(実施形態)
(1)概要
本実施形態に係る負荷制御システム1は、図1に示すように、第1端子T1と、複数(例えば2つ)の第2端子T2(T21,T22)と、複数(例えば2つ)の開閉回路10(101,102)と、制御回路20と、電源回路30と、を備える。
第1端子T1は電源(交流電源2)に電気的に接続される。
複数の第2端子T2(T21,T22)は複数(例えば2つ)の負荷3(3A,3B)に一対一に対応する。
複数の開閉回路10(101,102)は複数の第2端子T2(T21,T22)に一対一に対応する。
複数の第2端子T2(T21,T22)の各々は、複数の負荷3(3A,3B)のうち対応する一の負荷3を介して電源(交流電源2)に電気的に接続される。
複数の開閉回路10(101,102)の各々は、複数の第2端子T2(T21,T22)のうち対応する一の第2端子T2と第1端子T1との間に電気的に接続されるスイッチ11を有している。
制御回路20は、複数の開閉回路10(101,102)の各々が有するスイッチ11を制御することで、複数の開閉回路10(101,102)の各々に対応する負荷3(3A,3B)への電力供給を制御する。
電源回路30は、複数の第2端子T2(T21,T22)のうちの一部の第2端子T2と第1端子T1とを介して電源(交流電源2)から電力を得て、少なくとも制御回路20に供給する電力を生成する。
ここにおいて、「第1端子」及び「第2端子」は、電線等を接続するための部品(端子)でなくてもよく、例えば電子部品のリードや、回路基板に含まれる導体の一部であってもよい。
本実施形態に係る負荷制御システム1は、複数の負荷3(3A,3B)の各々について見れば、交流電源2と負荷3との直列回路が2本の電線で接続される2線式の負荷制御装置である。複数の開閉回路10(101,102)は複数の負荷3(3A,3B)に一対一に対応している。複数の開閉回路10(101,102)の各々は、電源(交流電源2)に対して、複数の負荷3(3A,3B)のうち対応する一の負荷3と電気的に直列に接続されるように、電源(交流電源2)と負荷3との間に電気的に接続される。
言い換えれば、開閉回路101に負荷3Aを電気的に接続するために、負荷制御システム1の第1端子T1には、電源(交流電源2)につながる電線a1が電気的に接続され、第2端子T21には、負荷3Aにつながる電線a21が電気的に接続される。そして、2本の電線a1,a21の間に、開閉回路101が有するスイッチ11が電気的に接続される。制御回路20が開閉回路101のスイッチ11を導通状態にすれば、電源(交流電源2)からの交流電圧Vacが負荷3Aに印加されて負荷3Aに電力が供給される。制御回路20が開閉回路101のスイッチ11を非導通状態にすれば、電源(交流電源2)からの交流電圧Vacが第1端子T1と第2端子T21との間に印加されて、負荷3Aへの電力供給が停止する。
また、開閉回路102に負荷3Bを電気的に接続するために、負荷制御システム1の第1端子T1には、電源(交流電源2)につながる電線a1が電気的に接続され、第2端子T22には、負荷3Bにつながる電線a22が電気的に接続される。そして、2本の電線a1,a22の間に、開閉回路102が有するスイッチ11が電気的に接続される。制御回路20が開閉回路102のスイッチ11を導通状態にすれば、交流電源2からの交流電圧Vacが負荷3Bに印加されて負荷3Bに電力が供給される。制御回路20が開閉回路102のスイッチ11を非導通状態にすれば、交流電源2からの交流電圧Vacが第1端子T1と第2端子T22との間に印加されて、負荷3Bへの電力供給が停止する。
ここで、複数の第2端子T2の各々と第1端子T1との間には負荷3と交流電源2とが直列に接続されているので、交流電源2と複数の負荷3とをそれぞれ2本の電線で接続する場合に比べて、複数の負荷3を接続するための電線の数を削減できる。
さらに、制御回路20は、各開閉回路10のスイッチ11を制御することで、各開閉回路10に対応する負荷3への電力供給を制御しているので、複数の負荷3への電力供給を個別に制御することができる。したがって、本実施形態によれば、複数の負荷3を個別に制御可能な2線式の負荷制御システム1を提供できる。
また、電源回路30は、複数の第2端子T2のうちの一部の第2端子T2と第1端子T1とを介して電源(交流電源2)から電力を得ている。したがって、電源回路30が電力を得るための一部の第2端子T2にさえ負荷3が接続されていれば、残りの第2端子が無負荷状態になった場合でも、制御回路20を動作させるのに必要な電圧を供給できる。
本実施形態では一例として、負荷3が、複数のLED素子と、複数のLED素子を点灯させる点灯回路と、を備える照明負荷である場合について説明する。すなわち、負荷制御システム1は、例えば、スイッチ11により照明負荷からなる負荷3に供給する電圧を位相制御することで、負荷3の光出力の大きさを調節する調光装置を構成する。ここで、負荷3の点灯回路は、負荷制御システム1で位相制御された交流電圧Vacの波形から調光レベルを読み取り、LED素子の光出力の大きさを変化させる。負荷3の点灯回路は、一例としてブリーダ回路等の電流確保用の回路を有している。そのため、負荷制御システム1のスイッチ11が非導通状態となる期間においても、負荷3に電流を流すことが可能である。交流電源2は、例えば、単相100〔V〕、60〔Hz〕の商用電源である。また、負荷制御システム1は例えば壁スイッチ等に適用可能である。
(2)詳細
本実施形態に係る負荷制御システム1について、図1~図3を参照して詳細に説明する。
負荷制御システム1は、図1に示すように、上述の第1端子T1と、複数(例えば2つ)の第2端子T2(T21,T22)と、複数(例えば2つ)の開閉回路10(101,102)と、制御回路20と、電源回路30と、を備える。また、負荷制御システム1は、整流回路DB1と、インタフェース部40と、絶縁電源回路50と、絶縁回路60と、ゼロクロス検出部(ZC)231,232,241,242と、を更に備えている。また、制御回路20は、主制御回路21と、副制御回路22とを含んでいる。本実施形態では、制御回路20及び電源回路30が複数の開閉回路10によって共用される。つまり、制御回路20及び電源回路30が共用回路を含んでいる。ここで、共用回路は、複数の開閉回路10に共用される。本実施形態では、複数の開閉回路10が共用回路を共用するので、負荷制御システム1全体として回路規模を削減できる。なお、制御回路20及び電源回路30の両方が共用回路を含むことは必須ではなく、制御回路20と電源回路30との少なくとも一方が1つの共用回路を含んでいればよい。制御回路20が1つの共用回路を含んでもよいし、電源回路30が1つの共用回路を含んでもよい。また、制御回路20及び電源回路30の一方のみが共用回路を含んでもよいし、制御回路20及び電源回路30が両方共に共用回路を含んでいなくてもよい。
