JP7114828B2 - 生体留置用袋体 - Google Patents

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Description

本発明は、生体内に留置する袋体に関する。
骨折などの外科医療または歯科医療の分野においては、硬組織体(歯、骨)の一部を生体由来または人工物である、骨、軟骨、コラーゲン、ヒドロキシアパタイト、リン酸カルシウム、アマルガム、金、合成樹脂(PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン))などを構成材料とする留置物で置換する治療が一般的に行われている。
例えば、脊椎の椎体部分がつぶれた状態になる脊椎(圧迫)骨折は、転倒もしくは交通事故などの外傷、癌の転移、高齢者に見られる骨粗しょう症などが主な原因である。脊椎(圧迫)骨折は、腰椎の部分が損傷する“腰椎圧迫骨折”と、胸椎の部分が損傷する“胸椎圧迫骨折”との2つに大別され、いずれも長期間に渡って継続的に痛みを伴うケースがある。特に症状が進行して、椎体の骨が脊柱管内に突き出して神経を圧迫してしまうと下肢の痛みや痺れを引き起こし、社会生活に支障をきたす。
このような脊椎圧迫骨折の治療法として、比較的症状が軽度の場合は、コルセットの使用や安静と鎮痛剤の投与等の保存的治療が採用されるが、一度潰れてしまった椎体は元の形状に回復し難い。また、下肢のしびれや麻痺を伴う重篤な症状の脊椎圧迫骨折の治療法は、両側の椎弓の一部を切除して神経の除圧と固定を行う腰椎後方除圧固定術(PLIF)や片側の椎弓の一部を切除して神経を除圧し固定する片側進入両側除圧固定術(TLIF)などの外科手術が一般的に行われている。かかる術式は、椎間板ヘルニア、脊椎狭窄症または腰椎すべり症などの治療にも使用されている術式であり、内視鏡またはX線透視装置を使用することで比較的低侵襲の手技とされる傾向ではあるが、皮膚の切開や術後のリハビリなど患者に対して負担が依然として大きく、患者のQOLを低下させる。
そこで、近年世界中で採用されている脊椎圧迫骨折または転移性脊椎腫瘍による病的骨折に対する低侵襲の手術方法として、経皮的椎体形成術(Percutaneous Vertebroplasty:PVP)がある。当該手術方法は、全身麻酔下に背中の2ヶ所から細い中空針を骨折椎体に挿入し、当該中空針のルーメンを介してバルーンを骨折椎体内に設置して、当該バルーンを拡張させて潰れた骨を整復した後、除去したバルーンのスペースにPMMAセメント(人工骨)を注入して、骨折を人工的に接合する方法である。
例えば特許文献1には、このような経皮的椎体形成術に使用される骨セメントを注入する装置が記載されている。当該装置は、先端に生体吸収材料から形成されたバルーンが脱着可能に取り付けられた注入管を備えているため、前記注入管から骨セメントをバルーンへ流入させることでバルーンを拡張させ、骨セメントを硬化させた後、骨セメントを内部に含むバルーンを損傷部に留置させるものである。
また、前記特許文献1と類似の技術である特許文献2には、先端に穿刺針が取り付けられたバルーンと前記バルーン内に充填材を注入する圧送管体とを備えた穿刺型拡張体デバイスが開示されている。先端に穿刺針が取り付けられているため、皮膚切開することなく経皮的に棘突起間にバルーンを位置させた後、骨セメントなどを内部に充填して前記バルーンを拡張留置させることで隣接する棘突起間の距離を広げて、神経の除圧を行い、椎間板ヘルニアまたは脊椎狭窄症の症状の緩和を行うことができるものである。
また例えば虫歯の治療などでは、歯髄などに感染した腐敗組織を除去した後、歯根管内に充填剤を充填する治療が行われており、充填剤に関する技術が特許文献3などに開示されている。
特開2006-247257号公報 国際公開WO2012/108531号 特表2009-512713号
先述の脊椎(圧迫)骨折に限らず、複雑骨折、ヘルニアの治療などで骨セメントを骨折部位に留置する治療方法において、骨セメントの流出による障害は深刻で、神経や脊髄の圧迫による症状の悪化だけでなく、骨髄炎や骨セメントの静脈への流出による肺梗塞や、ショック死などの報告もされている。上記特許文献1では、骨セメントがバルーン内に封止されているため、骨セメントと血液との混入による力学的強度の低下の問題点や留置時における骨セメントの流出の問題点は解決できている。しかしながら、上記特許文献1および2のように、骨セメントや骨ペーストを充填したバルーンを体内に留置すると、骨折自体を骨セメントや骨ペーストで接合する治療ができない。さらには、圧迫骨折や複雑骨折などの損傷部位の骨片の形状や骨セメントを充填しようとするスペース(の内壁など)は複雑な凹凸が形成されている、いわゆる不定形であるため、拡張したバルーンと充填しようとするスペースとの間に生じる隙間により力学的強度または密着力が低下するという新たな問題を発生する。
また、上記特許文献1および2に記載の留置したバルーンによる生体適合性の低下の問題も生じる。さらには、上記特許文献1および2のように、バルーンタイプの留置物は、バルーン内に空気が混入すると所定量の充填剤を注入できないため、バルーンを所定の大きさに拡張できないという問題も生じる。
一方、特許文献3に記載の歯内材料は、軟組織と硬組織の両方との高い生体適合性を要求されているが、特許文献3のようなコンポジットレジン系の歯内材料は強度が自己の歯に比べ弱いため、噛み合わせによって欠損するという問題が生じる。
そこで、本発明の技術的課題は、生体への導入を低侵襲で行い、骨ペーストや骨セメントなどの充填剤の流出による種々の障害を抑制・防止し、生体適合性または力学的強度に優れ、操作性に優れた袋体、特に生体内に留置される袋体およびそれを含む生体内留置物ならびに治療具の提供を目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明者らが鋭意努力した結果、以下の技術的手段により上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明の第一は、充填剤を内部に注入可能な注入口と、外部と前記内部とが連通する連通孔と、前記充填剤の注入または排出により膨縮自在な膨出部と、を備える袋体であって、硬組織体の内部に留置され、前記注入口から注入される前記充填剤により前記硬組織体の内部の空間の形状に倣って拡張し、前記内部の空間に留置されることで前記硬組織体を支持することを特徴とする袋体である。
また、本発明の第二は、充填剤と、前記充填剤を内部に注入可能な注入口および外部と前記内部とが連通する連通孔が複数形成され、前記充填剤の注入または排出により膨縮自在な膨出部を備え、硬組織体の内部空間に留置され、前記注入口から注入される前記充填剤により前記内部空間の形状に倣って拡張し、前記内部空間を充填することで前記硬組織体を支持する袋体と、バルーンカテーテルと、を有する硬組織体用治療具である。
本発明の袋体は、生体への導入を低侵襲で行い、充填剤の流出を抑制・防止することができる。
本発明の袋体は、混入した空気を連通孔から外部へ排出できるため、所定量の充填剤を容易に注入することができる。
