JP7088318B2 - 制御装置 - Google Patents
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Description
実施形態に係る制御装置の適用例について、図1~図3に基づいて説明する。図1の上段(a)は、制御システムの概略構成図である。当該制御システムは、ネットワーク1と、サーボドライバ4と、標準PLC(Programmable Logic Controller)5とを備える。サーボドライバ4は、2つの制御軸(関節)に対応する2台のモータ2a、2bを有するロボットアーム6をサーボ制御するためのサーボ制御装置である。なお、図1に示す制御システムは、1台のサーボドライバ4で2台の制御軸(モータ)を駆動可能に構成されているが、そのような構成に代えて、1つの制御軸毎に1台のサーボドライバ4が配置され、各サーボドライバ4がネットワーク1で接続される構成を採用することもできる。そして、サーボドライバ4に対して、ロボットアーム6を駆動制御するための目標指令が標準PLC5から供給される。ロボットアーム6が対象装置に相当し、標準PLC5が制御装置に相当する。
式1中のMは、上記「適切な質量」としての、ロボットアーム6全体の質量である。
ただし、xref(k)は時刻kにおける目標状態量を、x(k)は時刻kにおける計算上の状態量を表し、uref(k)は時刻kにおける、定常状態での目標制御入力を、u(k)は時刻kにおける計算上の制御入力を表している。また、Q及びRは、それぞれステージコストにおける状態量の重みを表す係数(重み係数)、制御入力の重みを表す係数(重み係数)である。したがって、式3の右辺の第1項が、状態量に関するステージコストを意味し「状態量コスト」と称し、右辺の第2項が、制御入力に関するステージコストを意味し「制御入力コスト」と称する。
ただし、F、U(t)は、以下の式5で表される。
ただし、Hはハミルトニアン、λは共状態、μは拘束条件C=0のラグランジュ乗数である。
ただし、式6中の関数atan2は、atan2(y,x)で表すとき直交座標系における(x,y)の偏角を返す関数である。
本構成例に係る標準PLC5の制御構造について、図4に基づいて説明する。本構成例の標準PLC5では、上記適用例と同様にモデル予測制御部53によるモデル予測制御が行われるが、その際に積分器51の出力zが状態取得部52によって取得され、当該モデル予測制御に供される。具体的には、指令生成部50からの所定の指令xfと、フィードバック系によってフィードバックされた対象モデル制御部56の出力yとの偏差e(e=xf-y)が、積分器51に入力される。そして、その積分器51の出力zが、状態取得部52を経てモデル予測制御部53に入力される。したがって、状態取得部52により、ロボットアーム6に関する上記の状態変数に出力zが加えられ、モデル予測制御部53によるモデル予測制御に供される。
ただし、式7中のxf1、xf2は、作業座標系におけるx1軸、x2軸のそれぞれの目標位置を表している。
Ki=α(|f(x)|-f(x))
なお、αは、所定の係数である。
このように積分ゲインKiを関数で表すことで、上述した連続変形法によるモデル予測制御でのプログラム処理において、条件判断処理を行わずに積分ゲインKiの数値を調整する(例えば、Ki=0とする)ことが可能になり、上記式4及び式5に従ったモデル予測制御のためのプログラム生成が簡便となる。
また、所定の第1範囲は上に凸な関数f(x)で定義することもできる。このような場合には、積分ゲインKiは下記のように設定することができる。
Ki=α(|f(x)|+f(x))
なお、対象モデル制御部56の出力が3次元以上の多次元である場合も、上記の技術思想を適用することができる。
