JP7140954B2 - 立体表示装置、立体表示方法、および、立体表示プログラム - Google Patents

立体表示装置、立体表示方法、および、立体表示プログラム Download PDF

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Description

本発明は、立体表示装置、立体表示方法、および、立体表示プログラムに関する。
従来、結像光学素子を利用して、空中に被観察物の実像(実鏡映像)を結像させて、観察者が見ることができるようにした表示装置が提案されている。
例えば、特許文献1,2では、マイクロミラーアレイなどの結像光学素子に対して、一面側にフラットパネルディスプレイを配置して、他面側の空間に斜め状に立ち上がる平面的な空間像として結像させる表示装置が開示されている。
また、非特許文献1では、フレネルレンズ、LCD、透明液晶ディスプレイを用いて、裸眼で運動視差を提示可能な空中投影型裸眼立体ディスプレイについて開示している。
特開2014-126683号公報 特開2014-106354号公報
Nii, Hideaki, et al. "Fuwa-Vision: an auto-stereoscopic floating-image display." SIGGRAPH Asia 2012 Emerging Technologies. ACM, 2012.
しかしながら、特許文献1,2等の従来の結像光学素子を用いた表示装置は、一方の面側に配置されたディスプレイの平面画像を、多方面に平面的に結像させるのみであり、立体表示ではない、という問題点を有していた。
また、非特許文献1等の従来の立体表示装置では、視差を発生させて裸眼での立体表示が可能であるものの、大型化を図ろうとすると、フレネルレンズ等のレンズ機構の収差によって映像に歪みが生じ、シームレスな立体表示ができない、という問題点を有していた。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、裸眼で観察でき、収差の発生しない、立体表示装置、立体表示方法、および、立体表示プログラムを提供するものである。
このような目的を達成するため、本発明の立体表示装置は、一面側の像を他面側の空間に結像させる結像光学素子と、前記一面側において配置された、少なくとも右目用および左目用の複数の像を表示しうる透過型ディスプレイと、さらに前記一面側において配置された、左右の目の位置に光学的に対応するように離隔しうる、複数の光源と、を少なくとも備えたことにより、前記他面側において右目用および左目用に異なる像を切り替えて結像させて両眼視差を発生させることを特徴とする。
また、本発明の立体表示装置は、上記の立体表示装置において、前記結像光学素子は、マイクロミラーアレイであることを特徴とする。
また、本発明の立体表示装置は、上記の立体表示装置において、左右の目の位置を計測するためのモーションキャプチャ装置を更に備えたことを特徴とする。
また、本発明の立体表示装置は、上記の立体表示装置において、前記光源の発光面は、前記他面側に結像される像が、一方の目には入射するが他方の目には入射しない程度の幅であることを特徴とする。
また、本発明の立体表示装置は、上記の立体表示装置において、前記他面側の空間に結像可能な焦点より目の位置が離れている場合には、前記幅を狭めることを特徴とする。
また、本発明の立体表示装置は、上記の立体表示装置において、前記複数の光源は、多層構造として立体的に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の立体表示方法は、一面側の像を他面側の空間に結像させる結像光学素子と、前記一面側において配置された、複数の像を表示しうる透過型ディスプレイと、さらに前記一面側において配置された、左右の目の位置に光学的に対応するように離隔しうる、複数の光源とを備えた立体表示装置において実行される立体表示方法であって、両眼のうち一方の目の位置に光学的に対応する前記光源を点灯する場合には、前記透過型ディスプレイにおいて一方の目用の像を表示させるステップと、他方の目の位置に光学的に対応する前記光源を点灯する場合には、前記一方の目用の像と両眼視差を有する他方の目用の像を表示させるステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明の立体表示プログラムは、一面側の像を他面側の空間に結像させる結像光学素子と、前記一面側において配置された、複数の像を表示しうる透過型ディスプレイと、さらに前記一面側において配置された、左右の目の位置に光学的に対応するように離隔しうる、複数の光源とを備えた立体表示装置に実行させるための立体表示プログラムであって、両眼のうち一方の目の位置に光学的に対応する前記光源を点灯する場合には、前記透過型ディスプレイにおいて一方の目用の像を表示させるステップと、他方の目の位置に光学的に対応する前記光源を点灯する場合には、前記一方の目用の像と両眼視差を有する他方の目用の像を表示させるステップと、を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、裸眼で観察でき、収差の発生しない、立体表示を行うので、大型化する場合であってもシームレスな立体表示を行うことができる、という効果を奏する。
図1は、本願発明者らにより本発明の一実施形態として考案された構成の一例を示す図である。 図2は、本実施の形態が適用される立体表示装置100の構成の一例を示すブロック図である。 図3は、本実施の形態の立体表示装置100における処理の一例を示すフローチャートである。 図4は、本実施の形態の一例として実装した実施例の外観を示す図である。 図5は、実装したプロトタイプ2台を横に並べ、それら2台にまたがった3D映像を表示した写真を示す図である。 図6は、本実施例の構成における実験環境を示した写真図である。 図7は、本実施例の構成における実験環境を上から見た模式図である。 図8は、本実施例の構成における実験結果を示す図である。
