JP7086948B2 - ピリミド-ジアゼピノンキナーゼ骨格化合物およびdclk1/2媒介性障害の治療方法 - Google Patents

ピリミド-ジアゼピノンキナーゼ骨格化合物およびdclk1/2媒介性障害の治療方法 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、2016年10月18日に出願された米国特許仮出願第62/409,457号の35 U.S.C.§119(e)に基づく優先権の利益を主張するものであり、この仮出願は引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、プロテインキナーゼ、例えばダブルコルチン様キナーゼ1(DCLK1)およびダブルコルチン様キナーゼ(DCLK2)(これらは、セリン/トレオニン-プロテインキナーゼファミリーおよびCa2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ群の構成員である)をモジュレートし得るピリミド-ジアゼピノン化合物ならびに種々の疾患、障害または病的状態の治療におけるかかる化合物の使用に関する。
プロテインキナーゼは、多種多様な細胞過程の調節および細胞機能に対する制御の維持において中心的役割を果たしている大型のタンパク質ファミリーである。プロテインキナーゼは、細胞内のさまざまなシグナル伝達過程の制御を担う構造的に関連している酵素の大型ファミリーを構成している(Hardie,G and Hanks,S.The Protein Kinase Facts Book,IおよびII,Academic Press,San Diego,CA:1995参照)。プロテインキナーゼは、その構造および触媒機能の保存のため共通の祖先遺伝子から進化してきたと考えられている。ほぼすべてのキナーゼに、類似した250~300個のアミノ酸の触媒ドメインが含まれている。該キナーゼは、リン酸化する対象の基質によってファミリーにカテゴリー分類され得る(例えば、プロテイン-チロシン、プロテイン-セリン/トレオニン、脂質など)。
一般に、プロテインキナーゼは、ヌクレオシド三リン酸からシグナル伝達経路に関与している受容体タンパク質へのホスホリル転移を触媒することによって細胞内シグナル伝達を媒介する。このようなリン酸化事象は、標的タンパク質の生物学的機能をモジュレートまたは調節し得る分子レベルでのオン/オフスイッチとしての機能を果たす。このようなリン酸化事象は最終的に、さまざまな細胞外刺激および他の刺激に応答して引き起こされる。かかる刺激の例としては、環境的および化学的ストレスシグナル(例えば、ショック、ヒートショック、紫外線、細菌の内毒素およびH2O2)、サイトカイン(例えば、インターロイキン-1(IL-I)および腫瘍壊死因子α(TNF-a)、ならびに増殖因子(例えば、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)および線維芽細胞増殖因子(FGF))が挙げられる。細胞外刺激は、細胞の増殖、遊走、分化、ホルモンの分泌、転写因子の活性化、筋肉の収縮、糖の代謝、タンパク質合成の制御、生存および細胞周期の調節に関連している1つ以上の細胞応答に影響を及ぼすものであり得る。
本明細書において、プロテインキナーゼDCLK1/2の1種類以上のアイソフォームの活性を阻害するものであり、したがって、キナーゼ関連疾患の治療に有用であることが期待される化合物を説明する。
一態様において、本発明により、キナーゼ、例えばダブルコルチン様キナーゼ1(DCLK1)および/またはダブルコルチン様キナーゼ2(DCLK2)によって媒介される疾患の治療方法を提供する。前記方法は、キナーゼインヒビター化合物、例えば、式A:
Figure 0007086948000001
の化合物;またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含み、
式中、
Xは、CHR、CR、NH、NRまたはNであり;
Yは、NR、N、S、SO、SO、O、CHRまたはCRであり;ここで、XとYのうち少なくとも一方はNH、NR、NR、N、S、SO、SOまたはOであり;
Aは、単結合または二重結合であり;
Bは、単結合または二重結合であり、ここで、AとBの両方が二重結合であることはなく;
R’は、Hまたはアルキルであり;
Lは、非存在、S、SO、SOまたはCOであり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり;ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよく;
あるいはRとXが、これらが結合している原子と一緒に3~8員の炭素環式部、アリール、複素環式部またはヘテロアリールを形成しており;これらの各々は任意選択的に置換されているか;
あるいはXとYが、これらが結合している原子と一緒に3~8員の炭素環式部、アリール、複素環式部またはヘテロアリールを形成しており;これらの各々は任意選択的に置換されており;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである。
一態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1)および/またはDCLK2によって媒介される対象の疾患を治療する方法は、式F-1:
Figure 0007086948000002
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含み、
式中、
は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素、任意選択的に置換されているアルキル、任意選択的に置換されているアラルキルまたは任意選択的に置換されている炭素環式部であり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
各Rは独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部、炭素環式部、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)、N(アルキル)(アルキル)もしくはN(アルキル)(アリール)(これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい);ハロ、ニトロまたはシアノであり;
pは0~4である。
一部の実施形態では、Rが、メチルである。
一部の実施形態では、Rが、非置換のアルキルである。
一部の実施形態では、Rが、メチル、エチル、プロピルまたはイソ-プロピルであり、これらの各々が1種類以上のハロゲンと任意選択的に置換されていてもよい。
一部の実施形態では、Rが、-CH-CHF、-CH-CHFまたは-CH-CFである。
一部の実施形態では、該化合物が、式F-1-a:
Figure 0007086948000003
の化合物;またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグである。
諸実施形態では、Rがメチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジノ、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミアゾリルまたはトリアゾリルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
諸実施形態では、Rがフェニルまたはピリジルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
一部の実施形態では、Rが、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環式および炭素環式部(これらの各々は、さらに置換されていてもよい)から選択される0~4個の置換基で置換されており;ここで、各Rは、アルキル、アルケニル、炭素環式部、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式部から独立して選択されるか、または同じ原子上の2つのRが一体となって複素環式を形成しており、各々、さらに置換されていてもよい。
一部の実施形態では、Rが、アルコキシ、COMe、
Figure 0007086948000004
Figure 0007086948000005
から選択される0~4個の置換基で置換されている。
諸実施形態では、Rがフェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニルまたはビシクロ[1.1.1]ペント-1-イルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
諸実施形態では、Rが、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環式、炭素環式部、SO(R)、SO(R)、SON(R)(R)、SONH(R)、SONH、PO(OR)(OR)またはPO(OR)(R)(これらの各々は、さらに置換されていてもよい)から選択される0~4個の置換基で置換されており;
ここで、各Rは、アルキル、アルケニル、炭素環式部、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式部から独立して選択されるか、または同じ原子上の2つのRが一体となって複素環式を形成しており、各々、さらに置換されていてもよい。
一部の実施形態では、Rが、
Figure 0007086948000006
からなる群より選択される。
諸実施形態では、該化合物は、DCLK1および/またはDCLK2を阻害する。
諸実施形態では、該疾患が、がんまたは増殖性疾患である。
一部の実施形態では、該疾患が肺、結腸、乳房、前立腺、肝臓、膵臓、脳、腎臓、卵巣、胃、皮膚および骨のがん、胃癌、乳癌、膵癌、神経膠腫および肝細胞癌、乳頭状腎細胞癌、頭頸部の扁平上皮癌、白血病、リンパ腫、骨髄腫、充実性腫瘍または血液由来のがん(例えば、慢性リンパ性白血病(CLL)、濾胞性リンパ腫(FL)もしくは低悪性度非ホジキンリンパ腫(iNHL)である。
一部の実施形態では、該疾患が、バレット食道、食道癌、唾液腺悪性腫瘍、結腸癌および結腸直腸癌、腸癌、胃癌、膵癌、皮膚癌および神経芽細胞腫である。
諸実施形態では、該疾患が、肝疾患である。
一部の実施形態では、該疾患が脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、肝硬変、肝炎に起因する脂肪性肝疾患、肥満に起因する脂肪性肝疾患、糖尿病に起因する脂肪性肝疾患、インスリン抵抗性に起因する脂肪性肝疾患、高トリグリセリド血症に起因する脂肪性肝疾患、無βリポタンパク血症、糖原病、ウォルマン病または急性妊娠脂肪肝である。
諸実施形態では、該疾患が、神経変性疾患である。
一部の実施形態では、該疾患がアルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、ハンチントン(HD)病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄性筋萎縮症(SMA)、統合失調症、注意欠陥多動性障害(ADHD)、胎児性アルコール症候群および糖尿病性認知症である。
諸実施形態では、対象に、さらなる治療用薬剤が投与される。
諸実施形態では、前記さらなる治療用薬剤が同時投与または逐次投与される。
諸実施形態では、前記さらなる治療用薬剤が化学療法剤である。
一態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)依存性細胞増殖を低減させるための方法は、細胞を、式F-1:
Figure 0007086948000007
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグと接触させることを含み、
式中、
は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素、任意選択的に置換されているアルキル、任意選択的に置換されているアラルキルまたは任意選択的に置換されている炭素環式部であり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
各Rは独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部、炭素環式部、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)、N(アルキル)(アルキル)もしくはN(アルキル)(アリール)(これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい);ハロ、ニトロまたはシアノであり;
pは0~4である。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)の阻害を、かかる治療を必要とすると認定された対象において行なう方法は、式F-1:
Figure 0007086948000008
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含み、
式中、
は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素、任意選択的に置換されているアルキル、任意選択的に置換されているアラルキルまたは任意選択的に置換されている炭素環式部であり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
各Rは独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部、炭素環式部、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)、N(アルキル)(アルキル)もしくはN(アルキル)(アリール)(これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい);ハロ、ニトロまたはシアノであり;
pは0~4である。
諸実施形態では、対象がヒトである。
諸実施形態では、該化合物が、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)の阻害に対して約1μM濃度未満、約500nM濃度未満、約100nM濃度未満、約50nM濃度未満、約40nM濃度未満、約30nM濃度未満、約20nM濃度未満または約15nM濃度未満のKiを有する。
一部の実施形態では、Rが、メチルである。
一部の実施形態では、Rが、非置換のアルキルである。
一部の実施形態では、Rがメチル、エチル、プロピルまたはイソ-プロピルであり、これらの各々が、1種類以上のハロゲンで任意選択的に置換されていてもよい。
一部の実施形態では、Rが、-CH-CHF、-CH-CHFまたは-CH-CFである。
諸実施形態では、該化合物が式F-1-a:
Figure 0007086948000009
のものまたはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグである。
諸実施形態では、Rがメチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジノ、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミアゾリルまたはトリアゾリルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
諸実施形態では、Rがフェニルまたはピリジルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
一部の実施形態では、Rが、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環式部および炭素環式部(これらの各々は、さらに置換されていてもよい)から選択される0~4個の置換基で置換されており;
ここで、各Rは、アルキル、アルケニル、炭素環式部、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式部から独立して選択されるか、または同じ原子上の2つのRが一体となって複素環式を形成しており、各々、さらに置換されていてもよい。
一部の実施形態では、Rが、アルコキシ、COMe、
Figure 0007086948000010
Figure 0007086948000011
から選択される0~4個の置換基で置換されている。
諸実施形態では、Rがフェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニルまたはビシクロ[1.1.1]ペント-1-イルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
一部の実施形態では、Rが、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環式、炭素環式部、SO(R)、SO(R)、SON(R)(R)、SONH(R)、SONH、PO(OR)(OR)またはPO(OR)(R)(これらの各々は、さらに置換されていてもよい)から選択される0~4個の置換基で置換されており;
ここで、各Rは、アルキル、アルケニル、炭素環式部、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式部から独立して選択されるか、または同じ原子上の2つのRが一体となって複素環式を形成しており、各々、さらに置換されていてもよい。
一部の実施形態では、Rが、
Figure 0007086948000012
からなる群より選択される。
一態様において、キナーゼ、例えばダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)によって媒介される対象の疾患の治療方法は、該対象に式A-1:
Figure 0007086948000013
の化合物;またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含み、
式中、
Xは、CHR、CR、NH、NRまたはNであり;
Yは、NR、N、S、SO、SO、O、CHRまたはCRであり;ここで、XとYのうち少なくとも一方はNH、NR、NR、N、S、SO、SOまたはOであり;
Aは、単結合または二重結合であり;
Bは、単結合または二重結合であり、ここで、AとBの両方が二重結合であることはなく;
R’は、Hまたはアルキルであり;
Lは、非存在、S、SO、SOまたはCOであり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり;ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよく;
あるいはRとXが、これらが結合している原子と一緒に3~8員の炭素環式部、アリール、複素環式部またはヘテロアリールを形成しており;これらの各々は任意選択的に置換されているか;
あるいはXとYが、これらが結合している原子と一緒に3~8員の炭素環式部、アリール、複素環式部またはヘテロアリールを形成しており;これらの各々は任意選択的に置換されており;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)依存性細胞増殖を低減させるための方法であって、細胞を、式A-1の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグと接触させることを含む方法。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)の阻害を、かかる治療を必要とすると認定された対象において行なう方法であって、式A-1の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
諸実施形態では、該化合物が、式B-1:
Figure 0007086948000014
による構造を有する;またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグであり、
式中、
は、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素またはメチルであり;
は、水素またはメチルであり;
は水素である。
諸実施形態では、該化合物が、式C-1:
Figure 0007086948000015
による構造を有する;またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグであり、
式中、
は、アリール、ヘテロアリールであり、これは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素またはメチルであり;
は水素であり;
は水素であり;
は水素である。
諸実施形態では、該化合物が、式D-1:
Figure 0007086948000016
による構造を有する;またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグであり、
式中、
は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
各Rは独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部、炭素環式部、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)、N(アルキル)(アルキル)もしくはN(アルキル)(アリール)(これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい);ハロ、ニトロまたはシアノであり;
pは0~6である。
諸実施形態では、該化合物が、式E-1:
Figure 0007086948000017
による構造を有する;またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグであり、
式中、
は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
各Rは独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部、炭素環式部、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)、N(アルキル)(アルキル)もしくはN(アルキル)(アリール)(これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい);ハロ、ニトロまたはシアノであり;
pは0~6である。
諸実施形態では、該化合物が、式F-I:
Figure 0007086948000018
による構造を有する;またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグであり、
式中、
Yは、S、SO、SO、NまたはOであり;
は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
各Rは独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部、炭素環式部、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)、N(アルキル)(アルキル)もしくはN(アルキル)(アリール)(これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい);ハロ、ニトロまたはシアノであり;
pは0~4である。
諸実施形態では、該化合物が、式G-1:
Figure 0007086948000019
による構造を有する;またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグであり、
式中、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり、ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである。
一態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1)および/またはダブルコルチン様キナーゼ2(DCLK2)によって媒介される対象の疾患の治療方法は、該対象に式I-2:
Figure 0007086948000020
の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含み、
式中、
Aは、単結合または二重結合であり;
R’は、Hまたはアルキルであり;
Lは、非存在、S、SO、SOまたはCOであり;
Xは、任意選択の置換基であり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり;ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素、任意選択的に置換されているアルキル、任意選択的に置換されているシクロアルキルおよび任意選択的に置換されているヘテロシクリルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)依存性細胞増殖を低減させるための方法であって、細胞を、式I-2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグと接触させることを含む方法。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)の阻害を、かかる治療を必要とすると認定された対象において行なう方法であって、式I-2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
一態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1)および/またはダブルコルチン様キナーゼ2(DCLK2)によって媒介される対象の疾患の治療方法が、該対象に式II-2:
Figure 0007086948000021
の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含み、
式中、
R’は、Hまたはアルキルであり;
Lは、非存在、S、SO、SOまたはCOであり;
Xは、式Iについて規定した任意選択の置換基であり;
Eは、NRまたはCHRであり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり;ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、独立して各存在の場合で、水素、任意選択的に置換されているアルキル、任意選択的に置換されているシクロアルキルおよび任意選択的に置換されているヘテロシクリルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)依存性細胞増殖を低減させるための方法であって、細胞を、式II-2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグと接触させることを含む方法。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)の阻害を、かかる治療を必要とすると認定された対象において行なう方法であって、式II-2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
