JP7055341B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
従来、遊技機では、遊技が実行されているときに様々な演出を実行することが可能である。特許文献1に記載の遊技機では、特別図柄の変動表示が実行されているときに、発展演出が実行されると、大当たり期待度が高い強SPリーチまたは弱SPリーチが実行される。すなわち、発展演出は、強SPリーチや弱SPリーチなどの大当たり期待度が高い演出が実行されることを示唆している。
特許第6188037号公報
しかしながら、大当たり期待度が高い演出が実行されることを示唆する演出を実行可能な遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわち、その課題とするところは、遊技興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することである。
本発明に係る遊技機は、
通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態にすることが可能な遊技実行手段と、
演出を実行可能な演出実行手段とを備えた遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記特別遊技状態になる可能性があることを示唆する特別演出を実行可能であり、
前記特別演出の前に、前記特別演出が実行されることを示唆する示唆演出を実行可能であり、
前記特別演出における所定タイミングで予告演出を実行可能であり、
前記特別演出には、第1特別演出と、前記第1特別演出よりも前記特別遊技状態になる可能性が高いことを示唆する第2特別演出とがあり、
前記示唆演出には、第1示唆演出と、第2示唆演出とがあり、
前記第2示唆演出の後に前記第2特別演出が実行された場合、当該第2特別演出で前記予告演出が実行されることが確定し、
前記第2示唆演出の後に前記第1特別演出が実行された場合、当該第1特別演出で前記予告演出が実行されることが確定し、
前記第1示唆演出の後に前記第1特別演出が実行された場合、当該第1特別演出で前記予告演出が実行されるときと実行されないときとがあり、
前記予告演出には、複数の種類が設けられ、前記特別遊技状態になる可能性が高いことを示唆する高期待度予告演出があり、
前記第1特別演出で前記高期待度予告演出が実行される確率よりも、前記第2特別演出で前記高期待度予告演出が実行される確率の方が高く、
前記示唆演出において、前記複数の種類の前記予告演出の何れかが実行されることを示唆する特定演出を実行可能であることを特徴とする。
本発明によれば、遊技興趣の低下を抑えることが可能である。
本発明の基本的な実施形態に係るパチンコ遊技機の斜視図である。 遊技盤ユニットの正面図である。 (A)は盤可動体の待機状態を説明する正面図、(B)は盤可動体の移動状態を説明する正面図、(C)は盤可動体の回転状態を説明する正面図である。 表示器類の正面図である。 遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 (A)は普図関連判定情報を示す表であり、(B)は特図関連判定情報を示す表である。 (A)は当たり判定テーブルであり、(B)は普図変動パターン判定テーブルであり、(C)は補助遊技制御テーブルである。 (A)は第1大当たり判定テーブルであり、(B)は第2大当たり判定テーブルであり、(C)は大当たり図柄種別判定テーブルであり、(D)はリーチ判定テーブルである。 特図1変動パターン判定テーブルである。 特図2変動パターン判定テーブルである。 第1先読み判定テーブルである。 第2先読み判定テーブルである。 (A)は大当たり遊技制御テーブルであり、(B)は遊技状態設定テーブルである。 (A)はデモ動画の一例を示す図であり、(B)は設定画面の一例を示す図である。 (A)は第1通常用背景画像の一例を示す図であり、(B)は第2通常用背景画像の一例を示す図であり、(C)は第3通常用背景画像の一例を示す図であり、(D)は確変用背景画像の一例を示す図であり、(E)は時短用背景画像の一例を示す図である。 (A)は大当たりオープニング演出の一例を示す図であり、(B)はラウンド演出の一例を示す図であり、(C)は大当たりエンディング演出の一例を示す図である。 リーチ無しハズレの特図変動演出の一例を表す図である。 特図変動演出が開始してからリーチになるまでの一例を表す図である。 Nリーチの一例を表す図である。 SPリーチの一例を表す図である。 SPリーチの一例を表す図であり、図21の続きである。 SPリーチの一例を表す図であり、図22の続きである。 可動体演出の一例を表す図である。 操作演出の一例を表す図である。 保留演出の一例を表す図である。 保留変化予告の一例を表す図である。 保留変化予告の一例を表す図である。 遊技制御メイン処理のフローチャートである。 遊技制御側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 センサ検出処理のフローチャートである。 センサ検出処理のフローチャートであり、図31の続きを表す図である。 普通動作処理のフローチャートである。 特別動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図1変動パターン判定処理のフローチャートである。 特別図柄変動処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 演出制御メイン処理のフローチャートである。 (A)は演出フローを表す図、(B)は発展有SPリーチ変動に対応した特図変動演出のタイムチャートである。 (A)はSPリーチ種別判定テーブルであり、(B)は特別演出ボタン予告実行判定テーブルであり、(C)は火の球予告実行判定テーブルであり、(D)はボイス予告実行判定テーブルである。 (A)は発展演出種別判定テーブルであり、(B)は特別演出ボタン予告示唆演出実行判定テーブルであり、(C)は火の球予告示唆演出実行判定テーブルであり、(D)はボイス予告示唆演出実行判定テーブルである。 発展演出の導入部分の一例を表す図である。 ルーレット演出の一例を表す図である。 ルーレット演出で特別演出ボタン予告示唆演出が行われている様子を表す図である。 特別演出ボタン予告示唆演出の後に、特別演出ボタン予告が行われている様子を表す図である。 ルーレット演出で火の球予告示唆演出が行われている様子を表す図である。 火の球予告示唆演出の後に、火の球予告演出が行われている様子を表す図である。 ルーレット演出でボイス予告示唆演出が行われている様子を表す図である。 ボイス予告示唆演出の後に、ボイス予告が行われている様子を表す図である。 1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートであり、図53の続きを表す図である。 予告示唆演出種別判定テーブルである。
<基本的な実施形態>
最初に、本発明の遊技機の特徴部分の前提となる本発明の基本的な実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、以下において、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
1.遊技機の構造
本発明の遊技機の基本的な実施形態であるパチンコ遊技機PY1について説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1の構造について図1~図3を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」とはパチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向として、説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技盤1を含む遊技盤ユニットYUと、遊技盤ユニットYUを内部に収納した遊技機枠2とを備えている。遊技機枠2は、遊技店に固定される枠状の外枠21と、外枠21に取り付けられ、遊技盤ユニットYUが取り付けられる内枠22と、内枠22に回転自在に支持される前扉23と、を備える。
外枠21、内枠、および前扉23の正面視外周形状は大体同一である。そして、外枠21の前面に内枠22が取り付けられている。
前扉23は内枠22に対して開閉が可能である。前扉23は、大体中央に略縦長矩形状の大きな開口部が形成された枠状の前枠23mと、その開口部に嵌め込まれた透明板23tと、を備える。前扉23が閉じられているとき、遊技盤ユニットYUに含まれる遊技盤1と透明板23tとが対面する。透明板23tは、透明な合成樹脂板で略縦長矩形状に成形されている。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6を視認することができる。なお、透明板23tとして、透明な合成樹脂板の代わりに透明なガラス板を用いてもよい。パチンコ遊技機PY1の前方から透明板23tを通して遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。
また、前枠23mの前面の下部には、前方に大きく突出した上皿34と、上皿34の直下に配された下皿35が設けられている。上皿34の前方側中央には、下方に押下操作可能な通常演出ボタン40kが設けられている。通常演出ボタン40kの操作部分は半球形に成形されている。さらに、上皿34の上面の後方側には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための供給球貯留穴34Aが通常演出ボタン装置40を避けるように形成されている。また、下皿35の上面には、供給球貯留穴34Aに収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための余剰球貯留穴35Aが設けられている。
さらに、前枠23mの前面の透明板23tの上側、右側、および左側には、前方に突出した上側装飾体31、右側装飾体32、および左側装飾体33が設けられている。上側装飾体31の底面には、音を出力可能な一対の2つのスピーカ52、具体的には左側に配されたスピーカ52Lと右側に配されたスピーカ52R、が下方を向いて左右方向に所定距離をおいて並設されている。また、右側装飾体32の下部には、下方に押下操作可能な特別演出ボタン41kが設けられている。特別演出ボタン41kの操作部分は棒状に成形されている。さらに、右側装飾体32から上皿34の正面右部分にかけて、および左側装飾体33から上皿34の正面左部分にかけて、発光可能な枠ランプ53が設けられている。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、図1に加えて図2を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は、透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。
遊技盤1の前面には、開口部1Aに沿って、略リング状のセンター装飾体61が前方に突出して形成されている。また、センター装飾体61の外側には、センター装飾体61を大きく取り囲むように略リング状に形成された外レール62と、外レール62の左側部分とセンター装飾体61との間で、外レール62およびセンター装飾体61に沿った湾曲状の内レール63と、が形成されている。
そして、遊技盤1の前面において、センター装飾体61、外レール62および内レール63などで囲まれた領域が遊技領域6を形成している。すなわち、遊技盤1の前面が、センター装飾体61、外レール62および内レール63によって、遊技領域6とそれ以外の領域とに区切られている。また、外レール62と内レール63とで囲まれた領域は、発射された遊技球が遊技領域6へ向かうために通過可能な発射領域7を形成している。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技用くぎ(図示なし)が突設されている。遊技用くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、ゲート13、および大入賞口14などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域6の所定位置に一般入賞装置10Dが設けられている。一般入賞装置10Dには、一般入賞口10が遊技球の入球が可能に形成されている。遊技球が一般入賞口10へ入球すると、所定個数(第1実施形態では、3個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、一般入賞口10に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6におけるセンター装飾体61の中央直下には第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動入賞装置11Dには、第1始動口11が遊技球の入球が可能に形成されている。第1始動入賞装置11Dは作動しない非作動構造からなる。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球のし易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球が第1始動口11へ入球すると、所定個数(第1実施形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第1始動口11に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
なお、センター装飾体61の左側部から下端部にかけて、遊技球を内部に通すワープ部61wが形成されている。ワープ部61wへの入口はセンター装飾体61の左側部に形成されている。ワープ部61wに入った遊技球はワープ部61wの内部を通って出口から出る。ワープ部61wの出口付近であってセンター装飾体61の下端部上面には、遊技球が転動可能なステージ61Sが設けられている。ステージ61Sの先端には、遊技球を下方に導く下方誘導部61yが設けられている。この下方誘導部61yの直下には第1始動口11が設けられている。
遊技領域6における第1始動口11の直下には、第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dが設けられている。電チュー12Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第2始動口12が形成されている。第2始動口12は、電チュー12Dが具備する電チュー開閉部材12kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12が開閉する。
電チュー開閉部材12kは正面視略L字状部材からなり、通常は第2始動口12を閉鎖している。電チュー開閉部材12kは、前方先端面が遊技領域6と面一状態になる退避状態から前方に突出することができる。電チュー開閉部材12kが前方に突出すると、電チュー開閉部材12kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、第2始動口12が入球可能に開放する。具体的には、電チュー開閉部材12kの水平部の左端に立設された垂直部分が遊技球を受けとめられ、水平部から第2始動口12へと導かれる。このように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。遊技球が第2始動口12へ入球すると、所定個数(第1実施形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第2始動口12に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、センター装飾体61の右側にゲート13が設けられている。ゲート13は、遊技球が通過可能に構成されている。遊技球がゲート13を通過しても賞球が払い出されない。なお、ゲート13を通過した遊技球はそのまま遊技領域6を流下する。
遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの右側でゲート13の下流側には、大入賞装置14Dが設けられている。大入賞装置14Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な大入賞口14が形成されている。大入賞口14は、大入賞装置14Dが具備するAT開閉部材14kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、AT開閉部材14kの作動によって大入賞口14が開閉する。
AT開閉部材14kは正面視略横長矩形状の平板からなる可動部材であり、通常は大入賞口14を閉鎖している。AT開閉部材14kの下端部には、水平な回転軸が設けられている。AT開閉部材14kはその回転軸を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。AT開閉部材14kが回転すると、AT開閉部材14kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、大入賞口14が入球可能に開放する。このように、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が大入賞口14へ入球すると、所定個数(第1実施形態では、14個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、大入賞口14に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6における大入賞装置14Dの下方には、その上面が左斜め下方に形成され、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導経路64が遊技領域6(遊技盤1の前面)から前方に突出して設けられている。なお、誘導経路64の上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第1始動口11へ入球することはできない。
なお、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、および一般入賞口10への遊技球の入球や、遊技球のゲート13の通過をまとめて、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10、およびゲート13への「入賞」と総称する。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6Aと、右側の右遊技領域6Bと、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。遊技領域6において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2には、不図示の多数の遊技用くぎなども構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、大入賞口14と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13、第2始動口12、または大入賞口14への入賞を狙うことができる。
なお、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
次に、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUについて説明する。盤用演出ユニットEUは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。盤用演出ユニットEUには、画像表示装置50、および盤可動装置55が取り付けられている。
画像表示装置50は、20インチの3D液晶ディスプレイで構成されており、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。
盤可動装置55は、動作可能な盤可動体55kを備える。盤可動体55kは、水平状態を保持された横長で板状の昇降部材55k2と、昇降部材55k2の左右方向中央に設けられた略楕円形状の回転部材55k1と、を有する。盤可動体55kは、初期位置に配されている待機状態では、遊技盤1と画像表示装置50との間で隠れている。待機状態において、盤可動体55kの下端部分、具体的に回転部材55k1の下端部分が、遊技盤1の開口部1Aの上端から少しだけ下方に位置している。よって、回転部材55k1の下端部の一部のみが遊技者から視認できるよう配されている(図3(A)参照)。そして、盤可動体55kは、全体的に初期位置から所定の作動位置まで下降し、その作動位置から上昇して初期位置に戻ることができる(図3(B)参照)。所定の作動位置としては、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央につく位置である。ここで、所定の作業位置は適宜に設定可能であり、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央より上方側におかれる位置であっても下方側におかれる位置であってもよい。
また、回転部材55k1は、中心に設けられた回転軸を中心に回転運動することが可能である(図3(C)参照)。なお、回転部材55k1の回転運動は、盤可動体55kが待機位置から作動位置に移動するとき、作動位置に保持されているとき、および作動位置から待機位置に移動するときに実行可能である。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の上下方向略中央の右隣(遊技領域6以外の部分)に配置されている表示器類8について説明する。図4に示すように、表示器類には、第1特別図柄(以下、「特図1」という)を可変表示する特図1表示器81a、第2特別図柄(以下、「特図2」という)を可変表示する特図2表示器81b、及び、普通図柄(以下、「普図」という)を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類には、後述する特図1保留数を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、遊技球の第1始動口11への入賞を契機とした特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、遊技球の第2始動口12への入賞を契機とした特図2抽選が行われると実行される。特図1抽選、および特図2抽選については後述する。なお、以下の説明では、特図1、および特図2を総称して「特図」といい、特図1抽選、および特図2抽選を総称して「特図抽選」という。また、特図1表示器81a、および特図2表示器81bを総称して「特図表示器81」という。さらに、特図1保留表示器83a、および特図2保留表示器83bを総称して「特図保留表示器83」という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された特図(停止特図)は、可変表示の表示結果として導出された特図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された特図が予め定めた特定の特図である場合には、大入賞口14の開放を伴う大当たり遊技が行われる。
特図1表示器81a、および特図2表示器81bはそれぞれ、横並びに配された8個のLEDから構成されている。特図1表示器81a、および特図2表示器81bの点灯態様は、特図抽選の結果に応じた特図、すなわち特図抽選の結果を表す。例えば特図抽選の結果が大当たりである場合には、最終的に「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯する。この点灯態様が大当たり図柄であり、大当たりを表す。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、最終的に「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞してもすぐに特図抽選および特図の可変表示が行われない場合がある。具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があった場合である。この場合、所定個数を上限として、その入賞に基づいて特図抽選および特図の可変表示を実行する権利が留保される。この留保された権利のことを「特図保留」という。
特図保留には、第1始動口11への入賞に基づいて留保された特図1抽選、および特図1の可変表示を実行する権利を表す「特図1保留」と、第2始動口12への入賞に基づいて留保された特図2抽選、および特図2の可変表示を実行する権利を表す「特図2保留」と、がある。そして、特図1保留の数、すなわち留保されている特図1抽選および特図1の可変表示を実行する権利の数を特図1保留表示器83aが表示する。一方、特図2保留の数、すなわち留保されている特図2抽選、および特図2の可変表示を実行する権利の数を特図2保留表示器83bが表示する。
特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bのそれぞれは、4個のLEDで構成されており、特図1保留および特図2保留の数の分だけLEDを点灯させることにより特図1保留および特図2保留の数を表示する。なお、以下において、特図1保留の数を「特図1保留数(U1)」といい、特図2保留数の数を「特図2保留数(U2)」という。また、「特図1保留数」や「特図2保留数」を総称して「特図保留数」という。さらに、「特図1保留表示器83a」と「特図2保留表示器83b」とを総称して「特図保留表示器83」という。
また、普図の可変表示は、遊技球のゲート13の通過を契機とした普図抽選が行われると実行される。そして、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された普図(停止普図)は、可変表示の表示結果として導出された普図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図である場合には、第2始動口12の開放を伴う補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されている。普図表示器82の点灯態様は、普図抽選の結果に応じた普図、すなわち普図抽選の結果を表す。普図抽選の結果が当たりである場合には、最終的には、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDが点灯する。この点灯態様が当たり図柄であり、当たりを表す。また普図抽選の結果がハズレである場合には、最終的には、「■□」というように右のLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の変動表示が行われる。普図の変動表示の態様は、第1実施形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
2.遊技機の電気的構成
次に、図5~図6に基づいて、パチンコ遊技機PY1の電気的な構成を説明する。パチンコ遊技機PY1は、遊技利益を得ることが可能な遊技に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板100、遊技制御基板100による遊技の進行に応じた演出に関する制御を行う演出制御基板120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を備えている。遊技制御基板100、演出制御基板120、および払出制御基板170等は、ユニット化されて盤用演出ユニットEUの背面側に設置されている。
なお、遊技制御基板100の制御対象となる遊技利益を獲得可能な遊技には、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などが含まれる。また、演出制御基板120の制御対象となる演出には、遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出など)、客待ち演出、通常演出ボタン40kや特別演出ボタン41kの操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などが含まれている。
