以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態による位置検出システムの使用状態の一例を示す図である。本実施の形態による位置検出システムは、同図に示すタブレット3A,3B,3C及びスタイラス2を備える。
タブレット3A~3Cの詳細な構成については後述するが、タブレット3A,3Cは上述した非インセル型の電子機器(表示装置)であり、タブレット3Bは上述したインセル型の電子機器(表示装置)である。タブレット3A~3Cはそれぞれ、スタイラス2及びユーザの指4の両方によって、絵や文字を書き込み可能に構成される。また、タブレット3A,3Bはともに、スタイラス2と双方向に信号を送受信可能に構成され、スタイラス2との間で双方向型の通信を実行する。一方、タブレット3Cは、スタイラス2からのダウンリンク信号を受信可能に構成されるものの、スタイラス2に対してアップリンク信号を送信する能力を有さず、一方向にスタイラス2から送信された信号を受信する。
スタイラス2は、タブレット3A~3Cのそれぞれとの通信に対応している3つのプロトコル(通信プロトコル)に対応したマルチプロトコルスタイラス(トリプルスタイラス)である。ユーザは、スタイラス2のペン先をタブレット3A~3Cのいずれかのタッチ面に押し当て、その状態を保ったままスタイラス2のペン先をタッチ面上で移動させることにより、タブレット3A~3Cに絵や文字を書き込む。また、ユーザは、一度利用を開始したスタイラス2を他のスタイラスに持ちかえずにタブレット3A~3Cを行ったり来たりしつつ継続して利用する。
図2は、スタイラス2の構成を示す図である。同図に示すように、スタイラス2は、スタイラス電極20、信号処理回路21、増幅部22、電源23、筆圧検出部24、スイッチ25を有して構成される。
スタイラス電極20は、スタイラス2のペン先の近傍に設置される導電体であり、タブレット3A,3Bが送信したアップリンク信号USを受信して信号処理回路21に供給するとともに、信号処理回路21から供給されるダウンリンク信号DSをタブレット3A~3Cに向けて送出する役割を果たす。
筆圧検出部24は、図示しないスタイラス2のペン先に加えられる圧力(筆圧)を検出する圧力センサを含んで構成される。筆圧検出部24は、この圧力センサによって検出された筆圧をKビット(K>0)のデジタル値からなる筆圧データPに変換し、信号処理回路21に供給する。
スイッチ25は、スタイラス2の筐体の表面(側面又は端面)に設けられたスイッチであり、ユーザによってオンオフ操作可能に構成される。信号処理回路21には、このスイッチ25のオンオフ状態を示すスイッチ情報SWが供給される。
電源23は、スタイラス2の各部に動作電力を供給する機能部であり、例えば電池である。
信号処理回路21及び増幅部22は、スタイラス電極20から供給されるアップリンク信号USの受信処理を行うとともに、その結果に基づいて2種類のダウンリンク信号DS1,DS2のいずれかを生成し、スタイラス電極20に供給する機能を有する。
ここで、本実施の形態において、ダウンリンク信号DS1はパルス列信号により構成されたダウンリンク信号DSであり、ダウンリンク信号DS2は正弦波信号により構成されたダウンリンク信号DSである。より具体的に説明すると、ダウンリンク信号DS1である位置信号は無変調のパルス列信号であり、ダウンリンク信号DS1であるデータ信号はパルス列信号を筆圧データPなどにより変調してなる信号である。また、ダウンリンク信号DS2である位置信号は無変調の正弦波信号であり、ダウンリンク信号DS2であるデータ信号は正弦波信号を筆圧データPなどにより変調してなる信号である。タブレット3A~3Cはそれぞれ、ダウンリンク信号DS1,DS2のいずれか一方のみを受信可能に構成される。そこで、スタイラス2の信号処理回路21は、タブレット3A~3Cとの通信を開始する際に、通信相手となるタブレットが受信可能なダウンリンク信号DSの種類を検出し、検出した種類に応じたダウンリンク信号DSを送信するよう構成される。
さて、信号処理回路21は、図2に示すように、制御部21a、昇圧部21b、発振部21c、及びスイッチ部21dを有して構成される。
昇圧部21bは、電源23から供給される直流電圧を昇圧することにより、直流電圧V1を生成する回路である。具体的な例では、昇圧部21bはDC-DCコンバータ又はチャージポンプ回路によって構成される。
発振部21cは、電源23から供給される直流電圧に基づいて発振動作を行うことにより、所定周波数で振動する無変調の正弦波信号(搬送波信号)を生成する回路である。増幅部22は、この発振部21cによって生成された正弦波信号を所定の増幅率で増幅することにより、無変調の正弦波信号v2を生成する役割を果たす。増幅部22は、図2に示すように、トランス及びキャパシタを含む増幅回路により構成されることが好ましい。
スイッチ部21dは、共通端子cと端子a,b,g,rのいずれか1つとが接続されるように構成されたスイッチ素子である。端子aは昇圧部21bの出力端に接続され、端子bは増幅部22の出力端に接続され、端子gは接地電位が供給される電源配線に接続され、端子rはバッファを経て制御部21aの受信端子に接続され、共通端子cはスタイラス電極20に接続される。
制御部21aは、スイッチ部21dを制御するための制御信号Ctrlの供給の他、アップリンク信号USの受信も行うICであり、電源23から供給される電力により動作するよう構成される。具体的な例では、制御部21aはASIC又はMCUであってよい。制御部21aは、内部に設けられるROM及びRAMに格納されたプログラムを実行することによって動作する。
ダウンリンク信号DS1を送信する場合の制御部21aは、制御信号Ctrlによって、端子aが共通端子cに接続されている状態と、端子gが共通端子cに接続されている状態との間でスイッチ部21dを切り替える処理を行う。より具体的に説明すると、ダウンリンク信号DS1を用いて位置信号を送信する場合、制御部21aは、所定の周期で周期的に、上記2つの状態の間でスイッチ部21dの切り替え制御を行う。これにより、無変調のパルス列信号がスイッチ部21dから出力される。また、ダウンリンク信号DS1を用いてデータ信号を送信する場合、制御部21aは、筆圧データPやスイッチ情報SWなどのデータRes(図3参照)に応じて、上記2つの状態の間でスイッチ部21dの切り替え制御を行う。これにより、データResに基づいて変調されたパルス列信号がスイッチ部21dから出力される。なお、データResには、信号処理回路21内に予め記憶されるスタイラス2の識別情報などの他の情報を含んでもよい。
ダウンリンク信号DS2を送信する場合の制御部21aは、制御信号Ctrlによって、端子bが共通端子cに接続されている状態と、端子gが共通端子cに接続されている状態との間でスイッチ部21dを切り替える処理を行う。より具体的に説明すると、ダウンリンク信号DS2を用いて位置信号を送信する場合、制御部21aは、スイッチ部21dを端子b側に固定する。これにより、無変調の正弦波信号v2がスイッチ部21dから出力される。また、ダウンリンク信号DS2を用いてデータ信号を送信する場合、制御部21aは、上述したデータResに応じて、上記2つの状態の間でスイッチ部21dの切り替え制御を行う。これにより、データResに基づいて変調された正弦波信号がスイッチ部21dから出力される。
