以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や、派生的な効果のうち、少なくとも一つを得ることが可能である。
図1は、実施形態の周辺監視装置を搭載する牽引車両10および牽引車両10に牽引される被牽引車両12が示された側面図である。図1では、紙面左方向を牽引車両10を基準とする前方、紙面右方向を牽引車両10を基準とする後方としている。図2は、図1に示す牽引車両10および被牽引車両12の上面図である。また、図3は、牽引車両10に搭載される周辺監視装置を含む周辺監視システム100の構成の例示的なブロック図である。
牽引車両10は、例えば、内燃機関(エンジン、図示されず)を駆動源とする自動車(内燃機関自動車)であってもよいし、電動機(モータ、図示されず)を駆動源とする自動車(電気自動車、燃料電池自動車等)であってもよいし、それらの双方を駆動源とする自動車(ハイブリッド自動車)であってもよい。牽引車両10は図1に示されるようなスポーツ用多目的車両(Sport Utility Vehicle:SUV)であってもよいし、車両の後ろ側に荷台が設けられている、いわゆる「ピックアップトラック」であってもよい。また、一般的な乗用車であってもよい。牽引車両10は、種々の変速装置を搭載することができるし、内燃機関や電動機を駆動するのに必要な種々の装置(システム、部品等)を搭載することができる。また、牽引車両10における車輪14(前輪14F、後輪14R)の駆動に関わる装置の方式や、数、レイアウト等は、種々に設定することができる。
牽引車両10のリヤバンパ16の例えば車幅方向の中央部の下部からは、被牽引車両12を牽引するための牽引装置18(ヒッチ)が突出している。牽引装置18は牽引車両10の例えばフレームに固定されている。牽引装置18は、一例として、垂直方向(車両上下方向)に立設された先端部が球状のヒッチボール18aを備え、このヒッチボール18aに、被牽引車両12に固定された連結部材20の先端部に設けられたカプラ20aが覆い被さる。その結果、牽引車両10と被牽引車両12とが連結されるとともに、牽引車両10に対して被牽引車両12が車幅方向に揺動(旋回)可能となっている。つまり、ヒッチボール18aは、被牽引車両12(連結部材20)に前後左右の動きを伝え、また加速や減速のパワーを受け止めることになる。
被牽引車両12は、例えば、図1に示すように、搭乗空間、居住区間、収納空間等のうち少なくとも一つを含む箱形タイプであってもよいし、荷物(例えば、コンテナやボート等)を搭載する荷台タイプであってもよい。図1に示す被牽引車両12は、一例として一対のトレーラ車輪22を備える。図1の被牽引車両12は、駆動輪や操舵輪を含まない従動輪を備える従動車両である。
牽引車両10の後側のリヤハッチ10aの下方の壁部には、撮像部24が設けられている。撮像部24は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(CMOS Image Sensor)等の撮像素子を内蔵するデジタルカメラである。撮像部24は、所定のフレームレートで動画データ(撮像画像データ)を出力することができる。撮像部24は、広角レンズまたは魚眼レンズを有し、水平方向には例えば140°~220°の範囲を撮像することができる。また、撮像部24の光軸は斜め下方に向けて設定されている。よって、撮像部24は、牽引車両10の後端部、連結部材20および被牽引車両12の少なくとも前端部を含む領域(例えば、二点鎖線で示す範囲、図1参照)を逐次撮影し、撮像画像データとして出力する。撮像部24によって撮像された撮像画像データは、被牽引車両12の認識および、牽引車両10と被牽引車両12の連結状態(例えば、連結角度、連結の有無等)の検出に用いることができる。この場合、撮像部24の撮像した撮像画像データに基づき牽引車両10と被牽引車両12との連結状態や連結角度が取得できるので、システム構成が簡略化できるとともに、演算処理や画像処理の負荷が軽減できる。なお、牽引車両10は、当該牽引車両10のフロントバンパ16aの上方に牽引車両10のフロントバンパ16aを含む前方領域を撮像する撮像部24aを備えている。そして、例えば、牽引車両10が前進走行可能な状態のときに、牽引車両10の前方の状況を示す画像を表示装置26に表示できるように構成されている。なお、牽引車両10は、側方を撮像する撮像部を備えてもよい。さらに、被牽引車両12の側方や後方に撮像部を備えてもよい。複数の撮像部で得られた撮像画像データに基づいて演算処理や画像処理を実行し、より広い視野角の画像を生成したり、牽引車両10を上方から見た仮想的な俯瞰画像(平面画像)を生成したりしてもよい。
また、図3に示されるように、牽引車両10の車室内には、表示装置26や、音声出力装置28等が設けられている。表示装置26は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や、OELD(Organic Electroluminescent Display)等である。音声出力装置28は、一例として、スピーカである。また、本実施形態では、一例として、表示装置26は、透明な操作入力部30(例えば、タッチパネル等)で覆われている。運転者(利用者)は、操作入力部30を介して表示装置26の画面に表示される映像(画像)を視認することができる。また、運転者は、表示装置26の画面に表示される映像(画像)に対応した位置で手指等により操作入力部30を触れたり押したり動かしたりして操作することで、操作入力(指示入力)を実行することができる。また、本実施形態では、一例として、表示装置26や、音声出力装置28、操作入力部30等は、ダッシュボードの車幅方向(左右方向)の中央部に位置されたモニタ装置32に設けられている。モニタ装置32は、スイッチや、ダイヤル、ジョイスティック、押しボタン等の操作入力部(図示されず)を有することができる。また、モニタ装置32とは異なる車室内の他の位置に音声出力装置(図示されず)を設けることができるし、モニタ装置32の音声出力装置28と他の音声出力装置から、音声を出力することができる。また、本実施形態では、一例として、モニタ装置32は、ナビゲーションシステムやオーディオシステムと兼用されているが、周辺監視装置用のモニタ装置を、これらシステムとは別に設けてもよい。
