以下では、本発明の実施の形態に係る口腔洗浄装置について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
[実施の形態1]
まず、実施の形態1に係る口腔洗浄装置10について説明する。図1は、実施の形態1に係る口腔洗浄装置10の概略構成を示す説明図であり、図1の(a)は口腔洗浄装置10の正面図であり、図1の(b)は口腔洗浄装置10の側面図である。図2は、実施の形態1に係る口腔洗浄装置10の内部構造を模式的に示す説明図であり、図2の(a)は口腔洗浄装置10の正面図であり、図2の(b)は口腔洗浄装置10の側面図である。図1及び図2に示すように、口腔洗浄装置10は、ハンディタイプの口腔洗浄装置であり、ノズル20と、装置本体30とを備えている。
図3は、実施の形態1に係るノズル20の概略構成を示す断面図である。図1~図3に示すように、ノズル20は、装置本体30の上端部に対して着脱自在に取り付けられている。ノズル20は、装置本体30から供給された液体(水)を吐出する部材である。ノズル20は、装置本体30に着脱自在に装着される基部21と、基部21から直線状に延設された直線部22と、直線部22の先端から屈曲するように延設された先端部23とを備えている。ノズル20には、液体の流路24が、基部21、直線部22及び先端部23を貫通するように形成されている。流路24のうち、先端部23に対応する部分には、他の部分よりも大きさの小さい縮小部25が設けられている。具体的には、縮小部25の軸方向視における断面積(開口面積)が、他の部分の軸方向視における断面積よりも小さく形成されている。このように流路24がベンチュリ構造を有しているので、縮小部25では流速が増大して圧力が下がる。液体の圧力が飽和蒸気圧まで減少すると、液体の一部が気体へと遷移するため、液体内に気泡が発生する。液体が縮小部25を通過すると、液体の圧力が徐々に回復する。液体の圧力が飽和蒸気圧以上の状態に戻ると、気泡が液体へと遷移する。このとき、気泡が破裂することにより、瞬間的に高い衝撃波が発生する。この衝撃波は、口腔内の汚れを落とすことに利用できる。すなわち、水流によって口腔内を洗浄するとともに、水流中に気泡を含ませることによって、気泡が破裂するときの衝撃波で口腔内の洗浄効果が更に高まる。 図1及び図2に示すように、装置本体30は、液体を貯留し、当該液体をノズル20に対して供給する部位である。具体的には、装置本体30は、外形がユーザにより把握可能な大きさの略円柱形状に形成されている。装置本体30の下部には、液体を貯留するためのタンク31が設けられている。装置本体30の背面には、タンク31に連通した図示しない注入口を開閉する蓋32が取り付けられている。ユーザは、蓋32を開いて、注入口に対して液体を注入することで、タンク31内に液体を貯留することができる。
装置本体30の正面には、電源ボタン33と、ノズル20から吐出される液体の圧力を調整するための調整ボタン34とが設けられている。電源ボタン33及び調整ボタン34は、図示しない制御部に電気的に接続されている。制御部は、例えばマイクロコンピュータであり、装置本体30に内蔵されている。また、装置本体30には、蓄電池35と、モータ36と、ポンプ40とが内蔵されている。電源ボタン33がオンされると、蓄電池35から制御部、モータ36に対して電力が供給され、電源ボタン33がオフされると蓄電池35からの各部に対する電力供給が停止される。調整ボタン34が操作されると、制御部は、調整ボタン34から入力された信号に基づいて、モータ36の出力を調整する。モータ36は、ポンプ40の駆動源であるため、モータ36の出力が調整されることで、ノズル20から吐出される液体の圧力を調整することができる。
ポンプ40は、タンク31内の液体をノズル20まで供給するポンプである。具体的には、ポンプ40は、ピストンポンプであり、フェースギア41と、コンロッド42と、ピストン43と、シリンダ44とを有している。フェースギア41は、モータ36の回転軸に取り付けられたピニオン37に噛み合っている。これによりフェースギア41は、モータ36が駆動することで回転したピニオン37により、回転する。コンロッド42は、フェースギア41に対して一体化されている。コンロッド42の回転中心は、フェースギア41の回転中心から偏心した位置に配置されている。これにより、コンロッド42は、フェースギア41の回転に伴って往復移動することになる。ピストン43は、コンロッド42の先端部に取り付けられている。ピストン43は、コンロッド42の往復移動に追従して、シリンダ44内を図2における上下方向に往復摺動する。具体的には、ピストン43が下死点から上死点に向かう際(以降、吐出時と称す場合もある。)には、シリンダ44の内圧が高くなり、ピストン43が上死点から下死点に向かう際(以降、吸い込み時と称す場合もある。)にはシリンダ44の内圧が低くなる。
装置本体30には、タンク31からノズル20まで液体を供給する供給路50が設けられている。供給路50の一部はシリンダ44から構成されている。また、供給路50は、シリンダ44からノズル20までを結ぶ第一供給路51と、タンク31からシリンダ44までを結ぶ第二供給路52とを備えている。第一供給路51には、流路モジュール60が組み込まれている。つまり、流路モジュール60は、シリンダ44よりも下流側に配置されている。
