JP7064079B2 - 回転機械及び回転機械の分解方法 - Google Patents
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Description
外側ケーシングと、前記外側ケーシングの内部において前記外側ケーシングによって支持される内部部品とを備え、前記外側ケーシング及び前記内部部品がそれぞれ上下に二分割された回転機械であって、
前記外側ケーシングは、外側上半部及び外側下半部を含み、
前記内部部品は、内側上半部及び内側下半部を含み、
前記内側上半部から水平方向に突出するように設けられ、前記内部部品を前記外側ケーシングに支持するための支持アームと、
前記内側下半部から水平方向に突出するように設けられ、前記外側下半部に対する前記内側下半部の高さ位置を調節するためのジャッキボルトが挿通されるボルト孔が形成された調芯アームと、
前記外側下半部に固定され、前記ジャッキボルトによる前記内側下半部の前記外側下半部に対するジャッキアップ量を規制するためのジャッキアップ量規制部と、をさらに備える。
この点、上記(1)の構成では、内側下半部の外側下半部に対するジャッキアップ量を規制するためのジャッキアップ量規制部を設けたので、ジャッキアップ時に、外側下半部に対する内側下半部(内部部品)のジャッキアップ量が規制される。このため、上述のように内側下半部(内部部品)を外側下半部に対してジャッキアップさせるときに、回転機械のロータ部と、ロータ部の周囲にある静止部材(内部部品)との間の径方向のクリアランスを適切に維持することができる。
よって、上記(1)の構成によれば、内側下半部(内部部品)を外側下半部(外側ケーシング)に対してジャッキアップするときに、ロータ部と静止部材との接触を防止することができる。
前記回転機械が組み立てられた状態で上下方向における前記ジャッキアップ量規制部と前記調芯アームとの間の距離が、前記回転機械の最下部における該回転機械のロータ部と静止部材との間の径方向のクリアランスよりも小さい
ことを特徴とする。
この点、上記(2)の構成によれば、上下方向におけるジャッキアップ量規制部と調芯アームとの間の距離を、ロータ部と静止部材との間の径方向クリアランスよりも小さく設定したので、ジャッキアップ量を最大限大きくして、ジャッキアップ量規制部と調芯アームとの間の距離がゼロになったとしても、上述のクリアランスを確実に維持することができる。よって、内側下半部(内部部品)を外側下半部(外側ケーシング)に対してジャッキアップするときに、ロータ部と静止部材との接触をより確実に防止することができる。
前記回転機械は、
上下方向において前記外側下半部と前記支持アームとの間に少なくとも部分的に設けられる第1ライナをさらに備え、
前記第1ライナは、平面視において前記調芯アームに部分的に重なるように前記外側下半部に固定され、前記ジャッキアップ量規制部を形成する。
前記第1ライナは、第1取付ボルトにより前記外側下半部に固定され、
前記支持アームには、平面視において前記第1取付ボルトの全体を含む領域に、前記第1取付ボルトの中心軸に沿った貫通孔が設けられる。
前記回転機械は、
上下方向において前記支持アームと前記外側上半部との間に少なくとも部分的に設けられる第2ライナをさらに備える。
前記第1ライナは、第1取付ボルトにより前記外側下半部に固定され、
前記支持アームには、平面視において前記第1取付ボルトの全体を含む領域に、前記第1取付ボルトの中心軸に沿った貫通孔が設けられ、
前記第2ライナは、平面視において前記第1取付ボルト及び前記貫通孔とは異なる位置に設けられた第2取付ボルトにより前記支持アームに固定される。
前記支持アームと、前記調芯アームとは、前記回転機械の軸方向に隣接して設けられ、
前記支持アーム又は前記調芯アームの一方は、前記支持アーム又は前記調芯アームの他方側の軸方向端部領域(回転機械の軸方向における端部領域)に、前記支持アーム又は前記調芯アームの前記他方から高さ方向において離れる凹面が形成されている。
前記外側上半部は、前記支持アームの真上の領域に位置して前記支持アームに対向する支持アーム対向面と、前記調芯アームの真上の領域に位置して前記調芯アームに対向する調芯アーム対向面と、を有し、
前記調芯アーム対向面は、前記支持アーム対向面よりも下方に位置する。