表示装置26は、例えば、周辺監視システム100において、牽引車両10に連結される被牽引車両12が認識(検出)できているか否かが判定され、その判定の結果に応じて、牽引車両10または被牽引車両12の状態を示す指標を表示するとともに、被牽引車両12の認識(検出)状態に応じて指標の表示態様を変化させた表示を行うことができる。例えば、被牽引車両12が認識できている場合には、表示装置26の画面上の所定の領域に被牽引車両12の状態を示す指標としてトレーラアイコン(車両マーク)を表示することができる。また、別の例では、表示装置26に表示される牽引車両10の状態を示す情報(例えば、牽引車両10が後退移動するときに移動位置(方向)を示す移動位置予測線等)を被牽引車両12が認識されているか否かを示す指標として兼用して、被牽引車両12の認識時と非認識時とで表示形態を変化させて表示することができる。なお、表示装置26の表示内容の詳細は後述するが、表示装置26には、撮像部24で撮像した被牽引車両12に対応する画像や被牽引車両12の実画像が表示可能で、指標としてのトレーラアイコンや移動位置予測線等が、その画像や実像に対応付けられて表示される。
また、牽引車両10の車室内には、表示装置26とは別の表示装置34が設けられていてもよい。表示装置34は、例えば、ダッシュボードの計器盤部に設けられてもよい。表示装置34の画面の大きさは、表示装置26の画面の大きさよりも小さくすることができる。表示装置34は、牽引車両10に連結された被牽引車両12が認識できた場合に表示される被牽引車両12を示すトレーラアイコンやマーク、メッセージを簡易的に示すことができる。表示装置34で表示される情報量は、表示装置26で表示される情報量より少なくてもよい。表示装置34は、例えば、LCDや、OELD等である。また、表示装置34は、LED等で構成されてもよい。
また、周辺監視システム100(周辺監視装置)では、ECU36(Electronic Control Unit)や、モニタ装置32の他、舵角センサ38、シフトセンサ40等が、電気通信回線としての車内ネットワーク42を介して電気的に接続されている。車内ネットワーク42は、例えば、CAN(Controller Area Network)として構成されている。ECU36は、車内ネットワーク42を介して、舵角センサ38、シフトセンサ40等の検出結果や、操作入力部30等の操作信号等を受け取り、制御に反映させることができる。
ECU36は、例えば、CPU36a(Central Processing Unit)や、ROM36b(Read Only Memory)、RAM36c(Random Access Memory)、SSD36d(Solid State Drive、フラッシュメモリ)、表示制御部36e、音声制御部36f等を有している。CPU36aは、例えば、表示装置26,34で表示される画像に関連した画像処理や、牽引車両10に連結された被牽引車両12の認識(検出)処理やその検出結果に基づく表示処理等、各種の演算処理および制御を実行することができる。CPU36aは、ROM36b等の不揮発性の記憶装置にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって演算処理を実行することができる。RAM36cは、CPU36aでの演算で用いられる各種のデータを一時的に記憶する。また、表示制御部36eは、ECU36での演算処理のうち、主として、表示装置26,34で表示される画像データの合成等を実行する。また、音声制御部36fは、ECU36での演算処理のうち、主として、音声出力装置28で出力される音声データの処理を実行する。また、SSD36dは、書き換え可能な不揮発性の記憶部であって、ECU36の電源がオフされた場合にあってもデータを記憶することができる。なお、CPU36aや、ROM36b、RAM36c等は、同一パッケージ内に集積されうる。また、ECU36は、CPU36aに替えて、DSP(Digital Signal Processor)等の他の論理演算プロセッサや論理回路等が用いられる構成であってもよい。また、SSD36dに替えてHDD(Hard Disk Drive)が設けられてもよいし、SSD36dやHDDは、ECU36とは別に設けられてもよい。
舵角センサ38は、例えば、牽引車両10のステアリングホイール等の操舵部の操舵量(牽引車両10の舵角)を検出するセンサである。舵角センサ38は、例えば、ホール素子などを用いて構成される。ECU36は、運転者による操舵部の操舵量や、自動操舵時の各車輪14の操舵量等を、舵角センサ38から取得して各種制御を実行する。なお、舵角センサ38は、操舵部に含まれる回転部分の回転角度を検出する。舵角センサ38は、角度センサの一例である。
シフトセンサ40は、例えば、変速操作部(例えば、シフトレバー)の可動部の位置を検出するセンサである。シフトセンサ40は、可動部としての、レバーや、アーム、ボタン等の位置を検出することができる。シフトセンサ40は、変位センサを含んでもよいし、スイッチとして構成されてもよい。
なお、上述した各種センサ等の構成や、配置、電気的な接続形態等は、一例であって、種々に設定(変更)することができる。
