JP7090815B2 - アンテナのセットの測定値を融合することによるレーダ撮像 - Google Patents
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Description
本開示は、包括的には、レーダシステムに関し、より詳細には、同期クロック又は非同期クロックを有する様々なアンテナの測定値を融合することによるレーダ撮像に関する。
高解像度レーダ撮像は、合成開口レーダ(SAR:synthetic aperture radar)及び壁透過型レーダ撮像(TWI:through-the-wall radar imaging)を含む多様なリモートセンシング応用で必要とされている。ダウンレンジ(down-range)の解像度は、主に送信パルスの帯域幅で決まるが、クロスレンジ(アジマス)の解像度は、レーダアレイの開口に依存する。物理的に大きい開口達成するには、比較的小さい開口を有する多数の分散型アンテナ又はアレイを配備することが現実的である。分散セットアップにより、プラットフォームを柔軟に配置され、運用保守コストが削減され、センサの故障に対するロバスト性が高められる。スパース性等のシーンの事前知識、アンテナ位置の正確な知識、及び受信信号の完全同期を活用することにより、レーダ撮像の解像度を大幅に改善できることが証明されている。しかしながら、アレイを地理的に分散させた場合、アンテナの位置が曖昧であること、及び/又はアンテナクロックを正確に同期させることが困難であることによって、データコヒーレンスに問題が生じる。
例えば、現時点の最新技術では、非同期クロックを受信データにおける位相誤差としてモデル化している。実際、クロックドリフトに起因する時間遅延は、周波数において線形である位相シフトに相当する。そのため、従来の方法では、補正されたデータに対してコヒーレント撮像技法を適用するために、データにおける位相誤差の推定及び補正の試みがなされている。これについては、例えば、非特許文献1を参照されたい。しかしながら、それらの解決策に共通する課題は、その結果として得られる定式化したものが非線形であること及び位相ラッピングの複雑化が追加されることによって、位相誤差の推定が容易ではないということである。さらに、部分空間の制約等の、文献での一般的な位相モデルは、誤差の本質を捉えることができないので、期待以下の性能しか発揮しないことが多い。そのため、それらの解決策は実用的ではない。
D. E. Wahl、P. H. Eichel、D. C. Ghiglia、及びC. V. Jakowatz著「Phase gradient autofocus-a robust tool for high resolution SAR phase correction」IEEE Transactions on Aerospace and Electronic Systems, vol. 30, no. 3, pp. 827-835, 1994
したがって、非同期クロックを有する様々なアンテナの測定値を融合するように構成されるレーダ撮像システム及びレーダ撮像方法が必要とされている。
幾つかの実施の形態の目的は、様々なアンテナの測定値を融合することによるレーダ撮像のシステム及び方法を提供することである。幾つかの実施の形態の別の目的は、クロック曖昧性を有するアンテナによって与えられる測定値からのレーダ撮像に適した、そのようなシステム又は方法を提供することである。本明細書で使用されるように、クロック曖昧性は、アンテナのクロックが同期されている場合もあれば、同期されていない場合もあることを示しており、アンテナは同期しているとすることもできるし、非同期とすることもできる。アンテナがクロック曖昧性を有するとき、幾つかの実施の形態では、アンテナが非同期クロックを有するとの仮定の下で動作する。
幾つかの実施の形態は、クロック曖昧性を有する分散アンテナのレーダ撮像問題は、膨大な数の未知数を有する不良設定問題とすることができるという認識に基づいている。具体的には、レーダ撮像問題が、クロック曖昧性を符号化する不確実性を有するレーダ演算子を通じて、レーダ画像に関係する測定値からレーダ画像を求めることとして定式化されるとき、未知のシーンの各測定値は、アンテナの非同期クロックによって引き起こされる誤差を含む。その上、測定値とアンテナのクロックにおける誤差との間には非線形性があるため、同じアンテナからの測定値の各サンプルは、異なる誤差を有する可能性があるため、複数のアンテナからの複数の測定値によって形成されるレーダ撮像問題のモデルにおいては、未知数の数が増加する。そのため、不正確なレーダ演算子によって引き起こされる不正確な測定値から正確なレーダ画像を復元することを目的とするレーダ撮像問題の定式化は、非凸の難解な不良設定問題である。
幾つかの実施の形態は、レーダ画像復元の本来の問題が、レーダ測定値を説明する未知のシーンの遅延した未知の理想的な信号を見つけることであるという認識に基づいている。この問題は非凸である。しかしながら、幾つかの実施の形態は、この問題を逆にして、未知の理想的な信号と一致するレーダ測定値の進み(逆遅れ)を求める。そのような問題変換によって、未知の理想的な信号を生成する未知のシーンから未知の遅れを分離することが可能になる。
加えて、幾つかの実施の形態は、受信信号の時間的なシフトである未知の進み具合を、未知のインパルスとの畳み込みとして表すことができるという理解に基づいている。そのような表現は、問題の次元を拡張するため直観的ではない。しかしながら、未知の進み具合はデータに非線形的に影響を及ぼす一方、未知のインパルスによる畳み込みは線形演算である。そのようにして、未知数を分離し、畳み込み表現から得られる線形化と組み合わせることによって、凸のレーダ画像回復問題が得られる。
しかしながら、凸化後ではあっても、この問題は、依然として解くのが困難である。なぜならば、結果として得られる凸問題は多数の最適解を有するが、所望の解は、それらの解のうちの1つしかないからである。しかしながら、幾つかの実施の形態は、未知のインパルスを、未知の信号、すなわち、時間において1スパースであるシフトカーネルとして表すことができるというもう1つの理解に基づいている。これらの理解によって、元の非凸画像回復問題を凸スパース回復問題に変換することが可能になり、さらに、スパース再構成技法を使用することで、レーダ画像回復問題の解空間のサイズを削減することが可能になる。
そのため、幾つかの実施の形態では、凸レーダ画像回復問題を解いて、シーンのレーダ画像を生成する。このレーダ画像回復問題は、クロック曖昧性を有する複数のアンテナから収集されたシーンのレーダ測定値の進みを、シーンのレーダ伝播関数を通じて生成される信号と一致させる。レーダ測定値の進みは、凸レーダ画像回復問題が、スパース性制約を条件として解かれる凸スパース回復問題となるように、レーダ測定値と、時間において1スパースであるシフトカーネルとの畳み込みとして表される。
したがって、1つの実施の形態は、クロック曖昧性を有するアンテナのセットから収集されたシーンのレーダ測定値を受け取る入力インターフェースであって、レーダ測定値は、シーンに送信されたレーダパルスの反射波の測定値である、入力インターフェースと、凸スパース回復問題を解いて、シーンのレーダ画像を生成するように構成されるハードウェアプロセッサであって、凸スパース回復問題は、レーダ測定値の時間シフトを、シーンのレーダ伝播関数を通じたレーダパルスの伝播によって生成される信号と一致させ、レーダ測定値の時間シフトは、レーダ測定値と、時間において1スパースであるシフトカーネルとの畳み込みとして表される、ハードウェアプロセッサと、レーダ画像を出力するように構成される出力インターフェースとを備える、シーンのレーダ画像を生成するレーダシステムを開示する。
別の実施の形態は、シーンのレーダ画像を生成するレーダの方法であって、方法は、方法を実施する記憶された命令と結合されたプロセッサを使用し、命令は、プロセッサによって実行されると、方法のステップを実行し、ステップは、クロック曖昧性を有するアンテナのセットから収集されたシーンのレーダ測定値を受け取るステップであって、レーダ測定値は、シーンに送信されたレーダパルスの反射波の測定値である、受け取るステップと、凸スパース回復問題を解いて、シーンのレーダ画像を生成するステップであって、凸スパース回復問題は、レーダ測定値の時間シフトを、シーンのレーダ伝播関数を通じたレーダパルスの伝播によって生成される信号と一致させ、レーダ測定値の時間シフトは、レーダ測定値と、時間において1スパースであるシフトカーネルとの畳み込みとして表される、生成するステップと、レーダ画像を出力するステップとを含む、レーダの方法を開示する。
更に別の実施の形態は、方法を実行するプロセッサによって実行可能なプログラムが具現化される非一時的コンピュータ可読記憶媒体を開示する。方法は、クロック曖昧性を有するアンテナのセットから収集されたシーンのレーダ測定値を受け取ることであって、レーダ測定値は、シーンに送信されたレーダパルスの反射波の測定値であることと、凸スパース回復問題を解いて、シーンのレーダ画像を生成することであって、凸スパース回復問題は、レーダ測定値の時間シフトを、シーンのレーダ伝播関数を通じたレーダパルスの伝播によって生成される信号と一致させ、レーダ測定値の時間シフトは、レーダ測定値と、時間において1スパースであるシフトカーネルとの畳み込みとして表されることと、レーダ画像を出力することとを含む。
ここに開示されている実施形態は、添付図面を参照して更に説明される。示されている図面は、必ずしも一律の縮尺というわけではなく、ここに開示されている実施形態の原理を示すことに強調が置かれている。
