JP7076159B2 - 新規抗ウイルス性ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤 - Google Patents

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Description

本発明は、医薬分野に属する。具体的には、本発明は、新規ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、それを含む医薬組成物、およびそれらの調製方法、ならびに抗ウイルス薬としての使用に関し、特にヒト免疫不全ウイルス(HIV)および/またはB型肝炎ウイルス(HBV)に罹患する患者の治療および/または予防のための使用に関する。
ウイルスは、非常に単純な構造の核酸粒子である。ほとんどのウイルスは酵素系を欠いているため、宿主細胞に依存して核酸とタンパク質を複製し、ウイルス粒子に組み立てて増殖させることしかできない。ウイルス感染はさまざまな病気を引き起こし、人間の健康と生命に深刻な危害を及ぼす。不完全な統計によると、流行性感染症の約60%は、ウイルス感染が原因である。これまで、世界中で3000種類以上のウイルスが発見されており、まだ新しいウイルスが発見されている。特に、AIDS、B/C型肝炎、サイトメガロウイルス感染などによるウイルス感染は、発生率が高く、危険性が非常に大きいである。
エイズ(Acquired Immune Deficiency Syndrome,AIDS)、すなわち後天性免疫不全症候群は、ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus,HIV)の感染によって引き起こされる感染症である。それは、細胞性免疫機能における後天的欠陥が深刻なランダム感染を引き起こし、および/または腫瘍を誘発する致命的な疾患である。これは、HIVがTヘルパーリンパ球を特異的に攻撃し、免疫系機能の進行性の破壊を引き起こし、さまざまな日和見感染症や関連腫瘍の発生につながることを特徴とする。HIVウイルスは、ヒト免疫系の細胞に感染するレンチウイルス(Lentivirus)であり、レトロウイルスに属する。
HIVは、HIV-1およびHIV-2の2つのサブタイプに分けられる。病原性および感染性の点から、HIV-1はより強く、HIV-2は基本的に西アフリカの一部の地域でのみ見られる。したがって、現在の抗HIV感染薬に関する研究は主にHIV-1を標的としている。国連合同エイズ計画の最新のレポートによると、2015年末までに、全世界でHIV感染者が3670万人、死亡者が1100万人にのぼり、世界中で180万人の子供がHIVに感染している。エイズは医学的な問題であるだけでなく、人間の生存、発達、安定を脅かす深刻な社会問題でもある。したがって、エイズの治療および予防のための高効率且つ低毒性の新規の薬物および医薬組成物を開発することは、依然として必要がある。
B型肝炎(hepatitis B)は、罹患率が高く、感染力が強く、ヒトの健康に対する深刻な脅威を伴う世界的な流行性感染症である。現在、世界中で約20億人がB型肝炎ウイルス(hepatitis B virus,HBV)に感染したことがあり、そのうち3.5億人が慢性HBVキャリアになり、毎年約100万人がHBV感染に関連する肝疾患で死亡している。中国はB型肝炎の発生率が高い地域である。2002年の全国HBV感染者血清疫学調査によると、HBsAgの有病率は9.09%で、約1.2億人がHBVに感染した。その中には、慢性B型肝炎(chronic hepatitis B,CHB)の患者は、3000万人以上がいる。慢性B型肝炎患者は、15%~25%のリスクで慢性重症肝疾患、肝硬変、肝細胞癌などのHBV関連肝疾患で死亡する。肝硬変の代償不全の年間発生率は約3%であり、5年間の累積発生率は約16%であり、そのうち6%~15%が肝細胞癌(hepatic cell carcinoma,HCC)に発展する可能性がある。B型慢性肝炎、代償性肝硬変および非代償性肝硬変の5年死亡率は、それぞれ0%~2%、14%~20%、および70%~86%である。中国では毎年30万人以上がB型肝炎に関連する合併症で死亡している。さらに、乳児期のHBV感染者の90%以上が慢性HBVキャリアとなり、成長に伴って慢性肝炎、肝硬変、肝不全、肝細胞癌に発展する。HBVの継続的な複製は、慢性B型肝炎患者の肝炎を継続的に発症させ、肝硬変や肝臓癌を引き起こす重要な要因である。
ギリアド(Gilead)によって開発されたTDF(Tenofovir Disoproxil Fumarate)は、2001年および2008年にそれぞれ米国食品医薬品局(FDA)によってHIVおよびHBV感染の治療の第一選択薬として承認された。TDFは、細胞浸透性および経口利用率を大幅に改善し、アメリカ疾病予防管理センターによってエイズ予防薬としても推奨されている。一方、TDFの欠点は、血漿中でTFV(Tenofovir、テノフォビル)に加水分解されやすいことであり、また、腎機能障害の患者では、TDFが腎毒性のリスクを引き起こす可能性がある。
血漿中のTDFから代謝されたTFVの濃度を低下させるために、ギリアドはより代謝的に安定な薬物TAF(Tenofovir Alafenamide Fumarate)を開発した。TAFの2つの配合製剤は、FDAによってHIVの治療の第一選択薬として承認された。TAFはHBVの治療にも成功しており、2016年11月にFDAによって代償性肝疾患を伴うHBV患者への治療に承認された。
TAFは、TDFと以下の2つの明らかな相違点がある。(1)血漿におけるTAFから代謝されたTFVの濃度は、TDFの濃度より90%低く、(2)免疫細胞におけるTAFから代謝されたTFVの濃度は、TDFのそれよりも4倍高いである。したがって、TAFは、臨床的に非常に低用量で使用され、TDFによる腎毒性および骨毒性を大幅に軽減する。
TAFは、臨床において非常に低用量で使用され、高い抗HIVおよび抗HBV活性を有するが、TAFは、依然として、送達中および血漿中に少量の加水分解を発生する。したがって、臨床において、新しい化合物および特定の代謝様式を開発し、血漿中の薬物の安定性をさらに改善し、組織細胞中の薬物の濃度を高める必要性が依然としてあり、それにより薬物の臨床用量を効果的に減らし、薬物の腎毒性および骨毒性をさらに減らし、より優れたB型肝炎およびエイズの治療の臨床効果を発揮する。
本発明は、より良好な抗HIVおよび抗HBV活性を有し、HIV感染または/およびHBV感染の治療および/または予防に使用され、TDFまたはTAFによる腎毒性および骨毒性を大幅に減らす新規ヌクレオシド系化合物、およびそれを含む組成物、ならびにそれらの使用を提供する。
これに関して、本発明は、以下の技術構成を採用する。
本発明の第1の態様では、式(I)で表れる化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体誘導体を提供する。
Figure 0007076159000001
ただし、
は、OHまたはNRから選択され;ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、H、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、または置換されていてもよいC-C炭素環基からなる群から選択され、或いは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、置換されていてもよい3~6員ヘテロシクリルを形成し;
およびRは、独立して、H、NH、OH、ハロゲン、CN、NO、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、置換されていてもよいC-Cアシル、置換されていてもよいC-Cアルケニル、置換されていてもよいC-Cアルキニル、置換されていてもよいC-C炭素環基、置換されていてもよいC-Cヘテロシクリル、置換されていてもよいC-C10アリール、または置換されていてもよいC-C10ヘテロアリールからなる群から選択され;
は、H、ハロゲン、置換されていてもよいC-Cアルキル、または置換されていてもよいC-Cヘテロアルキルからなる群から選択され;
Yは、
Figure 0007076159000002
からなる群から選択され、
ここで、化学的に許容される限り、Rは、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、置換されていてもよいC-Cアシル、置換されていてもよいC-Cアルケニル、置換されていてもよいC-Cアルキニル、置換されていてもよいC-C炭素環基、置換されていてもよいC-Cヘテロシクリル、置換されていてもよいC-C10アリール、または置換されていてもよいC-C10ヘテロアリールからなる群から選択され;RおよびRは、独立して、H、ハロゲン、CN、NO、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、または置換されていてもよいC-C炭素環基からなる群から選択され;
mは2~6から選択され;
nは10~21から選択される。
別の態様では、本発明は、本発明の化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。具体的な実施形態において、本発明の化合物は、有効量で前記の医薬組成物に提供される。具体的な実施形態において、本発明の化合物は、治療有効量で提供される。具体的な実施形態において、本発明の化合物は、予防有効量で提供される。
別の態様では、本発明は、本発明の化合物と薬学的に許容される賦形剤とを含み、さらに他の治療剤を含む医薬組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、本発明化合物、その薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体誘導体、他の治療剤、および薬学的に許容できる担体、アジュバントまたはビヒクル(vehicle)を含むキットを提供する。
別の態様では、本発明は、被験者に有効量の本発明化合物を投与することを含む、必要とする被験者におけるウイルス感染関連病症を治療および/または予防する方法を提供する。具体的な実施形態において、前記のウイルス感染は、ヒト免疫不全ウイルスHIV感染、B型肝炎ウイルスHBV感染から選択される。具体的な実施形態において、経口、皮下、静脈内、または筋肉内で前記の化合物を投与する。具体的な実施形態において、前記の化合物を長期に投与する。
本発明の他の目的および利点は、以下の具体的な実施形態、実施例および特許請求の範囲から当業者に明らかになるである
定義
化学定義
以下、具体的な官能基と化学用語の定義についてより詳細に説明する。
数値の範囲が挙げられる場合、その範囲内の各値および部分範囲を含む。例えば、「C-Cアルキル基」は、C、C、C、C、C、C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、およびC-Cのアルキル基を含む。
本明細書中に記載される場合、以下に定義される部分のいずれかは、種々の置換基で置換され得ること、およびそれぞれの定義は、以下に記載されるようなそれらの範囲内の置換された部分を含むことが、理解されるべきである。他に記載されない限り、用語「置換」は、以下に記載されるように定義される。
「C-Cアルキル基」とは、1~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐の飽和炭化水素基を指し、本明細書中では「低級アルキル基」とも称される。一部の実施形態において、C-Cアルキル基は特に好ましい。前記のアルキル基の例として、メチル(C)、エチル(C)、n-プロピル(C)、イソプロピル(C)、n-ブチル(C)、tert-ブチル(C)、sec-ブチル(C)、iso-ブチル(C)、n-ペンチル(C)、3-ペンタニル(C)、アミル(C)、ネオペンチル(C)、3-メチル-2-ブタニル(C)、第3級アミル(C)、n-ヘキシル(C)、3-メチルヘキシル(C)、2,2-ジメチルペンチル(C)および2,3-ジメチルペンチル(C)が挙げられるが、これらに限定されない。別段特定されない限り、各アルキル基は、独立して、置換されてもよく、すなわち、置換されない(「非置換アルキル基」)か、または、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基もしくは1個の置換基のような1個以上の置換基で置換されている(「置換アルキル基」)。一部の実施形態において、アルキル基は、非置換C-Cアルキル(例えば、-CH)である。一部の実施形態において、アルキル基は、置換C-Cアルキル基である。
「C-Cヘテロアルキル基」とは、本明細書中で使用される場合、1個または複数(例えば、1個、2個、3個、または4個)のヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素、リン)をその親鎖中にさらに含み、この1個または複数のヘテロ原子は、その親炭素鎖内の隣接する炭素原子間に挿入されており、および/あるいは1個または複数のヘテロ原子は、炭素原子とその親分子との間(すなわち、結合点の間)に挿入されている、本明細書中で定義されるようなアルキル基を指す。別段特定されない限り、各ヘテロアルキル基は独立して置換されてもよく、即ち、置換されていない(「非置換ヘテロアルキル基」)か、または1個もしくは複数の置換基で置換されている(「置換ヘテロアルキル基」)。一部の実施形態において、ヘテロアルキル基は、非置換C~Cヘテロアルキル基である。一部の実施形態において、ヘテロアルキル基は、置換C~Cヘテロアルキル基である。具体例としては、C-Cヘテロアルキル基として、C-Cアルコキシ基、C-Cアルキルチオ基、C-Cアルキルアミノ基などが挙げられ、その詳細な定義は以下の通りである。
「C-Cアルコキシ基」とは、-OR基を指し、ここで、Rは、置換もしくは非置換C-Cアルキル基である。一部の実施形態において、C-Cアルコキシ基は特に好ましい。具体的に、前記のアルコキシ基として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシ、および1,2-ジメチルブトキシが挙げられるが、これらに限定されない。
「C-Cアルキルチオ基」とは、-SR基を指し、ここで、Rは、置換されていてもよいC-Cアルキル基である。一部の実施形態において、C-Cアルキルチオ基は特に好ましい。具体的に、前記のC-Cアルキルチオ基として、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、sec-ブチルチオ、n-ペンチルチオ、n-ヘキシルチオ、および1,2-ジメチルブチルチオが挙げられるが、これらに限定されない。
「C-Cアルキルアミノ基」とは、-NHRまたは-NR基を指し、ここで、Rは、置換されていてもよいC-Cアルキル基である。一部の実施形態において、C-Cアルキルアミノ基は特に好ましい。具体的に、前記のC-Cアルキルアミノ基として、メチルアミノ、エチルアミノ、n-プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n-ブチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、およびジエチルアミノが挙げられるが、これらに限定されない。
「C-Cアシル基」とは、-(=O)R基を指し、ここで、Rは、置換されていてもよいC-Cアルキル基である。一部の実施形態において、C-Cアシル基は特に好ましい。例示的な前記のC-Cアシル基として、-(=O)CH、-(=O)CHCH、-(=O)CHCHCH、および-(=O)CH(CHが挙げられるが、これらに限定されない。
「ハロ」または「ハロゲン」とは、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)およびヨウ素(I)を指す。一部の実施形態において、ハロゲン含有基は、F、-ClまたはBrである。一部の実施形態において、ハロゲン含有基は、FまたはClである。一部の実施形態において、ハロゲン含有基は、Fである。
したがって、「C-Cハロアルキル基」と「C-Cハロアルコキシ基」とは、1個以上のハロゲン基に置換された前記の「C-Cアルキル基」と「C-Cアルコキシ基」を指す。一部の実施形態において、C-Cハロアルキル基は特に好ましく、C-Cハロアルキル基はより好ましい。一部の実施形態において、C1-4ハロアルコキシ基は特に好ましく、C-Cハロアルコキシ基はより好ましい。例示的な前記のハロアルキル基として、-CF、-CHF、-CHF、-CHFCHF、-CHCHF、-CFCF、-CCl、-CHCl、-CHCl、2,2,2-トリフルオロ-1,1-エチル-エチル等が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な前記のハロアルコキシ基として、-OCHF、-OCHF、-OCF等が挙げられるが、これらに限定されない。
「C-C炭素環基」とは、3~7個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する非芳香族環式炭化水素基を指す。一部の実施形態において、5~6個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する非芳香族環式炭化水素基であるC-C炭素環基は好ましい。一部の実施形態において、3個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する非芳香族環式炭化水素基であるC炭素環基は好ましい。一部の実施形態において、4個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する非芳香族環式炭化水素基であるC炭素環基は好ましい。5個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する非芳香族環式炭化水素基であるC炭素環基は好ましい。6個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する非芳香族環式炭化水素基であるC炭素環基は好ましい。炭素環基は、上記の炭素環基が1つ以上の炭素環基、複素環基、アリール基またはヘテロアリール基とともに縮合環系、架橋環系もしくはスピロ環系となった環系も含み、ここで、結合点は、炭素環上に存在し、そのような場合、炭素の数は、引き続き炭素環系内の炭素の数を示す。例示的な前記の炭素環基として、シクロプロピル(C)、シクロプロペニル(C)、シクロブチル(C)、シクロブテニル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロペンタジエニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)、ならびにシクロヘプチル(C)、シクロヘプテニル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、シクロオクテニル(C)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C)等が挙げられるが、これらに限定されない。別段特定されない限り、各炭素環基は、独立して、置換されてもよく、すなわち、置換されない(「非置換炭素環基」)か、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換炭素環基」)。一部の実施形態において、炭素環基は非置換C-C炭素環基である。一部の実施形態において、炭素環基は置換C-C炭素環基である。
「C-Cヘテロシクリル」とは、環炭素原子および1~3個の環ヘテロ原子を有する3~7員の非芳香環系を指し、ここで、各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リンおよびケイ素から選択される。その中には、炭素、窒素、硫黄およびリン原子もそれらの酸化状態で存在してもよく、例えばC(O)、S(O)、S(O)、P(O)などである。1個以上の窒素原子を含むヘテロシクリルにおいて、結合価が許容される限り、結合点は、炭素または窒素原子であり得る。一部の実施形態において、環炭素原子と1~3個の環ヘテロ原子を有する4~7員非芳香環系であるC-Cヘテロシクリルは好ましい。一部の実施形態において、環炭素原子と1~3個の環ヘテロ原子を有する4~6員非芳香環系であるC-Cヘテロシクリルは好ましい。一部の実施形態において、環炭素原子と1~3個の環ヘテロ原子を有する5~6員非芳香環系であるC-Cヘテロシクリルは好ましい。一部の実施形態において、環炭素原子および1~3個の環ヘテロ原子を有する5員非芳香環系であるCヘテロシクリルはより好ましい。一部の実施形態において、上述ヘテロシクリルは、窒素、酸素および硫黄(好ましくは窒素または酸素)から選択される環ヘテロ原子を1~3個(より好ましくは1個または2個)含む。別段特定されない限り、各ヘテロシクリルは、独立して、置換されていてもよい、すなわち、置換されない(「非置換ヘテロシクリル」)か、または1個以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。一部の実施形態において、ヘテロシクリルは、非置換C-Cヘテロシクリルである。一部の実施形態において、ヘテロシクリルは、置換C-Cヘテロシクリルである。ヘテロシクリルには、結合点がヘテロシクリルの環上に存在する、上記のヘテロシクリルが1つ以上の炭素環基、ヘテロシクリル、アリール基またはヘテロアリール基とともに縮合環系、架橋環系もしくはスピロ環系となった環系も含み、このような場合、環の員数は、引き続き複素環系内の環の員数を示す。1個のヘテロ原子を含む例示的な3員ヘテロシクリルとして、アジリジニル、オキシラニル、チオレニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な4員ヘテロシクリルとして、アゼチジニル、オキセタニル、およびチエタニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリルとして、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、およびピロリル-2,5-ジオンが挙げられるが、これらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリルとして、ジオキソラニル、オキサスルフラニル(oxasulfuranyl)、オキサチオラニル(oxathiolanyl)(1,2-オキサチオラニル、1,3-オキサチオラニル)、ジスルフラニル(disulfuranyl)、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、およびオキサゾリジン-2-オンが挙げられるが、これらに限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリルとして、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリルとして、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、およびチアニル(thianyl)が挙げられるが、これらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリルとして、ジヒドロピラジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルが挙げられるが、これらに限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリルとして、トリアジナニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個または2個のヘテロ原子を含む例示的な7員ヘテロシクリルとして、アゼパニル、ジアゼパニル、オキセパニル、およびチエパニルが挙げられるが、これらに限定されない。6員のアリール環に縮合された例示的な5員ヘテロシクリル(本明細書中で5,6-二環式ヘテロシクリルとも称される)として、インドリニル、イソインドリニル、インドリニルジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。6員のアリール環に縮合された例示的な6員ヘテロシクリル(本明細書中で6,6-二環式ヘテロシクリルとも称される)として、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「C-C10アリール基」とは、6~10個の環炭素原子および0個のヘテロ原子が芳香環系に提供されている単環式または多環式(例えば、二環式もしくは三環式)の4n+2芳香環系(例えば、環状の配列で共有される6または10個のπ電子を有する)の基を指す。一部の実施形態において、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「Cアリール基」;例えば、フェニル)。一部の実施形態において、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール基」;例えば、1-ナフチルおよび2-ナフチルなどのナフチル)。「C-C10アリール基」は、上記のアリール環が1つ以上の炭素環基、複素環基、アリール基およびヘテロアリール基と縮合した環系も含み、ここで、原子団または結合点は、上記のアリール環上に存在し、このような場合、炭素原子の数は、引き続き上記のアリール環系内の炭素原子の数を示す。典型的なアリール基として、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン(acephenanthrylene)、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ-2,4-ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレンおよびトリナフタレンから得られる基が挙げられるが、これらに限定されない。より具体的に、アリール基は、フェニル、ナフチル、インデニル、およびテトラヒドロナフチルを含む。別段特定されない限り、各アリール基は、独立して、置換されてもよく、すなわち、置換されない(「非置換アリール基」)か、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換アリール基」)。一部の実施形態において、アリール基は非置換C6-10アリール基である。一部の実施形態において、アリール基は置換C6-10アリール基である。
「C-C10ヘテロアリール基」とは、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員の単環式または二環式の4n+2芳香環系(例えば、環状の配列で共有される6または10個のπ電子を有する)の基を指し、ここで、各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される。一部の実施形態において、環炭素原子および1~4个環ヘテロ原子を有する5員の単環式の4n+2芳香環系(例えば、環状の配列で共有される6個のπ電子を有する)の基であるCヘテロアリール基は好ましく、ここで、各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される。一部の実施形態において、環炭素原子および1~4个環ヘテロ原子を有する6員の単環式の4n+2芳香環系(例えば、環状の配列で共有される6個のπ電子を有する)の基であるCヘテロアリール基は好ましく、ここで、各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される。1個以上の窒素原子を含むヘテロアリール基において、結合価が許容される限り、結合点は、炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリール二環式環系は、一方または両方の環に1つ以上のヘテロ原子を含み得る。ヘテロアリール基は、上記のヘテロアリール環が1つ以上の炭素環基、複素環基、アリール基またはヘテロアリール基と縮合している環系を含み、ここで、結合点は、上記のヘテロアリール環上に存在し、このような場合、環の員数は、引き続きヘテロアリール環系内の環の員数を示す。別段特定されない限り、各ヘテロアリール基は、独立して、置換されてもよく、すなわち、置換されない(「非置換ヘテロアリール基」)か、または1つ以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアリール基」)。一部の実施形態において、ヘテロアリール基は非置換C-C10ヘテロアリール基である。一部の実施形態において、ヘテロアリール基は置換C-C10ヘテロアリール基である。1個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、ピロリル、フラニル、およびチオフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、トリアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。4個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、テトラゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基として、ピリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基として、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。3または4個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基として、それぞれトリアジニルおよびテトラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な7員ヘテロアリール基として、アゼピニル、オキセピニル、およびチエピニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な5,6-二環式ヘテロアリール基として、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な6,6-二環式ヘテロアリール基として、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で定義されるような、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、炭素環基、複素環基、アリール基、およびヘテロアリール基などは、置換されていてもよい。一般に、用語「置換される」は、用語「されていてもよい」があるかまたはないかに関係なく、ある基(例えば、炭素または窒素原子)に存在する少なくとも1つの水素が、許容される置換基、例えば、置換されたときに、安定した化合物、例えば、自発的に変換(例えば、転位、環化、脱離または他の反応によるもの)を起こさない化合物を生じる置換基で置き換えられることを意味する。別段示されない限り、「置換された」基は、その基の1つ以上の置換可能な位置に置換基を有し、任意の所定の構造内の2つ以上の位置が置換されるとき、置換基は、各位置において同じであるかまたは異なる。用語「置換される」は、有機化合物の許容され得るすべての置換基(安定した化合物を形成する本明細書中に記載される任意の置換基)による置換を含む。本発明では、窒素などのヘテロ原子は、そのヘテロ原子の結合価を満たし、且つ安定した部分を形成する、本明細書中に記載される水素置換基および/または任意の好適な置換基を有し得る。