上述のように、複数の開閉回路10(101,102)の各々は、複数の第2端子T2(T21,T22)のうち対応する一の第2端子T2と第1端子T1との間に電気的に接続されるスイッチ11を有している。
スイッチ11は、例えば、第1端子T1と複数の第2端子T2(T21,T22)のうち対応する第2端子T2との間に電気的に直列に接続された2個のスイッチ素子Q1,Q2からなる。例えば、スイッチ素子Q1,Q2の各々はMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)からなる半導体スイッチ素子である。
スイッチ素子Q1,Q2は、第1端子T1と複数の第2端子T2(T21,T22)のうち対応する第2端子T2との間において、いわゆる逆直列に接続されている。つまり、スイッチ素子Q1,Q2はソース同士が互いに接続されている。スイッチ素子Q1のドレインは第1端子T1に接続され、スイッチ素子Q2のドレインは対応する第2端子T2に接続されている。ここで、開閉回路101が有するスイッチ素子Q1,Q2のソースは、電源回路30のグランドに電気的に接続される。また、開閉回路102が有するスイッチ素子Q1,Q2のソースは、開閉回路102に電力を供給する絶縁電源回路50のグランドに電気的に接続されている。
各開閉回路10のスイッチ11は、スイッチ素子Q1,Q2のオン、オフの組み合わせにより、4つの状態を切替可能である。スイッチ素子Q1,Q2は、それぞれ、制御回路20によってオン又はオフに制御される。ここで、4つの状態には、両スイッチ素子Q1,Q2が共にオフである「双方向オフ状態」と、両スイッチ素子Q1,Q2が共にオンである「双方向オン状態」と、スイッチ素子Q1,Q2の一方のみがオンである2種類の「一方向オン状態」とがある。一方向オン状態では、スイッチ素子Q1,Q2のうち、オンの方のスイッチ素子から、オフの方のスイッチ素子の寄生ダイオードを通して第1端子T1と第2端子T2との間が一方向に導通することになる。例えば、スイッチ素子Q1がオン、スイッチ素子Q2がオフの状態では、第1端子T1から第2端子T2に向けて電流を流す「第1の一方向オン状態」となる。また、スイッチ素子Q2がオン、スイッチ素子Q1がオフの状態では、第2端子T2から第1端子T1に向けて電流を流す「第2の一方向オン状態」となる。そのため、第1端子T1と第2端子T2との間に交流電源2から交流電圧Vacが印加される場合、交流電圧Vacの正極性、つまり第1端子T1が正極の半周期においては、第1の一方向オン状態が「順方向オン状態」、第2の一方向オン状態が「逆方向オン状態」となる。一方、交流電圧Vacの負極性、つまり第2端子T2が正極の半周期においては、第2の一方向オン状態が「順方向オン状態」、第1の一方向オン状態が「逆方向オン状態」となる。
ここで、スイッチ11は、「双方向オン状態」及び「順方向オン状態」の両状態がスイッチ11を介して負荷3(3A,3B)に電流が流れる「導通状態」である。スイッチ11は、「双方向オフ状態」及び「逆方向オン状態」の両状態がスイッチ11を介して負荷3(3A,3B)に電流が流れない「非導通状態」である。本実施形態では、制御回路20が、交流電圧Vacの正極性の半周期又は負極性の半周期において、スイッチ素子Q1,Q2をそれぞれオン又はオフに制御することで、スイッチ11を「導通状態」又は「非導通状態」に制御することができる。
ゼロクロス検出部231,232は、第1端子T1と第2端子T21との間に印加される交流電圧Vacのゼロクロス点を検出する。
ゼロクロス検出部231は、第1端子T1の電圧と所定の閾値との高低を比較する。ゼロクロス検出部231は、第1端子T1を正極とする電圧が閾値未満の状態から閾値以上の状態に移行したことを検出すると、交流電圧Vacが負極性の半周期から正極性の半周期に移行する際のゼロクロス点であると判断する。ゼロクロス検出部231は、ゼロクロス点を検出すると、検出信号を副制御回路22に出力する。
また、ゼロクロス検出部232は、第2端子T21を正極とする電圧が閾値未満の状態から閾値以上の状態に移行したことを検出すると、交流電圧Vacが正極性の半周期から負極性の半周期に移行する際のゼロクロス点であると判断する。ゼロクロス検出部232は、ゼロクロス点を検出すると、検出信号を副制御回路22に出力する。
ここで、閾値は0〔V〕付近に設定された値(絶対値)である。例えば、ゼロクロス検出部231,232の閾値は、それぞれ数〔V〕程度である。したがって、ゼロクロス検出部231,232で検出されるゼロクロス点の検出点は、厳密な意味でのゼロクロス点(0〔V〕)から少し時間が遅れる。
同様に、ゼロクロス検出部241,242は、第1端子T1と第2端子T22との間に印加される交流電圧Vacのゼロクロス点を検出する。ゼロクロス検出部241,242は、ゼロクロス点を検出すると、検出信号を副制御回路22に出力する。ここで、ゼロクロス検出部241,242のグランド(すなわち、ゼロクロス検出部241,242に電力を供給する絶縁電源回路50のグランド)と、電源回路30のグランドとは異なっているので、ゼロクロス検出部241,242の検出信号は絶縁回路(例えばフォトカプラ等)を介して副制御回路22に入力される。
インタフェース部(操作部)40には、負荷3A,3Bのそれぞれについて明るさを規定する入力レベルが入力される。入力レベルは、交流電圧Vacの半周期においてスイッチ11が導通状態になるタイミング又は非導通状態になるタイミングを規定する。なお、インタフェース部40には、負荷3A,3Bのそれぞれについて異なる入力レベルが入力されてもよいし、同じ入力レベルが入力されてもよい。本実施形態では、負荷制御システム1は調光装置であるから、インタフェース部40は、ユーザによる操作を受け付け、入力レベルとしての調光レベルの入力を受け付ける。インタフェース部40は、主制御回路21に対し調光レベルを表す調光信号を出力する。調光信号とは、負荷3の光出力の大きさを指定する数値等であって、負荷3を消灯状態とする「OFFレベル」を含む場合もある。本実施形態では一例として、インタフェース部40は、ユーザのタッチ操作を受け付けるタッチパネル41(図2参照)を有している。タッチパネル41は、負荷制御システム1の器体90の表面に保持されており、壁などの造営材100に負荷制御システム1の器体90が取り付けられた状態でユーザのタッチ操作を受け付け可能に構成されている。なお、インタフェース部40は、入力レベル(調光レベル)を表す信号を出力する構成であればよく、例えば、器体の表面に配置された可変抵抗器、ロータリスイッチ、又は操作ボタン等であってもよい。