外側ケーシングと、前記外側ケーシングの内部に設けられた内部部品とを含み、前記外側ケーシング及び前記内部部品がそれぞれ上下に二分割された回転機械の分解方法であって、
前記外側ケーシングは、外側上半部及び外側下半部を含み、
前記内部部品は、内側上半部及び内側下半部を含み、
前記回転機械は、
前記内側上半部から水平方向に突出するように設けられ、前記内部部品を前記外側ケーシングに支持するための支持アームと、
前記内側下半部から水平方向に突出するように設けられ、前記外側下半部に対する前記内側下半部の高さ位置を調節するためのジャッキボルトが挿通されるボルト孔が形成された調芯アームと、
前記外側下半部に固定されたジャッキアップ量規制部と、をさらに含み、
前記外側上半部が前記外側下半部から取り外された状態で、前記ジャッキアップ量規制部によりジャッキアップ量を規制しながら、前記ジャッキボルトで前記内側下半部を前記外側下半部に対してジャッキアップするステップを備える。
よって、上記(11)の方法によれば、内側下半部(内部部品)を外側下半部(外側ケーシング)に対してジャッキアップするときに、ロータ部と静止部材との接触を防止することができる。
図3に示すように、支持アーム6は、該支持アーム6の下面6aが外側下半部2Bの上端面2Ba(水平分割面)に対向するように設けられ、支持アーム6を介して内部部品4が外側ケーシング2に支持されるようになっている。
図3及び図6A,6Bに示すように、調芯アーム8は、該調芯アーム8の下面8aが外側下半部2Bにおいて、上端面2Ba(水平分割面)よりも下方に設けられた底面12に対向するように設けられている。また、調芯アーム8には、外側下半部2Bに対する内側下半部4Bの高さ位置を調節するためのジャッキボルト18(図6A,6B参照)が挿通されるボルト孔16が形成されている。ボルト孔16は、調芯アーム8を上下方向に貫通するように設けられている。
すなわち、図6Aに示すように、ジャッキボルト18の先端が調芯アーム8の下面8aと同じかそれよりも上方に位置している場合、調芯アーム8の下面8aは、上述の底面12に接した状態となる。
また、図6Bに示す状態では、図6Aに示す状態に比べて、ジャッキボルト18のねじ込み量が増大され、内側下半部4Bが外側下半部2Bに対してジャッキアップされている。すなわち、図6Bに示す状態では、図6Aに示す状態に比べてジャッキアップ量が増大している。このとき、ジャッキボルト18の先端が、調芯アーム8の下面8aよりも下方に位置するとともに、底面12に接している。
次に、ジャッキボルト18により内側下半部4Bを外側下半部2Bに対してジャッキアップし、内側下半部4Bと外側下半部2Bの水平分割面の高さ位置を合わせる。これにより、内側下半部4Bを含む2内部部品と、外側下半部2Bを含む外側ケーシング2とが芯出し調整された状態となる。
即ち、ジャッキボルト18のボルト孔16へのねじ込み量を増大させていくと、外側下半部2Bに対して調芯アーム8が徐々に上昇する。そして、調芯アーム8の上面8bが第1ライナ20の面21aに接するまでジャッキアップ可能であるが、ここで、調芯アーム8の上方への移動が第1ライナ20によって規制されるため、ジャッキアップ量はそれ以上増加しない。
なお、動翼と静止部材との間の径方向のクリアランスとは、動翼の先端と、該先端に対向する静止部材(内側ケーシング等)との間の径方向における距離のことである。
この点、上述の実施形態では、上下方向におけるジャッキアップ量規制部10(例えば第1ライナ20)と調芯アーム8との間の距離を、動翼と静止部材との間の径方向クリアランスよりも小さく設定したので、ジャッキアップ量を最大限大きくして、ジャッキアップ量規制部10(例えば第1ライナ20)と調芯アーム8との間の距離がゼロになったとしても、上述のクリアランスを確実に維持することができる。よって、蒸気タービン1の組立て時又は分解時において、ロータ部と静止部材との接触をより確実に防止することができる。
また、第2ライナ24の厚さは容易に変更可能であるので、上述の間隙L3の大きさの管理がしやすい。
また、第2ライナ24には、平面視において第1取付ボルト22の全体を含む領域に、第1取付ボルト22の中心軸に沿った貫通孔34が設けられている。第2ライナ24の貫通孔34は、支持アーム6の貫通孔28と中心軸を同一にして、該貫通孔28に連なるように設けられており、第1取付ボルト22は、貫通孔28及び貫通孔34を通り抜け可能になっている。
