JP7101387B2 - シミュレーション装置、シミュレーション方法、プログラム - Google Patents

シミュレーション装置、シミュレーション方法、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、シミュレーション装置、シミュレーション方法、プログラム
に関する。
特許文献1には、シミュレーション条件の入力を行う入力装置と、
シミュレーション結果を出力する出力装置と、
前記入力装置から入力されたシミュレーション条件に基づいて、大きさが異なる複数の
粒子を含む粉粒体の挙動を解析する処理装置とを有し、
前記処理装置は、
前記入力装置から入力されたシミュレーション対象の粉粒体の粒径分布を規定するパラメータの値、及び粒子を粗視化する基準となる粗視化係数の値に基づいて、粗視化された粉粒体の挙動をシミュレーションにより求め、
シミュレーションによって求められた粒子の挙動と、入力された粗視化係数の値とを関連付けて前記出力装置に出力するシミュレーション装置等に開示されているように、粉粒体についてのシミュレーション装置が開示されている。
特開2020-57135号公報
工場等におけるプロセスの改善や、製造工程を検討する際の試験工数の削減等を目的として、複数の粒子を含む粉体(粉粒体)の挙動の解析を離散要素法(DEM:Discrete Element Method)計算等により行うことが従来からなされてきた。
離散要素法計算は、個々の粒子について運動方程式を解くことで、粉体全体の運動を記述するシミュレーション技術である。
しかしながら、離散要素法計算では、取り扱う粒子数が多くなるほど計算負荷が高くなる。このため、例えば工場で用いるプラント等のような大きな規模での粉体の挙動について解析を行う場合、計算量が膨大になり、現実的には計算を行うことが困難となる。
そこで、複数個の粒子から構成される粒子群を1個の粗視化粒子とする粗視化の手法を用いたシミュレーション装置について従来から検討されていた(特許文献1を参照)。粗視化の手法を用いたシミュレーション装置では、正確な解析結果を得るため、計算で用いる粗視化粒子に関するパラメータを適切に選択することが求められる。このため、粗視化粒子に関するパラメータを新たな手法により選択、設定し、複数の粒子を含む粉体の挙動を解析できる新たなシミュレーション装置が求められていた。
上記従来技術が有する問題に鑑み、本発明の一側面では、複数の粒子を含む粉体の挙動を解析できる新たなシミュレーション装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の一態様によれば、
複数の粒子を含む粉体の挙動を解析するためのシミュレーション装置であって、
前記粉体に関連するパラメータを含む第1パラメータを取得する第1パラメータ取得部と、
複数個の前記粒子から構成される粒子群を粗視化し、1個の粗視化粒子とした場合の、前記粗視化粒子についてのパラメータである第2パラメータを算出する第2パラメータ算出部と、
前記第1パラメータ、および前記第2パラメータに基づいて、前記粗視化粒子の挙動を解析する粗視化粒子挙動解析部と、を有し、
前記第2パラメータ算出部は、前記粒子群と前記粗視化粒子とで、重心および弾性エネルギーが一致しているとして、前記粒子群の弾性エネルギーと、前記粗視化粒子の弾性エネルギーとの関係を用いた特性方程式の解を用いて、前記第2パラメータを算出するシミュレーション装置を提供する。
本発明の一態様によれば、複数の粒子を含む粉体の挙動を解析できる新たなシミュレーション装置を提供することができる。
複数個の粒子から構成される粒子群と、粒子群と壁面との衝突時の説明図である。 複数個の粒子から構成される粒子群を粗視化した粗視化粒子と、粗視化粒子と壁面との衝突時の説明図である。 本発明の実施形態に係るシミュレーション装置のハードウェア構成図である。 本発明の実施形態に係るシミュレーション装置の機能を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るシミュレーション方法を説明するフローチャートである。 実験例1における粉体の平均温度の変化を示すグラフである。 実施例2-1におけるキルン内での粉体の混合の状態を示す図である。 比較例2-1におけるキルン内での粉体の混合の状態を示す図である。 比較例2-2におけるキルン内での粉体の混合の状態を示す図である。 実施例2-1におけるキルン内の粉体の温度分布を示す図である。 比較例2-1におけるキルン内の粉体の温度分布を示す図である。 比較例2-2におけるキルン内の粉体の温度分布を示す図である。 実験例2における粉体の平均温度の変化を示すグラフである。
本開示の一実施形態(以下「本実施形態」と記す)に係るシミュレーション装置、シミュレーション方法、プログラムの具体例を、以下に図面を参照しながら説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1.第1の実施形態
[シミュレーション装置]
(1)粒子の粗視化、および粗視化粒子の粒子挙動の計算に用いるパラメータについて
(1-1)粒子の粗視化について
本実施形態のシミュレーション装置の詳細について説明する前に、本実施形態のシミュレーション装置で用いることができる、複数個の粒子から構成される粒子群の粗視化、および粗視化した粒子である粗視化粒子に関連するパラメータの算出方法について以下に説明する。
既述のように、離散要素法計算では、取り扱う粒子数が多くなるほど計算負荷が高くなる。このため、例えば工場で用いるプラント等のような大きな規模での粉体の挙動について解析を行う場合、計算量が膨大になり、現実的には計算を行うことが困難となる。
そこで、多量の粒子を含む粉体について挙動を解析する場合、計算量を抑制するため、例えば図1(A)に示した複数個の粒子から構成される粒子群11を、図2(A)に示すような1個の大きな粒子である粗視化粒子21として取り扱う粗視化の技術が必要となる。
ただし、粗視化前の個別の粒子と、粗視化粒子とでは比表面積等が異なるため、計算に要する一部のパラメータは変化することになる。このため、粗視化粒子のパラメータを適切に決定する必要がある。
(1-2)粗視化粒子の粒子挙動の計算に用いるパラメータについて
そこで、本発明の発明者は、粗視化粒子に関するパラメータを決定する方法について検討を行った。計算にあたって、図1(A)に示した粗視化する前の複数個の粒子から構成される粒子群11が壁面12に衝突する場合と、図2(A)に示した粗視化粒子21が壁面12に衝突する場合とをモデルに用いた。以下の説明では壁面と粒子とが衝突する場合を例に粗視化粒子に関するパラメータを決定する方法を記載するが、粒子同士が衝突する場合でも同様の議論となるため説明を省略する。
図1(A)に示すように、複数個の粒子から構成される粒子群11が、立方体状に、縦方向、横方向、高さ方向に2個ずつ、合計で2個並んでいるとする。後述するように、係る8個の粒子をまとめて1個の粗視化粒子とする場合、一辺の方向に並べた粒子の数、すなわち2を粗視化倍率とする。
