JP7135508B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、空気入りタイヤの製造方法に関し、さらに詳しくは、トレッドプロファイルの設計工程を効率化できる空気入りタイヤの製造方法に関する。
近年では、直進走行時におけるタイヤの接地面積を確保しつつ、キャンバ角を付与した車両装着状態でのタイヤの高速耐久性を向上させることが要求される。このため、特に偏平率70[%]以下の低偏平タイヤにおいて、2~3種類の曲率半径をもつ円弧が組み合わされて、トレッドプロファイルの基準輪郭線が決定される。また、基準輪郭線が複数の領域に分割されて、各領域における基準輪郭線の部分が単一円弧で近似されて置換される。これにより、隣り合う円弧の接点における基準輪郭線の形状変化が低減される。かかる構成を採用する従来のトレッドプロファイルの設計方法として、特許文献1に記載される技術が知られている。
特開2002-301916号公報
この発明は、トレッドプロファイルの設計工程を効率化できる空気入りタイヤの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤの製造方法は、トレッドプロファイルの基準輪郭線からタイヤ径方向外側に部分的に膨出した踏面を有する空気入りタイヤの製造方法であって、前記トレッドプロファイルの設計工程が、所定のタイヤ条件および連続関数を用いて前記基準輪郭線を設定する基準輪郭線設定ステップと、前記膨出した踏面の最大膨出点を設定する膨出点設定ステップと、前記基準輪郭線を複数の領域に分割する基準輪郭線分割ステップと、前記最大膨出点を含まない非膨出領域を前記複数の領域から選択する非膨出領域選択ステップと、前記非膨出領域にある前記基準輪郭線の部分を単一円弧で近似して置換する基準輪郭線近似ステップと、を含み、前記タイヤ条件が、トレッド幅、タイヤ外径、タイヤ呼び幅およびキャンバ角の少なくとも一つを含むタイヤ仕様に関する条件であり、且つ、前記連続関数が、楕円関数、スーパー楕円関数、サイクロイド関数、インボリュート関数あるいはべき関数であることを特徴とする。
この発明にかかる空気入りタイヤの製造方法によれば、空気入りタイヤがトレッドプロファイルの基準輪郭線からタイヤ径方向外側に部分的に膨出した踏面を有する場合に、上記膨出した踏面を有さない非膨出領域にある基準輪郭線の部分のみが単一円弧で近似して置換され、他の領域にある基準輪郭線の部分を単一円弧で近似して置換する工程が省略される。これにより、円弧近似に要する計算時間が短縮されて、トレッドプロファイルの設計工程が効率化される利点がある。
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図2は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッドプロファイルを示す説明図である。 図3は、図2に記載したトレッドプロファイルの一部を示す拡大図である。 図4は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッドプロファイルの設計工程を示すフローチャートである。 図5は、図2に記載したトレッドプロファイルの基準輪郭線を示す説明図である。 図6は、図5に記載した説明図の要部拡大図である。 図7は、図4に記載したトレッドプロファイルの設計工程を示す説明図である。 図8は、図4に記載したトレッドプロファイルの設計工程を示す説明図である。 図9は、図4に記載したトレッドプロファイルの設計工程を示す説明図である。 図10は、図4に記載したトレッドプロファイルの設計工程を示す説明図である。 図11は、図4に記載したトレッドプロファイルの設計工程を示す説明図である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[空気入りタイヤ]
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。同図は、タイヤ径方向の片側領域の断面図を示している。また、同図は、空気入りタイヤの一例として、乗用車用ラジアルタイヤを示している。
同図において、タイヤ子午線方向の断面とは、タイヤ回転軸(図示省略)を含む平面でタイヤを切断したときの断面をいう。また、符号CLは、タイヤ赤道面であり、タイヤ回転軸方向にかかるタイヤの中心点を通りタイヤ回転軸に垂直な平面をいう。また、符号Tは、タイヤ接地端である。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向をいう。
空気入りタイヤ1は、タイヤ回転軸を中心とする環状構造を有し、一対のビードコア11、11と、一対のビードフィラー12、12と、カーカス層13と、ベルト層14と、トレッドゴム15と、一対のサイドウォールゴム16、16と、一対のリムクッションゴム17、17とを備える(図1参照)。
一対のビードコア11、11は、スチールから成る1本あるいは複数本のビードワイヤを環状かつ多重に巻き廻して成り、ビード部に埋設されて左右のビード部のコアを構成する。一対のビードフィラー12、12は、一対のビードコア11、11のタイヤ径方向外周にそれぞれ配置されてビード部を補強する。
カーカス層13は、1枚のカーカスプライから成る単層構造あるいは複数枚のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、左右のビードコア11、11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層13の両端部は、ビードコア11およびビードフィラー12を包み込むようにタイヤ幅方向外側に巻き返されて係止される。また、カーカス層13のカーカスプライは、スチールあるいは有機繊維材(例えば、アラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなど)から成る複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で80[deg]以上90[deg]以下のカーカス角度(タイヤ周方向に対するカーカスコードの長手方向の傾斜角として定義される。)を有する。