例示的な炭素原子置換基としては、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SOH、-SOH、-OH、-ORaa、-ON(Rbb、-N(Rbb、-N(Rbb 、-N(ORcc)Rbb、-SH、-SRaa、-SSRcc、-C(=O)Raa、-COH、-CHO、-C(ORcc、-COaa、-OC(=O)Raa、-OCOaa、-C(=O)N(Rbb、-OC(=O)N(Rbb、-NRbbC(=O)Raa、-NRbbCOaa、-NRbbC(=O)N(Rbb、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-OC(=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb、-OC(=NRbb)N(Rbb、-NRbbC(=NRbb)N(Rbb、-C(=O)NRbbSOaa、-NRbbSOaa、-SON(Rbb、-SOaa、-SOORaa、-OSOaa、-S(=O)Raa、-OS(=O)Raa、-Si(Raa、-OSi(Raa、-C(=S)N(Rbb、-C(=O)SRaa、-C(=S)SRaa、-SC(=S)SRaa、-SC(=O)SRaa、-OC(=O)SRaa、-SC(=O)ORaa、-SC(=O)Raa、-P(=O)aa、-OP(=O)aa、-P(=O)(Raa、-OP(=O)(Raa、-OP(=O)(ORcc、-P(=O)N(Rbb、-OP(=O)N(Rbb、-P(=O)(NRbb、-OP(=O)(NRbb、-NRbbP(=O)(ORcc、-NRbbP(=O)(NRbb、-P(Rcc、-P(Rcc、-OP(Rcc、-OP(Rcc、-B(Raa、-B(ORcc、-BRaa(ORcc)、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されず、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換される;
または、炭素原子上の2つのジェミナル水素は、=O、=S、=NN(Rbb、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)aa、=NRbbもしくは=NORcc基で置換される;
各Raaは、独立して、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRaa基が連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換される;
各Rbbは、独立して、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc、-COaa、-SOaa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc、-SON(Rcc、-SOcc、-SOORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)aa、-P(=O)(Raa、-P(=O)N(Rcc、-P(=O)(NRcc、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRbb基が連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換される;
各Rccは、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRcc基が連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換される;
各Rddは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SOH、-SOH、-OH、-ORee、-ON(Rff、-N(Rff、-N(Rff 、-N(ORee)Rff、-SH、-SRee、-SSRee、-C(=O)Ree、-COH、-COee、-OC(=O)Ree、-OCOee、-C(=O)N(Rff、-OC(=O)N(Rff、-NRffC(=O)Ree、-NRffCOee、-NRffC(=O)N(Rff、-C(=NRff)ORee、-OC(=NRff)Ree、-OC(=NRff)ORee、-C(=NRff)N(Rff、-OC(=NRff)N(Rff、-NRffC(=NRff)N(Rff、-NRffSOee、-SON(Rff、-SOee、-SOORee、-OSOee、-S(=O)Ree、-Si(Ree、-OSi(Ree、-C(=S)N(Rff、-C(=O)SRee、-C(=S)SRee、-SC(=S)SRee、-P(=O)ee、-P(=O)(Ree、-OP(=O)(Ree、-OP(=O)(ORee、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、ヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換されるか、または2つのジェミナルRdd置換基が連結して、=Oもしくは=Sを形成し得る;
各Reeは、独立して、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、アリール、複素環基、およびヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換される;
各Rffは、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRff基が連結して、複素環基またはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換される;
各Rggは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SOH、-SOH、-OH、-OC1-6アルキル基、-ON(C1-6アルキル基)、-N(C1-6アルキル基)、-N(C1-6アルキル基) 、-NH(C1-6アルキル基) 、-NH(C1-6アルキル基)、-NH 、-N(OC1-6アルキル基)(C1-6アルキル基)、-N(OH)(C1-6アルキル基)、-NH(OH)、-SH、-SC1-6アルキル基、-SS(C1-6アルキル基)、-C(=O)(C1-6アルキル基)、-COH、-CO(C1-6アルキル基)、-OC(=O)(C1-6アルキル基)、-OCO(C1-6アルキル基)、-C(=O)NH、-C(=O)N(C1-6アルキル基)、-OC(=O)NH(C1-6アルキル基)、-NHC(=O)(C1-6アルキル基)、-N(C1-6アルキル基)C(=O)(C1-6アルキル基)、-NHCO(C1-6アルキル基)、-NHC(=O)N(C1-6アルキル基)、-NHC(=O)NH(C1-6アルキル基)、-NHC(=O)NH、-C(=NH)O(C1-6アルキル基)、-OC(=NH)(C1-6アルキル基)、-OC(=NH)OC1-6アルキル基、-C(=NH)N(C1-6アルキル基)、-C(=NH)NH(C1-6アルキル基)、-C(=NH)NH、-OC(=NH)N(C1-6アルキル基)、-OC(NH)NH(C1-6アルキル基)、-OC(NH)NH、-NHC(NH)N(C1-6アルキル基)、-NHC(=NH)NH、-NHSO(C1-6アルキル基)、-SON(C1-6アルキル基)、-SONH(C1-6アルキル基)、-SONH、-SO1-6アルキル基、-SOOC1-6アルキル基、-OSO1-6アルキル基、-SOC1-6アルキル基、-Si(C1-6アルキル基)、-OSi(C1-6アルキル基)、-C(=S)N(C1-6アルキル基)、C(=S)NH(C1-6アルキル基)、C(=S)NH、-C(=O)S(C1-6アルキル基)、-C(=S)SC1-6アルキル基、-SC(=S)SC1-6アルキル基、-P(=O)(C1-6アルキル基)、-P(=O)(C1-6アルキル基)、-OP(=O)(C1-6アルキル基)、-OP(=O)(OC1-6アルキル基)、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-アルケニル基、C2-アルキニル基、C3-炭素環基、C6-10アリール基、C3-複素環基、C5-10ヘテロアリール基であるか;または2つのジェミナルRgg置換基が連結して、=Oもしくは=Sを形成してもよく;ここで、Xは、対イオンである。
例示的な窒素原子上の置換基としては、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc、-COaa、-SOaa、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc、-SON(Rcc、-SOcc、-SOORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)aa、-P(=O)(Raa、-P(=O)N(Rcc、-P(=O)(NRcc、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されないか、または窒素原子に結合した2つのRcc基は、連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換され、ここで、Raa、Rbb、RccおよびRddは、上記の通りである。
他の定義
用語「薬学的に許容される塩」とは、妥当な医学的判断の範囲内で、過度な毒性、刺激、およびアレルギー応答などなしで、ヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するために適切であり、そして合理的な利益/危険比に釣り合う、塩を指す。薬学的に許容される塩は、当該分野において周知である。例えば、Bergeらは、薬学的に許容される塩を、J.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1-19において詳細に記載している。本発明の化合物の薬学的に許容される塩としては、適切な無機酸と有機酸および無機塩基と有機塩基から誘導される塩が挙げられる。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸)または有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸)と形成された塩であるか、あるいはイオン交換などの当該分野における慣用の方法で形成された塩である。他の薬学的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、および吉草酸塩などが挙げられる。適切な塩基から誘導される薬学的に許容される塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩およびN(C1-4アルキル)塩が挙げられる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウムなどが挙げられる。他の薬学的に許容される塩は、適切である場合、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、低級アルキルスルホン酸イオン、およびアリールスルホン酸イオンなどの対イオンと形成された、無毒のアンモニウム塩、第四級アンモニウム塩、およびアミン陽イオンを含む。
投与される「被験者」としては、ヒト(すなわち、任意の年齢群、例えば、小児被験者(例えば、乳児、小児、青年)または成人被験者(例えば、若年成人、中年成人または高齢成人)の男性または女性)および/または非ヒト動物、例えば、哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、げっ歯類、ネコおよび/またはイヌ)が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、被験者は、ヒトである。一部の実施形態において、被験者は、非ヒト動物である。用語「ヒト」、「患者」および「被験者」は、本明細書中で交換可能に使用される。
「疾患」、「障害」および「病状」は、本明細書中で交換可能に使用される。
他に特定されない限り、本明細書中で使用される用語「治療」は、被験者が特定の疾患、障害または病状を罹患している間に行われ、その疾患、障害または病状の重篤度を低下させるか、あるいは疾患、障害または病状の進行を遅延させるかまたは遅くする行為(「治療性治療」)を想定し、そしてまた、被験者が特定の疾患、障害または病状を罹患し始める前に行われる行為(「予防性治療」)を想定する。
一般に、化合物の「有効量」とは、所望の生物学的応答を惹起するために充分な量を指す。当業者によって理解されるように、本発明の化合物の有効量は、所望の生物学的目標、化合物の薬物動態学、治療される疾患、投与様式、ならびに被験者の年齢、健康状態、および病状などの要因に依存して、変わり得る。有効量とは、治療有効量および予防有効量を含む。
他に特定されない限り、本明細書中で使用される化合物の「治療有効量」とは、疾患、障害または病状の治療において治療上の利点を提供するか、あるいはその疾患、障害または病状に関連する1つまたは複数の症状を遅延させるかまたは最小にするために充分な量である。化合物の治療有効量とは、その疾患、障害または病状の治療において治療上の利点を提供する、単独でまたは他の治療法と組み合わせる時の治療剤の量を意味する。用語「治療有効量」は、治療全体を改善させる量、疾患または病状の症状または原因を減少させるかまたは回避する量、あるいは別の治療剤の治療効果を増強する量を含む。
他に特定されない限り、本明細書中で使用される化合物の「予防有効量」とは、疾患、障害もしくは病状、またはその疾患、障害もしくは病状に関連する1つもしくは複数の症状を予防するため、あるいはその再発を予防するために充分な量である。化合物の予防有効量とは、その疾患、障害または病状の予防において予防上の利点を提供する、単独でまたは他の薬剤と組み合わせる時の治療剤の量を意味する。用語「予防有効量」は、予防全体を改善させる量、または別の予防剤の予防効果を増強する量を含む。
「組み合わせ」及び関連用語は、本発明の化合物と他の治療剤とを同時に又は順次投与することを意味する。例えば、本発明の化合物は、別々の単位製剤で他の治療剤と同時に又は順次に投与したり、単一の単位製剤で他の治療剤と同時に投与したりすることができる。
本発明の化合物は、ウイルス感染による疾患の治療および/または予防に使用することができる。これらの疾患には、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染、B型肝炎ウイルス(HBV)感染が含まれるが、これらに限定されない。
化合物
本明細書におて、「本発明の化合物」とは、以下の式(I)で表れる化合物、その薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、多結晶形、プロドラッグまたは同位体誘導体を指す。
一実施形態において、本発明は、式(I)で表れる化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体誘導体に関する。
Figure 0007076159000003
ただし、
は、OHまたはNRから選択され;ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、H、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、または置換されていてもよいC-C炭素環基からなる群から選択され、或いは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、置換されていてもよい3~6員ヘテロシクリルを形成し;
およびRは、独立して、H、NH、OH、ハロゲン、CN、NO、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、置換されていてもよいC-Cアシル、置換されていてもよいC-Cアルケニル、置換されていてもよいC-Cアルキニル、置換されていてもよいC-C炭素環基、置換されていてもよいC-Cヘテロシクリル、置換されていてもよいC-C10アリール、または置換されていてもよいC-C10ヘテロアリールからなる群から選択され;
は、H、ハロゲン、置換されていてもよいC-Cアルキル、または置換されていてもよいC-Cヘテロアルキルからなる群から選択され;
Yは、
Figure 0007076159000004
からなる群から選択され、
ここで、化学的に許容される限り、Rは、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、置換されていてもよいC-Cアシル、置換されていてもよいC-Cアルケニル、置換されていてもよいC-Cアルキニル、置換されていてもよいC-C炭素環基、置換されていてもよいC-Cヘテロシクリル、置換されていてもよいC-C10アリール、または置換されていてもよいC-C10ヘテロアリールからなる群から選択され;RおよびRは、独立して、H、ハロゲン、CN、NO、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、または置換されていてもよいC-C炭素環基からなる群から選択され;
mは2~6から選択され;
nは10~21から選択される。
当該実施形態において、好ましくは、RはNRから選択される。
の上記の実施形態において、RおよびRは、それぞれ独立して、H、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、または置換されていてもよいC-C炭素環基からなる群から選択され、或いは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、置換されていてもよい3~6員ヘテロシクリルを形成し;好ましくは、RおよびRは、それぞれ独立して、H、置換されていてもよいC-Cアルキル、または置換されていてもよいC-Cヘテロアルキルからなる群から選択され;好ましくは、RおよびRは、それぞれ独立して、H、または置換されていてもよいC-Cアルキルから選択され;より好ましくは、RおよびRのいずれもHである。
当該実施形態において、好ましくは、RおよびRは、独立して、H、NH、OH、ハロゲン、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、置換されていてもよいC-Cアシル、置換されていてもよいC-Cアルケニル、置換されていてもよいC-Cアルキニル、置換されていてもよいC-C炭素環基、置換されていてもよいC-Cヘテロシクリル、置換されていてもよいC-C10アリール、または置換されていてもよいC-C10ヘテロアリールからなる群から選択され;好ましくは、RおよびRは、独立して、H、NH、OH、ハロゲン、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、置換されていてもよいC-Cアルケニル、または置換されていてもよいC-Cアルキニルからなる群から選択され;好ましくは、RおよびRは、独立して、H、NH、OH、ハロゲン、または置換されていてもよいC-Cアルキルからなる群から選択され;好ましくは、RおよびRは、独立して、H、NH、OH、またはハロゲンからなる群から選択され;より好ましくは、RおよびRは、独立して、H、NH、OH、またはFからなる群から選択され;より好ましくは、RおよびRは、独立HまたはNHから選択され;最も好ましくは、RおよびRのいずれもHである。
当該実施形態において、好ましくは、Rは、置換されていてもよいC-Cアルキル、または置換されていてもよいC-Cヘテロアルキルから選択され;好ましくは、Rは、置換されていてもよいC-Cアルキルから選択され;より好ましくは、Rはメチルである。
当該実施形態において、好ましくは、Rは、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、置換されていてもよいC-Cアシル、置換されていてもよいC-Cアルケニル、置換されていてもよいC-Cアルキニル、置換されていてもよいC-C炭素環基、または置換されていてもよいC-Cヘテロシクリルからなる群から選択され;好ましくは、Rは、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、置換されていてもよいC-C炭素環基、または置換されていてもよいC-Cヘテロシクリルからなる群から選択され;好ましくは、Rは、置換されていてもよいC-Cアルキル、または置換されていてもよいC-C炭素環基から選択され;
より好ましくは、Rは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、n-ヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロヘプチルからなる群から選択され;
最も好ましくは、Rは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、t-ブチル、ネオペンチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルからなる群から選択される。
当該実施形態において、好ましくは、RおよびRは、独立して、H、ハロゲン、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、または置換されていてもよいC-C炭素環基からなる群から選択され;好ましくは、RおよびRは、独立して、H、ハロゲン、または置換されていてもよいC-Cアルキルからなる群から選択され;より好ましくは、RおよびRは、独立して、H、または置換されていてもよいC-Cアルキルから選択され;最も好ましくは、RはHであり、Rはメチルである。
当該実施形態において、好ましくは、mが2、3、4または5から選択され;好ましくは、mが2、3または4から選択される。
当該実施形態において、好ましくは、nが11~19から選択され;より好ましくは、nが11、13、15または17から選択される。
他の実施形態において、式(I)で表れる化合物は以下の式(II)で表れる化合物である。
Figure 0007076159000005
ここで、R、R、R、R、R、R、mおよびnは、上記で定義したとおりである。
他の実施形態において、式(I)で表れる化合物は以下の式(III)で表れる化合物である。
Figure 0007076159000006
ここで、R、R、R、R、R、R、mおよびnは、上記で定義したとおりである。
他の実施形態において、本発明は、式(I-1)で表れる化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体誘導体を提供する。
Figure 0007076159000007
ただし、
は、Hまたは置換されていてもよいC-Cアルキルから選択され;
Yは、
Figure 0007076159000008
からなる群から選択され、
ここで、化学的に許容される限り、Rは、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、置換されていてもよいC-C炭素環基、または置換されていてもよいC-Cヘテロシクリルからなる群から選択され;
mは2~6から選択され;
nは10~21から選択され。
一部の実施形態において、Rは、Hまたは置換されていてもよいC-Cアルキルから選択され;好ましくは、RはHであり;好ましくは、Rはメチルである。
一部の実施形態において、Yは、
Figure 0007076159000009
から選択され、ここで、化学的に許容される限り、Rは、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、置換されていてもよいC-C炭素環基、または置換されていてもよいC-Cヘテロシクリルからなる群から選択され;好ましくは、ここで、前記のRは、置換されていてもよいC-Cアルキル、または置換されていてもよいC-C炭素環基から選択され;好ましくは、ここで、前記のRは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、n-ヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロヘプチルからなる群から選択され;好ましくは、ここで、前記のRは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、t-ブチル、ネオペンチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルからなる群から選択され;より好ましくは、ここで、前記のRはイソプロピルである。
一部の実施形態において、Yは、
Figure 0007076159000010
から選択され、ここで、化学的に許容される限り、Rは、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、置換されていてもよいC-C炭素環基、または置換されていてもよいC-Cヘテロシクリルからなる群から選択され;好ましくは、ここで、前記のRは、置換されていてもよいC-Cアルキル、または置換されていてもよいC-C炭素環基から選択され;好ましくは、ここで、前記のRは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、n-ヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロヘプチルからなる群から選択され;好ましくは、ここで、前記のRは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、t-ブチル、ネオペンチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルからなる群から選択され;より好ましくは、ここで、前記のRはイソプロピルである。
一部の実施形態において、mは2~6から選択され;好ましくは、mが2、3、4または5から選択され;好ましくは、mが2、3または4から選択され;より好ましくは、mが2である。
一部の実施形態において、nは10~21から選択され;好ましくは、nが11~19から選択され;好ましくは、nが11、13、15または17から選択され;より好ましくは、nが15である。
別の実施形態では、本明細書に記載の化合物(式(I)~(III)およびそのサブセット(例えば、(I-1))を含む)のリン原子は、キラリティーを有し、その配置は、S-配置、R-配置、またはS-配置とR-配置との混合物から選択される。
他の実施形態において、上述の式(I)-(III)で表れる化合物は、以下の化合物である。
Figure 0007076159000011

