以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。
<1.パチンコ機1の構造概要>
図1および図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持したガラス枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける上皿5が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。ガラス枠13の上部の左右の角にはスピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。発射機によって発射された遊技球は、遊技領域4内を流下する。遊技領域4の略中央には、LCD(液晶ディスプレイ)等で構成される画像表示装置28の表示画面28Aが後方から露出可能な表示開口8が設けられる。画像表示装置28は、遊技者が大量の賞球を獲得可能な大当たり遊技を生起するか否かの大当たり判定の結果を報知するための特別図柄を表示する。パチンコ機1は、複数(本実施形態では3つ)の特別図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示す特別図柄の組合せを確定表示させる報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
表示開口8の右側には、普通図柄始動ゲート12が設けられる。遊技球が普通図柄始動ゲート12を通過すると、普通当たり判定が行われる。普通図柄始動ゲート12の下方には、略箱状に形成されたアタッカー装置25が設けられている。アタッカー装置25は、案内流路、複数の大入賞口、遊技球を左方に向けて放出する放出口等を備える。複数の大入賞口は、大当たりの判定に伴って、所定のタイミングで開放される。このとき、アタッカー装置25の内部を流下する遊技球は大入賞口に入賞可能となる。
表示開口8の下方には、上方から順に、第一特別図柄始動電動役物14、第二特別図柄始動電動役物16、及びアウト口19が設けられている。第一特別図柄始動電動役物14に遊技球が入賞することを契機として、第一特別図柄の大当たり判定が行われる。第二特別図柄始動電動役物16は、普通当たり判定によって当たりと判定された場合に、入賞可能となる。第二特別図柄始動電動役物16に遊技球が入賞することを契機として、第二特別図柄の大当たり判定が行われる。アウト口19は、遊技領域4の下端まで流下した遊技球を回収し、遊技盤2の後側へ排出する。
遊技盤2の後側には、演出装置30(図3参照)が設けられる。演出装置30は、表示画面28Aよりも前側にある右装飾体35、及び左装飾体34を動作させる。パチンコ機1の背面側には、制御部20(図12参照)が設けられる。制御部20は、パチンコ機1の各種の動作を制御する。制御部20の詳細については後述する。
<2.演出装置30の構造>
<2-1.演出装置30の構造概要>
図3に示すように、演出装置30は、枠状筐体33、右演出装置31、及び左演出装置32を備える。右演出装置31と左演出装置32は、それぞれ、枠状筐体33の右部と左部に取り付けられる。右演出装置31と左演出装置32は互いに略左右対称な構成である。
右演出装置31は、右装飾体35を動作させる装置である。右演出装置31は、右スライド機構60(図4参照)、右回転機構80(図6参照)、右昇降機構100(図8参照)、右ロック機構150(図8参照)を備える。右スライド機構60は右装飾体35を左右方向に移動させ、右回転機構80は右装飾体35を回転させ、右昇降機構100は右装飾体35を上下方向に移動させ、右ロック機構150は右装飾体35を所定の高さ位置で保持する。
<2-2.右スライド機構60の構造>
図3~図5を参照し、右スライド機構60の構成を説明する。図3~図4に示すように、右スライド機構60は、右直動モータ63、右移動部材68、右直動被検知物67(図3参照)、右アーム65、及び右回転被検知物69(図4参照)を備える。右直動モータ63は、枠状筐体33の右下部に設けられる。右移動部材68は、上下方向に延びる部材である。右移動部材68は、上レール64と枠状筐体33の下部とによって、左右方向に移動可能に支持される。右移動部材68の上端部66は、左右方向に延びる。右直動被検知物67(図3参照)は、上端部66の左端部から上方に突出する板状である。右移動部材68の前部は右装飾体35を支持する。右アーム65の一端部(基端部)は、枠状筐体33に設けられた前後方向に沿う支持軸によって、回転可能に支持される。右アーム65は、右直動モータ63と駆動連結しており、右直動モータ63の駆動力で支持軸を中心に回転する。右回転被検知物69は、支持軸を中心とした径方向外側に右アーム65から突出する板状である。
図5に示すように、右アーム65の他端部(先端部)は、右移動部材68に対して摺動可能に連結する。右直動モータ63の駆動力で回転する右アーム65は、右移動部材68を左右動させる。本例では、右直動モータ63が正転すると、右アーム65は背面視で時計回りに回転し(図5の矢印E)、右直動モータ63が逆転すると、右アーム65は反対方向に回転する。右アーム65が背面視時計回りに回転すると、右移動部材68が左方へ移動し、右アーム65が反対方向に回転すると右移動部材68が右方へ移動する。以下、右移動部材68が可動範囲右端にあるときの右装飾体35の位置を離隔位置(図3参照)といい、右移動部材68が可動範囲左端にあるときの右装飾体35の位置を近接位置(図4参照)という。離隔位置は、右移動部材68の左右方向における初期位置である。初期位置は、可動部材の位置を電子的に制御する際に必要となる原点位置(基準位置)である。パチンコ機1が正常に稼働した後にパチンコ機1の電源がOFFになる場合、パチンコ機1が備える任意の可動部材は初期位置に配置される。
図6に示すように、右スライド機構60は、右直動センサ61と右近接センサ62を備える。右直動センサ61は枠状筐体33の右下部に設けられ、右近接センサ62は枠状筐体33の左上部に設けられており、いずれのセンサも光学式のセンサである。右直動センサ61と右近接センサ62は、検知領域に被検知物が進入するとON状態になり、そうでない場合はOFF状態となる。右直動センサ61の検知領域には右回転被検知物69が進入可能であり、右近接センサ62の検知領域には右直動被検知物67が進入可能である。本例では、右回転被検知物69が右直動センサ61の検知領域に進入した瞬間から、右直動モータ63が更に所定パルス分(例えば30パルス分)逆転することで、右移動部材68は離隔位置に到達する。このときも、右回転被検知物69は右直動センサ61の検知領域内にある。また、右直動被検知物67が右近接センサ62の検知領域に進入した瞬間から、右直動モータ63が更に所定パルス分(例えば28パルス分)正転することで、右移動部材68は近接位置に到達する。このときも、右直動被検知物67は右近接センサ62の検知領域内にある。パチンコ機1は、右直動センサ61と右近接センサ62の検知結果に関する情報に基づいて、右装飾体35の左右方向位置を検知できる。
以下では、右装飾体35の左右方向位置を、右移動部材68の左右方向位置(離隔位置、及び近接位置)と同様に定義して説明するものとする。離隔位置にある右装飾体35は、図3等で示されており、近接位置にある右装飾体35は、図7等で示される。
<2-3.右回転機構80の構造>
図6、図7を参照し、右回転機構80を説明する。右回転機構80は、右支持体82を備える。右支持体82は、右移動部材68に上下動可能に設けられた後述の右昇降体102(図8参照)に固定される。即ち、右支持体82は、右移動部材68に対して上下動可能に連結する。右支持体82には、出力軸が前後方向に延びる右回転モータ83と、光学式のセンサである右回転センサ81(図12参照)が固定される。右回転センサ81は、検知領域に被検知物が進入するとON状態となり、それ以外の場合にはOFF状態となる。さらに、右支持体82には、右回転体85が設けられる。右回転体85は、前後方向に延びる軸線を中心として回転可能である。右回転体85には、右被検知物(図示略)が設けられる。右被検知物は、右回転体85の軸線を基準として径方向外側に突出する板状体である。右回転体85は右回転モータ83と駆動連結する。本実施形態では、右回転モータ83の出力軸に固定されたギヤ等を介して、右回転体85は右回転モータ83と駆動連結する。本実施形態では、右回転モータ83が正転すると、右回転体85は正面視で反時計回りに回転し、右回転モータ83が逆転すると、右回転体85は反対方向に回転する。
右回転体85は、右装飾体35を支持しており、右装飾体35と共に一体的に回転する。右回転体85は、可動範囲の一端となる初期回転位置(図7参照)と、可動範囲の他端となる作動回転位置(図22(f)参照)との間を回転する。右回転モータ83が正転することで、右回転体85は正面視で反時計回りに回転し、初期回転位置から作動回転位置まで回転する。初期回転位置は、右回転体85の回転方向における初期位置である。
以下では、右装飾体35の回転位置を、右回転体85の回転位置(初期回転位置、及び作動回転位置)と同様に定義して説明するものとする。初期回転位置にある右装飾体35は、図7等で示されており、作動回転位置にある右装飾体35は、図22(f)等で示される。
右回転機構80は、右回転センサ81(図12参照)を備える。右回転センサ81は、右支持体82に固定される。右回転センサ81の検知領域には、右被検知物が進入可能である。より詳細には、右回転体85が初期回転位置に向けて回転する場合、右被検知物が右回転センサ81の検知領域に進入した瞬間から、右回転モータ83が更に所定パルス分(例えば8パルス分)逆転することで、右回転体85は初期回転位置に到達する。このときも右被検知物は右回転センサ81の検知領域内にある。
<2-4.右昇降機構100の構造>
図6、図8~図9を参照し、右昇降機構100を説明する。右昇降機構100は、右昇降モータ103、右ラック105、下被検知物107、右昇降体102、及び上被検知物104を備える。
図6、図8に示すように、右昇降モータ103は、右移動部材68の下端部に設けられ、右装飾体35よりも後側にある。右ラック105は、右移動部材68に形成された上下方向に長い長孔68Aに、上下動可能に設けられる。右ラック105は、基部105A、連結部105B(図6参照)、及び歯部105C(図8参照)を備える。基部105Aは、右移動部材68に対して前方から対向する上下方向に長い板状体である。連結部105Bは、基部105Aから後方に突出すると共に、長孔68Aに上下動可能に嵌る。従って、右ラック105は、長孔68Aによって上下動を案内される。本実施形態では、連結部105Bは、上下方向に沿って間隔を空けて複数設けられる。歯部105Cは上下方向に延び、歯車109と直接的に噛み合う。歯車109は、右移動部材68に回転可能に設けられ、右昇降モータ103に駆動連結する。従って、右昇降モータ103が駆動すると、右ラック105は長孔68Aに沿って上下動する。本実施形態では、右昇降モータ103が正転すると右ラック105は下降し、右昇降モータ103が逆転すると右ラック105は上昇する。
本実施形態では、右ラック105と右昇降モータ103とを連結する構造として、継続駆動可能構造が採用される。継続駆動可能構造とは、モータの駆動力によって可動部材が動作する構造であって、モータが駆動し続けても可動部材が可動範囲の一端側に配置され続けることが可能となる構造を指し示す。右昇降機構100では、右ラック105が可動範囲の上端側にある場合(図8参照)、右昇降モータ103の逆転に伴って歯車109は回転し続けるが、歯部105Cと噛み合う歯車109の歯が順次切り替わり続け、右ラック105は上下動を繰り返す。よって、右昇降モータ103が駆動し続けても、右ラック105が可動範囲の上端側に配置され続ける。つまり、歯車109と右ラック105の歯部105Cとが、右昇降機構100の継続駆動可能構造に相当する。
下被検知物107は、一例として、右ラック105の基部105Aの上端部と一体的に形成される。右昇降体102は、右ラック105の上方に位置し、右移動部材68の長孔68Aに上下動可能に連結する。右昇降体102が長孔68Aに上下動可能に連結する構成は、右ラック105と同様である。右昇降体102は、右回転機構80の右支持体82の後面に固定される。従って、右支持体82は、右昇降体102及び右装飾体35と共に上下動可能である。
図9に示すように、右ラック105は、右昇降モータ103の駆動に伴い、最上位位置と最下位位置との間を、中間位置を経由して上下動する。最上位位置は、右ラック105の可動範囲上端である(図9(c)参照)。最下位位置は、右ラック105の可動範囲下端である(図9(d)参照)。中間位置は、最上位位置から僅かに下方となる位置である(図9(a)参照)。また、右昇降体102は、右ラック105の上下動に伴い、上端位置と下端位置との間を、作動位置を経由して上下動する。上端位置は、右昇降体102の可動範囲上端である(図9(c)参照)。下端位置は、右昇降体102の可動範囲下端である(図9(e)参照)。作動位置は、上端位置から僅かに下方となる位置である(図9(a)参照)。最上位位置にある右ラック105は、上端位置にある右昇降体102に接触する(図9(c)参照)。中間位置にある右昇降体102は、作動位置にある右昇降体102に接触する(図8、図9(a)参照)。中間位置は右ラック105の上下方向における初期位置であり、作動位置は右昇降体102の上下方向における初期位置である。尚、右昇降体102は、作動位置にある場合及び上端位置にある場合に、後述の右ロック機構150(図10参照)によって保持され、右ラック105は右昇降体102から下方に離隔できる(図9(b)参照)。
図9に示すように、右昇降機構100は、右落下センサ126と右上昇センサ125を更に備える。右落下センサ126と右上昇センサ125は、右移動部材68に固定された光学式センサであり、下側から順に並んで設けられる。右落下センサ126と右上昇センサ125は、いずれも、検知領域に被検知物が進入した場合にON状態となり、それ以外の場合にはOFF状態となる。右落下センサ126の検知領域である下検知領域には、下被検知物107と上被検知物104が上下方向に通過可能である。一方、右上昇センサ125の検知領域である上検知領域には、下被検知物107は進入できず、上被検知物104のみが上下方向に通過可能である。
図9(a)、(e)に示すように、右ラック105と右昇降体102がそれぞれ上昇する場合に、下被検知物107と上被検知物104は同時に下検知領域と上検知領域に進入する。その瞬間から更に右昇降モータ103が15パルス分逆転することにより、右ラック105と右昇降体102は中間位置と作動位置に到達する(図9(a))。このときも、下被検知物107と上被検知物104はそれぞれ下検知領域内と上検知領域内とにある。その後、右昇降モータ103が更に逆転することで、下被検知物107と上被検知物104はそれぞれ同時に下検知領域と上検知領域とから上方に退出し、右ラック105と右昇降モータ103はそれぞれ最上位位置と上端位置とに到達する(図9(c)参照)。図9(c)~(e)に示すように、右昇降体102が上端位置から下端位置まで下降する場合、下被検知物107は上検知領域と下検知領域を順に通過する。パチンコ機1は、右落下センサ126と右上昇センサ125の検知結果を示す情報に基づき、右装飾体35の上下位置を検知する。尚、右昇降モータ103が215パルス逆転することで、右装飾体35は下端位置から作動位置まで上昇できる。
以下、右落下センサ126と右上昇センサ125を総称する場合に、右昇降センサ124と称し、右落下センサ126と右上昇センサ125がいずれもON状態である場合に、右昇降センサ124はON状態であるものとし、それ以外の場合では、右昇降センサ124はOFF状態であるものとする。
以下では、右装飾体35の上下方向位置を、右昇降体102の上下方向位置(上端位置、下端位置、及び作動位置)と同様に定義して説明するものとする。上端位置にある右装飾体35は図18(c)で示され、下端位置にある右装飾体35は図22(d)で示され、作動位置にある右装飾体35は、図18(a)等で示される。
