本発明に係る遊技機を実施するための形態を図面に基づいて以下に説明する。
(形態1)
形態1の遊技機は、
遊技媒体(例えば、遊技球P)を用いた遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
変位可能な蓋部材(例えば、特殊入賞口扉704B)を有し、該蓋部材が変位することにより遊技媒体が内部領域(例えば、特殊入賞口704A)を通過可能な通過可能状態(例えば、第1状態)と通過困難な通過困難状態(例えば、第2状態)とに変化可能な可変手段(例えば、特殊可変入賞球装置17)を備え、
前記蓋部材に向けて上方から遊技媒体が移動可能であり、
前記蓋部材よりも上方に、前記内部領域へ向けて移動する遊技媒体と接触可能に突出する上側突出手段(例えば、上側規制部740F,740B)が設けられ、
前記蓋部材よりも下方に、前記内部領域へ向けて移動する遊技媒体と接触可能に突出する下側突出手段(例えば、下側規制部741B/下側規制部741F)が設けられている(図17、図18参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、上側突出手段及び下側突出手段によって、遊技媒体の移動の勢いを抑えて跳ね返りの発生を抑制することにより、興趣の低下を抑えることができる。
形態1-1の遊技機は、形態1に記載の遊技機であって、
前記蓋部材(例えば、特殊入賞口扉704B)の前側に立設される前壁部(例えば、前壁部731A)と、
前記蓋部材の後側に立設される後壁部(例えば、後壁部721A)と、
を備え、
前記上側突出手段は、前記前壁部から突出する第1上側突出手段(例えば、上側規制部740F)及び前記後壁部から突出する第2上側突出手段(例えば、上側規制部740B)を含む複数の上側突出手段を有し、
前記第1上側突出手段と前記第2上側突出手段とが上下方向に間隔をおいて配置されている(図16参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技媒体が第1上側突出手段及び第2上側突出手段のうち一方に接触した後、前方または後方に移動して他方に接触しやすくなるので、遊技媒体の移動の勢いを好適に抑えることができる。
形態1-2の遊技機は、形態1-1に記載の遊技機であって、
前記蓋部材(例えば、特殊入賞口扉704B)の上面を遊技媒体が移動する際の遊技媒体の移動を遅延させるための特定遅延手段(例えば、規制部751~756,761~765)を備える(図6、図7参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、蓋部材の上面での遊技媒体の滞留時間が長くなることで内部領域への進入率を高めることができるとともに、短期間の開放で多数の遊技媒体を一斉に内部領域へ進入させることができる。
形態1-3の遊技機は、形態1-2に記載の遊技機であって、
前記特定遅延手段は、前記蓋部材(例えば、特殊入賞口扉704B)の上面を移動する遊技媒体と接触可能に突出する特定突出手段(例えば、規制部751~756,761~765)であり、
前記特定突出手段の突出量(例えば、突出寸法L4、L5)の方が前記下側突出手段の突出量(例えば、突出寸法L14、L15)よりも大きい(L4>L14、L5>L15、図16参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、蓋部材の上面での遊技媒体の滞留時間が長くすることができる。
形態1-4の遊技機は、形態1-1~形態1-3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記内部領域(例えば、特殊入賞口704A)の上流側に設けられる特別内部領域(例えば、大入賞口703A)を通過可能な通過可能状態(例えば、第1状態)と通過困難な通過困難状態(例えば、第2状態)とに変化可能な特別可変手段(例えば、特別可変入賞球装置7)を備え、
前記特別内部領域を通過しない遊技媒体が前記可変手段(例えば、特殊可変入賞球装置17)に向けて移動可能である(例えば、特別可変入賞球装置7、特殊可変入賞球装置17、可変入賞球装置6Cがいずれも第2状態(進入困難状態)に制御されているときには、入賞ユニット700の右側上方から落下してくる遊技球は、第1通路710A(特殊入賞口扉704B上)に落下する。図9(A)参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、上側突出手段及び下側突出手段によって、特別内部領域を通過せずに可変手段へ勢いよく移動してきた遊技媒体の移動の勢いを好適に抑制できる。
形態1-5の遊技機は、形態1-4に記載の遊技機であって、
前記特別内部領域(例えば、大入賞口703A)を通過した遊技媒体を検出可能な複数の特別検出手段(例えば、第2カウントスイッチ24A,24B)を備える(図17(A)参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特別内部領域で遊技媒体が滞留することを抑制できるため、短期間で遊技媒体を検出することができる。(小当り期間内で入賞検知を完了させる。入賞検知が遅れて可変表示期間に入賞が検知されると、不正入賞処理に移行しやすくなる虞があるため)
形態1-6の遊技機は、形態1-1~形態1-5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記内部領域(例えば、特殊入賞口704A)の下流側に設けられる所定内部領域(例えば、第1始動入賞口701A)を通過可能な通過可能状態(例えば、第1状態)と通過困難な通過困難状態(例えば、第2状態)とに変化可能な所定可変手段(例えば、可変入賞球装置6C)と、
遊技領域(例えば、遊技領域Y)を流下する遊技媒体に接触可能に設けられる遊技用部材(例えば、障害釘K)と、
を備え、
前記可変手段から上方の前記遊技用部材までの離間距離(例えば、離間寸法L21)の方が、前記所定可変手段から上方の前記遊技用部材までの離間距離(例えば、離間寸法L22)よりも大きい(L21>L22、図8参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、上側突出手段及び下側突出手段によって、上方の遊技用部材から可変手段へ勢いよく移動してきた遊技媒体の移動の勢いを好適に抑制できる。
形態1-7の遊技機は、形態1-1~形態1-6のいずれかに記載の遊技機であって、
前記可変手段(例えば、特殊可変入賞球装置17)は、前記通過可能状態に対応する通過可能位置と前記通過困難状態に対応する通過困難位置との間で前記蓋部材(例えば、特殊入賞口扉704B)を移動させる駆動軸(例えば、プランジャ83B)を有するソレノイド(例えば、ソレノイド83)を有し、
前記ソレノイドは、前記駆動軸が前記蓋部材の移動方向(例えば、前後方向)に対して交差する方向(例えば、左右方向)に移動可能に設けられ、
前記蓋部材は、前記駆動軸に接続され、該駆動軸との接続部の両側方(例えば、ガイド軸821A,821C)が案内部(例えば、ガイド孔820A,820C)により案内されている(図11、図12参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、ソレノイドをスペース効率よく配置しつつ、駆動軸と交差する方向に蓋部材をスムーズに移動可能とすることができる。
形態1-8の遊技機は、形態1-1~形態1-7のいずれかに記載の遊技機であって、
前記蓋部材(例えば、特殊入賞口扉704B)の前側に立設される前壁部(例えば、前壁部731A)と、
前記蓋部材の後側に立設される後壁部(例えば、後壁部721A)と、
を備え、
前記後壁部には、該後壁部の後側にて引き回される配線部材(例えば、配線部材C1~C7)を隠蔽するための光拡散部(例えば、光拡散部790)が設けられている(図23、図24参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、限られたスペースにおいて、シール等による隠蔽を行うことなく配線部材を後壁部の後側にて引き回すことができ、意匠性の低下を抑えることができる。また、遊技媒体の視認性を前壁部にて確保しつつ、後壁部においてスペース効率を高めることができる。
形態1-9の遊技機は、形態1-1~形態1-8のいずれかに記載の遊技機であって、
前記蓋部材(例えば、特殊入賞口扉704B)の前側に立設される前壁部(例えば、前壁部731A)と、
前記蓋部材の後側に立設される後壁部(例えば、後壁部721A)と、
を備え、
前記下側突出手段は、前記前壁部から突出する第1下側突出手段(例えば、下側規制部741F)及び前記後壁部から突出する第2下側突出手段(例えば、下側規制部741B)を含む複数の下側突出手段を有し、
前記第1下側突出手段と前記第2下側突出手段が上下方向に間隔を隔てて配置されている(図25の変形例1参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技媒体が第1下側突出手段及び第2下側突出手段のうち一方に接触した後、前方または後方に移動して他方に接触しやすくなるので、遊技媒体の移動の勢いを好適に抑えることができる。
(形態2)
形態2の遊技機は、
遊技媒体(例えば、遊技球P)が内部領域(例えば、第1始動入賞口701C/特殊入賞口704A/大入賞口703A)を通過可能な通過可能状態(例えば、第1状態)と通過困難な通過困難状態(例えば、第2状態)とに変化可能な可変手段(例えば、可変入賞球装置6C/特殊可変入賞球装置17/特別可変入賞球装置7)を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記可変手段の下流側に設けられ、前記内部領域を通過しない遊技媒体が通過可能な特定領域(例えば、第2始動入賞口702A)と、
前記可変手段から前記特定領域へ遊技媒体を誘導する誘導路(例えば、第2通路710B)を形成する誘導路形成部(例えば、前壁部731A、後壁部721A、底壁部733A~733C、上壁部734A、傾斜壁部734B、立壁部734Cなど)と、
を備え、
前記誘導路形成部は、
前記可変手段から前記特定領域への遊技媒体の通過率が調整不能に構成され(例えば、前壁部731A、後壁部721A、底壁部733A~733C、上壁部734A、傾斜壁部734B、立壁部734Cにより構成される第2通路形成部は、障害釘Kのように遊技球の通過率を調整可能な部材ではなく、合成樹脂材からなるベース部材721とカバー部材731とを組付けることにより一体的に形成される)、
遊技媒体を整流するための整流手段(例えば、突出部736及び凹溝部737など)を備える(図20、図21参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、整流手段により誘導路での遊技媒体詰まりの発生を抑えつつ、特定領域の通過割合が調整不能なため、遊技者に与えるストレスを軽減でき、興趣の低下を抑えることができる。
形態2-1の遊技機は、形態2に記載の遊技機であって、
前記誘導路(例えば、第2通路710B)は、
遊技媒体を一側方(例えば、左側方)に向けて誘導する第1誘導路と、
前記第1誘導路により誘導された遊技媒体を下方に向けて誘導する第2誘導路と、
を含み、
前記整流手段は、遊技媒体が前記第1誘導路から前記第2誘導路に移動するときに、一側方に向けて誘導された遊技媒体を前方または後方に移動させてから下方に移動させる(図22参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、一側方に向けて誘導された遊技媒体が下方に移動するときに、後続の遊技媒体が接触して圧力がかかっても、整流手段により前方または後方にずらされることで圧力が低下されるため、遊技媒体詰まりを好適に抑えることができる。
形態2-2の遊技機は、形態2または形態2-1に記載の遊技機であって、
遊技媒体が前記特定領域を通過したことに応じて、該通過した遊技媒体と同じ遊技価値が付与される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技媒体が内部領域を通過しなくても、特定領域を通過した遊技媒体と同じ遊技価値が付与されることで、遊技者に与えるストレスを軽減できる。
形態2-3の遊技機は、形態2-1または形態2-2に記載の遊技機であって、
前記可変手段は、
遊技媒体が第1内部領域を通過可能な通過可能状態と通過困難な通過困難状態とに変化可能な第1可変手段(例えば、特別可変入賞球装置7)と、
遊技媒体が第2内部領域を通過可能な通過可能状態と通過困難な通過困難状態とに変化可能な第2可変手段(例えば、特殊可変入賞球装置17)と、
を含み、
前記第1内部領域と前記第2内部領域と前記特定領域とのいずれを遊技媒体が通過するかによって異なる遊技価値が付与される(例えば、大入賞口703Aに遊技球が進入した場合には15個、特殊入賞口704Aに遊技球が進入した場合には10個、第1始動入賞口701Cや第2始動入賞口702Aに遊技球が進入した場合には1個の遊技球が賞球として払出される)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技媒体がいずれの領域を通過するかに注目させることができる。
形態2-4の遊技機は、形態2-1~形態2-3のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)と、該有利状態とは異なる状態である特殊状態(例えば、小当り遊技状態)と、前記特殊状態により遊技価値(例えば、賞球など)が付与されやすい特定状態(例えば、小当りRUSH)と、に制御可能であり、
前記可変手段は、
遊技媒体が第1内部領域を通過可能な通過可能状態と通過困難な通過困難状態とに変化可能な第1可変手段(例えば、特別可変入賞球装置7)と、
遊技媒体が第2内部領域を通過可能な通過可能状態と通過困難な通過困難状態とに変化可能な第2可変手段(例えば、特殊可変入賞球装置17)と、
を含み、
前記有利状態に制御されることに対応して前記第1可変手段が通過可能状態とされ(例えば、第1特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技球が通過ゲート41を通過したことを条件として、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御され、大入賞口703Aが所定の態様で開放状態となる)、
前記特殊状態に制御されることに対応して前記第2可変手段が通過可能状態とされる(例えば、第2特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御され、特殊入賞口704Aが所定の開放態様で開放状態となる)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利状態や特定状態においても、第1内部領域や第2内部領域を通過しなかった遊技媒体は特定領域へ誘導されるため、各々の遊技状態において第1内部領域や第2内部領域を通過しなかった遊技媒体が無駄になることを抑えることができる。
形態2-5の遊技機は、形態2-1~形態2-4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記可変手段、前記誘導路形成部及び前記特定領域は一体的に形成されている(例えば、特別可変入賞球装置7、特殊可変入賞球装置17と、可変入賞球装置6Cと、入賞球装置6Bと、第1通路710Aを形成するための第1通路形成部と、第2通路710Bを形成するための第2通路形成部と、が一体化されたユニットとして構成されている)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、組付誤差などにより誘導路にて遊技媒体詰まりが生じやすくなることを抑えることができる。
形態2-6の遊技機は、形態2-1~形態2-5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記誘導路形成部における前記特定領域(例えば、第2始動入賞口702A)の上流側近傍には、前記誘導路を移動する遊技媒体が排出可能な排出部(例えば、排出口739L,739R)が設けられ、
前記誘導路形成部における前記排出部に対応する位置には、遊技媒体を前記特定領域に案内する案内部(例えば、誘導レール738A,738B)が形成されている(図20参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技媒体が排出部から排出せずに特定領域を通過しやすくなる。
形態2-7の遊技機は、形態2-1~形態2-6のいずれかに記載の遊技機であって、
前記誘導路形成部における前記特定領域(例えば、第2始動入賞口702A)の上流側近傍には、前記整流手段として、遊技媒体を案内可能な凹溝部(例えば、凹溝部737)が前記特定領域に向けて延設されている(図20参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、凹溝部により遊技媒体を安定して誘導できるので、遊技媒体詰まりの発生を好適に抑えることができる。
(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、パチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。また、前記実施の形態と同様の構成部位については同じ符号を付すことで、詳細な説明は省略する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域Yが形成されている。この遊技領域Yには、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域Yを開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域Yを透視できるようになっている。
遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に複数の障害釘K(図4参照)やガイドレール2b等が設けられた盤面板200A(図4参照)と、該盤面板200Aの背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材200B(図4参照)と、から主に構成されている。尚、遊技盤2はベニヤ板にて構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
また、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの右方には、遊技領域Yの右方を狙って発射操作を行う右打ち操作を促すための右打ち表示器26が設けられている。なお、右打ち表示器26は、例えば、LEDによって構成され、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)によって点灯制御される(図2参照)。
遊技盤2における遊技領域Yの中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
また、例えば、画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示を表示するための表示エリアが設けられている。なお、画像表示装置5の画面上には、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
また、画像表示装置5の右下方には、右打ち操作を促すための右打ち報知用LED37が設けられている。なお、右打ち報知用LED37は、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120によって点灯制御される(図2参照)。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、第1始動入賞口701A(図示略)を有する入賞球装置6Aが設けられている。第1始動入賞口701Aに入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第1始動口スイッチ22Aによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
画像表示装置5の右方には、通過ゲート41が設けられている。通過ゲート41を通過した遊技球は、ゲートスイッチ21によって検出される。
通過ゲート41の下方には、大入賞口703A(図8参照)を形成する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口703Aの下辺部を中心として回動可能に設けられた板状の大入賞口扉703B(図8参照)を回動させることにより、大入賞口703Aに遊技球が入賞可能な第1状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞困難(または不能)な第2状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。特別可変入賞球装置7は、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する大当り遊技状態において、大入賞口扉703Bにより大入賞口703Aが閉鎖される第2状態から大入賞口扉703Bを前方に向けて回動させて大入賞口703Aが開放される第1状態とする開放制御を実行する。
特別可変入賞球装置7の下方には、小当り用の特殊入賞口704A(図8参照)を有する特殊可変入賞球装置17と、第1始動入賞口701C(図8参照)を有する可変入賞球装置6Cと、第2始動入賞口702A(図8参照)を形成する入賞球装置6Bとが設けられており、図1に示すように、右側に特殊可変入賞球装置17が配置され、その左下には可変入賞球装置6Cと入賞球装置6Bとが左右に配置されている。これら特殊可変入賞球装置17および可変入賞球装置6Cは、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の始動入賞口扉701B(図8参照)や特殊入賞口扉704B(図8参照)を前後方向に進退移動させることにより、特殊入賞口扉704Bの下方に位置する特殊入賞口704Aや始動入賞口扉701Bの下方に位置する第1始動入賞口701Cに遊技球が入賞可能な第1状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞困難(または不能)な第2状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。
特殊可変入賞球装置17は、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに所定表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときに生起する小当り遊技状態において、特殊入賞口扉704Bを前方に向けて前進移動させた第2状態から特殊入賞口扉704Bを後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる特殊入賞口704Aを第1状態とする開放制御を実行する。
可変入賞球装置6Cは、普通図柄表示器20に当り図柄が導出表示されたときに、始動入賞口扉701Bを前方に向けて前進移動させた第2状態から始動入賞口扉701Bを後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる第1始動入賞口701Cを第1状態とする開放制御を実行する。
また、本実施の形態では、特別可変入賞球装置7の下方に特殊可変入賞球装置17が設けられているため、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉703Bにより大入賞口703Aが閉鎖状態となっていれば遊技球は大入賞口703Aに入賞することが多く、大入賞口703Aが閉鎖状態となっていなければ遊技球は大入賞口703Aに入賞することなく下方に流下して特殊可変入賞球装置17に到達する。
また、可変入賞球装置6Cと比較して特殊可変入賞球装置17の方が若干大きい。また、図1に示すように、特殊可変入賞球装置17の特殊入賞口扉704Bおよび可変入賞球装置6Cの始動入賞口扉701Bが右上から左下に向けてやや傾斜する態様で形成されているので、特殊可変入賞球装置17や可変入賞球装置6C上の遊技球は、特殊可変入賞球装置17や可変入賞球装置6Cが第2状態であれば特殊可変入賞球装置17や可変入賞球装置6C上を右上から左下に向けて移動して行く。
また、図1に示すように、特殊可変入賞球装置17と可変入賞球装置6Cとは左右方向に隣り合うように配置されているので、特殊可変入賞球装置17に入賞することなく可変入賞球装置6C上に落下した遊技球は、可変入賞球装置6Cの始動入賞口扉701Bが後退移動されて第1始動入賞口701Cが開放状態となっていれば遊技球は第1始動入賞口701Cに入賞し、入賞球装置6Bの方には遊技球は流れて行かない。一方、第1始動入賞口701Cが開放状態となっていなければ遊技球は可変入賞球装置6Cの始動入賞口扉701Bの上を移動して入賞球装置6Bの方に導かれ、第2始動入賞口702Aにほぼ入賞する。
また、本実施の形態では、特殊可変入賞球装置17および可変入賞球装置6Cには、特殊入賞口扉704Bや始動入賞口扉701B上を流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制部が形成されている。本実施の形態では、特殊可変入賞球装置17および可変入賞球装置6Cにおいて規制部が設けられていることによって、右上から左下方向に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制部がない場合よりも遅延させる。
なお、本実施の形態では、図1に示すように、特殊可変入賞球装置17が右側に配置され、可変入賞球装置6Cが左側に配置されているが、特殊可変入賞球装置17の特殊入賞口扉704Bおよび可変入賞球装置6Cの始動入賞口扉701Bが右上方から左下方に緩やかに傾斜するように形成され、特殊入賞口扉704Bが後退していない場合には、特殊可変入賞球装置17から可変入賞球装置6Cの方に向かって遊技球が流れるように構成されているので、この意味で、特殊可変入賞球装置17の方が上流側に設けられ、可変入賞球装置6Cの方が下流側に設けられているといえる。
また、可変入賞球装置6Cが右側に配置され、入賞球装置6Bが左側に配置されているが、可変入賞球装置6Cの始動入賞口扉701Bが右上方から左下方に緩やかに傾斜するように形成され、始動入賞口扉701Bが後退していない場合には、可変入賞球装置6Cから入賞球装置6Bの方に向かって遊技球が流れるように構成されているので、この意味で、可変入賞球装置6Cの方が上流側に設けられ、入賞球装置6Bの方が下流側に設けられているといえる。
