JP7093163B2 - 取得方法、算出方法、評価装置、算出装置、評価プログラム、算出プログラム、および評価システム - Google Patents

取得方法、算出方法、評価装置、算出装置、評価プログラム、算出プログラム、および評価システム Download PDF

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Description

本発明は、血液中のアミノ酸および代謝物の濃度を利用して膵がん患者における骨格筋の将来の状態を評価する評価方法、評価装置、評価プログラム、評価システムおよび端末装置に関するものである。
骨格筋量の低下は、加齢、活動性の低下、臓器不全・炎症性疾患・内分泌疾患・悪性腫瘍などの疾患または低栄養により引き起こされる(非特許文献1)。骨格筋減少により、筋力低下、転倒または歩行障害が出現し、生活の質が低下し、死亡リスクが上昇する。
膵がんの罹患率は60歳より高齢になるほど高くなるため(非特許文献2)、膵がんの患者は加齢による骨格筋量の低下を背景に有することが少なくない。膵がん患者に癌性の骨格筋減少が発症すると、容易に活動性が低下して患者のQOLが損なわれる。骨格筋減少は初回治療中の進行膵がん患者の半数に認められ、骨格筋が減少した膵がん患者は活動性および生活の質が低下して生命予後が短縮する(非特許文献3および非特許文献4)。
癌性の骨格筋減少は、腫瘍由来因子による骨格筋損傷、異化および再生障害が複合して重症化する(非特許文献5)。早期の適切なマネージメントにより(非特許文献6)、栄養介入および運動介入等の支持的介入が考慮されるが(非特許文献7)、考慮する際に介入の必要性を明確に示す指標が求められる。骨格筋減少の重症度は、筋力低下と身体活動性低下の複合度で評価される。アジア人に適した評価基準も示されており(非特許文献8)、この評価基準は治療法および回復目標の適正な設定に役立つと考えられている。しかし、膵癌患者を対象とした適切な評価基準は確立されておらず、今後起こりうる骨格筋状態の変化を予測する方法および基準はない。
骨格筋が減少した膵癌悪液質マウスモデルでは、アラニンの骨格筋内含有量が低下する(非特許文献9)。全身的な糖代謝の恒常性を保つため、骨格筋異化で生じたアミノ酸をアラニンに変換して放出した結果と考えられる。この悪液質モデルでは必須アミノ酸の一つであるバリンの血漿中濃度が低下するが(非特許文献9)、ヒトでも膵癌が発症し病状が進むにつれてバリンおよびアラニンの血漿中濃度が低下する(非特許文献10)。
なお、先行特許として、アミノ酸濃度と生体状態とを関連付ける方法に関する特許文献1、2、3が公開されている。また、アミノ酸濃度を用いて膵臓癌の状態を評価する方法に関する特許文献4が公開されている。
国際公開第2004/052191号 国際公開第2006/098192号 国際公開第2009/054351号 国際公開第2014/084290号
Cruz-Jentoft AJ, Baeyens JP, Bauer JM, Boirie Y, Cederholm T, Landi F, Martin FC, Michel JP, Rolland Y, Schneider SM, et al. Sarcopenia: European consensus on definition and diagnosis: report of the European working group on sarcopenia in older people. Age Ageing. 2010;39(4):412-423. 国立がん研究センターがん対策情報センター: がん情報サービス, 最新がん統計. http://ganjoho.jp/public/statistics/pub/statistics01.html Tatematsu N, Mitsunaga S, Ikeda M. Characterization of advanced pancreatic cancer patients showing a decrease of the skeletal muscle mass while receiving first-line chemotherapy. The MASCC/ISCC Annual meeting on supportive care in cancer, Adelaide, Australia, 2016 Choi Y, Oh DY, Kim TY, Lee KH, Han SW, Im SA, et al. Skeletal Muscle Depletion Predicts the Prognosis of Patients with Advanced Pancreatic Cancer Undergoing Palliative Chemotherapy, Independent of Body Mass Index. PLoS One. 2015;10(10):e0139749 He WA, Berardi E, Cardillo VM, Acharyya S, Aulino P, Thomas-Ahner J, Wang J, Bloomston M, Muscarella P, Nau P, Shah N, Butchbach ME, Ladner K, et al. NF-kappaB-mediated Pax7 dysregulation in the muscle microenvironment promotes cancer cachexia. J Clin Invest. 2013;123:4821-4835. Cruz-Jentoft AJ, Landi F, Schneider SM, et al. Prevalence of and interventions for sarcopenia in ageing adults: a systematic review. Age Ageing. 2014;43(6):748-759. 終末期がん患者の輸液療法に関するガイドライン2013年版 緩和医療ガイドライン委員会 金原出版 Chen LK, Liu LK, Woo J, Assantachai P, Auyeung TW, Bahyah KS, Chou MY, Chen LY, Hsu PS, Krairit O, Lee JS, Lee WJ, Lee Y, Liang CK, Limpawattana P, Lin CS,Peng LN, Satake S, Suzuki T, Won CW, Wu CH, Wu SN, Zhang T, Zeng P, Akishita M,Arai H. Sarcopenia in Asia: consensus report of the Asian Working Group forSarcopenia. J Am Med Dir Assoc. 2014 Feb;15(2):95-101. Paul T. Winnard Jr, Santosh K. Bharti, Marie-France Penet, Radharani Marik, Yelena Mironchik, Flonne Wildes, Anirban Maitra, and Zaver M. Bhujwalla Cancer Res; 76(6):1441-50.2015. Fukutake N, Ueno M, Hiraoka N, Shimada K, Shiraishi K, Saruki N et al. A novel multivariate index for pancreatic cancer detection based on the plasma free amino acid profile. PLoS One 2015; 10: e0132223.
しかし、膵がん患者における骨格筋状態の変化を早期に予測する判断基準および適切なスクリーニング方法は、開発されておらず、また実用化もされていない、という問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、膵がんを有する評価対象における骨格筋の将来の状態を知る上で参考となり得る信頼性の高い情報を提供することができる評価方法、評価装置、評価プログラム、評価システムおよび端末装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、膵がん患者では、様々な代謝異常を合併して、アミノ酸プールたる骨格筋が減少するが、アミノ酸を含めた血中代謝物のプロファイルの複合的変化を評価することで骨格筋減少の途上にあるか否かを判定すること、すなわち骨格筋減少を予測することは可能であると考えた。そして、本発明者らは、膵がん患者を対象にして、骨格筋の状態を評価および予測できるアミノ酸および代謝物を特定すると共に、アミノ酸変数および代謝物変数を用いた骨格筋の状態を評価および予測できる相関式(指標式)を見出し、本発明を完成するに至った。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる評価方法は、膵がんを有する評価対象の血液中の以下に示す19種類のアミノ酸(Tyr,Ser,Asn,Gln,Pro,Gly,Ala,Cit,Val,Met,Ile,Leu,Thr,Phe,His,Trp,Orn,Lys,Arg)および18種類の代謝物(2-Hydroxybutyric acid,2-Hydroxyglutaric acid,ADP,Carnitine,Cortisone,Ethanolamine phosphate,Erucic acid,Glycerophosphocholine,Oleoyl ethanolamide,Pyruvic acid,Sphingosine,Taurine,Urea,Glycochenodeoxycholic acid,cis-Aconitic-acid,Cystine,Mucic acid,SDMA)のうちの少なくとも1つの濃度値を用いて、前記評価対象について、骨格筋の将来の状態を評価する評価ステップを含むこと、を特徴とする。
ここで、本明細書では各種アミノ酸を主に略称で表記するが、それらの正式名称は以下の通りである。
(略称) (正式名称)
Ala Alanine
Arg Arginine
Asn Asparagine
Cit Citrulline
Gln Glutamine
Gly Glycine
His Histidine
Ile Isoleucine
Leu Leucine
Lys Lysine
Met Methionine
Orn Ornithine
Phe Phenylalanine
Pro Proline
Ser Serine
Thr Threonine
Trp Tryptophan
Tyr Tyrosine
Val Valine
