JP7082131B2 - 血管リスクを評価するためのシステムおよび方法 - Google Patents

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Description

本発明は、医用イメージングおよび関連画像の分析のためのプロトコルの分野に関する。より詳細には、本発明は、例えば医師の医療上の意思決定における支援サポートとして働くことが意図されているリスクマップの形成をもたらす、動脈瘤リスクを評価および予測するための方法に関する。
医学的状況の発生または進展を評価および/または予測することが意図されている方法の分野では、例えば米国特許第8812431B2号明細書に提示されているような、既知の症例のデータベースと最初の医療モデルを比較して、最も近い症例を見つけ、意思決定支援のための基礎を医師に提供することを可能にする方法およびシステムが知られている。
動脈瘤の研究という具体的な文脈においては、例えば、米国特許出願公開第2009088624A号明細書および米国特許第9345442B2号明細書のように、幾何学的データの分析に基づいて上記動脈瘤の進展を予測する方法も知られている。
米国特許出願公開第2015/164342号明細書は、流体モデルまたは機械的モデルから計算された数値を有する1組のパラメータから、学習アルゴリズムを用いて血管リスクを予測する、血管リスクを評価するための方法を開示している。
米国特許第9349178号明細書は、合成データのみに基づいてトレーニングされた学習法によって血行力学的量を決定するための方法を開示している。
しかしながら、既存の方法およびシステムは、時間および割り当てられる計算リソースの量の点で複雑かつ/または高価なシステムを使用することが多く、このことが、とりわけ、小規模な医療構造にとって大きな欠点となっている。
病状の進展の予測を改善することは、特に、大動脈瘤などの動脈瘤、および大動脈弁狭窄症、大動脈縮窄症、または二尖大動脈弁に関連する他の変形などの関連する異常の診断および治療の文脈において、医療従事者にとって重大な臨床上の問題である。
具体的には、各患者にとって最も適切な治療の選択に関する不確実性が高すぎる。
動脈瘤は、通常、境界の平行性が失われた、動脈の永続的な局所的腫脹として定義される。
現在のところ、動脈瘤の破裂のリスクを予測するための最も一般的な方法では、大動脈の直径および動脈瘤の膨張の程度などの、治療対象の患者だけの固有の幾何学的データを基本的に考慮に入れる。これらの精密ではない方法には、よく知られている限界がある。とりわけ、これらの方法は、医師が正確な診断を下せるようにしてくれるものではなく、それは、動脈瘤が、まず、影響を受けた血管領域の直径とは無関係に破裂する場合があり、動脈の直径が大きくなっても自動的に動脈瘤破裂のリスクにつながらず、それとは対照的に、動脈瘤破裂は、動脈の直径の増加が事前に観察されなくても引き起こされる場合があるためである。
このために、上記患者が、例えば、不必要に手術を受けていたり、または対照的に、大動脈破裂のリスクが危機的なレベルにあるときに至急手術を受けていなかったりする場合がある。さらに、明らかな症状がない場合でさえも、動脈瘤の破裂のリスクが永続的に存在し、このことは、動脈瘤の寸法にかかわらず当てはまる。
患者の血流の研究を組み入れた他の方法が登場したが、これらは、かなりの計算リソースを使用することと、データ処理時間が長いことと、の2つの主な欠点を有している。
米国特許第8812431号明細書 米国特許出願公開第2009/088624号明細書 米国特許第9345442号明細書 米国特許出願公開第2015/164342号明細書 米国特許第9349178号明細書
本発明は、極めて多数の医用イメージングシステムにおいて実施可能な迅速な方法を提案することによって、上述した欠点(精度の低さ、複雑さ、時間的および割り当てられるリソースの観点から見たコスト)を改善し、意思決定支援要素を医師に提供することが意図されている。
提案される評価方法は、胸部大動脈または腹部大動脈などの血管関心領域Vにおけるリスク評価に関する。
本方法は、2つの主要な解決策から構成される。第1の解決策(解決策1すなわち知識取得解決策)は、(限定することなしに)大まかに言えば、
-医師のための意思決定支援サポートとしてリスクモデルMR(MR、MR)を生成することを意図されている、学習法を用いる治療アルゴリズムを開発およびトレーニングすることと、
-好ましくは、分析対象の1組のパラメータJPのうちの予測(または非予測)パラメータの予測能力を評価して、例えば、限定することなしに、
○利益をテストすること、および/または分析対象の1組のパラメータJPに新しいパラメータを含めるか否かを決定することと、
○分析対象の1組のパラメータJPのうちのパラメータの予測能力を再評価することであって、例えば、より効果的であると考えられる他の新しいパラメータがその組に含まれるとき、一部の初期パラメータはそれらの予測利益を失う場合があり、その場合、その組のすべてのパラメータを保持すること、または予測利益を失ったパラメータを除外することのいずれかが可能であること、と、
を可能にすることと、
に関するものであり、
一方、第2の解決策(解決策2すなわち臨床応用解決策)は、大まかに言えば、医師のための意思決定支援サポートとして少なくとも1つのリスクモデルMRを直接得られるように、すなわち過度に長い計算をせずに、および/または少数の処理ステップを用いて、学習法を用いる上記治療アルゴリズムを患者に適用することを含む。
学習法は、例えば、データマイニング法であり得る。
知識取得(解決策1)と臨床応用(解決策2)との間の移行は、好ましくは、分析対象の1組のパラメータJPが完全に形成されたとき、すなわち、すべてのパラメータが確認されたとき(それらの予測能力が確認されたとき)に行われる。好都合には、分析対象の1組のパラメータJPのパラメータは、
○それが、医師(および/またはユーザ)によって手動で入力され、確認されたことが分かっている場合に確認される、および/または
○少なくとも1つの評価および/または確認ステップL(後述)を介して確認される。
好都合には、選択された解決策にかかわらず、分析対象の1組のパラメータJPは患者とは独立である。
変形形態によれば、リスクモデルMRを生成するステップは(それが発生する本方法のステップに関係なく)、
-分析対象の1組のパラメータJPのうちの少なくとも1つのパラメータのためのモデル、好ましくは、分析対象の1組のパラメータJPのうちのパラメータのそれぞれのためのモデルを生成すること、および/または
-分析対象の1組のパラメータJPのうちの複数のパラメータ、好ましくは、分析対象の1組のパラメータJPのうちのパラメータのすべての同時効果を考慮してグローバルモデルを生成すること
を含む。
好都合には、本発明によれば、分析対象の1組のパラメータJPのうちのパラメータに関連するリスクモデルMRを生成するステップは、とりわけ、分析対象の1組のパラメータJPのうちの上記パラメータについて計算されたデータDN(DN、DN)の各数値項目に対して、リスクレベルのスケールの中から、リスクレベルNR(NR、NR)を割り当てるステップを含む。
(リスクレベルのスケールの中から)リスクレベルNRは、好ましくは、
-数値、および/または
-空間分布(連続する点、例えばメッシュ内の隣接する点で計算された数値データ)、および/または
-時間分布
に関して近い1組の数値データDN(DN、DN)に割り当てられる。
好都合には、グローバルモデルを生成することは、例えば、とりわけ、
-分析対象の1組のパラメータJPのうちの各パラメータに関連するリスクレベルNRと、
-分析対象の1組のパラメータJPのうちの各パラメータの相対的な影響を反映した重み付けと
を含む計算に基づいて、(リスクレベルのスケールの中から)グローバルリスクレベルを決定し割り当てるステップを含む。