図4は、ECU36に含まれるCPU36aの構成の例示的なブロック図である。CPU36aは、牽引車両10に連結される被牽引車両12を認識したり、認識結果を示す指標を表示したり、その表示態様を変化させたりする処理を実現するための各種モジュールを備える。各種モジュールは、CPU36aがROM36b等の記憶装置にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、それを実行することで実現される。例えば、CPU36aは、図4に示されるように、取得部44、認識部46、画像変換部48、制御部50等のモジュールを備える。
取得部44は、被牽引車両12を認識しているか否かを示す指標として、例えば、トレーラアイコンを表示したり、被牽引車両12を認識していることを示すとともに牽引車両10の移動方向等を示すガイド線(例えば、目安線や移動位置予測線等)を表示したりするために用いる各種情報を取得する。取得部44は、例えば、画像取得部44a、舵角取得部44b、シフト位置取得部44c、連結角度取得部44d、監視要求取得部44e等を含む。
画像取得部44aは、牽引車両10の後部に設置された撮像部24が撮像する牽引車両10の後方画像(後方領域の画像)を取得する。図5は、撮像部24が撮橡した撮像画像データに基づく画像P(後方画像)の一例である。撮像部24は、牽引車両10の後部に固定され、撮像方向や撮像範囲が固定されている。そのため、撮像部24が撮像する画像Pの所定位置(図5の場合、下端側領域)には、牽引車両10のリヤバンパ16、牽引装置18(ヒッチボール18a)等が映ることになる。また、被牽引車両12が牽引車両10に連結されている場合、画像Pにおいて、リヤバンパ16等を基準に所定の領域に被牽引車両12の前方部の一部および連結部材20(カプラ20a)が映ることになる。図5に示す画像Pは、牽引車両10の牽引装置18(ヒッチボール18a)を支点として、連結部材20(被牽引車両12、カプラ20a)が、例えば矢印T1方向に旋回して(曲がって牽引されて)、連結角度θ(車両中心軸Mと連結中心軸Nの角度)となっている状態を示している。この場合、被牽引車両12は牽引車両10の運転席から見て左側に旋回している(曲がっている)ことになる。CPU36aは、この画像Pに画像処理を施すことにより、被牽引車両12の認識や連結角度θの検出を行うことができる。また、画像取得部44aは、牽引車両10のフロントバンパ16aに設けられた撮像部24aによって撮像された牽引車両10の前方画像を取得可能で、CPU36aは、例えば牽引車両10が前進走行する場合に撮像部24aで撮像した前方画像を表示装置26に表示することができる。なお、画像取得部44aは、さらに、牽引車両10の左右の側方画像を撮像する撮像部からの撮像画像データを取得してもよい。このように、画像取得部44aが後方画像に加え、前方画像、左右の側方画像を取得することにより、CPU36aは、牽引車両10の周辺状況を示す車両周辺画像(例えば、俯瞰画像)を生成することができる。
舵角取得部44bは、舵角センサ38の検出した牽引車両10の舵角を取得する。つまり、運転者がこれから牽引車両10(被牽引車両12)を走行させようとしている方向の舵角を取得する。また、シフト位置取得部44cは、シフトセンサ40が出力する変速操作部の可動部の位置に基づき、牽引車両10が前進可能状態か後退可能状態かを取得する。舵角取得部44bは、シフト位置取得部44cの取得結果を参照して、現在の舵角が前進可能状態時の舵角か後退可能状態時の舵角かを識別してもよい。連結角度取得部44dは、牽引車両10に被牽引車両12が連結されている場合の連結角度、つまり牽引車両10の車両中心軸Mに対する被牽引車両12の連結部材20(連結中心軸N)の角度を取得する。連結角度取得部44dは、画像取得部44aが取得した画像P(図5参照)に画像処理を施すことにより連結部材20(連結中心軸N)を検出することができる。そして、連結角度取得部44dは、車両中心軸Mに対する連結部材20(連結中心軸N)の旋回方向(矢印T1または矢印T2)の変位角を検出することにより牽引車両10と被牽引車両12との連結角度θを取得することができる。また、別の実施形態では、牽引装置18が角度検出センサを備える場合、連結角度取得部44dは、角度検出センサの検出値に基づき連結角度θを取得してもよい。
監視要求取得部44eは、周辺監視システム100に対して、被牽引車両12を認識しているか否かを監視する周辺監視モードへの移行が要求されているか否かを示す情報を取得する。監視要求取得部44eは、例えば、運転者が操作する操作入力部30を介して、周辺監視モードへ移行することを要求されているか否かの信号を受け付けることができる。
認識部46は、画像取得部44aが取得した撮像部24で撮像した画像P(後方画像)に対して、周知の画像処理を施すことにより牽引車両10に連結可能な被牽引車両12の認識(検出)を行う。認識部46は、例えば、ROM36bやSSD36dに認憶されたサンプル形状との比較により被牽引車両12の形状認識を行い、画像P中の所定領域に被牽引車両12が存在すると判定した場合に、被牽引車両12が牽引車両10に連結されている、つまり、周辺監視システム100が被牽引車両12を認識していると見なすことができる。また、認識部46は、被牽引車両12の一部、例えば前端面に付された目標マークを画像P中の所定領域に検出した場合に、被牽引車両12が牽引車両10に連結されている、つまり認識していると見なすようにしてもよい。また、別の実施形態では、認識部46は、画像Pにおいて、牽引装置18と接続された棒状の連結部材20を検出することによって被牽引車両12が牽引車両10に連結されている、つまり認識していると見なすようにしてもよい。したがって、認識部46は、画像Pの中に、被牽引車両12、目標マークおよび連結部材20の少なくとも一つが検出できない揚合には、被牽引車両12が非認識(非検出〉状態であると判定する。なお、認識部46は、画像Pの中に、被牽引車両12、目標マークおよび連結部材20等の形状と一致する画像を検出した場合でも、その画像が所定領域(例えばリヤバンパ16を基準とする方向および位置)に含まれていない場合、被牽引車両12は牽引車両10の周辺に存在するものの牽引車両10に連結されていないと判定する。この場合も認識部46は、被牽引車両12が非認識(非検出)状態であると判定する。