また、本発明にかかる評価方法は、前記の評価方法において、前記評価ステップでは、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの前記濃度値が代入される変数を含む式をさらに用いて、前記式の値を算出することで、前記評価対象について、骨格筋の将来の状態を評価すること、を特徴とする。
また、本発明にかかる評価装置は、制御部を備えた評価装置であって、前記制御部は、膵がんを有する評価対象の血液中の前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値を用いて、前記評価対象について、骨格筋の将来の状態を評価する評価手段を備えたこと、を特徴とする。
また、本発明にかかる評価方法は、制御部を備えた情報処理装置において実行される評価方法であって、前記制御部において実行される、膵がんを有する評価対象の血液中の前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値を用いて、前記評価対象について、骨格筋の将来の状態を評価する評価ステップを含むこと、を特徴とする。
また、本発明にかかる評価プログラムは、制御部を備えた情報処理装置において実行させるための評価プログラムであって、前記制御部において実行させるための、膵がんを有する評価対象の血液中の前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値を用いて、前記評価対象について、骨格筋の将来の状態を評価する評価ステップを含むこと、を特徴とする。
また、本発明にかかる記録媒体は、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、情報処理装置に前記評価方法を実行させるためのプログラム化された命令を含むこと、を特徴とする。
また、本発明にかかる評価システムは、制御部を備えた評価装置と、制御部を備えた端末装置とを、ネットワークを介して通信可能に接続して構成された評価システムであって、前記端末装置の前記制御部は、膵がんを有する評価対象の血液中の前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値に関する濃度データを前記評価装置へ送信する濃度データ送信手段と、前記評価装置から送信された、前記評価対象における骨格筋の将来の状態に関する評価結果を受信する結果受信手段と、を備え、前記評価装置の前記制御部は、前記端末装置から送信された前記濃度データを受信する濃度データ受信手段と、前記濃度データ受信手段で受信した前記濃度データに含まれている、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの前記濃度値を用いて、前記評価対象について、骨格筋の将来の状態を評価する評価手段と、前記評価手段で得られた前記評価結果を前記端末装置へ送信する結果送信手段と、を備えたこと、を特徴とする。
また、本発明にかかる端末装置は、制御部を備えた端末装置であって、前記制御部は、膵がんを有する評価対象における骨格筋の将来の状態に関する評価結果を取得する結果取得手段を備え、前記評価結果は、前記評価対象の血液中の前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値を用いて、前記評価対象について、骨格筋の将来の状態を評価した結果であること、を特徴とする。
また、本発明にかかる端末装置は、前記端末装置において、前記評価対象について骨格筋の将来の状態を評価する評価装置とネットワークを介して通信可能に接続して構成されており、前記制御部は、前記評価対象の血液中の前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの前記濃度値に関する濃度データを前記評価装置へ送信する濃度データ送信手段をさらに備え、前記結果取得手段は、前記評価装置から送信された前記評価結果を受信すること、を特徴とする。
また、本発明にかかる評価装置は、端末装置とネットワークを介して通信可能に接続された、制御部を備えた評価装置であって、前記制御部は、前記端末装置から送信された、膵がんを有する評価対象の血液中の前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値に関する濃度データを受信する濃度データ受信手段と、前記濃度データ受信手段で受信した前記濃度データに含まれている、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの前記濃度値を用いて、前記評価対象について、骨格筋の将来の状態を評価する評価手段と、前記評価手段で得られた評価結果を前記端末装置へ送信する結果送信手段と、を備えたこと、を特徴とする。
本発明によれば、膵がんを有する評価対象における骨格筋の将来の状態を知る上で参考となり得る信頼性の高い情報を提供することができるという効果を奏する。
図1は、第1実施形態の基本原理を示す原理構成図である。 図2は、第2実施形態の基本原理を示す原理構成図である。 図3は、本システムの全体構成の一例を示す図である。 図4は、本システムの全体構成の他の一例を示す図である。 図5は、本システムの評価装置100の構成の一例を示すブロック図である。 図6は、濃度データファイル106aに格納される情報の一例を示す図である。 図7は、指標状態情報ファイル106bに格納される情報の一例を示す図である。 図8は、指定指標状態情報ファイル106cに格納される情報の一例を示す図である。 図9は、式ファイル106d1に格納される情報の一例を示す図である。 図10は、評価結果ファイル106eに格納される情報の一例を示す図である。 図11は、評価部102dの構成を示すブロック図である。 図12は、本システムのクライアント装置200の構成の一例を示すブロック図である。 図13は、本システムのデータベース装置400の構成の一例を示すブロック図である。 図14は、ROC曲線下面積が上位100までの式に含まれるアミノ酸変数および式に対するROC曲線下面積を示す図である。 図15は、ROC曲線下面積が上位100までの式に用いられたアミノ酸変数および式に対するROC曲線下面積を示す図である。 図16は、図14および図15に示したアミノ酸変数を用いた式についてのROC曲線下面積の分布を示す図である。 図17は、ROC曲線下面積が上位100までの式に含まれるアミノ酸変数および式に対するROC曲線下面積を示す図である。 図18は、ROC曲線下面積が上位100までの式に含まれるアミノ酸変数および式に対するROC曲線下面積を示す図である。 図19は、図17および図18に示したアミノ酸変数を用いた式についてのROC曲線下面積の分布を示す図である。 図20は、ROC曲線下面積が上位100までの式に含まれるアミノ酸変数および式に対するROC曲線下面積を示す図である。 図21は、ROC曲線下面積が上位100までの式に含まれるアミノ酸変数および式に対するROC曲線下面積を示す図である。 図22は、ROC曲線下面積が上位100までの式に含まれるアミノ酸変数および式に対するROC曲線下面積を示す図である。 図23は、図20、図21および図22に示したアミノ酸変数を用いた式についてのROC曲線下面積の分布を示す図である。 図24は、群間比較において統計的有意性のある代謝物を示す図である。 図25は、2群判別において統計的に有意な判別能のある代謝物を示す図である。 図26は、群間比較において統計的有意性のある代謝物を示す図である。 図27は、2群判別において統計的に有意な判別能のある代謝物を示す図である。 図28は、群間比較において統計的有意性のある代謝物を示す図である。 図29は、2群判別において統計的に有意な判別能のある代謝物を示す図である。
以下に、本発明にかかる評価方法の実施形態(第1実施形態)、及び、本発明にかかる評価装置、評価方法、評価プログラム、記録媒体、評価システム及び端末装置の実施形態(第2実施形態)を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施形態により限定されるものではない。
[第1実施形態]
[1-1.第1実施形態の概要]
ここでは、第1実施形態の概要について図1を参照して説明する。図1は第1実施形態の基本原理を示す原理構成図である。
まず、膵がんを有する評価対象(例えば動物やヒトなどの個体)から採取した血液(例えば血漿、血清などを含む)中の前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値に関する濃度データを取得する(ステップS11)。ここで、膵がんを有する評価対象とは、例えば、膵がんであるとの確定診断がされた評価対象などである。
なお、ステップS11では、例えば、濃度値測定を行う企業等が測定した濃度データを取得してもよい。また、評価対象から採取した血液から、例えば以下の(A)、(B)、(C)または(D)などの測定方法により濃度値を測定することで濃度データを取得してもよい。ここで、濃度値の単位は、例えばモル濃度、重量濃度または酵素活性であってもよく、これらの濃度に任意の定数を加減乗除することで得られるものでもよい。
(A)採取した血液サンプルをEDTA-2Na処理したチューブに採取し、そのチューブを遠心することにより血液から血漿を分離する。全ての血漿サンプルは、濃度値の測定時まで-80℃で凍結保存する。濃度値測定時には、スルホサリチル酸を添加し3%濃度調整により除蛋白処理を行った後、ポストカラムでニンヒドリン反応を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を原理としたアミノ酸分析機により濃度値を分析する。
(B)採取した血液サンプルを遠心することにより血液から血漿を分離する。全ての血漿サンプルは、濃度値の測定時まで-80℃で凍結保存する。濃度値測定時には、スルホサリチル酸を添加し除蛋白処理を行った後、ニンヒドリン試薬を用いたポストカラム誘導体化法を原理としたアミノ酸分析計により濃度値を分析する。
(C)採取した血液サンプルを、膜やMEMS技術または遠心分離の原理を用いて血球分離を行い、血液から血漿または血清を分離する。血漿または血清取得後すぐに濃度値の測定を行わない血漿または血清サンプルは、濃度値の測定時まで-80℃で凍結保存する。濃度値測定時には、酵素やアプタマーなど、標的とする血中物質と反応または結合する分子等を用い、基質認識によって増減する物質や分光学的値を定量等することにより濃度値を分析する。
(D)採取した血液サンプルを遠心することにより血液から血漿を分離する。血漿または血清取得後すぐに濃度値の測定を行わない血漿または血清サンプルは、濃度値の測定時まで-80℃で凍結保存する。濃度値測定時には、各種質量分析技術(マススペクトロメトリー)を用いて定量等することにより濃度値を分析する。
