JP7140625B2 - 超音波撮像装置、および、超音波画像の撮像方法 - Google Patents

超音波撮像装置、および、超音波画像の撮像方法 Download PDF

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Description

本発明は、超音波を用いて被検体内の画像を撮像する超音波撮像装置に関する。特に、複数の集束ビームを送信し、得られた信号を送信間合成する超音波撮像装置に関する。
超音波撮像装置とは、被検体に超音波を送信し、被検体内での伝搬過程で生じる反射波を受信することで受信信号を得て、この受信信号を処理して画像を生成するものである。以下、超音波撮像装置における典型的な送受信方法について簡単に説明する。複数の超音波素子がアレイ状に配列された探触子から、被検体に対して超音波ビーム(超音波ビーム)を送信し、被検体での伝搬過程で生じる反射波を探触子の複数の超音波素子により受信し、受信信号(電気信号)に変換する。超音波素子ごとに得られた受信信号は、撮像領域に設定した受信走査線上の複数の受信焦点(撮像点)に焦点を結ぶように整相処理する(受信ビームフォーミング)。この処理を、送受信位置を探触子上で移動(走査)させながら繰り返し、撮像領域について1枚の超音波画像(1フレーム)を生成するのに必要なすべての受信走査線上の受信焦点について整相信号を得る。各受信焦点についての整相信号を並べることにより、1フレームの超音波画像が得られる。この処理を時系列に繰り返した場合には、動画を形成することができる。通常、超音波ビームとしては、信号対雑音比(Signal-to-noise ratio(SNR))を向上させる観点から、被検体内で送信焦点を結ぶ集束ビームが用いられる。
一般に、超音波画像の分解能は、送受信時に撮像点に寄与する超音波素子数が多いほど向上するため、探触子を構成する超音波素子数を増加させ、1回の送受信で使用する超音波素子数(チャンネル(ch)数)を増加させればよい。しかしながら、1回の送受信で使用する超音波素子数を増加させると、超音波素子に送信信号を出力する送信回路および受信ビームフォーミングを行う受信回路の回路規模が増大し、装置コストの上昇を招いてしまう。加えて、1回の送信に使用するチャンネル数は、生体への安全性の観点(熱的作用指標(TI)および非熱的作用指標(MI))からも制限を受けるため、むやみに増加させることはできない。
そこで、1回の送信に使用するチャンネル数を増加させることなく、画像の分解能を向上させる撮像方法として、送信間開口合成が知られている(特許文献1、特許文献2、非特許文献1)。送信間開口合成は、送信開口内の超音波素子から超音波ビームを送信し、得られた受信信号をビームフォーミングして、複数の受信走査線上の撮像点の整相信号(低解像度イメージ(Low Resolution Image (LRI)))を得る動作を、送信開口をずらしながら複数回を行った後、複数の送信で同一撮像点について得られた整相信号をコヒーレントに加算することにより高解像度イメージ(High Resolution Image (HRI))を得る撮像方法である。これにより、1回の送信で使用するチャンネル数を増加させることなく、超音波画像の分解能を向上させることができる。
また、別の高画質化技術として、空間コンパウンド技術が知られている。空間コンパウンドは、一つの撮像点に対して異なる角度から複数の超音波ビームを送信し、超音波ビームごとに得られた受信信号を輝度情報に変換した後に合成することにより超音波画像を得る手法である(特許文献3、特許文献4)。空間コンパウド技術は、複数の異なる送信から取得される信号を合成するという点では送信間開口合成と共通であるが、送信間開口合成では位相成分をもつ整相信号をコヒーレントに合成するのに対し、空間コンパウンドは包絡線検波後の輝度情報をインコヒーレントに合成する点で異なる。
また、関連する技術として、特許文献5には、回路規模を低減しても、回路規模が大きい装置と同等の画質を確保することを目的とする超音波撮像装置が開示されている。この超音波撮像装置は、超音波ビームを被検体に送信し、発生した超音波エコーを受信開口内の超音波トランスデューサにより受信して、受信信号をメモリに格納する動作を、受信開口の位置を変えて複数回行い、複数の受信開口から得られた受信信号をメモリから読み出して受信ビームフォーミングする。これにより、受信回路の数は、受信開口内の超音波トランスデューサと同数まで低減でき、しかも、複数の受信開口から得られた受信信号をビームフォーミングに用いることができるため画質を確保することができる。
特開昭62-47348号公報 特開平10-277042号公報 特開2005-05821号公報 特開2003-70786号公報 特開2010-29374号公報
S.I.Nikolov, et al., "Practical application of synthetic aperture imaging," IEEE IUS, 2010. (BK Medical)
送信間開口合成は、超音波画像の解像度を超音波素子の配列方向について向上させることができるが、さらなる解像度向上が望まれている。
空間コンパウンド技術は、画像の均一性の向上やSNRの改善といった効果を有するが、超音波画像の解像度を超音波素子の配列方向について向上させる効果は得られない。
一方、特許文献5の技術は、装置の持つ受信回路規模以上の受信開口の設定するのと同等の受信開口拡張の効果が得られるが、送信に関しては送信回路規模以上の送信開口を設定することはできず、また、送信開口拡張の効果を得る技術は開示されていない。
本発明の目的は、一つの超音波ビームを送信する送信開口のサイズを拡張することなく、通常の送信間開口合成よりも超音波素子の配列方向の分解能に優れた画像を生成することにある。
