以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含む。
本発明を具体的に説明する前に、まず業務用無線システムの概要を説明する。本発明の実施形態は、ネットワークに接続された複数の基地局装置と、複数の端末装置と、ネットワークに接続されたシステム管理装置を含む業務用無線システムに関する。
業務用途を主とした陸上移動無線システム(LMR:Land Mobile Radio)の分野においては、複数のシステム形態が存在し、大きく分けてトランキング方式とコンベンショナル方式の2つが存在する。説明を簡潔にするため、本実施形態では、トランキング方式を例に説明するが、本発明はトランキング方式に限定されるものではなく、コンベンショナル方式にも適用可能である。また、本発明は、魚無用無線システムに限定されるものではなく、携帯電話網を使った通信システムなど他の通信システムにも適用できる。
トランキング方式では、無線チャネルをシェアして周波数を効率よく使用するために、基地局装置の回線制御装置を用いて通信が発生するたびに移動局に対して通信チャネルを割り当てることで、各所に配置された基地局装置を経由した移動局間での通信を可能にしたシステムである。業務用無線システムでは、複数の移動局によってグループが形成される。
[無線通信システム]
図1を用いて、本発明の無線通信システム1の構成について説明する。図1は、本発明の無線通信システム1の構成を示す模式図である。図1に図示の無線通信システム1は、例えば業務用無線システムである。
無線通信システム1は、基地局装置10aと、基地局装置10bと、基地局装置10cと、基地局装置10dと、端末装置20a-1と、端末装置20a-2と、端末装置20a-3と、端末装置20a-4と、端末装置20b-1と、端末装置20b-2と、端末装置20b-3と、端末装置20c-1と、端末装置20c-2と、端末装置20c-3と、端末装置20d-1と、端末装置20d-2と、端末装置20d-3と、管理装置30とを含む。図1に示す無線通信システム1は、例示であり、基地局装置の数および端末装置の数を制限するものではない。また、以下の説明において、基地局装置10aと、基地局装置10bと、基地局装置10cと、基地局装置10dとを区別する必要のない場合には総称して基地局装置10と呼ぶこともある。端末装置20a-1と、端末装置20a-2と、端末装置20a-3と、端末装置20a-4と、端末装置20b-1と、端末装置20b-2と、端末装置20b-3と、端末装置20c-1と、端末装置20c-2と、端末装置20c-3と、端末装置20d-1と、端末装置20d-2と、端末装置20d-3とを区別する必要のない場合には総称して端末装置20と呼ぶこともある。基地局装置10と、管理装置30とはネットワークNWを介して接続されている。
基地局装置10aは、通信エリア10a-1を形成する。基地局装置10aは、通信エリア10a-1内に存在する端末と無線通信を行う。図1に示す例では、基地局装置10aは、端末装置20a-1、端末装置20a-2、端末装置20a-3、および端末装置20a-4と無線通信を行う。通信エリア10a-1のことを、エリアAと呼ぶこともある。基地局装置10aには、チャネル情報40aに示されているように、CH1からCH7までの複数のチャネルが設定されている。CH1は制御チャネルである。CH2からCH7は通信チャネル用に使用されるチャネルである。通信チャネルとは、端末装置20間でやりとりされる音声、画像、映像、テキストなどのデータを伝送するためのチャネルである。CH2は、図1に示す例ではグループIDが「グループ#1」のグループ通信によって動的に割り当てられた通信チャネルである。CH3からCH7は、図1に示す例では、アイドル状態である。アイドル状態のチャネルは、CH2に割り当てられたグループ「グループ#1」とは異なるグループのグループ通信が行われるときに通信チャネルとして使用される。
基地局装置10bは、通信エリア10b-1を形成する。基地局装置10bは、通信エリア10b-1内に存在する端末と無線通信を行う。図1に示す例では、基地局装置10bは、端末装置20b-1、端末装置20b-2、および端末装置20b-3と無線通信を行う。通信エリア10b-1のことを、エリアBと呼ぶこともある。基地局装置10bには、チャネル情報40bに示されているように、CH1からCH4までの複数のチャネルが設定されている。CH1は制御チャネルである。CH2からCH4は通信チャネル用に使用されるチャネルである。CH2は、図1に示す例ではグループIDが「グループ#1」のグループ通信によって動的に割り当てられた通信チャネルである。CH3とCH4とは、図1に示す例では、アイドル状態である。
基地局装置10cは、通信エリア10c-1を形成する。基地局装置10cは、通信エリア10c-1内に存在する端末と無線通信を行う。図1に示す例では、基地局装置10cは、端末装置20c-1、端末装置20c-2、および端末装置20c-3と無線通信を行う。通信エリア10c-1のことを、エリアCと呼ぶこともある。基地局装置10cには、チャネル情報40cに示されているように、CH1からCH4までの複数のチャネルが設定されている。CH1は制御チャネルである。CH2からCH4は通信チャネル用に使用されるチャネルである。CH2は、図1に示す例ではグループIDが「グループ#1」のグループ通信によって動的に割り当てられた通信チャネルである。CH3とCH4は、図1に示す例では、アイドル状態である。
基地局装置10dは、通信エリア10d-1を形成する。基地局装置10dは、通信エリア10d-1内に存在する端末と無線通信を行う。図1に示す例では、基地局装置10dは、端末装置20d-1、端末装置20d-2、および端末装置20d-3と無線通信を行う。通信エリア10d-1のことを、エリアDと呼ぶこともある。基地局装置10dには、チャネル情報40dに示されているように、CH1からCH5までの複数のチャネルが設定されている。CH1は制御チャネルである。CH2からCH5は通信チャネル用に使用されるチャネルである。CH2は、図1に示す例ではグループIDが「グループ#1」のグループ通信によって動的に割り当てられた通信チャネルである。CH3からCH5は、図1に示す例では、アイドル状態である。
端末装置20は、基地局装置10を介して他の端末装置と通信可能な無線端末である。端末装置20は、電源が投入されたとき、または待ち受け中の受信電界強度低下時に制御チャネルをサーチして最も品質回線の良い基地局装置を選択し、選択した基地局装置に対して、位置登録とグループ登録を要求する。
以下では、位置登録(位置登録処理)と、グループ登録(グループ登録処理)との概要を説明する。
位置登録は、端末装置20の情報と、その端末装置20が今後使用する基地局装置10の情報とを管理装置30に登録する処理である。具体的には、まず端末装置20が今後使用する基地局装置10に位置登録要求を送信する。位置登録要求を受信した基地局装置10は、基地局装置10の識別情報と端末装置20の識別情報とを含めた情報を管理装置30に登録する。位置登録によって、管理装置30は、端末装置20の存在するエリア(端末装置20と通信可能な基地局装置10)を把握できる。これにより、管理装置30は、端末装置20に対する通信が発生した時に使用すべき基地局装置10を特定することが可能になる。例えば、端末装置20a-1が、端末装置20b-1に向けて発信(発呼)した場合、基地局装置10aが電波を受信し、基地局装置10bに中継する。このような処理は、端末装置20b-1が基地局装置10bを介して管理装置に登録することで、管理装置30は端末装置20b-1に係る通信が発生した時に使用すべき基地局装置が基地局装置10bであることを特定できる。以下では、通信を発信(発呼)する端末装置20を発信端末あるいは発呼端末と呼ぶ。また、発呼端末によって通信相手に指定された端末装置20、すなわち呼出対象である端末装置20を呼出端末と呼ぶ。管理装置30は、1対1の個別通信であれば、呼出端末の存在するエリアの基地局装置10へすぐに着信を通知する信号を送信することができる。端末装置20を位置登録することで、端末装置20を探す手間が省けるため、無線通信システム1を効率的に運用することができる。
