JP7107003B2 - 内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構 - Google Patents

内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構 Download PDF

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本発明は、内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構に関する。
ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、アッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が上記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えてなる内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構が従来から広く知られている。
このような内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構にあっては、摺動部分の摩耗や焼き付きを防ぐために十分な潤滑状態に維持することが求められる。
例えば、アッパピンの軸受部分は、クランクピンの軸受部のようにクランクシャフトの内部通路から直接的に潤滑油を供給できない。
そのため、例えば、特許文献1においては、アッパピンの軸受部分を潤滑するために、アッパリンクのロッド部の側面にロッド部長手方向に沿って延びる凹溝を形成し、アッパリンクのピンボス部の内周と外周とを径方向に貫通する径方向油路をこの凹溝に接続している。
特許文献1においては、アッパリンクの周辺の油霧を凹溝の全体で捕集し、径方向油路を介して潤滑油としてアッパピンの軸受部分に供給している。
特開2010-116777号公報
しかしながら、アッパリンクの凹溝は、アッパリンクの側面を凹ませることで形成されたものであり、アッパリンクのロッド部の側面に沿って滴下してくるような潤滑油を効率よく捕集できない虞がある。
すなわち、アッパリンクがクランクケース内で高速運動することによりアッパリンク表面を伝う潤滑油が吹き飛ばされてしまう虞がある等、アッパリンクの周辺の油霧を効率よく捕集して、アッパピンの軸受部分に潤沢な潤滑油を供給するためには、更なる改善の余地がある。
本発明の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構は、一端がピストンピンを介してピストンに連結され、他端が第1連結ピンを介して第2リンクに連結された第1リンクを有している。
上記第1リンクは、ロッド部と、上記ロッド部の一端に設けられたピストンピン用ピンボス部と、上記ロッド部の他端に設けられた第1連結ピン用ピンボス部と、上記ロッド部の側面から突出する突出部と、を有している。
上記突出部は、上記第1リンクのピストンピン用ピンボス部側に開口してオイルを受け止めることが可能な凹部が形成されている。
上記凹部と上記第1連結ピン用ピンボス部の内周面とは、上記第1リンクに貫通形成された油孔により連通している。
本発明によれば、突出部の凹部にオイルを受けることで、第1連結ピン用ピンボス部の内周に供給を安定して確保することができ、第1連結ピンに潤沢な潤滑油を効率よく供給することができる。
本発明に係る内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構の概略構成を模式的に示した説明図。 ロアリンクの斜視図。 アッパリンクの正面図。 アッパリンクの側面図。 アッパリンクの要部断面図。 圧縮比が設定可能範囲内の最低圧縮比でピストンが下死点にある状態における複リンク式ピストンクランク機構の要部断面図。 クランク角度に対する内燃機関のヨー方向の不平衡モーメントの振幅の変化を示す特性線図。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構1の概略構成を模式的に示した説明図である。
複リンク式ピストンクランク機構1を有する内燃機関は、例えば、自動車等の車両に搭載される。
複リンク式ピストンクランク機構1は、ピストン2と、第1リンクとしてのアッパリンク4と、第2リンクとしてのロアリンク7と、第3リンクとしてのコントロールリンク9と、から大略構成されている。
ピストン2は、ピストンピン3を介してアッパリンク4の一端に回転可能に連結されている。