<2-5.右ロック機構150の構造>
図5、図10、図11を参照し、右ロック機構150の構成を説明する。右ロック機構150は、右装飾体35を作動位置と上端位置のいずれかの位置で保持する機構である。右ロック機構150は、右移動部材68の右上部に固定される。右ロック機構150は、右ソレノイド152、右ロック部材157、第一規制部161、第二規制部162、及び前カバー159を備える。
右ソレノイド152は右移動部材68に設けられる。右ソレノイド152の駆動軸は上下方向に延び、右ロック部材157に連結する。右ソレノイド152のコイルバネであるソレノイドバネは、駆動軸を下方へ付勢する。
右ロック部材157は、前後方向に延びる軸線回りに回転可能であり、右移動部材68に設けられる。右ロック部材157は右ソレノイド152の駆動力で回転する。右ロック部材157は保持部157C、当接部157D、先端凹部157E(図5参照)、及び先端157F(図5参照)を備える。保持部157Cは、右ロック部材157の上端部の一部を形成し、当接部157Dは右ロック部材157の上端部の他部を形成する。当接部157Dは、保持部157Cの左側で上方に突出する。先端凹部157Eは、上方に凹む凹部であり、右ロック部材157の右下部に設けられる。先端157Fは、右ロック部材157の右端であり、先端凹部157Eよりも右方にある。
第一規制部161と第二規制部162は、右回転体85の右支持体82の右上後部に設けられる。第一規制部161と第二規制部162は、上側から順に隙間163を空けて並ぶ。第一規制部161は、右支持体82から左方に向けて突出する突部の下面である。第一規制部161が設けられた突部の上部には、前後方向に延びるリブである上凸部169が設けられる。第二規制部162は、右支持体82から左方に突出する突部の下面であり、第一規制部161と略同一の形状である。第二規制部162が形成された突部の上部は、上端突起164である。第二規制部162は、上端位置にある右装飾体35の保持部157Cに点接触可能である(図11参照)。第一規制部161と第二規制部162との間にある隙間163には、ロック位置にある右ロック部材157の先端157Fが進入可能である。
前カバー159は、右移動部材68に対して前方から取付けられる。前カバー159は位置決め部159Aを備える。位置決め部159Aは、右ロック部材157の当接部157Dの右方に位置する。当接部157Dが位置決め部159Aに対して左方から接触可能である。
上記構成を有する右ロック機構150では、右ソレノイド152がOFFの場合、ソレノイドバネの付勢力によって、右ロック部材157は、正面視で時計回りに付勢される。当接部157Dが位置決め部159Aに左側から接触することで、右ロック部材157は、ロック位置(図5、図11参照)で停止する。ロック位置にある右ロック部材157の保持部157Cには、第一規制部161又は第二規制部162が上方から点接触する。これにより、右ロック機構150は、初期位置又は上端位置にある右装飾体35の落下を規制し保持する。尚、初期位置にある右装飾体35を右ロック機構150が保持する場合(図5参照)、先端凹部157Eは上端突起164に対して上方から隙間を挟んで対向する。従って、右ロック機構150は、初期位置にある右装飾体35が上昇するのを併せて規制する。
一方、右ソレノイド152がONの場合、右ソレノイド152の駆動軸がソレノイドバネの付勢力に抗って可動範囲上端まで上昇し、右ロック部材157は、正面視で反時計回りに回転してロック解除位置(図示外)に到達する(図5の矢印P1)。ロック解除位置にある右ロック部材157は、右装飾体35の可動範囲から左方に退出する。これにより、右ロック機構150は、初期位置又は上端位置にある右装飾体35の上下動を許容する。
<3.右装飾体35の構造>
図3に示すように、右装飾体35は、右収容体36、右開口部39、及び右進入部38を備える。右収容体36は箱状であり、右回転体85(図7参照)に固定される。右開口部39と右進入部38は、右収容体36の上下方向中央部の後部に設けられる。右開口部39は左方に向けて開放された開口部であり、右進入部38は左方に向けて突出した板状である。本実施形態では、右開口部39と右進入部38が上側から順に交互に配置される。
<4.左演出装置32の構造>
図3、図12を参照し、左演出装置32の構成の概略を説明する。右演出装置31の説明で定義された各種部材の位置(離隔位置、近接位置、初期回転位置、作動回転位置、上端位置、作動位置、最上位位置、中間位置、等)については、左演出装置32の説明においても同様に用いることにする。左演出装置32は、左装飾体34を動作させる装置である。左演出装置32は、左スライド機構、左回転機構、左昇降機構、及び左ロック機構を備える。左スライド機構は左装飾体34を左右方向に移動させ、左回転機構は左装飾体34を回転させ、左昇降機構は左装飾体34を上下方向に移動させ、左ロック機構は左装飾体34を所定の高さ位置で保持する。
左スライド機構は、左直動モータ263、左移動部材、左直動被検知物、左アーム、左回転被検知物、左直動センサ261、及び左近接センサ262を備える。左移動部材は、左直動モータ263の駆動力で左装飾体34を左右動させる。左直動モータ263が正転すると、左装飾体34は近接位置に向けて右方に移動し、左直動モータ263が逆転すると、左装飾体34は離隔位置に向けて左方に移動する。
左移動部材は、右移動部材68と略同じ前後方向位置に設けられ左右動可能に支持される。左回転被検知物が左直動センサ261の検知領域に進入した瞬間から、左直動モータ263が更に所定パルス分(例えば30パルス分)逆転することで、左装飾体34は離隔位置に到達する。左直動被検知物は、左移動部材に設けられ、左被回転検知物は左アームに設けられる。左直動被検知物と左回転被検知物は、いずれも左装飾体34の左右動と連動して移動する。左直動被検知物が左近接センサ262の検知領域に進入した瞬間から、左直動モータ263が更に所定パルス分(例えば28パルス分)正転することで、左装飾体34は近接位置に到達する。
左回転機構は、左回転体、左回転モータ283、左回転センサ281、左被検知物を備える。本例では、左被検知物が左回転センサ281の検知領域に進入した瞬間から更に所定パルス分(例えば8パルス分)逆転することで、左装飾体34は初期回転位置に到達する。
左昇降機構は、左昇降モータ203、左ラック、下被検知物、左昇降体、上被検知物、左落下センサ226、左上昇センサ225を備える。以下、左落下センサ226と左上昇センサ225を総称する場合に、左昇降センサ224と称し、左落下センサ226と左上昇センサ225がいずれもON状態である場合に、左昇降センサ224はON状態であるものとし、それ以外の場合では、左昇降センサ224はOFF状態であるものとする。
左ロック機構は、左装飾体34を作動位置と上端位置といずれかの位置で保持する。左ロック機構は、左ソレノイド252、左ロック部材を備える。左ソレノイド252がONの場合、左ロック部材はロック解除位置に到達し、左ソレノイド252がOFFの場合、左ロック部材はロック位置に到達する。
以下の説明では、左直動モータ263と右直動モータ63を総称する場合に「直動モータ363」と称し、左回転モータ283と右回転モータ83を総称する場合に「回転モータ383」と称し、左昇降モータ203と右昇降モータ103を総称する場合に「昇降モータ303」と称し、左ソレノイド252と右ソレノイド152を総称する場合に「ソレノイド352」と称する。また、右ラック105と左ラックを総称する場合に「ラック205」と称し、右昇降体102と左昇降体を総称する場合に「昇降体202」と称し、右ロック部材157と左ロック部材を総称する場合に「ロック部材257」と称す。
また、左近接センサ262と右近接センサ62を総称する場合に「近接センサ362」と称し、左近接センサ262と右近接センサ62がいずれもON状態である場合に、近接センサ362はON状態であるとする。また、左直動センサ261と右直動センサ61を総称する場合に「直動センサ361」と称し、左直動センサ261と右直動センサ61がいずれもON状態である場合に、直動センサ361はON状態であるとする。また、左回転センサ281と右回転センサ81を総称する場合に「回転センサ381」と称し、左回転センサ281と右回転センサ81がいずれもON状態である場合に、回転センサ381はON状態であるとする。また、左昇降センサ224と右昇降センサ124を総称する場合に「昇降センサ324」と称し、左昇降センサ224と右昇降センサ124がいずれもON状態である場合に昇降センサ324はON状態であるとする。
<5.左装飾体34の構造>
図3、図8に示すように、左装飾体34は、左収容体96、左進入部98、及び左開口部99を備える。左収容体96は箱状であり、左回転機構の左回転体に固定される。左進入部98と左開口部99は、左収容体96の上下方向中央部の後部に、上側から設けられる。左進入部98は、右方に向けて突出した板状である。左開口部99は、右方に向けて開口した開口部である。左装飾体34と右装飾体35が近接位置にある場合、左進入部98は右開口部39に進入し、右進入部38は左開口部99に進入する。このとき、右装飾体35の少なくとも一部は左装飾体34の可動範囲に進入しており、右装飾体35と左装飾体34のいずれか一方が単独で回転移動又は上下動することはできない。
<6.パチンコ機1の電気的構成の構造>
図12を参照し、パチンコ機1の制御部20の電気的構成について説明する。制御部20は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47、及び電源基板42を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU91と、データを一時的に記憶するRAM92と、制御プログラム等を記憶したROM93とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート56、第一始動口スイッチ78、及び第二始動口スイッチ74に接続している。出力ポート56は、図示しない遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。第一始動口スイッチ78は、第一特別図柄始動電動役物14に入賞した遊技球を検出する。第二始動口スイッチ74は、第二特別図柄始動電動役物16に入賞した遊技球を検出する。
ROM93は変動パターン決定テーブル(図示略)を記憶する。変動パターン決定テーブルには、大当たり判定の判定結果(大当たり、又は、はずれ)等の有無に応じて、複数のテーブルが設けられている。各テーブルには割り当てられている変動パターンは、変動時間(特別図柄が変動している時間)が互いに異なる。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、及びROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、及びスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、直動センサ361、近接センサ362、回転センサ381、昇降センサ324、直動モータ363、回転モータ383、昇降モータ303、及びソレノイド352に接続されている。直動センサ361、近接センサ362、回転センサ381、昇降センサ324は、それぞれ、ON状態であることを示すON信号とOFF状態であることを示すOFF信号とを、ランプドライバ基板46を介してCPU581に出力する。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、直動モータ363、回転モータ383、昇降モータ303、及びソレノイド352を駆動制御する。
演出制御基板43は、CPU431、CGROM432等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って画像表示装置28を制御する。CGROM432は、表示面27(図1参照)における画像表示に必要な画像データ等を記憶する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を払い出させる。
中継基板47は、普通電動役物開閉ソレノイド79、大入賞口ソレノイド71に接続している。普通電動役物開閉ソレノイド79は、普通当たり遊技中に第二特別図柄始動電動役物16の開閉部材を開閉する。大入賞口ソレノイド71は、大当たり遊技中に、アタッカー装置25の大入賞口(図示略)の開閉部材を開閉する。
電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
尚、詳細な図示は省略するが、電源基板42の電源回路は、ホールに設置されたコンセントにケーブルを介して接続する第一接続部と、パチンコ機1に収容されるバックアップ電池(図示略)と接続する第二接続部とを備える。パチンコ機1は、日中の間には、コンセントから第一接続部を介して供給される電力によって稼働し、夜から朝にかけての間には、バックアップ電池から第二接続部を介して供給される電力によって休止状態となる。従って、パチンコ機1は電力が常時供給された状態であり、RAM92,582に記憶される各種情報は、電力遮断を理由として消失することはない。以下、第一接続部を介して電力が供給されているパチンコ機1の状態を電源ONであるとし、そうでない状態を電源OFFであるとする。電源OFFであるときにホールスタッフがパチンコ機1の所定の操作ボタンを操作すれば、パチンコ機1の電源はONになる。
図13を参照し、RAM582の記憶領域を説明する。RAM582は、復帰フラグ記憶領域582A、リトライフラグ記憶領域582B、モータ記憶領域582C、カウンタ記憶領域582D、特定演出情報記憶領域582Eを含む。復帰フラグ記憶領域582Aは、復帰フラグを記憶する。後述の復帰処理(図26参照)で右装飾体35と左装飾体34が正常に動作しなかった場合、復帰フラグは1となり、そうでない場合には復帰フラグは0となる。リトライフラグ記憶領域582Bは、リトライフラグを記憶する。後述のリトライ処理(図39参照)で、右装飾体35と左装飾体34が正常に動作しなかった場合には、リトライフラグは1となり、そうでない場合にはリトライフラグは0となる。モータ記憶領域582Cは、モータ情報を記憶する。モータ情報は、リトライ処理の開始直前に動作していたモータ(直動モータ363、回転モータ383、昇降モータ303)と、モータの回転駆動方向(正転方向、逆転方向)を記憶する。カウンタ記憶領域582Dは、後述のリトライ処理の実行回数を示すカウンタ値を記憶する。カウンタ値は、モータ(計6種)と回転方向(計2種)とによって区分されおり、合計で12種類ある。特定演出情報記憶領域582Eは、特定演出情報を記憶する。特定演出情報は、パチンコ機1で特定演出が実行されているか否かを示す情報であり、本実施形態ではフラグである。本実施形態の特定演出は、はずれ変動である。特定演出情報が「1」である場合、はずれ変動が実行されており、特定演出情報が「0」である場合、はずれ変動が実行されていない。
<7.演出処理>
<7-1.演出処理の概要>
図14~図24等を参照し、演出装置30の演出処理を説明する。CPU581が、CPU91から受信するコマンドに応じ、ランプドライバ基板46に所定のコマンドを送信することで、演出処理は実行される。演出処理は、図柄表示処理、第一演出処理、第二演出処理、及び第三演出処理を含む。
<7-2.図柄表示処理>
図柄表示処理は、後述の第一演出処理~第三演出処理と並行して実行される処理である。図柄表示処理は、第一特別図柄始動電動役物14又は第二特別図柄始動電動役物16に遊技球が入賞したことを契機として開始される。