以下に、本発明の本実施の形態にかかる立体表示装置、立体表示方法、および、立体表示プログラム、並びに、記録媒体の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。たとえば、以下の実施の形態においては、結像光学素子としてマイクロミラーアレイを用いた例を説明する場合があるが、本発明はこれに限られず、空中結像する光学素子であれば、その他の光学素子を用いてもよいものである。一例として、ハーフミラーと再帰性反射材を利用した、再帰性投影技術やAIRR等を用いてもよいものである(たとえば、AIRRについて、Hirotsugu Yamamoto,Shiro Suyama “Aerial imaging by retro-reflection (AIRR)” SID 2013 DIGEST 895,https://www.researchgate.net/publication/264687832_Aerial_imaging_by_retro-reflection_AIRR等を参照。たとえば、再帰性投影技術について、「触れる多視点裸眼立体ディスプレイ「RePro3D」を開発―実空間に投影されたキャラクターと触れ合える立体ディスプレイ―」平成22年10月12日,http://www.jst.go.jp/pr/announce/20101012/index.html等を参照)。
以下、まず、本発明の実施形態が考案された背景と概要について説明し、その後、本実施の形態の構成および処理等について詳細に説明する。
[本実施形態の背景と概要]
SFなどの世界では、ビルの壁面や店頭のショーウィンドウから大きな立体映像が現実空間に投影され、利用者がその立体映像に直接手で触れてインタラクションする世界が度々描かれてきた。近年、数多く存在する立体ディスプレイの研究により、立体ディスプレイが映画やゲームへ導入されていく一方で、ショーケースやビルの壁面への導入は少なく、これに対する一般的な手法はまだ確立されていなかった。店頭のショーケースやビルの壁面のような公共空間への導入には、大型立体ディスプレイであることに加えて、裸眼立体視できることや、設計や構築を容易にすることによるコスト軽減などが実現されることが望ましい。
ここで、実際に現在店頭のショーケースやビルの壁面へと導入されている2Dディスプレイであるデジタルサイネージを考えると、1台の大型ディスプレイを店頭や壁面へと設置しているのではなく、大量生産された小型ディスプレイを複数台タイリングすることによって、1台の大型ディスプレイとして構築し使用している場合も多い。これは他の用途でも使用可能な大量生産された小型ディスプレイを使用することによってコストを削減しているだけでなく、運搬のしやすさによる設置コストの削減、目的や設置場所に応じてタイリングするディスプレイの数を変更するだけで形やサイズを変更できる設計及び実装の容易性などのメリットが存在するからである。
そこで、本願発明者らは、このデジタルサイネージの設計手法を、空中投影型裸眼立体ディスプレイに適用して、拡張性を有する空中投影型裸眼立体ディスプレイを実現することを鋭意検討した。本願発明者らは、鋭意検討の結果、拡張性を有する空中投影型裸眼立体ディスプレイの設計及び実装等の本願発明にかかる実施形態を考案するに至った。
ここで、これまでの従来の空中投影型裸眼3Dディスプレイについて説明する。従来、利用者と立体映像が直接インタラクションすることに焦点を当てた裸眼立体ディスプレイの研究は多く存在する。たとえば、掛谷らは、LCD,フレネルレンズ,偏光フィルタを用いて空中へ裸眼立体映像を投影することに成功している([1]:Kakeya, Hideki. “P-65: FLOATS V: Real-Image-Based Autostereoscopic Display with TFT-LC Filter.” SID Symposium Digest of Technical Papers. Vol. 35. No. 1. Blackwell Publishing Ltd, 2004.)。
また、2010年には、吉田らによって、利用者の手で3D映像を直接インタラクションすることを目的としたRePro3Dが開発されている([2]:Yoshida, Takumi, et al. “RePro3D: Full-parallax 3D display with haptic feedback using retro-reflective projection technology.” VR Innovation (ISVRI), 2011 IEEE International Symposium on. IEEE, 2011.)。これは再帰性投影技術を応用することで、実空間中へ重畳表示可能な裸眼立体映像を生成するシステムであり、同時に触覚提示も行う視触覚ディスプレイである。
また、2011年に、吉田らは、マルチプロジェクタとすり鉢状のスクリーンを用いて、テーブル中央に全周囲から観察可能な裸眼3D 映像を空中投影するfVisiOnを開発している([3]:Yoshida, Shunsuke. “fVisiOn: Glasses-free tabletop 3-d display-its design concept and prototype.” Digital Holography and Three-Dimensional Imaging. Optical Society of America, 2011.)。
