JP7101265B2 - 異常要因診断装置及びその方法、並びに異常要因診断システム - Google Patents

異常要因診断装置及びその方法、並びに異常要因診断システム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、異常要因診装置及びその方法、並びに異常要因診断システムに関する。
近年では、広い敷地(例えば、1ha以上)に、多数枚(例えば、1000枚以上)の太陽電池モジュール(PVパネル)を搭載した太陽光発電システムが設置されている。このような太陽光発電システムにおいて、草の影や建物の影、アレイの汚損などの要因により、発電量が当初の予想量よりも下回ることが起こる。
そのような要因が発生していても、太陽光発電システムの所有者が気づくことが難しい場合がある。また、太陽光発電をメンテナンスする業者が要因の発生状況を把握するために、その発電システムに出向くと、派遣費用などがかかり、コスト高になる。派遣前に性能低下の要因を特定できれば、作業員が太陽光発電システムに派遣される前に、対応するための道具や部品などを選定することができるため、より効率的なメンテナンスサービスが可能となる。
PCS(Power Conditioning System)で計測される電力・電圧・電流値と、各時刻における日射量とを含む各計測データに基づいて、発電量の性能の低下を推定するアルゴリズムを構築する手法が提案されている。しかしながら、この手法では、発電量の性能の低下の有無を発見できるものの、性能の低下の要因に対する知見を得ることはできない。
国際公開第2016/166991号 国際公開第2017/169473号
本発明の実施形態は、発電装置の異常要因を特定することを可能とする太陽光発電システムの異常要因診装置及びその方法、並びに異常要因診断システムを提供する。
本発明の実施形態としての異常要因診断装置は、発電装置の異常要因が発生した第1時刻を特定する異常要因発生データに基づき、前記発電装置の計測データにおいて前記第1時刻に対応する第1計測データを特定する特定部と、前記第1計測データに基づき、前記第1計測データの特徴値の分布を表す第1分布関数を算出する分布生成部と、前記第1分布関数と、前記発電装置のテスト対象の計測データとに基づいて、前記発電装置における前記異常要因の発生の可能性の評価値を算出する評価部と、を備える。
第1の実施形態に係る異常要因診断装置と太陽光発電システムとを備えた異常要因診断システムの全体構成を示す図。 異常要因診断装置のブロック図。 計測DBの例を示す図。 異常要因発生DBの例を示す図。 正例グループ及び負例グループごとに、各日について得られた特徴時系列データの波形のグラフを示す図。 確率分布(特徴分布)を計算する例を示す図。 スコア算出部の動作の具体例を説明するための図。 スコア算出部の動作の具体例を説明するための図。 スコア算定時間帯のスコアの計算を説明するための図。 スコア計算条件の具体例を説明するための図。 表示装置の画面の表示例を示す図。 表示装置の画面の表示例を示す図。 ユーザが条件の指定を行うユーザインタフェース画面の例を示す図。 第1の実施形態に係る計測データ取得部及び特徴分布生成部の動作のフローチャート。 第1の実施形態に係るスコア算出部、評価値算出部及び出力部の動作のフローチャート。 第2の実施形態に係る異常要因診断装置のブロック図。 異常要因発生DBにおけるシミュレーション用の異常要因発生データの例を示す図。 実測データと、シミュレーションデータとを対応づける例。 統合DBの例を示す図。 ユーザがシミュレーションデータの選択条件を指定するユーザインタフェース画面の例を示す図。 複数のユーザインタフェース画面を1つにまとめた例を示す。 第2の実施形態に係る補正関数生成部、補正部及び統合部に係る処理のフローチャート。 第2の実施形態に係る補正関数生成部、補正部及び統合部に係る処理の他の例のフローチャート。 本発明の実施形態に係る異常要因診断装置のハードウェア構成例を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る異常要因診断装置と太陽光発電システムとを備えた異常要因診断システムの全体構成を示す。
太陽光発電システムは、発電装置11と、PCS(パワーコンディショナシステム)12と含む基本ユニットを複数備える。図では1つ以上の基本ユニットが存在する場合を示している。各基本ユニットのPCS12をPCS-01,PCS-02,PCS-03と表記している。発電装置11は、PVパネルPNを1つ以上直列接続したストリングを1つ又は複数備える。図では1番目の基本ユニットの発電装置11が、2つのストリングST01、ST01を備えている。各基本ユニットの発電装置11が備えるストリング数が異なってもよい。
各基本ユニットのPCS12は、PCS12に接続された発電装置11における1つ又は複数のストリングを制御する。各PCS12は、接続装置21と、DC/DC変換機22と、AC/DC変換機23と、計測装置24とを備える。各PCS12の計測装置24には日射計25が接続されている。各PCS12の計測装置24は、異常要因診断装置101に共通に接続されている。
各PCS12の接続装置21は、発電装置11における1つ又は複数のストリングに接続され、これらのストリングの発電電力を集約する。AC/DC変換機23が、接続装置21で集約した電力を交流電力に変換して、電力系統26に出力する。AC/DC変換機23が、集約された電力を、電力系統26の代わりに、交流電力で動作する負荷装置に出力してもよい。または、DC/DC変換機22が、接続装置21で集約した電力を変圧(昇圧又は降圧)し、変圧した電力を、図示しない蓄電装置又は負荷装置に出力してもよい。接続装置21で集約された電力の利用方法はこれらに限定されない。
計測装置24は、接続装置21で集約された電力、電圧、電流等を計測する。その他、計測装置24は、気温又は湿度等を計測してもよい。日射計25は日射量を計測する。
本実施形態に係る太陽光発電システムの規模は問わない。一例としてPVパネルが1000枚以上、数100kW規模以上の発電システムも、本実施形態の対象とする。
図2は、異常要因診断装置101のブロック図である。異常要因診断装置101は、計測データ取得部110、計測データベース(DB)111、特定部112、特徴分布生成部113、スコア算出部114、評価値算出部115、異常要因発生DB116、評価DB117、出力部118を備えている。スコア算出部114及び評価値算出部115の組は、評価部119に対応する。異常要因診断装置101には、入力装置121及び表示装置131が接続されている。入力装置121は、キーボード、マウス又はタッチパッドなどの、ユーザがデータ又は指示を入力するための装置である。表示装置131は、本装置101で生成されたデータ又は本装置101が備える各DB内に格納されたデータを表示するための装置である。表示装置153は、例えば液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT表示装置等である。
計測データ取得部110は、各PCSから連続的、もしくは間欠的に送信される時系列の計測データを受信する。計測データは、一例として、計測時刻、日射量、気温、PCS_ID(PCSの識別子)、直流電圧、直流電流、直流電力(発電量)を含む。PCS_IDは、各PCS(あるいは基本ユニット)に付与されたIDである。計測データ取得部110は、受信した計測データを計測DB111に格納する。計測DB11は、データを表形式で管理する。各PCSの計測間隔は、予め設定されており、例えば1分間又は60分間である。