また、遊技制御基板100は、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。一方、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御回路161、およびサブドライブ基板162と共に、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出装置(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、および盤可動体55k等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出などを制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のONOFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。
図5に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する遊技制御メイン処理や遊技制御側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、遊技状態設定テーブル、当たり判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
また、遊技用RAM104には、特図保留記憶部105が設けられている。ここで、特図保留記憶部105について説明する。前述の通り、遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があると、特図保留が発生可能であるが、特図保留が可能な場合、すなわち、特図保留数が上限値に達していないときには、この入賞に基づいて、特図抽選などを行うための各種乱数からなる判定情報が取得される。そして、この判定情報は、特図保留として特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、遊技球の第1始動口11への入賞により取得される判定情報のことを「特図1関連判定情報」といい、遊技球の第2始動口12への入賞により取得される判定情報のことを「特図2関連判定情報」という。また、特図1関連判定情報と特図2関連判定情報とを総称して「特図関連判定情報」という。
そして、特図1関連判定情報は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関連判定情報は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1関連判定情報の数、すなわち、特図1保留数の上限数は「4」に設定されている。また、特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2関連判定情報の数、すなわち、特図2保留数の上限数は「4」に設定されている。なお、特図1保留数の上限数および特図2保留数の上限数は適宜に設定しても良い。また特図1保留数の上限数および特図2保留数の上限数を設けなくても良い。
また、遊技制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、遊技制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、遊技制御基板100は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
遊技制御基板100に接続されている各種センサ類には、一般入賞口センサ10a、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、および大入賞口センサ14aが含まれている。
一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。ゲートセンサ13aは、ゲート13を通過した遊技球を検知する。大入賞口センサ14aは、大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。
また、遊技制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類には、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動する。
なお、遊技制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、遊技制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに遊技制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU、および払出装置73が接続されているとともに、発射装置72が接続されている。また、カードユニットCUは、パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にする装置である。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、払出装置73の払出モータ73mを駆動して賞球や貸球の払い出しを行う。払い出される賞球や貸球は、その計数のための払出センサ73aにより検知される。
また、発射装置72は遊技球を発射する装置である。ハンドル72kが、発射装置72に遊技球を発射させるための操作を受け付ける操作部または入力部を構成しており、発射装置72に含まれる。ハンドル72kには、遊技者などの人のハンドル72kへの接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、発射制御回路175を介して検知信号を払出制御基板170に出力する。
さらに、ハンドル72kには、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームのつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームのつまみ72bが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ72mを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、遊技の進行に応じて、演出制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。演出制御基板120は、遊技制御基板100から送られてきた各種コマンドに基づいて、遊技制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図6に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
また、演出用ROM123には、後述する演出制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。また、演出用RAM124には、始動入賞コマンドを記憶する始動入賞コマンド保留記憶部125が設けられている。
演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、演出制御基板120と画像制御基板140との接続は、演出制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140から演出制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM(Character Generator Read Only Memory)145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM(Video Random Access Memory)146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図柄、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、演出制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種センサ類や駆動源となる各種アクチュエータ類が接続されている。演出制御基板120には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、演出制御基板120は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
演出制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、通常演出ボタン検知センサ40a、および特別演出ボタン検知センサ41aが含まれている。通常演出ボタン検知センサ40aは、通常演出ボタン40kが押下操作されたことを検出する。特別演出ボタン検知センサ41aは、特別演出ボタン41kが押下操作されたことを検出する。通常演出ボタン検知センサ40a、および特別演出ボタン検知センサ41aは、それぞれが操作されたことを検知すると、その検出内容に応じた信号を演出制御基板120に出力する。
なお、演出制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、演出制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
演出制御基板120に接続された各種アクチュエータ類には、回転部材用モータ55m1、および昇降部材用モータ55m2が含まれている。回転部材用モータ55m1は、回転部材55k1を駆動して、回転部材55k1を回転させることが可能である。昇降部材用モータ55m2は、昇降部材55k2を上昇または下降させることが可能である。詳細には、演出制御用マイコン121は、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、サブドライブ基板162を介して、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作を制御する。なお、以下において、「回転部材55k1や昇降部材55k2」の動作を「盤可動体55kの動作」と総称することもある。また、回転部材55k1を回転させることや昇降部材55k2を下降または上昇させることについて「盤可動体55kを回転させる、または下降もしくは上昇させる」ともいう。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53などの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、枠ランプ53の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ53の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、サブドライブ基板162を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、枠ランプ53等の点灯制御、および、盤可動体55kの動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、図7~図14を用いて説明する。
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を実行することができる。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図変動始動条件の成立により、普図関連判定情報を取得する。取得する普図関連判定情報には、図7(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、例えば図8(A)に示すような当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。なお、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-1-2.普図変動パターン判定・普図可変表示
普図変動パターン判定は、例えば図8(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態と時短状態とで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定する。なお、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。
そして、普図変動パターン判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)、すなわち、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けることが可能である。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、例えば図8(C)に示すような補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。なお、開放回数や開放時間などの各要素については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、0.2秒などの遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な第1の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。一方、時短状態における補助遊技では、例えば、1.0秒のインターバル(閉鎖)を挟んだ2.5秒の2回開放などの第1の開放時間よりも長く、遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが容易な第2の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。
なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。一方、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。また、各補助遊技における開放時間は、その補助遊技での合計時間であり、例えば、一度開放した後に一旦閉鎖するインターバルを挟んで再度開放するなど、1回の補助遊技の中で複数回開放するように構成しても良い。
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を実行することができる。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。また、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を実行することができる。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。さらに、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
また、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、および遊技状態の設定)を行うために、始動条件の成立により、特図関連判定情報を取得し、当該特図関連判定情報について種々の判定を行う。取得する特図関連判定情報には、図7(B)に示すように、特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(判定情報)である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。次に、特図関連判定情報を用いて行われる各判定について説明する。
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、例えば図9(A)、図9(B)に示すような大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)、言い換えると、大当たり、またはハズレの何れかを決定することである。大当たり判定テーブルは、第1始動口11への入賞に基づく大当たり判定で用いる大当たり判定テーブル(以下、「第1大当たり判定テーブル」という)と、第2始動口12への入賞に基づく大当たり判定で用いる大当たり判定テーブル(以下、「第2大当たり判定テーブル」という)と、がある。そして、始動口の種別に関連付けられた大当たり判定テーブルのそれぞれには、さらに通常確率状態で用いる大当たり判定テーブル(通常確率用第1大当たり判定テーブル、通常確率用第2大当たり判定テーブル)と、高確率状態で用いる大当たり判定テーブル(高確率用第1大当たり判定テーブル、高確率用第2大当たり判定テーブル)と、がある。
なお、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11に入賞すると特図1の可変表示が実行され、第2始動口12に入賞すると特図2の可変表示が実行される。よって、第1大当たり判定テーブルは特図1用の大当たり判定テーブル、第2大当たり判定テーブルは特図2用の大当たり判定テーブルということができる。
遊技状態に関連付けられた各第1大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を第1大当たり判定テーブルに照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図9(A)に示すように、高確率用第1大当たり判定テーブルの方が、通常確率用第1大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。
また、遊技状態に関連付けられた各第2大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を第2大当たり判定テーブルに照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図9(B)に示すように、高確率用第2大当たり判定テーブルの方が、通常確率用第2大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。
なお、大当たりの当選確率や各種大当たり判定の判定結果に対する特別図柄乱数判定値の振り分け方については、適宜に変更することが可能である。
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、例えば図9(C)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定することである。大当たり図柄の種別に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素(遊技者に有利な内容)を対応付けることが可能である。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
大当たり図柄は複数種類設定可能である。各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。
特図1の大当たり図柄、および特図2の大当たり図柄の種類は適宜に設定することができるが、例えば、図9(C)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、特図1の大当たり図柄として、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cの3種類の大当たり図柄を設け、特図2の大当たり図柄として、大当たり図柄D、大当たり図柄E、および大当たり図柄Fの3種類の大当たり図柄を設けることができる。そして、図9(C)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、例えば図9(D)に示すようなリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定することである。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。
図9(D)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数判定値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われるリーチ判定の結果「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
3-2-4.特図変動パターン判定・特図可変表示
特図変動パターン判定は、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも、例えば図10~図11に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定することである。
特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることが可能である。特図変動パターンとして、それぞれ識別情報が異なる複数種類の特図変動パターンを用いることが可能であり、その数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図10)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図11)とがある。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果、大当たり種別判定結果、およびリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図1変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり図柄A用、大当たり図柄B,C用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、非時短用特図2変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり図柄D用、大当たり図柄E,F用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。
さらに、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図1保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。また、同様に、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルも、特図2保留数にも関連付けることが可能である。具体的には、特図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の可変表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンに、図10~図11の表の右から3番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローを関連付けることが可能である。ここで、特図変動パターンに関連づけられた特図変動演出の演出フローを構成する代表的な演出について説明する。
特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、リーチ、ノーマルリーチ(Nリーチ)、発展演出、ロングリーチ(Lリーチ)、スペシャルリーチ(SPリーチ)、バトル演出、がある。
通常変動は、停止表示していた演出図柄が変動を開始し、各演出図柄を構成する1つ1つが認識困難な程度に高速で変動表示して特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出である。そして、リーチ無しハズレ変動に係る特図変動演出(演出図柄の変動開始から変動停止までの部分)、および、リーチが発生する特図変動演出におけるリーチが成立(確定)するまでの部分が通常変動で構成されることがある。
Nリーチは、通常変動を経てリーチが成立(確定)した直後に、例えば当該リーチを構成する演出図柄が仮停止したその位置で所定時間(例えば、10秒)維持された状態で、残り1つの演出図柄が減速していき、通常変動より低速で変動する演出である。Nリーチが示唆する大当たりの期待度は、通常変動より高く、後述するLリーチおよびSPリーチよりも低い。Nリーチで特図変動演出が終了する場合、その低速で変動する残りの1つの演出図柄が停止する。ハズレの場合、残りの1つの演出図柄は、リーチを構成する演出図柄とは異なる演出図柄で停止する。Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、残りの1つの演出図柄が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチまたはSPリーチに発展する(切り替わる)。
発展演出は、Nリーチの後に実行可能な演出であり、Nリーチよりも長時間行われ、Nリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。発展演出でも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、発展演出の背景画像に切り替わる(発展演出専用の映像が流れる)。発展演出の後には、必ず、後述するSPリーチが行われる。すなわち、発展演出はSPリーチの実行を示唆している。
Lリーチは、Nリーチの後に実行可能な演出であり、Nリーチよりも長時間行われ、Nリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、Lリーチ専用の背景画像に切り替わる(Lリーチ専用の映像が流れる)。なお、Lリーチでは、主に表示部50aにおいて2DCGによるアニメーション画像が表示される。Lリーチの演出内容としては、主人公キャラクタが必殺技を習得するために特訓を行うシーンが表示される(特訓する映像が表示部50aで流れる)。
SPリーチは、Nリーチの後、または発展演出の後に実行可能な演出であり、Lリーチよりも長時間行われ、Lリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、SPリーチ専用の背景画像に切り替わる(SPリーチ専用の映像が流れる)。なお、SPリーチはLリーチよりも長い時間行われる。なお、SPリーチでは、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。そして、SPリーチの演出内容としては、主人公キャラクタが所属するAチームと、主人公キャラクタのライバルが所属するBチームとが試合を行うシーンが表示される(試合する映像が表示部50aで流れる)。
バトル演出は、時短状態においてリーチ後に実行可能な演出であり、通常変動よりも大当たり期待度が高いことを示唆する演出である。バトル演出でも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、バトル演出専用の背景画像に切り替わる(バトル演出専用の映像が流れる)。また、バトル演出では、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。そして、SPリーチの演出内容としては、主人公キャラクタが所属するAチームと、主人公キャラクタのライバルが所属するBチームとが試合を行うシーンが表示される(試合する映像が表示部50aで流れる)。
なお、Nリーチ、発展演出、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出における「リーチが維持された状態」には、当該Nリーチ、発展演出、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出においてリーチを構成する演出図柄が表示部50aで視認可能である状態だけではなく、例えば、専用の背景画像との関係で所定期間、当該リーチを構成する演出図柄が表示部50aから視認困難または視認不可能な状態も含むものとする。また、通常変動、Nリーチ、発展演出、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出の演出内容は適宜に変更可能である。さらに、特図変動演出を構成する演出は、これらに限られず、適宜に加え、あるいは減らすことが可能である。
