JP7117712B2 - 軸力可視化ボルト - Google Patents

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Description

本発明は、ボルトの軸力可視化技術、特にトンネルの内壁面や、盛土や切土などの斜面に対して、所定間隔毎で打ち込まれるロックボルトやグラウンドアンカーの軸力可視化技術に関するものである。
ボルトは、種々の構造物建設に使用される重要な建設資材である。構造物の経年劣化や地震などの自然災害直後に、その健全性を的確に、且つ正確に評価することは非常に重要である。
特に、ロックボルトやグラウンドアンカーなどは、地盤工学、岩盤工学、コンクリート工学において頻繁に用いられる補強材である。ロックボルトはトンネル壁面などに打ち込み、またグラウンドボルトは切土などの斜面に打ち込んで、崩落や地滑りなどの災害を防止するための補強がなされる。これらは施工後も長期にわたってその強度を保持し、構造物の安定を保持するために重要な役割を果たすものである。
しかし、ロックボルトやグラウンドアンカーなどの補強材を用いた場合でも、経時的な劣化や予期しない地盤変動のために、崩落や地滑りなどの災害を生じることがある。トンネル工事では、ロックボルトを打設して地山の変形を抑制するが、トンネル掘削に伴い地山の緩みが生じるために、地山によっては崩落する動きが生じる。ロックボルトではプレート面でその崩落する動きに伴う力を支えることになる。過大な力がロックボルトに作用していてもそれを外部に伝達する手段がないため、ロックボルトの破断やトンネル崩落の危険がある。このような危険が生じる前に、通常、予兆的な規模の小さい崩落又は地滑りが先行することが多いことから、ロックボルト軸力計など歪みゲージやロードセルを用いて、ロックボルトに作用する力を計測し、異常をモニタリングしている(例えば、特許文献1を参照)。
ボルトの長さは数cmから数mまで様々なものがあるが、例えば、ボルトに過度の軸力が作用し、ボルトが引張力を受けてボルト全体に伸びて変形した場合に、その状態を読み取るためには、コンマ数mm~数mm程度の微小変位を計測することが必要である。微小変位の計測を可能とする電気を利用したセンシングシステムは多様なものがあるものの、1箇所あたりの設置コストが数万円以上かかるという問題がある。
また、トンネル周辺地山に発生するひび割れを広い範囲に亘り、短い間隔で測定してトンネル崩壊の判断の精度向上を図るために、地山に発生するアコースティックエミッションを測定する方法が知られているが(特許文献2を参照)、現場ではセンサおよび高価な測定装置を設置する必要があり実用的ではない。
また、ボルトは締め付けられると伸びることに鑑み、ボルトの中心の軸方向に貫通孔を設け、貫通孔にボルトと同一熱膨張係数を有するロッドを嵌挿し、ロッドの先端をボルトねじ部の先端に固着し、締結前後のボルト頭部表面とロッド端部との段差の寸法差により適正な締付量を検知するようにしたボルトの構造が知られている(特許文献3を参照)。特許文献3のボルトによれば、ボルト締結時、ボルトの伸びを目視するか手で触れ、直接検知することによりボルト締付量が適正か否かを確認でき、ボルト締付量を精度よく管理できる。しかしながら、特許文献3のボルトでは、長時間使用している中で、ボルトにかかるトルクが変化し、微小な変位が発生した場合には、現場で簡単な方法で予知できないという問題があった。
さらに、超音波を利用したボルトの長さを測定する方法も知られている(例えば、特許文献4を参照)。超音波探傷器で全長6mのロックボルトを、プレート、ナットで締結している状態で計測できるが、ボルトが締結されている周囲環境にも、超音波が大きな影響を与えるといった問題があり、また精度面でも不安定で信頼性が得られなかった。
従来から、トンネルの内壁面や斜面に所定間隔毎で打ち込まれるロックボルトやグラウンドアンカーの軸力を目視確認可能に表示するものとして、ロックボルトの突出部分に壁面側と当接する内側支圧プレートとその外側の外側支圧プレートとの間に挟み込まれるロードセルを用い、外側支圧板の外側からロックボルトにナットを螺合して締めつけた状態で、ロードセルに取り付けたブルドン管圧力計によって、ロックボルトの軸力を表示する技術が知られている(特許文献5を参照)。
また、荷重が設定された値以上の時に変色する変色部材を用いて、ロックボルトやアンカーボルトの荷重を検出して、危険度合の判定を安価にする荷重検出装置が知られている(特許文献6を参照)。特許文献6の荷重検出装置では、ロックボルト等に螺合されるナットと壁面側のプレートとの間に、変色部材を収納した保持部材を設ける。変色部材は、例えば、第一の液と第二の液とを別々に封入された小型容器で構成され、設定値以上の荷重が加わった際に、第一の液と第二の液とを隔てる境界壁が破壊され、これらの2液の混合により変色するタイプが例示されている。ロックボルト等に過度の荷重が加わった際には、その荷重が保持部材を介して変色部材に伝達されるため、変色部材の変色によりロックボルトの軸力を表示する。
しかしながら、特許文献6の荷重検出装置のように、変色部材が第一の液と第二の液とを隔てる境界壁が破壊されて2液の混合により変色するタイプである場合には、一旦変色した後に色が元に戻らないといった不都合がある。かかる不都合を解決するものとして、ロックボルトの軸力が伝達されるように設けられる軸力表示ボルトが設けられ、ロックボルトにかかる軸力に応じて軸力表示ボルトの後端の着色表示面の着色表示の濃淡が変化する技術が知られている(特許文献7を参照)。 特許文献7の軸力表示ボルトは、その本体にロックボルトの軸力に応じて軸方向に相対的に移動する可動部と、可動部の後端には着色表示面と、さらに着色表示面の後側に設けられる透明板と、着色流体封入体とを有し、着色表示面と異なる色の着色流体が視認可能に封入されており、ロックボルトに軸力がかかった際に、着色表示面と透明板との間の距離が変化し、その距離の変化に応じて着色表示面を覆う着色流体の量が変わることにより、表示色の濃淡が変化する。また、軸力表示ボルトの後端には、表示色の視認範囲を拡張するための球状レンズを備え視認性を向上している。