また、インタフェース部40は、複数の開閉回路10に一対一に対応した複数の操作部を備えていてもよい。制御回路20は、複数の操作部のうち一の操作部からの操作入力に基づいて、複数の開閉回路10のうち一の操作部に対応する開閉回路10が有するスイッチ11のオン/オフを制御する。本実施形態ではインタフェース部40がタッチパネル41で実現されており、例えばタッチパネル41で所定の操作(右スライド、左スライド等の操作)を行うことで、操作対象の負荷3を切り替えた後、タッチパネル41で所定の操作(例えば上スライド、下スライドなど)を行うことで操作対象の負荷3の調光レベルを操作する。つまり、1つのタッチパネル41で、複数の開閉回路10に一対一に対応した複数の操作部が実現されているが、複数の操作部は、複数の開閉回路10にそれぞれ対応して設けられた複数の操作ボタン等で実現されてもよい。また、一の開閉回路10に対応した一の操作部は、一の開閉回路10に関する複数の操作(例えば、点灯/消灯の切替操作、調光レベルを上げる操作、調光レベルを下げる操作等)を行うための一組の操作要素(例えば操作ボタン等)を含んでいてもよい。
また、インタフェース部40は、入力された負荷3の明るさ(調光レベル)を表示する表示部(インジケータ)を更に備えてもよい。インタフェース部40は、例えば、複数個のLED素子からなる表示部を含み、LED素子の点灯数によって入力レベルを表示する。
次に、制御回路20について説明する。本実施形態では、制御回路20は、主制御回路21と、副制御回路22と、を含む。
例えば、主制御回路21及び副制御回路22は、それぞれ、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを主構成とする。マイクロコントローラのメモリに記録されたプログラムを、マイクロコントローラのプロセッサが実行することにより、主制御回路21及び副制御回路22の各機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。なお、本実施形態では、主制御回路21及び副制御回路22は別々のマイクロコントローラで実現されているが、主制御回路21及び副制御回路22は1つのマイクロコントローラで実現されてもよい。
主制御回路21は、制御親機5との間で無線通信方式で通信する通信機能を有している。ここで、主制御回路21が有する通信機能は、例えば、特定小電力無線の通信規格に準拠した通信機能であるが、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の通信方式に準拠した通信モジュールでもよい。
主制御回路21は、制御親機5から受信した制御信号に基づいて、副制御回路22に、制御対象の負荷3(3A,3B)の調光レベルを示す制御信号を出力する。また、主制御回路21は、インタフェース部40からの操作入力を受け付ける機能を有している。主制御回路21は、操作部40から受け付けた操作入力に基づいて、副制御回路22に、制御対象の負荷3(3A,3B)の調光レベルを示す制御信号を出力する。
副制御回路22は、主制御回路21から入力される負荷3Aの制御信号と、ゼロクロス検出部231,232から入力される検出信号とに基づいて、開閉回路101に制御信号S1を出力し、開閉回路101のスイッチ11のオン/オフを制御する。本実施形態では、開閉回路101のグランドと副制御回路22のグランドとが共通しているので、副制御回路22から出力される制御信号S1は開閉回路101に直接入力される。副制御回路22は、開閉回路101が有するスイッチ11のスイッチ素子Q1,Q2を個別に制御することでスイッチ11のオン/オフを制御し、交流電源2から負荷3Aに供給される交流電圧Vacを、開閉回路101のスイッチ11にて位相制御する。
また、副制御回路22は、主制御回路21から入力される負荷3Bの制御信号と、ゼロクロス検出部241,242から入力される検出信号とに基づいて、開閉回路102に制御信号S2を出力し、開閉回路102のスイッチ11のオン/オフを制御する。本実施形態では、開閉回路102のグランドと、副制御回路22のグランドとが共通ではないので、副制御回路22から出力される制御信号S2は絶縁回路60を介して開閉回路102に入力される。副制御回路22は、開閉回路102が有するスイッチ11のスイッチ素子Q1,Q2を個別に制御することでスイッチ11のオン/オフを制御し、交流電源2から負荷3Bに供給される交流電圧Vacを、開閉回路102のスイッチ11にて位相制御する。
ここでいう「位相制御」は、交流電圧Vacの半周期ごとに、負荷3への通電を開始する位相角(導通角)と、負荷3への通電を終了する位相角とをそれぞれ変化させることによって、負荷3に供給(印加)される交流電圧Vacを制御する方式を意味する。本実施形態では、副制御回路22は、交流電圧Vacの半周期ごとの期間途中で、負荷3A,3Bへの給電を遮断する「逆位相制御」を行っている。
本実施形態では、開閉回路102と制御回路20(具体的には副制御回路22)との間を電気的に絶縁する絶縁回路60を備えている。絶縁回路60が、開閉回路102と制御回路20との間を電気的に絶縁することで、グランドレベルが異なる開閉回路102と制御回路20との間で制御信号S1,S2等の信号を伝達することができる。なお、制御回路20は電源回路30から電力を得ているので、絶縁回路60は、開閉回路102と制御回路20との間を電気的に絶縁することによって、開閉回路102と電源回路30との間を電気的に絶縁していることになる。本実施形態では、絶縁回路60が、開閉回路102と制御回路20との間を電気的に絶縁しているが、絶縁回路は、制御回路20と電源回路30との少なくとも一方と、複数の開閉回路10の少なくとも一部との間を電気的に絶縁してもよい。なお、絶縁回路60は、例えばフォトカプラのような光伝達素子によって入力と出力との間を電気的に絶縁しているが、トランスのような電磁的な伝達素子を用いることで、入力と出力との間を電気的に絶縁してもよい。
次に、電源回路30について説明する。
第1端子T1と第2端子T21との間には整流回路DB1が接続されている。電源回路30は、整流回路DB1を介して、第1端子T1と第2端子T21との間に電気的に接続されている。第1端子T1と第2端子T21との間に印加された交流電圧Vacが整流回路DB1によって全波整流され、整流後の電圧が電源回路30に入力される。
これにより、電源回路30は、整流回路DB1から入力される直流電圧を、所定の電圧値の直流電圧に変換して、開閉回路10、制御回路20(主制御回路21及び副制御回路22)及び絶縁電源回路50等に供給する。つまり、電源回路30は、複数の第2端子T2(T21,T22)のうちの一部の第2端子T21と第1端子T1とを介して交流電源2から電力を得て、開閉回路10、制御回路20及び絶縁電源回路50等に供給する電力を生成する。
