JP7090755B2 - 粘着剤組成物及び帯電防止表面保護フィルム - Google Patents

粘着剤組成物及び帯電防止表面保護フィルム Download PDF

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Description

本発明は、粘着剤組成物及び表面保護フィルムに関する。さらに詳細には、帯電防止性能を備えた表面保護フィルム用の粘着剤組成物、及びそれを用いた表面保護フィルムに関する。本発明は、被着体が、低反射表面処理が施された偏光板である場合でも汚染が少なく、且つ、経時劣化しないで優れた剥離帯電防止性能を有する粘着剤組成物、及びそれを用いた帯電防止表面保護フィルムを提供するものである。
偏光板、位相差板、ディスプレイ用のレンズフィルム、反射防止フィルム、ハードコートフィルム、タッチパネル用透明導電性フィルム等の光学用フィルム、及びそれを用いたディスプレイなどの光学製品を製造、搬送する際には、該光学用フィルムの表面に表面保護フィルムを貼合して、後工程における表面の汚れや傷付きを防止することがなされている。製品である光学用フィルムの外観検査は、表面保護フィルムを剥がして、再び、貼合する手間を省いて作業効率を高めるため、表面保護フィルムを光学用フィルムに貼合したまま行うこともある。
従来から、基材フィルムの片面に、粘着剤層を設けた表面保護フィルムが、光学製品の製造工程において、傷や汚れの付着を防止するために、一般的に使用されている。表面保護フィルムは、微粘着力の粘着剤層を介して光学用フィルムに貼合される。粘着剤層を微粘着力とするのは、使用済みの表面保護フィルムを光学用フィルムの表面から剥離して取り除くときに、容易に剥離でき、且つ、粘着剤が、被着体である製品の光学用フィルムに付着して残留しないようにする(いわゆる、糊残りの発生を防ぐ)ためである。
近年、液晶ディスプレイパネルの生産工程において、光学用フィルムの上に貼合された表面保護フィルムを、剥離して取り除くときに発生する剥離帯電圧により、液晶ディスプレイパネルの表示画面を制御するための、ドライバーIC等の回路部品が破壊される現象や、液晶分子の配向が損傷する現象が、発生件数は少ないながらも起きている。
また、液晶ディスプレイパネルの消費電力を低減させるため、液晶材料の駆動電圧が低くなってきており、これに伴って、ドライバーICの破壊電圧も低くなっている。このため、表面保護フィルムを、被着体である光学用フィルムから剥離する時に、剥離帯電圧が高いことによる不具合を防止するため、剥離帯電圧を低く抑えるための帯電防止剤を含む粘着剤層を用いた表面保護フィルムが、提案されている。
例えば、特許文献1には、アルキル基の炭素数がC1~C14の(メタ)アクリル酸エステルモノマーを主成分とする(メタ)アクリル系ポリマーと、ポリエーテル化合物と、融点が30℃以上のイオン性化合物とを含むことを特徴とする粘着剤組成物が記載されている。
また、特許文献2には、オキシアルキレン単位の平均付加モル数が3~40であるアルキレンオキシド基含有反応性モノマー0.1~4.9重量%および炭素数1~14のアルキル基を有する(メタ)アクリレート50~99.9重量%を単量体成分とする(メタ)アクリル系ポリマー、ならびにアルカリ金属塩を含有してなる粘着剤組成物が記載されている。
また、特許文献3には、分子内に水酸基を有するアクリル系共重合体と、アルカリ金属塩と、分子内にポリオキシアルキレン基を有し、HLB値が1以上10以下であるジメチルポリシロキサン化合物とを含有する粘着剤組成物が記載されている。
特開2013-163783号公報 特開2012-237004号公報 特開2013-163744号公報
従来、帯電防止性能を備えた表面保護フィルムにおいては、粘着剤層に帯電防止剤を添加することが必須となるため、帯電防止性能と、被着体への汚染性との関係はトレードオフの関係にある。しかし、近年、表示パネルの高画質化、高品位化が進み、耐汚染性の評価基準が一層厳しくなる状況にあり、厳しい評価方法による判定の結果でも、被着体の表面に対する汚染性に問題がない表面保護フィルムが求められている。
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであって、被着体に対する汚染が少なく、且つ、経時劣化しないで優れた剥離帯電防止性能を有する粘着剤組成物、及び帯電防止表面保護フィルムを提供することを課題とする。
発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、粘着剤組成物を構成するアクリル系ポリマーの主成分として、アルキル基の炭素数がC1~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマー群を採用し、それを2つのモノマー群に区分けして、各モノマー群から少なくとも1種のモノマーを選択して特定のモノマー比率にすることにより、被着体に対する汚染を低下させる特異な効果を有することを見出した。
さらに、被着体に対する汚染に悪影響を及ぼさない帯電防止剤を選択して、粘着剤組成物に含有させることにより、被着体に対する汚染が少なく、且つ、経時劣化しないで優れた剥離帯電防止性能を有する粘着剤組成物を得ることが可能となり、本発明の課題を解決することができた。
すなわち、本発明は、粘着剤組成物を構成するアクリル系ポリマーを、
(A)アルキル基の炭素数がC1~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、
(B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上と、
(C)カルボキシル基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上と、
(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上と、を共重合させた共重合体とし、
前記(A)アルキル基の炭素数がC1~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、(a1)アルキル基の炭素数がC1~C4の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上と、(a2)アルキル基の炭素数がC5~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上とからなり、前記(a1)と前記(a2)の含有割合(a2/a1)を、質量比で特定の比率範囲にすることにより、得られた粘着剤の被着体に対する汚染を低下させることを技術思想としている。
上記の課題を解決するため、本発明は、アクリル系ポリマーと、帯電防止剤と、架橋剤とを含有する粘着剤組成物であって、
前記アクリル系ポリマーが、前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、
(A)アルキル基の炭素数がC1~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの合計を50~99.8重量部と、
共重合可能なモノマー群として、
(B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上を0.1~14重量部と、
(C)カルボキシル基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上を0.01~1.0重量部と、
(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上を0超過35重量部以下とを、
水酸基を含有しない窒素含有ビニルモノマー、及びアルコキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートモノマーを含有させないで共重合させた共重合体(但し、アルキル基の炭素数がC4~C10の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの100重量部に対して、水酸基を含有する共重合可能なモノマーが0.1~5.0重量部含まれ、かつ、前記水酸基を含有する共重合可能なモノマーのうち、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートについて合計した含有量が0~0.9重量部であるものを除く。)であり、
前記(A)アルキル基の炭素数がC1~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、(a1)アルキル基の炭素数がC1~C4の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上と、(a2)アルキル基の炭素数がC5~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上とからなり、