本発明によれば、複数の超音波素子が配列された探触子に送信開口を設定し、送信開口内の超音波素子に対してそれぞれ送信信号を出力することにより、1フレームの画像を生成するのに必要な数の超音波ビームをそれぞれ所定の位置に設定した送信開口の超音波素子から撮像対象に向かって順次送信させる送信ビームフォーマと、超音波ビームの送信のたびに撮像対象において発生したエコーを複数の超音波素子が受信して出力する受信信号を受け取って、送信開口の位置に応じて撮像対象の所定の範囲に設定した複数の受信走査線上の複数の撮像点に受信焦点を結ぶように整相処理を行い、受信整相信号を生成する受信ビームフォーマと、超音波ビームが送信されるたびに受信ビームフォーマが生成した受信整相信号のうち、同一の位置にある撮像点についての受信整相信号を合成する送信間開口合成部とを有する超音波撮像装置が提供される。上述の1フレームの画像を生成するのに必要な数の超音波ビームのうち、少なくとも2つの超音波ビームは、中心軸が交差するように送信される。
本発明によれば、少なくとも2つの超音波ビームを送信方向の中心軸が交差するように送信するため、超音波素子数が限られた送信開口を用いながら、通常の送信間開口合成よりも超音波素子の配列方向の分解能に優れた画像を生成することができる。
(a)本発明の実施形態の交差する2つの超音波ビームの一例を示す説明図、(b)比較例の2つの超音波ビームの一例を示す説明図。 (a)大きな送信開口から送信した超音波ビームのビームウエストを示す説明図、(b)小さな送信開口から送信した超音波ビームのビームウエストを示す説明図。 実施形態の超音波ビーム群の例を示す説明図。 実施形態の交差する2つの超音波ビームの別の例を示す説明図。 実施形態の交差する2つの超音波ビームの別の例を示す説明図。 (a)および(b)実施形態の交差する2つの超音波ビームの別の例を示す説明図。 第一の実施形態の超音波撮像装置の構成を示すブロック図。 第一の実施形態の超音波撮像装置の動作を示すフローチャート。 (a)および(b)第一の実施形態において、送信開口を設定する過程において、探触子に対して仮想音軸を設定した状態を示す説明図。 (a)~(d)第一の実施形態の探触子へ設定した送信開口の位置の例を示す説明図。 (a)および(b)第一の実施形態の探触子に設定された送信開口の位置を、送信する超音波ビームの番号順に示す説明図。 (a)~(d)本実施形態の超音波ビームごとの受信走査線の設定範囲を示す説明図。 第二の実施形態の超音波ビーム群を示す説明図。 (a)第三の実施形態の第1シーケンスで送信される傾斜した超音波ビーム群を示す説明図、(b)第2シーケンスで送信される、第1シーケンスの超音波ビーム群とは逆方向に傾斜した超音波ビーム群を示す説明図。 第三の実施形態の超音波撮像装置の動作を示すフローチャート。 第三の実施形態の探触子に設定される送信開口の位置を、送信する超音波ビームの番号順に示す説明図。 第三の実施形態において送受シーケンスを3つに分ける場合と形成するフレームとの関係を示す説明図。
本発明の一実施形態の超音波撮像装置について説明する。
本実施形態の超音波撮像装置では、2以上の超音波ビームを送信し、それぞれ生じたエコーの受信信号を用いて送信間開口合成により撮像点の整相信号を生成する技術であるが、図1(a)に示したように、少なくとも2つの超音波ビーム204a、204dの中心軸203a、203dが交差するように送信する。これにより、本実施形態の送信間開口合成は、撮像点301の整相信号の取得に寄与する2つの超音波ビームを送信する超音波素子の、探触子の超音波素子配列方向に占める範囲206a、206dの合計範囲206を、図1(b)に示した比較例のように、探触子101の超音波送信面の垂直な方向に超音波ビームを送信する送信間開口合成の2つの超音波ビーム1201a、1201bの超音波素子の占める範囲1206a、1206bの合計範囲1206よりも広げることができる。
本実施形態では、2つの超音波ビーム204a、204dの中心軸203a、203bが交差するように配置しているため、撮像点301は送信焦点202-1に集束する超音波ビーム204aのビーム領域内に位置し、かつ、送信焦点202-2に集束する超音波ビーム204dのビーム内に位置する。
すなわち、撮像点301は、超音波ビーム204a,204dの両方が送信間開口合成により整相信号の取得に寄与するため、撮像点301の整相信号の取得に寄与する超音波ビームを送信する超音波素子の、探触子101の超音波素子配列方向に占める範囲206は、送信開口201a,201dの範囲206a,206bの合計範囲になる。
一方、図1(b)の比較例のように、探触子101の超音波送信面の垂直な方向に超音波ビーム1204a、1204bを送信する場合、送信開口1201a、1201bが一部重なるように配置することにより、超音波ビーム1204a,1204bの両方が送信開口合成により撮像点320の整相信号の取得に寄与する。。そのため、撮像点301について送信間開口合成により整相信号の取得に寄与する超音波ビーム1201a,1201bを送信する超音波素子の、探触子101の超音波素子配列方向に占める範囲は、一部が重なり合った送信開口1201a,1201bの範囲1206a、1206bの合計範囲1206になるため、本実施形態の図1(a)の範囲206よりも狭くなる。
このように、本実施形態の中心軸を交差させた2以上の超音波ビームにより送信間開口合成を行うことにより、比較例の送信間開口合成よりも、整相信号の取得に寄与する超音波ビーム204a,204bを送信する超音波素子の、探触子101の超音波素子配列方向に占める範囲206a,206dの合計206を広くすることができるため、超音波素子配列方向の画像の分解能を向上させることができる。
(送信開口の大きさと画像分解能向上の原理)
ここで、超音波ビームを送信する超音波素子の範囲を広げることにより、超音波素子配列方向の画像の分解能を向上させることができる原理について説明する。
