JP7072720B2 - インバータ装置、圧縮機駆動装置および空気調和機 - Google Patents

インバータ装置、圧縮機駆動装置および空気調和機 Download PDF

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Description

本発明は、直流母線から供給される直流電力を交流電力に変換するインバータ装置、圧縮機駆動装置および空気調和機に関する。
インバータ装置は、直流母線の電流を検出する回路を備える(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載のインバータ装置においては、特許文献1の図16などに示されるような、通常のパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)を行うPWMキャリア周期よりも短い3つのPWMキャリア周期(第1の期間,第2の期間,第3の期間)からなる特定期間を設けてスイッチング素子を制御する。特許文献1に記載のインバータ装置においては、特定期間の第1の期間では隣接する2つの非零の基本電圧ベクトルの内の1つのみを指令電圧ベクトルとして出力し、第2の期間ではもう一方の基本電圧ベクトルのみを指令電圧ベクトルとして出力し、第3の期間では零電圧ベクトルのみを指令電圧ベクトルとして出力し、指令電圧ベクトルに基づいてスイッチング素子の駆動信号を生成する。また、インバータ装置は、第1の期間および第2の期間の中心で電流検出を行う。
特開2005-269880号公報
しかしながら、特許文献1に記載のインバータ装置の制御方法では、指令電圧ベクトルを生成するための基本電圧ベクトルをまとめて出力しているので電流検出は行い易くなるが、指令電圧ベクトルによっては第1の期間と第2の期間の電流検出間隔の差が広がり、これらの検出電流値を用いてdq変換した際の誤差が大きくなり、制御が不安定になるという課題があった。
ここで、上記のdq変換した際の誤差が小さくなるよう、第1の期間と第2の期間の電流検出間隔の差が小さくなるように電流検出タイミングを設定することが考えられる。しかし、この場合、第1の期間では出力する指令電圧ベクトルの最後の方の電流値を検出し、第2の期間では出力する指令電圧ベクトルの最初の方の電流値を検出することになるので、それぞれの指令電圧ベクトルの中心付近の電流値とは誤差が大きくなり、電流検出間隔の差が広がった場合と同様に制御が不安定になる。また、基本電圧ベクトルをまとめて出力しているので相電流リプルが大きくなり、インバータ装置の制御対象が電動機の場合、その電動機の鉄損が悪化するという問題、および、磁気音が大きくなるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、直流母線の電流検出精度を高めることができるとともに相電流リプルを抑制することができるインバータ装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるインバータ装置は、直流母線から供給される直流電力を複数のスイッチング素子を用いて3相交流電力に変換するインバータ主回路と、直流母線に流れる電流を検出する直流電流検出回路と、直流電流検出回路により検出された直流電流に基づいて、複数のスイッチング素子を制御するパルス幅変調駆動信号を出力するインバータ制御部と、を備える。インバータ制御部は、直流電流に基づいて指令電圧ベクトルを生成し、指令電圧ベクトルを反映する反映期間の一部を第1期間に設定し、反映期間の第1期間に該当しない期間を第2期間に設定し、第1期間では、指令電圧ベクトルに隣接する2つの非零の基本電圧ベクトルを予め定められた最小時間にわたって順番に出力して得られる第1の電圧ベクトルに基づいてパルス幅変調駆動信号を生成し、第2期間では、第1の電圧ベクトルと合成した場合に指令電圧ベクトルと同一となる第2の電圧ベクトルに基づいてパルス幅変調駆動信号を生成する。
本発明にかかるインバータ装置は、直流母線の電流検出精度を高めることができるとともに相電流リプルを抑制することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかるインバータ装置の構成例を示すブロック図 実施の形態1にかかるインバータ装置が備えるインバータ制御部の動作を示すタイミングチャート 実施の形態1にかかるインバータ制御部の内部で演算する指令電圧ベクトルVsと分割後の電圧ベクトルVs1およびVs2との関係を示すベクトル図 実施の形態1にかかるインバータ制御部が指令電圧ベクトルVsを作成する際に用いる基本電圧ベクトルと、インバータ主回路の各スイッチング素子の状態と、直流電流Idcから検出できる相電流との対応関係を示す図 図3に示す指令電圧ベクトルVsと基準キャリアとを使用してPWM駆動信号を生成する動作のタイミングチャート 実施の形態1にかかるインバータ装置のインバータ制御部がPWM駆動信号を生成する動作のタイミングチャート 実施の形態1にかかるインバータ装置のインバータ制御部がPWM駆動信号を生成する第1の他の動作のタイミングチャート 