JP7127834B2 - 液状色素を含む組成物、膜、その製造方法、化学センサー、液状色素、液状色素の製造方法、簡易検査用(創薬および/または診断分析)デバイスまたはキット、並びに薄膜発光材料 - Google Patents
液状色素を含む組成物、膜、その製造方法、化学センサー、液状色素、液状色素の製造方法、簡易検査用(創薬および/または診断分析)デバイスまたはキット、並びに薄膜発光材料 Download PDFInfo
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Description
非特許文献1および2において開示された技術を含め、例えば、センサー用途において、センサーの感度を高めるために、色素濃度を上げる、膜厚を増やす等の必要がある。
しかし、固体粉末状の色素の溶解度には限界があり、センサーの感度を高めることは容易でない。また、膜厚が増加すると、色素の拡散距離が増加し、応答速度が遅くなるという問題が生じている。
このため、例えば、センサー用途において、高感度で、かつ応答速度が速いセンサーが求められている。
[1]炭素数5~50の色素アニオンと、炭素数6~60のイオン液体カチオンとを含む液状色素、および
バインダー樹脂を含む、液状色素含有組成物。
[2]前記色素アニオンが、少なくとも2個の酸素原子を有する、[1]に記載の組成物。
[3]前記色素アニオンは、炭素数1~20の炭化水素基を有し、
前記色素アニオンを形成する色素は、アゾ色素、ポルフィリン色素、フタロシアニン色素、トリフェニルメタン系色素、ナフトキノン色素、アントラキノン色素、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド色素、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド色素、オリゴフェニレン系色素、オキサゾール系色素、クマリン系色素、フタレイン系色素、ジシアノメチレン系色素、キナクリドン系色素、ペリレン系、キノフタロン系色素、オキサジン系色素、ポリメチン系色素、有機金属錯体系色素、フォトクロミック色素、アントラセン、ルブレン、ジフェニルテトラセン、ジフェニルアントラセンおよびキサンテン系色素から成る群から選択される少なくとも1つである、[1]または[2]に記載の組成物。
[4]前記イオン液体カチオンが、ピラゾリウム系カチオン、ピロリジニウム系カチオン、アンモニウム系カチオン、イミダゾリウム系カチオン、ピリジニウム系カチオン、ホスホニウム系カチオン、スルホニウム系カチオン、およびピペリジニウム系カチオンから成る群から選択される少なくとも1つである、[1]~[3]のいずれか1に記載の組成物。
[5]前記バインダー樹脂が、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル(アクリル)(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート、セルロース系樹脂およびポリビニルアルコールから選択される少なくとも1種である、[1]~[4]のいずれか1に記載の組成物。
[6]炭素数5~50の色素アニオンと、炭素数6~60のイオン液体カチオンとを含む液状色素、および
バインダー樹脂を含み、
変色可逆性を有する、膜。
[7]炭素数5~50の色素アニオンと、炭素数6~60のイオン液体カチオンとを含む液状色素、および
バインダー樹脂を含む組成物を、
乾燥膜厚が0.1~5.0μmとなるように塗布することを含む、
膜の製造方法。
[8]炭素数5~50の色素アニオンと、炭素数6~60のイオン液体カチオンとを含む、液状色素を含む、化学センサー。
[9]さらに、バインダー樹脂を含む、[8]に記載の化学センサー。
[10]イオンセンサー、ガスセンサー、バイオセンサーから選択される[8]または[9]に記載の化学センサー。
[11]アニオン選択性を有するイオンセンサーである、[10]に記載の化学センサー。
[12]酵素バイオセンサーおよびタンパク質センサーから選択される前記バイオセンサーである、[10]に記載の化学センサー。
[13]炭素数5~50の色素アニオンと、炭素数6~60のイオン液体カチオンとを含み、前記色素アニオンが疎水性である、液状色素。
[14]前記[13]に記載の色素アニオンとイオン液体カチオンとを含む液状色素の製造方法であって、色素アニオンを形成し得る色素とイオン液体カチオンを形成し得るイオン液体とを、溶媒を介して接触させることを含み、水系溶媒を除去することを含み得る、液状色素の製造方法。
[15]炭素数5~50の色素アニオンと、炭素数6~60のイオン液体カチオンとを含む液状色素、および
バインダー樹脂を含み、
簡易検査用創薬デバイス、簡易検査用創薬キット、簡易検査用診断分析デバイスおよび簡易検査用診断分析キットからなる群から選択される、簡易検査用デバイスまたはキット。
[16]電解質、生理活性物質およびタンパク質から選択される少なくとも1種の検出に用いる、[15]に記載の簡易検査用デバイスまたはキット。
[17]炭素数5~50の色素アニオンと、炭素数6~60のイオン液体カチオンとを含む液状色素、および
バインダー樹脂を含む、
薄膜発光材料。
また、液状色素に含まれる色素アニオンは、少なくとも2個の酸素原子を有してもよく、炭素数1~20の炭化水素基を有してもよい。
ある態様において、本発明は、色素アニオンと、イオン液体カチオンとを含む、液状色素に関する。より詳細には、本発明の実施形態の液状色素は、炭素数5~50の色素アニオンと、炭素数6~60のイオン液体カチオンとを含む。
例えば、後述する本発明の実施形態の液状色素含有組成物は、前記液状色素とバインダー樹脂とを含む。
本明細書において、液状とは、室温(25℃)、1atmで流動性を有することを意味する。すなわち、本発明の液状色素は、溶剤等を用いて希釈したり溶解したりすることなく、流動性を有しているので、そのままの状態で使用できる。
一方、要求される色素濃度を満たすために、溶剤などで希釈して用いてもよく、樹脂中に分散させて使用してもよい。
このような態様においても、本発明の色素は液状であるので、均一に分散できる。
本発明の液状色素は、色素のアニオンとイオン液体のカチオンとを有する物質である。通常、固体粉末状で得られる色素を液状にしたものである。
すなわち、本発明では、色素自体が液状であるため、希釈、溶解等をすることなく、色素を使用できる。
一方、通常の固体粉末状の色素を単に溶剤等に溶解させた溶解物の場合、色素を一旦希釈するなどして用いる必要がある。固体粉末状の色素の溶解度には限界上限があるので、本発明の液状色素とは異なり、所望の機能をもたらすためには、溶解物中の色素濃度を高くしなければならない場合がある。さらに、本発明の液状色素と比べて、溶解物中の色素は析出しやすく、用途においては、溶解物を容易に使用できない。