アッパリンク4は、他端が第1連結ピンとしてのアッパピン5を介してロアリンク7の一端側に回転可能に連結されている。
ロアリンク7は、クランクシャフト6のクランクピン6aに回転可能に連結されている。
コントロールリンク9は、一端が第2連結ピンとしてのコントロールピン8を介してロアリンク7の他端側に回転可能に連結されている。
コントロールリンク9は、他端が機関本体側に支持されるコントロールシャフト10の偏心軸部10aに回転可能に連結されている。
コントロールシャフト10は、クランクシャフト6と平行に配置されるものであって、例えば、シリンダブロック(図示せず)に回転可能に支持される。
つまり、コントロールシャフト10の偏心軸部10aに回転可能に連結されているコントロールリンク9の他端は、機関本体側に揺動可能に支持されていることになる。偏心軸部10aの中心軸は、コントロールシャフト10の回転中心に対して所定量偏心している。
複リンク式ピストンクランク機構1は、ピストン2とクランクシャフト6のクランクピン6aとを複数のリンクで連係したものである。
複リンク式ピストンクランク機構1は、コントロールシャフト10を回転させて偏心軸部10aの位置を変更することで、上死点におけるピストン2の位置が変更可能となり、内燃機関の機械的圧縮比を変更することができる。
コントロールシャフト10は、ロアリンク7の自由度を規制するものであり、例えば、電動モータからなるアクチュエータ等によって回転駆動される。
なお、複リンク式ピストンクランク機構1は、偏心軸部10aの位置を固定することで、圧縮比を可変としない構成とすることも可能である。すなわち、複リンク式ピストンクランク機構1は、コントロールシャフト10に換えて、機関本体側に支持される支持ピンにコントロールリンク9の他端を回転可能に連結し、固定圧縮比機構として構成することも可能である。
図2は、ロアリンク7の斜視図である。ロアリンク7は、クランクピン6aに嵌合する円筒形のクランクピン軸受部11を中央に有している。また、ロアリンク7は、クランクピン軸受部11を挟んで互いにほぼ180°反対側となる位置に、一対のアッパピン軸受部12及び一対のコントロールピン軸受部13を有している。アッパピン軸受部12は、第1連結ピン軸受部に相当するものである。コントロールピン軸受部13は、第2連結ピン軸受部に相当するものである。
ロアリンク7は、全体として、菱形に近い平行四辺形をなしている。ロアリンク7は、クランクピン軸受部11の中心を通る分割面14において、アッパピン軸受部12を含むロアリンクアッパ7Aと、コントロールピン軸受部13を含むロアリンクロア7Bと、の2部品に分割して形成されている。
分割面14は、クランクシャフト軸方向視で、アッパピン軸受部12の中心とコントロールピン軸受部13の中心とを結ぶ直線に沿ったロアリンク幅方向に対して傾斜している。
本実施例では、ロアリンク幅方向におけるアッパピン軸受部12側をロアリンク7の一端側とし、ロアリンク幅方向におけるコントロールピン軸受部13側をロアリンク7の他端側とする。
これらのロアリンクアッパ7A及びロアリンクロア7Bは、クランクピン軸受部11をクランクピン6aに嵌め込んだ上で、互いに逆向きに挿入される一対のボルト(図示せず)によって互いに締結されている。さらに言えば、ロアリンクアッパ7Aとロアリンクロア7Bは、クランクピン軸受部11の両側に配置した2本のボルトによって締結されている。なお、ロアリンクアッパ7Aとロアリンクロア7Bとは、2本以上のボルトで締結するようにしてもよい。
アッパピン軸受部12は、互いに離間して対向する一対の一端側突出片16の双方に形成されている。一対の一端側突出片16の間には、アッパリンク4の揺動運動を可能とする一定幅の溝部17が存在する。一対の一端側突出片16は、ロアリンク7の一端側に位置するものであって、ロアリンクアッパ7Aの一部を構成する。つまり、ロアリンク7の一端側は、一対の一端側突出片16によりアッパリンク4の他端を挟み込むように二股状に形成されている。一対の一端側突出片16は、ロアリンク7の軸方向の端面に沿うように延びている。
各々のアッパピン軸受部12は、同一軸線上に配置された断面円形の貫通穴である。アッパピン軸受部12には、アッパピン5が圧入保持される。
コントロールピン軸受部13は、互いに離間して対向する一対の他端側突出片18の双方に形成されている。一対の他端側突出片18の間には、コントロールリンク9の揺動運動を可能とする一定幅の溝部(図示せず)が存在する。一対の他端側突出片18は、ロアリンク7の他端側に位置するものであって、ロアリンクロア7Bの一部を構成する。つまり、ロアリンク7の他端側は、一対の他端側突出片18によりコントロールリンク9の一端を挟み込むように二股状に形成されている。一対の他端側突出片18は、ロアリンク7の軸方向の端面に沿うように延びている。
