JP7111329B2 - 無線機および無線通信周波数同期確立方法 - Google Patents
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Description
前記受信信号は対象スレーブのID情報とチャネル番号を含む制御信号であり、前記ベースバンド復調部は、キャリアに対して施された第1の変調を復調して前記ID情報を得る第1の復調部と、周波数スペクトルに対して施された第2の変調を復調して前記チャネル番号を得る第2の復調部を有してもよい。
本開示の一態様に係る無線通信周波数同期確立方法は、前記無線機をスレーブとして用いたときに前記コントローラにより実行される無線通信周波数同期確立方法であって、非線形増幅が適用された状態で前記信号認識部を用いてスペクトラムセンシングを実行しチャネル占有率を測定するステップと、非線形増幅が適用された状態で前記チャネル選択部を用いて占有率の高いチャネルと低いチャネルに分類し、その結果に基づいて最終的に各チャネルの占有率の中で最も低い占有率のチャネルを有利チャネルとして選択するステップと、非線形増幅が適用された状態でマスタが送信した制御信号を受信するステップと、前記制御信号に含まれるチャネル番号にチャネルを設定するステップと、前記マスタに応答信号を送信するステップと、を含む。
前記制御信号に含まれるチャネル番号にチャネルを設定した後、線形増幅が適用された状態で前記マスタが送信した制御信号を受信するステップと、前記制御信号から対象スレーブのID情報を復調するステップと、前記ID情報と自身のID情報とを比較し、一致したときに前記応答信号を送信するステップと、を含んでもよい。
さらに、前記応答信号を送信した後、線形増幅が適用された状態で前記マスタが送信した制御信号を受信するステップと、前記制御信号から対象スレーブのID情報を復調するステップと、前記ID情報と自身のID情報とを比較し、一致したときに再度応答信号を送信するステップと、
を含んでもよい。
[チャネル]
無線通信資源である周波数資源であって、一定間隔に分割されたものを意味する。
[マルチチャネル環境]
分割の結果,複数のチャネルが存在する無線環境を意味する。マルチチャネル環境において、無線局は1つのチャネルを選択して通信を確立する。
単一チャネルで通信を確立する無線機を意味する。シングルラジオは、利用可能なチャネル数が1つに限定されるという欠点があるが、多数チャネルを一度に送受信できるマルチラジオに比べて受信信号の電力変動が小さく、無線機フロントエンドの非線形性を許容することやバンドパスフィルタを簡易に構成できるため、低コスト化を図ることができる。それゆえ、本実施の形態ではシングルラジオ型の無線機に着目する。
[ダイナミックスペクトラムアクセス]
マルチチャネル環境において無線機が通信を確立するチャネルを切り替える機能を意味する。
[コグニティブ無線]
チャネルの利用状況などの無線環境を考慮した無線機を意味する。特に無線環境認識の結果を反映してアクセスするチャネル番号を決定する無線機をダイナミックスペクトルアクセス型のコグニティブ無線という。
[プライマリシステム(PS)]
チャネルを優先的に利用できる無線システムを意味する。
[セカンダリシステム(SS)]
プライマリシステム(PS)が使用していない時間にチャネルを二次利用することができる無線システムを意味する。
[マスタ]
伝送すべき情報が無線機に発生したとき、その無線機をマスタと定義する。
[スレーブ]
マスタ以外の無線機であって、情報の受信を待機している無線機をスレーブと定義する。なお、マスタ以外の無線機であって、無線通信をすでに確立している、あるいは通信中の無線機はPSとする。PSにおいては通信確立後も上位層のパケット発生の有無によってチャネルの利用の有無が切り替わるとする。
図1は本実施の形態における無線通信システムを示したものである。図1において、100、101、102、200は無線機である。さらに、無線機200はマスタとして動作し、無線機100、101、102はスレーブとして動作する。以降、無線機200はマスタ200と、無線機100、101、102はそれぞれスレーブ100、101、102と読み替えることがある。無線機(スレーブ)100、101、102はそれぞれ#11:00、#11:01、#11:ff、といったID情報を有している。