前記(A)アルキル基の炭素数がC1~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの合計100重量部に対して、前記(a1)の少なくとも1種を5~45重量部と、前記(a2)の少なくとも1種を55~95重量部と、の割合で含有してなり、
前記(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーとして、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートの中から選択された、少なくとも1種以上であり、
前記(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、ポリアルキレングリコール鎖を構成するアルキレンオキサイドの平均繰り返し数が3~14であり、モノマー中のジエステル分が0.2%以下であり、
前記架橋剤が、(E)2官能以上のイソシアネート化合物であり、
前記粘着剤組成物が、さらに、(F)架橋促進剤と、(G)ケトエノール互変異性体化合物とを含有してなることを特徴とする粘着剤組成物を提供する。
前記(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、ポリアルキレングリコール鎖を構成するアルキレンオキサイドの平均繰り返し数が3~14であり、モノマー中のジエステル分が0.2%以下であることが好ましい。
前記(F)架橋促進剤が、アルミニウムキレート化合物、チタンキレート化合物、鉄キレート化合物からなる群の中から選択された少なくとも1種以上であり、前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、前記(F)架橋促進剤を0.001~0.5重量部と、前記(G)ケトエノール互変異性体化合物を0.1~300重量部との割合で含有してなり、前記(G)/前記(F)の重量部比率が、70~1000であることが好ましい。
前記(B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーが、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドからなる化合物群の中から選択された、少なくとも1種以上であり、前記(C)カルボキシル基を含有する共重合可能なモノマーが、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸、カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルテトラヒドロフタル酸からなる化合物群の中から選択された少なくとも1種以上であることが好ましい。
前記共重合可能なモノマー群として、前記ポリアルキレングリコール鎖を構成するアルキレンオキサイドの平均繰り返し数が3~14であり、モノマー中のジエステル分が0.2%以下である前記(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーとして、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートの中から選択された、少なくとも1種以上を含有することが好ましい。
前記(E)2官能以上のイソシアネート化合物として、2官能イソシアネート化合物としては、非環式脂肪族イソシアネート化合物で、ジイソシアネート化合物とジオール化合物とを反応させて生成された化合物であり、ジイソシアネート化合物としては、脂肪族ジイソシアネートであり、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートからなる化合物群の中から選択された1種と、ジオール化合物としては、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオールモノヒドロキシピバレート、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールからなる化合物群の中から選択された1種からなり、3官能イソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート化合物のイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネート化合物のイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネート化合物のアダクト体、イソホロンジイソシアネート化合物のアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネート化合物のビュレット体、イソホロンジイソシアネート化合物のビュレット体、トリレンジイソシアネート化合物のイソシアヌレート体、キシリレンジイソシアネート化合物のイソシアヌレート体、水添キシリレンジイソシアネート化合物のイソシアヌレート体、トリレンジイソシアネート化合物のアダクト体、キシリレンジイソシアネート化合物のアダクト体、水添キシリレンジイソシアネート化合物のアダクト体、からなり、前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、0.1~10重量部の割合で含有することが好ましい。
前記粘着剤組成物が、前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、さらに、(I)HLB値が7~15であるポリエーテル変性シロキサン化合物を0.01~1.0重量部の割合で含有することが好ましい。
また、本発明は、樹脂フィルムの片面に、上記の粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層を積層させたことを特徴とする帯電防止表面保護フィルムを提供する。
また、本発明は、上記の帯電防止表面保護フィルムを、前記粘着剤層を介して、反射率2%以下に低反射表面処理が施された偏光板に貼合した後、剥離した時の汚染性が良好なことを特徴とする帯電防止表面保護フィルムを提供する。
また、本発明は、上記の帯電防止表面保護フィルムを、前記粘着剤層を介して、反射率2%以下に低反射表面処理が施された偏光板に貼合した後に、剥離した時の剥離帯電圧が±0.8kV以下であり、且つ、前記粘着剤表面の表面抵抗率が9.0×1011Ω/□以下であることを特徴とする帯電防止表面保護フィルムを提供する。
また、本発明は、上記の帯電防止表面保護フィルムを、前記粘着剤層を介して、反射率2%以下に低反射表面処理が施され、且つ、防眩処理が施された偏光板に貼合した後に、剥離した時の剥離帯電圧が±0.8kV以下であり、且つ、前記粘着剤表面の表面抵抗率が9.0×1011Ω/□以下であることを特徴とする帯電防止表面保護フィルムを提供する。
また、本発明は、樹脂フィルムの片面または両面に、上記の粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を形成してなることを特徴とする粘着フィルムを提供する。
また、本発明は、上記の帯電防止表面保護フィルムからなり、偏光板用保護フィルムの用途として使用する帯電防止表面保護フィルムを提供する。
また、本発明は、前記樹脂フィルムの片面の、前記粘着剤層が形成された側とは反対面に、帯電防止処理および防汚処理がされている帯電防止表面保護フィルムを提供する。
本発明によれば、被着体が、低反射表面処理が施された偏光板であっても、被着体に対する汚染が少なく、且つ、経時劣化しないで優れた剥離帯電防止性能を有する粘着剤組成物、及び帯電防止表面保護フィルムを提供することができる。
以下、好適な実施形態に基づいて、本発明を説明する。
本発明の粘着剤組成物は、アクリル系ポリマーと、帯電防止剤と、架橋剤とを含有する粘着剤組成物であって、前記アクリル系ポリマーが、前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、(A)アルキル基の炭素数がC1~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの合計を50~99.8重量部と、共重合可能なモノマー群として、(B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上を0.1~14重量部と、(C)カルボキシル基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上を0.01~1.0重量部と、(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上を0超過35重量部以下とを、水酸基を含有しない窒素含有ビニルモノマー、及びアルコキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートモノマーを含有させないで共重合させた共重合体であり、前記(A)アルキル基の炭素数がC1~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、(a1)アルキル基の炭素数がC1~C4の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上と、(a2)アルキル基の炭素数がC5~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上とからなり、前記(a1)と前記(a2)の含有割合(a2/a1)が、質量比で1超過50以下であり、前記帯電防止剤が、(H)融点が25~50℃の温度25℃で固体であるイオン性化合物であり、前記架橋剤が、(E)2官能以上のイソシアネート化合物であり、前記粘着剤組成物が、さらに、(F)架橋促進剤と、(G)ケトエノール互変異性体化合物とを含有してなることを特徴とする粘着剤組成物である。