また、図10~図11の表の右から2番目の欄に示すように、特図変動パターンについて、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けて名称を付すことがある。そして、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」、ハズレに係る特図変動パターンのことを「ハズレ変動」と総称することもある。
さらに、大当たり判定結果に関わらずSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPリーチ変動」、Lリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lリーチ変動」、Nリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nリーチ変動」と総称することもある。また、リーチ有りのハズレ変動のことを「リーチ有りハズレ変動」といい、リーチ無しのハズレ変動のことを「通常ハズレ変動」と総称することもある。さらに、大当たり判定結果に関わらず、発展演出およびSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「発展有SPリーチ変動」、発展演出が行われないがSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「発展無SPリーチ変動」という。
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、大当たり判定を行う前に、取得した特図関連判定情報に基づいて、例えば図12~図13に示すような先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行う。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)、言い換えると、その始動入賞によって可変表示される特図の種類(特図1/特図2)に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞し、特図1の可変表示が行われる場合の第1先読み判定テーブル(図12)と、第2始動口12に入賞し、特図2の可変表示が行われる場合の第2先読み判定テーブル(図13)と、がある。なお、第1先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第1先読み判定」、第2先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第2先読み判定」ともいう。
また、先読み判定テーブルは、後述する遊技状態(通常遊技状態/高確率高ベース遊技状態/低確率高ベース遊技状態)にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(通常遊技状態用先読み判定テーブル)と、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(高確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(低確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、がある。
つまり、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、通常遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。
なお、図12~図13に示す先読み判定テーブルを用いる先読み判定によって、当該始動入賞によって行われる特図の可変表示に係る特図変動パターンが特定される。すなわち、当該入賞に基づく特図の可変表示が行われるよりも前にその特図の可変表示に係る特図変動パターンが先読み判定結果として特定される。そして、その特図変動パターンに関する情報が含まれる先読み判定結果は始動入賞コマンドに対応付けられている。なお、先読み判定結果としてどのような情報を特定させるかは適宜に変更可能である。
以上のように、大当たり判定、大当たり図柄種別判定、リーチ判定、および特図変動パターン判定が行われることによって、特図表示器81において特図の可変表示が行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。次に、大当たり遊技について説明する。
3-3.大当たり遊技
大当たり遊技は、大入賞口14の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。
なお、OPやEDを設けないようすることが可能である。また、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」ともいい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」ともいう。
そして、パチンコ遊技機PY1は、大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技は1種類、または複数種類設定可能であり、大当たり遊技の種別毎に大当たり遊技制御テーブルが設定されている。
大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)が格納されている。大当たり遊技構成要素には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口14の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。そして、パチンコ遊技機PY1は、例えば図14(A)に示すような大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御することが可能である。すなわち、図14(A)に示すような大当たり遊技の種別および各大当たり遊技に対する大当たり遊技構成要素を設定することが可能である。ここで、図14(A)で設定されている大当たり遊技について説明する。
大当たり図柄Aに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第1大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が8回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第1大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第1大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄B,Cに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第2大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第1大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第1大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Dに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第3大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が16回行われる。そして、1Rから16Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第1大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第1大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄E,Fに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第4大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第1大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第4大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
なお、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14aによって検出されると、大入賞口14の最大開放時間が経過する前であっても、大入賞口14を閉鎖してラウンド遊技が終了する。また、大当たり遊技構成要素の種類や具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
さらに、何れの種類の大当たり遊技が実行されるかは、例えば大当たり図柄の種類によって決定されるようにしても良い。また、例えば、遊技領域6に2つの入賞口に振分け可能な装置を設け、一方の入賞口に入賞すると所定数のラウンド遊技からなる大当たり遊技のみが実行される一方、他方の入賞口に入賞すると、所定数より多いラウンド遊技からなる大当たり遊技と所定数より少ないラウンド遊技からなる大当たり遊技の何れかが抽選などによって所定の確率で実行されるようにしても良い。
3-4.遊技状態
次に、パチンコ遊技機PY1が制御可能な遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、大入賞口14の開放を伴う大当たり遊技が実行されている状態である大当たり遊技状態と、大当たり遊技が実行されていない非大当たり遊技状態がある。非大当たり遊技状態には、基本的なベースとなる遊技状態である通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態と、がある。この特定遊技状態に係る「遊技者に有利」となる要素には大当たり当選確率と、第2始動口12の開放の容易性とがある。すなわち、特定遊技状態に大当たり当選確率と、第2始動口12の開放の容易性を関連付けることができる。
大当たり当選確率について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも大当たり当選確率が高くなり、大当たり当選し易くなるということである。また、第2始動口12の開放の容易性について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも第2始動口12の開放の容易性が高くなり、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が長くなるということである。
そして、特定遊技状態としては、大当たり当選確率および第2始動口12の単位時間あたりの開放時間の何れもが遊技者に有利な第1特定遊技状態と、大当たり当選確率のみが遊技者に有利な第2特定遊技状態と、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間のみが遊技者に有利な第3特定遊技状態の3種類を設定可能である。なお、これらの3種類の特定遊技状態の全てをパチンコ遊技機PY1に搭載せずに、3種類の特定遊技状態の中の一部を搭載することができる。
ここで、大当たり当選確率に注目した局所的な遊技状態として、大当たり当選確率が通常遊技状態よりも高くなり、大当たり当選確率について遊技者に有利な状態を「高確率状態」という。これに対して、大当たり当選確率が通常遊技状態での通常確率であり、大当たり当選確率について遊技者に有利ではない状態を「通常確率状態」という。
また、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間に注目した局所的な遊技状態として、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態よりも長く、第2始動口12の開放の容易性が遊技者に有利な状態を「時短状態」という。これに対して、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態での開放時間であり、第2始動口12の開放の容易性が遊技者に有利ではない状態を「非時短状態」という。
ここで、非時短状態と時短状態について詳細に説明する。前述のように、時短状態は、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。すなわち、時短状態は非時短状態よりも第2始動口12に入賞させ易い状態である。ここで、非時短状態よりも時短状態で第2始動口12に入賞させ易くするための具体的な方法について説明する。
例えば、時短状態を、非時短状態に比べて普図変動時間が短くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、当たり判定の結果に関わらず、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30.0秒)よりも短い普図変動時間(5.0秒)が決定されるようにする。その結果、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多くなる。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が同一であると、単位時間あたりにおける普図抽選の実行回数が多い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
また、時短状態を、非時短状態に比べて1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが0.2秒開放するのに対し、時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが合計で5.0秒開放するようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と普図変動時間が同一であると、単位時間あたりの補助遊技の実行回数が等しくなるため、1回の補助遊技での電チュー12Dの開放時間が長い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
さらに、時短状態を、非時短状態に比べて当たり判定で当たりと判定され易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、当たり判定において6600/65536の確率で当たりと判定されるのに対し、時短状態では、当たり判定において59936/65536の確率で当たりと判定されるようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間と普図変動時間が同一であると、当たり判定で当たりと判定される確率が高い分、単位時間あたりの当たり判定の回数が多くなるため、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
このように、時短状態においては非時短状態よりも当たりに当選し易いこと、普図変動時間が短くなり易いこと、および1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易いことからなる3つの条件が成立することによって、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞を容易にすることができる。この結果、発射球数に対する賞球数の割合である所謂「ベース」が高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、通常遊技状態に比べて所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも遊技者にとって有利であるといえる。
なお、時短状態においては、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間が長くなるための3つの条件が全て揃わずに一部の条件のみが揃うようにしても良い。最終的に、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞が容易になればよい。
また、時短状態では、非時短状態に比べて特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易くなるようにするなどして、単位時間あたりにおける特図可変表示の実行回数が少ない、または特図変動時間の平均が低くなるようにしても良い。その結果、時短状態では、特図保留が消化されるペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
なお、以下において、各特定遊技状態について遊技者に対する有利性の内容に関連付けて、第1特定遊技状態のことを「高確率高ベース遊技状態」、第2特定遊技状態のことを「高確率低ベース遊技状態」、および第3特定遊技状態のことを「低確率高ベース遊技状態」ともいう。さらに、通常遊技状態のことを「低確率低ベース遊技状態」ともいう。
よって、低確率低ベース遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態で制御されている遊技状態といえる。同様に、低確率高ベース遊技状態は通常確率状態且つ時短状態、高確率低ベース遊技状態は高確率状態且つ非時短状態、および高確率高ベース遊技状態は高確率状態且つ時短状態で制御されている遊技状態といえる。
このように、パチンコ遊技機PY1は、低確率低ベース遊技状態、低確率高ベース遊技状態、高確率低ベース遊技状態、高確率高ベース遊技状態、および大当たり遊技状態で制御可能である。なお、大当たり遊技状態では、大入賞口14が長時間開放し、遊技球を多量に獲得することができるので、大当たり遊技状態も遊技者に有利な遊技状態ということができる。よって、大当たり遊技状態と、特定遊技状態は、通常遊技状態よりも遊技者に有利な「有利遊技状態」ということもできる。
なお、高確率高ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態は、大当たり当選確率が通常確率状態よりも高確率となっている点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。また、高確率高ベース遊技状態、および低確率高ベース遊技状態は、第2始動口12への入賞容易性が非時短状態よりも高い点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。さらには、大当たり遊技状態では、1回の入賞による賞球数が第1始動口11、および第2始動口12よりも多い大入賞口14が開放するので、大当たり遊技状態は低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。
また、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されると最初に通常遊技状態が設定される。また、大当たり遊技状態は、大当たり図柄の停止表示が行われることによって設定される。一方、特定遊技状態は、大当たり当選して大当たり遊技が実行されることによって設定される。次に、特定遊技状態の設定について説明する。
3-5.特定遊技状態の設定
パチンコ遊技機PY1は、大当たり遊技の終了に伴って、新たに特定遊技状態を設定することができる。すなわち、大当たり遊技の後に、特定遊技状態にて遊技を制御・進行させることができる。この特定遊技状態の継続期間は適宜に設定可能である。例えば、特定遊技状態を次回大当たり当選するまで継続させることができる。また、特定遊技状態が継続できる期間を制限することもできる。
特定遊技状態の継続期間を制限させる場合は、継続期間に対する終了条件が成立することを契機に特定遊技状態を終了させることができる。そして、特定遊技状態が終了すると通常遊技状態が設定されるようにすることができる。また、高確率高ベース遊技状態については、終了条件が成立すると、低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態が設定されるようにすることもできる。この場合、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態は次回大当たり当選するまで継続するようにしても良い。また、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態についても同一または異なる終了条件を設け、当該終了条件が成立すると通常遊技状態が設定されるようにしても良い。
また、特定遊技状態の継続期間に対する終了条件は適宜に設定することができる。終了条件として、例えば特図可変表示の実行回数を設定することができる。また、特図可変表示の実行回数に限られず、大当たり遊技後の経過時間、大当たり遊技後の遊技球の発射球数、大当たり遊技後のゲート13への通過回数、または特定遊技状態を終了させるか否かの抽選において終了させるという結果の導出などを終了条件に設定することができる。さらには、これらの要素を単独で終了条件に設定しても良く、また複合的に設定しても良い。
なお、これらの終了条件は、大当たり遊技後に設定可能な全ての特定遊技状態に対して同一に設定しても良く、また設定可能な特定遊技状態の中の一部の特定遊技状態に対して設定しても良い。さらに、特定遊技状態毎に終了条件を異ならせても良い。
また、大当たり遊技の後に制御される特定遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容は、その大当たり遊技に係る大当たり図柄種別に対応付けることができる。例えば、前述のように大当たり図柄種別が設定されている場合、図14(B)に示すように、大当たり図柄A、大当たり図柄B、大当たり図柄D、または大当たり図柄Eに係る大当たり遊技の終了後に高確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この高確率高ベース遊技状態については終了条件を設けずに、大当たり当選するまで継続可能にすることができる。さらに、大当たり図柄C、および大当たり図柄Fに係る大当たり遊技の終了後に低確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この低確率高ベース遊技状態については終了条件を設け、終了条件として100回の特図可変表示に設定することができる。なお、この大当たり種別図柄と大当たり遊技の後に制御される特定遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容との関係は一例であって、これに限られない。
なお、大当たりの遊技利益に着目し、大当たり遊技後に高確率状態で遊技が進行する大当たりのことを「高確率大当たり」ともいう。さらに、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「確変大当たり」ともいう。加えて、大当たり遊技後に通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「時短大当たり」ともいう。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、図15~図28を用いて説明する。
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図可変表示が行われていないときに設定可能であり、特図可変表示が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図15(A)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに通常演出ボタン40kが操作されると、図15(B)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカ52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、および実行される演出の頻度設定などがある。なお、演出に関する設定の項目は適宜に設定することができる。また、客待ちデモ動画G100から遊技者の操作によって設定画面G101が表示されないようにすることもできる。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」において設定可能であり、通常遊技状態であることを示す演出モードである。そして、さらに通常演出モードに属する下位の演出モードを複数設けることができる。例えば、通常演出モードに属する下位の階層の演出モードとして、表示部50aにおいて街の景色を表す背景画像(図16(A):第1通常用背景画像G111)が表示される第1通常演出モード、表示部50aにおいて野球場のグラウンドを表す背景画像(図16(B):第2通常用背景画像G112)が表示される第2通常演出モード、および表示部50aにおいて飲食店内を表す背景画像(図16(C):第3通常用背景画像G113)が表示される第3通常演出モードなどを設けることができる。なお、以下において、演出モードに属する下位の階層の演出モードを「演出ステージ」ともいう。
このように通常演出モードに属する複数の演出ステージを設けた場合、所定の切替条件が成立すると演出ステージを順番に繰り返して切り替えていくことができる。切替条件は適宜に設定可能であるが、例えば、切替条件として、大当たりに当選することなく1回または複数回の特図可変演出が行われることに設定することができる。さらに、切替条件として、SPリーチ変動に基づく特図変動演出など、特定の演出が実行されることに設定することもできる。
また、後述するように特図変動演出においてリーチが発生することがあるが、特図変動演出を、リーチが発生しない場合の特図変動演出の全区間、およびリーチが発生する場合のリーチが成立する前の前段部分と、リーチが発生する場合のリーチが成立した後の後段部分と、に分けることができる。なお、前段部分は、前述の「通常変動」で構成される。
そして、通常演出モードが設定されているとき、第1通常用背景画像G111、第2通常用背景画像G112、および第3通常用背景画像G113は前段部分において表示される。一方、後段部分においては、第1通常用背景画像G111、第2通常用背景画像G112および第3通常用背景画像G113が表示されず、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
なお、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像は、演出ステージの種別に関係なく通常演出モードに共通の背景画像としても良く、また、演出ステージ毎に異なる背景画像としても良い。
また、「高確率低ベース遊技状態」においても通常演出モードを設定可能にし、通常演出モードは非時短状態であることを示す演出モードにしても良い。あるいは「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定され、通常演出モードとは異なる所定の演出モードを設けても良い。さらに、ある条件で発生した低確率低ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態において、通常演出モードと異なる所定の演出モードを設定しても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、高確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードである。確変演出モードでは、例えば、図16(D)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G120)が表示され、確変用BGMがスピーカ52から出力される。さらに、確変演出モードでも通常演出モードと同様に、確変用背景画像G120は特図変動演出の前段部分において表示される。そして、特図変動演出の後段部分では、確変演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、低確率高ベース遊技状態、または高確率高ベース遊技状態の何れかであり、少なくとも時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードでは、例えば、図16(E)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G130)が表示され、時短用BGMがスピーカ52から出力される。さらに、時短演出モードでも通常演出モードと同様に、時短用背景画像G130は特図変動演出の前段部分において、表示される。そして、特図変動演出の後段部分においては、時短演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