はじめに、CPU91は所定の乱数を取得する乱数取得処理を実行する。所定の乱数は複数種類あり、例えば、大当たり判定に用いられる大当たり乱数、表示面27で確定表示させる特別図柄の決定に用いられる特別図柄決定乱数、変動パターンの決定に用いられる変動パターン決定乱数がある。この際、CPU91は、取得した大当たり乱数に基づいて、CPU91は大当たり判定の結果(大当たり、はずれ)を判断する。
その後、CPU91は特別図柄決定処理を実行する。特別図柄決定処理は、画像表示装置28で確定表示する特別図柄の組合せを決定する処理である。「大当たり」と「はずれ」とに分けてROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルをCPU91は参照する。特別図柄決定テーブルでは、特別図柄決定乱数と、所定の組み合わせの特別図柄とが対応付けられている。CPU91は、参照する特別図柄決定テーブルと、乱数取得処理において取得した特別図柄決定乱数とに基づいて、確定表示させる特別図柄を決定する。
次いで、CPU91は、変動パターン決定処理を実行する。CPU91は、ROM93に記憶される変動パターン決定テーブルのうちで、大当たり判定の判定結果等に応じた変動パターン決定テーブルを参照する。変動パターン決定テーブルでは、変動パターンと、変動パターン決定乱数とが対応付けられている。CPU91は、参照する変動パターン決定テーブルと、乱数取得処理において取得した変動パターン決定乱数とに基づいて、変動パターンを決定する。
次いで、CPU91は、変動パターン通知処理を実行する。CPU91は、変動パターン指定コマンドをRAM92に記憶する。変動パターン指定コマンドは、変動パターン決定処理で決定した変動パターンと、決定した変動パターンがはずれ変動に該当するものか否かと、特別図柄決定処理で決定した特別図柄の組合せと、乱数取得処理で判断した大当たり判定の結果とを示す。併せて、CPU91は、変動パターン指定コマンドをCPU581に送信する。CPU581は、受信した変動パターン指定コマンドに応じたコマンドをCPU431に送信すると共に、スピーカ48を駆動制御する。これにより、特別図柄の変動に伴う演出が開始される。また、CPU581は、受信した変動パターン指定コマンドがはずれ変動に該当する図柄変動である場合には、特定演出情報記憶領域582Eの特定演出情報を「1」に上書きする。
CPU91は、変動表示終了処理を実行する。変動パターン指定コマンドの送信後、CPU91は、変動パターン決定処理で決定した変動パターンの変動時間が経過するタイミングで、CPU581に変動表示終了コマンドを送信する。変動表示終了コマンドを受信したCPU581は、画像表示装置28での変動表示を終了させ、所定の組合せの特別図柄を確定表示させる。仮に、変動パターン指定コマンドが示す大当たり判定の結果が大当たりであれば、CPU581は、その後、スピーカ48と画像表示装置28を互いに連動動作させ、大当たり報知演出を実行する。尚、変動表示終了コマンドの受信時、画像表示装置28で確定表示した特別図柄が、はずれに該当する特別図柄の組合せであるか否かに関わらず、CPU581は表示終了コマンドの受信時に、特定演出情報記憶領域582Eに記憶の特定演出情報を0に上書きする。図柄表示処理は終了する。
<7-3.第一演出処理~第三演出処理>
演出装置30には、種々の演出処理があるが、以下、第一演出処理、第二演出処理、及び第三演出処理を説明する。第一演出処理と第二演出処理は、例えば、はずれ変動に伴う演出時に実行される処理であり、第三演出処理は当たり変動時に実行される処理である。
右装飾体35と左装飾体34の動作は略左右対称である。以下の演出動作の説明では、右演出装置31の各種機構の動作を説明しながら、右装飾体35と左装飾体34の動作を説明する。
第一演出処理~第三演出処理の開始前、演出装置30は初期状態である(図15(a)参照)。このとき、右装飾体35は、離隔位置、初期回転位置、及び作動位置に位置する。また、作動位置にある右装飾体35は右ロック機構150によって保持され(図5参照)、右ラック105は中間位置にある(図9(a)参照)。演出装置30が初期状態であるときの左演出装置32の状態は右演出装置31と同様である。
尚、図12を参照して説明したように、CPU581は、ランプドライバ基板46を介して、右直動センサ61、右ソレノイド152、右直動モータ63等と各種の信号の送信又は受信を行うが、以下の処理の説明では、ランプドライバ基板46に関する説明を省略する。
CPU581が、第一演出処理~第三演出処理のいずれかの処理を開始するコマンドをCPU91から受信した場合に、その演出処理は実行される。CPU581は、処理を実行するためプログラムをROM583から読み出して、第一演出処理~第三演出処理を開始する。
<7-3-1.第一演出処理>
図14~図16を参照し、演出装置30の第一演出処理を説明する。CPU581は、右装飾体35と左装飾体34が初期状態であるか否かを判断する(S11)。直動センサ361、回転センサ381、昇降センサ324を構成する全てのセンサがON状態である場合、右装飾体35と左装飾体34が初期状態であるとCPU581は判断し(S11:YES)、そうでない場合には右装飾体35と左装飾体34が初期状態にないと判断する(S11:NO)。右装飾体35と左装飾体34の少なくとも一方が初期状態にない場合(S11:NO)、CPU581は復帰処理を実行して(S13)、第一演出処理を終了する。復帰処理は、右装飾体35と左装飾体34を初期状態にする処理である。復帰処理の詳細は後述する(<9.復帰処理>参照)。
右装飾体35と左装飾体34が初期状態にある場合(S11:YES)、CPU581は、直動センサ361がOFF信号を出力するまで直動モータ363を正転駆動する(S15)。例えば、CPU581は、直動センサ361の出力結果を監視しながら、右装飾体35と左装飾体34の最大可動量分のパルス信号を直動モータ363に入力する。そして、直動センサ361がOFF信号を出力したとき、CPU581は直動モータ363の正転駆動を停止し(S15)、直動センサ361がOFF状態であるか否かを判断する(S17)。尚、直動センサ361の出力信号がON信号からOFF信号に切り替わることなく、直動モータ363が最大可動量分の駆動した場合、CPU581は直動モータ363を駆動停止する(S15)。この場合、直動センサ361はON信号を出力しているので(S17:NO)、CPU581はリトライフラグを1に上書きして、モータ情報を上書きする(S18)。S18で上書きされるモータ情報は、右直動モータ63と左直動モータ263の少なくとも一方のモータが正転駆動していることを示す情報である。CPU581はリトライ処理を実行する(S19)。リトライ処理の詳細は後述する(<10.リトライ処理>参照)。
S15で右装飾体35と左装飾体34が正常に動作した場合(S17:YES)、右装飾体35と左装飾体34は、離隔位置よりも僅かに左右方向中心側で停止する(図15(b)参照)。CPU581は、カウンタ記憶領域582Dに記憶されるカウンタ値をリセットする(S21)。S21でリセットされるカウンタ値は、右直動モータ63の正転方向のカウンタ値と、左直動モータ263の正転方向のカウンタ値である。
CPU581は、直動モータ363を所定時間に亘って正転駆動と逆転駆動を繰り返し(S23)、左装飾体34と右装飾体35を左右に往復移動させる(図15(b)参照)。所定時間経過後、左装飾体34と右装飾体35は、動作開始位置にて停止する。CPU581は、直動終了処理を実行する(S25)。直動終了処理は、右装飾体35と左装飾体34の左右方向位置に関わらず、右装飾体35と左装飾体34を離隔位置に配置させる処理である。
図16を参照し、直動終了処理を説明する。CPU581は、直動センサ361がOFF状態であるか否かを判断する(S31)。直動センサ361がON状態である場合(S31:YES)、CPU581は復帰処理を実行する(S33)。
S23において正常な動作が実行された場合、右装飾体35と左装飾体34は、直動センサ361の検知領域からはずれた位置にあり(S31:YES)、CPU581は、直動センサ361がON信号を出力するまで直動モータ363を逆転駆動する(S35)。CPU581は、直動センサ361がON状態であるか否かを判断する(S37)。
右装飾体35と左装飾体34の少なくとも一方が直動センサ361の検知領域に進入していないとき(S37:NO)、CPU581は、リトライフラグ記憶領域582Bのリトライフラグを1に上書きし、モータ記憶領域582Cのモータ情報を上書きする(S38)。例えば、右直動センサ61がOFF状態で、左直動センサ261がON状態である場合(S37:NO)、右装飾体35だけがS35で正常に動作しなかったことになり、CPU581は、リトライフラグを1に上書きして、モータ情報を上書きする(S38)S38における上書き後のモータ情報は「右直動モータ63、逆転方向」である。CPU581はリトライ処理を実行し(S39)、直動終了処理を終了する。
右装飾体35と左装飾体34が直動センサ361の検知領域に進入しているとき(S37:YES)、CPU581は、直動モータ363を30パルス分逆転駆動し(S41)、右装飾体35と左装飾体34は離隔位置に戻る(図15(a)参照)。CPU581はカウンタ記憶領域582Dのカウンタ値をリセットする(S43)。S43でリセットされるカウンタ値は、右回転モータ83の逆転方向のカウンタ値と、左回転モータ283の逆転方向のカウンタ値である。CPU581は、第一演出処理(図14参照)に戻り、処理を終了する。
<7-3-2.第二演出処理>
図17~図19を参照し、演出装置30の第二演出処理を説明する。CPU581は直動開始処理を実行する(S51)。図19に示すように、CPU581は、右装飾体35と左装飾体34が初期状態であるか否かを判断する(S57)。右装飾体35と左装飾体34の少なくとも一方が初期状態にない場合(S57:NO)、CPU581は復帰処理を実行し(S59)、直動開始処理を終了する。
図18(a)に示すように、右装飾体35と左装飾体34が初期状態である場合(S57:YES)、CPU581は、近接センサ362がON信号を出力するまで直動モータ363を正転駆動する(S61)。右装飾体35と左装飾体34は近接方向に向けて移動する。S61の実行後、CPU581は近接センサ362がON状態であるか否かを判断する(S63)。近接センサ362がOFF状態である場合(S63:NO)、CPU581は、リトライフラグ記憶領域582Bのリトライフラグを1に上書きし、モータ記憶領域582Cのモータ情報を上書きする(S64)。例えば、右近接センサ62がON状態であり、左近接センサ262がOFF状態である場合、S64における上書き後のモータ情報は「左直動モータ263、正転方向」である。CPU581はリトライ処理を実行し(S65)、直動開始処理を終了する。
右装飾体35と左装飾体34が近接センサ362の検知領域に進入して停止した場合(S63:YES)、CPU581が直動モータ363を28パルス分正転駆動する(S67)。右装飾体35と左装飾体34は近接位置に到達する(図18(b)参照)。尚、このとき、右装飾体35の右進入部38は、左装飾体34の左開口部99に進入し、左装飾体34の左進入部98は、右装飾体35の右開口部39に進入する。CPU581は、直動開始処理を終了して第二演出処理に戻る。
図17、図20に示すように、CPU581は、昇降処理を開始する(S53)。CPU581は、昇降センサ324がON状態であるか否かを判断する(S71)。昇降センサ324がOFF状態である場合(S71:NO)、CPU581は復帰処理を実行した後(S73)、第二演出処理に戻る。
昇降処理が正常に開始されるとき、右装飾体35と左装飾体34は作動位置にある(S71:YES)。CPU581は、ソレノイド352をON状態にして、昇降センサ324がOFF信号を出力するまで昇降モータ303を逆転駆動する(S75)。ソレノイド352がON状態になることで、ロック部材257はロック位置からロック解除位置に回転する(図11の矢印Q2)。例えば、CPU581は、昇降センサ324の出力結果を監視しながら、右装飾体35と左装飾体34の最大可動量分のパルス信号を昇降モータ303に入力する。右装飾体35と左装飾体34は上方に向けて移動する(図18(b)の矢印方向)。そして、昇降センサ324がOFF信号を出力したとき、CPU581は昇降モータ303の逆転駆動を停止し、ソレノイド352をOFF状態に戻す(S75)。その後、CPU581は、昇降センサ324がOFF状態であるか否かを判断する(S77)。尚、昇降センサ324の出力信号がON信号からOFF信号に切り替わることなく、最大可動量分のパルス信号が入力された場合、CPU581は昇降モータ303を駆動停止してソレノイド352をOFF状態に戻す。この場合、昇降センサ324はON信号を出力しているので(S77:NO)、CPU581は、リトライフラグを1に上書きし、モータ情報を上書きする(S78)。S78における上書き後のモータ情報は、「右昇降モータ、逆転方向」と「左昇降モータ、逆転方向」である。CPU581はリトライ処理を実行する(S79)。
右装飾体35と左装飾体34が正常に上昇した場合(S77:YES)、CPU581は昇降モータ303を一定パルス(57パルス)分逆転駆動させる(S81)。右装飾体35と左装飾体34は上端位置に到達する(図18(c)参照)。CPU581は、カウンタ記憶領域582Dに記憶されるカウンタ値をリセットする(S83)。S83でリセットされるカウンタ値は、右昇降モータ103の逆転方向のカウンタ値と、左昇降モータ203の逆転方向のカウンタ値である。CPU581は、昇降センサ324がOFF状態であるか否かを判断する(S85)。例えば、右装飾体35と左装飾体34が何らかの原因で例えば作動位置まで落下している場合(S85:NO)、CPU581は、RAM582の所定の記憶領域に、昇降処理が正常に完了しなかったことを記憶してから昇降処理を終了し、第二演出処理に戻る。
右装飾体35と左装飾体34が上端位置にある場合(S85:YES)、CPU581は、RAM582の上述した所定の記憶領域をリセットし、ソレノイド352をON状態にし、昇降センサ324がON信号を出力するまで昇降モータ303を正転駆動する(S87)。昇降モータ303の正転に伴って、右装飾体35と左装飾体34は上端位置から下降する(図18(c)の矢印方向)。S87の実行後、CPU581は、昇降センサ324がON状態であるか否かを判断する(S89)。S87において正常な動作が実行されない場合、右装飾体35と左装飾体34は、昇降センサ324の検知領域まで進入しない(S89:NO)。CPU581は処理をS78に移行する。S78においてモータ情報として記憶されるのは、「右昇降モータ、正転方向」と「左昇降モータ、正転方向」である。
S87において正常な動作が実行される場合、右装飾体35と左装飾体34は昇降センサ324の検知領域に進入する(S89:YES)。CPU581は、ソレノイド352をON状態にして、昇降センサ324がOFF信号を出力するまで昇降モータ303を正転駆動する(S91)。昇降モータ303の正転駆動に伴って、右装飾体35と左装飾体34は作動位置を経由して下降する。CPU581は、昇降センサ324がOFF状態であるか否かを判断する(S93)。昇降センサ324がON状態である場合(S93:NO)、処理をS78に移行する。
昇降センサ324がOFF状態である場合(S93:YES)、CPU581は、昇降モータ303を20パルス分正転駆動する(S95)。右装飾体35と左装飾体34は、作動位置と下端位置との間で停止する(図18(d)参照)。CPU581は、昇降センサ324がON信号を出力するまで昇降モータ303を逆転駆動する(S96)。右装飾体35と左装飾体34は上昇する。右装飾体35と左装飾体34の上昇時、右装飾体35の上凸部169(図5参照)が、右ロック部材157の先端157F(図5参照)に下方から接触して、ロック位置にある右ロック部材157をロック解除位置に向けて回転させる。右装飾体35と左装飾体34は、作動位置よりも僅かに下方となる位置で停止する(S96)。このとき、ロック解除位置とロック位置との間で右ロック部材157は上凸部169と接触して停止する(左ロック機構においても同様である)。
