JP7080493B2 - 液体処理装置及び液体処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、正浸透膜を用いた液体の処理装置及び処理方法に関する。
海水から淡水を分離して回収したりあるいは水分を含む液体を濃縮したりなどする際の技術として膜分離法が従来から行われている。膜分離法には、正浸透膜(Forward Osmosis Membrane:FO膜)を用いたFO法と、逆浸透膜(Reverse Osmosis Membrane:RO膜)を用いたRO法とが知られている。
浸透圧の低い溶液と高い溶液とを半透膜で隔離することで、両溶液の間の浸透圧差により浸透圧の低い溶液側から浸透圧の高い溶液側へ水が透過する。この浸透圧差により水が透過する現象を利用したのがFO法である。
一方で、RO法は、浸透圧の低い溶液と高い溶液とを半透膜で隔離し、浸透圧が高い溶液側に、両溶液の浸透圧差を超える高い圧力を印加することで、浸透圧の高い溶液側から浸透圧の低い溶液側へ水を逆行して透過させる技術である。RO法は、浸透圧差を上回る高い圧力を印加して逆浸透を起こさせることから、非常に高いエネルギーが必要となる。そのため、水の透過のために圧力を加えることなく浸透圧差を駆動力とするFO法が着目されている。
しかし、FO法では、浸透圧の高い溶液(ドロー溶液)に含まれる溶質が、半透膜を介して浸透圧の低い溶液(フィード溶液)側に漏れ出す逆漏れ現象が起こる。この逆漏れ現象は、非特許文献1のP47に記載の式(3)(4)、非特許文献2のP96に記載の式(2)(3)、さらには非特許文献3のP116の左欄5-7行の記載に基づけば、フィード溶液にドロー溶液よりも高い圧力を加えるなどして正浸透膜を透過する透過水量又は水の透過流束を増加させると、溶質の逆漏れ量も増加することが当該技術分野の当業者に一般的に認識されている。逆漏れ現象が生じると、フィード溶液にドロー溶液に含まれる溶質が混入する。そのため、FO法を例えば飲料、液状の食べ物、液状化粧品などの濃縮に用いる場合には、原料溶液となるフィード溶液の品質低下を招くという問題がある。また、ドロー溶液側では溶質が流出するため、溶質の損失を招き、損失の分だけドロー溶液の補充が必要となるのでコストが上昇するという問題がある。
上述した逆漏れ現象は、特許文献1の段落0020に記載されているように、ドロー溶液の溶質を高分子量のものにすることで生じ難くすることができる。しかし、溶質の分子量が大きくなると、ドロー溶液の粘性が高くなることでドロー溶液の送液に高圧力が必要になり、送液ポンプの負荷が増大するという問題がある。
特開2018-158300号公報
寺嶋真伍,他5名,「中空糸型正浸透膜モジュールにおける淡水流れの浸透特性」,長崎大学工学研究科研究報告 第45巻 第84号,平成27年1月,P44-50 安川政宏,他2名,「中空糸膜型正浸透膜の透水性能解析手法の開発」,Bulletin of the Society of Sea Water Science, Japan,68,94-101(2014) 高橋智輝,他2名,「正浸透法を用いたラテックス粒子の濃縮特性」,Bulletin of the Society of Sea Water Science, Japan,69,111-117(2015)
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、正浸透膜を用いた液体処理装置及び液体処理方法であって、ドロー溶液側から被処理液(フィード溶液)側への溶質の逆漏れを抑制することができる液体処理装置及び液体処理方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、被処理液(フィード溶液)にドロー溶液よりも高い圧力を加えると、ドロー溶液に含まれる溶質が正浸透膜を通って被処理液側に漏れ出す逆漏れ現象が生じることが当業者に一般的に認識されていたものの、被処理液をドロー溶液よりも、透過水量が大きく変わらない範囲の若干高い圧力で連続的に加圧することで、ドロー溶液側から被処理液側に漏れ出す溶質の逆漏れ量を抑制できることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて更に研究を重ねた結果、完成されたものである。