図4は、実施の形態1に係る流路モジュール60の概略構成を示す断面図である。図5は、実施の形態1に係る流路モジュール60の概略構成を模式的に示す断面図である。図4及び図5に示すように、流路モジュール60は、本体部61と、第一逆止弁81と、第二逆止弁91とを備えている。本体部61には、互いに並列に配置された第一流路71と、第二流路72とが設けられている。第一流路71と、第二流路72とは、それぞれ本体部61を上下方向に貫通している。これにより、第一供給路51の一部分は、第一流路71と第二流路72とによって分岐されている。本体部61は、シリンダ44と、ノズル20との間に配置されており、シリンダ44を構成する構造体47に対して嵌合している。本体部61の上端部及び下端部のそれぞれの外周部には、全周に渡って連続した溝部が形成されており、当該各溝部に対してオーリング48、49が取り付けられている。オーリング48、49が本体部61と構造体47との間に配置され、本体部61と構造体47のそれぞれに密着するために、本体部61と構造体47との間に液体が侵入することを防止している。つまり、液体は、第一流路71及び第二流路72の少なくとも一方を流れることになる。
第一流路71は、第一小径部711と、第一大径部712と、第一テーパ部713とを備えている。第一小径部711は、第一流路71においてノズル20側の部位であり、円筒状に形成されている。第一大径部712は、第一流路71においてシリンダ44側の部位であり、第一小径部711よりも内径の大きい円筒状に形成されている。第一テーパ部713は、第一流路71において第一小径部711と第一大径部712との間の部位であり、内周面がテーパ状に形成されている。
第二流路72は、第二小径部721と、第二大径部722と、第二テーパ部723とを備えている。第二小径部721は、第二流路72においてシリンダ44側の部位であり、円筒状に形成されている。第二大径部722は、第二流路72においてノズル20側の部位であり、第二小径部721よりも内径の大きい円筒状に形成されている。第二テーパ部723は、第二流路72において第二小径部721と第二大径部722との間の部位であり、内周面がテーパ状に形成されている。
第一逆止弁81は、第一流路71内に配置されており、第一流路71を開閉する第一弁の一例である。第一逆止弁81は、第一弁本体82と、第一保持部83と、第一バネ84とを備えている。第一弁本体82は、第一軸体821と、第一軸体821の先端部に設けられ、先細りとなる円錐状の第一錐体部822とを備えている。第一錐体部822の先端は、ノズル20側を向いている。第一錐体部822の基端部は、第一小径部711の内径よりも大きく、第一大径部712の内径よりも小さい外径となっている。また、第一錐体部822の先端部は、第一小径部711の内径よりも小さい。これらのことにより、第一錐体部822の外周面は、第一小径部711の内周面と第一テーパ部713の内周面との境界の全周に対して線接触で密着することができ、密着時には第一流路71を閉状態にする。
第一保持部83は、第一弁本体82を軸方向に往復移動自在に保持する部材である。具体的には、第一保持部83は、二重環状の部材であり、第一内周部831と、第一外周部832とが、放射状に配置された複数の連結部(図示省略:第三保持部113の連結部119参照)によって連結されている。第一内周部831内には、第一弁本体82の第一軸体821が収容されており、第一内周部831の内周面が、第一弁本体82の第一軸体821の往復移動を案内する。第一外周部832は、本体部61における第一流路71をなす部分に嵌め込まれている。これにより第一外周部832の内部空間が、第一流路71における第一大径部712の一部を構成する。
図6は、実施の形態1に係る第一バネ84の概略構成を示す斜視図である。なお、後述する第二バネ94及び第三バネ114についても、第一バネ84と概ね同様の構成である。
図6に示すように、第一バネ84は、コイルバネである。第一バネ84は、当該第一バネ84の一端部である第一座巻部841と、他端部である第二座巻部842と、第一座巻部841と第二座巻部842との間の中央巻部843とを備えている。第一座巻部841及び第二座巻部842は、それぞれバネ線材の間隔s1が当該バネ線材の直径d1よりも小さい。これにより、例えば組立時において、第一座巻部841及び第二座巻部842のそれぞれにおけるバネ線材の間隔s1に、他のコイルバネ(例えば他の第一バネ84、第二バネ94及び第三バネ114)のバネ線材が進入しにくくなる。
また、第一座巻部841及び第二座巻部842は、それぞれ長手方向に沿う幅H1が、中央巻部843でのバネ線材の間隔s2よりも大きい。これにより、例えば組立時において、中央巻部843におけるバネ線材の間隔s2内に、他のコイルバネの第一座巻部及び第二座巻部が進入しにくくなる。これらのことにより、コイルバネ同士の絡まりを抑制することができ、組立時の作業性を高めることができる。
第一バネ84は、図4及び図5に示すように、第一弁本体82の第一軸体821が挿通されている。第一バネ84の一端部は、第一弁本体82の第一錐体部822に当接しており、第一バネ84の他端部は、第一保持部83に当接している。つまり、第一バネ84は、第一錐体部822と第一保持部83との間に配置された状態で、第一錐体部822に対してノズル20側に向かう付勢力を付与している。
例えば、吐出時には、第一バネ84の付勢力によって第一錐体部822がノズル20側に移動する。これにより、第一錐体部822の外周面が、第一小径部711の内周面と第一テーパ部713の内周面との境界の全周に対して線接触で密着し、第一流路71を閉状態にする。一方、吸い込み時には、シリンダ44の内圧が低くなり、第一錐体部822が第一バネ84に抗いながらシリンダ44側に移動する。これにより、第一錐体部822が第一小径部711と第一テーパ部713との境界から離間し、第一流路71を開状態にする。
