以下、本発明に係るぱちんこ遊技機の実施例について説明する。先ず、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、小当りを短時間で集中的に発生させ得るゲーム性が採用されている。この小当り集中させ得るゲーム性は、「小当りラッシュ」(或いは「小当りRUSH」など)と称することが可能なものである。
そして、本実施例では、「小当りラッシュ」が発生し得るようにする一方で、この「小当りラッシュ」を有効に活用するため、遊技盤面の構成、大入賞口の動作制御、及び、演出制御などの種々の点について工夫が施されている。以下では、本実施例のぱちんこ遊技機の基本構成について説明し、その後に、本実施例のぱちんこ遊技機における遊技手順、演出、及び、制御態様などについて説明する。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
図1は、本実施例に係るぱちんこ遊技機10の前面構成を示している。ぱちんこ遊技機10においては、後述する遊技機枠11に遊技盤50が装着されている。これらのうち、遊技盤50は、ぱちんこ遊技機10の機種に応じて付属機器や意匠等といった構成要素を異ならせているものである。さらに、遊技盤50は、遊技機枠11との電気的な接続関係や、構造的な接続関係を解除することにより、遊技機枠11から分離できるようになっている。
また、複数機種の遊技盤50について、遊技機枠11との構造的及び電気的な接続関係を共通化することにより、異機種間で遊技機枠11を共用する所謂機種変更が可能となっている。なお、以下では先ず、遊技機枠11について説明し、その後に遊技盤50の盤面構成について説明する。
上述の遊技機枠11は、外枠12、前枠(「内枠」や「本体枠」などともいう)13、及び、下部前板(「幕板」などともいう)14を有している。さらに、前枠13には、ガラス扉15、及び、皿ユニット16が装着されている。これらのうち外枠12は、ぱちんこ遊技機10を、遊技場(遊技店舗)内の島設備における所定位置に固定するために用いられる矩形の枠体であり、図1中に示すように、ガラス扉15や皿ユニット16を有する前枠13と、上述の下部前板14とにより、前面側が閉じられる開口部分を有している。
また、外枠12を島設備に設置するための工法として、釘打ちが行われるのが一般的である。そして、外枠12の、少なくとも、島設備への固定のための部位の材質として、木材が用いられている。なお、木材に代えて、例えば釘打ちが可能なプラスチック材を採用することが可能である。また、外枠12を島設備に設置するための工法として、釘打ち以外の工法を採用することも可能である。
前枠13は、外枠12の開口部分に整合する外形を備えた構造であり、図1中の左側に示すヒンジ機構15A、15Bを介して、外枠12に装着されている。そして、前枠13は、外枠12に対する閉鎖状態から、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、前方へ揺動することで開放状態となる。さらに、前枠13は、開放状態から後方へ揺動し、外枠12内に入り込んで係止することにより、再び閉鎖状態となる。そして、前枠13は、閉鎖時に、外枠12の上短部から、上述の下部前板14までの間の部位を塞ぐようになっている。
前枠13の外枠12への係止と、外枠12からの解放は、錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、図1中に示すように、前枠13の自由端側の下方の部位には、錠装置のシリンダ部17が配置されており、このシリンダ部17は、前枠13の下部を覆った前述の皿ユニット16を通して、鍵穴をぱちんこ遊技機10の前方へ向けている。そして、遊技場店員が、鍵をシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば反時計回りに回すと、前枠13の自由端側が錠装置から解放され、前枠13が開放状態となる。
このような前枠13に対して、前述の下部前板14は、前枠13のような開閉のための構成は備えておらず、外枠12に、動くことないよう固定されている。そして、下部前板14は、外枠12の前面の下端部を常に塞いでいる。
前枠13の前部に配置されたガラス扉15と、皿ユニット16とは、ヒンジ機構(図示略)を介して、前枠13に装着されている。さらに、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、いずれも、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、各々独立に揺動可能である。そして、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、例えば遊技場店員が、前方に水平に揺動させることで開放状態となり、開放状態から後方へ水平に揺動させ、前枠13に係止させることにより閉鎖状態となる。
ガラス扉15の前枠13への係止と、前枠13からの解放は、前述の錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、遊技場店員が、鍵を前述のシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば前枠13の開放時とは逆の時計回りに回すと、ガラス扉15の自由端側が錠装置から解放され、ガラス扉15が開放状態となる。そして、開放状態にあるガラス扉15を、前枠13に重なるように押し戻し、ガラス扉15が前枠13と平行になるように押し込むことで、錠装置が作動して、ガラス扉15が再び前枠13に係止する。
また、ガラス扉15を開放することで、皿ユニット16の係止機構(図示略)が現れて操作可能となり、この係止機構の操作部(図示略)を遊技場店員が、例えば下方向に押し込み操作することで、皿ユニット16が開放状態となる。さらに、開放状態にある皿ユニット16を、前枠13に重なるように押し戻し、皿ユニット16が前枠13と平行になるように押し込むことで、係止機構が作動して、皿ユニット16が再び前枠13に係止する。
さらに、ガラス扉15は、例えば平行な2枚の透明板を脱着可能に保持しており、閉鎖状態にある場合に、これらの透明板を通して、ぱちんこ遊技機10の前方から遊技盤50を視認できるようにしている。透明板としては、ガラス板のほか、透明な樹脂板なども利用することができる。また、ガラス扉15を開放することで、遊技盤保持機構(図示略)により前枠13に保持された遊技盤50の前面が露出するようになっている。さらに、図示は省略するが、前枠13は、遊技媒体である遊技球を誘導や回収するための遊技球通路等を有している。
皿ユニット16は、その前面に、上球皿18、下球皿19、及び、発射ハンドル20等を有している。これらのうち、上球皿18には、遊技球の貯留、発射ハンドル20を介して操作される発射装置43(図2及び図4参照)への遊技球の供給、下球皿19への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。また、下球皿19には、遊技球の貯留、上球皿18から送られてきた遊技球の受入れ、ぱちんこ遊技機10の外部に置かれた玉箱(所謂ドル箱)への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。なお、玉箱が、島設備に一体的に備えられている場合もある。
また、本実施例においては、ガラス扉15の上隅部や、下部前板14などといった部位に、各種のスピーカ21が設けられており、これらのスピーカ21を通して、遊技状態や演出パターンなどに応じたBGMや各種効果音などが出力されるようになっている。
さらに、上球皿18の、遊技者に向かう部分には、遊技者により操作が可能な操作ボタン22が設けられている。この操作ボタン22は、上球皿18の上部の外壁面に設けられており、上球皿18の左右方向の中央近傍に位置している。さらに、操作ボタン22は、内部に操作ボタン用発光体(図示略)を備えており、実行される演出パターンに応じて光出力を行うようになっている。
なお、操作ボタン22を、例えばモータ等の駆動源を用いて、所定の場合に上方に突出するようにしてもよい。本実施例における操作ボタン22は、詳細は図示しないが昇降モータの駆動により操作ボタン22の先端が上方へ突出する態様に変位し、傾倒による入力を実施可能な操作レバー入力部を形成することが可能であり、操作レバーの駆動系に振動を発生するための半月状の偏心カムを有している。
また、図18(a)に示すように、操作ボタン22のほかに十字キー96が備えられており、この十字キー96を用いて遊技者による各種の環境設定が可能となっている。そして、環境設定の内容としては、スピーカ21の音量調節、後述する演出表示の輝度調節や光量調節、或いは、演出モードの変更などを例示できる。また、遊技機枠11の、例えば前枠13等に、遊技に係る演出や、上述の環境設定に係る表示を行うことが可能な表示器を設けることが可能である。
さらに、十字キー以外にも、例えば、レバー状の操作手段や、各種方式のタッチパネル等を用いることが可能である。また、図18(a)中に符号97で示すのは玉貸ボタンであり、符号98で示すのは返却ボタンである。さらに、図18(a)中に符号98で示すのは上球皿18用の球抜ボタンである。
<ぱちんこ遊技機の背面構成>
次に、ぱちんこ遊技機10の背面側における基本的な構成を説明する。図2に示すように前枠13の背面には、遊技球を誘導又は回収するための遊技球通路等を備え、賞球路形成機構となるセット基盤(「裏セット盤」などともいう)31が取着されており、このセット基盤31の下方に、遊技機全体に電源を供給するための電源ユニット32、遊技機枠側の制御を行う払出制御(「賞球制御」などともいう)基板103が、それぞれ専用の透明ケースに収められた状態で取り付けられている。また、遊技盤50の背面側においては、遊技全体を統括制御するメイン基板(主制御基板)102や、メイン基板102からの制御コマンドに基づいて演出制御を実行するサブ基板104が、それぞれ専用の透明ケースに収められ、セット基盤31の開口に対応する位置関係で設けられている。さらに、セット基盤31には、発射装置43や、発射装置43を制御する発射制御基板105も備えている。
セット基盤31においては、上述の開口の上部に賞球タンク33が設けられている。この賞球タンク33は、島設備から供給されて賞球となる遊技球を貯留する。さらに、賞球タンク33の下方には、賞球通路34、払出ユニット35、賞球排出通路36が設けられている。そして、これらの賞球通路34、払出ユニット35、賞球排出通路36は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、遊技盤50の上方から右側部に沿って配置されている。
上述の賞球通路34は、賞球タンク33に貯留された遊技球を下流側へ整流案内するものである。また、上述の払出ユニット35は、賞球通路34と連絡し賞球タンク33内に貯留された球を1球単位で下方に排出可能である。さらに、賞球排出通路36は、払出ユニット35から流下された遊技球を賞球として球皿(上球皿18又は下球皿19)に案内する。
前述の電源ユニット32は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の左下の部位に設けられている。そして、電源ユニット32は、遊技機外部から供給される交流電源を、遊技機中において使用する各種の電圧に変換して、払出制御基板103、メイン基板102、サブ基板104等へ供給する。また、電源ユニット32を作動させるための電源スイッチ40は、図中右下の部位に隠れ線(破線)で示すように、他の機器の背後に配置されている。この電源スイッチ40は、落下した遊技球が直撃してもオフにならないように、電源スイッチ40の中央より下が押されて下側に傾倒したときにオンとなるよう設置されている。
前述の払出制御基板103は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の右下の部位に配置されている。そして、払出制御基板103は、メイン基板102からの払出に係る指令や外部からの貸出要求に応じて払出ユニット35を制御する払出制御機能を有している。また、前述の発射制御基板105は、発射ハンドル20(図1参照)の操作量に応じた強度で遊技球(打球)を遊技領域に発射するよう、発射装置43を制御する発射制御機能を備えている。さらに、遊技球の発射は、1分間に連続して100個程度行えるようになっている。
前述のメイン基板102は、遊技盤50の背面側における中央下部に配置されており、主に、各種の抽選機能や設定変更機能、払出制御基板103及びサブ基板104に対する制御機能などのように、ぱちんこ遊技機10における中心的な処理機能を備えている。前述のサブ基板104は、遊技盤50の背面側における中央上部に配置されており、主に、後述する各種の演出を制御するための機能を備えている。
サブ基板104については、演出制御の主体的な機能を担う主サブ基板(本実施例ではサブメイン基板301)と、画像作成などの特定の演出機能に特化した副サブ基板(本実施例ではサブサブ基板302)とに分かれているが、「サブ基板」の用語はこれらを包含したものである。また、セット基盤31の背面側における右下部には、メイン基板102や払出制御基板103等からの信号をぱちんこ遊技機10の外部の機器へ中継する外部中継端子基板(「枠中継端子板」などともいう)46が設けられている。
前述のメイン基板102における設定変更の機能は、理論上の当り易さ(遊技者の有利度合い)を規定する設定値を変更できる機能である。本実施例では、設定値として、整数値である「1」~「6」の6種類が設けられており、これらの設定値毎に、理論上の大当りや小当りに係る確率値、及び、出玉率が異なるようになっている。このような設定値の変更等については後述する。
<遊技盤の盤面構成>
次に、前述の遊技盤50や、遊技盤50の盤面に配置された部品(盤面部品)について説明する。本実施例においては、遊技盤50は、透明な樹脂材質(例えば透明アクリル樹脂など)や木材(ベニヤ板)からなる複数の部品により構成されている。また、遊技盤50は、板状に形成されており、遊技球を遊技盤50の裏側に導く遊技球通路や、所定の空間などを有している。そして、遊技盤50は、各種の盤面部品が装着された板面を前方に向けた状態で、遊技機枠11の前枠13に装着されており、閉鎖状態にあるガラス扉15等により、その前方を覆われるようになっている。さらに、遊技盤50の前面側においては、湾曲した帯状に成形された内レールや外レールを組み合せて遊技領域52が区画形成されている。
図1中に示すように、遊技領域52には、正面から見て中央下段に位置する第1始動口ユニット61、右側中段に位置する第2始動口ユニット63、及び、右側下段に位置する大入賞口装置(アタッカーユニット)90などが設けられている。また、遊技領域52の最下部には、図1中では操作ボタン22の背後に隠れているアウト口(58)が備えられている。さらに、遊技領域52には、演出のための表示を行うことが可能な液晶表示装置からなる演出表示装置60や、この演出表示装置60の周辺を装飾するセンター飾り64等が備えられている。
ここで、本実施例では、第2始動口ユニット63と大入賞口装置90に対して異なる符号を付しているが、第2始動口ユニット63と大入賞口装置90を、互いに分離されたユニットとすることが可能である。また、第2始動口ユニット63と大入賞口装置90を、一体なユニットとし、例えば「右側ユニット」などと称することも可能である。
また、遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や、風車などの機構が備えられている。なお、風車を設けないようにすることも可能である。さらに、遊技盤50の、遊技領域52の左下の外部には、主制御表示装置53が設けられている。なお、この主制御表示装置53の具体的な構成や機能については後述する。また、遊技盤50の上述のような盤面構成は、例えば、ぱちんこ遊技機10に採用されたゲーム性等に応じて種々に異ならせ得るものである。
<盤面部品の機能>
続いて、上述した個々の盤面部品に係る具体的な機能や構成について説明する。先ず、前述の第1始動口ユニット61には、第1始動入賞口62が設けられている。第1始動入賞口62は、第1遊技に係る始動入賞口であり、遊技球の入口を常時開き、且つ、遊技球の入口の大きさを変化させないタイプのものである。さらに、第1始動入賞口62は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出する第1始動入賞検出装置74(センサ)を有しており(図3)、このセンサの出力信号は、前述のメイン基板102に入力されている。
前述の第2始動口ユニット63には、第2-1始動入賞口63A、第2-2始動入賞口63B、作動口68、及び、複数の一般入賞口72などが設けられている。第2-1始動入賞口63A、及び、第2-2始動入賞口63Bは、いずれも第2遊技に係る始動入賞口である。
これらのうち第2-1始動入賞口63Aは、第2始動口ユニット63の中段よりも上部に配置されている。さらに、第2-1始動入賞口63Aは、普通電動役物(所謂「電動チューリップ」或いは「電チュー」)に係る始動口となっており、遊技盤50の前後方向にスライド変位可能な第2始動口シャッタ67を有している。第2-1始動入賞口63Aにおいては、後述する普通図柄が当りの態様で停止表示された場合に、第2始動口シャッタ67が遊技盤50の後方向へスライドし、開放動作が行われる。そして、第2-1始動入賞口63Aが、普通電動役物の作動に基づき、所定時間に亘り開放することにより、遊技球の第2-2始動入賞口63Bへの入球が可能となる。
さらに、第2-1始動入賞口63Aは、図3中に示すように、第2-1始動入賞検出装置75A(センサ)と、上述の第2始動口シャッタ67を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76とを備えている。第2-1始動入賞検出装置75Aの出力信号は、メイン基板102に入力されている。
また、本実施例では、第2-1始動入賞口63Aを開放する態様として、複数種類が設けられている。そして、これらの開放態様には、比較的短時間(例えば0.2秒程度)の態様(「ショート開放」や「短開放」などと称する)や、比較的長時間(例えば5秒程度)の態様(「ロング開放」や「長開放」などと称する)などがある。また、ショート開放とロング開放の間の開放時間に設定されたミドル開放の態様を設けることも可能である。
前述の第2-2始動入賞口63Bは、第2始動口ユニット63の中段近傍の部位に配置されている。この第2-2始動入賞口63Bは、遊技球の入口を常時開き、且つ、遊技球の入口の大きさを変化させないタイプのものとなっている。また、第2-2始動入賞口63Bは、図3中に示すように、第2-2始動入賞検出装置75B(センサ)を備えている。第2-2始動入賞検出装置75Bの出力信号は、メイン基板102に入力されている。
前述の作動口68は、第2始動口ユニット63の上部に配置されている。さらに、作動口68は、図3中に示すように、通過検出装置69を備えており、この通過検出装置69は、作動口68における遊技球の通過を検出するセンサを有している。通過検出装置69におけるセンサの出力信号は、メイン基板102に入力されており、通過検出装置69は、入球の有無に応じて、センサの出力信号を変化させる。そして、この作動口68は、後述する普通図柄の変動開始の契機、及び、後述する大当り遊技の開始の契機として用いられるようになっている。
遊技領域52の左側に配置された前述の一般入賞口72は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73(センサ)を備えている。一般入賞検出装置73は、の出力信号はメイン基板102に入力されている。
そして、一般入賞検出装置73を複数の一般入賞口72で共用する場合には、複数の一般入賞口72入球した遊技球を、一般入賞検出装置73が配置された箇所に集合させて、検出することが可能である。また、複数の一般入賞口72について、位置関係毎に、または賞球個数毎にグループ化(一般入賞検出装置73の共用)することも可能である。
遊技領域52の右側に配置された前述の大入賞口装置90は、透明な合成樹脂製の部品を組み合わせてケース状に形成されており、その内側に、遊技者から視認可能な大入賞口92を備えている。大入賞口92は、横長に形成された開口を有しており、この開口を開閉するための開閉扉である大入賞口シャッタ91(図1に破線にて示す)を内部に備えている。そして、大入賞口92は大当りや小当りが発生した場合に、所定の態様で大入賞口シャッタ91の開放動作を行う。ここで、本実施例では、大入賞口92は正面向きに開口しており、大入賞口シャッタ91は遊技盤50の前後方向へのスライドが可能となっている。そして、大入賞口シャッタ91が開放動作を行っている場合には、大入賞口92が開放され、大入賞口92への入球が可能となる。
また、大入賞口装置90は、図3中に示すように、大入賞口92への遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置78や、上述の大入賞口シャッタ91を開閉駆動する大入賞口(開放)ソレノイド80を備えている。これらのうち、大入賞検出装置78は、大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。
なお、大入賞口92としては種々のものを採用可能である。例えば、大入賞口92として、上向きに開口したものなども採用することが可能である。また、大入賞口92として、大入賞口シャッタ91に係る動作パターン(開閉パターン)を複数種類備え、大当りの発生時に実行される大当り遊技や、小当りの発生時に実行される小当り遊技において、予め定められた所定の動作パターンで大入賞口シャッタ91を動作させるものなどを採用することが可能である。
また、大入賞口装置90は、図中に破線で示すように演出アタッカ93を備えている。この演出アタッカ93は、横長に形成された開口を有し、この開口を開閉するための倒伏扉94を備えている。演出アタッカ93は、所定の場合に所定の態様で、倒伏扉94の開放動作を行う。そして、演出アタッカ93は、開放動作を行う場合には、下縁部を中心にして、ほぼ垂直な起立状態から遊技盤50の前方へ倒伏した状態へ姿勢を変化させる。さらに、演出アタッカ93には、図示は省略するが、倒伏扉94を開閉駆動する演出アタッカソレノイドが設けられている。
大入賞口装置90においては、演出アタッカ93の前方の部位の透明板に、視認非容易化手段である装飾部90aが、例えば二点鎖線で囲って示すように設けられている。この装飾部90aには、導光板が用いられており、後述するように所定の場合に光源(LED)が点灯すると所定の文字列が照らされて浮かび上がり、遊技者に対して、演出アタッカ93や倒伏扉94の状態を視認し難くするようになっている。ここで、演出アタッカ93や、装飾部90aを照らすLEDの駆動制御は、サブ基板104(図2)により演出用として行われるものであるが、駆動制御の詳細については後述する。
前述のアウト口58は、図3中に示すように、アウト球検出装置(アウト口センサ)82を備えている。このアウト口センサ82は、遊技領域52で入賞球(セーフ球)とならずアウト口58に入った遊技球(アウト球)の検出を行うようになっている。そして、アウト口センサ82の検出結果は、アウト球の計数や、後述する性能表示部(後述する図5(a)の入球状態表示器808)での表示(ベース表示)に利用されるようになっている。
前述のセンター飾り64は、演出の機能等を有しており、センター飾り64の内部には、多数のチップ型LEDが実装されたLED基板が設けられている。そして、センター飾り64のLEDを駆動することで、LEDの光がセンター飾り64を透過し、センター飾り64が光装飾(光演出)を行うようになっている。
また、センター飾り64の背面(内側)には、複数の可動演出部材が設けられており、これらの可動演出部材が、演出用のギミックを構成している。これらの可動演出部材は、通常は図1に示すようにセンター飾り64の内側に隠れている。しかし、所定の演出が行われる場合には、図示は省略するが、これらの可動演出部材が演出表示装置60の前に出現する。また、本実施例においては、可動演出部材においても光装飾(光演出)が行われるようになっている。
さらに、センター飾り64の、正面から見て右側の部位には遊技球通路部65が形成されており、センター飾り64は、上述のような演出機能のほかに、遊技球の流路の機能を有している。
また、センター飾り64には、導光板88が備えられている。この導光板88としては、図示は省略するが、例えば、板面を前後に向けて平行に並べられた2枚の透明板を備えたものを採用することが可能である。さらに、導光板88は、センター飾り64に装着されており、演出表示装置60の前方において、センター飾り64の外側と内側との間を遮蔽している。そして、導光板88は、センター飾り64において、演出表示装置60の保護カバーとしても機能している。
この導光板88や、前述した装飾部90aに用いられた導光板などの各種の導光板は、例えば、以下のように構成することが可能である。すなわち、センター飾り64や大入賞口装置90の内部において、透明板の、例えば左右の端面のうちの一方の端面に向い合うように、光源となる複数のLEDを、それぞれ帯状に並べて配置する。そして、通常時には、演出表示装置60の画面や演出アタッカ93に他の像を重ねることなく、演出表示装置60の表示内容や演出アタッカ93の様子を、遊技者が視認できるように透明板の外側に透過させている。
しかし、導光板を構成する各透明板の内部には、通常の環境の下では視認できない程度の細かな凹凸が形成されている。そして、所定の演出の実行時に、例えば、いずれか一方の透明板の端面に面した上述の光源が駆動され、当該透明板の端面から、光源の光が、透明板の内部に向けて照射される。さらに、光を照射された透明板の凹凸により光が拡散し、拡散光により、所定のイラストや文字などが、遊技者に認識可能なように発色して浮かび上がる。
また、センター飾り64に備えられた導光板88の2枚の透明板のうち、他方の透明板には、上述のイラスト等とは異なる像を形成するための凹凸が刻まれている。そして、所定の演出時に、端面に面した光源を駆動することにより、上述のものとは異なるイラストなどが、遊技者に認識可能なように浮かび上がる。
ここで、透明板の左右のうちの一方の端面だけではなく、上下のうちの一方の端面にも光源を向い合せ、この光源の光により、他のイラスト等を映し出すことも可能である。このようにすることで、1枚の透明板につき2種類の画像を表示することが可能となる。また、センター飾り64の導光板88における透明板の数は、1枚であっても、3枚以上であってもよい。また、センター飾り64に関しては、導光板88に代えて、或いは併せて、透過液晶表示体を用いることも可能である。なお、大入賞口装置90に備えられた前述の装飾部90aにも導光板が用いられているが、装飾部90aを用いた演出については後述する。
前述の主制御表示装置53は、図7に示すように、LED表示灯を多数配置した図柄表示基板(メイン図柄表示基板)256を備えるものである。図柄表示基板256には、前述の普通図柄を表示する普通図柄表示部59、第1遊技に対応する第1特別図柄(後述する)を表示する第1特別図柄表示部70、第2遊技に対応する第2特別図柄(後述する)を表示する第2特別図柄表示部71、及び、その他の各種表示部が遊技機正面から遊技者に視認可能に形成されている。なお、上述の普通図柄表示部59は普通図柄表示装置を構成している。また、第1特別図柄表示部70は第1特別図柄表示装置を構成しており、第2特別図柄表示部71は第2特別図柄表示装置を構成している。
なお、以下では、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「第1特図」や「特図1」、「特1」、第2特別図柄を「第2特図」や「特図2」、「特2」、などと称する場合がある。さらに、第1特別図柄については「特別図柄1」や「図柄1」などと称し、第2特別図柄については「特別図柄2」や「図柄2」などと称する場合がある。
また、上述の主制御表示装置53は、遊技盤50に備えられたものを意味しているが、後述するようにメイン基板102に設けられた設定表示部(後述する図5(a)の設定表示器807)や性能表示部(後述する図5(a)の入球状態表示器808)などを含めて、主制御表示装置とすることも可能である。そして、その場合は、メイン基板102に設けられた設定表示部や性能表示部を、例えば「メイン基板側主制御表示装置」などと称することも可能である。
<基本的な遊技手順>
続いて、本実施例のぱちんこ遊技機10における遊技手順について説明する。先ず、前述の上球皿18に遊技球が供給された状況で、遊技者が、前述の発射ハンドル20を操作して回動させると、その回動角度に応じた強度で、上球皿18に貯留された遊技球が1球ずつ所定間隔で発射される。そして、遊技球は、前述の内レールと外レールにより案内され、遊技領域52の上部に達し、内レールと外レールとの間から遊技領域52へ放出される。
通常の遊技においては、遊技者は、遊技球が遊技領域52の左側で流下するように発射を行い、遊技領域52の下方中央部に位置する第1始動入賞口62を狙う。このような遊技領域52の左側を主に使用する発射の態様は、所謂左打ちと呼ばれる。また、遊技球の発射は、遊技者が発射ハンドル20を操作している間、前述の発射装置43により、所定の時間間隔(例えば1分間に100発を超えない程度の間隔)で繰り返される。そして、遊技領域52に連続して放出された遊技球は、複数の遊技釘や風車などに干渉しながら、その速度や入射角度(又は反射角度)等の要因に応じた方向へ落下する。
遊技球が、前述の一般入賞口72や第1始動入賞口62などの各種の入賞口へ落入すると、入球が検出され、遊技球の払出制御が行われる。そして、入球した入賞口の種類に応じて、所定数の遊技球が、前述の払出ユニット35を介し、賞球として上球皿18に払出される。また、上球皿18が多くの遊技球により満たされ、払出された後続の遊技球が上球皿18に進入できない場合には、これらの遊技球は、溢れ球として下球皿19に導かれる。
また、各種の入賞口に落入した遊技球はセーフ球となり、遊技盤50の表面側から裏面側に案内される。また、セーフ球とならなかった遊技球は、遊技領域52の下端部に達してアウト口(58)に落入し、遊技盤50の裏面側に案内される。そして、遊技盤50の裏面側に達した遊技球は、所定の案内樋やセット基盤31内の遊技球通路を通って下方に導かれ、ぱちんこ遊技機10から、前述の島設備の側へ向けて排出される。
前述の作動口68は、上述のセーフ球を発生させる入賞口と異なり、遊技球が通過するゲートとなっている。なお、以下では作動口68を含めて「入賞口」とし、本実施例における「落入」、「入球」、「入賞」の用語は、特に説明がない場合には、ゲートに係る「通過」の意味を含むものとする。
大当りに当せんした状況ではない遊技状況において、遊技球が、作動口68に入球して検出された場合、後述するような所定の変動開始条件(普図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、普通図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される普通図柄は、作動口68への入球に基づき実行される乱数抽選(普図抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
遊技球が、始動口(ここでは第1始動入賞口62、第2-1始動入賞口63A、又は、第2-2始動入賞口63B)に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(特図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、特別図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される特別図柄は、始動口への入球に基づき実行される乱数抽選(大当り抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
前述の演出表示装置60においては、特別図柄に係る演出表示が行われる。この演出表示は、特別図柄が変動表示中であるか、停止表示中であるか、といった違いや、特別図柄の停止表示態様が大当りのものであるか、はずれのものであるか、といった違いに関係して、予め定められた各種の態様の演出を行うものである。
大当りが発生した場合には、遊技者は遊技領域52の右側の領域を狙って遊技球を発射する。そして、遊技球が第2始動口ユニット63の上部に設けられた作動口68を通過すると、大当り遊技が可能な状態に移行する。つまり、大当りの発生時には、作動口68が、遊技球が検出されるまでは所謂役連作動口(役物連続作動装置の入球口)として機能する。そして、遊技者は右打ちを継続し、遊技球を遊技領域52の右側の領域で流下させる。
特別遊技が実行される上述の大当り遊技においては、大入賞口装置90が作動し大入賞口(図示略)が開放される単位遊技が複数回繰り返される。さらに、特別遊技には、単位遊技が最大回数に亘り繰り返されるものと、単位遊技が最大回数よりも少ない回数に亘り繰り返されるものとがある。最大回数としては、16回(16R(ラウンド))などを例示でき、最大回数よりも少ない回数としては、6回(6R)や2回(2R)などを例示できる。なお、大入賞口装置90を作動させる遊技として他にも小当り遊技があるが、この小当り遊技については後述する。
各単位遊技においては、対応する大入賞口において、所定数(例えば10個)の遊技球が検出された場合、又は、合計の開放時間が所定時間(例えば約30秒)に達した場合に、終了条件が成立して、大入賞口が閉鎖される。単位遊技の終了条件として、合計の開放時間とするのは、1回の単位遊技中で複数回の大入賞口の開放を分割して行う場合であっても上限値を定めていることを示している。大入賞口の開放を単位遊技内で複数行うことにより、技術介入性を高めたり、1回の開放で行うことにより容易に出玉を獲得できるなど大当り中の遊技性に幅を持たせるため、大入賞口の開放態様は予め設定されているパターンの中から選択可能としている。
さらに、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、上述のように、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数(ここでは2つ)混在するゲーム性が採用されている。つまり、本実施例においては、上述の複数の遊技を、第1始動入賞口62が使用される第1遊技と、第2-1始動入賞口63Aや第2-2始動入賞口63Bが使用される第2遊技とに分けることができる。そして、本実施例では、第1遊技と第2遊技との間に優先順位を設けず、第1遊技と第2遊技が並列に実行されるようになっている。このため、第1遊技と第2遊技とが同時に実行される状況も生じ得る。
また、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、前述の大当り抽選の結果に応じて、特別遊技の終了後に、特定遊技が実行される場合がある。この特定遊技は、前述の特別遊技とは別な態様で、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態となるものである。本実施例においては、特定遊技として、確率変動遊技(以下「確変」と称する)、変動時間短縮遊技(以下「時短」と称する)、及び、入球容易化遊技が設けられている。特定遊技として、確変、時短、入球容易化遊技の何れか1のみ実行するものもあれば、複数の特定遊技を同時に行うものもあり、それらの組み合わせによって異なる遊技性を創出するものである。
