JP7116459B2 - ダクテッドファン、マルチコプタ、垂直離着陸機、cpu冷却用ファン及びラジエータ冷却用ファン - Google Patents

ダクテッドファン、マルチコプタ、垂直離着陸機、cpu冷却用ファン及びラジエータ冷却用ファン Download PDF

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Description

本発明は、推進力や冷却風を得るために用いられるダクテッドファン、当該ダクテッドファンを搭載するマルチコプタや垂直離着陸機並びに当該ダクテッドファンからなるCPU冷却用ファン及びラジエータ冷却用ファンに関する。
マルチコプタ形式のドローンは観測、撮影ばかりでなく、物資の輸送にまで活躍の場を広げている。より大きく重い物資を運ぶためにマルチコプタは大型化しており、大きなパワーで回転するブレードによる人身事故が懸念されている。対人安全性を向上させるためにプロペラの外側にガードをつける例が見られる。さらに進んでイスラエルのETOP(特許文献1)ではダクテッドファンを用いている。有人機では米国のPiasecki社のVZ-8が(特許文献2)、またイスラエルのCormorant(特許文献3)がダクテッドファンを2基使用している。
ダクテッドファンを使用する利点は対人安全性が高いことばかりでなく、ダクト内面に吸音材を貼ることで騒音を軽減できること、ダクトのリップが推力を発生するため同じパワー、同じ直径であれば従来のプロペラと比べて理論的には1.27倍(非特許文献1)、実験では1.4倍の推力を出せることなどがある。
米国特許公開第2013-0233964号 米国特許第3184183号 米国特許公開第2011-0049307号
「飛行機設計論」山名正夫、中口博 著養賢堂1980、pp. 388-393. Betz, A., Prandtl, L.: Schraubenpropeller mit geringstem Energieverlust (Screw Propellers with Minimum Induced Loss), Goettingen Reports 1919, pp. 193-213. 原田正志:静止スラストを最大とするロータ設計法、日本航空宇宙学会論文集、8月号、2017.
非特許文献2では、低い円盤荷重のプロペラブレードの最適形状を決定する手法を導き出した。静止したロータの推力を最大にする問題は本発明者によって報告されている(非特許文献3)。しかし、この報告は巡航時のように円盤荷重が小さい時にのみ適用可能であり、静止推力を最大にするダクテッドファンには適用できない。
本発明の目的は、静止推力を最大とすることができるダクテッドファンを提供することにある。
本発明の目的は、そのようなダクテッドファンを搭載するマルチコプタや垂直離着陸機を提供することにある。
本発明の目的は、そのようなダクテッドファンからなるCPU冷却用ファン及びラジエータ冷却用ファンを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るダクテッドファンは、排出口にR形状のリップを有するダクトと、翼端が前記ダクトの内壁に近接し、翼弦長が前記翼端に近づくに従って漸減し且つ前記翼端近傍部からは前記翼端まで拡大し又は一定長となるブレードを有するプロペラとを有する。
本発明者の知見によれば、ブレードの翼端とダクトの内壁とが近接しているので、これらの間の隙間をとおる渦流は実質的になくなり、渦流によるエネルギの損失が低下する。また、ブレードの翼弦長を翼端に近づくに従って漸減したことによって、強度を確保しつつダクト内を一様流に近づけることができる。さらにブレードの翼弦長が翼端近傍部から翼端まで拡大していることにより、ダクト内外側の流速が高まり、ダクトが有するR形状のリップを回る流速によって生じる上向きの吸引力による推力が増加する。適度なブレードの翼弦長の翼端に近づくに連れての漸減によるダクト内の流れの一様化によるエネルギ損失の低下による利得と、翼端の拡大によるダクト内外側の速度増加による推力増加の利得が双方を損じることなく最適な値となり、静止推力を最大とすることができる。
本発明によれば、ダクテッドファンの静止推力を最大とすることができる。
本発明の一実施形態に係るダクテッドファンを示す上面図である。 図1のA-A断面図である。 図2の符号Bで示す領域の拡大図である。 本発明の一実施形態に係るダクテッドファンにおけるブレードの翼弦長の分布の一例を示すグラフである。 本発明に係る実施例でのダクトの排出口での気流の出口速度を示すグラフである。 本発明に係る実施例でのブレードのブレード角を示すグラフである。 本発明に係る実施例でのレイノルズ数を示すグラフである。 平板翼とダクトに働く前縁推力を示す図である。 フランジのあるダクトモデルを示す図である。 壁面と一様流の境界に存在する渦の移動速度を示す図である。 渦格子の階層構造を示す図である。 ダクテッドファンの座標系を示す図である。 ブレードと放出渦,翼端渦を示す図である。 ブレードおよび放出渦の離散化を示す図である。 ブレードに流入する流れを示す図である。 ブレードに働く力を示す図である。 ダクト後縁の詳細図を示す図である。 ハブを持つダクテッドファンを示す図である。 ブレード形状の比較を示すグラフである。 ブレード形状の比較(ハブあり)を示すグラフである。 渦面移動速度の比較(ハブあり)を示すグラフである。 推力とリップファクターを示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るダクテッドファンを示す上面図、図2は図1のA-A断面図である。
