JP7075988B2 - 船舶の動力システム - Google Patents

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Description

本発明は、気体燃料と液体燃料の双方を主な燃料として使用するエンジンを推進装置のエンジンとして搭載すると共に、当該エンジンの出力を推進以外の作業装置の用途にも使用できる船舶の動力システムに関する。
上述した船舶の動力システムの一例として、特許文献1に記載された消防装置を搭載した作業船の動力装置が提案されている。特許文献1に記載の動力装置は、主機関としてディーゼルエンジンを用いたものである。この作業船の動力装置では、ディーゼルエンジン等の主機関を有する作業船のプロペラを連結した推進軸系にホイールを介して動力を取り出し、補機として設けた消防ポンプを駆動して海水を放水する消防装置が設けられている。
この動力システムは、消防作業時に、主機関の過負荷を負荷検出装置によって検出し、推進機の翼角を減じて主機関の過負荷を抑止するとしている。また、消防ポンプの休止時にはポンプ駆動軸系に設けたクラッチを、主機関の動力から離脱させて動力の伝達を阻止している。
一方、排気ガスの低減と環境保護の観点から液体燃料を主な燃料とするディーゼルエンジンに代えて気体燃料を主な燃料として使用可能なガスエンジンを主として用いる試みがなされている。ガスエンジンは主としてLNGやタンカー等の大型船の主機関として用いられており、燃焼できる空燃比の比率が狭い範囲でしか運転できないため、急激な負荷変動に迅速に対応することが困難であった。そのため、消防装置等の作業装置を備えた作業船には不向きであり、特許文献1に記載の作業船の動力装置においてもディーゼルエンジンから動力を取り出して動力源として用いていた。
実公昭62-23359号公報
ところで、近年、国際条約を核として船舶から排出される大気汚染物質の排出規制が一層厳しくなってきている。例えば、ECAといわれる一部の海域では硫黄酸化物、窒素酸化物の排出に、より厳しい規制が課されている。
しかしながら、特許文献1に記載の作業船の動力装置は、主機関としてディーゼルエンジンを用いるものであり、上述した大気汚染物質の排出規制の要請に充分適合するものではなかった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、気体燃料を主たる燃料として用いて、推進装置だけでなく作業装置の駆動源として負荷変動に対応して厳密な燃焼制御を行うことができるようにした船舶の動力システムを提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、気体燃料を主たる燃料として用いて、急激な負荷変動や大きな負荷変動があっても迅速に対応して作業装置を駆動できるようにした船舶の動力システムを提供することである。
本発明による船舶の動力システムは、気体燃料を主な燃料として使用可能なエンジンと、エンジンに第1のクラッチを介して接続されて駆動される推進装置と、エンジンと第1のクラッチとの間に設けられた推進装置側出力センサと、エンジンに第2のクラッチを介して接続されて駆動される作業装置と、エンジンと第2のクラッチとの間に設けられた作業装置側出力センサと、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、第1のクラッチを閉じて第2のクラッチを開いて推進装置を駆動するとともに、推進装置側出力センサにより推進装置を駆動するエンジンの出力を測定する。第1のクラッチを開いて第2のクラッチを閉じて作業装置を駆動するとともに、作業装置側出力センサにより作業装置を駆動するエンジンの出力を測定する。気体燃料を使用するエンジンでは、燃料となるガスは弾性体であるため液体燃料に比べて正確な燃料の供給量を得ることが相対的に難しいため、出力センサによって実際のエンジンの出力を測定し、その測定値に基づいてエンジンを制御する。推進装置側出力センサと作業装置側出力センサによって、推進装置を駆動する場合と作業装置を駆動する場合のいずれにおいても、エンジンの実際の出力を伝達系やクラッチ等の抵抗によるロスも含めて正確に測定することができ、気体燃料を主な燃料として使用するエンジンを厳密に制御することができる。
また、作業装置は放水を行うための消防装置であることを特徴とする。
作業装置側出力センサによって、消防装置を駆動する場合のエンジンの実際の出力を正確に測定することができ、エンジンを厳密に駆動制御することができる。
また、第1のクラッチを閉じると共に第2のクラッチを開いて推進装置を駆動し、第1のクラッチを開くと共に第2のクラッチを閉じて作業装置を駆動する制御装置を、備えたことを特徴とする。
制御装置によって、第1のクラッチと第2のクラッチの開閉を切り換えることで推進装置の駆動と作業装置の駆動を切り換えることができる。
また、推進装置側出力センサによる出力測定値と作業装置側出力センサによる出力測定値の合計によってエンジンの制御を行うことが好ましい。
推進装置側出力センサによる出力測定値と作業装置側出力センサによる出力測定値の合計をとることで、より正確なエンジンの出力値を得ることができる。例えば、推進装置を駆動している状態では、エンジン出力の大部分は推進装置側出力センサで測定されるが、開状態のクラッチの引きずり抵抗や機械損失により作業装置側出力センサもある程度の出力の値を示す。そのため、両方の出力センサによる出力値の合計をとることで、より正確なエンジンの出力値を測定することができる。
また、推進装置側出力センサによる出力測定値及び/または作業装置側出力センサによる出力測定値が上限値を超えた場合に、エンジンの回転速度を下げる制御を行うことが好ましい。
気体燃料を主燃料とする運転モード(「ガスモード」ともいう)での運転において、推進装置側出力センサによる出力値または作業装置側出力センサによる出力値が上限値を所定時間超えた場合に、エンジンの回転速度を強制的に下げるオートスローダウン制御を行う。ガスモードでの運転でエンジンの出力が過大となるとノッキングや失火が生じ易くなるため、出力センサの出力値が上限値を超えた場合に、強制的に回転速度を下げる制御を行うことでエンジンの出力を下げてノッキングや失火等を防止する。
なお、上限値として、エンジンが出力する仕事率の上限値またはトルクの上限値のいずれか、あるいは両方を採用することができる。また、単一の上限値とするだけでなく、エンジンの回転数に応じて変化するトルクの上限値として設定することもできる。
また、推進装置側出力センサ及び作業装置側出力センサは、エンジンの推進軸に実際にかかるトルクを測定するトルクセンサであることが好ましい。
推進装置側出力センサ及び作業装置側出力センサとしてトルクセンサを用いて、エンジンの推進軸に実際にかかるトルクを測定する。トルクセンサで得たトルク値と回転速度センサで得たエンジンの回転速度との積により、エンジンの出力(仕事率)を得ることができる。
