JP7063751B2 - 放送信号受信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、同一周波数を用いて内容の異なる放送サービスを実現する放送信号受信装置に関し、特に、同一周波数を用いた複数の放送信号を受信し、復調データを生成する技術に関する。
地上放送(例えば、非特許文献1を参照)では、同一の放送局が、県単位で内容の異なる放送サービス(以下、ローカルサービスという。)を実施している場合がある。通常、内容の異なるローカルサービスに基づいて生成された放送信号同士は、互いに干渉(同一チャネル干渉)する。このため、隣接する地区の同一の放送局が異なる内容を放送する場合、それぞれの放送信号には異なる周波数が用いられる。
一方で、所要C/Nの小さいキャリア変調及び誤り訂正符号を組合せたビットインターリーブ符号化変調(以下、BICM(Bit Interleaved Coded Modulation)という。)を用いることで、同一チャネル干渉に対する耐性を向上させることができる。この特性を利用し、異なる放送内容であっても同一周波数を積極的に活用する技術である“クラウドトランスミッション(Cloud Transmission)”が提唱されている(例えば、非特許文献2を参照)。隣接する地区の同一の放送局が異なる内容を放送する場合、所要C/Nの小さいBICMを用いることで、それぞれの放送信号に対し同一周波数を用いることができる。
このように、所要C/Nの小さいBICMを用いることにより、干渉波に対する耐性を向上させることができる。また、仮に、ある受信点において希望波より干渉波の電力が高い場合であっても、干渉波を先に復調して受信信号から干渉波を除去するSIC(Successive Interference Canceler:逐次干渉キャンセラー)処理により、希望波を受信することが可能となる。
ただし、所要C/Nの小さいBICMは周波数利用効率が低く、従来の放送帯域幅では伝送容量が小さくなる。これに対応するため、広帯域に放送信号を伝送することで伝送容量を確保する広帯域放送システムも提案されている(例えば、非特許文献3を参照)。
(社)電波産業会(ARIB)、"地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式"、STD-B31 Yiyan Wu 他、"Cloud Transmission: A New Spectrum-Reuse Friendly Digital Terrestrial Broadcasting System"、IEEE Transactions on Broadcasting、vol.58、No.3 (Sep.2012) Erik Stare 他、"WIB: a new system concept for digital terrestrial television (DTT)"、IBC Conference(2016)
図12は、同一周波数を用いて異なる放送信号を送信する2つの変調装置を含む送信側設備の構成例を示す概略図である。2つの隣接する地区において、異なるローカルサービス(A局サービス及びB局サービス)を実施するものとする。
A局サービスを実施する変調装置100-1は、BICM変調部110-1、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)フレーム化部111-1及びOFDM変調部112-1を備えている。B局サービスを実施する変調装置100-2は、BICM変調部110-2、OFDMフレーム化部111-2及びOFDM変調部112-2を備えている。
BICM変調部110-1,110-2は、A,B局サービスを実施するためのデータをそれぞれ入力し、同一または個別のBICMを用いて変調信号を生成する。
OFDMフレーム化部111-1,111-2は、BICM変調部110-1,110-2により生成された変調信号に、BICM情報等を記述した制御信号と基準信号SPA,SPBをそれぞれ挿入し、OFDMフレームXA,XBを生成する。基準信号SPA,SPBは直交しており、受信側において放送所113-1,113-2と受信側との間の伝搬路の周波数特性を個別に推定するための信号である。
OFDM変調部112-1,112-2は、OFDMフレーム化部111-1,111-2により生成されたOFDMフレームXA,XBをOFDM変調し、時間信号をそれぞれ生成する。
A局の時間信号は、B局と同一の周波数X(MHz)を用いた放送信号として、放送所113-1の送信アンテナから送信される。また、B局の時間信号は、A局と同一の周波数X(MHz)を用いた放送信号として、放送所113-2の送信アンテナから送信される。A,B局の放送信号は個別の伝搬路を通り、受信側の放送信号受信装置にて受信信号として受信される。
ここで、A局の放送所113-1から放送信号受信装置の受信アンテナ(受信点)までの間の伝搬路の周波数特性を伝搬路特性HA、B局の放送所113-2から放送信号受信装置の受信点までの間の伝搬路の周波数特性を伝搬路特性HBとする。
図13は、従来の放送信号受信装置の構成例を示すブロック図である。この放送信号受信装置101は、OFDM復調部120、伝搬路推定部121及び等化復調部122を備えている。
放送信号受信装置101は、A局の放送所113-1から送信された放送信号及びB局の放送所113-2から送信された放送信号が多重された状態の多重信号を受信する。
OFDM復調部120は、受信信号をOFDM復調し、周波数信号Yを生成する。周波数信号Yは、以下の式にて表される。Nは雑音成分である。
〔数1〕
Y = HAA + HBB + N ・・・(1)
伝搬路推定部121は、OFDM復調部120により生成された周波数信号Y及び予め設定された基準信号SPA,SPBに基づいて、それぞれの放送信号に対応した伝搬路特性HA,HBを推定し、伝搬路毎の推定値を求める。A局の放送所113-1と受信点の間の伝搬路特性HAの推定値を伝搬路特性推定値HA’とし、B局の放送所113-2と受信点の間の伝搬路特性HBの推定値を伝搬路特性推定値HB’とする。
等化復調部122は、OFDM復調部120により生成された周波数信号Y及び伝搬路推定部121により推定された伝搬路特性推定値HA’,HB’に基づいて、A,B局の復調データを生成する。A局の復調データは、A局の放送所113-1から送信された放送信号の復調データであり、B局の復調データは、B局の放送所113-2から送信された放送信号の復調データである。
等化復調部122は、干渉除去部123、受信電力判定部124、伝搬路等化部130及びBICM復調部131を備えている。
ここで、伝搬路等化部130及びBICM復調部131により、等化復調用所定放送局復調部が構成される。等化復調用所定放送局復調部は、周波数信号Yに対して等化復調を行い、A局の復調データを生成する。また、干渉除去部123、伝搬路等化部130及びBICM復調部131により、等化復調用干渉除去復調部が構成される。等化復調用干渉除去復調部は、周波数信号Yに対して等化復調を行い、B局の復調データを生成し、SIC処理を行い、A局の復調データを生成する。
受信電力判定部124は、伝搬路特性推定値HA’,HB’のキャリア毎の電力値に基づいて、帯域内の平均電力をそれぞれ算出し、これらの平均電力を、A,B局から送信された放送信号の受信電力(A,B局の受信電力)として両者を比較する。
受信電力判定部124は、A局の受信電力がB局の受信電力以上であると判定した場合、周波数信号Yを伝搬路等化部130に出力し、伝搬路等化部130及びBICM復調部131にA局の復調データを生成させる。一方、受信電力判定部124は、B局の受信電力がA局の受信電力よりも大きいと判定した場合、周波数信号Yを干渉除去部123に出力し、干渉除去部123にB局の復調データを生成させる。
干渉除去部123は、伝搬路等化部125、BICM復調部126、BICM変調部127、伝搬路乗算部128及び減算部129を備えている。
伝搬路等化部125は、B局の受信電力がA局の受信電力よりも大きい場合の周波数信号Yを伝搬路特性推定値HB’にて等化する。BICM復調部126は、等化後の周波数信号Yに対し、図12に示したB局のBICM変調部110-2のBICM変調に対応したBICM復調を行い、B局の復調データを生成して出力する。
BICM変調部127は、BICM復調部126によりB局の復調データが正しく生成された場合、B局の復調データに対し、図12に示したB局のBICM変調部110-2と同じBICM変調を行い、B局の変調信号のレプリカを生成する。
伝搬路乗算部128は、B局の変調信号のレプリカに伝搬路特性推定値HB’を乗算し、B局の受信信号のレプリカ(B局の周波数信号のレプリカ)を生成する。減算部129は、B局の受信電力がA局の受信電力よりも大きい場合の周波数信号YからB局の周波数信号のレプリカを減算し、A局の受信信号である周波数信号を生成する。
これにより、干渉除去部123のSIC処理において、B局の周波数信号のレプリカが干渉信号として周波数信号Yから除去され、A局の周波数信号のみが残留することとなる。残留したA局の周波数信号は、伝搬路等化部130に出力される。
伝搬路等化部130は、A局の受信電力がB局の受信電力以上である場合の周波数信号Y、または、B局の受信電力がA局の受信電力よりも大きい場合の周波数信号YからB局の周波数信号のレプリカが除去されたA局の周波数信号を入力する。
伝搬路等化部130は、周波数信号YまたはA局の周波数信号を、伝搬路特性推定値HA’にて等化する。BICM復調部131は、等化後の周波数信号に対し、図12に示したA局のBICM変調部110-1のBICM変調に対応したBICM復調を行い、A局の復調データを生成して出力する。
しかしながら、従来の放送信号受信装置101では、後述する第1の課題、第2の課題または第3の課題に示すように、伝送特性が劣化するという問題があった。
(第1の課題)