グループ登録は、端末装置20がグループ通信で使用するグループを管理装置30に登録する処理である。グループ登録することにより、管理装置30は、発呼端末に指定されたグループに属する呼出端末が存在するエリアの基地局装置10を把握できる。そのため、管理装置30は、発呼端末に指定されたグループに属する端末装置20が存在するエリアを容易に特定し、効率的なグループ通信を行える。なお、グループ登録がなされた後であっても、ユーザは所定の操作を行うことにより、端末装置20の所属するグループを変更することができる。
端末装置20は、電源がオフされたとき基地局装置10に対して位置登録削除を通知することで、管理装置30に記憶された自身の位置情報を削除する。管理装置30は、端末装置20の位置情報を、一元管理している。そのため、管理装置30は、エリア毎に存在する端末装置20を把握することができる。管理装置30は、端末装置20をグループ登録することにより、グループ呼出の対象となる端末装置20(呼出端末)の存在するエリアも把握できる。そのため、管理装置30は、登録されたエリアを呼び出し範囲として、効率的なグループ呼び出しを行うことができる。
ここで、グループ通話を開始する処理の概要について説明する。
端末装置20においてグループ通話を開始するための発呼が発生した場合、端末装置20は、制御チャネル上で発信グループ要求を基地局装置10に送信する。発信グループ要求を受信した基地局装置10は、グループ通信を行うためのリソースを確保する。例えば、典型的なリソースはチャネルであり、基地局装置10はグループ通信のためのチャネルを割り当てる。基地局装置10は、管理装置30に対して、当該グループ通信を要求する。要求を受信した管理装置30は、当該グループの基地局装置エリアが登録されているかを確認する。登録されている場合、管理装置30は、他の基地局装置に対して当該グループに対してチャネルを割り当てることを、ネットワーク経由で要求する。他の基地局装置は、要求に応じて、グループ通信のリソースを確保する。
発信元となる基地局装置10および他の基地局装置は、通話チャネル情報を含む要求を制御チャネル上で端末装置20に送信する。当該グループに所属する端末装置20は、通話チャネル情報を含む要求を制御チャネル上で受信することによって、通話チャネルを認識する。発呼端末は、割り当てられた通話チャネルにて信号を基地局装置10へ送信する。当該信号には、デジタル化された音声信号が含まれている。基地局装置10は、当該グループに所属する端末装置20が自基地局装置に登録されている場合、割り当てた通話チャネルにて信号を送信する。また、基地局装置10は、受信した信号を管理装置30に送信する。管理装置30は、受信した信号を他の基地局装置へ配信する。他の基地局装置は、割り当てた通話チャネル上にて信号を端末装置20(呼出端末)へ送信する。端末装置20(呼出端末)は、受信した信号をもとに音声信号をデコードして、スピーカから音声を出力する。
このように、複数の端末装置が含まれたグループが複数形成されている。また、複数の基地局装置のそれぞれがグループ単位にチャネルを割り当てる。その結果、チャネルを割り当てたグループに含まれたひとつの端末装置から、当該グループに含まれた残りの端末装置への通信がなされる。
このようなグループ通話は、ひとつの通話が発生した場合に、各基地局装置のチャネルをひとつ使用する。そのため、同一グループに含まれた端末装置が、広範囲の基地局装置に登録されている場合、システム全体では、1回の通話で基地局装置の数分のチャネルが使用される。以上の処理は、グループごとになされる。
図1を用いて具体的に説明する。図1では「グループ#1」の通話が行われ際の各基地局装置の動作を示しているが、他のグループの通話が行われる場合の動作についても同様である。図1では、通信エリア10a-1内に存在する端末装置20a-1が発呼端末であるものとして説明する。
端末装置20a-1は、基地局装置10aのCH1の制御チャネルを使用して通信を要求(リクエスト)するための信号を送信する。この信号は、「発呼要求」あるいは「発話要求」あるいは「通信要求」とも呼ばれる。管理装置30には、「グループ#1」に属する端末装置とそのエリア情報とが対応付けられて登録されている。そのため、管理装置30は、「グループ#1」に所属する端末装置のエリア情報を判断して、「グループ#1」に対するチャネル割り当て要求を基地局装置10b、基地局装置10c、基地局装置10dに送信する。各基地局装置の通信エリア内に存在する端末装置は、基地局装置の通信チャネルを使用して信号を受信する。図1に示す例では、基地局装置10bと、基地局装置10cと、基地局装置10dのCH2の通信チャネルを使用して信号を受信する。
図2を用いて、本発明の実施形態に係る基地局装置10の構成について説明する。図2は、基地局装置10の構成の一例を示すブロック図である。
基地局装置10は、アンテナ11と、通信部12と、処理部13と、ネットワークIF(Inter Face)部14と、リソース制御部15と、記憶部16とを含む。
通信部12は、端末装置20との間で情報通信を行う。通信部12は、受信部121と、送信部122とを含む。
受信部121は、端末装置20からの上り信号を、アンテナ11を介して受信する。受信部121で受信する上り信号には、端末装置20からの音声信号、位置登録情報、グループ通信要求など、端末装置20から送信されてくる種々の情報を含む。受信部121は、端末装置20から受信した上り信号を処理部に出力する。
送信部122は、端末装置20に対して下り信号を、アンテナ11を介して送信する。送信部122で送信する下り信号には、音声信号、グループ通信要求など、処理部13から入力される情報を含む。
処理部13は、種々の信号を処理する。処理部13は、受信部121が位置登録要求を受信した場合、その位置等要求を記憶部16に出力する。記憶部16は、端末装置のユニット情報と待ち受けるグループ情報を記憶する。また、処理部13は、位置登録要求をネットワークIF部14へ出力する。ネットワークIF部14は、ネットワークNWを介して管理装置30へ位置登録要求を送信する。基地局装置10から管理装置30に送信される位置登録要求には、後述するように、端末装置20を識別する端末装置ID(端末識別子)と、端末装置20を使用するユーザを識別するユーザID(ユーザ識別子)と、端末装置20が属するグループを識別するグループID(グループ識別子)と、端末装置20からの位置登録要求(端末装置20からの電波)を受信した基地局装置10を識別する基地局ID(基地局識別子)とが含まれる。
処理部13は、受信部121がグループ通信要求を受信した場合、そのグループ通信要求をリソース制御部15へ出力する。リソース制御部15は、通信に必要なリソースを管理する。典型的なリソースは、無線通信に使用するチャネルである。また、チャネル以外にも、基地局装置10において通信処理を実行するのに必要なCPU(Central Processing Unit)やメモリなどの処理能力や使用する電力量などをリソースと呼ぶ。リソース制御部15は、グループ通信チャネルの割り当て管理と、CPUやメモリの空き状況と、消費電力量などを監視している。リソース制御部15は、リソースが確保できた場合、通信チャネルの情報を処理部13へ出力する。処理部13は、通信チャネルの情報を送信部122へ出力する。送信部122は、通信チャネル情報を発呼した端末装置20に通知する。
処理部13は、受信部121が音声信号を受信した場合、その音声信号をネットワークIF部14へ出力する。ネットワークIF部14は、ネットワークNWを介して管理装置30へ音声信号を送信する。
処理部13は、端末装置からの応答結果と応答時間の情報を含む情報を受けた場合、その情報をネットワークIF部14へ出力する。ネットワークIF部14は、ネットワークNWを介して応答結果と応答時間の情報を含む情報を管理装置へ情報を送信する。応答時間と応答結果については後述する。
ネットワークIF部14は、他の基地局装置で発生したグループ通話におけるチャネル割り当て要求を管理装置30から受信する。ネットワークIF部14は、処理部13にチャネル割り当て要求を出力する。処理部13は、グループ通話におけるチャネル割り当て要求をリソース制御部15へ出力する。リソース制御部15は、チャネル割り当て要求に基づいてリソースを確保する。リソース制御部15は、リソース確保に成功した場合、通信チャネルの情報を処理部13へ出力する。処理部13は、受けた通話チャネルの情報を送信部122へ出力する。また、処理部13は、ネットワークIF部14へリソース確保応答(成功)を出力する。リソース制御部15は、リソース確保に失敗した場合、リソース確保応答(失敗)を処理部13へ出力する。処理部13は、受けた、リソース確保応答(失敗)をネットワークIF部14へ出力する。リソース確保応答については後述する。リソースの典型はチャネルであるため、リソース確保応答は、「チャネル確保応答」とも呼ばれる。リソース確保応答は、基地局装置10の動作状況を示す情報であるため、基地局装置の動作情報あるいは基地局動作情報とも呼ばれる。なお以下では、「リソース確保応答(成功)」あるいは「チャネル確保応答(成功)」を「成功応答」、「リソース確保応答(失敗)」あるいは「チャネル確保応答(失敗)」を「失敗応答」と呼ぶ場合もある。