つぎに、ステップS11で取得した濃度データに含まれている、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値を用いて、評価対象について骨格筋の将来の状態を評価する(ステップS12)。なお、ステップS12を実行する前に、ステップS11で取得した濃度データから欠損値や外れ値などのデータを除去してもよい。ここで、骨格筋の将来の状態を評価するとは、言い換えると、骨格筋の状態を予測することである。また、骨格筋の状態とは、例えば、全身またはその一部(例えば上肢または下肢など)の骨格筋の量(重量)、体積または横断面積などの状態である。また、将来とは、例えば、採血時から一定期間が経過した時、などが含まれる。
以上、第1実施形態によれば、ステップS11では評価対象の濃度データを取得し、ステップS12では、ステップS11で取得した評価対象の濃度データに含まれている、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値を用いて、評価対象について骨格筋の将来の状態を評価する(要するに、評価対象における骨格筋の将来の状態を評価するための情報または評価対象における骨格筋の将来の状態を知る上で参考となり得る信頼性の高い情報を取得する)。これにより、膵がんを有する評価対象における骨格筋の将来の状態を評価するための情報または膵がんを有する評価対象における骨格筋の将来の状態を知る上で参考となり得る信頼性の高い情報を提供することができる。また、本実施形態に係る方法は、治療介入すべき患者に早期から介入を行うことを可能とし、膵がん治療成績および患者のQOLの向上などに大きく貢献するものである。
また、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値が評価対象における骨格筋の将来の状態を反映したものであると決定してもよく、さらに、濃度値を例えば以下に挙げた手法などで変換し、変換後の値が評価対象における骨格筋の将来の状態を反映したものであると決定してもよい。換言すると、濃度値または変換後の値そのものを、評価対象における骨格筋の将来の状態に関する評価結果として扱ってもよい。
濃度値の取り得る範囲が所定範囲(例えば0.0から1.0までの範囲、0.0から10.0までの範囲、0.0から100.0までの範囲、または、-10.0から10.0までの範囲、など)に収まるようにするためなどに、例えば、濃度値に対して任意の値を加減乗除したり、濃度値を所定の変換手法(例えば、指数変換、対数変換、角変換、平方根変換、プロビット変換、逆数変換、Box-Cox変換またはべき乗変換など)で変換したり、また、濃度値に対してこれらの計算を組み合わせて行ったりすることで、濃度値を変換してもよい。例えば、濃度値を指数としネイピア数を底とする指数関数の値(具体的には、骨格筋が減少する確率pを定義したときの自然対数ln(p/(1-p))が濃度値と等しいとした場合におけるp/(1-p)の値)をさらに算出してもよく、また、算出した指数関数の値を1と当該値との和で割った値(具体的には確率pの値)をさらに算出してもよい。
また、特定の条件のときの変換後の値が特定の値となるように、濃度値を変換してもよい。例えば、特異度が80%のときの変換後の値が5.0となり且つ特異度が95%のときの変換後の値が8.0となるように濃度値を変換してもよい。
また、各アミノ酸および各代謝物ごとに、濃度分布を正規分布化した後、平均50、標準偏差10となるように偏差値化してもよい。
なお、これらの変換は、男女別や年齢別に行ってもよい。
また、濃度値を例えば上述した変換手法で変換した後の値を用いて、評価対象について骨格筋の将来の状態を評価してもよい。
また、モニタ等の表示装置または紙等の物理媒体に視認可能に示される所定の物差し上における所定の目印の位置に関する位置情報を、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値または当該濃度値を変換した場合にはその変換後の値を用いて生成し、生成した位置情報が評価対象における骨格筋の将来の状態を反映したものであると決定してもよい。なお、所定の物差しとは、骨格筋の将来の状態を評価するためのものであり、例えば、目盛りが示された物差しであって、「濃度値または変換後の値の取り得る範囲、または、当該範囲の一部分」における上限値と下限値に対応する目盛りが少なくとも示されたもの、などである。また、所定の目印とは、濃度値または変換後の値に対応するものであり、例えば丸印または星印などである。
また、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値が、所定値(平均値±1SD、2SD、3SD、N分位点、Nパーセンタイルまたは臨床的意義の認められたカットオフ値など)より低いもしくは所定値以下の場合または所定値以上もしくは所定値より高い場合に、評価対象について骨格筋の将来の状態を評価してもよい。その際、濃度値そのものではなく、濃度偏差値(各代謝物および各アミノ酸ごとに、男女別に濃度分布を正規分布化した後、平均50、標準偏差10となるように偏差値化した値)を用いてもよい。例えば、濃度偏差値が平均値-2SD未満の場合(濃度偏差値<30の場合)または濃度偏差値が平均値+2SDより高い場合(濃度偏差値>70の場合)に、評価対象について骨格筋の将来の状態を評価してもよい。
また、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値、および、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値が代入される変数を含む式を用いて、式の値を算出することで、評価対象について骨格筋の将来の状態を評価してもよい。
また、算出した式の値が評価対象における骨格筋の将来の状態を反映したものであると決定してもよく、さらに、式の値を例えば以下に挙げた手法などで変換し、変換後の値が評価対象における骨格筋の将来の状態を反映したものであると決定してもよい。換言すると、式の値または変換後の値そのものを、評価対象における骨格筋の将来の状態に関する評価結果として扱ってもよい。
式の値の取り得る範囲が所定範囲(例えば0.0から1.0までの範囲、0.0から10.0までの範囲、0.0から100.0までの範囲、または、-10.0から10.0までの範囲、など)に収まるようにするためなどに、例えば、式の値に対して任意の値を加減乗除したり、式の値を所定の変換手法(例えば、指数変換、対数変換、角変換、平方根変換、プロビット変換、逆数変換、Box-Cox変換またはべき乗変換など)で変換したり、また、式の値に対してこれらの計算を組み合わせて行ったりすることで、式の値を変換してもよい。例えば、式の値を指数としネイピア数を底とする指数関数の値(具体的には、骨格筋が減少する確率pを定義したときの自然対数ln(p/(1-p))が式の値と等しいとした場合におけるp/(1-p)の値)をさらに算出してもよく、また、算出した指数関数の値を1と当該値との和で割った値(具体的には確率pの値)をさらに算出してもよい。
また、特定の条件のときの変換後の値が特定の値となるように、式の値を変換してもよい。例えば、特異度が80%のときの変換後の値が5.0となり且つ特異度が95%のときの変換後の値が8.0となるように式の値を変換してもよい。
また、式の値を、平均50、標準偏差10となるように偏差値化してもよい。
なお、これらの変換は、男女別や年齢別に行ってもよい。
なお、本明細書における式の値は、式の値そのものであってもよく、式の値を変換した後の値であってもよい。
また、モニタ等の表示装置または紙等の物理媒体に視認可能に示される所定の物差し上における所定の目印の位置に関する位置情報を、式の値または当該式の値を変換した場合にはその変換後の値を用いて生成し、生成した位置情報が評価対象における骨格筋の将来の状態を反映したものであると決定してもよい。なお、所定の物差しとは、骨格筋の将来の状態を評価するためのものであり、例えば、目盛りが示された物差しであって、「式の値または変換後の値の取り得る範囲、または、当該範囲の一部分」における上限値と下限値に対応する目盛りが少なくとも示されたもの、などである。また、所定の目印とは、式の値または変換後の値に対応するものであり、例えば丸印または星印などである。
また、評価対象の骨格筋が将来減少するリスク(可能性)の程度を定性的に評価してもよい。具体的には、「前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値、および、予め設定された1つまたは複数の閾値」または「前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値が代入される変数を含む式、および、予め設定された1つまたは複数の閾値」を用いて、評価対象を、骨格筋の将来の減少リスクの程度を少なくとも考慮して定義された複数の区分のうちのどれか1つに分類してもよい。なお、複数の区分には、骨格筋の将来の減少リスクが高い対象を属させるための区分、骨格筋の将来の減少リスクが低い対象を属させるための区分、および、骨格筋の将来の減少リスクが中程度である対象を属させるための区分が含まれていてもよい。また、複数の区分には、骨格筋の将来の減少リスクが高い対象を属させるための区分および骨格筋の将来の減少リスクが低い対象を属させるための区分が含まれていてもよい。また、濃度値または式の値を所定の手法で変換し、変換後の値を用いて評価対象を複数の区分のうちのどれか1つに分類してもよい。
また、評価の際に用いる式について、その形式は特に問わないが、例えば、以下に示す形式のものでもよい。
・最小二乗法に基づく重回帰式、線形判別式、主成分分析、正準判別分析などの線形モデル
・最尤法に基づくロジスティック回帰、Cox回帰などの一般化線形モデル
・一般化線形モデルに加えて個体間差、施設間差などの変量効果を考慮した一般化線形混合モデル
・K-means法、階層的クラスタ解析などクラスタ解析で作成された式
・MCMC(マルコフ連鎖モンテカルロ法)、ベイジアンネットワーク、階層ベイズ法などベイズ統計に基づき作成された式
・サポートベクターマシンや決定木などクラス分類により作成された式
・分数式など上記のカテゴリに属さない手法により作成された式
・異なる形式の式の和で示されるような式
また、評価の際に用いる式を、例えば、本出願人による国際出願である国際公開第2004/052191号に記載の方法または本出願人による国際出願である国際公開第2006/098192号に記載の方法で作成してもよい。なお、これらの方法で得られた式であれば、入力データとしての濃度データにおけるアミノ酸の濃度値の単位に因らず、当該式を骨格筋の将来の状態を評価するのに好適に用いることができる。