画像変換部48は、撮像部24が撮像した牽引車両10の後方画像の撮像画像データや撮像部24aが撮像した牽引車両10の前方画像の撮像画像データ、および左右の側方撮像部が撮像した左右の側方画像の撮像画像データ等を視点変換して合成することで、牽引車両10を上空から見下ろしたような俯瞰画像に変換することができる。図6、図7は、画像変換部48で変換された俯瞰画像P1と、撮像部24または撮像部24aで撮像された実画像P2(図6、図7の場合、撮像部24aで撮像された前方画像の実画像P2)と、が表示装置26の画面26aに並列表示されている一例を示している。周辺監視システム100の制御状態が周辺監視モードに移行した場合、表示装置26の画面26aは、通常表示されているナビゲーション画面やオーディオ画面から図6に示すような周辺監視画面に切り替えられる。俯瞰画像P1には、牽引車両10に対応する自車画像10pが表示されるとともに、撮像部24が撮像した撮像画像データに図5に示すように被牽引車両12が映っていた場合、トレーラ画像12pが含まれる。この場合、撮像部24から撮像した被牽引車両12を二次元データに変換すると後方に向かって延びたトレーラ画像12pとなる。なお、本実施形態の撮像部24が撮像した後方画像において牽引車両10は、リヤバンパ16および牽引装置18しか映らない。また、俯瞰画像P1を生成する場合に後方画像に加えて用いる前方画像や左右の側方画像にも牽引車両10の一部分しか含まれない。そのため各撮像画豫データからは自車画像10pに関する情報(形状データ)は取得できない。そのため、俯瞰画像P1を表示する場合、画像変換部48は、ROM36b等に予め保持された自車画像10pの表示データを読み出し、俯瞰画像P1(二次元データ)に重畳表示する。その結果、俯瞰画像P1(車両周辺画像)上で、自車画像10pとトレーラ画像12pとが連結されたような画像の表示が可能になる。なお、画像変換部48は、後方画像の撮像画像データのみを例えば、三次元データから二次元データに変換して、牽引車両10の後方部分を上空から見たような簡易的な俯瞰画像P1を生成して、表示装置26に表示してもよく、同様の効果を得ることができる。
制御部50は、主として周辺監視モードを実行中の表示装置26の画面26aに重畳表示する要素の制御を実行するために、例えば、指標態様制御部50a、ガイド線生成部50b、表示切替部50c等のモジュールを含む。
指標態様制御部50aは、認識部46の認識結果に基づき、牽引車両10に連結された被牽引車両12が認識できているか否かを示す指標の表示制御を実行するとともに、被牽引車両12の認識状態に応じて指標の表示態様を変化させる制御を実行することができる。
図8~図10は、指標態様制御部50aによって表示態様が制御される、牽引車両10に連結された被牽引車両12が認識できているか否かを示す指標52としてのトレーラアイコン52a(車両マーク)の表示例である。トレーラアイコン52aは、被牽引車両12が認識されている場合、図8に示すように、自車画像10pの後部に連結状態で表示される。この場合、トレーラアイコン52aが例えば、点灯表示されて自車画像10pにトレーラアイコン52aが連結されている状態が明示される。つまり、被牽引車両12が認識(検出)状態であることを明確に表示することができる。
図9は、認識部46において、牽引車両10に連結された被牽引車両12が認識できていない場合に表示されるトレーラアイコン52aである。この場合、トレーラアイコン52aを例えば点滅表示させることで、トレーラアイコン52aに注意を払いやすくしている。つまり、被牽引車両12が認識できない状態であることを明確に表示することができる。なお、被牽引車両12が認識できない場合、トレーラアイコン52aを非表示にしてもよい。被牽引車両12の連結状態の監視を主に行う周辺監視モードにおいて、牽引車両10に被牽引車両12が連結されていれば表示されるはずの自車画像10pとトレーラアイコン52aが、自車画像10pのみ表示されている(トレーラアイコン52aが非表示されている)ことにより、運転者に強い印象を与えやすくなり、被牽引車両12が非認識(非検出)状態であることをさらに認識させやすくなる。
図10は、認識部46において、牽引車両10に連結された被牽引車両12が認識できていない場合に表示される他のトレーラアイコン52aである。この場合、自車画像10pおよびトレーラアイコン52aは、図8の認識時と同様に表示されるが、トレーラアイコン52aの表示態様が認識時とは異なる。図10の例の場合、トレーラアイコン52aには、強調マーク52b、例えば「?」が付され、被牽引車両12が非認識状態であることを認識させやすくしている。なお、図9、図10に示す非認識時のトレーラアイコン52aの表示態様は一例であり、図8に示す認識時の表示態様との区別がつけば、適宜変更可能である。例えば、指標態様制御部50aは、トレーラアイコン52aの表示態様を変更する場合、トレーラアイコン52aの表示色を変更したり、表示輝度を変更(例えば低下)したり、透過率を変更(例えば透過度を高く)したりしてもよく、同様の効果を得ることができる。また、上述した表示態様を組み合わせてもよい。例えば、図9の例と図10の例を組み合わせ、点滅表示のトレーラアイコン52aに強調マーク52bを付加して、非認識であることをさらに強調するようにしてもよい。