まず、図13に示した放送信号受信装置101について、第1の課題について説明する。放送信号受信装置101が、A局の復調データを生成してA局サービスを実施する装置である場合、第1の課題は、A局とB局の電力比(A局の受信電力をB局の受信電力で除算することで求めた電力比)が小さい領域において、A局の放送信号を正しく復調できない点にある。
図14は、図13に示した従来の放送信号受信装置101の伝送特性を示す図である。この伝送特性は、A局とB局の電力比に対するA局を復調する所要C/N(A局の復調データを得るための所要C/N)を示す。横軸はA局とB局の電力比(dB)であり、縦軸はA局を復調する所要C/N(dB)である。所要C/Nは、A局サービスがエラーフリーを達成するのに必要な最小の受信C/Nである。
図14に示すように、A局とB局の電力比の値がプラスの領域は、A局の受信電力の方が大きい場合を示している。この領域では、図13に示した伝搬路等化部130及びBICM復調部131により、周波数信号Yが直接復調されてA局の復調データが生成される。
一方、A局とB局の電力比の値がマイナスの領域は、B局の受信電力の方が大きい場合を示している。この領域では、図13に示した干渉除去部123により、周波数信号YからB局の復調データが生成され、B局の受信信号(周波数信号)のレプリカが生成され、周波数信号Yからそのレプリカが減算され、A局の周波数信号が得られる。そして、伝搬路等化部130及びBICM復調部131により、SIC処理後のA局の周波数信号が復調されてA局の復調データが生成される。
また、A局とB局の電力比が小さい領域(A局とB局の電力比の値が0に近い領域)では、所要C/Nが大きくなり、A局の放送信号を受信不可能な領域が存在する。この領域は、変調方式に用いるBICMのAWGN(Additive White Gaussian Noise:加法性白色ガウス雑音)環境における所要C/Nが大きいほど広くなり、放送エリア内で受信不可能な世帯または端末が増加する。
尚、A局とB局の電力比は、アンテナの指向性によって増加させることができる。しかし、放送信号受信装置101として簡易な端末を用いる場合、指向性の強い複雑なアンテナの設計は困難である。
(第2の課題)
次に、図13に示した放送信号受信装置101について、第2の課題について説明する。前述のとおり、放送信号受信装置101がA局サービスを実施する装置であるとする。第2の課題は、マルチパスにより受信状態が悪く、B局の放送信号が干渉信号として存在する場合に、A局の放送信号を正しく復調できない点にある。
図13に示した受信電力判定部124は、伝搬路特性推定値HA’,HB’の帯域内の平均電力を算出することで、A,B局の受信電力を比較する。しかし、希望する局の受信電力が高い場合であっても、マルチパスが原因となって伝搬路特性HA,HBに歪みが生じることがあり得る。マルチパスにより受信状態が悪い場合には、干渉信号が存在することとなり、復調が困難となる。
(第3の課題)
次に、図13に示した放送信号受信装置101について、第3の課題について説明する。この課題は、第1の課題から派生したものである。第3の課題は、復調方法として、図13に示した等化復調の代わりに最尤判定(MLD(Maximum Likelihood Detection))を用いた場合、所要C/Nが小さく雑音電力が大きいときには、伝搬路を推定する際の雑音の影響が無視できなくなる点にある。
図15は、等化復調を用いた場合及び最尤判定を用いた場合の伝送特性を比較する図である。図14と同様に、この伝送特性は、A局とB局の電力比に対するA局を復調する所要C/Nを示す。横軸はA局とB局の電力比(dB)であり、縦軸はA局を復調する所要C/N(dB)である。尚、図14に示した伝送特性を得る際に用いたBICMと、図15に示す伝送特性を得る際に用いたBICMとは異なる種類であるため、両伝送特性におけるA局とB局の電力比の値及び所要C/Nの値が異なっている。
バツ印が付された曲線は、等化復調を用いた場合の伝送特性を示し、丸印が付された曲線は、最尤判定を用いた場合の伝送特性を示す。
図15に示すように、A局とB局の電力比が3.5dBの値を閾値(点線)として、A局とB局の電力比が閾値よりも大きい領域では、等化復調の伝送特性が最尤判定よりも良いことがわかる。この領域では、等化復調を用いた場合の所要C/Nが、最尤判定を用いた場合の所要C/Nよりも小さいからである。
ここで、A局の復調データを生成するために、等化復調では、一方の伝搬路特性推定値HA’が必要となり、最尤判定では、両方の伝搬路特性推定値HA’,HB’が必要となる。つまり、A局とB局の電力比が閾値よりも大きい領域において、最尤判定の伝送特性が等化復調よりも劣化するのは、最尤判定では、両方の伝搬路特性推定値HA’,HB’を用いて伝搬路を推定するため、雑音に起因する伝搬路推定誤差の影響が大きいからである。
一方、A局とB局の電力比が閾値よりも大きくない領域では、最尤判定の伝送特性が等化復調よりも良いことがわかる。この領域では、最尤判定を用いた場合の所要C/Nが、等化復調を用いた場合の所要C/Nよりも小さいからである。
このように、図13に示した従来の放送信号受信装置101では、伝送特性が劣化するという問題があり、前述の第1の課題、第2の課題及び第3の課題のうちの少なくとも1つの課題を解決することで、伝送特性を改善することが所望されていた。
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、同一周波数を用いた複数の放送信号が多重された受信信号を復調する際に、良好な伝送特性を得ることが可能な放送信号受信装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1の放送信号受信装置は、複数の放送局から同一周波数を用いて送信されたそれぞれの放送信号を受信し、複数の前記放送局のうちの1つの所定放送局から送信された前記放送信号を所定放送信号として、当該所定放送信号の復調データを生成する放送信号受信装置において、複数の前記放送信号が多重された受信信号をOFDM復調し、周波数信号を生成するOFDM復調部と、前記OFDM復調部により生成された前記周波数信号に基づいて、複数の前記放送局と当該放送信号受信装置との間の伝搬路の周波数特性を推定し、伝搬路毎の伝搬路特性推定値を求める伝搬路推定部と、前記OFDM復調部により生成された前記周波数信号、及び前記伝搬路推定部により求めた伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて最尤判定を行い、前記所定放送信号の前記復調データを生成する最尤判定部と、を備え、前記最尤判定部が、受信電力判定部、所定放送局復調部及び干渉除去復調部を備え、前記受信電力判定部が、前記伝搬路推定部により求めた伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて、複数の前記放送信号について放送局毎の受信電力を求め、前記所定放送局の前記受信電力が他の放送局の前記受信電力以上であると判定した場合、前記周波数信号を前記所定放送局復調部に出力し、前記他の放送局の前記受信電力が前記所定放送局の前記受信電力よりも大きいと判定した場合、前記周波数信号を前記干渉除去復調部に出力し、前記所定放送局復調部が、前記受信電力判定部から前記周波数信号を入力し、当該周波数信号及び伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて最尤判定を行い、前記所定放送信号の前記復調データを生成し、前記干渉除去復調部が、前記受信電力判定部から前記周波数信号を入力し、当該周波数信号及び伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて最尤判定を行い、前記他の放送局から送信された前記放送信号の前記復調データを生成し、当該復調データに基づいて、前記他の放送局から送信された前記放送信号のレプリカを生成し、前記受信電力判定部から入力した前記周波数信号から前記レプリカを減算して前記所定放送信号の前記周波数信号を生成し、当該周波数信号及び前記所定放送信号に対応する伝搬路の前記伝搬路特性推定値に基づいて最尤判定を行い、前記所定放送信号の前記復調データを生成する、ことを特徴とする。
また、請求項2の放送信号受信装置は、請求項1に記載の放送信号受信装置において、さらに、復調方法選択部、選択部及び等化復調部を備え、前記復調方法選択部が、前記伝搬路推定部により求めた伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて、複数の前記放送信号について放送局毎の前記受信電力を求め、前記所定放送局の前記受信電力と前記他の放送局の前記受信電力との電力比を求め、当該電力比及び予め設定された閾値に基づいて、前記等化復調部または前記最尤判定部を選択し、前記選択部が、前記復調方法選択部により前記等化復調部が選択された場合、前記OFDM復調部により生成された前記周波数信号を前記等化復調部に出力し、前記復調方法選択部により前記最尤判定部が選択された場合、前記周波数信号を前記最尤判定部に出力し、前記等化復調部が、前記選択部から前記周波数信号を入力し、当該周波数信号及び伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて等化復調を行い、前記所定放送信号の前記復調データを生成し、前記最尤判定部が、前記選択部から前記周波数信号を入力し、当該周波数信号及び伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて最尤判定を行い、前記所定放送信号の前記復調データを生成する、ことを特徴とする。
また、請求項3の放送信号受信装置は、請求項2に記載の放送信号受信装置において、さらに、キャリア変調及び誤り訂正符号を組合せたビットインターリーブ符号化変調(BICM(Bit Interleaved Coded Modulation))の種類に対応する前記閾値が格納されたテーブルを備え、前記復調方法選択部が、前記受信信号に含まれる制御信号から、前記所定放送局で用いた前記BICMの種類を抽出し、前記テーブルから、前記BICMの種類に対応する前記閾値を読み出し、前記電力比及び前記閾値に基づいて、前記等化復調部または前記最尤判定部を選択する、ことを特徴とする。
