JP7093675B2 - 流体判別システムおよび流体判別方法 - Google Patents
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Description
また、判別部は、複数の前記特徴的周波数の音圧レベルの比に基づいて判別することもできる。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る流体判別システムの構成を示す。この流体判別システムは、叩打部1と、システム本体2とを有する。
打音入力部5は、叩打部1で流通管Tを叩打した打音を入力するもので、例えばマイクロフォンなどから構成することができる。
報知部6は、流体Fの種類を判別した判別結果を報知するもので、例えば発光ダイオードなどの発光素子、液晶ディスプレイなどのディスプレイ装置およびブザーなどの音出力装置などから構成することができる。
図2に示すように、システム本体2は、打音入力部5に接続された算出部7を有し、この算出部7に判別部8および報知制御部9を介して報知部6が接続されている。また、判別部8に記憶部10が接続されている。さらに、算出部7、判別部8および報知制御部9に本体制御部11が接続され、この本体制御部11に操作部12と格納部13がそれぞれ接続されている。
記憶部10は、流体が流通する基準管を叩打した打音において基準管を流通する流体の種類に応じて互いに異なる複数の特徴的周波数の音圧レベルを予め記憶する。例えば、記憶部10は、ガスが流通するガス管を叩打した打音における特徴的周波数の音圧レベルと、水が流通する水道管を叩打した打音においてガス管と異なる特徴的周波数の音圧レベルとを記憶する。ここで、ガス管の特徴的周波数と水道管の特徴的周波数は、例えばガス管に固有な固有周波数と水道管に固有な固有周波数にそれぞれ設定することができる。
報知制御部9は、判別部8の判別結果に基づいて、流通管Tを流通する流体Fの種類を報知部6に報知させる。
格納部13は、動作プログラム等を格納するもので、メモリ、ハードディスクおよびSDカード等の記憶装置を用いることができる。
なお、算出部7、判別部8、報知制御部9および本体制御部11は、CPUと、CPUに各種の処理を行わせるための動作プログラムから構成されるが、それらをデジタル回路で構成してもよい。
まず、ガス管を工事する作業者が、ガス管を埋設した地点において地面を掘り起こして、流体が流通する流通管を露出させる。図1に示すように、地中の流通管Tが露出されると、作業者Wが叩打部1の把持部3を把持して球状部4で流通管Tを叩打する。
打音入力部5から算出部7に打音信号が入力されると、算出部7は、その打音信号に応じた時間波形を生成し、その時間波形に基づいて打音の周波数分布を算出する。
一方、叩打部1により水が流通する水道管が叩打された場合には、算出部7は、図4(a)に示すように、打音信号に応じた時間波形R1を生成する。そして、算出部7は、時間波形R1を高速フーリエ変換処理することにより、図4(b)に示すように、打音の周波数分布R2を算出する。
ここで、記憶部10には、ガスが流通する基準管および水が流通する基準管を予め叩打した打音において、流体Fの種類に応じて音圧レベルが互いに異なる特徴的周波数が流体Fの種類に対応して記憶されている。
例えば、図3(b)および図4(b)に示すように、周波数分布G2において音圧レベルが最大となるピークP1は、周波数分布R2に現れない。そこで、ガスが流通する基準管の打音において音圧レベルが最大となる値に特徴的周波数H1を設定することができる。これにより、判別部8は、算出部7で算出された周波数分布において特徴的周波数H1にピークP1が存在する場合に、流通管Tを流通する流体Fがガスであると判別する。
なお、特徴的周波数H1としては、例えば、約7500Hz~約8500Hzに設定することが好ましく、約8250Hzに設定することがより好ましい。
また、記憶部10に2つの特徴的周波数H1およびH2を記憶することで、判別部8は、流通管Tを流通する流体Fの種類をより正確に判別することができる。
なお、特徴的周波数H2としては、例えば、約3500Hz~約4500Hzに設定することが好ましく、約4290Hzに設定することがより好ましい。