アップリンク信号USを受信する場合の制御部21aは、制御信号Ctrlによって、スイッチ部21dを端子r側に固定する。これにより、スタイラス電極20に現れた電荷が制御部21aの受信端子に供給されるので、制御部21aは、こうして供給された電荷に基づいてアップリンク信号USを受信する。
図3は、タブレット3Bの構成を示す図である。以下、同図を参照しながら、インセル型であるタブレット3Bの構成について詳しく説明するが、タブレット3A,3Cについても基本的に同様である。ただし、全く同一というわけではないので、タブレット3Bと異なる点については、以下に示すタブレット3Bについての説明の中で逐一説明することとする。
図3に示すように、タブレット3Bは、センサ30と、コントローラ31と、ホストプロセッサ32とを有して構成される。
センサ30は、それぞれY方向に延在し、Y方向と直交するX方向に等間隔で配置された複数のセンサ電極30Xと、それぞれX方向に延在し、Y方向に等間隔で配置された複数のセンサ電極30Yとがマトリクス状に配置された構成を有している。センサ30は、これらセンサ電極30X,30Yによって、スタイラス2との間に結合容量を形成するよう構成される。また、センサ30は、スタイラス2だけでなく指4の検出にも使用される。なお、ここではセンサ電極30Y,30Xがともに直線状の導電体により構成される例を示しているが、他の形状の導電体によってセンサ電極30Y,30Xを構成することも可能である。例えば、特許文献1に例示されたような形状の電極など、センサ電極30Y,30Xの一方を、スタイラスの二次元座標が検出可能なように二次元に配置された複数の矩形導電体によって構成することとしてもよい。
図4(a)は、タブレット3Bにおけるセンサ電極30X,30Yの配置を示す模式的な断面図であり、図4(b)は、図4(a)に対応する模式的な上面図である。図4(a)では、スタイラス2から遠い側を下側に、スタイラス2に近い側を上側に記載している。この点は、後述する図5(a)(b)でも同様である。
図4(a)に示すように、タブレット3Bは、液晶表示装置の構成要素として、下から順に液晶層60、カラーフィルターガラス61、及び偏光板62を有しており、センサ電極30Y,30Xはこれらの間に配置される。より具体的に言えば、センサ電極30Xは液晶層60の上面に形成され、センサ電極30Yはカラーフィルターガラス61の上面に形成される。図示していないが、センサ電極30Xとカラーフィルターガラス61の間、及び、センサ電極30Yと偏光板62の間には、それぞれ透明絶縁層が配置される。
液晶層60の下側には、画素ごとの画素電極(図示せず)が形成される。ホストプロセッサ32は、各センサ電極30Xに所定の画素駆動用電圧Vcom(この場合は固定値)を供給している状態でこの画素電極の電位を制御することにより、各画素の駆動動作を行う。このように画素駆動用電圧Vcomが供給されるため、画素駆動動作が実行されている間、スタイラス2との通信又は指4の検出の用途でセンサ電極30Xを使用することはできない。
複数のセンサ電極30Xと複数のセンサ電極30Yとは、図4(b)に示すように、互いに交差するように配置される。したがって、タブレット3Bをタッチ面側から見ると、センサ電極30Y,30Xの交点が二次元に配置されているように見える。
ここで、タブレット3A,3Cにおけるセンサ電極30X,30Yの配置についても説明する。図5(a)は、タブレット3Aにおけるセンサ電極30X,30Yの配置を示す模式的な断面図であり、図5(b)は、タブレット3Cにおけるセンサ電極30X,30Yの配置を示す模式的な断面図である。
タブレット3A,3Cにおいては、図5(a)(b)に示すように、液晶層60の上面に共通電極63が形成される。また、センサ電極30X,30Yは、タブレット3Aでは、図5(a)に示すように偏光板62の上方に液晶表示装置とは分離された別部品として配置される一方、タブレット3Cでは、図5(b)に示すようにカラーフィルターガラス61と偏光板62の間に配置される。タブレット3A,3Cはともに非インセル型であるが、タブレット3Aの構成は「アウトセル」型と呼ばれる場合があり、タブレット3Cの構成は「オンセル」型と呼ばれる場合がある。
タブレット3A,3Cでは、上述した画素駆動用電位Vcomはセンサ用の電極と独立した共通電極63に供給され、センサ電極30Xには供給されない。したがって、タブレット3A,3Cでは、画素駆動動作の実行中であっても、センサ電極30Xをスタイラス2との通信又は指4の検出のために使用することができる。
図3に戻る。コントローラ31は、MCU40、ロジック部41、送信部42,43、受信部44、選択部45を有して構成される。
MCU40及びロジック部41は、送信部42,43、受信部44、及び選択部45を制御することにより、コントローラ31の送受信動作を制御する制御部である。具体的に説明すると、MCU60は、内部にROM及びRAMを有しており、これらに格納されたプログラムを実行することによって動作するマイクロプロセッサである。MCU60は、上述した画素駆動用電位Vcom、及び、後述するコマンドCOMを出力する機能も有している。一方、ロジック部41は、MCU40の制御に基づき、制御信号ctrl_1~ctrl_4及びctrl_rを出力するよう構成される。なお、画素駆動用電位Vcomを出力する機能は、タブレット3A,3Cではホストプロセッサ32に設けられ、MCU40には設けられない。
送信部42は、MCU40の制御に従って、指4を検出するために使用される指検出用信号FDSを生成する回路である。指検出用信号FDSは、例えば、無変調のパルス列信号又は正弦波信号であってよい。
送信部43は、MCU40及びロジック部41の制御に従ってアップリンク信号USを生成する回路であり、図3に示すように、パターン供給部50、スイッチ51、符号列保持部52、拡散処理部53、及び送信ガード部54を含んで構成される。なお、このうち特にパターン供給部50に関して、本実施の形態では送信部43内に含まれるものとして説明するが、MCU40内に含まれることとしてもよい。また、送信部43は、アップリンク信号USの送信機能を有しないタブレット3Cのコントローラ31には設けられない。
ここで、アップリンク信号USの構成について説明する。図6は、アップリンク信号USの構成を示す図である。同図に示すように、本実施の形態で用いるアップリンク信号USは、1ビット分の情報からなるスタートビットSBと、5ビット分の情報からなるコマンドCOMとによって構成される。コマンドCOMは、4ビット分のデータCC0~CC3と、データCC0~CC3に基づいて算出される1ビット分の巡回冗長符号CRCとを含んで構成される。
スタートビットSBは、スタイラス2がコントローラ31の存在を検出するために用いられるもので、事前に(スタイラス2がコントローラ31を検出する前に)スタイラス2に既知にされている。後述するように、スタイラス2は、このスタートビットSBを検出することにより、アップリンク信号USの到来を検出する。また、タブレット3BはスタートビットSBを後続の信号を送信せずに単独で送信する場合があり、以下では、その場合のアップリンク信号USを、コマンドCOMを含むアップリンク信号USより短い信号として短縮同期信号PIと称する場合がある。
データCC0~CC3は、スタイラス2に対する命令(コマンド)を示している。データCC0~CC3によって示されるコマンドには、2つの種類が存在する。