(A)アルキル基の炭素数がC1~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーのうち、(a1)アルキル基の炭素数がC1~C4の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種としては、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、(a2)アルキル基の炭素数がC5~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、イソセチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
(A)アルキル基の炭素数がC1~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの合計100重量部に対して、(a1)アルキル基の炭素数がC1~C4の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種を1~50重量部と、(a2)アルキル基の炭素数がC5~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種を50~99重量部と、の割合で含有していることが好ましく、前記(a1)の少なくとも1種を3~45重量部と、前記(a2)の少なくとも1種を55~97重量部と、の割合で含有していることがより好ましく、前記(a1)の少なくとも1種を5~45重量部と、前記(a2)の少なくとも1種を55~95重量部と、の割合で含有していることが特に好ましく、前記(a1)の少なくとも1種を8~40重量部と、前記(a2)の少なくとも1種を60~92重量部と、の割合で含有していることが最も好ましい。
すなわち、前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、
(1)(A)アルキル基の炭素数がC1~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、50~99.8重量部の割合で含まれ、且つ、前記(a1)アルキル基の炭素数がC1~C4の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上と、前記(a2)アルキル基の炭素数がC5~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上との含有割合(a2/a1)が、質量比で1超過50以下であることが好ましい。
(2)(A)アルキル基の炭素数がC1~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、62~99.5重量部の割合で含まれ、且つ、前記(a1)アルキル基の炭素数がC1~C4の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上と、前記(a2)アルキル基の炭素数がC5~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上との含有割合(a2/a1)が、質量比で1.2~33であることがより好ましい。
(3)(A)アルキル基の炭素数がC1~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、66~96.0重量部の割合で含まれ、且つ、前記(a1)アルキル基の炭素数がC1~C4の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上と、前記(a2)アルキル基の炭素数がC5~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上との含有割合(a2/a1)が、質量比で1.5~19であることが特に好ましい。
(4)(A)アルキル基の炭素数がC1~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、70~93.0重量部の割合で含まれ、且つ、前記(a1)アルキル基の炭素数がC1~C4の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上と、前記(a2)アルキル基の炭素数がC5~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上との含有割合(a2/a1)が、質量比で1.5超過11.5以下であることが最も好ましい。
(B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーとしては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類や、水酸基含有(メタ)アクリルアミド類などが挙げられる。これらの具体例としては、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドからなる化合物群の中から選択された、少なくとも1種以上であることが好ましい。これらの(B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーは、後述する(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーとは異なり、ポリアルキレングリコール鎖を有しない。
前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、(B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上の合計を0.1~14重量部の割合で含有することが好ましく、0.5~12重量部の割合がより好ましく、2.0~10.0重量部の割合が特に好ましく、2.5~10.0重量部の割合が最も好ましい。
(C)カルボキシル基を含有する共重合可能なモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸、カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルテトラヒドロフタル酸からなる化合物群の中から選択された、少なくとも1種以上であることが好ましい。
前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、(C)カルボキシル基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上の合計を0.01~1.0重量部の割合で含有することが好ましく、0.02~1.0重量部の割合がより好ましく、0.03~0.8重量部の割合が特に好ましく、0.05~0.8重量部の割合が最も好ましい。
(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、ポリアルキレングリコールの有する複数の水酸基のうち、一つの水酸基が(メタ)アクリル酸エステルとしてエステル化された化合物であればよい。(メタ)アクリル酸エステル基が重合性基となるので、前記アクリル系ポリマーに共重合することができる。他の水酸基は、OHのままでもよく、メチルエーテルやエチルエーテル等のアルキルエーテルや、酢酸エステル等の飽和カルボン酸エステル等となっていてもよい。
ポリアルキレングリコールの有するアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられるが、これらに限定されない。ポリアルキレングリコールが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等の2種以上のポリアルキレングリコールの共重合体であってもよい。ポリアルキレングリコールの共重合体としては、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリブチレングリコール、ポリプロピレングリコール-ポリブチレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ポリブチレングリコール等が挙げられ、該共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体であってもよい。