特定遊技が実行される場合には、演出表示装置60の画像や音声などによって推奨される遊技球の発射位置、発射タイミングに関する報知(例えば、右打ちを促す右打ち演出)が実行される。そして、遊技者が、発射ハンドル20の回動量を時計回りに増やして発射力を強め、遊技球を遊技領域52の右側の領域に向けて発射すると、センター飾り64の上方を通った遊技球が、センター飾り64の遊技球通路部65に進入し、センター飾り64を流下する。さらに、センター飾り64から放出された遊技球は、複数の遊技釘や他の構造物に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。
センター飾り64から放出された多数の遊技球のうちの一部は、作動口68(図1参照)を通過して通過検出装置69(図3参照)により検出される。そして、前述のように、作動口68を遊技球が通過すると、前述の普通図柄が主制御表示装置53(図7参照)で変動表示され、普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2-1始動入賞口63Aの普通電動役物が当り態様に応じて所定時間開放作動する。
本実施例においては、遊技領域52の右側に達した遊技球を、釘等によって、第2始動口ユニット63や大入賞口装置90の周辺に導くことが可能となっている。さらに、本実施例では、特定遊技である時短には入球容易化遊技が付加されるようになっており、時短中は、入球容易化遊技により普通電動役物の開放延長、普通電動役物の確率変動、普通電動役物の時短が単独又は所定の組合せで実行される。そして、時短中において、第2-1始動入賞口63Aの普通電動役物が1回開放した際に、1個、または複数個の遊技球が第2-1始動入賞口63Aに入球し得るようになっている。
右打ちを行った場合には、上述のように作動口68を通過する遊技球や、通過しない遊技球が発生する。図18(b)は、第2始動口ユニット63やその周囲における遊技球の流下態様を概略的に示している。図中に示すように、作動口68の手前の部位においては、作動口68に向かう遊技球の流れ(矢印Aで示す)や、正面から見て作動口68の左右に逸れる遊技球の流れ(矢印B、Cで示す)が発生する。
本実施例では、矢印Cで示すように作動口68の右側に逸れた遊技球は、作動口68の右側から第2始動口ユニット63に進入し、第2始動口ユニット63の中段程度の位置で、遊技領域52に戻ることのないアウト球として、遊技盤50内に取り込まれる。なお、第2始動口ユニット63内でアウト球となる遊技球も、前述のアウト口センサであるアウト球検出装置82(図3)により検出される。
続いて、矢印Aで示すように作動口68へ向かい作動口68に進入した遊技球は、矢印Dで示すように、第2-1始動入賞口63Aへ向かう。ここで、本実施例では、第2-1始動入賞口63Aへ向かった遊技球は、例えば横から流下してきた遊技球により側方に弾かれる等の特段のことが無ければ、第2-1始動入賞口63Aに到達できるようになっている。
第2-1始動入賞口63Aへ向かった遊技球は、第2-1始動入賞口63Aが閉鎖状態にあれば、第2-1始動入賞口63Aに入球せず、矢印Eで示すように、正面から見て左側へ流下する。これに対し、第2-1始動入賞口63Aが開放状態にあれば、上述の矢印Dで示すように第2-1始動入賞口63Aへ向かった遊技球は、矢印Fで示すように第2-1始動入賞口63Aに入球する。そして、第2-1始動入賞口63Aに入球した遊技球は、第2-1始動入賞検出装置75A(図3)により検出された後、遊技盤50内に取り込まれるようになっている。
第2-1始動入賞口63Aへ入球しなかった遊技球の一部(矢印Bで示す)や、矢印Eで示すように、閉鎖状態にある第2-1始動入賞口63Aの第2始動口シャッタ67に案内された遊技球は、第2-1始動入賞口63Aの左側を流下し、第2-2始動入賞口63Bの側へ向かう。第2-2始動入賞口63Bの直上の部位は、第2始動口ユニット63の外側に在り、第2-2始動入賞口63Bに向かう遊技球が、第2始動口ユニット63の外へ一旦放出された遊技球として、遊技者に視認されるようになっている。そして、第2始動口ユニット63から出てきた遊技球が、矢印Gで示すように第2-2始動入賞口63Bに進入したり、矢印H、Jで示すように、第2-2始動入賞口63Bの左右へ逸れたりするようになっている。
矢印Gで示すように第2-2始動入賞口63Bに進入した遊技球は、第2始動口ユニット63内において、遊技盤50の裏側には取り込まれず、大入賞口装置90の前方等の部位を通過して演出アタッカ93へ向かうようになっている。
また、矢印Jで示すように、正面から見て第2-2始動入賞口63Bの右側に逸れた遊技球は、大入賞口装置90の上面に到達する。大入賞口装置90の上面は、遊技領域52の中央の側へ低く傾斜しており、大入賞口装置90の上面において、正面から見て左側に流下する。そして、大入賞口シャッタ91が作動し大入賞口92が開放した状態にあれば、第2-2始動入賞口63Bの右側に逸れた遊技球も、大入賞口92に進入する。ここで、大入賞口装置90の上面で流下する遊技球を減速させることができるよう、大入賞口装置90の上面に、例えば、遊技球を干渉させ得る凹部や凸部を形成することが可能である。
矢印Hで示すように、正面から見て第2-2始動入賞口63Bの左側に逸れた遊技球も、大入賞口装置90の上面に到達する。そして、大入賞口シャッタ91が作動し大入賞口92が開放した状態にあれば、第2-2始動入賞口63Bの左側に逸れた遊技球も、大入賞口92に進入する。
なお、矢印G~Jで示す遊技球の流下経路はあくまでも一例であり、遊技釘の配置や、複数の遊技釘の間隔、或いは、遊技球同士の干渉等といった事情に応じて、矢印G~Jで示す経路以外の経路で遊技球が流下する場合がある。さらに、大入賞口92が開放した状態にあっても、大入賞口92に進入せず、大入賞口92から逸れる遊技球も生じ得る。
大入賞口シャッタ91が作動せず大入賞口92が閉塞した状態にある場合には、大入賞口装置90に達した遊技球は、矢印Kで示すように、第1始動入賞口62の手前で下方に落下し、アウト口(58)に向かう。また、大入賞口92が開放した状態にある場合に大入賞口92から逸れた遊技球も、矢印Kで示すようにアウト口(58)に向かう。そして、これらの遊技球は、第1始動入賞口62に入球することなく、アウト口(58)に取り込まれてアウト球となる。ここで、大入賞口92に入球しなかった遊技球が、矢印Kで示す経路以外の経路でアウト口(58)に向かう場合もある。
また、本実施例では、開放中の大入賞口92に進入した遊技球は、大入賞検出装置78(図3)で検出された後、遊技盤50の裏側にそのまま取り込まれるのではなく、全て、下方に位置する前述の演出アタッカ93へ向かうようになっている。さらに、前述の第2-2始動入賞口63Bで検出された(入賞した)遊技球も、全て演出アタッカ93へ向かう。
そして、演出アタッカ93へ向かった遊技球は、演出アタッカ93が開放中であれば、全て、演出アタッカ93の開口に取り込まれ回収される。なお、本実施例では、遊技者に対して、前述の装飾部90aを用いて演出アタッカ93や倒伏扉94の状態を視認し難くする演出が実行されるが、この演出については後述する。
さらに、本実施例においては、第2-1始動入賞口63Aに係る構造、配置、及び、周辺の盤面部品(遊技釘など)との関係といった諸要因は、第2-1始動入賞口63Aの開放により、右打ちされた遊技球のうちの比較的多くの割合(例えば9割程度)のものが入球するよう決められている。このため、第2-1始動入賞口63Aが開放動作を行う電サポ時には、比較的多くの遊技球が大入賞口装置90へ到達せずに第2-1始動入賞口63Aに取り込まれる。
また、本実施例では、第2-1始動入賞口63Aや第2-2始動入賞口63Bへ1個の入球があった場合に払出される賞球数は1個となっている。また、大入賞口92に1個の入球があった場合に払出される賞球数は15個となっている。つまり、1球の入球に対して払い出される賞球数は、第2-1始動入賞口63Aや第2-2始動入賞口63Bでは相対的に少なくなっており、大入賞口92では相対的に多くなっている。
さらに、本実施例では、右打ちされた遊技球が第1始動入賞口62(図1)に入球することがないよう、第2始動口ユニット63、大入賞口装置90、第1始動入賞口62、これらの周辺の遊技釘の位置関係や配置が決められている。
<当りの種類の概要>
次に、上述の第1遊技及び第2遊技における大当りの種類について説明する。先ず、大当りとして、前述の単位遊技を16回繰り返す大当り(以下、適宜「16R大当り」とも称する)や、単位遊技を6回繰り返す大当り(以下、適宜「6R大当り」とも称する)が設けられている。
上述の単位遊技は、特別遊技において、大入賞口装置90における大入賞口の開放に伴って開始され、所定時間(例えば約30秒)が経過した場合や、大入賞口に所定個数(例えば10個以上)の遊技球が落入した場合に終了し、大入賞口を閉鎖する。このような単位遊技を繰り返す特別遊技は、遊技者に遊技球を獲得させることを目的とする所謂出球(出玉と記載する場合もある)あり当りに伴う遊技を基本としている。さらに、各種の大当りのうち、16R大当りや6R大当りなどは、遊技者に相対的に多くの遊技球を獲得させようとするものである。
しかし、これに限定されず、大当りの1部の種類として、例えば16R大当りや16R大当りの一部に、確変にならないもの(15R通常や7R通常)を設けることが可能である。また、例えば、16R大当りであっても、大入賞口の開放期間が短く、実質的に6R大当りと同じ程度の出球しか獲得できないといったもの(16R確変(実6R))を設けたり、6R大当りであっても、出球の獲得がほとんどできない(例えば各Rにおいて最小限度程度(例えば1球)しか大入賞口92に入球しない)といったものを設けたりすることが可能である。
また、本実施例では、前述の確変や時短等といった特定遊技状態は、予め定められた特定の大当りについて発生するようになっている。このような特定遊技状態の発生態様として、例えば、確変、時短、及び、入球容易化遊技といった特典機能のうち、少なくとも1部を付与しない大当りを設けることが可能である。より具体的には、確変のみが伴う大当りや、時短のみが伴う大当りを設けることが考えられる。さらに、確変の継続期間の相違や、時短の継続期間の相違によって、大当りの種類を異ならせることも可能である。また、時短中に電チューサポートを併せて実行する場合は、「時短の継続期間」は、「電チューサポートの継続期間」と言い換えることができる。さらに、時短と電チューサポートのうち、電チューサポートのみを実行するといったことも考えられる。
しかし、大当りと、確変や時短等との組合せについては、本実施例のものに限定されず、種々の組合せを採用することが可能である。例えば、確変が全ての大当りについて発生するようにしてもよい。この場合、本実施例における16R大当りは、全てが、確変を伴う16R大当り(15R確変)となり、6R大当りは、全てが、確変を伴う6R大当り(6R確変)となる。なお、本実施例では、上述したような各種の大当り、特定遊技状態、及び、後述する小当りの間の状態遷移によって種々のゲーム性が実現されるようになっているが、このような状態遷移の詳細については後述する。
<大当り以外の当り>
また、本実施例では、大当り以外の当りの種類として、小当りが設けられている。第1遊技(又は第2遊技)において、この小当りが発生した場合には、大入賞口装置90における大入賞口92の開放を所定回数(例えば1回)に亘り行う小当り遊技が実行されるようになっている。本実施例においては、第2遊技の小当たりの発生する確率(期待値)が各種の大当り(ここでは確変状態中を含むすべての種類の大当り)に比べて大きくなっているが、小当りの抽選態様や小当り遊技の制御態様については後述する。
<主制御表示装置>
<<主制御表示装置の構成>>
次に、前述の主制御表示装置53(遊技盤側主制御表示装置)について、図7に基づき説明する。遊技盤側の主制御表示装置53は、図7に示すように、図柄表示基板256上に多数(ここでは36個)のLED表示灯を2行(上段及び下段)に分けて配置することにより構成されている。本実施例において、上段及び下段におけるLED表示灯の個数は18個となっており、各段のLED表示灯は水平方向に等間隔で配置されている。また、上下の位置関係にあるLED表示灯の間隔も、18個すべてについて一定となっている。
主制御表示装置53において、正面から見て上段における右端の10個のLED表示灯は、特図1に係る情報表示に用いられ、下段における右端の10個のLED表示灯は、特図2に係る情報表示に用いられるようになっている。そして、上段及び下段において、右端の2個のLED表示灯は保留記憶数を示す第1特別図柄記憶表示部83、第2特別図柄記憶表示部84を構成している。第1特別図柄記憶表示部83の左に並んだ8個のLED表示灯は、前述した第1特別図柄表示部70を構成しており、第2特別図柄記憶表示部84の左に並んだ8個のLED表示灯は、前述した第2特別図柄表示部71を構成している。
第1特別図柄表示部70は、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯の動作態様によって、第1遊技に係る第1特別図柄の変動表示及び停止表示が可能となっている。この第1特別図柄表示部70による第1特別図柄は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技が実行される。なお、第1特別図柄表示部70は、第1特別図柄の停止表示の際には、各LED表示灯の点灯と消灯との組み合せによって、すべて消灯する場合を除く最大で255(=2^8-1)種類の識別情報を表示可能である。
前述の第2特別図柄表示部71についても同様に、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯の動作態様によって、第2特別図柄の停止表示の際には、最大で255(=2^8)種類の識別情報を表示可能である。
さらに、上段において、第1特別図柄表示部70の左に並んだ4個のLED表示灯は普通図柄(普図)に係る情報表示に用いられるようになっている。そして、上述の第1特別図柄表示部70の左に並んだ2個のLED表示灯は、普通図柄の保留記憶数を表示するための普通図柄記憶表示部85を構成しており、その左側に並んだ2個のLED表示灯は、普通図柄表示部59を構成している。
普通図柄表示部59は、2つのLED表示灯の動作態様により、普通図柄の変動表示及び停止表示を行うようになっている。そして、普通図柄表示部59は、停止表示の際には、最大で3(=2^2-1)種類の識別情報を表示可能である。
また、上段において普通図柄表示部59の左側に並んだ2個と、その下に位置する下段左端の2個の4個のLED表示灯により、ラウンド数表示部86が構成されている。さらに下段における、ラウンド数表示部86と第2特別図柄表示部71との間の4個のLED表示灯は、左から順に第1状態表示部(状態表示灯1)87a、第2状態表示部(状態表示灯2)87b、第3状態表示部(状態表示灯3)87c、第4状態表示部(状態表示灯4)87dとなっている。
上述の第1状態表示部87aは、特図に係る確率変動機能作動時に点灯するようになっており、第2状態表示部87bは、普図に係る確率変動機能作動時に点灯するようになっている。また、第2状態表示部87bは、所謂電サポ(電チューサポート)状態時である開放延長時にも点灯するようになっている。さらに、第3状態表示部87cは、打ち分け(右打ち)状態指示灯として用いられている。また、第4状態表示部87dは、エラー表示灯として用いられている。
ここで、上述の第3状態表示部87c(打ち分け状態指示灯)は、電サポ状態中のほか、大当り中などにも点灯するようになっている。なお、大当り中は、連荘中であったとしても、電サポ状態とするためのフラグ(電サポフラグ)等はオフとなっている。また、第3状態表示部87cは、これら以外の状態(通常時)の普通電動役物に係るロング開放時などにも点灯させることが可能である。
このような構成の主制御表示装置53(遊技盤側主制御表示装置)は、図3中に示すように、前述のメイン基板102に電気的に接続されている。そして、主制御表示装置53における各種の表示部は、メイン基板102によって制御される。なお、図3中では、主制御表示装置53における各種の表示部のうち、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71のみを示している。
<<主制御表示装置の機能>>
前述の作動口68を遊技球が通過すると、普通図柄表示部59が点滅し、普通図柄の変動表示が実行される。そして、普通図柄の変動表示が開始されてから所定の変動時間(普図変動時間)が経過すると、普通図柄が停止表示される。そして、普通図柄が、はずれの態様(はずれ態様)で表示された場合には、所定の停止時間(普図停止固定時間)の経過の後、後続の作動口への入球があれば、普通図柄に係る次の変動表示が開始される。また、普通図柄が、所定の当りの態様(当り態様)で停止表示された場合には、はずれの場合と同様に次回の変動表示へ移行する一方で、先に停止表示された普通図柄の当り態様に応じて、第2-1始動入賞口63Aが所定時間の開放動作を行う。
この普図抽選に係る保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動表示がまだ実行されていない普図柄抽選の回数を示している。すなわち、普通図柄記憶表示部85において先に行われている図柄変動が終了していない場合には変動開始条件が成立していないこととなり、当該図柄変動が終了すると変動開始条件が成立し、保留記憶されていた抽選結果(保留抽選結果)に基づき、新たな図柄変動が開始されることとなる。そして、保留数の上限は4個であり、保留記憶は4個を超えて行われることがないようになっている。
普通図柄記憶表示部85による、4種類の数値の表示は、例えば、保留数が0の場合(保留がない)場合は両方を消灯し、保留数が1の場合は何れか一方を点灯して他方を消灯するといった態様で行うことが可能である。また、保留数が2の場合は両方を点灯し、保留数が3の場合は何れか一方を点灯して他方を点滅させ、保留数が4の場合は両方を点滅させる、といった態様で保留数の表示を行うことが可能である。
前述の第1特別図柄記憶表示部83による第1特別図柄の保留数の表示については、2個のLED表示灯を1組として、4種類の情報を表示することにより行われる。前述の第2特別図柄記憶表示部84による第2特別図柄の保留数の表示についても、2個のLED表示灯を1組として、4種類の情報を表示することにより行われる。
なお、前述の右打ちを行うべき遊技状況となった場合には、主制御表示装置53(図7参照)の第3状態表示部86cを用いた所定態様での表示が行われる。本実施例では、第3状態表示部86cは、左打ちすべき遊技状況である左打ち時には消灯し、右打ちすべき遊技状況である右打ち時には点灯するよう設定されている。
<設定変更機能に係る構成>
次に、前述した設定変更に係る構成や、設定変更の方法について説明する。図5(a)は、メイン基板102が透明な基板ケース801に収容された状態を一部拡大して示しており、図5(b)は、図5(a)中のA-A断面を拡大して概略的に示している。図5(a)において、基板ケース801は、無色透明なプラスチック材料により分割構造(例えば2分割の構造)の箱状に形成されている。
基板ケース801の分割構造としては、例えば、メイン基板102を保持する基板保持体にカバー体を組み合わせ、分離の際に痕跡を残すかしめ構造を介して基板保持体とカバー体とを結合するものを採用することができる。基板ケース801においては、サブメイン基板301等のような他の機器との接続に用いられるコネクタ802(一部のみ符号を付して示す)、可能な限り隙間を生じない程度の大きさで形成された開口から露出している。
メイン基板102は、透明な基板ケース801を通して視認可能となっているが、図5(a)では、CPU(メインCPU)501、試験端子搭載領域806、前述の設定表示器807、同じく前述の入球状態表示器808を破線で示し、その他の機器については図示を省略している。これらのうち試験端子搭載領域806は、製品試験段階で出玉試験等を実施する際にのみ試験端子が実装される領域であり、量産段階のメイン基板102においては、試験端子の実装は行われていない。
上述の設定表示器807は、設定変更時や設定確認時に限り、選択された設定値を表示するものである。そして、設定表示器807は、役物連続作動装置の作動確率(特別電動役物を連続的に作動させる装置の作動確率であり、いわゆる大当り確率)を異ならせるための設定値に関して、現在の設定値を表示可能である。さらに、設定表示器807には1桁分の7セグ表示器が用いられている。ここで、本実施例では、図示は省略するが、設定表示器807における7セグ表示器の右下隅部にドット表示部が設けられている。
設定表示器807の近傍には、設定キーシリンダ(「設定キースイッチ」などともいう)809や設定変更ボタン(「設定変更スイッチ」などともいう)810が配置されており、設定キーシリンダ809や設定変更ボタン810等により設定変更用操作部811が構成されている。この設定変更用操作部811は、図5(b)に示すように、基板ケース801の設定変更用開閉蓋(以下「開閉蓋」と称する)812を開放することで、図5(a)に示すように露出するようになっている。
開閉蓋812は、例えば、基板ケース801に樹脂ヒンジを介して一体に成形され、突出したツマミ部813を手指により引っ張って、弾性力に抗しながら、矢印Bで示すように開放させるようなものを例示できる。また、開閉蓋812を閉じる場合には、図5(b)の状態から倒伏させ(図示略)、自由端側を基板ケース801に係止させる。
前述の入球状態表示器808は、ぱちんこ遊技機10の性能表示部として用いられており、遊技状態別のベース(発射数あたりの賞球数の値)を表示可能となっている。本実施例では、図5(a)の右下の部位に拡大して実線で示すように、入球状態表示器808には4桁分の7セグ表示器が用いられている。また、入球状態表示器808の各桁の7セグ表示器の右下隅にドット表示部(符号省略)が設けられている。
本実施例においては上述のようにCPU501、試験端子搭載領域806、入球状態表示器808、設定変更用操作部811、並びに、設定表示器807が、平面視(遊技機の背面視)においてラップしないよう(重ならないよう)に配置されている。また、表示の誤認を抑止できるように、入球状態表示器808と設定表示器807とが所定距離以上(例えば30mm以上)の間隔を介して配置されている。
なお、本実施例においては図5(b)における左側が遊技機枠11を開放する際の自由端となっており、設定変更用操作部811並びに設定表示器807を自由端側近傍に配置することにより、設定値の変更作業等を容易にできるように配慮する一方で、入球状態表示器808については、遊技機枠11を開放する際の回転軸(固定端)側に配置することで、遊技機枠を開放した際に、表示情報を意図せず遊技者に視認されることを抑止するように配慮している。無論、設定値の変更等に際して不正防止を優先する場合には、設定変更用操作部811並びに設定表示器807を、メイン基板102の正面視右側(遊技機枠11の回転軸側)に形成すればよい。
ここで、本実施例においては、上述した点を考慮し、安易に設定変更用操作部811にアクセスできないように、設定変更用操作部811に対応する部分に開閉蓋812を設け、設定値の変更作業や設定情報の確認作業等の場合を除き、設定変更用操作部811が露出しないように構成されている。以下では、設定変更用操作部811並びに設定表示器807に関して図5(b)も参照しつつ説明する。
まず、設定変更用操作部811に対応する位置関係にある基板ケース801の上面部分は、設定キーシリンダ809の設定キー差込口(符号省略)に設定キー(鍵)が挿入可能となるように、また、設定変更ボタン810の操作が可能となるように所定の大きさの開口部816が形成されている。但し、当該開口部816からメイン基板102の上面に向かって側壁等の区画壁か形成されることにより、開口部816を介してメイン基板102の他の電子部品(例えばCPU501)にアクセスできないようになっている。また、この開口部816に対応して設定キー差込口(符号省略)が形成された設定キーシリンダ809と、プッシュ式の設定変更ボタン810とが、ぱちんこ遊技機10の背面から見て上下に配設され、更に、開口部816の大きさに対応した開閉蓋812が開口部816を常に閉鎖する方向に付勢された状態で、開閉可能に基板ケース801に設けられている。
次に、設定変更等の操作方法と設定変更・設定表示の作用の概要について簡単に説明する。設定値の確認を行う際には、まず、電源スイッチ40(図2参照)を操作して電源をオフにし、その後、開閉蓋812を付勢力に抗して所定角度開放し、設定キーシリンダ809の設定キー差込口に設定キー(鍵)を挿入してキーを右方向に回転させる。そして、初期化スイッチ544を押すことなく再度電源スイッチ40(図2参照)を操作して電源をオンにする。この操作により、7セグメントLEDで形成された設定表示器807に、現在の設定値(例えば設定値の範囲が「1」~「6」であれば該当する数値)が表示され、設定表示モードであることを示すために一部のセグメント(ここではドット部分)が点灯駆動される。なお、本実施例においては、遊技機が起動している際(例えば、始動入賞口の入賞検出等、遊技の進行に係る入力に基づく制御が実行可能な状態)には、設定値の変更処理はできないように構成されている。
一方、設定値の変更を行う際には、まず、電源スイッチ40(図2参照)を操作して電源をオフにし、その後、開閉蓋812を付勢力に抗して所定角度開放し、設定キーシリンダ809の設定キー差込口に設定キー(鍵)を挿入してキーを右方向に回転させる。そして、初期化スイッチ544を押しながら再度電源スイッチ40(図2参照)を操作して電源をオンにする。この操作により、7セグメントLEDで形成された設定表示器807に、現在の設定値が点滅表示され、設定変更モードであることを示すために一部のセグメント(ここではドット部分)が消灯(消灯表示)される。
この状態で、設定変更ボタン810を押圧操作するごとに、現在の設定値に+1ずつされた新たな設定値が一時記憶され、記憶された設定値が設定表示器807に表示される。遊技場における管理者は、任意の(目的の)設定値となるように設定変更ボタン810を操作する。なお、本実施例では、電源投入時の設定値が「1」であれば、設定変更ボタン810を1回押圧操作する毎に「1」「2」・・・「5」「6」「1」のように変更される。
そして、設定変更ボタンの操作により、任意の設定値に変更(設定表示器807に任意の設定値が表示)した状態で設定キーシリンダ809に挿入されているキーを左方向に回転させると、設定変更処理が完了し、所定時間(例えば1000ms)に亘り、設定表示器807に、現在の設定値が点灯表示されるとともに一部のセグメント(ここではドット部分)が点灯表示された後、設定値及びドットの双方が消灯される。
<演出表示装置の構成と基本的な表示内容>
続いて、前述の演出表示装置60の構成と、演出表示装置60の基本的な表示例について説明する。本実施例では、演出表示装置60として、大型(例えば15インチ程度)な液晶ディスプレイが用いられている。この演出表示装置60の表示領域194には、前述の主制御表示装置53で表示される第1特別図柄又は第2特別図柄についての演出表示や、ストーリー表示などといったその他の演出表示が行われる。なお、演出表示装置60においては多様な画像の表示が行われるが、ここでは、第1特別図柄又は第2特別図柄に直接的に関係する基本的な演出表示について説明する。
前述のように、主制御表示装置53において第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置60において、図8(a)、(b)に示すように、演出図柄(装飾図柄などともいう)190の変動表示を伴う変動演出が実行される。本実施例においては、演出図柄190は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cにより構成されている。なお、以下では、左中右の演出図柄190a~190cについて、状況に応じ、「演出図柄190」や「演出図柄190a~190c」と記載する場合がある。
さらに、本実施例において演出図柄190は、数字の「1」から「7」の記号の意味を有する7種類の要素図柄(記号要素演出図柄)を有している。また、ここでは、説明が煩雑にならないよう、数字の「1」から「7」の記号の意味を有する7種類の要素図柄を用いて説明を行うが、要素図柄としては、例えば所定の単語などのように、数字以外の意味を持った図柄を採用することも可能である。さらに、要素図柄として、数字の意味を持ったものと、他の意味を持ったものとを併用することも可能である。また、特殊な演出(後述する疑似連続予告や特定ゾーン予告)を実行させるために、或る変動時においてのみ出現する特殊図柄も、広義では演出図柄190の中に含まれるものである。ここで、特殊図柄として、通常は図柄に対して追加されたり、差し替わったりすることにより表示される特殊図柄も、広義では演出図柄190の中に含まれるものである。
主制御表示装置53における第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示に伴い、演出表示装置60において、上述の演出図柄190が変動表示される(図8(a)参照)。演出図柄の変動表示は、本実施例においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に縦方向に移動(縦スクロール)させ、上述の要素図柄を順次表示領域194中に登場させることにより実行される。なお、演出図柄190a~190cのスクロール方向としては、縦方向のほか、横方向や回転、或いは、旋回などといった種々の態様を採用することが可能である。
また、演出図柄190は、変動表示の途中段階として、所謂「リーチ」の組合せを構成する場合がある。この「リーチ」においては、演出図柄190のうち、2つの演出図柄(ここでは左演出図柄190aと右演出図柄190c)が、例えば「7」と「7」などの同じ数字の図柄、同じ意味、或いは、所定の関係を持った図柄で組合せを構成する。さらに、この「リーチ」においては、リーチの組合せを構成した演出図柄190a、190c以外の、残りの1図柄(ここでは中演出図柄190b)が、他の演出図柄との組合せを構成できない変動中となっている。
なお、演出図柄190の表示態様としては、多種類の「リーチ」や、その他の種々のものを採用できる。そして、本実施例では、所定の種類の演出図柄(ここでは「7」の演出図柄)を用いた特別な演出(ストック演出としての図柄ストック演出)や、小当りの抽選を考慮した所定の演出(小当り期待遊技演出)が行われるが、これらの詳細については後述する。また、演出表示装置60においては、演出図柄190による演出以外にも種々の演出が行われる。例えば、図8(a)、(b)の例では、第1保留数表示部196、第2保留数表示部197、縮小演出図柄表示領域361が画面の下部に現れているが、これらの詳細については後述する。
また、本実施例では、演出表示装置60は液晶ディスプレイを用いたものとなっているが、これに限らず、例えば、機械式のドラム体やLED表示体といった他の種類の表示体を用いたものであってもよい。さらに、演出表示装置60は、1つの表示体のみを備えたものに限らず、例えば付加的な表示体が追加されて複数の表示体の組合せにより構成されるものであってもよい。
さらに、このような付加的な表示体を可動演出部材として備え、付加的な表示体によるギミックを構成することも可能である。そして、通常は、付加的な表示体を、演出表示装置60の表示領域194の視認の障害とならないように、表示領域194の外側に避けて配置しておき、所定の演出パターンが実行される場合に、付加的な表示体が、表示領域194の前方に現れるようにすることが考えられる。
<ぱちんこ遊技機の電気的構成>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10における電気的構成について説明するが、ここでは電気的構成のうちの主要なものを抽出して説明する。先ず、ぱちんこ遊技機10には、図4に示すように、電源基板251、払出制御基板103、メイン基板102、及びサブメイン基板301等が備えられている。これらのうち電源基板251には、上述の払出制御基板103、遊技球等貸出装置接続端子板106、発射制御基板107等が接続されている。また、払出制御基板103には、枠中継端子板108を介してメイン基板102が接続されている。また、メイン基板102には、前述の主制御表示装置53を構成するメイン図柄表示基板(「図柄表示基板」ともいう)256や、サブメイン基板301が接続されており、サブメイン基板301には、前述のサブサブ基板302が接続されている。
上述の各種構成のうちの電源基板251は、前述の電源ユニット32(図2参照)に備えられているものである。この電源基板251には、枠演出接続基板300や、遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)が接続され、これらのうちの遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)には、球貨操作に用いられる球貨操作基板等が接続される。
前述の発射制御基板105には、発射ハンドル20(図1参照)に備えられたタッチスイッチ310が接続されている。このタッチスイッチ310には、図示は省略するが、発射タッチレバーや、アース用の錠金具が接続されている。タッチスイッチ(「タッチセンサ」ともいう)310は、遊技者や遊技場店員等が発射ハンドル20に手指を触れた場合に、この接触を検出して出力信号の態様を変化させる。
さらに、発射制御基板105には、発射強度ボリューム311、発射停止スイッチ312、前述の発射装置43が接続されている。これらのうちの発射強度ボリューム1311は、発射ハンドル20の回転操作量に応じ遊技球の発射強度を変化させるために用いられる。発射停止スイッチ312は、発射ハンドル20を把持した手指の一部(親指など)での操作を検出して発射を停止させるために用いられる。
メイン基板102には、電源基板251からの電力が、払出制御基板103や枠中継端子板を経由して供給されるようになっている。さらに、メイン基板102には、図示を省略した遊技盤接続基板や遊技盤中継端子板を介して、図3に示すように、主制御表示装置53、各通過検出装置69a、69b、普通電動役物ソレノイド76、第1始動入賞検出装置74、第2-1始動入賞検出装置75A、第2-2始動入賞検出装置75B、一般入賞検出装置73、大入賞検出装置78、大入賞口(開放)ソレノイド80、及び、磁気センサや電波センサ(図示略)等が接続されている。ここで、本実施例では、第1始動入賞検出装置74、第2-1始動入賞検出装置75A、及び、第2-2始動入賞検出装置75Bのメイン基板102への接続に関しては、遊技盤接続基板や遊技盤中継端子板を介さずに直接行われている。
サブメイン基板301には、電源基板251からの電力が、枠演出接続基板300、枠接続基板303を経由して供給されるようになっている。さらに、サブメイン基板301には、上述の枠接続基板303、枠演出接続基板300のほか、ガラス枠演出接続中継基板305、ガラス枠演出接続基板306を介して、遊技機枠11における演出用の各機器が接続されている。