大入賞口703A内には、大入賞口703A内に入賞した遊技球を検出可能な第1カウントスイッチ23が設けられている。第1カウントスイッチ23によって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。従って、特別可変入賞球装置7が開放制御されて大入賞口703Aが開放状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7が閉鎖制御されて大入賞口703Aが閉鎖状態となれば、大入賞口703Aに遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
特殊入賞口704A内には、特殊入賞口704A内に入賞した遊技球を検出可能な2つの第2カウントスイッチ24A,24Bが設けられている。第2カウントスイッチ24A,24Bのいずれかによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。ここで、特殊可変入賞球装置17が第1状態となって特殊入賞口704Aに遊技球が進入したときには、大入賞口703Aに遊技球が入賞したときと比較すると賞球の数が少ないものの、例えば、第1始動入賞口701A,701Cや第2始動入賞口702Aといった、他の入賞口を遊技球が進入(通過)したときよりも多くの賞球が払い出されるようになっている。従って、特殊可変入賞球装置17が開放制御されて第1状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特殊可変入賞球装置17が閉鎖制御されて第2状態となれば、特殊入賞口704Aに遊技球を進入させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
入賞球装置6Aの第1始動入賞口701A内には、第1始動入賞口701A内に入賞した遊技球を検出可能な第1始動口スイッチ22Aが設けられている。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
可変入賞球装置6Cの第1始動入賞口701C内には、第1始動入賞口701C内に入賞した遊技球を検出可能な第1始動口スイッチ22Cが設けられている。第1始動口スイッチ22Cによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Bの第2始動入賞口702A内には、第2始動入賞口702A内に入賞した遊技球を検出可能な第2始動口スイッチ22Bが設けられている。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
なお、このパチンコ遊技機1では、通過ゲート41、特別可変入賞球装置7(大入賞口703A)、可変入賞球装置6C(第1始動入賞口701C)、入賞球装置6B(第2始動入賞口702A)および特殊可変入賞球装置17(特殊入賞口704A)が遊技領域Yの右方に設けられているので、大当り遊技中や、後述する高ベース状態や小当りRUSH中である場合には、遊技者は遊技領域Yの右方を狙って発射操作(いわゆる右打ち)を行う。
遊技盤2の所定位置には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
なお、このパチンコ遊技機1では、通過ゲート41を遊技球が通過したことにもとづいて普通図柄の可変表示が実行されることから、通過ゲート41は普通始動領域としての役割を担っているのであるが、大当り図柄が導出表示された場合にも通過ゲート41を遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技状態に移行するので、通過ゲート41は作動領域としての役割も担っている。従って、通過ゲート41は、普通始動領域と作動領域との両方の役割を担う兼用ゲートとして構成されている。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘K(図8参照)が設けられている。遊技領域Yの最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられている。遊技機用枠3における画像表示装置5の上方位置にはメインランプ9Aが設けられており、該メインランプ9Aの左右には、遊技領域Yを包囲するように枠ランプ9Bが設けられている。
遊技盤2の所定位置(図1では画像表示装置5の上方位置)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。また、可動体32には、可動体ランプ9Dが設けられている。該可動体ランプ9Dと前述したメインランプ9A、枠ランプ9Bとは纏めて遊技効果ランプ9と呼称する場合がある。尚、これらメインランプ9A、枠ランプ9B、可動体ランプ9Dは、LEDを含んで構成されている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域Yに向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域Yの下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域Yの下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31が設けられている。プッシュボタン31に対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、プッシュボタン31が設けられるが、プッシュボタン31以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
このパチンコ遊技機1では、遊技状態が通常状態である場合には、遊技者は遊技領域Yの左方を狙って発射操作(いわゆる左打ち操作)を行うのが有利である。パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、左打ち操作を行い、入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
第1特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となる。また、大当り図柄とは異なる特別図柄(はずれ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「はずれ」となる。なお、第1特図ゲームであっても、極めて低い割合で小当り図柄が停止表示され、「小当り」となる場合があるように構成してもよい。
第1特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技球が通過ゲート41を通過したことを条件として、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口703Aが所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口703Aに進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口703Aを開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口703Aが開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口703Aに進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口703Aの開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(通常状態、確変状態(高確率状態)、高ベース状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、確変状態や高ベース状態に制御されることがある。
確変状態(確率変動状態)では、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
後述する高確率/低ベース状態(小当りRUSH)では、通常状態よりも小当りになりやすい制御が実行される。このパチンコ遊技機1では、小当り遊技状態でもある程度の賞球を得ることができるので、大当り遊技状態と比べると得られる賞球が少ないが遊技者にとって有利な状態である。
高ベース状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行され(時短状態)、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、可変入賞球装置6Cの第1始動入賞口701Cに遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。高ベース状態は、特別図柄(特に第1特別図柄)の変動効率が向上する状態である。
確変状態や高ベース状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、確変状態、高ベース状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
大当り遊技を終了し、遊技状態が確変状態や高ベース状態に制御されると、遊技者は遊技領域Yの右方を狙って発射操作(右打ち操作)を行うのが有利である。パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、右打ち操作を行い、遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図はずれ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図はずれ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Cを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第1始動入賞口701Cが開放状態になる)。
一方、入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口702Aに遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
第2特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(はずれ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「はずれ」となる。
第2特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技球が通過ゲート41を通過したことを条件として、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。第2特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
小当り遊技状態では、特殊可変入賞球装置17により形成される特殊入賞口704Aが所定の開放態様で開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口703A内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「はずれ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチはずれ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチはずれ」となる)ことがある。また、表示結果が「はずれ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチはずれ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチはずれ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22A,22Cおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ(第1カウントスイッチ23および第2カウントスイッチ24A,24B))からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82、ソレノイド83をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉703B用のソレノイド82、特殊入賞口扉704B用のソレノイド83に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口703Aの開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、プッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9および右打ち報知用LED37の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、LED信号(LEDの点灯/消灯態様を指定する信号)をLED制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
LED制御基板14は、遊技効果ランプ9や右打ち報知用LED37を駆動する各種回路を搭載しており、当該LED信号に基づき遊技効果ランプ9や右打ち報知用LED37を駆動し、当該LED信号が指定する態様で遊技効果ランプ9や右打ち報知用LED37を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、LEDの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、LEDの点灯/消灯の制御(音指定信号やLED信号の供給等)、可動体32の制御は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、LED信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(遊技状態の遷移)
ここで、本実施の形態における遊技状態の遷移について説明する。図3は、パチンコ遊技機1の遊技状態の遷移の仕方を説明するための説明図である。まず、本実施の形態では、低確率/低ベース状態(通常状態)では、遊技者は遊技領域Yの左方を狙って遊技球の発射操作(いわゆる左打ち)を行う。そのため、通常状態では、主として入賞球装置6Aの第1始動入賞口701A(図示略)への始動入賞が発生し、主として第1特別図柄の可変表示が実行される。また、このパチンコ遊技機1では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に並行して実行することが可能である。
本実施の形態における遊技状態には、低確率/低ベース状態(通常状態)と、低確率/高ベース状態と、高確率/高ベース状態と、高確率/低ベース状態と、があり、高確率/低ベース状態は、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態(小当りRUSH)である。
本実施の形態では、右打ち遊技を行うことで普図当りとなって可変入賞球装置6Cが第1状態となる確率は、高ベース状態の方が低ベース状態より高くなっている。また、第1特別図柄の変動時には小当りと決定される割合が低いのに対して、第2特別図柄の変動時には小当りと決定される割合が高くなるように構成されている。
よって、低確率/高ベース状態や高確率/高ベース状態において右打ち遊技を行うと、普図当りとなって可変入賞球装置6Cが第1状態となる確率が高まることで、特殊可変入賞球装置17から下流側に向けて流下してきた遊技球が第1始動入賞口701Cに高い割合で入賞して第1始動入賞の発生確率が高まる一方で、第1始動入賞口701Cに入賞せずに下流側に流下することがほぼないので、入賞球装置6Bに入賞して第2始動入賞が発生する確率、つまり小当りが発生する確率は極めて低い。
一方、高確率/低ベース状態において右打ち遊技を行うと、普図当りとなって可変入賞球装置6Cが第1状態となる確率が低くなることで、特殊可変入賞球装置17から下流側に流下してきた遊技球は第1始動入賞口701Cに入賞せずに下流側に流下するため、入賞球装置6Bに入賞して第2始動入賞が発生する確率、つまり小当りが発生する確率が極めて高くなるとともに、第2始動入賞に伴う第2特別図柄の可変表示時間が短くなる(例えば、1000msなど)。よって、高確率/低ベース状態は、主として第2特別図柄の可変表示を行わせることにより通常状態(低確率/低ベース状態)よりも短期間で小当りが頻発しやすい遊技状態(小当りRUSH)であるため、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
尚、低確率/低ベース状態において右打ち遊技を行うと、普図当りとなって可変入賞球装置6Cが第1状態となる確率が低くなることで、特殊可変入賞球装置17から下流側に流下してきた遊技球は第1始動入賞口701Cに入賞せずに下流側に流下するため、入賞球装置6Bに入賞して第2始動入賞が発生する確率が極めて高くなるが、第2始動入賞に伴う第2特別図柄の可変表示時間が長くなる(例えば、600000msなど)ことで、短期間で小当りが頻発することが抑制されているため、低確率/低ベース状態において右打ち遊技を行うと遊技者にとって不利となる。
図3に示すように、低確率/低ベース状態において10R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/高ベース状態に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態が維持される。また、低確率/低ベース状態において2R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/低ベース状態に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/低ベース状態が維持される。また、低確率/低ベース状態において10R通常大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に低確率/高ベース状態に移行し、次の大当りが発生するか100回の可変表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持される。
高確率/高ベース状態、低確率/高ベース状態、高確率/低ベース状態に移行した後は、本実施の形態では、遊技者は遊技領域Yの右方を狙って遊技球の発射操作(右打ち)を行う。そのため、高確率/高ベース状態または低確率/高ベース状態に移行した後は、主として第1始動入賞口701Cへの始動入賞が発生し、第1特別図柄の可変表示が実行される。また、高確率/低ベース状態に移行した後は、主として第2始動入賞口702Aへの始動入賞が発生し、第2特別図柄の可変表示が実行される。
図3に示すように、高確率/高ベース状態において10R確変大当りが発生した場合には、次の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態が維持される。また、高確率/高ベース状態において2R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/低ベース状態に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/低ベース状態が維持される。また、高確率/高ベース状態において10R通常大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に低確率/高ベース状態に移行し、次の大当りが発生するか100回の可変表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持される。
図3に示すように、低確率/高ベース状態において10R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/高ベース状態に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態が維持される。また、低確率/高ベース状態において2R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/低ベース状態に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/低ベース状態が維持される。また、低確率/高ベース状態において10R通常大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に低確率/高ベース状態に移行し、次の大当りが発生するか100回の可変表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持される。
図3に示すように、高確率/低ベース状態において10R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/高ベース状態に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態が維持される。また、高確率/低ベース状態において2R確変大当りが発生した場合には、次の大当りが発生するまで高確率/低ベース状態が維持される。また、高確率/低ベース状態において10R通常大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に低確率/高ベース状態に移行し、次の大当りが発生するか100回の可変表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持される。
尚、上記した低確率/低ベース状態、高確率/高ベース状態、高確率/低ベース状態では、主に第1特別図柄の可変表示が実行される場合について説明したが、低い割合で第2特別図柄の可変表示が実行される可能性もありうる。この場合においても、10R確変大当り、2R確変大当り、10R通常大当りに伴う移行先の遊技状態は上記と同様である。また、低確率/高ベース状態では、主に第2特別図柄の可変表示が実行される場合について説明したが、低い割合で第1特別図柄の可変表示が実行される可能性もありうる。この場合においても、10R確変大当り、2R確変大当り、10R通常大当りに伴う移行先の遊技状態は上記と同様である。
(入賞ユニット700)
次に、入賞ユニット700について、図4~図8に基づいて説明する。図4は、遊技盤を示す正面図である。図5は、(A)は入賞ユニットを左斜め前から見た状態、(B)は左斜め後ろから見た状態を示す斜視図である。図6は、(A)はベース部材を左斜め前から見た状態を示す斜視図、(B)は(A)の要部を示す拡大斜視図である。図7は、(A)はカバー部材を左斜め後ろから見た状態を示す斜視図、(B)は(A)の要部を示す拡大斜視図である。図8は、入賞ユニットの内部構造を示す縦断面図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図4に示すように、遊技盤2の盤面板200Aの前面には、ガイドレール2bにより囲まれる遊技領域Yが形成されている。また、盤面板200Aには画像表示装置5を前方から透視可能とするための開口2cが形成されている。遊技領域Yにおける開口2cを除く領域には、複数の障害釘K、各種入賞装置、構造物が設けられており、遊技球が流下可能な流下領域とされている。
遊技領域Yにおいては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て開口2c(画像表示装置5)よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て開口2c(画像表示装置5)よりも右側の領域に主に設けられている。
第1経路に遊技球を流下させるために開口2cの左側領域(左遊技領域Y)に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるために開口2cの右側領域(右遊技領域Y)に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。第1経路は、遊技領域Yの左側に遊技球を打込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、左打ち経路と呼ばれてもよい。また、第2経路は、遊技領域Yの右側に遊技球を打込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、右打ち経路と呼ばれてもよい。尚、第1経路と第2経路とは、別の経路により構成されてもよく、一部が共有化された経路であってもよい。左遊技領域Yと右遊技領域Yとは、例えば、遊技領域Y内における画像表示装置5の端面や障害釘の配列等により区分けされていればよい。
本実施の形態では、第1経路を流下した遊技球は、主にワープ通路やステージ、及び入賞球装置6Aを通過可能に誘導され、第2経路を流下した遊技球は、通過ゲート41を通過した後、特別可変入賞球装置7、特殊可変入賞球装置17、可変入賞球装置6C、入賞球装置6Bを通過可能に誘導されるようになっている。
図5~図8に示すように、入賞ユニット700は、正面視略逆L字形に形成され、右上に設けられる特別可変入賞球装置7と、特別可変入賞球装置7の下方に設けられる特殊可変入賞球装置17と、特殊可変入賞球装置17の左下方に設けられる可変入賞球装置6Cと、可変入賞球装置6Cの左側方に設けられる入賞球装置6Bと、が一体化されたユニットとして構成され、遊技盤2の盤面板200Aの右側下部に形成された孔部(図示略)に前方から挿入されるように複数のネジ(図示略)により盤面板200Aに取付けられる。
入賞ユニット700は、盤面板200Aにネジ(図示略)により取付けられる板状のベース部材721と、該ベース部材721の前面側に配置されるカバー部材731と、から構成される。これらベース部材721及びカバー部材731は、透光性を有する合成樹脂材からなる透過性部材とされている。
ベース部材721は、盤面板200Aの遊技盤面(前面)に沿って配置される板状の後壁部721Aと、後壁部721Aの背面に突設される複数の壁部721Bと、からなる。後壁部721Aには、各種入賞口に入賞した遊技球を背面側に誘導するための貫通孔725A~725Dと、特殊入賞口扉704Bを挿通可能とする貫通孔726Aと、始動入賞口扉701Bを挿通可能とする貫通孔726Bと、が形成されている。尚、貫通孔725Aは大入賞口703Aを形成し、貫通孔725Dは第2始動入賞口702Aを形成している。また、貫通孔725Bは特殊入賞口704Aを通過した遊技球を背面側に誘導し、貫通孔725Cは第1始動入賞口701Aを通過した遊技球を背面側に誘導する。
後壁部721Aの前面下部には、前面に複数の入賞ユニット用LED201が設けられたLED基板726が取付けられている。また、LED基板726の前面右側には、右打ち報知用LED37、第1特図用LED211、第2特図用LED212、第1保留用LED221、第2保留用LED222がユニット化された表示ユニット727が取付けられている。また、壁部721Bには各ソレノイド81~83が取付けられている。