すなわち、本発明は、正浸透膜によって分けられた第一室及び第二室を有する処理部と、前記第一室に被処理液を供給する第1流路と、前記第二室に前記被処理液よりも浸透圧の高いドロー溶液を供給する第2流路と、前記被処理液の水分の一部が前記第一室から前記正浸透膜を介して前記第二室に透過した後の前記第一室の濃縮された被処理液を排出する第3流路と、前記被処理液の水分の一部が前記第一室から前記正浸透膜を介して前記第二室に透過した後の前記第二室の希釈されたドロー溶液を排出する第4流路と、を備え、前記第一室内を通過する被処理液に対して前記第二室内を通過するドロー溶液よりも高い圧力が連続的に加わるように前記第一室と前記第二室との間の膜間圧力差が0MPaよりも大きく0.06MPa以下に設定されている、液体処理装置を提供する。
本発明の液体処理装置においては、前記第一室と前記第二室との間の膜間圧力差が0.01MPa以上0.03MPa以下であることが好ましい。
本発明の液体処理装置においては、前記膜間圧力差を計測するための計測手段と、前記膜間圧力差を設定する設定手段と、前記計測手段及び前記設定手段に接続された制御手段と、をさらに備え、前記制御手段は、前記計測手段からの信号を受信して前記設定手段の動作を制御することで、前記膜間圧力差を調整することが好ましい。
また、本発明は、正浸透膜によって仕切られた第一室及び第二室を有する処理部の前記第一室に被処理液を供給する一方、前記第二室に前記被処理液よりも浸透圧の高いドロー溶液を供給することで前記被処理液の水分の一部を前記第一室から前記正浸透膜を介して前記第二室に透過させる液体処理方法において、前記第一室内を通過する被処理液に対して前記第二室内を通過するドロー溶液よりも高い圧力が連続的に加わるように前記第一室と前記第二室との間の膜間圧力差を0MPaよりも大きく0.06MPa以下に設定する、液体処理方法を提供する。
本発明の液体処理方法においては、前記第一室と前記第二室との間の膜間圧力差が0.01MPa以上0.03MPa以下であることが好ましい。
本発明によれば、ドロー溶液側から正浸透膜を通って被処理液(フィード溶液)側へ漏れ出す溶質の逆漏れ量を抑制することができる。
本発明の一実施形態の液体処理装置の概略構成を示す模式図である。 本発明の他の実施形態の液体処理装置の概略構成を示す模式図である。 膜間圧力差と逆漏れ量及び透過水量との関係を示すグラフである。 膜間圧力差と逆漏れ量及び透過水量との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実態形態について添付図面を参照して説明する。本発明の液体処理装置及び液体処理方法は、例えば海水から淡水を分離して回収したり、あるいは水分を含む液体から水分を分離して該液体を濃縮したりする際に用いられるものであり、正浸透膜による膜分離を用いた液体処理装置及び液体処理方法に関する。
水分を含む液体には、例えば経口液体や外用液体を挙げることができる。経口液体は、人又は動物が口にするものを意味しており、例えば、濃縮ジュースや清涼飲料などの飲料、麺つゆ・各種出汁・調味料・スープのような液状の食べ物、液状の健康補助食品、経口医薬品などが挙げられる。また、外用液体は、人又は動物の体に塗る液状のものを総称しており、例えば、化粧水やローション、液状ハンドクリームのような液状化粧料、皮膚や口中に塗布又は散布する液状医薬品などが挙げられる。なお、液状とは水分を含んで流動性があることを意味しており、ジェル状やシャーベット状のものも含んでいる。さらに、経口液体にしても外用液体にしても、消費者又は患者が最終的に使用するものには限らず、原料になるものも含んでいる。