1つ目は、スタイラス2とタブレットとの間で用いる通信プロトコルの種別を特定する種別特定情報を含むコマンドであり、以下では「第1のコマンド」と称する場合がある。通信プロトコルの種別は、主にスタイラス2がダウンリンク信号DS(位置信号あるいはデータ信号)を送信するための通信周波数(矩形波あるいは正弦波の別を含む)、ダウンリンク信号DSのフォーマット(位置信号及びデータ信号の別、データ信号を用いて送信するデータの種類の別を含む)、及び、ダウンリン信号DSの送信時刻(タイミング及び送信期間)についての事前の取り決めを区別する情報である。第1のコマンドは、まだスタイラス2を検出していないタブレット3A,3Bによって送信される。なお、種別特定情報は、タブレットの種別としてスタイラス2に与えられてもよい。種別特定情報は、例えばデータCC0の1ビットによって示される情報であり、そのコマンドを送信したタブレットがタブレット3A,3Bのいずれの種別であるかを示すことでスタイラス2に必要な通信プロトコルの種別を示す。
ここで、詳しくは後述するが、スタイラス2は、タブレット3Bとの通信を行う場合、短縮同期信号PIの受信を契機として、ダウンリンク信号DSの送信を実行することになる。これに対し、タブレット3Aとの通信を行う場合にはそもそも短縮同期信号PIが使用されず、スタイラス2は、コマンドCOMを含むアップリンク信号USの受信を契機として、ダウンリンク信号DSの送信を実行することになる。したがって、種別特定情報は、スタイラス2が短縮同期信号PIに応じてダウンリンク信号DSを送信すべきか否かを示す情報であると言うこともできる。
2つ目は、図2に示した筆圧データPなどのスタイラス2が送信すべきデータを特定するコマンドであり、以下では「第2のコマンド」と称する場合がある。第2のコマンドは、スタイラス2を検出済みのタブレット3A,3Bによって送信される。言い換えれば、第2のコマンドは、コントローラ31がスタイラス2を検出済みであることを示している。
図3に戻る。パターン供給部50はスタートビットSBを保持しており、ロジック部41から供給される制御信号ctrl_t1の指示に従って、保持しているスタートビットSBを出力するよう構成される。一方、コマンドCOMは、MCU40から送信部43に供給される。
スイッチ51は、ロジック部61から供給される制御信号ctrl_t2に基づいてパターン供給部50及びMCU40のいずれか一方を選択し、選択した一方の出力を拡散処理部53に供給する機能を有する。スイッチ51がパターン供給部50を選択した場合、拡散処理部53にはスタートビットSBが供給される。一方、スイッチ51がMCU40を選択した場合、拡散処理部53にはコマンドCOMが供給される。
符号列保持部52は、ロジック部41から供給される制御信号ctrl_t3に基づき、自己相関特性を有する所定チップ長の拡散符号PNを生成して保持する機能を有する。符号列保持部52が保持している拡散符号PNは、拡散処理部53に供給される。
拡散処理部53は、スイッチ51を介して供給される値(スタートビットSB又はコマンドCOM)に基づいて符号列保持部52によって保持される拡散符号PNを変調することにより、所定チップ長の送信チップ列を取得する機能を有する。図6には、スタートビットSBに関して取得される送信チップ列の例を図示している。拡散処理部53は、取得した送信チップ列を送信ガード部54に供給するよう構成される。
送信ガード部54は、ロジック部41から供給される制御信号ctrl_t4に基づき、アップリンク信号USの送信期間とダウンリンク信号DSの受信期間との間に、送信動作と受信動作を切り替えるために必要となるガード期間(送信と受信の両方を行わない期間)を挿入する機能を有する。
受信部44は、ロジック部41の制御信号ctrl_rに基づいて、スタイラス2が送信したダウンリンク信号DS又は送信部42が送信した指検出用信号FDSを受信するための回路である。具体的には、増幅回路55、検波回路56、及びアナログデジタル(AD)変換器57を含んで構成される。
増幅回路55は、選択部45から供給されるダウンリンク信号DS又は指検出用信号FDSを増幅して出力する。検波回路56は、増幅回路55の出力信号のレベルに対応した電圧を生成する回路である。AD変換器57は、検波回路56から出力される電圧を所定時間間隔でサンプリングすることによって、デジタル信号を生成する回路である。AD変換器57が出力するデジタル信号は、MCU40に供給される。MCU40は、こうして供給されたデジタル信号に基づき、スタイラス2又は指4の位置検出と、スタイラス2が送信したデータRes(上述した筆圧データP、スイッチ情報SW、識別情報など)の取得とを行う。MCU40は、取得した位置を示す座標x,yと、取得したデータResとを、逐次、ホストプロセッサ32に出力する。
選択部45は、スイッチ58x,58yと、導体選択回路59x,59yとを含んで構成される。
スイッチ58yは、共通端子とT端子及びR端子のいずれか一方とが接続されるように構成されたスイッチ素子である。スイッチ58yの共通端子は導体選択回路59yに接続され、T端子は送信部43の出力端に接続され、R端子は受信部44の入力端に接続される。また、スイッチ58xは、共通端子とT1端子、T2端子、D端子、及びR端子のいずれか1つとが接続されるように構成されたスイッチ素子である。スイッチ58xの共通端子は導体選択回路59xに接続され、T1端子は送信部43の出力端に接続され、T2端子は送信部42の出力端に接続され、D端子は画素駆動用電圧Vcomを出力するMCU40の出力端に接続され、R端子は受信部44の入力端に接続される。
導体選択回路59xは、複数のセンサ電極30Xを選択的にスイッチ58xの共通端子に接続するためのスイッチ素子である。導体選択回路58xは、複数のセンサ電極30Xの一部又は全部を同時にスイッチ58xの共通端子に接続することも可能に構成される。
導体選択回路59yは、複数のセンサ電極30Yを選択的にスイッチ58yの共通端子に接続するためのスイッチ素子である。導体選択回路59yも、複数のセンサ電極30Yの一部又は全部を同時にスイッチ58yの共通端子に接続することも可能に構成される。
選択部45には、ロジック部41から4つの制御信号sTRx,sTRy,selX,selYが供給される。具体的には、制御信号sTRxはスイッチ58xに、制御信号sTRyはスイッチ58yに、制御信号selXは導体選択回路59xに、制御信号selYは導体選択回路59yにそれぞれ供給される。ロジック部41は、これら制御信号sTRx,sTRy,selX,selYを用いて選択部45を制御することにより、アップリンク信号US又は指検出用信号FDSの送信並びに画素駆動用電圧Vcomの印加と、ダウンリンク信号DS又は指検出用信号FDSの受信とを実現する。
図7~図10は、コントローラ31の動作を示す図である。以下、図3とともにこれらの図も参照しながら、ロジック部41による選択部45の制御状態と、コントローラ31の動作との関係について、詳しく説明する。
図7は、指検出実行時におけるコントローラ31の動作を示す図である。この場合のロジック部41は、T2端子が共通端子に接続されるようスイッチ58xを制御するとともに、R端子が共通端子に接続されるようスイッチ58yを制御する。さらに、複数のセンサ電極30X,30Yの組み合わせが順次選択されることとなるよう、導体選択回路59x,59yを制御する。こうすることで、複数のセンサ電極30X,30Yによって構成される複数の交点のそれぞれを通過した指検出用信号FDSが、順次、受信部44によって受信されることになる。MCU40は、こうして順次受信される指検出用信号FDSの受信強度に基づいてタッチ面上における指4の位置を検出する。