本開示の様々な実施形態は、未知のタイミング誤差を有する様々なアンテナの測定値を融合することによるレーダ撮像のシステム及び方法に関する。例えば、本開示は、タイミング誤差を有する分散アンテナのレーダ同期問題は、膨大な数の未知数を有する不良設定問題とすることができるという認識に基づいている。具体的には、レーダ同期問題が、タイミング誤差を符号化する不確実性を有するレーダ演算子を通じて、レーダ画像に関係した測定値からレーダ画像を求めることとして定式化されるとき、レーダシステムの関心領域(ROI)の各測定値は、タイミング誤差によって引き起こされる誤差を含む。その上、測定値及びタイミング誤差と、複数の送信アンテナ及び受信アンテナとの間に非線形性があるため、送信機及び受信機のアンテナペアからの各測定値セットは、異なるタイミング誤差を示す場合があるため、複数のアンテナからの複数の測定値によって形成されるレーダオートフォーカス問題のモデルにおける未知数の数は増加する。そのため、レーダ同期問題の定式化は、不正確なレーダ演算子によって引き起こされる不正確な測定値から正確なレーダ画像を復元することを目的としているが、この復元は困難である。
幾つかの実施形態は、分散レーダシステムに関して、同期問題を引き起こすクロック又はタイミングの不一致が、各レーダ送信機又は各レーダ受信機のローカルクロックにおいて表されるとき、送信信号又は受信信号の時間シフトとして顕在化されるという理解に基づいている。例えば、レーダ送信機クロックが速く動作している場合、すなわち、そのローカルクロックが、グローバル基準クロックよりも或る特定の時間分早く或る特定のタイムスタンプに達する場合に、このレーダ送信機は、このレーダ送信機のローカルクロックがグローバル基準クロックと同期されている場合に送信したであろう信号と比較して、同じ時間分だけ進んで信号を送信することになる。同様に、レーダ送信機クロックが遅く動作している場合、すなわち、そのローカルクロックが、グローバル基準クロックよりも或る特定の時間分後に或る特定のタイムスタンプに達する場合、このレーダ送信機は、このレーダ送信機のローカルクロックがグローバル基準クロックと同期されている場合に送信したであろう信号と比較して、同じ時間分だけ遅れた信号を送信することになる。
逆の関係が、システム内の受信機レーダに当てはまる。例えば、レーダ受信機クロックが速く動作している場合、すなわち、そのローカルクロックが、グローバル基準クロックよりも或る特定の時間分早く或る特定のタイムスタンプに達する場合、このレーダ受信機は、このレーダ受信機のローカルクロックがグローバル基準クロックと同期されている場合に測定したであろう信号と比較して、同じ時間分だけ遅れたローカルタイムスタンプを有する信号を測定することになる。同様に、レーダ受信機クロックが遅く動作している場合、すなわち、そのローカルクロックが、グローバル基準クロックよりも或る特定の時間分後に或る特定のタイムスタンプに達する場合、このレーダ受信機は、このレーダ受信機のローカルクロックがグローバル基準クロックと同期されている場合に測定したであろう信号と比較して、同じ時間分だけ進んだローカルタイムスタンプを有する信号を測定することになる。
その上、幾つかの実施形態は、受信機における測定値のタイムスタンプが、反射されて受信機によって受信されたパルスを送信した送信機のクロック誤差と、この受信機のクロック誤差との双方に従ってシフトされるという理解に依存している。例えば、レーダ送信機クロックが或る特定の時間分だけ遅く動作しており、レーダ受信機クロックが異なる時間分だけ速く動作している場合には、レーダ受信機は、送信機ローカルクロック及び受信機ローカルクロックの双方がグローバル基準クロックと同期されている場合に測定したであろう信号と比較して、2つの異なる時間分の合計だけ遅れたローカルタイムスタンプを有する信号を測定することになる。したがって、レーダ送信機-受信機ペアごとに、それらのクロックにおける誤差に対応する相対シフトを求めることで十分である。各レーダ送信機及び各レーダ受信機のシフトを個別に求めるのではなく、レーダ送信機-受信機ペアごとの相対シフトのみを求めることによって、測定値のセットごとに問題を分離することが可能である。なぜならば、2つのシフトではなく、単一の相対シフトのみが測定値の各セットに影響を及ぼし、この相対シフトのみが、単一のレーダ送信機-受信機ペアに対応する測定値に影響を及ぼすからである。この分離によって、効率的に解くことができる凸問題の定式化が可能になる。
幾つかの実施形態は、不正確なレーダ演算子によって引き起こされる不正確な測定値から正確なレーダ画像を復元するレーダ同期問題を、正確な測定値及び正確なレーダ演算子から不正確なレーダ画像を復元することとして再定式化することができるという理解に基づいている。一方、そのような再定式化は意味をなさない。しかしながら、幾つかの実施形態は、レーダ同期問題のそのような定式化を介して求められた不正確な測定値が、測定値の時間シフトを通じて正確なレーダ測定値に関係することができ、この時間シフトは、各アンテナの同期されていないクロック間の不一致によって決まることを理解している。さらに、幾つかの実施形態は、時間シフトを、シフトカーネルとの畳み込みとして表すことができることを理解している。同じ送信-受信アンテナペアからの各測定値は、クロック不一致が同じであるので、同じ線形シフトカーネルを使用してシフトされる。もちろん、異なる送信機-受信機アンテナペアからの測定値は、正確な測定値の異なるシフトに対応するが、それでも、本開示の定式化は、レーダ同期問題における未知数の数を大幅に削減することができ、異なる技法を使用してこの問題を効率的に解くことを可能にする。
例えば、幾つかの実施形態は、アンテナの測定値の決定を試みるのではなく、送信機-受信機ペアごとに、レーダ画像によって生成される測定値が対応するシフトによってシフトされるとき、受信機の測定値に合致するようにそれらの測定値を使用して、測定値のシフト及び単一のレーダ画像を同時に見つけている。
加えて、幾つかの実施形態は、レーダ画像によって生成される測定値をシフトし、それらを受信機の測定値と比較することは、受信機の測定値を逆にシフトし、それらをレーダ画像によって生成されるシフトされていない測定値と比較することと等価であるという理解に基づいている。例えば、レーダ画像によって生成される測定値を或る特定の時間分だけ遅らせ、遅れた測定値が受信機の測定値に合致するか否かを比較することは、遅れのないレーダ画像によって生成される測定値を比較し、それらの測定値が、同じ時間分だけ進められた受信機の測定値に合致するか否かを比較することと等価である。同様に、レーダ画像によって生成される測定値を或る特定の時間分だけ進めて、それらが受信機の測定値に合致するか否かを比較することは、進みのないレーダ画像によって生成される測定値を比較し、それらが、同じ時間分だけ遅らされた受信機の測定値に合致するか否かを比較することと等価である。
さらに、幾つかの実施形態は、シフト及びレーダ画像を、凸最適化を使用して同時に見つけることができるという認識に基づいている。例えば、1つの実施形態は、終了条件が満たされるまで、凸最適化を使用してシフトのセット及びレーダ画像を反復して求める。例えば、この実施形態は、レーダ画像及びシフトカーネルを同時に更新し、レーダ画像及びシフトカーネルの関数である凸コスト関数を削減する。
また、幾つかの実施形態は、シフトカーネルを、時間領域におけるスパース信号として、すなわち、非常に少数の非ゼロの係数を有する信号として表すことができるという理解に基づいている。幾つかの実施形態では、シフトカーネルは1スパースであり、すなわち、シフトカーネルは1つの非ゼロの係数しか有しない。例えば、1つの実施形態では、スパース又は1スパースである数組のシフトカーネルを求める。この理解によって、未知数の探索空間が削減され、問題が劣決定的であり得る場合であっても、問題を解くのがより容易になる。
幾つかの実施形態は、レーダ画像がスパースである場合があるという理解に基づいている。これは、画像が、レーダ波を反射するターゲットをほとんど含まない場合があるからである。他の実施形態は、レーダ画像が低い全変動を有する場合があるという理解に基づいている。これは、画像を構成するターゲットのうちの幾つかが、点ターゲットではなく広範囲にわたる場合があるからである。例えば、1つの実施形態では、スパースであるレーダ画像を求める。別の実施形態では、低い全変動を有するレーダ画像を求める。第3の実施形態では、スパースであるとともに低い全変動を有する画像を求める。これらの理解によって、未知数の探索空間が更に削減され、問題が劣決定的であり得る場合があっても、問題を解くのがより容易になる。
他の実施形態は、スパースである解又は低い全変動を有する解を、正則化を使用して求めることができるという理解に基づいている。正則化は、所望の解を促進し、非所望の解にペナルティーを科し、より小さな解探索空間をもたらし、元の問題自体が劣決定である場合であっても、解を求めることを可能にする。例えば、幾つかの実施形態では、ラッソ(Lasso)、すなわち、スパース正則化を使用して、解の1ノルムを含めることによってスパース解を求めることができる。幾つかの実施形態では、全変動(TV:total variation)正則化を使用することができる。更に幾つかの他の実施形態では、ラッソ正則化及びTV正則化の双方から構成される融合ラッソ正則化を使用することができる。
図1Aは、幾つかの実施形態によるレーダシステム100のブロック図を示している。レーダシステム100は、システム100を他のシステム及びデバイスと接続する複数のインターフェースを有することができる。ネットワークインターフェースコントローラ150が、レーダシステム100を検知デバイスと接続するネットワーク190にバス106を通じてシステム100を接続するように適合される。例えば、レーダシステム100は、レーダパルスを放出するように送信機165に命令するように構成される送信機インターフェース160を含む。受信機185に接続された受信機インターフェース180を使用して、システム100は、送信パルスに対応するシーンの反射波を受信することができる。幾つかの実施態様では、レーダシステム100は、シーンに送信されたレーダパルスの反射波の測定値であるレーダ測定値195を、ネットワーク190を通じて受信する。
