本発明は、固体内部を有する複合材料または中空内部ダクト、チャネルおよびチャンバ、あるいは、空洞化を有する物品、並びに、そのように作られたオブジェクトの最適なCO2硬化を達成するためのガスフローおよびコンディショニングのための新規な装置および方法を提供する。
炭酸化ケイ酸カルシウムベースのセメントから製造されたコンクリート製品は、水硬性セメントから製造された従来のコンクリート製品の代替品として役立つことができる新規クラスのコンクリート製品である。開示された硬化システムおよび方法は、これらの非コンフェデートコンクリート製品が、柔軟な設備および生産要件を伴う大規模生産に適しているので、より効率的かつ費用効果の高い製造を可能にする。改良されたエネルギー消費及びより望ましいカーボンフットプリントを介して、建築、舗装及び造園から、インフラ及び輸送まで、幅広い用途が本発明の恩恵を受けることができる。
本発明は、炭酸化可能な(発泡性の)ケイ酸カルシウムセメントを使用して製造された舗装材、ブロック、中空コアスラブ、屋根タイル、気泡入りコンクリートブロックなどのこれらに限定されないプレキャストオブジェクトを硬化するために利用される異なるガス循環システムを包含する。炭酸化可能なケイ酸カルシウムセメントを使用して製造されたプレキャストオブジェクトは、セメントを水の存在下で二酸化炭素ガスと反応させることによって硬化される。
本明細書に開示された装置および方法は、ガス圧力勾配、流れのパターンと速度、CO2(g)濃度勾配、温度勾配の制御、および湿度勾配の制御などの制御を含むが、これに限定されない、炭酸化可能なケイ酸カルシウムセメントからのプレキャストオブジェクトの大規模生産に直面する多くの困難な問題に取り組む。これらの要因の適切な制御と規制は、製品品質の向上と生産の拡大に不可欠である。
炭酸化可能なケイ酸カルシウムセメントのプレキャストオブジェクト
ここで使用されるプレキャストオブジェクトは、炭酸化可能なケイ酸カルシウムセメントから作られている。本明細書で用いられる炭酸化可能なケイ酸カルシウムセメント組成物は、好ましくは水和しないことに留意されたい。しかしながら、少量の水和可能なケイ酸カルシウム相(例えば、C2S、C3SおよびCaO)が存在してもよい。C2Sは、水に暴露されると水和速度が遅く、CO2硬化プロセス中に急速にCaCO3に変換される。C3SおよびCaOは、水に曝されると迅速に水和するので、<5質量%に制限されるべきである。
本明細書で使用する「ケイ酸カルシウム」材料という用語は、一般に、ケイ酸カルシウム相の1つ以上の群からなる天然に存在するミネラルまたは合成材料を指す。本明細書で使用される「炭酸化可能な」とは、本明細書に開示される条件下で炭酸化反応によってCO2と反応する物質を指す。物質は、本明細書に開示された条件下で炭酸化反応によってCO2と反応しない場合、「非炭酸化性」である。例示的な炭酸化可能なケイ酸カルシウム相には、CS(ウォラストナイトまたはシュードウォラストナイト(擬珪灰石)、場合により、配合されたCaSiO3またはCaO・SiO2を配合)、C3S2(ランキナイト、場合により、配合されたCa3Si2O7または3CaO・2SiO2として処方される)、C2S(ビーライト、β-Ca2SiO4またはラルナイト、Ca7Mg(SiO4)4またはブリジガイト(bredigite)、α-Ca2SiO4またはγ-Ca2SiO4であり、場合により、配合されたCa2SiO4または2CaO・SiO2として時々処方される)が含まれる。アモルファス相はまた、それらの組成に応じて炭酸化可能であり得る。これらの材料の各々は、1つ以上の他の金属イオンおよび酸化物(例えば、アルミニウム、マグネシウム、鉄または酸化マンガン)、またはそれらの混合物を含むことができ、微量(1%)~約50重量%またはそれ以上の範囲の天然または合成の形態のケイ酸マグネシウムの量を含むことができる。例示的な非炭酸化または不活性相は、メリライト((Ca、Na、K)2[(Mg、Fe2+、Fe3+、Al、Si)3O7])および結晶質シリカ(SiO2)を含む。
ケイ酸カルシウム組成物に含まれる炭酸化可能なケイ酸カルシウム相は、水に暴露されたときに水和しない。このため、ケイ酸カルシウム組成物を結合剤として使用して製造された複合材料は、水と組み合わせた場合に顕著な強度を生じない。強度の生成は、複合材料を含むケイ酸カルシウム組成物をCO2の存在下で特定の硬化レジームに曝すことによって制御される。
本明細書に開示されるケイ酸カルシウム組成物、相および方法は、ケイ酸カルシウム相の代わりにまたはケイ酸カルシウム相に加えてケイ酸マグネシウム相を使用するために採用され得ることを理解されたい。本明細書で使用される場合、用語「ケイ酸マグネシウム」は、例えば、Mg2SiO4(「フォルステライト(fosterite)」としても知られている)およびMg3Si4O10(OH)2(「タルク」としても知られている)およびCaMgSiO4(「モンチセライト」としても知られている)を含む、マグネシウム-ケイ素含有化合物の1つ以上の群で構成される天然に存在するミネラルまたは合成材料を指し、それぞれの材料は、1つ以上の他の金属イオンおよび酸化物(例えば、カルシウム、アルミニウム、鉄または酸化マンガン)、もしくはそれらの混合物を含むことができ、または、微量(1%)~約50重量%もしくはそれ以上の範囲の天然または合成の形態のケイ酸カルシウムの量を含むことができる。
例示的な実施形態では、粉砕ケイ酸カルシウム組成物が使用される。粉砕ケイ酸カルシウム組成物は、約1μm~約100μmの平均粒径(例えば、約1μm~約80μm、約1μm~約60μm、約1μm~約50μm、約1μm~約40μm、約1μm~約30μm、約1μm~約20μm、約1μm~約10μm、約1μm~約5μm、約5μm~約90μm、約5μm~約80μm、約5μm~約70μm、約5μm~約60μm、約5μm~約50μm、約5μm~約40μm、約10μm~約80μm、約10μm~約70μm、約10μm~約60μm、約10μm~約50μm、約10μm~約40μm、約10μm~約30μm、約10μm~約20μm、約1μm、10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm)、約0.5g/mL~約3.5g/mL(ゆるみ、例えば、0.5g/mL、1.0g/mL、1.5g/mL、2.0g/mL、2.5g/mL、2.8g/mL、3.0g/mL、3.5g/mL)および約1.0g/mL~約1.2g/mL(先細)のかさ密度、約150m2/kg~約700m2/kg(例えば、150m2/kg、200m2/kg、250m2/kg、300m2/kg、350m2/kg、400m2/kg、450m2/kg、500m2/kg、550m2/kg、600m2/kg、650m2/kg、700m2/kg)のブレーン表面積を有してもよい。
本発明のケイ酸カルシウム組成物の炭酸化の例示的な実施形態では、使用される粉砕ケイ酸カルシウム粒子は、粒度分布の体積分布において1μmより大きい累積10%直径を有する粒度を有する。
任意の適切な凝集体を使用して、本発明の炭酸化可能な組成物、例えば、酸化カルシウム含有材料またはシリカ含有材料から複合材料を形成することができる。典型的な凝集体は、トラップ・ロック、建設用砂、玉砂利等の不活性材料を含む。特定の好ましい実施形態では、パーライトまたはバーミキュライトのような軽量の骨材も骨材として使用することができる。産業廃棄物(例えば、フライアッシュ、スラグ、シリカフューム)のような材料も、微細な充填材として使用することができる。
複数の凝集体は、任意の適切な平均粒径および粒度分布を有し得る。特定の実施形態において、複数の凝集体は、約0.25mm~約25mm(例えば、約5mm~約20mm、約5mm~約18mm、約5mm~約15mm、約5mm~約12mm、約7mm~約20mm、約10mm~約20mm、約1/8”、約1/4”、約3/8”、約1/2”、約3/4”)の範囲の平均粒子サイズを有する。
複合材料には化学的混合物を含めることもできる。例えば、可塑剤、遅延剤、促進剤、分散剤および他のレオロジー改質剤を含む。BASF(登録商標)ケミカルズ社のGlenium(商標)7500およびDow Chemical Company社のAcumer(商標)のような特定の商業的に入手可能な化学混合物も含まれ得る。特定の実施形態では、所望の複合材料に応じて、1つ以上の顔料を結合マトリックス中に均一に分散させるか、または実質的に不均一に分散させることができる。顔料は、例えば、種々の金属の酸化物(例えば、黒色酸化鉄、酸化コバルトおよび酸化クロム)を含む任意の好適な顔料であり得る。顔料は、例えば、黒色、白色、青色、灰色、ピンク色、緑色、赤色、黄色および茶色から選択される任意の色(単数)または色(複数)であり得る。顔料は、所望の複合材料に応じて、例えば約0.0重量%~約10重量%の範囲の量で、任意の適切な量で存在することができる。
炭酸化可能なケイ酸カルシウムセメントの炭酸化
炭酸化可能な組成物の主な有用性は、炭酸化して様々な用途に有用な複合材料を形成することができることである。以下の反応は、本明細書に開示されるケイ酸カルシウムの炭酸化の間に起こると考えられる。
CaSiO3(s)+CO2(g)→CaCO3(s)+SiO2(s)
…(1)
Ca3Si2O7(s)+3CO2(g)→3CaCO3(s)+2SiO2(s)…(2)
Ca2SiO4(s)+2CO2(g)→2CaCO3(s)+SiO2(s)
…(3)
一般に、CO2は、水のような浸透流体に溶解する気相として導入される。
CO2の溶解は、溶液中のpHを低下させる酸性の炭酸(炭酸、H2CO3など)を形成する。弱酸性溶液は、ケイ酸カルシウム相からのカルシウム種を不当に溶解する。カルシウムは、カルシウム含有非晶質相から同様のメカニズムによって浸出することができる。放出されたカルシウムカチオンおよび解離されたカーボネート種は、不溶性カーボネートの沈殿をもたらす。シリカに富む層は、カルシウム枯渇層として鉱物粒子上に残ると考えられている。
本明細書に開示されるこれらのまたは他の任意のCO2炭酸化反応から生成されるCaCO3は、いくつかのCaCO3多形体(例えば、カルサイト、アラゴナイトおよびバテライト)の1つ以上として存在し得る。CaCO3粒子は、好ましくはカルサイトの形であるが、アラゴナイトまたはバテライトとして、または2つまたは3つの多形体(例えば、カルサイト/アラゴナイト、カルサイト/バテライト、アラゴナイト/バテライト、またはカルサイト/アラゴナイト/バテライト)の組み合わせとして存在してもよい。
所望の炭酸化の結果に応じて、任意の適切な程度のCO2を使用することができる。例えば、Praxair、Inc.、Linde AG、Air Liquideなどの様々な異なる工業ガス会社から市販されている約99%の純度の工業用二酸化炭素を使用することができる。CO2供給は、所望の蒸気圧、例えば約300PSIGを維持するような温度に調整された液体二酸化炭素の形態の大きな加圧保持タンクに保持されてもよい。このガスは、次に、CO2硬化(炭酸化)エンクロージャまたはチャンバに配管される。最も簡単なシステムでは、CO2はエンクロージャ内の周囲空気を移動させるのに十分な制御された速度でエンクロージャ内を流れる。一般に、パージ時間は、エンクロージャーのサイズおよびCO2ガスが供給される速度に依存する。多くのシステムでは、空気の囲いをパージするこの方法は、CO2濃度を妥当なレベルまで得るために数分で測定された時間で実行され、その後に硬化が実行され得る。単純なシステムでは、次いで、硬化反応を駆動するのに十分なCO2濃度を維持するように、所定の速度でCO2ガスを系内に供給する。
炭酸化は、例えば、複合材料の様々な成分を一緒に保持する結合要素を生成するために、制御された熱水相焼結(HLPS)方法によってCO2と反応させて実施することができる。例えば、好ましい実施形態では、CO2が反応種として使用され、既存の製造技術に比類のないカーボンフットプリントで、二酸化炭素の隔離および製造された複合材料中の結合元素の生成を行う。HLPS方法は、化学反応の自由エネルギーおよび結晶成長によって生じる表面エネルギー(面積)の減少によって熱力学的に駆動される。HLPS方法の動力学は、高融点流体または高温固体媒体を使用する代わりに、反応種を輸送するために溶液(水性または非水性)が使用されるため、低温で合理的な速度で進行する。
HLPS、炭酸化可能なケイ酸塩ベースのセメント、炭酸化および結合要素の形成、その装置およびプロセス、および関連する話題の様々な特徴についての議論は、米国特許第8114367号、米国特許出願公開第2009/0143211号(出願番号12/271,566)、米国特許出願公開第2011/0104469号(出願番号12/984,299)、米国特許出願公開第2009/0142578号(出願番号12/271,513)、米国特許出願公開第2013/0122267号(出願番号13/411,218)、米国特許出願公開第2012/0312194号(出願番号13/491,098)、WO2009/102360(PCT/US2008/083606)、WO2011/053598(PCT/US2010/054146)、WO2011/090967(PCT/US2011/021623)、2012年10月1日に出願された米国仮特許出願第61/708,423号、および米国特許出願公開第2014/0127450号(出願番号14/045,758)、米国特許出願公開第2015/0266778号(出願番号14/045,519)、米国特許出願公開第2014/0127458号(出願番号14/045,766)、米国特許出願公開第2014/0342124号(出願番号14/045,540)、米国特許出願公開第2014/0272216号(出願番号14/207,413)、米国特許出願公開第2014/0263683号(出願番号14/207,421)、米国特許出願公開第2014/0314990号(出願番号14/207,920)、米国特許第9,221,027号(出願番号14/209,238)、米国特許出願公開第2014/0363665号(出願番号14/295,601)、米国特許出願公開第2014/0361471号(出願番号14/295,402)、米国特許出願公開第2016/0355439号(出願番号14/506,079)、米国特許出願公開第2015/0225295号(出願番号14/602,313)、米国特許出願公開第2015/0056437号(出願番号14/463,901)、米国特許出願公開第2016/0168720号(出願番号14/584,249)、米国特許出願公開第2015/0336852号(出願番号14/818,629)、米国特許出願公開第2016/0031757号(出願番号14/817,193)、米国特許出願公開第2016/0272544号(出願番号15/074,659)、米国特許出願公開第2016/0096773号(出願番号14/874,350)、米国特許出願公開第2016/0340261号(出願番号14/715,497)、米国特許出願公開第2016/0272545号(出願番号15/074,692)、米国特許出願公開第2017/0102373号(出願番号15/290,328)、米国特許出願公開第2017/0121223号(出願番号15/335,520)、2017年1月18日に出願された米国特許出願第15/409,352号、2017年3月3日に出願された米国特許出願第15/449,736号、2017年3月6日に出願された米国特許出願第15/451,344号、2017年5月5日に出願された米国特許出願第15/587,705号に見出すことができ、これらの各々は、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に明示的に援用されている。