特開2002-54922号公報 特開2001-355384号公報 特開2000-74028号公報 特開2006-292482号公報 特開2001-133392号公報 特開平9-269269号公報 特開2015-31086号公報
上述のとおり、ボルトの健全性を的確に評価することは重要であり、ボルトに過度の軸力が作用し、ボルトが引張力を受けてボルト全体に伸びて変形した場合に、危険度合の判定を視認できるように、軸力に応じた微小変化を可視化することは必要である。また、軸力の可視化が必要とされている箇所は非常に多く、如何に安価に実現できるかが普及にとって重要なファクターとなる。
高価なロックボルト軸力計など歪みゲージやロードセルを用いるのではなく、また電気的センサによって微小な変形差を読み取るといったような電気回路を備える複雑な装置構造にするのではなく、軸力に応じた微小変化の可視化を低コストで実現する必要がある。
定期点検の担当者が確認できるだけでなく、工事中や工事後の建物等インフラ全体の監視体制のレベルを格段に向上すべく、インフラに生じている異常を誰かが発見できるようなボルトにかかる軸力の可視化を実現する必要がある。
かかる状況に鑑みて、本発明は、ボルトに異常な力がかかっていることが早期に現場で発見できる安価な軸力可視化ボルトを提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明の軸力可視化ボルトは、次の1)の溝、又は、2)の棒状体の何れかと、そして、3)の段差可視化手段を備える。
1)ボルトの先端部もしくは後端部(頭部)の少なくとも一方の端面に、端面の周端面と中央端面を分断する溝。
2)ボルトの先端部もしくは後端部(頭部)の少なくとも一方の端面に、端面の中央端面が刳り貫かれた内空間の内壁に非接触で内空間の底部に固着された棒状体であってボルトと同材質の棒状体。
3)ボルトが受ける軸力に応じて、中央端面もしくは棒状体の自由端と、周端面との間に生じる段差のサイズを拡大して可視化する段差可視化手段。
ボルトは通常、円形断面を有しているが、この断面内を一部、刳り貫いて、その中にボルトが受ける軸力が伝達されない自由部位を作製する。上記1)の溝で分断された中央端面のアイランド部位や上記2)の棒状体が、この自由部位に相当する。ボルトに軸力が作用すると、ボルトは全体として変形する(引張力を受ければ伸びる)が、この自由部位には軸力が伝達されないため、その部分だけは変形しない。このことによって変形する部分と自由部位の変形差が生じ、これをセンシングしてその大きさを可視化することが可能になる。
ここで、ボルトとは、部品と部品を締めつけ固定するための要素のみならず、地山や岩盤内の削孔に挿し込んで使用するロックボルトやグラウンドアンカーを含むものである。ねじが切られた軸部だけのものや、雄ねじが切られた軸部と頭部から成るものがある。ナットで締めたり、雌ねじが切られた穴(タップ)に締め付けて使用する。軸部全てにねじが切られた全ねじタイプ、先端部から特定の長さだけねじが切られた半ねじタイプなど様々なバリエーションがある。
上記2)の棒状体の材質は、ボルト本体と同じ材質が用いられることにより、段差の部分は温度の影響が自動的に相殺される。つまり、周辺で温度変化が生じた場合であっても、軸力を受けている部分と、軸力を受けない棒状体の部分が全く同じ温度変化に晒されるので、温度に対応して各々の部分がひずみを生じることになるが、段差の部分は温度の影響が自動的に相殺されることになる。この自動的に温度影響を相殺することは、真の軸力を正確に把握する上で重要である。
そして、上記3)の段差可視化手段によって、ボルト本体とその先端に作製された自由部位との変形差を可視化する。すなわち、ボルトが受ける軸力に応じて、中央端面もしくは棒状体の自由端と、周端面との間に生じる段差を可視化する。通常、微小な変形差は電気的センサによって読み取る必要があるが、本発明の軸力可視化ボルトでは、電気的手段を用いずに微小変位の可視化の実現を図るが、もちろん、段差可視化手段として、電気的手段を用いて微小な変形差を計測して可視化させることも可能である。ボルトが使用される対象物やインフラ環境に要求させる重要性とコストに応じて、適宜、可視化手段の構造を選択することができる。
本発明の軸力可視化ボルトにおいて、溝の内壁又は内空間の内壁は、ボルトの軸方向に沿って延びるのが好ましいが、ボルトの軸方向に向かって、拡大又は狭小するように形成されても構わない。
また、通常、ボルトは円形断面をしているので、この断面の中央部を一部、刳り貫いた場合には、溝の形状又は内空間の断面形状は、同じく円形断面が好ましいが、楕円形状、多角形状であっても構わない。
また、棒状体は、溶接して内空間の底部に固着してもよいし、底部に雌ネジを形成し棒状体の端部を雄ネジとして螺着させてもよい。その他、接着剤による接着でもよい。なお、棒状体の形状は、円柱、楕円柱、多角柱、円錐台、楕円錐台、多角錐台等の様々な形状が可能である。
本発明の軸力可視化ボルトにおける段差可視化手段は、中央端面又は棒状体を力点側とし、周端面の内壁周縁を支点とし、梃子により移動する作用点側で段差のサイズを拡大して可視化することが好ましい。これにより、電気的センサを用いることなく、微小な段差サイズを計測することが可能である。