レーダシステム100は、再構成されたレーダ画像128を出力するように構成される出力インターフェース170を含む。例えば、出力インターフェース170は、再構成された画像128をディスプレイデバイス上に表示し、画像を記憶媒体内に記憶し、及び/又は画像を、ネットワークを介して送信することができる。例えば、システム100は、コンピュータモニタ、カメラ、テレビ、プロジェクタ、又はモバイルデバイス等のディスプレイデバイスにシステム100を接続するように適合されたディスプレイインターフェースにバス106を通じてリンクすることができる。システム100は、様々なタスクを実行する機器にシステムを接続するように適合されたアプリケーションインターフェースにも接続することができる。
幾つかの実施態様では、レーダシステム100は、クロック曖昧性を有するアンテナのセットから収集されたシーンのレーダ測定値を受信する入力インターフェースを含む。入力インターフェースの例には、ネットワークインターフェースコントローラ(NIC:network interface controller)150、受信機インターフェース180、及びヒューマンマシンインターフェース110aが含まれる。システム100内のヒューマンマシンインターフェース110aは、キーボード111a及びポインティングデバイス112aにシステムを接続する。ポインティングデバイス112aは、マウス、トラックボール、タッチパッド、ジョイスティック、ポインティングスティック、スタイラス、又はタッチ画面を含むことができる。
システム100は、記憶された命令を実行するように構成されるプロセッサ120aと、このプロセッサによって実行可能な命令を記憶するメモリ140とを含む。プロセッサ120aは、シングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、コンピューティングクラスター、又は任意の数の他の構成とすることができる。メモリ140は、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、リードオンリーメモリ(ROM:read only memory)、フラッシュメモリ、又は他の任意の適したメモリシステムを含むことができる。プロセッサ120aは、バス106を通じて1つ以上の入力デバイス及び出力デバイスに接続することができる。
命令は、凸スパース回復問題の方法を実施して、シーンのレーダ画像128を生成することができる。そのため、命令は、凸スパース回復問題を解いてシーンのレーダ画像を生成するように構成される凸スパース回復問題ソルバ145を含む。本明細書では、凸スパース回復問題は、シーンのレーダ伝播関数を通じて、レーダ測定値の時間シフトをレーダパルスの伝播によって生成される信号と一致させる。レーダ測定値の時間シフトは、レーダ測定値と、時間において1スパース(one-sparse)であるシフトカーネルとの畳み込みとして表される。実質上、凸スパース回復問題は、非凸不良設定レーダ画像回復問題を凸良設定問題に変換することを可能にし、これによって、プロセッサ120aの計算要件が削減される。
凸スパース回復問題を解くために、レーダシステム100は、有利な及び/又は可解な方法で問題を定式化する追加の情報及び/又はモジュールを記憶する。例えば、記憶装置130は、レーダパルスの伝播を示すデータ151を記憶することができる。データ151は、レーダ測定値を求める受信機及び送信機のハードウェア実施の物理的現象を示す。データ151は、環境における放出レーダパルスの伝播の法則をシーンのレーダ伝播関数として捉える。幾つかの実施形態では、データ151は、そのような伝播を反映するフォワード演算子Aとして記憶される。レーダシステムの異なる構成は、フォワード演算子Aに異なる値を有することができる。
加えて、又は代替的に、記憶装置130は、レーダデータ151及びレーダ測定値195を使用してスパース回復問題を定式化するように構成される凸スパース回復問題フォーミュレータ135を記憶することができる。例えば、フォーミュレータ135は、受信レーダ測定値をフーリエ領域に変換し、凸スパース回復問題を行列形式に変換して解法を簡単にすることができ、また、様々な制約及び正則化項(regularizer)を選択し、それらを凸スパース回復問題に対する解法に課すことができる。
図1Bは、幾つかの実施形態による、図1Aのレーダシステムと、シーンのレーダ測定値を収集するように構成されるクロック曖昧性を有するアンテナのセット101との間の協調のブロック図である。アンテナのセット101は、非同期とすることができ、レーダシステム100の同期撮像プロセッサ120aによって処理される収集データをメモリ140に記憶することができる。プロセッサ120aは、システム及び方法を実行して、高解像度レーダ画像を生成することができる。撮像結果128は、出力インターフェース170を通じて示すことができる。
幾つかの実施形態では、そのレーダ画像復元は、1つ又は複数のアンテナ101を使用してレーダパルスを関心領域(ROI)に送信し、異なる位置にあるアンテナのセットを使用して、送信レーダパルスに対応するROIからの反射波のセットを測定することから開始する。各アンテナが、当該アンテナに固有のROI測定の反射波を測定する。レーダ反射波のセットは、ROIに向けて方向付けられた送信機からの送信信号、又は、アンテナのセット内のアンテナのうちの幾つかからの送信信号に対応することができる。レーダ反射波のセット又は反射波は、受信機ごとのプロセッサのメモリに記憶し、処理のために中央コントローラに通信することができる。
幾つかの実施形態では、プロセッサは、推定された時間シフトに従ってシフトされる測定されたレーダ反射波と、送信パルス及びレーダ画像の推定値から合成されるモデル化された測定値のセットとの間の差を最小にすることによってアンテナのセットからの各アンテナのROI測定の反射波を一致させることによって、レーダ画像の推定値及び測定時間シフトを求める。
各アンテナは、互いに及び一般に認められているグローバルなクロックとほぼ同期されているローカルクロックを有する。グローバルクロックは、アンテナのうちの1つの実際のクロック、GPS衛星等の異なる基準システム、データアグリゲーション処理システム、又は他の或るシステムのクロックとすることができる。或いは、グローバルクロックは、概念的なもの、すなわち、或るシステムによって物理的に追従されないものとすることができる。例えば、グローバルクロックは、測定値の一部又は全てのセットの平均時間シフトを0にする想定上のクロックとすることもできるし、平均同期誤差を0に等しくするために暗に含まれたクロックとすることもできるし、コマンドセンターがシステムの動作を開始する信号を送信する時刻によって暗に示されるクロックとすることもできる。
多くの実施形態では、ローカルクロックは、水晶発振器又は原子時計等の局部発振器によって維持される。これらのクロックは、正確な時点に信号の送信をトリガーするのに使用されるとともに、タイムスタンプ、すなわち、時刻のインデックスを受信された測定値に付けるのに使用される。これらのクロックは、当初、非常に正確に同期されている場合であっても、温度変動、材料的初期不整、環境要因、又は他の理由に起因して異なるクロックドリフトを示し、これによって、クロックは時間の経過とともに同期を失う。これらのクロックの粗い同期を維持することは可能であるが、ほとんどの分散レーダシステムアプリケーションに必要とされる精度での正確な同期は、可能であっても非常に困難であり、多くの費用を要する。
幾つかの実施形態では、この同期の難しさは、システムが同じプラットフォーム上の複数のハードウェア構成要素にわたって単に分散されている場合であっても、それらの構成要素が物理的に接続され、クロック信号を生成する同じ発振器を共有する場合であっても、問題となり得る。それらの場合には、幾つかのハードウェア構成要素にわたるクロック分配回路における不確実性が、共通のクロック生成発振器が存在するにもかかわらず、個々のハードウェア構成要素間にクロック誤差を引き起こす場合がある。
各レーダ送信機及び各レーダ受信機のクロック誤差、すなわち、それらの相対クロックシフトが、受信信号が処理されるときに判明した場合には、測定値を処理して、クロック誤差を補償することができ、レーダ画像を復元することができる。クロック誤差が補償される場合には、測定されたレーダ反射波は適切に位置合わせされ、焦点の合ったレーダ画像、すなわち、鮮明であり、曖昧性を示さないレーダ画像が生成される。本発明の実施形態は、相対クロック誤差を求めて測定値を補正することと、補正された測定値と一致するレーダ画像を求めることとを同時に行う。正確な解を求めるために、再構成は、補正された測定値と一致する最も鮮明な画像を生成する相対タイミング補正を求める。
レーダ送信機及びレーダ受信機は、静止している場合もあれば、事前に設計された軌道に沿って移動している場合もある。パルス反射波が受信される各レーダ受信機の有効位置は、仮想アレイを形成する。完全なクロック同期を有する場合であっても、画像の鮮明さ及び曖昧性は、仮想アレイのサイズ及び送信パルスの波長に依存する。
幾つかの実施態様では、凸スパース回復問題は、レーダ画像の推定値によって生成された測定値が、各送信機-受信機ペアの各受信機アンテナによって時間シフトされた測定値と十分に一致するまで、求められた測定時間シフトのセット及びレーダ画像に基づいてレーダ画像の推定値及び時間シフトを反復して更新することによって解かれる。
この反復プロセスでは、一致が十分であることは、レーダ画像の推定値によって生成される測定値と時間シフトされた測定値との間の誤差を計算することによって測定される。理想通りに、クロックが完全に同期され、画像推定値が実際のレーダ画像と正確に同一であっても、レーダ測定値は、取得プロセスに本来的に存在する雑音のために正確に一致しない。さらに、画像推定値は、仮想アレイサイズに起因した解像限界のために、画像と完全一致するものではなく、画像のぼやけたものである可能性があることが当該技術においてよく理解されている。したがって、幾つかの実施形態では、反復プロセスは、誤差が最大許容可能誤差未満に下がると停止することができる。幾つかの実施形態では、反復プロセスは、各反復における誤差の改善が停止したときに停止することができる。幾つかの実施形態では、反復プロセスは、或る所定の反復数の後に停止することができ、したがって、アルゴリズムの計算コストが削減される。