一態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1)および/またはダブルコルチン様キナーゼ2(DCLK2)によって媒介される対象の疾患の治療方法であって、該対象に式III-2:
Figure 0007086948000022
の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含み、
式中、
R’は、Hまたはアルキルであり;
Lは、非存在、S、SO、SOまたはCOであり;
Xは、式Iについて規定した任意選択の置換基であり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり;ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、独立して各存在の場合で、水素、任意選択的に置換されているアルキル、任意選択的に置換されているシクロアルキルおよび任意選択的に置換されているヘテロシクリルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)依存性細胞増殖を低減させるための方法であって、細胞を、式III-2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグと接触させることを含む方法。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)の阻害を、かかる治療を必要とすると認定された対象において行なう方法であって、式III-2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
一態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1)および/またはダブルコルチン様キナーゼ2(DCLK2)によって媒介される対象の疾患の治療方法であって、該対象に式IV-2:
Figure 0007086948000023
の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含み、
式中、R’は、Hまたはアルキルであり;
Lは、非存在、S、SO、SOまたはCOであり;
Xは、式Iについて規定した任意選択の置換基であり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり;ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、独立して各存在の場合で、水素、任意選択的に置換されているアルキル、任意選択的に置換されているシクロアルキルおよび任意選択的に置換されているヘテロシクリルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)依存性細胞増殖を低減させるための方法であって、細胞を、式IV-2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグと接触させることを含む方法。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)の阻害を、かかる治療を必要とすると認定された対象において行なう方法であって、式IV-2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
一態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1)および/またはダブルコルチン様キナーゼ2(DCLK2)によって媒介される対象の疾患の治療方法であって、該対象に式V-2:
Figure 0007086948000024
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含み、
式中、
Xは、式Iについて規定した任意選択の置換基であり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、-OHまたは-O-(任意選択的に置換されているアルキル)であり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)依存性細胞増殖を低減させるための方法であって、細胞を、式V-2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグと接触させることを含む方法。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)の阻害を、かかる治療を必要とすると認定された対象において行なう方法であって、式V-2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
一態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1)および/またはダブルコルチン様キナーゼ2(DCLK2)によって媒介される対象の疾患の治療方法であって、該対象に式VI-2:
Figure 0007086948000025
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含み、
式中、
R’は、Hまたはアルキルであり;
Lは、非存在、S、SO、SOまたはCOであり;
Xは、式Iについて規定した任意選択の置換基であり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり;ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、独立して各存在の場合で、水素、任意選択的に置換されているアルキル、任意選択的に置換されているシクロアルキルおよび任意選択的に置換されているヘテロシクリルであるか;あるいは該チオフェン環の隣接している原子上の2つのX部分が、これらが結合している原子と一緒にフェニル環を形成していてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)依存性細胞増殖を低減させるための方法であって、細胞を、式VI-2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグと接触させることを含む方法。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)の阻害を、かかる治療を必要とすると認定された対象において行なう方法であって、式VI-2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
一態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1)および/またはダブルコルチン様キナーゼ2(DCLK2)によって媒介される対象の疾患の治療方法であって、該対象に式VII-2:
Figure 0007086948000026
の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含み、
式中、
R’は、Hまたはアルキルであり;
Lは、非存在、S、SO、SOまたはCOであり;
Xは、式Iについて規定した任意選択の置換基であり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり;ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素、任意選択的に置換されているアルキル、任意選択的に置換されているシクロアルキルおよび任意選択的に置換されているヘテロシクリルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)依存性細胞増殖を低減させるための方法であって、細胞を、式VII-2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグと接触させることを含む方法。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)の阻害を、かかる治療を必要とすると認定された対象において行なう方法であって、式VII-2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
一態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1)および/またはダブルコルチン様キナーゼ2(DCLK2)によって媒介される対象の疾患の治療方法であって、該対象に式VIII-2:
Figure 0007086948000027
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含み、
式中、
R’は、Hまたはアルキルであり;
Lは、非存在、S、SO、SOまたはCOであり;
Xは、式Iについて規定した任意選択の置換基であり;
Zは、OまたはSであり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり;ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素、任意選択的に置換されているアルキル、任意選択的に置換されているシクロアルキルおよび任意選択的に置換されているヘテロシクリルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)依存性細胞増殖を低減させるための方法であって、細胞を、式VIII-2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグと接触させることを含む方法。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)の阻害を、かかる治療を必要とすると認定された対象において行なう方法であって、式VIII-2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
一態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1)および/またはダブルコルチン様キナーゼ2(DCLK2)によって媒介される対象の疾患の治療方法であって、該対象に式IX-2:
Figure 0007086948000028
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含み、
式中、
Aは、単結合または二重結合であり;
R’は、Hまたはアルキルであり;
Lは、非存在、S、SO、SOまたはCOであり;
Yは、水素、任意選択的に置換されているアルキル、任意選択的に置換されているシクロアルキルおよび任意選択的に置換されているヘテロシクリルであり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり;ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
およびR’は各々、独立して、水素、任意選択的に置換されているアルキル、任意選択的に置換されているシクロアルキルおよび任意選択的に置換されているヘテロシクリルであるか;
あるいはYとR’が、これらが結合している原子と一緒に5員環を形成していてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)依存性細胞増殖を低減させるための方法であって、細胞を、式IX-2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグと接触させることを含む方法。
別の態様において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)の阻害を、かかる治療を必要とすると認定された対象において行なう方法であって、式IX-2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
一態様において、本発明では、式F-1:
Figure 0007086948000029
(式中、
は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素、任意選択的に置換されているアルキル、任意選択的に置換されているアラルキルまたは任意選択的に置換されている炭素環式部であり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
各Rは独立してアルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部、炭素環式部、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)、N(アルキル)(アルキル)もしくはN(アルキル)(アリール)(これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい);ハロ、ニトロまたはシアノであり;
pは0~4である)
の化合物;またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。
諸実施形態では、Rがメチルである。
諸実施形態では、Rが非置換のアルキルである。
一部の実施形態では、Rが、メチル、エチル、プロピルまたはイソ-プロピルであり、これらの各々が1種類以上のハロゲンと任意選択的に置換されていてもよい。
一部の実施形態では、Rが、-CH-CHF、-CH-CHFまたは-CH-CFである。
諸実施形態では、該化合物が式F-1-a:
Figure 0007086948000030
のものまたはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグである。
諸実施形態では、Rが非置換のアルキルである。
一部の実施形態では、Rが、メチル、エチル、プロピルまたはイソ-プロピルであり、これらの各々が1種類以上のハロゲンと任意選択的に置換されていてもよい。
一部の実施形態では、Rが、-CH-CHF、-CH-CHFまたは-CH-CFである。
諸実施形態では、Rがメチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジノ、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミアゾリルまたはトリアゾリルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
一部の実施形態では、Rがフェニルまたはピリジルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
一部の実施形態では、Rが、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環式部および炭素環式部(これらの各々は、さらに置換されていてもよい)から選択される0~4個の置換基で置換されており;
ここで、各Rは、アルキル、アルケニル、炭素環式部、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式部から独立して選択されるか、または同じ原子上の2つのRが一体となって複素環式を形成しており、各々、さらに置換されていてもよい。
一部の実施形態では、Rが、アルコキシ、COMe、
Figure 0007086948000031
から選択される0~4個の置換基で置換されている。
諸実施形態では、Rがフェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニルまたはビシクロ[1.1.1]ペント-1-イルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
一部の実施形態では、Rが、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環式、炭素環式部、SO(R)、SO(R)、SON(R)(R)、SONH(R)、SONH、PO(OR)(OR)またはPO(OR)(R)(これらの各々は、さらに置換されていてもよい)から選択される0~4個の置換基で置換されており;
ここで、各Rは、アルキル、アルケニル、炭素環式部、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式部から独立して選択されるか、または同じ原子上の2つのRが一体となって複素環式を形成しており、各々、さらに置換されていてもよい。
一部の実施形態では、Rが、
Figure 0007086948000032
からなる群より選択される。
諸実施形態では、式F-1-aの化合物はDCLK1および/またはDCLK2を阻害する。
さらに、本発明により、本明細書に記載の化合物(例えば、式F-1、式F-1-aまたは式A-1など)またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを含む医薬組成物を提供する。
さらに、一態様において、本発明により、対象の疾患の治療方法であって、疾患がダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1)および/またはダブルコルチン様キナーゼ2(DCLK2)によって媒介される疾患であり、対象に本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含む方法を提供する。
別の態様において、本発明により、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)依存性細胞増殖を低減させるための方法であって、細胞を本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグと接触させることを含む方法を提供する。
別の態様において、本発明により、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)の阻害を、かかる治療を必要とすると認定された対象において行なう方法であって、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含む方法を提供する。
一態様において、本発明では、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)であるキナーゼによって媒介される対象の疾患の治療方法であって、該対象に本明細書に記載の化合物(例えば、式F-1、式F-1-aまたは式A-1)またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含む方法を取り上げて記載する。
別の態様において、本発明では、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)依存性細胞増殖を低減させるための方法であって、細胞を本明細書に記載の化合物(例えば、式F-1、式F-1-aまたは式A-1)またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグと接触させることを含む方法を取り上げて記載する。
別の態様において、本発明では、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)の阻害を、かかる治療を必要とすると認定された対象において行なう方法であって、本明細書に記載の化合物(例えば、式F-1、式F-1-aまたは式A-1)またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含む方法を取り上げて記載する。
別の態様において、本発明により、キナーゼ依存性細胞増殖を低減させるための方法であって、細胞を本明細書に記載のキナーゼインヒビター化合物またはその薬学的に許容され得るエステル、塩もしくはプロドラッグと接触させることを含む方法を提供する。
他の態様では、本発明により、キナーゼの阻害を、かかる治療を必要とすると認定された対象において行なう方法であって、本明細書に記載のキナーゼインヒビター化合物またはその薬学的に許容され得るエステル、塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法を提供する。
一態様において、本発明により、本明細書に記載の1種類以上のキナーゼインヒビター化合物またはその薬学的に許容され得るエステル、塩もしくはプロドラッグから選択されるキナーゼ活性を阻害し得る化合物およびがんの治療における使用のための使用説明書を備えたキットを提供する。
一態様において、本発明により、本明細書に記載のキナーゼインヒビター化合物またはその薬学的に許容され得るエステル、塩もしくはプロドラッグを薬学的に許容され得る担体と一緒に含む医薬組成物を提供する。
一態様において、本発明により、本明細書に記載のキナーゼインヒビター化合物の合成方法を提供する。
図1は、KINOMEscan(登録商標)プラットフォームを用いて生成した、1uM濃度の化合物2の選択性データを示し、この画像はTREEspot(商標)Software Toolを用いて作成されたものである。 図2は、DCLK1に対する本発明の化合物の阻害プロフィール(IC50)を示す。
定義
以下に、本明細書を説明するために用いている種々の用語の定義を列記する。これらの定義は、特定の場合で限定されていない限り、個々に、または大きな基の一部としてのいずれかで、本明細書の至る箇所および特許請求の範囲に使用されている当該用語に適用される。
用語「アルキル」は、本明細書で用いる場合、一部の特定の実施形態において、それぞれ1~6個または1~8個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素原子団をいう。C~Cアルキル原子団の例としては、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシル原子団が挙げられ;C~Cアルキル原子団の例としては、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、ヘプチル、オクチル原子団が挙げられる。
用語「アルケニル」は、本明細書で用いる場合、一部の特定の実施形態において2~6個または2~8個の炭素原子を含み、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する炭化水素部分から誘導される一価の基を表す。二重結合は、別の基との結合点であってもよく、そうでなくてもよい。アルケニル基としては、限定されないが、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1-メチル-2-ブテン-1-イル、ヘプテニル、オクテニルなどが挙げられる。
用語「アルキニル」は、本明細書で用いる場合、一部の特定の実施形態において2~6個または2~8個の炭素原子を含み、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する炭化水素部分から誘導される一価の基を表す。アルキニル基は、別の基との結合点であってもよく、そうでなくてもよい。代表的なアルキニル基としては、限定されないが、例えば、エチニル、1-プロピニル、1-ブチニル、ヘプチニル、オクチニルなどが挙げられる。
用語「アルコキシ」は-O-アルキル原子団をいう。
用語「アリール」は、本明細書で用いる場合、縮合型または非縮合型の1つ以上の芳香族環を有する単環式または多環式の炭素環式の環系、例えば限定されないが、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニル(idenyl)などをいう。
用語「アラルキル」は、本明細書で用いる場合、アリール環に結合しているアルキル残基をいう。例としては、限定されないが、ベンジル、フェネチルなどが挙げられる。
用語「シクロアルキル」は、本明細書で用いる場合、単環式または多環式の飽和または部分不飽和の炭素環式の環化合物から誘導される一価の基を表す。C~C-シクロアルキルの例としては、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンチルおよびシクロオクチルが挙げられ;C~C12-シクロアルキルの例としては、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルおよびビシクロ[2.2.2]オクチルが挙げられる。また、1個の水素原子を除去することによって、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する単環式または多環式の炭素環式の環化合物から誘導される一価の基も想定される。かかる基の例としては、限定されないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニルなどが挙げられる。
用語「ヘテロアリール」は、本明細書で用いる場合、少なくとも1つの芳香族環を有し、5~10個の環内原子を有し、該環内原子のうち1個の環内原子が、S、OおよびNから選択され;0、1または2個の環内原子が、S、OおよびNから独立して選択されるさらなるヘテロ原子であり;かつ、残りの環内原子が炭素である単環式または多環式(例えば、二環式もしくは三環式もしくはそれ以上)の縮合型または非縮合型の原子団または環系をいう。ヘテロアリールとしては、限定されないが、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノキサリニルなどが挙げられる。
用語「ヘテロアラルキル」は、本明細書で用いる場合、ヘテロアリール環に結合しているアルキル残基残基をいう。例としては、限定されないが、ピリジニルメチル、ピリミジニルエチルなどが挙げられる。
用語「ヘテロシクロアルキル」は、本明細書で用いる場合、非芳香族の3-、4-、5-、6-もしくは7-員環または非縮合系の縮合系の二環式もしくは三環式の基であって、(i)各環が、酸素、イオウおよび窒素から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含む、(ii)各5員環が0~1つの二重結合を有し、各6員環が0~2つの二重結合を有する、(iii)窒素ヘテロ原子およびイオウヘテロ原子が任意選択で酸化型であってもよい、(iv)窒素ヘテロ原子が任意選択で4級化されていてもよい、(iv)上記の環のうちのいずれかがベンゼン環に縮合していてもよいものをいう。代表的なヘテロシクロアルキル基としては、限定されないが、[1,3]ジオキソラン、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニルおよびテトラヒドロフリルが挙げられる。
用語「アルキルアミノ」は、構造-NH(C~C12アルキル)を有する基をいい、ここで、C~C12アルキルは先に定義したとおりである。
用語「アシル」には、酸、例えば限定されないが、カルボン酸、カルバミン酸、炭酸、スルホン酸およびリン酸から誘導される残基が包含される。例としては、脂肪族カルボニル、芳香族カルボニル、脂肪族スルホニル、芳香族スルフィニル、脂肪族スルフィニル、芳香族ホスフェートおよび脂肪族ホスフェートが挙げられる。脂肪族カルボニルの例としては、限定されないが、アセチル、プロピオニル、2-フルオロアセチル、ブチリル、2-ヒドロキシアセチルなどが挙げられる。
本発明によれば、本明細書に記載のアリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールはいずれも任意の芳香族基であり得る。芳香族基は置換型であっても非置換であってもよい。