図3に計測DB111の例を示す。計測DB111は、計測時刻、日射量、気温、PCS_ID(PCSの識別子)、直流電圧、直流電流、直流電力などのデータを格納している。図の例では1分間隔で計測データが格納されている。
異常要因発生DB116は、計測DB111に蓄積されている計測データに対して、異常要因の発生の有無を表すラベルを関連づけて、異常要因発生データとして格納している。異常要因発生データは、異常要因が発生した時刻を特定するデータである。ラベルは、すべての計測データに設定してもよいし、特定のPCS_ID又は特定の時間帯(例えば後述する評価時間帯)の計測データに対してのみ設定してもよい。例えば、予めユーザー(作業員)が、太陽光発電装置が設置されている現地で異常要因の有無を確認し、確認した結果に基づき、各計測データのラベルを設定する。ラベルの設定は、入力装置121を用いてユーザが行ってもよいし、PC(パーソナルコンピュータ)、サーバ又はタブレット端末等の外部装置でラベルの設定を行い、設定されたラベルのデータを外部装置からインストールしてもよい。異常要因の例として、影(例えば高木の影、草影)がPVパネルにかかること、又はPVパネルの汚損(アレイ汚損)などがある。いずれの異常要因も発電量低下の原因となる。
図4に、異常要因発生DB116の例を示す。3つのPCS-01,PCS-02,PCS-03について、時刻毎に、棒状影の有無のラベルと、アレイ汚損の有無のラベルが設定されている。“有”は異常あり、“無”は異常なしを意味する。例えば、PCS-03の2017/10/10 8:03以降では、棒状の影はなかったが、アレイ汚損があったことがわかる。ラベルは1日の全時間ではなく、1日のうち評価対象となる時間帯(評価時間帯)を設定し、評価時間帯についてのみ設定してもよい(後述する図13参照)。評価時間帯の例として、例えば発電が期待される時間帯(例えば8:00~17:00や、10:00~16:00など)がある。以下の説明では評価時間帯についてラベルを設定した場合を想定する。異常要因が発生している時刻は本実施形態の第1時刻、異常要因が発生していない時刻は本実施形態の第2時刻に対応する。
特定部112は、計測DB111に格納された計測データのうち評価時間帯の計測データをトレーニングデータとして取得する。また、特定部112は、異常要因発生DB116に格納された異常要因発生データを取得する。特定部112及び特徴分布生成部113は、以降の処理を、PCSかつ異常要因ごとに行う。
特定部112は、取得した計測データに基づき、異常ありのラベルが設定された計測データ(以降、これを正例データ、という)と、異常なしのラベルが設定された計測データ(以降、これを負例データ、という)とを特定し、正例データのグループと負例データのグループにグループ分けする。正例データが属するグループを正例グループ、負例データが属するグループを負例グループと呼ぶ。正例データは、本実施形態に係る第1計測データに対応する。負例データは、本実施形態に係る第2計測データに対応する。
特徴分布生成部113は、正例グループに属する各日の評価時間帯に属する計測データ(第1計測データ)に基づき、当該計測データの特徴値の分布を表す分布関数(第1分布関数)を算出する。
より詳細には、まず特徴分布生成部113は正例グループに属する各日の評価時間帯に属する計測データに基づき、時刻毎に発電電力を評価する指標として特徴値を計算する。一例として、1つの計測データから1つの特徴値が得られる。例えば、(直流電力/日射量)を、(直流電力/日射量)の最大値で除算した値を用いることができる。この場合の特徴値の計算式を以下に示す。
特徴値=(直流電力/日射量)/((直流電力/日射量)の最大値) ・・・式(1)
“(直流電力/日射量)の最大値”は、計測DB111から取得した評価時間帯の全計測データ(正例グループ及び負例グループ全体)を対象に各計測データから(直流電力/日射量)を算出した(直流電力/日射量)のうちの最大値である。したがって、特徴値は、0以上1以下の範囲の値である。
各日について、評価時間帯で特徴値を時系列に並べた時系列データ(以降、特徴時系列データと呼ぶ)を生成する。
特徴分布生成部113は、負例グループについても、正例グループと同様にして、各日について評価時間帯で特徴値を時系列に並べて、特徴時系列データを生成する。
なお、ある1日の評価時間帯の途中で「異常あり」から「異常なし」、又は、「異常なし」から「異常あり」に変わる場合もあり得る。そのときは、評価時間帯の計測データのうち、一部の時間帯の計測データは正例グループに分類され、別の時間帯の計測データは負例グループに属する。この場合、各特徴時系列データの長さは、評価時間帯の長さよりも短くなる。あるいは、このような場合は、異常ありと異常なしの時間長の比率が大きい方を特定し、特定した方に対応するグループに、当該評価時間帯に属する全計測データを分類してもよい。
図5は、正例グループ及び負例グループごとに、各日について得られた特徴時系列データの波形グラフを示す。横軸は時刻、縦軸は特徴値である。図では数個の特徴時系列データが示されるが、実際にはより多くの特徴時系列データが存在してよい。実線の波形が、正例(異常あり)の特徴時系列データを示す。破線の波形が、負例(異常なし)の特徴時系列データを示す。これらの特徴時系列データは同一のPCSのものである。なお、負例の特徴時系列データは9時から始まっており、正例の特徴時系列データは10時から始まっているが、これはたまたまであり、これに限定されない。
特徴分布生成部113は、正例グループ及び負例グループのそれぞれに対して、評価時間帯に属する各単位時間帯について特徴値の分布関数(特徴分布)を計算する。例えば評価時間帯が9:00~17:00であり、単位時間帯の長さを1時間とする。この場合、9:00~10:00、10:00~11:00、11:00~12:00、・・・16:00~17:00の時間帯(単位時間帯)に対してそれぞれ特徴分布を計算する。特徴分布の具体例として、確率分布である正規分布がある。この場合、例えば、各グループについて単位時間帯ごとに平均及び分散を求め、これを正規分布のパラメータとすればよい。ただし、確率分布は正規分布である必要はなく、他の種類の確率分布でもよい。
図6に、11:00~12:00の時間帯の特徴分布を計算する例を示す。図6の上側には、図5と同じ図が示される。時刻11:00について、正例の各特徴時系列データの値と、負例の各特徴時系列データの値を特定する。これらの値は、各時系列データのグラフと、時刻11:00に時間軸に垂直な縦線との交点に相当する。当該交点の値を、横軸を特徴値とする軸に展開してプロットした例を図7の下側に示す。正例の値は白抜きの丸、負例の値はハッチングされた丸で示される。正例の点群を近似する確率分布、負例の点群を近似する確率分布をそれぞれ計算する。ここでは確率分布として正規分布を求める。
時刻11:00の正例の特徴値(プロット値)の平均x11及び分散θ11を計算し、計算した平均及び分散の値をパラメータとする正規分布f11(x)=PDF(x11;θ11)を得る。これを11:00~12:00の時間帯の正例の確率分布(第1の分布関数)とする。この分布f11(x)が図6の下側に実線で示されている。正例のプロット点はこの分布f11(x)内に配置されている。
同様に、時刻11:00の負例の特徴値(プロット値)の平均x”11及び分散θ” を計算し、計算した平均及び分散の値をパラメータとする正規分布f”11(x)=PDF(x”11;θ”11)を得る。これを11:00~12:00の時間帯の負例の確率分布と(第2の分布関数)する。この分布f”11(x)が図6の下側に破線で示されている。負例のプロット点がこの分布f”11(x)内に配置されている。