数値データDN(DN、DN)は、好ましくは、対応するメッシュの各点において(すなわち、このメッシュが存在する場合には、計算に使用されるメッシュの各点において)計算される。
好都合には、リスクレベルNRが、対応するメッシュの各点において(すなわち、このメッシュが存在する場合には、計算に使用されるメッシュの各点において)データDN(DN、DN)の各数値項目に割り当てられる。
好都合には、リスクモデルMRは、リスク領域(動脈瘤の発生のリスク、動脈瘤の破裂のリスク、縮窄の発生のリスク)の迅速な識別を可能にする可視マーカを含む形式で提示される。
例えば、モデルは、数値データが対応するリスクレベルNRに応じて異なって強調される、データの表、画像、ビデオ、またはグラフ(曲線、ヒストグラムなど)の形をとることができる。
例えば、各リスクレベルNRは、色、マーキング要素、または可視マーカの任意の可能な組み合わせなど、特定の可視マーカに関連付けられる。
モデルは、好ましくは、その上に可視マーカが配置され、リスクレベルNRによって融合される、3Dマップの形をとり、例えば、可視マーカが着色された点である場合、それらの「融合」は、同じ色の平坦化された領域を生じさせ、リスク領域を迅速に識別するのがとても容易になる。
モデルはまた、4Dマップ(例えば、時間と共に変動する3Dマップ)の形をとることもでき、これにより、所与の期間にわたるリスクの進展を見ることが可能になり得る。
さらに、当業者であれば、対象とする用途に応じて、モデルに最も適したレンダリングを選択する方法を知っているはずである。
大動脈内に存在する動脈瘤、およびその幾何形状に関連する特定のデータなどの血管関心領域Vを示す図である。 本発明による方法の主なステップを示す図である。
好都合には、図1に示すように、紡錘状動脈瘤が、大動脈内腔の中心を通る仮想線に対応する(中心線に基づく基準フレーム内の)中央線とも呼ばれる、紡錘状動脈瘤の中心線LCを参照して説明される。
紡錘状動脈瘤を記述するのに、以下のようなその幾何形状に関するデータを使用できる。
-検査長さL、すなわち、上記モデルMの全水平投影に対応する長さ、
-中心線弧の高さA、
-大動脈の直径D、
-大動脈の中心線から動脈瘤の内方にある壁(すなわち、最も小さい隆起を示す壁)までの半径に対応する(動脈瘤の中心線LCに垂直な)動脈瘤の内方にある径B、
-大動脈の中心線から動脈瘤の外方にある壁(すなわち、最も大きい隆起を示す壁)までの半径に対応する(動脈瘤の中心線LCに垂直な)動脈瘤の外方にある径C、
-動脈瘤の長さAL、すなわち、動脈瘤の平均長さ、
-大動脈Sの断面(図1に示さず)。
ただし、本発明はまた、嚢状または多葉性の動脈瘤などの他の形態を有する動脈瘤にも適用され得る。
図2は、本発明による方法のステップを示す図である。
学習法を用いる治療アルゴリズムによる、少なくとも知識の開発および取得に関する、本方法の解決策1は、本方法に含まれている様々なステップ(ボックス)間の単一の黒矢印で示されている。
学習法を用いる上記治療アルゴリズムの臨床応用に関する(かつ少なくとも1つのリスクモデルMRを直接取得するために、学習法を用いる上記治療アルゴリズムの患者への適用を含む)、本方法の解決策2は、本方法に含まれているステップ(ボックス)間の二重の黒矢印および/または白矢印で示され、ステップ(ボックス)は網掛けされている。
学習法を用いる治療アルゴリズムを実施する、血管関心領域Vにおけるリスク評価のための上記方法は、1群の患者{P,…,P,…,P}の中からの一連の患者の各症例Pについて、以下のステップを含むという点で注目に値する。
ステップ1.(例えば、メモリに記録される、または医師によって入力される)最新の既知の学習法を用いる上記治療アルゴリズムの予測能力誤差Eの値をテストし、本方法の最初の繰り返しにおいて、予め定義された閾値SEより大きくなるように予測能力誤差Eの上記値が定義され、誤差の値が上記予め定義された閾値SEより大きい場合、少なくとも下記ステップ2~11をこの順序で実行し、それ以外の場合は、少なくともステップ2、3、5、6、および7をこの順序で実行する。好ましくは、誤差Eの値が上記予め定義された閾値SEより小さい場合、少なくともステップ2、3、4、5、6および7をこの順序で実行する。
ステップ2.上記患者Pの血管関心領域Vの少なくとも1つの表現Rを取得する。
ステップ3.上記表現Rから、一次モデルMPおよび補正モデルMCの中から、上記関心領域Vの少なくとも1つのモデルMを再構成する。
ステップ4.上記モデルMから、上記関心領域Vの少なくとも1つのメッシュT(TP、TC)を生成する。
ステップ5.ステップ3から得られた少なくとも1つのモデルMおよび/またはステップ4から得られた少なくとも1つのメッシュTから、上記血管関心領域Vの幾何形状に関するデータDGを抽出する。
ステップ6.少なくとも1つの事前に記録された予測および/または非予測パラメータのリストから、上記関心領域Vにおけるリスクを評価するために、分析対象の1組のパラメータJPを形成する。
ステップ7.上記血管関心領域Vの幾何形状に関して少なくともデータDGから、学習法を用いる上記治療アルゴリズムにより、ステップ6で形成された上記1組のパラメータJPのうちの少なくとも1つのパラメータに関連する予測リスク数値データDNを決定し、リスクレベルのスケールの中から、(上記1組のパラメータJPのうちの)上記パラメータにリスクレベルNRを割り当て、上記決定された数値データDNから、少なくとも上記1組のパラメータJPのうちの各パラメータについて、上記関心領域VにおけるリスクモデルMRを生成する。
ステップ8.ステップ4で生成された少なくとも1つのメッシュを含む少なくとも1群のメッシュと、少なくとも1組の適応入出力条件SCと、から、少なくとも1つのCFD(CFD:計算流体力学)研究を含む流体研究を介して、ステップ6で形成された上記1組のパラメータJPのうちの少なくとも1つのパラメータに関連する予測リスク数値データDN(DNEC、DNEF)を決定し、リスクレベルのスケールの中から(上記1組のパラメータJPのうちの)上記パラメータにリスクレベルNRを割り当て、上記決定された数値データDN(DNEC、DNEF)から、少なくとも上記1組のパラメータJPのうちの各パラメータについて、上記関心領域VにおけるリスクモデルMR(MREC、MREF)を生成する。
ステップ9.少なくともステップ7とステップ8との結果を比較し、能力誤差Eの値を記録することにより、流体研究に関して学習法を用いる治療アルゴリズムの予測能力誤差Eを評価する。
ステップ10.少なくともステップ8の結果を提供することにより、学習法を用いる上記治療アルゴリズムをトレーニングする。
ステップ11.患者症例データベースで得られたすべてのデータをデータ記憶装置に記録する。
好都合には、上記関心領域Vにおける1つ(または複数)のリスクモデルMRおよび/またはMR(MREC、MREF)の生成は、本発明による方法が解決策1および/または2を採用するときに行われる。
好ましくは、上記関心領域Vにおける1つ(または複数)のリスクモデルMRおよび/またはMR(MREC、MREF)の生成は、本発明による方法が解決策2を採用するときにのみ行われる。
本発明による方法は、患者のサンプル{P,…,P,…,P}に適用される方法であり、すなわち、本方法は、第1の患者に適用され、次いで第2の患者に適用され、以下同様に適用される。
上記方法を形成するステップは、それが使用する、学習法を用いる治療アルゴリズムに割り当てられた予測能力誤差Eの値に応じて動的である。
よって、本評価方法は、まず、学習法を用いる治療アルゴリズムの開発およびトレーニングに関する。上記方法のこの第1の解決策は、学習法による治療アルゴリズムに割り当てられた予測能力誤差Eの値が予め定義された閾値SEより大きい場合に採用され、少なくとも上記方法のステップ2~11を、好ましくはこの順序で、実行することを含む。変形形態として、ステップ8、またはステップ8およびステップ10は、ステップ7の前に実行されてもよい。
