JP7070666B2 - 基地局装置、端末装置、無線通信システム及びデータ送信方法 - Google Patents

基地局装置、端末装置、無線通信システム及びデータ送信方法 Download PDF

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Description

本発明は、基地局装置、端末装置、無線通信システム及びデータ送信方法に関する。
現在のネットワークは、モバイル端末(スマートフォンやフィーチャーホン)のトラフィックがネットワークのリソースの大半を占めている。また、モバイル端末が使うトラフィックは、今後も拡大していく傾向にある。
一方で、IoT(Internet of things)サービス(例えば、交通システム、スマートメータ、装置等の監視システム)の展開に合わせて、多様な要求条件を持つサービスに対応することが求められている。そのため、第5世代移動体通信(5G又はNR(New Radio))の通信規格では、4G(第4世代移動体通信)の標準技術(例えば、非特許文献1~11)に加えて、さらなる高データレート化、大容量化、低遅延化を実現する技術が求められている。なお、第5世代通信規格については、3GPPの作業部会(例えば、TSG-RAN WG1、TSG-RAN WG2等)で技術検討が進められている(非特許文献12~38)。
上記で述べたように、多種多様なサービスに対応するために、5Gでは、eMBB(Enhanced Mobile BroadBand)、Massive MTC(Machine Type Communications)、及びURLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communication)に分類される多くのユースケースのサポートが想定されている。
その中でも、URLLCは、実現が最も困難なユースケースである。まず第1に、URLLCでは、無線区間でのエラーレートを10-5のオーダーにするという超高信頼性が要求される。超高信頼性を実現する1つの方法として、使用リソース量を増やしてデータに冗長性を持たせる方法がある。しかし、無線リソースには限りがあるので、無制限に使用リソースを増やすことはできない。
第2に、URLLCでは、上り回線及び下り回線におけるユーザプレーンの無線区間での遅延を0.5ミリ秒以下にすることが目標とされている。これは、4G無線システム(LTE:Long Term Evolution)の1/10未満という高い要求である。このように、URLLCでは、超高信頼性と低遅延という2つの要求を同時に満たす必要がある。
ところで、URLLCを含む5Gの無線通信には、周波数帯域幅が広いキャリアを用いることが考えられている。このため、無線通信に使用される全体の帯域幅は、例えば端末装置が受信可能な受信帯域幅よりも広いことがあり、端末装置は、例えばセルごとに受信帯域幅を切り替えて信号を受信することがある。このような場合、端末装置のハンドオーバに際しては、端末装置は、ハンドオーバ先のセルの無線品質を測定するために通信周波数を切り替える必要が生じる。
そこで、端末装置における接続セルの無線品質が低下した場合には、接続セルの基地局装置は、接続セルにおける通信を中断するギャップ区間を設定し、ギャップ区間中に端末装置に通信周波数を切り替えさせて周辺セルの無線品質を測定させる。
3GPP TS 36.211 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 36.212 V15.0.1(2018-01) 3GPP TS 36.213 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 36.300 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 36.321 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 36.322 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 36.323 V14.5.0(2017-12) 3GPP TS 36.331 V15.0.1(2018-01) 3GPP TS 36.413 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 36.423 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 36.425 V14.0.0(2017-03) 3GPP TS 37.340 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 38.201 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 38.202 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 38.211 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 38.212 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 38.213 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 38.214 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 38.215 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 38.300 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 38.321 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 38.322 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 38.323 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 38.331 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 38.401 V15.0.0(2017-12) 3GPP TS 38.410 V0.6.0(2017-12) 3GPP TS 38.413 V0.5.0(2017-12) 3GPP TS 38.420 V0.5.0(2017-12) 3GPP TS 38.423 V0.5.0(2017-12) 3GPP TS 38.470 V15.0.0(2018-01) 3GPP TS 38.473 V15.0.0(2017-12) 3GPP TR 38.801 V14.0.0(2017-04) 3GPP TR 38.802 V14.2.0(2017-09) 3GPP TR 38.803 V14.2.0(2017-09) 3GPP TR 38.804 V14.0.0(2017-03) 3GPP TR 38.900 V14.3.1(2017-07) 3GPP TR 38.912 V14.1.0(2017-06) 3GPP TR 38.913 V14.3.0(2017-06)
しかしながら、ギャップ区間においては、接続セルにおける通信が中断されるため、ギャップ区間において発生する下り送信データの遅延が増大するという問題がある。すなわち、ギャップ区間においては、端末装置は、接続セルでの使用周波数とは異なる周波数帯域に通信周波数を切り替えるため、たとえ接続セルの基地局装置がデータを送信しても端末装置に受信されない。このため、ギャップ区間中に下り送信データが発生した場合には、接続セルの基地局装置は、ギャップ区間が終了するまで待機し、端末装置の通信周波数が接続セルでの使用周波数に戻ってからデータを送信する。この結果、下り送信データが発生してから実際に送信されるまでの遅延が増大してしまう。
特に、下り送信データが例えばURLLCデータのように低遅延が要求されるデータの場合、要求される遅延の基準を満たすことが困難になる場合がある。
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、データ送信の遅延を抑制することができる基地局装置、端末装置、無線通信システム及びデータ送信方法を提供することを目的とする。
本願が開示する基地局装置は、1つの態様において、第1の無線周波数を用いた端末装置との無線通信を制御する基地局装置であって、前記端末装置が前記第1の無線周波数と異なる第2の無線周波数を測定することが可能な期間を制御する制御部と、前記第2の無線周波数と前記期間とに関する情報を含む制御信号を前記端末装置へ送信する送信部と、前記期間において、前記端末装置宛てのデータが発生した場合に、前記第2の無線周波数を用いる無線通信を制御する通信制御部へ前記データを転送する転送部とを有する。