ここでは、11:00~12:00の時間帯の確率分布を計算するために、時刻11:00の特徴値を用いた(これは例えば、1時間内での特徴値の変化は少ないと想定される場合には、計算量も少なく、有効である)。しかしながら、11:00~12:00の時間帯に属する全特徴値を利用して確率分布を計算することも可能である。または、11:00~12:00の時間帯に属する全特徴値からサンプリングにより特徴値を選択し、選択した特徴値を用いて11:00~12:00の時間帯の確率分布を計算することも可能である。
11:00~12:00の時間帯以外の時間帯についても同様にして、確率分布を計算する。
ここでは単位時間帯を1時間としたが、これに限定されず、10分でも、30分でも、2時間でもよい。また、単位時間帯が、計測データの取得間隔時間に一致してもよい。この場合、計測データの時刻ごとに(例えば1分間隔の時刻ごとに)、確率分布(特徴分布)を計算することになる。
以上のように正例及び負例のグループごとに、単位時間帯ごとの特徴分布を生成する処理までをトレーニングフェーズと呼ぶ。以降の処理では、トレーニングで生成された特徴分布を用いて、異常要因の発生有無がまだわからない日の計測データを用いて、異常要因の発生有無を診断する。このフェーズをテストフェーズと呼ぶ。以下、テストフェーズについて説明する。
スコア算出部114は、特徴分布生成部113で生成された単位時間帯毎の正例・負例の特徴分布を用いて、テスト対象になる各日の計測データに対して、スコアリングを行う。テスト対象になる各日の計測データは、特徴分布の生成に利用した計測データと異なるデータであり、異常要因発生DBでラベルが設定されていない日の計測データである。以下、スコアリングの詳細を説明する。
スコア算出部114は、評価時間帯における単位時間帯ごとに、正例・負例の特徴分布の組が、分布の分離条件を満たすか調べる。分離条件は第1要件と第2要件を含む。スコア算出部114は、当該組が両方の要件を満たす単位時間帯をスコア算定時間帯として選択する。図7及び図8を用いて、スコア算出部114の動作を説明する。
図7及び図8は、スコア算出部114の動作の具体例を説明するための図である。評価時間帯に属する各単位時間帯をそれぞれ対象として、第1及び第2要件を満たすかを調べる。
第1要件は、対象となる単位時間帯について、正例の特徴分布及び負例の特徴分布の両方が生成されていることである。少なくともいずれか一方の特徴分布が生成されていない場合、当該単位時間帯は、第1要件を満たさない。
図7の上側の例は、9:00~10:00の単位時間帯の負例の特徴分布f”09(x)を示す。当該単位時間帯を含む正例の特徴時系列データが存在しなかったため、正例の特徴分布は生成されていない。よって、この単位時間帯は第1要件を満たさない。
第2要件は、対象となる単位時間帯について、正例の特徴分布と負例の特徴分布とが分離していることである。これらの特徴分布が近接している場合、第2要件を満たさない。正例の特徴分布と負例の特徴分布とが分離しているかの判断は、以下のようにして行う。
正例の特徴分布の上側のn%点(例えば0.1)を正例上位n%点とし、負例の特徴分布の下側のn%点を負例下位n%点とする。正例上位n%点と負例下位n%点の区間に、正例の特徴分布のピーク(山)、及び負例の特徴分布のピーク(山)がいずれも属さなければ、第2要件は満たされる。少なくとも一方の特徴分布のピークがこの区間に属していれば、第2要件は満たされない。ここでは%点の値は、正例の特徴分布と負例の特徴分布とでともにnであったが、%点の値が互いに異なってもよい。
図7の下側の例は、10:00~11:00の単位時間帯の正例の特徴分布f10(x)と、負例の特徴分布f”10(x)を示す。正例の特徴分布f10(x)の正例上位n%点と、負例の特徴分布f”10(x)の負例下位n%点との区間SC1が示される。区間SC1には負例の特徴分布のf”10(x)のピークP1が属している。よって、この単位時間帯は第2要件を満たさない。
図8の上側の例は、11:00~12:00の単位時間帯の正例の特徴分布f11(x)と、負例の特徴分布f”11(x)を示す。正例の特徴分布f11(x)の正例上位n%点と、負例の特徴分布f”11(x)の負例下位n%点との区間SC2が示される。区間SC2には、正側の特徴分布及び負例の特徴分布のいずれのピークも属していない。よって、この単位時間帯は第2要件を満たしている。また、2つの特徴分布が生成されているため、第1要件も満たされている。よって、この単位時間帯をスコア算定時間帯として選択する。
図8の下側の例は、12:00~13:00の単位時間帯の正例の特徴分布f12(x)と、負例の特徴分布f”12(x)を示す。正例の特徴分布f12(x)の正例上位n%点と、負例の特徴分布f”12(x)の負例下位n%点との区間SC3が示される。区間SC3には、正側の特徴分布及び負例の特徴分布のいずれのピークも属していない。よって、この単位時間帯は第2要件を満たしている。また、2つの特徴分布が生成されているため、第1要件も満たされている。よって、この単位時間帯をスコア算定時間帯として選択する。
13:00以降の各単位時間帯についても同様にして、第1要件および第2要件を満たすかを判断する。両方の要件を満たす(すなわち分離条件を満たす)単位時間帯を、スコア算定時間帯として選択する。
図7及び図8の例では、正例の特徴分布の方が、負例の特徴分布よりも特徴値が低い側(紙面に沿って左側)に位置するが、特徴値の定義によっては逆になる場合もある。その場合は、正例の特徴分布の下側のn%点(例えば0.1)を正例下位n%点とし、負例の特徴分布の上側のn%点を負例上位n%点とする。そして、正例下位n%点と負例上位n%点の区間に、正例の特徴分布のピーク(山)、及び負例の特徴分布のピーク(山)がいずれも属さない場合に、第2要件が満たされると判断すればよい。
スコア算出部114は、評価時間帯に属する複数の単位時間帯から選択されたスコア算定時間帯について、特徴値に応じたスコアを計算する。以下、スコアの計算方法を説明する。
図9は、あるスコア算定時間帯のスコアの計算例を説明するための図である。図には、算出対象時間帯の正例の特徴分布fHr(x)が模式的に示される。xは特徴値を表す入力変数である。Hrは算出対象時間帯を示す値である。例えば11:00~12:00の時間帯の特徴分布はf11(x)と表される。算出対象時間帯におけるテスト対象の計測データの特徴値xtstを、算出対象時間帯の正例の特徴分布の最大値(max(fHr(x))で除算する。これにより、スコア算定時間帯のスコアscrを得る。時間帯Hrにおけるスコアscrの計算式を以下に示す。この例では、各算出対象時間帯で、特徴値が大きいほど、スコアが大きくなるが、特徴値の定義に応じて、特徴値とスコアの関係は変わってよい。
scrHr=xtst/max(fHr(x)) ・・・(2)
ここで、スコア計算条件を導入し、スコア算出部114は、スコア計算条件を満たす場合には、式(2)でスコアを計算し、満たさない場合は、スコアを一律にゼロとしてもよい。
具体的には、まず、テスト対象の計測データの特徴値が、スコア算定時間帯の負例の特徴分布の何%点に相当するかを計算する。計算した%点と、負例の特徴分布の上側及び下側のうち正例の特徴分布の側の基準点(n%点)とを比較する。計算した点が、基準点よりも正例の特徴分布の側に位置していれば、スコア計算条件が満たされる。この場合、式(2)によりスコアを計算する。一方、計算した点が、基準点よりも負例の特徴分布の側に位置していれば、スコア計算条件が満たされない。この場合、スコアをゼロとする。