実施の形態1にかかるインバータ装置のインバータ制御部がPWM駆動信号を生成する第2の他の動作のタイミングチャート 実施の形態2にかかるインバータ装置が備えるインバータ制御部の動作を示すタイミングチャート 実施の形態1,2にかかるインバータ装置のインバータ制御部を実現するハードウェアの一例を示す図 本発明の実施の形態3にかかる圧縮機駆動装置および空気調和機の構成例を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかるインバータ装置、圧縮機駆動装置および空気調和機を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかるインバータ装置の構成例を示すブロック図である。本実施の形態では、図1に示す構成のインバータ装置100を空気調和機の圧縮機駆動に適用する場合の例について説明する。すなわち、インバータ装置100は、交流電源1から入力される交流電力を、圧縮機(図示せず)が備える3相モータ4を駆動するための3相交流電力に変換して出力する。
図1に示すように、インバータ装置100は、コンバータ回路2と、インバータ主回路3と、直流電流検出回路5と、直流電圧検出回路6と、インバータ制御部7とを備える。
コンバータ回路2は、交流電源1から供給される交流電力を直流電力に変換する。インバータ主回路3は、コンバータ回路2が出力する直流電力を3相交流電力に変換して3相モータ4へ出力する。直流電流検出回路5は、コンバータ回路2とインバータ主回路3間の負側直流母線Nに流れる直流電流を検出する。直流電圧検出回路6は、コンバータ回路2の出力側である正側直流母線Pと負側直流母線Nとの間の直流電圧Vdcを検出する。インバータ制御部7は、直流電流検出回路5の出力と、直流電圧検出回路6の出力と、外部から与えられる周波数指令値f*とに基づき、インバータ主回路3を構成する各スイッチング素子を制御するためのPWM駆動信号を出力する。
コンバータ回路2は、出力する直流電圧を約250~450Vになるように構成される。例えば、コンバータ回路2を空気調和機の圧縮機駆動用とし、交流電源1がAC100Vの場合、コンバータ回路2は、倍電圧整流回路などの昇圧回路、すなわち、交流電源1側に配置したリアクトル(図示せず)を短絡動作して昇圧を行う昇圧回路を備える構成にしたもの、交流電源1の整流後に配置したリアクトル(図示せず)を短絡動作して昇圧できる昇圧回路を備える構成にしたもの、など、多数の方式が適用可能であるが、上記電圧範囲になるような構成であればどの方式を用いてもよい。交流電源1がAC200Vの場合、コンバータ回路2は、倍電圧整流回路の代わりに全波整流回路を備える。また、図1では交流電源1を単相交流としているが、3相交流としてもよい。
インバータ主回路3は、SiC-MOSFET(SiC:Silicon Carbide,MOSFET:Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)から成る複数のスイッチング素子SW1,SW2,SW3,SW4,SW5,SW6と、複数のスイッチング素子SW1,SW2,SW3,SW4,SW5,SW6のそれぞれに逆並列接続される複数の還流ダイオードD1,D2,D3,D4,D5,D6と、複数のスイッチング素子SW1,SW2,SW3,SW4,SW5,SW6のそれぞれを駆動する複数の駆動回路3a,3b,3c,3d,3e,3fと、により構成される。ここで、正側直流母線Pに接続されているSW1~SW3は上アームスイッチング素子と呼ばれる場合がある。また、負側直流母線Nに接続されているSW4~SW6は下アームスイッチング素子と呼ばれる場合がある。還流ダイオードD1~D6は、SiC-MOSFETの寄生ダイオードである。空気調和機の圧縮機駆動用のスイッチング素子としては、コンバータ回路2が出力する直流電圧と、配線インピーダンスにより生じるサージ電圧を考慮して耐圧600V前後のスイッチング素子が使用される。複数の駆動回路3a,3b,3c,3d,3e,3fは、それぞれ、スイッチング素子SW1,SW2,SW3,SW4,SW5,SW6を駆動する。複数の駆動回路3a,3b,3c,3d,3e,3fのそれぞれには、インバータ制御部7からPWM駆動信号UP,VP,WP,UN,VN,WNが入力される。複数の駆動回路3a,3b,3c,3d,3e,3fのそれぞれは、入力されるPWM駆動信号がH(High)の場合に駆動対象のスイッチング素子をオンさせ、PWM駆動信号がL(Low)の場合に駆動対象のスイッチング素子をオフさせる。
3相モータ4は、U相巻線41、V相巻線42およびW相巻線43からなる3相Y形結線の固定子4aと、永久磁石回転子4bから構成される。この永久磁石回転子4bに接続された圧縮機(図示せず)が回転することで、空気調和機の冷媒が冷媒回路内で循環される。ここで、インバータ主回路3のSW1とSW4の接続点3-1が3相モータ4の端子Uに、SW2とSW5の接続点3-2が端子Vに、SW3とSW6の接続点3-3が端子Wにそれぞれ接続される。本実施の形態では、これらの接続点3-1~3-3と端子U~Wとの間に流れる電流を、それぞれU相電流(Iu)、V相電流(Iv)、W相電流(Iw)と呼ぶことにする。また、本実施の形態では、3相モータ4に3相Y形結線の固定子を使用する場合について説明しているが、3相モータ4は、3相Δ形結線の固定子を使用する構成であってもよい。