また、本発明による船舶の動力システムは、気体燃料を主な燃料とする運転モードで運転中に推進装置を駆動する状態から作業装置を駆動する状態に移行する際に、気体燃料を主な燃料とする運転モードから液体燃料を主な燃料とする運転モード(「ディーゼルモード」ともいう)に一時的に切り換えて第1のクラッチまたは第2のクラッチの少なくとも一方の操作を行い、次いで液体燃料を主な燃料とする運転モードから気体燃料を主な燃料とする運転モードに復帰するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、気体燃料を主な燃料とするモードでの運転中に推進装置を駆動する状態から作業装置を駆動する状態に移行する際、気体燃料の運転モードから液体燃料の運転モードに一時的に切り換えて第1のクラッチと第2のクラッチの開閉作業を行う。気体燃料によるエンジンの運転モードでは負荷変動に対して影響を受け易く各クラッチの開閉による擾乱でエンジンの円滑な運転が妨げられる恐れがあるが、負荷変動に強いディーゼルモードに一時的に切り換えてクラッチの開閉を行うことで、負荷変動の影響を受けないで安定した切り換え操作ができる。
また、本発明による船舶の動力システムは、気体燃料を主な燃料とする運転モードで運転中に作業装置を駆動する状態から推進装置を駆動する状態に移行する際は、気体燃料を主な燃料とする運転モードから液体燃料を主な燃料とする運転モードに一時的に切り換え、第2のクラッチまたは第1のクラッチの少なくとも一方の操作を行い、次いで液体燃料を主な燃料とする運転モードから気体燃料を主な燃料とする運転モードに復帰するようにしたことを特徴とする。
本発明において、気体燃料を主燃料とするモードでの運転中に作業装置を駆動する状態から推進装置を駆動する状態に復帰する際、液体燃料を主燃料とするディーゼルモードに一時的に切換えて、ディーゼルモードで第1及び第2のクラッチの開閉操作を行う。推進装置側への第1のクラッチの投入は比較的に大きな擾乱を伴うため、ディーゼルモードに切換えて第1のクラッチの閉作動を行うことで、負荷変動の影響を受けないで安定した切り換え操作ができる。
また、制御装置は、第1のクラッチと第2のクラッチの一方を開いて他方を閉じる動作を行うために気体燃料を主燃料とするガスモードから液体燃料を主燃料とするディーゼルモードに移行するディーゼルモード移行手段と、第1のクラッチと第2のクラッチの一方を開いて他方を閉じる動作の終了後にディーゼルモードからガスモードに移行するガスモード移行手段と、を備えていることが好ましい。
気体燃料によるエンジンの運転モードでは負荷変動に対して影響を受け易く第1のクラッチと第2のクラッチの開閉による擾乱でエンジンの円滑な運転が妨げられる恐れがあるため、負荷変動に強いディーゼルモードに一時的に移行させて第1のクラッチと第2のクラッチの開閉動作を行うことで、負荷変動の影響を受けないで安定した切り換え操作ができる。その後、ガスモードに移行することで環境への悪影響を低減させた運転ができる。
また、本発明による船舶の動力システムは、気体燃料と液体燃料の双方を主な燃料として使用可能なエンジンを複数台備えた船舶の動力システムであって、1のエンジン側には、エンジンに第1のクラッチを介して接続されて駆動される推進装置と、エンジンと第1のクラッチとの間に設けられた推進装置側出力センサと、エンジンに第2のクラッチを介して接続されて駆動される作業装置と、エンジンと第2のクラッチとの間に設けられた作業装置側出力センサと、第1のクラッチを閉じると共に第2のクラッチを開いて推進装置を駆動し、第1のクラッチを開くと共に第2のクラッチを閉じて作業装置を駆動する制御装置と、を備え、他のエンジン側には、他のエンジンに第3のクラッチを介して接続されて駆動される他の推進装置と、他のエンジンと第3のクラッチとの間に設けられた他の推進装置側出力センサとを備え、制御装置によって第3のクラッチを閉じて他の推進装置を駆動することを特徴とする。
本発明によれば、1のエンジン側で作業装置を駆動する際、他のエンジンで他の推進装置側出力センサに基づいて他の推進装置を推進することで、船舶の推進を継続することができる。特に作業装置として放水を行うための消防装置を備える場合は放水による反力が生じるが、船舶の推進を継続することにより反力を相殺し、安定した状態で放水作業を行える。
本発明による船舶の動力システムによれば、気体燃料を主な燃料として運転可能なエンジンの推進軸において、エンジンと第1のクラッチとの間に推進装置側出力センサを設け、エンジンと第2のクラッチとの間に作業装置側出力センサを設けたため、エンジンの出力値を各センサで検出して制御し、推進装置だけでなく作業装置をも駆動することができる。
しかも、エンジンが実際に出している出力を、伝達系やクラッチ等の抵抗によるロスも含めてより正確に測定することができ、またそれぞれのクラッチを開いた状態においても、その抵抗を含めて出力の測定を行うことができる。
本発明の実施形態による消防装置を備えた船舶の全体構成を示す説明図である。 実施形態による船舶においてエンジンと推進装置と消防装置の構成を示す説明図である。 図2に示すエンジンの全体構成を示す説明図である。 ディーゼルモードを示すエンジンの説明図である。 ガスモードを示すエンジンの説明図である。 第一実施例において、推進装置の駆動から消防装置の駆動に切り換える工程を示すフローチャートである。 消防装置の駆動から推進装置の駆動に切り換える工程を示すフローチャートである。 第二実施例において、消防装置の駆動から推進装置の駆動に切り換える工程を示すフローチャートである。 オートスローダウンの制御を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態による船舶1の動力システムについて、図1から図8に基づいて説明する。
図1に示す船舶1は例えばタグボート等の作業船の舶用推進装置の基本構成を示すものである。この船舶1は主機関のエンジンとしてデュアルフューエルエンジン3を備えており、気体燃料を主な燃料として使用するガスモードと、液体燃料を主な燃料として使用するディーゼルモードの二つのモードを切り換えて運転が可能である。
この船舶1は、主機関のエンジンとしてデュアルフューエルエンジン3の駆動力の伝達方向を切り換え可能であり、プロペラ5aを備えた推進装置5と、海から汲み上げた海水を放水ノズル6aで放水可能な消防装置6と、を選択的に駆動できる。
図1に示す船舶1は、舶用推進装置として例えばアジマススラスター(クラッチ別置型アジマススラスター)8を有している。なお、本実施形態による船舶1においてアジマススラスター8は設置しなくてもよい。
図1に示す船舶1において、主機関としてのデュアルフューエルエンジン3の駆動の後端側とアジマススラスター8との間にメインクラッチとなる第1のクラッチ9を装備している。アジマススラスター8の後端側にはプロペラ5aを備えた推進装置5が連結されている。第1のクラッチ9はスリップクラッチであり、デュアルフューエルエンジン3の最大回転数をスリップ制御して必要回転数に低下させて推進装置5のプロペラ5aを駆動している。
デュアルフューエルエンジン3の前端側に設置された消防装置6には増速ギア10が連結されていてもよい。消防装置6に設けた消防ポンプ11によって放水ノズル6aから海水を放水する。
次に図2により、図1に示す船舶1の舶用推進装置の構成をより具体的に説明する。図1に示す船舶1の舶用推進装置の基本構成と同一の構成について、図2に示す具体的な配置構成に基づいて説明する。図2において、図1に示す船舶1の各部材を一対ずつ設けた構成について同一の符号にA、Bを付加して具体的構成を説明する。
図2に示す船舶1において、例えば2台のデュアルフューエルエンジン(以下、単にエンジンということがある)3が並列に設置されており、一方をデュアルフューエルエンジン3Aとし、他方をデュアルフューエルエンジン3Bとする。デュアルフューエルエンジン3A、3BはECUをそれぞれ備えている。左舷側のデュアルフューエルエンジン3Aを含む推進機構は第1舶用推進装置20Aとし、右舷側のデュアルフューエルエンジン3Bを含む推進機構は第2舶用推進装置20Bとする。