なお、本方法のこの段階に到達するには、少なくとも100人の患者からデータを取得し処理する必要がある。
次いで、学習法を用いる治療アルゴリズムに割り当てられた予測能力誤差Eの値が、上記予め定義された閾値SEを下回ると、本評価方法は、学習法を用いる上記治療アルゴリズムを利用することを含む第2の解決策を採用する。この場合、本評価方法は、少なくともステップ2、3、5、6および7から、典型的にはこの順序で、形成される。
本方法の高度な変形形態では、提供されるステップの間に追加のステップが挿入されてもよいが、最初のステップは意図されている番号順に行われ続け、ステップ7および8、場合によってはステップ10の順序の逆転の可能性がある、またはステップ7と8とを同時に実行する可能性もある。例えば、本方法が知識取得解決策1を採用するとき、ステップL(後述)がステップ8とステップ9との間に挿入され得る。
よって、本発明による方法は、学習法を用いる上記治療アルゴリズムの予測能力誤差Eの値に応じて、以下を含むことができる。
-採用されるリスク予測解決策を決定するためのステップ1であって、(例えば、メモリに記録される、または医師によって入力される)最新の既知の予測能力誤差Eの値をテストすることを含み、誤差の値が予め定義された閾値SEより大きい場合、少なくとも下記ステップ2~12を(好ましくはこの順序で、つまり、番号順に)実行し、それ以外の場合は、少なくともステップ2、3、5、6および7を、好ましくはこの順序で実行する、ステップ1。
好ましくは、誤差Eの値が上記予め定義された閾値SEより小さい場合、少なくともステップ2、3、4、5、6および7は、好ましくはこの順序で、実行される。この好ましい変形形態は、図2において、ステップ3~4の間およびステップ4~5の間の二重の白矢印によって示されている。
最新の既知の予測能力誤差Eの値は、好ましくは、本方法の前の繰り返しで記録された最後の値に対応する。
ただし、本方法の一部の変形形態において、医師は、本方法が開始される前に予測能力誤差Eについて、医師が選択した値を記録することができ、この手動で入力された値を最新の既知の誤差であるとみなす。
好ましくは、学習法を用いる治療用アルゴリズムの開発およびトレーニングの段階が起こり得るようにするために、予測能力誤差Eの初期値(患者のPに対応する、本方法の最初の繰り返しにおける値)は、予め定義された閾値SEより大きいと定義される。
好都合には、上記予め定義された閾値SEは、20%以下である。
好ましくは、上記予め定義された閾値SEは、5%以下である。
-上記患者Pの血管関心領域Vの少なくとも1つの表現Rを取得する、ステップ2。好都合には、表現Rは、4DフローMRIシーケンス、血管造影法、シネMRIの中から選択され、血管関心領域Vは、腹部大動脈および/または胸部大動脈を含む領域、膝窩動脈を含む領域、および肝動脈を含む領域などの動脈瘤のリスクがある血管領域である。血管関心領域Vは、好ましくは、胸部大動脈を含む領域である。
-上記表現Rから、一次モデルMPおよび補正モデルMCの中から、上記関心領域Vの少なくとも1つのモデルMを再構成する、ステップ3。一次モデルMPは、上記関心領域Vに(その不完全性および/またはその異常(またはその複数の異常)が、患者に影響を及ぼす病状に関連している状態で)正確に対応し、一方で、補正モデルMCは、上記関心領域Vの補正版に対応するが、補正は、関心領域Vが「健康」であるとした場合に、関心領域Vのありように対応するモデルを得るために、上記表現Rにおいて確立された動脈瘤や縮窄などの異常(病理)を除去することを含む。
さらに後述するように、補正モデルを使用することによって、血管リスクの予測パラメータ、例えば特に高い値が動脈瘤の発症と相関関係があるパラメータを識別することが可能になる。
-上記モデルMから、上記関心領域Vの少なくとも1つのメッシュT(TP、TC)を生成する、ステップ4、すなわち、
○一次モデルMPに対応する一次メッシュTP、および/または
○補正モデルMCに対応するメッシュTC
を少なくとも生成する、ステップ4。
構築された3Dメッシュ(volumetric mesh)(または複数のメッシュ)は、好ましくは、巨視的な動脈などの関心領域については非構造四面体タイプのメッシュであり、大動脈弁によって構成される関心領域については構造六面体タイプのメッシュである。
本発明の1つの特に好ましい変形形態によれば、大動脈の壁および/または弁(すなわち外側)に関連するメッシュは、六面体タイプのメッシュであり、流れ領域(すなわち内側)に関連するメッシュは、四面体タイプのメッシュである。
本発明の1つの変形形態によれば、本方法の上記ステップ4は、まず、非対称性、規則性、要素数などのパラメータ(単独でまたは組み合わせて)を変化させることによって上記メッシュ(または複数のメッシュ)の感度を調べることと、次に、最も適切な1組のメッシュ生成パラメータを選択することを可能にすることと、を含む、生成されたメッシュを評価および確認するサブステップをさらに含む。
好都合には、本方法が解決策1を採用するときに生成されるメッシュ(または複数のメッシュ)は3Dであり、本方法が解決策2を採用するときに生成されるメッシュ(または複数のメッシュ)は2Dである。
-少なくとも1つのモデルM(これが例えば一次モデルMPであるか補正モデルMCであるかを問わない)および/または少なくとも1つのメッシュT(これが例えば一次メッシュTPであるか補正メッシュTCであるか別のメッシュであるかを問わない)から、上記血管関心領域Vの幾何形状に関するデータDGを抽出する、ステップ5。好都合には、データDGは、
○モデルMからおよび/またはメッシュTから直接、
○間接的に、すなわち、計算を通して
抽出される。
好都合には、データDGは、以下のうちの少なくとも1つのデータ項目を含む。
・検査長さL、すなわち、上記モデルMの全水平投影に対応する長さ、
・中心線弧の高さA、
・大動脈の直径D、
・大動脈の中心線から動脈瘤の内方にある壁(すなわち、最も小さい隆起を示す壁)までの半径に対応する(動脈瘤の中心線LCに垂直な)動脈瘤の内方にある径B、
・大動脈の中心線から動脈瘤の外方にある壁(すなわち、最も大きい隆起を示す壁)までの半径に対応する(動脈瘤の中心線LCに垂直な)動脈瘤の外方にある径C、
・動脈瘤の長さAL、すなわち、動脈瘤の平均長さ、および/または
・有効弁口面積AVEの経時変化(EOA:effective orifice area(有効弁口面積)):この面積は、例えば、流入量から、別個のCFD研究から、フローイメージングまたはカテーテルから、計算できる、
・流入量、
・流出圧力。
-少なくとも1つの事前に記録された(固定または可変)、分析対象の(予測および/または非予測)パラメータのリストから、上記関心領域Vにおけるリスクを評価するために、分析対象の1組のパラメータJPを形成する、ステップ6。
-好都合には、パラメータJPのうちの少なくとも一部は「局所的」パラメータである、つまり、その値は、とりわけ、関心領域V内の位置によって異なる。しかしながら、パラメータの値が上記領域のメッシュの各ノードに対して定義される必要はなく、例えば、一部のパラメータの値は、関心領域内の血管(例えば、大動脈)の断面に対して定義されてもよい。
好都合には、本発明による方法が解決策1を採用するとき、少なくとも上記固定リストからの選択を通じて、1組のパラメータJPが徐々に形成される。
好ましくは、本発明による方法が解決策1を採用するとき、1組のパラメータJPは、予測パラメータおよび非予測パラメータを含むことができる。