本願が開示する基地局装置、端末装置、無線通信システム及びデータ送信方法の1つの態様によれば、データ送信の遅延を抑制することができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1に係る無線通信システムの構成を示す図である。 図2は、実施の形態1に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。 図3は、実施の形態1に係る基地局装置の動作を示すフロー図である。 図4は、実施の形態1に係る端末装置の構成を示すブロック図である。 図5は、実施の形態1に係るURLLCデータ送信処理を示すシーケンス図である。 図6は、実施の形態1に係る他のURLLCデータ送信処理を示すシーケンス図である。 図7は、実施の形態1に係るさらに他のURLLCデータ送信処理を示すシーケンス図である。 図8は、実施の形態2に係る無線通信システムの構成を示す図である。 図9は、実施の形態2に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。 図10は、実施の形態2に係るURLLCデータ送信処理を示すシーケンス図である。 図11は、実施の形態3に係る無線通信システムの構成を示す図である。 図12は、実施の形態3に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。 図13は、実施の形態3に係るURLLCデータ送信処理を示すシーケンス図である。 図14は、実施の形態4に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。 図15は、実施の形態4に係る基地局装置の動作を示すフロー図である。
以下、本願が開示する基地局装置、端末装置、無線通信システム及びデータ送信方法の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る無線通信システムの構成を示す図である。図1に示すように、基地局装置100は、それぞれ無線通信可能な領域であるセルを形成し、端末装置200は、在圏するセルの基地局装置100との間で無線通信する。以下では、端末装置200が無線通信中の基地局装置100が形成するセルを「接続セル」といい、接続セルの周辺のセルを「周辺セル」という。また、接続セルの基地局装置100を「接続基地局」といい、周辺セルの基地局装置100を「周辺基地局」という。図1においては、一方の基地局装置100が接続基地局であり、他方の基地局装置100が周辺基地局であるものとし、接続セルと周辺セルで使用される周波数帯域が異なるものとする。
端末装置200は、接続セルにおける例えばSIR(Signal to Interference Ratio)などの無線品質を定期的に測定し、接続基地局へ報告する。接続基地局は、報告された無線品質が所定の閾値未満に低下した場合に、端末装置200に周辺セルの無線品質を測定させるためのギャップ区間を設定し、周辺セルの無線品質の測定指示を端末装置200へ送信する。
端末装置200は、接続基地局から測定指示を受信すると、ギャップ区間において通信周波数を周辺セルの周波数帯域に切り替え、周辺セルの無線品質を測定する。このとき、接続基地局において例えばURLLCデータが発生した場合、端末装置200が通信周波数を周辺セルの周波数帯域に切り替えているため、接続基地局がURLLCデータを送信しても、端末装置200に受信されない。そこで、接続基地局は、ギャップ区間中に発生したURLLCデータを周辺基地局へ転送し、このURLLCデータを周辺基地局が端末装置200へ送信する。これにより、接続基地局は、ギャップ区間が終了するまで待機することなく、低遅延が要求されるURLLCデータを端末装置200へ送信することができる。
図2は、実施の形態1に係る基地局装置100の構成を示すブロック図である。図2においては、主に接続基地局の構成を図示している。図2に示す基地局装置100は、基地局間インタフェース部(以下「基地局間I/F部」と略記する)110、プロセッサ120、メモリ130及び無線送受信部140を有する。
基地局間I/F部110は、他の基地局装置100と接続するインタフェースを有し、他の基地局装置100との間でデータを送受信する。基地局装置100が接続基地局である場合、基地局間I/F部110は、ギャップ区間中に発生したURLLCデータを周辺基地局へ転送する。一方、基地局装置100が周辺基地局である場合、基地局間I/F部110は、ギャップ区間中に発生したURLLCデータを接続基地局から受信する。
プロセッサ120は、例えばCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はDSP(Digital Signal Processor)などを備え、基地局装置100の全体を統括制御する。具体的には、プロセッサ120は、符復号部121、変復調部122、無線品質判定部123、測定制御部124及びURLLC制御部125を有する。
符復号部121は、送信データの符号化及び受信データの復号を実行する。具体的には、符復号部121は、例えば端末装置200へ送信すべきURLLCデータが発生した場合に、URLLCデータの符号化をする。また、符復号部121は、変復調部122から出力される受信データを復号する。
変復調部122は、送信データの変調及び受信データの復調を実行する。具体的には、変復調部122は、符復号部121によって符号化された送信データを変調し、無線送受信部140へ出力する。また、変復調部122は、無線送受信部140から出力される受信データを復調し、符復号部121へ出力する。
無線品質判定部123は、端末装置200から定期的に送信される測定報告であって、接続セルにおける無線品質の測定結果を含む測定報告を取得し、接続セルの無線品質が所定の測定閾値未満であるか否かを判定する。そして、無線品質判定部123は、接続セルの無線品質が所定の測定閾値未満であると判定した場合には、その旨を測定制御部124へ通知する。
測定制御部124は、接続セルの無線品質が所定の測定閾値未満に低下したことが無線品質判定部123から通知された場合に、ギャップ区間を設定し、周辺セルの無線品質を測定するように端末装置200へ指示する。すなわち、測定制御部124は、接続セルの無線品質が低下した場合に、測定対象の周辺基地局の識別情報と周辺セルの周波数帯域の情報とともに、ギャップ区間を特定する情報を含む測定指示を生成し、無線送受信部140を介して端末装置200へ送信する。このとき、測定制御部124は、複数の周辺セルのうち前回までのギャップ区間に測定された無線品質が最も良好な周辺セルを測定対象として測定指示を生成しても良い。また、測定制御部124は、測定指示に含まれる情報をURLLC制御部125にも出力する。なお、ギャップ区間を特定する情報としては、例えばギャップ区間の開始時刻及び終了時刻の情報などがある。
URLLC制御部125は、URLLCデータの送受信を制御する。具体的には、URLLC制御部125は、例えばコアネットワークから端末装置200宛てのURLLCデータを取得することなどにより、送信すべきURLLCデータが発生した場合に、このURLLCデータを符復号部121へ出力する。また、URLLC制御部125は、ギャップ区間中に送信すべきURLLCデータが発生した場合には、測定対象となっている周辺セルの前回のギャップ区間における無線品質が所定の送信閾値以上であるか否かを判定する。そして、URLLC制御部125は、周辺セルの前回のギャップ区間における無線品質が所定の送信閾値以上である場合に、この周辺セルを形成する周辺基地局へ基地局間I/F部110を介してURLLCデータを転送する。なお、基地局装置100が周辺基地局である場合には、URLLC制御部125は、ギャップ区間中に接続セルから転送されたURLLCデータを符復号部121へ出力する。
メモリ130は、例えばRAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)などを備え、プロセッサ120が処理を実行するために使用する情報を記憶する。具体的には、メモリ130は、例えばギャップ区間中に端末装置200が測定した周辺セルの無線品質を記憶する。
無線送受信部140は、送信データに対してD/A(Digital/Analog)変換及びアップコンバートなどの無線送信処理を施し、アンテナを介して送信する。無線送受信部140が送信する送信データには、例えばURLLCデータなどのデータ信号や測定指示などの制御信号が含まれる。また、無線送受信部140は、アンテナを介して受信した受信データに対してダウンコンバート及びA/D(Analog/Digital)変換などの無線受信処理を施し、プロセッサ120へ出力する。無線送受信部140が受信する受信データには、例えば周辺セルの無線品質の測定結果を含む測定報告やURLLCデータに対する受信確認情報などが含まれる。なお、無線送受信部140は、無線送信部及び無線受信部に分割して設けられても良い。
次いで、上記のように構成された基地局装置100の動作について、図3に示すフロー図を参照しながら説明する。以下においては、基地局装置100が接続基地局である場合の動作について説明する。
基地局装置100が端末装置200の接続基地局となる場合、例えばコアネットワークから端末装置200がURLLCのサービスを受ける端末装置であることが基地局装置100へ通知される。この通知を受け、基地局装置100は、周辺セルにおける初期の無線品質を収集する(ステップS101)。具体的には、測定制御部124によってギャップ区間が設定され、各周辺セルの無線品質の測定指示が端末装置200へ送信され、端末装置200によって測定された周辺セルの無線品質の情報が取得される。周辺セルの無線品質の情報は、それぞれ周辺基地局の識別情報と対応付けてメモリ130に記憶される。
