JP7131401B2 - 無線通信装置及び無線通信システム - Google Patents
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Description
<概要>
まず、図1を参照して本発明の実施形態に係る無線通信端末10が適用される環境の一例について説明したうえで、本発明の実施形態の概要について説明する。図1は、本発明の実施形態の概要について説明するための説明図である。なお、図1においては、参照符号40は、無線基地局アンテナ(図示省略)を有する鉄塔のような無線基地局40が設置された施設を示している。このような無線基地局40としては、例えば、図1に示されるような鉄塔型や、他にも、電柱型、ビルディング型等、様々な形状のものが含まれる。また、参照符号10は、上記無線基地局40と無線通信を介して通信可能に構成された無線通信端末10を模式的に示している。このような無線通信端末10としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末、インフラ設備保守、消防、警察、防災用の業務用無線通信端末等のような、携帯型の無線通信端末(すなわち、携帯型無線端末)が挙げられる。すなわち、本実施形態における無線通信は、特に限定されるものではなく、様々な無線通信形式を用いることができる。
まずは、本実施形態に係る無線通信システム1の構成について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る無線通信システム1の構成の一例を示した説明図である。図1に示すように、本実施形態の無線通信システム1は、無線通信端末(無線通信装置)10及び無線基地局40を含む。以下に、無線通信システム1に含まれる各装置の概要について説明する。
無線通信端末10は、後述する無線基地局40から放出される無線信号を受信したり、無線基地局40へ無線信号を送信したりすることができる。当該無線通信端末10の詳細構成については後述する。
無線基地局40は、無線基地局アンテナ(図示省略)を有し、当該無線基地局アンテナは、電磁波(無線信号)を空間に送信(放出)したり、空間中を伝播する当該電磁波を受信したりすることができる装置である。
以上、本実施形態に係る無線通信システム1の構成について説明した。続いて、図3を参照して、本実施形態に係る無線通信端末10のハードウェア構成の一例について説明する。図3は、本実施形態に係る無線通信端末10のハードウェア構成の一例を示した説明図である。
アンテナ素子101、102は、所望の帯域の無線信号を送受信可能に構成されており、アンテナ切替スイッチ103の各アンテナポート(図示省略)にそれぞれ接続されている。さらに詳細には、アンテナ素子(第2のアンテナ)102は、アンテナ素子(第1のアンテナ)101に比べて利得(増幅度)が低く、且つ、指向性の範囲が狭くなっている。
アンテナ切替スイッチ103は、2つアンテナポート(図示省略)及び1つの送受信ポート(図示省略)を有し、送受信ポートを、2つのアンテナポートの間で、すなわち、アンテナ素子101、102の間で、選択的に切り替え可能に構成されている。アンテナ切替スイッチ103の送受信ポートには、無線通信端末10の送受信を切り替える送受信切替スイッチ104のアンテナ側ポート(図示省略)が接続されている。詳細には、アンテナ切替スイッチ103の切替によって、アンテナ素子101、102のいずれかが、上記アンテナポート及び上記送受信ポートを介して、無線通信端末10の送受信ブロック(詳細には、受信回路部20や送信回路部105)に接続されることとなる。なお、当該アンテナ切替スイッチ103は、通信制御部119を介して、切替制御部30によって制御される。
送受信切替スイッチ104は、1つのアンテナ側ポート(図示省略)、1つの送信ポート(図示省略)、及び1つの受信ポート(図示省略)を有し、アンテナ側ポートに対して電気的に接続するポートを、送信ポートと受信ポートとの間で選択的に切り替え可能に構成されている。送受信切替スイッチ104の送信ポートには、無線信号の送信を行う送信回路部105が接続されている。また、送受信切替スイッチ104の受信ポートには、無線信号の受信を行う受信回路部20が接続されている。詳細には、当該受信ポートには、受信回路部20のRFスイッチ106の入力ポート(図示省略)が接続されることとなる。すなわち、無線信号の受信時には、アンテナ側ポートと受信ポートとが電気的に接続される。これにより、アンテナ素子101、102により空間の無線信号(電波)がRFスイッチ106の入力ポートに供給される。一方、無線信号の送信時には、アンテナ側ポートと送信ポートとが電気的に接続される。これにより、送信回路部105からの無線信号は、アンテナ素子101、102のいずれかに供給される。なお、送受信切替スイッチ104は、通信制御部119によって制御される。さらに、当該受信ポートには、受信信号の電力を取得する電力取得部120も接続されている。