式8に従うことで、対象モデル制御部56の出力が目標位置(xf1,xf2)を中心とした所定半径rの円内にあるときに、すなわち偏差eが所定の第1範囲内にあるときに、積分ゲインKiが設定される一方で、対象モデル制御部56の出力が当該円の外にあるときに、すなわち偏差eが所定の第1範囲の外にあるときに、積分ゲインKiが零となる。この結果、モデル予測制御における積分処理が、限定された領域で行われることになり、いたずらに積分量が溜まることに起因するオーバーシュートの発生を好適に抑制できる。
なお、上記ODは、障害物の位置(xd1,xd2)とロボットアーム6の先端部3cの位置(x1,x2)との間の距離を表し、Jpは障害物による確率ポテンシャルを表し、Lはステージコストを表している。上記のステージコストLにおいて、右辺の第3項が障害物ステージコストに相当する。
式10に従うことで、x1軸の軸長をrp1としx2軸の軸長をrp2とする楕円形状のポテンシャル場が、ロボットアーム6又は障害物の上の(xc1、xc2)を中心として設定され、そのポテンシャル場の評価位置は、(x1、x2)とされ、ポテンシャル場が設定されていない障害物又はロボットアーム6、もしくは両者の近傍に設定される。このような設定により、ロボットアーム6と障害物が近接状態にあるときに限って、モデル予測制御において障害物ステージコストが発生することになり、制御上、障害物を回避するための斥力が不用意にロボットアーム6に作用するのを避けてロボットアーム6の追従性の低下を抑制できる。
本構成例に係る標準PLC5による、障害物を回避するための目標指令の供給形態について説明する。本構成例では、図5に示すように、ロボットアーム6と障害物のそれぞれに、式10に示す楕円形状のポテンシャル場を設定する。図5の上段(a)は、制御対象となるロボットアーム6と、それに対して障害物となり得る別のロボットアーム60とにそれぞれ設定されているポテンシャル場の状態を表し、下段(b)は、当該ポテンシャル場を拡大して示している。なお、別のロボットアーム60は、ロボットアーム6と実質的に同一に構成され、2つの関節部によって、第1アーム30aと第2アーム30bがX1軸、X2軸で画定される作業座標系に基づいて平面上を回転駆動される。
(1)第1ポテンシャル場P1の外郭線と第2ポテンシャル場P2の外郭線の交点p10とp20の近傍であって、重複領域内の点
(2)第1ポテンシャル場P1の外郭線と第2ポテンシャル場P2の外郭線の交点p10とp20の中間点
(3)(2)に示す中間点と第2アーム3bの中間点を結ぶ仮想線上の点であって、重複領域内の点
なお、本構成例では第1ポテンシャル場P1と第2ポテンシャル場P2の形状を楕円形状としているため、幾何学的に両者の重複判断を容易に行うことができる。更に、重複判断(交点p10、p20の算出なども含む)の計算において、何れかのポテンシャル場の中心が計算上の原点に位置するように、両ポテンシャル場を、平行移動、回転、スケール変換(後述の第5の構成例に開示の技術も参照)などの工夫を行えば、より容易に重複判断を行い得る。ただし、このことには両ポテンシャル場の形状を楕円形状に限定する意図は無く、両ポテンシャル場の形状に任意の形状を採用してもよく、また、制御対象と障害物の動きを考慮して両ポテンシャル場の形状を3次元形状で設定してもよい。
本構成例に係る標準PLC5による、障害物を回避するための目標指令の供給形態について説明する。上述までの開示で示したように、図5に示すように、標準PLC5では、対象モデル制御部56の出力yは、算出部57によって、ロボットアーム6の各制御軸に対応する回転座標系の目標指令に変換されて、供給部58により当該目標指令がサーボドライバ4に供給される。ここで、算出部57は、ロボットアーム6の装置構造の幾何学関係に基づいて上記の式6に従って目標指令の算出を行っているため、その算出の結果、目標指令としてのθ1、θ2として、虚数を含む所定の複素数解が得られる場合がある。このことは、ロボットアーム6の装置構造が律速となって、モデル予測制御部53の出力が入力されて得られる、対象モデル制御部56の出力を物理上実現できない状態にあることを意味する。そこで、このような場合には、暫定的に、下記の式12に示すように、上記複素数解の実部を目標指令として算出する。これにより、ロボットアーム6のサーボ制御が中断されることを回避できる。