Figure 0007076159000012

Figure 0007076159000013

Figure 0007076159000014

Figure 0007076159000015

Figure 0007076159000016

Figure 0007076159000017

Figure 0007076159000018
Figure 0007076159000019

Figure 0007076159000020

Figure 0007076159000021

Figure 0007076159000022

Figure 0007076159000023

Figure 0007076159000024

Figure 0007076159000025

Figure 0007076159000026
Figure 0007076159000027

Figure 0007076159000028

Figure 0007076159000029

Figure 0007076159000030

Figure 0007076159000031

Figure 0007076159000032
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を含み得るので、様々な立体異性体、例えば、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーとして存在し得る。例えば、本発明の化合物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは幾何異性体(例えば、シスおよびトランス異性体)の形態であり得るか、または立体異性体の混合物(ラセミ混合物、および1つ以上の立体異性体に富んだ混合物を含む)の形態であり得る。異性体は、当業者に公知の方法(キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラル塩の形成および結晶化を含む)によって混合物から単離され得るか;または好ましい異性体が、不斉合成によって調製され得る。
本発明には、本発明の化合物のすべての適切な同位体誘導体も含む。本発明化合物の同位体誘導体は、少なくとも一つの原子が、同じ原子番号を有するが原子質量において天然に典型的に見られる原子質量と異なる原子によって置換されていると定義される。本発明の化合物に導入できる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、フッ素、および塩素の同位体、例えばそれぞれH、H、13C、14C、15N、17O、18O、18F、31P、32P、35Sおよび36Clが挙げる。例えばHまたは14Cなどの放射性同位体を導入したものなどの本発明の化合物の一部の同位体誘導体は、薬物および/または基質の組織分布に関する研究に用いることができる。トリチウム化(即ち、H)と炭素-14(即ち、14C)の同位体は、その製造と検出が容易であるため特に好ましい。また、同位体(例えば、重水素、すなわちH)で置換されることは、体内の半減期の増加または投与量の減少など、代謝の安定性が高くなることにより得られる治療上の利点を提供することができるため、好ましい場合がある。本発明の化合物の同位体誘導体は、通常、通常のプロセス、例えば例示した方法や、以下の実施例で説明するような、同位体を含む適切な試薬を用いる方法により調製することができる。
本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩は、非晶質または結晶質のいずれでもよい。また、本発明の化合物は、1種または複数の結晶形として存在してもよい。したがって、本発明は、本発明の化合物のすべての非晶質または結晶形をその範囲に含む。「結晶多形」という用語は、特定の結晶が積み重なって配列する化合物の結晶形(またはその塩、水和物または溶媒和物)を指す。すべての結晶多形体は同じ元素組成を持つ。通常、異なる結晶形は、X線回折パターン、赤外線スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光電特性、安定性、および溶解度も異なる。再結晶溶媒、結晶化速度、保存温度、およびその他の要因により、1つの結晶形が支配的になる可能性がある。化合物の様々な結晶多形体は、異なる条件下での結晶化によって調製することができる。
当業者は、多くの有機化合物が、溶媒中で反応するか、または溶媒から沈殿あるいは結晶化して、当該溶媒と複合体を形成し得ることを理解できる。これらの複合体を「溶媒和物」と呼ばれる。溶媒が水である場合、複合体は「水和物」と呼ばれる。本発明は、本発明の化合物のすべての溶媒和物を含む。
さらに、プロドラッグも本発明の明細書に含まれる。本明細書で使用される「プロドラッグ」という用語は、インビボで、例えば血液中での加水分解によって医学的な効果を有する活性形態に変換される化合物を指す。薬学的に許容されるプロドラッグは、T. HiguchiとV. Stella、Prodrugs as Novel Delivery Systems,A.C.S. Symposium Series,Vol. 14,Edward B. Roche,ed.,Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987、およびD. Fleisher、S. RamonとH. Barbra、“Improved oral drug delivery:solubility limitations overcome by the use of prodrugs”、Advanced Drug Delivery Reviews(1996) 19(2) 115-130に記載されたが、それらはそれぞれ参照により本明細書に組み入れられる。
プロドラッグは、患者に投与されると、インビボで式(I)で表れる化合物を放出する任意の共有結合の担体である。プロドラッグは、典型的には、通常の操作、或いはインビボで切断させて母体化合物を生じるように官能基を修飾することにより調製される。プロドラッグには、例えば、水酸基、アミンまたはメルカプト基が任意の基に結合している本発明化合物が含まれ、それらを患者に投与すると、切断されて、水酸基、アミンまたはメルカプト基を形成することができる。したがって、プロドラッグの代表例としては、式(I)で表れる化合物のアルコール、メルカプト基およびアミン官能基のアセテート、ホルメート、およびベンゾエート誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。また、カルボン酸(-COOH)の場合は、メチルエステル、エチルエステル等のエステルを用いることができる。エステル自体は活性を有してもよく、および/またはヒトの体内の条件下で加水分解してもよい。適切な薬学的に許容されるインビボで加水分解可能なエステルには、人体中で容易に分解して母体酸またはその塩を放出する基が含まれる。
医薬組成物、製剤およびキット
他の様態では、本発明は、本発明の化合物(「活性成分」とも呼ばれる)および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。一部の実施形態において、前記の医薬組成物は、有効量の活性成分を含む。一部の実施形態において、前記の医薬組成物は、治療有効量の活性成分を含む。一部の実施形態において、前記の医薬組成物は、予防有効量の活性成分を含む。
本発明の薬学的に許容される賦形剤とは、配合される化合物の薬理学的活性を無効にしない非毒性担体、アジュバントまたは媒体を指す。本発明の組成物で使用できる薬学的に許容される担体、アジュバントまたは媒体には、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、リン酸塩)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれるが、これらに限定されない。
本発明は、キット(例えば、医薬パック)も含む。提供されるキットは、本発明の化合物、他の治療剤、ならびに本発明の化合物、他の治療剤を含有する第1および第2の容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、および/または分散パッケージ、あるいは他の適切な容器)を含む。一部の実施形態において、提供されるキットは、また、本発明の化合物および/または他の治療薬を希釈または懸濁するための薬学的に許容される賦形剤を含む第3の容器も有しても良い。一部の実施形態において、第1の容器および第2の容器内の本発明の化合物を他の治療薬と組み合わせて単位製剤を形成して提供する。
以下の製剤の実施例は、本発明に従って調製され得る代表的な医薬組成物を例証している。しかしながら、本発明は、以下の医薬組成物に限定されない。
例示的な製剤1-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で0.3~30mgの錠剤(錠剤1つあたり0.1~10mgの活性な化合物)に形成する。
例示的な製剤2-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で30~90mgの錠剤(10~30mgの活性な化合物)に形成する。
例示的な製剤3-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で90~150mgの錠剤(錠剤1つあたり30~50mgの活性な化合物)に形成する。
例示的な製剤4-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で150~240mgの錠剤(錠剤1つあたり50~80mgの活性な化合物)に形成する。
例示的な製剤5-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で240~270mgの錠剤(錠剤1つあたり80~90mgの活性な化合物)に形成する。
例示的な製剤6-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で270~450mgの錠剤(錠剤1つあたり90~150mgの活性な化合物)に形成する。
例示的な製剤7-錠剤:本発明の化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2重量比で混合し得る。微量のステアリン酸マグネシウムを滑剤として加える。その混合物を、打錠機で450~900mgの錠剤(錠剤1つあたり150~300mgの活性な化合物)に形成する。
例示的な製剤8-カプセル:本発明の化合物を、乾燥粉末としてデンプン希釈剤とおおよそ1:1重量比で混合し得る。その混合物を250mgのカプセル(カプセル1つあたり125mgの活性な化合物)に充填する。
例示的な製剤9-液体:本発明の化合物(125mg)を、スクロース(1.75g)およびキサンタンガム(4mg)と混合し、得られた混合物を混ぜて、No.10メッシュU.S.シーブに通過させ、次いで、微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(11:89,50mg)の事前に調製された水溶液と混合する。安息香酸ナトリウム(10mg)、香料および着色料を水で希釈し、撹拌しながら加える。次いで、充分な水を加えることにより、総体積を5mLにする。
例示的な製剤10-注射剤:本発明の化合物を、滅菌された緩衝食塩水の注射可能な水性媒質に、おおよそ5mg/mLの濃度に溶解または懸濁する。
投与
本発明によって提供される医薬組成物は、経口投与、非経口投与、吸入投与、局所投与、直腸内投与、鼻腔投与、口腔投与、膣内投与、インプラントによる投与または他の投与方法などの様々な方式によって投与することができるが、これらに限定されない。例えば、本発明で用いた非経口投与には、皮下投与、皮内投与、静脈内投与、筋肉内投与、関節内投与、動脈内投与、滑膜腔内投与、胸骨内投与、脳脊髄膜内投与、病巣内投与、頭蓋内の注射や輸液技術がある。
通常、有効量で本発明によって提供する化合物を投与する。治療される病状、選択される投与方式、実際に投与される化合物、患者の年齢、体重および反応、患者の症状の重篤度などを含む状況に応じて、実際に投与される化合物の量は医師によって決定される。
本明細書に記載した病状を予防するために使用される場合、本発明によって提供される化合物は、前記の病状を発症するリスクのある被験者に投与され、典型的には、医師の推奨に基づいて上記の用量レベルで投与される。特定の病状を発症するリスクのある被験者には、典型的には、前記の病状の家族歴史を有する被験者、または遺伝子検査もしくはスクリーニングによって前記の病状を発症しやすい被験者が含まれる。
本発明によって提供される医薬組成物(「長期投与」)は長期的に投与することもできる。長期投与とは、例えば3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、5年などの長期間にわたって化合物またはその医薬組成物を投与できるか、または、例えば被験者の余生において無期限に連続的に投与できることを指す。たとえば、一部の実施形態において、長期投与は、例えば治療ウィンドウ内で、長期間にわたって血液中に一定レベルの前記の化合物を提供することを意図している。
本発明の医薬組成物は、様々な投与方式を用いてさらに送達することができる。例えば、一部の実施形態において、医薬組成物は、例えば、血液中の化合物の濃度を有効レベルまで増加させるために、ボーラス注射によって投与することができる。ボーラス用量の配置は、身体を通過する活性成分の目的の全身レベルに依存し、例えば、筋肉内または皮下のボーラス用量は、活性成分のゆっくりとした放出を可能にし、一方で、静脈に直接送達されるボーラス(例えば、IV滴注による)は、より速い送達を可能にし、これは、血液中の活性成分の濃度を有効レベルまで迅速に上昇させる。他の実施形態において、この薬学的組成物は、連続注入として、例えば、IV滴注によって投与されて、被験者の身体内での、活性成分の定常状態濃度の維持を提供し得る。
経口投与用の組成物は、バルクの液体の溶液もしくは懸濁液またはバルクの粉末の形態をとり得る。しかしながら、一般的に、組成物を、精確な投薬量で投与できるために、単位投与量で提供される。用語「単位製剤」とは、ヒト被験者および他の哺乳動物に対する単位投与量として好適な物理的に不連続の単位を指し、各単位は、好適な薬学的賦形剤とともに所望の治療効果をもたらすと計算される所定量の活性な材料を含む。典型的な単位製剤としては、液体組成物の予め測定され予め充填されたアンプルもしくは注射器、または固体組成物の場合は丸剤、錠剤、カプセルなどが挙げられる。そのような組成物では、化合物は、通常、少量の成分(約0.1~約50重量%または好ましくは約1~約40重量%)であり、残りは、所望の投薬形態を形成するのに役立つ様々な担体または賦形剤および加工助剤である。
経口投与の場合、1日あたり1~5回、特に2~4回、典型的には3回の経口投与量が、代表的なレジメンである。これらの投薬パターンを使用するとき、各用量は、約0.01~約20mg/kgの本発明の化合物を提供し、好ましい用量は、それぞれ約0.1~約10mg/kg、特に、約1~約5mg/kgを提供する。
経皮用量は一般に、注射用量を使用して達成されるレベルと類似であるかまたはより低い血液中レベルを提供するように選択され、一般に、約0.01重量%~約20重量%、好ましくは、約0.1重量%~約20重量%、好ましくは、約0.1重量%~約10重量%、そしてより好ましくは、約0.5重量%~約15重量%の範囲の量である。
注射剤の用量レベルは、約0.1mg/kg/時間~少なくとも10mg/kg/時間の範囲であり、すべて約1~約120時間、特に、24~96時間にわたる。約0.1mg/kg~約10mg/kgまたはそれ以上の前負荷ボーラス(preloading bolus)も、適切な定常状態レベルを達成するために投与されてもよい。最大総用量は、40~80kgのヒト患者にとって約2g/日を越えない。
経口投与に適した液体の形態は、緩衝剤、懸濁剤および予製剤(dispensing agents)、着色剤、香料などを含む好適な水性または非水性のビヒクルを含み得る。固体の形態は、例えば、以下の成分または同様の性質の化合物のいずれかを含み得る:結合剤(例えば、微結晶性セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプンまたはラクトース)、崩壊剤(例えば、アルギン酸、Primogelまたはトウモロコシデンプン);滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム);滑剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素);甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン);または香味料(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジフレーバー)。
注射可能な組成物は、典型的には、注射可能な滅菌された食塩水もしくはリン酸緩衝食塩水または当該分野で公知の他の注射可能な賦形剤に基づくものである。従来どおり、そのような組成物における活性な化合物は、典型的には、しばしば約0.05~10重量%である微量の成分であり、残りは、注射可能な賦形剤などである。
経皮の組成物は、典型的には、活性成分(単数または複数)を含む局所用軟膏またはクリームとして製剤化される。軟膏として製剤化されるとき、活性成分は、典型的には、パラフィン軟膏基剤または水混合性軟膏基剤と混合される。あるいは、活性成分は、例えば、水中油型クリーム基剤を含む、クリームとして製剤化され得る。そのような経皮的製剤は、当該分野で周知であり、一般に、活性成分または製剤の皮膚浸透力または安定性を高めるさらなる成分を含む。そのような既知の経皮の製剤および成分のすべてが、本発明に提供される範囲内に含まれる。
本発明の化合物は、経皮的デバイスによっても投与され得る。従って、経皮的投与は、レザバー(reservoir)タイプもしくは多孔質膜タイプまたは固体マトリックス種類のパッチを用いて達成され得る。
経口的に投与可能な、注射可能な、または局所的に投与可能な組成物において、上に記載された構成要素は、単に代表的なものである。他の材料ならびに加工手法などは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版,1985,Mack Publishing Company,Easton,PennsylvaniaのPart8(参照により本明細書中に援用される)に示されている。
本発明の化合物はまた、徐放形態でまたは徐放薬物送達系から投与され得る。代表的な徐放材料の説明は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに見出すことができる。
本発明は、本発明の化合物の薬学的に許容される製剤にも関する。1つの実施形態において、その製剤は、水を含む。別の実施形態において、その製剤は、シクロデキストリン誘導体を含む。最も一般的なシクロデキストリンは、連結される糖部分上に必要に応じて1つ以上の置換基(それらとしては、メチル化、ヒドロキシアルキル化、アシル化およびスルホアルキルエーテル置換が挙げられるが、これらに限定されない)を含む、それぞれ6、7および8個のα-1,4-結合グルコース単位からなるα-、β-およびγ-シクロデキストリンである。ある具体的な実施形態において、シクロデキストリンは、スルホアルキルエーテルβ-シクロデキストリン、例えば、Captisolとしても知られるスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンである。例えば、米国特許第5,376,645号を参照する。一部の実施形態において、上記製剤は、ヘキサプロピル-β-シクロデキストリン(例えば、水において10~50%)を含む。
併用治療
本発明の化合物またはその組成物は、他の治療薬と併用して投与することにより前記疾患を治療してもよい。既知の治療薬の例として、以下の薬が挙げられるが、これらに限定されない。
1)アンプレナビル(amprenavir)、アタザナビル(atazanavir)、フォサンプレナビル(fosamprenavir)、インジナビル(indinavir)、ロピナビル(lopinavir)、リトナビル、ネルフィナビル(nelfinavir)、サキナビル(saquinavir)、チプラナビル(tipranavir)、ブレカナビル(brecanavir)、ダルナビル(darunavir)、TMC-126、TMC-114、モゼナビル、JE-2147(AG1776)、L-756423、R00334649、KNI-272、DPC-681、DPC-684、GW640385X、DG17、GS-8374、PPL-100、DG35、AG1859;
2)HIV逆転写酵素の非ヌクレオシド阻害剤、例えば、カプラビリン(capravirine)、エミビリン(emivirine)、デラビリジン(delaviridine)、エファビレンツ(efavirenz)、ネビラピン(nevirapine)、(+)カラノライドA((+)calanolide A)、エトラビリン(etravirine)、GW5634、DPC-083、DPC-961、DPC-963、WIV-150、TMC-120、リルピビリン(rilpivirine)、BILR355BS、VPX840773、UK-453061、およびRDEA806;
3)HIV逆転写酵素のヌクレオシド阻害剤、例えばジドブジン(zidovudine)、エムトリシタビン(Emtricitabine)、ジダノシン(Didanosine)、スタブジン(Stavudine,d4T)、ザルシタビン(Zalcitabine,ddC)、ラミブジン(Lamivudine,3TC)、アバカビル(Abacavir)、アムドキソビル(amdoxovir)、エルブシタビン(elvucitabine)、アロブジン(alovudine)、MIV-210、ラシビル(racivir)、D-d4C、ホスファジド(phosphazide)、フォジブジンチドキシル(fozivudine tidoxil)、アプリシチビン(apricitibine、AVX754)、GS-7340、KP-1461、およびフォサルブジンチドキシル(fosalvudine tidoxil);
4)HIV逆転写酵素のヌクレオチド阻害剤、例えばテノホビルアラフェナミドおよびアデホビルジピボキシル(adefovir dipivoxil);
5)HIVインテグラーゼ阻害剤、例えばクルクミン、クルクミン誘導体、チコリ酸、チコリ酸誘導体、3,5-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸誘導体、オーリントリカルボン酸、オーリントリカルボン酸誘導体、カフェー酸フェネチルエステル、カフェイン酸フェネチルエステル誘導体、チルホスチン、チルホスチン誘導体、ケルセチン、ケルセチン誘導体、S-1360、ジンテビル(zintevir)、L-870812、L-870810、ラルテグラビル(raltegravir)、エルビテグラビル、BMS-538158、GSK364735C、BMS-707035、MK-2048、およびBA011;