船舶1において、消防機能を有するタグボートや作業船は、エンジン3A、3Bを左右両舷に合計2台並列に備える構成をとるものが多い。これによって、一方のデュアルフューエルエンジン3Aで消防装置6の消防ポンプ11を駆動させて海水を放水する際、他方のデュアルフューエルエンジン3Bによって推進することで、消防ポンプ11の駆動負荷の反力で船舶1が後退することを阻止して消火活動を行える。
左舷側の第1舶用推進装置20Aにおいて、デュアルフューエルエンジン3Aに設けた推進軸13Aには、メインクラッチとして第1のクラッチ9Aを介して推進装置5Aが設置されている。第1のクラッチ9Aはスリップクラッチであり、滑り100%から0%の範囲で自由に負荷伝達率を変化させて切り換えることができる。推進軸13Aはプロペラ5aを有する推進装置5Aに連結されている。
デュアルフューエルエンジン3Aと第1のクラッチ9Aとの間には推進装置側出力センサ14Aが設置されている。デュアルフューエルエンジン3Aと推進装置側出力センサ14Aとの間には推進軸13Aの回転速度を検出する回転速度センサ15Aが設置されている。推進装置側出力センサ14Aはトルクを検出するトルクセンサであり、回転速度センサ15Aで計測した回転速度とトルクの積によって出力を算出できる。なお、推進装置側出力センサ14Aは回転速度とトルクの両方を検出するようにしてもよい。
デュアルフューエルエンジン3Aに対して推進装置5Aと反対側に設けられた駆動軸17には、消防装置6の消防ポンプ11が連結されており、消防ポンプ11のデュアルフューエルエンジン3A側には第2のクラッチ18が装着されている。第2のクラッチ18はPTO(Power take‐off)クラッチである。
第2のクラッチ18とデュアルフューエルエンジン3Aとの間には作業装置側出力センサ19が設置されている。この作業装置側出力センサ19も推進装置側出力センサ14Aと同様に、トルクを検出するトルクセンサであり、回転速度センサ15Aで計測した回転速度とトルクの積によって出力を演算できる。なお、作業装置側出力センサ19は回転速度とトルクの両方を検出するようにしてもよい。
左舷側の第1舶用推進装置20Aのこれらの各構成は、それぞれ制御装置22に電気的に接続されている。そして、推進装置5Aを駆動する際には、制御装置22によって第1のクラッチ9Aを閉として消防装置6側の第2のクラッチ18を開にし、消防装置6を駆動する際には第1のクラッチ9Aを開として消防装置6側の第2のクラッチ18を閉にする。また、推進装置5Aまたは消防装置6を駆動する際には、制御装置22によって、回転速度センサ15Aと推進装置側出力センサ14Aまたは作業装置側出力センサ19とで計測したデュアルフューエルエンジン3Aの出力値に基づいてデュアルフューエルエンジン3Aの運転を制御する。
図2に示す右舷側の第2舶用推進装置20Bにおいて、デュアルフューエルエンジン3Bに設けた推進軸13Bには、メインクラッチとして第3のクラッチ9Bを介して推進装置5Bが設置されている。第3のクラッチ9Bは第1のクラッチ9Aと同様のスリップクラッチであり、負荷伝達率を変化させて切り換えることができる。推進軸13Bはプロペラ5bを有する推進装置5Bに連結されている。
デュアルフューエルエンジン3Bと第3のクラッチ9Bとの間には推進装置側出力センサ14Bが設置されている。デュアルフューエルエンジン3Bと推進装置側出力センサ14Bとの間には回転速度センサ15Bが設置されている。推進装置側出力センサ14Bはトルクを検出するトルクセンサであり、回転速度センサ15Bで計測した回転速度とトルクの積によって出力を演算できる。なお、推進装置側出力センサ14Bは回転速度とトルクの両方を検出するようにしてもよい。
右舷側の第2舶用推進装置20Bのこれらの各構成は、第1舶用推進装置20Aと同様にそれぞれ制御装置22に電気的に接続されている。推進装置5Bを駆動する際には、制御装置22によって第3のクラッチ9Bを閉にする。そして、制御装置22によって、回転速度センサ15Bと推進装置側出力センサ14Bとで計測したデュアルフューエルエンジン3Bの出力値に基づいてデュアルフューエルエンジン3Bの運転を制御する。
次に、デュアルフューエルエンジン3の構成と機能について、例えば4ストロークのエンジンとして図3、図4A、図4Bに基づいて説明する。
図3、図4A及び図4Bに示す舶用のデュアルフューエルエンジン(以下、単にエンジンということがある)3は、運転中にディーゼルモードとガスモ
ードのいずれかに切り換え可能である。図3に示すデュアルフューエルエンジン3は、プロペラ5a、5bに連結された推進軸13A、13Bとしてクランク軸24の機構を備えており、クランク軸24はシリンダーブロック25内に設置されたピストン26に連結されている。シリンダーブロック25内に設けたピストン26とエンジンヘッド27によって燃焼室28が形成されている。
燃焼室28はエンジンヘッド27に装着されている吸気弁29及び排気弁30と、ディーゼルモードで使用する燃料噴射弁31とによって密閉されている。エンジンヘッド27にはガスモードで使用するマイクロパイロット油噴射弁32が設置されている。燃料噴射弁31には燃料噴射ポンプ33が接続されている。エンジンヘッド27の吸気弁29を設置した吸気口には吸気管34が接続され、排気弁30を設置した排気口には排気管35が設置されている。吸気管34にはガス噴射を制御する電磁弁からなる燃料ガス供給弁36が設置され、その上流側にはエアクーラ37、排気管35に連通する過給機38が設置されている。
本実施形態によるデュアルフューエルエンジン3は、図4A、4Bに示すように、ディーゼルモードとガスモードのいずれかに切り換えて運転できる。図4Aに示すディーゼルモードでは、例えばA重油等を燃料油として図示しない燃料タンクから燃料噴射ポンプ33に供給し、燃料噴射弁31から燃焼室28内の圧縮空気に機械的に噴射して着火し燃焼させる。
図4Bに示すガスモードでは、天然ガス等の燃料ガスを燃料ガス供給弁36で吸気管34に供給して空気流と予混合して混合気を燃焼室28内に供給し、混合気の圧縮状態で点火装置により点火を行う。この例ではマイクロパイロット油噴射弁32からパイロット燃料を噴射して着火し燃焼させる。マイクロパイロット油噴射弁32は例えば電子制御されていて強力な点火源としてパイロット燃料を少量噴射する。燃料ガス供給弁36は、わずかなストロークで大きな開口を形成して短時間で大量のガスを流すことができる電磁弁である。
ガスモードは、ガス燃料(気体燃料)のみを燃料として用いて点火プラグで点火を行う運転様式、及び、熱源の大部分を占めるガス燃料の点火に少量の液体燃料(パイロット油)の噴射を用いる運転様式、の双方を含むものである。後者の運転様式における全燃料中の液体燃料の割合は、通常の場合、定格出力の熱量対比で全熱量の1%~10%程度である。排出ガスに対する環境規制を達成する観点からは3%以下であることが望ましい。
ディーゼルモードは、主にエンジンの始動時及び停止時、そして通常運転モードと消防モードとの間でモード変換した時の第1のクラッチ9A、第2のクラッチ18、第3のクラッチ9Bの開閉切り換え時等の負荷変動時に用いられ、液体燃料のみを燃料として運転を行う運転様式である。