図1(A)に示した複数個の粒子11A、11Bを含む粒子群11が壁面12に衝突する際に、粒子群11のうち壁面12側に位置する粒子11Aが壁面あるいは外部粒子から受ける力を図1(B)に示すようにFとする。また、図1(B)に示すように粒子11Aの壁面12あるいは外部粒子とのオーバーラップ量をδ、粒子11Bの隣接する粒子11Aとのオーバーラップ量をδとする。なお、図1(B)は、粒子群11が壁面12に衝突する際の様子を側面側から見た図になる。
この場合、粒子群11に加わる力の大きさは、以下の式(1)で表すことができる。
なお、式(1)におけるαは粗視化倍率であり、既述のように粒子群11を1個の粗視化粒子とした場合に一辺の方向に並べた粒子の数を意味する。図1(A)に示した粒子群11を図2(A)に示した1個の粗視化粒子21とする場合、α=2となる。
また、mは各粒子11A、11Bの質量を、aは粒子群11の重心の加速度を、ηは壁面12あるいは外部粒子と粒子11Aとの反発係数から算出される粘性係数をそれぞれ意味している。作用反作用の法則により粒子間の接触力が打ち消されるため、壁面12とは直接接しない粒子11Bが、隣接する粒子11Aから受ける力Fは式(1)には表れないことになる。
Figure 0007101387000001
なお、上述のη等を反発係数から算出する際に用いる、反発係数eと粘性係数ηとの関係は、以下の式(A)で表すことができる。式(A)中のmは換算質量を、Kはバネ係数を意味している。
Figure 0007101387000002
次に、図2(A)に示すように、図1(A)に示した8個の粒子からなる粒子群11を1つの粗視化粒子21としたとする。この場合において、粗視化粒子21が、壁面12に衝突した場合に、粗視化粒子21が受ける力は以下の式(2)で表すことができる。
式(2)中のFcwは、図2(B)に示すように粗視化粒子21が壁面12あるいは外部粒子から受ける力を、δcwは粗視化粒子21の壁面12あるいは外部粒子とのオーバーラップ量を、ηcwは粗視化粒子21と壁面12あるいは外部粒子との反発係数から算出される粘性係数をそれぞれ意味している。なお、図2(B)は、粗視化粒子21が壁面12に衝突する際の様子を側面側から見た図になる。
Figure 0007101387000003
既述のように、粗視化は、離散要素法計算において、計算量を抑制するために行うものである。このため、粗視化粒子21についての計算結果と、粗視化粒子21とする前の粒子群11についての計算結果とは一致することになる。
従って、粒子群11について計算を行った既述の式(1)と、粒子群を粗視化した粗視化粒子21について計算を行った既述の式(2)とから、対応するパラメータが一致することを示す以下の式(3)、式(4)が導出される。
Figure 0007101387000004
Figure 0007101387000005
また、Hertz-Mindlinの接触モデルにより、粒子のオーバーラップ量δ、δ、δcwを用いて、各粒子に加わる力を以下の式(5)~式(7)のように表すことができる。式(5)~式(7)におけるKは粒子11Aと壁面12あるいは外部粒子とのバネ係数を、Kは粒子群11の内部粒子のバネ係数を、Kcwは粗視化粒子21と壁面12あるいは外部粒子とのバネ係数をそれぞれ意味している。
Figure 0007101387000006
Figure 0007101387000007
Figure 0007101387000008
そうすると、式(3)、式(5)、式(7)から以下の式(8)の関係が導かれる。
Figure 0007101387000009
ここで、以下の式(9)のようにKを定義すると、上記式(8)は以下の式(10)のように表すことができる。
Figure 0007101387000010
Figure 0007101387000011
なお、粗視化前の粒子群11と、粗視化粒子21とで重心が一致しているとすると、以下の式(11)の関係を満たすことになる。
Figure 0007101387000012
従って、Kを適切に設定することで、粗視化粒子21の壁面12あるいは外部粒子とのオーバーラップ量δCWから、粗視化前の粒子群11を構成する粒子のオーバーラップ量を算出できることもわかる。
そして、Kは、衝突中の粗視化前の粒子群11の弾性エネルギーと、粗視化粒子21の弾性エネルギーとの関係を用いた特性方程式により算出できる。具体的には例えば、粗視化前の粒子群11全体の弾性エネルギーと、粗視化粒子全体の弾性エネルギーが等しくなると仮定して、特性方程式を作成してKを算出できる。
壁面12と衝突中の、粒子群11の弾性エネルギーと、粗視化粒子の弾性エネルギーは、既述の粒子群11を構成する粒子11A、11Bに加わる力や、粗視化粒子に加わる力を表した式(5)~式(7)をオーバーラップ量の距離で積分することで算出できる。
従って、粗視化前の粒子群11全体の弾性エネルギーと、粗視化粒子全体の弾性エネルギーとを用いて、以下の式(12)が得られる
Figure 0007101387000013
上記式(12)は、既述の式(8)~式(11)を用いて以下の式(13)に変形できる。
Figure 0007101387000014
式(13)は垂直方向のKの特性方程式である。そして、式(9)の定義式から明らかなように、Kは粗視化粒子、および粗視化前の粒子群11を構成する粒子のオーバーラップ量に関するパラメータであり、粗視化粒子の挙動を支配するパラメータである。このため、特性方程式によりKを事前に求めておくことによって、粗視化後粒子のオーバーラップ量から粗視化前粒子群のオーバーラップ量を算出するなど、粗視化粒子についてのパラメータを算出したり、粗視化粒子の挙動を計算したりすることが可能になる。
ここまで、壁面12に対する垂直方向の運動方程式を用いて説明したが、接線方向の運動方程式や、回転の運動方程式についても同様のことが言える。
具体的には、接線方向の運動方程式は、式(14)で表すことができる。
この場合も、式(15)に示したように、Kを設定すると、δ、δは式(16)、式(17)のように示すことができ、粗視化前の粒子群の弾性エネルギーと、粗視化粒子の弾性エネルギーが等しいとすると、式(18)が得られる。式(18)を変形することで、接線方向の特性方程式である式(19)が得られる。ただし、接線方向の接触モデルには線形バネモデルを使用した。このように、接触モデルによって弾性エネルギーの計算式が異なるが、必要に応じて特性方程式を変更する等により、適切に弾性エネルギーを算出できる。
Figure 0007101387000015
Figure 0007101387000016
Figure 0007101387000017
Figure 0007101387000018
Figure 0007101387000019
Figure 0007101387000020
回転の運動方程式については第2の実施形態で詳述する。
(1-3)粗視化粒子の伝熱に関するパラメータについて
既述のKを用いて、粗視化粒子の伝熱に関するパラメータである熱伝導率を求めることもできる。
粒子の伝熱は熱伝導率を用いて、以下の式(20)、式(21)のようにあらわされる。
なお、式(20)、式(21)において、Qは熱流量を、hは熱流量係数を、ΔTは壁面あるいは粒子同士の温度差を、kは壁面12あるいは外部粒子と粒子11Aとの熱伝導率を、kは粒子群11内部の熱伝導率を、aは粒子群11の接触半径をそれぞれ意味する。