(無線機の構成)
まず図3に、本実施の形態においてマスタもしくはスレーブとして使用される無線機のブロック図を示す。ここでは無線機は100(スレーブ)としているが、無線機101、102、200も同様の構成を有するものとする。機能的には、図2で示されたフローチャートはコントローラ7が(マスタ、スレーブ、それぞれの役割に応じて)各機能ブロックを順次制御することにより実行される。
図3に示された無線機100がスレーブとして機能している場合、受信部3にはIFDMAにより変調された信号が入力する。IFDMA変調信号のスペクトルは、図4に示されるように、一定周期ごとにスペクトルが現れる櫛の歯形状となる。このスペクトルを有する信号の特徴は一定周期に同じ時間信号が生成されることである。しかも、非線形歪が発生した場合でもその非線形歪が繰り返し現れるため、櫛の歯スペクトルは崩れることなく維持される。その一方で、1次変調シンボルのスペクトルは崩れるため、櫛の歯スペクトルがチャネル帯域幅(所望帯域)を超えて漏洩(えい)帯域に現れる。
本実施の形態においては、チャネル不整合問題を解決するにあたり、マスタ及びスレーブはまずはスペクトラムセンシング(図2におけるステップ1001、1011、1021)を実施する。スペクトラムセンシングとは、本実施の形態においては学習型占有率測定法(非特許文献3等)において占有率測定の際に用いる測定技術を意味する。例えば、受信アンテナから信号を受信し、一定時間信号電力を蓄積する。そして蓄積した電力を示すエネルギーが一定量を超えたときに、PS(プライマリシステム)による信号が存在すると認識する。
[特徴1]シングルラジオでありながら、選択チャネルと隣接チャネルから成る連続したチャネルが同時に未使用であることを認識することができる。
[特徴2]チャネルの占有率を評価する際に、連続するチャネルが同時に未使用となる平均的な確率を求めることができる。
(事前の占有率測定)
本実施の形態においては、学習型占有率測定法(非特許文献3)を基本構成とし、図6に示すような複数チャネルの送信法を用い、マスタとスレーブが学習の後、制御信号を交換する構成を有する。図6において横軸は時間スロットを縦軸はチャネルを表す。ここで、時間スロットとは制御信号あるいは応答信号の送信に要する時間単位であり、またスロット毎にPSのチャネルの占有及び非占有が独立に切り替わるものとする。
(マスタの制御信号の構成)
制御信号はマスタとして動作する無線機内の送信信号生成部8において生成され、スレーブとして動作する無線機に伝送される。すなわち、まず、マスタにおいて、対象スレーブを指定するID情報(MACアドレスやIPアドレス等)を振幅変調もしくは位相変調もしくは周波数変調などの1次変調を用いてキャリアに載せた上で、2次変調として櫛の歯スペクトルを形成するIFDMA変調を段階的に適用する。
無線機200(マスタ)は既に制御信号の送信前に非線形増幅を適用したスペクトラムセンシングを実行し(ステップ2002)、選択したチャネルと隣接するチャネルが同時に空いているかを判断し(ステップ2003)、空きと判断されたとき制御信号を送信する(ステップ2004)。これら一連の動作により隣接チャネルの干渉を回避することができる。
一度の制御信号の送信で選択チャネルと同時に隣接チャネルに対して制御信号を通知できる。マスタの観点からは、2回の制御信号の送信で最大3つのチャネルに対してスレーブの存在を確認することができる。その結果1回の制御信号の送信で1チャネルを確認する方法に比べて2/3倍程度に制御信号の送信回数を削減できる。
[特徴2]
センシングに非線形増幅を利用し、選択チャネルと二つの隣接チャネルが同時に空いている状態のチャネルを選択するため、隣接チャネルからの漏えいの影響を抑制できる。
[特徴3]
占有率測定において非線形増幅のチャネルセンシングを用いているため、非線形増幅による隣接チャネル干渉が高確率に発生するチャネルの選択を回避でき、隣接チャネル干渉の影響を緩和しやすい。
[特徴4]
マスタの通信相手であるスレーブ(該当スレーブ)の制御信号の送信回数は1回で済む。
[特徴5]
該当スレーブが選択チャネル及び隣接チャネルを選択していない場合にも、その状況を認識するために、制御信号を2回、3ステップ(制御信号の送信2ステップ、応答信号の確認1ステップ)が必要になる。ここで、ステップ数がチャネル不整合補償に要する時間を示している