ここで、重回帰式、多重ロジスティック回帰式および正準判別関数などにおいては各変数に係数および定数項が付加されるが、この係数および定数項は、好ましくは実数であれば構わず、より好ましくは、データから前記の各種分類を行うために得られた係数および定数項の99%信頼区間の範囲に属する値であれば構わず、さらに好ましくは、データから前記の各種分類を行うために得られた係数および定数項の95%信頼区間の範囲に属する値であれば構わない。また、各係数の値およびその信頼区間は、それを実数倍したものでもよく、定数項の値およびその信頼区間は、それに任意の実定数を加減乗除したものでもよい。ロジスティック回帰式、線形判別式および重回帰式などを評価の際に用いる場合、線形変換(定数の加算、定数倍)および単調増加(減少)の変換(例えばlogit変換など)は評価性能を変えるものではなく変換前と同等であるので、これらの変換が行われた後のものを用いてもよい。
また、分数式とは、当該分数式の分子が変数A,B,C,・・・の和で表わされ及び/又は当該分数式の分母が変数a,b,c,・・・の和で表わされるものである。また、分数式には、このような構成の分数式α,β,γ,・・・の和(例えばα+βのようなもの)も含まれる。また、分数式には、分割された分数式も含まれる。なお、分子や分母に用いられる変数にはそれぞれ適当な係数がついても構わない。また、分子や分母に用いられる変数は重複しても構わない。また、各分数式に適当な係数がついても構わない。また、各変数の係数の値や定数項の値は、実数であれば構わない。ある分数式と、当該分数式において分子の変数と分母の変数が入れ替えられたものとでは、目的変数との相関の正負の符号が概して逆転するものの、それらの相関性は保たれるが故に、評価性能も同等と見做せるので、分数式には、分子の変数と分母の変数が入れ替えられたものも含まれる。
そして、骨格筋の将来の状態を評価する際、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値以外に、他の生体情報に関する値(例えば、以下に挙げた値など)をさらに用いても構わない。また、評価の際に用いる式には、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値が代入される変数以外に、他の生体情報に関する値(例えば、以下に挙げた値など)が代入される1つまたは複数の変数がさらに含まれていてもよい。
1.アミノ酸以外の他の血中の代謝物(アミノ酸代謝物・糖類・脂質等)、タンパク質、ペプチド、ミネラル、ホルモン等の濃度値
2.アルブミン、総蛋白、トリグリセリド(中性脂肪)、HbA1c、糖化アルブミン、インスリン抵抗性指数、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、アミラーゼ、総ビリルビン、クレアチニン、推算糸球体濾過量(eGFR)、尿酸、GOT(AST)、GPT(ALT)、GGTP(γ-GTP)、グルコース(血糖値)、CRP(C反応性蛋白)、赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット、MCV、MCH、MCHC、白血球、血小板数等の血液検査値
3.超音波エコー、X線、CT、MRI、内視鏡像等の画像情報から得られる値
4.年齢、身長、体重、BMI、腹囲、収縮期血圧、拡張期血圧、性別、喫煙情報、食事情報、飲酒情報、運動情報、ストレス情報、睡眠情報、家族の既往歴情報、疾患歴情報(糖尿病等)、がんのステージ、抗腫瘍効果有無等の生体指標に関する値
5.タンパク質の発現量
[第2実施形態]
[2-1.第2実施形態の概要]
ここでは、第2実施形態の概要について図2を参照して説明する。図2は第2実施形態の基本原理を示す原理構成図である。なお、本第2実施形態の説明では、上述した第1実施形態と重複する説明を省略する場合がある。特に、ここでは、骨格筋の将来の状態を評価する際に、式の値またはその変換後の値を用いるケースを一例として記載しているが、例えば、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値またはその変換後の値(例えば濃度偏差値など)を用いてもよい。
制御部は、膵がんを有する評価対象(例えば動物やヒトなどの個体)の血液中の前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値に関する予め取得した濃度データに含まれている、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値、および、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値が代入される変数を含む予め記憶部に記憶された式を用いて、式の値を算出することで、評価対象について骨格筋の将来の状態を評価する(ステップS21)。これにより、膵がんを有する評価対象における骨格筋の将来の状態を知る上で参考となり得る信頼性の高い情報を提供することができる。
なお、ステップS21で用いられる式は、以下に説明する式作成処理(工程1~工程4)に基づいて作成されたものでもよい。ここで、式作成処理の概要について説明する。なお、ここで説明する処理はあくまでも一例であり、式の作成方法はこれに限定されない。
まず、制御部は、予め記憶部に記憶された指標状態情報(欠損値や外れ値などを持つデータが事前に除去されているものでもよい)から所定の式作成手法に基づいて、候補式(例えば、y=a1x1+a2x2+・・・+anxn、y:指標データ、xi:濃度データ、ai:定数、i=1,2,・・・,n)を作成する(工程1)。なお、指標状態情報は、濃度データと、当該濃度データの基となった血液を採取してから一定期間経過後に得られた、骨格筋の状態を表す指標に関する指標データ(例えば実施例に記載した、バイオインピーダンス法にて測定した骨格筋量など)と、を含むものである。
なお、工程1において、指標状態情報から、複数の異なる式作成手法(主成分分析や判別分析、サポートベクターマシン、重回帰分析、Cox回帰分析、ロジスティック回帰分析、k-means法、クラスター解析、決定木などの多変量解析に関するものを含む。)を併用して複数の候補式を作成してもよい。具体的には、多数の膵がん群から得た血液を分析して得た濃度データおよび指標データから構成される多変量データである指標状態情報に対して、複数の異なるアルゴリズムを利用して複数群の候補式を同時並行的に作成してもよい。例えば、異なるアルゴリズムを利用して判別分析およびロジスティック回帰分析を同時に行い、2つの異なる候補式を作成してもよい。また、主成分分析を行って作成した候補式を利用して指標状態情報を変換し、変換した指標状態情報に対して判別分析を行うことで候補式を作成してもよい。これにより、最終的に、評価に最適な式を作成することができる。
ここで、主成分分析を用いて作成した候補式は、全ての濃度データの分散を最大にするような各変数を含む一次式である。また、判別分析を用いて作成した候補式は、各群内の分散の和の全ての濃度データの分散に対する比を最小にするような各変数を含む高次式(指数や対数を含む)である。また、サポートベクターマシンを用いて作成した候補式は、群間の境界を最大にするような各変数を含む高次式(カーネル関数を含む)である。また、重回帰分析を用いて作成した候補式は、全ての濃度データからの距離の和を最小にするような各変数を含む高次式である。また、Cox回帰分析を用いて作成した候補式は、対数ハザード比を含む線形モデルで、そのモデルの尤度を最大とするような各変数とその係数を含む1次式である。また、ロジスティック回帰分析を用いて作成した候補式は、確率の対数オッズを表す線形モデルであり、その確率の尤度を最大にするような各変数を含む一次式である。また、k-means法とは、各濃度データのk個近傍を探索し、近傍点の属する群の中で一番多いものをそのデータの所属群と定義し、入力された濃度データの属する群と定義された群とが最も合致するような変数を選択する手法である。また、クラスター解析とは、全ての濃度データの中で最も近い距離にある点同士をクラスタリング(群化)する手法である。また、決定木とは、変数に序列をつけて、序列が上位である変数の取りうるパターンから濃度データの群を予測する手法である。
式作成処理の説明に戻り、制御部は、工程1で作成した候補式を、所定の検証手法に基づいて検証(相互検証)する(工程2)。候補式の検証は、工程1で作成した各候補式に対して行う。なお、工程2において、ブートストラップ法やホールドアウト法、N-フォールド法、リーブワンアウト法などのうち少なくとも1つに基づいて、候補式の判別率や感度、特異度、情報量基準、ROC_AUC(受信者特性曲線の曲線下面積)などのうち少なくとも1つに関して検証してもよい。これにより、指標状態情報や評価条件を考慮した予測性または頑健性の高い候補式を作成することができる。
ここで、判別率とは、本実施形態にかかる評価手法で、真の状態が陰性である評価対象(例えば、採血時から一定期間経過後に骨格筋が減少しなかった評価対象など)を正しく陰性と評価し、真の状態が陽性である評価対象(例えば、採血時から一定期間経過後に骨格筋が減少した評価対象など)を正しく陽性と評価している割合である。また、感度とは、本実施形態にかかる評価手法で、真の状態が陽性である評価対象を正しく陽性と評価している割合である。また、特異度とは、本実施形態にかかる評価手法で、真の状態が陰性である評価対象を正しく陰性と評価している割合である。また、赤池情報量規準とは、回帰分析などの場合に,観測データが統計モデルにどの程度一致するかを表す基準であり、「-2×(統計モデルの最大対数尤度)+2×(統計モデルの自由パラメータ数)」で定義される値が最小となるモデルを最もよいと判断する。また、ROC_AUCは、2次元座標上に(x,y)=(1-特異度,感度)をプロットして作成される曲線である受信者特性曲線(ROC)の曲線下面積として定義され、ROC_AUCの値は完全な判別では1となり、この値が1に近いほど判別性が高いことを示す。また、予測性とは、候補式の検証を繰り返すことで得られた判別率や感度、特異性を平均したものである。また、頑健性とは、候補式の検証を繰り返すことで得られた判別率や感度、特異性の分散である。
式作成処理の説明に戻り、制御部は、所定の変数選択手法に基づいて候補式の変数を選択することで、候補式を作成する際に用いる指標状態情報に含まれる濃度データの組み合わせを選択する(工程3)。なお、工程3において、変数の選択は、工程1で作成した各候補式に対して行ってもよい。これにより、候補式の変数を適切に選択することができる。そして、工程3で選択した濃度データを含む指標状態情報を用いて再び工程1を実行する。また、工程3において、工程2での検証結果からステップワイズ法、ベストパス法、近傍探索法、遺伝的アルゴリズムのうち少なくとも1つに基づいて候補式の変数を選択してもよい。なお、ベストパス法とは、候補式に含まれる変数を1つずつ順次減らしていき、候補式が与える評価指標を最適化することで変数を選択する方法である。
式作成処理の説明に戻り、制御部は、上述した工程1、工程2および工程3を繰り返し実行し、これにより蓄積した検証結果に基づいて、複数の候補式の中から評価の際に用いる候補式を選出することで、評価の際に用いる式を作成する(工程4)。なお、候補式の選出には、例えば、同じ式作成手法で作成した候補式の中から最適なものを選出する場合と、すべての候補式の中から最適なものを選出する場合とがある。