CPU581は昇降センサ324がON状態であるか否かを判断する(S97)。昇降センサ324がOFF状態である場合(S97:NO)、CPU581は処理をS78に移行する。昇降センサ324がON状態である場合(S97:YES)、CPU581は、15パルス分昇降モータ303を逆転駆動する(S98)。右装飾体35と左装飾体34が作動位置に到達すると同時に(図18(e)参照)、ロック部材257はソレノイドバネの付勢力でロック位置まで復帰する(図5参照)。保持部157Cは、第一規制部161を下側から保持する(図5参照)。CPU581は、カウンタ記憶領域582Dに記憶されるカウンタ値をリセットする(S99)。S99でリセットされるカウンタ値は、「右昇降モータ、逆転方向」と「左昇降モータ、逆転方向」である。CPU581は昇降処理を終了し、第二演出処理に戻る。
CPU581は、昇降処理が正常に終了したか否かを、RAM582を参照することで判断する(S54)。例えば、S85において昇降処理が正常に終了しなかったことを示す情報がRAM582に記憶された場合(S54:NO)、CPU91は第二演出処理を終了する。この場合、ホールスタッフ又はパチンコ機1の製造業者が、パチンコ機1の保守作業を実行する。
昇降処理が正常に終了している場合(S54:YES)、CPU581は直動終了処理を実行する(S55)。S55はS25(図14参照)と同様の処理である。S55が実行されることで、右装飾体35と左装飾体34は、近接位置から離隔位置まで移動する(図18(a)参照)。CPU581は第二演出処理を終了する。
<7-3-3.第三演出処理>
図21~図24を参照し、演出装置30の第三演出処理を説明する。CPU581は、直動開始処理を実行する(S101)。S101はS51(図17参照)と同様の処理である。S101が実行されることで、右装飾体35と左装飾体34は近接位置まで移動する(図22(a)、(b)参照)。CPU581は自由落下処理を実行する(S103)。
図23に示すように、CPU581は、昇降センサ324がON状態であるか否かを判断する(S111)。昇降センサ324がOFF状態である場合(S111:NO)、CPU581は復帰処理を実行し(S113)、自由落下処理を終了して第三演出処理に戻る。昇降センサ324がON状態である場合(S111:YES)、CPU581は、ソレノイド352をON状態にして、昇降センサ324がOFF信号を出力するまで昇降モータ303が逆転駆動する(S115)。右装飾体35と左装飾体34は、作動位置と下端位置との間で停止する(S115)。
CPU581は、昇降センサ324がOFF状態であるか否かを判断する(S117)。昇降センサ324がON状態である場合(S117:NO)、CPU581は、リトライフラグを1に上書きして、モータ記憶領域582Cのモータ情報を上書きする(S118)。この場合、上書き後のモータ情報は、「右昇降モータ、逆転方向」と「左昇降モータ、逆転方向」である。CPU581はリトライ処理を実行し(S119)、自由落下処理を終了して第三演出処理に戻る。
昇降センサ324がON状態である場合(S117:YES)、CPU581は、ソレノイド352をON状態にしてから、昇降モータ303を57パルス分逆転駆動する(S121)。右装飾体35と左装飾体34は、上端位置にてロック部材257により保持される(図22(c)参照)。
CPU581は、昇降モータ303を一定パルス分(290パルス分)、正転駆動する(S123)。右装飾体35と左装飾体34は、昇降体202と共に上端位置にて保持されたまま、ラック205は最下位位置まで下降する。S123の実行時、昇降モータ303の正転駆動量が、290パルスに到達する前に、ラック205が最下位位置に到達する場合、CPU581はその瞬間に昇降モータ303の正転駆動を停止する。具体的には、下端位置に到達したラック205が、長孔68A下端によって下方への移動を規制されることで、昇降モータ303の駆動負荷は著しく増大する。CPU581は、この駆動負荷の増大を検知し、昇降モータ303の正転駆動を停止する。駆動負荷の増大の検知は、昇降モータ303に内蔵されたトルク計測器によって実現されてもよいし、昇降モータ303の脱調の発生により検知されてもよい。昇降モータ303の脱調が発生した場合、昇降モータ303への電力供給が瞬間的に遮断されれば、昇降モータ303は復旧する。
CPU581は、ソレノイド352を1000msの間に亘りON状態にする(S125)。ロック部材257がロック位置からロック解除位置まで移動することで(S125)、右装飾体35と左装飾体34は上端位置から下端位置まで自由落下する(図22(d)参照)。CPU581は、昇降センサ324がON信号を出力するまで昇降モータ303を逆転駆動させる(S127)。CPU581は、昇降センサ324がON状態であるか否かを判断する(S129)。昇降センサ324がOFF状態である場合(S129:NO)、CPU581は、処理をS118に移行する。S118における上書き後のモータ情報は、「右昇降モータ、逆転方向」、「左昇降モータ、逆転方向」である。
昇降センサ324がON状態である場合(S129:YES)、CPU581は、昇降モータ303が15パルス分逆転駆動する(S131)。右装飾体35と左装飾体34は上昇し(図22(d)の矢印方向)、作動位置にて停止する。CPU581は、モータ記憶領域582Cで記憶されるカウンタをリセットする(S133)。S133でリセットされるカウンタ値は、右昇降モータ103の逆転方向のカウンタ値と、左昇降モータ203の逆転方向のカウンタ値である。CPU581は自由落下処理を終了して第三演出処理に戻る。
図21、図24に示すように、CPU581は、回転処理を実行する(S105)。CPU581は、回転センサ381がON状態であるか否かを判断する(S135)。右装飾体35と左装飾体34の少なくとも一方が初期回転位置にないとき、回転センサ381はON信号を出力しておらず(S135:NO)、CPU581は、復帰処理を実行し(S137)、回転処理を終了して第三演出処理に戻る。
回転処理が正常に実行開始される場合、右装飾体35と左装飾体34は初期回転位置にあり(S135:YES)、CPU581は、回転センサ381がOFF信号を出力するまで、回転モータ383を正転駆動する(S139)。右装飾体35と左装飾体34は、初期回転位置から正面視で反時計回りに回転する。CPU581は回転センサ381がOFF状態であるか否かを判断する(S141)。例えば、S139で正常な動作が実行されなかった場合、右装飾体35と左装飾体34は回転センサ381の検知領域内にある(S141:NO)。CPU581は、リトライフラグを1に上書きして、モータ記憶領域582Cのモータ情報を上書きする(S142)。この場合のS142における上書き後のモータ情報は、「右回転モータ、正転方向」と「左回転モータ、正転方向」である。CPU581はリトライ処理を実行し(S143)、回転処理を終了して第三演出処理に戻る。
S139で正常な動作が実行された場合、右装飾体35と左装飾体34は初期回転位置から正面視反時計回りに回転する(図22(e)参照)。回転センサ381はOFF信号を出力し(S141:YES)、CPU581は、回転モータ383を一定パルス(100パルス)分正転駆動し(S145)、右装飾体35と左装飾体34を作動回転位置まで回転させる(図22(f)参照)。CPU581は、カウンタ記憶領域582Dのカウンタ値をリセットする(S147)。S147でリセットされるカウンタ値は、右回転モータ83の正転方向のカウンタと、左回転モータ283の正転方向のカウンタ値である。CPU581は回転センサ381がOFF状態であるか否かを判断する(S149)。右装飾体35と左装飾体34が何らかの原因で初期回転位置に戻っている場合、回転センサ381がON信号を出力するので(S149:NO)、CPU581は処理をS137に移行する。
回転センサ381がOFF状態である場合(S149:YES)、CPU581は、回転センサ381がON信号を出力するまで回転モータ383を逆転駆動する(S151)。右装飾体35と左装飾体34は正面視で時計回りに回転する(図示略)。S151の実行後、CPU581は回転センサ381がON状態であるか否かを判断する(S153)。S151が正常に実行されなかった場合、右装飾体35と左装飾体34は初期回転位置の手前まで到達しない(S153:NO)、CPU581は処理をS142に移行する。この場合のS142における上書き後のモータ情報は、「右回転モータ、逆転方向」と「左回転モータ、逆転方向」である。
回転センサ381がON状態である場合(S153:YES)、CPU581は、回転モータ383を8パルス分逆転駆動し(S155)、右装飾体35と左装飾体34を初期回転位置まで回転させる(図示略)。CPU581は、カウンタ記憶領域582Dのカウンタ値をリセットして(S157)、回転処理を終了して、第三演出処理に戻る。S157でリセットされるカウンタ値は、右昇降モータ103の逆転方向のカウンタと、左昇降モータ203の逆転方向のカウンタ値である。
図21、図22に示すように、CPU581は直動終了処理を実行する(S107)。S107はS55(図17参照)と同様の処理である。S107が実行されることで、右装飾体35と左装飾体34は離隔位置に戻る(図22(a)参照)。
<8.電源投入処理>
図25を参照し、電源投入処理を説明する。電源投入処理は、パチンコ機1の電源がOFFからONに切り替わる場合に開始される処理である。CPU581は、リトライフラグが1であるか否かを、RAM582を参照することで判断する(S211)。リトライフラグが1である場合(S211:NO)、CPU581は、CPU581は画像表示装置28に「エラー発生」と異常報知させ(S217)、電源投入処理を終了する。この場合、異常報知に気付いたホールのスタッフが処置を行う。
リトライフラグが0である場合(S211:YES)、CPU581は復帰処理を実行する(S213)。復帰処理は、右装飾体35と左装飾体34を初期状態にするための処理である。例えば、パチンコ機1の動作中に突発的に電源がOFFになった場合、又は電源投入後のパチンコ機1に対して突発的な外力が作用した場合に、右装飾体35と左装飾体34は初期状態から外れた状態になる。この場合、復帰処理が実行されることで、右装飾体35と左装飾体34は初期状態に復帰できる。復帰処理の詳細は後述する。
S213の終了後、CPU581は、復帰処理が正常に終了したか否かを、復帰フラグ記憶領域582Aを参照することで判断する(S215)。復帰フラグ記憶領域582Aが1である場合(S215:NO)、CPU581は処理をS217に移行する。復帰フラグが0である場合(S215:YES)、CPU581は、起動動作処理を実行する(S219)。起動動作処理は、例えば、パチンコ機1が各種の演出動作を実行可能な状態にする処理である。S219の実行後、CPU581は電源投入処理を終了し、上述の第一演出処理等を適宜実行する。
<9.復帰処理>
<9-1.復帰処理の概要>
図26を参照し、復帰処理を説明する。CPU581は右復帰処理を実行する(S221)。右復帰処理は、右装飾体35を初期状態にする処理である。右復帰処理の詳細は後述する。S221の開始後、CPU581は左復帰処理(S223)を実行する。左復帰処理は、左装飾体34を初期状態にする処理である。
図26では、フローチャートの説明の都合、右復帰処理(S221)の終了後に、左復帰処理(S223)が開始されるように図示しているが、実際には、S221とS223が開始されるタイミングは略同じである。
CPU581は、左復帰処理(S223)の実行後、右装飾体35と左装飾体34が正常に初期状態に復帰したか否かを判断する(S225)。例えば、CPU581は、右装飾体35と左装飾体34がいずれも初期状態であるか否かを判断する(S225)。直動センサ361、回転センサ381、昇降センサ324のいずれかがOFF状態である場合(S225:NO)、CPU581は、復帰フラグ記憶領域582Aの復帰フラグを1に上書きして、右装飾体35と左装飾体34に異常が発生したことを報知する(S227)。例えば、CPU581は、CPU91から受信するコマンドに応じて、異常報知を実行するコマンドをCPU431に送信する。これにより、画像表示装置28は「エラー発生」と表示面27に表示する(S227)。S227の実行後、CPU581は電源投入処理に戻る。この場合、CPU581は、起動処理(S217)を実行することなく、電源投入処理を終了する。右装飾体35と左装飾体34が初期状態に正常に復帰したと判断した場合(S225:YES)、CPU581は電源投入処理(図25参照)に戻り、起動動作処理を実行する(S219)。尚、右装飾体35と左装飾体34が初期状態に正常に復帰したと判断した場合には、CPU581は復帰フラグを0に上書きする(S225:YES)。
<9-2.右復帰処理>
図27~図38を参照し、右復帰処理について説明する。右復帰処理は、右装飾体35を初期状態に復帰させる処理である。右復帰処理の実行時、CPU581は、直動センサ361、回転センサ381、昇降センサ324の検知結果に関する情報(即ち、ON信号とOFF信号)に基づき、直動モータ363、回転モータ383、昇降モータ303を駆動制御する。以下の右復帰処理の説明では、左装飾体34は初期状態であるものとする。また、以下の説明では、各種モータは、回転駆動を明示する説明がない場合には、駆動停止状態であるものとする。
<9-2-1.右上昇センサ125、右回転センサ81、右直動センサ61がOFFの場合>
図27~図33を参照し、右装飾体35が、離隔位置、初期回転位置、作動位置のいずれの位置にも配置されていないときの右復帰処理を説明する。例えば図28(a)に示すように、右装飾体35は、離隔位置と近接位置との間となる左右方向位置にあり、初期回転位置と作動回転位置との間となる回転位置にあり、上端位置にある。右ラック105は最上位位置にある。
CPU581は、右昇降センサ124がON状態か否かを判定する(S231)。右装飾体35が上端位置にあるので、右上昇センサ125と右落下センサ126はいずれもOFF状態である(S231:NO)。CPU581は、右回転センサ81の出力結果に関する情報に基づき、右回転センサ81がON状態か否かを判断する(S233)。右昇降体102は、初期回転位置と作動回転位置との間となる回転位置にあるので、右回転センサ81はOFF状態である(S233:NO)。CPU581は、右直動センサ61の出力結果に関する情報に基づき、右直動センサ61がON状態か否かを判断する(S235)。右装飾体35は、離隔位置と近接位置との間となる左右方向位置にあるので、右直動センサ61はOFF状態である(S235:NO)。CPU581は右回転復帰処理Aを実行する(S237)。
図29に示すように、CPU581は、右回転モータ83を一定パルス分逆転させる(S261)。一定パルスは、右装飾体35の例えば約20°分の回転に相当するパルス数である。右装飾体35は、初期回転位置に向けて回転するが(図28(a)の矢印F1)、本例では初期回転位置に到達することなく停止する(図28(b)参照)。CPU581は、右昇降センサ124がON状態か否かを判断する(S263)。右装飾体35は上端位置にあり、右昇降センサ124はOFF状態である(S263:NO)。CPU581は、右昇降復帰処理を実行する(S265)。尚、CPU581は、S261の実行時に、右回転センサ81の検知結果を監視する。そして、右回転モータ83の逆転駆動量が一定パルス分の駆動量に達する前に、右装飾体35が初期回転位置に到達する場合、CPU581は、その瞬間に右回転モータ83の逆転駆動を駆動停止する(S261)。
図30に示すように、CPU581は、右昇降モータ103を一定パルス正転させる(S271)。右昇降体102は最上位位置から最下位位置まで下降し、右昇降体102は上端位置にて保持される。