さらに、2012年には、新居らが、フレネルレンズ,LCD,透明液晶ディスプレイを用いて、解像度を低下させずに運動視差を提示可能な空中投影型裸眼立体ディスプレイFuwa-Visionを提案した([4]:Nii, Hideaki, et al. “Fuwa-Vision: an auto-stereoscopic floating-image display.” SIGGRAPH Asia 2012 Emerging Technologies. ACM, 2012.)。
また、大型化のためのタイリング3Dディスプレイとしては、1992年にCAVEを開発した1人であるDefantiが、複数台の立体ディスプレイを接続することによって1台で表示できる大きさを超えた大きな映像を表示することのできる、拡張性を有する立体ディスプレイを開発した([5]:DeFanti, Thomas A., et al. “The future of the CAVE.” Central European Journal of Engineering 1.1 (2011): 16-37.).これは市販のシャッターグラス方式の立体ディスプレイもしくは、レンチキュラー方式の裸眼立体ディスプレイを複数並べたものである。
さらに、2014年には、上田らによって、HaptoMIRAGEが開発された([6]:Ueda, Yuta, et al. “HaptoMIRAGE: mid-air autostereoscopic display for seamless interaction with mixed reality environments.” ACM SIGGRAPH 2014 Posters. ACM, 2014.)。これは裸眼立体映像を空中に表示するモジュールを3台繋げることで複数人対応でき、広視野角を実現している。2014年に高木らは裸眼立体ディスプレイモジュールを複数台組み合わせることで1台では表示することのできない大きなサイズの裸眼立体映像を空中へ投影することに成功している([7]:Takaki, Yasuhiro, Masayuki Tokoro, and Kenji Hirabayashi. “Tiled large-screen three-dimensional display consisting of frameless multi-view display modules.” Optics express 22.6 (2014): 6210-6221.)。
このように、従来さまざまな立体ディスプレイが開発されているものの、従来のいずれの技術も、上述したような大型化のための拡張性を有する空中投影型裸眼立体ディスプレイを実現できていない、という問題があった。
すなわち、本願発明者らは、鋭意検討の結果、上記で提案した拡張性を有する空中投影型裸眼立体ディスプレイを実現するためには、いくつかの要件が存在することを想到した。1.まず、公共空間で広告表示などに使用するためには、観察者にとって使用障壁の低い仕組みが望ましい。つまり、特殊なメガネをかけなくても観察できる、裸眼立体ディスプレイが望まれる。2.次に、利用者が表示された3Dオブジェクトと手で直接インタラクションするためには、利用者の手と3D映像の間に視覚的な違和感が少ないことが望ましい。多くの裸眼立体ディスプレイでは、両眼視差及び輻輳を実現しているが、水晶体の調整を実現している研究は少ない。3.しかし、利用者の手と3D映像の間の視覚的な違和感を軽減するためには水晶体の調整も考慮しなければ、3D映像と自分の手の位置関係に違和感を覚えてしまうため軽減する必要があると考えられる。
4.次に,モジュールとして拡張性を有するためには複数台のモジュールにまたがる映像がシームレスに繋がることが望まれる。具体的には、4.モジュールの端まで映像が表示されていることや、5.モジュールの端の映像が歪まないことが挙げられる。さらに、モジュールをタイリングしていくということは、利用者はタイリングされていくモジュールを斜めから見ることになる。6.つまり、モジュールの広い視野角も要件として含まれる。
7.最後に、複数台をタイリングすることにより1台の大きなディスプレイとして使用するためには、1台では表示することが難しい大きなサイズの映像を表示することを要件として含める。これらの要件をまとめると以下となる。
1. 裸眼立体ディスプレイであること
2. 立体映像の輻輳と調整に違和感が生じないこと
3. 利用者の手が届く位置へ映像を表示できること
4. モジュールの端まで映像が表示されること
5. モジュールの端で映像が歪まないこと
6. 斜めからも見える広い視野角を有していること
7. 1台では表示することが難しい大きなサイズの映像を表示可能であること
既存研究において,Fuwa-Vision[3]やHaptoMIRAGE[6]は、上記要素1,2まで実現できていた。Defantiらの研究[5]では、要素1,5,6,7まで実現していた。高木らの研究[7]では、要素1,2,4,7まで実現していた。要素4,5,6に関しては、タイリングする位置毎にモジュールの設計を変更しているため、同一の設計のモジュールでは実現できていなかった。そこで、本願発明者らは、鋭意検討を行い、上記の要素すべてを満たす実施形態としてシステムを設計・実装するに至った。
この実現のための大きな課題は、要素3と要素5,6,7との両立であった。要素1,2は多くの研究でレンズを使用することにより達成可能であることが示されていた。しかしながら、レンズを使用すれば光学的な収差が発生してしまう。主な収差の強さは入射光の角度及び有効口径の大きさに大きく依存することが知られており、大型化のため拡張可能なシステムを構築しようとして、拡張構成単位のモジュールの端まで映像を表示するとなると、レンズの有効口径が大きくなり必然的に収差が発生する。また、モジュールの広い視野角を実現するということは入射光の角度が大きくなることを意味し、さらに利用者はモジュールの光軸上には存在しないことを指す。