以上、説明したように、式作成処理では、指標状態情報に基づいて、候補式の作成、候補式の検証および候補式の変数の選択に関する処理を一連の流れで体系化(システム化)して実行することにより、骨格筋の将来の状態の評価に最適な式を作成することができる。換言すると、式作成処理では、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度を多変量の統計解析に用い、最適でロバストな変数の組を選択するために変数選択法とクロスバリデーションとを組み合わせて、評価性能の高い式を抽出する。
[2-2.第2実施形態の構成]
ここでは、第2実施形態にかかる評価システム(以下では本システムと記す場合がある。)の構成について、図3から図14を参照して説明する。なお、本システムはあくまでも一例であり、本発明はこれに限定されない。特に、ここでは、骨格筋の将来の状態を評価する際に、式の値またはその変換後の値を用いるケースを一例として記載しているが、例えば、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値またはその変換後の値(例えば濃度偏差値など)を用いてもよい。
まず、本システムの全体構成について図3および図4を参照して説明する。図3は本システムの全体構成の一例を示す図である。また、図4は本システムの全体構成の他の一例を示す図である。本システムは、図3に示すように、評価対象である個体について骨格筋の将来の状態を評価する評価装置100と、血液中の前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値に関する個体の濃度データを提供するクライアント装置200(本発明の端末装置に相当)とを、ネットワーク300を介して通信可能に接続して構成されている。なお、本システムは、図4に示すように、評価装置100やクライアント装置200の他に、評価装置100で式を作成する際に用いる指標状態情報や、評価の際に用いる式などを格納したデータベース装置400を、ネットワーク300を介して通信可能に接続して構成されてもよい。
つぎに、本システムの評価装置100の構成について図5から図11を参照して説明する。図5は、本システムの評価装置100の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
評価装置100は、当該評価装置を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)等の制御部102と、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して当該評価装置をネットワーク300に通信可能に接続する通信インターフェース部104と、各種のデータベースやテーブルやファイルなどを格納する記憶部106と、入力装置112や出力装置114に接続する入出力インターフェース部108と、で構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。ここで、評価装置100は、各種の分析装置(例えばアミノ酸分析装置等)と同一筐体で構成されてもよい。例えば、血液中の前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値を算出(測定)し、算出した値を出力(印刷やモニタ表示など)する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)を備えた小型分析装置において、後述する評価部102dをさらに備え、当該評価部102dで得られた結果を前記構成を用いて出力すること、を特徴とするものでもよい。
通信インターフェース部104は、評価装置100とネットワーク300(またはルータ等の通信装置)との間における通信を媒介する。すなわち、通信インターフェース部104は、他の端末と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
入出力インターフェース部108は、入力装置112や出力装置114に接続する。ここで、出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる(なお、以下では、出力装置114をモニタ114として記載する場合がある。)。入力装置112には、キーボードやマウスやマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
記憶部106は、ストレージ手段であり、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置や、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等を用いることができる。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPUに命令を与え各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。記憶部106は、図示の如く、濃度データファイル106aと、指標状態情報ファイル106bと、指定指標状態情報ファイル106cと、式関連情報データベース106dと、評価結果ファイル106eと、を格納する。
濃度データファイル106aは、血液中の前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値に関する濃度データを格納する。図6は、濃度データファイル106aに格納される情報の一例を示す図である。濃度データファイル106aに格納される情報は、図6に示すように、評価対象である個体(サンプル)を一意に識別するための個体番号と、濃度データとを相互に関連付けて構成されている。ここで、図6では、濃度データを数値、すなわち連続尺度として扱っているが、濃度データは名義尺度や順序尺度でもよい。なお、名義尺度や順序尺度の場合は、それぞれの状態に対して任意の数値を与えることで解析してもよい。また、濃度データに、上述した生体情報に関する値を組み合わせてもよい。
図5に戻り、指標状態情報ファイル106bは、式を作成する際に用いる指標状態情報を格納する。図7は、指標状態情報ファイル106bに格納される情報の一例を示す図である。指標状態情報ファイル106bに格納される情報は、図7に示すように、個体番号と、骨格筋の状態を表す指標に関する指標データ(例えば実施例に記載した、バイオインピーダンス法にて測定した骨格筋量など)と、濃度データと、を相互に関連付けて構成されている。ここで、図7では、指標データおよび濃度データを数値(すなわち連続尺度)として扱っているが、指標データおよび濃度データは名義尺度や順序尺度でもよい。なお、名義尺度や順序尺度の場合は、それぞれの状態に対して任意の数値を与えることで解析してもよい。
図5に戻り、指定指標状態情報ファイル106cは、後述する指定部102bで指定した指標状態情報を格納する。図8は、指定指標状態情報ファイル106cに格納される情報の一例を示す図である。指定指標状態情報ファイル106cに格納される情報は、図8に示すように、個体番号と、指定した指標データと、指定した濃度データと、を相互に関連付けて構成されている。
図5に戻り、式関連情報データベース106dは、後述する式作成部102cで作成した式を格納する式ファイル106d1で構成される。式ファイル106d1は、評価の際に用いる式を格納する。図9は、式ファイル106d1に格納される情報の一例を示す図である。式ファイル106d1に格納される情報は、図9に示すように、ランクと、式(図9では、Fp(Phe,・・・)やFp(Gly,Leu,Phe)、Fk(Gly,Leu,Phe,・・・)など)と、各式作成手法に対応する閾値と、各式の検証結果(例えば各式の値)と、を相互に関連付けて構成されている。
図5に戻り、評価結果ファイル106eは、後述する評価部102dで得られた評価結果を格納する。図10は、評価結果ファイル106dに格納される情報の一例を示す図である。評価結果ファイル106dに格納される情報は、評価対象である個体(サンプル)を一意に識別するための個体番号と、予め取得した個体の濃度データと、骨格筋の将来の状態に関する評価結果(例えば、後述する算出部102d1で算出した式の値、後述する変換部102d2で式の値を変換した後の値、後述する生成部102d3で生成した位置情報、または、後述する分類部102d4で得られた分類結果、など)と、を相互に関連付けて構成されている。
図5に戻り、制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、図示の如く、大別して、受信部102aと指定部102bと式作成部102cと評価部102dと結果出力部102eと送信部102fとを備えている。制御部102は、データベース装置400から送信された指標状態情報やクライアント装置200から送信された濃度データに対して、欠損値のあるデータの除去・外れ値の多いデータの除去・欠損値のあるデータの多い変数の除去などのデータ処理も行う。
受信部102aは、クライアント装置200やデータベース装置400から送信された情報(具体的には、濃度データや指標状態情報、式など)を、ネットワーク300を介して受信する。指定部102bは、式を作成するにあたり対象とする指標データおよび濃度データを指定する。
式作成部102cは、受信部102aで受信した指標状態情報や指定部102bで指定した指標状態情報に基づいて式を作成する。なお、式が予め記憶部106の所定の記憶領域に格納されている場合には、式作成部102cは、記憶部106から所望の式を選択することで、式を作成してもよい。また、式作成部102cは、式を予め格納した他のコンピュータ装置(例えばデータベース装置400)から所望の式を選択しダウンロードすることで、式を作成してもよい。
評価部102dは、事前に得られた式(例えば、式作成部102cで作成した式、または、受信部102aで受信した式など)および受信部102aで受信した膵がんを有する個体の濃度データに含まれる、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値を用いて式の値を算出することで、個体について骨格筋の将来の状態を評価する。なお、評価部102dは、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値または当該濃度値の変換後の値(例えば濃度偏差値)を用いて、個体について骨格筋の将来の状態を評価してもよい。
ここで、評価部102dの構成について図11を参照して説明する。図11は、評価部102dの構成を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。評価部102dは、算出部102d1と、変換部102d2と、生成部102d3と、分類部102d4と、をさらに備えている。