図1Cは、幾つかの実施形態による、関心領域(ROI)140cにおいてターゲット130cを検出する移動レーダアンテナ101の分散アレイを有する少なくとも1つのシステム及び方法100Cを示す概略図である。詳細には、システム及び方法100Cは、移動している可能性もあるし静止している可能性もある、少なくとも1つの送受信プラットフォーム又は送受信機102と、同じく移動している可能性もあるし静止している可能性もある、M個の同様の分散移動受信機プラットフォーム又は受信機103、104、105のセットとを含む航空機搭載プラットフォーム又は車載プラットフォーム等とすることができる。M個の分散受信機のセットは、1つ以上であってもよいし、10個以上であってもよいし、20個以上であってもよい。レーダパルス110は、受信機でもあり得る少なくとも1つの送信機102から送信され、関心エリア又は関心領域(ROI)140cに位置するターゲット130cに照射し、対応する反射されたレーダ反射波120cは、複数の分散受信機102、103、104及び105によって記録される。反射波120cは、遅れパルスの加重結合として特徴付けることができ、ここで、複素重みは、特定のターゲット反射率及びアンテナパターンに依存する。パルス及び反射波が与えられると、対応する重み及び遅れに従って距離方位平面又は距離方位高度体積においてレーダ画像を生成することができる。レーダ画像の方位角解像度及び高度解像度は、アレイ開口のサイズに依存し、距離解像度はパルスの帯域幅に依存する。
図1Dは、幾つかの実施形態による、ROIに向けて放出された放出レーダパルスを示す分散移動レーダ撮像システム100Dにおける時間シフトを示す概略図である。レーダ受信機は、仮想アレイ120dを形成するレーダパルス反射波102d、103d、104d、105dを受信している。レーダパルス反射波は、送信機からシーン140dに向けて放出されて、シーンから受信機に向けて反射されたレーダパルスであり、受信機の仮想アレイ120dを形成する。移動レーダプラットフォーム101の分散アレイは、シーンに向けたレーダパルスを生成するレーダ送信機102に接続されたアンテナセルを有する少なくとも1つのレーダプラットフォームを含む。上述したように、レーダ送信機102は、受信機102と組み合わされている。レーダ受信機102、103、104、105は、シーン140dの関心エリア(ROI)内のターゲット130dによって反射された反射波を取得する。
幾つかの実施形態では、レーダ受信機102、103、104、105はそれぞれ、ローカルクロック152、153、154、155を有する。これらのローカルクロックは、グローバルクロックに対して速い場合もあるし、遅い場合もある。これらのローカルクロックは、受信反射波にタイムスタンプを付与するのに使用される。例えば、幾つかの実施形態では、タイムスタンプは、絶対時刻を使用したものとすることができる。幾つかの他の実施形態では、タイムスタンプは、通常は0として参照される1つ以上の一般に合意された開始時刻に対する相対的なものとすることができる。幾つかの他の実施形態では、タイムスタンプは、例えば、記録の開始時刻に対して相対的な規則的間隔の記録された信号サンプル系列による暗黙的なものとすることができる。
分散アレイ撮像に生じる根本的な課題は、アンテナのクロックの不確実性に由来するものである。全地球的航法衛星システム(GPS/GNSS:global navigation satellite system)及び慣性航法システム(INS:inertial navigation system)等の高度な位置決め及び航法システムは、或る程度正確なタイミング情報を提供し、タイミング及び同期アルゴリズムは、合理的なコストで精度を更に改善することができる。しかしながら、真のクロック誤差にある残りの不確実性は、送信アンテナ及び受信アンテナの動作周波数と比較して大きい可能性がある。その結果、不正確なクロックタイミングが基準として使用されるときに、受信信号は利得及び位相の曖昧性を含む。その結果として、タイミング摂動を考慮せずに標準的な再構成技法を適用すると、焦点が合っていないレーダ画像が生成される。
タイミング誤差を周波数領域における位相誤差としてモデル化し、レーダ画像を再構成する前にタイミング誤差を補正することとは異なり、様々な実施形態は、タイミング誤差を、補償を表すシフトカーネル、すなわち1スパースである信号、との畳み込みとしてモデル化する。スパース信号は、その係数のほとんどが0であり、非ゼロがほとんどないような信号である。1スパース信号は、特に、その係数のうちの1つのみが非ゼロであり、残りの全ての係数は0に等しいような信号である。シフトカーネルは、カーネルが実施する時間遅れ又は進みの時点に非ゼロの係数が位置する1スパース信号である。
図1E及び図1Fは、合わせて見ると、幾つかの実施形態による、単一のターゲットの反射波を測定するときの、各レーダクロックにおける誤差に起因した各アンテナの測定された時間領域信号に影響を及ぼす歪みを示す概略図である。さらに、図1Eは、全てのレーダクロックが完全に同期されている理想的な場合の概略図である。送受信機プラットフォーム102及び受信機のみのプラットフォーム103、104、105から構成される分散アレイ101が示されている。送信機アンテナは、単一の反射ターゲット130を含むシーンにパルス110を送信する。このパルスは、反射ターゲットによって反射され、その反射波120eは、全ての受信プラットフォーム102、103、104、105における全ての受信アンテナによって取得される。アンテナ102~105は、アンテナ101の分散アレイを形成する。全ての送信機及び受信機のクロックがグローバル時刻t0に従って完全に同期されている場合には、各アンテナ102、103、104、105によって受信される信号112、113、114、115は、送信機アンテナから単一の反射体までと各受信機に戻るまでとの往復距離に従って遅らされ、スケーリングされたパルスから構成される。
図1Fは、本開示の実施形態による、クロック誤差を示し、単一のターゲットの反射波を測定するアンテナのセットと、同期されたクロックを有し、図1Eから同じターゲットのシフトされたバージョンを測定するアンテナのセットとの間のマッピングを示す概略図である。さらに、図1Fは、誤差のあるクロックを有する単一のターゲットの測定された反射波が、グローバル時刻と同期されたクロックを有する同じターゲットの時間シフト測定値と等価である図1Aのレーダ測定値195における信号モデルの概略図である。
図1Fは、信号112x、113x、114x、115xがどのように記録され、各受信機のローカル時刻によってどのようにタイムスタンプを付与されるのかを示すことによって、取得されたデータにおけるクロック誤差の影響を例示している。各システムのローカルクロックは152、153、154、155であり、実線は、破線のグローバル時刻と比較したローカル時刻を示している。この図の例では、遅く動作する、すなわち、グローバル時刻が0を過ぎているときに時刻0を示すクロック152、154、155もあるし、速く動作する、すなわち、グローバル時刻がまだ0に達していないときに時刻0を示すクロック153もある。時間シフトに応じて、対応する信号は、全てのクロックが同期されている場合に信号がどのように記録されることになったのであろうか(点線)と比較して早く又は遅く(実線)見えるように時間シフトされ得る。
この例では、送受信機クロック152は遅く動作する。したがって、送信パルス110は、クロック誤差だけ遅れ、その反射波は、受信機に遅れて到着する。送受信機プラットフォーム102の受信機アンテナは、ローカル時刻tにおいて信号を進める同じクロック誤差を示し、したがって、この記録信号112xの送信の遅れを相殺する。他方、受信機103のクロック153は、この例では速く動作する。したがって、記録信号113xは、全てのプラットフォームがグローバルクロックと同期されていた場合に記録されたであろう信号113と比較して、2つのクロックの累積誤差だけ遅れる。同様に、受信機104のクロック154は、送信機クロック152の誤差よりも少ない量だけ遅く動作している可能性がある。したがって、記録信号114xは、全てのプラットフォームがグローバルクロックと同期されていた場合に記録されたであろう信号114と比較して、2つのクロックの誤差の差だけ遅れる。同様に、受信機105のクロック155は、送信機クロック152の誤差よりも多い量だけ速く動作している可能性がある。したがって、記録信号115xは、全てのプラットフォームがグローバルクロックと同期されていた場合に記録されたであろう信号115と比較して、2つのクロックの誤差の差だけ進む。
図2Aは、幾つかの実施形態によって使用される記録された信号のタイムスタンプに対するクロック誤差の影響の一例を例示する概略図である。詳細には、受信機は、ローカル時刻222を保持するローカルクロック220を有する。ローカルクロックは、グローバル時刻221に対する誤差ε225を示す。この例では、ローカルクロックは遅く動作している。すなわち、任意の時点において、ローカル時刻はグローバル時刻よりも遅れている。換言すれば、グローバルクロックが、例えば、34時間単位にある或る特定のタイムマーク223に達するときに、ローカルクロックは、まだそこに達しておらず、例えば、32.5時間単位にあるタイムマーク224に達しており、εは1.5時間単位の進みである。当該技術における一般的な慣例によれば、遅れは正の時間シフトとして表され、進みは負の時間シフトとして表される。すなわち、この例ではε=-1.5時間単位である。