(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、ポリアルキレングリコール鎖を構成するアルキレンオキサイドの平均繰り返し数が3~14であることが好ましい。「アルキレンオキサイドの平均繰り返し数」とは、(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーの分子構造に含まれる「ポリアルキレングリコール鎖」の部分において、アルキレンオキサイド単位が繰り返す平均の数である。
(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーにおいて、モノマー中のジエステル分が0.2%以下であることが好ましい。「モノマー中のジエステル分」とは、(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマー中に含まれるポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステルの含有率(重量%)である。
(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートの中から選択された、少なくとも1種以上であることが好ましい。
より具体的には、ポリエチレングリコール-モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール-モノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール-モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール-ポリブチレングリコール-モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール-ポリブチレングリコール-モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ポリブチレングリコール-モノ(メタ)アクリレート;メトキシポリエチレングリコール-(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール-(メタ)アクリレート、メトキシポリブチレングリコール-(メタ)アクリレート、メトキシ-ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-(メタ)アクリレート、メトキシ-ポリエチレングリコール-ポリブチレングリコール-(メタ)アクリレート、メトキシ-ポリプロピレングリコール-ポリブチレングリコール-(メタ)アクリレート、メトキシ-ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ポリブチレングリコール-(メタ)アクリレート;エトキシポリエチレングリコール-(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール-(メタ)アクリレート、エトキシポリブチレングリコール-(メタ)アクリレート、エトキシ-ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-(メタ)アクリレート、エトキシ-ポリエチレングリコール-ポリブチレングリコール-(メタ)アクリレート、エトキシ-ポリプロピレングリコール-ポリブチレングリコール-(メタ)アクリレート、エトキシ-ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ポリブチレングリコール-(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上の合計を、0超過35重量部以下の割合で含有することが好ましく、0超過25重量部以下の割合で含有することがより好ましく、2.0~23.0重量部の割合とすることが特に好ましく、4.0~20.0重量部の割合とすることが最も好ましい。
(E)2官能以上のイソシアネート化合物としては、1分子中に少なくとも2個以上のイソシアネート(NCO)基を有するポリイソシアネート化合物から選択される、少なくとも1種または2種以上であればよい。ポリイソシアネート化合物には、脂肪族系イソシアネート、芳香族系イソシアネート、非環式系イソシアネート、脂環式系イソシアネートなどの分類があるが、いずれでもよい。ポリイソシアネート化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)等の脂肪族系イソシアネート化合物や、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、ジメチルジフェニレンジイソシアネート(TOID)、トリレンジイソシアネート(TDI)等の芳香族系イソシアネート化合物が挙げられる。
3官能以上のイソシアネート化合物としては、2官能イソシアネート化合物(1分子中に2個のNCO基を有する化合物)のビュレット変性体やイソシアヌレート変性体、トリメチロールプロパン(TMP)やグリセリン等の3価以上のポリオール(1分子中に少なくとも3個以上のOH基を有する化合物)とのアダクト体(ポリオール変性体)などが挙げられる。
(E)2官能以上のイソシアネート化合物として、(E-1)3官能イソシアネート化合物のみ、または(E-2)2官能イソシアネート化合物のみを用いることも可能である。また、(E-1)3官能イソシアネート化合物と、(E-2)2官能イソシアネート化合物を併用することも可能である。
さらに、本発明に用いる(E-1)3官能イソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート化合物のイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネート化合物のイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネート化合物のアダクト体、イソホロンジイソシアネート化合物のアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネート化合物のビュレット体、イソホロンジイソシアネート化合物のビュレット体からなる、(E-1-1)第1の脂肪族系のイソシアネート化合物群の中から選択された、少なくとも1種以上と、トリレンジイソシアネート化合物のイソシアヌレート体、キシリレンジイソシアネート化合物のイソシアヌレート体、水添キシリレンジイソシアネート化合物のイソシアヌレート体、トリレンジイソシアネート化合物のアダクト体、キシリレンジイソシアネート化合物のアダクト体、水添キシリレンジイソシアネート化合物のアダクト体からなる、(E-1-2)第2の芳香族系のイソシアネート化合物群の中から選択された、少なくとも1種以上とを含むことが好ましい。(E-1-1)第1の脂肪族系のイソシアネート化合物群と、(E-1-2)第2の芳香族系のイソシアネート化合物群とを、併用することが好ましい。本発明では、(E-1)3官能イソシアネート化合物として、(E-1-1)第1の脂肪族系のイソシアネート化合物群の中から選択された、少なくとも1種以上と、(E-1-2)第2の芳香族系のイソシアネート化合物群の中から選択された、少なくとも1種以上とを、併用することにより、低速剥離領域および高速剥離領域の粘着力のバランスをさらに改善することができる。
また、(E-1)3官能イソシアネート化合物は、前記(E-1-1)第1の脂肪族系のイソシアネート化合物群の中から選択された、少なくとも1種以上と、前記(E-1-2)第2の芳香族系のイソシアネート化合物群の中から選択された、少なくとも1種以上とを含み、前記アクリル系ポリマー100重量部に対して、合計して0.5~5.0重量部含まれることが好ましい。また、(E-1-1)第1の脂肪族系のイソシアネート化合物群の中から選択された、少なくとも1種以上と、(E-1-2)第2の芳香族系のイソシアネート化合物群の中から選択された、少なくとも1種以上との混合比率は、(E-1-1):(E-1-2)が重量比で10%:90%~90%:10%の範囲内であることが好ましい。
さらに、本発明に用いる(E-2)2官能イソシアネート化合物としては、非環式脂肪族イソシアネート化合物で、ジイソシアネート化合物とジオール化合物とを反応させて生成された化合物であることが好ましい。
例えば、一般式「O=C=N-X-N=C=O」(ただし、Xは2価基)でジイソシアネート化合物を、一般式「HO-Y-OH」(ただし、Yは2価基)でジオール化合物を表すとき、ジイソシアネート化合物とジオール化合物とを反応させて生成された化合物としては、例えば、次の一般式Zで表される化合物が挙げられる。