また、請求項4の放送信号受信装置は、請求項2または3に記載の放送信号受信装置において、さらに、共通受信電力判定部を備え、前記選択部が、前記復調方法選択部により前記等化復調部が選択された場合、前記OFDM復調部により生成された前記周波数信号を等化復調用周波数信号として前記共通受信電力判定部に出力し、前記復調方法選択部により前記最尤判定部が選択された場合、前記周波数信号を最尤判定用周波数信号として前記共通受信電力判定部に出力し、前記共通受信電力判定部が、前記伝搬路推定部により求めた伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて、複数の前記放送信号について放送局毎の前記受信電力を求め、前記選択部から前記等化復調用周波数信号を入力し、かつ前記所定放送局の前記受信電力が前記他の放送局の前記受信電力以上であると判定した場合、前記等化復調用周波数信号を等化復調用第1周波数信号として前記等化復調部に出力し、前記選択部から前記等化復調用周波数信号を入力し、かつ前記他の放送局の前記受信電力が前記所定放送局の前記受信電力よりも大きいと判定した場合、前記等化復調用周波数信号を等化復調用第2周波数信号として前記等化復調部に出力し、前記選択部から前記最尤判定用周波数信号を入力し、かつ前記所定放送局の前記受信電力が前記他の放送局の前記受信電力以上であると判定した場合、前記最尤判定用周波数信号を最尤判定用第1周波数信号として前記最尤判定部に出力し、前記選択部から前記最尤判定用周波数信号を入力し、かつ前記他の放送局の前記受信電力が前記所定放送局の前記受信電力よりも大きいと判定した場合、前記最尤判定用周波数信号を最尤判定用第2周波数信号として前記最尤判定部に出力し、前記等化復調部が、等化復調用所定放送局復調部及び等化復調用干渉除去復調部を備え、前記等化復調用所定放送局復調部が、前記共通受信電力判定部から前記等化復調用第1周波数信号を入力し、当該等化復調用第1周波数信号及び前記所定放送信号の伝搬路の前記伝搬路特性推定値に基づいて等化復調を行い、前記所定放送信号の前記復調データを生成し、前記等化復調用干渉除去復調部が、前記共通受信電力判定部から前記等化復調用第2周波数信号を入力し、当該等化復調用第2周波数信号及び前記他の放送局から送信された前記放送信号に対応する伝搬路の前記伝搬路特性推定値に基づいて等化復調を行い、前記他の放送局から送信された前記放送信号の前記復調データを生成し、当該復調データに基づいて、前記他の放送局から送信された前記放送信号のレプリカを生成し、前記共通受信電力判定部から入力した前記等化復調用第2周波数信号から前記レプリカを減算して前記所定放送信号の前記周波数信号を生成し、当該周波数信号及び前記所定放送信号に対応する伝搬路の前記伝搬路特性推定値に基づいて等化復調を行い、前記所定放送信号の前記復調データを生成し、前記最尤判定部が、前記受信電力判定部、前記所定放送局復調部及び前記干渉除去復調部の代わりに、最尤判定用所定放送局復調部及び最尤判定用干渉除去復調部を備え、前記最尤判定用所定放送局復調部が、前記共通受信電力判定部から前記最尤判定用第1周波数信号を入力し、当該最尤判定用第1周波数信号及び伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて最尤判定を行い、前記所定放送信号の前記復調データを生成し、前記最尤判定用干渉除去復調部が、前記共通受信電力判定部から前記最尤判定用第2周波数信号を入力し、当該最尤判定用第2周波数信号及び伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて最尤判定を行い、前記他の放送局から送信された前記放送信号の前記復調データを生成し、当該復調データに基づいて、前記他の放送局から送信された前記放送信号のレプリカを生成し、前記共通受信電力判定部から入力した前記最尤判定用第2周波数信号から前記レプリカを減算して前記所定放送信号の前記周波数信号を生成し、当該周波数信号及び前記所定放送信号に対応する伝搬路の前記伝搬路特性推定値に基づいて最尤判定を行い、前記所定放送信号の前記復調データを生成する、ことを特徴とする。
また、請求項5の放送信号受信装置は、請求項1から3までのいずれか一項に記載の放送信号受信装置において、前記受信電力判定部が、前記伝搬路推定部により求めた伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて、複数の前記放送信号のそれぞれについて帯域内の平均電力及び電力値の分散を、放送局毎の前記平均電力及び前記分散として算出し、放送局毎に前記平均電力から前記分散に対応する予め設定された所要C/N劣化量を減算し、放送局毎の減算結果を求め、前記所定放送局の前記減算結果が前記他の放送局の前記減算結果以上であると判定した場合、前記周波数信号を前記所定放送局復調部に出力し、前記他の放送局の前記減算結果が前記所定放送局の前記減算結果よりも大きいと判定した場合、前記周波数信号を前記干渉除去復調部に出力する、ことを特徴とする。
また、請求項6の放送信号受信装置は、請求項4に記載の放送信号受信装置において、前記共通受信電力判定部が、前記伝搬路推定部により求めた伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて、複数の前記放送信号のそれぞれについて帯域内の平均電力及び電力値の分散を、放送局毎の前記平均電力及び前記分散として算出し、放送局毎に前記平均電力から前記分散に対応する予め設定された所要C/N劣化量を減算し、放送局毎の減算結果を求め、前記選択部から前記等化復調用周波数信号を入力し、かつ前記所定放送局の前記減算結果が前記他の放送局の前記減算結果以上であると判定した場合、前記等化復調用周波数信号を前記等化復調用第1周波数信号として前記等化復調部に出力し、前記選択部から前記等化復調用周波数信号を入力し、かつ前記他の放送局の前記減算結果が前記所定放送局の前記減算結果よりも大きいと判定した場合、前記等化復調用周波数信号を前記等化復調用第2周波数信号として前記等化復調部に出力し、前記選択部から前記最尤判定用周波数信号を入力し、かつ前記所定放送局の前記減算結果が前記他の放送局の前記減算結果以上であると判定した場合、前記最尤判定用周波数信号を前記最尤判定用第1周波数信号として前記最尤判定部に出力し、前記選択部から前記最尤判定用周波数信号を入力し、かつ前記他の放送局の前記減算結果が前記所定放送局の前記減算結果よりも大きいと判定した場合、前記最尤判定用周波数信号を前記最尤判定用第2周波数信号として前記最尤判定部に出力する、ことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、同一周波数を用いた複数の放送信号が多重された受信信号を復調する際に、良好な伝送特性を得ることが可能となる。つまり、同一周波数を用いて内容の異なる放送サービスを提供する際の受信性能を向上させることができる。
実施例1の放送信号受信装置の構成例を示すブロック図である。 実施例1の伝送特性を示す図である。 実施例2の放送信号受信装置に備えた受信電力判定部の構成例を示すブロック図である。 受信電力判定部の処理例を示すフローチャートである。 テーブルの構成例を示す図である。 実施例3の放送信号受信装置の構成例を示すブロック図である。 復調方法選択部の処理例を示すフローチャートである。 実施例3の伝送特性を示す図である。 実施例4の放送信号受信装置の構成例を示すブロック図である。 等化復調部の構成例を示すブロック図である。 最尤判定部の構成例を示すブロック図である。 同一周波数を用いて異なる放送信号を送信する2つの変調装置を含む送信側設備の構成例を示す概略図である。 従来の放送信号受信装置の構成例を示すブロック図である。 従来の放送信号受信装置の伝送特性を示す図である。 等化復調を用いた場合及び最尤判定を用いた場合の伝送特性を比較する図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明の第1の実施形態(実施例1)は、前述の第1の課題を解決して良好な伝送特性を得るために、最尤判定及びSIC処理を行う構成を含む例である。本発明の第2の実施形態(実施例2)は、前述の第2の課題を解決して良好な伝送特性を得るために、干渉波による所要C/Nの劣化量を考慮した電力判定を行い、先に復調する信号を選択する例である。
本発明の第3実施形態(実施例3)は、前述の第3の課題を解決して良好な伝送特性を得るために、電力比に基づいて等化復調または最尤判定の復調方法を選択する例である。本発明の第4の実施形態(実施例4)は、実施例3の構成を簡易にした例である。
〔実施例1〕
まず、実施例1について説明する。前述のとおり、実施例1は、前述の第1の課題を解決して良好な伝送特性を得るために、最尤判定及びSIC処理を行う構成を含む例である。
A局の伝搬路特性推定値HA’を用いて等化された周波数信号は、以下の式で表すことができる。
〔数2〕
(Y/HA’) = (HA/HA’)XA +(HB/HA’)XB +(N/HA’)
= ΔHAA +(HB/HA’)XB +(N/HA’)
・・・(2)
前記式(2)においてΔHA=(HA/HA’)であり、伝搬路特性推定値HA’の推定誤差が小さいほど、ΔHAは1に近づく。前記式(2)の右辺第1項は、復調対象であるA局の周波数信号であり、右辺第2項は、A局の伝搬路特性推定値HA’にて等化したB局の周波数信号である。第1項のみを希望成分としてA局の周波数信号を復調する場合、第2項は干渉成分となり、所要C/Nを増大させる要因となる。
そこで、実施例1では、A,B局の伝搬路特性推定値HA’,HB’を用いて、前記式(2)の第2項を考慮した復調を行うことで、伝送特性を改善する。具体的には、実施例1では、伝搬路特性推定値HA’,HB’を用いて、希望成分だけでなく干渉成分の受信状態を考慮して、最尤判定を行う。