そして、基地局装置100と端末装置200の間の無線通信が開始されると、端末装置200は、接続セルの無線品質を定期的に測定し、接続セルの無線品質の測定結果を含む測定報告を送信する。測定報告は、基地局装置100の無線送受信部140によって受信され(ステップS102)、無線品質判定部123によって取得される。そして、無線品質判定部123によって、接続セルの無線品質が所定の測定閾値を比較され(ステップS103)、無線品質が所定の測定閾値未満である場合には(ステップS103Yes)、その旨が測定制御部124へ通知される。
この通知を受け、測定制御部124によって、周辺セルの測定指示が生成される。すなわち、測定制御部124によって、メモリ130に記憶された各周辺セルの過去の無線品質が参照され、無線品質が最も良好な周辺セルが測定対象の周辺セルに決定される。ここでは、例えば周辺セルの初期の無線品質や前回までのギャップ区間に測定された無線品質に基づいて、今回のギャップ区間の測定対象となる周辺セルが決定される。そして、測定対象の周辺セルを形成する周辺基地局の識別情報と周辺セルの周波数帯域の情報とを含み、例えば開始時刻と終了時刻などのギャップ区間を特定する情報を含む測定指示が生成される。生成された測定指示は、無線送受信部140を介して端末装置200へ送信される(ステップS104)。また、測定指示に含まれる情報は、URLLC制御部125にも出力される。
これらの処理が実行される際も、URLLC制御部125によってURLLCデータが発生したか否かが監視される(ステップS105)。すなわち、例えばコアネットワークから端末装置200宛てのURLLCデータが受信されたか否かが監視され、URLLCデータが発生しなければ(ステップS105No)、URLLCデータの送信に関する処理は終了する。一方、URLLCデータが発生した場合には(ステップS105Yes)、URLLC制御部125によって測定制御部124から出力された情報が参照されることにより、ギャップ区間中であるか否かが判断される(ステップS106)。ギャップ区間中でない場合には(ステップS106No)、発生したURLLCデータは、符復号部121へ出力され、符復号部121によって符号化され、変復調部122によって変調された後、無線送受信部140によって無線送信処理が施され、アンテナを介して端末装置200へ送信される(ステップS109)。このように、URLLCデータの発生タイミングがギャップ区間中でない場合には、URLLCデータは、遅延することなく即座に基地局装置100から送信される。
一方、URLLCデータがギャップ区間中に発生した場合には(ステップS106Yes)、URLLC制御部125によって周辺セルの無線品質の情報が参照され、ギャップ区間における測定対象の周辺セルの過去の無線品質が所定の送信閾値以上であるか否かが判定される(ステップS107)。すなわち、今回のギャップ区間において端末装置200が無線品質を測定する周辺セルの前回のギャップ区間における無線品質が所定の送信閾値以上であるか否かが判定される。この判定の結果、周辺セルの無線品質が所定の送信閾値未満である場合には(ステップS107No)、周辺セルにおいてURLLCデータの送信が困難と考えられるため、URLLCデータは、破棄されるか又はギャップ区間終了後に送信される。
周辺セルの無線品質が所定の送信閾値以上である場合には(ステップS107Yes)、周辺セルにおいてURLLCデータの送信が可能と考えられるため、URLLC制御部125によってURLLCデータが基地局間I/F部110を介して周辺基地局へ転送される(ステップS108)。転送されたURLLCデータは、周辺基地局のURLLC制御部125へ入力され、符復号部121、変復調部122及び無線送受信部140を経由してアンテナを介して端末装置200へ送信される。ここでは、端末装置200は、通信周波数を周辺セルの周波数帯域に切り替えて無線品質を測定しているため、周辺基地局から送信されたURLLCデータが端末装置200によって受信される。このように、URLLCデータの発生タイミングがギャップ区間中である場合には、URLLCデータは、周辺基地局へ転送され、周辺基地局から即座に送信される。このため、ギャップ区間において端末装置200が通信周波数を切り替えていても、データ送信の遅延を抑制することができる。
図4は、実施の形態1に係る端末装置200の構成を示すブロック図である。図4に示す端末装置200は、無線送受信部210、プロセッサ220及びメモリ230を有する。
無線送受信部210は、アンテナを介して受信した受信データに対してダウンコンバート及びA/D変換などの無線受信処理を施し、プロセッサ220へ出力する。無線送受信部210が受信する受信データには、例えばURLLCデータや測定指示などが含まれる。また、無線送受信部210は、送信データに対してD/A変換及びアップコンバートなどの無線送信処理を施し、アンテナを介して送信する。無線送受信部210が送信する送信データには、例えば周辺セルの無線品質の測定結果を含む測定報告などが含まれる。
プロセッサ220は、例えばCPU、FPGA又はDSPなどを備え、端末装置200の全体を統括制御する。具体的には、プロセッサ220は、変復調部221、符復号部222、測定指示取得部223、周波数切替制御部224及び無線品質測定部225を有する。
変復調部221は、受信データの復調及び送信データの変調を実行する。具体的には、変復調部221は、無線送受信部210から出力される受信データを復調し、符復号部222へ出力する。また、変復調部221は、符復号部222によって符号化された送信データを変調し、無線送受信部210へ出力する。
符復号部222は、受信データの復号及び送信データの符号化を実行する。具体的には、符復号部222は、変復調部221から出力される受信データを復号する。また、符復号部222は、例えば接続セル又は周辺セルの無線品質の測定結果が得られた場合に、測定結果を含む測定報告の符号化をする。
測定指示取得部223は、符復号部222によって復号された受信データの中から測定指示を取得する。測定指示には、測定対象の周辺基地局の識別情報と周辺セルの周波数帯域の情報とともに、ギャップ区間を特定する情報が含まれている。測定指示取得部223は、測定指示に基づいて、ギャップ区間の開始時刻及び終了時刻と、周辺セルの周波数帯域とを周波数切替制御部224へ通知する。
周波数切替制御部224は、測定指示取得部223からの通知に基づいて、無線送受信部210における通信周波数を切り替える。具体的には、周波数切替制御部224は、測定指示取得部223からの通知がない間は、無線送受信部210における通信周波数を接続セルの周波数帯域に設定する。そして、周波数切替制御部224は、測定指示取得部223からの通知を受けると、ギャップ区間の開始時刻において、無線送受信部210における通信周波数を周辺セルの周波数帯域に切り替える。周波数切替制御部224は、通信周波数を周辺セルの周波数帯域に切り替えると、その旨を無線品質測定部225へ通知する。また、周波数切替制御部224は、ギャップ区間の終了時刻になると、無線送受信部210における通信周波数を接続セルの周波数帯域に切り替える。
無線品質測定部225は、接続基地局又は周辺基地局から送信されるパイロット信号を用いて接続セル又は周辺セルの無線品質を測定する。具体的には、無線品質測定部225は、接続基地局に接続している間、接続基地局から周期的に送信されるパイロット信号を用いて、例えばSIRなどの接続セルにおける無線品質を測定する。そして、無線品質測定部225は、無線品質の測定結果を含む測定報告を生成し、符復号部222へ出力する。また、無線品質測定部225は、ギャップ区間において通信周波数が切り替えられると、周辺基地局から周期的に送信されるパイロット信号を用いて、例えばSIRなどの周辺セルにおける無線品質を測定する。そして、無線品質測定部225は、ギャップ区間終了後に、周辺セルの無線品質の測定結果を含む測定報告を生成して接続基地局へ送信する。
メモリ230は、例えばRAM又はROMなどを備え、プロセッサ220が処理を実行するために使用する情報を記憶する。
次に、上記のように構成された無線通信システムにおけるURLLCデータの送信処理について、図5に示すシーケンス図を参照しながら説明する。以下においては、端末装置200が接続基地局である基地局装置100aに接続しており、接続基地局の周辺には周辺基地局である基地局装置100bがあるものとする。
端末装置200が接続基地局である基地局装置100aに接続すると、基地局装置100aには、端末装置200がURLLCのサービスを受ける端末装置であることが例えばコアネットワークから通知される。この通知を受け、基地局装置100aは、周辺セルにおける初期の無線品質を収集するためにギャップ区間を設定する。そして、ギャップ区間において、端末装置200は、基地局装置100bを含む周辺基地局からパイロット信号を受信し(ステップS201)、周辺セルの無線品質を測定する。周辺セルの無線品質の情報は、ギャップ区間終了後に基地局装置100aへ送信され(ステップS202)、基地局装置100aに初期の周辺セルの無線品質の情報が記憶される。
その後、接続基地局である基地局装置100aと端末装置200の間の無線通信が実行され、端末装置200は、基地局装置100aから周期的に送信されるパイロット信号を用いて接続セルの無線品質を測定する。無線品質の測定結果を含む測定報告は、端末装置200から基地局装置100aへ送信され(ステップS203)、基地局装置100aの無線品質判定部123によって接続セルにおける無線品質が判定される(ステップS204)。すなわち、接続セルの無線品質が所定の測定閾値未満であるか否かが判定される。接続セルの無線品質が所定の測定閾値以上である場合には、引き続き基地局装置100aと端末装置200の間の無線通信が継続されるが、ここでは、接続セルの無線品質が所定の測定閾値未満であるものとして説明を続ける。