本発明の軸力可視化ボルトにおける段差可視化手段は、具体的には、端面の周端面と当接し、中央端面又は棒状体に固着させたプレートを備える。そして、段差のサイズを拡大させた変位であるプレートの周縁の変位を検知する。ボルトに軸力がかかり、ボルトが引張力を受けて伸びると、端面の周端面と、中央端面又は棒状体の端面との間に段差が生じる(又は段差が大きくなる)。上記のプレートを備えることにより、このような段差が生じた場合には、中央端面又は棒状体に固着させたプレートで、周端面と当接している部分には応力がかかり、梃子の利用で、プレートが反り曲がることになる。
本発明の軸力可視化ボルトにおける段差可視化手段は、梃子により移動する作用点側の変位を計測するダイヤルゲージであって、変位の大きさに応じた色分けが表示盤に施されたダイヤルゲージを備えたことが好ましい。変位の大きさに応じた色分けが表示盤に施されることにより、当該インフラにおける危険度合の判別を、色で容易に判別できるようにしたものである。
上記の段差可視化手段におけるプレートがミラープレートであり、ミラープレートの変化を、光の反射光の変位から検知することでもよい。特に、ミラープレートとしてアルミ箔を用いることにより安価に容易に可視化を実現できる。
本発明の軸力可視化ボルトにおける段差可視化手段は、溝の中央端面側の側壁又は棒状体の側壁の全周もしくは一部に固着され、端面で外側に屈曲して端面の周端面と当接するプレートを備えることでもよい。L型プレートの一面を周端面と当接させ、他面を溝の中央端面側の側壁又は棒状体の側壁の全周もしくは一部に固着させる。ボルトに軸力がかかり、ボルトが引張力を受けて伸びると、端面の周端面と、中央端面又は棒状体の端面との間に段差が生じる。このような段差が生じた場合には、周端面と当接している部分には応力がかかり、梃子の利用で、L型プレートが反り曲がることになる。L型プレートの周縁側の変位が段差のサイズを拡大させた変位となる。
本発明の軸力可視化ボルトにおける段差可視化手段は、中央端面と周端面との間に設けられた溝、又は、棒状体と内空間との隙間に設けられる球体もしくは円柱体を備え、球体もしくは円柱体に指針が取り付けられることでもよい。段差の発生により球体もしくは円柱体が回転することにより、指針の変位が段差のサイズを拡大して可視化することができる。
本発明の軸力可視化ボルトにおける段差可視化手段は、ボルトの端面の外側に設けられた基準端面の内縁を力点側とし、周端面の外壁周縁を支点とし、梃子により移動する作用点側で段差のサイズを拡大して可視化することでもよい。
本発明の軸力可視化ボルトにおいて、自由部位の長さはボルトの全長や現場で計測されるであろう軸力を考慮して、可視化が効率よく行われるように適宜決めることができるが、上記1)の溝の深さ、又は、上記2)の内空間の深さは、ボルトの軸方向の長さの9/10以下で、かつ、端面の周端面から10cm以上の深さの範囲で、適宜設定することが好ましい。溝の深さや内空間の深さが、溝で分断された中央部位や棒状体の自由部位の長さになるので、自由部位の長さは、ボルトの軸方向の長さの9/10以下で、かつ、端面の周端面から10cm以上になる。ボルトの長さがあまり短いと変位量が小さく計測が困難になるため、そのような場合には、ボルトの軸方向の長さ9/10以下で、できるだけ内空間の深さを大きく設定する。また、自由部位の長さを10cm以上確保するためには、ボルト全長が少なくとも11cm程度が必要になる。
ボルトの軸力が大きくなり、材料が降伏するレベルに達したときに、軸ひずみがおおよそ0.1%になることに鑑みて、自由部位の長さとしては10cm程度設ける。自由部位の長さが10cmの場合には、自由部位の周囲を取り囲む周壁部に軸力が加わった際に生じる軸ひずみがその0.1%、すなわち10cm×0.001=0.1mmになる。この0.1mmという段差変位を確実に表現できるようにする。更に、段差変位が0mmから0.1mmに増大していく過程が段階的に可視化できればより好ましい。
なお、ボルトに軸力(引張力)が加わり、軸ひずみによりボルトが伸びる場合、ナットが取付けられている箇所からボルトの軸方向に引っ張られることになる。すなわち、厳密にいうと、自由部位の長さは、溝の深さや内空間の深さから、ボルトの端からナットが取り付けられている箇所までの距離を差し引いたものになる。
本発明の軸力可視化ボルトにおけるボルトは、トンネル周辺地山に所定間隔毎で打ち込まれるロックボルト、又は、切土の斜面に所定間隔毎で打ち込まれるグラウンドアンカーである場合には、ナットと螺着するロックボルト又はグラウンドアンカーの後端部側に、溝又は棒状体が設けられる。
本発明の軸力可視化ボルトにおけるボルトは、ロックボルト又はグラウンドアンカーの後端部に接続される継手を介して、ロックボルトの後端部に接続されるものでもよい。あるいは、本発明の軸力可視化ボルトにおけるボルトは、ロックボルト又はグラウンドアンカーの後端部に螺合し得るものでもよい。
本発明の軸力可視化ボルトによれば、ボルトの断面の内部に、ボルト本体と縁が切れた自由部位を作製し、この自由部位を有するボルトに軸力が作用した際に生じる本体と自由部位の間の変形差を読み取って、それを可視化することによって軸力を把握し、危険度合を判別できるといった効果がある。