6)gp41阻害剤、例えばエンフビルチド(enfuvirtide)、シフビルチド(sifuvirtide)、FB006M、およびTRI-1144;
7)CXCR4阻害剤、例えばAMD-070;
8)侵入阻害剤、例えばSP01A;
9)gp120阻害剤、例えばBMS-488043またはBlockAide/CR;
10)G6PDおよびNADH-オキシダーゼ阻害剤、例えばイムニチン(immunitin);
11)CCR5阻害剤、例えばアプラビロック(aplaviroc)、ビクリビロック(vicriviroc)、マラビロック(maraviroc)、PRO-140、INCB15050、PF-233798、およびCCR5mAb004;
12)HIVを治療するための他の薬物、例えばBAS-100、SPI-452、REP9、SP-01A、TNX-355、DES6、ODN-93、ODN-112、VGX-1、PA-457(ベビリマット(bevirimat))、アンプリジェン(Ampligen)、HRG214、サイトリン(Cytolin)、VGX-410、KD-247、AMZ0026、CYT99007A-221HIV、DEBIO-025、BAY50-4798、MDX010(イピリムマブ)、PBS119、ALG889、およびPA-1050040(PA-040);
13)インターフェロン、例えばペグ化rIFN-α2b、ペグ化rIFN-α2a、rIFN-α2b、rIFN-α2a、コンセンサスIFNα(インフェルゲン(infergen))、フェロン(feron)、レアフェロン(reaferon)、インターマックスα、r-IFN-β、インフェルゲン+アクチミューン(actimmune)、IFN-ω+DUROS、アルブフェロン(albuferon)、ロクテロン(locteron)、アルブフェロン(Albuferon)、Rebif、経口インターフェロンα、IFN-2bXL、AVI-005、PEG-インフェルゲン、およびペグ化IFN-β。
14)リバビリン類似体、例えばレベトール(rebetol)、カペグス(copegus)、およびビラミジン(viramidine,タリバビリン(taribavirin))。
15)NS5bポリメラーゼ阻害剤、例えばNM-283、バロピシタビン(valopicitabine)、R1626、PSI-6130(R1656)、HCV-796、BILB1941、XTL-2125、MK-0608、NM-107、R7128(R4048)、VCH-759、PF-868554、およびGSK625433;
16)NS3プロテアーゼ阻害剤、例えばSCH-503034(SCH-7)、VX-950(テラプレビル(telaprevir))、BILN-2065、BMS-605339、およびITMN-191;
17)α-グルコシダーゼ1阻害剤、例えばMX-3253(セルゴシビル(celgosivir))およびUT-231B;
18)肝保護剤、例えばIDN-6556、ME3738、LB-84451、MitoQ;
19)HCVの非ヌクレオシド阻害剤、例えばベンズイミダゾール誘導体、ベンゾ-1,2,4-チアジアジン誘導体、フェニルアラニン誘導体、A-831、GS-9190およびA-689;
20)HCVを治療するための他の薬剤、例えばザダキシン(zadaxin)、ニタゾキサニド(nitazoxanide)、BIVN-401(ビロスタット(virostat))、PYN-17(アルチレックス(altirex))、KPE02003002、アクチロン(actilon)、KRN-7000、シバクシル(civacir)、GI-5005、ANA-975、XTL-6856、ANA971、NOV-205、tarvacin、EHC-18、NIM811、DEBIO-025、VGX-410C、EMZ-702、AVI4065、バビツキシマブ(Bavituximab)、オグルファニド(Oglufanide)、およびVX-497(メリメポディブ(merimepodib))。
これらの他の活性剤は、複数回投与レジメンの一部として、本発明の化合物を含む組成物とは別に投与してもよい。あるいは、これらの活性剤は、単一の剤形の一部として、本発明の化合物とともに単一の組成物に混合してもよい。複数回投与レジメンの一部として投与される場合、2つの活性薬剤は、同時に、順次に、または一定期間(通常、互いに5時間以内の間隔で)の間隔で提供してもよい。
治療
本発明は、治療を必要とする被験者に、本発明の化合物或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体誘導体、若しくは前記の本発明の医薬組成物を投与することを含む、ウイルス感染を治療および/または予防する方法または疾患の治療方法を提供する。
本発明の化合物は、ウイルス感染を治療および/または予防することができ、上記のウイルス感染は、ヒト免疫不全ウイルスHIV感染、B型肝炎ウイルスHBV感染を含むが、これらに限定されない。
実施例
以下の実施例は、本明細書の方法および化合物を実施、調製、および評価する方法の完全な開示および説明を当業者に提供することを目的とし、本発明を単に例示することを意図し、発明者が考える本発明の範囲を限定することを意図しない。
合成方法
本発明の化合物は、適切な試薬、原料、および当業者に知られている精製方法を使用して、当技術分野における従来の方法に従って調製することができる。
以下、本発明の式(I)で表れる化合物の調製方法をより詳細に説明するが、これらの具体的な方法は、本発明に何ら制限を与えるものではない。また、本発明の化合物は、本明細書に記載される合成方法または当技術分野で公知の様々な合成方法を任意に組み合わせることによって便利に調製でき、そのような組み合わせは当業者によって容易に実施ことができる。
一般に、調製において、各反応は、通常、不活性溶媒中、室温から還流温度(例えば、0℃~100℃、好ましくは0℃~80℃)で行われる。反応時間は通常0.1時間~60時間、好ましくは0.5~24時間である。
実施例1 (R)-9-{2-[(ドデシルジスルファニルエチル)(イソプロピルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-1)
Figure 0007076159000033
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000034
工程1:2-(ドデシルジスルファニル)エタノール(化合物1)の合成
反応フラスコに、2-メルカプトエタノール(780mg,10mmol)、n-ドデカンチオール(2.02g,10mmol)を加え、35mlの無水メタノールおよび35mlの無水ジクロロメタンで溶解し、ピリジン(1.58g,20mmol)を加え、窒素ガス保護下で、単体ヨウ素(2.54g,10mmol)をバッチで加えた後、室温で反応を2-5時間攪拌した。TLCで反応の完了を検出した後、濾過して不溶物を除去し、濾液を濃縮乾固し、少量のジクロロメタンを追加して溶解させ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製し、真空乾燥して、40.6%の収率で1.13gの生成物を得た。
工程2:(R)-(1-(6-((ジメチルアミノ)メチレンアミノ)-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イルオキシ)メチルホスホン酸ジクロリド(化合物2)の合成
反応フラスコに、(R)-(1-(6-((ジメチルアミノ)メチレンアミノ)-9H-プリン-9-イル)プロパン-2-イルオキシ)メチルホスホン酸(テノホビル,500mg,1.74mmol)および無水DMF(153mg,2.1mmol)を加え、10mlの無水ジクロロメタンで溶解し、窒素ガス保護下、室温で2Mの塩化オキサリル(4.35ml,8.7mmol)を滴下した後、反応液が透明になるまで反応を3時間攪拌し、濃縮し、溶媒および過剰量の塩化オキサリルを除去し、100%の収率で658mgの生成物を得た。これを精製せずに、次の工程でそのまま使用した。
工程3:(R)-9-{2-[(ドデシルジスルファニルエチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物3)の合成
反応フラスコに化合物2(658mg,1.74mmol)を加え、10mlの無水ジクロロメタンで溶解し、窒素ガス保護下で、0℃まで冷却し、化合物1(584.2mg,2.1mmol)およびピリジン(826mg,10.44mmol)の無水ジクロロメタン溶液をゆっくりと滴下した。その後、低温で10分間反応した後、室温に昇温し、さらに2時間反応し、MSで反応の完了をモニタリングし、1Mの希塩酸(10ml)で反応をクエンチし、室温で一晩攪拌し、MSで反応の完了をモニタリングした後、有機相を分離し、水相をジクロロメタンで2-3回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、79.6%の収率で758mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=548.3(M+1)
工程4:(R)-9-{2-[(ドデシルジスルファニルエチル)(イソプロピルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-1)の合成
反応フラスコに、化合物3(228mg,0.417mmol)、炭酸クロロメチルイソプロピル(316.7mg,2.08mmol)、炭酸カリウム(287.5mg,2.08mmol)およびヨウ化カリウム(34.8mg,0.21mmol)を加え、8mlのDMFを添加し、60℃に加熱して一晩反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、室温まで冷却し、過剰量の水で希釈し、酢酸エチルで3-4回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、37.2%の収率で103mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=664.3(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.33(s,1H),8.01(s,1H),6.03(s,2H),5.61(m,2H),4.92(m,1H),4.40-4.12(m,4H),3.92(m,2H),3.68(t,J=10.0Hz,1H),2.85(dt,J=19.2,6.7Hz,2H),2.65(dd,J=11.8,7.0Hz,2H),1.64(s,2H),1.33-1.22(m,27H),0.84(t,J=6.6Hz,3H).
実施例2 (R)-9-{2-[(テトラデシルジスルファニルエチル)(イソプロピルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-2)
Figure 0007076159000035
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000036
工程1:2-(テトラデシルジスルファニル)エタノール(化合物4)の合成
反応フラスコに、2-メルカプトエタノール(780mg,10mmol)、n-テトラデカンチオール(2.3g,10mmol)を加え、35mlの無水メタノールおよび35mlの無水ジクロロメタンで溶解し、ピリジン(1.58g,20mmol)を添加し、窒素ガス保護下で、単体ヨウ素(2.54g,10mmol)をバッチで加えた後、室温で反応を2-5時間攪拌し、TLCで反応の完了を検出した後、濾過して不溶物を除去し、濾液を濃縮乾固し、少量のジクロロメタンを追加して溶解させ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製し、真空乾燥して、50.6%の収率で1.55gの生成物を得た。
工程2:(R)-9-{2-[(テトラデシルジスルファニルエチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物5)の合成
反応フラスコに化合物2(658mg,1.74mmol)を加え、10mlの無水ジクロロメタンで溶解し、窒素ガス保護下で、0℃まで冷却し、化合物4(643mg,2.1mmol)およびピリジン(826mg,10.44mmol)の無水ジクロロメタン溶液をゆっくりと滴下した。その後、低温で10分間反応した後、室温に昇温し、さらに2時間反応し、MSで反応の完了をモニタリングし、1M希塩酸(10ml)で反応をクエンチし、室温で一晩攪拌し、MSで反応の完了をモニタリングした後、有機相を分離し、水相をジクロロメタンで2-3回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、73.1%の収率で732mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=576.2(M+1)
工程3:(R)-9-{2-[(テトラデシルジスルファニルエチル)(イソプロピルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-2)の合成
反応フラスコに、化合物5(300mg,0.52mmol)、炭酸クロロメチルイソプロピル(395.3mg,2.6mmol)、炭酸カリウム(359.3mg,2.6mmol)およびヨウ化カリウム(43.2mg,0.26mmol)を加え、10mlのDMFを添加し、60℃に加熱して一晩反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、室温まで冷却し、過剰量の水で希釈し、酢酸エチルで3-4回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、34.5%の収率で124mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=692.7(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.36(s,1H),8.04(s,1H),6.06(s,2H),5.65(dd,J=28.2,8.9Hz,2H),4.92(m,1H),4.40-4.12(m,4H),3.96(m,2H),3.68(t,J=10.0Hz,1H),2.89(dt,J=19.2,6.7Hz,2H),2.67(dd,J=11.8,7.0Hz,2H),1.64(s,2H),1.33-1.25(m,31H),0.87(t,J=6.6Hz,3H).
実施例3 (R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(イソプロピルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-3)
Figure 0007076159000037
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000038
工程1:2-(ヘキサデシルジスルファニル)エタノール(化合物6)の合成
反応フラスコに、2-メルカプトエタノール(780mg,10mmol)、n-ヘキサデカンチオール(2.58g,10mmol)を加え、35mlの無水メタノールおよび35mlの無水ジクロロメタンで溶解し、ピリジン(1.58g,20mmol)を添加し、窒素ガス保護下で、単体ヨウ素(2.54g,10mmol)をバッチで加えた後、室温で反応を2-5時間攪拌し、TLCで反応の完了を検出した後、濾過して不溶物を除去し、濾液を濃縮乾固し、少量のジクロロメタンを追加して溶解させ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製し、真空乾燥して、56.6%の収率で1.89gの生成物を得た。
工程2:(R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物7)の合成
反応フラスコに、化合物2(658mg,1.74mmol)を加え、10mlの無水ジクロロメタンで溶解し、窒素ガス保護下で、0℃まで冷却し、化合物6(701.9mg,2.1mmol)およびピリジン(826mg,10.44mmol)の無水ジクロロメタン溶液をゆっくりと滴下した。その後、低温で10分間反応した後、室温に昇温し、さらに2時間反応し、MSで反応の完了をモニタリングし、1M希塩酸(10ml)で反応をクエンチし、室温で一晩攪拌し、MSで反応の完了をモニタリングした後、有機相を分離し、水相をジクロロメタンで2-3回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、85.2%の収率で895mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=604.5(M+1)
工程3:(R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(イソプロピルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-3)の合成
反応フラスコに、化合物7(140mg,0.23mmol)、炭酸クロロメチルイソプロピル(176.4mg,1.16mmol)、炭酸カリウム(160.3mg,1.16mmol)およびヨウ化カリウム(19.9mg,0.12mmol)を加え、5mlのDMFを添加し、60℃に加熱して一晩反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、室温まで冷却し、過剰量の水で希釈し、酢酸エチルで3-4回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、27.2%の収率で45mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=720.3(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.34(s,1H),8.03(s,1H),6.06(s,2H),5.61(dd,J=28.2,8.9Hz,2H),4.92(m,1H),4.40-4.12(m,4H),3.92(m,2H),3.68(t,J=10.0Hz,1H),2.87(dt,J=19.2,6.7Hz,2H),2.67(dd,J=11.8,7.0Hz,2H),1.64(s,2H),1.33-1.22(m,35H),0.87(t,J=6.6Hz,3H).
実施例4 (R)-9-{2-[(R)-(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(イソプロピルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ基]プロピル}アデニン(化合物T-3-1)
Figure 0007076159000039
化合物T-3-1は、実施例3に記載された方法に従って調製され、キラルカラム分離によって得られた。
実施例5 (R)-9-{2-[(S)-(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(イソプロピルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-3-2)
Figure 0007076159000040
化合物T-3-2は、実施例3に記載された方法に従って調製され、キラルカラム分離によって得られた。
実施例6 (R)-9-{2-[(オクタデシルジスルファニルエチル)(イソプロピルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-4)
Figure 0007076159000041
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000042
工程1:2-(オクタデシルジスルファニル)エタノール(化合物8)の合成
反応フラスコに、2-メルカプトエタノール(780mg,10mmol)、n-オクタデカンチオール(2.86g,10mmol)を加え、35mlの無水メタノールおよび35mlの無水ジクロロメタンで溶解し、ピリジン(1.58g,20mmol)を添加し、窒素ガス保護下で、単体ヨウ素(2.54g,10mmol)をバッチで加えた後、室温で反応を2-5時間攪拌し、TLCで反応の完了を検出した後、濾過して不溶物を除去し、濾液を濃縮乾固し、少量のジクロロメタンを追加して溶解させ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製し、真空乾燥して、65.7%の収率で2.38gの生成物を得た。
工程2:(R)-9-{2-[(オクタデシルジスルファニルエチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物9)の合成
反応フラスコに、化合物2(658mg,1.74mmol)を加え、10mlの無水ジクロロメタンで溶解し、窒素ガス保護下で、0℃まで冷却し、化合物8(761mg,2.1mmol)およびピリジン(826mg,10.44mmol)の無水ジクロロメタン溶液をゆっくりと滴下した。その後、低温で10分間反応した後、室温に昇温し、さらに2時間反応し、MSで反応の完了をモニタリングし、1M希塩酸(10ml)で反応をクエンチし、室温で一晩攪拌し、MSで反応の完了をモニタリングした後、有機相を分離し、水相をジクロロメタンで2-3回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、92.9%の収率で1.02gの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=632.8(M+1)
工程3:(R)-9-{2-[(オクタデシルジスルファニルエチル)(イソプロピルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-4)の合成
反応フラスコに、化合物9(640mg,1.01mmol)、炭酸クロロメチルイソプロピル(770.5mg,5.07mmol)、炭酸カリウム(700.7mg,5.07mmol)およびヨウ化カリウム(84.6mg,0.51mmol)を加え、15mlのDMFを添加し、60℃に加熱して一晩反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、室温まで冷却し、過剰量の水で希釈し、酢酸エチルで3-4回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、31.7%の収率で239mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=748.6(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.36(s,1H),8.05(s,1H),6.06(s,2H),5.61(m,2H),4.92(m,1H),4.40-4.12(m,4H),3.92(m,2H),3.68(t,J=10.0Hz,1H),2.89(dt,J=19.2,6.7Hz,2H),2.67(dd,J=11.8,7.0Hz,2H),1.66(s,2H),1.33-1.22(m,39H),0.89(t,J=6.6Hz,3H).