ネットワークIF部14は、リソース確保応答を管理装置30へ送信する。ネットワークIF部14は、管理装置30から音声信号を受信すると、処理部13へ出力する。処理部13は、音声信号を送信部122に出力する。送信部122は、処理部13から受けた音声信号を、アンテナ11を介して端末装置20へ送信する。
図3を用いて、本発明の実施形態に係る管理装置30の構成について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る管理装置30の構成の一例を示すブロック図である。
管理装置30は、ネットワークIF部31と、処理部32と、記憶部33と、通信制御部34とを備える。処理部32は、取得部35を含む。
ネットワークIF部31は、ネットワークNWを介して、基地局装置10との間で発呼要求、音声信号、終了通知、端末装置の参加状況の報告通知、リソース確保の結果応答などを受信し、処理部32へ出力する。ネットワークIF部31は、ネットワークNWを介して、応答結果と応答時間の情報を含む情報を基地局装置10から受信する。
処理部32は、発呼要求を受信すると、記憶部33を検索し、発呼要求に含まれるグループ名(グループID)に基づいて、そのグループが登録されているエリアの基地局装置IDを取得する。そして、処理部32は、そのグループが登録された基地局装置10に対して、ネットワークNWを介して「グループ参加要求」情報を送信する。なお以下では、「グループ参加要求」を「参加要求」と呼ぶ場合もある。処理部32は、グループ通信に係る各々の基地局装置10から、「グループ参加要求」に対応して端末装置の呼出し処理を実行できたか否か等を示す情報をすべて収集し、グループ参加情報を作成(生成)する。そして、作成したグループ参加情報を発呼した端末装置20にネットワークNWを介して通知を行う。グループ参加情報は、通信結果情報とも呼ばれる。取得部35は、処理部32に含まれており、取得部35は処理部32の一部であるともいえる。取得部35は、後述するように、処理部32がグループ参加情報を作成するために必要なデータを、ネットワークIF部31を介して基地局装置10から、あるいは記憶部33から取得する。
処理部32は、過去の応答時間から応答時間の平均値を計算する。処理部32は、図4に示す端末装置データベース331に応答結果と関連付けて応答平均時間の情報を記憶する。なお、処理部32は、今までに1度も参加応答を返していない端末装置20については、応答平均時間が計算不能であることを示す「-」や「NULL」等を端末装置データベース331に記憶する。
記憶部33は、種々のデータを記憶する。記憶部33は、例えば端末装置データベース331を記憶している。端末装置データベース331は、各基地局装置に登録された端末装置に関する種々の情報を含む。
図4を用いて、端末装置データベース331について説明する。図4は、端末装置データベース331のデータ構造の一例を示す図である。
図4に示すとおり、端末装置データベース331では、「基地局ID」と、「端末装置ID」と、「応答結果」と、「応答平均時間」と、「参加率」とが関連付けられている。
「基地局ID」は、関連付けられている端末装置が接続する基地局を識別するための識別情報である。「#A」は基地局装置10a、「#B」は基地局装置10b、「#C」は基地局装置10c、「#D」は基地局装置10dを意味している。説明を簡潔にするため、図4に示す例では、基地局IDが「#C」のみが示されている。ずなわち、図4は、基地局装置10cに属する端末装置に関する情報を示している。
「端末装置ID」は、端末装置を一意に識別するための識別情報である。図4に示す通り、基地局ID「#C」の基地局装置10cには、「#20c-1」と、「#20c-2」と、「#20c-3」と、「#20c-4」と、「#20c-5」との5台の端末装置が属している。「端末装置ID」が「#20c-1」の端末装置は、端末装置20c-1である。「端末装置ID」が「#20c-2」の端末装置は、端末装置20c-2である。「端末装置ID」が「#20c-3」の端末装置は、端末装置20c-3である。「端末装置ID」が「#20c-4」の端末装置は、端末装置20c-4である。「端末装置ID」が「#20c-5」の端末装置は、端末装置20c-5である。
「応答結果」は、グループ参加要求に対する端末装置20の応答を示している、図4に示す例では、「応答結果」として、「参加」と、「参加拒否」と、「無反応」と、「電源オフ」とが示されている。「参加」は、グループ通信に参加したことを意味する。「参加拒否」は、ユーザ操作によってグループの参加を明示的に拒否したことを意味する。「無反応」は、通信圏外にいる、あるいはユーザがグループ通信の着信に気づかなかった等の理由により、所定時間以内に参加応答を送信しなかったことを意味する。「電源オフ」は、端末装置20の電源がオフであり、グループ通信に参加できていないことを意味する。
「応答平均時間」は、グループ参加要求に対する端末装置20の応答時間の平均値である。応答時間とは、端末装置20がグループ参加要求を受けてから応答結果を返すまでの時間である。応答時間は、基地局装置10が、端末装置20にグループ参加要求を送信してから、端末装置20から応答結果を受信するまでの時間であるともいえる。図4では、応答平均時間は「秒」で示されている。例えば、端末装置20c-1は、グループ参加要求を受けてから応答するまでの平均時間は「10秒」であることが示されている。例えば、端末装置20c-5は、グループ参加要求を受けてから応答したことがないことが示されている。図4では、端末装置20が特定の基地局装置10に登録された以降の応答を対象に応答平均時間を算出している。例えば、図4に示す例において、基地局装置10cに端末装置20c-1が登録されて以降において、端末装置20c-1が基地局装置10cに応答を返すまでの応答時間の平均値を「10秒」として算出している。ただし、どの基地局装置10に端末装置20が登録されているかに係らず、端末装置20に関する過去の全ての応答時間、あるいは所定期間(例えば、直近の1ヶ月間)における応答時間を対象にして平均値を算出してもよい。例えば、図4に示す例において、端末装置20c-1が過去に基地局装置10c以外の基地局装置10に登録されたときの応答時間を用いて応答平均時間を算出してもよい。その場合、管理装置30の記憶部33に、端末装置20ごとに過去の全ての応答時間を記憶しておけばよい。
「参加率」は、過去にグループ参加要求に対して、端末装置20が「参加」と応答した割合である。例えば、端末装置20c-1は、グループ通話への参加率が「100%」であることが示されている。この参加率は、応答平均時間と同様に、端末装置20が特定の基地局装置10(ここでは基地局装置10c)に登録された以降の応答を対象に算出してもよいし、どの基地局装置10に登録されたかに係らず、端末装置20の過去の全ての応答あるいは過去の所定期間の応答をもとに算出されてもよい。
通信制御部34は、グループ参加要求に対する応答結果の待ち時間(タイマーの待ち時間)を決定する。具体的には、通信制御部34は、以下で説明する5つの方法のいずれかを用いて決定する。なお、以下で説明する方法は、通信制御部34が応答の待ち時間を決定する方法を限定するものではない。
(第1の方法)
第1の方法では、通信制御部34は、呼出対象の端末装置(呼出端末)の応答平均時間から、呼出対象の全ての端末装置の応答平均時間の平均値(基準時間)を算出し、その平均値に基づいて、待ち時間を決定する。例えば、通信制御部34は、平均値そのものを待ち時間にする。例えば、図4に示す例のように、4つの端末装置の応答平均時間が「10秒」、「3秒」、「5秒」、「14秒」である場合、通信制御部34は、これらの平均値を算出する。この場合、通信制御部34は、「(10+3+5+14)/4=8秒」、と算出して、「8秒」を待ち時間にする。なお、通信制御部34は、図4の端末ID「#20c-5」のように応答平均時間が算出されていない端末装置は、平均値(基準時間)の算出に用いない。