送信回路部105は、無線信号の送信を行うためのブロックであり、例えば、PA(Power Amplifier)(図示省略)等を含む。先に説明したように、送信時には、送受信切替スイッチ104のアンテナ側ポート(図示省略)と送信ポートとが電気的に接続され、送信回路部105からの送信信号がアンテナ素子101、102のいずれかに供給される。これにより、当該送信信号が無線信号(電波)として、アンテナ素子101、102から空間に放射される。なお、図3においては、送信回路部105の詳細な構成については図示を省略している。
RFスイッチ106は、1つの入力ポート(図示省略)、及び、2つの出力ポート(図示省略)を有し、当該入力ポートに対して電気的に接続するポートを、2つの出力ポートとの間で選択的に切り替え可能に構成されている。一方の出力ポートには、LNA107の一方の端子(図示省略)が接続されており、他方の出力ポートには、減衰器108の一方の端子(図示省略)が接続されている。従って、RFスイッチ106は、入力ポートを介して、送受信切替スイッチ104の受信ポート(図示省略)から供給された無線信号を、LNA107及び減衰器108のうちのいずれかに供給する、すなわち、上記無線信号の信号経路を、LNA107と減衰器108との間で切り替えることができる。
LNA107は、入力された受信信号の電力値(信号レベル)を設定された利得に増幅して出力する。本実施形態においては、LNA107を設けることで、例えば、空間伝搬に伴い減衰した受信信号の電力値を好適な値にすることができ、ひいては無線通信端末10内で好適な態様で受信信号を復調することができる。
減衰器108は、例えば、可変減衰器であって、入力された受信信号の電力値(信号レベル)を可変に減衰して出力することができる。詳細には、減衰器108は、通信制御部119の制御により減衰量を調整できる回路から構成されることができる。減衰器108は、高電力値の受信信号が入力された場合に、LNA107による増幅を回避するためのバイパス回路であるといえる。なお、本実施形態においては、減衰器108の代わりに、減衰量が固定された減衰器を用いてもよく、もしくは、上記LNA107に比べて利得(増幅度)が小さなLNAを用いてもよい。
受信増幅器110は、RFスイッチ109を介して、LNA107又は減衰器108から供給された受信信号を増幅して、ミキサ114に出力する。なお、受信増幅器110で増幅された受信信号は、バンドパスフィルタ113を介することで、当該受信信号に含まれる所定の周波数帯域の信号成分がミキサ114に供給されることとなる。
RSSI検出部111は、RFスイッチ109の出力ポート(図示省略)と接続されており、RFスイッチ106、109の切替に伴い利得が制御された受信信号の電力値(信号レベル)を検出し、当該電力値の検出結果に基づく制御信号を通信制御部119に供給する。詳細には、RFスイッチ109からの受信信号は、例えば、スプリッタ等により分波され、当該RSSI検出部111と、上記受信増幅器110とに供給されることとなる。
バンドパスフィルタ113は、抵抗、コンデンサ、インダクタ等の素子からなり、一方の端子(図示省略)が上記受信増幅器110に接続され、他方の端子(図示省略)がミキサ114に接続される。バンドパスフィルタ113は、受信増幅器110から供給された受信信号のうち、所定の周波数帯域の信号成分を選択的に通過させ、当該所定の周波数帯域以外の周波数を持つ信号成分を減衰させる。
ミキサ114は、例えば複数のトランジスタ等の半導体素子からなり、上述したバンドパスフィルタ113と接続され、バンドパスフィルタ113から供給された受信信号を、当該受信信号に比べて低い周波数の信号に周波数変換することができる。詳細には、ミキサ114は、供給された受信信号と、発振器115からの局部発振信号とを乗算することより、供給された受信信号の周波数と局部発振信号の周波数との和及び差に対応する周波数を持つ信号を取得することができる。そして、ミキサ114によって周波数変換された信号は、可変利得増幅器116に供給されることとなる。
