JP7071769B1 - 点滴管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】医療事故防止という点から自然落下式で、看護師の作業負担の軽減の点から自動的に輸液の流量の調整を行う点滴装置に関し、簡便なやり方で例えば±5%以内などのより精度をあげて行うことができるものである。【解決手段】自然落下式制御輸液装置における輸液の流量を補正する機能を有する点滴装置であって、輸液バッグ3に繋がった輸液セットの点滴筒5から所望のサイズの落滴が所望の時間間隔で輸液チューブ8側に落ち、その滴数を制御して輸液チューブ8の患者側の先端の針先9から患者に与えられる輸液の流量を制御するものであり、輸液バッグ3内の輸液の減少量によって点滴筒5内の落滴の単位時間当たりの数から計測した流量の補正を行うものである。【選択図】図1

Description

本発明は、点滴治療に用いる輸液装置に関するもので、特に、自然落下制御式の輸液装置における輸液の流量の精度を上げるために補正する補正方法等及びそのプログラムに関する。
輸液の仕方には大きく、自然落下式と流量制御式の2種類があり、自然落下式にはクレンメを看護師などの医療従事者が調整して、その後は自然落下に任せる手動式と、液滴の落下速度を光学的に見て、所定の流量になるように電気的に制御する制御式の2種類がある。
自然落下の手動式は、看護師などによってバルーン内の液滴の落下数を見ながら手動クレンメを調整することによる流量調整が行われるものである。20滴/mLの輸液セットの場合、手動クレンメによる流量設定は、例えば180mL/hの流量では1滴/秒の落滴間隔なので一定の時間内に何滴の落滴が有るかを目視確認しながら、且つ、手動クレンメの開閉を微調整しつつ目的の落滴間隔を合わせることで流量を設定する。そして、看護師が、輸液セットの基準となる滴下サイズに合わせて所望する流量に補正値を計算機などで乗算して流量を設定し、時計の秒針を見ながら落滴間隔を手動クレンメで調整する難しい流量設定方法となっている。具体的には、通常の流量設定には市販の「滴下数早見表」「1分間の落滴数表」等を利用する例が多い。そして、輸液開始後15~20分毎に輸液経過時間と薬液の減少具合を輸液バッグの液面位置を目視で観察しながら流量を調整して、想定した輸液終了時間に近づける輸液方法をとっている。
自然落下制御式は、輸液バッグに結合した輸液セットの落滴をカウントすることで輸液装置の流量を制御し、輸液セットの落滴サイズが規格値に適合しているという前提で輸液の流量を制御している。例えば、出願人が提供している自然落下制御式である医薬品注入コントローラ(輸液装置:FS―03W)による流量設定では、装着する輸液セットの基準となる滴下サイズ(20滴/mL:20滴で1mLの輸液セット)に合わせて流量設定すると、輸液開始に伴う落滴を赤外線センサーでカウントして輸液チューブの押し圧を調整して制御する仕組みとしている(特許文献1も参照)。自然落下制御式の輸液装置の流量精度は使用する輸液チューブの特性による為、規格値通りの落滴カウントを制御するだけでは輸液セットの流量に依存した流量精度とならざるをえない。独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が規格値とする輸液チューブの流量精度は150mL/hの測定で±10%とされているが、実態は流量が10mL/hの微量輸液から500mL/hと流量が増加することにより落滴のサイズが増加する特性がある。即ち、自然落下制御式の特性では、例えば、150mL/hの輸液では±0の精度の輸液セットであっても、同じ輸液セットで、10mL/hの流量なら2%の減少、即ち実質10×0.98=9.8mL/hであり、500mL/hの流量なら8%の増加、即ち実質500×1.08=540mL/hで投薬したことと同じになることがあり得る。
また、流量にかかわらず落滴サイズが減少する抗がん剤もあり、その落滴のサイズ変化の主たる要因は投薬する薬液に添加されている界面活性剤や、薬液の粘度による等が原因とされている。抗がん剤の中には落滴サイズの基準となる生理食塩水と比較して約59%近くまで落滴サイズが小さくなるものがあるので滴数の制御による正確な流量精度の確保が難しい現状である。自然落下式に於ける薬液の流量補正値には製薬会社から基準となる補正値公表され、抗がん薬、輸液、支持療法薬等を組み合わせた時系列的な治療計画(レジメン)で指定された流量に補正値を乗算して入力して、予定の終了時間に近づける輸液方法をとっているものの、多くの医療現場では、輸液治療を施す看護部門で独自の臨床輸液の元に薬液ごとの補正値を決めており、輸液装置の流量精度:±10%以内の輸液終了時間の精度は極めて難しいという認識になっているのが現状である。
ここで、自然落下制御式の輸液装置に向けて、その精度をあげるべく光学測定による液滴のサイズを割り出して自動で流量補正を導くための技術が、本願出願人によって提案されている(特許文献1参照)。
流量制御式は、輸液ポンプ(送液方式:ポンプ方式)が装着した輸液セットのチューブを複数のフィンガーでしごきながらチューブ内の薬液を流量に沿った実質量だけ強制的に送液するものである。ここで、制御の仕方を簡単に説明する。まず、装着された輸液セットのチューブ内径に合わせて設定された流量を強制的に送液するようにモーターの回転を制御する。そのため、外形寸法の異なるチューブでは、その押し圧(モーター回転)による精度を10%以内に保つことは難しく、チューブ径の精度とモーターの制御を同期させることでその精度を確保しており、流量制御式輸液装置には専用の輸液チューブを使用して初めて精度の高い輸液環境が整うことになる。このように、この方式では、補正値設定は不必要とされていることもあり、下記の大きな課題はあるものの、上記したように自然落下式(手動式及び制御式)では、補正値の設定がし難く輸液時間を管理する為の流量精度が確保し難い理由から、大学病院や地域拠点病院などが流量制御式を採用しているケースが多く見られる。但し、抗がん剤輸液に於ける輸液ポンプはその制御方式から微妙な閉塞圧を感知する事が難しく、抗がん剤の血管外漏出事故の発見が遅れやすい為に「外来がん看護化学療法:看護ガイドライン」(日本がん看護学会ガイドライン委員会発行)では壊死性抗がん剤の輸液は自然落下方式で行うことが推奨されている。
上記の輸液が行われるケースとして、ガン患者の化学療法(抗がん剤の投薬治療)の処置について、補足説明する。一般的な化学療法では医療施設ごとのレジメンがあり、そのレジメンに沿って患者個人の症状や病歴、体形に合わせた適応レジメンが医師から処方される。処方情報を基に薬剤部門が調剤し、調剤した薬液と係る輸液情報(薬液種、投薬量、流量/投薬時間、投与経路)が化学療法を施す看護部門に申し送りされる。レジメンに沿った抗がん剤の調剤作業は輸液が実施される当日に輸液を開始するまでの時間を考慮して行われるのが通常である。
抗がん剤からの被爆回避など、調剤師の身体的安全を担保するために薬液の少しの漏れが皮膚に付着したり、漏れた抗がん剤を吸引したりするリスクを避ける為に安全キャビネットを使った精神的負担の係る調剤作業が実施されている。また、レジメンに沿った抗がん剤の調剤作業は輸液バッグに入っている溶解剤又は希釈剤に指定の薬剤と指定の量をmg単位やmL単位で溶解又は希釈させて作成する繊細な作業なので、人による作業の効率化が難しい為、調剤ロボットの研究が行われ調剤ロボットの導入を始めた医療施設がある。そのような調剤環境では申し送りをする調剤済みの情報整理と管理にも効率化が必要であり、化学療法を施す看護部門の前工程である調剤部門が、迅速かつ正確に投薬量を計測し申し送りの内容を情報化することが望まれる。