カバー部材731は、盤面板200Aの遊技盤面(前面)に沿って配置される板状の前壁部731Aと、前壁部731Aの背面に突設され、遊技球通路の各種壁等を形成する板状の壁部731Bと、からなる。前壁部731Aは、後壁部721Aの前面における大入賞口703A及びその周辺を除く領域の前面側に配置されている。
そして、ベース部材721とカバー部材731とを組合せることで、カバー部材731の前壁部731Aとベース部材721の後壁部721Aとの間に、遊技盤面に沿う方向に遊技球を誘導可能な誘導路としての遊技球通路や、遊技球が入賞可能な各種入賞口が形成される。これら遊技球通路や各種入賞口は遊技領域Yに配置される。
図8に示すように、入賞ユニット700における後壁部721Aと前壁部731Aとの間には、入賞ユニット700の右側上方から落下してきた遊技球を左斜め下方に向けて誘導する第1通路710Aと、第1通路710Aの下流側(左側)に設けられ、第1通路710A(特殊可変入賞球装置17)を通過した遊技球や入賞ユニット700の左側上方から落下してきた遊技球を、左斜め下方に向けて誘導した後、下方の入賞球装置6Bの第2始動入賞口702Aへ誘導する第2通路710Bと、第1通路710Aの下流側(左側)に設けられ、第1通路710A(特殊可変入賞球装置17)を通過した遊技球や入賞ユニット700の左側上方から落下してきた遊技球を、下方に向けて誘導した後、左斜め下方に向けて誘導して流出口724から流出させる第3通路710Cと、を有する。第2通路710Bと第3通路710Cとは、第1通路710Aから分岐するように形成されている。
第1通路710Aは、カバー部材731の壁部731Bにより構成される底壁部と、カバー部材731の前壁部731A及びベース部材721の後壁部721Aにより構成される前後の立壁部と、により上方が開口する凹溝状に形成されている。底壁部における特殊入賞口扉704Bに対応する位置には、上方に開口する平面視横長長方形状の特殊入賞口704Aが形成されている。
特殊可変入賞球装置17は、特殊入賞口扉704Bが第1通路710Aから遊技盤2側に退避することで特殊入賞口704Aを遊技球が通過可能となる第1状態(通過可能状態)と、特殊入賞口扉704Bが第1通路710A側に突出することで特殊入賞口704Aを遊技球が通過困難となるとともに、特殊入賞口扉704Bの上面を遊技球が左側に向けて流下可能となる第2状態(通過困難状態)と、に変化可能である。
このように第1通路710Aは、特殊可変入賞球装置17が第2状態であるときに特殊入賞口扉704Bが底壁の一部を構成することにより、特別可変入賞球装置7の大入賞口703Aを通過せずに上方から落下してきた遊技球を、左側の可変入賞球装置6Cに向けて誘導可能である。
また、特殊入賞口704Aの下方には、カバー部材731の壁部731Bにより、特殊入賞口704Aを通過した遊技球を第2カウントスイッチ24A,24Bに誘導する入賞球誘導通路711Aが形成されている。第2カウントスイッチ24A,24Bは、第1通路710Aに沿うように左右に並設されていることで、左右方向に延びる特殊入賞口704Aの主に上流部を通過した遊技球が第2カウントスイッチ24Aにて検出され、特殊入賞口704Aの主に下流部を通過した遊技球が第2カウントスイッチ24Bにて検出されるため、特殊入賞口704Aを一斉に通過して入賞球誘導通路711Aにより誘導された複数の遊技球を、複数の第2カウントスイッチ24A,24Bにて短時間で検出することができる。よって、特殊可変入賞球装置17を第1状態から第2状態に変化させた後における第2カウントスイッチ24A,24Bによる入賞球の検出待ち時間を短くして、小当り遊技期間内で入賞球検出を完了させることが可能となるため、小当り遊技状態が終了して可変表示が開始されてから入賞が検出されることで不正入賞処理に移行してしまうことを抑制することができる。
また、第1通路710Aにおける前壁部731Aと後壁部721A各々の対向面には、通路部を遊技球が通過する際の遊技球の移動を遅延させるための遅延手段としての規制部が複数形成されている。尚、規制部については後述する。
第2通路710Bは、第1通路710Aの左下方位置に設けられ、カバー部材731の壁部731Bにより構成される底壁部と、カバー部材731の前壁部731A及びベース部材721の後壁部721Aにより構成される前後の立壁部と、により上方が開口する凹溝状に形成されている。底壁部における始動入賞口扉701Bに対応する位置には、上方に開口する平面視横長長方形状の第1始動入賞口701Aが形成されている。
可変入賞球装置6Cは、始動入賞口扉701Bが第2通路710Bから遊技盤2側に退避することで第1始動入賞口701Aを遊技球が通過可能となる第1状態(通過可能状態)と、第1始動入賞口701Aが第1通路710A側に突出することで第1始動入賞口701Aを遊技球が通過困難となるとともに、始動入賞口扉701Bの上面を遊技球が左側に向けて流下可能となる第2状態(通過困難状態)と、に変化可能である。また、第1始動入賞口701Aの下方には、カバー部材731の壁部731Bにより、第1始動入賞口701Aを通過した遊技球を第1始動口スイッチ22Cに誘導する入賞球誘導通路711Bが形成されている。
このように第2通路710Bは、可変入賞球装置6Cが第2状態であるときに始動入賞口扉701Bが底壁の一部を構成することにより、特殊可変入賞球装置17の特殊入賞口704Aを通過せずに流下してきた遊技球を、左側の入賞球装置6Bの第2始動入賞口702Aに誘導可能である。
(各遊技状態での遊技球の流れ)
次に、入賞ユニット700における各遊技状態での遊技球の流れについて、図9及び図10に基づいて説明する。図9は、(A)は低確/低ベース状態、(B)は大当り遊技状態における遊技球の流れを示す説明図である。図10は、(A)は低確率/高ベース状態及び高確率/高ベース状態、(B)は高確率/低ベース状態(小当りRUSH)における遊技球の流れを示す説明図である。
高ベース状態において右打ち遊技により第2経路を流下する遊技球は、通過ゲート41付近を通過した後、入賞ユニット700に進入する。図9(A)に示すように、第2経路を流下する遊技球は、障害釘Kにより入賞ユニット700の右側上方だけでなく左側上方からも流下可能であるが、高い割合で通過ゲート41付近から第1通路710Aの上流側に落下する。
低確率/低ベース状態(通常状態)において、特別可変入賞球装置7、特殊可変入賞球装置17、可変入賞球装置6Cがいずれも第2状態(進入困難状態)に制御されているときには、入賞ユニット700の右側上方から落下してくる遊技球は、第1通路710A(特殊入賞口扉704B上)に落下した後、第1通路710Aを左側に流下する。次いで、第1通路710Aから第2通路710Bに進入した遊技球は、左側に誘導された後、下方に落下して第2始動入賞口702Aを通過する。尚、一部の遊技球は後述する排出口739L,739Rから第2通路710B外へ排出される。また、第1通路710Aから第3通路710Cに進入した遊技球は、入賞球誘導通路711Bの下方に誘導された後、流出口724から流出する。
また、図9(B)に示すように、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7が第1状態(進入可能状態)に制御され、特殊可変入賞球装置17及び可変入賞球装置6Cが第2状態(進入困難状態)に制御されているときには、右側上方から落下してくる遊技球は、第1通路710A(特殊入賞口扉704B上)に落下する途中で大入賞口扉703Bにより誘導されて大入賞口703Aに進入する。尚、一部の遊技球は第1通路710A(特殊入賞口扉704B上)に落下する。
また、図10(A)に示すように、低確率/高ベース状態または高確率/高ベース状態において、可変入賞球装置6Cが第1状態(進入可能状態)に制御され、特別可変入賞球装置7及び特殊可変入賞球装置17がいずれも第2状態(進入困難状態)に制御されているときには、右側上方から落下してくる遊技球は、第1通路710A(特殊入賞口扉704B上)に落下した後、第1通路710Aを左側に流下する。次いで、第1通路710Aから第2通路710Bに進入した遊技球は、左側に誘導される途中で第1始動入賞口701Aに進入する。尚、第1通路710Aから第3通路710Cに進入した遊技球は、入賞球誘導通路711Bの下方に誘導された後、流出口724から流出する。
また、図10(B)に示すように、高確率/低ベース状態(小当りRUSH)において、特殊可変入賞球装置17が第1状態(進入可能状態)に制御され、特別可変入賞球装置7及び可変入賞球装置6Cがいずれも第2状態(進入困難状態)に制御されているときには、右側上方から落下してくる遊技球は、特殊入賞口704Aを通過して入賞球誘導通路711Aにより第2カウントスイッチ24A,24Bに誘導される。また、特殊入賞口704Aが閉鎖されているときに特殊入賞口扉704B上に落下し、特殊入賞口扉704B上を左側に流下している途中で特殊入賞口704Aが開放したときには、特殊入賞口704Aを通過して入賞球誘導通路711Aにより第2カウントスイッチ24A,24Bに誘導される。
(特殊可変入賞球装置17)
次に、特殊可変入賞球装置17について、図11及び図12に基づいて説明する。図11は、特殊可変入賞球装置の構造を示す分解斜視図である。図12は、(A)は特殊可変入賞球装置の第2状態を示す平面図、(B)は特殊可変入賞球装置の第1状態を示す平面図である。
図11及び図12に示すように、特殊可変入賞球装置17は、ベース部材721の背面にネジ(図示略)により取付けられる取付部材801と、取付部材801の背面に組付けられるソレノイド83と、取付部材801及びソレノイド83の上方に配置されるスライドベース802と、スライドベース802の上面側に配置される特殊入賞口扉704Bと、特殊入賞口扉704Bとソレノイド83とを連結する連結部材803と、から主に構成され、取付部材801は、特殊入賞口扉704Bがベース部材721の背面側から貫通孔726Aに臨むように取付けられる。
ソレノイド83は、本体部83Aと、本体部83Aに対し進退可能に設けられたプランジャ83Bと、プランジャ83Bを伸長方向に付勢可能な圧縮バネ83Cと、プランジャ83Bの先端に固設される連結部材83Dと、を有し、駆動軸としてのプランジャ83Bが左右方向を向くように取付部材801の背面に取付けられる。連結部材83Dの左端には、前方に開口する凹部形状の被連結部83Eが形成されている。
スライドベース802の上面には、特殊入賞口扉704Bに摺接可能な前後方向を向く凸条810A~810Eが突設されているとともに、前後方向を向くガイド孔820A~820Cが左側、中央、右側に形成されている。
また、スライドベース802の下面後部における凸条810Bの右側近傍位置には、上下方向を向く円柱状の回動軸823が突設されており、この回動軸823の下端には、スライドベース802とソレノイド83の連結部材83Dとの間に配置される連結部材803の軸受孔831に挿入されている。よって、連結部材803は、回動軸823を中心として回動可能とされている。
連結部材803の軸受孔831の前方には、上下方向を向く円柱状の連結軸832が垂下されており、連結軸832は連結部材83Dの被連結部83Eに挿入されている。また、軸受孔831の右側には、左右方向を向く長孔833が形成されている。
特殊入賞口扉704Bの下面後部における各ガイド孔820A~820Cに対応する位置には、円柱状のガイド軸821A~821Cが突設されているとともに、ガイド軸821の左側近傍には、前後方向を向く凸条822が突設されており、特殊入賞口扉704Bをスライドベース802の各凸条810A~810Eの上部に配置したときに、ガイド軸821A~821Cがガイド孔820A~820Cに各々挿入され、凸条822が凸条810C,810Dの間に挿入される。よって、特殊入賞口扉704Bは、各ガイド孔820A~820Cに挿入されたガイド軸821A~821Cと、左右一対の凸条810C,810Dの間に挿入された凸条822とにより、前後方向に移動可能に案内される。
また、中央のガイド孔820Bに上方から挿入されたガイド軸821Bの下端は、連結部材803の長孔833に上方から挿入される。これにより、特殊入賞口扉704Bとソレノイド83とが連結部材803を介して連結される。
このように構成された特殊可変入賞球装置17は、図12(A)に示す第2状態においては、ソレノイド83がオフ状態となり、圧縮バネ83Cの付勢力によりプランジャ83Bが本体部83Aに対し突出する突出状態となることで、連結部材803の長孔833が回動軸823よりも前方に位置する。よって、特殊入賞口扉704Bの中央のガイド軸821Bがスライドベース802のガイド孔820Bの前端寄りに位置することで、特殊入賞口扉704Bは、スライドベース802に対し前方に突出する。よって、特殊入賞口扉704Bは第1通路710A側に突出して特殊入賞口704Aを閉鎖する閉鎖位置に位置する。
一方、図12(B)に示す第1状態においては、ソレノイド83がオン状態となり、圧縮バネ83Cの付勢力に抗してプランジャ83Bが本体部83A側に収縮する収縮状態となることで、連結軸832が右側に移動して連結部材803が回動し、長孔833が回動軸823よりも後方に移動する。よって、特殊入賞口扉704Bの中央のガイド軸821Bがスライドベース802のガイド孔820Bの後端側に移動するため、特殊入賞口扉704Bはスライドベース802側に退避する。よって、特殊入賞口扉704Bは遊技盤2側に退避して特殊入賞口704Aを開放する開放位置に位置する。
このように特殊可変入賞球装置17は、特殊入賞口扉704Bを駆動する駆動源としてのソレノイド83が、駆動軸としてのプランジャ83Bが特殊入賞口扉704Bの移動方向である前後方向に対し直交する左右方向に向けて動作可能に設けられているため、ソレノイド83をプランジャ83Bが前後方向を向くように配置して入賞ユニット700の背面側に大きく突出させることなく、後壁部721Aの背面に沿うように配設することができるため、その背面側のスペースを演出装置などの設置スペースとして有効に利用することができる。
また、平面視横長長方形状の特殊入賞口扉704Bの左右方向の略中央位置に突設されたガイド軸821Bが、連結部材803を介してソレノイド83の連結部材83Dに連結(接続)されていることで、前後寸法よりも長い左右寸法を有する特殊入賞口扉704Bに対しソレノイド83の動力を安定して伝達することができ、また、特殊入賞口扉704Bの左側、中央、右側の3か所がガイド軸821A~821Cとガイド孔820A~820Cにより前後方向に案内されるため、特殊入賞口扉704Bの前後方向への移動をスムーズに案内することができる。
(可変入賞球装置6C)
次に、可変入賞球装置6Cについて、図13及び図14に基づいて説明する。図13は、可変入賞球装置の構造を示す分解斜視図である。図14は、(A)は可変入賞球装置の第2状態を示す平面図、(B)は可変入賞球装置の第1状態を示す平面図である。
図13及び図14に示すように、可変入賞球装置6Cは、ベース部材721の背面にネジ(図示略)により取付けられる取付部材901と、取付部材901の背面に組付けられるソレノイド81と、取付部材901及びソレノイド81の上方に配置されるスライドベース902と、スライドベース902の上面側に配置される始動入賞口扉701Bと、始動入賞口扉701Bとソレノイド81とを連結する連結部材903と、から主に構成され、取付部材901は、始動入賞口扉701Bがベース部材721の背面側から貫通孔726Bに臨むように取付けられる。
ソレノイド81は、本体部81Aと、本体部81Aに対し進退可能に設けられたプランジャ81Bと、プランジャ81Bを伸長方向に付勢可能な圧縮バネ81Cと、プランジャ81Bの先端に固設される連結部材81Dと、を有し、駆動軸としてのプランジャ81Bが左右方向を向くように取付部材901の背面に取付けられる。連結部材81Dの左端には、後方に開口する凹部形状の被連結部81Eが形成されている。
スライドベース902の上面には、始動入賞口扉701Bに摺接可能な前後方向を向く凸条910A~910Cが突設されているとともに、前後方向を向くガイド孔920が中央に形成されている。
また、スライドベース902の下面後部における凸条910Cの右側近傍位置には、上下方向を向く円柱状の回動軸923が突設されており、この回動軸923の下端には、スライドベース902とソレノイド81の連結部材81Dとの間に配置される連結部材903の軸受孔931に挿入されている。よって、連結部材903は、回動軸923を中心として回動可能とされている。
連結部材903の軸受孔931の後方には、上下方向を向く円柱状の連結軸932が垂下されており、連結軸932は連結部材81Dの被連結部81Eに挿入されている。また、軸受孔931の右側には、左右方向を向く長孔933が形成されている。
始動入賞口扉701Bの下面後部におけるガイド孔920に対応する位置には、円柱状のガイド軸921が突設されているとともに、ガイド軸921の前方左右側には、前後方向を向く凸条922A,922Bが突設されており、始動入賞口扉701Bをスライドベース902の各凸条910A~910Cの上部に配置したときに、ガイド軸921がガイド孔920に挿入され、凸条922Aが左右一対の凸条910A,910Bの間に挿入され、凸条922Bが凸条910Cの左側に配置される。よって、始動入賞口扉701Bは、ガイド孔920に挿入されたガイド軸921と、凸条910A~910Cにガイドされた凸条922A,922Bとにより、前後方向に移動可能に案内される。
また、中央のガイド孔920に上方から挿入されたガイド軸921の下端は、連結部材903の長孔933に上方から挿入される。これにより、始動入賞口扉701Bとソレノイド81とが連結部材903を介して連結されている。
このように構成された可変入賞球装置6Cは、図14(A)に示す第2状態においては、ソレノイド81がオフ状態となり、圧縮バネ81Cの付勢力によりプランジャ81Bが本体部81Aに対し突出する突出状態となることで、連結部材903の長孔933が回動軸923よりも前方に位置する。よって、始動入賞口扉701Bの中央のガイド軸921がスライドベース902のガイド孔920の前端寄りに位置することで、始動入賞口扉701Bは、スライドベース902に対し前方に突出する。よって、始動入賞口扉701Bは第2通路710B側に突出して第1始動入賞口701Aを閉鎖する閉鎖位置に位置する。
一方、図14(B)に示す第1状態においては、ソレノイド81がオン状態となり、圧縮バネ81Cの付勢力に抗してプランジャ81Bが本体部81A側に収縮する収縮状態となることで、連結軸932が右側に移動して連結部材903が回動し、長孔933が回動軸923よりも後方に移動する。よって、始動入賞口扉701Bの中央のガイド軸921がスライドベース902のガイド孔920の後端側に移動するため、始動入賞口扉701Bはスライドベース902側に退避する。よって、始動入賞口扉701Bは遊技盤2側に退避して第1始動入賞口701Aを開放する開放位置に位置する。
このように可変入賞球装置6Cは、始動入賞口扉701Bを駆動する駆動源としてのソレノイド81が、駆動軸としてのプランジャ81Bが始動入賞口扉701Bの移動方向である前後方向に対し直交する左右方向に向けて動作可能に設けられているため、ソレノイド81をプランジャ81Bが前後方向を向くように配置して入賞ユニット700の背面側に大きく突出させることなく、後壁部721Aの背面に沿うように配設することができるため、その背面側のスペースを演出装置などの設置スペースとして有効に利用することができる。
また、平面視横長長方形状の始動入賞口扉701Bの左右方向の略中央位置に突設されたガイド軸921が、連結部材903を介してソレノイド81の連結部材81Dに連結(接続)されていることで、前後寸法よりも長い左右寸法を有する始動入賞口扉701Bに対しソレノイド81の動力を安定して伝達することができ、また、始動入賞口扉701Bがガイド軸921とガイド孔920により前後方向に案内されるため、始動入賞口扉701Bの前後方向への移動をスムーズに案内することができる。
(第1通路710A)
次に、第1通路710Aについて、図6及び図7と、図15~図19に基づいて説明する。図15は、(A)は入賞ユニットにおける第1通路及びその周辺を示す縦断面図、(B)は(A)のA-A断面図である。図16は、(A)は図15(A)のB-B断面図、(B)は(A)の要部拡大端面図である。図17は、(A)は第1通路における遊技球の流下態様を示す正面図、(B)は平面図である。図18は、(A)は特殊入賞口扉に遊技球が落下する際の説明図、(B)は特殊入賞口扉から遊技球が落下する際の説明図、(C)は特殊入賞口の上方から遊技球が直接進入する際の説明図である。図19は、(A)は特殊入賞口扉から遊技球が落下する際の説明図、(B)(C)は特殊入賞口扉から遊技球が落下する際の説明図である。
図6、図15及び図16に示すように、後壁部721Aの前面において第1通路710Aに対応する特殊入賞口扉704Bの上方位置には、通路側(前側)に向けて突出する上側規制部740Bが左右方向に向けて延設されている。また、図7及び図15に示すように、前壁部731Aの前面において第1通路710Aに対応する特殊入賞口扉704Bの上方位置には、通路側(後側)に向けて突出する上側規制部740Fが左右方向に向けて延設されている。
詳しくは、後側の上側規制部740Bは、側面視略三角形状をなし、特殊入賞口扉704Bよりやや上流側の位置から特殊入賞口扉704Bの下流側の端部にかけて下方に傾斜するように延設されており、特殊入賞口扉704Bの上面から上側規制部740Bまでの離間寸法L1は、遊技球(以下、遊技球Pとも言う)の直径2Rよりも長寸とされている(L1>2R)。また、前側の上側規制部740Fは、側面視略三角形状をなし、特殊入賞口扉704Bよりやや上流側の位置から特殊入賞口扉704Bの下流側の端部よりやや手前の位置にかけて下方に傾斜するように延設されている。
また、特殊入賞口扉704Bの上面から上側規制部740Fまでの離間寸法L2は、遊技球の直径2Rよりも長寸で、かつ、離間寸法L1よりも長寸とされている(L2>L1>2R)。つまり、これら前後の上側規制部740F,740Bは、第1通路710Aの上方における特殊入賞口扉704Bの上面を流下する遊技球に接触しない位置に、特殊入賞口扉704Bに対し平行に配置され、上側規制部740Bよりも上側規制部740Fの方が上方位置になるように、上下方向に間隔をおいて配置されている。
一方、後壁部721Aの前面において入賞球誘導通路711Aに対応する特殊入賞口扉704Bの下方位置には、通路側(前側)に向けて突出する下側規制部741Bが左右方向に向けて延設されている。詳しくは、下側規制部741Bは、特殊入賞口扉704Bよりやや下流側の位置から特殊入賞口扉704Bの下流側の端部より手前の位置にかけて下方に傾斜するように延設されている。尚、特殊入賞口扉704Bの上面から下側規制部741Bまでの離間寸法L3は、遊技球の直径2Rよりも短寸とされている(L3<2R)。
また、入賞球誘導通路711Aを形成する壁部731Bは、第2カウントスイッチ24A,24Bより上流側の底壁部732Aと下流側の底壁部732B及び第2カウントスイッチ24A,24Bの間の底壁部732Cとを有し、特殊入賞口扉704B(特殊入賞口704A)から上流側の底壁部732Aまでの離間寸法は、下流側の底壁部732Bまでの離間寸法よりも短い。つまり、特殊入賞口704Aに進入した遊技球が底壁部732Aに落下したときに特殊入賞口704Aまで跳ね返り、特殊入賞口扉704Bの閉鎖動作や後続球の特殊入賞口704Aへの進入を阻害したり、特殊入賞口704Aに進入した遊技球が特殊入賞口704A外へ戻ってしまうといった可能性が高い。また、特殊入賞口704Aに勢いよく進入した遊技球が第2カウントスイッチ24A,24Bに直接落下すると第2カウントスイッチ24A,24Bが破損する虞がある。よって、下側規制部741Bは、少なくとも上流側の底壁部732Aと第2カウントスイッチ24A,24Bの上方に対応する位置に、特殊入賞口扉704Bに対し平行に配置されている。
また、図16(B)に示すように、上側規制部740Fの前壁部731Aの背面からの突出寸法L14と上側規制部740Bの後壁部721Aの前面からの突出寸法L15とはほぼ同寸である(L14=L15)。また、上側規制部740Fと上側規制部740Bとの前後水平方向の離間寸法L7は、遊技球Pの直径2Rよりも短寸とされているが(L7<2R)、上側規制部740Fと上側規制部740Bとは上下方向の異なる位置に配置されていることで、遊技球は下方に向けて通過可能であるが、通過する際にはほぼ上側規制部740Fと上側規制部740Bとに接触するようになっている。
このように、特殊入賞口704Aの上方における特別可変入賞球装置7と特殊可変入賞球装置17との間に、前後の上側規制部740F,740Bが上下に配置されており、上方から第1通路710Aに向けて落下する遊技球が前後の上側規制部740F,740Bに交互に接触することで、遊技球が前後方向成分の動きをもって蛇行する(所謂ジグザグ動作する)ように遊技球を流下させて、遊技球の流下速度を低減させるようになっている。これにより、遊技球が特殊入賞口扉704Bの上面に勢いよく落下して特殊入賞口扉704Bが破損することが防止されている。
さらに、特殊入賞口704Aの下方には、下側規制部741Bが配置されていることで、特殊入賞口704Aを通過して後壁部721Aに沿って落下する遊技球が接触することで、遊技球が前方に誘導されるように遊技球を流下させて、遊技球の流下速度を低減させるようになっている。これにより、特殊入賞口704Aに進入した遊技球が底壁部732A~732Cに落下したときに特殊入賞口704Aまで跳ね返り、特殊入賞口扉704Bの閉鎖動作や後続球の特殊入賞口704Aへの進入を阻害したり、特殊入賞口704Aに進入した遊技球が特殊入賞口704A外へ戻ってしまうことや、遊技球が入賞球誘導通路711Aの壁部や第2カウントスイッチ24A,24Bに勢いよく落下して入賞球誘導通路711Aの壁部や第2カウントスイッチ24A,24Bが破損することが抑制されている。
図6、図15及び図16に示すように、後壁部721Aの前面における上側規制部740Bと特殊入賞口扉704Bとの間には、複数の規制部751~756が第1通路710Aにおける遊技球の流下方向に向けて所定間隔おきに形成されている。また、前壁部731Aの背面における上側規制部740Fと特殊入賞口扉704Bとの間には、複数の規制部761~765が第1通路710Aにおける遊技球の流下方向に向けて所定間隔おきに形成されている。尚、各規制部761~765は、後側の各規制部751~756の間に配置されている。つまり、第1通路710Aの後壁部721Aの前面と前壁部731Aの背面には、遊技球が前後の規制部751~756と規制部761~765とに交互に接触しながら第1通路710Aを通過可能に配置されている。