発振器115は、例えば、水晶発振器(図示省略)と、位相比較器(図示省略)、分周器(図示省略)、チャージポンプ(図示省略)及びループフィルタ(図示省略)で構成されるPLL(Phase Locked Loop)シンセサイザとで構成され、上述したミキサ114に接続される。発振器115は、所望の周波数を持つ局部発振信号を精度良く、且つ、安定的に生成し、生成した局部発振信号を上述したミキサ114に出力する。すなわち、発振器115は、ミキサ114における周波数変換の基準となる信号を発振することができる。
可変利得増幅器116は、ミキサ114からされた信号の電力値(信号レベル)の大小に限らず、当該信号の電力値が所定のレベルとなるように、当該信号を増幅する。なお、可変利得増幅器116の利得は、通信制御部119により、RSSI検出部111による受信信号の電力値の検出結果に基づき制御される。
ローパスフィルタ117は、抵抗、コンデンサ、インダクタ等の素子からなり、可変利得増幅器116から供給された信号のうち、低周波成分を選択的に通過させることにより、当該低周波成分をADコンバータ118に供給する。
ADコンバータ118は、例えばオペアンプ、トランジスタ、抵抗等を含む回路からなり、ローパスフィルタ117から供給された信号を、アナログ信号からデジタル信号に変換する。そして、ADコンバータ118は、変換したデジタル信号を通信制御部119に供給する。
通信制御部119は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はマイコン等の算術理論演算素子により構成され得る。通信制御部119は、送信信号の生成(変調)や、ADコンバータ118から供給される受信信号の復調を行うことができる。また、通信制御部119は、RSSI検出部111から受信信号の電力値の検出結果に基づく制御信号の供給を受けて、当該検出結果に基づき可変利得増幅器116の利得を制御することができる。さらに、通信制御部119は、無線通信端末10の作業員の操作等に応じて、送受信切替スイッチ104を切り替えることができる。
電力取得部120は、送受信切替スイッチ104から供給された受信信号の電力値を取得(検出)し、当該電力値の取得結果を示す情報をコンパレータ121に出力する。
コンパレータ121は、電力取得部120から受信信号の電力値の検出結果を示す情報を取得し、取得した当該情報を所定の閾値(第2の閾値)と比較する。そして、コンパレータ121は、受信信号の電力値が上記閾値以上の場合には、所定の制御信号をANDゲート127の入力端子(図示省略)の1つに供給する。すなわち、コンパレータ121は、受信信号の電力値の検出結果が上記閾値を超えたことを検出し、出力する回路であるといえる。
高度センサ122は、無線通信端末10の位置する高度を継続して一定周期で計測する装置であり、当該計測結果に基づく高度情報を算出部124や記憶装置123に出力する。例えば、高度センサ122は、気圧変化に基づいて、高度を計測する装置であることができる。なお、高度センサ122によって取得された高度情報は、後述する記憶装置123に格納されることが好ましく、さらに、電源再投入後であっても、格納された高度情報は記憶装置123に保持されることが好ましい。
記憶装置123は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等によって構成され、無線通信端末10の各機能部が機能するためのプログラムやパラメータを格納する。例えば、記憶装置123は、高度センサ122によって過去に計測された複数の高度情報や、計測された複数の高度情報から得られた統計処理値(パラメータ)等を格納する。なお、記憶装置123は、不揮発性の記憶装置であることが好ましく、上述の高度情報や統計処理値を電源再投入後であっても保持することが好ましい。