軸力可視化ボルトの構成模式図(1) 軸力可視化ボルトの構成模式図(2) 軸力可視化ボルトの構成模式図(3) 軸力可視化ボルトの機能説明図(1) 軸力可視化ボルトの機能説明図(2) 実施例1の段差可視化手段の説明図(1) 実施例1の段差可視化手段の説明図(2) 実施例2の段差可視化手段の説明図(1) 実施例2の段差可視化手段の説明図(2) 実施例3の段差可視化手段の説明図(1) 実施例3の段差可視化手段の説明図(2) 実施例4の段差可視化手段の説明図 実施例5の段差可視化手段の説明図 微小変位に対するたわみ角の変化のグラフ 各段差可視化手段における傾きとたわみ角の変化のグラフ 実施例7の軸力可視化ボルトの構成模式図(1) 実施例7の軸力可視化ボルトの構成模式図(2) ロックボルトの説明図(1) ロックボルトの説明図(2) カプラを介してロックボルトに連結される軸力可視化ボルトの説明図
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
本発明の軸力可視化ボルトの一実施態様の構成について図1~3を参照して説明する。
本実施例の軸力可視化ボルトは、ボルトの先端部もしくは後端部(頭部)の少なくとも一方の端面に、端面の周端面と中央端面を分断する溝が形成されている。
すなわち、本実施例の軸力可視化ボルトは、ボルトの先端部の端面に、周端面と中央端面を分断する溝が形成されているパターンと、ボルトの後端部(頭部)の端面に、周端面と中央端面を分断する溝が形成されているパターンと、ボルトの先端部と後端部(頭部)の両方の端面に、それぞれの周端面と中央端面を分断する2つの溝が形成されているパターンの3態様がある。
まず、軸力可視化ボルトの先端部の端面に、周端面と中央端面を分断する溝が形成されているパターンを説明する。図1(1)に示すように、軸力可視化ボルト全体1は、軸力可視化ボルト2とナット3で構成され、軸力可視化ボルト2の先端部の端面にボルトの軸方向に沿って、円筒の溝23が形成され、中央端面21aと周端面22aが分断されている。ボルト先端の中央端面21aから円筒の溝23でボルト本体から一部分断されたボルト内部に至る部位は、ボルトが受ける軸力が伝達されない自由部位21を形成する。ボルト先端の周端面22aからボルト本体に至る部位は、ボルトが受ける軸力が伝達される軸力作用部位22のまま維持される。軸力可視化ボルト2の後端部(頭部)25には溝は形成されていない。
図1(2)は、図1(1)における軸力可視化ボルト2のA-A断面図を示している。溝23の深さは、上述の如く、その変形差を読み取ることが困難でない程度に、また、ボルト本体の耐圧に影響が現れる懸念が無い程度に、ボルトの全長に応じて所定の深さに適宜設計されるものであるが、図示では、ボルトの全長の約1/2程度の深さの溝となっている。
次に、軸力可視化ボルトの後端部(頭部)の端面に、周端面と中央端面を分断する溝が形成されているパターンを説明する。図2(1)に示すように、軸力可視化ボルト全体10は、軸力可視化ボルト20とナット3で構成され、軸力可視化ボルト20の後端部(頭部)28の端面にボルトの軸方向に沿って、円筒の溝23が形成され、中央端面26aと周端面27aが分断されている。ボルト後端部(頭部)の中央端面26aから円筒の溝23でボルト本体から一部分断されたボルト内部に至る部位は、ボルトが受ける軸力が伝達されない自由部位26を形成する。ボルト後端部(頭部)の周端面27aからボルト本体に至る部位は、ボルトが受ける軸力が伝達される軸力作用部位27のまま維持される。軸力可視化ボルト20の先端部には溝は形成されていない。
図2(2)は、図2(1)における軸力可視化ボルト20のB-B断面図を示している。溝23の深さは、上述の如く、その変形差を読み取ることが困難でない程度に、また、ボルト本体の耐圧に影響が現れる懸念が無い程度に、ボルトの全長に応じて所定の深さに適宜設計されるものであるが、図示では、ボルトの全長の約1/2程度の深さの溝となっている。
そして、軸力可視化ボルトの先端部と後端部(頭部)の両方の端面に、それぞれの周端面と中央端面を分断する2つの溝が形成されているパターンを説明する。図3(1)に示すように、軸力可視化ボルト全体100は、軸力可視化ボルト200とナット3で構成され、軸力可視化ボルト200の先端部の端面にボルトの軸方向に沿って、円筒の溝23が形成され、中央端面21aと周端面22aが分断されている。また、図3(2)に示すように、軸力可視化ボルト200の後端部(頭部)29の端面にボルトの軸方向に沿って、円筒の溝23が形成され、中央端面26aと周端面27aが分断されている。
図3(3)は、図3(1)及び(2)における軸力可視化ボルト200のC-C断面図を示している。溝23の深さは、上述の如く、その変形差を読み取ることが困難でない程度に、また、ボルト本体の強度に影響が現れる懸念が無い程度に、ボルトの全長に応じて所定の深さに適宜設計されるものであるが、図示では、2つの溝を合せると、ボルトの全長の約2/3程度の深さの溝となっている。ボルト先端の中央端面21aから円筒の溝23でボルト本体から一部分断されたボルト内部に至る部位は、ボルトが受ける軸力が伝達されない自由部位21を形成する。また、ボルト後端部(頭部)の中央端面26aから円筒の溝23でボルト本体から一部分断されたボルト内部に至る部位は、ボルトが受ける軸力が伝達されない自由部位26を形成する。ボルト先端の周端面22aからボルト本体の部位は、ボルトが受ける軸力が伝達される軸力作用部位22のまま維持される。また、ボルト後端部(頭部)の周端面27aからボルト本体に至る部位は、ボルトが受ける軸力が伝達される軸力作用部位27のまま維持される。
次に、軸力可視化ボルトの軸力検知機能について説明する。ここでは、ボルトの先端部の端面に周端面と中央端面を分断する溝が形成されているパターンの軸力可視化ボルトで軸力を検知する仕組みについて説明する。図4(1)に示すように、軸力可視化ボルト2とナット3を用いて、ある構造物の一面側30と他面側31を締め付ける場合を想定する。なお、上述の如く、あまり短いボルトだと変形量も小さく計測が困難になることから、軸力可視化ボルト2とナット3の距離がある程度の距離に設けられることを前提とする。