なお、時短演出モードは、低確率高ベース遊技状態においてのみ設定され、低確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードにすることもできる。
また、確変演出モードおよび時短演出モードの何れもまたは何れか一方について、通常演出モードと同様に、さらにその演出モード用の演出ステージを複数設け、所定の切替条件が成立すると、演出ステージが切り替わるようにしても良い。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中に、図17(A)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G1や「右打ち」を促す右打ち画像G2が表示される大当たりオープニング演出が行われる。また、大当たり遊技におけるラウンド遊技中には、図17(B)に示すように、表示部50aにおいて、ラウンド数を示すラウンド画像G3や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G4が表示されるラウンド演出が行われる。さらに、大当たり遊技におけるエンディング中には、図17(C)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G5や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G6が表示される大当たりエンディング演出が行われる。
なお、以下において、大当たりオープニング演出、ラウンド演出、および大当たりエンディング演出を合わせて、大当たり遊技において実行される演出として「大当たり遊技演出」ともいう。すなわち、大当たり演出モードにおいて大当たり遊技演出が行われる。
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。
特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、表示部50aで行われる特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外の画像を用いることも可能である。さらに、表示部50aを含む画像表示装置50以外に、スピーカ52、枠ランプ53、盤可動装置55、通常演出ボタン装置40、および特別演出ボタン装置41などの様々な演出装置を用いた特図変動演出を行うことが可能である。
最初に、特図可変表示に応じて実行される特図変動演出において表示部50aに表示される演出図柄、および演出図柄を表示するための演出図柄表示領域について説明する。演出図柄の具体的な構成は適宜に設定可能である。例えば、画像表示装置50の表示部50aを、演出図柄を表示する領域として、図18(A)に示すように、表示部50aを水平方向に略均等に3つに分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3を設ける。左演出図柄領域50b1は、主に特図変動演出における演出図柄の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、主に中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。このように、特図変動演出において表示部50aに表示する演出図柄を、3つの演出図柄EZ1~EZ3で構成することができる。
また、図18(A)に示すように、表示部50aの下端部の左端(左下隅)の一区画に、小図柄領域50cを設けることが可能である。そして、特図の可変表示が行われているときに小図柄領域50cにおいて、特図の可変表示に応じて小図柄KZ1~KZ3を可変表示させることができる。
なお、図18(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは一点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
また、前述したように、特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出がある。ここで、これらの一部について説明する。
4-2-1.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。次に、通常変動を具体的に説明する。
例えば、図18(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、特図の可変表示が開始されると、図18(B)に示すように、その開始に伴って特図変動演出が開始される。具体的には、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始されると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示が開始される。
そして、この特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレの特図変動パターン(例えば、通常ハズレ変動)であると、リーチが発生することなく、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(所謂「バラケ目」)で演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。
演出図柄EZ1~EZ3の停止表示に向けて、例えば、最初に図18(C)に示すように、左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で仮停止し、次に図18(D)に示すように、右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で仮停止し、さらに、図18(E)に示すように、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で仮停止する。
そして、最後に、上下方向略中央位置で水平方向に並んだ状態で仮停止している演出図柄EZ1~EZ3が、図18(F)に示すように、そのまま一斉に完全に停止し、停止が確定する(演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる)。仮停止していた演出図柄EZ1~EZ3がバラケ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1~KZ3が、演出図柄EZ1~EZ3と同一のバラケ目で一斉に停止し、小図柄KZ1~KZ3の停止表示も行われる。
なお、図18の例では、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。
一方、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)であると、前述のリーチ無しの場合と同様に、表示部50aにおいて、図19(A)に示すように、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されている状態から、特図の可変表示が開始されて、図19(B)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始すると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示が開始するとする。
そして、例えば図19(C)に示すように、数字「5」からなる左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で仮停止し、次に、図19(D)に示すように、同一の数字「5」からなる右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で水平方向に並んで仮停止して、リーチになる(リーチが発生または成立する)。演出図柄でリーチが成立しても、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示は継続して行われている。
なお、図19の例では、リーチが成立する際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、リーチを構成する演出図柄の数字も「5」に限られない。また、仮停止する位置も上下方向略中央位置に限られない。また、リーチを構成する演出図柄が並ぶ方向も水平方向に限られず斜め方向など他の方向であってもよい。
このように、リーチ無しハズレである場合の特図変動演出の全期間と、リーチが発生する場合の特図変動演出の開始時からリーチ成立時までの区間が通常変動となる。
4-2-2.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動の後にリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。次に、Nリーチを具体的に説明する。
リーチが成立すると、例えば、図19(D)に示すように、その時点からNリーチが行われる。Nリーチでは、図20(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持される。Nリーチが開始されると、図20(B)に示すように、通常態様の高速で変動表示(スクロール)をしている中演出図柄EZ2が徐々に減速していく。
特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)であると、リーチが成立した状態から、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で仮停止してハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる。このとき、リーチが成立しているので、図20(C)に示すように、リーチを構成する数字とは異なる数字(図20(C)において「4」)からなる中演出図柄EZ2が仮停止する。そして、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、図20(D)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。
また、仮停止していた演出図柄EZ1~EZ3がリーチ有りハズレに特有なハズレ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1~KZ3が、演出図柄EZ1~EZ3と同一のリーチ有りハズレに特有なハズレ目で一斉に停止し、小図柄KZ1~KZ3の停止表示も行われる。なお、Nリーチの内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、残りの1つの演出図柄が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチまたはSPリーチに発展する(切り替わる)。
4-2-3.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性が、NリーチおよびLリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、例えば、図21(A)に示すように、SPリーチ開始時に、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、表示部50aにおける小図柄領域50cに重複しない所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動する。
また、SPリーチ開始時に、例えば、図21(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G115)が表示され、敵キャラクタが出現し、続いて、図21(B)に示すように、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G10が表示される。SPリーチ開始タイトル画像G10は、SPリーチのタイトルを表すタイトル画像G10a「図21(B)において「敵バッター○○を打ち取れ!」」と、タイトル画像G10aを引き立てるエフェクト画像G10bとで構成される。
次に、図21(C)に示すように、主人公キャラクタと主人公キャラクタのライバルである敵キャラクタが対峙しているシーンが表示される。SPリーチの内容は野球のピッチャーとバッターの対決シーンで構成される。ここでは、主人公キャラクタがピッチャーであり、敵キャラクタがバッターである。
その後、SPリーチ用背景画像G115にて、図22(A)に示すように、主人公キャラクタがボールを投げ、図22(B)に示すように、ボールが敵キャラクタに向かって進み、図22(C)に示すように、敵キャラクタAがバットを振り始める。続いて、図22(D)に示すように、ボールとバットとが接近し、主人公キャラクタと敵キャラクタとの対決に決着がつこうとする場面を迎える。この場面は、ピッチャーとバッターの対決で主人公キャラクタが勝利するか敗北するかの分岐点(勝敗分岐点)を構成する。
この勝敗分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たりの特図変動パターン(例えば、SP大当たり変動)であると、図23(A-1)に示すように、表示部50aに、敵キャラクタAが空振りをして対決に勝利した後、図23(B-1)に示すように、敵キャラクタAを三振に取ってマウンド上で雄叫びを上げる主人公キャラクタが表示されると共に、スピーカ52から所定の効果音が出力される。このとき、演出図柄EZ1~EZ3は大当たりを示す態様で仮停止表示している。
このように、対決に勝利して雄叫びを上げている主人公キャラクタの表示と、所定の効果音の出力とが、大当たりを報知する演出(大当たり報知演出)を構成する。その後、図23(C-1)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
一方、勝敗分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、SPハズレ変動)であると、大当たり報知演出が行われることなく、SPリーチ用背景画像G115にて、図23(A-2)に示すように、敵キャラクタAがホームランを打って対決に敗北し、図23(B-2)に示すように、主人公キャラクタがマウンド上で落胆する映像が流れるハズレ報知演出が行われる。
その後、図23(C-2)に示すように、ハズレ目で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。なお、SPリーチの内容は、キャラクタ同士が野球で対決する内容に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
次に、特図変動演出において行われる可動体演出と操作演出について説明する。可動体演出と操作演出は、前述のSPリーチやNリーチ、さらには大当たり遊技演出などに組み込まれる形でこれらの演出の一部として行われる場合と、これらの演出とは独立して行われる場合とがある。最初に可動体演出について説明する。
4-3.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで可動体の動作を伴う可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、例えば盤可動装置55などの可動装置を用いた演出であり、大当たり期待度やSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する。
例えば、図24(A)に示すように、特図変動演出において、NリーチからSPリーチに発展する際に、まずは図24(B)に示すように、盤可動装置55が作動し、盤可動体55kが正面視で作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持される。そして、図24(C)に示すように、盤可動体55kが待機位置まで上昇して、盤可動装置55が通常の待機状態に戻る。盤可動装置55が通常の待機状態に戻ると、主人公キャラクタが表示部50aに大きく表示されているシーンが表示され、SPリーチに発展する。なお、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
4-4.操作演出
次に操作演出について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで、通常演出ボタン40kや特別演出ボタン41k等の操作手段を用いた操作促進演出および操作手段の操作に応じた操作結果演出を含む操作演出を行うことが可能である。操作促進演出は、遊技者に操作手段の操作を促す演出であり、操作結果演出は、操作促進演出における操作手段の操作に応じて行われる演出であり、それぞれ遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
例えば、前述のように、SPリーチにおいて勝敗分岐点に達すると、通常演出ボタン40kの押下操作が有効な期間(通常演出ボタン操作有効期間)が発生し、この通常演出ボタン操作有効期間の発生に伴って、図25(A)に示すように、通常演出ボタン40kの操作を促す演出(通常演出ボタン操作促進演出)が行われる。
通常演出ボタン操作促進演出において、表示部50aに、通常演出ボタン操作促進画像G11が表示される。通常演出ボタン操作促進画像G11は、通常演出ボタン40kを表す画像(通常演出ボタン画像)G11aと、通常演出ボタン40kの操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像)G11bと、通常演出ボタン40kの操作に係る操作有効期間(通常演出ボタン操作有効期間)の残り時間を表す画像(通常演出ボタン操作有効期間残り時間画像)G11cと、を含む。
なお、通常演出ボタン操作有効期間残り時間画像G11cは、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が通常演出ボタン操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。なお、図25(B)は、通常演出ボタン操作有効期間が発生して、通常演出ボタン操作有効時間の1/3の時間が経過した様子を表している。
そして、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たりの特図変動パターン(例えば、SP大当たり変動)であると、通常演出ボタン操作有効期間において通常演出ボタン40kが押下操作された後、または、通常演出ボタン操作有効期間において通常演出ボタン40kが操作されることなく通常演出ボタン操作有効期間の残り時間がなくなった後、操作結果演出が行われる。
操作結果演出としては、例えば図25(C)に示すように、盤可動装置55が作動して、盤可動体55kが作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持されると共に、回転部材55k1が所定時間回転する。すなわち、操作結果演出に可動体演出も含まれている。さらに、このとき、操作結果演出として盤可動体55kの動作に伴うエフェクト画像G12も表示される。そして、図25(D)に示すように、エフェクト画像G12が消去され、回転部材55k1の回転が止まり、盤可動体55kが上昇することによって操作結果演出が終了する。操作結果演出が終了すると大当たり報知演出が行われる。
一方、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、SPハズレ変動)であると、特別演出ボタン操作有効期間において特別演出ボタン41kが押下操作されても、または、特別演出ボタン41kが押下操作されることなく演出ボタン操作有効期間の残り時間がなくなっても、操作結果演出が行われることがなく、ハズレ報知演出が行われる。
なお、操作結果演出は、盤可動装置55の作動やエフェクト画像G12の表示に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、操作演出は特図変動演出に限られず大当たり演出においても実行可能である。
4-5.先読み演出
次に、特図保留の対象となる特図可変表示が実行される前に実行可能な先読み演出について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出の任意のタイミングで、先読み判定の結果に基づいて、特図抽選が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する大当たり期待度を示唆する演出であり、その保留に対応する特図の可変表示の前から大当たりを期待させる演出として機能する。先読み演出の一例として、特図保留を表す保留演出を用いた保留変化予告がある。ここで、通常演出モードにおいて行われる保留演出、および保留変化予告について説明する。
保留演出は、図26(A)に示すように、表示部50aの下端部における略中央の一区画において横長矩形状に形成された保留表示領域50dにおいて行われる。保留表示領域50dは、保留表示領域50dを左右方向に略均等に4つに分割した第1領域50d1、第2領域50d2、第3領域50d3、および、第4領域50d4で構成されている。すなわち、保留表示領域50dにおいて、第1領域50d1~第4領域50d4が左端から右端に向けて順に並んで設けられている。
第1領域50d1には、保留されている特図1保留の中で最も先に発生し、その特図1保留に対応する特図1関係乱数に基づいて最も先に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。同様に、第2領域50d2~第4領域50d4には、保留されている特図1保留の中で2~4番目に発生し、その特図1保留に対応する特図1関係乱数に基づいて2~4番目に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。
なお、以下において、第1領域50d1に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順1の特図1保留」と称する。同様に、第2領域50d2、第3領域50d3、および第4領域50d4に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順2の特図1保留」、「保留順3の特図1保留」、および「保留順4の特図1保留」と称する。すなわち、存在している特図1保留について、発生した順に「保留順1」~「保留順4」と称する。
また、保留表示領域50dの左隣には、当該変動表示領域50eが形成されている。当該変動表示領域50eには、現在実行中の特図1変動表示を表す変動アイコンが表示される。よって、当該変動表示領域50eに表示される変動アイコンが示す対象は、保留表示領域50dに表示される保留アイコンが示す対象と異なり、厳密には、特図1保留に応じた「保留演出」には含まれないが、保留アイコンの表示と変動アイコンの表示とは関連性を有しているので、以下においては、保留アイコンの表示と変動アイコンの表示とをまとめて、「保留演出」とする。また、保留アイコンと変動アイコンとをまとめて、「アイコン」と称する。
なお、図26(A)において保留表示領域50dおよび当該変動表示領域50eは一点鎖線で明示され、第1領域50d1~第4領域50d4は破線で明示されているが、これは保留表示領域50d、第1領域50d1~第4領域50d4、および当該変動表示領域50eの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
次に、保留演出の具体例について説明する。なお、以降の説明では、小図柄KZ1~KZ3の表示は省略する。前提として、特図1変動表示中(特図変動演出中)であり、特図1保留数(U1)が「2」であるとする。この状況下において、図26(B)に示すように、前述した不図示の第1領域50d1において、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留(保留順1の特図1保留)を表した保留アイコンHA2が表示され、前述した不図示の第2領域50d2において、保留アイコンHA2が表す特図1保留の次に発生した特図1保留(保留順2の特図1保留)を表した保留アイコンHA3が表示されている。また、前述した不図示の当該変動表示領域50eには、現在実行中の特図1変動表示を表す変動アイコンHA1が表示されている。なお、図26(B)で表示されているアイコンHA1~HA3の表示態様は通常態様である。
このように、保留演出においては、特図1保留が発生した順に保留表示領域50dの左端から右に並んで表示される。すなわち、保留されている特別図柄の可変表示、言い換えれば、特図保留記憶部105に記憶されている特図関連判定情報に基づく未実行の特別図柄の可変表示は、個別に保留アイコンで表示される。
そして、図26(C)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた変動アイコンHA1が消去される。続けて、保留アイコンHA2を表す特図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、保留アイコンHA2と保留アイコンHA3がシフトする。具体的には、不図示の第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA2は不図示の当該変動表示領域50eに移動し、不図示の第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の第1領域50d1に移動する。すなわち、表示されていた保留アイコンHA2および保留アイコンHA3がそれぞれ1つずつ左にシフトする。これは、保留アイコンHA2に対応する特別図柄の可変表示が開始され、保留アイコンHA3が表す特図1保留が、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留になり、次に開始される特図可変表示になったことに応じて、保留アイコンHA2および保留アイコンHA3をその状況に適応させるためである。
また、当該変動表示領域50eに表示されている保留アイコンHA2は、実行中の特図1変動表示を表しているので、当該変動表示領域50eに表示される際に変動アイコンHA2となる。すなわち、「アイコン」の前に付く言葉として、保留表示領域50dに表示されているアイコンについては「保留」とし、当該変動表示領域50eに表示されているアイコンについては「変動」とする。換言すれば、保留アイコンが表示されているときに、該保留アイコンが示す特図保留に対して特別図柄の変動表示の開始条件が成立すると、該開始条件の成立に係る特別図柄の変動表示に対応する保留アイコンが変動アイコンとして表示される。また、保留アイコンから変動アイコンになる際に、言い換えると、アイコンは保留表示領域50dから当該変動表示領域50eに移動する際に、約2倍に拡大する。
そして、この状況から第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図26(E)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、新たな保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