さらに、本発明の液状色素であれば、バインダー樹脂に対して高い分散性を示すことができるので、例えば、乾燥膜厚が0.1~5.0μm、好ましくは0.1~3.0μm、より好ましくは0.1~2.0μm、例えば、0.1~1.5μmである超薄膜を形成でき、その上、色素が均一に分散した膜を得ることができる。
ある態様においては、例えば、センサー用途においては、薄膜中に、十分量の色素を含むことができる。
さらに、例えば、センサー用途に本発明の液状色素を用いる場合、高感度の発色、変色を実現できる。また、薄膜化しても十分な感度が得られることから、薄膜のメリットである高速応答も得られる。
ある態様においては、本発明の液状色素を含む膜は、フローセル内においても安定して使用でき、その上、高精度な測定を行える。また、色素は液状であるので、セル内部への色素の析出を抑制できる。色素の析出を抑制できると、フローセル内に析出、固着した色素により生じ得るスペクトルへの悪影響を大幅に低減できる。
イオン交換率とは、液状色素に含まれるイオン液体カチオン1モルに対する色素アニオンの割合を示すモル比(百分率)である。イオン交換率の測定は、既知の方法を用いることができる。
イオン液体カチオンの出発物質であるイオン液体に由来するプロトン数と、色素アニオンの出発物質である色素に由来するプロトン数との比較は、一般的に核磁気共鳴分析(NMR)法を用いて行うことができる。また、公知の方法、例えば、質量分析法、イオンビーム法などを用いてもよい。
ある態様において、イオン液体カチオンが1価のカチオンであり、色素アニオンが2価のアニオンである場合、イオン液体カチオンの出発物質であるイオン液体に由来するプロトン数と、色素アニオンの出発物質である色素に由来するプロトン数とを比較すると、液状色素における、イオン液体部位:色素部位=2:0.1~2:1の範囲内であり得、例えば、イオン液体部位:色素部位=2:0.5~2:1の範囲内であり得、より好ましくは、イオン液体部位:色素部位=2:0.6~1:1の範囲内である。プロトン数の比較は、上述したような公知の方法を用いて行える。
イオン液体部位と色素部位との関係が、上記のような範囲内であることにより、常温において、液状色素は安定した状態で存在し得る。さらに、発色、変色などの際においても、液状色素は安定した状態で存在し得る。例えば、センサー用途に本発明の液状色素を用いる場合、高速での応答ができ、その上、高感度の発色、変色を実現できる。
本発明における色素アニオンの炭素数は5~50、好ましくは8~40、例えば、10~35である。ここで、色素アニオンの炭素数は、色素アニオンの出発物質となる色素の骨格に含まれる炭素を意味する。このため、後述する、炭素数1~20の炭化水素基(例えばアルキル基)などの置換基に存在する炭素数は、色素アニオンの炭素数に含まれない。ここで、本発明において炭化水素基は、炭素原子と水素原子のみから構成される。
色素アニオンは、好ましくは、1~5価のアニオンであり、好ましくは1~3価のアニオンである。例えば、色素アニオンは1価のアニオンであり、別の態様では、色素アニオンは2価のアニオンである。
ある態様においては、色素アニオンと組合せるイオン液体カチオンの価数に応じて、色素アニオンの価数を選択できる。
このような原子を有することにより、イオン液体カチオンとの結合性が良好になり、イオン交換率が高い液状色素を得ることができる。また、色素の有する性質、例えば、変色性、発色性を良好に発揮できる。
色素アニオンが、酸素原子、窒素原子および硫黄原子を有する態様は、色素内で、例えば、二重結合により炭素原子と結合している態様、炭素基と結合している態様を挙げられる。ある態様において、色素アニオンは、少なくとも2個の酸素原子を有し、好ましくは、色素は、分子中に、エステル結合およびエーテル結合の少なくとも1つを有する。
好ましくは、色素アニオンは、少なくとも1個、より好ましくは少なくとも2個の酸素イオンを有する。色素アニオンが酸素イオンを有することにより、イオン液体カチオンとの結合により、本発明の液状色素は、常温であっても安定した状態で液状であることができる。
ある態様において、色素アニオンは、上述した少なくとも2個の酸素原子とは別に、少なくとも1個、より好ましくは少なくとも2個の酸素イオンを有する。酸素イオンは、通常、酸素アニオンである。
このような態様においては、例えば、色素アニオンは少なくとも2個の酸素原子と、少なくとも1個の酸素イオンを有する。このような色素アニオンを有する液状色素は、色素の有する発色性、変色性を損なうことなく、その上、常温であっても安定した状態で液状であることができる。
また、炭化水素基の数は、限定されないが、例えば、色素アニオン中、1~3個の炭化水素基を有してもよく、炭化水素基は、適宜分岐していてもよい。
色素アニオンがこのような炭素数を有する炭化水素基を有することにより、イオン液体カチオンと色素アニオンの結合がより安定した液状色素を得ることができる。
例えば、イオン液体カチオンの出発物質であるイオン液体に由来するプロトン数と、色素アニオンの出発物質である色素に由来するプロトン数との比率を、理想的な比率の1:1に近づけることができ、本発明の液状色素は、常温であっても、より安定した状態で液体であることができる。
また、色素アニオンが有する炭化水素基長を選択することにより、本発明の液状色素の粘性を調整できる。例えば、センサー用途に本発明の液状色素を用いる場合、要求される応答感度、応答速度に応じて、色素アニオンが有する炭化水素基長を選択できる。
さらに、例えば、液状色素をセンサー用途に使用する場合、高い感度と高速応答性をもたらし得る。
また、色素アニオンは、上記した炭化水素基を有することにより、色素アニオンは疎水性を示し得る。疎水性を示すことにより、色素アニオンは水に溶解しにくくなる。例えば、イオンセンサーに本発明の液状色素を用いる場合、何回測定しても色素が水溶液側に溶け出しにくいので、応答の長期安定性を向上できる。このように、本発明の液状色素を含むことにより、可逆応答の長期安定性に優れたセンサーを作製できる。
例えば、本発明の液状色素を、センサー用途において用いる場合、上述の機能を有する色素のうち、好ましくは、可逆変化または化学反応などにより変色性を示す色素、および蛍光発色性を有する色素等の光放射性の色素を選択できる。
本発明においては、このような色素に基づく色素アニオンであることにより、液状色素は、色素の有する発色性、変色性を損なうことなく、その上、常温であっても安定した状態で液状であることができる。
なお、本発明においては、上記した構造に限定されず、同様の構造を有し得る態様も含まれる。
