JP7112771B2 - 抗菌用抗体及びその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、抗菌用抗体及びその用途に関する。
先天性免疫システムは、ホストに潜在的に害になる物質及び侵入する病原体に対する第一線の防御となる。病原体の認識は、先天性免疫細胞においてPRRs(pattern recognition receptors)を介したPAMPs(pathogen-associated molecular patterns)として知られる保存された構造に依存する。TLRs(Toll-like receptors)は、主要なよく研究されたPRRsであり、TLRsの活性化は、サイトカイン、ケモカイン及び多数の免疫細胞を産生して免疫を誘導し、これは、細菌、ウイルス及び寄生虫のような病原体に対する防御を行う。
TLR9(Toll-like receptor 9)は、ホストにおいて免疫調節の効果を誘導するバクテリアDNAを検出する公知の受容体である。バクテリアDNA及びCpGジヌクレオチド(CpG dinucleotide)を含む合成オリゴヌクレオチド(CpG-DNA)は、多数の細胞を活性化して増殖させ、Th1媒介のサイトカインをTLR9の刺激を通じて産生する。
ところが、CpG-DNA刺激によって産生された抗体及びその作用については知られていない。
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、直接患者を相手にする臨床医にとって大きな関心事であり、これは、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌によって引き起こされる感染よりも高い致死率及び発病率を示す。さらに、このような感染は、より長期間の入院時間及び抗菌物質により、さらに高いコストをもたらし、その結果、このような病原体によって感染した患者の治療には、非常に高いコストが発生するようになる。
バンコマイシンは、MRSAによって引き起こされる感染の治療のために選択できる最初の抗菌剤であった。2004年のバンコマイシンに対するMRSA菌株の耐性に対する内容は、医学-科学共同体が懸念を示してきた。現在、MRSAは、現在使用できる全ての薬品に耐性がある病原体、すなわち、恐ろしい「スーパーバグ又はスーパーバクテリア」の最も強力な候補である。
通常、院内感染においてMRSA有病率(全ての感染の中でMRSAによって引き起こされる黄色ブドウ球菌の比率)は、過去数十年にわたって漸進的に増加している。米国の337の病院での1268ICU(集中治療ユニット)を含め、Jarvis et al.によって行われた研究において、ICU内でMRSAによって引き起こされた感染数は、660件から2184件に変更され、有病率も35%から64.4%に増大した。日本において、MRSAによって引き起こされる院内感染(HIs)の有病率は、憂慮すべき数値、すなわち、60%~90%を示す。米国で行われた研究において、百分位数は、1974年2%から1997年50%に変わった。
MRSA菌株は、PBP2aのようなβ-ラクタムクラスで抗菌剤に対する非常に低い親和力を有するペニシリン結合タンパク質を提供する。遺伝子mecAにコード化されるこのような酵素の存在下で、細菌は、甚だしくはβ-ラクタムの存在下でもペプチドグリカンを成功裏に合成する。β-ラクタムに対する耐性以外にも、病院MRSA菌株は、治療のために一番目に選択されるグリコペプチド(バンコマイシン及びテイコプラニン)の使用と共に、他の利用可能な抗菌性クラスに対しても耐性を示す。
PBP2aに対抗してDNAワクチンを使用する2種類の研究は、このようなタンパク質は免疫原性があり、その獲得された免疫反応は、マウスモデルで行われた研究において、MRSAに対抗する防御を付与することができることを示した。しかし、院内感染において、ほとんどの患者は免疫抑制されたことが知られている。このような場合には、ワクチンは、細菌感染を制御するために適切な時間内に防御的抗体を生成できないはずである。
大韓民国公開特許第10-2010-0108428号
本発明は、上記の必要性によって案出されたものであって、本発明の目的は、CpG-DNA刺激によって産生された抗体を提供することである。
本発明の他の目的は、CpG-DNA刺激によって産生された抗体の用途を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明は、CpG-DNAによって産生されたモノクロナール抗体、またはその機能的断片において、前記モノクロナール抗体、またはその機能的断片は、下記のポリペプチド配列からなる群から選択されるいずれか1つのポリペプチド配列を含むことを特徴とするモノクロナール抗体、またはその機能的断片:配列番号1で記載されるCDR1領域、配列番号2で記載されるCDR2領域及び配列番号3で記載されるCDR3領域を含む重鎖と、配列番号4で記載されるCDR1領域、配列番号5で記載されるCDR2領域及び配列番号6で記載されるCDR3領域を含む軽鎖とで構成されるモノクロナール抗体を提供する。
本発明の一具現例において、前記機能的断片は、単一の側鎖抗体(scFv);抗原結合フラグメント(Fab);本発明の抗体のCDR部位を含む軽鎖又は重鎖;及び本発明の抗体のCDR部位を含む可変ドメイン(Variable domain)のうちの1つであることが好ましいが、これに限定されない。
本発明の他の具現例において、前記モノクロナール抗体は、配列番号7又は配列番号15で記載されるポリペプチド配列を含む重鎖、及び配列番号8又は配列番号16で記載されるポリペプチド配列を含む軽鎖であることが好ましいが、これに限定されない。
本発明の他の具現例において、前記CpG-DNAは、配列番号9で記載される塩基配列からなることが好ましいが、これに限定されない。
また、本発明は、前記本発明のモノクロナール抗体またはその機能的断片を有効成分として含む抗菌用組成物を提供する。
本発明の一具現例において、前記組成物は、グラム陽性菌、グラム陰性菌、細胞内寄生細菌(intracellular bacteria)または薬剤耐性菌に対して抗菌活性を有することが好ましく、前記組成物は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、ブドウ球菌、大腸菌、サルモネラまたはリステリアに対する抗菌活性を有することがより好ましいが、これに限定されない。
また、本発明は、CpG-DNAによって産生されたモノクロナール抗体、またはその機能的断片を含む抗菌用組成物を提供する。
本発明の一具現例において、前記モノクロナール抗体、またはその機能的断片は、下記のポリペプチド配列を含むことを特徴とするモノクロナール抗体、またはその機能的断片:配列番号1で記載されるCDR1領域、配列番号2で記載されるCDR2領域及び配列番号3で記載されるCDR3領域を含む重鎖と、配列番号4で記載されるCDR1領域、配列番号5で記載されるCDR2領域及び配列番号6で記載されるCDR3領域を含む軽鎖とで構成されるモノクロナール抗体であることが好ましいが、これに限定されない。
また、本発明は、CpG-DNAを動物に投与して、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、ブドウ球菌、大腸菌、サルモネラまたはリステリアに対する抗菌活性を有する抗体を産生する方法を提供する。
以下、本発明を説明する。
本発明において、本発明者らは、バクテリア-反応性の抗体の産生においてCpG-DNAの新規な機能を提案する。
CpG-DNAでのマウスの前処理は、Methicillin-resistant S.aureus MW2の感染からマウスの生存を増加させ、マウス組織からバクテリアを除去した。CpG-DNAの単独投与は、獲得免疫(adaptive immunity)を増加させる方向に腹腔内で特に免疫細胞群を調節した。S.aureus MW2の感染は、腹腔内、骨髄及び脾臓において全細胞数の大きな減少を誘導した反面、CpG-DNAでマウスの前処理は、一般的に免疫細胞群を保護した。CpG-DNAでマウスの感染は、バクテリア-反応性の抗体の増加を誘導し、これは、腹腔及び血清でTLR9-依存の経路を介して様々な種のバクテリアと結合することができた。CpG-DNAによる腹腔内細胞の刺激は、インビトロでバクテリア-反応性の抗体を誘導した。バクテリア-反応性の抗体は、CpG-DNAに反応して腹腔内B1及びB2細胞の両方から産生し、その抗体は、マウスの腹腔内で食菌作用(phagocytosis)を促進した。バクテリア-反応性のモノクロナール抗体を産生するハイブリドーマ細胞を、CpG-DNAで刺激された-腹膜B細胞から選択した。本発明者らは、バクテリアに反応性を有するモノクロナール抗体を確立し、その抗体配列を、CDR graftingを通じて安定したヒト骨格にヒト化した。その精製されたモノクロナール抗体は、様々なバクテリアに反応性を有し、マクロファージ株及び1次腹腔細胞においてS.aureus MW2の食菌作用を促進した。
バクテリア-反応性のモノクロナール抗体の注射は、S.aureus MW2の感染後、生存率の増加及びバクテリア除去の治療効果を有した。その精製されたバクテリア-反応性のヒト化されたモノクロナール抗体(h3F5H6 IgG)は、様々なバクテリア(G(+)及びG(-)バクテリア)に反応し、ヒト化されたバクテリア-反応性の抗体の注射は、S.aureus MW2及びE.coli K1の感染後、生存率の増加及びバクテリア除去の治療効果を有した。したがって、本発明者らは、CpG-DNAが、腹腔内でバクテリア-反応性の抗体の産生を誘導し、免疫細胞群を保護して免疫システムの抗菌活性を促進することを提案する。
また、本発明者らは、バクテリア感染によって引き起こされる緊急な臨床状況の治療において、その分離されたモノクロナール抗体及びヒト化モノクロナール抗体が有用であることを提案する。
また、本発明は、上記の本発明の抗体または単一の側鎖抗体(scFv)切片を有効成分として含有する医薬組成物を提供する。
また、本発明は、上記の本発明の抗体またはその単一の側鎖抗体(scFv)切片を有効成分として含有する感染予防又は治療用組成物を提供する。
また、本発明は、上記の本発明の抗体またはその単一の側鎖抗体(scFv)切片を有効成分として含有する抗感染組成物を提供する。
本発明の薬学は、薬学的に許容される賦形剤、担体、希釈剤などをさらに含むことができる。
本発明で使用可能な担体としては、タンパク質、ポリペプチド、リポソーム、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、アミノ酸共重合体及び不活性ウイルス粒子のように、ゆっくりと代謝される巨大分子が挙げられる。例えば、ハイドロクロライド、ハイドロブロマイド、ホスフェート及びスルフェートなどの無機酸の塩;アセテート、プロピオネート、マロネート及びベンゾエートなどの有機酸の塩のような薬学的に許容可能な塩;水、塩水、グリセロール及びエタノールのような液体、及び水和剤、乳化剤又はpH緩衝物質などの補助的物質を使用することができる。
薬学的に許容可能な担体に関しては、文献[Remingtion’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,1991]に記載されている。
また、前記組成物は、薬学的分野における通常の方法によって、患者の身体内の投与に適する単位投与型の製剤、好ましくは、タンパク質医薬品の投与に有用な製剤形態で剤形化して、当業界で通常使用する投与方法を用いて、経口、または静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、髓膜腔内、心室内、肺、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、消化管内、局所、舌下、膣内又は直腸経路を含む非経口投与経路によって投与されてもよいが、これらに限定されるものではない。