〔一般式Z〕
O=C=N-X-(NH-CO-O-Y-O-CO-NH-X)-N=C=O
ここで、nは0以上の整数である。nが0の場合、一般式Zは、「O=C=N-X-N=C=O」を表す。2官能非環式脂肪族イソシアネート化合物として、一般式Zにおいてnが0の化合物(ジオール化合物に対して未反応のジイソシアネート化合物)を含んでもよいが、nが1以上の整数である化合物を必須成分として含むことが好ましい。2官能非環式脂肪族イソシアネート化合物は、一般式Zにおけるnが異なる、複数の化合物からなる混合物であってもよい。
一般式「O=C=N-X-N=C=O」で表されるジイソシアネート化合物は、脂肪族ジイソシアネートである。Xは、非環式で脂肪族の2価基であることが好ましい。前記脂肪族ジイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートからなる化合物群の中から選択された1種又は2種以上からなることが好ましい。
一般式「HO-Y-OH」で表されるジオール化合物は、脂肪族ジオールである。Yは、非環式で脂肪族の2価基であることが好ましい。前記ジオール化合物としては、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオールモノヒドロキシピバレート、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールからなる化合物群の中から選択された1種又は2種以上からなることが好ましい。
前記(E-1)3官能イソシアネート化合物と、(E-2)2官能イソシアネート化合物との重量比(E-1/E-2)が、1~90であることが好ましい。前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、前記(E)2官能以上のイソシアネート化合物の割合が、0.1~10重量部であることが好ましい。
(F)架橋促進剤は、ポリイソシアネート化合物を架橋剤とする場合に、前記アクリル系ポリマーと架橋剤との反応(架橋反応)に対して触媒として機能する物質であればよく、第三級アミン等のアミン系化合物、金属キレート化合物、有機錫化合物、有機鉛化合物、有機亜鉛化合物等の有機金属化合物等が挙げられる。本発明では、架橋促進剤として、金属キレート化合物や有機錫化合物が好ましい。
金属キレート化合物としては、中心金属原子Mに、1以上の多座配位子Lが結合した化合物である。金属キレート化合物は、金属原子Mに結合する1以上の単座配位子Xを有してもよく、有しなくてもよい。例えば、金属原子Mが1つである金属キレート化合物の一般式を、M(L)(X)で表すとき、m≧1、n≧0である。mが2以上の場合、m個のLは同一の配位子でもよく、異なる配位子でもよい。nが2以上の場合、n個のXは同一の配位子でもよく、異なる配位子でもよい。
金属原子Mとしては、Fe,Ni,Mn,Cr,V,Ti,Ru,Zn,Al,Zr,Sn等が挙げられる。
多座配位子Lとしては、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸オクチル、アセト酢酸オレイル、アセト酢酸ラウリル、アセト酢酸ステアリル等のβ-ケトエステルや、アセチルアセトン(別名2,4-ペンタンジオン)、2,4-ヘキサンジオン、ベンゾイルアセトン等のβ-ジケトンが挙げられる。これらは、ケトエノール互変異性体化合物であり、多座配位子Lにおいてはエノールが脱プロトンしたエノラート(例えばアセチルアセトネート)であってもよい。
単座配位子Xとしては、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、2-エチルヘキサノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基等のアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基などが挙げられる。
金属キレート化合物の具体例としては、トリス(2,4-ペンタンジオナト)鉄(III)、鉄トリスアセチルアセトネート、チタニウムトリスアセチルアセトネート、ルテニウムトリスアセチルアセトネート、亜鉛ビスアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、トリス(2,4-ヘキサンジオナト)鉄(III)、ビス(2,4-ヘキサンジオナト)亜鉛、トリス(2,4-ヘキサンジオナト)チタン、トリス(2,4-ヘキサンジオナト)アルミニウム、テトラキス(2,4-ヘキサンジオナト)ジルコニウム等が挙げられる。
有機錫化合物としては、ジアルキル錫オキシドや、ジアルキル錫の脂肪酸塩、第1錫の脂肪酸塩等が挙げられる。従来、ジブチル錫化合物が多く使用されてきたが、近年、有機錫化合物の毒性の問題が指摘され、特にジブチル錫化合物に含まれるトリブチル錫(TBT)は、内分泌攪乱物質としても懸念されている。安全性の観点から、ジオクチル錫化合物等の長鎖アルキル錫化合物が好ましい。具体的な有機錫化合物としては、ジオクチル錫オキシド、ジオクチル錫ジラウレート等が挙げられる。暫定的にはSn化合物も使用可能であるが、将来的には、より安全性の高い物質の使用が要求される趨勢に鑑み、Snに比べて安全性の高い、Al,Ti,Fe等の金属キレート化合物を用いることが好ましい。
本発明に係わる粘着剤組成物における(F)架橋促進剤としては、アルミニウムキレート化合物、チタンキレート化合物、鉄キレート化合物からなる群の中から選択された少なくとも1種以上であることが好ましい。
(F)架橋促進剤は、前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、0.001~0.5重量部含まれることが好ましい。
(G)ケトエノール互変異性体化合物としては、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸オクチル、アセト酢酸オレイル、アセト酢酸ラウリル、アセト酢酸ステアリル等のβ-ケトエステルや、アセチルアセトン、2,4-ヘキサンジオン、ベンゾイルアセトン等のβ-ジケトンが挙げられる。これらは、ポリイソシアネート化合物を架橋剤とする粘着剤組成物において、架橋剤の有するイソシアネート基をブロックすることにより、架橋剤の配合後における粘着剤組成物の過剰な粘度上昇やゲル化を抑制し、粘着剤組成物のポットライフを延長することができる。
(G)ケトエノール互変異性体化合物は、前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、0.1~300重量部含まれることが好ましい。
(G)ケトエノール互変異性体化合物は、(F)架橋促進剤とは反対に、架橋を抑制する効果を有することから、(F)架橋促進剤に対する(G)ケトエノール互変異性体化合物の割合を適切に設定することが好ましい。粘着剤組成物のポットライフを長くし、貯蔵安定性を向上させるには、(G)/(F)の重量部比率が、70~1000であることが好ましく、70~700であることがより好ましく、80~600であることが特に好ましい。
また、本発明に係わる粘着剤組成物は、帯電防止剤として、(H)融点が25~50℃の温度25℃で固体であるイオン性化合物を含有する。これらの帯電防止剤は、融点が低いため、また、長鎖のアルキル基を有するため、アクリル系ポリマーとの親和性は高いと推測される。
(H)融点が25~50℃の温度25℃で固体であるイオン性化合物としては、カチオンとアニオンを有するイオン性化合物であって、カチオンが、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピリミジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、アンモニウムカチオン等の含窒素オニウムカチオンや、ホスホニウムカチオン、スルホニウムカチオン等であり、アニオンが、六フッ化リン酸塩(PF )、チオシアン酸塩(SCN)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(RCSO )、過塩素酸塩(ClO )、四フッ化ホウ酸塩(BF )、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩(FSI)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩(TFSI)、トリフルオロメタンスルホン酸塩(TF)等の無機もしくは有機アニオンである化合物が挙げられる。常温(例えば25℃)で固体であることが好ましく、アルキル基の鎖長や置換基の位置、個数等の選択により、融点が25~50℃のものを得ることができる。カチオンは、好ましくは4級含窒素オニウムカチオンであり、1-アルキルピリジニウム(2~6位の炭素原子は置換基を有しても無置換でもよい。)等の4級ピリジニウムカチオン、1,3-ジアルキルイミダゾリウム(2,4,5位の炭素原子は置換基を有しても無置換でもよい。)等の4級イミダゾリウムカチオン、テトラアルキルアンモニウム等の4級アンモニウムカチオン等が挙げられる。