第二逆止弁91は、第二流路72内に配置されており、第二流路72を開閉する第二弁の一例である。第二逆止弁91は、第二弁本体92と、第二保持部93と、第二バネ94とを備えている。第二弁本体92は、第二軸体921と、第二軸体921の先端部に設けられ、先細りとなる円錐状の第二錐体部922とを備えている。第二錐体部922の先端は、シリンダ44側を向いている。第二錐体部922の基端部は、第二小径部721の内径よりも大きく、第二大径部722の内径よりも小さい外径となっている。また、第二錐体部922の先端部は、第二小径部721の内径よりも小さい。これらのことにより、第二錐体部922の外周面は、第二小径部721の内周面と第二テーパ部723の内周面との境界の全周に対して線接触で密着することができ、密着時には第二流路72を閉状態にする。
第二保持部93は、第二弁本体92を軸方向に往復移動自在に保持する部材である。具体的には、第二保持部93は、二重環状の部材であり、第二内周部931と、第二外周部932とが、放射状に配置された複数の連結部(図示省略:第三保持部113の連結部119参照)によって連結されている。第二内周部931内には、第二弁本体92の第二軸体921が収容されており、第二内周部931の内周面が、第二弁本体92の第二軸体921の往復移動を案内する。第二外周部932は、本体部61における第二流路72をなす部分に嵌め込まれている。これにより第二外周部932の内部空間が、第二流路72における第二大径部722の一部を構成する。
第二バネ94は、第二弁本体92の第二軸体921が挿通されている。第二バネ94の一端部は、第二弁本体92の第二錐体部922に当接しており、第二バネ94の他端部は、第二保持部93に当接している。つまり、第二バネ94は、第二錐体部922と第二保持部93との間に配置された状態で、第二錐体部922に対してシリンダ44側に向かう付勢力を付与している。
例えば、吸い込み時には、第二バネ94の付勢力によって第二錐体部922がシリンダ44側に移動する。これにより、第二錐体部922の外周面が、第二小径部721の内周面と第二テーパ部723の内周面との境界の全周に対して線接触で密着し、第二流路72を閉状態にする。一方、吐出時には、シリンダ44の内圧が高くなり、第二錐体部922が第二バネ94に抗いながらノズル20側に移動する。これにより、第二錐体部922が第二小径部721と第二テーパ部723との境界から離間し、第二流路72を開状態にする。
次に、第二供給路52について説明する。図2の(b)に示すように、第二供給路52は、シリンダ44に対して液体を案内する第三流路の一例である。第二供給路52におけるシリンダ44側の一端部は、構造体47により構成されており、第二供給路52における残りの部分は、構造体47に連結されたチューブ99(図2参照)によって構成されている。第二供給路52におけるシリンダ44側の一端部には、第三逆止弁111が設けられている。
図7は、実施の形態1に係る第三逆止弁111及びその周囲の構造の概略構成を模式的に示す断面図である。具体的には、図7は、図5におけるVII-VII線を含む切断面を見た断面図である。
図7に示すように、第二供給路52のシリンダ44側の一端部は、ピストン43の往復移動方向に直交する方向に沿って延設されている。図7においては、ピストン43が上死点にある状態を図示している。つまり、第二供給路52の一端部は、ピストン43が上死点に位置したとしても露出する位置に配置されている。
第二供給路52の一端部は、第三小径部521と、第三大径部522と、第三テーパ部523とを備えている。第三小径部521は、第二供給路52の一端部においてシリンダ44から離れた側の部位であり、円筒状に形成されている。第二供給路52において、第三小径部521よりもシリンダ44から遠い側の部分は、湾曲した後に上下方向に延設されて、タンク31に連通している。
第三大径部522は、第二供給路52の一端部においてシリンダ44側の部位であり、第三小径部521よりも内径の大きい円筒状に形成されている。第三テーパ部523は、第二供給路52の一端部において第三小径部521と第三大径部522との間の部位であり、内周面がテーパ状に形成されている。
第三逆止弁111は、第二供給路52の一端部内に配置されており、第二供給路52を開閉する逆止弁である。第三逆止弁111は、第三弁本体112と、第三保持部113と、第三バネ114とを備えている。第三弁本体112は、第三軸体115と、第三軸体115の先端部に設けられ、先細りとなる円錐状の第三錐体部116とを備えている。第三錐体部116の先端は、シリンダ44とは反対側を向いている。第三錐体部116の基端部は、第三小径部521の内径よりも大きく、第三大径部522の内径よりも小さい外径となっている。また、第三錐体部116の先端部は、第三小径部521の内径よりも小さい。これらのことにより、第三錐体部116の外周面は、第三小径部521の内周面と第三テーパ部523の内周面との境界の全周に対して線接触で密着することができ、密着時には第二供給路52を閉状態にする。