このような目的に適する剤形としては、錠剤、丸剤、糖剤(dragee)、散剤、カプセル剤、シロップ剤、溶液剤、ゲル剤、懸濁剤、エマルション、マイクロエマルションなどの様々な経口投与用製剤;及び注射用アンプルのような注射剤、注入剤及びハイポスプレー(hypospray)のような噴霧剤などのような非経口投与用製剤が好ましい。注射又は注入用製剤の場合には、懸濁液、溶液またはエマルションなどの形態を取ることができ、懸濁化剤、保存剤、安定化剤及び/又は分散剤のような製剤化剤を含むことができる。また、前記抗体分子は、使用の前に適切な無菌液体で再調整して使用できる乾燥された形態で製剤化されてもよい。
本発明の組成物は、有効成分として、消化管内で分解されやすい抗体分子を含むので、前記組成物が消化管を用いる経路によって投与されなければならない場合には、分解から抗体を保護し、抗体を放出した後には消化管に吸収される薬剤を含むことが好ましい。
本発明ではまた、本発明の抗体を前記に記載されたような様々な方法により動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトに投与する段階を含む感染症を予防又は治療する方法を提供する。
本発明の組成物又は薬学的製剤の有効成分として前記抗体は、ヒトを含む哺乳動物に対して、一日に0.001~50mg/kg体重、好ましくは0.1~20mg/kg体重を1回又は数回に分けて投与することができる。しかし、有効成分の実際の投与量は、予防又は治療しようとする疾患、疾患の重症度、投与経路、患者の体重、年齢及び性別、薬剤の組み合わせ、反応敏感性及び治療に対する耐性/反応などの様々な関連因子に照らして決定されなければならないものと理解されるべきであり、したがって、前記投与量は、いかなる面でも本発明の範囲を限定するものではない。
本発明の機能的抗体断片としては、軽鎖、重鎖、可変領域、Fab、Fab’、F(ab’)、scFv、Diabody、Tribody、dsFv、CDRを含有するペプチドなどが挙げられる。
Fabは、IgGをタンパク質分解酵素パパインで処理して得られる断片のうち(重鎖の224番目のアミノ酸残基で切断される)、重鎖のN末端側約半分と軽鎖全体がジスルフィド結合(S-S結合)で結合された分子量約5万の抗原結合活性を有する抗体断片である。
本発明のFabは、本発明の抗体をタンパク質分解酵素パパインで処理して得ることができる。または、当該抗体のFabをコードするDNAを原核生物用発現ベクター又は真核生物用発現ベクターに挿入し、当該ベクターを原核生物又は真核生物へ導入することによって発現させ、Fabを製造することができる。
F(ab’)は、IgGをタンパク質分解酵素ペプシンで処理して得られる断片のうち(重鎖の234番目のアミノ酸残基で切断される)、Fabがヒンジ領域のS-S結合を介して結合されたものよりやや大きい、分子量約10万の抗原結合活性を有する抗体断片である。
本発明のF(ab’)は、本発明の抗体をタンパク質分解酵素ペプシンで処理して得ることができる。または、下記のFab’をチオエーテル結合あるいはS-S結合させて作製することができる。Fab’は、前記F(ab’)のヒンジ領域のS-S結合を切断した分子量約5万の抗原結合活性を有する抗体断片である。
scFvは、1本のVHと1本のVLとを12残基以上の適当なペプチドリンカー(P)を使用して連結したVH-P-VLないしはVL-P-VHポリペプチドであって、抗原結合活性を有する抗体断片である。
本発明のscFvは、本発明の抗体のVH及びVLをコードするcDNAを収得し、scFvをコードするDNAを作製し、当該DNAを原核生物用発現ベクター又は真核生物用発現ベクターに挿入し、当該発現ベクターを原核生物又は真核生物へ導入することによって発現させて製造することができる。
Diabodyは、抗原結合特異性が同一または異なるscFvが2量体を形成した抗体断片であり、同じ抗原に対する2価の抗原結合活性、または異なる抗原に対する2特異的な抗原結合活性を有する抗体断片である。
本発明のDiabodyは、例えば、本発明の抗体のVH及びVLをコードするcDNAを収得し、3~15残基のポリペプチドリンカーを有するscFvをコードするDNAを作製し、当該DNAを原核生物用発現ベクター又は真核生物用発現ベクターに挿入し、当該発現ベクターを原核生物又は真核生物へ導入することによってDiabodyを発現させて製造することができる。
また、linker Pの長さが3~10であるときはtribodyが形成されて、tribodyで含むことができる。
dsFvは、VH及びVL中のそれぞれ1つのアミノ酸残基をシステイン残基に置換したポリペプチドを、当該システイン残基間のS-S結合を介して結合させたものをいう。システイン残基に置換されるアミノ酸残基は、Reiterなどによって記載された方法[参照:Protein Engineering,7,697(1994)]に従って、抗体の立体構造予測に基づいて選択することができる。
本発明を通じて分かるように、本発明の抗体は、免疫細胞群を保護して免疫システムの抗菌活性を促進する。
CpG-DNAがS.aureus MW2の感染からマウスを保護することを示した図である。(A)実験過程の模式図。BALB/cマウスにi.p.でCpG-DNA 1826を投与した。7日後、マウスにi.v.でS.aureus MW2(1×10 CFU)を注射した。(B)マウスの生存を、S.aureus MW2感染7日後に記録した。各処理群における生存マウスのパーセントを示した(n=10/group)。(C)S.aureus MW2感染2日後、そのマウスを犠牲にし、指示された組織を除去し、PBS溶液で均質化した。その溶液を希釈し、アガープレートにプレーティングして、S.aureus MW2(n=5/group)のCFU(colony forming unit)を測定した。(D)感染2日後、指示された組織の組織病理。スケールバー、10μm。1826、CpG-DNA 1826;MW2、S.aureus MW2。この結果は、3回の独立した実験の代表値で示した。 S.aureus MW2の感染後、マウスの腹腔、脾臓及び骨髄で細胞群の変化を示した図である。BALB/cマウスにi.p.でCpG-DNA 1826を投与し、7日後、そのマウスにi.v.でS.aureus MW2(1×10 CFU)を注射し、2日後、マウスを犠牲にし、腹腔、脾臓細胞及び骨髄細胞を集めて蛍光付き抗体で染色し、流動細胞分析法を通じて細胞群を分析した。(A)腹腔細胞、(B)骨髄細胞。(C)脾臓細胞。n=3/group。1826、CpG-DNA 1826。MW2、S.aureus MW2。この結果は、3回の独立した実験の代表値で示した。 CpG-DNA 1826の投与によるマウスの腹腔内の抗体の産生を示した図である。マウスにi.p.でCpG-DNA 1826又はnon-CpG-DNA 2041を記載された時間の間に投与し、投与1、3及び7日目に腹腔(A)及び血清(B)の上澄液を集めて全IgGのレベルをELISAで測定した(n=3/group)。この結果は、3回の独立した実験の代表値で示した。 マウスの腹腔及び血清においてCpG-DNA 1826の投与によるバクテリア-反応性の抗体の生成を示した図である。(A,B)BALB/cマウスにi.p.でCpG-DNA 1826を投与し、7日後、そのマウスにi.v.でS.aureus MW2(1×10 CFU)を注射し、2日後、マウスを犠牲にし、腹腔及び血清の上澄液をマウスから集めた。腹腔(A)及び血清(B)のバクテリア-反応性の抗体を、S.aureus MW2コーティングされたプレートを使用してキャプチャーし(n=3/group)、総IgG及び各IgG isotypeの量をELISAで測定した。1826、CpG-DNA 1826。MW2、S.aureus MW2。(C-F)BALB/c(C,D)及びTLR9-/-(E,F)マウスにi.p.でCpG-DNA 1826を投与し、7日後、腹腔(C,E)及び血清(D,F)の上澄液を集めた。グラム(Gram)陽性バクテリアに反応する抗体の量を測定するために、記載されたバクテリアをpoly-L-lysineコーティングされたプレートにコーティングした。総IgGの量をELISAで決定した(n=3/group)。この結果は、3回の独立した実験の代表値で示した。 マウスの腹腔細胞においてCpG-DNA 1826の処理でインビトロでバクテリア-反応性の抗体の生成を示した図である。BALB/cマウスにi.p.でPBS、CpG-DNA 1826またはnon-CpG-DNAを7日間投与した。(A)腹腔の細胞を集めてPBS、CpG-DNA 1826またはnon-CpG-DNA 2041で刺激し、48時間後、細胞培養上澄液を集めて総IgGの量をELISAで測定した(n=3/group)。(B)PBS注射されたマウス由来の腹腔細胞にPBS、CpG-DNA 1826またはnon-CpG-DNA 2041で刺激した。グラム陽性バクテリアに反応する抗体の量を測定するために、記載されたバクテリアをpoly-L-lysineコーティングされたプレートにコーティングし、細胞培養上澄液を適用した。総IgGの量をELISAで決定した(n=3/group)。(C)BALB/cにi.p.でPBSまたはCpG-DNA 1826を投与した後、腹腔のB1及びB2細胞を、FACSAriaTM IIで蛍光標識された抗マウス(anti-mouse)CD19及び抗マウスCD23抗体で分離した。(D及びE)腹腔由来の分離されたB1細胞及びB2細胞を、PBSまたはCpG-DNA 1826で刺激し、48時間後、細胞培養上澄液を集めた。総IgG(D)及びグラム陽性バクテリアに反応する抗体(E)の量を、ELISAで決定した(n=3/group)。1826、CpG-DNA 1826;2041、non-CpG-DNA 2041。この結果は、3回の独立した実験の代表値で示した。 マウスマクロファージ株においてCpG-DNA 1826-誘導された多クローン抗体による食菌作用の増加を示した図である。(A及びB)BALB/cマウスにi.p.でPBS(A)またはCpG-DNA 1826(B)を投与し、7日後、腹腔の上澄液を集めて、多クローン抗体をプロテインA親和ビーズで精製した。その精製された抗体を還元(reducing;R)または非還元(non-reducing;NR)サンプルバッファーで処理し、SDS-PAGEの後、Coomassie brilliant blue R-250溶液で染色した。(C)抗体(10μg/ml)のS.aureus MW2に対する結合能力をELISAで測定した。PC Ab、PBS-投与された腹腔由来の精製された抗体。1826 PC Ab、CpG-DNA 1826-投与された腹腔由来の精製された抗体。吸光度を450nmで読んだ。(D)FITC-標識されたS.aureus MW2(3×10 CFU/ml)を、PBS、PC Abまたは1826 PC Ab(10μg/ml)で1時間培養し、RAW264.7細胞に処理し、1時間後、RAW264.7細胞をPBSで洗浄し、固定化した後、Hoechst No.33258で染色して核(blue)を観察した。共焦点イメージは、S.aureus MW2の食菌作用を示す。スケールバー、10μm。(E)食菌作用指数を分析した(n=3/group)。食菌作用指数は、マクロファージによって摂取されたFITC-標識されたS.aureus MW2の数を意味する。この結果は、3回の独立した実験の代表値で示した。 バクテリア-反応性のモノクロナール抗体を生成するHAT及びHT培地でハイブリドーマクローンのスクリーニングを示した図である。