エンジン3は、燃料噴射弁31より液体燃料を燃焼室28内に噴射するディーゼルモードで始動を行う。エンジン3に基準値以上のガス圧力が供給されていることが確認された後、燃料ガス供給弁36でガス燃料を吸気管34に供給して空気と混合してから燃焼室28内に流入させ、ガス燃料を燃焼させるガスモードで運転を行う。
停止の際には再びディーゼルモードに変更してから停止を行う。始動時と停止時以外はディーゼルモードとガスモードを変更可能である。
定常的な運転の際には、回転速度と出力との関係で理論的には舶用三乗特性線に沿ってガスモードでエンジン3の運転が行われる。舶用三乗特性とは、固定ピッチのプロペラ5aを用いた船舶において出力が回転速度の3乗に比例する舶用主機関(エンジン3)の特性をいう。定常運転以外で、荒天時の船舶の運航や急速な進路変更などの操船がなされた場合には、舶用三乗特性を大きく超えて常用的な運転領域以上の出力が要求され、ガスモードでの運転は出力が不足して運転が困難な場合があるため、一時的に液体燃料を燃焼室28内に供給して気体燃料と共に運転を行う。
本実施形態による船舶1の運転システムでは、排ガス規制に対応するため基本的に、推進装置5を用いた通常運転(通常運転モード)と消防装置6を用いた消火作業(消防モード)をガスモードで行う。この場合、ガスエンジンではガス燃料の正確な供給量を得ることが難しく出力の大きさがわからないが、第1舶用推進装置20Aと第2舶用推進装置20Bに推進装置側出力センサ14A、14Bと作業装置側出力センサ19をそれぞれ設けて出力の大きさをタイムリーに検出する。推進装置側出力センサ14A、14Bと作業装置側出力センサ19として、軸馬力計を用いることが好ましい。
また、ガスモードによる負荷駆動において、通常運転モードと消防モードとの間で相互に移行する場合に負荷の変動が大きいため、ガスモードから一時的にディーゼルモードに移行する。これによって、第1のクラッチ9A,第3のクラッチ9B及び第2のクラッチ18の開閉切り換えによる負荷変動に迅速に対応できるようにした。そのため、制御装置22には、消防モード移行の指示信号を検知して一時的にガスモードからディーゼルモードに移行するディーゼルモード移行手段63が設けられている。同様に、第1のクラッチ9A,第3のクラッチ9B及び第2のクラッチ18の開閉切り換えによる負荷変動が落ち着いた後にディーゼルモードからガスモードに移行するガスモード移行手段64が設けられている。
なお、推進モードから消防モードへの移行時の負荷変動が比較的小さい場合には、ディーゼルモードに移行することなく、ガスモードのままで消防モードに移行するようにしてもよい。
なお、本実施形態による船舶1の動力システムにおいて、第1舶用推進装置20Aの推進装置側出力センサ14Aによる出力測定値と、作業装置側出力センサ19による出力測定値との合計をとることで、より正確なエンジン3Aの出力値を得てエンジン3Aの制御を行うようにしてもよい。
例えば、第1舶用推進装置20Aを駆動している状態では、エンジン3Aの出力の大部分は推進装置側出力センサ14Aで測定されるが、作業装置側出力センサ19でも或る程度の出力値をカウントする。これは、消防装置6側の第2のクラッチ18を開いた状態でも、消防装置6側に或る程度の機械損失が残るためである。第1のクラッチ9Aを開にして消防装置6の消防ポンプ11を駆動している場合でも同様であり、作業装置側出力センサ19でもある程度の出力値をカウントする。
そこで、推進装置側出力センサ14A及び作業装置側出力センサ19による出力値の合計をとることで、より正確なエンジン3Aの出力値を得ることができる。
本実施形態によるデュアルフューエルエンジン3は、ガスモードにおいて負荷上昇時の出力制御を行うガスエンジンシステムを備えている。このガスエンジンシステムの構造について説明する。
図3において、クランク軸24には回転速度センサ15(15A、15B)と推進装置側出力センサ14(14A、14B)とが取付けられており、回転速度センサ15ではクランク軸24の回転速度(回転数)を計測し、推進装置側出力センサ14ではエンジントルクを計測する。推進装置側出力センサ14として、例えば軸にかかるトルクを歪によって検出する歪センサが使用可能である。回転速度センサ15と推進装置側出力センサ14で計測した測定データはエンジン3を制御する制御装置22にそれぞれ信号出力する。
制御装置22では、回転速度センサ15と推進装置側出力センサ14などからの信号に基づいてエンジン3の運転状態を検出する。即ち、回転速度センサ15で計測したクランク軸24の回転速度(回転数)をnとし、推進装置側出力センサ14で計測したトルクをTとして、下記の式(1)と式(2)でエンジン3の出力(負荷)Aを演算する。但し、Ltはエンジン3の定格出力とする。
出力Lo=2πTn/60 (1)
出力(負荷)A=Lo/Lt×100 (2)
なお、エンジン3の出力(負荷)を求める方法として、燃料の供給量その他のエンジン3の運転状態に関する情報から推測する方法と、エンジン3の推進軸13(13A,13B)の動力伝達系統に推進装置側出力センサ14を備えて、実際にトルクの測定を行って出力を求める方法がある。ガス燃料エンジンでは、燃料となるガスは弾性体であるため液体燃料に比べて正確な燃料の供給量を得ることが相対的に難しい。そこで、推進装置側出力センサ14によって実際にトルクの測定を行うことで出力を演算することが好ましい。
回転速度nを一定にした場合には、出力Aとトルク測定値Tは正比例の関係になる。回転速度nが一定の条件においては、出力Aが大きいほど、すなわちトルクデータTが大きいほど、より大きい割合で吸気弁29の閉じるタイミングの進角を設定することが望ましい。
制御装置22では、予め作成された吸気弁開閉タイミングの第一電気信号を決定する第一マップ40と第一電気信号及び開閉タイミングから第二電気信号を決定する第二マップ41とが記憶されている。制御装置22では、回転速度センサ15と推進装置側出力センサ14によって測定されたエンジン3の出力Aに対応する回転速度データnとトルクデータTに基づいて、上記(1)及び(2)式によりエンジン3の出力Aを演算する。回転速度nと出力Aにより第一マップ40で吸気弁29の開閉タイミングに対応する第一電気信号を選択する。この第一電気信号に基づいて第二マップ41で第一電気信号に対応する吸気弁29の開閉タイミングが決定される。
制御装置22で設定された開閉タイミングの第二電気信号は電空変換器42に送信され、電空変換器42で開閉タイミングの信号が空気圧力に変換される。この空気圧力はアクチュエータ43に送られて可変吸気弁タイミング機構44の駆動を制御する。アクチュエータ43には第一減圧レギュレータ45と電空変換器42から駆動用と制御用の空気圧力P1,P2が供給される。
なお、アクチュエータ43に供給する空気圧力は空気圧縮機46で圧縮されてエアタンク47に貯められる。エアタンク47内の空気圧力は第一減圧レギュレータ45により必要な圧力に減圧される。この際の圧力は第一減圧レギュレータ45のバルブ開度を変更することより調整し、駆動用の空気圧力P1としてアクチュエータ43に供給される。圧力計48で計測された圧力P1が規定値以下の場合には、エンジン3は始動できない。
電空変換器42を駆動するための空気圧力は、第一減圧レギュレータ45から第二減圧レギュレータ49でさらに減圧されて供給される。電空変換器42は入力される開閉タイミングの第二電気信号に対応する空気圧力を、アクチュエータ43の動作を調整するための空気圧力P2としてアクチュエータ43に供給する。これらの空気圧力P1,P2に基づいてアクチュエータ43のロッド43aを動作して可変吸気弁タイミング機構44を作動させる。