図1は、本実施形態の液体処理装置10の概略構成を示す模式図である。液体処理装置10は、正浸透膜(Forward Osmosis Membrane:FO膜)3によって分けられた第一室1及び第二室2を有する処理部4と、上述した被処理液(フィード溶液)を処理部4の第一室1に供給するための第1流路L1と、処理部4の第一室1から濃縮された被処理液を排出するための第2流路L2と、ドロー溶液を処理部4の第二室2に供給するための第3流路L3と、処理部4の第二室2から希釈されたドロー溶液を排出するための第4流路L4とを少なくとも備える。
処理部4は、閉じたタンク(又はハウジングやケーシングなど)の構造であり、金属又は合成樹脂により形成される。処理部4の内部は、正浸透膜3により第一室1と第二室2とに仕切られている。
正浸透膜3は、例えば酢酸セルロース、ポリアミド、ポリスルホン、アクアポリン(蛋白質)などの従来から公知の素材のものを用いることができる。また、正浸透膜3は、例えば平膜、中空糸膜などの従来から公知の構造のものを用いることができる。正浸透膜3が平膜である場合、正浸透膜3を例えば金網のような支持体によって姿勢を保持することができる。正浸透膜3が中空糸膜である場合、第一室1が中空糸膜の活性層側であり、第二室2は中空糸膜の支持層側であることが好ましい。
第一室1には被処理液が導入され、第二室2には被処理液よりも浸透圧の高いドロー溶液が導入される。ドロー溶液としては、従来から公知のものを用いることができ、例えば塩化ナトリウムを溶質とする溶液(食塩水)の他、硝酸カリウム、塩化カルシウム、炭酸水素ナトリウムと水酸化アンモニウムとの混合物を溶質とする溶液、感温性物質を溶質とする溶液、あるいは、被処理液と同じ成分で濃度が被処理液よりも高い溶液を用いることができる。
処理部4では、第一室1に供給される被処理液と第二室2に供給されるドロー溶液との浸透圧の違いにより、被処理液中の水分の一部が、第一室1から正浸透膜3を透過して第二室2に移動する。これにより、第一室1の被処理液は濃縮され、第二室2のドロー溶液は希釈される。なお、処理部4は、図示では横置き方式になっており、第一室1が上で第二室2が下になっているが、第一室1が下で第二室2が上になっていてもよい。また、処理部4は縦向きの姿勢で配置してもよい。
第1流路L1は、第一室1の一端部(図示では左端部)に接続され、第2流路L2は、第一室1の他端部(図示では右端部)に接続されている。第1流路L1にはポンプP1が設けられ、ポンプP1の駆動により、被処理液の貯留タンク5から被処理液が第1流路L1を通して第一室1内に供給され、濃縮された被処理液が第2流路L2を通して第一室1外に排出される。
第3流路L3は、第二室2の一端部(図示では右端部)に接続され、第4流路L4は、第二室2の他端部(図示では左端部)に接続されている。第3流路L3及び/又は第4流路L4にはポンプP2が設けられ、ポンプP2の駆動により、ドロー溶液が第3流路L3を通して第二室2内に供給され、希釈されたドロー溶液が第4流路L4を通して第二室2外に排出される。
本実施形態では、第3流路L3と第4流路L4との間にドロー溶液の再生部6が設けられている。再生部6は、処理部4の第二室2から排出される希釈されたドロー溶液を濃縮し、ドロー溶液の濃度を高めて再び第二室2に供給する。再生部6は、図示では逆浸透膜(Reverse Osmosis Membrane:RO膜)を有する逆浸透膜装置で構成されている。希釈されたドロー溶液は、第4流路L4に設けられたポンプP2により昇圧された状態で再生部6である逆浸透膜装置に導入され、希釈されたドロー溶液中に含まれる水分が圧力によってRO膜を介して分離されることで濃縮され、高濃度のドロー溶液が生成される。そして、高濃度のドロー溶液が第3流路L3を通して処理部4の第二室2内に供給される。
再生部6には、例えば蒸発装置を用いることもできる。再生部6を蒸発装置で構成する場合には、図示は省略するが、第3流路L3にポンプP2が設けられ、ポンプP2の駆動により、ドロー溶液が第3流路L3を通して処理部4の第二室2内に供給され、希釈されたドロー溶液が第4流路L4を通して第二室2外に排出されて再生部6である蒸発装置に導入される。蒸発装置において希釈されたドロー溶液が蒸発濃縮されることで、高濃度のドロー溶液が生成され、高濃度のドロー溶液が第3流路L3を通して処理部4の第二室2内に再び供給される。