このような指標52(トレーラアイコン52a)は、認識部46によって被牽引車両12が認識されている場合、図7に示すように、表示装置26の画面26aの俯瞰画像P1(車両周辺画像)に表示される。前述したように、牽引車両10に被牽引車両12が連結されている場合、自車画像10pとトレーラ画像12pとの相対位置は定まる。そして、認識部46で被牽引車両12が認識できる場合、連結角度取得部44dは撮像画像データ上で認識されている被牽引車両12の牽引車両10に対する連結角度θを取得することができる。したがって、指標態様制御部50aは、牽引車両10と被牽引車両12との連結角度θにしたがい、俯瞰画像P1に表示されている自車画像10pに対する指標52(トレーラアイコン52a)の接続角度を変化させた状態で重畳表示することができる。図7の場合は、牽引車両10と被牽引車両12とが真っ直ぐに連結された直列状態(前後方向で牽引車両10の車両中心軸Mと被牽引車両12の連結中心軸Nとが重なっている状態:図5参照)の場合の自車画像10pとトレーラアイコン52aおよびトレーラ画像12pが表示されている。なお、この場合、自車画像10pに対して連結角度θで連結されているように表示されるトレーラ画像12pと、自車画像10pに対して連結角度θで連結したように表示されるトレーラアイコン52aとが重なって表示される。つまり、俯瞰画像P1(撮像画像)における被牽引車両12の表示対応位置にトレーラアイコン52aが重畳表示される。したがって、俯瞰画像P1を確認する運転者は、トレーラ画像12pとトレーラアイコン52aとが同じものを示していることが理解しやすく、周辺監視システム100が被牽引車両12を認識していることを違和感なく理解させやすくなる。このように、被牽引車両12を認識部46が認識できない場合で、トレーラアイコン52aの表示態様(例えば、非表示)によって制御上、被牽引車両12が非認識であることを運転者に理解させやすい。さらに、俯瞰画像P1上でトレーラアイコン52aが表示されるべき位置、すなわち、自車画像10pの後部のトレーラ画像12pの位置を確認することで、実際の被牽引車両12の有無や被牽引車両12が連結されている場合は、簡易的に連結角度θ等を認識させやすくなる。
一方、認識部46が被牽引車両12を認識できない場合、指標態様制御部50aは、指標52(トレーラアイコン52a)の表示態様を変化させる。例えば、図9で説明したように指標52(トレーラアイコン52a)を非表示とする。その結果、図6に示すように俯瞰画像P1は、図7の俯瞰画像P1と明確に区別することができる。図6と図7の比較から分かるように、周辺監視モードにおいて、牽引車両10に被牽引車両12が連結されていれば表示されるはずのトレーラアイコン52aが非表示となることにより、運転者に強い印象を与えやすくなり、被牽引車両12が非認識状態であることを認識させやすい。
なお、前述したように、牽引車両10に被牽引車両12が連結されているにも拘わらず、周辺監視システム100において、認識部46が被牽引車両12を認識できない場合でも俯瞰画像P1でトレーラ画像12pが視認できる場合がある。つまり、被牽引車両12が画像処理で視認できないほどに撮像部24が撮像した後方画像の品質がよくない場合でも、不鮮明である可能性はあるがトレーラ画像12pが俯瞰画像P1で確認できることがある。その結果、運転者に俯瞰画像P1(車両周辺画像)を確認させることで、俯瞰画像P1内に含まれる被牽引車両12の画像から当該被牽引車両12の状態が確認できる。その結果、例えば、被牽引車両12の連結の有無やおおよその連結姿勢を認識させることができる。
指標態様制御部50aは、指標52(トレーラアイコン52a)を簡易的に表示するインジケータ54を俯瞰画像P1の一部や、その他、運転者が視認しやすい位置に表示するようにしてもよい。図6、図7の場合は、インジケータ54を俯瞰画像P1の右上位置に配置している。インジケータ54はトラクタインジケータ54aとトレーラインジケータ54bとからなり、認識部46が被牽引車両12を認識している場合には、図7に示すように、トラクタインジケータ54aとトレーラインジケータ54bとが、例えば点灯表示される。一方、認識部46が被牽引車両12を認識していない場合には、図6に示すように、トラクタインジケータ54aのみが例えば点灯表示される。この場合、例えば、俯瞰画像P1の輝度より高い輝度でインジケータ54を表示することで、被牽引車両12の認識状態を直感的に運転者に理解させやすくなる。
なお、認識部46は、撮像部24が撮像した後方画像に画像処理を施した結果、被牽引車両12が認識できない場合に、「非認識である」と判定する。つまり、認識部46は、被牽引車両12が牽引車両10に連結されているにも拘わらず認識できない場合と、牽引車両10に被牽引車両12が連結されていないため被牽引車両12が認識できない場合のいずれの場合においても「非認識である」と判定する。したがって、指標態様制御部50aは、トレーラアイコン52aやインジケータ54の表示態様によって、被牽引車両12が認識できていない事実を正確に運転者に通知することができる。