S271の実行後、CPU581は、右ソレノイド152を所定時間に亘りON状態にした後、OFF状態に戻す(S273)。所定時間は一例として1000ms(1秒)である。右ソレノイド152がON状態になることで、右ロック部材157をロック位置からロック解除位置まで回転する。右昇降体102と右装飾体35は、重力により下方に付勢されることで、下端位置まで落下する(図28(c)参照)。
CPU581は、右昇降モータ103の逆転駆動を開始する(S275)。右ラック105は、右昇降体102を直接的に付勢しながら上昇する(図28(c)の矢印F2)。CPU581は、右昇降センサ124がON状態であるか否かを判断する(S277)。上昇する下被検知物107と上被検知物104がそれぞれ下検知領域と上検知領域に進入しない限り、右上昇センサ125と右落下センサ126の両方がON状態になることはない(S277:NO)。CPU581は、右昇降モータ103が所定パルス逆転したか否かを判断する(S279)。所定パルスは、例えば右ラック105の最大可動量よりも多いパルス数である。右昇降モータ103が所定パルス分逆転駆動していない場合(S279:NO)、CPU581は処理をS277に移行する。CPU581は、S277、S279を繰り返す。右ラック105と右昇降体102が正常に上昇する場合、右昇降モータ103が所定パルス分逆転駆動する前に(S279:NO)、下被検知物107と上被検知物104は下検知領域と上検知領域とに進入する(S277:YES)。CPU581は右昇降モータ103の逆転駆動を終了する(S283)。右ラック105と右昇降体102はそれぞれ、中間位置と作動位置よりも僅かに下方となる位置で停止する(S283)。
尚、右昇降モータ103が所定パルス分の逆転駆動した場合(S279:YES)、CPU581は、右昇降センサ124がON状態か否かを判断する(S281)。右昇降センサ124がON状態である場合(S281:YES)、CPU581は処理をS283に移行する。右昇降センサ124がOFF状態である場合(S281:NO)、CPU581は、S283と同様、右昇降モータ103の逆転駆動を終了する(S297)。CPU581は、リトライフラグを1に上書きし、モータ記憶領域582Cのモータ情報を上書きする(S298)。S298における上書き後のモータ情報は、「右昇降モータ、逆転方向」である。CPU581はリトライ処理を実行し(S299)、処理をS221(図26参照)に移行する。
例えば、突発的な要因によって、右昇降モータ103が逆転しても右ラック105と右昇降体102が正常に上昇しない場合、右昇降モータ103が所定パルス分逆転駆動しても(S279:YES)、右昇降センサ124はON状態にならない(S281:NO)。この場合、CPU581は、処理をS298に移行する。リトライ処理実行後(S299)、CPU581は右回転復帰処理Aを終えて右復帰処理に戻り(図27参照)、右復帰処理を終了する。
S283の実行後、CPU581は、右昇降モータ103を一定パルス分(15パルス分)逆転駆動する(S285)。これにより、右ラック105と右昇降体102はそれぞれ中間位置と作動位置で停止する(図28(c)参照)。CPU581は、カウンタ記憶領域582Dに記憶されるカウンタ値をリセットする(S287)。S287でリセットされるカウンタ値は、右昇降モータ103の逆転方向のカウンタ値である。CPU581は、右回転センサ81がON状態であるか否かを判断する(S289)。右装飾体35が初期回転位置に復帰していないので(S289:NO)、CPU581は右回転復帰処理Bを実行する(S291)。
図31に示すように、CPU581は、右回転モータ83の逆転駆動を開始する(S301)。右装飾体35は、初期回転位置に向けて回転する(図28(c)の矢印F3)。CPU581は、右回転センサ81がON状態になったか否かを判断する(S303)。右被検知物が右回転センサ81の検知領域に到達していない場合(S303:NO)、CPU581は、右回転モータ83が所定パルス分逆転駆動したか否かを判断する(S305)。所定パルスは、右装飾体35の最大回転量に相当するパルス数である。右回転モータ83が所定パルス分逆転駆動していない場合(S305:NO)、CPU581は処理をS303に移行する。CPU581はS303、S305を繰り返す。右装飾体35が正常に回転する場合、右回転モータ83の逆転駆動量が所定パルスとなる前に(S305:NO)、右被検知物は右回転センサ81の下検知領域に進入する(S303:YES)。CPU581は右回転モータ83の逆転駆動を終了する(S309)。右装飾体35は、初期回転位置よりも僅かに手前で停止する(S309)。
尚、右回転モータ83が所定パルス分逆転駆動した場合(S307:YES)、CPU581は、右回転センサ81がON状態か否かを判断する(S307)。右回転センサ81がON状態である場合(S307:YES)、CPU581は処理をS309に移行する。右回転センサ81がOFF状態である場合(S307:NO)、CPU581は、S309同様、右回転モータ83の逆転駆動を終了する(S325)。CPU581は、リトライフラグを1に上書きし、モータ記憶領域582Cのモータ情報を上書きする(S326)。S326における上書き後のモータ情報は、「右回転モータ、逆転方向」である。CPU581は右回転リトライ処理を実行し(S327)、処理をS221(図26参照)に移行する。
例えば、突発的な要因によって、右回転モータ83が逆転しても右装飾体35と右回転体85が回転しない場合、右回転モータ83が所定パルス分逆転駆動しても(S305:YES)、右回転センサ81はON状態にならない(S307:NO)。CPU581は、処理をS325に移行した後、処理をS221(図26参照)に移行する。
S309の実行後、CPU581は、右回転モータ83を8パルス分逆転駆動する(S311)。これにより、右装飾体35と右回転体85は共に初期回転位置で停止する(図28(d)参照)。CPU581は、カウンタ記憶領域582Dに記憶されるカウンタ値をリセットする(S313)。S313でリセットされるカウンタ値は、右回転モータ83の逆転方向のカウンタ値である。CPU581は、右昇降センサ124がON状態であるか否かを判断する(S315)。右昇降センサ124がOFF状態である場合(S315:NO)、CPU581は右昇降復帰処理を実行する(S317)。S317はS265(図29参照)と同様の処理である。右昇降復帰処理の実行後(S317)、CPU581は右回転復帰処理Bを終える。本例では、右上昇センサ125がON状態であるので(S315:YES)、CPU581は右直動センサ61がON状態か否かを判断する(S319)。右回転被検知物69が右直動センサ61の検知領域から退出しているので(S319:NO)、CPU581は、右直動復帰処理Bを実行する(S321)。
図33に示すように、CPU581は、右直動モータ63の逆転駆動を開始する(S341)。右装飾体35は、離隔位置に向けて移動する(図28(d)の矢印F4)。CPU581は、右直動センサ61がON状態になったか否かを判断する(S343)。右回転被検知物69が右直動センサ61の検知領域に到達していない場合(S343:NO)、CPU581は、右直動モータ63が所定パルス分逆転駆動したか否かを判断する(S345)。所定パルスは、右装飾体35の最大左右動量に相当するパルス数である。右直動モータ63が所定パルス分逆転駆動していない場合(S345:NO)、CPU581は、処理をS343に移行する。CPU581はS343、S345を繰り返す。右装飾体35が正常に右方に移動する場合、右直動モータ63の逆転駆動量が所定パルスとなる前に(S345:NO)、右回転被検知物69は右直動センサ61の検知領域に進入する(S343:YES)。CPU581は右直動モータ63の逆転駆動を終了する(S349)。右装飾体35は、離隔位置よりも僅かに手前で停止する(S349)。
尚、右直動モータ63が所定パルス分逆転駆動した場合(S345:YES)、CPU581は、右直動センサ61がON状態か否かを判断する(S347)。右直動センサ61がON状態である場合(S347:YES)、CPU581は処理をS349に移行する。右直動センサ61がOFF状態である場合(S347:NO)、CPU581は、S349同様、右直動モータ63の逆転駆動を終了し(S355)する。CPU581は、リトライフラグを1に上書きして、モータ記憶領域582Cのモータ情報を上書きする(S356)。S356における上書き後のモータ情報は、「右直動モータ、逆転方向」である。CPU581は、リトライ処理を実行し(S357)、処理をS221(図26参照)に移行する。
例えば、突発的な要因によって、右直動モータ63が逆転しても右装飾体35が右方に移動しない場合、右直動モータ63が所定パルス分逆転駆動しても(S345:YES)、右直動センサ61はON状態にならない(S347:NO)。この場合、CPU581は、処理をS355に移行する。
S349の実行後、CPU581は、右直動モータ63を30パルス分逆転駆動する(S351)。これにより、右装飾体35は離隔位置で停止する(図28(e)参照)。右装飾体35は初期状態に戻る。CPU581は、カウンタ記憶領域582Dのカウンタ値をリセットして(S353)、右直動復帰処理Bを終了する。S353でリセットされるカウンタ値は、右回転モータ83の逆転方向のカウンタ値である。その後、CPU581は、右回転復帰処理B(図31参照)、右昇降処理(図30参照)、右回転復帰処理A(図29参照)を順に終了し、右復帰処理(図27参照)に戻って処理を終了する。
<9-2-2.右直動センサ61がON、右上昇センサ125と右回転センサ81がOFFの場合>
図27、図29~図34を参照し、右装飾体35が、離隔位置に配置される一方で、初期回転位置と作動位置には配置されていない時の右復帰処理を説明する。例えば図34(a)に示すように、右装飾体35は、初期回転位置と作動回転位置との間となる回転位置にあり、作動位置よりも下方にある。尚、上述した右復帰処理と重複する処理については、以下説明を簡略化する。
図27に示すように、CPU581は、右上昇センサ125がOFF状態であると判断し(S231:NO)、右回転センサ81がOFF状態であると判断し(S233:NO)、右直動センサ61がON状態であると判断し(S235:YES)、右直動復帰処理Aを実行する(S239)。
図32に示すように、CPU581は、右直動モータ63を一定パルス分正転させる(S331)。右装飾体35は左方に移動する(図34(a)の矢印F5)。一定パルスは、右装飾体35の最大左右動量の約半分に相当するパルス数である。これにより、右装飾体35は離隔位置と近接位置との間となる位置で停止する。尚、CPU581は、S331の実行時に、右近接センサ62の検知結果を監視する。そして、右直動モータ63の正転駆動量が一定パルス分の駆動量に達する前に、右装飾体35が近接位置に到達した場合、CPU581はその瞬間に右直動モータ63の正転駆動を駆動停止する(S331)。
CPU581は、右昇降センサ124がON状態であるか否かを判断する(S333)。右装飾体35は作動位置よりも僅かに下方にあるので(S333:NO)、CPU581は右昇降復帰処理を実行する(S335)。S335は、上述のS317(図31参照)と同様の処理である。
図30に示されるS271、S273をCPU581が実行することで、右装飾体35は下端位置まで落下する(図34(b)の矢印F6)。CPU581がS275~S285を実行することで、右装飾体35は、下端位置から作動位置まで上昇する(図34(c)参照)。右回転センサ81はOFF状態であるので(S289:NO)、CPU581は右回転復帰処理Bを実行する(S291)。
図31に示されるS301~S311が実行されることで、右装飾体35は初期回転位置まで回転する(図34(c)、(d)参照)。右上昇センサ125はON状態であり(S315:YES)、右直動センサ61はOFF状態であるので(S319:NO)、CPU581は右直動復帰処理Bを実行する(S321)。図33に示されるS341~S351が実行されることで、右装飾体35は離隔位置まで移動する(図34(e)参照)。CPU581は、右直動復帰処理B、右回転復帰処理B、右昇降復帰処理、右直動復帰処理Aを順に終了し、右復帰処理に戻り処理を終了する。
<9-2-3.右回転センサ81がON、右昇降センサ124と右直動センサ61がOFFの場合>
図27、図30、図33、図35を参照し、右装飾体35が、初期回転位置に配置される一方で、作動位置と離隔位置には配置されていないときの右復帰処理を説明する。例えば図35(a)に示すように、右装飾体35は、離隔位置と近接位置との間にあり、作動位置よりも下方にある。
図27で示すように、CPU581は、右上昇センサ125がOFF状態であると判断し(S231:NO)、右回転センサ81がON状態であると判断し(S233:YES)、右直動センサ61がOFF状態であると判断し(S241:NO)、右直動復帰処理Bを実行する(S242)。
図33で示されるS341~S351が実行されることで、右装飾体35は、離隔位置まで移動する(図35(a)、(b)参照)。図27で示すように、CPU581は、S242の実行後、右昇降復帰処理を実行する(S243)。図30で示されるS271~S285が実行されることで、右装飾体35は、作動位置まで上昇する(図35(b)、(c)参照)。右装飾体35は初期回転位置にあるので(S289:YES)、CPU581は右直動センサ61がON状態か否かを判断する(S293)。右装飾体35は離隔位置にあるので(S293:YES)、CPU581は右昇降復帰処理、右直動復帰処理Bを順に終了し、右復帰処理に戻って処理を終了する。
<9-2-4.右昇降センサ124がOFF、右回転センサ81と右直動センサ61がONの場合>
図27、図30、図32、図33、図36を参照し、右装飾体35が、初期回転位置と離隔位置に配置される一方で、作動位置に配置されていないときの右復帰処理を説明する。例えば図36(a)に示すように、右装飾体35は作動位置よりも下方にある。
図27で示すように、CPU581は、右上昇センサ125がOFF状態であると判断し(S231:NO)、右回転センサ81がON状態であると判断し(S233:YES)、右直動センサ61がON状態であると判断し(S241:YES)、右直動復帰処理Aを実行する(S245)。
図32で示すように、CPU581はS331を実行することで、右装飾体35は、離隔位置と近接位置との間まで移動する(図36(a)、(b)参照)。右昇降センサ124はOFF状態であるので(S333:NO)、CPU581は右昇降復帰処理を実行する(S335)。図30で示されるS271~S285が実行されることで、右装飾体35は下端位置まで落下した後に作動位置まで上昇する(図36(c)参照)。右回転センサ81はON状態である(S289:YES)。CPU581は、右直動センサ61がON状態であるか否かを判断する(S293)。右直動センサ61がOFF状態であるので(S293:NO)、CPU581は右直動復帰処理Bを実行する(S295)。S291はS2321(図31参照)と同様の処理である。図33で示されるS341~S351が実行されることで、右装飾体35は離隔位置まで移動する(図36(d)参照)。CPU581は、右直動復帰処理B、右昇降処理、右直動復帰処理Aを順に終了し、右復帰処理に戻って処理を終了する。
<9-2-5.右昇降センサ124がON、右回転センサ81と右直動センサ61がOFFの場合>
図27、図31、図33、図37を参照し、右装飾体35が、作動位置に配置される一方で、初期回転位置と離隔位置に配置されていない時の右復帰処理を説明する。例えば図37(a)に示すように、右装飾体35は初期回転位置と作動回転位置との間に配置されると共に、離隔位置と近接位置との間に配置される(図37(a)参照)。