ダクテッドファン1は、ダクト10と、プロペラ20と、モーター30と、ハウジング40と、ステーター50とを有する。
ダクト10は、円筒状のダクト本体11と、ダクト本体11の排出口12側に設けられたフランジ13とを有する。ダクト本体11の排出口12は、R形状のリップ14を有する。
プロペラ20は、ダクト10と同心円状に配置されたハブ21と、ハブ21の外周に等間隔で設けられた4枚のブレード22とを有する。なお、ブレード22の枚数は、典型的には4枚であるが、2枚~8枚が好ましい範囲である。また、ブレード22の枚数は、例えばステーター50が7本のとき、4枚とするように、ステーター50の枚数とステーター50の本数の最小公倍数が大きな値となるように取ることで複数のブレード22とステーター50の位置が同時に重なることを避け、干渉に依る騒音を下げることができる。
ハブ21は、ハウジング40に収容されたモーター30により回転駆動される。これにより、ブレード22が回転する。
複数のステーター50は、ハウジング40の外周とダクト10の内壁15との間を掛け渡すように固定して配置される。これにより、ハウジング40は、ダクト10内の中心に固定して配置される。
図3は図2の符号Bで示す領域の拡大図である。
ブレード22は、その翼端22Aがダクト10の内壁15に近接している。翼端22Aとダクト10の内壁15との間の隙間Gは、翼端22Aがダクト10の内壁15に接触しない範囲で最小であることが好ましい。
図4はブレード22の翼弦長CLの分布の一例を示すグラフである。
ブレード22の翼弦長CLは、付根から翼端22Aに近づくに従って漸減している。つまり、ブレード22の翼弦長CLは、付根で最も大きく、先端に行くに従って次第に減少する。しかし、ブレード22の翼弦長CLは、翼端近傍部22Bからは翼端21Aまで拡大している。なお、この翼弦長CLが翼端近傍部22Bからは翼端22Aまで一定長であってもよい。
ブレード22の翼弦長CLが付根から翼端22Aに近づくに従って漸減していることで、ダクト内を一様流に近づけることができ、またブレード22の強度を確保しやすく、空力的に優れた薄い翼型を付根から先端にかけて使用することができる。
ここで、ブレード22の翼端22Aの翼弦長をCL、ブレード22の翼端近傍部22Bの翼弦長をCLとしたとき、
1.0×CL≦CL≦1.3×CL
であることが好ましい。CLが1.3×CLを超えるとダクト10内の気体の流れが却って一様でなくなる。
このようにブレード22の翼弦長CLが拡大することとなる翼端近傍部22Bの位置は、翼端21Aよりブレード22の半径(図4のr)の15%以内(図4のr15)にあることが好ましい。翼端近傍部22Bの位置がブレード22の半径の15%の超えると、つまり翼弦長CLが翼端22Aに近づくに従って漸減する領域を減らしすぎると、ブレード22の翼弦長CLの漸減によるダクト10内の流れの一様化が不十分になる。
上記のブレード22の翼弦長CLの漸減の程度は、翼端22Aに近づくに従って小さくなることが好ましい。この漸減が低下する翼弦長分布によってダクト内の流れは一様に近づき、誘導エネルギ損失が最小になる。
ブレード22の最大翼弦長(ブレード22の付根の翼弦長CL)と最小翼弦長と(翼端近傍部22Bの翼弦長CL)の比は、1.5以上で3.0以下であることが好ましい。ブレード先端速度を制限して大きな推力を発生させる設計を行うとこのテーパー比は小さくなり1.5に近づき、小さな推力を発生させると3.0に近づく。従って、最適なテーパー比はこの1.5から3の間にある。
ハブ21の直径Dhは、ダクト10の内径Rdの10%以上で50%以下であることが好ましい。10%より小さいとブレード付根の翼弦長が小さく設計され、強度を保つのが困難になる。50%より大きいと、ブレード回転面の面積に占めるハブの面積が大きくなり過ぎ、発生できる推力が減少する。
ダクト本体11の排出口12のリップ14は、ダクト10の内径をRdとしたとき、
3/100×Rd≦r≦30/100×Rd
の曲率半径rのR形状を有することが好ましい。3/100より小さいと、リップを回る流れが剥離する。30/100より大きいと必要以上にリップが大きくなり、ダクテッドファンの無意味な大型化につながる。
ダクト10の長さLd(図2参照)は、ダクト10の内径Rdの25%より長いことが好ましい。25%より小さいと、ダクト後方で流れの収縮が起こり、フィギュアオブメリットが低下する。
(実施例)
このように構成されたダクテッドファン1の実施例を示す。
表1に設計条件を、表2に設計されたダクテッドファン1の性能を示す
Figure 0007116459000001
Figure 0007116459000002
表2に示すように、推力は63.2N、フィギュアオブメリットは91.8に達した。
この実施例のダクテッドファン1の翼弦長の分布は図4に示したとおりである。ブレード22の付根の点Aで翼弦長が最も大きくなっており4.77cmである。点Aから点Bまで翼弦長が減少し、減少の割合は点Aで最も大きく、先端に向けて減少の割合が減り、点Bで極小点となる。点Bの半径位置は11.7cmであり、ブレード半径の85.2%である。また、点Bでの翼弦長は1.71cmであり、点Aでの値の35.9%である。点Bから翼端22Aにかけて翼弦長が増加し、翼端の点Cに至る。翼端の点Cでの翼弦長は2.06cmであり、点Bにおける値の1.2倍である。