(A)HAT培地で細胞融合実験の初期スクリーニングのELISA結果。CpG-DNA 1826-投与されたマウスの腹膜細胞を集めてマウスSP2/0 myeloma細胞と融合した。バクテリア-反応性の抗体-産生ハイブリドーマクローンを、S.aureus MW2コーティングされたプレートを使用してHAT培地でスクリーニングした。(B)S.aureus MW2コーティングされたプレートを使用した図7A由来の6クローンのELISA結果。(C)S.aureus MW2コーティングされたプレートを使用した図7B由来の4クローンのELISA結果。(D)図7A由来の3F5ハイブリドーマクローンからバクテリア-反応性の抗体を産生するクローンを選択するために、HT培地でリミッティング希釈方法を用いてサブクローニングした。(E)バクテリア結合に対するハイブリドーマクローン培養上澄液をELISAを使用して分析した。 ハイブリドーマ細胞クローン3F5H6から分離された重鎖及び軽鎖の可変ドメインのcDNA配列を示す。(A)重鎖可変ドメインの配列。(B)軽鎖可変ドメインの配列。予測アミノ酸配列をcDNA配列の下に記載する。 CpG-DNA 1826-刺激されたマウス腹腔のB細胞から産生されたモノクロナール抗体による食菌作用の増加を示した図である。(A)バクテリア-反応性のモノクロナール抗体の産生。バクテリア-反応性のモノクロナール抗体を産生するハイブリドーマ細胞(3F5H6クローン)を、標準ハイブリドーマ技術によってCpG-DNA 1826-投与されたマウス腹腔のB細胞から得た。3F5H6クローンによって誘導されたマウスの腹水(ascite)を分離して、そのモノクロナール抗体をプロテインA親和カラムクロマトグラフィーで精製し、SDS-PAGEの後、Coomassie brilliant blue R-250溶液で染色した。R、reducing;NR、non-reducing。(B)モノクロナール抗体のisotypeを、S.aureus MW2-コーティングされたプレートを使用してELISAで決定した。(C)抗体のバクテリア-反応性を、ELISAで記載されたグラム陽性(Gram-positive)バクテリア-コーティングされたプレートを使用して評価した(n=3/group)。(D-G)FITC-標識されたS.aureus MW2細胞(3×10 CFU/mL)を、PBS、正常マウスIgGまたはm3F5H6モノクロナール抗体(10μg/mL)で1時間培養し、インビトロでRAW264.7細胞(D及びE)及び腹腔細胞(F及びG)に処理し、1時間後、その細胞をPBSで洗浄し、固定化した後、Hoechst No.33258で染色して核(blue)を観察した。(D及びF)共焦点イメージは、S.aureus MW2の食菌作用を示す。スケールバー、10μm。RAW、RAW264.7細胞;(E及びG)食菌指数を分析した(n=3/group)。(H)バクテリア-反応性のモノクロナール抗体による食菌作用の増加。FITC-標識されたS.aureus MW2細胞(3×10 CFU/mL)を正常マウスIgGまたはm3F5H6モノクロナール抗体(10μg/mL)で1時間培養し、i.p.でBALB/cマウスに注射し、1時間後、腹膜細胞をマウスから集めて、マクロファージ、樹状細胞及び好中球に対して特定細胞特異的なマーカーを用いて染色した。食菌作用のレベルを流動細胞分析法により分析した(n=3/group)。この結果は、3回の独立した実験の代表値で示した。 CpG-DNA 1826-刺激されたマウス腹腔のB細胞から産生されたモノクロナール抗体(m3F5H6モノクロナール抗体)のバクテリア-反応性の特性を示した図である。(A)バクテリア-反応性のモノクロナール抗体(m3F5H6)または正常マウスIgG(Nor mIgG)を、Gram(-)バクテリア(E.coli K1,A.baumannii,P.aeruginosa,K.pneumoniae 11418,K.pneumoniae 40145,K.pneumoniae 41293)でコーティングされたプレートを使用してキャプチャーし(n=3/group)、滴定曲線をELISAで測定した。(B)バクテリア-反応性のモノクロナール抗体(m3F5H6)または正常マウスIgG(Nor mIgG)を、細胞内寄生バクテリア(L.monocytogenes,S.typhimurium)でコーティングされたプレートを使用してキャプチャーし(n=3/group)、滴定曲線をELISAで測定した。 バクテリア-反応性のモノクロナール抗体のS.aureus MW2-感染したマウスの生存率に対する効果を示した図である。(A)実験過程の概略図。(B)8週齢の雌BALB/cマウスに、i.v.でS.aureus MW2(1.5×10 CFU)を注射した後、i.v.でPBS、正常マウスIgGまたはm3F5H6 IgG(25mg/Kg mouse)を注射した後、生存率を7日間モニターした(n=10/group)。(C)S.aureus MW2感染2日後、記載された組織でS.aureus MW2のCFUを決定した(n=5/group)。(D)感染後2日目に記載された組織の組織病理(D2)。(E)感染後30日目に記載された組織の組織病理(D30)。スケールバー、10μm。MW2、S.aureus MW2。この結果は、3回の独立した実験の代表値で示した。 ヒト化抗体の構築のための配列分析、及び本発明の野生型マウス由来の抗体であるm3F5H6、ヒト化抗体の構築に使用されたヒトVH1-Vk1 subtype骨格を有するサマリズマブ(Samalizumab)抗体、ヒト化抗体であるh3F5H6のアミノ酸配列を可変重鎖と可変軽鎖とに分けて一直線に整列した図である。大括弧([])は、それぞれのCDR領域を示し、下線は、バーニヤ領域に該当するアミノ酸を示し、アスタリスク(*)は、親和度の維持のために、マウスm3F5H6野生型抗体から由来したアミノ酸に逆置換した部分を示す。黒三角(▲)は、バーニヤ領域に該当しないアミノ酸を、親和度の維持のために、マウスm3F5H6野生型抗体から由来したアミノ酸に逆置換した部分を示す。このとき、CDR領域は、Kabatナンバリングナンバリングに従って定義した。 ヒト化されたバクテリア-反応性の抗体(h3F5H6)の精製を示した図である。ヒト化されたバクテリア-反応性の抗体(h3F5H6 IgG)をプロテインA(Protein-A)アガロースカラムクロマトグラフィーを使用して精製し、SDS-PAGE及びクーマシーブルー(Coomassie blue)染色で同定した。 バクテリアを認知するヒト化バクテリア-反応性の抗体(h3F5H6)の特性を示した図である。(A)ヒト化されたバクテリア-反応性の抗体(h3F5H6 IgG)または正常ヒトIgGを、Gram(+)バクテリア(S.aureus,S.aureus MW2,S.epidermidis,S,pyogenes)でコーティングされたプレートを使用してキャプチャーし(n=3/group)、滴定曲線をELISAで測定した。(B)ヒト化されたバクテリア-反応性の抗体(h3F5H6 IgG)または正常ヒトIgG(正常hIgG)を、Gram(-)バクテリア(A.baumannii,E.coli K1,P.aeruginosa,K.pneumoniae 11418,K.pneumoniae 40145,K.pneumoniae 41293)でコーティングされたプレートを使用してキャプチャーし(n=3/group)、滴定曲線をELISAで測定した。 バクテリアを認知するヒト化バクテリア-反応性の抗体(h3F5H6)の特性を示した図である。ヒト化されたバクテリア-反応性の抗体(h3F5H6 IgG)または正常ヒトIgGを、細胞内寄生バクテリア(L.monocytogenes,S.typhimurium)でコーティングされたプレートを使用してキャプチャーし(n=3/group)、滴定曲線をELISAで測定した。 ヒト化されたバクテリア-反応性の抗体(h3F5H6)のS.aureus MW2-感染したマウスの生存率に対する効果を示した図である。(A)実験過程の概略図。(B)8週齢の雌BALB/cマウスに、i.v.でS.aureus MW2(1.5×10 CFU)を注射した後、i.v.でPBS、正常ヒトIgG(正常hIgG)またはh3F5H6 IgG(25mg/Kg mouse)を注射した後、生存率を7日間モニターした(n=10/group)。(C)感染後2日目に記載された組織の組織病理(D2)。スケールバー、10μm。MW2、S.aureus MW2。 コブラ毒因子(cobra venom factor;CVF)をマウスの腹腔に投与して補体(complement)を除去し、このマウスにおいて、ヒト化されたバクテリア-反応性の抗体(h3F5H6)のS.aureus MW2-感染したマウスの生存率に対する効果を示した図である。(A)実験過程の概略図。(B)8週齢の雌BALB/cマウスに、i.p.でCVF(30μg/mouse)を投与し、6時間後に、i.v.でS.aureus MW2(1×10 CFU)を注射した後、i.v.でPBSまたはh3F5H6 IgG(25mg/Kg mouse)を注射した後、生存率を7日間モニターした(n=10/group)。 CpG-DNAがE.coli K1感染からマウスを保護することを示した図である。(A)実験過程の模式図。BALB/cマウスに、i.p.でCpG-DNA 1826を投与した。7日後、マウスに、i.p.でE.coli K1(1×10 CFU)を注射した。(B)マウスの生存を、E.coli K1感染の2日間記録した。各処理群における生存マウスのパーセントを示した(n=12/group)。(C)E.coli K1感染1日後、そのマウスを犠牲にし、指示された組織を除去し、PBS溶液で均質化した。その溶液を希釈し、アガープレートにプレーティングして、E.coli K1(n=5/group)のCFU(colony forming unit)を測定した。(D)感染1日後、指示された組織の組織病理。スケールバー、10μm。1826、CpG-DNA 1826。 CpG-DNAが、E.coli K1感染から、補体(complement)が除去されたマウスを保護することを示した図である。(A)CVFが補体を除去することを確認する実験過程の模式図。(B)BALB/cマウスにi.p.でCpG-DNA 1826を投与した。7日後、マウスにi.p.でCVF(30μg/mouse)を投与し、血清において補体(C)の量をELISAによって測定した。(C)補体が除去されたマウスにおいて、CpG-DNAが、E.coli K1感染からマウスを保護する実験過程の模式図。(D)BALB/cマウスにi.p.でCpG-DNA 1826を投与した。7日後、マウスにi.p.でCVF(30μg/mouse)を投与し、6時間後に、マウスにi.p.でE.coli K1(3×10 CFU)を注射した(n=12/group)。マウスの生存を、E.coli K1感染の2日間記録した。 ヒト化されたバクテリア-反応性の抗体(h3F5H6)のE.coli K1-感染したマウスの生存率に対する効果を示した図である。8週齢の雌BALB/cマウスにi.p.でE.coli K1(5×10 CFU)を注射した後、i.v.でPBS、正常ヒトIgG(正常hIgG)またはh3F5H6 IgG(25mg/Kg mouse)を注射した後、生存率を18時間モニターした(n=10/group)。
以下、非限定的な実施例によって本発明をより詳細に説明する。但し、以下の実施例は、本発明を例示するための意図で記載されたものであって、本発明の範囲は、以下の実施例によって制限されるものと解釈されない。
実施例1:実験動物