図6(B)及び図16(B)に示すように、規制部751~756は、各々後壁部721Aの前面から通路側(前側)に向けて突出しており、上側規制部740Bから下方の特殊入賞口扉704Bにかけてリブ状に延設されている。詳しくは、上側規制部740Bの後壁部721Aの前面からの突出寸法L15及び下側規制部741Bの後壁部721Aの前面からの突出寸法L16よりも長寸の突出寸法L5を有する突出部TAと(L5>L15、L5>L16)、突出部TAと上側規制部740Bとの間形成され突出寸法L15よりも短寸の突出寸法L5Bを有する突出部TBとから構成され(L5B<L15)、突出部TAは第1通路710Aに落下してくる遊技球や第1通路710Aを流下する遊技球に接触可能とされている。
このように、第1通路710Aを流下する遊技球に接触可能な位置に設けられる上下方向を向く複数の規制部751~756は、第1通路710Aを流下する遊技球に接触不能な位置に設けられる左右方向を向く上側規制部740Bと突出部TAを介して一体化されていることで、上側規制部740Bや規制部751~756の強度が高まるため、遊技球との接触による破損等を好適に抑制できるとともに、上側規制部740Bを特殊入賞口扉704Bに対応して左右方向に向けて長寸としても強度が低下しにくくなる。また、互いに一体化されたリブ状の上側規制部740B及び規制部751~756により、第1通路710Aの側壁を構成する後壁部721Aが補強されるので、特殊入賞口扉704B上に落下して跳ねた遊技球が接触することによる破損等を好適に抑制できる。
図7(B)及び図16(B)に示すように、規制部761~765は、各々前壁部731Aの背面から通路側(後側)に向けて突出している。詳しくは、上側規制部740Fの前壁部731Aの背面からの突出寸法L14よりも長寸の突出寸法L4を有しており(L4>L14)、第1通路710Aに落下してくる遊技球や第1通路710Aを流下する遊技球の上部に接触可能とされている。
また、規制部761~765の上下寸法は、規制部751~756の突出部TAの上下寸法よりも短寸とされ、前壁部731Aの背面における各規制部761~765から特殊入賞口扉704Bまでの間には規制部がない領域が設けられている。このようにすることで、特殊可変入賞球装置17が第2状態に変化する際に、通路側に突出してきた特殊入賞口扉704Bと規制部751~756との間に遊技球が挟まれて閉鎖が阻害されたり、第1通路710Aにおいて遊技球が前後の規制部751~756,761~765との接触抵抗が大きくなりすぎて球詰まり等が生じることを抑制できる。
これら前後の規制部751~756と規制部761~765は、前後方向の対向位置から遊技球の流下方向にずれて配置されている。つまり、遊技球が前後の規制部751~756と規制部761~765とに交互に接触しながら第1通路710Aを通過可能に配置されている。よって、図17(A)(B)に示すように、第1通路710Aを左方に向けて流下する遊技球は、規制部751,761,752,762,753,763,754,764,755,765,756の順に前後に交互に接触することで、前後方向成分の動きをもって蛇行する(所謂ジグザグ動作する)ように流下するので、遊技球が左側に向けて直線的に流下する場合に比べて、遊技球の流下速度(移動速度)が低減されるようになっている。
つまり、これら前後の規制部751~756と規制部761~765は、遊技球が第1通路710Aを流下するのに要する時間、つまり、特殊入賞口704Aの上面を遊技球が通過する際の遊技球の移動を遅延させるための特定遅延手段を構成している。また、右打ち遊技を行っている場合、特殊入賞口扉704B上には最大で3~4個の遊技球が流下可能とされているため、特殊入賞口704Aが開放したときにこれら複数個の遊技球が一斉に進入可能となっている。尚、第1通路710Aにおいて規制部751~756と規制部761~765に交互に接触しながら流下する遊技球は、上側規制部740F,740Bに接触することはないので、必要以上に流下に時間を要したり球詰まりが生じたりすることが抑制される。
また、図18(A)に示すように、第1通路710Aの上方から前壁部731A寄りを遊技球が落下してきた場合、まず上側規制部740Fに接触することで後下方に向けて誘導され、次いで、上側規制部740Bに接触することで前下方に向けて誘導され、前壁部731Fに接触した後、第1通路710A上に落下する。このように、第1通路710Aに向けて落下する遊技球は、上側規制部740F,740Bの順に前後に交互に接触することで、前後方向成分の動きをもって蛇行する(所謂ジグザグ動作する)ように流下するので、遊技球が下方に向けて直線的に落下する場合に比べて、遊技球の落下速度(移動速度)が低減されるようになっているため、特殊可変入賞球装置17が第2状態であり特殊入賞口扉704B上に遊技球が落下した衝撃により、特殊入賞口扉704Bが破損すること等が抑制される。
また、図18(B)に示すように、特殊可変入賞球装置17が第2状態から第1状態に変化することで、特殊入賞口扉704B上にある後壁部721A寄りの遊技球が落下してきた場合、下側規制部741Bに接触することで前下方に向けて誘導され、前壁部731Fに接触した後に、第2カウントスイッチ24A,24Bを通過することがある。このように、特殊入賞口704Aから落下する遊技球は、下側規制部741Bに接触することで、前方向成分の動きをもって斜めに流下するので、遊技球が下方に向けて直線的に落下する場合に比べて、遊技球の落下速度(移動速度)が低減されるようになっているため、第2カウントスイッチ24A,24Bを遊技球が通過する際に接触した衝撃により、第2カウントスイッチ24A,24Bが破損すること等が抑制される。
また、図18(C)に示すように、特殊可変入賞球装置17が第1状態であるときに、上方から第1通路710Aに向けて遊技球が落下してきた場合、まず上側規制部740Fに接触することで後下方に向けて誘導され、次いで、上側規制部740Bに接触することで前下方に向けて誘導され、前壁部731Fに接触した後、上側規制部740Bに接触することで前下方に向けて誘導され、前壁部731Fに接触した後に、第2カウントスイッチ24A,24Bを通過することがある。このように、第1通路710Aの上方から落下して特殊入賞口704Aに進入する遊技球は、上側規制部740F,740B、下側規制部741Bの順に前後に交互に接触することで、前後方向成分の動きをもって蛇行する(所謂ジグザグ動作する)ように流下するので、遊技球が下方に向けて直線的に落下する場合に比べて、遊技球の落下速度(移動速度)が低減されるようになっているため、特殊可変入賞球装置17が第1状態であり第2カウントスイッチ24A,24Bを遊技球が通過する際に接触した衝撃により、第2カウントスイッチ24A,24Bが破損すること等が抑制される。
また、図19に示すように、特殊可変入賞球装置17が第2状態から第1状態に変化することで、特殊入賞口扉704B上にある複数の遊技球が落下した場合、上側規制部740Bに接触することで前下方に向けて誘導され、前壁部731Fに接触した後に、底壁部732A~732C上に落下することがある。このように、特殊入賞口704Aから落下する遊技球は、下側規制部741Bに接触することで前方向成分の動きをもって斜めに流下するので、遊技球が下方に向けて直線的に落下する場合に比べて、遊技球の落下速度(移動速度)が低減されるようになっているため、底壁部732A~732C上に落下した勢いで上方に跳ねた遊技球が特殊入賞口704A外へ流出し、後続の遊技球に接触して入賞を阻害したり、特殊入賞口704A外へ流出したときに特殊入賞口扉704Bが閉鎖して入賞とならなかったりすることが抑制される。また、底壁部732A~732C上に遊技球が落下したときの衝撃により底壁部732A~732Cが破損すること等が抑制される。
図8に示すように、特殊可変入賞球装置17の上方には特別可変入賞球装置7が設けられていることで、入賞ユニット700の右上方にある障害釘Kから特殊入賞口704Aまでの離間寸法L21は、入賞ユニット700の左上方にある障害釘Kから第1始動入賞口701Cまでの離間寸法L22よりも長寸とされている(L21>L22)。つまり、特殊可変入賞球装置17の上方には障害釘Kなどの障害物を有しない領域が設けられていることで、特別可変入賞球装置7が第2状態である場合、特別可変入賞球装置7の上方の障害釘Kを通過した遊技球は障害釘Kに接触することなくダイレクトに第1通路710A上に落下してくるため、特殊入賞口扉704B上に落下したときの衝撃が大きくなる。一方、特別可変入賞球装置7が第1状態である場合は、特別可変入賞球装置7の上方の障害釘Kを通過して障害釘Kに接触することなくダイレクトに特殊入賞口704Aに進入した遊技球は、第2カウントスイッチ24A,24Bや底壁部732A~732Cに落下したときに、上方に大きく跳ね返って特殊入賞口704A外へ戻されたり、第2カウントスイッチ24A,24Bや底壁部732A~732Cに落下したときの衝撃が大きくなる。
よって、特殊入賞口704Aの上方の上側規制部740F,740Bと特殊入賞口704Aの下方の下側規制部741Bとを遊技球に接触可能に設けることで、特殊入賞口704Aを通過可能に落下してくる遊技球の流下速度を好適に低下させることができるため、特殊入賞口扉704B、第2カウントスイッチ24A,24B、底壁部732A~732Cの破損や、跳ね返りによる後続球の入賞の阻害を好適に抑制することができる。
また、特殊入賞口704Aから第2カウントスイッチ24A,24Bまでの離間寸法を短くできるので、入賞球の検出を短時間で行うことができるとともに、特殊入賞口704Aから底壁部732A~732Cまでの離間寸法を短くすることができるため、入賞ユニット700の上下寸法を極力短くした分、画像表示装置5を大型化したり、LED基板726などの配置スペースを確保することができる。
(第2通路710B)
次に、第2通路710Bについて、図20~図22に基づいて説明する。図20は、(A)は入賞ユニットにおける第2通路及びその周辺を示す縦断面図、(B)は(A)のD-D断面図、(C)は(A)のE-E断面図、(D)は(A)のF-F断面図である。図21は、(A)は第2通路における遊技球の流下態様を示す正面図、(B)は平面図、(C)は側面図、(D)は図20(A)のG-G断面図である。図22は、(A)、(B)は第2通路における遊技球の整流態様を示す説明図である。
図20に示すように、カバー部材731の壁部731Bにより構成される第2通路710Bの底壁部は、可変入賞球装置6Cの始動入賞口扉701Bの上流側に配置される底壁部733Aと、始動入賞口扉701Bの下流側に配置される底壁部733Bと、底壁部733Bの左側下方位置に配置される底壁部733Cと、を有し、可変入賞球装置6Cが第2状態であるときには始動入賞口扉701Bが底壁部733Aと底壁部733Bとの間の底壁部を構成する。これらのうち底壁部733A,733B及び始動入賞口扉701Bは左側に向けて下方に傾斜していることで遊技球を左側に向けて誘導可能とされ、底壁部733Cは後側に向けて下方に傾斜していることで遊技球を後側に向けて誘導可能とされている。
後壁部721Aの前面において入賞球誘導通路711Bに対応する第1始動入賞口701Cの下方位置には、通路側(前側)に向けて突出する下側規制部741Bが左右方向に向けて延設されている。詳しくは、下側規制部741Bは、始動入賞口扉701Bの下方位置において該始動入賞口扉701Bに対し略平行をなすように左側に向けて下方に傾斜するように延設されている。
第1始動入賞口701Cに進入して後壁部721Aに沿って落下する遊技球が下側規制部741Bに接触することで(図21(D)参照)、遊技球の流下速度を低減させるようになっている。これにより、第1始動入賞口701Cに進入した遊技球が底壁部733Dに落下したときに上方に跳ね返り、始動入賞口扉701Bの閉鎖動作や後続球の第1始動入賞口701Cへの進入を阻害したり、第1始動入賞口701Cに進入した遊技球が第1始動入賞口701C外へ戻ってしまったりすることや、遊技球が底壁部733Dに勢いよく落下して底壁部733Dが破損することが抑制される。
始動入賞口扉701Bは、特殊入賞口扉704Bよりも左右寸法が短寸とされており、主に遊技球を1個ずつ第1始動入賞口701Cに進入可能としている。また、入賞球誘導通路711Bに進入した遊技球は、底壁部733Dにより左側に誘導された後に貫通孔725Cに進入して第1始動口スイッチ22Cを通過する。
底壁部733Bの上方には、上壁部734Aが底壁部733Bに対し略平行をなすように配置されている。尚、底壁部733Bと上壁部734Aとの上下方向の離間寸法L10は、遊技球の直径2Rより長寸で、かつ、直径2Rの2倍の長さよりも短寸とされている(2R<L10<2R×2)。また、上壁部734Aの左側には、左斜め下方に傾斜する傾斜壁部734Bが形成されるとともに、傾斜壁部734Bから下方に垂下される立壁部734Cが形成されており、底壁部733Bと立壁部734Cとの間には、遊技球が落下可能な落下孔735が形成されている。
後壁部721Aの前面における落下孔735に対応する位置には、前方に向けて突出する突出部736が形成されている。突出部736は板状をなし、前端縁は遊技球の周面に沿う円弧状に形成されている。また、前壁部731Aの背面には、横断面視において遊技球の周面に沿う円弧状をなす凹溝部737が、落下孔735の上方位置から下方の底壁部733Cにかけて延設されているため、落下孔735に落下した遊技球は、これら突出部736と凹溝部737との間を通過するようになっている。
また、底壁部733Cの左側縁と立壁部734Cとの間には、遊技球が通過可能な排出口739Lが形成され、底壁部733Cの右側縁と底壁部733Bとの間には、遊技球が通過可能な排出口739Rが形成されており、落下孔735に落下した遊技球が側方の排出口739L,739Rから排出可能とされている。排出された遊技球はそのまま入賞ユニット700外に流出される。
底壁部733Cの上面には、板状の2本の誘導レール738A,738Bが、凹溝部737の背面下部から貫通孔725D(第2始動入賞口702A)にかけて延設されている。誘導レール738A,738Bの上端は、下方に向けて傾斜する湾曲状に形成されていることで、落下孔735に落下した遊技球を、排出口739L,739Rから排出させるよりも高い割合(例えば、約99%以上)で後側の第2始動入賞口702Aに向けて誘導可能とされている。
図21に示すように、第1通路710Aから第2通路710Bに進入し、可変入賞球装置6Cが第2状態であるときに始動入賞口扉701Bの上面を左側に向けて通過した遊技球は、底壁部733Bと上壁部734Aと前壁部731Aと後壁部721Aとにより形成される流入口に1個ずつ進入し、底壁部733B上を左側に向けて流下する。底壁部733Bの下端を通過した遊技球は、傾斜壁部734Bや立壁部734Cに接触して下方に誘導されて落下孔735に落下する。このとき、遊技球が後壁部721A寄りにある場合でも、突出部736により前方に誘導されることで、突出部736と凹溝部737との間から落下する。
よって、突出部736と凹溝部737との間を通過した遊技球は、前壁部731Aに形成された凹溝部737により下方に向けて案内された後、凹溝部737の下部において後方に向けて延設される左右一対の誘導レール738A,738Bに確実に進入するとともに、遊技球の下部2点が誘導レール738A,738Bに接触した状態で誘導されるため、左右の排出口739L,739Rから第2通路710B外に落下するよりも高い割合で、安定して第2始動入賞口702Aに誘導される。
また、図22(A)に示すように、第2通路710Bにおいて、遊技球を左方に向けて誘導可能な第1誘導路を通過した遊技球P1が、落下孔735に落下して遊技球を下方に向けて誘導可能な第2誘導路に進入する際に、突出部736により前方に誘導されてから下方に落下するようになっていることで、例えば、図22(B)に示すように、遊技球P1が落下孔735に落下する前に後続球P2が接触して後続球P2またはさらに後続の遊技球の球圧が遊技球P1に加わった場合でも、遊技球P1は後続球P2に対し前下方にずれた位置にあることで後続球P2からの球圧が低減される。よって、後続球P2からの球圧により遊技球P1が傾斜壁部734Bや立壁部734Cと後続球P2との間に挟まって球噛みが発生し、第2通路710Bにおいて滞留や球詰まりが生じることが好適に抑制される。
このように第2通路710Bは、第2通路形成部としての前壁部731A、後壁部721A、底壁部733A~733C、上壁部734A、傾斜壁部734B、立壁部734Cにより形成されている。第2通路形成部は、障害釘Kのように遊技球の通過率を調整可能な部材ではなく、合成樹脂材からなるベース部材721とカバー部材731とを組付けることにより一体的に形成された通路であるため、特殊可変入賞球装置17から第2始動入賞口702Aへの遊技球の通過率が基本的に調整不能に構成されている。
また、第2通路710Bにおける特に上壁部734Aの右端よりも下流側は、前壁部731A、後壁部721A、底壁部733B,733C、上壁部734A、傾斜壁部734B、立壁部734Cにより、前後、左右、上下が壁部により囲まれた筒状の通路とされ、遊技球を1個ずつ第2始動入賞口702Aに向けて誘導可能である。
さらに、第2通路710Bは、遊技球を第1方向(左方)に向けて誘導する第1誘導路と、該第1誘導路により誘導された遊技球を第1方向に対し直交する第2方向(下方)に向けて誘導する第2誘導路と、を含み、遊技球が第1誘導路から第2誘導路に移動するときに、第1方向に向けて誘導された遊技球を第1方向及び第2方向とは異なる第3方向(前方)に移動させてから第2方向(下方)に移動させるための突出部736及び凹溝部737からなる整流手段を有している。
このようにすることで、第1方向(左方)に向けて誘導された遊技球が落下孔735から第2方向(下方)に落下するときに後続球P2が接触して球圧がかかっても、突出部736及び凹溝部737により第3方向(前方)にずらされることで後続球P2の球圧が低減するため、滞留や球詰まりを好適に抑えることができる。
よって、突出部736及び凹溝部737からなる整流手段により第2通路710Bでの滞留や球詰まりの発生を抑えつつ、第2始動入賞口702Aの通過割合が調整不能なことで、第1通路710Aを通過した遊技球を第2通路710Bにより安定して、かつ、スムーズに第2始動入賞口702Aに誘導することができるため、遊技者に与えるストレスを軽減でき、興趣の低下を抑えることができる。
(光拡散部)
次に、図23及び図24に示すように、入賞ユニット700の後壁部721Aの背面における第1通路710A及び第2通路710Bに対応する部分(図23及び図24において網点で示す領域参照)には、凹凸状に形成され光拡散部790が形成されている。
LED基板726は、前壁部731Aと後壁部721Aとの間における第1通路710A及び第2通路710Bの下方位置に、前壁部731Aや後壁部721Aに対し略平行に配置されており、その前面には複数の入賞ユニット用LED201が設けられている。複数の入賞ユニット用LED201は、7色の光を発光可能で、LED基板726の前面に沿うように光を照射可能なアングルLEDとされており、カバー部材731の壁部731Bの一部にて構成される入賞球誘導通路711A,711Bを形成する入賞球誘導通路形成部を下方から照射可能に設けられている。また、壁部731Bの一部である入賞球誘導通路形成部にも凹凸状の光拡散部791が形成されている。
よって、入賞ユニット用LED201が発光すると、入賞ユニット用LED201からの光が壁部731Bである入賞球誘導通路形成部に入射して光拡散部791により拡散されることで、入賞球誘導通路711A,711Bの壁部が発光するとともに、さらに壁部731Bから後壁部721Aに入射した光が光拡散部790にて前方に反射し拡散されて前方に出射されるようになっているため、第1通路710A及び第2通路710Bや特殊入賞口704A及び第1始動入賞口701Aを発光させることができるようになっている。
また、入賞ユニット用LED201を後壁部721Aの背面側に配置して後方から前方に向けて光を照射可能とした場合、後述する配線部材C1~C7等が邪魔になることがあるのに対し、遊技盤2の前面側に形成される遊技領域Yに第1通路710A及び第2通路710Bを設けるために前壁部731Aと後壁部721Aとの間に形成された通路下方の空間を利用して、入賞ユニット用LED201を設けることができるため、スペース効率を高めつつ、好適に発光演出を実現することができる。
図24に示すように、後壁部721Aの背面側には、LED基板726と演出制御基板12とを電気的に接続するための配線部材C1が、下方から上方に向けて配線されている。また、ソレノイド81と演出制御基板12とを電気的に接続するための配線部材C2、ソレノイド82と演出制御基板12とを電気的に接続するための配線部材C3、ソレノイド83と演出制御基板12とを電気的に接続するための配線部材C4、第2始動口スイッチ22Bと演出制御基板12とを電気的に接続するための配線部材C5、第1カウントスイッチ23と演出制御基板12とを電気的に接続するための配線部材C6、第2カウントスイッチ24A,24Bと演出制御基板12とを電気的に接続するための配線部材C7とが、光拡散部790とLED基板726の背面側にて配線部材C1に集結され、各配線部材C1~C7は複数個所で結束部材Bにて収束されていることで、複数の入賞口を配置したユニットを実現でき、配線スペースを集約できる。
このように、透過性部材からなる後壁部721Aの背面側に配線部材C1~C7を配線する場合でも、配線部材C1~C7を凹凸形状の光拡散部790の背面側に沿うように配線されることで、光拡散部790によって前方からの視認性が損なわれることで、遊技者側から後壁部721Aを通して配線部材C1を視認することが困難となるので、意匠性の低下を抑えることができる。
また、図23(A)に示すように、入賞ユニット700には、第1通路710A及び第2通路710Bを発光させるための複数の入賞ユニット用LED201を有するLED基板726が取付けられているため、入賞ユニット700を遊技盤2に取付けるだけで、これら演出用の入賞ユニット用LED201も一緒に遊技盤2に設けることができる。また、入賞ユニット700には、表示部を有する表示ユニット727が取付けられていることで、入賞ユニット700を遊技盤2に取付けるだけで、通路とは異なる各種情報を表示可能な表示ユニット727も一緒に遊技盤2に設けることができる。
(作用・効果)
以上説明したように、本実施の形態1におけるパチンコ遊技機1にあっては、
変位可能な特殊入賞口扉704Bを有し、該蓋部材が変位することにより遊技媒体が内部領域(例えば、特殊入賞口704A)を通過可能な通過可能状態(例えば、第1状態)と通過困難な通過困難状態(例えば、第2状態)とに変化可能な可変手段(例えば、特殊可変入賞球装置17)を備え、
前記蓋部材に向けて上方から遊技媒体が移動可能であり、
前記蓋部材よりも上方に、前記内部領域へ向けて移動する遊技媒体と接触可能に突出する上側突出手段(例えば、上側規制部740F,740B)が設けられ、
前記蓋部材よりも下方に、前記内部領域へ向けて移動する遊技媒体と接触可能に突出する下側突出手段(例えば、下側規制部741B/下側規制部741F)が設けられている(図17、図18参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、上側突出手段及び下側突出手段によって、遊技媒体の移動の勢いを抑えて跳ね返りの発生を抑制することにより、興趣の低下を抑えることができる。
詳しくは、例えば、低確率/低ベース状態(小当りRUSH)において右打ち遊技を行っている場合、特殊可変入賞球装置17が第2状態であるときには、第1通路710Aの特殊入賞口扉704B上には3~4個の遊技球が流下している。この状態で入賞ユニット700の上方から特殊入賞口704Aに向けて落下してくる遊技球は特殊入賞口扉704B上に落下するが、途中で上側規制部740F,740B接触することで勢いが抑えられるため、特殊入賞口扉704Bの破損が防止される。
また、特殊入賞口扉704B上に3~4個の遊技球が流下している状態で特殊入賞口扉704Bが退避すると、特殊入賞口扉704B上にある遊技球が特殊入賞口704Aに落下するが、下側規制部741Bに接触することで勢いが抑えられることで、底壁部732A~732Cに落下したときに大きく跳ね返ることを抑えることができる。
形態1-1の遊技機は、形態1に記載の遊技機であって、
前記蓋部材(例えば、特殊入賞口扉704B)の前側に立設される前壁部(例えば、前壁部731A)と、
前記蓋部材の後側に立設される後壁部(例えば、後壁部721A)と、
を備え、
前記上側突出手段は、前記前壁部から突出する第1上側突出手段(例えば、上側規制部740F)及び前記後壁部から突出する第2上側突出手段(例えば、上側規制部740B)を含む複数の上側突出手段を有し、
前記第1上側突出手段と前記第2上側突出手段とが上下方向に間隔をおいて配置されている(図16参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技媒体が第1上側突出手段及び第2上側突出手段のうち一方に接触した後、前方または後方に移動して他方に接触しやすくなるので、遊技媒体の移動の勢いを好適に抑えることができる。
形態1-2の遊技機は、形態1-1に記載の遊技機であって、
前記蓋部材(例えば、特殊入賞口扉704B)の上面を遊技媒体が移動する際の遊技媒体の移動を遅延させるための特定遅延手段(例えば、規制部751~756,761~765)を備える(図6、図7参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、蓋部材の上面での遊技媒体の滞留時間が長くなることで内部領域への進入率を高めることができるとともに、短期間の開放で多数の遊技媒体を一斉に内部領域へ進入させることができる。
形態1-3の遊技機は、形態1-2に記載の遊技機であって、
前記特定遅延手段は、前記蓋部材(例えば、特殊入賞口扉704B)の上面を移動する遊技媒体と接触可能に突出する特定突出手段(例えば、規制部751~756,761~765)であり、
前記特定突出手段の突出量(例えば、突出寸法L4、L5)の方が前記下側突出手段の突出量(例えば、突出寸法L14、L15)よりも大きい(L4>L14、L5>L15、図16参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、蓋部材の上面での遊技媒体の滞留時間が長くすることができる。
形態1-4の遊技機は、形態1-1~形態1-3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記内部領域(例えば、特殊入賞口704A)の上流側に設けられる特別内部領域(例えば、大入賞口703A)を通過可能な通過可能状態(例えば、第1状態)と通過困難な通過困難状態(例えば、第2状態)とに変化可能な特別可変手段(例えば、特別可変入賞球装置7)を備え、
前記特別内部領域を通過しない遊技媒体が前記可変手段(例えば、特殊可変入賞球装置17)に向けて移動可能である(例えば、特別可変入賞球装置7、特殊可変入賞球装置17、可変入賞球装置6Cがいずれも第2状態(進入困難状態)に制御されているときには、入賞ユニット700の右側上方から落下してくる遊技球は、第1通路710A(特殊入賞口扉704B上)に落下する。図9(A)参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、上側突出手段及び下側突出手段によって、特別内部領域を通過せずに可変手段へ勢いよく移動してきた遊技媒体の移動の勢いを好適に抑制できる。