ただし、式12中の関数realは、real(XY)で表すとき複素数解XYの実部を返す関数である。
本構成例に係る標準PLC5による、障害物を回避するための目標指令の供給形態について説明する。本構成例では、図4に示す検知部55について言及する。検知部55は、ロボットアーム6がデッドロック状態に置かれていることを検知する。デッドロック状態とは、ロボットアーム6が所定の指令xfに追従するためにサーボ制御が行われているにもかかわらず、その変位が停滞している状態を意味する。本構成例においては、ロボットアーム6は、障害物となり得る別のロボットアーム60に対してデッドロック状態となり得る。
(第1の検知形態)
上述の通り、モデル予測制御部53は、そのモデル予測制御において該モデル予測制御部53の出力である制御入力uを得るために、設定されている所定時間幅の予測区間において、式2に示す所定の評価関数に従って所定演算を繰り返し実行するように構成されている。所定演算とは、例えば、式5で示されるハミルトニアンHの偏微分が零に近づくような制御入力uを探索する演算である。この場合、仮にロボットアーム6がデッドロック状態に置かれると、この所定演算が繰り返されながらも、評価関数を満たした、好適に最適化された制御入力が導出されない状態となる。この点を考慮して、検知部55は、当該所定演算の回数が基準回数を超えたときに、ロボットアーム6が前記デッドロック状態に置かれていることを検知することができる。
別の形態として、ロボットアーム6と別のロボットアーム60とが上記の近接状態に置かれている場合、すなわち第1ポテンシャル場P1と第2ポテンシャル場P2が少なくともその一部で重複している場合において、算出部57により対象モデル制御部56の出力yから目標指令として虚数を含む所定の複素数解が得られたときには、検知部55は、ロボットアーム6がデッドロック状態に置かれていることを検知することができる。このように近接状態が形成されているときに算出部57により虚数を含む複素数解が得られることは、ロボットアーム6の装置構造の幾何学関係が律速となってロボットアーム6が所定の指令xfに十分に追従できていないことを意味することから、上記のようにデッドロック状態の検知が可能となる。
(第1の解消形態)
第1の解消形態について、図8に基づいて説明する。図8の上段(a)にはデッドロック状態に置かれているロボットアーム6と別のロボットアーム60が示されている。この状態において、ロボットアーム6においては、第2アーム3bに沿って楕円形状の第1ポテンシャル場P1が設定されており、その楕円の長軸の延在方向は第2アーム3bの延在方向に概ね合致する。同じように、別のロボットアーム60においては、第2アーム30bに沿って楕円形状の第2ポテンシャル場P2が設定されており、その楕円の長軸の延在方向は第2アーム30bの延在方向に概ね合致する。
第2の解消形態について、図9に基づいて説明する。図9の上段(a)にはデッドロック状態に置かれているロボットアーム6と別のロボットアーム60が示されており、図8(a)に示す状態と同じである。このような状態から、モデル予測制御部53は、図9の下段(b)に示すようにロボットアーム6の第2アーム3bに、第1ポテンシャル場P1に加えて新たなポテンシャル場P1’を追加設定する。具体的には、第1ポテンシャル場P1はそのままの状態を維持し、更にロボットアーム6のモータ2aが配置される第2関節を中心とした、下記の式13で示される円形状のポテンシャル場P1’が追加設定される。
この円形のポテンシャル場P1’によっても、第2アーム3bを含むロボットアーム6全体が囲まれた状態となっている。同様に、モデル予測制御部53は、別のロボットアーム60の第2アーム30bについても、第2ポテンシャル場P2に加えて新たな円形のポテンシャル場P2’を、その第2関節を中心に追加設定する。