8週齢のBABL/cマウスをNara Biotech,Inc.(Seoul,Korea)から購入し、BALB/c TLR9ノックアウトマウスは、Oriental Bioservice,Inc.(Kyoto,Japan)から購入した。そのマウスを、特定の無菌(SPF)条件にて、適当な温度(20~25℃及び湿度(32~37%)で維持した。そのマウスを、痛みを最小化するためにイソフルラン(isoflurane)(JW Pharmaceutical,Seoul,Korea)麻酔下で犠牲にした。全ての動物研究のプロトコルは、翰林大学の動物実験倫理委員会の承認を受けた(Permit Number:Hallym 2014-66,2015-54,2016-22,2016-36)。
実施例2:CpG-DNA
CpG-DNA 1826及びnon-CpG-DNA 2041をGenoTech(Daejeon,Korea)から購入した。この配列の骨格をホスホロチオエート(phosphorothioate)で変形した。下記のオリゴデオキシヌクレオチドの配列を使用した:CpG-DNA 1826、5’-TCCATGA CGTTCCTGA CGTT-3’(配列番号9)、non-CpG-DNA 2041、5’-CTGGTCTTTCTGGTTTTTTTCTGG-3’(配列番号10)。non-CpG-DNA 2041を陰性対照群として使用した。CpG-DNA 1826を蒸留水で希釈し、50μgのCpG-DNA 1826を、記載された時間の間、マウスに腹腔(i.p.)注射した。
実施例3:バクテリアの培養及びインビボ感染の研究
S.aureus(KCCM 12103)、Staphylococcus epidermidis(S.epidermidis,KCCM 40416)、Streptococcus pyogenes(S.pyogenes,KCCM 11873)、A.baumannii(KCCM 40203)、E.coli K1(KCCM 12119)、Pseudomonas aeruginosa(P.aeruginosa,KCCM 11803)、K.pneumoniae 11418(KCCM 11418)、K.pneumoniae 40145(KCCM 40145)、K.pneumoniae 41293(KCCM 41293)を韓国微生物保存センタ(KCCM,Seoul,Korea)から購入した。S.aureus、菌株MW2(MRSA)は、イ・ボクリュル教授(Pusan National University)から得た。Listeria monocytogenes(L.monocytogenes)は、イ・グンウク教授(Hallym University)から得、Salmonella typhimurium(S.typhimurium)は、パク・ユンギョン教授(Chosun University)から得た。
S.aureus MW2及びL.monocytogenesを除いた全ての菌株は、37℃でLysogeny broth(LB)にて培養した。S.aureus MW2を37℃で2%NaClが補充されたColumbia brothにて培養した。L.monocytogenesは、Brain Heart Inclusion(BHI)培地で培養した。全てのバクテリアを一晩培養し、1/50希釈された新鮮培地でOD6000.5~0.6、対数期の中間に達するまで再培養し、集めた。S.aureus MW2をPBSで洗浄し、遠心分離した後、PBSに5×10 CFU(colony forming units)/mLで懸濁した。0.2mLのバクテリア懸濁液を、マウスに静脈内(i.v.)又は腹腔内(i.p)注射した。注射されたマウスを2日又は7日間、死亡率又は回復を観察した。本発明者らは、感染したマウスから、生存率、組織病理、組織でのバクテリアロード(CFU)、組織の細胞群を調査し、腹腔及び血清における抗体の量を測定した。
実施例4:H&E染色
各組織のパラフィン(Paraffin)充填及び切片を、通常の方法(Kwon,S.,D.Kim,B.K.Park,S.Cho,K.D.Kim,Y.E.Kim,C.S.Park,H.J.Ahn,J.N.Seo,K.C.Choi,D.S.Kim,Y.Lee,and H.J.Kwon.2012.PLoS One 7:e33121;Weiss,A.T.,N.M.Delcour,A.Meyer,and R.Klopfleisch.2011.Vet Pathol 48:834-838)により製造した。
マウスにS.aureus MW2を感染させた後、肝臓、肺、腎臓及び脾臓を含む組織を準備し、スライドにマウントし、40℃で一晩乾燥した後、その組織スライドを60℃で30分間培養してパラフィンを溶かした。その組織をキシレン(xylene)で培養し、一連の100~70%エタノールで再水和し、蒸留水で洗浄した。組織をGill’s Hematoxylin V(Muto Pure Chemicals,Tokyo,Japan)で染色し、水で洗浄し、エオシン(Eosin)Y溶液(Sigma-Aldrich,St.Louis,MO,USA)で2次的に染色した。染色された組織を70~100%エタノールで脱水し、キシレンで培養し、Malinol(Muto Pure Chemicals)でマウントした。染色された組織をEclipse E200顕微鏡(Nikon,Japan)で観察した。
実施例5:CFU(colony forming units)の分析
感染後2日目に、各組織を集めて、重量を測り、PBSで2mLチューブ(Eppendorf,Hamburg,Germany)にてステンレススチールビーズ(Qiagen,Hilden,Germany)で均質化した。その混合溶液を、Columbia broth-Bactoアガーを含む6ウェルプレートに移した後、コロニーを37℃で一晩培養した後、カウントした。
実施例6:血清、腹膜細胞、脾臓細胞、及び骨髄細胞の調製
マウスにおいてS.aureus MW2で感染2日後、マウスをイソフルランで麻酔した。血清を、心臓パンチング方法によりマウスから得た。
Fortier,A.H.,and L.A.Falk.2001.Curr Protoc Immunol Chapter 14:Unit 14 11;Pineda-Torra,I.,M.Gage,A. de Juan,and O.M.Pello.2015.Methods Mol Biol 1339:101-109;Ray,A.,and B.N.Dittel.2010.J Vis Exp.;Stagg,A.J.,F.Burke,S.Hill,and S.C.Knight.2001.Methods Mol Med 64:9-22に記載されているように、腹膜細胞、脾臓細胞、及び骨髄細胞を、マウスから、5%牛胎児血清(FBS)を含むRPMI 1640培地に集めた。
細胞を集めた後、赤血球を赤血球破砕バッファー(140mM NHCl、20mM Tris-HCl(pH7.2))により除去した。その調製された細胞をインビトロにてCpG-DNAで刺激するために、5%牛胎児血清(FBS)を含むRPMI 1640培地で懸濁し、96ウェル組織培養プレート(BD Falcon,Falcon,Mexico)に分注した。
実施例7:流動細胞分析法
マウスから準備された細胞を、10分間、抗マウス(anti-mouse)CD16/32(BD Biosciences,San Jose,CA,USA)でブロッキングし、下記の蛍光標識抗体:抗マウスCD8、CD11c、CD3、CD4、CD11b、CD19(BD Biosciences,USA)、CD23、F4/80、Ly-6G抗体(eBioscience,San Diego,CA USA)で染色した。そのサンプルを、1%FBSを含むPBSで洗浄し、FACSCantoTM II(Becton Dickinson,Franklin Lakes,NJ,USA)により分析した。
実施例8:ELISA
マウスにCpG-DNA 1826投与及び/又はS.aureus MW2感染によるバクテリア-特異的な抗体の生成を決定するために、本発明者らは、poly-L-lysineコーティングされたプレート(Corning Inc,Corning city,NY,USA)を使用した。一晩成長したバクテリアを、2回、PBSで10,000rpmで15分間遠心分離して洗浄し、通常のELISAコーティングバッファーに再浮遊した。
各ウェルを、100uLの再懸濁されたバクテリアで、4℃で一晩コーティングした。培養後、そのバクテリアを、0.5%グルタルアルデヒド(glutaraldehyde)でPBSにて15分間常温で固定した。PBSで2回洗浄した後、各ウェルを、100mMグリシン及び0.1%BSAを含むRPMI 1640溶液で培養し、PBSで2回洗浄した。そのバクテリアコーティングされたウェルを、1%BSAを含むPBSにて常温で1時間ブロッキングした。
血清、腹腔の上澄液及び腹膜細胞の培養又は精製された抗体を、各ウェルに継代希釈して添加し、常温で1時間培養した。そのサンプルを、PBS-T(0.2% Tween-20 in PBS)で3回洗浄し、HRP(horse radish peroxidase)標識ヒツジ抗マウス(goat anti-mouse)IgG(BD Biosciences,San Jose,CA,USA)、IgG1、IgG2a、IgG2b、またはIgG3(Southern Biotech,Birmingham,AL,USA)を含む抗体を、常温で1時間ウェルに添加した。
PBS-Tで4回洗浄した後、TMB Microwell Peroxidase Substrate Kit(KPL,Gaithersburg,MD,USA)を青色(blue-color)の表現に使用し、TMB Stop溶液(KPL)で黄色(yellow-color)を維持するために固定化し、450nmでSpectra Max 250 microplateリーダ(Molecular Devices,Sunnyvale,CA,USA)を使用して吸光度を測定した。
ELISAで抗体の量を決定するために、ヒツジ抗マウスIgG(BD Biosciences)を4℃で一晩コーティングした。そのウェルを、1%BSAを含むPBSで1時間常温でブロッキングし、総IgG及びIgG isotypesの量を、Kwon,S.,D.Kim,B.K.Park,S.Cho,K.D.Kim,Y.E.Kim,C.S.Park,H.J.Ahn,J.N.Seo,K.C.Choi,D.S.Kim,Y.Lee,and H.J.Kwon.2012.PLoS One 7:e33121に記載されているようにELISAで測定した。
実施例9:インビトロでCpG-DNAでマウス腹膜細胞の刺激
腹膜細胞を、5%FBSを含むRPMI 1640培地にマウスから集めた。赤血球を除去した後、その細胞を、5%FBSを含むRPMI 1640培地で洗浄し、100U/mLのペニシリン及び100μg/mLのストレプトマイシンを含む5%FBSを含むRPMI 1640培地で培養した。5μg/mLのCpG-DNA 1826を各細胞培養プレートに処理した。48時間後、細胞培養上澄液を集めて抗体の量を定量化するために、ELISAで分析した。
実施例10:マウス腹膜細胞由来のB細胞のソーティング(sorting)
抗マウスCD19(BD Bioscience)をB細胞の指定のために染色し、抗マウスCD23(eBioscience)をB1及びB2細胞の分離されたソーティングのために染色した。抗マウスCD3(BD Bioscience)を、リンパ球からnon-B細胞を分離するために、T細胞の染色に使用した。腹膜細胞を抗体で染色し、洗浄し、ソーティングバッファー(sorting buffer)(1mM EDTA,25mM HEPES pH7.0,1% FBS diluted in PBS)で懸濁した。B1細胞及びB2細胞をFACSAriaTM II(Becton Dickinson)でソーティングした。