ここで、構造物の一面側30と他面側31の距離がD1とする。例えば、捻じれや横ズレや横方向の圧縮など、構造物に応力が加わると、構造物の一面側30と他面側31の距離が離れることになり、距離D1がD2に変化する(ここで、D1<D2)。その場合、ナット3とボルト後端部(頭部)25によって、ボルト全体が引張力を受けることになり、ボルトが変形して軸方向に伸びることになる。このボルトが受ける軸力は、ボルトの周囲の軸力作用部位22には伝達されるが、溝23で分断されているボルト内部の自由部位21には伝達されない。自由部位21には軸力が伝達されないため、その部分だけは変形しないことになる。これによって、変形する部分と自由部位21の変形差が生じることになり、中央端面21aと周端面22aの間には段差Lが生じることになる。
また別の態様として、後端部(頭部)の端面に、周端面と中央端面を分断する溝が形成されているパターンの軸力可視化ボルトで軸力を検知する仕組みについて説明する。図5(1)に示すように、軸力可視化ボルト20の先端部を山土に埋入して、表面側32で山土の表面を圧接する場合を想定する。ボルトが地山に定着されているため、地山が緩んで地山内部に引張力(図5(2)の矢印Eのような引張力)が生じた場合に、ボルト後端部(頭部)28の圧接面で荷重を受けてボルトが変形して軸方向に伸びることになる。このボルトが受ける軸力は、ボルトの周囲の軸力作用部位27には伝達されるが、溝23で分断されているボルト内部の自由部位26には伝達されない。自由部位26には軸力が伝達されないため、その部分だけは変形しないことになる。これによって、変形する部分と自由部位26の変形差が生じることになり、中央端面26aと周端面27aの間には段差Lが生じることになる。
次に、本実施例の軸力可視化ボルトの段差可視化手段について、図6,7を参照して説明する。図6,7に示すように、本実施例の段差可視化手段では、プレート4とダイヤルゲージ5を用いる。図6(1)に示すように、プレート4は、プレート留め具4aによりプレート中央で中央端面21aに固着され、プレート周辺で周端面22aと当接している。図6(2)に示すように、中央端面21aが下に下がった場合、プレート4は、プレート中央が固着されているため、周端面22aによってプレート周辺が反り上がる。この時、周端面22aの内壁周縁が支点Aとなり、中央端面21aで固着されている部位が力点Bとなり、プレート周辺が作用点Cとなり、プレート周辺側(作用点側)が梃子により大きく移動することにより、中央端面21aと周端面22aとの段差のサイズを拡大して可視化する。
ここで、プレート4が反り上がると、それまで見えなかったプレートの背面またはプレートが重なっていた部位の面が見えることになるので、プレートの背面やプレートが重なっていた部位の面に、光を効率よく反射する塗料、例えば、再帰性反射材を利用した塗料を、あらかじめ塗布しておくことにより、トンネルなど暗い現場において、懐中電灯で照らすと、プレートの反りがより明瞭に視認でき、危険度合を把握することができる。
図7に示すように、プレート周辺側(作用点側)が梃子により大きく移動した距離(変位)をダイヤルゲージ5の測定子5aで計測する。ダイヤルゲージ5は、ゲージ固定治具5bによって中央端面21aに固定されている。中央端面21aに固定される場合には、梃子により大きく移動した距離(変位)に微小変位の段差サイズが加算されることになる。なお、ダイヤルゲージ5は、中央端面21aの表面のスペースが小さいことから、周端面22aに固定、あるいは、ナット3を締め付ける際にナットの下に入れておくワッシャ(図示せず)に固定されることでもよい。ダイヤルゲージ5の表示盤には、変位の大きさに応じた色分け(51~54)が施されている。これにより表示盤の指針(5c,5d)の指す領域の色により、危険度合を判断することができる。ダイヤルゲージ5の表示盤においても、光を効率よく反射する塗料、例えば、再帰性反射材を利用した塗料を表示盤に塗布することにより、色別の表示が視認できるだけでなく、光を当てると反射して目立つ部分の面積が増大するような仕組みを持たせることも有用である。
実施例2の軸力可視化ボルトの段差可視化手段について、図8,9を参照して説明する。図8,9は、実施例2の段差可視化手段の説明図である。図8,9に示すように、本実施例の段差可視化手段では、L型プレート6を用いる。図8(1)に示すように、L型プレート6は、プレートの一端が固着部6aとされ、自由部位21の側壁の一部に貼り付け固着されている。貼り付けは公知の接着剤が用いられているがこれには限られない。貼り付け面とは反対側の面は軸力作用部位22と当接しているのみで、固着はされていない。またL型プレート6は端面で外側に向けてL型に屈曲され、非固着部6bを形成し、周端面22aに当接している。
図9(1)及び(2)に示すように、軸力可視化ボルト2に軸力がかかり、軸力可視化ボルト2が引張力を受けると、軸力可視化ボルト2が変形して軸方向に伸びることになる。このボルトが受ける軸力は、ボルトの周囲の軸力作用部位22には伝達されるが、溝23で分断されているボルト内部の自由部位21には伝達されない。自由部位21には軸力が伝達されないため、その部分だけは変形しないことになる。これによって、変形する部分と自由部位21の変形差が生じることになり、図8(2)に示すように、自由部位21は矢印Fの方向に下がることとなる。自由部位21には、L型プレート6が固着部6aにおいて固着されている一方、軸力作用部位22とは固着されていないため、中央端面21aと周端面22aに段差が生じることにより、固着部6aは、自由部位21と共に下方へ移動することとなる。また、周端面22aと当接している非固着部6bには応力がかかり、梃子の利用で、図8(2)及び図9(2)に示すようにL型プレート6が反り曲がることになる。L型プレート6の周縁側の変位が段差のサイズを拡大させた変位となる。このとき、非固着部6bを大きく設けることで中央端面21aと周端面22aの段差を拡大して、拡大段差Hとして可視化する。