本発明におけるイオン液体は、炭素数6~60のイオン液体であり、好ましくは炭素数15~60、より好ましくは、炭素数15~55である。
イオン液体の粘度は、常温で融体である限り特に制限されないが、好ましくは1~200mPa・sである。
好ましくは、ピラゾリウム系カチオン、ピロリジニウム系カチオン、アンモニウム系カチオン、イミダゾリウム系カチオン、ピリジニウム系カチオン、ホスホニウム系カチオンである。
さらに好ましくは、イオン液体を形成するカチオン、すなわち、イオン液体カチオンは、ホスホニウム系カチオンである。
ピラゾリウム系カチオンを含むイオン液体の具体例としては、
1-エチル-2,3,5-トリメチルピラゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-プロピル-2,3,5-トリメチルピラゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ブチル-2,3,5-トリメチルピラゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。
トリエチルペンチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラブチルアンモニウム ブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、メチルトリオクチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ブチルトリメチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、エチルジメチルプロピルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラエチルアンモニウム トリフルオロメタンスルホナート、トリメチルプロピル ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジエチルメチル(2-メトキシエチル)アンモニウム ヘキサフルオロホスファート、ジエチルメチル(2-メトキシエチル)アンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。
1-メチル-3-オクチルイミダゾリウム ヘキサフルオロホスファート、1-メチル-3-オクチルイミダゾリウム テトラフルオロボラート、1,3-ジメチルイミダゾリウム クロリド、1,3-ジメチルイミダゾリウム ジメチルホスファート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム クロリド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム ブロミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム ヨージド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム トリフルオロメタンスルホナート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム p-トルエンスルホナート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム エチルスルファート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム 2-(2-メトキシエトキシ)エチルスルファート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム ジシアナミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム テトラフルオロボラート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム ヘキサフルオロホスファート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-メチル-3-プロピルイミダゾリウム ヨージド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム クロリド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ブロミド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ヨージド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム トリフルオロメタンスルホナート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ヘキサフルオロホスファート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム テトラクロロフェラート、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウム クロリド、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスファート、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウム テトラフルオロボラート、1-エチル-2,3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウム クロリド、1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボラート、1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウム ヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。
1-エチルピリジニウム クロリド、1-エチルピリジニウム ブロミド、1-ブチルピリジニウム クロリド、1-ブチルピリジニウム ブロミド、1-ブチルピリジニウム ヘキサフルオロホスファート、1-ブチル-3-メチルピリジニウム エチルスルファート、1-ブチル-4-メチルピリジニウム ヘキサフルオロホスファート、1-エチル-3-(ヒドロキシメチル)ピリジニウム エチルスルファート等が挙げられる。
トリヘキシルテトラデシルホスホニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリヘキシルテトラデシルホスホニウム クロリド、トリヘキシルテトラデシルホスホニウム ブロミド、トリブチルヘキサデシルホスホニウム ブロミド、テトラブチルホスホニウム ブロミド、トリブチル(2-メトキシエチル)ホスホニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が挙げられる。
P+(R2)4で示すことができる。式中、R2は、それぞれ同一または異なって、炭素数1~20の炭化水素基であり、好ましくは、炭素数6~20の炭化水素基、特に、アルキル基である。
ある態様において、色素アニオンは、クマリン系色素アニオンおよびフタレイン系色素アニオンから選択される少なくとも1つである。
ある態様において、クマリン系色素アニオンおよびフタレイン系色素アニオンは、少なくとも2個の酸素原子を有し得る。
さらに、所望により、クマリン系色素アニオンおよびフタレイン系色素アニオンは、炭素数1~20の炭化水素基、特に、アルキル基を有してもよい。
ある態様において、色素アニオンは、上記式(I-b)で表されるナフトールフタレインアニオンであり、イオン液体カチオンは、上記式(III-a)で表されるトリヘキシルテトラデシルホスホニウムであり得る。
ある態様において、色素アニオンは、上記式(II-b)で表される、クマリン系アニオンであり、イオン液体カチオンは、上記式(III-a)で表されるトリヘキシルテトラデシルホスホニウムである。
このような組合せであることにより、液状色素は、色素の有する発色性、変色性を損なうことなく、その上、常温であっても安定した状態で液状であることができる。
さらに、このような組合せを有する液状色素を含む、膜、イオンセンサーなどは、高い感度を示し、その上、高速応答性を有し得る。
本発明は、さらに、色素アニオンとイオン液体カチオンとを含む液状色素の製造方法であって、色素アニオンを形成し得る色素と、イオン液体カチオンを形成し得るイオン液体とを接触させることを含む製造方法を提供する。
ある態様において、液状色素の製造方法は、色素アニオンを形成し得る色素とイオン液体カチオンを形成し得るイオン液体とを、溶媒を介して接触させ(溶媒の存在下接触させ)、溶媒、例えば、水等の水系溶媒を除去し得ることを含む。また、所望により、液状色素の調製時に生成し得る塩、例えば、ナトリウムイオン、塩化物イオンなどを除去してもよい。
例えば、色素アニオンが上記した炭化水素基、好ましくは、上記したアルキル基を有することにより、色素アニオンは疎水性を示し得る。疎水性を示すことにより、色素アニオンは水に溶解しにくくなり、色素は、より高い確率で有機相に存在し得る。これにより、色素アニオンとイオン液体カチオンの反応をより効率的に行える。
なお、用いることができる溶媒は、イオン液体および色素と反応しないものであり、本発明の液状色素を得られるものであれば、適宜選択できる。例えば、クロロホルム、ヘキサン、酢酸エチル、トルエン、ベンゼン等が挙げられる。
また、有機相の洗浄、残留水分の除去などは、公知の方法を用いることができる。
水の除去についても、公知の方法を用いることができる。例えば、脱水剤による乾燥により除去でき、これにより、本発明の液状色素に含まれる色素アニオンを形成し得る原料色素と、イオン液体カチオンを形成し得るイオン液体との結合を破壊すること無く、水を除去できる。
更に、液状色素を製造した後、バインダー樹脂と混合することにより、液状色素含有組成物を製造できる。この際、本発明の液状色素であれば、溶剤等を用いて更に希釈したり溶解したりすることなく、流動性を有しているので、そのままの状態で使用できる。このような態様においても、本発明の色素は液状であるので、組成物中で均一に分散できる。
本発明は、さらに、本発明に係る液状色素と、バインダー樹脂とを含む液状色素含有組成物を提供する。組成物は、炭素数5~50の色素アニオンと、炭素数6~60のイオン液体カチオンとを含む液状色素、およびバインダー樹脂を含む、液状色素含有組成物である。また、前記組成物において、色素アニオンは、少なくとも2個の酸素原子を有し得る。別の態様では、色素アニオンは、炭素数1~20の炭化水素基を有し得る。ある態様において、イオン液体カチオンは、ピラゾリウム系カチオン、ピロリジニウム系カチオン、アンモニウム系カチオン、イミダゾリウム系カチオン、ピリジニウム系カチオン、ホスホニウム系カチオン、スルホニウム系カチオン、およびピペリジニウム系カチオンから成る群から選択される少なくとも1つであり得る。
本発明の組成物は、上記した本発明に係る液状色素とバインダー樹脂とが均一に分散するので、例えば、製膜した際、色素の析出を抑制でき、均一な薄膜を形成できる。
なお、組成物は、その目的および用途などに応じて、本発明に係る液状色素に加えて、既知の材料を有してもよい。また、既知の材料の配合量は、本発明に係る液状色素の機能を損なわない範囲で、適宜調整できる。
本発明は、さらに、液状色素と、バインダー樹脂とを含む膜であって、液状色素は、上記した本発明にかかる液状色素であり、可逆性を有する膜を提供する。膜に含まれる液状色素は、炭素数5~50の色素アニオンと、炭素数6~60のイオン液体カチオンとを含む。なお、「液状色素」および「バインダー樹脂」などについて、上述の本明細書の記載を参照できる。
ここで、可逆性を有する膜とは、例えば、膜に塩基性水溶液を接触させると、発色し、酸性水溶液を接触させると、塩基性水溶液を接触させる前の状態を示す膜であってもよい。同様に、特定の化学物質の有無に応じて、変色と元の色に戻ることを繰り返すことができる膜であってもよい。さらに、塩基性水溶液の塩基成分濃度に応じて、色彩が変化する態様であってもよい。本明細書においては、可逆的に変色する膜を、変色可逆性を有する膜と称する場合がある。変色には、色変化が生じることに加え、蛍光発色することも含む。
ある態様においては、本発明の液状色素とバインダー樹脂を含む薄膜発光材料が提供され、例えば、薄膜発光材料の膜厚は、0.1μm以上1.0μm以下、好ましくは0.1μm以上0.6μm以下である。本発明の液状色素を含むことで、薄膜発光材料をこのように極めて薄くでき、かつ、高感度の発色、変色を実現できる薄膜発光材料を得ることができる。また、薄膜発光材料は、変色可逆性を有してもよい。
本発明に係る液状色素を用いることにより、薄膜化が可能となる。更に、例えば、膜をセンサー用途に用いる場合、薄膜化しても十分な感度が得られ、色素の拡散距離を短くでき、応答速度を高くすることが可能となる。その上、高感度の発色、変色を実現できる。
また、可逆性を有する膜の膜厚を薄くできるので、特定の物質、例えばイオンが低濃度で含まれる場合であっても、所望の物質を高い感度および高速に検出でき、その上、繰り返し使用することができる。