集束ビームのウエストサイズに代表されるように、送信の開口数(NA)が大きいほど超音波の集束性も大きくなる性質を持つ。たとえば、集束ビームのビームウエストのサイズw1,w2は、送信の開口数(NA)に反比例することが広く知られている。例えば図2(a)、(b)の集束ビーム301,302のように、送信開口311のサイズが集束ビーム202の送信開口312のサイズの2倍である集束ビーム301は、そのビームウエストサイズw1が、集束ビーム302のビームウエストサイズw2の1/2になる。よって、送信開口311のサイズが大きい集束ビーム301を用いた撮像は、送信開口312のサイズが小さい集束ビーム302を用いた場合よりも、得られる画像の超音波素子配列方向の分解能を向上させることができる。
本実施形態では、図1(a)のように、超音波ビーム204aの中心軸203aと超音波ビーム204dの中心軸203dとが交差するように配置することにより、上述したように撮像点301に到達する超音波の送信開口の範囲206は、図1(b)の比較例の送信開口の範囲1206よりも大きいため、得られる画像の超音波素子配列方向の解像度を向上させることができる。
なお、1フレームの画像を生成するのに必要な超音波ビームの送信方向およびビーム形状の一例を図3に示す。図3の例では、一定の間隔で複数の送信焦点201-1~202-4が配置され、1つの送信焦点202-1で集束する2つの超音波ビーム204a、204bがそれぞれ異なる送信開口201a,201bから送信されている。超音波ビーム204a,204bは、探触子101の超音波出射面の垂線を挟んで対称なビーム形状である。
なお、図4に示すように、2つの超音波ビーム204a、204bを送信焦点202-1、202-2よりも浅い位置にある交点207で交差させるように照射してもよい。また、図示していないが、2つの超音波ビームを送信焦点よりも深い位置にある交点207で交差させるように照射してもよい。
また、同一の送信焦点202-1に向かって照射される2つの超音波ビーム204a、204bのビーム形状は、図3のように探触子101の超音波出射面の垂線を挟んで対称であってもよいし、図5に示したように非対称でもよい。
さらに、交差する同一の焦点に向かって照射される2つの超音波ビーム204a、204bの送信開口201a、201bは、図6(a)のように所定の距離だけ離れていてもよい。図6(a)のように送信開口201a、201bが離れている場合も、図1(a)の場合と同様に、超音波ビーム204a、204dが交差することにより画像の解像度向上の効果が得られる。また、送信開口201a、201bは、図6(b)のように一部重なり合うように設定してもよい。
なお、同一送信焦点202へ送信される複数の超音波ビーム204a,204b等の中心軸203が交わるときの角度θは、大きい方が超音波素子配列方向の分解能にとって望ましい。
<<第一の実施形態>>
以下、第一の実施形態の超音波撮像装置について説明する。
<装置の全体構成>
第一の実施形態の超音波撮像装置の全体構成を図面を用いて説明する。
図7は、本実施形態の超音波撮像装置の構成を示すブロック図である。本実施形態の超音波撮像装置は、探触子101が接続された送受切替部102と、送信ビームフォーマ104と、受信ビームフォーマ105と、送信間開口合成等の処理を行う信号処理部107と、超音波ビーム決定部103と、制御部106と、画像処理部108と、ユーザインターフェース109とを備えて構成される。画像処理部108には、表示部110が接続されている。
探触子101には、複数の超音波素子100が1次元または2次元のアレイ状に配列されている。超音波素子100はそれぞれ、送信ビームフォーマ104から駆動信号(送信信号)を受け取って超音波に変換し、被検体(撮像対象)に向けて送信すると共に、被検体において発生した超音波のエコーを受信して電気信号に変換することにより受信信号を出力する。超音波素子100は1次元または2次元のアレイ状に複数配列される。
送信ビームフォーマ104は、超音波ビーム決定部103から指定された遅延時間ずつ遅延させた送信信号を生成し、超音波ビーム決定部103から指定された送信開口の超音波素子100に対して送受切替部102受け渡す。これにより、超音波素子100からそれぞれ遅延された超音波が送信され、超音波ビーム決定部103が定めた送信焦点に焦点を結ぶ超音波ビーム(集束ビーム)が形成される。
超音波ビームの送信を受けた被検体内で超音波が反射や散乱されることにより、超音波のエコーが生じる。エコーは、探触子101の各超音波素子100に到達し、電気信号(受信信号)に変換される。
受信ビームフォーマ105は、超音波ビームの送信のたびに、超音波素子100が出力する受信信号を受け取って、超音波素子の位置に応じた所定の遅延時間で遅延させた後加算する(遅延加算処理)等の整相処理を行うことにより、受信走査線上に所定の間隔で配置された撮像点ごとに整相信号(受信ビーム)を生成する。
信号処理部107は、整相信号(受信ビーム)に対して、所定の処理(増幅処理、フィルタ処理、信号演算処理等)を行った後、信号処理部107内に備えられたメモリに蓄積する。これを1フレームを構成するのに必要な数の超音波ビームごとに繰り返す。信号処理部107は、蓄積した整相信号のうち、同一の撮像点について得られた整相信号を合成することにより送信間開口合成を行う。
信号処理部107から出力された送信間開口合成後の整相信号は、画像処理部108に送られる。画像処理部108は、受け取った整相信号から画像データや時系列データを構築する。画像処理部108は、画像データや時系列データを表示部110に出力し、表示させる。
これら一連の処理は、制御部106の制御下で実施される。超音波ビーム決定部103は、ユーザーがユーザインターフェース109を介して入力する情報に基づいて、1フレームの画像を生成するのに必要な数の超音波ビームについて、それぞれ送信焦点の位置、探触子101における送信開口の位置、送信順序などの超音波ビームパラメータを決定する。送信ビームフォーマ104は、決定した送信焦点および送信開口の位置を用いて、送信開口内の超音波素子100がそれぞれ送信する超音波の送信遅延時間を算出し、制御部106を介してに設定する。