第三保持部113は、第三弁本体112を軸方向に往復移動自在に保持する部材である。具体的には、第三保持部113は、二重環状の部材であり、第三内周部117と、第三外周部118とが、放射状に配置された複数の連結部119によって連結されている。第三内周部117内には、第三弁本体112の第三軸体115が収容されており、第三内周部117の内周面が、第三弁本体112の第三軸体115の往復移動を案内する。第三外周部118は、構造体47における第二供給路52の一端部をなす部分に嵌め込まれている。これにより第三外周部118の内部空間が、第二供給路52における第三大径部522の一部を構成する。
第三バネ114は、第三弁本体112の第三軸体115が挿通されている。第三バネ114の一端部は、第三弁本体112の第三錐体部116に当接しており、第三バネ114の他端部は、第三保持部113に当接している。つまり、第三バネ114は、第三錐体部116と第三保持部113との間に配置された状態で、第三錐体部116に対してシリンダ44から離れる方向に向かう付勢力を付与している。
例えば、吐出時には、第三バネ114の付勢力によって第三錐体部116がシリンダ44から離れる方向に移動する。これにより、第三錐体部116の外周面が、第三小径部521の内周面と第三テーパ部523の内周面との境界の全周に対して線接触で密着し、第二供給路52を閉状態にする。一方、吸い込み時には、シリンダ44の内圧が低くなり、第三錐体部116が第三バネ114に抗いながらシリンダ44側に移動する。これにより、第三錐体部116が第三小径部521と第三テーパ部523との境界から離間し、第二供給路52を開状態にする。
ここで、ポンプ40の始動時においては、第二供給路52内には空気が残存しているので、吸い込み時には、シリンダ44内に第二供給路52よりも大きな負圧を確実に発生させて、タンク31から液体を吸い上げる必要がある。上述したように、吸い込み時には、第一流路71及び第二供給路52が開放されている。このとき、シリンダ44内が負圧となっているために、始動時であると、第二供給路52を介してタンク31から液体がシリンダ44内に供給されるとともに、ノズル20の流路24と第一供給路51とを介して第一流路71から空気がシリンダ44内に供給される。シリンダ44内には、液体を供給することが前提であり、第一流路71からの空気の供給量が多くなってしまうことは適切ではない。
このため、本実施の形態では、第一流路71における第一小径部711の断面積(軸方向視における断面積:開口面積)を、第二供給路52における第三小径部521の断面積よりも小さくすることで、第一流路71からの空気の供給量を抑制し、効率的に第二供給路52から液体を吸い上げるようにしている。
具体的には、第一小径部711の断面積は、第三小径部521の断面積の2.25%以上、49%以下の範囲に収められている。直径に換算すると、第一小径部711の直径は、第三小径部521の直径の15%以上、70%以下の範囲に収められている。第一小径部711の断面積が、第三小径部521の断面積の2.25%よりも小さい場合には、第一流路71からシリンダ44に対する空気の供給量が小さいために、ノズル20の縮小部25まで空気を引き込むことが困難である。一方、第一小径部711の断面積が、第三小径部521の断面積の49%よりも大きい場合には、第一流路71からシリンダ44に対する空気の供給量が大きいために、ポンプ40の始動時にタンク31からシリンダ44まで液体を吸い上げるまでかなりの時間を要することになる。上述した範囲に第一小径部711の断面積が収められているので、第一流路71からシリンダ44に対する空気の供給量を適切にしつつ、始動時にタンク31からシリンダ44まで高速に液体を吸い上げることが可能となっている。
また、第一小径部711の断面積が第三小径部521の断面積よりも小さい場合であっても、第一バネ84の弾性力が第三バネ114の弾性力よりも小さいと、吸い込み時に第一逆止弁81のみが開状態となって、第三逆止弁111は閉状態となりやすい。このため、第一小径部711の断面積が第三小径部521の断面積よりも小さい場合には、第一バネ84の弾性力を第三バネ114の弾性力に対して同等以上とすることで、吸い込み時に第一逆止弁81と第三逆止弁111との両者を確実に開状態とすることができる。
[動作]
次に、口腔洗浄装置10の動作について説明する。なお、ここではポンプ40が始動してから一定時間が経過し、ノズル20の先端部まで液体が満たされている場合を例示して説明する。図8は、実施の形態1に係る口腔洗浄装置10において、吸い込み時の各部の状態を示す説明図である。図9は、実施の形態1に係る口腔洗浄装置10において、吐出時の各部の状態を示す説明図である。図8の(a)及び図9の(a)は、ノズル20内の状態を示す断面図である。図8の(b)及び図9の(b)は、流路モジュール60内の状態を示す断面図である。図8の(c)及び図9の(c)は、第二供給路52の一端部内の状態を示す断面図である。なお、図8の(a)及び図9の(a)では、液体Lを図示し、残りの図では液体の図示を省略している。
まず、図8の(c)に示すように、吸い込み時には、シリンダ44の内圧が下がり、負圧となるため、第三逆止弁111が第二供給路52を開状態にする。これにより、シリンダ44内には、第二供給路52を介してタンク31から液体Lが供給される。
また、吸い込み時には、図8の(b)に示すように、流路モジュール60内では、第一逆止弁81が第一流路71を開状態にするとともに、第二逆止弁91が第二流路72を閉状態にする。このため、ノズル20の流路24内を満たしていた液体Lは、シリンダ44内の負圧によって、第一供給路51を介して第一流路71からシリンダ44内に引き込まれて逆流する。これにより、図8の(a)に示すように、ノズル20では、流路24の先端から縮小部25の下流側まで空気が引き込まれることになる。