直流電流検出回路5は、負側直流母線Nに設けられたシャント抵抗5aと、シャント抵抗5aと並列に接続された増幅器5bとにより構成される。直流電流検出回路5は、直流電流(Idc)が流れたときに生じるシャント抵抗5aにおける電圧降下、すなわち、シャント抵抗5aの両端の電位差を増幅器5bにより増幅してインバータ制御部7に与える。増幅器5bは、例えばオペアンプを用いて構成することができる。ここで、直流電流検出回路5は、シャント抵抗5aにおける電圧降下を増幅することで負側直流母線Nに流れる直流電流を検出する構成としているが、直流電流を検出可能なDCCT(Direct Current Current Transformer)を用いて検出を行う構成とすることも可能である。
直流電圧検出回路6は、コンバータ回路2の出力側である正側直流母線Pと負側直流母線Nとの間の直流電圧を分圧してインバータ制御部7に与える。
インバータ制御部7は、直流電流検出回路5で検出された直流電流の検出値(以下、電流検出値とする)と、直流電圧検出回路6で検出された直流電圧の検出値(以下、電圧検出値とする)と、外部から与えられる周波数指令値f*とに基づき、インバータ主回路3を構成するスイッチング素子SW1~SW6をオンオフ制御するためのPWM駆動信号UP,UN,VP,VN,WP,WNを出力する。ここで、駆動信号UP,VP,WPは、インバータ主回路3の上アーム側のPWM駆動信号であり、それぞれSW1,SW2,SW3の駆動信号となる。また、駆動信号UN,VN,WNは、インバータ主回路3の下アーム側のPWM駆動信号であり、それぞれSW4,SW5,SW6の駆動信号となる。
続いて、インバータ制御部7の構成について説明する。インバータ制御部7は、AD(Analog to Digital)変換器8,9と、指令電圧ベクトル生成部10と、電圧ベクトル分割部11と、PWM駆動信号生成部12とを備える。
AD変換器8には、直流電流検出回路5から電流検出値が入力され、AD変換器9には直流電圧検出回路6から電圧検出値が入力される。AD変換器8は、入力された電流検出値をディジタル値Idc_ADに変換して電圧ベクトル分割部11およびPWM駆動信号生成部12に与える。AD変換器9は、入力された電圧検出値をディジタル値Vdc_ADに変換して指令電圧ベクトル生成部10に与える。
指令電圧ベクトル生成部10には、上記のディジタル値Vdc_ADに加えて、周波数指令値f*が入力される。指令電圧ベクトル生成部10は、ディジタル値Vdc_ADおよび周波数指令値f*に基づいて、指令電圧ベクトルVsを生成する。指令電圧ベクトルVsの詳細については後で説明する。指令電圧ベクトル生成部10は、生成した指令電圧ベクトルVsを電圧ベクトル分割部11へ出力する。
電圧ベクトル分割部11は、指令電圧ベクトルVsをディジタル値Idc_ADに基づいて分割し、後述する第1期間に出力する第1の電圧ベクトルである電圧ベクトルVs1と、後述する第2期間に出力する第2の電圧ベクトルである電圧ベクトルVs2とを生成する。電圧ベクトル分割部11は、生成した電圧ベクトルVs1,Vs2をPWM駆動信号生成部12へ出力する。
PWM駆動信号生成部12は、入力される電圧ベクトル(Vs1またはVs2)に対応するPWM駆動信号UP,UN,VP,VN,WP,WNを生成して駆動回路3a,3b,3c,3d,3e,3fへ出力する。
次に、インバータ制御部7の動作について説明する。図2は、実施の形態1にかかるインバータ装置100が備えるインバータ制御部7の動作を示すタイミングチャートである。具体的には、図2は、インバータ制御部7が直流電流の検出値からPWM駆動信号の演算(以下、「PWM演算」とも記載する)を行い、その演算したPWM駆動信号を反映するまでの動作を示したタイミングチャート図である。図2において、(a)は演算周期Tsと同じ周期で生成した基準キャリアを示している。図2に示すように、本実施の形態では左右対称の三角波を基準キャリアとして用いる。基準キャリアの周期は演算周期Tsと同一とする。(b)は波形生成用キャリアを示している。(b)において、黒丸(●)は電流検出タイミングを示す。(c)はPWM演算の処理期間を示している。演算A~演算Dが記載された四角形の横方向の長さがPWM演算の所要時間を示す。(d)はPWM演算にて演算した指令電圧ベクトルであるPWM駆動信号を反映する期間を示している。