実施例11:マウスの腹腔から多クローン抗体の精製
マウスにi.p.でPBS又はCpG-DNA 1826を投与し、7日後に、腹腔の上澄液を遠心分離によって得て腹膜細胞を除去した。腹腔の細胞が除去された上澄液の多クローン抗体を、プロテインA親和クロマトグラフィー(Protein A affinity chromatography)(Repligen,Waltham,MA,USA)により精製し、SDS-PAGEで分析した。S.aureus MW2に対するこれら抗体の結合力を、前記のようにELISAで測定した。
実施例12:バクテリア-反応性のモノクロナール抗体を得るための腹腔のB細胞からハイブリドーマ細胞の産生
バクテリア-反応性の抗体を生成するハイブリドーマ細胞を得るために、BALB/cマウスに、i.p.で50μgのCpG-DNA 1826を注射した。マウスの腹膜細胞を7日後に集めて、マウスSP2/0 myeloma細胞と融合し、バクテリア-反応性の抗体-生成ハイブリドーマクローン(m3F5H6)を標準ハイブリドーマ技術(Kim,D.,S.Kwon,J.W.Rhee,K.D.Kim,Y.E.Kim,C.S.Park,M.J.Choi,J.G.Suh,D.S.Kim,Y.Lee,and H.J.Kwon.2011.BMC Immunol 12:29;Yokoyama,W.M.,M.Christensen,G.D.Santos,and D.Miller.2006.Curr Protoc Immunol Chapter2:Unit 2 5)によりスクリーニングした。
腹水を得るために、BALB/cマウスにi.p.でプリスティンを注射した後に、ハイブリドーマクローンを注射した。9~11日後、腹水をマウスの腹腔から集めた。そのモノクロナール抗体を、腹水からプロテインA親和クロマトグラフィー(Repligen)を使用して精製し、SDS-PAGEで分析した。Isotype及びモノクロナール抗体のバクテリア-反応性を、前記のようにELISAで測定した。
実施例13:バクテリア-反応性のモノクロナール抗体の可変重鎖及び軽鎖(Fab)のクローニング
バクテリア-反応性のモノクロナール抗体(m3F5H6)を産生するハイブリドーマ細胞を培養し、全RNAをハイブリドーマ細胞から抽出し、cDNAを逆転写で合成した。バクテリア-反応性のモノクロナール抗体のFab配列をクローニングするために、生成したcDNAをAccuPrime Taq DNAポリメラーゼ(Invitrogen)、及び次のプライマーを使用して増幅した。:重鎖primers、IGG2b:GGAAGATCTAGGGGCCAGTGGATAGACTGATGG(配列番号11)、5’MH2:CTTCCGGAATTCSARGTNMAGCTGSAGSAGTCWGG(配列番号12);kappa chain primers、3’Kc:GGTGCATGCGGATACAGTTGGTGCAGCATC(配列番号13)、5’Mk:GGGAGCTCGAYATTGTGMTSACMCARWCTMCA(配列番号14)。
標準PCR反応を25サイクル行った。PCR産生物をpGEM-Tイージーベクター(Promega)に直接ライゲーションした。クローニングされたマウスIg挿入物をDNA塩基配列分析法により分析した。
実施例14:可変切片(Fv)の配列分析及び分子モデリング
m3F5H6の免疫グロブリン可変ドメイン配列は、IgBLAST(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/igblast/)により分析した(Ye J,Ma N,Madden TL,Ostell JM.IgBLAST:Nucleic Acids Res.2013;41(Web Server issue):W34-4027)。6つのCDRs(complementarity determining regions)をKabatナンバリング(Kabat EA,Wu TT.J Immunol.1991;1475:1709-1719)によって決定し、m3F5H6mAbの一部の骨格(FR)残基をヒトVH1-Vk1サブファミリーにグラフトさせたが、この場合には、サマリズマブ(Samalizumab)骨格、マウス及びヒト化された3F5H6Fvアミノ酸配列の3次元構造をwebモデリングプログラム、ROSIEを使用してシミュレーションした(Lyskov S,Chou FC,Conchuir SO,Der BS,Drew K,Kuroda D,Xu J,Weitzner BD,Renfrew PD,Sripakdeevong P,Borgo B,Havranek JJ,Kuhlman B,et al.PLoS One.2013;85:e63906)。このプログラムは、重鎖及び軽鎖のFRs及びCDRsに対するほとんどのホモロゴステンプレートを同定し、このテンプレート構造を最適化されたモデルとして組み合わせる。
実施例15:3F5H6ヒト化抗体の構築
非ヒト(マウス)由来の抗体のCDRs決定
ヒト化を行うためには、一番最初に抗体のCDRsを決定することが必要である。CDRsを決定する方法には、アミノ酸配列の多様性を基準とするKabatナンバリング、ループ領域の構造を基準とするChothiaナンバリング(Dunbar J,Krawczyk K,Leem J,Baker T,Fuchs A,Georges G,Shi J,Deane CM.Nucleic Acids Res.2014;42:D1140-1146)、可変部位構造の高い保存の程度を基準とするIMGTナンバリング(Lefranc MP.Nucleic Acids Res.2001;291:207-209)などがあるが、最も広く使用されるものがKabatナンバリングである。Kabatナンバリングに従って、バクテリア-反応性のマウス由来の抗体のCDRsを決定した(図8参照)。
ヒト化抗体の構築に適するヒト抗体骨格の選定及び野生型抗体のCDR部位移植
ヒト抗体の可変部位は、アミノ酸配列によって、大きく、重鎖は7種のsubtype(VH1、VH2、VH3、VH4、VH5、VH6、VH7)、軽鎖は17種のsubtype(κ1、κ2、κ3、κ4、κ5、κ6、λ1、λ2、λ3、λ4、λ5、λ6、λ7、λ8、λ9、λ10、λ11)に分かれる。それぞれのsubtypeは、アミノ酸配列が異なるため、生物物理学的構造が異なり、それによって安定性も異なり、これによって、自然なヒト抗体レパートリー(repertoire)で使用される頻度数も異なる(Tiller T,Schuster I,Deppe D,Siegers K,Strohner R,Herrmann T,Berenquer M,Poujol D,Stehle J,Stark Y,et al.MAbs,2013;53:445-470)。
通常、CDR移植法を用いてヒト化抗体を作製する際には、できる限りCDRの構造を維持させるために、野生型非ヒト由来の抗体と配列相同性が非常に高いヒト骨格に移すようになるが、この場合、移されるヒト化抗体のsubtypeが自然に安定性や頻度数の低いsubtypeである場合、ヒト化後に安定性の低い抗体が得られる可能性がある。
バクテリア-反応性のマウス由来の抗体のヒト化に適する骨格を決定するために、Igblast(URL:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/igblast/)を介して、既存の野生型抗体と最も配列相同性が高いヒト抗体の可変部位のsubtypeを検索した。その結果、ヒト抗体のVH1、Vk1 subtypeと最も相同性が高いことを確認した。したがって、本発明では、抗原に対する親和度及びその機能は維持しながら、安定性が高いヒト化抗体を構築するために、VH1-Vk1 subtypeのヒト抗体骨格に抗原結合部位を移植した。VH1-Vk1 subtypeは、治療用抗体(Samalizumab)の骨格を使用した(Kretz-Rommel A,Qin F,Dakappaqari N,Cofiell R,Faas SJ,Bowdish KS.J Immunol 2008;180:699-705)。ヒト化抗体の重鎖及び軽鎖の不変領域は、商業化された治療用抗体(Herpceptin)の骨格を使用した。Herceptinの熱力学的安定性及び発現収率は、既存の研究結果によって十分に証明されており、特に、様々なマウス抗体のヒト化に成功裏に使用されてきた(Carter P,Presta L,Gorman CM,Ridgway JB,Henner D,Wong WL,Rowland AM,Kotts C Carver ME,Shepard HM.Proc Natl Acad Sci U S A 1992;8910:4285-4289;Presta LG,Chen H,O’Connor SJ,Chisholm V,Meng YG,Krummen L,Winkler M,Ferrara N.Cancer Res.1997;5720:4593-4599)。
野生型マウス抗体のCDR部位移植及び親和度の維持のための追加的な保存アミノ酸の選定
上述したように、単純なCDR移植法によって構築されたヒト化抗体が、野生型非ヒト由来の抗体と比較したとき、その機能が減少する場合がたびたび発生するため、機能の喪失を懸念して、CDR移植と同時に、抗体骨格に位置しながらCDRループ構造に影響を及ぼし得るバーニヤ領域に位置するアミノ酸を追加で逆置換したクローン(h3F5H6)で進行した。バーニヤ領域に位置するアミノ酸は、可変部位内の計30個で、可変重鎖部位に16個、可変軽鎖部位に14個が存在し、野生型マウス抗体と、選定されたVH1-Vk1ヒト抗体骨格subtypeとの間の配列分析によって、全体30個のバーニヤ領域のアミノ酸のうち、可変重鎖部位に6個(68、70、72、74、97、98)、可変軽鎖部位に4個(36、49、69、71)のアミノ酸の配列が異なることを確認した(図11参照)。特に、可変重鎖部位内の26-30番の4個のアミノ酸は、文献上でCDR1とCDR2内の相互作用によるカノニカル(canonical)構造の維持に重要な役割を果たす(Foote J,Winter G.J Mol Biol.1992;2242:487-499)。したがって、移植された野生型抗体のCDRの構造を安定化させるものと予想されるので、既存のマウス抗体の配列を用いることが好ましい。重鎖可変部位内の71番のアミノ酸も同様に、CDR1及び2の配置を決定するのに重要な役割を果たし、この位置に、体積が大きい残基を有するアミノ酸(リシン又はアルギニン)あるいは小さい残基を有するアミノ酸(バリン、アラニン)のどちらが来るかによって、CDの特性が決定される。野生型マウス抗体は、重鎖内の74番にリシンを有しているが、これは、ヒトVH1 subtype骨格内の74番のグルタミンと反対の特性を有しているので、逆置換し、追加でヒトVH1 subtypeの重鎖可変部位内の68、70、72番のアミノ酸を野生型マウス抗体のアミノ酸配列に逆置換した。
配列分析のためのヒトVH1-Vk1 subtypeの塩基及びアミノ酸配列は、前記のsubtypeの骨格を有している抗体、サマリズマブ(Samalizumab)のものを使用した。
バーニヤ領域以外にも、安定性に影響を及ぼすVH/VLインターフェースアミノ酸は、その残基が抗体の表面ではなく内部に向かっているので、可変重鎖部位及び軽鎖部位の結合を安定化させて抗体全体の安定性に影響を及ぼす領域であり、このような理由から、ほとんど抗体は同じアミノ酸残基からなっている。