本発明の袋体は、生体適合性または力学的強度に優れている。
本発明の袋体は、硬組織体との密着性に優れている。
本発明の袋体は、充填剤が硬化すると当該硬化した充填剤と袋体とで複合材料として強度が増す。
本発明の袋体を使用した手技は、体への導入を低侵襲で行い、骨セメントや骨ペーストなどの充填剤の流出による種々の障害を抑制・防止することができる。
本発明の硬組織体用治療具を用いて生体内に留置された留置物は、骨や歯などの硬組織体に対する高いアンカリング力を発揮することができる。
本発明に係る袋体(収縮時)の一例を示す模式図であって、(A)は袋体面の拡大図の一例であり、(B)は袋体面の拡大図の他の一例である。 本発明に係る袋体(拡張時)の一例を示す模式図である。 本発明に係る袋体(収縮時)を圧送管体に取り付けた写真である。 本発明に袋体または治療具を用いて脊椎圧迫骨折の治療を行う説明用の模式図である。 本実施例におけるウサギの硬組織体への埋設状態を示すX線写真である。 本実施例における充填剤を袋体に注入して硬化した状態の断面を示すX線写真の拡大図である。
本発明の第一は、充填剤を内部に注入可能な注入口と、外部と前記内部とが連通する連通孔と、前記充填剤の注入または排出により膨縮自在な膨出部と、を備える袋体であって、硬組織体の内部に留置され、前記注入口から注入される前記充填剤により前記硬組織体の内部の空間の形状に倣って拡張し、前記内部の空間に留置されることで前記硬組織体を支持することを特徴とする袋体である。
これにより、力学的強度が優れ、かつ充填剤(例えば、骨セメント、骨ペースト)の流出による神経や脊髄の圧迫による症状の悪化、骨髄炎または充填剤(例えば、骨セメント)の静脈への流出による肺梗塞や、ショック死を抑制・防止する。また、本発明に係る生体内留置用袋体は、充填剤が収容される内部と、外部とが連通した連通孔6が形成されているため、空気が混入しても連通孔から外部へ排出できるため、所定量の充填剤を容易に注入することができる。さらには、連通孔6の存在により、袋体1は変形しやすいため硬組織体の内部の空間の形状に倣って拡張し、前記内部の空間に留置されやすい。
本発明に係る袋体は、生体内に留置されることが好ましく、硬組織体(骨、歯)内または当該硬組織体(骨、歯)の一部として生体内に留置されることが好ましい。そのため、本発明に係る袋体は、生体内留置用袋体としての用途が好ましい。
本発明の袋体の一態様を図1に示し、図1を用いて本発明を詳説する。図1は、内部に充填剤が注入される前の状態(袋体が収縮した状態)における本発明の袋体1を示す図であり、図2は、本発明の袋体1の内部に充填剤が注入された後の状態を示す図である。
図1において、本発明の袋体1は、充填剤を内部に注入できる注入口2と、注入された充填剤に応じて膨張する膨出部3と、袋体1の本体には外部と袋体1の内部とを連通する連通孔6とが設けられている。また図1では、袋体面の破線領域を拡大した態様(A)と態様(B)を表しており、図1(A)では膜表面に複数の連通孔6が形成された一態様を示しており、図1(B)では袋体1が織縫物により形成されることで複数の連通孔6を有する他の態様を示している。
また、袋体1は、注入口2から注入された充填剤をその中に保持する空間を形成することができ、かつ袋体面の一部または全面には、充填剤を保持する内部の充填剤収容空間である袋体1の内部と当該袋体1の外部とが連通する連通孔6が形成されている。これにより、袋体1の内部に収容される充填剤の一部が袋体1の外部に流出できる(外部にしみだす)ため、外部に滲みだした充填剤が骨や歯などの硬組織体と袋体との隙間を埋めて密着力が増大する。前記内部に収容される充填剤は、前記外部に滲みだした充填剤と同一組成である。
図1の実施態様においては、袋体1は、充填剤の注入または排出が可能な注入口2を袋体1の上部に設けている。当該注入口2は袋体1内に充填剤を導入するための開口部であって、袋体1の使用の際に内部の充填剤が注入口2から漏れ出しにくい構造を有するものであれば、注入口2の大きさ、注入口2の形状、注入口2の構造、注入口2の位置は任意に設けることができる。図1に示す本発明に係る袋体1には、充填剤を内部に注入するために外側に突出する注入口2が形成されて例を記載している。前記注入口2には、必要により充填剤の注入を許容しその逆流を防止する逆止弁を取り付けてもよい。また、図1の態様においては、注入口2は袋体1の上部に配置されているが、これに限定されるものではなく、例えば、袋体1の側面など、袋体1の任意の部分に注入口2を配置することができる。
図1の実施態様では、注入口2は開口状態であるが、注入口2の形態はこれに限定されるものではなく、蓋構造、結着、紐で縛る、開口部をクリップで留める態様も可能である。
次に、袋体1の内部に充填剤が注入された後の状態について図2を用いて説明する。本発明に係る袋体1は、注入口2から注入された充填剤を内部に保持する空間を膨縮自在な膨出部3により形成することができる拡張体である。換言すると、本発明に係る袋体1は、いわゆる袋体面に穴が空いた風船体であるため、充填剤を内部に注入すると風船体である袋体1が膨張する(表面には連通孔6が形成されているため充填剤の一部は外部に滲みだしている)。また、袋体1は、内部に収容された充填剤が排出されると、収縮する拡張体である。
図2では、充填剤が内部に注入されることで膨出部3が膨張した状態であり、表面の連通孔から充填剤が外部に漏れ出ている様子を示している。連通孔から外部へ漏れた充填剤4は、硬組織体と袋体との隙間を埋めることができ硬組織体との密着力が向上する。混入した空気を連通孔から外部へ排出できるため、所定量の充填剤を容易に注入することができる。
また、基端側から充填剤を注入するため、袋体1の先端側の膨出部には圧力がかかることから、膨出部は、外部と内部とが連通する連通孔が複数形成されていることが好ましい。複数連通孔が形成されていると、硬組織体の内部空間と袋体との隙間を早く埋めることができる。
図2の実施形態では、充填材を送り出す圧送管体5を注入口2に連通するよう取り付け、さらに当該圧送管体5に、シリンジ、ポンプ等の圧送体(図示せず)を連設させることで、袋体1に開設された注入口2を介して充填剤を袋体内部に充填することができる。また、充填された充填剤を排出する場合は、連設されたシリンジ、ポンプ等の圧送体により外部に排出することができる。また、注入口2を封止する手段としては、上述の通り、蓋構造、逆止弁、結着、紐で縛る、開口部をクリップで留めるまたは締結部材で前記注入口を結束させる方法が挙げられる。
図3は、特に好ましい形態として、実際に収縮時の袋体1を圧送管体5の先端側に取り付け基端側に圧送体を取り付けた写真である。図3では、袋体1としてPEEK繊維の織編物製の袋体を使用している。そのため、生体適合性や力学的特性に加えかしめ効果により当該袋体を容易に所望の位置に留置することができる。
本発明に係る袋体の形状や大きさは特に制限されることはなく、適宜変更することが可能であり、所望の留置場所や膨張状態に応じた充填剤の量を保持することができ、生体内、硬組織体である骨や歯の損傷部または欠損部に留置可能であれば、任意の形状や大きさが可能である。