アクチュエータ43は例えば公知のPシリンダ(ポジショナリ付きシリンダ)であり、第一減圧レギュレータ45と電空変換器42から入力される圧力P1、P2に基づいてロッド43aの進退を制御する。アクチュエータ43のロッド43aの移動長さを変化させることで、可変吸気弁タイミング機構44の駆動を制御して吸気弁29の閉じるタイミングを吸入下死点から進める(進角)か、または遅らせる(遅角)ことで、圧縮比を下げて制御を行う。
吸気弁29の開弁タイミングと閉弁タイミングの間の時間は変わらないので開弁のタイミングが吸入下死点から進むと閉弁のタイミングも吸入上死点から同一時間進む。しかも、本実施形態ではエンジン3の出力に応じて開弁と閉弁のタイミングを変更することでノッキングを抑制して負荷上げ時間を短縮させるようにした。エンジン3の出力Aと回転速度nに基づいて制御装置22内の第一マップ40と第二マップ41により吸気弁29の開閉タイミングを設定し、アクチュエータ43と可変吸気弁タイミング機構44によって吸気弁29の開弁と閉弁のタイミングを、ノッキングを抑制できるように調整している。
可変吸気弁タイミング機構44の構成は従来公知のものである。即ち、可変吸気弁タイミング機構44は例えばアクチュエータ43のロッド43aの移動長さによって回転角度範囲が設定されるリンクシャフトと偏心カムを備えたカム軸とが平行に配設されている。リンクシャフトには排気用スイングアームが接続され、リンクシャフトの偏心した位置に設けたタペット軸に吸気用スイングアームが接続されている。吸気用スイングアームには吸気弁29が接続され、排気用スイングアームには排気弁30が接続されている。
リンクシャフトの回転に応じたタペット軸の回転角度によってカム軸と吸気用スイングアームとの距離が変化し、カム軸の偏心カムが当たり始めるタイミングが変化する。これによって閉弁タイミングを進角(または遅角)に変更できる。タペット軸からカム軸中心までの距離が離れるほど吸気弁29の閉弁タイミングが早くなる。タペット軸の回転角度は、アクチュエータ43のロッド43aの移動長さによって変更される。ロッド43aの移動長さは、アクチュエータ43に供給される制御用空気の圧力P1,P2によって任意に変更される。
吸気弁29の閉開タイミングである進角の大きさは、リンクシャフトのタペット軸に連結された吸気用スイングアームにカム軸の偏心カムが当たり始めるタイミングで決まる。
可変吸気弁タイミング機構44におけるタペット軸の回転装置は、アクチュエータ43に代えて、図示しないサーボモータを使用してもよい。この場合、制御装置22の第二マップ41から発信された開閉タイミングの信号をサーボモータに入力させる。サーボモータは受けた信号に対応する量だけリンクシャフトを回転させてタペット軸を旋回させることでカム軸に対して接近離間させ、吸気弁29の開閉タイミングを変更することができる。なお、サーボモータを用いた場合、アクチュエータ43と第一減圧レギュレータ45~圧力計50までの構成は不要である。また、電空変換器42に代えてコントローラでサーボモータを駆動させる。
また、吸気管34にガス噴射を制御する燃料ガス供給弁36へのガス燃料の供給機構について説明する。図3において、天然ガス等のガス燃料が貯蔵されたLNGガスタンク52からガス燃料がガス気化器53に供給され、更にガス圧力はガスレギュレータ54により必要なガス圧に減圧される。
このガス圧は燃料ガス圧力計55に表示され、ガスレギュレータ54のバルブ開度を変更することによって調整し、燃焼用のガス燃料として燃料ガス供給弁36から吸気管34内に供給される。吸気管34内ではガス燃料とエアクーラ37で冷却された過給の空気とが混合されて燃焼室28に供給される。負荷上げの際は、燃料ガス供給弁36の動作によりガス燃料の供給量を増加させる。
制御装置22で設定された開閉タイミングの第二電気信号は電空変換器42とは別にガスガバナ57を介して燃料ガス供給弁36に送信される。ガスガバナ57は、ガスモードにおけるガス燃料の供給量の調速制御(ガバナ制御)を行う。しかも、ガスガバナ57は、燃料ガス供給弁36を開弁してガス燃料を吸気管34内に供給する開弁タイミングを吸気弁29の閉じるタイミングの進角に応じて進角させるように制御する。ガス圧を調整するガスレギュレータ54と燃料ガス供給弁36の開弁タイミングを進角させ且つ調速制御を行うガスガバナ57とは、燃料ガス供給弁タイミング機構60に含まれる。
なお、ガスガバナ57は制御装置22の外部に設置されていてもよい。燃料ガス供給弁タイミング機構60は第二マップ41からの第二電気信号を受信して吸気弁29の閉じるタイミングの進角に応じて、燃料ガス供給弁36の開弁タイミングを進角させることができればよい。
また、船舶1のガスモードでの運転中に通常運転モードから消防モードに移行する際、そして、消防モードから通常運転モードに移行する際、ガスモードからディーゼルモードに一時的に切り換えて、ディーゼルモードで第1のクラッチ9Aと第2のクラッチ18の開閉切り換え操作を行う。ガスモードによるエンジン3Aの運転では負荷変動に対して影響を受け易く、第1のクラッチ9Aと第2のクラッチ18の開閉動作による擾乱でエンジン3Aの円滑な運転が妨げられる恐れがある。そこで、通常運転モードと消防モードとの間の移行時に、ガスモードから負荷変動に強いディーゼルモードに一時的に切換えて第1のクラッチ9Aと第2のクラッチ18の開閉動作を行うことで、負荷変動によるエンジン3Aへの悪影響を抑制できる。
なお、消防ポンプ11による負荷が比較的に小さい場合には、消防ポンプ11の側の第2のクラッチ18を閉じる際の擾乱も比較的小さいため、条件によってはこの操作を省略することも可能である。
本実施形態による船舶1の動力システムにおいて、船舶1の通常の運転をガスモードで行うとして、ガスモードによる通常運転モードから消防モードへ移行する場合、急激に負荷が変動するケースと負荷の変動が小さい場合とがある。そのため、本実施形態では、(A)通常運転時と消防時との間の両方向の移行時にディーゼルモードを経由する場合を第一実施例とし、(B)通常運転時から消防作動時への移行時にガスモードのままとし、消防時から通常運転モードへの移行時にのみディーゼルモードを経由する場合を第二実施例として、別個に説明する。
(A)第一実施例
通常運転モードと消防モードとの間の両方向の移行時にディーゼルモードを経由する場合の手順について図5に示すフローチャートに沿って説明する。
この場合は、消防装置6における消防ポンプ11の負荷が比較的大きい場合に適している。
a)通常運転モードから消防モードへの切り換え手順。
船舶1におけるデュアルフューエルエンジン3A、3Bの通常モード運転時に、左右両舷の第1舶用推進装置20A及び第2舶用推進装置20Bにおいて、第1のクラッチ9A,第3のクラッチ9Bを閉とし、第2のクラッチ18を開としたガスモードで運転を行う(S100)。左右両舷のプロペラ5a、5bを駆動して船舶1を推進させる。この状態から消防モードに切り換えるには、左右両舷のエンジン3A,3Bの回転速度をスローダウンさせてアイドル運転にする(S101)。