接続セルの無線品質が所定の測定閾値未満である場合には、測定制御部124によって、初期の無線品質が最も良好な周辺セルが測定対象の周辺セルに決定され、決定された周辺セルの無線品質をギャップ区間において測定するように指示する測定指示が生成される。ここでは、基地局装置100bが形成する周辺セルの無線品質が最も良好であり、この周辺セルが測定対象に決定されたものとする。測定指示には、測定対象の周辺セルを形成する周辺基地局の識別情報と周辺セルの周波数帯域の情報とが含まれるとともに、例えば開始時刻と終了時刻などのギャップ区間を特定する情報が含まれる。生成された測定指示は、接続基地局である基地局装置100aから端末装置200へ送信される(ステップS205)。
測定指示が端末装置200によって受信されると、測定指示は、端末装置200の測定指示取得部223によって取得され、周波数切替制御部224によって、ギャップ区間中の通信周波数が測定対象の周辺セルの周波数帯域に切り替えられる。このため、ギャップ区間中は、端末装置200は、接続基地局である基地局装置100aから送信された信号は受信せず、周辺基地局である基地局装置100bから送信された信号を受信する。そこで、端末装置200は、基地局装置100bから送信されたパイロット信号を受信し(ステップS206)、端末装置200の無線品質測定部225によって、パイロット信号を用いて周辺セルの無線品質が測定される。
ところで、ギャップ区間中に接続基地局である基地局装置100aにおいて、端末装置200宛てのURLLCデータが発生すると、URLLC制御部125によって、ギャップ区間の測定対象となっている周辺セルの無線品質が所定の送信閾値以上であるか否かが判定される。すなわち、周辺セルの初期の無線品質又は前回のギャップ区間における無線品質が所定の送信閾値以上であるか否かが判定される。ここでは、基地局装置100bが形成する周辺セルの過去の無線品質が所定の送信閾値以上であるものとして説明を続ける。
周辺セルの過去の無線品質が所定の送信閾値以上である場合には、周辺セルにおいてURLLCデータを送信可能であると判断され、URLLCデータは、周辺基地局である基地局装置100bへ転送される(ステップS207)。このURLLCデータは、基地局装置100bのURLLC制御部125、符復号部121、変復調部122及び無線送受信部140を経由して、端末装置200へ送信される(ステップS208)。すなわち、ギャップ区間中に発生したURLLCデータは、接続セルの周波数帯域ではなく、周辺セルの周波数帯域で送信される。このため、ギャップ区間中に通信周波数を切り替えている端末装置200は、URLLCデータを受信することができ、URLLCデータの遅延を最低限に抑制することができる。
周辺基地局である基地局装置100bから送信されたURLLCデータが受信されると、URLLCデータの受信確認応答としてACK又はNACKが基地局装置100bへ送信される(ステップS209)。すなわち、端末装置200の符復号部222による復号の結果、URLLCデータが正常に復号された場合にはACKが送信され、URLLCデータの再送が必要な場合にはNACKが送信される。ACK又はNACKは、基地局装置100bから基地局装置100aへ転送される(ステップS210)。
その後、ギャップ区間の終了時刻となると、端末装置200の周波数切替制御部224は、通信周波数を接続セルの周波数帯域に切り替える。これにより、接続基地局である基地局装置100aと端末装置200の間の無線通信が可能となり、ギャップ区間において測定された周辺セルの無線品質に関する測定報告が端末装置200から基地局装置100aへ送信される(ステップS211)。周辺セルの無線品質に関する測定報告は、端末装置200を周辺セルにハンドオーバさせるか否かの判断に用いられる。
以上のように、本実施の形態によれば、接続セルの無線品質が低下した場合には、ギャップ区間が設定されて周辺セルの無線品質が端末装置によって測定されるとともに、ギャップ区間に発生したURLLCデータは、接続基地局から周辺基地局へ転送されて周辺基地局から端末装置へ送信される。このため、端末装置がギャップ区間において通信周波数を切り替えていても、URLLCデータは端末装置によって受信可能であり、ギャップ区間の終了を待機することなくURLLCデータを送信することができる。換言すれば、端末装置が通信周波数を切り替えるギャップ区間が設定される場合でも、データ送信の遅延を抑制することができる。
なお、上記実施の形態1においては、URLLCデータに対するACK又はNACKが周辺基地局を介して接続基地局へ送信されるものとしたが、ACK及びNACKは、ギャップ区間終了後に直接接続基地局へ送信されても良い。図6は、ACK又はNACKが直接接続基地局へ送信される場合のシーケンス図である。図6において、図5と同じ部分には同じ符号を付す。
図6に示すように、ギャップ区間においては図5のURLLCデータ送信処理と同様に、URLLCデータは、接続基地局である基地局装置100から周辺基地局である基地局装置100bへ転送され(ステップS207)、基地局装置100bから端末装置200へ送信される(ステップS208)。ただし、図6に示すURLLCデータ送信処理においては、URLLCデータに対するACK又はNACKは、ギャップ区間中には送信されない。すなわち、ギャップ区間が終了して周辺セルの無線品質の測定報告が、ステップS211において端末装置200から基地局装置100aへ送信されるのと同時又は測定報告の送信前後に、ギャップ区間中に送信されたURLLCデータに対してのACK又はNACKが端末装置200から基地局装置100aへ直接送信される(ステップS220)。このように、ギャップ区間中に周辺基地局から送信されたURLLCデータに対するACK及びNACKが、ギャップ区間終了後に接続基地局へ送信されるようにすることも可能である。
また、例えばギャップ区間中にURLLCデータが周辺基地局から繰り返し送信されるようにして、URLLCデータ伝送の信頼性を高めても良い。図7は、URLLCデータが繰り返し送信される場合のシーケンス図である。図7において、図5と同じ部分には同じ符号を付す。
図7に示すように、ギャップ区間においては図5のURLLCデータ送信処理と同様に、URLLCデータは、接続基地局である基地局装置100から周辺基地局である基地局装置100bへ転送される(ステップS207)。そして、基地局装置100bは、転送されたURLLCデータを端末装置200へ繰り返して送信する(ステップS230)。このようにURLLCデータを繰り返して送信することにより、冗長性が高まってURLLCデータ伝送の信頼性を向上することができる。また、URLLCデータが繰り返して送信された場合には、図7に示すように、URLLCデータに対するACK又はNACKの送信は省略されても良い。
(実施の形態2)
実施の形態2の特徴は、1つの基地局装置が生成する複数のセル間でURLLCデータを転送する点である。
図8は、実施の形態2に係る無線通信システムの構成を示す図である。図8に示すように、基地局装置100は、図中破線で境界が示される複数のセルを形成し、端末装置200は、在圏するセルを介して基地局装置100との間で無線通信する。以下では、実施の形態1と同様に、端末装置200が基地局装置100と接続するために使用するセルを「接続セル」といい、接続セルの周辺のセルを「周辺セル」という。図8においては、基地局装置100が形成する1つのセルが接続セルであり、基地局装置100が形成する他のセルが周辺セルであるものとし、接続セルと周辺セルで使用される周波数帯域が異なるものとする。
端末装置200は、接続セルにおける例えばSIRなどの無線品質を定期的に測定し、基地局装置100へ報告する。基地局装置100は、報告された無線品質が所定の閾値未満に低下した場合に、端末装置200に周辺セルの無線品質を測定させるためのギャップ区間を設定し、周辺セルの無線品質の測定指示を端末装置200へ送信する。
端末装置200は、基地局装置100から測定指示を受信すると、ギャップ区間において通信周波数を周辺セルの周波数帯域に切り替え、周辺セルの無線品質を測定する。このとき、基地局装置100において例えばURLLCデータが発生した場合、端末装置200が通信周波数を周辺セルの周波数帯域に切り替えているため、基地局装置100が接続セルを介してURLLCデータを送信しても、端末装置200に受信されない。そこで、基地局装置100は、ギャップ区間中に発生したURLLCデータを周辺セルを介して端末装置200へ送信する。これにより、基地局装置100は、ギャップ区間が終了するまで待機することなく、低遅延が要求されるURLLCデータを端末装置200へ送信することができる。
図9は、実施の形態2に係る基地局装置100の構成を示すブロック図である。図9において、図2と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図9に示す基地局装置100は、図2に示した基地局装置100の無線送受信部140に代えて無線送受信部140a、140bを有し、プロセッサ120内に無線送受信部140a、140bにそれぞれ対応するセル制御部310、320を有する。