算出部124は、例えば、DSP、FPGA、またはマイコン等により構成され、高度センサ122によって過去に計測された複数の高度情報から統計処理値を算出する。さらに、算出部124は、例えば、算出した統計処理値を参照して、直近に計測された高度情報が過去に得られた複数の高度情報に対してどの程度異常であるかを示す指標を算出する。そして、算出部124は、上記指標に基づいて、現時点での無線通信端末10が高所に存在するか否かの判断を行い、当該判断結果に基づく制御信号を、ANDゲート127の他方の入力端子に供給する。すなわち、本実施形態においては、算出部124は、単純に検出された高度情報を閾値と比較するのではなく、直近に得られた高度情報が、過去に得られた複数の高度情報に対してどの程度の異常値であるのかを示す指標を用いることにより、現時点で、無線通信端末10を保持する作業員が無線基地局40を昇っている可能性があるかどうかを判断している。言い換えると、本実施形態においては、現時点での無線通信端末10の位置する高度情報が、過去に計測された高度情報に比べて、顕著に高い値を持つかどうかを判断することにより、現時点での無線通信端末10が高所に存在するか否かの判断を行う。本実施形態においては、このような判断方法を用いることにより、現時点での無線通信端末10が高所に存在するか否かの判断の精度をより高めることができる。
3軸加速度センサ125は、無線通信端末10の移動による3軸方向の加速度を計測する装置である。本実施形態においては、無線通信端末10の鉛直方向の移動を検出できればよいことから、3軸加速度センサ125の代わりに、鉛直方向の加速度を計測する加速度センサを用いてもよい。
鉛直方向加速度検出部126は、3軸加速度センサ125から計測結果を示す情報を取得し、取得した当該情報に基づいて、無線通信端末10の鉛直方向の移動による鉛直方向の加速度を検出する。そして、鉛直方向加速度検出部126は、無線通信端末10の鉛直方向の加速度を検出した場合には、所定の制御信号をANDゲート127の入力端子の1つに供給する。ところで、高度センサ122によって無線通信端末10が高所に存在することが検出された場合であっても、無線通信端末10を保持する作業員等が無線基地局40に昇っている場合だけでなく、例えば、当該作業員が山岳地帯等に移動している場合もある。そこで、本実施形態においては、無線通信端末10の移動による鉛直方向の加速度を検出し、且つ、上記統計処理値を参照することにより、無線通信端末10を保持する作業員等が無線基地局40に昇っている場合と、例えば当該作業員が山岳地帯等に移動している場合とを切り分けることができる。従って、本実施形態によれば、鉛直方向の加速度や統計処理値を利用して、上述の切り分けを行うことができることから、シンプルな構成の無線通信端末10であっても、無線通信端末10を保持する作業員が無線基地局40を昇っているかどうかを精度良く判断することができる。
ANDゲート127は3つの入力端子(図示省略)を有し、入力端子の1つがコンパレータ121に接続されており、入力端子の他の1つが算出部124に接続されており、入力端子の更なる他の1つが鉛直方向加速度検出部126に接続されている。また、ANDゲート127は、出力端子が通信制御部119に接続されている。そして、ANDゲート127は、コンパレータ121、算出部124及び鉛直方向加速度検出部126のそれぞれから供給される制御信号に基づく演算結果に応じて、制御信号を通信制御部119に供給する。より具体的には、ANDゲート127は、電力取得部120による電力値の検出結果が閾値以上であり、算出部124による統計処理値の算出結果が閾値以上であり、且つ、3軸加速度センサ125によって鉛直方向の加速度が検出された場合には、無線通信端末10を保持する作業員が無線基地局40を昇っていると判断し、上記制御信号を通信制御部119に供給する。
以上、本実施形態に係る無線通信端末10のハードウェア構成の一例について説明した。続いて、本実施形態に係る動作の例について、受信フェーズと送信フェーズとに分けて、それぞれ図4、5を参照して説明する。図4は、本実施形態に係る無線通信端末10の受信フェーズにおける動作例を示すフローチャートであり、図5は、本実施形態に係る無線通信端末10の送信フェーズにおける動作例を示すフローチャートである。
まずは、本実施形態に係る受信フェーズの動作例の詳細について説明する。図10に示すように、当該受信フェーズには、例えば、ステップS101からステップS109までの複数のステップが含まれている。以下に、受信フェーズに含まれる各ステップの詳細を説明する。