無線機(マスタ)200と無線機(スレーブ)100、101、102は非線形増幅適用下でのスペクトラムセンシングにより占有率の測定を完了しているものとする。すなわち、スレーブ100、101、102は有利チャネルを既に選択しており、マスタ200は占有率に基づくチャネルランキングを生成した後、最上位のランクのチャネルを選択している。さらに第1の実施の形態と同様、マスタ200は非線形増幅によるキャリアセンシングを実施し、選択チャネル#1及び隣接チャネル#2でPSが占有していないと確認した後、チャネル#1に制御信号を送信する(ステップ2004)。マスタ200の制御信号の送信とスレーブの非線形増幅も第1の実施の形態と同様であるとする。
この場合、チャネル不整合が補償されて、プロトコルが終了する。
[ケース2]該当しないスレーブが1つ存在し、応答信号を受信する
この場合、応答信号を送信したスレーブは対象となるスレーブではないことを認識でき、チャネルを変更する。
[ケース3]複数のスレーブが返信した場合(該当スレーブの有無に関係なく)
この場合、複数の応答信号が衝突し(輻輳が発生し)、応答信号の復調が困難になる。
スレーブ数が1つの場合には制御信号の送信回数は1回、スレーブが複数存在する場合には2回となる。
[特徴2]該当スレーブ以外も応答信号を返信する
[特徴3]マスタは制御信号を1度送信で済む場合がある
選択したチャネル及び隣接チャネルにスレーブがいない場合、マスタは制御信号を1度送信することで認識可能である(第1の実施の形態の方法ではスレーブがいない場合にも2回の制御信号を送信しなければならない)。
[特徴4]スレーブの存在確認まで最小2ステップ
各チャネルにおいて制御信号の送信とスレーブの存在確認までを完了するまでにかかるステップは最小で2ステップ、最大でも4ステップとなる。
なお、隣接チャネルからの漏えいの影響の抑制と隣接チャネル干渉の影響の緩和については、第1の実施形態の方法と同様の効果が得られる。
第1の実施の形態の方法では、制御信号は必然的に2回送信が必要であるが、返信は該当スレーブのみが行い、時間的には3ステップで完了する。一方第2の実施形態の方法では、選択したチャネル及び隣接する二つのチャネルにスレーブが0あるいは1つの場合にはマスタが送信する制御信号の送信回数は1回で済み、時間的には2ステップで完了する。しかし2つ以上のスレーブが存在し輻輳が生じる場合には、マスタは2回の制御信号の送信が必要となり、さらに時間的には4ステップが必要となる。また、該当スレーブ以外の制御信号も送信される不要な制御信号の送信が増え、その結果システム全体の消費電力が増える。以上の考察から、スレーブ数が少ない環境では第2の実施形態の方法が優位であり、スレーブ数が多い環境では第1の実施の形態の方法が優位であると言える。
2 バンドパスフィルタ(BPF)
3 増幅部
31 線形増幅器(LA)
32 非線形増幅器(NLA)
33 切替スイッチ
4 チャネル選択部
41 ミキサー
42 局部発振器
43 低域通過フィルタ(LPF)
44 A/D変換器
5 ベースバンド復調部
6 信号認識部
7 コントローラ
8 送信信号生成部
9 分波器
100 無線機(スレーブ)
101 無線機(スレーブ)
102 無線機(スレーブ)
200 無線機(マスタ)
Claims (7)
- コントローラの指令に応じて制御信号交換処理時の受信信号に対し線形増幅と非線形増幅を選択的に適用する受信部と、
前記コントローラの指令に応じて前記受信部の出力からチャネル番号に応じた周波数帯域の信号をベースバンドに変換するチャネル選択部と、
前記チャネル選択部の出力信号のエネルギーを積算し、前記コントローラに供給する信号認識部と、
前記チャネル選択部の出力信号を復調して受信情報を生成し、前記コントローラに供給するベースバンド復調部と、
前記コントローラの指令に応じて送信信号を生成する送信信号生成部と、
を備えた無線機。 - 前記受信信号は対象スレーブのID情報とチャネル番号を含む制御信号であり、前記ベースバンド復調部は、キャリアに対して施された第1の変調を復調して前記ID情報を得る第1の復調部と、周波数スペクトルに対して施された第2の変調を復調して前記チャネル番号を得る第2の復調部を有することを特徴とする、請求項1に記載の無線機。