通信制御部34は、基準時間に所定の係数(例えば、「1.5」)を乗算した値や、基準時間に所定値(例えば、「5秒」)を加算した値を待ち時間にしてもよい。例えば、通信制御部34は、基準時間が「8秒」である場合、「8×1.5=12秒」、「8+5=13秒」などと計算すればよい。この場合、通信制御部34は、「13秒」を待ち時間にする。
(第2の方法)
第2の方法では、通信制御部34は、端末装置の中で応答平均時間が最も長い端末装置の応答平均時間(基準時間)をもとに、待ち時間を決定する。例えば、通信制御部34は、基準時間そのものを待ち時間にしてもよい。具体的には、通信制御部34は、4つの端末装置の応答平均時間が「10秒」、「3秒」、「5秒」、「14秒」である場合、最も長い応答平均時間「14秒」を待ち時間にする。
通信制御部34は、基準時間に所定の係数(例えば、「1.2」)を乗算した値、または、基準時間に所定値(例えば、「3秒」)を加算した値を待ち時間にしてもよい。例えば、通信制御部34は、基準時間が「14秒」である場合、「14×1.2=16.8秒」、「14+3=17秒」などと計算すればよい。
(第3の方法)
上記の第1の方法および第2の方法では、呼出対象の全ての端末装置の情報を用いて待ち時間を決定したが、第3の方法では、通信制御部34は、呼出対象の一部の端末装置の情報を用いて待ち時間を決定する。
具体的には、通信制御部34は、参加率が閾値(所定値)以上の端末装置を待ち時間算出の対象とする。例えば、図4に示す例のように、5つの端末装置の参加率が「100%」、「80%」、「50%」、「20%」、「0%」であり、閾値を「60%」とした場合、参加率が「100%」と「80%」の2つの端末装置が待ち時間算出の対象となる。そして、通信制御部34は、参加率の高い2つの端末装置の応答平均時間を用いて、第1の方法または第2の方法で、待ち時間を算出すればよい。例えば、通信制御部34は、2つ端末装置の応答平均時間が「10秒」と「3秒」であり、第2の方法を用いる場合、これらのうちで最も長い「10秒」が待ち時間となる。
なお、通信制御部34は、参加率の最も高い順に所定数(1以上)の端末装置を選択し、選択した端末装置の情報のみを用いて待ち時間を決定してもよい。この場合、通信制御部34は、例えば、所定数を「1」として、最も参加率が高い端末装置を選択し、その端末装置の応答平均時間を用いて、第1の方法または第2の方法で、待ち時間を算出すればよい。
(第4の方法)
第4の方法では、通信制御部34は、端末装置の参加率に応じて、端末装置ごとに基準時間を算出し、基準時間に基づいて待ち時間を算出する。
具体的には、まず、通信制御部34は、参加率に応じて係数を決定する。例えば、通信制御部34は、参加率が80%より大きくかつ100%以下であれば、係数を「2」とし、参加率が60%より大きくかつ80%であれば、係数を「1.5」とし、参加率が30%より大きくかつ60%以下であれば、係数を「1」とし、参加率が30%以下であれば、係数を「0.8」とする。つまり、参加率が高いほど、大きな値の係数を設定する。なお、これらの係数は、ユーザが自由に変更できてもよい。
通信制御部34は、端末装置ごとに、係数と応答平均時間とを乗算して、基準時間を算出する。例えば、通信制御部34は、端末装置20c-1の参加率が「100%」で応答平均時間が「10秒」である場合、係数は「2」となるので、「10×2=20秒」を端末装置20c-1の基準時間として算出する。また、通信制御部34は、端末装置20c-2の参加率が「80%」で応答平均時間が「3秒」である場合、係数は「1.5」となるので、「3×1.5=4.5秒」を端末装置20c-2の基準時間として算出する。また、通信制御部34は、端末装置20c-3の参加率が「50%」で応答平均時間が「5秒」である場合、係数は「1.0」となるので、「5×1.0=5秒」を端末装置20c-3の基準時間として算出する。
次に、通信制御部34は、各端末装置の基準時間に基づいて、待ち時間を決定する。例えば、最も長い基準時間を待ち時間に設定する。例えば、通信制御部34は、3つの端末装置の基準時間が「10秒」、「4.5秒」、「5秒」である場合、最も長い「10秒」を待ち時間とする。あるいは、最も長い基準時間に対して、さらに所定値を乗算した値や所定値を加算した値を待ち時間にしてもよい。
(第5の方法)
上記の第1の方法~第4の方法は、待ち時間を1つに設定しているが、端末装置ごとに待ち時間を設定してもよい。
具体的には、第5の方法では、通信制御部34は、第4の方法と同様にして、端末装置ごとに基準時間を算出する。そして、通信制御部34は、基準時間に基づいて、端末装置ごとの待ち時間を決定する。例えば、端末装置20c-1の基準時間が「20秒」であり、端末装置20c-2の基準時間が「4.5秒」であり、端末装置20c-3の基準時間が「5秒」であるとする。この場合、通信制御部34は、端末装置20c-1の待ち時間を「20秒」とし、端末装置20c-2の待ち時間を「4.5秒」とし、端末装置20c-3の待ち時間を「5秒」とする。つまり、一律の待ち時間ではなく、端末装置ごとに異なる待ち時間を用いる。この場合、端末装置20c-1は「20秒」待ってもらえるが、端末装置20c-2は「4.5秒」しか待ってもらえない。管理装置30としては、最も長い待ち時間だけ、この場合端末装置20c-1の「20秒」だけ待つことになるが、例えば端末装置20c-2が「10秒」後に「参加」の応答結果を返しても、端末装置20c-2は無反応とみなす。このような方法を用いることにより、呼出し端末装置のユーザが、参加応答を返す時間を短縮するように努める効果が得られる。
通信制御部34は、第1の方法~第5の方法のいずれかを用いて決定した待ち時間だけ待機し、それまでに受信した「参加」の応答結果の数をもとに、グループ通信開始の可否を決定する。例えば、通信制御部34は、「参加」の応答結果が所定数(例えば、3つ)以上得られた場合に、グループ通信を開始し、それ以外の場合に、グループ通信を中止する。または、通信制御部34は、「参加」の応答結果が所定割合(例えば、呼出対象の端末装置の70%)以上得られた場合にグループ通信を開始し、それ以外の場合にグループ通信を中止する。また、通信制御部34は、特定の端末装置(ユーザ)が「参加」の応答結果を返した場合、グループ通信を開始し、それ以外の場合に、グループ通信を中止してもよい。特定の端末装置(ユーザ)は、1つでも良いし、複数であっても良い。例えば、グループの責任者や管理者など、グループにおいて重要なユーザが使用する端末装置を特定の端末装置に指定してもよい。
図5を用いて、本発明の実施形態に係る端末装置20の構成について説明する。図5は、本発明の実施形態に係る端末装置20の構成の一例を示すブロック図である。
端末装置20は、マイク21と、スピーカ22と、操作部23と、表示部24と、処理部25と、記憶部26と、通信部27と、アンテナ28とを備える。通信部27は、受信部271と、送信部272とを備える。
マイク21は、通話の際に、ユーザからの音声を受け付け、音声を音声信号に変換する。マイク21は、音声信号を処理部25へ出力する。
スピーカ22は、通話の際に、処理部25からの音声信号を受け付け、音声信号を音声として出力する。なお、スピーカ22は、警告音等を出力してもよい。
操作部23は、ボタン、タッチパネル等によって構成されており、ユーザからの入力を受け付ける。操作部23は、受け付けた入力を処理部25へ出力する。
表示部24は、処理部25からの画像、メッセージを受け付け、それらを表示する。画面がタッチパネルである場合、表示部24は、操作部23と一体的に構成される。なお、表示部24は、端末装置20に含めなくともよい。例えば、端末装置20に外部の表示装置(図示せず)を接続し、接続した表示装置に情報を表示させるように構成することも可能である。
処理部25は、端末装置20の電源がオンされた場合、あるいは新たなエリアに端末装置20が進入した場合、位置登録要求とグループ登録要求を生成し、位置登録要求とグループ登録要求を送信部272に送信させる。