上記の第2の構成例では、ロボットアーム6と障害物(別のロボットアーム6等)のそれぞれにポテンシャル場(第1ポテンシャル場P1、第2ポテンシャル場P2)を設定しその両者を本願の確率ポテンシャル場としたが、本構成例では、そのような態様に代えて、ロボットアーム6と障害物のそれぞれに対応する暫定のポテンシャル場に基づいて、1つの確率ポテンシャル場を生成し、その上で当該確率ポテンシャル場に関連する障害物ステージコストを反映させてモデル予測制御が行われる。以下に、本構成例における確率ポテンシャル場Jpの生成について、詳細に説明する。
更に、ロボットアーム6にとって障害物となり得る別のロボットアーム60に対応する暫定の第2ポテンシャル場Jp2は、その第2アーム30bを囲むように円形状を有する領域とされ、下記の式15で定義することができる。
図10に、式16に基づいて画定される確率ポテンシャル場Jpのイメージを示す。図10において一点鎖線で示されるJp1、Jp2は、それぞれ上記式14、式15に基づいて画定される暫定のポテンシャル場である。これらの暫定のポテンシャル場Jp1、Jp2は、モデル予測制御において実際に設定されるものではなく、実際に設定される確率ポテンシャル場Jpの生成について説明のために、図10において記載するものである。そして、本構成例では、制御対象と障害物の相関に基づいてモデル予測制御を用いて両者の衝突回避が図られるに当たって、各々に障害物ステージコストを算出するための確立ポテンシャル場を設定するのではなく、制御対象側にのみ確率ポテンシャル場Jpを設定して実質的に等価のモデル予測制御が行われる。このような形態では、制御対象側の確率ポテンシャル場と障害物側の確率ポテンシャル場との重複判断(上記第2の構成例等を参照)を行う代わりに、モデル予測制御において、制御対象側に設定された確率ポテンシャル場Jpに障害物の中心点が属することをもって、障害物ステージコストを発生させればよい(式16を参照)。そのため、モデル予測制御に関する演算負荷を効果的に軽減することができる。
上述までの構成例で採用されているステージコストL(式9を参照)について、上記の状態量コスト、制御入力コスト、障害物ステージコストに加えて、更に、制御入力の上限と下限のうち少なくとも一方の閾値に関連する飽和関連コストLuを含めてもよい。一例として、飽和関連コストLuを含むステージコストLは、下記の式17に示す関数として定義することができる。
上記式17では、飽和関連コストLuは、制御入力がその閾値である上限値umaxを超える値となったときにその超過分が大きくなるほど該飽和関連コストLuの値が大きくなり、且つ、該制御入力が上限値umax以下である場合には飽和関連コストLuの値が零になる関数として定義されている。このような飽和関連コストLuが予測制御におけるステージコストに反映されることで、制御入力がいたずらに大きく算出されてしまうことを抑制することができる。この結果、例えば、ロボットアーム6の障害物回避において、ロボットアーム6の回避軌跡を好適にコンパクトにすることができ、回避時のロボットアーム6の振動抑制にも貢献し得る。
所定の作業座標系において、サーボ制御の対象である対象装置(6)の出力を所定の指令に対して追従させる制御装置(5)であって、
前記対象装置(6)は、一又は複数の制御軸を有し、該一又は複数の制御軸のそれぞれには、該制御軸をサーボ制御するための独立した一般化座標系が設定され、
前記制御装置(5)は、
前記対象装置(6)を前記所定の作業座標系に基づいてモデル化した対象モデルを有し、該対象モデルを用いて該所定の作業座標系に従った出力をシミュレーションして出力する対象モデル制御部(56)と、
前記対象モデル制御部(56)が有する前記対象モデルに関する、前記所定の作業座標系に基づいた所定の状態変数の値を取得する状態取得部(52)と、