図1~8は、説明した材料のいくつかの間の様々な相の相互関係を示す相図である。
結合要素
炭酸化方法は、1つ以上のタイプの微細構造を有する複数の接合要素を微視的に含む炭酸化複合材料を生成する。集合的に、複数の結合要素は、相互接続されたボンディングマトリクスを形成し、ボンディング強度を生成し、複合材料を保持する。例えば、微細構造結合要素は、CaCO3粒子によって完全にまたは部分的に包まれた、変化する厚さのシリカが豊富な(シリカリッチ)リムによって完全または部分的に取り囲まれたケイ酸カルシウムの未反応の炭酸化可能な相のコアを含む結合要素;CaCO3粒子によって完全にまたは部分的に包まれた、変化する厚さのシリカに富むリムによって完全または部分的に取り囲まれたケイ酸カルシウムの炭酸化可能な相の炭酸化によって形成されたシリカのコアを含む結合要素;ケイ酸カルシウムの炭酸化可能な相の炭酸化によって形成され、CaCO3粒子によって完全にまたは部分的に包まれたシリカのコアを含む結合要素;CaCO3粒子によって完全または部分的に包まれた非炭化水素相のコアを含む結合要素;ケイ酸カルシウムおよび部分的に反応したケイ酸カルシウムの炭酸化可能な相の炭酸化により形成されたシリカからなる多相コアを含む結合要素であって、この多相コアは、CaCO3粒子によって完全にまたは部分的に包まれた、変化する厚さのシリカが豊富なリムによって完全にまたは部分的に取り囲まれている;非炭酸化可能な相および部分的に反応したケイ酸カルシウムからなる多相コアを含む結合要素であって、この多相コアは、CaCO3粒子によって完全にまたは部分的に包まれた、変化する厚さのシリカが豊富なリムによって完全にまたは部分的に取り囲まれている;別個のコアを有さない部分的に反応したケイ酸カルシウムの粒子と、CaCO3粒子によって包まれたシリカリムとを含む結合要素;およびCaCO3粒子で囲まれた別個のシリカリムのない多孔質粒子を含む結合要素、であることとしてもよい。
シリカが豊富なリムは、概して、結合要素内で、および結合要素から結合要素までで、典型的には、約0.01μm~約50μmの範囲の様々な厚さを示す。特定の好ましい実施形態では、シリカが豊富なリムは、約1μm~約25μmの範囲の厚さを有する。本明細書で使用される場合、「シリカが豊富な」とは、概して、材料の成分の間で重要なシリカ含有量、例えばシリカが約50容量%より多いことを指す。シリカが豊富なリムの残りの部分は、主にCaCO3、例えばCaCO3の10体積%~約50体積%で構成される。シリカが豊富なリムは、不活性または未反応の粒子、例えばメリライトの体積で10%~約50%を含んでいてもよい。シリカが豊富なリムは、一般に、主にシリカから主にCaCO3への遷移を示す。シリカおよびCaCO3は、混合領域または離散領域として存在してもよい。
シリカが豊富なリムは、典型的には約50体積%~約90体積%(例えば、約60%~約80%)の範囲の、結合要素から結合要素までの変化するシリカ含量によって特徴付けられる。特定の実施形態では、シリカが豊富なリムは、一般に、約50体積%~約90体積%の範囲のシリカ含有量および約10体積%~約50体積%の範囲のCaCO3含有量によって特徴付けられる。特定の実施形態において、シリカが豊富なリムは、約70体積%~約90体積%の範囲のシリカ含有量および約10体積%~約30体積%の範囲のCaCO3含有量によって特徴付けられる。特定の実施形態では、シリカが豊富なリムは、約50体積%~約70体積%の範囲のシリカ含有量および約30体積%~約50体積%の範囲のCaCO3含有量を特徴とする。
シリカが豊富なリムは、約1%~約99%(例えば、約10%~約90%)の任意の範囲の様々な被覆度までコアを囲むことができる。特定の実施形態において、シリカが豊富なリムは、約10%未満の被覆率でコアを取り囲んでいる。特定の実施形態では、様々な厚さのシリカが豊富なリムが約90%を超える被覆率でコアを取り囲んでいる。
結合要素は、意図された用途を考慮して、原材料の選択および製造方法によって一方または他方が好まれる任意のサイズおよび任意の規則的または不規則な、中実または中空の形態を示し得る。模範的な形態には、立方体、直方体、プリズム、ディスク、ピラミッド、多面体または多面体の粒子、シリンダー、球、円錐、リング、チューブ、三日月形、針状、繊維状、フィラメント状、フレーク状、球体、亜球体、ビーズ、ブドウ、粒状物、長方形、棒、波紋などが含まれる。
複数の結合要素は、複合製品の所望の特性および性能特性に応じて、任意の適切な平均粒径および粒度分布を有することができる。特定の実施形態では、例えば、複数の結合要素は、約1μm~約100μmの範囲の平均粒子サイズを有する(例えば、約1μm~80μm、約1μm~60μm、約1μm~50μm、約1μm~40μm、約1μm~30μm、約1μm~20μm、約1μm~10μm、約5μm~90μm、約5μm~80μm、約5μm~70μm、約5μm~60μm、約5μm~50μm、約5μm~40μm、約10μm~80μm、約10μm~70μm、約10μm~60μm、約10μm~50μm、約10μm~40μm、約10μm~30μm、約10μm~20μm)。
結合要素の相互接続されたネットワーク(結合マトリックス)はまた、任意の適切な材料であり得、任意の適切な粒度およびサイズ分布を有する、複数の粗いまたは微細な充填剤粒子を含み得る。特定の好ましい実施形態では、例えば、フィラー粒子は、石灰石(例えば、粉砕石灰岩)のような炭酸カルシウムに富む材料から製造される。特定の材料では、充填材粒子は、石英、マイカ、花崗岩、および長石(例えば、粉砕石英、粉砕雲母、粉砕花崗岩、粉砕した長石など)のようなSiO2系またはケイ酸塩系材料の1つ以上から作製される。
特定の実施形態では、充填剤粒子は、ガラス、再生ガラス、石炭スラグ、フライアッシュ、炭酸カルシウムリッチ材料および炭酸マグネシウムリッチ材料などの天然、合成およびリサイクル材料を含むことができる。
特定の実施形態において、複数の充填剤粒子は、約5μm~約7mmの範囲の平均粒子サイズを有する(例えば、約5μm~5mm、約5μm~4mm、約5μm~3mm、約5μm~2mm、約5μm~1mm、約5μm~500μm、約5μm~300μm、約20μm~5mm、約20μm~4mm、約20μm~3mm、約20μm~2mm、約20μm~1mm、約20μm~500μm、約20μm~300μm、約100μm~5mm、約100μm~4mm、約100μm~3mm、約100μm~2mm、約100μm~1mm)。
フィラー粒子に対する結合要素の重量比は、複合材製品の意図された用途に依存する任意の適切な比であり得る。例えば、フィラー粒子に対する結合要素の重量比は、約(50~99):約(1~50)、例えば、約(60~99):約(1~40)、約(80~99):約(1~20)、約(90~99):約(1~10)、約(50~90):約(10~50)、約(50~70):約(30~50)の範囲であり得る。特定の実施形態では、用途に応じて、結合要素対フィラー粒子の重量比は、約(10~50):約(50~90)、例えば、約(30~50):約(50~70)、約(40~50):約(50~60)の範囲であり得る。
コンディショニングされた硬化システムおよび方法
本明細書で開示されるように、一態様では、プレキャストオブジェクトを硬化させるプロセスは、プレキャスト製品をガスを含むことができるエンベロープに導入することを含む(例えば、エンベロープは封止されているかまたは通気されている)。1次ガス循環ループが設けられ、1次ガス循環ループは、第1の状態でエンベロープ内にガス(例えば、CO2)を導入すること、エンベロープ内のプレキャスト製品の表面上にガスを流してガスを第2の状態にし、ガスを第1の状態に戻すために第1のガスコンディショニングシステムを通して第2の状態でガスを通過させ、ガスを1次ガス循環ループに再循環させることを含む。
さらに、少なくとも2次ガス循環ループも含まれ、2次ガス循環ループは、エンベロープ内のガスを第3の状態で取り出し、それを第2のガスコンディショニングシステムに通過させて第4の状態に調整し、コンディショニング後のガスをプレキャスト製品の表面の少なくとも別の部分にわたって第4の状態で通過させる。いくつかの実施形態では、複数の2次ガス循環ループが存在する。
いくつかの実施形態では、炭酸化可能なケイ酸カルシウムセメントを含むプレキャストオブジェクトを適切に形成するのに必要な水の量は、炭酸化可能なケイ酸カルシウムを炭酸塩に変換するのに必要な水の量よりも多い。したがって、炭酸化可能なシリケートセメントを含むプレキャスト物品を硬化させるためには、プレキャストオブジェクトに存在する余分な水分をセメントに反応させて除去するために、エンベロープへの調整されたガスの導入が必要である。ガス温度および相対湿度は、水除去速度を決定する。CO2(g)濃度は炭酸化反応速度を決定する。ガス温度、相対湿度、およびCO2(g)濃度は、エンベロープの長さに沿って均一な硬化を達成するために、製品の長さにわたって実質的に均一でなければならない。
特定の実施形態では、硬化方法は、エンベロープ内の平均CO2(g)濃度を約25体積%よりも高く上昇させるのに十分なガスパージ方法から始まる。特定の実施形態において、平均CO2(g)濃度を、約50体積%~約99.99体積%に上昇させる。いくつかの他の実施形態では、平均CO2(g)濃度を、約50%~約70%に上昇させる。いくつかの他の実施形態では、平均CO2(g)濃度を、約55%~約65%に上昇させる。いくつかの他の実施形態では、平均CO2(g)濃度を、約65%~約75%に上昇させる。いくつかの他の実施形態では、平均CO2(g)濃度を、約75%~約99.99%に上昇させる。いくつかの他の実施形態では、平均CO2(g)濃度を、約90%~約99.99%に上昇させる。いくつかの他の実施形態では、平均CO2(g)濃度は約95%~約99.99%に上昇する。
パージに続いて、第1のガスコンディショニングシステムを回して1次ガス循環ループを容易にすることによって、硬化を達成することができる。これにより、プレキャストオブジェクトを含むエンベロープへの調整されたガスの導入が可能となる。
ガスは、プレキャストオブジェクトの表面上のエンベロープの長さを横切ることができる。いくつかの実施形態では、ガスが通過するプレキャストオブジェクトの表面は、プレキャストオブジェクト内の空隙である。ガスは、プレキャストオブジェクトがその上を移動するときに、そのプレキャストオブジェクトの孔から湿気を拾う。これにより、徐々に温度が低下し、ガスがエンベロープを通って移動する際の水分含量が増加する。
この漸進的な温度低下およびガス中の含水量の増加を図9および図10に示す。図9は、エンベロープの長さに沿って横切るガスの温度の概略的な低下を示す。また、図9に示されるのは、ガスがエンベロープの長さを横切るときのガスの流速の傾向である。同じラインを、温度と流量の両方を示すために使用しているが、温度と流量に使用するy軸のスケールは異なる。
同様に、図10は、ガスがエンベロープの長さに沿って横切るときのガスの相対湿度の増加を示す。温度の低下および相対湿度の上昇は、最終的にガスを第2の状態にする。ガスの温度が低下すると、プレキャストオブジェクトの炭酸化反応速度が遅くなり、ガス流の相対湿度が上昇する。増加した相対湿度は、水の蒸発速度を遅くし、したがって水分除去プロセスを遅くする。さらに、いくつかの実施形態では、ガスの流れもある程度低下する。この低下は、ガスが一定の粗さを有するプレキャストコンクリート製品の上を流れるときに遭遇する摩擦に起因すると考えられている。
ガスの流量はまた、プレキャストオブジェクトからの水の蒸発速度に影響を及ぼすパラメータでもある。エンベロープの長さに沿って均一にプレキャストオブジェクトを硬化させ、許容可能な性能を達成するためには、エンベロープの長さに沿った温度、流量および相対湿度勾配を制御し、所望の蒸発速度を達成するように調節しなければならない。ガスがもはやプレキャストオブジェクトを均一に乾燥および/または硬化させることができない臨界点にガスを到達させることはできない。
第2の状態のガスは、第1の状態に戻すために第1のガス調整システムを通過する。炭酸ガス反応における漏れおよび消費による損失を補償するために第1のガスコンディショニングシステムを通過する際に、ガスに追加のガスを添加することもできる。
それにもかかわらず、臨界点に到達した後にガスがプレキャストオブジェクトを均一に乾燥および/または硬化することができないため、実現可能なエンベロープの長さには限界がある。理論にとらわれずに、とりわけ、エンベロープの可能な長さに影響を及ぼす要因は、ガスの第1の状態、プレキャストオブジェクトの組成、ガスの流量およびプレキャストオブジェクトの温度であると考えられる。エンベロープのこの長さを超えた後、ガスの状態、すなわち第2の状態のガスは、プレキャストオブジェクトをもはや乾燥および/または硬化させることができない臨界点より下の点にある。
特定の実施形態では、エンベロープの長さの上述の制限は、少なくとも2次ガス循環ループを提供することによって改善される。いくつかの実施形態では、複数の2次ガス循環ループが存在する。2次ガス循環ループは、エンベロープのガスを第3の状態で取り出し、それを第2のガスコンディショニングシステムに通して第4の状態に調整し、第4の状態にコンディショニングした後のガスを、プレキャストオブジェクトの少なくとも別の表面にわたって流すことを含む。