本発明に係る袋体の材料は、充填剤を注入することで拡張でき、かつ袋体の留置周囲の硬組織や椎体の移動に伴う外圧に耐えられる素材であれば特に制限されることはなく、例えば、ポリエーテル-エーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン、ポリアミド、ポリ乳酸(PLA)、乳酸-グリコール酸共重合体(PLGA)、塩化ビニル、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、スチレンーエチレンーブチレンースチレン共重合体(SEBS)、スチレンーエチレンープロピレンースチレン共重合体(SEPS)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ナイロンなどのポリアミド樹脂およびポリアミドエラストマー、ポリエリレンテレフタレート(PET)などのポリエステル樹脂およびポリエステルエラストマー、ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂、ゴム、シリコーンエラストマー、フッ素ゴム、フッ素樹脂などであることが好ましく、生体適合性および力学的強度の観点からポリエーテル-エーテルケトン(PEEK)が特に好ましい。また、袋体全体もしくは一部が、PET繊維、PEEK繊維で作製した織物や編物、延伸PTFEやセラミックフィルター、ホローファイバー等のような多孔質体により構成されていてもよく、生体適合性および力学的強度の観点だけでなく挿通性や操作性の観点からもPEEK繊維で作製した織物や編物が特に好ましい。
本発明に係る袋体は、織編物、不織布または膜状体のいずれであってもよいが、収縮性、留置性などの観点から本発明に係る袋体は、織編物で形成されていることが好ましい。
織編物であれば、強靭であり柔軟性にも優れ、かつ連通孔を備えているため、網目部分を調整することで、内部の充填剤が少し外部に漏らすことができる。また、網目状の連通孔が形成されていると、骨や歯の欠損部分である内部空間の形状に倣って拡張できる。
本発明に係る連通孔は、50μm~1000μmの気孔を有することが好ましい。
本発明に係る袋体に形成されている連通孔の形状、大きさ、数は特に制限されることはないが、本発明に係る袋体全体の平均空孔率を0.01%以上にすることが好ましく、平均空孔率を37%以下にすることが好ましい。
本発明に係る袋体の平均空孔率(ε)の上限は、37%以下であり、34%以下であり、30%以下であり、27%以下であり、23%以下であり、20%以下であり、17%以下であり、15%以下であり、12%以下であり、10%以下であり、9%以下であり、7%以下であり、5%以下であり、3%以下であり、1%以下である。
本発明に係る袋体の平均空孔率(ε)の下限は、0.01%以上であり、0.05%以上であり、0.1%以上であり、0.5%以上であり、0.7%以上であり、1%以下であり、3%以下であり、5%以下であり、7%以下であり、10%以下であり、12%以下であり、15%以下であり、18%以下であり、20%以下であり、23%以下である。
本発明に係る袋体の平均空孔率(ε)は、0.01~37%が好ましく、0.05~34%よりが好ましく、0.1~30%が好ましく、0.5~27%が好ましく、0.7~23%が好ましい。
上記袋体の平均空孔率(ε)は、下記式により算出する。
ε(%)={1-Ws/(ds・t)}×100 (式1)
Ws:袋体の目付け(=単位面積当たりの重さ)(g/m
ds:袋体の密度(g/cm
t:袋体の平均膜厚(μm)
本発明に係る袋体は、少なくとも膨出部が、網の目構造により外部と内部とが連通する連通孔が複数形成されていることが好ましい。
本発明の袋体は、90kPaの差圧下における透水性能が1×10-4~3×10-1ml/min・cmであることが好ましく、3×10-3~8×10-1ml/min・cmであることがさらに好ましい。
本発明の袋体は、50kPa差圧下での通気度が1.2×10-6~5×10-1ml/min・cm以下であることが好ましく、3.5×10-4~7×10-2ml/min・cm以下であることがより好ましい。
本発明に係る袋体の内径拡張倍率は、1~3倍であることが好ましい。ここでいう、内径拡張倍率とは、収縮時の最大内周の長さ÷最大拡張時の最大内周の長さである。
本発明に係る袋体において、袋体に充填剤を注入する前の形状としては、2枚の円形や長方形の多孔質膜の周囲を張り合わせたもの、2枚の多角形の膜を張り合わせたもの、円形、楕円形、長方形、正方形または多角形の形状の一対の織編地を開口部を残して縁部分で縫い合わせた実施形態が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、上記多孔質膜の製造方法としては、公知の方法で製造することができ、例えば、特許第4947989号公報では、ポリイミド多孔質膜の製造方法が記載されている。
本発明に係る袋体は、織編物、多孔質膜または不織布により形成されていることが好ましい。なお、本明細書において「織編物」とは、織物または編み物をいう。
本発明に係る袋体が織物の場合、当該織物の織り方としては、平織り、綾織り、朱子織り、畳織り、絡み織、すだれ織りなどの公知の織り方を適宜に採用することができる。これらの織り方の中から、連通孔の間、すなわち縦線と横線とが交差して形成された1個(目)当たりの空間の間を通過する流体の通過抵抗が低くなる織り方を採用することが好ましく、必要な伸縮性を備え十分な強度を示す織り方を採用することが好ましい。これらの観点から、平織り、綾織り、朱子織り、絡み織、畳織りなどの織り方を採用することが好ましい。
本発明に係る袋体が編み物の場合、当該編み物の編み方としては、レース編、ラッセル編、トリコット編、バンダイク編等の縦方向に編み上げていく経編、及び横編、平編、ゴム編、筒編、天竺編、カナコ編、フライス編、ジャガード編、等の横方向に編み上げていく緯編があり、公知の編み方を適宜に採用することができる。これらの編み方の中から、連通孔の間を通過する流体の通過抵抗が低くなる編み方を採用することが好ましく、必要な伸縮性を備え十分な強度を示す編み方を採用することが好ましい。また編機としても、縦編機、横編機、丸編機、ラッセル編機等、種々のものを使用してよい。
本発明に係る袋体が織編物で形成されている場合、本発明に係る生体内留置用袋体は、生体内に留置される織編物製袋体であることが好ましい。当該織編物製袋体の形態は、2枚の織地または編地(織編地と称する)のうち一方の織編地の各側縁は、対面する他の織編地の各側縁とつなぎ用編糸などで互いに綴じており、各織編地がそれぞれ袋体の外周の半周部分を構成している編物製袋体となっており、適度の伸縮性を備えている。また、側縁の一部に開口部を形成するように綴じていない。