実施例3の軸力可視化ボルトの段差可視化手段について、図10,11を参照して説明する。図10,11は、実施例3の段差可視化手段の説明図である。図10,11に示すように、本実施例の段差可視化手段では、ミラープレート40を用いる。図10(1)に示すように、ミラープレート40は、プレート留め具4aによりプレート中央で中央端面21aに固着され、プレート周辺で周端面22aと当接している。図10(2)に示すように、中央端面21aが下に下がった場合、ミラープレート40は、プレート中央が固着されているため、周端面22aによってプレート周辺が反り上がる。この時、周端面22aの内壁周縁が支点となり、中央端面21aで固着されている部位が力点となり、プレート周辺が作用点となり、プレート周辺側(作用点側)が梃子により大きく移動する。
これにより、光路7aと光路7bの角度は、図10(1)~(3)に示すように、ミラープレート40の移動前後によって変位することとなる。そこで、図11に示すように、受光板8を用いて、光源部7から発せられる光を検知して、中央端面21aと周端面22aとの段差のサイズを計測して、危険度合を判断することができる。
ミラープレート40の材質としては、比較的安価なアルミ箔を用いることが可能である。
実施例4の軸力可視化ボルトの段差可視化手段について、図12を参照して説明する。図12は、実施例4の段差可視化手段の説明図であり、図12(3)及び(4)は、それぞれ図12(1)及び(2)における指針付き回転体9の斜視図を示したものである。
図12に示すように、本実施例の段差可視化手段では、中央端面21aの外縁部に設けられた支持部21b、周端面22aの内縁部に設けられた支持部22b及び指針付き回転体9を用いる。指針付き回転体9は、円柱形状を呈しており、一方の端面には指針9aが設けられている。支持部(21b,22b)は、指針付き回転体9を支持し得る構造を有していればよく、例えば、棒状体でもよいし、直方体形状でもよい。
図12(1)及び(2)に示すように、指針付き回転体9は、支持部(21b,22b)によって挟持されており、支持部(21b,22b)が上下に摺動することで、正面視上、指針付き回転体9が回転し、同時に指針9aの角度も変位する構造となっている。
具体的には、まず、図12(1)に示す状態においては、指針9aはやや右下の方向を示している。かかる状態で、中央端面21aが下に下がった場合、支持部21bは中央端面21aに固着して設けられているため、支持部21bも下に下がることとなる。そうすると、支持部(21b,22b)に挟持された指針付き回転体9は、図12(1)上において、左回りに回転する。その結果、図12(2)に示すように、指針9aも左回りに回転し、略右方向を示した状態となっている。指針9aはそのサイズを長く設けることで、中央端面21aと周端面22aとの段差のサイズを拡大して可視化することができ、ボルトの危険度合の判断を容易にできる。
実施例5の軸力可視化ボルトの段差可視化手段について、図13を参照して説明する。図13は、実施例5の段差可視化手段の説明図である。図13(1)及び(2)は斜視図を示し、図13(3)及び(4)は、それぞれ図13(1)及び(2)についての構造説明図を示している。
図13に示すように、本実施例の段差可視化手段では、中央端面21aの中央に設けられた支持部21c、周端面22aの一部に設けられた直方体形状の支持部22c及びプレート4bを用いる。支持部21cの上には支持プレート21dが固着して設けられている。プレート4bは、支持プレート21d及び支持部22cによって挟持されており、支持部22cとは、接着力の低い接着剤(図示せず)で接着されているが、支持プレート21dとは接着されていない。かかる構成とは異なり、プレート4bを支持プレート21dと接着力の低い接着剤で接着し、支持部22cとは接着されていない構成としてもよい。
図13(1)及び(3)に示す状態で、中央端面21aが下に下がった場合、これと固着された支持部21c及び支持プレート21dは、いずれも図13(2)及び(4)に示すように、下に下がることとなる。そうすると、支持プレート21d及び支持部22cによって挟持されたプレート4bは、支持プレート21dと当接していた部位は下に下がり、支持部22cと当接していた部位は上に上がることとなる。この時、支持部22cの内壁周縁が支点となり、支持プレート21dにおけるプレート4bとの当接部位の外縁部が力点となり、プレート4bにおける支持部22cとの当接部位が作用点となって、梃子により大きく移動することにより、中央端面21aと周端面22aとの段差のサイズを拡大して、拡大段差Hとなり可視化する。
(プレートの素材の違いによるたわみ角の変化について)
図14は、アルミニウム、銅、焼入鋼及びポリプロピレン(ファイル)についての、微小変位に対するたわみ角の変化のグラフを示している。横軸は変位(mm)を表し、縦軸はたわみ角(°)を表している。
実験に用いたプレートのサイズは、72mm×12mmであり、厚さは0.1mmである。また、下記表1は各素材のヤング率(GPa)を表している。なお、ヤング率とは、弾性範囲における応力とひずみの比例関係を表す比例係数のことである。
Figure 0007117712000001