いくつかの実施形態では、第2のガスコンディショニングシステムは、プレキャストオブジェクトの表面を通過した後に冷却されたガスの加熱を容易にする加熱ユニットを少なくとも含む。いくつかの実施形態では、第2のガスコンディショニングシステムは、プレキャストオブジェクトの表面を通過した後に冷却されたガスの加熱を容易にするための複数の加熱ユニットを含む。いくつかの実施形態では、第2のガスコンディショニングシステムは、プレキャストオブジェクトの表面を通過した後にガスから湿気を除去するための少なくとも1つの除湿ユニットを含む。いくつかの他の実施形態では、第2のガスコンディショニングシステムは、プレキャストオブジェクトの表面を通過した後にガスから湿気を除去するための複数の除湿ユニットを含む。いくつかの実施形態では、除湿ユニットは、冷却器および/または熱交換器からなる。いくつかの他の実施形態では、除湿ユニットは乾燥剤材料からなる。いくつかの実施形態では、除湿ユニットは水分除去が可能な膜を含む。いくつかの実施形態では、除湿ユニットは、冷却器および/または熱交換器、乾燥剤ユニット、および膜の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、2次ガス循環ループは、ガスのフローを増加または変更する少なくとも1つのファンを含む。いくつかの他の実施形態では、2次ガス循環ループは、ガスのフローを増加または変更するための複数のファンを含む。いくつかの実施形態では、2次ガス循環ループは、他のファンと比較してガスを反対方向に流すように構成された少なくともいくつかのファンを有する。一部の実施形態では、ガス循環ループは、第1の速度でガスを流すように構成されたファンの少なくともいくつかを有し、他のファンは、第1の速度とは異なる速度でガスを流すように構成される。
いくつかの実施形態では、各2次ガス循環ループは、それに含まれる専用のガス調整システムを有する。いくつかの他の実施形態では、複数のガス循環ループが単一の第2のコンディショニングシステムに接続される。いくつかの他の実施形態では、2次ガス循環ループの第2のガスコンディショニングシステムの少なくとも一つは、1次ガス循環ループの第1のガスコンディショニングシステムと同じである。いくつかの他の実施形態では、2次ガス循環ループの第2のガスコンディショニングシステムは、1次ガス循環ループの第1のガスコンディショニングシステムと同じである。
第4の状態のガスと第1の状態のガスとの間の可能な関係
いくつかの実施形態では、第2のガスコンディショニングシステムから出てくるガスの第4の状態は、第1のガスコンディショニングシステムによって提供されるガスの第1の状態と同様である。いくつかの他の実施形態では、第2のガスコンディショニングシステムから出るガスの第4の状態は、第1のガスコンディショニングシステムによって提供されるガスの第1の状態とは異なる。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの温度は、第1の状態におけるガスの温度よりも高い。いくつかの実施形態では、第4の状態のガスの温度は、第1の状態のガスの温度よりも低い。いくつかの実施形態では、第4の状態のガスの温度は、第1の状態のガスの温度と同様である。
いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は、第1の状態におけるガスの相対湿度よりも高い。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は、第1の状態におけるガスの相対湿度よりも低い。いくつかの実施形態では、第4の状態のガスの相対湿度は、第1の状態のガスの相対湿度と同様である。
いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの流量は、第1の状態におけるガスの流量よりも高い。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの流量は、第1の状態におけるガスの流量よりも低い。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの流量は、第1の状態におけるガスの流量と同様である。
第3の状態のガスと第2の状態のガスとの間の可能な関係
いくつかの実施形態では、第2のガスコンディショニングシステムを通過する前のガスの第3の状態は、第1のガスコンディショニングシステムを通過するために取り出されたガスの第2の状態と同様である。いくつかの実施形態では、第2のガスコンディショニングシステムを通過する前のガスの第3の状態は、第1のガスコンディショニングシステムを通過するために取り出されたガスの第2の状態とは異なる。
いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は、第2の状態におけるガスの温度よりも低い。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は、第2の状態におけるガスの温度よりも高い。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は、第2の状態におけるガスの温度と同様である。
いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの相対湿度は、第2の状態におけるガスの相対湿度よりも低い。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの相対湿度は、第2の状態におけるガスの相対湿度よりも高い。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの相対湿度は、第2の状態におけるガスの相対湿度と同様である。
いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの流量は、第2の状態におけるガスの流量よりも低い。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの流量は、第2の状態におけるガスの流量よりも高い。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの流量は、第2の状態におけるガスの流量と同様である。
第4の状態のガスと第2の状態のガスとの間の可能な関係
いくつかの実施形態では、第2のガスコンディショニングシステムから出てくるガスの第4の状態は、第1のガスコンディショニングシステムに取り込まれたときのガスの第2の状態と同様である。いくつかの他の実施形態では、第2のガスコンディショニングシステムから出てくるガスの第4の状態は、第1のガスコンディショニングシステムに取り込まれるときのガスの第2の状態とは異なる。
いくつかの実施形態では、第4の状態のガスの温度は、第2の状態のガスの温度よりも高い。いくつかの実施形態では、第4の状態のガスの温度は、第2の状態のガスの温度よりも低い。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの温度は、第2の状態におけるガスの温度と同様である。
いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は、第2の状態におけるガスの相対湿度よりも高い。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は、第2の状態におけるガスの相対湿度よりも低い。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は、第2の状態におけるガスの相対湿度と同様である。
いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの流量は、第2の状態におけるガスの流量よりも高い。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの流量は、第2の状態におけるガスの流量よりも低い。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの流量は、第2の状態におけるガスの流量と同様である。
第1の状態のガスと第3の状態のガスとの間の可能な関係
いくつかの実施形態では、第1のガスコンディショニングシステムから出てくるガスの第1の状態は、第2のガスコンディショニングシステムに取り込んだときのガスの第3の状態と同様である。いくつかの他の実施形態では、第1ガスコンディショニングシステムから出てくるガスの第1状態は、第2ガスコンディショニングシステムに取り込まれるときのガスの第3状態とは異なる。
いくつかの実施形態では、第1の状態のガスの温度は、第3の状態のガスの温度よりも高い。いくつかの実施形態では、第1の状態のガスの温度は、第3の状態のガスの温度と同様である。いくつかの実施形態では、第1の状態のガスの温度は、第3の状態のガスの温度よりも低い。
いくつかの実施形態では、第1の状態のガスの相対湿度は、第3の状態のガスの相対湿度よりも高い。いくつかの実施形態では、第1の状態のガスの相対湿度は、第3の状態のガスの相対湿度と同様である。いくつかの実施形態では、第1の状態のガスの相対湿度は、第3の状態のガスの相対湿度よりも低い。
いくつかの実施形態では、第1の状態のガスの流量は、第3の状態のガスの流量よりも高い。いくつかの実施形態では、第1の状態のガスの流量は、第3の状態のガスの流量よりも低い。いくつかの実施形態では、第1の状態のガスの流量は、第3の状態のガスの流量と同様である。
第3の状態のガスと第4の状態のガスとの間の可能な関係
いくつかの実施形態では、第2のガスコンディショニングシステムによって取り込まれるときのガスの第3の状態は、第2のガスコンディショニングシステムから出てくるガスの第4の状態と同様である。いくつかの実施形態では、第2のガスコンディショニングシステムによって取り込まれるときのガスの第3の状態は、第2のガスコンディショニングシステムから出てくるガスの第4の状態と異なる。
いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は、第4の状態におけるガスの温度より低い。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は、第4の状態におけるガスの温度よりも高い。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は、第4の状態におけるガスの温度と同様である。
いくつかの実施形態では、第3の状態における気体の相対湿度は、第4の状態におけるガスの相対湿度よりも高い。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの相対湿度は、第4の状態における気体の相対湿度と同様である。いくつかの実施形態では、第3の状態における気体の相対湿度は、第4の状態におけるガスの相対湿度よりも低い。
いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの流量は、第4の状態におけるガスの流量よりも高い。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの流量は、第4の状態におけるガスの流量よりも低い。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの流量は、第4の状態におけるガスの流量と同様である。
上述のように、エンベロープの長さに沿って均一な蒸発速度を達成するように温度、相対湿度および流量が制御される。
いくつかの実施形態では、プレキャストオブジェクトからの水分除去のための蒸発速度は、1kg/時/mtonから100kg/時/mtonの間である。いくつかの実施形態では、プレキャストオブジェクトからの水分除去のための蒸発速度は、約1kg/時/mtonから約50kg /時/ mtonの間である。いくつかの実施形態では、プレキャストオブジェクトからの水分除去のための蒸発速度は、約1kg/時/mtonから約40kg/時/mtonの間である。いくつかの実施形態では、プレキャストオブジェクトからの水分除去のための蒸発速度は、約1kg/時/mtonから約30kg/時/mtonの間である。いくつかの実施形態では、プレキャストオブジェクトからの水分除去のための蒸発速度は、約1kg/時/mtonから約20kg/時/mtonの間である。いくつかの実施形態では、プレキャストオブジェクトからの水分除去のための蒸発速度は、約1kg/時/mtonから約10kg/時/mtonの間である。いくつかの実施形態では、プレキャストオブジェクトからの水分除去のための蒸発速度は、約5kg/時/mtonから約40kg/時/mtonの間である。いくつかの実施形態では、プレキャストオブジェクトからの水分除去のための蒸発速度は、約5kg/時/mtonから約30kg/時/mtonの間である。いくつかの実施形態では、プレキャストオブジェクトからの水分除去のための蒸発速度は、約5kg/時/mtonから約20kg/時/mtonの間である。いくつかの実施形態では、プレキャストオブジェクトからの水分除去のための蒸発速度は、約5kg/時/mtonから約10kg/時/mtonの間である。
蒸発速度の上記範囲を達成するために、第1の状態、第2の状態、第3の状態および第4の状態におけるガスの温度が制御される。
いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの温度は約20℃から約99℃の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの温度は約50℃から約90℃の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの温度は約60℃から約90℃の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの温度は約70℃から約90℃の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの温度は約80℃から約90℃の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの温度は約50℃から約85℃の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの温度は約60℃から約85℃の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの温度は約70℃から約85℃の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの温度は約80℃から約85℃の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの温度は約50℃から約80℃の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの温度は約60℃から約80℃の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの温度は約70℃から約80℃の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの温度は約50℃から約75℃の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの温度は約60℃から約75℃の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの温度は約70℃から約75℃の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの温度は約50℃から約70℃の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの温度は約60℃から約70℃の間である。
いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約20℃から約99℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約30℃から約90℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約40℃から約90℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約50℃から約90℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約60℃から約90℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約70℃から約90℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約80℃から約90℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約30℃から約85℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約40℃から約85℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約50℃から約85℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約60℃から約85℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約70℃から約85℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約80℃から約85℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約30℃から約80℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約40℃から約80℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約50℃から約80℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約60℃から約80℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約70℃から約80℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約30℃から約75℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約40℃から約75℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約50℃から約75℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約60℃から約75℃の間である。第2の状態におけるガスの温度は約70℃から約75℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約50℃から約70℃の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの温度は約60℃から約70℃の間である。
いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約20℃から約99℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約30℃から約90℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約40℃から約90℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約50℃から約90℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約60℃から約90℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約70℃から約90℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約80℃から約90℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約30℃から約85℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約40℃から約85℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約50℃から約85℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約60℃から約85℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約70℃から約85℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約80℃から約85℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約30℃から約80℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約40℃から約80℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約50℃から約80℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約60℃から約80℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約70℃から約80℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約30℃から約75℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約40℃から約75℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約50℃から約75℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約60℃から約75℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約70℃から約75℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約50℃から約70℃の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの温度は約60℃から約70℃の間である。
いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの温度は約20℃から約99℃の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの温度は約50℃から約90℃の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの温度は約60℃から約90℃の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの温度は約70℃から約90℃の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの温度は約80℃から約90℃の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの温度は約50℃から約85℃の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの温度は約60℃から約85℃の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの温度は約70℃から約85℃の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの温度は約80℃から約85℃の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの温度は約50℃から約80℃の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの温度は約60℃から約80℃の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの温度は約70℃から約80℃の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの温度は約50℃から約75℃の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの温度は約60℃から約75℃の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの温度は約70℃から約75℃の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの温度は約50℃から約70℃の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの温度は約60℃から約70℃の間である。
蒸発速度の上記範囲を達成するために、第1の状態、第2の状態、第3の状態および第4の状態におけるガスの温度が制御される。
いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約10%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約20%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約30%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約40%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約50%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約60%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約70%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約80%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約90%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約10%から約20%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約10%から約30%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約10%から約40%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約10%から約50%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約10%から約60%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約10%から約70%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約10%から約80%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約10%から約90%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約10%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約20%から約30%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約20%から約40%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約20%から約50%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約20%から約60%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約20%から約70%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約20%から約80%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約20%から約90%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約20%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約30%から約40%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約30%から約50%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約30%から約60%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約30%から約70%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約30%から約80%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約30%から約90%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約30%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約40%から約50%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約40%から約60%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約40%から約70%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約40%から約80%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約40%から約90%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約40%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約50%から約60%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約50%から約70%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約50%から約80%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約50%から約90%の間である。いくつかの実施形態では、第1の状態におけるガスの相対湿度は約50%から約99%の間である。
いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの相対湿度は約10%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの相対湿度は約20%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの相対湿度は約30%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの相対湿度は約40%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの相対湿度は約50%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの相対湿度は約60%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの相対湿度は約70%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの相対湿度は約80%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第2の状態におけるガスの相対湿度は約90%から約99%の間である。
いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの相対湿度は約10%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの相対湿度は約20%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの相対湿度は約30%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの相対湿度は約40%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの相対湿度は約50%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの相対湿度は約60%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの相対湿度は約70%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの相対湿度は約80%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第3の状態におけるガスの相対湿度は約90%から約99%の間である。
いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約10%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約20%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約30%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約40%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約50%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約60%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約70%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約80%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約90%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約0.1%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約10%から約20%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約10%から約30%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約10%から約40%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約10%から約50%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約10%から約60%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約10%から約70%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約10%から約80%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約10%から約90%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約10%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約20%から約30%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約20%から約40%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約20%から約50%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約20%から約60%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約20%から約70%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約20%から約80%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約20%から約90%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約20%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約30%から約40%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約30%から約50%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約30%から約60%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約30%から約70%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約30%から約80%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約30%から約90%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約30%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約40%から約50%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約40%から約60%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約40%から約70%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約40%から約80%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約40%から約90%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約40%から約99%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約50%から約60%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約50%から約70%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約50%から約80%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約50%から約90%の間である。いくつかの実施形態では、第4の状態におけるガスの相対湿度は約50%から約99%の間である。
第1の状態、第2の状態、第3の状態および第4の状態におけるガスの流量は、それらの状態におけるガスの温度および相対湿度に従って調整および調節されて、上記で特定された範囲内の蒸発速度を達成する。
第2のガスコンディショニングシステムを使用して、第3の状態で取り込まれたガスは、加熱、流速の調整および/または除湿によってリフレッシュされる。これは図11および図12に概略的に示されている。図11では温度と流速の両方を示すために同じ線が使用されているが、温度と流速に使用されるy軸のスケールは異なる。図11および図12は、第3の状態で抽出され、第2のガスコンディショニングループを通過して第4の状態に至るガスを示す。ガスが第4の状態になった後、それはプレキャストオブジェクトの別の表面上を流れてエンベロープ内のプレキャストオブジェクトのその部分を乾燥および/または炭酸化する。
いくつかの実施形態では、硬化させるプレキャストオブジェクトの表面および他の表面は、舗装材の表面、ブロックの表面、屋根タイルの表面、鉄道枕木の表面、中空コアスラブの表面を含むがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、可能であれば、舗装材、ブロック、および屋根タイルなどのバイブロキャストのプレキャストオブジェクトをラック上の棚に積み重ねて、ショップフロアのスペース利用を改善することができる。プレキャストオブジェクトを有するラックは、エンベロープの長さおよび幅に沿って互いに隣接して配置されてもよい。上述のように、一次循環ループおよび二次循環ループを使用して、エンベロープの幅および長さの両方を顧客サイトでの設置面積の制限に対応するために任意の所望の長さに拡張することができる。エンベロープの設置面積の柔軟性によってショップフロアでの使用を柔軟に行えることは、このテクノロジを広く採用することを可能にする重要な利点である。
同様に、中空コアスラブは押出機を用いて振動圧縮により形成される。典型的には、中空コアスラブは、押出し成形品の長さに沿って延びる内部チャネルの形態の空隙を有する。多くの場合、中空コアスラブは、押出成形品の幅に沿って複数の内部チャネルを有する。いくつかの実施形態では、中空コアスラブは、押出成形品の幅に沿って約4~約10のチャネル(例えば、4、5、6、7、8、9、10の溝)を有することができる。中空コアスラブはしばしば加熱され得る鋳造要素上に鋳造される。スラブは、その後、キャスティング要素の上のタープ(防水シート)の中に囲まれる。いくつかの実施形態では、エンクロージャは気密である。いくつかの実施形態では、エンクロージャは通気されてもよい。このようにして、内部チャネルとスラブを囲む多量の空気とを含むエンベロープが作り出される。キャスティング要素からの追加の熱は、ガスがエンクロージャの長手を横切るときにガスの温度の低下を減少させる。これは、臨界点を超える条件に達する前にガスを利用することができるスラブの長さを増やすのに役立つ。
その温度、流量および組成によって定義される第1の状態のガスは、複数の方法でエンベロープの一次循環ループに導入することができる。いくつかの実施形態では、ガスはプレキャストオブジェクトの空隙を通して直接導入することができる。中空コアスラブにおいて、中空コアスラブのチャネルは内部エンベロープ容積を形成することができる。いくつかの実施形態では、ガスはまた、プレキャストオブジェクトの上面または側面から導入することができる。中空コアスラブの用途では、中空コアスラブの側面および上面は外部エンベロープ容積を提供する。さらに、いくつかの実施形態では、ガスはエンベロープの底部からも導入することができる。中空コア用途では、底部からキャスティングベッドを通してガスを導入することができる。これらのガス供給システムは、製品および製造現場の要求に応じて、独立してまたは組み合わせて使用することができる。
ガスも同様にエンベロープから除去することができる。ガスは、双方の内部エンベロープ容積から、外部エンベロープ容積から、またはエンベロープの底部から、直接除去することができる。