前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、(H)融点が25~50℃の温度25℃で固体であるイオン性化合物の少なくとも1種以上の合計を0.01~5.0重量部の割合で含有することが好ましい。
(H)融点が25~50℃の温度25℃で固体であるイオン性化合物の具体例としては、例えば、1-オクチルピリジニウム 六フッ化リン酸塩、1-ノニルピリジニウム 六フッ化リン酸塩、2-メチル-1-ドデシルピリジニウム 六フッ化リン酸塩、1-オクチルピリジニウム ドデシルベンゼンスルホン酸塩、1-ドデシルピリジニウム チオシアン酸塩、1-ドデシルピリジニウム ドデシルベンゼンスルホン酸塩、4-メチル-1-オクチルピリジニウム 六フッ化リン酸塩、等が挙げられる。
粘着剤組成物は、(I)HLB値が7~15であるポリエーテル変性シロキサン化合物を任意に含有することができる。ポリエーテル変性シロキサン化合物は、ポリエーテル基を有するシロキサン化合物であり、通常のシロキサン単位〔-SiR -O-〕の他に、ポリエーテル基を有するシロキサン単位〔-SiR(RO(RO))-O-〕を有する。ここで、Rは1種又は2種以上のアルキル基又はアリール基、R及びRは1種又は2種以上のアルキレン基、Rは1種又は2種以上のアルキル基やアシル基等(末端基)を示す。ポリエーテル基としては、ポリオキシエチレン基〔(CO)〕やポリオキシプロピレン基〔(CO)〕等のポリオキシアルキレン基が挙げられる。
ポリエーテル変性シロキサン化合物は、例えば、水素化ケイ素基を有するポリオルガノシロキサン主鎖に対し、不飽和結合及びポリオキシアルキレン基を有する有機化合物をヒドロシリル化反応によりグラフトさせることによって得ることができる。具体的には、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン重合体等が挙げられる。ポリエーテル変性シロキサン化合物のHLB値は、ポリエーテル基とシロキサン基との比率を選択することにより、調整することができる。
(I)HLB値が7~15であるポリエーテル変性シロキサン化合物を粘着剤組成物に配合することにより、粘着剤の粘着力及び汚染性を改善することができる。粘着剤組成物がポリエーテル変性シロキサン化合物を含有しない場合、より低コストとなる。
ポリエーテル変性シロキサン化合物は、HLB値が7~15であるポリエーテル変性シロキサン化合物であることが好ましい。HLBとは、例えばJIS K3211(界面活性剤用語)等に規定する親水親油バランス(親水性親油性比)である。
また、前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、(I)HLB値が7~15であるポリエーテル変性シロキサン化合物を0.01~1.0重量部の割合で含有することが好ましく、0.05~0.8重量部の割合がより好ましく、0.1~0.5重量部の割合が特に好ましい。
本発明の粘着剤組成物に用いられるアクリル系ポリマーは、(A)アルキル基の炭素数がC1~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーとして、(a1)アルキル基の炭素数がC1~C4の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上と、(a2)アルキル基の炭素数がC5~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上と、共重合可能なモノマー群として、(B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上と、(C)カルボキシル基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上と、(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上と、を共重合させることで合成することができる。アクリル系ポリマーの重合方法は特に限定されるものではなく、溶液重合、乳化重合等、適宜の重合方法が使用可能である。
主剤の共重合体の製造時には、粘着剤組成物への水分の混入を低減するため、無水の有機溶剤を用いた溶液重合など、無水条件で重合反応を行うことが好ましい。特に、(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、親水性が高いため、水分含有率の低いものを用いることが好ましい。
主剤の共重合体の製造に使用される各モノマーは、粘着剤組成物の粘度上昇を避けるためには、架橋剤として機能し得る、多官能性(二官能性以上)のモノマーの量を極力低減することが好ましい。特に、(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、対応するジエステル分が二官能性モノマーのジ(メタ)アクリル酸エステルであるため、ジエステル分の少ないものを用いることが好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、前記アクリル系ポリマーに、(E)2官能以上のイソシアネート化合物と、(F)架橋促進剤と、(G)ケトエノール互変異性体化合物と、(H)融点が25~50℃の温度25℃で固体であるイオン性化合物と、さらに適宜任意の添加剤を配合することで調製することができる。
本発明の粘着剤組成物は、前記アクリル系ポリマーが、水酸基を含有しない窒素含有ビニルモノマー、及びアルコキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートモノマーを含有させないで共重合させた共重合体である。
なお、前記水酸基を含有しない窒素含有ビニルモノマーとしては、例えば、N,N-ジアルキル置換アミノ基やN,N-ジアルキル置換アミド基を含有するアクリル系モノマー;N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニル-2-ピペリドンなどのN-ビニル置換ラクタム類;N-(メタ)アクリロイルモルホリンやN-(メタ)アクリロイルピロリジンなどのN-(メタ)アクリロイル置換環状アミン類;アクリロイル基含有アンモニウム塩などのアクリロイル基含有イオン性化合物などが挙げられる。
アクリロイル基含有イオン性化合物の具体例としては、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート 六フッ化リン酸メチル塩〔(CHCHOCOCQ=CH・PF 、ただし、Q=HまたはCH〕、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドメチル塩〔(CH(CHOCOCQ=CH・(CFSO、ただし、Q=HまたはCH〕、ジメチルアミノメチルメタクリレート ビス(フルオロスルホニル)イミドメチル塩〔(CHCHOCOCQ=CH・(FSO、ただし、Q=HまたはCH〕等が挙げられる。
また、前記アルコキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-プロポキシエチル(メタ)アクリレート、2-イソプロポキシエチル(メタ)アクリレート、2-ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、2-プロポキシプロピル(メタ)アクリレート、2-イソプロポキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-プロポキシプロピル(メタ)アクリレート、3-イソプロポキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、4-メトキシブチル(メタ)アクリレート、4-エトキシブチル(メタ)アクリレート、4-プロポキシブチル(メタ)アクリレート、4-イソプロポキシブチル(メタ)アクリレート、4-ブトキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらのアルコキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートモノマーは、アルキル(メタ)アクリレートにおけるアルキル基の原子がアルコキシ基で置換された構造を有する。アルコキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートモノマーは、ポリアルキレングリコール構造を有しないことから、アルコキシ基含有の(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、アルコキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートモノマーには該当しない。