次に、図9の(c)に示すように、吐出時には、シリンダ44の内圧が上がるため、第三逆止弁111が第二供給路52を閉状態にする。また、吐出時には、図9の(b)に示すように、流路モジュール60内では、第一逆止弁81が第一流路71を閉状態にするとともに、第二逆止弁91が第二流路72を開状態にする。このため、シリンダ44内の液体Lが圧縮されて、第二流路72から、第一供給路51を介してノズル20の流路24内に勢いよく流れ込み、ノズル20の先端から吐出される。前述したように、縮小部25の下流まで空気が引き込まれているために、引き込まれた当該空気は、勢いのある液体Lによって取り込まれ、液体L内には多数の気泡Bが発生する。また、縮小部25では、液体Lの流速が増大して圧力が下がる。液体Lの圧力が飽和蒸気圧まで減少すると、液体Lの一部が気体へと遷移するため、液体L内に気泡Bが発生する。このように、液体L内には、縮小部25を起因とした気泡Bと、すでにノズル20内に取り込まれていた空気を起因とした気泡Bとが発生することになる。液体Lは、ノズル20の先端から吐出され、口腔内に至ることにより、その水流で口腔内を洗浄する。このとき、気泡Bが弾けることで衝撃波が生じ、この衝撃波も口腔内の汚れを落とすことにより、総合的な洗浄効果がより高まる。
[比較例]
次に比較例について説明する。比較例においても、ポンプ40が始動してから一定時間が経過し、ノズル20の先端部まで液体が満たされている場合を例示して説明する。図10は、比較例に係る口腔洗浄装置において、吸い込み時の各部の状態を示す説明図である。図11は、比較例に係る口腔洗浄装置において、吐出時の各部の状態を示す説明図である。図10の(a)及び図11の(a)は、ノズル20内の状態を示す断面図である。図10の(b)及び図11の(b)は、流路モジュール60a内の状態を示す断面図である。図10の(c)及び図11の(c)は、第二供給路52の一端部内の状態を示す断面図である。なお、図10の(a)及び図11の(a)では、液体Lを図示し、残りの図では液体の図示を省略している。
なお、比較例に係る口腔洗浄装置は、流路モジュール60aに第一流路71及び第一逆止弁81がない点で、実施の形態1に係る口腔洗浄装置10とは異なる。他の部分については、実施の形態1に係る口腔洗浄装置10とは同等である。このため、比較例では、実施の形態1に係る口腔洗浄装置10と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
まず、図10の(c)に示すように、吸い込み時には、シリンダ44の内圧が下がり、負圧となるため、第三逆止弁111が第二供給路52を開状態にする。これにより、シリンダ44内には、第二供給路52を介してタンク31から液体Lが供給される。また、ピストン43が吸い込み時には、図8の(b)に示すように、流路モジュール60a内では、第二逆止弁91が第二流路72を閉状態にする。つまり、図8の(a)に示すように、ノズル20では、流路24が液体Lで満たされた状態となっている。
次に、図11の(c)に示すように、吐出時には、シリンダ44の内圧が上がるため、第三逆止弁111が第二供給路52を閉状態にする。また、吐出時には、図11の(b)に示すように、流路モジュール60a内では、第二逆止弁91が第二流路72を開状態にする。このため、シリンダ44内の液体Lが圧縮されて、第二流路72から第一供給路51を介してノズル20の流路24内に勢いよく流れ込み、ノズル20の先端から吐出される。液体Lは、縮小部25を通過際には、液体Lの流速が増大して圧力が下がる。液体Lの圧力が飽和蒸気圧まで減少すると、液体Lの一部が気体へと遷移するため、液体L内に気泡Bが発生する。しかし、ノズル20の流路24内には空気が引き込まれていないために、気泡Bの発生量は、実施の形態1に係る口腔洗浄装置10と比べても少ない。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る口腔洗浄装置10は、ノズル20と、ノズル20に対して液体Lを供給するポンプ40とを備え、ノズル20は、流路24の途中が他の部分よりも大きさの小さい縮小部25を有し、ノズル20とポンプ40との間には、並列に配置された第一流路71及び第二流路72とが設けられており、第一流路71は、ポンプ40の吸い込み時にのみ当該第一流路71を開状態とする第一逆止弁81(第一弁)を有し、第二流路72は、ポンプ40の吐出時にのみ当該第二流路72を開状態とする第二逆止弁91(第二弁)を有している。
これによれば、ポンプ40の吸い込み時には、第一逆止弁81によって第一流路71が開状態となっているので、ノズル20の先端から縮小部25の下流側まで空気を吸い込むことができる。その後、ポンプ40の吐出時には、第一逆止弁81が第一流路71を閉状態とし、第二逆止弁91が第二流路72を開状態とするので、ポンプ40からノズル20の流路24内に液体Lが勢いよく流れ込み、ノズル20の先端から液体Lが吐出される。吐出の直前には、縮小部25の下流まで空気が引き込まれているために、当該空気は、勢いのある液体Lによって取り込まれ、液体L内には多数の気泡Bが発生する。また、縮小部25では、液体Lの流速が増大して圧力が下がる。液体Lの圧力が飽和蒸気圧まで減少すると、液体Lの一部が気体へと遷移するため、液体L内に気泡Bが発生する。このように、液体L内には、縮小部25を起因とした気泡Bと、すでにノズル20内に取り込まれていた空気を起因とした気泡Bとが発生することになる。液体Lがノズル20の先端から吐出されると、多くの気泡Bが弾けることで衝撃波の発生も多くなる。この衝撃波が口腔内に伝わることで、口腔内の汚れを落としやすくなる。このように、本実施の形態に係る口腔洗浄装置10では、より多くの気泡Bを含有した液体Lを吐出することができ、洗浄性を向上させることができる。