この場合、調芯アーム対向面38と調芯アーム8との間に形成される空間の上下方向の大きさが、ねじ保護ボルト30の長さ又は調芯アーム8の上下方向の長さよりも小さいので、蒸気タービン1の運転中におけるねじ保護ボルト30のボルト孔16からの飛び抜けをより確実に防止することができる。
この点、上述の実施形態では、軸方向に隣接して設けられる支持アーム6と調芯アーム8の一方に上述の凹面40を形成したので、例えば製造公差等により支持アーム6と調芯アーム8とが軸方向において部分的に重なった場合であっても、蒸気タービン1の運転時に支持アーム6および調芯アーム8上で水平方向において温度差が生じても、内部部品(内側下半部4B及び/又は内側上半部4A)の熱変形を抑制することができる。
以下、上述のジャッキアップを含む蒸気タービン1の分解方法の一例について説明する。
なお、このとき、第1ライナ20及び第2ライナ24は、それぞれ、下側下半部2B及び支持アーム6にそれぞれ固定された状態である。また、外側上半部2Aが取り除かれたことにより、調芯アーム8に設けられたボルト孔16の上方は開放され、該ボルト孔16にアクセス可能な状態となっている。
したがって、蒸気タービン1の分解時に、外側上半部2Aを外側下半部2Bから外して持ち上げるとき、外側上半部2Aに内部部品4が嵌合していたとしても、内部部品4は、調芯アーム8を介して、第1ライナ20によって持ち上がらないように押さえつけられる。このように、分解時に内部部品4の持ち上がりを抑制でき、蒸気タービン1の分解時におけるロータと内部部品4との接触を防止することができる。
第1ライナ20のうち支持アーム6と下側下半部2Bとに挟まれる部分の厚さ、及び、第2ライナ24の厚さ(支持アーム6と上側下半部2Aとに挟まれる部分の厚さ)は、確認された径方向クリアランスが蒸気タービン1の組立て完了後において維持できる厚さに設定する。
なお、第1ライナ20の厚さ(支持アーム6と下側下半部2Bとに挟まれる部分の厚さ)は、芯出し調整された状態における、外側下半部2Bの上端面2Bbと支持アーム6の下面との間の距離を計測し、この計測結果に基づいて決定してもよい。
そして、調芯アーム8のボルト孔16からジャッキボルト18を取り外し、該ボルト孔16にねじ保護ボルト30を取り付ける。
そして、外側下半部2Bに外側上半部2Aを組み込んで、外側下半部2Bと外側上半部2Aとをボルト(不図示)で締結する。
以上のようにして、蒸気タービン1が組み立てられる。
よって、蒸気タービン1の組み立て作業中に、支持アーム6を含む内側上半部2Aを、内側下半部2Bに組み付けた状態のままで、貫通孔28,34を介して第1取付ボルト22の取付及び取り外しが可能であり、第1ライナの厚さ調整を行うことができる。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
2 外側ケーシング
2A 外側上半部
2B 外側下半部
2Ba 上端面
4 内部部品
4A 内側上半部
4B 内側下半部
6 支持アーム
6a 下面
8 調芯アーム
8a 下面
8b 上面
10 ジャッキアップ量規制部
12 底面
16 ボルト孔
18 ジャッキボルト
20 第1ライナ
21 段差部
21a 面
22 第1取付ボルト
24 第2ライナ
26 第2取付ボルト
28 貫通孔
30 ねじ保護ボルト
32 雌ネジ
34 貫通孔
36 支持アーム対向面
38 調芯アーム対向面
40 凹面
Claims (11)
- 外側ケーシングと、前記外側ケーシングの内部において前記外側ケーシングによって支持される内部部品とを備え、前記外側ケーシング及び前記内部部品がそれぞれ上下に二分割された回転機械であって、
前記外側ケーシングは、外側上半部及び外側下半部を含み、
前記内部部品は、内側上半部及び内側下半部を含み、
前記内側上半部から水平方向に突出するように設けられ、前記内部部品を前記外側ケーシングに支持するための支持アームと、
前記内側下半部から水平方向に突出するように設けられ、前記外側下半部に対する前記内側下半部の高さ位置を調節するためのジャッキボルトが挿通されるボルト孔が形成された調芯アームと、