次に、左右両舷の第1のクラッチ9A、第3のクラッチ9Bを開にする。そして、消防モードへの切り換え指示信号を制御装置22に出力して(S102)、左舷の第1舶用推進装置20Aをガスモード運転からディーゼルモード運転に切り換える(S103)。その後、右舷の第2舶用推進装置20Bの第3のクラッチ9Bを閉にし、左舷の消防装置6の第2のクラッチ18を閉にする(S104)。
ガスモードによるエンジン3Aの運転は負荷変動に対して影響を受け易く、第1のクラッチ9Aと第2のクラッチ18の開閉動作による擾乱でエンジン3Aの円滑な運転が妨げられる恐れがある。そこで、通常運転モードから消防モードへ移行する際、負荷変動に強いディーゼルモードに一時的に切換えてクラッチの操作を行う。なお、本実施例では第1のクラッチ9A、第3のクラッチ9Bはスリップクラッチでありクラッチの閉から開への操作を徐々に行うことができることから、これらクラッチを開く操作はガスモードのままで行っているが、先にディーゼルモードへ切替えてディーゼルモードで操作しても良い。
次に、左舷の第1舶用推進装置20Aでディーゼルモードからガスモード運転に切り換えて(S105)、消防モードにする(S106)。そして、左右両舷のエンジン3A、3Bの回転速度をアップさせる。すると、消防モードにおいて、左舷のエンジン3Aにより消防装置6の消防ポンプ11を駆動させ、放水ノズル6aにより海からくみ上げた海水を放水する。これと同時に、右舷のエンジン3Bによって右舷のプロペラ5bを駆動して船舶1を推進させる。
ここで、消防ポンプ11の放水により、船舶1が後退する方向に反力を受けるが、右舷の第2舶用推進装置20Bによって推進装置5Bを駆動して前進させるため反力が相殺され、船舶1は停止位置に留まる。こうして消防モードで消火活動を行う。なお、右舷のエンジン3Bについては消防ポンプへの切換は行わないが、左右両舷の推力のバランスを取るため右舷側の第3のクラッチ9Bについても左舷と併せて開閉動作を行っている。この第3のクラッチ9Bの開閉動作は省略することも可能である。
b)消防モードから通常運転モードへの切り換え手順
図6に示すフローチャートにおいて、消防モードにおける消火活動が終了する(S107)と、船舶1は消防モードから通常運転モードに切り換える。その場合、左右両舷のエンジン3A,3Bの回転速度をスローダウンさせてアイドル運転状態にする(S108)。そして、右舷の第2舶用推進装置20Bの第3のクラッチ9Bを開にする。通常運転モードへの切り換え指令を出力する(S109)。
ガスモードにおいて、消防装置6から推進装置5Aに切り換えると負荷が急激に変動することがあり、失火やノッキング等を生じる恐れがある。そのため、一時的にディーゼルモードに切り換えて、第1のクラッチ9Aと第2のクラッチ18の開閉の切り換え操作を行うことで負荷変動に対応できる。
次に、制御装置22によって、左舷の第1舶用推進装置20Aのエンジン3Aをガスモード運転からディーゼルモード運転に切り換える(S110)。そして、左舷の第2のクラッチ18を開にすると共に、左右両舷の第1のクラッチ9A、第3のクラッチ9Bを閉にする(S111)。左舷の第1舶用推進装置20Aをディーゼルモード運転からガスモード運転に切り換え(S112)、右舷の第2舶用推進装置20Bと共に通常運転モードになる(S113)。
なお、ガスモードによるエンジン3Aの運転では負荷変動に対して影響を受け易く、第1のクラッチ9Aと第2のクラッチ18の開閉動作による擾乱でエンジン3Aの円滑な運転が妨げられる恐れがある。そこで、消防モードから通常運転モードへ移行する際、負荷変動に強いディーゼルモードに一時的に切換えてクラッチの開閉を行う。
そして、左右両舷の第1、第2舶用推進装置20A、20Bのエンジン3A,3Bの回転速度をアップさせ、左右両舷の推進装置5A、5Bのプロペラ5a、5bを駆動して船舶1を推進することで、通常運転モードを行う。
B)第二実施例
船舶1において、片方向の移行のみディーゼルモードに移行する場合の手順について図7に沿って説明する。この場合、消防装置6における消防ポンプ11の負荷が比較的小さい場合に適している。即ち、本第二実施例において、船舶1の通常運転モードから消防モードへの切り換えの際にはディーゼルモードを経由せず、消防モードから通常運転モードに移行の際にはディーゼルモードを経由する。
a)通常運転モードから消防モードへの切り換え手順。
船舶1の通常運転モードでは、左右両舷の第1、第2舶用推進装置20A,20Bの第1のクラッチ9A,第3のクラッチ9Bを閉とし、左舷の第2のクラッチ18を開にして、左右両舷のエンジン3A、3Bをガスモードで運転している(S200)。
この状態から、左右両舷の第1、第2舶用推進装置20A,20Bのエンジン3A,3Bの回転速度をスローダウンしてアイドル運転状態にする(S201)。そして、左右両舷の第1、第2舶用推進装置20A,20Bの第1のクラッチ9A,第3のクラッチ9Bを開にする。
次いで、制御装置22に通常運転モードから消防モードへの切り換え指令を出力する(S202)。この場合、消防ポンプ11(またはエンジン3Aで駆動される他の作業装置)の負荷が小さいため、制御装置22により左舷の第1舶用推進装置20Aのエンジン3Aはディーゼルモード運転に切り換えることなくガスモード運転を維持される。
右舷の第2舶用推進装置20Bの第3のクラッチ9Bを閉とし、左舷の第2のクラッチ18を閉にする(S203)。こうして、ガスモードにおいて、通常運転モードから消防モードに切り換えられる(S204)。そして、左右両舷のエンジン3A、3Bの回転速度をアップする。
消防モードにおいて、左舷の第1舶用推進装置20Aのエンジン3Aによって消防装置6の消防ポンプ11を駆動して海水を放水する。他方、右舷の第2舶用推進装置20Bではエンジン3Bによって右舷の推進装置5Bのプロペラ5bを駆動して船舶1を推進する。
消防ポンプ11の放水により反力を受けて船舶1が後退する方向に負荷を受けるが、右舷の第2舶用推進装置20Bによって推進装置5Bを前進させるため反力が相殺され、船舶1は停止位置に留まる。こうして消防モードで消火活動を行う。
b)消防モードから通常運転モードへの切り換え手順。
この状態での運転方法は上述したA)b)に示すものと同一であり、図6に示すフローチャートに沿って説明する。
船舶1において、消防モード(S107)では、左舷の第1舶用推進装置20Aにおける第1のクラッチ9Aを開とし、第2のクラッチ18を閉とする。また、右舷の第2舶用推進装置20Bにおける第3のクラッチ9Bを閉とする。この状態で、左舷のエンジン3Aにより消防装置6の消防ポンプ11を駆動して放水する。右舷のエンジン3Bにより第2舶用推進装置20Bにおけるプロペラ5bを駆動して船舶1を推進する。
消防モードの切り換えに際し、左右両舷の第1及び第2舶用推進装置20A,20Bにおけるエンジン3A、3Bの回転速度をスローダウンさせてアイドル運転にする(S108)。
次に、右舷の第3のクラッチ9Bを開にする。そして、船舶1を消防モードから通常運転モードへ切り換える指令を制御装置22に出力する(S109)。これにより、左舷の第1舶用推進装置20Aにおいて、エンジン3Aをガスモード運転からディーゼルモード運転に切り換える(S110)。
左舷の第1舶用推進装置20Aにおいて、第2のクラッチ18を開とする。左右両舷の第1、第2舶用推進装置20A、20Bにおいて、第1のクラッチ9A,第3のクラッチ9Bを閉にする(S111)。そして、左舷の第1舶用推進装置20Aをディーゼルモード運転からガスモード運転に切り換える(S112)。