またユーザインターフェース109は、装置全体の運転の指示や、撮像方法の選択や、送信焦点の位置等の撮像パラメータの値などをユーザーから受け付ける。
<装置の動作>
つぎに、本実施形態の超音波撮像装置の各部の動作について図8のフローを用いて説明する。
超音波ビーム決定部103は、撮像領域の範囲の設定をユーザインターフェース109および制御部106を介してユーザから受け付ける。超音波ビーム決定部103は、受け付けた撮像領域の範囲の情報に基づいて、N個の送信焦点202を設定する(ステップ302)。例えば、超音波ビーム決定部103は、予め定めておいた撮像領域の範囲と送信焦点の位置および数との関係を示すテーブルを参照することにより、受け付けた撮像領域にN個の送信焦点202を設定する。なお、N個の送信焦点202の間隔は、異なる位置の送信焦点202-1,202-2で集束する2つの超音波ビーム204a,204d等が焦点202-1,202-2からずれた位置で交差させることができるように定めておく。さらに、超音波ビーム決定部103は、N個の送信焦点202の深度および送信ビームフォーマ104の回路規模(送信可能な送信信号の数)に基づいて、1送信あたりの送信開口の超音波素子数Mを決定する(ステップ303)。例えば、超音波ビーム決定部103は、予め定めておいた送信焦点202の深度と送信ビームフォーマ104の回路規模との関係を示すテーブルを参照することにより、ステップ302で設定したN個の送信焦点202の深度と送信ビームフォーマ104の回路規模に応じた、送信開口を構成する超音波素子数Mを決定する。
つぎに、超音波ビーム決定部103は、設定した送信焦点202に対して、超音波ビームを送信する送信開口201を設定する(ステップ304)。以下、具体的に説明する。
まず、超音波ビーム決定部103は、例えば図9(a)、(b)に示すように、ステップ302で設定されたN個の送信焦点202(202-1、202-2、202-3)について、各々の送信焦点202を通るような仮想音軸401(401-1、401-2、401-3)を設定する。この仮想音軸401の方向は、図9(a)のように探触子101の超音波送信面に垂直でもよいし、また図9(b)のように探触子101の超音波送信面に対して角度を持ってもよい。
つぎに、超音波ビーム決定部103は、送信焦点202aについての仮想音軸401aが探触子101に到達する位置での超音波素子100が、超音波素子100(以下、超音波素子100を送信開口チャンネル(ch)とも呼ぶ)の配列におけるP番目の素子であるとしたとき、図10(a)で示すように(P-M)番目からP番目の超音波素子100群を、送信焦点202-1において集束する超音波ビーム204a(図1(a)、図3参照)を送信する送信開口201aの超音波素子100として設定する。つぎに、送信開口チャンネルの(P+1)番目から(P+M+1)番目の超音波素子100群を、焦点202aにおいて集束する超音波ビーム204b(図3参照)を送信する送信開口201bの超音波素子100として設定する。これにより、超音波ビーム204aと超音波ビーム204bは、その中心軸203a、203bが送信焦点202-1において交差するように設定される。
超音波ビーム決定部103は、他の全ての送信焦点202(202-2,202-3等)についても同様に送信開口の設定を繰り返すことにより、送信焦点202-2への超音波ビーム204c,204dを送信する送信開口201c、201dの超音波素子100を設定し、送信焦点202-3への超音波ビーム204e,204fを送信する送信開口201c、201dの超音波素子100を設定する。これにより、図3に示すように、2×N個の送信開口201群が設定される。このような設定方法では、同一の送信焦点202へ送信される2つの超音波ビーム204(例えば204aと204b)の送信開口201(例えば201a,201b)は、隙間なく隣接する送信開口となる。
つぎに、超音波ビーム決定部103は、超音波ビーム204(204a~204f)の送信順序を決定する(ステップ305)。図11(a)のように、超音波ビーム204群の送信順序は、送信焦点202(202-1~202-3)ごとに、順次、2つの超音波ビームを送信していくように送信順序を設定することが望ましい。すなわち、まず送信焦点202-1に向けて、送信開口201aから第一送信として超音波ビーム204aを送信した後、送信開口201bから第二送信として超音波ビーム204bを送信する。つぎに、送信焦点202-2に向けて、送信開口201cから超音波ビーム204cを送信した後、送信開口201dから超音波ビーム204dを送信する。さらに送信焦点202-3に向けて、送信開口201eから超音波ビーム204eを送信した後、送信開口201fから超音波ビーム204fを送信する。このように順次送信するように送信順序を決定する。
なお、図11(b)に示すように、N個の送信焦点202(202-1~202-3)のそれぞれに対して2つずつ照射される超音波ビーム204(204a~204f)のうち、一方の側(例えば仮想音軸401(401-1~401-3)に対して左側)に位置する送信開口201a,201c、201dから超音波ビーム204a,204c,204dを順に送信した後、他方の側(右側)の送信開口201b、201d、201fから超音波ビーム204b、204d、204fを順次送信するように送信順序を設定してもよい。
超音波ビーム決定部103は、制御部106を介して、設定した送信順の最初の超音波ビーム204(ここでは204a)を照射する送信開口201aを構成する超音波素子100を指示する情報と、送信焦点202の位置とを送信ビームフォーマ104に受け渡す。送信ビームフォーマ104は、受け取った情報に基づき送信開口201a内の各超音波素子100の送信する超音波が設定された送信焦点202に集束するように、超音波素子100毎に送信遅延時間を計算する(ステップ306、307)。