送信部272は、処理部25の制御に従って、位置登録要求とグループ登録要求を上り制御チャネル上で基地局装置10に送信する。送信部272が上り制御チャネルを送信した後、受信部271は、基地局装置からの下り制御チャネル上で位置登録要求に対する応答を受信する。受信部271は、基地局装置10から発呼要求を受信すると処理部25へ出力する。処理部25は、発呼要求に基づいて、受信すべき該当グループなのかを判断する。受信部271は、基地局装置10からグループ参加情報を受信すると処理部25へ出力する。処理部25は、各端末装置のグループ参加情報を記憶部26に記憶させる。記憶部26は、各端末装置のグループ参加情報を参加情報データベース261として記憶している。
図6を用いて、参加情報データベース261について説明する。図6は、参加情報データベース261のデータ構造の一例を示す図である。
図6に示す通り、参加情報データベース261では、「基地局ID」と「端末装置ID」と「参加情報」とが関連付けられている。
「基地局ID」は、グループ参加要求を受信する端末装置が属する基地局を識別するためのIDである。
「端末装置ID」は、グループ参加要求を受信した端末装置を一意に識別するためのIDである。「端末装置ID」が「#20a-2」の端末装置は、端末装置20a-2である。「端末装置ID」が「#20a-4」の端末装置は、端末装置20a-4である。「端末装置ID」が「#20b-1」の端末装置は、端末装置20b-1である。「端末装置ID」が「#20b-2」の端末装置は、端末装置20b-2である。「端末装置ID」が「#20b-3」の端末装置は、端末装置20b-3である。「端末装置ID」が「#20d-1」の端末装置は、端末装置20d-1である。「端末装置ID」が「#20d-2」の端末装置は、端末装置20d-2である。「端末装置ID」が「#20d-3」の端末装置は、端末装置20d-3である。
「参加情報」の欄には、例えば「参加」、「電源オフ」、「リソース不足」、「参加拒否」、「無反応」、「ネットワーク障害」といった情報が格納される。
「参加」は、グループ通信に参加したことを示す。図6に示す例では、端末装置20a-1と、端末装置20c-4とがグループ通信に参加したことが示されている。
「電源オフ」は、端末装置20の電源がオフであり、グループ通話に参加できていいないことを示す。図6に示す例では、端末装置20a-4が電源オフであったことが示されている。
「リソース不足」は、基地局装置10のリソース不足により、グループ通信に参加できていない状態を示す。例えば、「基地局装置10の通信チャネルが不足している」、「基地局装置10のCPUやメモリなどの処理能力が不足している」、「基地局装置10が使用可能な電力量を超えている」などの状況である。図6に示す例では、端末装置20b-1と、端末装置20b-2と、端末装置20b-3とが、基地局装置10bのリソース不足により、グループ通信に参加できなかったことが示されている。
「参加拒否」は、端末装置20のユーザの操作によって、ユーザがグループの参加を明示的に拒否したことを示す。図6に示す例では、端末装置20c-1がグループの参加を拒否したことが示されている。
「無反応」は、通信圏外にいる、あるいはユーザがグループ通信の着信に気づかなかった等の理由により、所定時間以内に参加応答を送信しなかったことを示す。図6に示す例では、端末装置20c-2と、端末装置20c-3とが無反応であったことが示されている。
「ネットワーク障害」は、管理装置30と、基地局装置10との間のネットワークが切断状態にあり、グループ通信に参加できていない状態を示す。図6に示す例では、端末装置20d-1と、端末装置20d-2と、端末装置20d-3とが、基地局装置10dと、管理装置30との間のネットワーク障害により、グループ通信に参加できなかったことが示されている。
処理部25は、記憶部26の参加情報データベース261からグループ参加情報を読み出して、表示部に表示する。
[無線通信システムの処理]
図7を用いて、本発明の実施形態に係るグループ通信の処理について説明する。図7は、本発明の実施形態に係るグループ通信における各装置の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。具体的には、図7では、端末装置がグループ通信の呼び出しを受信した際に、ユーザが所定の操作を行って、グループ通信に参加するか否かを回答し、その情報を端末装置から基地局装置に送信する処理を示している。
図7では、基地局装置10aに発呼端末である端末装置20a-1が登録されており、基地局装置10cに、端末装置20c-1~端末装置20c-4の4つの端末装置が登録されおり、登録されている状態を示している。説明を簡潔にするため、その他の基地局装置および端末装置については省略している。
まず、端末装置20a-1は、上り制御チャネルにおいて、グループ通信開始要求を送信する(ステップS11)。
基地局装置10aは、端末装置20a-1からグループ通信開始要求を受けるとリソース(通話チャネルなど)を確保する(ステップS12)。基地局装置10aは、リソースを確保するとグループ通信開始要求を管理装置30に送信する(ステップS13)。
管理装置30は、グループ通信を待ち受けする端末装置が存在するエリアを検索する(ステップS14)。管理装置30は、ステップS14における検索結果に基づいて、配信エリアを決定する(ステップS15)。ここでは、管理装置30は、基地局装置10aと、基地局装置10cとにグループ参加要求を送信すると決定する。
管理装置30は、基地局装置10aに対しグループ参加要求を送信する(ステップS16)。これは、基地局装置10aに端末装置20a-1以外の端末装置が登録されている場合に、その端末装置にグループ参加要求を送信するための処理である。基地局装置10aは、通信チャネル情報を端末装置20a-1に送信する(ステップS17)。
管理装置30は、基地局装置10cに対して、グループ参加要求を送信する(ステップS18)。この際、管理装置30は、グループ通信開始の可否を判定するためのタイマーを起動する(ステップS19)。このタイマーの待ち時間は、予め定められた所定の時間(例えば、20秒)に設定されていてもよいし、上述の(第1の方法)~(第5の方法)のいずれかにより設定されてもよいし、後述するように、端末装置20のユーザによって設定されてもよい。
基地局装置10cは、グループ参加要求を受けるとリソース(通話チャネル)を確保する(ステップS20)。基地局装置10cは、リソース確保が成功したか否かを示すリソース確保応答を管理装置30に送信する(ステップS20c)。リソース確保応答は、リソース確保(成功)あるいはリソース確保(失敗)のいずれかである。管理装置30の取得部35は、ネットワークIF部31を介して基地局装置10からリソース確保応答を取得する。また、取得部35は、ステップS35でグループ参加要求を送信してから所定時間以内に、基地局装置10からリソース確保応答を取得できない場合、その基地局装置10に係るネットワークに障害が発生したと判定する。この場合、取得部35は、ネットワーク障害に関する情報を取得したともいえる。また、基地局装置10cは、リソースを確保すると、端末装置20c-1~端末装置20d-4に対し、グループ参加要求を送信する(ステップS21a、ステップS21b、ステップS21c、ステップS21d)。
端末装置20c-1から端末装置20c-4は、グループ参加要求を受信すると、表示部にメッセージを表示する(ステップS22a、ステップS22b、ステップS22c、ステップS22d)。
図8を用いて、グループ参加要求を受信した端末装置が表示するメッセージについて説明する。図8は、グループ参加要求を受信した端末装置が表示するメッセージの一例を示す図である。なお、図8では、端末装置20c-1が表示するメッセージを示している。端末装置20c-2から端末装置20c-4が表示するメッセージについても同様なので説明は省略する。