ぱちんこ遊技機10における演出用の各機器としては、枠電飾L2基板317、枠電飾R2基板318、(左)スピーカ21(L)、(右)スピーカ21(R)などがある。また、本実施例では、十字キー(十字ボタン)基板、演出ボタン基板、昇降モータ、演出ボタン(操作ボタン)モータ、ボタン位置センサ、なども備えられているが、図4ではこれらの図示も省略している。
また、サブメイン基板301には、遊技盤用の機器、画像表示用の機器、音声制御用の機器なども接続されている。これらのうち遊技盤用の機器としては、盤面電飾接続基板331がある。この盤面電飾接続基板331は、前述の枠接続基板303、演出インターフェース基板304を介してサブメイン基板301に接続されている。そして、盤面電飾接続基板331には、センター飾り64の電飾用に用いられるセンター電飾基板332が接続されている。また、盤面電飾接続基板331には、図示は省略するが、演出センサ基板、その他の電飾基板、演出用モータなども接続されている。ここで、演出インターフェース基板304には、図示は省略するが、各種の電飾基板や演出モータが接続されている。
サブメイン基板301に接続された前述の画像表示用の機器としては、サブサブ基板(画像制御基板)302があり、サブサブ基板302には、画像表示接続A基板336を介して液晶ユニット(液晶モジュールともいう)42が接続されている。ここで、本実施例では、図示は省略するが、画像表示接続B基板を介して演出インターフェース基板304に接続された他の液晶ユニットも備えられている。また、サブメイン基板301に接続された前述の音声制御用の機器としては、音声制御基板(音声基板)339や、音声ロム(ROM)基板340がある。
続いて、メイン基板102や払出制御基板103等の構成について説明する。図4に示すように、メイン基板102には、CPU(メインCPU)501、ROM(メインROM)502、RWM503が搭載されている。これらのうち、CPU501としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。なお、本実施例で説明する「ROM」や「RWM」は、CPUデバイスに内蔵されたもの、及び、CPUデバイスに対して外付けされたものの両方を含む包括的な概念のものである。
さらに、図示は省略するが、メイン基板102に搭載されたCPUデバイス内には、CPU501のほかに、制御用クロック生成回路、乱数用クロック生成回路、16ビット乱数用の乱数回路、8ビットの乱数用の乱数回路等が備えられている。これらのうち16ビット乱数用の乱数回路、及び、8ビットの乱数用の乱数回路は、内蔵乱数であるハードウェア乱数を発生させるためのものである。
また、メイン基板102には、メイン基板102の外部の機器との間でデータの入出力を行う入出力ポート505が搭載されている。さらに、メイン基板102には、図示は省略するが、割込回路やタイマ回路などの各種回路部が形成されている。
上述のROM502は、CPU501が遊技に係る処理を行うための遊技プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM503は、CPU501による遊技プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
続いて、払出制御基板103には、CPU(払出CPU)511、ROM(払出ROM)512、RWM513が搭載されている。これらのうち、CPU511としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。また、ROM512は、CPU511が払出しに係る処理を行うための払出用プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM513は、CPU501による払出プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
前述のサブメイン基板301は、CPU(サブメインCPU)521と、ROM(サブメインROM)522と、ワークRWM523と、入力ポート527と、出力ポート528、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート527の入力側にはメイン基板102の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRWM523、及び、出力ポート528などが接続されている。
サブメイン基板301のCPU521は、メイン基板102から送信される図柄表示用の演出制御コマンド(指令)に基づいて演出表示装置60の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRWM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
なお、前述のメイン基板102とサブメイン基板301の間におけるデータの送受信は、メイン基板102からサブメイン基板301への一方向通信(片方向通信)の態様で行われる。そして、メイン基板102とサブメイン基板301との間で、通信の一方向性が確保されているため、サブメイン基板301からメイン基板102へは、データの送信を行うことができない。したがって、メイン基板102が保有する情報は、メイン基板102がサブメイン基板301へ送信しない限り、サブメイン基板301で参照することはできない。なお、このような一方向での通信を可能とするために、例えば、メイン基板102に通信規制手段(バッファ回路など)を搭載し、サブメイン基板301へのデータ出力を、この通信規制手段を介して行うことが可能である。
前述のサブサブ基板302は、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533、キャラクタROM535、画像コントローラ(VDP)536、入力ポート538、出力ポート539、及び、バスライン(図示略)などを備えている。さらに、画像コントローラ(VDP)536は、ビデオメモリ540を備えている。そして、入力ポート538の入力側にはサブメイン基板301の出力側が接続され、入力ポート538の出力側には、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533等の各機器が接続されている。
上述のビデオメモリ540は、演出表示装置60に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオメモリ540における画像データの内容を書き替えることにより、演出表示装置60の表示内容(フレーム画像)が変更される。キャラクタROM535は、演出表示装置60に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ536は、CPU531、ビデオメモリ540、出力ポート539のそれぞれの動作タイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオメモリ540に記憶される表示データを、キャラクタROM535から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて演出表示装置60に表示させる。
<電源供給とデータバックアップ>
前述の電源基板251は、ぱちんこ遊技機10の各部に電源を供給するための電源部541と、初期化スイッチ544を有する初期化スイッチ回路部543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、メイン基板102や払出制御基板103等に対して、各々に必要な動作電圧を供給する。より具体的には、電源部541は、外部より供給される所定の電圧を取り込み、各種スイッチ、モータ、ロジック回路等を駆動するための所定量の電圧を、メイン基板102や払出制御基板103、及び、その他の所定の機器に対して供給する。
初期化スイッチ回路部543は、電源投入時に、例えば遊技店舗の管理者によって初期化スイッチ544が押下された場合に、メイン基板102及び払出制御基板103へ、バックアップデータをクリアするための初期化信号を出力する回路を備えている。メイン基板102及び払出制御基板103においては、後述するように、電源基板への電源供給が断たれている状況においても、記憶したデータを保持(バックアップ)することが可能となっている。そして、ぱちんこ遊技機10の電源投入時に、メイン基板102及び払出制御基板103に上述の初期化信号が入力されると、メイン基板102や払出制御基板103でバックアップされていたデータ(バックアップデータ)がクリアされる。ここで、本実施形態においては、前述したとおり、電源投入時の初期化スイッチ544の入力状況と設定キーの入力状況に応じて設定変更状態に遷移するようになっているため、メイン基板は、初期化スイッチ回路部543からの信号と設定キーに係る入力信号とに応じて初期化の有無、初期化の範囲等を決定可能に構成されている。
なお、初期化スイッチ544を、メイン基板102用のものと、払出制御基板103用のものとに分け、バックアップされていたデータのクリアを、メイン基板102と払出制御基板103とで別々に行うようにしてもよい。また、例えば、電源立ち上げの際に、初期化スイッチ544を操作すると、メイン基板102用のバックアップデータと、払出制御基板103の一部のバックアップデータとがクリアされ、払出制御基板103に付加された払出用の初期化スイッチ(図示略)を更に操作すると、払出制御基板103の残りのバックアップデータがクリアされる、といった構成も採用することが可能である。
上述のように、メイン基板102におけるRWM503は、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。つまり、RWM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア503aが設けられている。このバックアップエリア503aは、停電(瞬間的な電圧降下による停電である所謂瞬停を含む)などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。そして、通常の電源立ち上げや、停電の解消に伴い、メイン基板102等の状態が、バックアップエリア503aの情報に基づいて、電源遮断前の状態に戻される。
バックアップエリア503aへの書き込みは、電源断処理(後述する)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時の電源投入時処理(後述する)において実行される。バックアップエリア503aとしては、CPU501に対して外付けされ、バックアップ電源の接続がされたRWM(外部RWM)を利用することが可能である。
また、払出制御基板103におけるRWM513についても、メイン基板102のRWM503と同様に、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後において、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。つまり、払出制御基板103のRWM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア513aが設けられている。このバックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。そして、通常の電源立ち上げや、停電の解消に伴い、払出制御基板103の状態が、バックアップエリア513aの情報に基づいて、電源遮断前の状態に戻される。
バックアップエリア513aへの書き込みは、払出制御基板103における電源断処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時の、払出制御基板103における電源投入時処理(制御開始処理)において実行される。バックアップエリア513aとしては、メイン基板102の場合と同様に、CPU511に対して外付けされ、バックアップ電源の接続がされたRWM(外部RWM)を利用することが可能である。
前述のメイン基板102には、上述のような停電等による電源遮断を監視する停電監視回路部506が設けられている。この停電監視回路部506は、停電等の発生による電源遮断時に、メイン基板102のCPU501や、払出制御基板103のCPU511に、停電信号(電断信号)を出力する。より具体的には、停電監視回路部506は、電源基板251の電源部541から出力される最大電圧である直流安定(例えば30ボルト)の電圧を監視し、この電圧が所定電圧未満になった場合に、停電(電源遮断)の発生を検知して、上述の電断信号を出力する。このような電断信号の入力に基づき、メイン基板102のCPU501、及び、払出制御基板103のCPU511は、所定の電源断処理を実行する。
なお、メイン基板102等における電気的特性は、直流安定電圧が、電断信号の出力が行われる所定電圧未満になった後においても、電源断処理などの所定の処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力が正常値に維持されるよう構成されている。
また、本実施例においては図4中に示すように、電源基板の出力が、払出制御基板103を介して、メイン基板102に供給されるようになっている。しかし、これに限らず、例えば、電源基板の出力が、メイン基板102を介して払出制御基板103に供給されるようにしたり、メイン基板102と払出制御基板103とに別系統で個別に供給されるようにしてもよい。
また、前述の停電監視回路部506は、メイン基板102以外の部位に配置することも可能である。例えば、電源基板251上に停電監視回路部506を形成して、電源基板251上において停電監視回路部506から各基板へ電断信号を入力してもよい。また、メイン基板102から払出制御基板103への電断信号の入力を省略することも可能である。さらに、電源基板251の機能を、メイン基板102が発揮できるようにしてもよい。この場合、電源部541をメイン基板102上に形成することなどが考えられる。
さらに、停電監視回路部506を払出制御基板103に設け、払出制御基板103とメイン基板102の各々で、電断信号の出力と、電断信号に基づく電源断処理を行うようにしてもよい。また、メイン基板102と払出制御基板103のうち、払出制御基板103のみに停電監視回路部506を設け、電断信号を、払出制御基板103からメイン基板102へ送信するようにしてもよい。
ここで、前述のメインCPU501や払出CPU511などには、NMI(ノンマスカブル割込み)端子が備えられている。また、前述の電源断処理の実行の契機としては、メインCPUのNMI端子に電圧低下を示す電源断信号が入力されたことに基づきノンマスカブル割込み(NMI)を発生させるハードウェア的なものと、タイマ設定に基づく周期的な割込処理で、電圧低下が検知された際に立てた電源断フラグを確認して行うソフトウェア的なものなどがある。
本実施例においては、NMIによるハードウェア的な契機に基づき電源断処理が行われるようになっている。そして、NMI端子への信号入力は、例えば、停電監視回路部506からの電断信号をNMI端子に入力することにより行うことが可能である。ここで、NMI端子への信号入力は、停電監視回路部506から電断信号が出力された場合のほか、NMI端子に繋がる信号線へのノイズの混入などによっても生じ得るものである。なお、電源断処理への移行は、ソフトウェア的な手法に基づき行うことも可能である。また、NMI端子に入力される電源断信号に基づき、電源断フラグを設定し、電源断処理の実行契機とすることも可能である。なお、ここではメイン基板102と払出制御基板103でデータバックアップを行っているが、これに限らず、例えばサブメイン基板301で記憶エリアのデータバックアップが行われるようにし、サブメイン基板301において、メイン基板102又は払出制御基板103と同様にデータバックアップを行うようにすることも可能である。
次に、メイン基板102における基本的な機能について説明する。本実施例のメイン基板102は、前述した各構成(図4参照)の働きにより、例えば、入球判定、抽選、コマンド送信などの各種の機能を果たす。
図6中には、メイン基板102、サブメイン基板301、及び、サブサブ基板302の各々における代表的な機能的手段を示している。これらのうち、メイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段111、第2抽選手段112、普図抽選手段113、保留制御手段114、メイン表示制御手段115、特別遊技制御手段116、特定遊技制御手段117、開閉制御手段118、事前情報通知手段119、メインコマンド送信手段120等を備えている。そして、メイン基板102は、これらの機能的手段により、以下に順に説明するように、特別図柄に関する抽選、普通図柄に関する抽選、保留制御、主制御表示、特別遊技、特定遊技、開閉制御、事前情報通知等を実行する。
上述の入球判定手段110は、各入賞口(作動口、各種始動入賞口、大入賞口、一般入賞口、アウト口など)への遊技球の入球を各入賞口に設けられたセンサ類から出力される信号をもとに判定する。
<<特別図柄に係る当否抽選機能>>
前述の第1抽選手段111は、第1始動入賞口62への入球に基づき第1抽選を実行する。第1抽選手段111は、第1抽選値取得手段121、第1当否判定手段122、第1図柄決定手段123、第1パターン決定手段124の機能を有している。第1抽選の結果は、前述の主制御表示装置53(図7参照)の第1特別図柄表示部70において、停止表示された第1特別図柄により表される。
同様に、前述の第2抽選手段112は、第2-1始動入賞口63Aや第2-2始動入賞口63Bへの入球に基づき第2の抽選を実行する。第2抽選手段112は、第2抽選値取得手段125、第2当否判定手段126、第2図柄決定手段127、第2パターン決定手段128の機能を有している。第2の抽選の結果は、前述の主制御表示装置53の第2特別図柄表示部71において、停止表示された第2特別図柄により表される。
前述の第1抽選手段111に備えられた第1抽選値取得手段121は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1抽選に係る大当り乱数の値を、第1当否抽選値として取得する。また、前述の第2抽選手段112に備えられた第2抽選値取得手段125は、第2-1始動入賞口63Aや第2-2始動入賞口63Bへの入球を契機に、第2抽選に係る大当り乱数の値を、第2当否抽選値として取得する。
なお、本実施例では、第1当否抽選値として取得される大当り乱数、及び、第2当否抽選値として取得される大当り乱数は、ハードウェア乱数(ハード乱数)とソフトウェア乱数(ソフト乱数)とを用いた演算(加算)により生成されている。ハードウェア乱数としては、例えば16ビット用の乱数回路で生成される内蔵乱数を利用し、ソフトウェア乱数としては、ソフトウェアにおける乱数生成プログラムにより割込毎に更新される値を利用する。なお、ハードウェア乱数とソフトウェア乱数のうちのいずれか一方を使用するものであってもよい。
第1抽選手段111における第1当否判定手段122は、第1当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第1当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。同様に、第2抽選手段112における第2当否判定手段126は、上述の第2当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第2当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。第1当否判定手段122及び第2当否判定手段126による当否判定では、第1当否抽選値や第2当否抽選値と、大当り抽選の抽選結果との対応を定めた当否判定テーブル(例えば図9(a))が用いられる。
ここで、図9(a)には、当否判定テーブルの構成を概要的に示している。図9(a)中に示す、通常時確変時大当りとは、常に大当りとなる乱数値範囲を示すものであり、確変時大当りとは、確変時のみ大当りとなる乱数値範囲であることを示すものである。また、図9(a)は、設定値毎に設けられた当否判定テーブルのうち、一部の設定値(ここでは設定1)に係る当否判定テーブルのみを概要的に示しており、乱数の個数や置数(数値の割り当て)などは、説明が煩雑にならないよう簡略化して例示している。
第1抽選手段111における第1図柄決定手段123や第2抽選手段112における第2図柄決定手段127は、第1特別図柄または第2特別図柄に係る大当り抽選でいずれかの大当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、大当り図柄判定テーブル(図10(a)、(b)参照)に基づき決定する。これらの大当り図柄判定テーブルは、図柄決定に係る乱数値(図柄乱数)である図柄抽選値と、特別図柄の種類との関係を規定している。
なお、図10(a)、(b)に示す大当り図柄判定テーブルも、乱数値範囲、及び、大当りの種類が関連付けられていることを、説明が煩雑にならないよう簡略化して例示している。そして、本実施例では、電サポの有無の違いによって大当り図柄判定テーブルが分けられているが、電サポの有無に応じた大当りの選択割合の例については後述する。
ここで、図柄抽選値は、特別図柄に係る「特別図柄当り図柄乱数」や「図柄乱数」などとも称する場合がある。また、本実施例では、当たりの種類に小当りが含まれており、第1図柄決定手段123および第2図柄決定手段127は、特別図柄に係る大当り抽選で小当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、小当り図柄判定テーブル(図示略)に基づき決定する。
図柄抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。また、特別図柄の種類は、当りの種類に対応付けられており、取得された図柄抽選値に紐付いて、大当りの種類や小当りの有無が定まるようになっている。
第1抽選手段111における第1パターン決定手段124や第2抽選手段112における第2パターン決定手段128は、それぞれに対応する特別図柄表示部における特別図柄の変動パターンを、特図変動パターンテーブルに基づき決定する。特図変動パターンテーブルは、多数の特図変動パターンと、特別図柄の変動パターン決定に係る乱数値(変動パターン乱数)であるパターン抽選値との関係を規定している。
パターン抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。さらに、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る変動パターンは、例えば、大当り時、はずれ時、リーチの有無、時短の有無、保留数、大当り後の変動回数などといった各種の遊技状況に応じて相違した複数の特図変動パターンテーブルが設けられている。
特別図柄に係る変動パターン(特図変動パターン)は、特別図柄の変動表示における、変動開始から停止までの時間(変動時間)を定めている。そして、特図変動パターンは、その種類によって、例えば1秒以下から数十秒度のように、長短様々な変動時間を規定している。すなわち、各特図変動パターンには、変動表示の終了条件として変動時間が定められており、前述の第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71(図7参照)においては、特別図柄の変動表示が開始されて、規定された変動時間が経過すると、特別図柄が停止表示される。
時短時に選択対象となる特図変動パターンの多くについては、非時短時に選択対象となる特図変動パターンよりも、変動時間が短く設定されている。しかし、非時短時で、且つ、保留数が4個の場合に選択対象となり得る特図変動パターンには、時短時の特定の特図変動パターンに比べて、変動時間の短いものが含まれている。
<<普通図柄に係る各種抽選機能>>
続いて、前述の普図抽選手段113について説明する。この普図抽選手段113は、普図抽選値取得手段129、普図当否判定手段130、普図図柄決定手段131、普図パターン決定手段132を有している。そして、普図抽選手段113は、前述の入球判定手段110により、作動口68における遊技球の通過が検出されると、この検出結果に基づき、普通図柄に係る抽選(普図抽選)を実行する。
この普図抽選においては、普図抽選値取得手段129により、普通図柄に係る乱数(普図図柄乱数)である普図抽選値が取得され、普図図柄決定手段131により、普図判定テーブルが参照される。この普図判定テーブルには、普図抽選値と、普通図柄の種類との対応関係が定められている。そして、普図当否判定手段130により、普図抽選値に紐付けられた普通図柄が、当りに該当するものであるか否かが判定され、当りに該当する場合には、当たりの種類が判定される。
また、作動口68への入球を契機に普図パターン抽選値が取得され、取得した普図パターン抽選値を用いて普図パターン決定手段132により、普通図柄に係る変動パターン(普図変動パターン)が決定される。各普図変動パターンは、普図変動パターンに係る乱数(普図変動パターン乱数)である普図パターン抽選値と対応けられており、取得された普図パターン抽選値に紐付いて、遊技の状況に応じた普図変動パターンが定まるようになっている。
さらに、本実施例では、普通図柄に係る乱数である普図抽選値、及び、普図パターン抽選値は、ソフトウェア乱数のみを用いて作成されている。
<<特別図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の保留制御手段114について説明する。保留制御手段114は、第1保留手段133、第2保留手段134、普図保留手段135を有している。これらのうち第1保留手段133は、新たに第1始動入賞口62への入球があった場合に、第1特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第1当否抽選値、第1図柄抽選値など)に係る情報(第1特図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。本実施例では、第1特別図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、第1特別図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が終了し、更に、上述の入球よりも前に発生した第1特別図柄又は第2特別図柄に係る保留が存在しない場合には、第1特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第1特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
前述の第2保留手段134についても、新たに第2-1始動入賞口63Aや第2-2始動入賞口63Bへの入球があった場合に、第2特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第2当否抽選値、第2図柄抽選値など)に係る情報を、一時的に保留記憶する。
上述の入球があった際に実行されていた第2特別図柄の変動表示が終了した場合には、第2特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第2特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。なお、本実施例では、第2特別図柄に係る保留の上限値は、第1特別図柄と同様に4個に設定されている。
上述の第1特別図柄、および第2特別図柄は、特別遊技を開始する図柄が停止して特別遊技に制御された場合は、特別遊技が終了した後に変動開始条件を判定する。
<<普通図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の普図保留手段135について説明する。普図保留手段135は、作動口68(図1参照)における入球があった場合に、普通図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された乱数(普図抽選値など)に係る情報(普図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。そして、変動開始条件が成立するまで、上述の入球に係る普通図柄の変動表示を許可しない。なお、本実施例では、普通図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、普通図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた普通図柄の変動表示が終了し、普通電動役物が作動していない場合に、普通図柄に係る変動開始条件が成立し、普通図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
<<主制御表示に関する機能>>
続いて、前述のメイン表示制御手段115について説明する。メイン表示制御手段115は、第1特図制御手段136、第2特図制御手段137、普図制御手段138、保留表示制御手段139、及び、その他表示制御手段140を有している。これらのうち第1特図制御手段136は、第1抽選手段111により決定された第1特別図柄の変動パターンに従い、第1特別図柄表示部70(図7参照)で、第1特別図柄の変動表示(例えば、所定の一部のLED表示灯を100msec毎に点滅させる点滅表示)を行う。そして、第1特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第1特別図柄表示部70において、決定された図柄で停止表示する。
さらに、第2特図制御手段137は、前述の第2特別図柄に係る変動開始条件が成立していれば、第2抽選手段112により決定された変動パターンに従い、第2特別図柄表示部71(図7参照)で、第2特別図柄の変動表示を行う。そして、第2特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第2特別図柄表示部71において、決定された図柄で停止表示される。
また、普図制御手段138は、前述の普通図柄に係る変動開始条件が成立していれば、普図抽選手段113により決定された普通図柄の変動パターンに従い、普通図柄表示部59(図7参照)で、普通図柄の変動表示を行う。さらに、そして、普通図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、普通図柄表示部59において、決定された図柄で停止表示される。
さらに、保留表示制御手段139は、前述の第1特別図柄、第2特別図柄、及び、普通図柄に係る保留数の表示を行う。そして、これらの保留数の表示は、図7に示す主制御表示装置53の、第1特別図柄記憶表示部83、第2特別図柄記憶表示部84、及び、普通図柄記憶表示部85にて行われる。また、前述のその他表示制御手段140は、上述した第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄、及び、各種保留表示以外の、主制御表示装置53における表示を制御する。
<<特別遊技に関する機能>>
続いて、前述の特別遊技制御手段116について説明する。特別遊技制御手段116は、大当りに当せんした場合に、特別図柄が所定の大当り態様で停止されると、特別遊技作動条件が成立したと判定し、前述のように大当りの種類に応じた所定の態様(予め定められた単位遊技の回数や単位遊技中の大入賞口の開放パターン)で開放させる特別遊技を実行する。
<<特定遊技に関する機能>>
続いて、前述の特定遊技制御手段117について説明する。特定遊技制御手段117は、前述の確変や時短等に係る制御を行う。特定遊技制御手段117は、大当りの種類に応じて、その特別遊技の終了後の遊技状態を、確変状態や時短状態等へ移行させる。確変状態は、全ての種類の大当りではなく、一部の種類の大当りに付帯している。さらに、一部の大当りについては確変状態が次回の大当りまで継続し、確変を伴う他の大当りについては、特別遊技後の合計の変動表示回数が所定数(例えば100回)に達するまで継続される。確変状態の間は、第1抽選手段111や第2抽選手段112による大当りの当せん確率が、非確変時である通常時よりも高い値のまま維持される。
また、時短状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数の合計が、特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数(例えば100回など)に達するまで継続される。さらに、時短中は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示時間が、通常状態よりも概ね短くなるよう、第1パターン決定手段124や第2パターン決定手段128が、時短用の変動パターンを選択する。また、本実施例では、一部の確変大当りには、時短が付帯されないものがある。
さらに、前述のように、特定遊技として時短が実行されるときに合わせて入球容易化遊技が実行され、普通電動役物の作動が容易になり、第2-1始動入賞口63Aの入り口に配置された第2始動口シャッタ67が開放しやすくなる。第2始動口シャッタ67の開閉制御は、後述する開閉制御手段118により制御される。なお、特定遊技に係る具体的態様例については後述する。
<<開閉制御に関する機能>>
続いて、前述の開閉制御手段118について説明する。開閉制御手段118は、第2-1始動入賞口63Aの普通電動役物(開閉羽根)や、大入賞口92の開閉動作を制御する。開閉制御手段118は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2-1始動入賞口63Aの普通電動役物を開放させる。さらに、開閉制御手段118は、特別遊技において、大入賞口(開放)ソレノイド80に開放指示を送るための制御を行い、大入賞口装置90の大入賞口92を開放させる。
<<事前情報通知に関する機能>>
続いて、前述の事前情報通知手段119について説明する。事前情報通知手段119は、第1始動入賞口62、第2-1始動入賞口63A、又は、第2-2始動入賞口63Bに入球があった際、その入球に対応する図柄変動表示が保留されるか否かにかかわらず、取得された各種の乱数値に係る情報を、事前通知情報として、サブ基板(ここではサブメイン基板301)へ送信するための処理を行う。
上述の事前通知情報としては、取得した前述の各当否抽選値(第1当否抽選値又は第2当否抽選値)、各図柄抽選値(第1図柄抽選値又は第2図柄抽選値)、各パターン抽選値(第1パターン抽選値又は第2パターン抽選値)が、どのような当否範囲、図柄範囲、パターン範囲に属するものであるのか、といった情報を例示できる。
なお、このような事前通知情報の送信により、サブ基板104の側において、各種の先読み演出が可能となる。そして、先読み演出としては、保留予告や連続予告などを例示できるが、これらの詳細については後述する。
<<コマンド送信に関する機能>>
続いて、前述のメインコマンド送信手段120について説明する。メインコマンド送信手段120は、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド(メインコマンド)の送信を行う。メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド送信は、始動入賞時、特別図柄の変動開始時、特別図柄の変動停止時、大当り発生時などの種々のタイミングで、種々の情報を含んで行われる。