(b)に示す波形生成用キャリアの周期は第1期間と第2期間とで構成され、第1期間と第2期間の和が演算周期Tsと同じである。第1期間における波形生成用キャリアは2つのキャリアから構成されている。具体的には、第1期間における波形生成用キャリアは時間軸上に順番に並べられた2つのキャリアで構成される。第1期間における波形生成用キャリアを構成する2つのキャリアの周期は同じであり、直流電流検出回路5による電流検出が行える最小時間Tena_minと一致する。第1期間の長さは最小時間Tena_minの2倍である。この最小時間Tena_minは直流電流検出回路5による遅延時間、インバータ主回路3の上下短絡を防止するためのデッドタイム時間、AD変換器9の変換時間の和である。また、第1期間における波形生成用キャリアを構成する1つ目のキャリアは、指令電圧ベクトル生成部10が生成する指令電圧ベクトルVsに隣接する2つの非零の基本電圧ベクトルのうちの一方である。第1期間における波形生成用キャリアを構成する2つ目のキャリアは、指令電圧ベクトルVsに隣接する2つの非零の基本電圧ベクトルのうちのもう一方である。このようにすることで、インバータ制御部7は、第1期間の固定のタイミングにて直流電流検出回路5による電流検出値から2相分の相電流を検出できる。
(c)に示すPWM演算(演算A,演算B,演算C,演算D,…)では、指令電圧ベクトル生成部10が、直前の第1期間にて直流電流検出回路5による電流検出値から求められた2相分の相電流に基づいて指令電圧ベクトルVs(PWM駆動信号)を生成する。指令電圧ベクトルVsは、電圧ベクトル分割部11により第1期間に出力する電圧ベクトルVs1と、第2期間に出力する電圧ベクトルVs2とに分割される。PWM駆動信号生成部12は、入力される電圧ベクトルVs1,Vs2に応じたPWM駆動信号を生成して次の演算周期に反映させる。演算Bの場合を例に取ると、演算Bで演算したPWM駆動信号は次の演算周期であるB-C期間に反映される。
次に、指令電圧ベクトルVsについて説明する。指令電圧ベクトル生成部10は、指令電圧ベクトルVsの大きさ|Vs|およびγ軸からの位相θvを、回転座標系の制御軸(γ-δ軸)におけるγ軸電圧Vγおよびδ軸電圧Vδに基づいて求める。具体的には、指令電圧ベクトル生成部10は、指令電圧ベクトルVsの大きさ|Vs|およびγ軸からの位相θvを、それぞれ下記の式(1)および式(2)に従って求める。ここで、γ軸電圧Vγおよびδ軸電圧Vδは、角速度指令値ω*(=2π×f*)と、3相モータ4に流れる相電流情報とに基づいて、例えば特許第5321530号広報に記載の公知の方法で算出することができる。γ軸電圧Vγおよびδ軸電圧Vδを算出する方法は他にも種々報告されており、本発明においては基本的にどの方式を適用してもよいため、詳細な説明は割愛する。すなわち、指令電圧ベクトル生成部10は、γ軸電圧Vγおよびδ軸電圧Vδをどのような方法で求めてもよい。
Figure 0007072720000001
Figure 0007072720000002
続いて、指令電圧ベクトルVsとインバータ主回路3のスイッチング素子との関係について説明する。図3は、実施の形態1にかかるインバータ制御部7の内部で演算する指令電圧ベクトルVsと分割後の電圧ベクトルVs1およびVs2との関係を示すベクトル図である。図4は、実施の形態1にかかるインバータ制御部7が指令電圧ベクトルVsを作成する際に用いる基本電圧ベクトルと、インバータ主回路3の各スイッチング素子の状態と、直流電流Idcから検出できる相電流との対応関係を示す図である。
図3に示すベクトル図において、V0~V7は基本電圧ベクトルを示す。基本電圧ベクトルV0~V7は、図4に示すようにインバータ主回路3のスイッチング素子SW1~SW6それぞれの状態(ON状態またはOFF状態)の8つの組み合わせと1対1に対応している。また、スイッチング素子SW1~SW6がV1~V6の非零の電圧ベクトルの状態になるときに直流電流Idcから検出できる3相モータ4に流れる相電流も図4のように1対1に対応している。ここで、インバータ主回路3から3相モータ4の方向に向かって流れる相電流の方向を+方向としている。図4は、例えば、基本電圧ベクトルV1に対応する状態の時にU相電流Iuがインバータ主回路3から3相モータ4に向かって流れることを示し、また、基本電圧ベクトルV2に対応する状態の時にW相電流Iwが3相モータ4からインバータ主回路3に向かって流れることを示している。上述したように、図2に示す第1期間では、指令電圧ベクトルVsに隣接する2つの非零の基本電圧ベクトルの一方を先に出力し、他方を次に出力する。そのため、インバータ制御部7は、図4に示す対応表を参照することにより、第1期間で出力している基本電圧ベクトルから、直流電流Idcがどの相のどちら向きに流れる電流を示すかを知ることが可能であり、相電流を検出できる。