前記所定の状態変数と前記対象モデル制御部(56)への制御入力(u)の相関を、前記所定の作業座標系に基づいた所定の状態方程式の形式で画定した予測モデルを有し、前記所定の指令を入力として、所定時間幅の予測区間において所定の評価関数に従って該予測モデルに基づいた前記モデル予測制御を行い、少なくとも該予測区間の初期時刻での前記制御入力(u)の値を、前記所定の指令に対応する該対象モデル制御部への制御入力(u)として出力するモデル予測制御部と、
前記対象装置(6)における前記一又は複数の制御軸が関連する装置構造の幾何学関係に従って、前記モデル予測制御部の出力が前記対象モデルに入力されて得られる、前記所定の作業座標系に基づいた該対象モデル制御部(56)の出力から、前記一又は複数の制御軸のそれぞれに設定されている前記一般化座標系に基づいた、各制御軸への目標指令を算出する算出部(57)と、
前記一又は複数の制御軸への前記目標指令を、前記対象装置側へ供給する供給部(58)と、
を備える、制御装置(5)。
2a、2b・・・・モータ
3a・・・・第1アーム
3b・・・・第2アーム
3c・・・・先端部
5・・・・標準PLC
6・・・・ロボットアーム
50・・・・指令生成部
51・・・・積分器
52・・・・状態取得部
53・・・・モデル予測制御部
54・・・・取得部
55・・・・検知部
56・・・・対象モデル制御部
57・・・・算出部
58・・・・供給部
60・・・・別のロボットアーム(障害物)
Claims (18)
- 所定の作業座標系において、サーボ制御の対象である対象装置の出力を所定の指令に対して追従させる制御装置であって、
前記対象装置は、一又は複数の制御軸を有し、該一又は複数の制御軸のそれぞれには、該制御軸をサーボ制御するための独立した一般化座標系が設定され、
前記制御装置は、
前記対象装置を前記所定の作業座標系に基づいてモデル化した対象モデルを有し、該対象モデルを用いて該所定の作業座標系に従った出力をシミュレーションして出力する対象モデル制御部と、
前記対象モデル制御部が有する前記対象モデルに関する、前記所定の作業座標系に基づいた所定の状態変数の値を取得する状態取得部と、
前記所定の状態変数と前記対象モデル制御部への制御入力の相関を、前記所定の作業座標系に基づいた所定の状態方程式の形式で画定した予測モデルを有し、前記所定の指令を入力として、所定時間幅の予測区間において所定の評価関数に従って該予測モデルに基づいたモデル予測制御を行い、少なくとも該予測区間の初期時刻での前記制御入力の値を、前記所定の指令に対応する該対象モデル制御部への制御入力として出力するモデル予測制御部と、
前記対象装置における前記一又は複数の制御軸が関連する装置構造の幾何学関係に従って、前記モデル予測制御部の出力が前記対象モデルに入力されて得られる、前記所定の作業座標系に基づいた該対象モデル制御部の出力から、前記一又は複数の制御軸のそれぞれに設定されている前記一般化座標系に基づいた、各制御軸への目標指令を算出する算出部と、
前記一又は複数の制御軸への前記目標指令を、前記対象装置側へ供給する供給部と、
を備える、制御装置。 - 前記予測モデル及び前記対象モデルは、それぞれ前記所定の作業座標系の座標軸に対応する単慣性モデルとして設定される、
請求項1に記載の制御装置。 - 前記算出部は、前記装置構造の幾何学関係に従って前記対象モデル制御部の出力から前記目標指令として虚数を含む所定の複素数解が得られたとき、該所定の複素数解の実部を該目標指令として算出する、
請求項1又は請求項2に記載の制御装置。 - 前記一又は複数の制御軸のそれぞれは、回転駆動又は直線駆動されるアクチュエータで構成され、
前記一般化座標系は、前記一又は複数の制御軸のそれぞれの回転角度に対応する回転座標系又は直線移動量に対応する直線座標系である、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の制御装置。 - 前記所定の指令と、前記対象モデル制御部の出力との偏差が入力される積分器を更に備え、