再生部6としては、希釈されたドロー溶液中の水分を分離して該ドロー溶液を濃縮できるものであれば、逆浸透膜装置や蒸発装置に限定されるものではなく、その他の装置を用いることもできる。
なお、再生部6は必ずしも第3流路L3と第4流路L4との間に設ける必要はなく、第3流路L3に設けられたポンプP2の駆動により、ドロー溶液の貯留タンク(図示せず)からドロー溶液を第3流路L3を通して第二室2内に供給し、希釈されたドロー溶液を第4流路L4を通して第二室2外に排出して回収タンク(図示せず)で回収してもよい。
上述した構成の液体処理装置1において、処理部4では、第一室1内を通過する被処理液に対して第二室2内を通過するドロー溶液よりも、透過水量が大きく変わらない範囲の若干高い圧力が連続的に加わるようにすることで、第一室1と第二室2との間に膜間圧力差(正浸透膜3における被処理液側とドロー溶液側の物理的圧力差)を生じさせている。
処理部4の第一室1と第二室2との間に膜間圧力差を生じさせる方法としては、例えば、(1)ポンプP1により第一室1内に被処理液を送る圧力を、ポンプP2により第二室2内にドロー溶液を送る圧力よりも高い圧力にする(ポンプP2よりもポンプP1を高圧力とする)、(2)ポンプP1と処理部4の第一室1との間に被処理液を加圧するブースターポンプなどの加圧手段を設ける、(3)ポンプP2と処理部4の第二室2との間にドロー溶液の圧力を低下させる自動調節バルブなどの降圧手段を設ける、(4)第一室1内を第二室2内よりも高圧下にする又は第二室2内を第一室1内よりも減圧下にすることで、正浸透膜3を介して第一室1側を第二室2側よりも常時、加圧状態とする、ことなどを挙げることができる。
処理部4の第一室1と第二室2との間の膜間圧力差は、0MPaよりも大きく0.06MPa以下である。正浸透膜3を用いた膜分離法(FO法)では、浸透圧差により浸透圧の低い第一室1側から水が正浸透膜3を透過して浸透圧の高い第二室2側へ移動するが、同時に第二室2のドロー溶液に含まれる溶質が正浸透膜3を通って被処理液のある第一室1側に漏れ出す逆漏れ現象が生じる。しかしながら、本実施形態の液体処理装置1では、第一室1内を通過する被処理液に第二室2内を通過するドロー溶液よりも、透過水量が大きく変わらない範囲の若干高い圧力を加えることで、この逆漏れ現象を抑制することができる。
これにより、被処理液にドロー溶液に含まれる溶質が混入することを抑制できる。そのため、被処理液が特に飲料、液状の食べ物、液状化粧品などの場合に、原料溶液となる被処理液の品質低下を防ぐことができる。また、ドロー溶液側においても溶質の流出を抑制することができるため、溶質の損失に伴うドロー溶液の補充量を減らすことができ、コストダウンを図ることができる。
なお、処理部4の第一室1と第二室2との間の膜間圧力差は、特に限定されるわけではないが、0.01MPa以上0.06MPa以下であることが好ましく、0.01MPa以上0.03MPa以下である又は0.03MPa以上0.06MPa以下であることがより好ましい。
詳細は後述するが、該膜間圧力差を0.01MPa以上とすることで、上述した溶質の逆漏れ量を効果的に低減することができる。また、詳細は後述するが、ドロー溶液中の溶質が無機塩などの低分子量の場合には、該膜間圧力差が0.03MPa以上では、上述した溶質の逆漏れ量が大きくは変わらない傾向となる一方で、該膜間圧力差を大きくして正浸透膜3に高い圧力が付与されると、正浸透膜3が破損するおそれがあるため、該膜間圧力差は0.06MPa以下とすることが好ましく、0.03MPa以下とすることがより好ましい。一方で、ドロー溶液中の溶質が感温性物質などの高分子量の場合には、該膜間圧力差は0.03MPa以上0.06MPa以下であることが好ましい。