ベルト層14は、一対の交差ベルト141、142と、ベルトカバー143とを積層して成り、カーカス層13の外周に掛け廻されて配置される。一対の交差ベルト141、142は、スチールあるいは有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で20[deg]以上55[deg]以下のベルト角度を有する。また、一対の交差ベルト141、142は、相互に異符号のベルト角度(タイヤ周方向に対するベルトコードの長手方向の傾斜角として定義される)を有し、ベルトコードの長手方向を相互に交差させて積層される(いわゆるクロスプライ構造)。ベルトカバー143は、スチールあるいは有機繊維材から成るベルトカバーコードをコートゴムで被覆して構成され、絶対値で0[deg]以上10[deg]以下のベルト角度を有する。また、ベルトカバー143は、例えば、1本あるいは複数本のベルトカバーコードをコートゴムで被覆して成るストリップ材であり、このストリップ材を交差ベルト141、142の外周面に対してタイヤ周方向に複数回かつ螺旋状に巻き付けて構成されても良い。また、ベルトカバー143が交差ベルト141、142の全域を覆って配置される。
トレッドゴム15は、カーカス層13およびベルト層14のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部を構成する。一対のサイドウォールゴム16、16は、カーカス層13のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されて左右のサイドウォール部を構成する。一対のリムクッションゴム17、17は、左右のビードコア11、11およびカーカス層13の巻き返し部のタイヤ径方向内側にそれぞれ配置されて、ビード部のリム嵌合面を構成する。
また、空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21、22と、これらの周方向主溝21、22に区画された複数の陸部31、32とをトレッド面に備える。主溝とは、JATMAに規定されるウェアインジケータの表示義務を有する溝であり、一般に3.0[mm]以上の溝幅および5.0[mm]以上の溝深さを有する。
溝幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、溝開口部における左右の溝壁の距離の最大値として測定される。陸部が切欠部や面取部をエッジ部に有する構成では、溝長さ方向を法線方向とする断面視にて、トレッド踏面と溝壁の延長線との交点を測定点として、溝幅が測定される。また、溝がタイヤ周方向にジグザグ状あるいは波状に延在する構成では、溝壁の振幅の中心線を測定点として、溝幅が測定される。
溝深さは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、トレッド踏面から溝底までの距離の最大値として測定される。また、溝が部分的な凹凸部やサイプを溝底に有する構成では、これらを除外して溝深さが測定される。
規定リムとは、JATMAに規定される「標準リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、JATMAにおいて、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が最大負荷能力の88[%]である。
例えば、図1の構成では、空気入りタイヤ1が、タイヤ赤道面CLを境界とする左右の領域が2本の周方向主溝21、22をそれぞれ有している。また、これらの周方向主溝21、22が、タイヤ赤道面CLを中心として、左右対称に配置されている。また、これらの周方向主溝21、22により、5列の陸部31~33が区画されている。また、1つの陸部33が、タイヤ赤道面CL上に配置されている。
しかし、これに限らず、3本あるいは5本以上の周方向主溝が配置されても良い(図示省略)。また、1つの周方向主溝がタイヤ赤道面CL上に配置されることにより、陸部がタイヤ赤道面CLから外れた位置に配置されても良い(図示省略)。
また、タイヤ赤道面CLを境界とする1つの領域に配置された2本以上の周方向主溝(タイヤ赤道面CL上に配置された周方向主溝を含む。)のうち、タイヤ幅方向の最も外側にある周方向主溝を最外周方向主溝として定義する。最外周方向主溝は、タイヤ赤道面CLを境界とする左右の領域にてそれぞれ定義される。
また、図1の構成では、タイヤ赤道面CLから左右の最外周方向主溝21、21の溝中心線までの距離(図中の寸法記号省略)が、タイヤ接地幅(図中の寸法記号省略)の26[%]以上32[%]以下の範囲にある。また、タイヤ赤道面CLからセンター主溝22、22の溝中心線までの距離が、タイヤ接地幅の8[%]以上12[%]以下の範囲にある。なお、図1の構成において、一方の最外周方向主溝21が、主溝ではなく、細溝であっても良い(図示省略)。
周方向主溝の溝中心線は、周方向主溝の溝幅の左右の測定点の中点を通りタイヤ周方向に平行な直線として定義される。
タイヤ接地幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を付与したときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大直線距離として測定される。
タイヤ接地端Tは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を加えたときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大幅位置として定義される。