ここで、電源回路30は、負荷3のオン期間において開閉回路101、制御回路20及び絶縁電源回路50等に供給する電圧を生成する第1電源回路と、負荷3のオフ期間において制御回路20及び絶縁電源回路50等に供給する電圧を生成する第2電源回路と、を含む。
第1電源回路は、負荷3のオン期間(負荷3を点灯させる場合)に電圧を生成するのであるが、開閉回路101が導通状態になると、第1端子T1と第2端子T21との間の電圧は略ゼロになる。本実施形態の負荷制御システム1は負荷3を逆位相制御するので、第1電源回路は、例えば、交流電圧Vacのゼロクロス点から開閉回路101が導通状態となるまでの期間において、交流電源2から電力を得ている。例えば、第1電源回路は、交流電圧Vacのゼロクロス点から開閉回路101が導通状態となるまでの期間において、整流回路DB1から入力される電流によって充電される充電要素(例えばコンデンサ等)を備える。第1電源回路は、充電要素の両端間に発生した電圧を、開閉回路101、制御回路20及び絶縁電源回路50等に供給する。なお、第1電源回路は充電要素を備える回路に限定されず、適宜変更が可能である。
第2電源回路は、負荷3のオフ期間(負荷3を消灯させる場合)に、開閉回路101、制御回路20及び絶縁電源回路50等に供給する電圧を生成する。負荷3のオフ期間には、第1端子T1と第2端子T21との間に交流電圧Vacが印加され、整流回路DB1から整流後の脈流電圧が電源回路30に印加される。第2電源回路は、例えば、シリーズレギュレータ方式のドロッパ電源であり、整流回路DB1から入力される脈流電圧を所定の電圧値の直流電圧に変換し、変換後の直流電圧を開閉回路101、制御回路20及び絶縁電源回路50等に供給する。なお、第2電源回路はドロッパ電源に限定されず、適宜変更が可能である。
絶縁電源回路50は、電源回路30から入力される電圧を所定の電圧に変換して開閉回路102及び絶縁回路60等に供給する。絶縁電源回路50は、トランスなどの電磁的な結合素子を用いて入力側と出力側とを電気的に絶縁しており、絶縁電源回路50の入力側のグランド(つまり電源回路30のグランド)と、絶縁電源回路50の出力側のグランドとが異なっている。
(3)動作
次に、本実施形態の負荷制御システム1の動作について、図1及び図3を参照して説明する。
(3.1)2灯を消灯させる場合の動作
負荷制御システム1が、制御親機5からの制御信号、又は、インタフェース部40からの操作入力に応じて負荷3A,3Bを両方共に消灯させる場合の動作について説明する。
主制御回路21が、負荷3A,3Bを両方共に消灯させる制御信号を副制御回路22に出力すると、副制御回路22は、OFFレベルの調光信号を制御信号S1,S2として開閉回路101,102に出力する。開閉回路101は、副制御回路22から入力される制御信号S1に基づいてスイッチ11を非導通状態に維持し、負荷3Aを消灯状態とする。開閉回路102は、副制御回路22からの制御信号S2が絶縁回路60を介して入力されると、この制御信号S2に基づいてスイッチ11を非導通状態に維持し、負荷3Bを消灯状態とする。
開閉回路101,102のスイッチ11が非導通状態であれば、開閉回路101,102のスイッチ11の両端間に交流電源2の交流電圧Vacがそれぞれ印加される。
この場合、電源回路30は、交流電源2から第1端子T1と第2端子T21とを介して(言い換えれば整流回路DB1を介して)電力を得ることができ、開閉回路10,制御回路20及び絶縁電源回路50等に供給する電力を生成できる。絶縁電源回路50は、電源回路30から入力される電圧を所定の電圧値の直流電圧に変換して、開閉回路102、絶縁回路60及びゼロクロス検出部241,242等に供給する。
(3.2)1灯又は2灯を点灯させる場合の動作
主制御回路21が、制御親機5からの制御信号、又は、インタフェース部40からの操作入力に応じて負荷3Aを点灯させる場合の動作を図1及び図3に基づいて説明する。なお、図3のVacは交流電源2の交流電圧、VLは負荷3Aの両端間に発生する電圧、V10は開閉回路101の両端間に発生する電圧である。
主制御回路21が、負荷3Aを調光点灯させるために、負荷3Aの調光レベルを示す制御信号を副制御回路22に出力する。副制御回路22は、主制御回路21から入力された制御信号と、ゼロクロス検出部231,232の検出信号とに基づいて、スイッチ11を導通状態又は非導通状態にする制御信号S1を開閉回路101に出力する。これにより、開閉回路101のスイッチ11が、交流電圧Vacの各半周期において調光レベルに応じた位相角の範囲で導通するので、負荷3Aが所望の調光レベルで調光点灯する。
ここで、交流電圧Vacが正極性の半周期において負荷制御システム1が負荷3Aを調光する動作について図3を参照して詳細に説明する。副制御回路22は、ゼロクロス検出部231が交流電圧Vacのゼロクロス点を検出した結果に基づき、ゼロクロス点(図3の時点t0)から第1期間TA1が経過したタイミング(図3の時点t1)で、開閉回路101のスイッチ11を導通状態に制御する。この第1期間TA1は、電源回路30が必要な電圧を生成するのに要する期間であり、電源回路30の出力電圧が所定の下限電圧を超えるまでの期間である。副制御回路22は、電源回路30から入力される電源回路30の出力電圧が下限電圧を超えると、副制御回路22は交流電圧Vacのゼロクロス点から第1期間TA1が経過したと判断する。
ここで、交流電圧Vacの正極性の半周期において、交流電圧Vacのゼロクロス点(時点t0)から時点t1までの第1期間TA1では、開閉回路101のスイッチ11が非導通状態である。したがって、電源回路30は、交流電源2から電力の供給を受けて、開閉回路101、制御回路20及び絶縁電源回路50等に供給する電圧の生成動作を行うことができる。
次に、副制御回路22は、時点t1から調光レベルに応じた導通期間T10が経過したタイミング(図3の時点t2)で、開閉回路101のスイッチ11を非導通状態に制御する制御信号S1を出力する。これにより、時点t1から時点t2までの導通期間T10において、交流電源2から開閉回路101のスイッチ11を介して負荷3Aに電力が供給されるので、負荷3Aが所定の調光レベルで点灯する。