まず、アミノ酸配列の分析によって一次的に得られた候補クローン及び野生型マウス抗体の可変部位配列をモデリングオンラインサーバ(URL:http://rosie.rosettacommons.org/;Lyskov S,Chou FC,Conchuir SO,Der BS,Drew K,Kuroda D,Xu J,Weitzner BD,Renfrew PD,Sripakdeevong P,Borgo B,Havranek JJ,Kuhlman B,et al.PLoS One.2013;85:e63906)内の抗体モデリングパートにそれぞれ入力して予測された構造を得た。得られたそれぞれの構造は、CDRループの構造的変化を観察するために、タンパク質の構造を重畳させた。重畳構造上で、移植された6個のCDRsが、野生型マウス抗体のCDRsと比較したときに大きく外れない構造を有することを確認し、特に、抗原結合に影響を及ぼし得るCDRループ内のアミノ酸残基の方向がほとんど一致することを確認した。
実施例16:ヒト化されたバクテリア-反応性の抗体の構築及び発現
Intact IgGフォーマットを有するヒト化されたIgG1 Abを得るために、VH及びVkコーディング遺伝子を、5’及び3’末端の両方に制限酵素位を含むように合成した(Bioneer,Korea)。この遺伝子を、HEK 293F細胞から哺乳類細胞発現のために、ヒトIgG1固定部位(CH1-hinge-CH2-CH3)又はヒトカッパ鎖固定部位(CL)を運搬する変形されたpcDNA 3.4発現ベクター(Invitrogen)に挿入した。ヒト化されたバクテリア-反応性の抗体をHEK 293F発現システムを用いて産生し、5~7日間培養した後、製造業者のプロトコルに従って、プロテインA親和クロマトグラフィーを使用して精製した。マウス親及びヒト化された抗体を、SDS-PAGE分析によってその純度を評価した。
実施例17:IgG形態のヒト化抗体遺伝子の作製
設計されたヒト化抗体の塩基配列は、基本的に、商業化された高収率の治療用抗体サマリズマブ(Samalizumab)の塩基配列に従うものの、それと異なる部分は、コドンの使用頻度を考慮(Sequences of Proteins of Immunological Interest,US Dept.Health and Human Services,1991)して塩基配列に変換し、ヒト化抗体の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列をコードする塩基配列を設計する。設計した塩基配列は、5’と3’の両末端に動物細胞発現ベクターへのクローニングのための制限酵素の認識配列を導入して合成した(Bioneer、韓国)。
合成された遺伝子は、Bioneer社で提供する基本ベクターであるpBHAベクターにクローニングされた状態で受けることができ、完全なIgG形態への発現のために、重鎖不変領域、軽鎖不変領域がそれぞれ入っている動物発現ベクターに合成時に導入していた制限酵素認識配列を用いてクローニングした。このとき、重鎖及び軽鎖の不変領域のアミノ酸及び塩基配列は、商業化された高収率の治療用抗体ハーセプチン(Herceptin)の塩基配列に従う。
実施例18:抗体の発現及び精製
ヒト化されたバクテリア-反応性の抗体の発現は、軽鎖、重鎖発現ベクターとポリエチレンイミン(Polyethylenimine、PEI)(Polyscience)の混合物をHEK293-F(Invitrogen)細胞に一時的トランスフェクション(transient transfection)して、無血清FreeStyle 293発現培地(Invitrogen)が入っている振盪フラスコで培養することによってなされる。詳細な方法は、次の通りである。
振盪フラスコ(Corning)で200mLのトランスフェクションを行った後、HEK293-F細胞を2.0×10細胞/mlの密度で培地100mlに播種して、150rpm、8%COで培養した。それぞれのヒト化抗体を産生するために、それによる重鎖及び軽鎖プラスミドを10ml FreeStyle 293発現培地(Invitrogen)に重鎖125μg、軽鎖125μgの計250μg(2.5μg/ml)で希釈し、PEI750μg(7.5μg/ml)を希釈した10mlの培地と混合して、室温で10分間反応させた。
その後、反応させた混合培地を、先の100mlで播種した細胞に入れ、150rpm、8%COで4時間培養した後、残りの100mlのFreeStyle 293発現培地を追加して、5日~7日間培養すれば、細胞が産生したタンパク質、すなわち、IgG形態のヒト化抗体は、細胞によって細胞外に分泌されて培地に蓄積される。そのため、ヒト化抗体は、細胞培養後、2500rpmで20分間遠心分離して採取した細胞培養上澄液からタンパク質Aセファロースカラム(protein A Sepharose column,GE healthcare)を用いて精製した。
このとき、精製方法は、タンパク質Aカラム会社で提供する標準プロトコルを参照し、精製されたタンパク質は、BCA protein assay kit(Thermo)内の溶液を用いて562nmの波長で吸光度を測定し、描かれた標準曲線に従ってその量を定量した。精製された抗体の大きさ及び純度は、還元性SDS-PAGEで分析した。図12に示したように、本発明のバクテリア-反応性のヒト化抗体であるh3F5H6 IgGは、約150kDaの分子量を有し、99%以上の純度に精製されることを確認した。
実施例19:バクテリアの蛍光標識
OD6000.5~0.6(3×10 CFU)まで成長したS.aureus MW2を集め、洗浄して、70%エタノールで1時間固定した。その固定されたバクテリアを、0.02mM FITC(Sigma-Aldrich)で0.1M NaCO buffer(pH8.5)にて常温で30分間標識し、無血清HBSSで洗浄した後、2mM CaCl、1mM MgCl、10mM HEPES、150mM NaCl、及び0.4%BSAを含むHBSSで再懸濁した。
実施例20:インビトロで食菌作用アッセイ
マウスマクロファージ株、RAW264.7をAmerican Type Culture Collection(ATCC,Manassas,VA,USA)から購入し、その細胞を、10%FBS、100U/mLのペニシリン及び100μg/mLのストレプトマイシンを含むDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)で培養した。
RAW264.7細胞及びマウス腹膜細胞を、poly-L-lysine(Sigma)コーティングされたガラス上で12ウェルプレート(Nunc,Roskilde,Denmark)で一晩培養した。FITC-標識されたS.aureus MW2をPBS又は抗体で1時間培養した後、そのバクテリアを12ウェルプレートに添加し、1時間培養後、その細胞を4%パラホルムアルデヒド(Affymetrix,Santa Clara,CA,USA)で固定し、PBSで洗浄した後、Hoechst No.33258(Sigma-Aldrich)を用いて、常温で核を同定するために染色した。そのマウントされた細胞を、LSM 710 laser scanning microscope(Carl Zeiss,Oberkochen,Germany)で分析した。食菌作用指数を、先に記載された(Sun,R.,L.Qiu,F.Yue,L.Wang,R.Liu,Z.Zhou,H.Zhang,and L.Song.2013.Fish Shellfish Immunol 34:38-45)ように、RAW264.7細胞及びマウス腹膜細胞で食菌されたFITC-標識されたS.aureus MW2の数をカウントして測定した。
実施例21:マウスの腹腔でS.aureus MW2の摂取
マウスの腹腔で食菌作用に対する抗体の影響を決定するために、そのマウスにi.p.でFITC-labeled S.aureus MW2を注射し、1時間後、腹膜細胞を集めて特定の細胞マーカー;anti-F4/80、CD11b、CD11c、及びGr-1抗体で染色した。腹腔内のマクロファージ、樹状細胞、及び好中球の食菌作用を、FACSCantoTM II(Becton Dickinson)でFACS分析によって測定した。
実施例22:インビボでS.aureus MW2感染に対する抗体の効果の分析
BABL/cマウスにi.v.で1.5×10 CFUのS.aureus MW2を注射した後、正常マウスIgG、モノクロナール抗体(m3F5H6)、正常ヒトIgG、ヒト化された抗体(h3F5H6)(25mg/kg mouse)を静脈内注射した。正常マウスIgGは、Invitrogen(Carlsbad,CA,USA)から購入した。抗体の注射後、7日(S.aureus MW2)後の生存率をモニターした。S.aureus MW2又は感染2日後、そのマウスを犠牲にし、記載された組織を除去した後、S.aureus MW2のCFU及び組織病理をモニターした。
実施例23:インビボでS.aureus MW2感染に対する補体除去されたマウスにおける抗体の効果の分析
BABL/cマウスにi.p.でcobra venom factor(CVF,30μg/mouse,Quidel,San Diego,CA,USA)を投与し、6時間後に、i.v.で1×10 CFUのS.aureus MW2を注射した後、ヒト化された抗体(h3F5H6)(25mg/kg mouse)を静脈内注射した後に生存率をモニターした。
実施例23:インビボでE.coli K1感染に対する補体除去されたマウスにおけるCpG-DNAの効果の分析
BABL/cマウスにi.p.でCpG-DNA(50μg/マウス)を注射した後、7日後に、マウスにi.p.でCVF(30μg/mouse)を投与し、6時間後に、血清において補体(C3)の量をELISA kit(Complement C3 mouse ELISA kit,Abcam,Cat.No.ab-157711)で確認した。BABL/cマウスにi.p.でCpG-DNA(50μg/マウス)を注射した後、7日後に、マウスにi.p.でCVF(30μg/mouse)を投与し、6時間後に、5×10 CFUのE.coli K1を注射した。注射されたマウスを、2日間、死亡率又は回復を観察した。
実施例24:インビボでE.coli K1感染に対する抗体の効果の分析
BABL/cマウスにi.p.で5×10 CFUのE.coli K1を注射した後、正常ヒトIgG、ヒト化された抗体(h3F5H6)(25mg/kg mouse)を静脈内注射した。正常マウスIgGはInvitrogen(Carlsbad,CA,USA)から購入した。抗体の注射後、18時間(E.coli K1)後の生存率をモニターした。
上記の実施例の結果を、以下で詳述する。
CpG-DNAの投与は、S.aureus MW2で感染後、組織においてバクテリアの除去を促進し、マウスの生存を増加させる
本発明者らは、S.aureus MW2の感染に対する抗菌効果を証明するための動物モデルとして選択し、図1Aに記載された方法によって実験を行った。まず、BALB/cマウスに腹腔内(i.p.)でCpG-DNA 1826を投与し、7日後、そのマウスに静脈内(i.v.)でS.aureus MW2を注射した後、生存率を7日間モニターした。何らの処理もしていないS.aureus MW2注射されたマウスと比較して、バクテリア感染前にCpG-DNAで前処理されたマウスの生存率は、60%まで(図1B)増加した。
特定の組織におけるバクテリア感染の評価のために、肝臓、肺、腎臓及び脾臓を、S.aureus MW2の静脈内注射2日後に切り出してその組織を均質化し、その均質体をアガー培地で培養して除去し、CFUをカウントした。全てのテストされた組織は、バクテリアによって感染し、腎臓で最大のCFUを有し、組織におけるバクテリアロードは、CpG-DNA 1826の前処理によって全て減少した(図1C)。