送信ビームフォーマ104は、計算した送信遅延時間ずつ遅延させた送信信号を生成し、それぞれ超音波素子100に出力する(ステップ308)。これにより、送信開口201a内の超音波素子100群から超音波ビーム204aが被検体に向かって照射され、送信焦点202に集束する(ステップ308)。
被検体内では超音波ビーム204が反射等されることにより、エコーが生じる。エコーは再び探触子101に到達し、超音波素子100により受信され、電気信号(受信信号)に変換される。受信ビームフォーマ105は、送受切替部102を介して、各超音波素子100が出力する受信信号を受け取る(ステップ309)。受信ビームフォーマ105は、撮像領域に複数の受信走査線302を図12(a)~(d)のように設定し、受信信号を、超音波素子100の位置に応じた所定の受信遅延時間で遅延させた後加算する整相処理を行うことにより、受信走査線302上に所定の間隔で配置された撮像点301ごとに整相信号(受信ビーム(LRI:低解像度画像))を生成する(ステップ310)。すなわち、受信走査線302は撮像点301の集合であり、受信ビームは撮像点301ごとの整相信号の集合である。受信走査線302は、ここでは図12(a)~(d)に示したように超音波ビーム204a、204b、204c、204d等がそれぞれ照射される範囲をカバーするように設定する。受信走査線302の間隔と設定範囲、受信走査線上の撮像点301の間隔、ならびに、撮像点301ごとの受信遅延時間は、探触子101の種類、送信開口201の位置、サンプリング周波数、撮像領域などに基づいて予め定めておく。遅延時間の算出には、例えば仮想音源法を用いる。
受信ビームフォーマ105は、1回の送信で得られた整相信号を、信号処理部107に受け渡し、信号処理部107は、内蔵するメモリに整相信号を蓄積する(ステップ311)。
送信ビームフォーマ104、受信ビームフォーマ105および信号処理部107は、制御部106の制御下で、ステップ301~305で設定した全超音波ビーム204の送信が終了するまでステップ307~311を繰り返す(ステップ312,313)。
信号処理部107は、これらを通してメモリに蓄えられた受信整相信号(LRI)を、同一の撮像点301ごとにコヒーレントに加算することにより送信間開口合成し、高解像度画像(HRI)を生成する(ステップ314)。信号処理部107は、HRIを輝度値に変換した後、増幅処理や、所定のフィルタ処理や、信号演算処理を施す。信号処理部107は、処理後の画像を画像処理部108に出力し、画像処理部108は、画像データや時系列データを構築される(ステップ315)。画像処理部108は、構築した画像データや時系列データを、表示部110に受け渡し、表示させる(ステップ316)。
このように第一の実施形態により得られる超音波画像は、2つの超音波ビーム204a,204dを送信方向の中心軸203a、203dが交差するように送信するため、複数の焦点に対する超音波ビーム全体をとおして撮像点301に寄与する超音波素子100が探触子101の超音波素子方向に占める範囲206が大きい。よって、超音波素子数が限られた送信開口を用いながら、通常の送信間開口合成よりも超音波素子の配列方向の分解能に優れた画像を生成することができる。
なお、上述の例では、ステップ304において、送信ビーム決定部103は、交差する2つの超音波ビーム204a,204bの送信開口201a,201bが重ならず隣接するように設定したが、図6(b)のように一部が重複するように設定してもよい。この場合、送信ビーム決定部103は、図10(b)に示すように、仮想音軸が到達する超音波素子100をPとした場合、(P-M+α)番目から(P+α)番目の超音波素子100を超音波ビーム204aの送信開口201aとして設定する。また、送信ビーム決定部103は、((P+1)-α)番目から((P+M+1)-α)番目の超音波素子100を超音波ビーム204bの送信開口201bとして設定する。ただし、αは、送信開口201aと201bとを重複させる素子の数であり、α≧1である。
また、送信ビーム決定部103は、交差する2つの超音波ビーム204a,204bの送信開口201aと201bの間に、図6(a)に示したように、両者の間に使用しない超音波素子100を設けてもよい。この場合、送信ビーム決定部103は、図10(c)に示すように、仮想音軸が到達する超音波素子100をPとした場合、(P-M-β)番目から(P-β)番目の超音波素子100を超音波ビーム204aの送信開口201aとして設定する。また、送信ビーム決定部103は、((P+1)+β)番目から((P+M+1)+β)番目の超音波素子100を超音波ビーム204bの送信開口201bとして設定する。ただし、βは、送信開口201aと201bとの間に位置し、使用しない素子の数であり、β≧1である。
また、上述してきた例では、各々の送信焦点202に対して2つの超音波ビーム204を送信しているが、3以上の超音波ビーム204を送信するように送信開口を設定してもよい。例えば、図10(d)で示すように、仮想音軸が到達する超音波素子100をPとした場合、(P-3/2×M)番目から(P-1/2×M)の超音波素子100を超音波ビーム204aの送信開口201aとして設定し、(P-1/2×M)番目から(P+1/2×M)番目の超音波素子100を超音波ビーム204bの送信開口201bとして設定し、(P+1/2×M)番目から(P+3/2×M)番目の超音波素子100を超音波ビーム204bの送信開口201bとして設定する。