図10は、スコア計算条件の具体例を説明するための図である。ある算出対象時間帯におけるテスト対象の計測データの特徴値がxtst_1の場合とxtst_2の場合を考える。xtst_1は負例の特徴分布の下位n%点(基準点)に対して、負例の特徴分布の側に位置している。すなわち、xtst_1は、基準点よりも大きい。このため、スコア計算条件は満たされない。よって、この算出対象時間帯のスコアをゼロとする。一方、xtst_2は負例の特徴分布の下位n%点(基準点)に対して、正例の特徴分布の側に位置している。すなわちxtst_2は、基準点よりも小さい。このため、スコア計算条件が満たされる。算出対象時間帯のスコアを、式(2)により計算する。
スコア計算条件を導入することなく、すべての算出対象時間帯について式(2)でスコアを計算することも可能である。
スコア算出部114は、各スコア算定時間帯のスコアを計算したら、スコア算定時間帯毎のスコアを含む異常要因ベクトルV(以下、ベクトルV)を生成する。ベクトルVの定義式を以下に示す。スコア算出部114は、テスト対象となる各日についてベクトルVを生成する。
V=(scrT1,scrT2,…,scrTi) ・・・(3)
scrT1はスコア算定時間帯T1のスコア、scrT2はスコア算定時間帯T2のスコア,scrTiはスコア算定時間帯Tiのスコアである。例えば、スコア算定時間帯を時間の早い順にT1,T2,...,Tiと表す。例えば、T1は11:00~12:00の時間帯、T2は12:00~13:00の時間帯である。
評価値算出部115は、スコア算出部114で生成された各日のベクトルVを用いて、異常要因の発生可能性の評価値Eを各日について算出する。評価値Eは、例えばベクトルVに含まれるスコアの平均値である。この場合のスコアの定義式を以下に示す。
Figure 0007101265000001
availは、算出対象時間帯の集合を表す。N(Tavail)は、Tavailに含まれる要素数を表す。TiはTavailに含まれるi番目の要素を表す。式(4)の分子は、集合Tavailに含まれる要素(算出対象時間帯)のスコアの合計を表す。
この例では、評価値Eは0以上1以下の範囲をとる。評価値Eが1に近いほど、異常要因の発生の可能性が高い。平均以外に、中央値、最大値、又は最小値を評価値Eとしてもよい。また、ベクトルに含まれる要素を重み付け平均した値を評価値Eとしてもよい。
評価値算出部115は、評価値Eと、PCS_ID(PCSの識別子)と、日付とを1セットとした結果データを評価DB117に格納する。
出力部118は、評価値算出部115に格納されている結果データに基づき、表示用の出力情報を生成し、表示装置131に出力する。表示装置131は、出力部118から入力された出力情報を画面に表示する。一例として、出力部118は、評価値算出部115に格納されている結果データを評価値の降順にソートし、ソート後の結果データを含む評価表を、表示装置131に出力する。
また、出力部118は、各結果データの評価値を、予め設定した閾値と比較し、比較結果に応じた判定ラベルを結果データに設定してもよい。具体的には、評価値が閾値以上の場合は、異常要因が発生している可能性が高いとして、“異常あり”又は “要確認”の判定ラベルを結果データに設定する。また、評価値が閾値未満の場合は、異常要因が発生している可能性が低いとして、“異常なし”又は “良好”の判定ラベルを結果データに設定する。閾値は、異常要因の種類ごとに異なってもよい。出力部118は、設定した判定ラベルを、結果データに関連づけた評価表を、表示装置131に出力してもよい。
図11及び図12に、表示装置131の画面の表示例を示す。図11では、異常要因が棒状影の場合の評価表の例、図12は異常要因がアレイ汚損の場合の評価表の例を示す。これまで述べてきた処理を異常要因ごとに実行することで、異常要因ごとの評価表を得ることができる。評価表には、各結果データに設定された判定ラベル(“要確認”もしくは“良好”)が関連づけられている。
例えば、図11において、1~9番目の結果データでは、評価値が閾値(ここでは0.7)以上のため、“要確認”の判定ラベルが設定されている。10番目以降の結果データは、評価値が閾値未満のため、“良好”の判定ラベルが設定されている。
図12の例では、1~5番目の結果データでは、評価値が閾値(ここでは0.6)以上のため、“要確認”の判定ラベルが設定されている。6番目以降の結果データは、評価値が閾値未満のため、“良好”の判定ラベルが設定されている。
ユーザは、例えば図11の表を、棒状影の発生の有無を判断する知見として役立てることができる。例えば、ユーザは図11の表からPCS_01は棒状影が発生している可能性が高いと判断し、現地に作業員を派遣する際に、棒状影を取り除くために必要な準備を事前に行うことができる。図12の表についても同様にして、アレイ汚損の発生の有無を判断する知見として役立てることができる。
本実施形態において、ユーザがトレーニングフェーズの条件(トレーニング条件)及びテストフェーズの条件(テスト条件)を指定し、ユーザにより指定された条件に従って、トレーニングフェーズ及びテストフェーズの処理を行ってもよい。
図13は、ユーザが条件の指定を行うユーザインタフェース画面の例を示す。本装置はこの画面を表示装置131に表示し、ユーザが入力装置121から条件を入力する。
トレーニング条件の例として、日射量の閾値(図の例では0.7)を指定してもよい。この場合、日射量が閾値以上の日(閾値がある程度高ければ晴れた日に相当する)の計測データをトレーニングデータとして用いる。また、トレーニングデータとして用いる計測データの期間をトレーニング対象期間として指定してもよい(図の例では2018年7月1日~2018年8月31日)。また、トレーニングデータとして用いる南中高度の範囲を指定してもよい(図の例では44~54度)。この場合、時刻と南中高度との対応データを予めDBに格納しておく。対応データを外部のサーバから受信することにより取得してもよい。トレーニング条件としてここで述べた以外の項目があってもよい。例えば発電量(電力値)の範囲を指定し、指定された発電量の範囲に属する計測データのみをトレーニングデータとして用いてもよい。
また、テスト条件の例として、テスト対象とする計測データの対象期間(テスト対象期間)を指定してもよい(図の例では2019年7月1日~2019年7月31日)。テスト対象期間は、年次横断の形式で指定してもよい。例えば、“7月1日~8月31日の期間を毎年”などと指定してもよい。
トレーニング条件及びテスト条件に共通する条件として、前述した単位時間間隔(図の例では60分)、及び評価時間帯(図の例では10:00~16:00)を指定してもよい。
図14は、本実施形態に係る計測データ取得部110、特定部112及び特徴分布生成部113の動作の一例のフローチャートである。本フローチャートは、主としてトレーニングフェーズに係る処理を示す。
一例として、本処理を開始する前に、計測データ取得部110が各PCSから計測データを取得して、計測DB111に格納する。また異常要因発生DB116に各PCSについて時刻毎に異常要因発生有無を表すラベルを異常要因別に格納しておく。ユーザが本処理の開始の指示データを入力し、入力された指示データに従って、本処理が開始される。
ステップS101において、本装置は、表示装置131にユーザインタフェース画面を表示して、ユーザにトレーニングフェーズの条件(トレーニング条件)及びテストフェーズの条件(テスト条件)を設定させてもよい。本ステップを省略してもよい。その場合、事前に定められたトレーニング条件及びテスト条件に従って、以降の処理を行う。