その後、交流電圧Vacの電圧値の絶対値が所定の基準電圧を下回ると(図3の時点t3)、電源回路30が電圧の生成動作を実行する。この基準電圧は、負荷3Aが動作可能な電圧値よりも低い電圧に設定されている。交流電圧Vacの電圧値の絶対値が基準電圧以下であれば、電源回路30が電圧の生成動作を実行しても、負荷3Aが点灯することはない。これにより、時点t3から交流電圧Vacのゼロクロス点(図3の時点t4)までの第2期間TA2においても、電源回路30は交流電源2から電力の供給を受けることができる。したがって、電源回路30は、第2期間TA2においても交流電源2から電力の供給を受けて、電圧の生成動作を実行できる。
次に、交流電圧Vacの負極性の半周期における負荷制御システム1の動作について説明する。副制御回路22は、ゼロクロス検出部232が交流電圧Vacのゼロクロス点を検出した結果に基づき、ゼロクロス点(図3の時点t4)から第1期間TA1が経過したタイミング(図3の時点t5)で、開閉回路101のスイッチ11を導通状態に制御する。
ここで、交流電圧Vacのゼロクロス点(時点t4)から時点t5までの第1期間TA1では、開閉回路101のスイッチ11が非導通状態であり、電源回路30は交流電源2から電力の供給を受けて、電圧の生成動作を実行できる。
次に、副制御回路22は、時点t5から調光レベルに応じた導通期間T10が経過したタイミング(図3の時点t6)で、開閉回路102のスイッチ11を非導通状態に制御する。これにより、時点t5から時点t6までの導通期間T10において、交流電源2から開閉回路101のスイッチ11を介して負荷3Aに電力が供給されるので、負荷3Aが所定の調光レベルで点灯する。
その後、交流電圧Vacの電圧値の絶対値が所定の基準電圧を下回ると(図3の時点t7)、電源回路30が電圧の生成動作を実行する。これにより、時点t7から交流電圧Vacのゼロクロス点(図3の時点t8)までの第2期間TA2においても、電源回路30は交流電源2から電力の供給を受けることができる。したがって、電源回路30は、第2期間TA2においても交流電源2から電力の供給を受けて、開閉回路101、制御回路20及び絶縁電源回路50等に供給するための電力を生成することができる。
負荷制御システム1は、交流電圧Vacの正極性の半周期における動作と、交流電圧Vacの負極性の半周期における動作とを交互に繰り返すことで、負荷3Aを調光点灯する。
また、主制御回路21が、負荷3Bを調光点灯する場合、副制御回路22は、主制御回路21から入力された制御信号と、ゼロクロス検出部241,242の検出信号とに基づいて、スイッチ11のオン/オフを制御する。ここで、電源回路30は、交流電源2から第1端子T1と第2端子T21とを介して電力を得ているので、開閉回路101のスイッチ11が非導通状態であれば、開閉回路102のスイッチ11が導通状態でも交流電源2から電力を得ることができる。したがって、副制御回路22は、交流電圧Vacの各半周期においてゼロクロス点から所定の時間が経過したタイミングで、開閉回路102のスイッチ11を導通状態とする。また、副制御回路22は、開閉回路102のスイッチ11を導通状態としたタイミングから調光レベルに応じた導通期間が経過したタイミングでスイッチ11を非導通状態に制御しており、負荷3Bを制御信号に応じた調光レベルで点灯させることができる。
なお、電源回路30は、負荷3Bが点灯している状態でも交流電源2から電力を得ることができるので、負荷3Bを全点灯させる場合、副制御回路22は、開閉回路101のスイッチ11を導通状態としつづけるように開閉回路101を制御してもよい。
以上のように本実施形態では、電源回路30は、交流電源2から第1端子T1と一部の第2端子T2(例えば第2端子T21)とを介して電力を得て、制御回路20に電力を供給している。そして、制御回路20は、複数の開閉回路10を個別に制御することで、複数の負荷3を個別に制御している。したがって、複数の負荷3を個別に制御可能な負荷制御システム1を実現できる。
(4)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
以下、上記の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における負荷制御システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における負荷制御システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、負荷制御システム1における複数の機能が、1つの筐体(器体90)内に集約されていることは負荷制御システム1に必須の構成ではなく、負荷制御システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、負荷制御システム1の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
上記実施形態の負荷制御システム1は、負荷3の数が2つであるが、3つ以上の負荷3を個別に制御してもよい。すなわち、第2端子T2、及び、第2端子T2と第1端子T1との間に接続される開閉回路10の数が3つ以上でもよく、3つ以上の負荷3を個別に制御できる。この場合、電源回路30は、3つ以上の第2端子T2のうちの一部に電気的に接続されればよい。ここにおいて、電源回路30が、2以上の第2端子T2に接続されていれば、交流電源2から複数の第2端子T2と第1端子T1とを介して電力を得ることができる。したがって、2以上の第2端子T2のうちの一部が無負荷状態となっても、残りの第2端子T2を介して電力を得ることができる。
上記実施形態の負荷制御システム1は、光源としてLED素子を用いた負荷3に限らず、コンデンサインプット型の回路を搭載し、インピーダンスが高く、少ない電流で点灯する光源に適用可能である。この種の光源としては、例えば有機EL(Electroluminescence)素子が挙げられる。また、負荷制御システム1は、例えば放電灯など、様々な光源の負荷3に適用可能である。
さらに、負荷制御システム1によって制御される負荷3は、照明負荷に限らず、例えば、ヒータ、又はファン等であってもよい。負荷3がヒータである場合、負荷制御システム1は、ヒータに供給する平均電力を調節することでヒータの発熱量を調節する。また、負荷3がファンである場合、負荷制御システム1は、ファンの回転速度を調節するレギュレータを構成する。
また、スイッチ11は、MOSFETからなるスイッチ素子Q1,Q2で構成されるものに限らず、例えば、逆直列に接続された2つのIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等で構成されていてもよい。さらに、スイッチ11において、一方向オン状態を実現するための整流素子(ダイオード)は、スイッチ素子Q1,Q2の寄生ダイオードに限らず、外付けのダイオードであってもよい。ダイオードは、スイッチ素子Q1,Q2の各々と同一パッケージに内蔵されていてもよい。また、スイッチ11は、例えば、GaN(窒化ガリウム)等のワイドバンドギャップの半導体材料を用いたダブルゲート(デュアルゲート)構造の半導体素子であってもよい。この構成によれば、スイッチ11の導通損失の低減を図ることができる。