つまり、要素1,2を実現しようとレンズを使用すると、要素4,6によって強い収差が発生する。このとき収差は複数発生するため、利用者の動的に変化する視点位置に応じてこれらをリアルタイムで歪みを補正することは非常に困難となる。そのため、映像がゆがみ要件5を満たすことが難しくなる。
ここで、上述した従来の既存研究において、レンズが担っていた機能は、ディスプレイの実像を空中に投影する機能と、ディスプレイから放射された光を利用者の単眼のみに届くように制御する機能との2つである。この機能を代替するため、本願発明者らは、ディスプレイの実像を空中に投影する機能を有している光学素子として、近年のMEMS技術によって量産が可能となったマイクロミラーアレイを一実施形態として用いることに想到した。
マイクロミラーアレイは、レンズではなくミラーによって構成されるため、収差が発生しないという大きなメリットがある。本願発明者らは、鋭意検討の結果、一実施の形態として、このマイクロミラーアレイを用いることで、ディスプレイの実像を生成するだけでなく、ディスプレイから放射される光線を利用者の単眼のみに届くように制御できる構成を考案するに至った。ここで、図1は、本願発明者らにより本発明の一実施形態として考案された構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態のシステム構成は、モーショントラッキングを行うモーションキャプチャ装置112、マイクロミラーアレイ111、透明液晶ディスプレイ等の透過型ディスプレイ114、光源116から構成される。マイクロミラーアレイ111は、ある空間的な点から放射された光を、線対称である空間点へと結像する機能を有する光学素子である。すなわち、マイクロミラーアレイ111は、透過型ディスプレイ114および光源116の実像が、図1の3Dオブジェクトのように、それぞれ空中の位置に結像される。このとき、光源116から生じる光が微小領域であった場合は、光源116からの放射光が透過型ディスプレイ114を通過して線対称である点に収束するため、利用者の目がその光線上に存在すれば透過型液晶ディスプレイ114で表示されている映像が見えるが、利用者の目がその光線上に存在しない場合は透過型ディスプレイで表示されている映像を見ることはできない。
ここで、光源116からマイクロミラーアレイ111に対して線対称となる、光線上の焦点に左右の目が位置するように、利用者の頭部を固定する器具を用いてもよい。本実施の形態では、一例として、モーションキャプチャ装置112を用いて、利用者の両眼の位置を取得し、その利用者の右目の位置に応じて光源の照射領域を計算・照射し、透過型ディスプレイ114で右目用の映像を表示する。その結果、透過型ディスプレイ114によって表示された右目用映像が空中結像し利用者の右目のみに入射することとなる。その後同様にして、左目の位置に合わせた光源116の照射領域を計算・照射し、透過型ディスプレイ114で左目用の映像を表示することで、空中結像した左目用映像が利用者の左目のみに入射する。たとえば、光源116の発光面は、図1に示すように、結像される像が、一方の目には入射するが他方の目には入射しない程度の幅を有してもよい。本実施の形態では、これらを高速で切替て表示することにより、両眼視差を生成し空中映像の裸眼立体視を実現する。
このように、本実施の形態では、映像の空中結像のためにミラーを使用しているため、モジュール端の映像に収差が発生せずモジュール間の映像がシームレスにつながる、という効果がある。これにより、収差のない裸眼立体ディスプレイをシームレスにつなげて拡張することができるので、例えば、公共空間等における利用障壁を軽減し、空中投影型によって利用者とバーチャル物体の直接的なインタラクションを可能にし、デジタルサイネージの設計手法である拡張性によって導入コストを軽減することが可能となる。
なお、上記の本発明の実施の形態の概要においては、利用者が一人であることを前提として説明を行ったが、これに限られず、複数のn人の利用者の左右の目の位置に対応するように、光源116をn×2回切り替えてもよい。また、図1を用いた説明では、光源116がパネル状の面的な光源であるように図示したが、これに限られず、光源を立体的に配置してもよい。たとえば、透過型の平面光源を多層に積層して立体構造としてもよい。このように配置することで、利用者の顔がマイクロミラーアレイに対して正対しておらず、斜め方向から観察する場合であっても、傾いた左右の目に対して線対称に位置する、対応する光源を点灯させて裸眼立体表示を行うことが可能となる。なお、光源の配置には限度があるので、必ずしも光源から線対称の位置に利用者の視点があるとは限らない。そのような場合には、光源の発光面の幅を狭めることによって、両目に入射されることを防いでもよい。
[本実施の形態の構成]
つづいて、本発明にかかる一実施形態の構成について以下に説明する。まず、本実施の形態の立体表示装置100等の構成について説明する。図2は、本実施の形態が適用される立体表示装置100の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本実施の形態に関係する部分を中心に概念的に示している。
図2において、立体表示装置100は、概略的に、立体表示装置100の全体を統括的に制御するCPU等の制御部102、モーションキャプチャ装置112や透過型ディスプレイ114や光源116に接続される入出力制御インターフェース部108、および、各種のデータベースやテーブルなどを格納する記憶部106を備えて構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
記憶部106に格納される各種のデータベースやテーブル(例えば、3Dオブジェクトファイル106a等)は、SRAM(Static Random Access Memory)等を用いて構成される小容量高速メモリ(例えば、キャッシュメモリ)等や、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の固定ディスク装置等のストレージ手段であり、各種処理に用いる各種のプログラムやテーブルやファイルやデータベース等を格納する。