図1は、実施例1の放送信号受信装置の構成例を示すブロック図である。この放送信号受信装置1は、OFDM復調部120、伝搬路推定部121及び最尤判定部10を備えている。
OFDM復調部120及び伝搬路推定部121は、図13に示したOFDM復調部120及び伝搬路推定部121と同じであるから、ここでは説明を省略する。OFDM復調部120は、周波数信号Yを最尤判定部10に出力し、伝搬路推定部121は、伝搬路特性推定値HA’,HB’を最尤判定部10に出力する。
最尤判定部10は、OFDM復調部120から周波数信号Yを入力すると共に、伝搬路推定部121から伝搬路特性推定値HA’,HB’を入力する。そして、最尤判定部10は、周波数信号Y及び伝搬路特性推定値HA’,HB’に基づいて、A,B局の復調データを生成する。
具体的には、最尤判定部10は、伝搬路特性推定値HA’,HB’に基づいて、A局から送信された放送信号の受信電力(希望成分の受信電力、A局の受信電力)がB局から送信された放送信号の受信電力(干渉成分の受信電力、B局の受信電力)以上であると判定した場合、伝搬路特性推定値HA’,HB’を用いた最尤判定を行い、A局の復調データを生成する。
一方、最尤判定部10は、B局の受信電力がA局の受信電力よりも大きいと判定した場合、伝搬路特性推定値HA’,HB’を用いた最尤判定を行い、B局の復調データを生成する。そして、最尤判定部10は、B局の復調データを生成した場合、B局の受信信号(周波数信号)のレプリカを生成し、周波数信号Yからレプリカを減算し、A局の周波数信号を生成する。最尤判定部10は、A局の周波数信号に対し、伝搬路特性推定値HA’を用いた最尤判定を行い、A局の復調データを生成する。
このように、最尤判定部10により、B局の受信電力である干渉成分の受信電力がA局の受信電力である希望成分の受信電力よりも大きいと判定された場合、干渉成分が先に復調され、周波数信号Yから干渉成分がキャンセルされた後、希望成分が復調される。
最尤判定部10は、受信電力判定部124、LLR算出部12,21、LLR分離部13、誤り訂正復号部14,22及び干渉除去部11を備えている。
ここで、LLR算出部12、LLR分離部13及び誤り訂正復号部14により、最尤判定用所定放送局復調部が構成される。最尤判定用所定放送局復調部は、周波数信号Yに対してMLDを行い、A局の復調データを生成する。また、干渉除去部11、LLR算出部21及び誤り訂正復号部22により、最尤判定用干渉除去復調部が構成される。最尤判定用干渉除去復調部は、周波数信号Yに対してMLDを行い、B局の復調データを生成し、SIC処理を行い、A局の復調データを生成する。
受信電力判定部124は、図13に示した受信電力判定部124と同じであるから、ここでは説明を省略する。受信電力判定部124は、A局の受信電力がB局の受信電力以上の場合の周波数信号YをLLR算出部12に出力し、LLR算出部12、LLR分離部13及び誤り訂正復号部14にA局の復調データを生成させる。
一方、受信電力判定部124は、B局の受信電力がA局の受信電力よりも大きい場合の周波数信号Yを干渉除去部11に出力し、干渉除去部11にB局の復調データを生成させ、周波数信号YからB局の受信信号(周波数信号)のレプリカを減算させ、A局の周波数信号を生成させる。また、受信電力判定部124は、LLR算出部21及び誤り訂正復号部22にA局の復調データを生成させる。
LLR算出部12は、受信電力判定部124からA局の受信電力がB局の受信電力以上の場合の周波数信号Yを入力すると共に、伝搬路推定部121から伝搬路特性推定値HA’,HB’を入力する。そして、LLR算出部12は、周波数信号Y及び伝搬路特性推定値HA’,HB’に基づいて、送信点のビット毎のLLRを算出する。例えば送信側において、1送信点にて2ビットを伝送するQPSK(Quadrature Phase Shift Keying:四位相偏移変調)が行われた場合、LLR算出部12は、A局のビット毎のLLRであるλ1,λ2、及びB局のビット毎のLLRであるλ3,λ4を算出する。
LLR算出部12は、λ1~λ4をLLR分離部13に出力し、LLR分離部13は、LLR算出部12からλ1~λ4を入力し、λ1~λ4からλ1,λ2を分離し、λ1,λ2を誤り訂正復号部14に出力する。
誤り訂正復号部14は、LLR分離部13からλ1,λ2を入力し、λ1,λ2に基づいて誤り訂正復号を行い、A局の復調データを生成して出力する。
これにより、A局の受信電力がB局の受信電力以上である場合、LLR算出部12、LLR分離部13及び誤り訂正復号部14により、A局の復調データが生成される。
干渉除去部11は、LLR算出部15、LLR分離部16、誤り訂正復号部17、BICM変調部18、伝搬路乗算部19及び減算部20を備えている。
LLR算出部15は、B局の受信電力がA局の受信電力よりも大きい場合の周波数信号Yを入力すると共に、伝搬路推定部121から伝搬路特性推定値HA’,HB’を入力する。そして、LLR算出部15は、例えば送信側でQPSK変調が適用された場合、周波数信号Y及び伝搬路特性推定値HA’,HB’に基づいて受信信号の信号点候補を探索し、A局のビット毎のLLRであるλ1,λ2、及びB局のビット毎のLLRであるλ3,λ4を算出する。
LLR算出部15は、λ1~λ4をLLR分離部16に出力し、LLR分離部16は、LLR算出部15からλ1~λ4を入力し、λ1~λ4からλ3,λ4を分離し、λ3,λ4を誤り訂正復号部17に出力する。
誤り訂正復号部17は、LLR分離部16からλ3,λ4を入力し、λ3,λ4に基づいて誤り訂正復号を行い、B局の復調データを生成して出力する。ここで、誤り訂正復号部17は、B局の復調データを正しく生成できた場合、B局の復調データをBICM変調部18に出力する。
これにより、B局の受信電力がA局の受信電力よりも大きい場合、LLR算出部15、LLR分離部16及び誤り訂正復号部17により、B局の復調データが生成される。
BICM変調部18は、誤り訂正復号部17によりB局の復調データが正しく生成された場合、誤り訂正復号部17からB局の復調データを入力する。そして、BICM変調部18は、B局の復調データに対し、図12に示したB局のBICM変調部110-2と同じBICM変調を行い、B局の変調信号のレプリカを生成する。BICM変調部18は、B局の変調信号のレプリカを伝搬路乗算部19に出力する。
伝搬路乗算部19は、BICM変調部18からB局の変調信号のレプリカを入力すると共に、伝搬路推定部121から伝搬路特性推定値HB’を入力する。そして、伝搬路乗算部19は、B局の変調信号のレプリカに伝搬路特性推定値HB’を乗算し、B局の受信信号(周波数信号)のレプリカを生成する。伝搬路乗算部19は、B局の周波数信号のレプリカを減算部20に出力する。
減算部20は、受信電力判定部124からB局の受信電力がA局の受信電力よりも大きい場合の周波数信号Yを入力すると共に、伝搬路乗算部19からB局の周波数信号のレプリカを入力する。そして、減算部20は、周波数信号YからB局の周波数信号のレプリカを減算し、A局の受信信号である周波数信号を生成する。減算部20は、A局の周波数信号をLLR算出部21に出力する。
これにより、干渉除去部11のSIC処理において、B局の周波数信号のレプリカが干渉信号として周波数信号Yから除去され、A局の周波数信号のみが残留することとなる。残留したA局の周波数信号は、LLR算出部21に出力される。
LLR算出部21は、減算部20からA局の周波数信号を入力し、伝搬路推定部121から伝搬路特性推定値HA’を入力する。そして、LLR算出部21は、例えば送信側でQPSK変調が適用された場合、A局の周波数信号及び伝搬路特性推定値HA’に基づいて受信信号の信号点候補を探索し、A局のビット毎のLLRであるλ1,λ2を算出する。LLR算出部21は、λ1,λ2を誤り訂正復号部22に出力する。
誤り訂正復号部22は、LLR算出部21からλ1,λ2を入力し、λ1,λ2に基づいて誤り訂正復号を行い、A局の復調データを生成して出力する。
これにより、B局の受信電力がA局の受信電力よりも大きい場合、干渉除去部11により、周波数信号YからB局の復調データが生成され、B局の受信信号(周波数信号)のレプリカが生成され、周波数信号Yからそのレプリカが減算され、SIC処理後のA局の周波数信号が得られる。そして、LLR算出部21及び誤り訂正復号部22により、SIC処理後のA局の周波数信号からA局の復調データが生成される。
図2は、実施例1の伝送特性を示す図である。この伝送特性は、図1に示した実施例1の放送信号受信装置1において、A局とB局の電力比に対するA局を復調する所要C/Nを示す。横軸はA局とB局の電力比(dB)であり、縦軸はA局を復調する所要C/N(dB)である。
バツ印が付された曲線は、等化復調を用いた場合の従来技術の伝送特性を示し、図14に示した伝送特性に相当する。一方、丸印が付された曲線は、最尤判定を用いた場合の実施例1の伝送特性を示す。
図2に示すように、A局とB局の電力比の値がプラスの領域は、A局の受信電力の方が大きい場合を示している。一方、A局とB局の電力比の値がマイナスの領域は、B局の受信電力の方が大きい場合を示している。
また、A局とB局の電力比が小さい領域(A局とB局の電力比の値が0に近い領域)では、従来技術では、所要C/Nが大きくなり、A局の放送信号を受信不可能な領域が存在する。これに対し、同じ領域において、実施例1では、所要C/Nがさほど大きくなることはなく、A局の放送信号を受信することが可能である。
以上のように、実施例1の放送信号受信装置1によれば、最尤判定部10の受信電力判定部124は、伝搬路特性推定値HA’,HB’に基づいてA,B局の受信電力を比較し、周波数信号Yについて、A局の受信電力がB局の受信電力以上であるか、またはB局の受信電力がA局の受信電力よりも大きいかを判定する。
最尤判定部10は、A局の受信電力がB局の受信電力以上であると判定された場合、周波数信号Y及び伝搬路特性推定値HA’,HB’に基づいてLLRであるλ1~λ4を算出し、A局のビット毎のLLRであるλ1,λ2を分離してA局の復調データを生成する。
これにより、周波数信号YについてA局の受信電力がB局の受信電力以上であると判定された場合、最尤判定によりA局の復調データが生成される。