平均的な抗ガン剤レジメン輸液は、一人の患者に4~5種の違った薬液を連続して投与する形になる為に最初の投液開始から終了まで3~4時間の処方時間を要する治療になり、中には6時間以上に及ぶものもある。また、4~5種の違った薬液を連続投与する抗ガン剤レジメン輸液では指定された量の薬液が入った輸液バッグと次の輸液バッグへの交換、そしてレジメン輸液の終了まで5~6回の輸液開始と輸液終了への対処さらに、正確な輸液ラインを確保する等の手技を実行することになるので、複数の患者を管理するためには手技の必要な時間の重複を避ける意味からも各薬液の輸液終了時間の正確な管理ができることで初めて計画的な輸液管理医療の運営が行われることになる。即ち、指定される薬液が複数種に及ぶのでそれぞれの投与薬の終了時間を正確に管理する為には、投与する正確な薬液量に対して正確な流量で輸液を実行する以外にはなく、レジメン輸液の血管外漏出対策とした安全面で自然落下方式の輸液を行い、職場環境管理には流量の正確で簡単な補正値の設定方法が望まれる。
特開2017-86907号公報
一般的に、輸液時間の管理に必要な条件は、1)輸液装置の一定時間に投予する流量精度、2)投予する正確な薬液量、3)輸液を開始して終了した時の輸液処置担当者への報知をあげることができる。上記した従来の技術においては、自然落下式(手動式及び制御式)では、1)~3)について以下のように課題があり、流量制御式では特に、強制的な流量制御を行うことから以下のように別途の大きな課題がある。
まずは、一般的な課題を記載する。投薬する輸液量の設定については、薬剤部で調剤する「輸液バッグの薬液=輸液予定量」の設定精度が、看護部で実施するレジメン輸液の「輸液バッグの薬液を流し切る」終了時間精度に直結することになるが、薬剤部からの申し送り情報の一つである輸液予定量の情報に違いが生じやすい現実がある。また、そもそも溶解液として使用される生理食塩水や5%ブドウ糖液の輸液バッグへの充填量と表示液量(例:輸液バッグに印刷されている充填量)との誤差があり、加えて抗がん剤などの注射液を混注する量も様々な為に調剤後の正確な輸液予定量情報の計測と管理が難しい調剤環境になっている。
また、以下のように、自然落下手動式、自然落下制御式、流量制御式には、それぞれの違いに伴い、個別の課題がある。
まず、自然落下手動式においては、人による作業であるため流量制御式や自然落下制御式に比べて流量の設定精度に限界があり、精度をあげようとすれば看護師が常時患者の傍にいて手動クレンメによる流量調整を続ける必要がある。ここで、医師の指示による流量で正確に輸液投与することは輸液管理をする看護部門の重要な業務であり、正確な流量精度による輸液管理は正確な輸液終了時間と医療事故の無い安全な輸液にも直結するものである。また、抗ガン剤輸液の投与は輸液バッグの抗がん剤を流し切ることでその抗がん剤の輸液を終了することになるので、流量精度は基より輸液バッグの抗がん剤の量(mL)を正確に設定することが重要である。その結果、輸液時間の正確な管理は多忙を極める抗がん剤輸液の現場で強く求められており、精度への要求と看護師の流量調整負担の両立が極めて難しい状態になっている。
次に、自然落下制御式においても、自然落下手動式と同様に流量精度の問題があり、特許文献1のような技術が提案されているものの、輸液装置としてのサイズの大型化が伴うものであるという問題があり、他の手法による改良が期待されている。
一方、流量制御式においては、特開2018-157936号に見られるように補正値設定は不要とされているものの、電動フィンガーでしごく部分のチューブ内径に合わせて電動フィンガーを制御しているために、チューブに満たされている薬液の量はチューブのサイズに依存することになり、輸液ポンプと輸液チューブの相関が必要で製品ごとに生産管理された専用チューブの流量精度保証しかできていないのが現状である。メーカーの違う同じ流量制御式専用の輸液チューブを使用した場合、専用チューブによる流量誤差が±5%とされている輸液ポンプの流量精度は±15~20%まで落ちる製品もある。そして、医療施設が流量精度の高い輸液を期待して流量制御式の輸液ポンプを導入すると、輸液チューブはその輸液ポンプメーカーの指定する専用輸液チューブを使用せざるを得ないのが現状である。さらに、その流量精度はカタログ表記値=±5%(専用チューブによる25mL/hでの輸液開始:1時間後)となっており、併せてその精度を保てるのはチューブの変形への対応として連続稼働が24時間までとなっており、連続使用時間の制限があるという現実もある。
そして、最も大きな問題として、医療事故が起こる可能性がある。具体的には、流量制御式の輸液ポンプによるレジメン輸液を行う場合、血管外漏出につながる穿刺針の繊細な閉塞圧(自然落下制御式の閉塞圧検知は9~18kPaで)を検知することが難しく、血管外漏出の発見が遅れる危険性が指摘されている。そのため、精度を要求するとしても、医療事故防止という点で大きな課題がある。上記もしたが、「外来がん看護化学療法:看護ガイドライン」(日本がん看護学会ガイドライン委員会発行)では壊死性抗がん剤の輸液は自然落下方式で行うことが推奨されていることから分かるように、抗がん剤輸液の血管外漏出に対する危険性は自然落下式輸液装置により大きく回避できることが医療現場で得たエビデンスで表明されているといえるが、流量制御式の輸液ポンプでは現状、上記の課題を解決できていないという問題がある。
上記した課題を整理してまとめると、以下のようになる。自然滴下で生じる輸液チューブの落滴サイズについて、まずは、流量特性と輸液チューブメーカーの個体差による落滴サイズの変化やバラツキが生じる。次に、抗がん剤の薬剤種により落滴サイズが変化する。このような流量精度の阻害要因にも対応でき、自然落下制御式の輸液装置で汎用の輸液チューブ(20滴/mL)を使用しても流量精度の例えば±5%を保つための補正値の設定が可能なことが期待されている。このような精度が期待される理由としては、医師による.指示の処方箋に沿った安全で正確な輸液を実行する為の医療的に重要な内容であるからである。
さらに、自然落下式では、流量補正の精度に問題があることから上記のように終了時間の精度も期待できず、輸液の時間管理ができていないという問題があり、この問題は、看護師の仕事の効率化が不十分であることに繋がり、さらには輸液設備(ベッドや器具)を効率よく活用できていないことにも繋がる。すなわち、抗ガンがん剤の長時間に渡るレジメン輸液のスケジュール管理や輸液の職場環境の質的向上を図る為にも、欠かせない大切な要素としてさらなる精度アップが必要とされていると言える。
ゆえに、本発明は、特に医療事故防止という点から自然落下式で、看護師の作業負担の軽減の点から手動式ではなく制御式における輸液の流量の補正を、小型で簡便な輸液装置でありながら、例えば±5%以内などのより精度をあげて行う輸液装置及びその補正方法を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、自然落下制御式を用いた場合の輸液の時間管理を正確に行うことを通じて看護師の効率的な働き方と輸液設備の効率的な活用を図ることを第2の目的とする。