<サブ基板の基本機能>
次に、前述のサブ基板104における基本的な機能について説明する。本実施例においてサブ基板104は、サブメイン基板301及びサブサブ基板302により構成されており、メイン基板102からのコマンド受信、演出パターン決定、演出表示制御、演出実行などの各種の機能を果たす。
図6中に示すように、サブメイン基板301は、メインコマンド受信手段141、演出パターン決定手段142、サブメインコマンド送信手段143等を有している。さらに、サブメイン基板301は、スピーカ出力等の制御を行うための音制御手段144や、遊技効果ランプ出力等の制御を行う光制御手段145などの機能的手段が備えられている。
演出パターン決定手段142により決定される演出パターンは、演出表示装置60に表示される表示演出や、必要に応じ表示演出と併せて行われる音演出及び光演出を指定(特定)する情報を含んでおり、演出図柄190の変動表示中に大当りの期待度の高さを示唆する演出を実行する。ここで、本実施例における「期待度」は、「信頼度」と言い換えることが可能なものである。以下「期待度」については、同種の予告演出のパターンのうち出現したときの変動で大当りとなる期待感を高める演出段階(通常パターン、チャンスアップパターン、確定パターン)について述べるものや、1の演出を発生させる当り変動パターン(当り変動における変動パターン)情報およびはずれ変動パターン情報(はずれ変動における変動パターン)について確認したときに、1の演出に対応する変動パターン中に当り変動パターンが含まれる確率について述べるものの記載それぞれについて使用する場合があり、総じて「期待度が高い演出」とは、当該演出が発生した場合に大当りすることが多い演出のことをいう。
演出パターン決定手段142により演出パターンが決定されると、決定された演出パターンを示す演出パターン情報が、サブメインコマンド送信手段143を介し、サブメインコマンドとして、サブサブ基板302へ送信される。また、サブメイン基板301からサブサブ基板302へ送信されるコマンドには、サブサブ基板のROMから音データやランプデータ等を読み出すために、音情報なども含まれる。
サブサブ基板302には、図6中に示すように、サブメインコマンド受信手段146や演出実行制御手段147などが備えられている。そして、サブサブ基板302においては、演出実行制御手段147により、サブメイン基板301からのサブメインコマンドに基づき、必要な画像データを液晶ユニット42(図4参照)に順次出力し、アニメーション画像を構成して、演出表示装置60において演出用の動画を表示する。
<特定遊技に係る具体的態様例>
次に、前述した特定遊技の具体的態様について説明する。前述のように特定遊技として、特別図柄の確率変動機能(確変)、特別図柄の変動時間短縮機能(時短)、及び、入球容易化遊技(普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物の開放延長機能の複合)が設けられている。そして、これらの各種特定遊技のうちの少なくともいずれか1つが、大当り抽選の結果(特別図柄の停止表示図柄)や、大当り中の遊技結果に応じて実行される。
<<確率変動遊技>>
上述の確変は、大当り後の特別図柄に係る遊技の確率状態を、通常の確率状態と比べて大当りの発生確率が高くなるように変更するものである。本実施例では、確変状態の継続期間(確変期間)は、次回の大当りまでとなっている。なお、これに限らず、確変期間を特別図柄の変動回数に基づき決定することも可能である。
特別図柄の変動回数は、特別図柄の変動表示から停止表示までが1回として定まるものである。そして、確変期間を変動回数に基づき決定した場合は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に設定される。このように次回の大当りが発生する前に確変期間が終了し得るようにした機能は回数切り確変などと称することが可能である。
<<変動時間短縮遊技>>
上述の時短は、前述の主制御表示装置53における特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の変動時間を、通常遊技の場合と比べて、概ね短縮するものである。ここで、「概ね短縮する」とは、全ての場合に通常遊技よりも短縮するとは限らず、一部には、特別図柄の変動時間が通常遊技と同等な場合や、通常遊技よりも長い場合を含み得る、という意味である。そして、この時短によれば、特別図柄の変動時間が短くなることから、連続して始動入賞口(第1始動入賞口62、第2-1始動入賞口63A、及び、第2-2始動入賞口63B)への入賞が発生しても、特別図柄の変動表示及び停止表示を短い間隔で円滑に進めることができ、大当り抽選の機会を多く確保することが可能となる。
さらに、時短状態の継続期間(時短期間)は、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。そして、本実施例において時短状態は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に達するまで継続される。
なお、上述した例では、確変期間と時短期間を同じ期間に設定しているが、確変期間と時短期間を互いに異なる期間としてもよい。例えば、確変期間を104回とし、時短期間を100回とすることなどが可能である。また、確変期間や時短期間は、いずれも一定であることに限定されない。例えば、確変期間を、発生した大当りの種類に応じて4回、25回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。また、時短期間を、発生した大当りの種類に応じて、25回、50回、75回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。
また、所謂転落抽選の機能を備えることが可能である。この転落抽選としては、以下のようなものを例示できる。例えば、確変や時短が、上述の最大変動回数(ここでは100回)よりも少ない所定の回数(例えば50回)に達した後には、最大変動回数に達するまで毎回の特別図柄の変動毎に、確変や時短を終了させるか否かの抽選(特定遊技終了抽選)が実行される。そして、この特定遊技終了抽選に当せんした場合には、確変及び時短を終了させ、次回の変動からの遊技状態が、確変や時短が伴わない通常状態に戻る。
さらに、確変と時短の両方を実行することに限らず、特定遊技において、いずれか一方のみを実行することも可能である。例えば、当せんした大当りの種類によっては、時短のみが付与され、確変は付与されないようにすることや、時短が付与されず、確変のみが付与されるようにすることなどが可能である。
<<入球容易化遊技>>
続いて、前述の入球容易化遊技について説明する。この入球容易化遊技は、普通電動役物に係る機能を遊技者に有利に設定し、第2-1始動入賞口63Aの開放態様が通常よりも遊技球を受け入れ易くなり得るようにする遊技状態である。入球容易化遊技が実行された場合には、普通図柄に係る時短、普通図柄に係る確率変動、普通電動役物に係る開放延長などの制御態様や、これらの制御態様の組合せにより、第2-1始動入賞口63Aへの入球容易性が高められ、入球容易状態が形成される。この「入球容易化遊技」や前述の「ベース」、「電サポ」等に関係して、「高ベース」、「高ベース状態」、「低ベース」、「低ベース状態」、「非電サポ」等の用語を用いることが可能である。以下において、「低ベース状態」は「非電サポ状態」に対応しており、「高ベース状態」は「電サポ状態」に対応している。また、「高ベース状態」として、後述するような小当りが発生し易い状態での遊技(小当り期待遊技)の状態を含め、「低ベース状態」として、小当り期待遊技でない状態を含めることも可能である。
普通図柄における上述の各種の制御態様のうち、普通図柄に係る時短は、普通図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される制御態様であり、普通図柄に係る確率変動は、普通図柄の当せん確率を通常状態よりも向上させる制御態様(普通図柄に係る確変)である。さらに、普通電動役物に係る開放延長は、第2-1始動入賞口63Aの開放時間を、通常時(非特定遊技時)の開放(ショート開放)よりも長く開放(ロング開放)を行う制御態様である。
上述のように、特定遊技中の入球容易化遊技は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物の開放延長という3つの機能を用いて第2-1始動入賞口63Aへの入球容易性を高める。しかし、これに限定されず、これら3つの機能のうち、1つ又は2つの機能を用いて第2-1始動入賞口63Aへの入球容易性を高める構成としてもよい。また、3つの機能のうち少なくともいずれかについて、実施する期間と実施しない期間との切り替えを、遊技状態に応じて行う構成としてもよい。
このような入球容易化遊技の継続期間は、特別図柄に係る時短期間に基づいて決定することが可能である。例えば、特別図柄に係る時短中は入球容易化遊技を継続し、特別図柄に係る時短が終了すると入球容易化遊技が終了する、といった制御態様の採用が可能である。そして、このようにした場合は、特別図柄の時短が終了した以降に図柄変動が開始される普通図柄の変動パターン(普図変動パターン)は、通常時(非特定遊技時)のために設けられた変動パターンの中から決定されるようにすることが可能である。
<ぱちんこ遊技機における主な演出>
<<演出図柄の基本的表示態様>>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンドに基づき、サブメイン基板301及びサブサブ基板302によって実行される各種の演出について、主要なものを説明する。そして、ここでは先ず、前述の演出図柄190(図8(a)、(b)参照)の基本的な表示態様について説明する。
演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が変動表示されることに伴って、演出表示装置60上において変動表示される(図8(a)参照)。さらに、演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が停止表示されることに伴って、演出表示装置60上において停止表示(図8(b)参照)される。
演出図柄190の停止に伴い表示される停止図柄は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cの3つの図柄の組合せにより構成される。そして、メイン基板102における大当り抽選の結果が大当りとなった場合には、例えば「777」や「555」のように、3つの図柄が揃ったぞろ目の組合せが、大当りを表す停止図柄として表示される。また、大当り抽選の結果がはずれであった場合には、例えば「767」、「928」、「331」などのように、1部又は全ての演出図柄が他の演出図柄と異なる組合せで、演出図柄190が停止表示される。
ここで、本実施例における「停止図柄」や「図柄の停止」は、3つの演出図柄190が「確定停止」していることを意味している。すなわち、3つの演出図柄190a~190cが、演出表示装置60の表示領域194において、例えば「767」や「928」などの組合せを保った状態で表示されていたとしても、それだけでは「確定停止」したことには該当しない。そして、このように演出図柄190が、組合せを保ちつつ「確定停止」に至っていない状態を、「仮停止」の状態と称することが可能である。
このような「仮停止」の表示態様としては、例えば、演出図柄190が小刻みに振動している(揺れている)状態を例示できる。そして、演出図柄190が組合せを維持したまま小刻みに揺れているような仮停止の態様を、「揺れ変動」の態様などと称することが可能である。この「仮停止」における演出図柄190の揺れの態様としては、縦又は横の直線移動や水平方向の回転移動などを例示でき、移動範囲としては数ミリ程度を例示できる。
また、上述の「確定停止」の表示態様としては、仮停止の状態を経て、全ての演出図柄190a~190cが組合せを保ったまま停止した状態を例示できる。さらに、この「確定停止」の際に、確定停止されたことを示す演出を行うことが可能である。そして、確定表示されたことを示す演出としては、確定停止の状態を所定時間(例えば1秒程度)維持することや、確定停止された各演出図柄190a~190cを、特殊効果が付加された状態で表示すること(図柄エフェクト)やセンター飾り64に設けられたLED(ランプ)を点灯させる等を例示できる。
ここで、図柄エフェクトとしては、各演出図柄190a~190cを瞬間的に所定時間(例えば0.5秒程度)に限り光らせる、各演出図柄190a~190cの周りに輝点を1回或いは複数回周回させる、演出図柄190a~190cを拡大又は縮小する、演出図柄190a~190cを数ミリ程度移動させて元の位置に戻す、などといった種々の態様を採用することが可能である。
また、前述の「リーチ」の表示態様において、リーチの組合せを保った演出図柄が、前述の「仮停止」の態様で表示される場合がある。そして、この「仮停止」によるリーチ表示の後に、変動表示されていた図柄(ここでは中演出図柄190b)が、はずれの組合せ(はずれリーチの組合せ)を構成して「仮停止」し、組合せを保ったまま「確定停止」が行われて変動表示が終了する、といった演出を例示することができる。また、3つの演出図柄190a~190cが、はずれリーチの組合せによる「仮停止」を行っている状態から、中演出図柄190bが変動を再開してリーチ演出が高信頼度のもの(大当りに係る信頼度が相対的に高いもの)に発展する、といった演出(後半リーチ)も例示できる。
なお、演出図柄190のスクロール表示の態様としては、上述の縦スクロールに限定されるものではなく、種々の表示態様を採用することが可能である。そして、他の表示態様としては、例えば、横方向(右から左など)への横スクロール態様や、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に、鉛直軸まわりに回転(自転)させて、変動表示を行う回転態様を例示できる。また、例えば、左演出図柄190aから右演出図柄190cが、表示領域194中で、後方から前方、即ち画面の奥から手前に向って、直線軌道或いは曲線(旋回)軌道に沿って、拡大されながら順次繰り出される、といった表示態様も例示できる。さらに、後方から前方へ向う演出図柄が、上方から下方手前へ降りてくる、といったスクロール表示の態様を採用することも可能である。
また、スクロールの態様は、前述したような各種の態様のいずれか1つを採用することに限らず、例えば、所定の演出が実行される場合に、所定のスクロール態様から他のスクロール態様に切り替えることなども可能である。また、複数の演出モードについて、演出モード毎に、スクロール態様を異ならせることなども可能である。
また、図8(a)、(b)においては、演出図柄190の組合せが、表示領域194の上下方向の中段でのみ停止表示される表示態様が例示されており、有効ラインは、横方向の1ラインのみとなっている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、有効ラインの数を2ラインや5ラインとすることなども可能である。
さらに、演出図柄190は、図8(b)に例示するように、数字などの所定の記号を意味する部分(前述の記号要素演出図柄である要素図柄)と、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分(非記号要素演出図柄である要素図柄)との組合せにより構成することが可能である。そして、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分としては、各種のデザイン画や人物画、及び、これらの組合せ等を例示でき、さらに、記号に組合される各種のデザイン画や人物画を、動画とすることも可能である。図8(b)の例では、所定の記号以外を表す絵柄としてハートの絵柄が採用されている。
さらに、図8(a)、(b)に示す例では、前述した縮小演出図柄表示領域361が画面中に重畳されている。この縮小演出図柄表示領域361は、各演出図柄190a~190bに対応する演出用の図柄(「ミニ演出図柄」や「ミニ図柄」などとも称する)を、各演出図柄190a~190よりも小さいサイズで示すことができるものである。縮小演出図柄表示領域361にミニ図柄を表示することで、各演出図柄190a~190が変動中であるか否かの状況や、停止時の状況(仮停止時の状況を含んでいてもよい)を、各演出図柄190a~190bとは別に目立たないよう示すことができる。
また、縮小演出図柄表示領域361の表示を行うことで、演出図柄190a~190bに係る演出パターンとして透明度が上がり遊技者に視認できなくなるようなものを設けて演出を多様化したとしても、演出図柄190a~190bの状況を遊技者に示すことが可能である。
さらに、このような縮小演出図柄表示領域361に加えて、各演出図柄190a~190bが変動中であるか否かや、特図1及び特図2のうちのどちらの表示を行っているかを、例えば小型な1桁の数字の違いによって示す図柄の表示を、目立たないように行うことも可能である。このような図柄は、「保証図柄」等と称することが可能なものである。この保証図柄の表示位置は、可動演出部材が単数又は複数で演出表示装置60の前に出現した際でも隠れないような位置とすることが可能である。さらに、保証図柄の表示は、いずれの可動演出部材が登場しても隠れない位置を設けてその位置に行うことや、登場する可動演出部材に合せて変更することなどが可能である。
<<演出パターンの例示>>
続いて、前述の演出パターンについて説明する。演出パターンは、メイン基板102で決定される変動パターンに関連付けられた状態で多数設けられている。さらに、演出パターンには、演出図柄190を含む演出の態様が規定されている。より具体的には、演出パターンには、選択された演出図柄190に対する変動開始から変動停止までの変動過程や、演出図柄190と組合せて表示される背景及びストーリー展開などといった演出過程が定義されている。そして、演出パターンには、前述の「リーチあり」や「リーチなし」に対応したものがある。
これらのうち、「リーチあり」の演出パターンが実行される場合は、あと1つの演出図柄(ここでは中演出図柄190b)が揃えば大当りとなるリーチ演出が、演出表示装置60において行われる。そして、特別図柄に係る当否抽選の結果が大当りである場合には、大当りの種類に応じた「777」や「333」などのぞろ目の表示が、確定停止した演出図柄190によって行われる。また、特別図柄に係る当否抽選の結果がはずれである場合には、例えば「767」や「515」などのはずれを示す組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
さらに、「リーチなし」の演出パターンが実行される場合は、例えば「928」や「331」などのように、左演出図柄190aと右演出図柄190cがリーチの組合せとならないリーチなしの組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
これらの演出パターンには、長短様々な変動時間をもつものがあり、特に、「リーチあり」の変動パターンには、変動時間が数分に及ぶようなものも含まれている。なお、本実施例では、前述した特別図柄に係る変動パターン(図11(a)~(c)参照)における、「リーチなし(3秒~10秒程度)」、「ノーマルリーチ(10秒~20秒程度)」、「スーパーリーチ(大当り信頼度の高いリーチ)(30秒~2分程度)」に対応した、リーチなしの演出パターン、ノーマルリーチの演出パターン、スーパーリーチの演出パターンが設けられている。そして、これらの演出パターンには、例えば、1つの変動パターンに対して複数の演出パターンが関連付けられており、演出パターン数は、前述の変動パターンよりも多岐に亘っている。さらに、「スーパーリーチ」は、「SP(スペシャル)リーチ」と言い換えることが可能なものである。
<<特別図柄に係る保留演出表示>>
次に、演出表示装置60において行われる特別図柄に係る保留表示(保留演出表示)について説明する。演出表示装置60の表示領域194の下部には、図8(a)、(b)中に示すように、第1遊技における当否抽選値の保留数を示す第1保留数表示部196と、第2遊技における当否抽選値の保留数を示す第2保留数表示部197とが表示される。なお、ここでは説明や図示を簡略化するため、個々の保留表示を真円によって表しているが、保留表示を、その他の形状や色彩の組み合わせ、キャラクタ画像、アニメーション等により行ってもよい。
本実施例においては、第1遊技に係る保留が発生すると、上述の第1保留数表示部196に所定の保留表示が行われる。さらに、保留数が増えると、保留表示が追加される。そして、保留数が上限に達すると、図8(a)に示すように、第1保留数表示部196において、4つの保留表示が行われる。
また、第1保留数表示部196における保留表示は、第1表示位置から第4表示位置にて行うことが可能である。つまり、第1保留数表示部196には、第1表示位置から第4表示位置が含まれており、第1保留数表示部196の、遊技者から見て右端の部位が、第1表示位置となっている。そして、左端へ向かって順に、第2表示位置、第3表示位置、第4表示位置が設けられている。さらに、以下では、第1表示位置から第4表示位置で行われる保留表示を、それぞれ「保1」、「保2」、「保3」、「保4」と称する。
例えば、演出表示装置60において、第1遊技に係る演出図柄190が行われている最中で、且つ、第1保留数表示部196に1つの保留表示も行われていない状況において、保留が発生すると、右端の第1表示位置(上述の「保1」の位置)に保留表示が行われる。そして、この際には未だ他の保留表示が行われておらず、「保2」~「保4」は発生していないものとする。このように「保1」が発生している状況で、更に保留が発生すると、発生した保留に係る表示は、「保1」の左隣の「保2」の位置で行われる。そして、「保1」及び「保2」が表示され、「保3」や「保4」が表示されていない状況で、更に保留が発生すると、発生した保留数に応じて、「保3」や「保4」の表示が行われる。
そして、「保1」が発生した際に実行されていた変動表示が終了し、第1遊技に係る他の変動開始条件も成立していれば、上述の「保1」に係る保留記憶情報が消化される段階となり、「保1」の保留表示が、第1保留数表示部196の右側へ移動する。第1保留数表示部196の右側の部位には、当該変動情報表示部195が設けられている。この当該変動情報表示部195は、そのときに実行されている変動表示に係る情報(当該変動情報)を表示する領域である。つまり、「保1」の保留表示は、対応する保留記憶情報に係る変動表示が実行される際には、当該変動情報表示部195に移動して、当該変動情報表示198に変化する。
ここで、「保1」の保留表示を当該変動情報表示部195に移動させる際に、アイテムに係るサイズ、色彩、形態などといった表示要素の変更を行うようにしてもよい。図8(a)、(b)の例では、「保1」の保留表示を当該変動情報表示198に変化させる際に、サイズの拡大を行っている。
上述のように「保1」にあった保留表示が当該変動情報表示部195に移動すると、後続の保留表示の待機順位が繰り上り、「保2」は「保1」の位置にシフトする。さらに、「保3」や「保4」が存在した場合には、「保3」は「保2」の位置にシフトし、「保4」は「保3」の位置にシフトする。そして、このような状況で更に保留が発生した場合には、新たに「保4」が発生し、保留数が上限に達することとなる。また、新たな保留が発生しなければ、この次の変動表示の開始に伴い、保留表示のシフトが行われ、各保留の待機順位が繰り上がることとなる。
なお、「保1」~「保4」における保留表示から、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態を含めて、広義に、保留演出と捉えることが可能であるが、これに限らず、「保1」~「保4」における保留表示までを保留表示とし、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態は保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
また、演出図柄190に係る変動表示が行われておらず、保留数が0の状況で、第1始動入賞口62に入球があると、「保1」の表示は行われず、当該変動情報表示部195に、直接的に、当該変動情報表示198が行われるようになっている。そして、このような場合に限って、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198を保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。また、第1始動入賞口62に入球があると、「保1」の保留表示が一瞬の間行われ、その後直ぐに当該変動情報表示部195での当該変動情報表示198に移行させる、といったことも可能である。
続いて、前述の第2保留数表示部197について説明するが、第1保留数表示部196と同様な点については、説明を省略する。本実施例では、第2保留数表示部197は、図中に示すように、上述の当該変動情報表示部195を挟んで、第1保留数表示部196の反対側(遊技者から見て右側)に、第1保留の画像と異なる色彩にて、「保1」~「保4」の関係が対称となるよう配置されている。
また、保留表示については、種々の遊技状態に応じた態様で行うことが可能である。例えば、大当り抽選の確率が通常確率の場合と高確率の場合などで、異なる演出モードに制御される場合に互いの保留表示の態様を異ならせることなどを例示できる。
さらに、第1保留数表示部196、第2保留数表示部197、及び、当該変動情報表示部195の位置関係は、上述のものに限定されず、例えば、当該変動情報表示部195の左側又は右側において8つの保留表示を並べ、第1遊技及び第2遊技に係る保留表示を、各々最大4個まで表示することなども可能である。
<<特別図柄に係る保留先読み演出>>
次に、特別図柄に係る予告演出(先読み演出)の1つである、保留先読み演出について説明する。この保留先読み演出は、前述の保留記憶情報(第1特図保留記憶情報又は第2保留記憶情報)に基づき、実行される演出である。さらに、保留先読み演出は、前述の事前情報通知の機能を用いて、そのときに演出図柄190等を用いて行われている演出よりも後に消化が行われる保留に対して、リーチや大当りが発生することの期待を示唆する演出として実行される。
例えば、前述の第1保留数表示部196における「保3」の位置で発生した保留表示について、保留変化がされていない基本の表示態様である表示(例えば青色)とは異なり、緑色の保留表示を行うことで、通常の青色の態様である場合に比べて、リーチが発生すること等の期待度が高いことが示される。そして、青や緑の彩色の他に、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を設け、緑色よりも、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄の順で大当りの期待度が高いことを示す、といった演出が行われている。
ここで、上述の「所定柄」の表示態様としては、キリン等の動物模様や、所定のキャラクタ画像を含む表示態様などを例示できる。また、保留表示の彩色や柄のみでなく、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。さらに、上述の各種の表示態様に点滅や発光を行っている態様を組み合せて先読み演出を行うことも可能である。また、保留先読み演出を含む先読み演出に当せんした保留を、例えば「トリガ保留」などと称することが可能である。
以上説明したような保留に係る先読み演出は、第2遊技においても行われる場合がある。そして、第2遊技に関しては、基本色(オレンジ)のほかに、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を備えることが可能である。また、第2遊技に係る保留表示としても、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。
さらに、上述したような第1遊技及び第2遊技において保留表示を用いる先読み演出は、「保留変化」などと称することが可能である。そして、このような「保留変化」には、保留発生の当初から上述のように基本の表示態様と異なる表示態様を示すものや、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものなどがある。
これらのうち、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものとしては、例えば、保留が発生して保留表示が開始され、保留の消化が進み、保留表示が、例えば「保2」、「保1」と進む間に、保留表示が変化するようなものを例示できる。そして、例えば、保留発生時には「保3」の位置に青色(第2遊技の場合はオレンジ色)で保留表示が行われ、「保1」の位置に移動した際に、緑色等の他の色に変化する、といったことが行われる。
また、第1遊技及び第2遊技の何れについても、当該変動情報表示198となった場合に、保留表示が基本色から、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様や、或いは、真円形状以外のアイテムや人物画像等の表示態様に変化して、大当りの期待度を表す場合もある。
さらに、上述のような保留変化に係る制御態様としては、以下のようなものを例示できる。例えば、保留発生時に、保留変化の演出パターン(保留変化パターン)を決定するための抽選(保留変化パターン抽選)を行う。この保留変化パターン抽選には、保留変化パターンテーブルが用いられ、この保留変化パターンテーブルには、保留変化の有無や、保留変化を実行する場合(保留変化ありの場合)には、どのようなタイミングでどのような表示態様を実行するか、といった演出パターンの決定に係る事項が規定されている。また、保留変化パターンとしては、第1遊技のためのものと、第2遊技のためのものとが定められている。
また、保留変化に当せんした保留が、「保1」から「保4」の中に複数存在する場合に、いずれか一方の保留先読み演出をキャンセルする、といったことが可能である。より具体的には、例えば、「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、緑色に変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生しているいずれかの保留が、虹色に変化する保留変化パターンに当せんしていれば、上述の「保4」に係る保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
さらに、例えば、上述の例と同様に「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、虹色まで変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生している全ての保留が、虹色までは変化せず、緑色などまでしか保留変化しないものであれば、先に発生している保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。なお、保留変化を行う際に、保留変化が行われることを示唆する演出(「保留変化示唆演出」と称する場合もある)を実行することも可能であり、この点については別途後述する。
<<特別図柄に係る連続予告>>
次に、他の先読み演出のパターンとして、特別図柄に係る連続予告(連続演出)について説明する。この連続予告は、真正のものと疑似のものとがあり、これらのうちの真正の連続予告は、特別図柄に係る複数回の変動表示に亘り、連続性のある予告演出を行うものを意味している。また、疑似の連続予告は、特別図柄に係る1回の変動表示について、複数回の特別図柄の変動があったような断続的な予告演出(疑似連続予告)を行うものを意味している。
上述の「連続予告」としては、例えば、演出上のストーリーにおいて主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、最終到達目的としている部屋を目指して、順次異なる部屋に移動するようなものなどを例示できる。また、その他の態様の「連続予告」としては、主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、異なる敵と対戦して勝利し、最終目的となる敵を目指すようなものも例示できる。
さらに、前述した真正の連続予告(以下では単に「連続予告」と称する場合がある)は、メイン基板102からサブメイン基板301に送信される事前通知情報に基づいて行うことが可能である。より具体的には、例えば、「保3」の保留が発生した場合に受信した事前通知情報に基づいて、サブメイン基板301が、その次以降の特別図柄に係る変動表示に対応した演出パターンとして、3回の変動表示に亘る連続予告を含んだ内容のものを選択する、といったことが可能である。
そして、1回分の保留が消化され、上述の「保3」の保留が「保2」の位置にシフトされた際には、選択された連続予告に係る演出パターンのうち、最初の1回目の予告に係る演出パターンが実行される。さらに、保留が順次消化され、保留表示が、「保2」から「保1」に移動した際には、3回のうちの2回目の予告が実行され、「保1」から当該変動情報表示部195に移動した際には、最後となる3回目の予告が実行される。
なお、サブメイン基板301において、上述の「保3」の保留が発生した時点で実行されている変動表示に係る変動パターンや、それ以前に発生している「保2」又は「保1」に係る保留記憶情報を確認することも可能である。すなわち、上述の「保3」の保留が発生した際に、既に記憶されている各種の情報の中に、大当り信頼度の高い所定のリーチ演出が実行されることを表す情報や、大当りが発生することを表す情報が存在すれば、「保3」の保留が発生した際に選択した連続予告に係る演出パターンをキャンセルする、といったことが可能である。その他、「保3」に対する保留の期待度に応じて、次変動から即座に連続予告を行うものではなく、1変動待って「保1」の変動及び先読み態様となるトリガ保留の消化時の2変動に跨る連続予告とするケースも考えられる。
また、前述した疑似の連続予告(以下では「疑似連続予告」や「疑似連」などと称する場合がある)としては、特別図柄の1回の変動表示に係る演出パターンにおいて、リーチ表示が、複数回断続的に行われるようなものや、登場人物が複数回の行為を繰り返すようなもの、演出図柄190の仮停止と再変動を繰り返すものなどを例示できる。
なお、以上説明したような連続予告の内容は、あくまでも例示であり、連続予告の内容としては、説明したもの以外にも種々のものを採用することが可能である。本実施例では、先読み演出である連続予告として、所定の演出図柄に係るストック表示(図柄ストック演出)が行われる場合があるが、これについては後述する。
<<普通図柄に係る演出図柄>>
次に、前述の普通図柄に係る演出について説明する。本実施例では、普通図柄に係る演出表示は行われていない。しかし、普通図柄に係る演出を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。そして、このように普通図柄の演出表示を行う場合には、演出図柄としては、例えば、はずれと、当たりの種類とを識別できる程度の表示を行うことが考えられる。