図27で示すように、CPU581は、右昇降センサ124がON状態であると判断し(S231:YES)、右回転センサ81がOFF状態であると判断し(S247:NO)、右直動センサ61がOFF状態であると判断し(S249:NO)、右回転復帰処理Bを実行する(S251)。S251はS291(図30参照)と同様の処理である。
図31で示されるS301~S311が実行されることで、右装飾体35は初期回転位置まで回転する(図37(a)、(b)参照)。右昇降センサ124はON状態であり(S315:YES)、右直動センサ61はOFF状態である(S319:NO)。CPU581は、右直動復帰処理Bを実行する(S321)。図33で示されるS341~S351が実行されることで、右装飾体35は離隔位置まで移動する(図37(b)、(c)参照)。CPU581は、右直動復帰処理Bと右回転復帰処理Bを順に終了し、右復帰処理に戻って処理を終了する。
<9-2-6.右昇降センサ124と右直動センサ61がON、右回転センサ81がOFFの場合>
図27、図33、図32、図38を参照し、右装飾体35が、作動位置と離隔位置に配置される一方で、初期回転位置に配置されていない時の右復帰処理を説明する。例えば図38(a)に示すように、右装飾体35は初期回転位置から約10°ずれた位置に配置される。
図27に示すように、CPU581は、右昇降センサ124がON状態であると判断し(S231:YES)、右回転センサ81がOFF状態であると判断し(S247:NO)、右直動センサ61がON状態であると判断し(S249:YES)、右直動復帰処理Aを実行する(S253)。尚、S253はS245と同様の処理である。
図32で示されるS231が実行されることで、右装飾体35は、近接位置と離隔位置との間まで移動する(図38(a)、(b)参照)。右昇降センサ124はON状態であり(S333:YES)、右回転センサ81はOFF状態である(S337:NO)。尚、CPU581は、右回転復帰処理Aを実行する(S339)。図29で示されるS261が実行されることで、本例では右装飾体35は初期回転位置まで移動する(図38(c)参照)。右昇降センサ124はON状態であるので(S263:YES)、CPU581は右直動復帰処理Bを実行する(S267)。S267はS242(図27参照)と同様の処理である。図33で示されるS2341~S2351が実行されることで、右装飾体35は離隔位置まで戻る(図38(c)、(d)参照)。CPU581は、右直動復帰処理Bと右回転復帰処理Aを順に終了し、右復帰処理に戻って処理を終了する。
<9-2-7.右昇降センサ124と右回転センサ81がON、右直動センサ61がOFFの場合>
図27、図33、図38(c)、(d)を参照し、右装飾体35が、作動位置と初期回転位置に配置される一方で、離隔位置に配置されていないときの右復帰処理を説明する。例えば図38(c)に示すように、右装飾体35は、近接位置と離隔位置との間に配置される。
図27で示すように、CPU581は、右昇降センサ124がON状態であると判断し(S231:YES)、右回転センサ81がON状態であると判断し(S247:YES)、右直動センサ61がOFF状態であると判断し(S255:NO)、右直動復帰処理Bを実行する(S257)。S257はS242(図27参照)と同様の処理である。
図33で示されるS341~S351が実行されることで、右装飾体35は、離隔位置まで移動する(図38(c)、(d)参照)。CPU581は、右直動復帰処理Bを終了し、右復帰処理に戻って処理を終了する。
尚、図27で示すように、右装飾体35が初期状態にある状態で右復帰処理が開始された場合、CPU581は、右昇降センサ124、右回転センサ81、及び右直動センサ61がそれぞれON状態であると判断し(S231:YES、S247:YES、S255:YES)、右復帰処理を終了する。
<9-3.左復帰処理>
左復帰処理は右復帰処理と同様の処理であり、左復帰処理での左装飾体34の動作は、右復帰処理での右装飾体35の動作と左右対称である。説明の重複を避ける都合、左復帰処理の説明を省略する。
<10.リトライ処理>
<10-1.リトライ処理の概要>
図39、図40を参照し、リトライ処理の概要を説明する。リトライ処理は、直前まで所定方向に駆動していたモータ(直動モータ363、回転モータ383、昇降モータ303、)を、いったん反対方向に駆動した後、再度そのモータを所定方向に駆動する処理である。リトライ処理の実行時、CPU581は、直動センサ361、回転センサ381、昇降センサ324の検知結果に関する情報(即ち、ON信号とOFF信号)に基づき、直動モータ363、回転モータ383、昇降モータ303を駆動制御する。以下の説明では、各種モータは、回転駆動を明示する説明がない場合には、駆動停止状態であるものとする。
CPU581は、リトライ処理が連続して開始されたか否かを判断する(S411)。CPU581は、リトライフラグ記憶領域582Bに記憶されたリトライフラグを参照する。リトライフラグが1である場合、CPU581はリトライ処理が連続して開始されたと判断し(S411:YES)、処理をS453に移行する。S453以降の詳細は後述する。
リトライフラグが0である場合、CPU581はリトライ処理が連続開始されていないと判断し(S411:NO)、リトライフラグを0に上書きする(S413)。CPU581は、リトライ処理の開始直前に昇降モータ303が駆動していたか否かを、モータ情報を参照することで判断する(S415)。
リトライ処理の開始直前に昇降モータ303が駆動していた場合(S415:YES)、CPU581は、はずれ変動中であるか否かを、特定演出情報記憶領域582Eを参照することで判断する(S417)。特定演出情報が1である場合(S417:YES)、CPU581は、特別昇降リトライ処理を実行する(S418)。特別昇降リトライ処理の実行後、CPU581はリトライ処理を終了する。特別昇降リトライ処理の詳細は後述する。
はずれ変動中でない場合(S417:NO)、CPU581は近接センサ362がON状態であるか否かを判断する(S419)。近接センサ362がON状態である場合(S419:YES)、CPU581は処理をS421に移行する。
CPU581は、リトライ処理の開始直前に駆動していた昇降モータ303は正転駆動していたか否かを、RAM582のモータ情報を参照することで判断する(S421)。リトライ処理の開始直前に、右昇降モータ103が正転駆動していた場合(S421:YES)、CPU581は昇降正転リトライ処理を実行する(S423)。リトライ処理の開始直前に駆動していた昇降モータ303が逆転駆動していた場合(S421:NO)、CPU581は昇降逆転リトライ処理を実行する(S425)。昇降正転リトライ処理と昇降逆転リトライ処理はいずれも、右昇降モータ103と左昇降モータ203が同時に駆動する処理である(詳細は後述)。近接センサ362がON状態の場合(S419:YES)、右装飾体35と左装飾体34は互いに接触し得る位置関係にあるが、右昇降モータ103と左昇降モータ203が同時に駆動することで、右装飾体35と左装飾体34の衝突を防止できる。
近接センサ362がOFF状態である場合(S419:NO)、CPU581は特定昇降リトライ処理を実行する(S427)。特定昇降リトライ処理は、右装飾体35と左装飾体34のいずれかを動作させる処理である。近接センサ362がOFF状態である場合、右装飾体35と左装飾体34は互いの可動範囲に進入していないので、右装飾体35と左装飾体34の一方を動作させても、他方と衝突することはない。CPU581は、S423、S425、S427のいずれかを実行した後、リトライ処理を終了する。
リトライ処理の開始直前に昇降モータ303が駆動していなかった場合(S415:NO)、CPU581は、リトライ処理の開始直前に回転モータ383が駆動していたか否かを、RAM582のモータ情報を参照することで判断する(S429)。リトライ処理の開始直前に回転モータ383が駆動していた場合(S429:YES)、CPU581は、はずれ変動中であるか否かを、特定演出情報記憶領域582Eを参照することで判断する(S430)。特定演出情報が1である場合(S430:YES)、CPU581は特別回転リトライ処理を実行する(S432)。特別回転リトライ処理の実行後、CPU581はリトライ処理を終了する。特別回転リトライ処理の詳細は後述する。特定演出情報が1でない場合(S430:NO)、CPU581は、リトライ処理の開始直前に駆動していた回転モータ383は正転駆動していたか否かを、RAM582のモータ情報を参照することで判断する(S431)。回転モータ383が正転駆動していた場合(S431:YES)、CPU581は回転正転リトライ処理を実行し(S433)、回転モータ383が逆転駆動していた場合(S431:NO)、CPU581は回転逆転リトライ処理を実行する(S435)。回転逆転リトライ処理と回転リトライ正転処理は、いずれも、右回転モータ83と左回転モータ283が同時に駆動する処理である(詳細は後述)。CPU581は、S433又はS435を実行した後、リトライ処理を終了する。
リトライ処理の開始直前に回転モータ383が駆動していなかった場合(S429:NO)、CPU581は、リトライ処理の開始直前に直動モータ363が駆動していたか否かを、RAM582のモータ情報を参照することで判断する(S437)。リトライ処理開始直前に直動モータ363が駆動していなかった場合(S437:NO)、CPU581はリトライ処理を終了する。一方、リトライ処理開始直前に直動モータ363が駆動していた場合(S437:YES)、CPU581は、はずれ変動中であるか否かを、特定演出情報記憶領域582Eを参照することで判断する(S438)。特定演出情報が1である場合(S438:YES)、CPU581は特別直動リトライ処理を実行する(S440)。特別直動リトライ処理の実行後、CPU581はリトライ処理を終了する。特別直動リトライ処理の詳細は後述する。特定演出情報が1でない場合(S438:NO)、CPU581は、駆動していた直動モータ363が右直動モータ63であったか否かを、RAM582のモータ情報を参照することで判断する(S439)。左直動モータ263が駆動していた場合(S439:NO)、CPU581は処理をS447に移行する。
右直動モータ63が駆動していた場合(S439:YES)、CPU581は、右直動モータ63が正転駆動していたか否かを、RAM582のモータ情報を参照することで判断する(S441)。右直動モータ63が正転駆動していた場合(S441:YES)、CPU581は右直動正転リトライ処理を実行し(S443)、右直動モータ63が逆転駆動していた場合(S441:NO)、CPU581は右直動逆転リトライ処理を実行する(S445)。右直動逆転リトライ処理と右直動正転リトライ処理は、いずれも左直動モータ263を駆動停止した状態で、右直動モータ63を駆動する処理である(詳細は後述)。CPU581は、S443又はS445を実行した後、RAM582のモータ情報を参照することで、リトライ処理開始直前に左直動モータ263が駆動していたか否かを判断する(S446)。左直動モータ263が駆動していなかった場合(S446:NO)、CPU581はリトライ処理を終了する。リトライ処理開始直前に左直動モータ263が駆動していた場合(S446:YES)、CPU581は処理をS447に移行する。
左直動モータ263が駆動していた場合(S439:NO、又はS446:YES)、CPU581は、左直動モータ263が正転駆動していたか否かを、RAM582のモータ情報を参照することで判断する(S447)。左直動モータ263が正転駆動していた場合(S447:YES)、CPU581は左直動正転リトライ処理を実行し(S449)、左直動モータ263が逆転駆動していた場合(S447:NO)、CPU581は左直動逆転リトライ処理を実行する(S451)。左直動逆転リトライ処理と左直動正転リトライ処理は、右直動モータ63を駆動停止した状態で、左直動モータ263を駆動する処理である(詳細は後述)。CPU581は、S449又はS451を実行した後、リトライ処理を終了する。
<10-2.昇降正転リトライ処理>
図41、図42を参照し、昇降正転リトライ処理を説明する。例えば、図20で示される昇降処理のS91、S93、S79が順に実行されるとき、昇降正転リトライ処理は実行される。以下では、右装飾体35と左装飾体34がいずれも作動位置と上端位置にある場合(図42(a)参照)を例に昇降正転リトライ処理を説明する。また、右装飾体35と左装飾体34はいずれも近接位置にあるものとする。
CPU581は、ソレノイド352をON状態にしてロック部材257をロック解除位置まで回転させ、昇降モータ303を400パルス分逆転駆動する(S491)。右装飾体35と左装飾体34は、ラック205によって略同じタイミングで押し上げられて上端位置に到達し(図42(b)参照)、昇降モータ303は継続して逆転駆動する。昇降モータ303の駆動量が400パルス分の駆動量になったとき、CPU581は昇降モータ303を駆動停止する(S491)。
CPU581は、ソレノイド352をON状態にして、昇降センサ324がON状態になるまで、昇降モータ303を正転駆動する(S493)。正常な動作が実行される場合、右装飾体35と左装飾体34は、作動位置よりも僅かに上方となる位置まで下降する(図42(c)参照)。
CPU581は、昇降センサ324がON状態であるか否かを判断する(S495)。S493の処理で正常な動作が実行されない場合、右装飾体35と左装飾体34は昇降センサ324の検知領域まで進入しない(S495:NO)。CPU581はリトライフラグを1に上書きして、モータ記憶領域582Cのモータ情報を上書きする(S497)。S497における上書き後のモータ情報は、「右昇降モータ、正転方向」と「左昇降モータ、正転方向」である。CPU581は、処理をS411(図39参照)に移行する。
S493で正常な動作が実行された場合、昇降センサ324はON状態となる(S495:YES)。CPU581は、ソレノイド352をON状態にしてロック部材257をロック解除位置に回動した後、昇降センサ324がOFF状態になるまで昇降モータ303を正転駆動する。これにより、右装飾体35と左装飾体34は作動位置と下端位置との間で停止する(図42(d)参照)。
CPU581は、昇降センサ324がOFF状態になったか否かを判断する(S501)。S499の実行時に正常な動作が実行されない場合、右装飾体35と左装飾体34は昇降センサ324の検知領域から退出しない(S501:NO)。この場合、CPU581は処理を497に移行する。右装飾体35と左装飾体34が昇降センサ324の検知領域から退出している場合(S501:YES)、CPU581は、昇降モータ303を更に20パルス分正転駆動する(S503)。右装飾体35と左装飾体34は更に下降して停止する(図42(e)参照)。CPU581は、RAM582に記憶のリトライカウンタ値をリセットする(S505)。S505でリセットされるカウンタ値は、右昇降モータ103の正転方向のカウンタ値と、左昇降モータ203の正転方向のカウンタ値である。CPU581は、RAM582に記憶のリトライフラグを0に上書きして(S507)、処理をS221(図26参照)に移行する。S221以降が実行されることで、右装飾体35と左装飾体34は初期状態に復帰する。
<10-3.昇降逆転リトライ処理>
図43、図44を参照し、昇降逆転リトライ処理を説明する。例えば、図20で示される昇降処理のS75、S77、79が順に実行されるとき、昇降逆転リトライ処理は開始される。例えば、昇降逆転リトライ処理の開始時、右装飾体35は、近接位置より僅かに右方となる左右方向位置、且つ作動位置と上端位置との間となる上下方向位置にある。また、左装飾体34は、近接位置より僅かに左方となる左右方向位置、且つ作動位置にある(図44(a)参照)。図44(a)のような右装飾体35と左装飾体34の配置状態は、例えば、S75の(図20参照)の終了後に、パチンコ機1に突発的な外力が作用した場合に生じる。突発的な外力は、例えば、ホール内の通路を歩くスタッフが不意に転倒してパチンコ機1と接触する時、等に生じる。