図5にこの実施例でのダクト10の排出口12での気流の出口速度vを示す。
図5に示すように、出口速度vはブレード22の付根の点Dから翼端22Aの点Eにかけて単調増加し、一次関数で近似できる。この一次関数をブレード22の半径をrとして
v=ar+b
で近似すると、ブレード角θは
θ=tan-1((ar+b)/rΩ)+θ0
で与えられる。ここで、Ωはブレード回転角速度であり、θ0は例えば揚力係数0.6を与える翼(ブレード22)の迎角である。図6にこのようなブレード22のブレード角を示す。
図7にこの実施例でのレイノルズ数を示す。
図7に示すように、ブレード22の広い半径に渡ってレイノルズ数がほぼ一定の値に保たれており、低いレイノルズ数の領域が存在しない。このため低いレイノルズ数による抵抗の増加の影響を受けにくい。従って、小型のダクテッドファンであっても高いフィギュアオブメリットが得られる。
(証明)
本発明は、以上のとおりダクテッドファンの静止推力を最大とすることができるものである。以下、このことを証明する。
1.静止推力を最大にする設計における問題
1-1.リップに生じる前縁推力の問題
平板翼では図8(a)に示すように、翼の前縁を回り込む流れにより前縁に大きな負圧が生じ、この負圧により推力方向の力が前縁に働く。Vortex Lattice Method(以下、VLM)では翼が平板により近似されるため、前縁面積が0、回り込む流れの速さが無限となる。そのためこの前縁推力の算出には特別な計算方法を用いる必要がある(Weissinger, J. : The Lift Distribution of Swept-Back Wings, NACA TM-1120, 1947.参照)。しかしこの方法は対象表面のポテンシャルが連続である場合にのみ適用可能である。
同様に図8(b)に示すように円盤荷重が大きいとき(前進速度Vが軸方向誘導速度vより十分大きくないとき)、リップを回り込む流れが存在し、リップに前縁推力が働く。ダクト内側のファン面より後方に翼端放出渦が螺旋状に貼り付いているためポテンシャルが流れ方向に不連続になり、VLMではこの前縁推力の計算を行うことができない。
本発明者は非特許文献3においてはこの前縁推力の計算を避けるためにリップを回り込む流れを無視出来る条件、つまりV>vという制約の下に計算を行った。
ここで対象とする静止したダクテッドファンの前縁推力は大きく、単純運動量理論によれば全推力Tのうち、リップに働く前縁推力TDは全推力Tの50%に達する(非特許文献1参照)。そのためVLMを用いてダクテッドファンの正確な全推力Tを求めることは出来なかった。
1-2.螺旋渦ピッチの問題
通常のプロペラ理論では、前進速度Vに対して誘導速度vは無視できる程小さいとして、ブレードから放出される螺旋渦のピッチをブレード回転角速度ΩとVから決定する。しかし、静止時の推力を最大にする問題において、この前進速度Vは0である。よって従来の螺旋渦のピッチ決定方法は用いることが出来ない。
1-3.Trefftz面での運動量の不整合の問題
ダクテッドファンの全推力TはTrefftz面での速度分布から計算される推力TT(以下 Trefftz面推力)と一致しなければならない。当初この全推力TとTrefftz面推力TTが一致しなかった。
1-4.VLMの精度の問題
この問題は正確には静止推力を最大とするダクテドファン設計の問題に限らず、円盤荷重が小さい場合のダクテッドプロペラの設計でも生じる。翼端放出渦がダクト表面に沿って流れるため、翼端放出渦近辺の渦格子の循環の変化が大きい。そこでこの変化を捕らえるために格子を細かく切ると計算時間が膨大になる。
2.問題の解決方法
1-1の前縁推力の問題は図9に示すように、ダクトにフランジをつけ、ダクトとの接続部に曲率を設けることで回避できる。以後この曲率を持つ部分をリップと呼ぶ。フランジの先端を回り込む流れによりここに前縁推力が発生するが、フランジの半径が十分大きければフランジ先端での流速は十分小さくなり、前縁推力は無視できる程小さくなる。さらにフランジの反対側でも同じ大きさで向きが反対の前縁推力が発生するため、前縁推力は打ち消し合う。フランジがないストレートなダクトで発生するリップでの前縁推力は、図9のフランジのあるダクトのリップとフランジを回り込む流れが作る負圧の軸方向成分をリップとフランジの表面上で積分することで得られる。この前縁推力はリップの曲率半径RRに依存することが後述する計算で示される。
1-2の問題は次のようにして解決した。まず単純運動量理論から求められる誘導速度を初期渦面移動速度v0'とし、最適化計算を行う。次に得られたブレードにおける軸方向の誘導速度w(後述する座標系では負の値をとる)と回転方向の誘導速度vから次式で与えられる渦面移動速度 v'を計算する。
Figure 0007116459000003
ここでφは次式で与えられる
Figure 0007116459000004
渦面移動速度v'は半径方向に一定ではないため、単純な関数でカーブフィッティングし、その関数を用いてピッチを決定する。この新しい螺旋渦を用いて最適設計を行い、新たな螺旋渦を生成する。この螺旋渦の更新を繰り返し、打ち切り誤差を下回った段階で解が収束したと判定する。