Figure 0007101387000021
Figure 0007101387000022
粒子と壁面や、他の粒子との接触半径は、粒径によって変化するため、粒径が大きくなると粒子に与えられる熱流量が変化し、粒子の温度変化に影響する。
接触半径は、各粒子のオーバーラップ量に依存する。そして、既述のように粗視化前後でのオーバーラップ量は既述の垂直方向の特性方程式の解に関係づけられている。このことから、垂直方向の特性方程式の解Kを用いて伝熱方程式を書き換えると以下の式(22)、式(23)のようになる。
式(23)におけるa´は粗視化粒子の接触半径を、rは粒子群11を構成する粒子の半径をそれぞれ意味する。
Figure 0007101387000023
Figure 0007101387000024
そして、粗視化粒子の伝熱方程式は以下の式(24)、式(25)で表すことができる。
式(24)、式(25)におけるQは粗視化粒子の熱流量を、hは粗視化粒子の熱流量係数を、ΔTは粗視化粒子21と壁面12あるいは外部粒子との温度差を、k´は壁面12と粗視化粒子21との熱伝導率を、k´は外部粒子と粗視化粒子との熱伝導率をそれぞれ意味する。
Figure 0007101387000025
Figure 0007101387000026
熱伝導率に注目すると、粗視化前後での熱伝導率を、Kを用いて以下の式(26)、式(27)のように変換すると、粗視化前後で等価な熱伝導方程式を得ることができる。ただし、ΔT=αΔTとした。
Figure 0007101387000027
Figure 0007101387000028
つまり粗視化する際に、熱伝導率をK 1/3α1/2倍することで、粗視化前の粒子群に与えられる熱流量と、粗視化後の粒子に与えられる熱流量を等しくすることができ、その結果、温度の時間変化を粗視化前後で一致させることができる。
なお、ここでは粗視化前後での熱伝導率を例に説明したが、熱伝導率以外のパラメータについても同様にして、既述の特性方程式の解Kを用いて粗視化後のパラメータを算出できる。例えば、特性方程式を用いて反発係数、摩擦係数、転がり摩擦係数を算出することもできる。なお、計算に適用するモデルに応じて、これらの係数は調整可能であり、上述のように特性方程式を用いて算出、換算できる。
(2)シミュレーション装置
本実施形態のシミュレーション装置は、複数の粒子を含む粉体の挙動を解析するためのシミュレーション装置であり、以下の部材を有することができる。
粉体に関連するパラメータを含む第1パラメータを取得する第1パラメータ取得部。
複数個の粒子から構成される粒子群を粗視化し、1個の粗視化粒子とした場合の、粗視化粒子についてのパラメータである第2パラメータを算出する第2パラメータ算出部。
第1パラメータ、および第2パラメータに基づいて、粗視化粒子の挙動を解析する粗視化粒子挙動解析部。
第2パラメータ算出部は、粒子群の弾性エネルギーと、粗視化粒子の弾性エネルギーとの関係を用いた特性方程式の解を用いて、第2パラメータを算出する。
図3に示したハードウェア構成図に示すように、本実施形態のシミュレーション装置30は、例えば、情報処理装置(コンピュータ)で構成され、物理的には、演算処理部であるCPU(Central Processing Unit:プロセッサ)31と、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)32やROM(Read Only Memory)33と、補助記憶装置34と、入出力インタフェース35と、出力装置である表示装置36等を含むコンピュータシステムとして構成することができる。これらは、バス37で相互に接続されている。なお、補助記憶装置34や表示装置36は、外部に設けられていてもよい。
CPU31は、シミュレーション装置30の全体の動作を制御し、各種の情報処理を行う。CPU31は、ROM33または補助記憶装置34に格納された、例えば後述するシミュレーション方法や、プログラム(シュミレーションプログラム)を実行して、粗視化粒子についてのパラメータである第2パラメータの算出や、粗視化粒子の挙動の解析を行うことができる。
RAM32は、CPU31のワークエリアとして用いられ、主要な制御パラメータや情報を記憶する不揮発RAMを含んでもよい。
ROM33は、プログラム(シュミレーションプログラム)等を記憶することができる。
補助記憶装置34は、SSD(Solid State Drive)や、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置であり、シミュレーション装置の動作に必要な各種のデータ、ファイル等を格納できる。
入出力インタフェース35は、タッチパネル、キーボード、表示画面、操作ボタン等のユーザインタフェースと、外部のデータ収録サーバ等からの情報を取り込み、他の電子機器に解析情報を出力する通信インタフェースとの双方を含む。
表示装置36は、モニタディスプレイ等である。表示装置36では、解析画面が表示され、入出力インタフェース35を介した入出力操作に応じて画面が更新される。
図3に示したシミュレーション装置30の各機能は、例えばRAM32やROM33等の主記憶装置または補助記憶装置34からプログラム(シミュレーションプログラム)等を読み込ませ、CPU31により実行することにより、RAM32等におけるデータの読み出しおよび書き込みを行うと共に、入出力インタフェース35および表示装置36を動作させることで実現できる。
図4に、本実施形態のシミュレーション装置30の機能ブロック図を示す。
図4に示すように、シミュレーション装置30は、受付部41、処理装置42、出力部43を有することができる。これらの各部は、シミュレーション装置30が有するCPU、記憶装置、各種インタフェース等を備えたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置において、CPUが予め記憶されている例えば後述するシミュレーション方法や、プログラムを実行することでソフトウェアおよびハードウェアが協働して実現される。
各部の構成について以下に説明する。
(A)受付部
受付部41は、処理装置42で実行される処理に関係するユーザーからのコマンドやデータの入力を受け付ける。受付部41としてはユーザーが操作を行い、コマンド等を入力するキーボードやマウス、ネットワークを介して入力を行う通信装置、CD-ROM、DVD-ROM等の各種記憶媒体から入力を行う読み取り装置などが挙げられる。
(B)処理装置
処理装置42は、第1パラメータ取得部421、第2パラメータ算出部422、粗視化粒子挙動解析部423を有することができる。なお、処理装置は、必要に応じてさらに任意の部材を有することができ、例えば初期設定部等を有することもできる。
(B-1)第1パラメータ取得部