算出部102d1は、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値、および、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値が代入される変数を少なくとも含む式を用いて、式の値を算出する。なお、評価部102dは、算出部102d1で算出した式の値を評価結果として評価結果ファイル106eの所定の記憶領域に格納してもよい。
変換部102d2は、算出部102d1で算出した式の値を例えば上述した変換手法などで変換する。なお、評価部102dは、変換部102d2で変換した後の値を評価結果として評価結果ファイル106eの所定の記憶領域に格納してもよい。また、変換部102d2は、濃度データに含まれている、前記19種類のアミノ酸および前記18種類の代謝物のうちの少なくとも1つの濃度値を、例えば上述した変換手法などで変換してもよい。
生成部102d3は、モニタ等の表示装置または紙等の物理媒体に視認可能に示される所定の物差し上における所定の目印の位置に関する位置情報を、算出部102d1で算出した式の値または変換部102d2で変換した後の値(濃度値または当該濃度値の変換後の値でもよい)を用いて生成する。なお、評価部102dは、生成部102d3で生成した位置情報を評価結果として評価結果ファイル106eの所定の記憶領域に格納してもよい。
分類部102d4は、算出部102d1で算出した式の値または変換部102d2で変換した後の値(濃度値または当該濃度値の変換後の値でもよい)を用いて、個体を、骨格筋の将来の減少リスクの程度を少なくとも考慮して定義された複数の区分のうちのどれか1つに分類する。
結果出力部102eは、制御部102の各処理部での処理結果(評価部102dで得られた評価結果を含む)等を出力装置114に出力する。
送信部102fは、個体の濃度データの送信元のクライアント装置200に対して評価結果を送信したり、データベース装置400に対して、評価装置100で作成した式や評価結果を送信したりする。
つぎに、本システムのクライアント装置200の構成について図12を参照して説明する。図12は、本システムのクライアント装置200の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
クライアント装置200は、制御部210とROM220とHD(Hard Disk)230とRAM240と入力装置250と出力装置260と入出力IF270と通信IF280とで構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。クライアント装置200は、プリンタ・モニタ・イメージスキャナ等の周辺装置を必要に応じて接続した情報処理装置(例えば、既知のパーソナルコンピュータ・ワークステーション・家庭用ゲーム装置・インターネットTV・PHS(Personal Handyphone System)端末・携帯端末・移動体通信端末・PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理端末など)を基にしたものであってもよい。
入力装置250はキーボードやマウスやマイク等である。なお、後述するモニタ261もマウスと協働してポインティングデバイス機能を実現する。出力装置260は、通信IF280を介して受信した情報を出力する出力手段であり、モニタ(家庭用テレビを含む)261およびプリンタ262を含む。この他、出力装置260にスピーカ等を設けてもよい。入出力IF270は入力装置250や出力装置260に接続する。
通信IF280は、クライアント装置200とネットワーク300(またはルータ等の通信装置)とを通信可能に接続する。換言すると、クライアント装置200は、モデムやTA(Terminal Adapter)やルータなどの通信装置および電話回線を介して、または専用線を介してネットワーク300に接続される。これにより、クライアント装置200は、所定の通信規約に従って評価装置100にアクセスすることができる。
制御部210は、受信部211および送信部212を備えている。受信部211は、通信IF280を介して、評価装置100から送信された評価結果などの各種情報を受信する。送信部212は、通信IF280を介して、個体の濃度データなどの各種情報を評価装置100へ送信する。
制御部210は、当該制御部で行う処理の全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈して実行するプログラムで実現してもよい。ROM220またはHD230には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。当該コンピュータプログラムは、RAM240にロードされることで実行され、CPUと協働して制御部210を構成する。また、当該コンピュータプログラムは、クライアント装置200と任意のネットワークを介して接続されるアプリケーションプログラムサーバに記録されてもよく、クライアント装置200は、必要に応じてその全部または一部をダウンロードしてもよい。また、制御部210で行う処理の全部または任意の一部を、ワイヤードロジック等によるハードウェアで実現してもよい。
ここで、制御部210は、評価装置100に備えられている評価部102dが有する機能と同様の機能を有する評価部210a(算出部210a1、変換部210a2、生成部210a3、及び分類部210a4を含む)を備えていてもよい。そして、制御部210に評価部210aが備えられている場合には、評価部210aは、評価装置100から送信された評価結果に含まれている情報に応じて、変換部210a2で式の値(濃度値でもよい)を変換したり、生成部210a3で式の値または変換後の値(濃度値または当該濃度値の変換後の値でもよい)に対応する位置情報を生成したり、分類部210a4で式の値または変換後の値(濃度値または当該濃度値の変換後の値でもよい)を用いて個体を複数の区分のうちのどれか1つに分類したりしてもよい。
つぎに、本システムのネットワーク300について図3、図4を参照して説明する。ネットワーク300は、評価装置100とクライアント装置200とデータベース装置400とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやイントラネットやLAN(Local Area Network)(有線/無線の双方を含む)等である。なお、ネットワーク300は、VAN(Value-Added Network)や、パソコン通信網や、公衆電話網(アナログ/デジタルの双方を含む)や、専用回線網(アナログ/デジタルの双方を含む)や、CATV(Community Antenna TeleVision)網や、携帯回線交換網または携帯パケット交換網(IMT(International Mobile Telecommunication)2000方式、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)方式またはPDC(Personal Digital Cellular)/PDC-P方式等を含む)や、無線呼出網や、Bluetooth(登録商標)等の局所無線網や、PHS網や、衛星通信網(CS(Communication Satellite)、BS(Broadcasting Satellite)またはISDB(Integrated Services Digital Broadcasting)等を含む)等でもよい。
つぎに、本システムのデータベース装置400の構成について図13を参照して説明する。図13は、本システムのデータベース装置400の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
データベース装置400は、評価装置100または当該データベース装置で式を作成する際に用いる指標状態情報や、評価装置100で作成した式、評価装置100での評価結果などを格納する機能を有する。図13に示すように、データベース装置400は、当該データベース装置を統括的に制御するCPU等の制御部402と、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回路を介して当該データベース装置をネットワーク300に通信可能に接続する通信インターフェース部404と、各種のデータベースやテーブルやファイル(例えばWebページ用ファイル)などを格納する記憶部406と、入力装置412や出力装置414に接続する入出力インターフェース部408と、で構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
記憶部406は、ストレージ手段であり、例えば、RAM・ROM等のメモリ装置や、ハードディスクのような固定ディスク装置や、フレキシブルディスクや、光ディスク等を用いることができる。記憶部406には、各種処理に用いる各種プログラム等を格納する。通信インターフェース部404は、データベース装置400とネットワーク300(またはルータ等の通信装置)との間における通信を媒介する。すなわち、通信インターフェース部404は、他の端末と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。入出力インターフェース部408は、入力装置412や出力装置414に接続する。ここで、出力装置414には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。また、入力装置412には、キーボードやマウスやマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
制御部402は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部402は、図示の如く、大別して、送信部402aと受信部402bを備えている。送信部402aは、指標状態情報や式などの各種情報を、評価装置100へ送信する。受信部402bは、評価装置100から送信された、式や評価結果などの各種情報を受信する。
なお、本説明では、評価装置100が、濃度データの受信から、式の値の算出、個体の区分への分類、そして評価結果の送信までを実行し、クライアント装置200が評価結果の受信を実行するケースを例として挙げたが、クライアント装置200に評価部210aが備えられている場合は、評価装置100は式の値の算出を実行すれば十分であり、例えば式の値の変換、位置情報の生成、及び、個体の区分への分類などは、評価装置100とクライアント装置200とで適宜分担して実行してもよい。