図2Aを引き続き参照すると、ローカルクロック212のタイムマークを使用してタイムスタンプを付与されて記録された信号210は、グローバルクロック211を使用してタイムスタンプを付与されて記録された同じ信号と比較して小さなタイムスタンプを有するように見える。例えば、参照符号213におけるパルスの中央部の負のピークのグローバル時点は35である一方、ローカルクロックを使用した記録は、同じ負のピークに33.5のタイムスタンプを付与する(214)。ローカルクロックが遅い場合には、信号内の同じ箇所について、記録されたタイムスタンプは、グローバルクロックのタイムスタンプと比較してεだけ進められる。ローカルクロックが速い場合には、記録されるタイムスタンプは、グローバルクロックのタイムスタンプと比較してεだけ遅らされる。
図2Aは、時間シフトがシフトカーネルとの畳み込みと等価であることと、シフト-カーネルが1スパース信号であることとを例によって更に例示している。詳細には、グローバルクロック211を用いてタイムスタンプを付与された理想的な信号は、時間εだけ進められ、ローカルクロック212を用いてタイムスタンプを付与されて実際に記録される信号が生成される。当該技術においてよく知られているように、時間シフトは、インパルスδ(t-ε)215、すなわち時点εを中心とするインパルス関数、との畳み込み250を使用して表すことができる。このインパルスは、時刻εに1つの非ゼロの係数しか有しないので、1スパース信号である。
幾つかの実施形態は、1スパース信号を使用して遅れを表すことによって、表現の次元が拡大されるという認識に基づいている。例えば、サンプリング間隔Δ時間単位を有する1スパース信号の離散時間表現を使用して、T時間単位の最大時間シフトを表すには、単一の時間パラメータεの代わりに、サイズ2T/Δ+1のシフトカーネルが必要とされる。アプリケーションが時間遅れの推定を必要とする場合に、時間遅れを単一の値εとして表すには、単一のパラメータの推定が必要とされる。代わりに、シフトカーネルを使用して時間遅れを表すには、2T/Δ+1個のパラメータの推定が必要とされ、すなわち、大幅に大きな問題が必要とされる。さらに、時間シフトの最大不確実性が高くなる場合には、シフトカーネルに基づく表現は、サイズ、すなわち推定されるパラメータの数、が比例して大きくなり、十分な情報を有するにはより多くのデータを必要とする。比較のために、遅れが単一のパラメータとして表される場合には、時間シフトの最大不確実性を問わず、問題サイズは一定である。シフトカーネルが1スパースであるという制約は、より高い次元にもかかわらず、推定問題のデータ要件の削減に役立つことができるが、最大長への依存関係を除去せず、推定の計算複雑度もメモリ複雑度も低減しない。
図2Bは、別の実施形態による、送信された信号のタイムスタンプに対するクロック誤差の影響の別の例を例示する概略図である。詳細には、送信機は、ローカル時刻282を保持するローカルクロック280を有する。ローカルクロックは、グローバル時刻221に対する誤差ε’285を示す。この例では、ローカルクロックは遅く動作している。すなわち、任意の時点において、ローカル時刻はグローバル時刻よりも遅れている。換言すれば、グローバルクロックが、例えば、34時間単位にある或る特定のタイムマーク283に達するときに、ローカルクロックは、まだそこには達しておらず、例えば、32.5時間単位にあるタイムマーク284に達しており、ε’は1.5時間単位の進みであり、すなわち、上記例と同様に、この例では、ε’=-1.5時間単位である。
図2Bを引き続き参照すると、ローカルクロック282によって管理されたタイミングを用いて送信されたパルス等の信号270は、それよりも遅く送信されたように見え、すなわち、グローバルクロックに対して遅れているように見える。例えば、送信機は、パルスの中央の負のピークがローカルクロック274における34.5時間単位において発生するように信号の送信時刻を決めることができる。この場合に、ローカルクロック誤差のために、送信信号は、パルスの中央の負のピークをグローバルクロック273における36時間単位に発生させる。したがって、グローバルクロック271を基準とした送信信号は、ローカルクロック272を基準とした送信信号と比較してε’だけ時間が進んでいる。この例では、ε’は負であるので、ε’の時間の進みは、実際には-ε’=1.5時間単位の遅れである。既述したように、この時間シフトは、シフトカーネル216との畳み込み250として表すことができる。グローバルクロック271を基準とした送信信号は、ローカルクロック272を基準とした送信信号と比較してε’だけ時間が進んでいるので、シフトカーネルは、ε’の遅れに対応する。
ローカルクロックが、代わりに、速く動作している場合には、送信信号は、送信機のローカルクロックを基準とした信号と比較して、グローバルクロックに対して進んでいることになる。
図2Cは、信号が、送信機のローカルクロックに従って送信機によって送信された送信信号のシーンによる反射波であるときに、受信機によって測定されるとともに受信機のローカルクロックに従ってタイムスタンプを付与された信号に対する、幾つかの実施形態による送信機ローカルクロック及び受信機ローカルクロックの双方におけるクロック誤差の影響の一例を例示する概略図である。詳細には、送信機は、ローカル時刻287を保持するローカルクロック289を有する。ローカル送信機クロックは、グローバル時刻221に対して誤差ε’286を示す。受信機は、ローカル時刻227を保持するローカルクロック229を有する。ローカル受信機クロックは、グローバル時刻221に対して誤差ε226を示す。
この例では、送信機ローカルクロック及び受信機ローカルクロックの双方が、誤差は異なるものの、グローバルクロック295に対して遅い。例えば、受信機時刻227は、グローバル時刻211に対して1.5時間単位だけ遅い場合がある一方、送信機時刻287は、1時間単位だけ遅い場合がある。換言すれば、受信機クロック225は、送信機クロック285に対して0.5単位だけ遅く、すなわち、ε’’=ε-ε’=-0.5時間単位に等しい相対クロック誤差296を有する。
図2Cの例を引き続き参照すると、送信機のローカルクロック289によって管理されたタイミングを用いて送信機によって送信されたパルス等の信号290は、それよりも遅く送信されたように見え、すなわち、受信機のローカルクロック229に対して遅れているように見える。例えば、送信機は、パルスの中央の負のピークが送信機のローカルクロック235における35時間単位において発生するように信号の送信時刻を決めることができる。この場合に、相対クロック誤差のために、送信信号は、パルスの中央の負のピークを受信機のローカルクロック233における34.5時間単位に発生させる。したがって、受信機のローカルクロック292を基準とした送信信号は、送信機のローカルクロック291を基準とした送信信号と比較してε’’だけ時間が遅れている。この例では、ε’’は負であるので、ε’’の時間の遅れは、実際には-ε’’=0.5時間単位の進みである。既述したように、この時間シフトは、シフトカーネル217との畳み込み250として表すことができる。送信機のローカルクロック271を基準とした送信信号は、受信機のローカルクロック272を基準とした送信信号と比較してε’’だけ時間が進んでいるので、シフトカーネルは、ε’の遅れに対応する。
図2Cを引き続き参照すると、この例におけるこの特定の送信機-受信機ペアについて、受信機は、送信機のローカルクロックに従って送信機によって送信された信号のシーンからの反射波を受信する。これらの反射波は、送信機が信号を送信することによってトリガーされるので、送信信号が受信機のローカルクロックと比較して示すのと同じ時間シフトだけ、すなわちε’’だけ、受信機のローカルクロックと比較して時間シフトされている。したがって、所与の送信機-受信機ペアの送信機クロック及び受信機クロックの相対時間誤差がε’’であるとすると、受信機は、送信機及び受信機が完全に同期されている場合に受信機が受信しタイムスタンプを付与したであろう理想的な信号と比較してε’’だけ時間が遅れた受信機ローカルクロックによってタイムスタンプを付与された受信信号を受信する。
図3Aは、幾つかの実施形態による、遅れをコンピュータ内で単一の係数300として、又は等価的にシフトカーネル302としてどのように表すことができるのかを示す概略図である。遅れを単一の係数として表すことは、単一のメモリセル301を使用する。他方、遅れをシフトカーネルとして表すには、例えば、0時刻に対する各係数のタイムスタンプ304によってインデックス付けされた、メモリセルのバンク303に記憶された係数の系列が必要とされる。このタイムスタンプは、明示的な場合もあるし、暗黙的な場合もあり、インデックスは、或る特定の時間分の時間単位に対応することができる。この表現による各係数は、対応する時間インデックスにおけるシフトカーネルの値である。例えば、この図において、カーネルは、当該カーネルが1に等しいインデックス-5を除く全ての時間インデックスについて0に等しい。このカーネルは、-5時間単位の遅れと等価である。
シフトカーネルを表すのに使用される係数の系列は、他の信号、すなわち一般的な畳み込みカーネル、例えば305を表すのにも使用することができる。しかしながら、これらの畳み込みカーネルは、1スパースでない場合には遅れとすることができない。1スパース畳み込みカーネルは、その表現が、非ゼロの値を有する単一の係数を除いて全て0である係数から構成されるカーネルである。1スパース畳み込みカーネルは、非ゼロの係数の値に従った可能なスケーリングを有する遅れを表す。この値が1に等しい場合には、畳み込みカーネルは、スケーリングを有しない単なる遅れである。1に等しい合計306を有する係数値を有する1スパース畳み込みカーネルは、必然的に、1に等しい値を有する単一の係数を有し、すなわち、これはシフトカーネルとなる。