また、図8を用いて説明した受信信号の処理は、上述の図8の処理の順番に限られるものではない。例えば、同一送信焦点202に対する複数の超音波ビーム(例えば、超音波ビーム204aと204b)の送信により同一の超音波素子100で得られた受信信号をステップ309において受信ビームフォーマ105が加算してもよい。加算した受信信号からステップ310以下を行うことにより、LRIを作成した後、送信間開口合成によりHRIを生成してもよい。
さらに、上述の第一の実施形態の超音波撮像装置では、図8のステップ302~305において、撮像領域に対応する送信焦点、超音波ビームを送信する送信開口、ならびに、送信順序をその都度設定しているが、設定可能な撮像領域ごとに、対応する送信焦点と送信開口と送信順序を予め求めておき、ルックアップテーブル等の形式で超音波撮像装置内に格納しておいてもよい。この場合、ステップ301においてユーザが撮像領域を設定したならば、送信ビーム決定部103はルックアップテーブル等を参照することにより、送信開口と送信順序を設定することができ、演算量を低減できる。
また、第一の本実施形態の超音波撮像装置の図8の処理は、送信した超音波と同周波数のエコーを受信して画像を生成する基本波画像に適用できるだけではなく、送信した超音波の高調波成分を受信して画像を生成する際に適用することも可能である。
<<第二の実施形態>>
本発明の第二の実施形態の超音波撮像装置について説明する。
第二の実施形態での超音波撮像装置は、第一の実施形態と同様の装置構成(図7)であり、少なくとも2つの超音波ビーム234の中心軸233が交差するように送信する構成である。ただし第二の実施形態では、図13に示すように、交差する2つの超音波ビーム234(例えば234aと234b)をそれぞれ送信する送信開口231(231aと231b)は、所定の距離だけ離れて設定され、しかも、交差する2つの超音波ビーム234(234aと234b)のうち少なくとも一方の超音波ビーム234bの中心軸233bは、他の超音波ビーム234cの中心軸233cとも交差するように照射される。
これにより、第二の実施形態では、第一の実施形態と同様に超音波素子配列方向の画像の分解能を向上させるという効果を得ながら、1フレームの画像を生成するのに照射する超音波ビーム234の数を第一の実施形態よりも低減することができるため、フレームレートを向上させることができる。
具体的には、第二の実施形態では、1フレームの画像を生成するのに必要な数の超音波ビーム234のうちの3以上の超音波ビーム234(例えば図13の超音波ビーム234b、234c、234d)は、いずれも、探触子101に近い第1の位置207aと、第1位置207aよりも探触子101から遠い第2の位置207bの2か所で、他の超音波ビームと交差するように送信ビーム決定部103により設定される。例えば送信ビーム決定部103は、第1の位置207aを、送信焦点202よりも探触子101に近い位置に設定し、第2の位置207bを、送信焦点202よりも探触子101から遠い位置に設定することができる。これにより、超音波ビーム234a~234eの中心軸233a~233eの第1の位置207aの交点と、第2の位置207bの交点は、送信焦点202を挟んで走査方向(探触子101の長手方向)に交互に位置し、走査面上に二次元パターンを形成するように配置される。
また、送信ビーム決定部103は、超音波ビーム234(234a~234e)のビーム形状はそれぞれ、交差する超音波ビームのビーム形状に対して、探触子101の超音波出射面の垂線を挟んで対称な形状となるように設定してもよい。
第二の実施形態の超音波撮像装置の各部の動作は、第一の実施形態の図8のフローと同様であるが、図8のステップ304において、仮想音軸401-1、401-2、401-3等を設定した後、第一の実施形態では、仮想音軸を挟んで左右両側に2つずつ送信開口を設定したが、第二の実施形態では、仮想音軸401-1、401-2、401-3等ごとに一つの送信開口を、左右交互に設定する。具体的には、左側端部から奇数番目の仮想音軸401-1、401-3,401-5の左側に送信開口231a、231c、231eを、偶数番目の仮想音軸401-2、401-4の右側に送信開口231b、231dをそれぞれ設定する。これにより、ステップ308において、図13のように超音波ビーム234a~234eを送信することができる。
第二の実施形態の超音波撮像装置は、送信する超音波ビーム234a~234eのうち超音波ビーム234b、234c、234dの中心軸233b、233c、233dは、それぞれ第1の位置207aと第2の位置207bの2か所で他の超音波ビームの中心軸と交差するようにビームを送信すると、第一の実施形態と同様に撮像点の整相信号に寄与する超音波素子の範囲を広げることができ、画像の超音波素子配列方向の分解能を向上させることができる。しかも、2以上の超音波ビームは2か所で他の超音波ビームと交差するように送信されるため、1フレームの生成のために送信する超音波ビームの数を、第一の実施形態よりも低減でき、フレームレートを向上させることができる。
<<第三の実施形態>>
本発明の第三の実施形態の超音波撮像装置について説明する。
第三の実施形態の超音波撮像装置は、例えば図3や図13に示したように2以上の超音波ビームが交差するように送信するという点については第一および第二の実施形態と同様であるが、1フレームを生成するために送信する超音波ビーム群のうち、探触子101の超音波送信面の垂線に対して一方の側に傾斜している超音波ビーム(例えば図3の204a、204c、204d)を順次送信した後(第1シーケンス、図14(a)参照)、他方の側に傾斜している超音波ビーム(例えば図3の204b、204d、204e)を順次送信する(第2のシーケンス、図14(b)参照)という動作を繰り返し行う。第1シーケンスおよび第2シーケンスで得られた受信ビーム(受信整相信号)は、メモリに格納する。これにより、各シーケンスで受信ビームが得られるたびに、その前のシーケンスでメモリに格納されている受信ビームと送信間開口合成し、画像を生成することができる。すなわち、1フレームを構成する超音波ビーム群の半分を送信するたびに、画像を生成することができるため、フレームレートを向上させることができる。