第1パラメータ取得部421では、例えば解析の対象となる粉体に関連するパラメータを含む第1パラメータを取得できる。第1パラメータは、粉体に関連するパラメータ以外に、解析に要する各種パラメータを含むこともできる。第1パラメータは解析(シミュレーション)の内容に応じて選択できるため、その具体的な種類は特に限定されない。第1パラメータとしては、離散要素法計算に必要となる各種パラメータが挙げられ、具体的には例えば粒子径、粒子数、ヤング率、計算のTime step、ポワソン比、壁面との摩擦係数、粒子間の摩擦係数、転がり摩擦係数、密度等から選択された1種類以上が挙げられる。
第1パラメータは、データベース等に収録されているデータであってもよく、予め実験を行い求めた実験値であってもよい。また、第1パラメータは、実験結果からシミュレーション等によりフィッティングして算出した計算値であってもよい。
(B-2)第2パラメータ算出部
既述のように、本実施形態のシミュレーション装置30では、計算量を抑制するため、粉体が有する複数個の粒子から構成される粒子群を、1個の粗視化粒子に粗視化し、粒子の数を少なくして計算を行うことができる。ただし、粗視化粒子は、粗視化前の粒子群を構成する個々の粒子とは質量等の各種パラメータが異なる。このため、粗視化粒子について、計算を行う際に必要となるパラメータの算出や、設定を行う必要がある。
第2パラメータ算出部422では、「(1)粒子の粗視化、および粗視化粒子の粒子挙動の計算に用いるパラメータについて」の中で説明したように、粗視化前の粒子群の弾性エネルギーと、粗視化粒子の弾性エネルギーとの関係を用いて導出した特性方程式の解であるKを用いて、第2パラメータを算出できる。具体的には例えば、粗視化前の粒子群11全体の弾性エネルギーと、粗視化粒子全体の弾性エネルギーが等しくなると仮定して、既述の垂直方向のKの特性方程式である式(13)を導出し、式(13)から垂直方向のKを算出できる。そして、既述の式(13)に示した特性方程式の解である垂直方向のKを用いて、第2パラメータを算出できる。また、既述の式(19)に示した接線方向のKの特性方程式を用いて、接線方向のKを算出でき、係る接線方向のKを用いて第2パラメータを算出することもできる。
既述のように、Kは、粗視化粒子の挙動を支配するパラメータであり、Kを用いることで、粗視化粒子の挙動に関連する各種パラメータを算出できる。
後述する粗視化粒子挙動解析部で用いる第2パラメータの種類は解析の内容に応じて選択できるため、特に限定されない。例えば第2パラメータは、粗視化粒子の熱伝導率を含むこともできる。この場合、第2パラメータ算出部は、既述の特性方程式の解Kを用いて、熱伝導率を算出できる。
(B-3)粗視化粒子挙動解析部
粗視化粒子挙動解析部423では、第1パラメータ取得部421により取得した第1パラメータ、および第2パラメータ算出部422で算出した第2パラメータを用いて、粗視化粒子の挙動を解析できる。具体的には離散要素法を用いて計算し、粗視化粒子の挙動を解析できる。粗視化粒子の挙動を解析することで、粉体の挙動を解析することができる。
なお、ここでいう挙動とは、粗視化粒子の運動による位置の変化だけではなく、温度変化等の状態変化も含む。
(B-4)初期設定部
図示しない初期設定部は、解析対象となる粉体を構成する粒子の位置を初期化するとともに、解析の条件、例えば必要に応じて粉体を配置する領域の温度等を設定できる。なお、例えば粗視化粒子挙動解析部423で粗視化粒子の挙動を解析する際に用いるプログラム等に予め初期条件が設定されている場合や、第1パラメータ取得部421により取得する場合には、初期設定部は設けなくてもよい。
(C)出力部
出力部43は、ディスプレイ等を有することができる。粗視化粒子挙動解析部423で得られたシミュレーション結果を出力部43に出力できる。出力するシミュレーション結果の内容は特に限定されないが、例えば出力部43に粗視化された粒子の位置を時系列で画像として出力し、表示することができる。また、例えば出力部43に、粉体の温度分布の時系列変化を画像として出力し、表示することもできる。
以上に説明した本実施形態のシミュレーション装置によれば、複数の粒子を含む粉体の挙動をシミュレーションすることができ、その用途等は特に限定されない。例えば、キルン等の回転体内での粉体の挙動のシミュレーションに好適に用いることができる。すなわち、本実施形態のシミュレーション装置によれば、回転体内での、粉体の挙動を解析することもできる。
以上に説明した本実施形態のシミュレーション装置によれば、複数個の粒子からなる粒子群を1個の粗視化粒子とすることで、計算量を抑制できる。このため、工場で用いるプラント等のような大きな規模での粉体の挙動についても計算量を抑制し、効率的に計算を行うことができる。
そして、粗視化粒子のパラメータを既述のパラメータKを用いて計算するため、精度よく計算を行うことができる。
[シミュレーション方法]
次に、本実施形態のシミュレーション方法について説明する。本実施形態のシミュレーション方法は、例えば既述のシミュレーション装置を用いて実施できる。このため、既に説明した事項の一部は説明を省略する。
本実施形態のシミュレーション方法は、複数の粒子を含む粉体の挙動を解析するためのシミュレーション方法に関する。本実施形態のシミュレーション方法は、図5に示したフロー図に従って実施することができ、以下の工程を有することができる。
粉体に関連するパラメータを含む第1パラメータを取得する第1パラメータ取得工程(S1)。
複数個の粒子から構成される粒子群を粗視化し、1個の粗視化粒子とした場合の、粗視化粒子についてのパラメータである第2パラメータを算出する第2パラメータ算出工程(S2)。
第1パラメータ、および第2パラメータに基づいて、粗視化粒子の挙動を解析する粗視化粒子挙動解析工程(S3)。
そして、第2パラメータ算出工程(S2)は、粒子群の弾性エネルギーと、粗視化粒子の弾性エネルギーとの関係を用いた特性方程式の解を用いて、第2パラメータを算出できる。
各工程について以下に説明する。
(1)第1パラメータ取得工程(S1)
第1パラメータ取得工程(S1)では、解析の対象となる粉体に関連するパラメータを含む第1パラメータを取得できる。既述のシミュレーション装置を用いる場合、例えば第1パラメータ取得部421において、第1パラメータ取得工程を実施できる。
第1パラメータは解析の内容に応じて選択できるため、その具体的な種類は特に限定されない。第1パラメータとしては、離散要素法計算に必要となる各種パラメータが挙げられる。第1パラメータの具体的な例はシミュレーション装置で既に説明したため、ここでは説明を省略する。
第1パラメータは、データベース等に収録されているデータであってもよく、予め実験を行い求めた実験値であってもよい。また、第1パラメータは、実験結果からシミュレーション等によりフィッティングして算出した計算値であってもよい。
(2)第2パラメータ算出工程(S2)
本実施形態のシミュレーション方法では、計算量を抑制するため、粉体が有する複数個の粒子から構成される粒子群を、1個の粗視化粒子に粗視化し、粒子の数を少なくして計算を行うことができる。