上述した膜間圧力差は、例えば処理部4の第一室1及び第二室2に対して液体の入口側となる第1流路L1及び第3流路L3にそれぞれ圧力計7A,7Bを設置し、圧力計7A,7Bの計測値を用いることで測定することができる。なお、上述した膜間圧力差を計測する計測手段は、圧力計7A,7Bに限定されるものではなく、その他にも種々の機器を用いることができる。
以上の通り、本実施形態の液体処理装置10及び液体処理方法によると、被処理液(フィード溶液)にドロー溶液よりも高い圧力を加えると、ドロー溶液に含まれる溶質が正浸透膜を通って被処理液側に漏れ出す逆漏れ現象が生じるとのこれまでの当該技術分野の一般的認識に反して、被処理液をドロー溶液よりも、透過水量が大きく変わらない範囲の0.06MPa以下という若干高い圧力で連続的に加圧することで、ドロー溶液側から正浸透膜を通って被処理液側に漏れ出す溶質の逆漏れ量を抑制することが可能となった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば上記実施形態の液体処理装置10において、図2に示すように、処理部4の第一室1と第二室2との間の膜間圧力差を制御手段8が常時監視し、当該膜間圧力差が所定の範囲内となるようにポンプP1,P2や加圧手段、降圧手段などを制御するように構成してもよい。
制御手段8は、マイコンやメモリ、HDDなどを備えたコンピュータで構成されていてもよいし、電子回路で構成されていてもよい。制御手段8には、上述した膜間圧力差を計測するための計測手段、例えば圧力計7A,7Bが接続され、制御手段8が計測手段からの信号を受信することで、制御手段8により上述した膜間圧力差が監視される。また、制御手段8には、ポンプP1,P2や加圧手段、降圧手段などの上述した膜間圧力差を設定する設定手段が接続され、制御手段8が計測手段から受信する信号に基づき設定手段の動作を制御することで、制御手段8により上述した膜間圧力差が所定の範囲内となるように調整される。
以下に本発明の実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1,2として、図1と同様の構成を示す液体処理装置1を使用して、純水からなる被処理液の処理を行った。ドロー溶液には1mol/Lの食塩水(実施例1)及び平均分子量400のポリプロピレングリコールの40%水溶液(実施例2)の2種類を使用した。処理部4の正浸透膜3には、ポリアミドを素材とする平膜(アクアポリン社製FO膜、型番FO08/02B2)を使用した。
実施例1,2それぞれについて、処理部4の第一室1と第二室2との間の膜間圧力差を、0.01MPa、0.03MPa、0.06MPaとして1.5時間処理を行った場合の第二室2側から正浸透膜3を通って第一室1側に漏れ出す溶質の逆漏れ量、及び、第一室1側から正浸透膜3を透過して第二室2側に移動する水の透過水量を計測した。さらに比較例として、処理部4の第一室1と第二室2との間の膜間圧力差を0MPaとした場合の溶質の逆漏れ量及び水の透過水量を計測した。膜間圧力差は圧力計によって測定し、逆漏れ量は実施例1では導電率計(島津製作所製)によって測定した一方で実施例2では全有機体炭素計(島津製作所社製)によって測定し、透過水量は天秤によって測定した。測定結果を図3及び図4に示す。
図3及び図4によると、被処理液にドロー溶液よりも0.06MPa以下という若干高い圧力を加えることで、溶質の逆漏れを抑制できることが確認された。また、膜間圧力差を0.01MPa以上とすることで溶質の逆漏れ量を効果的に低減できることが確認された。さらに、ドロー溶液中の溶質が感温性物質などの高分子量の場合(実施例2)では、膜間圧力差を0.03MPa以上とすることで溶質の逆漏れ量をさらに効果的に低減できる一方で、ドロー溶液中の溶質が無機塩などの低分子量の場合(実施例1)では膜間圧力差が0.03MPa以上としても溶質の逆漏れ量が大きくは変わらないことが確認された。そのため、ドロー溶液中の溶質が無機塩などの低分子量の場合(実施例1)には、膜間圧力差が0.01MPa以上0.03MPa以下であることが好ましく、ドロー溶液中の溶質が感温性物質などの高分子量の場合(実施例2)には、膜間圧力差が0.03MPa以上0.06MPa以下であることが好ましいことが確認された。一方で、実施例1及び実施例2ともに、透過水量は圧力を加えない場合(0MPa)と比べて大きく変わらないことが確認された。そのため、被処理液に対してドロー溶液よりも、圧力を加えない場合(0MPa)との比較で透過水量が大きく変わらない範囲の若干の圧力を加えることで溶質の逆漏れを抑制可能であることが分かる。