本発明は、粘着剤組成物に含まれるアクリル系ポリマーが、水酸基を含有しない窒素含有ビニルモノマー、及びアルコキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートモノマーを含有しないでも、被着体に対する汚染が少なく、且つ、経時劣化しないで優れた剥離帯電防止性能を有する粘着剤組成物、及び帯電防止表面保護フィルムを提供するという課題を解決したことに特徴を有している。
任意の添加剤成分として、本発明に係わる粘着剤組成物には、界面活性剤、硬化促進剤、可塑剤、充填剤、硬化遅延剤、加工助剤、老化防止剤、酸化防止剤などの公知の添加剤を適宜に配合することが出来る。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
前記粘着剤組成物を架橋させてなる粘着剤層の、低速の剥離速度0.3m/minでの粘着力が0.05~0.1N/25mmであり、高速の剥離速度30m/minでの粘着力が1.0N/25mm以下であることが好ましい。これにより、粘着力が剥離速度によっても変化が少ない性能が得られ、高速剥離によっても、速やかに剥離することが可能になる。また、貼り直しのため、一旦、帯電防止表面保護フィルムを剥がすときにも、過大な力を必要とせず、被着体から剥がし易い。
本発明の粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層(架橋後の粘着剤)のゲル分率は、95~100%であることが好ましい。このようにゲル分率が高いことにより、低速の剥離速度において、粘着力が過大にならず、前記アクリル系ポリマーからの未重合モノマーあるいはオリゴマーの溶出が低減して、汚染性や高温・高湿度における耐久性が改善され、被着体の汚染を抑制することができる。
本発明の帯電防止表面保護フィルムは、粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を、樹脂フィルムの片面または両面に形成してなる。本発明の帯電防止表面保護フィルムは、上記の(A)~(H)の各成分がバランスよく配合された粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層が形成されてなるため、優れた帯電防止性能を備え、低速の剥離速度、及び高速の剥離速度において、粘着力のバランスが優れ、さらに、耐久性能、及び汚染性にも優れたものとなる。このため、偏光板の表面保護フィルムの用途として好適に使用することができることから、産業上の利用価値が高い。
被着体である偏光板としては、反射率2%以下に低反射表面処理が施された偏光板(LR偏光板)、反射率2%以下に低反射表面処理が施され、且つ、防眩処理が施された偏光板(AG-LR偏光板)が挙げられる。
前記粘着剤組成物を架橋させてなる粘着剤層の、表面抵抗率が9.0×1011Ω/□以下であることが好ましい。また、前記帯電防止表面保護フィルムを、前記粘着剤層を介して、前記偏光板に貼合した後に、剥離した時の剥離帯電圧が「±0.8kV以下」であることが好ましい。なお、本発明において、「±0.8kV以下」とは、0~-0.8kV及び0~+0.8kV、すなわち、-0.8~+0.8kVを意味する。表面抵抗率が大きいと、帯電防止表面保護フィルムを被着体から剥離する時に、帯電で発生した静電気を逃がす性能に劣る。このため、表面抵抗率を十分に小さくすることにより、粘着剤層を被着体が剥がす時に発生する静電気に伴って生じる剥離帯電圧が低減され、被着体の電気制御回路等に影響することを抑制することができる。
粘着剤層の基材フィルムや、粘着面を保護する剥離フィルム(セパレーター)としては、ポリエステルフィルムなどの樹脂フィルム等を用いることができる。
基材フィルムには、樹脂フィルムの粘着剤層が形成された側とは反対面に、シリコーン系、フッ素系の離型剤やコート剤、シリカ微粒子等による防汚処理、帯電防止剤の塗布や練り込み等による帯電防止処理を施すことができる。
剥離フィルムには、粘着剤層の粘着面と合わされる側の面に、シリコーン系、フッ素系の離型剤などにより離型処理が施される。
次に、実施例により、本発明をさらに説明する。
<粘着剤組成物の製造>
[実施例1]
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを導入して、反応装置内の空気を窒素ガスで置換した。その後、反応装置に、メチルアクリレート15重量部、2-エチルヘキシルアクリレート85重量部、8-ヒドロキシオクチルアクリレート10.0重量部、アクリル酸0.1重量部、ポリプロピレングリコールモノアクリレート(n=12)10重量部とともに溶剤(酢酸エチル)を60重量部加えた。その後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を2時間かけて滴下させ、65℃で6時間反応させ、重量平均分子量50万の、実施例1に用いるアクリル系ポリマー溶液を得た。このアクリル系ポリマー溶液に対して、アセチルアセトン9.0重量部を加え撹拌したのち、コロネートHX(ヘキサメチレンジイソシアネート化合物のイソシアヌレート体)を2.0重量部、チタニウムトリスアセチルアセトネート0.1重量部、1-ノニルピリジニウム 六フッ化リン酸塩1.0重量部、ポリエーテル変性シロキサン化合物(HLB=7)0.1重量部を加えて撹拌混合して実施例1の粘着剤組成物を得た。
[実施例2~6及び比較例1~3]
実施例1の粘着剤組成物の組成を各々、表1及び表2の記載のようにした以外は、実施例1と同様にして、実施例2~6及び比較例1~3の粘着剤組成物を得た。
Figure 0007090755000001
Figure 0007090755000002
表1及び表2は、いずれも(a1)群と(a2)群との合計を100重量部として求めた重量部の数値を括弧で囲んで示す。また、表1及び表2に用いた各成分の略記号の化合物名を、表3及び表4に示す。なお、コロネート(登録商標)HX、同HL及び同Lは東ソー株式会社の商品名であり、タケネート(登録商標)D-140N、D-127N、D-110Nは三井化学株式会社の商品名である。
表3の(D)群に関し、「n」の数値は、ポリアルキレングリコール鎖を構成するアルキレンオキサイドの平均繰り返し数である。実施例1~6に使用された(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマー(D-1~D-5)では、ポリアルキレングリコール鎖を構成するアルキレンオキサイドの平均繰り返し数が3~14であり、モノマー中のジエステル分が0.2%以下である。
Figure 0007090755000003
Figure 0007090755000004
<2官能イソシアネート化合物の合成>
合成例1,2の、2官能イソシアネート化合物は、下記の方法で合成した。表5及び表6に示すように、ジイソシアネートとジオール化合物を、モル比:NCO/OH=16の比率で混合し、120℃で3時間反応させ、その後、薄膜蒸発装置を使用して減圧下で未反応のジイソシアネートを除去し、目的の2官能イソシアネート化合物を得た。
Figure 0007090755000005
Figure 0007090755000006
<帯電防止表面保護フィルムの製造>
[実施例1]
上記のとおり製造した実施例1の粘着剤組成物を、シリコーン樹脂コートされたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる剥離フィルムの上に塗布後、90℃で乾燥することによって溶剤を除去し、粘着剤層の厚さが25μmである粘着シートを得た。その後、一方の面に帯電防止及び防汚処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの帯電防止及び防汚処理された面とは反対の面に粘着シートを転写させ、「帯電防止及び防汚処理されたPETフィルム/粘着剤層/剥離フィルム(シリコーン樹脂コートされたPETフィルム)」の積層構成を有する実施例1の帯電防止表面保護フィルムを得た。
[実施例2~6及び比較例1~3]
上記の実施例1の帯電防止表面保護フィルムと同様にして、実施例2~6及び比較例1~3の帯電防止表面保護フィルムを得た。
<試験方法及び評価>
実施例1~6及び比較例1~3における帯電防止表面保護フィルムを、23℃、50%RHの雰囲気下で7日間エージングした後、剥離フィルム(シリコーン樹脂コートされたPETフィルム)を剥がして、粘着剤層を表出させたものを、表面抵抗率の測定試料とした。
さらに、この粘着剤層を表出させた帯電防止表面保護フィルムを、粘着剤層を介して偏光板の表面に貼り合わせ、1日放置した後、50℃、5気圧、20分間オートクレーブ処理し、室温でさらに12時間放置したものを、粘着力、剥離帯電圧、及び汚染性の測定試料とした。被着体の偏光板は、LR偏光板又はAG-LR偏光板である。