図3に示すベクトル図において、電圧ベクトルVs1は、図2を用いて説明した上記の第1期間に電圧ベクトル分割部11が出力する電圧ベクトルである。具体的には、電圧ベクトルVs1は、指令電圧ベクトルVsに隣接する2つの非零の基本電圧ベクトル(図3のVsの場合、V1,V2となる)をそれぞれ最小時間Tena_minにわたって出力することで得られるベクトルである。より詳細には、電圧ベクトルVs1は、指令電圧ベクトルVsに隣接する2つの非零の基本電圧ベクトルを、予め定められた最小時間Tena_minにわたって順番に出力し、その結果得られる2つのベクトルを合成することで得られるベクトルである。また、電圧ベクトルVs2は、上記の第2期間に電圧ベクトル分割部11が出力する電圧ベクトルである。具体的には、電圧ベクトルVs2は、第1期間に出力する電圧ベクトルVs1と合成した場合に指令電圧ベクトルVsとなる電圧ベクトルである。ただし、指令電圧ベクトルVsがインバータ装置100の出力限界に近い値の場合、電圧ベクトルVs1と合成したときに指令電圧ベクトルVsと同じになる電圧ベクトルVs2を設定できないことがある。その場合、電圧ベクトルVs1およびVs2を合成して得られる電圧ベクトルと指令電圧ベクトルVsとの間に出力誤差が生じるが、電圧ベクトル分割部11は、指令電圧ベクトルVsとほぼ同じになる電圧ベクトルVs2、すなわち、電圧ベクトルVs1と合成して得られる電圧ベクトルと指令電圧ベクトルVsとの誤差が小さくなるよう、電圧ベクトルVs2を生成して出力する。また、指令電圧ベクトルVsにおける非零の基本電圧ベクトルが1種類のみとなる場合は、隣接する2つの非零の基本電圧ベクトルのもう1つは回転方向先の基本電圧ベクトルとする。例えば、指令電圧ベクトルVsを構成する非零の基本電圧ベクトルがV1の1種類のみとなる場合は、もう1つの非零の基本電圧ベクトルは回転方向先のV2とする。このようにすることで、確実に第1期間で直流電流から2相分の相電流を検出することが可能となる。
図5は、図3に示す指令電圧ベクトルVsと基準キャリアとを使用してPWM駆動信号を生成する動作のタイミングチャートである。なお、図5に示すタイミングチャートは、PWM駆動信号を一般的な方法で生成する場合に対応しており、実施の形態1にかかるインバータ装置100のインバータ制御部7がPWM駆動信号を生成するときのタイミングチャートとは異なる。なお、実施の形態1にかかるインバータ装置100のインバータ制御部7がPWM駆動信号を生成するときのタイミングチャートは図6に示したものとなる。
図5において、(a)は基準キャリアを示し、(b)は上アームのPWM駆動信号UP,VP,WPを示している。(c)は上アームのPWM駆動信号UP,VP,WPの状態に対応した電圧ベクトル状態を示している。(d)は直流電流Idcを示している。ここで、図5(a)の基準キャリアのところに記載しているU,V,Wは、それぞれPWM駆動信号UP,VP,WPを生成するための電圧指令を示している。電圧指令とPWM駆動信号の関係は、電圧指令が基準キャリアより高い場合はPWM駆動信号がH、基準キャリア以下の場合はPWM駆動信号がLとなる。この関係はキャリアが波形生成用キャリアの場合も同様である。
図6は、実施の形態1にかかるインバータ装置100のインバータ制御部7がPWM駆動信号を生成する動作のタイミングチャートである。詳細には、図6は、インバータ制御部7が図3に示す指令電圧ベクトルVsを分割して得られるVs1およびVs2と、図2の(b)に示す波形生成用キャリアとを用いてPWM駆動信号を生成する場合のタイミングチャートを示す。
図6において、(a)は波形生成用キャリアを示し、(b)は上アームのPWM駆動信号UP,VP,WPを示している。(c)は上アームのPWM駆動信号UP,VP,WPの状態に対応した電圧べクトル状態を示している。(d)は直流電流Idcを示している。(d)において、黒丸(●)は電流検出タイミングを示す。
図6に示すように、インバータ制御部7は、波形生成用キャリアの第1期間の1つ目のキャリアとして基本電圧ベクトルV1のみを出力し、2つ目のキャリアとして基本電圧ベクトルV2のみを出力するように電圧指令U,V,Wを設定している。具体的には、インバータ制御部7は、第1期間の1つ目のキャリアのときは、電圧指令Uは波形生成用キャリアの最大値より高い値を設定し、電圧指令V,Wは波形生成用キャリアの最小値を設定する。インバータ制御部7は、2つ目のキャリアのときは、電圧指令U,Vは波形生成用キャリアの最大値より高い値を設定し、電圧指令Wは波形生成用キャリアの最小値を設定する。ここで、第1期間に出力する最初の電圧ベクトル(1つ目のキャリア)をその直前に出力する非零の電圧ベクトルとは違う基本電圧ベクトルとする。図6の場合、第1期間の直前の非零ベクトルはV2なので第1期間の最初に基本電圧ベクトルV1を出力するようにしている。このようにすることで、第1期間に出力する最初の基本電圧ベクトルとその直前に出力する基本電圧ベクトルが同一になることがなくなるので、インバータ制御部7は第1期間に出力する次の(2つ目の)基本電圧ベクトルと同じ条件で電流検出を行うことができる。
また、インバータ制御部7は、第2期間では、電圧指令U,V,Wを一定として各電圧指令と電圧ベクトルVs2とを比較し、PWM駆動信号を生成する。ここで、図6では第1期間にキャリアを2つ用いた構成で実現しているが、図7のように第1期間に1つのキャリアを用いた構成でも同様のPWM駆動信号を生成することができる。また、波形生成用キャリアは三角波で示しているが、同様のPWM駆動信号を生成できるのであればのこぎり波でもよい。なお、図7は、実施の形態1にかかるインバータ装置100のインバータ制御部7がPWM駆動信号を生成する第1の他の動作のタイミングチャートである。