図8は、画素駆動動作実行時におけるコントローラ31の動作を示す図である。この場合のロジック部41は、D端子が共通端子に接続されるようスイッチ58xを制御するとともに、複数のセンサ電極30Xのすべてがスイッチ58xに同時に接続されるよう導体選択回路59xを制御する。これにより、MCU40から各センサ電極30Xに画素駆動用電圧Vcomが供給されることになるので、ホストプロセッサ32による画素駆動動作の実行が可能になる。なお、MCU40は、ホストプロセッサ32から供給されるタイミング信号に基づくタイミングで、ロジック部41に上記制御を実行させる。
図9は、アップリンク信号USの送信時のコントローラ31の動作を示す図である。この場合のロジック部41は、T1端子が共通端子に接続されるようスイッチ58xを制御するとともに、T端子が共通端子に接続されるようスイッチ58yを制御する。さらに、複数のセンサ電極30X,30Yのすべてが同時に選択されることとなるよう、導体選択回路59x,59yを制御する。これにより、複数のセンサ電極30X,30Yのすべてからアップリンク信号USが送信されることになる。
ここで、図9に破線で示したセンシング範囲SR及びアップリンク検出高さAHについて説明する。まず、センシング範囲SRは、ダウンリンク信号DSをコントローラ31が受信できる範囲である。つまり、スタイラス2が送信したダウンリンク信号DSをコントローラ31が受信するためには、ダウンリンク信号DSがコントローラ31に届く程度にまで、スタイラス2がタブレット3Bのタッチ面に接近している必要がある。センシング範囲SRは、このダウンリンク信号DSがコントローラ31に届く範囲を示している。
アップリンク検出高さAHは、スタイラス2がアップリンク信号USを受信できる高さ(タッチ面からの距離)の限界を示している。一般に、アップリンク検出高さAHはセンシング範囲SRの上限よりも高い場所(タッチ面から離れた場所)に位置する。これは、アップリンク信号USとダウンリンク信号DSの送信強度の違いによる。以下では、スタイラス2がアップリンク検出高さAHより下にあるもののタッチ面に接触していない状態を「ホバー状態」と称し、スタイラス2がタッチ面に接触するに至った状態を「接触状態」と称する。
図10は、ダウンリンク信号DSの受信時のコントローラ31の動作を示す図である。この場合のロジック部41は、R端子が共通端子に接続されるようスイッチ58x,58yのそれぞれを制御する。導体選択回路59x,59yの制御方法は、受信しようとするダウンリンク信号DSの種類によって異なる。
すなわち、位置信号であるダウンリンク信号DSを受信する場合には、ロジック部41は、複数のセンサ電極30X,30Yの組み合わせが順次選択されることとなるよう、導体選択回路59x,59yを制御する。こうすることで、複数のセンサ電極30X,30Yによって構成される複数の交点のそれぞれを通過した位置信号が、順次、受信部44によって受信されることになる。MCU40は、こうして順次受信される位置信号の受信強度を基づいて、タッチ面上におけるスタイラス2の位置を検出する。
一方、データ信号であるダウンリンク信号DSを受信する場合のロジック部41は、複数のセンサ電極30X,30Yのうち、直前の位置信号の受信によって検出されたスタイラス2の位置の近辺にある所定数本(例えば1本)のみが選択されることとなるよう、導体選択回路59x,59yを制御する。選択された所定数本のセンサ電極によって受信されたデータ信号は、受信部44を介してMCU40に供給される。MCU40は、こうして供給されたデータ信号から、上述したデータResを取得する。
以上、スタイラス2及びタブレット3A~3Cの構成について説明した。次に、スタイラス2の動作について、より詳しく説明する。
図11は、スタイラス2の状態遷移図である。また、図12は、図11に示す状態S103(オペレーションモード)におけるスタイラス2の動作の詳細を示す図である。
図11に示すように、スタイラス2の初期状態はスリープモード(状態S100)である。スリープモードにおけるスタイラス2は、定期的にアップリンク信号US及び筆圧の検出を行う状態(状態S101)に遷移する他は、特段の処理を行わない。
状態S101にあるスタイラス2は、アップリンク信号US及び筆圧の検出動作を行う。具体的には、まず、アップリンク信号USの先頭の1ビットを構成するスタートビットSBの検出を行う。そして、スタートビットSBが検出された場合には、さらに、上述した種別特定情報の検出も行う。また、これらの検出動作と並行して、筆圧検出部24が出力する筆圧データPが0であるか否かの判定を行う。
状態S101において行った検出動作によってスタートビットSB及び筆圧がともに検出されない場合、及び、スタートビットSBが検出されても種別特定情報が検出されない場合、スタイラス2は、タイムアウトするまで、アップリンク信号US及び筆圧の検出動作を繰り返す。タイムアウト後には、状態S100に戻ってスリープモードに入る。
一方、スタートビットSB及び種別特定情報が検出された場合、又は、筆圧が検出された場合には、スタイラス2は、通信プロトコルの選択を行う状態に遷移する(状態S102)。例えばタブレット3Bと通信するための通信プロトコルであれば、後述する第2の期間Tの使用方法(図16参照)などが含まれる。
図12に示すように、スタイラス2は、スタートビットSBが検出され、かつ、種別特定情報により示されるタブレットの種別がタブレット3Aであった場合に、タブレット3Aと通信するための通信プロトコルを選択する。また、スタートビットSBが検出され、かつ、種別特定情報により示されるタブレットの種別がインセル型のタブレット3Bであった場合に、タブレット3Bと通信するための通信プロトコルを選択し、スタートビットSBが検出されていない状態で筆圧が検出された場合(すなわち、筆圧データPが0でない状態となった場合)に、タブレット3Cと通信するための通信プロトコルを選択する。
状態S102で通信プロトコルを選択したスタイラス2は、図11に示すように、オペレーションモード(状態S103)に遷移する。オペレーションモードは、選択した通信プロトコルに従って通信を行うモードであり、図12に示すように、詳細には3つの状態S103a~S103cを含んで構成される。
状態S103aは、スタイラス2が、タブレット3Aと通信するための通信プロトコルに従ってタブレット3Aとの通信を行うモード(データを、後述するM個(M≧1)の第1の期間Sを使用して送信する第1のモード)である。この場合のスタイラス2は、コマンドCOMを含むアップリンク信号USの受信動作を行い(状態S111)、受信されたコマンドCOMに応じたダウンリンク信号DSを送信する(状態S112)、という動作を繰り返す。状態S112で送信するダウンリンク信号DSは、コマンドCOMが上述した第1のコマンドを示している場合には位置信号のみによって構成され、コマンドCOMが上述した第2のコマンドを示している場合には、位置信号と、コマンドCOMによって特定されるデータを含むデータ信号とによって構成される。