上記表1に示すように、アルミニウムのヤング率は69GPa、銅のヤング率は117GPa、焼入鋼のヤング率は205GPa、ポリプロピレンのヤング率は1.47GPaとなっている。
図14に示すように、ヤング率の低いポリプロピレンが最もたわみ角が大きくなっており、以下、アルミニウム、銅、焼入鋼の順となっている。以上より、ヤング率の低い柔らかい素材をプレートとして用いた場合の方が、たわみ角が大きくなっていることが確認できる。
図15は、実施例1、2、4及び5の各段差可視化手段における傾きとたわみ角の変化のグラフを示している。横軸は変位(mm)を表し、縦軸は傾き(°)を表している。
図15に示すように、0.15mmまでの微小変位であれば、実施例2、実施例4、実施例1、実施例5の順に変化が大きく有効的であるといえる。
本実施例では、実施例1とは異なり、端面の中央端面が刳り貫かれた内空間の内壁に非接触で内空間の底部に固着された棒状体の場合について説明する。
図16及び図17は実施例7の軸力可視化ボルトの構成模式図を示している。図16は丸ワッシャを用いなかった場合、図17は丸ワッシャを用いた場合を示している。
まず、丸ワッシャを用いなかった場合について説明する。図16(1)に示すように、軸力可視化ボルト2における自由部位21は、溶接部64において溶接されている。軸力可視化ボルト2は、反力壁60に挿し込まれ、角ワッシャ63を挟んで、ナット62で固定する構造である。軸力作用部位22の先端部には鋼材プレート61が設けられている。鋼材プレート61は少なくとも中央端面が刳り貫かれた断面形状よりも大きな円形状の貫通孔が設けられている。自由部位21の先端部には、プレート4がプレート留め具4aを用いて固定されている。
図16(2)に示すように、軸力可視化ボルト2に軸力65がかかり、伸び変位66が発生すると、軸力作用部位22には、ボルトが受ける軸力が伝達されるが、自由部位21には、ボルトが受ける軸力が伝達されないため、実施例1と同様に、ボルト先端の周端面と中央端面に段差が生じる。中央端面が下に下がった場合、プレート4は中央端面と固着されているため、周端面によってプレート周辺が反り上がる。
次に、丸ワッシャを用いた場合について説明する。図17(1)に示すように、軸力可視化ボルト2における自由部位21は、溶接部64において溶接されている。軸力可視化ボルト2は、反力壁60に挿し込まれ、角ワッシャ63を挟んで、ナット62で固定する構造である。軸力作用部位22の先端部には鋼材プレート61が設けられている。鋼材プレート61は少なくとも丸ワッシャ67の円形状よりも大きな円形状の貫通孔が設けられている。自由部位21の先端部には、プレート4が、丸ワッシャ67を挟み、プレート留め具4aを用いて固定されている。図17(2)に示すように、軸力可視化ボルト2に軸力65がかかり、伸び変位66が発生すると、軸力作用部位22には、ボルトが受ける軸力が伝達されるが、自由部位21には、ボルトが受ける軸力が伝達されないため、実施例1と同様に、ボルト先端の周端面と中央端面に段差が生じ、中央端面が下に下がった場合、プレート4は中央端面と固着されているため、周端面によってプレート周辺が反り上がる。プレート4とプレート留め具4aの間には丸ワッシャ67が設けられているため、丸ワッシャ67の周縁部と鋼材プレート61の内縁部の周辺でプレート4が反り上がることとなる。
本実施例では、トンネル周辺地山に所定間隔毎で打ち込まれるロックボルトに関する軸力可視化ボルトについて説明する。図18は、トンネル内壁面から放射状に施工するロックボルトの模式図を示している。トンネルを掘削すると、掘削した空間の近くの地山は崩れやすい緩み領域73aになり、何も対策をしないとトンネル空間の方向(図の矢印の方向)に崩れてしまうことがある。そこで、トンネル内壁面70から地山に対して、直径数cmの穴を、緩みのない固い健全領域73bまで削孔し、そして、ロックボルト71を打設し、フェイスプレート(図示せず)でトンネル内壁面を圧接する。ロックボルト71は、健全領域73bで定着し、緩み領域73aが図の矢印の方向(トンネル内面)に崩れてくるのをフェイスプレート(図示せず)とナット(図示せず)で受け止める。
図19に示すように、ロックボルト71は、掘削された直径数cmの穴に挿入され、この余空間にセメントグラウト72が注入され、セメントグラウト72が固化した後に、トンネル周辺地山に変形が生じると、ロックボルト71がその変形を抑制する効果を発揮する。露出している端部にはフェイスプレート74とナット75が装着され、表面での変位抑制効果を確実なものにしている。図中の矢印に示すように、ロックボルト71が打設された地山に変形が生じると、ロックボルト71の奥の健全領域73bで固定されているために、手前の緩み領域73aの地山が矢印方向に押し出されるのをフェイスプレート74で受け止めることになる。
ロックボルト71自体が、ボルトの端面の周端面と中央端面を分断する溝、又は、ボルトの端面の中央端面が刳り貫かれた内空間の内壁に非接触で内空間の底部に固着された棒状体であってボルトと同材質の棒状体の何れかと、ボルトが受ける軸力に応じて中央端面もしくは棒状体の自由端と周端面との間に生じる段差のサイズを拡大して可視化する段差可視化手段を有することも可能であるが、継手として機能するカプラ76を介して、ロックボルト71と連結されることも可能である。
図20は、軸力可視化ボルト77が、ロックボルト71にカプラ76を介して連結されるパターンを3つ示している。軸力可視化ボルト77は、通常のロックボルトの一部として使用される。図20(1)では、10~30cm程度の自由部位を有する軸力可視化ボルト77がカプラ76で全長数mのロックボルト71と連結する様子を示している。この場合、軸力可視化ボルト77の部分は、セメントグラウト72との定着がない状態にするため、低い荷重でも軸力可視化ボルト77は伸びることになる。