1-3の問題はダクト表面及び後述するダクト放出渦が静止したダクト壁面あるいは大気との境界にあることを考慮することで解決した。超関数理論(今井功:応用超関数論 I,サイエンス社,1981.)によれば、図10のように静止した壁面にそって速度Vの流れがあるとき、壁面には渦が分布しており、この渦はV/2の速度で移動している。同様にダクト表面の翼端放出渦、静止大気とダクト内流れの境界にあるダクト後縁馬蹄渦(後述)の移動速度も、すぐ内側の渦面移動速度v'の半分とすることで全推力TとTrefftz面推力TTが一致する。
1-4の問題は図11のようにダクト表面を一定の大きさの格子で分割せず、図11のように階層構造を持った格子を用いる。翼端渦近くの格子の大きさは基準となる格子の(1/2)n倍にする。図11はn=2の場合である。格子には三角形を用い、斜辺が翼端 渦の螺旋角に一致するようにとることで、循環分布の変化が大きい翼端渦の周囲に細かな格子を配置することを可能にする。
3.最適化手法
3-1.ダクテッドファンのモデル
ダクテッドファンの座標系を図12のようにとる。ダクト表面の格子(以下ダクト格子)に任意の順番を付け、図11に示すようにi番目のダクト格子の循環をΓDiとする。また格子の重心位置にコントロールポイントを設ける。ダクトの後縁から螺旋状の馬蹄渦(以下ダクト馬蹄渦)を放出し、i番目のダクト馬蹄渦の循環をΓEiとする。ダクト馬蹄渦の軸方向の長さは直径の5倍程度で良い。
またブレードの座標系を図13に示す。ブレード枚数Bは任意であるが、1枚目のブレードはx軸に一致するようにとる。ブレードを揚力線で表し、この揚力線をN個に等分し、分割幅をdrとする。分割点より放出渦を初期渦面移動速度v0'、ブレード角速度Ωに従い螺旋状に放出する。放出渦の軸方向長さは直径の5倍程度で良い。放出渦は図14に示すように離散化して折線で近似する。翼端渦はダクトの最も微細な格子の斜辺に一致させる。
図14に示すように分割した揚力線(以下翼素)の中点にコントロールポイントをとる。j番目の放出渦、j番目の束縛渦、j+1番目の束縛渦からなる螺旋状の馬蹄渦をj番目の馬蹄渦とし、この馬蹄渦の循環をΓBjとする。
3-2.ファンの推力及び吸収パワー
ブレードのコントロールポイントに流入する流れの速度ベクトル図を図15に示す。ブレードのi番目のコントロールポイントに誘導される誘導速度のy方向成分、z方向成分をそれぞれvBi、wBi とする。
wBiは一般に負の値をとる。水平方向の相対速度UTi
は次式で与えられる。
Figure 0007116459000005
同様に垂直方向の速度成分UPi(上向きが正)は
Figure 0007116459000006
で与えられる。流入角度φiは次式で与えられる。
Figure 0007116459000007
(5)式で定義されるφiは一般に負の値をとる。i番目の翼素でのブレード取付角をθiとすると、有効迎角αiは次式で与えられる。
Figure 0007116459000008
また流入する流れの速さVi
Figure 0007116459000009
で与えられる。
i番目の翼素の循環はΓBiであるから、Kutta-Joukowski の定理より局所揚力dLiは次式で与えられる。
Figure 0007116459000010
ここでdrは翼素の分割幅である。ここで設計揚力係をCL、未知数である翼弦長をciとすると、局所揚力dLiは次式でも表される。
Figure 0007116459000011
(8)式と(9)を等置して次式を得る。
Figure 0007116459000012
よって翼弦長ciと流速Viからレイノルズ数Reが分かり、選定した翼型とレイノルズ数Re及び設計揚力係数CLからCD が定まる。このCDを用いて局所抵抗dDiは次式で与えられる。
Figure 0007116459000013
これらdLi、dDiを図16に示す。図16より局所推力dTiと局所水平分力dHiはそれぞれ次式で与えられる。
Figure 0007116459000014
Figure 0007116459000015
(13)式より局所パワーdPiは次式で表される。
Figure 0007116459000016
抵抗を考慮しない場合、局所推力dTiはKutta-Joukowskiの定理より直ちに
Figure 0007116459000017
で与えられる。同様に局所水平分力dHi
Figure 0007116459000018
で与えられる。負の符号がついているのはUPiが通常負であるためである。ファンが発生する推力TFおよび吸収パワーPはそれぞれ次式で与えられる。
Figure 0007116459000019
Figure 0007116459000020
ここでBはブレード枚数である。
3-3.ダクト推力の計算方法
ファン直径とダクト出口直径が同じ場合、単純運動量理論からファンが発生する推力TFが全推力に占める割合は50%であり、ダクトのリップが発生する推力(以下ダクト推力)TDが全推力Tに占める割合は50%であることが導かれる。