形態1-5の遊技機は、形態1-4に記載の遊技機であって、
前記特別内部領域(例えば、大入賞口703A)を通過した遊技媒体を検出可能な複数の特別検出手段(例えば、第2カウントスイッチ24A,24B)を備える(図17(A)参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特別内部領域で遊技媒体が滞留することを抑制できるため、短期間で遊技媒体を検出することができる。
形態1-6の遊技機は、形態1-1~形態1-5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記内部領域(例えば、特殊入賞口704A)の下流側に設けられる所定内部領域(例えば、第1始動入賞口701A)を通過可能な通過可能状態(例えば、第1状態)と通過困難な通過困難状態(例えば、第2状態)とに変化可能な所定可変手段(例えば、可変入賞球装置6C)と、
遊技領域(例えば、遊技領域Y)を流下する遊技媒体に接触可能に設けられる遊技用部材(例えば、障害釘K)と、
を備え、
前記可変手段から上方の前記遊技用部材までの離間距離(例えば、離間寸法L21)の方が、前記所定可変手段から上方の前記遊技用部材までの離間距離(例えば、離間寸法L22)よりも大きい(L21>L22、図8参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、上側突出手段及び下側突出手段によって、上方の遊技用部材から可変手段へ勢いよく移動してきた遊技媒体の移動の勢いを好適に抑制できる。
形態1-7の遊技機は、形態1-1~形態1-6のいずれかに記載の遊技機であって、
前記可変手段(例えば、特殊可変入賞球装置17)は、前記通過可能状態に対応する通過可能位置と前記通過困難状態に対応する通過困難位置との間で前記蓋部材(例えば、特殊入賞口扉704B)を移動させる駆動軸(例えば、プランジャ83B)を有するソレノイド(例えば、ソレノイド83)を有し、
前記ソレノイドは、前記駆動軸が前記蓋部材の移動方向(例えば、前後方向)に対して交差する方向(例えば、左右方向)に移動可能に設けられ、
前記蓋部材は、前記駆動軸に接続され、該駆動軸との接続部の両側方(例えば、ガイド軸821A,821C)が案内部(例えば、ガイド孔820A,820C)により案内されている(図11、図12参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、ソレノイドをスペース効率よく配置しつつ、駆動軸と交差する方向に蓋部材をスムーズに移動可能とすることができる。
形態1-8の遊技機は、形態1-1~形態1-7のいずれかに記載の遊技機であって、
前記蓋部材(例えば、特殊入賞口扉704B)の前側に立設される前壁部(例えば、前壁部731A)と、
前記蓋部材の後側に立設される後壁部(例えば、後壁部721A)と、
を備え、
前記後壁部には、該後壁部の後側にて引き回される配線部材(例えば、配線部材C1~C7)を隠蔽するための光拡散部(例えば、光拡散部790)が設けられている(図23、図24参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、限られたスペースにおいて、シール等による隠蔽を行うことなく配線部材を後壁部の後側にて引き回すことができ、意匠性の低下を抑えることができる。また、遊技媒体の視認性を前壁部にて確保しつつ、後壁部においてスペース効率を高めることができる。
形態1-9の遊技機は、形態1-1~形態1-8のいずれかに記載の遊技機であって、
前記蓋部材(例えば、特殊入賞口扉704B)の前側に立設される前壁部(例えば、前壁部731A)と、
前記蓋部材の後側に立設される後壁部(例えば、後壁部721A)と、
を備え、
前記下側突出手段は、前記前壁部から突出する第1下側突出手段(例えば、下側規制部741F)及び前記後壁部から突出する第2下側突出手段(例えば、下側規制部741B)を含む複数の下側突出手段を有し、
前記第1下側突出手段と前記第2下側突出手段が上下方向に間隔を隔てて配置されている(図25の変形例1参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技媒体が第1下側突出手段及び第2下側突出手段のうち一方に接触した後、前方または後方に移動して他方に接触しやすくなるので、遊技媒体の移動の勢いを好適に抑えることができる。
形態2におけるパチンコ遊技機1は、
遊技媒体(例えば、遊技球P)が内部領域(例えば、第1始動入賞口701C/特殊入賞口704A/大入賞口703A)を通過可能な通過可能状態(例えば、第1状態)と通過困難な通過困難状態(例えば、第2状態)とに変化可能な可変手段(例えば、可変入賞球装置6C/特殊可変入賞球装置17/特別可変入賞球装置7)を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記可変手段の下流側に設けられ、前記内部領域を通過しない遊技媒体が通過可能な特定領域(例えば、第2始動入賞口702A)と、
前記可変手段から前記特定領域へ遊技媒体を誘導する誘導路(例えば、第2通路710B)を形成する誘導路形成部(例えば、前壁部731A、後壁部721A、底壁部733A~733C、上壁部734A、傾斜壁部734B、立壁部734Cなど)と、
を備え、
前記誘導路形成部は、
前記可変手段から前記特定領域への遊技媒体の通過率が調整不能に構成され(例えば、前壁部731A、後壁部721A、底壁部733A~733C、上壁部734A、傾斜壁部734B、立壁部734Cにより構成される第2通路形成部は、障害釘Kのように遊技球の通過率を調整可能な部材ではなく、合成樹脂材からなるベース部材721とカバー部材731とを組付けることにより一体的に形成される)、
遊技媒体を整流するための整流手段(例えば、突出部736及び凹溝部737など)を備える(図20、図21参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、整流手段により誘導路での遊技媒体詰まりの発生を抑えつつ、特定領域の通過割合が調整不能なため、遊技者に与えるストレスを軽減でき、興趣の低下を抑えることができる。
詳しくは、例えば、高確率/低ベース状態(小当りRUSH)において右打ち遊技を行っている場合、特殊可変入賞球装置17が第2状態であるときには、第1通路710Aの遊技球は特殊入賞口扉704B上を通過して第2通路710Bに進入する。低確率/低ベース状態では可変入賞球装置6Cも第2状態であるときが多いため、遊技球は始動入賞口扉701B上を通過した後、第2始動入賞口702Aに入賞することが多い。このように、遊技球が可変入賞球装置6Cに入賞しなくても、遊技球は通過率を調整不能な第2通路710Bにより好適に第2始動入賞口702Aに誘導されるため、いずれの始動入賞口にも進入しないことで遊技者にストレスを与えてしまうこと等を防止できる。
尚、第2始動入賞口702Aは、特殊可変入賞球装置17の下流側に離れた位置であり、かつ、特殊可変入賞球装置17を通過した遊技球が第2通路710Bにより左側方に誘導された後、下方に誘導されることで通過可能な位置に配置される非可変式の入賞球装置6Bに設けられている。
すなわち、小当り遊技状態では、第2始動入賞口702Aに遊技球が入賞して第2特別図柄の可変表示が開始され、表示結果が小当りとなることに起因して特殊可変入賞球装置17が第1状態となる、つまり、第2始動入賞口702Aと特殊可変入賞球装置17とは関連しているが、第2始動入賞口702Aは、特殊可変入賞球装置17の下流側の下方で、かつ、特殊可変入賞球装置17から離れた位置に配置され、遊技者から目立ちにくくなっているため、例えば、遊技者が低確率/低ベース状態(通常状態)において第2始動入賞口702Aを狙って右打ちをすることを抑制することができる。
一方、特殊可変入賞球装置17から離れた位置に第2始動入賞口702Aを配置すると、特殊可変入賞球装置17を通過した遊技球が第2始動入賞口702Aに誘導されなかったり、第2通路710Bの途中で滞留または球詰まりが生じたりして、高確率/低ベース状態(小当りRUSH)において第2始動入賞に伴う小当りの発生確率が著しく低下してしまう虞があるが、上記のように第2通路710Bにおける遊技球の通過率が調整不能に構成されていることで、特殊可変入賞球装置17を通過した遊技球を第2通路710Bにて好適に第2始動入賞口702Aに誘導することができる。
形態2-1の遊技機は、形態2に記載の遊技機であって、
前記誘導路(例えば、第2通路710B)は、
遊技媒体を一側方(例えば、左側方)に向けて誘導する第1誘導路と、
前記第1誘導路により誘導された遊技媒体を下方に向けて誘導する第2誘導路と、
を含み、
前記整流手段は、遊技媒体が前記第1誘導路から前記第2誘導路に移動するときに、一側方に向けて誘導された遊技媒体を前方または後方に移動させてから下方に移動させる(図22参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、一側方に向けて誘導された遊技媒体が下方に移動するときに、後続の遊技媒体が接触して圧力がかかっても、整流手段により前方または後方にずらされることで圧力が低下されるため、遊技媒体詰まりを好適に抑えることができる。
形態2-2の遊技機は、形態2または形態2-1に記載の遊技機であって、
遊技媒体が前記特定領域(例えば、第2始動入賞口702A)を通過したことに応じて、該通過した遊技媒体と同じ遊技価値が付与される(例えば、第2始動入賞口702Aに1個の遊技球が進入した場合には1個の遊技球が賞球として払出される)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技媒体が内部領域を通過しなくても、特定領域を通過した遊技媒体と同じ遊技価値が付与されることで、遊技者に与えるストレスを軽減できる。
形態2-3の遊技機は、形態2-1または形態2-2に記載の遊技機であって、
前記可変手段は、
遊技媒体が第1内部領域を通過可能な通過可能状態と通過困難な通過困難状態とに変化可能な第1可変手段(例えば、特別可変入賞球装置7)と、
遊技媒体が第2内部領域を通過可能な通過可能状態と通過困難な通過困難状態とに変化可能な第2可変手段(例えば、特殊可変入賞球装置17)と、
を含み、
前記第1内部領域と前記第2内部領域と前記特定領域とのいずれを遊技媒体が通過するかによって異なる遊技価値が付与される(例えば、大入賞口703Aに遊技球が進入した場合には15個、特殊入賞口704Aに遊技球が進入した場合には10個、第1始動入賞口701Cや第2始動入賞口702Aに遊技球が進入した場合には1個の遊技球が賞球として払出される)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技媒体がいずれの領域を通過するかに注目させることができる。
形態2-4の遊技機は、形態2-1~形態2-3のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)と、該有利状態とは異なる状態である特殊状態(例えば、小当り遊技状態)と、前記特殊状態により遊技価値(例えば、賞球など)が付与されやすい特定状態(例えば、小当りRUSH)と、に制御可能であり、
前記可変手段は、
遊技媒体が第1内部領域を通過可能な通過可能状態と通過困難な通過困難状態とに変化可能な第1可変手段(例えば、特別可変入賞球装置7)と、
遊技媒体が第2内部領域を通過可能な通過可能状態と通過困難な通過困難状態とに変化可能な第2可変手段(例えば、特殊可変入賞球装置17)と、
を含み、
前記有利状態に制御されることに対応して前記第1可変手段が通過可能状態とされ(例えば、第1特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技球が通過ゲート41を通過したことを条件として、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御され、大入賞口703Aが所定の態様で開放状態となる)、
前記特殊状態に制御されることに対応して前記第2可変手段が通過可能状態とされる(例えば、第2特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御され、特殊入賞口704Aが所定の開放態様で開放状態となる)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利状態や特定状態においても、第1内部領域や第2内部領域を通過しなかった遊技媒体は特定領域へ誘導されるため、各々の遊技状態において第1内部領域や第2内部領域を通過しなかった遊技媒体が無駄になることを抑えることができる。
形態2-5の遊技機は、形態2-1~形態2-4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記可変手段、前記誘導路形成部及び前記特定領域は一体的に形成されている(例えば、特別可変入賞球装置7、特殊可変入賞球装置17と、可変入賞球装置6Cと、入賞球装置6Bと、第1通路710Aを形成するための第1通路形成部と、第2通路710Bを形成するための第2通路形成部と、が一体化されたユニットとして構成されている)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、組付誤差などにより誘導路にて遊技媒体詰まりが生じやすくなることを抑えることができる。
詳しくは、特殊可変入賞球装置17と入賞球装置6Bだけでなく、特殊可変入賞球装置17と入賞球装置6Bとの間の第2通路710Bが一体的に形成されていることで、第2通路710Bの途中に組付誤差による段差等が生じて遊技球の流下に支障をきたすことを好適に防止できる。
形態2-6の遊技機は、形態2-1~形態2-5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記誘導路形成部における前記特定領域(例えば、第2始動入賞口702A)の上流側近傍には、前記誘導路を移動する遊技媒体が排出可能な排出部(例えば、排出口739L,739R)が設けられ、
前記誘導路形成部における前記排出部に対応する位置には、遊技媒体を前記特定領域に案内する案内部(例えば、誘導レール738A,738B)が形成されている(図20参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技媒体が排出部から排出せずに特定領域を通過しやすくなる。
形態2-7の遊技機は、形態2-1~形態2-6のいずれかに記載の遊技機であって、
前記誘導路形成部における前記特定領域(例えば、第2始動入賞口702A)の上流側近傍には、前記整流手段として、遊技媒体を案内可能な凹溝部(例えば、凹溝部737)が前記特定領域に向けて延設されている(図20参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、凹溝部により遊技媒体を安定して誘導できるので、遊技媒体詰まりの発生を好適に抑えることができる。
(変形例1)
次に、本発明の変形例1について、図25に基づいて説明する。図25は、(A)は変形例1としての特殊可変入賞球装置の内部構造を示す縦断面図、(B)は(A)のI-I断面図である。
前記実施の形態では、特殊入賞口704Aの内部である入賞球誘導通路711Aには、後壁部721Aの前面において入賞球誘導通路711Aに対応する特殊入賞口扉704Bの下方位置にのみ、通路側(前側)に向けて突出する下側規制部741Bが左右方向に向けて延設されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前壁部731Aの背面において入賞球誘導通路711Aに対応する特殊入賞口扉704Bの下方位置にも、通路側(前側)に向けて突出する下側規制部741Fが左右方向に向けて延設されていてもよい。
このようにすることで、特殊入賞口704Aの下方に、前後の下側規制部741F,741Bが上下に配置されるため、特殊入賞口704Aに進入した遊技球が前後の下側規制部741F,741Bに交互に接触することで、遊技球が前後方向成分の動きをもって蛇行する(所謂ジグザグ動作する)ように遊技球を流下させて、遊技球の流下速度を低減させるようになっている。これにより、遊技球が底壁部732A~732Cに勢いよく落下して破損することを防止できる。
(変形および応用に関する説明)
前記実施の形態では、蓋部材が変位することにより遊技媒体が内部領域を通過可能な通過可能状態と通過困難な通過困難状態とに変化可能な可変手段として、特殊可変入賞球装置17を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別可変入賞球装置7、可変入賞球装置6Cなど他の可変入賞球装置を適用可能である。
また、前記実施の形態では、特殊可変入賞球装置17は、蓋部材としての特殊入賞口扉704Bが通路から遊技盤2側に退避することで第1状態(通過可能状態)となり、通路側に突出することで第2状態(通過困難状態)となる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、蓋部材が通路側に突出することで通過可能状態となり、通路から遊技盤2側に退避することで通過困難状態となるものであってもよく、この場合、通過可能状態において特殊入賞口扉704B上に遊技球が落下したときの衝撃による破損を防止できる。
また、前記実施の形態では、内部領域へ向けて移動する遊技媒体と接触可能に突出する上側突出手段として、前壁部731Aから突出する上側規制部740F(第1上側突出手段)と、上側規制部740Fよりも下方位置において後壁部721Aから突出する上側規制部740B(第2上側突出手段)と含む形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上側規制部740Bの方が上側規制部740Fよりも上方に配置されていてもよいし、上側規制部740F,740Bが上下方向の同高さ位置、つまり、落下する遊技球が双方の上側規制部740F,740Bに同時に接触可能に設けられていてもよい。
また、前記実施の形態では、内部領域へ向けて移動する遊技媒体と接触可能に突出する上側突出手段として、前壁部731Aから突出する上側規制部740F(第1上側突出手段)及び後壁部721Aから突出する上側規制部740B(第2上側突出手段)と含む形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上側規制部740F,740Bのうちいずれか一方のみが設けられているものでもよいし、前壁部731Aと後壁部721Aとのうち少なくとも一方に2以上の上側突出手段が設けられていてもよい。
また、前記実施の形態では、内部領域へ向けて移動する遊技媒体と接触可能な突出する下側突出手段として、後壁部721Aから突出する下側規制部741Bを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例1にて説明したように、前壁部731Aから突出する下側規制部741Fを設けてもよい。下側規制部741Bの方が下側規制部741Fよりも上方に配置されていてもよいし、下側規制部741F,741Bが上下方向の同高さ位置、つまり、落下する遊技球が双方の下側規制部741F,741Bに同時に接触可能に設けられていてもよい。
また、前記実施の形態では、内部領域へ向けて移動する遊技媒体と接触可能な突出する下側突出手段として、後壁部721Aから突出する下側規制部741Bを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前壁部731Aと後壁部721Aとのうち少なくとも一方に2以上の下側突出手段が設けられていてもよい。
また、前記実施の形態では、上側突出手段としての上側規制部740F,740Bや、下側突出手段としての下側規制部741F,741Bは、特殊入賞口扉704Bに対し略平行をなすように左右方向に延設される凸条部にて形成された形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、落下する遊技球に接触することで該遊技球の流下速度を低減可能な突出部であれば、突出形状や左右方向の長さは上記した形態に限定されるものではなく、種々に変形可能である。具体的には、例えば、上側突出手段や下側突出手段は、規制部751~756,761~765のように、第1通路710を通過する遊技球の流下方向に向けて複数の突出部が設けられていてもよい。
また、前記実施の形態では、上側突出手段としての上側規制部740F,740Bは、特殊入賞口扉704B上を左側に向けて流下する遊技球に接触不能または困難な位置に設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特殊入賞口扉704B上を左側に向けて流下する遊技球に接触可能な位置に設けられていてもよい。
また、前記実施の形態では、特殊可変入賞球装置17に対応して、上側突出手段(上側規制部740F,740B)及び下側突出手段(下側規制部741B)と、蓋部材(特殊入賞口扉704B)の上面を遊技球が移動する際の遊技球の移動を遅延させるための特定遅延手段としての規制部751~756,761~765を設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上側突出手段及び下側突出手段に合わせて必ずしも特定遅延手段が設けられていなくてもよい。
また、前記実施の形態では、特殊可変入賞球装置17を遊技球が通過する際の遊技球の移動を遅延させるための特定遅延手段として、第1通路710Aの前壁部731Aと後壁部721Aとに遊技球に接触可能に突設された規制部751~756,761~765を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可変入賞球装置を遊技球が通過する際の遊技球の移動を遅延させることが可能なものであれば、例えば、特殊入賞口扉704Bの上面、あるいは、特殊入賞口扉704Bの上流側の底壁部に形成した凹状または凸状の案内面や、遊技球を前後方向に誘導可能な傾斜面や、遊技球が乗り上げ可能な段差等からなる遅延手段や、第1通路710Aの上壁等に設けた遅延手段や、あるいは、一定間隔で第1通路710Aに対し出退可能に設けられる規制手段等であってもよい。
また、前記実施の形態では、可変手段としての特殊可変入賞球装置17の上方(上流側)に特別可変入賞球装置7が設けられ、特殊可変入賞球装置17の左方(下流側)に可変入賞球装置6Cが設けられた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可変手段としての特殊可変入賞球装置17の上流側や下流側に、上記可変入賞球装置とは異なる可変入賞球装置が設けられていてもよい。
また、前記実施の形態では、遊技球が内部領域を通過可能な通過可能状態(第1状態)と通過困難な通過困難状態(第2状態)とに変化可能な可変手段としての特殊可変入賞球装置17の下流側に、特殊入賞口704Aを通過しない遊技球が通過可能な特定領域としての第2始動入賞口702Aが設けられた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特定領域は内部領域とは異なる領域であれば、第1始動入賞口701Aなどの他の始動入賞口でもよいし、他の入賞口(例えば、一般入賞口10など)でもよい。さらに、通過ゲート41や作動口など、入賞を伴わない領域であってもよい。
また、前記実施の形態では、可変手段としての特殊可変入賞球装置17から特定領域としての第2始動入賞口702Aへの遊技球の通過率が調整不能に構成された誘導路形成部として、前壁部731A、後壁部721A、底壁部733A~733C、上壁部734A、傾斜壁部734B、立壁部734Cなどにより構成された第2通路形成部を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、障害釘Kのように遊技球の通過率を調整可能な部材、つまり、変形困難な部材にて構成されたものであれば、上記した形態のものに限定されるものではなく、種々に変形可能である。また、第2通路710Bにおける遊技球の誘導経路も種々に変更可能である。
また、前記実施の形態では、遊技球を整流するための整流手段として、遊技球が第1誘導路から第2誘導路に移動するときに、第1方向に向けて誘導された遊技球を第1方向及び第2方向とは異なる第3方向(前方)に移動させてから第2方向(下方)に移動させるための突出部736及び凹溝部737を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を整流する整流手段とは、遊技球の流下速度が著しく低下したり、滞留したりすることがないように遊技球の移動を案内する手段であればよく、例えば、遊技球通路を形成する通路形成部(壁部)の一部に形成されたものや、通路形成部とは別個の部材であって遊技球に接触可能に設けられた接触部材などであってもよい。
また、前記実施の形態では、第2通路710Bは、遊技球を1個ずつ特定領域としての第2始動入賞口702Aに誘導可能に形成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を複数列で誘導可能に形成されていてもよい。
また、前記実施の形態では、特殊可変入賞球装置17の下流側(左斜め下方)に特定領域としての第2始動入賞口702Aが設けられた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特殊可変入賞球装置17の下流側、つまり、可変手段としての特殊可変入賞球装置17を通過した遊技球が流下可能な領域であれば、特殊可変入賞球装置17の下方でもよいし、右斜め下方位置などであってもよく、種々に変更可能である。また、特殊可変入賞球装置17と第2始動入賞口702Aとの間に可変入賞球装置6Cが設けられていたが、可変入賞球装置6Cは設けられていなくてもよい。
また、前記実施の形態では、可変手段としての特殊可変入賞球装置17の下流側に特定領域としての第2始動入賞口702Aが設けられた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可変手段として、可変入賞球装置6Cや特別可変入賞球装置7を対象としてもよい。
また、前記実施の形態では、入賞ユニット700は、特別可変入賞球装置7、特殊可変入賞球装置17と、可変入賞球装置6Cと、入賞球装置6Bと、第1通路710Aを形成するための第1通路形成部と、第2通路710Bを形成するための第2通路形成部と、が一体化されたユニットとして構成された形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも特殊可変入賞球装置17と、第2通路710Bを形成するための第2通路形成部と、入賞球装置6Bと、が一体的に形成されていれば、他の入賞球装置や通路形成部などは入賞ユニット700とは別個に設けられていてもよい。
