JP7057521B2 - 冷凍装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施形態に係る冷凍装置100を示す。冷凍装置100は、例えば空気調和装置である。冷凍装置100は、熱源ユニット10、利用ユニット20A、20B、冷媒連絡配管30、冷媒を備える。
(2-1)熱源ユニット10
熱源ユニット10は、温熱または冷熱を発生させるためのものである。熱源ユニット10は、圧縮機11、四路切換弁12、熱源ユニット熱交換器13、熱源ユニットファン14、熱源ユニット膨張弁15、熱源ユニット液路ポート17、熱源ユニットガス路ポート18、熱源ユニット内部管路19a~19gを有する。
圧縮機11は、低圧ガス冷媒を吸入して圧縮し、高圧ガス冷媒にして矢印の方向に吐出させる。
四路切換弁12は、冷熱利用運転と温熱利用運転を切り替える。四路切換弁12は、冷熱利用運転のときには実線で示した冷媒経路を構成し、温熱利用運転のときには破線で示した冷媒経路を構成する。
熱源ユニット熱交換器13は、冷媒と熱源ユニット10の周囲の空気との熱交換を行う。冷熱利用運転の場合、熱源ユニット熱交換器13は凝縮機として機能し、冷媒の熱を空気中へ放出する。一方、温熱利用運転の場合、熱源ユニット熱交換器13は蒸発機として機能し、空気中の熱を冷媒へ取り込む。
熱源ユニットファン14は、熱源ユニット熱交換器13の熱交換を促進する。
熱源ユニット膨張弁15は開度調整が可能な弁であり、冷媒の減圧装置として機能する。
アキュームレータ16は、圧縮機11の前段において蒸発していない液冷媒を蓄積するとともに、ガス冷媒を通過させるためのものである。
熱源ユニット液路ポート17は、液冷媒配管31を接続するためのものである。熱源ユニット液路ポート17には、長期にわたり冷凍装置100を使用する予定がない場合などに、主に液冷媒が流れる経路を手動により閉鎖するための弁が内蔵されている。
熱源ユニット液路ポート17は、ガス冷媒配管32を接続するためのものである。熱源ユニット液路ポート17には、長期にわたり冷凍装置100を使用する予定がない場合などに、主にガス冷媒が流れる経路を手動により閉鎖するための弁が内蔵されている。
熱源ユニット内部管路19a~19gは、熱源ユニット10の複数の構成要素、すなわち、圧縮機11、四路切換弁12、熱源ユニット熱交換器13、熱源ユニット膨張弁15熱源ユニット液路ポート17、熱源ユニットガス路ポート18を接続し、それらの間での冷媒の授受に寄与する管路である。
利用ユニット20A、20Bは、熱源ユニット10が発生させた温熱または冷熱を、ユーザの便宜のために利用するためのものである。利用ユニット20Aは、利用ユニット膨張弁21、利用ユニット熱交換器22、利用ユニットファン23、利用ユニット液路ポート27、利用ユニットガス路ポート28、利用ユニット内部管路29a~29cを有する。利用ユニット20Bの構成も、利用ユニット20Aの構成と同様である。
利用ユニット膨張弁21は開度調整が可能な弁であり、ガス冷媒の減圧装置または流量調整装置として機能する。
利用ユニット熱交換器22は、冷媒と利用ユニット20Aの周囲の空気との熱交換を行う。冷熱利用運転の場合、利用ユニット熱交換器22は蒸発機として機能し、空気中の熱を冷媒へ取り込む。一方、温熱利用運転の場合、利用ユニット熱交換器22は凝縮機として機能し、冷媒の熱を空気中へ放出する。
利用ユニットファン23は、利用ユニット熱交換器22の熱交換を促進する。
利用ユニット液路ポート27は、液冷媒配管31を接続するための部位である。
利用ユニットガス路ポート28は、ガス冷媒配管32を接続するための部位である。
利用ユニット内部管路29a~29cは、利用ユニット20Aの複数の構成要素、すなわち、利用ユニット膨張弁21、利用ユニット熱交換器22、利用ユニット液路ポート27、利用ユニットガス路ポート28を接続し、それらの間での冷媒の授受に寄与する管路である。
冷媒連絡配管30は、熱源ユニット10と利用ユニット20Aを接続して冷媒回路を構成するためのものである。冷媒連絡配管30は、液冷媒配管31およびガス冷媒配管32を有する。液冷媒配管31は、熱源ユニット液路ポート17と利用ユニット液路ポート27を接続する。ガス冷媒配管32は、熱源ユニットガス路ポート18と利用ユニットガス路ポート28を接続する。