上述のように、第2の状態で除去されたガスは、水蒸気を除去しそしてその温度を上昇させるように調整されなければならない。次いで、再調整されたガスは、追加の補給ガスと共に再循環されて、反応プロセスまたはシステムの漏洩に対して失われたガスを考慮し、それによって連続的な一次ガス循環ループを作り出す。1次ガス循環ループを設計するときには、エンベロープの長さに沿って温度および相対湿度を特定の範囲内に維持することが望ましい。
いくつかの実施形態では、エンベロープの長手に沿って均一な処理条件を作り出すのを助けるために、追加の分配機構をガス供給システムに取り付けることができる。これらの追加の分配機構は、エンベロープの長手を横断してガスを内部または外部エンベロープ容積内に分配する有孔管からなる。
一態様では、プレキャストオブジェクトを硬化させる方法は、ガスを収容することができるエンベロープ内にプレキャストオブジェクトを導入し、前記エンベロープは封止されているかまたは通気されており、1次ガス循環ループを提供することであって、該1次ガス循環ループは、前記エンベロープに、第1の状態で二酸化炭素のようなガスを導入し、前記エンベロープ内のプレキャストオブジェクトの表面上に前記ガスを流してガスを第2の状態にし、第2の状態で、ガスを第1のガスコンディショニングシステムに通して、ガスを第1の状態に戻し前記ガスを前記1次ガス循環ループに再循環させることを含み、前記第1のガスコンディショニングシステムは、ガスの温度を上昇させるために加熱ユニットにわたって第1の流量でガスを流し、相対湿度を低下させるために第2の流量で除湿ユニットを通ってガスを流すことを含む。
いくつかの実施形態では、前記プレキャストオブジェクトの前記表面をガスが通過することは、前記プレキャストオブジェクト内の空隙をガスが通過することを含む。いくつかの実施形態では、前記プレキャストオブジェクトは、その長手に沿って走る複数のチャネルを備える中空コアスラブである。
いくつかの実施形態では、ヒーターにわたる第1の速度でのガスのフローと除湿ユニットを通る第2の速度でのガスのフローは、並列してセットアップされている。
いくつかの実施形態では、前記1次ガス循環ループのフローの方向は、前記プレキャストオブジェクトの硬化中に方向を変化させる。
コンディショニングされた硬化装置
一態様では、本発明は概して、プレキャストオブジェクトを硬化させるための装置に関する。装置は、ガスを収容することができるエンベロープであって、封止または通気可能に構成されるエンベロープと、前記エンベロープに接続される1次ガス循環ループであって、第1の状態にガスを戻すために、第2の状態にガスをコンディショニングすることが可能な1以上の第1のガスコンディショニングシステムを含む1次ガス循環ループと、1以上の2次ガス循環ループとを含み、該2次ガス循環ループは、第3の状態でのガスを第4の状態に調整するための1以上の第2のガスコンディショニングシステムを含む。
特定の実施形態では、前記2次ガス循環ループの少なくとも1つの前記第2のガスコンディショニングシステムは、前記エンベロープ内に位置される。特定の実施形態では、装置は、複数の2次ガス循環ループを含む。
特定の実施形態では、前記第2のガスコンディショニングシステムと前記第1のガスコンディショニングシステムとは同じシステムである。特定の実施形態では、前記第2のガスコンディショニングシステムと前記第1のガスコンディショニングシステムとは異なるシステムである。
特定の実施形態では、前記第2のガスコンディショニングシステムは、少なくとも1つの加熱ユニットを備える。特定の実施形態では、前記第2のガスコンディショニングシステムは、複数の加熱ユニットを備える。
特定の実施形態では、前記2次ガス循環ループは、少なくとも1つのファンを備える。特定の実施形態では、前記2次ガス循環ループは、複数のファンを備える。特定の実施形態では、前記2次ガス循環ループは、残りの他のファンと比較して、反対方向にガスを流すように構成される少なくともいくつかのファンを備える。特定の実施形態では、前記2次ガス循環ループは、第1の速度でガスを流すように構成される少なくともいくつかのファンと、前記第1の速度とは異なる速度でガスを流すように構成される他のファンとを備える。
特定の実施形態では、前記第2のガスコンディショニングシステムは、除湿ユニットを備える。特定の実施形態では、前記除湿ユニットは、冷却器、乾燥剤、湿気除去を可能にする膜、またはこれらの2つ以上の組み合わせを備える。
1次ガス循環ループのインレットおよびアウトレット
前記1次ガス循環ループのインレットおよびアウトレットは、第1の状態でガスをエンベロープに投入する機能、第2のガスの状態でガスをエンベロープから取り出す機能をそれぞれ果たす。
図13は、中空コア用途に典型的に使用されるインレットの実施形態を示す。
図14は、中空コア用途に典型的に使用されるアウトレットの実施形態を示す。
中空コアスラブについては、インレットおよびアウトレットが、スラブの端部に配置され、床面を囲むエンベロープを形成するためのタープで封止される。図15は、インレットが設置された押出中空コアスラブを示す。図16は、タープを使用して形成されたエンベロープと共に設置されたインレットおよびアウトレットを有する中空コアスラブを示す。この基本設定を使用して、長さ約6メートル/20フィートまでの中空コアスラブを硬化させることができる。エンベロープの長さに沿ったガスの状態の悪化のために、より大きい部分は均一に硬化されず、未硬化生成物が得られる。
1次ガス循環ループのインレットおよびアウトレットは、鋳造床上にある基部と、スラブの各チャネルに面するダクトとからなる。インレットおよびアウトレットはまた、スラブの上面または側面上に流れを可能にするように設計されてもよく、これはスラブの上面または側面を横断してガスを方向づけるインレットおよびアウトレットの上面または側面にスリットを含めることによって達成することができる。スリットの代わりに、インレットおよびアウトレットの上部および側面にある円形の穴を利用することができる。
より長い中空コアスラブの場合、図17~図22に示すように、インレットおよびアウトレットを有孔ホースおよび/または有孔パイプと組み合わせて使用することができる。
図17は、ガスを供給および除去するためのホースおよびパイプの実施形態を示す。図17はインレット図を示す。図18は、ホースを示した図であり、ガス供給システムへの補助として使用され、中空コアスラブチャンネル内に挿入されている。図19は、硬化サイクルの後にホースが中空コアスラブのチャネルから除去されているところの図を示す。図20はエンベロープからガスを除去するためのアウトレットを示す。図21は、中空コアスラブのチャネル内のホースの図を示す。図22は、長さ15メートルの中空コアスラブを硬化させるために使用されるインレット、アウトレットおよびエンベロープを示す。
図17~図22に示す構成を使用して、約15メートル/50フィート(例えば、約10~15メートル)までの中空コアスラブ全体にわたって実質的に均一なガス状態を達成することができる。硬化させることができる最大長さは、穴とそれらの直径との間の間隔によって影響を受ける可能性がある。加えて、コンクリートの組成、具体的にはその含水量は、チャネルの直径と共に、チャネル内で観察されるガス状態の勾配にも影響を及ぼし、それによって均一に硬化させることができるスラブの長さに影響を与える。
一次再循環ループはエンベロープ全体にわたるガスの分配およびコンディショニングを容易にするが、達成できるエンベロープの全長は限られている。このため、エンベロープの長さまたは幅に沿ってラックに積み重ねられるプレキャストオブジェクトの総数は制限されている。処理できる中空コアスラブの長さも同様に制限されている。ガスがエンベロープの長さを横切ると、蒸発によって水がプレキャストオブジェクトから抽出されるので、ガスの温度は下がり、相対湿度は上昇する。これにより、ガスの状態が図9および図10に示す臨界点以下になる。キャスティングベッドからの熱の適用、特に加熱された中空コアキャスティングベッドの場合には、臨界点に達することなくガスを利用することができるスラブの長さを増加させることが期待される。鋳造床の入熱から実現できるスラブの長さの増加は制限される。さらに、内部または外部エンベロープ容積を横切る有孔管のような追加の分配機構を使用することによって予想されるエンベロープの長さの増加もまた穏やかである。
現在、中空コアスラブは100メートル以上の長さのセクションで生産されている。最終製品の利用を最大にしそしてエンドユーザーの望む通りに切片を切断する性能を促進させるために、これらの切片を1つのエンベロープの下で硬化させることが必要である。加えて、内部エンベロープ容積を横切る有孔管、すなわち中空コア内のチャネルのような追加の分配機構の実施は時間のかかる作業であり、これは増加した操作および準備時間を通して費用を追加する。内部有孔管の硬化後のセットアップおよび除去をそれぞれ図18および図19に示す。
シーリングタープによって形成されたエンベロープは、図23~図25に示すようにインレットおよび/またはアウトレットとして使用することができる。これは、1つまたは複数の有孔管を、ガスが第1の状態で入る一方の端部のインレットと、エンベロープの長さを横切った後にガスが第2の状態に達する他方の端部のアウトレットとに取り付けることによって行われる。チューブはシーリングタープの上部または側面に取り付けられている。管の直径、穿孔、および穿孔間の間隔は、システムに必要な所望の流速に依存する。
キャスティングベッドまたはエンベロープの床は、ガスインレットとしても使用することができる。いくつかの実施形態では、ガス温度を維持するためにキャスティングベッドまたはエンベロープの床の加熱機構を利用して、加熱ガスを運ぶ管をベッドの下に設置することができる。次いで、キャスティングベッドまたはエンベロープの床は、ガスがそれを通って流れることを可能にするためにその全長にわたって穿孔されてもよく、穿孔の直径およびそれらの間の間隔は、システムにとって望ましい流量に依存する。
少なくとも1つの2次ガス循環ループを含むことは、内部エンベロープ容積と外部エンベロープ容積との間のガスの分配および再調整を容易にする。この2次ガス循環ループは、エンベロープ内のガスを第3の状態にし、それを第2のガスコンディショニングシステムに通して第4の状態に調節することを含む。さらに、2次ガス循環ループは、プレキャストオブジェクトの少なくとも別の表面上に第4の状態にコンディショニングした後にガスを流すことも含む。
2次ガス循環ループの使用により、任意の長さの中空コアスラブを処理する能力が実現される。
エンベロープ
ガスが逃げないようにするためにエンベロープが設けられている。用途に応じて、エンベロープは通気されるかまたは気密に封止されてもよい。
舗装材、ブロック、屋根タイル、枕木、中空コアスラブなどのプレキャストオブジェクトの硬化において、エンベロープは、硬化のために部品が配置されるチャンバまたは囲いによって提供される。いくつかの実施形態では、このエンベロープでは、スペース利用を最大にするために部品を棚の上のラックに配置することができる。プレキャストオブジェクトを有するこれらのラックは、互いに隣接して配置されてもよく、すなわち、互いの前に配置されてもよく、互いに隣同士に配置されてもよい。
いくつかの実施形態では、エンベロープは、金属、合金、プラスチック、複合材料、またはそれらの2つ以上の組み合わせから構築されたチャンバによって提供される。いくつかの実施形態では、エンベロープは、温度損失を最小限に抑え、エンベロープ内のガス状態のより良好な制御を容易にするために断熱されている。
いくつかの実施形態では、エンベロープは二酸化炭素を透過しない材料のシートで作られる。この二酸化炭素不透過性材料のシートはエンベロープを完全に密封するために使用される。中空コア用途では、例えば、キャスティングベッドの側面ならびに各中空コア端部のインレットおよびアウトレットは、図16~図22に示されるように、そのようなシーリングタープ内にすべて封入される。
いくつかの実施形態では、特定の設定の必要性に応じてタープを断熱することができる。
いくつかの実施形態では、タープは、中空コアスラブの周りのガスエンベロープの内外に二酸化炭素を運ぶための1つまたは複数の有孔管を含むことができる。管の直径、穿孔、および穿孔間の間隔は、システムに供給されるべき所望の流量に依存する。
いくつかの実施形態では、エンベロープの長さに沿って延びるチューブの形態のガス供給システム、およびエンベロープは、それ自体の重量および/またはチューブの重量を支えることができない材料でできており、支柱は封筒の長さ全体とエンベロープの両端に取り付ける必要がある。いくつかの実施形態では、全長にわたって支持体は面(グラウンド)に取り付けられている。いくつかの他の実施形態では、支持体はエンベロープ自体の一部である。
いくつかの実施形態では、支持体はエンベロープの端部で使用される。実施形態では、支持体がエンベロープの端部で使用される場合、インレットポートおよびアウトレットポートが必要とされる。これらは、例えば、図43および図44に示されている。いくつかの実施形態では、圧力、相対湿度、温度、および二酸化炭素濃度のためのセンサポートもエンベロープに設けられている。エンベロープの内側の管は、端部支持体に対して平行または垂直であり得る。
2次ガス循環ループのためのプレナム
2次ガス循環ループ用のプレナムはエンベロープ内に配置された開口部である。2次ガス循環ループのためのプレナムの機能は、第1の状態とは異なるかまたは類似した第3の状態でエンベロープ内のガスを取り出し、それを第2のガスコンディショニングシステムに通過させて第4の状態に調整することである。ガスが第4の状態に調整されると、それはプレキャストオブジェクトの少なくとも別の表面上を流れるために使用される。
いくつかの実施形態では、プレキャストオブジェクトが中空コアスラブである場合、プレナムは中空スラブ表面上に挿入することによって展開される金属、プラスチックまたは複合材料(またはそれらの組み合わせ)ベースの固定具である。2次ガス循環ループを容易にするプレナムの配置は、硬化プロセスを長さに依存しないようにする。いくつかの実施形態では、複数のプレナムがスラブの異なる位置に配置されて中空コアスラブを硬化させる。いくつかの特定の実施形態では、これらのプレナム間の間隔は約15メートルである。いくつかの特定の実施形態では、これらのプレナム間の間隔は15メートルより大きく100メートル未満(例えば、約20、30、40、50、60、70、80、90メートル)である。図26~40は、2次ガス循環ループを促進するために使用することができる様々な種類のプレナムを示す。
いくつかの実施形態では、プレナムは、図26~図30に示すように、インジェクションまたはガス除去のいずれか一方の役割を果たすだけでよい。これらの画像には、インジェクション側からのガスが、ガス除去側からのガスと混合するのを防ぐために使用されるスプリッタも示されている。いくつかの実施形態で使用されるスプリッタはまた、プレナムを中空コア内に設置するのを助ける。いくつかの実施形態では、プレナム上のスプリッタは歯のようなアレンジメントに切り出される。スプリッタとともにプレナムを使用するときは、中空コアスラブの補強材と接触しないように注意する必要がある。