また、前記実施の形態では、大当り遊技状態に制御されることで特別可変入賞球装置7が第1状態となる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り遊技状態に制御されることで特殊可変入賞球装置17が第1状態となるようにしてもよい。さらにこの場合、大当り種別として第1大当りと該第1大当りよりもラウンド数が多い第2大当りとを含む複数種類の大当りに制御可能なものの場合、第1大当りに制御されたときには特殊可変入賞球装置17が第1状態となり、第2大当りに制御されたときには特別可変入賞球装置7が第1状態となるようにしてもよい。あるいは、第1大当りに制御されたときには特別可変入賞球装置7が第1状態となり、第2大当りに制御されたときには特殊可変入賞球装置17が第1状態となるようにしてもよい。
(特徴部028IWに関する説明)
次に、本発明に係る特徴部028IWにおける遊技機を実施するための形態について、図26-1~図26-15に基づいて説明する。特徴部028IWにおけるパチンコ遊技機028IW1では、特に詳細な図示はしないが、通過ゲート41の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材を、前後方向に進退移動させることにより、底面部材の下方に位置する大入賞口に遊技球が入賞可能な開状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。特別可変入賞球装置7は、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する大当り遊技状態において、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる大入賞口を開状態とする開放制御を実行する。
特別可変入賞球装置7の下方には、小当り用の特殊入賞口を形成する特殊可変入賞球装置17と、第2始動入賞口を有する可変入賞球装置6Bとが設けられており、左側に特殊可変入賞球装置17が配置され、その右側に隣り合うように可変入賞球装置6Bが配置されている。これら特殊可変入賞球装置17および可変入賞球装置6Bは、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材を、前後方向に進退移動させることにより、底面部材の下方に位置する特殊入賞口や第2始動入賞口に遊技球が入賞可能な開状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。特殊可変入賞球装置17は、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに所定表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときに生起する小当り遊技状態において、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる特殊入賞口を開状態とする開放制御を実行する。また、可変入賞球装置6Bは、普通図柄表示器20に当り図柄が導出表示されたときに、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる第2始動入賞口を開状態とする開放制御を実行する。
なお、本例では、特別可変入賞球装置7と特殊可変入賞球装置17と可変入賞球装置6Bとは、同様の構造を有するように形成されている。また、特別可変入賞球装置7は底面部材が左上から右下に向けてやや傾斜する態様で形成されているので、特別可変入賞球装置7上に落下した遊技球は、特別可変入賞球装置7が閉状態であれば特別可変入賞球装置7上を左上から右下に向けて移動して行き、その下の可変入賞球装置6B上に落下する。
また、本例では、可変入賞球装置6Bと比較して特殊可変入賞球装置17の方が若干大きい。また、特殊可変入賞球装置17および可変入賞球装置6Bは底面部材が右上から左下に向けてやや傾斜する態様で形成されているので、特殊可変入賞球装置17や可変入賞球装置6B上の遊技球は、特殊可変入賞球装置17や可変入賞球装置6Bが閉状態であれば特殊可変入賞球装置17や可変入賞球装置6B上を右上から左下に向けて移動して行く。また、特殊可変入賞球装置17と可変入賞球装置6Bとは隣り合うように配置されているので、特別可変入賞球装置7に入賞することなく可変入賞球装置6B上に落下した遊技球は、可変入賞球装置6Bの底面部材が後退移動されて第2始動入賞口が開状態となっていれば、遊技球は第2始動入賞口に入賞し、特殊可変入賞球装置17の方には遊技球は流れて行かない。一方、第2始動入賞口が開状態となっていなければ、遊技球は可変入賞球装置6Bの底面部材の上を移動して特殊可変入賞球装置17の方に導かれる。この際に特殊可変入賞球装置17の底面部材が後退移動されて特殊入賞口が開状態となっていれば、遊技球は特殊入賞口に入賞する。さらに、特殊入賞口も開状態となっていなければ、遊技球は特殊可変入賞球装置17の底面部材の上を移動して、そのままアウト口の方へ落下することになる。
また、本例では、特別可変入賞球装置7、特殊可変入賞球装置17および可変入賞球装置6Bには、底面部材上を流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片が形成されている。本例では、特別可変入賞球装置7、特殊可変入賞球装置17および可変入賞球装置6Bにおいて規制片が設けられていることによって、左上から右下方向または右上から左下方向に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように、遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片がない場合よりも遅延させる。
なお、本例では、特殊可変入賞球装置17が左側に配置され、可変入賞球装置6Bが右側に配置されているのであるが、特殊可変入賞球装置17および可変入賞球装置6Bの底面部材が右上方から左下方に緩やかに傾斜するように形成され、底面部材が後退しておらず閉状態である場合には可変入賞球装置6Bの方から特殊可変入賞球装置17の方に向かって遊技球が流れるように構成されているので、この意味で、可変入賞球装置6Bの方が上流側に設けられ、特殊可変入賞球装置17の方が下流側に設けられているといえる。
次に、本特徴部028IWにおける遊技状態について説明する。まず、本特徴部028IWにおける遊技状態には、通常状態(低確率/非KT状態)と、通常状態よりも小当りになりやすいKT状態(いわゆる小当りタイム)とがある。さらに、KT状態には第1KT状態と第2KT状態との2種類があり、この特徴部028IWでは、遊技状態には、低確率状態且つ非KT状態(低確率/非KT状態:通常状態)に制御されている場合と、低確率且つ第1KT状態(低確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第1KT状態(高確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第2KT状態(高確率/第2KT状態)に制御されている場合とがある。
KT状態のうち第1KT状態は、後述するように、小当りが発生しやすく特殊可変入賞球装置17が開状態となりやすいものの、上流側の可変入賞球装置6Bの開放時間が極めて長く、小当りが発生しても下流側の特殊可変入賞球装置17に遊技球が入賞するケースは極めて少ない(例えば、100変動するごとに1球程度)。具体的には、第1KT状態では、小当りが発生しやすい状態に制御されるとともに高ベース状態に制御されて可変入賞球装置6Bの開放時間が長くなるように制御される。また、KT状態のうち第2KT状態は、後述するように、上流側の可変入賞球装置6Bの開放時間が短く、小当りが発生した場合に下流側の特殊可変入賞球装置17に遊技球が入賞しやすい。具体的には、第2KT状態では、小当りが発生しやすい状態に制御されるとともに低ベース状態に制御されて可変入賞球装置6Bの開放時間が短くなるように制御される。
また、KT状態は、通常状態(低確率/非KT状態)よりも小当りになりやすい遊技状態である。具体的には、この特徴部028IWでは、普図当りとなって可変入賞球装置6Bが開状態となる確率はKT状態の方が通常状態より高くなっている。そして、第1特別図柄の変動時には小当りと決定される割合が低いのに対して、第2特別図柄の変動時には小当りと決定される割合が高くなるよう構成されている(ただし、後述する強制はずれの場合を除く)ため、KT状態を、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態としている。これにより、KT状態では、主に第2特別図柄の変動を行わせることにより小当りを頻繁に発生させ、遊技者に有利な遊技状態となっている。
なお、KT状態を、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態とするための構成としては、これに限るものではない。例えば、KT状態であっても普図当りとなって可変入賞球装置6Bが開状態となる確率は通常状態と同じ(例えば、10%または100%)であるが、第2特別図柄の変動時に選択する変動パターンの有する変動時間が、KT状態の方が通常状態よりも短く構成することにより、KT状態の方が通常状態よりも一定時間に対する変動回数の割合が高くなり、KT状態を通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態とするものであってもよい。
また、本特徴部028IWでは、遊技球が通過ゲート41を通過してから可変入賞球装置6Bに到達するまでの所要時間が0.6秒以上になるよう構成されている。具体的には、通過ゲート41および可変入賞球装置6Bの設置位置や、遊技球の流下経路を形成する釘群により調整されている。詳しくは後述するが、本特徴部028IWでは遊技球が通過ゲート41を通過したことにもとづいて可変入賞球装置6Bが開放状態に制御され得る構成であり、後述する第1KT状態では遊技球が通過ゲート41を通過してから可変入賞球装置6Bが開放状態に制御されるまでの時間が0.5秒となっており、遊技球が通過ゲート41を通過してから可変入賞球装置6Bに到達するまでの所要時間である0.6秒よりも短いことから、第1KT状態において一の遊技球が通過ゲート41を通過した場合に可変入賞球装置6Bが開放状態に制御された場合、該一の遊技球がそのまま可変入賞球装置6Bに入賞可能となっている。
(遊技状態の遷移)
ここで、この特徴部028IWにおける遊技状態の遷移について説明する。この特徴部028IWでは、低確率/低ベース状態(通常状態(非KT状態))では、遊技者は遊技領域の左方を狙って遊技球の発射操作(左打ち)を行う。そのため、通常状態では、主として第1始動入賞口への始動入賞が発生し、主として第1特別図柄の変動表示が実行される。また、主として第1特別図柄の変動表示が実行されることから、低確率/低ベース状態において大当りが発生した場合には、主として10R確変大当り、6R確変大当り、または6R通常大当りが発生する。
低確率/低ベース状態において10R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/低ベース状態が維持される。また、低確率/低ベース状態において6R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態が維持される。また、低確率/低ベース状態において6R通常大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持される。
KT状態(高確率/高ベース状態、低確率/高ベース状態、高確率/低ベース状態)に移行した後である場合には、この特徴部028IWでは、遊技者は遊技領域の右方を狙って遊技球の発射操作(右打ち)を行う。そのため、KT状態では、主として第2始動入賞口への始動入賞が発生し、主として第2特別図柄の変動表示が実行される。また、主として第2特別図柄の変動表示が実行されることから、KT状態において大当りが発生した場合には、主として10R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り、または2R通常大当りが発生する。
高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)において10R確変大当りまたは2R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/低ベース状態が維持される。また、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)において6R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態が維持される。なお、この特徴部028IWでは、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、6R確変大当りとなる確率が合計で50%であるので、一旦高確率/高ベース状態となると50%の割合で高確率/高ベース状態がループすることになる。また、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)において2R通常大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持される。
低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)において10R確変大当りまたは2R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/低ベース状態が維持される。また、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)において6R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態が維持される。また、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)において2R通常大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持される。なお、この特徴部028IWでは、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、2R通常大当りとなる確率が35%であるので、一旦低確率/高ベース状態となると35%の割合で低確率/高ベース状態がループすることになる。なお、6R通常大当りや2R通常大当りが発生して低確率/高ベース状態となった後、次の大当りが発生することなく、50回の変動表示が終了した場合には、低確率/低ベース状態(通常状態(非KT状態))に移行する。
高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)において10R確変大当りまたは2R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/低ベース状態が維持される。なお、この特徴部028IWでは、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、10R確変大当りまたは2R確変大当りとなる確率が15%であるので、一旦高確率/低ベース状態となると15%の割合で高確率/低ベース状態がループすることになる。また、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)において6R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態が維持される。また、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)において2R通常大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持される。
なお、低確率/低ベース状態(通常状態(非KT状態))では第1特別図柄の変動表示が実行される場合について説明したが、低い割合で第2特別図柄の変動表示が実行される可能性もありうる。この場合、10R確変大当りまたは2R確変大当りが発生した場合には、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行することになる。また、6R確変大当りが発生した場合には、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行することになる。また、2R通常大当りが発生した場合には、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持されることになる。
また、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)では第2特別図柄の変動表示が実行される場合について説明したが、低い割合で第1特別図柄の変動表示が実行される可能性もありうる。この場合、10R確変大当りが発生した場合には、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行することになる。また、6R確変大当りが発生した場合には、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行することになる。また、6R通常大当りが発生した場合には、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持されることになる。
また、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)では第2特別図柄の変動表示が実行される場合について説明したが、低い割合で第1特別図柄の変動表示が実行される可能性もありうる。この場合、10R確変大当りが発生した場合には、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行することになる。また、6R確変大当りが発生した場合には、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行することになる。また、6R通常大当りが発生した場合には、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持されることになる。
また、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)では第2特別図柄の変動表示が実行される場合について説明したが、低い割合で第1特別図柄の変動表示が実行される可能性もありうる。この場合、10R確変大当りが発生した場合には、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行することになる。また、6R確変大当りが発生した場合には、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行することになる。また、6R通常大当りが発生した場合には、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持されることになる。
(演出制御メイン処理)
次に、演出制御手段の動作について説明する。演出制御用CPU120は、演出制御メイン処理において、システム小図柄プロセス処理を実行する(ステップ028IWS707)。本例では、ステップ028IWS707のシステム小図柄プロセス処理が実行されることによって、画像表示装置5において、飾り図柄の変動表示とは別に、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示と同期して左中右のシステム小図柄の変動表示が実行される。
なお、本例では、第2KT状態中(小当りRUSH中)である場合には(停止図柄を確定表示するときを除いて)飾り図柄の変動表示が低透過度で実行されるのであるが、ステップ028IWS707が実行されることによって、第2KT状態中であってもシステム小図柄の変動表示が高い透過度で実行され視認しやすい。
次いで、演出制御用CPU120は、第2KT状態中に画像表示装置5に表示されている賞球数表示を更新する第2KT中賞球数表示処理を実行する(ステップ028IWS708)。
(第2KT中賞球数表示処理)
第2KT中賞球数表示処理(ステップ028IWS708)において、演出制御用CPU120は、まず、賞球数表示の更新中であることを示す賞球数表示更新中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ028IWS501)。賞球数表示更新中フラグがセットされていなければ(ステップ028IWS501のN)、演出制御用CPU120は、特殊入賞数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップ028IWS502)。特殊入賞数カウンタの値が0であれば(ステップ028IWS502のY)、そのまま第2KT中賞球数表示処理を終了する。
特殊入賞数カウンタの値が0でなければ(ステップ028IWS502のN)、すなわち第2KT状態中に発生した特殊入賞口への入賞の中に未だ賞球数表示に未反映のものが残っていれば、演出制御用CPU120は、小当り遊技中であるか否かを確認する(ステップ028IWS503)。なお、小当り遊技中であるか否かは、例えば、演出制御プロセス処理で用いられる演出制御プロセスフラグの値が小当り中演出処理(ステップS174)または小当り終了演出処理(ステップS175)を示す値となっているか否かを確認することにより判定できる。小当り遊技中であれば(ステップ028IWS503のY)、そのまま第2KT中賞球数表示処理を終了する。
小当り遊技中でなければ(ステップ028IWS503のN)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、所定の更新速度で、賞球数表示で示される賞球数の累積数を10増加させる増加演出を開始する制御を行う(ステップ028IWS504)。本例では、増加演出が実行されることによって、特殊入賞口への1回の入賞に対応する賞球数に相当する「10」だけ所定時間(本例では、5秒)をかけて賞球数表示で示される賞球数の累積数が増加する演出表示が行われる。なお、本例では、小当り遊技終了後に最初の増加演出を開始すると、画像表示装置5に表示されている賞球数表示が通常の表示サイズから拡大表示され、拡大された表示サイズで賞球数表示の更新が行われる。そして、演出制御用CPU120は、賞球数表示更新中フラグをセットする(ステップ028IWS505)。
賞球数表示更新中フラグがセットされていれば(ステップ028IWS501のY)、演出制御用CPU120は、増加演出を終了したか否かを確認する(ステップ028IWS506)。なお、増加演出を終了したか否かは、例えば、ステップ028IWS504でVDPに増加演出を開始させるための制御信号を出力した後、その増加演出の終了を示す制御信号をVDPから入力したか否かを確認することにより判定できる。
増加演出を終了していれば、演出制御用CPU120は、所定のウエイト処理を実行する(ステップ028IWS507)。本例では、ステップ028IWS507を実行することによって、増加演出を終了した後、少なくとも所定時間(例えば、0.5秒)を経過してから次の増加演出を実行可能であるように構成されている。
次いで、演出制御用CPU120は、特殊入賞数カウンタの値を1減算し(ステップ028IWS508)、減算後の特殊入賞数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップ028IWS509)。特殊入賞数カウンタの値が0でなければ(ステップ028IWS509のN)、すなわち第2KT状態中に発生した特殊入賞口への入賞の中に未だ賞球数表示に未反映のものが残っていれば、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、所定の更新速度で、賞球数表示で示される賞球数の累積数を10増加させる増加演出を開始する制御を行う(ステップ028IWS510)。すなわち、第2KT状態中に発生した特殊入賞口への入賞の中に未だ賞球数表示に未反映のものが残っているので、次の増加演出を開始する。
一方、特殊入賞数カウンタの値が0であれば(ステップ028IWS509のY)、すなわち第2KT状態中に発生した特殊入賞口への入賞が全て賞球数表示に反映済みとなれば、演出制御用CPU120は、賞球数表示更新中フラグをリセットし(ステップ028IWS511)、第2KT中賞球数表示処理を終了する。なお、特殊入賞口への入賞が全て賞球数表示に反映済みとなり、最後の増加演出を終了すると、画像表示装置5に表示されている賞球数表示の表示サイズを通常のサイズに戻す。
(表示レイヤ)
次に、画像表示装置5において表示される画像の表示レイヤの設定例について説明する。本例では、表示レイヤとしてレイヤ1~5の5つが設定されている。本例では、レイヤ1にはエラー画像が表示され、レイヤ2にはシステム小図柄が表示され、レイヤ3には各種の予告演出画像や5000OVER表示が表示され、レイヤ4には飾り図柄が表示され、レイヤ5には賞球数表示が表示される。
また、レイヤ1~5には、それぞれ優先度が設定されており、レイヤ1の優先度が「1」で最も高く、レイヤ5の優先度が「5」で最も低くなっている。従って、本例では、エラー画像が最も優先して表示され、その次にシステム小図柄が優先して表示され、その次に各種の予告演出画像や5000OVER表示が優先して表示され、その次に飾り図柄が優先して表示され、賞球数表示が最も低い優先度で表示される。
(賞球数表示の表示例)
次に、賞球数表示を更新する際の表示態様について説明する。図26-1~図26-3は、賞球数表示を更新する際の表示態様を説明するための説明図である。なお、図26-1~図26-3に示す例では、遊技状態が第2KT状態(小当りRUSH)であるものとする。また、図26-1~図26-3において、(A)(B)(C)・・・の順に表示画面が遷移する。
第2KT状態中である場合には、図26-1(A)に示すように、画像表示装置5において、低透過度で飾り図柄028IW001の変動表示が表示されるとともに、賞球数表示028IW002が表示されている。本例では、図26-1(A)に示すように、飾り図柄028IW001の変動表示と賞球数表示028IW002とは表示領域が一部重複している。本例では、飾り図柄028IW001の変動表示の方が賞球数表示028IW002よりも優先度が高い表示レイヤに表示されるのであるが、第2KT状態では飾り図柄028IW001の変動表示は低透過度で表示されるので、賞球数表示028IW002の方が視認性が高くなっている。