セル制御部310は、無線送受信部140aに対応し、端末装置200と無線通信するための接続セルを制御する。具体的には、セル制御部310は、符復号部121、変復調部122、無線品質判定部123、測定制御部311及びURLLC制御部312を有する。
測定制御部311は、接続セルの無線品質が所定の測定閾値未満に低下したことが無線品質判定部123から通知された場合に、ギャップ区間を設定し、周辺セルの無線品質を測定するように端末装置200へ指示する。すなわち、測定制御部311は、接続セルの無線品質が低下した場合に、測定対象の周辺セルの識別情報及び周波数帯域の情報とともに、ギャップ区間を特定する情報を含む測定指示を生成し、無線送受信部140aを介して端末装置200へ送信する。このとき、測定制御部311は、複数の周辺セルのうち前回までのギャップ区間に測定された無線品質が最も良好な周辺セルを測定対象として測定指示を生成しても良い。また、測定制御部311は、測定指示に含まれる情報をURLLC制御部312にも出力する。なお、ギャップ区間を特定する情報としては、例えばギャップ区間の開始時刻及び終了時刻の情報などがある。
URLLC制御部312は、URLLCデータの送受信を制御する。具体的には、URLLC制御部312は、例えばコアネットワークから端末装置200宛てのURLLCデータを取得することなどにより、送信すべきURLLCデータが発生した場合に、このURLLCデータを符復号部121へ出力する。また、URLLC制御部312は、ギャップ区間中に送信すべきURLLCデータが発生した場合には、測定対象となっている周辺セルの前回のギャップ区間における無線品質が所定の送信閾値以上であるか否かを判定する。そして、URLLC制御部312は、周辺セルの前回のギャップ区間における無線品質が所定の送信閾値以上である場合に、この周辺セルに対応するセル制御部320へURLLCデータを転送する。
セル制御部320は、無線送受信部140bに対応し、接続セルの周辺の周辺セルを制御する。具体的には、セル制御部320は、符復号部321、変復調部322及びURLLC制御部323を有する。
符復号部321は、送信データの符号化及び受信データの復号を実行する。具体的には、符復号部321は、例えばギャップ区間中にURLLC制御部323から出力されるURLLCデータの符号化をする。また、符復号部321は、変復調部322から出力される受信データを復号する。
変復調部322は、送信データの変調及び受信データの復調を実行する。具体的には、変復調部322は、符復号部321によって符号化された送信データを変調し、無線送受信部140bへ出力する。また、変復調部322は、無線送受信部140bから出力される受信データを復調し、符復号部321へ出力する。
URLLC制御部323は、URLLCデータの送受信を制御する。具体的には、URLLC制御部323は、ギャップ区間中に接続セルに対応するセル制御部310から転送されたURLLCデータを取得し、符復号部321へ出力する。
無線送受信部140aは、端末装置200の接続セルを形成し、接続セルを介して端末装置200との間で無線通信する。このとき、無線送受信部140aは、送信データに対してD/A変換及びアップコンバートなどの無線送信処理を施し、アンテナを介して送信する。無線送受信部140aが送信する送信データには、例えばURLLCデータや測定指示などが含まれる。また、無線送受信部140aは、アンテナを介して受信した受信データに対してダウンコンバート及びA/D変換などの無線受信処理を施し、プロセッサ120へ出力する。無線送受信部140aが受信する受信データには、例えば周辺セルの無線品質の測定結果を含む測定報告などが含まれる。
無線送受信部140bは、端末装置200の周辺セルを形成し、周辺セルを介して端末装置200との間で無線通信する。このとき、無線送受信部140bは、送信データに対してD/A変換及びアップコンバートなどの無線送信処理を施し、アンテナを介して送信する。無線送受信部140bが送信する送信データには、例えばギャップ区間中に発生したURLLCデータなどが含まれる。また、無線送受信部140bは、アンテナを介して受信した受信データに対してダウンコンバート及びA/D変換などの無線受信処理を施し、プロセッサ120へ出力する。無線送受信部140bが受信する受信データには、例えばギャップ区間中に端末装置200から送信されたACK又はNACKなどが含まれる。
なお、図9においては、無線送受信部140a、140bが基地局装置100内に設けられるものとしたが、無線送受信部140a、140bを含む無線装置が別体として設けられるようにしても良い。すなわち、プロセッサ120を有するCU(Central Unit)にそれぞれ無線送受信部140a、140bを有する複数のDU(Distributed Unit)が接続され、各DUが接続セル又は周辺セルを形成する無線通信システムが構築されても良い。
また、実施の形態2に係る端末装置200の構成は、実施の形態1に係る端末装置200(図4)と同様であるため、その説明を省略する。
次に、上記のように構成された無線通信システムにおけるURLLCデータの送信処理について、図10に示すシーケンス図を参照しながら説明する。以下においては、端末装置200がセル制御部310によって制御される接続セルに接続しており、接続セルの周辺にはセル制御部320によって制御される周辺セルがあるものとする。
端末装置200が接続セルに接続すると、基地局装置100には、端末装置200がURLLCのサービスを受ける端末装置であることが例えばコアネットワークから通知される。この通知を受け、接続セルを制御するセル制御部310は、周辺セルにおける初期の無線品質を収集するためにギャップ区間を設定する。そして、ギャップ区間において、端末装置200は、セル制御部320に対応する周辺セルを介して送信されるパイロット信号を受信し(ステップS301)、周辺セルの無線品質を測定する。周辺セルの無線品質の情報は、ギャップ区間終了後に接続セルを介して送信され(ステップS302)、メモリ130に初期の周辺セルの無線品質の情報が記憶される。
その後、接続セルを介して基地局装置100と端末装置200の間の無線通信が実行され、端末装置200は、接続セルを介して周期的に送信されるパイロット信号を用いて接続セルの無線品質を測定する。無線品質の測定結果を含む測定報告は、端末装置200から接続セルを介して送信され(ステップS303)、セル制御部310の無線品質判定部123によって接続セルにおける無線品質が判定される(ステップS304)。すなわち、接続セルの無線品質が所定の測定閾値未満であるか否かが判定される。接続セルの無線品質が所定の測定閾値以上である場合には、引き続き接続セルを介した無線通信が継続されるが、ここでは、接続セルの無線品質が所定の測定閾値未満であるものとして説明を続ける。
接続セルの無線品質が所定の測定閾値未満である場合には、測定制御部311によって、初期の無線品質が最も良好な周辺セルが測定対象の周辺セルに決定され、決定された周辺セルの無線品質をギャップ区間において測定するように指示する測定指示が生成される。ここでは、セル制御部320に対応する周辺セルの無線品質が最も良好であり、この周辺セルが測定対象に決定されたものとする。測定指示には、測定対象の周辺セルの識別情報及び周波数帯域の情報が含まれるとともに、例えば開始時刻と終了時刻などのギャップ区間を特定する情報が含まれる。生成された測定指示は、接続セルを介して端末装置200へ送信される(ステップS305)。
測定指示が端末装置200によって受信されると、測定指示は、端末装置200の測定指示取得部223によって取得され、周波数切替制御部224によって、ギャップ区間中の通信周波数が測定対象の周辺セルの周波数帯域に切り替えられる。このため、ギャップ区間中は、端末装置200は、接続セルを介して送信された信号は受信せず、周辺セルを介して送信された信号を受信する。そこで、端末装置200は、周辺セルを介して送信されたパイロット信号を受信し(ステップS306)、端末装置200の無線品質測定部225によって、パイロット信号を用いて周辺セルの無線品質が測定される。
ところで、ギャップ区間中に基地局装置100において、端末装置200宛てのURLLCデータが発生すると、接続セルに対応するセル制御部310のURLLC制御部312によって、周辺セルの無線品質が所定の送信閾値以上であるか否かが判定される。すなわち、周辺セルの初期の無線品質又は前回のギャップ区間における無線品質が所定の送信閾値以上であるか否かが判定される。ここでは、セル制御部320に対応する周辺セルの過去の無線品質が所定の送信閾値以上であるものとして説明を続ける。
周辺セルの過去の無線品質が所定の送信閾値以上である場合には、周辺セルにおいてURLLCデータを送信可能であると判断され、URLLCデータは、周辺セルに対応するセル制御部320へ転送される(ステップS307)。このURLLCデータは、セル制御部320のURLLC制御部323、符復号部321、変復調部322及び無線送受信部140bを経由して、端末装置200へ送信される(ステップS308)。すなわち、ギャップ区間中に発生したURLLCデータは、接続セルの周波数帯域ではなく、周辺セルの周波数帯域で送信される。このため、ギャップ区間中に通信周波数を切り替えている端末装置200は、URLLCデータを受信することができ、URLLCデータの遅延を最低限に抑制することができる。