無線通信端末10は、電源が投入されると、受信回路部20をAGCにより最大利得の状態に制御して受信待ちを行う。そして、無線通信端末10は。所定の周期(より好適には、作業員が無線基地局40に昇ることで高度が変化する速度よりも早い周期)で、高度センサ122を用いて、無線通信端末10の高度を計測する。さらに、無線通信端末10は、過去に計測した複数の高度情報に基づいて、正規化された平均値と共分散行列とを算出する。
無線通信端末10は、3軸加速度センサ125を用いて、無線通信端末10の移動による加速度を計測する。
無線通信端末10は、電力取得部120を用いて、受信信号の電力値を計測する。
無線通信端末10は、高度センサ122を用いて、無線通信端末10の高度(直近の高度)を計測する。そして、無線通信端末10は、ステップS101で算出した平均値と共分散行列とに基づいて、当該ステップS104で計測された直近の高度情報のマハラノビス距離を算出する。なお、算出された平均値、共分散行列及びマハラノビス距離等は、統計処理値として、記憶装置123に格納されることが好ましく、さらに、電源再投入後であっても記憶装置123に保持されることが好ましい。
無線通信端末10は、ステップS103で算出されたマハラノビス距離が閾値(第1の閾値)以上であるかどうかを判断する。マハラノビス距離が閾値以上である場合には、動作はステップS106へ進み、マハラノビス距離が閾値以上でない場合には、動作はステップS109へ進む。
無線通信端末10は、ステップS102で計測された加速度に基づき、鉛直方向の加速度が検出されたかどうかを判断する。鉛直方向の加速度が検出された場合には、動作はステップS107へ進み、鉛直方向の加速度が検出されない場合には、動作はステップS109へ進む。
無線通信端末10は、ステップS103で計測された電力値が閾値(第2の閾値)以上であるかどうかを判断する。電力値が閾値以上である場合には、動作はステップS108へ進み、電力値が閾値以上でない場合には、動作はステップS109へ進む。
本実施形態においては、無線通信端末10は、ステップS105、S106、S107が同時に成り立つ場合、すなわち、電力値の検出結果が閾値以上であり、マハラノビス距離が閾値以上であり、且つ、鉛直方向の加速度が検出された場合には、無線通信端末10を保持する作業員は無線基地局40を昇った、又は昇っているものと判断する。そして、無線通信端末10は、上記判断に基づき、RFスイッチ106、109を減衰器108側に切り替える。このような制御により、受信信号は、減衰器108を介して受信増幅器110に供給され、受信増幅器110により増幅された後、バンドパスフィルタ113及びミキサ114を介して可変利得増幅器116に供給されることとなる。
そして、可変利得増幅器116に供給された受信信号は、当該可変利得増幅器116で電力値が所定のレベルとなるように制御(AGC制御)され、ADコンバータ118でアナログ信号からデジタル信号に変換されたうえで復調される。
次に、送信フェーズの動作例の詳細について説明する。図5に示すように、本実施形態に係る送信フェーズには、例えば、ステップS201からステップS204までの複数のステップが含まれている。以下に、送信フェーズに含まれる各ステップの詳細を説明する。
無線通信端末10は、RFスイッチ106、109が減衰器108側に切り替えられているか否かを判断する。RFスイッチ106、109が減衰器108側に切り替えられている場合には、動作はステップS202へ進み、RFスイッチ106、109が減衰器108側に切り替えられていない場合には、動作はステップS204へ進む。
そして、無線通信端末10は、アンテナ切替スイッチ103をアンテナ素子102側に切り替える。このような制御により、送信信号は、利得(増幅度)が低く、且つ、指向性の範囲が狭いアンテナ素子102から放出されることとなる。
そして、無線通信端末10は、送受信切替スイッチ104を送信回路部105側に切り替える。このような制御により、無線通信端末10は、送信を行うことができる。
無線通信端末10は、送信を開始する。
以上説明したように、本実施形態によれば、シンプルな構成を用いて、無線通信端末10を保持する作業員が無線基地局40を昇っているかどうかを精度良く判断し、判断結果に応じて、無線通信端末10及び無線基地局40の受信回路を保護することが可能な無線通信端末10及び無線通信システム1を提供することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 無線通信端末