端末装置20c-1は、表示部に表示画面300を表示させる。表示画面300には、例えば「端末装置20a-1からグループ通信の参加要請がありました。あなたの他に3人(端末装置20c-2、端末装置20c-3、端末装置20c-4)が参加要請されています。このグループ通信に参加しますか?」といったメッセージが含まれる。すなわち、端末装置20c-1は、グループ通信の参加を要求した端末装置と、グループ通信の参加を要請された端末装置の情報を表示する。端末装置20c-1を使用するユーザは、表示画面300に従って、グループ通信に参加するか否かを回答する。具体的には、ユーザは、グループ通信に参加する場合にはYESボタン310を押し、参加しない場合にはNOボタン320を押す。端末装置20c-1は、YESボタン310が押された場合には、グループ通信への参加を示す応答結果(参加)を基地局装置10cに送信する。端末装置20c-1は、NOボタンが押された場合には、グループ通信への不参加を示す応答結果(参加拒否)を基地局装置10cに送信する。なお、「応答結果(参加)」を「応答結果(許可)」あるいは「参加を示す応答」と呼ぶ場合もある。また、「応答結果(参加拒否)」を「応答結果(不参加)」あるいは「応答結果(不許可)」あるいは「不参加を示す応答」と呼ぶ場合もある。
図7を参照する。端末装置20c-1は、応答結果(参加)を基地局装置10cに送信する(ステップS23)。基地局装置10cは、端末装置20c-1がグループ通信に参加することを示す端末装置参加情報を管理装置30に送信する(ステップS24)。なお図7において、端末装置20が基地局装置10に送信するデータを「応答結果」とし、基地局装置10が管理装置30に送信するデータを「端末装置参加情報」としているが、両者は実質的に同じ内容であり、用語を区別しなくてもよい。例えば、「端末装置参加情報」を「応答結果」と呼んでもよい。「端末装置参加情報」は、「応答情報」とも呼ばれる。管理装置30の取得部35は、基地局装置10から応答情報を取得する。この応答情報には、端末装置20から送信された応答結果が含まれる。
端末装置20c-2は、応答結果(参加)を基地局装置10cに送信する(ステップS25)。基地局装置10cは、端末装置20c-2がグループ通信に参加することを示す端末装置参加情報を管理装置30に送信する(ステップS26)。
端末装置20c-3は、応答結果(参加拒否)を基地局装置10cに送信する(ステップS27)。基地局装置10cは、端末装置20c-3がグループ通信に参加の拒否を示す端末装置参加情報を管理装置30に送信する(ステップS28)。
管理装置30の通信制御部34は、ステップS19で起動したタイマーがタイマー時間(所定時間)だけ待機した後、その時点までに受信した端末装置参加情報を基づいて、グループ通信を開始するか否かを判定する(ステップS29)。例えば、通信制御部34は、「参加」の応答をした端末装置の数が所定数以上の場合に、グループ通信開始と判定し、「参加」の応答をした端末装置の数が所定数未満である場合に、グループ通信不許可(中止)と判定する。つまり、グループ通信参加情報が所定の条件を満たす場合にのみ、グループ通信を開始する。ある端末装置から所定時間以内に応答結果を受信できない場合は、その端末装置は無反応の端末装置と判定する。図7では、端末装置20c-4は、所定時間以内に参加応答を送信していないため、無反応の端末装置と判定される。管理装置30は、無反応の端末装置を参加拒否の端末装置と同じ扱いにしてもよいし、異なる扱いにしてもよい。また、通信制御部34は、取得部35がステップS20cで取得したリソース確保応答(成功)に基づいて、グループ通信を開始するか否かを判定してもよい。例えば、リソース確保応答(成功)が所定数以上取得された場合に、グループ通信を開始すると決定してもよい。また、通信制御部34は、端末装置の「参加」応答が所定数α以上であり、かつリソース確保応答(成功)が所定数β以上である場合に、グループ通信を開始すると決定してもよい。リソース確保応答をリソース確保情報とも呼ぶ。
管理装置30は、基地局装置10aに対して、グループ通信の判定結果を通知する(ステップS30)。ステップS30において、管理装置30は、基地局装置10aに対して、グループ通信開始の判定結果を通知する。なお、図7に示す例では、管理装置30は、「グループ通信許可」を通知しているが、「グループ通信不許可(中止)」を通知する場合もある。基地局装置10aは、端末装置20a-1に対して、グループ通信判定結果(本図では、通信許可)を通知する(ステップS31)。
端末装置20a-1は、グループ通信許可を受信すると、グループ通信を開始する(ステップS32)。ステップS30では、例えば端末装置20a-1でそれまで出力されていた呼出音が停止される。これにより、端末装置20a-1を使用するユーザは、通信可能な状態(発話可能な状態)であることを認識する。
端末装置20a-1が通信を開始できる状態になると、端末装置20a-1は、基地局装置10aに対し音声信号を送信する(ステップS33)。基地局装置10aは、端末装置20a-1から受けた音声信号を管理装置30に送信する(ステップS34)。管理装置30は、基地局装置10aから受けた音声信号を基地局装置10cに送信する(ステップS35)。
基地局装置10cは、管理装置30から受けた音声信号を端末装置20c-1と、端末装置20c-2とに送信する(ステップS36a、ステップS36b)。このように、応答結果(参加)を基地局装置10cに送信した、端末装置に音声信号が配信される。すなわち、応答結果(参加拒否)を送信した端末装置20c-3および応答結果を所定時間以内に送信しなかった端末装置20c-4に対しては、音声信号が配信されない。
端末装置20a-1は、グループ通信不許可(中止)を受信すると、端末装置20a-1でそれまで出力されていた呼出音が停止され、エラー音が出力される。この場合、端末装置20a-1の表示画面に例えば「グループ通信不許可(中止)」といったメッセージが表示される。これにより、ユーザはグループ通信の中止を認識できる。
管理装置30は、グループ参加情報(通信結果情報)を作成する。取得部35は、記憶部33の第2の端末データベース332を参照し、グループ通信の対象になったグループ(ここでは「グループ#1」)に関連するデータを全て取得する。例えば、図9に示す例では、「グループ#1」に関連するデータは、端末装置IDが「#20a-3」以外のデータ全てなので、これらを全て取得する。つまり、取得部35は、特定のグループに対応する端末装置ID、ユーザID、基地局ID、登録情報を第2の端末データベース332(記憶部33)から取得する。取得部35が記憶部33から取得するデータは、端末装置20が受信可能であるか否かを示す情報(登録情報)、すなわちグループ通信時の端末装置20の状態(動作情報)を含んでいるため、端末装置の動作情報であるといえる。端末装置の動作情報は、「端末動作情報」、あるいは「端末状態情報」、あるいは「端末情報」とも呼ばれる。なお、第2の端末データベース332に格納されているデータは、管理装置30が基地局装置10から取得したデータ(端末装置ID、ユーザID、グループID、基地局ID)、および管理装置30が基地局装置10から取得したデータ(基地局装置ID)をもとに作成されたデータ(登録状態)であるため、取得部35はグループ参加情報の作成に必要な端末動作情報を基地局装置10から取得するともいえる。次に、処理部32は、取得部35が記憶部から取得したデータと、取得部35が取得したで取得したリソース確保情報と、取得部35が取得した応答情報とをもとに、グループ参加情報を作成する。グループ参加情報は、図6に示す参加情報データベース261と同様な情報を含んでいる。つまり、グループ参加情報(通信結果情報)は、端末装置IDと、ユーザIDと、基地局IDと、参加情報とを含む。ただし、ユーザIDを省略してもよい。
処理部32は、次のようにしてグループ参加情報の「参加情報」フィールドの内容(値)を設定する。
(1)取得部35が端末装置データベース331から取得したデータの中で登録状態が「登録」であるデータを対象にして、「応答結果(参加)」を取得した端末装置20の参加情報を「参加」とする。
(2)取得部35が端末装置データベース331から取得したデータの中で登録状態が「登録」であるデータを対象にして、「応答結果(不参加)」を取得した端末装置20の参加情報を「参加拒否(不参加)」とする。
(3)取得部35が端末装置データベース331から取得したデータの中で登録状態が「登録」であるデータを対象にして、所定時間以内に応答結果を取得できなかった端末装置20の参加情報を「無反応」とする。
(4)取得部35が端末装置データベース331から取得したデータの中で登録状態が「未登録」である端末装置20の参加情報を「電源オフ」とする。また、グループ通信時に端末装置20が通信圏外エリアに位置していたことを管理装置30が認識できる場合は、その端末装置20の参加情報を「圏外」としてもよい。また、「電源オフ」と「圏外」をまとめて、参加情報を「参加不可能」としてもよい。つまり、グループ通信時に受信不可能な状態であった端末装置20の参加情報を「参加不可能」としてもよい。