各々のコントロールピン軸受部13は、同一軸線上に配置された断面円形の貫通穴である。コントロールピン軸受部13には、コントロールピン8が圧入保持される。
図3及び図4は、ピストン2とロアリンク7とを連結するアッパリンク4を示している。アッパリンク4は、炭素鋼の鍛造や鋳造等によって一部品として構成されているものであり、直線的に延びた矩形断面の棒状をなすロッド部21と、ロッド部21の一端に設けられた円環状のピストンピン用ピンボス部22と、ロッド部21の他端に設けられた円環状のアッパピン用ピンボス部23と、ロッド部21の側面から突出する突出部24と、を有している。
ピストンピン用ピンボス部22は、ピストン2に両端部が支持されたピストンピン3の中央部に回転可能に嵌合する。
アッパピン用ピンボス部23は、第1連結ピン用ピンボス部に相当するものであって、ロアリンク7のアッパピン軸受部12に両端部が支持されたアッパピン5の中央部に回転可能に嵌合する。アッパピン用ピンボス部23は、アッパピン5と接する軸受メタル25が圧入された内周面としての軸受孔26を有している。
突出部24は、図5に示すように、アッパリンク4のピストンピン用ピンボス部22側に開口して潤滑油(オイル)を受け止めて確保することが可能な凹部27を有している。すなわち、突出部24は、ロッド部21の外側に突出して、アッパピン5が収容されるクランクケース内を飛散するオイルミストや、ピストンピン用ピンボス部22側から滴下した潤滑油(例えば、ピストン2のクーリングチャンネルから滴下した潤滑油)等を受け止めることが可能な油受けとなっている。
突出部24は、図1に示すように、クランクシャフト軸方向視で、ロッド部21のコントロールリンク9側の側面から突出している。なお、突出部24の幅は、図4に示すように、ロッド部21と同じ幅となるよう形成されている。すなわち、突出部24は、アッパリンク4の軸受孔26の軸方向に沿った幅が、アッパリンク4の軸受孔26の軸方向に沿ったロッド部21の幅と同一幅となるように形成されている。
アッパリンク4は、突出部24を形成したことにより、クランクシャフト軸方向視で、その重心位置がアッパリンク中心線Cよりもコントロールリンク9側に位置している。すなわち、アッパリンク4の重心は、図3においては、アッパリンク中心線Cよりも右側に位置している。
アッパリンク中心線Cは、ピストンピン用ピンボス部22の円環の中心とアッパピン用ピンボス部23の円環の中心とを通り、ロッド部21の長手方向に沿った直線である。
突出部24は、ロッド部21の長手方向の中間位置よりもアッパピン用ピンボス部23側に位置するよう形成されている。
突出部24の端面24aは、アッパリンク中心線Cに直交する平面に沿うように形成されている。
また、突出部24は、図6に示すように、複リンク式ピストンクランク機構1の圧縮比が設定可能範囲内の最低圧縮比でピストン2が下死点にあるときに、ロアリンク7と干渉しないように形成されている。
本実施例における突出部24は、図6に示すように、最低圧縮比でピストン2が下死点にあるときに、一対の一端側突出片16の間に入り込み、かつロアリンク7の溝部17の底面17aに干渉しないように設定されている。換言すれば、本実施例における突出部24は、図6に示すように、ロアリンク7と干渉しない範囲でアッパピン用ピンボス部23に最大限近づけた位置、つまりロアリンク7との干渉限界までアッパピン用ピンボス部23に近づけた位置に形成されている。すなわち、本実施例における突出部24は、ロアリンク7と干渉しない範囲でアッパピン用ピンボス部23に最大限近づくように設定されている。
凹部27とアッパピン用ピンボス部23の軸受孔26とは、アッパリンク4にドリル等の機械加工により貫通形成された油孔31によって連通している。つまり、凹部27に受け止められた潤滑油は、油孔31を介してアッパピン用ピンボス部23の軸受孔26に供給され、軸受孔26(厳密には軸受メタル25の内周面)とアッパピン5との接触面を潤滑する。
油孔31は、一端が凹部27の底面に開口し、他端がアッパピン用ピンボス部23の円形をなす軸受孔26の頂部に開口している。軸受孔26の頂部は、アッパリンク中心線C上に位置している。軸受孔26の頂部は、ピストンピン用ピンボス部22側に位置している。