最尤判定部10の干渉除去部11は、B局の受信電力がA局の受信電力よりも大きいと判定された場合、周波数信号Y及び伝搬路特性推定値HA’,HB’に基づいてLLRであるλ1~λ4を算出し、B局のビット毎のLLRであるλ3,λ4を分離してB局の復調データを生成する。そして、干渉除去部11は、B局の復調データをBICM変調し、伝搬路特性推定値HB’を乗算してB局の周波数信号のレプリカを生成し、周波数信号Yからこのレプリカを減算してA局の周波数信号を求める。
最尤判定部10は、A局の周波数信号及び伝搬路特性推定値HA’に基づいて受信信号の信号点候補を探索し、A局のビット毎のLLRであるλ1,λ2を算出し、A局の復調データを生成する。
これにより、周波数信号YについてB局の受信電力がA局の受信電力よりも大きいと判定された場合、最尤判定によりB局の復調データが生成され、干渉除去部11により生成されたSIC処理後のA局の周波数信号から、最尤判定によりA局の復調データが生成される。
図13に示した従来の放送信号受信装置101では、A局の伝搬路特性推定値HA’のみを用いてA局の復調データが生成され、B局の伝搬路特性推定値HB’のみを用いてB局の復調データが生成される。これに対し、実施例1の放送信号受信装置1では、A,B局の伝搬路特性推定値HA’,HB’を用いて、A局の復調データが生成され、またB局の復調データが生成される。つまり、実施例1の放送信号受信装置1では、伝搬路特性推定値HA’,HB’を用いることで、希望成分だけでなく干渉成分の受信状態を考慮し、最尤判定を行うようにした。
これにより、同一周波数を用いた複数の放送信号が多重された受信信号を復調する際に、図2に示したとおり、A局とB局の電力比が小さい領域において、A局の放送信号を正しく復調できないという前述の第1の課題を解決することができる。そして、実施例1の方が従来技術よりも良好な伝送特性を得ることができる。つまり、同一周波数を用いて内容の異なる放送サービスを提供する際の受信性能を向上させることができる。
また、伝送特性が改善されることで、放送エリア内の受信可能な世帯数及び端末数が増加する。また、A局とB局の電力比が小さい場合であっても受信可能となるため、受信アンテナを複雑にする必要がなく、小型の端末を用いた放送信号の受信が可能となる。
〔実施例2〕
次、実施例2について説明する。前述のとおり、実施例2は、前述の第2の課題を解決して良好な伝送特性を得るために、干渉波による所要C/Nの劣化量を考慮した電力判定を行い、先に復調する信号を選択する例である。
図3は、実施例2の放送信号受信装置に備えた受信電力判定部の構成例を示すブロック図であり、図4は、受信電力判定部の処理例を示すフローチャートである。この受信電力判定部124’は、図1及び図13に示した受信電力判定部124を改良したものであり、電力算出部30、分散値算出部31、判定部32、テーブル33及び選択部34を備えている。
実施例2の放送信号受信装置は、図1に示した実施例1の放送信号受信装置1または図13に示した従来の放送信号受信装置101において、最尤判定部10または等化復調部122に備えた受信電力判定部124の代わりに受信電力判定部124’を備えている。
つまり、実施例2の放送信号受信装置は、最尤判定を行う装置の場合、OFDM復調部120、伝搬路推定部121、及び、受信電力判定部124’を含む最尤判定部10を備えている。また、実施例2の放送信号受信装置は、等化復調を行う装置の場合、OFDM復調部120、伝搬路推定部121、及び、受信電力判定部124’を含む等化復調部122を備えている。
尚、受信電力判定部124’は、後述する図6に示す実施例3の放送信号受信装置3または後述する図9に示す実施例4の放送信号受信装置4にも適用がある。実施例2の放送用受信装置は、後述する図6に示す実施例3の放送信号受信装置3において、等化復調部122及び最尤判定部10にそれぞれ備えた受信電力判定部124の代わりに受信電力判定部124’を備えている。また、実施例2の放送信号受信装置は、後述する図9に示す実施例4の放送信号受信装置4において、受信電力判定部124の代わりに受信電力判定部124’を備えている。
図3及び図4を参照して、受信電力判定部124’は、伝搬路推定部121から伝搬路特性推定値HA’,HB’を入力すると共に(ステップS401)、OFDM復調部120から周波数信号Yを入力する(ステップS402)。
電力算出部30は、伝搬路特性推定値HA’,HB’のキャリア毎の電力値に基づいて、帯域内の平均電力CA,CBをそれぞれ算出し(ステップS403)、平均電力CA,CBを判定部32に出力する。
分散値算出部31は、伝搬路特性推定値HA’,HB’のキャリア毎の電力値に基づいて、帯域内の分散σA,σBをそれぞれ算出し(ステップS404)、電力値(振幅値)の分散σA,σBを判定部32に出力する。
判定部32は、電力算出部30から平均電力CA,CBを入力すると共に、分散値算出部31から電力値の分散σA,σBを入力する。そして、判定部32は、テーブル33から、電力値の分散σA,σBに対応する所要C/N劣化量ΔA,ΔBをそれぞれ読み出す(ステップS405)。
図5は、テーブル33の構成例を示す図である。このテーブル33は、電力値の分散、及び当該電力値の分散に対応する所要C/N劣化量から構成されている。電力値の分散及び所要C/N劣化量は、ユーザにより予め測定された後に、テーブル33に格納される。電力値の分散は伝搬路特性推定値HA’,HB’の分散であり、所要C/N劣化量は、この分散の大きさに起因する劣化量である。
図3及び図4に戻って、判定部32は、A局の伝送路について、平均電力CAから電力値の分散σAに対応する所要C/N劣化量ΔAを減算し(CA-ΔA)、この減算結果をA局の受信品質値とする。また、判定部32は、B局の伝送路について、平均電力CBから電力値の分散σBに対応する所要C/N劣化量ΔBを減算し(CB-ΔB)、この減算結果をB局の受信品質値とする。
ここで、マルチパスの影響を受けて伝送路の品質が良くない場合、電力値の分散σA,σBが大きくなり、これに対応する所要C/N劣化量ΔA,ΔBも大きくなる。そして、平均電力CA,CBから所要C/N劣化量ΔA,ΔBを減算した結果(CA-ΔA),(CB-ΔB)が小さくなる。つまり、この減算結果は、伝送路の品質を表す値、すなわち受信品質を表す値となる。減算結果が小さいほど受信品質は悪く、減算結果が大きいほど受信品質は良い。
例えば、平均電力CAが平均電力CBよりも大きい場合であっても、マルチパスの影響がA局の伝送路の方がB局の伝送路よりも大きいときには、A局の受信品質値(CA-ΔA)はB局の受信品質値(CB-ΔB)よりも小さいことがあり得る。逆に、平均電力CAが平均電力CBよりも小さい場合であっても、マルチパスの影響がA局の伝送路の方がB局の伝送路よりも小さいときには、A局の受信品質値(CA-ΔA)はB局の受信品質値(CB-ΔB)よりも大きいことがあり得る。
判定部32は、A局の受信品質値(CA―ΔA)がB局の受信品質値(CB-ΔB)以上であるか否かを判定する(ステップS406)。
判定部32は、ステップS406において、A局の受信品質値(CA―ΔA)がB局の受信品質値(CB-ΔB)以上であると判定した場合(ステップS406:Y)、A局の伝送路の品質がB局以上であるとして、判定結果Aを判断する(ステップS407)。
一方、判定部32は、ステップS406において、A局の受信品質値(CA―ΔA)がB局の受信品質値(CB-ΔB)以上でないと判定した場合(ステップS406:N)、B局の伝送路の品質がA局よりも良いとして、判定結果Bを判断する(ステップS408)。判定部32は、判定結果AまたはBを選択部34に出力する。
このように、(CA-ΔA)≧(CB-ΔB)の場合、A局の伝送路の品質がB局の伝送路の品質と同等またはそれよりも良いと判断され、判定結果Aが判断される。一方、(CA-ΔA)<(CB-ΔB)の場合、B局の伝送路の品質がA局よりも良いと判断され、判定結果Bが判断される。
選択部34は、判定部32から判定結果AまたはBを入力する。選択部34は、判定結果Aを入力した場合、A局の復調データを直接生成するために、周波数信号Yを、図1のLLR算出部12(または図13の伝搬路等化部130)に出力する(ステップS409)。
選択部34は、判定結果Bを入力した場合、SIC処理の後にA局の復調データを生成するために、周波数信号Yを、図1の干渉除去部11(または図13の干渉除去部123)に出力する(ステップS410)。これにより、B局の復調データが生成され、B局の復調データから生成されるB局の周波数信号のレプリカが干渉成分として周波数信号Yから除去され、A局の周波数信号が生成される。そして、A局の周波数信号からA局の復調データが生成される。
以上のように、実施例2の放送信号受信装置によれば、受信電力判定部124’は、伝搬路特性推定値HA’,HB’に基づいて、帯域内の平均電力CA,CB及び電力値の分散σA,σBをそれぞれ算出する。そして、受信電力判定部124’は、テーブル33から、電力値の分散σA,σBに対応する所要C/N劣化量ΔA,ΔBをそれぞれ読み出す。
受信電力判定部124’は、平均電力CAから所要C/N劣化量ΔAを減算し(CA-ΔA)、平均電力CBから所要C/N劣化量ΔBを減算する(CB-ΔB)。受信電力判定部124’は、(CA-ΔA)≧(CB-ΔB)の場合、A局の復調データを直接生成するために、周波数信号Yを図1のLLR算出部12または図13の伝搬路等化部130に出力する。
一方、受信電力判定部124’は、(CA-ΔA)<(CB-ΔB)の場合、B局の復調データを生成してSIC処理の後にA局の復調データを生成するために、周波数信号Yを図1の干渉除去部11または図13の干渉除去部123に出力する。
このように、(CA-ΔA)≧(CB-ΔB)の場合、A局の伝送路の品質がB局の伝送路の品質と同等またはそれよりも良いと判断され、A局の復調データが生成される。一方、(CA-ΔA)<(CB-ΔB)の場合、B局の伝送路の品質がA局よりも良いと判断され、B局の復調データが生成された後、SIC処理の後にA局の復調データが生成される。