次に、各組織の組織病理を観察した。バクテリア感染後、マウスの腎臓で膿瘍(abscess)部位が現れたが、それは、感染の前にCpG-DNA 1826で前処理した場合には検出されなかった(図1D)。したがって、本発明者らは、マウスにCpG-DNAの前処理は、S.aureus MW2の感染後にバクテリアの除去を促進し、生存率を増加させると結論を下した。
CpG-DNAの投与は、S.aureus MW2の感染後、骨髄、脾臓、腹腔の細胞群を調節し、保護する
S.aureus MW2の感染に対する保護効果と関連する機序を調査するために、本発明者は、実験計画に従って、BALB/cマウス由来の腹腔、脾臓、骨髄においてFACSで細胞群を分析した(図1A)。lymphoid細胞(B及びT細胞)及びMyeloid細胞(マクロファージ、樹状細胞、及び好中球)の群は、種々の他の組織でCpG-DNAの投与及びS.aureus MW2の感染によって差別的に変わった(図2)。
腹腔でmyeloid細胞及びlymphoid細胞の群の比率は、CpG-DNAによって逆転した(図2A)。myeloid細胞群は、CpG-DNAの投与によって減少した反面(PBS対照群の61%)、腹腔のlymphoid細胞の群は、CpG-DNAによって増加した(PBS対照群の160%)。myeloid細胞の主要群は、F4/80CD11bマクロファージであった。たとえF4/80CD11c樹状細胞群は非常に小さいが、それは、CpG-DNAの投与によって増加した(PBS対照群の3倍)。lymphoid細胞の場合、CD4+及びCD8+T細胞を含むT細胞群の増加は著しく(PBS対照群の4.6倍)、総B細胞群はほぼ同一であった。
本発明者らがB細胞群を詳細に分析すると、CpG-DNAによってB1(CD23)細胞群は減少し、B2(CD23)細胞群は若干増加した。S.aureus MW2を感染させたとき、好中球を除いた全ての細胞群が減少し、CpG-DNAの前処理は、たとえ細胞群の大きさは非処理対照群と比較して小さいが、細胞群を著しく回復させた(図2A)。
骨髄において、CpG-DNAによってmyeloid細胞群は増加し(PBS対照群の150%)、lymphoid群は減少した(PBS対照群の65%)(図2B)。myeloid細胞の主要群はF4/80Gr-1好中球であった。lymphoid細胞の主要群はB細胞、特にB1細胞であった。腹腔とは異なって、B-1及びB-2細胞群の比率はCpG-DNAによって変化しなかった。S.aureus MW2の感染は、全ての群の著しい減少を誘導し、CpG-DNAによる前処理によって、その減少は逆転した(図2B)。
脾臓において、CpG-DNAの投与によって誘導された細胞群の著しい変化はなかった(図2C)。S.aureus MW2を感染させる際、lymphoid細胞群の減少が観察された(PBS対照群の60%)。CpG-DNAをバクテリア感染前に前処理する際、細胞群はPBS対照群よりも大きくなった。S.aureus MW2感染単独と比較して、CpG-DNAによる前処理は、lymphoid及びmyeloid細胞群をいずれも2倍以上増加させた(図2C)。
これらの結果に基づいて、本発明者らは、S.aureus MW2の感染は、腹腔、骨髄及び脾臓において全細胞数の減少を誘導し、CpG-DNAによるマウスの前処理は、これらの組織において免疫細胞を保護するという結論を得た。この現象は、組織から誘導された細胞数は、感染したマウスの生存率を増加させることを示唆している。最も重要なことであるが、CpG-DNAは、B2細胞、T細胞、及びマクロファージのような適応性免疫細胞を増加させる方向に腹膜細胞の群を変化させた(図2A)。したがって、本発明者らは、腹腔細胞は、本実験システムにおいて、CpG-DNAの抗菌効果と関連する主要な調節細胞であると考える。
インビボ及びインビトロでCpG-DNAの投与によるバクテリア-反応性の抗体の誘導
本発明者らは、CpG-DNA 1826をi.p.で注射し、抗体の生成を確認するために、複数の時間で腹腔及び血清の上澄液を分析した。Non-CpG-DNA 2041を陰性対照群として使用した。総IgGのレベルは、CpG-DNA 1826の投与後3日及び7日目に腹腔上澄液で著しく増加し、血清では著しい変化はなかった(図3)。
CpG-DNAの投与がS.aureus MW2感染したマウスの生存率を増加させるのであれば、一部のバクテリア-反応性の抗体が腹腔でCpG-DNA 1826によって誘導される可能性がある。本発明者らは、CpG-DNA 1826の投与及びS.aureus MW2の静脈内注射後に、マウスから腹腔上澄液及び血清を集め(図1A)、S.aureus MW2に反応する全IgG及びIgG isotypesのレベルを、S.aureus MW2でコーティングされたプレートを使用して測定した。CpG-DNA単独は、腹腔で反応性総IgGの増加を誘導したが、血清では著しい変化はなかった。S.aureus MW2の感染は、腹腔及び血清で反応性IgGの生成を減少させた。しかし、CpG-DNA 1826のバクテリア感染前の事前投与は、反応性IgGの増加した生成を著しく誘導した。IgG3 isotypeは、全ての場合において最も豊富であり、S.aureus MW2-反応性のIgG3 isotypeは、CpG-DNA-処理された群で著しく増加した(図4A及び図4B)。
マウスにおいてCpG-DNAによって誘導される抗体をさらに調査するために、PBS又はCpG-DNA 1826をi.p.で注射し、7日後、腹腔上澄液及び血清を分析した。CpG-DNA-誘導されたIgGが様々な種のグラム陽性バクテリアに結合できるかを決定するために、本発明者らは、ELISAアッセイを、S.aureus、S.aureus MW2、S.epidermidis、またはS.pyogenes.でコーティングされたプレートを使用して行った。
各バクテリア-反応性のIgGのレベルは、腹腔及び血清でCpG-DNA 1826の処理によって増加した(図4C及び図4D)。CpG-DNAの処理がバクテリア-反応性の抗体を産生するTLR9信号伝達を活性化するかを調査するために、BALB/c TLR9-/-マウスを用いて同じ実験を行った。TLR9-/-マウスの腹腔及び血清において、CpG-DNA 1826の処理によって誘導されたバクテリア-反応性の抗体の著しい変化はなかった(図4E及び図4F)。したがって、本発明者らは、CpG-DNAが、バクテリア-反応性の抗体の生成を、TLR9を介して誘導するという結論を得た。
バクテリア-反応性の抗体の生成がインビトロでCpG-DNAによって誘導されるかを決定するために、腹腔の免疫細胞をマウスから集め、インビトロでCpG-DNA 1826及びnon-CpG-DNA 2041で刺激した後、細胞培養上澄液を抗体の量を測定するために分析した。図5Aから分かるように、一般的なIgGの産生が、PBS又はnon-CpG-DNAと比較して、CpG-DNAに対して著しく増加した。マウスを、まず、インビボでCpG-DNAでプライミングした後、腹腔細胞をインビトロで刺激する際、基本IgGの生成が対照群よりも高かったが、CpG-DNA処理の追加的な効果は非常に弱かった(図5A)。in vitro培養された腹膜細胞から分泌された抗体の結合力を決定するために、本発明者らは、4つのグラム陽性菌種でバクテリア-反応性のIgGの量を測定した。バクテリア-反応性のIgGの生成は、CpG-DNAに対して著しく増加したが、PBS又はnon-CpG-DNAに対しては反応性抗体がほとんど発見されなかった(図5B)。
B細胞が、バクテリア-反応性の抗体をCpG-DNAに反応して分泌するかを調査するために、CpG-DNA 1826をマウスにi.p.で注射し、9日後、マウスの腹腔の免疫細胞を集めて、腹膜リンパ球からCD23-CD19+B細胞(B1細胞)及びCD23+CD19+(B2細胞)をソーティングし(図5C)、CpG-DNA 1826でインビトロでその細胞を刺激した。B1及びB2細胞がいずれも、IgGの増加した量をCpG-DNA刺激に対して分泌した(図5D)。しかし、インビトロでB細胞によるIgGの生成のレベルは、腹腔細胞の分離前にCpG-DNAでマウスを前処理する際に減少し、CpG-DNAによってB細胞の活性の調節を示唆している(図5D)。
グラム陽性菌-コーティングされたプレートを使用して測定された各バクテリア-反応性のIgGのレベルは、バクテリア-反応性のIgGの生成が、インビトロでCpG-DNA刺激によって増加し、インビボでCpG-DNAでプライミングは、抗体生成の活性を調節することを示唆している(図5E)。これらの結果は、CpG-DNA-誘導されたバクテリア-反応性の抗体は、CpG-DNAに反応して腹腔のB1及びB2の両方から産生することを示唆している。
CpG-DNAによって誘導された腹腔内バクテリア-反応性の抗体は食菌作用を促進する
本発明者らは、CpG-DNAによって誘導された腹腔内バクテリア-反応性の抗体が食菌作用を促進してバクテリア感染に抵抗できるかを調査した。本発明者らは、PBS注射されたマウスの腹腔上澄液から多クローン抗体を精製した(図6A)。腹腔溶液をCpG-DNA 1826を注射し、7日後にマウスから得て多クローン抗体を精製した(図6B)。腹腔内のIgGの量は、CpG-DNA 1826の投与によって、PBS対照群と比較して約2.5倍増加した(7.5μg/mouse対3μg/mouse)。S.aureus MW2に対する抗体の結合力をELISAで測定した。その結果、CpG-DNA 1826の投与によって誘導された抗体は、PBS注射されたマウス由来と比較して、S.aureus MW2に対するさらに高い結合力を有することを示した(図6C)。
次に、本発明者らは、食菌作用と関連するこれら抗体の効果を決定した。FITC標識されたS.aureus MW2を、精製された抗体と培養した後、食菌作用アッセイを、共焦点顕微鏡でマウスマクロファージ株RAW264.7で行った(図6D及び図6E)。食菌作用指数は、抗体によって増加し、CpG-DNA 1826注射された腹腔由来の抗体は、PBS注射された対照群由来と比較して、さらに効果的であった(1.19倍)。
バクテリア-反応性のモノクロナール抗体を生成するハイブリドーマクローンの選択及び食菌作用に対するそのモノクロナール抗体の抗菌効果
本発明者らは、CpG-DNAによって誘導された活性化されたB細胞クローンは、抗菌抗体を分泌し、その抗体は、腹腔でマクロファージ、樹状細胞及び好中球を介して食菌作用を促進することを提案した。
CpG-DNA-誘導されたバクテリア-反応性の抗体を分泌するB細胞クローンを構築するために、マウスにi.p.でCpG-DNA 1826を注射し、7日後、腹膜細胞を集めてSP2/0 myeloma細胞と融合した。本発明者らは、S.aureus MW2に対して反応するモノクロナール抗体を分泌するハイブリドーマクローンを分離し、m3F5H6と命名した(図7)。
バクテリア-反応性のモノクロナール抗体の可変ドメインのクローニング
重鎖及び軽鎖の可変ドメイン(V及びV)をコーディングするcDNA配列を、通常の重鎖及び軽鎖プライマーを使用してバクテリア-反応性のモノクロナール抗体を産生するハイブリドーマ細胞(m3F5H6)からクローニングした。DNAシークエンシングによって確認された配列を図8に示した。その配列を、IgBLASTプログラムを用いて公知の配列とのホモロジーを分析した(Ye J,Ma N,Madden TL,Ostell JM.IgBLAST:Nucleic Acids Res.2013;41(Web Server issue):W34-40)。
モノクロナール抗体(m3F5H6 IgG)をm3F5H6クローン-注射された腹水から精製し、SDS-PAGEで分析した(図9A)。3F5H6 IgGのアイソタイプIgG2bであり(図9B)、グラム陽性菌に対するm3F5H6 IgGの結合力をELISAで確認した(図9C)。