なお、本発明に係る袋体が織編物製袋体である場合、使用する織編糸は特に制限されることはなく、当該繊度は10~300dtex、好ましくは30~240dtexであることが好ましい。また、当該糸の撚り方も制限されることはなく、撚りの方法としては、乾式撚り、浸水して行う湿式撚りまたはこれらの組合せのいずれであってよい。また、撚りの方向としても特に制限されることはなく、右撚、左撚またはこれらの組合せのいずれであってもよい。また、本発明に使用する織編糸は、仮撚加工糸またはフィラメント糸やPOY・DTY方式、またはPTY(Producers Textured Yarn)方式で加工された糸が好ましい。上記使用する織編糸の条件は、生体内の留置場所や袋体の大きさなどの種々の条件から適宜選択することができる。また、織編糸の材質は、ポリエーテル―エーテルケトン(PEEK)、ポリアミド、ポリ乳酸(PLA)、乳酸-グリコール酸共重合体(PLGA)、塩化ビニル、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、スチレンーエチレンーブチレンースチレン共重合体(SEBS)およびスチレンーエチレンープロピレンースチレン共重合体(SEPS)からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、ポリエーテル―エーテルケトン(PEEK)が特に好ましい。
本発明に係る袋体が織編物製袋体である場合、開孔率が0.001~20%であることが好ましい。この場合、開口率は、(タテ糸間の間隔×ヨコ糸間の間隔)/((タテ糸間の間隔+糸径)*(ヨコ糸間の間隔+糸径))で算出される。
また、本発明に係る袋体が織編物製袋体である場合、硬化した充填剤との接着力や充填剤との親和性を向上する観点から表面処理を行ってもよい。具体的には、織編物製袋体を硫酸処理または酢酸処理した後、後述のリン酸カルシウム成分を含む溶液や後述の重合性モノマーを含む溶液に織編物である袋体を浸漬する方法が挙げられる。
本発明に係る袋体は、硬化した充填剤との密着性を向上させる観点や連通孔から外部に流出する充填剤の量を制御するために、当該袋体の内部の一部、すなわち袋体の内表面をフィルムを被覆させてもよい。
上記フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ナイロンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルムまたはセルロースフィルムが挙げられる。なかでもセルロースフィルムが好ましく、トリメチルセルロースフィルム、再生セルロースフィルム、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(TEMPO)を用いて酸化させて得られた酸化セルロースを用いるフィルム、TOCNフィルム、ナトリウム型セルロースフィルム(TOCN-Naフィルム)またはカルシウム型セルロースフィルム(TOCN-Caフィルム)が挙げられ、TOCNフィルム、ナトリウム型セルロースフィルム(TOCN-Naフィルム)またはカルシウム型セルロースフィルム(TOCN-Caフィルム)が好ましい。
当該TOCNなどのセルロースフィルムの製造方法は、特開2016-210830号に記載されている。また、TOCNフィルム、ナトリウム型セルロースフィルム(TOCN-Naフィルム)またはカルシウム型セルロースフィルム(TOCN-Caフィルム)を使用する場合は、TOCN分散溶液を乾燥したTOCN単独の塗膜、またはTOCN分散溶液を乾燥した塗膜の上に当該アルギン酸ナトリウム溶液を塗布して、2層構造のフィルムにして架橋により強化して使用してもよい。
本発明に係る充填剤は組成物であることが好ましく、リン酸カルシウム成分または重合性モノマー成分の少なくとも一方を含む組成物であることがより好ましい。
上記リン酸カルシウム成分としては、NCAおよびNLCAなどのナノ結晶アパタイトリン酸カルシウム、リン酸カルシウムが、α型リン酸三カルシウム、β型リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸八カルシウム、オルトリン酸カルシウム、α型オルトリン酸カルシウム、β型オルトリン酸カルシウム、非晶質リン酸カルシウムまたはリン酸カルシウム系ガラス、非晶質リン酸カルシウム、低結晶リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、炭酸アパタイト(カルシウム欠損ヒドロキシアパタイト)、リン酸一カルシウム、メタリン酸カルシウム、リン酸七カルシウム、リン酸二カルシウム二水和物、リン酸四カルシウム、リン酸八カルシウム、ピロリン酸カルシウム、およびリン酸三カルシウムまたはこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。充填剤としてリン酸カルシウム成分を含む場合、充填剤が硬化した際に圧縮強度1mPa以上を有し、インビボでも吸収可能であるため、生体適合性および力学的強度に優れる。なお、上記リン酸カルシウム成分として用いられる化合物は、単独で使用してもよくまたは2種以上組み合わせて使用してもよい。また、リン酸カルシウム成分は顆粒状、ブロック状であってもよく、中空体粒子であってもよい。
また、上記リン酸カルシウム成分が粒子状の場合、1次平均粒子径は26~300nmであることが好ましく、38~250nmであることがより好ましく、48~100nmであることがさらに好ましい。
また、上記リン酸カルシウム成分がブロック状の場合、当該ブロック状のリン酸カルシウム成分の気孔率は、0~70%が好ましく、市販品としては例えばアパセラムシリーズが挙げられる。また、ブロック状のリン酸カルシウム成分の大きさや形状は適宜選択され、本発明に係る袋体に収容可能な大きさであれば特に制限されることはない。ない、ブロック状のリン酸カルシウム成分が、圧送管体から注入できない場合は、予め袋体の内部に収容した後、充填剤を注入してもよい。
本発明に係る充填剤全体の総量(100質量%)に対してリン酸カルシウム成分の含有量は、好ましくは15~65質量%、より好ましくは19~56質量%、さらに好ましくは25~52質量%であり、よりさらに好ましくは29~49質量%、さらにより好ましくは35~47質量%である。
上記重合性モノマー成分としては、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸フルオロアルキルエステル、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロキシアルキル基含有シラン化合物、多官能(メタ)アクリレートおよび酸性基含有重合性モノマーからなる群から選択される少なくとも1種以上の化合物を含むことが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジルまたは(メタ)アクリル酸イソボルニルが挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、1,2-ジヒドロキシプロピルモノ(メタ)アクリレート、1,3-ジヒドロキシプロピルモノ(メタ)アクリレートまたはエリスリトールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸フルオロアルキルエステルとしては、パーフルオロオクチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートまたはポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレートまたはポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記(メタ)アクリロキシアルキル基含有シラン化合物としては、例えば、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリ(トリメチルシロキシ)シランが挙げられる。