これにより、同一周波数を用いた複数の放送信号が多重された受信信号を復調する際に、干渉波による所要C/Nの劣化量を考慮した電力判定が行われ、品質の良い方の伝送路に対応する放送信号の復調データが先に生成される。したがって、マルチパスにより受信状態が悪く、干渉信号が存在する場合に、放送信号を正しく復調できないという前述の第2の課題を解決することができる。
特に、A,B局の受信電力が均衡するような受信環境においては、受信品質の状態を考慮した適切な順番で復調が行われる。つまり、同一周波数を用いて内容の異なる放送サービスを提供する際の受信性能を向上させることができる。
〔実施例3〕
次に、実施例3について説明する。前述のとおり、実施例3は、前述の第3の課題を解決して良好な伝送特性を得るために、電力比に基づいて等化復調またはMLDの復調方法を選択する例である。
図6は、実施例3の放送信号受信装置の構成例を示すブロック図である。この放送信号受信装置3は、OFDM復調部120、伝搬路推定部121、復調方法選択部40、選択部41、等化復調部122及び最尤判定部10を備えている。
OFDM復調部120及び伝搬路推定部121は、図1及び図13に示したOFDM復調部120及び伝搬路推定部121と同じであるから、ここでは説明を省略する。OFDM復調部120は、周波数信号Yを選択部41に出力し、伝搬路推定部121は、伝搬路特性推定値HA’,HB’を復調方法選択部40、等化復調部122及び最尤判定部10に出力する。
復調方法選択部40は、伝搬路推定部121により推定された伝搬路特性推定値HA’,HB’のキャリア毎の電力値に基づいて、帯域内の平均電力をそれぞれ算出し、これらの平均電力をA,B局の受信電力とし、A局とB局の電力比Dを求める。
復調方法選択部40は、A局とB局の電力比の絶対値|D|が予め設定された閾値よりも大きい場合、等化復調を選択し、A局とB局の電力比の絶対値|D|が予め設定された閾値以下である場合、最尤判定を選択する。
図7は、復調方法選択部40の処理例を示すフローチャートである。復調方法選択部40は、伝搬路推定部121から伝搬路特性推定値HA’,HB’を入力する(ステップS701)。
復調方法選択部40は、伝搬路特性推定値HA’,HB’のキャリア毎の電力値に基づいて、帯域内の平均電力をそれぞれ算出し、これらの平均電力をA,B局の受信電力とする。そして、復調方法選択部40は、A局の受信電力をB局の受信電力で除算することで、A局とB局の電力比Dを求める(ステップS702)。
復調方法選択部40は、A局とB局の電力比の絶対値|D|を求め、A局とB局の電力比の絶対値|D|が予め設定された閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS703)。
閾値は、図15に示した等化復調を用いた場合の伝送特性及び最尤判定を用いた場合の伝送特性から、ユーザにより予め設定される。図15に示した伝送特性は、計算機シミュレーションまたは実験によって測定することができる。
図15の例では、等化復調の方が最尤判定よりも伝送特性が良い左側の領域と、最尤判定の方が等化復調よりも伝送特性が良い右側の領域との間の境界における電力比(3.5dB)が、閾値として設定される。このように、計算機シミュレーションまたは実験により、等化復調を用いた場合の伝送特性及び最尤判定を用いた場合の伝送特性を測定することで、復調方法選択部40にて用いる閾値を事前に設定することができる。
図7に戻って、復調方法選択部40は、ステップS703において、A局とB局の電力比の絶対値|D|が閾値よりも大きいと判定した場合(ステップS703:Y)、等化復調部122を選択するための選択結果Aを判断する(ステップS704)。
一方、復調方法選択部40は、ステップS703において、A局とB局の電力比の絶対値|D|が閾値よりも大きくないと判定した場合(ステップS703:N)、最尤判定部10を選択するための選択結果Bを判断する(ステップS705)。
復調方法選択部40は、ステップS704またはステップS705から移行して、選択結果AまたはBを選択部41に出力する(ステップS706)。
尚、復調方法選択部40は、当該放送信号受信装置3がA局の復調データを生成する場合、受信信号に含まれる制御信号から、A局で用いたBICMの種類を抽出し、A局で用いたBICMの種類に応じて閾値を設定するようにしてもよい。この場合、復調方法選択部40は、所定のテーブルから、BICMの種類に対応する閾値を読み出すことで、閾値を設定する。
ここで、所定のテーブルには、図12に示したA局の変調装置100-1のBICM変調部110-1にて用いたBICMの種類、及び当該BICMの種類に対応する閾値が格納されており、これらの閾値はユーザにより予め設定される。A局の変調装置100-1のBICM変調部110-1にて用いたBICMの種類は、A局の変調装置100-1から送信される放送信号に含まれるものとする。
図6へ戻って、選択部41は、復調方法選択部40から選択結果AまたはBを入力すると共に、OFDM復調部120から周波数信号Yを入力する。選択部41は、選択結果Aを入力した場合、周波数信号Yを等化復調部122に出力する。これにより、A局とB局の電力比の絶対値|D|が閾値よりも大きい場合、等化復調部122により等化復調が行われる。
一方、選択部41は、選択結果Bを入力した場合、周波数信号Yを最尤判定部10に出力する。これにより、A局とB局の電力比の絶対値|D|が閾値以下である場合、最尤判定部10により最尤判定が行われる。
等化復調部122は、選択部41から周波数信号Yを入力すると共に、伝搬路推定部121から伝搬路特性推定値HA’,HB’を入力し、図13に示した等化復調部122と同じ処理を行う。これにより、A局とB局の電力比の絶対値|D|が閾値よりも大きい場合、等化復調部122によりA,B局の復調データが生成される。
最尤判定部10は、選択部41から周波数信号Yを入力すると共に、伝搬路推定部121から伝搬路特性推定値HA’,HB’を入力し、図1に示した最尤判定部10と同じ処理を行う。これにより、A局とB局の電力比の絶対値|D|が閾値以下である場合、最尤判定部10によりA,B局の復調データが生成される。
図8は、実施例3の伝送特性を示す図である。この伝送特性は、A局とB局の電力比に対するA局を復調する所要C/Nを示す。横軸はA局とB局の電力比(dB)であり、縦軸はA局を復調する所要C/N(dB)である。尚、図2に示した伝送特性を得る際に用いたBICMと、図8に示す伝送特性を得る際に用いたBICMとは異なる種類であるため、両伝送特性におけるA局とB局の電力比の値及び所要C/Nの値が異なっている。
バツ印が付された曲線は、図15と同様に、等化復調を用いた場合の伝送特性を示し、丸印が付された曲線は、図15と同様に、最尤判定を用いた場合の伝送特性を示す。菱形が付された曲線は、閾値に応じて等化復調または最尤判定が選択される場合の伝送特性を示す。
図8から、A局とB局の電力比の閾値を3.5dBとして、A局とB局の電力比が閾値よりも大きい領域では、等化復調が選択されることで、この領域の伝送特性は、等化復調を用いた場合の伝送特性となる。この領域において等化復調が選択されるのは、図15にて説明したとおり、等化復調の伝送特性が最尤判定よりも良いからである。
一方、A局とB局の電力比が閾値よりも大きくない領域では、最尤判定が選択されることで、この領域の伝送特性は、最尤判定を用いた場合の伝送特性となる。この領域において最尤判定が選択されるのは、図15にて説明したとおり、最尤判定の伝送特性が等化復調よりも良いからである。
このように、閾値により復調方法を適切に切り替えることで、A局とB局の電力比にかかわることなく、最良の伝送特性を得ることができる。
以上のように、実施例3の放送信号受信装置3によれば、復調方法選択部40は、伝搬路特性推定値HA’,HB’に基づいてA局とB局の電力比Dを求め、A局とB局の電力比の絶対値|D|が予め設定された閾値よりも大きい場合、等化復調部122を選択し、等化復調部122は、等化復調を行って復調データを生成する。
一方、復調方法選択部40は、A局とB局の電力比の絶対値|D|が予め設定された閾値よりも大きくない場合、最尤判定部10を選択し、最尤判定部10は、最尤判定を行って復調データを生成する。
これにより、同一周波数を用いた複数の放送信号が多重された受信信号を復調する際に、A局とB局の電力比に応じて、最良の伝送特性を得るための等化復調部122または最尤判定部10の復調方法が選択される。
したがって、従来技術において、復調方法として最尤判定のみを用いた場合、所要C/Nが小さく雑音電力が大きいときには、伝搬路を推定する際の雑音の影響が無視できなくなるという前述の第3の課題を解決することができる。つまり、同一周波数を用いて内容の異なる放送サービスを提供する際の受信性能を向上させることができる。
また、等化復調部122が選択された場合、等化復調部122は、周波数信号YをA局またはB局の信号として信号点を判定するため、放送信号受信装置3への負荷が小さい。これに対し、最尤判定部10が選択された場合、最尤判定部10は、判定する信号点数が増大するため、放送信号受信装置3への負荷が大きくなってしまう。
実施例3の放送信号受信装置3によれば、A局とB局の電力比が大きい場合には、負荷の小さい等化復調部122が選択される。一方、A局とB局の電力比が小さい場合には、厳しい受信環境での復調処理となるが、負荷が大きく伝送特性の良い最尤判定部10が選択される。したがって、全体的に放送信号受信装置3の負荷を軽減させながら、最良の伝送特性を得ることができる。
〔実施例4〕
次に、実施例4について説明する。前述のとおり、実施例4は、実施例3と同様に、前述の第3の課題を解決して良好な伝送特性を得るために、電力比に基づいて等化復調またはMLDの復調方法を選択する例であり、実施例3の構成を簡易にした例である。
図9は、実施例4の放送信号受信装置の構成例を示すブロック図である。この放送信号受信装置4は、OFDM復調部120、伝搬路推定部121、復調方法選択部40、選択部41、受信電力判定部124、等化復調部42及び最尤判定部43を備えている。