ある態様においては、乾燥膜厚が例えば、0.1~5.0μmの範囲、好ましくは0.1~4.0μm、より好ましくは0.1~3.0μm、とりわけ好ましくは0.1~2.0μmとなるように、本発明における組成物を塗布することを含む。また、液状色素は、炭素数5~50の色素アニオンと、炭素数6~60のイオン液体カチオンとを含む。
膜は、例えば、スピンコーターを用いて形成できる。本発明における液状色素を含むことにより、上記範囲の膜厚を有する薄膜を形成できる。
本発明によると、このような薄膜であっても、色素を均一に分散させることができる。さらに、色素を析出させることなく膜形成が可能である。さらに、従来は得られることのできなかった、高濃度で色素が存在する膜を形成でき、薄膜でありながら、応答時間の短縮と高感度のセンサーを提供できる。
その上、このような範囲に膜厚を有するので、本発明の製造方法により形成された膜は、高い可逆性を有し、高速応答および高感度変色が可能である。
本発明の液状色素は、様々な用途に適用できる。ある態様において、本発明の液状色素を含み、バインダー樹脂を含む液状色素含有組成物は、膜状の化学センサー、例えば、イオンセンサー、ガスセンサー、バイオセンサー等に適用できる。また、液状色素は、炭素数5~50の色素アニオンと、炭素数6~60のイオン液体カチオンとを含む。
ある態様においては、化学センサーは、アニオン選択性を有するイオンセンサーであってもよく、酵素バイオセンサーおよびタンパク質センサーから選択されるバイオセンサーであってもよい。
例えば、特定のイオン種の存在により変色、蛍光性を示すイオンセンサーとして適用できる。本発明の液状色素を含むイオンセンサーであれば、高い可逆性を有し、高速応答および高感度変色が可能である。ある態様においては、イオンセンサーは、アニオン選択性を示す。また、例えば、特定のイオン濃度の上昇に伴い、色の濃淡、色調が変化するイオンセンサーを提供できる。
なお、化学センサー、例えば、イオンセンサー、ガスセンサー、バイオセンサー等は、本発明に係る液状色素を含み、更に、バインダー樹脂を含んでもよい。また、「液状色素」および「バインダー樹脂」などについて、上述の本明細書の記載を参照できる。
さらに、本発明の液状色素は、超薄膜発光材料などの、薄膜にも使用できる。
例えば、簡易検査用(創薬および/または診断分析)デバイスまたはキットは、炭素数5~50の色素アニオンと、炭素数6~60のイオン液体カチオンとを含む液状色素を含み、バインダー樹脂を含んでもよい。ここで、「液状色素」および「バインダー樹脂」等について、本明細書の記載を参照できる。
ここで、上記簡易検査用(創薬および/または診断分析)デバイスまたはキットは、簡易検査用創薬デバイス、簡易検査用創薬キット、簡易検査用診断分析デバイスおよび簡易検査用診断分析キットを含む。
ある態様において、簡易検査用創薬および/または診断分析デバイスまたはキットは、電解質、生理活性物質およびタンパク質から選択される少なくとも1種の検出に用いることができる。
(液状分子の合成-1)
液状色素分子[P66614]2[NP]の合成
1002mgのトリヘキシルテトラデシルホスホニウムブロミド(P66614 Br)を50mLの塩化メチレンに溶解し、755.8mgのナフトールフタレイン(NP)を含む水溶液1M NaOH水溶液10mLと接触させ、常温(25℃)にて約12時間、撹拌した。
その後、水相を捨て、新たに純水を加えて撹拌する操作を3回繰り返し、有機相を洗浄した。
次いで、有機相をとり、そこに適量の無水硫酸ナトリウムを加えて残存している水分を取り除いた。
固体の無水硫酸ナトリウムを濾別し、有機相の溶媒を留去し、液状色素([P66614] 2 [NP])を得た。
核磁気共鳴分析(NMR)のデータから、トリヘキシルテトラデシルホスホニウム[P66614]由来のアルキルプロトン数とナフトールフタレイン[NP]由来のプロトン数を比較したところ、その比率は、当量で反応した場合の比率の2:1に対し、約2:0.7であった。このため、極めて高い比率で、色素アニオンとイオン液体カチオンがイオン結合した液状色素([P66614] 2 [NP])を得ることができた。なお、イオン交換率は、約70%であった。
この実施例における化学反応の概略を、以下の式に示す。
(液状分子の合成-2)
液状色素分子[P66614] [4ME12a]の合成
152mgのトリヘキシルテトラデシルホスホニウムクロリド(P66614 Cl)および炭素数12の炭化水素基を導入したクマリン誘導体(4ME12a)109mgを150mLのクロロホルムに溶解し、NaOH水溶液を加えて振とうした。その後、水相を捨て、純水を加えて再度振とうし、有機相の洗浄を2回行った。有機相を取り出し、無水硫酸ナトリウムを加え、残留水分を除去した。固体の硫酸ナトリウムを濾別し、有機相の溶媒を留去し、液状の色素([P66614] [4ME12a])を得た。
核磁気共鳴分析(NMR)のデータから、P66614 由来のアルキルプロトン数と4ME12a由来のプロトン数を比較したところ、その比率は、当量で反応した場合の比率である1:1であった。この実施例における化学反応の概略を、以下の式に示す。
[P66614]2 [NP]を用いた可塑化PVC膜の作製
ポリ塩化ビニル(PVC)と、実施例1で調製した[P66614]2 [NP]の合計重量が100mgとなるように組成を変化させ、液状色素を含む組成物を調製した。
得られた組成物を、溶媒となるテトラヒドロフラン(THF)450mgに溶解させた。プラスチック基板上に溶解物を滴下し、スピンコーターを用いて膜材を均一展開し、THFを蒸発させ、厚さ約2.0~3.0μmの薄膜を作製した。このような工程を経て、本発明の液状色素を含む膜を形成した。
[P66614]2 [NP]を用いた可塑化PVC膜における膜性能の評価
(膜外観)
実施例1で得られた[P66614]2 [NP]を含み、PVC含量が5重量%、10重量%および20重量%である膜を、フローセルにセットし、塩化物イオンの水溶液と水酸化ナトリウム水溶液を交互に接触させ、プロトンと塩化物イオンの協同抽出モデルに基づく変色挙動を評価した。
例えば、PVC含量が10重量%である膜について12回測定をおこなったところ、[P66614]2 [NP]の流出は観察されなかった。よって、本発明の液状色素を含む膜は、膜強度が高く、その上、色素の流出を抑制できることが判る。
また、実施例1で得られた[P66614]2 [NP]を含み、PVC含量が5重量%、10重量%および20重量%のいずれの膜においても、応答時間が短い膜を得ることができた。応答時間と、PVC濃度の関係を示す結果を、図2に示す。図2において、応答時間のデータの横軸は時間、縦軸は全色素中の脱プロトン化色素の割合をとっている。