そこで、第2パラメータ算出工程(S2)では、「(1)粒子の粗視化、および粗視化粒子の粒子挙動の計算に用いるパラメータについて」の中で説明したように、粗視化前の粒子群の弾性エネルギーと、粗視化粒子の弾性エネルギーとの関係を用いて導出した特性方程式の解であるKを用いて、第2パラメータを算出できる。具体的には例えば、粗視化前の粒子群11全体の弾性エネルギーと、粗視化粒子全体の弾性エネルギーが等しくなると仮定して、既述の垂直方向のKの特性方程式である式(13)を導出し、式(13)から垂直方向のKを算出できる。そして、既述の式(13)に示した特性方程式の解である垂直方向のKを用いて、第2パラメータを算出できる。また、既述の式(19)に示した接線方向のKの特性方程式を用いて、接線方向のKを算出でき、係る接線方向のKを用いて第2パラメータを算出することもできる。
既述のように、Kは、粗視化粒子の挙動を支配するパラメータであり、Kを用いることで、粗視化粒子の挙動に関連する各種パラメータを算出できる。
既述のシミュレーション装置を用いる場合、例えば第2パラメータ算出部422において、第2パラメータ算出工程を実施できる。
後述する粗視化粒子挙動解析工程で用いる第2パラメータの種類は解析の内容に応じて選択できるため、特に限定されない。例えば第2パラメータは、粗視化粒子の熱伝導率を含むこともできる。この場合、第2パラメータ算出工程は、既述の特性方程式の解Kを用いて、熱伝導率を算出できる。
(3)粗視化粒子挙動解析工程(S3)
粗視化粒子挙動解析工程(S3)では、第1パラメータ取得工程(S1)で得た第1パラメータ、および第2パラメータ算出工程(S2)で算出した第2パラメータを用いて、粗視化粒子の挙動を解析できる。具体的には離散要素法を用いて計算し、粗視化粒子の挙動を解析できる。粗視化粒子の挙動を解析することで、粉体の挙動を解析することができる。
なお、ここでいう挙動とは、粗視化粒子の運動による位置の変化だけではなく、温度変化等の状態変化も含む。
(4)初期設定工程
本実施形態のシミュレーション方法は、例えばさらに初期設定工程を有することもできる。初期設定工程では、解析対象となる粉体を構成する粒子の位置を初期化するとともに、解析の条件、例えば必要に応じて粉体を配置する領域の温度等を設定できる。なお、例えば粗視化粒子挙動解析工程で粗視化粒子の挙動を解析する際に用いるプログラム等に予め初期条件が設定されている場合や、第1パラメータ取得工程により取得する場合には、初期設定工程は実施しなくてもよい。
(5)出力工程
本実施形態のシミュレーション方法は、例えばさらに出力工程を有することができる。出力工程では、例えば粗視化粒子挙動解析工程(S3)で得られたシミュレーション結果を、出力部へ出力できる。出力するシミュレーション結果の内容は特に限定されないが、例えば出力部に粗視化された粒子の位置を時系列で画像として出力し、表示することができる。また、例えば出力部に、粉体の温度分布の時系列変化を画像として出力し、表示することもできる。
以上に説明した本実施形態のシミュレーション方法によれば、複数個の粒子からなる粒子群を1個の粗視化粒子とすることで、計算量を抑制できる。このため、工場で用いるプラント等のような大きな規模での粉体の挙動についても計算量を抑制し、効率的に計算を行うことができる。
そして、粗視化粒子のパラメータを既述のパラメータKを用いて計算するため、精度よく計算を行うことができる。
[プログラム]
次に、本実施形態のプログラムについて説明する。
本実施形態のプログラムは、複数の粒子を含む粉体の挙動を解析するためのプログラムに関し、コンピュータを以下の各部として機能させることができる。
粉体に関連するパラメータを含む第1パラメータを取得する第1パラメータ取得部。
複数個の粒子から構成される粒子群を粗視化し、1個の粗視化粒子とした場合の、粗視化粒子についてのパラメータである第2パラメータを算出する第2パラメータ算出部。
第1パラメータ、および第2パラメータに基づいて、粗視化粒子の挙動を解析する粗視化粒子挙動解析部。
第2パラメータ算出部では、粒子群の弾性エネルギーと、粗視化粒子の弾性エネルギーとの関係を用いた特性方程式の解を用いて、第2パラメータを算出させることができる。
また、第2パラメータは、粗視化粒子の熱伝導率を含むことができ、この場合、第2パラメータ算出部では、既述の特性方程式の解を用いて、熱伝導率を算出できる。
本実施形態のプログラムは、例えば既述のシミュレーション装置のRAMやROM等の主記憶装置または補助記憶装置の各種記憶媒体に記憶させておくことができる。そして、係るプログラムを読み込ませ、CPUにより実行することにより、RAM等におけるデータの読み出しおよび書き込みを行うと共に、入出力インタフェースおよび表示装置を動作させて実行できる。このため、シミュレーション装置で既に説明した事項については説明を省略する。
上述した本実施形態のプログラムは、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることで提供してもよい。また、本実施形態のプログラムをインターネットなどのネットワークを介して提供、配布するように構成してもよい。
本実施形態のプログラムは、CD-ROM等の光ディスクや、半導体メモリ等の記録媒体に格納した状態で流通等させてもよい。
以上に説明した本実施形態のプログラムによれば、複数個の粒子からなる粒子群を1個の粗視化粒子とすることで、計算量を抑制できる。このため、工場で用いるプラント等のような大きな規模での粉体の挙動についても計算量を抑制し、効率的に計算を行うことができる。
そして、粗視化粒子のパラメータを既述のパラメータKを用いて計算するため、精度よく計算を行うことができる。
2.第2の実施形態
[シミュレーション装置]
(1)粒子の粗視化、および粗視化粒子の粒子挙動の計算に用いるパラメータについて
第2の実施形態では、接線方向の運動方程式に関して、オーバーラップ量を算出する際に、回転については角運動量と回転エネルギーが粗視化前後で一致すると仮定する点がここまで説明した第1の実施形態の場合と異なる。また、回転方向の運動方程式に関して、上述のようにして求めたオーバーラップ量を用いてトルクを算出できる。これにより計算量を抑制したまま、粗視化後の粒子群の挙動についてより精度よく解析可能になる。
(1-1)オーバーラップ量について
通常、接線方向のオーバーラップ量は接触開始から接触終了までの速度の接線方向の成分v(以下の式中ではvの上に矢印で示されたもの)の時間積分を用いて以下のように求められる。ここでtは時間、ベクトルr(以下の式中ではrの上に矢印で示されたもの)は、粒子群11を構成する粒子の中心から接触点までのベクトル、ベクトルω(以下の式中ではωの上に矢印で示されたもの)は粒子群11の回転ベクトルを示す。
なお、以下の式中のハットt(以下の式中ではtの上にハットを付して示されたもの)は、接線方向オーバーラップの単位ベクトルを示す。
Figure 0007101387000029
このため、粒子と壁面との間での各オーバーラップ量は以下の式(29)で表される。なお、以下の式中の添え字のtは接線方向成分を意味する。
Figure 0007101387000030
また、粒子間のオーバーラップ量は以下の式(30)で表される。
Figure 0007101387000031
一方、粗視化粒子21のオーバーラップ量は以下の式(31)で表される。なお、ベクトルωcw(以下の式中ではωcwの上に矢印で示されたもの)は粗視化粒子21の回転ベクトルである。
Figure 0007101387000032