ところで、前述のとおり、始動入賞コマンドには当否情報および特図変動パターン情報が含まれている。そして、パチンコ遊技機PY1は、この当否情報および特図変動パターン情報に基づいて、保留アイコンを通常態様、または特別態様で表示することができる。この保留アイコンを特別態様で表示することを「保留変化予告」という。
保留アイコンの表示態様が特別態様である、すなわち保留変化予告が行われると、遊技者は、その保留アイコンに対応した特別図柄の可変表示で大当たりに当選できるかもしれないという期待を持つことができる。次に、保留変化予告の具体例について説明する。保留変化予告の具体例として、図26(E)に示す保留アイコンHA4の表示態様が特別態様になるとする。
保留変化予告の1つの種別として、保留アイコンが表示された直後に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留の発生時(第1始動口11への入賞時)に保留変化予告が行われる保留変化予告種別がある。例えば、図27(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図26(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図26(E)の場合と同様に、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50c2に表示される。
そして、その直後に、図27(B)に示すように、保留アイコンHA4の表示態様が通常態様から特別態様(図27(B)において灰色)に変化する(保留変化予告が行われる)。なお、図27の例では保留アイコンHA4は表示直後に一瞬通常態様で表示されるが、特別態様で表示されるようにし、通常態様で表示される期間をなくしてもよい。
別の保留変化予告の種別として、保留アイコンが移動する際に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留のシフト時に保留変化予告が行われる保留変化予告種別がある。例えば、図28(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図26(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図28(B)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様(図28(B)において白色)の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
そして、図28(C)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた変動アイコンHA2が消去される。続けて、保留アイコンHA3が表す特図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、図28(D)に示すように、第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の当該変動表示領域50eに移動し、第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA4は不図示の第1領域50d1に移動する。ここで、保留アイコンHA4が第2領域50d2から第1領域50d1に移動する際に、その表示態様が通常態様から特別態様(図28(D)において灰色)に変化する(保留変化予告が行われる)。
また、保留変化予告に係る特別態様を複数種類設けて、特別態様の種類によって大当たり期待度が異なるようにすることができる。例えば、保留アイコンの表示態様を、保留アイコンの色に関連付け、保留アイコンの表示態様として白色、青色、赤色、および金色が設定されているとする。ここで、白色が通常態様であり、青色、赤色、および金色が特別態様とする。そして、保留アイコンの表示態様が示す大当たり期待度は、白色<青色<赤色<金色の順で高くなるように設定することができる。
なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、先読み演出は、保留アイコンHAの表示態様に限られず、例えば背景画像などの表示部50aにおける保留アイコンHA以外の画像や、スピーカ52から出力される音、枠ランプ53による発光、および盤可動装置55による動作などの画像表示装置50以外の演出装置を用いて実行することが可能である。さらには、先読み演出の演出態様として、保留アイコンHAによる保留変化予告などのように実行されてから特図変動表示が開始されるまで途切れることなく継続する演出態様の他に、演出図柄の停止表示が行われる度または演出図柄の変動表示が開始される度など、断続的且つ連続的に実行する演出態様にしても良い。
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
[遊技制御メイン処理]
次に図29~図38に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下に説明する遊技を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
また、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。また、カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。
遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM103から図29に示した遊技制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、遊技制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次に遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[遊技制御側タイマ割り込み処理]
次に、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図30に示すように、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、余剰球貯留穴35Aの満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図29の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る各種乱数のカウンタ値の更新処理は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S107)を実行して、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S107)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S107)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、第1始動口11用の賞球カウンタ、第2始動口12用の賞球カウンタ、大入賞口14用の賞球カウンタ、及び、一般入賞口10用の賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えていると、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。そして、賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは遊技制御メイン処理のステップS002~S004の処理を繰り返し実行し、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行された遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[センサ検出処理]
次に、図31~図32を用いてセンサ検出処理について説明する。センサ検出処理(S104)ではまず、一般入賞口10に遊技球が入賞したか否か、即ち、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。一般入賞口10に遊技球が入賞していない場合(S201でNO)にはステップS203に進み、一般入賞口10に遊技球が入賞した場合には(S201でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための一般入賞口賞球処理を行う(S202)。一般入賞口賞球処理では、一般入賞口10用の賞球カウンタに、一般入賞口10への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「3」)を加算する。
ステップS203では、遊技球がゲート13を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球がゲート13を通過していなければ(S203でNO)、ステップS207に進む。一方、遊技球がゲート13を通過していれば(S203でYES)、後述する普通動作ステータス=1であるか否か、言い換えれば、普図可変表示または補助遊技の何れも行われていないか否かを判定する(S204)。普通動作ステータス=1でない場合には(S204でNO)、ステップS207に進み、普通動作ステータス=1である場合(S204でYES)には、普通図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-F)のカウンタ値が示す普通図柄乱数を普図関連判定情報として取得し(S205)、取得した普図関連判定情報を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部86に記憶して(S206)、ステップS207に進む。
ステップS207では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)にはステップS214に進み、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第2始動口賞球処理を行う(S208)。第2始動口賞球処理では、第2始動口12用の賞球カウンタに、第2始動口12への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図2保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図2保留数をカウントするカウンタ(特図2保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S209)。特図2保留数が「4」以上である場合(S209でYES)には、ステップS214に進むが、特図2保留数が「4」以上でない(「4」未満である)場合には(S209でNO)、特図2保留数加算処理を行う(S210)。特図2保留数加算処理では、特図2保留数カウンタを「1」加算し、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特図2関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S211)。
次に、第2先読み判定処理を行う(S212)。第2先読み判定処理では、図13に示す第2先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS211で取得した特図2関連判定情報とを照合して第2始動入賞コマンドを特定し、特定した第2始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS211で取得した特図2関連判定情報を特図2保留記憶部105bに記憶する(S213)。
続いて、ステップS214では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合(S214でNO)にはステップS221に進み、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S214でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第1始動口賞球処理を行う(S215)。第1始動口賞球処理では、第1始動口11用の賞球カウンタに、第1始動口11への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図1保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図1保留の数をカウントするカウンタ(特図1保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S216)。特図1保留数が「4」以上である場合(S216でYES)には、ステップS221に進むが、特図1保留数が「4」以上でない(未満である)場合には(S216でNO)、特図1保留数加算処理を行う(S217)。特図1保留数加算処理では、特図1保留数カウンタを「1」加算し、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特図1関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S218)。
次に、第1先読み判定処理を行う(S219)。第1先読み判定処理では、図12に示す第1先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS218で取得した特図1関連判定情報とを照合して第1始動入賞コマンドを特定し、特定した第1始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS218で取得した特図1関連判定情報を特図1保留記憶部105aのうち現在の特図1保留数に応じた記憶領域に記憶する(S220)。
ステップS221では、大入賞口14に遊技球が入賞したか否か、即ち、大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否か判定する。大入賞口14に遊技球が入賞していない場合(S221でNO)にはセンサ検出処理を終了し、大入賞口14に遊技球が入賞した場合には(S221でYES)、遊技用RAM104に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であるか否かを判定する(S222)。大入賞口入賞カウンタは、大当たり遊技の1回のラウンド遊技において大入賞口14に入賞した個数を計数するためのカウンタである。なお、大入賞口入賞カウンタは各ラウンド遊技が終了するたびにクリアされる。第1実施形態では、入賞規定個数は「8」に設定されている。よって、ステップS222の処理が行われる。
大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であると(S222でYES)、センサ検出処理を終了し、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上でない、すなわち、「9」未満であると(S222でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S223)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための大入賞口賞球処理を行い(S224)、センサ検出処理を終了する。なお、大入賞口賞球処理では、大入賞口14用の賞球カウンタに、大入賞口14への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「14」)を加算する。
[普通動作処理]
次に、普図表示器82および電チュー12Dの制御に関する普通動作処理について説明する。図33に示すように、普図表示器82および電チュー12Dに関する処理が4つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「普通動作ステータス=1,2,3,4」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)において、最初に、「普通動作ステータス」を確認する(S1101)。「普通動作ステータス」が「1」である場合には、普通図柄待機処理(S1102)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には、普通図柄変動処理(S1103)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には、普通図柄確定処理(S1104)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には、補助遊技制御処理(S1105)を行う。なお「普通動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
普通図柄待機処理(S1102)は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理(S1102)では、普図保留記憶部86に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。さらに、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定し、決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間の普図の変動表示を普図表示器82に開始させて、普通動作ステータスを「2」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動パターン判定結果に応じた普図変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄変動処理(S1103)は、普図が変動表示しているときに行われる処理である。普通図柄変動処理(S1103)では、実行中の普図の変動表示が開始してから普図変動時間が経過したか否か(普図の変動表示を終了させるか否か)を判定し、普図変動時間が経過したと判定されれば、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行って、普通動作ステータスを「3」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄確定処理(S1104)は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理(S1104)では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過したか否か(普図の停止表示を終了させるか否か)を判定し、所定の停止時間が経過したと判定されれば、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄でなければ(停止表示している普図がハズレ図柄であれば)、普通動作ステータスを「1」に変更する。一方、当たり図柄が停止表示していれば、普通動作ステータスを「4」に変更して、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させる。さらに、遊技制御用マイコン101は、補助遊技の開始時に、補助遊技開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
補助遊技制御処理(S1105)は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理(S1105)では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。そして、補助遊技が終了すれば、普通動作ステータスを「1」に変更する。
[特別動作処理]
次に、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dの制御に関する特別動作処理について説明する。図34に示すように、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dに関する処理は、6つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5,6」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、最初に「特別動作ステータス」を確認する(S1501)。
遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、遊技状態設定処理(S1506)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
特別図柄待機処理(S1502)は、特別図柄の可変表示、大当たり遊技が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理については後に詳述する。
特別図柄変動処理(S1503)は、特別図柄が変動表示しているときに行われる処理である。特別図柄変動処理については後に詳述する。
特別図柄確定処理(S1504)は、特別図柄が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理については後に詳述する。
大当たり遊技制御処理(S1505)は、大当たり遊技において行われる処理である。遊技制御用マイコン101が、大当たり遊技制御処理を行うことによって、大当たり遊技制御テーブルに応じた大当たり遊技を行う。大当たり遊技が終了する際に特別動作ステータスを「5」に変更する。なお、各ラウンド遊技が開始される際には、そのラウンド数を示すラウンド数指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、全てのラウンド遊技が終了してエンディングが開始される際には、当該大当たり遊技に係る大当たり図柄に応じたエンディングを示すエンディングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
遊技状態設定処理(S1506)は、大当たり遊技が終了する際に、大当たり遊技後に制御する遊技状態を設定する処理である。例えば、大当たり遊技後に高確率状態で制御する場合は、高確率フラグを遊技用RAM104の高確率フラグ領域にONして高確率状態を設定する。さらにこのときに、高確率状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、高確率状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「高確率規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた高確率残り回数カウンタにセットする。また、大当たり遊技後に時短状態で制御する場合は、時短フラグを遊技用RAM104の時短フラグ領域にONして時短状態を設定する。さらにこのときに、時短状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、時短状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「時短規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた時短残り回数カウンタにセットする。
また、遊技制御用マイコン101は、遊技状態設定処理において、大当たり遊技後の遊技状態を示す遊技状態コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
[特別図柄待機処理]
次に図35を用いて特別図柄待機処理について説明する。特別図柄待機処理(S1502)ではまず、特図2保留数が「0」であるか否かを判定する(S1601)。特図2保留数が「0」である場合(S1601でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶がない場合には、特図1保留数が「0」であるか否かを判定する(S1608)。そして、特図1保留数も「0」である場合(S1608でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1618)。ここで、客待ちフラグがONであれば(S1618でYES)、特別図柄待機処理を終え、客待ちフラグがONでなければ(S1618でNO)、客待ちコマンドを出力バッファにセットし(S1619)、客待ちフラグをONにし(S1620)、特別図柄待機処理を終える。
また、特図2保留数が「0」であるが特図1保留数が「0」でない場合(S1601でYES且つS1608でNO)、即ち、特図2関連判定情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図1判定処理(S1609)及び特図1変動パターン判定処理(S1610)を行う。
特図1判定処理(S1609)では、特図1保留記憶部105aに記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルに基づいて、大当たり、またはハズレの何れであるかの判定(大当たり判定)を行う。現在、通常確率状態であれば通常確率状態用第1大当たり判定テーブルを用いて大当たり判定を行い、高確率状態であれば高確率状態用第1大当たり判定テーブルを用いて大当たり判定を行う。
ここで、大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して第1大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別の判定(大当たり図柄種別判定)を行う。そして、大当たり図柄種別を表す大当たり図柄データを遊技用RAM104に設けられた特図バッファにセットすると共に、大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットする。
また、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレを表すハズレ図柄データを特図バッファにセットすると共に、ハズレを表す図柄指定コマンドを出力バッファにセットする。
次に、特図1変動パターン判定処理(S1610)について図36を用いて説明する。特図1変動パターン判定処理では、まず、現在非時短状態であるか否かを判定する(S1651)。非時短状態であれば(S1651でYES)、非時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1652)してからステップS1654に進み、非時短状態でなければ(S1651でNO)、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1653)してからステップS1654に進む。
ステップS1654において、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する。大当たりでなければ(S1654でNO)、ステップS1656に進み、大当たりであれば(S1654でYES)、大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄A」であるか否かを判定する(S1655)。遊技制御用マイコン101は、大当たり図柄Aであれば(S1655でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から大当たり図柄A用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1663)してからステップS1662に進み、大当たり図柄Aでなければ(S1655でNO)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から大当たり図柄B,C用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1662)してからステップS1662に進む。