CPU581は、ソレノイド352をON状態にして、昇降モータ303を例えば150パルス分正転駆動する(S471)。昇降モータ303の正転駆動に伴って、右装飾体35と左装飾体34は、同じタイミングで下降をし始める。本説明では、S471の実行開始時、右装飾体35と左装飾体34が作動位置よりも下方には配置されていない。従って、昇降モータ303の駆動量が150パルス分となる前に、右装飾体35と左装飾体34が下端位置に到達することはないが、もし仮に、昇降モータ303の駆動量が150パルス分となる前に右装飾体35と左装飾体34が下端位置に到達したとき、CPU581は昇降モータ303の正転駆動をその瞬間に停止する。停止の方法は、S123(図23参照)と同様である。S471の実行後、右装飾体35と左装飾体34は、例えば、作動位置と下端位置との間で停止する(図44(b)参照)。
昇降モータ303が150パルス分の正転駆動しかしないので、昇降逆転リトライ処理開始時に図44(a)で示される状態だった右装飾体35と左装飾体34は、下端位置には到達しない。右装飾体35と左装飾体34が上下方向に大きく動くことがないので、CPU581がS471を実行しても、遊技者に有利な演出(例えば当たり報知演出)が開始されたという誤解を遊技者に与えることはない。
S471の実行後、CPU581は、ソレノイド352をON状態にしてロック部材257をロック解除位置まで回転させた後、昇降センサ324がON状態になるまで昇降モータ303を逆転駆動する(S473)。不具合がなければ、昇降モータ303の逆転駆動に伴って右装飾体35と左装飾体34は、作動位置よりも僅かに下方となる位置まで上昇する(図44(c)参照)。右昇降モータ103は右近接センサ62がON状態になった瞬間に停止し、左昇降モータ203は左近接センサ262がON状態になった瞬間に停止する。正常に動作した場合、S473の実行後の右装飾体35と左装飾体34は、互いに同じ上下位置(作動位置よりも僅かに下方の位置)に配置される(図44(c)参照)。CPU581はソレノイド352をOFF状態に戻す(S473)。
CPU581は、昇降センサ324がON状態であるか否かを判断する(S475)。何らかの不具合によって、S473が実行されても右装飾体35と左装飾体34が正常に上昇しなかった場合、右装飾体35と左装飾体34の少なくとも一方は昇降センサ324の検知領域よりも下方で停止する(S475:NO)。CPU581は、リトライフラグを1に上書きして、モータ記憶領域582Cのモータ情報を上書きする(S479)。S479で上書きするモータ情報は、右昇降モータ103と左昇降モータ203のうちで正常駆動しなかったモータが逆転方向していたことを示す情報である。CPU581は、処理をS411(図39参照)に移行する。
昇降センサ324がON状態である場合(S475:YES)、CPU581は、昇降モータ303を15パルス分逆転駆動する(S481)。右装飾体35と左装飾体34は作動位置にて停止する(図44(d)参照)。CPU581は、RAM582のカウンタ記憶領域582Dに記憶のカウンタ値をリセットする(S483)。S483でリセットされるカウンタ値は、右昇降モータ103の逆転方向のカウンタ値と、左昇降モータ203の逆転方向のカウンタ値である。CPU581は、RAM582に記憶のリトライフラグを0に上書きして(S485)、処理をS221(図26参照)に移行する。
尚、詳細な説明は省略するが、昇降逆転リトライ処理開始時に、左装飾体34は、左昇降センサ224の検知領域から下方に退出した位置に配置されていてもよい。この場合であっても、昇降逆転リトライ処理は実行される。つまり、左装飾体34の上下方向位置に関わらず、昇降逆転リトライ処理は実行される。
<10-4.特定昇降リトライ>
図45を参照し、特定昇降リトライ処理を説明する。CPU581は、リトライ処理(図39参照)開始直前に右昇降モータ103が駆動していたか否かを、RAM582のモータ情報を参照することで判断する(S511)。右昇降モータ103がリトライ処理開始直前に駆動していた場合(S511:YES)、CPU581は右昇降モータ103が正転駆動していたか否かを判断する(S513)。右昇降モータ103が正転駆動していた場合(S513:YES)、右昇降正転リトライ処理を実行する(S515)。右昇降モータ103が逆転駆動していた場合(S513:NO)、CPU581は右昇降逆転リトライ処理を実行する(S517)。CPU581は、S515又はS517を実行した後、リトライ処理開始直前に左昇降モータ203が駆動していたか否かを、RAM582のモータ情報を参照することで判断する(S520)。左昇降モータ203が駆動していなかった場合(S520:NO)、CPU581は特定リトライ処理を終了し、リトライ処理に戻る。左昇降モータ203が駆動していた場合(S520:YES)、CPU581は処理をS519に移行する。
リトライ処理開始直前に左昇降モータ203が駆動していた場合(S511:NO、又はS520:YES)、CPU581は、左昇降モータ203が正転駆動していたか否かを判断する(S519)。左昇降モータ203が正転駆動していた場合(S519:YES)、CPU581は左昇降正転リトライ処理を実行する(S521)。左昇降モータ203が逆転駆動していた場合(S519:NO)、CPU581は左昇降逆転リトライ処理を実行する(S523)。
右昇降正転リトライ処理(S515)と左昇降正転リトライ処理(S521)は、いずれも、右昇降モータ103と左昇降モータ203のいずれか一方のモータを駆動しない場合を除いて、昇降正転リトライ処理(S423)と同様の処理である。また、右昇降逆転リトライ処理(S517)と左昇降逆転リトライ処理(S523)は、いずれも、右昇降モータ103と左昇降モータ203のいずれか一方のモータを駆動しない場合を除いて、昇降逆転リトライ処理(S425)と同様の処理である。右昇降正転リトライ処理、右昇降逆転リトライ処理、左昇降正転リトライ処理、及び左昇降逆転リトライ処理が実行されても、右装飾体35と左装飾体34がいずれも離隔位置にあるので、右装飾体35と左装飾体34が互いに接触(衝突)することはない。これらの処理の実行後、CPU581は特定リトライ処理を終了する。
<10-5.回転正転リトライ処理>
図46、図47を参照し、回転正転リトライ処理を説明する。例えば、図24で示される回転処理のS139、S141、S143が順に実行される時、回転正転リトライ処理は実行される。以下、S139が実行された場合に、右装飾体35は右回転センサ81の検知領域から退出した一方、左装飾体34が初期回転位置から回転しなかった場合を例に(図47(a))、回転正転リトライ処理を説明する。尚、図47では、図面を見易くする都合、互いに離隔した右装飾体35と左装飾体34を図示する(図49も同様)。
CPU581は、回転モータ383を108パルス分逆回転する(S551)。これにより、右装飾体35と左装飾体34はいずれも初期回転位置まで戻る(図47(b)参照)。尚、回転モータ383の逆転駆動量が108パルス分になる前に、右装飾体35と左装飾体34が初期回転位置に到達する場合、CPU581はその瞬間に回転モータ383の駆動制御を停止する(S551)。更に、回転正転リトライ処理の開始時に左装飾体34が初期回転位置にある場合には、回転直後に左回転モータ283に過度に高いトルク負荷がかかり、CPU581は左回転モータ283の回転駆動を停止する(S551)。高い負荷トルクがかかった場合の左回転モータ283の停止方法は、S123(図23参照)と同様である。
CPU581は、回転センサ381がOFF状態になるまで回転モータ383を正転駆動する(S553)。右装飾体35と左装飾体34は、正常に動作する場合、正面視で反時計回りに回転し、回転センサ381の検知領域から退出した位置で停止する(図47(c)参照)。CPU581は、回転センサ381がOFF状態になったか否かを判断する(S555)。S553の実行時に正常な動作が実行されなかった場合、右装飾体35と左装飾体34の少なくとも一方は、回転センサ381の検知領域内にある(S555:NO)。CPU581は、リトライフラグを1に上書きし、モータ情報を上書きする(S557)。S557における上書き後のモータ情報は、右回転モータ83と左回転モータ283の少なくとも一方のモータと、正転方向である。CPU581は、処理をS411(図39参照)に移行する。
S553の実行時に正常な動作が実行された場合、右装飾体35と左装飾体34は、回転センサ381の検知領域から退出する(S555:YES)。CPU581は、回転モータ383を100パルス分正転駆動し(S559)、右装飾体35と左装飾体34を作動回転位置まで回転させる(図47(d)参照)。CPU581は、RAM582に記憶のカウンタ値をリセットする(S561)。S561でリセットされるカウンタ値は、右回転モータ83の正転方向のカウンタ値と、左回転モータ283の正転方向のカウンタ値である。CPU581はリトライフラグを0に上書きし(S563)、処理をS221(図26参照)に移行する。
S563の終了時、右装飾体35と左装飾体34は互いの可動範囲に進入している。しかしながら、復帰処理(図26参照)では、右復帰処理(S221)と左復帰処理(S223)が略同じタイミングで実行され、略同じタイミングで右装飾体35と左装飾体34は初期回転位置に向けた回転動作を行う。従って、復帰処理の実行時、右装飾体35と左装飾体34は互いに接触することなく初期状態に復帰できる。
<10-6.回転逆転リトライ処理>
図48、図49を参照し、回転逆転リトライ処理を説明する。例えば、図24で示される回転処理のS151、S153、S143が順に実行される時、回転逆転リトライ処理は実行される。以下、S151が実行された場合に、右装飾体35は右回転センサ81の検知領域に進入した一方、左装飾体34が左回転センサ281の検知領域に進入しなかった場合を例に(図49(a))、回転逆転リトライ処理を説明する。
CPU581は、回転モータ383を108パルス分正転駆動し(S531)、右装飾体35と左装飾体34を作動回転位置まで回転させる(図49(b)参照)。回転モータ383が108パルス分正転駆動する前に、右装飾体35と左装飾体34が作動回転位置に到達した時、回転モータ383のモータ負荷が急増することを契機に、CPU581は回転モータ383を駆動停止する(S531)。
CPU581は、回転センサ381がON状態になるまで、回転モータ383を逆転駆動する(S533)。CPU581は、回転センサ381がON状態になったか否かを判断する(S535)。S533の実行時に正常な動作が実行されない場合、右装飾体35と左装飾体34は、回転センサ381の検知領域に進入しない(S535:NO)。CPU581は、リトライフラグを1に上書きし、モータ情報を上書きする(S537)。S537における上書き後のモータ情報は、右回転モータ83と左回転モータ283の少なくとも一方が逆転方向していたことを示す情報である。CPU581は処理をS411(図39参照)に移行する。
S533の実行時に正常な動作が実行される場合、右装飾体35と左装飾体34は回転センサ381の検知領域に進入する(図49(c)参照)。CPU581は、回転モータ383を8パルス分逆転駆動して(S539)、右装飾体35と左装飾体34を初期回転位置まで回転させる(図49(d)参照)。CPU581は、RAM582に記憶のカウンタ値をリセットする(S541)。S541でリセットされるカウンタ値は、右回転モータ83の逆転方向のカウンタ値と、左回転モータ283の逆転方向のカウンタ値である。CPU581は、リトライフラグを0に上書きして(S543)、処理をS221(図26参照)に移行する。復帰処理が実行されることで、右装飾体35と左装飾体34は初期状態に復帰する。
<10-7.右直動正転リトライ処理>
図50、図51を参照し、右直動正転リトライ処理を説明する。右直動正転リトライ処理は、例えば、図14で示される第一演出処理のS17、S19が順に実行される時、又は、図19で示される直動開始処理のS65が実行される時に、開始される。以下、S65が実行された時に左装飾体34は左近接センサ262の検知領域に進入する一方で、右装飾体35は右近接センサ62の検知領域まで到達しない場合を例に(図51(a)参照)説明する。
CPU581は、右直動モータ63を一定パルス(163パルス)分逆転駆動させる(S601)。これにより、右装飾体35は離隔位置まで移動する(図51(b)参照)。右直動センサ61が163パルス分逆転駆動する前に右装飾体35が離隔位置に到達する場合、CPU581は、右装飾体35が離隔位置に到達した瞬間に右直動モータ63の逆転駆動を停止する(S601)。右直動センサ61の停止方法は、S123(図23参照)と同様である。
S601の実行後、CPU581は、右近接センサ62がON状態になるまで、右直動モータ63を正転駆動させる(S603)。これにより、正常に動作が実行される場合には、右装飾体35は近接位置の手前まで移動する(図51(c)参照)。CPU581は、右近接センサ62がON状態であるか否かを判断する(S605)。右装飾体35が正常に動作しなかった場合、右近接センサ62はOFF状態である(S605:NO)。CPU581は、リトライフラグを1に上書きして、モータ情報を上書きする(S607)。S607における上書き後のモータ情報は、「右直動モータ、正転方向」である。CPU581は処理をS411(図39参照)に移行する。
S603の実行時に右装飾体35が正常に動作した場合、右近接センサ62はON状態である(S605:YES)。CPU581は、右直動モータ63を28パルス分正転駆動する(S609)。右装飾体35は、近接位置に到達する(図51(d)参照)。CPU581は、RAM582に記憶のカウンタ値をリセットする(S611)。S611においてリセットされるカウンタ値は、右直動モータ63の正転方向のカウンタ値である。CPU581はリトライフラグを0に上書きし(S613)、処理をS221(図26参照)に移行する。復帰処理が実行されることで、右装飾体35と左装飾体34は初期状態に復帰する。
<10-8.右直動逆転リトライ処理>
図52、図53を参照し、右直動逆転リトライ処理を説明する。右直動逆転リトライ処理は、例えば、図16で示される直動終了処理のS35、S37、S39が順に実行される時に開始される。以下、S35、S37、S39が順に実行される時に、左装飾体34は正常に左近接センサ262の検知領域に進入する一方、右装飾体35は右近接センサ62の検知領域に進入しなかった場合を例に(図53(a)参照)、右直動逆転リトライ処理を説明する。
CPU581は、右直動モータ63を163パルス分正転駆動し(S611)、右装飾体35を近接位置まで移動させる(図53(b)参照)。右直動モータ63の正転駆動量が163パルス分の駆動量に達する前に、右装飾体35が近接位置に到達した場合、CPU581はその瞬間に右直動モータ63を駆動停止する(S611)。CPU581は、右近接センサ62の検知結果を取得することで、右装飾体35が近接位置に到達したか否かを判断できる。
CPU581は、右直動センサ61がON状態になるまで右直動モータ63を逆転駆動する(S613)。右装飾体35は、正常に動作する場合、離隔位置の手前まで移動する(図53(c)参照)。CPU581は、右直動センサ61がON状態であるか否かを判断する(S615)。S613で正常な動作が実行されなかった場合、右装飾体35は右直動センサ61の検知領域に到達しない(S615:NO)。CPU581は、リトライフラグを1に上書きし、モータ情報を上書きする(S617)。S617における上書き後のモータ情報は、「右直動モータ、逆転方向」である。CPU581は処理をS411(図39参照)に移行する。