本発明の第1の観点は、自然落下式制御輸液装置における輸液の流量を補正する補正方法であって、前記自然落下式制御輸液装置は、輸液バッグに繋がった輸液セットの点滴筒から所望のサイズの落滴が所望の時間間隔で輸液チューブ側に落ちるものであって、その滴数を制御して前記輸液チューブの患者側の先端の針先から患者に与えられる輸液の流量を制御するものであり、補正手段が、前記輸液の流量の補正を、前記輸液バッグ内の輸液の減少量と前記点滴筒からの落滴の滴数に基いて積算する流量の積算量とを用いて行うことを特徴とするものである。
このように、液滴の大きさを測定するというアプローチではなく輸液バッグの質量を測定するというアプローチを行うことから実測値を利用した補正となって各段に精度をあげることができると共に、光学測定による液滴のサイズを割り出して自動で流量補正する場合に比べて、大型なものとならなくて済む。
本発明の第2の観点は、コンピュータに第1の観点の補正方法を実行させるためのプグラムである。
本発明の第3の観点は、自然落下式制御輸液装置における輸液の流量を補正する補正値を演算して設定する設定装置であって、前記自然落下式制御輸液装置は、輸液スタンドと、前記輸液スタンドに固定された輸液バッグと、前記輸液バッグに繋がった輸液セットとを備え、前記輸液セットは、前記輸液バッグに繋がる点滴筒と、前記点滴筒に繋がるチューブであって、所望のサイズの落滴が所望の時間間隔で落ち、患者側の先端位置に針先が設けられた輸液チューブとを備え、前記点滴筒から所望のサイズの落滴が所望の時間間隔で前記輸液チューブ側に落ちるものであって、その滴数を制御して前記針先から患者に与えられる輸液の流量を制御するものであり、前記輸液バッグ内の輸液の減少量を計測する計測手段と、前記点滴筒からの落滴の滴数に基いて流量の積算量を積算する積算手段とをさらに備え、前記計測手段が計測した減少量と前記積算手段が積算した流量の積算量とを用いて、輸液の流量を補正する補正値を演算する演算手段とを備えたものである。
本発明の第4の観点は、第3の観点において、前記演算手段は、前記計測手段が計測した減少量を表すデータと、前記前記積算手段が積算した流量の積算量を表すデータとを無線通信で受信し、前記輸液の流量を補正する補正値を演算して設定することを特徴とするものである。
本発明の第5の観点は、第3の観点に記載の計測手段を備えた、計測装置である。
本発明の第6の観点は、第3の観点に記載の計測手段が計測した減少量を出力する出力手段を備えたものである。
本発明の第7の観点は、自然落下式制御輸液装置における輸液の流量を制御する制御手段を備えた制御装置であって、前記自然落下式制御輸液装置は、輸液バッグに繋がった輸液セットの点滴筒から所望のサイズの落滴が所望の時間間隔で輸液チューブ側に落ちるものであり、前記制御手段は、前記落滴の滴数を制御して前記輸液チューブの患者側の先端の針先から患者に与えられる輸液の流量を制御するものであり、第3の観点に記載の計測手段と、第3の観点に記載の積算手段と、第3の観点に記載の演算手段とを備え、前記制御手段は、第3の観点の演算手段で演算した補正値を設定値とし、前記設定値を用いて点滴筒からの落滴の滴数を補正して制御するものである。
本発明の第8の観点は、自然落下式制御輸液装置における輸液の終了時間を管理する管理方法であって、前記自然落下式制御輸液装置は、輸液バッグに繋がった輸液セットの点滴筒から所望のサイズの落滴が所望の時間間隔で輸液チューブ側に落ちるものであって、その滴数を制御して前記輸液チューブの患者側の先端の針先から患者に与えられる輸液の流量を制御するものであり、前記輸液の流量の補正制御が前記輸液バッグ内の輸液の減少量と前記点滴筒からの落滴の滴数に基いて積算する流量の積算量とを用いて行われ、予測手段が、前記補正制御された輸液の流量に基いて前記輸液バック内の輸液が空になる前記輸液の終了時間を予測して管理するものである。
なお、第8の観点の構成に加えて、前記輸液バック内の輸液が空になる状態を確定させるやり方として、点滴筒の薬液が残った状態での点滴筒内の液面下降を検知するか否かで行ってもよい。そして、確定したことを報知する機能を用いて知らせることにすれば、管理装置等での管理側や現場などで終了時間を適切に把握でき、管理効率を上げることができる。
さらに、下記のような1つ目から3つ目に示す構成と上記第1から第8の観点(後述する第9から第17の観点も含む)などの構成などを組み合わせたものであってもよい。
1つ目は、輸液容器に接続される輸液セットに設けられた点滴筒を着脱自在に装着するための点滴筒押さえ部と、前記押さえ部の下方に設けられ、前記点滴筒の流出側のチューブを押圧体で挟圧して流量を調節することができる流量調整部と、受光する光の光強度によって前記点滴筒内を滴下する液滴を検出する落滴センサーと、前記落滴センサーによって計測した液滴数と計測時間から実測流量を算出することができる演算手段と、前記流量調整部に設けられ、前記押圧体を前後進させるアクチュエータと、前記落滴センサーの下方位置に設けられ、受光する光の光強度によって前記点滴筒内に溜まった液を検出できる液面センサーと、点滴開始時には、前記押圧体で前記チューブを一旦閉止した後一部開放し、このとき実測流量が設定流量以上と判断された場合に、前記アクチュエータを駆動して前記チューブを挟圧して流量を減らし、設定流量を所定の流量に輸注量制御すると共に、前記輸液セットの装着状態を判定することができる制御手段を備え、前記制御手段が、前記落滴センサーの第1の出力と前記液面センサーの第2の出力に基づいて、前記第1の出力が前記第2の出力と同等の低レベルの出力値を示す場合、または前記第2の出力が前記第1の出力と同等の高レベルの出力値を示す場合、または前記第2の出力が液面の出力値を示す場合に、前記装着状態(又は液面の位置)を不適切と判定することを特徴とする自動輸液装置である。
2つ目は、上記1つ目のものに加えて、実測流量が設定流量以上と判断された場合、前記制御手段が、更に前記アクチュエータを駆動して前記チューブを挟圧して流量を減らし、前記設定値を算出した流量にし、その後該流量を維持するため前記アクチュエータを間欠的に駆動して流路抵抗を調整し、輸液のヘッド差を利用して輸注量制御を行うことを特徴とするものである。
3つ目は、上記1つ目又は2つ目のものに加えて、前記演算手段の算出した実測流量が設定流量に達しなかった場合、前記制御手段は表示手段によって設定流量不足を表示し、前記押圧体でチューブを挟圧することを特徴とするものである。
このように、輸液バッグ内の輸液の減少量を液面センサーで検出して精度の高い補正を行うことにより、輸液の終了時間の予測も精度よく行える。
本発明の第9の観点は、第8の観点において、前記輸液バッグは抗がん剤のレジメン輸液によるものを含んで複数であり、前記各輸液バッグが空になる毎に交換され、前記予測手段が、前記全ての輸液バッグが空になる全体の輸液の終了時間を予測して管理すると共に、前記各輸液バッグが空になる各輸液バックの終了時間を予測して管理することを特徴とするものである。
本発明の第10の観点は、第9の観点において、輸液が行われる患者は複数であり、前記予測手段が、前記各患者に対して前記全ての輸液バッグが空になる全体の輸液の終了時間を予測して管理すると共に、前記各輸液バッグが空になる各輸液バックの終了時間を予測して管理することを特徴とするものである。