図31は、スプリッタと組み合わされたインジェクタを有するプレナムを示す。図32および図33は、3つの部分すべてを一体化したプレナムを示す。1つのプレナムには、インジェクション、ガス除去、スプリッタがある。
図34は、インジェクタとガス除去がプレナム内の同じ開口部によって達成され、スプリッタが開口部間の仕切りとして作用するプレナムを示す。図35~図37は、図34に示されているプレナムを中空コアスラブ内で使用する方法を示している。
図38および図39は、ガス注入またはガス除去のためのプレナムとして機能することができる移動蓋を有するベースプレートからなるプレナムを示す。図40は、中空のコアスラブ上に設置された図38および図39に示すプレナムを示す。
いくつかの実施形態では、2次ガス循環ループ内のプレナムは、図38に示すベースプレートを使用することによって形成される。いくつかの実施形態では、プレナムは、プレキャストオブジェクトの表面をプレキャストオブジェクト内部の空隙に接続する穴を、プレキャストオブジェクト部分に残すことによって形成される。中空コアスラブにおいて、中空コアスラブ内の空隙はチャネルである。当業者は、プレキャスト部分の内側の空隙へのアクセスを得るためにプレキャストオブジェクトの表面上に開口部を形成するために他のツールを使用することができる。いくつかの実施形態では、取り外し可能な蓋は使用されず、ベースプレートは、チャネルを中空コアスラブの表面と接続するための穴を形成した後に、中空コアスラブの上部に残される。
いくつかの実施形態では、ファンまたはヒーターは、ベースプレートの上面に配置されていないか、またはベースプレートを使用して形成された穴は配置されていない。形成された開口部は、2次ガス循環ループ内のプレナムとしてそのまま使用される。
図34、図38および図39に示すように、プレナムから突き出ているチューブは、ガスインジェクションおよび除去ダクトとして使用される。チューブは、所与のシステムに最も適した幾何学形状に応じて多くの構成をとることができる。チューブは角度を付けられてもよく、チューブの中心に穴を有してもよく、または複数の穴を有してもよい。図34に示すように、チューブを半分に分けて、半分をインジェクション用に、もう半分を吸引用に分離することができる。
プレナムは、どの測定が必要とされるかに応じて複数のセンサを含み得る。炭酸化可能なケイ酸カルシウムセメントでできた中空コアスラブを硬化させるときに通常モニターされるパラメーターは、圧力、二酸化炭素濃度、温度、そして相対湿度である。
強化プレナムは内部ヒーターおよび/またはファンを含み、ヒーターは図34に示すようにスラブの長さにわたって温度勾配を減少させるために使用される。図35に示すように、ファンを使用して中空コアスラブのコア内の流れを駆動し、シール内のエンベロープ上の流れを循環させる。
いくつかの実施形態では、プレキャストオブジェクト(中空コアスラブを含む)を硬化させる方法は、使用されるプレナムの少なくともいくつかに加熱ユニットを含む。いくつかの実施形態では、加熱ユニットは電気加熱エレメントであり、その上を第3の状態で抽出された冷ガスが通過して温度が上昇する。
いくつかの実施形態では、中空コアスラブを含むプレキャストオブジェクトを硬化させる方法は、二次ガス循環ループの形成を通してエンベロープ内のガスを再分配するために使用されるプレナムの少なくともいくつかにファンを含む。いくつかの実施形態では、ファンは、接線方向、遠心式、軸方向、クロスフロー式または可逆式ファンである。いくつかの実施形態では、使用されるファンは可変速度である。いくつかの他の実施形態では、ファンは一定速度である。同じシステム内の異なる種類のファンの組み合わせは、本開示の範囲内で想定されている。
図41および図42は、中空コアスラブ上のプレナム内に設置された加熱エレメントと、エンベロープ内のガスを再分配するために使用することができる可逆ファンとを示している。
いくつかの実施形態では、プレナムには、キャスティングベッドの側面上、エンベロープのフロアに沿って、またはエンベロープの壁に沿って配置されたパイプを使用することによって、第2のガスコンディショニングシステムからガスが供給される。パイプは、第2のガスコンディショニングシステムから調整済みガスを運び、一定の間隔でキャップ付き開口部を有する。プレナムに最も近いキャップされた開口部はキャップされておらず、プレナムに接続されている。
有孔ホース、改良型キャスティングベッド、有孔パイプ、エンベロープ、および第1のガスコンディショニングシステムに接続されたインレットおよびアウトレットは、1次ガス循環ループを形成する。さらに、プレナムとキャップ付き開口部を有するパイプとを組み合わせて、2次ガス循環ループを形成してもよい。2次ガス循環ループでは、1次循環ループの第1の状態で注入された調整ガスが、第3のガス状態でエンベロープ内のプレキャストオブジェクト内またはその周りをある程度移動した後に除去され、第2のガスコンディショニングシステムを使用して第4の状態に再調整した。ガスが第4の状態に再調整されると、それはプレキャストオブジェクトの少なくとも別の表面上を流れる。これは2次ガス循環ループを形成する。2次ガス循環ループまたは一連の2次ガス循環ループを使用して、様々なサイズの中空コアスラブを硬化させるために採用することができ、製造されるスラブの仕様に応じてモジュール式に構成することができる。
いくつかの実施形態では、中空コアスラブの頂部に配置されたプレナムは、外部エンベロープボリュームから内部エンベロープボリュームへガスを循環させるために利用され、それによって、中空コアスラブのチャネル内により均一なガス状態を作り出す。1次循環ガスループ単独では均一に硬化するには長すぎるスラブの硬化を容易にするためにエンベロープ内で多数のプレナムを利用することができる。
いくつかの実施形態では、硬化プロセスパラメータ(コントローラなど)を制御するためのユニットは、プロセスステップシーケンス、期間およびタイミングを制御することを含む、硬化装置および方法についての様々な動作パラメータを集中的に制御するため、および硬化操作中に測定されたデータを記録するために提供される。様々な実施形態において、コントローラは、二酸化炭素源、ガスフローサブシステム、エンベロープの動作、1次ガス循環ループ、第1のガスコンディショニングシステム、2次ガス循環ループ、温度制御ユニットおよび湿度制御ユニットを含む第2のガスコンディショニングシステムの少なくとも1つと連絡している。いくつかの実施形態では、コントローラは、温度、湿度、流量、ガス圧、ガス組成などのプロセスに関するデータを提供するセンサと通信している。コントローラは、例えば、エンベロープ内の様々な位置などで、気体状二酸化炭素の流量および方向、ガスの温度、および湿度のうちの1つまたは複数を独立しておよび/または中央で、モニターおよび制御するように構成される。
特定の用途に適した優れた特性および性能的特徴が得られ得る。特定の実施形態において、複合材料は、約20MPa~約175MPa(例えば、約20MPa~150MPa、約20MPa~120MPa、約20MPa~100MPa、約20MPa~80MPa、約20MPa~65MPa、約30MPa~120MPa、約30MPa~100MPa、約30MPa~65MPa、約60MPa~120MPa、約90MPa~130MPa、約100MPa~175MPa、約120MPa~175MPa、約140MPa~175MPa、約150MPa~175MPa)の圧縮強度を特徴とする。
特定の実施形態において、複合材料は、約3MPaから約30MPa(例えば、約3MPa~25MPa、約3MPa~20MPa、約3MPa~15MPa、約3MPa~10MPa、約10MPa~30MPa、約20MPa~30MPa、約5MPa~20MPa)の曲げ強度を特徴とする。
特定の実施形態では、複合材料は約10%未満の吸水率を特徴とする。いくつかの他の実施形態では、複合材料は約8%未満の吸水率を特徴とする。いくつかの他の実施形態では、複合材料は約5%未満の吸水率を特徴とする。いくつかの他の実施形態では、複合材料は約4%未満の吸水率を特徴とする。いくつかの他の実施形態では、複合材料は約3%未満の吸水率を特徴とする。いくつかの他の実施形態では、複合材料は約2%未満の吸水率を特徴とする。いくつかの他の実施形態では、複合材料は約1%未満の吸水率を特徴とする。
複合材料は、1つまたは複数の所望のテクスチャ、パターンおよび物理的特性、特に天然石に特有のものを示すことができる。特定の好ましい実施形態では、複合材料は天然石に似た視覚的パターンを示す。他の特徴には、色(例えば、黒、白、青、ピンク、灰色(淡~暗)、緑、赤、黄色、茶色、シアン(青緑色)または紫)およびテクスチャが含まれる。
この開示は、本明細書に含まれる正確な内容に限定されない。当業者に明らかな組み合わせおよび/または変更は、本開示の範囲内で想定されている。本発明の特定の態様を説明するために、いくつかの非限定的な例を以下に記載する。
実施例
実施例1
この例示的なセットアップ(構成)は、長さ16メートルの中空コアスラブの長さに沿った3点で中空コアスラブのチャネルにアクセスするために中空コアスラブの頂部から穴を形成することを含む。具体的には、これらの穴は、16メートルの中空コア部分の最初、中央、そして最後に位置された。これらの穴は、図41に示されるようにプレナムベースを使用して形成された。図41に示されるように、プレナムベースは16メートルの中空コアスラブの始めと終わりの穴に残された。
気密シールされたタープチャンバ内へのガスインレットから遠位の中空コアスラブの一端に、プレナムの上にファンを取り付ける前にプレナムの上に加熱ユニットを配置した。図41はまた、プレナムベース上の加熱ユニットの配置を示す。加熱ユニットは、中空コアスラブの長さにわたるガス輸送中に発生する熱損失を補償するために設けられた。ガスインレットに近い中空コアスラブの他端に、プレナムを加熱ユニットなしでプレナムベース上に置き、ファンをプレナムの上に取り付けた。上部にファンを取り付けた状態でのプレナムの組み立てを図42に示す。
内部に加熱ユニットを有するプレナム上のファンは、中空コアからガスを吸引するように配向された。対照的に、ファンは、内部に加熱ユニットが含まれていない第2のファンとプレナムとのアセンブリのための中空コア内にガスを吹き込むように配向された。さらに、シーリングタープを使用してエンベロープをセットアップした場合、第1のガスコンディショニングシステムからのガスのインレットおよびアウトレットは、内部に加熱ユニットのないプレナムアセンブリが配置されている端部に配置されることを確実にした。
例示的な最終セットアップは図45に概略的に示される。
図46は、その内部に中空コアを収容しかつガスコンディショニングシステムに接続されたエンベロープ形成された、使用された封止タープの実際の組み立てを示す。図45の上部のホースは、ガスコンディショニングシステムからガス密封タープチャンバ内にガスを輸送するガスインレットとして機能し、一方、図45の底部のホースは、ガス密封タープチャンバからガスコンディショニングユニットへとガスを輸送するガスアウトレットとして機能する。
上記の設定パラメータを使用して、ガス流、相対湿度、CO2濃度および長さに沿った温度を操作して、基本プレナムを使用して均一に硬化した中空コアスラブを生成する6mセクションの中空コアについて観察され記録されたパラメータに一致させた。中空コアスラブの均一な硬化は、中空コアの長さおよび幅に沿った様々な位置でサンプルをコア抜きし、それらを圧縮強度について評価することによって確立された。圧縮強度目標は、約30から約40MPaであった。
圧縮強度の目標を達成し、均一な硬化を示すための試みにおいて第1のガスコンディショニングシステムから調整ガスを輸送するインレットおよびアウトレットホースを有する端板に近いプレナム上のファンは、中空コアスラブの他端のファンよりも遅い速度で動作する必要があることが確認された。より遅いファンは15Hzで作動するように設定され、一方より速いファンは25Hzで作動するように設定された。この設定により、最終的に、中空コアスラブの一様に硬化した16メートルの部分が得られた。この例においても、中空コアの6メートルセクションの初期の運転と一致して、キャスティングベッドの温度上昇は製品の長さにわたって乾燥プロファイルの均一性を改善し、ひいてはCO2硬化プロファイルを改善することが見られた。
このシステムの大きな利点は、セットアップを連続して繰り返すことによって、システムの機能を拡張してより長い中空コアスラブの硬化を容易にすることができることであり、それによって、この方法を使用して硬化させることが可能である中空コアスラブの長さを延長する。この拡大を実施しながら規模の拡大プロセスをサポートするために、CO2ガスコンディショニングシステムを同時に規模拡大するために注意を払う必要がある。
開発したプロセスについて、計算流体力学(CFD)シミュレーションを社内実験と比較した。プレナムが製造されCO2硬化システムに接続された後、CFDモデルは特定のプレナム設計の流れパターンを予測し、送風機容量は、一定のガス速度を維持するように調整された。得られた製品は、図47に示すようにCFD予測を検証した。
実施例2
別の例示的な構成では、長さ16メートルの中空コア部分の中央に1つのプレナムのみが使用された。プレナムにはヒーターは使用されていない。プレナム内のファンは、中空コアスラブのコアから吹き出すように構成された。中空コアスラブの上部を貫通して内部のコアにアクセスするための穴だけを開けた。プレナムベースの上に加熱ユニットを設置することなく、ファンをプレナムベース上に配置して、図41に記載のプレナムアセンブリを形成した。このセットアップでは完全に硬化したサンプルは得られず、エンベロープの長さ全体にわたってガス状態の制御を一定範囲内に維持し、決して条件が臨界点を下回らないようにする必要性が強調された。
図48は、実施例2で使用されたセットアップを示す。
実施例3
別の対照として、設定が図45に示すものと同様である試験を実施したが、プレナムアセンブリ上のファンの速度は同じ速度に保たれた。この試験は、不均一に硬化した中空コアスラブをもたらした。これは、実施例2と併せて、均一に硬化した中空コアスラブを得るためにタープチャンバー内部のガス流を調節する必要性を明確に示している。
図49は、実施例2に記載のセットアップを用いて調製した中空コアスラブの断面(上部)を、実施例1に記載のセットアップを用いて均一に硬化させた運転からの断面(下部)とともに示す。