上記多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、へキシレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートまたは脂環系又は芳香族ジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記酸性基含有重合性モノマーとしては、カルボン酸基又はカルボン酸無水物を有する重合性モノマー、リン酸基含有重合性モノマーおよびスルホン酸基含有重合性モノマーからなる群から選択される少なくとも1種以上の化合物を含むことが好ましい。
上記カルボン酸基又はカルボン酸無水物を有する重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸及びその無水物、1,4-ジ(メタ)アクリロキシエチルピロメリット酸、6-(メタ)アクリロキシエチルナフタレン1,2,6-トリカルボン酸、N-(メタ)アクリロイル-p-アミノ安息香酸、N-(メタ)アクリロイル-o-アミノ安息香酸、N-(メタ)アクリロイル-m-アミノ安息香酸、N-(メタ)アクリロイル-5-アミノサリチル酸、N-(メタ)アクリロイル-4-アミノサリチル酸、4-(メタ)アクリロキシエチルトリメリット酸及びその無水物、4-(メタ)アクリロキシブチルトリメリット酸及びその無水物、4-(メタ)アクリロキシヘキシルトリメリット酸及びその無水物、4-(メタ)アクリロキシデシルトリメリット酸及びその無水物、2-(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、3-(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、4-(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、β-(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、β-(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンマレエート、β-(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、11-(メタ)アクリロイルオキシ-1,1-ウンデカンジカルボン酸またはp-ビニル安息香酸などが挙げられる。
上記リン酸基含有重合性モノマーとしては、例えば、(2-(メタ)アクリロキシエチル)ホスホリック酸、(2-(メタ)アクリロキシエチルフェニル)ホスホリック酸または10-(メタ)アクリロキシデシルホスホリック酸などが挙げられる。
上記スルホン酸基含有重合性モノマーとしては、例えば、p-スチレンスルホン酸または2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸などが挙げられる。なお、上記重合性モノマー成分として用いられる化合物は、単独で使用してもよくまたは2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明に係る充填剤全体の総量(100質量%)に対して重合性モノマー成分の含有量は、好ましくは2~99質量%、より好ましくは6~97質量%、さらに好ましくは17~89質量%である。また、上記重合性モノマー成分が重合する際に骨セメントなどの充填剤は7~13分程で硬化するが、その際に約70℃~110℃の熱が生じるため、留置物の周辺組織を壊死させる可能性があるが、本発明では袋体外部に漏れる充填材料の量が少量のため、周辺組織を壊死を軽減することができる。
本発明に係る充填剤に重合性モノマー成分を含有する場合、必要に応じて重合開始剤、重合禁止剤、架橋剤、還元性化合物など公知の添加剤をさらに添加してもよい。
上記重合開始剤としては、アミン化合物、有機過酸化物、有機ホウ素化合物、無機過酸化物、α-ジケトン化合物、有機スルフィン酸、有機スルフィン酸塩、無機硫黄化合物およびバルビツール酸類からなる群から選択される少なくとも1種以上の化合物が挙げられる。
上記重合開始剤としては、例えばジアセチルペルオキシド、ジプロピルペルオキシド、ジブチルペルオキシド、ジカプリルペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、過酸化ベンゾイル(BPO)、p,p’-ジクロルベンゾイルペルオキシド、p,p’-ジメトキシベンゾイルペルオキシド、p,p’-ジメチルベンゾイルペルオキシド、p,p’-ジニトロジベンゾイルペルオキシドなどの有機過酸化物および過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、塩素酸カリウム、臭素酸カリウムおよび過リン酸カリウムなどの無機過酸化物やN-フェニルグリシン(NPG)、N-トリルグリシン(NTG)、N,N-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)フェニルグリシン(NPG-GMA)などを挙げることができる。
上記重合開始剤を添加する場合には、本発明の充填剤全量(100質量%)に対して、0.01~25質量%添加することが好ましく、0.5~13質量%添加することがより好ましく、1~5質量%添加することがさらに好ましい。
上記重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6-ジ-teRt-ブチルフェノール、2,6-ジ-teRt-ブチル-p-クレゾール、カテコール、ピロガロール、ベンゾキノン、2-ヒドロキシベンゾキノン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン及びt-ブチルヒドロキノンなどが挙げられる。上記重合禁止剤は、単独で使用してもまたは2種以上組み合わせて使用してもよい。
上記重合禁止剤を添加する場合には、本発明の充填剤全量に対して、好ましくは10~5700ppm、より好ましくは30~1200ppm、さらに好ましくは60~700ppm添加する。