用語「ハロ」および「ハロゲン」は、本明細書で用いる場合、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される原子をいう。
本明細書に記載のように、本発明の化合物は、例えば、上記に一般的に説明または本発明の具体的な類型、亜類型および種によって例示したように、1つ以上の置換基で任意選択的に置換されていてもよい。語句「任意選択的に置換されている」は、語句「置換されている、または非置換の」と互換的に用いられることは認識されよう。一般に、用語「置換されている」は、その前に用語「任意選択で」があろうとなかろうと、所与の構造内の水素原子団が、明記された置換基である原子団と置き換えられていることをいう。特に記載のない限り、任意選択的に置換されている基は、該基の置換可能な各位置に置換基を有するものであってもよく、任意の所与の構造内の1つより多くの位置が、明記された群から選択される1つより多くの置換基で置換されていてもよい場合、該置換基は同じであるか、または位置毎に異なっているかのいずれかであり得る。用語「任意選択的に置換されている」、「任意選択的に置換されているアルキル」、「任意選択的に置換されている「任意選択的に置換されているアルケニル」、「任意選択的に置換されているアルキニル」、「任意選択的に置換されているシクロアルキル」、「任意選択的に置換されているシクロアルケニル」、「任意選択的に置換されているアリール」、「任意選択的に置換されているヘテロアリール」、「任意選択的に置換されているアラルキル」、「任意選択的に置換されているヘテロアラルキル」、「任意選択的に置換されているヘテロシクロアルキル」および任意の他の任意選択的に置換されている基は、本明細書で用いる場合、その水素原子のうちの1、2もしくは3個またはそれ以上の、例えば限定されないが:
-F、-Cl、-Br、-I、
-OH、保護ヒドロキシ、
-NO、-CN、
-NH、保護アミノ、-NH-C~C12-アルキル、-NH-C~C12-アルケニル、-NH-C~C12-アルケニル、-NH-C~C12-シクロアルキル、-NH-アリール、-NH-ヘテロアリール、-NH-ヘテロシクロアルキル、-ジアルキルアミノ、-ジアリールアミノ、-ジヘテロアリールアミノ、
-O-C~C12-アルキル、-O-C~C12-アルケニル、-O-C~C12-アルケニル、-O-C~C12-シクロアルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-O-ヘテロシクロアルキル、
-C(O)-C~C12-アルキル、-C(O)-C~C12-アルケニル、-C(O)-C~C12-アルケニル、-C(O)-C~C12-シクロアルキル、-C(O)-アリール、-C(O)-ヘテロアリール、-C(O)-ヘテロシクロアルキル、
-CONH、-CONH-C~C12-アルキル、-CONH-C~C12-アルケニル、-CONH-C~C12-アルケニル、-CONH-C~C12-シクロアルキル、-CONH-アリール、-CONH-ヘテロアリール、-CONH-ヘテロシクロアルキル、
-OCO-C~C12-アルキル、-OCO-C~C12-アルケニル、-OCO-C~C12-アルケニル、-OCO-C~C12-シクロアルキル、-OCO-アリール、-OCO-ヘテロアリール、-OCO-ヘテロシクロアルキル、-OCONH、-OCONH-C~C12-アルキル、-OCONH-C~C12-アルケニル、-OCONH-C~C12-アルケニル、-OCONH-C~C12-シクロアルキル、-OCONH-アリール、-OCONH-ヘテロアリール、-OCONH-ヘテロシクロアルキル、
-NHC(O)-C~C12-アルキル、-NHC(O)-C~C12-アルケニル、-NHC(O)-C~C12-アルケニル、-NHC(O)-C~C12-シクロアルキル、-NHC(O)-アリール、-NHC(O)-ヘテロアリール、-NHC(O)-ヘテロシクロアルキル、-NHCO-C~C12-アルキル、-NHCO-C~C12-アルケニル、-NHCO-C~C12-アルケニル、-NHCO-C~C12-シクロアルキル、-NHCO-アリール、-NHCO-ヘテロアリール、-NHCO-ヘテロシクロアルキル、-NHC(O)NH、-NHC(O)NH-C~C12-アルキル、-NHC(O)NH-C~C12-アルケニル、-NHC(O)NH-C~C12-アルケニル、-NHC(O)NH-C~C12-シクロアルキル、-NHC(O)NH-アリール、-NHC(O)NH-ヘテロアリール、-NHC(O)NH-ヘテロシクロアルキル、NHC(S)NH、-NHC(S)NH-C~C12-アルキル、-NHC(S)NH-C~C12-アルケニル、-NHC(S)NH-C~C12-アルケニル、-NHC(S)NH-C~C12-シクロアルキル、-NHC(S)NH-アリール、-NHC(S)NH-ヘテロアリール、-NHC(S)NH-ヘテロシクロアルキル、-NHC(NH)NH、-NHC(NH)NH-C~C12-アルキル、-NHC(NH)NH-C~C12-アルケニル、-NHC(NH)NH-C~C12-アルケニル、-NHC(NH)NH-C~C12-シクロアルキル、-NHC(NH)NH-アリール、-NHC(NH)NH-ヘテロアリール、-NHC(NH)NH-ヘテロシクロアルキル、-NHC(NH)-C~C12-アルキル、-NHC(NH)-C~C12-アルケニル、-NHC(NH)-C~C12-アルケニル、-NHC(NH)-C~C12-シクロアルキル、-NHC(NH)-アリール、-NHC(NH)-ヘテロアリール、-NHC(NH)-ヘテロシクロアルキル、
-C(NH)NH-C~C12-アルキル、-C(NH)NH-C~C12-アルケニル、-C(NH)NH-C~C12-アルケニル、-C(NH)NH-C~C12-シクロアルキル、-C(NH)NH-アリール、-C(NH)NH-ヘテロアリール、-C(NH)NH-ヘテロシクロアルキル、
-S(O)-C~C12-アルキル、-S(O)-C~C12-アルケニル、-S(O)-C~C12-アルケニル、-S(O)-C~C12-シクロアルキル、-S(O)-アリール、-S(O)-ヘテロアリール、-S(O)-ヘテロシクロアルキル-SONH、-SONH-C~C12-アルキル、-SONH-C~C12-アルケニル、-SONH-C~C12-アルケニル、-SONH-C~C12-シクロアルキル、-SONH-アリール、-SONH-ヘテロアリール、-SONH-ヘテロシクロアルキル、
-NHSO-C~C12-アルキル、-NHSO-C~C12-アルケニル、-NHSO-C~C12-アルケニル、-NHSO-C~C12-シクロアルキル、-NHSO-アリール、-NHSO-ヘテロアリール、-NHSO-ヘテロシクロアルキル、
-CHNH、-CHSOCH、-アリール、-アリールアルキル、-ヘテロアリール、-ヘテロアリールアルキル、-ヘテロシクロアルキル、-C~C12-シクロアルキル、ポリアルコキシアルキル、ポリアルコキシ、-メトキシメトキシ、-メトキシエトキシ、-SH、-S-C~C12-アルキル、-S-C~C12-アルケニル、-S-C~C12-アルケニル、-S-C~C12-シクロアルキル、-S-アリール、-S-ヘテロアリール、-S-ヘテロシクロアルキルまたはメチルチオメチル
を含む置換基での独立した置き換えによって置換されている基または非置換の基をいう。
アリール、ヘテロアリール、アルキルなどは、さらに置換されていてもよいことは理解されよう。
用語「がん」としては、限定されないが、以下のがん:類表皮口腔:口腔、唇、舌、口、咽頭;心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫;肺:気管支原性癌(扁平上皮細胞または類表皮、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞の(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;胃腸:食道(扁平上皮癌、喉頭、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(“small bowel”または“small intestines”)(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(“large bowel”または“large intestines”)(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)、結腸、結腸-直腸、結腸直腸;直腸、尿生殖路:腎臓(腺癌、ウィルムス(WiIm’s)腫瘍[腎芽腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮癌、移行細胞癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(セミノーマ、奇形腫、胎児性癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:ヘパトーマ(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫、胆道;骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網細胞肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、骨軟骨腫(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫および巨細胞腫;神経系:頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、グリオマトーシス)、脳(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、上衣細胞腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科系:子宮(子宮内膜癌)、子宮頚部(子宮頚癌、前腫瘍(pre-tumor)子宮頸部形成異常)、卵巣(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、ムチン性嚢胞腺癌、分類不能癌]、顆粒膜細胞-莢膜細胞腫瘍、セルトリ-ライディッヒ細胞腫瘍、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、ファローピウス管(癌)、乳房;造血器:血液(骨髄性白血病[急性および慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫]ヘアリー細胞;リンパ系の障害;皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、角化棘細胞腫、ほくろ異型母斑(moles dysplastic nevi)、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬、甲状腺:甲状腺乳頭癌、濾胞性甲状腺癌;髄様甲状腺癌、未分化甲状腺癌、多発性内分泌腺腫症2A型、多発性内分泌腺腫症2B型、家族性髄様甲状腺癌、褐色細胞腫、傍神経節腫;副腎:神経芽細胞腫、ならびに血液由来のがん、例えば慢性リンパ性白血病(CLL)、濾胞性リンパ腫(FL)および低悪性度非ホジキンリンパ腫(iNHL)が挙げられる。
したがって、用語「がん細胞」は、本明細書で示している場合、上記の具体的に示した病的状態のいずれか1つによって冒された細胞を包含している。
用語「肝疾患」は、肝機能の障害を引き起こし得る肝臓への損傷または疾患である。用語「肝疾患」としては、限定されないが、以下の疾患:肝炎、アルコール性肝疾患、遺伝性疾患(例えば血色素症およびウィルソン病)、脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、肝硬変、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、バッド・キアリ症候群、肝炎に起因する脂肪性肝疾患、肥満に起因する脂肪性肝疾患、糖尿病に起因する脂肪性肝疾患、インスリン抵抗性に起因する脂肪性肝疾患、高トリグリセリド血症に起因する脂肪性肝疾患、無βリポタンパク血症、糖原病、ウォルマン病、急性妊娠脂肪肝、ウェーバー・クリスチャン病、ギルバー症候群、ウォルマン病、急性妊娠脂肪肝またはリポジストロフィーが挙げられる。
諸実施形態では、該疾患は神経変性疾患である。
一部の実施形態では、該疾患はアルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、ハンチントン(HD)病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄性筋萎縮症(SMA)、統合失調症、注意欠陥多動性障害(ADHD)、胎児性アルコール症候群および糖尿病性認知症である。
用語「キナーゼパネル」は、限定されないが、MPS1(TTK)、ERK5(BMK1、MAPK7)、ポロキナーゼ1、2、3または4、Ack1、Ack2、Abl、DCAMKL1、ABL1、Abl変異型、DCAMKL2、ARK5、BRK、MKNK2、FGFR4、TNK1、PLK1、ULK2、PLK4、PRKD1、PRKD2、PRKD3、ROS1、RPS6KA6、TAOK1、TAOK3、TNK2、Bcr-Abl、GAK、cSrc、TPR-Met、Tie2、MET、FGFR3、オーロラ、Axl、Bmx、BTK、c-kit、CHK2、Flt3、MST2、p70S6K、PDGFR、PKB、PKC、Raf、ROCK-H、Rsk1、SGK、TrkA、TrkB、TrkC、AAK1、ABL1、ABL1(E255K)、ABL1(F317I)、ABL1(F317L)、ABL1(H396P)、ABL1(M351T)、ABL1(Q252H)、ABL1(T315I)、ABL1(Y253F)、ABL2、ACVR1、ACVR1B、ACVR2A、ACVR2B、ACVRL1、ADCK3、ADCK4、AKT1、AKT2、AKT3、ALK、AMPK-α1、AMPK-α2、ANKK1、ARK5、ASK1、ASK2、AURKA、AURKB、AURKC、AXL、BIKE、BLK、BMPR1A、BMPR1B、BMPR2、BMX、BRAF、BRAF(V600E)、BRK、BRSK1、BRSK2、BTK、CAMK1、CAMK1D、CAMK1G、CAMK2A、CAMK2D、CAMK2G、CAMK4、CAMKK1、CAMKK2、CDC2L1、CDC2L2、CDK11、CDK2、CDK3、CDK5、CDK7、CDK8、CDK9、CDKL2、CDKL3、CDKL5、CHECK1、CHEK2、CIT、CLK1、CLK2、CLK3、CLK4、CSF1R、CSK、CSNK1A1L、CSNK1D、CSNK1E、CSNK1G1、CSNK1G3、CSNK2A1、CSNK2A2、CTK、DAPK1、DAPK2、DAPK3、DCAMKL1(DCLK1)、DCAMKL2(DCLK2)、DCAMKL3、DDR1、DDR2、DLK、DMPK、DMPK2、DRAK1、DRAK2、DYRK1A、DYRK1B、DYRK2、EGFR、EGFR(E746-A750DEL)、EGFR(G719C)、EGFR(G719S)、EGFR(L747-E749del、A750P)、EGFR(L747-S752del、P753S)、EGFR(L747-T751del,Sins)、EGFR(L858R)、EGFR(L858R,T790M)、EGFR(L861Q)、EGFR(S752-I759del)、EPHA1、EPHA2、EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA6、EPHA7、EPHA8、EPHB1、EPHB2、EPHB3、EPHB4、EPHB6、ERBB2、ERBB3、ERBB4、ERK1、ERK2、ERK3、ERK4、ERK5、ERK8、ERN1、FAK、FER、FES、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR3(G697C)、FGFR4、FGR、FLT1、FLT3、FLT3(D835H)、FLT3(D835Y)、FLT3(ITD)、FLT3(K663Q)、FLT3(N841I)、FLT4、FRK、FYN、GAK、GCN2(Kin.Dom.2,S808G)、GRK1、GRK4、GRK7、GSK3A、GSK3B、HCK、HIPK1、HIPK2、HIPK3、HIPK4、HPK1、HUNK、ICK、IGF1R、IKK-ALPHA、IKK-BETA、IKK-EPSILON、INSR、INSRR、IRAK1、IRAK3、ITK、JAK1(JH1ドメイン-触媒性)、JAK1(JH2ドメイン-偽キナーゼ)、JAK2(JH1ドメイン-触媒性)、JAK3(JH1ドメイン-触媒性)、JNK1、JNK2、JNK3、KIT、KIT(D816V)、KIT(L576P)、KIT(V559D)、KIT(V559D,T670I)、KIT(V559D,V654A)、LATS1、LATS2、LCK、LIMK1、LIMK2、LKB1、LOK、LTK、LYN、LZK、MAK、MAP3K1、MAP2K15、MAP3K2、MAP3K3、MAP3K4、MAP4K2、MAP4K3、MAP4K5、MAPKAPK2、MAPKAPK5、MARK1、MARK2、MARK3、MARK4、MAST1、MEK1、MEK2、MEK3、MEK4、MEK6、MELK、MERTK、MET、MET(M1250T)、MET(Y1235D)、MINK、MKNK1、MKNK2、MLCK、MLK1、MLK2、MLK3、MRCKA、MRCKB、MST1、MST1R、MST2、MST3、MST4、MUSK、MYLK、MYLK2、MYO3A、MYO3B、NDR1、NDR2、NEK1、NEK2、NEK5、NEK6、NEK7、NEK9、NIM1、NLK、OSR1、p38-α、p38-β、p38-δ、p38-γ、PAK1、PAK2、PAK3、PAK4、PAK6、PAK7、PCTK1、PCTK2、PCTK3、PDGFRA、PDGFRB、PDPK1、PFTAIRE2、PFTK1、PHKG1、PHKG2、PIK3C2B、PIK3C2G、PIK3CA、PIK3CA(C420R)、PIK3CA(E542K)、PIK3CA(E545A)、PIK3CA(E545K)、PIK3CA(H1047L)、PIK3CA(H1047Y)、PIK3CA(M1043I)、PIK3CA(Q546K)、PIK3CB、PIK3CD、PIK3CG、PIK4CB、PIM1、PIM2、PIM3、PIP5K1A、PIP5K2B、PKAC-α、PKAC-β、PKMYT1、PKN1、PKN2、PLK1、PLK2、PLK3、PLK4、PRKCD、PRKCE、PRKCH、PRKCQ、PRKD1、PRKD3、PRKG1、PRKG2、PRKR、PRKX、PRP4、PYK2、QSK、RAF1、RET、RET(M918T)、RET(V804L)、RET(V804M)、RIOK1、RIOK2、RIOK3、RIPK1、RIPK2、RIPK4、ROCK1、ROCK2、ROS1、RPS6KA1(Kin.Dom.1-N末端)、RPS6KA1(Kin.Dom.2-C末端)、RPS6KA2(Kin.Dom.1-N末端)、RPS6KA2(Kin.Dom.2-C末端)、RPS6KA3(Kin.Dom.1-N末端)、RPS6KA4(Kin.Dom.1-N末端)、RPS6KA4(Kin.Dom.2-C末端)、RPS6KA5(Kin.Dom.1-N末端)、RPS6KA5(Kin.Dom.2-C末端)、RPS6KA6(Kin.Dom.1-N末端)、RPS6KA6(Kin.Dom.2-C末端)、SBK1、SgK085、SgK110、SIK、SIK2、SLK、SNARK、SRC、SRMS、SRPK1、SRPK2、SRPK3、STK16、STK33、STK39、SYK、TAK1、TAO1、TAOK2、TAOK3、TBK1、TEC、TESK1、TGFBR1、TGFBR2、TIE1、TIE2、TLK1、TLK2、TNIK、TNK1、TNK2、TNNI3K、TRKA、TRKB、TRKC、TSSK1B、TTK、TXK、TYK2(JH1ドメイン-触媒性)、TYK2(JH2ドメイン-偽キナーゼ)、TYRO3、ULK1、ULK2、ULK3、VEGFR2、WEE1、WEE2、YANK2、YANK3、YES、YSK1、YSK4、ZAKおよびZAP70を含むキナーゼのリストである。本発明の化合物は、キナーゼパネル(野生型および/またはその変異型)に対してスクリーニングされ、前記パネル構成員の少なくとも1種類の活性を阻害するものである。
キナーゼの変異型形態は、野生型配列からの1つまたは複数のアミノ酸変化を意味する。
用語「対象」は、本明細書で用いる場合、哺乳動物をいう。したがって、対象は、例えばイヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、モルモットなどをいう。好ましくは、対象はヒトである。対象がヒトである場合、対象を本明細書において患者と称している場合があり得る。
「治療する」、「治療すること」および「治療」は、疾患および/または付随するその症状を緩和または軽減する方法をいう。
本明細書で用いる場合、用語「薬学的に許容され得る塩」は、本発明の方法によって形成される化合物の塩であって、正しい医学的判断の範囲内において、過度な毒性、刺激、アレルギー反応などを伴うことなくヒトおよび下等動物の組織との接触における使用に適しており、相応な便益/リスク比に見合っているものをいう。薬学的に許容され得る塩は当該技術分野においてよく知られている。例えば、S.M.Berge,et al.により、J.Pharmaceutical Sciences,66:1-19(1977)に薬学的に許容され得る塩が詳細に記載されている。該塩は、本発明の化合物の最終的な単離および精製の際にインサイチュで調製されるものであってもよく、遊離塩基官能部を適当な有機酸と反応させることによって別途に調製されるものであってもよい。薬学的に許容され得るの例としては、限定されないが無毒性の酸付加塩が挙げられ、これは、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸または有機酸、例えば酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸と形成されるアミノ基の塩であるか、あるいは当該技術分野で使用されている他の方法、例えばイオン交換を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容され得る塩としては、限定されないが、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。さらなる薬学的に許容され得る塩としては、適切な場合は、対イオン、例えばハライド、ヒドロキシド、カルボキシレート、スルフェート、ホスフェート、ナイトレート、1~6個の炭素原子を有するアルキル、スルホネートおよびアリールスルホネートを用いて形成される無毒性のアンモニウムカチオン、第4級アンモニウムカチオンおよびアミンカチオンが挙げられる。
本明細書で用いる場合、用語「薬学的に許容され得るエステル」は、本発明の方法によって形成される化合物のエステルであって、インビボで加水分解されるものをいい、ヒト体内で容易に分解されて親化合物またはその塩になるものが包含される。好適なエステル基としては、例えば、薬学的に許容され得る脂肪族カルボン酸、具体的にはアルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸およびアルカン二酸から誘導されるものであって、好都合にはその各アルキルまたはアルケニル部分が6個以下の炭素原子を有するものであるものが挙げられる。具体的なエステルの例としては、限定されないが、ホルメート、アセテート、プロピオネート、ブチレート、アクリレートおよびエチルスクシネートが挙げられる。
用語「薬学的に許容され得るプロドラッグ」は、本明細書で用いる場合、本発明の方法によって形成される化合物のプロドラッグであって、正しい医学的判断の範囲内において、過度な毒性、刺激、アレルギー反応などを伴ってヒトおよび下等動物の組織との接触における使用に適しており、相応な便益/リスク比に見合っており、意図される使用に有効であるとともに、可能な場合は、本発明の化合物の両性イオン形態であるものをいう。「プロドラッグ」は、本明細書で用いる場合、本発明の式によって概要説明した任意の化合物がもたらされるように代謝的手段によって(例えば、加水分解によって)インビボで変換可能である化合物を意味する。例えば、Bundgaard,(編),Design of Prodrugs,Elsevier(1985);Widder,et al.(編),Methods in Enzymology,vol.4,Academic Press(1985);Krogsgaard-Larsen,et al.,(編).“Design and Application of Prodrugs,Textbook of Drug Design and Development,Chapter 5,113-191(1991);Bundgaard,et al.,Journal of Drug Deliver Reviews,8:1-38(1992);Bundgaard,J.of Pharmaceutical Sciences,77:285 et seq.(1988);Higuchi and Stella(編)Prodrugs as Novel Drug Delivery Systems,American Chemical Society(1975);およびBernard Testa & Joachim Mayer,“Hydrolysis In Drug And Prodrug Metabolism:Chemistry,Biochemistry And Enzymology,”John Wiley and Sons,Ltd.(2002)に論考されているように、種々の形態のプロドラッグが当該技術分野で知られている。
また、本発明は、本発明の化合物の薬学的に許容され得るプロドラッグを含む医薬組成物および該プロドラッグを投与することによる障害の治療方法も包含している。例えば、遊離のアミノ基、アミド基、ヒドロキシ基またはカルボン酸基を有する本発明の化合物はプロドラッグに変換され得る。プロドラッグには、アミノ酸残基または2個以上(例えば、2、3もしくは4個)のアミノ酸残基のポリペプチド鎖がアミド結合またはエステル結合を介して本発明の化合物の遊離のアミノ基、ヒドロキシ基またはカルボン酸基に共有結合によって連接された化合物が包含される。アミノ酸残基としては、限定されないが、天然に存在している20種類のアミノ酸(一般的には三文字表記によって表示される)が挙げられ、また、4-ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン(hydroxyysine)、デモシン、イソデモシン、3-メチルヒスチジン、ノルバリン、β-アラニン、γ-アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチンおよびメチオニンスルホンも挙げられる。また、さらなる型のプロドラッグも包含される。例えば、遊離のカルボキシル基をアミドまたはアルキルエステルとして誘導体化してもよい。遊離のヒドロキシ基は、Advanced Drug Delivery Reviews,1996,19,1 15に概略が示されているように、限定されないが、ヘミスクシネート、リン酸エステル、ジメチルアミノアセテートおよびホスホリルオキシメチルオキシカルボニルなどの基を用いて誘導体化され得る。また、ヒドロキシ基およびアミノ基のカルバメートプロドラッグも包含され、ヒドロキシ基のカーボネートプロドラッグ、スルホン酸エステルおよび硫酸エステルも包含される。また、(アシルオキシ)メチルエーテルおよび(アシルオキシ)エチルエーテル(ここで、該アシル基は、限定されないがエーテル官能部、アミン官能部およびカルボン酸官能部などの基で任意選択的に置換されているアルキルエステルであり得るか、あるいは該アシル基は上記のアミノ酸エステルである)としてのヒドロキシ基の誘導体化も包含される。この型のプロドラッグはJ.Med.Chem.1996,39,10に記載されている。また、遊離のアミンを、アミド、スルホンアミドまたはホスホンアミドとして誘導体化してもよい。このようなプロドラッグ部分はすべて、限定されないがエーテル官能部、アミン官能部およびカルボン酸官能部などの基が組み込まれたものであり得る。