また、最外周方向主溝21、21に区画されたタイヤ幅方向外側の陸部31、31をショルダー陸部として定義する。ショルダー陸部31、31は、タイヤ幅方向の最も外側の陸部であり、タイヤ接地端T上に位置する。
また、最外周方向主溝21、21に区画されたタイヤ幅方向内側の陸部32、32をセカンド陸部として定義する。したがって、セカンド陸部32、32は、最外周方向主溝21、21を挟んでショルダー陸部31、31に隣り合う。
また、セカンド陸部32、32よりもタイヤ赤道面CL側にある陸部33をセンター陸部として定義する。センター陸部33は、タイヤ赤道面CL上に配置されても良いし(図2参照)、タイヤ赤道面CLから外れた位置に配置されても良い(図示省略)。
なお、4本の周方向主溝21、21を備える構成(図1参照)では、一対のセカンド陸部32、32と単一のセンター陸部33とが形成される。また、例えば、5本以上の周方向主溝を備える構成では、2列以上のセンター陸部が形成され(図示省略)、3本の周方向主溝を備える構成では、セカンド陸部がセンター陸部を兼ねる(図示省略)。
また、陸部31~35は、タイヤ周方向に連続するリブであっても良いし、ラグ溝によりタイヤ周方向に分断されたブロック列であっても良い(図示省略)。
[踏面の膨出部]
図2は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッドプロファイルを示す説明図である。図3は、図2に記載したトレッドプロファイルの一部を示す拡大図である。これらの図において、図2は、タイヤ子午線方向の断面視における接地領域の全体を示し、図3は、1つの陸部32(31)の踏面の拡大図を示している。また、これらの図では、陸部32(33)の踏面の膨出部が誇張して示されている。
図7に示すように、セカンド陸部32およびセンター陸部31の少なくとも一方が、トレッドプロファイルの基準輪郭線PL1からタイヤ径方向外側に膨出した踏面を有することが好ましい。また、かかる構成において、踏面の最大膨出量Hpが、0.1[mm]≦Hp≦0.5[mm]の範囲にあることが好ましく、0.2[mm]≦Hp≦0.4[mm]の範囲にあることがより好ましい。図7の構成では、陸部32(33)の踏面が、陸部32(33)の幅方向の全域に渡って円弧状に膨出している。また、踏面の最大膨出量Hpと陸部32(33)の幅Wbとが、0.010≦Hp/Wb≦0.015の関係を有することが好ましく、0.020≦Hp/Wb≦0.014の関係を有することより好ましい。これにより、踏面の最大膨出量Hpが適正化される。
踏面の膨出量Hpは、トレッドプロファイルの基準輪郭線から陸部の踏面の最大膨出点Pa、Pbまでの最大距離として測定される。
トレッドプロファイルは、タイヤ子午線方向の断面視におけるトレッド面の輪郭線であり、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にてレーザープロファイラを用いて計測される。レーザープロファイラとしては、例えば、タイヤプロファイル測定装置(株式会社マツオ製)が使用される。
トレッド端は、タイヤのトレッド模様部分の両端部として定義され、トレッド幅の測定点となる。
陸部の幅Wbは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、陸部を区画する左右の周方向主溝の溝幅の測定点のタイヤ幅方向の距離として測定される。
特にタイヤ接地幅が広く、陸部32(33)がタイヤ周方向に連続するリブである構成において、陸部32(33)内における接地圧分布が不均一になり易いという課題がある。この点において、陸部32(33)が上記膨出した踏面を有することにより、陸部32(33)内における接地圧分布が均一化される。
また、陸部32(33)の幅Wbの測定点の中点から最大膨出点Paまでの幅方向距離Dpが、陸部32(33)の幅Wbに対して0≦Dp/Wb≦0.20の関係を有する。したがって、最大膨出点Paが陸部32(33)の幅方向の中央部に配置される。また、比Dp/Wbが0.02≦Dp/Wb≦0.10の関係を有することがより好ましい。したがって、最大膨出点Paが陸部32(33)の中心からオフセットして配置されることが好ましい。さらに、最大膨出点Paが、陸部32(33)の中心からタイヤ幅方向外側にオフセットして配置されることが好ましい。最大膨出点Paがタイヤ幅方向外側にオフセットすることにより、タイヤ幅方向における陸部32(33)の接地面圧の分布が効果的に均一化される。
[タイヤ製造方法およびタイヤ成形金型]
空気入りタイヤのタイヤ製造方法は、トレッドプロファイルの設計工程と、タイヤ成形金型(図示省略)を用いてグリーンタイヤを加硫成形する工程とを含む。また、タイヤ成形金型のトレッド成形面が、反転されたトレッドプロファイルおよびトレッドパターンに基づいて設計される。
また、空気入りタイヤが、例えば以下の製造工程により製造される。まず、ビードコアを構成するビードワイヤ、カーカス層を構成するカーカスプライ、ベルト層を構成するベルトプライ、トレッドゴム、サイドウォールゴム、リムクッションゴムなどのタイヤ部材が成形機にかけられて、グリーンタイヤ(図示省略)が成形される。次に、グリーンタイヤが、タイヤ成形金型を含むタイヤ加硫モールド(図示省略)に充填される。次に、グリーンタイヤが、加圧装置により径方向外方に拡張されてタイヤ成形金型に当接する。次に、タイヤ加硫モールドが加熱されることにより、グリーンタイヤのゴム分子と硫黄分子とが結合して加硫が進行する。このとき、タイヤ成形金型のトレッド成形面の形状がグリーンタイヤの外周面に転写されて、タイヤのトレッド面が成形される。そして、加硫成形後のタイヤが、タイヤ加硫モールドから引き抜かれて取り出される。
[トレッドプロファイルの設計工程]