ダクト推力TDは全ダクト格子に働く負圧に格子面積をかけ、そのz方向成分の和をとることで得られる。実際には法線が水平な格子はz方向成分の力を生じないから、ダクトのフランジとリップを構成するダクト格子のみ計算すれば良い。フランジおよびリップの i番目のダクト格子のコントロールポイントロールポイントは流れのある内側と止水域である外側の間にあるため、3章の第3図で行った議論によりダクト内側表面の速度(u,v,w)Tは(uDci,vDci,wDci)Tの2倍となる。また、i番目のダクト格子のコントロールポイントにおけるダクト推力dT'Diは非定常のBernoulliの定理より
Figure 0007116459000021
となる。ここで右辺第一項はポテンシャルの時間微分の項であり、第2項は次式で与えられる。
Figure 0007116459000022
ここでnziはi番目の格子の法線ベクトルのz成分である。ダクトにわたって局所推力dT'Diの和をとると、ブレードの周期性によってポテンシャルの時間微分の項は0になる。よってダクト推力TDは次式で与えられる。
Figure 0007116459000023
3-4.ブレード上の誘導速度の計算
ファンの発生する推力TF及び吸収するパワーPの計算には誘導速度を用いた。本節ではこれら誘導速度の計算式を導く。
誘導速度を引き起こす渦には3種類あり、ブレードの馬蹄渦(循環の大きさΓBi)がNB×B個、ダクト表面の渦輪(循環の大きさΓDi)がND個、ダクト馬蹄渦(循環の大きさΓEi)がNE個ある。
まずブレードの全ての馬蹄渦がi番目のブレードのコントロールポイントに引き起こす誘導速度(uBBi、vBBi、wBBi)TはBiot-Savartの法則より
Figure 0007116459000024
と影響係数を用いた形で表すことが出来る(原田正志,小竹祥太,白鳥敏正:ダクテッドプロペラの最適設計法,日本航空宇宙学会論文集,第59 巻,2011,pp.298-305.参照)。ここで添字i、jはアインシュタインの規約に従う。(22)の表記は次式の表記と同義である
Figure 0007116459000025
ダクト格子からの誘導速度、ダクト馬蹄渦からの誘導速度もそれぞれ
Figure 0007116459000026
および
Figure 0007116459000027
と表記できる。以上がブレード上に引き起こされる誘導速度である。
3-5.ダクト表面上の境界条件
ブレードの馬蹄渦がダクト格子のコントロールポイントに引き起こす誘導速度の格子に対する法線成分uDBを次式で表す。
Figure 0007116459000028
ダクト格子がダクト格子のコントロールポイントに引き起こす誘導速度の格子に対する法線成分uDD、ダクト馬蹄渦がダクト格子のコントロールポイントに引き起こす誘導速度の格子に対する法線成分uDEをそれぞれ
Figure 0007116459000029
Figure 0007116459000030
で表す。
ダクトは固体であり、表面を貫通する流れがない。したがってダクト格子のコントロールポイントに誘導される速度の格子に対する法線成分は0でなければならない。つまり
Figure 0007116459000031
となる。この条件はダクト格子の数、つまりND個存在する。
3-6.ダクト後縁の境界条件
図11のダクト後縁付近を拡大した図を図17に示す。i番目のダクト馬蹄渦はk番目のダクト格子に隣接している。ダクト格子の数はNDであり、そのうち後縁に位置するのはNE個だけである。NEはNDより遥かに小さな数であり、適当な縦NE列,横ND行の要素が1か0の行列KKによって、KKijΓDj をi番目のダクト後縁馬蹄渦に隣接するΓDの要素とすることが出来る。
クッタの条件より後縁の循環は0でなければならない。これを図17の循環の向きに注意して式で表すと
Figure 0007116459000032
となる。
3-7.変数の削減
(29)式で表される条件はΓDの要素数であるND個存在する。一般にNDは数万になる。その一方でΓBの要素数NBは数十から数百と少ない。本節ではΓDを消去して変数量を大きく削減する。
(29)式に(26)、(27)、(28)式を代入して次式を得る。
Figure 0007116459000033
(30)式より(31)式は
Figure 0007116459000034
となる。この式をさらに変形して
Figure 0007116459000035
を得る。ここで、
Figure 0007116459000036
とすると、次式を得る。
Figure 0007116459000037
また(35)式を(30)式に代入して
Figure 0007116459000038
を得る。
ブレードに引き起こされる誘導速度のx成分uBは(22)、(24)、(25)式より次式で表される。
Figure 0007116459000039
この式に(35)式、(36)式を代入して
Figure 0007116459000040
を得る。ΓBについてまとめると
Figure 0007116459000041
となる。ここで
Figure 0007116459000042
と定義すると、(39)式は
Figure 0007116459000043
となる。vB、wBにも同様の操作を行いYB、ZBを定義し、
Figure 0007116459000044
Figure 0007116459000045
と表記する。
3-8.ダクト推力の二次形式での表現
本節では3-3で求めたダクト推力TDをΓBの二次形式で表す。
ダクト内側の表面に誘導される速度はダクト格子に誘導される速度の2倍であること、および(41)、(42)、(43)式の導出と同様の手順により次の式で表すことが出来る。