ここで、垂直方向における運動方程式である式(11)の場合と同様に、粗視化前の粒子群11と、粗視化粒子21とで重心位置が一致しているとすると、以下の式(32)の関係を満たすことになる。
Figure 0007101387000033
ここで、粒子の回転を考慮する場合、重心移動に対して回転方向の自由度が残る。仮に重心位置が一致している場合であっても、式(31)と式(32)が一致しない場合がある。このため、粒子群11の回転運動と粗視化粒子21の回転運動を換算する必要がある。そこで、回転に関しては角運動量と回転エネルギーが粗視化前後で一致すると仮定する。この場合、角運動量は以下のような等式が成り立つ。
Figure 0007101387000034
さらに回転運動エネルギーは以下のような等式が成り立つ。
Figure 0007101387000035
上記式(33)、式(34)中、右辺の第1項、第2項は、それぞれ粗視化前の粒子群の自転運動成分(Spin)と、公転運動成分(Orbit)とを意味する。ベクトルωcw、ベクトルω、ベクトルω(それぞれの式(33)、式(34)中ではωcw、ω、ωの上に矢印で示されたもの)はそれぞれ粗視化粒子の角速度、粗視化前の粒子群の自転運動の角速度、粗視化前の粒子群の公転運動の角速度を意味する。また、Icw、I、Iは粗視化粒子の慣性モーメント、粗視化前の粒子群の自転運動の慣性モーメント、粗視化前の粒子群の公転運動の慣性モーメントを意味する。
上記式(33)、式(34)を連立して公転運動成分を消去すると、以下の式(35)になる。
Figure 0007101387000036
これより、粗視化粒子の接線方向のオーバーラップ量を以下のように定義できる。
Figure 0007101387000037
この定義の下で、垂直方向の場合と同様に以下の式(37)が成り立つ。
Figure 0007101387000038
ここでは計算の簡便化のため式(33)、式(34)、式(35)としたが、粗視化粒子の形状によってはいくつかの形式が考えられる。例えば立方体状とした粗視化粒子の形状因子を考慮して慣性モーメントを算出しようとすると以下の式(38)~式(41)となる。
Figure 0007101387000039
Figure 0007101387000040
Figure 0007101387000041
Figure 0007101387000042
このため、角運動量保存とベクトルω、ωについて、ω=ωを仮定すると式(38)より以下の式(42)、式(43)となる。
Figure 0007101387000043
Figure 0007101387000044
また、あるいは同様に回転の運動エネルギーが保存することとベクトルω、ωについて、ω=ωを仮定するなどしてベクトルω、ベクトルωcwの関係を求めてもよい。計算対象とする現象に合わせてこれらを選択することができる。
このようにして、粗視化前の粒子群を構成する粒子のオーバーラップ量も求めることができる。
(1-2)回転方向の運動方程式について
ここまで説明した接線方向のオーバーラップ量から接線方向の力を算出し、トルクを計算できる。各粒子間や、粒子と壁間での転がり摩擦は粒子にかかる垂直抗力と接触半径の積に比例するトルクが発生するとした。それぞれの転がり摩擦は各粒子で発生するので、粗視化粒子全体での転がり摩擦抵抗は以下の式(44)のように表せる。
式(44)中、ベクトルTtot_fricが粗視化粒子全体の転がり摩擦抵抗を、ベクトルTw,fricが粒子群11の壁面12あるいは外部粒子との間の転がり摩擦抵抗を、ベクトルTp,fricが粒子群11の内部粒子間の転がり摩擦抵抗を表している。各ベクトルは、以下の式中では文字の上に矢印を付して表記している。なお、粒子群11では粒子-粒子間に作用反作用により逆向きの接触力が働くため、式(44)に示した様に、ベクトルTp,fricは2倍となる。
そして、ベクトルTw,fricと、ベクトルTp,fricとは、式(45)、式(46)により表される。なお、式中のハットωは、回転方向の単位ベクトルを意味する。
Figure 0007101387000045
Figure 0007101387000046
Figure 0007101387000047
式(45)、式(46)中の接触半径r、rはオーバーラップ量から幾何学的に算出することができ、既述の接線方向の運動方程式の場合の定義に基づいて算出したオーバーラップ量を用いることで精度を高めることができる。また、μは粒子群11の壁面12あるいは外部粒子との転がり摩擦係数を、μは粒子群11の内部粒子の転がり摩擦係数をそれぞれ意味する。
そして、回転方向の運動方程式は以下のよう表記できる。
Figure 0007101387000048
(2)シミュレーション装置
本実施形態のシミュレーション装置においても、第2パラメータ算出部は、粒子群の弾性エネルギーと、粗視化粒子の弾性エネルギーとの関係を用いた特性方程式の解を用いて、第2パラメータを算出できる。ただし、接線方向の運動方程式を用いる場合において、オーバーラップ量に関して、回転については角運動量と回転エネルギーが粗視化前後で一致すると仮定し算出できる。また、回転方向の運動方程式を用いる場合において、トルクの算出を行う際に、上記接線方向の運動方程式を用いる場合に算出したオーバーラップ量を用いることができる。
以上の点以外は第1の実施形態のシミュレーション装置の場合と同様に構成できるため、ここでは説明を省略する。
[シミュレーション方法]
本実施形態のシミュレーション方法においても、第2パラメータ算出工程では、粗視化前の粒子群の弾性エネルギーと、粗視化粒子の弾性エネルギーとの関係を用いて導出した特性方程式の解を用いて、第2パラメータを算出できる。ただし、接線方向の運動方程式を用いる場合において、オーバーラップ量に関して、回転については角運動量と回転エネルギーが粗視化前後で一致すると仮定し算出できる。また、回転方向の運動方程式を用いる場合において、トルクの算出を行う際に、上記接線方向の運動方程式を用いる場合に算出したオーバーラップ量を用いることができる。
以上の点以外は第1の実施形態のシミュレーション方法の場合と同様に構成できるため、ここでは説明を省略する。
[プログラム]
本実施形態のプログラムにおいても、第2パラメータ算出部では、粗視化前の粒子群の弾性エネルギーと、粗視化粒子の弾性エネルギーとの関係を用いて導出した特性方程式の解を用いて、第2パラメータを算出できる。ただし、接線方向の運動方程式を用いる場合において、オーバーラップ量に関して、回転については角運動量と回転エネルギーが粗視化前後で一致すると仮定し算出できる。また、回転方向の運動方程式を用いる場合において、トルクの算出を行う際に、上記接線方向の運動方程式を用いる場合に算出したオーバーラップ量を用いることができる。
以上の点以外は第1の実施形態のプログラムの場合と同様に構成できるため、ここでは説明を省略する。
以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実験例1]
[比較例1-1]
直方体の容器内に充填した粉体層の温度変化について、表1に示したパラメータを用いて、離散要素法計算により底部から加熱を行った場合の解析を行った。解析により求めた容器内の粉体層の平均温度の変化を図6に示す。なお、反発係数を0.1、摩擦係数を0.7、転がり摩擦係数を0.001とした。