本発明に係る充填剤には、さらにポリマー成分を含むことが好ましい。上記ポリマー成分としては、(メタ)アクリレートポリマーが好ましく、当該(メタ)アクリレートポリマーとしては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート・エチル(メタ)アクリレートコポリマー、メチル(メタ)アクリレート・ブチル(メタ)アクリレートコポリマー、メチル(メタ)アクリレート・スチレンコポリマー、メチル(メタ)アクリレート・エチレングリコールジ(メタ)アクリレートコポリマー、メチル(メタ)アクリレート・トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートコポリマー、(メタ)アクリル酸メチルとブタジエン系モノマーとのコポリマー等の一部にカルシウム塩を形成しうる重合体などが挙げられる。
上記ポリマー(コポリマーを含む)の重量平均分子量は、1200~900000が好ましく、20000~6500000がより好ましく、80000~510000がさらに好ましい。なお、重量平均分子量は、光散乱法、GPC、TOFFMASSなど公知の方法で測定することができるが、本発明に係る重量分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた(標準ポリメチルメタクリレート換算の分子量)。
本発明に係るポリマー成分は、粒子状であってもよい。この場合、粒子状のポリマー成分の体積平均粒子径は、0.1~50μmであることが好ましく、1~42μmであることがより好ましく、3~32μmであることがさらに好ましい。
上記範囲であると、硬組織体である骨や歯などとの接着力を確保することができる。また、上記範囲であると充填剤の粘度を制御しやすいため、袋体内部から外部への急激な流失を抑制することができる。
上記ポリマー成分の添加量は、充填剤の全質量(100質量%)に対して、好ましくは1~80質量%、より好ましくは7~70質量%、さらに好ましくは12~62質量%である。ポリマー成分の添加量が上記範囲未満であると、硬化した充填剤の硬組織体に対する密着力や力学的強度(曲げ弾性率、引張り強さ、圧縮強度、曲げ強さなど)が低下しやすい。また、上記ポリマー成分の添加量が上記範囲を超えると、高粘度となり、連通孔から外部に滲みだしにくくなり、硬組織体である骨や歯に対するアンカリング力が発揮しにくくなる。
本発明に係る充填剤として、必要により溶媒を含有してもよく、使用する条件により適宜選択されるものであり、アルコール(メタノール、エタノール、n-プロパノール)、THF、へキサン、エーテル、ベンゼン、トルエンなど有機溶媒または水、生理食塩水、緩衝溶液などの水溶液でもよい。
本発明に係る充填剤における上記溶媒の含有量は、添加する成分によって粘度などの観点から適宜調整されるものであり、例えば、充填剤の全質量(100質量%)に対して、好ましくは1~50質量%、より好ましくは8~37質量%である。
本発明に係る充填剤は、必要により粘度調整物質、硬組織形成物質または生理活性物質をさらに含有してもよい。当該粘度調整物質としては、多糖類、核酸、糖質、タンパク質、ポリペプチド、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(ラクトン)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(酸無水物)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(α-ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(リン酸エステル)、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L-ラクチド)(PDLLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(ラクチド-グリコリド)(PLGA)、ポリ(L-ラクチド-D,L-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド-トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリ(ε-カプロラクトン)、ガロタンニン、エラジタンニン、タラガロタンニン、カフェタンニン、プロアントシアニジン、カテキン、エピカテキン、クロロゲン酸、アルブチン、アルギン酸、アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ゼラチン、キチン、キトサン、酢酸キトサン、乳酸キトサン、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、N,O-カルボキシメチルキトサン、デキストラン、コハク酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、フィブリン糊、グリセロール、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、セルロース、グルコサミン、プロテオグリカン、デンプン、乳酸、プルロニック、グリセロリン酸ナトリウム、コラーゲン、グリコーゲン、ケラチンおよびこれらの混合物から選択される物質が挙げられる。
本発明に係る充填剤の総量(100質量%)に対して、上記粘度調整物質は、0.1質量%~21重量%含有することが好ましい。
上記硬組織形成物質としては、トランスフォーミング増殖因子-β(TGF-β)、アクチビン、インヒビンおよび硬組織形態形成タンパク質(BMP)からなる群より選択される。
上記薬理活性物質は、公知の物質を使用することができ、抗生物質、酵素阻害剤、抗ヒスタミン剤、抗炎症剤(アスピリン、フェニルブタゾン、インドメタシン、サリンダック、トルメチン、イブプロフェン、ピロキシカム、およびフェナメート)、抗癌剤(シスプラチン、アドレアマイシン、アロマターゼ阻害剤、チミジレートシンターゼ阻害剤、DNAアンタゴニスト、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、ポンプ阻害剤、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ阻害剤、メタロプロテナーゼ阻害剤、リボヌクレオシドレダクターゼ阻害剤、TNF-αアゴニスト、TNF-αアンタゴニスト、エンドセリンA受容体アンタゴニスト、レチン酸受容体アゴニスト)、筋弛緩剤、鎮痙剤、鎮痛剤、プロスタグランジン、抗うつ剤、栄養因子またはホルモンなどが挙げられる。
上記硬組織形態形成タンパク質としては、BMP-2、BMP-3、BMP-3b、BMP-4、BMP-5、BMP-6、BMP-7、BMP-8、BMP-9、BMP-10、BMP-11、BMP-12、BMP-13、BMP-14、BMP-15、BMP-16、BMP-17またはBMP-18などが挙げられる。
上記薬理活性物質の量は、0.5ng~10.0g/kgが好ましく、3μg~1000mg/kgであることがより好ましく、10.0μg~10mg/kgであることがさらに好ましい。
本発明に係る充填剤は、必要によりシリカ、アルミナ、ゼオライト、酸化チタンなど無機フィラーを含有してよい。