このようなアッパリンク4は、複リンク式ピストンクランク機構の一構成要素としてロアリンク7やコントロールリンク9とともに内燃機関のクランクケース内で高速運動する。複リンク式ピストンクランク機構の動きとしては、図1において、ピストン2の上下運動に伴ってアッパリンク4が概ねシリンダ軸線方向に沿って上下に往復運動し、アッパリンク4の下端に連結されたロアリンク7がコントロールリンク9上端のコントロールピン8を支点として上下に揺動する。そして、コントロールリンク9は、クランクピン6aの回転半径による左右方向の変位を許容するように左右に揺動する。従って、ロアリンク7の上下揺動に伴って、クランクシャフト6が回転することになる。
アッパリンク4は、クランクケース内で高速運動する。そのため、アッパリンク表面を伝う潤滑油は、アッパリンク4の高速運動により、吹き飛ばされる虞がある。
しかしながら、凹部27内に受け止められた潤滑油は、アッパリンク4が高速運動しても凹部27内から吹き飛ばされにくい。
また、ロッド部21から張り出した突出部24で潤滑油を受けることで、アッパリンクのロッド部の側面に沿って滴下してくるような潤滑油や、クランクケース内を飛散する潤滑油等を突出部24の凹部27内に確保しやすくなっている。
そのため、本実施例の複リンク式ピストンクランク機構1においては、アッパリンクの周辺の油霧等をアッパピン用ピンボス部23の軸受孔26に供給する潤滑油として効率よく凹部27に捕集することができる。
つまり、アッパリンク4は、凹部27内にアッパピン用ピンボス部23の軸受孔26に供給する潤滑油を安定して確保することができ、アッパピン5に潤沢な潤滑油を効率よく供給することができる。
図7は、3気筒内燃機関に上述した複リンク式ピストンクランク機構1を採用した場合におけるクランク角度に対する内燃機関のヨー方向の不平衡モーメントの振幅の変化を示す特性線図である。
図7中に実線で示す特性線C1は、上述した実施例のアッパリンク4を用いた複リンク式ピストンクランク機構1を有する内燃機関のヨー方向の不平衡モーメントを示している。
図7中の破線で示す特性線C2は、突出部がないアッパリンクを用いた複リンク式ピストンクランク機構を有する内燃機関のヨー方向の不平衡モーメントを示している。
図7中に一点鎖線で示す特性線C3は、ロッド部21の長手方向の中間位置に突出部24の端面24aが位置するアッパリンク4を用いた複リンク式ピストンクランク機構を有する内燃機関のヨー方向の不平衡モーメントを示している。
図7に示すように、アッパリンク4のロッド部21に突出部24を設け、アッパリンク4の重心をアッパリンク中心線Cよりもコントロールリンク9側とすることによって、3気筒等の奇数気筒の内燃機関に発生する内燃機関のヨー方向の不平衡モーメントを低減することができる。また、内燃機関のヨー方向の不平衡モーメントを低減することによって、音振性能を向上させることができる。
内燃機関のヨー方向の不平衡モーメントは、突出部24が形成される位置によっても変化する。つまり、内燃機関のヨー方向の不平衡モーメントは、アッパリンク4の突出部24をロッド部21の長手方向の中間位置よりもアッパピン用ピンボス部23側に近づけるほど改善することができる。
従って、内燃機関のヨー方向の不平衡モーメントは、突出部24をロアリンク7と干渉しない範囲でアッパピン用ピンボス部23に最大限近づけることでより効果的に低減することができる。また、音振性能は、突出部24をロアリンク7と干渉しない範囲でアッパピン用ピンボス部23に最大限近づけることでより一層向上させることができる。
内燃機関のヨー方向の不平衡モーメントを低減して音振性能を向上させるためには、アッパリンク4のロッド部21のコントロールリンク側の側面に突出部24を設け、アッパリンク4の重心をアッパリンク中心線Cよりもコントロールリンク9側に偏心させる必要がある。ただし、内燃機関のヨー方向の不平衡モーメントの低減効果は、突出部24がロッド部21のピストンピン用ピンボス部22に近づくほど小さくなる。
また、突出部24の凹部27とアッパピン用ピンボス部23の軸受孔26とを連通させる油孔31は、突出部24がロッド部21のピストンピン用ピンボス部22に近づくほど長くなる。アッパリンク4の生産性は、油孔31が長くなるほど油孔31の加工時間が長くなるため、油孔31が長いほど悪化する。
アッパピン用ピンボス部23の軸受孔26の潤滑性能は、油孔31が長いほど潤滑油が流れにくくなると考えらえることから、油孔31が長いほど悪化する虞がある。
そのため、アッパリンク4に突出部24を設けるにあたっては、内燃機関のヨー方向の不平衡モーメントの低減効果、アッパリンク4の生産性、アッパピン用ピンボス部23の軸受孔26の潤滑性能、をバランス良く両立させることが重要となる。