本発明の第11の観点は、第8から第10の観点のいずれかの管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
本発明の第12の観点は、自然落下式制御輸液装置における輸液の終了時間を管理する管理装置であって、前記自然落下式制御輸液装置は、輸液バッグに繋がった輸液セットの点滴筒から所望のサイズの落滴が所望の時間間隔で輸液チューブ側に落ちるものであって、その滴数を制御して前記輸液チューブの患者側の先端の針先から患者に与えられる輸液の流量を制御するものであり、前記輸液の流量の補正制御が前記輸液バッグ内の輸液の減少量と前記点滴筒からの落滴の滴数に基いて積算する流量の積算量とを用いて行われ、前記補正制御された輸液の流量に基いて前記輸液バック内の輸液が空になる前記輸液の終了時間を予測する予測手段と、前記予測手段が予測した前記輸液の終了時間を報知する報知手段とを備えたものである。
本発明の第13の観点は、第12の観点において、前記予測手段は、予め定められた前記輸液バッグ内の輸液の減少量に達したことに応答して、前記輸液バック内の輸液が空になる前記輸液の終了時間を予測し、輸液開始前に予め設定した輸液の終了時間と実際の輸液の終了時間とを近付けることを特徴とするものである。
本発明の第14の観点は、第12又は第13の観点において、前記輸液バッグは抗がん剤のレジメン輸液によるものを含んで複数であり、前記各輸液バッグが空になる毎に交換され、前記予測手段は、前記全ての輸液バッグが空になる全体の輸液の終了時間を予測すると共に、前記各輸液バッグが空になる各輸液バックの終了時間を予測することを特徴とするものである。
本発明の第15の観点は、第14の観点において、輸液が行われる患者は複数であり、前記予測手段は、前記各患者に対して前記全ての輸液バッグが空になる全体の輸液の終了時間を予測すると共に、前記各輸液バッグが空になる各輸液バッグの終了時間を予測することを特徴とするものである。
本発明の第16の観点は、第12から第15の観点のいずれかにおいて、前記報知手段は、前記予測手段が予測した前記輸液の終了時間を画面に表示する表示手段を含むものである。
本発明の第17の観点は、第8の観点において、患者に使用される輸液設備が複数であり、基準時間よりも長い輸液が必要な患者に対して予測された前記輸液の終了時間と、基準時間よりも短い輸液が必要な患者に対して予測された前記輸液の終了時間とを分けて管理する管理手段を備え、前記表示手段は、使用される輸液設備毎に、患者の輸液の開始時間から終了時間までを表示でき、1つの輸液設備に対して複数の患者の輸液の開始時間から終了時間を連続して表示できることを特徴とするものである。
本願に係る発明によれば、自然落下式なので、流量制御式に比べて医療事故が起こりにくいものとできる上に、メーカー間で個体差の有る輸液チューブを使用しても、小型で簡便なやり方で精度を出した流量補正を行える。また、本発明に係る発明によれば、精度よく流量補正を行えることにより、輸液の終了時間を精度よく管理できることから看護師の効率的な働き方と輸液設備の効率的な活用を図ることができる。
本発明の実施の形態にかかる自然落下制御式の輸液装置を用いた場合であって質量計を含めた全体の使用時の状態を示す正面図である。 図1の輸液バッグの1つの実例を示した正面図である。 図1の輸液装置の計測装置を示した正面図及び側面図である。 肺の悪性腫瘍に対してエトポシドとカルボプラチン療法を用いた1日の化学療法について説明するための操作状態を示す図である。 図4に示した肺の悪性腫瘍に対してエトポシドとカルボプラチン療法の時間管理について輸液終了時間の精度の必要性を説明する図である。 図1の自然落下式制御輸液装置を含むシステム全体を示すブロック図である。 図6のシステム全体の動作を説明するフロー図である。 管理端末において、抗癌剤療法の指示票を表す画面の一例を示す図である。 当日の各患者に投薬が投与されるスケジュールとの関係で患者と紐付けられたベッド(輸液装置を含む設備)の予約状況を示す図である。 図9のベッド(輸液装置を含む設備)予約状況に沿った当初の輸液計画表を示す図である。 図10の輸液計画表から輸液開始の順序と時間を調整した後の輸液計画表を示す図である。 図11に示した輸液計画表に対して輸液開始後の11時15分という時刻において計画通りに進行している輸液計画の実行状態を示す表示例の一例を示した図である。 図11に示した輸液計画表に対して輸液開始後の11時15分という時刻において(B-3)において計画通りに進行しない状態を示す表示例の一例を示した図(便宜上、従来の状況を説明する対比図)である。 本発明の輸液装置のプログラムの動作を示すフローチャートである。
図1は、本発明の実施の形態にかかる自然落下制御式輸液装置を用いた場合であって質量計を含めた全体の使用時の状態を示す図である。図2は図1の輸液バッグの1つの実例を示した図である。図3は図1の計測装置を示した図である。
図1を参照して、自然落下制御式によって実際に輸液が行われる場合には、図2に示すような生理食塩水や薬液が決められた量で封詰めされた輸液バッグ3と、輸液バッグ3にチューブ4を介して一端側が繋がった点滴筒5と、点滴筒5が装着される輸液装置7と、点滴筒5の他端側から延びるチューブ8の先端に設けられて患者に刺される針9と、チューブ8の途中に設けられる手動クレンメ10とが用いられる。さらに、ここでは、輸液バッグ3を吊り下げて輸液バッグの重量を計測できる質量計11も用いられている。この質量計11はデジタル式の重量計であり、この詳細は後述する。これらの構成が輸液スタンド13に取り付けられて、自然落下制御式の制御が可能になっており、輸液装置7は取付アーム14に取り付けられて位置が固定され、輸液スタンド13の上部には輸液バッグ吊り下げアーム15があり、その先端のアームフック17に質量計11が吊り下げられる。
図3を参照して、質量計11を説明する。まず、質量計11は今までの自然落下制御式では採用されておらず、本発明で初めて採用されたものである。質量計11は、アームフック17に吊り下げられる吊り下げ部11aと、輸液バッグを吊り下げる吊り下げフック11bと、質量計としての機能に対してオン/オフを切り替える電源ボタン11cと、輸液バッグ内の薬液等の減少量を表示する表示部11dと、減少量のカウントを開始するか又は停止するかを決定できるボタン11eと、予め決められた減少量を報知等する場合の設定値を決定するための数値を大きくするアップボタン11fと、予め決められた減少量を報知等する場合の設定値を決定するための数値を小さくするダウンボタン11gを備えている。
以下、質量計11の技術的な意義を説明するが、その前に、自然落下手動式による一般的なレジメン輸液の投与の例を説明する。
図4は、肺の悪性腫瘍に対してエトポシドとカルボプラチン療法を用いた1日の化学療法について説明するための図である。
図4を参照して、以下の手順で、レジメン輸液の操作が行われるが、投与のみの時間の合計は4時間とされている。