特定部112及び特徴分布生成部113は、以降の処理を、各PCSについて、異常要因ごとに行う。
ステップS102において、特定部112は、計測DB111から評価時間帯の計測データを読み出し、読み出した計測データに、異常要因発生DB116を用いて、異常要因の発生有無のラベルを設定する。すべての計測データにラベルを設定したら、ラベルの値に応じて、計測データを正例グループ及び負例グループに分類する。異常ありのラベルが設定された計測データは正例グループ、異常なしのラベルが設定された計測データは負例グループに分類される。
ステップS103において、特徴分布生成部113は、正例グループについて、計測データの特徴値を計算し、日ごとに特徴値を時系列に配置した時系列データ(特徴時系列データ)を生成する。負例グループについても同様にして、日ごとに特徴時系列データを生成する。
ステップS104において、特徴分布生成部113は、正例グループにおける複数の日の特徴時系列データに基づき、評価時間帯における単位時間帯ごとに、特徴値の確率分布(正例の特徴分布)を生成する。負例グループについても同様にして、評価時間帯における単位時間帯ごとに、特徴値の確率分布(負例の特徴分布)を生成する。特徴分布生成部113は、生成した正例及び負例の特徴分布をスコア算出部114に送る。特徴分布生成部113は、スコア算出部114により読出可能な記憶装置に、生成した正例及び負例の特徴分布を格納してもよい。スコア算出部114は、記憶装置から正例及び負例の特徴分布を読み出してもよい。以上の処理により、各PCSについて、評価時間帯における単位時間帯ごとの正例の特徴分布及び負例の特徴分布が、異常要因ごとに生成される。
図15は、本実施形態に係るスコア算出部114、評価値算出部115及び出力部118の動作の一例のフローチャートである。本フローチャートは、主としてテストフェーズに係る処理を示す。図15の処理は、図14の処理と連続して行ってもよいし、図14の処理とは独立したタイミングで行ってもよい。図14の処理を行うタイミングと、図15の処理を行うタイミングをユーザが個別に制御してもよい。以降の処理を、各PCSについて、異常要因の種類ごとに行う。
ステップS201において、スコア算出部114は、評価時間帯に含まれる各単位時間帯について、正例の特徴分布及び負例の特徴分布を用いて、予め定めた分離条件が満たされてかを判断する。正例の特徴分布及び負例の特徴分布として、該当するPCS及び該当する異常要因の種類に応じたものを用いる。分離条件の詳細については前述した通りである。
ステップS202において、分離条件が満たされる場合は、正例の特徴分布及び負例の特徴分布が十分に分離していると判断し、当該単位時間帯をスコア算定時間帯として選択する。ステップS203において、分離条件が満たされない場合は、正例の特徴分布及び負例の特徴分布の重なりが大きいと判断し、当該単位時間帯をスコア算定時間帯として選択しない。
ステップS204において、スコア算出部114は、ステップS202で選択された各スコア算定時間帯について、該当するPCSのテスト対象の計測データに基づき、スコア計算条件が満たされるかを判断する。スコア計算条件の詳細は前述した通りである。
ステップS205において、スコア計算条件が満たされる場合は、スコア算出部114は、スコア算定時間帯におけるテスト対象の計測データ(例えばスコア算定時間帯の開始時刻の計測データ)の特徴値を計算する。そして、計算した特徴値を、当該スコア算定時間帯の正例の特徴分布の最大値で除算する。除算により得られた値(除算値)を、スコアとする。
ステップS206において、スコア計算条件が満たされない場合は、スコア算出部114は、計測データが負例の特徴分布に近接していると判断し、当該スコア算定時間帯のスコアをゼロにする。
上述した例では、スコアの計算をするために、スコア算定時間帯の開始時刻の計測データを用いたが、スコア算定時間帯に属する複数の計測データから1つの計測データを選択し、選択した計測データを用いてもよい。また、上述した例では、スコアの計算をするために1つの計測データを用いたが、テスト対象としてスコア算定時間帯に属する複数の計測データを用いてもよい。この場合、例えば、計測データごとにステップS205、S206を行う。そして、これらの計測データについて得られた値(除算値又はゼロ)の平均又は中央値、最大値などを算出し、算出した値をスコアとすればよい。ここで述べた以外の方法でスコアを計算してもよい。
ステップS207において、スコア算出部114は、テスト対象の各日について、各スコア算定時間帯のスコアを含むベクトルVを生成する。
ステップS208において、評価値算出部115は、ベクトルVに基づき、異常要因の発生の可能性の評価値Eを算出する。例えばベクトルVに含まれる要素の平均を計算することにより評価値Eを算出する。平均以外に、中央値、最大値、又は最小値を評価値Eとしてもよい。また、ベクトルに含まれる要素を重み付け平均した値を評価値Eとしてもよい。
ステップS209にいて、評価値算出部115は、PCSのID、日付及び異常要因発生の可能性の評価値を含む結果データを生成し、結果データを評価DB117に格納する。評価DB117には、各PCSに関する結果データを、異常要因の種類ごとに表形式で格納される。
ステップS210において、出力部118は、評価DB117内の結果データを評価値の降順にソートして、表示用の出力情報を生成する。出力情報は、例えば異常要因の種類ごとに生成する。出力部118は、生成した出力情報を表示装置131に出力する。表示装置131は、出力情報を表示する。出力部118は、結果データの評価値が閾値以上かに応じかに応じて、結果データに判定ラベルを設定してもよい。そして、判定ラベルを結果データに関連づけた出力情報を生成してもよい。この出力情報を表示することで、ユーザは各PCSに異常要因が発生しているかの判断の目安として判定ラベルを利用できる。
以上、本実施形態によれば、太陽光発電システムの異常要因を特定することが可能となる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、実際の計測データ(実測データ)及び実際に測定した異常の発生有無のデータ(異常要因発生DB116)を用いて、正例及び負例の特徴分布を学習した。しかしながら、実際の太陽光発電システムでは、異常の発生頻度が低く、この場合、正例の特徴時系列データが得られない可能性もある。
第2の実施形態では、太陽光発電のシミュレーションツールを用いて、正例及び負例の特徴分布を生成する。シミュレーションツールの例として、PVSystが知られている。シミュレーションツールでは、パネルの設置条件、太陽光の日射条件、地形及び太陽の日出・日入りまでの入射角などを変数としつつ、発電量をシミュレーションできる。また、天候やスモッグなどの大気の遮光要素も考慮して、発電量をシミュレーションできる。また、その他の遮光要素として、遮光割合が0~100%の間に設定された平面上の遮光物や、棒状の物体などをシミュレーション空間に設置し、その影響をシミュレーションしたりすることもできる。
障害物がなく、パネルが設置された地形も平坦で、天候も快晴であれば、高精度に発力量を見積ることができる。一方で雲や雨などの大気や空の条件による日射量低下や、平坦なではない場所にパネルが設置された場合、配線による送電ロスなどの影響などを含め、シミュレーションの発電量が実績値とのずれが大きくなる場合もある。その誤差は、異常要因の発生で発電量が低下する比率よりも大きい比率に相当する場合もある。そのため、シミュレーションデータと実績値とのずれが小さくなるように、キャリブレーションすることが望ましい。