従って、アッパリンク4に突出部24を設けるにあたっては、突出部24がロッド部21の長手方向に沿った中間位置、もしくは中間位置よりもアッパピン用ピンボス部23側に形成されることが望ましい。詳述すれば、アッパリンク4に突出部24を設けるにあたっては、突出部24の端面24aがロッド部21の長手方向の中間位置もしくは、中間位置よりもアッパピン用ピンボス部23側に形成されることが望ましい。
なお、アッパリンク4の重心をアッパリンク中心線Cよりもコントロールリンク9側とするためには、厳密には油孔31を形成する際に削り取られた分の重量を考慮して突出部24の重量を設定する必要がある。
また、上述したアッパリンク4の突出部24は、クランクシャフト軸方向視で、アッパリンク4の重心をアッパリンク中心線Cよりもコントロールリンク9側に位置するようするための重り部と見なすことも可能である。つまり、凹部27は、アッパリンク4の重心をコントロールリンク9側に偏らせる重り部に設けられたものと見なすことができる。
突出部24に向けて噴射可能なオイルジェットを設定すれば、突出部24の凹部27により一層安定して潤滑油を貯留することができ、アッパピン用ピンボス部23の軸受孔26により安定して潤滑油を供給することができる。
1…複リンク式ピストンクランク機構
4…アッパリンク(第1リンク)
5…アッパピン(第1連結ピン)
6…クランクシャフト
6a…クランクピン
7…ロアリンク(第2リンク)
7A…ロアリンクアッパ
7B…ロアリンクロア
8…コントロールピン(第2連結ピン)
9…コントロールリンク(第3リンク)
10…コントロールシャフト
10a…偏心軸部
11…クランクピン軸受部
12…アッパピン軸受部(第1連結ピン軸受部)
13…コントロールピン軸受部
14…分割面
21…ロッド部
22…ピストンピン用ピンボス部
23…アッパピン用ピンボス部
24…突出部
24a…端面
26…軸受孔
27…凹部
31…油孔

Claims (4)

  1. ピストンにピストンピンを介して一端が連結された第1リンクと、上記第1リンクの他端に第1連結ピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結された第2リンクと、一端が上記第2リンクに第2連結ピンを介して連結され、他端が機関本体側に支持された第3リンクと、を備えてなる内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構であって、
    上記第1リンクは、ロッド部と、上記ロッド部の一端に設けられて上記ピストンピンが回転可能に嵌合する円環状のピストンピン用ピンボス部と、上記ロッド部の他端に設けられて上記第1連結ピンが回転可能に嵌合する円環状の第1連結ピン用ピンボス部と、上記ロッド部の側面から突出する突出部と、を有し、
    上記突出部は、上記第1リンクのピストンピン用ピンボス部側に開口してオイルを受け止めることが可能な凹部が形成され
    上記凹部と上記第1連結ピン用ピンボス部の内周面とは、上記第1リンクに貫通形成された油孔により連通していることを特徴とする内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  2. 上記突出部は、クランクシャフト軸方向視で上記ロッド部の第3リンク側の側面から突出し、
    上記第1リンクの重心は、クランクシャフト軸方向視で、上記ピストンピン用ピンボス部の中心と上記第1連結ピン用ピンボス部の中心とを結ぶ直線よりも上記第3リンク側に位置することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  3. 上記突出部は、上記ロッド部の長手方向に沿った中間位置、もしくは上記中間位置よりも上記第1連結ピン用ピンボス部側に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  4. 上記第2リンクは、上記第1連結ピンを保持する第1連結ピン軸受部を有し、
    上記第1連結ピン軸受部は、互いに対向する一対の突出片により形成され、
    上記突出部は、上記ピストンが下死点にあるときに、上記一対の突出片の間に入り込み、かつ上記第2リンクに干渉しないように形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
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