また、第一弁及び第二弁は互いに逆方向の逆止弁である。
これによれば、第一弁が第一逆止弁81であり、第二弁が第二逆止弁91であるので、電気的な制御を行わなくてもポンプ40の駆動によって、第一逆止弁81及び第二逆止弁91を異なるタイミングで開閉することができる。
また、第一流路71、第一逆止弁81、第二流路72及び第二逆止弁91は、モジュール化されている。
これによれば、第一流路71、第一逆止弁81、第二流路72及び第二逆止弁91がモジュール化されて流路モジュール60として形成されているので、製造時においては、単に流路モジュール60を構造体47に対して組み付けるだけでよい。したがって、組立時またはメンテナンス時の作業性を高めることができる。
また、流路モジュール60には、オーリング48、49などの水密構造が設けられているので、構造体47と流路モジュール60との水密性も容易に確保することができる。
また、口腔洗浄装置10は、ポンプ40のシリンダ44に対して液体Lを案内する第二供給路52(第三流路)と、第二供給路52に対して設けられ、ポンプ40の吸い込み時にのみ当該第二供給路52を開状態とする第三逆止弁111(第三弁)とを有し、第一流路71の断面積は、第二供給路52の断面積よりも小さい。
これによれば、第一流路71の断面積が、第二供給路52の断面積よりも小さいので、ポンプ40の始動時にタンク31からシリンダ44まで確実に液体Lを吸い上げることができる。
また、第一流路71の断面積は、第二供給路52の断面積の2.25%以上49%以下である。
これによれば、第一流路71の断面積が第二供給路52の断面積の2.25%以上49%以下であるので、第一流路71からシリンダ44に対する空気の供給量を適切にしつつ、始動時にタンク31からシリンダ44まで高速に液体を吸い上げることができる。
また、第一逆止弁81に備わる第一バネ84の弾性力は、第三逆止弁111に備わる第三バネ114の弾性力に対して同等以上である。
これによれば、第一流路71の断面積が第二供給路52の断面積よりも小さい場合には、第一バネ84の弾性力を第三バネ114の弾性力に対して同等以上としている。このため、吸い込み時に第一逆止弁81と第三逆止弁111との両者を確実に開状態とすることができる。また、第一バネ84と第三バネ114として同じ弾性力のコイルバネを採用することもでき、部品共通化も可能である。
[実施の形態2]
実施の形態1では、第一逆止弁81、第二逆止弁91及び第三逆止弁111の全てにおいて、弁本体(第一弁本体82、第二弁本体92及び第三弁本体112)が開閉対象(第一流路71、第二流路72及び第二供給路52)の内周面に対して線接触する場合を例示した。実施の形態2では、第一逆止弁81、第二逆止弁91及び第三逆止弁111と、それぞれの開閉対象とに対する接触面積を調整した口腔洗浄装置について説明する。なお、以降の説明において、上記実施の形態1と同一の部分においては、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図12は、実施の形態2に係る流路モジュール60bの概略構成を模式的に示す断面図である。具体的には図12は図5に対応する図である。図12に示すように、第一逆止弁81及び第二逆止弁91は上記実施の形態1と同様であるが、第一流路71b及び第二流路72bが上記実施の形態1と異なる。
具体的には、第一流路71bの第一小径部711bは、実施の形態1に係る第一小径部711よりも内径が小さく形成されている。また、第一流路71bの第一テーパ部713bは、第一逆止弁81の第一錐体部822と略同等のテーパ角に形成されている。このため、第一逆止弁81が閉状態である場合には、第一錐体部822が第一テーパ部713bの内周面に対して面接触する。ここで、「略同等」には、完全に一致することだけでなく、数%程度の誤差も含むものとする。数%程度の誤差があったとしても、第一錐体部822は、第一バネ84によって第一テーパ部713bの内周面に押し付けられるために、第一テーパ部713bの内周面の全体に対して面接触することになる。本開示において用いられる「略同等」はいずれも同様である。
第二流路72bの第二テーパ部723bは、内周面が二段式のテーパ状に形成されている。第二テーパ部723bは、第二小径部721に連続する第一段部7231と、第二大径部722に連続する第二段部7232とを有している。第一段部7231と、第二段部7232とは連続しており、第一段部7231の方が第二段部7232よりも内径が小さい。また、第一段部7231及び第二段部7232は、それぞれテーパ状に形成されている。第二テーパ部723bにおいて小径側である第一段部7231は、そのテーパ角が、大径側である第二段部7232のテーパ角よりも小さい。
第二逆止弁91が閉状態である場合には、第二錐体部922が第一段部7231の内周面に対して接触する。このため、第一段部7231のテーパ角は、第二錐体部922のテーパ角と略同等に設定されている。数%程度の誤差があったとしても、第二錐体部922は、第二バネ94によって第一段部7231の内周面に押し付けられるために、第一段部7231の内周面の全体に対して面接触することになる。第二逆止弁91における第二流路72の内周面に対する第二接触面積は、第一逆止弁81における第一流路71bの内周面に対する第一接触面積よりも小さくなるように設定されている。