しかし、図6および図7の(a)に示すように電圧指令U,V,Wを設定する場合、上アームのPWM駆動信号UP,VP,WPのスイッチング回数(PWM駆動信号がL→Hとなる回数およびH→Lとなる回数の合計)は1演算周期Ts中に全部で10回発生する。この回数は、図5に示す、基準キャリアを用いてPWM駆動信号を生成する場合のスイッチング回数(6回)と比べると大幅に増加している。そこで、電圧指令Wを図8に示すように設定してスイッチング回数を抑えるようにしてもよい。図8に示す例では、第1期間および第2期間において、電圧指令Wを波形生成用キャリアの最小値と同じ値に設定している。図8に示すように電圧指令U,V,Wを設定することにより、1演算周期あたりのスイッチング回数を6回に抑えることができ、スイッチング素子SW1~SW6で発生するスイッチング損失を抑制できる。図8に示す動作とする場合は1相をスイッチングしない2相変調方式となる。
ただし、2相変調方式でインバータ主回路3の各スイッチング素子を制御する場合は出力できる電圧ベクトルが限られてしまう。例えば、図8の場合、出力できる非零の基本電圧ベクトルはV1およびV2だけとなる。3相全てのスイッチング素子をスイッチングさせる3相変調方式では合成すると電圧指令ベクトルVsと同じとなる電圧ベクトルVs2を出力できるが、2相変調方式では同様の出力ができなくなる場合がある。この場合、指令電圧ベクトルVsが小さく、電圧誤差による制御への影響が大きくなるため、3相変調方式にてPWM駆動信号を生成するとよい。
以上のように、本実施の形態にかかるインバータ装置100は、直流母線(正側直流母線P,負側直流母線N)から供給される直流電力を複数のスイッチング素子を用いて3相交流電力に変換するインバータ主回路3と、直流母線に流れる電流を検出する直流電流検出回路5と、直流電流検出回路5により検出された直流電流に基づいて指令電圧ベクトルを生成し、指令電圧ベクトルに基づいてインバータ主回路3を構成する各スイッチング素子を制御するPWM駆動信号を出力するインバータ制御部7とを備える。インバータ制御部7は、指令電圧ベクトルを反映する期間である反映期間の中心前後の一定の範囲を第1期間、第1期間以外の範囲を第2期間に設定し、第1期間では、指令電圧ベクトルに隣接する2つの非零の基本電圧ベクトルを順番に並べた構成の波形生成用キャリアを用いてPWM駆動信号を生成する。また、インバータ制御部7は、第2期間では、第1期間の波形生成用キャリアを構成する2つの基本電圧ベクトルと合成した場合に指令電圧ベクトルと同一もしくはほぼ同一となる電圧ベクトルを波形生成用キャリアとして用いてPWM駆動信号を生成する。これにより、反映期間の中心付近で検出した直流電流から2相分の相電流を確実に検出することができ、相電流を直接検出した場合に近い精度で電流検出を行うことができる。すなわち、本実施の形態によれば、直流母線の電流検出精度を高めたインバータ装置100を実現できる。
また、第1期間の波形生成用キャリアを構成する2つの非零の基本電圧ベクトルを出力する時間の長さとして、直流電流検出回路5が電流検出を行える最小時間Tena_minを確保しているので、演算周期Tsの固定間隔の固定タイミングで確実に2相分の電流検出を行うことができる。
また、第1期間において、必要以上に基本電圧ベクトルを集約して波形生成用キャリアを生成することはしないので、相電流リプルを抑制することができる。
また、本実施の形態にかかるインバータ装置100は、インバータ主回路3のスイッチング素子SW1~SW6をワイドバンドギャップ半導体素子であるSiC-MOSFETで形成する。ワイドバンドギャップ半導体素子によって形成されたスイッチング素子は、耐電圧性が高く、許容電流密度も高いため、スイッチング素子の小型化が可能である。そのため、インバータ装置100の小型化を実現できる。ワイドバンドギャップ半導体素子は電力損失が低いため、インバータ装置100の高効率化も実現できる。
なお、本実施の形態ではインバータ主回路3のスイッチング素子SW1~SW6にSiC-MOSFETを用い、その寄生ダイオードを還流ダイオードD1~D6に用いる構成を示したが、空気調和機の圧縮機駆動のインバータ主回路に主流で使われている、スイッチング素子にSi-IGBT(Silicon-Insulated Gate Bipolar Transistor)を使用し、還流ダイオードにSi-FRD(Silicon-Fast Recovery Diode)を使用する構成にしてもよい。ただし、本実施の形態にかかるインバータ装置100のインバータ制御部7が生成するPWM駆動信号を図6に示すものとする場合、図5に示すような一般的な方法でPWM駆動信号を生成するときと比べてスイッチング素子のスイッチング回数が増加する。そのため、スイッチング損失の小さいSiC-MOSFETをスイッチング素子として使用することが望ましい。
また、本実施の形態にかかるインバータ装置100は空気調和機の圧縮機駆動に用いるものに限定されない。
実施の形態2.