冷媒は、熱源ユニット10、利用ユニット20A、20B、冷媒連絡配管30を循環する。冷媒は、炭素―炭素不飽和結合を1以上有する分子式で表される化合物を含む。冷媒は、例えばHFOである。
図2は、冷凍装置100の利用ユニット20Aおよび冷媒連絡配管30を示す。液冷媒配管31、ガス冷媒配管32、および、利用ユニット内部管路29a~29cの少なくとも一部の内面には、不均化反応抑制剤40が塗布されている。不均化反応抑制剤40は、不均化反応の発生や進行を抑制する物質である。好ましくは、不均化反応抑制剤40は、冷媒の重合を抑制する重合抑制剤である。
安定剤は、耐酸化性向上剤、耐熱性向上剤、および金属不活性剤の少なくとも1つを含む。
N,N’-ジフェニルフェニレンジアミン、p-オクチルジフェニルアミン、p,p’-ジオクチルジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、N-(p-ドデシル)フェニル-2-ナフチルアミン、ジ-1-ナフチルアミン、ジ-2-ナフチルアミン、N-アルキルフェノチアジン、6-(t-ブチル)フェノール、2,6-ジ-(t-ブチル)フェノール、4-メチル-2,6-ジ-(t-ブチル)フェノール、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)。
イミダゾール、ベンズイミダゾール、2-メルカプトベンズチアゾール、2,5-ジメルカプトチアジアゾール、サリシリジン-プロピレンジアミン、ピラゾール、ベンゾトリアゾール、トルトリアゾール、2-メチルベンズイミダゾール、3,5-ジメチルピラゾール、メチレンビス-ベンゾトリアゾール、有機酸またはそれらのエステル、第1級、第2級または第3級の脂肪族アミン、有機酸または無機酸のアミン塩、複素環式窒素含有化合物、アルキル酸ホスフェートのアミン塩またはそれらの誘導体。
酸化防止剤は、下記に列挙する物質のうち少なくとも1つを含む。
ジチオリン酸亜鉛、有機硫黄化合物、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、フェニル-α-ナフチルアミン、N,N’-ジ-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’‐ジサリシリデン‐1,2‐ジアミノプロパン。
脱酸素剤は、下記に列挙する物質のうち少なくとも1つを含む。
2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エポキシ化シクロヘキシルカルビノール、ジ(アルキルフェニル)カルボジイミド、β-ピネン。
(3-1)冷熱運転
冷熱運転において、四路切換弁12は図1の実線で示した冷媒経路を構成する。圧縮機11は、高圧ガス冷媒を図1の矢印の方向に吐出する。高圧ガス冷媒は、四路切換弁12を通過した後、熱源ユニット熱交換器13に到達する。熱源ユニット熱交換器13は凝縮機として機能し、高圧ガス冷媒を高圧液冷媒にする。高圧液冷媒は、熱源ユニット膨張弁15、液冷媒配管31、および利用ユニット膨張弁21で減圧されて気液2相冷媒となり、利用ユニット熱交換器22へ到達する。利用ユニット熱交換器22は蒸発機として機能し、気液2相冷媒を低圧ガス冷媒にする過程で周囲の空気から熱を吸収し、これによって周囲の空気は冷やされる。低圧ガス冷媒は、ガス冷媒配管32、次いで四路切換弁12を通過した後、アキュームレータ16を経て圧縮機11に吸入される。
温熱運転において、四路切換弁12は図1の破線で示した冷媒経路を構成する。圧縮機11は、高圧ガス冷媒を図1の矢印の方向に吐出する。高圧ガス冷媒は、四路切換弁12、次いでガス冷媒配管32を通過した後、利用ユニット熱交換器22へ到達する。利用ユニット熱交換器22は凝縮機として機能し、高圧ガス冷媒を高圧液冷媒にする過程で熱を放出し、周囲の空気を暖める。高圧液冷媒は、利用ユニット膨張弁21、液冷媒配管31、および熱源ユニット膨張弁15で減圧されて気液2相冷媒となり、熱源ユニット熱交換器13へ到達する。熱源ユニット熱交換器13は蒸発機として機能し、気液2相冷媒を低圧ガス冷媒にする。その後、低圧ガス冷媒は四路切換弁12を通過した後、アキュームレータ16を経て圧縮機11に吸入される。