ここで、患者に静脈をとおして輸液する手順について説明する。まず、1)患者の静脈抹消部に点滴をするための準備(プライミング、留置針の穿刺)が行われる。次に、2)レジメン情報の▲1▼制吐剤の投与予定量、流量(投与時間)を確認しルート1を結合、流量を調整して輸液を開始する。3)▲1▼制吐剤の輸液バッグが空になるのを患者の傍で待機又は、空になったタイミングを素早く確認して点滴筒に薬液を残した状態で手動クレンメを閉じて▲1▼制吐剤の輸液を終了する。4)三方活栓をルート2に切換えて▲2▼の薬液と結合し点滴筒上部のチューブの空気を抜いてレジメン情報▲2▼エトポシドの投与予定量、流量(投与時間)を確認する。5)▲2▼エトポシドの輸液開始:手動クレンメの調整で▲2▼エトポシドの薬液流量を調整する。6)▲2▼エトポシドの輸液バッグが空になるのを患者の傍で待機又は、空になったタイミングを素早く確認して点滴筒に薬液を残した状態で手動クレンメを閉じて▲2▼エトポシドの輸液を終了する。7)三方活栓のルート2を保持したまま▲3▼カルボプラチンの薬液と結合し点滴筒上部のチューブの空気を抜いてレジメン情報▲3▼カルボプラチンの投与予定量、流量(投与時間)を確認する。8)▲3▼カルボプラチンの輸液開始:手動クレンメの調整で▲3▼カルボプラチンの薬液流量を調整する。9)▲3▼カルボプラチンの輸液バッグが空になるのを患者の傍で待機又は、空になったタイミングを素早く確認して点滴筒に薬液を残した状態で手動クレンメを閉じて▲3▼カルボプラチンの輸液を終了する。10)三方活栓をルート1に切換えて▲4▼生理食塩水の薬液と結合し点滴筒上部のチューブの空気を抜いてレジメン情報▲4▼生理食塩水の投与予定量、流量(投与時間)を確認する。11)▲4▼生理食塩水の輸液バッグが空になるのを患者の傍で待機又は、空になったのを確認することで本レジメン輸液の終了になる。なお、▲4▼生理食塩水の薬液は輸液チューブに残った抗がん剤を流し切る為のルートフラッシュ用なので、点滴筒に薬液を残さずに輸液を終了することができる。
上記1)~11)までの看護師の手技だけに係る時間は、輸液途中での流量調整作業を含み合計で約45分と試算できる。
図5は、図4に示した肺の悪性腫瘍に対して「エトポシド+カルボプラチン療法」の時間管理について本願に係る発明による輸液終了時間の精度を説明する図であって、輸液間隔に手技を必要とする時間の5分とオリエンテーション5分を挿入した「エトポシド+カルボプラチン療法」の合計輸液時間が4時間25分の説明図である。ここで、投与薬の終了と開始までの間隔(A)は手技を必要とする時間の5分を間隔設定しているが、同日にレジメン輸液を行う他機の輸液計画との時間比較がし易い図表としている。ただし、継続輸液を行う手技を5分に設定できる条件は、輸液バッグが空になり点滴筒に薬液を残した状態で投与薬の終了とする機能を使うためにプライミング等輸液ラインの処理が簡単になることが条件であり、当該機能が無い自然落下手動式や輸液装置による輸液では手技による神経を使う輸液ラインの処理時間に5分を超える個人差が発生すると考えられる。
まず、▲1▼制吐剤の投与時間が30分、▲2▼エトポシドの投与時間が60分、▲3▼カルボプラチンの投与時間が120分、▲4▼生理食塩水のルート流しが30分で、これだけで上記もしたが、投与時間に計4時間が想定されている。
また、上記3)6)9)において、「点滴筒に薬液を残した状態」にする理由をさらに説明すると、輸液バッグの切替え時に点滴筒から下に空気が入ると、次に実施する輸液のルートができなくなるので再度、チューブに薬液を満たして輸液ができる状態にするプライミング作業が必要になる為である。具体的には、点滴筒から下に入った空気を抜く作業には手間と神経を使い、血管への穿刺状態など安全を確認しながらの手技になる為、その空気抜き作業に3~5分程度の時間を想定する必要が出てくる。
また、「点滴筒に薬液を残した状態」で行う輸液バッグの切替えに於いては、点滴筒上部のチューブの空気を抜くだけの(点滴筒を指で挟持して点滴筒の液面を上昇させる作業は十秒程度)比較的簡単な作業となる為に、レジメンの輸液時間の管理には「点滴筒に薬液を残した状態」で輸液終了の正確な管理をすることが重要になる。
また流量誤差により生じる時間誤差については、60分の10%誤差であれば6分、120分の10%誤差であれば12分程度が発生することになり、10%は決して小さな誤差ではなく、投与時間の4時間というものをベースにして前後の調整時間などを含めると、投与時間に生じる10%程度の誤差は全体の時間管理を難しくしている原因になっている。
図6は、図1の自然落下式制御輸液装置を含むシステム全体を示すブロック図である。図7は、図6のシステム全体の動作を説明するフロー図である。
以下、質量計11の技術的な構成を説明するが、その前に、図6及び図7を用いてシステム全体について説明する。
図6を参照して、図6には管理システム全体が示される。ここで管理システムには、輸液装置7に加えて、患者が横たわるベッド21の他に、輸液装置7と有線又は無線で通信し、輸液装置7の輸液の補正を行う管理やベッド21(及び輸液装置7を含む設備)の予約管理や終了時間の管理などのスケジュール管理、看護師の担当する輸液管理業務などを行う管理装置23が備えられている。輸液装置7には、特許第4587597号に記載の落滴センサー、液面センサー、キーボードやタッチパネルなどの入力手段、液晶ディスプレイなどの表示手段、マイクロコンピュータなどの演算手段等の各実行手段の他にBluetoothなどの外部とのデータの通信を行う入出力手段7aが設けられている。流量を制御する制御部7bは輸液装置7の一部である。そして、管理装置23や質量計11から入力手段を介して入力されたデータや看護師などから入力された点滴の終了時間、さらに輸液バッグ3の質量の減少量などのデータに基づき、薬液の落下タイミングを計算する。この計算された落下タイミングよりも受光部で検出した落下タイミングの方が早い場合はドライバーを介してアクチュエータを動かし、チューブクランプを調整することで適切な落下タイミングにする。上記の計算はマイクロコンピュータを有する演算部7dによって行われる。つまり演算部7dは、液滴をカウントして今までの流量の積算量Aを積算する積算部7cと、質量計(計測部)11から無線又は有線で送られる輸液バッグ3の中身の減少値Xと積算部の積算値Aを用いて補正値(A/X)を求める。管理装置23には、スケジュールなどを画面表示する表示部27と、終了時間を予測する予測部29と、予測された終了時間や終了したことを報知する報知部31とを備えている。
なお、管理装置23は、管理者が使用するパーソナルコンピュータに限らずタブレット等でもよく、看護師が使用するタブレット等の端末であってもよい。この場合は、輸液装置7と端末(管理装置23)との間は有線や無線でデータの送受を行う。
さらに、質量計11に、輸液バッグ3内の薬液の減少量を表示出力する液晶ディスプレイなどの機能があってもよい。また質量計11と輸液装置7との間は有線或いは無線で接続し、輸液バッグ3内の薬液の量は管理装置23に表示するようにしてもよい。
さらに、報知部31は、発光ダイオードなどのランプや液晶ディスプレイなどの画面表示をして報知してもよく、音声やブザー等の音を用いて報知してもよい。
図7フローチャートを参照して、管理装置23の動作を説明する。先ず、ステップST1においてベッド(及び輸液装置7を含む設備)の予約が患者毎に行われ(図9も参照)、ステップST2において輸液計画が作成され(図10参照)、ステップST3において作成された輸液計画が(輸液を担当する看護師の考えに沿って)調整され(図11参照)、ステップST4において輸液装置7によって実際に輸液計画が実行される。ステップST5においては、実行された輸液計画が輸液ログデータとして輸液装置7から送信されてそのデータを管理情報としてメモリー部32に格納する。輸液装置7は補正された値で輸液を行うのでその結果、ステップST3で作成した輸液計画と大きなズレが生じない輸液計画の実行が行われる。