次いで、変動停止のタイミングとなると、図26-1(B)に示すように、画像表示装置5において、飾り図柄028IW001の停止図柄が確定表示される。なお、図26-1(B)に示す例では、飾り図柄028IW001の停止図柄として小当り図柄(本例では、「135」の図柄の組み合わせ)が確定表示される場合が示されている。本例では、図26-1(B)に示すように、飾り図柄028IW001の停止図柄が確定表示される際には飾り図柄028IW001の透過度が通常の透過度に戻され、飾り図柄028IW001の停止図柄の視認性が高くなる。本例では、飾り図柄028IW001の変動表示の方が賞球数表示028IW002よりも優先度が高い表示レイヤに表示されるので、図26-1(B)に示すように、飾り図柄028IW001の停止図柄と賞球数表示028IW002とのうち重複している部分に関しては、優先度が高い飾り図柄028IW001に隠されて賞球数表示028IW002の表示が視認しにくくなる。
なお、図26-1(A),(B)に示すように、本例では、遊技状態に関係なく、画像表示装置5の表示画面の左上端部において、システム小図柄028IW010の変動表示が視認可能に表示され、変動停止にタイミングとなるとシステム小図柄028IW010の停止図柄が視認可能に確定表示される。従って、本例では、第2KT状態中に飾り図柄028IW001が低透過度で表示され視認しにくい場合であっても、システム小図柄028IW010を見ることによって遊技の進行を認識可能とすることができる。
次いで、小当り遊技を開始すると、図26-1(C)に示すように、飾り図柄028IW001の透過度が再び低透過度に戻され、賞球数表示028IW002の方が視認性が高い状態となる。また、小当り遊技中に特殊入賞口への入賞が発生すると、図26-1(C)に示すように、画像表示装置5において、特殊入賞口への入賞ごとに「+10」表示028IW003が表示される。なお、図26-1(C)に示すように、本例では、小当り遊技中に特殊入賞口への入賞が発生すると、直ちに「+10」表示028IW003が表示されるのであるが、小当り遊技を終了するまでは賞球数表示028IW002は更新されない。
次いで、小当り遊技を終了すると、図26-1(D)に示すように、画像表示装置5に表示されていた全ての「+10」表示028IW003が消去される。また、図26-1(D)に示すように、賞球数表示が拡大表示028IW004され、所定の更新速度で拡大された賞球数表示028IW004の更新表示が開始される(ステップ028IWS504参照)。本例では、特殊入賞口への1回の入賞に対応する賞球数に相当する「10」を増加表示させるために、所定時間(本例では、5秒)をかけて賞球数表示028IW004が更新表示される。従って、図26-2(E)に示すように、飾り図柄028IW001の停止図柄(本例では、はずれ図柄)が確定表示されても、所定時間(本例では、5秒)の経過前であれば賞球数表示028IW004の更新が継続され、図26-2(F)に示すように、所定時間(本例では、5秒)を経過したときに、賞球数表示028IW004で示される賞球数の累積数が「10」増加した状態で表示される。なお、本例では、入賞1個分の更新が終了すると、図26-2(F)に示すように、一旦賞球数の累積数が「10」増加した状態で停止表示され(ステップ028IWS507参照)、図26-2(G)に示すように、所定時間(例えば、0.5秒)を経過してから次の賞球数表示028IW004の更新が開始される(ステップ028IWS510参照)。
次いで、同様に、図26-2(H)、図26-3(I)、および図26-3(J)に示すように、飾り図柄028IW001の停止図柄(本例では、はずれ図柄)が確定表示されても、次の小当りが発生しても、所定時間(本例では、5秒)の経過前であれば賞球数表示028IW004の更新が継続され、図26-3(K)に示すように、所定時間(本例では、5秒)を経過したときに、賞球数表示028IW004で示される賞球数の累積数が「10」増加した状態で表示される。なお、図26-3(K)では記載を省略しているが、前回の小当り遊技中に発生した最後の入賞(本例では、2個目の入賞)に対する賞球数表示028IW004の更新を終了すると、賞球数表示の表示サイズが一旦通常のサイズに戻るものとする。
また、図26-3(K)に示すように、新たな小当り遊技中においても特殊入賞口への入賞が発生すると、図26-3(K)に示すように、画像表示装置5において、特殊入賞口への入賞ごとに「+10」表示028IW003が表示される。なお、図26-3(K)に示すように、新たな小当り遊技中に特殊入賞口への入賞が発生した場合にも、直ちに「+10」表示028IW003が表示されるのであるが、小当り遊技を終了するまでは賞球数表示028IW002は更新されない。
そして、その新たな小当り遊技を終了すると、図26-3(L)に示すように、画像表示装置5に表示されていた全ての「+10」表示028IW003が消去されるとともに、再び賞球数表示が拡大表示028IW004され、所定の更新速度で拡大された賞球数表示028IW004の更新表示が開始される(ステップ028IWS504参照)。
なお、本例では、図26-1~図26-3に示すように、飾り図柄の停止図柄として小当り図柄を確定表示する場合もはずれ図柄を確定表示する場合も、左中右の飾り図柄が横方向に一列に揃った状態で確定表示される場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、大当り図柄や小当り図柄が確定表示される場合には左中右の飾り図柄が横方向に一列に揃った状態で確定表示されるように構成し、はずれ図柄が確定表示される場合には左中右の飾り図柄が上下に多少ずれた状態で確定表示されるように構成してもよい。
(賞球数表示の更新タイミング)
次に、賞球数表示を更新する際の更新タイミングについて説明する。図26-4は、賞球数表示を更新する際の更新タイミングの一例を示すタイミングチャートである。本例では、図26-4に示すように、第2KT状態中にはずれや小当りとなる変動表示が実行される場合には第2変動パターン#30や第2変動パターン#33が選択されやすく、画像表示装置5において変動時間が3秒間の飾り図柄の変動表示が実行されやすい。
図26-4に示す例では、1つ目の飾り図柄の変動表示において小当りが発生し、小当り遊技に移行した場合が示されている。本例では、小当り遊技が実行される場合には、0.5秒間のファンファーレ期間の後、特殊可変入賞球装置17が1.5秒間にわたって開放状態に制御され、その後、0.5秒間のエンディング期間が設けられており、図26-4に示すように、小当り遊技の合計期間は2.5秒間である。図26-4に示す例では、1つ目の小当り遊技中に特殊入賞口への入賞が2つ発生した場合が示されている。この場合、図26-4に示すように、入賞の発生ごとに小当り遊技中に直ちに「+10」表示の表示がそれぞれ開始される。一方、図26-4に示すように、小当り遊技を終了するまでは賞球数表示は更新されない。
次いで、1つ目の小当り遊技を終了すると、図26-4に示すように、画像表示装置5に表示されていた全ての「+10」表示が消去される。また、1つ目の小当り遊技を終了すると、図26-4に示すように、その1つ目の小当り遊技中に発生した特殊入賞口への入賞に対応する賞球数表示の更新が開始される(ステップ028IWS504参照)。この場合、図26-4に示すように、特殊入賞口への入賞1個あたり5秒間をかけて賞球数表示の更新が行われる。
また、図26-4に示す例では、1つ目の小当り遊技の終了後の3つ目の飾り図柄の変動表示で再び小当りが発生し、2つ目の小当り遊技に移行する場合が示されている。そして、1つ目の小当り遊技中に発生した全ての入賞に対する賞球数表示の更新が2つ目の小当り遊技中に終了する場合が示されている。
また、図26-4に示すように、2つ目の小当り遊技中に特殊入賞口への入賞が発生した場合にも、その2つ目の小当り遊技中に「+10」表示が表示され、2つ目の小当り遊技を終了するまで「+10」表示が継続される。一方で、2つ目の小当り遊技中に発生した特殊入賞口への入賞に対しては、図26-4に示すように、その2つ目の小当り遊技を終了するまでは賞球数表示は更新されない。そして、図26-4に示すように、2つ目の小当り遊技を終了すると、その2つ目の小当り遊技中に発生した特殊入賞口への入賞に対応する賞球数表示の更新が開始される(ステップ028IWS504参照)。
なお、図26-4に示す例では、1つ目の小当り遊技中に発生した特殊入賞口への入賞に対応する賞球数表示の更新が2つ目の小当り遊技の途中で終了する場合を示しているが、例えば、1つ目の小当り遊技中により多くの賞球が発生した場合や、1つ目の小当り遊技終了後に直ぐに次の小当りが発生したような場合には、1つ目の小当り遊技中に発生した特殊入賞口への入賞に対応する賞球数表示の更新が2つ目の小当り遊技が終了するまでに終わらない場合もありうる。図26-5は、賞球数表示を更新する際の更新タイミングの他の例を示すタイミングチャートである。
図26-5に示す例では、1つ目の小当り遊技において特殊入賞口への入賞が3つ発生し、2つ目の小当り遊技を終了するまでに、1つ目の小当り遊技中に発生した特殊入賞口への入賞に対応する賞球数表示の更新が終わらない場合が示されている。図26-5に示す例では、2つ目の小当り遊技においても特殊入賞口への入賞が2つ発生しているのであるが、その2つ目の小当り遊技を終了しても未だ1つ目の小当り遊技中に発生した特殊入賞口への入賞に対応する賞球数表示の更新が実行されていることから、その2つ目の小当り遊技中に発生した特殊入賞口への入賞に対応する賞球数表示の更新を開始することはできない。この場合には、図26-5に示すように、2つ目の小当り遊技を終了した後、さらに1つ目の小当り遊技中に発生した特殊入賞口への入賞に対応する賞球数表示の更新が終了してから、2つ目の小当り遊技中に発生した特殊入賞口への入賞に対応する賞球数表示の更新が開始される。
なお、本例では、図26-4および図26-5に示すように、小当り遊技中に表示された「+10」表示は小当り遊技終了時に全て消去される場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、全ての「+10」表示を一律に所定時間(例えば、3秒間)表示するように構成し、小当り遊技終了後の次の変動表示にまたがって表示するように構成してもよい。
(5000OVER表示の表示例)
次に、5000OVER表示の表示態様について説明する。図26-6は、5000OVER表示の表示態様を説明するための説明図である。なお、図26-6において、(A)(B)(C)・・・の順に表示画面が遷移する。図26-6(A)に示す例では、第2KT状態中に特殊入賞口への入賞1個分の更新を終了し、賞球数表示028IW004で示される賞球数の累積数が「4995」になった状態が示されている。そして、未だ賞球数表示028IW004に反映されていない入賞が存在することから、図26-6(B)に示すように、次の入賞に対する賞球数表示028IW004の更新が開始される。なお、この場合、未だ賞球数表示028IW004に反映されていないだけで、賞球数カウンタの値は既に5000以上となっている。
次いで、図26-6(C)に示すように、飾り図柄028IW001の停止図柄(本例では、はずれ図柄)が確定表示され、図26-6(D)に示すように、新たな飾り図柄028IW001の変動表示が開始される。この場合、賞球数表示028IW004で示される賞球数の累積数は未だ5000に達していないが、変動表示を開始するときに賞球数カウンタの値が既に5000を超えていることにもとづいて、図26-6(D)に示すように、画像表示装置5において5000OVER表示028IW005が表示される。
(賞球数表示が低透過度で表示される表示例)
次に、賞球数表示が低透過度で表示される場合の表示態様について説明する。図26-7は、賞球数表示が低透過度で表示される場合の表示態様を説明するための説明図である。なお、図26-7において、(A)(B)(C)・・・の順に表示画面が遷移する。図26-7(A)に示すように、飾り図柄028IW001の停止図柄(本例では、はずれ図柄)が確定表示され、図26-7(B)に示すように、新たな飾り図柄028IW001の変動表示が開始されたものとする。ここで、本例では、変動パターンとして、バトル演出を含む第2変動パターン#31,#34,#35が選択されたものとする。
本例では、第2変動パターン#31,#34,#35が選択されると、変動時間が2分と長い変動表示が実行され、飾り図柄の変動表示中にリーチとなった後、バトル演出に発展する演出が実行される。また、変動時間が2分と長いので、本例では、リーチ成立タイミングとなるまでには殆ど賞球数表示の更新が終了するように時間設定されている。
図26-7(C)に示すように、飾り図柄の変動表示中に賞球数表示028IW004の最後の更新を終了し、その後、賞球数表示が通常の表示サイズに戻った後、リーチ成立タイミングとなると、図26-7(D)に示すように、賞球数表示が低透過度表示028IW006に切り替えられる。
(遅れ球が検出された場合の例)
本例では、小当り遊技中に特殊入賞口への入賞を検出した場合には直ちに「+10」表示を表示するのであるが、特殊可変入賞球装置17の閉鎖直前に入賞したような場合には、入賞した遊技球が第2カウントスイッチ24で検出するタイミングでは既に小当り遊技を終了して遅れ球となる場合がある。図26-8は、遅れ球が検出された場合の「+10」表示の表示タイミングの一例を示すタイミングチャートである。
図26-8に示す例では、1つ目の小当り遊技中に特殊入賞口への入賞が3つ発生した場合が示されている。図26-8に示す例では、1つ目および2つ目の入賞は小当り遊技中に第2カウントスイッチ24で検出されたことにもとづいて「+10」表示が表示され、その小当り遊技を終了するまで「+10」表示が継続される。一方、3つ目の入賞については特殊可変入賞球装置17の閉鎖直前に発生し、図43に示すように、第2カウントスイッチ24で検出されたときには既に小当り遊技を終了した後である(すなわち、遅れ球である)。この場合、第2カウントスイッチ24で検出されたときには既に小当り遊技中でないことから、図26-8に示すように、「+10」表示は表示されない。
なお、小当り遊技中に発生した特殊入賞口への入賞が遅れ球1つのみである場合も考えられるが、そのような場合には、小当り遊技中には「+10」表示が表示されることなく、小当り遊技終了後にその遅れ球を検出してから賞球数表示の更新表示のみが開始されることになる。
(変形例028IW1)
本特徴部028IWにおいて、第2KT状態中に大当りとなる変動表示が実行されるときに、賞球数表示を一旦消去して、第2KT状態中(小当りRUSH中)に獲得した賞球数の総数を報知するトータル賞球数報知を実行するように構成してもよい。以下、トータル賞球数報知を実行する変形例028IW1について説明する。
なお、変形例028IW1では、賞球数カウンタに加えて、第2KT状態中にのみ獲得した賞球数の累積数をカウントするための第2KT中賞球数カウンタを備え、大入賞口入賞指定コマンドや特殊入賞口入賞指定コマンドを受信したことにもとづいて第2KT中賞球数カウンタも加算されるものとする。そして、第2KT中賞球数カウンタは、大当りの発生や、10R確変大当りおよび2R確変大当り以外の大当り(すなわち、第2KT状態に移行されない大当り)の発生にもとづいてリセットされるものとする。
図26-9は、変形例028IW1における可変表示開始待ち処理を示すフローチャートである。
次いで、演出制御用CPU120は、第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ028IWS923)。第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態中であれば)、演出制御用CPU120は、今回開始される変動表示が大当りとなるものであるか否かを確認する(ステップ028IWS924)。なお。大当り変動であるか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドを確認することにより判定できる。大当り変動であれば、演出制御用CPU120は、画像表示装置5に表示されている賞球数表示を消去する(ステップ028IWS925)。なお、この場合、賞球数表示の更新中であっても、賞球数表示が消去される。
また、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、第2KT状態(小当りRUSH)を終了することを報知する小当りRUSH終了表示の表示を開始する制御を行う(ステップ028IWS926)。すなわち、第2KT状態中に大当りとなった場合には、その大当り遊技終了後に遊技状態が変わって(再び第2KT状態となる場合もあるが)第2KT状態を終了する可能性がある場合であるので、小当りRUSH終了表示を表示して第2KT状態の終了を報知する制御が行われる。なお、ステップ028IW927以降の処理の説明は省略する。
図26-10は、変形例028IW1における可変表示中演出処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、ステップ028IWS8101~S8105の処理を実行した後、小当りRUSH終了表示の表示中であるか否かを確認する(ステップ028IWS8131)。小当りRUSH終了表示の表示中でなければ、ステップ028IWS8135に移行する。小当りRUSH終了表示の表示中であれば、演出制御用CPU120は、トータル賞球数報知の表示タイミングとなっているか否かを確認する(ステップ028IWS8132)。トータル賞球数報知の表示タイミングとなっていなければ、ステップ028IWS8135に移行する。
トータル賞球数報知の表示タイミングとなっていれば、演出制御用CPU120は、画像表示装置5に表示されている小当りRUSH終了表示を消去する制御を行う(ステップ028IWS8133)。また、演出制御用CPU120は、第2KT中賞球数カウンタの値にもとづいて、第2KT状態中(小当りRUSH中)に獲得した賞球数の総数を報知するトータル賞球数報知の表示を開始する制御を行う(ステップ028IWS8134)。そして、ステップ028IWS8135に移行する。
次いで、演出制御用CPU120は、トータル賞球数報知の表示中であるか否かを確認する(ステップ028IWS8135)。トータル賞球数報知の表示中でなければ、ステップ028IWS8106に移行する。トータル賞球数報知の表示中であれば、演出制御用CPU120は、リーチ発生タイミングとなっているか否かを確認する(ステップ028IWS8136)。リーチ発生タイミングとなっていなければ、ステップ028IWS8106に移行する。リーチ発生タイミングとなっていれば、演出制御用CPU120は、画像表示装置5に表示されているトータル賞球数報知を消去する制御を行う(ステップ028IWS8137)。なお、ステップ028IWS8106以降の処理の説明は省略する。
図26-11は、変形例028IW1におけるトータル賞球数報知の表示態様を説明するための説明図である。なお、図26-11において、(A)(B)(C)・・・の順に表示画面が遷移する。図26-11(A)に示すように、飾り図柄028IW001の停止図柄(本例では、はずれ図柄)が確定表示され、新たな飾り図柄028IW001の変動表示として大当り変動が開始されたものとする。この場合、図26-11(B)に示すように、画像表示装置5において、賞球数表示028IW004は消去され、小当りRUSH終了表示の表示が開始される(ステップ028IWS926参照)。図26-11(B)に示す例では、小当りRUSH終了表示として、所定のキャラクタ画像028IW007が表示されるとともに、「小当りRUSH終了!」などの文字表示028IW008が表示される場合が示されている。
なお、図26-11(A)に示す例では、賞球数表示028IW004は更新表示の途中なのであるが、本例では、大当り変動が開始された場合には、賞球数表示028IW004の更新中であっても賞球数表示028IW004が消去される。
次いで、トータル賞球数報知の開始タイミングとなると、図26-11(C)に示すように、画像表示装置5において、小当りRUSH終了表示が消去され、トータル賞球数報知の表示が開始される(028IWS8134参照)。図26-11(C)に示す例では、直近の第2KT状態中に獲得された賞球数の総数が1885個であり(第2KT中賞球数カウンタの値が1885であり)、トータル賞球数報知として「RUSH TOTAL 1885PT」などの文字表示028IW009が表示される場合が示されている。その後、リーチ成立タイミングとなると、図26-11(D)に示すように、画像表示装置5において、トータル賞球数報知とが消去される(ステップ028IWS8136,S8137参照)。
(変形例028IW2)
本特徴部028IWにおいて、賞球数表示に加えて、第2KT状態中(小当りRUSH中)に獲得した賞球数の総数を示す小当りRUSH賞球数表示を表示するように構成してもよい。以下、小当りRUSH賞球数表示を表示する変形例028IW2について説明する。
なお、変形例028IW2でも、変形例028IW1と同様に、賞球数カウンタに加えて、第2KT状態中にのみ獲得した賞球数の累積数をカウントするための第2KT中賞球数カウンタを備え、大入賞口入賞指定コマンドや特殊入賞口入賞指定コマンドを受信したことにもとづいて第2KT中賞球数カウンタも加算されるものとする。そして、第2KT中賞球数カウンタは、大当りの発生や、10R確変大当りおよび2R確変大当り以外の大当り(すなわち、第2KT状態に移行されない大当り)の発生にもとづいてリセットされるものとする。
図26-12および図26-13は、変形例028IW2における小当りRUSH賞球数表示の表示態様を説明するための説明図である。図26-12(A)に示す例では、小当り遊技中に特殊入賞口への入賞が2つ発生し、画像表示装置5において、特殊入賞口への入賞ごとに「+10」表示028IW003が表示される(ステップ028IWS668参照)場合が示されている。また、図26-12(A)に示すように、変形例028IW2では、画像表示装置5において、賞球数表示028IW002に加えて、第2KT状態中(小当りRUSH中)に獲得した賞球数の総数を示す小当りRUSH賞球数表示028IW011が表示される。また、図26-12(A)に示すように、小当り遊技中に特殊入賞口への入賞が発生すると、直ちに「+10」表示028IW003が表示されるのであるが、小当り遊技を終了するまでは賞球数表示028IW002および小当りRUSH賞球数表示028IW011は更新されない。
次いで、小当り遊技を終了すると、図26-12(B)に示すように、画像表示装置5に表示されていた全ての「+10」表示028IW003が消去される(ステップ028IWS958参照)。また、図26-12(B)に示すように、賞球数表示が拡大表示028IW004され、所定の更新速度で拡大された賞球数表示028IW004の更新表示が開始される(ステップ028IWS504参照)。図26-12(B)に例では、特殊入賞口への1つ目の入賞に対応する賞球数に相当する「10」を増加表示させるために、所定時間(本例では、5秒)をかけて賞球数表示028IW004が更新表示される。また、図26-12(B)に示すように、小当り遊技中に発生した特殊入賞口への入賞2つ分の賞球数に相当する「20」を増加表示させるために、小当りRUSH賞球数表示028IW011の更新表示が開始される。
次いで、図26-12(C)に示すように、小当りRUSH賞球数表示028IW011については、一気に2つ分の入賞に対応して「0960PT」から「0980PT」に表示が開始される。一方、賞球数表示028IW004については、図26-12(C)に示すように、1つ目の入賞に対応して一旦賞球数の累積数が「10」増加した状態で停止表示され(ステップ028IWS507参照)、図26-12(D)に示すように、所定時間(例えば、0.5秒)を経過してから次の賞球数表示028IW004の更新が開始される(ステップ028IWS510参照)。そして、所定時間(本例では、5秒)が経過すると、図26-13(E)に示すように、2つ目の入賞に対応する賞球数も反映されて、さらに賞球数の累積数が「10」増加した状態で停止表示される(ステップ028IWS507参照)。
なお、図26-12および図26-13に示す変形例028IW2において、第2KT状態(小当りRUSH)中に大当りが発生して、その大当り遊技終了後に再び第2KT状態(小当りRUSH)となる場合、小当りRUSH賞球数表示028IW011を一旦リセットして、次の第2KT状態(小当りRUSH)では「0000PT」の状態から開始してもよいし、前回の第2KT状態(小当りRUSH)で獲得した賞球数を引き継いだ状態で小当りRUSH賞球数表示028IW011を表示するように構成してもよい。
(変形例028IW3)
本特徴部028IWでは、図26-6に示したように、賞球数表示028IW004に関係なく、賞球数カウンタの値が5000を超えたことにもとづいて5000OVER表示を表示する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。逆に、賞球数カウンタの値に関係なく、賞球数表示028IW004で示される賞球数の累積数が5000を超えたことにもとづいて5000OVER表示を表示するように構成してもよい。以下、賞球数表示028IW004で示される賞球数の累積数が5000を超えたことにもとづいて5000OVER表示を表示する変形例028IW3について説明する。
図26-14および図26-15は、変形例028IW3における5000OVER表示の表示態様を説明するための説明図である。なお、図26-14および図26-15において、(A)(B)(C)・・・の順に表示画面が遷移する。なお、変形例028IW3において、図26-14(A)~(C)の表示態様は、図26-6(A)~(C)で示した表示態様と同様である。
次いで、図26-14(D)に示すように、新たな飾り図柄028IW001の変動表示が開始される。この場合、賞球数カウンタの値は既に5000を超えているのであるが、賞球数表示028IW004で示される賞球数の累積数が未だ5000に達していない。そのため、変形例028IW3では、図26-14(D)に示すように、5000OVER表示は開始されない。その後、図26-15(E)に示すように、賞球数表示028IW004の更新を終了し、賞球数表示028IW004で示される賞球数の累積数が5000を超えた状態となると、画像表示装置5において5000OVER表示028IW021が表示される。