以上の実施の形態1においては、PWM演算の処理期間が図2に示す場合、すなわち、PWM演算の処理期間が「Ts/2-Tena_min」より短い場合のインバータ装置100の動作について説明した。これに対して、本実施の形態では、PWM演算の処理期間が「Ts/2-Tena_min」以上「Ts-(Tena_min×2)」未満となる場合のインバータ装置の動作について説明する。なお、実施の形態2にかかるインバータ装置の構成は実施の形態1と同一である。そのため、インバータ装置の構成については説明を省略する。
実施の形態2にかかるインバータ装置100の動作について、図9を用いて説明する。図9は、実施の形態2にかかるインバータ装置100が備えるインバータ制御部7の動作を示すタイミングチャートである。図9の(a)~(d)の内容は図2の(a)~(d)と同じである。
図2のタイミングチャートが示す実施の形態1のインバータ制御部7の動作では、(c)に示すPWM演算の処理期間が「Ts/2-Tena_min」より短い。よって、各演算周期の中心前後で電流検出を行うようにしても、その演算周期内でPWM演算を終えることができる。そのため、各演算周期は、第1期間が演算周期の中心前後になるように構成している。
一方、図9のタイミングチャートが示す実施の形態2のインバータ制御部7の動作では、(c)に示すPWM演算の処理期間が「Ts/2-Tena_min」以上「Ts-(Tena_min×2)」未満となる。よって、各演算周期の中心前後で電流検出を行うと、その演算周期内でPWM演算を終えることができない。そのため、各演算周期で実行するPWM演算で算出する指令電圧ベクトルを反映期間である次の演算周期に反映させることができるよう、各演算周期は、第1期間が演算周期の最初になるように構成している。こうすることで、反映期間の遅延を「第2期間の1/2」に抑えることができ、制御応答性を確保することができる。演算周期Tsを大きくできる条件下であれば、図2に示す構成だけで反映時間の遅延の抑制を実現可能であるが、演算周期Tsを大きくできない場合は図9に示す本実施の形態の方法は有効な手段となる。
つづいて、実施の形態1,2にかかるインバータ装置100のインバータ制御部7を実現するハードウェアについて説明する。図10は、実施の形態1,2にかかるインバータ装置100のインバータ制御部7を実現するハードウェアの一例を示す図である。
実施の形態1,2にかかるインバータ装置100のインバータ制御部7は、図10に示すプロセッサ91およびメモリ92で実現することができる。
プロセッサ91は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)である。メモリ92は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリである。
実施の形態1,2にかかるインバータ装置100のインバータ制御部7を図10に示すプロセッサ91およびメモリ92で実現する場合、インバータ制御部7として動作するためのプログラムをメモリ92に予め格納しておく。プロセッサ91は、メモリ92に格納されているプログラムを読み出して実行することにより、インバータ制御部7として動作する。
なお、図10に示すプロセッサ91およびメモリ92は、それぞれ汎用のプロセッサおよびメモリを想定しているが、専用の処理回路でインバータ制御部7を実現することも可能である。専用の処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせた回路である。
実施の形態3.