次に、左右両舷の第1、第2舶用推進装置20A,20Bにおけるエンジン3A,3Bの回転速度をアップする。そして、通常運転モードで、左右両舷の推進装置5A,5Bのプロペラ5a、5bを駆動して船舶1を推進する(S113)。
このようにして、消防装置6の負荷が大きい場合と小さい場合とにおけるガスモードとディーゼルモードとの切り換え操作を制御する。
C)オートスローダウン制御
また、船舶1の通常運転状態や消防モード等の作業装置駆動状態において、デュアルフューエルエンジン3A、3Bの推進装置側出力センサ14A、14B、作業装置側出力センサ19による出力値が過負荷にならないようにする必要があり、各船級機関による船級ルールが定められている。例えば、エンジン3A、3Bの各推進装置側出力センサ14A、14Bによる出力測定値が80%以上になると制御装置22から警報を発信し、100%以上になった後に30秒の間95%まで低下しないと100%の状態が続くとみなす。その場合、例えばABS(米国)で規定された船級ルールにおいて、エンジン3Aの出力95%以上の状態が30秒続くと、その後5秒以内にオーバーライド操作ボタンを押さない限りエンジン3A、3Bの回転速度を強制的にスローダウンさせる。予め設定されたスローダウン値を仮に所定値Xmin-1とすると、エンジン3A、3Bの回転速度がXmin-1になるまで強制的にスローダウンさせる。
一般に、消防装置6側は作業装置側出力センサ19の出力測定値が小さく100%にならないが、推進装置5A、5B側では船舶1の運行時に危険回避等のために無理な操船や推進を行うことがあるので過大な出力がエンジン3A,3Bにかかるおそれがあった。この場合、オートスローダウン制御することで、エンジン3を保護している。
次にこの船級ルールに基づくオートスローダウン制御の一例について図8に沿って説明する。
通常運転モードにおいて(S300)、推進装置5A,5Bの推進中に、例えば危険回避等のために、デュアルフューエルエンジン3A、3Bの推進装置側出力センサ14A、14Bによる出力測定値が所定の 上限値(基準値)をオーバーすることが起こり得る(S301)。この場合、エンジン3Aの出力測定値が上限値以下になるように回転速度を所定の割合でスローダウンする(S302)。
このオートスローダウン制御の上限値は、消防装置6を設けた左舷側の第1舶用推進装置20Aのエンジン3Aのみの出力値、または、消防ポンプのない第2舶用推進装置20Bのエンジン3Bのみの出力値で設定してもよい。或いは、左舷及び右舷のエンジン3A,3Bの両方の合計出力値で設定してもよい。いずれを選択するかは、必要に応じて適宜設定される。
本実施形態による船舶1の動力システムによれば、ガスモードとディーゼルモードを切り換えて運転可能なデュアルフューエルエンジン3A,3Bを用いた。ガスモードではノッキングや失火を防止するために燃料ガスと空気の量の割合をより正確にコントロールすることが必要であり、エンジン3A,3Bの出力を推進装置側出力センサ14A、14Bによりリアルタイムで測定し、これに応じたエンジン3A、3Bの制御を行うことが有効である。
上述したように本実施形態による船舶の動力システムによれば、推進装置5A,5B側の推進装置側出力センサ14A、14B、作業装置側出力センサ19を、エンジン3A、3Bと第1のクラッチ9A、第3のクラッチ9Bとの間、エンジン3Aと第2のクラッチ18との間にそれぞれ設けたため、エンジン3Aの実際の出力を伝達系やクラッチ等の抵抗によるロスも含めてより正確に測定することができる。しかも、第1のクラッチ9Aや第2のクラッチ18を開にした状態においても、その抵抗を含めて出力の測定を行うことができる。
そのため、ガス燃料を用いたガスエンジンモードであっても、推進装置側出力センサ14A、14Bと作業装置側出力センサ19によってエンジン3A,3Bの出力測定値を検出することで、エンジン3A、3Bを厳密に制御することができる。
また、船舶1のガスモードでの運転中に推進装置5Aの駆動状態と消防ポンプ11を駆動する状態との間の両方向の移行時に、ガスモードから負荷変動に強いディーゼルモードに一時的に切り換えて第1のクラッチ9Aと第2のクラッチ18の開閉切り換え操作を行うことで、負荷変動による影響を受けずに、第1のクラッチ9A、第2のクラッチ18の開閉による擾乱を抑制して、エンジン3Aの円滑な運転を行える。
なお、消防ポンプによる負荷が比較的に小さい場合には、消防ポンプ11側の第2のクラッチ18を閉じる際の擾乱も比較的小さいため、条件によっては消防装置6への移行を省略することも可能である。
また、オートスローダウン制御に際し、推進装置側出力センサ14A、14Bの出力測定値または作業装置側出力センサ19の出力測定値が規定された上限値を超えた場合、両方のエンジン3A、3Bの回転速度を強制的に下げる制御を行うことでノッキングや失火等を防止できる。
また、左舷側のデュアルフューエルエンジン3Aにおいて、消防装置6側の第2のクラッチ18を開いた場合や推進装置5A側の第1のクラッチ9Aを開いた場合でも、消防ポンプ11側や推進装置5A側に或る程度の機械損失が残る。そのため、推進装置側出力センサ14Aによる出力値と消防装置6側の作業装置側出力センサ19による出力値の合計をとることで、より正確なエンジン3Aの出力値を得て、エンジン3Aの制御を精度良く行うことができる。
また、推進装置側出力センサ14A及び作業装置側出力センサ19の出力値の合計に基づいて、エンジン3Aの回転速度を下げるオートスローダウン制御を行うことができる。
また、本実施形態による消防装置6を有する船舶1によれば、エンジン3Aを含む第1舶用推進装置20Aとエンジン3Bを含む第2舶用推進装置20Bを左右両舷に合計2台並列に備えたため、一方のデュアルフューエルエンジン3Aで消防装置6の消防ポンプ11を駆動させて放水する際、他方のデュアルフューエルエンジン3Bによって推進することで、消防ポンプ11の駆動負荷の反力で船舶1が後退することを阻止して消火活動を行える。
なお、本発明による船舶1の動力システムは、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等が可能である。以下に、本発明の変形例等について説明するが、上述した実施形態で説明した部品や部材等と同一または同様なものについては同一の符号を用いて説明を省略する。
本発明の実施形態では、船舶1の左舷と右舷に第1舶用推進装置20Aと第2舶用推進装置20Bを配列すると共に第1舶用推進装置20Aに作業装置として消防装置6を設けて、ガスモードとディーゼルモードの一方を選択的に運転可能な船舶1の動力システムを用いた。
しかし、上述した発明は本発明の一の実施態様を示すにすぎず、本発明はこのような構成に限定されるものではない。本発明は、デュアルフューエルエンジン3の出力を推進装置5の駆動の他に作業装置の駆動に用いるものであれば、発明概念を適用可能である。
例えば、作業装置は上述した消防ポンプ11を備えた消防装置6に限定されるものではなく、他の用途のポンプや、クレーン等の荷役機械や、船舶1を推進する主機により駆動される船舶1に搭載された各種の機械等を含む作業装置を採用することができる。
また、本発明による船舶1の動力システムは、推進装置側出力センサ14Aによる出力測定値と作業装置側出力センサ19による出力測定値の一方または合計によってデュアルフューエルエンジン3Aの制御を行うようにしてもよい。