Figure 0007116459000046
Figure 0007116459000047
Figure 0007116459000048
ここでi番目のダクト格子の面積をSi、法線ベクトルのz成分をnZiとし、
Figure 0007116459000049
なる対角行列を用いれば、ダクト推力TDは次式で与えられる。
Figure 0007116459000050
ここで
Figure 0007116459000051
と定義することで(48)式は
Figure 0007116459000052
と表記することが出来る。
3-9.抵抗を考慮しない場合の推力とパワー
抵抗を考慮しない場合、ファンの推力TFは(17)式に(15)式を代入し、さらに(3)式、(42)式を代入して次式で表される。
Figure 0007116459000053
または、ベクトルを用いて次式で表される。
Figure 0007116459000054
ここで A'は次式
Figure 0007116459000055
で与えられるNB×NBの行列であり、b は
Figure 0007116459000056
で与えられる要素数 NBの縦ベクトルである。
ファンの吸収パワーPは(18)式に(16)式を代入し、さらに(4)式,(43)式を代入して次式で表される。
Figure 0007116459000057
または、ベクトルを用いて次式で表される。
Figure 0007116459000058
ここでCは
Figure 0007116459000059
で与えられるNB×NBの行列である。
ダクテッドファン全体の推力Tはファン推力TFとダクト推力TDの和であるから次式で表される。
Figure 0007116459000060
ここでAは
Figure 0007116459000061
で与えられるNB×NBの行列である。
3-10.最適化問題
静止推力を最大とするダクテッドファンの形状を決定する問題は、ここまでの計算より次の最適化問題を満たすΓBを求める問題に帰着する。
minimize -T
subject to P -P0 = 0
ここでP0は設計者が設定する吸収パワーである。
ΓBが得られればブレード角θiは(6)式から、翼弦長ciは(10)式より求められる。
抵抗を考慮しない場合、目的関数のTは(58)式で与えられ、拘束条件のPは(56)式で与えられる。だが、この問題の最適化を行うとダクト推力TDが非常に大きな値に収束する。そこでTDの値を制限する拘束条件として、単純運動量理論から導かれるダクト推力TDは全推力Tの半分に等しいとする条件を加える。
改善された問題は次の形をとる。
minimize -T
subject to P -P0 = 0,TD = 0.5T
抵抗を考慮する場合、推力Tは(58)式のような二次形式で表記できず、(42)式,(43)式から誘導速度vBおよびwBを求め、(3)式から(12)式までの式、及び(17)式からファン推力 TFを求め、(50)式から求められるダクト推力TDから
Figure 0007116459000062
として得られる。
吸収パワーPも同様に(42)式、(43)式から誘導速度vBおよびwBを求め、(3)式から(14)式までの式、及び(18)式から求める。抵抗係数の値は揚力係数に比べはるかに小さいため、抵抗を考慮した解が抵抗を考慮しない場合から大きく異なることはない。
3-11.最適化問題の繰り返し計算
本問題を解く際に前章で述べたように螺旋渦の渦面移動速度が収束するまで繰り返し計算を行わなければならない。ここでは繰り返し計算を安定させるために渦面移動速度を2次関数で表す。繰り返し計算ごとにこの2次関数の係数をカーブフィッティングにより更新する。
また、3-10で拘束条件に単純運動量理論が要求するTD=0.5Tを用いたが、より現実に近い数学モデルでもダクト推力TDが全推力Tの50%になるとは限らない。パラメータk(以降リップファクター)を導入してTD=kTとし、このパラメータの導入で得られる自由度でTrefftz面推力TTと全推力Tを一致させる。具体的にはTrefftz 面推力TTが全推力Tより大きいときはkを減少させ、逆の時は増加させてkを収束させる。
3-12.ハブを考慮したモデルへの拡張
図18に示すように現実的にはダクトの中心にはモーター等を格納するハブが必要である。ハブはダクトの中心に固定され、モーターを格納し、モーター軸にブレードとスピナーが取付けられる。ここでは以下のようにモデル化する。スピナーとハブは同じ直径、ハブは短い円柱であり、ハブ後端で流れは剥離し、まっすぐ流れるものとする。従ってハブ後端の下流は死水領域である。ダクトがブレード翼端の翼端板の役割を果たすのと同様にスピナーとハブが翼根の翼端板の役割を果たす。そのためスピナー及びハブ表面には翼根渦が螺旋状に存在する。ダクト表面と同様にスピナー表面、ハブ表面に階層構造を持った格子を切り、ハブ後端からはダクト馬蹄渦と同様にハブ馬蹄渦を放出する。またダクト長さとはブレード回転面から後方のダクトの長さとする。 ダクト前部とはダクトの直線部分のブレード面より前方の部分とする。
次に用語を再定義する。ダクト格子はフランジ、 リップ、ダクト前部、ダクト、スピナー、ハブ表面の格子からなる。ダクト馬蹄渦はダクト後縁から放出される馬蹄渦とハブ後縁から放出される馬蹄渦からなる。ダクト推力はリップとフランジとスピナーが発生する推力とする。このように、ダクト格子、 ダクト馬蹄渦、ダクト推力を再定義すればスピナー、ハブを含んだモデルを扱うことが出来る。