図13は、実施の形態2に係る第三逆止弁111及びその周囲の構造の概略構成を模式的に示す断面図である。具体的には、図13は図7に対応する図である。図13に示すように、第三逆止弁111は上記実施の形態1と同様であるが、第二供給路52bの一端部が上記実施の形態1と異なる。
具体的には、第二供給路52bの第三小径部521bは、実施の形態1に係る第三小径部521よりも内径が小さく形成されている。この場合においても、液体Lを効率的に吸い上げるために、第三小径部521bの断面積を、第一流路71bにおける第一小径部711bの断面積よりも大きくすることが好ましい。
また、第二供給路52bの第三テーパ部523bは、第一流路71bの第一テーパ部713bと略同等のテーパ角に設定されている。さらに第二供給路52bの第三テーパ部523bは、そのテーパ角が第三錐体部116のテーパ角と略同等に設定されている。つまり、第三錐体部115と第一錐体部822とは略同等のテーパ角となる。このため、第一弁本体82と、第三弁本体112とを共通化することが可能である。なお、第二弁本体92も第一弁本体82及び第三弁本体112と共通化することも可能である。
第三錐体部116は、第三バネ114によって第三テーパ部523bの内周面に押し付けられて、当該内周面に対して面接触することになる。この第三逆止弁111における第二供給路52の内周面に対する第三接触面積は、第二接触面積よりも大きく設定されている。
ここで、液体Lの吐出の安定性を高めるうえでは、第一逆止弁81、第二逆止弁91及び第三逆止弁111と、それぞれの開閉対象とに対する接触面積(第一接触面積、第二接触面積及び第三接触面積)を適切に設定することが望ましい。
第一逆止弁81では、シール性が不安定であると、吐出時の液体は、開状態の第二流路72だけでなく閉状態の第一流路71bにも不規則に流れてしまい、全体として液体の流れが不安定となり、吐出圧力も不安定となる。このため、第一逆止弁81では、高いシール性が求められる。ここで、シール性を高くすると、その分、固着する可能性も高くなってしまう。例えば、第一逆止弁81が固着により動作しなくても液体はポンプ40内に引き込まれ第二逆止弁91から吐水されるので、ポンプ40や第一流路71b、第二流路72b内には問題なく液体が循環する。液体の循環により第一逆止弁81の固着は剥がれるので、第一逆止弁81が固着したとしても、結果的には問題にならない。
また、第三逆止弁111では、吐出時にシリンダ44内を高圧にするためには、第三逆止弁111を第二供給路52の内周面に対して確実に密着させる必要があり、やはり、シール性を高くしておく方が望ましい。ここで、シール性を高くすると、その分、第三逆止弁111においても固着する可能性が高くなってしまう。しかしながら上記実施の形態1と同様、供給路52bにおける第三小径部521bの断面積(軸方向視における断面積:開口面積)を、第一流路71bにおける第一小径部711bの断面積よりも大きくすることにより、第三逆止弁111の接触面積を、第一逆止弁81の接触面積よりも小さくしている。これにより、第三逆止弁111における固着の可能性は、第一逆止弁81ほど高くない。
また、第二逆止弁91は、固着してしまうと、ポンプ40内の空気を放出できなくなる。その結果、タンク31内の液体をポンプ40内に吸い上げられず、吐水を開始できなくなるため、固着させないことが重要となる。そこで、第二逆止弁91の接触面積は、第一逆止弁81及び第三逆止弁111よりも小さくして固着可能性を下げつつ、必要なシール性が確保されるように設定している。このため、本実施の形態2では、各逆止弁の要求される性能に基づいて各接触面積が設定されている。具体的には、上述したように、第一接触面積>第三接触面積>第二接触面積という関係性が満たされている。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る口腔洗浄装置は、ノズル20と、ノズル20に対して液体Lを供給するポンプ40とを備え、ノズル20は、流路24の途中が他の部分よりも大きさの小さい縮小部25を有し、ノズル20とポンプ40との間には、並列に配置された第一流路71b及び第二流路72bとが設けられており、第一流路71bは、ポンプ40の吸い込み時にのみ当該第一流路71bを開状態とする第一逆止弁81を有し、第二流路72bは、第一逆止弁81とは逆方向に動作し、ポンプ40の吐出時にのみ当該第二流路72bを開状態とする第二逆止弁91を有し、第一逆止弁81における第一流路71bの内周面に対する第一接触面積は、第二逆止弁91における第二流路72bの内周面に対する第二接触面積よりも大きい。
これによれば、第一逆止弁81における第一接触面積が、第二逆止弁91における第二接触面積よりも大きいので、第二逆止弁91よりも高いシール性を第一逆止弁81で発揮することができる。これにより、吐出時における液体の流れの安定性及び吐出圧力の安定性を確保することができる。したがって、より多くの気泡を含有した液体Lを安定して吐出することができ、洗浄性を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る口腔洗浄装置は、ポンプ40のシリンダ44に対して液体Lを案内する第二供給路52(第三流路)と、第二供給路52に対して設けられ、ポンプ40の吸い込み時にのみ当該第二供給路52を開状態とする第三逆止弁111とを有し、第三逆止弁111における第二供給路52の内周面に対する第三接触面積は、第二接触面積よりも大きい。