本発明によって想定される置換基および変数の組合せは、安定な化合物の形成をもたらすものだけである。用語「安定な」は、本明細書で用いる場合、化合物が、製造が許容されるのに充分な安定性を有していること、および本明細書に詳述した目的(例えば、対象への治療的または予防的投与)のために有用であるのに充分な期間、該化合物の完全性を維持していることをいう。
ダブルコルチン様キナーゼ
本明細書において、少なくとも1つのダブルコルチン様キナーゼ(DCLK)、例えばアイソフォーム、例えばDCLK1およびDCLK2(これらは、セリン/トレオニン-プロテインキナーゼファミリーおよびCa2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ群の構成員である)を阻害し得る化合物を説明する。
これらのダブルコルチン様キナーゼは(DCLK)は、一般的に、i)微小管と結合または関連し得る2つのN末端ダブルコルチンドメイン、ii)Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼに対して実質的な相同を示す、C末端セリン/トレオニンプロテインキナーゼドメイン、およびiii)複数のタンパク質間相互作用を媒介する、ダブルコルチンとプロテインキナーゼドメイン間のセリン/プロリンリッチドメインを含む。
ヒトのセリン/トレオニン-プロテインキナーゼダブルコルチン様キナーゼ1(DCLK1)は、ヒト遺伝子DCLK1のタンパク質産物と称する。これは、例えば、ダブルコルチンおよびCaMキナーゼ様1(DCAMKL1)、ダブルコルチンドメインを含有するプロテイン3A(DCDC3A)、CPG16(候補可塑性遺伝子16)、CaMK様CREB調節キナーゼ1(CL1、CLICK-I、CLICK1、またはCLIK1)および/またはKIAA0369、UNIPROT ID:Q5VZY9またはuniprot ID:O15075、またはその相同タンパク質もしくはアイソフォーム(限定されないが、アイソフォーム1~4(代わりの命名としてDCLK1-long、DCLK1-short)を含む)と称される、任意のセリン/トレオニン-プロテインキナーゼ(EC:2.7.11.1)を含む。
同様に、ヒトのセリン/トレオニン-プロテインキナーゼダブルコルチン様キナーゼ2(DCLK2)は、ヒト遺伝子DCLK2のタンパク質産物と称する。これは、任意のセリン/トレオニン-プロテインキナーゼ(EC:2.7.11.1)を含み、それは、例えば、CaM様CREB調節キナーゼ2(CL2、CLICK-II、CLICK2、またはCLIK2);ダブルコルチンおよびCaMキナーゼ様2(DCAMKL2);ダブルコルチンドメインを含有するプロテイン3B(DCDC3B);ダブルコルチン様およびCAMキナーゼ様2(DCLK2);ダブルコルチン様キナーゼ2(DCK2);セリン/トレオニン-プロテインキナーゼDCLK2およびUNIPROT ID:Q8N568に記載されているタンパク質、またはその相同タンパク質もしくはアイソフォームと交互に命名されていてもよい。アイソフォームは、限定されないが、UNIPROTに記載されているアイソフォーム1~3を含む。
DCLK1は微小管に関連したタンパク質であり、紡錘体形成の制御によるニューロン移動、逆行性輸送、神経細胞アポトーシス、ニューロン新生およびシナプス成熟において鍵となる役割を果たし、そのプロテインキナーゼ活性から独立し得る(Reiner, O. et al, BMC Genomics 2006, 7 (1), 1-16 )。
さらに、DCLK1は多くのがん型にわたってしばしば変異する。とりわけ、DCLK1は胃癌のドライバー遺伝子であり得るし、推定されるドライバー遺伝子の上位15位中に記載されている(The Cancer Genome Atlas Research, Nature 2014, 513 (7517), 202-209)。DCLK1の発現は、胃癌患者における予後不良とまた関連している(Gyorffy, B. et al., PLoS ONE 2013, 8 (12))。さらに、DCLK1は胃、腸および膵臓中の静止幹細胞のマーカーであり得るし、これらの細胞は、単独で、または発がん変異を有するとき、または腫瘍抑制遺伝子の喪失時に、腸および膵臓でがんを開始し後押しする、がん幹細胞として機能することが示されてきた。例えば、これらの細胞の除去は腸癌のマウスモデルにおいて腫瘍の迅速な退行を生じさせる(Ito, H. et al., PLoS ONE 2016, 11 (1); Nakanishi, Y.et al., Nature genetics 2013, 45 (1), 98-103; Westphalen, C. B., et. al, The Journal of clinical investigation 2014, 124 (3), 1283-95; Westphalen, C. B.et al., Cell Stem Cell 18 (4), 441-455)。
したがって、本明細書に記載のように、DCLK1/2陽性細胞およびDCLK1/2機能は、がん治療(例えば、胃癌、膵癌および腸癌)において有望な治療戦略として標的化され得る。
しかしながら、現在使用可能なDCLK1/2キナーゼインヒビターは高度に複数標的化されたものであり、多数の他のキナーゼおよびブロモドメインを阻害するように示されてきた。本明細書に記載の発明に先立って、DCLK1/2キナーゼの強力な選択的阻害薬であって、参考文献に記載されているものは存在しなかった。
したがって、本明細書において、ピリミド-ジアゼピノン骨格を基本骨格とする一連の化合物を説明する。かかる化合物(例えば、2-アミノ-5,8,11-トリメチル-5,11-ジヒドロ-6H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-6-オン骨格を基本骨格とするもの)は、DCLK1の強力な選択的阻害薬またはDCLK1とDCLK2の選択的二重阻害薬であり得るし、それゆえにDCLK1および/またはDCLK2によって媒介される関連した疾患の治療/予防方法を提供する。
DCLK1/2インヒビター化合物
本明細書において、ピリミド-ジアゼピノン骨格を基本骨格とする一連の化合物を説明する。かかる化合物は、キナーゼ(例えば、DCLK(DCLK1およびDCLK2などのDCLKアイソフォームを含む))のインヒビターであり得、本明細書において「DCLK1/2インヒビター化合物」と称する。
諸実施形態では、本発明により、式F-1:
Figure 0007086948000033
(式中、
は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素、任意選択的に置換されているアルキル、任意選択的に置換されているアラルキルまたは任意選択的に置換されている炭素環式部であり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
各Rは独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部、炭素環式部、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)、N(アルキル)(アルキル)もしくはN(アルキル)(アリール)(これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい);ハロ、ニトロまたはシアノであり;
pは0~4である)
の化合物;またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。
諸実施形態では、Rがメチルである。
諸実施形態では、Rが非置換のアルキルである。
諸実施形態では、Rがメチル、エチル、プロピルまたはイソ-プロピルであり、これらの各々が1種類以上のハロゲンと任意選択的に置換されていてもよい。
一部の特定の実施形態では、Rが、-CH-CHF、-CH-CHFまたは-CH-CFである。
諸実施形態では、pは0であり;またはpが1の時、Rは非置換のアルキルである。
一部の特定の実施形態では、Rがメチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジノ、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミアゾリルまたはトリアゾリルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
さらなる一実施形態では、Rがフェニルまたはピリジルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
別の実施形態では、Rが、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環式部および炭素環式部(これらの各々は、さらに置換されていてもよい)から選択される0~4個の置換基で置換されており;ここで、各Rは、アルキル、アルケニル、炭素環式部、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式部から独立して選択されるか、または同じ原子上の2つのRが一体となって複素環式を形成しており、各々、さらに置換されていてもよい。
一部の特定の実施形態では、Rが、アルコキシ、COMe、
Figure 0007086948000034
Figure 0007086948000035
から選択される0~4個の置換基で置換されている。
諸実施形態では、Rがフェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニルまたはビシクロ[1.1.1]ペント-1-イルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
諸実施形態では、Rが、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環式、炭素環式部、SO(R)、SO(R)、SON(R)(R)、SONH(R)、SONH、PO(OR)(OR)またはPO(OR)(R)(これらの各々は、さらに置換されていてもよい)から選択される0~4個の置換基で置換されており、ここで、各Rは、アルキル、アルケニル、炭素環式部、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式部から独立して選択されるか、または同じ原子上の2つのRが一体となって複素環式を形成しており、各々、さらに置換されていてもよい。
諸実施形態では、Rが、
Figure 0007086948000036
からなる群より選択される。
諸実施形態では、該化合物が式F-1-a:
Figure 0007086948000037
のもの;またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグであり、
式中、
は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよい。
諸実施形態では、Rが非置換のアルキルである。
一部の特定の実施形態では、Rがメチル、エチル、プロピルまたはイソ-プロピルであり、これらの各々が1種類以上のハロゲンと任意選択的に置換されていてもよい。
一部の実施形態では、Rが、-CH-CHF、-CH-CHFまたは-CH-CFである。
一部の特定の実施形態では、Rがメチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジノ、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミアゾリルまたはトリアゾリルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
さらなる実施形態では、Rがフェニルまたはピリジルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
別の実施形態では、Rが、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環式部および炭素環式部(これらの各々は、さらに置換されていてもよい)から選択される0~4個の置換基で置換されており;ここで、各Rは、アルキル、アルケニル、炭素環式部、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式部から独立して選択されるか、または同じ原子上の2つのRが一体となって複素環式を形成しており、各々、さらに置換されていてもよい。
一部の特定の実施形態では、Rが、アルコキシ、COMe、
Figure 0007086948000038
Figure 0007086948000039
から選択される0~4個の置換基で置換されている。
諸実施形態では、Rがフェニル、ピリジル、ピリミジニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニルまたはビシクロ[1.1.1]ペント-1-イルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
諸実施形態では、Rが、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環式、炭素環式部、SO(R)、SO(R)、SON(R)(R)、SONH(R)、SONH、PO(OR)(OR)またはPO(OR)(R)(これらの各々は、さらに置換されていてもよい)から選択される0~4個の置換基で置換されており、ここで、各Rは、アルキル、アルケニル、炭素環式部、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式部から独立して選択されるか、または同じ原子上の2つのRが一体となって複素環式を形成しており、各々、さらに置換されていてもよい。
諸実施形態では、Rが、
Figure 0007086948000040
からなる群より選択される。
諸実施形態では、該化合物が式F-1-b:
Figure 0007086948000041
のもの;またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグである。
諸実施形態では、Rが非置換のアルキルである。
一部の特定の実施形態では、Rが、メチル、エチル、プロピルまたはイソ-プロピルであり、これらの各々が1種類以上のハロゲン(例えばF)と任意選択的に置換されていてもよい。
一部の特定の実施形態では、Rが、-CH-CHF、-CH-CHFまたは-CH-CFである。
一部の特定の実施形態では、R’が、アルコキシ、COMe、
Figure 0007086948000042
から選択される。
一部の特定の実施形態では、qが1または2である。
一部の特定の実施形態では、qが2のとき、1つのR’は-OCHである。
諸実施形態では、該化合物が、本明細書に記載の化合物1~21のいずれか1つの構造を有するもの、またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグである。
諸実施形態では、該化合物が:
Figure 0007086948000043
Figure 0007086948000044
Figure 0007086948000045
Figure 0007086948000046
Figure 0007086948000047
からなる群より選択される構造を有するもの、またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグである。
諸実施形態では、該化合物が、式A-1:
Figure 0007086948000048
による構造を有するもの;またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグであり、
式中、
Xは、CHR、CR、NH、NRまたはNであり;
Yは、NR、N、S、SO、SO、O、CHRまたはCRであり;ここで、XとYのうち少なくとも一方はNH、NR、NR、N、S、SO、SOまたはOであり;
Aは、単結合または二重結合であり;
Bは、単結合または二重結合であり、ここで、AとBの両方が二重結合であることはなく;
R’は、Hまたはアルキルであり;
Lは、非存在、S、SO、SOまたはCOであり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり;ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよく;
あるいはRとXが、これらが結合している原子と一緒に3~8員の炭素環式部、アリール、複素環式部またはヘテロアリールを形成しており;これらの各々は任意選択的に置換されているか;
あるいはXとYが、これらが結合している原子と一緒に3~8員の炭素環式部、アリール、複素環式部またはヘテロアリールを形成しており;これらの各々は任意選択的に置換されており;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである。
一部の特定の実施形態では、本発明により、式中のXがCRまたはCHRであり、YがNRである化合物を提供する。
他の実施形態では、本発明により、式中のRが水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部(これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい)であり;Rが水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部(これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい)である化合物を提供する。
一部の特定の実施形態では、本発明により、式中のXとYが、これらが結合している原子と一緒に3~8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリール(これらの各々は、任意選択的に置換されている)を形成している化合物を提供する。
他の実施形態では、本発明により、式中のRとXが、これらが結合している原子と一緒に3~8員のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリール(これらの各々は、任意選択的に置換されている)を形成している化合物を提供する。
一部の実施形態では、本発明により、式中のXがNであり、YがCRである化合物を提供する。
さらなる一実施形態では、Rが、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
諸実施形態では、本発明により、B-1:
Figure 0007086948000049
(式中、
は、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素またはメチルであり;
は、水素またはメチルであり;
は水素である)
の化合物;またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。
一実施形態では、Rがフェニルまたはピリジルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
さらなる一実施形態では、Rが、N(R)(R)、C(O)NH(R)、アルコキシおよび複素環式部(これらの各々は、さらに置換されていてもよい)から選択される0~4個の置換基で置換されており;ここで、各Rは、アルキルおよび複素環式部から独立して選択される。
別のさらなる実施形態では、Rが、アルコキシ、
Figure 0007086948000050
から選択される0~4個の置換基で置換されている。
諸実施形態では、本発明により、式C-1:
Figure 0007086948000051
(式中、
は、アリール、ヘテロアリールであり、これは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素またはメチルであり;
は水素であり;
は水素であり;
は水素である)
の化合物;またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。
一部の特定の実施形態では、Rがフェニルまたはピリジルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
さらなる一実施形態では、Rが、アルコキシまたは複素環式部(これらはさらに置換されていてもよい)から選択される0~4個の置換基で置換されている。
一部の特定の実施形態では、Rが、アルコキシ、
Figure 0007086948000052
から選択される0~4個の置換基で置換されている。
諸実施形態では、本発明により、式D-1:
Figure 0007086948000053
(式中、
は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
各Rは独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部、炭素環式部、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)、N(アルキル)(アルキル)もしくはN(アルキル)(アリール)(これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい);ハロ、ニトロまたはシアノであり;
pは0~6である)
の化合物;またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。
一実施形態では、Rがメチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジノ、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミアゾリルまたはトリアゾリルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
さらなる一実施形態では、Rがアルキル、フェニル、シクロヘキシル、ピペリジニル、キノリニルまたはピリジルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
一部の特定の実施形態では、Rが、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環式部および炭素環式部(これらの各々は、さらに置換されていてもよい)から選択される0~4個の置換基で置換されており;ここで、各Rは、アルキル、炭素環式部、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式部から独立して選択される。
一部の特定の実施形態では、Rが、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、
Figure 0007086948000054
から選択される0~4個の置換基で置換されている。
諸実施形態では、本発明により、式E-1:
Figure 0007086948000055
(式中、
は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
各Rは独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部、炭素環式部、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)、N(アルキル)(アルキル)もしくはN(アルキル)(アリール)(これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい);ハロ、ニトロまたはシアノであり;
pは0~6である)
の化合物;またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。
一部の特定の実施形態では、Rがメチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジノ、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミアゾリルまたはトリアゾリルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
さらなる一実施形態では、Rがフェニルまたはピリジルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
別のさらなる実施形態では、Rが、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環式部および炭素環式部(これらの各々は、さらに置換されていてもよい)から選択される0~4個の置換基で置換されており;ここで、各Rは、アルキル、炭素環式部、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式部から独立して選択される。
一部の特定の実施形態では、Rが、アルコキシ、
Figure 0007086948000056
から選択される0~4個の置換基で置換されている。
諸実施形態では、本発明により、式F-I-1:
Figure 0007086948000057
(式中、
Yは、S、SO、SOまたはOであり;
は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
各Rは独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部、炭素環式部、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)、N(アルキル)(アルキル)もしくはN(アルキル)(アリール)(これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい);ハロ、ニトロまたはシアノであり;
pは0~4である)
の化合物;またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。
一実施形態では、Rがメチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジノ、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミアゾリルまたはトリアゾリルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
さらなる一実施形態では、Rがフェニルまたはピリジルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