実施例7 (R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(メチルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-5)
Figure 0007076159000043
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000044
工程1:炭酸クロロメチルメチル(化合物10)の合成
反応フラスコに、クロロぎ酸クロロメチル(1.5g,11.72mmol)およびメタノール(375mg,11.72mmol)を加え、10mlの無水エーテルで溶解し、0℃まで冷却し、ピリジン(0.93g,11.72mmol)をゆっくりと滴下した後、室温に昇温し、一晩攪拌して反応させ、水を添加して希釈し、1%のクエン酸、飽和炭酸水素ナトリウムおよび飽和食塩水で順次に3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、90.8%の収率で1.32gの生成物を得た。
工程2:(R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(メチルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-5)の合成
反応フラスコに、化合物7(500mg,0.83mmol)、化合物10(513.8mg,4.14mmol)、炭酸カリウム(572.7mg,4.14mmol)およびヨウ化カリウム(68.1mg,0.41mmol)を加え、10mlのDMFを添加し、60℃に加熱して一晩反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、室温まで冷却し、過剰量の水で希釈し、酢酸エチルで3-4回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、14.5%の収率で83mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=692.1(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.34(s,1H),8.03(s,1H),6.06(s,2H),5.63(dd,J=28.2,8.9Hz,2H),4.92(m,1H),4.40-4.12(m,3H),3.92(m,2H),3.84(s,3H),3.68(t,J=10.0Hz,1H),2.86(dt,J=19.2,6.7Hz,2H),2.64(dd,J=11.8,7.0Hz,2H),1.64(s,2H),1.33-1.22(m,29H),0.87(t,J=6.6Hz,3H).
実施例8 (R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(エチルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-6)
Figure 0007076159000045
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000046
工程1:炭酸クロロメチルエチル(化合物11)の合成
反応フラスコに、クロロぎ酸クロロメチル(3.0g,23.45mmol)およびエタノール(1.08g,23.45mmol)を加え、20mlの無水エーテルで溶解し、0℃まで冷却し、ピリジン(1.85g,23.45mmol)をゆっくりと滴下した後、室温に昇温し、一晩攪拌して反応させ、水を添加して希釈し、1%クエン酸、飽和炭酸水素ナトリウムおよび飽和食塩水で順次に3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、77.5%の収率で2.51gの生成物を得た。
工程2:(R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(エチルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-6)の合成
反応フラスコに、化合物7(500mg,0.83mmol)、化合物11(571.9mg,4.14mmol)、炭酸カリウム(572.7mg,4.14mmol)およびヨウ化カリウム(68.1mg,0.41mmol)を加え、10mlのDMFを添加し、60℃に加熱して一晩反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、室温まで冷却し、過剰量の水で希釈し、酢酸エチルで3-4回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、16.9%の収率で99mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=706.4(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.32(s,1H),8.01(s,1H),6.06(s,2H),5.61(dd,J=28.2,8.9Hz,2H),4.91(m,1H),4.40-4.12(m,4H),3.92(m,3H),3.68(t,J=10.0Hz,1H),2.88(dt,J=19.2,6.7Hz,2H),2.67(dd,J=11.8,7.0Hz,2H),1.68(t,J=9.5Hz,3H),1.64(s,2H),1.33-1.22(m,29H),0.86(t,J=6.6Hz,3H).
実施例9 (R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(プロピルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-7)
Figure 0007076159000047
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000048
工程1:炭酸クロロメチルプロピル(化合物12)の合成
反応フラスコに、クロロぎ酸クロロメチル(3.0g,23.45mmol)およびn-プロパノール(1.41g,23.45mmol)を加え、20mlの無水エーテルで溶解し、0℃まで冷却し、ピリジン(1.85g,23.45mmol)をゆっくりと滴下した後、室温に昇温し、一晩攪拌して反応させ、水を添加して希釈し、1%のクエン酸、飽和炭酸水素ナトリウムおよび飽和食塩水で順次に3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、80.2%の収率で2.86gの生成物を得た。
工程2:(R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(プロピルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-7)の合成
反応フラスコに、化合物7(500mg,0.83mmol)、化合物12(630mg,4.14mmol)、炭酸カリウム(572.7mg,4.14mmol)およびヨウ化カリウム(68.1mg,0.41mmol)を加え、10mlのDMFを添加し、60℃に加熱して一晩反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、室温まで冷却し、過剰量の水で希釈し、酢酸エチルで3-4回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、21.3%の収率で127mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=720.5(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.33(s,1H),8.02(s,1H),6.06(s,2H),5.61(dd,J=28.2,8.9Hz,2H),4.91(m,1H),4.40-4.12(m,4H),3.94(m,3H),3.68(t,J=10.0Hz,1H),2.89(dt,J=19.2,6.7Hz,2H),2.67(dd,J=11.8,7.0Hz,2H),1.69(m,2H),1.64(s,2H),1.33-1.22(m,32H),0.86(t,J=6.6Hz,3H).
実施例10 (R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(n-ブチルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-8)
Figure 0007076159000049
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000050
工程1:炭酸クロロメチルブチル(化合物13)の合成
反応フラスコに、クロロぎ酸クロロメチル(3.0g,23.45mmol)およびn-ブタノール(1.74g,23.45mmol)を加え、20mlの無水エーテルで溶解し、0℃まで冷却し、ピリジン(1.85g,23.45mmol)をゆっくりと滴下した後、室温に昇温し、一晩攪拌して反応させ、水を添加して希釈し、1%のクエン酸、飽和炭酸水素ナトリウムおよび飽和食塩水で順次に3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、75.6%の収率で2.94gの生成物を得た。
工程2:(R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(ブチルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-8)の合成
反応フラスコに、化合物7(500mg,0.83mmol)、化合物13(688mg,4.14mmol)、炭酸カリウム(572.7mg,4.14mmol)およびヨウ化カリウム(68.1mg,0.41mmol)を加え、10mlのDMFを添加し、60℃に加熱して一晩反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、室温まで冷却し、過剰量の水で希釈し、酢酸エチルで3-4回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、19.6%の収率で119mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=734.2(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.33(s,1H),8.02(s,1H),6.06(s,2H),5.61(dd,J=28.2,8.9Hz,2H),4.91(m,1H),4.40-4.12(m,4H),3.94(m,3H),3.68(t,J=10.0Hz,1H),2.89(dt,J=19.2,6.7Hz,2H),2.67(dd,J=11.8,7.0Hz,2H),1.69(m,2H),1.64(s,2H),1.33-1.22(m,34H),0.86(t,J=6.6Hz,3H).
実施例11 (R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(イソブチルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-9)
Figure 0007076159000051
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000052
工程1:炭酸クロロメチルイソブチル(化合物14)の合成
反応フラスコに、クロロぎ酸クロロメチル(3.0g,23.45mmol)およびイソブタノール(1.74g,23.45mmol)を加え、20mlの無水エーテルで溶解し、0℃まで冷却し、ピリジン(1.85g,23.45mmol)をゆっくりと滴下した後、室温に昇温し、一晩攪拌して反応させ、水を添加して希釈し、1%のクエン酸、飽和炭酸水素ナトリウムおよび飽和食塩水で順次に3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、78.7%の収率で3.06gの生成物を得た。
工程2:(R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(イソブチルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-9)の合成
反応フラスコに、化合物7(500mg,0.83mmol)、化合物14(688mg,4.14mmol)、炭酸カリウム(572.7mg,4.14mmol)およびヨウ化カリウム(68.1mg,0.41mmol)を加え、10mlのDMFを添加し、60℃に加熱して一晩反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、室温まで冷却し、過剰量の水で希釈し、酢酸エチルで3-4回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、22.0%の収率で134mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=734.2(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.34(s,1H),8.03(s,1H),6.06(s,2H),5.61(dd,J=28.2,8.9Hz,2H),4.91(m,1H),4.40-4.12(m,4H),3.94(m,3H),3.68(t,J=10.0Hz,1H),2.89(dt,J=19.2,6.7Hz,2H),2.67(dd,J=11.8,7.0Hz,2H),1.69(m,1H),1.64(s,2H),1.33-1.22(m,35H),0.86(t,J=6.6Hz,3H).
実施例12 (R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(sec-ブチルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-10)
Figure 0007076159000053
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000054
工程1:炭酸クロロメチルsec-ブチル(化合物15)の合成
反応フラスコに、クロロぎ酸クロロメチル(3.0g,23.45mmol)およびsec-ブタノール(1.74g,23.45mmol)を加え、20mlの無水エーテルで溶解し、0℃まで冷却し、ピリジン(1.85g,23.45mmol)をゆっくりと滴下した後、室温に昇温し、一晩攪拌して反応させ、水を添加して希釈し、1%のクエン酸、飽和炭酸水素ナトリウムおよび飽和食塩水で順次に3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、76.8%の収率で2.99gの生成物を得た。
工程2:(R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(sec-ブチルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-10)の合成
反応フラスコに、化合物7(500mg,0.83mmol)、化合物15(688mg,4.14mmol)、炭酸カリウム(572.7mg,4.14mmol)およびヨウ化カリウム(68.1mg,0.41mmol)を加え、10mlのDMFを添加し、60℃に加熱して一晩反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、室温まで冷却し、過剰量の水で希釈し、酢酸エチルで3-4回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、18.4%の収率で112mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=734.2(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.31(s,1H),8.01(s,1H),6.06(s,2H),5.62(m,2H),4.93(m,1H),4.40-4.12(m,4H),3.94(m,2H),3.68(t,J=10.0Hz,1H),2.92(dt,J=19.2,6.7Hz,2H),2.67(dd,J=11.8,7.0Hz,2H),1.69(m,1H),1.64(s,2H),1.33-1.22(m,36H),0.88(t,J=6.6Hz,3H).
実施例13 (R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(tert-ブチルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-11)
Figure 0007076159000055
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000056
工程1:炭酸クロロメチルtert-ブチル(化合物16)の合成
反応フラスコに、クロロぎ酸クロロメチル(3.0g,23.45mmol)およびtert-ブタノール(1.74g,23.45mmol)を加え、20mlの無水エーテルで溶解し、0℃まで冷却し、ピリジン(1.85g,23.45mmol)をゆっくりと滴下した後、室温に昇温し、一晩攪拌して反応させ、水を添加して希釈し、1%のクエン酸、飽和炭酸水素ナトリウムおよび飽和食塩水で順次に3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、83.5%の収率で3.25gの生成物を得た。
工程2:(R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(tert-ブチルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-11)の合成
反応フラスコに、化合物7(500mg,0.83mmol)、化合物16(688mg,4.14mmol)、炭酸カリウム(572.7mg,4.14mmol)およびヨウ化カリウム(68.1mg,0.41mmol)を加え、10mlのDMFを添加し、60℃に加熱して一晩反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、室温まで冷却し、過剰量の水で希釈し、酢酸エチルで3-4回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、22.0%の収率で134mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=734.2(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.34(s,1H),8.03(s,1H),6.06(s,2H),5.61(m,2H),4.92(dd,J=13.2,6.6Hz,1H),4.40-4.12(m,3H),3.92(dd,J=11.5,7.1Hz,2H),3.68(t,J=10.0Hz,1H),2.87(dt,J=19.2,6.7Hz,2H),2.67(dd,J=11.8,7.0Hz,2H),1.64(s,2H),1.33-1.22(m,38H),0.87(t,J=6.6Hz,3H).
実施例14 (R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(ネオペンチルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-12)
Figure 0007076159000057
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000058
工程1:炭酸クロロメチルネオペンチル(化合物17)の合成
反応フラスコに、クロロぎ酸クロロメチル(3.0g,23.45mmol)およびネオペンチルアルコール(2.07g,23.45mmol)を加え、20mlの無水エーテルで溶解し、0℃まで冷却し、ピリジン(1.85g,23.45mmol)をゆっくりと滴下した後、室温に昇温し、一晩攪拌して反応させ、水を添加して希釈し、1%のクエン酸、飽和炭酸水素ナトリウムおよび飽和食塩水で順次に3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、84.8%の収率で3.58gの生成物を得た。
工程2:(R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(ネオペンチルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-12)の合成
反応フラスコに、化合物7(500mg,0.83mmol)、化合物17(746mg,4.14mmol)、炭酸カリウム(572.7mg,4.14mmol)およびヨウ化カリウム(68.1mg,0.41mmol)を加え、10mlのDMFを添加し、60℃に加熱して一晩反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、室温まで冷却し、過剰量の水で希釈し、酢酸エチルで3-4回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、15.8%の収率で98mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=748.6(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.34(s,1H),8.03(s,1H),6.06(s,2H),5.61(m,2H),4.92(dd,J=13.2,6.6Hz,1H),4.40-4.12(m,4H),3.92(dd,J=11.5,7.1Hz,3H),3.68(t,J=10.0Hz,1H),2.87(dt,J=19.2,6.7Hz,2H),2.67(dd,J=11.8,7.0Hz,2H),1.64(s,2H),1.33-1.22(m,38H),0.87(t,J=6.6Hz,3H).
実施例15 (R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(シクロペンチルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-13)