好ましくは、本発明による方法が解決策1を採用するとき、1組の予測パラメータSPPは、上で定義された選択を通じて、および/または少なくとも1つの追加の(予測または非予測)パラメータの追加を通じて形成される。少なくとも1つの追加のパラメータの追加は、医師(ユーザ、研究者、開発者など)による入力から、および/または本方法自身による更新(本方法の別のステップに従う。ステップ7および/または8の後に本方法にループが形成されてもよく、これについては後述する)からもたらされる。好都合には、本発明による方法が解決策1を採用するとき、追加される追加のパラメータは、(例えば、研究されたパラメータのログを維持するために)上記リストに記録される。
好都合には、本発明による方法が解決策2を採用するとき、少なくとも上記リストからの選択を通じて、1組のパラメータJPが形成される。
好ましくは、本発明による方法が解決策2を採用するとき、1組のパラメータJPは、予測パラメータのみを含む。
好ましくは、本発明による方法が解決策2を採用するとき、1組のパラメータJPは、上で定義された選択を通じて、また少なくとも1つの追加の予測パラメータの追加を通じて形成される。好都合には、本発明による方法が解決策2を採用するとき、追加のパラメータは、(例えば、研究されたパラメータのログを維持するために)上記リストに記録される。
よって、リストは、形成されるときに、確認済みパラメータ(すなわち、実際には予測的なもの)および/または確認されていないパラメータ(すなわち、正しくまたは誤って、予測的であると想定されるもの)を含むことができる。
1組のパラメータJPを形成するパラメータ(または複数のパラメータ)は、好ましくは、とりわけ、以下の中から選ばれる。
○次式で定義される、壁せん断応力(WSS)
Figure 0007082131000001
式中、μは動的粘度、uは壁に平行な流速、yは壁までの距離である。
○壁せん断応力から導出された任意のパラメータ
○次式で定義される、振動せん断指数(OSI)
Figure 0007082131000002
○次式で定義される、時間平均壁せん断応力(AWSS)
Figure 0007082131000003
○次式で定義される、時間平均壁せん断応力ベクトル(AWSSV)
Figure 0007082131000004
○最大収縮時の壁せん断応力(WSSPS)
○空間壁せん断応力勾配SWSSG(空間WSS勾配)。これは、壁せん断応力(WSS)の空間的不均一性を表し、次式で定義される。
Figure 0007082131000005
式中、方向pは、血流周期にわたるWSSベクトルの方向に対応し、方向qは、方向pに対して垂直である。
●血行力学的指数GON(gradient oscillatory number:GON)。これは、振動する引張力と圧縮力との大きさを定量化するものであり、次式で定義される。
Figure 0007082131000006
○収縮中期減速の動脈瘤形成指数(AFI)。これは、WSSiベクトル(WSSiは、血流周期の所与の瞬間iにおけるWSSに対応する)とAWSSVとの間の角度の余弦を定量化するものであり、次式によって定義される。
Figure 0007082131000007
○例えばダルシーの法則(流速は、2点間の圧力差に直線的に比例し、流体力学的抵抗に反比例する)を用いて、関心対象の血管の抵抗を用いて得られる入力側圧力(IP)。上記抵抗は、例えば、ポアズイユの法則を用いて計算される。
○大動脈瘤が血管の直径の局所的な増大をもたらすという事実の観察に基づいて、大動脈の断面Sに関連する1群のパラメータを記述することが可能である。
・上記断面Sに関連する壁せん断応力(SWSS):
Figure 0007082131000008
・上記断面Sに関連する空間壁せん断応力勾配(SSWSSG):
Figure 0007082131000009
・上記断面Sに関連する時間平均壁せん断応力(ASWSS):
AScWSS=∫WSSdt
・上記断面Sに関連する時間平均空間壁せん断応力勾配(ASSWSSG):
AScSWSSG=∫SWSSGdt
・上記断面Sに関連する、最大収縮時の壁せん断応力(SWSSPS)
・上記断面Sに関連する、最大収縮時の空間壁せん断応力勾配(SSWSSGPS)
・上記断面Sに関連する壁せん断応力の標準偏差(DSWSS):
Figure 0007082131000010
・上記断面Sに関連する空間壁せん断応力勾配の標準偏差(DSSWSSG):
Figure 0007082131000011
・上記断面Sに関連する時間平均壁せん断応力の標準偏差(ADSWSS):
ADScWSS=∫σ(SWSS)dt
・上記断面Sに関連する時間平均空間壁せん断応力勾配の標準偏差(ADSSWSSG):
ADScSWSSG=∫σ(SSWSSG)dt
・上記断面Sに関連する、最大収縮時の壁せん断応力の標準偏差(DSWSSPS)
・上記断面Sに関連する、最大収縮時の空間壁せん断応力勾配の標準偏差(DSSWSSGPS)
大動脈瘤は、血管の直径を局所的に増加させる。よって、本発明の1つの有利な実施形態では、1組のJPのうちのパラメータ、またはそれらのうちの少なくとも一部は、大動脈の断面における壁せん断応力に基づいている。これにより、(少なくとも)以下のパラメータ:
-血管関心領域の断面に関連する時間平均壁せん断応力と、
-血管関心領域の上記断面に関連する時間平均空間壁せん断応力勾配と、
-血管関心領域の上記断面に関連する、最大収縮時の壁せん断応力と、
-血管関心領域の上記断面に関連する、最大収縮時の空間壁せん断応力勾配と
が使用される。
とりわけ、大動脈瘤は断面内で直径の均一な増加を一般に示さないという事実を考慮して、大動脈の断面における壁せん断応力の不均衡を考慮することが有益であることも分かる。これにより、(少なくとも)以下のパラメータ:
-血管関心領域の断面に関連する時間平均壁せん断応力の標準偏差と、
-血管関心領域の上記断面に関連する時間平均空間壁せん断応力勾配の標準偏差と、
-血管関心領域の上記断面に関連する、最大収縮時の壁せん断応力の標準偏差と、
-血管関心領域の上記断面に関連する、最大収縮時の空間壁せん断応力勾配の標準偏差と
が使用される。
-ステップ7であって、
○上記血管関心領域Vの幾何形状に関して少なくともデータDGから、学習法を用いる上記治療アルゴリズムを用いて、ステップ6で形成された1組のパラメータJPのうちの少なくとも1つのパラメータに関連する予測リスク数値データDNを決定し、すなわち上記パラメータの数値を計算し、
○リスクレベルのスケールの中から、1組のパラメータJPのうちの上記パラメータ(または上記複数のパラメータ)にリスクレベルNRを割り当て、
○上記決定された数値データDNから、少なくとも1組のパラメータJPのうちの各パラメータについて、上記関心領域VにおいてリスクモデルMRを生成する、ステップ7。
好都合には、学習法を用いる治療アルゴリズムは、与えられたデータの関数として1組のパラメータJPのうちのパラメータの数値データ(値)を近似するエミュレータのように機能する。
よって、エミュレータは、構築され確認されると、とりわけ、出力変数に関する統計を提供する、および/または各入力変数の相対的重要性を識別する、および/または出力時に特定の条件につながる複数組の入力パラメータを識別するように用いられることが意図されている(構築後段階、解決策2)。
好都合には、学習法を用いる治療アルゴリズムは、ニューラルネットワーク、特に多層パーセプトロンニューラルネットワーク、決定木、ベイジアンネットワーク、自己適応型マップなどの技法を用いる。
例えば、ベイジアンネットワークおよび多変量手法(データマイニング法を構成する)に基づくアルゴリズムは、CFD流れ研究に有効であることが証明されており、これについては、下記を参照されたい。
V.B.Kolachalama,N.W.Bressloff,and P.B.Nair.Mining data from hemodynamic simulations via Bayesian emulation.BioMedical Engineering OnLine,vol.6,article 47,2007。
