通電を行う。当該回数は、周囲のセンサ等に影響を与えない範囲で磁化可能な回数である。例えば、逆通電の電流の大きさを通電加熱と同じにする場合、逆通電の時間は、上記回数分の通電加熱の合計の時間に設定されてよい。また、逆通電の際は、成形工程で通電加熱を行うときよりも、大きな電流を流してよい。これにより、図7~図9においてグレースケールを付された部分が、逆通電によって、予め磁化された状態となる。具体的には、磁化工程では、構造部材として、柱部150、金型13、及びガイド部材160の少なくとも一部が、逆通電によって予め磁化される。
なお、逆通電を行うタイミングは特に限定されないが、成形装置10の製造時や設置時など、成形装置10の稼動を開始する前段階で行われてよい。その後は、成形装置10の定期メンテナンスや、1日の稼動が終了した後や、1日の稼動を開始する前などに、逆通電による磁化が行われてよい。
磁化工程が行われることで、図6(a)に示すように、成形装置10の磁化された構造部材は、磁束MF3を発生する。当該磁束MF3は、通電加熱によって発生する磁束MF1とは反対方向に向いている。従って、成形工程が実行されたときには、通電加熱によって発生する磁束MF1と、逆通電によって磁化された構造部材による磁束MF3とが打ち消し合う。これによって、通電加熱時、金型13の周辺に発生する磁場が小さくなる。通電加熱時の漏れ磁場の発生が低減される。なお、通電加熱によってブスバー130A,130B周辺に発生する磁束も、逆通電によって磁化されたカバー136からの磁束で打ち消される。
上述のように、通電加熱で発生する磁束MFと、磁化工程で磁化された構造部材による磁束MF3とが打ち消し合うと、成形装置10の構造部材の磁化の度合いが弱まる。従って、当該磁化の度合いは、成形工程の通電加熱を繰り返すことで弱まってゆく。この場合、磁束MF1,MF3の打ち消し合いによる磁場の低減効果は少なくなるが、構造部材の磁化の度合いが弱まる点に注目して、次のような効果を得るようにしてよい。
成形装置10の課題として次のようなものがある。すなわち、成形工程を繰り返すことで、通電加熱による構造部材の磁化が徐々に促進され、当該磁化によって発生する磁束密度が大きくなりすぎると問題(例えば、金型13が移動してしまう等)を生じる場合がある。この点、本実施形態では、上述の磁化工程にて逆通電で構造部材を磁化するときは、発生する磁束密度(図6(a)の磁束MF3による磁束密度)の大きさが、問題の起きない程度の大きさになるようにしておく。このときの磁束密度の大きさを図7に示す。図7~図9では、色の濃さによって構造部材の磁束密度の大きさが示されている。ただし、図7~図9では、磁束の向きは反映されていない。
その後、成形工程を繰り返すと、構造部材の磁化の度合いが徐々に弱くなってゆくため、磁束密度が大きすぎることによる問題が起きにくい状態とすることができる。このときの磁束密度の大きさを図8に示す。更に、成形工程を繰り返すと、構造部材が略磁化されていない状態を経て、通電加熱による磁化の度合いが大きくなってゆく。このときの磁束密度の大きさを図9に示す。図9の構造部材が生じる磁束は、図7及び図8とは逆方向である。そして、通電加熱で磁化されたことによって発生する磁束の大きさが問題を生じる大きさとなる前段階で、再び逆通電による磁化工程を行う。
上述のような観点から、本実施形態に係る磁化工程を行うことで、構造部材の磁化による磁束密度が大きくなり過ぎることを防止するための対策の頻度を低減することができる。例えば、比較例に係る成形方法として、構造部材が磁化されていない状態から、成形工程を100回行ったら、通電加熱で磁化されたことによる磁束密度が大きくなり過ぎないように、構造部材の磁化を解消するための磁化対策処理を行うものを挙げる。これに対し、本実施形態に係る成形方法では、予め磁化工程を行い、成形工程90回分に相当する磁束密度の大きさとなるように、逆通電で構造部材の磁化を行う。このとき、成形工程を90回行うと、構造部材がほぼ磁化されていない状態となる。当該状態から更に成形工程を100回行うと、通電加熱で磁化されたことによる磁束密度が大きくなるため、再び磁化工程を行う。この場合、本実施形態では、磁化対策処理を行うまでに190回成形工程を行うことができ、比較例に係る成形方法よりも、磁化対策処理のための頻度を実質半分程度に抑えることができる。