また、色素分子の変色応答の機構は図3に示すように、プロトンとアニオン(塩化物イオン)の協同抽出に基づいている。
PVC10mgと、実施例1で得られた[P66614]2[NP]90mgとを、THF 1500mgに溶解させ、スピンコーターを用いて薄膜を作製した(膜厚約500nm)。
図4(a)は、得られた薄い膜に、1M HCl、1M NaOH水溶液を交互に接触させた際の変色の可逆性を示す図である。図4(a)によると、本発明の液状色素を含む薄膜は、高い可逆性を有していることが判る。
図4(b)は、得られた薄い膜に、1M HCl、1M NaOH水溶液に接触させた1回目の吸収スペクトルと、12回目の吸収スペクトルを示す図である。ここで、図4(b)において、370nm付近と670nm付近とにピークを有する曲線は、膜を1M NaOH水溶液に接触させたときを示す曲線であり、前記ピークを有する曲線と比べて、ほぼ平坦な曲線は、膜を1M HClに接触させたときを示す曲線である。また、それぞれの局線において、実線は1回目のスペクトルを示し、破線は12回目のスペクトルを示す。この図からも明らかなように、1回目の吸収スペクトルと、12回目の吸収スペクトルは、1MNaOH水溶液に接触させたときも、1M HClに接触させたときも、両方とも、ほぼ一致しており、本発明の液状色素を含む薄膜は、高い可逆性を有していることが判る。
PVC10mgと、実施例1で得られた[P66614]2[NP]90mgとを、THF 1500mgに溶解させ、スピンコーターを用いて薄膜を作製した(膜厚約500nm)。
その膜に、各種アニオン(Cl-、Br-、SCN-、SO4 2-)を含む50mMホウ酸-NaOH緩衝溶液(pH10)を接触させた。
図5は、薄膜に各種アニオンを含む緩衝溶液を接触させた際の変色挙動を示す。この図から明らかなように、[P66614]2[NP]を含む薄膜においては、特にSCN-に対し、低い濃度から応答していることが分かる。また、SCN->Br->Cl->SO4 2-の順で選択性を有することが分かる。
PVC10mgと、実施例1で得られた[P66614]2[NP]90mgとを、THF 1500mgに溶解させ、スピンコーターを用いて薄膜を作製した(膜厚約500nm)。
塩化物イオン(Cl-)濃度への変色応答は、膜をフラットベッドスキャナーに載せ、カラーモードでスキャン画像を取得した。
図6(a)は、実施例1で得られた[P66614]2[NP]を含む薄膜に関するコントラスト評価の結果である。図6(a)において、左(NaOH)側は深い青であり、右(HCl)側は浅い黄色である。また、10-4から100に向かって、グラデーションのように、段階的に浅い黄色に変化している。このように、本発明による液状色素を含むことにより、塩化物イオン濃度の上昇とともに深い青が浅い黄色へと段階的に変化していることが分かり、変色も明確に区別することができる。
一方、コントラスト評価に関する比較対象として、炭素数18のアルキル基を有するナフトールフタレイン(18-NP)を合成し、固体状の色素を溶解させて形成する従来型の膜を作製した。
具体的には、18-NP 5mg、PVC30mg、膜溶媒としてニトロフェニルオクチルエーテル(NPOE)を60mg、テトラドデシルアンモニウムブロミド5mgを、1500mgのTHFに溶解し、スピンコート法で膜を作製した。膜厚は、約500nm程度である。
図6(b)は、色素を溶媒に単に溶解させて製膜した従来型の膜に関するコントラスト評価の結果である。
その結果、従来型の膜では元々の青色が薄く、10-4から100の間においても、変色もはっきりはわからない程度である。この場合、色素濃度は約6倍以上になっており、液状色素の優位性がわかる。
[4ME12a]を用いた可塑化PVC膜の作製
実施例2で得られた[P66614] [4ME12a]を46.3mg、ポリ塩化ビニル(PVC)5.2mgを、THF1035mgに溶解させた。
プラスチック基板上にその液体を滴下し、スピンコーターを用いて膜材を均一展開し、かつTHFを蒸発させ、厚み500nm程度の薄膜を作製した。
図7は、作製した膜(可視光にて観察)および、紫外線ランプ照射時の膜外観である。
可視光にて観察した膜は、ほぼ無色透明であり、均一な薄膜である。さらに、紫外線ランプ照射時の膜は、鮮やかな蛍光色(青色)を発している。
紫外線ランプ照射時の膜外観から明らかなように、本発明の液状色素を含む膜は、溶質の析出なく、均一に薄膜が作製されていることがわかる。また、極薄い膜であるにも拘らず、非常に強い発蛍光を示すこともわかる。
[P66614] [4ME12a]を用いた可塑化PVC膜のイオン(アニオン)に対する変色応答挙動
実施例(4-1)で作製した膜に1M HCl水溶液、1M NaOH水溶液を交互に接触させた際の変色の可逆性を、図8に示す。
図8(a)は、[P66614][4ME12a]を用いた膜の変色の可逆性を示す図であり、図8(b)は、その応答時間を示す図であり、図8(c)は、その膜の塩化物イオンセンサーとしての光学応答を示す図である。
具体的には、図8(a)によると、本発明の液状色素を有する膜は、HCl接触時には塩化物イオン(Cl-)とプロトンが協同抽出されるために吸光度が下がり、NaOH接触時には、逆に塩化物イオンとプロトンが膜相から水相に放出されるために吸光度が上がっている。交互にそのプロセスを繰り返すと高い可逆性が得られている。この際の応答時間は図8(b)からも分かるように約1.5秒程度である。液状色素を用いた場合には吸光度差が約0.6となることが分かる。図8(c)は、pHを7.4に固定して、塩化物イオン濃度を振ったときの吸光度応答を、全色素中の脱プロトン色素分子の割合(α)で表記したものである。約0.001M~1M程度の塩化物イオン濃度に応答して吸光度が変化していることが分かる。本発明の液状色素を有する膜は、幅広い濃度の対象物に対して、応答性を示すことができ、非常に高感度であることが分かる。
固体状の色素[4ME12a]を溶解させて形成する従来型の膜を作製した。具体的には、[4ME12a]3mg、PVC30mg、膜溶媒としてフタル酸ジオクチル(DOP)を60mg、テトラドデシルアンモニウムブロミド7mgを、1000mgのTHFに溶解し、スピンコート法で膜を作製した。膜厚は、約500nmであった。
図9(a)は、[4ME12a]を溶解させて形成した従来型の膜における可逆性に関する図である。図9(b)は、応答時間を示す図である。
得られた吸光度差は、従来法ではHCl接触時とNaOH接触時の吸光度差が0.17程度であった。また、応答時間は約10秒であった。
(液状色素分子の合成-3)
液状色素分子[P66614] [HDOPP]の合成