(5)ステップS20cにおいて、取得部35がリソース確保応答(失敗)を取得した基地局装置10に属する端末装置20の参加情報を「リソース不足」とする。
(6)ステップS20cにおいて、取得部35が所定時間以内にリソース確保応答を取得できない場合、本来リソース確保応答を送信すべき基地局装置10と管理装置30との間のネットワーク障害の可能性が高い。このため、その基地局装置10に属する端末装置20の参加情報を「ネットワーク障害」とする。
これらの参加情報のうち、「リソース不足」と「ネットワーク障害」は基地局装置10側の要因であり、残りは端末装置20側の要因である。基地局装置10から端末装置20に対して、グループ参加要求(データ)が送信されない場合、すなわち、基地局装置10側に問題がある場合、その要因として2つの要因(「リソース不足」あるいは「ネットワーク障害」)のいずれかが参加情報フィールドに示される。また、端末装置20側の要因として、「参加」、「参加拒否(不参加)」、「無反応」、「電源オフ」の4ついずれかが参加情報に示される。すなわち、端末装置20がグループ通信に不参加である場合、「参加拒否(不参加)」、「無反応」、「電源オフ」の3つの要因のうちのいずれかが参加情報に示される。端末装置20がグループ通信に不参加である場合に示される要因の数は、これよりも多くてもよく、少なくてもよい。例えば、「電源オフ」を省略し、「参加拒否(不参加)」と「無反応」の2種類の要因を示すようにしてもよい。
グループ通信開始後、あるいはグループ通信終了後に、基地局装置10aに対しグループ参加情報を送信する(ステップS37)。基地局装置10aは、端末装置20a-1に対し、グループ参加情報を送信する(ステップS38)。グループ参加情報には、グループ通信に参加した端末装置とそのエリア情報、参加拒否した端末装置とそのエリア情報、参加要求に対して無反応だった端末装置とそのエリア情報、そしてリソース不足やネットワーク切断状態のエリア情報とそのエリア内で管理されている端末装置を収集した情報が含まれる。端末装置20a-1は、管理装置30から受けたグループ参加情報を任意の表示部に表示する(ステップS37)。そして、図7の処理は終了する。
図10を用いて、ステップS37において表示部に表示されるグループ参加情報について説明する。図10は、表示部に表示されるグループ参加情報を示す図である。
図10は、表示部に表示される表示画面400を示している。基地局装置10cに登録された端末装置20c-1は、背景が薄いクロス模様で表示されており、これは「参加拒否」であることを示している。端末装置20c-2および端末装置20c-3は、背景が横縞で表示されており、これは「無反応」であることを示している。このように、本実施形態によれば、グループ通信の配信状況をより詳細にユーザに通知することができる。
なお、システム管理装置が基地局装置を経由して、端末装置にグループ参加情報を送信するタイミングは、グループ通信が開始された以降の任意のタイミングであってよい。つまり、グループ通信が継続中に送信してもよいし、グループ通信が終了した後に送信してもよい。
例えば、管理装置30は、ステップS28のグループ通信許可と同時に、グループ参加情報を基地局装置10aに送信してもよい。ステップS35を省略することも可能である。ただし、グループ通信開始後、特にグループ通信終了後に、グループ参加情報を送信すると、より詳細な情報を端末装置に提供できる。例えば、グループ通信中にある基地局装置に障害が発生し、その基地局装置に登録された端末装置が通信の途中から受信できなくなった場合に、そのような情報をグループ参加情報に含めることができる。
なお、図7において、端末装置20a-1に対してのみグループ参加情報が提供されているが、これに限らず、グループ通信に参加した他の端末装置に対してグループ参加情報が提供されてもよい。あるいは、グループ通信に参加しなかった端末装置に対しても、グループ参加情報が提供されてもよい。例えば、グループ通信終了後に、グループ通信に参加しなかった端末装置を含めて、グループ通信に係る端末装置に対して、管理装置30がグループ参加情報をメール等で通知してもよい。また管理装置30は、グループに属しているか否かに係らずグループ参加情報を端末装置あるいは他の装置に送信してもよい。例えば、通信システムを管理する管理者の使用する端末装置(管理端末)にグループ参加情報を送信してもよい。
[開始条件設定処理]
上述の処理では、管理装置30が、予め定められた条件を用いて、グループ通信開始の可否を判定したが、端末装置20a-1がグループ通信の開始条件を設定してもよい。この場合、管理装置30は、端末装置20a-1が設定した条件に従って、可否を判定する。すなわち、端末装置20a-1は、グループ通信を開始するための必要条件を設定する。
グループ通信の開始条件を設定する場合、図7のステップS11で送信するグループ通信開始要求の情報に、開始条件を含める。
端末装置20a-1は、グループ通信開始の際に、グループ通信開始要求の情報に含める情報をユーザに設定させる。すなわち、ユーザは、グループ通信を開始する条件を指定することができる。
図11を用いて、グループ通信を開始する条件を設定する方法について説明する。図10は、グループ通信を設定する方法の一例を説明するための図である。
図11には、グループ通信を開始する条件を設定するための設定画面500を示している。設定画面500では、例えば「グループ通信の開始条件を選択してください」と表示される。設定画面500には、参加人数選択領域510と、参加率選択領域520と、ユーザ選択領域530とが含まれる。
参加人数選択領域510を選択することで、グループ通信の開始条件として参加人数を指定することができる。参加率選択領域520を選択することで、グループ通信の開始条件としてグループ通話への過去の参加率を指定することができる。ユーザ選択領域530を選択することで、グループ通信の開始条件として特定のユーザの参加をしていることを設定できる。各領域は、例えば表示部に設けられたタッチパネル、表示部に接続された操作部で選択することができる。また、各々の選択肢において、ユーザは待ち時間を指定することができる。
図12Aを用いて、グループ通信を開始させる条件としてグループ通信の参加人数を設定する方法について説明する。図12Aは、グループ人数を設定する方法の一例を説明するための図である。
図12Aには、グループ通信の参加人数を設定する設定画面600Aを示している。図11に示す設定画面500において、参加人数選択領域510を選択すると設定画面500から設定画面600Aに遷移する。設定画面600Aには、例えば「グループの参加人数と待ち時間を指定してください」と表示される。設定画面600Aは、参加人数指定領域610と、待ち時間指定領域620とを含む。参加人数指定領域610は、グループの参加人数を指定するための領域である。参加人数指定領域610には、参加人数を直接入力してもよいし、参加人数指定領域610に含まれる上下の矢印ボタンで入力してもよい。各領域への数値の入力方法は、同様なので以下では説明は省略する。待ち時間指定領域620は、待ち時間を指定するための領域である。
設定画面600Aにおいて、参加人数を「4」と指定すると、4人以上のユーザが「参加」の応答結果を返した場合に、グループ通信が成立する。発呼した端末装置20は、その参加人数および待ち時間の情報を含めたグループ通信開始要求を送信する。管理装置30は、指定された待ち時間以内に、指定された参加人数以上の「参加」応答が集まった場合に、グループ通信許可を通知する。
図12Bを用いて、グループ通信を開始させる条件としてグループ通信への参加率を設定する方法について説明する。図12Bは、参加率を設定する方法の一例を説明するための図である。
図12Bには、グループ通信の参加率を設定する設定画面600Bを示している。図11に示す設定画面500において、参加率選択領域520を選択すると設定画面500から設定画面600Bに遷移する。設定画面600Bには、例えば「グループの参加率と待ち時間を指定してください」と表示される。設定画面600Bは、待ち時間指定領域620と、参加率指定領域630を含む。参加率指定領域630は、グループへの参加率を指定するための領域である。