20 受信回路部
30 切替制御部
40 無線基地局
101、102 アンテナ素子
103 アンテナ切替スイッチ
104 送受信切替スイッチ
105 送信回路部
106、109 RFスイッチ
107 LNA
108 減衰器
110 受信増幅器
111 RSSI検出部
113 バンドパスフィルタ
114 ミキサ
115 発振器
116 可変利得増幅器
117 ローパスフィルタ
118 ADコンバータ
119 通信制御部
120 電力取得部
121 コンパレータ
122 高度センサ
123 記憶装置
124 算出部
125 3軸加速度センサ
126 鉛直方向加速度検出部
127 ANDゲート
Claims (6)
- 第1のアンテナと、前記第1のアンテナに比べて増幅度が低く、且つ、指向性の範囲が狭い第2のアンテナと、
受信信号を増幅する増幅器と、前記受信信号を減衰する減衰器と、
前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの間で信号経路を切り替える第1の切り替え部と、
前記増幅器と前記減衰器との間で信号経路を切り替える第2の切り替え部と、
継続して高度を計測する高度計測部と、
鉛直方向の加速度を検出する加速度検出部と、
前記受信信号の電力を検出する電力検出部と、
前記第1及び第2の切り替え部における切り替えを制御する制御部と、
を備える無線通信装置であって、
前記制御部は、
計測された前記高度から得られた統計処理値、検出された前記鉛直方向の加速度、及び、検出された前記電力に基づいて、前記無線通信装置を保持する作業員が基地局を昇っていると判断できる場合には、
送信フェーズにおいては、前記第1の切り替え部を前記第2のアンテナ側に切り替えるように制御し、
受信フェーズにおいては、前記第2の切り替え部を前記減衰器側に切り替えるように制御する、
無線通信装置。 - 前記制御部は、
前記統計処理値が第1の閾値を超え、
前記鉛直方向の加速度が検出され、且つ、
前記電力が第2の閾値を超えた場合に、
前記無線通信装置が前記基地局を昇っていると判断する、
請求項1に記載の無線通信装置。 - 前記統計処理値は、前記高度計測部によって計測された複数の高度から得られる値を統計処理することによって得られた、直近に計測された高度のマハラノビス距離である、請求項1又は2に記載の無線通信装置。
- 前記統計処理値は、前記高度計測部によって計測された複数の高度から得られる値をクラスタ分析又は機械学習することによって得られた、直近に計測された高度に対する分類結果である、請求項1又は2に記載の無線通信装置。
- 少なくとも、前記高度計測部によって計測された複数の高度、及び計測された前記高度から得られた前記統計処理値のいずれかを格納する記憶部を更に備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の無線通信装置。
- 基地局と、無線通信装置と、を含む無線通信システムであって、
前記無線通信装置は、
第1のアンテナと、前記第1のアンテナに比べて増幅度が低く、且つ、指向性の範囲が狭い第2のアンテナと、
受信信号を増幅する増幅器と、前記受信信号を減衰する減衰器と、
前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの間で信号経路を切り替える第1の切り替え部と、
前記増幅器と前記減衰器との間で信号経路を切り替える第2の切り替え部と、
継続して高度を計測する高度計測部と、
鉛直方向の加速度を検出する加速度検出部と、
前記受信信号の電力を検出する電力検出部と、
前記第1及び第2の切り替え部における切り替えを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
計測された前記高度から得られた統計処理値、検出された前記鉛直方向の加速度、及び、検出された前記電力に基づいて、前記無線通信装置を保持する作業員が前記基地局を昇っていると判断できる場合には、
送信フェーズにおいては、前記第1の切り替え部を前記第2のアンテナ側に切り替えるように制御し、
受信フェーズにおいては、前記第2の切り替え部を前記減衰器側に切り替えるように制御する、
無線通信システム。
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