113mgのトリヘキシルテトラデシルホスホニウムクロリド(P66614 Cl)と110mgのビス(4-オクチルフェニル)リン酸カルシウム塩(HDOPPCa)を75mLの塩化メチレンに溶解し、純水で2回、1MのHCl水溶液で2回、1MのNaOH水溶液で2回、有機相の洗浄を行った。有機相を取り出し、無水硫酸ナトリウムを加え、残留水分を除去した。固体の硫酸ナトリウムを濾別し、有機相の溶媒を留去し、液状の色素分子([P66614][HDOPP])を得た。
核磁気共鳴分析(NMR)のデータから、P66614 由来のアルキルプロトン数とHDOPP由来のプロトン数を比較したところ、その比率は、当量で反応した場合の比率である1:1であった。この実施例における化学反応の概略を、以下の式に示す。
液状色素分子[P66614][HDOPP]3[KD-M7]2を含む可塑化PVC膜の作製
100mgのHDOPPCaおよび、既知材料の1-(ドデシル)-4-[(3’,5’-ジブチル-4’-オキソシクロヘキサ-2’,5’-ジエニリデン)エチリデン]-1,4-ジヒドロピリジン(KD-M7)100mgを、2300mgのTHFに溶解した溶液を調製し、実施例(5-1)で調製した[P66614][HDOPP]95.7mgを加えた。
混合溶液中で得られた液状の色素は、[P66614][HDOPP]3[KD-M7]2である。
[P66614][HDOPP]3[KD-M7]2を含む、可塑化PVC膜の可逆応答性評価
実施例5-2で作製したPVC膜に、1M H3PO4、1M NaOH水溶液を交互に接触させた際の変色の可逆性を、図11に示す。図11において、右上に示される膜は、図10で示した膜と同一で有り、深い青色を呈している。一方、右下に示される膜は、浅い黄色を示しており、これらの膜は明らかに色彩が異なっている。このように、図11によると、PVC膜は高い色変化の可逆性を有していることが分かる。1M H3PO4、1M NaOH水溶液を交互に接触させることを10回繰り返して測定した際の標準偏差は0.31%であり、極めて高い可逆性であることがわかる。
[P66614][HDOPP]3[KD-M7]2を含む、可塑化PVCの各種イオン(カチオン)に対する変色応答挙動
実施例5-2で作製したPVC膜に、各種カチオン(Ca2+, Na+, K+)を含む50mMホウ酸-NaOH緩衝溶液(pH10)を接触させた際の変色挙動を図12に示す。特にCa2+に対して選択的に応答していることが分かる。
液状色素分子[P66614][12-FL]の合成
100mgのトリヘキシルテトラデシルホスホニウムクロリド(P66614 Cl)および炭素数12の炭化水素基をフルオレセインのカルボキシル基に導入したフルオレセイン誘導体(12-FL)96mgを100mLのクロロホルムに溶解し、飽和の炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて振とうした。その後、水相を捨て、純水を加えて再度振とうし、有機相の洗浄を2回行った。有機相を取り出し、無水硫酸ナトリウムを加え、残留水分を除去した。固体の硫酸ナトリウムを濾別し、有機相の溶媒を留去し、液状の色素([P66614][12-FL])を得た。
核磁気共鳴分析(NMR)のデータから、P66614 由来のアルキルプロトン数と12-FL由来のプロトン数を比較したところ、その比率は、当量で反応した場合の比率である1:1であった。この実施例における化学反応の概略を、以下の式に示す。
[P66614][12-FL]を含む可塑化PVC膜の作製
ポリ塩化ビニル(PVC)10mgと、実施例(6-1)で調製した[P66614][12-FL]90mgを、溶媒となるテトラヒドロフラン(THF)1600mgに溶解させた。プラスチック基板上に溶解物を滴下し、スピンコーターを用いて膜材を均一展開し、THFを蒸発させ、厚さ約0.14μm程度の薄膜を作製した。得られた可塑化PVC膜の外観を、図13に示す。図13に示される膜は、薄膜であり、均一な表面を有し、崩壊、欠損などが生じていない。さらに、深いピンク色を呈する。
[P66614][12-FL]を含む可塑化PVC膜のスペクトル変化
実施例(6-2)で作製した膜にNaOH水溶液、pH7.4のリン酸緩衝液、10-4M~1Mの塩化物イオンを含む緩衝液および塩酸水溶液を接触させた際のスペクトル変化とその際の色変化の写真を、図14に示す。図14の左上に示す膜は、薄膜であり、均一な表面を有し、崩壊、欠損などが生じていない。さらに、浅い黄色を呈している。一方、右上に示す膜は、図13で示した膜と同一であり、薄膜であり、均一な表面を有し、崩壊、欠損などが生じていない。さらに、深いピンク色を呈する。
このように、膜厚が140nmしかないにもかかわらず、極めて視認性の良い色変化を示していることがわかる。単位膜厚あたりの吸光度変化は膜厚100nmあたり約0.5となった。
この結果は、吸光感度に優れている[P66614][4ME12a]を用いた実施例と比較して、約4.2倍、更に吸光感度が向上していた。また、黄色から赤への変色であることから、視認性もより優れていた。
[P66614][12-FL]を含む可塑化PVC膜の各種アニオンへの応答
実施例(6-2)で作製した薄膜に各種アニオンを含む緩衝溶液を接触させた際の変色挙動を、図15に示す。この図から明らかなように、[P66614][12-FL]を含む薄膜においても、他の実施例と同様に、特にSCN-に対し、低い濃度から応答していることが分かる。また、SCN->Br->Cl->SO4 2-の順で選択性を有することが分かる。
[P66614][12-FL]を含む可塑化PVC膜の可逆応答性と応答時間
図16は、[P66614][12-FL]を含む可塑化PVC膜の可逆応答性と応答時間を示す。図16の右図において、左上に示す膜は、薄膜であり、均一な表面を有し、崩壊、欠損などが生じていない。さらに、深いピンク色を呈する。一方、右下に示す膜は、薄膜であり、均一な表面を有し、崩壊、欠損などが生じていない。さらに、浅い黄色を呈している。
[P66614][12-FL]を用いた可塑化PVC膜は、他の実施例と同様に、HCl接触時には塩化物イオン(Cl-)とプロトンが協同抽出されるために吸光度が下がり、NaOH接触時には、逆に塩化物イオンとプロトンが膜相から水相に放出されるために吸光度が上がっている。交互にそのプロセスを繰り返すと高い可逆性が得られている(RSD値:0.24%(n=5))。この際の応答時間は図16からも分かるように約0.6秒程度である。
この結果は、迅速応答性においても優れている[P66614][4ME12a]を用いた実施例と比較して、約2.5倍の速度向上であり、迅速応答性が更に格段に向上していることが分かる。
色素分子のアルキル直鎖の炭素数が6個である液状色素を、実施例(6-1)と同様の操作で合成し、実施例(6-2)と同様の方法で可塑化PVC膜を作製した。