或いは、第1のクラッチ9Aを閉にした状態で推進装置側出力センサ14Aによる出力測定値によってデュアルフューエルエンジン3Aの制御を行ってもよいし、第2のクラッチ18を閉にした状態で作業装置側出力センサ19による出力測定値によってデュアルフューエルエンジン3Aの制御を行ってもよい。
また、本発明による船舶1の動力システムは、左舷と右舷に2台の推進装置5A,5Bを設けて、その一方に消防装置6等の作業装置を設けた構成に限定されるものではない。例えば、1台の推進装置5を設けて、そのデュアルフューエルエンジン3に駆動軸17を設けて消防装置6等の作業装置を設置してもよい。或いは3台以上の推進装置5を設けると共に、その1台または2台以上の推進装置5を設けたエンジン3に消防装置等の作業装置を取り付けてもよい。
本発明は、少なくとも気体燃料を主たる燃料として使用可能なエンジンにそれぞれ第1のクラッチを介して推進装置を接続すると共に第2のクラッチを介して消防装置等の作業装置を接続し、エンジンと第1のクラッチとの間に推進装置側出力センサを設け、エンジンと第2のクラッチとの間に作業装置側出力センサを設けている。第1のクラッチを閉じて第2のクラッチを開いて推進装置を駆動し、第1のクラッチを開いて第2のクラッチを閉じて作業装置を駆動する。しかも、気体燃料を主とするエンジンの出力を推進装置側出力センサ、作業装置側出力センサによって測定してエンジンの駆動を制御することで、作業装置をガスモードで駆動制御できる船舶の動力システムを提供する。
1 船舶
3、3A、3B デュアルフューエルエンジン(エンジン)
5、5A、5B 推進装置
6 消防装置
9A 第1のクラッチ
9B 第3のクラッチ
11 消防ポンプ
13A,13B 推進軸
14、14A、14B 推進装置側出力センサ
15,15A,15B 回転速度センサ
17 駆動軸
18 第2のクラッチ
19 作業装置側出力センサ
22 制御装置

Claims (9)

  1. 気体燃料を主な燃料として使用可能なエンジンと、
    前記エンジンに第1のクラッチを介して接続されて駆動される推進装置と、
    前記エンジンと前記第1のクラッチとの間に設けられた推進装置側出力センサと、
    前記エンジンに第2のクラッチを介して接続されて駆動される作業装置と、
    前記エンジンと前記第2のクラッチとの間に設けられた作業装置側出力センサと、
    を備え
    前記気体燃料を主な燃料とする運転モードで運転中に前記推進装置を駆動する状態から前記作業装置を駆動する状態に移行する際に、
    前記気体燃料を主な燃料とする運転モードから液体燃料を主な燃料とする運転モードに一時的に切り換えて前記第1のクラッチまたは前記第2のクラッチの少なくとも一方の操作を行い、次いで前記液体燃料を主な燃料とする運転モードから前記気体燃料を主な燃料とする運転モードに復帰するようにしたことを特徴とする船舶の動力システム。
  2. 前記作業装置は放水を行うための消防装置である、請求項1に記載された船舶の動力システム。
  3. 前記第1のクラッチを閉じると共に前記第2のクラッチを開いて前記推進装置を駆動し、前記第1のクラッチを開くと共に前記第2のクラッチを閉じて前記作業装置を駆動する制御装置を、備えた請求項1または2に記載された船舶の動力システム。
  4. 前記推進装置側出力センサによる出力測定値と前記作業装置側出力センサによる出力測定値の合計によって前記エンジンの制御を行うようにした請求項1から3のいずれか1項に記載された船舶の動力システム。
  5. 前記推進装置側出力センサによる出力測定値及び/または前記作業装置側出力センサによる出力測定値が上限値を超えた場合に、前記エンジンの回転速度を下げる制御を行うようにした、請求項1から4のいずれか1項に記載された船舶の動力システム。
  6. 前記推進装置側出力センサ及び作業装置側出力センサは、前記エンジンの推進軸に実際にかかるトルクを測定するトルクセンサである、請求項1から5のいずれか1項に記載された船舶の動力システム。
  7. 気体燃料を主な燃料として使用可能なエンジンと、
    前記エンジンに第1のクラッチを介して接続されて駆動される推進装置と、
    前記エンジンと前記第1のクラッチとの間に設けられた推進装置側出力センサと、
    前記エンジンに第2のクラッチを介して接続されて駆動される作業装置と、
    前記エンジンと前記第2のクラッチとの間に設けられた作業装置側出力センサと、
    を備え、
    前記気体燃料を主な燃料とする運転モードで運転中に前記作業装置を駆動する状態から前記推進装置を駆動する状態に移行する際に、
    前記気体燃料を主な燃料とする運転モードから液体燃料を主な燃料とする運転モードに一時的に切り換え、前記第2のクラッチまたは前記第1のクラッチの少なくとも一方の操作を行い、次いで前記液体燃料を主な燃料とする運転モードから前記気体燃料を主な燃料とする運転モードに復帰するようにした船舶の動力システム。
  8. 気体燃料を主な燃料として使用可能なエンジンと、
    前記エンジンに第1のクラッチを介して接続されて駆動される推進装置と、
    前記エンジンと前記第1のクラッチとの間に設けられた推進装置側出力センサと、
    前記エンジンに第2のクラッチを介して接続されて駆動される作業装置と、
    前記エンジンと前記第2のクラッチとの間に設けられた作業装置側出力センサと、
    前記第1のクラッチを閉じると共に前記第2のクラッチを開いて前記推進装置を駆動し、前記第1のクラッチを開くと共に前記第2のクラッチを閉じて前記作業装置を駆動する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記第1のクラッチと前記第2のクラッチの一方を開いて他方を閉じる動作を行うために気体燃料を主燃料とするガスモードから液体燃料を主燃料とするディーゼルモードに移行するディーゼルモード移行手段と、
    前記第1のクラッチと前記第2のクラッチの一方を開いて他方を閉じる動作の終了後に前記ディーゼルモードから前記ガスモードに移行するガスモード移行手段と、
    を備えている船舶の動力システム。
  9. 気体燃料を主な燃料として使用可能なエンジンを複数台備えた船舶の動力システムであって、
    1のエンジン側には、
    前記エンジンに第1のクラッチを介して接続されて駆動される推進装置と、
    前記エンジンと前記第1のクラッチとの間に設けられた推進装置側出力センサと、
    前記エンジンに第2のクラッチを介して接続されて駆動される作業装置と、
    前記エンジンと前記第2のクラッチとの間に設けられた作業装置側出力センサと、
    前記第1のクラッチを閉じると共に前記第2のクラッチを開いて前記推進装置を駆動し、前記第1のクラッチを開くと共に前記第2のクラッチを閉じて前記作業装置を駆動する制御装置と、を備え、
    他のエンジン側には、
    前記他のエンジンに第3のクラッチを介して接続されて駆動される他の推進装置と、
    前記他のエンジンと前記第3のクラッチとの間に設けられた他の推進装置側出力センサと、を備え、
    前記制御装置によって、前記第1のクラッチを開くと共に前記第2のクラッチを閉じて前記作業装置を駆動する際、前記第3のクラッチを閉じて前記他の推進装置を駆動することを特徴とする船舶の動力システム。
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