1 第一室
2 第二室
3 正浸透膜
4 処理部
7A,7B 圧力計(計測手段)
8 制御手段
P1,P2 ポンプ(設定手段)
L1 第1流路
L2 第2流路
L3 第3流路
L4 第4流路

Claims (4)

  1. 正浸透膜によって分けられた第一室及び第二室を有する処理部と、
    前記第一室に被処理液を供給する第1流路と、
    前記被処理液の水分の一部が前記第一室から前記正浸透膜を介して前記第二室に透過した後の前記第一室の濃縮された被処理液を排出する第流路と、
    前記第一室に供給される前記被処理液よりも浸透圧の高いドロー溶液を前記第二室に供給する第3流路と、
    前記第一室に供給された前記被処理液の水分の一部が前記第一室から前記正浸透膜を介して前記第二室に透過した後の前記第二室の希釈されたドロー溶液を排出する第4流路と、
    前記第3流路と前記第4流路との間に設けられ、前記第二室から排出される希釈されたドロー溶液を濃縮する再生部と、
    前記第一室と前記第二室との間の膜間圧力差を計測するための計測手段と、
    前記膜間圧力差を設定する設定手段と、
    前記計測手段及び前記設定手段に接続された制御手段と、
    を備え、
    前記再生部は、希釈されたドロー溶液を蒸発濃縮する蒸発装置で構成され、
    前記制御手段は、前記計測手段からの信号を受信して前記設定手段の動作を制御することで、前記第一室内を通過する被処理液に対して前記第二室内を通過するドロー溶液よりも高い圧力が連続的に加わるように前記膜間圧力差を0MPaよりも大きく0.06MPa以下に調整する、液体処理装置。
  2. 正浸透膜によって分けられた第一室及び第二室を有する処理部と、
    前記第一室に被処理液を供給する第1流路と、
    前記被処理液の水分の一部が前記第一室から前記正浸透膜を介して前記第二室に透過した後の前記第一室の濃縮された被処理液を排出する第2流路と、
    前記第一室に供給される前記被処理液よりも浸透圧の高いドロー溶液を前記第二室に供給する第3流路と、
    前記第一室に供給された前記被処理液の水分の一部が前記第一室から前記正浸透膜を介して前記第二室に透過した後の前記第二室の希釈されたドロー溶液を排出する第4流路と、
    前記第3流路と前記第4流路との間に設けられ、前記第二室から排出される希釈されたドロー溶液を濃縮する再生部と、
    前記第一室と前記第二室との間の膜間圧力差を計測するための計測手段と、
    前記膜間圧力差を設定する設定手段と、
    前記計測手段及び前記設定手段に接続された制御手段と、
    を備え、
    前記再生部は、逆浸透膜を有する逆浸透膜装置で構成され、
    前記制御手段は、前記計測手段からの信号を受信して前記設定手段の動作を制御することで、前記第一室内を通過する被処理液に対して前記第二室内を通過するドロー溶液よりも高い圧力が連続的に加わるように前記膜間圧力差を0MPaよりも大きく0.06MPa以下に調整する、液体処理装置。
  3. 前記第一室と前記第二室との間の膜間圧力差が0.01MPa以上0.03MPa以下である、請求項1又は2に記載の液体処理装置。
  4. 前記ドロー溶液は、感温性物質を溶質とする溶液である、請求項1から3のいずれか一項に記載の液体処理装置。
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