このうち、3Dオブジェクトファイル106aは、少なくとも両眼視差を有する左右の目用の像データ(3Dオブジェクトデータ等)を記憶する価格記憶手段である。例えば、3Dオブジェクトファイル106aは、左右の目用の一対の映像データを記憶してもよく、どのような視線方向からも表示可能な3Dオブジェクトデータを記憶してもよい。なお、3Dオブジェクトファイル106aに記憶されるデータは、インターネット等のネットワークを通じて、適時にダウンロードしたデータであってもよい。
このほか、記憶部106は、利用者の目の位置と光学的に対応する、例えばマイクロミラーアレイ111を介して線対称となる位置の、光源116を対応付けたテーブル等を記憶してもよいものである。
また、図2において、入出力制御インターフェース部108は、モーションキャプチャ装置112や透過型ディスプレイ114や光源116等の制御を行う。
モーションキャプチャ装置112は、利用者の顔や目の位置をトラッキングする動作認識手段である。例えば、モーションキャプチャ装置112は、カメラ等を用いた、公知の顔認識技術や、公知の視点位置認識技術等を用いて利用者の目の位置を検出してもよい。モーションないしジェスチャーは、物理空間における利用者の位置および動きから得ることができ、目や顔の動き、または静止姿勢というような、動的または静的な、任意の利用者の動きを含むことができる。本実施の形態の一例として、モーションキャプチャ装置112において、カメラのようなキャプチャ・デバイスが、ユーザ画像データを取り込み、このユーザ画像データから、利用者のモーションやジェスチャー(1つまたは複数)を認識してもよい。より具体的には、モーションキャプチャ装置112は、コンピュータ環境を使用して、利用者の三次元物理空間において利用者によって行われた顔や目のモーションを認識および分析し、解釈した利用者の動作データや属性データ等または解析前ローデータを、立体表示装置100の制御部102に送信してもよい。
公知の顔認識手段や視点位置認識手段の一例として、マイクロソフト社製Xbox One用モーションセンサのKinectセンサを用いてもよい。Kinect技術によれば、全身骨格のスケルトン動作データや、顔の位置データを得ることができる。なお、公知のモーションセンサでは、センサ内臓の制御手段を用いて人物の動きや属性が解析されるか、あるいは、接続されたコンピュータの制御手段にて人物の動きや属性が解析されるが、本実施の形態はいずれであってもよく、例えば、これら解析機能を、立体表示装置100の制御手段(視点位置計測部102a等)により実現してもよく、モーションキャプチャ装置112内部の制御手段により実現してもよく、あるいは両者の制御手段により分担して解析機能を実現してもよい。
また、透過型ディスプレイ114は、透過される光を変調することにより表示可能な表示手段であって、例えば、透過型液晶ディスプレイ、透明液晶ディスプレイ、液晶パネル、透過型LCD(transparent liquid crystal display)等である。なお、本実施の形態において、一人あるいは複数人のそれぞれの目に向けて像を切り替えるために、応答時間が短く、駆動周波数、フレームレートの高いディスプレイが望ましい。たとえば、480Hzのディスプレイを用いれば、一人当たりに120Hzを割り当てて、最大4人で裸眼立体表示を実現することができる。
また、光源116は、左右の目の位置に光学的に対応するように離隔しうる、複数の光源である。たとえば、利用者が一人の場合は、少なくとも2つの点光源である。その際は、マイクロミラーアレイ111に対して、2つの点光源から線対称の位置に、利用者の両目を位置付けるため頭部の固定器具等が望ましい。ここで、光源116は、有機ELパネル等の面光源でもよく、その場合、利用者は、上下左右に移動できる平面的な自由度を得ることができる。さらに、光源116は、光源LED等を立体アレイとなるよう配置してもよく、その場合、利用者は、上下左右の平面的な自由度に加え、前後方向へも移動できる三次元方向の自由度や、顔を傾ける回転の自由度を得ることができる。
また、図2において、制御部102は、OS(Operating System)等の制御プログラム、各種の処理手順等を規定したプログラム、および所要データを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行うCPU等のプロセッサである。本実施形態において、制御部102は、機能概念的に、視点位置計測部102a、透過表示制御部102b、および、光源制御部102cを備えて構成されている。
このうち、視点位置計測部102aは、利用者の左右の目の位置を計測ないし推定する視点位置計測手段である。たとえば、視点位置計測部102aは、上述したモーションキャプチャ装置112による顔認識により顔の位置が得られた場合に、顔の位置と向きとにより、左右それぞれの目の位置を計測ないしは推定してもよい。また、視点位置計測部102aは、上述したモーションキャプチャ装置112による視点認識により、視点位置そのものが得られた場合は、それを利用者の左右の目の位置として取得してもよい。このほか、視点位置計測部102aは、カメラ等のモーションキャプチャ装置112によって、一人または複数の利用者の画像データが得られた場合には、公知の顔認識手法や公知の目認識手法を用いて、それぞれの利用者の左右の目の位置を認識してもよいものである。