図3Bは、幾つかの実施形態によって使用される、クロック誤差に起因してシフトされた記録信号と、クロック誤差がない場合に記録されたであろう信号との間の関係を示す概略図である。この図の上部は、記録信号112x、113x、114x、115xが、全てのプラットフォームがグローバルクロックと同期されている場合に記録されたであろう信号112、113、114、115のクロック誤差の影響に対応するシフトカーネル162x、163x、164x、165xとの畳み込み160に等しいことを例示している。等価な演算が、この図の下部に示され、この下部は、クロック誤差の補正に対応するシフトカーネル162、163、164、165と畳み込みされた(160)記録信号112x、113x、114x、115xが、全てのプラットフォームがグローバルクロックと同期されている場合に記録されたであろう信号112、113、114、115に等しいことを例示している。
そのようにして、未知の理想的な信号の時間シフトを見つけることは、未知の理想的な信号と一致するレーダ測定値の時間シフトを見つけることに変換される。図3Bの下部から見て取ることができるように、そのような問題変換によって、未知の時間シフトを、未知の理想的な信号を生成する未知のシーンから分離することが可能になり、すなわち、未知の時間シフト及び未知のシーンは、数式の異なる辺に存在する。したがって、幾つかの実施形態は、測定値と一致する未知の理想的な信号の時間シフトを見つけるのではなく、未知の理想的な信号と一致するレーダ測定値の時間シフトを見つける。
図3Bを参照すると、受信信号の時間の未知のシフトである未知の時間シフトを、未知のインパルス162x~165xとの畳み込みとして表すことができる。これは、未知のインパルスによる畳み込みが線形演算であるため有利である。そのようにして、畳み込み表現から得られる線形化と組み合わされた未知数の分離によって、凸レーダ画像回復問題が得られる。しかしながら、凸化後であっても、この問題は、依然として解くのが困難である。なぜならば、結果として得られる凸問題は多数のパラメータを有するからである。さらに、遅れが未知のカーネルとの畳み込みとして表されるだけであるとき、問題は多数の最適解を有する場合があるが、それらの解のうちの1つしか所望の解でない。
幾つかの実施形態は、未知のシフトカーネルを、時間において1スパースである未知の信号として表すことができるという別の理解に基づいている。実質上、これらの理解によって、元の非凸画像回復問題を凸スパース回復問題に変換することが可能になり、これによって、さらに、スパース再構成技法を使用して、レーダ画像を推定する凸スパース回復問題の解空間のサイズを削減することが可能になる。
そのために、幾つかの実施形態は、スパースターゲットを含むとともにx∈CNとしてベクトル形式で表されるシーンのレーダ画像128を復元する。例えば、画像は、クロック誤差を受けるM個の分散アンテナ101からのF次元周波数領域測定値
120を処理することによって復元される。本開示は、上記で示したように、クロック誤差が、時間領域畳み込みモデルに対応する測定されたデータの時間シフトをもたらす画像再構成フレームワークを開発した。
例えば、送信機-受信機ペアmについて、送信アンテナがグローバルクロックを基準としたパルスp(t)をシーンに送信する場合に、受信機アンテナでは、グローバルクロックを基準とした受信データは、
に等しい。ここで、xnはシーン点nの反射率であり、rm(t)はグローバルクロックを基準とした受信データであり、am
n(t)は、送受信機ペアmについて、送信機からシーン点nまでと受信機への戻りとの反射パルスの伝播を時間tの関数として記述するチャネルのインパルス応答であり、*は畳み込み演算を表す。
受信機に対する送信機の相対クロック遅れεmが与えられると、受信機のローカルクロックによる受信信号は、
に等しい。ここで、ym(t)は、受信機のローカルクロックによる受信信号であり、δ(t-εm)はεmだけ遅れたインパルスである。
図3Bにおいて説明したように、これは、受信機のクロックによる受信信号が、逆遅れ-εmだけシフトされると、送信機及び受信機が同期されている場合に受信されたであろう信号に等しい、すなわち、
であることを意味する。
図4は、幾つかの実施形態によって使用される凸スパース回復問題の構成要素の概略図を示している。具体的には、この図は、クロック誤差に起因してシフトされた記録信号と、例えば、図3Bに関して前述したようなクロック誤差がない場合に記録されたであろう信号との間の関係の数学的表現410を例示している。δ(t+εm)*ym(t)=ym(t)*δ(t+εm)であることに留意されたい。
図5は、幾つかの実施形態による、結果として得られる周波数領域モデルへの図4の構成要素の変換の概略図を示している。例えば、関係410の時間領域モデルは、フーリエ変換
510を行うことによって周波数領域において表すことができる。フーリエ変換を使用すると、時間領域モデルにおける時間遅れ又は時間進みとの畳み込みは、周波数領域モデルにおける複素指数との乗算550に変換され、これによって、計算の複雑度が低減される。したがって、結果として得られる周波数領域モデル520は、以下の式となる。
ここで、Ym(ω)、Rm(ω)、P(ω)及びAm
n(ω)は、それぞれym(t)、rm(t)、p(t)及びam
n(t)をフーリエ変換したものであり、ωは周波数領域における周波数である。
図6Aは、幾つかの実施形態による、図5の、結果として得られる周波数領域モデルを離散化する概略図を示している。幾つかの実施形態において周波数領域モデル520をプロセッサによって処理するために、モデル520は、ナイキスト定理又はランダウ定理等のサンプリング定理に従って時間グリッド及び周波数グリッドに離散化される。そのような離散化によって、フーリエ変換のそれぞれは、例えば、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)又は行列の乗算を使用してコンピュータにおいて実行することができる演算610に変換される。
詳細には、離散化された等価モデルはrm=Amxである。ここで、rmは、Rm(ω)の周波数によるサンプルを含み、行列Amは、送信パルスP(ω)及びチャネル応答Am
n(ω)を周波数によって組み込んだものである。行列Aは、シーンを通って受信機に戻るパルスの伝播を規定するフォワード演算子である。換言すれば、シーンの画像にxが与えられると、積Amxは、シーンのレーダ伝播関数を通じたレーダパルスの伝播である信号rmを生成する。
進みz(t)=δ(t+εm)を周波数領域において表すために、
を使用すると、受信機のクロックにおいて離散化されたデータは、以下の式を満たす。
この式は、以下の式と等価である。
ここで、ymは周波数領域の受信データであり、zmは時間領域の進みのインパルス応答であり、Fはフーリエ変換行列であり、Fzmはzmをフーリエ変換したもの、すなわち、進みの周波数領域の表現であり、
は、対角線におけるymとの対角作用素であり、
は、全てが0の係数であるベクトルである。換言すれば、離散化は、要素単位の乗算550を、対角行列
とベクトルFzmとの乗算に変換する。
この式を解くために、幾つかの実施形態では、以下の行列形式を使用することが便利である。
幾つかの他の実施形態では、以下の行列形式を使用することができる。
2つの形式は等価であるが、後者は、結果として得られる行列がより望ましい調整特性を示すので、幾つかの場合に好ましいものとすることができる。他方、雑音が存在する場合には、後者の形式は、雑音をより多く増幅する場合があり、あまり望ましくない場合がある。一例として、本開示の残りの部分は後者の形式を使用する。ただし、他の実施形態では、前者の形式又は他の形式を容易に代用することができる。
幾つかの実施形態は、式の左辺を可能な限り0に近くするx及びzmを求めることによってこのモデルの解を探求する。幾つかの実施形態では、データの測定値が雑音を含むことから、正確な等式は可能でない。しかしながら、雑音が存在する場合であっても、この問題は劣決定的であり、すなわち、左辺は0に等しい複数の解を有する。さらに、左辺を0に等しくするいずれの解も、任意のスカラーによってスケーリングすることができ、左辺は引き続き0である。加えて、解の任意のペアの和も解であり、すなわち、左辺を0に等しくする。したがって、単一の非ゼロの解が存在するということは、無限個の解があり得ることを意味する。さらに、
、及び全てのmについての
は、たとえ自明かつ無意味であっても、常に解である。
したがって、幾つかの実施形態は、上記連立方程式の解を求めるために更なる制約を課す。例えば、zmは遅れであるので、スパースでありかつ合計すると1になるべきであり、すなわち、
を満たすべきである。ここで、
は、全ての係数が1に等しいベクトルであり、
はその転置ベクトルである。幾つかの実施形態は、zmの1ノルム、すなわち
を有する正則化を使用してzmのスパース性を促進又は強制する。
幾つかの実施形態は、反射率画像xが標準基底等の或る基底においてスパースであることを更に要件とする場合もあるし、スパース勾配、すなわち低い全変動(TV)を有する場合もある。加えて、又は代替的に、幾つかの実施形態は、レーダ画像の1ノルムとレーダ画像の全変動(TV)ノルムとの組み合わせを含む融合ラッソ正則化を使用してスパース性を強制する。代替的に、又は加えて、幾つかの実施形態は、反射率画像xの係数の和が正であり、かつ、所定の定数cにほぼ等しいことを要件とする。
図6Bは、幾つかの実施形態による、行列形式による凸スパース回復問題の一例示的な定式化を示している。具体的には、一例の実施形態が、以下の最適化問題を解いて、上記制約の全てを課す解を求めることができる。
ただし、
を条件とする。
(11)において、γは、反射率画像xの係数の和が所定の定数cにほぼ等しいという要件を最適化がどの程度強く強制すべきかを決定し、λx及びλzは、x及びzmのスパース性を、モデルの左辺を0に等しくするx及びzmを求めることとバランスさせる。他の実施形態は、標準領域においてxのスパース性を促進するスパース正則化