図16に、第2の実施形態に係る異常要因診断装置のブロック図を示す。図2のブロック図と同一又は対応する要素には同一の符号を付して、変更又は拡張された処理を除き、説明を省略する。図16の異常要因診断装置101は、図2の要素に加えて、シミュレーションDB141、補正関数生成部142、補正部143、統合部144、及び統合DB145を備える。補正関数生成部142及び補正部143の組は補正処理部146に対応する。
シミュレーションDB141には、予め各PCSの発電量のシミュレーションを行うことにより生成されたシミュレーションデータが格納されている。一例として、シミュレーションDB141は、各PCSの各日付の1日のシミュレーションデータを格納している。シミュレーションを実行するシミュレーション実行部を図16の異常要因診断装置に追加してもよい。
具体的には、シミュレーションDB141には計測データと同一日付及び同一時刻における計測値の見積もりデータがシミュレーションデータ(以下、第1シミュレーションデータと呼ぶ)として格納されている。ここでは、一例として少なくとも異常要因の発生がない計測データ(負例のデータ)と同一日付及び同一時刻に対する第1シミュレーションデータが格納されている。ただし、異常要因の発生がある計測データ(正例のデータ)と同一日付及び同一時刻に対する第1シミュレーションデータが格納されていてもよい。また計測DB111には、日時・時間帯・障害要因など様々変えて発電量をシミュレーションした場合の、正例及び負例のその他のシミュレーションデータ(以下、第2シミュレーションデータと呼ぶ)が格納されている。第2シミュレーションデータには時刻の項目がなくてもよいし、任意の時刻が設定されていてもよい。任意の時刻は、計測データの時刻より将来の時刻でも、過去の時刻でもよいし、仮想上の時刻(第2シミュレーションデータを区別できる時刻であればよい)でもよい。以下では、第2シミュレーションデータには、任意の時刻が設定されている場合を想定する。シミュレーションで異常要因が発生している時刻は、本実施形態に係る第3時刻に対応する。正例の第2シミュレーションデータは、一例として正例の計測データが存在しない又は少ない場合に、正例の特徴分布を生成する際に活用されることができる。第1シミュレーションデータも、同一時刻の計測データとの対応づけがなされていれば、時刻の項目がなくてもよい。以下の説明では、第1シミュレーションデータには、対応する計測データと同一の時刻が設定されている場合を想定する。第1及び第2シミュレーションデータの項目は、第1の実施形態の図3の計測データと同じでもよいし、一部の項目(電圧、電流など)を省いてもよいし、追加の項目があってもよい。以下の説明では異常要因が1種類の場合(例えば棒状影又はアレイ汚損など)を想定して説明を行うが、2種類以上の場合は、第1の実施形態と同様に、異常要因の種類ごとに独立して処理を行えばよい。
異常要因発生DB116は、少なくとも第2シミュレーションデータが生成された各日又は各時刻について、異常要因の有無を表すフラグが、PCS_IDと、日付又は時刻と関連づけて、格納されている。各日又は各時刻の異常要因の有無は、シミュレーション時に決められている。ここでは日単位又は時刻単位でフラグを設定しているが、評価時間帯又は単位時間帯の単位でフラグを設定してもよい。
図17に、異常要因発生DB116の例を示す。第2シミュレーションデータの時刻(任意の時刻)に対して、異常要因の有無を表すフラグが格納されている。任意の時刻はSTP00001、STP00002などにより表されている。第2シミュレーションデータと対応づけがなされていれば、時刻の項目がなくてもよい。異常要因発生DB116には、第1の実施形態と同様に、実測データに対する異常要因発生データ(図4参照)も格納されている。
補正関数生成部142は、負例(異常なし)の実測データと、負例(異常なし)の第1シミュレーションデータとに基づき、シミュレーションデータの値を補正するための補正関数を、各PCSについて生成する。以下、補正関数の生成について詳細に説明する。
補正関数生成部142は、同一時刻の負例の実測データ(計測データ)と、負例の第1シミュレーションデータとを対応付け、同一時刻のこれらのデータの組を生成する。
図18に、実測データと、第1シミュレーションデータとを対応づける例を示す。図18の左上は、横軸が時刻、縦軸が電力値の座標系に計測データをプロットした例を模式的に示す図である。図18の右上は、横軸が時刻、縦軸が電力値の座標系に第1シミュレーションデータをプロットした例を模式的に示す図である。図18の左上の計測データ及び図18の右上の第1シミュレーションデータに基づき、同一時刻の実測データと第1シミュレーションデータを対応づけ、これらのデータの組を、横軸をシミュレーションの電力値、縦軸を実測の電力値とする座標系にプロットする。図18の下は、これらの組をプロットした例を模式的に示す図である。
なお、計測の時間間隔及びシミュレーションの時間間隔が一致している場合は、当該同じ時間間隔毎で実測データ及び第1シミュレーションデータを対応づければよい。両者で時間間隔が異なる場合、例えば実測が1分間隔、シミュレーションが60分間隔の場合は、以下のようにする。すなわち、実測データの60分間の代表値(例えば平均値)を60分毎に算出して、算出した値と第1シミュレーションデータの値との組を同一時刻のデータとして対応づける。
補正関数生成部142は、対応づけられた計測データの値と第1シミュレーションデータの値との差分を最小化するように、シミュレーションデータの値(例えば電力値)を補正するための補正関数を生成する。例えば、シミュレーションデータの値を入力変数、補正後の値(補正値)を出力変数とする関数として、例えばy=f(x)+εを設定する。xは入力変数、yは出力変数である。負例の計測データの値を出力変数の教師データとして用いて、最小自乗法などの最適化手法により、xとyの差分を最小するように、f(x)のパラメータ及びεを推定する。f(x)は一次関数でも、二次関数でも、それ以外の型の関数でもよい。補正関数生成部142は、生成した補正関数を補正部143に送る。補正関数生成部142は、生成した補正関数を補正部143からアクセス可能な記憶装置に格納してもよい。この場合、補正部143は、記憶装置から補正関数を読み出してもよい。
f(x)の入力変数として、例えば直流電圧、直流電流、気温など、電力値と異なる値を用い、出力変数を、補正後の電力値としてもよい。入力変数に電力値がなくとも、電力値に依存する値を入力変数とすれば、補正後の電力値を求めることができる。また、電流、電圧又は気温等の項目を補正する関数を生成し、これらの項目を補正の対象としてもよい。
補正部143は、補正関数を用いて、正例及び負例の第2シミュレーションデータの値(例えば電力値)を補正する。すなわち、正例及び負例の第2シミュレーションデータの値を入力変数xとして補正関数を計算し、出力変数yを求める。yの値が、第2シミュレーションデータの補正値である。補正は、PCSごとに、それぞれの補正関数を用いて行う。補正部143は、正例及び負例の第2シミュレーションデータの補正値をDBに格納してもよい。
本補正処理を行うことで、実際には故障事例が多くないPVプラントでも、発電電力の多くの事例を生成できる。すなわち、故障事例が多くないPVプラントに対しても、正例(異常あり)の特徴分布を生成できる。
統合部144は、計測DB111の計測データと、補正後の第2シミュレーションデータとを統合し、統合DB145に格納する。統合DB145のデータを表示装置131に表示して、ユーザに第2シミュレーションデータの補正の結果を確認させてもよい。例えば、計測DB111の計測データ群の末尾に、補正後の第2シミュレーションデータを追加し、追加後のデータ群を統合DB145に格納する。なお、電流又は電圧等の項目など、以降の処理で用いない項目がある場合は、該項目を削除してもよい。