また、透過表示制御部102bは、利用者の左右それぞれの目用に像を切り替えて表示する表示制御手段である。ここで、透過表示制御部102bは、3Dオブジェクトファイル106aに予め左右それぞれの目に対応する、一組の画像データ(映像データ等)が記憶されている場合は、その画像を切り替えて表示する。一方、透過表示制御部102bは、3Dオブジェクトファイル106aに、立体的なオブジェクトデータが記憶されている場合は、視点位置計測部102aにより取得された左右の目の位置に応じて、見えるべき像をオブジェクトデータから抽出して切り替え表示を行ってもよい。なお、時分割表示により複数人が同時に観ることができるように、透過表示制御部102bは、透過型ディスプレイ114の動作周波数を複数人に割り当てて、対応する像を切り替え表示してもよいものである。
また、光源制御部102bは、利用者の左右の目の位置に光学的に対応するように離隔しうる、複数の光源116を制御する光源制御手段である。たとえば、光源制御部102bは、透過表示制御部102bが右目用の位置に対応する画像を表示している場合には、右目の位置に対応する光源を点灯させ、一方、左目用の位置に対応する画像を表示している場合には、左目の位置に対応する光源を点灯させてもよい。なお、光源116を点灯させる際の発光面は、他面側に結像される像が、一方の目には入射するが他方の目には入射しない程度の幅であることが望ましい。ここで、利用者の頭部を固定していない場合には、上述したモーションキャプチャ装置112により得られた左右の目の位置に対応する光源を選択して点灯させてもよい。なお、光源の配置の限界で、対応する光源がなく、空間に結像可能な焦点より目の位置が離れている場合には、上述の発光面の幅を狭めてもよい。これにより、焦点に目の位置が合っておらず、像がぼやける場合であっても、両目に同じ像が入射することを防ぐことができる。なお、時分割表示により複数人が同時に観ることができるように、光源制御部102cは、透過型ディスプレイ114の動作周波数を複数人に割り当てて、対応する像を切り替え表示してもよいものである。
なお、立体表示装置100は、3Dオブジェクトデータや立体表示オブジェクトプログラム等の外部プログラム等を提供する外部機器と、インターネット等のネットワークを介して通信可能に接続して構成されてもよい。また、この立体表示装置は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、ネットワークに通信可能に接続されてもよい。
以上で、本実施の形態の立体表示装置の各構成の説明を終える。
[立体表示処理]
次に、このように構成された本実施の形態における立体表示処理の一例について、以下に図3を参照して詳細に説明する。ここで、図3は、本実施の形態の立体表示装置100における処理の一例を示すフローチャートである。
図3に示すように、まず、本立体表示装置100は、視点位置計測部102aの制御により、利用者の左右の目の視点位置を計測する(ステップSA-1)。ここで、複数の利用者がいる場合は、視点位置計測部102aは、それぞれの利用者の視点位置を計測してもよい。
そして、本立体表示装置100は、透過表示制御部102bの制御により、透過型ディスプレイ114において右目用画像が表示されるよう制御する(ステップSA-2)。
そして、本立体表示装置100は、光源制御部102cの制御により、視点位置計測部102aにより計測された右目の位置に光学的に対応する光源116が点灯するよう制御する(ステップSA-3)。
そして、本立体表示装置100は、透過表示制御部102bの制御により、透過型ディスプレイ114において左目用画像が表示されるよう制御する(ステップSA-4)。
そして、本立体表示装置100は、光源制御部102cの制御により、視点位置計測部102aにより計測された左目の位置に光学的に対応する光源116が点灯するよう制御する(ステップSA-5)。
以上のステップSA-2~SA-5の処理により、利用者の左右それぞれの目に、両眼視差を伴う異なる像の光が入射することとなる。なお、ステップSA-1において、複数の利用者の視点位置が認識された場合は、二人目の利用者のために、ステップSA-2~SA-5と同様の処理を繰り返してもよい。
そして、立体表示装置100は、終了と判定しない場合(ステップSA-6:NO)、継続して利用者の目に画像や映像が結像するように以上の処理を繰り返し、終了指示があった場合や映像がなくなった場合等に終了と判定して(ステップSA-6:YES)処理を終える。
以上が、本実施形態における立体表示装置100の処理の一例である。これにより、裸眼で観察でき収差の発生しない立体表示を行うので、大画面化のために拡張した場合等であっても、各利用者のためにシームレスな立体表示を実現することができる。
以上で、本実施の形態の立体表示装置100の処理の一例の説明を終える。
[実施例]
つぎに、本実施の形態の一例として実装した実施例について説明する。ここで、図4は、本実施の形態の一例として実装した実施例の外観を示す図である。実施形態の概要にて上述した設計に基づいて実装したプロトタイプとして、モーショントラッキングシステムとしてMicrosoft社製Kinect v2を使用した。空中投影型裸眼立体ディスプレイモジュールを構成する光源は、ASUS社のVG248QE 24inch 1920x1080を用いた。また、透明液晶ディスプレイは、同じくASUS社のVG248QE 24inch 1920x1080を分解して液晶のみを取り出して使用した。
また、マイクロミラーアレイは、アスカネット社のAIP-B488S05Gを使用し、ディスプレイモジュールは2台実装した。なお、図4は、モジュール1台の外観である。また、透明液晶ディスプレイと光源として使用する液晶ディスプレイの走査タイミングのずれによるクロストークを防ぐため、透明液晶ディスプレイおよび光源の表示は1フレーム毎に全面黒の画面を挿入し、右目用画面→黒画面→左目用画面→黒画面→右目用画面→…という順番で描画する。図5は、実装したプロトタイプ2台を横に並べ、それら2台にまたがった3D映像を表示した写真を示す図である。