周辺セルを介して送信されたURLLCデータが端末装置200によって受信されると、URLLCデータの受信確認応答としてACK又はNACKが周辺セルを介して送信される(ステップS309)。すなわち、端末装置200の符復号部222による復号の結果、URLLCデータが正常に復号された場合にはACKが送信され、URLLCデータの再送が必要な場合にはNACKが送信される。ACK又はNACKは、セル制御部320からセル制御部310へ転送される(ステップS310)。
その後、ギャップ区間の終了時刻となると、端末装置200の周波数切替制御部224は、通信周波数を接続セルの周波数帯域に切り替える。これにより、接続セルを介した無線通信が可能となり、ギャップ区間において測定された周辺セルの無線品質に関する測定報告が接続セルを介して基地局装置100へ送信される(ステップS311)。周辺セルの無線品質に関する測定報告は、端末装置200を周辺セルにハンドオーバさせるか否かの判断に用いられる。
以上のように、本実施の形態によれば、接続セルの無線品質が低下した場合には、ギャップ区間が設定されて周辺セルの無線品質が端末装置によって測定されるとともに、ギャップ区間に発生したURLLCデータは、周辺セルを介して端末装置へ送信される。このため、端末装置がギャップ区間において通信周波数を切り替えていても、URLLCデータは端末装置によって受信可能であり、ギャップ区間の終了を待機することなくURLLCデータを送信することができる。換言すれば、端末装置が通信周波数を切り替えるギャップ区間が設定される場合でも、データ送信の遅延を抑制することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3の特徴は、1つの基地局装置が通信に用いる複数のキャリア間でURLLCデータを転送する点である。
図11は、実施の形態3に係る無線通信システムの構成を示す図である。図11に示すように、基地局装置100は、互いに周波数が異なる複数のキャリアを同時に送受信しており、端末装置200は、いずれか1つのキャリアを用いて基地局装置100との間で無線通信する。以下では、端末装置200が基地局装置100と接続するために使用するキャリアを「接続キャリア」といい、接続キャリアと周波数が異なるキャリアを「別キャリア」という。
基地局装置100は、接続キャリア及び別キャリアを用いる通信のトラフィックを監視し、接続キャリアのリソースが不足する場合に、端末装置200に別キャリアの無線品質を測定させるためのギャップ区間を設定し、別キャリアの無線品質の測定指示を端末装置200へ送信する。
端末装置200は、基地局装置100から測定指示を受信すると、ギャップ区間において通信周波数を指示された別キャリアの周波数に切り替え、別キャリアの無線品質を測定する。このとき、基地局装置100において例えばURLLCデータが発生した場合、端末装置200が通信周波数を別キャリアの周波数に切り替えているため、基地局装置100が接続キャリアを用いてURLLCデータを送信しても、端末装置200に受信されない。そこで、基地局装置100は、ギャップ区間中に発生したURLLCデータを別キャリアによって端末装置200へ送信する。これにより、基地局装置100は、ギャップ区間が終了するまで待機することなく、低遅延が要求されるURLLCデータを端末装置200へ送信することができる。
図12は、実施の形態3に係る基地局装置100の構成を示すブロック図である。図12において、図2と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図12に示す基地局装置100は、図2に示した基地局装置100のプロセッサ120内に、接続キャリア及び別キャリアにそれぞれ対応する対応するキャリア制御部410、420を有する。
キャリア制御部410は、接続キャリアに対応し、端末装置200と無線通信するための接続キャリアを用いた通信を制御する。具体的には、キャリア制御部410は、符復号部121、変復調部122、リソース判定部411、測定制御部412及びURLLC制御部413を有する。
リソース判定部411は、無線送受信部140における接続キャリアを用いたトラフィックの状況を監視し、接続キャリアのリソースが不足しているか否かを判定する。すなわち、リソース判定部411は、接続キャリアのリソースが所定の閾値以上使用中であるか否かを判定し、所定の閾値以上使用中である場合には、その旨を測定制御部412へ通知する。
測定制御部412は、接続キャリアのリソース使用量が所定の閾値以上に上昇したことがリソース判定部411から通知された場合に、ギャップ区間を設定し、別キャリアの無線品質を測定するように端末装置200へ指示する。すなわち、測定制御部412は、接続キャリアのリソースが不足する場合に、測定対象の別キャリアの周波数の情報とともにギャップ区間を特定する情報を含む測定指示を生成し、無線送受信部140を介して端末装置200へ送信する。このとき、測定制御部412は、複数の別キャリアのうち前回までのギャップ区間に測定された無線品質が最も良好な別キャリアを測定対象として測定指示を生成しても良い。また、測定制御部412は、測定指示に含まれる情報をURLLC制御部413にも出力する。なお、ギャップ区間を特定する情報としては、例えばギャップ区間の開始時刻及び終了時刻の情報などがある。
URLLC制御部413は、URLLCデータの送受信を制御する。具体的には、URLLC制御部413は、例えばコアネットワークから端末装置200宛てのURLLCデータを取得することなどにより、送信すべきURLLCデータが発生した場合に、このURLLCデータを符復号部121へ出力する。また、URLLC制御部413は、ギャップ区間中に送信すべきURLLCデータが発生した場合には、測定対象となっている別キャリアの前回のギャップ区間における無線品質が所定の送信閾値以上であるか否かを判定する。そして、URLLC制御部413は、別キャリアの前回のギャップ区間における無線品質が所定の送信閾値以上である場合に、この別キャリアに対応するキャリア制御部420へURLLCデータを転送する。
キャリア制御部420は、別キャリアに対応し、接続キャリアとは異なる別キャリアを用いた通信を制御する。具体的には、キャリア制御部420は、符復号部421、変復調部422及びURLLC制御部423を有する。
符復号部421は、送信データの符号化及び受信データの復号を実行する。具体的には、符復号部421は、例えばギャップ区間中にURLLC制御部423から出力されるURLLCデータの符号化をする。また、符復号部421は、変復調部422から出力される受信データを復号する。
変復調部422は、送信データの変調及び受信データの復調を実行する。具体的には、変復調部422は、符復号部421によって符号化された送信データを変調し、無線送受信部140へ出力する。また、変復調部422は、無線送受信部140から出力される受信データを復調し、符復号部421へ出力する。
URLLC制御部423は、URLLCデータの送受信を制御する。具体的には、URLLC制御部423は、ギャップ区間中に接続キャリアに対応するキャリア制御部410から転送されたURLLCデータを取得し、符復号部421へ出力する。
なお、実施の形態3に係る端末装置200の構成は、実施の形態1に係る端末装置200(図4)と同様であるため、その説明を省略する。
次に、上記のように構成された無線通信システムにおけるURLLCデータの送信処理について、図13に示すシーケンス図を参照しながら説明する。以下においては、端末装置200がキャリア制御部410によって制御される接続キャリアを用いて通信しており、接続キャリアとは異なる別キャリアを用いた通信がキャリア制御部420によって制御されるものとする。
端末装置200が接続キャリアを用いて基地局装置100に接続すると、基地局装置100には、端末装置200がURLLCのサービスを受ける端末装置であることが例えばコアネットワークから通知される。この通知を受け、接続キャリアを制御するキャリア制御部410は、別キャリアにおける初期の無線品質を収集するためにギャップ区間を設定する。そして、ギャップ区間において、端末装置200は、キャリア制御部420に対応する別キャリアを用いて送信されるパイロット信号を受信し(ステップS401)、別キャリアの無線品質を測定する。別キャリアの無線品質の情報は、ギャップ区間終了後に接続キャリアを用いて送信され(ステップS402)、メモリ130に初期の別キャリアの無線品質の情報が記憶される。
その後、接続キャリアを用いて基地局装置100と端末装置200の間の無線通信が実行され、キャリア制御部410のリソース判定部411によって、無線送受信部140における接続キャリアのリソースが監視される。すなわち、接続キャリアのリソース使用量が所定の閾値以上であるか否かが判定され、接続キャリアのリソースが不足しているか否かが判定される(ステップS403)。接続キャリアのリソースが不足していない場合には、引き続き接続キャリアを用いた無線通信が継続されるが、ここでは、接続キャリアのリソース使用量が所定の閾値以上であるものとして説明を続ける。
接続キャリアのリソース使用量が所定の閾値以上である場合には、測定制御部412によって、初期の無線品質が最も良好な別キャリアが測定対象の別キャリアに決定され、決定された別キャリアの無線品質をギャップ区間において測定するように指示する測定指示が生成される。ここでは、キャリア制御部420に対応する別キャリアの無線品質が最も良好であり、この別キャリアが測定対象に決定されたものとする。測定指示には、測定対象の別キャリアの周波数の情報が含まれるとともに、例えば開始時刻と終了時刻などのギャップ区間を特定する情報が含まれる。生成された測定指示は、接続キャリアを用いて端末装置200へ送信される(ステップS404)。