放送信号受信装置4は、図6に示した実施例3の放送信号受信装置3において、等化復調部122及び最尤判定部10にそれぞれ備えた受信電力判定部124を、等化復調部122及び最尤判定部10から除外して外部に備えた構成となっている。つまり、放送信号受信装置4の受信電力判定部124は、等化復調部42及び最尤判定部43に対して共通に用いる共通受信電力判定部である。
OFDM復調部120及び伝搬路推定部121は、図1、図6及び図13に示したOFDM復調部120及び伝搬路推定部121と同じであり、復調方法選択部40及び選択部41は、図9に示した復調方法選択部40及び選択部41と同じである。これらの構成部の説明は省略する。
受信電力判定部124は、選択部41から、等化復調部42を選択するための選択結果Aに応じた周波数信号Y、または最尤判定部43を選択するための選択結果Bに応じた周波数信号Yを入力する。また、受信電力判定部124は、伝搬路推定部121から伝搬路特性推定値HA’,HB’を入力する。
受信電力判定部124は、図1及び図13に示した受信電力判定部124と同様に、伝搬路特性推定値HA’,HB’に基づいてA,B局の受信電力を求め、両者を比較する。
受信電力判定部124は、等化復調部42を選択するための選択結果Aに応じた周波数信号Yを入力し、かつA局の受信電力がB局の受信電力以上であると判定した場合、周波数信号Yを等化復調部42に出力し、等化復調部42にA局の復調データを直接生成させる。
一方、受信電力判定部124は、等化復調部42を選択するための選択結果Aに応じた周波数信号Yを入力し、かつB局の受信電力がA局の受信電力よりも大きいと判定した場合、周波数信号Yを等化復調部42に出力し、等化復調部42にB局の復調データを生成させ、SIC処理の後にA局の復調データを生成させる。
受信電力判定部124は、最尤判定部43を選択するための選択結果Bに応じた周波数信号Yを入力し、かつA局の受信電力がB局の受信電力以上であると判定した場合、周波数信号Yを最尤判定部43に出力し、最尤判定部43にA局の復調データを直接生成させる。
一方、受信電力判定部124は、最尤判定部43を選択するための選択結果Bに応じた周波数信号Yを入力し、かつB局の受信電力がA局の受信電力よりも大きいと判定した場合、周波数信号Yを最尤判定部43に出力し、最尤判定部43にB局の復調データを生成させ、SIC処理の後にA局の復調データを生成させる。
尚、放送信号受信装置4は、受信電力判定部124の代わりに図3に示した受信電力判定部124’を備えるようにしてもよい。
受信電力判定部124’は、図3に示した受信電力判定部124’を同様に、A局の受信品質値(CA-ΔA)を求めると共に、B局の受信品質値(CB-ΔB)を求める。
受信電力判定部124’は、等化復調部42を選択するための選択結果Aに応じた周波数信号Yを入力し、かつ(CA-ΔA)≧(CB-ΔB)の場合、周波数信号Yを等化復調部42に出力し、等化復調部42にA局の復調データを直接生成させる。
一方、受信電力判定部124’は、等化復調部42を選択するための選択結果Aに応じた周波数信号Yを入力し、かつ(CA-ΔA)<(CB-ΔB)の場合、周波数信号Yを等化復調部42に出力し、等化復調部42にB局の復調データを生成させ、SIC処理の後にA局の復調データを生成させる。
受信電力判定部124’は、最尤判定部43を選択するための選択結果Bに応じた周波数信号Yを入力し、かつ(CA-ΔA)≧(CB-ΔB)の場合、周波数信号Yを最尤判定部43に出力し、最尤判定部43にA局の復調データを直接生成させる。
一方、受信電力判定部124’は、最尤判定部43を選択するための選択結果Bに応じた周波数信号Yを入力し、かつ(CA-ΔA)<(CB-ΔB)の場合、周波数信号Yを最尤判定部43に出力し、最尤判定部43にB局の復調データを生成させ、SIC処理の後にA局の復調データを生成させる。
図9を参照して、等化復調部42は、図13に示した等化復調部122の構成から受信電力判定部124を除外した構成となっている。等化復調部42は、伝搬路推定部121から伝搬路特性推定値HA’,HB’を入力する。
等化復調部42は、当該放送信号受信装置4が受信電力判定部124を備えている場合、受信電力判定部124から、A局の受信電力がB局の受信電力以上である場合の周波数信号Y、またはB局の受信電力がA局の受信電力よりも大きい場合の周波数信号Yを入力する。
一方、等化復調部42は、当該放送信号受信装置4が受信電力判定部124’を備えている場合、受信電力判定部124’から、(CA-ΔA)が(CB-ΔB)以上である場合の周波数信号Y、または(CA-ΔA)が(CB-ΔB)より小さい場合の周波数信号Yを入力する。
等化復調部42は、周波数信号Y及び伝搬路特性推定値HA’,HB’に基づいて、A,B局の復調データを生成する。
図10は、等化復調部42の構成例を示すブロック図である。この等化復調部42は、干渉除去部123、伝搬路等化部130及びBICM復調部131を備えている。干渉除去部123は、伝搬路等化部125、BICM復調部126、BICM変調部127、伝搬路乗算部128及び減算部129を備えている。これらの構成部については図13にて説明済みである。
図9に戻って、最尤判定部43は、図1に示した最尤判定部10の構成から受信電力判定部124を除外した構成となっている。最尤判定部43は、伝搬路推定部121から伝搬路特性推定値HA’,HB’を入力する。
最尤判定部43は、等化復調部42と同様に、受信電力判定部124,124’からそれぞれの周波数信号Yを入力する。
最尤判定部43は、周波数信号Y及び伝搬路特性推定値HA’,HB’に基づいて、A,B局の復調データを生成する。
図11は、最尤判定部43の構成例を示すブロック図である。この最尤判定部43は、LLR算出部12,21、LLR分離部13、誤り訂正復号部14,22及び干渉除去部11を備えている。干渉除去部11は、LLR算出部15、LLR分離部16、誤り訂正復号部17、BICM変調部18、伝搬路乗算部19及び減算部20を備えている。これらの構成部については図1にて説明済みである。
以上のように、実施例4の放送信号受信装置4によれば、実施例3の放送信号受信装置3の構成において、等化復調部122及び最尤判定部10にそれぞれ備えた受信電力判定部124を、等化復調部42及び最尤判定部43に共通の受信電力判定部124として構成するようにした。受信電力判定部124の代わりに受信電力判定部124’を用いる場合も同様である。
これにより、実施例3の放送信号受信装置3と同様の効果を奏することに加え、実施例3の放送信号受信装置3の構成を簡易にすることができる。
以上、実施例1~4を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施例1~4に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。前記実施例1~4の放送信号受信装置1,3,4は、図12に示したA,B局の変調装置100-1,100-2から送信された2つの放送信号の多重信号を受信し、A局の復調データ及びB局の復調データを生成するようにした。
これに対し、放送信号受信装置1,3,4は、2を超える所定数(整数)の変調装置100-1,100-2等から同一周波数を用いて送信されたそれぞれの放送信号の多重信号を受信するようにしてもよい。放送信号受信装置1,3,4は、受信信号に対し、実施例1~4のいずれかと同等の処理にて、復調データを生成する。
1,3,4,101 放送信号受信装置
10 最尤判定部
11,123 干渉除去部
12,15,21 LLR算出部
13,16 LLR分離部
14,17,22 誤り訂正復号部
18,110,127 BICM変調部
19,128 伝搬路乗算部
20,129 減算部
30 電力算出部
31 分散値算出部
32 判定部
33 テーブル
34,41 選択部
40 復調方法選択部
42,122 等化復調部
43 最尤判定部
100 変調装置
111 OFDMフレーム化部
112 OFDM変調部
113 放送所
120 OFDM復調部
121 伝搬路推定部
124,124’ 受信電力判定部
125,130 伝搬路等化部
126,131 BICM復調部

Claims (6)

  1. 複数の放送局から同一周波数を用いて送信されたそれぞれの放送信号を受信し、複数の前記放送局のうちの1つの所定放送局から送信された前記放送信号を所定放送信号として、当該所定放送信号の復調データを生成する放送信号受信装置において、
    複数の前記放送信号が多重された受信信号をOFDM復調し、周波数信号を生成するOFDM復調部と、
    前記OFDM復調部により生成された前記周波数信号に基づいて、複数の前記放送局と当該放送信号受信装置との間の伝搬路の周波数特性を推定し、伝搬路毎の伝搬路特性推定値を求める伝搬路推定部と、
    前記OFDM復調部により生成された前記周波数信号、及び前記伝搬路推定部により求めた伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて最尤判定を行い、前記所定放送信号の前記復調データを生成する最尤判定部と、を備え、
    前記最尤判定部は、受信電力判定部、所定放送局復調部及び干渉除去復調部を備え、
    前記受信電力判定部は、
    前記伝搬路推定部により求めた伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて、複数の前記放送信号について放送局毎の受信電力を求め、前記所定放送局の前記受信電力が他の放送局の前記受信電力以上であると判定した場合、前記周波数信号を前記所定放送局復調部に出力し、前記他の放送局の前記受信電力が前記所定放送局の前記受信電力よりも大きいと判定した場合、前記周波数信号を前記干渉除去復調部に出力し、
    前記所定放送局復調部は、