得られた種々の薄膜に実施例(6-5)と同様にHCl、NaOH水溶液を接触させ、可逆応答性を実施例(6-5)と同様に測定した。
その結果、何れの薄膜においても、高い可逆応答性を示した。また、複数回のサイクルにも使用できる良好な可逆応答性を示した。
Claims (18)
- 炭素数5~50の色素アニオンと、炭素数6~60のイオン液体カチオンとを含む液状色素であって、色素自体が液状であり、イオン交換率は40%以上である、液状色素、および
バインダー樹脂を含み、
前記色素アニオンは、置換基として、炭素数1~20の炭化水素基を有し、
前記色素アニオンは、疎水性である、
液状色素含有組成物。 - 前記色素アニオンが、少なくとも2個の酸素原子を有する、請求項1に記載の組成物。
- 前記色素アニオンを形成する色素は、アゾ色素、ポルフィリン色素、フタロシアニン色素、トリフェニルメタン系色素、ナフトキノン色素、アントラキノン色素、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド色素、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド色素、オリゴフェニレン系色素、オキサゾール系色素、クマリン系色素、フタレイン系色素、ジシアノメチレン系色素、キナクリドン系色素、ペリレン系、キノフタロン系色素、オキサジン系色素、ポリメチン系色素、有機金属錯体系色素、フォトクロミック色素、アントラセン、ルブレン、ジフェニルテトラセン、ジフェニルアントラセン、キサンテン系色素、ビス(4-オクチルフェニル)リン酸(HDOPP)系の色素及びフルオレセイン系の色素から成る群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の液状色素含有組成物。
- 前記イオン液体カチオンが、ピラゾリウム系カチオン、ピロリジニウム系カチオン、アンモニウム系カチオン、イミダゾリウム系カチオン、ピリジニウム系カチオン、ホスホニウム系カチオン、スルホニウム系カチオン、およびピペリジニウム系カチオンから成る群から選択される少なくとも1種である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記バインダー樹脂が、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル(アクリル)(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート、セルロース系樹脂およびポリビニルアルコールから選択される少なくとも1種である、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
- 炭素数5~50の色素アニオンと、炭素数6~60のイオン液体カチオンとを含む液状色素であって、色素自体が液状であり、イオン交換率は40%以上である、液状色素、および
バインダー樹脂を含み、
前記色素アニオンは、置換基として、炭素数1~20の炭化水素基を有し、
前記色素アニオンは、疎水性である、
変色可逆性を有する、膜。 - 炭素数5~50の色素アニオンと、炭素数6~60のイオン液体カチオンとを含む液状色素であって、色素自体が液状であり、イオン交換率は40%以上である、液状色素、および
バインダー樹脂を含む組成物を、
乾燥膜厚が0.1~5.0μmとなるように塗布することを含み、
前記色素アニオンは、置換基として、炭素数1~20の炭化水素基を有し、
前記色素アニオンは、疎水性である、
膜の製造方法。 - 炭素数5~50の色素アニオンと、炭素数6~60のイオン液体カチオンとを含む、液状色素であって、色素自体が液状であり、イオン交換率は40%以上である、液状色素を含み、
前記色素アニオンは、置換基として、炭素数1~20の炭化水素基を有し、
前記色素アニオンは、疎水性である、
化学センサー。 - さらに、バインダー樹脂を含む、請求項8に記載の化学センサー。
- イオンセンサー、ガスセンサーおよびバイオセンサーから選択される請求項8または9に記載の化学センサー。
- アニオン選択性を有するイオンセンサーである、請求項10に記載の化学センサー。
- 酵素バイオセンサーおよびタンパク質センサーから選択される前記バイオセンサーである、請求項10に記載の化学センサー。
- 炭素数5~50の色素アニオンと、炭素数6~60のイオン液体カチオンとを含み、
前記色素アニオンが疎水性であり、
前記色素アニオンは、置換基として、炭素数1~20の炭化水素基を有する、
液状色素であって、
色素自体が液状であり、イオン交換率は40%以上である、液状色素。 - 請求項13に記載の色素アニオンとイオン液体カチオンとを含む液状色素の製造方法であって、色素アニオンを形成し得る色素とイオン液体カチオンを形成し得るイオン液体とを、溶媒を介して接触させることを含み、水系溶媒を除去することを含み得る、液状色素の製造方法。
- 炭素数5~50の色素アニオンと、炭素数6~60のイオン液体カチオンとを含む液状色素であって、色素自体が液状であり、イオン交換率は40%以上である、液状色素、および
バインダー樹脂を含み、
前記色素アニオンは、置換基として、炭素数1~20の炭化水素基を有し、
前記色素アニオンは、疎水性である、
簡易検査用創薬デバイス、簡易検査用創薬キット、簡易検査用診断分析デバイスおよび簡易検査用診断分析キットからなる群から選択される、簡易検査用デバイスまたはキット。 - 電解質、生理活性物質およびタンパク質から選択される少なくとも1種の検出に用いる、請求項15に記載の簡易検査用デバイスまたはキット。
- 炭素数5~50の色素アニオンと、炭素数6~60のイオン液体カチオンとを含む液状色素であって、色素自体が液状であり、イオン交換率は40%以上である、液状色素、および
バインダー樹脂を含み、
前記色素アニオンは、置換基として、炭素数1~20の炭化水素基を有し、
前記色素アニオンは、疎水性である、
薄膜発光材料。 - 前記色素アニオンは、ナフトールフタレイン系色素、クマリン系色素、ビス(4-オクチルフェニル)リン酸(HDOPP)系の色素及びフルオレセイン系の色素から成る群から選択される少なくとも1種である、請求項1~5のいずれか1項に記載の液状色素含有組成物。
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水田巽 他4名,画像検出を指向した新規疎水性色素含有可塑化PVC膜センサーの作成とその基礎検討,日本分析化学会第65年会講演要旨集,日本,2016年08月31日,164頁 |
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