Figure 0007076159000059
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000060
工程1:炭酸クロロメチルシクロペンチル(化合物18)の合成
反応フラスコに、クロロぎ酸クロロメチル(3.0g,23.45mmol)およびシクロペンタノール(2.02g,23.45mmol)を加え、20mlの無水エーテルで溶解し、0℃まで冷却し、ピリジン(1.85g,23.45mmol)をゆっくりと滴下した後、室温に昇温し、一晩攪拌して反応させ、水を添加して希釈し、1%のクエン酸、飽和炭酸水素ナトリウムおよび飽和食塩水で順次に3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、78.4%の収率で3.27gの生成物を得た。
工程2:(R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(シクロペンチルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-13)の合成
反応フラスコに、化合物7(500mg,0.83mmol)、化合物18(737.8mg,4.14mmol)、炭酸カリウム(572.7mg,4.14mmol)およびヨウ化カリウム(68.1mg,0.41mmol)を加え、10mlのDMFを添加し、60℃に加熱して一晩反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、室温まで冷却し、過剰量の水で希釈し、酢酸エチルで3-4回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、18.4%の収率で114mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=746.8(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.34(s,1H),8.03(s,1H),6.06(s,2H),5.61(m,2H),4.92(dd,J=13.2,6.6Hz,1H),4.40-4.12(m,4H),3.92(dd,J=11.5,7.1Hz,2H),3.68(t,J=10.0Hz,1H),2.87(dt,J=19.2,6.7Hz,2H),2.67(dd,J=11.8,7.0Hz,2H),1.64-1.57(m,6H),1.33-1.22(m,33H),0.87(t,J=6.6Hz,3H).
実施例16 (R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(シクロヘキシルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-14)
Figure 0007076159000061
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000062
工程1:炭酸クロロメチルシクロヘキシル(化合物19)の合成
反応フラスコに、クロロぎ酸クロロメチル(3.0g,23.45mmol)およびシクロヘキサノール(2.35g,23.45mmol)を加え、20mlの無水エーテルで溶解し、0℃まで冷却し、ピリジン(1.85g,23.45mmol)をゆっくりと滴下した後、室温に昇温し、一晩攪拌して反応させ、水を添加して希釈し、1%のクエン酸、飽和炭酸水素ナトリウムおよび飽和食塩水で順次に3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、77.1%の収率で3.47gの生成物を得た。
工程2:(R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(シクロヘキシルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-14)の合成
反応フラスコに、化合物7(500mg,0.83mmol)、化合物19(796mg,4.14mmol)、炭酸カリウム(572.7mg,4.14mmol)およびヨウ化カリウム(68.1mg,0.41mmol)を加え、10mlのDMFを添加し、60℃に加熱して一晩反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、室温まで冷却し、過剰量の水で希釈し、酢酸エチルで3-4回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、23.3%の収率で147mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=760.9(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.34(s,1H),8.03(s,1H),6.06(s,2H),5.61(m,2H),4.92(dd,J=13.2,6.6Hz,1H),4.40-4.12(m,4H),3.92(dd,J=11.5,7.1Hz,2H),3.68(t,J=10.0Hz,1H),2.87(m,2H),2.67(dd,J=11.8,7.0Hz,2H),1.66-1.58(m,6H),1.33-1.22(m,35H),0.87(t,J=6.6Hz,3H).
実施例17 (2’R,1’S)-9-{2-[(ドデシルジスルファニルエチル)(イソプロポキシカルボニル-1-エチルアミノ)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-15)
Figure 0007076159000063
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000064
工程1:L-アラニンイソプロピルエステル(化合物20)の合成
反応フラスコに、L-アラニンイソプロピルエステル塩酸塩(10.0g,59.9mmol)を加え、40mlの無水ジクロロメタンで溶解し、炭酸水素ナトリウム(15.0g,149.7mmol)を加えた後、ガスを放出し、室温で一晩攪拌し、濾過して不溶物を除去し、有机相を飽和食塩水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮乾固して、96.0%の収率で7.54gの生成物を得た。
工程2:(2’R,1’S)-9-{2-[(ドデシルジスルファニルエチル)(イソプロポキシカルボニル-1-エチルアミノ)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-15)の合成
反応フラスコに、化合物3(1.5g,2.74mmol)および無水DMF(240mg,3.29mmol)を加え、30mlの無水ジクロロメタンで溶解し、室温で塩化オキサリル(6.85ml,13.7mmol)をゆっくりと滴下した後、窒素ガス保護下で、反応を2-3時間攪拌し、濃縮し、溶媒および過剰量の塩化オキサリルを除去し、さらに20mlの無水ジクロロメタンで溶解し、0℃まで冷却し、窒素ガス保護下で、化合物20(1.8g,13.7mmol)およびトリエチルアミン(1.39g,13.7mmol)のジクロロメタン溶液をゆっくりと滴下した後、室温に昇温し、1時間反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、2mlのエタノールアミンを添加して一晩攪拌した。少量の水で希釈し、有機相を分離し、飽和食塩水で3回洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、17.4%の収率で315mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=661.1(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.34(d,J=4.3Hz,1H),8.01(d,J=14.2Hz,1H),5.87(s,2H),4.97(ddt,J=43.9,12.5,6.2Hz,1H),4.44-4.30(m,1H),4.27-4.08(m,3H),3.96(ddd,J=19.1,10.8,3.5Hz,2H),3.87-3.76(m,1H),3.56(ddd,J=13.1,10.1,6.9Hz,1H),2.87(ddd,J=19.6,10.9,6.5Hz,2H),2.68(td,J=7.3,5.3Hz,2H),1.69-1.60(m,2H),1.41-1.31(m,6H),1.30-1.20(m,24H),0.87(t,J=6.8Hz,3H).
実施例18 (2’R,1’S)-9-{2-[(テトラデシルジスルファニルエチル)(イソプロポキシカルボニル-1-エチルアミノ)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-16)
Figure 0007076159000065
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000066
反応フラスコに、化合物5(979mg,1.7mmol)および無水DMF(150mg,2.04mmol)を加え、20mlの無水ジクロロメタンで溶解し、室温で塩化オキサリル(4.25ml,8.51mmol)をゆっくりと滴下した後、窒素ガス保護下で、反応を2-3時間攪拌し、濃縮し、溶媒および過剰量の塩化オキサリルを除去し、さらに20mlの無水ジクロロメタンで溶解し、0℃まで冷却し、窒素ガス保護下で、化合物20(1.11g,8.5mmol)およびトリエチルアミン(861.1mg,8.5mmol)のジクロロメタン溶液をゆっくりと滴下した後、室温に昇温し、1時間反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、2mlのエタノールアミンを添加して一晩攪拌した。少量の水で希釈し、有機相を分離し、飽和食塩水で3回洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、12.5%の収率で146mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=689.5(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.34(d,J=4.3Hz,1H),8.00(d,J=13.1Hz,1H),5.79(s,2H),4.98(dtd,J=44.5,12.5,6.2Hz,1H),4.38(ddd,J=19.6,14.4,3.0Hz,1H),4.26-4.06(m,3H),3.96 (tdd,J=18.1,10.3,3.3Hz,2H),3.87-3.75(m,1H),3.61-3.51(m,1H),2.92-2.80(m,2H),2.67(dt,J=12.4,7.2Hz,2H),1.65(dd,J=13.1,7.0Hz,2H),1.38-1.20(m,34H),0.87(t,J=6.8Hz,3H).
実施例19 (2’R,1’S)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルエチル)(イソプロポキシカルボニル-1-エチルアミノ)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-17)
Figure 0007076159000067
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000068
反応フラスコに、化合物7(800mg,1.33mmol)および無水DMF(194.5mg,2.66mmol)を加え、15mlの無水ジクロロメタンで溶解し、室温で塩化オキサリル(3.32ml,6.63mmol)をゆっくりと滴下した後、窒素ガス保護下で反応を2-3時間攪拌し、濃縮し、溶媒および過剰量の塩化オキサリルを除去し、さらに15mlの無水ジクロロメタンで溶解し、0℃まで冷却し、窒素ガス保護下で、化合物20(698mg,5.32mmol)およびトリエチルアミン(671mg,6.63mmol)のジクロロメタン溶液をゆっくりと滴下した後、室温に昇温し、1時間反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、2mlのエタノールアミンを添加して一晩攪拌した。少量の水で希釈し、有機相を分離し、飽和食塩水で3回洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、13.3%の収率で127mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=717.4(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.34(d,J=4.4Hz,1H),7.99(d,J=12.2Hz,1H),5.76(d,J=7.0Hz,2H),4.97(ddt,J=44.7,12.5,6.3Hz,1H),4.38(ddd,J=19.6,14.4,3.0Hz,1H),4.26-4.07(m,3H),4.02-3.90(m,2H),3.86-3.76(m,1H),3.56(ddd,J=13.2,10.1,7.6Hz,1H),2.87(ddd,J=20.3,10.2,5.7Hz,2H),2.72-2.62(m,2H),1.69-1.59(m,2H),1.35(dd,J=9.3,7.2Hz,6H),1.29-1.20(m,32H),0.87(t,J=6.8Hz,3H).
実施例20 (2’R,1’S)-9-{2-[(オクタデシルジスルファニルエチル)(イソプロポキシカルボニル-1-エチルアミノ)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-18)
Figure 0007076159000069
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000070
反応フラスコに、化合物9(800mg,1.27mmol)および無水DMF(111mg,1.52mmol)を加え、15mlの無水ジクロロメタンで溶解し、室温で塩化オキサリル(3.17ml,6.33mmol)をゆっくりと滴下した後、窒素ガス保護下で反応を2-3時間攪拌し、濃縮し、溶媒および過剰量の塩化オキサリルを除去し、さらに15mlの無水ジクロロメタンで溶解し、0℃まで冷却し、窒素ガス保護下で、化合物20(665mg,5.07mmol)およびトリエチルアミン(640mg,6.33mmol)のジクロロメタン溶液をゆっくりと滴下した後、室温に昇温し、1時間反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、2mlのエタノールアミンを添加して一晩攪拌した。少量の水で希釈し、有機相を分離し、飽和食塩水で3回洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、13.3%の収率で136mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=745.7(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.34(d,J=4.3Hz,1H),7.99(d,J=12.8Hz,1H),5.79(d,J=6.0Hz,2H),4.97(ddt,J=44.0,12.5,6.3Hz,1H),4.44-4.31(m,1H),4.17(dddd,J=23.9,22.1,10.8,6.5Hz,3H),3.96(tdd,J=18.5,10.5,3.6Hz,2H),3.86-3.74(m,1H),3.56(ddd,J=13.1,10.1,6.9Hz,1H),2.93-2.80(m,2H),2.68(td,J=7.3,5.4Hz,2H),1.65(dq,J=14.4,7.0Hz,2H),1.35(dd,J=8.8,7.3Hz,6H),1.30-1.20(m,36H),0.87(t,J=6.8Hz,3H).
実施例21 (R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルプロピル)(イソプロピルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-19)
Figure 0007076159000071
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000072
工程1:3-(ヘキサデシルジスルファニル)プロパノール(化合物21)の合成
反応フラスコに、3-メルカプトプロパノール(2.76g,30mmol)、n-ヘキサデカンチオール(7.75g,30mmol)を加え、105mlの無水メタノールおよび105mlの無水ジクロロメタンで溶解し、ピリジン(4.74g,60mmol)を添加し、窒素ガス保護下で単体ヨウ素(7.61g,30mmol)をバッチで加えた後、室温で反応を2-5時間攪拌し、TLCで反応の完了を検出した後、濾過して不溶物を除去し、濾液を濃縮乾固し、少量のジクロロメタンを追加して溶解させ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製し、真空乾燥して、32.7%の収率で3.42gの生成物を得た。
工程2:(R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルプロピル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物22)の合成
反応フラスコに化合物2(2.43g,6.44mmol)を加え、20mlの無水ジクロロメタンで溶解し、窒素ガス保護下で0℃まで冷却し、化合物21(2.69g,7.73mmol)およびピリジン(3.05g,38.64mmol)の無水ジクロロメタン溶液をゆっくりと滴下した。その後、低温で10分間反応した後、室温に昇温し、さらに2時間反応し、MSで反応の完了をモニタリングし、1Mの希塩酸(30ml)で反応をクエンチし、室温で一晩攪拌し、MSで反応の完了をモニタリングした後、有機相を分離し、水相をジクロロメタンで2-3回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、67.2%の収率で2.67gの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=618.5(M+1)
工程3:(R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルプロピル)(イソプロピルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-19)の合成
反応フラスコに、化合物22(1.0g,1.62mmol)、炭酸クロロメチルイソプロピル(1.23g,8.1mmol)、炭酸カリウム(1.12g,8.1mmol)およびヨウ化カリウム(134.5mg,0.81mmol)を加え、15mlのDMFを添加し、60℃に加熱して一晩反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、室温まで冷却し、過剰量の水で希釈し、酢酸エチルで3-4回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、13.7%の収率で163mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=734.1(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.34(s,1H),8.03(s,1H),6.06(s,2H),5.61(m,2H),4.92(dd,J=13.2,6.6Hz,1H),4.40-4.12(m,4H),3.92(dd,J=11.5,7.1Hz,2H),3.68(t,J=10.0Hz,1H),2.87(dt,J=19.2,6.7Hz,2H),2.67(dd,J=11.8,7.0Hz,2H),1.82-1.64(m,4H),1.33-1.22(m,35H),0.87(t,J=6.6Hz,3H).
実施例22 (2’R,1’S)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルプロピル)(イソプロポキシカルボニル-1-エチルアミノ)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-20)
Figure 0007076159000073
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000074
反応フラスコに、化合物22(1.02g,1.66mmol)および無水DMF(145.6mg,1.99mmol)を加え、20mlの無水ジクロロメタンで溶解し、室温で塩化オキサリル(4.14ml,8.28mmol)をゆっくりと滴下した後、窒素ガス保護下で反応を2-3時間攪拌し、濃縮し、溶媒および過剰量の塩化オキサリルを除去し、さらに20mlの無水ジクロロメタンで溶解し、0℃まで冷却し、窒素ガス保護下で、化合物20(871mg,6.64mmol)およびトリエチルアミン(837.8mg,8.28mmol)のジクロロメタン溶液をゆっくりと滴下した後、室温に昇温し、1時間反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、3mlのエタノールアミンを添加して一晩攪拌した。少量の水で希釈し、有機相を分離し、飽和食塩水で3回洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、13.8%の収率で167mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=731.7(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.34(d,J=4.4Hz,1H),7.99(d,J=12.2Hz,1H),5.76(d,J=7.0Hz,2H),4.97(ddt,J=44.7,12.5,6.3Hz,1H),4.38(ddd,J=19.6,14.4,3.0Hz,1H),4.26-4.07(m,3H),4.02-3.90(m,2H),3.86-3.76(m,1H),3.56(ddd,J=13.2,10.1,7.6Hz,1H),2.87(ddd,J=20.3,10.2,5.7Hz,2H),2.72-2.62(m,2H),1.69-1.59(m,4H),1.35(dd,J=9.3,7.2Hz,6H),1.29-1.20(m,32H),0.87(t,J=6.8Hz,3H).
実施例23 (R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルブチル)(イソプロピルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-21)