4.計算結果
ここでは抵抗を考慮した最適化問題を解いた。解く際にはペナルティ関数法で拘束条件を目的関数に組み込み、この目的関数をシミュレーテッド・アニーリングで最小化した。様々な初期値を用いても同一の解に収束した。計算条件は以下の通りである。
〈計算条件〉
ダクト直径: 0.25m
スピナー直径: 0.06m
吸収パワーP0: 1200W
ブレード枚数B: 4
ダクト長さ: 0.12m
ダクト前部長さ: 0.015m
ブレード分割数NB: 80
格子階層数n: 2
ダクト格子数ND: 15,000 程度(ハブ無し)
: 30,000 程度(ハブあり)
設計揚力係数CL: 0.6
形状抵抗係数 CD: 0.014(Re 非依存とした)
〈パラメータ〉
リップ半径 RR: 0.010.06m
フランジ半径 RF: 0.25、0.75m

Trefftz面はダクトから十分後方にあるため、ダクトの影響を受けず、ブレード放出渦およびダクト馬蹄渦の影響のみ受ける。そこでTrefftz面推力TTを計算する際は、全長がダクト直径の10倍のブレード放出渦およびダクト馬蹄渦を作り、この中央にTrefftz面をとった。
最適化で得られたフランジ半径RFが0.75mの際のブレードの形状を図19の上に、0.25mの際のブレード形状を図19の下に示す。リップ半径RRが0.01mの場合を実線で、0.05mの場合を一点鎖線で示した。同様にハブがある時の最適化で得られたフランジ半径 RFが0.75mの際の形状を図20の上に、0.25mの際の形状を図20の下に示す。ここでもリップ半径RRが0.01mの場合を実線で、0.05m の場合を一点鎖線で示した。この図20の上の条件での渦面移動速度を図21に示す。図に示した渦面移動速度はカーブフィッティングにより2次関数で近似した値であり、最適化の際に渦面の形状決定に使用した流速である。
リップ半径に対する推力およびリップファクターkを図22に示す。ハブがなくフランジ半径RFが0.25mの時の値を○で、0.75の時の値を□で示す。また、ハブがありフランジ半径RFが0.25mの時の値を△で、0.75の時の値を▽で示す。
5.考察
図19及び図20に示すように先端が拡大したブレード形状が得られた。これはダクト壁面によって翼端渦の形成が阻害されるため、またリップ推力を利用するためであると思われる。またリップ半径に最適化されたブレード形状が依存する結果となった。これはダクト推力TDを与える(50)式の行列TDがダクトの形状に依存するためであり、得られる結果はリップ半径RR に依存すると予想していた。
リップ半径RRが小さい程翼端の拡大の程度は大きくなる。これはリップ半径が小さい程、壁面近く軸流速度を増加させることで、リップを回り込む流速によるダクト推力を大きくできるためと考えられる。これを裏付けるように図21に示した渦面移動速度v'の分布は、RR =0.05において一様に近く、RR=0.01において壁面近くでの速度が増加している。また、図19に示すようにリップ半径RRが小さい程、推力Tは大きくなった。これは上述のようにリップ半径RRが小さい程、ダクト推力が大きくなるためである。リップファクターkのグラフ(図22)を見るとリップ半径RRが小さい程ダクト推力が大きくなっていることが分かる。
単純運動量理論ではリップファクターkは厳密に0.5となるが、本計算では0.5より小さい値が得られた。しかし図22に見られるように、フランジ半径RFが0.25mのときより0.75mのときの方がkの値が0.5に近づいており、より大きなフランジを用いるとリップファクターkは0.5に近づくと思われる。
ハブを考慮した場合、ブレード形状はハブのない時のブレード形状のハブの部分を単に取り除いた形状になった。しかし、図22の推力のグラフを見るとほとんど推力の低下はない。逆にリップファクターが増加し、よりダクト推力を利用しようとする傾向がある。これを裏付ける様に、図22に示した様に先端の拡大の程度が最も大きかった条件は、ハブがあり、フランジ半径RFが0.75mであり、リップ半径RRが0.01mの場合であった。
フランジ半径が大きくなる程ダクト推力が大きくなるため、同一のファン直径ではフランジ半径が大きい程推力は大きくなる。しかし、フランジ半径RFがファン半径の2倍と6倍の時を計算したが、推力の増加は2N程度であり、全推力60Nの3%程度にしか過ぎない。かさばる上に重量が増加する大きなフランジを使用する応用例は特殊な場合に限られると思われる。
本方法では抵抗を考慮した場合の最適化を行ったが、計算例で用いたレイノルズ数領域では最適な形状は抵抗を考慮した場合としない場合でほとんど差がなかった。しかし著しくレイノルズ数が小さく、 抵抗係数が無視できない程大きい場合は大きく異なる解が得られる可能性がある。
6.結言
静止推力を最大とするダクテッドファンの設計を最適化問題としてあらわし、最小化した。
本計算の最大の特徴は、設計者の能力によらず解が一意に求められる、抵抗の効果を考慮した推力そのものを目的関数としているため、低レイノルズ数での最適化も行うことが出来る、点であり、細かな特徴は、ダクト推力を考慮している、ブレードを製作する際必要になるハブを考慮している、繰り返し計算により放出渦の形状を決定している翼端放出渦のピッチを内部の渦の半分にしている階層的な構造の格子を用いている、変数の数が数十と少なく、短時間で最適化を行うことが出来る、点である