別の実施形態では、Rが、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)OR、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環式部および炭素環式部(これらの各々は、さらに置換されていてもよい)から選択される0~4個の置換基で置換されており;
ここで、各Rは、アルキル、炭素環式部、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式部から独立して選択される。
さらなる一実施形態では、Rが、アルコキシ、COMe、
Figure 0007086948000058
から選択される0~4個の置換基で置換されている。
諸実施形態では、本発明により、式G-1:
Figure 0007086948000059
(式中、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり、ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである)
の化合物;またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。
一実施形態では、Rがメチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジノ、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジジニル、キノリニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、フラニル、イソキノリニル、イミアゾリルまたはトリアゾリルであり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい。
さらなる一実施形態では、Rが、任意選択的に置換されているフェニルである。
別の実施形態では、Rが、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、NH(R)、N(R)(R)、COH、C(O)R、C(O)NH、C(O)NH(R)、C(O)N(R)(R)、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、複素環式部および炭素環式部(これらの各々は、さらに置換されていてもよい)から選択される0~4個の置換基で置換されており;ここで、各Rは、アルキル、炭素環式部、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式部から独立して選択される。
一部の特定の実施形態では、Rが、アルコキシ、ヒドロキシル、
Figure 0007086948000060
から選択される0~4個の置換基で置換されている。
別の実施形態では、Rが、任意選択的に置換されているフェニルまたは任意選択的に置換されているシクロペンチルである。
諸実施形態では、本発明により、式I-2:
Figure 0007086948000061
(式中、
Aは、単結合または二重結合であり;
R’は、Hまたはアルキルであり;
Lは、非存在、S、SO、SOまたはCOであり;
Xは、任意選択の置換基(例えば、ハロゲン、-OH、-NO、-CN、-NH、保護アミノ、-NH-C~C12-アルキル、-NH-C~C12-アルケニル、-NH-C~C12-アルケニル、-NH-C~C12-シクロアルキル、-NH-アリール、-NH-ヘテロアリール、-NH-ヘテロシクロアルキル、-ジアルキルアミノ、-ジアリールアミノ、-ジヘテロアリールアミノ、-O-C~C12-アルキル、-O-C~C12-アルケニル、-O-C~C12-アルケニル、-O-C~C12-シクロアルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-O-ヘテロシクロアルキル、-C(O)-C~C12-アルキル、-C(O)-C~C12-アルケニル、-C(O)-C~C12-アルケニル、-C(O)-C~C12-シクロアルキル、-C(O)-アリール、-C(O)-ヘテロアリール、-C(O)-ヘテロシクロアルキル、-CONH、-CONH-C~C12-アルキル、-CONH-C~C12-アルケニル、-CONH-C~C12-アルケニル、-CONH-C~C12-シクロアルキル、-CONH-アリール、-CONH-ヘテロアリール、-CONH-ヘテロシクロアルキル、-OCO-C~C12-アルキル、-OCO-C~C12-アルケニル、-OCO-C~C12-アルケニル、-OCO-C~C12-シクロアルキル、-OCO-アリール、-OCO-ヘテロアリール、-OCO-ヘテロシクロアルキル、-OCONH、-OCONH-C~C12-アルキル、-OCONH-C~C12-アルケニル、-OCONH-C~C12-アルケニル、-OCONH-C~C12-シクロアルキル、-OCONH-アリール、-OCONH-ヘテロアリール、-OCONH-ヘテロシクロアルキル、-NHC(O)-C~C12-アルキル、-NHC(O)-C~C12-アルケニル、-NHC(O)-C~C12-アルケニル、-NHC(O)-C~C12-シクロアルキル、-NHC(O)-アリール、-NHC(O)-ヘテロアリール、-NHC(O)-ヘテロシクロアルキル、-NHCO-C~C12-アルキル、-NHCO-C~C12-アルケニル、-NHCO-C~C12-アルケニル、-NHCO-C~C12-シクロアルキル、-NHCO-アリール、-NHCO-ヘテロアリール、-NHCO-ヘテロシクロアルキル、-NHC(O)NH、-NHC(O)NH-C~C12-アルキル、-NHC(O)NH-C~C12-アルケニル、-NHC(O)NH-C~C12-アルケニル、-NHC(O)NH-C~C12-シクロアルキル、-NHC(O)NH-アリール、-NHC(O)NH-ヘテロアリール、-NHC(O)NH-ヘテロシクロアルキル、NHC(S)NH、-NHC(S)NH-C~C12-アルキル、-NHC(S)NH-C~C12-アルケニル、-NHC(S)NH-C~C12-アルケニル、-NHC(S)NH-C~C12-シクロアルキル、-NHC(S)NH-アリール、-NHC(S)NH-ヘテロアリール、-NHC(S)NH-ヘテロシクロアルキル、-NHC(NH)NH、-NHC(NH)NH-C~C12-アルキル、-NHC(NH)NH-C~C12-アルケニル、-NHC(NH)NH-C~C12-アルケニル、-NHC(NH)NH-C~C12-シクロアルキル、-NHC(NH)NH-アリール、-NHC(NH)NH-ヘテロアリール、-NHC(NH)NH-ヘテロシクロアルキル、-NHC(NH)-C~C12-アルキル、-NHC(NH)-C~C12-アルケニル、-NHC(NH)-C~C12-アルケニル、-NHC(NH)-C~C12-シクロアルキル、-NHC(NH)-アリール、-NHC(NH)-ヘテロアリール、-NHC(NH)-ヘテロシクロアルキル、-C(NH)NH-C~C12-アルキル、-C(NH)NH-C~C12-アルケニル、-C(NH)NH-C~C12-アルケニル、-C(NH)NH-C~C12-シクロアルキル、-C(NH)NH-アリール、-C(NH)NH-ヘテロアリール、-C(NH)NH-ヘテロシクロアルキル、-S(O)-C~C12-アルキル、-S(O)-C~C12-アルケニル、-S(O)-C~C12-アルケニル、-S(O)-C~C12-シクロアルキル、-S(O)-アリール、-S(O)-ヘテロアリール、-S(O)-ヘテロシクロアルキル-SONH、-SONH-C~C12-アルキル、-SONH-C~C12-アルケニル、-SONH-C~C12-アルケニル、-SONH-C~C12-シクロアルキル、-SONH-アリール、-SONH-ヘテロアリール、-SONH-ヘテロシクロアルキル、-NHSO-C~C12-アルキル、-NHSO-C~C12-アルケニル、-NHSO-C~C12-アルケニル、-NHSO-C~C12-シクロアルキル、-NHSO-アリール、-NHSO-ヘテロアリール、-NHSO-ヘテロシクロアルキル、-CHNH、-CHSOCH、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、-C~C12-シクロアルキル、ポリアルコキシアルキル、ポリアルコキシ、-メトキシメトキシ、-メトキシエトキシ、-SH、-S-C~C12-アルキル、-S-C~C12-アルケニル、-S-C~C12-アルケニル、-S-C~C12-シクロアルキル、-S-アリール、-S-ヘテロアリール、-S-ヘテロシクロアルキルまたはメチルチオメチル)であり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり;ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は水素、任意選択的に置換されているアルキル(アラルキルを含む)、任意選択的に置換されているシクロアルキルおよび任意選択的に置換されているヘテロシクリルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。
諸実施形態では、本発明により、式II-2:
Figure 0007086948000062
(式中、
R’は、Hまたはアルキルであり;
Lは、非存在、S、SO、SOまたはCOであり;
Xは、式Iについて規定した任意選択の置換基であり;
Eは、NRまたはCHRであり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり;ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、独立して各存在の場合で、水素、任意選択的に置換されているアルキル(アラルキルを含む)、任意選択的に置換されているシクロアルキルおよび任意選択的に置換されているヘテロシクリルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。
一部の特定の実施形態では、EがNRである。一部の特定の実施形態では、RがHまたは-CHである。
諸実施形態では、本発明により、式III-2:
Figure 0007086948000063
(式中、
R’は、Hまたはアルキルであり;
Lは、非存在、S、SO、SOまたはCOであり;
Xは、式Iについて規定した任意選択の置換基であり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり;ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、独立して各存在の場合で、水素、任意選択的に置換されているアルキル(アラルキルを含む)、任意選択的に置換されているシクロアルキルおよび任意選択的に置換されているヘテロシクリルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。
諸実施形態では、本発明により、式IV-2:
Figure 0007086948000064
(式中、
R’は、Hまたはアルキルであり;
Lは、非存在、S、SO、SOまたはCOであり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり;ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、独立して各存在の場合で、水素、任意選択的に置換されているアルキル(アラルキルを含む)、任意選択的に置換されているシクロアルキルおよび任意選択的に置換されているヘテロシクリルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。
諸実施形態では、本発明により、式V-2:
Figure 0007086948000065
(式中、
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、-OHまたは-O-(任意選択的に置換されているアルキル)であり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。
諸実施形態では、本発明により、式VI-2:
Figure 0007086948000066
(式中、
R’は、Hまたはアルキルであり;
Lは、非存在、S、SO、SOまたはCOであり;
Xは、式Iについて規定した任意選択の置換基であり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり;ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、独立して各存在の場合で、水素、任意選択的に置換されているアルキル、任意選択的に置換されているシクロアルキルおよび任意選択的に置換されているヘテロシクリルであるか;あるいは
該チオフェン環の隣接している原子上の2つのX部分が、これらが結合している原子と一緒にフェニル環を形成していてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。
諸実施形態では、本発明により、式VII-2:
Figure 0007086948000067
(式中、
R’は、Hまたはアルキルであり;
Lは、非存在、S、SO、SOまたはCOであり;
Xは、式Iについて規定した任意選択の置換基であり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり;ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素、任意選択的に置換されているアルキル、任意選択的に置換されているシクロアルキルおよび任意選択的に置換されているヘテロシクリルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。
諸実施形態では、本発明により、式VIII-2:
Figure 0007086948000068
(式中、
R’は、Hまたはアルキルであり;
Lは、非存在、S、SO、SOまたはCOであり;
Xは、式Iについて規定した任意選択の置換基であり;
ZはOまたはSであり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり;ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
は、水素、任意選択的に置換されているアルキル、任意選択的に置換されているシクロアルキルおよび任意選択的に置換されているヘテロシクリルであり;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。
諸実施形態では、本発明により、式IX-2:
Figure 0007086948000069
(式中、
Aは、単結合または二重結合であり;
R’は、Hまたはアルキルであり;
Lは、非存在、S、SO、SOまたはCOであり;
Yは、水素、任意選択的に置換されているアルキル、任意選択的に置換されているシクロアルキルおよび任意選択的に置換されているヘテロシクリルであり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル(各々は、O、SもしくはNから選択される0、1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有している)であるか;またはRはアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部もしくは炭素環式部であり;ここで、Rは任意選択的に置換されていてもよく;
およびR’は各々、独立して、水素、任意選択的に置換されているアルキル、任意選択的に置換されているシクロアルキルおよび任意選択的に置換されているヘテロシクリルであるか;
あるいはYとR’が、これらが結合している原子と一緒に5員環を形成していてもよく;
は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。
このような化合物を例示的な調製または合成するための方法は本明細書に、ならびに例えば、国際公開第2010/080712号および同第2014145909号(これらの各々は、引用によりその全体が組み込まれる)に記載されている。
別の実施形態は、本明細書に概要説明した反応のうちのいずれか1つまたは組合せを使用する、本明細書におけるいずれかの式の化合物の作製方法である。該方法は、本明細書に概要説明した1種類以上の中間体または化学試薬の使用を含むものであり得る。
別の態様は、本明細書に概要説明したいずれかの式の同位体標識化合物である。かかる化合物は、放射性であってもそうでなくてもよい1個以上の同位体原子(例えば、H、H、14C、13C、35S、32P、125Iおよび131I)が該化合物内に導入されたものである。かかる化合物は、薬物代謝試験および診断ならびに治療用途に有用である。
本発明の化合物は、遊離塩基形態の該化合物を薬学的に許容され得る無機酸または有機酸と反応させることにより、薬学的に許容され得る酸付加塩として調製してもよい。あるいはまた、遊離酸形態の該化合物を薬学的に許容され得る無機塩基または有機塩基と反応させることにより、本発明の化合物の薬学的に許容され得る塩基付加塩を調製してもよい。
あるいはまた、本発明の化合物の該塩形態を、出発物質または中間体の塩を用いて調製してもよい。
遊離酸形態または遊離塩基形態の本発明の化合物は、それぞれ対応する塩基付加塩または酸付加塩から調製され得る。例えば、酸付加塩形態の本発明の化合物は、適当な塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウムなど)で処理することにより、対応する遊離塩基に変換され得る。塩基付加塩形態の本発明の化合物は、適当な酸(例えば、塩酸など)で処理することにより、対応する遊離酸に変換され得る。
本発明の化合物のプロドラッグ誘導体は、当業者に知られた方法によって調製され得る(例えば、さらなる詳細については、Saulnier et al.,(1994),Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters,Vol.4,p.1985を参照のこと)。例えば、適切なプロドラッグは、非誘導体型の本発明の化合物を適当なカルバミル化剤(例えば、1,1-アシルオキシアルキルカルバノクロリデート、パラ-ニトロフェニルカーボネートなど)と反応させることにより調製され得る。
本発明の化合物の保護型誘導体は、当業者に知られた手段によって作製され得る。保護基の作製およびその除去に適用可能な手法の詳細な説明は、T.W.Greene,“Protecting Groups in Organic Chemistry”,3rd edition,John Wiley and Sons,Inc.,1999をみるとよい。
本発明の化合物は、本発明の方法中に溶媒和物(例えば、水和物)として簡便に調製または形成され得る。本発明の化合物の水和物は、ジオキシン、テトラヒドロフランまたはメタノールなどの有機溶媒を用いた水性/有機溶媒混合物からの再結晶によって簡便に調製され得る。
本明細書における方法に有用な酸および塩基は当該技術分野で知られている。酸触媒は、性質が無機(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、三塩化アルミニウム)であっても有機(例えば、カンファースルホン酸、p-トルエンスルホン酸、酢酸、イッテルビウムトリフラート)であってもよい任意の酸性化学薬品である。酸は、化学反応を助長するための触媒量または化学量論量のいずれかで有用なものである。塩基は、性質が無機(例えば、重炭酸ナトリウム、水酸化カリウム)であっても有機(例えば、トリエチルアミン、ピリジン)であってもよい任意の塩基性化学薬品である。塩基は、化学反応を助長するための触媒量または化学量論量のいずれかで有用なものである。
また、一部の本発明の化合物は1つ以上の二重結合または1つ以上の不斉中心を有するものである。かかる化合物は、ラセミ体、ラセミ混合物、1種類のエナンチオマー、個々のジアステレオマー、ジアステレオマー混合物、およびシス-もしくはトランス-またはE-もしくはZ-二重結合異性体形態、ならびに立体化学的絶対配置に関して(R)-もしくは(S)-またはアミノ酸では(D)-もしくは(L)-として規定され得る他の立体異性体形態として存在し得る。該化合物のかかる異性体形態はすべて、本発明に明示的に含まれる。光学異性体は、そのそれぞれの光学活性な前駆物質から上記の手順によって、またはラセミ混合物を分割することによって調製され得る。この分割は、分割剤の存在下で、クロマトグラフィーもしくは反復晶析によって、または当業者に知られたこのような手法のなんらかの組合せによって行なわれ得る。分割に関するさらなる詳細は、Jacques,et al.,Enantiomers,Racemates,and Resolutions(John Wiley & Sons,1981)をみるとよい。また、本発明の化合物は複数の互変異性形態で提示される場合もあり得、かかる場合、本発明には、本明細書に記載の化合物のすべての互変異性形態が明示的に包含される(例えば、環系のアルキル化によって複数の部位でのアルキル化がもたらされ得、本発明には、かかる反応の生成物のすべてが明示的に包含される)。本明細書に記載の化合物がオレフィン性二重結合または他の幾何的不斉中心を含むものである場合、特に指定のない限り、該化合物はEおよびZの両方の幾何異性体を包含していることを意図する。同様に、すべての互変異性形態もまた包含されていることを意図する。本明細書に示した炭素-炭素二重結合(あれば)の立体配置は、便宜上、選択したものにすぎず、本文中にそうであることを記載していない限り具体的な立体配置の指定を意図するものではない;したがって、本明細書において自由裁量でトランスとして図示した炭素-炭素二重結合はシス、トランスまたは任意の割合での両者の混合であり得る。かかる化合物のかかる異性体形態はすべて本発明に明示的に含まれる。本明細書に記載の化合物のすべての結晶形が本発明に明示的に含まれる。
合成された該化合物は、反応混合物から分離され、カラムクロマトグラフィー、高圧液体クロマトグラフィーまたは再結晶などの方法によってさらに精製され得る。当業者には認識され得るように、本明細書における式の化合物のさらなる合成方法は当業者には自明であろう。さらに、その種々の合成工程は、所望の化合物を得るために択一的なシーケンスまたは順序で行なってもよい。また、本明細書に概要説明した溶媒、温度、反応持続時間などは例示の目的のためにすぎず、当業者には、反応条件を変えることによって所望の本発明の橋状大環状生成物を作製できることが認識されよう。本明細書に記載の化合物の合成に有用な合成化学反応変換ならびに保護基の方法論(保護および脱保護)は当該技術分野で知られており、例えば、R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers(1989);T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,2d.Ed.,John Wiley and Sons(1991);L.Fieser and M.Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1994);およびL.Paquette,ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)ならびにこれらの後続の版などに記載のものが挙げられる。
本発明の化合物を、選択的生物学的特性を向上させるために、本明細書に概要説明した任意の合成手段によって種々の官能部を付加することによって修飾してもよい。かかる修飾は当該技術分野で知られており、所与の生物学的系(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)内への生物学的浸透を高めるもの、経口アベイラビリティを高めるもの、注射による投与を可能にするために可溶性を高めるもの、代謝を改変するもの、および排出速度を改変するものが挙げられる。
本発明の化合物は、本明細書においてその化学構造および/または化学名によって規定している。化合物が化学構造と化学名の両方によって言及されており、化学構造と化学名が矛盾する場合、化学構造によって該化合物の実体が決定される。
本明細書における可変部の定義(あれば)における化学基の列挙の記載は、任意の単独の基またはリスト内の基の組合せとしての該可変部の定義を包含している。本明細書における可変部の一実施形態の記載は、任意の単独の実施形態として、または任意の他の実施形態もしくはその一部との組合せでの該実施形態を包含している。
方法
一態様において、本発明により、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)であるキナーゼによって媒介される対象の疾患の治療方法であって、本明細書に記載のDCLKインヒビター化合物(例えば、式F-1、F-1-a、A-1のF-1-b)、またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを対象に投与することを含む方法を提供する。例えば、DCLKインヒビター化合物は、DCLK1および/またはDCLK2を阻害するための阻害定数(Ki)が1μM濃度未満、約500nM濃度未満、約100nM濃度未満、約50nM濃度未満、約40nM濃度未満、約30nM濃度未満、約20nM濃度未満、約15nM濃度未満で、DCLK1および/またはDCLK2を選択的に阻害してもよい。
別の態様において、本発明により、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)依存性細胞増殖を低減させるための方法であって、細胞を本明細書に記載のDCLKインヒビター化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグと接触させることを含む方法を提供する。
別の態様において、本発明により、かかる治療を必要とすると認定された対象において、ダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1/2)を阻害するための方法であって、本明細書に記載のDCLKインヒビター化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含む方法を提供する。
諸実施形態において、本発明により、疾患を阻害する方法であって、該疾患がDCLK1によって媒介されるものである方法を提供する。一実施形態では、本発明により、疾患を阻害する方法であって、該疾患がDCLK2によって媒介されるものである方法を提供する。一実施形態では、本発明により、疾患を阻害する方法であって、該疾患がDCLK1およびDCLK2によって媒介されるものである方法を提供する。
別の実施形態では、本発明により、疾患を阻害する方法であって、該疾患が、がんまたは増殖性疾患である方法を提供する。
一部の実施形態では、がんが、肺癌、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肝臓癌、脳のがん、腎臓癌、卵巣癌、胃癌(stomach cancer)、皮膚癌、骨のがん、胃癌(gastric cancer)、膵癌、神経膠腫、肝細胞癌、乳頭状腎細胞癌、頭頸部の扁平上皮癌、白血病、リンパ腫、骨髄腫または充実性腫瘍である。
一部の実施形態では、がんが血液由来のがん(例えば、慢性リンパ性白血病(CLL)、濾胞性リンパ腫(FL)または低悪性度非ホジキンリンパ腫(iNHL))である。一実施形態では、がんは慢性リンパ性白血病(CLL)、濾胞性リンパ腫(FL)または低悪性度非ホジキンリンパ腫(iNHL)である。
一部の実施形態では、がんが胃に関する器官(gastic organs)、胃腸管、または胃、小腸、大腸、舌、唾液腺、膵臓、肝臓、胆嚢を含む消化管に関する。