図4に戻り、ガイド線生成部50bは、牽引車両10の現在の舵角に基づいて、牽引車両10を走行させた場合に牽引車両10や車輪14が進む方向を示す移動位置予測線や、牽引車両10の端部からの距離や車幅の目安を示す目安線等のガイド線を生成する。例えば、ガイド線生成部50bが、シフト位置取得部44cの取得結果に基づき、牽引車両10が後退走行可能な状態ではないことを示す信号を取得した場合(例えば、シフト位置がP(パーキング)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)等)、図6、図7に示すように、実画像P2に牽引車両10の舵角に応じた方向に向く、ガイド線の一例である目安線56を生成する。目安線56は、例えば、牽引車両10の舵角に基づく進行方向に延びる牽引車両10の車幅ガイド線56aと、この車幅ガイド線56aの一部から車幅方向に突出する小片で表示される、牽引車両10のフロントバンパ16aからの前方離間距離を示す距離目安線56b,56c,56d等で構成されている。距離目安線56bはフロントバンパ16aから例えば0.5mの離間距離、距離目安線56cはフロントバンパ16aから例えば1.0mの離間距離、距離目安線56dはフロントバンパ16aから例えば2.5mの離間距離に相当する位置に表示される。なお、目安線56の表示態様は一例であり、例えば、距離目安線56b,56c,56dは、左右の車幅ガイド線56aを跨ぐように繋がった線で表示されてもよいし、距離目安線56b,56c,56dで区切られる領域の表示色を異ならせることで、距離感を認識させるようにしてもよい。また、目安線56の前方の長さは、適宜選択可能であり、2.5m以上でもよいし、2.5m未満でもよい。また、三本の距離目安線56b,56c,56dを示したが、三本未満でも四本以上でもよい。また、その間隔も変更可能である。
図11、図12は、牽引車両10が後退走行可能状態の場合で、ガイド線生成部50bが生成するガイド線の一例である移動位置予測線58が表示装置26の画面26aの実画像P2に重畳表示される場合を示す表示例である。ガイド線生成部50bが、シフト位置取得部44cの取得結果に基づき、牽引車両10が後退走行可能な状態であることを示す信号(R(リバース)を示す信号)を取得した場合、図11、図12に示すように実画像P2に、牽引車両10が通る(牽引車両10の移動予測位置を示す)軌跡を示す移動位置予測線58を生成する。なお、移動位置予測線58は、牽引車両10の後輪14Rが移動する方向を示す軌跡を含むものであってもよい。以下の説明では、牽引車両10の後輪14Rが移動する軌跡を含む移動位置予測線58を一例として示す。移動位置予測線58は、例えば、牽引車両10の舵角に基づく後輪14Rの移動予測位置を示すタイヤ軌跡線58aと、牽引車両10のリヤバンパ16からの後方の離間距離を示す距離目安線58b,58c,58d等で構成されている。距離目安線58bはリヤバンパ16から例えば0.5mの離間距離、距離目安線58cはリヤバンパ16から例えば1.0mの離間距離、距離目安線58dはリヤバンパ16から例えば2.5mの離間距離に相当する位置を示す。また、他の実施形態では、牽引車両10の前後方向に延びる車両中心線の延長線を移動位置予測線58としてもよい。この場合、リヤバンパ16から後方に一本の線が延び、その線上に距離目安線58b,58c,58dと同様の線が付されるようにしてもよい。また、距離目安線58b,58c,58dは、リヤバンパ16や10のリヤコーナー部を模したものでもよい。
本実施形態の場合、ガイド線生成部50bは、移動位置予測線58の表示態様を表示装置26の画面26a上で変化させることで認識部46の認識結果を運転者に提供することができる。図11は、周辺監視モードで、牽引車両10が後退走行可能な状態で、認識部46が被牽引車両12を認識できない場合の表示装置26の画面26aの表示例を示している。図11の場合、撮像部24が撮像した後方画像に被牽引車両12が映っているにも拘わらず、認識部46で被牽引車両12が認識できない場合である。したがって、俯瞰画像P1には、不明瞭ではあるが被牽引車両12に対応するトレーラ画像12pが右に旋回した姿勢で表示されている。また、実画像P2にも被牽引車両12が不明瞭ではあるが表示されている。俯瞰画像P1には、被牽引車両12が認識できていないことを示す指標52(トレーラアイコン52a)が表示されるとともに、トラクタインジケータ54aおよび非認識状態を示すトレーラインジケータ54bで構成されるインジケータ54が表示されている。この場合、指標52(トレーラアイコン52a)は、被牽引車両12が認識できず、連結角度θの検出ができないため、自車画像10pに対して直列の状態で例えば、輝度を自車画像10pより低下させた状態や透過率を自車画像10pより高くした状態で表示される。なお、牽引装置18等に角度検出センサ等が設けられている場合、認識部46で被牽引車両12が認識できないものの、連結角度θが検出可能な場合には、トレーラアイコン52aやトレーラインジケータ54bを連結角度θに応じて傾けた姿勢で表示するようにしてもよい。
この場合、周辺監視システム100は、認識部46が被牽引車両12を認識していないことを明確に示すために、実画像P2に被牽引車両12を連結していない場合に、後退時に表示されるような、所定の後方位置(例えば、2.5m)まで延びる通常表示態様の移動位置予測線58を表示する。つまり、距離目安線58b,58c,58dを含む移動位置予測線58が表示される。このような移動位置予測線58の通常表示が行われることで、画面26aを確認した運転者に周辺監視システム100が被牽引車両12を認識していないことを理解させやすくすることができる。なお、牽引車両10の周囲に被牽引車両12が存在しない場合も認識部46は被牽引車両12を認識できないので、ガイド線生成部50bは通常表示態様の移動位置予測線58を生成し、実画像P2に重畳表示する。
一方、周辺監視モードに移行状態で、牽引車両10が後退走行可能なときに、認識部46が被牽引車両12を認識している場合、図12に示すように、俯瞰画像P1に、被牽引車両12に対応する明瞭なトレーラ画像12pが右に旋回した姿勢で表示される。また、実画像P2にも被牽引車両12が明瞭に表示される。また、俯瞰画像P1には、被牽引車両12が認識できていることを示す指標52(トレーラアイコン52a)が表示される。この場合、連結角度取得部44dは、画像処理により牽引車両10と被牽引車両12との連結角度θを得ることができるので、指標52(トレーラアイコン52a)は、連結角度θに対応した姿勢で自車画像10pに連結させて表示することができる。同様に、トラクタインジケータ54aおよび認識状態を示すトレーラインジケータ54bで構成されるインジケータ54も連結角度θに基づく連結姿勢で表示され得る。