具体的には、図15のフローで示したように、ステップ301~305において第一の実施形態の図8のフローのステップ301~305と同様に、送信ビーム決定部103は、交差する複数の超音波ビーム204a~204eの送信開口201a~201fを設定し、その送信順序を決定する。このとき、送信順序としては、図12(b)に示したように、仮想音軸401-1~401-3に対して左側に送信開口が位置する超音波ビーム204a,204c,204dを順に送信した後、右側に送信開口が位置する超音波ビーム204b、204d、204fを順次送信するように送信順序を設定する。すなわち、送信ビーム番号は、超音波ビーム204a,204c,204dが1番目、2番目、3番目であり、超音波ビーム204b、204d、204fが4番目、5番目、6番目である。
つぎに、ステップ1306~1313とステップ1318~1325において、超音波撮像装置は、超音波ビームを順次送信するが、本実施形態ではステップ1306~1313を第1シーケンスとして、一方の側に傾斜している送信ビーム番号1番目から3番目の超音波ビーム204a、204c、204dを図8のステップ306~313と同様の処理で図14(a)のように順次送信し、得られた受信ビームをメモリに格納する。この時点では、まだメモリ内には、第2シーケンスの超音波ビーム204b、204d、204fの受信ビームは格納されていないので、ステップ1314からステップ1318に進む。
そして、ステップ1318~1325を第2シーケンスとして、他方の側に傾斜している送信ビーム番号m(=4)番目以降、すなわち4番目から6番目の超音波ビーム204b、204d、204fを図8のステップ306~313と同様の処理で図14(b)のように順次送信し、得られた受信ビームをメモリに格納する。
ステップ1325では、信号処理部107は、第2シーケンスのステップ1323においてメモリに蓄えられた受信整相信号(LRI)と、第1シーケンスのステップ1311においてすでにメモリに蓄えられている受信整相信号(LRI)を、同一の撮像点301ごとにコヒーレントに加算することにより送信間開口合成し、高解像度画像(HRI)を生成する。そして、ステップ1326~1327において、図8のステップ315~316と同様に処理して構築した画像データや時系列データを表示部110に表示させ、ステップ1306に戻る。
つぎに、ステップ1306に戻り、超音波撮像装置は、再び第1シーケンス(ステップ1306~1313)により、送信ビーム番号1番目から3番目の超音波ビーム204a、204c、204dを順次送信し、得られた受信ビームをメモリに格納する。メモリ内には、前回の第2シーケンス(ステップ1318~1325)において超音波ビーム204b、204d、204fの受信ビームが格納されているので、ステップ1314からステップ1315に進む。
ステップ1315では、ステップ1325と同様に、信号処理部107が、第1シーケンスのステップ1311においてメモリに蓄えられた受信整相信号(LRI)と、前回の第2シーケンスのステップ1323においてメモリに蓄えられた受信整相信号(LRI)を送信間開口合成し、高解像度画像(HRI)を生成する。そして、ステップ1316~1317において画像や時系列データを表示部110に表示させ、ステップ1318に進んで、第2シーケンスを繰り返す。
このように、第三の実施形態では、図16にビーム番号と送信開口の関係を示したように、第1シーケンスと第2シーケンスとが繰り返し行われ、いずれかのシーケンスを行うたびに、前のシーケンスで得られた受信ビーム(受信整相信号)と送信間開口合成を行って、画像(フレーム)を表示することができる。よって、第一の実施形態と同様に探触子101の超音波素子100の配列方向の画像解像度を向上させながら、フレームレートを倍増させることができる。
また、本実施形態では、1フレームを構成するのに照射する超音波ビームの例として第一の実施形態の図3の超音波ビーム204a~204fを用いたが、第二の実施形態の図13の超音波ビーム234a~234eや、図4、図5および図6(a)、(b)の超音波ビームを用いることももちろん可能である。
また、第三の実施形態では、2つの送信方向(探触子の送信面に垂線に対して一方側と他方側)により第1および第2シーケンスを設定しているが、3以上の異なる送信方向の超音波ビームが送信される場合には、3以上のシーケンスを設定してもよい。この場合も、図17に示したように、一つのシーケンスで受信ビーム(受信整相信号)を得たならば、それ以前に行った二つのシーケンスの受信ビームと組み合わせて送信間開口合成を行うことにより、画像を表示することができる。よって、フレームレートを向上させることができる。
100 超音波素子
101 探触子
102 送信切替部
103 超音波ビーム決定部
104 送信ビームフォーマ
105 受信ビームフォーマ
106 制御部
107 信号処理部
108 画像処理部
109 ユーザインターフェース
110 画像表示部
201 送信開口
202 送信焦点
203 中心軸
204 超音波ビーム
207 交点
207a 交点を示す第1の位置
207b 交点を示す第2の位置
231a~231e 送信開口
234a~204h 超音波ビーム
232-1~232-4 送信焦点
233a~233h 中心軸
401、401-1~401-5 仮想音軸

Claims (12)

  1. 複数の超音波素子が配列された探触子に送信開口を設定し、前記送信開口内の前記超音波素子に対してそれぞれ送信信号を出力することにより、1フレームの画像を生成するのに必要な数の超音波ビームをそれぞれ所定の位置に設定した前記送信開口の前記超音波素子から撮像対象に向かって順次送信させる送信ビームフォーマと、