図19に、統合DB145の一例を示す。統合DB145には計測データ(実測データ)と補正後の第2シミュレーションデータとが格納されている。補正前の第2シミュレーションデータの値がさらに格納されていてもよい。この例ではシミュレーションデータの項目として電圧及び電流の値が格納されていないが、電圧及び電流の補正値を格納してもよい。
変形例として、補正部143が第2シミュレーションデータのみならず、第1シミュレーションデータの補正も行い、補正後の第1シミュレーションデータも統合部144に追加してもよい。そして、ユーザに第1シミュレーションデータの補正の結果も確認させてもよい。
また、別の変形例として、負例の計測データが十分に存在する場合には、シミュレーションにおいて正例の第2シミュレーションデータのみを生成してもよい。
特定部112、特徴分布生成部113、スコア算出部114及び評価値算出部115は、第1の実施形態の計測DB111の代わりに、統合DB145を用いて、第1の実施形態と同様の処理を行えばよい。この際、正例の特徴分布を生成するために、一例として、正例の第2シミュレーションデータを用いることができ、正例の計測データが存在する場合は、正例の計測データも用いることができる。負例の特徴分布を生成するために、一例として、負例の計測データと負例の第2シミュレーションデータの少なくとも一方を用いることができる。
ユーザがシミュレーションの条件を指定し、ユーザが指定した条件に従って、シミュレーションに用いるシミュレーションデータの選択を行ってもよい。
図20は、ユーザがシミュレーションデータの選択条件を指定するユーザインタフェース画面の例を示す。本装置はこの画面を表示装置131に表示し、ユーザが入力装置121から条件を入力する。図の例ではシミュレーション対象期間として2018年7月1日~2018年8月31日までを指定し、シミュレーション対象南中高度として44~54度を指定している。シミュレーション対象期間は、一例として計測データと同一の日付と、計測データに存在しない日付とを含む。単位時間間隔として60分、評価時間帯として10:00~16:00を指定している。単位時間間隔及び評価時間帯は、特徴分布生成部113以降の処理に適用されてもよい。また、シミュレーションデータの利用有無も指定できる。図20に示した以外の項目の条件を指定できるようにしてもよい。
補正関数生成部142は、図20のユーザインタフェース画面でユーザが指定した条件を満たすシミュレーションデータを、シミュレーションDB141から選択するように動作する。ユーザがシミュレーションデータの利用を指定した場合は、前述した実施形態に従って、補正処理部の処理を行う。一方、ユーザがシミュレーションデータの利用を指定しない場合は、補正処理部の処理を行わない。すなわち、シミュレーションデータを利用せず、この場合、第1の実施形態の動作が行われる。実測データに対して異常要因の発生有無の情報が十分に得られている場合は、シミュレーションデータを利用しないことで、PVパネルの実際の設置環境を反映した分析結果を得ることができる。正例の実測データが蓄積されるのに時間を要する場合には、ある程度の個数の正例の実測データが蓄積されるまではシミュレーションデータを使い、当該個数の正例の実測データが蓄積されたら、実測データのデータベースに切り替えるようにしてもよい。これにより、正例の実測データが蓄積されるまではシミュレーションを用いて暫定的に分析結果を高速に得るとともに、正例の実測データが蓄積された後は、実測データのデータベースに切り替えることで、実際の設置環境に忠実な分析結果を得ることができる。
変形例として、補正関数の作成有無をユーザが指定してもよい。ユーザが補正関数の作成有を指示した場合、補正関数生成部142が補正関数を生成する。ユーザが補正関数の作成無を指示した場合、補正関数生成部142が補正関数を生成しない。この場合、補正部143は、以前に(例えば前回)作成された補正関数を用いてシミュレーションデータの補正を行う。補正関数を毎回生成しないことで、効率的な処理が可能となる。
図20のユーザインタフェース画面と、第1の実施形態における条件の指定を行うユーザインタフェース画面(図13参照)とを1つにまとめてもよい。
図21は、これらのユーザインタフェース画面を1つにまとめた例を示す。ユーザは、この統合されたユーザインタフェース画面で条件の入力を行ってもよい。あるいは、本装置が図13と図16の画面を別々に提示して、別々に条件の入力をユーザに行わせてもよい。単位時間間隔及び評価時間帯など両画面で共通する項目については、一方のユーザインタフェース画面への入力結果が、他方のユーザインタフェース画面に自動的に反映されるようにしてもよい。
図22は、補正関数生成部142、補正部143及び統合部144に係る処理のフローチャートである。
ステップS301において、補正関数生成部142が、同一時刻で、負例の計測データと、負例のシミュレーションデータ(第1シミュレーションデータ)とを対応づけ、同一時刻のデータ組を生成する。
ステップS302において、補正関数生成部142が、ステップS301で生成されたデータ組に基づき、シミュレーションデータの値を入力変数し、補正値を出力変数とする補正関数のパラメータを推定する。補正関数のパラメータは、例えば、計測データの値を教師データとして用い、計測データの値とシミュレーションデータの値の差分を最小化するように求める。
ステップS303において、補正部143は、ステップS302で生成された補正関数を用いて、正例及び負例のシミュレーションデータ(第2シミュレーションデータ)を補正する。
ステップS304において、統合部144は、補正後の第2シミュレーションデータを、計測DB111内の計測データとともに、統合DBに格納する。以降の処理は、第1の実施形態と同様である。
図23は、図22のフローチャートにステップS305を追加した処理のフローチャートである。ステップS305がステップS301とステップS302の間に追加されている。ステップS305において、補正関数生成部142は、ステップS301で生成されたデータ組のうち、計測データの日射量が所定値(例えば0.7)以上のデータ組を選択する。ステップS302では、ステップS305で選択されたデータ組を用いて、補正関数を生成(補正関数のパラメータを推定)する。ここでは日射量の条件でデータ組を選択したが、計測時刻の範囲(例えば10時以降16時まで)を指定し、その範囲に属する計測データを含むデータ組を選択してもよい。指定する計測時刻の範囲は評価時間帯でもよい。
図24は、本発明の実施形態に係る異常要因診断装置のハードウェア構成例を示す。図24のハードウェア構成はコンピュータ150として構成される。コンピュータ150は、CPU151、入力インタフェース152、表示装置153、通信装置154、主記憶装置155、外部記憶装置156を備え、これらはバス157により相互に通信可能に接続される。
入力インタフェース152は、入力装置121に対応する。表示装置153は表示装置131に対応する。通信装置154は、無線または有線の通信手段を含み、PCSと有線または無線の通信を行う。通信装置154を介して、計測データを取得してもよい。入力インタフェース152及び通信装置154は、それぞれ別個の集積回路等の回路で構成されていてもよいし、単一の集積回路等の回路で構成されてもよい。