m3F5H6 IgGのRAW264.7細胞の食菌作用に対する効果を調査するために、食菌作用アッセイを、FITC標識されたS.aureus MW2を使用してPBS、マウス正常IgGまたはm3F5H6 IgGで培養した後に行った(図9D及び図9E)。本発明者らは、マウス腹腔細胞の食菌作用に対するm3F5H6 IgGの効果も調査した(図9F及び図9G)。この結果は、m3F5H6 IgGがRAW264.7細胞及びマウス腹腔細胞がマウス正常IgGと比較して、S.aureus MW2を結合する活性を増加させることを示唆している(1.5~1.8倍)。
マウスの腹腔において食菌作用に対するm3F5H6 IgGの効果を直接調査するために、マウスにi.p.でm3F5H6 IgGを、FITC標識されたS.aureus MW2細胞で前処理した後に注射した。その次に、マクロファージ、樹状細胞及び好中球のような食菌性免疫細胞の効果を確認するために、流動細胞分析法によって腹腔細胞を分析した(図9H)。正常IgG対照群と比較して、m3F5H6 IgGは、腹腔でマクロファージ及び樹状細胞の食菌作用をさらに効果的に増加させた。しかし、好中球の食菌作用には効果がなかった。この結果は、m3F5H6 IgGが、マウス腹膜細胞でさらに効果的な食菌作用の媒介者であり、食菌性免疫細胞が、CpG-DNAによって誘導された抗体の抗菌効果と関連し得ることを示唆している。
モノクロナール抗体(m3F5H6 IgG)のバクテリア-反応性
モノクロナール抗体(m3F5H6 IgG)のグラム陽性菌に対する結合力をELISAで確認した(図9C)。また、モノクロナール抗体(m3F5H6 IgG)のグラム陰性菌(図10A)、及び細胞内寄生細菌(図10B)に対する結合力をELISAで確認した。
CpG-DNAで刺激された腹膜B細胞由来のバクテリア-反応性のモノクロナール抗体(m3F5H6 IgG)はS.aureus MW2の感染に対する治療効果を有する
m3F5H6 IgGのマウスにおけるS.aureus MW2の感染に対する抗菌効果を実証するために、BALB/cマウスにS.aureus MW2を感染させた後、PBS、正常IgG、及びm3F5H6 IgGを投与した後、死亡率、組織内感染及び組織病理を実験スケジュールに従って観察した(図11A)。抗体なしにS.aureus MW2で感染した全てのマウスは、感染5日後に死亡したが、30%の正常IgG注射されたマウス及び70%のm3F5H6 IgG注射されたマウスは、感染後7日まで生存した(図11B)。
特定の組織においてS.aureus MW2の感染を調査するために、肝臓、肺、腎臓及び脾臓を感染2日後に得てCFUアッセイを行った。本発明者らは、組織、特に腎臓においてm3F5H6 IgGの投与によるバクテリアロードが減少したことを観察した(図11C)。組織の組織病理を感染2日後にモニターした。バクテリアバードン(burden)は腎臓でのみ発見され、S.aureus MW2注射されたマウスと比較して、抗体注射されたマウスでは、バクテリアバードンが著しく少なく検出された(図11D)。
S.aureus MW2の感染30日後に、本発明者らは、肝臓、肺、腎臓及び脾臓の組織病理を調査した。バクテリアバードンや多くの炎症性免疫細胞が、抗体注射されたマウスの腎臓では検出されなかった(図11E)。総合すると、本発明者らは、CpG-DNA-誘導された抗体の投与が、増加した生存率を誘導し、正常IgGと比較して、S.aureus MW2注射されたマウスでさらに高いバクテリア除去の効果を誘導することを確認した。
バクテリア-反応性のヒト化された抗体の産生及び特性
臨床にモノクロナール抗体の適用のために、その抗体を、ヒトでの免疫原性を減少させるヒト化作業を行わなければならない。したがって、本発明者らは、得られたモノクロナール抗体m3F5H6の免疫グロブリン可変ドメイン配列をIgBLAST program(Ye J,Ma N,Madden TL,Ostell JM.IgBLAST:Nucleic Acids Res.2013;41(Web Server issue):W34-40)を使用して分析し、その可変ドメインサブタイプがマウスVH1-Vk1に属することを見出した。m3F5H6 mAbのヒト化のために、本発明者らは、VH1-Vk1骨格を、この骨格が最も共通的にヒト生殖系列(germ line)レパートリーで観察されるという事実(Caravella JA,Wang D,Glaser SM,Lugovskoy A.Curr Comput Aided Drug Des.2010;62:128-138)を参考にして選択した。本発明者らは、ヒトVH1-Vk1骨格に一部の骨格配列、この場合にはサマリズマブ(Samalizumab)骨格とCDR部位を一般に確立された方法でグラフトした(Kabat EA,Wu TT.J Immunol.1991;1475:1709-1719)。m3F5H6及びヒト化されたモノクロナール抗体(h3F5H6)由来の構造をモデル化して比較し、それらは互いに同一ではないが、類似することを示した(図12)。
本発明者ら、組換えヒト化されたモノクロナール抗体(h3F5H6)をHEK 293F細胞を使用して産生し(図13)、その反応性を評価した(図14及び図15)。そのヒト化された抗体は、ELISAに基づいてGram(+)バクテリア(S.aureus,S.aureus MW2,S.epidermidis,S,pyogenes)とGram(-)バクテリア(A.baumannii,E.coli K1,P.aeruginosa,K.pneumoniae 11418,K.pneumoniae 40145,K.pneumoniae 41293)(図14)及び細胞内寄生細菌(L.monocytogenes,S.typhimurium)(図15)に対しては特異的に反応することを確認した。
バクテリア-反応性のヒト化された抗体(h3F5H6 IgG)は、S.aureus MW2の感染に対する治療効果を有する
マウスにおいてS.aureus MW2の感染に対するh3F5H6 IgGの抗菌効果を実証するために、BALB/cマウスにS.aureus MW2を感染させた後、i.v.でPBS、正常ヒトIgG、及びh3F5H6 IgGを投与し、死亡率及び組織病理を実験スケジュールに従って観察した(図16A)。
S.aureus MW2を感染させた、抗体を投与していない全てのマウスは、5日後に全部死んだが、10%の正常IgG注射されたマウスと30%のh3F5H6 IgG注射されたマウスは、感染後7日目まで生存した(図16B)。組織の組織病理を、感染後2日目にモニターした。抗体注射されたマウスが、S.aureus MW2のみが注射されたマウスと比較して、バクテリアバードン(burdens)は腎臓でのみ発見され、さらに小さいバクテリアバードンが発見された(図16C)。
BABL/cマウスにi.p.でcobra venom factor(CVF,30μg/mouse)を投与し、6時間後にi.v.で1×10 CFUのS.aureus MW2を注射した後、ヒト化された抗体(h3F5H6)(25mg/kg mouse)を静脈内注射した後に生存率をモニターした。S.aureus MW2を感染させたCFVを投与し、抗体を投与していない全てのマウスは、4日後に全部死んだが、20%のh3F5H6 IgG注射されたマウスは、感染後7日目まで生存した(図17)。補体非依存的にh3F5H6 IgG抗体がS.aureus MW2の感染を抑制することを示した。
CpG-DNAの投与は、E.coli K1で感染後、組織でバクテリアの除去を促進し、マウスの生存を増加させる
本発明者らは、E.coli K1の感染に対する抗菌効果を証明するための動物モデルとして選択し、図18Aに記載された方法によって実験を行った。まず、BALB/cマウスに腹腔内(i.p.)でCpG-DNA 1826を投与し、7日後、そのマウスに腹腔内(i.p.)でE.coli K1を注射した後、生存率を2日間モニターした。何の処理もしていないE.coli K1注射されたマウスと比較して、バクテリア感染前にCpG-DNAで前処理されたマウスの生存率は、100%まで(図18B)増加した。
特定の組織におけるバクテリア感染の評価のために、肝臓、肺、腎臓及び脾臓を、E.coli K1のi.p.注射1日後に切り出してその組織を均質化し、その均質体をアガー培地で培養して除去し、CFUをカウントした。全てのテストされた組織及び血液と腹腔はバクテリアによって感染し、組織においてバクテリアロードは、CpG-DNA 1826の前処理によって全て減少した(図18C)。
次に、各組織の組織病理を観察した。バクテリア感染後、マウスの組織で膿瘍(abscess)部位は検出されなかった(図18D)。したがって、本発明者らは、マウスにCpG-DNAの前処理は、E.coli K1の感染後にバクテリアの除去を促進し、生存率を増加させると結論を下した。
マウスにおいてE.coli K1の感染に対するCpG-DNAの抗菌効果が補体非依存的であることを実証するために、BALB/cマウスに腹腔内(i.p.)でCpG-DNA 1826を投与して7日後、そのマウスに腹腔内(i.p.)でCVFを注射した後、血清内の補体(C)の量を測定した(図19A)。CVFの投与後に、血清で補体が全て減少することを確認した(図19B)。CpG-DNA 1826を投与して7日後、そのマウスに腹腔内(i.p.)でCVFを注射した後、6時間後にE.coli K1をi.p.で感染させた(図19C)。バクテリア感染前にCpG-DNAで前処理されたマウスの生存率は、20%まで(図19D)増加した。したがって、本発明者らは、マウスにCpG-DNAの前処理は、E.coli K1の感染後、補体非依存的にバクテリアの除去を促進し、生存率を増加させると結論を下した。
バクテリア-反応性のヒト化された抗体(h3F5H6 IgG)は、E.coli K1の感染に対する治療効果を有する
マウスにおいてE.coli K1の感染に対するh3F5H6 IgGの抗菌効果を実証するために、BALB/cマウスにi.p.でE.coli K1を感染させた後、i.v.でPBS、正常ヒトIgG、及びh3F5H6 IgGを投与し、死亡率を観察した。ヒト化されたバクテリア-反応性の抗体(h3F5H6 IgG)の投与も、正常IgGよりも、E.coli K1感染したマウスでさらに高いバクテリア除去及び生存率が増加することを確認した(図20)。

Claims (4)

  1. モノクロナール抗体であって、
    配列番号1で記載される配列からなるCDR1領域、配列番号2で記載される配列からなるCDR2領域及び配列番号3で記載される配列からなるCDR3領域を含む重鎖可変領域と、配列番号4で記載される配列からなるCDR1領域、配列番号5で記載される配列からなるCDR2領域及び配列番号6で記載される配列からなるCDR3領域を含む軽鎖可変領域とを含み、
    前記モノクロナール抗体は、配列番号7又は配列番号15で記載される配列からなるポリペプチド配列を含む重鎖、及び配列番号8又は配列番号16で記載される配列からなるポリペプチド配列を含む軽鎖からなることを特徴とする、モノクロナール抗体。
  2. 請求項1に記載のモノクロナール抗体を有効成分として含む、抗菌用組成物。
  3. 前記組成物は、グラム陽性菌、グラム陰性菌、細胞内寄生菌または薬剤耐性菌に対して抗菌活性を有することを特徴とする、請求項に記載の組成物。
  4. 前記組成物は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、ブドウ球菌、リステリア、サルモネラまたは大腸菌に対する抗菌活性を有することを特徴とする、請求項に記載の組成物。
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