また、前述のように、演出表示装置60を、複数の表示体の組合せにより構成した場合には、相対的に大型な表示体と、これに比べて小型な表示体(複数でもよい)を備えることが可能である。そして、大型な表示体を、例えば「メイン表示体」や「メイン液晶」などと称し、小型な表示体を、例えば「サブ表示体」や「サブ液晶」などと称することが可能である。さらに、上述のような相対的に小型な表示体を備えた場合には、普通図柄に係る演出図柄(199)を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これを普通図柄に係る演出表示装置としてもよい。
また、普通図柄に係る演出図柄を用いた演出を行う場合は、普通図柄に係る保留演出表示を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。また、前述のように、演出表示装置60を、大型な表示体及び小型な表示体のような複数の表示体により構成した場合には、普通図柄に係る演出保留表示を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これにより「1」から「4」の普通図柄に係る保留数の演出表示を行ってもよい。
<<限定頻度パターンに係る演出>>
次に、限定頻度パターンに係る演出(以下では「限定頻度パターン演出」と称する)について説明する。限定頻度パターン演出は、前述の演出パターンの一部として備えられているものである。さらに、限定頻度パターン演出は、メイン基板のパターン決定手段にて特定の期間に決定される変動パターンに対応して、所定の遊技状態において出現し易くなるように設定された演出である。この限定頻度パターン演出の内容は、特定の傾向を示す演出内容となっており、限定頻度パターン演出の内容として、例えば、時短遊技中の特定の変動において、あらかじめ定められた変動パターンをメイン基板で決定し、演出として高信頼度のリーチを必ず発生させるようなものを例示できる。
また、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、遊技開始時、所定の演出パターンが実行された直後(例えば、小当り、出玉無大当りの直後)、所定の演出モード中(確変、時短遊技モード中)、特別遊技の終了直後などを例示することができる。また、これらに加えて、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、第1遊技(又は第2遊技)に係る保留数が所定数(例えば4個)に達している場合や、保留が存在しない場合なども例示できる。さらに、限定頻度パターン演出が実行される状況においては、その時の状況に応じて予め設けられている限定頻度テーブルを用い、この限定頻度テーブルに定められた限定頻度パターンから、実行すべき演出パターンが選択されるようになっている。なお、本実施例では、時短中から非時短中への移行の前後において限定頻度パターン演出が実行される場合があるが、これについては後述する。
<<操作ボタンを用いた演出>>
次に、前述の操作ボタン22(図1参照)を利用する演出(以下「ボタン演出」と称する)について説明する。操作ボタン22は、ボタン演出が実行された場合に、遊技者によって押下操作され、遊技者に対し、自分が遊技の演出や当否抽選に参加しているような感覚を与える機能を発揮するものである。ボタン演出としては、例えば演出図柄190(図8(a)、(b)参照)の変動表示過程で、演出表示装置60の表示領域194に、操作ボタン22の図柄とともに、「Push」、「連打せよ」、「長押しせよ」等といった文字や、或いは残り時間を示すインジケータの動画などの、操作を促すガイド表示を行うことを例示できる。
さらに、ボタン演出としては、遊技者が、上述のガイド表示に従って操作ボタン22を操作すると、登場人物がコメントを発するような演出や、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行うような演出を例示できる。また、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材が作動して、リーチとなることを報知するようなものも例示できる。さらに、リーチ演出中にボタン演出が行われることもあり、その場合には、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材が作動して大当りへの期待を煽るものなども例示できる。
また、上述の操作ボタン22に関して、通常時は操作ボタン22の操作が無効となっているが、ボタン演出中は操作ボタン22の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。
なお、操作ボタン22のような操作入力機器としては、その他にも種々の形態のものを採用可能であり、例えば、演出内容に関連した、自動車の操作ハンドル、航空機の操作レバー、登場人物の模型(フィギュア)にタッチセンサを付加したものなども採用が可能である。また、操作ボタンと、操作レバー等の形態を有するものを併設し、演出内容などの状況に応じて使い分ける、といったことも可能である。
さらに、前述のように操作ボタン22の近傍に十字キー96(図18(a))が設けられており、操作ボタン22は、環境設定などを行う状況で決定キー等として用いられる場合がある。
<<大当り発生時の演出>>
次に、大当りが発生した場合の演出について説明する。大当りが発生した場合の演出には、特別遊技開始時の演出(大当り開始デモ)、特別遊技中の演出(ラウンド演出)、最終ラウンド終了時の演出(当り終了デモ)、特別遊技の終了時の演出(大当り終了デモ)などがある。ここで、上述の大当り開始デモの演出は、大当り遊技(特別遊技)の実行開始から初回のラウンド(単位遊技)の実行開始までのアタッカー(大入賞口)の閉鎖が維持されている期間の演出であり、上述の大当り終了デモの演出は、最終回のラウンド(単位遊技)の実行終了から大当り遊技(特別遊技)の実行終了までのアタッカー(大入賞口)の閉鎖が維持されている期間の演出であるということができる。
前述の演出図柄190が確定停止されると、ファンファーレなどの音に伴い、大当りが開始される旨の表示を行う。この大当りが開始される旨の表示としては、大当り開始デモ画面の表示を例示することができる。さらに、特別遊技中の打ち方指示として右打ち案内演出(右打ち演出)を実行し、遊技者に対し、発射ハンドル20の回動量を増やして右打ちを行うよう案内する内容のものを例示できる。また、右打ちを行うよう案内する内容の表示としては、右打ち案内表示領域(図示略)を出現させ、この右打ち案内表示領域に、「ハンドルを右に回してね」や「右打ち」などのメッセージ表示等を行うことが可能である。
ここで、初当り(低ベースでの大当り)と連荘(高ベースでの大当り)とで、大当り開始時の演出内容が異なっていても良い。具体的には、初当りの際には「大当りスタート!」などの表示を行い、連荘の当りの際には「大当り連続!」などの表示を行うようにとしても良い。また、右打ちの案内については、初当りでは「ハンドルを右に回してね」のメッセージ表示を行うが、連荘ではそのようなメッセージ表示を行わないかそれとは異なる表示(単に「右打ち」の大きな文字が短時間表示されるなど)を行うなどのようにしても良い。このように、初当り時の大当り開始デモ演出よりも連荘時の大当り開始デモ演出の方が短くなるようにして良く、その場合は当然ながら、大当り開始デモ時間については、初当り時よりも連荘時のほうが短くなる。同様に、大当り終了デモ演出(大当り開始デモ時間)の時間値も、初当り時よりも連荘時のほうが短くなるようにしても良い。
前述の特別遊技中の演出としては、遊技者が大当りを獲得しなければ見ることができない内容の動画を例示できる。また、この際には所定の楽曲が、前述のスピーカ21(図1参照)から出力される。さらに、特別遊技中の動画としては、例えば、ぱちんこ遊技機10の演出に採用された劇画における所定の登場人物が、ライバルとなる敵と戦う様子を描いたものや、僥倖を享受する様子を描いたものなどを例示できる。
なお、特別遊技中のラウンドの切換わりを、例えば、画面中の例えば下部における「1R」、「2R」、・・・、「16R」や、「1ラウンド」、「2ラウンド」、・・・といった表示により報知することが可能である。さらに、特別遊技中の演出の一部として、例えば、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を表示することも可能である。
また、図示は省略するが、特図1及び特図2の保留数を区別して示す保留数表示領域を表示したり、ラウンド数表示領域やカウント数表示領域を表示したりすることが可能である。さらに、例えば「確変2回目」や「獲得数:3600個」のような表示により、複数回の大当り遊技に係る連荘回数や、連荘中の獲得賞球数の表示を行うようにしてもよい。
ここで、大入賞口(92)の近傍に一般入賞口(72)の一部を配置したような場合には、ラウンド中の遊技による(大入賞口(92)への入球による)賞球のみを獲得賞球数の表示対象とするのではなく、一般入賞口(72)への入球に基づく賞球も、獲得賞球数の表示対象としても良い。また、超過分の入賞である所謂オーバー入賞(大入賞口に対する1のラウンドにおける規定カウント数を超過した入球)が発生した場合は、該発生を示唆又は報知する演出(例としては、「やったね!」といった音出力や、演出表示における「ナイス!」などの表示)を行っても良い。
また、特別遊技中の演出として、特定の演出(当り中の特定の演出)を行うことが可能である。この当り中の特定の演出は、ストーリー展開に変化を与える契機として表示したり、大当り遊技中にラウンド数の報知や確変への昇格演出が行われる場合に、演出の分岐点として挿入したり、といった用途で用いることが可能なものである。
続いて、前述の特別遊技後の演出としては、特別遊技中の演出内容の結果に係るもの例示できる。より具体的には、登場人物同士の闘いの結果に応じて勝者が感情を表す内容などを例示できる。このような特別遊技後の演出は、例えば、大当り遊技に係る「エンディング演出」や「リザルト演出」などと称することも可能である。
さらに、特別遊技後の演出としては、大当りの連続回数を追加して表示するものや、そのときの特別遊技により遊技者が獲得した賞球数を表示するものなどを例示できる。また、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を追加して表示することも可能である。また、大当りの連続に関しては、大当りの発生回数が所定回数(例えば20回)に達した場合に、それ以前には選択されることがない演出パターンを実行する、といったことも可能である。
また、大当りの種類に、確変を伴わない大当りを含む場合には、特別遊技終了後に確変となるか否かの報知を、特別遊技中、或いは、特別遊技終了の際まで報知しないようにすることも可能である。
例えば、合計で10ラウンドの特別遊技が行われる場合に、8ラウンド目の終了の際までは確変に当せんしているか否かを遊技者に知らせる演出を行わず、8ラウンド目の終了後に、確変に当せんしている場合にはその旨の演出(当り中特定演出)を1又は複数のラウンドに亘って行う、といった演出や制御態様を採用することが可能である。
同様に、確変を伴わない大当りを含むぱちんこ遊技機において、特別遊技開始前、特別遊技中、或いは、特別遊技終了の際などの所定のタイミングで、遊技球が所定の領域で検出された場合には確変となる、といった演出や制御態様を採用することも可能である。
この場合は、例えば、遊技球の検出領域を有する入球装置(ここでは「V入球装置」と称する)を、遊技領域52(図1参照)における大入賞口の下方の部位などに追加して、或は演出アタッカ93に代えて設ける。さらに、特別遊技終了の際など所定のタイミングで、V入球装置を、遊技球を受入れ可能な状態とし、この状態においてV入球装置で遊技球が検出された場合に、その後の確率状態が、所定期間に亘り確変状態となるように制御する。そして、V入球装置に遊技球が進入しなかった場合や、V入球装置内で遊技球が所定の領域に進入しなかった場合には、その後の確率状態が確変状態とならないように制御する、といったことが考えられる。
また、このような入球による確変の付与は、演出としてのみ行うことも可能である。すなわち、大当り抽選で確変ありの大当りに当せんしている場合に、所定のタイミングでV入球装置を、遊技球の受入れが可能な状態とする。そして、V入球装置内に振分け機構を設けておき、事前に確変ありの大当りに当せんしている場合には、V入球装置に進入した遊技球を確変の領域に導き、遊技者が確変を獲得した旨の演出を実行する。また、事前に確変なしの大当りに当せんしている場合には、遊技球を非確変(通常)の領域に導き、遊技者が確変を獲得した旨の演出を実行する、といったことが考えられる。
さらに、小当りが発生した場合に、小当りの発生を報知する演出を行わないことや、小当り発生後の遊技中に、通常時と同様であり、確変中であるのか否かを区別できない内容の演出を行うことが考えられる。
<各種の具体的演出例>
<<複数の演出部材の重畳による演出>>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10において実施することが可能な各種の具体的な演出について例を挙げて説明する。先ず、演出表示装置60の表示と、前述した導光板88の表示、及び、可動演出部材の重畳による演出を行うことが可能である。この種の演出は、演出表示装置60の前方に可動演出部材を位置させ、演出表示装置60の表示内容と、可動演出部材の光装飾や動きなどとを組み合わせることによる複合的な演出となる。
一例を挙げれば、いずれかの可動演出部材が演出表示装置60の表示領域194の前に飛び出した状態において、可動演出部材の外側には演出表示装置60の表示領域194の少なくとも一部が見えており、例えば、演出表示装置60に炎が燃え盛る様子の映像を表示した場合には、炎の前方で可動演出部材が光装飾や動作を行う組合せの演出が実行されるようにする。さらに、導光板88において、例えば、炎の模様が点滅するような演出や、或いは、波紋状の模様を点滅させるような演出を行うことにより、導光板88と演出表示装置60の遠近の差による視覚効果を発揮することができる。
さらに、この状態において、導光板88と演出表示装置60との間で可動演出部材による演出を実行することにより、可動演出部材の様子や、演出表示装置60の映像を、導光板88の表示を部分的に障害としながら遊技者に視認させることができる。さらに、可動演出部材の前後の模様状の表示の変化の合成により、複雑な状況表示を可動演出部材に重畳でき、可動演出部材の置かれた環境を複雑な態様で表現することが可能となる。
そして、これらのことにより、導光板88、可動演出部材、演出表示装置60といった限られた構成によって、より複雑な演出を行うことができ、演出を多様化することが可能となる。なお、導光板88を、例えば透過液晶表示体などに変更した場合であっても、透過液晶表示体の一部を、背後の可動演出部材や、演出表示装置60の表示内容の一部を視認できる程度の透過状態とすることで、導光板88の場合と同様に重畳による演出を行うことが可能である。
また、導光板88や透過液晶表示体など(ここでは導光板88等と称する)の利用の態様として、導光板88等を強調する態様と、演出表示装置60との組合せによる態様とを採用することが可能である。上述の「導光板88等を強調する態様」は、導光板88等の表示面の大部分を利用して所定の像を浮かび上がらせる発色表示を行い、背後にある演出表示装置60の表示内容に遊技者の意識が可能な限り向かないようにする表示態様である。
これに対し、上述の「演出表示装置60との組合せによる態様」は、導光板88等における発色表示が行われる部分の面積の割合を所定の程度に抑え、背後にある演出表示装置60の表示内容に遊技者の意識が向かうようにし、導光板88等の表示と、演出表示装置60の表示とを組み合わせた演出を遊技者に対して示す表示態様である。そして、所定の場合には、「導光板88等を強調する態様」での演出を実行し、他の所定の場合には、「演出表示装置60との組合せによる態様」での演出を実行する、といったことが可能である。
<<保留表示を利用した演出>>
続いて、前述の保留表示を用いた演出としても種々のものを例示することができる。例えば、保留変化が行われることを示唆する保留変化示唆演出が例示され、図8(a)、(b)中に示す当該変動情報表示部195の当該変動情報表示198を一旦消去し、当該変動情報表示部195に、例えば、「色変化?」のように保留色が変化して期待度が高まることを示唆するような文字の情報(文字の状態遷移示唆情報)を表示する。そして、このような状態遷移示唆情報の表示の後、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198が、例えば赤色や虹色などといった高期待度を意味するものに変化する場合があるようにする。
また、上述の「色変化?」のような表示を、ルーレットの目の1つや、回転ドラム(リール)の1つの図柄として表示することも可能である。例えば、「変化なし」、「色変化?」、「赤」、「虹」のような情報表示をルーレットの目や、回転ドラムの図柄として採用し、当該変動情報表示部195において、ルーレットや回転ドラムのオブジェクトの表示を行う。そして、当該変動情報表示部195において、「変化なし」、「色変化?」、「赤」、「虹」の表示が順次変化し、停止した情報に対応した態様で、その後の当該変動情報表示198が行われるようにすることが考えられる。なお、当該変動情報表示198を消去せずに、ルーレットや回転ドラムのオブジェクトの表示を行うことも可能である。
また、保留表示を用いた演出の他の態様として、図8(a)、(b)中の第1保留数表示部196や第2保留数表示部197において保留変化が行われる場合に、保留変化したことや、保留変化が直後に発生することを、例えば、「保留変化」、「赤保留」、「虹保留」などといった保留変化情報を表示することで、積極的に報知することが考えられる。ここで、このような保留変化情報の表示を、演出表示装置60における表示領域194の中央で行ってもよく、或いは、第1保留数表示部196や第2保留数表示部197において、保留変化する保留表示の近傍で行ってもよい。
なお、上述のように、保留変化が行われることを示唆する保留変化示唆演出を1又は複数種類設けておき、保留変化示唆演出の実行有無、種類により保留変化がなされる割合や保留変化がなされたときの変化度合い(例えば保留色が青から赤に変化する割合が種類Aと種類Bとで異なる等)が異なるようにすることも好適である。また、複数の保留表示があり、複数の保留表示に対して保留変化が行われ得る場合には、保留変化示唆演出の開始時点では、いずれの保留の変化が行われるかがわからない状態とすることもでき、このように構成すれば、先に変化した保留が更に変化するのか、変化していない保留が変化するのかという視点での興趣向上を図ることができる。
また、保留変化示唆演出を実行する場合、保留変化のタイミングは、図柄変動中の様々なタイミングとすることができる。例えば、保留変化示唆演出を、保留変化示唆専用の領域や画像オブジェクトを用いたものとした場合には、装飾図柄(演出図柄)の確定停止の期間と重ならない任意のタイミングで複数の開始・終了タイミングを設定することができる。
一方、保留変化示唆演出を保留変化示唆専用のものとせず、装飾図柄の変動演出と連動して行う場合には、例えば、装飾図柄の表示領域を用いて保留変化を示唆する疑似的な装飾図柄(例えば「保留変化図柄」)を表示する保留変化示唆演出を実行することができる。そして、この場合には、1又は複数列の図柄が仮停止時するタイミングや停止図柄を予告するタイミングを設定することができる。
なお、ここで説明した各種の保留変化タイミングに加え、保留表示の開始時やシフト時に保留色を変化させることもできる。
<メイン基板からサブメイン基板へ送信される各種コマンド>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される各種コマンドについて主要なコマンドについて説明する。先ず、コマンドの送信タイミングとしては、初期画面表示中、客待ちデモ(待機デモ)中、特別図柄の図柄変動開始時、特別図柄の図柄確定時、特別図柄の図柄確定中、大当り開始デモ時、大当り中大入賞口開放時、大当り中大入賞口閉鎖時、当り終了デモ時、大当り終了デモ終了時などがある。このうち初期画面表示中は、ぱちんこ遊技機10の電源投入後、客待ちデモが開始されて定常状態に入るまでの期間である。また、始動入賞時、電断復帰時、及び、エラー検出時は、何れの場合であってもコマンド送信が行われる。さらに、RWMクリア時にもコマンド送信が実行される。
これらのうち、RWMクリア時のコマンドとしては、演出表示器初期化、演出LED初期化、各種エラーのコマンドがある。演出表示器初期化コマンドは、演出表示装置60に所定の演出図柄を表示するためのものである。演出LED初期化コマンドは、通信が正常である場合に遊技効果ランプの一部を点灯させるものである。各種エラーコマンドは、エラーの状態に合わせた演出表示等を行うためのものである。
客待ちデモのコマンドとしては、客待ちデモコマンドがある。この客待ちデモコマンドは、演出表示装置60や遊技効果ランプを客待ちデモ用に設定し、音声を消去するためのものである。
特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとしては、図柄1記憶数、図柄2記憶数、通信検査1、通信検査2、演出回数A~Z、演出選択状態0~2、変動付加情報、図柄1演出パターン、図柄2演出パターン、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出のコマンドがある。図柄1記憶数コマンドは、第1特別図柄の保留記憶数を示すものであり、図柄2記憶数コマンドは、第2特別図柄の保留記憶数を示すものである。通信検査1コマンド及び通信検査2コマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。演出回数A~Zの各種コマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0~2の各種コマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。変動付加情報コマンドは、変動時間が決められた変動パターンに更に付加される変動時間(付加時間)の情報や、演出パターン中に例えば大当り期待度の示唆等を行う要素(演出構成要素)を付加するための情報などを示すものである。図柄1演出パターンコマンドは、第1特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2演出パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものである。図柄1キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
特別図柄の図柄確定時のコマンドとしては、図柄1演出パターン停止、図柄2演出パターン停止のコマンドがある。図柄1演出パターン停止コマンド、及び、図柄2演出パターン停止コマンドは、それぞれ、第1特別図柄や第2特別図柄に基づく演出図柄190を停止させるためのものである。
特別図柄の図柄確定中のコマンドとしては、変動時間短縮回数0(低確率時)、変動時間短縮回数A~Z(低確率時)、変動時間短縮回数0(高確率時)、確率変動中(所定変動回数まで)のコマンドがある。これらは、その時の遊技状態に関するコマンドを送信するためのものであり、演出モード表示や時短回数表示などに使用される。
大当り開始デモ時のコマンドとしては、図柄1大当り開始デモ、図柄2大当り開始デモ、発射位置指定のコマンドがある。図柄1大当り開始デモコマンド、及び、図柄2大当り開始デモコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄に基づいた開始デモを表示させるためのものである。発射位置指定コマンドは、所謂左打ちや右打ちにより、遊技者に、遊技球の打ち分けを行わせる場合に発射位置を報知するためのものである。
大当り中大入賞口開放時のコマンドとしては、図柄1大当り中デモ1~16、図柄2大当り中デモ1~16のコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄及びラウンド数に基づいた演出を表示させるためのものである。
大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドとしては、大入賞口閉鎖演出コマンドがある。これは、大入賞口閉鎖演出を表示させるためのものである。
大当り終了デモ時のコマンドとしては、図柄1当り終了デモ、図柄2当り終了デモのコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の当り図柄に基づいた当り終了デモ演出を表示させるためのものである。
始動入賞時のコマンドとしては、当り予告(当り予告演出)、図柄予告(当り図柄予告演出)、変動予告(パターン予告演出)、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドは、事前情報通知手段157による前述の先読み演出に係るコマンド(先読みコマンド)である。そして、当り予告コマンドは、当否乱数の乱数値範囲を送信するためものであり、抽選確率に応じた当否の情報などを含んでいる。図柄予告コマンドは、図柄乱数の乱数値範囲を送信するためのものであり、当りの種類に係る情報などを含んでいる。さらに、変動予告コマンドは、変動パターンの乱数範囲を送信するためのものであり、変動パターンのグループの種別(リーチなし、ノーマルリーチ、又は、スーパーリーチなど)の指定に利用可能である。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。そして、本実施例では、当否抽選の結果、先読み演出の有無や期間などの情報は、当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドによって、サブメイン基板301に伝えられるようになっている。
電断復帰時のコマンドとしては、通信検査1、通信検査2、電断復帰用遊技状態A~E、演出回数A~Z、演出選択状態0~2、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出、電断復帰当り状態、電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態、発射位置指定、エラーa~d、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。
通信検査1、通信検査2のコマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。電断復帰用遊技状態A~Eのコマンドは、電断時の遊技状態に応じて異なるコマンドを送信するためのものである。演出回数A~Zのコマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0~2のコマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
電断復帰当り状態コマンドは、当り中か否かに応じて異なるコマンドを送信するためのものである。電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の、待機中・変動中・当たり中などの状態に応じたコマンドを送信するためのものである。発射位置指定コマンドは、前述のように、状況に応じた適切な発射位置を指定するためのものである。エラーa~dは、エラーの有無及び種類を送信するためのものである。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。
<メイン基板の主要な制御処理>
次に、上述の構成のぱちんこ遊技機10のメイン基板102における主要な制御処理について、図12~図17等に基づいて説明する。なお、説明に先立ち、以下で用いる「特別電動役物」、「条件装置」、「役物連続作動装置」の用語について説明する。これらは何れもぱちんこ遊技機10の制御処理における概念上の機器を表しており、これらのうち「特別電動役物」は、大入賞口装置90の大入賞口を作動(開放)させることとなるものである。また、「条件装置」は、特別図柄として特定の図柄組合せが停止表示された場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」は、特別電動役物を連続して複数回作動させることができるものである。
また、ここで説明するぱちんこ遊技機10の主要な制御処理は、図12に示す電源投入時処理(メイン基板における「制御開始処理」などともいう)、図13に示す初期設定処理、図14に示す設定変更処理、図15に示す遊技進行割込み処理、図16に示す(当否)抽選判定処理、及び、図17に示す電源断処理であり、これらはメイン基板102において実行される。
<電源投入時処理>
図12に概略的に示す電源投入時処理は、ぱちんこ遊技機10の電源投入によりCPU501の製造コードを利用したセキュリティチェックが行われた後に開始される制御処理である。この電源投入時処理においては、図中に示すように初期設定処理(S101)が実行される。初期設定処理(S101)では、設定値に関する処理などが実行されるが、初期設定処理(S101)の内容については後述する。
初期設定処理(S101)の後、RWMクリアボタン(RWMクリアスイッチ(544))が操作されたか否かの判定(S102)が実行される。このS102において、RWMクリアボタンの操作が行われていた場合には(S102:YES)、RWMクリアの処理(S103)が実行され、RWMクリア情報がサブ側(サブメイン基板301の側)へ送信される(S4)。さらに、電源投入が正常に行われたことを表す情報(電源投入正常の情報)をRWMに保存し(S105)、タイマ割込みの許可を行う(S106)。このタイマ割込みの許可(S106)により、所定周期(ここでは4ms)での遊技進行割込み処理(タイマ割込み処理)が可能となる。さらに、各種の乱数が、ループ処理(循環処理)が繰り返される毎に更新される(S107)。
ここで、乱数更新の処理(S107)で更新される乱数としては、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数の各種の初期値乱数を挙げることができる。また、各種の乱数の更新にあたっては、共通の制御モジュールとして、2バイトソフト乱数更新処理を用いることが可能である。また、乱数更新の処理(S107)で更新される乱数は、前述したソフトウェア乱数であり、乱数の種類によっては、乱数更新の処理(S107)で更新されるソフトウェア乱数と、前述のハードウェア乱数との演算により乱数値を生成することも可能である。
上記S102で、RWMクリアボタンが操作されていなかった場合には(S102:NO)、電源断正常の情報がRWMに保存されているか否かの判定が行われる(S111)。そして、電源断正常の情報がRWMに保存されていた場合には(S111:YES)、RWMチェックが行われ(S112)、RWM内のデータ(所定範囲のデータ)が正常か否かの判定が行われる(S113)。このS113で、RWM内のデータが正常でなかった場合には(S113:YES)、RWMクリアの処理(S103)へ移行する。
上記S111で、電源断正常の情報がRWMに保存されていた場合(S111:NO)、及び、上記S113でRWM内のデータが正常であった場合には(S113:NO)、RWMから電源断時の各種の情報コマンドのデータを取得する(S116)。さらに、取得した各種情報コマンドのデータをサブメイン基板301の側へ送信し(S117)、ソレノイドの復帰設定を行って(S118)、前述のS105(電源投入正常の情報をRWMに保存する処理)へ移行する。
<初期設定処理>
次に、前述の初期設定処理(図12のS101)について、図13に基づき説明する。この初期設定処理では、各ポート・レジスタの設定処理が実行され(S121)、設定キーの挿入操作があったか否かの判定が行われる(S122)。設定キーの挿入があった場合には(S22:YES)、設定値変更処理(S126)が行われるが、この設定値変更処理(S126)については後述する。
上記S122で、設定キーの挿入がなかった場合には(S122:NO)、設定値情報の読み込み(リード)が行われ(S123)、設定値が異常か否かの判定が行われる(S124)。設定値が異常でなかった場合には(S124:NO)、初期設定処理を終えるが、設定値が異常であった場合には(S124:YES)、設定値異常の報知を行う(S128)。そして、設定値異常情報をサブメイン基板301の側へ送信し(S129)、その後はループ状態となる。
<設定値変更処理>
次に、前述の設定値変更処理(図13のS126)について、図14に基づき説明する。この設定値変更処理では、設定値保存領域のRWMをチェックし(S131)、設定値情報が異常であるか否かの判定を行う(S132)。設定値情報に異常がなければ(S132:NO)、RWMクリアスイッチの入力があったか否かの判定を行い(S133)、RWMクリアスイッチの入力があった場合には(S133:YES)、設定値情報に応じた設定値を表示する(S134)。
上記S132で設定値情報に異常があれば(S132:YES)、設定値の強制設定を行い、設定値情報にデフォルト値(ここでは「1」)をセットする(S141)。そして、設定値強制設定情報をサブメイン基板301に送信してから(S142)、設定値の表示を行う(S133)。
上記S134の後、設定値の変更操作があったか否かの判定を行い(S135)、変更操作があれば(S135:YES)、そのときの設定値情報を+1する(S136)。さらに、設定値情報が設定上限値(ここでは「6」)に達したか否かを判定し(S137)、上限値に達していれば(S137:YES)、そのときの設定値情報を「1」にセットする(S138)。そして、設定変更が完了したか否か(設定キーが抜き取られたか否か)を判定し(S139)、完了していれば(S139:YES)、設定値の表示を止め(S140で表示を消去し)、設定値変更処理を終了する。
上記S135で、変更設定がなかった場合には(S135:NO)、設定値情報の加算の処理(S136)から設定下限値(ここでは「1」)のセットの処理(S138)を行わずに、設定変更が完了したか否かのを判定処理(S139)に移行する。また、上記S137で、設定値情報が上限値に達していない場合は(S137:NO)、上記S137の設定下限値のセット処理(S138)を行わずに、設定変更が完了したか否かのを判定処理(S139)に移行する。さらに、上記S139で設定変更が完了していなければ(S139:NO)、上記S134の設定値表示の処理に戻る。
上記S133において、RWMクリアスイッチの入力がなかった場合には(S133:NO)、上記S134と同様に、設定値情報に応じた設定値を表示する(S146)。さらに、上記S139と同様に、設定変更が完了したか否か(設定キーが抜き取られたか否か)を判定し(S147)、完了していれば(S147:YES)、上記S139へ移行し、設定値の表示を止め(S140で表示を消去し)、設定値変更処理を終了する。上記S147で設定変更が完了していなければ(S147:NO)、上記S136の設定値表示の処理に戻る。
つまり、上記S133において、RWMクリアスイッチの入力があった場合には(S133:YES)、設定値の表示が行われ(S134)、設定値の変更のための処理(上記S135~S138等)が可能となる。しかし、上記S133において、RWMクリアスイッチの入力がなかった場合には(S133:NO)、設定値の表示(S146)が行われるものの、上記S135~S138のような設定値の変更のための処理は可能とならない状態で、設定値表示が行われる(この状態を設定表示モードと称する場合もある)。