ステップS1656において、遊技制御用マイコン101は、リーチ判定を行う。リーチ判定では、リーチ乱数を読み出して、そのリーチ乱数を現在の遊技状態(非時短状態/時短状態)に応じたリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しかを判定する。
遊技制御用マイコン101は、次に、ステップS1656のリーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する(S1657)。リーチ有りであれば(S1657でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中からリーチ有りハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1659)してからステップS1662に進み、リーチ有りでなければ(S1657でNO)、現在の特図1保留数を確認して、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から特図1保留数に応じたリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1658)してからステップS1662に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1662において、特図変動パターン乱数を読み出して、その特図変動パターン乱数をステップS1658~ステップS1661の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルに照合して、特図1変動パターンを判定する特図1変動パターン判定を行う。続けて、遊技制御用マイコン101は、決定された特図1変動パターンを示す特図1変動開始コマンドを出力バッファにセットし(S1663)、決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマにセットし(S1664)、特図1変動パターン判定処理を終了して、特別図柄待機処理に処理を戻す。
なお、特別動作用タイマは、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)におけるその他の処理(S107)において、4ms分、更新される。また、セットされる特図1変動開始コマンドには、特別図柄の種別(特図1であるということ)に関する情報や特図1変動パターン判定処理(S1610)で行われた特図変動パターン判定の結果に関する情報(リーチの有無や特図変動時間の情報を含む特図変動パターンの情報)が含まれている。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1610で決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図1表示器81aに特図1の変動表示を開始させる(S1611)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部105aにおける保留1個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図1保留記憶部シフト処理を行う(S1612)。このようにして、特図1保留が保留された順に消化される。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留数カウンタを「1」減算し(S1613)、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」減少させて変更し(S1614)、特別動作ステータスを「2」に変更する(S1615)。
遊技制御用マイコン101は、続いて、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1616)、ONであれば(S1616でYES)、客待ちフラグをOFFして(S1617)、特別図柄待機処理を終え、ONでなければ(S1616でNO)、ステップS1617を実行することなく特別図柄待機処理を終える。
また、ステップS1601において特図2保留数が「0」でない場合(S1601でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)を行う。特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)は、特図1判定処理(S1609)および特図1変動パターン判定処理(S1610)と基本的には同じ処理内容である。
特図2判定処理(S1602)は、大当たり判定で用いるテーブルが第2大当たり判定テーブルであること、および大当たり図柄種別判定で用いるテーブルが第2大当たり図柄種別判定テーブルであることを除いて、基本的には特図1判定処理(S1609)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図2変動パターン判定処理(S1603)も、基本的には、特図2変動パターン判定で用いるテーブルが特図2変動パターン判定テーブルであることを除いて特図1変動パターン判定処理(S1610)と同様の処理であるため説明を省略する。
次に、遊技制御用マイコン101は、ステップS1603で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図2表示器81bに特図2の変動表示を開始させる(S1604)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図2保留記憶部シフト処理を行う(S1605)。このようにして、特図2保留が保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図2保留数カウンタを「1」減算し(S1606)、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」減少させて変更し(S1607)、特別動作ステータスを「2」に変更し(S1615)、ステップS1616に進む。
上記のように第1実施形態では、特図1保留に基づく特別図柄の変動表示は、特図2保留が「0」の場合(S1601でYESの場合)に限って行われる。すなわち特図2保留の消化は、特図1保留の消化に優先して実行される。そして第1実施形態では、特図2保留に基づく抽選の方が、特図1保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり図柄に当選しやすくなっている。なお、特図1保留の消化を特図2保留の消化に優先して実行されるようにしても良い。また、特図1保留の消化と特図2保留の消化を、特図の種別に関わらず保留が発生した順に行っても良い。
[特別図柄変動処理]
次に図37を用いて特別図柄変動処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄変動処理(S1503)ではまず、特別図柄の変動表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1603又はステップS1610で特別動作用タイマにセットした特図変動時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1701)。特別図柄の変動表示を終了させない場合(S1701でNO)、特別図柄変動処理を終了し、特別図柄の変動表示を終了させる場合(S1701でYES)、特図表示器81に、特別図柄の変動表示を終了させるとともに、ステップS1602又はステップS1609で特図バッファにセットした図柄データ(大当たり図柄データ、またはハズレ特図データ)に応じた特別図柄の停止表示をさせる(S1702)。
続いて、予め設定された特図確定時間(例えば、0.8秒)を特別動作用タイマにセットし(S1703)、特別図柄の変動表示が終了することを示す特図変動停止コマンドを出力バッファにセットし(S1704)、特別動作ステータスを「3」に変更し(S1705)、特別図柄変動処理を終了する。
[特別図柄確定処理]
次に図38を用いて特別図柄確定処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄確定処理(S1504)ではまず、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1703で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1751)。特別図柄の停止表示を終了させない場合(S1751でNO)、特別図柄確定処理を終了し、特別図柄の停止表示を終了させる場合(S1751でYES)、現在、通常確率状態(高確率フラグがOFF)であるか否かを判定する(S1752)。
遊技制御用マイコン101は、現在、通常確率状態でなければ(S1752でNO)、ステップS1757に進み、現在、通常確率状態であれば(S1752でYES)、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する(S1753)。遊技制御用マイコン101は、時短状態でなければ(S1753でNO)、ステップS1757に進み、現在、時短状態であれば(S1753でYES)、時短状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(時短残り回数)を計測する時短残り回数カウンタの値を「1」減算し(S1754)、時短残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1755)。時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」でなければ(S1755でNO)、ステップS1757に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であれば(S1755でYES)、時短状態から非時短状態に移行させて(時短フラグをOFFする)(S1756)、ステップS1757に進む。
次に、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態を確認し、その遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし(S1757)、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄か否かを判定する(S1758)。大当たり図柄でなければ(S1758でNO)、特別動作ステータスを「1」に変更して(S1762)、特別図柄確定処理を終え、大当たり図柄であれば(S1758でYES)、遊技状態をリセットする(通常遊技状態を設定する。具体的には、高確率フラグおよび時短フラグをOFFし、高確率残り回数カウンタおよび時短残り回数カウンタの値を「0」にする)(S1759)。
続いて、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理を行い(S1760)、特別動作ステータスを「4」に変更し(S1761)、特別図柄確定処理を終了する。遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理において、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。また、停止表示している大当たり図柄に応じたオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットする。さらには、大当たり図柄の種別に応じ、大当たり図柄の種別を示すオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じたオープニングコマンドは、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
6.演出制御基板120による演出の制御
[演出制御メイン処理]
次に図39のフローチャートを用いて、演出制御基板120による演出の制御について説明する。なお、以下に説明する演出を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
また、以下の演出制御基板120による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図39に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。
同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数シード更新処理を実行する(S4003)。乱数シード更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出判定用乱数には、特図変動演出パターン判定用乱数、SPリーチ種別判定用乱数、特別演出ボタン予告実行判定用乱数、火の球予告実行判定用乱数、ボイス予告実行判定用乱数、発展演出種別判定用乱数、特別演出ボタン予告示唆演出実行判定用乱数、火の球予告示唆演出実行判定用乱数、およびボイス予告示唆演出実行判定用乱数等の演出内容を決定するための様々な乱数がある。
種々の演出についての判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(例えば、後述する特図変動演出開始コマンド、客待ち開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、およびエンディング演出開始コマンドなど)を、画像制御基板140に送信する。
コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の演出を実行したり)、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させたり(発光による種々の演出を実行したり)、盤可動体55kを作動させたり(動作による種々の演出を実行したり)する。なお、種々の演出としては、特図変動演出、大当たり遊技演出(大当たりオープニング演出、ラウンド演出、大当たりエンディング演出)、客待ち演出、操作演出、および先読み演出等がある。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)については後述する。
受信割り込み処理(S4010)は、ストローブ信号、すなわち、遊技制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は遊技制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
<第1実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明の特徴的な構成を表す第1実施形態について説明する。なお、基本的な構成で説明した同一の構成については同一の名称・符号を用いることとする。
前述のように、パチンコ遊技機PY1は、特図変動パターン判定で決定した特図変動パターンに基づいて特図変動演出を実行可能である。ここで、図40(A)に示す特図変動演出の演出フローに基づいて、SPリーチまたはLリーチが行われる場合の特図変動演出の演出フローについて説明する。
特図変動演出が開始されると最初に通常変動が行われる。そして、リーチが成立した後にNリーチが行われる。ここで、特図変動パターンがLリーチであれば、NリーチからLリーチに発展する。また、特図変動パターンが発展無SPリーチ変動であれば、NリーチからSPリーチに発展する。一方、特図変動パターンが発展有SPリーチ変動であれば、Nリーチから発展演出に発展し、発展演出からSPリーチに発展する。すなわち、Nリーチからは、発展演出、Lリーチ、またはSPリーチに分岐する。
SPリーチは、Nリーチから発展演出を経由して実行される場合と、Nリーチから発展演出を経由しないで直接実行される場合とがある。パチンコ遊技機PY1では、発展演出を経由してSPリーチが実行される場合の方が、大当たり期待度が高くなるよう設定されている。しかしながら、発展演出を経由しないで直接SPリーチが実行される場合の方が、大当たり期待度が高くなるよう設定してもよい。さらに、発展演出を経由する場合と経由しない場合とで、大当たり期待度が同一になるよう設定してもよい。
また、SPリーチ、Lリーチ、および発展演出にはそれぞれ、演出内容に関連付けられた演出種別が設定されている。具体的には、SPリーチには、SPリーチA、SPリーチB、およびSPリーチCの3種類のSPリーチがある。Lリーチには、LリーチA、LリーチB、およびLリーチCの3種類のLがある。発展演出には、発展演出A、発展演出B、および発展演出Cの3種類の発展演出がある。
SPリーチ種別によって大当たり期待度が異なる。第1実施形態では、SPリーチA>SPリーチB>SPリーチCの順番で大当たり期待度が高くなるように設定されている。さらに、Lリーチ種別によっても大当たり期待度が異なる。第1実施形態では、LリーチA>LリーチB>LリーチCの順番で大当たり期待度が高くなるように設定されている。また、発展演出種別によっては、SPリーチの中で最も大当たり期待度が高いSPリーチAが実行される確率が異なる。第1実施形態では、発展演出A>発展演出B>発展演出Cの順番でSPリーチAが実行される確率が高くなるように設定されている。さらに、発展演出種別によって、SPリーチの中で最も大当たり期待度が低いSPリーチCが実行される確率が異なる。第1実施形態では、発展演出C>発展演出B>発展演出Aの順番でSPリーチCが実行される確率が高くなるように設定されている。
また、SPリーチにおいて、実行されると実行されない場合よりも大当たり期待度が高い激熱予告が実行されることがある。激熱予告には、ボイス予告、火の球予告、および特別演出ボタン予告の3種類が設けられている。図40(B)に示すように、ボイス予告はSPリーチの序盤で実行可能である。火の球予告はSPリーチの中盤で実行可能である。特別演出ボタン予告はSPリーチの終盤で実行可能である。
詳細は後述するが、ボイス予告の演出内容は、主人公キャラクタが表示されているときに、主人公キャラクタの台詞がスピーカ52から出力されるという内容である。火の球予告の演出内容は、表示部50aにおいて主人公キャラクタがバッターに向けてボールを投げる映像が表示されているときに、ボールから火が出るという内容である。特別演出ボタン予告の演出内容は、勝敗分岐点に係る操作有効期間にて、前述のように通常演出ボタン40kの操作を促す操作促進演出の代わりに、特別演出ボタン41kの操作を促す操作促進演出が行われるという内容である。
(SPリーチ)
次に、各種演出について説明する。最初のSPリーチについて説明する。前述の通り、SPリーチには、SPリーチA~SPリーチCの3種類のSPリーチがある。そして、SPリーチ変動の特図変動演出で何れの種別のSPリーチが実行されるかはSPリーチ種別判定によって決定される。SPリーチ種別判定は、特図変動演出の開始時に演出制御用マイコン121が行う。演出制御用マイコン121は、特図変動パターンに基づいてSPリーチ種別判定を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動パターンに基づいて、例えば、図41(A)に示すSPリーチ種別判定テーブルの選択率となるようにSPリーチ種別判定を行う。図41(A)に示すように、SPリーチ種別判定では、ハズレのときよりも大当たりのときの方が高確率でSPリーチAと判定、すなわちSPリーチAが選択される。また、大当たりのとき、よりもハズレのときの方が高確率でSPリーチCと判定、すなわちSPリーチCが選択される。よって、遊技者はSPリーチAが実行されると大当たりを期待することができる。また、遊技者は、SPリーチCが実行された場合、SPリーチAのときに比べて大当たりを期待することができない。
(激熱予告)
次に、激熱予告について説明する。前述の通り、激熱予告はSPリーチにおいて行われる。そして、激熱予告には、特別演出ボタン予告、火の球予告、およびボイス予告の3種類の激熱予告がある。そして、SPリーチで何れの激熱予告が実行されるかは、各予告に対する実行判定によって決定される。具体的には、特別演出ボタン予告を実行するか否かを判定する特別演出ボタン予告実行判定と、火の球予告を実行するか否かを判定する火の球予告実行判定と、ボイス予告を実行するか否かを判定するボイス予告実行判定と、がある。各予告実行判定は、特図変動演出の開始時に演出制御用マイコン121が行う。演出制御用マイコン121は、大当たり判定結果、およびSPリーチ種別に基づいて各予告実行判定を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動パターンが示す大当たり判定結果とSPリーチ種別判定結果に基づいて、例えば、図41(B)~図41(D)に示す各予告実行判定テーブルの選択率となるように予告実行判定を行う。図41(B)~図41(D)に示すように、各予告実行判定では、何れのSPリーチ種別に対しても、ハズレのときよりも大当たりのときの方が高確率で各予告を実行すると判定、すなわち各予告の実行が選択される。よって、遊技者は各予告が実行されると大当たりを期待することができる。また、何れの予告実行判定に対しても、SPリーチA>SPリーチB>SPリーチCの順番で実行すると判定される確率が高くなるように設定されている。
なお、各予告実行判定は、各予告実行判定の判定結果に影響を受けることなく独立して実行される。よって、SPリーチにおいて、特別演出ボタン予告、火の球予告、およびボイス予告の全ての激熱予告が実行されることがある。また、SPリーチにおいて、特別演出ボタン予告、火の球予告、またはボイス予告の何れかのみが実行されることがある。さらには、SPリーチにおいて、特別演出ボタン予告、火の球予告、またはボイス予告の何れか2つが実行されることもある。
(発展演出)
続いて、発展演出について説明する。前述の通り、発展演出には、発展演出A~発展演出Cの3種類の発展演出がある。そして、発展有SPリーチ変動の特図変動演出で何れの種別の発展演出が実行されるかは発展演出種別判定によって決定される。発展演出種別判定は、特図変動演出の開始時に演出制御用マイコン121が行う。演出制御用マイコン121は、激熱予告の実行の有無、およびSPリーチ種別に基づいて発展演出種別判定を行う。に基づいてSPリーチ種別判定を行う。
演出制御用マイコン121は、各予告実行判定結果とSPリーチ種別判定結果に基づいて、例えば、図42(A)に示す発展演出種別判定テーブルの選択率となるように発展演出種別判定を行う。図42(A)に示す項目「激熱予告の実行の有無」の「激熱予告実行」とは、激熱予告の少なくとも1つの予告実行判定で「実行」と判定されることである。すなわち、SPリーチで1以上の激熱予告が実行される場合に「激熱予告実行」となる。一方、図42(A)に示す項目「激熱予告の実行の有無」の「激熱予告不実行」とは、激熱予告の全ての予告実行判定で「不実行」と判定されることである。すなわち、SPリーチで1つも激熱予告が実行されない場合に「激熱予告不実行」となる。
図42(A)に示すように、激熱予告不実行の場合に「発展演出A」と判定されることはない。よって、発展演出Aが実行されると激熱予告の実行が確定する。なお、激熱予告実行の場合および不実行の何れの場合にも、発展演出B、または発展演出Cが選択される可能性があるので、発展演出B、または発展演出Cが実行された場合であっても激熱予告の実行に対する可能性はある。
激熱予告実行でSPリーチAの場合の発展演出種別判定では、発展演出A>発展演出B>発展演出Cの順番に高い確率で選択される。よって、発展演出Aが実行されるとSPリーチAの実行を期待することができる。また、激熱予告実行の場合も激熱予告不実行の場合も、SPリーチBに対して発展演出Bの方が高確率で選択される。さらに、激熱予告実行の場合も激熱予告不実行の場合も、SPリーチCに対して発展演出Cの方が高確率で選択される。ここで、SPリーチBの方がSPリーチCよりも大当たり期待度が高いことから、発展演出Bの方が発展演出Cよりも大当たり期待度が高いということができる。
(ルーレット演出)
次に、ルーレット演出について説明する。ルーレット演出は発展演出において実行されることがある。ルーレット演出は、そのルーレット演出が行われている発展演出の後に行われるSPリーチにおいて実行される激熱予告を示唆する演出である。詳細は後述するが、表示部50aにおいて、激熱予告の種類に応じた図柄画像が次々に入れ替わって変動する。そして、最終的に何れか1つの激熱予告の種類に応じた1つの図柄画像が特定表示される。この最終的に特定表示される図柄画像に応じた激熱予告の種類が、その後に実行される激熱予告の種類を示唆する。
なお、ルーレット演出で最終的に特別演出ボタン予告に応じた図柄画像を表示し、特別演出ボタン予告の実行を示唆することを「特別演出ボタン予告示唆演出」ともいう。また、ルーレット演出で最終的に火の球予告に応じた図柄画像を表示し、火の球予告の実行を示唆することを「火の球予告示唆演出」ともいう。ルーレット演出で最終的にボイス予告に応じた図柄画像を表示し、ボイス予告の実行を示唆することを「ボイス予告示唆演出」ともいう。そして、特別演出ボタン予告示唆演出、火の球予告示唆演出、およびボイス予告示唆演出を総称して「激熱予告示唆演出」ともいう。すなわち、激熱予告示唆演出はルーレット演出であるとも言える
そして、何れの激熱予告示唆演出が実行されるかは、各激熱予告示唆演出に対する実行判定によって決定される。具体的には、特別演出ボタン予告示唆演出を実行するか否かを判定する特別演出ボタン予告示唆演出実行判定と、火の球予告示唆演出を実行するか否かを判定する火の球予告示唆演出実行判定と、ボイス予告示唆演出を実行するか否かを判定するボイス予告示唆演出実行判定と、がある。各激熱予告示唆演出実行判定は、特図変動演出の開始時に、各判定に対する判定実行条件が成立している場合に演出制御用マイコン121が行う。
演出制御用マイコン121は、特別演出ボタン予告示唆演出実行判定条件が成立している場合に、特別演出ボタン予告示唆演出実行判定を行う。特別演出ボタン予告示唆演出実行判定条件の成立は、特別演出ボタン予告実行判定で特別演出ボタン予告の実行と判定されていること、すなわち、これから開始される特図変動演出のSPリーチで特別演出ボタン予告が実行されることである。演出制御用マイコン121は、特図変動パターンなどに関わらず、例えば、図42(B)に示す選択率となるように特別演出ボタン予告示唆演出実行判定を行う。
また、演出制御用マイコン121は、火の球予告示唆演出実行判定条件が成立している場合に、火の球予告実行判定を行う。火の球予告示唆演出実行判定条件の成立は、火の球予告実行判定で火の球予告の実行と判定され、すなわち、これから開始される特図変動演出のSPリーチで火の球予告が実行され、且つ、特別演出ボタン予告示唆演出実行判定で特別演出ボタン予告示唆演出の実行と判定されていないことである。演出制御用マイコン121は、特図変動パターンなどに関わらず、例えば、図42(C)に示す選択率となるように火の球予告示唆演出実行判定を行う。
さらに、演出制御用マイコン121は、ボイス予告示唆演出実行判定条件が成立している場合に、ボイス予告実行判定を行う。ボイス予告示唆演出実行判定条件の成立は、ボイス予告実行判定でボイス予告の実行と判定され、すなわち、これから開始される特図変動演出のSPリーチでボイス予告が実行され、且つ、特別演出ボタン予告示唆演出実行判定で特別演出ボタン予告示唆演出の実行と判定されておらず、さらに火の球予告示唆演出実行判定で火の球予告示唆演出の実行と判定されていないことである。演出制御用マイコン121は、特図変動パターンなどに関わらず、例えば、図42(D)に示す選択率となるようにボイス予告示唆演出実行判定を行う。
図42(B)~図42(D)に示すように、各激熱予告示唆演出を実行するか否かの判定で、実行しないと判定される可能性もある。よって、ある激熱予告示唆演出が実行された場合であっても、その激熱予告示唆演出が示唆する種類の激熱予告とは異なる種類の激熱予告が実行されることもある。また、激熱予告示唆演出自体が実行されない場合でも、何れかの激熱予告が実行されることもある。
(各種演出の具体例)