一部の実施形態では、該疾患が、バレット食道、食道癌、唾液腺悪性腫瘍、結腸癌および結腸直腸癌、腸癌、胃癌、膵癌、皮膚癌および神経芽細胞腫である。
一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記載のがんまたは増殖性疾患の再発(recurrence)および/または再燃(relapse)を低減する方法を含む。
一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記載のがんまたは増殖性疾患の移動(migration)および/または転移(metathesis)を低減する方法を含む。
一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記載のがんまたは増殖性疾患に罹患している、または診断されている患者の抵抗性がん細胞および/またはがん幹細胞を治療、低減または予防する方法を含む。
諸実施形態では、該疾患が、肝疾患である。
一部の実施形態では、該疾患が脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、肝硬変、肝炎に起因する脂肪性肝疾患、肥満に起因する脂肪性肝疾患、糖尿病に起因する脂肪性肝疾患、インスリン抵抗性に起因する脂肪性肝疾患、高トリグリセリド血症に起因する脂肪性肝疾患、無βリポタンパク血症、糖原病、ウォルマン病または急性妊娠脂肪肝である。
諸実施形態では、該疾患が、神経変性疾患である。
一部の実施形態では、該疾患はアルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、ハンチントン(HD)病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄性筋萎縮症(SMA)、統合失調症、注意欠陥多動性障害(ADHD)、胎児性アルコール症候群および糖尿病性認知症である。
別の態様において、本発明により、対象のキナーゼ媒介障害の治療方法であって:該治療を必要とすると認定された対象に、本明細書に記載のキナーゼインヒビター化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグを投与することを含む方法を提供する。
諸実施形態では、本明細書に記載の化合物はDCLK1の阻害薬である。諸実施形態では、本明細書に記載の化合物はDCLK2の阻害薬である。諸実施形態では、本明細書に記載の化合物はDCLK1の選択的阻害薬である。諸実施形態では、本明細書に記載の化合物はDCLK2の選択的阻害薬である。諸実施形態では、本明細書に記載の化合物はDCLK1とDCLK2の二重阻害薬である。諸実施形態では、本明細書に記載の化合物はDCLK1とDCLK2の選択的二重阻害薬である。
諸実施形態では、該対象に、さらなる治療用薬剤が投与される。一部の実施形態では、さらなる治療用薬剤が抗炎症剤である。一部の実施形態では、さらなる治療用薬剤が化学療法剤である。一部の実施形態では、さらなる治療用薬剤がモノクローナル抗体である。一部の実施形態では、さらなる治療用薬剤が肝疾患のための治療剤である。一部の実施形態では、さらなる治療用薬剤が神経変性疾患のための治療剤である。
さらなる一実施形態では、該化合物と該さらなる治療用薬剤が同時投与または逐次投与される。
別の態様において、本発明により、キナーゼ依存性細胞増殖を低減させるための方法であって、細胞を本明細書に記載のキナーゼインヒビター化合物と接触させることを含む方法を提供する。
他の態様では、本発明により、キナーゼの阻害を、かかる治療を必要とすると認定された対象において行なう方法であって、本明細書に記載のキナーゼインヒビター化合物を投与することを含む方法を提供する。
諸実施形態では、本発明により、該対象がヒトである方法を提供する。
他の実施形態では、本発明により、該キナーゼ阻害薬がDCLK1および/またはDCLK2の阻害に対して約1μM濃度未満、約500nM濃度未満、約100nM濃度未満、約50nM濃度未満、約40nM濃度未満、約30nM濃度未満、約20nM濃度未満、約15nM濃度未満のKiを有する方法を提供する。
一実施形態では、本発明により、本明細書に記載のキナーゼインヒビター化合物の合成方法を提供する。例えば、該化合物(例えば、式F-1、F-1-aおよびf-1-bの化合物)は本明細書に記載されているように合成されていてもよい(例えば、実施例におけるスキーム1~4)。
本発明の別の態様により、プロテインキナーゼ(例えばDCLK、例えば、DCLK1および/またはDCLK2)の阻害薬であり、したがって疾患、障害および病的状態の治療ならびに本明細書に記載の他の用途に有用である化合物または組成物を提供する。一部の特定の実施形態では、このような組成物は任意選択でさらに、1種類以上のさらなる治療用薬剤を含むものである。
プロテインキナーゼ(例えばDCLK、例えば、DCLK1および/またはDCLK2)の阻害薬として、本発明の化合物および組成物は、疾患、病的状態または障害にプロテインキナーゼが関与している該疾患、病的状態または障害の治療またはその重症度の低減に特に有用である。
一態様において、本発明により、疾患状態にプロテインキナーゼが関与している疾患、病的状態または障害の治療またはその重症度の低減のための方法を提供する。別の態様では、本発明により、酵素活性の阻害が疾患の治療に関係している、キナーゼによる疾患、病的状態または障害の治療またはその重症度の低減のための方法を提供する。別の態様では、本発明により、プロテインキナーゼに結合することによって酵素活性を阻害する化合物を用いる、疾患、病的状態または障害の治療またはその重症度の低減のための方法を提供する。別の態様では、プロテインキナーゼ阻害薬を用いて該キナーゼの酵素活性を阻害することによる、キナーゼによる疾患、病的状態または障害の治療またはその重症度の低減のための方法を提供する。
一部の実施形態では、前記方法は、自己免疫疾患、炎症性疾患、がん、腫瘍、悪性腫瘍、増殖性疾患および過剰増殖性疾患、免疫媒介性疾患、骨疾患、代謝病、神経系の疾患および神経変性疾患、心血管疾患、肝疾患、ホルモン関連疾患、アレルギー、喘息ならびにアルツハイマー病を含む神経変性障害から選択される病的状態を治療または予防するために使用される。他の実施形態では、前記病的状態は、増殖性障害、肝疾患および神経変性障害から選択される。
本発明の一態様では、過剰または異常な細胞増殖を特徴とする疾患、障害および病的状態の治療に有用である化合物を提供する。かかる疾患としては、増殖性または過剰増殖性疾患、がん、肝疾患および神経変性疾患が挙げられる。増殖性疾患および過剰増殖性疾患の例としては、限定されないが、がんが挙げられる。
用語「がん」には、限定されないが、以下のがん:乳房;卵巣;子宮頚部;前立腺;精巣、尿生殖路;食道;喉頭、膠芽細胞腫;神経芽細胞腫;胃;皮膚、角化棘細胞腫;肺、類表皮癌、大細胞癌、小細胞癌、肺腺癌;骨;結腸;結腸直腸;腺腫;膵臓、腺癌;甲状腺、濾胞状腺癌、未分化癌、乳頭状癌;セミノーマ;黒色腫;肉腫;膀胱癌;肝臓癌および胆道;腎臓癌;骨髄性障害;リンパ系の障害、ホジキン、ヘアリー細胞;口腔および咽頭(口腔内)、唇、舌、口、咽頭;小腸;結腸-直腸、大腸、直腸、脳および中枢神経系;慢性骨髄性白血病(CML)および白血病が包含される。
一部の実施形態では、本発明の化合物は、がん、例えば結腸直腸、甲状腺、乳房および肺のがん;ならびに骨髄増殖性障害、例えば真性赤血球増加症、血小板血症、骨髄線維症を伴う骨髄性化生、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、好酸球増多症候群、若年性骨髄単球性白血病および全身性肥満細胞病の治療に有用である。
一部の実施形態では、本発明の化合物は、造血器の障害、特に、急性骨髄性白血病(AMLi)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性前骨髄球性(prornyelocytic)白血病および急性リンパ性白血病(ALL)の治療に有用である。
一部の実施形態では、本発明の化合物は、胃に関する器官(gastic organs)、胃腸管、および胃、小腸、大腸、舌、唾液腺、膵臓、肝臓、および胆嚢を含む消化管に関する、がんまたは増殖性疾患の治療に有用である。
一部の実施形態では、本発明の化合物は、バレット食道、食道癌、唾液腺悪性腫瘍、結腸癌および結腸直腸癌、胃癌、膵癌、皮膚癌および神経芽細胞腫の治療に有用である。
本発明の一態様により、肝臓の疾患、障害および損傷の治療に有用である化合物を提供する。
一部の実施形態では、本発明の化合物は、脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、肝炎に起因する脂肪性肝疾患、肥満に起因する脂肪性肝疾患、糖尿病に起因する脂肪性肝疾患、インスリン抵抗性に起因する脂肪性肝疾患、高トリグリセリド血症に起因する脂肪性肝疾患、無βリポタンパク血症、糖原病、ウェーバー・クリスチャン病、ウォルマン病、急性妊娠脂肪肝またはリポジストロフィーの治療に有用である。
本発明の一態様により、神経変性疾患の治療に有用である化合物を提供する。
一部の実施形態では、該疾患がアルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、ハンチントン(HD)病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄性筋萎縮症(SMA)、統合失調症、注意欠陥多動性障害(ADHD)、胎児性アルコール症候群および糖尿病性認知症である。
本発明の別の態様により、がん、増殖性もしくは過剰増殖性(hyperproliterative)疾患、肝疾患または神経変性疾患から選択される疾患の治療またはその重症度の低減のための方法であって、該治療または低減を必要とする対象に、有効量の該化合物または該化合物を含む薬学的に許容され得る組成物を投与することを含む方法を提供する。
プロテインキナーゼの阻害薬として、本発明の化合物および組成物はまた、生物学的試料においても有用である。本発明の一態様は、生物学的試料中におけるプロテインキナーゼ活性の阻害に関するものであり、この方法は、前記生物学的試料を本発明の化合物または前記化合物を含む組成物と接触させることを含むものである。用語「生物学的試料」は、本明細書で用いる場合、インビトロまたはエキソビボ試料、例えば限定されないが、細胞培養物もしくはその抽出物;哺乳動物から採取された生検材料もしくはその抽出物;および血液、唾液、尿、便、精液、涙液もしくは他の体液またはその抽出物を意味する。生物学的試料中におけるプロテインキナーゼ活性の阻害は、当業者にわかるさまざまな目的に有用である。かかる目的の例としては、限定されないが、輸血、臓器移植および生物学的被検物の保存が挙げられる。
本発明の別の態様は、生物学的および病理学的現象におけるプロテインキナーゼの試験;かかるプロテインキナーゼによって媒介される細胞内シグナル伝達経路の試験;ならびに新しいプロテインキナーゼ阻害薬の比較評価に関するものである。かかる用途の例としては、限定されないが、生物学的アッセイ、例えば酵素(例えば、カイネティックアッセイ、結合アッセイおよび阻害アッセイ)アッセイ、ゲルシフトアッセイ(電気泳動移動度シフトアッセイ)および細胞ベースのアッセイが挙げられる。
該化合物のプロテインキナーゼ阻害薬としての活性はインビトロ、インビボ、または細胞株においてアッセイされ得る。インビトロアッセイとしては、活性化された該キナーゼのキナーゼ活性またはATPase活性のいずれかの阻害を測定するアッセイが挙げられる。別のインビトロアッセイは、阻害薬がプロテインキナーゼに結合する能力を定量するものであり、これは、結合前に該阻害薬を放射性標識し、該阻害薬/キナーゼ複合体を単離し、結合している放射性標識の量を測定することによって、または新しい阻害薬を既知の放射性リガンドに結合させたキナーゼとともにインキュベートする競合実験を実施することによってのいずれかで測定され得る。好ましくは、インビトロアッセイは、阻害薬がプロテインキナーゼに結合する能力を定量するものであり、これは、結合前に蛍光分子を用いて該阻害薬を探査し、該阻害薬/キナーゼ複合体を単離し、結合しているプローブの量を測定し、プロテインキナーゼで処置済または未処置の基質とともに(例えば、ATPプラスインヒビターまたはDMSO対照の存在下で)泳動移動度シフトアッセイの活用によって、または新しい阻害薬を既知の蛍光プローブに結合させたキナーゼとともにインキュベートする競合実験を実施することによってのいずれかで測定され得る。
本発明において種々のキナーゼの阻害薬として使用される化合物のアッセイのための詳細な条件は、以下の実施例に示している。
前述のことに従い、本発明により、さらに、上記のいずれかの疾患または障害の予防または治療を、かかる治療を必要とする対象において行なうための方法であって、前記対象に治療有効量の本発明の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む方法を提供する。上記の任意の用途について、必要とされる投薬量は、投与様式、治療対象の具体的な病的状態および所望される効果に応じてさまざまである。
医薬組成物
別の態様において、本発明により、本明細書に記載のキナーゼインヒビター化合物(例えば、DCLK1/2)またはその薬学的に許容され得るエステル、塩もしくはプロドラッグを薬学的に許容され得る担体と一緒に含む医薬組成物を提供する。
本発明の化合物は、医薬組成物として任意の慣用的な経路によって、特に、経腸的、例えば経口で、例えば錠剤もしくはカプセル剤の形態で、または非経口で、例えば注射用の液剤もしくは懸濁剤の形態で、経表面、例えばローション剤、ゲル剤、軟膏もしくはクリーム剤の形態で、または経鼻もしくは坐剤の形態で投与され得る。遊離形態または薬学的に許容され得る塩の形態の本発明の化合物を少なくとも1種類の薬学的に許容され得る担体または希釈剤とともに含む医薬組成物は、慣用的な様式で混合法、造粒法またはコーティング法によって製造され得る。例えば、経口用組成物は、活性成分をa)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;b)滑沢剤、例えば、シリカ、タルカム、ステアリン酸、そのマグネシウム塩もしくはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;また、錠剤の場合ではc)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびまたはポリビニルピロリドン;所望により、d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸もしくはそのナトリウム塩、または発泡混合物;および/またはe)吸湿剤、着色料、フレーバーおよび甘味料と一緒に含む錠剤またはゼラチンカプセル剤であり得る。注射用組成物は水性の等張性の液剤または懸濁剤であり得、坐剤は、脂肪性の乳剤または懸濁剤から調製され得る。該組成物は滅菌されたもの、および/または佐剤、例えば保存剤、安定化剤、湿潤剤もしくは乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節するための塩および/またはバッファーが含有されているものであり得る。また、該組成物に、他の治療上有益な物質も含有させてもよい。経皮適用のための好適な製剤は、有効量の本発明の化合物を担体とともに含むものである。担体としては、宿主の皮膚を透過するのを補助するための吸収性の薬理学的に許容され得る溶媒が挙げられ得る。例えば、経皮デバイスは、裏当て材、該化合物が任意選択で担体とともに入っているレザーバ、任意選択で、該化合物を宿主の皮膚に、制御された所定の速度で長時間にわたって送達するための速度制御バリア、および該デバイスを皮膚に固定するための手段を備えた包帯の形態である。また、マトリックス型の経皮製剤も使用され得る。例えば皮膚および目への経表面適用のための好適な製剤は好ましくは、当該技術分野でよく知られた水性液剤、軟膏、クリーム剤またはゲル剤である。このようなものには、可溶化剤、安定剤、張性向上剤、バッファーおよび保存料が含有され得る。
本発明の化合物を、1種類以上の治療用薬剤との併用での治療有効量で投与してもよい(医薬品たるコンビネーション製品(pharmaceutical combination))。例えば、他の免疫調節物質または抗炎症物質との相乗効果が、例えば、シクロスポリン、ラパマイシンもしくはアスコマイシンまたはその免疫抑制アナログ、例えば、シクロスポリンA(CsA)、シクロスポリンG、FK-506、ラパマイシンもしくは同等の化合物、コルチコステロイド、シクロホスファミド、アザチオプリン、メトトレキサート、ブレキナール(brequinar)、レフルノミド、ミゾリビン、ミコフェノール酸、ミコフェノール酸モフェチル、15-デオキシスパガリン、免疫抑制抗体、特に、白血球受容体、例えば、MHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD25、CD28、B7、CD45、CD58もしくはこれらのリガンドに対するモノクローナル抗体、または他の免疫調節化合物、例えばCTLA41gと併用して使用した場合に起こり得る。本発明の化合物を他の治療薬とともに投与する場合、共投与される化合物の投薬量は、もちろん、使用される併用薬(co-drug)の型、使用される具体的な薬物、治療対象の病的状態などに応じてさまざまである。
本発明の医薬組成物は、1種類以上の薬学的に許容され得る担体と一緒に製剤化された治療有効量の本発明の化合物を含むものである。本明細書で用いる場合、用語「薬学的に許容され得る担体」は、無毒性で不活性な固形、半固形または液状の充填剤、希釈剤、カプセル封入材または任意の型の製剤化助剤を意味する。本発明の医薬組成物はヒトおよび他の動物に、経口、経直腸、非経口、大槽内、膣内、腹腔内、経表面(粉末剤、軟膏もしくは滴剤によるもの)、口腔内または経口もしくは経鼻スプレー剤として投与され得る。
経口投与のための液状投薬形態としては、薬学的に許容され得る乳剤、マイクロエマルジョン剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられる。活性化合物に加えて、液状投薬形態には、当該技術分野で一般的に使用されている不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにその混合物などが含有され得る。不活性希釈剤の他に、経口組成物にはまた、佐剤、例えば湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、矯味矯臭剤および着香剤も含められ得る。
注射用調製物、例えば、滅菌された注射用の水性または油性の懸濁剤は、既知の技術に従って、適当な分散化剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて製剤化され得る。また、滅菌された注射用調製物は、無毒性の非経口に許容され得る希釈剤または溶媒中の(例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液としての)滅菌された注射用の液剤、懸濁剤または乳剤であってもよい。中でも、使用され得る許容され得るビヒクルおよび溶媒は水、リンゲル液、U.S.P.等張性塩化ナトリウム溶液である。また、滅菌された固定油は、溶媒または懸濁媒体として慣用的に使用されている。この目的のために、任意の無刺激性の固定油、例えば、合成のモノ-またはジグリセリドが使用され得る。また、脂肪酸、例えばオレイン酸は注射用剤の調製物に使用される。
薬物の効果を長引かせるため、多くの場合、皮下または筋肉内注射による薬物の吸収を遅くすることが望ましい。これは、水に難溶性の結晶性または非晶質の物質の液状懸濁剤の使用によって行なわれ得る。そのため、薬物の吸収速度はそれ自体の溶解速度に依存し、さらに溶解速度は結晶の大きさおよび結晶形に依存し得る。あるいはまた、非経口投与される薬物形態の遅延吸収は、薬物を油性ビヒクル中に溶解または懸濁させることにより行なわれる。
経直腸または経膣投与のための組成物は好ましくは坐剤であり、これは、本発明の化合物を、周囲温度では固形であるが体温では液状であり、したがって直腸または膣腔内で融解して活性化合物を放出する適当な非刺激性の賦形剤または担体、例えばココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤用ワックスと混合することにより調製され得る。
また、同様の型の固形組成物を、例えばラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤が使用された充填ゼラチン軟カプセル剤および硬カプセル剤における充填剤として使用してもよい。
また、活性化合物は、上記の1種類以上の賦形剤を有するマイクロカプセル封入形態であってもよい。固形投薬形態である錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤は、コーティングおよびシェル、例えば腸溶性コーティング、放出制御コーティングおよび医薬品製剤化技術分野でよく知られた他のコーティングを伴って調製してもよい。かかる固形投薬形態において、活性化合物は少なくとも1種類の不活性希釈剤、例えばスクロース、ラクトースまたはデンプンとの混合状態であり得る。また、かかる投薬形態には、慣用手段であるが、不活性希釈剤以外のさらなる物質、例えば、打錠用滑沢剤および他の打錠助剤、例えばステアリン酸マグネシウムおよび微晶質セルロースもまた含められ得る。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、投薬形態みは緩衝剤も含められ得る。
本発明の化合物の経表面または経皮投与のための投薬形態としては、軟膏、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、粉末剤、液剤、スプレー剤、吸入剤または貼付剤が挙げられる。活性成分は、滅菌条件下で、薬学的に許容され得る担体および必要であれば必要な任意の保存料またはバッファーと混合される。また、経眼用製剤、点耳薬、眼用の軟膏、粉末剤および液剤も、本発明の範囲に含まれることが想定される。
軟膏、ペースト剤、クリーム剤およびゲル剤には、本発明の活性化合物に加えて、賦形剤、例えば動物性および植物性の脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクならびに酸化亜鉛またはその混合物が含有され得る。
粉末剤およびスプレー剤には、本発明の化合物に加えて、賦形剤、例えばラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末またはこれらの物質の混合物が含有され得る。スプレー剤にはさらに、慣用的な噴射剤、例えばハイドロクロロフルオロカーボンが含有され得る。
経皮パッチは、身体への化合物の制御送達がもたらされるという付加的な利点を有する。かかる投薬形態は、該化合物を適正な媒体中に溶解または分配することにより作製され得る。また、皮膚を透過する該化合物の流量を増大させるために吸収向上剤を使用してもよい。その速度は、速度制御膜を設けること、または該化合物をポリマーマトリックスもしくはゲル中に分散させることのいずれかによって制御することができる。
本発明の治療方法によれば、対象に治療有効量の本発明の化合物を、所望の結果が得られるのに必要な量と時間で投与することにより、対象、例えばヒトまたは他の動物の障害が治療または予防される。本発明の化合物の「治療有効量」という用語は、本明細書で用いる場合、対象の障害の症状が低減されるのに充分な該化合物の量を意味する。医学分野では充分に理解されているように、治療有効量の本発明の化合物とは、任意の医学的治療に適用可能な相応の便益/リスク比のものである。
一般に、本発明の化合物は治療有効量で、当該技術分野で知られた通常の許容され得る任意の様式により、単独または1種類以上の治療用薬剤との併用でのいずれかで投与される。治療有効量は、疾患の重症度、対象の年齢および相対的な健康状態、使用される化合物の効力ならびに他の要素に応じて広く異なり得る。一般に、約0.03~2.5mg/kg体重の日投薬量で満足のいく結果が全身的に得られるように指示される。大型の哺乳動物、例えばヒトにおいて指示される日投薬量は約0.5mg~約100mgの範囲であり、例えば、1日4回までの分割用量で、または遅延形態にて簡便に投与される。経口投与のための好適な単位投薬形態には約1~50mgの活性成分が含まれる。
一部の特定の実施形態では、本発明の化合物の治療量または治療用量は約0.1mg/Kg~約500mg/Kg、あるいはまた約1~約50mg/Kgの範囲であり得る。一般に、本発明による治療レジメンは、かかる治療を必要とする患者に対して、1日あたり約10mg~約1000mgの本発明の化合物(1種類または複数種)を単回用量または反復用量で投与することを含む。また、治療量または治療用量も投与経路ならびに他の薬剤との併用の可能性に応じてさまざまである。
対象の病的状態が改善したら、必要であれば、維持用量の本発明の化合物、組成物またはコンビネーション製品が投与され得る。続いて、投薬量または投与頻度または両方が、症状の関数として、改善された病的状態が保持されるレベルまで低減され得、症状が所望のレベルまで緩和されたら、治療を止めるのがよい。しかしながら、対象は、疾患症状の再発(あれば)時には長期ベースの間欠治療が必要となり得る。
しかしながら、本発明の化合物および組成物の1日の総使用量は、担当医師による正しい医学的判断の範囲内で決定されることは理解されよう。任意の具体的な患者に対する具体的な阻害用量は、さまざまな要素、例えば、治療対象の障害および該障害の重症度;使用される具体的な化合物の活性;使用される具体的な組成物;患者の年齢、体重、一般健康状態、性別および食生活;投与期間、投与経路および使用される具体的な化合物の排出速度;治療期間;使用される具体的な化合物と併用して、または同時に使用される薬物;ならびに医学分野でよく知られた同様の要素に依存する。
また、本発明により、a)遊離形態または薬学的に許容され得る塩の形態の本明細書に開示したキナーゼインヒビター化合物である第1の薬剤、およびb)少なくとも1種類の併用薬剤(co-agent)を備えた、医薬品たるコンビネーション製品、例えばキットを提供する。キットは、その投与のための使用説明書を備えていてもよい。
用語「共投与」または「併用投与」などは、本明細書で用いる場合、選択された複数の治療用薬剤の一人の患者への投与を包含していることを意図しており、該複数の薬剤は、必ずしも同じ投与経路によって、または同時に投与されるとは限らない治療レジメンを包含していることを意図している。
用語「医薬品たるコンビネーション製品」は、本明細書で用いる場合、1種類より多くの活性成分を混合すること、または合わせることによりもたらされる製品を意味し、活性成分の用量固定配合剤および非用量固定配合剤の両方を包含している。用語「用量固定配合剤(fixed combination)」は、活性成分、例えば本発明の化合物および併用薬剤が、どちらも患者に、同時に単一の存在体または投薬量の形態で投与されることを意味する。用語「非用量固定配合剤」は、活性成分、例えば本発明の化合物および併用薬剤が、どちらも患者に、別々の存在体として同時、並行または逐次(時間に関して特に制限はない)のいずれかで投与されることを意味し、ここで、かかる投与は、患者の体内において該2つの化合物の治療有効レベルをもたらすものである。また、後者は、カクテル療法、例えば、3種類以上の活性成分の投与にも適用される。