さらに最近では、バックプロパゲーショントレーニングされた多層パーセプトロンニューラルネットワークが、幾何学的パラメータから壁せん断応力などの流れパラメータを予測する上で有望な結果をもたらした。これについては、下記を参照されたい。
N.Jankovic,M.Radovic,D.Petrovic,N.Zdravkovic,and N.Filipovic.Mining data from CFD simulations of aneurysm and carotid bifurcation models.J.of the Serbian Society for Computational Mechanics.2012;6(2):133-144。
この方法は、3346個の学習例のセット上で、9個の入力ニューロンと5個の出力ニューロンとを用いて、動脈瘤の場合に適用されている。1000回繰り返した後の誤差は、3.51%であった。
自己組織化マップ法もまた有望のようであり、これについては、下記を参照されたい。
S.Morizawa,K.Shimoyama,S.Obayashi,K.Funamoto,and T.Hayase.Implementation of visual data mining for unsteady blood flow field in aortic aneurysm.J.Vis.2011;14:393-398。
予測数値データDNAは、好ましくは、とりわけ、ステップ4において、生成されたメッシュ(または複数のメッシュ)の各点(一次TPおよび/または補正されたTCまたは他のメッシュ)において、および/または各時間ステップにおいて決定される。例えば、心周期(通常0.8秒間続く)は、10~100の間の複数の時間ステップ、好ましくは、20の時間ステップに細分される。
-ステップ8であって、少なくとも
○ステップ4において生成された少なくとも1つのメッシュを含む1組のメッシュ、および/または
○少なくとも1組の入出力条件SC、および/または
○上記血管関心領域Vの幾何形状に関するデータDG
から、少なくとも1つのCFD研究を含む流体研究を通して、ステップ6で形成された上記1組のパラメータJPのうちの少なくとも1つのパラメータに関連する予測リスク数値データDNEを決定し、すなわち上記パラメータの数値を計算し、
○リスクレベルのスケールの中から、1組のパラメータJPのうちの上記パラメータ(または上記複数のパラメータ)にリスクレベルNRを割り当て、
○上記決定された数値データDNEから、少なくとも1組のパラメータJPのうちの各パラメータについて、上記関心領域VにおいてリスクモデルMRを生成する、ステップ8。
好都合には、本発明によれば、数値データDNは、局所的に(つまり、例えば、各メッシュ点でのパラメータ(または複数のパラメータ)の値、もしくは定義された領域にわたる平均値を計算することによって)計算される、および/または大域的に経時的に(つまり、例えば、各時間ステップでのパラメータ(または複数のパラメータ)の値、もしくは全心周期にわたる平均値を計算することによって)計算される。数値データDNは局所的に計算されるため、数値データDNは位置に依存する。よって、これらの値の分布のマップを作成することが可能である。このマップは、例えばカラーコードまたはグレースケールによってコンピュータ画面上に表示されてもよい。
リスクレベルNRは、1組のJPのうちのパラメータの計算値DNと関心領域の病理学的異常との間の空間的相関関係から決定され得る。例えば、補正モデルMCから計算されたパラメータが、一次モデルMPが異常(例えば動脈瘤)を示す場所で特に高い値を示す場合、問題のパラメータは、動脈瘤の形成を予測すると仮定できる。具体的には、補正モデルは、動脈瘤(より一般的には病状)の形成前であるが、因子がその発生源に既に存在していた場合の患者の条件の近似を構成する。この場合、パラメータの高い(低い)値は、高い(低い)リスクレベルに関連付けられる。リスクレベルは局所的に定義されるため、そこからマップを作成し、そのマップを例えばカラーコードまたはグレースケールによってコンピュータ画面上に表示することが可能である。
好都合には、本発明の一部の変形形態によれば、流体研究は、計算流体力学(CFD)研究を含む。
流体研究は、好ましくは、計算流体力学研究および流体構造連成(FSI)研究の両方を含む。
好都合には、流体研究は、少なくとも、モデルが巨視的であるときにはナビエ-ストークス方程式を解くことを含み、モデルがメゾスコピックであるときにはBGK-ボルツマン方程式を解くことを含む。好ましくは、血管関心領域Vが大動脈であるとき、超弾性neo-Hookeanモデルを解くことによって壁の動きが考慮される。
よって、本発明の変形形態によれば、CFD流体研究に対応するデータDNEC、および/またはFSI流体研究に対応するデータDNEFであり得る、数値データDNが決定される。
好都合には、1組の入出力条件SCは、とりわけ、入口における最大収縮時のレイノルズ数、入口における有効弁口面積(EOA)、出口抵抗の中から、少なくとも1つのパラメータを含む。
1組(または複数組)の入出力条件SCは、好ましくは、
○メモリに事前に記録されている、および/または
○医師によって手動で入力されている、および/または
○評価および/または確認ステップL(後述)の結果である。
好都合には、本発明の変形形態によれば、1組(または複数組)の入出力条件SCは、既存のリストから選択される、および/または要求に応じて手動で入力される、および/または1組の初期入出力条件SCIのうちの少なくとも1つのパラメータの確率論的修正を行うことによって取得される。
好都合には、1組の入出力条件SCは、とりわけ、入口における最大収縮時のレイノルズ数、入口における有効弁口面積(EOA)、流出抵抗、流入量、入口における速度のプロファイルの中から、少なくとも1つのパラメータを含む。
予測数値データDNは、好ましくは、ステップ4において、生成されたメッシュ(または複数のメッシュ)の各点(一次TPおよび/または補正されたTC)において、および/または各時間ステップにおいて決定される。
本発明の洗練された変形形態では、1群のメッシュは、上記一次メッシュTPに関連する少なくとも1つのパラメータの確率論的修正を実行することによって、上記一次メッシュTPから形成される少なくとも1つの適応メッシュTAをさらに含む。
好都合には、流体研究は、とりわけ、呼吸および心臓の動きに起因する大動脈の動き、および大動脈の弾性の中から、少なくとも1つの要素を考慮する。
-少なくともステップ7とステップ8との結果を比較し、予測能力誤差Eの値を記録することにより、流体研究(流体研究は、実際の挙動を表し、有効な結果を生むため、基準として働く)に関して学習法を用いる治療アルゴリズムの予測能力誤差Eを評価する、ステップ9。
好都合には、学習法を用いる治療アルゴリズムの予測能力誤差Eの評価は、少なくとも、
○流体研究を通じて計算され、(これらは実際の値であるため)基準値を構成する、予測リスク数値データ(数値)DNと、
○学習法を用いる上記治療アルゴリズムを用いて計算され、最適化対象の値を構成する、予測リスク数値データDN(数値)と
の間の誤差を評価することによって行われる。
誤差Eの値を記録することは、以前に記録された値を削除すること、またはそれが最新の計算値であることを示す指標を値に割り当てることによってリストに値を記録することのいずれかを含み得る。
-少なくともステップ8の結果を提供することにより、学習法を用いる上記治療アルゴリズムをトレーニングする、ステップ10。
-患者症例データベースで得られたすべてのデータをデータ記憶装置に記録する、ステップ11(図2に示さず)。
より詳細には、ステップ9は、
○分析対象の1組のパラメータJPのうちのパラメータ(または複数のパラメータ)の数値データ(数値)DN(DNおよび/またはDN)を比較すること、および/もしくは上記数値データDN間の誤差を推定して、それらの対応関係が十分であることを検証すること、
ならびに/または