また、スイッチ11の制御においては、「双方向オン状態」の代わりに「順方向オン状態」に制御することも可能であり、逆に「順方向オン状態」の代わりに「双方向オン状態」に制御することも可能である。また、「双方向オフ状態」の代わりに「逆方向オン状態」に制御することも可能であり、「逆方向オン状態」の代わりに「双方向オフ状態」に制御することも可能である。すなわち、スイッチ11が、導通状態又は非導通状態の状態が変わらなければよい。
また、スイッチ11の制御方式は逆位相制御方式であるが、交流電圧Vacの半周期ごとの期間途中で負荷3A,3Bへの給電を開始し、交流電圧Vacの次の半周期のゼロクロス点で負荷3A,3Bへの給電を遮断する正位相制御方式でもよい。また、スイッチ11の制御方式は、正位相制御方式及び逆位相制御方式のいずれにも対応可能なユニバーサル制御方式であってもよい。
また、電圧値などの2値の比較において、「以上」としているところは「より大きい」であってもよい。つまり、2値の比較において、2値が等しい場合を含むか否かは、基準値等の設定次第で任意に変更できるので、「以上」か「より大きい」かに技術上の差異はない。同様に、「下回る」としているところは「以下」であってもよい。
(4.1)変形例1
変形例1に係る負荷制御システム1は、図4に示すように、第1端子T1と第2端子T22との間に接続された抵抗器R1と発光ダイオードLD1との直列回路を更に備える点で上記の実施形態と相違する。以下、上記の実施形態と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
ここで、第1端子T1と第2端子T21との間に負荷3Aが接続され、第1端子T1と第2端子T22との間に負荷3Bが接続されていれば、制御回路20によって負荷3A,3Bがそれぞれ点灯又は消灯する。ここで、負荷3Bが点灯している場合(つまり開閉回路102が導通状態となる場合)、開閉回路102の両端間の電圧が略ゼロになり、発光ダイオードLD1は消灯する。また、負荷3Bが消灯している場合(つまり開閉回路102が非導通状態となる場合)、開閉回路102の両端間に交流電圧Vacが印加されるので、発光ダイオードLD1は点灯する。これにより、負荷3Bの消灯時に発光ダイオードLD1が発光することで、負荷制御システム1の位置を発光ダイオードLD1の光で表示することができる。
ここで、負荷3Aが未接続であったり故障するなどして第1端子T1と第2端子T21との間が無負荷状態となった場合、電源回路30は交流電源2から電力を得ることができず、制御回路20は動作を停止する。この場合、制御回路20が動作を停止すると、負荷3Bも不動作になるが、開閉回路102の両端間に交流電圧Vacが印加されるので、発光ダイオードLD1は常に点灯する。したがって、負荷3Bが接続されているにもかかわらず、負荷3Bが不動作で、発光ダイオードLD1が発光し続けるので、ユーザは、第1端子T1と第2端子T21との間が無負荷状態であるか、負荷制御システム1が故障していると推測できる。
なお、変形例1では、第1端子T1と第2端子T21との間に、抵抗器R1を介して発光ダイオードLD1のような発光素子が接続されているが、発光ダイオードLD1以外のネオンランプ等の発光素子が接続されていてもよい。また、変形例1において、第1端子T1と第2端子T22との間に、抵抗器を介して発光ダイオードのような発光素子が接続されてもよい。
(4.2)変形例2
変形例2に係る負荷制御システム1は、図5に示すように、第1回路ブロックB1と、複数(例えば2つ)の第2回路ブロックB2(B21,B22)とを更に備える点で上記の実施形態と相違する。以下、上記の実施形態と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
複数の第2回路ブロックB2は、第2接続部を有する。具体的には、第2回路ブロックB21は第2接続部82を有し、第2回路ブロックB22は第2接続部83を有する。第2回路ブロックB21が有する第2接続部82の一部は第1回路ブロックB1が有する第1接続部81に電気的に接続され、第2回路ブロックB21が有する第2接続部82の残りは第2回路ブロックB22が有する第2接続部83に電気的に接続される。第2回路ブロックB22が有する第2接続部83の一部は第1回路ブロックB1が有する第1接続部81に電気的に接続され、第2回路ブロックB22が有する第2接続部83の残りは第2回路ブロックB21が有する第2接続部82に電気的に接続される。第2回路ブロックB21,B22は、第2接続部82,83を第1接続部81に接続することによって、第2接続部82,83を介して第1回路ブロックB1に電気的に接続される。ここで、第1接続部81と第2接続部82,83とは、コネクタ、ジャンパ線又は電線等の適宜の導電接続部材で構成されていればよい。
第1回路ブロックB1は、制御回路20の少なくとも一部(変形例2では制御回路20の全部)と電源回路30の少なくとも一部(変形例2では電源回路30の全部)とを含む回路を収容する第1の筐体91を有している。
また、第2回路ブロックB21,B22は複数の開閉回路101,102に一対一に対応しており、第2回路ブロックB21,B22は開閉回路101,102のうち対応する一の開閉回路10を収容する第2の筐体921,922を有している。すなわち、第2回路ブロックB21は開閉回路101を収容する第2の筐体921を有し、第2回路ブロックB22は開閉回路102を収容する第2の筐体922を有している。第2の筐体921,922は第1の筐体91に対してそれぞれ着脱可能である。
ここで、負荷制御システム1の器体90は、第1の筐体91と第2の筐体921,922とを含み、第1の筐体91に第2の筐体921,922を取り付けると、第1接続部81に第2接続部82,83が電気的に接続される。第1の筐体91と第2の筐体921,922とは着脱が可能であり、モジュール化された第1回路ブロックB1に第2回路ブロックB21,B22を取り付けることで負荷制御システム1を実現できる。
(4.3)変形例3
変形例3に係る負荷制御システム1は、図6及び図7に示すように、複数の第2端子T2の中から、電源回路30が電力を得るための一部の第2端子T2を選択する選択回路72,73を更に備える点で上記の実施形態と相違する。また、変形例3に係る負荷制御システム1は、副制御回路22からの制御信号S1,S2の出力先を選択する選択回路71を更に備えている。以下、上記の実施形態と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