Figure 0007076159000075
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000076
工程1:4-(ヘキサデシルジスルファニル)ブタノール(化合物23)の合成
反応フラスコに、4-メルカプトブタノール(2.12g,20mmol)、n-ヘキサデカンチオール(5.16g,20mmol)を加え、70mlの無水メタノールおよび70mlの無水ジクロロメタンで溶解し、ピリジン(3.16g,40mmol)を添加し、窒素ガス保護下で単体ヨウ素(5.08g,20mmol)をバッチで加えた後、室温で反応を2-5時間攪拌し、TLCで反応の完了を検出した後、濾過して不溶物を除去し、濾液を濃縮乾固し、少量のジクロロメタンを追加して溶解させ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製し、真空乾燥して、38.7%の収率で2.8gの生成物を得た。
工程2:(R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルブチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物24)の合成
反応フラスコに化合物2(2.43g,6.44mmol)を加え、20mlの無水ジクロロメタンで溶解し、窒素ガス保護下で0℃まで冷却し、化合物23(2.8g,7.73mmol)およびピリジン(3.05g,38.64mmol)の無水ジクロロメタン溶液をゆっくりと滴下した。その後、低温で10分間反応した後、室温に昇温し、さらに2時間反応し、MSで反応の完了をモニタリングし、1Mの希塩酸(30ml)で反応をクエンチし、室温で一晩攪拌し、MSで反応の完了をモニタリングした後、有機相を分離し、水相をジクロロメタンで2-3回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、73.6%の収率で2.99gの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=632.6(M+1)
工程3:(R)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルブチル)(イソプロピルカーボネートメチル)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-21)の合成
反応フラスコに、化合物24(500mg,0.79mmol)、炭酸クロロメチルイソプロピル(602mg,3.96mmol)、炭酸カリウム(547.3mg,3.96mmol)およびヨウ化カリウム(65.7mg,0.4mmol)を加え、10mlのDMFを添加し、60℃に加熱して一晩反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、室温まで冷却し、過剰量の水で希釈し、酢酸エチルで3-4回抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、17.4%の収率で103mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=748.5(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.34(s,1H),8.03(s,1H),6.06(s,2H),5.61(m,2H),4.92(dd,J=13.2,6.6Hz,1H),4.40-4.12(m,4H),3.92(dd,J=11.5,7.1Hz,2H),3.68(t,J=10.0Hz,1H),2.87(dt,J=19.2,6.7Hz,2H),2.67(dd,J=11.8,7.0Hz,2H),1.75-1.62(m,6H),1.33-1.22(m,35H),0.87(t,J=6.6Hz,3H).
実施例24 (2’R,1’S)-9-{2-[(ヘキサデシルジスルファニルブチル)(イソプロポキシカルボニル-1-エチルアミノ)ホスホリルメトキシ]プロピル}アデニン(化合物T-22)
Figure 0007076159000077
以下の合成経路に従って合成を行った。
Figure 0007076159000078
反応フラスコに、化合物24(700mg,1.11mmol)および無水DMF(97.4mg,1.33mmol)を加え、15mlの無水ジクロロメタンで溶解し、室温で塩化オキサリル(2.77ml,5.54mmol)をゆっくりと滴下した後、窒素ガス保護下で反応を2-3時間攪拌し、濃縮し、溶媒および過剰量の塩化オキサリルを除去し、さらに15mlの無水ジクロロメタンで溶解し、0℃まで冷却し、窒素ガス保護下で、化合物20(726.7mg,5.54mmol)およびトリエチルアミン(560.6mg,5.54mmol)のジクロロメタン溶液をゆっくりと滴下した後、室温に昇温し、1時間反応させ、TLCで反応の完了を検出した後、2mlのエタノールアミンを添加して一晩攪拌した。少量の水で希釈し、有機相を分離し、飽和食塩水で3回洗浄し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、18.0%の収率で149mgの生成物を得た。LC-MS(APCI):M/z=745.1(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.34(d,J=4.4Hz,1H),7.99(d,J=12.2Hz,1H),5.76(d,J=7.0Hz,2H),4.97(ddt,J=44.7,12.5,6.3Hz,1H),4.38(ddd,J=19.6,14.4,3.0Hz,1H),4.26-4.07(m,3H),4.02-3.90(m,2H),3.86-3.76(m,1H),3.56(ddd,J=13.2,10.1,7.6Hz,1H),2.87(ddd,J=20.3,10.2,5.7Hz,2H),2.72-2.62(m,2H),1.72-1.55(m,6H),1.35(dd,J=9.3,7.2Hz,6H),1.29-1.20(m,32H),0.87(t,J=6.8Hz,3H).
生物活性アッセイ
(1)化合物のインビトロ抗HIV活性の検出
GraphPad Prismソフトウェアによってデータを分析し、曲線をフィッティングし、EC50値およびCC50値を算出した。EC50とは、50%のウイルスの産生、50%のウイルスの感染性、または50%のウイルスに誘導された細胞効果を阻害する有効濃度を指す。CC50とは、感染されていない細胞の細胞増殖または生存率を50%減少させる阻害濃度を指す。
化合物処理:試験化合物および参照化合物をDMSOで2倍に希釈した後、細胞培養プレートに加えた。試験化合物および参照化合物を8個の濃度で2回繰り返し試験した。
ウイルス感染および細胞処理:HIV-1およびMT-4細胞を、37℃、5%COのインキュベーター内で1時間共インキュベートした。その後、感染された細胞を一定の密度で細胞培養プレートに播種した。細胞培養培地中のDMSOの最終濃度は0.5%とした。37℃、5%COのインキュベーターで細胞を5日間インキュベートした。細胞毒性試験で試験した細胞は感染されていないMT-4細胞であり、他の実験条件は抗ウイルス活性実験と同じであった。
細胞活性アッセイ:細胞活性は、細胞活性アッセイ試薬CellTiter-glo(Promega)を使用して測定された。生データは、化合物の抗HIV-1活性および細胞毒性の計算に使用された。化合物の用量反応曲線およびそのEC50値とCC50値は、GraphPad Prismソフトウェアによる分析によって得られ、ここで、AはEC50≦5nMを表し、Bは5nM<EC50≦20nMを表し、Cは20nM<EC50≦50nMを表し;Dは100nM<CC50≦500nMを表し、Eは500nM<CC50≦1000nMを表し、Fは1000nM<CC50≦5000nMを表し、GはCC50>5000nMを表す(以下の表1に示す)。
(2)化合物のインビトロ抗HBV活性の検出
実験方法:Bright-Glo(Promega)ルシフェラーゼによって化合物の抗HBV活性を検出した。GraphPad Prismソフトウェアによってデータを分析し、曲線をフィットし、EC50値およびCC50値を算出した。EC50とは、50%のウイルスの産生、50%のウイルスの感染性、または50%のウイルスに誘導された細胞効果を阻害する有効濃度を指す。CC50とは、感染されていない細胞の細胞増殖または生存率を50%減少させる阻害濃度を指す。
実験手順:
抗細胞活性実験:HepG2.2.15細胞で、陽性対照化合物としてTDFを用いて実施例の化合物のインビトロ抗B型肝炎ウイルス活性を測定した。1日目に、細胞を96ウェルプレートに播種した。2日目に、化合物を添加して細胞を処理した。5日目に、化合物を含む新しい培地を交換した。8日目に、上澄みを回収してDNAを抽出した。定量的PCRによってHBV DNAの含有量を測定した。試験化合物およびTDFの両方を3倍の段階希釈に供して、デュープリケートで8個の濃度点を2回繰り返し測定した。培地中のDMSOの最終濃度は0.5%とした。阻害率の計算式は次の通りである。
阻害率=(1-サンプルにおけるHBVのコピー数/DMSO対照群におけるHBVのコピー数)×100%
Graphpad Prismソフトウェア(four parameter logistic equations)によってEC50を分析した。ここで、Iは、EC50≦15nMを表し、IIは、15nM≦EC50≦50nMを表し、IIIは、50nM<EC50≦100nMを表し、IVは、100nM<EC50≦400nMを表す(以下の表1に示す)。
細胞毒性実験:プレート上の化合物の配置および化合物処理のプロセスは、抗HIV活性アッセイと同じであった。化合物で細胞を処理してから6日後に、細胞活性を測定した。各ウェルにCell-titer Blue試薬を加え、37℃で3時間インキュベートし、蛍光値(560Ex/590Em)を読み取り、データを分析し、相対的な細胞生存率を算出した。
細胞生存率のパーセンテージは、以下の式で算出された。
%細胞生存率=(サンプルの蛍光読み取り値-培養液コントロールの蛍光読み取り値)/(DMSOコントロールの蛍光読み取り値-培養液コントロールの蛍光読み取り値)×100。
最後に、GraphPad Prismソフトウェアによって化合物のCC50値を算出した。Vは10000nM<CC50≦50000nMを表し、VIはCC50>50000nMを表す(以下の表1に示す)。
Figure 0007076159000079
実験結果は、本発明の化合物が強力な抗HIV活性および抗HBV活性(両方ともナノモルレベルに達する)を有することを示す。さらに、試験された細胞株では、本発明の化合物は毒性(最適なCC50>50000nM)を示さなかった。
(3)肝臓ミクロソーム代謝実験
ミクロソーム実験:ヒト肝臓ミクロソーム:0.5mg/mL,Xenotech;ラット肝臓ミクロソーム:0.5mg/mL,Xenotech;補酵素(NADPH/NADH):1mM,Sigma Life Science;塩化マグネシウム:5mM、100mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4)。
ストック溶液の調製:一定量の実施例化合物の粉末を正確に秤量し、それぞれDMSOで5mMに溶解した。
リン酸塩緩衝液(100mM,pH7.4)の調製:予め用意された0.5Mのリン酸二水素カリウム150mLと0.5Mのリン酸水素二カリウム溶液700mLとを混合し、更に0.5Mのリン酸水素二カリウム溶液で混合液のpH値を7.4に調整し、使用前に超純水で5倍に希釈し、塩化マグネシウムを加えて、リン酸カリウム100mM、塩化マグネシウム3.3mMを含む、pHが7.4であるリン酸塩緩衝液(100mM)を得た。
NADPH再生系溶液(6.5mMのNADP、16.5mMのG-6-P、3U/mLのG-6-PD、3.3mMの塩化マグネシウムを含む)を調製し、使用前に湿った氷上に置いた。
停止液の調製:50ng/mLの塩酸プロプラノロールと200ng/mLのトルブタミド(内部標準)を含むアセトニトリル溶液。25057.5μLのリン酸塩緩衝液(pH7.4)を50mLの遠心管に入れ、ヒト肝臓ミクロソーム812.5μLをそれぞれ添加し、均一に混合して、タンパク質濃度が0.625mg/mLである肝臓ミクロソーム希釈液を得た。25057.5μLのリン酸塩緩衝液(pH7.4)を50mLの遠心管に入れ、SDラット肝臓ミクロソーム812.5μLをそれぞれ添加し、均一に混合して、タンパク質濃度が0.625mg/mLの肝臓ミクロソーム希釈液を得た。
サンプルのインキュベーション:対応する化合物のストック溶液を、70%アセトニトリルを含む水溶液でそれぞれ0.25mMに希釈し、作業溶液として使用した。398μLのヒト肝臓ミクロソーム或いはラット肝臓ミクロソームの希釈液を96ウェルインキュベーションプレート(N=2)にそれぞれ加え、0.25mMの作業溶液2μLにそれぞれ添加して均一に混合した。
代謝安定性アッセイ:予め冷却された停止液300μLを96ウェルディープウェルプレートの各ウェルに添加し、氷上に置いて停止プレートとした。96ウェルインキュベーションプレートおよびNADPH再生系を37℃の水浴に置いて、100rpmで振とうし、5分間プレインキュベートした。インキュベーションプレートの各ウェルから80μLのインキュベーション溶液を取出し、停止プレートに加え、均一に混合し、NADPH再生系溶液20μLを補充して0分間サンプルとした。インキュベーションプレートの各ウェルに80μLのNADPH再生系溶液を更に添加し、反応を開始し、時間を計り始めた。対応する化合物の反応濃度は1μMで、タンパク濃度は0.5mg/mLである。反応の10分間、30分間、90分間に、それぞれ100μLの反応液を採取し、停止プレートに加え、3分間ボルテックス操作を行い、反応を停止させた。5000×g、4℃の条件下で停止プレートを10分間遠心分離した。予め100μLの蒸留水を入れた96ウェルプレートに、100μLの上清を加え、均一に混合し、LC-MS/MSを用いてサンプルを分析した。
データ分析:LC-MS/MSシステムによって対応する化合物および内部標準のピーク面積を検出し、化合物と内部標準のピーク面積の比を計算した。時間に対する化合物残存量の百分率の自然対数をプロットすることによって、傾きを測定して、以下の式に従ってt1/2及びCLintを計算した。ここで、V/Mは1/タンパク質濃度に等しい。
Figure 0007076159000080
上記のミクロソーム実験で本発明の化合物を測定し、本発明の化合物は、優れた代謝安定性を有することを見出した。代表的な実施例のヒト肝臓ミクロソーム実験およびラット肝臓ミクロソーム実験の結果を以下の表2にまとめる。
Figure 0007076159000081
実験の結果は表2に示す通りである。本発明の化合物は、より長い半減期およびより低いクリアランス率を有し、ヒト肝臓ミクロソーム実験およびラット肝臓ミクロソーム実験の両方において優れた代謝安定性を示し、抗HIV感染および/または抗HBV感染のための薬物としてより適切である。
(4)ラットの薬物動態実験
実験目的:ラットに実施例の化合物を投与した後、本発明の化合物の薬物動態学的挙動を研究する。
実験動物:
種および系統:SD ラットの等級:SPF級
性別および数量:雄、6匹
重量範囲:180~220g(実際の重量範囲は187~197g)
供給元:Shanghai Sippr-BK Laboratory Animal Co.Ltd
実験および動物認証番号:SCXK(Shanghai)2013-0016
実験プロセス:
血液サンプルを採取した前に、2Mのフッ化ナトリウム溶液(エステラーゼ阻害剤)20μLをEDTA-K2抗凝固剤チューブに予め添加し、80℃のオーブンで乾燥させた後、4℃の冷蔵庫に置いた。
ラット(オス、体重187~197g)をランダムに2グループに分け、実験の1日前の午後から一晩絶食させたが、水を自由に飲ませ、投与後の4時間に食物を与えた。Aグループには参照化合物3mg/kg、Bグループには実施例化合物3mg/kgを投与した後、15分間、30分間、1時間、2時間、3時間、5時間、8時間および10時間後にそれぞれラット眼窩静脈から100~200μL程度採血し、EDTA-K2抗凝固剤を含む0.5mLのエッペンドルフチューブ(Eppendorf Tube)に入れ、直ちに均一に混合し、抗凝固した後、できるだけ早くチューブを逆さまにして5~6回混和した。その後、採血した後、アイスボックスに置き、血液サンプルを30分間内に4000rpm、10分間、4℃の条件で遠心分離し、すべての血漿を回収して直ちに-20℃で保存した。全ての時点のサンプルを採取した後に、各時点で薬物の血中濃度を測定した。
上記により得られた投与後の平均血中濃度-時間データに基づいて、Winnoninソフトウェアを使用して、非コンパートメント統計モーメント理論に従って、雄性のSDラットに胃内投与で実施例化合物(3mg/kg)を投与した後の薬物動態関連パラメータを算出した。
実験結果から、本発明の化合物は優れた活性を有し、且つ優れた薬物動態学的性質を有することから、ヌクレオシド系逆転写酵素を阻害する化合物としてより好適であり、さらに抗ウイルス感染の薬物の調製に適していることが示された。
これらの実施例は本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。以下の実施例における具体的な条件を記載しない実験方法は、通常、慣用の条件または製造業者の推奨条件に従う。特に説明のない限り、部および百分率は重量部および重量百分率である。
上記の内容は、特定の好ましい実施形態を参照して本発明に対するさらなる詳細な説明であるが、本発明の実施形態がこれらの記載に限定されない。当業者にとって明らかであるように、本発明の精神から逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは、すべてが本発明の保護範囲内にあるとみなされるべきである。
[請求項1]
式(I)で表れる化合物であって、
[化1]
Figure 0007076159000082
ただし、
は、OHまたはNR から選択され;ここで、R およびR は、それぞれ独立して、H、置換されていてもよいC -C アルキル、置換されていてもよいC -C ヘテロアルキル、または置換されていてもよいC -C 炭素環基からなる群から選択され、或いは、R およびR は、それらが結合している窒素原子と一緒に、置換されていてもよい3~6員ヘテロシクリルを形成し;
およびR は、独立して、H、NH 、OH、ハロゲン、CN、NO 、置換されていてもよいC -C アルキル、置換されていてもよいC -C ヘテロアルキル、置換されていてもよいC -C アシル、置換されていてもよいC -C アルケニル、置換されていてもよいC -C アルキニル、置換されていてもよいC -C 炭素環基、置換されていてもよいC -C ヘテロシクリル、置換されていてもよいC -C 10 アリール、または置換されていてもよいC -C 10 ヘテロアリールからなる群から選択され;
は、H、ハロゲン、置換されていてもよいC -C アルキル、または置換されていてもよいC -C ヘテロアルキルからなる群から選択され;
Yは、
[化2]
Figure 0007076159000083
からなる群から選択され、
ここで、化学的に許容される限り、R は、置換されていてもよいC -C アルキル、置換されていてもよいC -C ヘテロアルキル、置換されていてもよいC -C アシル、置換されていてもよいC -C アルケニル、置換されていてもよいC -C アルキニル、置換されていてもよいC -C 炭素環基、置換されていてもよいC -C ヘテロシクリル、置換されていてもよいC -C 10 アリール、または置換されていてもよいC -C 10 ヘテロアリールからなる群から選択され;R およびR は、独立して、H、ハロゲン、CN、NO 、置換されていてもよいC -C アルキル、置換されていてもよいC -C ヘテロアルキル、または置換されていてもよいC -C 炭素環基からなる群から選択され;
mは2~6から選択され;
nは10~21から選択され;
式(I)で表れる化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体誘導体。
[請求項2]
前記の化合物は、式(I-1)で表れる化合物であり、
[化3]
Figure 0007076159000084
ただし、
は、Hまたは置換されていてもよいC -C アルキルから選択され;
Yは、
[化4]
Figure 0007076159000085
からなる群から選択され、
ここで、化学的に許容される限り、R は、置換されていてもよいC -C アルキル、置換されていてもよいC -C ヘテロアルキル、置換されていてもよいC -C 炭素環基、または置換されていてもよいC -C ヘテロシクリルからなる群から選択され;
mは2~6から選択され;
nは10~21から選択され;
請求項1に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体誘導体。
[請求項3]
はメチルである、
請求項1または2に記載の化合物。
[請求項4]
は、置換されていてもよいC -C アルキル、または置換されていてもよいC -C 炭素環基から選択され;
好ましくは、R は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、n-ヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロヘプチルからなる群から選択され;
より好ましくは、R は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、t-ブチル、ネオペンチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルからなる群から選択され;
最も好ましくは、R はイソプロピルである、
請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
[請求項5]
mは、2、3、4または5から選択され;
好ましくは、mは、2、3または4から選択され;
より好ましくは、mは2である、
請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
[請求項6]
nは、11~19から選択され;
好ましくは、nは、11、13、15または17から選択され;
より好ましくは、nは15である、
請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
[請求項7]
前記の化合物のリン原子は、キラリティーを有し、その配置は、S-配置、R-配置、またはS-配置とR-配置との混合物から選択される、
請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
[請求項8]
前記の化合物は、
[化5]
Figure 0007076159000086