測定指示が端末装置200によって受信されると、測定指示は、端末装置200の測定指示取得部223によって取得され、周波数切替制御部224によって、ギャップ区間中の通信周波数が測定対象の別キャリアの周波数に切り替えられる。このため、ギャップ区間中は、端末装置200は、接続キャリアを用いて送信された信号は受信せず、別キャリアを用いて送信された信号を受信する。そこで、端末装置200は、別キャリアを用いて送信されたパイロット信号を受信し(ステップS405)、端末装置200の無線品質測定部225によって、パイロット信号を用いて別キャリアの無線品質が測定される。
ところで、ギャップ区間中に基地局装置100において、端末装置200宛てのURLLCデータが発生すると、接続キャリアに対応するキャリア制御部410のURLLC制御部413によって、別キャリアの無線品質が所定の送信閾値以上であるか否かが判定される。すなわち、別キャリアの初期の無線品質又は前回のギャップ区間における無線品質が所定の送信閾値以上であるか否かが判定される。ここでは、キャリア制御部420に対応する別キャリアの過去の無線品質が所定の送信閾値以上であるものとして説明を続ける。
別キャリアの過去の無線品質が所定の送信閾値以上である場合には、別キャリアを用いてURLLCデータを送信可能であると判断され、URLLCデータは、別キャリアに対応するキャリア制御部420へ転送される(ステップS406)。このURLLCデータは、キャリア制御部420のURLLC制御部423、符復号部421、変復調部422及び無線送受信部140を経由して、端末装置200へ送信される(ステップS407)。すなわち、ギャップ区間中に発生したURLLCデータは、接続キャリアではなく別キャリアで送信される。このため、ギャップ区間中に通信周波数を切り替えている端末装置200は、URLLCデータを受信することができ、URLLCデータの遅延を最低限に抑制することができる。
別キャリアを用いて送信されたURLLCデータが端末装置200によって受信されると、URLLCデータの受信確認応答としてACK又はNACKが別キャリアを用いて送信される(ステップS408)。すなわち、端末装置200の符復号部222による復号の結果、URLLCデータが正常に復号された場合にはACKが送信され、URLLCデータの再送が必要な場合にはNACKが送信される。ACK又はNACKは、キャリア制御部420からキャリア制御部410へ転送される(ステップS409)。
その後、ギャップ区間の終了時刻となると、端末装置200の周波数切替制御部224は、通信周波数を接続キャリアの周波数に切り替える。これにより、接続キャリアを用いて無線通信が可能となり、ギャップ区間において測定された別キャリアの無線品質に関する測定報告が接続キャリアを用いて基地局装置100へ送信される(ステップS410)。別キャリアの無線品質に関する測定報告は、基地局装置100と端末装置200の間の無線通信を別キャリアを用いて実行するか否かの判断に用いられる。
以上のように、本実施の形態によれば、接続キャリアのリソースが不足した場合には、ギャップ区間が設定されて別キャリアの無線品質が端末装置によって測定されるとともに、ギャップ区間に発生したURLLCデータは、別キャリアを用いて端末装置へ送信される。このため、端末装置がギャップ区間において通信周波数を切り替えていても、URLLCデータは端末装置によって受信可能であり、ギャップ区間の終了を待機することなくURLLCデータを送信することができる。換言すれば、端末装置が通信周波数を切り替えるギャップ区間が設定される場合でも、データ送信の遅延を抑制することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4の特徴は、周辺基地局と端末装置の位置関係に基づいて、端末装置に最も近い周辺基地局が形成する周辺セルを測定対象に選択する点である。
実施の形態4に係る無線通信システムの構成は、実施の形態1(図1)と同様であるため、その説明を省略する。実施の形態4においては、基地局装置100の構成が実施の形態1とは異なる。図14は、実施の形態4に係る基地局装置100の構成を示すブロック図である。図14において、図2と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図14に示す基地局装置100は、図2に示す基地局装置100の測定制御部124に代えて、測定制御部501を有する。
測定制御部501は、接続セルの無線品質が所定の測定閾値未満に低下したことが無線品質判定部123から通知された場合に、ギャップ区間を設定し、周辺セルの無線品質を測定するように端末装置200へ指示する。すなわち、測定制御部501は、接続セルの無線品質が低下した場合に、測定対象の周辺基地局の識別情報と周辺セルの周波数帯域の情報とともに、ギャップ区間を特定する情報を含む測定指示を生成し、無線送受信部140を介して端末装置200へ送信する。このとき、測定制御部501は、端末装置200の現在位置を推定し、あらかじめ記憶している周辺基地局の位置と端末装置200の現在位置とから、端末装置200の現在位置に最も近い周辺基地局を特定する。そして、測定制御部501は、特定した周辺基地局が形成する周辺セルを測定対象として測定指示を生成する。また、測定制御部501は、測定指示に含まれる情報をURLLC制御部125にも出力する。なお、測定制御部501は、例えば端末装置200からの信号の受信電力やタイミングアドバンス(TA)の情報に基づいて端末装置200の現在位置を推定しても良いし、例えば端末装置200がGPS(Global Positioning System)を用いて測位した結果を取得して現在位置を推定しても良い。
なお、実施の形態4に係る端末装置200の構成は、実施の形態1に係る端末装置200(図4)と同様であるため、その説明を省略する。
次いで、上記のように構成された基地局装置100の動作について、図15に示すフロー図を参照しながら説明する。以下においては、基地局装置100が接続基地局である場合の動作について説明する。また、図15において、図3と同じ部分には同じ符号を付す。
基地局装置100が端末装置200の接続基地局となる場合、例えばコアネットワークから端末装置200がURLLCのサービスを受ける端末装置であることが基地局装置100へ通知される。本実施の形態においては、端末装置200がURLLCのサービスを受ける通知を受けても、基地局装置100は、周辺セルにおける初期の無線品質の収集を省略する。すなわち、基地局装置100は、サービス開始時にギャップ区間を設定することなく、端末装置200との無線通信を開始する。
そして、基地局装置100と端末装置200の間の無線通信が開始されると、端末装置200は、接続セルの無線品質を定期的に測定し、接続セルの無線品質の測定結果を含む測定報告を送信する。測定報告は、基地局装置100の無線送受信部140によって受信され(ステップS102)、無線品質判定部123によって取得される。そして、無線品質判定部123によって、接続セルの無線品質が所定の測定閾値を比較され(ステップS103)、無線品質が所定の測定閾値未満である場合には(ステップS103Yes)、その旨が測定制御部501へ通知される。
この通知を受け、測定制御部501によって、測定対象の周辺セルが決定される(ステップS501)。すなわち、測定制御部501によって、端末装置200の現在位置が推定され、複数の周辺基地局のうち端末装置200の現在位置に最も近い周辺基地局が選択される。選択された周辺基地局が形成する周辺セルは、測定対象の周辺セルに決定される。一般に、周辺基地局と端末装置200の間の距離が小さければ、伝搬損失が小さく無線品質が良好であるため、端末装置200の現在位置に最も近い周辺基地局が形成する周辺セルは、無線品質が良好な周辺セルである可能性が高い。このため、初期の無線品質が収集されていなくても、無線品質が良好である可能性が高い周辺セルを測定対象として選択することが可能となる。
そして、測定制御部501によって、測定対象の周辺セルを形成する周辺基地局の識別情報と周辺セルの周波数帯域の情報とを含み、例えば開始時刻と終了時刻などのギャップ区間を特定する情報を含む測定指示が生成される。生成された測定指示は、無線送受信部140を介して端末装置200へ送信される(ステップS502)。また、測定指示に含まれる情報は、URLLC制御部125にも出力される。
これらの処理が実行される際も、URLLC制御部125によってURLLCデータが発生したか否かが監視される(ステップS105)。URLLCデータが発生しなければ(ステップS105No)、URLLCデータの送信に関する処理は終了する。一方、URLLCデータが発生した場合には(ステップS105Yes)、URLLC制御部125によって測定制御部501から出力された情報が参照されることにより、ギャップ区間中であるか否かが判断される(ステップS106)。ギャップ区間中でない場合には(ステップS106No)、発生したURLLCデータは、符復号部121へ出力され、符復号部121によって符号化され、変復調部122によって変調された後、無線送受信部140によって無線送信処理が施され、アンテナを介して端末装置200へ送信される(ステップS109)。このように、URLLCデータの発生タイミングがギャップ区間中でない場合には、URLLCデータは、遅延することなく即座に基地局装置100から送信される。