状態S103bは、スタイラス2が、タブレット3Bと通信するための通信プロトコルに従ってタブレット3Bとの通信を行うモード(データを、後述するN個(N>M)の第2の期間Tを使用して送信する第2のモード)である。この場合のスタイラス2は、まずコマンドCOMを含むアップリンク信号USの受信動作を行う(状態S113)。状態S113でコマンドCOMを受信したスタイラス2は、そのコマンドCOMが第1のコマンドを示している場合には、位置信号の送信準備を行う。一方、受信したコマンドCOMが第2のコマンドを示している場合には、位置信号の送信準備を行うとともに、コマンドCOMによって特定されたデータを取得し、取得したデータを含むデータ信号の送信準備を行う。
続いてスタイラス2は、短縮同期信号PIの受信動作を行う(状態S114)。短縮同期信号PIは、上述したように、スタートビットSBのみからなり、コマンドCOMを含むアップリンク信号USに比して短い時間長のアップリンク信号USである。短縮同期信号PIは、コマンドCOMを含むアップリンク信号USに比べて時間長の短い信号となるので、スタイラス2は、検出したアップリンク信号USの時間長により、検出したアップリンク信号USが短縮同期信号PI及びコマンドCOMを含む信号のいずれであるかを判定することができる。
短縮同期信号PIが受信された場合、スタイラス2は、この短縮同期信号PIに応じて、準備していた位置信号又はデータ信号の一部の送信を行う(状態S115)。短縮同期信号PIに応じてスタイラス2が送信できる情報は1ビット分のみであるので、タブレット3Bは、繰り返し短縮同期信号PIを送信するよう構成され、スタイラス2は、短縮同期信号PIを受信する都度、位置信号又はデータ信号の一部を送信するよう構成される。データ信号の全ビットの送信が完了した後、スタイラス2は状態S113に戻り、コマンドCOMを含むアップリンク信号USの受信動作を繰り返す。これらの点については、後ほどより詳しく説明する。
状態S103cは、スタイラス2が、タブレット3Cと通信するための通信プロトコルに従ってタブレット3Cに対して一方向のダウンリンク信号DSの送信を行うモードである。この場合のスタイラス2は、一方的にダウンリンク信号DSの送信を繰り返す(状態S116)。
図11に戻る。オペレーションモードS103において所定のタイムアウト状態が生じた場合、スタイラス2は、タイムアウト状態(状態S104)に遷移する。このタイムアウト状態は、タブレット3A,3Bとの通信に関しては、スタートビットSBが所定期間にわたって受信されない場合に発生する。一方、タブレット3Cとの通信に関しては、筆圧が検出されなくなった場合に発生する。タイムアウト状態に遷移したスタイラス2は、状態S101に戻り、アップリンク信号US及び筆圧の検出動作を繰り返す。
以上、スタイラス2の状態遷移について説明した。次に、スタイラス2とタブレット3A,3Bのそれぞれとが通信を行う場合のこれらの動作について、タイムチャートを参照しながら、より詳しく説明する。
図13(a)は、スタイラス2とタブレット3Aとが通信する場合における、それぞれの動作のタイムチャートであり、図13(b)は、スタイラス2とタブレット3Bとが通信する場合における、それぞれの動作のタイムチャートである。なお、図13(a)(b)に映像同期信号Vsyncは、ホストプロセッサ32による映像表示の動作周期VT(表示動作の一周期である表示周期)を示すパルス信号である。ホストプロセッサ32は、1動作周期VTの間に1つの画像フレームの表示を実行するよう構成される。
初めに、図13(a)に示すように、タブレット3Aのコントローラ31は、1動作周期VTの中で、原則として、アップリンク信号USの送信動作、ダウンリンク信号DSの受信動作、指検出動作をこの順で繰り返し実行するように構成される。ダウンリンク信号DSの受信動作を実行する期間を、以下では第1の期間Sと称する。アップリンク信号USの送信後に設けられる第1の期間Sの個数をM個(M≧1)とすると、図13(a)の例ではM=1であるが、ダウンリンク信号DSのデータ量が大きく、指検出動作の必要な実行周期を考慮すると一度の受信動作ではダウンリンク信号DSを受信しきれない場合などには、M≧2としてもよい。この場合、各第1の期間Sの間に指検出動作が配置されることになる。なお、アップリンク信号USの送信期間後に設定される1又は複数の第1の期間Sの開始タイミングは、予め通信プロトコルによって決定されていることとしてもよいし、アップリンク信号USによってタブレット3Aからスタイラス2に通知されることとしてもよい。
タブレット3Aと通信を行うスタイラス2は、アップリンク信号USの受信動作によってコマンドCOMを受信した後、図11の状態S102において選択済みの通信プロトコル又はアップリンク信号USから1又は複数の第1の期間Sの配置を取得し、取得した第1の期間Sを使用して、受信したコマンドCOMに応じたダウンリンク信号DSの送信を行う。具体的には、まず位置信号を送信し、その後、コマンドCOMにより指示されたデータを含むデータ信号の送信を行う。このダウンリンク信号DSを受信するタブレット3Aは、最初に位置信号に基づいてスタイラス2の位置を検出し、その後、検出した位置の近辺にある1以上のセンサ電極を用いて、データ信号の受信を行う。
次に、タブレット3Bに関しては、図13(b)に示すように、1動作周期VTの中に複数の水平帰線期間HBが配置される。水平帰線期間HBの後半では、駆動対象の画素を画面の右端から左端に戻す処理が行われ、この処理の間、ホストプロセッサ32は画素の駆動処理を休止する。こうして画素の駆動処理が休止している期間は一般にはブランク期間BPと呼ばれ、タブレット3Bはこのブランク期間BPを、スタイラス2と通信するため又は指4を検出するための第2の期間Tとして使用する。第2の期間Tは第1の期間Sよりも短い期間であり、1動作周期VT内に設けられる第2の期間Tの個数をN個とすると、Nは、上述したMより大きい数となる(N>M)。図13(b)の例ではN=40である(第2の期間T1~T40)が、N=40でなくてもよい。
図14は、第2の期間Tの内部における信号の配置を示す図である。同図に示すように、タブレット3Bのコントローラ31は、第2の期間Tの開始タイミングに合わせて、短縮同期信号PIとしてのスタートビットSBを送信する。そして、スタイラス2は、この短縮同期信号PIを受信したことに応じて、ダウンリンク信号DS(位置信号又はデータ信号)の送信を行う。データ信号を送信する場合に1つの第2の期間T内で送信可能なデータの量は、上述したように、1ビットである。
図15は、タブレット3Bによる第2の期間Tの具体的な使用方法を示す図である。図15(a)はスタイラス2を検出する前、図15(b)はスタイラス2を検出した後、をそれぞれ示している。
スタイラス2を検出する前のタブレット3Bは、図15(a)に示すように、スタイラス2を検出した後のコマンドCOMの送信回数に比して多い回数の複数回の第2の期間T(例えば2回の第2の期間T1,T21)のそれぞれにおいて、コマンドCOMを含むアップリンク信号USの送信を行う。この場合のコマンドCOMは第1のコマンドを示すもので、タブレットの種別を特定する種別特定情報を含む。また、この場合のタブレット3Bは、その他の第2の期間Tのそれぞれを時分割で使用することにより、スタイラス2及び指4の検出動作を行う。