例えば、クライアント装置200は、評価装置100から式の値を受信した場合には、評価部210aは、変換部210a2で式の値を変換したり、生成部210a3で式の値又は変換後の値に対応する位置情報を生成したり、分類部210a4で式の値又は変換後の値を用いて個体を複数の区分のうちのどれか1つに分類したりしてもよい。
また、クライアント装置200は、評価装置100から変換後の値を受信した場合には、評価部210aは、生成部210a3で変換後の値に対応する位置情報を生成したり、分類部210a4で変換後の値を用いて個体を複数の区分のうちのどれか1つに分類したりしてもよい。
また、クライアント装置200は、評価装置100から式の値又は変換後の値と位置情報とを受信した場合には、評価部210aは、分類部210a4で式の値又は変換後の値を用いて個体を複数の区分のうちのどれか1つに分類してもよい。
[2-3.他の実施形態]
本発明にかかる評価装置、評価方法、評価プログラム、評価システム、および端末装置は、上述した第2実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
また、第2実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、評価装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、評価装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、情報処理装置に本発明にかかる評価方法を実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて評価装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部106などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
また、このコンピュータプログラムは評価装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
また、本発明にかかる評価プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)(登録商標)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
また、評価装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、評価装置100は、当該情報処理装置に本発明の評価方法を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
161名の膵がん患者から初回治療開始前に血液を採取して血液サンプルを得た。得られた血液サンプルから、前述のアミノ酸分析法(A)により、Tyr,Ser,Asn,Gln,Pro,Gly,Ala,Cit,Val,Met,Ile,Leu,Thr,Phe,His,Trp,Orn,Lys,Argの19種のアミノ酸の血中濃度を測定した。そして、初回治療開始前と、治療開始後から約1ヶ月後(以下では、単に「1ヶ月後」と記す場合がある。)に、前記161名の膵がん患者の骨格筋量をバイオインピーダンス法にて測定した。1ヶ月後の骨格筋量が減少している膵がん患者は79名、1ヶ月後に骨格筋が減少していない膵がん患者は82名であった。
前記19種のアミノ酸から抽出した、2種のアミノ酸から6種のアミノ酸までの全ての組み合わせに対し、多重ロジスティック回帰を実施し、以下の数式1で表される判別式を作成した。そして、膵がん患者を対象とした骨格筋減少群と非骨格筋減少群の2群判別に関する判別性能を、ROC曲線下面積で評価した。
logitp(x)=β+β×アミノ酸Aの濃度+β×アミノ酸Bの濃度+・・・
(数式1)
※数式1において、p(x)は骨格筋が減少する確率を表す。
図14および図15は、有意水準を両側5%としたときに有意な判別能が得られた判別式に用いられたアミノ酸を示す図である。なお、3種のアミノ酸の組み合わせを用いた判別式から6種のアミノ酸の組み合わせを用いた判別式までについては、ROC曲線下面積が上位100までの式が示されている。図16は、図14および図15で示した複数種のアミノ酸の組み合わせを用いた判別式のROC曲線下面積の分布を示す図である。6種のアミノ酸の組み合わせで得られたROC曲線下面積の最大値は0.668(95%信頼区間は0.582-0.753)であった。
以上の結果から、図14および図15に示した複数種のアミノ酸の組み合わせを用いた多変量判別式は、1ヶ月後の骨格筋減少の有無を判別する指標として有用であることが判明した。
実施例1で得た血液サンプルおよび骨格筋量のうち52名の70歳以上の膵がん患者のものを用いた。1ヶ月後に骨格筋が減少している70歳以上の膵がん患者は31名、1ヶ月後に骨格筋が減少していない70歳以上の膵がん患者は21名であった。実施例1と同様、前記19種のアミノ酸から抽出した、1種のアミノ酸、及び2種のアミノ酸から6種のアミノ酸までの全ての組み合わせに対し、多重ロジスティック回帰を実施し、前記数式1で表される判別式を作成した。そして、膵がん患者を対象とした骨格筋減少群と非骨格筋減少群の2群判別に関する判別性能を、ROC曲線下面積で評価した。
図17および図18は、有意水準を両側5%としたときに有意な判別能が得られた判別式に用いられたアミノ酸を示す図である。なお、3種のアミノ酸の組み合わせを用いた判別式から6種のアミノ酸の組み合わせを用いた判別式までについては、ROC曲線下面積が上位100までの式が示されている。図19は、図17および図18で示した1種のアミノ酸および複数種のアミノ酸の組み合わせを用いた判別式のROC曲線下面積の分布を示す図である。6種のアミノ酸の組み合わせで得られたROC曲線下面積の最大値は0.848(95%信頼区間は0.740-0.956)であった。
以上の結果から、図17および図18に示した1種のアミノ酸を用いた単変量判別式および図17および図18に示した複数種のアミノ酸の組み合わせを用いた多変量判別式は、70歳以上の膵がん患者の1ヶ月後の骨格筋減少の有無を判別する指標として有用であることが判明した。また、図19に示すROC曲線化面積は、図16に示すROC曲線化面積と比較して高いことから、判別式の作成において年齢を考慮することが有用であることが判明した。
実施例1で得た血液サンプルおよび骨格筋量のうち109名の70歳未満の膵がん患者のものを用いた。1ヶ月後に骨格筋が減少している70歳未満の膵がん患者は48名、1ヶ月後に骨格筋が減少していない70歳未満の膵がん患者は61名であった。実施例1と同様、前記19種のアミノ酸から抽出した、1種のアミノ酸、及び2種のアミノ酸から6種のアミノ酸までの全ての組み合わせに対し、多重ロジスティック回帰を実施し、前記数式1で表される判別式を作成した。そして、膵がん患者を対象とした骨格筋減少群と非骨格筋減少群の2群判別に関する判別性能を、ROC曲線下面積で評価した。
図20、図21および図22は、有意水準を両側5%としたときに有意な判別能が得られた判別式に用いられたアミノ酸を示す図である。なお、4種のアミノ酸の組み合わせを用いた判別式から6種のアミノ酸の組み合わせを用いた判別式までについては、ROC曲線下面積が上位100までの式が示されている。図23には、図20、図21および図22で示した複数種のアミノ酸の組み合わせを用いた判別式のROC曲線下面積の分布を示す図である。6種のアミノ酸の組み合わせで得られたROC曲線下面積の最大値は0.667(95%信頼区間は0.561-0.772)であった。
以上の結果から、図20、図21および図22に示した複数種のアミノ酸の組み合わせを用いた多変量判別式は、70歳未満の膵がん患者の1ヶ月後の骨格筋減少の有無を判別する指標として有用であることが判明した。
膵がん患者56名から初回治療開始前に血液を採取して血液サンプルを得た。得られた血液サンプルに対し、前述のCE-TOFMS(キャピラリー型-電気泳動飛行時間型質量分析計)法およびLC-TOFMS(液体クロマトグラフィー-飛行時間型質量分析計)法により、網羅的な代謝物解析を実施した。そして、初回治療開始前と、治療開始後から約1ヶ月後(以下では、単に「1ヶ月後」と記す場合がある。)に、前記56名の膵がん患者の骨格筋量をバイオインピーダンス法にて測定した。この56名のうち1ヶ月後に骨格筋が減少している患者26名で構成される群と、この56名のうち1ヶ月後に骨格筋が減少していない患者30名で構成される群について、代謝物濃度の群間比較を行った。
図24は、対応のないt検定を行って群間の統計的有意性を評価したときにp<0.1を示した代謝物を示す図である。ここで、本実施例では、膵がん患者における骨格筋状態の変化を早期に予測する判断基準および適切なスクリーニング方法を提供し、治療介入すべき患者に早期から介入を行うことを目的としていることから、介入の意義がない患者の見落としを防ぐことよりも、介入の意義がある患者の見落としを防ぐことに重点をおいている。したがって、介入の意義がない患者を誤って介入効果があると判断してしまう確率、すなわち第1種の過誤確率を厳密に制御する必要はなく、故に、代謝物濃度の群間比較においては、p<0.1を統計的有意性の判断基準として採用した。
また、網羅的に測定した代謝物を用いた、1ヶ月後に骨格筋が減少している群と、1ヶ月後に骨格筋が減少していない群の2群判別について、その判別性能をROC曲線下面積で評価した。図25は、有意水準を両側5%としたときに有意な判別能が得られた代謝物を示す図である。
以上の結果から、図24および図25に示した代謝物は、膵がん患者の1ヶ月後の骨格筋減少の有無を判別する指標として有用であることが判明した。
実施例4で対象とした膵がん患者56名の代謝物濃度および骨格筋量うち17名の70歳以上の膵がん患者のものを用いた。この17名のうち1ヶ月後に骨格筋が減少している70歳以上の膵がん患者10名で構成される群と、この17名のうち1ヶ月後に骨格筋が減少していない70歳以上の膵がん患者7名で構成される群について、代謝物濃度の群間比較を行った。
図26は、対応のないt検定を行って群間の統計的有意性を評価したときにp<0.1を示した代謝物を示す図である。実施例4に記載した理由と同様の理由から、p<0.1を統計的有意性の判断基準として採用した。
また、網羅的に測定した代謝物を用いた、1ヶ月後に骨格筋が減少している群と、1ヶ月後に骨格筋が減少していない群の2群判別について、その判別性能をROC曲線下面積で評価した。図27は、有意水準を両側5%としたときに有意な判別能が得られた代謝物を示す図である。
以上の結果から、図26および図27に示した代謝物は、70歳以上の膵がん患者の1ヶ月後の骨格筋減少の有無を判別する指標として有用であることが判明した。
実施例4で対象とした膵がん患者56名の代謝物濃度および骨格筋量のうち39名の70歳未満の膵がん患者のものを用いた。この39名のうち1ヶ月後に骨格筋が減少している患者16名で構成される群と、この39名のうち1ヶ月後に骨格筋が減少していない患者23名で構成される群について、代謝物濃度の群間比較を行った。