図4は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッドプロファイルの設計工程を示すフローチャートである。図5は、図2に記載したトレッドプロファイルの基準輪郭線を示す説明図である。同図は、タイヤ赤道面を境界とする片側領域を示している。また、横軸が、タイヤ赤道面CLからのタイヤ幅方向の位置を示し、縦軸が、トレッドプロファイルとタイヤ赤道面との交点P1から距離b[mm]の位置を原点Oとしたタイヤ径方向の位置を示している。図6は、図5に記載した説明図の要部拡大図である。同図は、タイヤ赤道面CLからタイヤ接地端Tまでの距離の35[%]から60[%]までの領域における基準輪郭線PL1~PL3の拡大図を示している。図7~図11は、図4に記載したトレッドプロファイルの設計工程を示す説明図である。
上記のような基準輪郭線PL1から膨出した踏面をもつ陸部32(33)を備える空気入りタイヤ1の製造方法では、トレッドプロファイルの設計工程が以下のように行われる(図4参照)。ここでは、一例として、タイヤ赤道面CLを境界とする片側領域におけるトレッドプロファイルの設計工程について説明する。なお、トレッドプロファイルの設計工程では、所定の設計プログラムを読み込んだ設計装置(例えば、Personal Computer)が使用される。
基準輪郭線PL1は、タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線方向の断面視におけるトレッド面の輪郭線であり、少なくともタイヤ赤道面CLからキャンバ角0[deg](好ましくはキャンバ角4[deg])までの接地領域にて連続して延在する滑らかな曲線として定義される。
キャンバ角は、車両装着時におけるタイヤの装着構造として、例えば、タイヤのサイドウォール部に付されたマークや凹凸、あるいはタイヤに添付されたカタログによって表示され得る。
ステップST1では、所定のタイヤ条件および連続関数が設定される。
タイヤ条件は、基本的なタイヤ仕様に関する条件であり、例えば、トレッド幅、タイヤ外径、タイヤ呼び幅、キャンバ角などの諸条件を含む。
連続関数は、例えば、楕円関数、スーパー楕円関数、サイクロイド関数、インボリュート関数、べき関数を含む任意の関数から選択され得る。また、次のスーパー楕円関数が選択されることが好ましい。
図5において、基準輪郭線PL1は、図1に記載した空気入りタイヤ1のプロファイルであり、タイヤ赤道面CL上に中心点(原点O)をもつ以下のスーパー楕円関数により定義される。ただし、a[mm]がタイヤ幅方向かつ長軸の半径であり、b[mm]がタイヤ径方向かつ短軸の半径であり、0<b<aの条件を満たす。また、指数p、qが1.00<p、1.00<qおよびp≠qの条件を満たす。また、距離x[mm]、y[mm]が0<x、0<yの条件を満たす。
Figure 0007135508000001
また、タイヤ幅方向の半径aが、タイヤ総幅SW(図1参照)に対して0.30≦a/SW≦0.60の関係を有することが好ましく、0.35≦a/SW≦0.50の関係を有することがより好ましい。したがって、タイヤ幅方向の半径aは、タイヤサイズとの関係で設定される。上記下限により、タイヤ接地幅が確保されて、旋回走行時のコーナリングフォースが確保される。上記上限により、タイヤ接地領域における接地圧分布が均一化されて、旋回走行時のコーナリングフォースが確保される。
タイヤ総幅SWは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態としたときのサイドウォール間の(タイヤ側面の模様、文字などのすべての部分を含む)直線距離として測定される。
また、指数pが、1.00<p≦7.00の範囲にあることが好ましく、2.00≦p≦6.00の範囲にあることがより好ましい。指数pが大きいほど、トレッド部センター領域における基準輪郭線PL1の落ち込み量が小さくなる。上記下限により、タイヤ接地幅が確保されて、旋回走行時のコーナリングフォースが確保される。特に、指数pが4.05≦pの範囲、より好ましくは5.01≦pの範囲にあることにより、タイヤの旋回性能が効果的に高まる。また、上記上限により、タイヤ接地領域における接地圧分布が均一化されて、旋回走行時のコーナリングフォースが確保される。
また、タイヤ径方向の半径bが、タイヤ幅方向の半径aに対して0.10≦b/a≦1.20の関係を有することが好ましく、0.56≦b/a≦1.10の関係を有することが好ましい。上記下限により、トレッド部ショルダー領域のプロファイル形状が適正化され、上記上限により、接地圧分布が適正化されてコーナリングフォースが増加する。
また、タイヤ径方向の半径bが、指数qに対して1.00<b/q≦30.0の関係を有する。また、比b/qが、2.00≦b/q≦28.0の関係を有することが好ましく、6.00≦b/q≦26.0の関係を有することがより好ましい。上記下限により、トレッドショルダー領域の肩落ち量が適正化され、上記上限により、直進走行時における接地面積とコーナリング走行時における接地面積とが両立する。
また、指数qが、1.00≦q≦8.00の範囲にあることが好ましく、4.05≦q≦7.50の範囲にあることがより好ましい。指数qが大きいほど、トレッド部ショルダー領域における基準輪郭線PL1の落ち込み量が小さくなる。上記下限により、タイヤ接地幅が確保され、上記上限により、接地圧分布が均一化される。特に、指数qが4.05≦q(より好ましくは4.20≦q)の範囲にあることにより、接地圧分布がさらに均一化されて、コーナリングフォースが増加する。
図5では、タイヤサイズ245/40R18 97Y、タイヤ接地幅210[mm]において、基準輪郭線PL1が上記スーパー楕円関数から成り、その半径a、bがa=136.28[mm]かつb=121.85[mm]に設定され、指数p、qがp=2.99かつq=6.57に設定されている。また、点P1~P4が、タイヤ赤道面CLからタイヤ接地幅の0[%]、35[%]、60[%]および100[%]の各位置における基準輪郭線PL1上の点である。
仮想輪郭線PL2は、楕円関数から成り、タイヤ赤道面CL上の点P1およびタイヤ接地端T上の点P4にて基準輪郭線PL1に一致し、また、その指数p、qがp=2.00かつq=2.00に設定されている。