1.実験目的
以上の実施例の構成のもとに、本実験では、提案した裸眼立体ディスプレイモジュールが拡張性を有しているかを確認した。拡張性を有しているのであれば、2台のモジュールにまたがる映像を表示した際に、ユーザがそれを3D映像として認識できるはずである。そこで、モジュールを2台横つなぎにしてモジュールの様々な箇所に3D映像を投影した。
ディスプレイ中心に表示された3D映像は両眼立体視できるため奥行きを知覚できるが、モジュール端に表示された3D映像、特に片目からは見えるがもう一方の目には映像が見えない箇所に表示された映像は、中央に表示された3D映像よりも奥行き知覚が低下すると予想される。一方で、拡張されたモジュール端側に表示された映像は、隣のモジュールの助力により両眼立体視が成立し、奥行き知覚が低下しにくくなると予想される。本実験で上記を実証し、提案した手法が拡張性を有していることを確かめた。
2.実験環境および実験手順
図6は、本実施例の構成における実験環境を示した写真図である。被験者は、図6の顎台に頭を乗せ頭部位置を固定する。頭部位置は、眉間が左側のディスプレイモジュールの中心にくるように設置し、左側のディスプレイを正面から観察できるようにした。左側のディスプレイ前面から被験者の眉間までの距離は977mmである。
図7は、本実施例の構成における実験環境を上から見た模式図である。図7に示す通り、実物体である縦15mm、横350mm、厚さ2mmの板をディスプレイ前面から345mmの距離に設置した。ディスプレイでは、2mm程度の立方体の3D映像を表示する。被験者はその3D映像が、実物体よりも手前にあるか奥にあるかを回答する。
実験条件は、3D映像の表示位置が奥行き方向に2種類(ディスプレイ前面から335,355mmの位置)と、ディスプレイモジュール前面の垂直方向を0°としたときの角度を5種類(-12°,-6°,0°,6°,12°)用意し、各組み合わせ合計10条件で実験を行った。それぞれの条件を5回ずつ行い、合計で50回の施行を行なった。また、3D映像のサイズが表示位置によって変化すると、それが奥行き知覚の手がかりになるため、表示位置によって変化しないように制御した。
3.実験結果及び考察
20代の男女5名を被験者として実験を行なった。図8は、本実施例の構成における実験結果を示す図である。正答率を比較した結果、-12°が最も正答率が低く58%となり、それ以外の4箇所の正答率は80%を超えた。-12°は拡張していないモジュール端であり、正答率がこの箇所でのみ低くなったことは、本実験の目的で推定したとおりであった。本実験結果は、2台のモジュールにまたがる映像を提示した時、隣り合うモジュールが奥行き知覚の低下を軽減していることを意味しており、本実施形態にかかる立体表示システムが拡張性を有することが確認された。
4.まとめ
本実施例により、複数台の空中投影型裸眼立体ディスプレイをタイリングすることによって、大型の空中投影型裸眼立体ディスプレイとして構築可能な拡張性を有する裸眼立体ディスプレイモジュールの設計およびプロトタイプの実装を行えることが確かめられた。実験を行った結果、モジュールをタイリングすることによって、モジュール端における奥行き分解能が向上したことから、モジュールを複数台タイリングすることによって1台の大きなディスプレイとして使用可能であることが実証できた。より大型の空中立体映像を利用者の手元に表示することも可能と考えられるので、視野角の拡大および各コンポーネント間の空間的な隙間の軽減をも行いうることが確かめられた。
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
例えば、立体表示装置100において、モーションキャプチャ装置112等の動作認識機能とともに、透過型ディスプレイ114や点光源116を介した制御機能等を、同一筐体で行うよう説明したが、これに限られず、これら機能を実現する別々の筐体にて実現されてもよいものである。すなわち、モーションキャプチャ装置や透過型ディスプレイ114や光源116等のシステムと、演算等を行う制御部の各機能は、機能負荷に応じて、あるいは任意の単位で、機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
たとえば、立体表示装置100は、スタンドアローンの形態で処理を行うよう説明したが、立体表示装置100は、ネットワークを通じて外部機器等のクライアント端末からの要求に応じて処理を行い、その処理結果を当該クライアント端末に返却し、クライアント端末にて立体表示を行うよう構成されてもよい。
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、立体表示装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、立体表示装置100の各装置が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサおよび当該プロセッサにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアプロセッサとして実現してもよい。尚、プログラムは、後述する、コンピュータに本発明に係る方法を実行させるためのプログラム化された命令を含む、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて立体表示装置100や外部機器200に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部106などには、OS(Operating System)と協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