を、基底においてxの低い全変動又はスパース性を促進する別の正則化に取り替えることができる。
(11)における問題は凸スパース回復問題であり、したがって、計算的に扱いやすく効率的な解を許容する。さらに、凸であることによって、最適解が大域的であることが保証され、したがって、最適化アルゴリズムは、局所最適でしかない解を提供しない。幾つかの実施形態は、終了条件が満たされるまで凸スパース回復問題を反復して解いて、レーダ画像を生成する。そのようにして、反復が、アンテナのセットからの各アンテナの時間シフトされたレーダ測定値と、シーンのレーダ伝播関数を通じたレーダパルスの伝播によって生成される信号との間の差を含む誤差又はコスト(11)が削減されるようなレーダ画像の推定値及び時間シフトを生成する。
図6Cは、1つの実施形態による、凸スパース回復問題を解く擬似コードを示している。この実施形態では、プロセッサは、高速反復縮小閾値アルゴリズム(FISTA:fast iterative shrinkage thresholding algorithm)を使用してレーダ画像回復問題を解く。FISTAは反復適用されて、誤差又はコスト(11)を削減する。
例えば、FISTAは、勾配ステップの計算(2)と、縮小演算子(shrinkage operator)を使用した閾値処理(3)と、制約集合の射影(4)と、ステップサイズの更新(5)と、ステップサイズに従った解推定値の更新(6)との間を反復する。あらゆる反復の後に、(11)において最小にされる誤差が削減される。このアルゴリズムは、例えば、誤差が最大許容可能誤差未満になること、若しくは、各反復における誤差の改善が停止すること等の停止基準が満たされるまで、又は、或る所定の反復数に達するまで、反復適用される。
加えて、又は代替的に、異なる実施形態は、他の方法を使用して、凸スパース回復問題を解く。例えば、他の実施形態は、FISTAにおけるステップ5を省略し、ステップ6をwj=ujに設定する反復縮小閾値アルゴリズム(ISTA:iterative shrinkage thresholding algorithm)の変形形態等の他のソルバを使用する。他の幾つかの実施形態は、二次内点アルゴリズム等の他の凸最適化アルゴリズムを使用するか、又は、交互方向乗数法(ADMM:alternating direction method of multipliers)を使用することもでき、及び/又は、この最適化問題を、CVX等の一般的な最適化ソルバを用いて解くことができる標準形に変換する自制凸計画法(disciplined convex programming)を使用することもできる。更に他の幾つかの実施形態は、コスト関数の二次部分の凸性及び平滑性を利用して、x及びzmにスパース性制約を直接課すために欲張りアルゴリズムを使用する。
図7は、幾つかの実施形態による、本開示によって検討されるレーダシステムのコンピュータシステムのブロック図である。コンピュータシステム700は、アンテナ101、102、103、104、105のセットと通信するとともに、コンピュータ700のプロセッサ740によって処理される収集済みデータをメモリ730に記憶することができる。コンピュータシステム700は、当該コンピュータシステムをキーボード751及びディスプレイデバイス752に接続することができるヒューマンマシンインターフェース又はユーザインターフェース750を備えることができる。コンピュータシステム700は、バス756を通じて、システム700をディスプレイデバイス748に接続するように適合されたディスプレイインターフェース757にリンクさせることができる。ここで、ディスプレイデバイス748は、コンピュータモニタ、カメラ、テレビ、プロジェクタ、又はモバイルデバイスを含むことができる。
コンピュータシステム700は、電源754を備えることができる。用途に応じて、電源は、任意選択でコンピュータシステムの外部に配置することができる。同期撮像プロセッサ740は、記憶された命令を実行するように構成することができるとともに、同期撮像プロセッサ740によって実行可能である命令を記憶するメモリ730と通信することができる1つ以上のプロセッサとすることができる。同期撮像プロセッサ740は、シングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、コンピューティングクラスター、又は任意の数の他の構成とすることができる。同期撮像プロセッサ740は、バス756を通じて、1つ以上の入力デバイス及び出力デバイスに接続される。メモリ730は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、又は他の任意の適したメモリシステムを含むことができる。
図7を引き続き参照すると、コンピュータシステム700は、同期撮像プロセッサ740によって用いられる補足データ及び/又はソフトウェアモジュールを記憶するように適合された記憶デバイス758も備えることができる。例えば、記憶デバイス758は、とりわけ、事前設計されたレーダプラットフォーム軌跡、レーダ動作周波数帯域幅、送信波形、推定信号対雑音比、ターゲット認識に関する画像データ、位置誤差に対処する種々の方法とともにシミュレートされた雑音を有するデータを用いた撮像結果に関する履歴データを記憶することができる。記憶デバイス758は、ハードドライブ、光学ドライブ、サムドライブ、ドライブのアレイ、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
図7を引き続き参照すると、プリンタインターフェース759も同様に、バス756を通じてコンピュータシステム700に接続するとともに、コンピュータシステム700を印刷デバイス732に接続するように適合させることができる。ここで、印刷デバイス732は、液体インクジェットプリンタ、固体インクプリンタ、大規模商用プリンタ、サーマルプリンタ、UVプリンタ、又は昇華型プリンタを含むことができる。ネットワークインターフェースコントローラ(NIC)734は、コンピュータシステム700を、バス756を通じてネットワーク736に接続するように適合され、画像データ又は関連画像データを、ネットワーク736を介して、ディスプレイデバイス、撮像デバイス、及び/又は印刷デバイス上に出力することができる。
図7を引き続き参照すると、画像データ又は関連画像データを、記憶及び/又は更なる処理のために、ネットワーク736の通信チャネル上で送信することができ、及び/又は、コンピュータの記憶システム758内に記憶することができる。さらに、画像データ又は関連画像データは、受信機741から無線又は有線で受信することもできるし、送信機743を介して無線又は有線で送信することもでき、受信機741及び送信機743は、双方ともバス756を通じてコンピュータシステム700に接続される。
コンピュータシステム700は、外部センサ731、1つ以上の入力デバイス733、他のコンピュータ742及び他のデバイス744に接続することができる。外部センサ731は、モーションセンサ、慣性センサ、或るタイプの測定センサ等を含むことができる。外部センサ731は、速度、方向、空気流、或るオブジェクト又はロケーションまでの距離、天候条件等のためのセンサを含むことができる。入力デバイス741は、例えば、キーボード、スキャナ、マイクロフォン、スタイラス、タッチ対応パッド又はタッチ対応ディスプレイを含むことができる。
以下の説明では、実施形態の十分な理解を提供するために、具体的な詳細が与えられる。しかしながら、当業者は、これらの具体的な詳細がなくても実施形態を実施することができることを理解することができる。例えば、開示された主題におけるシステム、プロセス、及び他の要素は、実施形態を不必要な詳細で不明瞭にしないように、ブロック図形式の構成要素として示される場合がある。それ以外の場合において、よく知られたプロセス、構造、及び技法は、実施形態を不明瞭にしないように不必要な詳細なしで示される場合がある。さらに、様々な図面における同様の参照符号及び名称は、同様の要素を示す。
また、個々の実施形態は、フローチャート、フロー図、データフロー図、構造図、又はブロック図として描かれるプロセスとして説明される場合がある。フローチャートは、動作を逐次的なプロセスとして説明することができるが、これらの動作の多くは、並列又は同時に実行することができる。加えて、これらの動作の順序は、再配列することができる。プロセスは、その動作が完了したときに終了することができるが、論述されない又は図に含まれない追加のステップを有する場合がある。さらに、特に説明される任意のプロセスにおける全ての動作が全ての実施形態において行われ得るとは限らない。プロセスは、方法、関数、手順、サブルーチン、サブプログラム等に対応することができる。プロセスが関数に対応するとき、その関数の終了は、呼び出し側関数又はメイン関数へのその機能の復帰に対応することができる。
さらに、開示された主題の実施形態は、少なくとも一部は手動又は自動のいずれかで実施することができる。手動実施又は自動実施は、マシン、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、又はそれらの任意の組み合わせを用いて実行することもできるし、少なくとも援助することができる。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア又はマイクロコードで実施されるとき、必要なタスクを実行するプログラムコード又はプログラムコードセグメントは、マシン可読媒体に記憶することができる。プロセッサが、それらの必要なタスクを実行することができる。