Figure 0007101387000049
[比較例1-2]
粗視化倍率αを2とし、8個の粒子から構成される粒子群を1個の粗視化粒子とした点以外は比較例1-1と同様の条件で、直方体の容器内に充填した粉体層の温度変化について解析を行った。なお、粗視化粒子としたため、表1に示すように、粒子の粒径を変更しているが、粒径以外は比較例1-1と同じパラメータを用いて、解析を行った。解析により求めた容器内の粉体層の平均温度の変化を図6に示す。
[実施例1-1]
粗視化倍率αを2とし、既述のシミュレーション装置を用いて、直方体の容器内に充填した粉体層の温度変化について解析を行った。
具体的には、第1パラメータ取得部421により、解析の対象となる粉体に関連するパラメータを含む第1パラメータを取得した(第1パラメータ取得工程:S1)。
この際には、比較例1-2と同じパラメータを取得した。
次いで、第2パラメータ算出部422により、粗視化粒子についてのパラメータである第2パラメータを算出した(第2パラメータ算出工程:S2)。
この際、既述の式(13)、式(19)に示した特性方程式の解であるパラメータKを用いた式(26)、式(27)により、粗視化粒子に関する熱伝導率を算出した。また、特性方程式を用いて反発係数、摩擦係数、転がり摩擦係数を算出した。既述のように、計算に適用するモデルに応じて、これらの係数は調整可能であり、上述のように特性方程式を用いて算出、換算できる。算出したパラメータKを表2に示す。
Figure 0007101387000050
以上の取得、算出した第1パラメータ、および第2パラメータを表1に示す。そして、表1に示したパラメータに基づいて、粗視化粒子の挙動、具体的には温度変化を粗視化粒子挙動解析部423において解析した(粗視化粒子挙動解析工程:S3)。結果を図6に示す。
図6に示した結果によると、実施例1-1の結果は、粗視化を行っていない、比較例1-1の結果とほぼ一致しており、粗視化粒子のパラメータを適切に選択、設定し、解析を行えていることを確認できた。
実施例1-1では粗視化を行っているため、粒子の数が比較例1-1と比較して1/8倍になっており、比較例1-1と比較して計算量を抑制できている。
[実験例2]
[比較例2-1]
回転体であるキルン内の粉体の挙動について、表3に示したパラメータを用いて、離散要素法計算により解析を行った。なお、反発係数を0.75、摩擦係数を0.3、転がり摩擦係数を0.5とした。
解析により求めたキルン内の粉体の動きを図8に、解析により求めたキルン内の粉体の温度分布を図11に、解析により求めたキルン内の粉体の平均温度を図13にそれぞれ示す。
図8(A)はキルン70の回転を開始する前の状態を示しており、グループ分けした第1粉体群71と、第2粉体群72とが半分ずつ入っている。図8(B)、図8(C)、図8(D)は、それぞれキルンの回転開始後2秒経過時、4秒経過時、6秒経過時の状態を示しており、第1粉体群71と、第2粉体群72とが混合されている状態を示している。
図11(A)はキルンの回転を開始する前の状態を示しており、温度が第1温度域101内にあり、均一であることを確認できる。図11(B)、図11(C)は、それぞれキルンの回転開始後3秒経過時、6秒経過時の状態を示しており、キルン70の外壁側から加熱を行っているため、粉体の中心部側から順に第1温度域101、第2温度域102、第3温度域103が分布していることを確認できる。なお、第1温度域101、第2温度域102、第3温度域103の順に温度が高くなる。
Figure 0007101387000051
[比較例2-2]
粗視化倍率αを4とし、64個の粒子から構成される粒子群を1個の粗視化粒子とした点以外は比較例2-1と同様の条件で、回転体であるキルン内の粉体の挙動について解析を行った。なお、表3に示すように、粒径以外は比較例2-1と同じパラメータを用いて、解析を行った。解析により求めたキルン内の粉体の動きを図9に、解析により求めたキルン内の粉体の温度分布を図12に、解析により求めたキルン内の粉体の平均温度を図13にそれぞれ示す。
図9(A)はキルン70の回転を開始する前の状態を示しており、グループ分けした第1粉体群71と、第2粉体群72とが半分ずつ入っている。図9(B)、図9(C)、図9(D)は、それぞれキルンの回転開始後2秒経過時、4秒経過時、6秒経過時の状態を示しており、第1粉体群71と、第2粉体群72とが混合されている状態を示している。
図12(A)はキルンの回転を開始する前の状態を示しており、温度が第1温度域101内にあり、均一であることを確認できる。図12(B)、図12(C)は、それぞれキルンの回転開始後3秒経過時、6秒経過時の状態を示しており、キルン70の外壁側から加熱を行っているため、粉体の中心部側から順に第1温度域101、第2温度域102、第3温度域103が分布していることを確認できる。なお、第1温度域101、第2温度域102、第3温度域103の順に温度が高くなる。
[実施例2-1]
粗視化倍率αを4とし、既述のシミュレーション装置を用いて、回転体であるキルン内の粉体の挙動について解析を行った。
具体的には、第1パラメータ取得部421により、解析の対象となる粉体に関連するパラメータを含む第1パラメータを取得した(第1パラメータ取得工程:S1)。
この際には、比較例2-2と同じパラメータを取得した。
次いで、第2パラメータ算出部422により、粗視化粒子についてのパラメータである第2パラメータを算出した(第2パラメータ算出工程:S2)。
この際、既述の式(13)、式(19)に示した特性方程式の解であるパラメータKを用いた式(26)、式(27)により、粗視化粒子に関する熱伝導率を算出した。また、特性方程式を用いて反発係数、摩擦係数、転がり摩擦係数を算出した。算出したパラメータKを表4に示す。
Figure 0007101387000052
以上のようにして取得、算出した、第1パラメータ、および第2パラメータを表3に示す。そして、表3に示したパラメータに基づいて、粗視化粒子の挙動、具体的にはキルン内の動きや、温度変化を粗視化粒子挙動解析部423において解析した(粗視化粒子挙動解析工程:S3)。解析により求めたキルン内の粉体の動きを図7に、解析により求めたキルン内の粉体の温度分布を図10に、解析により求めたキルン内の粉体の平均温度を図13にそれぞれ示す。
図7(A)はキルン70の回転を開始する前の状態を示しており、グループ分けした第1粉体群71と、第2粉体群72とが半分ずつ入っている。図7(B)、図7(C)、図7(D)は、それぞれキルンの回転開始後2秒経過時、4秒経過時、6秒経過時の状態を示しており、第1粉体群71と、第2粉体群72とが混合されている状態を示している。
図10(A)はキルンの回転を開始する前の状態を示しており、温度が第1温度域101内にあり、均一であることを確認できる。図10(B)、図10(C)は、それぞれキルンの回転開始後3秒経過時、6秒経過時の状態を示しており、キルン70の外壁側から加熱を行っているため、粉体の中心部側から順に第1温度域101、第2温度域102、第3温度域103が分布していることを確認できる。なお、第1温度域101、第2温度域102、第3温度域103の順に温度が高くなる。