選択回路72,73は、副制御回路22からの制御信号に応じて、開閉回路101,102のグランドを切り替えることによって、整流回路DB1の入力端子が接続される第2端子T2を第2端子T21,T22の中から選択する。選択回路72,73は、例えば電磁リレーの接点等でそれぞれ構成される。選択回路72,73は、副制御回路22からの制御信号に応じて開閉回路101のグランドを、電源回路30のグランド、及び絶縁電源回路50のグランドのいずれかに接続する。なお、選択回路72,73は、電磁リレーの接点等で構成されるものに限定されず、半導体リレー等で構成されてもよい。
また、選択回路71は、副制御回路22からの制御信号に応じて、制御信号S1が開閉回路101に、制御信号S2が開閉回路102に出力される状態と、制御信号S1が開閉回路102に、制御信号S1が開閉回路102に出力される状態とを切り替える。選択回路71は、例えば電磁リレーの接点等で構成されるが、半導体リレー等で構成されてもよい。
ここで、副制御回路22は、ゼロクロス検出部231,232の検出信号に基づいて、第1端子T1と第2端子T21との間に負荷3Aが接続されているか否かを判断する。
図6は、第1端子T1と第2端子T21との間に負荷3Aが接続されている場合の選択回路71~73の接点状態を示している。副制御回路22は、第1端子T1と第2端子T21との間に負荷3Aが接続されている場合、開閉回路101と電源回路30のグランドが接続され、開閉回路102と絶縁電源回路50のグランドが接続されるように選択回路72,73を制御する。また、副制御回路22は、制御信号S1が開閉回路101に出力され、制御信号S2が開閉回路102に出力されるように選択回路71を制御する。これにより、整流回路DB1の入力端子が、第1端子T1と第2端子T21との間に電気的に接続された状態になる。電源回路30は、交流電源2から第1端子T1と第2端子T21とを介して電力を得て、開閉回路101、制御回路20及び絶縁電源回路50等に供給する電圧を生成することができる。
図7は、第1端子T1と第2端子T21との間に負荷3Aが接続されていない場合の選択回路71~73の接点状態を示している。副制御回路22は、第1端子T1と第2端子T21との間に負荷3Aが接続されていない場合、開閉回路101と電源回路30のグランドが接続され、開閉回路102と絶縁電源回路50のグランドが接続されるように選択回路72,73を制御する。また、副制御回路22は、制御信号S1が開閉回路102に出力され、制御信号S2が開閉回路101に出力されるように選択回路71を制御する。これにより、整流回路DB1の入力端子が、第1端子T1と第2端子T22との間に電気的に接続された状態になる。電源回路30は、交流電源2から第1端子T1と第2端子T22とを介して電力を得て、開閉回路101、制御回路20及び絶縁電源回路50等に供給する電圧を生成することができる。また、制御回路20が、制御信号S1を開閉回路102に出力することで、負荷3Bのオン/オフを制御することができる。
(4.4)変形例4
変形例4に係る負荷制御システム1は、図8に示すように、開閉回路101,102ごとに電源回路30A,30Bを備え、副制御回路22から各開閉回路101,102を制御する点で上記の実施形態と相違する。以下、上記の実施形態と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
第1端子T1と第2端子T22との間には整流回路DB2が接続されている。電源回路30Bは、整流回路DB2を介して、第1端子T1と第2端子T22との間に電気的に接続されている。第1端子T1と第2端子T22との間に印加された交流電圧Vacが整流回路DB1によって全波整流され、整流後の電圧が電源回路30Bに入力される。
電源回路30Bは、整流回路DB2から入力される直流電圧を、所定の電圧値の直流電圧に変換して、開閉回路102及び絶縁回路61,62等に供給する。したがって、電源回路30Bは開閉回路102にゲート駆動用の電圧を供給できる。
副制御回路22は、主制御回路21から入力される負荷3Aの制御信号と、ゼロクロス検出部231,232の検出信号とに基づいて、制御信号S1を開閉回路101に出力し、開閉回路101のスイッチ11のオン/オフを制御する。これにより、副制御回路22は、負荷3Aへの電力供給を制御することができる。
また、副制御回路22は、主制御回路21から入力される負荷3Bの制御信号と、ゼロクロス検出部241,242から絶縁回路62を介して入力される検出信号とに基づいて、制御信号S2を開閉回路102に出力する。副制御回路22からの制御信号S2が絶縁回路61を介して開閉回路102に入力されると、開閉回路102のスイッチ11が制御信号S2に応じてオン/オフする。これにより、副制御回路22は、負荷3Bへの電力供給を制御することができる。
変形例4では、複数の開閉回路10ごとにゲート駆動用の電圧を開閉回路10に供給する電源回路30A,30Bを設けているが、一つの制御回路20で複数の開閉回路10を導通状態又は非導通状態に制御している。すなわち、変形例4では、複数の開閉回路10で共用される共用回路が制御回路20を含み、複数の開閉回路10が制御回路20を共用しているので、負荷制御システム1全体として回路規模を削減できる。
(4.5)変形例5
変形例5に係る負荷制御システム1は、図9に示すように、開閉回路101,102ごとに副制御回路221,222が設けられている点で変形例4と相違する。以下、上記の変形例4と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
主制御回路21は、制御親機5から受信した制御信号又はインタフェース部40から受け付けた操作入力に基づいて、負荷3Aを制御する制御信号S11を副制御回路221に出力し、負荷3Bを制御する制御信号S21を副制御回路222に出力する。
副制御回路221は、主制御回路21から入力された制御信号S11に基づいて開閉回路101を制御する制御信号S12を生成し、この制御信号S12を開閉回路101に出力する。開閉回路101のスイッチ11は副制御回路221から入力される制御信号S12に基づいてオン/オフし、負荷3Aへの電力供給が制御される。
また、副制御回路222は、主制御回路21からの制御信号S21が絶縁回路63を介して入力されると、この制御信号S21に基づいて開閉回路101を制御する制御信号S22を生成し、この制御信号S22を開閉回路102に出力する。開閉回路102のスイッチ11は副制御回路222から入力される制御信号S22に基づいてオン/オフし、負荷3Bへの電力供給が制御される。