図28は、対応のないt検定を行って群間の統計的有意性を評価したときにp<0.1を示した代謝物を示す図である。実施例4に記載した理由と同様の理由から、p<0.1を統計的有意性の判断基準として採用した。
また、網羅的に測定した代謝物を用いた、1ヶ月後に骨格筋が減少している群と、1ヶ月後に骨格筋が減少していない群の2群判別について、その判別性能をROC曲線下面積で評価した。図29は、有意水準を両側5%としたときに有意な判別能が得られた代謝物を示す図である。
以上の結果から、図28および図29に示した代謝物は、70歳未満の膵がん患者の1ヶ月後の骨格筋減少の有無を判別する指標として有用であることが判明した。
以上のように、本発明は、産業上の多くの分野、特に医薬品や食品、医療などの分野で広く実施することができ、特に、膵がん患者における骨格筋状態の将来予測を行うバイオインフォマティクス分野において極めて有用である。
100 評価装置
102 制御部
102a 受信部
102b 指定部
102c 式作成部
102d 評価部
102d1 算出部
102d2 変換部
102d3 生成部
102d4 分類部
102e 結果出力部
102f 送信部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 濃度データファイル
106b 指標状態情報ファイル
106c 指定指標状態情報ファイル
106d 式関連情報データベース
106d1 式ファイル
106e 評価結果ファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 クライアント装置(端末装置(情報通信端末装置))
300 ネットワーク
400 データベース装置

Claims (10)

  1. 膵がんを有する評価対象の血液中のMet,Arg,2-Hydroxybutyric acid,2-Hydroxyglutaric acid,ADP,Carnitine,Cortisone,Ethanolamine phosphate,Erucic acid,Glycerophosphocholine,Oleoyl ethanolamide,Pyruvic acid,Sphingosine,Taurine,Urea,Glycochenodeoxycholic acid,cis-Aconitic-acid,Cystine,Mucic acid,SDMAで構成される物質群から選ばれる1つまたは複数の物質の濃度値、または、前記濃度値が代入される変数を含む式および前記濃度値を用いて算出された前記式の値を用いて、前記評価対象について、1ヶ月のうちに骨格筋の減少が起こるかを評価するための情報を取得する取得ステップを含むこと、
    を特徴とする取得方法。
  2. 前記取得ステップは、制御部を備えた情報処理装置の前記制御部で実行されること、
    を特徴とする請求項1に記載の取得方法。
  3. 膵がんを有する評価対象の血液中のMet,Arg,2-Hydroxybutyric acid,2-Hydroxyglutaric acid,ADP,Carnitine,Cortisone,Ethanolamine phosphate,Erucic acid,Glycerophosphocholine,Oleoyl ethanolamide,Pyruvic acid,Sphingosine,Taurine,Urea,Glycochenodeoxycholic acid,cis-Aconitic-acid,Cystine,Mucic acid,SDMAで構成される物質群から選ばれる1つまたは複数の物質の濃度値、および、前記濃度値が代入される変数を含む、1ヶ月のうちに骨格筋の減少が起こるかを評価するための情報を取得するための式を用いて、前記式の値を算出する算出ステップを含むこと、
    を特徴とする算出方法。
  4. 前記算出ステップは、制御部を備えた情報処理装置の前記制御部で実行されること、
    を特徴とする請求項3に記載の算出方法。
  5. 制御部を備えた評価装置であって、
    前記制御部は、
    膵がんを有する評価対象の血液中のMet,Arg,2-Hydroxybutyric acid,2-Hydroxyglutaric acid,ADP,Carnitine,Cortisone,Ethanolamine phosphate,Erucic acid,Glycerophosphocholine,Oleoyl ethanolamide,Pyruvic acid,Sphingosine,Taurine,Urea,Glycochenodeoxycholic acid,cis-Aconitic-acid,Cystine,Mucic acid,SDMAで構成される物質群から選ばれる1つまたは複数の物質の濃度値、または、前記濃度値が代入される変数を含む式および前記濃度値を用いて算出された前記式の値を用いて、前記評価対象について、1ヶ月のうちに骨格筋の減少が起こるかを評価する評価手段
    を備えたこと、
    を特徴とする評価装置。
  6. 前記濃度値に関する濃度データまたは前記式の値を提供する端末装置とネットワークを介して通信可能に接続され、
    前記制御部は、
    前記端末装置から送信された前記濃度データまたは前記式の値を受信するデータ受信手段と、
    前記評価手段で得られた評価結果を前記端末装置へ送信する結果送信手段と、
    をさらに備え、
    前記評価手段は、前記データ受信手段で受信した前記濃度データに含まれている前記濃度値または前記式の値を用いること、
    を特徴とする請求項5に記載の評価装置。
  7. 制御部を備えた算出装置であって、
    前記制御部は、
    膵がんを有する評価対象の血液中のMet,Arg,2-Hydroxybutyric acid,2-Hydroxyglutaric acid,ADP,Carnitine,Cortisone,Ethanolamine phosphate,Erucic acid,Glycerophosphocholine,Oleoyl ethanolamide,Pyruvic acid,Sphingosine,Taurine,Urea,Glycochenodeoxycholic acid,cis-Aconitic-acid,Cystine,Mucic acid,SDMAで構成される物質群から選ばれる1つまたは複数の物質の濃度値、および、前記濃度値が代入される変数を含む、1ヶ月のうちに骨格筋の減少が起こるかを評価するための情報を取得するための式を用いて、前記式の値を算出する算出手段
    を備えたこと、
    を特徴とする算出装置。
  8. 制御部を備えた情報処理装置において実行させるための評価プログラムであって、
    前記制御部において実行させるための、
    膵がんを有する評価対象の血液中のMet,Arg,2-Hydroxybutyric acid,2-Hydroxyglutaric acid,ADP,Carnitine,Cortisone,Ethanolamine phosphate,Erucic acid,Glycerophosphocholine,Oleoyl ethanolamide,Pyruvic acid,Sphingosine,Taurine,Urea,Glycochenodeoxycholic acid,cis-Aconitic-acid,Cystine,Mucic acid,SDMAで構成される物質群から選ばれる1つまたは複数の物質の濃度値、または、前記濃度値が代入される変数を含む式および前記濃度値を用いて算出された前記式の値を用いて、前記評価対象について、1ヶ月のうちに骨格筋の減少が起こるかを評価する評価ステップ
    を含むこと、
    を特徴とする評価プログラム。
  9. 制御部を備えた情報処理装置において実行させるための算出プログラムであって、
    前記制御部において実行させるための、
    膵がんを有する評価対象の血液中のMet,Arg,2-Hydroxybutyric acid,2-Hydroxyglutaric acid,ADP,Carnitine,Cortisone,Ethanolamine phosphate,Erucic acid,Glycerophosphocholine,Oleoyl ethanolamide,Pyruvic acid,Sphingosine,Taurine,Urea,Glycochenodeoxycholic acid,cis-Aconitic-acid,Cystine,Mucic acid,SDMAで構成される物質群から選ばれる1つまたは複数の物質の濃度値、および、前記濃度値が代入される変数を含む、1ヶ月のうちに骨格筋の減少が起こるかを評価するための情報を取得するための式を用いて、前記式の値を算出する算出ステップ
    を含むこと、
    を特徴とする算出プログラム。
  10. 制御部を備えた評価装置と、制御部を備えた端末装置とを、ネットワークを介して通信可能に接続して構成された評価システムであって、
    前記端末装置の前記制御部は、
    膵がんを有する評価対象の血液中のMet,Arg,2-Hydroxybutyric acid,2-Hydroxyglutaric acid,ADP,Carnitine,Cortisone,Ethanolamine phosphate,Erucic acid,Glycerophosphocholine,Oleoyl ethanolamide,Pyruvic acid,Sphingosine,Taurine,Urea,Glycochenodeoxycholic acid,cis-Aconitic-acid,Cystine,Mucic acid,SDMAで構成される物質群から選ばれる1つまたは複数の物質の濃度値に関する濃度データ、または、前記濃度値が代入される変数を含む式および前記濃度値を用いて算出された前記式の値を前記評価装置へ送信するデータ送信手段と、
    前記評価装置から送信された、前記評価対象における、1ヶ月のうちに骨格筋の減少が起こるかに関する評価結果を受信する結果受信手段と、
    を備え、
    前記評価装置の前記制御部は、
    前記端末装置から送信された前記濃度データまたは前記式の値を受信するデータ受信手段と、
    前記データ受信手段で受信した前記濃度データに含まれている前記濃度値または前記式の値を用いて、前記評価対象について、1ヶ月のうちに骨格筋の減少が起こるかを評価する評価手段と、
    前記評価手段で得られた前記評価結果を前記端末装置へ送信する結果送信手段と、
    を備えたこと、
    を特徴とする評価システム。
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