仮想プロファイルPL3は、インボリュート曲線から成り、タイヤ赤道面CL上の点P1およびタイヤ接地端T上の点P4にて基準輪郭線PL1に一致し、また、その数式が(X-105.27)^2/(105.27)^2+Y^2/(19.15)^2に設定されている。
図5および図6に示すように、スーパー楕円関数から成る基準輪郭線PL1は、タイヤ赤道面CLからタイヤ接地端Tまでの距離の30[%]以上65[%]以下(少なくとも35[%]以上60[%]以下)の領域にて、他の仮想輪郭線PL2、PL3に対してタイヤ径方向外側にオフセットした形状、すなわちタイヤ径方向に大きな外径を有する。上記の領域は、かかる構成では、トレッド部センター領域における接地形状がフラットとなり、すなわちセンター領域の接地長が均一化されて、接地圧分布が均一化される。これにより、トレッド部センター領域の偏摩耗が抑制される。
また、図5に示すように、基準輪郭線PL1は、タイヤ接地端Tの近傍の領域、具体的にはタイヤ赤道面CLからタイヤ接地端Tまでの距離の95[%]以上の領域にて、他の仮想輪郭線PL2、PL3に対してタイヤ径方向内側にオフセットした形状を有する。かかる構成では、タイヤ接地端における接地圧集中が緩和されて、横力負荷時における接地圧が均一化される。これにより、コーナリングフォースが増加する。
ステップST2では、図7に示すように、上記タイヤ条件および連続関数が使用されて、トレッドプロファイルの基準輪郭線PL1が設定される(基準輪郭線設定ステップST2)。図7では、基準輪郭線PL1が、上記したスーパー楕円関数から成り、タイヤ赤道面CLからトレッド端の位置(点P5)まで連続して延在している。
ステップST3では、図7に示すように、基準輪郭線PL1上における複数の周方向主溝21、22(図2参照)の位置が設定される(主溝位置設定ステップST3)。図7では、周方向主溝21、22の位置が、基準輪郭線PL上における周方向主溝21、22の溝幅の測定点Q11、Q12;Q21、Q22を用いて定義されている。しかし、これに限らず、周方向主溝21、22の位置が、基準輪郭線PL上と周方向主溝21、22の溝中心線との交点として定義されても良い(図示省略)。
ステップST4では、図8に示すように、陸部32、33の膨出した踏面の最大膨出点Pa、Pb(図3参照)が設定される(膨出点設定ステップST4)。最大膨出点Pa、Pbは、原点Oに対するタイヤ径方向およびタイヤ幅方向の座標として設定されて、基準輪郭線PL1よりもタイヤ外側に位置する。最大膨出点Pa、Pbの座標は、所望のタイヤ接地形状を得るために接地圧を増加させたい領域および位置として、算出される。また、最大膨出点Pa、Pbの座標が、周方向主溝21、22の位置(例えば、測定点Q11、Q12;Q21、Q22)との相対的な位置関係により設定されても良い。このとき、基準輪郭線PL1からの最大膨出量Hpおよび陸部の幅Wbに対する幅方向距離Dp(図3参照)にかかる上記の条件が用いられる。
ステップST5では、図9に示すように、基準輪郭線PL1が複数の領域An(A1~A6)に分割される(基準輪郭線分割ステップST5)。領域Anの数nは、2~30(好ましくは5以上)の範囲で設定されることが好ましい。分割数が多いほど、タイヤ成形金型の成形面の精度が向上するが、タイヤ成形金型の製造コストが増加する。領域Anの境界は、タイヤ軸方向に一定間隔で配列されても良いし、タイヤ赤道面CLからタイヤ接地端Tに向かって間隔比を変化させつつ配列されても良い。
例えば、図9の構成では、タイヤ赤道面CLを境界とする片側領域にて、基準輪郭線PL1が、タイヤ赤道面CL上の領域A6を含む6つの領域A1~A6によりタイヤ幅方向に分割されている。また、各領域A1~A6が、周方向主溝21、22(図2参照)の溝幅の測定点Q11、Q12;Q21、Q22、タイヤ接地端T上の点P4、およびトレッド端の点P5を境界として定義されている。このため、特に膨出した踏面を有する各陸部32;33の踏面(図2参照)が、1つの領域A4;A6に収まっており、分割されていない。かかる構成では、後述する非膨出領域選択ステップST6における非膨出領域の選択が容易となる。
ステップST6では、最大膨出点Pa、Pbを含まない非膨出領域A1、A2、A3およびA5が、領域A1~A6から選択される(非膨出領域選択ステップST6)。非膨出領域A1、A2、A3およびA5は、特に、タイヤ接地端Tからトレッド端までの領域A1と、上記膨出した踏面を有さない陸部31(図2参照)の接地領域A2とを含む。一方で、周方向主溝21、22(図2参照)の配置領域A3、A5や、トレッド端近傍の非接地領域(A1の一部)は、非膨出領域としての選択対象から除外されても良い。これらの領域は、タイヤ接地面を構成しないため、トレッドプロファイルを任意に設定できるためである。
また、非膨出領域選択ステップST6で選択された非膨出領域A1、A2、A3およびA5のうち、溝以外の領域、特にタイヤ接地端Tを含む陸部31の領域A1、A2が、さらに複数の非膨出領域に分割されることが好ましい(追加分割ステップ。図示省略)。これにより、後述する基準輪郭線近似ステップST7にて、陸部31の接地領域、特にタイヤ接地端T近傍の領域を適切に近似できる。また、タイヤ接地端Tからトレッド端に至る曲率半径の変化量が大きい領域を適切に近似できる。
ステップST7では、図10に示すように、非膨出領域A1、A2(必要に応じて、周方向主溝21、22の配置領域A3、A5)にある基準輪郭線PL1の部分が、単一円弧で近似されて置換される(基準輪郭線近似ステップST7)。