前記モデル予測制御部は、前記偏差が入力された前記積分器の出力を入力として前記モデル予測制御を行い、
前記予測モデルは、前記対象モデル制御部の出力と前記所定の指令との偏差と、所定の積分ゲインとの積で表される所定の積分項を含む、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の制御装置。 - 前記所定の積分ゲインは、前記偏差の値が零を含む所定の第1範囲内に属するときは該偏差が小さくなるに従い大きくなるように調整され、該偏差の値が該所定の第1範囲に属さないときは零とされる、
請求項5に記載の制御装置。 - 前記対象モデル制御部の出力は、多次元の出力であり、
前記所定の第1範囲は、下に凸な関数f(x)で定義され、
前記所定の積分ゲインは、|f(x)|-f(x)の関数で表される、
請求項5に記載の制御装置。 - 前記対象モデル制御部の出力は、多次元の出力であり、
前記所定の第1範囲は、上に凸な関数f(x)で定義され、
前記所定の積分ゲインは、|f(x)|+f(x)の関数で表される、
請求項5に記載の制御装置。 - 前記対象装置に対する障害物の位置を取得する取得部を、更に備え、
前記所定の評価関数により算出されるステージコストに、前記所定の状態変数に関するステージコストである状態量コストと、前記制御入力に関連するステージコストである制御入力コストと、前記対象装置の周りに前記障害物が存在し得る確率を表し且つ所定の評価位置に基づいて算出される確率ポテンシャル場に関連する障害物ステージコストとが含まれ、
前記モデル予測制御部は、前記対象装置と前記障害物とが、いずれか一方を中心とした所定の近接領域内に他方が属している近接状態に置かれている場合には前記障害物ステージコストを発生させて前記モデル予測制御を行い、該近接状態に置かれていない場合には該障害物ステージコストを発生させずに該モデル予測制御を行う、
請求項1から請求項8の何れか1項に記載の制御装置。 - 前記対象モデル制御部の出力は、多次元の出力であり、
下に凸な関数をg(x)と定義したときに、前記対象装置と前記障害物のうち一方に、|g(x)|-g(x)の関数で表される前記確率ポテンシャル場が設定され、
前記対象装置と前記障害物のうち他方に、又は、該対象装置及び該障害物の近傍に、前
記所定の評価位置が設定される、
請求項9に記載の制御装置。 - 前記対象モデル制御部の出力は、多次元の出力であり、
上に凸な関数をg(x)と定義したときに、前記対象装置と前記障害物のうち一方に、|g(x)|+g(x)の関数で表される前記確率ポテンシャル場が設定され、
前記対象装置と前記障害物のうち他方に、又は、該対象装置及び該障害物の近傍に、前記所定の評価位置が設定される、
請求項9に記載の制御装置。 - 前記対象装置に、該対象装置の周りに前記障害物が存在し得る確率を表した第1ポテンシャル場が、該対象装置の出力部位を含む所定部位の形状に応じた形状となり且つ該所定部位を囲むように設定され、
前記障害物に、該障害物の周りに前記対象装置が存在し得る確率を表した第2ポテンシャル場が、該障害物の形状に応じた形状となり且つ該障害物の少なくとも一部を囲むように設定され、
前記モデル予測制御部は、
前記第1ポテンシャル場と前記第2ポテンシャル場が少なくとも一部分において重複したときには、前記対象装置と前記障害物とが前記近接状態に置かれているとして、該第1ポテンシャル場と該第2ポテンシャル場の重複領域に属する少なくとも1つの前記所定の評価位置に基づいて算出される該第1ポテンシャル場及び該第2ポテンシャル場を前記確率ポテンシャル場として、前記障害物ステージコストを発生させて前記モデル予測制御を行い、
前記第1ポテンシャル場と前記第2ポテンシャル場が全く重複していないときは、該対象装置と該障害物とが該近接状態に置かれていないとして該障害物ステージコストを発生させずに前記モデル予測制御を行う、