支配的な考慮事項は、硬化プロセス中の中空コアスラブの上および中のガス状態の均一性である。ガスがコアを通って流れるにつれて、硬化サイクル中にプレキャスト物体から水分を抽出する。水の蒸発潜熱は熱損失を引き起こす。プレキャストオブジェクトの質量がヒートシンクとして機能するため、熱も失われる。これら2つの要因は、硬化プロセス中に中空コアスラブの長さに沿って温度の不均一な勾配を引き起こす。実施例1で使用されるように、プレナム内のファンおよびプレナム内のヒータは、密閉タープを使用して形成されたエンベロープ内の熱源として作用し、ガス密閉タープチャンバ内での不均一な勾配の形成を軽減するのを助ける。
実施例4
図50は、補強ストランドが通過することを可能にするために底部セクションにシール可能なスロットを提供しながら密封タープチャンバを支持するように設計されたエンドプレートを示す。中空コアスラブの底部に位置するこれらのストランドは、コンクリートの押出しの前にプレテンションをかけられ、プレキャストオブジェクトが硬化するまでテンションを維持する。ストランドにかかる張力は、中空コアスラブを切断する前に解放される。張力を解放した後のストランド上の滑りを測定して硬化度にアクセスする。硬化度が許容可能であるためには、約5~6mm以下の滑りが望ましい。図50はまた、エンドプレート上のガスインレット(頂部)およびアウトレット(底部)のための開口部を示す。
セットアップ構成の概略図を図51に示す。この構成では、上部にファンが取り付けられた3つのプレナムが、中空コアスラブの上部に配置された。これらのアセンブリのうち2つはスラブの端に、もう1つは中央に配置された。端部のファンは中空コアスラブ内にガスを吹き込むように構成され、中央のファンは中空コアからガスを吸い出すように構成された。
図52は、中空コアの32メートルの押出部分を硬化させるために設定された気密の密封タープチャンバーを示す。この例では、気密の密封タープを使用して形成されたエンベロープの内側に、厚さ20cmの中空コアスラブがある。
図52にはまた、第1のガスコンディショニングシステムからの密封タープを使用してCO2ガスを形成されたエンベロープに往復輸送するインレットホース(黄色)およびアウトレットホース(黒色)が見られる。
上記のセットアップを用いて、長さ32メートル、厚さ20cmの中空コアスラブを首尾よく硬化させた。図53は、長さ32メートルの硬化中空コアスラブから得られた、中空コアスラブの3つのセクション(下側2つは長さ9メートル、上側は長さ6メートル)を示している。
硬化が成功し、中空コアスラブの底部に位置する7本のストランドすべてが、硬化が停止した後の張力の解放時にストランドスリップ基準に合格したことを特徴とした。硬化コンクリート中のストランドの滑りは観察されなかった。
実施例5
図54は、長さ100メートルの中空コアスラブを硬化させるための典型的なセットアップの概略図を示す。このセットアップでは、可逆ファンを有するプレナムが二次ガス循環ループに使用されて、長さ100メートルの中空コアスラブの硬化を容易にする。このセットアップを使用して、100メートルより長い中空コアスラブをうまく硬化させることができる。
1次ガス循環ループは、密封タープを使用して形成されたエンベロープへのインレットを含む。インレットは、第1の状態で、チャンバの上部のエンベロープの長さに沿って延び、エンベロープに取り付けられているチューブ内にガスを供給する。チューブは、エンベロープの長さに沿ってガスをエンベロープ内に送達するための穴を有する。
しかしながら、本明細書に記載されるように、ガスがエンベロープの長手をt通過するにつれて温度および/またはガス組成は変化する。100メートルの中空コアスラブの全長をうまく硬化させるには、2次ガス循環ループが必要である。
可逆ファンおよび加熱エレメントを有するプレナムは、中空コアスラブのチャネルにおける、および、エンベロープ上方におけるガスを、第3の状態で取り出し、それを第2のガスコンディショニングシステムを通過させて第4の状態にする。第4の状態におけるこの再調整ガスは、中空コアスラブの少なくとも別の表面上を通過する。これが2次ガス循環ループを形成する。
図55は、長い中空コアスラブ(例えば、長さ100メートルのセクション)を硬化させるために使用される中空コアスラブ用の1次ガス循環ループおよび2次ガス循環ループの概略図を示す。
図56は、全てのプレナムが流れを駆動するためのファンを有する代わりに、プレナムがひとつおきにファンを有するシステムの概略図を示す。
実施例6
図57は、約100メートル以上の長さの中空コアスラブを硬化させるための概略図を示す。このセットアップでは、中空コアスラブの硬化を容易にするために、ファンなしのプレナムが2次ガス循環ループで使用される。
1次ガス循環ループは実施例5に記載したセットアップと同一である。エンベロープの長さに沿って延びるチューブ内の穴に加えて、チューブはまた、中空コアスラブの上部に配置されたプレナムに直接接続するための延長部を有する。
いくつかの実施形態では、第1のガスコンディショニングシステムは第2のガスコンディショニングシステムとしても機能し得る。この実施形態の変形例では、プレナムは、第2のガスコンディショニングシステムを賄うための別個の第2のガスコンディショニングシステムを形成するために別々に取り付けられたヒーターおよび/または除湿ユニットを有することができる。
実施例7
図58は、長さ100メートルの中空コアスラブを硬化させるための概略図を示す。このセットアップでは、100メートル以上の長さの中空コアスラブの硬化を容易にするために、可逆ファンを有するプレナムが2次ガス循環ループに使用される。
ここで、1次ガス循環ループは、シーリングタープを使用して形成されたエンベロープへのインレットを含む。インレットは、第1の状態で、エンベロープの頂部にあるエンベロープの長さに沿って延びるチューブの中にガスを供給する。いくつかの実施形態では、チューブはエンベロープに取り付けられている。チューブはガスをエンベロープ内に送達するための穴を有する。第2の状態のガスがそれを通って除去されるアウトレットは、エンベロープの長さに沿って延びる(エンベロープの上にあってそれに取り付けられている)2本のチューブを含む。チャンバからガスを除去するために使用されるチューブもまたエンベロープの長さに沿って穴を有する。
アウトレットに使用される2つのチューブ内の流れの方向は、図58では反対であるように示されているが、いくつかの実施形態では、この流れは同じ方向であることとしてもよい。アウトレットとして機能する2つのチューブおよびインレットとして機能するチューブの中の流れの方向は、同じ方向でも反対方向でもよい。
2次ガス循環ループは実施例5と同じである。
実施例8
図59は、長さ100メートルの中空コアスラブを硬化させるための概略図を示し、ここで、一次循環ループは、チャンバの長さに亘って延び、次いで少なくとも有意な長さのエンベロープを横切ってループアバックしてアウトレットに到達し、第1のガスコンディショニングシステムに戻るチューブを含む。チューブはガスをエンベロープ内に送達するための穴を有する。1つではなく2つのチューブを使用してガスを挿入することは、スラブの長さに沿って温度勾配を制御するのに有用である。
このセットアップでは、リバーシブルファンを備えたプレナムが2次ガス循環ループに使用されて、長さ100メートルの中空コアスラブの硬化を容易にする。
2次ガス循環ループは実施例5と同じである。
実施例9
図60は、プレキャストオブジェクト(例えば、舗装材、ブロック、屋根タイル、枕木)を硬化させるために1次および2次循環ループを使用するエンベロープの概略図を示す。このセットアップでは、第1のコンディショニングシステムは、除湿ユニットとエンベロープの外部にあるファンとを含む。第1のコンディショニングシステムは、任意に加熱ユニットも含み得る。1次ループは、第1の状態のガスをインレットを通してエンベロープに導入し、第2の状態のガスをエンベロープからアウトレットを通して抽出する。
エンベロープ内には、少なくとも加熱器および少なくとも循環ファンを含む第2のコンディショニングループがある。典型的には、エンベロープの長さおよび幅内で均一なガス状態を促進するために、多くのそのような第2のコンディショニングループをエンベロープ内に含めることができる。2次ガス循環ループは、ガスの温度を上昇させ、それをエンベロープを通して再循環させて、エンベロープの別の部分でコンクリート部分の別の表面を通過する。
実施例10
図61は、1次および2次循環ループを使用してプレキャストオブジェクト(例えば、舗装材、ブロック、屋根タイル、枕木)を硬化させるためのエンベロープの概略図を示す。
このセットアップでは、第1のコンディショニングループは、複数のエンベロープの外部にある冷却器およびファンを含み、すなわち、1つの第1のコンディショニングループは、2つ以上のエンベロープに対応する。1次ループは、第1の状態の調整済みガスをインレットに導入し、第2の状態のガスをアウトレットから抽出する。これは、1次ガス循環ループに含まれる第1のガスコンディショニングシステムを使用することによって達成される。第1のガスコンディショニングシステムは、ガスの温度を上昇させるために加熱ユニット上に第1の流量でガスを流し、相対湿度を下げるために第2の流量で除湿ユニットにガスを流すことを含む。
この流量の差は、硬化中に使用される二酸化炭素ガスのようなこれらの低密度ガスの低い熱容量のために有利である。加熱ユニットを通過することによってガスを加熱することができる速度は、除湿システムにおいてそこから水分を取り出すことができる速度よりも遅い。さらに、水を除去すると、水の気化潜熱によりガスの温度がさらに低下する傾向がある。これは加熱ユニットに追加の需要を追加する。
第1のガスコンディショニングシステムにおける除湿および加熱要件におけるこれらの不一致のために、除湿が加熱と並行して起こるシステムを作り出すことは、システムの設計に関して大きな利点を提供する。第1のガス状態の成分のそれぞれに対する装置サイズは、硬化サイクルの速度および効率を最大にしながら装置の全体的なコストを正確に下げるように特定することができる。
第1のコンディショニングループは、組み込まれた複数のエンベロープのそれぞれの反対側の両端でエンベロープに接続する。いくつかの実施形態では、第1のコンディショニングループは、インレットとアウトレットを互いに切り替えることによってガス流の方向を変えることができる。いくつかの実施形態では、2次ガス循環ループも存在する。第2のコンディショニングループは第2のガスコンディショニングシステムを含む。第2のガスコンディショニングシステムは、内部ヒーター、ファン、除湿ユニット、またはこれらの組み合わせを含む。第2のガスコンディショニングシステムは、チャンバ内の第3の状態でガスを取り出し、ガスの温度および/またはガス組成を変えることによってそれを第4の状態にする。第4の状態にされたこのガスは、エンベロープを通って再循環されて、チャンバ内のプレキャストコンクリートの別の表面上を通過する。2次ガス循環ループに使用されるファンは可逆的であり、2次ガス循環ループ内の流れの方向を硬化中に反転させて、エンベロープの長さおよび幅全体にわたる条件の均一性を改善することができる。
硬化システムおよび関連するトピックのさらなる背景説明および実施例は、米国特許第9,221,027号、米国特許出願公開第2015/0225295号(出願番号14/602,313)、米国特許出願公開第2015/0336852号(出願番号14/818,629)、米国特許出願公開第2017/0102373号(出願番号15/290,328)に見いだすことができ、これらの各々は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
出願人の開示は、図面を参照して好ましい実施形態において本明細書に記載されており、図中、類似の番号は同一または類似の要素を表す。本明細書を通して、「一つの実施形態」、「一実施形態」、または同様の言葉は、その実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して、「一つの実施形態では」、「一実施形態では」、および類似の表現の表現は、必ずしもそうとは限らないが、すべて同じ実施形態を指すことがある。
出願人の開示の記載された特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。本明細書の説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために多数の特定の詳細が列挙されている。しかしながら、当業者は、出願人の組成物および/または方法が、1つ以上の特定の詳細なしで、または他の方法、構成要素、材料などを用いて実施され得ることを認識するであろう。他の例では、本開示の態様を曖昧にすることを避けるために、よく知られている構造、材料、または動作は、詳細に図示または説明されていない。
本明細書および添付の特許請求の範囲において、文脈上明らかにそうでないことを指示しない限り、単数形「a」、「an」、および「the」は複数形の言及を含む。
他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術的および科学的用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等の任意の方法および材料を本開示の実施または試験に使用することもできるが、好ましい方法および材料をここに記載する。本明細書に列挙された方法は、開示された特定の順序に加えて、論理的に可能な任意の順序で実行され得る。
参照による組み込み
特許、特許出願、特許公報、雑誌、本、論文、ウェブコンテンツなどの他の文書への言及および引用は、本開示においてなされている。そのような文書はすべて、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み入れられる。参照により本明細書に組み込まれると言われる任意の材料またはその一部であるが、本明細書に明示的に述べられている既存の定義、陳述、または他の開示資料と矛盾するものは、その組み込まれた資料と本開示資料との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれる。矛盾が生じた場合、その矛盾は、好ましい開示としての本開示を支持して解決されるべきである。
均等物
代表的な実施例は、本発明を説明するのを助けることを意図しており、本発明の範囲を限定することを意図しておらず、またそれらを限定すると解釈されるべきではない。実際、本明細書中に示され記載されたものに加えて、本発明の様々な改変およびその多くのさらなる実施形態は、実施例および本明細書に含まれる科学文献および特許文献への参照を含む、この文書の全内容から当業者には明らかとなるであろう。実施例は、その様々な実施形態およびその均等物において本発明の実施に適合させることができる重要な追加情報、例示および手引きを含む。