近似に用いられる円弧の中心座標および曲率半径は、例えば数学的算出法や幾何学的算出法を用いて計算し得る。例えば、円弧の中心座標が、各領域A1、A2の境界点P5、P4;P4、Q11を結ぶ線分の垂直二等分線と、隣接する円弧の接点を通り各円弧に垂直な直線との交点に一致することを条件として、円弧の中心座標および曲率半径が算出され得る。また、近似に用いられる円弧と基準輪郭線PL1の部分との最大距離の絶対値が0.1[mm]未満であることが好ましく、0.07[mm]未満であることがより好ましい。これにより、基準輪郭線PL1の部分が適正に近似される。これにより、隣り合う円弧の接点におけるトレッドプロファイルの形状変化が低減されて、タイヤの接地圧分布が均一化される。
ステップST8では、図11に示すように、上記膨出した踏面を有する膨出領域A4、A6にある陸部32、33の踏面の輪郭線が設定される(膨出輪郭線設定ステップST8)。膨出した踏面の輪郭線は、任意の曲線、例えば、最大膨出点Pa;Pbおよび領域の境界点(溝幅の測定点Q12、Q21;Q21、Q22)を通る単一円弧として設定されても良いし、最大膨出点Pa;Pbを接点とする異なる曲率半径をもつ円弧で設定されても良い(図示省略)。また、陸部32;33のエッジ部が面取部あるいは切欠部を有する構成では、踏面の輪郭線が、最大膨出点Pa;Pbと陸部32;33の踏面の左右のエッジ部とを通る曲線として設定される。
ステップST9では、図11に示すように、周方向主溝21、22の配置領域A3、A5にある溝形状の輪郭線が設定される。
上記の構成では、空気入りタイヤ1がトレッドプロファイルの基準輪郭線PL1からタイヤ径方向外側に部分的に膨出した踏面を有する場合(図2参照)に、上記膨出した踏面を有さない非膨出領域(特に図11の領域A1、A2)にある基準輪郭線PL1の部分のみが単一円弧で近似して置換され(基準輪郭線近似ステップST7)、他の領域(特に図11の領域A4、A6)にある基準輪郭線PL1の部分を単一円弧で近似して置換する工程が省略される。これにより、円弧近似に要する計算時間が短縮されて、トレッドプロファイルの設計工程が効率化される。
なお、図2の構成では、セカンド陸部32およびセンター陸部33のみが膨出した踏面を有するが、これに限らず、すべての陸部31~33が膨出した踏面を有しても良い(図示省略)。この場合には、図9における領域A1(必要に応じて、周方向主溝21、22の配置領域A3、A5)のみが、非膨出領域として選択されて(非膨出領域選択ステップST6)、単一円弧で近似されて置換される(基準輪郭線近似ステップST7)。また、セカンド陸部32およびセンター陸部33のいずれか一方のみが膨出した踏面を有しても良い(図示省略)。この場合には、膨出した踏面を有さない陸部の領域が、非膨出領域として選択されて(非膨出領域選択ステップST6)、単一円弧で近似されて置換される(基準輪郭線近似ステップST7)。
また、図2の構成では、空気入りタイヤ1が4本の周方向主溝21、22を備えるが、これに限らず、一部の周方向主溝に代えて周方向細溝が配置されても良い(図示省略)。かかる場合にも、周方向細溝の位置が、基準輪郭線PL上における溝幅の測定点を用いて定義されても良いし、溝幅の溝中心線の位置および溝幅により定義されても良い。
さらに、周方向主溝に代えて傾斜主溝を有するタイヤ、あるいは、溝を有さないスリックタイヤにおいても、タイヤ幅方向に連続する陸部が基準輪郭線PL1からタイヤ径方向外側に部分的に膨出した踏面を有する場合には、上記と同様に、膨出した踏面の配置領域における基準輪郭線PL1の円弧への近似ステップを省略できる。
[効果]
以上説明したように、この空気入りタイヤ1の製造方法では、空気入りタイヤ1が、トレッドプロファイルの基準輪郭線PL1タイヤ径方向外側に部分的に膨出した踏面を有する(図2および図3参照)。また、トレッドプロファイルの設計工程が、所定のタイヤ条件および連続関数を用いて基準輪郭線PL1を設定する基準輪郭線設定ステップST2と、膨出した踏面の最大膨出点Pa、Pbを設定する膨出点設定ステップST4と、基準輪郭線PL1を複数の領域A1~A6に分割する基準輪郭線分割ステップST5と、最大膨出点Pa、Pbを含まない非膨出領域(特に図11の領域A1、A2)を複数の領域A1~A6から選択する非膨出領域選択ステップST6と、非膨出領域にある基準輪郭線PL1の部分を単一円弧で近似して置換する基準輪郭線近似ステップST7と、を含む(図4参照)。
かかる構成では、空気入りタイヤ1がトレッドプロファイルの基準輪郭線PL1からタイヤ径方向外側に部分的に膨出した踏面を有する場合(図2参照)に、上記膨出した踏面を有さない非膨出領域(特に図11の領域A1、A2)にある基準輪郭線PL1の部分のみが単一円弧で近似して置換され(基準輪郭線近似ステップST7)、他の領域(特に図11の領域A4、A6)にある基準輪郭線PL1の部分を単一円弧で近似して置換する工程が省略される。これにより、円弧近似に要する計算時間が短縮されて、トレッドプロファイルの設計工程が効率化される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1の製造方法では、基準輪郭線設定ステップST2にて、基準輪郭線PL1の連続関数が、タイヤ赤道面CL上に中心点をもつ以下の楕円関数で定義される。ただし、aがタイヤ幅方向かつ長軸の半径であり、bがタイヤ径方向かつ短軸の半径であり、0<b<a、0<x、0<y、1.00<p、1.00<qおよびp≠qの条件を満たす。
Figure 0007135508000002