請求項9に記載の制御装置。 - 前記対象装置が、前記所定の指令への追従に関する前記サーボ制御において該対象装置の変位が停滞するデッドロック状態に置かれていることを検知する検知部を、更に備え、
前記検知部により前記デッドロック状態が検知されると、前記第1ポテンシャル場と前
記第2ポテンシャル場の少なくとも何れか一方の形状が変化され、
前記モデル予測制御部は、変形後の前記第1ポテンシャル場と前記第2ポテンシャル場との重複関係に基づいて前記モデル予測制御を行う、
請求項12に記載の制御装置。 - 前記対象装置が、前記所定の指令への追従に関する前記サーボ制御において該対象装置の変位が停滞するデッドロック状態に置かれていることを検知する検知部を、更に備え、
前記検知部により前記デッドロック状態が検知されると、前記対象装置と前記障害物の少なくとも何れか一方に、該第1ポテンシャル場及び該第2ポテンシャル場とは異なる新しい一又は複数のポテンシャル場が追加され、
前記モデル予測制御部は、前記新しい一又は複数のポテンシャル場の一部又は全部が追加された、前記対象装置側のポテンシャル場である新しい第1ポテンシャル場と、該新しい一又は複数のポテンシャル場の他部が追加された、前記障害物側の新しい第2ポテンシャル場との重複関係に基づいて前記モデル予測制御を行う、
請求項12に記載の制御装置。 - 前記モデル予測制御部は、前記モデル予測制御において該モデル予測制御部の出力を得るために前記所定の評価関数に従って所定演算を繰り返し実行するように構成され、
前記検知部は、前記モデル予測制御において前記モデル予測制御部の一の出力を得るた
めに繰り返された前記所定演算の回数が基準回数を超えたときに、前記対象装置が前記デッドロック状態に置かれていることを検知する、
請求項13又は請求項14に記載の制御装置。 - 前記対象装置と前記障害物とが前記近接状態に置かれている場合において、前記算出部により前記装置構造の幾何学関係に従って前記対象モデル制御部の出力から前記目標指令として虚数を含む所定の複素数解が得られたとき、前記検知部は、前記対象装置が前記デッドロック状態に置かれていることを検知する、
請求項13又は請求項14に記載の制御装置。 - 前記確率ポテンシャル場は、前記対象装置の周りに前記障害物が存在し得る確率を表した第1ポテンシャル場であって、該対象装置の出力部位を含む所定部位の形状に応じた形状となり且つ該所定部位を囲むように形成される該第1ポテンシャル場の外周に対して、前記障害物の周りに該対象装置が存在し得る確率を表した第2ポテンシャル場であって、該障害物の形状に応じた形状となり且つ該障害物の少なくとも一部を囲むように形成される該第2ポテンシャル場を仮にスライドさせたときに該第2ポテンシャル場の中心点の軌跡によって画定され、
前記第2ポテンシャル場の中心位置は、前記所定の評価位置として設定され、
前記モデル予測制御部は、
前記第2ポテンシャル場の中心位置が前記確率ポテンシャル場の領域内にあるときに、前記対象装置と前記障害物とが前記近接状態に置かれているとして、前記確率ポテンシャル場に関連する前記障害物ステージコストを発生させて前記モデル予測制御を行い、
前記第2ポテンシャル場の中心位置が前記確率ポテンシャル場の領域外にあるときに、該対象装置と該障害物とが該近接状態に置かれていないとして該障害物ステージコストを発生させずに前記モデル予測制御を行う、
請求項9に記載の制御装置。 - 前記所定の評価関数により算出される前記ステージコストに、更に、前記制御入力の上限と下限のうち少なくとも一方の閾値に関連する飽和関連コストが含まれ、
前記飽和関連コストは、前記制御入力が前記閾値を超える値となったときにその超過分が大きくなるほど該飽和関連コストの値が大きくなり、且つ、該制御入力が該閾値以下である場合には該飽和関連コストの値が零になる関数として定義される、
請求項9から請求項17の何れか1項に記載の制御装置。
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