一方、スタイラス2を検出した後のタブレット3Bは、図15(b)に示すように、スタイラス2を検出する前のコマンドCOMの送信回数に比して少ない回数で(例えば、1回の第2の期間T1のみで)コマンドCOMを含むアップリンク信号USの送信を行う。この場合のコマンドCOMは第2のコマンドを示すもので、スタイラス2が第2の期間Tを利用して送信すべきデータ(筆圧データPなど)を特定する。タブレット3Bはその後、10個の第2の期間T2,T5,T9,T13,T17,T21,T25,T29,T33,T37(スタイラス検出期間)のそれぞれを使用してスタイラス2の位置を検出し、20個の第2の期間T3,T6,T7,T10,T11,T14,T15,T18,T19,T22,T23,T26,T27,T30,T31,T34,T35,T38,T39,T40(データ信号受信期間)のそれぞれを使用してデータ信号の受信を行い、9個の第2の期間T4,T8,T12,T16,T20,T24,T28,T32,T36(指検出期間)のそれぞれを使用して指4の位置を検出する。
図16は、スタイラス2による第2の期間Tの具体的な使用方法を示す図である。図16(a)はタブレット3Bによって検出される前、図16(b)は、タブレット3Bによって検出され、かつ、ホバー状態にある場合、図16(c)は、タブレット3Bによって検出され、かつ、接触状態にある場合、をそれぞれ示している。
スタイラス2を未だ検出していないタブレット3Bが送信するコマンドCOMは、上述したように、タブレットの種別を特定する種別特定情報を含む第1のコマンドを示している。スタイラス2は、このコマンドCOMを含むアップリンク信号USを検出し、その中に含まれる種別特定情報からアップリンク信号USの送信元がタブレット3Bであることを把握すると、図11及び図12を参照して説明したようにタブレット3Bとの通信に用いる通信プロトコルを選択するとともに、図16(a)に示すように位置信号の連続送信を行う。なお、図16(a)には第2の期間Tのみを示しているが、この連続送信は、隣り合う2つの第2の期間Tの間の時間(画素駆動動作が行われている時間)にも継続して実行される。
スタイラス2を検出したタブレット3Bが送信するコマンドCOMは、上述したように、筆圧データPなどのスタイラス2が送信すべきデータを特定する第2のコマンドを示している。このコマンドCOMを受信したスタイラス2は、ホバー時と接触時とで異なる動作を行う。すなわち、ホバー時のスタイラス2は、図16(b)に示すように、第2の期間T6,T7を使用してスイッチ情報SWの2ビット目SW2から1ビット目SW1までを順に送信する他は、所定ビット「1」と「0」を交互に送信する。一方、接触時のスタイラス2は、図16(c)に示すように、第2の期間T3を使用して所定ビット「0」を送信し、第2の期間T6,T7,T10,T11,T14,T15,T18,T19,T22,T23,T26,T27,T30,T31を使用して筆圧データPの14ビット目P13から1ビット目P0までを順に送信し、第2の期間T34,T35を使用してスイッチ情報SWの2ビット目SW2から1ビット目SW1までを順に送信し、第2の期間T38~T40を使用して、送信データに基づいてスタイラス2が生成するチェックサムの3ビット目Sum2から1ビット目Sum0までを順に送信する。
このように、本発明のスタイラス2とタブレット3Bに係るシステムは、タブレット3Bがスタイラス2を検出した後のホバー時と接触時の2つの動作モードに加え、スタイラス2が検出される前の動作モードを含む。スタイラス2は3つの動作モードのそれぞれの動作モードにおいて、自己の状態(ホバー時であるかコンタクト時であるか)と、自己がタブレット3Bに既に検出されているか否かの3つの状態に応じて、それぞれ図16(b)、図16(c)、及び図16(a)のフォーマットに合わせて位置信号あるいはデータ信号を送信する。
次に、タブレット3B及びスタイラス2の処理フローを参照しながら、それぞれが行う処理について、さらに詳しく説明する。
図17及び図18は、タブレット3Bが行う処理の処理フロー図である。ただし、同図にはスタイラス2に関連する処理のみを図示しており、例えば指4の検出にかかる処理の図示は省略している。
<スタイラス検出前の動作>
図17は、タブレット3Bがスタイラス2を検出する前の処理フロー図である。同図に示すように、タブレット3Bはまず、第1のコマンド(スタイラス2を未検出の段階で送信されるべきコマンド)を示すコマンドCOMの送信タイミング(具体的には、図15(a)に示した第2の期間T1,T21)の到来を待機し(ステップS1)、到来した場合に、スタイラス2に対してタブレット3Bがサポートする通信プロトコルを示す(あるいはタブレット3Bであることを示す)第1のコマンドを示すコマンドCOMを含むアップリンク信号USの送信を行う(ステップS2)。
続いてタブレット3Bは、後続の第2の期間Tを使用して、全センサ電極30X,30Yのスキャンを行う(ステップS3)。なお、ここではスタイラス2の位置を特定する必要はないので、スキャン時間を短縮するため、全センサ電極30Yのみをスキャンの対象とすることとしてもよい。こうすることで、同一の第2の期間T内で時分割により実施する指4の検出動作を、より長い時間にわたって実行することが可能になる。
次にタブレット3Bは、ステップS3のスキャンの結果、位置信号を検出したか否かを判定する(ステップS4)。その結果、検出していないと判定した場合には、ステップS1に戻って処理を継続する。
<スタイラス検出後の動作>
図18は、タブレット3Bがスタイラス2を検出した後の処理フロー図である。ステップS3のスキャンの結果、位置信号を検出したと判定した場合には、タブレット3Bは、スタイラス2が第2の期間Tを使用して送信すべきデータを特定するコマンドCOMの送信タイミング(具体的には、図15(b)に示した第2の期間T1)の到来を待機し(ステップS5)、到来した場合に、スタイラス2が第2の期間Tを使用して送信すべきデータを特定するコマンドCOMを含むアップリンク信号USの送信を行う(ステップS6)。
その後、タブレット3Bは、図18に示すように、第2のコマンド(スタイラス2を検出後に送信されるべきコマンド)を示すコマンドCOMの送信タイミング(図15(b)に示した第2の期間T1)、スタイラス2の位置を検出するタイミング(図15(b)に示した第2の期間T2等)、スタイラス2からデータ信号を受信するタイミング(図15(b)に示した第2の期間T3等)の到来を待機する(ステップS7)。
待機の結果、第2のコマンドを示すコマンドCOMの送信タイミングが到来した場合には、タブレット3Bは、第2のコマンドを示すコマンドCOMを含むアップリンク信号USの送信を行う(ステップS8)。
また、スタイラス2の位置を検出するタイミングが到来した場合、タブレット3Bはまず短縮同期信号PI(スタートビットSB)を送信し(ステップS9)、次いで、全センサ電極30X,30Yを順次スキャンする(ステップS10)。そして、このスキャンによって位置信号を検出したか否かを判定し(ステップS11)、検出したと判定した場合には、その位置信号を検出したセンサ電極の位置に基づいてスタイラス2の位置を特定する(ステップS12)。一方、検出しなかったと判定した場合のタブレット3Bは、スタイラス2がタブレット3Bから離れたと判断し、ステップS1に処理を戻す。なお、ここでは位置信号を1回検出しなかったことに応じてステップS1に処理を戻しているが、所定回数連続して検出しなかった場合にのみ、ステップS1に処理を戻すこととしてもよい。