<粘着力>
上記で得られた測定試料(25mm幅の帯電防止表面保護フィルムを、LR処理又はAG-LR処理を施した偏光板の表面に貼り合わせたもの)を、180°方向に引張試験機を用いて低速の剥離速度(0.3m/min)及び高速の剥離速度(30m/min)において剥がして、測定した剥離強度を粘着力(N/25mm)とした。
<表面抵抗率>
エージングした後、偏光板に貼り合わせる前に、剥離フィルム(シリコーン樹脂コートされたPETフィルム)を剥がして粘着剤層を表出し、抵抗率計ハイレスタUP-HT450(三菱化学アナリテック製)を用いて粘着剤層の表面抵抗率(Ω/□)を測定した。
<剥離帯電圧>
上記で得られた測定試料を、30m/minの引張速度で180°剥離した際に、LR処理又はAG-LR処理を施した偏光板が帯電して発生する電圧(帯電圧)を、高精度静電気センサSK-035、SK-200(株式会社キーエンス製)を用いて測定し、測定値の最大値を剥離帯電圧(kV)とした。
<汚染性>
ガラス板の片面上に、偏光板を、貼合機を用いて、両面粘着テープ等の粘着剤層を介して貼合した。その後、LR処理又はAG-LR処理を施した偏光板の表面に、帯電防止表面保護フィルムの粘着剤層を、貼合機を用いて貼合する。23℃、50%RHの環境下で3日間および30日間の期間に渡って保管した後に、帯電防止表面保護フィルムを剥がし、偏光板の表面の汚染状態を目視にて観察した。
表面汚染性は、偏光板の表面に対して3日間保管および30日間保管のいずれにおいて汚染なしの場合を「○」、3日間保管および30日間保管のいずれかにおいて、わずかに汚染ありの場合を「△」、汚染ありの場合を「×」と評価した。
表7に、評価結果を示す。なお、表面抵抗率は、「m×10+n」を「mE+n」とする方式(ただし、mは任意の実数値、nは正の整数)により表記した。
Figure 0007090755000007
実施例1~6の帯電防止表面保護フィルムは、LR処理又はAG-LR処理を施した偏光板の被着体に対して、低速の剥離速度0.3m/minでの粘着力が0.05~0.1N/25mmであり、高速の剥離速度30m/minでの粘着力が1.0N/25mm以下であり、表面抵抗率が9.0×10+11Ω/□以下であり、剥離帯電圧が±0~0.8kVであり、3日間保管および30日間保管における汚染性にも優れていた。
また、アクリル系ポリマーが、(a1)アルキル基の炭素数がC1~C4の(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含有していない比較例1の帯電防止表面保護フィルムは、剥離帯電圧が高く、汚染性がやや劣っていた。
また、アクリル系ポリマーが、(A)アルキル基の炭素数がC1~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの合計100重量部に対して、(a1)アルキル基の炭素数がC1~C4の(メタ)アクリル酸エステルモノマーを80重量部の割合で含有し、(a2)アルキル基の炭素数がC5~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの20重量部より多く含有した比較例2の帯電防止表面保護フィルムは、粘着力が過大であり、表面抵抗率が高く、剥離帯電圧が高く、且つ汚染性が劣っていた。
また、アクリル系ポリマーが(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含有していない比較例3の帯電防止表面保護フィルムは、表面抵抗率が高く、剥離帯電圧が高く、且つ汚染性が劣っていた。
このように、比較例1~3の帯電防止表面保護フィルムは、被着体に対する汚染の抑制と、優れた剥離帯電防止性能とを両立することができなかった。

Claims (5)

  1. アクリル系ポリマーと、帯電防止剤と、架橋剤とを含有する粘着剤組成物であって、
    前記アクリル系ポリマーが、前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、
    (A)アルキル基の炭素数がC1~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの合計を50~99.8重量部と、
    共重合可能なモノマー群として、
    (B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上を2.0~14重量部と、
    (C)カルボキシル基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上を0.01重量部以上300/1228重量部以下と、
    (D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上を0超過35重量部以下とを、
    水酸基を含有しない窒素含有ビニルモノマー、及びアルコキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートモノマーを含有させないで共重合させた共重合体であり、
    前記(A)アルキル基の炭素数がC1~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの合計100重量部に対して、(a1)アルキル基の炭素数がC1~C4の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上を5~45重量部と、(a2)アルキル基の炭素数がC5~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上を55~95重量部との割合で含有してなり、
    前記(D)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、ポリアルキレングリコール鎖を構成するアルキレンオキサイドの平均繰り返し数が3~14であり、モノマー中のジエステル分が0.2%以下であり、
    前記架橋剤が、(E)2官能以上のイソシアネート化合物であり、
    前記粘着剤組成物が、さらに、(F)架橋促進剤と、(G)ケトエノール互変異性体化合物とを含有してなり、
    前記帯電防止剤が、(H)融点が25~50℃の温度25℃で固体であるイオン性化合物であり、
    前記(H)イオン性化合物が、含窒素オニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、スルホニウムカチオンの中から選択された1種のカチオンと、六フッ化リン酸塩(PF )、チオシアン酸塩(SCN)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(RCSO )、過塩素酸塩(ClO )、四フッ化ホウ酸塩(BF )、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩(FSI)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド塩(TFSI)、トリフルオロメタンスルホン酸塩(TF)の中から選択された1種のアニオンとを有するイオン性化合物であることを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 前記(B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーが、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドからなる化合物群の中から選択された、少なくとも1種以上であり、
    前記(C)カルボキシル基を含有する共重合可能なモノマーが、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸、カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルテトラヒドロフタル酸からなる化合物群の中から選択された少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 樹脂フィルムの片面に、請求項1又は2に記載の粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層を積層させたことを特徴とする帯電防止表面保護フィルム。
  4. 樹脂フィルムの片面または両面に、請求項1又は2に記載の粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を形成してなることを特徴とする粘着フィルム。
  5. 請求項3に記載の帯電防止表面保護フィルムからなり、偏光板用保護フィルムの用途として使用する帯電防止表面保護フィルム。
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