○リスク領域間の対応関係が十分であるか否かを検証するために、リスクモデルMRを比較すること
を含む。
この文脈(ステップ9)において、数値データDNの比較は、
○数値データDNを比較して、
・流体研究から得られた基準数値データDNと、
・学習法を用いる治療アルゴリズムを用いて得られた最適化対象の(予測)数値データDN
の間の対応関係が十分であるか否かを検証すること、および/もしくは
○流体研究から得られた数値データDNと、学習法を用いる治療アルゴリズムから得られた最適化対象の数値データDNとの間の誤差を(例えば、百分率、レベルなどに関して)推定すること、
ならびに/または
○数値データDNを比較して、
・実際のケース(または複数のケース)から得られた(つまり、一次メッシュTPから得られた)モデル(または複数のモデル)に関連する数値データDNと、
・シミュレーションされたケース(または複数のケース)から得られた(つまり、補正メッシュTCから、および/または他のメッシュ、例えば適応メッシュTAから得られた)モデル(または複数のモデル)に関連するデジタルデータDNと
の間の対応関係が十分であるか否かを検証すること、および/もしくは
○上記実際の数値データDNと上記シミュレーションされた数値データとの間の誤差を(例えば、百分率、あるいは実際のリスク領域の中心の座標とシミュレーションされたリスク領域の中心の座標との間の偏差などに関して)推定すること
を含むことができる。
この文脈(ステップ9)においても、リスクモデルMRを比較することは、
○リスクモデルMRとリスクモデルMRとを比較して、
・流体研究から得られたモデル(または複数のモデル)MR上に提示される基準リスク領域と、
・学習法を用いる治療アルゴリズムを用いて得られた最適化対象のモデル(または複数のモデル)MR上に提示されるリスク領域と
の間の対応関係が十分であるか否かを検証すること、および/もしくは
○流体研究から得られた上記リスク領域と、学習法を用いる治療アルゴリズムから得られた最適化対象の上記リスク領域との間の誤差を(例えば、リスク領域について計算された表面積間の偏差を反映する百分率、またはリスク領域の中心間の偏差に関して)推定すること、
ならびに/または
○リスクモデル同士を比較して、
・実際のケース(または複数のケース)から得られた(つまり、一次メッシュTPから得られた)モデル(または複数のモデル)上に提示される基準リスク領域と、
・シミュレーションされたケース(または複数のケース)から得られた(つまり、補正メッシュTCから、および/または他のメッシュ、例えば適応メッシュTAから得られた)モデル(または複数のモデル)上に提示されるリスク領域と
の間の対応関係が十分であるか否かを検証すること、および/もしくは
○上記実際のリスク領域と上記シミュレーションされたリスク領域との間の誤差を(例えば、リスク領域について計算された表面積間の偏差を反映する百分率、またはリスク領域の中心間の偏差に関して)推定すること
を含むことができる。
本評価方法が、学習法を用いる上記治療アルゴリズムを患者のデータに直接適用すること(解決策2)に関する場合、医師のための意思決定支援サポートとして少なくとも1つのリスクモデルMRを直接(すなわち、流体研究と比較して過度に長い計算なしで)得ることが可能である。
好都合には、本発明によるリスク評価方法の高度な変形形態では、学習法を用いる上記治療アルゴリズムによる数値データDN(DN、DN)の決定は、上記患者Pに固有の1組のパラメータJSPからさらに行われる。好都合には、上記患者Pに固有の上記1組のパラメータJSPは、本方法の前に取得される。上記1組の固有のパラメータJSPは、例えば、
-患者の年齢、
-患者の性別、
-患者のサイズ、
-患者の体重、
-関連する病状(狭窄、血栓症、大動脈亀裂、過粘性など)の存在および性質
を含む。
好都合には、本発明によるリスク評価方法の高度な変形形態では、予測能力誤差の値が予め定義された閾値より小さい場合(解決策2)、本方法は、ステップ7の後に、ステップ8、10および11をこの順序で実行することをさらに含む。
好都合には、本発明によるリスク評価方法の高度な変形形態では、上記方法は、分析対象の1組のパラメータJPのうちのパラメータ(または複数のパラメータ)を評価および/または確認する少なくとも1つのステップLをさらに含む(解決策1および/または解決策2)。
好ましくは、分析対象の1組のパラメータJPのうちのパラメータ(または複数のパラメータ)を評価および/または確認するステップ(または複数のステップ)Lは、本方法が知識取得解決策1を採用する(予測能力誤差Eの値が予め定義された閾値SEより大きい)ときにのみ実行される。
好都合には、1組のパラメータJPのうちのパラメータ(または複数のパラメータ)を評価および/または確認するステップ(または複数のステップ)Lは、ステップ8の後に実行され、ステップ8、追加の研究(または複数の研究)のうちの少なくとも1つのステップから得られた結果の利用に基づく。
ある(または上記)追加の研究(または複数の研究)は、例えば(かつ限定されることなしに)、
●研究されている患者の症例に対応するファントム(すなわち、実験目的に意図されている、例えばシリコーン製の物理的模造品)上で研究(CFDおよび/またはFSIおよび/または他の研究など)を実行すること、
●研究されている患者の症例の少なくとも1つの他の表現R’(例えば、術後画像)に基づいて研究(CFDおよび/またはFSIおよび/または他の研究など)を実行すること
であってもよい。
よって、第2の追加の研究例が選択されたとき、手術前(ステップ8)および手術後(追加の研究)の患者の症例に関する流体研究の結果が比較される。
好都合には、1組のパラメータJPのうちのパラメータ(または複数のパラメータ)を評価および/または確認するステップLは、ステップ8および少なくとも1つの追加の研究から得られた結果を利用することに基づいており、
○流体研究から得られた数値データ(数値)DN(ステップ8)と上記追加の研究から得られた数値データとを比較して、それらの対応関係が十分であるか否かを検証すること、
および/または
○流体研究(ステップ8)から得られたリスクモデルMRと上記追加の研究から得られたリスクモデル(または複数のモデル)とを比較して、リスク領域間の対応関係が十分であるか否かを検証すること
を含む。
実験的(ファントム上)でも数値的でも、追加の研究は、パラメータの数値とリスクレベルとを結ぶ関係をより定量的に決定することをさらに可能にする。
好ましくは、ステップLが1組のパラメータJPのうちのパラメータ(または複数のパラメータ)を評価するステップとして使用されるとき、それはステップ6で形成された1組のパラメータJPの有効性に関する情報を医師に与え、かつ少なくとも
○分析対象の1組のパラメータJPのうちのパラメータ(または複数のパラメータ)から得られた数値データDNおよび/またはリスクモデルを(前段落で説明したように)比較することと、
○比較に基づいて、精度レベルのスケールの中から、分析対象の1組のパラメータJPのうちの上記パラメータ(または上記複数のパラメータ)に予測精度レベルNを割り当てることと
を含む。
この情報(パラメータの予測精度レベルN)に基づいて、医師は、1組のパラメータJPを再調整できる。
好ましくは、ステップLは、1組のパラメータJPのうちのパラメータ(または複数のパラメータ)を確認するステップとして使用されるとき、少なくとも
○ステップ8で使用される1組の入出力条件SCを(例えば、上記1組のSCのうちの少なくとも1つのパラメータの確率論的修正を実行することによって)変更することと、
○分析対象の1組のパラメータJPのうちのパラメータ(または複数のパラメータ)から得られた数値データDNおよび/またはリスクモデルを(前段落で説明したように)比較することと、
○比較に基づいて、精度レベルのスケールの中から、分析対象の1組のパラメータJPのうちの上記パラメータ(または上記複数のパラメータ)に予測精度レベルNを割り当てることと、