質量計11はひずみゲージ等を有し、そのアナログ出力をデジタル変換して出力するようにしたデジタル式の重量計であり、質量計11を用いた補正は、質量計が輸液バッグ3の薬液が減少した量だけが表示される質量計であり、減少値Xと、自然落下制御式である輸液装置7が積算量として表示する値Aを基に、「A÷X」として解を求め、これを補正値として活用するものである。具体的には、補正値として「A/X」を設定した流量に乗じて補正する。ここで、質量計に表示される数値(g)は生食と同等の比重として扱うことで輸液装置に表示される基準となる積算量A(mL)と質量計に換算される減少分の実質薬液量X(g=mL)が確認できるので、基準となる薬液の液滴体積の輸液により減少した薬液の補正率は(A÷X)の値となり、その値を希望流量に乗じて設定をすることでその薬液の精度の高い流量設定ができる。なお、薬液の比重誤差は補正値の設定にかかる誤差範囲としている。このような理由から表示部11dは、輸液バッグ3の薬液が減少した量を表示するものにしている。そして、上記の補正値の計算は、遠隔の端末に「A」と「X」の値が無線等で送られてその端末内の演算プログラムによって計算してもよく、質量計11内の演算プログラムで計算されてもよい。
具体的に、以下に説明する。図4に示す「エトポシド+カルボプラチン療法」の▲1▼エトポジドと▲2▼カルボプラチンを例にとる。エトポジドでは、医療施設で使用されている補正値としては130%とされている。エトポジドが、250mLを1時間では、質量計11が用いられないと、輸液了が18分の遅れとなる。また、カルボプラチンでは、医療施設で使用されている補正値としては110%とされているおり、500mLを2時間では、輸液了が12分の遅れとなる。念のために補足すると、この補正値が正確であれば、質量計11で表示される輸液バッグの減少値と輸液装置に表示される積算量が一致するはずだが、自然落下方式に於いて10mL/hの小流量から500mL/hの大流量に対して約-2%~約+8%の(流量)誤差が発生する特性があり、質量計11を用いた「A÷X」による補正を用いることにより、自然落下制御式の設定流量毎の流量精度の確保の困難さを解決できることになる。また、メーカー間の輸液セット精度により生じる流量誤差も吸収する事ができる。
他の例でも説明すると、従来の技術でも記載したが、胃がんのレジメンに多用されるパクリタキセルは、医療施設で適用されている補正値としては170%の補正が必要とされているので59%近くまで落滴サイズが小さくなるものの例である。例えば、1時間の輸液時間をレジメン指定されると、60分の1.7倍の時間を要することになる。
エトポジドに適用されている補正値の130が正確と仮定した条件では、空液になった質量計ではXが250g(mL)を表示し、機器の積算量表示ではAが落滴を正確にカウントするので(250×1.3=325mL)を表示する。一方、カルボプラチンでは、空液になった質量計ではXが500g(mL)を表示し、機器の積算量表示ではAが落滴を正確にカウントするので(500×1.1=550mL)を表示する。この誤差が上記の時間の誤差に繋がっている。
このズレを補正値(A/X)で乗じて補正することは、A=Xであれば、補正が必要なく(A/X=1)、A>Xの場合は、積算量Aが実際の減少量Xよりも大きいので落滴のサイズを小さく見積もりすぎており、流量に1よりも大きな値のA/Xを乗じて補正をし、A<Xの場合は、積算量Aが実際の減少量Xよりも小さいので落滴のサイズを大きく見積もりすぎており、流量に1よりも小さな値のA/Xを乗じて補正をすることになる。実際の現在の現場では、5%生理食塩水よりも落滴サイズが同等以上のものは現薬品には存在しないとされているので、A>Xのケースでの対応が可能である。
質量計11を用いた補正の意義は以下の通りである。薬剤部で調剤する「輸液バッグの薬液=輸液予定量」の設定精度が、看護部で実施するレジメン輸液の「輸液バッグの薬液を流し切る」終了時間精度に直結することになるが、薬剤部からの申し送り情報の一つである輸液予定量の情報に違いが生じやすい現実がある。そもそも溶解液として使用される生理食塩水や5%ブドウ糖液の輸液バッグへの充填量と表示液量(例:輸液バッグに印刷されている充填量)とに誤差があり、加えて、抗がん剤などの注射液を混注する為に調剤後の正確な薬液量情報の計測と管理が難しい調剤環境になっている(レジメンに記載の調剤薬液にはmg記載の薬液とmL記載の薬液があり、液量計算する際の混同が生じやすい)。調剤環境で多用される輸液バッグ内の薬液量を計測する為に、輸液バッグに印刷された目盛りと輸液バッグに入っている薬液面を目視により計測する方法を取らざるを得ないが、薬液の比重≒1を許容することで、風袋質量計を用いた測定方法により短時間で正確な測定ができるようになる。調剤部門で薬液の比重≒1を許容して質量計の数値(g)を「輸液バッグの薬液=輸液予定量」とした輸液予定量(mL)を看護部門への申し送り情報化することで、正確な輸液終了時間の実行に向けた重要な輸液情報を提示することになる。質量計11により輸液バッグの質量の減少値計測機能を有した輸液環境で輸液を開始して、少量の10mL(≒10g)程度からの実質投薬量を測定できることが望ましく、その測定値の表示タイミングに合わせて自然落下制御式輸液装置7の落滴カウントによる積算量Aが確認できれば(A÷10)で素早い補正値の算定ができるので、以降の輸液の流量に補正をかけて正確な輸液継続と正確な終了時間を予測することができる。例えば、薬液250mLを1時間で投薬をする場合、10mLの実質投薬量により115%の正確な補正が算出できれば、残り240mLの投薬終了時間の誤差は投薬開始直後から10mLを投薬した時の30秒足らずの誤差で終了できることになる。計算式としては、250mL/hで行った10mLの投与時間は、10÷250×60=2.4分であり、(2.4×0.15(誤差)=0.36分):約22秒(60分の0.6%)となる。
また、図3の質量計11には、図質量計11が測定できる条件を例えば600g以下(輸液バッグの薬液量を500mL+α以下と想定)として、設定した投薬による減量値に達したら報知する機能を設けており、その設定はアップボタン11fとダウンボタン11gにより行われることが可能である。設定した投薬による減量値は、無線で、遠隔の管理装置に送り、輸液装置から受信した積算量との照合を行って正確な補正値が算出されも良い。
このような精度アップを実現できる質量計11を用いた場合の全体としての処理は以下のようになる。
<調剤部門>
レジメンに沿った調剤後のバッグ入り薬液と薬剤及び、申し送り情報である輸液バッグの薬液量、流量或いは輸液時間を作成し看護部門に申し送る。この際、調剤後の薬液容量である[(溶解液量+注射液量)mL]が、レジメン向けの調剤部の業務内で記録として残るが(図4の薬品名として記載)、調剤部門で風袋質量計により測定した実質の輸液バッグの薬液量値を申し送ることで看護部門の輸液終了時間の精度アップにつながる。
<看護部門>