<遊技進行割込み処理>
次に、所定周期のタイマ割込み毎に繰り返される遊技進行割込み処理(図15)について説明する。この遊技進行割込み処理(「タイマ割込み処理」などともいう)は、前述の説明では省略したが、電源投入時処理(図12)において設定された周期情報に基づき所定周期(ここでは4ms周期)で繰返される。図15に示すように、遊技進行割込み処理においては、割込み動作条件の設定(S41、S42)、割込み処理時間監視手段の再帰(S43)、遊技機の管理(S45~S70)、割込みの許可(S71)を順に行い、遊技進行割込みが発生する前の処理に復帰させる。
具体的には、割込み動作条件の設定の処理(S41、S42)においては、割込みフラグをクリアするため、割込み動作条件設定値が、遊技進行割込み制御レジスタに格納され(S41)、割込み動作条件設定値が、所定の入力端子に対応した制御レジスタにセットされる(S42)。この後、第2再帰情報がセットされ(S43)、更に第2再帰情報が割込み処理時間監視手段レジスタにセットされる(S44)。第2再帰情報は、後述するように、先にセットされた第1再帰情報とともに、割込み処理時間監視手段の監視用計時を再帰させてリスタートさせるための条件となるものである。
遊技機の管理(S45~S70)においては、遊技機の管理を行うため、以下の処理を順に実行する。先ず、特定の信号の入力を監視するため、入力処理(S45)を実行する。ここで監視の対象となっているのは、遊技盤面に取り付けられている各種スイッチ、受け皿満タンスイッチ、開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、ガラス未検出信号、及び断線短絡電源異常検知信号である。
続いて、各種乱数更新処理(S46)を実行し、普通図柄変動パターン乱数、及び変動パターン乱数を更新する。さらに、初期値更新型乱数更新処理(S47)を実行し、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。次に、初期値乱数更新処理(S48)を実行し、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。また、2バイトタイマの更新を行うため、タイマ減算処理(S49)を実行し、第2-1始動入賞口63Aの有効期間を設定するため、第2始動口の有効期間設定処理(S50)を実行する。
さらに、入賞監視処理(S51)が実行され、賞球を払出す回数の記憶、盤用外部情報の出力要求の作成、及びサブ基板104に送信するコマンドの送信要求が行われる。続いて、払出制御基板103を制御するため、賞球制御処理(S52)を実行する。
次に、遊技球が普通図柄作動ゲート(作動口68)を通過したとき、普通図柄に係る乱数を記憶するため、普通図柄作動ゲート監視処理(S53)を実行し、普通図柄表示装置又は普通図柄電動役物に係る処理を行うため、普通図柄制御処理(S54)を実行する。さらに、普通図柄の変動開始の監視を行うため、普通図柄変動開始監視処理(S55)を実行する。また、遊技球の第1始動入賞口62、第2-1始動入賞口63A、及び、第2-2始動入賞口63Bの入賞の監視を行うため、始動口監視制御処理(S56)を実行し、第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71に係る処理を行うため、特別図柄制御処理(S57)を実行する。続いて、特別電動役物に係る処理を行うため、特別電動役物制御処理(S58)を実行し、大入賞口の有効期間に係る処理を行うため、大入賞口有効期間設定処理(S59)を実行し、第1特別図柄、及び、第2特別図柄の変動開始の監視を行うため、特別図柄変動開始監視制御処理(S60)を実行する。
次に、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠の開閉状態の監視、及びペアガラスの監視を行うため、異常検知処理(S61)を実行し、入球通過時間異常の検出を行うため、入球通過時間異常検出処理(S62)を実行する。さらに、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、遊技状態表示処理(S63)を実行し、発射ハンドル20のタッチ状態(操作量の状態を含む)の監視を行うため、ハンドル状態信号検査処理(S64)を実行する。また、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置(70、71)の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、及びエラーの表示を行うため、LED出力処理(S65)を実行する。
続いて、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、発射制御信号出力処理(S66)を実行し、試験装置に出力する信号を作成し出力するため、試験信号出力処理(S67)を実行する。さらに、普通電動役物ソレノイド、及び、大入賞口(開放)ソレノイドの出力データの出力を行うため、ソレノイド出力処理(S68)を実行し、演出制御コマンドを送信するため、演出制御コマンド送信処理(S69)を実行し、外部端子(外部中継端子基板46(図2参照)の各種外部出力端子)に信号を出力するため、外部情報出力処理(S70)を実行する。
この後、割込み許可(S71)が実行され、制御処理がリターン(RET)に抜ける。そして、次回の遊技割込みが実行されるまでの残余時間を利用して、電源投入時処理(図12)の前述の循環処理(S7の乱数更新処理を含めて繰り返される循環処理)が実行される。
<<ハンドル状態信号検査処理>>
前述のハンドル状態信号検査処理(S64)においては、発射ハンドル20のタッチ状態の監視を行うため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及び、ハンドル状態演出のコマンド送信要求を行う。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を行う。なお、ハンドル状態監視タイマの減算において、ハンドルタイマ減算中と判断した場合、ハンドル状態に関する以降の処理は行わない。
<抽選判定処理>
次に、前述の抽選判定の処理(「抽選判定処理」ともいう)について説明する。この抽選判定処理は、確率データを用いて当選か否かを判定(大当り抽選判定を行う処理)する処理である。また、抽選判定処理は、前述の遊技進行割込み処理(図15)における、例えば特別図柄変動開始監視制御処理(S60)で行うようにすることが可能である。
図16は、当否に係る抽選判定処理の一例を示すフローチャートである。この抽選判定処理においては、まず、ステップS1022に進むと、メインCPU501は、当選番号データとして所定のレジスタ(例えばCレジスタ)に1をセットして、次のステップS1024に進む。ステップS1024に進むと、メインCPU501は、繰返し回数データとして2をセットして、次のステップS1025に進む。当選番号データは、「1」が大当りを示し、「2」が小当りを示すものとなっている。
ステップS1025に進むと、メインCPU501は、抽選テーブルから確率データを取得する。具体的には、メインCPU501は、遊技状態(確率変動状態か、通常確率状態か)、及び設定値に応じた確率データのアドレスを指定し、指定したアドレスに対応する確率データを抽選テーブルから取得して、レジスタに記憶する。そして、次のステップS1026に進む。
ステップS1026に進むと、メインCPU501は、当否判定を行う。ここで、メインCPU501は、まず、始動口に入賞した際に取得した当否判定用のために乱数値を、抽選時用の比較レジスタ(例えばDEレジスタ)に記憶し、次に、ステップS1025で取得した確率データに記憶された値を比較レジスタの値から減算し、新たな比較レジスタの値とする。このようにして、比較レジスタの値を更新する。
次のステップS1027では、メインCPU501は、当選したか否かを判断する。ここで、比較レジスタ(例えばDEレジスタ)の値から確率データを減算することにより、DEレジスタの値が「0」より小さくなると(桁下がりが発生すると)、フラグレジスタのキャリーフラグに「1」がセットされる。すなわち、キャリーフラグが立つ。また、「キャリーが発生する」とは、キャリーフラグに「1」がセットされることを意味する。そして、ステップS1027では、メインCPU501は、キャリーフラグに「1」がセットされているか否かを判断することにより、当選したか否かを判断する。
ここで、キャリーフラグに「1」がセットされていないときは、メインCPU501は、当選しなかった(S1027:NO)と判断し、次のステップS1028に進む。これに対し、キャリーフラグに「1」がセットされているときは、メインCPU501は、当選した(S1027:YES)と判断し、ステップS1028~S1033をスキップして、本フローチャートによる処理を終了する。ここで、ステップS1027で「YES」のときにセットされている当選番号データが抽選判定で決定された当選番号(例えば、当選番号1であれば大当り、当選番号2であれば小当り)を示すこととなる。
次のステップS1028では、メインCPU501は、当選番号データを更新する。具体的には、メインCPU501は、当選番号データ(例えば、Cレジスタ)の値に「1」を加算して、新たな当選番号データ(例えば、Cレジスタ)の値とする。すなわち、当選番号データ(例えば、Cレジスタ)の値を更新する。そして、次のステップS1029に進む。
ステップS1029に進むと、メインCPU501は、繰返し回数データを更新する。具体的には、メインCPU501は、繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)の値から「1」を減算して、新たな繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)の値とする。すなわち、繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)の値を更新する。そして、次のステップS1030に進む。
ステップS1030に進むと、メインCPU501は、繰返し回数が終了したか否かを判断する。具体的には、メインCPU501は、繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)の値が「0」か否かを判断する。ここで、繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)の値が「0」であるときは、繰返し回数が終了したことを示し、繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)が「0」でない(「0」より大きい)ときは、繰返し回数が終了していないことを示す。そして、ステップS1030では、メインCPU501は、繰返し回数データ(例えば、Bレジスタ)の値が「0」かを判断することにより、繰返し回数が終了したか否かを判断する。
ここで、Bレジスタの値が「0」であるときは、メインCPU501は、繰返し回数が終了した(S1030:YES)と判断し、次のステップS1033に進む。これに対し、Bレジスタの値が「0」でないときは、メインCPU501は、繰返し回数が終了していない(S1030:NO)と判断し、ステップS1025に戻る。
また、ステップS1030で「NO」のときは、前回と同一の確率データを用いて、再度、ステップS1026の当否判定が行われることとなる。次のステップS1033では、メインCPU501は、当選番号データ(例えば、Cレジスタ)の値に非当選データである「00(H)」をセットして、本フローチャートによる処理を終了する。
以上のように構成することにより、ステップS1028で記載したように、当選番号データを更新する処理が抽選判定処理内にあるため、当選番号データを抽選テーブルに記憶しておく必要がない。また、繰返し回数及び同一の確率データを用いて当選番号を決定することにより、同一の確率データを抽選テーブルに繰り返し定めなくても済むので、抽選テーブルによるROMの使用量を削減することができる。
なお、本例においては、小当りと大当りに対応する当選番号を1ずつ設け、当り時には別途取得する図柄乱数によって大当りや小当りの種別を決定したが、本処理によってこれらの種別を決定することも可能である。その場合には、ステップS1024の繰返し回数データの値を種別の数に応じて変更し、当選番号毎の確率データ(当選番号毎に対応する範囲値)を設定すれば同一の判定ルーチンで対応することも可能である。
<電源断処理>
次に、電源断が生じた場合に実行される電源断処理について説明する。図17に示すように、電源断処理においては、全使用レジスタのデータをRWMに退避し(S81)、電源断前の割込み許可/禁止の状態を保存する(S82)。さらに、RWMに電源投入正常の情報が保存されているか否かが判定され(S83)、保存されていない場合には(S83:NO)、電源断異常の情報をRWMに保存し(S84)、RWMアクセス禁止の処理(S88)へ移る。一方、保存されている場合には(S83:YES)、スタックポインタの値をスタックポインタバッファに保存し(S85)、電源断正常の情報をRWMに保存し(S86)、RWMのチェックサムを算出し、チェックサムデータを保存する(S87)。そして、RWMをアクセス禁止とし(S88)、制御処理をループさせながらCPU501のリセットを待つ。
また、この電源断処理においては、前述した第1再帰情報及び第2再帰情報の双方の設定が済んでいなかったとしても、CPU501が強制再帰手段として機能し、第1再帰情報及び第2再帰情報の設定が行われ、割込み処理時間監視手段の監視用計時が強制的に初期化され、計時が再帰させられる。さらに、この強制的な第1再帰情報及び第2再帰情報の設定は、本実施例では、電断処理開始直後であって、全使用レジスタの退避の処理(S81)よりも前のタイミングで行われている。そして、電力供給が再開された場合には、監視用計時が再帰した状態で、制御処理が開始される。つまり、電源断発生時に監視用計時を強制的に再帰させておくことにより、電力供給を再開した直後の制御処理において、監視用計時が再帰しないまま、制御処理が進行することを防止できるようになっている。
<その他の個々の制御処理態様>
<<コマンド送信タイミングに係る制御態様>>
本実施例では、メイン基板102からサブメイン基板301に出力される演出制御コマンドは、送信の前に、コマンド要求により、コマンドバッファに一旦格納される。コマンドバッファは、複数のバッファをリングバッファとして機能させたものであり、コマンド送信のための制御処理(ここでは演出制御コマンド送信処理(S69))において、コマンドバッファに蓄積された順に、1回の遊技進行割込み処理で1コマンド(MODE、EVENTの1対のデータ)ずつ、コマンドバッファから取出されて送信される。なお、優先順位が高く設定されたコマンドから先に送信するような手法も採用可能である。また、各種の制御処理において、送信が必要となったコマンドが発生した場合に、随時コマンド送信を行うことも可能である。このような手法を採用した場合には、1回の遊技進行割込み処理中に、例えば演出制御コマンド送信処理(S69)のような一つの制御処理モジュール内で集約的に演出コマンドの送信が行われるのではなく、コマンド送信の必要が生じる都度、各制御処理モジュール内で、逐次的にコマンド送信が行われることになる。このため、コマンド送信が次回以降の遊技進行割込み処理に持ち越されるといった事態が生じ難い。そして、例えば始動入賞時のコマンドや、特別図柄の変動開始時のコマンド送信に遅れを生じることがなく、迅速なコマンド処理が可能となる。
<<保留記憶の更新に係る制御態様>>
本実施例では、前述のように、第1遊技と第2遊技との間に優先順位を設けない構成が採用されており、始動入賞が発生した順に保留記憶が消化される。そして、消化に応じた保留記憶情報の更新、複数の遊技の合計保留数の更新、及び、入賞順序の記憶を行うことにより、全体として、保留記憶された情報の更新を行う。しかし、これに限定されず、例えば、第1遊技を優先する構成や、第2遊技を優先する構成を採用することも可能である。
また、本実施例では、保留記憶が更新されたことをサブメイン基板301に伝えるため、前述のように図柄記憶数コマンド(図柄1記憶数コマンドや図柄2記憶数コマンド)の要求が行われるが、1つのコマンドに図柄1記憶数コマンド、及び、図柄2記憶数コマンドの双方を含めることにより、必要なプログラムやメモリの容量を削減できる。
<<変動パターンの抽選に係る制御態様>>
続いて、変動パターンの抽選に係る各種態様について説明する。ここで説明する変動パターンの決定の態様は、一のぱちんこ遊技機10において、いずれかが選択されて適用されてもよく、或いは、適宜併用されていてもよい。そして、複数の態様を併用する場合には、例えば、当否結果等の要素に基づき、態様の使い分けを行うことが可能である。
本実施例では、変動パターンの決定には、前述のように、当否結果、保留球数、特別図柄(図柄群の場合もある)、及び、変動パターン選択状態(特別図柄のステイタス情報)が決定要素として用いられているが、これらの決定要素の組合せに対応した変動パターンテーブルが選択される。そして、変動パターンテーブルの決定に伴い、変動パターン乱数を使用して変動パターンと紐付けされ対になっている変動時間が決定される。さらに、本実施例では、変動パターンの決定に関し、当否抽選の結果が大当りの場合と、はずれの場合とで、変動パターンテーブルを異ならせることが行われている。すなわち、大当りの場合には、保留球数などの特別図柄のステイタス情報、特別図柄(群)、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンテーブルが選択される。一方、はずれの場合には、遊技状態、特別図柄、保留球数、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンテーブルが選択される。このうち、大当りの場合で、演出上の再抽選の時間が付与される変動パターンについては、演出状態(特定の演出の有無など)と、特別図柄群とに基づき、再抽選の時間の付与の有無が決定され、決定された結果が、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される。
また、変動パターン及び変動時間の決定に際して、決定された変動パターン番号に応じた変動付加情報を決定し、変動付加情報により、後続的な変動時間の決定を行うことが可能である。例えば、選択された変動パターンが、限定頻度パターン演出に対応したものである場合に、それに応じた変動時間の延長分を事後的に決定するといったことが考えられる。
また、前述のように特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとして変動付加情報のコマンドを設定することにより、サブメイン基板301にて、遊技状態や当り図柄といった要素に関係づけて先に決定した変動時間に、後発的に付加時間を加算する演出が行うことができる。そして、この様な態様で、総合的な演出図柄の変動時間を決定する場合には、以下のように、予め設けられる変動パターンの数を少なく抑えつつ、多様な変動パターンを作成することが可能である。すなわち、前述の疑似連続予告(所謂「疑似連」)を行う場合について考えれば、疑似連の変動パターンを単に個別に設定した場合には、演出の種類数と同じ数の変動パターンを予め設けておく必要がある。そして、このように全て個別にメイン基板102にて決定する変動パターンに対してサブメイン基板301での演出図柄等の演出パターンを用意した場合には、メイン基板102における変動パターンの合計数が大となって、例えば256個を超えるほどの数に達することも考えられる。このため、多数の変動パターンに対して識別可能な符号を与えるためには、従来よりも符号を表すためのビット数やバイト数を増やす必要が生じてしまう。
しかし、変動付加情報(変動付加パターン)を用いることにより、相対的に少ない数の基本の変動パターンに対し、例えば乱数抽選した変動付加情報を繋げて、事後的に変動パターンを形成することが可能である。そして、このことにより、変動パターンの組合せにより新たな変動パターンを形成できるので、予め設けておく変動パターンの数を過大とすることなく、多様な変動パターンを作成できる。なお、変動付加情報に係る乱数値も、先読み演出用のコマンドとして、始動入賞発生時に、メイン基板102からサブメイン基板301に送信することが可能である。また、限定頻度パターン演出が実行される場合に変動付加情報の付加が行われ易くなるよう、変動付加パターンの出現確率を設定しておくことなども可能である。なお、変動付加情報を用いる例を更に挙げれば、演出図柄190の組合せとして最初から確変図柄である「777」が表示された場合には変動付加情報の設定は行わず、演出図柄190の組合せとして、一旦非確変図柄である「666」が表示された場合には、「777」に昇格させるか否かの結果が表示されるまでの演出(例えば、揺れ変動の演出や、変動態様の展開を表す演出など)を、変動付加情報を設定して行う、といったことがある。
また、本実施例では、変動パターンは、保留球数を要素として決定されており、保留球数が幾つであるかに応じて、参照される変動パターンテーブルが異なる。変動パターンテーブルは、保留球数0~4に対応して設けられている。保留0~3の4つだけではなく、保留4に対応する変動パターンテーブルが設けられているのは、以下の理由による。例えば、保留球数が4つの状況から新たな変動表示が開始され、保留球数が3となった場合を考える。その時点で実行されている遊技進行割込み処理中の、未だ制御処理が、後の遊技進行割込み処理中の処理である変動パターンの決定に至らない段階において、保留球数が3となっている状態から新たな始動入賞が発生すると、変動パターンの決定時には、保留球数が加算されて4となっている。したがって、このような状況も変動パターンの決定の要素とし得るよう、保留球数0~4に対応して変動パターンテーブルが設けられているのである。
ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、変動パターンテーブルは、保留球数0~3に対応して設けるようにしてもよい。この場合、制御処理上、保留球数3の状態から変動パターンの決定までの間の始動入賞が加算されない構成とすることが可能である。なお、いずれの態様についても、4個以外の最大保留数(例えば8)が設定されたタイプのぱちんこ遊技機にも適用が可能である。
また、変動パターン乱数の取得タイミングとしては、変動パターン抽選時とすることが可能である。すなわち、変動パターン乱数は、特別電動役物等の役物作動に係る乱数ではないので、適正な遊技を行うための要素としては、当否乱数などに比べて、例えば公正な遊技を目指すうえでの制約を設ける必要性が低くなる。したがって、始動入賞時には敢えて変動パターン乱数の取得はせず、例えば、別途設けられたタイミングとして変動パターン抽選時に、変動パターン乱数を取得し、記憶することが考えられる。このようにすることにより、始動入賞時に記憶すべき情報の数を減らすことができ、プログラムやメモリの容量削減が可能となる。
なお、本実施例では、疑似連に係る変動付加情報が定められており、疑似連の演出が、基本となる変動パターンに係る変動時間に、変動付加情報の変動時間を付加して行われる場合がある。さらに、疑似連に係る変動付加情報は、疑似連の演出が行われる場合以外にも流用される場合があるが、この変動付加情報を流用する演出制御については後述する。
<<図柄の指定に係る制御態様>>
図柄の抽選にあたり、図柄乱数を示す符号の上位バイトの値に基づき使用する図柄判定テーブルを決定し、その後、図柄乱数の下位バイトの値に基づき、決定した図柄判定テーブルから図柄を決定することなども可能である。図柄乱数の数値範囲を「0~999」とした場合には、これらの数値の2値符号コードを利用することができる。そして、このようにすることにより、メモリやプログラムの容量を削減できる。また、当り図柄(図柄群であってもよい)に対してラウンド数や時短回数等の遊技状態の振分けを行い、当り図柄に応じて、その後のラウンド数や時短回数、大入賞口の開放時間や開放パターン等が決定されるようにしてもよい。このようにすることにより、遊技状態の固有のデータの記憶や制御処理を行う必要がなく、メモリやプログラムの容量を削減できる。さらに、メイン基板102からサブメイン基板301へ当り図柄等を伝えるコマンド(例えば、本実施例では、図柄1演出パターン、図柄2演出パターンの各コマンド)に、遊技状態を伝える情報(遊技状態指定情報)を付加することも可能である。このコマンドは、作成されてから直ぐにサブメイン基板301へ送信されるものではなく、作成されて一時記憶され、所定のタイミングを待ってからサブメイン基板301へ送信されるものである。
<<特別図柄と演出図柄の変動時間の関係>>
前述のように、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)と、これに対応した演出図柄190とは、互いに同期して変動開始及び変動停止するよう制御されるものであるが、状況によっては、演出図柄190の変動時間が、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動時間に対してある程度短くなり得るものである。
すなわち、特別図柄の変動や変動パターンの決定がされ、特別図柄の変動が開始される際に、メイン基板102からサブメイン基板301に対し演出図柄の変動開始コマンド(変動開始時のコマンド)が送信されるが、所定のコマンド(例えば変動開始時のコマンドの最初のコマンド)の送信及び受信に要する時間や、コマンドバッファ(本実施例ではリングバッファタイプが用いられている)にセットされ待機しているコマンド(先入れのコマンド)が全て送出されるまでの時間などの影響を受け、その分、演出図柄の変動開始が特別図柄の変動開始よりも遅延することが考えられる。さらに、特別図柄の変動停止時には、変動停止コマンド(特別図柄の図柄確定時のコマンド)がサブメイン基板301に送信されるが、所定のコマンド(例えば図柄確定時変動開始時のコマンドの最初のコマンド)の送信及び受信に要する時間や、コマンドバッファの混み具合(送信待機中のコマンドの数の程度)により、演出図柄の変動停止が遅延することも考えられる。
このように、演出図柄の変動時間は、変動開始時に送信されたコマンドに基づき特別図柄の変動時間に対してある程度設定するようにし、揺れ変動を行うことによって、特別図柄が次の変動を開始した後に最後の図柄が停止表示されるといった事態を避けるようにしている。コマンドの数による処理の遅延によって揺れ変動中の表示は次変動に跨る恐れがあるが、変動終了時は変動開始時に比べてサブメイン基板301に対して送信されるコマンドが少ないことから、遅延量が抑えられ、特別図柄の表示固定時間中に演出図柄をほぼ確実に固定できるようになっている。
<<当否抽選結果の事前判定>>
先ず、本実施例においては、図9(a)に示すように、第1抽選及び第2抽選における当否乱数値範囲は「0~65535」であり、この当否乱数値範囲「0~65535」を、図示は省略するが、複数の乱数値範囲(例えばA~Nなど)に区分けすることができる。
例えば、当否乱数値範囲は「0~65535」のうち、「0~205」は先読みコードAの分類に属し、「206」は先読みコードBの分類に属し、当否乱数値「207」~「210」は、それぞれ先読みコードC~Fの分類に属する、等といったように割り当てを行うことが可能である。
そして、先読みコードAは設定値に関わらず、全設定で当り(大当り)となるものとし、先読みコードBは、設定値が「2」以上である場合に、通常時であっても確変時であっても当りとなるものとする、といったことが可能である。この場合、先読みコードBは、設定値「2」以上であれば通常確率時でも高確率時でも当りを示すこととなるが、設定値が「1」の場合ははずれを示すものとなる。さらに、先読みコードC~Fは、設定値が「3」以上~「6」であれば、確率状態に関わらず、通常時及び高確率時の両方で当りとなる、といったようにすることが可能である。
このように分類されグループ化された先読みコードを用いて、例えばメイン基板102で、取得した乱数値が属する先読みコードを判定し、判定した先読みコードに対応する情報(コマンド)を前述の事前通知情報としてサブメイン基板301へ送信することが可能である。そして、サブメイン基板301の側では、保留の消化を待つことなく、先読み演出として当り予告演出を、当否判定結果に関連して行うことが可能となっている。
また、本実施例においては、特別図柄の種類の事前判定や、特別図柄に係る変動パターンの種類の事前判定にも、上述した当否抽選の結果の場合と同様に、乱数値範囲に基づく判定が行われるようになっている。そして、特別図柄の種類や、特別図柄に係る変動パターンの種類は、当否抽選の結果の種類に比べて多数設けられており、先読みコード数(グループ数)も、当否抽選の場合に比べて多くなっている。しかし、乱数値範囲に基づく事前判定の手法としては、乱数値範囲や、グループ化される抽選結果の種類は異なるものの、前述したような当否判定に係る事前判定と同様に行うことが可能である。したがって、ここでは、図柄予告演出やパターン予告演出についての、乱数値範囲に基づく事前判定についての詳細な説明は省略する。
このような乱数値範囲に基づく事前判定を行うことにより、情報のまるめが可能となり、少ない情報量で、事前判定に係るコマンドを作成することが可能となっている。つまり、乱数値の個数が256個を超える場合には、乱数値を表記するために必要なバイト数が1バイトを超えてしまう。このため、事前判定のために、乱数値の情報をそのまま(生情報として)サブメイン基板301に送信したとすると、どの乱数を送信したかを識別するための情報をMODEで送信し、乱数をEVENTに格納して送信するために2バイト構成のコマンド(MODE、EVENT)を、乱数値を通知するために2回に分けて送信しなければならない場合が生じる。
しかし、本実施例のように、取得した乱数値が属する範囲を示す情報に変換してサブメイン基板301に送信することにより、送信する情報量を乱数値の個数よりも減らすことができ、乱数値の個数が256個(1バイト)を超える場合であっても、1バイトの情報量で、取得した乱数値の属性をコマンド化することが可能となる。なお、メイン基板102の側において、先読み情報を送信したくない状況が生じる場合に備え、その旨(例えば不定であることや、未判定であること)を示すコードを設けておき、当該コードを示すコマンドをサブメイン基板301の側へ送信することも可能である。
<小当りを活用したゲーム性>
これまで本実施例のぱちんこ遊技機10に係る基本的事項について説明したが、続いて、前述の小当りを活用したゲーム性について説明する。先ず、図19及び図20は、大当り前の状態から大当り(所謂初当り)を経て、その後に移行し得る遊技状態を概略的に示している。さらに、これらのうち図19は、特別図柄及び普通図柄のいずれについても当選確率が低確率である通常の状態(「特図低」且つ「普図低」の状態)で特図1の大当りが発生する場合(基本の場合)の状態遷移を示している。これに対して図20は、同じく通常の状態から、特図2の大当りが発生する特殊な場合(イレギュラーな場合)の状態遷移を示している。
なお、以下では、発生し得る大当りの種類を第1ボーナス、第2ボーナス、第3ボーナスに分類して説明を行う。さらに、大当り遊技後の遊技を、第1ラッシュ(第1RUSH)、第2ラッシュ(第2RUSH)、第3ラッシュ(第3RUSH)に分類する。なお、第1ボーナス、第2ボーナス、第3ボーナスに係るそれぞれの大当り遊技を、「第1大当り遊技」、「第2大当り遊技」、「第3大当り遊技」と称することができる。
さらに、これらの各大当り遊技において実行される演出を、それぞれ「第1大当り遊技中演出」、「第2大当り遊技中演出」、「第3大当り遊技中演出」と称することができる。また、第1ラッシュ(第1RUSH)、第2ラッシュ(第2RUSH)、第3ラッシュ(第3RUSH)用のそれぞれの演出を「第1RUSH演出」、「第2RUSH演出」、「第3RUSH演出」と称することができる。
そして、ここでは先ず、各種の大当りの概要について説明し、その後に、大当り遊技後の遊技を含めた遊技状態の遷移について説明する。上述の各種のボーナスのうち、特図1に係るボーナスとしては、図19の左側の部位に「特図1」のブロックを設けて示すように、「第1ボーナス」と「第2ボーナス」が設けられている。これらのうち、特図1の「第1ボーナス」は16R確変の大当りである。
一方、特図1に係る「第2ボーナス」には、図19の左側の部位や、図20の中央右寄りの部位における「右打ち」のブロック内に「第2ボーナス」のブロックを設けて示すように、6R確変の大当りや、6R通常の大当りが設けられている。なお、本実施例では、特図1については小当りが発生しないよう当否判定テーブル(図9(a))を構成しているが、特図1についても小当りが発生するようにしてもよい。そして、この場合には、特図1に係る小当りの発生割合を、特図2に係る小当りに比べて極少なくすることが考えられる。
続いて、特図2に関しては、図19の中央右寄りの部位における「右打ち」のブロック内に「特図2」のブロックを設けて示すように、「第1ボーナス」、「第3ボーナス」、及び、「突当り」が設けられている。これらのうち、特図2の「第1ボーナス」は16R確変の大当りであり、且つ、大当り遊技が終わると、後述するように小当りが集中して発生し得る小当りラッシュ(小当りRUSH)の遊技状態へ移行するものとなっている。なお、図19の例において、特図2に係る「第1ボーナス」、「第3ボーナス」、及び、「突当り」は、後述する第1RUSHにおける変動中のバトル演出を経て移行するものとなっている。そして、「第1ボーナス」及び「第3ボーナス」は、第1RUSHにおける変動中のバトル演出で勝利の演出があった場合に移行し、「突当り」は、第1RUSHにおける変動中のバトル演出で敗北の演出があった場合に移行するようになっている。
また、本実施例における小当りは、図9(a)に例示したように、特図2に関してのみ発生するようになっている。さらに、小当りの発生確率(期待値)は、相当程度高くなるよう決められており、図9(a)の例では、小当りの発生確率(期待値)は、1/1.02となっている。このため、遊技者が特図2の始動入賞を狙うことで、比較的容易に小当りを獲得できるようになっている。ここで、小当りの発生確率(期待値)は、高確率時におけるいずれの大当りの発生確率(図9(a))よりも、大幅に高いものとなっている。
また、前述した小当りラッシュ(小当りRUSH)の期間でないような通常の場合には、特図2の始動入賞による特別図柄(及び演出図柄)の変動時間は、数秒から最長で10分程度に及ぶ長いものとなっている。しかし、小当りラッシュ(小当りRUSH)中に特図2の始動入賞により選択される変動パターンは、いずれも1秒未満のものとなっている。このため、小当りの発生確率の高さとも相俟って、大当り遊技の後に小当たりを連続して集中的に発生させることが可能となっている。
さらに、本実施例では、小当りに当せんした場合には、1Rの開放が行われ、大入賞口92の開放時間は、遊技球が1個程度入球できる短い時間(例えば1.8秒程度など)となっている。そして、大入賞口92への1個の入球によりの払出される賞球数は15個であるため、1回の小当りにより遊技者が獲得できる球数は、第2-1始動入賞口63Aへの1個の入球により得られる賞球数(ここでは1個)よりも多くなっている。