ここで、変形例5では、制御回路20が、主制御回路21と、複数の副制御回路221,222とを含む。複数の副制御回路221,222は複数の開閉回路101,102に一対一に対応する。主制御回路21は、複数の副制御回路221,222を制御する。複数の副制御回路221,222の各々は、複数の開閉回路101,102のうち対応する一の開閉回路が有するスイッチ11を制御する。これにより、変形例5では、主制御回路21が複数の開閉回路10で共用されている。すなわち、制御回路20の一部である主制御回路21は、複数の開閉回路10で共用されるので、負荷制御システム1全体として回路規模を削減できる。
(4.6)変形例6
変形例6に係る負荷制御システム1は、図10に示すように、開閉回路102が、例えばリレーの接点のように電源が不要なスイッチ12を備える点で上記の実施形態と相違する。以下、上記の実施形態と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
開閉回路102は電源が不要なスイッチ12を備えているので、開閉回路102を駆動するための電源が不要である。開閉回路102には、副制御回路22からの制御信号S2が絶縁回路60を介して入力されており、開閉回路102のスイッチ12は制御信号S2に応じてオン又はオフになる。したがって、副制御回路22は開閉回路102のスイッチ12のオン/オフを制御することで、負荷3Bへの電力供給を制御することができる。
なお、スイッチ12はリレーの接点に限定されず、電源が不要な開閉素子であれば、リレーの接点以外でもよく、例えばトライアック等でもよい。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の負荷制御システム(1)は、第1端子(T1)と、複数の第2端子(T2)と、複数の開閉回路(10)と、制御回路(20)と、電源回路(30)と、を備える。第1端子(T1)は電源(2)に電気的に接続される。複数の第2端子(T2)は複数の負荷(3)に一対一に対応する。複数の開閉回路(10)は複数の第2端子(T2)に一対一に対応する。複数の第2端子(T2)の各々は、複数の負荷(3)のうち対応する一の負荷(3)を介して電源(2)に電気的に接続される。複数の開閉回路(10)の各々は、複数の第2端子(T2)のうち対応する一の第2端子(T2)と第1端子(T1)との間に電気的に接続されるスイッチ(11,12)を有する。制御回路(20)は、複数の開閉回路(10)の各々が有するスイッチ(11,12)を制御することで、複数の開閉回路(10)の各々に対応する負荷(3)への電力供給を制御する。電源回路(30)は、複数の第2端子(T2)のうちの一部の第2端子(T2)と第1端子(T1)とを介して電源(2)から電力を得て、少なくとも制御回路(20)に供給する電力を生成する。
この態様によれば、複数の負荷(3)を個別に制御可能な負荷制御システム(1)を提供することができる。
第2の態様の負荷制御システム(1)は、第1の態様において、複数の第2端子(T2)の中から一部の第2端子(T2)を選択する選択回路(72,73)を更に備える。
この態様によれば、電源回路(30)は、電源(2)から、選択回路(72,73)によって選択された第2端子(T2)と第1端子(T1)とを介して電力を得ることができる。
第3の態様の負荷制御システム(1)は、第1又は2の態様において、制御回路(20)と電源回路(30)との少なくとも一方が1つの共用回路を含む。共用回路は、複数の開閉回路(10)に共用される。
この態様によれば、複数の開閉回路(10)で共用回路を共用することで、回路規模を削減できる。
第4の態様の負荷制御システム(1)は、第3の態様において、電源回路(30)が共用回路を含む。
この態様によれば、複数の開閉回路(10)で電源回路(30)を共用することで、回路規模を削減できる。
第5の態様の負荷制御システム(1)は、第3の態様において、制御回路(20)は、主制御回路(21)と、複数の副制御回路(221,222)とを含む。複数の副制御回路(221,222)は複数の開閉回路(10)に一対一に対応する。主制御回路(21)は、複数の副制御回路(221,222)を制御する。複数の副制御回路(221,222)の各々は、複数の開閉回路(10)のうち対応する一の開閉回路(10)が有するスイッチ(11,12)を制御する。
この態様によれば、複数の開閉回路(10)で主制御回路(21)を共用することで、回路規模を削減できる。
第6の態様の負荷制御システム(1)は、第1~5の態様において、制御回路(20)と電源回路(30)との少なくとも一方と、複数の開閉回路(10)の少なくとも一部との間を電気的に絶縁する絶縁回路(60)を更に備える。
この態様によれば、制御回路(20)と電源回路(30)との少なくとも一方と、複数の開閉回路(10)の少なくとも一部との間を絶縁回路(60)で電気的に絶縁することで、回路を正常に動作させることができる。
第7の態様の負荷制御システム(1)は、第1~6の態様において、第1回路ブロック(B1)と、複数の第2回路ブロック(B21,B22)とを更に備える。複数の第2回路ブロック(B21,B22)の各々は、第1回路ブロック(B1)が有する第1接続部(81)に電気的に接続される第2接続部(82,83)を有し、第2接続部(82,83)を介して第1回路ブロック(B1)に電気的に接続される。第1回路ブロック(B1)は、制御回路(20)の少なくとも一部と電源回路(30)の少なくとも一部とを含む回路を収容する第1の筐体(91)を有する。複数の第2回路ブロック(B21,B22)は複数の開閉回路(10)に一対一に対応する。複数の第2回路ブロック(B21,B22)の各々は、複数の開閉回路(10)のうち対応する一の開閉回路(10)を収容する第2の筐体(921,922)を有する。
この態様によれば、第1回路ブロック(B1)と複数の第2回路ブロック(B21,B22)とを接続することで、負荷制御システム(1)を構成できる。
第8の態様の負荷制御システム(1)は、第1~7の態様において、複数の開閉回路(10)に一対一に対応する複数の操作部(40)を、更に備える。制御回路(20)は、複数の操作部(40)のうち一の操作部(40)からの操作入力に基づいて、複数の開閉回路(10)のうち一の操作部(40)に対応する開閉回路(10)が有するスイッチ(11,12)を制御する。
この態様によれば、ユーザが操作部(40)を操作することで、所望の負荷(3)への電力供給を制御することができる。
第2~第8の態様に係る構成については、負荷制御システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。