S613で正常な動作が実行された場合、右装飾体35は右直動センサ61の検知領域に進入する(S615:YES)。CPU581は、右直動モータ63を30パルス分逆転駆動して(S619)、右装飾体35は離隔位置まで移動する(図53(d)参照)。CPU581は、RAM582に記憶のカウンタ値をリセットする(S621)。S621でリセットされるカウンタ値は、右直動モータ63の逆転方向のカウンタ値である。CPU581はリトライフラグを0に上書きし(S623)、処理をS221(図26参照)に移行する。復帰処理が実行されることで、右装飾体35と左装飾体34は初期状態に復帰する。
<10-9.連続リトライ処理>
図39を参照し、連続リトライ処理が実行される場合を説明する。
例えば、図41で示されるS497、図43で示されるS479、図46で示されるS557、図48で示されるS537、等が実行されることで、リトライフラグが1に上書きされる(S411:YES)。CPU581は、カウンタ加算処理を実行する(S453)。カウンタ加算処理は、モータ情報に示される情報に対応するカウンタを1加算する処理である。例えば、モータ情報が、「右昇降モータ、正転方向」と「左昇降モータ、正転方向」であるならば、CPU581は、右昇降モータ103の正転方向のカウンタと、左昇降モータ203の正転方向のカウンタをそれぞれ1加算する(S453)。
CPU581は、カウンタ記憶領域582Dに記憶されるいずれかのカウンタが5以上であるか否かを判断する(S455)。5以上のカウンタがない場合(S455:NO)、CPU581はそのままリトライ処理を終了する。その後、復帰処理が終了し、別のタイミングで復帰処理が再度開始されることとなる。5以上のカウンタがある場合(S455:YES)、CPU581は画像表示装置28に「エラー発生」と異常報知させ(S457)、リトライ処理を終了する。この場合、ホールスタッフは、パチンコ機1の製造業者に保守作業を依頼することとなる。
<11.はずれ変動中におけるリトライ処理>
図54~図58を参照し、はずれ変動中のリトライ処理を説明する。はずれ変動中のリトライ処理は、特別昇降リトライ処理、特別回転リトライ処理、特別直動リトライ処理である。
<11-1.特別昇降リトライ処理>
図54、図55を参照し、特別昇降リトライ処理を説明する。CPU581は、近接センサ362がON状態であるか否かを判断する(S710)。近接センサ362がON状態である場合(S710:YES)、CPU581は第一特別昇降リトライ処理を実行する(S711)。近接センサ362がOFF状態である場合(S710:NO)、CPU581は第二特別昇降リトライ処理を実行する。第二特別リトライ処理は、特定昇降リトライ処理(図39、図45参照)と同一の処理であるので、詳細な説明を省略する。特定昇降リトライ処理の右昇降逆転リトライ処理(図45のS517)と同一の処理が、第二特別リトライ処理において実行されることにより、右装飾体35は作動位置まで移動する。同様に、特定昇降リトライ処理の左昇降逆転リトライ処理(図45のS523)と同一の処理が、第二特別リトライ処理において実行されることにより、左装飾体34は作動位置まで移動する。
第一特別昇降リトライ処理を説明する。第一特別昇降リトライ処理は、昇降正転リトライ処理(図41、図42参照)と類似する処理である。第一特別昇降リトライ処理の説明では、右装飾体35と左装飾体34の動作の流れを示す説明図の図示を省略する。
CPU581は、ソレノイド352をON状態にして、昇降モータ303を3秒間の間正逆回転する(S790)。昇降モータ303が回転駆動を開始する方向は、RAM582に記憶のモータ情報が示す昇降モータ303の回転方向とは反対方向である。右装飾体35と左装飾体34は3秒間の間上下動を繰り返す。CPU581は、S791~S801を実行する。S791~S801は、S491~S501と同じ処理である。右装飾体35と左装飾体34が昇降センサ324の検知領域を下方に退出した場合(S801:YES)、CPU581は、昇降モータ303を所定パルス分だけ逆転駆動して、右装飾体35と左装飾体34を作動位置まで移動させる(S803)。CPU581は、RAM582に記憶のリトライカウンタ値をリセットする(S805)。S805でリセットされるカウンタ値は、右昇降モータ103の逆転方向のカウンタ値と、左昇降モータ203の逆転方向のカウンタ値である。CPU581は、RAM582に記憶のリトライフラグを0に上書きする(S807)。CPU581は第一特別昇降リトライ処理を終了して、処理をS221(図26参照)に移行する。
右装飾体35と左装飾体34の移動時間と移動距離が異なるので、第一特別昇降リトライ処理における右装飾体35と左装飾体34の移動パターンは、昇降逆転リトライ処理(図39、図43参照)における移動パターンとは異なる。また、第一特別昇降リトライ処理と第二特別昇降リトライ処理では、右装飾体35と左装飾体34が最下端位置に同じタイミングで到達するという動作は発生しない。
<11-2.特別回転リトライ処理>
図56、図57を参照し、特別回転リトライ処理を説明する。CPU581は、近接センサ362がON状態であるか否かを判断する(S740)。近接センサ362がON状態である場合(S740:YES)、CPU581は第一特別回転リトライ処理を実行する(S741)。近接センサ362がOFF状態である場合(S740:NO)、CPU581は第二特別回転リトライ処理を実行する(S742)。
第一特別回転リトライ処理を説明する。第一特別回転リトライ処理は、回転正転リトライ処理(図39、図46参照)と類似する処理である。第一特別回転リトライ処理の説明では、右装飾体35と左装飾体34の動作の流れを示す説明図の図示を省略する。
CPU581は、回転モータ383を3秒間の間正逆回転する(S810)。回転モータ383が回転駆動を開始する方向は、RAM582に記憶のモータ情報が示す回転モータ383の回転方向である。右装飾体35と左装飾体34は往復回転を3秒間の間繰り返す。次いで、CPU581は、S811~S817を実行する。S811~S817は、S551~S557と同一の処理である。右装飾体35と左装飾体34が回転センサ381の検知領域から退出した場合(S815:YES)、CPU581は回転モータ383を所定パルス分逆転駆動して、右装飾体35と左装飾体34を初期回転位置まで回転する(S819)。CPU581は、RAM582に記憶のカウンタ値をリセットする(S821)。S821でリセットされるカウンタ値は、右回転モータ83の逆転方向のカウンタ値と、左回転モータ283の逆転方向のカウンタ値である。CPU581はリトライフラグを0に上書きし(S823)、処理をS221(図26参照)に移行する。
第二特別回転リトライ処理(詳細なフローチャートの図示省略)を説明する。第二特別回転リトライ処理は、S810とは異なる処理を実行することを除いて、第一特別回転リトライ処理と同一の処理である。第二特別回転リトライでは、S810に代えて、右回転モータ83を3秒間の間正逆回転する処理を実行した後に左回転モータ283を3秒間正逆回転する処理を実行する。この処理を実行後、CPU581は、S811~S823と同様の処理を実行する。
上記説明のように、第一特別回転リトライ処理又は第二特別回転リトライ処理が実行されることで、右装飾体35と左装飾体34は初期回転位置まで回転する。第一特別回転リトライ処理と第二特別回転リトライ処理における右装飾体35と左装飾体34の移動パターンは、いずれも、回転逆転リトライ処理(図48参照)における移動パターンとは異なる。第一特別回転リトライ処理と第二特別回転リトライ処理では、右装飾体35と左装飾体34が作動回転位置に到達するという動作は発生しない。
<11-3.特別直動リトライ処理>
図58を参照し、特別直動リトライ処理を説明する。尚、特別直動リトライ処理の実行に伴う右装飾体35と左装飾体34の動作は、これまで説明した右装飾体35と左装飾体34の動作と類似するので、動作の流れを説明する説明図を省略する。
CPU581は、直動モータ363を3秒間の間、正逆回転する(S830)。直動モータ363が回転駆動を開始する方向は、RAM582に記憶のモータ情報が示す回転方向とは反対方向である。これにより、右装飾体35と左装飾体34は3秒間の間左右動を繰り返す。
CPU581は、直動センサ361がOFF状態になるまで、直動モータ363を逆転駆動する(S831)。直動モータ363の逆転駆動開始前から直動センサ361がOFF状態である場合、CPU581は直動モータ363を駆動することなく、S831を終了する。CPU581は、直動センサ361がOFF状態であるか否かを判断する(S833)。直動センサ361がON状態である場合(S833:NO)、CPU581は、リトライフラグを1に上書きし、モータ情報を上書きする(S835)。CPU581は、処理をS411(図39参照)に移行する。
直動センサ361がOFF状態である場合(S833:YES)、CPU581は、直動モータ363を逆転駆動して右装飾体35と左装飾体34を離隔位置まで移動させる(S837)。次いで、CPU581はRAM582に記憶のカウンタ値をリセットする(S839)。S839でリセットされるカウンタ値は、右直動モータ63の逆方向のカウンタ値と、左直動モータ263の逆方向のカウンタ値である。CPU581は、リトライフラグを0に上書きして(S841)、特別直動リトライ処理を終了し、処理をS221(図26参照)に移行する。
上記の説明のように、特別直動リトライ処理が実行されることで、右装飾体35と左装飾体34は離隔位置に到達する。特別直動リトライ処理における右装飾体35の移動パターンは、右直動逆転リトライ処理(図52参照)における移動パターンとは異なる。特別直動リトライ処理では、右装飾体35と左装飾体34が近接位置に到達する動作は発生しない。
<12.効果、変形例>
以上説明したように、はずれ変動中でない場合(図39のS417:NO)、CPU581が、昇降逆転リトライ処理(S425)又は特定昇降リトライ処理(S427)を実行することで、右装飾体35は初期位置に移動する。一方で、パチンコ機1がはずれ変動中である場合(S417:YES)、CPU581は、第一特別昇降リトライ処理(S711)又は第二特別昇降リトライ処理(S712)を実行することで、右装飾体35は初期位置に移動する。右装飾体35が上下動するので(S790)、第一特別昇降リトライ処理は、昇降逆転リトライ処理及び特定昇降リトライ処理とは、右装飾体35の移動態様が異なる。即ち、CPU581は、はずれ変動中か否かによって、右装飾体35を作動位置に移動させるリトライ昇降処理を使い分ける。よって、複数パターンのリトライ処理を実行可能なパチンコ機1が実現する。
昇降逆転リトライ処理(S425)及び特定昇降リトライ処理(S427)のうちで昇降逆転リトライ処理は、特別昇降リトライ処理では実行されない。換言すると、はずれ変動時でない時に実行される昇降リトライ処理の少なくとも一つは、特別昇降リトライ処理では実行されない。よって、パチンコ機1は、リトライ処理の実行に伴う右装飾体35の移動パターンを多様化できる。故に、リトライ処理の実行時、パチンコ機1の稼働状態に応じた適切な移動パターンが選択され易くなるので、パチンコ機1はリトライ処理実行時の不具合を抑制できる。
第一特別昇降リトライ処理と第二特別昇降リトライ処理のうちで、第一特別昇降リトライ処理は、はずれ変動時でないときに実行されない。換言すると、はずれ変動中である時の昇降リトライ処理の少なくとも一つは、はずれ変動中でないときの昇降リトライ処理では実行されない。よって、パチンコ機1はリトライ処理の実行に伴う右装飾体35と左装飾体34の移動パターンを多様化できる。
はずれ変動と当たり変動とでは、両者の開始時における演出は一般に類似する。そのため、はずれ変動中の演出と、当たり変動中の演出は、遊技者にとって見分けにくいものである。本実施形態では、はずれ変動であるか否かによって、昇降リトライ処理、回転リトライ処理、直動リトライ処理の処理内容が変化する。よって、パチンコ機1は、遊技者がはずれ変動中の演出を当たり変動中の演出であると錯誤するのを防ぐ。これにより、遊技者は不用意な落胆を覚えずに済むことができる。
以上説明にて、パチンコ機1は本発明の「遊技機」の一例である。右昇降モータ103は本発明の「駆動手段」の一例である。右装飾体35は本発明の「可動体」の一例である。上被検知物104は本発明の「被検知体」の一例である。右昇降センサ124は本発明の「検知手段」の一例である。特定演出情報は本発明の「特定情報」の一例である。右復帰処理は本発明の「特定処理」の一例である。昇降逆転リトライ処理と特定昇降リトライ処理は本発明の「第一リトライ処理」の一例である。第一特別昇降リトライ処理と第二特別昇降リトライ処理は本発明の「第二リトライ処理」の一例である。S357を実行するCPU581は本発明の「リトライ制御手段」の一例である。S417で特定演出情報を取得するCPU581は本発明の「取得手段」の一例である。
本発明は上記実施例に限定しない。S417、S430、S438を実行するCPU581は、はずれ変動中か否かを判断する代わりに、例えば、当たり変動か否か、大当たり報知演出中であるか否か、確変状態であるか否か、電源投入直後であるか否か、右装飾体35が特定の位置に配置されているか否か、等を判断してもよい。特定情報は、パチンコ機1の状態に関するあらゆる情報を含むからである。
昇降正転リトライ処理の終了時に右装飾体35は作動位置まで移動してもよい。作動位置までの移動パターンは任意である。回転正転リトライ処理の終了時に右装飾体35は初期回転位置まで回転してもよい。初期回転位置までの移動パターンは任意である。右直動正転リトライ処理の終了時に右装飾体35は離隔位置まで移動してもよい。離隔位置までの移動パターンは任意である。
移動態様は、移動経路、移動時間、移動速度、移動時における可動体の発光の有無、等を含む。従って、第一特別昇降リトライ処理の実行時に、右装飾体35は、昇降逆転リトライ処理の実行時と同じ移動経路と移動速度で移動してもよく、この場合、第一特別昇降リトライ処理と昇降逆転リトライ処理とで、例えば右装飾体35の発光態様が異なればよい。右装飾体35の発光態様は、右装飾体35の内部にLED基板を搭載し、CPU581がLED基板に設けられたLEDの発光態様を制御すれば、実現する。
上記実施例では、右昇降復帰処理(図30参照)の開始後に、リトライ処理(S299)が実行される。即ち、左復帰処理(図26のS223)の左昇降復帰処理(図示略)が実行されることなくリトライ処理が実行される。しかしながら、S299の実行タイミングは、左復帰処理(S213)の終了後であってもよい。即ち、左復帰処理の実行後、右装飾体35が初期状態に戻っていないと判断された場合に、リトライ処理は実行されてもよい。右装飾体35が初期状態に戻っているか否かは、右昇降センサ124、右直動センサ61、及び右回転センサ81の検知結果に基づいてCPU581は判断できる。
右落下センサ126と下被検知物107は、右ラック105の動作に伴い互いに相対移動すればよく、例えば、右落下センサ126は右ラック105に設けられてもよい。この場合、下被検知物107は右移動部材68に設けられる。右上昇センサ125と上被検知物104は、右昇降体102の動作に伴い互いに相対移動すればよく、例えば、右上昇センサ125は、右昇降体102に設けられてもよい。この場合、上被検知物104は、右移動部材68に設けられる。上記のような構成であっても、右落下センサ126と右上昇センサ125の検知結果に基づき、CPU581は右昇降モータ103を駆動制御し、右装飾体35の上下方向位置を正確に制御できる。
右回転被検知物69は、枠状筐体33に固定されてもよい。この場合、右直動センサ61は、右アーム65に設けられればよい。右直動被検知物67は、枠状筐体33に固定されてもよい。この場合、右近接センサ62は、右移動部材68の上端部66に設けられてもよい。
また、請求項、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、大入賞口、第一特別図柄始動電動役物14等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。
更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。