この場合、周辺監視システム100は、認識部46が被牽引車両12を認識していることを明確に示すために、実画像P2に、被牽引車両12を連結している場合に表示されている被牽引車両12と重ならない後方位置(例えば、1.0m)まで延びる短縮表示態様の移動位置予測線58を表示する。この場合、移動位置予測線58は、距離目安線58cおよび距離目安線58cまで延びるタイヤ軌跡線58aのみが表示される。このような短縮表示態様の移動位置予測線58が表示されることで、画面26aを確認した運転者に周辺監視システム100が被牽引車両12を認識していることを理解させやすくすることができる。また、短縮表示態様の移動位置予測線58が被牽引車両12と重ならないため、実画像P2の視認性が向上し、認識されている被牽引車両12の連結姿勢や牽引車両10の後退時の進行方向を容易に認識させることができる。特に、被牽引車両12と重ならない短縮表示態様の移動位置予測線58のタイヤ軌跡線58aが適度な長さ(例えば1.0m)で表示されることで、タイヤ軌跡線58aの向きを認識させやすく、牽引車両10の向かう方向、つまり牽引車両10の現在の操舵方向(舵角方向)を理解させやすくすることができる。その結果、被牽引車両12を希望する方向に旋回させるためには、いずれの方向に舵角を変化させたらよいかの判断をさせやすくすることができる。
図4に戻り、表示切替部50cは、監視要求取得部44eが周辺監視モードへの移行要求を取得した場合、表示装置26の画面26aを通常表示画面のナビゲーション画面やオーディオ画面から図7や図12に示すような周辺監視画面に切り替える。また、表示切替部50cは、監視要求取得部44eが周辺監視モードの終了要求を取得した場合には、周辺監視画面から通常表示画面に復帰させる。また、周辺監視モードにおいて、シフト位置取得部44cが検出した牽引車両10の進行方向に基づき、牽引車両10の進行方向に対応する撮像部24または撮像部24aで撮像した実画像P2を表示するように画面26aを切り替える。また、表示切替部50cは、認識部46の認識結果に基づき、指標52(トレーラアイコン52a)の表示態様やインジケータ54の表示態様、移動位置予測線58の表示態様を切り替える。
上述のように構成される周辺監視システム100による周辺監視における表示処理手順の一例を図13のフローチャートを用いて説明する。
まず、CPU36aは、監視要求取得部44eが運転者による例えば操作入力部30の操作による周辺監視モードへの移行要求を取得したか否かを確認する。監視要求取得部44eが周辺監視モードへの移行要求を取得していない場合(S100のNo)、CPU36aは一旦このフローを終了する。一方、監視要求取得部44eが周辺監視モードへの移行要求を取得している場合(S100のYes)、CPU36aは、画像取得部44aを介して撮像部24が撮像する後方画像および撮像部24aが撮像する前方画像を取得する(S102)。続いて、CPU36aは、画像取得部44aが取得した後方画像および牽引車両10の周辺を撮像した前方画像や側方画像を用いて俯瞰画像P1を生成するとともに、表示切替部50cにより周辺監視画面を表示する(S104)。すなわち、表示切替部50cは、周辺監視モードへの移行要求を受ける前まで表示装置26の画面26aに表示されていた通常表示画面(例えば、ナビゲーション画面やオーディオ画面)から例えば、図6に示すような俯瞰画像P1と実画像P2で構成される周辺監視画面に切り替える。
続いて、CPU36aは舵角取得部44bを介して舵角センサ38が検出する牽引車両10の舵角を取得する(S106)。そして、CPU36aは、認識部46に画像取得部44aが取得した後方画像に対する画像処理を実行させ、被牽引車両12の認識を行わせる。そして、認識部46により被牽引車両12が認識できた場合(S108のYes)、CPU36aは、指標態様制御部50aに、画像変換部48が生成した俯瞰画像P1に対して、図8に示すような被牽引車両12を認識していることを示すトレーラアイコン52aを表示させる(S110)。なお、このとき、連結角度取得部44dは、図5で説明したように、牽引車両10に対する被牽引車両12の連結角度θを取得する。指標態様制御部50aは、連結角度取得部44dが取得した連結角度θに基づき、俯瞰画像P1上で表示するトレーラアイコン52aの自車画像10pに対する姿勢(接続角度)を決定し、自車画像10pとトレーラアイコン52aとが連結されている状態で表示する。また、指標態様制御部50aは、インジケータ54におけるトラクタインジケータ54aとトレーラインジケータ54bとの接続角度も連結角度取得部44dが取得した連結角度θに基づいて決定する。このように、認識部46によって被牽引車両12が認識できた場合で、例えば、牽引車両10と被牽引車両12との連結角度θ≒0の場合、俯瞰画像P1は、図7に示すような画像になる。また、連結角度θ≠0の場合、俯瞰画像P1は、図12に示すような画像になる。
一方、認識部46により被牽引車両12が認識できない場合(S108のNo)、CPU36aは指標態様制御部50aにより、画像変換部48が生成した俯瞰画像P1において、被牽引車両12を認識していないことを示すようにトレーラアイコン52aを非表示にする(S112)。また、指標態様制御部50aは、俯瞰画像P1に被牽引車両12を認識していないことを示すトラクタインジケータ54aのみのインジケータ54を表示する(図6の俯瞰画像P1を参照)。なお、このとき、指標態様制御部50aは、図9や図10に示すような被牽引車両12を認識していないことを示すトレーラアイコン52aを俯瞰画像P1に表示するようにしてもよい(図11の俯瞰画像P1を参照)。