また、図20(2)では、図20(1)の場合よりも、変形量を大きくして可視化しやすくするために、軸力可視化ボルトの長さを1~4mにして、変形量を大きくする。ロックボルトとしての定着長は2m程度必要なので、全長4mのロックボルトなら軸力可視化ボルトの長さは2m、全長6mのロックボルトなら軸力可視化ボルトの長さは4mとすることが可能である。そして、軸力可視化ボルトの長さをロックボルトの全長の80~90%にする場合は、図20(3)のように、アンカー部78を設けることも可能である。
本発明は、トンネルの内壁面や切土などの斜面に所定間隔毎で打ち込まれるロックボルトやグラウンドアンカーなどの長尺鉄筋の軸力を計測する手段として有用である。
1,10,100 軸力可視化ボルト全体
2,20,77,200 軸力可視化ボルト
3,62,75 ナット
4,4b プレート
4a プレート留め具
5 ダイヤルゲージ
5a 測定子
5b ゲージ固定治具
6 L型プレート
6a 固着部
6b 非固着部
7 光源部
7a~7c 光路
8 受光板
9 指針付き回転体
9a 指針
21,26 自由部位
21a,26a 中央端面
21b,21c,22b 支持部
21d 支持プレート
22,27 軸力作用部位
22a,27a 周端面
23 溝
25,28,29 後端部(頭部)
40 ミラープレート
60 反力壁
61 鋼材プレート
63 角プレート
64 溶接部
65 軸力
66 伸び変位
67 丸ワッシャ
70 トンネル内壁面
71 ロックボルト
72 セメントグラウト
74 フェイスプレート
76 カプラ
78 アンカー部
A 支点
B 力点
C 作用点
D1,D2 距離
E,F 矢印
H 拡大段差
L 段差
R 回転方向

Claims (13)

  1. ボルトの先端部もしくは後端部(頭部)の少なくとも一方の端面に、
    前記端面の周端面と中央端面を分断する溝、又は、前記端面の中央端面が刳り貫かれた内空間の内壁に非接触で内空間の底部に固着された棒状体であってボルトと同材質の前記棒状体、の何れかと、
    ボルトが受ける軸力に応じて前記中央端面もしくは前記棒状体の自由端と前記周端面との間に生じる段差のサイズを拡大して可視化する段差可視化手段、
    を備えたことを特徴とする軸力可視化ボルト。
  2. 前記段差可視化手段は、前記中央端面又は前記棒状体を力点側とし、前記周端面の内壁周縁を支点とし、梃子により移動する作用点側で前記段差のサイズを拡大して可視化することを特徴とする請求項1に記載の軸力可視化ボルト。
  3. 前記段差可視化手段は、前記端面の周端面と当接し、前記中央端面又は前記棒状体に固着されたプレートを備え、前記段差のサイズを拡大させた変位である前記プレートの周縁の変位を検知することを特徴とする請求項2に記載の軸力可視化ボルト。
  4. 前記段差可視化手段は、梃子により移動する作用点側の変位を計測するダイヤルゲージであって、変位の大きさに応じた色分けが表示盤に施された前記ダイヤルゲージを備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の軸力可視化ボルト。
  5. 前記プレートがミラープレートであり、該ミラープレートの変化を、光の反射光の変位から検知することを特徴とする請求項3に記載の軸力可視化ボルト。
  6. 前記プレートがアルミ箔であり、該アルミ箔の変化を、光の反射光の変位から検知することを特徴とする請求項3に記載の軸力可視化ボルト。
  7. 前記段差可視化手段は、前記溝の中央端面側の側壁又は前記棒状体の側壁の全周もしくは一部に固着され、前記端面で外側に屈曲して前記端面の周端面と当接するプレートを備え、該プレートの周縁の変位が前記段差のサイズを拡大させた変位であることを特徴とする請求項2に記載の軸力可視化ボルト。
  8. 前記段差可視化手段は、前記中央端面と前記周端面との間に設けられた前記溝、又は、前記棒状体と前記内空間との隙間に設けられる球体もしくは円柱体を備え、前記球体もしくは円柱体に指針が取り付けられ、前記段差の発生により前記球体もしくは円柱体が回転することにより、前記指針の変位が前記段差のサイズを拡大して可視化することを特徴とする請求項1に記載の軸力可視化ボルト。
  9. 前記段差可視化手段は、前記ボルトの前記端面の外側に設けられた基準端面の内縁を力点側とし、前記周端面の外壁周縁を支点とし、梃子により移動する作用点側で前記段差のサイズを拡大して可視化することを特徴とする請求項1に記載の軸力可視化ボルト。
  10. 前記溝の深さ又は内空間の深さは、前記ボルトの軸方向の長さの9/10以下、かつ、前記端面の周端面から10cm以上であることを特徴とする請求項1~9の何れかに記載の軸力可視化ボルト。
  11. 前記ボルトは、ロックボルト又はグラウンドアンカーであり、前記ロックボルト又はグラウンドアンカーの後端部側に、前記溝又は前記棒状体が設けられることを特徴とする請求項1~10の何れかに記載の軸力可視化ボルト。
  12. 前記ボルトは、ロックボルト又はグラウンドアンカーの後端部に接続される継手を介して、前記ロックボルト又はグラウンドアンカーの後端部に接続されることを特徴とする請求項1~10の何れかに記載の軸力可視化ボルト。
  13. 前記ボルトは、ックボルト又はグラウンドアンカーの後端部に螺合し得ることを特徴とする請求項1~10の何れかに記載の軸力可視化ボルト。
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