以上に説明したように、本特徴部028IWによれば、特定事象の発生(例えば、特殊入賞口への入賞の発生)にもとづいて有利価値(例えば、賞球)を付与可能である。また、特定事象の発生にもとづいて有利価値に対応する所定表示(例えば、「+10」表示028IW003)を表示可能であるとともに、有利価値の合計に対応する合計表示(例えば、賞球数表示028IW002,004)を表示可能である。また、特定事象が発生可能な第1期間(例えば、小当り遊技中の期間)において、特定事象の発生にもとづいて所定表示を表示し、第1期間とは長さが異なる第2期間(例えば、小当り遊技終了後の期間)において、特定事象の発生にもとづいて合計表示を更新する。また、第2期間は、第1期間より長い(図26-4および図26-5参照)。また、複数の特定事象が発生した場合に、第1期間において複数の特定事象に対応した態様により所定表示を表示し(例えば、図26-1(C)、図26-3(K)、図26-4および図26-5に示すように、入賞ごとに「+10」表示028IW003を表示する)、第2期間において複数の特定事象に対応して合計表示を更新する(例えば、図26-1~図26-5に示すように、入賞ごとに所定時間(例えば、5秒間)をかけて賞球数表示028IW004を更新する)。そのため、第1期間において複数の特定事象が発生したことを強調しつつ、第1期間よりも長い第2期間において合計表示を更新するので合計表示も強調することができる。従って、複数の特定事象が発生したことを強調しつつ合計表示も強調することができ、興趣を向上させることができる。
なお、「第1期間」とは、特定事象が発生しうる期間であり、具体的には小当り遊技中など特定入賞口への入賞が発生しうる期間のことである。また、「第2期間」とは、合計表示(例えば、賞球数表示)を更新可能な期間であり、具体的には小当り遊技終了後の期間である。ただし、本例では、全ての賞球数表示の更新を終了する前に次の小当りが発生する場合があるので、「第2期間」には他の「第1期間」が含まれうる概念である。
また、本例では、「第1期間」が小当り遊技期間中である場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、小当り遊技期間中のうち最初の特殊入賞口への入賞から所定の固定期間(例えば、3秒間)を「第1期間」としてもよい。また、例えば、小当り遊技期間のうちファンファーレ期間を除いた期間を「第1期間」としてもよい。
また、本例では、所定表示として、小当り遊技中に特殊入賞口への入賞ごとに「+10」表示を表示する場合(従って、複数の入賞があった場合には「+10」表示を複数表示する場合)を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、小当り遊技中に1つ目の入賞が発生すると「+10」と表示し、2つ目の入賞が発生すると「+20」に表示を更新し、3つ目の入賞が発生すると「+30」に表示を更新するというように、入賞ごとに1つの所定表示を更新するように構成してもよい。そのように「複数の特定事象に対応した態様により所定表示を表示する」態様として様々な態様が考えられる。
また、本例では、第2KT状態中のみ特殊入賞口への入賞に対応して「+10」表示を表示する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1KT状態中であっても特殊入賞口への入賞に対応して「+10」表示を表示可能に構成したり、通常状態中(低確率/低ベース状態中)であっても特殊入賞口への入賞に対応して「+10」表示を表示可能に構成したりしてもよい。
また、本例では、第2KT状態中のみ所定時間(例えば、5秒間)をかけて賞球数表示を更新し、第2KT状態中以外の状態では直ちに賞球数表示を更新する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1KT状態中であっても所定時間(例えば、5秒間)をかけて賞球数表示を更新するように構成してもよい。
また、本例で示した所定表示を表示する構成や合計表示を更新する構成をスロット機に適用してもよい。スロット機に適用する場合、例えば、ART(アシスト・リプレイ・タイム)中にARTの残りゲーム回数を表示し、ART中断後の上乗せ特化ゾーン期間中にARTの上乗せ回数を「+10G」などと表示するようにし、上乗せ特化ゾーン期間終了後のART再開時に上乗せ回数を所定時間(例えば、5秒間)をかけて残りゲーム回数に加算表示するように構成してもよい。
また、本特徴部028IWによれば、第2期間には、さらに第1期間が含まれる場合がある(例えば、図26-5に示すように、1つ目の小当り遊技中に発生した特殊入賞口への入賞に対応する賞球数表示の更新が2つ目の小当り遊技が終了するまでに終わらない場合がある)。また、第2期間中の第1期間において新たな特定事象が発生した場合には、該新たな特定事象が発生した第1期間の終了後に、該新たな特定事象に対応して合計表示を更新する(例えば、図26-5に示すように、2つ目の小当り遊技を終了した後、さらに1つ目の小当り遊技中に発生した特殊入賞口への入賞に対応する賞球数表示の更新が終了してから、2つ目の小当り遊技中に発生した特殊入賞口への入賞に対応する賞球数表示の更新が開始される)。そのため、第2期間中に新たな特定事象が発生した場合であっても合計表示を強調することができ、興趣を向上させることができる。
また、本特徴部028IWによれば、複数の特定事象が発生した場合に、特定事象の発生回数に対応した回数により合計表示を更新する(例えば、図26-1~図26-5に示すように、入賞1個分の更新が終了すると、賞球数表示028IW004が一旦賞球数の累積数が「10」増加した状態で停止表示され、所定時間(例えば、0.5秒)を経過してから次の賞球数表示028IW004の更新が開始される)。そのため、特定事象の発生回数を認識可能に合計表示を強調することができる。
なお、本例では、入賞1個分の賞球数表示の更新が終了すると、所定時間(例えば、0.5秒)を待ってから次の入賞に対応する賞球数表示の更新を行う場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、発生した複数の特殊入賞口への入賞分をまとめて賞球数表示を更新するように構成してもよい。この場合、例えば、特殊入賞口への入賞が2つ発生した場合であれば、一気に2つ分の特殊入賞口への入賞に対応して賞球数表示を更新するように構成してもよい。
また、本特徴部028IWによれば、第1合計表示(例えば、賞球数表示028IW002,004)と第2合計表示(例えば、図26-12に示す小当りRUSH賞球数表示028IW011)とを表示可能である。また、複数の特定事象が発生した場合に、特定事象の発生回数に対応した回数により第1合計表示を更新し(例えば、図26-12に示すように、入賞1個分の更新が終了すると、賞球数表示028IW004が一旦賞球数の累積数が「10」増加した状態で停止表示され、所定時間(例えば、0.5秒)を経過してから次の賞球数表示028IW004の更新が開始される)、特定事象の発生回数に関係なくまとめて第2合計表示を更新する(例えば、図26-12に示すように、一気に2つ分の特殊入賞口への入賞に対応して小当りRUSH賞球数表示028IW011が更新される)。そのため、特定事象の発生回数を認識可能に第1合計表示を強調することができる一方で、第2合計表示については速やかに更新することができる。
また、本特徴部028IWによれば、有利価値の合計を計数するための計数手段(例えば、賞球数カウンタ)を備え、有利価値の合計が所定値に達したことに対応して特別演出(例えば、5000OVER表示028IW021)を実行可能である。この場合計数手段の計数値に関係なく、合計表示により示される有利価値の合計が所定値に達したことにもとづいて、特別演出を実行する(例えば、図26-14および図26-15に示すように、賞球数カウンタの値に関係なく、賞球数表示028IW004で示される賞球数の累積数が5000を超えたことにもとづいて、5000OVER表示028IW021が表示される)。そのため、計数手段の計数値に関係なく、有利価値の合計が所定値に達したことを報知することができる。
また、本特徴部028IWによれば、有利価値の合計を計数するための計数手段(例えば、賞球数カウンタ)を備え、有利価値の合計が所定値に達したことに対応して特別演出(例えば、5000OVER表示028IW005)を実行可能である。この場合、合計表示に関係なく、計数手段の計数値が所定値に達したことにもとづいて、特別演出を実行する(例えば、図26-6に示すように、賞球数表示028IW004に関係なく、賞球数カウンタの値が既に5000を超えたことにもとづいて、5000OVER表示028IW005が表示される)。そのため、合計表示に関係なく、有利価値の合計が所定値に達したことを報知することができる。
また、本特徴部028IWによれば、有利価値が増加しない期間において、合計表示の表示態様を変化させる(例えば、図26-7(D)に示すように、リーチ成立タイミングとなったことにもとづいて、低透過度表示の賞球数表示028IW006に切り替えられる)。そのため、状況に応じて適切な表示態様で合計表示を表示することができる。
なお、本例では、「有利価値が増加しない期間」として、リーチ成立タイミング以降の期間である場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、一律に変動表示が開始されてから所定期間が経過すると、「有利価値が増加しない期間」であると判定して、低透過度表示の賞球数表示に切り替えるように構成してもよい。そのように何らかの方法で全ての賞球数表示の更新が終了している筈である期間であることを判定して、低透過度表示の賞球数表示に切り替えるものであればよい。
また、本例では、リーチ成立タイミングとなると低透過度表示の賞球数表示に切り替える場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、リーチ成立タイミングとなると賞球数表示の表示色をグレーにしてもよく、何らかの態様で賞球数表示の視認性を低下させるものであればよい。
また、本特徴部028IWによれば、合計表示を更新するときに、該合計表示を拡大表示する(例えば、図26-1(D)に示すように、賞球数表示028IW002から賞球数表示028IW004に拡大表示されて、賞球数表示028IW004の更新表示が開始される)。そのため、合計表示の更新状況を認識しやすくすることができる。
また、本特徴部028IWによれば、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能であり、有利状態とは異なる状態であって遊技者にとって有利な特殊状態(例えば、小当り遊技状態)に制御可能である。また、非特別状態(例えば、低確率/低ベース状態)よりも特殊状態に制御される頻度が高い特別状態(例えば、高確率/第2KT状態)に制御可能である。そのため、特殊状態に制御される頻度が高い特別状態に制御可能に構成された遊技機において、複数の特定事象が発生したことを強調しつつ合計表示も強調することができ、興趣を向上させることができる。
また、本特徴部028IWによれば、特定事象の発生(例えば、特殊入賞口への入賞の発生)にもとづいて有利価値(例えば、賞球)を付与可能である。また、特定事象の発生にもとづいて有利価値に対応する所定表示(例えば、「+10」表示028IW003)を表示可能であるとともに、有利価値の合計に対応する合計表示(例えば、賞球数表示028IW002,004)を表示可能である。また、特定事象が発生可能な第1期間(例えば、小当り遊技中の期間)において、特定事象の発生にもとづいて所定表示を表示し、第1期間とは長さが異なる第2期間(例えば、小当り遊技終了後の期間)において、特定事象の発生にもとづいて合計表示を更新する。また、第1期間に制御されやすい特別状態(例えば、高確率/第2KT状態)に制御可能である。また、特別状態の終了に対応する所定条件が成立(例えば、大当り変動の開始)したときに、特別状態において付与された有利価値の累積値を報知する報知演出(例えば、図26-11(C)に示すトータル賞球数報知)を実行可能であり、特別状態において付与された有利価値の累積値を計数する累積値計数手段(例えば、第2KT中賞球数カウンタ)を備える。また、特別状態において合計表示を表示可能であり(例えば、図26-11(A)に示すように、第2KT状態中に賞球数表示028IW004を表示する)、第2期間において所定条件が成立したときに、合計表示の表示状況に関係なく、累積値計数手段の計数値にもとづいて報知演出を実行する(例えば、図26-11に示すように、賞球数表示028IW004の更新中であっても賞球数表示028IW004を消去し、トータル賞球数報知を表示する)。そのため、合計表示とは独立して特別状態において付与された有利価値の累積値の計数を行い、該計数値にもとづいて報知演出を実行するので、報知演出を実行する場合の制御負担を軽減することができる。
なお、本例では、大当り変動の開始時に所定条件が成立したものとして、小当りRUSH終了表示を表示してからトータル賞球数報知を表示する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、大当り遊技状態移行時や大当り遊技終了後の遊技状態の移行時に所定条件が成立したものとして報知演出(例えば、トータル賞球数報知)を実行するように構成してもよい。
また、本特徴部028IWによれば、特定事象の発生(例えば、特殊入賞口への入賞の発生)にもとづいて有利価値(例えば、賞球)を付与可能である。また、特定事象の発生にもとづいて有利価値に対応する所定表示(例えば、「+10」表示028IW003)を表示可能であるとともに、有利価値の合計に対応する合計表示(例えば、賞球数表示028IW002,004)を表示可能である。また、特定事象が発生可能な第1期間(例えば、小当り遊技中の期間)において、特定事象の発生にもとづいて所定表示を表示し、第1期間とは長さが異なる第2期間(例えば、小当り遊技終了後の期間)において、特定事象の発生にもとづいて合計表示を更新する。また、第2期間は、第1期間より長い(図26-4および図26-5参照)。また、第1期間の経過後であって合計表示の更新中に新たな特定事象が発生したときに、該新たな特定事象の発生にもとづいて所定表示を表示せず(例えば、図26-8に示すように、遅れ球である場合には、「+10」表示は表示されない)、該新たな特定事象の発生にもとづいて合計表示を更新する(例えば、図26-8に示すように、入賞ごとに所定時間(例えば、5秒間)をかけて賞球数表示028IW004を更新する)。そのため、制御負担の増加を抑えつつ、第1期間の経過後に発生した新たな特定事象を合計表示に反映させるので、第1期間の経過後に新たな特定事象が発生した場合に興趣の低下を抑えることができる。
なお、本例において、「第1期間の経過後であって合計表示の更新中に新たな特定事象が発生した場合」とは、具体的には、特殊可変入賞球装置17の閉鎖直前に入賞したような場合に、入賞した遊技球が第2カウントスイッチ24で検出するタイミングでは既に小当り遊技を終了して賞球数表示の更新が始まっており、遅れ球となる場合である。
また、本特徴部028IWによれば、特定事象の発生(例えば、特殊入賞口への入賞の発生)にもとづいて有利価値(例えば、賞球)を付与可能である。また、特定事象の発生にもとづいて有利価値に対応する所定表示(例えば、「+10」表示028IW003)を表示可能であるとともに、有利価値の合計に対応する合計表示(例えば、賞球数表示028IW002,004)を表示可能である。また、特定事象が発生可能な第1期間(例えば、小当り遊技中の期間)において、特定事象の発生にもとづいて所定表示を表示し、第1期間とは長さが異なる第2期間(例えば、小当り遊技終了後の期間)において、特定事象の発生にもとづいて合計表示を更新する。また、合計表示の表示領域のうちの少なくとも一部は、識別情報の可変表示領域のうちの少なくとも一部と重複している(例えば、図26-1~図26-3に示すように、飾り図柄028IW001の変動表示と賞球数表示028IW002,004とは表示領域が一部重複している)。また、識別情報の可変表示期間において、識別情報よりも高い視認性により合計表示を表示し(例えば、図26-1(A)に示すように、第2KT状態では飾り図柄028IW001の変動表示は低透過度で表示されるので、賞球数表示028IW002の方が視認性が高くなっている)、識別情報の可変表示結果の表示期間において、識別情報よりも低い視認性により合計表示を表示する(例えば、図26-1(B)に示すように、飾り図柄028IW001の停止図柄が確定表示される際には飾り図柄028IW001の透過度が通常の透過度に戻され、飾り図柄028IW001の変動表示の方が賞球数表示028IW002よりも優先度が高い表示レイヤに表示されるので、優先度が高い飾り図柄028IW001に隠されて賞球数表示028IW002の表示が視認しにくくなる)。そのため、識別情報の可変表示期間においては合計表示を強調しつつ、識別情報の可変表示結果の視認性を確保することができ、合計表示の表示領域と識別情報の可変表示領域とが重複する場合に適切な表示制御を行うことができる。
なお、本例で示したような数字を含む飾り図柄に代えて、数字を含まない図柄(例えば、キャラクタ図柄)を変動表示する場合に、本例で示した「+10」表示や賞球数表示の更新表示を行う構成を適用してもよい。この場合、図柄に数字が含まれる訳ではないので、「+10」表示や賞球数表示と一部重複しても、それほど視認性は低下しない。
(特徴部281IWの発明)
以上説明したように、特徴部281IWには、以下に示す発明が含まれている。つまり、従来、例えば、特開2018-166815号公報等に記載されたもののように、パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機において、特定事象の発生にもとづいて所定表示を表示したり、特定事象の発生にもとづいて合計表示を更新したりするように構成されたものがある。例えば、特許文献1には、小当り遊技が開始され、第2大入賞口に遊技球が入賞すると、「+10」の賞球数画像が表示されて入賞時演出が実行され、賞球数画像の加算演出が行われて期間中払出数画像が更新されるもの等が提案されている。この種の遊技機においては、複数の特定事象が短期間内に連続して発生した場合の強調度合いが不十分であり、改善の余地があった。そこで、複数の特定事象が発生したことを強調しつつ合計表示も強調することができ、興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的として、特徴部281IWによる遊技機にあっては、
(手段1)遊技を行うことが可能な遊技機であって、特定事象の発生(例えば、特殊入賞口への入賞の発生)にもとづいて有利価値(例えば、賞球)を付与可能な価値付与手段(例えば、払出制御用マイクロコンピュータ)と、特定事象の発生にもとづいて有利価値に対応する所定表示(例えば、「+10」表示028IW003)を表示可能であるとともに、有利価値の合計に対応する合計表示(例えば、賞球数表示028IW002,004)を表示可能な表示制御手段(例えば、演出制御用CPU120におけるステップ028IWS708,S668を実行する部分)と、を備え、表示制御手段は、特定事象が発生可能な第1期間(例えば、小当り遊技中の期間)において、特定事象の発生にもとづいて所定表示を表示し、第1期間とは長さが異なる第2期間(例えば、小当り遊技終了後の期間)において、特定事象の発生にもとづいて合計表示を更新し、第2期間は、第1期間より長く(図26-4および図26-5参照)、表示制御手段は、複数の特定事象が発生した場合に、第1期間において複数の特定事象に対応した態様により所定表示を表示し(例えば、図26-1(C)、図26-3(K)、図26-4および図26-5に示すように、入賞ごとに「+10」表示028IW003を表示する)、第2期間において複数の特定事象に対応して合計表示を更新する(例えば、図26-1~図26-5に示すように、入賞ごとに所定時間(例えば、5秒間)をかけて賞球数表示028IW004を更新する)ことを特徴とする。そのような構成によれば、第1期間において複数の特定事象が発生したことを強調しつつ、第1期間よりも長い第2期間において合計表示を更新するので合計表示も強調することができる。従って、複数の特定事象が発生したことを強調しつつ合計表示も強調することができ、興趣を向上させることができる。
(手段2)手段1において、第2期間には、さらに第1期間が含まれる場合があり(例えば、図26-5に示すように、1つ目の小当り遊技中に発生した特殊入賞口への入賞に対応する賞球数表示の更新が2つ目の小当り遊技が終了するまでに終わらない場合がある)、表示制御手段は、第2期間中の第1期間において新たな特定事象が発生した場合には、該新たな特定事象が発生した第1期間の終了後に、該新たな特定事象に対応して合計表示を更新する(例えば、図26-5に示すように、2つ目の小当り遊技を終了した後、さらに1つ目の小当り遊技中に発生した特殊入賞口への入賞に対応する賞球数表示の更新が終了してから、2つ目の小当り遊技中に発生した特殊入賞口への入賞に対応する賞球数表示の更新が開始される)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、第2期間中に新たな特定事象が発生した場合であっても合計表示を強調することができ、興趣を向上させることができる。
(手段3)手段1または手段2において、表示制御手段は、複数の特定事象が発生した場合に、特定事象の発生回数に対応した回数により合計表示を更新する(例えば、図26-1~図26-5に示すように、入賞1個分の更新が終了すると、賞球数表示028IW004が一旦賞球数の累積数が「10」増加した状態で停止表示され、所定時間(例えば、0.5秒)を経過してから次の賞球数表示028IW004の更新が開始される)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特定事象の発生回数を認識可能に合計表示を強調することができる。
(手段4)手段1から手段3のうちのいずれかにおいて、表示制御手段は、第1合計表示(例えば、賞球数表示028IW002,004)と第2合計表示(例えば、図26-12に示す小当りRUSH賞球数表示028IW011)とを表示可能であり、複数の特定事象が発生した場合に、特定事象の発生回数に対応した回数により第1合計表示を更新し(例えば、図26-12に示すように、入賞1個分の更新が終了すると、賞球数表示028IW004が一旦賞球数の累積数が「10」増加した状態で停止表示され、所定時間(例えば、0.5秒)を経過してから次の賞球数表示028IW004の更新が開始される)、特定事象の発生回数に関係なくまとめて第2合計表示を更新する(例えば、図26-12に示すように、一気に2つ分の特殊入賞口への入賞に対応して小当りRUSH賞球数表示028IW011が更新される)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特定事象の発生回数を認識可能に第1合計表示を強調することができる一方で、第2合計表示については速やかに更新することができる。
(手段5)手段1から手段4のうちのいずれかにおいて、有利価値の合計を計数するための計数手段(例えば、賞球数カウンタ)と、有利価値の合計が所定値に達したことに対応して特別演出(例えば、5000OVER表示028IW021)を実行可能な特別演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120)と、を備え、特別演出実行手段は、計数手段の計数値に関係なく、合計表示により示される有利価値の合計が所定値に達したことにもとづいて、特別演出を実行する(例えば、図26-14および図26-15に示すように、賞球数カウンタの値に関係なく、賞球数表示028IW004で示される賞球数の累積数が5000を超えたことにもとづいて、5000OVER表示028IW021が表示される)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、計数手段の計数値に関係なく、有利価値の合計が所定値に達したことを報知することができる。
(手段6)手段1から手段4のうちのいずれかにおいて、有利価値の合計を計数するための計数手段(例えば、賞球数カウンタ)と、有利価値の合計が所定値に達したことに対応して特別演出(例えば、5000OVER表示028IW005)を実行可能な特別演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120)と、を備え、特別演出実行手段は、合計表示に関係なく、計数手段の計数値が所定値に達したことにもとづいて、特別演出を実行する(例えば、図26-6に示すように、賞球数表示028IW004に関係なく、賞球数カウンタの値が既に5000を超えたことにもとづいて、5000OVER表示028IW005が表示される)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、合計表示に関係なく、有利価値の合計が所定値に達したことを報知することができる。
(手段7)手段1から手段6のうちのいずれかにおいて、表示制御手段は、有利価値が増加しない期間において、合計表示の表示態様を変化させる(例えば、図26-7(D)に示すように、リーチ成立タイミングとなったことにもとづいて、低透過度表示の賞球数表示028IW006に切り替えられる)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、状況に応じて適切な表示態様で合計表示を表示することができる。
(手段8)手段1から手段7のうちのいずれかにおいて、表示制御手段は、合計表示を更新するときに、該合計表示を拡大表示する(例えば、図26-1(D)に示すように、賞球数表示028IW002から賞球数表示028IW004に拡大表示されて、賞球数表示028IW004の更新表示が開始される)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、合計表示の更新状況を認識しやすくすることができる。
(手段9)手段1から手段8のうちのいずれかにおいて、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、有利状態とは異なる状態であって遊技者にとって有利な特殊状態(例えば、小当り遊技状態)に制御可能な特殊状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、非特別状態(例えば、低確率/低ベース状態)よりも特殊状態に制御される頻度が高い特別状態(例えば、高確率/第2KT状態)に制御可能な特別状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、を備えるように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特殊状態に制御される頻度が高い特別状態に制御可能に構成された遊技機において、複数の特定事象が発生したことを強調しつつ合計表示も強調することができ、興趣を向上させることができる。
このように特徴部028IWにて説明した第2KT状態(小当りRUSH)中における賞球数表示については、前記実施の形態において説明したパチンコ遊技機1においても実行可能である。具体的には、特徴部028IWの第2KT状態(小当りRUSH)に替えて、前記実施の形態にて説明した高確率/低ベース状態(小当りRUSH)において実行可能とすればよい。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
遊技が可能な遊技機とは、少なくとも遊技を行うものであれば良く、パチンコ遊技機やスロットマシンに限らず、一般ゲーム機であっても良い。