続いて、CPU36aは、シフト位置取得部44cの取得結果に基づき、牽引車両10が現在進行しようとしている方向(前進か後退)を確認する。運転者が牽引車両10を後退走行させようとして、変速操作部を「Rレンジ」に移動させていることを示す信号をシフト位置取得部44cが取得した場合で(S114のYes)、認識部46が被牽引車両12を認識している場合(S116のYes)、ガイド線生成部50bは、牽引時のガイド線を生成する(S118)。つまり、図12に示すような、例えば、牽引車両10の後方1.0mの位置まで延びる短縮表示態様の移動位置予測線58を生成する。この場合、ガイド線生成部50bは、舵角取得部44bが取得した牽引車両10の舵角に基づき、牽引車両10の旋回軌道を算出するとともに、牽引車両10の後輪14Rのタイヤ軌跡線58aを算出して移動位置予測線58の描画方向を決定する。一方、S116において、認識部46が被牽引車両12を認識してない場合(S116のNo)、ガイド線生成部50bは、非牽引時のガイド線を生成する(S120)。つまり、図11に示すような、例えば、牽引車両10の後方2.5mの位置まで延びる通常表示態様の移動位置予測線58を生成する。この場合も、ガイド線生成部50bは、舵角取得部44bが取得した牽引車両10の舵角に基づき、牽引車両10の旋回軌道を算出するとともに、牽引車両10の後輪14Rのタイヤ軌跡線58aを算出して移動位置予測線58の描画方向を決定する。ガイド線生成部50bによって移動位置予測線58が生成されたら、CPU36aは、後方を示す実画像P2に移動位置予測線58(ガイド線)を重畳し(S122)、図11や図12に示すような画面26aを表示装置26に表示する。
そして、CPU36aは、監視要求取得部44eが周辺監視モードの終了要求を取得した場合(S124のYes)、例えば、運転者が操作入力部30により終了スイッチを操作した場合等、表示切替部50cにより、表示装置26の画面26aに通常表示画面を表示(復帰)させる(S126)。例えば、画面26aをナビゲーション画面やオーディオ画面に切り替え、一連の周辺監視処理を一旦終了させる。
S124において、監視要求取得部44eが周辺監視モードの終了要求を取得していない場合(S124のNo)、CPU36aは、S102に移行し、周辺監視処理を継続する。
S114において、運転者が牽引車両10を後退走行させようとしていない場合、つまり、変速操作部を「Rレンジ」以外に移動させていることを示す信号をシフト位置取得部44cが取得した場合で(S114のNo)、ガイド線生成部50bは、前方表示用の目安線56を生成し、前方の実画像P2に重畳表示する(S128)。すなわち、図6や図7に示すような画面26aを表示装置26に表示する。この場合もガイド線生成部50bは、舵角取得部44bが取得した牽引車両10の舵角に基づき、牽引車両10の旋回軌道を算出して目安線56の描画方向を決定する。CPU36aは、目安線56を画面26aに表示させた後、S124の処理に移行し、周辺監視処理を終了するか否かを決定し、上述した処理を実行する。
図13に示すフローチャートは一例であり、周辺監視システム100が被牽引車両12を認識されているか否かを示す情報を運転者に通知できればよく、処理ステップの入れ替えや増減等が適宜可能で、同様の効果を得ることができる。
このように、本実施形態の周辺監視システム100によれば、当該周辺監視システム100において被牽引車両12が認識できているか否かが明示されるため、周辺監視システム100の制御(処理)状況を理解させやすく、運転者に安心感を与えやすくなる。
上述した実施形態においては、周辺監視システム100が被牽引車両12を認識しているか否かを表示装置26を用いて通知する例を示したが、例えば、俯瞰画像P1に表示する内容を、表示装置34を用いて簡易的に表示してもよく、同様の効果を得ることができる。また、周辺監視システム100が被牽引車両12を認識しているか否かを通知する場合、上述したような視覚的な通知に加え、音声出力装置28を用いた音声による聴覚的通知を行ってもよく、運転者に周辺監視システム100における被牽引車両12の認識状態の把握をより明確に行わせることができる。
上述した実施形態において、表示装置26上で俯瞰画像P1の表示領域を実画像P2の表示領域より小さく表示する例を示したが、俯瞰画像P1を実画像P2より大きく表示してもよい。この場合、被牽引車両12の認識状態をより明確に運転者に理解させやすくすることができる。また、俯瞰画像P1を表示装置34に表示し、実画像P2のみを表示装置26に表示するようにしてもよい。この場合、実画像P2の表示領域を広く確保することが可能になり、実画像P2の視認性の向上ができる。また、表示装置34が運転中の運転者の視線をあまり動かさずに視認できる位置(例えばダッシュボードの計器盤部等)に配置されている場合には、俯瞰画像P1の視認性を向上することができる。また、表示装置26に俯瞰画像P1のみを表示してもよく、同様に、俯瞰画像P1の視認性を向上することができる。
本実施形態のCPU36aで実行される周辺監視プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、周辺監視プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態で実行される周辺監視プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。