    前記受信電力判定部から前記周波数信号を入力し、当該周波数信号及び伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて最尤判定を行い、前記所定放送信号の前記復調データを生成し、
    前記干渉除去復調部は、
    前記受信電力判定部から前記周波数信号を入力し、当該周波数信号及び伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて最尤判定を行い、前記他の放送局から送信された前記放送信号の前記復調データを生成し、当該復調データに基づいて、前記他の放送局から送信された前記放送信号のレプリカを生成し、前記受信電力判定部から入力した前記周波数信号から前記レプリカを減算して前記所定放送信号の前記周波数信号を生成し、当該周波数信号及び前記所定放送信号に対応する伝搬路の前記伝搬路特性推定値に基づいて最尤判定を行い、前記所定放送信号の前記復調データを生成する、ことを特徴とする放送信号受信装置。
  2. 請求項1に記載の放送信号受信装置において、
    さらに、復調方法選択部、選択部及び等化復調部を備え、
    前記復調方法選択部は、
    前記伝搬路推定部により求めた伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて、複数の前記放送信号について放送局毎の前記受信電力を求め、前記所定放送局の前記受信電力と前記他の放送局の前記受信電力との電力比を求め、当該電力比及び予め設定された閾値に基づいて、前記等化復調部または前記最尤判定部を選択し、
    前記選択部は、
    前記復調方法選択部により前記等化復調部が選択された場合、前記OFDM復調部により生成された前記周波数信号を前記等化復調部に出力し、前記復調方法選択部により前記最尤判定部が選択された場合、前記周波数信号を前記最尤判定部に出力し、
    前記等化復調部は、
    前記選択部から前記周波数信号を入力し、当該周波数信号及び伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて等化復調を行い、前記所定放送信号の前記復調データを生成し、
    前記最尤判定部は、
    前記選択部から前記周波数信号を入力し、当該周波数信号及び伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて最尤判定を行い、前記所定放送信号の前記復調データを生成する、ことを特徴とする放送信号受信装置。
  3. 請求項2に記載の放送信号受信装置において、
    さらに、キャリア変調及び誤り訂正符号を組合せたビットインターリーブ符号化変調(BICM(Bit Interleaved Coded Modulation))の種類に対応する前記閾値が格納されたテーブルを備え、
    前記復調方法選択部は、
    前記受信信号に含まれる制御信号から、前記所定放送局で用いた前記BICMの種類を抽出し、前記テーブルから、前記BICMの種類に対応する前記閾値を読み出し、前記電力比及び前記閾値に基づいて、前記等化復調部または前記最尤判定部を選択する、ことを特徴とする放送信号受信装置。
  4. 請求項2または3に記載の放送信号受信装置において、
    さらに、共通受信電力判定部を備え、
    前記選択部は、
    前記復調方法選択部により前記等化復調部が選択された場合、前記OFDM復調部により生成された前記周波数信号を等化復調用周波数信号として前記共通受信電力判定部に出力し、前記復調方法選択部により前記最尤判定部が選択された場合、前記周波数信号を最尤判定用周波数信号として前記共通受信電力判定部に出力し、
    前記共通受信電力判定部は、
    前記伝搬路推定部により求めた伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて、複数の前記放送信号について放送局毎の前記受信電力を求め、
    前記選択部から前記等化復調用周波数信号を入力し、かつ前記所定放送局の前記受信電力が前記他の放送局の前記受信電力以上であると判定した場合、前記等化復調用周波数信号を等化復調用第1周波数信号として前記等化復調部に出力し、前記選択部から前記等化復調用周波数信号を入力し、かつ前記他の放送局の前記受信電力が前記所定放送局の前記受信電力よりも大きいと判定した場合、前記等化復調用周波数信号を等化復調用第2周波数信号として前記等化復調部に出力し、
    前記選択部から前記最尤判定用周波数信号を入力し、かつ前記所定放送局の前記受信電力が前記他の放送局の前記受信電力以上であると判定した場合、前記最尤判定用周波数信号を最尤判定用第1周波数信号として前記最尤判定部に出力し、前記選択部から前記最尤判定用周波数信号を入力し、かつ前記他の放送局の前記受信電力が前記所定放送局の前記受信電力よりも大きいと判定した場合、前記最尤判定用周波数信号を最尤判定用第2周波数信号として前記最尤判定部に出力し、
    前記等化復調部は、等化復調用所定放送局復調部及び等化復調用干渉除去復調部を備え、
    前記等化復調用所定放送局復調部は、
    前記共通受信電力判定部から前記等化復調用第1周波数信号を入力し、当該等化復調用第1周波数信号及び前記所定放送信号の伝搬路の前記伝搬路特性推定値に基づいて等化復調を行い、前記所定放送信号の前記復調データを生成し、
    前記等化復調用干渉除去復調部は、
    前記共通受信電力判定部から前記等化復調用第2周波数信号を入力し、当該等化復調用第2周波数信号及び前記他の放送局から送信された前記放送信号に対応する伝搬路の前記伝搬路特性推定値に基づいて等化復調を行い、前記他の放送局から送信された前記放送信号の前記復調データを生成し、当該復調データに基づいて、前記他の放送局から送信された前記放送信号のレプリカを生成し、前記共通受信電力判定部から入力した前記等化復調用第2周波数信号から前記レプリカを減算して前記所定放送信号の前記周波数信号を生成し、当該周波数信号及び前記所定放送信号に対応する伝搬路の前記伝搬路特性推定値に基づいて等化復調を行い、前記所定放送信号の前記復調データを生成し、
    前記最尤判定部は、前記受信電力判定部、前記所定放送局復調部及び前記干渉除去復調部の代わりに、最尤判定用所定放送局復調部及び最尤判定用干渉除去復調部を備え、
    前記最尤判定用所定放送局復調部は、
    前記共通受信電力判定部から前記最尤判定用第1周波数信号を入力し、当該最尤判定用第1周波数信号及び伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて最尤判定を行い、前記所定放送信号の前記復調データを生成し、
    前記最尤判定用干渉除去復調部は、
    前記共通受信電力判定部から前記最尤判定用第2周波数信号を入力し、当該最尤判定用第2周波数信号及び伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて最尤判定を行い、前記他の放送局から送信された前記放送信号の前記復調データを生成し、当該復調データに基づいて、前記他の放送局から送信された前記放送信号のレプリカを生成し、前記共通受信電力判定部から入力した前記最尤判定用第2周波数信号から前記レプリカを減算して前記所定放送信号の前記周波数信号を生成し、当該周波数信号及び前記所定放送信号に対応する伝搬路の前記伝搬路特性推定値に基づいて最尤判定を行い、前記所定放送信号の前記復調データを生成する、ことを特徴とする放送信号受信装置。
  5. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の放送信号受信装置において、
    前記受信電力判定部は、
    前記伝搬路推定部により求めた伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて、複数の前記放送信号のそれぞれについて帯域内の平均電力及び電力値の分散を、放送局毎の前記平均電力及び前記分散として算出し、放送局毎に前記平均電力から前記分散に対応する予め設定された所要C/N劣化量を減算し、放送局毎の減算結果を求め、
    前記所定放送局の前記減算結果が前記他の放送局の前記減算結果以上であると判定した場合、前記周波数信号を前記所定放送局復調部に出力し、前記他の放送局の前記減算結果が前記所定放送局の前記減算結果よりも大きいと判定した場合、前記周波数信号を前記干渉除去復調部に出力する、ことを特徴とする放送信号受信装置。
  6. 請求項4に記載の放送信号受信装置において、
    前記共通受信電力判定部は、
    前記伝搬路推定部により求めた伝搬路毎の前記伝搬路特性推定値に基づいて、複数の前記放送信号のそれぞれについて帯域内の平均電力及び電力値の分散を、放送局毎の前記平均電力及び前記分散として算出し、放送局毎に前記平均電力から前記分散に対応する予め設定された所要C/N劣化量を減算し、放送局毎の減算結果を求め、
    前記選択部から前記等化復調用周波数信号を入力し、かつ前記所定放送局の前記減算結果が前記他の放送局の前記減算結果以上であると判定した場合、前記等化復調用周波数信号を前記等化復調用第1周波数信号として前記等化復調部に出力し、前記選択部から前記等化復調用周波数信号を入力し、かつ前記他の放送局の前記減算結果が前記所定放送局の前記減算結果よりも大きいと判定した場合、前記等化復調用周波数信号を前記等化復調用第2周波数信号として前記等化復調部に出力し、
    前記選択部から前記最尤判定用周波数信号を入力し、かつ前記所定放送局の前記減算結果が前記他の放送局の前記減算結果以上であると判定した場合、前記最尤判定用周波数信号を前記最尤判定用第1周波数信号として前記最尤判定部に出力し、前記選択部から前記最尤判定用周波数信号を入力し、かつ前記他の放送局の前記減算結果が前記所定放送局の前記減算結果よりも大きいと判定した場合、前記最尤判定用周波数信号を前記最尤判定用第2周波数信号として前記最尤判定部に出力する、ことを特徴とする放送信号受信装置。
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