冷凍装置100を設置する際には、屋外に熱源ユニット10が設置され、屋内に利用ユニット20A、20Bが設置される。この設置工程において、熱源ユニット10には、冷凍装置100の全体が必要とする量の冷媒があらかじめ液体の状態で封入されている。次に、熱源ユニット10と利用ユニット20A、20Bとを接続する冷媒連絡配管30が設置され、それによって冷凍装置100の冷媒回路が完成する。最後に、熱源ユニット10に封入されていた冷媒が冷媒回路へ解放され、冷媒は利用ユニット20A、20Bへ向かって流れる。この時、不均化反応抑制剤40が液冷媒配管31またはガス冷媒配管32の内面に塗布されている場合には、冷媒は不均化反応抑制剤40と接触する。したがって、液冷媒配管31またはガス冷媒配管32を通過する冷媒の不均化反応は起こりにくい。次いで、利用ユニット液路ポート27および利用ユニットガス路ポート28に到達した冷媒は、利用ユニット20Aの各部へ浸透する。この時、不均化反応抑制剤40が利用ユニット内部管路29a~29cの内面に塗布されている場合には、冷媒は不均化反応抑制剤40と接触する。したがって、利用ユニット内部管路29a~29cを通過する冷媒の不均化反応は起こりにくい。
(5-1)
不均化反応抑制剤40が、液冷媒配管31、ガス冷媒配管32、および利用ユニット内部管路29a~29cのうちの少なくとも一部の内面に塗布されている。したがって、冷媒回路を循環する冷媒が不均化反応抑制剤40と接触するので、冷媒の不均化反応が発生しにくい。
不均化反応抑制剤40は、冷媒の重合を抑制する重合抑制剤であってもよい。この構成によれば、不均化反応抑制剤40は冷媒の重合を抑制する。したがって、重合の生成物に起因する冷媒回路の性能低下を抑制できる。
不均化反応抑制剤40の組成として、本願は様々な知見を提示した。すなわち、不均化反応抑制剤40は、安定剤、酸化防止剤、脱酸素剤の少なくとも1つを含んでよい。安定剤は、耐酸化性向上剤、耐熱性向上剤、および金属不活性剤の少なくとも1つを含んでよい。加えて、耐酸化性向上剤、耐熱性向上剤、金属不活性剤、酸化防止剤、および脱酸素剤のそれぞれの可能な組成を、本明細書の(2-4)項において列挙した。これらの知見によれば、不均化反応抑制剤40の具体的な組成が提示され、その製造および準備が可能となる。
(6-1)構成
上述の実施形態では、冷凍装置100に用いられる冷媒は、炭素―炭素不飽和結合を1以上有する分子式で表される化合物を含む、としていた。これに代えて、冷媒は、具体的にHFOとHFCとを主成分とする混合冷媒としてよい。さらに、冷凍装置100に用いられる冷凍機油は、アルキル芳香族炭化水素と酸素含有炭化水素とを主成分とする冷凍機油としてよい。
(6-2-1)変形例の第1観点
変形例の第1観点に係る冷凍装置100は、HFOとHFCとを主成分とする混合冷媒、および、アルキル芳香族炭化水素と酸素含有炭化水素とを主成分とする冷凍機油を使用する。酸素含有炭化水素は、エーテルおよびエステルの少なくとも一方を含む。混合冷媒は、HFOの重量混合比率が第1冷媒比率であり、かつ、HFCの重量混合比率が第2冷媒比率である。冷凍機油は、アルキル芳香族炭化水素の混合比率が第1油比率であり、かつ、酸素含有炭化水素の混合比率が第2油比率である。第1冷媒比率が第2冷媒比率よりも大きい場合、第1油比率は、第2油比率よりも大きい。第1冷媒比率が第2冷媒比率よりも小さい場合、第1油比率は、第2油比率よりも小さい。
変形例の第2観点に係る冷凍装置100は、変形例の第1観点に係る冷凍装置において、HFOが、HFO1123であり、HFCが、R32としてよい。
変形例の第3観点に係る冷凍装置100は、変形例の第1観点または第2観点に係る冷凍装置において、第1冷媒比率が、第1油比率と等しく、第2冷媒比率が、第2油比率と等しい。
変形例の第4観点に係る冷凍装置100は、変形例の第1観点から第3観点のいずれか1つに係る冷凍装置において、第1冷媒比率が40%~60%、第2冷媒比率が60%~40%、第1油比率が40%~60%、第2油比率が60%~40%である。
19a~g 熱源ユニット内部管路
20A、20B 利用ユニット
29a~c 利用ユニット内部管路
30 冷媒連絡配管
31 液冷媒配管
32 ガス冷媒配管
40 不均化反応抑制剤
100 冷凍装置
Claims (7)
- 熱源ユニット(10)と、
利用ユニット内部管路(29a~29c)を有する利用ユニット(20A)と、
前記熱源ユニットと前記利用ユニット内部管路とを接続する液冷媒配管(31)およびガス冷媒配管(32)と、