かかる構成では、タイヤ接地形状がフラットとなり、すなわち接地領域の接地長が均一化されて、接地圧分布が均一化される。これにより、タイヤのコーナリング性能が向上する利点があり、また、タイヤの耐偏摩耗性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1の製造方法では、非膨出領域選択ステップST6にて、非膨出領域(特に図11の領域A1、A2)における基準輪郭線PL1から前記円弧までの最大距離の絶対値が、0.1[mm]未満である。これにより、基準輪郭線PL1が非膨出領域にて適正に近似されて、トレッドプロファイルの精度が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1の製造方法では、最大膨出点Pa、Pbを含まない非膨出領域(特に図11の領域A1、A2)を、さらに複数の非膨出領域に分割する追加分割ステップを含む(図示省略)。かかる構成では、基準輪郭線近似ステップST7にて、陸部31の接地領域、特にタイヤ接地端T近傍の領域を適切に近似できる利点があり、あるいは、タイヤ接地端Tからトレッド端に至る曲率半径の変化量が大きい領域を適切に近似できる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1の製造方法では、空気入りタイヤ1が複数の周方向溝21、22と周方向溝21、22に区画された複数の陸部31~33とを備えると共に、一部の陸部32、33が前記膨出した踏面を有する場合(図2参照)に、基準輪郭線PL1上における複数の周方向主溝21、22の位置を設定する主溝位置設定ステップST3を備える(図4参照)。そして、膨出点設定ステップST4にて、膨出した踏面の最大膨出点Pa、Pbが、周方向主溝21、22の位置との相対的な位置関係(例えば、基準輪郭線PL1からの最大膨出量Hpおよび陸部の幅Wbに対する幅方向距離Dp。図3参照。)により設定される。これにより、最大膨出点Pa、Pbの位置を容易に設定できる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1の製造方法では、空気入りタイヤ1が複数の周方向溝21、22と周方向溝21、22に区画された複数の陸部31~33とを備えると共に、一部の陸部32、33が前記膨出した踏面を有する場合(図2参照)に、基準輪郭線PL1上における複数の周方向主溝21、22の位置を設定する主溝位置設定ステップST3を備える(図4参照)。そして、基準輪郭線分割ステップST5にて、複数の領域A1~A6が、周方向主溝21、22の溝幅の測定点Q11、Q12;Q21、Q22を境界として定義される(図9参照)。これにより、周方向主溝21、22を有する領域A3、A5と陸部を有する領域A1、A2、A4、A6との区別が明確となり、非膨出領域選択ステップST6における非膨出領域A1、A2の選択が容易となる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1の製造方法では、非膨出領域選択ステップST6にて、周方向主溝21、22の位置にある領域A3、A5が、非膨出領域としての選択対象から除外される(図示省略)。これにより、周方向主溝21、22の領域A3、A5におけるにある基準輪郭線PL1の部分を単一円弧で近似して置換する工程が省略されるので、円弧近似に要する計算時間がさらに短縮される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1の製造方法は、空気入りタイヤ1が複数の周方向溝21、22と周方向溝21、22に区画された複数の陸部31~33とを備えると共に、一部の陸部32、33が前記膨出した踏面を有し、且つ、セカンド陸部32およびセンター陸部33の少なくとも一方が前記膨出した踏面を有すると共に、ショルダー陸部31が前記膨出した踏面を有さない場合(図2参照)に、適用されることが好ましい。このように、膨出した踏面を有する陸部32、33と有さない陸部とが混在する場合に、基準輪郭線PL1の部分を近似する工程を省略することによる計算時間の短縮効果が顕著に得られる利点がある。
また、この空気入りタイヤの製造方法は、空気入りタイヤ1が複数の周方向溝21、22と周方向溝21、22に区画された複数の陸部31~33とを備えると共に、一部の陸部32、33が前記膨出した踏面を有し(図2参照)、且つ、陸部32、33の幅Wbの測定点の中点から最大膨出点Pa、Pbまでの幅方向距離Dp(図3参照)が、陸部32、33の幅Wbに対して0≦Dp/Wb≦0.20の関係を有する場合に、適用されることが好ましい。かかる構成では、最大膨出点Pa、Pbが陸部32、33の幅方向の中央部に配置されるため、陸部32、33内の接地面圧が均一化される利点がある。
また、この空気入りタイヤの製造方法は、比Dp/Wbが0.02≦Dp/Wbの範囲にある場合に、適用されることが好ましい。かかる構成では、最大膨出点Paが陸部32、33の中心からオフセットして配置されることにより、陸部32、33の接地面圧の分布が均一化される利点がある。
また、この空気入りタイヤの製造方法は、空気入りタイヤ1が複数の周方向溝21、22と周方向溝21、22に区画された複数の陸部31~33とを備えると共に、一部の陸部32、33が前記膨出した踏面を有し(図2参照)、且つ、陸部32、33の前記膨出した踏面の最大膨出量Hp(図3参照)が、陸部32、33の幅Wbに対して0.010≦Hp/Wb≦0.015の関係を有する場合に、適用されることが好ましい。比Hp/Wbの上記下限により、前記膨出した踏面による接地圧の均一化作用が確保され、上記上限により、踏面の膨出量が過大となることに起因する接地圧の不均一化が抑制される利点がある。
また、この空気入りタイヤの製造方法は、空気入りタイヤ1が複数の周方向溝21、22と周方向溝21、22に区画された複数の陸部31~33とを備えると共に、一部の陸部32、33が前記膨出した踏面を有し(図2参照)、且つ、陸部32、33の前記膨出した踏面の最大膨出量Hp(図3参照)が、0.1[mm]≦Hp≦0.5[mm]の範囲にある場合に、適用されることが好ましい。最大膨出量Hpの上記下限により、前記膨出した踏面による接地圧の均一化作用が確保され、上記上限により、踏面の膨出量が過大となることに起因する接地圧の不均一化が抑制される利点がある。
1 空気入りタイヤ;11 ビードコア;12 ビードフィラー;13 カーカス層;14 ベルト層;141、142 交差ベルト;143 ベルトカバー;15 トレッドゴム;16 サイドウォールゴム;17 リムクッションゴム;21、22 周方向主溝;31~33 陸部

Claims (12)