○十分な予測精度レベルNを有するパラメータ(または複数のパラメータ)を含むように、ステップ6で形成された、分析対象の少なくとも1組のパラメータJPを更新することと
を含む。
予測精度レベルNの割り当ては、好ましくは、バイナリ方式で実行され、すなわち、パラメータは予測的または非予測的のいずれかであるとみなされる。
好都合には、本方法の洗練された変形形態では、更新は、以下を関連付けるリストを更新することを含む。
○最も高い精度レベルNを有する1組のパラメータJPのうちのパラメータ、および/または
○上記最も高い精度レベルNを達成可能にする、対応する入出力条件SC。
好ましくは、ステップ6で形成された、分析対象の1組のパラメータJPを少なくとも更新することは、最も高い予測精度レベルNを有するパラメータ(または複数のパラメータ)のみを含むように実行される。
好都合には、ステップLは、1組のパラメータJPのうちのパラメータ(または複数のパラメータ)を確認するステップとして使用されるとき、
○ステップ9および10に影響を与えることなしに、ステップ8の後かつステップ11の前に実行され得る、または
○ステップ8の後に実行され、ステップ9へ進むように定義し得る。
好ましくは、ステップLは、1組のパラメータJPのうちのパラメータ(または複数のパラメータ)を確認するステップとして使用されるとき、(流体研究に適用される)1組の入出力条件SCによって、1組のパラメータJPのうちのパラメータが十分な精度レベルNに到達できるようにならない限り、一連のステップ8およびLで本方法にループを形成する。このループは、図2では、1組のパラメータJPの更新(確認ステップLの最後のサブステップ)を象徴する二重線の矢印で示されており、ステップLが、1組のパラメータJPのうちのパラメータ(または複数のパラメータ)を評価するステップとして使用される場合は存在しない。
好都合には、精度レベルNは、研究される病状(または病状のクラスタ)に応じて選択される。
好都合には、精度レベルNは、1組のパラメータJPのうちの1群のパラメータ(1組のパラメータJPのうちの一部のパラメータの組み合わせ、または1組のパラメータ全体)に対して選択される。
精度レベルNは、好ましくは、1組のパラメータJPのうちの各パラメータに対して選択される。
好ましくは、1組のパラメータJPのうちの各パラメータについて、精度レベルNは、研究される病状(または病状のクラスタ)に応じて選択される。
精度レベルNは、好ましくは、(1組のパラメータJPに属する)考慮中のパラメータに対応する、数値データDNおよび/またはシミュレーションされ予測された(実際の)リスクモデルの間の差が20%以下である場合に、十分であるとみなされる。
好都合には、少なくとも1組の入出力条件SCにより、1組のパラメータJPのうちのパラメータが十分な精度レベルNに到達できるようになったと識別される(ステップLが確認ステップとして使用される)とき、および/または数値データDNおよび/またはリスクモデルの間で対応関係が十分である場合、本方法はステップ9に進む。
上で概説したすべての特徴に照らして、当業者であれば、本発明によって与えられる利点、および二尖弁状態に冒された患者の利益のためにそれを使用することの利点を理解するはずである。
当然のことながら、上記のステップは限定するものではなく、当業者には、目標とする用途に応じて、血管関心領域におけるリスク評価に最も適切なステップを選択、組み合わせおよび/または補足する方法が既知であろう。
さらに、本発明は、上述のようなリスク評価方法を実施できる、血管関心領域Vにおけるリスク評価のためのシステムに関し、
-患者(または複数の患者)血管関心領域をイメージングすることが意図されている、少なくとも1つの医用イメージング手段と、
-データを記憶することが意図されている、少なくとも1つのデータ記憶装置と、
-上記医用イメージング手段および/または上記データ記憶装置と通信でき、本発明によって提供される方法に従ってデータを処理して、とりわけ、リスクレベルNR(動脈瘤破裂、縮窄など)および関連するリスク領域(評価は空間的および/または時間的に行われる)を予測的に評価を示す、および/または可能にするリスクモデルMRを作成(生成)でき、医師の医療上の意思決定のための支援サポートとして働くことを意図されている、データ処理装置と
を備える。
好都合には、上記データ記憶装置は、
-外部のデータ、および/または
-例えば、とりわけ、表現R、モデルM、学習法を用いる治療アルゴリズムの予測能力誤差の値(または複数の値)、1組の予測パラメータ、1組の患者に固有のパラメータなどの本方法から得られるデータ
を記憶することが意図されている。
最終的に、当業者であれば、既存の方法およびシステムと比較して、適応リスク評価システムにおける、本発明によるリスク評価方法の有用性および使用の容易さを理解するはずである。
本発明による方法は、動脈瘤破裂のリスクなどの患者が被るリスクの動的(空間的および時間的)でさえある正確なモデルを得るのに特に有効であることが容易に理解されよう。本方法は、MRI装置、血管造影装置などのイメージングシステムから直接(または例えばデジタル変換を介して間接的に)得られるDICOM画像を処理するためにさらに使用されてもよい。
当然のことながら、本発明は、記載された実施形態だけに限定されないことは明らかであり、むしろ同じ原理に従うすべての変形実施形態およびその応用変形形態を組み込む。

Claims (18)

  1. 学習法を用いる治療アルゴリズムを実施する、血管関心領域におけるリスク評価のための方法において、前記方法が、1群の患者{P,…,P,…,P}の中から一連の患者の各症例ついて、以下のステップ:
    ステップ1であって、最新の既知の学習法を用いる前記治療アルゴリズムの予測能力誤差 の値をテストし、前記誤差 の前記値が、前記方法の最初の繰り返しにおいて、予め定義された閾値SEより大きくなるように定義され、前記誤差 の前記値が前記予め定義された閾値SEより大きい場合、少なくとも下記ステップ2~11を実行し、それ以外の場合は、少なくとも下記ステップ2-3-5-6-7を実行する、ステップ1と、
    ステップ2であって、前記患者血管関心領域の少なくとも1つの表現を取得する、ステップ2と、
    ステップ3であって、前記表現から、前記関心領域の少なくとも1つのモデルを再構成し、前記モデルが、任意の可能な病理学的異常に関して補正された前記関心領域の幾何形状に対応する、ステップ3と、
    ステップ4であって、前記モデルから、前記関心領域の少なくとも1つのメッシュTP、TC)を生成する、ステップ4と、
    ステップ5であって、少なくとも1つのモデルおよび/または少なくとも1つのメッシュから、前記血管関心領域の前記幾何形状に関するデータDGを抽出する、ステップ5と、
    ステップ6であって、少なくとも1つの事前に記録されたパラメータのリストから、前記関心領域におけるリスクを評価するために、分析対象の1組のパラメータJPを形成する、ステップ6と、
    ステップ7であって、前記血管関心領域の前記幾何形状に関して少なくとも前記データDGから、学習法を用いる前記治療アルゴリズムにより、ステップ6で形成された前記1組のパラメータJPのうちの少なくとも1つのパラメータに関連する予測リスク数値データDN を決定し、リスクレベルのスケールの中から前記パラメータにリスクレベルNR を割り当て、決定された前記予測リスク数値データDN から、少なくとも前記1組のパラメータJPのうちの各パラメータについて、前記関心領域におけるリスクモデルMR を生成する、ステップ7と、