一方、URLLCデータがギャップ区間中に発生した場合には(ステップS106Yes)、URLLC制御部125によって周辺セルの無線品質の情報が参照され、ギャップ区間における測定対象の周辺セルの過去の無線品質が所定の送信閾値以上であるか否かが判定される(ステップS107)。この判定の結果、周辺セルの無線品質が所定の送信閾値未満である場合には(ステップS107No)、周辺セルにおいてURLLCデータの送信が困難と考えられるため、URLLCデータは、破棄されるか又はギャップ区間終了後に送信される。
周辺セルの無線品質が所定の送信閾値以上である場合には(ステップS107Yes)、周辺セルにおいてURLLCデータの送信が可能と考えられるため、URLLC制御部125によってURLLCデータが基地局間I/F部110を介して周辺基地局へ転送される(ステップS108)。転送されたURLLCデータは、周辺基地局のURLLC制御部125へ入力され、符復号部121、変復調部122及び無線送受信部140を経由してアンテナを介して端末装置200へ送信される。ここでは、端末装置200は、通信周波数を周辺セルの周波数帯域に切り替えて無線品質を測定しているため、周辺基地局から送信されたURLLCデータが端末装置200によって受信される。このように、URLLCデータの発生タイミングがギャップ区間中である場合には、URLLCデータは、周辺基地局へ転送され、周辺基地局から即座に送信される。このため、ギャップ区間において端末装置200が通信周波数を切り替えていても、データ送信の遅延を抑制することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、接続セルの無線品質が低下した場合には、ギャップ区間が設定されて周辺セルの無線品質が端末装置によって測定されるとともに、ギャップ区間に発生したURLLCデータは、周辺セルを介して端末装置へ送信される。このため、端末装置がギャップ区間において通信周波数を切り替えていても、URLLCデータは端末装置によって受信可能であり、ギャップ区間の終了を待機することなくURLLCデータを送信することができる。換言すれば、端末装置が通信周波数を切り替えるギャップ区間が設定される場合でも、データ送信の遅延を抑制することができる。また、端末装置の現在位置と周辺基地局との位置関係に基づいて、ギャップ区間における測定対象の周辺セルが決定されるため、各周辺セルの初期の無線品質を収集する必要がない。
なお、上記各実施の形態は適宜組み合わせて実施することが可能である。また、各実施の形態において、ギャップ区間中に送信されたURLLCデータに対するACK又はNACKは、ギャップ区間終了後に接続セル又は接続キャリアを用いて送信されても良い。さらに、ギャップ区間中に周辺セル又は別キャリアを用いてURLLCデータを繰り返し送信することにより冗長性を高め、ACK及びNACKの送信を省略しても良い。
また、上記各実施の形態においては、遅延が一定基準を満たす必要があるデータの一例としてURLLCデータを挙げて説明したが、ギャップ区間中に転送されるデータは、必ずしもURLLCデータでなくても良い。
110 基地局間I/F部
120、220 プロセッサ
121、222、321、421 符復号部
122、221、322、422 変復調部
123 無線品質判定部
124、311、412、501 測定制御部
125、312、323、413、423 URLLC制御部
130、230 メモリ
140、140a、140b、210 無線送受信部
223 測定指示取得部
224 周波数切替制御部
225 無線品質測定部
310、320 セル制御部
410、420 キャリア制御部
411 リソース判定部

Claims (13)

  1. 第1の無線周波数を用いた端末装置との無線通信を制御する基地局装置であって、
    前記端末装置が前記第1の無線周波数と異なる第2の無線周波数を測定することが可能な期間を制御する制御部と、
    前記第2の無線周波数と前記期間とに関する情報を含む制御信号を前記端末装置へ送信する送信部と、
    前記期間において、前記端末装置宛てのデータが発生した場合に、前記第2の無線周波数を用いる無線通信を制御する通信制御部へ前記データを転送する転送部と
    を有することを特徴とする基地局装置。
  2. 前記送信部は、
    前記期間において、前記端末装置に関する情報及び/又は前記端末装置との通信における遅延に関する情報をさらに含む制御信号を送信する
    ことを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
  3. 前記第1の無線周波数の無線品質の測定結果を前記端末装置から取得し、前記第1の無線周波数の無線品質が所定の測定閾値未満であるか否かを判定する判定部をさらに有し、
    前記制御部は、
    前記判定部によって前記第1の無線周波数の無線品質が所定の測定閾値未満であると判定された場合に、前記期間を設定する
    ことを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
  4. 前記第1の無線周波数のリソース使用量が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定部をさらに有し、
    前記制御部は、
    前記判定部によって前記第1の無線周波数のリソース使用量が所定の閾値以上であると判定された場合に、前記期間を設定する
    ことを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
  5. 前記送信部は、
    過去の無線品質が最も良好かつ前記第1の無線周波数と異なる無線周波数を前記第2の無線周波数と決定し、前記第2の無線周波数へ通信周波数を切り替えて無線品質を測定するように前記端末装置へ指示するための情報を送信する
    ことを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
  6. 前記制御部は、
    前記端末装置の現在位置を推定し、前記端末装置の現在位置の最も近くで無線通信に使用されておりかつ前記第1の無線周波数と異なる無線周波数を前記第2の無線周波数と決定し、
    前記送信部は、
    前記第2の無線周波数へ通信周波数を切り替えて無線品質を測定するように前記端末装置へ指示するための情報を送信する
    ことを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
  7. 前記転送部は、
    前記第2の無線周波数の過去の無線品質が所定の送信閾値以上であるか否かを判定し、前記第2の無線周波数の過去の無線品質が所定の送信閾値以上である場合に、前記データを転送する
    ことを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
  8. 前記転送部は、
    他の基地局装置が有する前記通信制御部へ前記端末装置宛てのデータを転送する
    ことを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
  9. 前記転送部は、
    自装置が有する前記通信制御部へ前記端末装置宛てのデータを転送する
    ことを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
  10. 前記端末装置から、前記データに対する受信確認情報を受信する受信部をさらに有することを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
  11. 第1の無線周波数を用いて基地局装置と無線通信する端末装置であって、
    前記基地局装置から指示される期間に、前記第1の無線周波数と異なる第2の無線周波数の無線品質を測定することが可能な測定部と、
    前記期間において、前記第2の無線周波数によって送信されたデータを受信する受信部と
    を有することを特徴とする端末装置。
  12. 第1の無線周波数を用いて無線通信する基地局装置と端末装置とを有する無線通信システムであって、
    前記基地局装置は、
    前記端末装置に前記第1の無線周波数とは異なる第2の無線周波数の無線品質を測定する期間に関する情報と、前記第2の無線周波数に関する情報とを含む制御信号を前記端末装置へ送信する送信部と、
    前記期間において、データが発生した場合に、前記第2の無線周波数を用いる無線通信を制御する通信制御部へ前記データを転送する転送部とを有し、
    前記端末装置は、
    前記期間において前記第2の無線周波数の無線品質を測定する測定部と、
    前記期間において、前記第2の無線周波数によって送信された前記データを受信する受信部とを有する
    ことを特徴とする無線通信システム。
  13. 第1の無線周波数を用いた端末装置との無線通信を制御する基地局装置が実行するデータ送信方法であって、
    前記端末装置に前記第1の無線周波数とは異なる第2の無線周波数の無線品質を測定することが可能な期間に関する情報と、前記第2の無線周波数に関する情報とを含む制御信号を前記端末装置へ送信し、
    前記期間において、データが発生した場合に、前記第2の無線周波数を用いる無線通信を制御する通信制御部へ前記データを転送する
    処理を有することを特徴とするデータ送信方法。
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