前述した特図2の「第3ボーナス」は、6R確変の大当りであり、前述のように、第1RUSHの変動中におけるバトルに勝利する内容の演出を経て移行するものである。そして、上述の「第1ボーナス」とは、小当りRUSHを伴わない点で異なっている。また、特図2の「突当り」は、2R通常の大当りであり、前述のように、第1RUSHの変動中におけるバトルに敗北する内容の演出を経て移行するものとなっている。
続いて、大当り遊技後の遊技(各種ラッシュ状態)を含めた遊技状態の遷移について説明する。先ず、図19に示す基本の場合においては、図中の左端に示す通常時には、特別図柄に係る当せん確率が低確率(「特図低」の状態)となっており、普通図柄に係る当せん確率も低確率(「普図低」の状態)となっている。この通常時に、図中に「大当り」のブロックで示すように大当りが発生すると、そのときの大当りの種類は、特図1に係る「第1ボーナス」又は「第2ボーナス」となる。
そして、「特図1」のブロックを「右打ち」のブロックで囲って示すように右打ちが行われ、作動口68を狙って遊技球が発射される。作動口68を遊技球が通過すると、前述のように大当り遊技が可能な状態となる。そして、右打ちが継続され、発生した大当りに係る大当り遊技が行われる。
特図1に係る「第1ボーナス」が発生した場合には、大当り遊技が終わった後、潜伏確変である第2RUSH(小当りRUSH)へ移行する。なお、潜伏確変である第2RUSHについては後述する。
特図1に係る「第2ボーナス」が発生した場合には、図中の中央左側の部位に示す第1RUSHへ移行する場合と、図中の右側下段に示す第3RUSHへ移行する場合がある。そして、6R確変の「第2ボーナス」が発生した場合には第1RUSHへ移行し、6R通常の「第2ボーナス」が発生した場合には第3RUSHへ移行する。また、第1RUSHへ移行する場合には、「勝利」のブロックで示すように大当り遊技中の演出としてバトル勝利の演出が実行される。さらに、第3RUSHへ移行する場合には、「敗北」のブロックで示すように大当り遊技中の演出としてバトル敗北の演出が実行される。
これらのうち第1RUSHは、右打ちにより遊技が行われる遊技状態である。さらに、第1RUSHにおいては、特図及び普図のいずれもが高確率となり、且つ、電サポが付与される。そして、電サポの期間は、次回の大当りが発生するまでとなっている。
第1RUSH中には、上述のように右打ちが行われ、特図2に係る第2-1始動入賞口63Aや第2-2始動入賞口63Bが狙われる。このため、第1RUSH中に発生する大当りは、原則として、特図2に係るボーナスである「第1ボーナス(バトル勝利)」、「第3ボーナス(バトル勝利)」、及び、「突当り(バトル敗北)」のうちのいずれかとなる。
発生した大当りがこれらのうちの「第1ボーナス(バトル勝利)」であった場合には、16Rの大当り遊技が終わると、図中の右側上段に示すように、前述の第2RUSHへ移行する。この第2RUSHは、前述した小当りRUSHに相当するものである。さらに、第2RUSHは、特図2に係る第1ボーナスが発生した場合に限り移行し、右打ちで行われる遊技状態である。第2RUSHにおいては、特図が高確率となり、普図が低確率となる。そして、第2RUSHにおいては、電サポが付与されない。また、第2RUSHは、大当りが発生するまで継続する。なお、小当りRUSHに係る遊技制御の詳細については後述する。さらに、本実施例では、第1ボーナスと第2RUSHの関係は、第1ボーナスの後は必ず第2RUSHに移行し、第2RUSHは第1ボーナスが発生した場合に限り移行するものとなっているが、これに限定されず、必要に応じて変更することが可能である。
続いて、特図2について発生した大当りが「第3ボーナス(バトル勝利)」であった場合には、6Rの大当り遊技が終わると、図中の右側中段に示すように、第1RUSHへ移行する。この第1RUSHは、右打ちにより行われる遊技状態である。また、第1RUSHにおいては、特図が高確率となり、普図が高確率となる。さらに、第1RUSHにおいては、次回の大当りまでの電サポが付与される。
さらに、特図2について発生した大当りが「突当り(バトル敗北)」であった場合には、2Rの大当り遊技が終わると、図中の右側下段に示すように、第3RUSHへ移行する。この第3RUSHは、右打ちにより行われる遊技状態である。また、第3RUSHにおいては、特図が低確率となり、普図が高確率となる。さらに、第3RUSHにおいては、100回の変動期間に亘る時短や電サポが付与される。そして、当りが発生しないまま第3RUSHが終了すると、図中に「電サポ抜け」のブロックで示すように通常状態へ移行する。
次に、図20に示すイレギュラーな場合の状態遷移について説明する。このイレギュラーな場合には、通常時から特図2に係るボーナスが発生している。この特図2に係るボーナスとしては、図20の左側の部位に「特図2」のブロックを設けて示すように、「第1ボーナス(バトル勝利)」、「第3ボーナス(バトル勝利)」、及び、「突当り(バトル敗北)」が設けられている。これらの大当りは、図19の中央右側の部位に示したものと同じであるため、ここでは説明を省略する。さらに、これらの大当りからはそれぞれ、第2RUSH、第1RUSH、第3RUSHへ移行するが、これらについても、図19の右側に示したものと同じであるため説明を省略する。
このイレギュラーな場合に関しては、上述の第2RUSH又は第1RUSHで、前述した特図1に係る「第2ボーナス」又は「第1ボーナス」が発生することが想定されている。これらのうち「第2ボーナス」は、6R確変であれば、大当り遊技中におけるバトル勝利の演出を経て、図中の右側に示すように第1RUSHへ移行する。また、6R通常であれば、大当り遊技中におけるバトル敗北の演出を経て、図中の中央右側の下段に示すように第3RUSHへ移行する。また、第1ボーナスが発生した場合には、図示は省略するが、第2RUSHである前述の小当りRUSHに移行するようになっている。
図21(a)、(b)には、特図1及び特図2における大当りの割合(期待値)の一例を示している。図21(a)は、通常時(電サポなし)の遊技状態における大当り割合を例示しており、図21(b)は、電サポあり時の大当り割合を例示している。これらのうち、図21(a)の例では、特図1に係る大当りとして、第2ボーナス(6R)と第1ボーナス(16R)とが設けられている。
そして、6R大当りである第2ボーナスには、高確率となる当り(高確当)として「勝利1」、「勝利2」の2種類が設けられており、これらの第2ボーナスに係る時短の期間は、次回の大当りまでとなっている。ここで、「勝利1」及び「勝利2」のうちの「勝利2」は、大当り遊技中のバトル演出で負け、大当り遊技の終了デモにおいて昇格(逆転勝利)するといった内容になっている。これに対して「勝利1」は、バトルで負ける演出を含まないものとすることなどが可能である。また、低確率となる当り(低確当)として「敗北」の1種類が設けられており、この「敗北」の第2ボーナスに係る時短の期間は、変動回数が100回に達するまでとなっている。
さらに、16R大当りである第1ボーナス(バトル勝利)は、高確率となる当り(高確当)が1種類設けられており、この第1ボーナスには時短が付与されないようになっている。そして、高確率となる2種類の第2ボーナス(勝利1及び勝利2)と第1ボーナスの割合の合計は65%となっている。一方、低確率となる第2ボーナスの割合は35%となっている。
これに対し特図2に係る大当りとしては、高確率となる第1ボーナス(バトル勝利、16R)、同じく高確率となる第3ボーナス(バトル勝利、6R)、及び、低確率となる突当り(バトル敗北、2R)が設けられている。これらのうち、16R確変である第1ボーナスには時短が付与されないようになっている。さらに、6R確変である第3ボーナスにおける時短の期間は、次回の大当りまでとなっている。また、低確率となる突当りに係る時短の期間は、変動回数が100回に達するまでとなっている。そして、第1ボーナス、第3ボーナス、突当りの割合は、それぞれ40%、25%、35%となっている。
続いて、図21(b)に示す電サポあり時の例では、特図1に係る大当りとして、6R確変である第2ボーナス(勝利1)と、6R通常である第2ボーナス(敗北)とが設けられている。これらのうち第2ボーナス(勝利1)に係る時短の期間は、次回の大当りまでとなっている。また、第2ボーナス(敗北)に係る時短の期間は、変動回数が100回に達するまでとなっている。そして、第2ボーナス(勝利1)と第2ボーナス(敗北)の割合は、それぞれ65%、35%となっている。
これに対し特図2に係る大当りとしては、高確率となる第1ボーナス(バトル勝利、16R)、同じく高確率となる第3ボーナス(バトル勝利、6R)、及び、低確率となる突当り(バトル敗北、2R)が設けられている。これらのうち、16R確変である第1ボーナスには時短が付与されないようになっている。さらに、6R確変である第3ボーナスにおける時短の期間は、次回の大当りまでとなっている。また、低確率となる突当りに係る時短の期間は、変動回数が100回に達するまでとなっている。そして、第1ボーナス、第3ボーナス、突当りの割合は、それぞれ40%、25%、35%となっている。
以上説明したように各種の大当りの後に、電サポが行われる第1RUSHや第3RUSH、或いは、電サポが行われずに小当りRUSH(第2RUSH)の遊技状態に移行する。一般に、電サポの期間は、例えば100回や50回等の変動回数を用いて決められるのが一般的であり、大当りが発生しない限りは、長期化し易いものである。この点は本実施例も同様である。しかし、電サポと比較して小当りは、継続期間の概念とは異なり、1回の変動毎の当否抽選により実行の有無(可否)が決まるものである。また、本実施例では、1回の小当りにより獲得できる賞球数(ここでは15個)は、電サポ機能を有する第2-1始動入賞口63Aへの1個の入球により得られる賞球数(ここでは1個)よりも多くなっている。そして、本実施例では、前述したように、電サポありの状況において右打ちされた遊技球のうちの比較的多くの割合(例えば9割程度)のものが第2-1始動入賞口63Aに入賞するようになっており、小当りに伴って大入賞口92が開放しても、大入賞口92にはほとんど入賞しない。したがって、電サポが行われる第1RUSHや第3RUSHでは、出玉が増えることはまずない。
このため、本実施例のぱちんこ遊技機10によれば、電サポを前提とすることなく、遊技者が獲得出玉数を増やし得る状況を創り出せるようになっている。そして、大当り遊技中以外の遊技状況において、電サポを実行しなくても、小当りによって獲得出玉数球を増やすことが可能となっている。
また、小当りの実行の有無や、実行された場合の期間は、前述したように1回の変動毎に完結するものである。さらに、本実施例において、電サポ機能を有する第2-1始動入賞口63Aは、大入賞口92の上方に配置され、前述のように、右打ちした場合に比較的多く(ここでは9割程度)の遊技球が入球するものとなっている。
しかし、第2RUSHを電サポなしの遊技とすることで、第2RUSH中に、第2-1始動入賞口63Aに遊技球を横取りされることなく、より確実に、遊技者の獲得出玉数が発射された遊技球の数に対して過大となるようにしている。言い換えれば、電サポなし確変である『小当りRUSH』では、電チュー(第2-1始動入賞口63A)に遊技球を横取りされないことで、小当り中に大入賞口92に入賞するようにし、遊技者が獲得出玉数を増やせるようにしている。そして、本実施例のぱちんこ遊技機10における遊技性の特徴は、『小当りRUSH』中は、如何に大当りを引かずに小当りを引き続けて獲得出玉数を増やすか、といったものとなっている。
なお、このようなぱちんこ遊技機10のゲーム性においては、前述のように、電サポにより獲得出玉数を増やすことが難しい(或いはできない)。一方、小当りRUSHである第2RUSHでは、小当りによって発射数を上回る遊技球を獲得する期待が持てる。したがって、電サポが付かない大当りに当せんしたほうが有利であるといえる。このため遊技者にとっては、電サポが付かない確変当りを引き、小当りRUSHに移行させることが遊技の主要な目的の1つとなると考えられる。
また、本実施例においては、電サポ機能を持たない第2-2始動入賞口63Bが備えられており、電サポが行われていない遊技期間である通常時にも、右打ちすることで、特図2に係る始動入賞を発生させることが可能である。しかし、前述のように通常時における特図2に係る変動時間は、最大で10分にも及ぶように長くなっている。極端な例を挙げれば、特図2に係る4つの保留が、いずれも10分の変動パターンに対応するものであれば、すべての保留記憶を実行して消化するのに40分を要することもあり得る。
また、遊技球の発射は、前述したように1分間に連続して100個程度行うことが可能であるため、例えば10分のような長い変動時間中に発射を続けることで、1000発以上の遊技球が消費される。しかし、小当りにより獲得できる遊技球数を、発射数を超えない程度の数の遊技球しか獲得できないようにしておくことによって、時間効率を低下させ、通常時に特図2に係る始動入賞を狙う意欲を削ぐことが可能となる。
<第1大当り遊技中演出と第2RUSH演出との関係>
次に、前述の第2RUSH(図19等)において実行される第2RUSH演出や、その前段階で実行される大当り遊技中の演出(ここでは第1大当り遊技中演出)との関係について説明する。第2RUSH演出が行われる第2RUSHは、図19や図20に示すように、第1ボーナスの後に移行する遊技状態である。
前述したように、第1ボーナスは、特図1及び特図2のいずれについても設けられている16Rの確変大当りである。
このように本実施例では、全ての第1ボーナスに、小当りRUSH(第2RUSH)が付帯している。さらに、第2RUSHの遊技状態において実行される演出が、後述する第2RUSH演出となっている。また、本実施例では、第2RUSHを伴う第1ボーナスに係る演出として「第1大当り遊技中演出」が実行され、この第1大当り遊技中演出の所定のタイミングで行われる一部の演出として、「基準超え演出」が行われ得るようになっている。
第1大当り遊技中に実行され得る上述の「基準超え演出」は、後に移行する第2RUSHや第2RUSH演出との連携により、大当り遊技中に小当りRUSHが実行されているような印象を与え得るものとなっている。図22(a)~(c)は、この基準超え演出の一例を示している。
これらのうちの図22(a)は、第1ボーナスに当せんしている変動中から、大当り遊技の待機中の状態を経て16Rの大当り遊技が進行し、その後に小当りRUSHである第2RUSHに移行するまでの一連の遊技状態の変化を左から右へ示している。ここで、図22(a)の上段に示す「変動中」、「待機中」、「1R」~「16R」、「第2RUSH」は、メインCPU(501)やサブメインCPU(521)における制御上の遊技状態を表しており、下段には、外形的に遊技者に対して提示される演出を表している。
図22(a)の例では、大当りの発生を報知する大当り開始デモを「変動中」に実行するようにしている。さらに、変動中に、大当り開始デモに加えて、前述の演出アタッカ93が開放するものとしている。また、待機中には、右打ち演出が実行され、遊技者が右打ちを行って、遊技球が作動口68を通過(役連作動ゲート通過)すると、第1ボーナスに係る16Rの大当り遊技が開始される。
ここでは、第1ボーナスで実際に期待できる賞球数(「出玉数」ともいう)が2400個であるとする。そして、第1ボーナスに係る第1大当り遊技中演出では、図22(b)に示すように、演出表示装置60(サブ表示体などを含む)に、基準数表示領域362が表示される。この基準数表示領域362には、「2000」のように、実際に期待できる賞球数(ここでは2400個)よりも少ない数字が基準数として表示されている。ここで、図22(b)、(c)の例では、大当り遊技中のラウンド数やカウント数を表示するラウンド数及びカウント数表示領域363が表示されている。しかし、これに限らず、ラウンド数やカウント数の表示を行わないようにすることが可能である。このようにした場合には、大当り遊技中の出玉を小当りRUSHにて獲得したという印象を、遊技者に与え易くなると考えられる。
基準数の表示は、第1ボーナスの大当り遊技が進み、払出された賞球数(或いは払出される予定の賞球数)が増えるにしたがって、例えば「100/2000」、「500/2000」、「1000/2000」、・・・、「1500/2000」、「1900/2000」のように順次増えていく。そして、賞球数の表示が、所定のタイミング(例えば14R目)で「2000」に達すると、図22(c)に示すように表示が「2000」となり、賞球数が基準数に達した旨の報知が行われる。
そして、制御上の遊技状態が第1大当り遊技中の14R目(或いは15R目又は16R目)であるにも関わらず、第1大当り遊技中演出の内容が第2RUSH演出に移行する。図22(b)の例では、賞球数が2000個に達した14R目で、即座に第2RUSH演出へ移行する例が示されている。
賞球数が基準数に達した後にも、賞球数の払出しが継続される。そして、この際の賞球数の表示態様としては、図示は省略するが、例えば「2100/2000」や「2200/2000」のように、基準数(ここでは2000)の表示と分けて別個に累積していくものを例示できる。また、例えば図22(c)に示すような基準数のみの表示(ここでは「2000」の表示)を、「2100」、「2200」のように加算して増やしていくものなども例示できる。そして、ここに例示したような基準数に係る各種の表示は、いずれも、大当り遊技中に獲得した出玉数と、小当りRUSHで獲得した出玉数との合計を累積表示するものとなっている。
さらに、賞球数が、大当り遊技中の最大出玉として予定されている2400個に達し、制御上も、16R目の大当り遊技が終了すると、制御上の遊技状態が第2RUSHへ移行する。そして、制御上の遊技状態と演出上の遊技状態とを異ならせた状態から一致させた状態へ遷移し、その後の遊技制御が進行する。
ここで、前述したように本実施例では、大入賞口92の上方に、電サポ機能を有する第2-1始動入賞口63Aが配置されている(図18(b)参照)。また、第2-2始動入賞口63Bも併設されており、第2-2始動入賞口63Bは常に入球が可能なタイプのものとなっている。さらに、第2-1始動入賞口63Aは、大当り遊技中にも、作動口での遊技球の検出があり、更に変動普通図柄に係る当否抽選での当せんがあれば、開放動作を行う。そして、大当り遊技中に、第2-1始動入賞口63Aへの入球による賞球も発生する。これらのことから、大当り遊技中に獲得される賞球数の総数には、第2-1始動入賞口63Aや第2-2始動入賞口63Bへの入球による賞球数も含まれる。
しかし、本実施例では、第2-1始動入賞口63Aや第2-2始動入賞口63Bへの1回の入球による払出し賞球数を、相対的に少ない数(例えば1個など)として、電サポ時の出玉数が過大にならないようにしている。
なお、賞球に係る基準数の表示は、入賞箇所や入賞個数に基づく理論値によって算出することが可能である。また、例えば、払出ユニット35や賞球排出通路36に排出個数を検出可能な遊技球センサを設けて、実測することも可能である。このことは、前述した入球状態表示器808(図5)の表示にも適用が可能である。
以上説明したような「基準超え演出」を行うぱちんこ遊技機10では、第1大当り遊技中に獲得可能な出玉数(ここでは2400個)よりも少ない数の獲得出玉数(ここでは2000個)が、基準数として決められている。そして、第1大当り遊技中の獲得出玉数が最大値に到達する前のタイミングで、第2RUSH演出が開始される。このため、第2RUSH演出の開始時期を早めることができ、第1大当り遊技中の途中のタイミング(ここでは終盤)に、第2RUSH演出を実行することが可能となる。
さらに、演出上は、小当りRUSH(第2RUSH)のゾーンへの突入タイミングを早めることができ、第2RUSH演出を第1大当り遊技中演出の一部として利用することが可能である。そして、遊技者に対し、第2RUSHにおいて、所定程度(ここでは差分の400発程度)の遊技球を第2RUSHで獲得したように認識させることができ、これらのことから、第2RUSH(小当りRUSH)の活用の幅を広げ、小当りを利用した遊技の趣向性を向上することができる。
また、本実施例によれば、図22(b)、(c)に示すように基準数表示領域362の表示が行われ、基準数(ここでは「2000」)を遊技者に示してから第2RUSH演出を実行している。このため、遊技者に対し、2000個が第1大当り遊技において獲得できる最大出玉数であるかのような認識を与えたうえで、第2RUSH演出を開始することが可能である。そして、遊技者に対し、遊技制御上は大当り遊技中に獲得している残りの遊技球(ここでは400個分)が第2RUSH中により獲得できたものであるといった認識を、より確実に与え得る。
さらに、本実施例のように、大当り遊技中に第2RUSH演出を開始することで、可能な限り長い時間に亘って、遊技者に第2RUSHが継続している印象を与え得る。そして、制御上、第2RUSHが即落ち(或いは即抜け)したとしても、遊技者に対してはそれ以上に長い期間に亘る第2RUSH演出を示すことができ、遊技者にとって特典のある嬉しい状態が『直ぐに終わってしまった』と思われるのを防ぎ得る。
ここで、本実施例のぱちんこ遊技機10は、言い方を変えれば、大当り遊技により獲得可能な出玉数(ここでは2400個)に達してないタイミングを、続く遊技状態の演出(ここでは第2RUSH演出)の開始タイミングとしているものであるといえる。また、本実施例のぱちんこ遊技機10は、大当り遊技中に遊技者に対して、大当り遊技中演出から第2RUSH演出までを継ぎ目がないように(シームレスに)見せることが可能なものであるということができる。さらに、第2RUSHの遊技状態と、第2RUSH演出の開始タイミングが異なり、第2RUSH演出が第2RUSHの遊技状態よりも先に開始されるものであるということができる。
なお、上述のような演出制御を行う一方で、大当りの種類によっては「基準超え演出」を行わず、制御上の大当り遊技が終了してから第2RUSH演出を開始する、といったことも可能である。さらに、当せんした大当りの種類が相対的に少ないラウンド数(例えば6R)のものであった場合には、「基準超え演出」を行わず、その他の場合と同様に、最終ラウンド(ここでは6R目)が終了した後に第2RUSH演出を開始することも可能である。
なお、図23(a)に示すように、第1大当り遊技中演出として、他のボーナスの大当り遊技用に備えられた大当り遊技中演出を組み込むことも可能である。この図23(a)の例では、第3ボーナスの大当り遊技中に実行するよう設けられている第3大当り遊技中演出が、第1大当り遊技の1R目~5R目にかけて実行される。つまり、第1ボーナスが発生したにも関わらず、第3ボーナスに当せんしたかのように、大当り遊技中の演出が開始される。
前述のように第3ボーナスは、6R確変大当りであり、電サポありの第1RUSHへ移行する割合が多いものである。そして、第3ボーナスに係る第3大当り遊技中演出を1R目から実行した場合には、最大で6R分までの演出が続くことになる。図23(a)の例では、第1大当り遊技の5R目まで第3大当り遊技中演出を実行している。そして、6R目で所定の昇格演出を実行するとともに、第1大当り遊技中演出に切り換える。
これにより遊技者に対し、大当り遊技中のタイミングで、6Rで電サポありの第3ボーナスではなく、16Rで電サポなしの第1ボーナスに当せんしていたことを認識させ得る。さらに、図23(a)の例では、図22(b)を援用して示すように基準数表示領域362が表示され、基準数の表示が「2000」に達すると、第1大当り遊技中演出の内容が第2RUSH演出に移行する。なお、図23(a)の例では図22(a)の例とは異なり、図中の左端に示すように、変動中に演出アタッカ93の開放演出を行わないようにしている。このようにすることで、「基準超え演出」を伴う第1大当り遊技中演出を多様化することができ、小当りRUSHを伴う遊技性の趣向性を向上することが可能となる。
また、図23(b)に示すように、第1大当り遊技中演出として、1R目から第2RUSH演出を継続して行うようにすることも可能である。この図23(b)の例は、第2RUSHにおいて第1ボーナスに当せんした大当り形態を示しており、この例では、小当りRUSH(第2RUSH)中に当せんした大当りを「特別ボーナス」と称している。さらに、この例では、第2RUSHに係る変動中に第2RUSH演出が実行されており、ここでの第2RUSH演出は、大当りに当せんした旨の報知は行わないものとしている。
変動終了後には、右打ち演出を経て、第2RUSH演出が実行されている。さらに、第1大当り遊技に移行してからの第2RUSH演出は、16Rに亘り継続されており、第1大当り遊技から第2RUSHに移行しても、第2RUSH演出が継続されている。そして、この例では、図22(a)~(c)や図23(a)に示すような「基準超え演出」は行われないようになっている。
ここで、第1大当り遊技中の第2RUSH演出から、その後の第2RUSHにおける第2RUSH演出の間は、演出上の明確な境がなく、遊技者に対し第2RUSHへの移行を積極的には報知しないものとすることが可能である。また、右打ち演出も、例えば「右打ち」の文字や矢印のみを画面の右上隅部で表示する等のように限定的なものとし、右打ち演出の間も第2RUSH演出の内容が連続性をもって併せて継続するようにすることが可能である。
なお、図22(a)、図23(a)、(b)に示す演出を、大当りの連荘回数に応じて実行することが可能である。例えば、大当り回数が相対的に少ない1回等の場合には図22(a)に示す演出を実行し、連荘回数が例えば2回目以上の所定の場合に図23(a)に示す演出を実行するといったことが可能である。さらに、連荘回数が例えば3回目以上であって第2RUSH中に第1大当りに当せんした場合には、図23(b)に示す演出を実行するといったことが可能である。
また、例えば、大当り遊技中に所定数程度(2000発未満など)しか出玉を獲得できなかった場合には、当該大当り遊技に係る終了デモにて第2RUSH演出に突入する、といったパターンの演出を実行することも可能である。
<演出アタッカを使用した演出態様>
次に、前述の演出アタッカ93を使用した演出の具体例について説明する。演出アタッカ93は、大当りとなる変動である大当り変動の途中に、相対的に長い所定時間(例えば30秒)の開放を開始する。さらに、演出アタッカ93は、開放時間の30秒が経過すると、相対的に短い所定時間(例えば3秒)の閉鎖を行い、その後、上述の30秒の開放、3秒の閉鎖を繰り返す。つまり、演出アタッカ93は、長い開放と短い開放を順に繰り返す動作パターンで開閉を行う。
このように大当り変動中に演出アタッカ93を動作させることにより、倒伏扉94の動作による演出を大当り遊技の前に行うことができる。そして、演出アタッカ93を利用して、遊技者に対し、変動中に大当り遊技が開始されたかのような印象を与えることが可能となる。
また、演出アタッカ93の動作を経て大入賞口92が開放するまでの動作を一連の動作として行うことが可能となり、大入賞口92に演出装置としての機能を発揮させることができる。さらに、演出アタッカ93を、大当りになることを高期待度で確定的に示す当確演出として使用することが可能である。
なお、演出アタッカ93を使った演出は、変動中や大当り遊技中などの様々なタイミングで、音出力を行う演出や、光装飾を行う演出などと組み合わせて行うことが可能である。また、演出アタッカ93を使った演出は、一部の演出ステージ(第1RUSH演出や第3RUSH演出のステージなど)を選択して採用することが可能である。特に、前述の第2RUSH演出の場合は、大当り遊技の当初や途中で開始される場合があり、演出アタッカ93を用いた演出の開始タイミングの設定が複雑になることから、第2RUSH演出では演出アタッカ93を用いた演出を行わない、といったことも可能である。また、これとは異なり、第2RUSH演出で演出アタッカ93を用いた演出を行うことで、小当りを活用するための演出を、演出アタッカ93を用いてより多様化することも可能である。
また、演出アタッカ93の動作パターンについては、閉鎖期間(ここでは3秒間)を介在させ、閉鎖期間中にソレノイド(演出アタッカソレノイド)をオフできるようにすることにより、ソレノイドのデューティ比を適正化でき、ソレノイドの焼き付きを防止することができる。
さらに、本実施例においては、上述の3秒間の閉鎖期間中は、装飾部90aの導光板での反射や屈折を利用した白色での発光を用い、演出アタッカ93の前部が白色光で遮られるようにしている。そして、3秒間の閉鎖の間は、遊技者に対して演出アタッカ93の視認を困難にし、演出アタッカ93が閉じている状態が見えない(或いは見え難くなる)ようにしている。この場合の視認性の程度は、平均的な遊技姿勢にある遊技者が、そのままの姿勢では演出アタッカ93の様子を視覚的には正確に認識できない程度とすることが考えられる。このようにすることで、演出アタッカ93を実際よりも長く開放しているように見せることができる。別な言い方をすれば、演出アタッカ93が大当り遊技から小当りRUSH中に亘って常時開放しているように見せることができる。
また、本実施例では、他にも演出アタッカ93を用いた演出が設けられている。例えば、演出アタッカ93を用いた予告演出(アタッカ開放予告)として、変動開始から所定期間(例えば8秒など)が経過したときに開放を行うものがある。
さらに、本実施例では、高確率の当りの期待やリーチの発展の期待が相対的に高いか否か示す演出を、演出中に操作ボタン22を有効にして行う場合もある。そして、このような演出として複数のパターンを設け、そのうちの1つを、例えば、操作ボタン22に係る有効期間の開始タイミングに合わせて演出アタッカ93を開放動作させるものとすることが可能である。また、他の演出を、バトル演出中に操作ボタン22が所定回数(1回や2回など)に亘り有効になり、有効になる度に演出アタッカ93を開放動作させるものとすることが可能である。
さらに、演出アタッカ93の開放パターンとしては、開放時間が中程度(例えば2秒など)であるものや、極めて少ない小程度の時間(1秒未満など)で閉鎖するものを設けることが可能である。また、演出アタッカ93の開放の際に、演出表示装置60やセンター飾り64などで、目立ちやすい赤色や虹色の画像表示や発光等を行って、演出アタッカ93の開放を積極的に遊技者に報知する演出を設けることが可能である。さらに、特段の報知を行わずに演出アタッカ93の開放を行う演出(サイレント開放の演出)を設けることも可能である。
また、演出アタッカ93を用いた演出を、1回の変動で1回(1セット)のみとすることや、1回の変動で複数回(複数セット)行うようにすることが可能である。また、演出アタッカ93を用いた演出を、先読み演出としては行わないようにすることや、先読み演出としても行うようにすることが可能である。
また、本実施例では、他の演出として、演出アタッカ93の開放と大入賞口92の開放との協働により行うものが設けられている。この演出パターンにおいては、演出アタッカ93の開放のタイミングが、上方に位置する大入賞口92の開放のタイミングを基準にして定められている。そして、大入賞口92の開閉のタイミングから所定時間(ここでは2秒など)遅らせて、演出アタッカ93の開放が行われるようになっている。このようにすることで、演出アタッカ93が、大入賞口92に追従する態様で大入賞口92と連携して、遊技球を拾い集め、遊技球が零れるのを防いでいるように見せるための演出を行うことが可能となる。
なお、大入賞口92に限らず、演出アタッカ93の開放と、上方に位置する第2-1始動入賞口63Aの開放とを連携させることも可能である。例えば、上述の大入賞口92の例と同様に、大入賞口92の開放タイミングから所定時間(2~3秒など)遅らせて、演出アタッカ93を開放させることが考えられる。このようにすることで、大入賞口92の場合と同様に、演出アタッカ93が第2-1始動入賞口63Aと連携して遊技球が零れるのを防いでいるように見せる演出を行うことが可能となる。
さらに、本実施例においては、演出アタッカ93は、大当りの結果表示の後にも開放を継続するようになっている。そして、演出アタッカ93は、役連作動口としても機能する前述の作動口68で遊技球が検出されるまでは、開放したままとなっている。さらに、演出アタッカ93の最大開放可能時間として、所定の時間(例えば85分など)が定められている。そして、この所定時間が、演出アタッカ93が開放した状態のまま経過すると、演出アタッカ93は強制的に閉鎖される。
このようにすることで、例えば、大当りとなる変動中に大当りの結果表示がされる前の状況や、大当りの結果表示がされた後に役連作動口で遊技球が検出されてない状況で、遊技者が食事や電話等のために席を外して不在となった場合であっても、無制限に演出アタッカ93が開放し続けるようなことを防止できる。そして、このような場合であっても、ソレノイド(演出アタッカソレノイド)の焼き付きを防止でき、ぱちんこ遊技機10の状態をより長く適正に保つことが可能となる。なお、演出アタッカ93を小当りRUSH中にも開放させ、演出アタッカ93の開放を小当りRUSHの終了まで継続することも可能である。
<電サポ期間からの移行を踏まえた大当り遊技における大入賞口開放パターン>
本実施例においては、前述のように2Rの大当り(突当り(バトル敗北))が設けられているが、2R大当りの大当り遊技における1R目と2R目とで、開放時間を相違させている。そして、1R目には相対的に短い時間(例えば2秒)の開放を行い、その後所定時間(例えば4秒)の閉鎖を経て、相対的に長い時間(例えば6秒)の開放を行うようになっている。このように、1R目に複数回の開放を行うといった特殊なパターン(態様)での開放を行うことで、電サポ期間から大当り遊技期間への移行の際に遊技者が所謂止め打ちや単発打ち(以下では「止め打ち等」と称する)を行ったとしても、設計値に近い出玉数での公正な遊技が可能となる。
つまり、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、前述したように、電サポ機能を有する第2-1始動入賞口63Aが、大入賞口92の上方に配置されている。また、右打ち時には、第2-1始動入賞口63Aの開放(電サポの作動)により、比較的多く(ここでは9割程度)の遊技球が第2-1始動入賞口63Aに入球するようになっている。さらに、第2-1始動入賞口63Aや第2-2始動入賞口63Bに入球しても極少ない数(ここでは1個)の賞球しか得られないようになっている。
また、第2-1始動入賞口63Aの開放は、普通図柄が変動期間を経て停止してから行われる。このため、普通図柄に係る保留が有ると、第2-1始動入賞口63Aの開放の頻度が高まる。また、普通図柄に係る変動時間は一定ではないため、遊技者にとって、第2-1始動入賞口63Aの開放のタイミングの予測は容易ではない。
さらに、大入賞口92の開放は、特別図柄や演出図柄(190a~190c)の停止から、所定の大当り開始デモ等の期間を経て行われる。このため、例えば、電サポ期間中に大当りが発生して大当り遊技に移行する場合には、抽選された普通図柄の変動期間や特別図柄の変動期間、及び、大当り開始デモの実行期間等の要因次第で、第2-1始動入賞口63Aの開放と、大入賞口92の開放とが重なり、同じタイミングで発生している状況も生じ得る。また、第2-1始動入賞口63Aが、大入賞口92の開放の直前に開放する状況も生じ得る。
これらのことから、例えば、大入賞口92が開放してから遊技球が発射された場合であっても、大当りとなる直前における普通図柄の当せんにより第2-1始動入賞口63Aが開いていると、高い割合で、後続の遊技球が大入賞口92に到達せずに第2-1始動入賞口63Aに入球すると考えられる。