また、このコンピュータプログラムは、立体表示装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD-ROM、MO、DVD、および、Blu-ray(登録商標)Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。プログラムが、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラム製品として本発明を構成してもよい。
記憶部106に格納される各種のデータベース等(3Dオブジェクトファイル106a等)は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
また、立体表示装置100は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。また、立体表示装置100は、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
以上詳述に説明したように、本発明によれば、裸眼で観察でき収差の発生しない立体表示を行うので、大画面化のために拡張した場合等であっても、各利用者のためにシームレスな立体表示を実現することができる、立体表示装置、立体表示方法、および、立体表示プログラム、ならびに、その記録媒体を提供することができる。
100 立体表示装置
102 制御部
102a 視点位置計測部
102b 透過表示制御部
102c 光源制御部
106 記憶部
106a 3Dオブジェクトファイル
108 入出力制御インターフェース部
111 マイクロミラーアレイ
112 モーションキャプチャ装置
114 透過型ディスプレイ
116 光源

Claims (6)

  1. 一面側の像を他面側の空間に結像させる結像光学素子と、
    前記一面側において配置された、少なくとも右目用および左目用の複数の像を表示しうる透過型ディスプレイと、
    さらに前記一面側において配置された、左右の目の位置に光学的に対応するように離隔しうる、複数の光源と、
    を少なくとも備えたことにより、前記他面側において右目用および左目用に異なる像を切り替えて結像させて両眼視差を発生させ、
    前記光源の発光面は、
    前記結像光学素子を介して 前記他面側に空中結像される前記右目用および左目用のうち一方の目用の像が、一方の目には入射するが他方の目には入射しない程度の幅であり、
    前記他面側の空間において、目の位置が、前記結像光学素子に対して前記光源の発光面と線対称な位置にない場合には、前記一方の目用の像が、一方の目には入射するが他方の目には入射しないように前記光源の発光面の幅を狭めることを特徴とする、立体表示装置。
  2. 請求項1に記載の立体表示装置において、
    前記結像光学素子は、
    マイクロミラーアレイであることを特徴とする、立体表示装置。
  3. 請求項1または2に記載の立体表示装置において、
    左右の目の位置を計測するためのモーションキャプチャ装置
    を更に備えたことを特徴とする、立体表示装置。
  4. 請求項1乃至3に記載の立体表示装置において、
    前記複数の光源は、
    多層構造として立体的に配置されていることを特徴とする、立体表示装置。
  5. 一面側の像を他面側の空間に結像させる結像光学素子と、前記一面側において配置された、複数の像を表示しうる透過型ディスプレイと、さらに前記一面側において配置された、左右の目の位置に光学的に対応するように離隔しうる、複数の光源とを備え、前記光源の発光面は、前記結像光学素子を介して前記他面側に空中結像される前記右目用および左目用のうち一方の目用の像が、一方の目には入射するが他方の目には入射しない程度の幅である立体表示装置において実行される立体表示方法であって、
    両眼のうち一方の目の位置に光学的に対応する前記光源を点灯する場合には、前記透過型ディスプレイにおいて一方の目用の像を表示させるステップと、
    他方の目の位置に光学的に対応する前記光源を点灯する場合には、前記一方の目用の像と両眼視差を有する他方の目用の像を表示させるステップと、
    を含み、
    前記各ステップにおいて、前記他面側の空間において、目の位置が、前記結像光学素子に対して前記光源の発光面と線対称な位置にない場合には、前記一方の目用の像が、一方の目には入射するが他方の目には入射しないように前記光源の発光面の幅を狭める ことを特徴とする、立体表示方法。
  6. 一面側の像を他面側の空間に結像させる結像光学素子と、前記一面側において配置された、複数の像を表示しうる透過型ディスプレイと、さらに前記一面側において配置された、左右の目の位置に光学的に対応するように離隔しうる、複数の光源とを備え、前記光源の発光面は、前記結像光学素子を介して前記他面側に空中結像される前記右目用および左目用のうち一方の目用の像が、一方の目には入射するが他方の目には入射しない程度の幅である立体表示装置に実行させるための立体表示プログラムであって、
    両眼のうち一方の目の位置に光学的に対応する前記光源を点灯する場合には、前記透過型ディスプレイにおいて一方の目用の像を表示させるステップと、
    他方の目の位置に光学的に対応する前記光源を点灯する場合には、前記一方の目用の像と両眼視差を有する他方の目用の像を表示させるステップと、
    を実行させるための立体表示プログラムにおいて、
    前記各ステップにおいて、前記他面側の空間において、目の位置が、前記結像光学素子に対して前記光源の発光面と線対称な位置にない場合には、前記一方の目用の像が、一方の目には入射するが他方の目には入射しないように前記光源の発光面の幅を狭めることを特徴とする、 立体表示プログラム。
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