本開示の実施形態は、クロック誤差を許容するとともに複数のセンサを用いた分散検知の同期を可能にすることによってコヒーレント分散レーダ撮像を含む。詳細には、本開示の実施形態は、1つ以上の送受信レーダプラットフォーム及び複数の受信レーダプラットフォームが関心領域(ROI)に向けて移動しており、各プラットフォームがクロック誤差を有するマルチスタティックレーダ撮像手法を含む。本開示の実施形態は、ROI内のターゲットを検出する。各センサアレイの画像解像度は、その小さな開口サイズに起因して低い場合があるが、良好に補償されたクロック誤差を有する全ての分散アレイの出力を併せて処理することによって高解像度画像を形成することができる。本開示の実施形態は、スパースシーンを前提とし、凸最適化問題を解くと同時に、クロックによって誘発された位相誤差を補償し、ターゲットシグネチャーを利用し、ROIの画像を再構成することによって反復的に達成される。
本開示の実施形態は、単一の移動送信レーダプラットフォーム、又は、複数の空間的に分散された移動レーダ受信機プラットフォーム又は受信機と、送受信機との組み合わせを用いて、関心エリアに位置するターゲットのレーダ画像を生成するオートフォーカスレーダ撮像も可能にする。移動レーダ受信機は、未知のタイミング誤差を有して摂動する。
また、本明細書において略述された様々な方法又はプロセスは、様々なオペレーティングシステム又はプラットフォームのうちの任意の1つを用いる1つ以上のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとしてコード化することができる。加えて、そのようなソフトウェアは、複数の適したプログラミング言語及び/又はプログラミングツール若しくはスクリプティングツールのうちの任意のものを用いて記述することができ、実行可能機械語コード、又はフレームワーク若しくは仮想機械上で実行される中間コードとしてコンパイルすることもできる。通常、プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態において所望に応じて組み合わせることもできるし、分散させることもできる。
また、本発明の実施形態は、方法として具現化することができ、この方法の一例が提供されている。この方法の一部として実行される動作は、任意の適した方法で順序付けることができる。したがって、例示したものと異なる順序で動作が実行される実施形態を構築することができ、この順序は、幾つかの動作が例示の実施形態では順次的な動作として示されていても、それらの動作を同時に実行することを含むことができる。さらに、請求項の要素を修飾する、特許請求の範囲における「第1」、「第2」等の序数の使用は、それ自体で、1つの請求項の要素の別の請求項の要素に対する優先順位も、優位性も、順序も暗示するものでもなければ、方法の動作が実行される時間的な順序も暗示するものでもなく、請求項の要素を区別するために、単に、或る特定の名称を有する1つの請求項の要素を、同じ(序数の用語の使用を除く)名称を有する別の要素と区別するラベルとして用いられているにすぎない。
Claims (21)
- クロック曖昧性を有するアンテナのセットから収集されたシーンのレーダ測定値を受け取る入力インターフェースであって、前記レーダ測定値は、前記シーンに送信されたレーダパルスの反射波の測定値である、入力インターフェースと、
凸スパース回復問題を解いて、前記シーンのレーダ画像を生成するように構成されるハードウェアプロセッサであって、前記凸スパース回復問題は、前記レーダ測定値の時間シフトを、前記シーンのレーダ伝播関数を通じた前記レーダパルスの伝播によって生成される信号と一致させ、前記レーダ測定値の時間シフトは、前記レーダ測定値と、時間において1スパースであるシフトカーネルとの畳み込みとして表される、ハードウェアプロセッサと、
前記レーダ画像を出力するように構成される出力インターフェースと、
を備える、シーンのレーダ画像を生成するレーダシステム。 - 前記ハードウェアプロセッサは、前記レーダ画像に対するスパース性制約を条件として前記凸スパース回復問題を解き、前記シーンのスパースレーダ画像を復元する、請求項1に記載のレーダシステム。
- 前記ハードウェアプロセッサは、前記シフトカーネルに対するスパース性制約を条件として前記凸スパース回復問題を解き、前記シーンのスパースレーダ画像を復元する、請求項1に記載のレーダシステム。
- 前記ハードウェアプロセッサは、前記凸スパース回復問題の解の数を削減する正則化項を用いて前記凸スパース回復問題を解く、請求項1に記載のレーダシステム。
- 前記正則化項は、前記レーダ画像に関する全変動正則化項である、請求項4に記載のレーダシステム。
- 前記正則化項は、前記レーダ画像に関するスパース性正則化項である、請求項4に記載のレーダシステム。
- 前記レーダ画像に関するスパース性正則化項は、前記レーダ画像の1ノルム又は前記レーダ画像の基底変換の1ノルムである、請求項6に記載のレーダシステム。
- 前記正則化項は、前記レーダ画像に関する融合LASSO正則化項である、請求項4に記載のレーダシステム。
- 前記正則化項は、前記シフトカーネルに関するスパース性正則化項である、請求項4に記載のレーダシステム。
- 前記シフトカーネルに関するスパース性正則化項は、前記シフトカーネルの1ノルムである、請求項9に記載のレーダシステム。
- 前記時間シフトは、各受信機及び送信機ペアにおけるクロック間の相対時間シフトを含む、請求項1に記載のレーダシステム。
- 前記ハードウェアプロセッサは、終了条件が満たされるまで前記凸スパース回復問題を反復して解いて前記レーダ画像を生成し、反復を実行するために、前記ハードウェアプロセッサは、前記アンテナのセットからの各アンテナの時間シフトされたレーダ測定値と、前記シーンのレーダ伝播関数を通じた前記レーダパルスの伝播によって生成される信号との間の誤差が削減されるように、前記レーダ画像の推定値及び前記時間シフトを生成するように構成される、請求項1に記載のレーダシステム。
- 前記ハードウェアプロセッサは、高速反復縮小閾値アルゴリズム(FISTA)、反復縮小閾値アルゴリズム(ISTA)、自制凸計画法、及び交互方向乗数法(ADMM)、並びに欲張り最適化のうちの1つ又は組み合わせを使用して前記凸スパース回復問題を解く、請求項12に記載のレーダシステム。
- 前記アンテナのセットにおける各アンテナが前記シーンに対して異なる位置にあるか、又は、前記アンテナのセットにおける幾つかのアンテナが前記シーンに対して異なる位置にある、請求項1に記載のレーダシステム。
- 前記アンテナのセットの幾つかのアンテナが、レーダパルスを前記シーンに送信し、前記シーンからの反射波のセットを測定する、請求項1に記載のレーダシステム。
- 前記アンテナのセットからの各アンテナの前記レーダ測定値の前記反射波を前記一致させることは、前記アンテナのセットからの各アンテナの時間シフトされた測定値と、レーダ伝播関数を通じた前記レーダパルスの伝播によって生成される前記信号との間の誤差を最小にすることによる、請求項1に記載のレーダシステム。
- シーンのレーダ画像を生成するレーダ方法であって、前記レーダ方法は、前記レーダ方法を実施する記憶された命令と結合されたプロセッサを使用し、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記レーダ方法のステップを実行し、前記ステップは、
クロック曖昧性を有するアンテナのセットから収集されたシーンのレーダ測定値を受け取るステップであって、前記レーダ測定値は、前記シーンに送信されたレーダパルスの反射波の測定値である、受け取るステップと、
凸スパース回復問題を解いて、前記シーンのレーダ画像を生成するステップであって、前記凸スパース回復問題は、前記レーダ測定値の時間シフトを、前記シーンのレーダ伝播関数を通じた前記レーダパルスの伝播によって生成される信号と一致させ、前記レーダ測定値の時間シフトは、前記レーダ測定値と、時間において1スパースであるシフトカーネルとの畳み込みとして表される、生成するステップと、
前記レーダ画像を出力するステップと、
を含む、レーダ方法。 - 前記凸スパース回復問題は、終了条件が満たされるまで反復して解かれて、前記レーダ画像が生成され、反復のために、前記アンテナのセットからの各アンテナの時間シフトされたレーダ測定値と、前記シーンのレーダ伝播関数を通じた前記レーダパルスの伝播によって生成される信号との間の誤差が削減されるように、前記レーダ画像の推定値及び時間シフトが求められる、請求項17に記載のレーダ方法。
- 前記凸スパース回復問題は、高速反復縮小閾値アルゴリズム(FISTA)、反復縮小閾値アルゴリズム(ISTA)、自制凸計画法、及び交互方向乗数法(ADMM)、並びに欲張り最適化のうちの1つ又は組み合わせを使用して解かれる、請求項18に記載のレーダ方法。
- 方法を実行するプロセッサによって実行可能なプログラムが具現化される非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法は、
クロック曖昧性を有するアンテナのセットから収集されたシーンのレーダ測定値を受け取ることであって、前記レーダ測定値は、前記シーンに送信されたレーダパルスの反射波の測定値であることと、
凸スパース回復問題を解いて、前記シーンのレーダ画像を生成することであって、前記凸スパース回復問題は、前記レーダ測定値の時間シフトを、前記シーンのレーダ伝播関数を通じた前記レーダパルスの伝播によって生成される信号と一致させ、前記レーダ測定値の前記時間シフトは、前記レーダ測定値と、時間において1スパースであるシフトカーネルとの畳み込みとして表されることと、
前記レーダ画像を出力することと、
を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。 - 前記凸スパース回復問題は、高速反復縮小閾値アルゴリズム(FISTA)、反復縮小閾値アルゴリズム(ISTA)、自制凸計画法、及び交互方向乗数法(ADMM)、並びに欲張り最適化のうちの1つ又は組み合わせを使用して解かれる、請求項20に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
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