最適化問題を最小化して得られたブレードは先端が拡大している特徴的な形状をしており、かつ拡大の程度はダクトのリップ半径に依存する結果が得られた。
(その他)
本発明に係るダクテッドファンは、マルチコプタや垂直離着陸機(VTOL機)、CPU冷却用ファン、ラジエータ冷却用ファンなどに用いることができる。また、ヘリコプターのテールファンに用いることができる。
本発明は上記の実施形態には限定されず様々に変形して実施が可能であり、その実施の範囲も本発明の技術的範囲に属することは勿論である。
1 :ダクテッドファン
10 :ダクト
12 :排出口
14 :リップ
15 :内壁
20 :プロペラ
21 :ハブ
21A :翼端
22 :ブレッド
22 :ブレード
22A :翼端
22B :翼端近傍部

Claims (14)

  1. R形状のリップを有するダクトと、
    翼端が前記ダクトの内壁に近接し、翼弦長が前記翼端に近づくに従って漸減し、且つ、前記翼端近傍部からは前記翼端まで拡大し又は一定長となるブレードを有するプロペラとを具備し、
    前記ダクト内の流れの軸流速度が前記ブレードの翼端に近づくに従って増加し、前記ダクトの内壁の壁面近くの流れの軸流速度が最大となるように、前記ブレードの翼弦長を、前記翼端に近づくに従って漸減し、且つ、前記翼端近傍部からは前記翼端まで拡大し又は一定長とした
    ダクテッドファン。
  2. フランジが設けられたダクトであって、前記フランジとの接続部にR形状のリップを有するダクトと、
    翼端が前記ダクトの内壁に近接し、翼弦長が前記翼端に近づくに従って漸減し且つ前記ダクト内の外側の流速を高めるために前記翼端近傍部からは前記翼端まで拡大し又は一定長となるブレードを有するプロペラとを具備し、
    前記リップを回り込む流れを呼び込む流れである、前記ダクトの内壁の壁面近くの流れの軸流速度が、他の領域の軸流速度より大きくなるように、前記ブレードの前記翼端近傍部から前記翼端までの翼弦長を拡大し又は一定長とした
    ダクテッドファン。
  3. 請求項1又は2に記載のダクテッドファンであって、
    前記ブレードの前記翼端の翼弦長をCL、前記ブレードの前記翼端近傍部の翼弦長をCLとしたとき、
    1.0×CL≦CL≦1.3×CL
    である
    ダクテッドファン。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のダクテッドファンであって、
    前記翼弦長が拡大又は一定長となる前記翼端近傍部の位置は、前記翼端より前記ブレードの半径の15%以内にある
    ダクテッドファン。
  5. 請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載のダクテッドファンであって、
    前記ブレードの前記翼弦長の漸減の程度は、前記翼端に近づくに従って小さくなる
    ダクテッドファン。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載のダクテッドファンであって、
    前記ブレードの最大翼弦長と最小翼弦長との比は、1.5以上で3.0以下である
    ダクテッドファン。
  7. 請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載のダクテッドファンであって、
    前記リップは、前記ダクトの内径をRとしたとき、
    3/100×R≦r≦30/100×R
    の曲率半径rのR形状を有する
    ダクテッドファン。
  8. 請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載のダクテッドファンであって、
    前記ダクトの長さは、前記ダクトの内径の25%より長い
    ダクテッドファン。
  9. 請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載のダクテッドファンであって、
    前記プロペラは、前記ブレードを保持するハブを有し、
    前記ハブの直径は、前記ダクトの内径の10%以上で50%以下である
    ダクテッドファン。
  10. 請求項9に記載のダクテッドファンであって、
    前記ハブは、2枚から8枚の前記ブレードを保持する
    ダクテッドファン。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載のダクテッドファンを有するマルチコプタ。
  12. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載のダクテッドファンを有する垂直離着陸機。
  13. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載のダクテッドファンからなるCPU冷却用ファン。
  14. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載のダクテッドファンからなるラジエータ冷却用ファン。
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