さらに、特徴的周波数は、叩打部1を用いて基準管を叩打した打音に基づいて算出することが好ましく、これにより判別条件が一致するため流通管Tを流通する流体Fの種類をより正確に判別することができる。
報知部6の報知により、流通管Tがガス管であることを作業者Wが認識し、作業者Wにより流通管Tの工事が行われる。
上記の実施の形態1において、システム本体2は、データを通信するための通信部を有することが好ましい。
例えば、図5に示すように、実施の形態1の判別部8と本体制御部11に通信用メモリ21を新たに接続し、この通信用メモリ21に無線通信部22およびデータ取得部23を順次接続することができる。
無線通信部22は、通信用メモリ21に保存された判別結果、時間波形および周波数分布を無線通信によりデータ取得部23に送信する。
無線通信部24は、システム本体2の無線通信部22との間で無線通信して判別結果、時間波形および周波数分布を受信する。
表示部25は、無線通信部24で受信した判別結果、時間波形および周波数分布を表示するもので、例えば、液晶ディスプレイなどのディスプレイ装置から構成することができる。
無線通信部22から送信されたデータは、データ取得部23の無線通信部24で受信されて表示部25に表示される。これにより、作業者Wは、表示部25に表示された判別結果、時間波形および周波数分布を視認して、判別結果を詳細に検討することができる。
また、上記の実施の形態1および2では、記憶部10は、ガスが流通する基準管を叩打した打音の特徴的周波数H1が記憶されたが、流体が流通する基準管を叩打した打音の特徴的周波数が記憶されていればよく、ガスの特徴的周波数H1に限られるものではない。例えば、記憶部10は、油が流通する基準管を叩打した打音の特徴的周波数を記憶することもできる。
2 システム本体
3 把持部
4 球状部
5 打音入力部
6 報知部
7 算出部
8 判別部
9 報知制御部
10 記憶部
11 本体制御部
12 操作部
13 格納部
21 通信用メモリ
22,24 無線通信部
23 データ取得部
25 表示部
F 流体
T 流通管
W 作業者
G1,R1 時間波形
G2,R2 周波数分布
H1,H2 特徴的周波数
Claims (6)
- 流体が流通する流通管を叩打するための叩打部と、
前記叩打部で前記流通管を叩打した打音を入力する打音入力部と、
前記打音入力部に入力される前記打音の周波数分布を算出する算出部と、
流体が流通する基準管を叩打した打音において流体の種類に応じて異なる特徴的周波数を記憶する記憶部と、
前記算出部で算出された前記周波数分布と前記記憶部に記憶された前記特徴的周波数とを比較して、前記流通管を流通する流体の種類を判別する判別部とを備え、
前記特徴的周波数は、前記基準管の半部が地中に埋められた状態から前記基準管が完全に露出した状態に露出度を変えて叩打した打音に共通して存在する周波数を含むことを特徴とする流体判別システム。 - 前記特徴的周波数は、前記基準管を叩打した打音の音圧レベルが最大となる周波数を含む請求項1に記載の流体判別システム。
- 前記特徴的周波数は、前記叩打部を用いて前記基準管を叩打した打音に基づいて算出される請求項1または2に記載の流体判別システム。
- 前記判別部は、前記特徴的周波数の音圧波形に基づいて判別する請求項1~3のいずれか一項に記載の流体判別システム。
- 前記判別部は、複数の前記特徴的周波数の音圧レベルの比に基づいて判別する請求項1~4のいずれか一項に記載の流体判別システム。
- 流体が流通する流通管を叩打部で叩打し、
前記叩打部で前記流通管を叩打した打音を打音入力部で入力し、
前記打音入力部に入力される前記打音の周波数分布を算出部で算出し、
流体が流通する基準管を叩打した打音において流体の種類に応じて異なる特徴的周波数を記憶する記憶部を参照して、前記算出部で算出された前記周波数分布と前記記憶部に記憶された前記特徴的周波数とを比較し、判別部が前記流通管を流通する流体の種類を判別し、前記特徴的周波数は、前記基準管の半部が地中に埋められた状態から前記基準管が完全に露出した状態に露出度を変えて叩打した打音に共通して存在する周波数を含むことを特徴とする流体判別方法。
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