- 前記第1の変調は振幅変調もしくは位相変調もしくは周波数変調であることを特徴とする請求項2に記載の無線機。
- 前記第2の変調はIFDMA変調であって、櫛の歯形状をなす周波数スペクトルの配置を時間とともに変位させることによりチャネル番号を埋め込むことを特徴とする請求項2に記載の無線機。
- 請求項1記載の無線機をスレーブとして用いたときに前記コントローラにより実行される無線通信周波数同期確立方法であって、
非線形増幅が適用された状態で前記信号認識部を用いてスペクトラムセンシングを実行しチャネル占有率を測定するステップと、
非線形増幅が適用された状態で前記チャネル選択部を用いて占有率の高いチャネルと低いチャネルに分類し、その結果に基づいて最終的に各チャネルの占有率の中で最も低い占有率のチャネルを有利チャネルとして選択するステップと、
非線形増幅が適用された状態でマスタが送信した制御信号を受信するステップと、
前記制御信号に含まれるチャネル番号にチャネルを設定するステップと、
前記マスタに応答信号を送信するステップと、
を含む無線通信周波数同期確立方法。 - 前記制御信号に含まれるチャネル番号にチャネルを設定した後、
線形増幅が適用された状態で前記マスタが送信した制御信号を受信するステップと、
前記制御信号から対象スレーブのID情報を復調するステップと、
前記ID情報と自身のID情報とを比較し、一致したときに前記応答信号を送信するステップと、
を含む請求項5に記載の無線通信周波数同期確立方法。 - さらに、
前記応答信号を送信した後、線形増幅が適用された状態で前記マスタが送信した制御信号を受信するステップと、
前記制御信号から対象スレーブのID情報を復調するステップと、
前記ID情報と自身のID情報とを比較し、一致したときに再度応答信号を送信するステップと、
を含む請求項5に記載の無線通信周波数同期確立方法。
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JP2017252755A JP7111329B2 (ja) | 2017-12-28 | 2017-12-28 | 無線機および無線通信周波数同期確立方法 |
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JP2005110030A (ja) | 2003-09-30 | 2005-04-21 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | セルサーチ方法、受信装置及び移動体通信端末装置 |
JP2013183317A (ja) | 2012-03-02 | 2013-09-12 | Shinshu Univ | 無線通信装置及び通信確立方法 |
JP2016136714A (ja) | 2015-01-16 | 2016-07-28 | 国立大学法人信州大学 | 無線通信利用状況測定方法 |
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2017
- 2017-12-28 JP JP2017252755A patent/JP7111329B2/ja active Active
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Title |
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黒沢 諒 Ryo KUROSAWA、他,"IFDMAと非線形増幅を利用したアクセスチャネルの異なる狭帯域受信機への信号伝送法 Signal Transmission Method based on IFDMA and Nonlinear Power Amplifier under Accessing Channel SR2016-108 スマート無線 SR2016-108 Smart Radio", 電子情報通信学会技術研究報告 Vol.116 No.480 IEICE Technical Report (2017-02-22) ,日本,電子情報通信学会,2017年02月22日,pages 83-87 |
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