外部記憶装置156は、例えば、HDD、SSD、メモリ装置、CD-R、CD-RW、DVD-RAM、DVD-R等の記憶媒体等を含む。外部記憶装置156は、異常要因診断装置の各処理部の機能を、プロセッサであるCPU151に実行させるためのプログラムを記憶している。また、異常要因診断装置が備える各種DBも、外部記憶装置156に含まれる。ここでは、外部記憶装置156を1つのみ示しているが、複数存在しても構わない。
主記憶装置155は、CPU151による制御の下で、外部記憶装置156に記憶された制御プログラムを展開し、当該プログラムの実行時に必要なデータ、当該プログラムの実行により生じたデータ等を記憶する。主記憶装置155は、例えば揮発性メモリ(DRAM、SRAM等)または不揮発性メモリ(NANDフラッシュメモリ、MRAM等)など、任意のメモリまたは記憶部を含む。主記憶装置155に展開された制御プログラムがCPU151により実行されることで、異常要因診断装置の各処理部の機能が実行される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11:発電装置
12:PCS(パワーコンディショナシステム)
ST01、ST02:ストリング
PN:PVパネル
21:接続装置
22:DC/DC変換機
23:AC/DC変換機
24:計測装置
25:日射計
101:異常要因診断装置
110:計測データ取得部
111:計測データベース(DB)
112:特定部
113:特徴分布生成部
114:スコア算出部
115:評価値算出部
116:異常要因発生DB
117:評価DB
118:出力部
119:評価部
121:入力装置
131:表示装置
151:CPU
152:入力インタフェース
153:表示装置
154:通信装置
155:主記憶装置
156:外部記憶装置
157:バス
141:シミュレーションDB
142:補正関数生成部
143:補正部
144:統合部
145:統合DB
146:補正処理部

Claims (15)

  1. 発電装置の異常要因が発生した第1時刻を特定するデータに基づき、前記発電装置の計測データにおいて前記第1時刻に対応する第1計測データを特定する特定部と、
    前記第1計測データに基づき、前記第1計測データの特徴値の分布を表す第1分布関数を算出する分布生成部と、
    前記第1分布関数と、前記発電装置のテスト対象の計測データとに基づいて、前記発電装置における前記異常要因の発生の可能性の評価値を算出する評価部と、
    を備えた異常要因診断装置。
  2. 前記評価部は、前記テスト対象の計測データの特徴値に基づき前記第1分布関数の値を計算し、前記第1分布関数の値に基づいて、前記評価値を算出する
    請求項1に記載の異常要因診断装置。
  3. 前記評価部は、前記第1分布関数の値と、前記第1分布関数の最大値とに基づいて、前記評価値を算出する
    請求項2に記載の異常要因診断装置。
  4. 前記分布生成部は、単位時間帯ごとに前記第1分布関数を生成し、
    前記評価部は、前記単位時間帯ごとの前記第1分布関数の値に基づいて、前記評価値を算出する
    請求項2又は3に記載の異常要因診断装置。
  5. 前記特定部は、前記異常要因が発生していない第2時刻に対応する第2計測データを特定し、
    前記分布生成部は、前記第2計測データの特徴値の分布を表す第2分布関数を前記単位時間帯ごとに生成し、
    前記評価部は、前記単位時間帯ごとに前記第1分布関数と前記第2分布関数とが分布の分離条件を満たすかを判断し、前記分離条件を満たす前記単位時間帯の前記第1分布関数の値のみに基づいて、前記評価値を算出する
    請求項4に記載の異常要因診断装置。
  6. 前記特徴値は、発電量を日射量で除算した値と、発電量を日射量で除算した値の最大値との比率である
    請求項1~5のいずれか一項に記載の異常要因診断装置。
  7. 前記発電装置の発電のシミュレーションデータと、
    前記シミュレーションデータを補正する補正処理部と、を備え、
    前記補正処理部は、前記異常要因が発生していない第2時刻に対応する第2計測データと、前記第2時刻に対応する前記シミュレーションデータとに基づき、前記シミュレーションデータと前記第2計測データとの差分を小さくする前記シミュレーションデータの補正関数を生成し、
    前記補正処理部は、前記補正関数に基づき、少なくとも前記発電装置のシミュレーションにおいて前記異常要因が発生した第3時刻に対応するシミュレーションデータを補正し、
    前記分布生成部は、補正された前記シミュレーションデータの特徴値に基づき、前記第1分布関数を生成する
    請求項1~6のいずれか一項に記載の異常要因診断装置。
  8. 前記特定部は、日射量、時刻、南中高度、及び発電量の少なくともいずれか1つに基づく条件を満たす前記第1計測データを特定し、
    前記分布生成部は、特定した前記第1計測データに基づいて、前記第1分布関数を生成する
    請求項1~7のいずれか一項に記載の異常要因診断装置。
  9. 前記補正処理部は、前記第2時刻に対応する前記シミュレーションデータのうち、日射量、時刻、南中高度、及び発電量の少なくともいずれか1つに基づく条件を満たすシミュレーションデータを特定し、特定したシミュレーションデータを用いて、前記補正関数を生成する
    請求項7、又は請求項7を引用する請求項8に記載の異常要因診断装置。
  10. ユーザインタフェースからのユーザの指示データを受信し、前記指示データが前記シミュレーションデータの利用を指示している場合に前記補正処理部の処理を行い、前記指示データが前記シミュレーションデータの利用を指示していない場合に前記補正処理部の処理を行わない
    請求項7又は9に記載の異常要因診断装置。
  11. 前記補正処理部により補正された前記シミュレーションデータを表示するための出力情報を生成する出力部
    を備えた請求項7、9及び10のいずれか一項に記載の異常要因診断装置。
  12. 出力部を備え、
    前記評価部は、複数の前記発電装置ごとに又は日別に前記評価値を算出し、
    前記出力部は、降順又は昇順にソートした前記評価値を表示するための出力情報を生成する
    請求項1~11のいずれか一項に記載の異常要因診断装置。
  13. 前記出力情報を表示する表示装置
    を備えた請求項11又は12に記載の異常要因診断装置。
  14. 発電装置の異常要因が発生した第1時刻を特定するデータに基づき、前記発電装置の計測データから、前記第1時刻に対応する第1計測データを特定するステップと、
    前記第1計測データの特徴値の分布を表す第1分布関数を算出するステップと、
    前記第1分布関数と、前記発電装置のテスト対象の計測データとに基づいて、前記発電装置における前記異常要因の発生の可能性の評価値を算出するステップと、
    を備えた異常要因診断方法。
  15. 少なくとも1つの発電装置と、
    前記少なくとも1つの発電装置に対する異常要因診断装置と、を備え、
    前記異常要因診断装置は、
    前記発電装置の異常要因が発生した第1時刻を特定するデータに基づき、前記発電装置の計測データから、前記第1時刻に対応する第1計測データを特定する特定部と、
    前記第1計測データの特徴値の分布を表す第1分布関数を算出する分布生成部と、
    前記第1分布関数と、前記発電装置のテスト対象の計測データとに基づいて、前記発電装置における前記異常要因の発生の可能性の評価値を算出する評価部と、を含む、
    異常要因診断システム。
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