これによれば、第三逆止弁111における第三接触面積が、第二逆止弁91における第二接触面積よりも大きいので、第二逆止弁91よりも高いシール性を第三逆止弁111で発揮することができる。これにより、吐出時において、第三逆止弁111が確実に第二供給路52の内周面に密着させることができ、シリンダ44内を高圧にすることができる。したがって、より安定して液体Lを吐出することができる。
また、第一逆止弁81は、第一流路71bを開閉する円錐状の第一錐体部822を有し、第一流路71bは、テーパ状に形成された第一テーパ部713bを有し、第一錐体部822は、第一テーパ部713bにおける小径側の内周面に対して面接触している。
これによれば、第一逆止弁81に設けられた第一錐体部822が、第一テーパ部713bの小径側の内周面に対して面接触しているので、簡単な構成で面接触を実現することができる。
また、第二逆止弁91は、第二流路72bを開閉する円錐状の第二錐体部922を有し、第二流路72bは、二段式のテーパ状であって、大径側のテーパ角が大きく、小径側のテーパ角が小さいテーパ状に形成された第二テーパ部723bを有し、第二錐体部922は、第二テーパ部723bにおける小径側の内周面に対して面接触している。
これによれば、第二逆止弁91に設けられた第二錐体部922が、第二テーパ部723bにおける小径側の内周面に対して面接触しているので、簡単な構成で面接触を実現することができる。
また、第三逆止弁111は、第二供給路52bを開閉する円錐状の第三錐体部116を有し、第二供給路52bは、テーパ状に形成された第三テーパ部523bを有し、第三錐体部116は、第三テーパ部523bの内周面に対して面接触している。
これによれば、第三逆止弁111に設けられた第三錐体部116が、第三テーパ部523bの内周面に対して面接触しているので、簡単な構成で面接触を実現することができる。
また、第一テーパ部713b、第三テーパ部523b、第一錐体部822及び第三錐体部115のそれぞれは同じテーパ角であり、第一テーパ部713bの小径側の端部の断面積は、第三テーパ部723bの小径側の端部の断面積よりも小さい。
これによれば、簡単な構成で第一接触面積と第三接触面積とに差をつけることができる。
また、上記した構成は、開閉対象の内周面の形状を調整することで、第一接触面積、第二接触面積及び第三接触面積を調整している。つまり、第一弁本体82、第二弁本体92及び第三弁本体112は、同一部品であっても各接触面積の関係性を満たすことができる。つまり、第一弁本体82、第二弁本体92及び第三弁本体112を共通化することができ、製造コストを抑制することが可能である。
[実施の形態3]
上記実施の形態1では、第一流路71の断面積が第二供給路52の断面積よりも小さい場合を例示して説明した。しかしながら、第一流路の断面積が、第二供給路の断面積の同等以上であってもよい。この場合、なんの対策も取らないと、第一流路からシリンダに対する空気の供給量が多いため、タンク内の液体をシリンダに吸い上げることは困難である。この対策として、第一逆止弁に備わる第一バネの弾性力を、第三逆止弁に備わる第三バネの弾性力よりも大きくすればよい。第一バネの弾性力が第三バネよりも大きいと、ポンプの吸い込み時において、第一逆止弁の方が第三逆止弁よりも遅いタイミングで開状態に切り替わる。これにより、第一流路からのシリンダに対する空気の供給量を、第二供給路からのシリンダに対する液体Lの供給量よりも下げることができ、タンク内の液体を確実にシリンダ内に吸い上げることが可能となる。
[その他]
以上、本発明に係る口腔洗浄装置について、上記各実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態1では、ポンプとしてピストンポンプを例示した。しかしながら、ポンプは、例えば、ダイヤフラムポンプや、プランジャーポンプなどの往復ポンプであればよい。
また、上記実施の形態1では、口腔洗浄装置10としてハンディタイプの口腔洗浄装置を例示したが、据え置きタイプの口腔洗浄装置であってもよい。
また、上記実施の形態1では、第一弁、第二弁、第三弁のいずれもが、錐体部を備えた逆止弁である場合を例示した。しかしながら、逆流を防ぐ機能を有しているのであれば、逆止弁の構造は如何様でもよい。例えば、板状の蓋体が開閉する逆止弁などが挙げられる。また、例えば、ゴムやエラストマーなどの、コイルバネ以外の弾性体で弁本体に対して付勢力を付与してもよい。また、逆止弁の構造に応じて、第一流路、第二流路及び第三流路の形状も適宜変更すればよい。このため、第一流路、第二流路及び第三流路の断面形状(開口形状)は円形に限らない。
また、上記実施の形態1では、第一弁、第二弁、第三弁のいずれもが逆止弁である場合を例示した。しかしながら、第一弁、第二弁、第三弁は、電磁弁であってもよい。電磁弁である場合には、制御部で第一弁、第二弁、第三弁のそれぞれの開閉のタイミングを制御することで、ポンプの吸い込み時にのみ第一弁及び第三弁を開状態とし、吐出時にのみ第二弁を開状態とすることが可能である。また、第一弁、第二弁、第三弁は、少なくとも一つが逆止弁であって、残りが電磁弁であってもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。