前記外側下半部に固定され、前記ジャッキボルトによる前記内側下半部の前記外側下半部に対するジャッキアップ量を規制するためのジャッキアップ量規制部と、をさらに備える
ことを特徴とする回転機械。 - 前記回転機械が組み立てられた状態で、上下方向における前記ジャッキアップ量規制部と前記調芯アームとの間の距離が、前記回転機械の最下部における該回転機械のロータ部と静止部材との間の径方向のクリアランスよりも小さい
ことを特徴とする請求項1に記載の回転機械。 - 上下方向において前記外側下半部と前記支持アームとの間に少なくとも部分的に設けられる第1ライナをさらに備え、
前記第1ライナは、平面視において前記調芯アームに少なくとも部分的に重なるように前記外側下半部に固定され、前記ジャッキアップ量規制部を形成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転機械。 - 前記第1ライナは、第1取付ボルトにより前記外側下半部に固定され、
前記支持アームには、平面視において前記第1取付ボルトの全体を含む領域に、前記第1取付ボルトの中心軸に沿った貫通孔が設けられた
ことを特徴とする請求項3に記載の回転機械。 - 前記第1ライナの側面に雌ネジが形成された
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の回転機械。 - 上下方向において前記支持アームと前記外側上半部との間に少なくとも部分的に設けられる第2ライナをさらに備える
ことを特徴とする請求項3乃至5の何れか一項に記載の回転機械。 - 前記第1ライナは、第1取付ボルトにより前記外側下半部に固定され、
前記支持アームには、平面視において前記第1取付ボルトの全体を含む領域に、前記第1取付ボルトの中心軸に沿った貫通孔が設けられ、
前記第2ライナは、平面視において前記第1取付ボルト及び前記貫通孔とは異なる位置に設けられた第2取付ボルトにより前記支持アームに固定された
ことを特徴とする請求項6に記載の回転機械。 - 前記支持アームと、前記調芯アームとは、前記回転機械の軸方向に隣接して設けられ、
前記支持アーム又は前記調芯アームの一方は、前記支持アーム又は前記調芯アームの他方側の軸方向端部領域に、前記支持アーム又は前記調芯アームの前記他方から高さ方向において離れる凹面が形成された
ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の回転機械。 - 前記ボルト孔に挿入可能なねじ保護ボルトをさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の回転機械。 - 前記外側上半部は、前記支持アームの真上の領域に位置して前記支持アームに対向する支持アーム対向面と、前記調芯アームの真上の領域に位置して前記調芯アームに対向する調芯アーム対向面と、を有し、
前記調芯アーム対向面は、前記支持アーム対向面よりも下方に位置する
ことを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の回転機械。 - 外側ケーシングと、前記外側ケーシングの内部に設けられた内部部品とを含み、前記外側ケーシング及び前記内部部品がそれぞれ上下に二分割された回転機械の分解方法であって、
前記外側ケーシングは、外側上半部及び外側下半部を含み、
前記内部部品は、内側上半部及び内側下半部を含み、
前記回転機械は、
前記内側上半部から水平方向に突出するように設けられ、前記内部部品を前記外側ケーシングに支持するための支持アームと、
前記内側下半部から水平方向に突出するように設けられ、前記外側下半部に対する前記内側下半部の高さ位置を調節するためのジャッキボルトが挿通されるボルト孔が形成された調芯アームと、
前記外側下半部に固定されたジャッキアップ量規制部と、をさらに含み、
前記外側上半部が前記外側下半部から取り外された状態で、前記ジャッキアップ量規制部によりジャッキアップ量を規制しながら、前記ジャッキボルトで前記内側下半部を前記外側下半部に対してジャッキアップするステップ
を備えることを特徴とする回転機械の分解方法。
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