本発明に係る充填剤のちょう度(24℃)は、11~28mmの範囲であることが好ましい。なお、本発明の調度は、JIS T-6602「歯科用リン酸亜鉛セメント4.3試験片製作時のちょう度」に準じて行っており、具体的には、200±1gのガラス版を練和したペースト1±0.005g上に負荷し、セメント円盤の長径と短径をノギス(最小読み取り1/20mm)を用いて測定し,その平均を算出している。
本発明の第2は、充填剤と、前記充填剤を内部に注入可能な注入口および外部と前記内部とが連通する連通孔が複数形成され、前記充填剤の注入または排出により膨縮自在な膨出部を備え、硬組織体の内部空間に留置され、前記注入口から注入される前記充填剤により前記内部空間の形状に倣って拡張し、前記内部空間を充填することで前記硬組織体を支持する袋体と、を有する硬組織体用治療具である。また、必要によりバルーンカテーテルや少なくとも一つのルーメンを有する穿刺針を含む。
以下、本発明に係る硬組織体用治療具を用いる方法について以下説明する。すなわち本発明の硬組織体用治療具は、経皮的に挿入して硬組織の欠損部または損傷部に圧送管体に連結された本発明の袋体を配置する工程(1)と、前記袋体内に充填剤を注入して前記袋体を拡張させた後、前記袋体を前記圧送管体から取り外し留置する工程(2)とにより、硬組織体の治療を行うことが好ましい。
上記工程(1)は、針脊柱増加システム(例えば、Verteport Stryker)などの中実で先端が鋭利に尖らされた針本体を備えた内針と、前記針本体が挿通可能なルーメンを備えた管状体を先端に備えた外針を同軸に有する器具を用いて、治療箇所部に相当する位置で経皮的に穿刺して、前記穿刺針の先端を治療箇所部である硬組織体、特に骨の欠損部または損傷部内に到達させた後、内針を抜去して、圧送管体の先端に取り付けた袋体をルーメンから挿通させて、前記硬組織体、特に骨の欠損部または損傷部に本発明の袋体を留置させる。また、本発明の袋体を留置する工程の前に、予めバルーンカテーテルなどの拡張体を前記ルーメンから挿通させて、所望の位置で前記バルーンカテーテルのバルーンを拡張させて袋体を留置可能な内部空間を硬組織体、特に骨に形成してもよい。
これらの工程は、本発明の袋体内に必要により造影剤を注入してX線透視下で位置を確認しながら圧送管体の先端に取り付けられた袋体を留置し、後述の充填剤を注入する前に造影剤を排出することが好ましい。
上記造影剤としては、公知の放射線不透過性物質を使用することができ、放射線に対して不透過であれば特に制限されない。例えば、ヨウ素、バリウム、ビスマス、ホウ素、臭素、金、白金、銀、鉄、マンガン、ニッケル、ガドリニウム、ジスプロシウム、タングステン、タンタル、ステンレス鋼、ニチノールおよび硫酸バリウム等のこれらの化合物、ならびにこれらの溶液/分散液(例えば、生理食塩水);アミドトリゾ酸、アミドトリゾ酸ナトリウムメグルミン、アミドトリゾ酸メグルミン、イオタラム酸ナトリウム、イオタラム酸メグルミン、イオトロクス酸メグルミン、イオトロラン、イオキサグル酸、イオキシラン、イオパミドール、イオプロミド、イオヘキソール、イオベルソール、イオメプロール;ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステルなどが挙げられる。これらの放射線不透過性物質は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
次に、上記工程(2)において、硬組織体、特に骨の所望の位置に留置した前記袋体内に充填剤を注入して前記袋体を拡張させる。圧送管体の先端側には開設された注入口を介して前記袋体が取り付けられており、基端側には、シリンジ、ポンプ等の圧送体が連設されている。当該シリンジ、ポンプ等の圧送体や圧送管体に充填剤を添加して圧送体を動作させると圧送管体を通って袋体に充填剤が注入され、これを拡張させることができる。その後、必要により充填剤が硬化して必要により硬化物質を併用した際には当該硬化物質が硬化して固体状またはゲル状になるまで待ち、封止(例えば、注入口を締結部材で結束)して前記袋体を前記圧送管体から取り外し袋体を留置する。そして、穿刺器具や剪刀具などを抜去し、絆創膏やステープラーなどの止血具で穿刺箇所を止血する。
上記説明した本発明に係る硬組織体用治療具を用いる方法の好適な一例として、図4を用いて、脊椎椎体内に本発明に係る袋体を留置する実施態様を示す。図4において、上記説明した針脊柱増加システム(例えば、Verteport Stryker)などを用いて、脊椎8において椎間板11間の潰れた椎体内の損傷部にバルーンカテーテルを到達させた後、バルーン9を拡大させて椎体の高さを調節し内部空間(袋体を留置するスペース)を確保した後、バルーンカテーテルを抜去し、次いで、本発明に係る袋体1が先端に取り付けられた圧送管体を挿通し、当該袋体を拡大したバルーンによって形成された空間に留置させ、充填剤(骨セメントや骨ペースト)を袋体に注入することで、袋体を拡張させて周囲の硬組織体を支持し、かつ袋体の表面に形成された連通孔から漏れる充填剤で周囲の硬組織体と密着された後、注入口を封止して充填剤を含む袋体を内部空間に留置することで圧迫骨折を治療することが好ましい。
本発明に係る袋体およびそれを含む治療具を用いることで、虫歯、インプラント、骨折(複雑骨折、脊椎(圧迫)骨折を含む。)、脊椎狭窄症、椎間板ヘルニア、頚椎症、後縦靭帯骨化症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎分離症、腰椎すべり症、脊柱管狭窄症、環軸椎脱臼、キアリ奇形・脊髄空洞症、脊髄腫瘍を有効に治療できる、またはこれらの症状を有効に緩和することができる。
<袋体の作製>
(袋体Aの作製)
ポリエーテルエーテルケトン仮撚加工糸(84dtex/24f)を使用して、筒編機島精機製ホールガーメント機(SWG061N) 18Gを用いて織物製袋体1を作製した。当該織物製袋体A(以下袋体A)は、円柱形でφ5mm×15mmの大きさであった。
(袋体Bの作製)
ポリエーテルエーテルケトン仮撚加工糸(84dtex/24f:熱処理糸:200℃×1hr)を使用して、筒編機島精機製ホールガーメント機(SWG061N) 18Gを用いて織物製袋体B(以下袋体B)を作製した。当該織物製袋体Bは、円柱形でφ5mm×15mmの大きさであった。
〔開口幅、開口率〕
メッシュ織物である袋体A、Bをマイクロスコープにて100倍に拡大し、タテ糸間の間隔(タテ方向開口幅)、ヨコ糸間の間隔(ヨコ方向開口幅)及び糸径を測定し、
(タテ糸間の間隔×ヨコ糸間の間隔)/((タテ糸間の間隔+糸径)*(ヨコ糸間の間隔+糸径))×100
で算出した。
〔開孔幅の(タテ方向・ヨコ方向)の比〕
上記で測定したタテ糸間の間隔とヨコ糸間の間隔から、(タテ糸間の間隔)/(ヨコ糸間の間隔)で算出した。
〔稠度計測〕
JIS T-6602「歯科用リン酸亜鉛セメント4.3試験片製作時のちょう度」に準じて行った。
200±1gのガラス版を練和したペースト1±0.005g上に負荷し、セメント円盤の長径と短径をノギス(最小読み取り1/20mm)を用いて測定し,その平均を算出した.