図11は、本発明の実施の形態3にかかる圧縮機駆動装置および空気調和機の構成例を示す図である。図11に示す圧縮機駆動装置200は、実施の形態1または2にかかるインバータ装置100を圧縮機20の駆動装置として用いたものであり、図11に示す空気調和機300は、圧縮機駆動装置200と、圧縮機駆動装置200により駆動される圧縮機20と、四方弁31と、室外熱交換器32-1と、室内熱交換器32-2と、膨張弁33とを備える。圧縮機駆動装置200の構成および動作は、実施の形態1または2にかかるインバータ装置100と同一である。すなわち、圧縮機駆動装置200は、実施の形態1または2にかかるインバータ装置100が出力する3相交流電力を圧縮機20に供給して圧縮機20を駆動するようにしたものである。
圧縮機20は、冷媒を圧縮する圧縮部21と、圧縮部21を駆動する3相モータ4とを備える。圧縮機20、四方弁31、室外熱交換器32-1、室内熱交換器32-2および膨張弁33は、冷媒配管30により相互に接続され、冷媒を循環させる冷媒回路を構成する。そして空気調和機300は、冷媒が蒸発または凝縮するとき、熱交換対象となる空気に対して吸熱または放熱することを利用し、管内を通過する冷媒の圧力を変化させながら空気調和運転を行う。不図示の送風ファンが回転することにより発生する風が室外熱交換器32-1に通流する。これにより室外熱交換器32-1では冷媒と空気との熱交換が行われる。
同様に不図示の送風ファンが回転することにより発生する風が室内熱交換器32-2に通流する。これにより室内熱交換器32-2では冷媒と空気との熱交換が行われる。
このように、実施の形態1または2にかかるインバータ装置100を圧縮機駆動装置200に適用し、インバータ装置100が出力する3相交流電力を3相モータ4に供給して圧縮機21を駆動することにより、空気調和機300が実現される。
なお、実施の形態1,2にかかるインバータ装置100は、空気調和機300の圧縮機20を駆動する圧縮機駆動装置への適用に限定されない。実施の形態1,2にかかるインバータ装置100は、3相モータ4を備えるあらゆる装置に対して適用が可能である。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 交流電源、2 コンバータ回路、3 インバータ主回路、3a,3b,3c,3d,3e,3f 駆動回路、4 3相モータ、4a 固定子、4b 永久磁石回転子、5 直流電流検出回路、5a シャント抵抗、5b 増幅器、6 直流電圧検出回路、7 インバータ制御部、8,9 AD変換器、10 指令電圧ベクトル生成部、11 電圧ベクトル分割部、12 PWM駆動信号生成部、20 圧縮機、21 圧縮部、30 冷媒配管、31 四方弁、32-1 室外熱交換器、32-2 室内熱交換器、33 膨張弁、41 U相巻線、42 V相巻線、43 W相巻線、100 インバータ装置、200 圧縮機駆動装置、300 空気調和機。

Claims (12)

  1. 直流母線から供給される直流電力を複数のスイッチング素子を用いて3相交流電力に変換するインバータ主回路と、
    前記直流母線に流れる電流を検出する直流電流検出回路と、
    前記直流電流検出回路により検出された直流電流に基づいて、前記複数のスイッチング素子を制御するパルス幅変調駆動信号を出力するインバータ制御部と、
    を備え、
    前記インバータ制御部は、
    前記直流電流に基づいて指令電圧ベクトルを生成し、前記指令電圧ベクトルを反映する反映期間の一部を第1期間に設定し、前記反映期間の前記第1期間に該当しない期間を第2期間に設定し、
    前記第1期間では、前記指令電圧ベクトルに隣接する2つの非零の基本電圧ベクトルを予め定められた最小時間にわたって順番に出力して得られる第1の電圧ベクトルに基づいて前記パルス幅変調駆動信号を生成し、
    前記第2期間では、前記第1の電圧ベクトルと合成した場合に前記指令電圧ベクトルと同一となる第2の電圧ベクトルに基づいて前記パルス幅変調駆動信号を生成する、
    インバータ装置。
  2. 前記インバータ制御部は、前記反映期間の中心前後に前記第1期間を設定する、
    請求項1に記載のインバータ装置。
  3. 前記インバータ制御部は、前記反映期間の最初に前記第1期間を設定する、
    請求項1に記載のインバータ装置。
  4. 前記インバータ制御部は、前記第1期間において前記直流電流から2相分の相電流を検出する、
    請求項1から3のいずれか一つに記載のインバータ装置。
  5. 前記インバータ制御部は、前記2相分の相電流の検出を固定タイミングで行う、
    請求項4に記載のインバータ装置。
  6. 前記インバータ制御部は、前記第1期間に非零の基本電圧ベクトルを出力する時間を、前記直流電流検出回路が電流検出を行うことが可能な最小時間とする、
    請求項1から5のいずれか一つに記載のインバータ装置。
  7. 前記インバータ制御部は、前記第1期間において、前記指令電圧ベクトルに隣接する2つの非零の基本電圧ベクトルを順番に出力し、前記第1期間に出力する最初の電圧ベクトルを、直前に出力する非零の電圧ベクトルとは違う基本電圧ベクトルとする、
    請求項1から6のいずれか一つに記載のインバータ装置。
  8. 前記インバータ制御部は、前記第1の電圧ベクトルおよび前記第2の電圧ベクトルを2相変調方式にて生成する、
    請求項1から7のいずれか一つに記載のインバータ装置。
  9. 前記インバータ制御部は、第1の電圧ベクトルと合成したときに前記指令電圧ベクトルと同一となる第2の電圧ベクトルを前記2相変調方式にて生成することができない場合、3相変調方式にて前記第1の電圧ベクトルおよび前記第2の電圧ベクトルを生成する、
    請求項8に記載のインバータ装置。
  10. 前記スイッチング素子はワイドバンドギャップ半導体素子によって形成される、
    請求項1から9のいずれか一つに記載のインバータ装置。
  11. 請求項1から10のいずれか一つに記載のインバータ装置を備え、
    前記インバータ装置が出力する3相交流電力を圧縮機が備える3相モータに与えて前記圧縮機を駆動する圧縮機駆動装置。
  12. 請求項11に記載の圧縮機駆動装置を備える空気調和機。
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