[化6]
Figure 0007076159000087

[化7]
Figure 0007076159000088
からなる群から選択される、
請求項1に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体誘導体。
[請求項9]
請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体誘導体と、
薬学的に許容される賦形剤とを含む、
医薬組成物。
[請求項10]
他の治療剤をさらに含む、
請求項9に記載の医薬組成物。
[請求項11]
請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体誘導体を含む第一の容器;
任意に、他の治療剤を含む第二の容器;および
任意に、前記の化合物および/または他の治療剤を希釈または懸濁するための薬学的に許容される賦形剤を含む第三の容器
を含む、キット。
[請求項12]
ウイルス感染を治療および/または予防するための薬物の調製における、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、結晶形、プロドラッグまたは同位体誘導体、若しくは請求項9または10に記載の医薬組成物の使用。
[請求項13]
前記のウイルス感染は、ヒト免疫不全ウイルスHIVまたはB型肝炎ウイルスHBVである、
請求項12に記載の使用。

Claims (20)

  1. 式(I):
    Figure 0007076159000089
    ただし、
    は、OHまたはNRから選択され;ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、H、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、または置換されていてもよいC-C炭素環基からなる群から選択され、或いは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒に、置換されていてもよい3~6員ヘテロシクリルを形成し;
    およびRは、独立して、H、NH、OH、ハロゲン、CN、NO、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、置換されていてもよいC-Cアシル、置換されていてもよいC-Cアルケニル、置換されていてもよいC-Cアルキニル、置換されていてもよいC-C炭素環基、置換されていてもよいC-Cヘテロシクリル、置換されていてもよいC-C10アリール、または置換されていてもよいC-C10ヘテロアリールからなる群から選択され;
    は、H、ハロゲン、置換されていてもよいC-Cアルキル、または置換されていてもよいC-Cヘテロアルキルからなる群から選択され;
    Yは、
    Figure 0007076159000090
    からなる群から選択され、
    ここで、化学的に許容される限り、Rは、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、置換されていてもよいC-Cアシル、置換されていてもよいC-Cアルケニル、置換されていてもよいC-Cアルキニル、置換されていてもよいC-C炭素環基、置換されていてもよいC-Cヘテロシクリル、置換されていてもよいC-C10アリール、または置換されていてもよいC-C10ヘテロアリールからなる群から選択され;RおよびRは、独立して、H、ハロゲン、CN、NO、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、または置換されていてもよいC-C炭素環基からなる群から選択され;
    mは2~6から選択され;
    nは10~21から選択され
    表される化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または同位体誘導体。
  2. 前記の化合物は、式(I-1)で表される化合物であり、
    Figure 0007076159000091
    ただし、
    は、Hまたは置換されていてもよいC-Cアルキルから選択され;
    Yは、
    Figure 0007076159000092
    からなる群から選択され、
    ここで、化学的に許容される限り、Rは、置換されていてもよいC-Cアルキル、置換されていてもよいC-Cヘテロアルキル、置換されていてもよいC-C炭素環基、または置換されていてもよいC-Cヘテロシクリルからなる群から選択され;
    mは2~6から選択され;
    nは10~21から選択され
    請求項1に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または同位体誘導体。
  3. はメチルである、
    請求項1または2に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または同位体誘導体。
  4. は、置換されていてもよいC-Cアルキル、または置換されていてもよいC-C炭素環基から選択される;
    請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または同位体誘導体。
  5. は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、n-ヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はシクロヘプチルからなる群から選択され
    請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または同位体誘導体。
  6. は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、t-ブチル、ネオペンチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルからなる群から選択され
    請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または同位体誘導体。
  7. はイソプロピルである、
    請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または同位体誘導体。
  8. mは、2、3、4または5から選択され
    請求項1~のいずれか一項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または同位体誘導体。
  9. は、2、3または4から選択され
    請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または同位体誘導体。
  10. は2である、
    請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または同位体誘導体。
  11. nは、11~19から選択され
    請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または同位体誘導体。
  12. は、11、13、15または17から選択され
    請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または同位体誘導体。
  13. は15である、
    請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または同位体誘導体。
  14. 前記の化合物のリン原子は、キラリティーを有し、その配置は、S-配置、R-配置、またはS-配置とR-配置との混合物から選択される、
    請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または同位体誘導体。
  15. 前記の化合物は、
    Figure 0007076159000093
    Figure 0007076159000094
    Figure 0007076159000095
    からなる群から選択される、
    請求項1に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または同位体誘導体。
  16. 請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または同位体誘導体と、
    薬学的に許容される賦形剤とを含む、
    医薬組成物。
  17. 他の治療剤をさらに含む、
    請求項16に記載の医薬組成物。
  18. 請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または同位体誘導体を含む第一の容器;
    任意に、他の治療剤を含む第二の容器;および
    任意に、前記の化合物および/または他の治療剤を希釈または懸濁するための薬学的に許容される賦形剤を含む第三の容器
    を含む、キット。
  19. ウイルス感染を治療および/または予防するための医薬の調製における、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物または同位体誘導体、若しくは請求項16または17に記載の医薬組成物の使用。
  20. 前記のウイルス感染は、ヒト免疫不全ウイルスHIVまたはB型肝炎ウイルスHBVである、
    請求項19に記載の使用。
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