    前記超音波ビームの送信のたびに前記撮像対象において発生したエコーを複数の前記超音波素子が受信して出力する受信信号を受け取って、前記送信開口の位置に応じて前記撮像対象の所定の範囲に設定した複数の受信走査線上の複数の撮像点に受信焦点を結ぶように整相処理を行い、受信整相信号を生成する受信ビームフォーマと、
    前記超音波ビームが送信されるたびに前記受信ビームフォーマが生成した前記受信整相信号のうち、同一の位置にある前記撮像点について得られた前記受信整相信号を合成する送信間開口合成部とを有し、
    前記1フレームの画像を生成するのに必要な数の前記超音波ビームのうち、少なくとも2つの前記超音波ビームは、中心軸が交差しており、
    前記超音波ビームは、前記撮像対象内で送信焦点を結ぶ集束ビームであり、
    2つの前記超音波ビームの前記中心軸が交差する位置は、これらの超音波ビームの前記送信焦点からずれていることを特徴とする超音波撮像装置。
  2. 請求項に記載の超音波撮像装置であって、前記撮像対象の撮像領域には、複数の前記送信焦点が設定され、
    2つの前記送信開口から1つの前記送信焦点に向かってそれぞれ超音波ビームが送信されて、そのうち1つの超音波ビームの前記中心軸は、他の前記送信焦点に向かって送信された超音波ビームの前記中心軸と交差することを特徴とする超音波撮像装置。
  3. 請求項に記載の超音波撮像装置であって、1つの前記送信焦点に向かって送信された2つの前記超音波ビームのビーム形状は、前記探触子の超音波出射面の垂線を挟んで対称であることを特徴とする超音波撮像装置。
  4. 請求項1に記載の超音波撮像装置であって、交差する2つの前記超音波ビームをそれぞれ送信する前記送信開口は、隣接していることを特徴とする超音波撮像装置。
  5. 請求項に記載の超音波撮像装置であって、1つの前記送信焦点に向かって送信される2つの前記超音波ビームをそれぞれ送信する前記送信開口は、一部が重なり合っていることを特徴とする超音波撮像装置。
  6. 請求項1に記載の超音波撮像装置であって、交差する2つの前記超音波ビームをそれぞれ送信する前記送信開口は、所定の距離だけ離れていることを特徴とする超音波撮像装置。
  7. 請求項1に記載の超音波撮像装置であって、交差する2つの前記超音波ビームをそれぞれ送信する前記送信開口は、所定の距離だけ離れて設定され、当該交差する2つの超音波ビームのうち少なくとも一方の超音波ビームの中心軸は、他の超音波ビームの中心軸とも交差することを特徴とする超音波撮像装置。
  8. 請求項に記載の超音波撮像装置であって、1フレームの画像を生成するのに必要な数の前記超音波ビームのうちの3以上の超音波ビームは、いずれも、前記探触子に近い第1の位置と、前記第1の位置よりも前記探触子から遠い第2の位置の2か所で、他の超音波ビームと交差することを特徴とする超音波撮像装置。
  9. 請求項に記載の超音波撮像装置であって、前記超音波ビームは、前記撮像対象内で送信焦点を結ぶ集束ビームであり、
    前記第1の位置は、前記送信焦点よりも前記探触子に近い位置であり、前記第2の位置は、前記送信焦点よりも前記探触子から遠い位置であることを特徴とする超音波撮像装置。
  10. 請求項1に記載の超音波撮像装置であって、前記1フレームの画像を生成するのに必要な数の前記超音波ビームは、前記探触子の超音波送信面の垂線に対して一方の側に傾斜している2以上の第1超音波ビーム群と、他方の側に傾斜している2以上の第2超音波ビーム群とを含み、
    前記送信ビームフォーマは、前記第1超音波ビーム群と、前記第2超音波ビーム群とを交互に送信することを特徴とする超音波撮像装置。
  11. 請求項10に記載の超音波撮像装置であって、前記受信ビームフォーマは、前記第1超音波ビーム群を構成する超音波ビームまたは第2超音波ビーム群を構成する超音波ビームの送信のたびに、前記受信信号から前記受信整相信号を生成してメモリに格納し、
    前記送信間開口合成部は、前記送信ビームフォーマがすべての前記第1超音波ビーム群を送信した場合、得られた受信整相信号と、その送信の前に送信した前記第2の超音波ビーム群により得られた受信整相信号とを用いて送信間開口合成を行って画像を生成し、すべての前記第2超音波ビーム群を送信した場合、得られた受信整相信号と、その送信の前に送信した前記第1の超音波ビーム群により得られた受信整相信号とを用いて送信間開口合成を行って画像を生成することを特徴とする超音波撮像装置。
  12. 複数の超音波素子が配列された探触子に送信開口を設定し、前記送信開口内の前記超音波素子に対してそれぞれ送信信号を出力することにより、1フレームの画像を生成するのに必要な数の超音波ビームをそれぞれ所定の位置に設定した前記送信開口の前記超音波素子から撮像対象に向かって順次送信する送信工程と、
    前記超音波ビームの送信のたびに前記撮像対象において発生したエコーを複数の前記超音波素子が受信して出力する受信信号を受け取って、前記送信開口の位置に応じて前記撮像対象の所定の範囲に設定した複数の受信走査線上の複数の撮像点に受信焦点を結ぶように整相処理を行い、受信整相信号を生成する受信工程と、
    前記超音波ビームが送信されるたびに前記受信工程で生成された前記受信整相信号のうち、同一の位置にある前記撮像点について得られた前記受信整相信号を合成する送信間開口合成工程とを有する超音波画像の撮像方法であって、
    前記送信工程において、前記1フレームの画像を生成するのに必要な数の前記超音波ビームのうち、少なくとも2つの前記超音波ビームは、中心軸が交差するように送信し、
    前記超音波ビームは、前記撮像対象内で送信焦点を結ぶ集束ビームであり、
    2つの前記超音波ビームの前記中心軸が交差する位置は、これらの超音波ビームの前記送信焦点からずれている
    ことを特徴とする超音波画像の撮像方法。
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