一部の特定の実施形態では、このような組成物は任意選択で、さらに1種類以上のさらなる治療用薬剤を含むものである。例えば、化学療法剤または他の抗増殖剤が、増殖性疾患およびがんを治療するために本発明の化合物と併用され得る。既知の化学療法剤の例としては、限定されないが、グリベックTM、アドリアマイシン、デキサメタゾン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、フルオロウラシル、トポテカン、タキソール、インターフェロンおよび白金誘導体が挙げられる。
同様に本発明の化合物と併用され得る薬剤の他の例としては、限定されないが:アルツハイマー病の治療薬、例えばアリセプト18およびイクセロン(R);パーキンソン病の治療薬、例えばL-ドパ/カルビドパ、エンタカポン、ロピンロール、プラミペキソール、ブロモクリプチン、ペルゴリド、トリヘキセフェンジルおよびアマンタジン;多発性硬化症(MS)を治療するための薬剤、例えばβインターフェロン(例えば、アボネックス(R)およびレビフ(R))、コパキソン(R)およびミトザントロン;喘息の治療薬、例えばアブテロールおよびシンギュライア(Singulair)(R);統合失調症を治療するための薬剤、例えばジプレキサ、リスペルダル、リスパダール、セロクエルおよびハロペリドール;抗炎症剤、例えばコルチコステロイド、TNF遮断薬、IL-I RA、アザチオプリン、シクロホスファミドおよびスルファサラジン;免疫調節剤および免疫抑制剤、例えばシクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン、コルチコステロイド、シクロホスファミド(cyclophophamide)、アザチオプリンおよびスルファサラジン;神経栄養因子、例えばアセチルコリンエステラーゼ阻害薬、MAO阻害薬、インターフェロン、抗痙攣薬、イオンチャネル遮断薬、リルゾールおよび抗パーキンソン病剤;心血管疾患を治療するための薬剤、例えばβ-遮断薬、ACE阻害薬、利尿薬、ナイトレート、カルシウムチャネル遮断薬およびスタチン;肝臓疾患を治療するための薬剤、例えばコルチコステロイド、コレスチラミン、インターフェロンおよび抗ウイルス剤;血液障害を治療するための薬剤、例えばコルチコステロイド、抗白血病剤および増殖因子;ならびに免疫不全障害を治療するための薬剤、例えばγグロブリンが挙げられる。薬学的に許容され得る担体としての機能を果たし得る物質の一例としては、限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、バッファー物質、例えばホスフェート、グリシン、ソルビン酸またはソルビン酸カリウム、植物性の飽和脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、羊毛脂、糖類、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース;デンプン、例えばコーンスターチおよびイモデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;粉末化トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えばココアバターおよび坐剤用ワックス、油類、例えばピーナッツ油、綿実油;ベニバナ油;ゴマ油;オリーブ油;コーン油およびダイズ油;グリコール;例えば、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール;エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル、寒天;緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;パイロジェンフリー水、等張性生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコールおよびリン酸バッファー溶液、ならびに他の無毒性の適合性の滑沢剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムが挙げられるとともに、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、矯味矯臭剤および着香剤、保存料ならびに酸化防止剤もまた、製剤担当者の判断に従って該組成物中に存在させてもよい。プロテインキナーゼ阻害薬またはその医薬用の塩は、動物またはヒトに対する投与のための医薬組成物に製剤化され得る。プロテインキナーゼ媒介性の病的状態を治療または予防されるのに有効な量の該タンパク質阻害薬および薬学的に許容され得る担体を含むものであるこのような医薬組成物は、本発明の別の実施形態である。
別の態様において、本発明により、1種類以上の本明細書に記載のキナーゼインヒビター化合物から選択されるキナーゼ活性を阻害し得る化合物およびがんの治療における使用のための使用説明書を備えたキットを提供する。
実施例
本発明の化合物および方法は、以下の実施例との関連においてよりよく理解されよう。以下の実施例は、単なる例示であり、本発明の範囲を限定するためのものでないことを意図する。開示した実施形態に対する種々の変形および修正は当業者に自明であり、かかる変形および修正、例えば限定されないが、本発明の化学構造、置換基、誘導体、製剤および/または方法に関する変形および修正は、本発明の趣旨および添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく行なわれ得る。
略号
DCLK1:ダブルコルチン様キナーゼ1
DCLK2:ダブルコルチン様キナーゼ2
Ni-NTA:ニッケル-ニトリロ三酢酸
FAM:フルオレセインアミダイト
HTS:ハイスループットスクリーニング
HEPES:4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸
DTT:ジチオトレイトール
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
化学反応
一般法
特に記載のない限り、試薬および溶媒は商業的供給元から入手したものであり、さらに精製せずに使用した。H NMRスペクトルは500MHz Bruker Avance III分光計で記録し、化学シフトはテトラメチルシラン(TMS)の低磁場側に100万分の1分率(ppm,δ)で報告している。結合定数(J)は単位:Hzで報告している。スピン多重度は、s(一重項)、br(ブロード一重項)、d(二重項)、t(三重項)、q(四重項)およびm(多重項)で記載している。質量スペクトルは、Waters Acquity I UPLCで得た。分取HPLCはWaters Sunfire C18カラム(19mm×50mm,5μM)で、22分間にわたって(分析時間は28分間)0.05%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含む水中15から95%までのメタノールの勾配で、20mL/分の流速を用いて行なった。アッセイした化合物は単離したものであり、TFA塩として試験した。アッセイした化合物の純度は、逆相HPLC分析による測定すると、すべての場合で95%より高かった。
合成
i.スキーム1:化合物1の合成
Figure 0007086948000070
化合物1は、以下のスキーム1を用いて合成され得る。
Figure 0007086948000071
Figure 0007086948000072
スキーム1では、エチル2-((2-クロロ-5-ニトロピリミジン-4-イル)(メチル)アミノ)安息香酸エステル(2)は以下のように合成され得る:
エチル2-(メチルアミノ)安息香酸エステル(1.44g,8.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(2.8mL,16.0mmol)および2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン(2.30g,12.0mmol)のジオキサン(40mL)中の混合物を、50℃で6時間加熱した。薄層クロマトグラフィー(TLC)によって測定される反応が完了した後に、反応液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで酢酸エチルおよびヘキサン(1/20,v/v)を用いて精製し、標題化合物(2.51g,93%)を得た。H NMR(600MHz,CDCl3)δ 8.44(s,1H),8.02(d,J=7.2Hz,1H),7.59(t,J=7.2Hz,1H),7.44(t,J=7.2Hz,1H),7.22(d,J=7.8Hz,1H),4.28-4.18(m,2H),3.58(s,3H),1.29(t,J=7.2Hz,3H).13C NMR(150MHz,CDCl3)δ 164.4,160.8,157.0,155.2,142.8,134.1,132.5,128.9,127.7,61.6,42.0,14.0.MS(ESI)m/z 337(M+H)
Figure 0007086948000073
スキーム1では、2-クロロ-11-メチル-5,11-ジヒドロ-6H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-6-オン(3)は以下のように合成され得る:
(2)(2.35g,6.98mmol)および鉄粉(iron power)(3.9g,69.8mmol)の酢酸中の混合物を、50℃で9時間加熱した。逆相分析的液体クロマトグラフィーエレクトロスプレー質量分析(LC-MS)によって測定される反応が完了した後に、鉄の余剰を除去し、混合物は真空内で濃縮した。反応残渣を氷水に投入し、固体沈殿物を生じさせ、濾過により収集し、水で洗浄、空気乾燥させて標題化合物(1.55g,85%)を得た。H NMR(600MHz,DMSO-d6)δ 10.44(s,1H),8.14(s,1H),7.72(d,J=4.8Hz,1H),7.58(s,1H),7.27(d,J=6.0Hz,1H),7.21(s,1H),3.33(s,3H).13C NMR(150MHz,DMSO-d6)δ 167.6,161.4,153.4,149.7,147.9,134.2,132.0,125.9,124.6,124.3,120.1,37.2.MS(ESI)m/z 261(M+H)
Figure 0007086948000074
スキーム1では、2-クロロ-5,11-ジメチル-5,11-ジヒドロ-6H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-6-オン(4)は以下のように合成され得る:
ジメチルアセトアミド(DMA,40.0mL)中の(3)の撹拌懸濁液(688mg,2.64mmol)およびMeI(0.25mL,4.0mmol)を-10℃のNaH(360mg,鉱油中の60%の懸濁液)に添加し、反応物を徐々に0℃まで温めた。LC-MSによって測定される反応が完了した後に、該溶液を氷水に投入し、固体沈殿物を生じさせた。該沈殿物を濾過により収集し、水で洗浄、空気乾燥させて標題化合物(563g,77%)を得た。H NMR(600MHz,DMSO-d6)δ 8.57(s,1H),7.68(dd,J=1.2,7.2Hz,1H),7.54-7.51(m,1H),7.25(d,J=7.8Hz,1H),7.20-7.18(m,1H),3.41(s,3H),3.32(s,3H).13C NMR(150MHz,DMSO-d6)δ 167.1,163.8,153.7,153.4,148.6,133.5,132.4,128.7,126.0,124.6,118.9,38.1,36.4.MS(ESI)m/z 275(M+H)
Figure 0007086948000075
スキーム1では、2-((2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-5,11-ジメチル-5,11-ジヒドロ-6H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-6-オン(XMD8-85-1,または化合物1)は以下のように合成され得る:
(4)(26mg,0.1mmol)、2-メトキシ-4-(4-メチルピペリジン-1-イル)ベンザミン(22mg,0.1mmol)、X-Phos(4.3mg)、Pd(dba)(5.5mg)およびKCO(41.5mg,0.3mmol)の1.2mLのt-BuOH中の混合物を、100℃で4時間、封管内で加熱した。それから反応物をセライトで濾過し、ジクロロメタンで溶出した。該ジクロロメタンを真空内で除去し、もたらされた粗生成物を、水(0.05%TFA)/アセトニトリル(0.05%TFA)の勾配を用いた逆相prep-HPLCによって精製し、TFA塩(20mg,収率:36%)として化合物を提供した。H NMR(600MHz,CD3OD)δ 7.83(dd,J=1.2,7.8Hz,1H),7.71(s,1H),7.62-7.59(m,2H),7.30(d,J=8.4Hz,1H),7.26(t,J=7.2Hz,1H),6.75(d,J=1.8Hz,1H),6.66(d,J=7.2Hz,1H),3.92-3.87(m,5H),3.66-3.60(m,2H),3.49(s,3H),3.30-3.24(m,2H),3.14-3.08(m,2H),2.97(s,3H).MS(ESI)m/z 446(M+H)
ii.スキーム2:化合物2の合成
Figure 0007086948000076
化合物2:2-((2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-11-メチル-5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-5,11-ジヒドロ-6H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-6-オン(FMF-03-146-1)
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 9.85(s,1H),8.48(s,1H),8.18(s,1H),7.78-7.67(m,2H),7.57-7.50(m,1H),7.30-7.25(m,1H),7.20(td,J=7.6,1.0Hz,1H),6.71(d,J=2.6Hz,1H),6.61-6.53(m,1H),3.86(d,J=4.4Hz,1H),3.83(s,2H),3.54(d,J=12.0Hz,2H),3.29(s,2H),3.23-3.12(m,2H),2.95(t,J=12.5Hz,2H),2.88(s,3H).MS(ESI)m/z 528(M+H)
化合物2は以下のスキーム2を用いて合成され得る。
Figure 0007086948000077
Figure 0007086948000078
スキーム2では、2-クロロ-11-メチル-5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-5,11-ジヒドロ-6H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-6-オン(5)は以下のように合成され得る:
1,2-クロロ-11-メチル-5,11-ジヒドロ-6H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-6-オン(3)(500mg,1.9mmol),CsCO(1.3g,4.0mmol)およびヨウ化トリフルオロエチル(250μL,2.6mmol)をDMA(5mL)に溶解させ、70℃で2時間加熱した。該溶媒を濃縮し、該残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(DCM内に0~5%のMeOH)で精製し、標題化合物(116mg,18%)を得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 8.84(s,1H),7.73(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),7.59(ddd,J=8.4,7.3,1.7Hz,1H),7.34(dd,J=8.4,0.9Hz,1H),7.26(ddd,J=8.0,7.3,1.0Hz,1H),5.04(brs,2H),3.38(s,3H).13C NMR(126MHz,DMSO-d)δ 167.79,165.40,155.37,149.08,134.04,132.42,126.15,125.90,125.17,124.92,123.66,119.15,48.61(q,J=32.5Hz),36.30.MS(ESI)m/z 343(M+H)
スキーム2におけるその他の段階は、スキーム1で記載されているように実行され得る。
iii.スキーム3:化合物3の合成
Figure 0007086948000079
化合物3:5-エチル-2-((2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-11-メチル-5,11-ジヒドロ-6H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-6-オン(FMF-03-055-1)
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 9.75(s,1H),8.35(s,1H),7.81(d,J=8.7Hz,1H),7.64(dd,J=7.7,1.7Hz,1H),7.49(ddd,J=8.7,7.2,1.7Hz,1H),7.24-7.13(m,2H),6.72(d,J=2.6Hz,1H),6.57(dd,J=8.8,2.6Hz,1H),4.20-3.92(m,1H),3.89(s,2H),3.83(s,3H),3.54(d,J=12.1Hz,2H),3.28(s,3H),3.18(q,J=10.9Hz,2H),2.94(t,J=12.6Hz,2H),2.89(d,J=3.4Hz,3H),1.16(t,J=7.1Hz,3H),. MS(ESI)m/z 474(M+H)
化合物3は以下のスキーム3を用いて合成され得る。
Figure 0007086948000080
Figure 0007086948000081
スキーム3では、2-クロロ-5-エチル-11-メチル-5,11-ジヒドロ-6H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-6-オン(6)は以下のように合成され得る:
1,2-クロロ-11-メチル-5,11-ジヒドロ-6H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-6-オン(3)(500mg,1.9mmol),CsCO(1.3g,4.0mmol)およびヨウ化エチル(210μL,2.6mmol)をDMA(5mL)に溶解させ、70℃で2時間加熱した。該溶媒を濃縮し、該残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(DCM内に0~5%のMeOH)で精製し、標題化合物(280mg,51%)を得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 8.65(s,1H),7.66(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),7.53(ddd,J=8.4,7.3,1.7Hz,1H),7.27(dd,J=8.4,1.0Hz,1H),7.22(td,J=7.5,1.0Hz,1H),4.10(q,J=5.2Hz,2H),3.18(s,3H),1.20(t,J=7.1Hz,3H).13C NMR(126MHz,DMSO-d)δ 167.06,164.74,153.97,153.61,148.71,133.30,132.08,127.49,126.71,124.70,118.82,46.09,36.31,13.82.MS(ESI)m/z 290(M+H)
スキーム3におけるその他の段階は、スキーム1で記載されているように実行され得る。
iv.スキーム4:化合物4の合成
Figure 0007086948000082
化合物4は以下のスキーム4を用いて合成され得る。
Figure 0007086948000083
Figure 0007086948000084
スキーム4では、2-クロロ-5-イソプロピル-11-メチル-5,11-ジヒドロ-6H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-6-オン(7)は以下のように合成され得る:
1,2-クロロ-11-メチル-5,11-ジヒドロ-6H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-6-オン(3)(500mg,1.9mmol),CsCO(1.3g,4.0mmol)およびヨウ化イソプロピル(250μL,2.2mmol)をDMA(5mL)に溶解させ、70℃で2時間加熱した。該溶媒を濃縮し、該残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(DCM内に0~5%のMeOH)で精製し、標題化合物(167mg,29%)を得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 8.58(s,1H),7.69(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),7.52(ddd,J=8.3,7.3,1.7Hz,1H),7.27(dd,J=8.5,1.1Hz,1H),7.21(td,J=7.5,1.0Hz,1H),4.52(hept,J=6.8Hz,1H),3.35(s,3H),1.80-0.85(m,6H).13C NMR(126MHz,DMSO-d)δ 167.49,166.18,154.39,148.79,133.11,132.29,126.90,125.90,124.56,118.46,54.22,36.01.MS(ESI)m/z 304(M+H)
スキーム4におけるその他の段階は、スキーム1で記載されているように実行され得る。
v.その他の化合物
その他すべての化合物は、本明細書に記載のXMD8-85(化合物1)に類似の方法によって、中間体(4)、(5)、(6)または(7)から調製された。
Figure 0007086948000085
化合物5:5-エチル-2-((4-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2-メトキシフェニル)アミノ)-11-メチル-5,11-ジヒドロ-6H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-6-オン(XMD9-22)
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 8.33(s,1H),7.94(s,1H),7.72(d,J=8.8Hz,1H),7.63(dd,J=7.7,1.8Hz,1H),7.50-7.45(m,1H),7.21(d,J=8.4Hz,1H),7.16(t,J=7.4Hz,1H),6.61(d,J=2.6Hz,1H),6.49(dd,J=8.8,2.6Hz,1H),4.15-4.01(m,1H),3.80(s,3H),3.62(tq,J=8.5,4.4Hz,1H),3.55-3.46(m,2H),3.35(s,2H),3.27(s,3H),1.83(dq,J=12.4,4.0Hz,2H),1.50(dtd,J=13.0,9.5,3.8Hz,2H),1.15(t,J=7.1Hz,3H).MS(ESI)m/z475(M+H)
Figure 0007086948000086
化合物6:5-イソプロピル-2-((2-メトキシ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-11-メチル-5,11-ジヒドロ-6H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-6-オン(FMF-03-149-1)
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 9.71(s,1H),8.25(s,1H),8.11(s,1H),7.78(d,J=8.7Hz,1H),7.66(dd,J=7.7,1.7Hz,1H),7.46(ddd,J=8.7,7.2,1.7Hz,1H),7.27-7.12(m,2H),6.71(d,J=2.6Hz,1H),6.57(dd,J=8.8,2.6Hz,1H),4.60(hept,J=6.8Hz,1H),3.82(s,6H),3.54(d,J=12.2Hz,2H),3.28(s,3H),3.17(dd,J=12.8,9.2Hz,2H),2.94(t,J=12.7Hz,2H),2.88(d,J=3.3Hz,3H),1.49-1.36(m,3H),1.08(d,J=6.8Hz,3H).MS(ESI)m/z 488(M+H)
Figure 0007086948000087
化合物7:4-((5-エチル-11-メチル-6-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-2-イル)アミノ)-3-メトキシ-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンザミド(FMF-03-059-1)
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 9.38(s,1H),8.49(s,1H),8.36(dd,J=8.0,5.3Hz,2H),8.23-8.16(m,1H),7.66(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),7.60-7.54(m,1H),7.54-7.46(m,2H),7.25(dt,J=8.4,1.9Hz,1H),7.19(td,J=7.5,1.1Hz,1H),4.61(br s,2H),4.11-3.98(m,1H),3.95(d,J=3.8Hz,3H),3.49(d,J=12.2Hz,2H),3.36(s,3H),3.17-3.05(m,2H),2.79(d,J=4.6Hz,3H),2.08-1.98(m,2H),1.82-1.69(m,2H),1.18(t,J=7.0Hz,3H).MS(ESI)m/z 516(M+H)
Figure 0007086948000088
化合物8:3-メトキシ-4-((11-メチル-6-オキソ-5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-2-イル)アミノ)-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンザミド(FMF-03-148-1)
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 9.43(s,1H),8.63(s,1H),8.38(d,J=7.5Hz,1H),8.34(d,J=10.0Hz,1H),8.29(d,J=8.4Hz,1H),7.71(dd,J=7.7,1.7Hz,1H),7.56(ddt,J=10.1,8.7,3.3Hz,2H),7.53-7.48(m,1H),7.30(dd,J=8.2,3.0Hz,1H),7.25-7.20(m,1H),5.27(s,1H),4.62(s,1H),4.17-3.97(m,1H),3.94(d,J=3.7Hz,3H),3.48(s,2H),3.37(d,J=2.8Hz,3H),3.18-3.05(m,2H),2.79(d,J=4.6Hz,3H),2.08-2.01(m,2H),1.78(qd,J=13.7,3.9Hz,2H).