参加率指定領域630には、参加率の初期値として、呼出側の端末装置20の過去の参加率の平均値が表示される。例えば、5つの端末装置20の過去の参加率が「100%」、「80%」、「50%」、「20%」、「0%」である場合、これらの平均値「50%」が初期値として表示される。ユーザは、初期値を参考にして、参加率を任意の値に変更することができる。なお、参加率は、呼出端末に関する参加率であってもよいし、発呼端末と呼出端末とを合わせたグループ通信に係る全ての端末装置20に係る参加率であってもよい。
発呼側の端末装置20は、その参加率の情報および待ち時間を含めたグループ通信開始要求を送信する。管理装置30は、指定された待ち時間以内に、指定された参加率以上の「参加」応答が集まった場合に、グループ通信許可を通知する。
図12Cを用いて、グループ通信を開始させる条件として特定のユーザの参加を設定する方法について説明する。図12Cは、グループ通信を開始させる条件として特定のユーザの参加を設定する方法の一例を説明するための図である。
図12Cには、グループ通信に必須のユーザを設定する設定画面600Cを示している。図11に示す設定画面500において、ユーザ選択領域530を選択すると設定画面500から設定画面600Cに遷移する。設定画面600Bには、例えば「グループ参加必須ユーザと待ち時間を指定してください」と表示される。設定画面600Bは、待ち時間指定領域620と、ユーザ指定領域640を含む。ユーザ指定領域640は、グループへの参加が必須のユーザを指定するための領域である。
ユーザ指定領域640において、ユーザは、グループ通信の成立に必要なユーザの名前または端末装置の名称を1つ以上、任意の数だけ選択することができる。ユーザ指定領域640には、ユーザの名前と、チェックボックスが表示されおり、チェックボックスにチェックを入れることでグループ通信に成立に必要なユーザを指定することができる。設定画面600Cに示す例では、ユーザ指定領域640には、第1ユーザと、第2ユーザと、第3ユーザと、第4ユーザとが表示されており、第1ユーザと、第3ユーザとが選択されている。この場合、第1ユーザおよび第3ユーザが両方とも、待ち時間以内に「参加」応答しないと、グループ通信が成立しない。発呼側の端末装置は、そのグループ参加必須とするユーザの情報および待ち時間を含めたグループ通信開始要求を送信する。システム管理装置は、指定されたユーザ全てから、指定された時間以内に「参加」応答が集まった場合に、グループ通信許可を通知する。
図13を用いて、表示部に表示させる表示条件を選択する方法について説明する。図13は、表示部に表示させるグループ参加情報の表示条件を選択する方法の一例を説明するための図である。
図13、表示部に表示させる表示条件を選択するための表示画面600Dを示している。ユーザは、例えばSelectボタン440を選択することで表示画面600Dを表示させることができる。
表示画面600Dには、表示部に表示させる表示条件が示されている。表示条件は、例えば複数の項目から構成される。図13に示す例では、表示条件は、基地局(基地局条件)と、端末状態(表示状態条件)と、端末表示数(端末表示数条件)の3つの項目(条件)から構成されている。なお、以下ではこの3つの項目について説明するが、これは例示であり、本発明を限定するものではない。表示条件は、1つであってもよいし、2つであってもよいし、更に多くの項目から構成されていてもよい。
基地局の項目は、基地局装置10aと、基地局装置10bと、基地局装置10cと、基地局装置10dとを含む。ユーザは、基地局装置10aと、基地局装置10bと、基地局装置10cと、基地局装置10dとのうち、グループ参加情報に表示させる基地局装置を少なくとも1つ選択することができる。すなわち、複数選択可能である。ユーザは、基地局の各項目のうち、例えば表示させる基地局装置のチェックボックスにチェック印を付けることで選択する。例えば、基地局装置10aのみ選択された場合には、基地局装置10aのグループ参加情報のみが表示される。なお、デフォルト状態で、全ての基地局装置10が選択されてもよい。
端末状態の項目は、「参加」と、「電源オフ」と、「リソース不足」と、「ネットワーク障害」とを含む。ここで、「電源オフ」は、端末装置が電源オフであったために端末装置が不参加になったことを示し、「リソース不足」は、基地局装置のリソース不足のために端末装置が不参加になったことを示し、「ネットワーク障害」は、基地局装置と接続されたネットワークNWの障害により端末装置が不参加になったことを示す。ユーザは、これらの各項目(選択肢)の中から、グループ参加情報に表示させる端末状態を少なくとも1つ選択することができる。すなわち、複数選択可能である。ユーザは、端末状態の各項目のうち、例えば表示させるチェックボックスにチェック印を付けることで選択する。例えば、「参加」のみ選択された場合には、グループ通話に参加した端末装置のみが表示される。
表示端末数の項目は、「10台」と、「30台」と、「50台」と、「100台」とを含む。表示端末数の項目では、表示部24に一度に表示する端末装置の数を選択することができる。ユーザは、これらの各項目(選択肢)の中から、1つを選択することができる。ユーザは、各項目のうち、例えば表示させるチェックボックスにチェック印を付けることで選択する。例えば、「10台」が選択された場合には、一度に表示させる端末装置の台数は10台となる。この場合、処理部25は、スクロール操作や、ページの切替操作を受け付けることで、全ての端末を表示するようにすればよい。このような表示を行うことで、1つの画面に表示される情報が必要以上に多くなり、画面表示が複雑になり過ぎることを防止できる。このためユーザは、グループ通信に関する配信状況や参加状況を容易に把握することができる。
なお、表示する端末数を制限する方法として、以下の方法を用いていもよい。例えば、図9に示す端末装置データベース331に、端末装置IDに対応させて端末装置の優先度(プライオリティ)を記憶しておく。優先度としては、例えば、「1」から「10」までの数値を用い、数値が大きいほど優先度が高い端末装置であることを示すようにする。例えば、グループの責任者や管理者などの重要なユーザが使用する端末装置の優先度を「10」などと高く設定しておく。そして、表示画面400Dと同様な表示条件を選択する画面において、端末装置の優先度に関する条件を選択できるようにする。ユーザは、例えば、「優先度8以上の端末装置のみを表示する」といった選択をする。そして、ユーザが選択した条件に合致する端末装置についてグループ参加情報を表示し、その他の端末装置に関する表示を省略すればよい。このような表示をすることにより、画面に表示される情報が必要以上に多くなり、画面表示が複雑になり過ぎることを防止することができる。
ユーザは、表示画面400Dを用いて表示条件を設定した後、図13に示す「All List」ボタン415と、「Success List」ボタン420と、「Failure List」ボタン430のいずれかを選択する(押す)ことにより、所望の形式でグループ参加情報を表示部24に表示させることができる。例えば、「All List」ボタン415を選択すると、図10に示す表示画面400が表示される。ここで表示される情報には、表示画面600Dで設定された表示条件が反映される。
上述のとおり、本実施形態によれば、グループ通信の配信状況を詳細にユーザに通知することができる。その結果、ユーザは、各基地局装置および各端末装置の通信状況を適切に把握することができる。
また、本実施形態ではグループ通信の一例として、音声データを送受信するグループ通話を行う通信システムを説明したが、これに限らず、テキスト、画像、映像等のデータを送受信するグループ通信であってもよい。例えば、3つ以上の端末装置においてテキストメッセージを交換するチャット等のグループ通信を行ってもよい。
また、業務用無線システムを例に説明したが、これに限らず、他の通信システムであってもよい。例えば、携帯電話網を用いたグループ通信であってもよい。端末装置は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ(パソコン)等であってもよい。また、端末装置は必ずしもユーザが携帯可能である必要はなく、また移動可能でなくてもよい。例えば、デスクトップ型のコンピュータであってもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行なうことができる。