  1. トレッドプロファイルの基準輪郭線からタイヤ径方向外側に部分的に膨出した踏面を有する空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記トレッドプロファイルの設計工程が、
    所定のタイヤ条件および連続関数を用いて前記基準輪郭線を設定する基準輪郭線設定ステップと、
    前記膨出した踏面の最大膨出点を設定する膨出点設定ステップと、
    前記基準輪郭線を複数の領域に分割する基準輪郭線分割ステップと、
    前記最大膨出点を含まない非膨出領域を前記複数の領域から選択する非膨出領域選択ステップと、
    前記非膨出領域にある前記基準輪郭線の部分を単一円弧で近似して置換する基準輪郭線近似ステップと、を含み、
    前記タイヤ条件が、トレッド幅、タイヤ外径、タイヤ呼び幅およびキャンバ角の少なくとも一つを含むタイヤ仕様に関する条件であり、且つ、
    前記連続関数が、楕円関数、スーパー楕円関数、サイクロイド関数、インボリュート関数あるいはべき関数であることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記基準輪郭線設定ステップにて、前記基準輪郭線の前記連続関数が、タイヤ赤道面上に中心点をもつ以下の楕円関数で定義される請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。ただし、aがタイヤ幅方向かつ長軸の半径であり、bがタイヤ径方向かつ短軸の半径であり、0<b<a、0<x、0<y、1.00<p、1.00<qおよびp≠qの条件を満たす。
    Figure 0007135508000003
  3. 前記非膨出領域選択ステップにて、前記非膨出領域における前記基準輪郭線から前記円弧までの最大距離の絶対値が、0.1[mm]未満である請求項1または2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記最大膨出点を含まない前記非膨出領域を、さらに複数の非膨出領域に分割する追加分割ステップを含む請求項1~3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記空気入りタイヤが複数の周方向溝と前記周方向溝に区画された複数の陸部とを備えると共に、一部の前記陸部が前記膨出した踏面を有し、
    前記基準輪郭線上における前記複数の周方向主溝の位置を設定する主溝位置設定ステップを備え、且つ、
    前記膨出点設定ステップにて、前記膨出した踏面の前記最大膨出点が、前記周方向主溝の位置との相対的な位置関係により設定される請求項1~4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. 前記空気入りタイヤが複数の周方向溝と前記周方向溝に区画された複数の陸部とを備えると共に、一部の前記陸部が前記膨出した踏面を有し、
    前記基準輪郭線上における前記複数の周方向主溝の位置を設定する主溝位置設定ステップを備え、且つ、
    前記基準輪郭線分割ステップにて、前記複数の領域が、前記周方向主溝の溝幅の測定点を境界として定義される請求項1~5のいずれか一つに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  7. 前記非膨出領域選択ステップにて、前記周方向主溝の位置にある前記領域が、前記非膨出領域としての選択対象から除外される請求項6に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  8. 前記空気入りタイヤが複数の周方向溝と前記周方向溝に区画された複数の陸部とを備えると共に、一部の前記陸部が前記膨出した踏面を有し、
    タイヤ幅方向の最外側にある前記周方向主溝に区画されたタイヤ幅方向外側の前記陸部をショルダー陸部として定義し、前記ショルダー陸部に隣り合うタイヤ幅方向内側の前記陸部をセカンド陸部として定義し、前記セカンド陸部よりもタイヤ赤道面側にある陸部をセンター陸部として定義し、且つ、
    前記セカンド陸部および前記センター陸部の少なくとも一方が前記膨出した踏面を有すると共に、前記ショルダー陸部が前記膨出した踏面を有さない請求項1~7のいずれか一つに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  9. 前記空気入りタイヤが複数の周方向溝と前記周方向溝に区画された複数の陸部とを備えると共に、一部の前記陸部が前記膨出した踏面を有し、且つ、
    前記陸部の幅Wbの測定点の中点から前記最大膨出点までの幅方向距離Dpが、前記陸部の幅Wbに対して0≦Dp/Wb≦0.20の関係を有する請求項1~8のいずれか一つに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  10. 比Dp/Wbが、0.02≦Dp/Wbの範囲にある請求項9に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  11. 前記空気入りタイヤが複数の周方向溝と前記周方向溝に区画された複数の陸部とを備えると共に、一部の前記陸部が前記膨出した踏面を有し、且つ、
    前記陸部の前記膨出した踏面の最大膨出量Hpが、前記陸部の幅Wbに対して0.010≦Hp/Wb≦0.015の関係を有する請求項1~10のいずれか一つに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  12. 前記空気入りタイヤが複数の周方向溝と前記周方向溝に区画された複数の陸部とを備えると共に、一部の前記陸部が前記膨出した踏面を有し、且つ、
    前記陸部の前記膨出した踏面の最大膨出量Hpが、0.1[mm]≦Hp≦0.5[mm]の範囲にある請求項1~11のいずれか一つに記載の空気入りタイヤの製造方法。
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