MS(ESI)m/z 570(M+H)
Figure 0007086948000089
化合物9:4-((5-イソプロピル-11-メチル-6-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-2-イル)アミノ)-3-メトキシ-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンザミド(FMF-03-151-1)
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 9.44(s,1H),8.39(s,1H),8.33(d,J=8.4Hz,1H),8.26(s,1H),7.68(dd,J=7.7,1.8Hz,1H),7.57(dd,J=8.5,1.9Hz,1H),7.52-7.46(m,2H),7.24(dt,J=8.7,1.9Hz,1H),7.18(td,J=7.5,1.0Hz,1H),4.59(p,J=6.8Hz,1H),4.20-3.98(m,1H),3.94(d,J=3.9Hz,3H),3.49(d,J=12.2Hz,2H),3.36(s,3H),3.17-3.06(m,2H),2.79(d,J=4.6Hz,3H),2.09-1.99(m,2H),1.78(qd,J=13.6,3.9Hz,2H),1.47(s,3H),1.11(s,3H).MS(ESI)m/z 530(M+H)
Figure 0007086948000090
化合物10:N-(4-((5,11-ジメチル-6-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-2-イル)アミノ)-3-メトキシフェニル)メタンスルホンアミド(FMF-03-047-1)
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 9.57(s,1H),8.36(s,1H),8.16(s,1H),7.98(d,J=8.6Hz,1H),7.69(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),7.51(ddd,J=8.7,7.2,1.8Hz,1H),7.26(d,J=8.3Hz,1H),7.18(t,J=7.5Hz,1H),6.91(d,J=2.3Hz,1H),6.84(dd,J=8.6,2.3Hz,1H),3.82(s,3H),3.39(s,3H),3.32(s,4H),2.98(s,3H).
MS(ESI)m/z 455(M+H)
Figure 0007086948000091
化合物11:N-(4-((5-エチル-11-メチル-6-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-2-イル)アミノ)-3-メトキシフェニル)メタンスルホンアミド(FMF-03-087-1)
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 9.57(s,1H),8.39(s,1H),8.16(s,1H),7.98(d,J=8.6Hz,1H),7.64(dd,J=7.7,1.7Hz,1H),7.53-7.44(m,1H),7.24(dd,J=8.4,0.9Hz,1H),7.17(td,J=7.5,1.0Hz,1H),6.91(d,J=2.4Hz,1H),6.84(dd,J=8.6,2.3Hz,1H),4.02(s,2H),3.82(s,3H),3.31(s,3H),2.98(s,3H),1.16(t,J=7.1Hz,3H). MS(ESI)m/z 469(M+H)
Figure 0007086948000092
化合物12:N-(3-メトキシ-4-((11-メチル-6-オキソ-5-(2,2,2-トリフルオロエチル)-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-2-イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミド(FMF-03-147-1)
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 8.65(s,1H),7.72(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),7.60-7.54(m,1H),7.32(dd,J=8.5,1.0Hz,1H),7.23(td,J=7.5,0.9Hz,1H),6.80(s,1H),6.70(d,J=1.3Hz,2H),3.75(s,3H),3.65(s,2H),3.29(s,3H),3.17(s,3H).
MS(ESI)m/z 523(M+H)
Figure 0007086948000093
化合物13:N-(4-((5-イソプロピル-11-メチル-6-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-2-イル)アミノ)-3-メトキシフェニル)メタンスルホンアミド(FMF-03-150-2)
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 9.57(s,1H),8.30(s,1H),8.16(s,1H),7.96(d,J=8.6Hz,1H),7.66(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),7.50-7.43(m,1H),7.25-7.21(m,2H),7.16(td,J=7.5,1.0Hz,1H),6.91(d,J=2.3Hz,1H),6.83(dd,J=8.6,2.3Hz,1H),4.55(dq,J=38.7,6.8Hz,1H),3.81(s,3H),3.30(s,3H),2.98(s,3H),1.44(d,J=5.6Hz,4H),1.09(d,J=6.6Hz,4H).
MS(ESI)m/z 483(M+H)
Figure 0007086948000094
化合物14:5-エチル-2-((2-メトキシ-4-(4-(ピロリジン-1-イル)ピペリジン-1-カルボニル)フェニル)アミノ)-11-メチル-5,11-ジヒドロ-6H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-6-オン(FMF-03-058-2)
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 9.78(s,1H),8.47(s,1H),8.29(d,J=8.2Hz,1H),8.20(s,1H),7.66(dd,J=7.7,1.7Hz,1H),7.50(ddd,J=8.7,7.3,1.8Hz,1H),7.25(dd,J=8.4,1.0Hz,1H),7.19(td,J=7.5,1.0Hz,1H),7.09-7.00(m,2H),4.05(s,2H),3.91(s,3H),3.53(s,2H),3.47-3.37(m,1H),3.35(s,3H),3.16-3.05(m,2H),2.96(s,1H),2.55(s,2H),2.09(s,2H),2.06-1.92(m,2H),1.93-1.78(m,2H),1.63-1.49(m,1H),1.17(t,J=7.1Hz,3H).
MS(ESI)m/z 556(M+H)+
Figure 0007086948000095
化合物15: N-(4-((5-エチル-11-メチル-6-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-2-イル)アミノ)フェニル)メタンスルホンアミド(FMF-03-083-1)
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 9.66(s,1H),9.44(s,1H),8.43(s,1H),7.74-7.68(m,2H),7.64(dd,J=7.7,1.7Hz,1H),7.48(ddd,J=8.8,7.2,1.7Hz,1H),7.26(dd,J=8.4,1.0Hz,1H),7.16(d,J=8.8Hz,3H),4.15-3.59(m,2H),3.35(s,3H),2.93(s,3H),1.17(t,J=7.0Hz,3H).
MS(ESI)m/z 439(M+H)
Figure 0007086948000096
化合物16:5-エチル-2-((2-メトキシ-4-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ)フェニル)アミノ)-11-メチル-5,11-ジヒドロ-6H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-6-オン(FMF-03-086-1)
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 8.35(s,1H),8.14(s,1H),7.79(d,J=8.7Hz,1H),7.64(dd,J=7.7,1.7Hz,1H),7.48(ddd,J=8.7,7.2,1.8Hz,1H),7.25-7.12(m,2H),6.66(d,J=2.7Hz,1H),6.58(dd,J=8.8,2.7Hz,1H),4.21(t,J=5.2Hz,2H),4.05(s,2H),3.81(s,3H),3.41(s,4H),3.27(s,3H),3.17(s,4H),2.82(s,3H),1.16(t,J=7.1Hz,3H).
MS(ESI)m/z 518(M+H)
Figure 0007086948000097
化合物17:4-((5-エチル-11-メチル-6-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-2-イル)アミノ)ベンゼンスルホンアミド(FMF-03-088-1/-2)
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 10.07(s,1H),8.51(s,1H),7.95-7.88(m,2H),7.79-7.72(m,2H),7.66(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),7.53-7.47(m,1H),7.27(dd,J=8.4,1.0Hz,1H),7.21-7.15(m,3H),3.53(s,2H),3.39(s,3H),1.18(t,J=7.1Hz,3H).MS(ESI)m/z 425(M+H)
Figure 0007086948000098
化合物18:N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-4-((5-エチル-11-メチル-6-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-2-イル)アミノ)-3-メトキシベンザミド(FMF-03-061-1)
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 9.41(s,1H),8.64(t,J=5.7Hz,1H),8.50(s,1H),8.38(d,J=8.5Hz,1H),8.23(s,1H),7.66(dd,J=7.7,1.7Hz,1H),7.57(dd,J=8.5,1.9Hz,1H),7.53(d,J=2.0Hz,1H),7.50(ddd,J=8.8,7.2,1.7Hz,1H),7.25(dd,J=8.4,1.0Hz,1H),7.19(td,J=7.5,1.0Hz,1H),4.09(s,2H),3.94(s,3H),3.62(q,J=5.9Hz,2H),3.36(s,3H),3.28(q,J=5.9Hz,2H),2.87(d,J=4.7Hz,6H),1.18(t,J=7.0Hz,3H).MS(ESI)m/z 490(M+H)
Figure 0007086948000099
化合物19:2-((4-(3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-カルボニル)-2-メトキシフェニル)アミノ)-5-エチル-11-メチル-5,11-ジヒドロ-6H-ベンゾ[e]ピリミド[5,4-b][1,4]ジアゼピン-6-オン(FMF-03-067-1)
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 10.17(s,1H),8.48(s,1H),8.32(d,J=8.2Hz,1H),8.22(s,1H),7.66(dd,J=7.7,1.7Hz,1H),7.50(ddd,J=8.7,7.3,1.7Hz,1H),7.27-7.15(m,4H),3.95(s,2H),3.92(s,3H),3.75-3.66(m,2H),3.61(s,2H),3.35(s,3H),2.85(s,6H),2.40-2.26(m,1H),2.12(t,J=10.6Hz,1H),1.17(t,J=7.0Hz,3H).
MS(ESI)m/z 516(M+H)
選択性データ
図1は、468のヒトキナーゼおよびヒト変異キナーゼのパネルに対し、1μM濃度での化合物2(FMF-03-146-1)の選択性を示す。これらの選択性データは、KINOMEscan(登録商標)プラットフォームを用いて作成され、これらの画像はTREEspot(商標)Software Toolを用いて作成され、DiscoveRx Corporationの事業部(division)KINOMEscan(登録商標)から許可を得てリプリントしたものである。(コピーライト)DISCOVERX CORPORATION 2010
生物学アッセイ
一般的物質
溶解バッファー
50mM HEPES pH7.8
350mM NaCl
20mM イミダゾール
5% グリセロール
洗浄バッファー1:溶解と同じ
洗浄バッファー2および3:25mMのイミダゾール以外は溶解と同じ
溶出バッファー:300mMのイミダゾール以外は溶解と同じ
S200ゲル濾過バッファー
10mM HEPES pH7.8
700mM NaCl
1mM MgCl2
5% グリセロール
ゲルシフトアッセイの基質
5-FAM-KKLRRTLSVA-COOH
DCLK1プラスミド構築物
N末端6-Hisタグ付加ヒトDCLK1残渣G351-H689からなるDNA構築物を調製した。こうして調製されたプラスミドを、クロラムフェニコール選択下で、ラムダホスファターゼとともにBL21(DE3)E.coli細胞に共形質転換した。
DCLK1タンパク質精製
タンパク質発現を0.6mMのIPTGを用いてDCLK1プラスミドから誘導し、発現を18℃の温度で約10時間持続させた。細胞を遠心分離によって採取し、プロテアーゼインヒビター(1mMのベンザミジンおよび1mMのPMSF)を用いて溶解バッファー中で再懸濁した。溶解をホモジナイザーで一時的に3回実行した。溶解物を4℃の温度で1時間、20Kで遠心分離し、該浮遊物を0.2ミクロンの膜で濾過した。タンパク質をニッケル(Ni)-NTA樹脂にロードし、洗浄バッファーで洗浄し、300mMのイミダゾールバッファーで溶出した。溶出液を2mLに濃縮し、Superdex S200カラムに通過させた。
DCLK1電気泳動移動度シフトアッセイ(ゲルシフトアッセイ)
電気泳動移動度シフトアッセイを用いてDCLK1キナーゼ活性をインビトロで測定した。該反応物は384のウェルプレートに20μlの全体量で集められた。該反応物はバッファー(100nMのHEPES pH7.5、0.003%のBrij-35、0.004%のTween-20、10nMのMgCl、および2mMのDTT)内に、30nMの組み換えDCLK1、1つのDCLK1インヒビターまたはDMSO、100μMのATPおよび1μMのFAMラベル付加ペプチド基質を含んでいた。DCLK1インヒビターをLabcyte Echoリキッドハンドラーを用いて調剤した。該反応物を室温で2時間インキュベートし、ターミネーションバッファー(100mMのHEPES pH7.3、0.015%のBrij-35,0.1%のCR-3,1xCR-8、および40mMのEDTA)の40μLの追加によって急冷した。各サンプル内に存在する基質および産物ペプチドを電気泳動で分離し、12チャンネルのLabChip3000マイクロ流体毛細血管電気泳動装置(Caliper Life Sciences, Waltham MA, USA)を用いて検出した。関連する基質および産物ピーク(酵素活性を反映した)の蛍光強度における変化を測定した。毛細血管電気泳動図をHTS Well Analyzer software(Caliper Life Sciences, Waltham MA, USA)を用いて分析した。
各サンプルのキナーゼ活性を積和比率(PSR)で決定した:P/(S+P)、ここで、Pは産物ペプチドのピーク高さであり、Sは基質ペプチドのピーク高さである。陰性対照サンプル(インヒビター非存在下のDMSO)および陽性対照サンプル(100%阻害、試験済みのDCLK1インヒビター)を複製に集め、各化合物の各濃度でのパーセント阻害値を計算するために使用した。
パーセント阻害(%阻害)を以下の方程式:
Figure 0007086948000100
を用いて決定した(PSRinhはインヒビター存在下の積和比率、PSR0%はインヒビター非存在下の平均の積和比率、およびPSR100%は100%阻害対照サンプルでの平均の積和比率である)。
該DCLK1対象インヒビターを、各アッセイプレートにおいて8ポイントの用量応答フォーマットで試験した。該IC50の値をGraphPad Prism 7 softwareを用いて、8の用量応答モデルによって阻害カーブを合わせることで決定した。
図2はこのように得られた化合物,化合物12、化合物,化合物、化合物13および化合物のIC50の値を示す。特に、化合物および化合物のIC50の値は陽性対照のIC50の値から実質的に減少した。
引用による組み込み
本出願書類の至る箇所で挙げたすべての参考文献(例えば、参照文献、発行済み特許、公開特許出願、および同時係属中の特許出願)の内容は、引用によりその全体が本明細書に明示的に本明細書に組み込まれる。特に定義していない限り、本明細書で用いる科学技術用語はすべて、当業者に一般的に知られている意味と一致するものである。
均等物
当業者には、常套的な範囲内の実験手法を用いて、本明細書に記載の発明の具体的な実施形態の多くの均等物が認識され、または確認することができよう。かかる均等物は、以下の特許請求の範囲に包含されることを意図する。
参考文献
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Claims (12)

  1. 式F-1:
    Figure 0007086948000101
    (式中、

    Figure 0007086948000102
    であり;
    は、エチル、プロピル、イソ-プロピル、-CH -CH F、-CH -CHF または-CH -CF であり;
    は、水素またはメチルであり;
    は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
    各Rは独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部、炭素環式部、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)、N(アルキル)(アルキル)もしくはN(アルキル)(アリール)(これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい);ハロ、ニトロまたはシアノであり;
    pは0~4である)
    の化合物;またはその薬学的に許容され得る塩もしくはエステルを含んでなる医薬組成物であって、
    該医薬組成物が、対象のダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1)および/またはDCLK2によって媒介される疾患の治療に用いるため;DCLK1/2依存性細胞増殖の低減に用いるため;または、DCLK1/2の阻害を、かかる治療を必要とすると認定された対象において行うため;に用いられ、
    前記対象が、好ましくはヒトである、
    医薬組成物。
  2. 、-CH-CHF、-CH-CHFまたは-CH-CFであることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記化合物が式F-1-a:
    Figure 0007086948000103
    のもの;またはその薬学的に許容され得る塩もしくはエステルである、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. 前記化合物が、
    Figure 0007086948000104
    Figure 0007086948000105
    あるいはその薬学的に許容され得る塩である、請求項1に記載の医薬組成物。
  5. 前記化合物がDCLK1および/またはDCLK2を阻害する、請求項1~4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  6. 前記疾患が、
    (i)がんまたは増殖性疾患であり、好ましくは、バレット食道、食道癌、唾液腺悪性腫瘍、結腸癌および結腸直腸癌、胃癌、膵癌、皮膚癌および神経芽細胞腫である、または (ii)肝疾患であり、好ましくは脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、肝炎に起因する脂肪性肝疾患、肥満に起因する脂肪性肝疾患、糖尿病に起因する脂肪性肝疾患、インスリン抵抗性に起因する脂肪性肝疾患、高トリグリセリド血症に起因する脂肪性肝疾患、無βリポタンパク血症、糖原病、ウェーバー・クリスチャン病、ウォルマン病、急性妊娠脂肪肝またはリポジストロフィーである、請求項1~5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  7. 前記対象に、さらなる治療用薬剤、好ましくは抗炎症剤または化学療法剤が、同時投与または逐次投与される、請求項1~6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  8. 式A-1:
    Figure 0007086948000106
    (式中、
    Xは、CHR、CR、NH、NRまたはNであり;
    Yは、NR、N、S、SO、SO、O、CHRまたはCRであり;ここで、XとYのうち少なくとも一方はNH、NR、NR、N、S、SO、SOまたはOであり;
    Aは、単結合または二重結合であり;
    Bは、単結合または二重結合であり、ここで、AとBの両方が二重結合であることはなく;
    R’は、Hまたはアルキルであり;
    Lは、非存在、S、SO、SOまたはCOであり;
    は、
    Figure 0007086948000107
    であり
    は、エチル、プロピル、イソ-プロピル、-CH -CH F、-CH -CHF または-CH -CF であり;
    は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよく;
    は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部または炭素環式部であり、これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよく;
    は、水素またはメチルであり
    あるいはRとXが、これらが結合している原子と一緒に3~8員の炭素環式部、アリール、複素環式部またはヘテロアリールを形成しており;これらの各々は任意選択的に置換されているか;
    あるいはXとYが、これらが結合している原子と一緒に3~8員の炭素環式部、アリール、複素環式部またはヘテロアリールを形成しており;これらの各々は任意選択的に置換されており;
    は、水素または任意選択的に置換されているアルキルである)
    の化合物;またはその薬学的に許容され得る塩もしくはエステルを含む医薬組成物であって、
    該医薬組成物が、対象のダブルコルチン様キナーゼ(DCLK1)および/またはDCLK2によって媒介される疾患の治療に用いるため;DCLK1/2依存性細胞増殖の低減に用いるため;または、DCLK1/2の阻害を、かかる治療を必要とすると認定された対象において行うため;に用いられる、
    医薬組成物。
  9. 式F-1:
    Figure 0007086948000108
    (式中、
    は、
    Figure 0007086948000109
    であり
    は、エチル、プロピル、イソ-プロピル、-CH -CH F、-CH -CHF または-CH -CF であり;
    は、水素またはメチルであり;
    は、水素または任意選択的に置換されているアルキルであり;
    各Rは独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、複素環式部、炭素環式部、アルコキシ、NH(アルキル)、NH(アリール)、N(アルキル)(アルキル)もしくはN(アルキル)(アリール)(これらの各々は、任意選択的に置換されていてもよい);ハロ、ニトロまたはシアノであり;
    pは0~4である)
    の化合物;またはその薬学的に許容され得る塩もしくはエステルであって、
    好ましくは、化合物がDCLK1および/またはDCLK2を阻害する、化合物。
  10. 、-CH-CHF、-CH-CHFまたは-CH-CFである、請求項に記載の化合物。
  11. 前記式F-1の化合物が式F-1-a:
    Figure 0007086948000110
    のもの;またはその薬学的に許容され得る塩もしくはエステルである、
    請求項9または10に記載の化合物。
  12. 前記化合物が、
    Figure 0007086948000111
    Figure 0007086948000112
    あるいはその薬学的に許容され得る塩である、請求項9に記載の化合物。
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