前述のように、第2-1始動入賞口63Aへの1個の入球により払出される遊技球数(ここでは1個)は、大入賞口92への1個の入球により払出される遊技球数(ここでは15個)よりも少ない。このため、大入賞口92が開放しているにも関わらず、遊技球が第2-1始動入賞口63Aに入球すると、遊技者が期待する利益を逸失することになる。そして、このような利益の逸失を防ぐため、遊技者が、大入賞口92の開放開始のタイミングを狙って、発射を停止して止め打ち等を行い、可能な限り第2-1始動入賞口63Aや第2-2始動入賞口63Bに入球するのを避けることが考えられる。
しかし、このような止め打ち等が行われると、実際の差玉(大入賞口92への入賞玉数-大当り中の発射球数)が、等間隔で発射が続けられることを前提とした設計段階での想定とはかけ離れたものとなり得る。そして、このことによって、遊技の公平性や、遊技者と遊技場の利益のバランスが損なわれることとなる。
そこで、本実施例のように、1R目の終わりに相対的に長い時間(例えば6秒)の開放を行い、1R目における大入賞口92の長時間開放のタイミング(期間)を第2-1始動入賞口63Aの開放(電サポの作動)終了まで間延びさせることにより、止め打ち等を行った場合と行わなかった場合の遊技者の利益の差を縮小若しくは解消でき、止め打ち等の優位性を低下させることが可能となる。この結果、小当りRUSHのための盤面構成を利用して止め打ち等が抑制され、公正な遊技が促進される。
<1変動でのゾーン予告(特定ゾーン予告)>
続いて、種々に設けられた予告演出のうち、1回の変動に適応させることを想定して設けられた予告演出(以下では「特定ゾーン予告」と称する)について説明する。この特定ゾーン予告は、1変動中に1回のみ、且つ、変動終了まで継続する演出(ゾーン演出)となっており、発生しただけで高期待度の予告演出である。さらに、特定ゾーン予告中は、彩色の違いで大当りやリーチ発展の期待度(信頼度)を予告する演出のうち、相対的に高い信頼度であることを示す色の予告演出のみが出現するようになっている。
例えば、コメント予告やカットイン予告など、予告の色により信頼度を報知する予告演出を行う場合、相対的に高い信頼度であることを示す赤色以上の予告演出のみが出現するように、抽選にて赤色未満の(信頼度の)予告演出が選択された場合には、赤色に差し替える処理を行う。また、特定ゾーン予告中は、例えば赤色等の炎が登場人物の周りで燃え上がる様子の演出であり、1回の変動の中で出現し、そのときの変動の終了まで継続されるものとすることができる。
このような特定ゾーン予告は、先読みとしてそれ以前の変動中に出現することを示唆する(例えば、確定的に報知する)場合、そのときの変動におけるリーチ前の変動中に出現する場合、或いは、そのときの変動のリーチ中に出現する場合があるようにすることが可能なものである。そして、特定ゾーン予告は、その態様を、赤以上等の高期待度に係る色調に限ったものであるので、複数回の変動に亘って繰返し出現したり、1回の変動中に複数回実行されたりすることで、その価値が希釈化され、有効に活用できなくなると考えられる。
そこで、本実施例では、特定ゾーン予告に関して実行回数の調整を行い、特定ゾーン予告は、一旦出現した後にはそのときの変動の終了までに限り継続するようにしている。
本実施例では、サブメイン基板301において、先読み抽選によりある変動にて特定ゾーン予告を実行することが決定された場合、先読み演出にてその旨を示唆する。さらに、ある変動よりも前の変動において特定ゾーン予告を実行しないよう演出抽選を行って演出を決定するとともに、ある変動において実行する演出を決定するに際し、先読み抽選にて決定された特定ゾーン予告と重複して特定ゾーン予告が抽選されてしまうことを回避するための専用抽選を用いる。これにより、重要な高期待度演出である特定ゾーン予告を齟齬なく実行することが可能となる。
なお、本実施例では、特定ゾーン予告を実行する際に、その前段階の演出(特定ゾーン予告の導入演出)が実行される場合があるようになっている。このような導入演出としては、例えば、所定のチェンジ演出を実行し、チェンジ演出の後に操作ボタン22を振動させる、といったものを考えることができる。
チェンジ演出としては、可動演出部材を出現させるもの、可動演出部材に所定の動作を行わせるもの、画像表示を行うものなど、種々のものを考えることができる。さらに、導入演出として、チェンジ演出と操作ボタン22の作動のうちのいずれか一方のみを行うことも可能である。
<図柄ストック演出>
本実施例では、演出の1種として図柄ストック演出が実行される場合がある。この図柄ストック演出は、図24(a1)に示すように、所定の種類の演出図柄(ここでは数字の「7」の意味を有するもの)が出現した場合には、その演出図柄を縮小した態様のストック図柄366が、図24(a2)に示すように、画面上の所定の位置に配置されたストック図柄表示領域367に表示される。
ストック図柄366の画像は、「7」の演出図柄190aに対応していることを表現したものであればよく、「7」の演出図柄をそのまま縮小したものに限らない。また、ストック図柄366の出現タイミングとしては、「7」の演出図柄190aの停止(仮停止を含む)のタイミングや、「7」の演出図柄190aの変動速度が低速化され遊技者に図柄の識別が可能となった頃のタイミングなど、種々のタイミングを例示できる。
さらに、ストック図柄366の出現態様としては、「7」の演出図柄190a自体をストック図柄表示領域367に移動させるものや、「7」の演出図柄190aからストック図柄366を出現させてストック図柄表示領域367に移動させるものなどを例示できる。
また、図24(b1)に示すように、画面上に2つの「7」図柄(190a、190b)が出現した場合には、図24(b2)に示すように2つのストック図柄190dが積み上げられたように上下に並べて表示される。さらに、図24(c1)に示すように、変動演出中に演出図柄190a~190c以外の図柄画像368をカットイン表示し、この図柄画像368に対応付けられたストック図柄369をストック図柄表示領域367に表示することも可能である。
また、この図柄ストック演出に係る変動パターンは、メイン基板102で選択されるようになっており、メイン変動パターンにより指定(特定)された図柄ストック演出の種別に基づき、サブメイン基板301での変動パターン(サブ変動パターン)の決定が行われるようになっている。つまり、全てのメイン変動パターンは、図25に一部を示すように、ストックされる図柄個数の情報をもって作成されている。例えば、図25にNo1の「はずれ0回長短A」や、No.80の「当り0回1stバトル勝利」などによって示す「0回」の情報を持ったメイン変動パターンは、あくまでも先読みによる演出としては図柄ストックしない、という意味を持ったメイン変動パターンを表わしている。
このため、サブメイン基板301で行われる演出抽選により、図柄ストック演出を行うことが決定された場合には、上述のように0回の意味を持ったメイン変動パターンがサブメイン基板301に送信されても、結果的には図柄ストック演出が行われることとなる。そして、例えば、メイン変動パターンで表されるストック数をN1(0を含めた自然数)で表し、サブメイン基板301での演出抽選で決定されるストック数をN2(0を含めた自然数)で表すと、画面上に現れる合計のストック図柄数N(0を含めた自然数)はN1+N2(=N)で表すことができる。
さらに、図25にNo.38の「はずれ1回ノーマルA」や、No.96の「当り1回ミッション経由バトル後半」などによって示す「1回」の情報を持ったメイン変動パターンは、先読みによる演出としては1つのストック図柄(366等)が表示されるメイン変動パターンを表わしている。これらのメイン変動パターンがサブメイン基板301に送信された場合には、対応するそのときの変動(当該変動)の開始までに1個の図柄ストックが行われることとなる。そして、サブメイン基板301の演出抽選でストック数が追加された場合には、当該変動の終了までに、この追加分を含めた数の図柄ストックが行われることとなる。
また、図25にNo.68の「はずれ2回2ndバトル後半」や、No.102の「当り2回バトル後半リーチ」などによって示す「2回」の情報を持ったメイン変動パターンは、対応するそのときの変動(当該変動)の開始までに2つのストック図柄(366、369等)が表示されるメイン変動パターンを表わしている。さらに、図25にNo.75の「はずれ3回2ndバトル前半」や、No.115の「当り3回特定ゾーン」などによって示す「3回」の情報を持ったメイン変動パターンは、対応するそのときの変動(当該変動)の開始までに3つのストック図柄(366、369等)が表示されるメイン変動パターンを表わしている。
また、リーチのメイン変動パターンがサブメイン基板301に送信された場合は、サブメイン基板301の演出抽選で「7」の演出図柄によるリーチが決定されるか否かといった要素を含めて、対応するリーチ変動(当該リーチ変動)が終了するまでの最終的なストック数が決まることとなる。
さらに、メイン変動パターンの構成は、同一リーチ内容を示すメイン変動パターンであっても、何個の図柄のストックが行われるかを区別した別個のものとなっている。例えば、一方のみ図示するが、「当り2回バトル後半リーチ」のメイン変動パターン(No.102)がサブメイン基板301に送信された場合には、対応するリーチ変動(リーチになる当該変動)の開始までに2個のストック図柄(366等)が表示されることとなる。また、「当り3回バトル後半リーチ」のメイン変動パターン(図示略)がサブメイン基板301に送信された場合には、対応するリーチ変動(リーチになる当該変動)の開始までに3個のストック図柄(366、368等)が表示されるこことなる。
これらのメイン変動パターンを受信したサブメイン基板301では、保留数に応じて、指定された個数の図柄ストックを行う。例えば、保留がされている場合には、先読みに係る変動を利用して、そのときの変動(当該変動)までに、指定された個数の図柄ストックを行う。また、保留がされていない場合には、そのときの変動(当該変動)のみで、指定された個数の図柄ストックを行う。
例えば、保留が1つの状態で、例えば「はずれ2回2ndバトル後半」のメイン変動パターンが選択された場合には、先の変動で先読み演出として1つの図柄ストックを行い、当該変動で残りの1つの図柄ストックを行うことが可能である。また、このような場合に、サブメイン基板301では、先の変動で図柄ストックを行わず、当該変動で2つの図柄ストックを行うことも可能である。この場合、当該変動について受信したメイン変動パターンが「7」図柄でのリーチを指定するものであれば、2つの「7」図柄でのリーチ表示に続けて、2つの図柄ストックを行うことが可能である。
また、保留が0個の状態で、当該変動のメイン変動パターンとして例えば「はずれ2回2ndバトル後半」のメイン変動パターンが選択された場合には、例えば、図24(c1)に示すような図柄画像368のカットイン表示を2回行うことで調整して、2つの図柄ストックを行うことが可能である。
このように、サブメイン基板301では、メイン変動パターンに基づき、ストックすべき図柄の数を認識することができる。そして、サブメイン基板301では、先読み演出として図柄ストック演出を行うか、当該変動で図柄ストック演出を行うかを決定することができる。さらに、サブメイン基板301では、メイン変動パターンに基づき、幾つのストック図柄を使った演出を行うのかを決定することができる。
さらに、先読み演出に限らず、1回の変動中において行われる疑似連続予告の演出によって「7」図柄等の契機となる画像の出現に伴い、図柄ストックを行うことも可能である。そして、連疑似連続予告の連続数に応じて、ストック図柄(368等)の数を増やしていくことが可能である。
このような各種の図柄ストック演出により画面上に溜まったストック図柄(368等)の数が多いほど、通常は発生頻度や出現頻度の少ない演出の選択割合が高くなる。ここでの発生頻度や出現頻度の少ない演出としては、例えば、保留の変化、救済演出(登場人物が何等かの行為に失敗した後の復活など)、疑似連発展(疑似連への発展)などを例示できる。さらに、これらの演出が実行されると、そのときに溜まっていたストック図柄(368等)が使用されて、画面外へ移動や消去が行われる。
以上説明したように、本実施例の図柄ストック演出によれば、メイン変動パターンにストック数の情報を含めているので、メイン基板102とサブメイン基板301とにおける情報の共有が可能である。このため、メイン基板102で保有している情報(保留数の情報など)を、サブメイン基板301による演出制御に反映させ易い。そして、例えば、演出として遊技者に示される保留数表示や先読み演出などと、ストック図柄(368等)の表示との関係によって、大当りの有無などの情報が事前に遊技者に察知されてしまうようなことや、サブメイン基板301によるストック図柄(368等)の演出効果が低下してしまうようなことを防止できる。
さらに、本実施例の図柄ストック演出によれば、サブメイン基板301におけるサブメイン変動パターンのみにストック数の情報を含めた場合に比べて、サブメイン変動パターンを少なくすることができる。そして、サブメイン基板301での演出パターン決定の処理において、ストック数の違いに基づく分岐の処理などを行う必要がなくなり、サブメイン基板301での演出パターン決定の処理を容易なものとすることができる。そして、小当りRUSH(第2RUSH)に係る演出や、その他の演出に振り向ける処理能力を増やすことが可能となる。
また、ストック図柄(368等)の登場の契機として、演出図柄(190a、190c)以外のもの(ここではカットインした図柄画像368)を利用しているので、対象となる演出図柄(ここでは「7」の演出図柄)の利用が必須とはならない。このため、ストック図柄(368等)の登場に際しての、演出の自由度が高く、ストック図柄(368等)を登場させるまでの演出上の数の調整が容易である。そして、例えば、疑似連続予告を行わなくても、或は、リーチ図柄の再変動などを行わなくても、決まった数の図柄ストックを容易に行うことができる。
なお、このような図柄ストック演出は、前述した変動付加情報により変動時間が延長されることで、演出の時間的制限が緩和されて演出(図柄ストック演出)の態様の自由度が高まるものであるといえる。また、図柄ストック演出は、全ての演出で行われ得るものとすることや、或いは、1部の演出ステージ(例えば、第2RUSH演出のステージなどの限られた演出ステージ)のみで行われるものとすることができる。
<通常時の特図2に係る小当り狙いの防止>
本実施例のぱちんこ遊技機10では、本来は右打ちを行う状況でない通常確率(低確率で時短なし)の遊技時に、小当りが狙われるのを防止するための策が施されている。以下にこの防止策について説明する。
本実施例では、前述のように特図1及び特図2の間に優先順位を設けず、特図1に係る遊技と特図2に係る遊技が並列に進行し得る並列抽選のゲーム性が採用されている。このため、特図1の遊技を前提としている通常確率時に、敢えて右打ちを行って小当りを狙うという遊技も可能である。
そして、特図2に係る変動時間が、例えば演出内容などを基にして遊技者が推測できるものであった場合には、小当りに当せんした際に、大入賞口92の開放タイミングがある程度の精度で(或いは正確に)推定できてしまうと考えられる。そして、推定したタイミングを狙って止め打ち等が行われると、等間隔で連続した発射を前提とする公正な遊技が困難になる。
そこで、本実施例では、特図2に係る変動時間の推定を困難なものとしている。より具体的には、通常確率時における特図2の変動パターンが、基本となるメイン変動パターンに変動付加情報を組み合わせて事後的に決まるものとなっている。この変動付加情報としては、変動時間が異なる複数種類のものが設けられている。このため、前述したように、メイン基板102からサブメイン基板301へ指定できる変動パターンの種類が増えることとなる。そして、ここで選択され得る変動付加情報としては、例えば、12秒、15秒、18秒、24秒、或は、30秒のものなどがある。
また、本実施例における変動付加情報は、ここで選択され得るもの以外にも多数設けられている。しかし、小当り狙い(大入賞口開放タイミング狙い)の対策用として用いられる変動付加情報は、疑似連続予告のために設けられているものとなっている。例えば、擬似連続予告のための変動付加情報として、1回の疑似連続予告用のもの、2回の疑似連続予告用のもの、3回の疑似連続予告用のものが設けられている。
さらに、1回の疑似連続予告用の変動付加情報として、12秒の変動のもの、24秒の変動のもの、30秒の変動のもの等のように複数種類が設けられている。同様に、2回の疑似連続予告用の変動付加情報としても12秒、15秒、24秒、30秒などの複数種類が設けられている。また、3回の疑似連続予告用の変動付加情報としても18秒、24秒、30秒などの複数種類が設けられている。そして、これらの疑似連続予告用の変動付加情報を定めた疑似連用変動付加情報テーブルが、通常確率時における特図2用の変動付加情報を決定する際にも兼用されるようになっている。
例えば、特図2の通常確率時にサブメイン基板301で受信した特図2のメイン変動パターンが5分のものである場合、疑似連用変動付加情報テーブル(図示略)が参照され、当該テーブルに定められた変動付加情報のうちのいずれかが抽選されて選択される。そして、例えば18秒の変動付加情報が選択された場合には、メイン変動パターンによる5分に18秒が付加されて、特図2の変動時間が5分18秒に決まる。また、例えば30秒の変動付加情報が選択された場合には、特図2の変動時間が5分30秒に延長される。
以上説明したように、疑似連抽選に使用する演出用の変動付加情報(時間値情報)を小当りの変動時間に組み合わせることで、小当り発生時の合計の変動時間にばらつきを与えることができる。そして、小当りが発生した場合には、大入賞口92の開放タイミングを狙った遊技球の発射を困難にすることができる。
この結果、止め打ち等を防止することが可能となる。そして、演出用に設けられている変動付加情報により、出玉数の管理のための処理を行うことが可能となる。また、言い方を変えれば、小当り狙い防止用の時間値情報を持たずに、小当り狙いを防止することが可能となる。
さらに、小当り狙いの防止のための固有の変動付加情報を設けず、疑似連続予告用の変動付加情報を兼用しているので、変動付加情報のためのデータ(メモリアドレス値やそのアドレスに格納されるデータ値)の種類を増やさずに、変動時間を予測し難いものとすることができる。
ここで、上述のように、通常確率時における特図2の小当り狙い防止用に疑似連続予告用の変動付加情報を用いているのは、本実施例では、変動付加情報の種類が最も多い演出種別が、疑似連続予告用の演出だからである。このようにすることで、通常確率時における特図2の変動時間を、可能な限り多様化することができる。なお、疑似連続予告用のもの以上に多数の変動付加情報を有する演出種別があれば、その演出種別に係る変動付加情報を、小当り狙い防止用に使用してもよい。
<特図1及び特図2間の移行演出>
本実施例のぱちんこ遊技機10においては、前述のように並列抽選のゲーム性が採用されている。そして、特図1(又は特図2)の変動開始可能条件が成立すれば、他方の特図2(又は特図1)に係る保留消化や変動終了を待たずに、特別図柄の変動が開始される。このため、特図1に係る遊技(第1遊技)と、特図2に係る遊技(第2遊技)との間の移行の予測が、何れか一方(例えば特図2)を優先するような場合に比べて困難である。
例えば、特図1に係るはずれの変動中に、特図2に係る始動入賞があり、この特図2に係る大当り抽選において大当りに当せんする場合なども生じ得る。本実施例においては、このような場合に演出の内容を、特図1に係る実行中の変動演出から特図2に係る変動演出に変化させること(変動表示内容を変更すること)が行われる。
特図1に係る変動演出から特図2に係る変動演出への変化の態様としては、図示は省略するが、特図1に係る変動演出を非表示として演出内容を特図2のものに切り替えることが考えられる。このような移行の状況で行われる一連の演出は、「移行演出」と称することができる。この「移行演出」は、通常時や電サポ中に、主ではない特図で大当りした場合(イレギュラーな大当りが発生した場合)に実行されるものとなっている。主ではない特図は、例えば、通常時は特図2であり、電サポ中は特図1である。そして、これらのようなイレギュラーな当りとなる場合の変動パターンは、比較的短時間なものであり、例えば『突然当り演出』などと呼ばれることがある。
また、上述のような移行演出とは異なるものとして、特図1に係る変動演出の透明度を上げてそれ以前よりも徐々に薄く見えるようにし、そこに特図2に係る変動演出の動画を重畳して表示することが可能である。この場合、例えば、特図2に係る変動演出の内容を、「3」、「2」、「1」のようなカウントダウン表示を行うものとし、「3」のカウントが行われている間に特図1に係る演出が見えなくなり、特図2のみの変動演出が視認されるようにして、残りの「2」、「1」の演出を進行させる、といったことが可能である。
また、移行演出として、特図1に係る変動演出において、例えば前述したミニ図柄や保証図柄などの目立たない態様の表示が行われている場合には、特図1に係るこれらのミニ演出図柄や保証図柄の表示のみを残し、その他の演出として特図2に係る変動演出を行うといったことも可能である。この場合、特図2に係るミニ演出図柄や保証図柄を、特図1に係るミニ演出図柄や保証図柄を併せて表示する、といったことも可能である。
さらに、移行演出として、これらのような態様で移行した特図2に係る変動演出の停止後に、右打ち演出を実行し、役連作動口(作動口68)で遊技球が検出されると、当せんした特図2に係る大当りの開始デモへ移行する、といった演出パターンを考えることができる。また、特図2に係る大当りとして、所定の登場人物に纏わる演出が行われる大当りに当せんしている場合は、特図2に係る変動演出の途中で当該登場人物を登場させる、といったことも考えられる。
これらのような特図2に係る変動演出への移行(移行演出)は、特図1に係る変動演出の状況が変動中であっても、図柄固定時間中であっても区別せずに行うことが可能である。また、これに限らず、特図1に係る変動演出の状況が変動中の場合と、図柄固定時間中の場合とで、特図2に係る変動演出の内容が異なるようにすることも可能である。さらに、特図2に係る演出は、変動演出であることに限らず、例えば静止画の表示や、所定の登場人物やキャラクタ等の登場などであってもよい。
以上説明したような各種の移行演出は、特図1に係る各種のステージのうちの全てのステージで行われるのとすることや、或いは、1部のステージ(例えば8種類あるステージのうちの5種類のステージ)で行われるものとすることが可能である。また、本実施例においては、特図1と特図2との間の変動開始に優先順位を設けてはいないが、変動演出に関しては特図2を優先している。しかし、ここで例示したような移行演出は、特図2から特図1への移行の際にも行い得るものである。
また、上述の例とは異なり、例えば、特図2の遊技を前提とした右打ち中に、第1始動入賞口62に入球があり、当該入球によって特図1に係る大当りが発生する場合も想定できる。そして、このような場合に、移行演出として、特図2に関して既に実行されている演出を特図1の大当りに係る演出に突発的に変更することが考えられる。
さらに、このような特図2から特図1の大当りに係る演出への移行(移行演出)は、特図2に係る変動演出の状況が変動中であっても、図柄固定時間中であっても区別せずに行うことが可能である。また、これに限らず、特図2に係る変動演出の状況が変動中の場合と、図柄固定時間中の場合とで、特図1に係る変動演出の内容が異なるようにすることも可能である。さらに、特図2に係る演出は、変動演出であることに限らず、例えば静止画の表示や、所定の登場人物やキャラクタ等の登場などであってもよい。
また、特図2に係る変動演出において、例えば前述したミニ図柄や保証図柄などの目立たない態様の表示が行われている場合には、移行演出として、特図2に係るこれらのミニ演出図柄や保証図柄の表示のみを残し、その他の演出として特図1に係る変動演出を行うといったことも可能である。この場合、特図1に係るミニ演出図柄や保証図柄を、特図2に係るミニ演出図柄や保証図柄を併せて表示する、といったことも可能である。
<時短終了時から終了後にかけての限定頻度パターンによる演出>
前述のように、本実施例のぱちんこ遊技機10では並列抽選のゲーム性が採用されていることから、例えば、時短の遊技状態から通常の遊技状態に移行する場合に、特図1と特図2の間で移行や重合が生じる場合が考えられる。例えば、時短中の最終変動(例えば時短100回目の変動)が特図2によるものであり、その途中で特図1の始動入賞口(第1始動入賞口62)に入球があり、時短の最終変動中に特図1の変動が、時短開始から101回目の変動として実行される場合が考えられる。
このような状況が生じ得る原因としては、種々のものを考えることができるが、例えば、時短の終盤に遊技者のハンドル操作の力が偶々弱まり、意図せず左打ちされた遊技球が特図1の始動入賞口(第1始動入賞口62)に入賞した場合を例示することができる。このような場合に、例えば時短100回目の変動に係る変動時間が10分程度でり、100回目の変動中に動作した可動演出部材が出現した状態のままで101回目の変動が始まり、100回目の変動に係る演出効果が損なわれる、といった事態も生じ得る。
そこで、本実施例では、時短から通常状態への移行の状況などの特別な状況であっても、特図1及び特図2がどのような関係をもって変動しても違和感がないようにするための工夫が施されている。より具体的には、時短中の最後の変動を終えた次の1回分の変動(時短開始から101回目変動)に対して、所定の限定頻度パターン演出が実行される。
すなわち、時短中に、時短中のための限定頻度テーブルが用いられ、状況にあった変動演出が実行される。ここで使用される限定頻度テーブルは、特図1及び特図2で区別されたものでもよく、或いは、特図1及び特図2で共通のものであってもよい。時短中用の限定頻度テーブルとしては、100回目の変動に係る変動時間を、低確率時としては比較的短い所定時間(例えば13秒程度など)としたものを例示できる。さらに、時短中用の限定頻度テーブルとしては、100回目の変動に係る演出として、連荘回数や、時短中の獲得出玉数などの遊技結果を表示する演出を、時短に係る「エンディング演出」や「リザルト演出」などとして実行するものを例示できる。
そして、演出モードを切り替えるべきタイミングである101回目の変動については、101回目用の限定頻度テーブルが参照される。そして、101回目の変動演出として、演出図柄190a~190cを、前述した「仮停止」に係る揺らすなどの態様で表示するものが、限定頻度パターン演出として選択され得る。
このように演出図柄190a~190cを揺らすなどの表示態様は、100回目の変動に係る変動演出に対して、101回目の変動に係る変動演出を調整して馴染ませようとするものである。そして、上述の「リザルト演出」などの演出は、表示態様を大きくは変化させないものであり、与えられた13秒の変動時間のうちの途中で終了しても、遊技者に与える違和感が限定的となるものである。
なお、ここでは、100回目の変動を特図2に係るものとし、101回目の変動を特図1に係るものとして説明を行ったが、これに限定されるものではなく、例えば100回目の変動が特図1に係るものであってもよい。また、100回目及び101回目のいずれもが特図2に係る変動であってもよい。
また、101回目用の限定頻度テーブルに定める他の限定頻度パターン演出については、101回目の変動に係る大当り抽選の結果がはずれの場合と大当りの場合とで、傾向が異なるものとすることが可能である。例えば、はずれの場合には、上述した揺れ変動程度のものや、特段の演出を行わない無演出のものとすることが考えられる。さらに、無演出の態様としては、背景用の画像に前述のミニ図柄や保証図柄の画像のみを重畳したものなどを考えることができる。
一方、101回目の変動に係る大当り抽選の結果が大当りの場合には、100回目の変動に係る変動演出(ここではリザルト演出など)を、変動途中で画像表示上分断し、所定の登場人物が登場したり、所定の場面へ移行したりするもの等を例示できる。
さらに、時短中の変動演出に関して、時短の終盤で、残りの時短回数が1変動毎にカウントダウン表示されるものを例示できる。この場合のカウントダウンは、例えば、特図2に係る変動の後に特図1の変動が行われる場合にも区別せずに連続して行われる。例えば、残り3回の旨の表示がされている状況から次の特図2の変動が開始されると、カウントダウン表示は、残り2回の旨のものに切り替わる。さらに、この後の変動が特図1に係るものである場合、特図1に係る変動の開始後は、カウントダウン表示が残り1回の旨のものとなる。
この後、時短中の最後の変動(ここでは100回目の変動)の際には、0回のカウントダウン表示を行うことや、或いは、カウントダウン表示を消去することなどが可能である。そして、その後の101回目の変動に対しては、前述のように101回目用の限定頻度テーブルが用いられて演出パターンが決定される。
また、特図1に係る変動演出と、特図2に係る変動演出との実行時期の関係については、前述したものの他に種々のものを考えることができる。すなわち、上述の例として、特図2に係る100回目の変動演出中に、特図1に係る101回目の変動演出が開始されるものを挙げたが、この他の例としては、特図1又は特図2に係る100回目の変動演出が終了した後に、特図1又は特図2に係る101回目の変動演出が開始されるものを例示できる。なお、以下では、特図1及び特図2の区別はせずに説明を行う。つまり、以下では、100回目及び101回目の変動がいずれも特図1(又はいずれも特図2)の場合も含むものとして説明を行う。
そして、前述のように100回目の変動演出中に101回目の変動演出が開始されるが、101回目の変動演出が、100回目に係る変動演出中に終了するものを例示することができる。
また、100回目の変動時間が相対的に長いような場合には、100回目に係る変動の途中で101回目に係る変動が終了し、102回目に係る変動が開始される場合を例示できる。さらに、この102回目の変動が、100回目の変動の途中で終了するような場合も例示することができる。このような変動態様は、100回目の変動中に、その後に発生した複数回の変動が行われるものであるといえる。
また、100回目に係る変動と101回目に係る変動のうちの少なくともいずれかが大当りとなるものである場合に、100回目に係る変動で、前述のリザルト演出を、キャンセルするなどの制御態様により、行わないようにすることが可能である。
さらに、時短時の最終変動である100回目の変動や、その後の101回目の変動で大当りとなった場合に関して、電サポ中や通常時に、主ではない特図で大当りした場合(イレギュラーな大当りが発生した場合)には、前述した『突然当り演出』を用いることができる。そして、このようにした場合には、前述の演出パターン(移行演出の演出パターン)を兼用して演出に係る各種のデータ量を抑えつつ、100回目と101回目の変動とで演出に齟齬が出ないよう演出に係る設計を行うことができる。ここで、主ではない特図は、例えば、前述したのと同様に、電サポ中は特図1であり、通常時は特図2である。<大当り遊技終了直後の限定頻度パターンによる演出>
本実施例のぱちんこ遊技機10では、各種の大当りや各種のRUSH期間に係る変動演出について、それぞれ所定の限定頻度テーブルが定められている。そして、電サポが付帯する第1RUSHと第3RUSHのステージについては、大当り遊技終了直後(ここでは1回のみの変動)に限って使用される各々の限定頻度テーブルが使用される。そして、第1RUSHと第3RUSHに係るその後の変動(大当り遊技終了後の2回転目以降の変動)に関しては、例えば図21(c)に示すように、次回大当りまでの期間や、98回などの期間に亘って、他の限定頻度テーブルがそれぞれ使用されるようになっている。
上述した大当り遊技終了直後用(1回転目用)の限定頻度テーブルは、時短に移行した直後に出玉数が過度に増えることがないようにするための対策用として設けられている。つまり、大当り遊技中にも、作動口68で遊技球が検出され、変動開始条件が満たされれば、普通図柄の変動が行われる。さらに、大当り遊技中は、特別図柄に係る遊技、及び、普通図柄に係る遊技のいずれも、低確率で、且つ、時短ではない非時短の遊技状態で行われるようになっている。
このため、大当り遊技中の終盤で開始された普通図柄の変動が、大当り遊技中に終了せず、大当り遊技が終了した後にも継続している状況が生じる。例えば、選択された普通図柄の変動パターンが数分以上のものであるような場合には、このような事態が生じ易い。そして、このときの普通図柄の抽選結果が当りであった場合には、第2-1始動入賞口63Aが、第1RUSH(又は第3RUSH)が開始された後に開放することとなる。
さらに、このような状況で発射が継続されていると、第1RUSH(又は第3RUSH)の遊技状態中に第2-2始動入賞口63Bに入球があり、抽選結果が小当りとなる場合がある。また、大当り遊技中に行われた普通図柄の抽選結果に基づき第1RUSH(又は第3RUSH)中に開放した第2-1始動入賞口63Aに入球があり、当該入球に伴う当否抽選の結果が小当りとなる場合もある。そして、これらの場合には、当該入球に係る特別図柄の変動時間が短いと、比較的即座に大入賞口92が開放し、この開放タイミングが、第2-1始動入賞口63Aの開放前となることもある。
そして、小当りによる大入賞口92の開放時に入球があり、賞球の払出しが行われると、電サポ中の出玉が、第2-1始動入賞口63A又は第2-2始動入賞口63Bへの入球による1個と、小当りにより獲得される数(例えば1個の入球による15個)との合計(ここでは16球以上)となる。さらに、この獲得された球技球が発射されて消費されるまでの期間は、電サポ中の獲得出玉が100%を超えていると考えることも可能である。この結果、限られた期間ではあるが、適正な遊技機を考えるうえで、不必要な疑義が生じることもあり得る。
このため、本実施例では、前述のように大当り直後の1回に限った限定頻度テーブルを設けている。そして、この限定頻度テーブルに定めた変動パターンは、変動時間が適度に長いもの(例えば13秒程度)となっている。この変動時間(ここでは13秒程度)は、はずれ時の変動パターンと同程度となっている。このようにすることで、大入賞口92の開放タイミングが遅くなるように調整し、限られた期間であっても、或は、状況の捉え方次第であっても、可能な限り、電サポ中の獲得出玉が100%を超えることがないようにしている。
以上、ぱちんこ遊技機10に係る各種の実施態様を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々に変形が可能なものである。例えば、各種の変動演出に際しては、特図1及び特図に2に係る前述のミニ図柄及び保証図柄(或いは、ミニ図柄又は保証図柄)を、1つの画面中にともに表示していてもよい。また、第2始動入賞口(例えば第2-1始動入賞口63A)の開閉は、スライドシャッタによるタイプのものに限らず、開閉羽根によるものなどであってもよい。
また、本発明は、遊技者が獲得した遊技媒体としての遊技球を、前述のように、遊技者に対し直接的に払出して遊技者が賞球に触れることができるようにしているぱちんこ遊技機に限られず、例えば、遊技機内部で遊技球を循環させて使用する封入循環式のぱちんこ遊技機(管理遊技機)にも適用が可能である。さらに、封入循環式のぱちんこ遊技機としては、遊技媒体の出入りを電磁的に記録することが可能なものを例示できる。