次に、各種演出、具体的には、発展演出、ルーレット演出、SPリーチ、激熱予告の具体例について説明する。発展演出が実行される場合、前述したようにNリーチが実行されて、中演出図柄EZ2が再び高速で変動し始めると、発展演出に突入する。発展演出に突入すると、発展演出の導入部分を構成する発展演出導入演出が実行される。発展演出導入演出では、何れかの種別の発展演出が実行される可能性があることを示唆してから1つの発展演出に決定される。
発展演出導入演出が開始されると、例えば、図43(A)に示すように、表示部50aに発展演出の種別を表す画像(発展演出種別画像)が表示される。発展演出種別画像として、発展演出Aを表す発展演出A画像G21と、発展演出Bを表す発展演出B画像G22と、発展演出Cを表す発展演出C画像G23と、がある。また、これらの画像G21~画像G23の他に、選択対象を表すカーソル画像G24が表示される。カーソル画像G24は、画像G21~画像G23の外縁を囲うような枠で構成されている。カーソル画像G24は何れかの画像G21~画像G23を囲う。カーソル画像G24によって囲われている何れかの画像G21~画像G23が選択対象である。
続いて、図43(A)~図43(C)に示すように、カーソル画像G24が周方向に回転しながら囲う対象を次々に切り替えていく。すなわち、選択対象が次々に入れ替わる。このように、選択対象が次々に入れ替わることによって遊技者に何れの種別の発展演出に決定されるかを煽っている。
カーソル画像G24が囲う対象を次々に切り替えながら所定時間(例えば、5秒間)が経過すると、最終的に何れかの画像G21~画像G23で停止する。カーソル画像G24が停止した際に囲っている何れかの画像G21~画像G23が、これから実行される発展演出を表す。そして、この後、停止した画像G21~画像G23に応じた種別の発展演出の本編部分が展開される。このように、何れの種別の発展演出が実行される場合であってもその導入部分で共通して発展演出導入演出が実行される。発展演出導入演出の演出内容は、カーソル画像G24がその発展演出の種別に対応する発展演出種別画像に停止する以外は、発展演出A~発展演出Cで共通している。
次に、カーソル画像G24が発展演出A画像G21で停止した後に行われる発展演出Aの本編部分について説明する。発展演出Aの本編部分が開始されると、表示部50aでは、発展演出Aの本編部分の専用の背景画像G116(以下、「発展演出A用背景画像G116」という)に切り替わる。発展演出A用背景画像G116として、所定のストーリーからなる映像(ムービー)が表示部50aの画面全体に表示される。さらに、発展演出Aの本編部分では、ルーレット演出が実行される。
ルーレット演出は、最終的に、当該発展演出Aの後に発展するSPリーチで実行される激熱予告を示唆する演出である。ルーレット演出では、複数の激熱予告の種別を示唆する複数の予告示唆画像の中から1つの予告示唆画像が特定される。その特定された予告示唆画像が示唆する激熱予告が当該発展演出Aの後に実行される。
具体的には、例えば、図44(A)に示すように、特別演出ボタン予告を示唆する特別演出ボタン予告示唆画像G31、火の球予告を示唆する火の球予告示唆画像G32、およびボイス予告を示唆するボイス予告示唆画像G33が表示部50aの右下辺りに表示される。ここで、特別演出ボタン予告示唆画像G31は、左右に並んだ火の球予告示唆画像G32とボイス予告示唆画像G33よりも手前側に出ているように表示される。
続けて、図44(B)~図44(C)に示すように、特別演出ボタン予告示唆画像G31が奥側に下がり、火の球予告示唆画像G32が手前側に出てきて、続いて、火の球予告示唆画像G32が奥側に下がり、ボイス予告示唆画像G33が手前側に出てきて、手前側に配置される予告示唆画像が次々に入れ替わるように、特別演出ボタン予告示唆画像G31、火の球予告示唆画像G32、およびボイス予告示唆画像G33が全体的に何周も回転する。このように、特別演出ボタン予告示唆画像G31、火の球予告示唆画像G32、およびボイス予告示唆画像G33を回転表示することで、特別演出ボタン予告、火の球予告、またはボイス予告の何れかが実行されることが示唆されている。
そして、回転表示が所定時間(例えば、10秒)行われた後に、特別演出ボタン予告示唆画像G31、火の球予告示唆画像G32、およびボイス予告示唆画像G33の中の何れか1つが表示部50aの画面全体に拡大表示されて、示唆対象である激熱予告の種別が特定される。なお、拡大表示される際に、回転表示していた他の予告示唆画像は表示される。また、拡大表示された予告示唆画像は、次に縮小されて表示部50aの右下辺りに表示される。そして、この予告示唆画像は、発展演出Aが終了しても、その予告示唆画像が示唆する激熱予告が実行されるまで表示され続ける。
例えば、ルーレット演出の結果として、特別演出ボタン予告が特定される場合、図45(A)に示すように、特別演出ボタン予告示唆画像G31が表示部50aの画面全体に拡大表示される。次に、図45(B)に示すように、特別演出ボタン予告示唆画像G31は縮小されて表示部50aの右下に移動する。そして、特別演出ボタン予告示唆画像G31が表示部50aの右下に表示された状態で、SPリーチに突入する。具体的には、図45(C)に示すように、SPリーチ用背景画像G115に切り替わる。
ここで、特別演出ボタン予告示唆画像G31の示唆対象は特別演出ボタン予告であるので、特別演出ボタン予告示唆画像G31は特別演出ボタン予告が実行されるまで表示され続ける。よって、前述したような演出内容でSPリーチが進行して、図46(A)に示すように、勝敗分岐点を迎えるとする。そうすると、特別演出ボタン予告示唆画像G31が表示部50aの中心に消えていくように縮小しながら表示部50aの中心に移動し、図46(B)に示すように、特別演出ボタン操作促進画像G41が特別演出ボタン予告示唆画像G31から切り替わったように表示される。
このとき、前述の勝敗分岐点に係る通常演出ボタン操作有効期間と同様に、特別演出ボタン41kの押下操作が有効な特別演出ボタン操作有効期間が発生する。また、特別演出ボタン操作促進画像G41は、通常演出ボタン操作促進画像G11と同様に、特別演出ボタン41kを表す画像(特別演出ボタン画像)G41aと、特別演出ボタン41kの操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像)G41bと、特別演出ボタン41kの操作に係る操作有効期間(特別演出ボタン操作有効期間)の残り時間を表す画像(特別演出ボタン操作有効期間残り時間画像)G41cと、を含む。
特別演出ボタン操作有効期間においては、図46(C)に示すように、時間の経過と共に、特別演出ボタン操作有効期間残り時間画像G41cが残り時間を認識可能な態様で変化する。そして、特別演出ボタン操作有効期間において特別演出ボタン41kが操作されると、実行中の特図変動演出が大当たり変動に基づくものであれば、図46(D)に示すように大当たり報知演出が実行される。
また、ルーレット演出の結果として、火の球予告が特定される場合、図47(A)に示すように、火の球予告示唆画像G32が表示部50aの画面全体に拡大表示される。次に、図47(B)に示すように、火の球予告示唆画像G32は縮小されて表示部50aの右下に移動する。そして、火の球予告示唆画像G32が表示部50aの右下に表示された状態で、SPリーチに突入する。具体的には、図47(C)に示すように、SPリーチ用背景画像G115に切り替わる。
ここで、火の球予告示唆画像G32の示唆対象は火の球予告であるので、火の球予告示唆画像G32は火の球予告が実行されるまで表示され続ける。前述したように、火の球予告は主人公キャラクタが敵キャラクタに向かって投げたボールが炎に包まれるように見せる演出である。よって、前述したような演出内容でSPリーチが進行して、図48(A)に示すように、主人公キャラクタが敵キャラクタにボールを投げる場面を迎えると、火の球予告示唆画像G32がそのボールに吸収されるように、そのボールに向かって縮小しながら移動する。続いて、図48(B)~図48(D)に示すように、敵キャラクタに向かうボールが炎に包まれるように炎画像G42がボールに重ねて表示されて、炎の球予告が実行される。
また、ルーレット演出の結果として、ボイス予告が特定される場合、図49(A)に示すように、ボイス予告示唆画像G33が表示部50aの画面全体に拡大表示される。次に、図49(B)に示すように、ボイス予告示唆画像G33は縮小されて表示部50aの右下に移動する。そして、ボイス予告示唆画像G33が表示部50aの右下に表示された状態で、SPリーチに突入する。具体的には、図49(C)に示すように、SPリーチ用背景画像G115に切り替わる。
ここで、ボイス予告示唆画像G33の示唆対象はボイス予告であるので、ボイス予告示唆画像G33はボイス予告が実行されるまで表示され続ける。前述したように、ボイス予告は主人公キャラクタの台詞がスピーカ52から出力される内容の演出である。よって、前述したような演出内容でSPリーチが進行して、図50(A)に示すように、SPリーチ開始タイトル画像G10が表示されて、図50(B)に示すように、主人公キャラクタと主人公キャラクタのライバルである敵キャラクタが対峙しているシーンが表示された場面を迎えると、ボイス予告示唆画像G33が主人公キャラクタの口に吸い込まれるように、主人公キャラクタの口に向かって縮小しながら移動する。続いて、図50(C)に示すように、ボイス予告として、スピーカ52から音声「絶対に当ててやるぜ」が出力される。
[1msタイマ割り込み処理]
次に図45を用いて1msタイマ割り込み処理について説明する。1msタイマ割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。
演出制御用マイコン121は、1msタイマ割り込み処理(S4011)ではまず、入力処理を行う(S4101)。入力処理では、演出制御用マイコン121は、通常演出ボタン検知センサ40aからの検出信号に基づいて通常演出ボタンスイッチデータを作成する。演出制御用マイコン121は、特別演出ボタン検知センサ41aからの検出信号に基づいて特別演出ボタンスイッチデータを作成する。
続いて、演出制御用マイコン121は、発光データ出力処理を行う(S4102)。発光データ出力処理では、演出制御用マイコン121は、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理における発光データ作成処理(S4207)で作成された発光データをサブドライブ基板162に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53を所定の発光態様で発光させる。
次いで、演出制御用マイコン121は、可動装置制御処理を行う(S4103)。可動装置制御処理では、演出制御用マイコン121は、所定のタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データ(盤可動体55kの駆動のためのデータ)を作成し、または、出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。
そして、演出制御用マイコン121は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って(S4104)、1msタイマ割り込み処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]
次に図46を用いて10msタイマ割り込み処理について説明する。10msタイマ割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。
演出制御用マイコン121は、10msタイマ割り込み処理ではまず、ステップS4010で受信バッファに格納したコマンドなどを解析する受信コマンド解析処理を行う(S4201)。受信コマンド解析処理については後述する。
次いで、演出制御用マイコン121は、音声制御処理を行う(S4202)。音声制御処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。
続いて、演出制御用マイコン121は、発光データ作成処理を行う(S4203)。発光データ作成処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、発光データの作成が行われる。
次に、演出制御用マイコン121は、操作有効期間制御処理を行う(S4204)。操作有効期間制御処理では、例えば、後述する特図変動演出の演出内容に基づいて、通常演出ボタン40kの操作や操作演出に係る特別演出ボタン41kの操作に対する操作有効期間を発生させる。そして、演出制御用マイコン121は、その有効期間の有効時間が経過して有効時間が満了した、あるいは演出ボタン40k、41kなどの操作が行われたことにより有効期間を終了させる処理を行う。
[受信コマンド解析処理]
次に図48~図49を用いて受信コマンド解析処理について説明する。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理ではまず、遊技制御基板100から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か、言い換えれば、始動入賞コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する(S4301)。演出制御用マイコン121は、始動入賞コマンドを受信していれば(S4301でYES)、ステップS4302に進む一方、始動入賞コマンドを受信していなければ(S4301でNO)、ステップS4303に進む。
ステップS4302において、演出制御用マイコン121は、第1始動口11や第2始動口12に遊技球が入賞することに応じた始動入賞時処理を行う。始動入賞時処理では、受信した始動入賞コマンドを演出用RAM124にある始動入賞コマンド保留記憶部125に記憶する。次に、演出制御用マイコン121は、その記憶した始動入賞コマンドを解析して、大当たり期待度を示す先読み演出を実行するか否かの判定を行う。先読み演出には、保留演出を特別態様で行う保留変化予告表示の他に、連続する複数回の特別図柄の変動表示にわたって相互に関連する連続予告演出等がある。これらの先読み演出を実行すると決定した場合には、決定した演出を実行するための先読み演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた先読み演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による先読み演出を行う。また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による先読み演出が行われている間、画像制御基板140に送信された先読み演出開始コマンドが示す先読み演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させ(音声による先読み演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による先読み演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による先読み演出を実行する)事が可能である。
ステップS4303において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から図柄指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、図柄指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、図柄指定コマンドを受信していなければ(S4303でNO)、ステップS4305に進む一方、図柄指定コマンドを受信していれば(S4303でYES)、図柄指定コマンドを演出用RAM124にある図柄指定コマンド記憶部126に記憶する(S4304)。
ステップS4305において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動開始コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動開始コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。特図変動開始コマンドを受信していなければ(S4305でNO)、ステップS4307に進む一方、特図変動開始コマンドを受信していれば(S4305でYES)、特図変動演出の演出内容を決定し、特図変動演出を開始させるための特図変動演出開始処理(S4306)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出開始処理では、まず、特図変動開始コマンドを演出用RAM124にある特図変動開始コマンド記憶部127に記憶する。次いで、ステップS4304で既に記憶した図柄指定コマンドが示す停止特図の内容(大当たり図柄の種別、ハズレ特図)と特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、停止演出図柄を判定する停止図柄判定を行うための停止図柄パターン判定テーブルを選択する。停止図柄パターン判定テーブルは、特図および特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、停止図柄の種別および特図変動パターンに対応付けられた停止図柄パターン判定テーブルを1つ選択する。各停止図柄パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数の停止演出図柄に停止図柄パターン判定用乱数の値(停止図柄パターン判定値)が振り分けられている。次に、演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定用乱数カウンタが示す値を停止図柄パターン判定用乱数として取得し、取得した停止図柄パターン判定用乱数に基づいて停止図柄パターン判定を行う。演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定において、選択した停止図柄パターンテーブルに、取得した停止図柄パターン判定用乱数を照合し、停止演出図柄を決定して、決定した停止演出図柄を表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。例えば、特図変動パターンがリーチ無しハズレ変動であれば所謂「バラケ目」となるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。また、特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動であれば、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一の種類で、中演出図柄EZ2がそれらと異なる種類となるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。さらに、特図変動パターンが大当たり変動であれば、演出モードおよび大当たり図柄の種別に応じて所謂「ゾロ目」となるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。
次に、演出制御用マイコン121は、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出内容を決定する。特図変動パターンがSPリーチ変動であれば、前述のSPリーチ種別判定テーブルに基づいて、SPリーチ種別判定を行う。SPリーチ種別判定テーブルでは、例えば、図41(A)に示す選択率となるように、SPリーチ種別にSPリーチ種別判定用乱数の値(SPリーチ種別判定値)が割り当てられている。よって、演出制御用マイコン121は、SPリーチ種別判定用乱数カウンタが示す値をSPリーチ種別判定用乱数として取得し、取得したSPリーチ種別判定用乱数に基づいてSPリーチ種別判定を行う。演出制御用マイコン121は、SPリーチ種別判定において、図41(A)に示すSPリーチ種別判定テーブルに、取得したSPリーチ種別判定用乱数を照合し、SPリーチ種別を決定して、決定したSPリーチ種別を表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。
また、特図変動パターンがSPリーチ変動であれば、演出制御用マイコン121は、次に、前述の特別演出ボタン予告実行判定テーブルに基づいて特別演出ボタン予告実行判定を行う。特別演出ボタン予告実行判定テーブルでは、例えば、図41(B)に示す選択率となるように、特別演出ボタン予告の実行の可否に特別演出ボタン予告実行判定用乱数の値(特別演出ボタン予告実行判定値)が割り当てられている。よって、演出制御用マイコン121は、特別演出ボタン予告実行判定用乱数カウンタが示す値を特別演出ボタン予告実行判定用乱数として取得し、取得した特別演出ボタン予告実行判定用乱数に基づいて特別演出ボタン予告実行判定を行う。演出制御用マイコン121は、特別演出ボタン予告実行判定において、図41(B)に示す特別演出ボタン予告実行判定テーブルに、取得した特別演出ボタン予告実行判定用乱数を照合し、特別演出ボタン予告の実行の可否を決定する。特別演出ボタン予告を実行する場合は、そのことを表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。
さらに、特図変動パターンがSPリーチ変動であれば、演出制御用マイコン121は、次に、前述の火の球予告実行判定テーブルに基づいて火の球予告実行判定を行う。火の球予告実行判定テーブルでは、例えば、図41(C)に示す選択率となるように、火の球予告の実行の可否に火の球予告実行判定用乱数の値(火の球予告実行判定値)が割り当てられている。よって、演出制御用マイコン121は、火の球予告実行判定用乱数カウンタが示す値を火の球予告実行判定用乱数として取得し、取得した火の球予告実行判定用乱数に基づいて火の球予告実行判定を行う。演出制御用マイコン121は、火の球予告実行判定において、図41(C)に示す火の球予告実行判定テーブルに、取得した火の球予告実行判定用乱数を照合し、火の球予告の実行の可否を決定する。火の球予告を実行する場合は、そのことを表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。
また、特図変動パターンがSPリーチ変動であれば、演出制御用マイコン121は、次に、前述のボイス予告実行判定テーブルに基づいてボイス予告実行判定を行う。ボイス予告実行判定テーブルでは、例えば、図41(D)に示す選択率となるように、ボイス予告の実行の可否にボイス予告実行判定用乱数の値(ボイス予告実行判定値)が割り当てられている。よって、演出制御用マイコン121は、ボイス予告実行判定用乱数カウンタが示す値をボイス予告実行判定用乱数として取得し、取得したボイス予告実行判定用乱数に基づいてボイス予告実行判定を行う。演出制御用マイコン121は、ボイス予告実行判定において、図41(D)に示すボイス予告実行判定テーブルに、取得したボイス予告実行判定用乱数を照合し、ボイス予告の実行の可否を決定する。ボイス予告を実行する場合は、そのことを表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。
また、演出制御用マイコン121は、特図変動パターンが発展有SPリーチ変動であれば、前述の発展演出種別判定テーブルに基づいて、発展演出種別判定を行う。発展演出種別判定テーブルは、図42(A)に示すように、激熱予告の実行の有無とSPリーチ種別に関連付けられている。そして、各発展演出種別判定テーブルでは、例えば、図42(A)に示す選択率となるように、発展演出種別に発展演出種別判定用乱数の値(発展演出種別判定値)が割り当てられている。よって、演出制御用マイコン121は、まず、特別演出ボタン実行判定などの結果から得られる激熱予告の実行の有無とSPリーチ種別判定の結果から得られるSPリーチ種別とに関連付けられた発展演出種別判定テーブルを選択する。次に、演出制御用マイコン121は、発展演出種別判定用乱数カウンタが示す値を発展演出種別判定用乱数として取得し、取得した発展演出種別判定用乱数に基づいて発展演出種別判定を行う。演出制御用マイコン121は、発展演出種別判定において、選択した発展演出種別判定テーブルに、取得した発展演出種別判定用乱数を照合し、発展演出種別を決定して、決定した発展演出種別を表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。
さらに、演出制御用マイコン121は、特図変動パターンが発展有SPリーチ変動であれば、特別演出ボタン予告実行判定の結果が特別演出ボタン予告の実行であるか否かを判定する。特別演出ボタン予告の実行であれば、演出制御用マイコン121は、前述の特別演出ボタン予告示唆演出実行判定テーブルに基づいて特別演出ボタン予告示唆演出実行判定を行う。特別演出ボタン予告示唆演出実行判定テーブルでは、例えば、図42(B)に示す選択率となるように、特別演出ボタン予告示唆演出の実行の可否に特別演出ボタン予告示唆演出実行判定用乱数の値(特別演出ボタン予告示唆演出実行判定値)が割り当てられている。よって、演出制御用マイコン121は、特別演出ボタン予告示唆演出実行判定用乱数カウンタが示す値を特別演出ボタン予告示唆演出実行判定用乱数として取得し、取得した特別演出ボタン予告示唆演出実行判定用乱数に基づいて特別演出ボタン予告示唆演出実行判定を行う。演出制御用マイコン121は、特別演出ボタン予告示唆演出実行判定において、図42(B)に示す特別演出ボタン予告示唆演出実行判定テーブルに、取得した特別演出ボタン予告示唆演出実行判定用乱数を照合し、特別演出ボタン予告示唆演出の実行の可否を決定する。特別演出ボタン予告示唆演出を実行する場合は、最終的に特別演出ボタン予告示唆演出を行うルーレット演出を実行することを表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。
また、演出制御用マイコン121は、特図変動パターンが発展有SPリーチ変動であれば、火の球予告実行判定の結果が火の球予告の実行であるか否かを判定する。火の球予告の実行であれば、演出制御用マイコン121は、さらに、特別演出ボタン予告示唆演出実行判定の結果が特別演出ボタン予告示唆演出の実行であるか否かを判定する。特別演出ボタン予告示唆演出の実行でなければ、演出制御用マイコン121は、前述の火の球予告示唆演出実行判定テーブルに基づいて火の球予告示唆演出実行判定を行う。火の球予告示唆演出実行判定テーブルでは、例えば、図42(C)に示す選択率となるように、火の球予告示唆演出の実行の可否に火の球予告示唆演出実行判定用乱数の値(火の球予告示唆演出実行判定値)が割り当てられている。よって、演出制御用マイコン121は、火の球予告示唆演出実行判定用乱数カウンタが示す値を火の球予告示唆演出実行判定用乱数として取得し、取得した火の球予告示唆演出実行判定用乱数に基づいて火の球予告示唆演出実行判定を行う。演出制御用マイコン121は、火の球予告示唆演出実行判定において、図42(C)に示す火の球予告示唆演出実行判定テーブルに、取得した火の球予告示唆演出実行判定用乱数を照合し、火の球予告示唆演出の実行の可否を決定する。火の球予告示唆演出を実行する場合は、最終的に火の球予告示唆演出を行うルーレット演出を実行することを表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。
さらに、演出制御用マイコン121は、特図変動パターンが発展有SPリーチ変動であれば、ボイス予告実行判定の結果がボイス予告の実行であるか否かを判定する。ボイス予告の実行であれば、演出制御用マイコン121は、さらに、特別演出ボタン予告示唆演出実行判定の結果が特別演出ボタン予告示唆演出の実行であり、または火の球予告示唆演出実行判定の結果が火の球予告示唆演出の実行であるか否かを判定する。特別演出ボタン予告示唆演出、および火の球予告示唆演出の何れも実行でなければ、演出制御用マイコン121は、前述のボイス予告示唆演出実行判定テーブルに基づいてボイス予告示唆演出実行判定を行う。ボイス予告示唆演出実行判定テーブルでは、例えば、図42(D)に示す選択率となるように、ボイス予告示唆演出の実行の可否にボイス予告示唆演出実行判定用乱数の値(ボイス予告示唆演出実行判定値)が割り当てられている。よって、演出制御用マイコン121は、ボイス予告示唆演出実行判定用乱数カウンタが示す値をボイス予告示唆演出実行判定用乱数として取得し、取得したボイス予告示唆演出実行判定用乱数に基づいてボイス予告示唆演出実行判定を行う。演出制御用マイコン121は、ボイス予告示唆演出実行判定において、図42(D)に示すボイス予告示唆演出実行判定テーブルに、取得したボイス予告示唆演出実行判定用乱数を照合し、ボイス予告示唆演出の実行の可否を決定する。ボイス予告示唆演出を実行する場合は、最終的にボイス予告示唆演出を行うルーレット演出を実行することを表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。