無線システムを使用しない場合は、申し送りされた情報を確認して、薬液のセッティング(留置針の穿刺、プライミングなど)と係る情報の輸液治療の準備をする。具体的には、まず、質量計11に薬液の減少量(g=mL)を設定する。
次に、調剤部門からの申し送り情報を輸液装置に入力して輸液を開始する。
質量計11に設定した減少量の報知アラームを確認し、その時に輸液装置7に表示されている積算量(mL)を確認して補正値を算出する。その後、一旦、輸液を停止して補正値を設定し再スタートする。そして、輸液終了の表示があると次の輸液に向けた準備を開始する。
<管理装置(PC:パーソナルコンピュータ)処理>
輸液装置7から管理装置23に送信される情報は、上記したように、薬液の減少設定量(g=mL)の設定値に達した時の通知と、伴うその時の輸液装置7の積算量になる。その情報を受信したら直ちに補正値を自動算出(A÷X)して表示し、以降の流量に反映するための情報とする。最初に輸液装置7に設定した補正値の無い状態で投液した積算量を合わせて補正値を設定した後の輸液終了時間を算出して輸液装置にそのデータを送信してもよい。
図8は、管理端末において、抗癌剤療法の指示票を表す画面の一例を示す図である。ここで、図8では、病院によるレジメンの表記書式の違いを示している。図9、は当日の各患者に投薬が投与されるスケジュールとの関係で患者と紐付けられたベッド(輸液装置を含む設備)の予約状況を示す図である。図10は、図9のベッド(輸液装置を含む設備)予約状況に沿った当初の輸液計画表を示す図である。図11は、図10の輸液計画表から輸液開始の順序と時間を調整した後の輸液計画表を示す図である。図12は、図11に示した輸液計画表に対して輸液開始1時間15分後に計画通りに進行している輸液計画の実行状態を示す表示例の一例を示した図である。図13は、図11に示した輸液計画表に対して輸液開始後の11時15分という時刻において(B-3)において2投薬目の補正設定ミスにより輸液終了時間が予定より10%の遅れを生じ、その為に(B-1)を予定通りに薬液交換を実施してその間、(B-3)の薬液面が点滴筒より下降したために新たなプライミング作業が増えた状態になり(B-3)の3投薬目の輸液バッグの交換が遅れたことを示す表示例の一例を示した図(便宜上、従来の状況を説明する対比図)である。
図8を参照して、左右のいずれにおいても、表記書式が異なるが、薬液の投与順序に合わせ投与情報である薬液名、投与量、流量又は輸液時間が書式に関わらず輸液順序として記載されることを示している。左側の例では、乳がんに対する投薬が投与される状況が示されており、▲1▼―1生食500mLを120分、▲1▼―2制吐剤(デキサート13.2mg、アロキシ0.75mg、生食50mL)を15分、▲2▼エピルビシン150mgを生食100mLで投与速度全開(500mL/h)、▲3▼フラッシュ用の生食50mLを投与速度全開(500mL/h)、▲4▼エンドキサン750mgを生食100mLで投与時間30分、▲5▼5―Fu(フルオロウラシル)750mgを生食100mLで投与時間30分の処置が施されることが示されている。
図9を参照して、A-1、A-2,A-3、A-4、B-1、B-2、B-3、B-4、ベッド(或いは輸液設備)に対応している。時間軸に沿って、各A-1等での患者毎の予約状況が示されている。例えば、A-1では、一日のベッド(設備)を全て使用してしまうような長時間レジメンの予約状況が示されている。例えば「ベバシズマブ+FOLFIRI療法」のレジメンでは制吐剤の輸液開始から生理食塩水のラインフラッシュまで約6時間30分の投薬時間が設定されている。一方、A-2,B-3では、2つの短時間レジメンの予約状況が示されている。
図10を参照して、図9でも同様だが、(A-1)~(A~4)は一人の看護師の担当分であり、(B-1)~(B-4)も一人の看護師の担当分であり、患者4に対して看護師1の4対1看護の対応が示されている。表示Aはベッドと紐付けされた輸液装置の管理番号で、表示Bは患者名、表示Cは輸液の状態(輸液開始前/輸液装置設定完了/輸液中/輸液停止中/輸液終了5分前/輸液終了/ログデータ格納済み)を点滅や色彩変化で表すこととしている。図10の段階では、手技を伴う輸液開始時間が調整されていないものとなっている。ここで、手技は、輸液切り替えなどの準備の時間であり、5分間を確保し、図10では、グラフにその5分間分のスペースを入れており、視覚的に分かり易いものにしている。この分かり易さは、看護師にとっては自身の担当の患者の4人に対して同じ時間に手技が重なっているか否かを理解するうえでは重要になっている。この点の調整が行われた後のものが、図11に示されている。図11では、看護師毎の担当の患者がいるベッド(輸液装置を含む設備)毎に開始時間が調整されている。図10から調整された移動軌跡は破線と矢印で表しているが時間軸の調整移動は5分単位とし、患者の移動は看護師の業務予定に合わせて画面上のドラッグで実行できることとしている。その結果、図11では、看護師が行う手技の重複が避けられて開始時間が調整されていることに加えて、輸液の終了予定時間が長形のグラフとして視覚認識できる画面構成となっており、輸液開始の予定時間と終了予定時間を( )で囲み表記している。また、図12では実行した時間は( )の無い時間表示としている。実働輸液時間の正確な管理が行われることを示す表示と、各投薬終了時間の正確な予測が行われて、スケジュール管理が適切に行われることが示されている。
図12を参照して、実際の稼働状況である質量計11を用いた輸液バッグの減少量の実測を用いた正確な輸液状況が表示されている。図12において、縦の破線Tが現在時刻の11時50分を示しており、(B-2)では輸液途中に輸液減少や停止が発生した時の表示を表示Dで表している。(B-1)では、b1(a)では正常な輸液が行われ3投薬目の終了時間も予定通りで4投薬目に輸液を切り替えるための手技も正常に終了していることが示されているが、この図12の場合は、質量計11を用いて補正している場合を示す一例であり輸液の切り替え準備のb1,b2,b3,b4のタイミングが重複しない設定になっているのに対し、図13では従来の状況を対比説明するために(B-1)について大きな流量誤差が生じていることが示されている。
図13の状況は、(B-1)の3投薬目の輸液終了時間である図12の(a)が図13の(a)で示す通り10%程度の遅れにより、(B―2)の患者への手技時間と重複したために(B―2)の患者を優先する結果、(B―1)の患者の4投薬目の投与準備の時間が更に遅れて輸液時間が長時間になっているのがb1(a)によって視覚認識できる。具体的には、終了時間予定が14時35分から14時50分に延長になり、(B―4)の2投薬目の終了時間とも重複する可能性が出ている。その結果、看護師の多忙感に伴う職場環境の低下と併せて、患者のQOLもダウンすることが予測される状況にある。
図12と図13との対比から分かるように、図13のように質量計11を用いた補正がなされなければ、誤差が大きく、輸液の終了時が後ろに大きくズレ込むことが発生し得て、B―3のような予定が崩れてしまう可能性がある。しかしながら、図12に示すように、質量計11を用いた補正が行われることで、予約の予定時間に投与を終わらせることになる。