    ステップ8であって、ステップ4で生成された少なくとも1つのメッシュを含む少なくとも1群のメッシュと、少なくとも1組の適応入出力条件SCと、から、少なくとも1つのCFD研究を含む流体研究を介して、ステップ6で形成された前記1組のパラメータJPのうちの少なくとも1つのパラメータに関連する予測リスク数値データDNEC、DNEF)を決定し、リスクレベルのスケールの中から前記パラメータにリスクレベルNR を割り当て、決定された前記予測リスク数値データ(DNEC、DNEF)から、少なくとも前記1組のパラメータJPのうちの各パラメータについて、前記関心領域におけるリスクモデル(MREC、MREF)を生成する、ステップ8と、
    ステップ9であって、少なくともステップ7とステップ8との結果を比較し、前記能力誤差 の前記値を記録することにより、前記流体研究に関して学習法を用いる前記治療アルゴリズムの前記予測能力誤差 を評価する、ステップ9と、
    ステップ10であって、少なくともステップ8の前記結果を提供することにより、学習法を用いる前記治療アルゴリズムをトレーニングする、ステップ10と、
    ステップ11であって、患者症例データベースで得られたすべてのデータをデータ記憶装置に記録する、ステップ11と、
    を含むことを特徴とする、方法。
  2. 学習法を用いる前記治療アルゴリズムによる前記予測リスク数値データ(DN、DN)の前記決定は、前記患者固有の1組のパラメータJSPからさらに行われる、請求項1に記載のリスク評価方法。
  3. 前記少なくとも1つのメッシュは、一次メッシュ(TP)を含み、
    ステップ8で使用される前記1群のメッシュは、前記一次メッシュTPに関連する少なくとも1つのパラメータの確率論的修正を実行することによって、前記一次メッシュTPから形成された少なくとも1つの適応メッシュTAをさらに含む、請求項1または2に記載のリスク評価方法。
  4. 前記予測能力誤差 の前記値が前記予め定義された閾値SEより小さい場合、ステップ7の後に、ステップ8、10および11もこの順序で実行される、請求項1~3のいずれか一項に記載のリスク評価方法。
  5. 前記血管関心領域の外方にある壁に関連するメッシュは六面体タイプのメッシュであり、内方にある流れ領域に関連するメッシュは四面体タイプのメッシュである、請求項1~4のいずれか一項に記載のリスク評価方法。
  6. 前記予測能力誤差 の前記値が前記予め定義された閾値SEより大きい場合に、ステップ8の後に実行される、分析対象の前記1組のパラメータJPのうちのパラメータまたは複数のパラメータを評価および/または確認する少なくとも1つのステップLをさらに含む、請求項に記載のリスク評価方法。
  7. ステップLが、分析対象の前記1組のパラメータJPのうちのパラメータを確認するステップであり、以下の動作:
    ○ステップ8において使用される前記1組の入出力条件SCを変更する動作と、
    ○分析対象の前記1組のパラメータJPのうちの前記パラメータまたは複数のパラメータから得られた前記予測リスク数値データよび/または前記リスクモデルを比較する動作と、
    ○前記比較に基づいて、精度レベルのスケールの中から、分析対象の前記1組のパラメータJPのうちの前記パラメータまたは前記複数のパラメータに予測精度レベル を割り当てる動作と、
    ○十分な予測精度レベル を有するパラメータまたは複数のパラメータを含むように、ステップ6で形成された、分析対象の前記1組のパラメータJPを少なくとも更新する動作と、
    を含む、請求項6に記載のリスク評価方法。
  8. 前記1組の入出力条件SCにより、前記1組のパラメータJPのうちの前記パラメータが十分な精度レベル に到達できるようにならない限り、一連のステップ8およびLでループが形成され、少なくとも1組の入出力条件SCにより、前記1組のパラメータJPのうちの前記パラメータが十分な精度レベル に到達できるようになったと識別される場合、ならびに/または前記予測リスク数値データよび/もしくは前記リスクモデル間で対応関係が十分である場合、前記方法はステップ9に進む、請求項7に記載のリスク評価方法。
  9. 分析対象の前記1組のパラメータJPのうちの前記パラメータまたは複数のパラメータを評価および/または確認する、前記ステップLが、ファントム上で追加の研究を実行することと、ステップ8の前記流体研究の結果を前記追加の研究の結果と比較することと、を含む、請求項6~8のいずれか一項に記載のリスク評価方法。
  10. 前記学習法はデータマイニング法であり、前記誤差 の前記値が前記予め定義された閾値SEより大きい場合、ステップ2~11がこの順序で実行され、それ以外の場合は、少なくともステップ2-3-5-6-7がこの順序で実行される、請求項1~9のいずれか一項に記載のリスク評価方法。
  11. 前記1組のパラメータJPが、以下のパラメータ:
    -前記血管関心領域の断面に関連する時間平均壁せん断応力と、
    -前記血管関心領域の前記断面に関連する時間平均空間壁せん断応力勾配と、
    -前記血管関心領域の前記断面に関連する、最大収縮時の壁せん断応力と、
    -前記血管関心領域の前記断面に関連する、最大収縮時の空間壁せん断応力勾配と、
    を少なくとも含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のリスク評価方法。
  12. 前記1組のパラメータJPが、以下のパラメータ:
    -前記血管関心領域の断面に関連する前記時間平均壁せん断応力の標準偏差と、
    -前記血管関心領域の前記断面に関連する前記時間平均空間壁せん断応力勾配の標準偏差と、
    -前記血管関心領域の前記断面に関連する、最大収縮時の前記壁せん断応力の標準偏差と、
    -前記血管関心領域の前記断面に関連する、最大収縮時の前記空間壁せん断応力勾配の標準偏差と、
    を少なくとも含む、請求項11に記載のリスク評価方法。
  13. ステップ7で使用される学習法を用いる前記治療アルゴリズムは、ベイジアンネットワークアルゴリズム、多層パーセプトロンニューラルネットワーク、および自己適応マップの中から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載のリスク評価方法。
  14. ステップ8の前記流体研究が、少なくとも1つの流体構造連成研究を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のリスク評価方法。
  15. 前記血管関心領域が、前記患者大動脈の少なくとも1つの領域を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のリスク評価方法。
  16. 前記評価されたリスクが、動脈瘤破裂のリスクである、請求項1~15のいずれか一項に記載のリスク評価方法。
  17. 前記1組のパラメータJPのうちの少なくとも1つのパラメータが局所的パラメータであり、ステップ8において、少なくとも1つのリスクレベルNR が、前記パラメータの計算値DN の空間分布と、前記関心領域の少なくとも1つの病理学的異常との間の空間的相関関係に基づいて、前記パラメータに関連付けされる、請求項1~16のいずれか一項に記載のリスク評価方法。
  18. 血管関心領域におけるリスク評価のためのシステムであって、請求項1~17のいずれか一項に記載のリスク評価方法を実施し、
    -前記患者(または複数の患者)の前記血管関心領域をイメージングすることが意図されている、少なくとも1つの医用イメージング手段と、
    -少なくとも1つのデータ記憶装置と、
    -前記医用イメージング手段および/または前記データ記憶装置と通信でき、本発明によって提供される方法に従って前記データを処理して、とりわけ、前記リスクレベルよび関連する領域を示すリスクモデル作成でき、医師の医療上の意思決定のための支援サポートとして働くことを意図されている、データ処理装置と、
    を備える、システム。
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