図7と図8の比較や、図10と図11の比較から明らかなように、実施例2-1の結果は、粗視化を行っていない、比較例2-1の結果とほぼ一致しており、粗視化粒子のパラメータを適切に選択、設定し、解析を行えていることを確認できた。
図13においても実施例2-1と比較例2-1とは変曲点を有するなど同様の傾向を示すことが確認できた。
そして、実施例2-1では粗視化を行っているため、粒子の数が比較例2-1と比較して1/64倍になっており、比較例2-1と比較して計算量を抑制できている。
11 粒子群
11A、11B 粒子
21 粗視化粒子
30 シミュレーション装置
421 第1パラメータ取得部
422 第2パラメータ算出部
423 粗視化粒子挙動解析部
S1 第1パラメータ取得工程
S2 第2パラメータ算出工程
S3 粗視化粒子挙動解析工程

Claims (10)

  1. 複数の粒子を含む粉体の挙動を解析するためのシミュレーション装置であって、
    前記粉体に関連するパラメータを含む第1パラメータを取得する第1パラメータ取得部と、
    複数個の前記粒子から構成される粒子群を粗視化し、1個の粗視化粒子とした場合の、前記粗視化粒子についてのパラメータである第2パラメータを算出する第2パラメータ算出部と、
    前記第1パラメータ、および前記第2パラメータに基づいて、前記粗視化粒子の挙動を解析する粗視化粒子挙動解析部と、を有し、
    前記第2パラメータ算出部は、前記粒子群と前記粗視化粒子とで、重心および弾性エネルギーが一致しているとして、前記粒子群の弾性エネルギーと、前記粗視化粒子の弾性エネルギーとの関係を用いた特性方程式の解を用いて、前記第2パラメータを算出するシミュレーション装置。
  2. 複数の粒子を含む粉体の挙動を解析するためのシミュレーション装置であって、
    前記粉体に関連するパラメータを含む第1パラメータを取得する第1パラメータ取得部と、
    複数個の前記粒子から構成される粒子群を粗視化し、1個の粗視化粒子とした場合の、前記粗視化粒子についてのパラメータである第2パラメータを算出する第2パラメータ算出部と、
    前記第1パラメータ、および前記第2パラメータに基づいて、前記粗視化粒子の挙動を解析する粗視化粒子挙動解析部と、を有し、
    前記第2パラメータ算出部は、前記粒子群と前記粗視化粒子とで、重心、角運動量、および回転エネルギーが一致しているとして、前記粒子群の弾性エネルギーと、前記粗視化粒子の弾性エネルギーとの関係を用いた特性方程式の解を用いて、前記第2パラメータを算出するシミュレーション装置。
  3. 前記第2パラメータは、前記粗視化粒子の熱伝導率を含んでおり、
    前記第2パラメータ算出部は、前記特性方程式の解を用いて、前記熱伝導率を算出する請求項1または請求項2に記載のシミュレーション装置。
  4. 回転体内での、前記粉体の挙動を解析する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシミュレーション装置。
  5. 複数の粒子を含む粉体の挙動を解析するためのシミュレーション方法であって、
    前記粉体に関連するパラメータを含む第1パラメータを取得する第1パラメータ取得工程と、
    複数個の前記粒子から構成される粒子群を粗視化し、1個の粗視化粒子とした場合の、前記粗視化粒子についてのパラメータである第2パラメータを算出する第2パラメータ算出工程と、
    前記第1パラメータ、および前記第2パラメータに基づいて、前記粗視化粒子の挙動を解析する粗視化粒子挙動解析工程と、を有し、
    前記第2パラメータ算出工程は、前記粒子群と前記粗視化粒子とで、重心および弾性エネルギーが一致しているとして、前記粒子群の弾性エネルギーと、前記粗視化粒子の弾性エネルギーとの関係を用いた特性方程式の解を用いて、前記第2パラメータを算出するシミュレーション方法。
  6. 複数の粒子を含む粉体の挙動を解析するためのシミュレーション方法であって、
    前記粉体に関連するパラメータを含む第1パラメータを取得する第1パラメータ取得工程と、
    複数個の前記粒子から構成される粒子群を粗視化し、1個の粗視化粒子とした場合の、前記粗視化粒子についてのパラメータである第2パラメータを算出する第2パラメータ算出工程と、
    前記第1パラメータ、および前記第2パラメータに基づいて、前記粗視化粒子の挙動を解析する粗視化粒子挙動解析工程と、を有し、
    前記第2パラメータ算出工程は、前記粒子群と前記粗視化粒子とで、重心、角運動量、および回転エネルギーが一致しているとして、前記粒子群の弾性エネルギーと、前記粗視化粒子の弾性エネルギーとの関係を用いた特性方程式の解を用いて、前記第2パラメータを算出するシミュレーション方法。
  7. 前記第2パラメータは、前記粗視化粒子の熱伝導率を含んでおり、
    前記第2パラメータ算出工程では、前記特性方程式の解を用いて、前記熱伝導率を算出する請求項5または請求項6に記載のシミュレーション方法。
  8. 複数の粒子を含む粉体の挙動を解析するためのプログラムであって、
    コンピュータを、
    前記粉体に関連するパラメータを含む第1パラメータを取得する第1パラメータ取得部と、
    複数個の前記粒子から構成される粒子群を粗視化し、1個の粗視化粒子とした場合の、前記粗視化粒子についてのパラメータである第2パラメータを算出する第2パラメータ算出部と、
    前記第1パラメータ、および前記第2パラメータに基づいて、前記粗視化粒子の挙動を解析する粗視化粒子挙動解析部と、して機能させ、
    前記第2パラメータ算出部では、前記粒子群と前記粗視化粒子とで、重心および弾性エネルギーが一致しているとして、前記粒子群の弾性エネルギーと、前記粗視化粒子の弾性エネルギーとの関係を用いた特性方程式の解を用いて、前記第2パラメータを算出させるプログラム。
  9. 複数の粒子を含む粉体の挙動を解析するためのプログラムであって、
    コンピュータを、
    前記粉体に関連するパラメータを含む第1パラメータを取得する第1パラメータ取得部と、
    複数個の前記粒子から構成される粒子群を粗視化し、1個の粗視化粒子とした場合の、前記粗視化粒子についてのパラメータである第2パラメータを算出する第2パラメータ算出部と、
    前記第1パラメータ、および前記第2パラメータに基づいて、前記粗視化粒子の挙動を解析する粗視化粒子挙動解析部と、して機能させ、
    前記第2パラメータ算出部では、前記粒子群と前記粗視化粒子とで、重心、角運動量、および回転エネルギーが一致しているとして、前記粒子群の弾性エネルギーと、前記粗視化粒子の弾性エネルギーとの関係を用いた特性方程式の解を用いて、前記第2パラメータを算出させるプログラム。
  10. 前記第2パラメータは、前記粗視化粒子の熱伝導率を含んでおり、
    前記第2パラメータ算出部は、前記特性方程式の解を用いて、前記熱伝導率を算出する請求項8または請求項9に記載のプログラム。
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