以上の動作のコンピュータの動作を図14のフローチャートに沿って説明する。ここで、図7のフローチャートの各ステップの説明との混同を避けるため、図7の説明では各ステップをSTと表記したが、図14の説明の各ステップはstepと表記する。開始に伴い看護師などの医療従事者が管理装置23を用いながら輸液を実施する為の装着と設定を行う。この装着とは、点滴スタンド13に質量計11をセットして質量計11に輸液バッグ3を吊し、輸液装置7も点滴スタンド13に取りつけアーム14を介して取り付けることである。輸液バッグの減少値を設定している質量計11には輸液バッグ3が装着されたことを検出し、この信号が入出力手段7aを通して輸液装置7に伝わる。また、輸液装置の設定とは、今から行う輸液の薬品に合わせて輸液セットの仕様(材質、側管の位置や数、フィルターの有無、mL/滴など)や、どの患者に何時点滴を行うかの予定データ等を入力するものである。このデータは輸液装置7のメモリー部に格納される。次いで、患者の輸液情報を入力するstep11では、輸液バッグに入っている薬液を流し切る場合や、薬液を残して終わる場合などに合わせて医療従事者が輸液の予定量を入力する。このデータは輸液装置7のメモリー部に格納される。次にstep12で医療従事者が1時間当たりの輸液流量を入力する。このデータも輸液装置7のメモリー部に格納される。Step13で、上記の入力された輸液の予定量と1時間当たりの輸液量から演算部7cが20滴/mLにおける単位時間当たりの流量を計算し、落滴間隔を確定する。step13に伴い輸液装置の設定に該当する輸液セットを装着する事でstep14では、輸液装置7の電動チューブクランプが閉じて輸液を開始する準備が整う。次に医療従事者が輸液セットの手動クレンメを開放し、step15で輸液装置7のスタートボタンを押す。
するとstep16で電動チューブクランプが開けられ、点滴筒5内の薬液の液滴が落ち始めるが、輸液装置7の発光部と受光部によって液滴の落下が検出される。step17では、液滴の落下間隔と基準になる輸液セット:20滴/mLの液滴一滴の量から積算量がメモリー部に格納され輸液装置7の表示部に表示される。輸液の開始に伴い、step21、step22を通してstep23では輸液の開始前に設定した輸液バッグの減少値を検出したタイミングで輸液装置7にそのデータを伝える。
そこでstep18では、輸液装置7が積算した積算値と、質量計11の減少値の差を計算し補正値を算定する。
step19では、算定した補正値を輸液装置7の流量に乗じた新たな流量を設定して、step20輸液を継続する。質量計11に設定する減少値が少ない方が輸液時間の終了精度を上げることができるが、その値は約10mL(≒10g)以上を想定する事で終了時間誤差:±5%以下(30分以上の輸液時間を想定した場合)の精度を保つことが可能となる。
図12のように輸液の切り替え準備のタイミングが重複しない輸液計画ばかりにはならない場合もあるが、画面の見える化により輸液計画表を作図した時点で画面を共有する看護師の協力体制も敷きやすくなる。
このような予約は、現状では見える化されておらず、B-3のような予約の状況までは管理されておらず、一日のベッド(設備)の稼働について、予実管理が行われていないのが実情である。しかしながら、質量計11を用いた補正を行うことで、実際の時間管理にも影響がある流量精度を10%内ではなく5%以内などの数パーセントまであげることができ、時間管理の精度をあげることができる結果、精度のよい予定のスケジュールを組み立てることができると共に、実際の投与の時間も予定通りに行えるという効果が得られる。
さらに、(もしも質量計11の報知機能を活かさなくても)輸液バッグが空になった状態を確認して、輸液バッグの薬液量(X)と輸液装置の落滴カウントによる積算量(A)による(A÷X)により、次回のレジメンで同じ薬液を同等の流量で輸液をする際の補正値データを算出して保存管理することも可能である。
なお、輸液バック内の輸液が空になる状態を確定させるやり方として、点滴筒の薬液が残った状態での点滴筒内の液面下降を検知するか否かで行ってもよい。そして、確定したことを報知する機能を用いて知らせることにすれば、管理装置23等での管理側や現場などで終了時間を適切に把握でき、管理効率を上げることができる。ここで、輸液バッグが空になったか否かを確定する具体的なやり方としては、以下の点滴筒の装着状態を判別する技術(特許第4587597号)を輸液バッグが空か否かを判断するように応用するようにしてもよい。
特許第4587597号の請求項1に係る発明は、輸液容器に接続される輸液セットに設けられた点滴筒を着脱自在に装着するための点滴筒押さえ部と、前記押さえ部の下方に設けられ、前記点滴筒の流出側のチューブを押圧体で挟圧して流量を調節することができる流量調整部と、受光する光の光強度によって前記点滴筒内を滴下する液滴を検出する落滴センサーと、前記落滴センサーによって計測した液滴数と計測時間から実測流量を算出することができる演算手段と、前記流量調整部に設けられ、前記押圧体を前後進させるアクチュエータと、前記落滴センサーの下方位置に設けられ、受光する光の光強度によって前記点滴筒内に溜まった液を検出できる液面センサーと、点滴開始時には、前記押圧体で前記チューブを一旦閉止した後一部開放し、このとき実測流量が限界流量以上と判断された場合に、前記アクチュエータを駆動して前記チューブを挟圧して流量を減らし、設定流量を中心とした所定の範囲内の流量に輸注量制御すると共に、前記輸液セットの装着状態を判定することができる制御手段を備え、前記制御手段が、前記落滴センサーの第1の出力と前記液面センサーの第2の出力に基づいて、前記第1の出力が前記第2の出力と同等の低レベルの出力値を示す場合、または前記第2の出力が前記第1の出力と同等の高レベルの出力値を示す場合、または前記第2の出力が液面の出力値を示す場合に、前記装着状態を不適切と判定することを特徴とする自動輸液装置である。
3・・・輸液バッグ
7・・・輸液装置
11・・・質量計
21・・・ベッド
23・・・管理装置
101・・・管理システム

Claims (1)

  1. 自然落下式の輸液装置であって、点滴筒内で落下する液滴を検出する光学的手段と、この光学的手段の出力データから単位時間当たりの推測輸液量を蓄積する積算部と、点滴バッグの質量を測定する質量計と、入力された点滴終了時間と点滴量から単位時間当たりに輸液すべき輸液量を計算し、点滴筒内で落下する液滴から推測される流量と質量計から出力される質量の減少とから単位時間あたりに輸液すべき流量になるように補正値を計算する演算部とを有し、この補正値に基づいてアクチュエータを介してチューブクランプを調整して輸液の流量を制御する複数の輸液装置と、
    前記複数の輸液装置と有線又は無線で通信され、前記複数の輸液装置の補正調整された輸液の流量に基づいて補正後の点滴終了時間を予測する予測部と、ベッド毎の一日の複数の点滴スケジュールが、各ベッドの患者に種類の異なる薬液を連続投与する際の輸液切り替えを含む手技に要する点滴準備時間を含めて、一日の時刻に沿って表示され、かつ、少なくとも一人の看護師が担当する複数のベッドの一日の点滴スケジュールが並列に表示されると共に、前記予測部が予測した補正後の点滴終了時間に基づいて、後続の点滴スケジュールの時刻が移動して表示される表示部と、を有する管理装置と、
    を備え
    前記看護師が担当する複数のベッドの点滴準備時間の重複を視覚認識ができることを特徴とする点滴管理システム。
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