〔保水性〕
動的接触性測定システム(共和界面化学(株)製 DCA-WZ)にメッシュ織物であるである袋体A、Bをセットし、3μlの水を滴下し、水滴と織物製袋体1、2の接触角θを測定し、下記のように判断した。
保水性良 θ≧100°
保水性不良 θ<100°
〔充填剤の調製〕
<充填剤1の調製>
粉体成分として100質量部(α―オルトリン酸カルシウム75質量部、リン酸四カルシウム18質量部、リン酸水素カルシウム5質量部、水酸アパタイト2質量部およびリン酸マグネシウム)と、液剤成分として100質量部(コンドロイチン硫酸ナトリウム12質量部、コハク酸ナトリウム5質量部、亜硫酸水素ナトリウム83質量部)とを撹拌混合して、注射用水(純水)でちょう度を11~28の範囲に収まるように調整した。
<充填剤2の調製>
HAブロック(アパセラムB-79-99 D7L20(028) ペンタックス社製)を充填剤2として使用した。当該HAブロックの特性は、Ca/P=1.67 ハイドロキシアパタイト Ca10(PO(OH)であった。
<充填剤3の調製>
β型リン酸三カルシウム(オスフェリオン60 オリンパス社製)を充填剤3として使用した。当該β型リン酸三カルシウムの特性は、Ca/P=1.5~2 ハイドロキシアパタイト Ca10(PO(OH)であった。
<充填剤4の調製>
市販のPMMA骨セメントであるPalacos(登録商標)を充填剤4として使用した。具体的には、PMMAと(メタ)アクリル酸メチルとを含む組成物である。
「ウサギへの袋体埋入試験」
ウサギ大腿骨欠損モデルは、日本白色家兔(生後半年(1年未満):特に生後月日は限定はしてないが1年以内)大腿骨にドリルにて骨欠損部を確保し、その部位に袋体Aを埋設し、充填剤3を注入し、充填剤3を含む袋体Aを留置した。
埋入直後の様子では、充填剤が患部以外に流出していないことが確認された。埋入試験
後の2週間、12週間、24週間後の大腿骨部のX線写真を図5に示す。
その結果、充填剤3を含む袋体Aが骨界面に密着しており、充填剤は補填部以外に流出して硬化していないことも確認される。図6に硬化した充填剤を含む袋体の拡大断面写真を示す。これによれば、袋体の内部および袋体の外部に硬化した充填剤4a,4bが存在しているため袋体と硬組織体内のスペースとの間に生じる隙間を漏洩した充填剤4bが埋めていることが確認される。
上記と同様の試験を充填剤1、充填剤2および充填剤4を含む袋体Aも行ったが同様の結果が得られた。その際に、連通孔を有する袋体があると、充填剤4に含まれるモノマーの流出も抑制できることが考えられる。
医療用途、特に、生体内に留置される袋体およびそれを含む生体内留置物ならびに治療具。
1 袋
2 注入
3 膨出
4 充填
5 圧送管
6 連通
7 シリンジ
8 脊椎
9 バルーン
10 内部空間
11 椎間板

Claims (8)

  1. 24℃におけるちょう度が11~28mmである充填剤を内部に注入可能な注入口と、
    外部と前記内部とが連通する連通孔と、
    前記充填剤の注入または排出により膨縮自在な膨出部と、を備える袋体であって、
    硬組織体の内部に留置され、前記注入口から注入される前記充填剤により前記硬組織体の内部の空間の形状に倣って拡張し、かつ前記膨出部内の前記充填剤と同一組成である前記連通孔から外部に滲み出した前記充填剤が周囲の前記硬組織体と密着することで前記硬組織体を支持することを特徴とする袋体。
  2. 前記膨出部は、外部と内部とが連通する連通孔が複数形成されている、請求項1に記載の袋体。
  3. 前記袋体の内径拡張倍率は、1~3倍である、請求項1または2に記載の袋体。
  4. 前記袋体は、ポリエーテルエーテルケトンを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の袋体。
  5. 前記硬組織体は、歯または骨である、請求項1~4のいずれか1項に記載の袋体。
  6. 前記袋体は、織編物製袋体であり、以下の式で表される開孔率が0.001~20%である、請求項1~5のいずれか1項に記載の袋体。
    開口率=(タテ糸間の間隔×ヨコ糸間の間隔)/((タテ糸間の間隔+糸径)×(ヨコ糸間の間隔+糸径))
  7. 24℃におけるちょう度が11~28mmである充填剤と、
    前記充填剤を内部に注入可能な注入口および外部と前記内部とが連通する連通孔が複数形成され、前記充填剤の注入または排出により膨縮自在な膨出部を備え、
    硬組織体の内部空間に留置され、前記注入口から注入される前記充填剤により前記内部空間の形状に倣って拡張し、前記膨出部内の前記充填剤と同一組成である前記連通孔から外部に滲み出した前記充填剤が周囲の前記硬組織体と密着することで前記硬組織体を支持する袋体と、
    を有する、硬組織体用治療具。
  8. 前記連通孔を介して内部の充填剤が外部に流動可能である、請求項7に記載の硬組織体用治療具。
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