スタイラス2からデータ信号を受信するタイミングが到来した場合、タブレット3Bは、まず短縮同期信号PI(スタートビットSB)を送信し(ステップS13)、次いで、全センサ電極30X,30Yのうち直前に特定したスタイラス2の位置近辺にある1以上のセンサ電極のみをスキャンする(ステップS14)。そして、このスキャンによってデータ信号を検出したか否かを判定し(ステップS15)、検出したと判定した場合には、そのデータ信号からデータを抽出することにより、スタイラス2が送信したデータを取得する(ステップS16)。一方、検出しなかったと判定した場合のタブレット3Bは、スタイラス2がタブレット3Bから離れたと判断し、ステップS1に処理を戻す。なお、ここではデータ信号を1回検出しなかったことに応じてステップS1に処理を戻しているが、ステップS11と同様、所定回数連続して検出しなかった場合にのみ、ステップS1に処理を戻すこととしてもよい。また、データ信号の連続未検出回数と位置信号の連続未検出回数との合計が所定回数に達した場合に、ステップS1に処理を戻すこととしてもよい。
図19乃至図21は、スタイラス2が行う処理の処理フロー図である。
<タブレット3Aまたは3Bの検出前>
図19に示すように、スタイラス2は、まず受信動作を実行する(ステップS21)。そして、その結果としてスタートビットSBが検出されたか否かを判定する(ステップS22)。
ステップS22においてスタートビットSBが検出されていないと判定した場合、スタイラス2は、続いて筆圧が0であるか否かを判定する(ステップS24)。その結果、筆圧が0であると判定した場合にはステップS21に戻る一方、筆圧が0でないと判定した場合には、位置信号及びデータ信号の送信を実施する(ステップS25)。これは、アップリンク信号USの送信機能を有しないタブレット3Cとの通信に相当する。スタイラス2は、ステップS25を繰り返しつつ筆圧が0となったか否かの判定を繰り返し(ステップS26)、筆圧が0となったと判定した場合に、タブレット3Cとの通信を終了してステップS21に戻る。
ステップS22においてスタートビットSBが検出されたと判定した場合には、スタイラス2は、続いて種別特定情報が検出されたか否かを判定する(ステップS27)。種別特定情報が検出されない場合というのは、通常は、受信されたスタートビットSBが短縮同期信号PIであった場合であり、その場合には、スタイラス2は処理をステップS21に戻す(ステップS27の否定判定)。一方、種別特定情報により非インセル型のタブレット3Aであることが示される場合、スタイラス2は、非インセル型のタブレットとの通信プロトコルに従って、タブレット3Aとの通信を開始する(図20)。同様に、種別特定情報によりインセル型のタブレット3Bであることが示される場合、スタイラス2は、インセル型のタブレットとの間の通信プロトコルに従って、タブレット3Bとの通信を開始する(図21)。
<タブレット3Aを検出した場合>
図20は、スタイラス2がタブレット3Aを検出した場合のスタイラス2の処理フロー図である。タブレット3Aとの通信を開始したスタイラス2は、同図に示すように、まず位置信号を所定時間にわたって連続送信する(ステップS30)。続いて、受信動作を実行し、コマンドCOMを含むアップリンク信号USの受信を試みる(ステップS31)。そして、その結果としてコマンドCOMが受信されたか否かを判定し(ステップS32)、受信されなかったと判定した場合には、タブレット3Aとの通信を終了してステップS21に戻る。一方、受信されたと判定した場合には、そのコマンドCOMが第2のコマンドを示すものであるか否かを判定する(ステップS33)。
受信したコマンドCOMが第2のコマンドを示すものであると判定した場合、スタイラス2は、位置信号及びデータ信号の送信を実施し(ステップS34)、終了したらステップS31に戻って受信動作を繰り返す。これにより、タブレット3Aが第2のコマンドを送信する都度、スタイラス2が位置信号及びデータ信号を送信する、という処理が繰り返されることになる。
一方、受信したコマンドCOMが第2のコマンドを示すものでないと判定したスタイラス2は、タブレット3Aに自身の存在を知らせるため、ステップS30に戻って位置信号の連続送信を行う。
<タブレット3Bを検出した場合>
図21は、スタイラス2がタブレット3Bを検出した場合のスタイラス2の処理フロー図である。タブレット3Bとの通信を開始したスタイラス2は、同図に示すように、まず位置信号の連続送信を行う(ステップS40)。この連続送信は、コマンドCOMを含むアップリンク信号USの受信タイミング(具体的には、図16に示した第2の期間T1,T21)が到来するまで繰り返される(ステップS41)。
ステップS41でコマンドCOMを含むアップリンク信号USの受信タイミングが到来したと判定した場合、スタイラス2は、受信動作を実行し、コマンドCOMを含むアップリンク信号USの受信を試みる(ステップS42)。そして、その結果としてコマンドCOMが受信されたか否かを判定し(ステップS43)、受信されなかったと判定した場合には、タブレット3Bとの通信を終了してステップS21に戻る。一方、受信されたと判定した場合には、そのコマンドCOMが第2のコマンドを示すものであるか否かを判定する(ステップS44)。
受信したコマンドCOMが第2のコマンドを示すものでないと判定したスタイラス2は、タブレット3Bに自身の存在を知らせるため、ステップS40に戻って位置信号の連続送信を行う。
一方、受信したコマンドCOMが第2のコマンドを示すものであると判定したスタイラス2は、コマンドCOMにより特定される送信データを取得する(ステップS45)。そして、再度受信動作を実行し(ステップS46)、スタートビットSBが検出されたか否かを判定する(ステップS47)。その結果、スタートビットSBが検出されたと判定した場合には、さらにそのスタートビットSBに続いてコマンドCOMが受信されたか否かを判定し(ステップS48)、受信されたと判定した場合にはステップS45に戻り、新たなコマンドCOMにより特定される送信データの取得を再度行う。一方、コマンドCOMが受信されなかったと判定された場合には、図16(b)又は図16(c)に示した各第2の期間Tへの送信内容の割り当てに応じて、位置信号又はデータ信号を送信する(ステップS46)。そして、ステップS46に戻り、再度、スタートビットSBの受信を待機する。
ステップS47でスタートビットSBが検出されなかったと判定した場合、スタイラス2はさらに、最後にスタートビットSBを受信してから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS50)。そして、経過したと判定した場合(すなわち、アップリンク信号USの不検出状態が所定時間継続した場合)には、タブレット3Bとの通信を終了してステップS21に戻る。一方、経過していないと判定した場合には、ステップS46に戻り、再度、スタートビットSBの受信動作を行う。
以上説明したように、本実施の形態によれば、スタイラス2は、コマンドCOMにより示される通信プロトコルの種別により、アップリンク信号USを送信しているタブレットの種別が非インセル型であることが示される場合(タブレット3Aである場合)には、相対的に少数の第1の期間Sを使用して筆圧データP等のデータを送信することによって、データの送信効率を向上させることができる。一方、コマンドCOMにより示される通信プロトコルの種別により、アップリンク信号USを送信しているタブレットの種別がインセル型であることが示される場合(タブレット3Bである場合)には、相対的に多数の第2の期間Tを使用して筆圧データP等のデータを送信することによって、タブレット3Bにおける受信失敗による送信情報の欠落を防止することができる。したがって、非インセル型のタブレット3Aとインセル型のタブレット3Bの両方で使えるようにスタイラス2を構成することが可能になる。