HFOとHFCとを主成分とし、前記熱源ユニット、前記利用ユニット、前記液冷媒配管および前記ガス冷媒配管を循環する冷媒と、
アルキル芳香族炭化水素と酸素含有炭化水素とを主成分とする冷凍機油と、
を備え、
前記酸素含有炭化水素は、エーテルおよびエステルの少なくとも一方を含み、
前記冷媒における前記HFOの重量混合比率が第1冷媒比率であり、
前記冷媒における前記HFCの重量混合比率が第2冷媒比率であり、
前記冷凍機油における前記アルキル芳香族炭化水素の混合比率が第1油比率であり、
前記冷凍機油における前記酸素含有炭化水素の混合比率が第2油比率であり、
前記第1冷媒比率が前記第2冷媒比率よりも小さく、前記第1油比率は前記第2油比率よりも小さく、
前記酸素含有炭化水素は、前記冷媒の重合反応の開始剤として機能する、
冷凍装置(100)。 - 前記HFOがHFO1123であり、
前記HFCがR32である、
請求項1に記載の冷凍装置。 - 前記第1冷媒比率が前記第1油比率と等しく、
前記第2冷媒比率が前記第2油比率と等しい、
請求項1または請求項2に記載の冷凍装置。 - 前記液冷媒配管または前記ガス冷媒配管内には、前記冷媒の重合を抑制する重合抑制剤を有する、
請求項1から3のいずれか1つに記載の冷凍装置。 - 前記液冷媒配管または前記ガス冷媒配管内には、耐酸化性向上剤、耐熱性向上剤、および金属不活性剤の少なくとも1つを有し、
前記耐酸化性向上剤および前記耐熱性向上剤は、
N,N’-ジフェニルフェニレンジアミン、
p-オクチルジフェニルアミン、
p,p’-ジオクチルジフェニルアミン、
N-フェニル-1-ナフチルアミン、
N-フェニル-2-ナフチルアミン、
N-(p-ドデシル)フェニル-2-ナフチルアミン、
ジ-1-ナフチルアミン、
ジ-2-ナフチルアミン、
N-アルキルフェノチアジン、
6-(t-ブチル)フェノール、
2,6-ジ-(t-ブチル)フェノール、
4-メチル-2,6-ジ-(t-ブチル)フェノール、
4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、
のうちの少なくとも1つを含み、
前記金属不活性剤は、
イミダゾール、
ベンズイミダゾール、
2-メルカプトベンズチアゾール、
2,5-ジメルカプトチアジアゾール、
サリシリジン-プロピレンジアミン、
ピラゾール、
ベンゾトリアゾール、
トルトリアゾール、
2-メチルベンズイミダゾール、
3,5-ジメチルピラゾール、
メチレンビス-ベンゾトリアゾール、
有機酸またはそれらのエステル、
第1級、第2級または第3級の脂肪族アミン、
有機酸または無機酸のアミン塩、
複素環式窒素含有化合物、
アルキル酸ホスフェートのアミン塩またはそれらの誘導体、
のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1から4のいずれか1つに記載の冷凍装置。 - 前記液冷媒配管または前記ガス冷媒配管内には、酸化防止剤を有し、
前記酸化防止剤は、
ジチオリン酸亜鉛、
有機硫黄化合物、
2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、
2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、
2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、
フェニル-α-ナフチルアミン、
N,N’-ジ-フェニル-p-フェニレンジアミン、
N,N’‐ジサリシリデン‐1,2‐ジアミノプロパン、
のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1から5のいずれか1つに記載の冷凍装置。 - 前記液冷媒配管または前記ガス冷媒配管内には、脱酸素剤を有し、
前記脱酸素剤は、
2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、
フェニルグリシジルエーテル、
エポキシ化シクロヘキシルカルビノール、
ジ(アルキルフェニル)カルボジイミド、
β-ピネン、
のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1から6のいずれか1つに記載の冷凍装置。
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