ただし、磁化工程において、逆通電でどの程度磁化しておくか、及び磁化工程の頻度をどのように設定するかは、重視する目的に応じて、適宜調整してもよい。例えば、毎回の成形工程において、通電加熱時の漏れ磁場の低減効果が得られることを重視する場合、逆通電で磁化されたことによる磁束密度がある程度低くなった時点で、再び磁化工程を行ってよい。上述の成形工程の回数を用いた例では、成形工程90回に至る前に、磁化工程を行う。あるいは、磁化工程の頻度を低減することを重視する場合、磁化工程での逆通電による磁化をなるべく進行させておき、次の磁化工程のタイミングも、問題が生じない範囲でなるべく遅らせることが好ましい。あるいは、構造部材の磁化(通電加熱及び逆通電の両方による磁化)による磁束密度が高くなりすぎないことを重視する場合、磁化工程での逆通電による磁化の進行をある程度のところでとどめておき、次の磁化工程のタイミングも、通電加熱による磁化がある程度進行した段階で行ってよい。上述の成形工程の回数を用いた例では、磁化工程での磁束密度は成形工程50回分程度にとどめておき、成形工程を50回行って構造部材が略磁化されていない状態となったら、当該状態から更に行う成形工程を50回程度にとどめておく。
図10を参照して、本実施形態に係る成形方法の処理内容について説明する。図10は、本実施形態に係る成形方法の処理内容を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、制御部70によって繰り返し実行される処理である。ただし、一部の処理において、作業者による作業が介在してもよい。
図10に示すように、制御部70は、通電加熱部50を制御して、通電加熱で発生する磁束とは逆向きの磁束によって、成形装置10の構造部材が磁化された状態とする磁化工程を実行する(ステップS10)。次に、制御部70は、成形装置10の各機構を制御して、成形工程を実行する(ステップS20)。このとき、金属パイプ材料14の通電加熱が行われる。
次に、制御部70は、構造部材に対して逆通電による磁化が必要か否かを判定する(ステップS30)。判定基準は特に限定されず、例えば成形工程の回数に対して予め閾値(例えば、経験的な設定回数を考慮してよい)を設けて判定を行ってもよく、構造部材の所定位置の磁束密度を測定して判定を行ってもよく、ホール素子を用いた磁気センサや、成形品への影響を判断してもよい。ステップS30において、磁化が必要であると判定された場合、制御部70は、通電加熱部50を制御して、通電加熱で発生する磁束とは逆向きの磁束によって、成形装置10の構造部材が磁化された状態とする磁化工程を実行する(ステップS40)。ステップS30において、磁化が必要ないと判定された場合、後述のS50へ移行する。
次に、制御部70は、成形装置10の稼働を終了するか否かを判定する(ステップS50)。ここでは、制御部70は、金属パイプの製造本数が目標に達したか否かを判定してよく、または稼働の終了時刻に達したかなどを判定してよい。ステップS50において、成形装置10の稼働が継続されると判定された場合、ステップS20へ移行する。ステップS50において、成形装置10の稼働が終了すると判定された場合、図10に示すフローチャートが終了する。
本実施形態に係る成形方法の作用・効果について説明する。
この成形方法は、成形工程における通電加熱で発生する磁束(図6(a)の磁束MF1)とは逆向きの磁束(図6(b)の磁束MF2)によって、成形装置10の構造部材が磁化された状態とする磁化工程を有する。この磁化工程を行うことで、構造部材は、通電加熱時に金型13付近で発生する磁束とは逆向きの磁束(図6(a)の磁束MF3)を発生するように磁化される。このように、成形工程の前段階で予め構造部材を磁化しておくことで、複数回実行される成形工程では、通電加熱によって発生する磁束と、磁化された構造部材による磁束とが、互いに打ち消し合うように作用する(図6(a)参照)。従って、通電加熱時における漏れ磁場が低減される。また、通電加熱で発生する磁束と逆向きの磁束で予め構造部材を磁化しておくことで、成形工程を繰り返し行った場合、通電加熱による磁束で構造部材の磁化が緩和される状態へ進行する(図7から図8へ示す状態)。すなわち、繰り返しの成形工程によって構造部材の磁化が大きくなりすぎることを抑制できる。以上により、通電電加熱時の漏れ磁場の影響を低減できる。
成形方法において、磁化工程では、成形装置の通電加熱部50にて、金属部材に対して、成形工程での通電加熱とは逆向きに電流を流すことにより、構造部材を磁化してよい。この場合、通電加熱部50とは別の電源装置などを用いなくとも、磁化工程を実行することができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、図11に示すように、逆通電を行うための専用の電源装置180を設けてもよい。また、磁場の発生の影響によって磁化される範囲を限定できるように、例えば図11に示すように、磁場を遮蔽する遮蔽板191,192などの磁性体を配置してもよい。
例えば、下側ベース部、上側ベース部、及び柱部の形状や配置は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更してよい。また、柱部の本数も特に限定されず、五本以上の柱部が設けられてもよい。また、金型、通電加熱部、気体供給部、その他の構成要素の形状や配置も適宜変更してよい。