また、スタイラス2は、短縮同期信号PI(スタートビットSB)という簡易な短縮同期信号により、第2の期間Tごとにその到来(各々のブランク期間BPの時刻)を知ることができる。したがって、スタイラス2とタブレット3Bとの間の通信を開始する際に、ブランク期間BPの配置(間隔、継続時間等)を示す情報を含むアップリンク信号USを送信する必要がなくなるので、スタイラス2がインセル型のタブレット3Bからのアップリンク信号USを検出してから、そのタブレット3Bに向けてダウンリンク信号DSの送信を開始するまでに要する時間を短縮することが可能になる。
また、タブレット3Bのコントローラ31は、スタイラス2が検出された後には1つの動作周期VTの中で1回だけコマンドCOMを送信するようにしているので、スタイラス2をタブレット3Bとともに使用する場合における位置検出の実行レートを確保することが可能になる。
図22は、本発明の第2の実施の形態によるタブレット3Bのコントローラ31の、画素駆動時における動作を示す図である。本実施の形態によるコントローラ31は、同図と図8を比較すると理解されるように、画素を駆動している期間(画素駆動期間)にもセンサ電極30Yを送信電極として使用する点で第1の実施の形態と相違し、その他の点では第1の実施の形態と同様である。以下、第1の実施の形態との相違点に着目して、本実施の形態について詳しく説明する。
図23は、本実施の形態によるスタイラス2とタブレット3Bとが通信する場合における、それぞれの動作のタイムチャートである。同図に示すように、本実施の形態によるタブレット3Bのコントローラ31(図3参照)は、センサ電極30X(第1の電極)に画素駆動用電圧Vcomを供給している画素駆動期間に、センサ電極30Y(第2の電極)を用いて、コマンドCOM及び短縮同期信号PIを含むアップリンク信号USの送信を行う。つまり、本実施の形態によるタブレット3Bのコントローラ31は、第1の実施の形態において生じていたセンサ電極30Yの空き時間を有効に活用して、アップリンク信号USの送信を行っている。
本実施の形態によれば、コマンドCOMの送受信が第2の期間Tの外で実行されることから、第2の期間T1をもダウンリンク信号DSの送受信に使用することが可能になる。したがって、第2の期間T1を例えば位置信号の送受信に使用する場合には、スタイラス2の位置検出の実行レートを、第1の実施の形態に比べて向上させることが可能になる。また、第2の期間T1をデータ信号の送受信に使用する場合には、スタイラス2が送信するデータ信号のデータ量を、第1の実施の形態に比べて増加させることが可能になる。さらに、第2の期間T1を指4の位置検出に使用する場合には、指4の位置検出の実行レートを、第1の実施の形態に比べて向上させることが可能になる。
また、本実施の形態によれば、短縮同期信号PIの送受信が第2の期間Tの外で実行されることから、第2の期間Tの全体を利用して、ダウンリンク信号DSの送受信を行うことが可能になる。したがって、1つの第2の期間Tの中で例えば2ビットのデータを送信することが可能になるので、スタイラス2が送信するデータ信号のデータ量を、第1の実施の形態に比べて増加させることが可能になる。また、データ信号のデータ量を維持する場合にはデータ信号の送信頻度を下げることができるので、スタイラス2又は指4の位置検出の実行レートを、第1の実施の形態に比べて向上させることが可能になる。
図24は、本発明の第3の実施の形態によるスタイラス2とタブレット3Bとが通信する場合における、それぞれの動作のタイムチャートである。同図には、タブレット3Bがスタイラス2を検出する前の動作を示している。
上述したように、第1の実施の形態においては、スタイラス2を検出する前のタブレット3Bは、各第2の期間Tにおいてスタイラス2の検出動作と指4の検出動作とを時分割で実行していた。これは、第2の実施の形態においても同様である。これに対し、本実施の形態によるタブレット3Bは、各第2の期間Tにおいては指4の検出動作のみを行い、スタイラス2の検出動作は第2の期間Tの外で行う。本実施の形態は、その他の点では第2の実施の形態と同様であるので、以下では、第2の実施の形態との相違点に着目して詳しく説明する。
図24に示すように、本実施の形態によるタブレット3Bのコントローラ31は、第2の期間T1の開始前にコマンドCOMを含むアップリンク信号USを送信した後、各第2の期間T1の間の時間を利用し、センサ電極30Yのみを用いて、スタイラス2が送信する位置信号の受信動作を行う。センサ電極30Yのみを用いるのでスタイラス2の位置を検出することはできないが、スタイラス2の存在を検出することは可能である。スタイラス2の存在を検出した後には、コントローラ31は、例えば図23に示したように第2の期間Tの中でセンサ電極30X,30Yの両方を用いて位置信号を含むダウンリンク信号DSの受信を行うことによって、スタイラス2の位置を検出することができる。
なお、図24では、第2の期間T1の開始前にも位置信号の受信動作を行うとしているが、時間が足りない場合には、この受信動作は省略することとしてもよい。また、図24には示していないが、本実施の形態によるタブレット3Bのコントローラ31は、第1の実施の形態において第2の期間T21の中で送信していたコマンドCOMを第2の期間T20と第2の期間T21の間に送信しており、この期間における受信動作も省略することとしてもよい。
本実施の形態によれば、タブレット3Bがスタイラス2を検出する前の段階において、指4の位置検出にかけられる時間を、第1の実施の形態に比べて長く確保することが可能になる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
例えば、上記実施の形態では、図18のステップS9~S12に示したように、スタイラス2の位置検出を第2の期間Tごとに実行していたが、第2の期間Tが短く全センサ電極30X,30Yのスキャンができない場合には、全センサ電極30X,30Yのスキャンを行うために複数の第2の期間T(例えば、1動作周期VT内で位置信号の受信に使用されるすべての第2の期間T)を使用することとしてもよい。指4の検出についても同様である。
また、上記実施の形態では、データ信号と位置信号について時間を区別して送信することを述べたが、タブレットがデータ信号に基づいてスタイラス2の位置も特定できる場合など、位置信号の送信を必要としない場合には、位置信号の送信時間をデータ信号の送信時間に置き換えてもよい。
また、上記実施の形態では、液晶表示装置を例に取って説明を行ったが、1表示周期内に複数のブランク期間BPを有するような表示を行うタイプの他の表示装置(例えば有機ELなど)にも本発明は適用可能である。
また、スタイラス2として、タブレット3A、タブレット3B、タブレット3Cとの間で用いる3つの通信プロトコルをサポートするトリプルスタイラスを説明したが、スタイラス2は、これらのうち任意の1つあるいは2つを組み合わせて動作するものであってもよい。
また、スタイラス2は、アップリンク信号USを受信する機能に替えて、ユーザからの操作を受け付けるスイッチ等の入力部を備え、入力部への操作があった場合には、アップリンク信号USを受信せずとも、タブレット3A用、タブレット3B用、タブレット3C用の通信プロトコルを切り替える構成としてもよい。