そして、演出制御用マイコン121は、前述のSPリーチ種別判定などの判定結果に基づいて、特図変動演出の演出内容を表す特図変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。なお、特図変動演出開始コマンドのデータ構造は限定されずに適宜に設定して良い。特図変動演出の演出内容を1つの特図変動演出開始コマンドに集約しても良い。また、特図変動演出の演出内容を複数の特図変動演出開始コマンドで構成させても良い。
特図変動演出開始コマンドには、画像表示装置50で行われる画像による特図変動演出の他に、スピーカ52から出力される音声による特図変動演出、枠ランプ53で行われる発光による特図変動演出の演出内容、および、盤可動体55kで行われる動作による特図変動演出の演出内容が含まれている。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた特図変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による特図変動演出を行う。また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による特図変動演出が行われている間、画像制御基板140に送信された特図変動演出開始コマンドが示す特図変動演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させ(音声による特図変動演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による特図変動演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による特図変動演出を実行する)。
ステップS4307において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動停止コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動停止コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特図変動停止コマンドを受信していなければ(S4307でNO)、ステップS4309に進む一方、特図変動停止コマンドを受信していれば(S4307でYES)、特図変動演出を終了させる(演出図柄の変動表示を停止し、停止表示を行う)ための特図変動演出終了処理(S4308)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出終了処理では、特図変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、特図変動演出を適宜に終了(演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の変動表示を停止)させるための特図変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。画像制御基板140は、特図変動演出終了コマンドを受信すると、実行中の特図変動演出を終了(変動中の演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を停止)する。
ステップS4309において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から大当たりオープニングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、大当たりオープニングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、大当たりオープニングコマンドを受信していなければ(S4309でNO)、ステップS4311に進む一方、大当たりオープニングコマンドを受信していれば(S4309でYES)、大当たり遊技のオープニングの開始に伴う大当たりオープニング演出開始処理を行う(S4310)。演出制御用マイコン121は、大当たりオープニング演出開始処理では、大当たりオープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、これから実行される大当たり遊技のオープニングに応じた大当たりオープニング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりオープニング演出の演出内容(大当たりオープニング演出パターン)を選択し、選択した大当たりオープニング演出パターンにて大当たりオープニング演出を開始するための大当たりオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4311において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド数指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、ラウンド数指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。ラウンド数指定コマンドを受信していなければ(S4311でNO)、ステップS4313に進む一方、ラウンド数指定コマンドを受信していれば(S4311でYES)、ラウンド遊技の開始に伴うラウンド演出開始処理を行う(S4312)。演出制御用マイコン121は、ラウンド演出開始処理では、ラウンド数指定コマンドを解析して、これから開始されるラウンド遊技に応じたラウンド演出を実行するか否かを判定し、実行するのであればラウンド演出の演出内容(ラウンド演出パターン)を選択し、選択したラウンド演出パターンに応じたラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4313において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から大当たりエンディングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、大当たりエンディングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。大当たりエンディングコマンドを受信していなければ(S4313でNO)、ステップS4316に進む一方、大当たりエンディングコマンドを受信していれば(S4313でYES)、大当たり遊技のエンディングの開始に伴う大当たりエンディング演出開始処理(S4314)、および演出モード設定処理(S4315)を行う。
演出制御用マイコン121は、大当たりエンディング演出開始処理において、大当たりエンディングコマンドを解析して、これから実行される大当たり遊技のエンディングに応じた大当たりエンディング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりエンディング演出の演出内容(大当たりエンディング演出パターン)を選択し、選択した大当たりエンディング演出パターンに応じた大当たりエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
また、演出制御用マイコン121は、演出モード設定処理において、大当たりエンディングコマンドの解析結果、具体的には、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄に基づいて、大当たり遊技後の演出モードを設定する処理(演出モードを制御するための処理)を行う。
例えば、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄A、または大当たり図柄Dであると、高確率高ベース遊技状態を示唆する確変演出モードに設定する。そして、確変演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、確変演出モードを設定することを示す確変演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた確変演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として確変用背景画像G120を表示し、BGMとして確変用BGMを出力する。
また、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄B、大当たり図柄C、大当たり図柄E、または大当たり図柄Fであると、高確率高ベース遊技状態、または低確率高ベース遊技状態の何れであるか判別困難、または判別不可能な時短演出モードを設定する。そして、演出制御用マイコン121は、時短演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、時短演出モードを設定することを示す時短演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた時短演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として時短用背景画像G130を表示し、BGMとして時短用BGMを出力する。
ステップS4316において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態コマンドを受信したか否か、言い換えれば、遊技状態コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドを受信していなければ(S4316でNO)、ステップS4318に進む一方、遊技状態コマンドを受信していれば(S4316でYES)、遊技状態コマンドを解析して、遊技状態コマンドが表す遊技状態を特定し、遊技状態を設定するための遊技状態設定処理を行う(S4317)。
演出制御用マイコン121は、遊技状態設定処理において、遊技状態コマンドが示す遊技状態に応じた遊技状態フラグを演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。例えば、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常遊技状態であれば遊技状態フラグ「00H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。また、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が高確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「01H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。さらに、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が低確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「02H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。
ステップS4318において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信したか否か、言い換えれば、客待ちコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、客待ちコマンドを受信していなければ(S4318でNO)、受信コマンド解析処理を終える一方、客待ちコマンドを受信していれば(S4318でYES)、客待ち演出待機処理を行い(S4319)、受信コマンド解析処理を終える。
演出制御用マイコン121は、客待ち演出待機処理では、演出図柄の停止表示が行われてから客待ち演出を開始させるまでの待機時間(客待ち演出待機時間:例えば、20秒)を客待ち演出タイマにセットする。なお、演出制御用マイコン121は、この待機時間が経過したか否かを判定可能であり、待機時間が経過したと判定すると、客待ち演出を開始させるための客待ち演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
以上のように、パチンコ遊技機PY1は、発展演出Aを実行可能である。発展演出Aが実行されると、大当たり期待度が高いSPリーチの実行が確定する。さらに、発展演出Aが実行されると、SPリーチAにおいて、大当たり期待度が高い激熱予告が実行される。このように、発展演出Aは、それ自体が大当たり期待度が高いことを示唆する演出でありながら、さらに大当たり期待度が高い激熱予告の実行を確約する演出である。すなわち、発展演出Aは、当該特図変動演出の大当たり期待度が高いことを示唆するだけでなく、同時にその後に実行される激熱予告の実行も示唆する。よって、遊技者の大当たりに対する期待感を一度高めてその後も長期間にわたって持続させることができる。
また、発展演出Aの実行によって実行されることが確定する激熱予告は、同じく発展演出Aによって実行することが確定するSPリーチにおいて実行されるので、演出が煩雑になりすぎてかえって演出効果が低下することを抑えることができる。
さらに、発展演出Aでは、ルーレット演出が実行され、SPリーチで実行可能な複数の激熱予告の中から1つの激熱予告を特定し、その後に実行される激熱予告の種別を示唆するので、激熱予告の実行を示唆する役割を担う発展演出Aの演出効果を高めることができる。
また、発展演出Aが実行されることで、まずはSPリーチの実行が確定し、その後、発展演出Aにおけるルーレット演出で、SPリーチで実行される激熱予告の種別が確定するので、遊技者に、これらの演出の意味を容易に理解させることができる。
さらに、SPリーチの中で最も大当たり期待度が高いSPリーチAが実行される場合には、複数の発展演出の中では発展演出Aが最も高い確率で実行される。よって、さらに遊技者の大当たりに対する期待感を高めることができる。
また、発展演出には、発展演出Aの他に、発展演出Aよりも大当たり期待度が低い発展演出Bと発展演出Cがある。そして、発展演出Bまたは発展演出Cが実行された場合でも、その後に発展するSPリーチで激熱予告が実行されることがある。このように、SPリーチの実行が確定する発展演出には、そのSPリーチで激熱予告が実行されることが確定する発展演出Aと、激熱予告が実行されることは確定していないが、その望みは残っている発展演出B、および発展演出Cと、があるので、遊技興趣が向上する。
7.変更例
また、本発明に係るパチンコ遊技機PY1の構成を以下のように変更させることができる。以下に、パチンコ遊技機PY1の変更例、すなわち、その他の実施形態について説明する。
前述したSPリーチ、激熱予告、およびルーレット演出などの具体的な演出内容は一例であり、限定されずに適宜に変更しても良い。また、リーチが成立する前に実行しても良い。また、発展演出の後にSPリーチではなくLリーチが実行されるようにし、発展演出Aが実行されるとLリーチで実行可能な大当たり期待度の高い激熱予告が実行されるようにしても良い。また、発展演出の後にSPリーチまたはLリーチが実行可能であるようにして、発展演出Aが実行されるとSPリーチの実行およびSPリーチにおける激熱予告の実行が確定するようにしても良い。
さらには、SPリーチなどの大当たり期待度が高いリーチ演出の実行および激熱予告の実行を示唆する演出(以下、「特定示唆演出」という)は、発展演出として、Nリーチの後でSPリーチ前の期間に実行されたが、そのタイミングおよび期間はこれに限られずに適宜に設定可能である。例えば、リーチ成立直後に行っても良い。この場合、Nリーチとして実行しても、Nリーチとは異なるリーチ演出として実行しても良い。
また、特定示唆演出をリーチ成立前に実行し、特定示唆演出の実行によってリーチの成立が確定すると共に、リーチ後に実行可能な大当たり期待度の高い予告の実行が確定するようにしても良い。さらには、特定示唆演出によって、複数の特図可変表示にまたがって実行可能な所謂「先読みゾーン演出」の実行が確定すると共に、当該先読みゾーン演出で実行可能な大当たり期待度の高い予告の実行が確定するようにしても良い。
さらに、特定示唆演出は、発展演出などのように特図変動時間を割り当てられて特図変動演出の演出フローを構成する演出に限られず、特図変動時間を割り当てられた演出から独立して別途実行されるように構成しても良い。また、特定示唆演出を、例えば保留アイコンなどの始動入賞コマンドに基づいて実行される演出において実行するようにしても良い。
また、第1実施形態では、ルーレット演出において3つの予告示唆画像が表示されていたが、1回のルーレット演出で表示される予告示唆画像の個数は限定されない。また、1回のルーレット演出で表示される予告示唆画像の個数は3つに固定されているが、複数の個数の中から所定の判定などによって決定しても良い。さらに、1回のルーレット演出で表示される予告示唆画像の種別は全て異なるが、同じ種別の予告示唆画像が複数個含まれ、含まれない種別があるようにしても良い。
さらに、第1実施形態では、SPリーチで実行可能な激熱予告の個数と、1回のルーレット演出で表示される予告示唆画像の個数とが同一であるが、SPリーチで実行可能な激熱予告の個数をルーレット演出で表示される予告示唆画像の個数より多く設定して、ルーレット演出で何れの激熱予告を示唆する予告示唆画像を表示するかを所定の判定などによって決定するようにしても良い。
また、第1実施形態では、1回のルーレット演出で1つの予告示唆画像しか特定されないが、複数の予告示唆画像を特定可能に構成しても良い。この場合、複数の予告示唆画像を同時に特定しても、順番に特定しても良い。さらに、第1実施形態では、発展演出において1回のルーレット演出しか実行されないが、複数回のルーレット演出が実行されるようにしても良い。
また、発展演出が実行されると必ずルーレット演出が実行されて、その後に実行されるSPリーチで実行される激熱予告が示唆されているが、発展演出においてルーレット演出が実行されないこともあるようにしても良い。この場合、例えば、最も大当たり期待度が高い激熱予告など、特定の激熱予告は、ルーレット演出が実行される場合の方がルーレット演出が実行されない場合よりも高確率で実行されるようにしても良い。または、特定の激熱予告は、ルーレット演出が実行されない場合の方がルーレット演出が実行される場合よりも高確率で実行されるようにしても良い。さらには、特定の激熱予告は、ルーレット演出が実行される場合とルーレット演出が実行されない場合とで同じ確率で実行されるようにしても良い。
また、第1実施形態では、予告示唆演出実行判定は、予告示唆演出の種別毎に行ったが、激熱予告に係る全ての予告実行判定の判定結果に基づいて一度に行うようにしても良い。例えば、図55に示すような予告示唆演出判定テーブルに基づいて行うことができる。この場合、判定テーブルの左の項目「実行する激熱予告」には、実行すると判定された激熱予告の種別を当て嵌める。そして、各予告実行判定結果に対して、何れの予告示唆演出を実行するかを判定する。この場合、図55に示す選択率となるように、予告示唆演出の種類が選択される。
また、第1実施形態では、ルーレット演出において通常演出ボタン40kまたは特別演出ボタン41kに対する操作有効期間が発生していないが、発生するように構成し、通常演出ボタン40kまたは特別演出ボタン41kが押下操作されることによって、あるいは、操作がされないまま操作有効期間が満了することによって、予告示唆画像の拡大表示が行われて、激熱予告の示唆が行われるようにしても良い。
さらに、発展演出Bや発展演出Cにおいても、ルーレット演出のように、その後に実行可能な激熱予告の実行を示唆する示唆演出を行っても良い。この場合、示唆対象をルーレット演出と同じ激熱予告にしても良い。あるいは、大当たり期待度はある程度高いが激熱予告よりは大当たり期待度が低い予告(以下、「特定予告」という)を示唆対象にしても良い。この場合、複数の特定予告を発展演出Bや発展演出Cの後に実行可能にし、発展演出Bや発展演出Cにおいて、ルーレット演出のように、複数の特定予告を示唆する複数の示唆画像を回転表示することで、この後に複数の特定予告が実行可能であることを示唆した後に、拡大表示などによって特定するようにしても良い。さらに、この場合は特定予告は発展演出Bや発展演出CとSPリーチとの間に行うようにしても良い。
また、パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技で大入賞口14が開放可能であるが、大入賞口14以外にも大当たり遊技で開放可能な入賞領域を設けても良い。
また、パチンコ遊技機PY1では、特定の大当たり図柄種別に判定されると、必ず大当たり遊技後に高確率状態にて遊技が進行する。すなわち、高確率状態の設定が大当たり図柄種別に対応付けられている。しかしながら、高確率状態の設定条件を変更してもよい。例えば、大入賞装置14Dとは別に、開閉可能であり、開放時に遊技球が入球可能な第2大入賞装置を遊技領域6の遊技球が到達可能な位置に設けておき、大当たり遊技中の所定のラウンド遊技において第2大入賞装置が開放して第2大入賞装置に入球した遊技球が、その下流側に設けられた特定領域を通過すると、大当たり遊技の終了に伴って高確率状態が設定されるようにしてもよい。
この場合、例えば第2大入賞装置が入球容易な時間(例えば、29.5秒)開放する特定の大当たり図柄(高確率状態を設定させ易い大当たり図柄)と、第2大入賞装置が入球困難な時間(例えば、0.5秒)開放する非特定の大当たり図柄(高確率状態を設定させ難い大当たり図柄)と、を設けることができる。また、第2大入賞装置に入賞した遊技球が通過可能な領域として特定領域と非特定領域があり、遊技球を特定領域と非特定領域に振り分ける振分装置を設けておく。そして、第2大入賞装置の開放時間は同じであるが、第2大入賞装置の開放態様と振分装置の作動態様との組み合わせで、高確率状態を設定させ易い大当たり図柄と高確率状態を設定させ難い大当たり図柄を設けることも可能である。
また、パチンコ遊技機PY1では、遊技の進行に係る基本的な制御を遊技制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御を演出制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
また、本発明の遊技機を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機や回胴式遊技機(所謂「スロットマシーン」)などに適用することも可能である。
8.実施形態に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明Aが開示されている。発明Aの説明では、前述した発明を実施する形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明を構成する手段などの要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1~A6の総称である。
8-1-1.発明A1
発明A1に係る遊技機は、
演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121など)を備えた遊技機であって、
前記演出実行手段は、
第1の演出(SPリーチなど)の前に、当該第1の演出の実行を示唆する示唆演出(発展演出A~発展演出Cなど)を実行可能であり、
前記示唆演出の後に第2の演出(激熱予告など)を実行可能であり、
前記示唆演出は、前記第2の演出が実行される可能性があることを示唆することを特徴とする。
8-1-2.発明A2
発明A2に係る遊技機は、
発明A1に係る遊技機であって、
通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(特別遊技状態など)を実行することが可能な特別遊技状態実行手段(遊技制御用マイコン101)をさらに備え、
前記第1の演出、および前記第2の演出は前記特別遊技状態が実行される可能性が高いことを示唆することを特徴とする。
8-1-3.発明A3
発明A3に係る遊技機は、
発明A1または発明A2に係る遊技機であって、
前記第2の演出は前記第1の演出が実行されている期間に実行されることを特徴とする。
8-1-4.発明A4
発明A4に係る遊技機は、
発明A1乃至発明A3の何れか1つに係る遊技機であって、
前記示唆演出には、第1示唆演出(発展演出Aなど)と第2示唆演出(発展演出B、発展演出Cなど)とがあり、
前記演出実行手段は、前記第1示唆演出の後に前記第2の演出を実行する一方、前記第2示唆演出の後には前記第2の演出を実行することがあり、
前記第1示唆演出は前記第2の演出が実行されることを示唆する一方、前記第2示唆演出は前記第2の演出が実行される可能性があることを示唆することを特徴とする。
8-1-5.発明A5
発明A5に係る遊技機は、
発明A4に係る遊技機であって、
前記第2の演出には、複数の種類(特別演出ボタン予告、火の球予告、ボイス予告など)が設けられ、
前記第1示唆演出において、複数の種類の前記第2の演出の何れかが実行されることを示唆する特定演出(予告示唆演出)を実行可能である。
8-1-6.発明A6
発明A6に係る遊技機は、
発明A5に係る遊技機であって、
前記特定演出は、当該特定演出が示唆する種類の前記第2の演出が実行されるまで継続して実行される。
PY1…パチンコ遊技機
1…遊技盤
11…第1始動口
11a…第1始動口センサ
12…第2始動口
12a…第2始動口センサ
14…大入賞口
14a…大入賞口センサ
50…画像表示装置
50a…表示部
52…スピーカ
53…枠ランプ
100…遊技制御基板
101…遊技制御用マイコン
120…演出制御基板
121…演出制御用マイコン
140…画像制御基板

Claims (1)

  1. 通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態にすることが可能な遊技実行手段と、
    演出を実行可能な演出実行手段とを備えた遊技機であって、
    前記演出実行手段は、
    前記特別遊技状態になる可能性があることを示唆する特別演出を実行可能であり、
    前記特別演出の前に、前記特別演出が実行されることを示唆する示唆演出を実行可能であり、
    前記特別演出における所定タイミングで予告演出を実行可能であり、
    前記特別演出には、第1特別演出と、前記第1特別演出よりも前記特別遊技状態になる可能性が高いことを示唆する第2特別演出とがあり、
    前記示唆演出には、第1示唆演出と、第2示唆演出とがあり、
    前記第2示唆演出の後に前記第2特別演出が実行された場合、当該第2特別演出で前記予告演出が実行されることが確定し、
    前記第2示唆演出の後に前記第1特別演出が実行された場合、当該第1特別演出で前記予告演出が実行されることが確定し、
    前記第1示唆演出の後に前記第1特別演出が実行された場合、当該第1特別演出で前記予告演出が実行されるときと実行されないときとがあり、
    前記予告演出には、複数の種類が設けられ、前記特別遊技状態になる可能性が高いことを示唆する高期待度予告演出があり、
    前記第1特別演出で前記高期待度予告演出が実行される確率よりも、前記第2特別演出で前記高期待度予告演出が実行される確率の方が高く、
    前記示唆演出において、前記複数の種類の前記予告演出の何れかが実行されることを示唆する特定演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。
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